JP2005012673A - データ通信システム、icタグおよびリーダライタ - Google Patents
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Abstract
【課題】高い偽造防止機能を有するICタグ、ICタグに記録されたデータを読み取るリーダライタ、ならびに、これらICタグおよびリーダライタを利用したデータ通信システムを実現する。
【解決手段】ICタグ1の同調周波数を生成するアンテナコイル5および同調容量Cのうち少なくとも一部分を、ICタグ1に対応するリーダライタ2に備える。
【選択図】 図1
【解決手段】ICタグ1の同調周波数を生成するアンテナコイル5および同調容量Cのうち少なくとも一部分を、ICタグ1に対応するリーダライタ2に備える。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ICタグ、ICタグに記録されたデータを読み取るリーダライタ、ならびに、ICタグおよびリーダライタを利用したデータ通信システムに関し、特に、ソフトウェアやプリンタカートリッジなどの保護対象物の偽造を防止する機能を有するICタグ、このICタグに記録されたデータを読み取るリーダライタ、ならびに、これらICタグおよびリーダライタを利用したデータ通信システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、ソフトウェアの偽造/違法コピーにより、ソフトウェアメーカーは甚大な被害を被っている。このようなソフトウェアの例としては、ゲームソフト、コンピュータプログラムソフト、音楽ソフトもしくは映像(動画および静止画を含む)ソフトなどがあり、これらのソフトウェアはCD、CD−ROM、DVD、MD、レーザディスク、カセットテープ、DAT、SDカード、メモリスティック、スマートメディア、フレキシブルディスクなどの記録媒体に記録されて市場に出回っている。
【0003】
記録媒体以外でも、例えば業務用プリンタにおいては、インクなどのプリンタカートリッジはメーカー純正品あるいは許可を受けたメーカーによる互換品のみが使用可能であるにもかかわらず、全くの第三者が、プリンタメーカーの許可無くプリンタカートリッジを偽造し販売し、不当な利益を得ることがある。
【0004】
ソフトウェアの偽造/違法コピーやプリンタカートリッジの偽造を防止するために、ICタグおよびこのICタグに記録されたデータを読み取るリーダライタを用いられる偽造防止方法がある。例えば、ソフトウェアが記憶されている記録媒体にICタグを内蔵し、ソフトウェアの不正コピーを防止する方法が既に提案されている(例えば、特許文献1参照)。具体的には、ソフトウェアの記憶媒体あるいはプリンタカートリッジなど偽造を防止したい対象物の所定の位置に、利用制限を解除するための解除キーに関する電子情報や、正規品であることを示す電子情報を記憶したICタグを内蔵しておく。一方、ソフトウェア再生装置あるいはプリンタなどのユーザ側の機器については、ICタグの記憶内容を読み取るためのリーダライタ機能を持たせると共に、ICタグから読み取とったデータを所定の手順に従って処理して解除キーを復元する機能もしくは正規品であるかを判断する機能を持たせる。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−373029号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述の従来のICタグに偽造防止のための電子情報を記録する偽造防止システムでは、解除キーなどの偽造防止のための電子情報さえ分かれば、偽造されたソフトウェアもしくはプリンタカートリッジの偽造は容易である。例えばソフトウェアと共に記録媒体に解除キーが記憶されている場合などでは、別のリーダライタを用いてデータを読み出し、様々な計算処理を利用して記録内容を解読することで解除キーを不正に入手することは可能である。あるいは、不注意により、偽造防止のための電子情報が漏洩してしまうこともあり得る。このようにして得られた偽造防止のための電子情報を、新たに別のICタグに記録することは容易であり、したがって、単にICタグを用いたソフトウェア的対策のみでは保護対象物の偽造防止対策としては不十分である。
【0007】
従って本発明の目的は、上記問題に鑑み、高い偽造防止機能を有するICタグ、ICタグに記録されたデータを読み取るリーダライタ、ならびに、これらICタグおよびリーダライタを利用したデータ通信システムを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を実現するために、本発明においては、非接触型ICタグを、汎用的なリーダライタでは記録内容が読み出せないよう、予め通信不可能な状態で作製しておき、このICタグ専用のリーダライタにこのICタグがセットされたときにのみ上記通信不可能な状態が補完されて通信可能となるような機構を設ける。
【0009】
通常、非接触型ICタグとリーダライタとの間では、ICタグを構成するアンテナコイルのインダクタンスと同調容量のキャパシタンスとで決まる同調周波数が、通信時に使用する搬送波(キャリア)周波数に同調したときに、通信可能となる。本発明はこの非接触型ICタグにおけるデータ通信の原理を利用する。
【0010】
本発明においては、ICタグの同調周波数を生成するアンテナコイルおよび同調容量のうち少なくとも一部分を、ICタグに対応するリーダライタに備える。すなわち、非接触型ICタグおよびリーダライタを、それぞれ単体の状態では同調周波数が得られないように構成し、互いに対応するICタグおよびリーダライタが組み合わされたときのみ同調周波数が得られるように構成する。
【0011】
より具体的には、本発明のデータ通信システムによれば、非接触型のICタグの構成要素であるアンテナコイルもしくは同調容量の一部分をリーダライタ上に構成する。そして、このICタグが専用のリーダライタにセットされたときに、ICタグとリーダライタとの間の通信が可能となる同調周波数が得られるよう、ICタグの上記アンテナコイルもしくは同調容量が構成される。
【0012】
本発明の第1の態様においては、アンテナコイルとICチップとを接続する各導電体に導通する少なくとも2つの導体板を、同一平面上に有するICタグと、このICタグがセットされたときに、少なくとも2つの導体板のそれぞれ少なくとも一部分に対面するよう、ICタグがセットされる領域面上に誘電体もしくは導電体からなる部材を有するリーダライタと、を備える。ICタグがリーダライタにセットされたときに、誘電体もしくは導電体からなる部材を介して少なくとも2つの導体板間にICタグの同調容量が構成される。
【0013】
すなわち、本発明の第1の態様によるICタグは、アンテナコイルとICチップとを接続する各導電体に導通する少なくとも2つの導体板を、ICタグがセットされる領域面上に誘電体もしくは導電体からなる部材を有するリーダライタにICタグがセットされたときに、誘電体もしくは導電体からなる部材と少なくとも2つの導体板のそれぞれ少なくとも一部分とが対面してICタグの同調容量が構成されるよう、同一平面上に備える。
【0014】
また、本発明の第1の態様によるリーダライタは、アンテナコイルとICチップとを接続する各導電体に導通する少なくとも2つの導体板を同一平面上に有するICタグがセットされたときに、少なくとも2つの導体板のそれぞれ少なくとも一部分に対面するよう、ICタグがセットされる領域面上に誘電体もしくは導電体からなる部材を備える。ICタグがセットされたときに、誘電体もしくは導電体からなる部材を介して少なくとも2つの導体板間にICタグの同調容量を構成する。
【0015】
このように、本発明の第1の態様では、ICタグ上の同調容量を構成する平行板コンデンサの一部分をリーダライタ側に設け、これらICタグとリーダライタとがセットされたときに初めて同調容量が構成されて通信可能となる。
【0016】
本発明の第2の態様においては、アンテナコイルとICチップとを接続する一方の導電体に導通する第1の導体板と、アンテナコイルに対して第1の導体板が接続されていない側およびICチップに対して第1の導体板が接続されていない側にそれぞれ設けられる端子と、を有するICタグと、このICタグがセットされたときに、各端子と導通するとともに第1の導体板に対面するよう、ICタグがセットされる領域面上に第2の導体板を有するリーダライタと、を備える。ICタグがリーダライタにセットされたときに、第1の導体板と第2の導体板との間にICタグの同調容量が構成される。
