JP2005015299A - ガラス溶融炉 - Google Patents

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Abstract

【課題】酸素燃焼バーナーを用いることにより溶融槽の上部空間に熱の輻射能が高い燃焼ガスが充満し得る状態にあっても、溶融ガラスの対流を適度に生じさせることを可能として、高品質のガラス成型品を提供する。
【解決手段】ガラス溶融炉1を構成している溶融槽2内のガラス5に対する酸素燃焼バーナー7の火炎7aの噴射による燃焼ガスの発生領域の一部領域に対して気体状および/または液体状の非燃焼物質10を供給するように構成する。非燃焼物質10としては、空気、酸素、および水蒸気の何れか一つ、または水を使用する。非燃焼物質10は、好ましくは、酸素バーナー7の火炎7aの噴射領域8aよりも下流側の領域8bに供給する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、酸素燃焼バーナーを有するガラス溶融炉に係り、特に溶融槽内でのガラスの加熱溶融に酸素燃焼バーナーを使用することによる燃焼ガスの温度分布の不適切を効率良く回避するための技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、陰極線管用ガラス物品、或いは液晶ディスプレイやプラズマディスプレイ等の平面ディスプレイ用のガラス物品に代表される各種ガラス成型品を製造する工程においては、溶融ガラスの供給源となるガラス溶融炉として、いわゆる空気燃焼バーナーを用いた溶融炉に代えて、重油または天然ガス等の燃料と純酸素とを混合して燃焼させる形式のいわゆる酸素燃焼バーナーを用いた溶融炉が実用化されるに至っている。(特許文献1参照)。
【0003】
この酸素燃焼バーナー使用の溶融炉は、例えば、同文献にも開示されているように、溶融槽の両側壁に複数対の酸素燃焼バーナーを相互に対向させて配設すると共に、これらの酸素燃焼バーナーの火炎を溶融槽内におけるガラス(溶融ガラス)の上部空間中央部に向けて噴射させることにより、溶融槽内のガラスを加熱溶融する構成である。詳述すると、溶融槽の上流側の端壁に形成された投入口を通じて溶融槽内に投入されたガラス原料は、酸素燃焼バーナーによって加熱溶融されると共に、これに伴って生成された溶融ガラスは、溶融槽の下流側の端壁に連設されたスロート(またはネック)を経て、清澄槽に流れていく構成とされている。このスロートは、溶融槽内における溶融ガラスの上層部を下流側に対して仕切る仕切り部としての役目つまり溶融槽内における溶融ガラスの上層部を直接的に下流側に流下させない邪魔板としての役目と、溶融槽と清澄槽とを連通させる流出部としての役目とを果たすものである。
【0004】
また、この溶融炉には、酸素燃焼バーナーの火炎噴射に伴って発生する燃焼ガス(排ガス)を除去するための煙道が設けられるが、この煙道は、燃焼ガスを偏りなく適切に除去できることが必須の条件とされるものであるため、この煙道の配設位置は、複数の酸素燃焼バーナーが配設されている領域の中とされるのが通例である。すなわち、複数の酸素燃焼バーナーが配設されている領域の外における上流側および下流側には煙道を設けないようにすることが好ましいとされている。
【0005】
この場合において、溶融槽内で酸素燃焼バーナーによって加熱溶融される溶融ガラス(ガラス素地)に関しては、対流が生じていることが、高品質のガラス成型品を得る上で不可欠となることが一般に知られている。すなわち、溶融槽内の溶融ガラスに適度な対流が生じていなければ、最終ガラス製品の品質低下を招くという経緯があった。
【0006】
そこで、現状においては、溶融ガラスに対流を生じさせるための種々の対策が講じられているが、この対流は、溶融槽の上部空間における温度分布の制御、溶融ガラスの電気加熱の制御、更にはバブラーによる溶融ガラス底面からの気泡の供給制御によって行なわれているのが実情である。したがって、溶融槽の上部空間(溶融ガラスの上部空間)における温度分布は、溶融ガラスの適度な対流ひいてはガラス成型品の安定した品質を確保する上で極めて重要な要因となる。
