JP2005007842A - 多値情報印刷記録方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】特定の限られた面積の範囲で2次元バーコードの数倍から数十倍の情報量を発色若しくは印刷により紙やフィルムに記録して、その印刷結果である印刷濃度を情報管理に利用するための多値情報印刷記録方法を提供する。
【解決手段】サーマルヘッドによる1ライン毎の瞬間の印刷温度と積算された熱エネルギーの両方で印刷制御を行うことにより、感熱紙が本来備えている性能を正確に引出せるため、最大温度だけでなく中庸の黒発色及び中庸なカラー発色等の連続的な階調印刷を高い再現性で実現することができる。このように、印刷安定性に優れたサーマルヘッドとその高精度な印刷制御技術を用いたサーマルプリント方式を利用することにより多値情報印刷記録を実現する。
【選択図】 図1
【解決手段】サーマルヘッドによる1ライン毎の瞬間の印刷温度と積算された熱エネルギーの両方で印刷制御を行うことにより、感熱紙が本来備えている性能を正確に引出せるため、最大温度だけでなく中庸の黒発色及び中庸なカラー発色等の連続的な階調印刷を高い再現性で実現することができる。このように、印刷安定性に優れたサーマルヘッドとその高精度な印刷制御技術を用いたサーマルプリント方式を利用することにより多値情報印刷記録を実現する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、サーマルヘッドを使ったサーマルプリント技術に関わるものであり、繰り返し印刷する際の再現信頼性が極めて高く、且つ使用環境の温湿度に全く影響を受けずに安定した熱エネルギーを与え、印刷時の温度・エネルギー制御に優れたサーマルヘッド並びにプリント制御技術を用いることにより、白黒発色または白黒印刷、もしくはカラー発色またはカラー印刷をおこなうことにより、各産業分野で生産された製品の詳細な製品履歴情報の印刷を高信頼性の基に実現する多値情報印刷記録方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
製品履歴情報を記録して知らしめる方法としては、その履歴情報を印刷により記録して、後に光学的なスキャナーを用いて履歴情報を読み取ることが一般的に行われている。また、読取だけの記録メディア(ROMやRAM)をICタグやICカードに埋め込み、非接触ICタグまたは非接触ICカードとして内蔵されているROMに製品履歴情報御を記録することも実用化されている。
【0003】
しかしながら、非接触ICタグや非接触ICカードは非常に単価が高いため、ブランド品の皮革や衣類、宝飾品等の高価な商品には利用できても、販売価格の安い食品や日用品には適さない。こうした安価な商品の場合には、製品履歴情報が包装材料に記録されていても、商品開封後にその包装材料は直ぐにゴミとして廃棄されるため、非接触ICタグや非接触ICカードを利用した高価な製品履歴情報のシステムや記録材は安価な商品に不向きである。食品や日用品のような単価の商品にはシステム価格は勿論のこと、ランニングコストが安く、しかも信頼性の高いシステムでなければ詳細な製品履歴情報を記録できない。
【0004】
また、製品履歴情報は、食品や日用品のような安価な商品においても信頼性は低下することがないため、再現安定性に優れたシステムでなければならない。ICタグやICカードに匹敵する信頼性の高いシステムであり記録材でなければならない。まして、狂牛病の問題でも判る様に、食品については生命にも関わる非常に需要な情報となるので、ICタグやICカードの利用が適している高級ブランド商品以上に重要な位置付けにある。
【0005】
従来、サーマルヘッドを用いて製品履歴情報を用紙やフィルムに印刷するには、製品履歴情報をバーコードで再現する方法が圧倒的に多く、記録方式としては単色発色感熱紙(主に黒色)、2色発色感熱紙(主に赤と黒)や多色発色感熱紙をサーマルヘッドで直接加熱して印刷するダイレクトサーマルプリント方式か、顔料インキが塗布されたPETフィルムを裏面からサーマルヘッドで加熱してフィルムに密着させた用紙に転写印刷する溶融転写方式や、染料インキが塗布されたPETフィルムを裏面からサーマルヘッドで加熱してフィルムに密着させた用紙に転写する昇華転写方式などがある。
【0006】
感熱紙を直接加熱して発色させるダイレクトサーマル方式では、加熱によって発色現象が起こり、得られる発色濃度は加熱条件によって異なる。溶融転写方式では、PETフィルムに塗布された顔料インキは個々の転写フィルム固有の加熱条件により、塗布されたインキが全て用紙に転写されるかされないかのデジタル的な転写印刷であるため、1ビットの色の濃さ(濃度)を変化させることはできない。そのため、色の濃さを表現するには単位面積当たりの色のビット数で表現する面積階調方式で行っている。昇華転写方式では、塗布された染料インキは個々の転写フィルム固有の加熱条件により、塗布されたインキの転写量が変化するので、1ビット中の色の濃さ(濃度)を夫々変化させることができる。そのため、色の濃さを表現するには、感熱紙と同様に1ビットの色の濃さ(濃度)を変化させる濃度階調方式が行なわれている。
【0007】
デジタルプリンタと称されるものには、サーマルヘッドを用いたサーマルプリンタの他に、インクジェットプリンタやカラーレーザプリンタがある。これらの印刷方式に使われているインキやトナーは一定の濃さを持った染料や顔料が使われており、印刷によって濃淡を再現するには、特定面積当たりのインキ若しくはトナーの数(ドット数)を加減して行なっている。そのため、解像度何dpiという表現をそのままサーマルプリンタを用いて濃度階調再現したものとは直接比較することができない。
【0008】
例えば、解像度2400dpiというインクジェットプリンタの濃淡再現で、縦3×横3のセル(合計9個)にてディザマトリクス方法の面積階調で再現したとすると、濃度階調再現の解像度としては2400÷9=256(dpi)に相当することになる。一見、サーマルヘッドの解像度がインクジェットやカラーレーザと比較して低いように見えるが、それらを濃度階調で再現したものとの比較で判断すると、以外に面積階調のプリント方式の解像度が低いことが判る。
【0009】
また、商業印刷で使われているオフセット印刷、グラビア印刷、スクリーン印刷、フレキソ印刷、インクジェト印刷と言った従来からある印刷手法によってもバーコード印刷が行われている。
【0010】
既存の1次元バーコードや2次元バーコードは、紙やフィルムに印刷した後、発色もしくは印刷した色の濃さ(濃度)を読み取る光学スキャナによって印刷の濃淡情報を読み取り、コード化された内容に基づいて読取情報を解析して、ディスプレイ表示やプリントアウトすることにより製品履歴情報を掌握した。
【0011】
また、POSレジ等で広く使われている1次元バーコードは、紙の地色に当たる未発色部(若しくは未印刷部)と発色部(若しくは印刷部)の2値の濃淡情報から白と黒の縞模様で再現されている。その縞模様とはクロスする方向でレーザ光のライン光でバーコード情報を読取り解析する。2次元バーコードは、縦横2次元で表されるある特定の面積中に白と黒の市松模様で表わされたものである。発色もしくは印刷された後は、ライン光ではなくCCDのような面記録するデバイスによって情報を読取り解析する。2次元バーコードは、幅の異なる白黒の縦縞で表示される1次元バーコードと較べて記録できる情報量が多く、近年、製品履歴情報やインターネットのURL接続、電子決済、電子チケット等の用途で使われている。
【0012】
狂牛病が問題になって以来、各種製品、とりわけ食品の履歴情報をトレースできるように各社から様々な製品履歴情報管理の方法が提案されているが、あらゆる産業界に安心して広く使われるためには、廉価でありながら高い信頼性を備えるものでなければならない。個々に包装された製品に関する情報を供給する方法としては、製品や製品が複数個入っているダンボール箱に1次元バーコードや2次元バーコードを貼付したりして製品履歴の明確化が測られている。更に最近では、非接触ICカード(RFID)や読取専用のICタグを製品個々に貼付することも行われている。即ち、川下に伝達すべき情報御を小さな感熱紙にコード化して可視情報やICチップに電子情報として記録している。そして、読解後の使用済み印刷物はそのまま廃棄処理され、高価なICチップは回収して再使用されている。食品について言えば。
【0013】
