JP2005011134A - マイコンシステムおよびプログラムダウンロード方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ダウンロード専用のマイコンを設けないでプログラムのダウンロードを行えるマイコンシステムを提供する。
【解決手段】マイコンシステム10は、複数のマイコン12,18,24と、複数のマイコン12,18,24のそれぞれにバス16,22,28によって接続されると共に各マイコン12,18,24を動作させるプログラムを記録するための複数のフラッシュロム14,20,26を備える。フラッシュロム14,20,26にダウンロードするプログラムを入力するためのプログラムインターフェース部30が一のマイコン12のバス16に接続される。また、それぞれのバス16,22,28に接続されたレジスタ36を有する。レジスタ36にはプログラムインターフェース部30から一のマイコン12に送信されたプログラムが書き込まれ、レジスタ36に書き込まれたプログラムは他のマイコン18,24により読み出すことができる。
【選択図】 図1
【解決手段】マイコンシステム10は、複数のマイコン12,18,24と、複数のマイコン12,18,24のそれぞれにバス16,22,28によって接続されると共に各マイコン12,18,24を動作させるプログラムを記録するための複数のフラッシュロム14,20,26を備える。フラッシュロム14,20,26にダウンロードするプログラムを入力するためのプログラムインターフェース部30が一のマイコン12のバス16に接続される。また、それぞれのバス16,22,28に接続されたレジスタ36を有する。レジスタ36にはプログラムインターフェース部30から一のマイコン12に送信されたプログラムが書き込まれ、レジスタ36に書き込まれたプログラムは他のマイコン18,24により読み出すことができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数のマイコンを備えるマイコンシステムおよびマイコンシステムにプログラムをダウンロードする方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から複数のチャネルのそれぞれにマイコンを備えたマイコンシステムが存在する。例えば、エンコード装置は、ビデオ・エンコード、オーディオ・エンコード、システム・エンコード、画像前処理のそれぞれを実行するマイコンを備えたマイコンシステムである。また、マイコンシステムのメンテナンス機能として、プログラムのダウンロード技術が知られている。プログラムダウンロードは、例えば、ソフトウェアをバージョンアップするときに行われる。
【0003】
従来、複数のマイコンを備えたマイコンシステムでは、それぞれのマイコンにプログラムをダウンロードするために、マスタマイコンが設けられていた。この点について図7を参照して説明する。
【0004】
図7は、プログラムダウンロード可能な従来のマイコンシステムの例を示す図である。図7に示すように、マイコンシステム50は、マイコンシステム50の各機能を実現するマイコン12,18,24を備え、それぞれのマイコン12,18,24を動作させるプログラムを記録するためのフラッシュロム14,20,26がバス16,22,28により接続されている。各マイコン12,18,26のバス16,22,28はFPGA32に接続される。従来のマイコンシステム50は、プログラムのダウンロード対象となるマイコン12,18,24のほかに、プログラムデータI/F部30およびFPGA32にバス42により接続されたマスタマイコン40を備えていた。そして、プログラムダウンロードの際には、プログラムデータI/F部30は、プログラムをマスタマイコン40に送信する。その後、マスタマイコン40がFPGA32のCPUインターフェース部44を通じてプログラムを各マイコン12,18,24に送信することにより、プログラムのダウンロードを実現していた。
【0005】
また、特許文献1には、複数の装置にプログラムをダウンロードする方法が記載されている。この文献に記載された方法では、複数の下位装置にプログラムをダウンロードするために上位装置が用いられる。そして、上位装置が下位装置との間の通信路を監視し、空きタイムスロットを利用してプログラムのダウンロードを行う。
【0006】
【特許文献1】特開平2002−312274号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記したダウンロード方法はいずれも、プログラムをダウンロードする対象のマイコン(下位装置)以外にダウンロードを管理するマスタマイコン(上位装置)を設けていたので、マスタマイコンの分だけ実装面積が増大し、またコストアップにもつながっていた。
【0008】
そこで、本発明は上記の問題点に鑑みて、プログラムダウンロードの対象のマイコン以外のマスタマイコンを設けないでプログラムをダウンロード可能なマイコンシステムおよびプログラムダウンロード方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るマイコンシステムは、複数のマイコンと、複数のマイコンのそれぞれに、異なるバスによって接続されると共にマイコンのそれぞれを動作させるプログラムを記録するための複数の不揮発性メモリと、複数のマイコンのうちの一のマイコンのバスに接続されると共に不揮発性メモリにダウンロードするプログラムが入力され、入力されたプログラムを一のマイコンに送信するプログラムインターフェース部と、複数のマイコンがそれぞれ接続されるバスに接続されると共に、一のマイコンにより受信したプログラムが書き込まれ、かつそのプログラムが他のマイコンにより読み出されるレジスタと、を備える。
【0010】
このように複数のマイコンのそれぞれのバスに接続されたレジスタを有するので、複数のマイコンのうちの一のマイコンが受信したプログラムをレジスタに書き込むことにより、プログラムを他のマイコンにより読み出すことができる。一のマイコンにマスタマイコンとしての役割を持たせることにより、ダウンロード専用のマスタマイコンを設けない構成でプログラムダウンロードを行えるマイコンシステムを実現できる。また、マスタマイコンを設けないので、最初にプログラムを受信するマイコンを選択可能な構成とすることができる。これにより、一のマイコンが故障した場合には、他のマイコンのうちのいずれかのマイコンによりプログラムを受信し、受信したプログラムをレジスタに書き込むことにより、プログラムのダウンロードが可能となる。なお、プログラムを記録するための不揮発性メモリには、データ書き換え可能なフラッシュロムを用いることができる。
【0011】
好ましくは、一のマイコンは、受信中のプログラムを蓄積するメモリ領域を備える。
【0012】
