JP2005011768A - 非水電解質溶液及びリチウムイオン2次電池 - Google Patents
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Abstract
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、非水電解質溶液及びリチウムイオン2次電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子機器、特に携帯用電子機器の発展は著しく、それに伴い高エネルギー密度を有する電池の開発が望まれている。このような電池として、リチウムイオン2次電池はエネルギー密度が極めて高いなどの理由により携帯機器の電源として広く採用されている。リチウムイオン2次電池は、主として、カソード、アノード、セパレータ、非水電解質溶液から構成されており、各電池特性の更なる向上のための様々な検討がなされている。
【0003】
例えば、非水電解質溶液の非水溶媒としては、融点が比較的低く、導電率が比較的高く、電位窓(電気化学窓)が比較的広く、かつ、電解質を溶解したときに低温においても高いイオン伝導性を得ることが可能なものが好ましく、この観点から、プロピレンカーボネートが好ましく使用されている。しかし、高結晶化した黒鉛などの炭素材料を構成材料として使用した負極(アノード)を備える場合には、特に充電時において陰極{放電時において負極として機能する電極}でのプロピレンカーボネートの分解が進行する問題があった。
【0004】
プロピレンカーボネートの分解が進行するとガスが発生し、これに伴って負極の炭素材料の剥がれや分解等が起こり、使用中に容量の低下や充放電サイクル特性等の電池特性が徐々に低下する問題が起こる。また、プロピレンカーボネートの分解が進行すると分解生成物が負極に堆積して、この観点からも使用中に上述の電池特性の低下が徐々に低下すると考えられている。
【0005】
そこで、非水溶媒の成分としてプロピレンカーボネートを少なくとも用いた非水電解質溶液中に、1,3−プロパンスルトン、又は、1,4−ブタンスルトンを添加することにより、上記のプロピレンカーボネートの分解反応の進行を抑制することを意図した電池が提案されている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。
【0006】
また、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート及びジエチルカーボネートの混合溶媒を用いた非水電解質溶液中に、更に、1,3−プロパンスルトンを添加することで、プロピレンカーボネートの負極表面での電気分解を防止した電池が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
【0007】
更に、非水溶媒の成分としてプロピレンカーボネートを少なくとも用いた非水電解質溶液中に、ビニレンカーボネートを添加することにより、上記のプロピレンカーボネートの分解反応の進行を抑制することを意図した電池が提案されている(例えば、特許文献4及び特許文献5参照)。
【0008】
更に、非水溶媒の成分としてプロピレンカーボネートを少なくとも用いた非水電解質溶液中に、エチレンサルファイトを添加することにより、上記のプロピレンカーボネートの分解反応の進行を抑制することを意図した電池が提案されている(例えば、特許文献6参照)。
【0009】
また、電池特性の向上を図る場合、リチウムイオン2次電池のエネルギー密度は他の電池に比較して非常に高いため、使用中或いは保存中の電池の安全性を十分に確保することも同時に重要となる。この安全性の確保は、電解質溶液として可燃性の非水電解質溶液(有機溶媒を含む電解質溶液)を使用する場合には特に重要となる。リチウムイオン2次電池の安全性の評価試験の中で規格化されたものとしては、米国UL(Underwriters Laboratories)規格の「UL1642」又は「UL2054」がある。
【0010】
【特許文献1】
特開2000−3724号公報
【特許文献2】
特開2000−3725号公報
【特許文献3】
特開平11−339850号公報
【特許文献4】
特開平11−67266号公報
【特許文献5】
特開2000−58125号公報
【特許文献6】
特開平11−73990号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した特許文献1〜6に記載された従来のリチウムイオン2次電池は、黒鉛化度の高い炭素材料を構成材料として使用した負極を備える場合、プロピレンカーボネートの分解反応の進行、それに伴う負極の炭素材料の分解の進行を充分に防止できておらず、充放電サイクル特性、充電時の耐電圧特性が充分に得られていないことを本発明者らは見出した。
【0012】
しかも、上述した特許文献1〜6に記載された従来のリチウムイオン2次電池では、特に高温での使用中又は保存中において、これらのケース内部でガスが発生し内圧が上昇する問題があった。特に、ケースがフィルムから形成されている場合には、電池の使用中又は保存中にケースが膨れたり、さらには、ケースのシール部がはがれて液漏れが発生する場合があり、安全性の評価試験規格「UL1642」の150℃加熱試験を確実にクリアすることが困難であり、確実な安全性を得られていないことを本発明者らは見出した。
【0013】
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、優れた充放電特性及び優れた充放電サイクル特性を得ることができ、然も、UL1642規定の150℃加熱試験を確実にクリアすることのできる優れた安全性を有するリチウムイオン2次電池を容易かつ確実に構成可能な非水電解質溶液、及び、この非水電解質溶液を有する高性能のリチウムイオン2次電池を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、非水溶媒の成分としてプロピレンカーボネート(以下、必要に応じて「PC」という)とエチレンサルファイト(以下、必要に応じて「ES」という)とを少なくとも用いた非水電解質溶液中に、少なくとも、1,3−プロパンスルトン(以下、必要に応じて「PS」という)、又は、1,3,2−ジオキサチオラン−2−ジオキサイド(以下、必要に応じて「DTD」という)を添加することが上記目的を達成するために極めて有効であることを見出し、本発明に到達した。
