JP2005011886A - 太陽電池および太陽電池の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】受光面に凹凸を有する半導体基板を備える太陽電池において、副電極の断線を防止して、さらに、副電極の幅や厚さを均一にすることができる太陽電池および太陽電池の製造方法を提供する。
【解決手段】太陽電池は、主表面に規則的に繰返す凹凸が形成されている半導体基板1と、主表面に形成された受光面集電極7とを備える。主表面は、一の方向に平行な直線状に延在する凹部底部6を含み、受光面集電極7は、一の方向と平行になるように形成された副電極2bを含む。
【選択図】 図1
【解決手段】太陽電池は、主表面に規則的に繰返す凹凸が形成されている半導体基板1と、主表面に形成された受光面集電極7とを備える。主表面は、一の方向に平行な直線状に延在する凹部底部6を含み、受光面集電極7は、一の方向と平行になるように形成された副電極2bを含む。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、受光面集電極として主電極および副電極を有する太陽電池および太陽電池の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
太陽電池は、P型半導体とN型半導体とが接合されたものを含む半導体基板の表裏両面に電極を形成する。太陽光が照射される側の主表面には受光面集電極が形成されている。受光面集電極は、発電した電力を太陽電池の外部に取出すための主電極と、この主電極に交差する細い副電極を含んでいる。受光面集電極が形成されている主表面と反対側の主表面、すなわち太陽光が照射される側と反対側の主表面には裏面電極が形成されている。
【0003】
受光面集電極は、主電極と主電極に垂直に交わる細い副電極との形状から「魚骨型集電極」とも言われる。この受光面集電極の形成方法は、真空蒸着法の他に、金属の微粉末を成分に含むペースト材料をスクリーン印刷法によって半導体基板の表面に転写して、その後焼成することによって形成する方法がある(たとえば、非特許文献1参照)。
【0004】
受光面集電極の副電極は、集電極としての機能や特性などを考慮して設計されている。たとえば、それぞれの副電極を太くすると、副電極自体の直流抵抗は小さくなるが、その一方で副電極が半導体基板の主表面を遮蔽して受光面積が小さくなるという問題がある。反対に、副電極を細くすると受光面積は大きくなるが、副電極自体の直列抵抗が大きくなるという問題がある。すなわち、集電極の直流抵抗による出力損失の問題と電極の半導体基板の遮蔽による出力損失の問題とが並存する。これらの相反する問題を考慮して副電極の幅や厚さなどが設計されてきた。また、受光面集電極の設計、製作においては、技術的に形成が可能な電極の幅や厚さも同時に考慮して行なわれていた。
【0005】
半導体基板の製造方法の1つに、シリコンのインゴットを切断することによって、薄い半導体基板を形成する方法がある。予め、坩堝の中でシリコンなどを溶融し、この融液を鋳型に流し込んで徐々に冷却してインゴットを得る。この後に、インゴットをワイヤーソーや内周刃などを用いて薄く切断して半導体基板を形成する方法である。しかしながら、この方法においては、シリコンなどのインゴットを機械的に切断するため、ワイヤーソーや内周刃の厚みの分だけシリコンの材料が無駄になってしまう。このため全体として材料利用効率が悪くなり結果としてウェハが高価になるという問題があった。
【0006】
この方法に代わる半導体基板の製造方法として、シリコンを成長させる成長基板を短時間の間、溶融したシリコンなどの融液に接触させて、成長基板の主表面に薄いシリコンなどを成長させることによって、半導体基板を形成するリボン法がある。リボン法の採用により、成長基板の上に成長したシリコンなどを、冷却後に板から引き剥がすのみでシリコン基板などを得ることができる。したがって、インゴットを切断する際に発生する切屑などのスライスロスを防止することができて、材料利用効率が向上するものである。
【0007】
半導体基板を形成するためのリボン法の1つとして、特開2001−223172号公報(特許文献1参照)は、成長基板の主表面に、凹凸が形成されたものを用いる方法が開示されている。この製造方法を採用することによって、所望の厚みと形状の半導体基板などを得ることができ、また、高速に半導体基板などを成長させることができるというものである。また、半導体基板の表面形状の均一性を確保して、さらに、半導体基板の品質の向上を図ることができる、というものである。
【0008】
この製造方法において半導体基板を形成する場合、融液に接触させる成長基板の主表面に形成された凹凸の形状などに対応して、半導体基板の主表面にも対応する凹凸の形状が形成される。
【0009】
図22は上記特許文献1に開示された方法によって製造された半導体基板を説明する斜視図である。半導体基板1の主表面には凸部30が形成されている。この例における凸部30の1つの形状は四角錐であり、それぞれの凸部30はすべて略同一形状である。それぞれの凸部30は、規則正しく半導体基板1の主表面全体にわたって形成されている。半導体基板1は、たとえば多結晶シリコン基板である。この多結晶シリコン基板に対してP型層およびN型層の形成や、反射防止膜および電極の形成などを行なって太陽電池が製造される。本明細書の「半導体基板」には、シリコンなどの半導体のみからなる基板のほかに、加工が施された基板、たとえば、基板の表面に反射防止膜などが形成されたものも含まれることとする。
【0010】
【特許文献1】
特開2001−223172号公報(第5−19頁、第1−10図)
【0011】
【非特許文献1】
浜川圭弘,桑野幸徳著「太陽エネルギー工学」,培風館,1994年5月20日,p.75−76
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
図22に示される半導体基板1を用いて太陽電池が製造される場合には、半導体基板1の凸部30が形成されている側が受光面となり、反射防止膜などが形成された後に、凹凸が形成されている面の上に受光面集電極が形成される。受光面集電極の形成においては、スクリーン印刷法を用いて主電極および副電極を形成する。
【0013】
受光面集電極を形成した場合に生じる不具合の説明図を、図23および図24に示す。図23および図24は、半導体基板1の主表面に形成した受光面集電極を説明する拡大平面図である。図23および図24においては、受光面集電極7の主電極2aと副電極2bは互いに垂直に交わるように形成され、副電極2b同士のピッチは一定になるように形成されている。また、副電極2b同士は平行になるように形成されている。
【0014】
図23の副電極は、凹凸のうち凹部の底である凹部底部6が連なる直線と副電極2bの長手方向とが平行になるように形成されている。図23においては、凹部底部6が連なる一の直線と平行なX方向に副電極2bが形成されている。副電極2bは、半導体基板1の主表面に形成された凹凸の上に印刷される。凹凸形状の凸部の頂点である凸部頂部5の付近においては、スクリーン印刷装置のスクリーンマスクとの距離が近いため、幅の狭い副電極2bが形成される。または、厚さの薄い副電極2bが形成される。これに対して、凹部底部6の付近においては、スクリーンマスクからの距離が遠いために、幅の広い副電極2bとなる。または、厚い副電極2bが形成される。したがって、副電極2bは、幅の広い部分と幅の狭い部分とを含む形状の電極となっている。また、凹凸形状の、凸部頂部5の真上に副電極2bが形成されるような場合には、副電極2bが途切れてしまっていた。
【0015】
図24においては、形成されている受光面集電極の凹凸に対する角度が図23に示したものと異なっており、凹部底部6が連なる一の直線の方向であるX方向に対して、副電極2bが傾斜するように形成されている。図24の受光面集電極についても、凸部底部6の近辺においては、副電極2bは幅広く印刷される一方で、凸部頂部5の付近においては、副電極2bが十分に印刷されておらず、幅が狭くなったり断線したりする。このように副電極の幅や厚さが不均一になり、所によっては断線を生じることがあった。
【0016】
受光面集電極の幅や厚さが不均一になると、局所的に薄い箇所では他の部分に比べて高い抵抗を有するため、太陽電池の変換効率に悪影響を及ぼすこととなる。また、断線が生じた場合、発電量が減少するという問題が生じていた。このように、受光面に凹凸を有する半導体基板を備える太陽電池においては、特に、微細な線幅が要求される副電極の形成が難しいという問題があった。
【0017】
本発明の目的は、上記の問題点を解決するためになされたものであり、受光面に凹凸を有する半導体基板を備える太陽電池において、副電極の断線を防止して、さらに、副電極の幅や厚さを均一にすることができる太陽電池および太陽電池の製造方法を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明に基づく太陽電池は、半導体を含み、主表面に規則的に繰返す凹凸が形成されている基板と、上記主表面に形成された受光面集電極とを備え、上記主表面は、一の方向に平行な直線状に延在する凹部の底部を含み、上記受光面集電極は、上記一の方向と平行になるように形成された副電極を含む。この構成を採用することにより、上記副電極の断線を防止して、さらに、上記副電極の幅や厚さがほぼ均一な太陽電池を提供することができる。
【0019】
上記発明において好ましくは、上記副電極同士のピッチは、上記一の方向と垂直な方向における凹凸周期の整数倍である。この構成を採用することにより、全ての上記副電極を上記基板のほぼ一定の高さの位置に配置することができる。この結果、それぞれの副電極の幅および厚さをほぼ一定にすることができる。
【0020】
上記発明において好ましくは、上記副電極は、上記凹部の底部に配置されている。この構成を採用することにより、それぞれの副電極の幅および厚さを一定にすることができる。
【0021】
上記発明において好ましくは、上記基板は、側方から見て上記凹凸が繰返しているように見通すことができる方向が、1つのみ存在するように形成されている。たとえば、上記凹凸の断面形状が山型をしており、上記山型の形状は一の方向に延在するように形成されている。この構成を採用することにより、上記凹凸を容易に形成することができ、容易に半導体の基板を準備することができる。また、上記凹部の底部でなくても、上記凹凸周期の整数倍の位置に上記副電極を形成することによって、断線を防止して、さらに、上記副電極の幅や厚さが均一な太陽電池を提供することができる。
【0022】
上記発明において好ましくは、上記基板は、側方から見て上記凹凸が繰返しているように見通すことができる方向が、2つ存在するように形成されている。たとえば、上記基板の主表面に形成される凹凸形状のうち、1つの凸部の形状が、四角錐になるように形成されている。または、上記基板は、側方から見て上記凹凸が繰返しているように見通すことができる方向が、3つ存在するように形成されている。たとえば、上記基板の主表面に形成されている凹凸形状のうち、1つの上記凸部の形状が、三角錐になるように形成されている。この構成を採用することにより、上記副電極を形成できる方向が多くなる。
【0023】
上記目的を達成するため、本発明に基づく太陽電池の製造方法は、主表面に規則的な凹凸が形成され、半導体を含む基板の上記主表面に、受光面集電極を形成する受光面集電極形成工程を含む。上記受光面集電極形成工程は、第1の画像解析を行なって、上記基板の外縁を認識する工程と、上記外縁のデータを用いて、スクリーンに対する上記基板の相対的な位置を調整する第1調整工程と、第2の画像解析を行なって、上記凹凸の個々の凸部を認識する凸部認識工程と、上記凸部のデータを用いて、スクリーンに対する上記位置を調整する第2調整工程とを含む。さらに、スクリーン印刷法によって、上記凹凸の凹部に上記受光面集電極を印刷する工程を含む。この方法を採用することにより、副電極の断線を防止して、上記副電極の幅および厚さを均一にできる製造方法を提供することができる。
【0024】
上記発明において好ましくは、上記凸部認識工程は、一の方向から光を当てて、明るくなる部分の重心位置を認識する工程を含む。この方法を採用することにより、上記重心位置から上記凹部の底部の位置を容易に演算することができ、上記凹部の底部に、上記受光面集電極のスクリーン印刷を行なうことができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)
(構成)
図1から図10を参照して、本発明に基づく実施の形態1における太陽電池および太陽電池の製造方法について説明する。
【0026】
図1は、本実施の形態における半導体基板の斜視図である。半導体基板1は、板状に形成され、2つの主表面のうち光が照射されるべき主表面に、凹凸が形成されている。1つの凸部の形状は四角錐の形状をしており、規則的に繰返す凹凸が形成されている。凹凸を一定の方向に観察すると、凸部頂部5と凹部底部6とが稜線4で結ばれて、繰り返しつながるように形成されている。凹凸が形成されている主表面には、受光面集電極7が形成されている。受光面集電極7は、主電極2aおよび副電極2bを含む。主電極2aは幅の広い電極であり、発電した電力を太陽電池の外部に供給するための電極である。副電極2bは、発電した電力を主電極2aに集めるための細い電極である。副電極2bは、複数本形成されている。主電極2aおよび副電極2bは、線状に形成されて、互いに交差している。
【0027】
図2は、本実施の形態における半導体基板の拡大平面図である。四角錐の形状をしている凸部が規則的に並べて形成されていることによって、凹部の底部である凹部底部6は一直線上に連続して形成されている。すなわち、一の方向に平行な直線状に延在する凹部の底部を含む。一の方向とは、たとえば、図2に示した矢印51に示す方向である。また、側方から見て凹凸が繰返しているように見通すことができる方向が2つ存在する。1つは矢印51の方向であり、もう1つは、矢印51と垂直な方向である。
【0028】
本実施形態における主電極2aは、矢印51の方向と垂直な方向(Y方向)に形成されている。これに対して、副電極2bは、主電極2aが形成されている方向と垂直に交わる方向(X方向)に形成されている。副電極2bは、矢印51の方向に形成された凹部底部6に直線状に形成されている。副電極2bは、一定のピッチで互いに平行になるように形成されている。
【0029】
矢印51の方向(X方向)に凹凸を見た場合、凹凸には1つの凸部の大きさに対応する一定の周期がある。本明細書においては、一の方向に見たとき、凹凸が繰返す単位の長さのうち、最小の長さを「凹凸周期」と言うものとする。図2における半導体基板の凹凸周期60は、凸部1つの凸部底部6の形状である正方形の1辺の長さに相当する。
【0030】
副電極2b同士は、凹凸周期60の2倍のピッチで形成されている。すなわち、副電極2bは、2つの凸部を挟むように直線状に形成されている。また、全ての副電極2bは、凹部底部6に配置されている。
