【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、特定物質からなるセラミック溶射被膜を備えた溶融ガラス用耐火物およびその製造方法に関し、より詳細には、流動状態の溶融ガラスと長時間接触した場合であっても、セラミック溶射被膜の剥離や溶損が少ない溶融ガラス用耐火物およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、板ガラス、ガラス瓶、ガラス食器、ガラス容器等のガラス成形体の製造においては、そのほとんどの製造工程が自動化されており、具体的には、ガラス溶融窯において、ガラス原料を加熱溶解して得られる溶融ガラスを、溶融ガラスフィ−ダを介して、次工程である製瓶工程等に自動的に供給している。
かかる溶融ガラスフィ−ダは、典型的には、溶融ガラスの分配流路であるフォアハースと、溶融ガラスを攪拌するためのブレンダーと、溶融ガラスを一旦滞留させるためのスパウトと、溶融ガラスの排出口としてのオリフィスと、溶融ガラスの流量を調節するためのプランジャ−と、溶融ガラスを攪拌し、温度を均一に調節するためのチュ−ブと、から構成されている。
そして、このような溶融ガラスフィ−ダの構成部材は、主としてセラミック耐火物から形成されている。すなわち、かかるセラミック耐火物は、アルミナ・ムライト、アルミナ・ジルコン等の耐火物素材原料と、有機バインダ−と、水と、を混練してスラリー状とした後、石膏型を用いた鋳込み法等の方法で所定形状に成形し、次いで、乾燥し、焼成することにより製造されている。
【0003】
また、Cr2O3−Al2O3固溶体を溶射することを特徴とするセラミック溶射施工方法が開示されている(例えば、特許文献1)。
より具体的には、1,000〜1,200℃の温度に予熱した、表面粗度(Rmax)が10〜30μmの耐火物からなる母材表面に対して、母材と同じ組成の材料を溶射した後、引き続きその温度のままで、母材と同じ組成の材料とCr2O3−Al2O3固溶体の量比を上層になるに従い、Cr2O3−Al2O3固溶体が多くなる様に変化せしめた材料を溶射し、最終的に溶射層表面にCr2O3−Al2O3固溶体のみを溶射することを特徴とするセラミック溶射施工方法が開示されている。
【0004】
また、特定材料の耐火物からなる基材表面に、セラミック溶射被膜が形成された溶融ガラスフィーダ用耐火物が開示されている(例えば、特許文献2)。
より具体的には、アルミナ成分が55重量%〜85重量%と、シリカ成分が15重量%〜45重量%と、からなる耐火物の表面に、アルミナ、ムライト、ジルコニア、ジルコンのいずれか、またはアルミナ・シリカ・ジルコニアからなるセラミック溶射被膜を、ガスプラズマ溶射法または水プラズマ溶射法によって形成したセラミック溶射被膜を備えた溶融ガラスフィーダ用耐火物が開示されている。
【0005】
さらに、ガラス溶解窯用の耐火物として、ZrO2を90重量%以上含む高ジルコニア質電鋳耐火物や、Al2O3やZrO2を30〜50重量%程度含むアルミナ・ジルコニア・シリカ質電鋳耐火物が開示されている(例えば、特許文献3や4等)。
【0006】
【特許文献1】
特開平2−184588号公報 (特許請求の範囲)
【特許文献2】
特開2000−95528号公報 (特許請求の範囲)
【特許文献3】
特開平10−67570号公報 (特許請求の範囲)
【特許文献4】
特開平10−101419号公報 (特許請求の範囲)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の溶融ガラスフィ−ダにおいては、流動状態の溶融ガラスが長時間にわたって接触(浸潤)するために、図5(a)(1,400℃、12時間浸漬)および(b)(1,400℃、24時間浸漬)に示すように、セラミック耐火物を構成するセラミック物質が徐々に細粒化して、耐火物が剥離したり、高温下での反応等による多大な溶損が生じたりするという問題が見られた。したがって、従来のセラミック耐火物は、溶融ガラスに対する耐用時間が短く、ガラス製造工程を頻繁に中断し、溶融ガラスフィ−ダのセラミック耐火物からなる構成部品を修繕したり、交換したりする必要があった。また、溶損したセラミック耐火物が、ガラス成形体中における異物や泡、さらには、かかる溶損に起因してガラスの失透の原因となることから、ガラス成形体の製造における歩留りが低いという問題も見られた。
もちろん、セラミック耐火物の溶融ガラスに対する耐用時間を向上させるために、セラミック耐火物の組織を緻密にして、溶融ガラスの浸潤による剥離性や、反応による溶損性を改善する試みもなされている。しかしながら、セラミック耐火物の組織を単に緻密化すると、この種のセラミック耐火物に必要とされるもう一つの要件である耐熱衝撃性が著しく低下するという問題が見られた。したがって、セラミック耐火物の表面にひび割れ、あるいは亀裂等が発生し易くなり、そのために実用上満足しうるセラミック耐火物になり得ないという新たな問題が見られた。
さらに、溶融ガラスフィ−ダのセラミック耐火物の表面に、比較的厚い、高価な白金層を設けて、耐剥離性や耐溶損性等を向上させる試みもなされているが、セラミック耐火物の製造コストやガラス製品の製造コストが著しく高くなるという問題が見られた。
【0008】
また、特許文献1に開示されたセラミック溶射施工方法によれば、表面粗度(Rmax)が30μmを越えた耐火物に対して施工した場合に、形成されたセラミック溶射膜が剥離しやすいという問題があった。
また、3段階以上の多工程でセラミック溶射をしなければならず、製造時間が長くなったり、製造管理が容易でなかったりするなどの製造上の問題が見られた。
さらに、得られたセラミック溶射膜を備えた耐火物を、流動状態にある1,400℃程度の溶融ガラスフィーダ用耐火物として使用した場合、Cr2O3−Al2O3固溶体からなるセラミック溶射膜が溶出し、耐火物を着色させやすいという問題が見られた。
【0009】
また、特許文献2に開示された溶融ガラスフィーダ用耐火物によると、アルミナ成分の含有量のみならず、シリカ成分についても、その含有量を15〜45重量%の範囲で厳格に制限したセラミック耐火物を使用しなければならず、セラミック耐火物の種類制限が大きいという問題が見られた。
すなわち、開示された溶融ガラスフィーダ用耐火物は、シリカ成分の含有量が15重量%未満となると、熱ショック等によって亀裂が発生じやすくなり、ガラスフィ−ダ用耐火物として充分な耐熱衝撃性を維持できないという問題が見られた。一方、シリカ成分の含有量が45重量%を越える場合には、溶融ガラスと接触した際に、溶融ガラスフィーダ用耐火物と、溶融ガラス成分との間の反応が顕著になって、溶融ガラスフィーダ用耐火物が激しく溶損するという問題が見られた。
また、開示された溶融ガラスフィーダ用耐火物は、アルミナ、ムライト、ジルコニア、ジルコンのいずれか、あるいはアルミナ・シリカ・ジルコニアからなる溶射膜形成用セラミック材料を使用しているため、耐熱衝撃性や耐溶損性が不十分であって、例えば、1,400℃〜1,600℃程度の溶融ガラスが流動状態にある場合には、短時間の間に、溶融ガラスフィーダ用耐火物を頻繁に修繕したり、交換したりする必要があった。
【0010】
さらに、特許文献3や特許文献4には、高ジルコニア質電鋳耐火物や、アルミナ・ジルコニア・シリカ質電鋳耐火物を成形して、溶解窯用の耐火物として使用することが開示されているものの、コストが高かかったり、耐熱衝撃性に乏しかったりするなどの問題が見られた。また、かかる高ジルコニア質電鋳耐火物や、アルミナ・ジルコニア・シリカ質電鋳耐火物は、融点が極めて高く、一般にプラズマ溶射法には適していないと考えられていた。
【0011】
したがって、本発明は、上記技術的課題を解決するためになされたものであり、特定材料からなるセラミック溶射被膜を形成することにより、基材として使用するセラミック耐火物の種類にかかわらず、優れた耐熱衝撃特性を維持するとともに、流動状態の溶融ガラスに対して長時間、例えば、溶融ガラスフィーダにおいて、1,400〜1,600℃の流動状態の溶融ガラスに、72時間以上接触させた場合であっても、剥離や溶損が少ない溶融ガラス用耐火物、およびその製造方法をそれぞれ提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の溶融ガラス用耐火物によれば、セラミック耐火物の表面に、ZrO2を含む電鋳耐火物を原料としたセラミック溶射被膜が形成してあることを特徴とする溶融ガラス用耐火物が提供され、上述した問題点を解決することができる。
すなわち、ZrO2を含む電鋳耐火物を原料としたセラミック溶射被膜を形成することにより、セラミック溶射被膜の温度変化に伴う体積変化が少なくなって、使用するセラミック耐火物の種類にかかわらず、優れた耐熱衝撃特性を発現することができる。
また、かかるセラミック溶射被膜を形成することにより、緻密な被膜であって、セラミック耐火物に対する密着力に優れた被膜が形成されるため、流動状態の溶融ガラスに対して長時間接触させた場合であっても、セラミック溶射被膜の剥離や溶損を著しく減少させることができる。
さらに、ZrO2を含む電鋳耐火物を原料としたセラミック溶射被膜は、その厚さを調節することにより、下地のセラミック耐火物を透視可能とすることもできるし、あるいは不透視状態とすることもできる。したがって、透視可能とした場合には、セラミック耐火物の状態を肉眼で容易に確認することができるし、不透視状態とした場合には、セラミック溶射被膜の状態を肉眼で容易に確認することができる。
【0013】
また、本発明の溶融ガラス用耐火物を構成するにあたり、電鋳耐火物が、セラミック溶射被膜の形成前は粉粒体であって、当該粉粒体の平均粒径を0.1〜500μmの範囲内の値とすることが好ましい。
このように構成することにより、ZrO2を含む電鋳耐火物を原料とした場合であっても、プラズマ溶射法等を利用して、均一な厚さを有するセラミック溶射被膜を容易に形成することができる。
【0014】
また、本発明の溶融ガラス用耐火物を構成するにあたり、電鋳耐火物が、全体量に対して、ZrO2を30〜99重量%の範囲で含むとともに、ガラス質を1〜70重量%の範囲で含むことが好ましい。
このように構成することにより、セラミック溶射被膜の耐熱性を向上させることができるばかりか、各種セラミック耐火物との間の密着力を向上させることができるため、流動状態の溶融ガラスに対してさらに長時間接触させた場合であっても、セラミック溶射被膜の剥離や溶損を著しく減少させることができる。
【0015】
また、本発明の溶融ガラス用耐火物を構成するにあたり、電鋳耐火物におけるガラス質が、当該ガラス質の全体量に対して、SiO2を50〜90重量%の範囲で含むとともに、ZrO2を10〜50重量%の範囲で含むことが好ましい。
このように構成することにより、セラミック溶射被膜中のガラス質の耐熱性や結合性を向上させることができ、ひいては、流動状態の溶融ガラスに対してさらに長時間接触させた場合であっても、セラミック溶射被膜の剥離や溶損を著しく減少させることができる。
【0016】
また、本発明の溶融ガラス用耐火物を構成するにあたり、セラミック溶射被膜の厚さを0.01〜10mmの範囲内の値とすることが好ましい。
このように構成することにより、得られる耐熱衝撃特性と、耐剥離や耐溶損性とのバランスをより良好なものとすることができる。
【0017】
また、本発明の溶融ガラス用耐火物を構成するにあたり、セラミック耐火物の表面と、セラミック溶射被膜との間に、金属アルコキシド酸化被膜およびセラミック固溶体からなるセラミック溶射被膜、あるいはいずれか一方の被膜が形成してあることが好ましい。
このように構成することにより、使用するセラミック耐火物の種類にかかわらず、より優れた耐熱衝撃特性を維持することができるとともに、さらに流動状態の溶融ガラスに対して長時間接触させた場合であっても、剥離や溶損が少ない溶融ガラス用耐火物を提供することができる。
【0018】
また、本発明の溶融ガラス用耐火物を構成するにあたり、セラミック耐火物が、全体量を100重量%としたときに、Al2O3を50〜90重量%、ZrO2を1〜40重量%、およびSiO2を0.1〜15重量%未満の範囲で含むことが好ましい。
このように構成することにより、セラミック溶射被膜の下地に対する密着力が向上するとともに、セラミック溶射被膜と、セラミック耐火物との間の熱膨張率の差が小さくなるため、より優れた耐熱衝撃特性を発現することができる。
【0019】
また、本発明の溶融ガラス用耐火物を構成するにあたり、溶融ガラスフィ−ダに用いられるフォアハース、ブレンダー、オリフィス、スパウト、プランジャ−、ロ−タ、またはチュ−ブのいずれかに成形してあることが好ましい。
このように溶融ガラス用耐火物を構成して、流動状態の溶融ガラスと接触する機会が多い溶融ガラスフィ−ダに使用することにより、耐熱衝撃特性と、耐剥離特性や耐溶損特性とのバランスが良好なものとなり、溶融ガラスに対する優れた耐久性を得ることができる。
【0020】
