JP2005011204A - 数値制御装置及び数値制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】CADにより出力された形状に可及的に近い加工を行う。
【解決手段】加工プログラムを解析して、複数の微少直線ブロックと、前記微少直線ブロックの始点および終点における曲率半径をそれぞれ特定するための曲率半径情報を抽出し、前記微少直線ブロックの始点および終点においてそれぞれ前記曲率半径を有する加工経路を前記微少直線ブロックに対して算出する。あるいは、加工プログラムを解析して、複数の微少直線ブロックと、隣接する前記微少直線ブロック同士の接続点での連続性を示す連続性情報であって、位置連続情報、接線連続情報及び曲率連続情報のいずれかを有する連続性情報を抽出し、前記接続点にて前記連続性情報を満たす加工経路を各前記微少直線ブロックに対して算出する。そして、算出された前記加工経路に沿った加工を行う補間データを逐次出力する。
【選択図】 図1
【解決手段】加工プログラムを解析して、複数の微少直線ブロックと、前記微少直線ブロックの始点および終点における曲率半径をそれぞれ特定するための曲率半径情報を抽出し、前記微少直線ブロックの始点および終点においてそれぞれ前記曲率半径を有する加工経路を前記微少直線ブロックに対して算出する。あるいは、加工プログラムを解析して、複数の微少直線ブロックと、隣接する前記微少直線ブロック同士の接続点での連続性を示す連続性情報であって、位置連続情報、接線連続情報及び曲率連続情報のいずれかを有する連続性情報を抽出し、前記接続点にて前記連続性情報を満たす加工経路を各前記微少直線ブロックに対して算出する。そして、算出された前記加工経路に沿った加工を行う補間データを逐次出力する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、数値制御装置及び数値制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
加工プログラムにおいて指令データとして用いられるGコードには、直線指令(G00、G01)、円弧指令(G02、G03)等がある。
【0003】
実際に、自由曲面を加工形成する場合には、加工経路を細かな線分であるブロックに分割し、各ブロックを直線補間する指令(G01)を生成する。そして、NC(Numerical Control)装置が、これらの指令に基づいて独自に形状認識を行い、形状認識結果に基づき加工を行うことが多い。
【0004】
従って、CADにより出力された本来の形状通りにNC装置が形状認識を行うかどうかはまったく保証されていない。
【0005】
一方、形状評価の基準として形状表面の連続性(位置連続、接線連続、曲率連続)があるが、一旦、自由曲面データが点群データに落とされてしまえば、元の情報を点群データから再現するのはほぼ不可能である。
【0006】
【特許文献1】
特開平8−292808号公報
【特許文献2】
特開2001−117617号公報
【特許文献3】
特開2001−216011号公報
【特許文献4】
特開2000−311010号公報
【特許文献5】
特開2000−148223号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、CADにより出力された形状に可及的に近い加工を行うことを可能にする数値制御装置及び数値制御方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の数値制御装置は、加工プログラムを解析して、複数の微少直線ブロックと、前記微少直線ブロックの始点および終点における曲率半径をそれぞれ特定するための曲率半径情報を抽出する解析部と、前記微少直線ブロックの始点および終点においてそれぞれ前記曲率半径を有する加工経路を各前記微少直線ブロックに対して算出する加工経路算出部と、算出された前記加工経路を用いて、前記加工経路に沿った補間データを逐次出力する補間部と、を備えることを特徴とする。
【0009】
本発明の第2の数値制御装置は、第1の数値制御装置において、前記始点および終点における前記曲率半径がそれぞれ直線の曲率半径である場合は、前記加工経路算出部が、前記加工経路として、直線経路を算出することを特徴とする。
【0010】
本発明の第3の数値制御装置は、第1又は第2の数値制御装置において、前記始点および終点における前記曲率半径がそれぞれ同一で且つ直線の曲率半径以外のものである場合は、前記加工経路算出部は、前記加工経路として、前記曲率半径を有する円弧を算出することを特徴とする。
【0011】
本発明の第4の数値制御装置は、加工プログラムを解析して、複数の微少直線ブロックと、隣接する前記微少直線ブロック同士の接続点での連続性を示す連続性情報であって、位置連続情報、接線連続情報及び曲率連続情報のいずれかを有する連続性情報を抽出する解析部と、前記接続点にて前記連続性情報を満たす加工経路を各前記微少直線ブロックに対して算出する加工経路算出部と、算出された前記加工経路に沿った加工を行う補間データを逐次出力する補間部と、を備えることを特徴とする。
【0012】
本発明の第1の数値制御方法は、加工プログラムを解析して、複数の微少直線ブロックと、前記微少直線ブロックの始点および終点における曲率半径をそれぞれ特定するための曲率半径情報を抽出し、前記微少直線ブロックの始点および終点においてそれぞれ前記曲率半径を有する加工経路を前記微少直線ブロックに対して算出し、算出された前記加工経路を用いて、前記加工経路に沿った補間データを逐次出力することを特徴とする。
【0013】
本発明の第2の数値制御方法は、加工プログラムを解析して、複数の微少直線ブロックと、隣接する前記微少直線ブロック同士の接続点での連続性を示す連続性情報であって、位置連続情報、接線連続情報及び曲率連続情報のいずれかを有する連続性情報を抽出し、前記接続点にて前記連続性情報を満たす加工経路を各前記微少直線ブロックに対して算出し、算出された前記加工経路に沿った加工を行う補間データを逐次出力することを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら、本実施の形態について説明する。
【0015】
図1は、本発明の第1の実施の形態としての数値制御装置の構成を示すブロック図である。
【0016】
この数値制御装置1は、供給された加工プログラム(NCプログラム)からX、Y、Z軸の各軸方向の移動データを取得し、取得した各軸方向の移動データを用いて各軸の移動を制御するものである。
【0017】
