JP2005015721A - 塗料用組成物 - Google Patents

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Kenji Okada
賢治 岡田
Yoshiki Nakagawa
佳樹 中川
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Abstract

【課題】分子量分布が狭く低粘度で、分子中に高い比率で(メタ)アクリロイル基を有するビニル系重合体を用いることにより、柔軟性、耐熱性、耐侯性を兼ね備えた塗料用組成物を提供する。
【解決手段】(メタ)アクリロイル系基を1分子あたり少なくとも1個、分子中に有するビニル系重合体[重合体(I)]を、組成物全体の1〜80重量%含有することを特徴とする塗料用組成物。当該重合体(I)は、(メタ)アクリル系重合体であることが好ましく、アクリル酸エステル系重合体であることがより好ましい。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は塗料用組成物に関する。さらに詳しくは、(メタ)アクリロイル系基を有するビニル系重合体と重合開始剤を含有し、硬化した塗膜が柔軟性、耐侯性、耐熱性を兼ね備えている塗料用組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
建物、建材、構造物、自動車部品、電気機器、精密機械等に塗布されるコーティング剤、塗料には、基材に概観上の美麗さを付与するだけではなく、柔軟性、耐侯性、耐熱性等が求められている。また、紫外線、電子線等を照射することによって硬化するエネルギー線硬化型のコーティング剤による、金属やプラスチックの表面保護層が、省エネルギー、作業性向上、生産性向上等の付加価値と合わせて実用化されてきたが、上記のような物性のバランスが取りづらい場合が少なくない。特に、耐摩耗性を満足させるために多官能アクリレート化合物の官能基数を大きくしたり、該化合物の含有量を多くした場合には、基材と塗膜の界面での歪により、塗膜の剥がれや反りが発生しやすい傾向にあり、柔軟性が要求されてきた。そこで、多官能アクリレート化合物として、耐磨耗性に優れ、かつ、比較的塗膜のワレが生じにくく、設計の自由度が大きいウレタンアクリレートが広く検討されてきた。これはウレタンアクリレートが有するウレタン結合の靭性に起因する(例えば、特許文献1〜3)。しかし、柔軟性を付与するためには分子量を高くして架橋点間分子量を大きくする必要があるが、粘度が高くなる課題があり、溶剤等を多量に必要とする場合がある。また溶剤量を低減できるウレタンアクリレートの検討(例えば、特許文献4)や、長期間の間に黄変を防止する検討(例えば、特許文献5)が行われているが、ウレタンアクリレートの構造に起因する耐熱性、耐侯性の低さを満足させることは容易ではない。
また、紫外線、電子線硬化においても、耐熱性、耐侯性にすぐれるアクリル樹脂を含むものも検討されているが(例えば、特許文献6)、(メタ)アクリロイル系基を高い比率で有し、硬化性が良く、分子量分布が狭くて粘度を低減させたものは例がない。
【0003】
【特許文献1】
特開昭50−37728号公報
【特許文献2】
特公昭54−22238号公報
【特許文献3】
特公昭57−34853号公報
【特許文献4】
特開平11−279486号公報
【特許文献5】
特開平5−117547号公報
【特許文献6】
特開2001−59005号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記に鑑み、分子中に(メタ)アクリロイル系基を高い比率で有するビニル系重合体を主成分とする、低粘度である塗料用組成物、及び、それからなる塗料を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、以下の構成からなる新規な塗料用組成物及び塗料を提供するものであり、これにより上記課題が解決される。
すなわち、本発明は、
1)一般式(1)
−OC(O)C(R)=CH (1)
(式中、Rは水素原子、又は、炭素数1〜20の有機基を表す。)
で表される基[以下、(メタ)アクリロイル系基という]を1分子あたり少なくとも1個、分子中に有するビニル系重合体[以下、重合体(I)という]を、組成物全体の1〜80重量%含有することを特徴とする塗料用組成物、
2)重合体(I)が、(メタ)アクリロイル系基を分子末端に少なくとも1個有するものである上記塗料用組成物、
3)(メタ)アクリロイル系基のRが、水素原子又はメチル基である上記塗料用組成物、
4)重合体(I)が、以下の工程:
末端にハロゲン基を有するビニル系重合体に、一般式(2)
+−OC(O)C(R)=CH (2)
(式中、Rは水素原子、又は、炭素数1〜20の有機基を表す。Mはアルカリ金属イオン、又は4級アンモニウムイオンを表す。)
で示される化合物と反応させること;
により製造されるものである上記塗料用組成物、
5)重合体(I)が、以下の工程:
末端に水酸基を有するビニル系重合体に、一般式(4)
C(O)C(R)=CH (4)
(式中、Rは水素原子、又は、炭素数1〜20の有機基を表す。Xは塩素、臭素、又は水酸基を表す。)
で示される化合物を反応させること;
により製造されるものである上記塗料用組成物、
6)重合体(I)が、以下の工程:
(1)末端に水酸基を有するビニル系重合体に、ジイソシアネート化合物を反応させ、
(2)残存イソシアネート基と一般式(5)
HO−R’−OC(O)C(R)=CH (5)
(式中、Rは水素原子、又は、炭素数1〜20の有機基を表す。R’は炭素数2〜20の2価の有機基を表す。)
で示される化合物と反応させること;
により製造されるものである上記塗料用組成物、
7)重合体(I)の主鎖が、ビニル系モノマーのリビングラジカル重合により製造されるものである上記塗料用組成物、
8)重合体(I)の主鎖が、連鎖移動剤を用いたビニル系モノマーの重合により製造されるものである上記塗料用組成物、
9)重合体(I)の数平均分子量が3000以上である上記塗料用組成物、
10)重合体(I)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定した重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)の値が1.8未満のものである上記塗料用組成物、に関する。
【0006】
また、本発明は、
11)さらにラジカル重合性の基を持つモノマー及び/又はオリゴマーを含有しても良い上記塗料用組成物、
12)ウレタンアクリレートを含有しても良い上記塗料用組成物、
13)さらに有機溶剤を含有しても良い上記塗料用組成物、
14)さらに光重合開始剤又は熱重合開始剤を含有しても良い上記塗料用組成物、に関する。
さらに、本発明は、
15)上記塗料用組成物を含有してなる塗料、
16)上記塗料を硬化させることにより得られる塗膜、
17)上記塗料を、活性エネルギー線照射又は熱により硬化させて得られる塗膜、に関する。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の塗料用組成物は、一般式(1):
−OC(O)C(R)=CH (1)
(式中、Rは水素原子、又は、炭素数1〜20の有機基を表す。)
で表される基[以下、(メタ)アクリロイル系基という]を1分子あたり少なくとも1個、分子中に有するビニル系重合体[以下、重合体(I)という]を、組成物全体の1〜80重量%含有するものである。
【0008】
<重合体(I)について>
本発明の重合体(I)における(メタ)アクリロイル系基の数は、1分子あたり少なくとも1個であり、より好ましくは1.2〜4個である。重合体(I)同士が架橋するという観点から、1分子あたり1個未満であると硬化性が悪くなる。また、(メタ)アクリロイル系基は、分子の側鎖及び/又は末端のいずれに存在していても構わないが、ゴム弾性、柔軟性の点からは、分子の末端に存在することが好ましい。
【0009】
(メタ)アクリロイル系基のRは、水素原子、又は、炭素数1〜20の有機基を表し、好ましくは水素原子、又は、炭素数1〜20の炭化水素基である。また、炭素数1〜20の炭化水素基としては、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基、ニトリル基等が挙げられ、これらは水酸基等の置換基を有していてもよい。炭素数1〜20のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基等が挙げられる。炭素数6〜20のアリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。炭素数7〜20のアラルキル基としては、例えば、ベンジル基、フェニルエチル基等が挙げられる。
の具体例としては特に限定されず、例えば、−H、−CH、−CHCH、−(CHCH(nは2〜19の整数を表す)、−C、−CHOH、−CN等が挙げられ、好ましくは−H、−CHである。
【0010】
重合体(I)の主鎖を構成するビニル系モノマーとしては特に限定されず、各種のものを用いることができる。例示するならば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸−n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸−n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸−tert−ブチル、(メタ)アクリル酸−n−ペンチル、(メタ)アクリル酸−n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸−n−ヘプチル、(メタ)アクリル酸−n−オクチル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸トルイル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸−2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸−3−メトキシブチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸2−アミノエチル、γ−(メタクリロイルオキシプロピル)トリメトキシシラン、(メタ)アクリル酸のエチレンオキサイド付加物、(メタ)アクリル酸トリフルオロメチルメチル、(メタ)アクリル酸2−トリフルオロメチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロエチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロエチル−2−パーフルオロブチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロエチル、(メタ)アクリル酸パーフルオロメチル、(メタ)アクリル酸ジパーフルオロメチルメチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロメチル−2−パーフルオロエチルメチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロヘキシルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロデシルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロヘキサデシルエチル等の(メタ)アクリル系モノマー;スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、クロルスチレン、スチレンスルホン酸及びその塩等の芳香族ビニル系モノマー;パーフルオロエチレン、パーフルオロプロピレン、フッ化ビニリデン等のフッ素含有ビニルモノマー;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等のケイ素含有ビニル系モノマー;無水マレイン酸、マレイン酸、マレイン酸のモノアルキルエステル及びジアルキルエステル;フマル酸、フマル酸のモノアルキルエステル及びジアルキルエステル;マレイミド、メチルマレイミド、エチルマレイミド、プロピルマレイミド、ブチルマレイミド、ヘキシルマレイミド、オクチルマレイミド、ドデシルマレイミド、ステアリルマレイミド、フェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミド等のマレイミド系モノマー;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のニトリル基含有ビニル系モノマー;アクリルアミド、メタクリルアミド等のアミド基含有ビニル系モノマー;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、安息香酸ビニル、桂皮酸ビニル等のビニルエステル類;エチレン、プロピレン等のアルケン類;ブタジエン、イソプレン等の共役ジエン類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、塩化アリル、アリルアルコール等が挙げられる。