【0015】
すなわち、本発明は、非水溶媒と、非水溶媒に溶解可能なリチウム塩と、を含む非水電解質溶液であって、非水溶媒には、プロピレンカーボネートと、エチレンサルファイトと、下記一般式(I)で表現される化合物とが少なくとも含まれていること、を特徴とする非水電解質溶液を提供する。
【0016】
【化3】
【0017】
[式(1)中、R1、R2、R3、R4、R5及びR6は、それぞれ同一でも異なっていてもよく、水素原子及び炭素数1〜3の炭化水素基のうちの何れかを示す。]
【0018】
本発明の非水電解質溶液は、上述の各条件を同時に満たす成分構成を有する非水溶媒を使用しているため、リチウムイオン2次電池の電解質として使用した場合に以下の効果を得ることができる。
【0019】
すなわち、優れた充放電特性及び優れた充放電サイクル特性を得ることができ、然も、UL1642規定の150℃加熱試験を確実にクリアすることのできる優れた安全性を有するリチウムイオン2次電池を容易かつ確実に構成可能となる。
【0020】
また、先に述べた従来の非水電解質溶液及びこれを備えたリチウムイオン2次電池の場合、非水溶媒中のPCの分解反応を十分に抑制し、上述の各電池特性及び安全性を十分に得るためには、非水溶媒中のPCの含有量を比較的低くしなければならなかった(30体積%以下)のに対し、本発明の非水電解質溶液においては、非水溶媒中のPCの含有量30体積%以上としても上述の各電池特性及び安全性を十分に得ることができ、先に述べた溶媒成分としてのPCを使用することのメリットを十分に得ることができる。
【0021】
これらの効果が得られることの詳細なメカニズムについては明確に解明されていないが、上述の各条件を同時に満たす成分構成を有する非水溶媒を使用した場合、充放電にともなって、負極表面で反復して進行する充放電反応に対して優れた化学的安定性を有する保護被膜が形成されるからであると本発明者らは考えている。
【0022】
また、本発明においては、先に述べた本発明の効果をより確実に得る観点から、一般式(1)で表される化合物(以下、「第1の化合物」という)におけるR1、R2、R3、R4、R5及びR6が水素原子であることが好ましい。すなわち、第1の化合物が1,3−プロパンスルトンであることが好ましい。
【0023】
また、本発明は、非水溶媒と、非水溶媒に溶解可能なリチウム塩と、を含む非水電解質溶液であって、非水溶媒には、プロピレンカーボネートと、エチレンサルファイトと、下記一般式(II)で表現される化合物とが少なくとも含まれていること、を特徴とする非水電解質溶液を提供する。
【化4】
【0024】
式(II)中、nは0又は1を示し、R7、R8、R9及びR10は、それぞれ同一でも異なっていてもよく、水素原子及び炭素数1〜4の炭化水素基のうちの何れかを示す。
【0025】
本発明においては、このように、式(I)で表現される化合物のかわりに式(II)で表現される化合物を含有させた構成を有するタイプの非水溶媒を含む非水電解質溶液であっても、これをリチウムイオン2次電池の電解質として使用した場合には、式(I)で表現される化合物を含むタイプの非水電解質溶液と同様に、以下の効果を得ることができる。
【0026】
すなわち、優れた充放電特性及び優れた充放電サイクル特性を得ることができ、然も、UL1642規定の150℃加熱試験を確実にクリアすることのできる優れた安全性を有するリチウムイオン2次電池を容易かつ確実に構成可能となる。また、このタイプの非水電解質溶液においても、非水溶媒中のPCの含有量30体積%以上としても上述の各電池特性及び安全性を十分に得ることができ、先に述べた溶媒成分としてのPCを使用することのメリットを十分に得ることができる。
【0027】
また、本発明の効果をより確実に得る観点から、式(II)で表現される化合物において、好ましくはn=0であり、R7、R8、R9及びR10が水素原子であることが好ましい。すなわち、式(II)で表現される化合物は、1,3,2−ジオキサチオラン−2−ジオキサイド(以下、必要に応じて「DTD」という)であることが好ましい。
【0028】
これらの効果が得られることの詳細なメカニズムについては明確に解明されていないが、上述の各条件を同時に満たす成分構成を有する非水溶媒を使用した場合、充放電にともなって、負極表面で反復して進行する充放電反応に対して優れた化学的安定性を有する保護被膜が形成されるからであると本発明者らは考えている。
【0029】
また、本発明においては、先に述べた本発明の効果をより確実に得る観点から、上述の2つのタイプの非水電解質溶液の何れにおいても、非水溶媒中のプロピレンカーボネートの含有率が30体積%以上となることが好ましく、30〜99.5体積%であることがより好ましい。PCの含有率が30体積%未満となると、十分な充放電サイクル特性を得られなくなる傾向が大きくなるとともに、UL1642規定の150℃加熱試験を確実にクリアすることが困難となる傾向が大きくなる。
【0030】
本発明の非水電解質溶液は、ゲル化剤によりゲル状とされていることを特徴としていてもよい。これにより、いわゆる「ポリマー型」のリチウムイオン2次電池を構成することができる。
【0031】
また、本発明は、アノードと、
カソードと、
アノード及びカソードの間に配置された絶縁性のセパレータと、
リチウム塩を含有する非水電解溶液と、
アノード、カソード、セパレータ、及び、非水電解質溶液を密閉した状態で収容するケースと、
を少なくとも有するリチウムイオン2次電池であって、
非水電解質溶液が、先に述べた本発明の非水電解質溶液のうちの何れかの非水電解質溶液であること、
を特徴とするリチウムイオン2次電池を提供する。
【0032】
本発明のリチウムイオン2次電池は、先に述べた本発明の非水電解質溶液を有する構成とすることにより、優れた充放電特性及び優れた充放電サイクル特性を得ることができ、然も、UL1642規定の150℃加熱試験を確実にクリアすることのできる優れた安全性を得ることができる。