以下、この数値制御装置1について詳しく説明する。
【0018】
図1に示すように、解析部2は、CAM等によって出力された加工プログラムを解析して、ブロックごとに、目標点(終点)、送り速度及び曲率半径情報(記述されている場合)を抽出する。
【0019】
図2は、加工プログラム(ブロック(0)〜(12))の一例を示す図である。
【0020】
この加工プログラムにおいて、“N〜”はシーケンス番号を示す。例えば“N01”はシーケンス番号が1であることを示す。
【0021】
“X〜”“Y〜”は目標点(目標座標)を示す。例えば、ブロック(1)における“X0 Y0”は目標点が(0,0)であることを示す。
【0022】
”F”は切削送り速度(mm/分)を示す。例えば、ブロック(0)における“F10000”は、切削送り速度が10000(mm/分)であることを示す。このブロック(0)の“F10000”は、以降のブロック(1)〜ブロック(11)に対しても適用される。
【0023】
“G01”は直線補間指令を示し、“M02”はプログラムの終わりを指示する。
【0024】
ここで、“Q〜”は、ブロックの始点および終点における曲率半径を特定するための曲率半径情報である。図中、ブロック(1)の“Q0”はブロック(2)にも適用される。また、ブロック(3)の“Q5”は、ブロック(4)〜ブロック(5)にも適用される。同様に、ブロック(6)の“Q0”は、ブロック(7)〜ブロック(11)にも適用される。
【0025】
例えば、ブロック(3)の“Q5”は、ブロック(3)が、始点(100,0)および目標点(101,1)において曲率半径5(mm)を有する加工経路(例えば、曲率半径が5の円弧)に近似されることを意味する。
【0026】
また、例えば、ブロック(6)の“Q0”は、ブロック(6)が、始点(103,0)および目標点(200,0)において曲率半径無限大を有する加工経路(例えば直線)に近似されることを意味する。但し、本実施の形態においては、曲率半径の無限大を“Q0”と表現する。
【0027】
ここでは、始点及び目標点における曲率半径としてそれぞれ同一の値を指定しているが、それぞれ別個の値を指定するようにしてもよい。その場合、例えば、“Q15,Q26”などとして、始点における曲率半径5,目標点における曲率半径6を指定する。
【0028】
以上のような加工プログラムを解析部2は解析して、各ブロックの目標点データ、送り速度及び曲率半径情報を抽出する。
【0029】
但し、解析部2は、図2のブロック(0)においては、付記された送り速度“F10000”を取得する。また、解析部2は、ブロック(12)を受け取った場合は、“M02”に従って、処理を終了する。
【0030】
解析部2は、以上のようにして抽出した送り速度を、図示しないバッファ内に格納するとともに、抽出した目標点データ及び曲率半径情報を、図1に示すように、形状認識部3に送出する。
【0031】
形状認識部3は、解析部2から受け取った目標点データ及び曲率半径情報を用いて形状認識を行い、加工経路を算出する。
【0032】
図3(a)及び図3(b)は、図2のブロック(2)〜ブロック(6)、及びブロック(7)〜ブロック(11)に基づき算出された加工経路を示す図である。なお、ブロック(1)では、所定の基準位置から、プログラム上の原点s1(0,0)までの加工経路が算出される。
【0033】
図3(a)及び図3(b)を対比して分かるように、この加工経路は、同じ点列を往復するものであるが、行き(図3(a)参照)ではブロック(3)〜ブロック(5)において円弧が算出され、一方、帰り(図3(b)参照)では、対応するブロック(8)〜ブロック(10)において、台形形状が算出される。
【0034】
以下、形状認識部3による加工経路の算出について詳しく説明する。
【0035】
図3に示すように、ブロック(2)から算出される加工経路は、原点s1(0,0)と目標点s2(100,0)を結ぶ直線経路である。つまり、ブロック(2)には“Q0”が付されているので、ブロック(2)では、始点s1(0,0)及び目標点s2(100,0)においてそれぞれ曲率半径無限大を有する加工経路(ここでは直線)が算出される。
【0036】
ブロック(3)から算出される加工経路は、始点s2(100,0)と目標点s3(101,1)とを結ぶ、曲率半径5の円弧である。つまり、ブロック(3)には“Q5”が適用されるので、ブロック(3)では、始点s2(100,0)及び目標点s3(101,1)においてそれぞれ曲率半径5を有する加工経路(ここでは曲率半径5の円弧)が算出される。
【0037】
ブロック(4)から算出される加工経路は、始点s3(101,1)と目標点s4(102,1)とを結ぶ、曲率半径5の円弧である。つまり、ブロック(4)には“Q5”が適用されるので、ブロック(4)では、始点s3(101,1)及び目標点s4(102,1)においてそれぞれ曲率半径5を有する加工経路(ここでは曲率半径5の円弧)が算出される。
【0038】
ブロック(5)から算出される加工経路は、始点s4(102,1)と目標点s5(103,0)とを結ぶ、曲率半径5の円弧である。つまり、ブロック(5)には“Q5”が適用されるので、ブロック(5)では、始点s4(102,1)及び目標点s5(103,0)においてそれぞれ曲率半径5を有する加工経路(ここでは曲率半径5の円弧)が算出される。
【0039】
ブロック(6)から算出される加工経路は、始点s5(103,0)と目標点s6(200,0)とを結ぶ、直線経路である。つまり、ブロック(6)には“Q0”が付されているので、ブロック(6)では、始点s5(103,0)及び目標点s6(200,0)においてそれぞれ曲率半径無限大を有する加工経路(ここでは直線)が算出される。
【0040】
ブロック(7)〜ブロック(11)には、いずれも“Q0”が適用されるため、各ブロック(7)〜ブロック(11)では、それぞれ、始点および目標点において曲率半径無限大を有する加工経路(ここでは直線)が算出される。
【0041】
形状認識部3は、以上のようにして算出した加工経路の情報(加工経路情報)を用いて、周知の方法により、各ブロックに対応する曲率半径を取得する。
【0042】
形状認識部3は、算出した加工経路情報を、図1に示すように、後述する補間部6に送出するとともに、取得した曲率半径を許容速度算出部4に送出する。
【0043】
曲率半径を受け取った許容速度算出部4は、曲率半径により制限される許容速度を算出する。
【0044】