【0017】
すなわち、本発明の第2の態様によるICタグは、アンテナコイルとICチップとを接続する一方の導電体に導通する第1の導体板と、アンテナコイルに対して第1の導体板が接続されていない側およびICチップに対して第1の導体板が接続されていない側にそれぞれ設けられる端子と、を備える。ICタグがセットされる領域面上に第2の導体板を有するリーダライタにICタグがセットされたときに、第2の導体板が各端子と導通するとともに第1の導体板に対面して、第1の導体板と第2の導体板との間にICタグの同調容量が構成される。
【0018】
また、本発明の第2の態様によるリーダライタは、アンテナコイルとICチップとを接続する一方の導電体に導通する第1の導体板と、アンテナコイルに対して第1の導体板が接続されていない側およびICチップに対して第1の導体板が接続されていない側にそれぞれ設けられる端子と、を有するICタグがセットされたときに、各端子と導通するとともに第1の導体板に対面するよう、ICタグがセットされる領域面上に第2の導体板を備える。ICタグがセットされたときに、第1の導体板と第2の導体板との間にICタグの同調容量を構成する。
【0019】
このように、本発明の第2の態様では、上述の第1の態様と同様、ICタグ上の同調容量を構成する平行板コンデンサの一部分をリーダライタ側に設け、これらICタグとリーダライタとがセットされたときに初めて同調容量が構成されて通信可能となる。
【0020】
本発明の第3の態様においては、アンテナコイルの少なくとも一部分が断線したICタグと、このICタグがセットされたときにアンテナコイルの断線した一部分を結線する導電体を、ICタグがセットされる領域面上に有するリーダライタと、を備える。
【0021】
すなわち、本発明の第3の態様によるICタグは、少なくとも一部分が断線したアンテナコイルを備える。断線した一部分を結線する導電体をICタグがセットされる領域面上に有するリーダライタに、ICタグがセットされたときに、非接触データ通信のためのアンテナコイルが構成される。
【0022】
また、本発明の第3の態様によるリーダライタは、非接触データ通信のために備えるアンテナコイルの少なくとも一部分が断線したICタグがセットされたときにICタグのアンテナコイルの断線した一部分を結線する導電体を、ICタグがセットされる領域面上に備える。
【0023】
このように、本発明の第3の態様では、ICタグ上のアンテナコイルの一部分をリーダライタ側に設け、これらICタグとリーダライタとがセットされたときに初めてアンテナコイルが構成されて通信可能となる。
【0024】
本発明は、ICタグの同調周波数を生成するアンテナコイルおよび同調容量のうち少なくとも一部分を、ICタグに対応するリーダライタに備えるものであり、したがって、本発明の第1〜第3の態様を適宜組み合わせて実現してもよい。
【0025】
本発明によれば、偽造防止のための電子情報を記録したICタグを用いたソフトウェア的な偽造防止対策に加え、非接触型ICタグおよびリーダライタを、それぞれ単体の状態では同調周波数が得られないように予め構成し、互いに対応するICタグおよびリーダライタが組み合わされたときのみ同調周波数が得られるよう、ハードウェア的な偽造防止対策も実現するので、高い偽造防止効果を得ることができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の第1の実施例によるICタグを示す上面図である。また、図2は本発明の第1の実施例によるリーダライタを示す上面図である。以降、異なる図面において同じ参照番号が付されたものは同じ構成要素であることを意味するものとする。
【0027】
一般に、非接触型のICタグ1に対する情報のリーダライタ2による読出しおよび書込みは、ICタグ1内のアンテナコイル5とリーダライタ2の情報送受信部3内のアンテナコイル4との間の電磁誘導現象を利用している。
【0028】
本発明の第1の実施例によるICタグ1は、アンテナコイル5とICチップ6とを接続する各導電体に導通する2つの導体板11−1および11−2を、同一平面上に備える。本実施例によるICタグ1は、図2に示すリーダライタ2の領域Aにセットされ得るものとする。
【0029】
本発明の第1の実施例によるリーダライタ2は、上述のICタグ1が領域Aにセットされたときに、2つの導体板11−1および11−2のそれぞれ少なくとも一部分に対面するように、領域面A上に誘電体もしくは導電体からなる部材12を備える。なお、リーダライタ2のアンテナコイル4は、従来の場合と同様、マッチング回路7を介してリーダライタ内の処理部8に電気的に接続される。
【0030】
図3は、本発明の第1の実施例において、ICタグがリーダライタにセットされた状態の一部を示す上面図である。本発明の第1の実施例では、ICタグ1がリーダライタ2の領域Aにセットされたときに、2つの導体板11−1および11−2のそれぞれ少なくとも一部分が、リーダライタ2の誘電体もしくは導電体からなる部材12に対面する。これにより、誘電体もしくは導電体からなる部材12を介して2つの導体板11−1および11−2間にICタグ1の非接触通信に必要な同調容量を構成することになるが、ここでその詳細について説明する。
【0031】
図4は、アンテナコイル、同調容量およびICチップからなるICタグの等価回路を示す回路図である。
【0032】
一般に、非接触型のICタグ1は、アンテナコイル5と、同調容量Cと、ICチップ6とが図示のように並列に接続された形で構成される。
【0033】
非接触型のICタグ1とリーダライタとの間では、ICタグを構成するアンテナコイルのインダクタンスLと同調容量のキャパシタンスCとで決まる周波数1/{2π√(LC)}が、通信時に使用する搬送波(キャリア)周波数に同調したときに、通信可能となる。
【0034】
図5は、平行板コンデンサの静電容量を説明する図である。
【0035】
間隔d[m]を有する平行板導体51−1および51−2の間には誘電率εの誘電体が充填され、平行板導体51−1および51−2には電圧V[V]が印加されるとする。また、平行板導体51−1および51−2の面積をS[m2]とし、これに対して間隔d[m]は十分に小さいものとする。電圧V[V]の印加により、平行板導体51−1および51−2にはそれぞれ、+Q[C]、−Q[C]の電荷が帯電し、電界E[V/m]が生じる。
【0036】
ここで、ガウスの法則により式(1)が得られる。
【0037】
【数1】
【0038】
したがって、式(2)が得られる。
【0039】
【数2】
【0040】
電荷Qの総量はQ=CVであるので、平行板導体による平行板コンデンサの静電容量C[F]は、式(3)で表される。
【0041】
【数3】
【0042】
式(3)から、平行板コンデンサの静電容量の値は、平行板導体の面積、平行板導体間の間隔、および、平行板導体間に充填される誘電体の誘電率の組み合わせで確定することがわかる。
【0043】
図6は、本発明の第1の実施例に利用する平行板コンデンサの静電容量を説明する図であり、図7は、図6の等価回路を示す図である。
【0044】
図3に示したように、ICタグ1がリーダライタ2の領域Aにセットされ、2つの導体板11−1および11−2のそれぞれ少なくとも一部分がリーダライタ2の誘電体もしくは導電体からなる部材12に対面している場合、図6に示すような平行板コンデンサを構成していることになる。図6では、導体板11−1にプラス、導体板11−2にマイナスとなるように電圧V[V]が印加された状態を例示している。このとき、誘電体もしくは導電体からなる部材12のうち、導体板11−1の上方の領域には−Q[C]の電荷が帯電し、導体板11−2の上方の領域には+Q[C]の電荷が帯電し、共に同じ大きさの電界E[V/m]が、導体板11−1および11−2から垂直に、図6の矢印に示す方向に生じる。すなわち、+Q[C]および−Q[C]の電荷が帯電している導体板11−1および11−2は、誘電体もしくは導電体からなる部材12を分極させていることになる。図7はこのときの等価回路を示している。
【0045】