【0033】
ここで、本発明において、アノード及びカソードとなる電極は、リチウムイオン(又は金属リチウム)が酸化還元種として関与する電子移動反応を可逆的に進行させることが可能な反応場となるものである。また、「電子移動反応を可逆的に進行させること」とは、搭載されるべき機器の電源又は補助電源として要求される電池寿命の範囲内で上記電子移動反応を可逆的に進行させることである。
【0034】
そして、アノードに構成材料として含まれるアノード活物質及びカソードに構成材料として含まれるカソード活物質は、上記電子移動反応に寄与する物質を示す。アノード活物質及びカソード活物質は、リチウムイオンの吸蔵及び放出、又は、リチウムイオンの脱離及び挿入(インターカレーション)が可能な構造を有する炭素材料或いは金属酸化物であってもよい。また、アノード活物質及び/又はカソード活物質として導電性ポリマーのようなリチウムイオンと該リチウムイオンのカウンターアニオン(例えば、ClO4 −)とのドープ及び脱ドープを可逆的に進行させることの可能な物質を単独又は他の活物質とともに使用する構成としてもよい。
【0035】
なお、説明の便宜上、本明細書において、「アノード活物質」という場合の「アノード」とは、電池の放電時の極性を基準とするもの(負極活物質)であり、「カソード活物質」という場合の「カソード」も、電池の放電時の極性を基準とするもの(正極活物質)である。アノード活物質及びカソード活物質の具体的な例示については後述する。
【0036】
上記本発明のリチウムイオン2次電池は、上記ケースが可とう性を有するフィルム(以下、「フィルム」という)から形成されており、また、互いに対向する一対のフィルムを少なくとも用いて形成されていることが好ましく、このフィルムが非水電解質溶液に接触する合成樹脂製の最内部の層と、最内部の層の上方に配置される金属層とを少なくとも有する複合包装フィルムであることが好ましい。
【0037】
このようにケースをフィルムから形成すると、リチウムイオン2次電池自体の形状を薄膜状とすることができる。そのため、本来の体積エネルギー密度を容易に向上させることができるとともに、リチウムイオン2次電池の設置されるべき設置空間の単位体積当たりのエネルギー密度(以下、「設置されるべき空間の体積を基準とする体積エネルギー密度」という)も容易に向上させることができる。
【0038】
なお、リチウムイオン2次電池の「体積エネルギー密度」とは、本来、リチウムイオン2次電池の電極及びセパレータからなる発電に寄与する部分(後述の「素体」)の全体積又は容器を含む全体積に対する全出力エネルギーの割合で定義されるものである。これに対して、「設置されるべき空間の体積を基準とする体積エネルギー密度」とは、リチウムイオン2次電池の最大縦、最大横、最大厚さに基づいて求められる見かけ上の体積に対するリチウムイオン2次電池の全出力エネルギーの割合を意味する。実際に、リチウムイオン2次電池を小型電子機器に搭載する場合、上述した本来の体積エネルギー密度の向上とともに、設置されるべき空間の体積を基準とする体積エネルギー密度を向上させることが、小型電子機器内の限られたスペースをデッドスペースを充分に低減した状態で有効利用する観点から重要となる。
【0039】
また、上記本発明のリチウムイオン2次電池においては、アノード及びカソードはそれぞれ板状の形状を呈しており、かつ、それぞれ電子伝導性の多孔体を構成材料として含んでおり、セパレータは板状の形状を呈しており、かつ、絶縁性の多孔体からなり、非水電解質溶液は少なくともその一部がアノード、カソード、及び、セパレータの内部に含有されていることが好ましい。かかる構成を採用することにより、設置されるべき空間の体積を基準とする体積エネルギー密度を更に向上させることが可能となる。なお、上記「板状」の状態とは、平板状、湾曲している板状の状態も含む。
【0040】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明のリチウムイオン2次電池の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説明では、同一または相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0041】
図1は本発明のリチウムイオン2次電池の好適な一実施形態を示す正面図である。また、図2は図1に示すリチウムイオン2次電池の内部をアノード10の表面の法線方向からみた場合の展開図である。更に、図3は図1に示すリチウムイオン2次電池を図1のX1−X1線に沿って切断した場合の模式断面図である。また、図4は図1に示すリチウムイオン2次電池を図1のX2−X2線に沿って切断した場合の要部を示す模式断面図である。また、図5は図1に示すリチウムイオン2次電池を図1のY−Y線に沿って切断した場合の要部を示す模式断面図である。
【0042】
図1〜図5に示すように、リチウムイオン2次電池1は、主として、互いに対向する板状のアノード10及び板状のカソード20と、アノード10とカソード20との間に隣接して配置される板状のセパレータ40と、非水電解質溶液と、これらを密閉した状態で収容するケース50と、アノード10に一方の端部が電気的に接続されると共に他方の端部がケース50の外部に突出されるアノード用リード12と、カソード20に一方の端部が電気的に接続されると共に他方の端部がケース50の外部に突出されるカソード用リード22とから構成されている。ここで、「アノード」10及び「カソード」20は説明の便宜上、リチウムイオン2次電池1の放電時の極性を基準に決定したものである。従って、充電時には、「アノード10」が「カソード」となり、「カソード20」が「アノード」となる。
【0043】
そして、リチウムイオン2次電池1は、先に述べた本発明の目的を達成するために、以下に説明する構成を有している。
【0044】
以下に図1〜図9に基づいて本実施形態の各構成要素の詳細を説明する。
【0045】