【0031】
(作用・効果)
本実施の形態における半導体基板の主表面には、規則的に繰返す凹凸が形成され、一の方向に平行な直線状に延在する凹部底部を含んでいる。この直線状の凹部底部に平行になるように副電極が形成されている。この構成を採用することにより、副電極が形成されている半導体基板上の高さが、副電極同士でほぼ一定となり、副電極の断線を防止することができる。また、副電極の幅および厚さをほぼ均一にすることができる。この結果、変換効率の高い太陽電池を提供することができる。光の照射によって発生した電力は副電極を通じて主電極に送られ、主電極から太陽電池の外部に電力が供給されることは、従来の技術による太陽電池と同じである。
【0032】
副電極は、互いに平行になるように形成されており、その副電極同士のピッチは、副電極が形成されている方向と垂直な方向における凹凸周期の2倍になるように形成されている。この構成を採用することにより、副電極が形成される半導体基板上の高さを、全ての副電極についてほぼ一定にすることができる。よって断線を防止したり、副電極の厚さや幅が不均一になることを防止する効果が顕著になる。本実施の形態においては、副電極が形成されるピッチを凹凸周期の2倍としたが、整数倍であれば同等の効果を得ることができる。
【0033】
また本実施の形態における副電極は、半導体基板の主表面に形成されている凹凸形状の凹部の底部に形成されている。この構成を採用することにより、半導体基板の主表面上における高さを、副電極の長手方向について一定にすることができ、断線を防止したり副電極の幅や厚さが不均一になったりすることを防止することができる。
【0034】
本実施の形態における凹凸形状は、四角錐の形状をした凸部が規則正しく整列された形状をしている。換言すると、半導体基板を側方から見たとき、凹凸が繰返しているように見通すことができる方向が2つ存在する。本実施の形態においては、図2に示すように矢印51の方向に副電極2bが形成されているが、矢印51と垂直な方向に副電極2bが形成されていてもよい。この場合にも凹部底部6に副電極2bが配置されることが好ましい。このように、凹凸が繰返しているように見通すことができる方向が2つ存在することによって、副電極および主電極を形成する方向を選択することができる。
【0035】
本実施の形態においては、副電極と主電極が互いに垂直になるように形成されているが、特にこの形態に限られるわけではなく、主電極2aは任意の方向に形成することができる。
【0036】
(製造方法)
図2から図10を参照して、本実施の形態における太陽電池の製造方法について説明する。説明を行なう工程は、凹凸を有する半導体基板の主表面に対して、受光面集電極を形成する工程である。より具体的には、副電極2bは、図2に示すように直線状に連なる凹部底部6の真上に形成されることが好ましく、この副電極の形成方法について説明する。すなわち、凹部底部6の直線状の線と副電極2bの中心線とが一致するように、副電極を形成する方法を説明する。
【0037】
本実施の形態における副電極の形成は、スクリーン印刷法によって行なう。副電極を形成する位置決めは、半導体基板の主表面の影像を画像処理装置に取込んで画像解析を行なったのち、スクリーンマスクと半導体基板との位置合わせを行なう。すなわち画像認識などによって位置を判定し、スクリーンマスクと半導体基板との相対的な位置を固定した後にスクリーン印刷を行なう。
【0038】
半導体基板の表面に受光面集電極の印刷を行なうにあたっては、ある程度の位置決め精度が必要である。この位置決め精度は、半導体基板の主表面の凹凸周期や凹凸の大きさのばらつきなどによっても変化する。この関係について、発明者らが鋭意検討した結果を図3および図4に示す。
【0039】
図3(a)は半導体基板1の主表面の凹凸形状のばらつきや半導体基板1の主表面自体の撓みを模式的に表わす断面図である。凹凸は、角のない曲面のみから形成されている。図3(a)に示すように、半導体基板1の表面42が全体的に撓んだり、ゆるやかに曲がっていたりする場合がある。半導体基板1の表面42の高さの高低差を「表面高低差」と定義して、表面高低差のうち最大のものを「表面最大高低差」41と定義する。表面高低差は印刷結果に影響を与えるが、半導体基板を印刷装置の載物台に据え付けた場合、半導体基板の反りや撓みなどは緩和されるため、表面最大高低差41は小さくなる。よって、表面最大高低差41は、副電極の印刷に対して実質的な影響を与えるものではない。
【0040】
半導体基板1の主表面の凹凸形状は、印刷結果に影響を与える。半導体基板1の主表面の凹凸形状は、概ね規則的に形成されているが、完全に周期的ではなく、凹凸の高さのばらつきが生じる。半導体基板1において、凹凸の高さの最大と最小との差を「表面最大粗さ」(WCM)40と定義する。
【0041】
図3(a)に示した半導体基板1の表面42の凹凸は、周期的な波を打つように形成されている。この表面42の凹凸を正弦波に近似した場合の必要な位置決め精度を求めたグラフを図3(b)に示す。図3(b)の横軸は、表面最大粗さ(WCM)の大きさを示し、縦軸は要求される電極の位置決めの精度である。グラフ中に記載された3本のグラフはそれぞれ、印刷される位置における基板表面高低差が50μm、100μm、または200μmとしたときの必要な位置決め精度を表わしている。凹凸周期は2mm、副電極の幅は120μmとしている。
【0042】
副電極を形成したとき、副電極が形成される印刷位置における半導体基板の表面高低差が200μm以上であれば、凸部頂部を含む位置には副電極を形成しなかったにもかかわらず、凸部の高低差が大きすぎるために幅や厚さが均一な副電極を形成することは不可能であった。一方で、上記の表面高低差が、100μmから200μmの範囲内であれば、半導体基板によっては良好な印刷状況が得られるものの、試験に用いた半導体基板の肉厚や、表面の凹凸形状のばらつきによって、形成された副電極の形状についての再現性は乏しかった。上記の表面高低差が100μm以内となるようにすれば、いずれの半導体基板においても概ね良好な印刷状況を得ることができた。
【0043】
具体的には、半導体基板の主表面の凹凸が正弦波関数に近似できる形状で、その凹凸周期を2mm、半導体基板表面の表面最大粗さ(WCM)を200μmとした場合、印刷位置における上記の表面高低差が50μm以内となるようにするには、おおよそ±330μm以内の位置決め精度で副電極の印刷位置を決定することができればよい。同様に、上記の表面最大粗さを100μm以内とすれば、おおよそ±500μm以内の位置決め精度で、副電極の印刷位置を決定することができればよい。
【0044】
図4は、図3と同様の検討を、半導体基板の主表面の凹凸が、直線からなる山型の形状で近似した結果である。図4(a)は、半導体基板の主表面を模式的に表した断面図である。半導体基板1の表面42における山型の頂角の2分の1をθvで表している。図4(b)は半導体基板の凹凸の頂角2θvに対して副電極の要求される位置決め精度を示すグラフである。横軸が頂角2θv、縦軸が必要な位置決め精度を表わしている。3本のグラフは、それぞれ図3(b)と同様に印刷位置における半導体基板の表面の高低差を50μm、100μm、および200μmとしたときの要求される位置決め精度をそれぞれ表わしている。頂角が大きくなるほど、すなわち、主表面の凹凸の傾斜が緩やかになるほど、要求される位置決め精度は大きくなる。詳細な要求される値の説明については、図3に示した場合と同様であり、ここでは説明を省略する。
【0045】
次に、半導体基板の主表面に副電極を印刷する位置の調整方法について説明する。
【0046】
図5は、半導体基板が据付けられた印刷装置の載物台を、上側から見たときの平面図である。載物台は、第1載物台22および第2載物台23を含む。第1載物台22の主表面上には、印刷が行なわれる半導体基板1が配置されている。半導体基板1は印刷されるべき主表面が上側になるように配置されている。本実施の形態における半導体基板1は外縁が正方形になるように形成されている。第2載物台23は印刷装置に固定されて動かない。
【0047】
第1載物台22は、平面形状が円形になるように形成されており、その位置が移動できるように形成されている。第1載物台22は水平面において、前後、左右に平行移動することができるように形成されている。さらに、平面形状の円の中心を回転軸として、回転移動ができるように形成されている。このように、第1載物台22が移動することにより、半導体基板1の位置を調整することができる。第1載物台22の移動の制御は、公知のNC制御方法を用いて行なうことができる。すなわち、第1載物台22は、コンピュータ制御で位置の調整を行なうことができるように形成されている。半導体基板1は第1載物台22の主表面に真空吸着や静電吸着などの方法を用いて固定される。半導体基板1の主表面には、図1に示したように1つの凸部が四角錐であるような凹凸が形成されている。
【0048】
第1載物台22の外縁の外側には、半導体基板とスクリーンマスクとの位置を調整する目印となる複数の固定マーカが形成されている。これらの固定マーカは半導体基板1が動いても移動しないように形成されている。固定マーカは少なくとも2つ形成される。本実施の形態においては、第2載物台23の主表面上に、第1マーカ20および第2マーカ21が形成されている。第1マーカ20および第2マーカ21は、第2載物台23の平面形状である長方形の対角線上に形成されており、この対角線の中心に対して互いに対称になるように形成されている。これらの2つのマーカは、画像データの処理を行なう際に基準となる。印刷装置のスクリーンマスクは、この2つのマーカのみを基準にして印刷装置に固定される。
【0049】
第1載物台22および第2載物台23の主表面は、画像データの処理を行なう際、半導体基板とこれらの載物台の主表面とのコントラストが明瞭になるように黒色であることが好ましい。また、照明光がこれらの載物台の表面で鏡面反射すると、後の画像処理に支障をきたすおそれがあるので、載物台の表面には、光が乱反射するように微細な凹凸が形成されていることが好ましい。一方で、第1載物台22には半導体基板1が固定される必要があるため、第1載物台22の主表面には、吸着固定などの半導体基板の固定に支障がない程度に微細な凹凸があって、光を乱反射するように形成されていることが好ましい。
【0050】
印刷装置には、半導体基板の表面の凹凸形状を、画像処理装置(コンピュータ)に取込むことができるように、デジタルカメラ、照明が備え付けられている。デジタルカメラは、第1載物台22に固定された半導体基板1の主表面に対して対向するように固定されている。デジタルカメラは、画像の略中央に半導体基板の主表面が映るように、さらに、画像には第2載物台23に形成された2つの固定マーカが含まれるように位置が調整される。撮影は、半導体基板の表面に照明光を照射しながら行なわれる。撮影された画像データは、画像処理装置に送られて画像の解析が行なわれる。
【0051】
撮影された画像データは、デジタルカメラのCCD素子ごとに受光した光の強度の信号値で出力される。この信号値はグレースケール値と呼ばれ、2次元マトリックス状に並んだ情報である。画像データは、明るい部分ほどグレースケール値は大きい。たとえば、載物台は黒色に塗られており、グレースケール値が最小である。これに対して基板の主表面は相対的にグレースケール値が大きくなる。半導体基板の主表面には凹凸が形成されており、これらの凹凸に照明光が反射すると、凹凸の周期に対応した周期的なグレースケール値を得ることができる。すなわち規則的に形成されている凹凸面に対応して、規則的にグレースケール値も大きくなったり小さくなったりしている画像データが得られる。
【0052】
図6にデジタルカメラで撮影された画像データを、解析データとして画像処理装置に取込んだ模式図を示す。2つの固定マーカである第1マーカ20と第2マーカ21とは、照明光を反射しやすいように形成されており、グレースケール値が大きくその位置を明確に認識することができる。半導体基板の主表面で反射した光は表面の凹凸形状に合わせてグレースケール値が周期的に変化しており、それぞれの凸部が認識される。図6には、それぞれの凸部30に対応するものを模式的に丸印で示している。
【0053】
まずはじめに、この画像データを基にして、第1載物台の上に固定された半導体基板と印刷装置のスクリーンマスクとの相対的な位置の粗調整を行なう。予め計算しておいたグレースケール値の粗調整判定値を用いて、判定値未満のグレースケール値を全て0、判定値以上のグレースケール値を全て1に変換する画像データの二値化を行なう。すなわち、載物台の主表面のようにグレースケール値が小さい箇所のグレースケール値を0として、半導体基板の主表面および固定マーカのようにグレースケール値が大きい箇所のグレースケール値を1に変換する。
【0054】
この二値化を行なうと、図7に示すように半導体基板の外縁および固定マーカの外縁を線として認識することができる。得られた画像データ上に互いに垂直な軸となるX軸およびY軸を仮想的に割当てる。得られた画像データを、このXY座標系に割当てて、以後の調整を行なう。
【0055】
上記の二値化データにおいて、1になる画素のうち図7の左下に認識することができる円形のデータ、および図7の右上に認識することができる円形のデータは2つの固定マーカに対応する。これらの円の中心を求め、それぞれを第1マーカ20の位置(Xm1,Ym1)および第2マーカ21の位置(Xm3,Ym3)とする。第1マーカ20の位置および第2マーカ21の位置を対角線とする仮想的な正方形を画像データ上に形成し、この正方形を位置基準正方形(RM)と定義する。図7には、位置基準正方形27を一点鎖線で示している。2つの固定マーカの中点、すなわち、位置基準正方形27の重心であるRM重心点31を算出する。RM重心点31の座標を(Xm2,Ym2)とする。
【0056】
Xm2=(Xm1+Xm3)/2 …(1)
Ym2=(Ym1+Ym3)/2 …(2)
【0057】
位置基準正方形27の内部では、二値化データが1の部分は基板に対応する。この二値化データの外縁において、最も左下にある頂点および最も右上にある頂点が、半導体基板の対角上の2つの頂点に対応する。半導体基板の画像データにおいても、この2つの頂点を結ぶ線を対角線とする正方形を仮想的に定め、これを「基板位置粗調整正方形」(RS)と定義する。ここでは、最も左下にある点の座標を(Xs1,Ys1)として、最も右上にある点の座標を(Xs3,Ys3)とする。半導体基板の2つの頂点の位置を特定すると同時に、2つの頂点の中点を求める。すなわち、基板位置粗調整正方形の重心であるRS重心点32を算出する。RS重心点の座標を(Xs2,Ys2)とする。
【0058】
Xs2=(Xs1+Xs3)/2 …(3)
Ys2=(Ys1+Ys3)/2 …(4)
【0059】