図7において、部材12は、誘電率ε2を有する誘電体D2とする。また、導体板11−1と部材12、および、導体板11−2と部材12の各間には、それぞれ誘電率ε1を有する誘電体D1が充填されているとする。図7中、誘電体D1および誘電体D2のどちらにおいても、電束密度D[C/m2]は同一であり、式(4)のように表すことができる。
【0046】
【数4】
【0047】
導体板11−1と導体板11−2との間の電位差はV[V]であり、誘電体D1、誘電体D2および誘電体D1に生じる電位差V1、V2およびV1の和となる。誘電体D1に生じる電位差は、式(2)より、
【0048】
【数5】
【0049】
となる。また、誘電体D2に生じる電位差は、
【0050】
【数6】
【0051】
となる。したがって、導体板11−1と導体板11−2との間の電位差V[V]は式(7)のようになる。
【0052】
【数7】
【0053】
よって、静電容量Cは式(8)で表される。
【0054】
【数8】
【0055】
このように、図6に示した構造を有すれば、各誘電体の領域を独立の平行板コンデンサとみなすことができ、図7に示すようにこれらを直列接続した場合の合成容量と等しくなる。すなわち、本発明の第1の実施例によれば、ICタグ1がリーダライタ2にセットされたとき、2つの導体板11−1および11−2のそれぞれ少なくとも一部分が、リーダライタ2の誘電体もしくは導電体からなる部材12に対面するが、これは、複数のコンデンサが直列接続した状態と等価になる。本実施例では、ICタグとリーダライタとがセットされたときに初めて同調容量が構成されて通信可能となるが、式(8)から分かるように、同調容量は各パラメータが複雑に組み合わされたものであるので、設計データを知り得ない第三者による偽造は困難である。
【0056】
なお、図7では、導体板11−1と部材12、および、導体板11−2と部材12の各間には、それぞれ誘電率ε1を有する誘電体D1が充填されているとした。図1〜3に示す実際の構成では、誘電体もしくは導電体からなる部材に対面する側の導体板の表面、あるいは、少なくとも2つの導体板に対面する側の誘電体もしくは導電体からなる部材の表面のうち、少なくとも一方に、好ましくは両方に、誘電体層を備える。
【0057】
また、本実施例では誘電体もしくは導電体からなる部材12を誘電体としたが、部材12を導電体で実現する場合には、ICタグの金属パターンと電気的に短絡しないための絶縁処理を表面に施しておくのが好ましい。
【0058】
なお、図1〜3に示したICタグ1およびリーダライタ2上の各構成要素の形状は一例であって、ICタグ1がリーダライタ2の領域Aにセットされたときに、誘電体もしくは導電体からなる部材12と2つの導体板11−1および11−2のそれぞれ少なくとも一部分とが対面する構造であれば、その他の形状であってもよい。
【0059】
また、本実施例では、誘電体もしくは導電体からなる部材に対面する導体板を2つとしたが、これ以上としてもよい。図8は、本発明の第1の実施例の変形例における平行板コンデンサの静電容量を説明する図である。
【0060】
この図8は、4つの導体板13−1、13−2、13−3および13−4とした場合を例示しているが、このときの静電容量Cは式(9)で表される。
【0061】
【数9】
【0062】
導体板の個数が増えるほど、目標とする同調容量を得ることができる構造を設計するのが難しくなるので、設計データを知り得ない第三者による偽造はさらに困難になる。
【0063】
以上説明したように、本発明の第1の実施例によれば、ICタグ上の同調容量を構成する平行板コンデンサの一部分をリーダライタ側に設け、これらICタグとリーダライタとがセットされたときに初めて同調容量が構成されて通信可能となるので、汎用的なリーダライタではICタグと通信できずICタグの記録内容を読み出すことができないので、ICタグの偽造を防止することができる。
【0064】
図9本発明の第2の実施例によるICタグを示す上面図であり、(a)は上面図、(b)は側面図である。また、図10は本発明の第2の実施例によるリーダライタを示す図であり、(a)は上面図、(b)は側面図である。
【0065】
本発明の第2の実施例によるICタグ1は、アンテナコイル5とICチップ6とを接続する一方の導電体に導通する第1の導体板21と、アンテナコイル5に対して第1の導体板21が接続されていない側およびICチップ6に対して第1の導体板21が接続されていない側にそれぞれ設けられる端子23−1および23−2と、を備える。本実施例によるICタグ1は、図10に示すリーダライタ2の領域Aにセットされ得るものとする。
【0066】
本発明の第2の実施例によるリーダライタ2は、上述のICタグ1が領域Aにセットされたときに、各端子23−1および23−2と導通するとともに第1の導体板21に対面するよう、領域A上に第2の導体板22を備える。また、リーダライタ2は、ICタグ1が領域Aにセットされたときに、ICタグ1の各端子23−1および23−2をリーダライタ2の第2の導体板22に導通させるための端子24−1および24−2を備える。
【0067】
また、第2の導体板22に対面する側の第1の導体板21の表面、あるいは、第1の導体板21に対面する側の第2の導体板22の表面のうち、少なくとも一方に、好ましくは両方に、誘電体層を備える。
【0068】
図11は、本発明の第2の実施例において、ICタグがリーダライタにセットされた状態の一部を示す上面図であり、(a)は上面図、(b)は側面図である。
【0069】
本実施例では、ICタグ1がリーダライタ2の領域Aにセットされたときに、リーダライタ2上にある第2の導体板22は、リーダライタ2の各端子24−1および24−2を介してICタグ1の各端子23−1および23−2と導通し、かつ、第1の導体板21に対面する。これにより、第1の導体板21と第2の導体板22との間にICタグ1の非接触通信に必要な同調容量が構成され、その結果、図4に示したアンテナコイル、同調容量およびICチップからなるICタグの等価回路が構成され、ICタグ1とリーダライタ2とは通信可能となる。
【0070】
なお、図9〜11に示したICタグ1およびリーダライタ2上の各構成要素の形状は一例であって、ICタグ1がリーダライタ2の領域Aにセットされたときに、第1の導体体21と第2の導体板22とが対面する構造であれば、その他の形状であってもよい。
【0071】
以上説明したように、本発明の第2の実施例は、上述の第1の実施例と同様、ICタグ上の同調容量を構成する平行板コンデンサの一部分をリーダライタ側に設け、これらICタグとリーダライタとがセットされたときに初めて同調容量が構成されて通信可能となるので、汎用的なリーダライタではICタグと通信できず、ICタグの記録内容を読み出すことができないので、ICタグの偽造を防止することができる。
【0072】
図12は本発明の第3の実施例によるICタグを示す上面図である。また、図13は本発明の第3の実施例によるリーダライタを示す上面図である。
【0073】
本発明の第3の実施例によるICタグ1は、少なくとも一部分(図中、参照符号30で示す)が断線したアンテナコイル5を備える。本実施例によるICタグ1は、図13に示すリーダライタ2の領域Aにセットされ得るものとする。
【0074】
また、本発明の第3の実施例によるリーダライタは、ICタグがセットされる領域A上に、上述のICタグ1がセットされたときにICタグ1のアンテナコイル5の断線した一部分30を結線する導電体32を、備える。また、リーダライタ2は、同調容量を提供する平行板コンデンサ9を備える。
【0075】
本実施例では、ICタグ1がリーダライタ2の領域Aにセットされたときに、ICタグ1のアンテナコイル5の断線した一部分30が導電体32によって結線されて初めてICタグのアンテナコイル5が構成されるが、そのための接続端子として、ICタグ1は端子31−1、31−2、31−3および31−4を、リーダライタ2は33−1、33−2、33−3および33−4を、それぞれ備える。ICタグ1のアンテナコイル5の断線した一部分30が導電体32によって結線されてICタグ1のアンテナコイル5が構成されると、図4に示したアンテナコイル、同調容量およびICチップからなるICタグの等価回路が構成されるので、ICタグ1とリーダライタ2とは通信可能となる。
【0076】