ケース50は、互いに対向する一対のフィルム(第1のフィルム51及び第2のフィルム52)を用いて形成されている。ここで、図2に示すように、本実施形態における第1のフィルム51及び第2のフィルム52は連結している。すなわち、本実施形態におけるケース50は、一枚の複合包装フィルムからなる矩形状のフィルムを、図2に示す折り曲げ線X3−X3において折り曲げ、矩形状のフィルムの対向する1組の縁部同士(図中の第1のフィルム51の縁部51B及び第2のフィルム52の縁部52B)を重ね合せて接着剤を用いるか又はヒートシールを行うことにより形成されている。
【0046】
そして、第1のフィルム51及び第2のフィルム52は、1枚の矩形状のフィルム53を上述のように折り曲げた際にできる互いに対向する面を有する該フィルムの部分をそれぞれ示す。ここで、本明細書において、接合された後の第1のフィルム51及び第2のフィルム52のそれぞれの縁部を「シール部」という。
【0047】
これにより、折り曲げ線X3−X3の部分に第1のフィルム51と第2のフィルム52とを接合させるためのシール部を設ける必要がなくなるため、ケース50におけるシール部をより低減することができる。その結果、リチウムイオン2次電池1の設置されるべき空間の体積を基準とする体積エネルギー密度をより向上させることができる。
【0048】
そして、本実施形態の場合、図1及び図2に示すように、アノード10に接続されたアノード用リード12及びカソード用リード22のそれぞれの一端が、上述の第1のフィルム51の縁部51Bと第2のフィルムの縁部52Bとを接合したシール部から外部に突出するように配置されている。
【0049】
また、第1のフィルム51及び第2のフィルム52を構成するフィルムは先に述べたように、可とう性を有するフィルムである。フィルムは軽量であり薄膜化が容易なため、リチウムイオン2次電池自体の形状を薄膜状とすることができる。そのため、本来の体積エネルギー密度を容易に向上させることができるとともに、リチウムイオン2次電池の設置されるべき空間の体積を基準とする体積エネルギー密度も容易に向上させることができる。
【0050】
このフィルムは可とう性を有するフィルムであれば特に限定されないが、ケースの充分な機械的強度と軽量性を確保しつつ、ケース50外部からケース50内部への水分や空気の侵入及びケース50内部からケース50外部への電解質成分の逸散を効果的に防止する観点から、非水電解質溶液に接触する合成樹脂製の最内部の層と、最内部の層の上方に配置される金属層とを少なくとも有する「複合包装フィルム」であることが好ましい。
【0051】
第1のフィルム51及び第2のフィルム52として使用可能な複合包装フィルムとしては、例えば、図6及び図7に示す構成の複合包装フィルムが挙げられる。図6に示す複合包装フィルム53は、その内面F53において非水電解質溶液に接触する合成樹脂製の最内部の層50aと、最内部の層50aのもう一方の面(外側の面)上に配置される金属層50cとを有する。また、図7に示す複合包装フィルム54は、図6に示す複合包装フィルム53の金属層50cの外側の面に更に合成樹脂製の最外部の層50bが配置された構成を有する。
【0052】
第1のフィルム51及び第2のフィルム52として使用可能な複合包装フィルムは、上述の最内部の層をはじめとする1以上の合成樹脂の層、金属箔などの金属層を備えた2以上の層を有する複合包装材であれば特に限定されないが、上記と同様の効果をより確実に得る観点から、図7に示した複合包装フィルム54のように、最内部の層50aと、最内部の層50aから最も遠いケース50の外表面の側に配置される合成樹脂製の最外部の層50bと、最内部の層50aと最外部の層50bとの間に配置される少なくとも1つの金属層50cとを有する3層以上の層から構成されていることがより好ましい。
【0053】
最内部の層50aは可とう性を有する層であり、その構成材料は上記の可とう性を発現させることが可能であり、かつ、使用される非水電解質溶液30に対する化学的安定性(化学反応、溶解、膨潤が起こらない特性)、並びに、酸素及び水(空気中の水分)に対する化学的安定性を有している合成樹脂であれば特に限定されないが、更に酸素、水(空気中の水分)及び非水電解質溶液30の成分に対する透過性の低い特性を有している材料が好ましい。例えば、エンジニアリングプラスチック、並びに、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン酸変成物、ポリプロピレン酸変成物、ポリエチレンアイオノマー、ポリプロピレンアイオノマー等の熱可塑性樹脂などが挙げられる。
【0054】
なお、「エンジニアリングプラスチック」とは、機械部品、電気部品、住宅用材等で使用されるような優れた力学特性と耐熱性、耐久性を有しているプラスチックを意味し、例えば、ポリアセタール、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリオキシテトラメチレンオキシテレフタロイル(ポリブチレンテレフタレート)、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、ポリフェニレンサルファイド等が挙げられる。
【0055】
また、図7に示した複合包装フィルム54のように、最内部の層50a以外に、最外部の層50b等のような合成樹脂製の層を更に設ける場合、この合成樹脂製の層も、上記最内部の層50aと同様の構成材料を使用してよい。
【0056】
金属層50cとしては、酸素、水(空気中の水分)及び非水電解質溶液に対する耐腐食性を有する金属材料から形成されている層であることが好ましい。例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、チタン、クロム等からなる金属箔を使用してもよい。
【0057】
また、ケース50における全てのシール部のシール方法は、特に限定されないが、生産性の観点から、ヒートシール法であることが好ましい。
【0058】
次に、アノード10及びカソード20について説明する。図8は図1に示すリチウムイオン2次電池のアノードの基本構成の一例を示す模式断面図である。また、図9は、図1に示すリチウムイオン2次電池のカソードの基本構成の一例を示す模式断面図である。
【0059】