半導体基板の位置の調整においては、RM重心点31とRS重心点32とが重なって、さらに、それぞれの正方形の対角線が重なるように、半導体基板の位置の調整を行なえばよい。必要な半導体基板の平行移動量および回転角度を、得られた座標から算出する。半導体基板の必要な平行移動量は、以下の式で示される。
【0060】
(Xt,Yt)=(Xm2,Ym2)−(Xs2,Ys2) …(5)
【0061】
また、必要な半導体基板に必要な回転角度θtは、以下の式で示される。
【0062】
【0063】
このように算出した半導体基板の平行移動量と回転角度とをコンピュータから第1載物台の駆動制御系に送信する。第1載物台の駆動制御系は、移動のデータを受けて、平行移動量に基づいて第1載物台を平行移動する。その後に、回転角度θtだけ第1載物台を回転移動させることによって、半導体基板1の位置を調整する。
【0064】
図8に、平行移動と回転移動とが完了した状態を示す。半導体基板は、基板位置粗調整正方形26と位置基準正方形27とが互いに平行になるように配置されている。
【0065】
このように第1回目の画像解析を行なって半導体基板の外縁を認識し、この外縁のデータを用いて、載物台における半導体基板の位置を調整することによって、電極の印刷を行なうべきほぼ正確な位置に、半導体基板を移動することができる。この基板の位置調整工程を本明細書においては、第1調整工程という。
【0066】
次に、半導体基板の主表面に形成された凹凸の凹部底部とスクリーンマスクの印刷パターンとの位置を厳密に合わせる第2調整工程を行なう。図9は、半導体基板の主表面に形成される副電極位置28と半導体基板の表面の凹凸との関係を模式的に示した説明図である。前述のとおり、副電極は、凹部底部が直線状につながっている部分に形成されることが好ましい。言い換えれば、副電極は、隣り合う凸部同士の間に形成されることが好ましい。図9においては、副電極位置28に示した位置に配置されることが好ましい。
【0067】
第1調整工程と同様に、半導体基板の主表面および2つの固定マーカを撮影する。第1マーカ20(Xm1,Ym1)および第2マーカ21(Xm3,Ym3)の位置を認識する。また、基板位置粗調整正方形26における左下の点と右上の点とを認識する。第1調整工程と同様に、基板位置粗調整正方形26および位置基準正方形27を認識することによって、2つのマーカの位置および基板位置粗調整正方形26における第1頂点37(Xs1,Ys1)と第2頂点38(Xs3,Ys3)との位置を認識する。
【0068】
印刷に用いるスクリーンマスクは、固定マーカの位置によって定められており、基板の位置によらず常に一定になるように形成されている。したがって、2つの固定マーカの位置から、XY座標系での副電極が印刷される位置を算出することができる。副電極がN本が印刷される位置は以下の式で表わされる(図9参照)。
【0069】
Yh=Ym1+Yd+Ne・(h−1)・Cs …(7)
(Xm1+Xd≦X≦Xm1+Xd+L)
Yd:第1マーカと第1頂点とのY座標の差
Cs:凹凸周期
Ne:(副電極のピッチ)/(Csで算出される自然数)
h :n以下の自然数
Xd:第1マーカと第1頂点とのX座標の差
L :副電極の長さ
【0070】
Xd、Yd、Cs、NeおよびLの値は、設計事項である。これらの値は、半導体基板の位置に依存しない数値であり、画像処理装置に予め入力しておく。
【0071】
次に、半導体基板に対して一の方向から光を照射する。図10は、一の方向から光を照射した場合における画像データの模式図である。図10(a)に示すように、半導体基板に対して矢印52に示す方向から照明によって光を照射する。半導体基板の外縁の一辺と垂直な方向から光を照射する。本実施の形態における半導体基板の主表面には、1つの凸部の形状が四角錐となる凹凸が形成されているため、光が照射される方向に向いている面は明るくなり、その他の面は相対的に暗くなる。位置基準正方形の内部の画像データを、予め算出しておいた微調整判定値を用いて二値化する。すなわち微調整判定値より明るい画素のグレースケール値は1に、微調整判定値より暗いグレースケール値は0に変換される。この結果、周期的に明るい部分と暗い部分とが認識され、この周期は凹凸周期に対応する。図10(a)に示すように、ここでは凹凸周期をCsで示している。
【0072】
図10(b)は、図10(a)におけるA部の拡大平面図である。A部は、半導体基板の主表面の凹凸のうち、1つの凸部(凹凸周期Csに対応する部分)を示すものである。図10(b)に示すkl軸は、XY軸に平行な座標軸である。kl軸は、各画素の位置を特定するためのXY座標に対する補助的な座標である。図10(b)において、1つの画素を一つの小さな四角として示している。黒く塗りつぶした四角は、二値化の結果、グレースケール値が0になった画素である。その他の四角は、二値化の結果、グレースケール値が1になった画素である。凹凸形状の四角錐の側面の明るく照らされた一面の形状が認識できる。
【0073】
グレースケール値が1である画素の集まりからなる図形における重心を求める。明領域重心点36(Xpij,Ypij)は以下の式で求められる。
【0074】
Xpij={Σ(Xkl・δkl)}/{Σ(δkl)} …(8)
Ypij={Σ(Ykl・δkl)}/{Σ(δkl)} …(9)
i,j;左からi番目、下からj番目の分割領域
k,l;左からk番目、下からl番目の画素
δkl;左からk番目、下からl番目の画素の二値化データ
【0075】
このようにして求められた明領域重心点36(Xpij,Ypij)は、凸部の形状である四角錐において、最も明るく照射されている一の面の重心点を与えている。
【0076】
次に、得られた明領域重心点36(Xpij,Ypij)について、jの値が等しい複数の重心点を1つの集合とし、各集合ごとに最小二乗法を用いて重心点を結ぶ直線を算出する。得られる直線式は以下のようになる。
【0077】
Y=αj・X+βj …(10)
【0078】
理想的には、いずれのjについても、αj=0、βj+1−βj=Csとなるはずである。すなわち、得られた直線は、X軸と完全に平行になるはずである。しかし、半導体基板の外縁の加工精度、半導体基板を第1載物台に配置する際の位置合わせ精度、および半導体基板の凹凸のばらつきなどによって、得られる直線はX軸と完全に平行にはならない。また、照明、デジタルカメラ、および半導体基板の表面の凹凸の光学的な位置関係によっても、誤差を生ずる場合がある。したがって、再度、半導体基板の位置の調整を行なう。
【0079】
αjの平均値<αj>から半導体基板の回転方向の微調整角度θfを以下のように求める。
【0080】
tanθf=<αj> …(11)
【0081】
また、スクリーンマスクの位置と、βjとの関係から、半導体基板の平行移動に必要な平行移動量Yfを以下のように求める。平行移動については、形成される副電極の長手方向に垂直な方向のみ移動を行なえばよく、副電極の長手方向に平行な方向については、半導体基板を移動させる必要はない。よって、移動させる半導体基板の方向はY軸の方向のみである。
【0082】
Yf=Σ(Yh−βj)/n …(12)
【0083】
ただし、h=j/Neであり、(Yh−βj)の総和については、Neの倍数となるものについて総和を取る。得られた微調整角度θfについての回転移動および得られた平行移動量Yfについての平行移動を、第1載物台を移動することによって行なう。以上のように半導体基板の位置の微調整工程である第2調整工程を行なう。
【0084】
第1調整工程と第2調整工程とを行なうことによって、半導体基板の主表面に形成されている凹凸形状のうち、凹部の底部の正確な位置に直線的な副電極を形成することができる。すなわち、スクリーン印刷版に形成されている直線的な印刷パターンと、副電極が形成されるべき半導体基板の表面の凹部底部との位置合わせを厳密に行なうことができる。また、一の方向から光を当てて、明るくなる部分の重心位置を認識することによって、半導体基板の主表面に形成されている凸部の位置を容易に認識することができる。
【0085】
このように位置合わせを行なった半導体基板の主表面に対し、スクリーン印刷法によって副電極の形成を行なう。本発明に用いる印刷装置としては、上記のように位置合わせのための移動を行なえるほか、不手際により載物台の上面に印刷されるべきペーストなどが付着したときに、載物台の表面を拭くことができる公知のワイパーが備えられていることが好ましい。ワイパーを備えることによって、付着したペーストが画像データに悪影響を与えることを防止できる。ワイパーの動作については、半導体基板の印刷ごとに毎回行なうことが好ましい。たとえば、スクリーン印刷が終了した半導体基板を載物台から取り外したときから、次の半導体基板を載物台に取り付けるまでの間に行なうことが好ましい。
【0086】
(実施の形態2)
(構成)
図11から図13を参照して、本発明に基づく実施の形態2における太陽電池について説明する。
【0087】
図11は、本実施の形態における半導体基板の斜視図であり、図12は平面図である。半導体基板が板状に形成されていることや、主表面の凹凸の上面に受光面集電極としての主電極2aおよび副電極2bが形成されていることは実施の形態1における太陽電池と同様である。
【0088】
本実施の形態における凹凸形状は、断面の形状が規則的に繰返す山形になるように形成され、平板の主表面上に三角柱を規則正しく並べたような形状を有する。換言すると、側方から見て、凹凸が繰返しているように見通すことができる方向が1つのみ存在するように形成されている。図11および図12においては、X方向のみで凹凸を見通すことができる。凹部底部6は、互いに平行な直線状に形成され、X方向と平行になるように形成されている。凸部頂部5も互いに平行な直線状に形成され、X方向と平行になるように形成されている。
【0089】
副電極2bは、凹部底部6に沿って配置されている。副電極2bの中心線と凹部底部6が延在する線とが一致するように形成されている。したがって、副電極2bは、互いに平行になるように形成されている。また、凹凸周期は隣合う凹部底部6の間の距離である。副電極2bは、凹凸周期の2倍のピッチで形成されている。主電極2aは、副電極2bに垂直に交わるように形成されている。
【0090】
その他の構成については、実施の形態1と同様であるのでここでは説明を繰返さない。
【0091】
(作用・効果)
本実施の形態における凹凸の形状は、実施の形態1におけるような半導体基板の主表面に多くの多面体を貼り付けたような複雑な形状を有しておらず、容易に凹凸形状を形成することができる。
【0092】
また、本実施の形態における半導体基板は、図12に示したように、凹部底部6に副電極2bが配置されるほか、図13の平面図に示すように、凹部底部6と凸部頂部5との間に副電極2bが形成されていてもよい。すなわち、凹凸形状の傾斜面となっている面に、副電極2bが形成されていてもよい。副電極2b同士のピッチは、図12における副電極2bと同様に凹凸周期の2倍になっている。このように、側方から見て、凹凸が繰返しているように見通すことができる方向が、1つのみ存在するように形成されていることによって、凹部底部以外の位置においても、スクリーンマスクの印刷パターンと半導体基板の主表面との距離を一定にすることができる。よって、凹部底部6以外の位置に副電極を形成しても、印刷不良を起こさずに、凹部底部6に副電極を形成した場合と同等の効果を得ることができる。
【0093】
その他の作用および効果については、実施の形態1と同様であるのでここでは説明を繰返さない。製造方法についても実施の形態1と同様に、画像処理を行なうことによって、たとえば凹部底部に副電極を形成することができる。第2調整工程に関しては、凸部頂部の長手方向に垂直な方向から光を照射して、凹凸を認識させることが好ましい。
【0094】
(実施の形態3)
(構成)
図14を参照して、本発明に基づく実施の形態3における太陽電池について説明する。図14は、本実施の形態における半導体基板の平面図である。
【0095】
半導体基板が板状に形成されていることや、主表面の凹凸の上面に受光面集電極としての主電極2aおよび副電極2bが形成されていることは実施の形態1における太陽電池と同様である。
【0096】
本実施の形態における凹凸形状は、平板の上に規則的に三角錐を形成したような形状を有する。換言すると、側方から見て、凹凸が繰返しているように見通すことができる方向が、3つ存在するように形成されている。図14においては、X、YおよびZのそれぞれの方向で繰返す凹凸の形状を見通すことができる。凹凸の凹部底部6は、それぞれ三角錐の一辺となる。凹凸の凸部頂部5は三角錐の頂点となる。
【0097】
副電極2bは、凹部底部6の真上に配置されている。また、副電極2bは、X方向と平行な方向に形成されている。また、副電極2bは、互いに平行になるように形成されている。本実施の形態における凹凸周期は、互いに平行な凹部底部6によって形成されている直線間の最短距離である。副電極2bは、凹凸周期の2倍のピッチをあけて形成されている。主電極2aは、副電極2bに垂直に交わるように形成されている。
【0098】
その他の構成については、実施の形態1と同様であるのでここでは説明を繰返さない。
【0099】
(作用・効果)
本実施の形態における凹凸の形状は、凹部底部が直線状に形成されている方向が3方向存在する。この構成を採用することによって、副電極を形成する方向を3方向のうちから選択することができる。
【0100】
その他の作用および効果については、実施の形態1と同様であるのでここでは説明を繰返さない。製造方法についても実施の形態1と同様に、画像処理を行なうことによって、凹部底部に副電極を形成することができる。第2調整工程に関しては、三角錐の形状の凸部の一つの側面に対向する向き、たとえば図14においてはX方向とY方向とがなす角度の2等分線の方向から光を照射して、凹凸を認識させることが好ましい。
【0101】
【実施例】
(実施例1)
本発明に基づく実施の形態1における太陽電池についての実施例を実施例1として以下に説明する。
【0102】
はじめに、図15から図21を参照して、太陽電池の製造工程の一例について詳細に説明する。図15から図21は、太陽電池の製造方法の概略断面図である。ただし、半導体基板の主表面に形成された凹凸は簡単のために図示省略している。
【0103】
図15は、本実施例におけるP型半導体基板の断面図である。P型半導体基板11として、リボン法によって形成された厚さ約400μm、基板サイズ100mm×100mm、比抵抗約1.5Ω・cmの多結晶シリコン基板を用いている。この多結晶シリコン基板は、主表面に図1に示した四角錐の集合からなる凹凸を有している。凹凸の大きさについては、WCMが150μmである。また、一つの凸部の四角錐の底部は2mm角の正方形である。凹凸周期は2mmである。
【0104】
はじめに、P型半導体基板11をSC1法(アンモニア過酸化水素水洗浄法)およびSC2法(塩酸過酸化水素水洗浄法)によって洗浄する。次に、NaOH水溶液とイソプロピルアルコールの混合液を用いて、液温約90℃でテクスチャエッチングを行なう。このエッチングを行なうことによって、半導体基板の主表面に高さが数μmの微小ピラミッドが形成される。
