JP2005012512A - 通信装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】データチャネル信号のSIRをより精度良く推定することが可能な通信装置を得ること。
【解決手段】本発明の通信装置は、干渉成分となるマルチパス間の相関が残留する場合に、当該マルチパス間の相関量を干渉信号電力に含めてSIRを推定するCQI推定部5を備え、さらにこのCQI推定部5が、受信信号電力から共通パイロット信号電力を減算した結果である干渉成分と、共通パイロット信号におけるマルチパス間の相関量と、を含む干渉信号電力を用いて、共通パイロット信号のSIRを推定するCPICH−SIR推定部23と、前記共通パイロット信号のSIRと、上位レイヤから通知される共通パイロット信号電力対データチャネル信号電力比と、を用いて、データチャネル信号のSIRを推定するデータ信号−SIR推定部24と、を含む構成とした。
【選択図】 図2
【解決手段】本発明の通信装置は、干渉成分となるマルチパス間の相関が残留する場合に、当該マルチパス間の相関量を干渉信号電力に含めてSIRを推定するCQI推定部5を備え、さらにこのCQI推定部5が、受信信号電力から共通パイロット信号電力を減算した結果である干渉成分と、共通パイロット信号におけるマルチパス間の相関量と、を含む干渉信号電力を用いて、共通パイロット信号のSIRを推定するCPICH−SIR推定部23と、前記共通パイロット信号のSIRと、上位レイヤから通知される共通パイロット信号電力対データチャネル信号電力比と、を用いて、データチャネル信号のSIRを推定するデータ信号−SIR推定部24と、を含む構成とした。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、受信する無線信号に希望信号と干渉信号が混在する場合に、その無線信号の希望信号電力対干渉信号電力比(SIR:Signal Power to Interference Signal Power Ratio)を推定することが可能な通信装置に関するものであり、特に、本発明は、前記希望信号電力対干渉信号電力比を受信品質情報として用いる通信装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
以下、従来の通信装置における受信品質推定方法について説明する。たとえば、符号分割多元接続(Code Division Multiple Access:CDMA)を用いた移動通信システムでは、拡散符号が移動局毎に異なる。そのため、各移動局では、自局宛の信号を他移動局宛の信号と区別して受信することが可能である。しかしながら、伝搬環境によって遅延波が発生するマルチパス環境下では、直接波と遅延波との間に相関が発生し、その相関量が干渉信号成分となり、特性劣化が生じる。
【0003】
このような通信環境においては、移動局が、受信品質情報(SIR等)を計算し、その受信品質情報を基地局へフィードバックし、基地局が、受け取った受信品質情報に基づいて最適な変調方式や符号化率等を決定することよって、最適な情報伝送を行う(下記特許文献1参照)。ここでは、制御チャネル信号の受信品質と、基地局における制御チャネル信号およびデータチャネル信号の送信電力値と、に基づいて、移動局におけるデータチャネルの受信品質を推定し、最適な情報伝送を行う。
【0004】
また、その他の受信品質推定方法としては、たとえば、相関器出力から拡散符号を1ビット周期ずつ順次遅延させてn個の遅延信号を得て、得られたn個の遅延信号の同相成分および直交成分の2乗和を算出し、このn個の2乗和の算出結果にしたがってSIRを推定する方法がある(下記特許文献2参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−26808号公報
【特許文献2】
特開平11−2651号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献1に記載の従来の受信品質推定方法では、マルチパス相関の影響が考慮されていない、という問題があった。たとえば、制御チャネル信号の拡散率とデータチャネル信号の拡散率が大きく異なる場合、具体的にいうと、制御チャネル信号の拡散率が大きくデータチャネル信号の拡散率が小さい場合には、制御チャネル信号の受信品質では、マルチパス相関の影響を十分に抑圧することが可能であるが、データチャネル信号の受信品質では、マルチパス相関の影響を十分に抑圧することができずに残留してしまうため、誤差が生じると考えられる。
【0007】
また、上記特許文献2に記載の従来の受信品質推定方法では、雑音成分や干渉成分が希望成分に対して支配的な場合に、推定値に誤差が生じる、という問題があった。
【0008】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、制御チャネル信号の拡散率とデータチャネル信号の拡散率が大きく異なる場合であっても、また、雑音成分や干渉成分が希望成分に対して支配的な場合であっても、データチャネル信号のSIRを精度良く推定することが可能な通信装置を得ることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる通信装置にあっては、受信品質情報として希望信号電力対干渉信号電力比(SIR)を推定し、当該SIRを送信側の通信装置に対して通知する受信側の通信装置であって、干渉成分となるマルチパス間の相関が残留する場合に、当該マルチパス間の相関量を干渉信号電力に含めてSIRを推定する受信品質推定手段、を備えることを特徴とする。
【0010】
この発明によれば、たとえば、移動局が、SIR推定時の干渉電力(受信信号電力からCPICH信号電力を減算した値)にマルチパス間の相関量を含めることとし、得られた受信品質情報を基地局へフィードバックする。そして、基地局が、移動局から送られる受信品質情報にしたがって変調方式および符号化率を決定し、その決定結果を移動局への信号伝送に用いる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明にかかる通信装置の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0012】
実施の形態1.