なお、図12および13に示したICタグ1およびリーダライタ2上の各構成要素の形状は一例であって、ICタグ1がリーダライタ2の領域Aにセットされたときに、ICタグ1のアンテナコイル5の断線した一部分30が導電体32によって結線されてICタグのアンテナコイル5が構成される構造であれば、その他の形状であってもよい。
【0077】
以上説明したように、本発明の第3の実施例は、ICタグのアンテナコイルを構成する導電体の一部分をリーダライタ側に設け、これらICタグとリーダライタとがセットされたときに初めてアンテナコイルが構成されて通信可能となるので、汎用的なリーダライタではICタグと通信することができずICタグの記録内容を読み出すことができないので、ICタグの偽造を防止することができる。
【0078】
なお、本発明の第1〜第3の実施例を適宜組み合わせて実現すれば偽造防止効果をさらに高めることができる。
【0079】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、偽造防止のための電子情報を記録したICタグを用いたソフトウェア的な偽造防止対策に加え、非接触型ICタグおよびリーダライタを、それぞれ単体の状態では同調周波数が得られないように予め構成し、対応するICタグおよびリーダライタが組み合わされたときのみ同調周波数が得られるようにする、言わばハードウェア的な偽造防止対策をも実現するので、高い偽造防止効果を得ることができる。ソフトウェアが記録された記録媒体やプリンタカートリッジなどの保護対象物に本発明によるICタグを取り付けることにより偽造防止効果をさらに高めることができる。また、本発明は、非接触型のICタグの他に、非接触型のICカードにも適用可能である。
【0080】
本発明の第1の実施例および第2の実施例によれば、ICタグ上の同調容量を構成する平行板コンデンサの一部分をリーダライタ側に設け、これらICタグとリーダライタとがセットされたときに初めて同調容量が構成されて通信可能となるが、汎用的なリーダライタでは本発明によるICタグと通信することができないので、ICタグの記録内容を読み出すことができず、したがって、ICタグの偽造を防止することができる。同調容量は各パラメータが複雑に組み合わされたものであるので、設計データを知り得ない第三者による偽造は困難である。特に、本発明の第1の実施例によれば、誘電体もしくは導電体からなる部材に対面する導体板の個数が増えるほど、目標とする同調容量を得ることができる構造を設計するのが難しくなるので、設計データを知り得ない第三者による偽造はさらに困難になる。
【0081】
また、本発明の第3の実施例は、ICタグのアンテナコイルを構成する導電体の一部分をリーダライタ側に設け、これらICタグとリーダライタとがセットされたときに初めてアンテナコイルが構成されて通信可能となるので、汎用的なリーダライタではICタグの記録内容を読み出すことができず、ICタグの偽造を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例によるICタグを示す上面図である。
【図2】本発明の第1の実施例によるリーダライタを示す上面図である。
【図3】本発明の第1の実施例において、ICタグがリーダライタにセットされた状態の一部を示す上面図である。
【図4】アンテナコイル、同調容量およびICチップからなるICタグの等価回路を示す回路図である。
【図5】平行板コンデンサの静電容量を説明する図である。
【図6】本発明の第1の実施例に利用する平行板コンデンサの静電容量を説明する図である。
【図7】図6の等価回路を示す図である。
【図8】本発明の第1の実施例の変形例における平行板コンデンサの静電容量を説明する図である。
【図9】本発明の第2の実施例によるICタグを示す上面図であり、(a)は上面図、(b)は側面図である。
【図10】本発明の第2の実施例によるリーダライタを示す図であり、(a)は上面図、(b)は側面図である。
【図11】本発明の第2の実施例において、ICタグがリーダライタにセットされた状態の一部を示す上面図であり、(a)は上面図、(b)は側面図である。
【図12】本発明の第3の実施例によるICタグを示す上面図である。
【図13】本発明の第3の実施例によるリーダライタを示す上面図である。
【符号の説明】
1…ICタグ
2…リーダライタ
3…情報送受信部
4、5…アンテナコイル
6…ICチップ
7…マッチング回路
8…リーダライタ内の処理部
9…平行板コンデンサ
11−1、11−2、13−1…導体板
13−2、13−3、13−4…導体板
12…誘電体もしくは導電体からなる部材
21…第1の導体板
22…第2の導体板
23−1、23−2、24−1、24−2…端子
30…アンテナコイルの断線部分
31−1、31−2、31−3、31−4…端子
32…アンテナコイルの断線部分を結線する導電対
33−1、33−2、33−3、33−4…端子
51−1、51−2…平行板導体
【発明の属する技術分野】
本発明は、ICタグ、ICタグに記録されたデータを読み取るリーダライタ、ならびに、ICタグおよびリーダライタを利用したデータ通信システムに関し、特に、ソフトウェアやプリンタカートリッジなどの保護対象物の偽造を防止する機能を有するICタグ、このICタグに記録されたデータを読み取るリーダライタ、ならびに、これらICタグおよびリーダライタを利用したデータ通信システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、ソフトウェアの偽造/違法コピーにより、ソフトウェアメーカーは甚大な被害を被っている。このようなソフトウェアの例としては、ゲームソフト、コンピュータプログラムソフト、音楽ソフトもしくは映像(動画および静止画を含む)ソフトなどがあり、これらのソフトウェアはCD、CD−ROM、DVD、MD、レーザディスク、カセットテープ、DAT、SDカード、メモリスティック、スマートメディア、フレキシブルディスクなどの記録媒体に記録されて市場に出回っている。
【0003】
記録媒体以外でも、例えば業務用プリンタにおいては、インクなどのプリンタカートリッジはメーカー純正品あるいは許可を受けたメーカーによる互換品のみが使用可能であるにもかかわらず、全くの第三者が、プリンタメーカーの許可無くプリンタカートリッジを偽造し販売し、不当な利益を得ることがある。
【0004】
ソフトウェアの偽造/違法コピーやプリンタカートリッジの偽造を防止するために、ICタグおよびこのICタグに記録されたデータを読み取るリーダライタを用いられる偽造防止方法がある。例えば、ソフトウェアが記憶されている記録媒体にICタグを内蔵し、ソフトウェアの不正コピーを防止する方法が既に提案されている(例えば、特許文献1参照)。具体的には、ソフトウェアの記憶媒体あるいはプリンタカートリッジなど偽造を防止したい対象物の所定の位置に、利用制限を解除するための解除キーに関する電子情報や、正規品であることを示す電子情報を記憶したICタグを内蔵しておく。一方、ソフトウェア再生装置あるいはプリンタなどのユーザ側の機器については、ICタグの記憶内容を読み取るためのリーダライタ機能を持たせると共に、ICタグから読み取とったデータを所定の手順に従って処理して解除キーを復元する機能もしくは正規品であるかを判断する機能を持たせる。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−373029号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述の従来のICタグに偽造防止のための電子情報を記録する偽造防止システムでは、解除キーなどの偽造防止のための電子情報さえ分かれば、偽造されたソフトウェアもしくはプリンタカートリッジの偽造は容易である。例えばソフトウェアと共に記録媒体に解除キーが記憶されている場合などでは、別のリーダライタを用いてデータを読み出し、様々な計算処理を利用して記録内容を解読することで解除キーを不正に入手することは可能である。あるいは、不注意により、偽造防止のための電子情報が漏洩してしまうこともあり得る。このようにして得られた偽造防止のための電子情報を、新たに別のICタグに記録することは容易であり、したがって、単にICタグを用いたソフトウェア的対策のみでは保護対象物の偽造防止対策としては不十分である。
【0007】