具体的には、許容速度算出部4は、曲率半径と許容誤差量(切削時に許容される最大の経路誤差)とによって制限される許容速度を以下の(式1)を用いて算出する。また、許容速度算出部4は、曲率半径と設定加速度(切削時に許容される最大の加速度)とによって制限される許容速度を以下の(式2)を用いて算出する。
【0045】
【数1】
【0046】
許容速度算出部4は、算出した許容速度のうち、小さい値を有する方を最終的な許容速度として出力し、図1に示すように、目標送り速度算出部5に送出する。
【0047】
目標送り速度算出部5は、解析部2から各ブロックの送り速度を受け取り、受け取った送り速度を、許容速度算出部4から受け取った許容速度の範囲内で最適化し、目標送り速度として出力する。
【0048】
より詳しくは、目標送り速度算出部5は、解析部2から取得した送り速度と、許容速度算出部4から受け取った許容速度とを比較する。そして、目標送り速度算出部5は、送り速度が許容速度以下であると判断すれば、この送り速度を目標送り速度として出力する。
【0049】
一方、目標送り速度算出部5は、送り速度が許容速度よりも大きいと判断すれば、この送り速度を、許容速度を超えない範囲内で最適化したものを目標送り速度として出力する。この目標送り速度を許容速度と同じにすることが好ましい。
【0050】
目標送り速度算出部5は、以上のようにして出力した目標送り速度を、図1に示すように、補間部6に送出する。
【0051】
補間部6は、形状認識部3から受け取った加工経路情報と、目標送り速度算出部5から受け取った目標送り速度とを用いて、所定のサンプリング時間に従い、X、Y、Z軸の各軸方向の移動量を逐次出力する。
【0052】
補間部6は、出力した各軸方向の移動量を、図1に示すように、分配部7に送出する。
【0053】
分配部7は、補間部6から受け取った所定のサンプリング周期ごとの各軸方向の移動量を、X、Y、Z軸位置指令として、サーボ系8におけるX軸制御部8a、Y軸制御部8b及びZ軸制御部8cに順次送出する。
【0054】
サーボ系8におけるX、Y、Z軸制御部8a〜8cは、分配部7から受信したX、Y、Z軸位置指令に従って、X、Y、Z軸における各送り軸(図示せず)を駆動し、各送り軸上の移動対象物(図示せず)を移動する。
【0055】
本実施の形態では、各ブロックの始点及び目標点における曲率半径を特定するため、曲率半径を直接、指定したが、この他、例えば、始点及び目標点における曲率(曲率半径の逆数)を指定することにより、曲率半径を特定するようにしてもよい。
【0056】
以上のように、本実施の形態によれば、各ブロックに対して加工情報として曲率半径情報を付加することで、各ブロックの始点及び目標点において指定の曲率半径を有する加工経路を算出するようにしたので、従来は点群データからNC装置側で推測するしかなかった加工経路をより適正に再現することができる。
【0057】
図4は、本発明の第2の実施の形態としての数値制御装置の構成を示すブロック図である。
【0058】
本実施の形態では、加工プログラムに付された連続性情報を用いて加工経路を算出することを特徴とする。以下、本実施の形態について詳しく述べる。
【0059】
図4に示すように、解析部2は、CAM等によって出力された加工プログラムを解析して、ブロックごとに、目標点(終点)、送り速度及び連続性情報(記述されている場合)を抽出する。
【0060】
図5は、連続性を説明するための図である。
【0061】
図中に直線L1、L4と、曲線L2、L3が示されている。
【0062】
曲線L3と直線L4とは接続点CにおいてC0連続(位置連続)である。つまり、接続点Cにおいて、直線L3と曲線L4とはつながっている(位置連続)が、接続点Cにおける、直線L3の接線と曲線L4の接線との方向はそれぞれ異なり(接線不連続)、また、接続点Cにおける、直線L3の曲率と曲線L4の曲率とは異なる(曲率不連続)。このように、位置連続、接線連続、曲率連続のうち、位置連続のみを満たすことを、C0連続(位置連続)という。
【0063】
一方、直線L1と曲線L2とは、接続点Aにおいて、C1連続(接線連続)である。つまり、直線L1と曲線L2とは、接続点Aにおいて、上述の位置連続を満たす。また、接続点Aにおける、直線L1の接線と曲線L2の接線との方向はそれぞれ同一であるので、直線L1と曲線L2とは、接続点Aにおいて、接線連続を満たす。しかし、接続点Aにおける、直線L1の曲率と曲線L2の曲率とは異なるため、曲率連続は満たさない。このように、位置連続、接線連続、曲率連続のうち、位置連続及び接線連続のみ満たすことを、C1連続(接線連続)という。
【0064】
これに対し、曲線L2と曲線L3とは接続点BにおいてC2連続(曲率連続)である。つまり、曲線L2と曲線L3とは、接続点Bにおいて、上述の位置連続を満たす。また、接続点Bにおける、曲線L2の接線と曲線L3の接線との方向はそれぞれ同一であるので、曲線L2と曲線L3とは、接続点Bにおいて、接線連続を満たす。さらに、接続点Bにおける、曲線L2の曲率と曲線L3の曲率とは同一であるので、曲線L2と曲線L3とは、接続点Bにおいて、曲率連続も満たす。このように、位置連続、接線連続及び曲率連続を満たすことを、C2連続(曲率連続)という。本例では、曲線L2の開口と曲線L3の開口とが逆向きであるが、同じ向きでもよい。
【0065】
なお、曲率連続であるときは、接線連続及び位置連続を必然的に満たし、また、接線連続であるときは、位置連続を必然的に満たすという関係がある。
【0066】
図6は、加工プログラム(ブロック(20)〜(31))の一例を示す図である。
【0067】
図6の加工プログラムにおいて、“N〜”“X〜”“Y〜””F〜”“G01”“M02”は上述した通りである。
【0068】
ここで、“P2”は、目標点において加工経路がC2連続(曲率連続)となることを意味する。例えば、ブロック(21)の“P2”は、ブロック(21)による加工経路と、ブロック(22)による加工経路とが、ブロック(21)の目標点(0,0)において、C2連続(曲率連続)となることを意味する。このブロック(21)に付された“P2”は、ブロック(22)〜ブロック(24)にも適用される。また、ブロック(27)に付された“P2”は、ブロック(28)〜ブロック(30)にも適用される。
【0069】
“P0”は、目標点において加工経路がC0連続(位置連続)となることを意味する。例えば、ブロック(25)の“P0”は、ブロック(25)による加工経路と、ブロック(26)による加工経路とが、ブロック(25)の目標点(40,18)において、C0連続(位置連続)となることを意味する。
【0070】