また、本発明の別の態様は、プラズマ溶射法を利用した溶融ガラス用耐火物の製造方法において、下記工程(1)および(2)を含むことを特徴とする溶融ガラス用耐火物の製造方法である。
(1)ZrO2を含む電鋳耐火物からなるセラミック溶射原料を準備する工程
(2)セラミック耐火物の表面に、セラミック溶射原料からなるセラミック溶射被膜を、プラズマ溶射法によって形成する工程
すなわち、このように特定の電鋳耐火物からなるセラミック溶射被膜を形成することにより、使用するセラミック耐火物の種類にかかわらず、優れた耐熱衝撃特性を発現するとともに、流動状態の溶融ガラスに対して長時間接触させた場合であっても、セラミック溶射被膜の剥離や溶損が少ない溶融ガラス用耐火物を効率的に製造することができる。
【0021】
また、本発明の溶融ガラス用耐火物の製造方法を実施するにあたり、電鋳耐火物からなるセラミック溶射原料として、平均粒径が0.1〜500μmの粉粒体を使用することが好ましい。
このように実施することにより、ZrO2を含む電鋳耐火物をセラミック溶射原料とした場合であっても、プラズマ溶射法等を利用して、均一な厚さを有し、かつ緻密なセラミック溶射被膜を容易に形成することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
[第1の実施形態]
第1の実施形態は、図1(a)に示すように、セラミック耐火物52の表面に、ZrO2を含む電鋳耐火物を原料としたセラミック溶射被膜54が形成してある溶融ガラス用耐火物50である。
以下、構成要件に分けて第1の実施形態の溶融ガラス用耐火物を説明する。
【0023】
1.セラミック耐火物
(1)種類
セラミック耐火物としては、セラミック材料を主成分とした耐火物であれば、その種類は特に制限されるものではなく、例えば、Al2O3(アルミナ)、ZrO2(ジルコニア)、SiO2(酸化ケイ素)、B4C(炭化ホウ素)、Cr3C2(炭化クロム)、HfC(炭化ハフニウム)、Mo2C(炭化モリブテン)、SiC(炭化ケイ素)、TaC(炭化タンタル)、TiC(炭化チタン)、WC(炭化タングステン)、VC(炭化バナジウム)、ZrB2(硼化ジルコニウム)、ZrC(炭化ジルコニウム)、MgO(酸化マグネシウム)、ZrO2・SiO2(ジルコン)等の少なくとも一種から構成してあることが好ましい。
【0024】
また、複数のセラミック材料から構成する場合、そのセラミック耐火物の組成としては、全体量を100重量%としたときに、Al2O3を50〜90重量%、ZrO2を1〜40重量%、およびSiO2を0.1〜15重量%未満の範囲で含むことが好ましい。
この理由は、かかるAl2O3の含有量が、50重量%未満の値になると、セラミック耐火物の耐熱性が著しく低下する場合があるためである。一方、かかるAl2O3の含有量が、90重量%を超えると、セラミック耐火物の靭性が低下して、脆くなる場合があるためである。
また、かかるZrO2の含有量が、1重量%未満の値になると、セラミック溶射被膜との相性が低下し、得られるセラミック溶射被膜の耐熱衝撃性が著しく低下する場合があるためである。一方、かかるZrO2の含有量が、40重量%を超えると、セラミック耐火物の耐熱性が著しく低下する場合があるためである。
また、かかるSiO2の含有量が、0.1重量%未満の値になると、セラミック溶射被膜との相性が低下し、セラミック溶射被膜の耐熱衝撃性が著しく低下する場合があるためである。一方、かかるSiO2の含有量が15重量%以上になると、セラミック耐火物の靭性が低下して、脆くなる場合があるためである。
【0025】
したがって、セラミック耐火物を複数のセラミック材料から構成する場合、その組成としては、全体量を100重量%としたときに、Al2O3を60〜80重量%、ZrO2を5〜30重量%、およびSiO2を1〜13重量%未満の範囲で含むことがより好ましく、Al2O3を65〜75重量%、ZrO2を10〜25重量%、およびSiO2を5〜10重量%未満の範囲で含むことがさらに好ましい。
なお、本発明の目的を逸脱しない範囲において、B4C、Cr3C2、HfC、Mo2C、SiC、TaC、TiC、WC、VC、ZrB2、ZrC、MgO、ZrO2・SiO2等のセラミック材料を添加することも好ましい。
【0026】
(2)耐火温度
また、セラミック耐火物の耐火温度を800℃以上の値とすることが好ましい。
この理由は、かかるセラミック耐火物の耐火温度が800℃未満の値になると、セラミック溶射被膜を設けた場合であっても、セラミック耐火物の耐溶損性が著しく低下する場合があるためである。
ただし、かかるセラミック耐火物の耐火温度が過度に高くなると、使用可能なセラミック耐火物の構成材料が過度に制限される場合があるためである。
したがって、セラミック耐火物の耐火温度を900〜2,000℃の範囲内の値とすることがより好ましく、1,000〜1,800℃の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
なお、かかるセラミック耐火物の耐火温度は、当該セラミック耐火物を24時間加熱した場合に、顕著な外観変化が観察されない温度を意味する。
【0027】
(3)表面粗度
また、セラミック耐火物の表面粗度(Rmax)を0.035〜5mmの範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかるセラミック耐火物の表面粗度(Rmax)が0.035mm未満の値になると、セラミック耐火物内部に対して、セラミック材料を溶射することが困難になって、セラミック耐火物と、セラミック溶射被膜との間の密着力が低下する場合があるためである。一方、かかるセラミック耐火物の表面粗度(Rmax)が、5mmを超えると、セラミック耐火物と、セラミック溶射被膜との間の密着力がやはり低下し、セラミック溶射被膜の耐熱衝撃性等が著しく低下する場合があるためである。
したがって、セラミック耐火物の表面粗度(Rmax)を0.04〜3mmの範囲内の値とすることがより好ましく、0.05〜1mmの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
なお、かかるセラミック耐火物の表面粗度(Rmax)は、接触式の表面粗さ計を用いて測定することができる。
【0028】
(4)気孔率
また、セラミック耐火物の気孔率を0.1〜30%の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかるセラミック耐火物の気孔率が、0.1%未満の値になると、セラミック耐火物の重量が過度に重くなったり、使用可能なセラミック材料の種類が過度に制限されたりする場合があるためである。一方、かかるセラミック耐火物の気孔率が、30重量%を超えると、セラミック耐火物と、セラミック溶射被膜との間の密着力が低下し、セラミック溶射被膜の耐熱衝撃性等が著しく低下する場合があるためである。
したがって、セラミック耐火物の気孔率を1〜25重量%範囲内の値とすることがより好ましく、5〜20%範囲内の値とすることがさらに好ましい。
なお、かかるセラミック耐火物の気孔率は、比重法を用いて測定することができる。
【0029】
2.セラミック溶射被膜
(1)電鋳耐火物
また、本発明のセラミック溶射被膜を備えた溶融ガラス用耐火物を構成するにあたり、セラミック溶射被膜の原料として、ZrO2を所定量含む電鋳耐火物を使用することを特徴とする。
この理由は、このような電鋳耐火物からなるセラミック溶射被膜は、周囲の温度変化によって相転移した場合であっても、著しい体積変化を生じることが少ないためである。したがって、セラミック溶射被膜を構成した場合に、優れた耐熱衝撃性を示すことができる。
また、使用する電鋳耐火物にZrO2を所定量含むことにより、セラミック耐火物と、セラミック溶射被膜との間の密着力が向上するとともに、より優れた耐熱衝撃性を示すことができるためである。
【0030】
ここで、電鋳耐火物が、セラミック溶射被膜の形成前は粉粒体であって、当該粉粒体の平均粒径を0.1〜500μmの範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる粉粒体の平均粒径が0.1μm未満の値になると、粉粒体の取り扱いが困難になったり、プラズマ溶射装置に目詰まりが生じたりする場合があるためである。一方、かかる粉粒体の平均粒径が500μmを超えると、プラズマ溶射法等によって、均一な厚さを有するセラミック溶射被膜を形成することが困難になる場合があるためである。
したがって、電鋳耐火物として、粉粒体を使用するとともに、当該粉粒体の平均粒径を5〜300μmの範囲内の値とすることがより好ましく、10〜100μmの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
なお、平均粒径が異なる二種類以上の電鋳耐火物を使用することも好ましく、例えば、平均粒径が0.1〜40μm未満の電鋳耐火物と、平均粒径が40〜500μmの電鋳耐火物との混合物を使用することも好ましい。
【0031】
また、電鋳耐火物が、全体量に対して、ZrO2を30〜99重量%の範囲で含むとともに、ガラス質を1〜70重量%の範囲で含むことが好ましい。
この理由は、かかる電鋳耐火物に含まれるZrO2の含有量が30重量%未満の値になると、得られるセラミック溶射被膜の耐熱性が著しく低下する場合があるためであり、一方、かかるZrO2の含有量が99重量%を超えると、得られるセラミック溶射被膜の緻密性が低下し、流動状態の溶融ガラスによって、短時間に溶損する場合があるためである。
また、かかる電鋳耐火物に含まれるガラス質の含有量が1重量%未満の値になると、ZrO2の結着性が不十分になって、得られるセラミック溶射被膜の緻密性が低下し、流動状態の溶融ガラスによって、短時間に溶損する場合があるためである。一方、ガラス質の含有量が70重量%を超えると、得られるセラミック溶射被膜の耐熱性が著しく低下する場合があるためである。
したがって、電鋳耐火物が、全体量に対して、ZrO2を40〜98重量%の範囲で含むとともに、ガラス質を2〜60重量%の範囲で含むことがより好ましく、ZrO2を70〜95重量%の範囲で含むとともに、ガラス質を5〜30重量%の範囲で含むことがさらに好ましい。
【0032】
また、電鋳耐火物におけるガラス質が、当該ガラス質の全体量に対して、SiO2を50〜90重量%の範囲で含むとともに、ZrO2を10〜50重量%の範囲で含むことが好ましい。
この理由は、かかる電鋳耐火物に含まれるガラス質のSiO2の含有量が50重量%未満の値になると、ガラス質の耐熱性が著しく低下し、ひいては、得られるセラミック溶射被膜の耐熱性が著しく低下する場合があるためである。一方、かかるガラス質のSiO2の含有量が90重量%を超えると、プラズマ溶射法等によって、均一な厚さを有するセラミック溶射被膜を形成することが困難になる場合があるためである。
また、かかる電鋳耐火物に含まれるガラス質のZrO2の含有量が10重量%未満の値になると、得られるセラミック溶射被膜の緻密性が低下し、流動状態の溶融ガラスによって、短時間に溶損する場合があるためである。一方、ガラス質のZrO2の含有量が50重量%を超えると、ガラス質の耐熱性が著しく低下し、ひいては、得られるセラミック溶射被膜の耐熱性が著しく低下する場合があるためである。
したがって、電鋳耐火物におけるガラス質が、当該ガラス質の全体量に対して、SiO2を55〜88重量%の範囲で含むとともに、ZrO2を12〜45重量%の範囲で含むことがより好ましく、SiO2を60〜80重量%の範囲で含むとともに、ZrO2を20〜40重量%の範囲で含むことがさらに好ましい。
【0033】
(2)厚さ
また、セラミック溶射被膜の厚さを0.01〜10mmの範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかるセラミック溶射被膜の厚さが0.01mm未満の値になると、ピンホールの発生や膜の損耗や剥離が生じやすい場合があるためである。一方、かかるセラミック溶射被膜の厚さが10mmを超えると、溶融ガラスの温度や流動状態によっては、ガラスフィ−ダ用耐火物としての充分な耐熱衝撃性を維持できない場合があるためである。
したがって、セラミック溶射被膜の厚さを0.1〜5mmの範囲内の値とすることがより好ましく、0.5〜2mmの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
【0034】
3.下地層
また、図1(b)に示すように、ZrO2を含む電鋳耐火物を原料としたセラミック溶射被膜(第1のセラミック溶射被膜と称する場合がある。)54の下地層として、セラミック耐火物52と、かかるセラミック溶射被膜54との間に、金属アルコキシド酸化被膜およびセラミック固溶体からなるセラミック溶射被膜(第2のセラミック溶射被膜と称する場合がある。)62、あるいはいずれか一方の被膜が形成してあることが好ましい。
すなわち、このように構成することにより、使用するセラミック耐火物の種類にかかわらず、より優れた耐熱衝撃特性を維持することができる。