この構成により、一のマイコンにおいて、プログラムインターフェース部より少しずつ送信されるプログラムを不揮発性メモリとは異なるメモリ領域に蓄積できる。そして、ダウンロードすべきプログラムを受信し終えた時点で不揮発性メモリに書き込むことが可能となる。従って、不揮発性メモリの消去および書込みの動作を一括して行うことができ、不揮発性メモリの占有時間を短縮可能である。
【0013】
好ましくは、他のマイコンは、読出し中のプログラムを蓄積するメモリ領域を備える。
【0014】
この構成により、他のマイコンにおいて、一のマイコンにより少しずつ書き込まれるプログラムを不揮発性メモリとは異なるメモリ領域に蓄積できる。そして、ダウンロードすべきプログラムを読み出し終えた時点で不揮発性メモリに書き込むことが可能となる。従って、不揮発性メモリの消去および書込みの動作を一括して行うことができ、不揮発性メモリの占有時間を短縮可能である。
【0015】
好ましくは、マイコンは、不揮発性メモリに記録されたプログラムを実行するメモリ領域を備える。
【0016】
不揮発性メモリと異なるメモリ領域でプログラムを実行することにより、不揮発性メモリの書換えの際に、実行中のプログラムがハングアップする事態の発生を防止できる。
【0017】
好ましくは、本発明のマイコンシステムは、一のマイコンにより他のマイコンに割り込みを発生させる割り込み発生回路をさらに備える。
【0018】
この構成により、一のマイコンは、レジスタにプログラムを書き込んだことを割り込みにより他のマイコンに通知できる。他のマイコンはこの割り込みをトリガとしてレジスタからプログラムを読み出すことができる。従って、一のマイコンと他のマイコンはほぼ同じタイミングでプログラムを取得可能となる。また、レジスタに書き込まれたプログラムを速やかに読み出すことにより、プログラムダウンロードに要する時間を短縮できる。
【0019】
好ましくは、他のマイコンが、レジスタにプログラムが書き込まれたか否かを監視する。
【0020】
この構成により、他のマイコンは、レジスタにプログラムが書き込まれたときに速やかにレジスタからデータを読み出すことが可能となる。
【0021】
好ましくは、他のマイコンがレジスタにアクセス中か否かを一のマイコンにより監視する。
【0022】
この構成により、他のマイコンがレジスタにアクセスしている間は、前記一のマイコンによるプログラムの書込みを停止することができる。これにより、他のマイコンによって読出し中のプログラムへの新たなプログラムの上書きを防止できる。
【0023】
本発明に係るプログラムダウンロード方法は、複数のマイコンと、複数のマイコンのそれぞれに、異なるバスによって接続されると共にマイコンのそれぞれを動作させるプログラムを記録するための複数の不揮発性メモリと、を備えるマイコンシステムにプログラムをダウンロードする方法であって、複数のマイコンのうちの一のマイコンのバスに接続されたプログラムインターフェース部に入力されたプログラムを一のマイコンに送信するステップと、一のマイコンが受信したプログラムを、複数のマイコンがそれぞれ接続された複数のバスに接続されたレジスタに書き込む書込みステップと、レジスタに書き込まれたプログラムを他のマイコンが読み出す読出しステップと、一のマイコンがプログラムインターフェース部から受信したプログラムを不揮発性メモリに記録する第1の記録ステップと、他のマイコンがレジスタから読み出したプログラムを不揮発性メモリに記録する第2の記録ステップと、を有する。
【0024】
このように複数のマイコンのうちの一のマイコンが受信したプログラムを他のマイコンからもアクセス可能なレジスタに書き込むことにより、プログラムを他のマイコンにより読み出すことができる。一のマイコンにマスタマイコンとしての役割を持たせることにより、ダウンロード専用のマスタマイコンを用いないでプログラムダウンロードを行える。また、マスタマイコンを用いないので、最初にプログラムを受信するマイコンを選択可能とすることができる。これにより、一のマイコンが故障した場合には、他のマイコンのうちのいずれかのマイコンによりプログラムを受信し、受信したプログラムをレジスタに書き込むことにより、プログラムのダウンロードが可能となる。
【0025】
好ましくは、第1の記録ステップは、受信中のプログラムを不揮発性メモリと異なるメモリ領域に記録するステップと、ダウンロードすべきプログラムを受信した後にメモリ領域に記録されたプログラムを不揮発性メモリに書き込むステップと、を有する。
【0026】
この方法により、不揮発性メモリの消去および書込みの動作を一括して行うことができ、不揮発性メモリの占有時間を短縮可能である。
【0027】
好ましくは、第2の記録ステップは、読出し中のプログラムを不揮発性メモリと異なるメモリ領域に記録するステップと、ダウンロードすべきプログラムを読み出した後にメモリ領域に記録されたプログラムを不揮発性メモリに書き込むステップと、を有する。
【0028】
この方法により、不揮発性メモリの消去および書込みの動作を一括して行うことができ、不揮発性メモリの占有時間を短縮可能である。
【0029】
好ましくは、第1の記録ステップ実行中に、一のマイコンが、不揮発性メモリに記録されたプログラムを不揮発性メモリと異なるメモリ領域において実行する。また第2の記録ステップ実行中に、他のマイコンが、不揮発性メモリに記録されたプログラムを不揮発性メモリと異なるメモリ領域において実行する。
【0030】
不揮発性メモリへのプログラム記録中に、不揮発性メモリと異なるメモリ領域でプログラムを実行することにより、不揮発性メモリの書換えの際に、実行中のプログラムがハングアップする事態の発生を防止できる。
【0031】
好ましくは、本発明のプログラムダウンロード方法は、レジスタへのプログラムの書込みに応じて、一のマイコンが他のマイコンにプログラムの書込みを知らせる割り込みを発生させるステップを有する。
【0032】
これにより、他のマイコンは割り込みをトリガとしてレジスタからプログラムを読み出すことができる。従って、一のマイコンと他のマイコンはほぼ同じタイミングでプログラムを取得可能となる。また、レジスタに書き込まれたプログラムを速やかに読み出すことにより、プログラムダウンロードに要する時間を短縮できる。
【0033】
好ましくは、レジスタにプログラムが書き込まれたか否かを他のマイコンにより監視するステップをさらに有し、レジスタにプログラムが書き込まれた後に、読出しステップを実行する。
【0034】
これにより、他のマイコンは、レジスタにプログラムが書き込まれたときに速やかにレジスタからデータを読み出すことができる。
【0035】
好ましくは、他のマイコンがレジスタにアクセス中か否かを一のマイコンにより監視するステップをさらに有し、他のマイコンがレジスタにアクセスしていないときに書込みステップを実行する。
【0036】
これにより、他のマイコンがレジスタにアクセスしている間は、前記一のマイコンによるプログラムの書込みを停止し、他のマイコンによって読出し中のプログラムへの新たなプログラムの上書きを防止できる。