“P1”は、目標点において加工経路がC1連続(接線連続)となることを意味する。例えば、ブロック(26)の“P1”は、ブロック(26)による加工経路と、ブロック(27)による加工経路とが、ブロック(26)の目標点(42,17.5)において、C1連続(接線連続)となることを意味する。
【0071】
解析部2は、加工プログラムから抽出した送り速度を図示しないバッファに格納するとともに、抽出した目標点データ及び連続性情報を、図4に示すように、形状認識部9に送出する。
【0072】
形状認識部9は、解析部2によって抽出された目標点データ(点群データ)及び連続性情報を用いて形状認識を行い、加工経路を算出する。
【0073】
図7は、図6におけるブロック(22)〜ブロック(30)から算出された加工経路を示す図である。なお、ブロック(21)では、図6からも分かるように、所定の基準位置から、プログラム上の原点(0,0)までの加工経路が、算出される。
【0074】
以下、形状認識部9による加工経路の算出について詳しく説明する。
【0075】
図6に示すように、ブロック(22)〜ブロック(24)には、曲率連続情報“P2”が適用される。従って、ブロック(22)〜ブロック(25)では、図7に示すように、目標点t1(0,0)、t2(10,8)、t3(20,13)、t4(30,16)を通過し、且つ、各目標点において曲率連続となる加工経路(ここでは滑らかな曲線)が、算出される。
【0076】
一方、図6に示すように、ブロック(25)には、位置連続情報“P0”が適用される。従って、ブロック(26)では、ブロック(25)の目標点t5(40,18)において位置連続となる加工経路(ここでは直線)が、算出される。
【0077】
これに対し、図6に示すように、ブロック(26)には、接線連続情報“P1”が適用される。従って、ブロック(27)では、ブロック(26)の目標点t6(42,17.5)において接線連続となる加工経路(ここでは滑らかな曲線)が算出される。
【0078】
そして、図6に示すように、ブロック(27)〜ブロック(30)には、曲率連続情報“P2”が適用される。従って、ブロック(28)〜ブロック(30)では、目標点t7(50,16)、t8(60,13)、t9(70,8)を通過し、且つ、各目標点において曲率連続となる加工経路(ここでは滑らかな曲線)が、算出される。なお、ブロック(30)の目標点t10(80,0)は加工の終了点で、これに続く加工経路は存在しないので、ブロック(30)の曲率連続情報“P2”は無視されるものとする。
【0079】
この後は、第1の実施の形態と同様の処理が行われる。
【0080】
すなわち、形状認識部9は、算出した加工経路情報を用いて、周知の方法により、各ブロックに対応する曲率半径を取得する。
【0081】
形状認識部9は、算出した加工経路情報を、図4に示すように、補間部6に送出するとともに、取得した曲率半径を許容速度算出部4に送出する。
【0082】
許容速度算出部4は、第1の実施の形態と同様にして、曲率半径により制限される許容速度を算出し、目標送り速度算出部5に送出する。
【0083】
目標送り速度算出部5は、解析部2から各ブロックの送り速度を受け取り、受け取った送り速度を、許容速度算出部4から受け取った許容速度の範囲内で最適化し、目標送り速度として、補間部6に送出する。
【0084】
補間部6は、形状認識部9から受け取った加工経路情報と、目標送り速度算出部5から受け取った目標送り速度とを用いて、所定のサンプリング時間に従い、X、Y、Z軸の各軸方向の移動量を逐次出力し、図4に示すように、分配部7に送出する。
【0085】
分配部7は、補間部6によって算出された所定のサンプリング周期ごとの各軸方向の移動量を、X、Y、Z軸位置指令として、サーボ系8におけるX軸制御部8a、Y軸制御部8b及びZ軸制御部8cに順次送出する。
【0086】
サーボ系8におけるX、Y、Z軸制御部8a〜8cは、分配部7から受信したX、Y、Z軸位置指令に従って、X、Y、Z軸における各送り軸(図示せず)を駆動し、各送り軸上の移動対象物(図示せず)を移動する。
【0087】
以上のように、本実施の形態によれば、各ブロック間の連続性情報を加工情報として加工プログラムに付加し、この連続性情報に従った加工経路をNC装置に生成させるようにしたので、従来は点群データからNC装置側で推測するしかなかった加工経路をより適正に再現することができる。例えば、C2連続情報(曲率連続情報)を指定することで、指定点において曲率連続となる加工経路を生成することができる。また、C0連続情報(位置連続情報)を指定することで、指定点において位置連続となる加工経路(例えば各ブロックを直線経路で繋いだ加工経路)を生成することができる。また、C1連続情報(接線連続情報)を指定することで、指定点において接線連続となる加工経路(例えば曲線経路と直線経路とを滑らかにつなげた加工経路)を生成することができる。
【0088】
上述では、本発明の第1および第2の実施の形態をそれぞれ別個のものとして説明したが、これらを組み合わせることも当然に可能である。
【0089】
【発明の効果】
本発明によれば、加工プログラムに加工情報として曲率半径情報あるいは連続情報を付するようにしたので、本来の経路情報を適正に再現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態としての数値制御装置の構成を示すブロック図である。
【図2】曲率半径情報を含む加工プログラムの一例を示す図である。
【図3】図2の加工プログラムから算出された加工経路を示す図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態としての数値制御装置の構成を示すブロック図である。
【図5】連続性を説明するための図である。
【図6】連続性情報を含む加工プログラムの一例を示す図である。
【図7】図6の加工プログラムから算出された加工経路を示す図である。
【符号の説明】
1 数値制御装置
2 解析部
3、9 形状認識部
4 許容速度算出部
5 目標送り速度算出部5
6 補間部
7 分配部
8 サーボ系
8a X軸制御部
8b Y軸制御部
8c Z軸制御部
【発明の属する技術分野】
本発明は、数値制御装置及び数値制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
加工プログラムにおいて指令データとして用いられるGコードには、直線指令(G00、G01)、円弧指令(G02、G03)等がある。
【0003】
実際に、自由曲面を加工形成する場合には、加工経路を細かな線分であるブロックに分割し、各ブロックを直線補間する指令(G01)を生成する。そして、NC(Numerical Control)装置が、これらの指令に基づいて独自に形状認識を行い、形状認識結果に基づき加工を行うことが多い。