【0105】
図16に示すように、P型半導体基板11の主表面にPSG液(リンガラス液)をスピンコート法によって塗布する。この後に、850℃で焼成することによって、受光面となるべき主表面に、N型半導体層12を形成する。次に、図17に示すように、常圧CVD法によって酸化チタン膜からなる反射防止膜13を形成する。次に、図18に示すように、P型半導体基板11の裏側(受光面なるべき面の反対側)の主表面全体にアルミニウムペーストをスクリーン印刷法を用いて印刷する。次いで、750℃で焼成することによって、図19に示すように、裏面電極14および裏面電界層15を形成する。
【0106】
続いて、図20に示すように、受光面となるべき反射防止膜の主表面に、本発明に基づいてスクリーンマスクと半導体基板との相対的な位置調整を行なった後に、スクリーン印刷法によって銀ペーストを印刷する。この後に、650℃で焼成して、図21に示すように受光面集電極7を形成する。本実施例における副電極のピッチは、半導体基板の主表面の凹凸周期と同じになるようにした。すなわち、P型半導体基板の主表面の凹凸の周期の1倍である2mmとした。実際の受光面集電極の印刷にあたっては、表面の凹凸をCCDカメラによって撮影し、コンピュータに取り込んで基板表面画像と標準的なパターンマッチングを行なっている。すなわち、画像認識を行なうことによって、副電極の形成位置が半導体基板の表面の凹部底部に一致するように印刷を行なっている。この印刷装置および画像処理装置による位置決め精度は±50μmである。基板表面の凹凸のWCM値が150μmなので、副電極の形成位置における基板高さの変化は最大でも15μm以下となる。これらの方法においては、副電極が形成される部分の基板の高さの変化が、スクリーン印刷に適した範囲内に抑えられている。
【0107】
さらに、受光面集電極が形成されたP型半導体基板11をフラックス液に浸して、引き続いて溶融ハンダ中に通過させることにより、受光面集電極の上側にハンダをコートして、太陽電池を製造した。上記の方法によって製造した太陽電池を、擬似太陽光(100mW/cm2、AM1.5、25℃)下に配置して電流−電圧特性を計測する特性検査を行なった。
【0108】
これに対して、従来の技術に基づく比較例1として、半導体基板の主表面の凹凸形状とスクリーンマスクとの位置を合わせる工程において、本発明に基づく画像処理の方法は用いずに、目視にて半導体基板とスクリーンマスクとの位置合わせを行なった。また、受光面集電極の副電極のピッチを2.5mmとした。これら以外については、上記の本発明に基づく実施例1の太陽電池と同じ製造方法で太陽電池を製造した。比較例1として製造された太陽電池についても、実施例1と同様に、擬似太陽光下に配置して、電流−電圧特性を計測する特性検査を行なった。
【0109】
実施例1と比較例1との方法によってそれぞれ製造した太陽電池の検査結果を以下に示す。
【0110】
【表1】
【0111】
比較例1の製造方法によって形成された太陽電池は、副電極の長手方向が半導体基板の主表面の凹凸の凹部底部で形成される直線と平行になっておらず、また、副電極同士の間のピッチと基板の主表面の凹凸の周期とが一致しない。したがって、副電極の形成される部分の基板高さの変化は、面内全体で考慮すると、基板表面の凹凸のWCMと同じ150μmとなった。このため、副電極の幅や厚さが半導体基板の主表面内で不均一になり、所によっては、断線を生じることがあった。本比較例においては、100mm角の太陽電池において、1つの半導体基板の主面内で少ない場合でも10箇所以上、多い場合では50箇所もの断線が観察された。
【0112】
これに対して、本発明に基づく実施例1の太陽電池は、断線箇所が生じておらず、良好な受光面集電極の形成が行なえている。この結果、太陽電池の能力である変換効率についても、比較例1の太陽電池が12.3%であるのに対して、本実施例の太陽電池は15.3%の変換効率を得ることができている。このように、本発明を採用して太陽電池を製造すると、従来の技術に基づく太陽電池より能力が向上したものを得ることができる。
【0113】
(実施例2)
本発明に基づく実施の形態2における太陽電池についての実施例を実施例2として以下に説明する。
【0114】
本実施例におけるP型半導体基板としては、リボン法によって形成された厚さ約350μm、基板サイズ100mm×100mm、比抵抗約2.0Ω・cmのP型多結晶シリコン基板を用いている。本実施例における多結晶シリコン基板の主表面には、図11に示すように、断面形状が山型になる凹凸が形成されている。本実施例における凹凸は、凸部頂部同士(または、凹部底部同士)のピッチが1mm、上記の断面における山型の頂角が120度になるように形成されている。
【0115】
実施例1と同様に、この多結晶シリコン基板を洗浄し、アルカリ液によるテクスチャエッチングを行なったのちに、N型半導体層、反射防止膜、裏面電極および裏面電界層の形成を行なった。続いて、受光面となるべき面に本発明に基づいてスクリーンマスクと基板との相対的な位置調整を行なった後に、スクリーン印刷法で銀ペーストを印刷した。650℃で焼成して受光面集電極を形成した。受光面集電極の副電極同士のピッチは2mm、すなわち、基板表面の凹凸周期の2倍のピッチとなるように形成した。受光面集電極の印刷において、画像処理装置を用いて受光面集電極の印刷の位置決めを行なう方法についても、実施例1と同様に行なった。太陽電池の特性検査においても、実施例1と同様に、受光面集電極上にハンダをコートし、擬似太陽光下(100mW/cm2、AM1.5、25℃)で電流−電圧特性の測定を行なった。
【0116】
これに対して、従来の技術に基づく比較例2として、半導体基板の主表面の凹凸形状とスクリーンマスクの位置を合わせる工程において、本発明に基づく画像処理の方法は用いずに、目視にて半導体基板とスクリーンマスクとの位置合わせを行なった。受光面集電極の副電極のピッチは2.5mmとした。受光面集電極形成工程以外の製造工程については、上記の実施例2の製造方法におけるものと同じである。
【0117】
本実施例2と比較例2との方法によってそれぞれ製造した太陽電池の検査結果を以下に示す。
【0118】
【表2】
【0119】
比較例2の製造方法によって形成された太陽電池は、比較例1の製造方法の場合と同様に、受光面集電極の副電極の形成厚さや幅が面内で不均一になっており、場所によっては断線が生じていた。たとえば、本比較例の製造方法で製造した太陽電池は、100mm角の太陽電池において面内で少ない場合でも8箇所以上、多い場合では40箇所もの断線が発生した。
【0120】
これに対して、本発明に基づく実施例2の太陽電池は、断線箇所が生じておらず、良好な受光面集電極の形成が行なえている。この結果、太陽電池の能力である変換効率についても、比較例2の太陽電池が12.0%であるのに対して、本実施例の太陽電池は14.6%の変換効率を得ることができている。
【0121】
(実施例3)
本発明に基づく実施の形態3における太陽電池についての実施例を実施例3として以下に説明する。
【0122】
本実施例におけるP型半導体基板としては、リボン法によって作製された厚さ約350μm、基板サイズ100mm×100mm、比抵抗約2.0Ω・cmのP型多結晶シリコン基板を用いている。本実施例における多結晶シリコン基板は、図14に示すように、基板の主表面に三角錐の集合からなる凹凸を有している。その三角錐の大きさは、WCMが180μmである。また、この三角錐の底部は、一辺の長さが1mmの正三角形である。
【0123】
実施例1と同様に、この多結晶シリコン基板を洗浄し、アルカリ液によるテクスチャエッチングを行なったのちに、N型半導体層、反射防止膜、裏面電極および裏面電界層の形成を行なった。続いて、受光面となるべき面に、本発明に基づいてスクリーンマスクと基板との相対的な位置調整を行なった後に、スクリーン印刷法で銀ペーストを印刷した。650℃で焼成して受光面電極16を形成した。受光面集電極の副電極同士のピッチは1.73mmとした。すなわち、凹凸周期の2倍のピッチになるように副電極を形成した。受光面集電極の印刷において、画像処理装置を用いて受光面集電極の印刷の位置決めを行なう方法についても、実施例1と同様である。太陽電池製造後の検査においても、実施例1と同様に、受光面集電極上にハンダをコートして、擬似太陽光下(100mW/cm2、AM1.5、25℃)で電流−電圧特性の測定を行なった。
【0124】
これに対して、従来の技術に基づく比較例3として、半導体基板の主表面の凹凸形状とスクリーンマスクの位置を合わせる工程において、本発明に基づく画像処理の方法は用いずに、目視にて半導体基板とスクリーンマスクとの位置合わせを行なった。受光面集電極の副電極のピッチは2mmとした。その他の比較例3の製造方法は、上記の実施例3の製造方法と同じ方法である。
【0125】
本実施例3と比較例3との方法によってそれぞれ製造した太陽電池の検査結果を以下に示す。
【0126】
【表3】
【0127】
比較例3の製造方法によって形成された太陽電池は、比較例1の製造方法の場合と同様に、受光面集電極の副電極の形成厚さや幅が面内で不均一になっており、ときとしては断線が生じた。たとえば、本比較例の製造方法で製造した太陽電池は、100mm角の太陽電池において、面内で少ない場合でも25箇所以上、多い場合では80箇所もの断線が発生した。
【0128】
これに対して、本発明に基づく実施例3の太陽電池は、断線箇所が生じておらず、良好な受光面集電極の形成が行なえている。この結果、太陽電池の能力である変換効率についても、比較例3の太陽電池が11.3%であるのに対して、本実施例の太陽電池は14.8%の変換効率を有するものが得られている。
【0129】
上記の全ての実施の形態および実施例においては、主電極と副電極とが垂直に交わるように形成された太陽電池について説明を行なったが、特にこの形態に限られず、主電極と副電極は傾斜角をつけて接続されていてもよい。また、上記の実施の形態および実施例においては、半導体基板の主表面全体に規則的な凹凸が形成されているものを用いたが、半導体基板の主表面の一部に凹凸が形成されていなくてもよい。実施の形態1および3の凹凸のように凸部の一つ一つが多角錐の形状である必要はなく、半導体基板の表面に凹凸が形成されていればよい。たとえば、凸部の一つ一つの形状が半球であってもよい。また、上記の実施の形態および実施例については、半導体基板の主表面全体にわたって同一の凹凸形状が形成されていたが、互いに平行になるような凹部底部を含んでいれば、本発明を適用することができる。
【0130】
なお、今回開示した上記実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものである。
【0131】
【発明の効果】
本発明によれば、受光面に凹凸を有する半導体基板を備える太陽電池において、副電極の断線を防止して、さらに、副電極の幅や厚さを均一にすることができる太陽電池および太陽電池の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に基づく実施の形態1における半導体基板の概略斜視図である。
【図2】本発明に基づく実施の形態1における半導体基板の概略平面図である。
【図3】(a)は第1の半導体基板の主表面の模式的な説明図であり、(b)は、要求される位置決め精度を表すグラフである。
【図4】(a)は第2の半導体基板の主表面の模式的な説明図であり、(b)は、要求される位置決め精度を表すグラフである。
【図5】印刷装置の載物台に半導体基板を配置した際の平面図である。
【図6】載物台に基板を配置した際の画像データの説明図である。
【図7】第1調整工程の説明図である。
【図8】第1調整工程が完了した際の画像データの説明図である。
【図9】第2調整工程における画像データの各座標の説明図である。
【図10】(a)は第2調整工程における半導体基板全体の画像データの説明図であり、(b)は、第2調整工程における1つの凸部の画像データの説明図である。
【図11】本発明に基づく実施の形態2における半導体基板の概略斜視図である。
【図12】本発明に基づく実施の形態2における半導体基板の第1の概略平面図である。
【図13】本発明に基づく実施の形態2における半導体基板の第2の概略平面図である。
【図14】本発明に基づく実施の形態3における半導体基板の平面図である。
【図15】太陽電池の製造方法の第1の工程の説明図である。
【図16】太陽電池の製造方法の第2の工程の説明図である。
【図17】太陽電池の製造方法の第3の工程の説明図である。
【図18】太陽電池の製造方法の第4の工程の説明図である。
【図19】太陽電池の製造方法の第5の工程の説明図である。
【図20】太陽電池の製造方法の第6の工程の説明図である。
【図21】太陽電池の製造方法の第7の工程の説明図である。
【図22】太陽電池の製造に使用する半導体基板の概略斜視図である。
【図23】従来の技術に基づく半導体基板の不具合の第1の説明図である。
【図24】従来の技術に基づく半導体基板の不具合の第2の説明図である。
【符号の説明】
1 半導体基板、2a 主電極、2b 副電極、4 稜線、5 凸部頂部、6凹部底部、7 受光面集電極、11 P型半導体基板、12 N型半導体層、13 反射防止膜、14 裏面電極、15 裏面電界層、20 第1マーカ、21 第2マーカ、22 第1載物台、23 第2載物台、26 基板位置粗調整正方形(RS)、27 位置基準正方形(RM)、28 副電極位置、30 凸部、31 RM重心点、32 RS重心点、36 明領域重心点、37 第1頂点、38 第2頂点、40 表面最大粗さ(WCM)、41 表面最大高低差、42 表面、50,51,52 矢印、60 凹凸周期。
【発明の属する技術分野】
本発明は、受光面集電極として主電極および副電極を有する太陽電池および太陽電池の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
太陽電池は、P型半導体とN型半導体とが接合されたものを含む半導体基板の表裏両面に電極を形成する。太陽光が照射される側の主表面には受光面集電極が形成されている。受光面集電極は、発電した電力を太陽電池の外部に取出すための主電極と、この主電極に交差する細い副電極を含んでいる。受光面集電極が形成されている主表面と反対側の主表面、すなわち太陽光が照射される側と反対側の主表面には裏面電極が形成されている。
【0003】
受光面集電極は、主電極と主電極に垂直に交わる細い副電極との形状から「魚骨型集電極」とも言われる。この受光面集電極の形成方法は、真空蒸着法の他に、金属の微粉末を成分に含むペースト材料をスクリーン印刷法によって半導体基板の表面に転写して、その後焼成することによって形成する方法がある(たとえば、非特許文献1参照)。
【0004】