これらは、単独で用いても良いし、複数を共重合させても構わない。なかでも、生成物の物性等から、芳香族ビニル系モノマー及び(メタ)アクリル系モノマーが好ましい。より好ましくは、アクリル酸エステルモノマー及びメタクリル酸エステルモノマーであり、さらに好ましくは、アクリル酸ブチルである。
本発明においては、これらの好ましいモノマーを他の上記モノマーと共重合させても良く、その際は、重合体(I)において、これらの好ましいモノマーが重量比で40%以上含まれていることが好ましい。
【0011】
重合体(I)の分子量分布[ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比]は、特に限定されないが、好ましくは1.8未満であり、より好ましくは1.7以下であり、さらに好ましくは1.6以下であり、特に好ましくは1.5以下であり、特別に好ましくは1.4以下であり、最も好ましくは1.3以下である。なお、本発明におけるGPC測定の際には、通常は、クロロホルム又はテトラヒドロフラン等を移動相として、ポリスチレンゲルカラム等を使用し、分子量の値はポリスチレン換算値等で求めている。
【0012】
重合体(I)の数平均分子量は、下限は、好ましくは500、より好ましくは3000であり、上限は、好ましくは100000、より好ましくは40000である。分子量が500未満であると、ビニル系重合体の本来の特性が発現されにくくなる傾向があり、また、100000を超えると、ハンドリングが困難になり易い傾向がある。
【0013】
<重合体(I)の製法について>
重合体(I)の製法については特に限定されない。ビニル系重合体は一般に、アニオン重合あるいはラジカル重合によって製造されるが、モノマーの汎用性、あるいは制御の容易さからラジカル重合が好ましい。ラジカル重合の中でも、リビングラジカル重合、あるいは、連鎖移動剤を用いたラジカル重合によって製造されるのが好ましく、特に前者が好ましい。
重合体(I)を合成する方法において用いられるラジカル重合法は、重合開始剤としてアゾ系化合物、過酸化物等を用いて、特定の官能基を有するモノマーとビニル系モノマーとを単に共重合させる「一般的なラジカル重合法」と、末端等の制御された位置に特定の官能基を導入することが可能な「制御ラジカル重合法」に分類できる。
【0014】
「一般的なラジカル重合法」は簡便な方法であるが、この方法では特定の官能基を有するモノマーは確率的にしか重合体中に導入されないので、官能化率の高い重合体を得ようとした場合には、このモノマーをかなり大量に使う必要があり、逆に少量使用ではこの特定の官能基が導入されない重合体の割合が大きくなるという問題点がある。またフリーラジカル重合であるため、分子量分布が広く粘度の高い重合体しか得られないという問題点もある。
「制御ラジカル重合法」は、さらに、特定の官能基を有する連鎖移動剤を用いて重合をおこなうことにより末端に官能基を有するビニル系重合体が得られる「連鎖移動剤法」と、重合生長末端が停止反応等を起こさずに生長することによりほぼ設計どおりの分子量の重合体が得られる「リビングラジカル重合法」とに分類することができる。
「連鎖移動剤法」は、官能化率の高い重合体を得ることが可能であるが、開始剤に対してかなり大量の特定の官能基を有する連鎖移動剤が必要であり、処理も含めて経済面で問題がある。また上記の「一般的なラジカル重合法」と同様、フリーラジカル重合であるため分子量分布が広く、粘度の高い重合体しか得られないという問題点もある。
【0015】
これらの重合法とは異なり、「リビングラジカル重合法」は、重合速度が高く、ラジカル同士のカップリング等による停止反応が起こりやすいため制御が難しいとされるラジカル重合でありながら、停止反応が起こりにくく、分子量分布の狭い(Mw/Mnが1.1〜1.5程度)重合体が得られるとともに、モノマーと開始剤の仕込み比によって分子量を自由にコントロールすることができる。
従って「リビングラジカル重合法」は、分子量分布が狭く、粘度が低い重合体を得ることができる上に、特定の官能基を有するモノマーを重合体のほぼ任意の位置に導入することができるため、上記特定の官能基を有するビニル系重合体の製造方法としてはより好ましいものである。
なお、リビング重合とは狭義においては、末端が常に活性を持ち続けて分子鎖が生長していく重合のことをいうが、一般には、末端が不活性化されたものと活性化されたものが平衡状態にありながら生長していく擬リビング重合も含まれる。本発明における定義も後者である。
【0016】
「リビングラジカル重合法」は近年様々なグループで積極的に研究がなされている。その例としては、たとえばジャーナル・オブ・アメリカン・ケミカルソサエティー(J.Am.Chem.Soc.)、1994年、116巻、7943頁に示されるようなコバルトポルフィリン錯体を用いるもの、マクロモレキュールズ(Macromolecules)、1994年、27巻、7228頁に示されるようなニトロキシド化合物等のラジカル捕捉剤を用いるもの、有機ハロゲン化物等を開始剤とし遷移金属錯体を触媒とする「原子移動ラジカル重合」(Atom Transfer Radical Polymerization:ATRP)等が挙げられる。
【0017】
「リビングラジカル重合法」の中でも、有機ハロゲン化物あるいはハロゲン化スルホニル化合物等を開始剤とし、遷移金属錯体を触媒としてビニル系モノマーを重合する「原子移動ラジカル重合法」は、上記の「リビングラジカル重合法」の特徴に加えて、官能基変換反応に比較的有利なハロゲン等を末端に有し、開始剤や触媒の設計の自由度が大きいことから、特定の官能基を有するビニル系重合体の製造方法としてはさらに好ましい。
この原子移動ラジカル重合法としては、例えばMatyjaszewskiら、ジャーナル・オブ・アメリカン・ケミカルソサエティー(J.Am.Chem.Soc.)1995年、117巻、5614頁;マクロモレキュールズ(Macromolecules)1995年、28巻、7901頁;サイエンス(Science)1996年、272巻、866頁;WO96/30421号公報;WO97/18247号公報;あるいはSawamotoら、マクロモレキュールズ(Macromolecules)1995年、28巻、1721頁等が挙げられる。
【0018】
本発明において、これらのうちどの方法を使用するかは特に制約はないが、基本的には制御ラジカル重合が利用され、さらに制御の容易さ等からリビングラジカル重合が好ましく、特に原子移動ラジカル重合法が好ましい。
【0019】
まず、制御ラジカル重合のうちの一つ、連鎖移動剤を用いた重合について説明する。連鎖移動剤(テロマー)を用いたラジカル重合としては、特に限定されないが、本発明に適した末端構造を有したビニル系重合体を得る方法としては、次の2つの方法が例示される。
特開平4−132706号公報に示されているようなハロゲン化炭化水素を連鎖移動剤として用いてハロゲン末端の重合体を得る方法と、特開昭61−271306号公報、特許2594402号公報、特開昭54−47782号公報に示されているような水酸基含有メルカプタンあるいは水酸基含有ポリスルフィド等を連鎖移動剤として用いて水酸基末端の重合体を得る方法である。
【0020】
次に、リビングラジカル重合について説明する。
そのうち、まず、ニトロキシド化合物等のラジカル捕捉剤を用いる方法について説明する。この重合では一般に安定なニトロキシフリーラジカル(=N−O・)をラジカル捕捉剤として用いる。このような化合物類としては、限定はされないが、2,2,6,6−置換−1−ピペリジニルオキシラジカルや2,2,5,5−置換−1−ピロリジニルオキシラジカル等、環状ヒドロキシアミンからのニトロキシフリーラジカルが好ましい。置換基としてはメチル基やエチル基等の炭素数4以下のアルキル基が適当である。具体的なニトロキシフリーラジカル化合物としては、限定はされないが、2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジニルオキシラジカル(TEMPO)、2,2,6,6−テトラエチル−1−ピペリジニルオキシラジカル、2,2,6,6−テトラメチル−4−オキソ−1−ピペリジニルオキシラジカル、2,2,5,5−テトラメチル−1−ピロリジニルオキシラジカル、1,1,3,3−テトラメチル−2−イソインドリニルオキシラジカル、N,N−ジ−t−ブチルアミンオキシラジカル等が挙げられる。ニトロキシフリーラジカルの代わりに、ガルビノキシル(galvinoxyl)フリーラジカル等の安定なフリーラジカルを用いても構わない。
【0021】
上記ラジカル捕捉剤は、ラジカル発生剤と併用される。ラジカル捕捉剤とラジカル発生剤との反応生成物が重合開始剤となって、付加重合性モノマーの重合が進行すると考えられる。両者の併用割合は特に限定されるものではないが、ラジカル捕捉剤1モルに対し、ラジカル発生剤0.1〜10モルが適切である。
【0022】
ラジカル発生剤としては、種々の化合物を使用することができるが、重合温度条件下でラジカルを発生しうるパーオキシドが好ましい。このパーオキシドとしては、限定はされないが、ベンゾイルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド等のジアシルパーオキシド類、ジクミルパーオキシド、ジ−t−ブチルパーオキシド等のジアルキルパーオキシド類、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート等のパーオキシカーボネート類、t−ブチルパーオキシオクトエート、t−ブチルパーオキシベンゾエート等のアルキルパーエステル類等がある。特にベンゾイルパーオキシドが好ましい。さらに、パーオキシドの代わりにアゾビスイソブチロニトリルのようなラジカル発生性アゾ化合物等のラジカル発生剤も使用しうる。
【0023】
Macromolecules 1995,28,2993で報告されているように、ラジカル捕捉剤とラジカル発生剤を併用する代わりに、下式のようなアルコキシアミン化合物を開始剤として用いても構わない。
【0024】
【化1】
Figure 2005015721
【0025】