図1は、本発明にかかる通信装置の構成を示す図であり、この通信装置は、受信アンテナ1と、無線受信部2と、復調/RAKE合成部3と、復号部4と、CQI(Channel Quality Indicator)推定部5と、変調部6,8と、拡散部7,9と、多重部10と、無線送信部11と、送信アンテナ12から構成される。なお、本実施の形態では、CDMA方式を用いた場合について述べるが、CDMA方式を用いずに、符号系列を用いて変調された無線信号を受信し、受信側にて上記と同様の符号系列を用いて相関検波を行う通信方式であっても、同様に適用可能である。以下では、上記通信装置の構成を、無線通信システムを構成する移動局に適用した場合について説明する。
【0013】
まず、移動局の無線受信部2では、受信アンテナ1により受信された無線信号に対して、受信電力増幅,ダウンコンバート,A/D変換等の処理を行い、当該処理後の信号を復調/RAKE合成部3へ出力する。復調/RAKE合成部3では、移動局毎に割り当てられた拡散符号により逆拡散処理を行い、さらに、逆拡散後の信号に対してRAKE合成を実行し、取り出したデータチャネル信号を復号部4へ出力する。復号部4では、受け取ったデータチャネル信号を復号し、復号信号を出力する。
【0014】
また、無線受信部2の出力と復調/RAKE合成部3の出力は、CQI推定部5へ送られ、CQI推定部5では、移動局における受信品質を推定し、その推定結果に基づいて基地局へフィードバックする情報を決定する。そして、変調部6が当該情報を変調し、拡散部7が変調信号を拡散する。一方、変調部8では、移動局から基地局への送信データを変調する。そして、拡散部9がその変調信号を拡散する。その後、多重部10では、上記拡散部7および9から出力される拡散後信号を多重化し、無線送信部11では、その多重信号に対してD/A変換,アップコンバート,送信電力増幅等の処理を行い、当該処理実行後の信号を送信アンテナ12から基地局へ送信する。
【0015】
図2は、実施の形態1のCQI推定部5の詳細構成を示す図であり、このCQI推定部5は、受信電力算出部21と、伝送路推定部22と、CPICH−SIR推定部23と、データ信号−SIR推定部24と、SIR平均化部25と、CQI判定部26から構成される。
【0016】
まず、無線受信部2からの受信信号は、受信電力算出部21と伝送路推定部22へ送られる。受信電力算出部21では、下記(1)式に示すように、特定の積分範囲の受信信号を用いて受信電力を算出する。なお、Nは積分範囲内チップ数を表す。
【0017】
【数1】
【0018】
また、伝送路推定部22では、図示しないパス検出部からの情報により、CPICH(Common PIlot CHannel:共通パイロットチャネル)に使用される拡散符号を用いて逆拡散し、受信割り当てパス位置の伝送路推定を行う。なお、CPICHは既知情報である。また、復調/RAKE合成部3に伝送路推定部22と同一の機能が備わっている場合には、復調/RAKE合成部3から伝送路推定値のみをCQI推定部5へ出力する。これにより、CQI推定部5の伝送路推定部22を削除することができる。
【0019】
つぎに、CPICH−SIR推定部23では、受信電力算出部21出力の受信電力値と、伝送路推定部22出力の伝送路推定値と、を用いて、CPICH信号を用いたSIR(希望信号電力対干渉信号電力比)を求める。なお、本実施の形態では、マルチパス間の相関がある場合に、精度良くSIR推定を行うことを特徴とする。
【0020】
ここで、上記マルチパス間の相関がある場合における、本実施の形態のSIR推定方法について説明する。
【0021】
CPICH信号のSIR推定値は、拡散率をSFCとすると、下記(2)式のように表すことができる。
【0022】
【数2】
【0023】
(2)式では、受信信号電力からCPICH信号電力を減算した値を干渉電力とし、拡散率SFCで補正し、逆拡散後のSIRを推定している。しかしながら、この推定方法をマルチパス伝送路へ適用した場合には誤差が生じる。
【0024】
マルチパス伝送路においては各パス間での直交性が崩れるため、逆拡散後のSIRには、図3に示すように、各パス間の相関量が含まれることになる。図3は、3パスの場合を示しており、P1〜P3が各パス位置の希望信号電力を表し、I1〜I3が各パス位置の干渉信号電力を表す。上記(2)式の干渉電力中には干渉成分となる各パス間の相関量が含まれていない。
【0025】
そこで、本実施の形態では、下記(3)式のように、SIR推定時の干渉電力にマルチパス間の相関量を考慮した推定方法を提案する。なお、Npはマルチパス数を表す。
【0026】
【数3】
【0027】
このように、マルチパス間の相関量は、簡易な式:(CPICH信号電力)×(マルチパス数−1)で表されることとなり、その結果、SIR推定式も簡易な演算で実現できることとなる。
【0028】
つぎに、上記CPICH−SIR推定部23にて求めたSIR値は、データ信号−SIR推定部24へ送られ、ここでは、下記(4)式に示すように、データチャネル信号のSIR値を推定する。なお、Γは上位レイヤから通知される情報で、CPICH信号電力対データチャネル信号電力比を表し、SFDはデータチャネル信号の拡散率を表す。
【0029】
つぎに、上記データ信号−SIR推定部24にて推定されたデータチャネル信号のSIR値は、SIR平均化部25へ送られ、ここでは、図示しない最大ドップラー周波数推定部等から送られてくる最大ドップラー周波数fdにより、予め規定されたテーブルにしたがって平均化時定数を決定し、推定SIR値を平均化する。たとえば、fdが大きくなる高速移動通信環境下では、時定数を大きく取って平均化を十分に行い、fdが小さくなる低速移動通信環境下では、時定数を小さく取ってレスポンスの早い平均化を行う。なお、ここでは、最大ドップラー周波数fdを用いることとしたが、これに限らず、たとえば、移動速度をパラメータとしてもよい。
【0030】
つぎに、SIR平均化部25にて平均化されたSIR値は、CQI判定部26へ送られ、ここでは、予め規定されたテーブルに保持された判定指標によりCQI値を決定し、基地局へ送信する受信品質情報を決定する。
【0031】
このように、本実施の形態においては、移動局が、SIR推定時の干渉電力(受信信号電力からCPICH信号電力を減算した値)にマルチパス間の相関量を含めることとし、得られた受信品質情報を基地局へフィードバックすることとした。そして、基地局が、移動局から送られる受信品質情報にしたがって変調方式および符号化率を決定し、その決定結果を移動局への信号伝送に用いる。これにより、最適な受信環境を構築することができる。
【0032】
実施の形態2.