【0004】
従って、CADにより出力された本来の形状通りにNC装置が形状認識を行うかどうかはまったく保証されていない。
【0005】
一方、形状評価の基準として形状表面の連続性(位置連続、接線連続、曲率連続)があるが、一旦、自由曲面データが点群データに落とされてしまえば、元の情報を点群データから再現するのはほぼ不可能である。
【0006】
【特許文献1】
特開平8−292808号公報
【特許文献2】
特開2001−117617号公報
【特許文献3】
特開2001−216011号公報
【特許文献4】
特開2000−311010号公報
【特許文献5】
特開2000−148223号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、CADにより出力された形状に可及的に近い加工を行うことを可能にする数値制御装置及び数値制御方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の数値制御装置は、加工プログラムを解析して、複数の微少直線ブロックと、前記微少直線ブロックの始点および終点における曲率半径をそれぞれ特定するための曲率半径情報を抽出する解析部と、前記微少直線ブロックの始点および終点においてそれぞれ前記曲率半径を有する加工経路を各前記微少直線ブロックに対して算出する加工経路算出部と、算出された前記加工経路を用いて、前記加工経路に沿った補間データを逐次出力する補間部と、を備えることを特徴とする。
【0009】
本発明の第2の数値制御装置は、第1の数値制御装置において、前記始点および終点における前記曲率半径がそれぞれ直線の曲率半径である場合は、前記加工経路算出部が、前記加工経路として、直線経路を算出することを特徴とする。
【0010】
本発明の第3の数値制御装置は、第1又は第2の数値制御装置において、前記始点および終点における前記曲率半径がそれぞれ同一で且つ直線の曲率半径以外のものである場合は、前記加工経路算出部は、前記加工経路として、前記曲率半径を有する円弧を算出することを特徴とする。
【0011】
本発明の第4の数値制御装置は、加工プログラムを解析して、複数の微少直線ブロックと、隣接する前記微少直線ブロック同士の接続点での連続性を示す連続性情報であって、位置連続情報、接線連続情報及び曲率連続情報のいずれかを有する連続性情報を抽出する解析部と、前記接続点にて前記連続性情報を満たす加工経路を各前記微少直線ブロックに対して算出する加工経路算出部と、算出された前記加工経路に沿った加工を行う補間データを逐次出力する補間部と、を備えることを特徴とする。
【0012】
本発明の第1の数値制御方法は、加工プログラムを解析して、複数の微少直線ブロックと、前記微少直線ブロックの始点および終点における曲率半径をそれぞれ特定するための曲率半径情報を抽出し、前記微少直線ブロックの始点および終点においてそれぞれ前記曲率半径を有する加工経路を前記微少直線ブロックに対して算出し、算出された前記加工経路を用いて、前記加工経路に沿った補間データを逐次出力することを特徴とする。
【0013】
本発明の第2の数値制御方法は、加工プログラムを解析して、複数の微少直線ブロックと、隣接する前記微少直線ブロック同士の接続点での連続性を示す連続性情報であって、位置連続情報、接線連続情報及び曲率連続情報のいずれかを有する連続性情報を抽出し、前記接続点にて前記連続性情報を満たす加工経路を各前記微少直線ブロックに対して算出し、算出された前記加工経路に沿った加工を行う補間データを逐次出力することを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら、本実施の形態について説明する。
【0015】
図1は、本発明の第1の実施の形態としての数値制御装置の構成を示すブロック図である。
【0016】
この数値制御装置1は、供給された加工プログラム(NCプログラム)からX、Y、Z軸の各軸方向の移動データを取得し、取得した各軸方向の移動データを用いて各軸の移動を制御するものである。
【0017】
以下、この数値制御装置1について詳しく説明する。
【0018】
図1に示すように、解析部2は、CAM等によって出力された加工プログラムを解析して、ブロックごとに、目標点(終点)、送り速度及び曲率半径情報(記述されている場合)を抽出する。
【0019】
図2は、加工プログラム(ブロック(0)〜(12))の一例を示す図である。
【0020】
この加工プログラムにおいて、“N〜”はシーケンス番号を示す。例えば“N01”はシーケンス番号が1であることを示す。
【0021】
“X〜”“Y〜”は目標点(目標座標)を示す。例えば、ブロック(1)における“X0 Y0”は目標点が(0,0)であることを示す。
【0022】
”F”は切削送り速度(mm/分)を示す。例えば、ブロック(0)における“F10000”は、切削送り速度が10000(mm/分)であることを示す。このブロック(0)の“F10000”は、以降のブロック(1)〜ブロック(11)に対しても適用される。
【0023】
“G01”は直線補間指令を示し、“M02”はプログラムの終わりを指示する。
【0024】
ここで、“Q〜”は、ブロックの始点および終点における曲率半径を特定するための曲率半径情報である。図中、ブロック(1)の“Q0”はブロック(2)にも適用される。また、ブロック(3)の“Q5”は、ブロック(4)〜ブロック(5)にも適用される。同様に、ブロック(6)の“Q0”は、ブロック(7)〜ブロック(11)にも適用される。
【0025】
例えば、ブロック(3)の“Q5”は、ブロック(3)が、始点(100,0)および目標点(101,1)において曲率半径5(mm)を有する加工経路(例えば、曲率半径が5の円弧)に近似されることを意味する。
【0026】
また、例えば、ブロック(6)の“Q0”は、ブロック(6)が、始点(103,0)および目標点(200,0)において曲率半径無限大を有する加工経路(例えば直線)に近似されることを意味する。但し、本実施の形態においては、曲率半径の無限大を“Q0”と表現する。
【0027】
ここでは、始点及び目標点における曲率半径としてそれぞれ同一の値を指定しているが、それぞれ別個の値を指定するようにしてもよい。その場合、例えば、“Q15,Q26”などとして、始点における曲率半径5,目標点における曲率半径6を指定する。
【0028】
以上のような加工プログラムを解析部2は解析して、各ブロックの目標点データ、送り速度及び曲率半径情報を抽出する。