【0035】
(1)金属アルコキシド酸化被膜
ここで、金属アルコキシド酸化被膜としては、例えば、ジルコニウムアルコキシドやアルミニウムアルコキシド等の酸化被膜を備えることが好ましい。
この理由は、金属アルコキシド酸化被膜によって、セラミック耐火物の表面活性を改質できるとともに、セラミック耐火物の気孔率を容易に調節することができるためである。したがって、溶融ガラスに対するセラミック溶射被膜の耐熱衝撃特性と、耐剥離や耐溶損性とのバランスをより良好なものとすることができる。
また、かかる金属アルコキシド酸化被膜の厚さを0.01〜1mmの範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる金属アルコキシド酸化被膜の厚さが0.01mm未満の値になると、金属アルコキシド酸化被膜の形成効果が得られない場合があるためである。一方、かかる金属アルコキシド酸化被膜の厚さが1mmを超えると、セラミック耐火物の製造コストが過度に高くなる場合があるためである。
したがって、金属アルコキシド酸化被膜の厚さを0.1〜0.8mmの範囲内の値とすることがより好ましく、0.2〜0.7mmの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
【0036】
(2)第2のセラミック溶射被膜
また、第2のセラミック溶射被膜を構成するセラミック固溶体としては、溶融ガラスに対して非着色性のセラミック固溶体であって、例えば、ZrO2−MgO、ZrO2−Y2O3、およびZrO2−CeO2からなる群から選択される少なくとも一つのセラミック化合物が好ましい。
この理由は、このようなセラミック固溶体からなる第2のセラミック溶射被膜を形成することにより、体積変化が少なくなって、使用するセラミック耐火物の種類にかかわらず、優れた耐熱衝撃特性を発現することができるためである。
また、このようなセラミック固溶体からなる第2のセラミック溶射被膜を形成することにより、比較的緻密な被膜であって、セラミック耐火物に対する密着力に優れた被膜が形成できるためである。
さらに、溶融ガラスに対して非着色性のセラミック固溶体を使用することにより、溶融ガラスが顕著に着色することがなく、得られるガラス成形品への影響を排除することができるためである。
【0037】
また、第2のセラミック溶射被膜の厚さを0.01〜1mmの範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる第2のセラミック溶射被膜の厚さが0.01mm未満の値になると、第2のセラミック溶射被膜の形成効果が得られない場合があるためである。一方、かかる第2のセラミック溶射被膜の厚さが1mmを超えると、溶融ガラスに対する耐熱衝撃特性が低下する場合があるためである。
したがって、第2のセラミック溶射被膜の厚さを0.1〜0.8mmの範囲内の値とすることがより好ましく、0.2〜0.7mmの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
なお、このような第2のセラミック溶射被膜を設けるため、第1のセラミック溶射被膜の厚さを比較的薄くした場合であっても、溶融ガラスに対する十分な耐熱衝撃特性、耐剥離および耐溶損性を得ることができることが判明している。
【0038】
4.表面層
また、図1(c)に示すように、ZrO2を含む電鋳耐火物を原料としたセラミック溶射被膜(第1のセラミック溶射被膜と称する場合がある。)54の表面に、セラミック固溶体からなるセラミック溶射被膜やセラミック非溶体からなるセラミック溶射被膜(それぞれ第3のセラミック溶射被膜と称する場合がある。)72、あるいは白金層72が形成してあることが好ましい。
すなわち、このように構成することにより、第1のセラミック溶射被膜の厚さを比較的薄くした場合であっても、第3のセラミック溶射被膜や白金層の作用によって、さらに優れた耐熱衝撃特性、耐剥離特性および耐溶損特性を得ることができる。
【0039】
(1)第3のセラミック溶射被膜
ここで、第3のセラミック溶射被膜を構成するセラミック固溶体としては、第2のセラミック溶射被膜と同様に、溶融ガラスに対して非着色性のセラミック固溶体であって、例えば、ZrO2−MgO、ZrO2−Y2O3、およびZrO2−CeO2からなる群から選択される少なくとも一つのセラミック化合物であることが好ましい。
また、第3のセラミック溶射被膜を構成するセラミック非固溶体としては、ZrO2−Al2O3、Al2O3−MgO、Al2O3−Y2O3、Al2O3−CeO2等の一種単独または二種以上の組み合わせが挙げられる。
特に、ZrO2−Al2O3は、第1のセラミック溶射被膜がZrO2を含む場合には、好ましいセラミック非固溶体である。
【0040】
(2)白金層
また、第3実施形態では、セラミック耐火物の表面に、第1の層としてのセラミック溶射被膜とともに、その表面層として、白金層をさらに備えることも好ましい。
このように白金を主成分として含む白金層を備えることにより、溶融ガラスに対する耐熱衝撃特性と、耐剥離や耐溶損性とのバランスをより良好なものとすることができるためである。
なお、白金層には、白金以外に他の金属やセラミック材料を含むことも好ましい。
また、このような白金層を設ける場合、その位置はセラミック耐火物の表面に制限されるものでなく、例えば、第1のセラミック溶射被膜上であっても良く、さらには、金属アルコキシド酸化被膜や第2のセラミック溶射被膜を設けた場合には、それらの表面であっても良い。
【0041】
さらに、白金層の厚さを0.01〜1mmの範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる白金層の厚さが0.01mm未満の値になると、白金層の形成効果が得られない場合があるためである。一方、かかる白金層の厚さが1mmを超えると、セラミック耐火物の製造コストが過度に高くなる場合があるためである。
したがって、白金層の厚さを0.1〜0.8mmの範囲内の値とすることがより好ましく、0.2〜0.7mmの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
なお、別途セラミック溶射被膜が設けてあるため、白金層の厚さを比較的薄くすることによっても、溶融ガラスに対する十分な耐熱衝撃特性、耐剥離および耐溶損性を得ることができることが判明している。
【0042】
5.成形品
第1の実施形態のガラス用耐火物を用いて、溶融窯から導入した流動状態の溶融ガラスのフィ−ダに用いられるフォアハース、ブレンダー、オリフィス、スパウト、プランジャ−(ニードル)、ロ−タ、またはチュ−ブのいずれかに成形してあることが好ましい。
より具体的には、第1の実施形態のガラス用耐火物を用いて、図2に示すように、溶融ガラス24の分配流路であって、樋状のフォアハース10の全部または一部を構成することが好ましい。
また、フォアハース10の途中で添加剤を投入した場合であっても、当該添加剤を溶融ガラス24中に均一に混合攪拌するためのブレンダー14の全部または一部を、第1の実施形態のガラス用耐火物を用いて構成することが好ましい。
また、フォアハース10の末端に設けられて、溶融ガラス24を一時的に滞留させた後に、溶融ガラス24を外部に取り出すためのスパウト18の全部または一部を、第1の実施形態のガラス用耐火物を用いて構成することが好ましい。
また、溶融ガラス24を外部に取り出すためのスパウト18の底部排出口に設けられたオリフィス16の全部または一部を、第1の実施形態のガラス用耐火物を用いて構成することが好ましい。
また、溶融ガラス24の吐出量を調節するために、溶融ガラス24を下方に加圧して、押し出すためのプランジャ−22の全部または一部を、第1の実施形態のガラス用耐火物を用いて構成することが好ましい。
さらに、プランジャ−22の周囲に設けられ、溶融ガラス24を攪拌して、均一な温度に調節するためのチュ−ブ20や、図示しないが、当該チュ−ブ20の外側に備えるロータの全部または一部を、第1の実施形態のガラス用耐火物を用いて構成することが好ましい。
そして、このように溶融ガラスのフィ−ダの構成部品として使用することにより、優れた耐熱衝撃特性、耐剥離特性、および耐溶損特性が得られ、流動状態の溶融ガラスであっても、優れた耐久性を得ることができる。
【0043】
[第2実施形態]
第2の実施形態は、プラズマ溶射法を利用した溶融ガラス用耐火物の製造方法であって、下記工程(1)および(2)を含むことを特徴とする溶融ガラス用耐火物の製造方法である。
(1)ZrO2を含む電鋳耐火物からなるセラミック溶射原料を準備する工程(以下、単に、準備工程と称する場合がある。)
(2)セラミック耐火物の表面に、セラミック溶射原料からなるセラミック溶射被膜を、プラズマ溶射法によって形成する工程(以下、単に、溶射工程と称する場合がある。)
以下、構成要件に分けて、第2の実施形態の溶融ガラス用耐火物の製造方法を説明する。
【0044】
1.準備工程
(1)ZrO2を含む電鋳耐火物
第1の実施形態において説明したZrO2を含む電鋳耐火物を使用することができるため、ここでの説明は省略する。
【0045】
(2)前処理工程
また、準備工程において、セラミック耐火物を加熱処理することが好ましい。
この理由は、セラミック耐火物の表面等における不純物を少なくして、セラミック溶射被膜と、セラミック耐火物との間の密着力を向上させるためである。
したがって、セラミック溶射被膜を形成する前に、セラミック耐火物を100〜1,500℃、1分〜24時間の条件で加熱処理することが好ましく、200〜1,000℃未満、1分〜24時間の条件で、加熱処理することがより好ましく、300〜950℃、1分〜24時間の条件で、加熱処理することがさらに好ましい。
【0046】
(3)金属アルコキシド酸化被膜の形成工程
また、セラミック溶射被膜を形成する前に、金属アルコキシド酸化被膜の形成工程を設けて、セラミック耐火物の表面に対して、金属アルコキシド酸化被膜を形成することが好ましい。
この理由は、かかる金属アルコキシド酸化被膜を設けることにより、セラミック耐火物の気孔率を調整することができるとともに、セラミック溶射被膜と、セラミック耐火物との間の密着力を著しく向上させることができるためである。
また、金属アルコキシド酸化被膜の形成工程において、セラミック耐火物の表面に、金属アルコキシド化合物を減圧下に積層した後、当該金属アルコキシド化合物を酸化処理する工程を含むことが好ましい。
この理由は、このように実施することにより、セラミック耐火物の表面のみならず、内部まで金属アルコキシド酸化物が被膜するため、使用するセラミック耐火物の種類にかかわらず、より優れた耐熱衝撃特性を発現する溶融ガラス用耐火物を効率的に製造することができるためである。
【0047】
また、金属アルコキシド酸化被膜の形成工程において、金属アルコキシド化合物を酸化処理する条件としては、空気中で、100〜1,500℃、1分〜24時間の条件で加熱処理することが好ましい。
この理由は、かかる酸化処理温度が100℃未満の値になったり、酸化処理時間が1分未満の値になったりすると、セラミック耐火物の表面に対する金属アルコキシド酸化被膜の密着力が不十分となる場合があるためである。一方、かかる酸化処理温度が1,500℃を超える値になったり、酸化処理時間が24時間を越える値になったりすると、金属アルコキシド酸化被膜の一部が熱分解する場合があるためである。
したがって、金属アルコキシド化合物を酸化処理する際に、200〜1,300℃、1分〜24時間の条件で、加熱処理することがより好ましく、300〜1,000℃、1分〜24時間の条件で、加熱処理することがさらに好ましい。
【0048】
2.溶射工程
(1)プラズマ溶射装置
第2の実施形態においては、セラミック溶射被膜を形成するにあたり、図3に示すようなセラミック溶射装置100を用いたプラズマ溶射法(プラズマアーク溶射法を含む。)を採用することを特徴とする。すなわち、プラズマ材料を吸引するための吸引口102と、プラズマ形成ガスを吸引するための吸引口104と、セラミック材料110を吸引するための吸引口106と、を備えており、噴出口108において、セラミック材料110を含む噴霧流114を、基材118に対して、溶射する構成であることが好ましい。
この理由は、このようなプラズマ溶射装置であれば、粒子状のZrO2を含む電鋳耐火物からなるセラミック溶射原料を十分に溶解させて、セラミック耐火物の表面上に、均一な厚さを有するとともに、耐熱性に優れた緻密なセラミック溶射膜を形成することができるためである。
なお、セラミック溶射装置に用いられるプラズマ材料としては、例えば、ガスプラズマ、水プラズマ等を採用することができる。
【0049】
(2)溶射温度
また、プラズマ溶射法を実施するに際して、その溶射温度を5,000〜15,000℃の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる溶射温度が5,000℃未満の値になると、均一な厚さのセラミック溶射被膜を形成することが困難になったり、あるいは、セラミック耐火物と、セラミック溶射被膜との間の密着力が不十分となったりする場合があるためである。一方、かかる溶射温度が15,000℃を超えた値になると、セラミック溶射被膜やセラミック耐火物の一部が熱分解する場合があるためである。