図4は、実施の形態2のCQI推定部5の詳細構成を示す図であり、このCQI推定部5が、平均振幅値算出部31とデータ信号−SIR推定部32とを含む構成とした。なお、移動局の構成については、先に説明した実施の形態1の図1と同様であるため、同一の符号を付してその説明を省略する。ここでは、実施の形態1と異なる構成および動作についてのみ説明する。
【0033】
本実施の形態では、移動局が、RAKE合成後の信号(RAKE合成信号)からデータチャネル信号の平均振幅値を算出し、その算出結果に基づいてデータチャネル信号のSIRを推定する。
【0034】
まず、平均振幅値算出部31では、RAKE合成信号を用いて平均振幅値を算出する。この平均振幅値は、RAKE合成信号の直交成分および同相成分それぞれの絶対値を加算して得られる平均値である。
【0035】
そして、データ信号−SIR推定部32では、上記で求めた平均振幅値と、受信電力算出部21出力の受信電力値を用いて、SIRを下記(5)式のように推定する。
【0036】
【数4】
【0037】
なお、上記(5)式における「(データチャネル信号平均振幅値)2」を、平均振幅値算出部31にて、RAKE合成信号の直交成分および同相成分それぞれの2乗値を加算して得られる、平均電力値としてもよい。
【0038】
このように、本実施の形態においては、移動局が、データチャネル信号の平均振幅値を求め、この平均振幅値と受信信号の電力値を用いて、データチャネル信号のSIR値を推定することとした。そして、基地局が、移動局から送られる受信品質情報にしたがって変調方式および符号化率を決定し、その決定結果を移動局への信号伝送に用いる。これにより、最適な受信環境を構築することができる。
【0039】
実施の形態3.
図5は、実施の形態3のCQI推定部5の詳細構成を示す図であり、このCQI推定部5が、電力オフセット量算出部41を含む構成とした。なお、移動局の構成については、先に説明した実施の形態1の図1と同様であるため、同一の符号を付してその説明を省略する。ここでは、実施の形態1および2と異なる構成および動作についてのみ説明する。
【0040】
本実施の形態では、基地局によって送信電力制御が行われ、データチャネル信号の送信電力が抑えられた場合であっても対応可能な構成について説明する。
【0041】
たとえば、基地局におけるデータチャネル信号の送信電力抑圧量がΔdBである場合、移動局におけるデータチャネル信号電力とCPICH信号電力との間には、下記(6)式の関係が成立する。
データチャネル信号電力=CPICH信号電力+Γ+Δ[dB] …(6)
【0042】
ここでは、データチャネル信号電力は平均振幅値算出部31にて算出され、CPICH信号電力は伝送路推定部22にて推定されるので、上位レイヤ等から通知されるΓを用いて、上記送信電力抑圧量Δを求めることが可能である。
【0043】
したがって、電力オフセット量算出部41では、伝送路推定部22の出力,平均振幅値算出部31の出力およびΓを用いて、電力オフセット量Δを求める。そして、その結果をCQI判定部26へ出力し、予め規定されたCQI判定テーブルにその内容を反映させて、より正確な判定結果を得る。
【0044】
このように、本実施の形態においては、基地局でデータチャネル信号の送信電力制御が行われた場合であっても、移動局側でその電力抑圧量Δを推定し、その結果をCQI判定テーブルに反映させる。これにより、実施の形態1と同様の効果が得られるとともに、さらに、より正確な受信品質情報を得ることができる。
【0045】
実施の形態4.
図6は、実施の形態4のCQI推定部5の詳細構成を示す図であり、このCQI推定部5が、電力オフセット量算出部51とCPICH−SIR推定部52とを含む構成とした。なお、移動局の構成については、先に説明した実施の形態1の図1と同様であるため、同一の符号を付してその説明を省略する。ここでは、実施の形態1、2および3と異なる構成および動作についてのみ説明する。
【0046】
本実施の形態は、基地局によって送信電力制御が行われ、データチャネル信号の送信電力が抑えられた場合に、送信電力抑圧量Δだけ減少する受信信号電力を補正してCPICH信号のSIRを求める。つまり、送信電力制御が行われない場合に求めたCPICH信号のSIRと等価となる。
【0047】
まず、電力オフセット量算出部51では、先に説明した電力オフセット量算出部41と同様の処理で送信電力抑圧量Δを求め、このΔから、さらに受信信号電力の補正量Prを求める。これは、補正後のデータチャネル信号電力と補正前のデータチャネル信号電力との差分に等しいので、下記(7)式のように求めることができる。
【0048】
【数5】
【0049】
つぎに、CPICH−SIR推定部52では、上記電力オフセット量算出部51にて求められた補正量Prと、受信電力算出部21出力の受信電力と、伝送路推定部22出力の伝送路推定値と、マルチパス数を用いて、CPICH信号のSIRを下記(8)式のように推定する。
【0050】
【数6】
【0051】
そして、データ信号−SIR推定部24が、上記CPICH信号のSIR推定値を用いて、データチャネル信号のSIRを上記(4)式のように推定する。
【0052】
このように、本実施の形態においては、基地局にてデータチャネル信号の送信電力制御が行われた場合であっても、移動局側でその電力抑圧量を推定し、当該電力抑圧量だけ減少する受信信号電力を補正してCPICH信号のSIRを求めることとした。これにより、実施の形態1と同様の効果が得られるとともに、さらに、より正確な受信品質情報を得ることができる。
【0053】
実施の形態5.