図8に示すようにアノード10は、集電体16と、該集電体16上に形成されたアノード活物質含有層18とからなる。また、図9に示すようにカソード20は、集電体26と、該集電体26上に形成されたカソード活物質含有層28とからなる。
【0060】
集電体16及び集電体26は、アノード活物質含有層18及びカソード活物質含有層28への電荷の移動を充分に行うことができる良導体であれば特に限定されず、公知のリチウムイオン2次電池に用いられている集電体を使用することができる。例えば、集電体16及び集電体26としては、アルミニウム、銅などの金属箔が挙げられる。
【0061】
また、アノード10のアノード活物質含有層18は、主として、アノード活物質と、導電助剤と、結着剤とから構成されている。
【0062】
アノード活物質は、リチウムイオンの吸蔵及び放出、リチウムイオンの脱離及び挿入(インターカレーション)、又は、リチウムイオンと該リチウムイオンのカウンターアニオン(例えば、ClO4 −)とのドープ及び脱ドープを可逆的に進行させることが可能であれば特に限定されず、公知のアノード活物質を使用できる。このような活物質としては、例えば、天然黒鉛、人造黒鉛(難黒鉛化炭素、易黒鉛化炭素、低温度焼成炭素等)等の炭素材料、Al、Si、Sn等のリチウムと化合することのできる金属、SiO2、SnO2等の酸化物を主体とする非晶質の化合物、チタン酸リチウム(Li4Ti5O12)が挙げられる。
【0063】
中でも、炭素材料が好ましく、炭素材料の層間距離d002が0.335〜0.338nmであり、かつ、炭素材料の結晶子の大きさLc002が30〜120nmであるものがより好ましい。このような条件を満たす炭素材料としては、人造黒鉛、MCF(メソカーボンファイバ)等が挙げられる。なお、上記層間距離d002及び結晶子の大きさLc002は、X線回折法により求めることができる。
【0064】
特に、アノード活物質として炭素材料を用いた場合、溶媒にプロピレンカーボネートを用いると、プロピレンカーボネートの分解量が多かったが、非水電解質溶液30を本発明の構成とすることにより、プロピレンカーボネートの分解を充分に抑制することが可能となった。
【0065】
導電助剤は特に限定されず、公知の導電助剤を使用できる。例えば、カーボンブラック類、炭素材料、銅、ニッケル、ステンレス、鉄等の金属微粉、炭素材料及び金属微粉の混合物、ITOのような導電性酸化物が挙げられる。
【0066】
結着剤は、上記のアノード活物質の粒子と導電助剤の粒子とを結着可能なものであれば特に限定されない。例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)、ポリフッ化ビニル(PVF)等のフッ素樹脂が挙げられる。また、この結着剤は、上記のアノード活物質の粒子と導電助剤の粒子との結着のみならず、箔(集電体16)への結着に対しても寄与している。
【0067】
また、アノード活物質含有層18には、電子伝導性の多孔体を含有させることが好ましく、電子伝導性の多孔体としては、例えば、原料炭(例えは、石油系重質油の流動接触分解装置のボトム油や減圧蒸留装置の残さ油を原料油とするディレードコーカーより製造された石油コークス等)を賦活処理することにより得られる炭素材料(例えば、活性炭)が挙げられる。
【0068】
また、カソード20のカソード活物質含有層28は、アノード活物質含有層18と同様に、主として、カソード活物質と、導電助剤と、結着剤とから構成されている。
【0069】
カソード活物質は、リチウムイオンの吸蔵及び放出、リチウムイオンの脱離及び挿入(インターカレーション)、又は、リチウムイオンと該リチウムイオンのカウンターアニオン(例えば、ClO4 −)とのドープ及び脱ドープを可逆的に進行させることが可能であれば特に限定されず、公知の電極活物質を使用できる。例えば、コバルト酸リチウム(LiCoO2)、ニッケル酸リチウム(LiNiO2)、リチウムマンガンスピネル(LiMn2O4)、及び、一般式:LiNixCoyMnzO2(x+y+z=1)で表される複合金属酸化物、リチウムバナジウム化合物(LiV2O5)、オリビン型LiMPO4(ただし、Mは、Co、Ni、Mn又はFeを示す)、チタン酸リチウム(Li4Ti5O12)等の複合金属酸化物が挙げられる。
【0070】
更に、カソード活物質含有層28に含まれるカソード活物質以外の各構成要素は、アノード活物質含有層18を構成するものと同様の物質を使用することができる。また、このカソード活物質含有層28に含まれる結着剤も、上記のカソード活物質の粒子と導電助剤の粒子との結着のみならず、箔(集電体26)への結着に対しても寄与している。また、カソード活物質含有層28にも、電子伝導性の多孔体を含有させることが好ましい。
【0071】
また、カソード20の集電体28は、例えばアルミニウムからなるカソード用リード22の一端に電気的に接続され、カソード用リード22の他端はケース50の外部に延びている。一方、アノード10の集電体18も、例えば銅又はニッケルからなるアノード用リード12の一端に電気的に接続され、アノード用リード12の他端は封入袋14の外部に延びている。
【0072】
アノード10とカソード20との間に配置されるセパレータ40は、絶縁性の多孔体から形成されていれば特に限定されず、公知のリチウムイオン2次電池に用いられているセパレータを使用することができる。例えば、絶縁性の多孔体としては、ポリエチレン、ポリプロピレン又はポリオレフィンからなるフィルムの積層体や上記樹脂の混合物の延伸膜、或いは、セルロース、ポリエステル及びポリプロピレンからなる群より選択される少なくとも1種の構成材料からなる繊維不織布が挙げられる。
【0073】
非水電解質溶液30はケース50の内部空間に充填され、その一部は、アノード10、カソード20、及びセパレータ40の内部に含有されている。非水電解質溶液30は、リチウム塩を有機溶媒に溶解したものが使用される。非水電解質溶液30は、リチウム塩を有機溶媒に溶解したものが使用される。リチウム塩としては、例えば、LiPF6、LiClO4、LiBF4、LiAsF6、LiCF3SO3、LiCF3CF2SO3、LiC(CF3SO2)3、LiN(CF3SO2)2、LiN(CF3CF2SO2)2、LiN(CF3SO2)(C4F9SO2)、LiN(CF3CF2CO)2等の塩が使用される。なお、これらの塩は1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。また、非水電解質溶液30は、ゲルポリマーなどのゲル化剤を添加することによりゲル状としてもよい。