従って本発明の目的は、上記問題に鑑み、高い偽造防止機能を有するICタグ、ICタグに記録されたデータを読み取るリーダライタ、ならびに、これらICタグおよびリーダライタを利用したデータ通信システムを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を実現するために、本発明においては、非接触型ICタグを、汎用的なリーダライタでは記録内容が読み出せないよう、予め通信不可能な状態で作製しておき、このICタグ専用のリーダライタにこのICタグがセットされたときにのみ上記通信不可能な状態が補完されて通信可能となるような機構を設ける。
【0009】
通常、非接触型ICタグとリーダライタとの間では、ICタグを構成するアンテナコイルのインダクタンスと同調容量のキャパシタンスとで決まる同調周波数が、通信時に使用する搬送波(キャリア)周波数に同調したときに、通信可能となる。本発明はこの非接触型ICタグにおけるデータ通信の原理を利用する。
【0010】
本発明においては、ICタグの同調周波数を生成するアンテナコイルおよび同調容量のうち少なくとも一部分を、ICタグに対応するリーダライタに備える。すなわち、非接触型ICタグおよびリーダライタを、それぞれ単体の状態では同調周波数が得られないように構成し、互いに対応するICタグおよびリーダライタが組み合わされたときのみ同調周波数が得られるように構成する。
【0011】
より具体的には、本発明のデータ通信システムによれば、非接触型のICタグの構成要素であるアンテナコイルもしくは同調容量の一部分をリーダライタ上に構成する。そして、このICタグが専用のリーダライタにセットされたときに、ICタグとリーダライタとの間の通信が可能となる同調周波数が得られるよう、ICタグの上記アンテナコイルもしくは同調容量が構成される。
【0012】
本発明の第1の態様においては、アンテナコイルとICチップとを接続する各導電体に導通する少なくとも2つの導体板を、同一平面上に有するICタグと、このICタグがセットされたときに、少なくとも2つの導体板のそれぞれ少なくとも一部分に対面するよう、ICタグがセットされる領域面上に誘電体もしくは導電体からなる部材を有するリーダライタと、を備える。ICタグがリーダライタにセットされたときに、誘電体もしくは導電体からなる部材を介して少なくとも2つの導体板間にICタグの同調容量が構成される。
【0013】
すなわち、本発明の第1の態様によるICタグは、アンテナコイルとICチップとを接続する各導電体に導通する少なくとも2つの導体板を、ICタグがセットされる領域面上に誘電体もしくは導電体からなる部材を有するリーダライタにICタグがセットされたときに、誘電体もしくは導電体からなる部材と少なくとも2つの導体板のそれぞれ少なくとも一部分とが対面してICタグの同調容量が構成されるよう、同一平面上に備える。
【0014】
また、本発明の第1の態様によるリーダライタは、アンテナコイルとICチップとを接続する各導電体に導通する少なくとも2つの導体板を同一平面上に有するICタグがセットされたときに、少なくとも2つの導体板のそれぞれ少なくとも一部分に対面するよう、ICタグがセットされる領域面上に誘電体もしくは導電体からなる部材を備える。ICタグがセットされたときに、誘電体もしくは導電体からなる部材を介して少なくとも2つの導体板間にICタグの同調容量を構成する。
【0015】
このように、本発明の第1の態様では、ICタグ上の同調容量を構成する平行板コンデンサの一部分をリーダライタ側に設け、これらICタグとリーダライタとがセットされたときに初めて同調容量が構成されて通信可能となる。
【0016】
本発明の第2の態様においては、アンテナコイルとICチップとを接続する一方の導電体に導通する第1の導体板と、アンテナコイルに対して第1の導体板が接続されていない側およびICチップに対して第1の導体板が接続されていない側にそれぞれ設けられる端子と、を有するICタグと、このICタグがセットされたときに、各端子と導通するとともに第1の導体板に対面するよう、ICタグがセットされる領域面上に第2の導体板を有するリーダライタと、を備える。ICタグがリーダライタにセットされたときに、第1の導体板と第2の導体板との間にICタグの同調容量が構成される。
【0017】
すなわち、本発明の第2の態様によるICタグは、アンテナコイルとICチップとを接続する一方の導電体に導通する第1の導体板と、アンテナコイルに対して第1の導体板が接続されていない側およびICチップに対して第1の導体板が接続されていない側にそれぞれ設けられる端子と、を備える。ICタグがセットされる領域面上に第2の導体板を有するリーダライタにICタグがセットされたときに、第2の導体板が各端子と導通するとともに第1の導体板に対面して、第1の導体板と第2の導体板との間にICタグの同調容量が構成される。
【0018】
また、本発明の第2の態様によるリーダライタは、アンテナコイルとICチップとを接続する一方の導電体に導通する第1の導体板と、アンテナコイルに対して第1の導体板が接続されていない側およびICチップに対して第1の導体板が接続されていない側にそれぞれ設けられる端子と、を有するICタグがセットされたときに、各端子と導通するとともに第1の導体板に対面するよう、ICタグがセットされる領域面上に第2の導体板を備える。ICタグがセットされたときに、第1の導体板と第2の導体板との間にICタグの同調容量を構成する。
【0019】
このように、本発明の第2の態様では、上述の第1の態様と同様、ICタグ上の同調容量を構成する平行板コンデンサの一部分をリーダライタ側に設け、これらICタグとリーダライタとがセットされたときに初めて同調容量が構成されて通信可能となる。
【0020】
本発明の第3の態様においては、アンテナコイルの少なくとも一部分が断線したICタグと、このICタグがセットされたときにアンテナコイルの断線した一部分を結線する導電体を、ICタグがセットされる領域面上に有するリーダライタと、を備える。
【0021】
すなわち、本発明の第3の態様によるICタグは、少なくとも一部分が断線したアンテナコイルを備える。断線した一部分を結線する導電体をICタグがセットされる領域面上に有するリーダライタに、ICタグがセットされたときに、非接触データ通信のためのアンテナコイルが構成される。
【0022】
また、本発明の第3の態様によるリーダライタは、非接触データ通信のために備えるアンテナコイルの少なくとも一部分が断線したICタグがセットされたときにICタグのアンテナコイルの断線した一部分を結線する導電体を、ICタグがセットされる領域面上に備える。
【0023】
このように、本発明の第3の態様では、ICタグ上のアンテナコイルの一部分をリーダライタ側に設け、これらICタグとリーダライタとがセットされたときに初めてアンテナコイルが構成されて通信可能となる。
【0024】
本発明は、ICタグの同調周波数を生成するアンテナコイルおよび同調容量のうち少なくとも一部分を、ICタグに対応するリーダライタに備えるものであり、したがって、本発明の第1〜第3の態様を適宜組み合わせて実現してもよい。
【0025】
本発明によれば、偽造防止のための電子情報を記録したICタグを用いたソフトウェア的な偽造防止対策に加え、非接触型ICタグおよびリーダライタを、それぞれ単体の状態では同調周波数が得られないように予め構成し、互いに対応するICタグおよびリーダライタが組み合わされたときのみ同調周波数が得られるよう、ハードウェア的な偽造防止対策も実現するので、高い偽造防止効果を得ることができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の第1の実施例によるICタグを示す上面図である。また、図2は本発明の第1の実施例によるリーダライタを示す上面図である。以降、異なる図面において同じ参照番号が付されたものは同じ構成要素であることを意味するものとする。
【0027】
一般に、非接触型のICタグ1に対する情報のリーダライタ2による読出しおよび書込みは、ICタグ1内のアンテナコイル5とリーダライタ2の情報送受信部3内のアンテナコイル4との間の電磁誘導現象を利用している。
【0028】
本発明の第1の実施例によるICタグ1は、アンテナコイル5とICチップ6とを接続する各導電体に導通する2つの導体板11−1および11−2を、同一平面上に備える。本実施例によるICタグ1は、図2に示すリーダライタ2の領域Aにセットされ得るものとする。