受光面集電極の副電極は、集電極としての機能や特性などを考慮して設計されている。たとえば、それぞれの副電極を太くすると、副電極自体の直流抵抗は小さくなるが、その一方で副電極が半導体基板の主表面を遮蔽して受光面積が小さくなるという問題がある。反対に、副電極を細くすると受光面積は大きくなるが、副電極自体の直列抵抗が大きくなるという問題がある。すなわち、集電極の直流抵抗による出力損失の問題と電極の半導体基板の遮蔽による出力損失の問題とが並存する。これらの相反する問題を考慮して副電極の幅や厚さなどが設計されてきた。また、受光面集電極の設計、製作においては、技術的に形成が可能な電極の幅や厚さも同時に考慮して行なわれていた。
【0005】
半導体基板の製造方法の1つに、シリコンのインゴットを切断することによって、薄い半導体基板を形成する方法がある。予め、坩堝の中でシリコンなどを溶融し、この融液を鋳型に流し込んで徐々に冷却してインゴットを得る。この後に、インゴットをワイヤーソーや内周刃などを用いて薄く切断して半導体基板を形成する方法である。しかしながら、この方法においては、シリコンなどのインゴットを機械的に切断するため、ワイヤーソーや内周刃の厚みの分だけシリコンの材料が無駄になってしまう。このため全体として材料利用効率が悪くなり結果としてウェハが高価になるという問題があった。
【0006】
この方法に代わる半導体基板の製造方法として、シリコンを成長させる成長基板を短時間の間、溶融したシリコンなどの融液に接触させて、成長基板の主表面に薄いシリコンなどを成長させることによって、半導体基板を形成するリボン法がある。リボン法の採用により、成長基板の上に成長したシリコンなどを、冷却後に板から引き剥がすのみでシリコン基板などを得ることができる。したがって、インゴットを切断する際に発生する切屑などのスライスロスを防止することができて、材料利用効率が向上するものである。
【0007】
半導体基板を形成するためのリボン法の1つとして、特開2001−223172号公報(特許文献1参照)は、成長基板の主表面に、凹凸が形成されたものを用いる方法が開示されている。この製造方法を採用することによって、所望の厚みと形状の半導体基板などを得ることができ、また、高速に半導体基板などを成長させることができるというものである。また、半導体基板の表面形状の均一性を確保して、さらに、半導体基板の品質の向上を図ることができる、というものである。
【0008】
この製造方法において半導体基板を形成する場合、融液に接触させる成長基板の主表面に形成された凹凸の形状などに対応して、半導体基板の主表面にも対応する凹凸の形状が形成される。
【0009】
図22は上記特許文献1に開示された方法によって製造された半導体基板を説明する斜視図である。半導体基板1の主表面には凸部30が形成されている。この例における凸部30の1つの形状は四角錐であり、それぞれの凸部30はすべて略同一形状である。それぞれの凸部30は、規則正しく半導体基板1の主表面全体にわたって形成されている。半導体基板1は、たとえば多結晶シリコン基板である。この多結晶シリコン基板に対してP型層およびN型層の形成や、反射防止膜および電極の形成などを行なって太陽電池が製造される。本明細書の「半導体基板」には、シリコンなどの半導体のみからなる基板のほかに、加工が施された基板、たとえば、基板の表面に反射防止膜などが形成されたものも含まれることとする。
【0010】
【特許文献1】
特開2001−223172号公報(第5−19頁、第1−10図)
【0011】
【非特許文献1】
浜川圭弘,桑野幸徳著「太陽エネルギー工学」,培風館,1994年5月20日,p.75−76
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
図22に示される半導体基板1を用いて太陽電池が製造される場合には、半導体基板1の凸部30が形成されている側が受光面となり、反射防止膜などが形成された後に、凹凸が形成されている面の上に受光面集電極が形成される。受光面集電極の形成においては、スクリーン印刷法を用いて主電極および副電極を形成する。
【0013】
受光面集電極を形成した場合に生じる不具合の説明図を、図23および図24に示す。図23および図24は、半導体基板1の主表面に形成した受光面集電極を説明する拡大平面図である。図23および図24においては、受光面集電極7の主電極2aと副電極2bは互いに垂直に交わるように形成され、副電極2b同士のピッチは一定になるように形成されている。また、副電極2b同士は平行になるように形成されている。
【0014】
図23の副電極は、凹凸のうち凹部の底である凹部底部6が連なる直線と副電極2bの長手方向とが平行になるように形成されている。図23においては、凹部底部6が連なる一の直線と平行なX方向に副電極2bが形成されている。副電極2bは、半導体基板1の主表面に形成された凹凸の上に印刷される。凹凸形状の凸部の頂点である凸部頂部5の付近においては、スクリーン印刷装置のスクリーンマスクとの距離が近いため、幅の狭い副電極2bが形成される。または、厚さの薄い副電極2bが形成される。これに対して、凹部底部6の付近においては、スクリーンマスクからの距離が遠いために、幅の広い副電極2bとなる。または、厚い副電極2bが形成される。したがって、副電極2bは、幅の広い部分と幅の狭い部分とを含む形状の電極となっている。また、凹凸形状の、凸部頂部5の真上に副電極2bが形成されるような場合には、副電極2bが途切れてしまっていた。
【0015】
図24においては、形成されている受光面集電極の凹凸に対する角度が図23に示したものと異なっており、凹部底部6が連なる一の直線の方向であるX方向に対して、副電極2bが傾斜するように形成されている。図24の受光面集電極についても、凸部底部6の近辺においては、副電極2bは幅広く印刷される一方で、凸部頂部5の付近においては、副電極2bが十分に印刷されておらず、幅が狭くなったり断線したりする。このように副電極の幅や厚さが不均一になり、所によっては断線を生じることがあった。
【0016】
受光面集電極の幅や厚さが不均一になると、局所的に薄い箇所では他の部分に比べて高い抵抗を有するため、太陽電池の変換効率に悪影響を及ぼすこととなる。また、断線が生じた場合、発電量が減少するという問題が生じていた。このように、受光面に凹凸を有する半導体基板を備える太陽電池においては、特に、微細な線幅が要求される副電極の形成が難しいという問題があった。
【0017】
本発明の目的は、上記の問題点を解決するためになされたものであり、受光面に凹凸を有する半導体基板を備える太陽電池において、副電極の断線を防止して、さらに、副電極の幅や厚さを均一にすることができる太陽電池および太陽電池の製造方法を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明に基づく太陽電池は、半導体を含み、主表面に規則的に繰返す凹凸が形成されている基板と、上記主表面に形成された受光面集電極とを備え、上記主表面は、一の方向に平行な直線状に延在する凹部の底部を含み、上記受光面集電極は、上記一の方向と平行になるように形成された副電極を含む。この構成を採用することにより、上記副電極の断線を防止して、さらに、上記副電極の幅や厚さがほぼ均一な太陽電池を提供することができる。
【0019】
上記発明において好ましくは、上記副電極同士のピッチは、上記一の方向と垂直な方向における凹凸周期の整数倍である。この構成を採用することにより、全ての上記副電極を上記基板のほぼ一定の高さの位置に配置することができる。この結果、それぞれの副電極の幅および厚さをほぼ一定にすることができる。
【0020】
上記発明において好ましくは、上記副電極は、上記凹部の底部に配置されている。この構成を採用することにより、それぞれの副電極の幅および厚さを一定にすることができる。
【0021】
上記発明において好ましくは、上記基板は、側方から見て上記凹凸が繰返しているように見通すことができる方向が、1つのみ存在するように形成されている。たとえば、上記凹凸の断面形状が山型をしており、上記山型の形状は一の方向に延在するように形成されている。この構成を採用することにより、上記凹凸を容易に形成することができ、容易に半導体の基板を準備することができる。また、上記凹部の底部でなくても、上記凹凸周期の整数倍の位置に上記副電極を形成することによって、断線を防止して、さらに、上記副電極の幅や厚さが均一な太陽電池を提供することができる。
【0022】
上記発明において好ましくは、上記基板は、側方から見て上記凹凸が繰返しているように見通すことができる方向が、2つ存在するように形成されている。たとえば、上記基板の主表面に形成される凹凸形状のうち、1つの凸部の形状が、四角錐になるように形成されている。または、上記基板は、側方から見て上記凹凸が繰返しているように見通すことができる方向が、3つ存在するように形成されている。たとえば、上記基板の主表面に形成されている凹凸形状のうち、1つの上記凸部の形状が、三角錐になるように形成されている。この構成を採用することにより、上記副電極を形成できる方向が多くなる。
【0023】
上記目的を達成するため、本発明に基づく太陽電池の製造方法は、主表面に規則的な凹凸が形成され、半導体を含む基板の上記主表面に、受光面集電極を形成する受光面集電極形成工程を含む。上記受光面集電極形成工程は、第1の画像解析を行なって、上記基板の外縁を認識する工程と、上記外縁のデータを用いて、スクリーンに対する上記基板の相対的な位置を調整する第1調整工程と、第2の画像解析を行なって、上記凹凸の個々の凸部を認識する凸部認識工程と、上記凸部のデータを用いて、スクリーンに対する上記位置を調整する第2調整工程とを含む。さらに、スクリーン印刷法によって、上記凹凸の凹部に上記受光面集電極を印刷する工程を含む。この方法を採用することにより、副電極の断線を防止して、上記副電極の幅および厚さを均一にできる製造方法を提供することができる。
【0024】
上記発明において好ましくは、上記凸部認識工程は、一の方向から光を当てて、明るくなる部分の重心位置を認識する工程を含む。この方法を採用することにより、上記重心位置から上記凹部の底部の位置を容易に演算することができ、上記凹部の底部に、上記受光面集電極のスクリーン印刷を行なうことができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)
(構成)
図1から図10を参照して、本発明に基づく実施の形態1における太陽電池および太陽電池の製造方法について説明する。
【0026】
図1は、本実施の形態における半導体基板の斜視図である。半導体基板1は、板状に形成され、2つの主表面のうち光が照射されるべき主表面に、凹凸が形成されている。1つの凸部の形状は四角錐の形状をしており、規則的に繰返す凹凸が形成されている。凹凸を一定の方向に観察すると、凸部頂部5と凹部底部6とが稜線4で結ばれて、繰り返しつながるように形成されている。凹凸が形成されている主表面には、受光面集電極7が形成されている。受光面集電極7は、主電極2aおよび副電極2bを含む。主電極2aは幅の広い電極であり、発電した電力を太陽電池の外部に供給するための電極である。副電極2bは、発電した電力を主電極2aに集めるための細い電極である。副電極2bは、複数本形成されている。主電極2aおよび副電極2bは、線状に形成されて、互いに交差している。
【0027】
図2は、本実施の形態における半導体基板の拡大平面図である。四角錐の形状をしている凸部が規則的に並べて形成されていることによって、凹部の底部である凹部底部6は一直線上に連続して形成されている。すなわち、一の方向に平行な直線状に延在する凹部の底部を含む。一の方向とは、たとえば、図2に示した矢印51に示す方向である。また、側方から見て凹凸が繰返しているように見通すことができる方向が2つ存在する。1つは矢印51の方向であり、もう1つは、矢印51と垂直な方向である。
【0028】
本実施形態における主電極2aは、矢印51の方向と垂直な方向(Y方向)に形成されている。これに対して、副電極2bは、主電極2aが形成されている方向と垂直に交わる方向(X方向)に形成されている。副電極2bは、矢印51の方向に形成された凹部底部6に直線状に形成されている。副電極2bは、一定のピッチで互いに平行になるように形成されている。
【0029】
矢印51の方向(X方向)に凹凸を見た場合、凹凸には1つの凸部の大きさに対応する一定の周期がある。本明細書においては、一の方向に見たとき、凹凸が繰返す単位の長さのうち、最小の長さを「凹凸周期」と言うものとする。図2における半導体基板の凹凸周期60は、凸部1つの凸部底部6の形状である正方形の1辺の長さに相当する。
【0030】
副電極2b同士は、凹凸周期60の2倍のピッチで形成されている。すなわち、副電極2bは、2つの凸部を挟むように直線状に形成されている。また、全ての副電極2bは、凹部底部6に配置されている。
【0031】
(作用・効果)
本実施の形態における半導体基板の主表面には、規則的に繰返す凹凸が形成され、一の方向に平行な直線状に延在する凹部底部を含んでいる。この直線状の凹部底部に平行になるように副電極が形成されている。この構成を採用することにより、副電極が形成されている半導体基板上の高さが、副電極同士でほぼ一定となり、副電極の断線を防止することができる。また、副電極の幅および厚さをほぼ均一にすることができる。この結果、変換効率の高い太陽電池を提供することができる。光の照射によって発生した電力は副電極を通じて主電極に送られ、主電極から太陽電池の外部に電力が供給されることは、従来の技術による太陽電池と同じである。
【0032】
副電極は、互いに平行になるように形成されており、その副電極同士のピッチは、副電極が形成されている方向と垂直な方向における凹凸周期の2倍になるように形成されている。この構成を採用することにより、副電極が形成される半導体基板上の高さを、全ての副電極についてほぼ一定にすることができる。よって断線を防止したり、副電極の厚さや幅が不均一になることを防止する効果が顕著になる。本実施の形態においては、副電極が形成されるピッチを凹凸周期の2倍としたが、整数倍であれば同等の効果を得ることができる。
【0033】
また本実施の形態における副電極は、半導体基板の主表面に形成されている凹凸形状の凹部の底部に形成されている。この構成を採用することにより、半導体基板の主表面上における高さを、副電極の長手方向について一定にすることができ、断線を防止したり副電極の幅や厚さが不均一になったりすることを防止することができる。
【0034】
本実施の形態における凹凸形状は、四角錐の形状をした凸部が規則正しく整列された形状をしている。換言すると、半導体基板を側方から見たとき、凹凸が繰返しているように見通すことができる方向が2つ存在する。本実施の形態においては、図2に示すように矢印51の方向に副電極2bが形成されているが、矢印51と垂直な方向に副電極2bが形成されていてもよい。この場合にも凹部底部6に副電極2bが配置されることが好ましい。このように、凹凸が繰返しているように見通すことができる方向が2つ存在することによって、副電極および主電極を形成する方向を選択することができる。