【0074】
また、非水溶媒(有機溶媒)は、少なくとも以下の2つのタイプの溶媒(以下、それぞれを「溶媒1」及び「溶媒2」という)を含む溶媒を使用するという条件を満たしていれば、公知のリチウムイオン2次電池に使用されている溶媒を任意の割合で混合して使用してよい。
【0075】
溶媒1には、PCと、ESと、下記一般式(I)で表現される第1の化合物とが少なくとも含まれている。
【0076】
【化5】
【0077】
式(1)中、R1、R2、R3、R4、R5及びR6は、それぞれ同一でも異なっていてもよく、水素原子及び炭素数1〜3の炭化水素基のうちの何れかを示す。また、上記一般式(I)で表される第1の化合物としては、R1、R2、R3、R4、R5及びR6が全て水素原子である1,3−プロパンスルトンであることが特に好ましい。
【0078】
更に、溶媒1中のPCの含有率は、30体積%以上、好ましくは50体積%以上に調節されている。更に、先に述べた本発明の効果をより確実に得る観点から、溶媒1中のESの含有率は0.5〜50体積%であることが好ましい。ESの含有率が0.5体積%未満となると、良好なPC分解抑制皮膜が形成できず、十分な電池特性を得ることができなくなる傾向が大きくなる。また、ESの含有率が50体積%を超えると、UL1642規定の150℃加熱試験を確実にクリアできなくなる傾向が大きくなる。
【0079】
また、先に述べた本発明の効果をより確実に得る観点から、一般式(I)で表現される第1の化合物の含有率は、最終的に得られる非水電解質溶液の総質量を基準として、1〜10質量%であることが好ましい。第1の化合物の含有率が1質量%未満となると、良好なPC分解抑制皮膜が形成できず、十分な電池特性を得ることができなくなる傾向が大きくなる。また、第1の化合物の含有率が10質量%を超えると、非水電解質溶液30の伝導度低下が無視できなくなり、放電レート特性、低温充放電特性、及び、充放電サイクル特性が十分に得られなくなる傾向が大きくなる。
【0080】
溶媒2には、PCと、ESと、下記一般式(II)で表現される化合物とが少なくとも含まれている。この溶媒2の場合にも溶媒2中のPCの含有率は、30体積%以上、好ましくは50体積%以上に調節されている。
【0081】
【化6】
【0082】
式(II)中、nは0又は1を示し、R7、R8、R9及びR10は、それぞれ同一でも異なっていてもよく、水素原子及び炭素数1〜4の炭化水素基のうちの何れかを示す。
【0083】
式(II)で表現される化合物は、好ましくはn=0であり、R7、R8、R9及びR10が水素原子である化合物であることが好ましい。すなわち、式(II)で表現される化合物は、1,3,2−ジオキサチオラン−2−ジオキサイドであることが好ましい。
【0084】
更に、先に述べた本発明の効果をより確実に得る観点から、溶媒2中のESの含有率は0.5〜50体積%であることが好ましい。ESの含有率が0.5体積%未満となると、良好なPC分解抑制皮膜が形成できず、十分な電池特性を得ることができなくなる傾向が大きくなる。また、ESの含有率が50体積%を超えると、UL1642規定の150℃加熱試験を確実にクリアできなくなる傾向が大きくなる。
【0085】
更に、先に述べた本発明の効果をより確実に得る観点から、一般式(II)で表現される化合物の含有率は、最終的に得られる非水電解質溶液の総質量を基準として、1〜10質量%であることが好ましい。一般式(II)で表現される化合物の含有率が1質量%未満となると、良好なPC分解抑制皮膜が形成できず、十分な電池特性を得ることができなくなる傾向が大きくなる。また、一般式(II)で表現される化合物の含有率が10質量%を超えると、非水電解質溶液30の伝導度低下が無視できなくなり、放電レート特性、低温充放電特性、及び、充放電サイクル特性が十分に得られなくなる傾向が大きくなる。
【0086】
更に、図1及び図2に示すように、第1のフィルム51の縁部51B及び第2のフィルム52の縁部52Bからなる封入袋のシール部に接触するアノード用リード12の部分には、アノード用リード12と各フィルムを構成する複合包装フィルム中の金属層との接触を防止するための絶縁体14が被覆されている。更に、第1のフィルム51の縁部51B及び第2のフィルム52の縁部52Bからなる封入袋のシール部に接触するカソード用リード22の部分には、カソード用リード22と各フィルムを構成する複合包装フィルム中の金属層との接触を防止するための絶縁体24が被覆されている。
【0087】
これら絶縁体14及び絶縁体24の構成は特に限定されないが、例えば、それぞれ合成樹脂から形成されていてもよい。なお、アノード用リード12及びカソード用リード22のそれぞれに対する複合包装フィルム中の金属層の接触が充分に防止可能であれば、これら絶縁体14及び絶縁体24は配置しない構成としてもよい。
【0088】
つぎに、上述したケース50及びリチウムイオン2次電池1の作製方法について説明する。
【0089】
素体60(アノード10、セパレータ40及びカソード20がこの順で順次積層された積層体)の製造方法は、特に限定されず、公知のリチウムイオン2次電池の製造に採用されている公知の方法を用いることができる。
【0090】
アノード10及びカソード20を作製する場合、先ず、上述した各構成成分を混合し、結着剤が溶解可能な溶媒に分散させ、電極形成用塗布液(スラリー等)を作製する。溶媒としては、結着剤が溶解可能であり、導電助剤を分散可能であれば特に限定されるものではないが、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミドを用いることができる。
【0091】