【0029】
本発明の第1の実施例によるリーダライタ2は、上述のICタグ1が領域Aにセットされたときに、2つの導体板11−1および11−2のそれぞれ少なくとも一部分に対面するように、領域面A上に誘電体もしくは導電体からなる部材12を備える。なお、リーダライタ2のアンテナコイル4は、従来の場合と同様、マッチング回路7を介してリーダライタ内の処理部8に電気的に接続される。
【0030】
図3は、本発明の第1の実施例において、ICタグがリーダライタにセットされた状態の一部を示す上面図である。本発明の第1の実施例では、ICタグ1がリーダライタ2の領域Aにセットされたときに、2つの導体板11−1および11−2のそれぞれ少なくとも一部分が、リーダライタ2の誘電体もしくは導電体からなる部材12に対面する。これにより、誘電体もしくは導電体からなる部材12を介して2つの導体板11−1および11−2間にICタグ1の非接触通信に必要な同調容量を構成することになるが、ここでその詳細について説明する。
【0031】
図4は、アンテナコイル、同調容量およびICチップからなるICタグの等価回路を示す回路図である。
【0032】
一般に、非接触型のICタグ1は、アンテナコイル5と、同調容量Cと、ICチップ6とが図示のように並列に接続された形で構成される。
【0033】
非接触型のICタグ1とリーダライタとの間では、ICタグを構成するアンテナコイルのインダクタンスLと同調容量のキャパシタンスCとで決まる周波数1/{2π√(LC)}が、通信時に使用する搬送波(キャリア)周波数に同調したときに、通信可能となる。
【0034】
図5は、平行板コンデンサの静電容量を説明する図である。
【0035】
間隔d[m]を有する平行板導体51−1および51−2の間には誘電率εの誘電体が充填され、平行板導体51−1および51−2には電圧V[V]が印加されるとする。また、平行板導体51−1および51−2の面積をS[m2]とし、これに対して間隔d[m]は十分に小さいものとする。電圧V[V]の印加により、平行板導体51−1および51−2にはそれぞれ、+Q[C]、−Q[C]の電荷が帯電し、電界E[V/m]が生じる。
【0036】
ここで、ガウスの法則により式(1)が得られる。
【0037】
【数1】
【0038】
したがって、式(2)が得られる。
【0039】
【数2】
【0040】
電荷Qの総量はQ=CVであるので、平行板導体による平行板コンデンサの静電容量C[F]は、式(3)で表される。
【0041】
【数3】
【0042】
式(3)から、平行板コンデンサの静電容量の値は、平行板導体の面積、平行板導体間の間隔、および、平行板導体間に充填される誘電体の誘電率の組み合わせで確定することがわかる。
【0043】
図6は、本発明の第1の実施例に利用する平行板コンデンサの静電容量を説明する図であり、図7は、図6の等価回路を示す図である。
【0044】
図3に示したように、ICタグ1がリーダライタ2の領域Aにセットされ、2つの導体板11−1および11−2のそれぞれ少なくとも一部分がリーダライタ2の誘電体もしくは導電体からなる部材12に対面している場合、図6に示すような平行板コンデンサを構成していることになる。図6では、導体板11−1にプラス、導体板11−2にマイナスとなるように電圧V[V]が印加された状態を例示している。このとき、誘電体もしくは導電体からなる部材12のうち、導体板11−1の上方の領域には−Q[C]の電荷が帯電し、導体板11−2の上方の領域には+Q[C]の電荷が帯電し、共に同じ大きさの電界E[V/m]が、導体板11−1および11−2から垂直に、図6の矢印に示す方向に生じる。すなわち、+Q[C]および−Q[C]の電荷が帯電している導体板11−1および11−2は、誘電体もしくは導電体からなる部材12を分極させていることになる。図7はこのときの等価回路を示している。
【0045】
図7において、部材12は、誘電率ε2を有する誘電体D2とする。また、導体板11−1と部材12、および、導体板11−2と部材12の各間には、それぞれ誘電率ε1を有する誘電体D1が充填されているとする。図7中、誘電体D1および誘電体D2のどちらにおいても、電束密度D[C/m2]は同一であり、式(4)のように表すことができる。
【0046】
【数4】
【0047】
導体板11−1と導体板11−2との間の電位差はV[V]であり、誘電体D1、誘電体D2および誘電体D1に生じる電位差V1、V2およびV1の和となる。誘電体D1に生じる電位差は、式(2)より、
【0048】
【数5】
【0049】
となる。また、誘電体D2に生じる電位差は、
【0050】
【数6】
【0051】
となる。したがって、導体板11−1と導体板11−2との間の電位差V[V]は式(7)のようになる。
【0052】
【数7】
【0053】
よって、静電容量Cは式(8)で表される。
【0054】
【数8】
【0055】
このように、図6に示した構造を有すれば、各誘電体の領域を独立の平行板コンデンサとみなすことができ、図7に示すようにこれらを直列接続した場合の合成容量と等しくなる。すなわち、本発明の第1の実施例によれば、ICタグ1がリーダライタ2にセットされたとき、2つの導体板11−1および11−2のそれぞれ少なくとも一部分が、リーダライタ2の誘電体もしくは導電体からなる部材12に対面するが、これは、複数のコンデンサが直列接続した状態と等価になる。本実施例では、ICタグとリーダライタとがセットされたときに初めて同調容量が構成されて通信可能となるが、式(8)から分かるように、同調容量は各パラメータが複雑に組み合わされたものであるので、設計データを知り得ない第三者による偽造は困難である。
【0056】
なお、図7では、導体板11−1と部材12、および、導体板11−2と部材12の各間には、それぞれ誘電率ε1を有する誘電体D1が充填されているとした。図1〜3に示す実際の構成では、誘電体もしくは導電体からなる部材に対面する側の導体板の表面、あるいは、少なくとも2つの導体板に対面する側の誘電体もしくは導電体からなる部材の表面のうち、少なくとも一方に、好ましくは両方に、誘電体層を備える。
【0057】
また、本実施例では誘電体もしくは導電体からなる部材12を誘電体としたが、部材12を導電体で実現する場合には、ICタグの金属パターンと電気的に短絡しないための絶縁処理を表面に施しておくのが好ましい。
【0058】
なお、図1〜3に示したICタグ1およびリーダライタ2上の各構成要素の形状は一例であって、ICタグ1がリーダライタ2の領域Aにセットされたときに、誘電体もしくは導電体からなる部材12と2つの導体板11−1および11−2のそれぞれ少なくとも一部分とが対面する構造であれば、その他の形状であってもよい。
【0059】
また、本実施例では、誘電体もしくは導電体からなる部材に対面する導体板を2つとしたが、これ以上としてもよい。図8は、本発明の第1の実施例の変形例における平行板コンデンサの静電容量を説明する図である。
【0060】
この図8は、4つの導体板13−1、13−2、13−3および13−4とした場合を例示しているが、このときの静電容量Cは式(9)で表される。
【0061】
【数9】
【0062】
導体板の個数が増えるほど、目標とする同調容量を得ることができる構造を設計するのが難しくなるので、設計データを知り得ない第三者による偽造はさらに困難になる。
【0063】
以上説明したように、本発明の第1の実施例によれば、ICタグ上の同調容量を構成する平行板コンデンサの一部分をリーダライタ側に設け、これらICタグとリーダライタとがセットされたときに初めて同調容量が構成されて通信可能となるので、汎用的なリーダライタではICタグと通信できずICタグの記録内容を読み出すことができないので、ICタグの偽造を防止することができる。
【0064】
図9本発明の第2の実施例によるICタグを示す上面図であり、(a)は上面図、(b)は側面図である。また、図10は本発明の第2の実施例によるリーダライタを示す図であり、(a)は上面図、(b)は側面図である。
【0065】
本発明の第2の実施例によるICタグ1は、アンテナコイル5とICチップ6とを接続する一方の導電体に導通する第1の導体板21と、アンテナコイル5に対して第1の導体板21が接続されていない側およびICチップ6に対して第1の導体板21が接続されていない側にそれぞれ設けられる端子23−1および23−2と、を備える。本実施例によるICタグ1は、図10に示すリーダライタ2の領域Aにセットされ得るものとする。