したがって、プラズマ溶射法を実施するに際して、溶射温度を7,000〜13,000℃の範囲内の値とすることがより好ましく、9,000〜12,000℃の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
【0050】
3.後処理工程
セラミック溶射被膜を形成した後に、後処理工程を設けて、100〜1,500℃の範囲内の温度で、1分〜24時間の条件で、加熱することが好ましい。
この理由は、かかる後処理温度が100℃未満の値になったり、後処理時間が1分未満の値になったりすると、セラミック耐火物の表面に対するセラミック溶射被膜の密着力が不十分となる場合があるためである。一方、かかる後処理温度が1,500℃を超える値になったり、後処理時間が24時間を越える値になったりすると、セラミック溶射被膜等の一部が熱分解する場合があるためである。
したがって、セラミック溶射被膜を形成した後の後処理工程において、200〜1,300℃、1分〜24時間の条件で、加熱処理することがより好ましく、300〜1,000℃、1分〜24時間の条件で、加熱処理することがさらに好ましい。
また、かかる後処理工程において、マイクロ波加熱処理を行うことが好ましい。この理由は、マイクロ波加熱処理であれば、短時間の加熱処理が可能となるばかりか、セラミック耐火物の内部まで十分に加熱することができるためである。
したがって、マイクロ波加熱処理を行うことにより、セラミック耐火物の内部に残留している不純物等であっても、十分に除去することが可能となる。
【0051】
4.第3のセラミック溶射被膜または白金層の形成工程
第3のセラミック溶射被膜または白金層の形成工程を設けて、上述したセラミック溶射被膜(第1のセラミック溶射被膜)の表面に、非固溶体からなる第3のセラミック溶射被膜、または白金層を形成することが好ましい。
このように実施することにより、耐熱衝撃特性と、耐剥離特性や耐溶損特性とのバランスがより良好な複合膜としてのセラミック溶射被膜を備えた溶融ガラス用耐火物を効率的に提供することができる。
なお、第3のセラミック溶射被膜や白金層を形成するにあたり、第1のセラミック溶射被膜を形成するのと同様に、プラズマ溶射法や溶融射出コーティング法を採用することが好ましい。
【0052】
【実施例】
[実施例1]
(1)溶融ガラス用耐火物の作成
アルミナ成分(Al2O3)70重量%、ジルコニア成分(ZrO2)20重量%、およびシリカ成分(SiO2)10重量%の組成からなり、見掛け気孔率が20%のセラミック耐火物を準備した。
このセラミック耐火物を、断面が8mm×8mmの正方形であって、長さが40mmの立方体形状に加工した。
次いで、このセラミック耐火物の表面に、ガスプラズマ装置を用いて、以下の溶射条件にて、平均粒径50μmのZrO2を含む電鋳耐火物(ZrO2:94.5重量%、SiO2:4.5重量%、Al2O3:1.0重量%)を、1ショット当り、20mmΦの面積、10μmの厚さになるように溶射して、該溶射面に膜厚0.5mmのセラミック溶射被膜を形成し、後述する溶損性および熱衝撃性の評価サンプルとした。
プラズマ溶射出力:40kw
プラズマガス :Ar−N2
溶射距離 :100mm
溶射温度 :10,000℃
溶射装置移動速度:50mm/秒
また、直径50mm、長さ1,500mmの円柱状に加工したセラミック耐火物の表面に、同様のガスプラズマ装置を用いて、平均粒径50μmのZrO2を含む電鋳耐火物(ZrO2:94.5重量%、SiO2:4.5重量%、Al2O3:1.0重量%)を、1ショット当り、20mmΦの面積、10μmの厚さになるように溶射して、該溶射面に膜厚0.5mmのセラミック溶射被膜を形成し、実機試験用の評価サンプルとした。
【0053】
(2)溶融ガラス用耐火物の評価
(2)−1 耐溶損性
ソーダ石灰ガラス瓶の粉砕品(32メッシュに整粒したもの)をルツボ内に収容した後、1,400℃の条件で加熱溶解した後、攪拌状態の溶解ガラスの中に、得られた溶融ガラス用耐火物を72時間浸漬した。次いで、溶解ガラスを攪拌しながら、溶融ガラス用耐火物の溶損量をノギスにて測定し、以下の基準に準じて溶損性を評価した。
◎:溶損量は0.05mm以下である。
○:溶損量は0.1mm以下である。
△:溶損量は0.2mm以下である。
×:溶損量は0.2mmを越える値である。
【0054】
(2)−2 耐熱衝撃性
得られた溶融ガラス用耐火物を、1,200℃に加熱した電気炉内に、長さ方向の半分を挿入して15分間保持した後、炉より取り出して15分間放冷する操作を繰り返した。そして、溶融ガラス用耐火物に亀裂が発生するまでの繰り返し回数を目視により調べることにより、以下の基準に準じて熱衝撃性を評価した。
◎:100回繰り返しても、外観変化無し。
○:50回繰り返しても、外観変化無し。
△:10回繰り返しても、外観変化無し。
×:10回未満の繰り返しで、外観変化有り。
【0055】
(2)−3 実機評価
得られた実機試験用の評価サンプルを、ガラス容器製造装置におけるスパウトのニードルとして用い、ソーダ石灰ガラス容器(溶融温度:約1,400℃)の製造実験を連続的に実施して、以下の基準に準じて実機評価を行った。
◎:1ヶ月経過後も、外観変化無し。
○:1週間経過後も、外観変化無し。
△:24時間経過後も、外観変化無し。
×:24時間経過後に、外観変化有り。
【0056】
[実施例2〜4]
実施例2〜4では、セラミック溶射被膜の膜厚の影響を検討した。すなわち、実施例1で形成した膜厚0.5mmのセラミック溶射被膜のかわりに、実施例2では、膜厚0.1mmのセラミック溶射被膜を形成し、実施例3では、膜厚0.7mmのセラミック溶射被膜を形成し、実施例4では、膜厚1mmのセラミック溶射被膜を形成したほかは、それぞれ実施例1と同様に溶融ガラス用耐火物を作成して、評価した。得られた結果を、表1に示す。
【0057】
[実施例5〜8]
実施例5〜8では、セラミック溶射被膜を構成するZrO2を含む電鋳耐火物の平均粒径の影響を検討した。すなわち、実施例1で使用した平均粒径50μmのZrO2を含む電鋳耐火物のかわりに、実施例5では、平均粒径10μmのZrO2を含む電鋳耐火物を使用し、実施例6では、平均粒径80μmのZrO2を含む電鋳耐火物を使用し、実施例7では、平均粒径120μmのZrO2を含む電鋳耐火物を使用し、実施例8では、平均粒径30μmのZrO2を含む電鋳耐火物を50重量%使用するとともに、平均粒径50μmのZrO2を含む電鋳耐火物を50重量%使用したほかは、それぞれ実施例1と同様に溶融ガラス用耐火物を作成して、評価した。得られた結果を、表2に示す。
【0058】
[実施例9〜11]
実施例9〜11では、セラミック溶射被膜を構成するZrO2を含む電鋳耐火物の種類の影響を検討した。
すなわち、実施例1で使用した平均粒径50μmのZrO2を含む電鋳耐火物(ZrO2:94.5重量%、SiO2:4.5重量%、Al2O3:1.0重量%)のかわりに、実施例9では、平均粒径50μmのZrO2を含む電鋳耐火物(ZrO2:80重量%、SiO2:18.5重量%、Al2O3:1.0重量%、Na2O:0.5重量%)を使用し、実施例10では、平均粒径50μmのZrO2を含む電鋳耐火物(ZrO2:70重量%、SiO2:29重量%、Al2O3:1.0重量%)を使用し、実施例11では、平均粒径50μmのZrO2を含む電鋳耐火物(ZrO2:45重量%、SiO2:10重量%、Al2O3:45重量%)を使用したほかは、それぞれ実施例1と同様に溶融ガラス用耐火物を作成して、評価した。得られた結果を、表3に示す。
【0059】
[実施例12〜13]
実施例12〜13では、第1のセラミック溶射被膜と、セラミック耐火物との間の、下地層の影響を検討した。
すなわち、実施例1で使用した無処理のセラミック耐火物のかわりに、実施例12では、表面にジルコニア酸化被膜を形成したセラミック耐火物を使用し、実施例13では、表面にアルミニウム酸化被膜を形成したセラミック耐火物を使用したほかは、それぞれ実施例1と同様に溶融ガラス用耐火物を作成して、評価した。得られた結果を、表4に示す。
【0060】
[実施例14〜15]
実施例14〜15では、第1のセラミック溶射被膜の表面における最外層の影響を検討した。
すなわち、実施例14では、実施例1のガラス用耐火物における第1のセラミック溶射被膜の表面に、非固溶体であるZrO2−Al2O3からなる厚さ0.5mmの第3のセラミック溶射被膜を設け、実施例13では、最外層として、厚さ0.1mmの白金層を設けたほかは、実施例1と同様に溶融ガラス用耐火物を作成して、評価した。得られた結果を、表4に示す。
【0061】
[比較例1]
比較例1においては、実施例1で使用したセラミック耐火物の表面に、セラミック溶射被膜を形成せずに、セラミック耐火物をそのまま使用した以外は、実施例1と同様に、セラミック耐火物を評価した。得られた結果を、表1に示す。
【0062】
[比較例2]
比較例2においては、セラミック耐火物として、アルミナ成分(Al2O3)80重量%、およびシリカ成分(SiO2)20重量%の組成からなり、見掛け気孔率が20%のセラミック耐火物を用いるとともに、セラミック溶射被膜原料として、実施例1で使用したZrO2を含む電鋳耐火物のかわりに、アルミナ成分(Al2O3)のみを使用したほかは、実施例1と同様に溶融ガラス用耐火物を作成して、評価した。得られた結果を、表1に示す。
【0063】
[比較例3]
比較例3においては、セラミック溶射被膜原料として、実施例1で使用したZrO2を含む電鋳耐火物のかわりに、Cr2O3−Al2O3固溶体を使用したほかは、実施例1と同様に溶融ガラス用耐火物を作成して、評価した。得られた結果を、表1に示す。
【0064】
【表1】
【0065】
【表2】
【0066】
【表3】
【0067】
【表4】
【0068】
【発明の効果】
本発明の溶融ガラス用耐火物によれば、特定材料からなるセラミック溶射被膜を備えることにより、基材としてのセラミック耐火物の種類にかかわらず、優れた耐熱衝撃特性を維持するとともに、流動状態の溶融ガラスに対して長時間接触させた場合であっても、例えば、図4(a)〜(b)(それぞれ1,400〜1,600℃の流動状態の溶融ガラスに1ヶ月接触、倍率120および800)に示すように、セラミック溶射被膜の剥離や溶損が少ない溶融ガラス用耐火物を提供することができるようになった。
また、本発明の溶融ガラス用耐火物の製造方法によれば、特定のセラミック溶射被膜を形成する工程を設けることにより、基材としてのセラミック耐火物の種類にかかわらず、優れた耐熱衝撃特性を維持するとともに、流動状態の溶融ガラスに対して長時間接触させた場合であっても、例えば、図4(a)〜(b)に示すように、セラミック溶射被膜の剥離や溶損が少ない溶融ガラス用耐火物を効率的に提供することができるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(b)は、本発明の溶融ガラス用耐火物の断面図である。
【図2】ガラスフィ−ダを説明するために供する図である。
【図3】セラミック溶射装置を説明するために供する図である。
【図4】(a)〜(b)は、本発明の溶融ガラス用耐火物(実施例1)の耐溶損性評価後の表面状態を示す写真(それぞれ倍率120および800)である。
【図5】(a)〜(b)は、従来のセラミック耐火物における溶損した表面状態を示す写真(それぞれ倍率800および1,500)である。
【符号の説明】
10:溶融ガラスフィ−ダ
12:フォアハース
14:ブレンダー
16:オリフィス
18:スパウト
20:チュ−ブ
22:プランジャ−
24:溶融ガラス
50:溶融ガラス用セラミック耐火物
52:セラミック耐火物
54:セラミック溶射被膜
60:溶融ガラス用セラミック耐火物
62:金属アルコキシド酸化被膜
70:溶融ガラス用セラミック耐火物
72:非固溶体からなるセラミック溶射被膜
100:セラミック溶射装置[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a refractory for a molten glass provided with a ceramic spray coating made of a specific substance and, more particularly, to a method for manufacturing the refractory for a molten glass. The present invention relates to a refractory for molten glass with little peeling and melting loss and a method for producing the same.