アルコキシアミン化合物を開始剤として用いる場合、上式で示されているもののうち、水酸基等の官能基を有するものを用いると、末端に官能基を有する重合体が得られる。これを本発明の方法に利用すると、末端に官能基を有する重合体が得られる。
【0026】
上記のニトロキシド化合物等のラジカル捕捉剤を用いる重合で用いられるモノマー、溶媒、重合温度等の重合条件は、限定されないが、次に説明する原子移動ラジカル重合について用いるものと同様で構わない。
【0027】
次に、本発明におけるリビングラジカル重合としてより好ましい原子移動ラジカル重合法について説明する。
この原子移動ラジカル重合では、有機ハロゲン化物、特に反応性の高い炭素−ハロゲン結合を有する有機ハロゲン化物(例えば、α位にハロゲンを有するカルボニル化合物や、ベンジル位にハロゲンを有する化合物)、あるいはハロゲン化スルホニル化合物等が開始剤として用いられる。
【0028】
当該開始剤を具体的に例示するならば、
−CHX、C−C(H)(X)CH、C−C(X)(CH
(上記の各式において、Cはフェニル基、Xは塩素、臭素、又はヨウ素)
−C(H)(X)−CO、R−C(CH)(X)−CO
−C(H)(X)−C(O)R、R−C(CH)(X)−C(O)R
(上記の各式において、R、Rは水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、又は炭素数7〜20のアラルキル基、Xは塩素、臭素、又はヨウ素)
−C−SO
(上記の各式において、Rは水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、又は炭素数7〜20のアラルキル基、Xは塩素、臭素、又はヨウ素)
等が挙げられる。
【0029】
原子移動ラジカル重合の開始剤として、重合を開始する官能基以外の官能基を有する有機ハロゲン化物又はハロゲン化スルホニル化合物を用いることもできる。このような場合、一方の主鎖末端に官能基を、他方の主鎖末端に上記一般式(3)で表される構造を有するビニル系重合体が製造される。このような官能基としては、アルケニル基、架橋性シリル基、ヒドロキシル基、エポキシ基、アミノ基、アミド基等が挙げられる。
【0030】
アルケニル基を有する有機ハロゲン化物としては限定されず、例えば、一般式(6)に示す構造を有するものが例示される。
C(X)−R−R−C(R)=CH (6)
(式中、Rは水素原子、又はメチル基、R、Rは水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基、又は他端において相互に連結したもの、Rは−C(O)O−(エステル基)、−C(O)−(ケト基)、又はo−,m−,p−フェニレン基、Rは直接結合、又は1個以上のエーテル結合を含んでいても良い炭素数1〜20の2価の有機基、Xは塩素、臭素、又はヨウ素)
【0031】
上記R、Rの具体例としては、水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、フェニル基、ベンジル基等が挙げられる。RとRは、他端において相互に連結して環状骨格を形成していてもよい。
の1個以上のエーテル結合を含んでいても良い炭素数1〜20の2価の有機基としては、例えば、1個以上のエーテル結合を含んでいても良い炭素数1〜20のアルキレン基等が挙げられる。
【0032】
一般式(6)で示される、アルケニル基を有する有機ハロゲン化物の具体例としては、下記のもの等が挙げられる。
XCHC(O)O(CHCH=CH
CC(H)(X)C(O)O(CHCH=CH
(HC)C(X)C(O)O(CHCH=CH
CHCHC(H)(X)C(O)O(CHCH=CH
【0033】
【化2】
Figure 2005015721
【0034】
(上記の各式において、Xは塩素、臭素、又はヨウ素、nは0〜20の整数)
XCHC(O)O(CHO(CHCH=CH
CC(H)(X)C(O)O(CHO(CHCH=CH
(HC)C(X)C(O)O(CHO(CHCH=CH
CHCHC(H)(X)C(O)O(CHO(CHCH=CH
【0035】
【化3】
Figure 2005015721
【0036】
(上記の各式において、Xは塩素、臭素、又はヨウ素、nは1〜20の整数、mは0〜20の整数)
o,m,p−XCH−C−(CH−CH=CH
o,m,p−CHC(H)(X)−C−(CH−CH=CH
o,m,p−CHCHC(H)(X)−C−(CH−CH=CH
(上記の各式において、Xは塩素、臭素、又はヨウ素、nは0〜20の整数)
o,m,p−XCH−C−(CH−O−(CH−CH=CH
o,m,p−CHC(H)(X)−C−(CH−O−(CH−CH=CH
o,m,p−CHCHC(H)(X)−C−(CH−O−(CH−CH=CH
(上記の各式において、Xは塩素、臭素、又はヨウ素、nは1〜20の整数、mは0〜20の整数)
o,m,p−XCH−C−O−(CH−CH=CH
o,m,p−CHC(H)(X)−C−O−(CH−CH=CH
o,m,p−CHCHC(H)(X)−C−O−(CH−CH=CH
(上記の各式において、Xは塩素、臭素、又はヨウ素、nは0〜20の整数)
o,m,p−XCH−C−O−(CH−O−(CH−CH=CH
o,m,p−CHC(H)(X)−C−O−(CH−O−(CH−CH=CH
o,m,p−CHCHC(H)(X)−C−O−(CH−O−(CH−CH=CH
(上記の各式において、Xは塩素、臭素、又はヨウ素、nは1〜20の整数、mは0〜20の整数)
【0037】
アルケニル基を有する有機ハロゲン化物としては、さらに一般式(7)で示される化合物が挙げられる。
C=C(R)−R−C(R)(X)−R10−R (7)
(式中、R、R、R、R、Xは上記に同じ、R10は、直接結合、−C(O)O−(エステル基)、−C(O)−(ケト基)、又は、o−,m−,p−フェニレン基を表す)
【0038】
は、直接結合、又は、1個以上のエーテル結合を含んでいても良い炭素数1〜20の2価の有機基であるが、Rが直接結合である場合は、ハロゲンが結合している炭素にビニル基が結合しており、ハロゲン化アリル化物である。この場合は、隣接ビニル基によって炭素−ハロゲン結合が活性化されているので、R10としてC(O)O基やフェニレン基等を有する必要は必ずしもなく、直接結合であってもよい。Rが直接結合でない場合は、炭素−ハロゲン結合を活性化するために、R10としては−C(O)O−、−C(O)−、フェニレン基が好ましい。
【0039】
一般式(7)の化合物を具体的に例示するならば、
CH=CHCHX、CH=C(CH)CHX、
CH=CHC(H)(X)CH、CH=C(CH)C(H)(X)CH
CH=CHC(X)(CH、CH=CHC(H)(X)C
CH=CHC(H)(X)CH(CH
CH=CHC(H)(X)C、CH=CHC(H)(X)CH
CH=CHCHC(H)(X)−COR、
CH=CH(CHC(H)(X)−COR、
CH=CH(CHC(H)(X)−COR、
CH=CH(CHC(H)(X)−COR、
CH=CHCHC(H)(X)−C
CH=CH(CHC(H)(X)−C
CH=CH(CHC(H)(X)−C
(上記の各式において、Xは塩素、臭素、又はヨウ素、Rは炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基)
等を挙げることができる。
【0040】
アルケニル基を有するハロゲン化スルホニル化合物の具体例を挙げるならば、
o−,m−,p−CH=CH−(CH−C−SOX、
o−,m−,p−CH=CH−(CH−O−C−SOX、
(上記の各式において、Xは塩素、臭素、又はヨウ素、nは0〜20の整数)
等である。
【0041】
上記架橋性シリル基を有する有機ハロゲン化物としては特に限定されず、例えば一般式(8)に示す構造を有するものが例示される。
C(X)−R−R−C(H)(R)CH−[Si(R112−b(Y)O]−Si(R123−a(Y) (8)
(式中、R、R、R、R、R、Xは上記に同じ、R11、R12は、いずれも炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基、又は(R”)SiO−(R”は炭素数1〜20の1価の炭化水素基であって、3個のR”は同一であってもよく、異なっていてもよい)で示されるトリオルガノシロキシ基を示し、R11又はR12が2個以上存在するとき、それらは同一であってもよく、異なっていてもよい。Yは水酸基又は加水分解性基を示し、Yが2個以上存在するときそれらは同一であってもよく、異なっていてもよい。aは0,1,2,又は3を、bは0,1,又は2を示す。mは0〜19の整数である。ただし、a+mb≧1であることを満足するものとする。)
ここで、Yの加水分解性基としては、例えば水素原子、ハロゲン原子、アルコキシ基、アシルオキシ基、ケトキシメート基、アミノ基、アミド基、酸アミド基、アミノオキシ基、メルカプト基、アルケニルオキシ基等が挙げられる。
【0042】
一般式(8)の化合物を具体的に例示するならば、
XCHC(O)O(CHSi(OCH
CHC(H)(X)C(O)O(CHSi(OCH
(CHC(X)C(O)O(CHSi(OCH
XCHC(O)O(CHSi(CH)(OCH
CHC(H)(X)C(O)O(CHSi(CH)(OCH
(CHC(X)C(O)O(CHSi(CH)(OCH
(上記の各式において、Xは塩素、臭素、ヨウ素、nは0〜20の整数)
XCHC(O)O(CHO(CHSi(OCH
CC(H)(X)C(O)O(CHO(CHSi(OCH
(HC)C(X)C(O)O(CHO(CHSi(OCH
CHCHC(H)(X)C(O)O(CHO(CHSi(OCH
XCHC(O)O(CHO(CHSi(CH)(OCH
CC(H)(X)C(O)O(CHO(CH−Si(CH)(OCH
(HC)C(X)C(O)O(CHO(CH−Si(CH)(OCH
CHCHC(H)(X)C(O)O(CHO(CH−Si(CH)(OCH
(上記の各式において、Xは塩素、臭素、ヨウ素、nは1〜20の整数、mは0〜20の整数)
o,m,p−XCH−C−(CHSi(OCH
o,m,p−CHC(H)(X)−C−(CHSi(OCH
o,m,p−CHCHC(H)(X)−C−(CHSi(OCH
o,m,p−XCH−C−(CHSi(OCH
o,m,p−CHC(H)(X)−C−(CHSi(OCH
o,m,p−CHCHC(H)(X)−C−(CHSi(OCH
o,m,p−XCH−C−(CH−O−(CHSi(OCH
o,m,p−CHC(H)(X)−C−(CH−O−(CHSi(OCH
o,m,p−CHCHC(H)(X)−C−(CH−O−(CHSi(OCH
o,m,p−XCH−C−O−(CHSi(OCH
o,m,p−CHC(H)(X)−C−O−(CHSi(OCH
o,m,p−CHCHC(H)(X)−C−O−(CH−Si(OCH
o,m,p−XCH−C−O−(CH−O−(CH−Si(OCH
o,m,p−CHC(H)(X)−C−O−(CH−O−(CHSi(OCH
o,m,p−CHCHC(H)(X)−C−O−(CH−O−(CHSi(OCH
(上記の各式において、Xは塩素、臭素、又はヨウ素)
等が挙げられる。
【0043】
上記架橋性シリル基を有する有機ハロゲン化物としてはさらに、一般式(9)で示される構造を有するものが例示される。
(R123−a(Y)Si−[OSi(R112−b(Y)−CH−C(H)(R)−R−C(R)(X)−R10−R (9)
(式中、R、R、R、R、R10、R11、R12、a、b、m、X、Yは上記に同じ)
【0044】
一般式(9)の化合物を具体的に例示するならば、
(CHO)SiCHCHC(H)(X)C
(CHO)(CH)SiCHCHC(H)(X)C
(CHO)Si(CHC(H)(X)−COR、