【0037】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態に係るマイコンシステム10について図面を参照しながら説明する。可能な場合には、同一の部分には同一の符号を付して重複する説明を省略する。
【0038】
図1は、実施形態に係るマイコンシステムの構成を示すブロック図である。マイコンシステム10は、マイコン12、18、24を有する。それぞれのマイコン12、18、24は、プログラムがダウンロードされる対象のマイコンである。ここでは、マイコンシステム10は3個のマイコン12、18、24を備えているが、マイコンの数は3個に限定されない。
【0039】
マイコン12には、マイコン12を動作させるプログラムを記録するためのフラッシュロム14がバス16により接続されている。マイコン12は、フラッシュロム14に記録されたプログラムをマイコン12のメモリ領域に書き込んで、そのメモリ領域においてプログラムを実行する。マイコン18にも同様のフラッシュロム20がバス22により接続され、マイコン24にも同様のフラッシュロム26がバス28により接続されている。
【0040】
マイコンシステム10は、ダウンロードされるべきプログラムを入力するためのプログラムデータI/F部30を有する。プログラムデータI/F部30は、マイコン12のバス16に接続されている。プログラムデータI/F部30は、入力されたプログラムをバス16を通じてマイコン12に送信する。マイコン12は、他のマイコン18、24と異なり、プログラムデータI/F部30から直接にプログラムデータを受信可能である。
【0041】
また、マイコンシステム10は、それぞれのバス16、22、28に接続されたFPGA(Field Programmable Gate Array)32を有する。FPGA32は、割り込み発生回路34およびレジスタ36を含む。割り込み発生回路34は、マイコン12によりマイコン18又はマイコン24に割り込みを発生させる回路である。レジスタ36は、マイコン12とマイコン18のみがアクセス可能な個別マイコン用領域36aと、マイコン12およびマイコン24のみがアクセス可能な個別マイコン用領域36bを有する。この個別マイコン用領域36a,36bは、プログラムデータI/F部30が接続されていないマイコン18,24がプログラムデータを読み出すための領域である。従って、個別マイコン用領域は、マイコンシステム10が有するマイコンのうち、プログラムデータI/F部30に接続されていないマイコンの数と同じ数だけ設けられる。
【0042】
次に、本実施形態のマイコンシステム10によるプログラムのダウンロード方法について説明する。
【0043】
図2はマイコンシステム10にプログラムをダウンロードする動作を示すフローチャート、図3はプログラムダウンロード時におけるマイコンシステム10の各要素間のデータの流れを示すシーケンス図である。なお、図3ではマイコン24を省略しているが、マイコン24の動作はマイコン18の動作と同じである。
【0044】
図3に示すように、プログラムデータI/F部30にダウンロードするプログラムが入力されると、プログラムデータI/F部30は、バス16を通じてプログラムをマイコン12に送信する。この際、プログラムデータI/F部30はプログラムを数バイトずつ送信する。
【0045】
マイコン12は、図2に示すようにプログラムデータがあるか否か判定する(S10)。マイコン12がプログラムデータありと判定した場合には、マイコン12はFPGA32のレジスタにプログラムデータを書き込む(S12)。より詳細には、図3に示すように、マイコン12はレジスタ36の個別マイコン用領域36aにアクセスし、マイコン18が個別マイコン用領域36aにアクセス中であるか(BUSY状態)、あるいはアクセス中でないか(READY状態)を判定する。その結果、READY状態と判定された場合に、マイコン12はレジスタ36の個別マイコン用領域36aにデータを書き込む。このようにレジスタ36の状態をチェックすることにより、他のマイコン18が読出し中のデータを上書きして破壊することを防止できる。
【0046】
続いて、マイコン12は、割り込み発生回路34によりマイコン18に対して割り込みを発生させる(S14)。この割り込みにより、マイコン12が、レジスタ36の個別マイコン用領域36aにプログラムデータを書き込んだことをマイコン18に通知する。
【0047】
割り込みを受けたマイコン18は、個別マイコン用領域36aからプログラムデータを読み出して取得する(S16)。より詳細には、図3に示すように、マイコン18はレジスタ36にBUSY状態を設定し、レジスタ36の個別マイコン用領域36aからデータを読み出す。データの読出しが終了すると、マイコン18はレジスタ36にREADY状態を設定する。マイコン18は、取得したデータをマイコン18のメモリ領域に蓄積する。
【0048】
次に、マイコン18は、読み出したプログラムデータが最終データであるか否かを判定する(S18)。判定の結果、最終データでないと判定された場合には、個別マイコン用領域36aに次のプログラムデータが書き込まれるのを待つ。図3に示すように、プログラムデータI/F部30からプログラムデータの続きが送信され、マイコン12はレジスタ36がREADY状態になるとデータをレジスタ36にデータを書き込み、マイコン18に割り込みを発生させる。マイコン18は、割り込み発生に応じてレジスタのプログラムデータを取得し、メモリ領域に蓄積していく。このフローは、マイコン18にダウンロードされるべきプログラムが読み出されるまで繰り返される。
【0049】
前述したように、プログラムデータをレジスタ36から読み出した後に、読み出したデータが最終データであるか否かの判定が行われる(S18)。この判定により、読み出したデータが最終データであると判定された場合には、マイコン18は、メモリ領域に蓄積したプログラムデータを一括してフラッシュロム20に書き込む(S20)。また、この際、マイコン12もプログラムデータI/F部30から受信したプログラムを一括してフラッシュロム14に書き込む。
【0050】
本実施形態に係るマイコンシステム10によれば、マイコン12、18、24によりアクセス可能なレジスタ36を備え、マイコン12が受信したプログラムデータをレジスタ36の個別マイコン用領域36a,36bに書き込み、他のマイコン18,24により読み出す。これにより、ダウンロード対象のマイコン12がマスタマイコンとして機能するので、ダウンロード専用のマスタマイコンを設けないで、マイコンシステム10にプログラムをダウンロードすることができる。
【0051】
また、マイコンシステム10は割り込み発生回路34を有し、マイコン12がプログラムデータをレジスタ36に書き込んだことをマイコン18,24に割り込みにより通知する。これにより、マイコン18、24はレジスタ36に書き込まれたプログラムデータを速やかに取得することが可能となり、プログラムのダウンロード時間を短縮できる。
【0052】