狂牛病以降、食品等に求められる製品履歴情報は益々増えつつあり、それに応えるべく2次元バーコードの情報量を大きくするには、解像度を高めてビット数を増やすか、記録面積自身を大きく取らなければならない。解像度を高めるには発色技術若しくは印刷技術に関わるためシステム全体のコストアップに繋がる。後者の発色若しくは印刷面積を大きくする方法では、商品の包装材料の印刷可能面積に限りがあるため闇雲に2次元バーコードの面積を大きくすることもできず、また、発色もしくは印刷面積を大きくするとなると、情報を読み取るための光学スキャナの大きさやスキャナが情報を読取れる面積に関わってくる。
【0014】
これまで製品履歴情報の発色や印刷に使われてきたサーマルプリンタには、発熱素子を備えるサーマルヘッドとサーマルヘッドの温度を近傍で検知する温度センサーが用いられ、温度制御方式としては、過去の印刷履歴に基づいて発色や印刷を行う「履歴制御方式」が採用されている。また、サーマルヘッドで行う印刷には、サーマルヘッドで感熱紙を直接加熱して発色させる「ダイレクトサーマル方式」と、フィルム上に染料インキや顔料インキが塗布されたフィルムを裏面からサーマルヘッドで加熱して染料インキや顔料インキを被印刷媒体である紙やフィルムに印刷する「転写方式」があるが、何れの方式にも温度制御については「履歴制御方式」が採用されている。
【0015】
何れも方法でも、発色若しくは印刷された印刷内容の信頼性は、ひとえに記録媒体であるサーマルヘッドの温度制御に掛かっている。この制御の信頼性が低ければ、印刷結果の信頼性も低くなり、当然、高信頼性の求められる製品履歴情報の印刷には使えない。
【0016】
ここで、現在のサーマルプリンタの印刷制御である「履歴制御方式」に触れる。履歴制御とは、1ライン当たり数ミリ秒という短い印刷時間の中で発色もしくは印刷を行う際に、サーマルヘッドの発熱素子の温度を発熱素子近傍に設置した温度センサーによって感知してサーマルヘッドの発熱素子に供給される電流をオンオフする制御方法である。
【0017】
1回の印刷中における1ラインの印刷履歴に基づいて次ぎのラインの印刷条件を決めるという「履歴制御方式」という印刷制御方式で印刷していた。この方式は、サーマルヘッドの個々の発熱素子にあたる固定抵抗の印刷履歴情報によって演算処理を行い、サーマルヘッドの固定抵抗に発生する印刷温度を印刷履歴によって制御する方法が採られていた。
【0018】
しかしながら、「履歴制御方式」は用紙や転写フィルムを加熱するサーマルヘッドの温度制御を印刷履歴情報の演算処理で行う際、サーマルヘッド近傍に設置された温度センサーによってサーマルヘッドの温度を計測して制御するため結果的には作業環境の温度の影響を受け、寒冷地や熱帯地若しくは気温の低い朝方と気温の高い日中といった環境の差がある状況でサーマルヘッドを加熱して印刷すると、発生する熱の放熱条件が異なって印刷温度の制御に誤差を生じるため、印刷結果にバラツキを生じて高精度で安定した印刷を行うことが困難であった。
【0019】
また、他の方式としてサーマルヘッドの発熱素子を、発熱温度により抵抗値が変化する材料であるクロムやアルミニウム等の合金を用いてサーマルヘッドを構成して印刷時の温度を測定することにより、印刷履歴に頼らずに印刷制御する方式もあるが、この方式もサーマルヘッドで印刷する際の積算エネルギー値を制御することを行わないため、加熱により発生した熱エネルギー値を制御していないため、サーマルヘッドの温度検知データを制御するため、感熱記録媒体の発色濃度を的確に制御できなかった。
【0020】
この方式については、感熱紙若しくは転写フィルムの発色若しくは転写特性がいわゆるγ特性と呼ばれる通り、印加エネルギーと発色濃度の関係が一般的に直線的な比例関係に無いことに起因する印刷時の濃度誤差についても対応する必要があった。
【0021】
更に、印刷制御上の信頼性に関わることとして、数ミリ秒という極めて短時間の間に印刷される従来の「履歴制御方式」による印刷では、急激なサーマルヘッドの温度上昇に対してどうしてもタイムラグを生じて正確にオンオフ制御できないため、印刷した発色の濃さにバラツキが出て品質が安定しない欠点があった、尚且つ、サーマルヘッドの各発熱素子が破損に至る状況になりつつあってもこれを検知できない問題もあり、必要以上の加熱によりサーマルヘッドの発熱体の寿命を早め、しかもサーマルヘッドの破損も自動的に検知できないという問題があった。
【0022】
こうした「履歴制御方式」の基では、感熱方式にしろ転写方式にしろ印刷結果が不安定なため、中間的な発色濃度である灰色を環境に左右されること無く、常に安定して印刷することができず、印刷再現性のある白と黒の印刷しかできなかったため、バーコード印刷でも白と黒の2値情報しか扱うことができない。
【0023】
ところが、サーマルヘッドの発熱素子と温度センサーが近傍にあるといっても2者間にはある距離が存在するため、数ミリ秒という短い加熱時間内で加熱と温度計測の間で時間的な遅れを発生させずにオンオフを繰り返すことが非常に困難となる。結果として制御の応答の遅れが出て的確な温度制御、即ち印刷制御が行われないこととなる。このような低い信頼性で温度制御が行われた場合には、印刷の発色若しくは印刷の濃さにバラツキを生じ再現性の高い安定した印刷濃度を得ることができないので、最大発色濃度もしくは最大印刷濃度が得られれば事足りるという用途には使えても信頼性を求められる用途には使えない。
【0024】
例えば、スーパーマーケットのレシートのように、発色もしくは印刷した文字や数字が肉眼で何とか読めれば良いという用途であれば支障はないが、発色若しくは印刷による色の濃さによって食品の製品履歴情報を記録して読取り解析するようなトレーサビリティー用途の場合には、単に、肉眼で読めるだけでは事足りない。一つ間違えば生命にも関わる情報になるほどの需要な情報を高い信頼性によって再現できる印刷方法でなければ使えない。
【0025】
印刷に際して、「履歴制御方式」が採用されたサーマルプリンタでは、こうした不安定な問題を常に抱えているため、製品履歴情報をバーコードに印刷するとなると、どうしてもデジタル的に扱わざるを得ない。そのため、「履歴制御方式」のサーマルプリンタでバーコードを発色する場合には、感熱紙に過剰なまでの熱を加えて最大発色濃度の黒発色を行うことしかできない。
【0026】
本来、感熱紙は、加熱しない状態からサーマルヘッドで徐々に温度を高めて感熱紙を加熱していくと各温度に相当した発色濃度をするが、「履歴制御方式」のサーマルプリンタでは、サーマルヘッドの発熱素子の温度を大まかな制御しかできないため、本来、感熱紙が備えている連続的な階調再現(白から黒まで無段階で発色の濃さが変化する状況)を綺麗に、且つ、高い再現性をもって印刷することができない。
【0027】
【発明が解決しようとする課題】
これまで、サーマルヘッドを使った印刷としては、ダイレクトサーマル印刷、溶融転写印刷、昇華転写印刷、リライタブル印刷、ホログラムフィルム印刷などがあるが、何れの場合にも、印刷する際の温度及び熱エネルギー制御が不正確なため印刷環境に左右された印刷結果や繰り返し安定性にバラツキがあるなど充分な印刷制御が行なわれていなかった。このように、これまでのサーマルヘッドとその印刷制御の精度では印刷結果が不安定で再現性が悪いため、印刷された結果である印刷濃度を記録情報として取扱うことを試みても実現することはできなかった。
【0028】
本発明では、印刷方法が非常にシンプルで、高速印刷ができ、且つハードウェアとして低コストという大きな特徴のあるサーマルプリント方式で、詳細な製品履歴情報を求められる用途において、特定の限られた面積の範囲で2次元バーコードの数倍から数十倍の情報量を発色若しくは印刷により紙やフィルムに記録して、その印刷結果である印刷濃度を情報管理に利用するための多値情報印刷記録方法を実現することにある。
【0029】
【課題を解決するための手段】
紙やフィルムに高密度な情報記録を印刷するためには、印刷時の温度や湿度の変化や利用頻度、利用方法など如何なる環境においても安定した発色若しくは安定した印刷を実現でき、且つ使い勝手の良い印刷方式でなければならない。既存の印刷方式の中でこうした条件を満たす最適な印刷方式としては、記録媒体としてサーマルヘッドを用いたサーマルプリント方式があるが、求められる高精度な記録情報を実現するためには、印刷時の温度及び積算熱エネルギーの制御が完璧に行なわれていなければならない。
【0030】