[0002]
[Prior art]
In recent years, in the production of glass molded products such as plate glass, glass bottles, glass tableware, and glass containers, most of the production process has been automated. Specifically, it is obtained by heating and melting glass raw materials in a glass melting furnace. The molten glass to be produced is automatically supplied to the bottle making process, which is the next process, through the molten glass feeder.
Such a molten glass feeder typically has a forehearth as a molten glass distribution channel, a blender for stirring the molten glass, a spout for temporarily retaining the molten glass, and an outlet for the molten glass. And a plunger for adjusting the flow rate of the molten glass, and a tube for stirring the molten glass and adjusting the temperature uniformly.
And the component of such a molten glass feeder is mainly formed from the ceramic refractory. That is, such a ceramic refractory is prepared by mixing a refractory material such as alumina / mullite, alumina / zircon, etc., an organic binder, and water to form a slurry, followed by a casting method using a plaster mold, etc. It is manufactured by molding into a predetermined shape by a method, then drying and firing.
[0003]
Cr2O3-Al2O3A ceramic spraying method for spraying a solid solution is disclosed (for example, Patent Document 1).
More specifically, a material having the same composition as the base material is applied to a base material surface made of a refractory having a surface roughness (Rmax) of 10 to 30 μm preheated to a temperature of 1,000 to 1,200 ° C. After thermal spraying, the material with the same composition as the base metal and Cr2O3-Al2O3As the amount ratio of the solid solution becomes the upper layer, Cr2O3-Al2O3The material changed to increase the amount of solid solution is sprayed, and finally Cr is applied to the surface of the sprayed layer.2O3-Al2O3A ceramic spraying method characterized by spraying only a solid solution is disclosed.
[0004]
Moreover, the refractory for molten glass feeders by which the ceramic sprayed coating was formed in the base-material surface which consists of a refractory material of a specific material is disclosed (for example, patent document 2).
More specifically, any one of alumina, mullite, zirconia, zircon, or the surface of a refractory consisting of 55 wt% to 85 wt% alumina component and 15 wt% to 45 wt% silica component, or There is disclosed a refractory for a molten glass feeder provided with a ceramic sprayed coating formed by gas plasma spraying or water plasma spraying of a ceramic sprayed coating made of alumina, silica and zirconia.
[0005]
Furthermore, as a refractory for a glass melting furnace, ZrO2High zirconia electroformed refractory containing 90% by weight or more, Al2O3And ZrO2Alumina, zirconia, and siliceous electrocast refractories containing about 30 to 50% by weight are disclosed (for example, Patent Documents 3 and 4).
[0006]
[Patent Document 1]
JP-A-2-184588 (Claims)
[Patent Document 2]
JP 2000-95528 A (Claims)
[Patent Document 3]
Japanese Patent Laid-Open No. 10-67570 (Claims)
[Patent Document 4]
JP-A-10-101419 (Claims)
[0007]
[Problems to be solved by the invention]
However, in the conventional molten glass feeder, since the molten glass in a fluidized state is in contact (infiltrated) for a long time, FIG. 5 (a) (1,400 ° C., 12 hours immersion) and (b) (1, As shown in (Soaked at 400 ° C. for 24 hours), the ceramic material constituting the ceramic refractory gradually becomes finer, and the refractory peels off, or a large amount of melting damage occurs due to a reaction at a high temperature. The problem was seen. Therefore, conventional ceramic refractories have a short lifetime for molten glass, and the glass manufacturing process must be frequently interrupted to repair or replace components made of ceramic refractories in the molten glass feeder. It was. In addition, since the melted ceramic refractory causes foreign substances and bubbles in the glass molded body, and further causes glass devitrification due to the melted damage, the yield in the production of the glass molded body is low. There were also problems.
Of course, in order to improve the service life of the ceramic refractory with respect to the molten glass, an attempt has been made to improve the peelability due to the infiltration of the molten glass and the meltability due to the reaction by densifying the structure of the ceramic refractory. However, simply densifying the structure of the ceramic refractory has a problem that the thermal shock resistance, which is another requirement for this type of ceramic refractory, is significantly reduced. Accordingly, cracks or cracks are likely to occur on the surface of the ceramic refractory, and therefore, there has been a new problem that the ceramic refractory cannot be a practically satisfactory ceramic refractory.
In addition, attempts have been made to improve the peel resistance and erosion resistance by providing a relatively thick and expensive platinum layer on the surface of the ceramic refractory of the molten glass feeder. There was a problem that the manufacturing cost of glass products and glass products was significantly increased.
[0008]
Moreover, according to the ceramic spraying method disclosed in Patent Document 1, when the coating is applied to a refractory having a surface roughness (Rmax) exceeding 30 μm, the formed ceramic sprayed film is easily peeled off. was there.
In addition, ceramic spraying has to be performed in three or more steps, and manufacturing problems such as an increase in manufacturing time and difficulty in manufacturing management have been observed.
Furthermore, when the refractory provided with the obtained ceramic sprayed film is used as a refractory for a molten glass feeder at about 1,400 ° C. in a fluid state, Cr2O3-Al2O3There was a problem that the ceramic sprayed coating made of solid solution was dissolved and the refractory was easily colored.
[0009]
Further, according to the refractory for molten glass feeder disclosed in Patent Document 2, not only the content of the alumina component but also the silica component, the content of the ceramic refractory is strictly limited in the range of 15 to 45% by weight. There was a problem that the kind of ceramic refractory was severely limited.
That is, when the disclosed refractory for molten glass feeder has a silica component content of less than 15% by weight, cracking is likely to occur due to heat shock or the like, and sufficient thermal shock resistance as a refractory for glass feeder is obtained. There was a problem that it could not be maintained. On the other hand, when the content of the silica component exceeds 45% by weight, the reaction between the refractory for the molten glass feeder and the molten glass component becomes noticeable when it comes into contact with the molten glass. There was a problem that the refractories for use were severely melted.
In addition, the disclosed refractories for molten glass feeders use ceramic materials for forming a sprayed film made of alumina, mullite, zirconia, zircon, or alumina / silica / zirconia. For example, when the molten glass at about 1,400 ° C. to 1,600 ° C. is in a fluid state, the refractory for the molten glass feeder is frequently repaired in a short time. Or had to be replaced.
[0010]
Further, Patent Literature 3 and Patent Literature 4 disclose that a high zirconia electrocast refractory or an alumina / zirconia / silica electrocast refractory is molded and used as a refractory for a melting furnace. However, there were problems such as high cost and poor thermal shock resistance. Further, such high zirconia electrocast refractories and alumina / zirconia / silica electrocast refractories have extremely high melting points and are generally considered not suitable for plasma spraying.
[0011]
Therefore, the present invention has been made to solve the above technical problem, and by forming a ceramic sprayed coating made of a specific material, it is excellent regardless of the type of ceramic refractory used as a substrate. While maintaining the thermal shock resistance, it is a case where the molten glass is brought into contact with the molten glass in a flowing state at 1,400 to 1,600 ° C. for 72 hours or longer in the molten glass feeder, for example, in a molten glass feeder. Even if it exists, it aims at providing each refractory material for molten glass with little peeling and a melting loss, and its manufacturing method.
[0012]
[Means for Solving the Problems]
According to the refractory for molten glass of the present invention, ZrO is applied to the surface of the ceramic refractory.2There is provided a refractory for molten glass, characterized in that a ceramic sprayed coating made of an electrocast refractory containing selenium as a raw material is formed, and the above-mentioned problems can be solved.
That is, ZrO2By forming a ceramic spray coating made of electrocast refractory containing gallium, the volume change due to temperature change of the ceramic spray coating is reduced, and excellent thermal shock characteristics regardless of the type of ceramic refractory used Can be expressed.
In addition, by forming such a ceramic sprayed coating, a dense coating that has excellent adhesion to ceramic refractories is formed. Even if it exists, peeling and a melting loss of a ceramic sprayed coating can be reduced significantly.
Furthermore, ZrO2The ceramic sprayed coating made of an electrocast refractory containing selenium can be made transparent by making the base ceramic refractory transparent or can be made non-transparent by adjusting its thickness. Therefore, when it is possible to see through, the state of the ceramic refractory can be easily confirmed with the naked eye, and when it is made non-perspective, the state of the ceramic sprayed coating can be easily confirmed with the naked eye. it can.
[0013]
Further, in constituting the refractory for molten glass of the present invention, the electrocast refractory is a granular material before the ceramic spray coating is formed, and the average particle size of the granular material is 0.1 to 500 μm. A value within the range is preferable.
By configuring in this way, ZrO2Even when an electroformed refractory containing is used as a raw material, a ceramic sprayed coating having a uniform thickness can be easily formed using a plasma spraying method or the like.
[0014]
Further, in constituting the refractory for molten glass of the present invention, the electroformed refractory is ZrO with respect to the total amount.2In the range of 30 to 99% by weight, it is preferable to include the vitreous in the range of 1 to 70% by weight.
By configuring in this way, not only can the heat resistance of the ceramic spray coating be improved, but also the adhesion between various ceramic refractories can be improved. Even when the contact is made for a long time, it is possible to remarkably reduce peeling of the ceramic sprayed coating and melting damage.
[0015]
Further, in constituting the refractory for molten glass of the present invention, the vitreous material in the electroformed refractory is SiO with respect to the total amount of the vitreous material.2In the range of 50 to 90% by weight, and ZrO2Is preferably contained in the range of 10 to 50% by weight.
By constituting in this way, it is possible to improve the heat resistance and bondability of the vitreous in the ceramic sprayed coating, and as a result, even if it is in contact with the molten glass in a fluid state for a longer time, Peeling and erosion of the ceramic spray coating can be significantly reduced.
[0016]
Moreover, when comprising the refractory for molten glass of this invention, it is preferable to make the thickness of a ceramic sprayed coating into the value within the range of 0.01-10 mm.
By comprising in this way, the balance of the thermal shock characteristic obtained, and peeling resistance and melt-proof resistance can be made more favorable.
[0017]
Further, when constituting the refractory for molten glass of the present invention, a ceramic sprayed coating composed of a metal alkoxide oxide coating and a ceramic solid solution, or one of the coatings, is formed between the surface of the ceramic refractory and the ceramic sprayed coating. Preferably it is formed.
With this configuration, it is possible to maintain superior thermal shock resistance regardless of the type of ceramic refractory used, and to be in contact with the molten glass in a fluid state for a long time. However, it is possible to provide a refractory for molten glass with less peeling and melting loss.
[0018]
Further, in constituting the refractory for molten glass of the present invention, when the total amount of the ceramic refractory is 100% by weight, Al2O350 to 90% by weight, ZrO21 to 40% by weight, and SiO2Is preferably contained in the range of less than 0.1 to 15% by weight.