【0029】
但し、解析部2は、図2のブロック(0)においては、付記された送り速度“F10000”を取得する。また、解析部2は、ブロック(12)を受け取った場合は、“M02”に従って、処理を終了する。
【0030】
解析部2は、以上のようにして抽出した送り速度を、図示しないバッファ内に格納するとともに、抽出した目標点データ及び曲率半径情報を、図1に示すように、形状認識部3に送出する。
【0031】
形状認識部3は、解析部2から受け取った目標点データ及び曲率半径情報を用いて形状認識を行い、加工経路を算出する。
【0032】
図3(a)及び図3(b)は、図2のブロック(2)〜ブロック(6)、及びブロック(7)〜ブロック(11)に基づき算出された加工経路を示す図である。なお、ブロック(1)では、所定の基準位置から、プログラム上の原点s1(0,0)までの加工経路が算出される。
【0033】
図3(a)及び図3(b)を対比して分かるように、この加工経路は、同じ点列を往復するものであるが、行き(図3(a)参照)ではブロック(3)〜ブロック(5)において円弧が算出され、一方、帰り(図3(b)参照)では、対応するブロック(8)〜ブロック(10)において、台形形状が算出される。
【0034】
以下、形状認識部3による加工経路の算出について詳しく説明する。
【0035】
図3に示すように、ブロック(2)から算出される加工経路は、原点s1(0,0)と目標点s2(100,0)を結ぶ直線経路である。つまり、ブロック(2)には“Q0”が付されているので、ブロック(2)では、始点s1(0,0)及び目標点s2(100,0)においてそれぞれ曲率半径無限大を有する加工経路(ここでは直線)が算出される。
【0036】
ブロック(3)から算出される加工経路は、始点s2(100,0)と目標点s3(101,1)とを結ぶ、曲率半径5の円弧である。つまり、ブロック(3)には“Q5”が適用されるので、ブロック(3)では、始点s2(100,0)及び目標点s3(101,1)においてそれぞれ曲率半径5を有する加工経路(ここでは曲率半径5の円弧)が算出される。
【0037】
ブロック(4)から算出される加工経路は、始点s3(101,1)と目標点s4(102,1)とを結ぶ、曲率半径5の円弧である。つまり、ブロック(4)には“Q5”が適用されるので、ブロック(4)では、始点s3(101,1)及び目標点s4(102,1)においてそれぞれ曲率半径5を有する加工経路(ここでは曲率半径5の円弧)が算出される。
【0038】
ブロック(5)から算出される加工経路は、始点s4(102,1)と目標点s5(103,0)とを結ぶ、曲率半径5の円弧である。つまり、ブロック(5)には“Q5”が適用されるので、ブロック(5)では、始点s4(102,1)及び目標点s5(103,0)においてそれぞれ曲率半径5を有する加工経路(ここでは曲率半径5の円弧)が算出される。
【0039】
ブロック(6)から算出される加工経路は、始点s5(103,0)と目標点s6(200,0)とを結ぶ、直線経路である。つまり、ブロック(6)には“Q0”が付されているので、ブロック(6)では、始点s5(103,0)及び目標点s6(200,0)においてそれぞれ曲率半径無限大を有する加工経路(ここでは直線)が算出される。
【0040】
ブロック(7)〜ブロック(11)には、いずれも“Q0”が適用されるため、各ブロック(7)〜ブロック(11)では、それぞれ、始点および目標点において曲率半径無限大を有する加工経路(ここでは直線)が算出される。
【0041】
形状認識部3は、以上のようにして算出した加工経路の情報(加工経路情報)を用いて、周知の方法により、各ブロックに対応する曲率半径を取得する。
【0042】
形状認識部3は、算出した加工経路情報を、図1に示すように、後述する補間部6に送出するとともに、取得した曲率半径を許容速度算出部4に送出する。
【0043】
曲率半径を受け取った許容速度算出部4は、曲率半径により制限される許容速度を算出する。
【0044】
具体的には、許容速度算出部4は、曲率半径と許容誤差量(切削時に許容される最大の経路誤差)とによって制限される許容速度を以下の(式1)を用いて算出する。また、許容速度算出部4は、曲率半径と設定加速度(切削時に許容される最大の加速度)とによって制限される許容速度を以下の(式2)を用いて算出する。
【0045】
【数1】
【0046】
許容速度算出部4は、算出した許容速度のうち、小さい値を有する方を最終的な許容速度として出力し、図1に示すように、目標送り速度算出部5に送出する。
【0047】
目標送り速度算出部5は、解析部2から各ブロックの送り速度を受け取り、受け取った送り速度を、許容速度算出部4から受け取った許容速度の範囲内で最適化し、目標送り速度として出力する。
【0048】
より詳しくは、目標送り速度算出部5は、解析部2から取得した送り速度と、許容速度算出部4から受け取った許容速度とを比較する。そして、目標送り速度算出部5は、送り速度が許容速度以下であると判断すれば、この送り速度を目標送り速度として出力する。
【0049】
一方、目標送り速度算出部5は、送り速度が許容速度よりも大きいと判断すれば、この送り速度を、許容速度を超えない範囲内で最適化したものを目標送り速度として出力する。この目標送り速度を許容速度と同じにすることが好ましい。
【0050】
目標送り速度算出部5は、以上のようにして出力した目標送り速度を、図1に示すように、補間部6に送出する。
【0051】
補間部6は、形状認識部3から受け取った加工経路情報と、目標送り速度算出部5から受け取った目標送り速度とを用いて、所定のサンプリング時間に従い、X、Y、Z軸の各軸方向の移動量を逐次出力する。
【0052】
補間部6は、出力した各軸方向の移動量を、図1に示すように、分配部7に送出する。
【0053】
分配部7は、補間部6から受け取った所定のサンプリング周期ごとの各軸方向の移動量を、X、Y、Z軸位置指令として、サーボ系8におけるX軸制御部8a、Y軸制御部8b及びZ軸制御部8cに順次送出する。
【0054】
サーボ系8におけるX、Y、Z軸制御部8a〜8cは、分配部7から受信したX、Y、Z軸位置指令に従って、X、Y、Z軸における各送り軸(図示せず)を駆動し、各送り軸上の移動対象物(図示せず)を移動する。
【0055】
本実施の形態では、各ブロックの始点及び目標点における曲率半径を特定するため、曲率半径を直接、指定したが、この他、例えば、始点及び目標点における曲率(曲率半径の逆数)を指定することにより、曲率半径を特定するようにしてもよい。