例えば、特開2002−211025に記載されている、サーマルヘッドによる1ライン毎の瞬間の印刷温度と積算された熱エネルギーの両方で印刷制御を行うことにより、感熱紙が本来備えている性能を正確に引出せるため、最大温度だけでなく中庸の黒発色及び中庸なカラー発色等の連続的な階調印刷を高い再現性で実現することができる。
このように、印刷安定性に優れたサーマルヘッドとその高精度な印刷制御技術を用いたサーマルプリント方式を利用することにより多値情報印刷記録を実現する。
【0031】
【発明の実施の形態】
本発明は、従来のサーマルヘッドとその制御方式である「履歴制御方式」を用いて実現することが出来ない連続的な階調再現の発色若しくは印刷を、例えば、特開2002−211025に記載されているようなサーマルヘッドの発熱素子自身が温度を検知するサーミスターである一体型のサーマルヘッドを用いて、1ラインの印刷中においても計測した発熱素子個々の温度をフィードバックして、印刷温度と共に1ライン印字中に積算した印刷に関わる熱エネルギーを制御する方式を採用した印刷安定性に優れたサーマルプリンタを使用し、特定の限られた面積において白から黒まで多階調の階調印刷を行うことにより多値情報記録印刷を実現する。
【0032】
具体的には、サーマルヘッドの印刷制御を高精度かつ短い印刷時間内に高速で行える特開2002−211025記載の印刷制御方式を採用することにより、黒発色の感熱紙であれば白と黒以外の中間的な濃度に当たる灰色の濃淡印刷を濃度階調印刷により高精度に印刷再現でき、多色発色カラー感熱紙でも中間的な濃度に当たる中庸の濃さの濃淡印刷を濃度階調方式で高精度に印刷再現でき、昇華転写方式の印刷においても中間的な濃度に当たる中庸の濃さの濃淡印刷を濃度階調方式で高精度に印刷再現でき、溶融転写方式においてはサーマルヘッドの解像度を高めて細かなビットによる面積階調印刷を行なうことで中間的な濃度に当たる中庸の濃さの濃淡印刷を高精度に印刷再現できる。
【0033】
【実施例1】ダイレクトサーマル方式の白黒感熱紙(濃度階調印刷)
特開2002−211025に記載されているサーマルヘッド及びその制御方式を採用した解像度300dpiのサーマルプリンタと、これまで市場で販売されている解像度300dpiのサーマルプリンタを用い、未印刷部分を含めて光学濃度が5段階になっている電子ファイルを用いて被印刷媒体である市販の白黒感熱紙に階調印刷を3回づつ行った。
【0034】
【表1】
【0035】
特定の面積中に表される既存の2次元バーコードは、白と黒の2値情報でしか情報を記録できないが、その理由は、
【表1】中の右側に掲載した「市販のサーマルプリンタ」の3回に渡る印刷結果で明らかなように、光学的な発色濃度を製品履歴情報として扱おうとした場合、繰り返し印刷したときの再現安定性が無いため、印刷濃度を信頼できる情報として扱えない。
【0036】
しかしながら、
【表1】中の左側に記載した「特開2002−211025記載のサーマルプリンタ」のような印刷制御に優れたサーマルプリント方式を用いた印刷では、優れた濃度階調印刷が可能となり、しかもその濃度階調印刷の繰り返し再現安定性が非常に高いため、印刷された内容の信頼性が高まり、製品履歴情報であるトレーサビリティーの情報源として十分に機能することが判る。
【0037】
印刷結果を製品履歴情報として扱うためには、常に安定して同じ発色濃度を再現できなければならず、記録された情報に信頼性がなければ正しく読み取れず全く役に立たないため、印刷の再現安定性が非常に重要となる。既存の印刷制御方式である「履歴制御方式」により印刷した結果は、演算処理した印刷制御方式のサーマルプリンタでは印刷再現性がないので、濃淡印刷を施したサーマルプリントもバーコードとして使えない。
【0038】
しかしながら、特開2002−211025のような印刷制御安定性に非常に優れたサーマルヘッドとその技術を採用したサーマルプリンタであれば、
【表1】の左側に示したように高精度の印刷再現性があるので、高密度な情報記録が要求される多値情報印刷記録を実現する。
用途としては、今後、益々重要となる製品履歴情報に最適な印刷方法となる。
【0039】
例えば、解像度300dpiのサーマルヘッドを用いて印刷を行ったとすると、1平方インチ当たりの情報は300×300=90,000ビットとなる。一般に、漢字一文字をビットで再現するには漢字一文字当たり16ビットの情報量が必要なので、90,000ビットでは漢字5,625文字を記録できる(90,000÷16=5,625)。実施例1では、白から黒まで90,000ビットを白色、灰色(3階調)、黒色の5階調で濃淡印刷を行ったので、表現できる漢字情報は、28,125文字(90,000÷16×5=28,125)となる。
【0040】
また、記録できる情報の記録密度が高いということは、同じ情報を記録するために必要な面積が小さくて済むため、商品の包装箱が小さくて製品履歴情報を印刷するのに大きな印刷面積を使えない商品、例えば、目薬のような小さなパッケージの商品の包装箱に対して、小さな印刷面積にも高密度の情報を記録することができる。医薬品の場合には、注意書きが事細かに記載されることが多いため、記録密度の高い製品履歴情報の印刷が可能となり非常に有効である。
【0041】
【実施例2】ダイレクトサーマル方式のカラー感熱紙(濃度階調印刷)
特開2002−211025に記載されているサーマルヘッド及びその制御方式を採用した解像度300dpiのサーマルプリンタと、これまで市場で販売されている解像度300dpiのサーマルプリンタを用い、未印刷部分を含めて光学濃度が10段階になっている電子ファイルを用いて被印刷媒体である市販の赤黒2色発色の感熱紙に階調印刷を3回づつ行った。
【0042】
特開2002−211025に記載されているサーマルヘッド及びその制御方式を採用した解像度300dpiのサーマルプリンタと、これまで市場で販売されている解像度300dpiのサーマルプリンタの2種類を用いて被印刷媒体には市販の赤黒2色発色の感熱紙を使い、光学反射濃度が10段階になっている電子ファイルを用いて階調印刷を3回づつ行った。
【0043】
赤黒2色発色の感熱紙は、低温で赤が発色し、高温で赤と黒が発色する感熱紙である。既存のプリンタで2色発色感熱紙をプリントしたときに大きな問題となるのが、赤が発色する低温領域において黒が発色してしまう点に有る。本来、赤しか発色しない温度領域において黒が発色してしまうため、赤発色部に黒発色が混ざってしまうため濁った赤色の印刷となる。そのため、スーパーやコンビニエンスストア等のプライスカードに販売価格を顧客に赤文字で訴求したい目的で使っても純色の赤色が再現できず効果が半減している。
【0044】
【表2】
【0045】
特定の面積中に表される既存の2次元バーコードは、赤黒発色の2色発色感熱紙が市販されているにも関わらず、2次元バーコード用途で全く実用化されていないのは、白と黒の2値情報ですら正確に階調印刷できない状況では、それ以上の印刷制御能力を求められる2色発色感熱紙に適用することがほぼ不可能だからである。
【0046】
【表2】中の右側に掲載した「市販のサーマルプリンタ」による2色発色感熱紙への3回に渡る印刷結果で明らかなように、本来、低温で赤のみが発色する筈の1段目から4段目までの領域においても黒が発色しているので、赤発色が濁り感熱紙が本来備えている純色の赤色を再現できない。そのため、光学的な発色濃度を製品履歴情報として扱おうとした場合には、繰り返し印刷したときの再現安定性が無いため、印刷濃度を信頼できる情報として扱えない。
【0047】
しかしながら、
【表2】中の左側に記載した「特開2002−211025記載のサーマルプリンタ」のような印刷制御に優れたサーマルプリント方式を用いて印刷を行なうと、非常に高精度な濃度階調印刷が可能となり、その印刷の繰り返し再現性も非常に優れる。また、2色発色の命とも言える赤発色の単独純色発色領域である1段目から4段目も非常な高精度で印刷でき、赤、黒夫々の印刷内容の信頼性が高まるため、赤と黒を濃度階調で印刷した発色部の光学濃度を多値情報として扱い、高精度の多値情報印刷記録を実現する。
用途としては、今後、益々重要となる製品履歴情報に最適な印刷方法となる。
【0048】
例えば、解像度300dpiのサーマルヘッドを用いて赤黒2色発色の感熱紙に印刷を行ったとすると、1平方インチ当たりの情報は300×300=90,000ビットとなる。一般に、漢字一文字をビットで再現するには漢字一文字当たり16ビットの情報量が必要なので、90,000ビットでは漢字5,625文字を記録できる(90,000÷16=5,625)。実施例2では、白から黒まで90,000ビットを白色、赤色、黒色の8階調で濃淡印刷を行ったので、表現できる漢字情報は、45,000文字(90,000÷16×8=45,000)となる。