図7は、実施の形態5のCQI推定部5の詳細構成を示す図であり、このCQI推定部5が、データ信号−SIR推定部61を含む構成とした。なお、移動局の構成については、先に説明した実施の形態1の図1と同様であるため、同一の符号を付してその説明を省略する。ここでは、実施の形態1〜4と異なる構成および動作についてのみ説明する。
【0054】
本実施の形態では、基地局によって送信電力制御が行われ、データチャネル信号の送信電力が抑えられた場合に、送信電力抑圧量Δだけ減少する受信信号電力を考慮して、データキャリア信号のSIRを推定する。
【0055】
具体的にいうと、データ信号−SIR推定部61では、CPICH−SIR推定部23出力のSIR推定値と、電力オフセット量算出部41出力の送信電力抑圧量Δと、上位レイヤ等から通知されるΓを用いて、下記(9)式のように、データチャネル信号のSIRを推定する。
【0056】
このように、本実施の形態においては、基地局にてデータチャネル信号の送信電力制御が行われた場合であっても、移動局側でその電力抑圧量を推定し、当該電力抑圧量だけ減少する受信信号電力を考慮して、データキャリア信号のSIRを推定することとした。これにより、実施の形態1と同様の効果が得られるとともに、さらに、より正確な受信品質情報を得ることができる。
【0057】
実施の形態6.
図8は、実施の形態6のCQI推定部5の詳細構成を示す図であり、このCQI推定部5が、電力オフセット量算出部71とデータ信号−SIR推定部72を含む構成とした。なお、移動局の構成については、先に説明した実施の形態1の図1と同様であるため、同一の符号を付してその説明を省略する。ここでは、実施の形態1〜5と異なる構成および動作についてのみ説明する。
【0058】
本実施の形態は、基地局によって送信電力制御が行われ、データチャネル信号の送信電力が抑えられた場合に、データチャネル信号の平均振幅値を用いて、送信電力抑圧量Δだけ減少するデータチャネル信号電力を補正してデータチャネル信号のSIRを推定する。
【0059】
まず、電力オフセット量算出部71では、先に説明した電力オフセット量算出部41と同様の処理で送信電力抑圧量Δを求め、さらにデータチャネル信号電力をΔ分だけ補正した電力Pdを、下記(10)式のように求める。
【0060】
【数7】
【0061】
そして、データ信号−SIR推定部72では、上記電力オフセット量算出部71出力のPdと、受信電力算出部21出力の受信電力と、平均振幅値算出部31出力の平均振幅値と、マルチパス数を用いて、下記(11)式のように、SIR値を推定する。
【0062】
【数8】
【0063】
このように、本実施の形態においては、基地局にてデータチャネル信号の送信電力制御が行われた場合であっても、移動局側でその電力抑圧量を推定し、当該電力抑圧量だけ減少する受信信号電力を補正してデータチャネル信号のSIRを求めることとした。これにより、実施の形態1と同様の効果が得られるとともに、さらに、より正確な受信品質情報を得ることができる。
【0064】
【発明の効果】
以上、説明したとおり、本発明によれば、たとえば、移動局が、SIR推定時の干渉電力(受信信号電力からCPICH信号電力を減算した値)にマルチパス間の相関量を含めることとし、得られた受信品質情報を基地局へフィードバックすることとした。そして、基地局が、移動局から送られる受信品質情報にしたがって変調方式および符号化率を決定し、その決定結果を移動局への信号伝送に用いる。これにより、最適な受信環境を構築することができる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる通信装置の構成を示す図である。
【図2】実施の形態1のCQI推定部の詳細構成を示す図である。
【図3】マルチパス伝送路におけるパス間の相関量を示す図である。
【図4】実施の形態2のCQI推定部の詳細構成を示す図である。
【図5】実施の形態3のCQI推定部の詳細構成を示す図である。
【図6】実施の形態4のCQI推定部の詳細構成を示す図である。
【図7】実施の形態5のCQI推定部の詳細構成を示す図である。
【図8】実施の形態6のCQI推定部の詳細構成を示す図である。
【符号の説明】
1 受信アンテナ、2 無線受信部、3 復調/RAKE合成部、4 復号部、5 CQI(Channel Quality Indicator)推定部、6,8 変調部、7,9拡散部、10 多重部、11 無線送信部、12 送信アンテナ、21 受信電力算出部、22 伝送路推定部、23,52 CPICH−SIR推定部、24,32,61,72 データ信号−SIR推定部、25 SIR平均化部、26 CQI判定部、31 平均振幅値算出部、41,51,71 電力オフセット量算出部。
【発明の属する技術分野】
本発明は、受信する無線信号に希望信号と干渉信号が混在する場合に、その無線信号の希望信号電力対干渉信号電力比(SIR:Signal Power to Interference Signal Power Ratio)を推定することが可能な通信装置に関するものであり、特に、本発明は、前記希望信号電力対干渉信号電力比を受信品質情報として用いる通信装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
以下、従来の通信装置における受信品質推定方法について説明する。たとえば、符号分割多元接続(Code Division Multiple Access:CDMA)を用いた移動通信システムでは、拡散符号が移動局毎に異なる。そのため、各移動局では、自局宛の信号を他移動局宛の信号と区別して受信することが可能である。しかしながら、伝搬環境によって遅延波が発生するマルチパス環境下では、直接波と遅延波との間に相関が発生し、その相関量が干渉信号成分となり、特性劣化が生じる。
【0003】