【0007】
【特許文献1】
特開平10−59727号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のように溶融ガラスの対流に影響を及ぼす重要な要因である溶融槽の上部空間の温度分布について考察すれば、酸素燃焼バーナー(特に全酸素燃焼バーナー)の火炎噴射に伴って発生する燃焼ガス(排ガス)が当該上部空間に充満するが、この充満した燃焼ガスは、COおよびHOの濃度が高いことから、燃焼ガスの熱の輻射が、既述の空気燃焼バーナーを用いた場合よりも遥かに高くなる。このような現象は、空気燃焼バーナーの火炎噴射に伴って発生する燃焼ガスは、窒素が80%程度を占めることから、酸素燃焼バーナーの場合と比較してCOおよびHOの濃度が遥かに低く、これに起因して熱の輻射が大幅に低下することが原因となって生じているものである。
【0009】
以上の理由により、溶融槽の上部空間には、熱の輻射能が高い燃焼ガスが全域に亘って充満した状態となり、その輻射熱の影響を受ける溶融ガラスも、酸素燃焼バーナーの配設領域およびその下流側の領域において全体的に高温となり、適度な対流が生じなくなる。詳述すると、図5にその温度分布を特性曲線Xとして示すように、溶融槽の上流端における投入口の周辺は、低温のガラス原料が投入されることが原因となって当該上部空間ひいては溶融ガラスの温度も低くなっているが、酸素燃焼バーナーの配設領域の中央部周辺から下流端に至る領域においては、特性曲線Xに符号yで示すように高温状態に維持される。この場合、酸素燃焼バーナーの配設領域よりも下流側の領域の温度が、その配設領域の中央部周辺とほぼ同等に高く維持される理由は、煙道から排出されなかった高温の燃焼ガスがその下流側の領域に滞留することによるものである。
【0010】
このように、溶融槽の上部空間における酸素燃焼バーナーの配設領域およびその下流側の領域が一律に高温となっていると、これらの領域における溶融ガラスの温度も一律に高くなって温度差が小さくなることから、上記のように適度な対流が生じなくなる。そして、このように溶融ガラスに対流が生じなくなると、溶融ガラス中の気泡が浮上して消失するという好都合な現象が生じ難くなり、気泡が混入された状態にある溶融ガラスがそのまま下流側に流出し、清澄槽を経て成型装置に供給される等の不具合を招く。これらが一因となって、高品質のガラス成型品ひいては高品位のガラス製品を得ることが困難となる。
【0011】
なお、上記の特許文献1には、煙道からの排ガス量を調整して溶融槽内(炉内)の温度分布を調整することが開示されているが、このような手法では、煙道周辺の温度を微妙に調整することが可能であるものの、酸素燃焼バーナーの配設領域およびその下流側の領域の温度は、熱の輻射能が高い燃焼ガスによって全体的に高温状態に維持されるため、溶融ガラスに適度な対流が生じるには至らない。
【0012】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、酸素燃焼バーナーを用いることにより溶融槽の上部空間に熱の輻射能が高い燃焼ガスが充満し得る状態にあっても、溶融ガラスの対流を適度に生じさせることを可能として、高品質のガラス成型品を提供することを技術的課題とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記技術的課題を解決するためになされた本発明は、酸素燃焼バーナーを用いて溶融槽内のガラスを加熱溶融するように構成したガラス溶融炉において、前記溶融槽内のガラスに対する酸素燃焼バーナーの火炎噴射による燃焼ガスの発生領域の一部領域に対して気体状および/または液体状の非燃焼物質を供給するように構成したことを特徴とするものである。
【0014】