(CHO)(CH)Si(CHC(H)(X)−COR、
(CHO)Si(CHC(H)(X)−COR、
(CHO)(CH)Si(CHC(H)(X)−COR、
(CHO)Si(CHC(H)(X)−COR、
(CHO)(CH)Si(CHC(H)(X)−COR、
(CHO)Si(CHC(H)(X)−COR、
(CHO)(CH)Si(CHC(H)(X)−COR、
(CHO)Si(CHC(H)(X)−C
(CHO)(CH)Si(CHC(H)(X)−C
(CHO)Si(CHC(H)(X)−C
(CHO)(CH)Si(CHC(H)(X)−C
(上記の各式において、Xは塩素、臭素、又はヨウ素、Rは炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、又は炭素数7〜20のアラルキル基)等が挙げられる。
【0045】
上記ヒドロキシル基を持つ有機ハロゲン化物、又はハロゲン化スルホニル化合物としては特に限定されず、下記のようなものが例示される。
HO−(CH−OC(O)C(H)(R)(X)
(上記の各式において、Xは塩素、臭素、又はヨウ素、Rは水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、又は炭素数7〜20のアラルキル基、nは1〜20の整数)
【0046】
上記アミノ基を持つ有機ハロゲン化物、又はハロゲン化スルホニル化合物としては特に限定されず、下記のようなものが例示される。
N−(CH−OC(O)C(H)(R)(X)
(上記の各式において、Xは塩素、臭素、又はヨウ素、Rは水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、又は炭素数7〜20のアラルキル基、nは1〜20の整数)
【0047】
上記エポキシ基を持つ有機ハロゲン化物、又はハロゲン化スルホニル化合物としては特に限定されず、下記のようなものが例示される。
【0048】
【化4】
Figure 2005015721
【0049】
(上記の各式において、Xは塩素、臭素、又はヨウ素、Rは水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、又は炭素数7〜20のアラルキル基、nは1〜20の整数)
【0050】
本発明の末端構造を1分子内に2つ以上有する重合体を得るためには、2つ以上の開始点を持つ有機ハロゲン化物、又はハロゲン化スルホニル化合物を開始剤として用いるのが好ましい。当該開始剤を具体的に例示するならば、下記のもの等が挙げられる。
【0051】
【化5】
Figure 2005015721
【0052】
【化6】
Figure 2005015721
【0053】
この重合において用いられるビニル系モノマーとしては特に制約はなく、既に例示したものをすべて好適に用いることができる。
【0054】
重合触媒として用いられる遷移金属錯体としては、特に限定されないが、好ましくは周期律表第7族、8族、9族、10族、又は11族元素を中心金属とする金属錯体である。より好ましくは、銅、ニッケル、ルテニウム、及び鉄から選ばれる金属を中心金属とする錯体である。さらに好ましくは、0価の銅、1価の銅、2価のルテニウム、2価の鉄又は2価のニッケルの錯体が挙げられる。なかでも、銅の錯体が好ましい。1価の銅化合物を具体的に例示するならば、塩化第一銅、臭化第一銅、ヨウ化第一銅、シアン化第一銅、酸化第一銅、過塩素酸第一銅等である。銅化合物を用いる場合、触媒活性を高めるために2,2′−ビピリジル及びその誘導体、1,10−フェナントロリン及びその誘導体、テトラメチルエチレンジアミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、ヘキサメチルトリス(2−アミノエチル)アミン等のポリアミン等の配位子を添加することができる。
また、2価の塩化ルテニウムのトリストリフェニルホスフィン錯体(RuCl(PPh)も触媒として好適である。ルテニウム化合物を触媒として用いる場合は、活性化剤としてアルミニウムアルコキシド類が添加される。さらに、2価の鉄のビストリフェニルホスフィン錯体(FeCl(PPh)、2価のニッケルのビストリフェニルホスフィン錯体(NiCl(PPh)、及び、2価のニッケルのビストリブチルホスフィン錯体(NiBr(PBu)も、触媒として好適である。
【0055】
重合は、無溶剤又は各種の溶剤中で行うことができる。溶剤の種類としては、ベンゼン、トルエン等の炭化水素系溶媒;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒;塩化メチレン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒;メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、n−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール等のアルコール系溶媒;アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒;エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のカーボネート系溶媒等が挙げられる。これらは、単独又は2種以上を混合して用いることができる。
また、重合は室温〜200℃の範囲で行うことができ、好ましくは50〜150℃である。
【0056】
<官能基導入法>
重合体(I)の製造方法は特に限定されないが、例えば上述の方法により反応性官能基を有するビニル系重合体を製造し、反応性官能基を(メタ)アクリロイル系基を有する置換基に変換することにより製造することができる。以下に、本発明の重合体の末端官能基の導入について説明する。
【0057】
ビニル系重合体の末端に(メタ)アクリロイル系基を導入する方法としては、限定はされないが、以下のような方法が挙げられる。
(導入方法1)末端にハロゲン基を有するビニル系重合体と、一般式(2)で示される化合物との反応による方法。
+−OC(O)C(R)=CH (2)
(式中、Rは水素原子、又は、炭素数1〜20の有機基を表す。Mはアルカリ金属イオン、又は4級アンモニウムイオンを表す。)
末端にハロゲン基を有するビニル系重合体としては、一般式(3)に示す末端構造を有するものが好ましい。
−CRX (3)
(式中、R、Rは、ビニル系モノマーのエチレン性不飽和基に結合した基。Xは、塩素、臭素、又は、ヨウ素を表す。)
【0058】
(導入方法2)末端に水酸基を有するビニル系重合体と、一般式(4)で示される化合物との反応による方法。
C(O)C(R)=CH (4)
(式中、Rは水素原子、又は、炭素数1〜20の有機基を表す。Xは塩素、臭素、又は水酸基を表す。)
【0059】
(導入方法3)末端に水酸基を有するビニル系重合体に、ジイソシアネート化合物を反応させ、残存イソシアネート基と一般式(5)で示される化合物との反応による方法。
HO−R’−OC(O)C(R)=CH (5)
(式中、Rは水素原子、又は、炭素数1〜20の有機基を表す。R’は炭素数2〜20の2価の有機基を表す。)
【0060】
以下にこれらの各方法について詳細に説明する。
<導入方法1>
導入方法1は末端にハロゲン基を有するビニル系重合体と、一般式(2)で示される化合物との反応による方法である。
+−OC(O)C(R)=CH (2)
(式中、Rは水素原子、又は、炭素数1〜20の有機基を表す。Mはアルカリ金属イオン、又は4級アンモニウムイオンを表す。)
末端にハロゲン基を有するビニル系重合体としては、特に限定されないが、一般式(3)に示す末端構造を有するものが好ましい。
−CRX (3)
(式中、R、Rは、ビニル系モノマーのエチレン性不飽和基に結合した基を表す。Xは、塩素、臭素、又は、ヨウ素を表す。)
【0061】
末端にハロゲン基を有するビニル系重合体、特に、一般式(3)で表される末端構造を有するビニル系重合体は、上述した有機ハロゲン化物又はハロゲン化スルホニル化合物を開始剤とし、遷移金属錯体を触媒としてビニル系モノマーを重合する方法、あるいは、ハロゲン化合物を連鎖移動剤としてビニル系モノマーを重合する方法により製造されるが、好ましくは前者である。
【0062】
一般式(2)で表される化合物としては、特に限定されない。
における炭素数1〜20の有機基としては、前述と同様のものが例示される。Rの具体例としては、例えば、−H、−CH、−CHCH、−(CHCH(nは2〜19の整数を表す)、−C、−CHOH、−CN等が挙げられ、好ましくは−H、−CHである。
【0063】
はオキシアニオンの対カチオンであり、Mの種類としてはアルカリ金属イオン、4級アンモニウムイオン等が挙げられる。アルカリ金属イオンとしては、例えば、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン等が挙げられる。4級アンモニウムイオンとしては、例えば、テトラメチルアンモニウムイオン、テトラエチルアンモニウムイオン、テトラベンジルアンモニウムイオン、トリメチルドデシルアンモニウムイオン、テトラブチルアンモニウムイオン、ジメチルピペリジニウムイオン等が挙げられる。Mとして好ましくは、アルカリ金属イオン、より好ましくはナトリウムイオン、カリウムイオンである。
一般式(2)のオキシアニオンの使用量は、一般式(3)のハロゲン末端に対して、好ましくは1〜5当量、より好ましくは1.0〜1.2当量である。
【0064】
この反応を実施する溶媒としては特に限定はされないが、求核置換反応であるため極性溶媒が好ましく、例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルエーテル、アセトン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホリックトリアミド、アセトニトリル等が用いられる。
反応温度は特に限定されないが、好ましくは0〜150℃、より好ましくは10〜100℃である。
【0065】
<導入方法2>
導入方法2は、末端に水酸基を有するビニル系重合体と、一般式(4)で示される化合物との反応による方法である。
C(O)C(R)=CH (4)
(式中、Rは水素原子、又は、炭素数1〜20の有機基を表す。Xは塩素、臭素、又は水酸基を表す。)
【0066】
一般式(4)で表される化合物としては、特に限定されない。
における炭素数1〜20の有機基としては、前述と同様のものが例示される。Rの具体例としては、例えば、−H、−CH、−CHCH、−(CHCH(nは2〜19の整数を表す)、−C、−CHOH、−CN等が挙げられ、好ましくは−H、−CHである。
【0067】
末端に水酸基を有するビニル系重合体は、上述した有機ハロゲン化物又はハロゲン化スルホニル化合物を開始剤とし、遷移金属錯体を触媒としてビニル系モノマーを重合する方法、あるいは、水酸基を持つ化合物を連鎖移動剤としてビニル系モノマーを重合する方法により製造されるが、好ましくは前者である。末端に水酸基を有するビニル系重合体を製造する当該方法は、特に限定されないが、以下のような方法が例示される。
【0068】
(a)リビングラジカル重合によりビニル系重合体を合成する際に、下記一般式(10)等で表される一分子中に重合性のアルケニル基及び水酸基を併せ持つ化合物を第2のモノマーとして反応させる方法。
C=C(R13)−R14−R15−OH (10)
(式中、R13は水素原子又は炭素数1〜20の有機基を示す。R14は−C(O)O−(エステル基)、又は、o−,m−もしくはp−フェニレン基を表す。R15は直接結合、又は1個以上のエーテル結合を有していてもよい炭素数1〜20の2価の有機基を表す。)