With this configuration, the adhesion of the ceramic sprayed coating to the base is improved, and the difference in thermal expansion coefficient between the ceramic sprayed coating and the ceramic refractory is reduced. Can be expressed.
[0019]
In addition, when constituting the refractory for molten glass of the present invention, it is molded into any of the foreground, blender, orifice, spout, plunger, rotor, or tube used in the molten glass feeder. Is preferred.
By constructing a refractory for molten glass in this way and using it in a molten glass feeder that has many opportunities to come into contact with molten glass in a fluidized state, the balance between thermal shock resistance, peel resistance and erosion resistance can be balanced. It becomes a favorable thing and can obtain the outstanding durability with respect to molten glass.
[0020]
Another aspect of the present invention is a method for producing a refractory for molten glass, comprising the following steps (1) and (2) in a method for producing a refractory for molten glass using a plasma spraying method. It is.
(1) ZrO2For preparing ceramic sprayed raw material made of electroformed refractory containing
(2) A step of forming a ceramic sprayed coating made of a ceramic spraying material on the surface of the ceramic refractory by a plasma spraying method.
In other words, by forming a ceramic spray coating made of a specific electrocast refractory as described above, it exhibits excellent thermal shock characteristics regardless of the type of ceramic refractory used, and is suitable for flowing molten glass. Even when the contact is made for a long time, it is possible to efficiently produce a refractory for a molten glass with little peeling of the ceramic sprayed coating or melting loss.
[0021]
Moreover, when implementing the manufacturing method of the refractory for molten glass of this invention, it is preferable to use the granular material with an average particle diameter of 0.1-500 micrometers as a ceramic spraying raw material which consists of an electroformed refractory.
By carrying out in this way, ZrO2Even when an electroformed refractory containing is used as a ceramic spray raw material, a dense ceramic spray coating having a uniform thickness can be easily formed using a plasma spraying method or the like.
[0022]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
[First Embodiment]
In the first embodiment, as shown in FIG. 1A, the surface of the ceramic refractory 52 is formed with ZrO.2It is a refractory 50 for molten glass in which a ceramic sprayed coating 54 made of an electrocast refractory containing selenium is formed.
Hereinafter, the refractory for molten glass according to the first embodiment will be described separately according to constituent requirements.
[0023]
1. Ceramic refractory
(1) Kind
The ceramic refractory is not particularly limited as long as it is a refractory mainly composed of a ceramic material. For example, Al2O3(Alumina), ZrO2(Zirconia), SiO2(Silicon oxide), B4C (boron carbide), Cr3C2(Chromium carbide), HfC (hafnium carbide), Mo2C (molybdenum carbide), SiC (silicon carbide), TaC (tantalum carbide), TiC (titanium carbide), WC (tungsten carbide), VC (vanadium carbide), ZrB2(Zirconium boride), ZrC (zirconium carbide), MgO (magnesium oxide), ZrO2・ SiO2It is preferably composed of at least one of (zircon) and the like.
[0024]
When the ceramic refractory is composed of a plurality of ceramic materials, the total amount is 100% by weight.2O350 to 90% by weight, ZrO21 to 40% by weight, and SiO2Is preferably contained in the range of less than 0.1 to 15% by weight.
The reason for this is that Al2O3This is because the heat resistance of the ceramic refractory may be significantly lowered when the content of is less than 50% by weight. On the other hand, such Al2O3This is because if the content of is more than 90% by weight, the toughness of the ceramic refractory is lowered and may become brittle.
Also, such ZrO2When the content of is less than 1% by weight, the compatibility with the ceramic sprayed coating is lowered, and the thermal shock resistance of the resulting ceramic sprayed coating may be significantly lowered. On the other hand, such ZrO2This is because if the content of exceeds 40% by weight, the heat resistance of the ceramic refractory may be significantly lowered.
Such SiO2When the content of is less than 0.1% by weight, the compatibility with the ceramic sprayed coating is lowered, and the thermal shock resistance of the ceramic sprayed coating may be significantly lowered. On the other hand, such SiO2This is because if the content of is 15% by weight or more, the toughness of the ceramic refractory is lowered and may become brittle.
[0025]
Therefore, when the ceramic refractory is composed of a plurality of ceramic materials, the composition is Al when the total amount is 100% by weight.2O360-80% by weight, ZrO25 to 30% by weight, and SiO2Is more preferably contained in the range of less than 1 to 13% by weight, Al2O365 to 75 wt%, ZrO210 to 25% by weight, and SiO2More preferably, it is contained in a range of less than 5 to 10% by weight.
In addition, within the range which does not deviate from the objective of this invention, B4C, Cr3C2, HfC, Mo2C, SiC, TaC, TiC, WC, VC, ZrB2, ZrC, MgO, ZrO2・ SiO2It is also preferable to add ceramic materials such as.
[0026]
(2) Refractory temperature
Moreover, it is preferable to make the fireproof temperature of a ceramic refractory into the value of 800 degreeC or more.
This is because when the ceramic refractory has a refractory temperature of less than 800 ° C., even if a ceramic spray coating is provided, the refractory resistance of the ceramic refractory may be significantly reduced.
However, it is because the constituent material of the ceramic refractory which can be used may be restrict | limited too much when the refractory temperature of this ceramic refractory becomes excessively high.
Therefore, the refractory temperature of the ceramic refractory is more preferably set to a value within the range of 900 to 2,000 ° C, and further preferably set to a value within the range of 1,000 to 1,800 ° C.
In addition, the refractory temperature of such a ceramic refractory means a temperature at which no significant change in appearance is observed when the ceramic refractory is heated for 24 hours.
[0027]
(3) Surface roughness
Moreover, it is preferable to make the surface roughness (Rmax) of a ceramic refractory into the value within the range of 0.035-5 mm.
The reason for this is that when the surface roughness (Rmax) of the ceramic refractory is less than 0.035 mm, it becomes difficult to thermally spray the ceramic material on the inside of the ceramic refractory, This is because the adhesion between the ceramic spray coating and the ceramic spray coating may be reduced. On the other hand, when the surface roughness (Rmax) of the ceramic refractory exceeds 5 mm, the adhesion between the ceramic refractory and the ceramic sprayed coating also decreases, and the thermal shock resistance of the ceramic sprayed coating significantly decreases. It is because there is a case to do.
Therefore, the surface roughness (Rmax) of the ceramic refractory is more preferably set to a value within the range of 0.04 to 3 mm, and further preferably set to a value within the range of 0.05 to 1 mm.
The surface roughness (Rmax) of the ceramic refractory can be measured using a contact-type surface roughness meter.
[0028]
(4) Porosity
Moreover, it is preferable to make the porosity of a ceramic refractory into the value within the range of 0.1 to 30%.
The reason for this is that when the porosity of such ceramic refractory is less than 0.1%, the weight of the ceramic refractory becomes excessively heavy or the types of ceramic materials that can be used are excessively limited. Because there is. On the other hand, if the porosity of the ceramic refractory exceeds 30% by weight, the adhesion between the ceramic refractory and the ceramic sprayed coating may be reduced, and the thermal shock resistance of the ceramic sprayed coating may be significantly reduced. Because there is.
Therefore, the porosity of the ceramic refractory is more preferably set to a value within the range of 1 to 25% by weight, and further preferably set to a value within the range of 5 to 20%.
In addition, the porosity of this ceramic refractory can be measured using a specific gravity method.
[0029]
2. Ceramic spray coating
(1) Electroformed refractory
Further, in constituting the refractory for molten glass provided with the ceramic sprayed coating of the present invention, as a raw material for the ceramic sprayed coating, ZrO2It is characterized by using an electroformed refractory containing a predetermined amount.
This is because a ceramic sprayed coating made of such an electroformed refractory hardly causes a significant volume change even when it undergoes a phase transition due to a change in ambient temperature. Therefore, when a ceramic sprayed coating is formed, excellent thermal shock resistance can be exhibited.
In addition, the electroformed refractory used is ZrO2This is because by containing a predetermined amount, the adhesion between the ceramic refractory and the ceramic sprayed coating can be improved, and more excellent thermal shock resistance can be exhibited.
[0030]
Here, it is preferable that the electroformed refractory is a granular material before the ceramic spray coating is formed, and the average particle diameter of the granular material is set to a value within the range of 0.1 to 500 μm.
This is because, when the average particle size of the granular material is less than 0.1 μm, it may be difficult to handle the granular material or the plasma spraying device may be clogged. On the other hand, if the average particle diameter of such a granular material exceeds 500 μm, it may be difficult to form a ceramic sprayed coating having a uniform thickness by a plasma spraying method or the like.
Therefore, as an electrocast refractory, while using a granular material, it is more preferable to make the average particle diameter of the said granular material into the value within the range of 5-300 micrometers, and set it as the value within the range of 10-100 micrometers. More preferably.
In addition, it is also preferable to use two or more types of electrocast refractories having different average particle diameters. For example, electrocast refractories having an average particle diameter of less than 0.1 to 40 μm, and batteries having an average particle diameter of 40 to 500 μm. It is also preferred to use a mixture with a cast refractory.
[0031]
Moreover, the electroformed refractory is ZrO with respect to the total amount.2In the range of 30 to 99% by weight, it is preferable to include the vitreous in the range of 1 to 70% by weight.
This is because ZrO contained in such electroformed refractories.2This is because the heat resistance of the resulting ceramic sprayed coating may be significantly lowered when the content of the ZrO is less than 30% by weight.2This is because if the content of C exceeds 99% by weight, the denseness of the resulting ceramic sprayed coating is lowered, and the molten glass in a fluid state may be melted in a short time.
Further, when the content of vitreous contained in the electroformed refractory becomes a value of less than 1% by weight, ZrO2This is because the binding property is insufficient, the denseness of the resulting ceramic spray coating is lowered, and the molten glass in a fluid state may be melted in a short time. On the other hand, if the glassy content exceeds 70% by weight, the heat resistance of the resulting ceramic sprayed coating may be significantly reduced.
Therefore, the electroformed refractory is ZrO with respect to the total amount.2It is more preferable that ZrO is contained in the range of 40 to 98% by weight and glassy in the range of 2 to 60% by weight.2It is more preferable that the glassy material is contained in the range of 5 to 30% by weight.
[0032]
Further, the vitreous material in the electroformed refractory is composed of SiO2 with respect to the total amount of the vitreous material.2In the range of 50 to 90% by weight, and ZrO2Is preferably contained in the range of 10 to 50% by weight.
This is because the vitreous SiO contained in such electroformed refractories.2When the content of is less than 50% by weight, the heat resistance of the vitreous is remarkably lowered, and as a result, the heat resistance of the obtained ceramic spray coating may be remarkably lowered. On the other hand, such glassy SiO2This is because it may be difficult to form a ceramic sprayed coating having a uniform thickness by a plasma spraying method or the like if the content of is over 90% by weight.
Moreover, the vitreous ZrO contained in such electroformed refractories2This is because if the content of is less than 10% by weight, the denseness of the resulting ceramic spray coating is reduced, and the molten glass in a fluid state may be melted in a short time. On the other hand, glassy ZrO2This is because the heat resistance of the vitreous material is remarkably lowered when the content of is more than 50% by weight, and as a result, the heat resistance of the resulting ceramic spray coating may be remarkably lowered.
Therefore, the vitreous material in the electroformed refractory is SiO 2 with respect to the total amount of the vitreous material.2In the range of 55 to 88% by weight, and ZrO2Is more preferably contained in the range of 12 to 45% by weight, SiO 22In the range of 60 to 80% by weight and ZrO2Is more preferably contained in the range of 20 to 40% by weight.
[0033]
(2) Thickness
Moreover, it is preferable to make the thickness of a ceramic sprayed coating into the value within the range of 0.01-10 mm.
The reason for this is that when the thickness of the ceramic sprayed coating is less than 0.01 mm, pinholes, film wear and peeling may easily occur. On the other hand, if the thickness of the ceramic sprayed coating exceeds 10 mm, sufficient thermal shock resistance as a refractory for a glass feeder may not be maintained depending on the temperature and flow state of the molten glass.
Therefore, the thickness of the ceramic sprayed coating is more preferably set to a value within the range of 0.1 to 5 mm, and further preferably set to a value within the range of 0.5 to 2 mm.