【0049】
また、記録できる情報の記録密度が高いということは、同じ情報を記録するために必要な面積が小さくて済むため、商品の包装箱が小さくて製品履歴情報を印刷するのに大きな印刷面積を使えない商品、例えば、目薬のような小さなパッケージの商品の包装箱に対して、印刷面積が小さくても高密度の情報を記録することができる。医薬品の場合には、注意書きが事細かに記載されることが多いため、記録密度の高い製品履歴情報の印刷が可能となり非常に有効である。
【0050】
【実施例3】溶融転写方式のカラー転写(面積階調印刷)
特開2002−211025に記載されているサーマルヘッド及びその制御方式を採用した解像度600dpiの溶融転写方式のサーマルプリンタと、これまで市場で販売されている解像度600dpiの溶融転写方式のサーマルプリンタを用い、未印刷部分を含めて網点面積%が11段階になっており各ステップ間の網点面積が10%間隔で構成されている電子ファイルを用いて被印刷媒体である市販の溶融転写方式の転写フィルム及び転写用紙で面積階調印刷を3回づつ行った。
【0051】
一般に、溶融転写方式の印刷に使われている顔料インキは、透明のPETフィルムにワックスや樹脂をバインダーとして顔料インキが塗布されている。実施例3ではワックスタイプの転写フィルムとインキを転写する用紙は転写フィルムと一緒に販売されている転写用紙を使用した。
【0052】
溶融転写方式を用いて印刷濃度を変化させて記録する場合には、面積階調方式を用いる。面積階調方式で濃淡表現するには、濃度階調よりも解像度が当然低くなるので、実施例3では600dpiの解像度を持ったサーマルヘッドで印刷結果を比較した。
【0053】
サーマルプリンタによって顔料インキを転写するには、インキが塗布されたフィルムの裏側からサーマルヘッドで加熱することにより転写フィルムに密着した転写用紙にインキが転写される。
【0054】
溶融転写方式は、ラベル印刷やバーコード印刷等で広く使われているが、実施例3では、黒の溶融転写フィルムを使って面積階調の印刷を行なった。
【0055】
光学反射濃度計はマクベス社のRD−919を使用し、測定範囲を決定する濃度計のアパーチャーは5mm径のものを使用して網点面積測定を行なった。
【0056】
【表3】
【0057】
特定の面積中に表される既存の2次元バーコードとしては、感熱紙とともに溶融転写の黒転写フィルムが市場で使われているが、実施例3では、溶融転写方式を用いて見かけ上の色の濃さ(濃度)を面積階調で表現することにより、特定の限られた印刷面積当たりに高密度の情報を記録することができることを実証する。
【0058】
【表3】の右側に掲載した「市販のサーマルプリンタ」による溶融転写方式での3回に渡る印刷結果で明らかなように、本来、電子ファイルに沿い10%間隔で各ステップが印刷されていなければならない網点面積%の再現性が悪い。それに対して、
【表3】の左側に記載した「特開2002−211025記載のサーマルプリンタ」のような印刷制御に優れたサーマルプリント方式を用いて網点面積%の階調印刷を行なうと、非常に高精度で繰り返し印刷の再現性も非常に優れた面積階調による多値情報印刷記録を実現する。
【0059】
例えば、解像度600dpiのサーマルヘッドを用いて黒色顔料が塗布されたPETフィルムを裏面から加熱して転写用紙に印刷を行ったとすると、1平方インチ当たりの情報は600×600=360,000ビットとなる。実施例3では、面積階調表現を行なうため縦3×横3=9個のセル(ビット)で階調再現を行なう。
【0060】
一般に、漢字一文字をビットで再現するには漢字一文字当たり16ビットの情報量が必要なので、360,000ビットでは漢字22,500文字を記録できる(360,000÷16=22,500)。実施例3では、未印刷部分の白から黒までの360,000ビットを色黒色の10階調で面積階調印刷を行うので、表現できる漢字情報は、22,500文字(360,000÷16×10÷10=22,500文字)となる。
【0061】
また、記録できる情報の記録密度が高いということは、同じ情報を記録するために必要な面積が小さくて済むため、商品の包装箱が小さくて製品履歴情報を印刷するのに大きな印刷面積を使えない商品、例えば、目薬のような小さなパッケージの商品の包装箱に対して、印刷面積が小さくても高密度の情報を記録することができる。医薬品の場合には、注意書きが事細かに記載されることが多いため、記録密度の高い製品履歴情報の印刷が可能となり非常に有効である。
【0062】
【実施例4】昇華転写方式のフルカラー転写(濃度階調印刷)
特開2002−211025に記載されているサーマルヘッド及びその制御方式を採用した解像度300dpiの昇華転写方式のサーマルプリンタと、これまで市場で販売されている解像度300dpiの昇華転写方式サーマルプリンタを用い、未印刷部分を含めて光学的反射濃度が11段階になっており各ステップ間の反射濃度が0.20間隔で構成されている電子ファイルを用いて被印刷媒体である市販の昇華転写方式の転写フィルム及び転写用紙で濃度階調印刷を3回づつ行った。
【0063】
一般に、昇華転写方式の印刷に使われている染料インキは、透明のPETフィルム表面に塗布されている。転写用紙は転写フィルムとの密着性が良い光沢紙が使われ、実施例4では昇華転写フィルムと一緒に販売されている転写用紙を使用した。
【0064】
サーマルプリンタによって染料インキを昇華転写するには、インキが塗布されたPETフィルムの裏側からサーマルヘッドで加熱することにより転写フィルムに密着した転写用紙にインキが転写される。また、転写フィルムに与える熱量によって昇華転写する染料の転写量が異なるため再現性の高いプリントを得るには転写時の熱量を正確に制御しなければならない。この制御を正確に行なうことで高精度な濃度階調印刷を実現する。
【0065】
【表4】
【0066】
【表5】
【0067】
特定の面積中に表される既存の2次元バーコードとしては、感熱紙とともに溶融転写の黒転写フィルムが市場で使われているが、実施例4では、濃度階調印刷が可能な昇華転写方式を用いて、特定の限られた印刷面積当たりに高密度の情報を記録することができることを実証する。
【0068】
【表4】に記載した「市販の昇華転写サーマルプリンタ」による3回に渡る印刷結果で明らかなように、反射濃度0.20間隔で各ステップが印刷されておらず、しかも3回の印刷結果にバラツキがあり繰り返し印刷の再現性が悪い。それに対して、
【表5】に記載した「特開2002−211025記載の技術による昇華転写サーマルプリンタ」のような印刷制御に優れたサーマルプリント方式を用いて濃度階調印刷を行なうと、反射濃度0.20間隔で非常に高精度に印刷でき、且つ、繰り返し印刷の再現性も非常に優れるため、高信頼性の濃度階調印刷を行ないその印刷濃度を記録情報とした多値情報印刷記録を実現する。
【0069】
例えば、解像度300dpiのサーマルヘッドを用いて染料インキが塗布されたPETフィルムを裏面から加熱して転写用紙に印刷を行ったとすると、縦1インチ横1インチの1平方インチ当たりの情報は300×300=360,000ビットとなる。実施例4では、Cyan、Magenta、Yellow3色で夫々11段の濃度階調表現を行なうため、得られる情報量は2,970,000ビット(300×300×3×11=2,970,000)となる。
【0070】
一般に、漢字一文字をビットで再現するには漢字一文字当たり16ビットの情報量が必要なので、2,970,000ビットでは漢字文字を185,625文字(2,9700,000÷16=185,625)記録できる。実施例4では、未印刷部分の白から黒までの360,000ビットをCyan、Magenta、Yellowの11階調で濃度階調印刷を行うので、表現できる漢字情報は185,625文字(2,970,000÷16=185,625文字)となる。
【0071】
また、記録できる情報の記録密度が高いということは、同じ情報を記録するために必要な面積が小さくて済むため、商品の包装箱が小さくて製品履歴情報を印刷するのに大きな印刷面積を使えない商品、例えば、目薬のような小さなパッケージの商品の包装箱に対して、印刷面積が小さくても高密度の情報を記録することができる。医薬品の場合には、注意書きが事細かに記載されることが多いため、記録密度の高い製品履歴情報の印刷が可能となり非常に有効である。