ここで、R13は水素原子、メチル基が好ましい。また、R14がエステル基のものは(メタ)アクリレート系化合物、R14がフェニレン基のものはスチレン系化合物である。
なお、一分子中に重合性のアルケニル基及び水酸基を併せ持つ化合物を反応させる時期に制限はないが、特にゴム的な性質を期待する場合には、重合反応の終期あるいは所定のモノマーの反応終了後に、第2のモノマーとして反応させるのが好ましい。
【0069】
(b)リビングラジカル重合によりビニル系重合体を合成する際に、重合反応の終期あるいは所定のモノマーの反応終了後に、第2のモノマーとして、一分子中に重合性の低いアルケニル基及び水酸基を有する化合物を反応させる方法。
このような化合物としては特に限定されないが、一般式(11)に示される化合物等が挙げられる。
C=C(R13)−R16−OH (11)
(式中、R13は上記と同じ。R16は1個以上のエーテル結合を有していてもよい炭素数1〜20の2価の有機基を表す。)
上記一般式(11)で示される化合物としては、特に限定されないが、入手が容易であるということから、10−ウンデセノール、5−ヘキセノール、アリルアルコールのようなアルケニルアルコールが好ましい。
【0070】
(c)特開平4−132706号公報等に開示されるような方法で、原子移動ラジカル重合により得られる一般式(3)で表される炭素−ハロゲン結合を少なくとも1個有するビニル系重合体のハロゲンを、加水分解あるいは水酸基含有化合物と反応させることにより、末端に水酸基を導入する方法。
【0071】
(d)原子移動ラジカル重合により得られる一般式(3)で表される炭素−ハロゲン結合を少なくとも1個有するビニル系重合体に、一般式(12)等で表される水酸基を有する安定化カルバニオンを反応させてハロゲンを置換する方法。
(R17)(R18)−R16−OH (12)
(式中、R16及びMは上記と同じ。R17、R18はともにカルバニオンCを安定化する電子吸引基、又は、一方が上記電子吸引基で、他方が水素原子、炭素数1〜10のアルキル基又はフェニル基を表す。)
17及びR18の電子吸引基としては、−COR(エステル基)、−C(O)R(ケト基)、−CON(R)(アミド基)、−COSR(チオエステル基)、−CN(ニトリル基)、−NO(ニトロ基)等が挙げられる。置換基Rは、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基又は炭素数7〜20のアラルキル基であり、好ましくは炭素数1〜10のアルキル基又はフェニル基である。R17、R18としては、−COR、−C(O)R、−CNが特に好ましい。
【0072】
(e)原子移動ラジカル重合により得られる一般式(3)で表される炭素−ハロゲン結合を少なくとも1個有するビニル系重合体に、例えば亜鉛のような金属単体あるいは有機金属化合物を作用させてエノレートアニオンを調製し、しかる後にアルデヒド類、又はケトン類を反応させる方法。
【0073】
(f)重合体末端のハロゲン、好ましくは一般式(3)で表されるハロゲンを少なくとも1個有するビニル系重合体に、下記一般式(13)等で表される水酸基含有オキシアニオン又は下記一般式(14)等で表される水酸基含有カルボキシレートアニオンを反応させて、上記ハロゲンを水酸基含有置換基に置換する方法。
HO−R16−O (13)
(式中、R16及びMは上記と同じ。)
HO−R16−C(O)O (14)
(式中、R16及びMは上記と同じ。)
【0074】
本発明では、(a)〜(b)のような水酸基を導入する方法にハロゲンが直接関与しない場合、制御がより容易である点から(b)の方法がさらに好ましい。
また(c)〜(f)のような炭素−ハロゲン結合を少なくとも1個有するビニル系重合体のハロゲンを変換することにより水酸基を導入する場合は、制御がより容易である点から(f)の方法がさらに好ましい。
【0075】
一般式(4)で表される化合物の使用量は、ビニル系重合体の末端水酸基に対して、好ましくは1〜10当量、より好ましくは1〜5当量である。
この反応を実施する溶媒としては特に限定はされないが、求核置換反応であるため極性溶媒が好ましく、例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルエーテル、アセトン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホリックトリアミド、アセトニトリル等が用いられる。
反応温度は特に限定されないが、好ましくは0〜150℃、より好ましくは10〜100℃である。
【0076】
<導入方法3>
導入方法3は、末端に水酸基を有するビニル系重合体に、ジイソシアネート化合物を反応させ、残存イソシアネート基と一般式(5)で示される化合物との反応による方法である。
HO−R’−OC(O)C(R)=CH (5)
(式中、Rは水素原子、又は、炭素数1〜20の有機基を表す。R’は炭素数2〜20の2価の有機基を表す。)
【0077】
における炭素数1〜20の有機基としては、前述と同様のものが例示される。Rの具体例としては、例えば、−H、−CH、−CHCH、−(CHCH(nは2〜19の整数を表す)、−C、−CHOH、−CN等が挙げられ、好ましくは−H、−CHである。
R’の炭素数2〜20の2価の有機基としては、例えば、炭素数2〜20のアルキレン基(エチレン基、プロピレン基、ブチレン基等)、炭素数6〜20のアルキレン基、炭素数7〜20のアルキレン基等が挙げられる。
一般式(5)で表される化合物としては、特に限定されないが、特に好ましい化合物として、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル等が挙げられる。
末端に水酸基を有するビニル系重合体は、上記の通りである。
【0078】
ジイソシアネート化合物は、特に限定されないが、従来公知のものをいずれも使用することができ、例えば、トルイレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、メタキシリレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、水素化ジフェニルメタンジイソシアネート、水素化トルイレンジイソシアネート、水素化キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等を挙げることができる。これらは、単独で使用しうるほか、2種以上を併用することもできる。また、ブロックイソシアネートを使用しても構わない。
より優れた耐候性を得る点から、ヘキサメチレンジイソシアネート、水素化ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香環を有しないジイソシアネート化合物を用いるのが好ましい。
【0079】
ジイソシアネート化合物の使用量は、ビニル系重合体の末端水酸基に対して、好ましくは1〜10当量、より好ましくは1〜5当量である。
また、反応溶媒としては特に限定されないが、非プロトン性溶媒等が好ましい。反応温度は、特に限定されないが、好ましくは0〜250℃、より好ましくは20〜200℃である。
一般式(5)で表される化合物の使用量は、残存イソシアネート基に対して、好ましくは1〜10当量、より好ましくは1〜5当量である。
また、反応溶媒としては特に限定されないが、非プロトン性溶媒等が好ましい。反応温度は、特に限定されないが、好ましくは0〜250℃、より好ましくは20〜200℃である。
【0080】
<塗料用組成物について>
本発明の塗料用組成物は、重合体(I)を、組成物全体の1〜80重量%含有することを特徴とするものである。組成物中の重合体(I)の含有量が80重量%を超えると、充分な強度が得られない場合がある。また、重合体(I)の柔軟性付与効果と強度とのバランスを考慮すると、組成物中の重合体(I)の含有量は5〜70重量%がより好ましく、10〜60重量%がさらに好ましい。
【0081】
また、限定はされないが、表面硬化性の向上、タフネスの付与あるいは作業性の向上等を目的として、重合性のモノマー及び/又はオリゴマーや各種添加剤を併用することが好ましい。
【0082】
重合性のモノマー及び/又はオリゴマーとしては、ラジカル重合性の基を持つモノマー及び/又はオリゴマー、あるいはアニオン重合性の基を持つモノマー及び/又はオリゴマーが好ましい。
ラジカル重合性の基としては、(メタ)アクリル基等のアクリル官能性基、スチレン基、アクリロニトリル基、ビニルエステル基、N−ビニルピロリドン基、アクリルアミド基、共役ジエン基、ビニルケトン基、塩化ビニル基等が挙げられる。なかでも、本発明の重合体と類似する(メタ)アクリル基を持つものが好ましい。
アニオン重合性の基としては、(メタ)アクリル基等のアクリル官能性基、スチレン基、アクリロニトリル基、N−ビニルピロリドン基、アクリルアミド基、共役ジエン基、ビニルケトン基等が挙げられる。なかでも、本発明の重合体と類似するアクリル官能性基を持つものが好ましい。
【0083】
上記のモノマーの具体例としては、(メタ)アクリレート系モノマー、環状アクリレート、N−ビニルピロリドン、スチレン系モノマー、アクリロニトリル、アクリルアミド系モノマー、共役ジエン系モノマー、ビニルケトン系モノマー、多官能モノマー等が挙げられる。
(メタ)アクリレート系モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸イソノニルや、下式の化合物等を挙げることができる。なお、下式において、nは0〜20の整数を示す。
【0084】
【化7】
Figure 2005015721
【0085】
【化8】
Figure 2005015721
【0086】
【化9】
Figure 2005015721
【0087】
【化10】
Figure 2005015721
【0088】
【化11】
Figure 2005015721
【0089】
スチレン系モノマーとしては、スチレン、α−メチルスチレン等が;アクリルアミド系モノマーとしては、アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド等が;共役ジエン系モノマーとしては、ブタジエン、イソプレン等が;ビニルケトン系モノマーとしては、メチルビニルケトン等が挙げられる。
多官能モノマーとしては、トリメチロールプロパントリアクリレート、ネオペンチルグリコールポリプロポキシジアクリレート、トリメチロールプロパンポリエトキシトリアクリレート、ビスフェノールFポリエトキシジアクリレート、ビスフェノールAポリエトキシジアクリレート、ジペンタエリスリトールポリヘキサノリドヘキサアクリレート、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレートポリヘキサノリドトリアクリレート、トリシクロデカンジメチロールジアクリレート2−(2−アクリロイルオキシ−1,1−ジメチル)−5−エチル−5−アクリロイルオキシメチル−1,3−ジオキサン、テトラブロモビスフェノールAジエトキシジアクリレート、4,4−ジメルカプトジフェニルサルファイドジメタクリレート、ポリテトラエチレングリコールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート等が挙げられる。
【0090】