さらに、マイコン12、18、24は、取得中のプログラムデータをメモリ領域に蓄積し、ダウンロードすべきプログラムを取得し終えた後にフラッシュロム14、20、26に一括して書き込むので、フラッシュロム14、20、26の占有時間を短縮することが可能である。
【0053】
次に、本発明の第2実施形態に係るマイコンシステム10について説明する。図4は第2実施形態に係るマイコンシステム10の構成を示すブロック図である。第2実施形態に係るマイコンシステム10は、第1実施形態に係るマイコンシステム10と基本的な構成は同じであるが、割り込み発生回路を有しない点が異なる。また、第2実施形態では、マイコン18、24は、レジスタ36にデータがあるか否かを監視する機能を有する。
【0054】
第2実施形態に係るマイコンシステム10にプログラムをダウンロードする動作について図5及び図6を参照しながら説明する。第2実施形態のダウンロード方法は、レジスタ36にプログラムデータが書き込まれたか否かをマイコン18,24により監視する点が、割り込みによりデータ書込みを通知する第1実施形態のダウンロード方法と異なる。
【0055】
図5はマイコンシステム10にプログラムをダウンロードする動作を示すフローチャート、図6はプログラムダウンロード時におけるマイコンシステム10の各要素間のデータの流れを示すシーケンス図である。図6では、マイコン24を省略しているが、マイコン24の動作はマイコン18の動作と同じである。
【0056】
マイコン12は、図5に示すようにプログラムデータがあるか否か判定する(S30)。マイコン12がプログラムデータありと判定した場合には、マイコン12はFPGA32のレジスタ36にプログラムデータを書き込む(S32)。より詳細には、図6に示すように、マイコン12は、レジスタ36の個別マイコン用領域36aを監視し、マイコン18が個別マイコン用領域36aからデータ読出中か否かを判定する。そして、マイコン12は、マイコン18によるデータ読出中でない状態で個別マイコン用領域36aにプログラムデータを書き込む。
【0057】
一方、マイコン18は、レジスタ36の個別マイコン用領域36aを常時監視する(S34)。マイコン12により個別マイコン用領域36aにプログラムデータが書き込まれると、マイコン18はプログラムデータが書き込まれたことを検知する。次に、マイコン18はレジスタ36にBUSY状態を設定し、個別マイコン用領域36aからプログラムデータを読み出し、メモリ領域に蓄積する(S36)。レジスタ36にBUSY状態を設定することにより、マイコン12の新たなデータ書込みを禁止する。マイコン18は、データの読出しが終了すると、レジスタ36にREADY状態を設定する。
【0058】
次に、マイコン18は、読み出したデータが最終データであるか否かを判定する(S38)。読み出したデータが最終データの場合には、メモリ領域に蓄積したプログラムデータを一括してフラッシュロム20に書き込む(S40)。読み出したデータが最終データでない場合には、フラッシュロム20への書込みは行わず、レジスタ36を監視して、レジスタ36の個別マイコン用領域36aに続きのプログラムデータが書き込まれるのを待つ。
【0059】
第2実施形態に係るマイコンシステム10は、第1実施形態と同様に、マイコン12、18、24からアクセス可能なレジスタ36を備え、マイコン12が受信したプログラムデータをレジスタ36に書き込み、他のマイコン18,24により読み出す。これにより、ダウンロード対象のマイコン12がマスタマイコンとして機能し、ダウンロード専用のマスタマイコンを設けないで、マイコンシステム10にプログラムをダウンロードすることができる。
【0060】
また、第2実施形態に係るマイコンシステム10は、マイコン18,24がレジスタ36を常時監視することにより、レジスタ36に書き込まれたデータを速やかに読み出すことができる。
【0061】
以上、本発明のマイコンシステムおよびプログラムダウンロード方法について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されない。
【0062】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は複数のマイコンのそれぞれのバスに接続されたレジスタを有し、複数のマイコンのうちの一のマイコンが受信したプログラムをレジスタに書き込むことにより、他のマイコンがプログラムを読み出すことができる。従って、本発明は、一のマイコンにマスタマイコンとしての役割を持たせることができ、ダウンロード専用のマスタマイコンを設けない構成でプログラムダウンロードを行えるというすぐれた効果を有するマイコンシステムを提供することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係るマイコンシステムの構成を示す図
【図2】第1実施形態に係るプログラムダウンロードの動作を示す図
【図3】第1実施形態に係るプログラムダウンロードの動作を示す図
【図4】第2実施形態に係るマイコンシステムの構成を示す図
【図5】第2実施形態に係るプログラムダウンロードの動作を示す図
【図6】第2実施形態に係るプログラムダウンロードの動作を示す図
【図7】従来のマイコンシステムの構成を示す図
【符号の説明】
12,18,24 マイコン
14,20,26 フラッシュロム
16,22,28 バス
30 プログラムデータI/F部
32 FPGA
34 割り込み発生回路
36 レジスタ
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数のマイコンを備えるマイコンシステムおよびマイコンシステムにプログラムをダウンロードする方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から複数のチャネルのそれぞれにマイコンを備えたマイコンシステムが存在する。例えば、エンコード装置は、ビデオ・エンコード、オーディオ・エンコード、システム・エンコード、画像前処理のそれぞれを実行するマイコンを備えたマイコンシステムである。また、マイコンシステムのメンテナンス機能として、プログラムのダウンロード技術が知られている。プログラムダウンロードは、例えば、ソフトウェアをバージョンアップするときに行われる。
【0003】
従来、複数のマイコンを備えたマイコンシステムでは、それぞれのマイコンにプログラムをダウンロードするために、マスタマイコンが設けられていた。この点について図7を参照して説明する。
【0004】