このような構成によれば、溶融槽内のガラスに対する酸素燃焼バーナーの火炎噴射により、溶融槽内における溶融ガラスの上部空間に熱の輻射能が高い燃焼ガスが充満し得る状態となっても、この燃焼ガスの発生領域の一部領域に、燃焼ガスに比べて低温である気体状および/または液体状の非燃焼物質が供給されることにより、その一部領域に存する燃焼ガスが冷却されて当該領域の温度が低下する。これに伴って、溶融ガラスの当該領域と接触している部位の温度が他の部位よりも低くなることから、溶融ガラスに対流が生じると共に、この対流の影響を受けて溶融ガラス中の気泡が浮上して消失する等の好ましい現象が招来する。これにより、気泡混入等による劣悪な溶融ガラスが成型に使用されるという不具合が回避され、優れた品質のガラス成型品を得ることが可能となる。
【0015】
この場合、上記の気体状の非燃焼物質は、空気、酸素、および水蒸気の何れか一つであることが好ましく、また上記の液体状の非燃焼物質は、水であることが好ましい。
【0016】
そして、その非燃焼物質は、前記酸素燃焼バーナーの火炎の噴射領域よりも下流側の領域に供給するように構成されることが好ましい。
【0017】
このようにすれば、溶融槽内における酸素燃焼バーナーの火炎の噴射によってガラスに対する加熱溶融を確実に実行した上で、その噴射領域の下流側領域における燃焼ガスの温度を低下させると同時に、当該領域に接している溶融ガラスの温度を低下させることにより、溶融ガラス特にその上層部に適切な対流を生じさせることが可能となる。換言すれば、ガラスに対する加熱溶融に何ら支障を生じさせることなく、溶融ガラス特にその上層部に好都合な対流を生じさせることが可能となる。この結果、より優れた品質のガラス成型品が得られることになる。
【0018】
以上の構成において、前記溶融槽の下流側端部に、該溶融室内の溶融ガラスの上層部を下流側に対して仕切る流出部を介して清澄槽が連通していることが好ましい。
【0019】
すなわち、清澄槽は、ガラス成型装置に溶融ガラスを供給するいわば中継地点の役割を果たすものであって、この清澄槽と溶融槽とは、溶融槽内の溶融ガラスの上層部を下流側に対して仕切る流出部によって適度に仕切られた状態となる。このような状態であれば、溶融槽内の溶融ガラス温度と清澄槽内の溶融ガラス温度とに差異があっても、溶融槽内の溶融ガラスの対流への影響は小さい。したがって、このような構成の下では、上記のように非燃焼物質を供給することによって溶融槽内の溶融ガラスに対流を生じさせることが、より顕著な効果として現れることになる。なお、溶融槽内の溶融ガラスの上層部を下流側に対して仕切る流出部を設けている理由の一つは、溶融槽内の溶融ガラスの液面を浮遊している膜状の異物等の清澄槽側への流下を阻止するためである。したがって、この流出部は、異物等が浮遊している液面を除外した溶融ガラスの上層部が、流れ方向を変えて清澄槽側に流下することを阻止するものではない。
【0020】
以上の構成に加えて、前記非燃焼物質の供給温度を一定値に制御する温度制御手段を有していることが好ましい。
【0021】
このように構成すれば、溶融槽の上部空間に存在している燃焼ガスの温度ひいては溶融ガラスの温度を正確且つ簡単に調整できるという利点が得られる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の実施形態に係るガラス溶融炉を模式的に示す概略平面図、図2は、そのガラス溶融炉の縦断正面図、図4は、そのガラス溶融炉の温度特性を示すグラフである。なお、図1および図2は、各図の左側がガラス溶融炉の上流側として描かれ、各図の右側がガラス溶融炉の下流側として描かれている。
【0023】