【0072】
【発明の効果】
印刷時の加熱熱量の制御に優れたサーマルヘッドとその制御技術を用いたサーマルプリンタを用いて、濃度階調若しくは面積階調を高精度に行ない、しかも再現安定性に優れた多値情報印刷記録方法は、高精度で高密度の製品履歴情報を実現する。
【図面の簡単な説明】
【図1】ダイレクトサーマルプリンタを示した側面図である。
【図2】溶融転写プリンタを示した側面図である。
【図3】昇華転写プリンタを示した側面図である。
【符号の説明】
1.プリンタ本体
2.ロール仕様転写用紙
3.転写用紙ガイド
4.転写用紙搬送ローラ
5.サーマルヘッド
6.プラテンローラ
7.Yellow転写ロールフィルム(供給側)
8.Yellow転写ロールフィルム(巻取り側)
9.Magenta転写ロールフィルム(供給側)
10.Magenta転写ロールフィルム(巻取り側)
11.Cyan転写ロールフィルム(供給側)
12.Cyan転写ロールフィルム(巻取り側)
13.Black転写ロールフィルム(供給側)
14.Black転写ロールフィルム(巻取り)
15.転写用紙カッタ
16.保護層転写ロールフィルム(供給側)
17.保護層転写ロールフィルム(巻取り側)
18.単色毎の印刷データ転送ケーブル
19.プリント排出口
20.転写フィルム用ローラ
【発明の属する技術分野】
本発明は、サーマルヘッドを使ったサーマルプリント技術に関わるものであり、繰り返し印刷する際の再現信頼性が極めて高く、且つ使用環境の温湿度に全く影響を受けずに安定した熱エネルギーを与え、印刷時の温度・エネルギー制御に優れたサーマルヘッド並びにプリント制御技術を用いることにより、白黒発色または白黒印刷、もしくはカラー発色またはカラー印刷をおこなうことにより、各産業分野で生産された製品の詳細な製品履歴情報の印刷を高信頼性の基に実現する多値情報印刷記録方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
製品履歴情報を記録して知らしめる方法としては、その履歴情報を印刷により記録して、後に光学的なスキャナーを用いて履歴情報を読み取ることが一般的に行われている。また、読取だけの記録メディア(ROMやRAM)をICタグやICカードに埋め込み、非接触ICタグまたは非接触ICカードとして内蔵されているROMに製品履歴情報御を記録することも実用化されている。
【0003】
しかしながら、非接触ICタグや非接触ICカードは非常に単価が高いため、ブランド品の皮革や衣類、宝飾品等の高価な商品には利用できても、販売価格の安い食品や日用品には適さない。こうした安価な商品の場合には、製品履歴情報が包装材料に記録されていても、商品開封後にその包装材料は直ぐにゴミとして廃棄されるため、非接触ICタグや非接触ICカードを利用した高価な製品履歴情報のシステムや記録材は安価な商品に不向きである。食品や日用品のような単価の商品にはシステム価格は勿論のこと、ランニングコストが安く、しかも信頼性の高いシステムでなければ詳細な製品履歴情報を記録できない。
【0004】
また、製品履歴情報は、食品や日用品のような安価な商品においても信頼性は低下することがないため、再現安定性に優れたシステムでなければならない。ICタグやICカードに匹敵する信頼性の高いシステムであり記録材でなければならない。まして、狂牛病の問題でも判る様に、食品については生命にも関わる非常に需要な情報となるので、ICタグやICカードの利用が適している高級ブランド商品以上に重要な位置付けにある。
【0005】
従来、サーマルヘッドを用いて製品履歴情報を用紙やフィルムに印刷するには、製品履歴情報をバーコードで再現する方法が圧倒的に多く、記録方式としては単色発色感熱紙(主に黒色)、2色発色感熱紙(主に赤と黒)や多色発色感熱紙をサーマルヘッドで直接加熱して印刷するダイレクトサーマルプリント方式か、顔料インキが塗布されたPETフィルムを裏面からサーマルヘッドで加熱してフィルムに密着させた用紙に転写印刷する溶融転写方式や、染料インキが塗布されたPETフィルムを裏面からサーマルヘッドで加熱してフィルムに密着させた用紙に転写する昇華転写方式などがある。
【0006】
感熱紙を直接加熱して発色させるダイレクトサーマル方式では、加熱によって発色現象が起こり、得られる発色濃度は加熱条件によって異なる。溶融転写方式では、PETフィルムに塗布された顔料インキは個々の転写フィルム固有の加熱条件により、塗布されたインキが全て用紙に転写されるかされないかのデジタル的な転写印刷であるため、1ビットの色の濃さ(濃度)を変化させることはできない。そのため、色の濃さを表現するには単位面積当たりの色のビット数で表現する面積階調方式で行っている。昇華転写方式では、塗布された染料インキは個々の転写フィルム固有の加熱条件により、塗布されたインキの転写量が変化するので、1ビット中の色の濃さ(濃度)を夫々変化させることができる。そのため、色の濃さを表現するには、感熱紙と同様に1ビットの色の濃さ(濃度)を変化させる濃度階調方式が行なわれている。
【0007】
デジタルプリンタと称されるものには、サーマルヘッドを用いたサーマルプリンタの他に、インクジェットプリンタやカラーレーザプリンタがある。これらの印刷方式に使われているインキやトナーは一定の濃さを持った染料や顔料が使われており、印刷によって濃淡を再現するには、特定面積当たりのインキ若しくはトナーの数(ドット数)を加減して行なっている。そのため、解像度何dpiという表現をそのままサーマルプリンタを用いて濃度階調再現したものとは直接比較することができない。
【0008】
例えば、解像度2400dpiというインクジェットプリンタの濃淡再現で、縦3×横3のセル(合計9個)にてディザマトリクス方法の面積階調で再現したとすると、濃度階調再現の解像度としては2400÷9=256(dpi)に相当することになる。一見、サーマルヘッドの解像度がインクジェットやカラーレーザと比較して低いように見えるが、それらを濃度階調で再現したものとの比較で判断すると、以外に面積階調のプリント方式の解像度が低いことが判る。
【0009】
また、商業印刷で使われているオフセット印刷、グラビア印刷、スクリーン印刷、フレキソ印刷、インクジェト印刷と言った従来からある印刷手法によってもバーコード印刷が行われている。
【0010】
既存の1次元バーコードや2次元バーコードは、紙やフィルムに印刷した後、発色もしくは印刷した色の濃さ(濃度)を読み取る光学スキャナによって印刷の濃淡情報を読み取り、コード化された内容に基づいて読取情報を解析して、ディスプレイ表示やプリントアウトすることにより製品履歴情報を掌握した。
【0011】
また、POSレジ等で広く使われている1次元バーコードは、紙の地色に当たる未発色部(若しくは未印刷部)と発色部(若しくは印刷部)の2値の濃淡情報から白と黒の縞模様で再現されている。その縞模様とはクロスする方向でレーザ光のライン光でバーコード情報を読取り解析する。2次元バーコードは、縦横2次元で表されるある特定の面積中に白と黒の市松模様で表わされたものである。発色もしくは印刷された後は、ライン光ではなくCCDのような面記録するデバイスによって情報を読取り解析する。2次元バーコードは、幅の異なる白黒の縦縞で表示される1次元バーコードと較べて記録できる情報量が多く、近年、製品履歴情報やインターネットのURL接続、電子決済、電子チケット等の用途で使われている。
【0012】
狂牛病が問題になって以来、各種製品、とりわけ食品の履歴情報をトレースできるように各社から様々な製品履歴情報管理の方法が提案されているが、あらゆる産業界に安心して広く使われるためには、廉価でありながら高い信頼性を備えるものでなければならない。個々に包装された製品に関する情報を供給する方法としては、製品や製品が複数個入っているダンボール箱に1次元バーコードや2次元バーコードを貼付したりして製品履歴の明確化が測られている。更に最近では、非接触ICカード(RFID)や読取専用のICタグを製品個々に貼付することも行われている。即ち、川下に伝達すべき情報御を小さな感熱紙にコード化して可視情報やICチップに電子情報として記録している。そして、読解後の使用済み印刷物はそのまま廃棄処理され、高価なICチップは回収して再使用されている。食品について言えば。
【0013】