図7は、プログラムダウンロード可能な従来のマイコンシステムの例を示す図である。図7に示すように、マイコンシステム50は、マイコンシステム50の各機能を実現するマイコン12,18,24を備え、それぞれのマイコン12,18,24を動作させるプログラムを記録するためのフラッシュロム14,20,26がバス16,22,28により接続されている。各マイコン12,18,26のバス16,22,28はFPGA32に接続される。従来のマイコンシステム50は、プログラムのダウンロード対象となるマイコン12,18,24のほかに、プログラムデータI/F部30およびFPGA32にバス42により接続されたマスタマイコン40を備えていた。そして、プログラムダウンロードの際には、プログラムデータI/F部30は、プログラムをマスタマイコン40に送信する。その後、マスタマイコン40がFPGA32のCPUインターフェース部44を通じてプログラムを各マイコン12,18,24に送信することにより、プログラムのダウンロードを実現していた。
【0005】
また、特許文献1には、複数の装置にプログラムをダウンロードする方法が記載されている。この文献に記載された方法では、複数の下位装置にプログラムをダウンロードするために上位装置が用いられる。そして、上位装置が下位装置との間の通信路を監視し、空きタイムスロットを利用してプログラムのダウンロードを行う。
【0006】
【特許文献1】特開平2002−312274号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記したダウンロード方法はいずれも、プログラムをダウンロードする対象のマイコン(下位装置)以外にダウンロードを管理するマスタマイコン(上位装置)を設けていたので、マスタマイコンの分だけ実装面積が増大し、またコストアップにもつながっていた。
【0008】
そこで、本発明は上記の問題点に鑑みて、プログラムダウンロードの対象のマイコン以外のマスタマイコンを設けないでプログラムをダウンロード可能なマイコンシステムおよびプログラムダウンロード方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るマイコンシステムは、複数のマイコンと、複数のマイコンのそれぞれに、異なるバスによって接続されると共にマイコンのそれぞれを動作させるプログラムを記録するための複数の不揮発性メモリと、複数のマイコンのうちの一のマイコンのバスに接続されると共に不揮発性メモリにダウンロードするプログラムが入力され、入力されたプログラムを一のマイコンに送信するプログラムインターフェース部と、複数のマイコンがそれぞれ接続されるバスに接続されると共に、一のマイコンにより受信したプログラムが書き込まれ、かつそのプログラムが他のマイコンにより読み出されるレジスタと、を備える。
【0010】
このように複数のマイコンのそれぞれのバスに接続されたレジスタを有するので、複数のマイコンのうちの一のマイコンが受信したプログラムをレジスタに書き込むことにより、プログラムを他のマイコンにより読み出すことができる。一のマイコンにマスタマイコンとしての役割を持たせることにより、ダウンロード専用のマスタマイコンを設けない構成でプログラムダウンロードを行えるマイコンシステムを実現できる。また、マスタマイコンを設けないので、最初にプログラムを受信するマイコンを選択可能な構成とすることができる。これにより、一のマイコンが故障した場合には、他のマイコンのうちのいずれかのマイコンによりプログラムを受信し、受信したプログラムをレジスタに書き込むことにより、プログラムのダウンロードが可能となる。なお、プログラムを記録するための不揮発性メモリには、データ書き換え可能なフラッシュロムを用いることができる。
【0011】
好ましくは、一のマイコンは、受信中のプログラムを蓄積するメモリ領域を備える。
【0012】
この構成により、一のマイコンにおいて、プログラムインターフェース部より少しずつ送信されるプログラムを不揮発性メモリとは異なるメモリ領域に蓄積できる。そして、ダウンロードすべきプログラムを受信し終えた時点で不揮発性メモリに書き込むことが可能となる。従って、不揮発性メモリの消去および書込みの動作を一括して行うことができ、不揮発性メモリの占有時間を短縮可能である。
【0013】
好ましくは、他のマイコンは、読出し中のプログラムを蓄積するメモリ領域を備える。
【0014】
この構成により、他のマイコンにおいて、一のマイコンにより少しずつ書き込まれるプログラムを不揮発性メモリとは異なるメモリ領域に蓄積できる。そして、ダウンロードすべきプログラムを読み出し終えた時点で不揮発性メモリに書き込むことが可能となる。従って、不揮発性メモリの消去および書込みの動作を一括して行うことができ、不揮発性メモリの占有時間を短縮可能である。
【0015】
好ましくは、マイコンは、不揮発性メモリに記録されたプログラムを実行するメモリ領域を備える。
【0016】
不揮発性メモリと異なるメモリ領域でプログラムを実行することにより、不揮発性メモリの書換えの際に、実行中のプログラムがハングアップする事態の発生を防止できる。
【0017】
好ましくは、本発明のマイコンシステムは、一のマイコンにより他のマイコンに割り込みを発生させる割り込み発生回路をさらに備える。
【0018】
この構成により、一のマイコンは、レジスタにプログラムを書き込んだことを割り込みにより他のマイコンに通知できる。他のマイコンはこの割り込みをトリガとしてレジスタからプログラムを読み出すことができる。従って、一のマイコンと他のマイコンはほぼ同じタイミングでプログラムを取得可能となる。また、レジスタに書き込まれたプログラムを速やかに読み出すことにより、プログラムダウンロードに要する時間を短縮できる。
【0019】
好ましくは、他のマイコンが、レジスタにプログラムが書き込まれたか否かを監視する。
【0020】
この構成により、他のマイコンは、レジスタにプログラムが書き込まれたときに速やかにレジスタからデータを読み出すことが可能となる。
【0021】
好ましくは、他のマイコンがレジスタにアクセス中か否かを一のマイコンにより監視する。
【0022】
この構成により、他のマイコンがレジスタにアクセスしている間は、前記一のマイコンによるプログラムの書込みを停止することができる。これにより、他のマイコンによって読出し中のプログラムへの新たなプログラムの上書きを防止できる。
【0023】
本発明に係るプログラムダウンロード方法は、複数のマイコンと、複数のマイコンのそれぞれに、異なるバスによって接続されると共にマイコンのそれぞれを動作させるプログラムを記録するための複数の不揮発性メモリと、を備えるマイコンシステムにプログラムをダウンロードする方法であって、複数のマイコンのうちの一のマイコンのバスに接続されたプログラムインターフェース部に入力されたプログラムを一のマイコンに送信するステップと、一のマイコンが受信したプログラムを、複数のマイコンがそれぞれ接続された複数のバスに接続されたレジスタに書き込む書込みステップと、レジスタに書き込まれたプログラムを他のマイコンが読み出す読出しステップと、一のマイコンがプログラムインターフェース部から受信したプログラムを不揮発性メモリに記録する第1の記録ステップと、他のマイコンがレジスタから読み出したプログラムを不揮発性メモリに記録する第2の記録ステップと、を有する。
【0024】