このような通信環境においては、移動局が、受信品質情報(SIR等)を計算し、その受信品質情報を基地局へフィードバックし、基地局が、受け取った受信品質情報に基づいて最適な変調方式や符号化率等を決定することよって、最適な情報伝送を行う(下記特許文献1参照)。ここでは、制御チャネル信号の受信品質と、基地局における制御チャネル信号およびデータチャネル信号の送信電力値と、に基づいて、移動局におけるデータチャネルの受信品質を推定し、最適な情報伝送を行う。
【0004】
また、その他の受信品質推定方法としては、たとえば、相関器出力から拡散符号を1ビット周期ずつ順次遅延させてn個の遅延信号を得て、得られたn個の遅延信号の同相成分および直交成分の2乗和を算出し、このn個の2乗和の算出結果にしたがってSIRを推定する方法がある(下記特許文献2参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−26808号公報
【特許文献2】
特開平11−2651号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献1に記載の従来の受信品質推定方法では、マルチパス相関の影響が考慮されていない、という問題があった。たとえば、制御チャネル信号の拡散率とデータチャネル信号の拡散率が大きく異なる場合、具体的にいうと、制御チャネル信号の拡散率が大きくデータチャネル信号の拡散率が小さい場合には、制御チャネル信号の受信品質では、マルチパス相関の影響を十分に抑圧することが可能であるが、データチャネル信号の受信品質では、マルチパス相関の影響を十分に抑圧することができずに残留してしまうため、誤差が生じると考えられる。
【0007】
また、上記特許文献2に記載の従来の受信品質推定方法では、雑音成分や干渉成分が希望成分に対して支配的な場合に、推定値に誤差が生じる、という問題があった。
【0008】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、制御チャネル信号の拡散率とデータチャネル信号の拡散率が大きく異なる場合であっても、また、雑音成分や干渉成分が希望成分に対して支配的な場合であっても、データチャネル信号のSIRを精度良く推定することが可能な通信装置を得ることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる通信装置にあっては、受信品質情報として希望信号電力対干渉信号電力比(SIR)を推定し、当該SIRを送信側の通信装置に対して通知する受信側の通信装置であって、干渉成分となるマルチパス間の相関が残留する場合に、当該マルチパス間の相関量を干渉信号電力に含めてSIRを推定する受信品質推定手段、を備えることを特徴とする。
【0010】
この発明によれば、たとえば、移動局が、SIR推定時の干渉電力(受信信号電力からCPICH信号電力を減算した値)にマルチパス間の相関量を含めることとし、得られた受信品質情報を基地局へフィードバックする。そして、基地局が、移動局から送られる受信品質情報にしたがって変調方式および符号化率を決定し、その決定結果を移動局への信号伝送に用いる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明にかかる通信装置の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0012】
実施の形態1.
図1は、本発明にかかる通信装置の構成を示す図であり、この通信装置は、受信アンテナ1と、無線受信部2と、復調/RAKE合成部3と、復号部4と、CQI(Channel Quality Indicator)推定部5と、変調部6,8と、拡散部7,9と、多重部10と、無線送信部11と、送信アンテナ12から構成される。なお、本実施の形態では、CDMA方式を用いた場合について述べるが、CDMA方式を用いずに、符号系列を用いて変調された無線信号を受信し、受信側にて上記と同様の符号系列を用いて相関検波を行う通信方式であっても、同様に適用可能である。以下では、上記通信装置の構成を、無線通信システムを構成する移動局に適用した場合について説明する。
【0013】
まず、移動局の無線受信部2では、受信アンテナ1により受信された無線信号に対して、受信電力増幅,ダウンコンバート,A/D変換等の処理を行い、当該処理後の信号を復調/RAKE合成部3へ出力する。復調/RAKE合成部3では、移動局毎に割り当てられた拡散符号により逆拡散処理を行い、さらに、逆拡散後の信号に対してRAKE合成を実行し、取り出したデータチャネル信号を復号部4へ出力する。復号部4では、受け取ったデータチャネル信号を復号し、復号信号を出力する。
【0014】
また、無線受信部2の出力と復調/RAKE合成部3の出力は、CQI推定部5へ送られ、CQI推定部5では、移動局における受信品質を推定し、その推定結果に基づいて基地局へフィードバックする情報を決定する。そして、変調部6が当該情報を変調し、拡散部7が変調信号を拡散する。一方、変調部8では、移動局から基地局への送信データを変調する。そして、拡散部9がその変調信号を拡散する。その後、多重部10では、上記拡散部7および9から出力される拡散後信号を多重化し、無線送信部11では、その多重信号に対してD/A変換,アップコンバート,送信電力増幅等の処理を行い、当該処理実行後の信号を送信アンテナ12から基地局へ送信する。
【0015】
図2は、実施の形態1のCQI推定部5の詳細構成を示す図であり、このCQI推定部5は、受信電力算出部21と、伝送路推定部22と、CPICH−SIR推定部23と、データ信号−SIR推定部24と、SIR平均化部25と、CQI判定部26から構成される。
【0016】
まず、無線受信部2からの受信信号は、受信電力算出部21と伝送路推定部22へ送られる。受信電力算出部21では、下記(1)式に示すように、特定の積分範囲の受信信号を用いて受信電力を算出する。なお、Nは積分範囲内チップ数を表す。