図1及び図2に示すように、ガラス溶融炉1は、上流側に平面視が略矩形の溶融槽2を有すると共に、この溶融槽2の下流側には、スロート3(またはネック)と称される流出部を介して清澄槽4が連通している。更に、この清澄槽4の下流側は、図外のフィーダ(供給流路)を介してガラス成型装置に通じている。前記溶融槽2の上方および清澄槽4の上方はそれぞれ蓋体2a、4aにより覆われると共に、スロート3の上方は天井壁3aによって完全に閉鎖されている。そして、このスロート3は、溶融槽2内に貯留されて徐々に流下する溶融ガラス5の上層部を下流側に対して仕切ることにより、その溶融ガラス5の上層部の表面を浮遊する膜状の異物等の流下を阻止する役割を果たすものである。
【0024】
前記溶融槽2の上流側の端壁2bには、ガラス原料を投入する投入口6が形成されると共に、該溶融槽2の両側壁2cには、そのガラス原料を加熱溶融して溶融ガラス5を生成するための複数対(図例では4対)の酸素燃焼バーナー(全酸素燃焼バーナー)7が配設されている。これらの酸素燃焼バーナー7は、各一対がそれぞれ対向配置されると共に、各酸素燃焼バーナー7からは溶融ガラス5の上部空間8における幅方向中央部に向けて火炎7aがそれぞれ噴射されるように構成されている。
【0025】
また、溶融槽2の両側壁2cにおける複数対の酸素燃焼バーナー7の配設領域の中には、酸素燃焼バーナー7の火炎7aの噴射に伴って発生する燃焼ガス(排ガス)を除去するための複数対(図例では2対)の煙道9が設けられている。これらの煙道9は、各酸素燃焼バーナー7の火炎7aの状態を良好なものとし、且つ燃焼ガスを偏りなく適切に除去できるように酸素燃焼バーナー7の配設領域の中に設けられている。
【0026】
更に、前記溶融槽2の下流側の端壁2dには、溶融ガラス5の上部空間8における酸素燃焼バーナー7の火炎7aの噴射領域8aよりも下流側の領域8b(以下、下流側領域8bという)に向かって非燃焼物質10を噴射供給する複数の供給部11が配設されている。これらの供給部11から噴射供給される非燃焼物質10としては、気体状の物質または液体状の物質もしくはこの両者を混合した物質が使用される。具体的には、気体状の物質としては、空気、酸素、もしくは水蒸気を挙げることができ、また液体状の物質としては、水を挙げることができる。そして、図示しないが、各供給部11から噴射供給される非燃焼物質10の温度は、温度制御手段の動作により一定値となるように制御される構成とされている。好ましくは、温度制御手段は、個々の供給部11から噴射供給される非燃焼物質10の温度を時間経過の如何に拘わらず一定値とするのみならず、全ての供給部11から噴射供給される非燃焼物質10の温度をバラツキを生じさせることなく一定に維持する制御をも行なうように構成されている。
【0027】
なお、このガラス溶融炉1は、溶融槽2内の溶融ガラス5を電気加熱する手段を備えると共に、溶融ガラス5の底部から気泡を供給するための気泡発生手段としてのバブラーを備えている(図示せず)。
【0028】
また、上記の下流側領域8bに向かって非燃焼物質10を噴射供給する複数の供給部11は、図3に示すように、溶融槽2の両側壁2cにおける当該下流側領域8bに対応する部位に配設しても良く、或いは溶融槽2の蓋体2aにおける当該下流側領域8bに対応する部位に配設しても良い。
【0029】
以上のような構成によれば、溶融槽2の上部空間8における噴射領域8aに対して各酸素燃焼バーナー7の火炎7aが噴射されることにより、その上部空間8の全領域に熱の輻射能が高い燃焼ガスが充満する。この場合、図4にその温度分布を特性曲線Aとして示すように、溶融槽2の上流端における投入口6の周辺は、低温のガラス原料が投入される部位であることから、上部空間8の投入口6周辺ひいてはその部位の溶融ガラス5の温度が符号aで示すように低くなっている。
【0030】
これに対して、各酸素燃焼バーナー7の火炎7aの噴射領域8aにおける中央部周辺は、特性曲線Aに符号bで示すように、高温状態(例えば1200℃〜1600℃程度)に維持されると共に、その下流側領域8bについても何ら対策を講じなければ上記の燃焼ガスによって同程度の高温状態となり得る。
【0031】