狂牛病以降、食品等に求められる製品履歴情報は益々増えつつあり、それに応えるべく2次元バーコードの情報量を大きくするには、解像度を高めてビット数を増やすか、記録面積自身を大きく取らなければならない。解像度を高めるには発色技術若しくは印刷技術に関わるためシステム全体のコストアップに繋がる。後者の発色若しくは印刷面積を大きくする方法では、商品の包装材料の印刷可能面積に限りがあるため闇雲に2次元バーコードの面積を大きくすることもできず、また、発色もしくは印刷面積を大きくするとなると、情報を読み取るための光学スキャナの大きさやスキャナが情報を読取れる面積に関わってくる。
【0014】
これまで製品履歴情報の発色や印刷に使われてきたサーマルプリンタには、発熱素子を備えるサーマルヘッドとサーマルヘッドの温度を近傍で検知する温度センサーが用いられ、温度制御方式としては、過去の印刷履歴に基づいて発色や印刷を行う「履歴制御方式」が採用されている。また、サーマルヘッドで行う印刷には、サーマルヘッドで感熱紙を直接加熱して発色させる「ダイレクトサーマル方式」と、フィルム上に染料インキや顔料インキが塗布されたフィルムを裏面からサーマルヘッドで加熱して染料インキや顔料インキを被印刷媒体である紙やフィルムに印刷する「転写方式」があるが、何れの方式にも温度制御については「履歴制御方式」が採用されている。
【0015】
何れも方法でも、発色若しくは印刷された印刷内容の信頼性は、ひとえに記録媒体であるサーマルヘッドの温度制御に掛かっている。この制御の信頼性が低ければ、印刷結果の信頼性も低くなり、当然、高信頼性の求められる製品履歴情報の印刷には使えない。
【0016】
ここで、現在のサーマルプリンタの印刷制御である「履歴制御方式」に触れる。履歴制御とは、1ライン当たり数ミリ秒という短い印刷時間の中で発色もしくは印刷を行う際に、サーマルヘッドの発熱素子の温度を発熱素子近傍に設置した温度センサーによって感知してサーマルヘッドの発熱素子に供給される電流をオンオフする制御方法である。
【0017】
1回の印刷中における1ラインの印刷履歴に基づいて次ぎのラインの印刷条件を決めるという「履歴制御方式」という印刷制御方式で印刷していた。この方式は、サーマルヘッドの個々の発熱素子にあたる固定抵抗の印刷履歴情報によって演算処理を行い、サーマルヘッドの固定抵抗に発生する印刷温度を印刷履歴によって制御する方法が採られていた。
【0018】
しかしながら、「履歴制御方式」は用紙や転写フィルムを加熱するサーマルヘッドの温度制御を印刷履歴情報の演算処理で行う際、サーマルヘッド近傍に設置された温度センサーによってサーマルヘッドの温度を計測して制御するため結果的には作業環境の温度の影響を受け、寒冷地や熱帯地若しくは気温の低い朝方と気温の高い日中といった環境の差がある状況でサーマルヘッドを加熱して印刷すると、発生する熱の放熱条件が異なって印刷温度の制御に誤差を生じるため、印刷結果にバラツキを生じて高精度で安定した印刷を行うことが困難であった。
【0019】
また、他の方式としてサーマルヘッドの発熱素子を、発熱温度により抵抗値が変化する材料であるクロムやアルミニウム等の合金を用いてサーマルヘッドを構成して印刷時の温度を測定することにより、印刷履歴に頼らずに印刷制御する方式もあるが、この方式もサーマルヘッドで印刷する際の積算エネルギー値を制御することを行わないため、加熱により発生した熱エネルギー値を制御していないため、サーマルヘッドの温度検知データを制御するため、感熱記録媒体の発色濃度を的確に制御できなかった。
【0020】
この方式については、感熱紙若しくは転写フィルムの発色若しくは転写特性がいわゆるγ特性と呼ばれる通り、印加エネルギーと発色濃度の関係が一般的に直線的な比例関係に無いことに起因する印刷時の濃度誤差についても対応する必要があった。
【0021】
更に、印刷制御上の信頼性に関わることとして、数ミリ秒という極めて短時間の間に印刷される従来の「履歴制御方式」による印刷では、急激なサーマルヘッドの温度上昇に対してどうしてもタイムラグを生じて正確にオンオフ制御できないため、印刷した発色の濃さにバラツキが出て品質が安定しない欠点があった、尚且つ、サーマルヘッドの各発熱素子が破損に至る状況になりつつあってもこれを検知できない問題もあり、必要以上の加熱によりサーマルヘッドの発熱体の寿命を早め、しかもサーマルヘッドの破損も自動的に検知できないという問題があった。
【0022】
こうした「履歴制御方式」の基では、感熱方式にしろ転写方式にしろ印刷結果が不安定なため、中間的な発色濃度である灰色を環境に左右されること無く、常に安定して印刷することができず、印刷再現性のある白と黒の印刷しかできなかったため、バーコード印刷でも白と黒の2値情報しか扱うことができない。
【0023】
ところが、サーマルヘッドの発熱素子と温度センサーが近傍にあるといっても2者間にはある距離が存在するため、数ミリ秒という短い加熱時間内で加熱と温度計測の間で時間的な遅れを発生させずにオンオフを繰り返すことが非常に困難となる。結果として制御の応答の遅れが出て的確な温度制御、即ち印刷制御が行われないこととなる。このような低い信頼性で温度制御が行われた場合には、印刷の発色若しくは印刷の濃さにバラツキを生じ再現性の高い安定した印刷濃度を得ることができないので、最大発色濃度もしくは最大印刷濃度が得られれば事足りるという用途には使えても信頼性を求められる用途には使えない。
【0024】
例えば、スーパーマーケットのレシートのように、発色もしくは印刷した文字や数字が肉眼で何とか読めれば良いという用途であれば支障はないが、発色若しくは印刷による色の濃さによって食品の製品履歴情報を記録して読取り解析するようなトレーサビリティー用途の場合には、単に、肉眼で読めるだけでは事足りない。一つ間違えば生命にも関わる情報になるほどの需要な情報を高い信頼性によって再現できる印刷方法でなければ使えない。
【0025】
印刷に際して、「履歴制御方式」が採用されたサーマルプリンタでは、こうした不安定な問題を常に抱えているため、製品履歴情報をバーコードに印刷するとなると、どうしてもデジタル的に扱わざるを得ない。そのため、「履歴制御方式」のサーマルプリンタでバーコードを発色する場合には、感熱紙に過剰なまでの熱を加えて最大発色濃度の黒発色を行うことしかできない。
【0026】
本来、感熱紙は、加熱しない状態からサーマルヘッドで徐々に温度を高めて感熱紙を加熱していくと各温度に相当した発色濃度をするが、「履歴制御方式」のサーマルプリンタでは、サーマルヘッドの発熱素子の温度を大まかな制御しかできないため、本来、感熱紙が備えている連続的な階調再現(白から黒まで無段階で発色の濃さが変化する状況)を綺麗に、且つ、高い再現性をもって印刷することができない。
【0027】
【発明が解決しようとする課題】
これまで、サーマルヘッドを使った印刷としては、ダイレクトサーマル印刷、溶融転写印刷、昇華転写印刷、リライタブル印刷、ホログラムフィルム印刷などがあるが、何れの場合にも、印刷する際の温度及び熱エネルギー制御が不正確なため印刷環境に左右された印刷結果や繰り返し安定性にバラツキがあるなど充分な印刷制御が行なわれていなかった。このように、これまでのサーマルヘッドとその印刷制御の精度では印刷結果が不安定で再現性が悪いため、印刷された結果である印刷濃度を記録情報として取扱うことを試みても実現することはできなかった。
【0028】
本発明では、印刷方法が非常にシンプルで、高速印刷ができ、且つハードウェアとして低コストという大きな特徴のあるサーマルプリント方式で、詳細な製品履歴情報を求められる用途において、特定の限られた面積の範囲で2次元バーコードの数倍から数十倍の情報量を発色若しくは印刷により紙やフィルムに記録して、その印刷結果である印刷濃度を情報管理に利用するための多値情報印刷記録方法を実現することにある。
【0029】
【課題を解決するための手段】
紙やフィルムに高密度な情報記録を印刷するためには、印刷時の温度や湿度の変化や利用頻度、利用方法など如何なる環境においても安定した発色若しくは安定した印刷を実現でき、且つ使い勝手の良い印刷方式でなければならない。既存の印刷方式の中でこうした条件を満たす最適な印刷方式としては、記録媒体としてサーマルヘッドを用いたサーマルプリント方式があるが、求められる高精度な記録情報を実現するためには、印刷時の温度及び積算熱エネルギーの制御が完璧に行なわれていなければならない。
【0030】
例えば、特開2002−211025に記載されている、サーマルヘッドによる1ライン毎の瞬間の印刷温度と積算された熱エネルギーの両方で印刷制御を行うことにより、感熱紙が本来備えている性能を正確に引出せるため、最大温度だけでなく中庸の黒発色及び中庸なカラー発色等の連続的な階調印刷を高い再現性で実現することができる。