【0066】
本発明の第2の実施例によるリーダライタ2は、上述のICタグ1が領域Aにセットされたときに、各端子23−1および23−2と導通するとともに第1の導体板21に対面するよう、領域A上に第2の導体板22を備える。また、リーダライタ2は、ICタグ1が領域Aにセットされたときに、ICタグ1の各端子23−1および23−2をリーダライタ2の第2の導体板22に導通させるための端子24−1および24−2を備える。
【0067】
また、第2の導体板22に対面する側の第1の導体板21の表面、あるいは、第1の導体板21に対面する側の第2の導体板22の表面のうち、少なくとも一方に、好ましくは両方に、誘電体層を備える。
【0068】
図11は、本発明の第2の実施例において、ICタグがリーダライタにセットされた状態の一部を示す上面図であり、(a)は上面図、(b)は側面図である。
【0069】
本実施例では、ICタグ1がリーダライタ2の領域Aにセットされたときに、リーダライタ2上にある第2の導体板22は、リーダライタ2の各端子24−1および24−2を介してICタグ1の各端子23−1および23−2と導通し、かつ、第1の導体板21に対面する。これにより、第1の導体板21と第2の導体板22との間にICタグ1の非接触通信に必要な同調容量が構成され、その結果、図4に示したアンテナコイル、同調容量およびICチップからなるICタグの等価回路が構成され、ICタグ1とリーダライタ2とは通信可能となる。
【0070】
なお、図9〜11に示したICタグ1およびリーダライタ2上の各構成要素の形状は一例であって、ICタグ1がリーダライタ2の領域Aにセットされたときに、第1の導体体21と第2の導体板22とが対面する構造であれば、その他の形状であってもよい。
【0071】
以上説明したように、本発明の第2の実施例は、上述の第1の実施例と同様、ICタグ上の同調容量を構成する平行板コンデンサの一部分をリーダライタ側に設け、これらICタグとリーダライタとがセットされたときに初めて同調容量が構成されて通信可能となるので、汎用的なリーダライタではICタグと通信できず、ICタグの記録内容を読み出すことができないので、ICタグの偽造を防止することができる。
【0072】
図12は本発明の第3の実施例によるICタグを示す上面図である。また、図13は本発明の第3の実施例によるリーダライタを示す上面図である。
【0073】
本発明の第3の実施例によるICタグ1は、少なくとも一部分(図中、参照符号30で示す)が断線したアンテナコイル5を備える。本実施例によるICタグ1は、図13に示すリーダライタ2の領域Aにセットされ得るものとする。
【0074】
また、本発明の第3の実施例によるリーダライタは、ICタグがセットされる領域A上に、上述のICタグ1がセットされたときにICタグ1のアンテナコイル5の断線した一部分30を結線する導電体32を、備える。また、リーダライタ2は、同調容量を提供する平行板コンデンサ9を備える。
【0075】
本実施例では、ICタグ1がリーダライタ2の領域Aにセットされたときに、ICタグ1のアンテナコイル5の断線した一部分30が導電体32によって結線されて初めてICタグのアンテナコイル5が構成されるが、そのための接続端子として、ICタグ1は端子31−1、31−2、31−3および31−4を、リーダライタ2は33−1、33−2、33−3および33−4を、それぞれ備える。ICタグ1のアンテナコイル5の断線した一部分30が導電体32によって結線されてICタグ1のアンテナコイル5が構成されると、図4に示したアンテナコイル、同調容量およびICチップからなるICタグの等価回路が構成されるので、ICタグ1とリーダライタ2とは通信可能となる。
【0076】
なお、図12および13に示したICタグ1およびリーダライタ2上の各構成要素の形状は一例であって、ICタグ1がリーダライタ2の領域Aにセットされたときに、ICタグ1のアンテナコイル5の断線した一部分30が導電体32によって結線されてICタグのアンテナコイル5が構成される構造であれば、その他の形状であってもよい。
【0077】
以上説明したように、本発明の第3の実施例は、ICタグのアンテナコイルを構成する導電体の一部分をリーダライタ側に設け、これらICタグとリーダライタとがセットされたときに初めてアンテナコイルが構成されて通信可能となるので、汎用的なリーダライタではICタグと通信することができずICタグの記録内容を読み出すことができないので、ICタグの偽造を防止することができる。
【0078】
なお、本発明の第1〜第3の実施例を適宜組み合わせて実現すれば偽造防止効果をさらに高めることができる。
【0079】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、偽造防止のための電子情報を記録したICタグを用いたソフトウェア的な偽造防止対策に加え、非接触型ICタグおよびリーダライタを、それぞれ単体の状態では同調周波数が得られないように予め構成し、対応するICタグおよびリーダライタが組み合わされたときのみ同調周波数が得られるようにする、言わばハードウェア的な偽造防止対策をも実現するので、高い偽造防止効果を得ることができる。ソフトウェアが記録された記録媒体やプリンタカートリッジなどの保護対象物に本発明によるICタグを取り付けることにより偽造防止効果をさらに高めることができる。また、本発明は、非接触型のICタグの他に、非接触型のICカードにも適用可能である。
【0080】
本発明の第1の実施例および第2の実施例によれば、ICタグ上の同調容量を構成する平行板コンデンサの一部分をリーダライタ側に設け、これらICタグとリーダライタとがセットされたときに初めて同調容量が構成されて通信可能となるが、汎用的なリーダライタでは本発明によるICタグと通信することができないので、ICタグの記録内容を読み出すことができず、したがって、ICタグの偽造を防止することができる。同調容量は各パラメータが複雑に組み合わされたものであるので、設計データを知り得ない第三者による偽造は困難である。特に、本発明の第1の実施例によれば、誘電体もしくは導電体からなる部材に対面する導体板の個数が増えるほど、目標とする同調容量を得ることができる構造を設計するのが難しくなるので、設計データを知り得ない第三者による偽造はさらに困難になる。
【0081】
また、本発明の第3の実施例は、ICタグのアンテナコイルを構成する導電体の一部分をリーダライタ側に設け、これらICタグとリーダライタとがセットされたときに初めてアンテナコイルが構成されて通信可能となるので、汎用的なリーダライタではICタグの記録内容を読み出すことができず、ICタグの偽造を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例によるICタグを示す上面図である。
【図2】本発明の第1の実施例によるリーダライタを示す上面図である。
【図3】本発明の第1の実施例において、ICタグがリーダライタにセットされた状態の一部を示す上面図である。
【図4】アンテナコイル、同調容量およびICチップからなるICタグの等価回路を示す回路図である。
【図5】平行板コンデンサの静電容量を説明する図である。
【図6】本発明の第1の実施例に利用する平行板コンデンサの静電容量を説明する図である。
【図7】図6の等価回路を示す図である。
【図8】本発明の第1の実施例の変形例における平行板コンデンサの静電容量を説明する図である。
【図9】本発明の第2の実施例によるICタグを示す上面図であり、(a)は上面図、(b)は側面図である。
【図10】本発明の第2の実施例によるリーダライタを示す図であり、(a)は上面図、(b)は側面図である。
【図11】本発明の第2の実施例において、ICタグがリーダライタにセットされた状態の一部を示す上面図であり、(a)は上面図、(b)は側面図である。
【図12】本発明の第3の実施例によるICタグを示す上面図である。
【図13】本発明の第3の実施例によるリーダライタを示す上面図である。
【符号の説明】
1…ICタグ
2…リーダライタ
3…情報送受信部
4、5…アンテナコイル
6…ICチップ
7…マッチング回路