【0017】
【数1】
【0018】
また、伝送路推定部22では、図示しないパス検出部からの情報により、CPICH(Common PIlot CHannel:共通パイロットチャネル)に使用される拡散符号を用いて逆拡散し、受信割り当てパス位置の伝送路推定を行う。なお、CPICHは既知情報である。また、復調/RAKE合成部3に伝送路推定部22と同一の機能が備わっている場合には、復調/RAKE合成部3から伝送路推定値のみをCQI推定部5へ出力する。これにより、CQI推定部5の伝送路推定部22を削除することができる。
【0019】
つぎに、CPICH−SIR推定部23では、受信電力算出部21出力の受信電力値と、伝送路推定部22出力の伝送路推定値と、を用いて、CPICH信号を用いたSIR(希望信号電力対干渉信号電力比)を求める。なお、本実施の形態では、マルチパス間の相関がある場合に、精度良くSIR推定を行うことを特徴とする。
【0020】
ここで、上記マルチパス間の相関がある場合における、本実施の形態のSIR推定方法について説明する。
【0021】
CPICH信号のSIR推定値は、拡散率をSFCとすると、下記(2)式のように表すことができる。
【0022】
【数2】
【0023】
(2)式では、受信信号電力からCPICH信号電力を減算した値を干渉電力とし、拡散率SFCで補正し、逆拡散後のSIRを推定している。しかしながら、この推定方法をマルチパス伝送路へ適用した場合には誤差が生じる。
【0024】
マルチパス伝送路においては各パス間での直交性が崩れるため、逆拡散後のSIRには、図3に示すように、各パス間の相関量が含まれることになる。図3は、3パスの場合を示しており、P1〜P3が各パス位置の希望信号電力を表し、I1〜I3が各パス位置の干渉信号電力を表す。上記(2)式の干渉電力中には干渉成分となる各パス間の相関量が含まれていない。
【0025】
そこで、本実施の形態では、下記(3)式のように、SIR推定時の干渉電力にマルチパス間の相関量を考慮した推定方法を提案する。なお、Npはマルチパス数を表す。
【0026】
【数3】
【0027】
このように、マルチパス間の相関量は、簡易な式:(CPICH信号電力)×(マルチパス数−1)で表されることとなり、その結果、SIR推定式も簡易な演算で実現できることとなる。
【0028】
つぎに、上記CPICH−SIR推定部23にて求めたSIR値は、データ信号−SIR推定部24へ送られ、ここでは、下記(4)式に示すように、データチャネル信号のSIR値を推定する。なお、Γは上位レイヤから通知される情報で、CPICH信号電力対データチャネル信号電力比を表し、SFDはデータチャネル信号の拡散率を表す。
【0029】
つぎに、上記データ信号−SIR推定部24にて推定されたデータチャネル信号のSIR値は、SIR平均化部25へ送られ、ここでは、図示しない最大ドップラー周波数推定部等から送られてくる最大ドップラー周波数fdにより、予め規定されたテーブルにしたがって平均化時定数を決定し、推定SIR値を平均化する。たとえば、fdが大きくなる高速移動通信環境下では、時定数を大きく取って平均化を十分に行い、fdが小さくなる低速移動通信環境下では、時定数を小さく取ってレスポンスの早い平均化を行う。なお、ここでは、最大ドップラー周波数fdを用いることとしたが、これに限らず、たとえば、移動速度をパラメータとしてもよい。
【0030】
つぎに、SIR平均化部25にて平均化されたSIR値は、CQI判定部26へ送られ、ここでは、予め規定されたテーブルに保持された判定指標によりCQI値を決定し、基地局へ送信する受信品質情報を決定する。
【0031】
このように、本実施の形態においては、移動局が、SIR推定時の干渉電力(受信信号電力からCPICH信号電力を減算した値)にマルチパス間の相関量を含めることとし、得られた受信品質情報を基地局へフィードバックすることとした。そして、基地局が、移動局から送られる受信品質情報にしたがって変調方式および符号化率を決定し、その決定結果を移動局への信号伝送に用いる。これにより、最適な受信環境を構築することができる。
【0032】
実施の形態2.
図4は、実施の形態2のCQI推定部5の詳細構成を示す図であり、このCQI推定部5が、平均振幅値算出部31とデータ信号−SIR推定部32とを含む構成とした。なお、移動局の構成については、先に説明した実施の形態1の図1と同様であるため、同一の符号を付してその説明を省略する。ここでは、実施の形態1と異なる構成および動作についてのみ説明する。
【0033】
本実施の形態では、移動局が、RAKE合成後の信号(RAKE合成信号)からデータチャネル信号の平均振幅値を算出し、その算出結果に基づいてデータチャネル信号のSIRを推定する。
【0034】
まず、平均振幅値算出部31では、RAKE合成信号を用いて平均振幅値を算出する。この平均振幅値は、RAKE合成信号の直交成分および同相成分それぞれの絶対値を加算して得られる平均値である。
【0035】
そして、データ信号−SIR推定部32では、上記で求めた平均振幅値と、受信電力算出部21出力の受信電力値を用いて、SIRを下記(5)式のように推定する。
【0036】
【数4】
【0037】
なお、上記(5)式における「(データチャネル信号平均振幅値)2」を、平均振幅値算出部31にて、RAKE合成信号の直交成分および同相成分それぞれの2乗値を加算して得られる、平均電力値としてもよい。
【0038】
このように、本実施の形態においては、移動局が、データチャネル信号の平均振幅値を求め、この平均振幅値と受信信号の電力値を用いて、データチャネル信号のSIR値を推定することとした。そして、基地局が、移動局から送られる受信品質情報にしたがって変調方式および符号化率を決定し、その決定結果を移動局への信号伝送に用いる。これにより、最適な受信環境を構築することができる。
【0039】
実施の形態3.