【0035】
本実施の形態においては、副電極と主電極が互いに垂直になるように形成されているが、特にこの形態に限られるわけではなく、主電極2aは任意の方向に形成することができる。
【0036】
(製造方法)
図2から図10を参照して、本実施の形態における太陽電池の製造方法について説明する。説明を行なう工程は、凹凸を有する半導体基板の主表面に対して、受光面集電極を形成する工程である。より具体的には、副電極2bは、図2に示すように直線状に連なる凹部底部6の真上に形成されることが好ましく、この副電極の形成方法について説明する。すなわち、凹部底部6の直線状の線と副電極2bの中心線とが一致するように、副電極を形成する方法を説明する。
【0037】
本実施の形態における副電極の形成は、スクリーン印刷法によって行なう。副電極を形成する位置決めは、半導体基板の主表面の影像を画像処理装置に取込んで画像解析を行なったのち、スクリーンマスクと半導体基板との位置合わせを行なう。すなわち画像認識などによって位置を判定し、スクリーンマスクと半導体基板との相対的な位置を固定した後にスクリーン印刷を行なう。
【0038】
半導体基板の表面に受光面集電極の印刷を行なうにあたっては、ある程度の位置決め精度が必要である。この位置決め精度は、半導体基板の主表面の凹凸周期や凹凸の大きさのばらつきなどによっても変化する。この関係について、発明者らが鋭意検討した結果を図3および図4に示す。
【0039】
図3(a)は半導体基板1の主表面の凹凸形状のばらつきや半導体基板1の主表面自体の撓みを模式的に表わす断面図である。凹凸は、角のない曲面のみから形成されている。図3(a)に示すように、半導体基板1の表面42が全体的に撓んだり、ゆるやかに曲がっていたりする場合がある。半導体基板1の表面42の高さの高低差を「表面高低差」と定義して、表面高低差のうち最大のものを「表面最大高低差」41と定義する。表面高低差は印刷結果に影響を与えるが、半導体基板を印刷装置の載物台に据え付けた場合、半導体基板の反りや撓みなどは緩和されるため、表面最大高低差41は小さくなる。よって、表面最大高低差41は、副電極の印刷に対して実質的な影響を与えるものではない。
【0040】
半導体基板1の主表面の凹凸形状は、印刷結果に影響を与える。半導体基板1の主表面の凹凸形状は、概ね規則的に形成されているが、完全に周期的ではなく、凹凸の高さのばらつきが生じる。半導体基板1において、凹凸の高さの最大と最小との差を「表面最大粗さ」(WCM)40と定義する。
【0041】
図3(a)に示した半導体基板1の表面42の凹凸は、周期的な波を打つように形成されている。この表面42の凹凸を正弦波に近似した場合の必要な位置決め精度を求めたグラフを図3(b)に示す。図3(b)の横軸は、表面最大粗さ(WCM)の大きさを示し、縦軸は要求される電極の位置決めの精度である。グラフ中に記載された3本のグラフはそれぞれ、印刷される位置における基板表面高低差が50μm、100μm、または200μmとしたときの必要な位置決め精度を表わしている。凹凸周期は2mm、副電極の幅は120μmとしている。
【0042】
副電極を形成したとき、副電極が形成される印刷位置における半導体基板の表面高低差が200μm以上であれば、凸部頂部を含む位置には副電極を形成しなかったにもかかわらず、凸部の高低差が大きすぎるために幅や厚さが均一な副電極を形成することは不可能であった。一方で、上記の表面高低差が、100μmから200μmの範囲内であれば、半導体基板によっては良好な印刷状況が得られるものの、試験に用いた半導体基板の肉厚や、表面の凹凸形状のばらつきによって、形成された副電極の形状についての再現性は乏しかった。上記の表面高低差が100μm以内となるようにすれば、いずれの半導体基板においても概ね良好な印刷状況を得ることができた。
【0043】
具体的には、半導体基板の主表面の凹凸が正弦波関数に近似できる形状で、その凹凸周期を2mm、半導体基板表面の表面最大粗さ(WCM)を200μmとした場合、印刷位置における上記の表面高低差が50μm以内となるようにするには、おおよそ±330μm以内の位置決め精度で副電極の印刷位置を決定することができればよい。同様に、上記の表面最大粗さを100μm以内とすれば、おおよそ±500μm以内の位置決め精度で、副電極の印刷位置を決定することができればよい。
【0044】
図4は、図3と同様の検討を、半導体基板の主表面の凹凸が、直線からなる山型の形状で近似した結果である。図4(a)は、半導体基板の主表面を模式的に表した断面図である。半導体基板1の表面42における山型の頂角の2分の1をθvで表している。図4(b)は半導体基板の凹凸の頂角2θvに対して副電極の要求される位置決め精度を示すグラフである。横軸が頂角2θv、縦軸が必要な位置決め精度を表わしている。3本のグラフは、それぞれ図3(b)と同様に印刷位置における半導体基板の表面の高低差を50μm、100μm、および200μmとしたときの要求される位置決め精度をそれぞれ表わしている。頂角が大きくなるほど、すなわち、主表面の凹凸の傾斜が緩やかになるほど、要求される位置決め精度は大きくなる。詳細な要求される値の説明については、図3に示した場合と同様であり、ここでは説明を省略する。
【0045】
次に、半導体基板の主表面に副電極を印刷する位置の調整方法について説明する。
【0046】
図5は、半導体基板が据付けられた印刷装置の載物台を、上側から見たときの平面図である。載物台は、第1載物台22および第2載物台23を含む。第1載物台22の主表面上には、印刷が行なわれる半導体基板1が配置されている。半導体基板1は印刷されるべき主表面が上側になるように配置されている。本実施の形態における半導体基板1は外縁が正方形になるように形成されている。第2載物台23は印刷装置に固定されて動かない。
【0047】
第1載物台22は、平面形状が円形になるように形成されており、その位置が移動できるように形成されている。第1載物台22は水平面において、前後、左右に平行移動することができるように形成されている。さらに、平面形状の円の中心を回転軸として、回転移動ができるように形成されている。このように、第1載物台22が移動することにより、半導体基板1の位置を調整することができる。第1載物台22の移動の制御は、公知のNC制御方法を用いて行なうことができる。すなわち、第1載物台22は、コンピュータ制御で位置の調整を行なうことができるように形成されている。半導体基板1は第1載物台22の主表面に真空吸着や静電吸着などの方法を用いて固定される。半導体基板1の主表面には、図1に示したように1つの凸部が四角錐であるような凹凸が形成されている。
【0048】
第1載物台22の外縁の外側には、半導体基板とスクリーンマスクとの位置を調整する目印となる複数の固定マーカが形成されている。これらの固定マーカは半導体基板1が動いても移動しないように形成されている。固定マーカは少なくとも2つ形成される。本実施の形態においては、第2載物台23の主表面上に、第1マーカ20および第2マーカ21が形成されている。第1マーカ20および第2マーカ21は、第2載物台23の平面形状である長方形の対角線上に形成されており、この対角線の中心に対して互いに対称になるように形成されている。これらの2つのマーカは、画像データの処理を行なう際に基準となる。印刷装置のスクリーンマスクは、この2つのマーカのみを基準にして印刷装置に固定される。
【0049】
第1載物台22および第2載物台23の主表面は、画像データの処理を行なう際、半導体基板とこれらの載物台の主表面とのコントラストが明瞭になるように黒色であることが好ましい。また、照明光がこれらの載物台の表面で鏡面反射すると、後の画像処理に支障をきたすおそれがあるので、載物台の表面には、光が乱反射するように微細な凹凸が形成されていることが好ましい。一方で、第1載物台22には半導体基板1が固定される必要があるため、第1載物台22の主表面には、吸着固定などの半導体基板の固定に支障がない程度に微細な凹凸があって、光を乱反射するように形成されていることが好ましい。
【0050】
印刷装置には、半導体基板の表面の凹凸形状を、画像処理装置(コンピュータ)に取込むことができるように、デジタルカメラ、照明が備え付けられている。デジタルカメラは、第1載物台22に固定された半導体基板1の主表面に対して対向するように固定されている。デジタルカメラは、画像の略中央に半導体基板の主表面が映るように、さらに、画像には第2載物台23に形成された2つの固定マーカが含まれるように位置が調整される。撮影は、半導体基板の表面に照明光を照射しながら行なわれる。撮影された画像データは、画像処理装置に送られて画像の解析が行なわれる。
【0051】
撮影された画像データは、デジタルカメラのCCD素子ごとに受光した光の強度の信号値で出力される。この信号値はグレースケール値と呼ばれ、2次元マトリックス状に並んだ情報である。画像データは、明るい部分ほどグレースケール値は大きい。たとえば、載物台は黒色に塗られており、グレースケール値が最小である。これに対して基板の主表面は相対的にグレースケール値が大きくなる。半導体基板の主表面には凹凸が形成されており、これらの凹凸に照明光が反射すると、凹凸の周期に対応した周期的なグレースケール値を得ることができる。すなわち規則的に形成されている凹凸面に対応して、規則的にグレースケール値も大きくなったり小さくなったりしている画像データが得られる。
【0052】
図6にデジタルカメラで撮影された画像データを、解析データとして画像処理装置に取込んだ模式図を示す。2つの固定マーカである第1マーカ20と第2マーカ21とは、照明光を反射しやすいように形成されており、グレースケール値が大きくその位置を明確に認識することができる。半導体基板の主表面で反射した光は表面の凹凸形状に合わせてグレースケール値が周期的に変化しており、それぞれの凸部が認識される。図6には、それぞれの凸部30に対応するものを模式的に丸印で示している。
【0053】
まずはじめに、この画像データを基にして、第1載物台の上に固定された半導体基板と印刷装置のスクリーンマスクとの相対的な位置の粗調整を行なう。予め計算しておいたグレースケール値の粗調整判定値を用いて、判定値未満のグレースケール値を全て0、判定値以上のグレースケール値を全て1に変換する画像データの二値化を行なう。すなわち、載物台の主表面のようにグレースケール値が小さい箇所のグレースケール値を0として、半導体基板の主表面および固定マーカのようにグレースケール値が大きい箇所のグレースケール値を1に変換する。
【0054】
この二値化を行なうと、図7に示すように半導体基板の外縁および固定マーカの外縁を線として認識することができる。得られた画像データ上に互いに垂直な軸となるX軸およびY軸を仮想的に割当てる。得られた画像データを、このXY座標系に割当てて、以後の調整を行なう。
【0055】
上記の二値化データにおいて、1になる画素のうち図7の左下に認識することができる円形のデータ、および図7の右上に認識することができる円形のデータは2つの固定マーカに対応する。これらの円の中心を求め、それぞれを第1マーカ20の位置(Xm1,Ym1)および第2マーカ21の位置(Xm3,Ym3)とする。第1マーカ20の位置および第2マーカ21の位置を対角線とする仮想的な正方形を画像データ上に形成し、この正方形を位置基準正方形(RM)と定義する。図7には、位置基準正方形27を一点鎖線で示している。2つの固定マーカの中点、すなわち、位置基準正方形27の重心であるRM重心点31を算出する。RM重心点31の座標を(Xm2,Ym2)とする。
【0056】
Xm2=(Xm1+Xm3)/2 …(1)
Ym2=(Ym1+Ym3)/2 …(2)
【0057】
位置基準正方形27の内部では、二値化データが1の部分は基板に対応する。この二値化データの外縁において、最も左下にある頂点および最も右上にある頂点が、半導体基板の対角上の2つの頂点に対応する。半導体基板の画像データにおいても、この2つの頂点を結ぶ線を対角線とする正方形を仮想的に定め、これを「基板位置粗調整正方形」(RS)と定義する。ここでは、最も左下にある点の座標を(Xs1,Ys1)として、最も右上にある点の座標を(Xs3,Ys3)とする。半導体基板の2つの頂点の位置を特定すると同時に、2つの頂点の中点を求める。すなわち、基板位置粗調整正方形の重心であるRS重心点32を算出する。RS重心点の座標を(Xs2,Ys2)とする。
【0058】
Xs2=(Xs1+Xs3)/2 …(3)
Ys2=(Ys1+Ys3)/2 …(4)
【0059】
半導体基板の位置の調整においては、RM重心点31とRS重心点32とが重なって、さらに、それぞれの正方形の対角線が重なるように、半導体基板の位置の調整を行なえばよい。必要な半導体基板の平行移動量および回転角度を、得られた座標から算出する。半導体基板の必要な平行移動量は、以下の式で示される。
【0060】
(Xt,Yt)=(Xm2,Ym2)−(Xs2,Ys2) …(5)
【0061】
また、必要な半導体基板に必要な回転角度θtは、以下の式で示される。
【0062】
【0063】
このように算出した半導体基板の平行移動量と回転角度とをコンピュータから第1載物台の駆動制御系に送信する。第1載物台の駆動制御系は、移動のデータを受けて、平行移動量に基づいて第1載物台を平行移動する。その後に、回転角度θtだけ第1載物台を回転移動させることによって、半導体基板1の位置を調整する。
【0064】
図8に、平行移動と回転移動とが完了した状態を示す。半導体基板は、基板位置粗調整正方形26と位置基準正方形27とが互いに平行になるように配置されている。
【0065】
このように第1回目の画像解析を行なって半導体基板の外縁を認識し、この外縁のデータを用いて、載物台における半導体基板の位置を調整することによって、電極の印刷を行なうべきほぼ正確な位置に、半導体基板を移動することができる。この基板の位置調整工程を本明細書においては、第1調整工程という。
【0066】
次に、半導体基板の主表面に形成された凹凸の凹部底部とスクリーンマスクの印刷パターンとの位置を厳密に合わせる第2調整工程を行なう。図9は、半導体基板の主表面に形成される副電極位置28と半導体基板の表面の凹凸との関係を模式的に示した説明図である。前述のとおり、副電極は、凹部底部が直線状につながっている部分に形成されることが好ましい。言い換えれば、副電極は、隣り合う凸部同士の間に形成されることが好ましい。図9においては、副電極位置28に示した位置に配置されることが好ましい。
【0067】
第1調整工程と同様に、半導体基板の主表面および2つの固定マーカを撮影する。第1マーカ20(Xm1,Ym1)および第2マーカ21(Xm3,Ym3)の位置を認識する。また、基板位置粗調整正方形26における左下の点と右上の点とを認識する。第1調整工程と同様に、基板位置粗調整正方形26および位置基準正方形27を認識することによって、2つのマーカの位置および基板位置粗調整正方形26における第1頂点37(Xs1,Ys1)と第2頂点38(Xs3,Ys3)との位置を認識する。