オリゴマーとしては、ビスフェノールA型エポキシアクリレート樹脂、フェノールノボラック型エポキシアクリレート樹脂、クレゾールノボラック型エポキシアクリレート樹脂等のエポキシアクリレート系樹脂;COOH基変性エポキシアクリレート系樹脂;ポリオール(ポリテトラメチレングリコール、エチレングリコールとアジピン酸のポリエステルジオール、ε−カプロラクトン変性ポリエステルジオール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリカーボネートジオール、水酸基末端水添ポリイソプレン、水酸基末端ポリブタジエン、水酸基末端ポリイソブチレン等)と有機イソシアネート(トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート等)から得られたウレタン樹脂を、水酸基含有(メタ)アクリレート{ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート等}と反応させて得られたウレタンアクリレート系樹脂;上記ポリオールにエステル結合を介して(メタ)アクリル基を導入した樹脂;ポリエステルアクリレート系樹脂等が挙げられる。
【0091】
これらのモノマー及びオリゴマーは、目的に応じて選択され、一種又は多種を用いても構わない。
また、重合体(I)との相溶性確保や塗膜のタフネス付与の点から、重合体(I)の特性を失わない範囲でウレタンアクリレートを用いることが有用である。
【0092】
また、アクリル官能性基を有するモノマー及び/又はオリゴマーの数平均分子量は、5000以下であることが好ましい。さらに表面硬化性の向上や、作業性向上のための粘度低減のために、モノマーを用いる場合には、分子量が1000以下であることが、相溶性が良好であるという理由からより好ましい。
上記重合性のモノマー及び/又はオリゴマーの配合量は、組成物全体に対して、好ましくは1〜80重量%であり、より好ましくは5〜50重量%である。
【0093】
本発明の塗料用組成物は、分子量分布の狭い(メタ)アクリル系重合体を主成分とするものであるため、粘度は比較的低いものである。なお、当該塗料用組成物は柔軟性を有するため、薄膜塗料等としても好ましく用いることができ、その際には有機溶剤を用いて粘度をさらに低下させることが好ましい。
有機溶剤としては、通常、沸点が50〜180℃のものが、塗工時の作業性、硬化前後の乾燥性に優れることから好ましい。具体的には、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール等のアルコール系溶剤;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテル等のエステル系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤;トルエン、キシレン等の芳香族系溶剤;ジオキサン等の環状エーテル系溶剤等が挙げられる。これらの溶剤は単独あるいは2種以上を混合して用いることができる。
上記溶剤の配合量は、組成物全体に対して、好ましくは1〜50重量%であり、より好ましくは5〜30重量%である。
【0094】
本発明の塗料用組成物は、好ましくは(メタ)アクリル系重合体を主成分とするものであるため、接着性付与樹脂を添加する必要は必ずしもないが、必要に応じて、各種のものを使用することができる。接着性付与樹脂としては、例えば、フェノール樹脂、変性フェノール樹脂、シクロペンタジエン−フェノール樹脂、キシレン樹脂、クマロン樹脂、石油樹脂、テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、ロジンエステル樹脂等が挙げられる。
上記接着性付与樹脂の配合量は、組成物全体に対して、好ましくは1〜30重量%であり、より好ましくは2〜20重量%である。
【0095】
本発明の塗料用組成物には、物性を調整するために各種の添加剤、例えば、老化防止剤、可塑剤、物性調整剤、溶剤等を配合してもよい。
(メタ)アクリル系重合体は本来、耐熱性、耐候性、耐久性に優れた重合体であるので、老化防止剤は必ずしも必要ではないが、従来公知の酸化防止剤、光安定剤を適宜用いることができる。また、老化防止剤は、重合時の重合制御にも用いることができ、物性制御を行うことができる。
【0096】
酸化防止剤は各種のものが知られており、例えば大成社発行の「酸化防止剤ハンドブック」、シーエムシー化学発行の「高分子材料の劣化と安定化」(235〜242)等に記載された種々のものが挙げられるが、これらに限定されるわけではない。例えば、MARK PEP−36、MARK AO−23等のチオエーテル系酸化防止剤(以上いずれもアデカアーガス化学製)、Irgafos38、Irgafos168、IrgafosP−EPQ(以上いずれも日本チバガイギー製)等のリン系酸化防止剤等が挙げられる。なかでも、以下に示したようなヒンダードフェノール系化合物が好ましい。
【0097】
ヒンダードフェノール系化合物としては、具体的には以下のものが例示できる。2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、モノ(又はジ又はトリ)(α−メチルベンジル)フェノール、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,5−ジ−t−ブチルハイドロキノン、2,5−ジ−t−アミルハイドロキノン、トリエチレングリコール−ビス−[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,2−チオ−ジエチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ベンジルフォスフォネート−ジエチルエステル、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸エチル)カルシウム、トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、2,4−2,4−ビス[(オクチルチオ)メチル]o−クレゾール、N,N’−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]ヒドラジン、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト、2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)−ベンゾトリアゾール、メチル−3−[3−t−ブチル−5−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシフェニル]プロピオネート−ポリエチレングリコール(分子量約300)との縮合物、ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール誘導体、2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)、2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート等が挙げられる。
【0098】
商品名で言えば、ノクラック200、ノクラックM−17、ノクラックSP、ノクラックSP−N、ノクラックNS−5、ノクラックNS−6、ノクラックNS−30、ノクラック300、ノクラックNS−7、ノクラックDAH(以上いずれも大内新興化学工業製)、MARK AO−30、MARK AO−40、MARK AO−50、MARK AO−60、MARK AO−616、MARK AO−635、MARK AO−658、MARK AO−80、MARKAO−15、MARK AO−18、MARK 328、MARK AO−37(以上いずれもアデカアーガス化学製)、IRGANOX−245、IRGANOX−259、IRGANOX−565、IRGANOX−1010、IRGANOX−1024、IRGANOX−1035、IRGANOX−1076、IRGANOX−1081、IRGANOX−1098、IRGANOX−1222、IRGANOX−1330、IRGANOX−1425WL(以上いずれも日本チバガイギー製)、SumilizerGA−80(住友化学製)等が例示できるが、これらに限定されるものではない。
【0099】
さらに、アクリレート基とフェノール基を併せ持つモノアクリレートフェノール系酸化防止剤、ニトロキシド化合物等が挙げられる。
モノアクリレートフェノール系酸化防止剤としては、例えば、2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート(商品名スミライザーGM)、2,4−ジ−t−アミル−6−[1−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)エチル]フェニルアクリレート(商品名スミライザーGS)等が例示される。
ニトロキシド化合物としては、限定はされないが、2,2,6,6−置換−1−ピペリジニルオキシラジカルや2,2,5,5−置換−1−ピロリジニルオキシラジカル等、環状ヒドロキシアミンからのニトロキシフリーラジカルが例示される。置換基としてはメチル基やエチル基等の炭素数4以下のアルキル基が適当である。具体的なニトロキシフリーラジカル化合物としては、限定はされないが、2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジニルオキシラジカル(TEMPO)、2,2,6,6−テトラエチル−1−ピペリジニルオキシラジカル、2,2,6,6−テトラメチル−4−オキソ−1−ピペリジニルオキシラジカル、2,2,5,5−テトラメチル−1−ピロリジニルオキシラジカル、1,1,3,3−テトラメチル−2−イソインドリニルオキシラジカル、N,N−ジ−t−ブチルアミンオキシラジカル等が挙げられる。ニトロキシフリーラジカルの代わりに、ガルビノキシル(galvinoxyl)フリーラジカル等の安定なフリーラジカルを用いても構わない。
【0100】
酸化防止剤は光安定剤(例えば、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート(商品名サノール)等)と併用してもよく、併用することによりその効果をさらに発揮し、特に耐熱性が向上することがあるため特に好ましい。なお、予め酸化防止剤と光安定剤を混合してあるチヌビンC353、チヌビンB75(以上いずれも日本チバガイギー製)等を使用しても良い。
上記酸化防止剤の配合量は、組成物全体に対して、好ましくは0.01〜10重量%であり、より好ましくは0.1〜5重量%である。
【0101】
可塑剤としては、物性の調整、性状の調節等の目的により、例えば、ジブチルフタレート、ジヘプチルフタレート、ジ(2−エチルヘキシル)フタレート、ブチルベンジルフタレート等のフタル酸エステル類;ジオクチルアジペート、ジオクチルセバケート等の非芳香族二塩基酸エステル類;ジエチレングリコールジベンゾエート、トリエチレングリコールジベンゾエート等のポリアルキレングリコールのエステル類;トリクレジルホスフェート、トリブチルホスフェート等のリン酸エステル類;塩化パラフィン類;アルキルジフェニル、部分水添ターフェニル等の炭化水素系油等が挙げられ、これらは単独又は2種以上混合して使用することができるが、必ずしも必要とするものではない。なお、これら可塑剤は、重合体製造時に配合することも可能である。
上記可塑剤の配合量は、組成物全体に対して、好ましくは0.1〜30重量%であり、より好ましくは1〜10重量%である。
【0102】
重合体の製造時に用いてもよい溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル、酢酸セロソルブ等のエステル系溶剤;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン等のケトン系溶剤等が挙げられる。
【0103】