しかしながら、このガラス溶融炉1においては、上記の下流側領域8bに対して供給部11から低温の非燃焼物質10が噴射供給されることから、その下流側領域8bに存する燃焼ガスが冷却され、これにより特性曲線Aに符号cで示すように、当該下流側領域8bにおいては下流側に移行するに連れて温度が漸次低下する状態となる。これに伴って、溶融ガラス5の上層部における噴射領域8aの周辺部位と下流側領域8bに対応する部位とで温度差が生じるため、溶融ガラス5の特に上層部に対流が生じ、この対流の影響を受けて溶融ガラス5中の気泡が液面まで浮上して消失する。この結果、気泡混入等による劣悪な溶融ガラス5が清澄槽4を経て成型装置に供給されるという不具合が回避され、優れた品質のガラス成型品を得ることが可能となる。
【0032】
なお、以上の実施形態では、溶融槽2内のガラスに対する酸素燃焼バーナー7の火炎7aの噴射による燃焼ガスの発生領域(燃焼ガスが充満する上部空間8)のうちの下流側領域8bに非燃焼物質10を供給するようにしたが、これ以外の領域、例えば、下流側領域8bと噴射領域8aの下流側部分との双方、或いは下流側領域8bの一部領域のみ等に非燃焼物質10を供給するようにしても良い。
【0033】
【実施例】
本発明の実施例1として、溶融槽2の下流側の端壁2dに、供給部11としての導入管を設置すると共に、この導入管を通じて空気をブロアーにより圧送して前記下流側領域8bに投入するように構成し、且つ、この場合の空気の温度および送風量を一定となるように制御した。このようにして調整された空気を、導入管を通じて前記下流側領域8bに供給することにより、その下流側領域8bにおけるスロート3の近傍の温度を数℃〜数十℃低下させることができた。これにより、前記噴射領域8aの最高温度域と下流側領域8bとの温度差が大きくなって、溶融ガラス5の比重差が大きくなることから、溶融ガラス5の上層部に生じる対流が活発となり、溶融ガラス5の上層部で対流が生じない停滞域が縮減されていることを確認した。
【0034】
本発明の実施例2として、上述の実施例1と同様に導入管を設置した上で、空気に代えて、酸素のみをその導入管を通じて供給するように構成した。このようにした場合には、上述の実施例1と同様の作用効果が得られることに加えて、酸素のみが供給されることにより、窒素成分が溶融槽2内に入らなくななり、窒素酸化物(NOx)の増加を抑止することができた。また、酸素燃焼バーナー(全酸素燃焼バーナー)7の酸素の一部を、下流側領域8bに供給される酸素に置換えることにより、燃焼ガスが充満している噴射領域8aの全域の酸素比率を適正に保つことができた。
【0035】
本発明の実施例3として、上述の実施例1と同様に導入管を設置した上で、空気に代えて、水蒸気をその導入管を通じて供給するように構成した。このようにした場合には、上述の実施例1と同様の作用効果が得られることに加えて、HO分圧の増加によって溶融ガラス5の上層部の表面張力が低減し、これに伴って泡層が減少することを確認した。このように水蒸気を供給する構成によれば、平均定圧比熱の大きいHOを供給することになるため、温度を低下させる効果が上述の実施例1および実施例2よりも優れると共に、溶融ガラス5の表面の泡層低減に寄与することが可能となった。
【0036】
本発明の実施例4として、上述の実施例1と同様に導入管を設置した上で、空気に代えて、噴霧状の水を導入管からスプレーノズル等により供給するように構成した。このように液体状の水を供給することにより、上述の実施例3で得られる効果に加えて、水の潜熱を利用することに伴う大きな温度低下効果が得られた。
【0037】
【発明の効果】
以上のように本発明に係るガラス溶融炉によれば、溶融槽内のガラスに対する酸素燃焼バーナーの火炎噴射による燃焼ガスの発生領域の一部領域に対して気体状および/または液体状の低温の非燃焼物質を供給するようにしたから、酸素燃焼バーナーの火炎噴射により、溶融槽内における溶融ガラスの上部空間に熱の輻射能が高い燃焼ガスが充満し得る状態となっても、この燃焼ガスの発生領域の一部領域に気体状および/または液体状の低温の非燃焼物質が供給されることにより、その一部領域に存する燃焼ガスが冷却されて当該領域の温度が低下する。これにより、溶融ガラス特にその上層部に対流が生じると共に、この対流の影響を受けて溶融ガラス中の気泡が浮上して消失する等の好ましい現象が招来し、これに伴って、気泡混入等による劣悪な溶融ガラスが成型に使用されるという不具合が回避され、優れた品質のガラス成型品を得ることが可能となる。