[0034]
3. Underlayer
In addition, as shown in FIG.2As a base layer of a ceramic sprayed coating (which may be referred to as a first ceramic sprayed coating) 54 made of an electrocast refractory containing a metal, a metal is interposed between the ceramic refractory 52 and the ceramic sprayed coating 54. It is preferable that a ceramic sprayed coating (sometimes referred to as a second ceramic sprayed coating) 62 composed of an alkoxide oxide coating and a ceramic solid solution, or any one of the coatings is formed.
That is, by comprising in this way, the more outstanding thermal shock characteristic can be maintained irrespective of the kind of ceramic refractory to be used.
[0035]
(1) Metal alkoxide oxide film
Here, as a metal alkoxide oxide film, it is preferable to provide oxide films, such as a zirconium alkoxide and aluminum alkoxide, for example.
This is because the metal alkoxide oxide film can modify the surface activity of the ceramic refractory and can easily adjust the porosity of the ceramic refractory. Therefore, it is possible to further improve the balance between the thermal shock resistance characteristics of the ceramic sprayed coating on the molten glass and the resistance to peeling and erosion resistance.
Moreover, it is preferable to make the thickness of this metal alkoxide oxide film into the value within the range of 0.01-1 mm.
This is because, when the thickness of the metal alkoxide oxide film is less than 0.01 mm, the effect of forming the metal alkoxide oxide film may not be obtained. On the other hand, if the thickness of the metal alkoxide oxide film exceeds 1 mm, the production cost of the ceramic refractory may become excessively high.
Therefore, the thickness of the metal alkoxide oxide film is more preferably set to a value within the range of 0.1 to 0.8 mm, and further preferably set to a value within the range of 0.2 to 0.7 mm.
[0036]
(2) Second ceramic sprayed coating
Further, the ceramic solid solution constituting the second ceramic sprayed coating is a non-coloring ceramic solid solution with respect to molten glass, for example, ZrO2-MgO, ZrO2-Y2O3And ZrO2-CeO2At least one ceramic compound selected from the group consisting of is preferred.
The reason is that by forming the second ceramic sprayed coating made of such a ceramic solid solution, the volume change is reduced, and excellent thermal shock characteristics are exhibited regardless of the type of ceramic refractory used. It is because it can do.
In addition, by forming the second ceramic sprayed coating made of such a ceramic solid solution, it is possible to form a relatively dense coating that has excellent adhesion to the ceramic refractory.
Further, by using a non-colorable ceramic solid solution for the molten glass, the molten glass is not significantly colored, and the influence on the obtained glass molded product can be eliminated.
[0037]
Moreover, it is preferable to make the thickness of a 2nd ceramic sprayed coating into the value within the range of 0.01-1 mm.
This is because, when the thickness of the second ceramic sprayed coating is less than 0.01 mm, the effect of forming the second ceramic sprayed coating may not be obtained. On the other hand, if the thickness of the second ceramic sprayed coating exceeds 1 mm, the thermal shock resistance against molten glass may be deteriorated.
Therefore, the thickness of the second ceramic sprayed coating is more preferably set to a value within the range of 0.1 to 0.8 mm, and further preferably set to a value within the range of 0.2 to 0.7 mm.
In order to provide such a second ceramic sprayed coating, even if the thickness of the first ceramic sprayed coating is relatively thin, sufficient thermal shock resistance, delamination resistance and erosion resistance against molten glass It has been found that can be obtained.
[0038]
4). Surface layer
In addition, as shown in FIG.2On the surface of a ceramic sprayed coating (which may be referred to as a first ceramic sprayed coating) 54 made of an electrocast refractory containing a ceramic sprayed coating made of a ceramic solid solution or a ceramic sprayed coating made of a ceramic non-solution (each It may be referred to as a third ceramic sprayed coating.) 72 or a platinum layer 72 is preferably formed.
That is, by configuring in this way, even when the thickness of the first ceramic sprayed coating is relatively thin, by the action of the third ceramic sprayed coating or the platinum layer, further excellent thermal shock characteristics, It is possible to obtain peeling resistance and melt resistance.
[0039]
(1) Third ceramic sprayed coating
Here, the ceramic solid solution constituting the third ceramic sprayed coating is a non-colorable ceramic solid solution with respect to the molten glass, like the second ceramic sprayed coating, and is, for example, ZrO.2-MgO, ZrO2-Y2O3And ZrO2-CeO2Preferably, it is at least one ceramic compound selected from the group consisting of:
Further, as a ceramic non-solid solution constituting the third ceramic sprayed coating, ZrO2-Al2O3, Al2O3-MgO, Al2O3-Y2O3, Al2O3-CeO2Or a combination of two or more thereof.
In particular, ZrO2-Al2O3The first ceramic sprayed coating is ZrO2Is a preferred ceramic non-solid solution.
[0040]
(2) Platinum layer
Moreover, in 3rd Embodiment, it is also preferable to further provide a platinum layer as the surface layer together with the ceramic sprayed coating as the first layer on the surface of the ceramic refractory.
This is because by providing a platinum layer containing platinum as a main component in this way, the balance between the thermal shock resistance against molten glass and the resistance to peeling and erosion resistance can be improved.
The platinum layer preferably contains other metal or ceramic material in addition to platinum.
Further, when such a platinum layer is provided, the position thereof is not limited to the surface of the ceramic refractory, and may be, for example, on the first ceramic sprayed coating, and further, a metal alkoxide oxide coating, When the second ceramic sprayed coating is provided, it may be the surface thereof.
[0041]
Furthermore, it is preferable to set the thickness of the platinum layer to a value within the range of 0.01 to 1 mm.
This is because when the thickness of the platinum layer is less than 0.01 mm, the effect of forming the platinum layer may not be obtained. On the other hand, if the thickness of the platinum layer exceeds 1 mm, the production cost of the ceramic refractory may be excessively increased.
Therefore, the thickness of the platinum layer is more preferably set to a value within the range of 0.1 to 0.8 mm, and further preferably set to a value within the range of 0.2 to 0.7 mm.
Since a separate ceramic sprayed coating is provided, it has been found that sufficient thermal shock resistance, delamination resistance and erosion resistance against molten glass can be obtained even by relatively thinning the platinum layer. Yes.
[0042]
5. Molding
Fore Haas, blender, orifice, spout, plunger (needle), rotor, or rotor used for a molten glass feeder introduced from a melting furnace using the glass refractory of the first embodiment It is preferably molded into one of the tubes.
More specifically, using the refractory for glass of the first embodiment, as shown in FIG. 2, the distribution flow path of the molten glass 24, which constitutes all or part of the bowl-shaped forehearth 10. It is preferable to do.
Further, even when an additive is added in the middle of the forehearth 10, all or part of the blender 14 for uniformly mixing and stirring the additive in the molten glass 24 is used for the glass of the first embodiment. It is preferable to use a refractory for the construction.
Further, after the molten glass 24 is temporarily retained after being provided at the end of the forehearth 10, all or part of the spout 18 for taking out the molten glass 24 to the outside is used as the glass fireproofing of the first embodiment. It is preferable to use a product.
Moreover, it is preferable that all or a part of the orifice 16 provided at the bottom discharge port of the spout 18 for taking out the molten glass 24 to the outside is configured using the glass refractory according to the first embodiment.
Moreover, in order to adjust the discharge amount of the molten glass 24, all or a part of the plunger 22 for pressurizing and extruding the molten glass 24 downward is used with the glass refractory of the first embodiment. It is preferable to configure.
Further, a tube 20 provided around the plunger 22 for stirring the molten glass 24 to adjust it to a uniform temperature, or a rotor provided outside the tube 20 (not shown) or not shown. It is preferable to configure a part using the glass refractory of the first embodiment.
And by using it as a component part of the feeder of the molten glass in this way, excellent thermal shock characteristics, peel resistance, and resistance to erosion resistance can be obtained. Durability can be obtained.
[0043]
[Second Embodiment]
2nd Embodiment is a manufacturing method of the refractory for molten glass using the plasma spraying method, Comprising: The manufacturing method of the refractory for molten glass characterized by including the following process (1) and (2). is there.
(1) ZrO2A step of preparing a ceramic sprayed raw material made of an electroformed refractory containing (hereinafter, simply referred to as a preparation step).
(2) A step of forming a ceramic sprayed coating made of a ceramic spraying raw material on the surface of the ceramic refractory by a plasma spraying method (hereinafter sometimes simply referred to as a spraying step).
Hereinafter, the manufacturing method of the refractory for molten glass according to the second embodiment will be described by dividing into constituent requirements.
[0044]
1. Preparation process
(1) ZrO2Including electroformed refractories
ZrO described in the first embodiment2An electrocast refractory containing can be used, and thus description thereof is omitted here.
[0045]
(2) Pretreatment process
Moreover, it is preferable to heat-process a ceramic refractory in a preparatory process.
The reason for this is to reduce the impurities on the surface of the ceramic refractory and improve the adhesion between the ceramic sprayed coating and the ceramic refractory.
Therefore, it is preferable to heat-treat the ceramic refractory under conditions of 100 to 1,500 ° C. and 1 minute to 24 hours before forming the ceramic sprayed coating, and less than 200 to 1,000 ° C. and 1 minute to 24 hours. It is more preferable to heat-process on these conditions, and it is still more preferable to heat-process on the conditions of 300-950 degreeC and 1 minute-24 hours.
[0046]
(3) Metal alkoxide oxide film formation process
Moreover, it is preferable to form a metal alkoxide oxide film on the surface of the ceramic refractory by forming a metal alkoxide oxide film forming step before forming the ceramic sprayed coating.
The reason for this is that by providing such a metal alkoxide oxide coating, the porosity of the ceramic refractory can be adjusted, and the adhesion between the ceramic sprayed coating and the ceramic refractory can be significantly improved. It is.
Moreover, it is preferable that the step of forming the metal alkoxide oxide film includes a step of oxidizing the metal alkoxide compound after laminating the metal alkoxide compound on the surface of the ceramic refractory under reduced pressure.
This is because the metal alkoxide oxide coats not only the surface of the ceramic refractory but also the inside by carrying out in this way, so that it has better thermal shock resistance regardless of the type of ceramic refractory used. It is because the refractory material for molten glass which expresses can be manufactured efficiently.
[0047]
Moreover, in the formation process of a metal alkoxide oxide film, as conditions for oxidizing a metal alkoxide compound, it is preferable to heat-process in air on the conditions of 100-1500 degreeC and 1 minute-24 hours.
This is because when the oxidation treatment temperature becomes less than 100 ° C. or the oxidation treatment time becomes less than 1 minute, the adhesion of the metal alkoxide oxide film to the surface of the ceramic refractory becomes insufficient. This is because there are cases. On the other hand, if the oxidation treatment temperature exceeds 1,500 ° C. or the oxidation treatment time exceeds 24 hours, part of the metal alkoxide oxide film may be thermally decomposed.
Therefore, when the metal alkoxide compound is subjected to an oxidation treatment, it is more preferable to perform a heat treatment under conditions of 200 to 1,300 ° C. and 1 minute to 24 hours. Thus, it is more preferable to perform heat treatment.
[0048]
2. Thermal spraying process
(1) Plasma spraying device
The second embodiment is characterized by adopting a plasma spraying method (including a plasma arc spraying method) using a ceramic spraying apparatus 100 as shown in FIG. 3 in forming a ceramic sprayed coating. That is, the suction port 102 for sucking the plasma material, the suction port 104 for sucking the plasma forming gas, and the suction port 106 for sucking the ceramic material 110 are provided. It is preferable that the spray stream 114 containing the ceramic material 110 is sprayed onto the substrate 118.
The reason for this is that in such a plasma spraying apparatus, particulate ZrO2It is possible to form a dense ceramic sprayed film having a uniform thickness and excellent heat resistance on the surface of the ceramic refractory by sufficiently dissolving the ceramic sprayed raw material made of electrocast refractory containing Because.
In addition, as a plasma material used for a ceramic spraying apparatus, gas plasma, water plasma, etc. are employable, for example.
[0049]
(2) Thermal spray temperature
Moreover, when implementing a plasma spraying method, it is preferable to make the spraying temperature into the value within the range of 5,000-15,000 degreeC.