また、本発明の塗料用組成物には、各種支持体(プラスチックフィルム等)に対する接着性を向上させるために、各種接着性改良剤を添加してもよい。接着性改良剤としては、例えば、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン等のアルキルアルコキシシラン類;ジメチルジイソプロペノキシシラン、メチルトリイソプロペノキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジイソプロペノキシシラン等のアルキルイソプロペノキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルジメチルメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン等の官能基を有するアルコキシシラン類;シリコーンワニス類;ポリシロキサン類等が挙げられる。
上記接着性改良剤の配合量は、組成物全体に対して、好ましくは0.1〜50重量%であり、より好ましくは1〜30重量%である。
【0104】
<硬化方法について>
本発明の塗料用組成物は、特に限定されないが、紫外線(UV)や電子線等の活性エネルギー線又は熱により硬化させることが好ましく、特にUVや電子線等の活性エネルギー線による硬化が好ましい。
【0105】
<活性エネルギー線硬化>
塗料用組成物を活性エネルギー線により硬化させる場合には、塗料用組成物に光重合開始剤を含有させることが好ましい。
光重合開始剤としては特に制限はないが、光ラジカル開始剤と光アニオン開始剤が好ましく、特に光ラジカル開始剤が好ましい。例えば、アセトフェノン、プロピオフェノン、ベンゾフェノン、キサントール、フルオレイン、ベンズアルデヒド、アンスラキノン、トリフェニルアミン、カルバゾール、3−メチルアセトフェノン、4−メチルアセトフェノン、3−ペンチルアセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、4−メトキシアセトフェノン、3−ブロモアセトフェノン、4−アリルアセトフェノン、p−ジアセチルベンゼン、3−メトキシベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、4−クロロ−4’−ベンジルベンゾフェノン、3−クロロキサントーン、3,9−ジクロロキサントーン、3−クロロ−8−ノニルキサントーン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインブチルエーテル、ビス(4−ジメチルアミノフェニル)ケトン、ベンジルメトキシケタール、2−クロロチオキサントーン等が挙げられる。
【0106】
これらの開始剤は単独でも、他の化合物と組み合わせても良い。具体的には、ジエタノールメチルアミン、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミンとの組み合わせ、さらにこれにジフェニルヨードニウムクロリド等のヨードニウム塩と組み合わせたもの、メチレンブルー等の色素及びアミンと組み合わせたもの等が挙げられる。なお、上記光重合開始剤を使用する場合、必要により、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、ベンゾキノン、パラt−ブチルカテコール等の重合禁止剤類を添加することもできる。
【0107】
また、近赤外光重合開始剤として、近赤外光吸収性陽イオン染料を使用しても構わない。近赤外光吸収性陽イオン染料としては、650〜1500nmの領域の光エネルギーで励起する、例えば特開平3−111402号公報、特開平5−194619号公報等に開示されている近赤外光吸収性陽イオン染料−ボレート陰イオン錯体等を用いるのが好ましく、ホウ素系増感剤を併用することがより好ましい。
【0108】
光重合開始剤の添加量は、系をわずかに光官能化するだけでよいので、特に制限はないが、この組成物中の重合体(I)100重量部に対して、0.001〜100重量部が好ましい。より好ましくは0.01重量部以上、さらに好ましくは0.1重量部以上である。また、より好ましくは50重量部以下、さらに好ましくは30重量部以下である。
活性エネルギー線源としては特に限定されないが、上記光重合開始剤の性質に応じて、例えば高圧水銀灯、低圧水銀灯、電子線照射装置、ハロゲンランプ、発光ダイオード、半導体レーザー等が挙げられ、これらを用いて光及び電子線を照射することができる。
【0109】
<熱硬化>
熱により硬化させる場合には、塗料用組成物に熱重合開始剤を含有させることが好ましい。
熱重合開始剤としては特に限定されないが、アゾ系開始剤、過酸化物、過硫酸物、及びレドックス開始剤が含まれる。
適切なアゾ系開始剤としては、限定されるわけではないが、例えば、2,2′−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)(VAZO 33)、2,2′−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩(VAZO 50)、2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(VAZO 52)、2,2′−アゾビス(イソブチロニトリル)(VAZO 64)、2,2′−アゾビス−2−メチルブチロニトリル(VAZO 67)、1,1−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリル)(VAZO 88)(全てDuPont Chemicalから入手可能)、2,2′−アゾビス(2−シクロプロピルプロピオニトリル)、2,2′−アゾビス(メチルイソブチレ−ト)(V−601)(和光純薬より入手可能)等が挙げられる。
【0110】
適切な過酸化物開始剤としては、限定されるわけではないが、例えば、過酸化ベンゾイル、過酸化アセチル、過酸化ラウロイル、過酸化デカノイル、ジセチルパーオキシジカーボネート、ジ(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート(Perkadox 16S)(Akzo Nobelから入手可能)、ジ(2−エチルヘキシル)パーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシピバレート(Lupersol 11)(Elf Atochemから入手可能)、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(Trigonox 21−C50)(Akzo Nobelから入手可能)、過酸化ジクミル等が挙げられる。
【0111】
適切な過硫酸物開始剤としては、限定されるわけではないが、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム等が挙げられる。
適切なレドックス(酸化還元)開始剤としては、限定されるわけではないが、上記過硫酸物開始剤と、メタ亜硫酸水素ナトリウム及び亜硫酸水素ナトリウムのような還元剤との組み合わせ;有機過酸化物と第3級アミンに基づく系、例えば過酸化ベンゾイルとジメチルアニリンに基づく系;有機ヒドロパーオキシドと遷移金属に基づく系、例えばクメンヒドロパーオキシドとコバルトナフテートに基づく系等が挙げられる。
他の開始剤としては、限定されるわけではないが、テトラフェニル1,1,2,2−エタンジオールのようなピナコール等が挙げられる。
【0112】
熱重合開始剤としては、上記アゾ系開始剤及び過酸化物開始剤からなる群から選ばれるものが好ましい。より好ましくは、2,2′−アゾビス(メチルイソブチレ−ト)、t−ブチルパーオキシピバレート、及びジ(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、並びにこれらの混合物である。
【0113】
本発明に用いられる熱重合開始剤の使用量は、触媒的に有効な量で存在させる限り、特に限定されないが、本発明の少なくとも一つの末端にアクリル官能性基を有する重合体(I)を100重量部とした場合に、好ましくは約0.01〜50重量部、より好ましくは0.025重量部以上、さらに好ましくは0.05重量部以上である。また、より好ましくは20重量部以下、さらに好ましくは10重量部以下である。開始剤の混合物が使用される場合には、開始剤の混合物の合計量が前記量となるようにするのが好ましい。
【0114】
熱硬化条件は特に限定されないが、その温度は、使用する熱重合開始剤、重合体(I)及び添加される化合物等の種類により異なるが、50℃〜250℃の範囲内が好ましく、70℃〜200℃の範囲内がより好ましい。硬化時間は、使用する重合開始剤、単量体、溶媒、反応温度等により異なるが、通常1分〜10時間の範囲内である。
【0115】
<塗料について>
本発明の塗料は、上記塗料用組成物を含有するものである。当該塗料には、上記塗料用組成物以外に、例えば、顔料、着色剤、発色剤等を含有させることができる。
当該塗料は、上記塗料用組成物及び必要に応じて上記各添加物を加え、例えば、ペイントシェーカー法、ロールミル法、サンドミル法、ディスパーザー法、ニーダー法、高速インペラーミル法等の公知の方法を用いて混練すること等により、製造することができる。
また、当該塗料を塗装する方法としては、特に制限はなく、例えば、エアスプレー機、エアレススプレー機、静電塗装機、浸漬、ロール塗装機、ハケ、コーター等を用いる方法が挙げられる。
【0116】
本発明の塗料用組成物を含有する塗料は、鉄、アルミニウム等の金属素材;ケイ酸カルシウム板、軽量コンクリート板、石綿セメント板、モルタル等の無機建材;木材、紙;さらにポリプロピレン、ポリカーボネートをはじめとするプラスチック基材等の塗料として使用できる。
【0117】
【実施例】
以下に、具体的な実施例を比較例と併せて本発明を説明するが、本発明は、下記実施例に限定されない。
下記実施例及び比較例中、「部」及び「%」は、それぞれ「重量部」及び「重量%」を表す。
下記実施例中、「数平均分子量」及び「分子量分布(重量平均分子量と数平均分子量の比)」は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いた標準ポリスチレン換算法により算出した。ただし、GPCカラムとしてポリスチレン架橋ゲルを充填したもの(shodex GPC K−804;昭和電工(株)製)、GPC溶媒としてクロロホルムを用いた。
下記実施例中、「平均末端(メタ)アクリロイル基数」は、「重合体1分子当たりの末端に導入された(メタ)アクリロイル基数の平均値」であり、H NMR分析及びGPCにより求められた数平均分子量により算出した。
【0118】
(製造例1)(アクリロイル基両末端ポリ(アクリル酸n−ブチル/アクリル酸エチル/アクリル酸2−メトキシエチル)の合成)
臭化第一銅を触媒、ペンタメチルジエチレントリアミンを配位子、ジエチル−2,5−ジブロモアジペートを開始剤として、アクリル酸n−ブチル/アクリル酸エチル/アクリル酸2−メトキシエチルをモル数で25/46/29の比率で重合し、数平均分子量16500、分子量分布1.13の末端臭素基ポリ(アクリル酸n−ブチル/アクリル酸エチル/アクリル酸2−メトキシエチル)を得た。この重合体400gをN,N−ジメチルアセトアミド(400mL)に溶解させ、アクリル酸カリウム10.7gを加え、窒素雰囲気下、70℃で6時間加熱攪拌し、アクリロイル基両末端ポリ(アクリル酸n−ブチル/アクリル酸エチル/アクリル酸2−メトキシエチル)(以下、重合体〔1〕という)の混合物を得た。この混合液中のN,N−ジメチルアセトアミドを減圧留去した後、残さにトルエンを加えて、不溶分をろ過により除去した。濾液のトルエンを減圧留去して、重合体〔1〕を精製した。精製後の重合体〔1〕の数平均分子量は16900、分子量分布は1.14、平均末端アクリロイル基数は1.8(即ち、末端へのアクリロイル基の導入率は90%)であった。