【0068】
印刷に用いるスクリーンマスクは、固定マーカの位置によって定められており、基板の位置によらず常に一定になるように形成されている。したがって、2つの固定マーカの位置から、XY座標系での副電極が印刷される位置を算出することができる。副電極がN本が印刷される位置は以下の式で表わされる(図9参照)。
【0069】
Yh=Ym1+Yd+Ne・(h−1)・Cs …(7)
(Xm1+Xd≦X≦Xm1+Xd+L)
Yd:第1マーカと第1頂点とのY座標の差
Cs:凹凸周期
Ne:(副電極のピッチ)/(Csで算出される自然数)
h :n以下の自然数
Xd:第1マーカと第1頂点とのX座標の差
L :副電極の長さ
【0070】
Xd、Yd、Cs、NeおよびLの値は、設計事項である。これらの値は、半導体基板の位置に依存しない数値であり、画像処理装置に予め入力しておく。
【0071】
次に、半導体基板に対して一の方向から光を照射する。図10は、一の方向から光を照射した場合における画像データの模式図である。図10(a)に示すように、半導体基板に対して矢印52に示す方向から照明によって光を照射する。半導体基板の外縁の一辺と垂直な方向から光を照射する。本実施の形態における半導体基板の主表面には、1つの凸部の形状が四角錐となる凹凸が形成されているため、光が照射される方向に向いている面は明るくなり、その他の面は相対的に暗くなる。位置基準正方形の内部の画像データを、予め算出しておいた微調整判定値を用いて二値化する。すなわち微調整判定値より明るい画素のグレースケール値は1に、微調整判定値より暗いグレースケール値は0に変換される。この結果、周期的に明るい部分と暗い部分とが認識され、この周期は凹凸周期に対応する。図10(a)に示すように、ここでは凹凸周期をCsで示している。
【0072】
図10(b)は、図10(a)におけるA部の拡大平面図である。A部は、半導体基板の主表面の凹凸のうち、1つの凸部(凹凸周期Csに対応する部分)を示すものである。図10(b)に示すkl軸は、XY軸に平行な座標軸である。kl軸は、各画素の位置を特定するためのXY座標に対する補助的な座標である。図10(b)において、1つの画素を一つの小さな四角として示している。黒く塗りつぶした四角は、二値化の結果、グレースケール値が0になった画素である。その他の四角は、二値化の結果、グレースケール値が1になった画素である。凹凸形状の四角錐の側面の明るく照らされた一面の形状が認識できる。
【0073】
グレースケール値が1である画素の集まりからなる図形における重心を求める。明領域重心点36(Xpij,Ypij)は以下の式で求められる。
【0074】
Xpij={Σ(Xkl・δkl)}/{Σ(δkl)} …(8)
Ypij={Σ(Ykl・δkl)}/{Σ(δkl)} …(9)
i,j;左からi番目、下からj番目の分割領域
k,l;左からk番目、下からl番目の画素
δkl;左からk番目、下からl番目の画素の二値化データ
【0075】
このようにして求められた明領域重心点36(Xpij,Ypij)は、凸部の形状である四角錐において、最も明るく照射されている一の面の重心点を与えている。
【0076】
次に、得られた明領域重心点36(Xpij,Ypij)について、jの値が等しい複数の重心点を1つの集合とし、各集合ごとに最小二乗法を用いて重心点を結ぶ直線を算出する。得られる直線式は以下のようになる。
【0077】
Y=αj・X+βj …(10)
【0078】
理想的には、いずれのjについても、αj=0、βj+1−βj=Csとなるはずである。すなわち、得られた直線は、X軸と完全に平行になるはずである。しかし、半導体基板の外縁の加工精度、半導体基板を第1載物台に配置する際の位置合わせ精度、および半導体基板の凹凸のばらつきなどによって、得られる直線はX軸と完全に平行にはならない。また、照明、デジタルカメラ、および半導体基板の表面の凹凸の光学的な位置関係によっても、誤差を生ずる場合がある。したがって、再度、半導体基板の位置の調整を行なう。
【0079】
αjの平均値<αj>から半導体基板の回転方向の微調整角度θfを以下のように求める。
【0080】
tanθf=<αj> …(11)
【0081】
また、スクリーンマスクの位置と、βjとの関係から、半導体基板の平行移動に必要な平行移動量Yfを以下のように求める。平行移動については、形成される副電極の長手方向に垂直な方向のみ移動を行なえばよく、副電極の長手方向に平行な方向については、半導体基板を移動させる必要はない。よって、移動させる半導体基板の方向はY軸の方向のみである。
【0082】
Yf=Σ(Yh−βj)/n …(12)
【0083】
ただし、h=j/Neであり、(Yh−βj)の総和については、Neの倍数となるものについて総和を取る。得られた微調整角度θfについての回転移動および得られた平行移動量Yfについての平行移動を、第1載物台を移動することによって行なう。以上のように半導体基板の位置の微調整工程である第2調整工程を行なう。
【0084】
第1調整工程と第2調整工程とを行なうことによって、半導体基板の主表面に形成されている凹凸形状のうち、凹部の底部の正確な位置に直線的な副電極を形成することができる。すなわち、スクリーン印刷版に形成されている直線的な印刷パターンと、副電極が形成されるべき半導体基板の表面の凹部底部との位置合わせを厳密に行なうことができる。また、一の方向から光を当てて、明るくなる部分の重心位置を認識することによって、半導体基板の主表面に形成されている凸部の位置を容易に認識することができる。
【0085】
このように位置合わせを行なった半導体基板の主表面に対し、スクリーン印刷法によって副電極の形成を行なう。本発明に用いる印刷装置としては、上記のように位置合わせのための移動を行なえるほか、不手際により載物台の上面に印刷されるべきペーストなどが付着したときに、載物台の表面を拭くことができる公知のワイパーが備えられていることが好ましい。ワイパーを備えることによって、付着したペーストが画像データに悪影響を与えることを防止できる。ワイパーの動作については、半導体基板の印刷ごとに毎回行なうことが好ましい。たとえば、スクリーン印刷が終了した半導体基板を載物台から取り外したときから、次の半導体基板を載物台に取り付けるまでの間に行なうことが好ましい。
【0086】
(実施の形態2)
(構成)
図11から図13を参照して、本発明に基づく実施の形態2における太陽電池について説明する。
【0087】
図11は、本実施の形態における半導体基板の斜視図であり、図12は平面図である。半導体基板が板状に形成されていることや、主表面の凹凸の上面に受光面集電極としての主電極2aおよび副電極2bが形成されていることは実施の形態1における太陽電池と同様である。
【0088】
本実施の形態における凹凸形状は、断面の形状が規則的に繰返す山形になるように形成され、平板の主表面上に三角柱を規則正しく並べたような形状を有する。換言すると、側方から見て、凹凸が繰返しているように見通すことができる方向が1つのみ存在するように形成されている。図11および図12においては、X方向のみで凹凸を見通すことができる。凹部底部6は、互いに平行な直線状に形成され、X方向と平行になるように形成されている。凸部頂部5も互いに平行な直線状に形成され、X方向と平行になるように形成されている。
【0089】
副電極2bは、凹部底部6に沿って配置されている。副電極2bの中心線と凹部底部6が延在する線とが一致するように形成されている。したがって、副電極2bは、互いに平行になるように形成されている。また、凹凸周期は隣合う凹部底部6の間の距離である。副電極2bは、凹凸周期の2倍のピッチで形成されている。主電極2aは、副電極2bに垂直に交わるように形成されている。
【0090】
その他の構成については、実施の形態1と同様であるのでここでは説明を繰返さない。
【0091】
(作用・効果)
本実施の形態における凹凸の形状は、実施の形態1におけるような半導体基板の主表面に多くの多面体を貼り付けたような複雑な形状を有しておらず、容易に凹凸形状を形成することができる。
【0092】
また、本実施の形態における半導体基板は、図12に示したように、凹部底部6に副電極2bが配置されるほか、図13の平面図に示すように、凹部底部6と凸部頂部5との間に副電極2bが形成されていてもよい。すなわち、凹凸形状の傾斜面となっている面に、副電極2bが形成されていてもよい。副電極2b同士のピッチは、図12における副電極2bと同様に凹凸周期の2倍になっている。このように、側方から見て、凹凸が繰返しているように見通すことができる方向が、1つのみ存在するように形成されていることによって、凹部底部以外の位置においても、スクリーンマスクの印刷パターンと半導体基板の主表面との距離を一定にすることができる。よって、凹部底部6以外の位置に副電極を形成しても、印刷不良を起こさずに、凹部底部6に副電極を形成した場合と同等の効果を得ることができる。
【0093】
その他の作用および効果については、実施の形態1と同様であるのでここでは説明を繰返さない。製造方法についても実施の形態1と同様に、画像処理を行なうことによって、たとえば凹部底部に副電極を形成することができる。第2調整工程に関しては、凸部頂部の長手方向に垂直な方向から光を照射して、凹凸を認識させることが好ましい。
【0094】
(実施の形態3)
(構成)
図14を参照して、本発明に基づく実施の形態3における太陽電池について説明する。図14は、本実施の形態における半導体基板の平面図である。
【0095】
半導体基板が板状に形成されていることや、主表面の凹凸の上面に受光面集電極としての主電極2aおよび副電極2bが形成されていることは実施の形態1における太陽電池と同様である。
【0096】
本実施の形態における凹凸形状は、平板の上に規則的に三角錐を形成したような形状を有する。換言すると、側方から見て、凹凸が繰返しているように見通すことができる方向が、3つ存在するように形成されている。図14においては、X、YおよびZのそれぞれの方向で繰返す凹凸の形状を見通すことができる。凹凸の凹部底部6は、それぞれ三角錐の一辺となる。凹凸の凸部頂部5は三角錐の頂点となる。
【0097】
副電極2bは、凹部底部6の真上に配置されている。また、副電極2bは、X方向と平行な方向に形成されている。また、副電極2bは、互いに平行になるように形成されている。本実施の形態における凹凸周期は、互いに平行な凹部底部6によって形成されている直線間の最短距離である。副電極2bは、凹凸周期の2倍のピッチをあけて形成されている。主電極2aは、副電極2bに垂直に交わるように形成されている。
【0098】
その他の構成については、実施の形態1と同様であるのでここでは説明を繰返さない。
【0099】
(作用・効果)
本実施の形態における凹凸の形状は、凹部底部が直線状に形成されている方向が3方向存在する。この構成を採用することによって、副電極を形成する方向を3方向のうちから選択することができる。
【0100】
その他の作用および効果については、実施の形態1と同様であるのでここでは説明を繰返さない。製造方法についても実施の形態1と同様に、画像処理を行なうことによって、凹部底部に副電極を形成することができる。第2調整工程に関しては、三角錐の形状の凸部の一つの側面に対向する向き、たとえば図14においてはX方向とY方向とがなす角度の2等分線の方向から光を照射して、凹凸を認識させることが好ましい。
【0101】
【実施例】
(実施例1)
本発明に基づく実施の形態1における太陽電池についての実施例を実施例1として以下に説明する。
【0102】
はじめに、図15から図21を参照して、太陽電池の製造工程の一例について詳細に説明する。図15から図21は、太陽電池の製造方法の概略断面図である。ただし、半導体基板の主表面に形成された凹凸は簡単のために図示省略している。
【0103】
図15は、本実施例におけるP型半導体基板の断面図である。P型半導体基板11として、リボン法によって形成された厚さ約400μm、基板サイズ100mm×100mm、比抵抗約1.5Ω・cmの多結晶シリコン基板を用いている。この多結晶シリコン基板は、主表面に図1に示した四角錐の集合からなる凹凸を有している。凹凸の大きさについては、WCMが150μmである。また、一つの凸部の四角錐の底部は2mm角の正方形である。凹凸周期は2mmである。
【0104】
はじめに、P型半導体基板11をSC1法(アンモニア過酸化水素水洗浄法)およびSC2法(塩酸過酸化水素水洗浄法)によって洗浄する。次に、NaOH水溶液とイソプロピルアルコールの混合液を用いて、液温約90℃でテクスチャエッチングを行なう。このエッチングを行なうことによって、半導体基板の主表面に高さが数μmの微小ピラミッドが形成される。
【0105】
図16に示すように、P型半導体基板11の主表面にPSG液(リンガラス液)をスピンコート法によって塗布する。この後に、850℃で焼成することによって、受光面となるべき主表面に、N型半導体層12を形成する。次に、図17に示すように、常圧CVD法によって酸化チタン膜からなる反射防止膜13を形成する。次に、図18に示すように、P型半導体基板11の裏側(受光面なるべき面の反対側)の主表面全体にアルミニウムペーストをスクリーン印刷法を用いて印刷する。次いで、750℃で焼成することによって、図19に示すように、裏面電極14および裏面電界層15を形成する。
【0106】
続いて、図20に示すように、受光面となるべき反射防止膜の主表面に、本発明に基づいてスクリーンマスクと半導体基板との相対的な位置調整を行なった後に、スクリーン印刷法によって銀ペーストを印刷する。この後に、650℃で焼成して、図21に示すように受光面集電極7を形成する。本実施例における副電極のピッチは、半導体基板の主表面の凹凸周期と同じになるようにした。すなわち、P型半導体基板の主表面の凹凸の周期の1倍である2mmとした。実際の受光面集電極の印刷にあたっては、表面の凹凸をCCDカメラによって撮影し、コンピュータに取り込んで基板表面画像と標準的なパターンマッチングを行なっている。すなわち、画像認識を行なうことによって、副電極の形成位置が半導体基板の表面の凹部底部に一致するように印刷を行なっている。この印刷装置および画像処理装置による位置決め精度は±50μmである。基板表面の凹凸のWCM値が150μmなので、副電極の形成位置における基板高さの変化は最大でも15μm以下となる。これらの方法においては、副電極が形成される部分の基板の高さの変化が、スクリーン印刷に適した範囲内に抑えられている。
【0107】
さらに、受光面集電極が形成されたP型半導体基板11をフラックス液に浸して、引き続いて溶融ハンダ中に通過させることにより、受光面集電極の上側にハンダをコートして、太陽電池を製造した。上記の方法によって製造した太陽電池を、擬似太陽光(100mW/cm2、AM1.5、25℃)下に配置して電流−電圧特性を計測する特性検査を行なった。
【0108】