次に、上記電極形成用塗布液を集電体表面上に塗布し、乾燥させ、圧延することにより集電体上に活物質含有層を形成し、アノード10及びカソード20の作製を完了する。ここで、電極形成用塗布液を集電体の表面に塗布する際の手法は特に限定されるものではなく、集電体の材質や形状等に応じて適宜決定すればよい。例えば、メタルマスク印刷法、静電塗装法、ディップコート法、スプレーコート法、ロールコート法、ドクターブレード法、グラビアコート法、スクリーン印刷法等が挙げられる。
【0092】
作製したアノード10及びカソード20のそれぞれに対して、アノード用リード12及びカソード用リード22をそれぞれ電気的に接続する。そのアノード10とカソード20との間にセパレータ40を接触した状態(非接着状態)で配置し、素体60を完成する。
【0093】
次に、ケース50の作製方法の一例について説明する。まず、第1のフィルム及び第2のフィルムを先に述べた複合包装フィルムから構成する場合には、ドライラミネーション法、ウエットラミネーション法、ホットメルトラミネーション法、エクストルージョンラミネ−ション法等の既知の製法を用いて作製する。
【0094】
例えば、複合包装フィルムを構成する合成樹脂製の層となるフィルム、アルミニウム等からなる金属箔を用意する。金属箔は、例えば金属材料を圧延加工することにより用意することができる。
【0095】
次に、好ましくは先に述べた複数の層の構成となるように、合成樹脂製の層となるフィルムの上に接着剤を介して金属箔を貼り合わせる等して複合包装フィルム(多層フィルム)を作製する。そして、複合包装フィルムを所定の大きさに切断し、矩形状のフィルムを1枚用意する。
【0096】
次に、先に図2を参照して説明したように、1枚のフィルムを折り曲げて、第1のフィルム51のシール部51B(縁部51B)と第2のフィルムのシール部52B(縁部52B)を、例えば、シール機を用いて所定の加熱条件で所望のシール幅だけヒートシールする。このとき、素体60をケース50中に導入するための開口部を確保するために、一部のヒートシールを行わない部分を設けておく。これにより開口部を有した状態のケース50が得られる。
【0097】
そして、開口部を有した状態のケース50の内部に、アノード用リード12及びカソード用リード22が電気的に接続された素体60を挿入する。そして、非水電解質溶液30を注入する。続いて、アノード用リード12、カソード用リード22の一部をそれぞれケース50内に挿入した状態で、シール機を用いて、ケース50の開口部をシールする。このようにしてケース50及びリチウムイオン2次電池1の作製が完了する。なお、本発明のリチウムイオン2次電池は、このような形状のものに限定されず、円筒形等の形状でもよい。
【0098】
【実施例】
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明について更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されない。
【0099】
以下に示す手順により図1に示したリチウムイオン2次電池1と同様の構成を有する実施例1〜実施例9及び比較例1〜比較例7のリチウムイオン2次電池を作製した。
【0100】
(実施例1)
先ず、アノードを作製した。アノードの作製においては、先ず、アノード活物質として人造黒鉛(90質量部)、導電助剤としてカーボンブラック(2質量部)、結着剤としてポリフッ化ビニリデン(PVDF)(8質量部)を混合し、溶剤のN−メチル−ピロリドン(NMP)中に分散させ、スラリーを得た。得られたスラリーをドクターブレード法により集電体である電解銅箔に塗布し、110℃で乾燥させた。乾燥後に圧延を行い、アノードを得た。
【0101】
次に、カソードを作製した。カソードの作製においても、先ず、正極活物質としてLiNi(x=1/3)Co(y=1/3)Mn(z=1/3)O2(x+y+z=1)(90質量部)、導電助剤としてカーボンブラック(6質量部)、結着剤としてPVDF(4質量部)を混合し、NMP中に分散させ、スラリーを得た。得られたスラリーを集電体であるアルミニウム箔に塗布して乾燥させ、圧延を行い、カソードを得た。
【0102】
次に、非水電解質溶液を調製した。プロピレンカーボネート(PC)及びエチレンサルファイト(ES)を体積比95:5で混合したものを溶媒とし、溶質としてLiPF6をこの溶媒に添加した。なお、LiPF6は、その濃度が1.5mol/dm−3となるように添加した。更に、最終的に得られる溶液の総質量に対して5質量%となるように1,3−プロパンスルトン(PS)を添加し非水電解質溶液を得た。
【0103】
次にポリエチレンを主成分とするセパレータ(旭化成社製,商品名:「H6022」,厚さ:27μm)の両面にゲル状の合成樹脂層を形成した。具体的には、PVDF及びNMPからなる塗布液を上記セパレータ両面に塗布し、多孔化処理することにより形成した。なお、多孔化処理は以下の手順により行った。即ち、塗工物を水中にキャストする相分離法にて行なった。
【0104】
次に、アノード及びカソードの間にゲル状の合成樹脂層が両面に形成されたセパレータを挟んで積層し積層体(素体)を得た。得られた積層体をアルミラミネートパックに入れ、このアルミラミネートパックに非水電解質溶液を注入した後に真空シールし、更に、80℃で熱プレスすることにより容量が2500mAhのリチウムイオン2次電池(縦:115mm、横:87mm、厚さ:3mm)を作製した。なお、アルミラミネートパックのフィルムには、非水電解質溶液に接触する合成樹脂製の最内部の層(変性ポリプロピレンからなる層)、アルミニウム箔からなる金属層、ポリアミドからなる層がこの順で順次積層された積層体を使用した。そして、この複合包装フィルムを2枚重ね合せてその縁部をヒートシールして作製した。
【0105】
(実施例2〜実施例9、並びに、比較例1〜7)
非水電解質溶液の溶媒に用いるPC、ES及びジエチルカーボネート(DEC)の体積比、並びに、溶媒に添加されるPS及びDTDの添加率(但しこの添加率は、最終的に得られる非水電解質溶液の総質量を基準とする値である。)を表1に示すように変えたこと以外は、実施例1と同様にして実施例2〜実施例9、並びに、比較例1〜7のリチウムイオン2次電池を作製した。
【0106】
【表1】
【0107】