このように複数のマイコンのうちの一のマイコンが受信したプログラムを他のマイコンからもアクセス可能なレジスタに書き込むことにより、プログラムを他のマイコンにより読み出すことができる。一のマイコンにマスタマイコンとしての役割を持たせることにより、ダウンロード専用のマスタマイコンを用いないでプログラムダウンロードを行える。また、マスタマイコンを用いないので、最初にプログラムを受信するマイコンを選択可能とすることができる。これにより、一のマイコンが故障した場合には、他のマイコンのうちのいずれかのマイコンによりプログラムを受信し、受信したプログラムをレジスタに書き込むことにより、プログラムのダウンロードが可能となる。
【0025】
好ましくは、第1の記録ステップは、受信中のプログラムを不揮発性メモリと異なるメモリ領域に記録するステップと、ダウンロードすべきプログラムを受信した後にメモリ領域に記録されたプログラムを不揮発性メモリに書き込むステップと、を有する。
【0026】
この方法により、不揮発性メモリの消去および書込みの動作を一括して行うことができ、不揮発性メモリの占有時間を短縮可能である。
【0027】
好ましくは、第2の記録ステップは、読出し中のプログラムを不揮発性メモリと異なるメモリ領域に記録するステップと、ダウンロードすべきプログラムを読み出した後にメモリ領域に記録されたプログラムを不揮発性メモリに書き込むステップと、を有する。
【0028】
この方法により、不揮発性メモリの消去および書込みの動作を一括して行うことができ、不揮発性メモリの占有時間を短縮可能である。
【0029】
好ましくは、第1の記録ステップ実行中に、一のマイコンが、不揮発性メモリに記録されたプログラムを不揮発性メモリと異なるメモリ領域において実行する。また第2の記録ステップ実行中に、他のマイコンが、不揮発性メモリに記録されたプログラムを不揮発性メモリと異なるメモリ領域において実行する。
【0030】
不揮発性メモリへのプログラム記録中に、不揮発性メモリと異なるメモリ領域でプログラムを実行することにより、不揮発性メモリの書換えの際に、実行中のプログラムがハングアップする事態の発生を防止できる。
【0031】
好ましくは、本発明のプログラムダウンロード方法は、レジスタへのプログラムの書込みに応じて、一のマイコンが他のマイコンにプログラムの書込みを知らせる割り込みを発生させるステップを有する。
【0032】
これにより、他のマイコンは割り込みをトリガとしてレジスタからプログラムを読み出すことができる。従って、一のマイコンと他のマイコンはほぼ同じタイミングでプログラムを取得可能となる。また、レジスタに書き込まれたプログラムを速やかに読み出すことにより、プログラムダウンロードに要する時間を短縮できる。
【0033】
好ましくは、レジスタにプログラムが書き込まれたか否かを他のマイコンにより監視するステップをさらに有し、レジスタにプログラムが書き込まれた後に、読出しステップを実行する。
【0034】
これにより、他のマイコンは、レジスタにプログラムが書き込まれたときに速やかにレジスタからデータを読み出すことができる。
【0035】
好ましくは、他のマイコンがレジスタにアクセス中か否かを一のマイコンにより監視するステップをさらに有し、他のマイコンがレジスタにアクセスしていないときに書込みステップを実行する。
【0036】
これにより、他のマイコンがレジスタにアクセスしている間は、前記一のマイコンによるプログラムの書込みを停止し、他のマイコンによって読出し中のプログラムへの新たなプログラムの上書きを防止できる。
【0037】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態に係るマイコンシステム10について図面を参照しながら説明する。可能な場合には、同一の部分には同一の符号を付して重複する説明を省略する。
【0038】
図1は、実施形態に係るマイコンシステムの構成を示すブロック図である。マイコンシステム10は、マイコン12、18、24を有する。それぞれのマイコン12、18、24は、プログラムがダウンロードされる対象のマイコンである。ここでは、マイコンシステム10は3個のマイコン12、18、24を備えているが、マイコンの数は3個に限定されない。
【0039】
マイコン12には、マイコン12を動作させるプログラムを記録するためのフラッシュロム14がバス16により接続されている。マイコン12は、フラッシュロム14に記録されたプログラムをマイコン12のメモリ領域に書き込んで、そのメモリ領域においてプログラムを実行する。マイコン18にも同様のフラッシュロム20がバス22により接続され、マイコン24にも同様のフラッシュロム26がバス28により接続されている。
【0040】
マイコンシステム10は、ダウンロードされるべきプログラムを入力するためのプログラムデータI/F部30を有する。プログラムデータI/F部30は、マイコン12のバス16に接続されている。プログラムデータI/F部30は、入力されたプログラムをバス16を通じてマイコン12に送信する。マイコン12は、他のマイコン18、24と異なり、プログラムデータI/F部30から直接にプログラムデータを受信可能である。
【0041】
また、マイコンシステム10は、それぞれのバス16、22、28に接続されたFPGA(Field Programmable Gate Array)32を有する。FPGA32は、割り込み発生回路34およびレジスタ36を含む。割り込み発生回路34は、マイコン12によりマイコン18又はマイコン24に割り込みを発生させる回路である。レジスタ36は、マイコン12とマイコン18のみがアクセス可能な個別マイコン用領域36aと、マイコン12およびマイコン24のみがアクセス可能な個別マイコン用領域36bを有する。この個別マイコン用領域36a,36bは、プログラムデータI/F部30が接続されていないマイコン18,24がプログラムデータを読み出すための領域である。従って、個別マイコン用領域は、マイコンシステム10が有するマイコンのうち、プログラムデータI/F部30に接続されていないマイコンの数と同じ数だけ設けられる。
【0042】
次に、本実施形態のマイコンシステム10によるプログラムのダウンロード方法について説明する。
【0043】
図2はマイコンシステム10にプログラムをダウンロードする動作を示すフローチャート、図3はプログラムダウンロード時におけるマイコンシステム10の各要素間のデータの流れを示すシーケンス図である。なお、図3ではマイコン24を省略しているが、マイコン24の動作はマイコン18の動作と同じである。
【0044】
図3に示すように、プログラムデータI/F部30にダウンロードするプログラムが入力されると、プログラムデータI/F部30は、バス16を通じてプログラムをマイコン12に送信する。この際、プログラムデータI/F部30はプログラムを数バイトずつ送信する。
【0045】