これに対して、従来の技術に基づく比較例1として、半導体基板の主表面の凹凸形状とスクリーンマスクとの位置を合わせる工程において、本発明に基づく画像処理の方法は用いずに、目視にて半導体基板とスクリーンマスクとの位置合わせを行なった。また、受光面集電極の副電極のピッチを2.5mmとした。これら以外については、上記の本発明に基づく実施例1の太陽電池と同じ製造方法で太陽電池を製造した。比較例1として製造された太陽電池についても、実施例1と同様に、擬似太陽光下に配置して、電流−電圧特性を計測する特性検査を行なった。
【0109】
実施例1と比較例1との方法によってそれぞれ製造した太陽電池の検査結果を以下に示す。
【0110】
【表1】
【0111】
比較例1の製造方法によって形成された太陽電池は、副電極の長手方向が半導体基板の主表面の凹凸の凹部底部で形成される直線と平行になっておらず、また、副電極同士の間のピッチと基板の主表面の凹凸の周期とが一致しない。したがって、副電極の形成される部分の基板高さの変化は、面内全体で考慮すると、基板表面の凹凸のWCMと同じ150μmとなった。このため、副電極の幅や厚さが半導体基板の主表面内で不均一になり、所によっては、断線を生じることがあった。本比較例においては、100mm角の太陽電池において、1つの半導体基板の主面内で少ない場合でも10箇所以上、多い場合では50箇所もの断線が観察された。
【0112】
これに対して、本発明に基づく実施例1の太陽電池は、断線箇所が生じておらず、良好な受光面集電極の形成が行なえている。この結果、太陽電池の能力である変換効率についても、比較例1の太陽電池が12.3%であるのに対して、本実施例の太陽電池は15.3%の変換効率を得ることができている。このように、本発明を採用して太陽電池を製造すると、従来の技術に基づく太陽電池より能力が向上したものを得ることができる。
【0113】
(実施例2)
本発明に基づく実施の形態2における太陽電池についての実施例を実施例2として以下に説明する。
【0114】
本実施例におけるP型半導体基板としては、リボン法によって形成された厚さ約350μm、基板サイズ100mm×100mm、比抵抗約2.0Ω・cmのP型多結晶シリコン基板を用いている。本実施例における多結晶シリコン基板の主表面には、図11に示すように、断面形状が山型になる凹凸が形成されている。本実施例における凹凸は、凸部頂部同士(または、凹部底部同士)のピッチが1mm、上記の断面における山型の頂角が120度になるように形成されている。
【0115】
実施例1と同様に、この多結晶シリコン基板を洗浄し、アルカリ液によるテクスチャエッチングを行なったのちに、N型半導体層、反射防止膜、裏面電極および裏面電界層の形成を行なった。続いて、受光面となるべき面に本発明に基づいてスクリーンマスクと基板との相対的な位置調整を行なった後に、スクリーン印刷法で銀ペーストを印刷した。650℃で焼成して受光面集電極を形成した。受光面集電極の副電極同士のピッチは2mm、すなわち、基板表面の凹凸周期の2倍のピッチとなるように形成した。受光面集電極の印刷において、画像処理装置を用いて受光面集電極の印刷の位置決めを行なう方法についても、実施例1と同様に行なった。太陽電池の特性検査においても、実施例1と同様に、受光面集電極上にハンダをコートし、擬似太陽光下(100mW/cm2、AM1.5、25℃)で電流−電圧特性の測定を行なった。
【0116】
これに対して、従来の技術に基づく比較例2として、半導体基板の主表面の凹凸形状とスクリーンマスクの位置を合わせる工程において、本発明に基づく画像処理の方法は用いずに、目視にて半導体基板とスクリーンマスクとの位置合わせを行なった。受光面集電極の副電極のピッチは2.5mmとした。受光面集電極形成工程以外の製造工程については、上記の実施例2の製造方法におけるものと同じである。
【0117】
本実施例2と比較例2との方法によってそれぞれ製造した太陽電池の検査結果を以下に示す。
【0118】
【表2】
【0119】
比較例2の製造方法によって形成された太陽電池は、比較例1の製造方法の場合と同様に、受光面集電極の副電極の形成厚さや幅が面内で不均一になっており、場所によっては断線が生じていた。たとえば、本比較例の製造方法で製造した太陽電池は、100mm角の太陽電池において面内で少ない場合でも8箇所以上、多い場合では40箇所もの断線が発生した。
【0120】
これに対して、本発明に基づく実施例2の太陽電池は、断線箇所が生じておらず、良好な受光面集電極の形成が行なえている。この結果、太陽電池の能力である変換効率についても、比較例2の太陽電池が12.0%であるのに対して、本実施例の太陽電池は14.6%の変換効率を得ることができている。
【0121】
(実施例3)
本発明に基づく実施の形態3における太陽電池についての実施例を実施例3として以下に説明する。
【0122】
本実施例におけるP型半導体基板としては、リボン法によって作製された厚さ約350μm、基板サイズ100mm×100mm、比抵抗約2.0Ω・cmのP型多結晶シリコン基板を用いている。本実施例における多結晶シリコン基板は、図14に示すように、基板の主表面に三角錐の集合からなる凹凸を有している。その三角錐の大きさは、WCMが180μmである。また、この三角錐の底部は、一辺の長さが1mmの正三角形である。
【0123】
実施例1と同様に、この多結晶シリコン基板を洗浄し、アルカリ液によるテクスチャエッチングを行なったのちに、N型半導体層、反射防止膜、裏面電極および裏面電界層の形成を行なった。続いて、受光面となるべき面に、本発明に基づいてスクリーンマスクと基板との相対的な位置調整を行なった後に、スクリーン印刷法で銀ペーストを印刷した。650℃で焼成して受光面電極16を形成した。受光面集電極の副電極同士のピッチは1.73mmとした。すなわち、凹凸周期の2倍のピッチになるように副電極を形成した。受光面集電極の印刷において、画像処理装置を用いて受光面集電極の印刷の位置決めを行なう方法についても、実施例1と同様である。太陽電池製造後の検査においても、実施例1と同様に、受光面集電極上にハンダをコートして、擬似太陽光下(100mW/cm2、AM1.5、25℃)で電流−電圧特性の測定を行なった。
【0124】
これに対して、従来の技術に基づく比較例3として、半導体基板の主表面の凹凸形状とスクリーンマスクの位置を合わせる工程において、本発明に基づく画像処理の方法は用いずに、目視にて半導体基板とスクリーンマスクとの位置合わせを行なった。受光面集電極の副電極のピッチは2mmとした。その他の比較例3の製造方法は、上記の実施例3の製造方法と同じ方法である。
【0125】
本実施例3と比較例3との方法によってそれぞれ製造した太陽電池の検査結果を以下に示す。
【0126】
【表3】
【0127】
比較例3の製造方法によって形成された太陽電池は、比較例1の製造方法の場合と同様に、受光面集電極の副電極の形成厚さや幅が面内で不均一になっており、ときとしては断線が生じた。たとえば、本比較例の製造方法で製造した太陽電池は、100mm角の太陽電池において、面内で少ない場合でも25箇所以上、多い場合では80箇所もの断線が発生した。
【0128】
これに対して、本発明に基づく実施例3の太陽電池は、断線箇所が生じておらず、良好な受光面集電極の形成が行なえている。この結果、太陽電池の能力である変換効率についても、比較例3の太陽電池が11.3%であるのに対して、本実施例の太陽電池は14.8%の変換効率を有するものが得られている。
【0129】
上記の全ての実施の形態および実施例においては、主電極と副電極とが垂直に交わるように形成された太陽電池について説明を行なったが、特にこの形態に限られず、主電極と副電極は傾斜角をつけて接続されていてもよい。また、上記の実施の形態および実施例においては、半導体基板の主表面全体に規則的な凹凸が形成されているものを用いたが、半導体基板の主表面の一部に凹凸が形成されていなくてもよい。実施の形態1および3の凹凸のように凸部の一つ一つが多角錐の形状である必要はなく、半導体基板の表面に凹凸が形成されていればよい。たとえば、凸部の一つ一つの形状が半球であってもよい。また、上記の実施の形態および実施例については、半導体基板の主表面全体にわたって同一の凹凸形状が形成されていたが、互いに平行になるような凹部底部を含んでいれば、本発明を適用することができる。
【0130】
なお、今回開示した上記実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものである。
【0131】
【発明の効果】
本発明によれば、受光面に凹凸を有する半導体基板を備える太陽電池において、副電極の断線を防止して、さらに、副電極の幅や厚さを均一にすることができる太陽電池および太陽電池の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に基づく実施の形態1における半導体基板の概略斜視図である。
【図2】本発明に基づく実施の形態1における半導体基板の概略平面図である。
【図3】(a)は第1の半導体基板の主表面の模式的な説明図であり、(b)は、要求される位置決め精度を表すグラフである。
【図4】(a)は第2の半導体基板の主表面の模式的な説明図であり、(b)は、要求される位置決め精度を表すグラフである。
【図5】印刷装置の載物台に半導体基板を配置した際の平面図である。
【図6】載物台に基板を配置した際の画像データの説明図である。
【図7】第1調整工程の説明図である。
【図8】第1調整工程が完了した際の画像データの説明図である。
【図9】第2調整工程における画像データの各座標の説明図である。
【図10】(a)は第2調整工程における半導体基板全体の画像データの説明図であり、(b)は、第2調整工程における1つの凸部の画像データの説明図である。
【図11】本発明に基づく実施の形態2における半導体基板の概略斜視図である。
【図12】本発明に基づく実施の形態2における半導体基板の第1の概略平面図である。
【図13】本発明に基づく実施の形態2における半導体基板の第2の概略平面図である。
【図14】本発明に基づく実施の形態3における半導体基板の平面図である。
【図15】太陽電池の製造方法の第1の工程の説明図である。
【図16】太陽電池の製造方法の第2の工程の説明図である。
【図17】太陽電池の製造方法の第3の工程の説明図である。
【図18】太陽電池の製造方法の第4の工程の説明図である。
【図19】太陽電池の製造方法の第5の工程の説明図である。
【図20】太陽電池の製造方法の第6の工程の説明図である。
【図21】太陽電池の製造方法の第7の工程の説明図である。
【図22】太陽電池の製造に使用する半導体基板の概略斜視図である。
【図23】従来の技術に基づく半導体基板の不具合の第1の説明図である。
【図24】従来の技術に基づく半導体基板の不具合の第2の説明図である。
【符号の説明】
1 半導体基板、2a 主電極、2b 副電極、4 稜線、5 凸部頂部、6凹部底部、7 受光面集電極、11 P型半導体基板、12 N型半導体層、13 反射防止膜、14 裏面電極、15 裏面電界層、20 第1マーカ、21 第2マーカ、22 第1載物台、23 第2載物台、26 基板位置粗調整正方形(RS)、27 位置基準正方形(RM)、28 副電極位置、30 凸部、31 RM重心点、32 RS重心点、36 明領域重心点、37 第1頂点、38 第2頂点、40 表面最大粗さ(WCM)、41 表面最大高低差、42 表面、50,51,52 矢印、60 凹凸周期。
Claims (8)
- 半導体を含み、主表面に規則的に繰返す凹凸が形成されている基板と、
前記主表面に形成された受光面集電極と
を備え、
前記主表面は、一の方向に平行な直線状に延在する凹部の底部を含み、
前記受光面集電極は、前記一の方向と平行になるように形成された副電極を含む、太陽電池。 - 前記副電極同士のピッチは、前記一の方向と垂直な方向における凹凸周期の整数倍である、請求項1に記載の太陽電池。
- 前記副電極は、前記凹部の底部に配置された、請求項1に記載の太陽電池。
- 前記基板は、側方から見て前記凹凸が繰返しているように見通すことができる方向が、1つのみ存在するように形成された、請求項1に記載の太陽電池。
- 前記基板は、側方から見て前記凹凸が繰返しているように見通すことができる方向が、2つ存在するように形成された、請求項3に記載の太陽電池。
- 前記基板は、側方から見て前記凹凸が繰返しているように見通すことができる方向が、3つ存在するように形成された、請求項3に記載の太陽電池。
- 主表面に規則的な凹凸が形成され、半導体を含む基板の前記主表面に、受光面集電極を形成する受光面集電極形成工程を含み、前記受光面集電極形成工程は、
第1の画像解析を行なって、前記基板の外縁を認識する工程と、
前記外縁のデータを用いて、スクリーンに対する前記基板の相対的な位置を調整する第1調整工程と、
第2の画像解析を行なって、前記凹凸の個々の凸部を認識する凸部認識工程と、
前記凸部のデータを用いて、スクリーンに対する前記位置を調整する第2調整工程と、
スクリーン印刷法によって、前記凹凸の凹部に前記受光面集電極を印刷する工程と
を含む、太陽電池の製造方法。 - 前記凸部認識工程は、一の方向から光を当てて、明るくなる部分の重心位置を認識する工程を含む、請求項7に記載の太陽電池。
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Cited By (3)
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JP2010519732A (ja) * | 2007-02-15 | 2010-06-03 | マサチューセッツ インスティテュート オブ テクノロジー | 凹凸化された表面を備えた太陽電池 |
JP2012514851A (ja) * | 2008-12-10 | 2012-06-28 | アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド | スクリーン印刷パターンの位置合せのための強化された視覚システム |
TWI451585B (zh) * | 2009-06-22 | 2014-09-01 | Applied Materials Inc | 用於網板印刷圖案對準之強化視覺系統 |
-
2003
- 2003-06-17 JP JP2003172143A patent/JP2005011886A/ja active Pending
Cited By (4)
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US8673679B2 (en) | 2008-12-10 | 2014-03-18 | Applied Materials Italia S.R.L. | Enhanced vision system for screen printing pattern alignment |
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