8…リーダライタ内の処理部
9…平行板コンデンサ
11−1、11−2、13−1…導体板
13−2、13−3、13−4…導体板
12…誘電体もしくは導電体からなる部材
21…第1の導体板
22…第2の導体板
23−1、23−2、24−1、24−2…端子
30…アンテナコイルの断線部分
31−1、31−2、31−3、31−4…端子
32…アンテナコイルの断線部分を結線する導電対
33−1、33−2、33−3、33−4…端子
51−1、51−2…平行板導体
Claims (18)
- ICタグの同調周波数を生成するアンテナコイルおよび同調容量のうち少なくとも一部分を、前記ICタグに対応するリーダライタに備えることを特徴とするデータ通信システム。
- 同調周波数を生成するアンテナコイルおよび同調容量のうち少なくとも一部分が、対応するリーダライタに備えられることを特徴とするICタグ。
- ICタグの同調周波数を生成するアンテナコイルおよび同調容量のうち少なくとも一部分を備えることを特徴とするリーダライタ。
- アンテナコイルとICチップとを接続する各導電体に導通する少なくとも2つの導体板を、同一平面上に有するICタグと、
該ICタグがセットされたときに、前記少なくとも2つの導体板のそれぞれ少なくとも一部分に対面するよう、該ICタグがセットされる領域面上に誘電体もしくは導電体からなる部材を有するリーダライタと、を備え、
前記ICタグが前記リーダライタにセットされたときに、前記誘電体もしくは導電体からなる部材を介して前記少なくとも2つの導体板間に前記ICタグの同調容量が構成されることを特徴とするデータ通信システム。 - 前記誘電体もしくは導電体からなる部材に対面する側の前記少なくとも2つの導体板の表面、あるいは、前記少なくとも2つの導体板に対面する側の前記誘電体もしくは導電体からなる部材の表面のうち、少なくとも一方に誘電体層を備える請求項4に記載のデータ通信システム。
- アンテナコイルとICチップとを接続する一方の導電体に導通する第1の導体板と、前記アンテナコイルに対して前記第1の導電板が接続されていない側および前記ICチップに対して前記第1の導体板が接続されていない側にそれぞれ設けられる端子と、を有するICタグと、
該ICタグがセットされたときに、各前記端子と導通するとともに前記第1の導体板に対面するよう、該ICタグがセットされる領域面上に第2の導体板を有するリーダライタと、を備え、
前記ICタグが前記リーダライタにセットされたときに、前記第1の導体板と前記第2の導体板との間に前記ICタグの同調容量が構成されることを特徴とするデータ通信システム。 - 前記第2の導体板に対面する側の前記第1の導体板の表面、あるいは、前記第1の導体板に対面する側の前記第2の導体板の表面のうち、少なくとも一方に誘電体層を備える請求項6に記載のデータ通信システム。
- アンテナコイルの少なくとも一部分が断線したICタグと、該ICタグがセットされたときに前記アンテナコイルの断線した前記一部分を結線する導電体を、該ICタグがセットされる領域面上に有するリーダライタと、を備えることを特徴とするデータ通信システム。
- アンテナコイルとICチップとを接続する各導電体に導通する少なくとも2つの導体板を、
該ICタグがセットされる領域面上に誘電体もしくは導電体からなる部材を有するリーダライタに該ICタグがセットされたときに、前記誘電体もしくは導電体からなる部材と前記少なくとも2つの導体板のそれぞれ少なくとも一部分とが対面して該ICタグの同調容量が構成されるよう、
同一平面上に備えることを特徴とするICタグ。 - 前記誘電体もしくは導電体からなる部材に対面する側の前記少なくとも2つの導体板の表面に誘電体層を備える請求項9に記載のICタグ。
- アンテナコイルとICチップとを接続する一方の導電体に導通する第1の導体板と、前記アンテナコイルに対して前記第1の導体板が接続されていない側および前記ICチップに対して前記第1の導体板が接続されていない側にそれぞれ設けられる端子と、を備え、
該ICタグがセットされる領域面上に第2の導体板を有するリーダライタに該ICタグがセットされたときに、前記第2の導体板が各前記端子と導通するとともに前記第1の導体板に対面して、前記第1の導体板と前記第2の導体板との間に該ICタグの同調容量が構成されることを特徴とするICタグ。 - 前記第2の導体板に対面する側の前記第1の導体板の表面に誘電体層を備える請求項11に記載のICタグ。
- 少なくとも一部分が断線したアンテナコイルを備え、
断線した前記一部分を結線する導電体を前記ICタグがセットされる領域面上に有するリーダライタに該ICタグがセットされたときに、非接触データ通信のための前記アンテナコイルが構成されることを特徴とするICタグ。 - アンテナコイルとICチップとを接続する各導電体に導通する少なくとも2つの導体板を同一平面上に有するICタグがセットされたときに、前記少なくとも2つの導体板のそれぞれ少なくとも一部分に対面するよう、該ICタグがセットされる領域面上に誘電体もしくは導電体からなる部材を備え、
前記ICタグがセットされたときに、前記誘電体もしくは導電体からなる部材を介して前記少なくとも2つの導体板間に前記ICタグの同調容量を構成することを特徴とするリーダライタ。 - 前記少なくとも2つの導体板に対面する側の前記誘電体もしくは導電体からなる部材の表面に誘電体層を備える請求項14に記載のリーダライタ。
- アンテナコイルとICチップとを接続する一方の導電体に導通する第1の導体板と、前記アンテナコイルに対して前記第1の導体板が接続されていない側および前記ICチップに対して前記第1の導体板が接続されていない側にそれぞれ設けられる端子と、を有するICタグがセットされたときに、各前記端子と導通するとともに前記第1の導体板に対面するよう、該ICタグがセットされる領域面上に第2の導体板を備え、
前記ICタグがセットされたときに、前記第1の導体板と前記第2の導体板との間に前記ICタグの同調容量を構成することを特徴とするリーダライタ。 - 前記第1の導体板に対面する側の前記第2の導体板の表面に誘電体層を備える請求項16に記載のリーダライタ。
- 非接触データ通信のために備えるアンテナコイルの少なくとも一部分が断線したICタグがセットされたときに前記ICタグのアンテナコイルの断線した前記一部分を結線する導電体を、前記ICタグがセットされる領域面上に備えることを特徴とするリーダライタ。
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JP2003176854A JP2005012673A (ja) | 2003-06-20 | 2003-06-20 | データ通信システム、icタグおよびリーダライタ |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US7913906B2 (en) | 2005-04-18 | 2011-03-29 | Shinko Electric Industries Co., Ltd. | Reader/writer and manufacturing method thereof |
KR20160017097A (ko) * | 2010-03-24 | 2016-02-15 | 아스모 가부시키가이샤 | 감속 기구, 감속 기구 부착 모터 및 감속 기구의 제조 방법 |
-
2003
- 2003-06-20 JP JP2003176854A patent/JP2005012673A/ja active Pending
Cited By (3)
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US7913906B2 (en) | 2005-04-18 | 2011-03-29 | Shinko Electric Industries Co., Ltd. | Reader/writer and manufacturing method thereof |
KR20160017097A (ko) * | 2010-03-24 | 2016-02-15 | 아스모 가부시키가이샤 | 감속 기구, 감속 기구 부착 모터 및 감속 기구의 제조 방법 |
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