図5は、実施の形態3のCQI推定部5の詳細構成を示す図であり、このCQI推定部5が、電力オフセット量算出部41を含む構成とした。なお、移動局の構成については、先に説明した実施の形態1の図1と同様であるため、同一の符号を付してその説明を省略する。ここでは、実施の形態1および2と異なる構成および動作についてのみ説明する。
【0040】
本実施の形態では、基地局によって送信電力制御が行われ、データチャネル信号の送信電力が抑えられた場合であっても対応可能な構成について説明する。
【0041】
たとえば、基地局におけるデータチャネル信号の送信電力抑圧量がΔdBである場合、移動局におけるデータチャネル信号電力とCPICH信号電力との間には、下記(6)式の関係が成立する。
データチャネル信号電力=CPICH信号電力+Γ+Δ[dB] …(6)
【0042】
ここでは、データチャネル信号電力は平均振幅値算出部31にて算出され、CPICH信号電力は伝送路推定部22にて推定されるので、上位レイヤ等から通知されるΓを用いて、上記送信電力抑圧量Δを求めることが可能である。
【0043】
したがって、電力オフセット量算出部41では、伝送路推定部22の出力,平均振幅値算出部31の出力およびΓを用いて、電力オフセット量Δを求める。そして、その結果をCQI判定部26へ出力し、予め規定されたCQI判定テーブルにその内容を反映させて、より正確な判定結果を得る。
【0044】
このように、本実施の形態においては、基地局でデータチャネル信号の送信電力制御が行われた場合であっても、移動局側でその電力抑圧量Δを推定し、その結果をCQI判定テーブルに反映させる。これにより、実施の形態1と同様の効果が得られるとともに、さらに、より正確な受信品質情報を得ることができる。
【0045】
実施の形態4.
図6は、実施の形態4のCQI推定部5の詳細構成を示す図であり、このCQI推定部5が、電力オフセット量算出部51とCPICH−SIR推定部52とを含む構成とした。なお、移動局の構成については、先に説明した実施の形態1の図1と同様であるため、同一の符号を付してその説明を省略する。ここでは、実施の形態1、2および3と異なる構成および動作についてのみ説明する。
【0046】
本実施の形態は、基地局によって送信電力制御が行われ、データチャネル信号の送信電力が抑えられた場合に、送信電力抑圧量Δだけ減少する受信信号電力を補正してCPICH信号のSIRを求める。つまり、送信電力制御が行われない場合に求めたCPICH信号のSIRと等価となる。
【0047】
まず、電力オフセット量算出部51では、先に説明した電力オフセット量算出部41と同様の処理で送信電力抑圧量Δを求め、このΔから、さらに受信信号電力の補正量Prを求める。これは、補正後のデータチャネル信号電力と補正前のデータチャネル信号電力との差分に等しいので、下記(7)式のように求めることができる。
【0048】
【数5】
【0049】
つぎに、CPICH−SIR推定部52では、上記電力オフセット量算出部51にて求められた補正量Prと、受信電力算出部21出力の受信電力と、伝送路推定部22出力の伝送路推定値と、マルチパス数を用いて、CPICH信号のSIRを下記(8)式のように推定する。
【0050】
【数6】
【0051】
そして、データ信号−SIR推定部24が、上記CPICH信号のSIR推定値を用いて、データチャネル信号のSIRを上記(4)式のように推定する。
【0052】
このように、本実施の形態においては、基地局にてデータチャネル信号の送信電力制御が行われた場合であっても、移動局側でその電力抑圧量を推定し、当該電力抑圧量だけ減少する受信信号電力を補正してCPICH信号のSIRを求めることとした。これにより、実施の形態1と同様の効果が得られるとともに、さらに、より正確な受信品質情報を得ることができる。
【0053】
実施の形態5.
図7は、実施の形態5のCQI推定部5の詳細構成を示す図であり、このCQI推定部5が、データ信号−SIR推定部61を含む構成とした。なお、移動局の構成については、先に説明した実施の形態1の図1と同様であるため、同一の符号を付してその説明を省略する。ここでは、実施の形態1〜4と異なる構成および動作についてのみ説明する。
【0054】
本実施の形態では、基地局によって送信電力制御が行われ、データチャネル信号の送信電力が抑えられた場合に、送信電力抑圧量Δだけ減少する受信信号電力を考慮して、データキャリア信号のSIRを推定する。
【0055】
具体的にいうと、データ信号−SIR推定部61では、CPICH−SIR推定部23出力のSIR推定値と、電力オフセット量算出部41出力の送信電力抑圧量Δと、上位レイヤ等から通知されるΓを用いて、下記(9)式のように、データチャネル信号のSIRを推定する。
【0056】
このように、本実施の形態においては、基地局にてデータチャネル信号の送信電力制御が行われた場合であっても、移動局側でその電力抑圧量を推定し、当該電力抑圧量だけ減少する受信信号電力を考慮して、データキャリア信号のSIRを推定することとした。これにより、実施の形態1と同様の効果が得られるとともに、さらに、より正確な受信品質情報を得ることができる。
【0057】
実施の形態6.