このように、印刷安定性に優れたサーマルヘッドとその高精度な印刷制御技術を用いたサーマルプリント方式を利用することにより多値情報印刷記録を実現する。
【0031】
【発明の実施の形態】
本発明は、従来のサーマルヘッドとその制御方式である「履歴制御方式」を用いて実現することが出来ない連続的な階調再現の発色若しくは印刷を、例えば、特開2002−211025に記載されているようなサーマルヘッドの発熱素子自身が温度を検知するサーミスターである一体型のサーマルヘッドを用いて、1ラインの印刷中においても計測した発熱素子個々の温度をフィードバックして、印刷温度と共に1ライン印字中に積算した印刷に関わる熱エネルギーを制御する方式を採用した印刷安定性に優れたサーマルプリンタを使用し、特定の限られた面積において白から黒まで多階調の階調印刷を行うことにより多値情報記録印刷を実現する。
【0032】
具体的には、サーマルヘッドの印刷制御を高精度かつ短い印刷時間内に高速で行える特開2002−211025記載の印刷制御方式を採用することにより、黒発色の感熱紙であれば白と黒以外の中間的な濃度に当たる灰色の濃淡印刷を濃度階調印刷により高精度に印刷再現でき、多色発色カラー感熱紙でも中間的な濃度に当たる中庸の濃さの濃淡印刷を濃度階調方式で高精度に印刷再現でき、昇華転写方式の印刷においても中間的な濃度に当たる中庸の濃さの濃淡印刷を濃度階調方式で高精度に印刷再現でき、溶融転写方式においてはサーマルヘッドの解像度を高めて細かなビットによる面積階調印刷を行なうことで中間的な濃度に当たる中庸の濃さの濃淡印刷を高精度に印刷再現できる。
【0033】
【実施例1】ダイレクトサーマル方式の白黒感熱紙(濃度階調印刷)
特開2002−211025に記載されているサーマルヘッド及びその制御方式を採用した解像度300dpiのサーマルプリンタと、これまで市場で販売されている解像度300dpiのサーマルプリンタを用い、未印刷部分を含めて光学濃度が5段階になっている電子ファイルを用いて被印刷媒体である市販の白黒感熱紙に階調印刷を3回づつ行った。
【0034】
【表1】
【0035】
特定の面積中に表される既存の2次元バーコードは、白と黒の2値情報でしか情報を記録できないが、その理由は、
【表1】中の右側に掲載した「市販のサーマルプリンタ」の3回に渡る印刷結果で明らかなように、光学的な発色濃度を製品履歴情報として扱おうとした場合、繰り返し印刷したときの再現安定性が無いため、印刷濃度を信頼できる情報として扱えない。
【0036】
しかしながら、
【表1】中の左側に記載した「特開2002−211025記載のサーマルプリンタ」のような印刷制御に優れたサーマルプリント方式を用いた印刷では、優れた濃度階調印刷が可能となり、しかもその濃度階調印刷の繰り返し再現安定性が非常に高いため、印刷された内容の信頼性が高まり、製品履歴情報であるトレーサビリティーの情報源として十分に機能することが判る。
【0037】
印刷結果を製品履歴情報として扱うためには、常に安定して同じ発色濃度を再現できなければならず、記録された情報に信頼性がなければ正しく読み取れず全く役に立たないため、印刷の再現安定性が非常に重要となる。既存の印刷制御方式である「履歴制御方式」により印刷した結果は、演算処理した印刷制御方式のサーマルプリンタでは印刷再現性がないので、濃淡印刷を施したサーマルプリントもバーコードとして使えない。
【0038】
しかしながら、特開2002−211025のような印刷制御安定性に非常に優れたサーマルヘッドとその技術を採用したサーマルプリンタであれば、
【表1】の左側に示したように高精度の印刷再現性があるので、高密度な情報記録が要求される多値情報印刷記録を実現する。
用途としては、今後、益々重要となる製品履歴情報に最適な印刷方法となる。
【0039】
例えば、解像度300dpiのサーマルヘッドを用いて印刷を行ったとすると、1平方インチ当たりの情報は300×300=90,000ビットとなる。一般に、漢字一文字をビットで再現するには漢字一文字当たり16ビットの情報量が必要なので、90,000ビットでは漢字5,625文字を記録できる(90,000÷16=5,625)。実施例1では、白から黒まで90,000ビットを白色、灰色(3階調)、黒色の5階調で濃淡印刷を行ったので、表現できる漢字情報は、28,125文字(90,000÷16×5=28,125)となる。
【0040】
また、記録できる情報の記録密度が高いということは、同じ情報を記録するために必要な面積が小さくて済むため、商品の包装箱が小さくて製品履歴情報を印刷するのに大きな印刷面積を使えない商品、例えば、目薬のような小さなパッケージの商品の包装箱に対して、小さな印刷面積にも高密度の情報を記録することができる。医薬品の場合には、注意書きが事細かに記載されることが多いため、記録密度の高い製品履歴情報の印刷が可能となり非常に有効である。
【0041】
【実施例2】ダイレクトサーマル方式のカラー感熱紙(濃度階調印刷)
特開2002−211025に記載されているサーマルヘッド及びその制御方式を採用した解像度300dpiのサーマルプリンタと、これまで市場で販売されている解像度300dpiのサーマルプリンタを用い、未印刷部分を含めて光学濃度が10段階になっている電子ファイルを用いて被印刷媒体である市販の赤黒2色発色の感熱紙に階調印刷を3回づつ行った。
【0042】
特開2002−211025に記載されているサーマルヘッド及びその制御方式を採用した解像度300dpiのサーマルプリンタと、これまで市場で販売されている解像度300dpiのサーマルプリンタの2種類を用いて被印刷媒体には市販の赤黒2色発色の感熱紙を使い、光学反射濃度が10段階になっている電子ファイルを用いて階調印刷を3回づつ行った。
【0043】
赤黒2色発色の感熱紙は、低温で赤が発色し、高温で赤と黒が発色する感熱紙である。既存のプリンタで2色発色感熱紙をプリントしたときに大きな問題となるのが、赤が発色する低温領域において黒が発色してしまう点に有る。本来、赤しか発色しない温度領域において黒が発色してしまうため、赤発色部に黒発色が混ざってしまうため濁った赤色の印刷となる。そのため、スーパーやコンビニエンスストア等のプライスカードに販売価格を顧客に赤文字で訴求したい目的で使っても純色の赤色が再現できず効果が半減している。
【0044】
【表2】
【0045】
特定の面積中に表される既存の2次元バーコードは、赤黒発色の2色発色感熱紙が市販されているにも関わらず、2次元バーコード用途で全く実用化されていないのは、白と黒の2値情報ですら正確に階調印刷できない状況では、それ以上の印刷制御能力を求められる2色発色感熱紙に適用することがほぼ不可能だからである。
【0046】
【表2】中の右側に掲載した「市販のサーマルプリンタ」による2色発色感熱紙への3回に渡る印刷結果で明らかなように、本来、低温で赤のみが発色する筈の1段目から4段目までの領域においても黒が発色しているので、赤発色が濁り感熱紙が本来備えている純色の赤色を再現できない。そのため、光学的な発色濃度を製品履歴情報として扱おうとした場合には、繰り返し印刷したときの再現安定性が無いため、印刷濃度を信頼できる情報として扱えない。
【0047】
しかしながら、
【表2】中の左側に記載した「特開2002−211025記載のサーマルプリンタ」のような印刷制御に優れたサーマルプリント方式を用いて印刷を行なうと、非常に高精度な濃度階調印刷が可能となり、その印刷の繰り返し再現性も非常に優れる。また、2色発色の命とも言える赤発色の単独純色発色領域である1段目から4段目も非常な高精度で印刷でき、赤、黒夫々の印刷内容の信頼性が高まるため、赤と黒を濃度階調で印刷した発色部の光学濃度を多値情報として扱い、高精度の多値情報印刷記録を実現する。
用途としては、今後、益々重要となる製品履歴情報に最適な印刷方法となる。
【0048】
例えば、解像度300dpiのサーマルヘッドを用いて赤黒2色発色の感熱紙に印刷を行ったとすると、1平方インチ当たりの情報は300×300=90,000ビットとなる。一般に、漢字一文字をビットで再現するには漢字一文字当たり16ビットの情報量が必要なので、90,000ビットでは漢字5,625文字を記録できる(90,000÷16=5,625)。実施例2では、白から黒まで90,000ビットを白色、赤色、黒色の8階調で濃淡印刷を行ったので、表現できる漢字情報は、45,000文字(90,000÷16×8=45,000)となる。