実施例1〜実施例9及び比較例1〜比較例7の各電池に対して以下の特性評価試験を行い、各電池を評価した。なお、以下の特性評価試験を表2に示した。
【0108】
(初期充放電特性評価試験)
リチウムイオン2次電池作製後、25℃で初回の充電を行い、その直後に放電を行った。その際の充電容量と放電容量との比率により初期充放電特性を評価した。なお、充電は0.2C(500mA)で4.2Vまで定電流定電圧充電を行い、放電は0.2Cで2.5Vまで定電流放電を行った。得られた結果を表2に示すが、結果が80%以上の電池を、初期充放電特性が実用的に充分なものと評価した。
【0109】
(充放電サイクル特性評価試験)
リチウムイオン2次電池作製後、25℃で300回の充放電を繰り返した後の放電容量A2を測定した。初回の充放電を行った後の放電容量A1とA2との比率{100×(A2/A1)}[%]により充放電サイクル特性を評価した。なお、充電は0.2C(500mA)で4.2Vまで定電流定電圧充電を行い、放電は0.2Cで2.5Vまで定電流放電を行った。得られた結果を表2に示すが、結果が80%以上の電池を、充放電サイクル特性が実用的に充分なものと評価した。なお、比較例1、比較例2及び比較例5の各電池については、2サイクル目以降の充放電を行うことができず、電池として機能しなかったため、充放電サイクル特性は「測定不能」であった。
【0110】
(安全性)
得られた実施例1〜実施例9及び比較例1〜比較例7のリチウムイオン2次電池のそれぞれについて、UL1642規定の150℃加熱試験を行い各々の安全性を評価した。UL1642規定の150℃加熱試験は、各電池(4.2Vでの充電を終了させた状態のもの)を恒温槽に入れ、昇温速度5℃/minで室温から150℃まで昇温し、150℃で1時間保持することにより行った。表2にその結果を示す。なお、表2に示す150℃加熱試験の結果のうち、「2」は「試験中に電池が破裂又は発火しなかった」という評価結果を示し、「1」は「試験中に電池が破裂又は発火した」という評価結果を示す。なお、比較例1、比較例2及び比較例5の各電池については、2サイクル目以降の充放電を行うことができず、電池として機能しなかったため、安全性は「測定不能」であった。
【0111】
【表2】
【0112】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、優れた充放電特性及び優れた充放電サイクル特性を得ることができ、然も、UL1642規定の150℃加熱試験を確実にクリアすることのできる優れた安全性を有するリチウムイオン2次電池を容易かつ確実に構成可能な非水電解質溶液を提供することができる。
また、本発明によれば、上記の本発明の非水電解質溶液を有する高性能のリチウムイオン2次電池を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のリチウムイオン2次電池の好適な一実施形態を示す正面図である。
【図2】図1に示すリチウムイオン2次電池の内部をアノード10の表面の法線方向からみた場合の展開図である。
【図3】図1に示すリチウムイオン2次電池を図1のX1−X1線に沿って切断した場合の模式断面図である。
【図4】図1に示すリチウムイオン2次電池を図1のX2−X2線に沿って切断した場合の要部を示す模式断面図である。
【図5】図1に示すリチウムイオン2次電池を図1のY−Y線に沿って切断した場合の要部を示す模式断面図である。
【図6】図1に示すリチウムイオン2次電池のケースの構成材料となるフィルムの基本構成の一例を示す模式断面図である。
【図7】図1に示すリチウムイオン2次電池のケースの構成材料となるフィルムの基本構成の別の一例を示す模式断面図である。
【図8】図1に示すリチウムイオン2次電池のアノードの基本構成の一例を示す模式断面図である。
【図9】図1に示すリチウムイオン2次電池のカソードの基本構成の一例を示す模式断面図である。
【符号の説明】
1…リチウムイオン2次電池、10…アノード、12…アノード用リード、14…絶縁体、20…カソード、22…カソード用リード、24…絶縁体、30…非水電解質溶液、40…セパレータ、50…ケース、60…素体。
Claims (9)
- 前記一般式(I)で表現される化合物におけるR1、R2、R3、R4、R5及びR6が水素原子であること、を特徴とする請求項1に記載の非水電解質溶液。
- 前記一般式(II)で表現される化合物において、nは0を示し、R7、R8、R9及びR10が水素原子であること、を特徴とする請求項3に記載のリチウムイオン2次電池。
- 前記非水溶媒中の前記プロピレンカーボネートの含有率が30〜99.5体積%であること、を特徴とする請求項1〜4のうちの何れか1項に記載の非水電解質溶液。
- アノードと、
カソードと、
前記アノード及び前記カソードの間に配置された絶縁性のセパレータと、
リチウム塩を含有する非水電解溶液と、
前記アノード、前記カソード、前記セパレータ、及び、前記非水電解質溶液を密閉した状態で収容するケースと、
を少なくとも有するリチウムイオン2次電池であって、
前記非水電解質溶液が、請求項1〜請求項5のうちの何れか1項に記載の非水電解質溶液であること、
を特徴とするリチウムイオン2次電池。 - 前記ケースが、可とう性を有するフィルムから形成されていることを特徴とする請求項6に記載のリチウムイオン2次電池。
- 前記フィルムが、前記非水電解質溶液に接触する合成樹脂製の最内部の層と、前記最内部の層の上方に配置される金属層とを少なくとも有する複合包装フィルムであること、を特徴とする請求項7に記載のリチウムイオン2次電池。
- 前記アノード及び前記カソードは、それぞれ板状の形状を呈しており、かつ、それぞれ電子伝導性の多孔体を構成材料として含んでおり、
前記セパレータは、板状の形状を呈しており、かつ、絶縁性の多孔体からなり、
前記非水電解質溶液は、少なくともその一部が前記アノード、前記カソード、及び、前記セパレータの内部に含有されていること、を特徴とする請求項6〜8のうちの何れか1項に記載のリチウムイオン2次電池。
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