図8は、実施の形態6のCQI推定部5の詳細構成を示す図であり、このCQI推定部5が、電力オフセット量算出部71とデータ信号−SIR推定部72を含む構成とした。なお、移動局の構成については、先に説明した実施の形態1の図1と同様であるため、同一の符号を付してその説明を省略する。ここでは、実施の形態1〜5と異なる構成および動作についてのみ説明する。
【0058】
本実施の形態は、基地局によって送信電力制御が行われ、データチャネル信号の送信電力が抑えられた場合に、データチャネル信号の平均振幅値を用いて、送信電力抑圧量Δだけ減少するデータチャネル信号電力を補正してデータチャネル信号のSIRを推定する。
【0059】
まず、電力オフセット量算出部71では、先に説明した電力オフセット量算出部41と同様の処理で送信電力抑圧量Δを求め、さらにデータチャネル信号電力をΔ分だけ補正した電力Pdを、下記(10)式のように求める。
【0060】
【数7】
【0061】
そして、データ信号−SIR推定部72では、上記電力オフセット量算出部71出力のPdと、受信電力算出部21出力の受信電力と、平均振幅値算出部31出力の平均振幅値と、マルチパス数を用いて、下記(11)式のように、SIR値を推定する。
【0062】
【数8】
【0063】
このように、本実施の形態においては、基地局にてデータチャネル信号の送信電力制御が行われた場合であっても、移動局側でその電力抑圧量を推定し、当該電力抑圧量だけ減少する受信信号電力を補正してデータチャネル信号のSIRを求めることとした。これにより、実施の形態1と同様の効果が得られるとともに、さらに、より正確な受信品質情報を得ることができる。
【0064】
【発明の効果】
以上、説明したとおり、本発明によれば、たとえば、移動局が、SIR推定時の干渉電力(受信信号電力からCPICH信号電力を減算した値)にマルチパス間の相関量を含めることとし、得られた受信品質情報を基地局へフィードバックすることとした。そして、基地局が、移動局から送られる受信品質情報にしたがって変調方式および符号化率を決定し、その決定結果を移動局への信号伝送に用いる。これにより、最適な受信環境を構築することができる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる通信装置の構成を示す図である。
【図2】実施の形態1のCQI推定部の詳細構成を示す図である。
【図3】マルチパス伝送路におけるパス間の相関量を示す図である。
【図4】実施の形態2のCQI推定部の詳細構成を示す図である。
【図5】実施の形態3のCQI推定部の詳細構成を示す図である。
【図6】実施の形態4のCQI推定部の詳細構成を示す図である。
【図7】実施の形態5のCQI推定部の詳細構成を示す図である。
【図8】実施の形態6のCQI推定部の詳細構成を示す図である。
【符号の説明】
1 受信アンテナ、2 無線受信部、3 復調/RAKE合成部、4 復号部、5 CQI(Channel Quality Indicator)推定部、6,8 変調部、7,9拡散部、10 多重部、11 無線送信部、12 送信アンテナ、21 受信電力算出部、22 伝送路推定部、23,52 CPICH−SIR推定部、24,32,61,72 データ信号−SIR推定部、25 SIR平均化部、26 CQI判定部、31 平均振幅値算出部、41,51,71 電力オフセット量算出部。
Claims (8)
- 受信品質情報として希望信号電力対干渉信号電力比(SIR)推定し、当該SIRを送信側の通信装置に対して通知する受信側の通信装置において、
干渉成分となるマルチパス間の相関が残留する場合に、当該マルチパス間の相関量を干渉信号電力に含めてSIRを推定する受信品質推定手段、
を備えることを特徴とする通信装置。 - 前記受信品質推定手段は、
受信信号電力から共通パイロット信号電力を減算した結果である干渉成分と、共通パイロット信号におけるマルチパス間の相関量と、を含む干渉信号電力を用いて、共通パイロット信号のSIRを推定する共通パイロット信号SIR推定手段と、
前記共通パイロット信号のSIRと、上位レイヤから通知される共通パイロット信号電力対データチャネル信号電力比と、を用いて、データチャネル信号のSIRを推定するデータチャネル信号SIR推定手段と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の通信装置。 - 前記受信品質推定手段は、
RAKE合成後の信号を用いてデータチャネル信号の平均振幅値を算出する平均振幅値算出手段と、
前記平均振幅値と受信信号電力とマルチパス数とを用いてデータチャネル信号のSIRを推定するデータチャネル信号SIR推定手段と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の通信装置。 - 前記受信品質推定手段は、さらに、
RAKE合成後の信号を用いてデータチャネル信号の平均振幅値を算出する平均振幅値算出手段と、
前記共通パイロット信号電力、前記平均振幅値および前記共通パイロット信号電力対データチャネル信号電力比を用いて、送信電力制御による送信電力抑圧量(電力オフセット量)を算出し、その結果を前記データチャネル信号のSIRに反映させる電力オフセット量算出手段と、
を備えることを特徴とする請求項2に記載の通信装置。 - 前記受信品質推定手段は、さらに、
RAKE合成後の信号を用いてデータチャネル信号の平均振幅値を算出する平均振幅値算出手段と、
前記共通パイロット信号電力、前記平均振幅値および前記共通パイロット信号電力対データチャネル信号電力比を用いて、送信電力制御による送信電力抑圧量(電力オフセット量)を算出し、さらに、前記送信電力抑圧量から受信信号電力の補正量を算出する電力オフセット量算出手段と、
を備え、
前記共通パイロット信号SIR推定手段が、前記共通パイロット信号のSIRの推定処理に、補正後の受信信号電力を用いることを特徴とする請求項2に記載の通信装置。 - 前記受信品質推定手段は、さらに、
RAKE合成後の信号を用いてデータチャネル信号の平均振幅値を算出する平均振幅値算出手段と、
前記共通パイロット信号電力、前記平均振幅値および前記共通パイロット信号電力対データチャネル信号電力比を用いて、送信電力制御による送信電力抑圧量(電力オフセット量)を算出する電力オフセット量算出手段と、
前記データチャネル信号SIR推定手段が、前記データチャネル信号のSIRを推定するときに、さらに前記送信電力抑圧量を反映させることを特徴とする請求項2に記載の通信装置。 - 前記受信品質推定手段は、さらに、
RAKE合成後の信号を用いてデータチャネル信号の平均振幅値を算出する平均振幅値算出手段と、
前記共通パイロット信号電力、前記平均振幅値および前記共通パイロット信号電力対データチャネル信号電力比を用いて、送信電力制御による送信電力抑圧量(電力オフセット量)を算出し、さらに、前記送信電力抑圧量から受信信号電力の補正量を算出する電力オフセット量算出手段と、
前記データチャネル信号SIR推定手段が、前記データチャネル信号のSIRの推定処理に、補正後の受信信号電力を用いることを特徴とする請求項3に記載の通信装置。 - 前記受信品質推定手段は、さらに、
前記データチャネル信号のSIRに対して移動速度に応じた平均化処理を行うSIR平均化手段、
を備えることを特徴とする請求項2〜7のいずれか一つに記載の通信装置。
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2003
- 2003-06-19 JP JP2003174489A patent/JP2005012512A/ja active Pending
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