マイコン12は、図2に示すようにプログラムデータがあるか否か判定する(S10)。マイコン12がプログラムデータありと判定した場合には、マイコン12はFPGA32のレジスタにプログラムデータを書き込む(S12)。より詳細には、図3に示すように、マイコン12はレジスタ36の個別マイコン用領域36aにアクセスし、マイコン18が個別マイコン用領域36aにアクセス中であるか(BUSY状態)、あるいはアクセス中でないか(READY状態)を判定する。その結果、READY状態と判定された場合に、マイコン12はレジスタ36の個別マイコン用領域36aにデータを書き込む。このようにレジスタ36の状態をチェックすることにより、他のマイコン18が読出し中のデータを上書きして破壊することを防止できる。
【0046】
続いて、マイコン12は、割り込み発生回路34によりマイコン18に対して割り込みを発生させる(S14)。この割り込みにより、マイコン12が、レジスタ36の個別マイコン用領域36aにプログラムデータを書き込んだことをマイコン18に通知する。
【0047】
割り込みを受けたマイコン18は、個別マイコン用領域36aからプログラムデータを読み出して取得する(S16)。より詳細には、図3に示すように、マイコン18はレジスタ36にBUSY状態を設定し、レジスタ36の個別マイコン用領域36aからデータを読み出す。データの読出しが終了すると、マイコン18はレジスタ36にREADY状態を設定する。マイコン18は、取得したデータをマイコン18のメモリ領域に蓄積する。
【0048】
次に、マイコン18は、読み出したプログラムデータが最終データであるか否かを判定する(S18)。判定の結果、最終データでないと判定された場合には、個別マイコン用領域36aに次のプログラムデータが書き込まれるのを待つ。図3に示すように、プログラムデータI/F部30からプログラムデータの続きが送信され、マイコン12はレジスタ36がREADY状態になるとデータをレジスタ36にデータを書き込み、マイコン18に割り込みを発生させる。マイコン18は、割り込み発生に応じてレジスタのプログラムデータを取得し、メモリ領域に蓄積していく。このフローは、マイコン18にダウンロードされるべきプログラムが読み出されるまで繰り返される。
【0049】
前述したように、プログラムデータをレジスタ36から読み出した後に、読み出したデータが最終データであるか否かの判定が行われる(S18)。この判定により、読み出したデータが最終データであると判定された場合には、マイコン18は、メモリ領域に蓄積したプログラムデータを一括してフラッシュロム20に書き込む(S20)。また、この際、マイコン12もプログラムデータI/F部30から受信したプログラムを一括してフラッシュロム14に書き込む。
【0050】
本実施形態に係るマイコンシステム10によれば、マイコン12、18、24によりアクセス可能なレジスタ36を備え、マイコン12が受信したプログラムデータをレジスタ36の個別マイコン用領域36a,36bに書き込み、他のマイコン18,24により読み出す。これにより、ダウンロード対象のマイコン12がマスタマイコンとして機能するので、ダウンロード専用のマスタマイコンを設けないで、マイコンシステム10にプログラムをダウンロードすることができる。
【0051】
また、マイコンシステム10は割り込み発生回路34を有し、マイコン12がプログラムデータをレジスタ36に書き込んだことをマイコン18,24に割り込みにより通知する。これにより、マイコン18、24はレジスタ36に書き込まれたプログラムデータを速やかに取得することが可能となり、プログラムのダウンロード時間を短縮できる。
【0052】
さらに、マイコン12、18、24は、取得中のプログラムデータをメモリ領域に蓄積し、ダウンロードすべきプログラムを取得し終えた後にフラッシュロム14、20、26に一括して書き込むので、フラッシュロム14、20、26の占有時間を短縮することが可能である。
【0053】
次に、本発明の第2実施形態に係るマイコンシステム10について説明する。図4は第2実施形態に係るマイコンシステム10の構成を示すブロック図である。第2実施形態に係るマイコンシステム10は、第1実施形態に係るマイコンシステム10と基本的な構成は同じであるが、割り込み発生回路を有しない点が異なる。また、第2実施形態では、マイコン18、24は、レジスタ36にデータがあるか否かを監視する機能を有する。
【0054】
第2実施形態に係るマイコンシステム10にプログラムをダウンロードする動作について図5及び図6を参照しながら説明する。第2実施形態のダウンロード方法は、レジスタ36にプログラムデータが書き込まれたか否かをマイコン18,24により監視する点が、割り込みによりデータ書込みを通知する第1実施形態のダウンロード方法と異なる。
【0055】
図5はマイコンシステム10にプログラムをダウンロードする動作を示すフローチャート、図6はプログラムダウンロード時におけるマイコンシステム10の各要素間のデータの流れを示すシーケンス図である。図6では、マイコン24を省略しているが、マイコン24の動作はマイコン18の動作と同じである。
【0056】
マイコン12は、図5に示すようにプログラムデータがあるか否か判定する(S30)。マイコン12がプログラムデータありと判定した場合には、マイコン12はFPGA32のレジスタ36にプログラムデータを書き込む(S32)。より詳細には、図6に示すように、マイコン12は、レジスタ36の個別マイコン用領域36aを監視し、マイコン18が個別マイコン用領域36aからデータ読出中か否かを判定する。そして、マイコン12は、マイコン18によるデータ読出中でない状態で個別マイコン用領域36aにプログラムデータを書き込む。
【0057】
一方、マイコン18は、レジスタ36の個別マイコン用領域36aを常時監視する(S34)。マイコン12により個別マイコン用領域36aにプログラムデータが書き込まれると、マイコン18はプログラムデータが書き込まれたことを検知する。次に、マイコン18はレジスタ36にBUSY状態を設定し、個別マイコン用領域36aからプログラムデータを読み出し、メモリ領域に蓄積する(S36)。レジスタ36にBUSY状態を設定することにより、マイコン12の新たなデータ書込みを禁止する。マイコン18は、データの読出しが終了すると、レジスタ36にREADY状態を設定する。
【0058】
次に、マイコン18は、読み出したデータが最終データであるか否かを判定する(S38)。読み出したデータが最終データの場合には、メモリ領域に蓄積したプログラムデータを一括してフラッシュロム20に書き込む(S40)。読み出したデータが最終データでない場合には、フラッシュロム20への書込みは行わず、レジスタ36を監視して、レジスタ36の個別マイコン用領域36aに続きのプログラムデータが書き込まれるのを待つ。
【0059】