【0038】
この場合、上記の気体状の非燃焼物質を、空気、酸素、および水蒸気の何れか一つとし、また上記の液体状の非燃焼物質を水とすれば、その取り扱いが容易となり且つ低廉化が図られると共に、安全面および環境面においても優れたガラス溶融炉が実現する。
【0039】
そして、上記の非燃焼物質を、酸素バーナーの火炎の噴射領域よりも下流側の領域に供給するように構成すれば、溶融槽内における酸素燃焼バーナーの火炎の噴射によってガラスに対する加熱溶融を確実に実行した上で、その噴射領域の下流側領域における燃焼ガスの温度ひいては当該領域の溶融ガラスの温度が低下して、溶融ガラス特にその上層部に適切な対流が生じ、この結果、より優れた品質のガラス成型品が得られることになる。
【0040】
更に、溶融槽の下流側端部に、該溶融室内の溶融ガラスの上層部を下流側に対して仕切る流出部を介して清澄槽を連通させるように構成すれば、溶融槽内の溶融ガラスの液面を浮遊している膜状の異物等を清澄槽に流下させることなく、上述の効果を顕著に得ることが可能となる。
【0041】
加えて、非燃焼物質の供給温度を一定値に制御する温度制御手段を備えるように構成すれば、溶融槽の上部空間に存在している燃焼ガスの温度ひいては溶融ガラスの温度を正確且つ簡単に調整できるという利点が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るガラス溶融炉の全体概略構成を示す平面図である。
【図2】本発明の実施形態に係るガラス溶融炉の全体概略構成を示す縦断正面図である。
【図3】本発明の他の実施形態に係るガラス溶融炉の全体概略構成を示す平面図である。
【図4】本発明の実施形態に係るガラス溶融炉の温度特性を示すグラフである。
【図5】従来のガラス溶融炉の温度特性を示すグラフである。
【符号の説明】
1 ガラス溶融炉
2 溶融槽
3 スロート(流出部)
4 清澄槽
5 溶融ガラス
7 酸素燃焼バーナー
7a 火炎
8 上部空間
8a 噴射領域
8b 下流側領域
9 煙道
10 非燃焼物質
11 供給部

Claims (5)

  1. 酸素燃焼バーナーを用いて溶融槽内のガラスを加熱溶融するように構成したガラス溶融炉において、
    前記溶融槽内のガラスに対する酸素燃焼バーナーの火炎噴射による燃焼ガスの発生領域の一部領域に対して気体状および/または液体状の非燃焼物質を供給するように構成したことを特徴とするガラス溶融炉。
  2. 前記非燃焼物質は、空気、酸素、および水蒸気の何れか一つであることを特徴とする請求項1に記載のガラス溶融炉。
  3. 前記非燃焼物質は、水であることを特徴とする請求項1に記載のガラス溶融炉。
  4. 前記酸素バーナーの火炎の噴射領域よりも下流側の領域に前記非燃焼物質を供給するように構成したことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のガラス溶融炉。
  5. 前記非燃焼物質の供給温度を一定値に制御する温度制御手段を有することを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載のガラス溶融炉。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20140107441A (ko) * 2011-12-21 2014-09-04 프랙스에어 테크놀로지, 인코포레이티드 유리용융로 기체 순환의 제어방법

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