【0119】
(製造例2)(アクリロイル基両末端ポリ(アクリル酸n−ブチル)の合成)
臭化第一銅を触媒、ペンタメチルジエチレントリアミンを配位子、ジエチル−2,5−ジブロモアジペートを開始剤として、アクリル酸n−ブチルを重合し、数平均分子量25200、分子量分布1.20の末端臭素基ポリ(アクリル酸n−ブチル)を得た。
この重合体300gをN,N−ジメチルアセトアミド(300mL)に溶解させ、アクリル酸カリウム5.3gを加え、窒素雰囲気下、70℃で3時間加熱攪拌し、アクリロイル基両末端ポリ(アクリル酸n−ブチル)(以下、重合体〔2〕という)の混合物を得た。この混合液中のN,N−ジメチルアセトアミドを減圧留去した後、残さにトルエンを加えて、不溶分をろ過により除去した。濾液のトルエンを減圧留去して、重合体〔2〕を精製した。精製後の重合体〔2〕の数平均分子量は27100、分子量分布は1.31、平均末端アクリロイル基数は2.0(即ち、末端へのアクリロイル基の導入率は100%)であった。
【0120】
(実施例1)
重合体〔1〕5.0g、トリメチロールプロパントリアクリレート1.0g、アクリル酸1.0g、及び2,2−ジエトキシアセトフェノン140mgを十分に混合した。
このようにして得られた組成物の一部を、ガラス板上に膜厚が20μmとなるように塗布し、高圧水銀灯(80W/cm)を用い、積算光量2000mj/cmの紫外線を照射し硬化させた。
得られた塗膜の碁盤目試験(JIS K 5400)の結果は10点であり、接着力が良好であった。また、得られた塗膜を120℃の乾燥機中に48時間放置したが塗膜に色や性状の変化は見られなかった。さらに得られた塗膜をキセノンウエザメータにより促進耐侯試験を1000時間行ったが(スガ試験機SX120型、波長300〜400nm、放射強度180W/m、ブラックパネル温度63℃、照射2時間中降雨18分)、塗膜に色や性状の変化は見られなかった。
【0121】
(実施例2)
重合体〔2〕5.0g、トリメチロールプロパントリアクリレート1.0g、アクリル酸1.0g、メチルメタクリレート3.0g及び2,2−ジエトキシアセトフェノン200mgを十分に混合した。
このようにして得られた組成物の一部を、ガラス板上に膜厚が20μmとなるように塗布し、高圧水銀灯(80W/cm)を用い、積算光量2000mj/cmの紫外線を照射し硬化させた。
得られた塗膜の碁盤目試験(JIS K 5400)の結果は10点であり、接着力が良好であった。また、得られた塗膜を120℃の乾燥機中に48時間放置したが塗膜に色や性状の変化は見られなかった。さらに得られた塗膜をキセノンウエザメータにより促進耐侯試験を1000時間行ったが(スガ試験機SX120型、波長300〜400nm、放射強度180W/m、ブラックパネル温度63℃、照射2時間中降雨18分)、塗膜に色や性状の変化は見られなかった。
【0122】
(実施例3)
重合体〔2〕5.0g、トリメチロールプロパントリアクリレート1.0g、アクリル酸1.0g、ウレタンアクリレート(分子量4000、主鎖ポリエーテル)1.0g及び2,2−ジエトキシアセトフェノン160mgを十分に混合した。
このようにして得られた組成物の一部を、ガラス板上に膜厚が20μmとなるように塗布し、高圧水銀灯(80W/cm)を用い、積算光量2000mj/cmの紫外線を照射し硬化させた。
得られた塗膜の碁盤目試験(JIS K 5400)の結果は10点であり、接着力が良好であった。また、得られた塗膜を120℃の乾燥機中に48時間放置したが塗膜に色や性状の変化は見られなかった。さらに得られた塗膜をキセノンウエザメータにより促進耐侯試験を1000時間行ったが(スガ試験機SX120型、波長300〜400nm、放射強度180W/m、ブラックパネル温度63℃、照射2時間中降雨18分)、塗膜に色や性状の変化は見られなかった。
【0123】
(比較例1)
ウレタンアクリレート(分子量4000、主鎖ポリエーテル)5.0g、トリメチロールプロパントリアクリレート1.0g、アクリル酸1.0g及び2,2−ジエトキシアセトフェノン140mgを十分に混合した。
このようにして得られた組成物の一部を、ガラス板上に膜厚が20μmとなるように塗布し、高圧水銀灯(80W/cm)を用い、積算光量2000mj/cmの紫外線を照射し硬化させた。
得られた塗膜の碁盤目試験(JIS K 5400)の結果は10点であった。得られた塗膜を120℃の乾燥機中に48時間放置したところ、塗膜表面のタックが激しくなった。さらに得られた塗膜をキセノンウエザメータにより促進耐侯試験を1000時間行ったところ(スガ試験機SX120型、波長300〜400nm、放射強度180W/m、ブラックパネル温度63℃、照射2時間中降雨18分)、初期と比較して塗膜の黄変が見られた。
【0124】
【発明の効果】
本発明の塗料用組成物は、主成分である(メタ)アクリロイル系基を有するビニル系重合体の分子量分布が狭いので、低粘度であり、重合活性を持つ(メタ)アクリロイル系基が特に重合体末端に導入されている場合には、より柔軟性のある活性エネルギー線硬化型や熱硬化型の塗料とすることができる。また、特に重合体末端への(メタ)アクリロイル系基の導入率が高い場合には、表面硬化性を向上させるためのモノマーの使用が低減できる。また、重合体の主鎖がビニル系重合体であるため、耐熱性、耐候性が高いことも特徴の一つである。

Claims (33)

  1. 一般式(1)
    −OC(O)C(R)=CH (1)
    (式中、Rは水素原子、又は、炭素数1〜20の有機基を表す。)
    で表される基を1分子あたり少なくとも1個、分子中に有するビニル系重合体[重合体(I)]を、組成物全体の1〜80重量%含有することを特徴とする塗料用組成物。
  2. 重合体(I)が、一般式(1)で表される基を分子末端に少なくとも1個有するものである請求項1記載の塗料用組成物。
  3. が水素原子、又は、炭素数1〜20の炭化水素基であることを特徴とする請求項1又は2に記載の塗料用組成物。
  4. が水素原子、又は、メチル基であることを特徴とする請求項3記載の塗料用組成物。
  5. 重合体(I)が、(メタ)アクリル系重合体であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の塗料用組成物。
  6. 重合体(I)が、アクリル酸エステル系重合体であることを特徴とする請求項5に記載の塗料用組成物。
  7. 重合体(I)が、芳香族ビニル系重合体である請求項1〜4のいずれかに記載の塗料用組成物。
  8. 重合体(I)が、以下の工程:
    末端にハロゲン基を有するビニル系重合体に、一般式(2)
    +−OC(O)C(R)=CH (2)
    (式中、Rは水素原子、又は、炭素数1〜20の有機基を表す。Mはアルカリ金属イオン、又は、4級アンモニウムイオンを表す。)
    で示される化合物を反応させること;
    により製造されるものである請求項1〜7のいずれかに記載の塗料用組成物。
  9. 末端にハロゲン基を有するビニル系重合体が、一般式(3)
    −CRX (3)
    (式中、R、Rは、ビニル系モノマーのエチレン性不飽和基に結合した基を表す。Xは、塩素、臭素、又は、ヨウ素を表す。)
    で示される末端構造を有するものである請求項8記載の塗料用組成物。
  10. 重合体(I)が、以下の工程:
    末端に水酸基を有するビニル系重合体に、一般式(4)
    C(O)C(R)=CH (4)
    (式中、Rは水素原子、又は、炭素数1〜20の有機基を表す。Xは塩素、臭素、又は水酸基を表す。)
    で示される化合物を反応させること;
    により製造されるものである請求項1〜7のいずれかに記載の塗料用組成物。
  11. 重合体(I)が、以下の工程:
    (1)末端に水酸基を有するビニル系重合体に、ジイソシアネート化合物を反応させ、
    (2)残存イソシアネート基と、一般式(5)
    HO−R’−OC(O)C(R)=CH (5)
    (式中、Rは水素原子、又は、炭素数1〜20の有機基を表す。R’は炭素数2〜20の2価の有機基を表す。)
    で示される化合物と反応させること;
    により製造されるものである請求項1〜7のいずれかに記載の塗料用組成物。
  12. 重合体(I)の主鎖が、ビニル系モノマーのリビングラジカル重合により製造されるものである請求項1〜11のいずれかに記載の塗料用組成物。
  13. リビングラジカル重合が原子移動ラジカル重合であることを特徴とする請求項12に記載の塗料用組成物。
  14. 原子移動ラジカル重合の触媒である遷移金属錯体が、銅、ニッケル、ルテニウム、及び鉄からなる群より選ばれる金属の錯体であることを特徴とする請求項13に記載の塗料用組成物。
  15. 遷移金属錯体が銅の錯体であることを特徴とする請求項14に記載の塗料用組成物。
  16. 重合体(I)の主鎖が、連鎖移動剤を用いたビニル系モノマーの重合により製造されるものである請求項1〜11のいずれかに記載の塗料用組成物。
  17. 重合体(I)の数平均分子量が3000以上であることを特徴とする請求項1〜16のいずれかに記載の塗料用組成物。
  18. 重合体(I)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定した重量平均分子量と数平均分子量の比の値が1.8未満のものである請求項1〜17のいずれかに記載の塗料用組成物。
  19. さらに、ラジカル重合性の基を持つ、モノマー及び/又はオリゴマーを含有することを特徴とする請求項1〜18のいずれかに記載の塗料用組成物。
  20. アニオン重合性の基を持つ、モノマー及び/又はオリゴマーを含有することを特徴とする請求項1〜19のいずれかに記載の塗料用組成物。
  21. (メタ)アクリロイル系基を有する、モノマー及び/又はオリゴマーを含有することを特徴とする請求項19又は20に記載の塗料用組成物。
  22. (メタ)アクリロイル系基を有し、かつ、数平均分子量が5000以下である、モノマー及び/又はオリゴマーを含有することを特徴とする請求項21に記載の塗料用組成物。
  23. ウレタンアクリレートを含有することを特徴とする請求項19記載の塗料用組成物。
  24. さらに有機溶剤を含有することを特徴とする請求項1〜23のいずれかに記載の塗料用組成物。
  25. さらに光重合開始剤を含有することを特徴とする請求項1〜24のいずれかに記載の塗料用組成物。
  26. 光重合開始剤が光ラジカル開始剤である請求項25記載の塗料用組成物。
  27. 光重合開始剤が光アニオン開始剤である請求項26記載の塗料用組成物。
  28. さらに熱重合開始剤を含有することを特徴とする請求項1〜24のいずれかに記載の塗料用組成物。
  29. 熱重合開始剤が、アゾ系開始剤、過酸化物、過硫酸物、及びレドックス開始剤からなる群より選択されるものであることを特徴とする請求項28に記載の塗料用組成物。
  30. 請求項1〜29のいずれかに記載の塗料用組成物を含有してなる塗料。
  31. 請求項30記載の塗料を硬化させることにより得られる塗膜。
  32. 請求項30記載の塗料に活性エネルギー線を照射させることにより得られる塗膜。
  33. 請求項30記載の塗料の熱硬化により得られる塗膜。
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CN106867292A (zh) * 2017-01-23 2017-06-20 中卫市创科知识产权投资有限公司 一种uv‑202生产工艺
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