【0056】
以上のように、本実施の形態によれば、各ブロックに対して加工情報として曲率半径情報を付加することで、各ブロックの始点及び目標点において指定の曲率半径を有する加工経路を算出するようにしたので、従来は点群データからNC装置側で推測するしかなかった加工経路をより適正に再現することができる。
【0057】
図4は、本発明の第2の実施の形態としての数値制御装置の構成を示すブロック図である。
【0058】
本実施の形態では、加工プログラムに付された連続性情報を用いて加工経路を算出することを特徴とする。以下、本実施の形態について詳しく述べる。
【0059】
図4に示すように、解析部2は、CAM等によって出力された加工プログラムを解析して、ブロックごとに、目標点(終点)、送り速度及び連続性情報(記述されている場合)を抽出する。
【0060】
図5は、連続性を説明するための図である。
【0061】
図中に直線L1、L4と、曲線L2、L3が示されている。
【0062】
曲線L3と直線L4とは接続点CにおいてC0連続(位置連続)である。つまり、接続点Cにおいて、直線L3と曲線L4とはつながっている(位置連続)が、接続点Cにおける、直線L3の接線と曲線L4の接線との方向はそれぞれ異なり(接線不連続)、また、接続点Cにおける、直線L3の曲率と曲線L4の曲率とは異なる(曲率不連続)。このように、位置連続、接線連続、曲率連続のうち、位置連続のみを満たすことを、C0連続(位置連続)という。
【0063】
一方、直線L1と曲線L2とは、接続点Aにおいて、C1連続(接線連続)である。つまり、直線L1と曲線L2とは、接続点Aにおいて、上述の位置連続を満たす。また、接続点Aにおける、直線L1の接線と曲線L2の接線との方向はそれぞれ同一であるので、直線L1と曲線L2とは、接続点Aにおいて、接線連続を満たす。しかし、接続点Aにおける、直線L1の曲率と曲線L2の曲率とは異なるため、曲率連続は満たさない。このように、位置連続、接線連続、曲率連続のうち、位置連続及び接線連続のみ満たすことを、C1連続(接線連続)という。
【0064】
これに対し、曲線L2と曲線L3とは接続点BにおいてC2連続(曲率連続)である。つまり、曲線L2と曲線L3とは、接続点Bにおいて、上述の位置連続を満たす。また、接続点Bにおける、曲線L2の接線と曲線L3の接線との方向はそれぞれ同一であるので、曲線L2と曲線L3とは、接続点Bにおいて、接線連続を満たす。さらに、接続点Bにおける、曲線L2の曲率と曲線L3の曲率とは同一であるので、曲線L2と曲線L3とは、接続点Bにおいて、曲率連続も満たす。このように、位置連続、接線連続及び曲率連続を満たすことを、C2連続(曲率連続)という。本例では、曲線L2の開口と曲線L3の開口とが逆向きであるが、同じ向きでもよい。
【0065】
なお、曲率連続であるときは、接線連続及び位置連続を必然的に満たし、また、接線連続であるときは、位置連続を必然的に満たすという関係がある。
【0066】
図6は、加工プログラム(ブロック(20)〜(31))の一例を示す図である。
【0067】
図6の加工プログラムにおいて、“N〜”“X〜”“Y〜””F〜”“G01”“M02”は上述した通りである。
【0068】
ここで、“P2”は、目標点において加工経路がC2連続(曲率連続)となることを意味する。例えば、ブロック(21)の“P2”は、ブロック(21)による加工経路と、ブロック(22)による加工経路とが、ブロック(21)の目標点(0,0)において、C2連続(曲率連続)となることを意味する。このブロック(21)に付された“P2”は、ブロック(22)〜ブロック(24)にも適用される。また、ブロック(27)に付された“P2”は、ブロック(28)〜ブロック(30)にも適用される。
【0069】
“P0”は、目標点において加工経路がC0連続(位置連続)となることを意味する。例えば、ブロック(25)の“P0”は、ブロック(25)による加工経路と、ブロック(26)による加工経路とが、ブロック(25)の目標点(40,18)において、C0連続(位置連続)となることを意味する。
【0070】
“P1”は、目標点において加工経路がC1連続(接線連続)となることを意味する。例えば、ブロック(26)の“P1”は、ブロック(26)による加工経路と、ブロック(27)による加工経路とが、ブロック(26)の目標点(42,17.5)において、C1連続(接線連続)となることを意味する。
【0071】
解析部2は、加工プログラムから抽出した送り速度を図示しないバッファに格納するとともに、抽出した目標点データ及び連続性情報を、図4に示すように、形状認識部9に送出する。
【0072】
形状認識部9は、解析部2によって抽出された目標点データ(点群データ)及び連続性情報を用いて形状認識を行い、加工経路を算出する。
【0073】
図7は、図6におけるブロック(22)〜ブロック(30)から算出された加工経路を示す図である。なお、ブロック(21)では、図6からも分かるように、所定の基準位置から、プログラム上の原点(0,0)までの加工経路が、算出される。
【0074】
以下、形状認識部9による加工経路の算出について詳しく説明する。
【0075】
図6に示すように、ブロック(22)〜ブロック(24)には、曲率連続情報“P2”が適用される。従って、ブロック(22)〜ブロック(25)では、図7に示すように、目標点t1(0,0)、t2(10,8)、t3(20,13)、t4(30,16)を通過し、且つ、各目標点において曲率連続となる加工経路(ここでは滑らかな曲線)が、算出される。
【0076】
一方、図6に示すように、ブロック(25)には、位置連続情報“P0”が適用される。従って、ブロック(26)では、ブロック(25)の目標点t5(40,18)において位置連続となる加工経路(ここでは直線)が、算出される。
【0077】
これに対し、図6に示すように、ブロック(26)には、接線連続情報“P1”が適用される。従って、ブロック(27)では、ブロック(26)の目標点t6(42,17.5)において接線連続となる加工経路(ここでは滑らかな曲線)が算出される。
【0078】
そして、図6に示すように、ブロック(27)〜ブロック(30)には、曲率連続情報“P2”が適用される。従って、ブロック(28)〜ブロック(30)では、目標点t7(50,16)、t8(60,13)、t9(70,8)を通過し、且つ、各目標点において曲率連続となる加工経路(ここでは滑らかな曲線)が、算出される。なお、ブロック(30)の目標点t10(80,0)は加工の終了点で、これに続く加工経路は存在しないので、ブロック(30)の曲率連続情報“P2”は無視されるものとする。