第2実施形態に係るマイコンシステム10は、第1実施形態と同様に、マイコン12、18、24からアクセス可能なレジスタ36を備え、マイコン12が受信したプログラムデータをレジスタ36に書き込み、他のマイコン18,24により読み出す。これにより、ダウンロード対象のマイコン12がマスタマイコンとして機能し、ダウンロード専用のマスタマイコンを設けないで、マイコンシステム10にプログラムをダウンロードすることができる。
【0060】
また、第2実施形態に係るマイコンシステム10は、マイコン18,24がレジスタ36を常時監視することにより、レジスタ36に書き込まれたデータを速やかに読み出すことができる。
【0061】
以上、本発明のマイコンシステムおよびプログラムダウンロード方法について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されない。
【0062】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は複数のマイコンのそれぞれのバスに接続されたレジスタを有し、複数のマイコンのうちの一のマイコンが受信したプログラムをレジスタに書き込むことにより、他のマイコンがプログラムを読み出すことができる。従って、本発明は、一のマイコンにマスタマイコンとしての役割を持たせることができ、ダウンロード専用のマスタマイコンを設けない構成でプログラムダウンロードを行えるというすぐれた効果を有するマイコンシステムを提供することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係るマイコンシステムの構成を示す図
【図2】第1実施形態に係るプログラムダウンロードの動作を示す図
【図3】第1実施形態に係るプログラムダウンロードの動作を示す図
【図4】第2実施形態に係るマイコンシステムの構成を示す図
【図5】第2実施形態に係るプログラムダウンロードの動作を示す図
【図6】第2実施形態に係るプログラムダウンロードの動作を示す図
【図7】従来のマイコンシステムの構成を示す図
【符号の説明】
12,18,24 マイコン
14,20,26 フラッシュロム
16,22,28 バス
30 プログラムデータI/F部
32 FPGA
34 割り込み発生回路
36 レジスタ
Claims (15)
- 複数のマイコンと、
前記複数のマイコンのそれぞれに、異なるバスによって接続されると共に前記マイコンのそれぞれを動作させるプログラムを記録するための複数の不揮発性メモリと、
前記複数のマイコンのうちの一のマイコンのバスに接続されると共に前記不揮発性メモリにダウンロードするプログラムが入力され、入力されたプログラムを前記一のマイコンに送信するプログラムインターフェース部と、
前記複数のマイコンがそれぞれ接続される複数の前記バスに接続されると共に、前記一のマイコンにより受信したプログラムが書き込まれ、かつそのプログラムが他のマイコンにより読み出されるレジスタと、
を備えることを特徴とするマイコンシステム。 - 前記一のマイコンは、受信中の前記プログラムを蓄積するメモリ領域を備えることを特徴とする請求項1に記載のマイコンシステム。
- 前記他のマイコンは、読出し中の前記プログラムを蓄積するメモリ領域を備えることを特徴とする請求項1に記載のマイコンシステム。
- 前記マイコンは、前記不揮発性メモリに記録されたプログラムを実行するメモリ領域を備えることを特徴とする請求項1に記載のマイコンシステム。
- 前記一のマイコンにより前記他のマイコンに割り込みを発生させる割り込み発生回路をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のマイコンシステム。
- 前記他のマイコンが、前記レジスタに前記プログラムが書き込まれたか否かを監視することを特徴とする請求項1に記載のマイコンシステム。
- 前記一のマイコンが、前記レジスタに前記他のマイコンがアクセス中か否かを監視することを特徴とする請求項1に記載のマイコンシステム。
- 複数のマイコンと、前記複数のマイコンのそれぞれに、異なるバスによって接続されると共に前記マイコンのそれぞれを動作させるプログラムを記録するための複数の不揮発性メモリと、を備えるマイコンシステムにプログラムをダウンロードする方法であって、
前記複数のマイコンのうちの一のマイコンのバスに接続されたプログラムインターフェース部に入力されたプログラムを前記一のマイコンに送信するステップと、
前記一のマイコンが受信した前記プログラムを、前記複数のマイコンがそれぞれ接続された複数の前記バスに接続されたレジスタに書き込む書込みステップと、
前記レジスタに書き込まれたプログラムを他のマイコンが読み出す読出しステップと、
前記一のマイコンが前記プログラムインターフェース部から受信したプログラムを前記不揮発性メモリに記録する第1の記録ステップと、
前記他のマイコンが前記レジスタから読み出したプログラムを不揮発性メモリに記録する第2の記録ステップと、
を有することを特徴とするプログラムダウンロード方法。 - 前記第1の記録ステップは、
受信中のプログラムを前記不揮発性メモリと異なるメモリ領域に記録するステップと、
ダウンロードすべき前記プログラムを受信した後に前記メモリ領域に記録されたプログラムを前記不揮発性メモリに書き込むステップと、
を有することを特徴とする請求項8に記載のプログラムダウンロード方法。 - 前記第2の記録ステップは、
読出し中のプログラムを前記不揮発性メモリと異なるメモリ領域に記録するステップと、
ダウンロードすべき前記プログラムを読み出した後に前記メモリ領域に記録されたプログラムを前記不揮発性メモリに書き込むステップと、
を有することを特徴とする請求項8に記載のプログラムダウンロード方法。 - 前記第1の記録ステップ実行中に、前記一のマイコンが前記不揮発性メモリに記録されたプログラムを、前記不揮発性メモリと異なるメモリ領域において実行することを特徴とする請求項8に記載のプログラムダウンロード方法。
- 前記第2の記録ステップ実行中に、前記他のマイコンが前記不揮発性メモリに記録されたプログラムを、前記不揮発性メモリと異なるメモリ領域において実行することを特徴とする請求項8に記載のプログラムダウンロード方法。
- 前記レジスタへの前記プログラムの書込みに応じて、前記一のマイコンが前記他のマイコンにプログラムの書込みを知らせる割り込みを発生させるステップを有することを特徴とする請求項8に記載のプログラムダウンロード方法。
- 前記レジスタに前記プログラムが書き込まれたか否かを前記他のマイコンにより監視するステップをさらに有し、
前記レジスタへの前記プログラムの書込みに応じて、前記読出しステップを実行することを特徴とする請求項8に記載のプログラムダウンロード方法。 - 前記他のマイコンが前記レジスタにアクセス中か否かを前記一のマイコンにより監視するステップをさらに有し、
前記他のマイコンが前記レジスタにアクセスしていないときに前記書込みステップを実行することを特徴とする請求項8に記載のプログラムダウンロード方法。
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