This is because when the spraying temperature is less than 5,000 ° C., it becomes difficult to form a ceramic spray coating having a uniform thickness, or between the ceramic refractory and the ceramic spray coating. This is because the adhesion may be insufficient. On the other hand, when the spraying temperature exceeds 15,000 ° C., part of the ceramic sprayed coating or ceramic refractory may be thermally decomposed.
Therefore, when performing the plasma spraying method, it is more preferable to set the spraying temperature to a value within the range of 7,000 to 13,000 ° C, and to a value within the range of 9,000 to 12,000 ° C. Further preferred.
[0050]
3. Post-processing process
After forming the ceramic spray coating, it is preferable to provide a post-treatment step and heat at a temperature in the range of 100 to 1,500 ° C. for 1 minute to 24 hours.
This is because when the post-treatment temperature becomes less than 100 ° C. or the post-treatment time becomes less than 1 minute, the adhesion of the ceramic sprayed coating to the surface of the ceramic refractory becomes insufficient. Because there is. On the other hand, when the post-treatment temperature exceeds 1,500 ° C. or the post-treatment time exceeds 24 hours, a part of the ceramic sprayed coating may be thermally decomposed.
Therefore, in the post-treatment step after forming the ceramic sprayed coating, it is more preferable to perform heat treatment at 200 to 1,300 ° C. for 1 minute to 24 hours, and 300 to 1,000 ° C. for 1 minute to 24 hours. More preferably, the heat treatment is performed under conditions of time.
Moreover, it is preferable to perform a microwave heating process in this post-processing process. This is because the microwave heat treatment enables not only a short time heat treatment but also sufficient heating to the inside of the ceramic refractory.
Therefore, by performing the microwave heat treatment, even impurities remaining inside the ceramic refractory can be sufficiently removed.
[0051]
4). Step of forming third ceramic sprayed coating or platinum layer
A third ceramic sprayed coating or platinum layer forming step is provided to form a third ceramic sprayed coating or platinum layer made of a non-solid solution on the surface of the above-described ceramic sprayed coating (first ceramic sprayed coating). It is preferable.
By carrying out in this way, it is possible to efficiently provide a refractory for a molten glass provided with a ceramic sprayed coating as a composite film having a better balance between thermal shock resistance, peel resistance and erosion resistance characteristics. it can.
In forming the third ceramic sprayed coating or the platinum layer, it is preferable to employ a plasma spraying method or a melt injection coating method as in the case of forming the first ceramic sprayed coating.
[0052]
【Example】
[Example 1]
(1) Creation of refractories for molten glass
Alumina component (Al2O3) 70% by weight, zirconia component (ZrO)2) 20 wt%, and silica component (SiO2) A ceramic refractory having a composition of 10% by weight and an apparent porosity of 20% was prepared.
This ceramic refractory was processed into a cube having a cross section of 8 mm × 8 mm and a length of 40 mm.
Next, on the surface of the ceramic refractory, ZrO having an average particle diameter of 50 μm is used under the following thermal spraying conditions using a gas plasma apparatus.2Electroformed refractory containing (ZrO2: 94.5% by weight, SiO2: 4.5 wt%, Al2O3: 1.0% by weight) is sprayed to an area of 20 mmΦ per shot and a thickness of 10 μm to form a ceramic sprayed coating having a film thickness of 0.5 mm on the sprayed surface. And thermal shock resistance evaluation samples.
Plasma spray output: 40 kW
Plasma gas: Ar-N2
Thermal spraying distance: 100mm
Thermal spraying temperature: 10,000 ° C
Thermal sprayer moving speed: 50mm / sec
In addition, on the surface of a ceramic refractory processed into a cylindrical shape having a diameter of 50 mm and a length of 1,500 mm, a ZrO having an average particle diameter of 50 μm was obtained using the same gas plasma apparatus.2Electroformed refractory containing (ZrO2: 94.5% by weight, SiO2: 4.5 wt%, Al2O3: 1.0% by weight) is sprayed to an area of 20 mmΦ per shot and a thickness of 10 μm to form a ceramic sprayed coating having a thickness of 0.5 mm on the sprayed surface. An evaluation sample was used.
[0053]
(2) Evaluation of refractories for molten glass
(2) -1 Melt resistance
After containing a ground product of soda-lime glass bottles (sized to 32 mesh) in a crucible, it is heated and melted at 1,400 ° C., and then in the molten glass obtained in the stirring state. The refractory was immersed for 72 hours. Subsequently, the amount of erosion of the refractory for molten glass was measured with calipers while stirring the molten glass, and the erosion property was evaluated according to the following criteria.
A: The amount of melting loss is 0.05 mm or less.
○: The amount of erosion loss is 0.1 mm or less.
Δ: Melting loss is 0.2 mm or less.
X: The amount of erosion is a value exceeding 0.2 mm.
[0054]
(2) -2 Thermal shock resistance
The obtained refractory for molten glass was inserted into an electric furnace heated to 1,200 ° C. and held for 15 minutes by inserting a half in the length direction, and then removed from the furnace and allowed to cool for 15 minutes. . And the thermal shock property was evaluated according to the following references | standards by investigating visually the repetition frequency until a crack generate | occur | produces in the refractory for molten glass.
A: No change in appearance even after repeated 100 times.
○: No change in appearance even after repeated 50 times.
Δ: No change in appearance even after repeated 10 times.
X: Appearance change after repetition of less than 10 times.
[0055]
(2) -3 Actual machine evaluation
Using the obtained evaluation sample for actual machine test as a spout needle in a glass container manufacturing apparatus, a production experiment of a soda lime glass container (melting temperature: about 1,400 ° C.) was continuously performed, and the following criteria were used. The actual machine was evaluated according to the above.
◎ No change in appearance after 1 month.
○: No change in appearance after 1 week.
Δ: No change in appearance after 24 hours.
X: Appearance change after 24 hours.
[0056]
[Examples 2 to 4]
In Examples 2 to 4, the influence of the film thickness of the ceramic sprayed coating was examined. That is, instead of the ceramic sprayed coating having a thickness of 0.5 mm formed in Example 1, a ceramic sprayed coating having a thickness of 0.1 mm is formed in Example 2, and in Example 3, the ceramic sprayed coating having a thickness of 0.7 mm is formed. A ceramic sprayed coating was formed, and in Example 4, a refractory for molten glass was prepared and evaluated in the same manner as in Example 1 except that a ceramic sprayed coating having a thickness of 1 mm was formed. The obtained results are shown in Table 1.
[0057]
[Examples 5 to 8]
In Examples 5 to 8, ZrO constituting the ceramic sprayed coating2The effect of the average particle size of the electroformed refractories including That is, ZrO having an average particle diameter of 50 μm used in Example 1 was used.2In Example 5, ZrO having an average particle size of 10 μm was used instead of the electroformed refractory containing2In Example 6, ZrO having an average particle size of 80 μm was used.2In Example 7, ZrO having an average particle size of 120 μm was used.2In Example 8, ZrO having an average particle size of 30 μm was used.2And 50% by weight of an electroformed refractory containing ZrO having an average particle size of 50 μm2A refractory for molten glass was prepared and evaluated in the same manner as in Example 1 except that 50% by weight of an electroformed refractory containing was used. The results obtained are shown in Table 2.
[0058]
[Examples 9 to 11]
In Examples 9 to 11, ZrO constituting the ceramic sprayed coating2The effect of the type of electroformed refractories including
That is, ZrO having an average particle diameter of 50 μm used in Example 1 was used.2Electroformed refractory containing (ZrO2: 94.5% by weight, SiO2: 4.5 wt%, Al2O3In Example 9, ZrO having an average particle diameter of 50 μm was used instead of 1.0 wt%).2Electroformed refractory containing (ZrO2: 80% by weight, SiO2: 18.5% by weight, Al2O3: 1.0% by weight, Na2In Example 10, ZrO having an average particle diameter of 50 μm was used.2Electroformed refractory containing (ZrO2: 70% by weight, SiO2: 29% by weight, Al2O3In Example 11, ZrO having an average particle diameter of 50 μm was used.2Electroformed refractory containing (ZrO2: 45% by weight, SiO2: 10% by weight, Al2O3: 45% by weight), and refractories for molten glass were prepared and evaluated in the same manner as in Example 1. The results obtained are shown in Table 3.
[0059]
[Examples 12 to 13]
In Examples 12 to 13, the influence of the underlayer between the first ceramic sprayed coating and the ceramic refractory was examined.
That is, instead of the untreated ceramic refractory used in Example 1, in Example 12, a ceramic refractory having a surface formed with a zirconia oxide film was used, and in Example 13, an aluminum oxide film was formed on the surface. A refractory for molten glass was prepared and evaluated in the same manner as in Example 1 except that the ceramic refractory was used. Table 4 shows the obtained results.
[0060]
[Examples 14 to 15]
In Examples 14 to 15, the influence of the outermost layer on the surface of the first ceramic sprayed coating was examined.
That is, in Example 14, ZrO which is a non-solid solution is formed on the surface of the first ceramic sprayed coating in the glass refractory of Example 1.2-Al2O3In Example 13, a third ceramic sprayed coating having a thickness of 0.5 mm was provided, and in Example 13, a platinum layer having a thickness of 0.1 mm was provided as the outermost layer. An object was created and evaluated. Table 4 shows the obtained results.
[0061]
[Comparative Example 1]
In Comparative Example 1, the ceramic refractory was evaluated in the same manner as in Example 1 except that the ceramic refractory was used as it was without forming a ceramic spray coating on the surface of the ceramic refractory used in Example 1. did. The obtained results are shown in Table 1.
[0062]
[Comparative Example 2]
In Comparative Example 2, the alumina component (Al2O380% by weight, and silica component (SiO2) A ceramic refractory having a composition of 20% by weight and an apparent porosity of 20% is used, and ZrO used in Example 1 as a ceramic spray coating raw material.2Instead of electroformed refractories containing2O3) Was used, and a refractory for molten glass was prepared and evaluated in the same manner as in Example 1. The obtained results are shown in Table 1.
[0063]
[Comparative Example 3]
In Comparative Example 3, ZrO used in Example 1 was used as the ceramic spray coating raw material.2Instead of electroformed refractory containing2O3-Al2O3A refractory for molten glass was prepared and evaluated in the same manner as in Example 1 except that the solid solution was used. The obtained results are shown in Table 1.
[0064]
[Table 1]
[0065]
[Table 2]
[0066]
[Table 3]
[0067]
[Table 4]
[0068]
【The invention's effect】
According to the refractory for molten glass of the present invention, by providing a ceramic spray coating made of a specific material, regardless of the type of ceramic refractory as a base material, while maintaining excellent thermal shock resistance, Even when it is in contact with the molten glass for a long time, for example, FIGS. 4A to 4B (each contacted with molten glass at a flow state of 1,400 to 1,600 ° C. for 1 month, magnification 120) And 800), it has become possible to provide a refractory for molten glass with less peeling of the ceramic sprayed coating and less melting loss.
In addition, according to the method for producing a refractory for molten glass of the present invention, by providing a step of forming a specific ceramic sprayed coating, excellent thermal shock characteristics can be obtained regardless of the type of ceramic refractory as a substrate. For example, as shown in FIGS. 4 (a) to 4 (b), even if the molten glass is maintained and kept in contact with the molten glass in a fluid state for a long time, melting with less peeling of the ceramic sprayed coating or melting loss Glass refractories can be provided efficiently.
[Brief description of the drawings]
1A and 1B are cross-sectional views of a refractory for molten glass according to the present invention.
FIG. 2 is a diagram for explaining a glass feeder.
FIG. 3 is a diagram provided for explaining a ceramic spraying apparatus.
4A and 4B are photographs (magnifications 120 and 800, respectively) showing the surface state of the refractory for molten glass according to the present invention (Example 1) after evaluation of the erosion resistance.
5A to 5B are photographs (magnifications 800 and 1,500, respectively) showing a surface state of a conventional ceramic refractory that has been melted and damaged. FIG.
[Explanation of symbols]
10: Molten glass feeder
12: Fore Haas
14: Blender
16: Orifice
18: Spout
20: Tube
22: Plunger
24: Molten glass
50: Ceramic refractory for molten glass
52: Ceramic refractory
54: Ceramic sprayed coating
60: Ceramic refractory for molten glass
62: Metal alkoxide oxide film
70: Ceramic refractory for molten glass
72: Ceramic spray coating made of non-solid solution
100: Ceramic spraying device