【0079】
この後は、第1の実施の形態と同様の処理が行われる。
【0080】
すなわち、形状認識部9は、算出した加工経路情報を用いて、周知の方法により、各ブロックに対応する曲率半径を取得する。
【0081】
形状認識部9は、算出した加工経路情報を、図4に示すように、補間部6に送出するとともに、取得した曲率半径を許容速度算出部4に送出する。
【0082】
許容速度算出部4は、第1の実施の形態と同様にして、曲率半径により制限される許容速度を算出し、目標送り速度算出部5に送出する。
【0083】
目標送り速度算出部5は、解析部2から各ブロックの送り速度を受け取り、受け取った送り速度を、許容速度算出部4から受け取った許容速度の範囲内で最適化し、目標送り速度として、補間部6に送出する。
【0084】
補間部6は、形状認識部9から受け取った加工経路情報と、目標送り速度算出部5から受け取った目標送り速度とを用いて、所定のサンプリング時間に従い、X、Y、Z軸の各軸方向の移動量を逐次出力し、図4に示すように、分配部7に送出する。
【0085】
分配部7は、補間部6によって算出された所定のサンプリング周期ごとの各軸方向の移動量を、X、Y、Z軸位置指令として、サーボ系8におけるX軸制御部8a、Y軸制御部8b及びZ軸制御部8cに順次送出する。
【0086】
サーボ系8におけるX、Y、Z軸制御部8a〜8cは、分配部7から受信したX、Y、Z軸位置指令に従って、X、Y、Z軸における各送り軸(図示せず)を駆動し、各送り軸上の移動対象物(図示せず)を移動する。
【0087】
以上のように、本実施の形態によれば、各ブロック間の連続性情報を加工情報として加工プログラムに付加し、この連続性情報に従った加工経路をNC装置に生成させるようにしたので、従来は点群データからNC装置側で推測するしかなかった加工経路をより適正に再現することができる。例えば、C2連続情報(曲率連続情報)を指定することで、指定点において曲率連続となる加工経路を生成することができる。また、C0連続情報(位置連続情報)を指定することで、指定点において位置連続となる加工経路(例えば各ブロックを直線経路で繋いだ加工経路)を生成することができる。また、C1連続情報(接線連続情報)を指定することで、指定点において接線連続となる加工経路(例えば曲線経路と直線経路とを滑らかにつなげた加工経路)を生成することができる。
【0088】
上述では、本発明の第1および第2の実施の形態をそれぞれ別個のものとして説明したが、これらを組み合わせることも当然に可能である。
【0089】
【発明の効果】
本発明によれば、加工プログラムに加工情報として曲率半径情報あるいは連続情報を付するようにしたので、本来の経路情報を適正に再現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態としての数値制御装置の構成を示すブロック図である。
【図2】曲率半径情報を含む加工プログラムの一例を示す図である。
【図3】図2の加工プログラムから算出された加工経路を示す図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態としての数値制御装置の構成を示すブロック図である。
【図5】連続性を説明するための図である。
【図6】連続性情報を含む加工プログラムの一例を示す図である。
【図7】図6の加工プログラムから算出された加工経路を示す図である。
【符号の説明】
1 数値制御装置
2 解析部
3、9 形状認識部
4 許容速度算出部
5 目標送り速度算出部5
6 補間部
7 分配部
8 サーボ系
8a X軸制御部
8b Y軸制御部
8c Z軸制御部
Claims (6)
- 加工プログラムを解析して、複数の微少直線ブロックと、前記微少直線ブロックの始点および終点における曲率半径をそれぞれ特定するための曲率半径情報を抽出する解析部と、
前記微少直線ブロックの始点および終点においてそれぞれ前記曲率半径を有する加工経路を前記微少直線ブロックに対して算出する加工経路算出部と、
算出された前記加工経路を用いて、前記加工経路に沿った補間データを逐次出力する補間部と、
を備えることを特徴とする数値制御装置。 - 前記加工経路算出部は、前記始点および終点における前記曲率半径がそれぞれ直線の曲率半径である場合は、前記加工経路として、直線経路を算出することを特徴とする請求項1に記載の数値制御装置。
- 前記加工経路算出部は、前記始点および終点における前記曲率半径がそれぞれ同一で且つ直線の曲率半径以外のものである場合は、前記加工経路として、前記曲率半径を有する円弧を算出することを特徴とする請求項1又は2に記載の数値制御装置。
- 加工プログラムを解析して、複数の微少直線ブロックと、前記微少直線ブロックの始点および終点における曲率半径をそれぞれ特定するための曲率半径情報を抽出し、
前記微少直線ブロックの始点および終点においてそれぞれ前記曲率半径を有する加工経路を前記微少直線ブロックに対して算出し、
算出された前記加工経路を用いて、前記加工経路に沿った補間データを逐次出力することを特徴とする数値制御方法。 - 加工プログラムを解析して、複数の微少直線ブロックと、隣接する前記微少直線ブロック同士の接続点での連続性を示す連続性情報であって、位置連続情報、接線連続情報及び曲率連続情報のいずれかを有する連続性情報を抽出する解析部と、
前記接続点にて前記連続性情報を満たす加工経路を各前記微少直線ブロックに対して算出する加工経路算出部と、
算出された前記加工経路に沿った加工を行う補間データを逐次出力する補間部と、
を備えることを特徴とする数値制御装置。 - 加工プログラムを解析して、複数の微少直線ブロックと、隣接する前記微少直線ブロック同士の接続点での連続性を示す連続性情報であって、位置連続情報、接線連続情報及び曲率連続情報のいずれかを有する連続性情報を抽出し、
前記接続点にて前記連続性情報を満たす加工経路を各前記微少直線ブロックに対して算出し、
算出された前記加工経路に沿った加工を行う補間データを逐次出力することを特徴とする数値制御方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003176631A JP2005011204A (ja) | 2003-06-20 | 2003-06-20 | 数値制御装置及び数値制御方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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