【0049】
また、記録できる情報の記録密度が高いということは、同じ情報を記録するために必要な面積が小さくて済むため、商品の包装箱が小さくて製品履歴情報を印刷するのに大きな印刷面積を使えない商品、例えば、目薬のような小さなパッケージの商品の包装箱に対して、印刷面積が小さくても高密度の情報を記録することができる。医薬品の場合には、注意書きが事細かに記載されることが多いため、記録密度の高い製品履歴情報の印刷が可能となり非常に有効である。
【0050】
【実施例3】溶融転写方式のカラー転写(面積階調印刷)
特開2002−211025に記載されているサーマルヘッド及びその制御方式を採用した解像度600dpiの溶融転写方式のサーマルプリンタと、これまで市場で販売されている解像度600dpiの溶融転写方式のサーマルプリンタを用い、未印刷部分を含めて網点面積%が11段階になっており各ステップ間の網点面積が10%間隔で構成されている電子ファイルを用いて被印刷媒体である市販の溶融転写方式の転写フィルム及び転写用紙で面積階調印刷を3回づつ行った。
【0051】
一般に、溶融転写方式の印刷に使われている顔料インキは、透明のPETフィルムにワックスや樹脂をバインダーとして顔料インキが塗布されている。実施例3ではワックスタイプの転写フィルムとインキを転写する用紙は転写フィルムと一緒に販売されている転写用紙を使用した。
【0052】
溶融転写方式を用いて印刷濃度を変化させて記録する場合には、面積階調方式を用いる。面積階調方式で濃淡表現するには、濃度階調よりも解像度が当然低くなるので、実施例3では600dpiの解像度を持ったサーマルヘッドで印刷結果を比較した。
【0053】
サーマルプリンタによって顔料インキを転写するには、インキが塗布されたフィルムの裏側からサーマルヘッドで加熱することにより転写フィルムに密着した転写用紙にインキが転写される。
【0054】
溶融転写方式は、ラベル印刷やバーコード印刷等で広く使われているが、実施例3では、黒の溶融転写フィルムを使って面積階調の印刷を行なった。
【0055】
光学反射濃度計はマクベス社のRD−919を使用し、測定範囲を決定する濃度計のアパーチャーは5mm径のものを使用して網点面積測定を行なった。
【0056】
【表3】
【0057】
特定の面積中に表される既存の2次元バーコードとしては、感熱紙とともに溶融転写の黒転写フィルムが市場で使われているが、実施例3では、溶融転写方式を用いて見かけ上の色の濃さ(濃度)を面積階調で表現することにより、特定の限られた印刷面積当たりに高密度の情報を記録することができることを実証する。
【0058】
【表3】の右側に掲載した「市販のサーマルプリンタ」による溶融転写方式での3回に渡る印刷結果で明らかなように、本来、電子ファイルに沿い10%間隔で各ステップが印刷されていなければならない網点面積%の再現性が悪い。それに対して、
【表3】の左側に記載した「特開2002−211025記載のサーマルプリンタ」のような印刷制御に優れたサーマルプリント方式を用いて網点面積%の階調印刷を行なうと、非常に高精度で繰り返し印刷の再現性も非常に優れた面積階調による多値情報印刷記録を実現する。
【0059】
例えば、解像度600dpiのサーマルヘッドを用いて黒色顔料が塗布されたPETフィルムを裏面から加熱して転写用紙に印刷を行ったとすると、1平方インチ当たりの情報は600×600=360,000ビットとなる。実施例3では、面積階調表現を行なうため縦3×横3=9個のセル(ビット)で階調再現を行なう。
【0060】
一般に、漢字一文字をビットで再現するには漢字一文字当たり16ビットの情報量が必要なので、360,000ビットでは漢字22,500文字を記録できる(360,000÷16=22,500)。実施例3では、未印刷部分の白から黒までの360,000ビットを色黒色の10階調で面積階調印刷を行うので、表現できる漢字情報は、22,500文字(360,000÷16×10÷10=22,500文字)となる。
【0061】
また、記録できる情報の記録密度が高いということは、同じ情報を記録するために必要な面積が小さくて済むため、商品の包装箱が小さくて製品履歴情報を印刷するのに大きな印刷面積を使えない商品、例えば、目薬のような小さなパッケージの商品の包装箱に対して、印刷面積が小さくても高密度の情報を記録することができる。医薬品の場合には、注意書きが事細かに記載されることが多いため、記録密度の高い製品履歴情報の印刷が可能となり非常に有効である。
【0062】
【実施例4】昇華転写方式のフルカラー転写(濃度階調印刷)
特開2002−211025に記載されているサーマルヘッド及びその制御方式を採用した解像度300dpiの昇華転写方式のサーマルプリンタと、これまで市場で販売されている解像度300dpiの昇華転写方式サーマルプリンタを用い、未印刷部分を含めて光学的反射濃度が11段階になっており各ステップ間の反射濃度が0.20間隔で構成されている電子ファイルを用いて被印刷媒体である市販の昇華転写方式の転写フィルム及び転写用紙で濃度階調印刷を3回づつ行った。
【0063】
一般に、昇華転写方式の印刷に使われている染料インキは、透明のPETフィルム表面に塗布されている。転写用紙は転写フィルムとの密着性が良い光沢紙が使われ、実施例4では昇華転写フィルムと一緒に販売されている転写用紙を使用した。
【0064】
サーマルプリンタによって染料インキを昇華転写するには、インキが塗布されたPETフィルムの裏側からサーマルヘッドで加熱することにより転写フィルムに密着した転写用紙にインキが転写される。また、転写フィルムに与える熱量によって昇華転写する染料の転写量が異なるため再現性の高いプリントを得るには転写時の熱量を正確に制御しなければならない。この制御を正確に行なうことで高精度な濃度階調印刷を実現する。
【0065】
【表4】
【0066】
【表5】
【0067】
特定の面積中に表される既存の2次元バーコードとしては、感熱紙とともに溶融転写の黒転写フィルムが市場で使われているが、実施例4では、濃度階調印刷が可能な昇華転写方式を用いて、特定の限られた印刷面積当たりに高密度の情報を記録することができることを実証する。
【0068】
【表4】に記載した「市販の昇華転写サーマルプリンタ」による3回に渡る印刷結果で明らかなように、反射濃度0.20間隔で各ステップが印刷されておらず、しかも3回の印刷結果にバラツキがあり繰り返し印刷の再現性が悪い。それに対して、
【表5】に記載した「特開2002−211025記載の技術による昇華転写サーマルプリンタ」のような印刷制御に優れたサーマルプリント方式を用いて濃度階調印刷を行なうと、反射濃度0.20間隔で非常に高精度に印刷でき、且つ、繰り返し印刷の再現性も非常に優れるため、高信頼性の濃度階調印刷を行ないその印刷濃度を記録情報とした多値情報印刷記録を実現する。
【0069】
例えば、解像度300dpiのサーマルヘッドを用いて染料インキが塗布されたPETフィルムを裏面から加熱して転写用紙に印刷を行ったとすると、縦1インチ横1インチの1平方インチ当たりの情報は300×300=360,000ビットとなる。実施例4では、Cyan、Magenta、Yellow3色で夫々11段の濃度階調表現を行なうため、得られる情報量は2,970,000ビット(300×300×3×11=2,970,000)となる。
【0070】
一般に、漢字一文字をビットで再現するには漢字一文字当たり16ビットの情報量が必要なので、2,970,000ビットでは漢字文字を185,625文字(2,9700,000÷16=185,625)記録できる。実施例4では、未印刷部分の白から黒までの360,000ビットをCyan、Magenta、Yellowの11階調で濃度階調印刷を行うので、表現できる漢字情報は185,625文字(2,970,000÷16=185,625文字)となる。
【0071】
また、記録できる情報の記録密度が高いということは、同じ情報を記録するために必要な面積が小さくて済むため、商品の包装箱が小さくて製品履歴情報を印刷するのに大きな印刷面積を使えない商品、例えば、目薬のような小さなパッケージの商品の包装箱に対して、印刷面積が小さくても高密度の情報を記録することができる。医薬品の場合には、注意書きが事細かに記載されることが多いため、記録密度の高い製品履歴情報の印刷が可能となり非常に有効である。
【0072】
【発明の効果】
印刷時の加熱熱量の制御に優れたサーマルヘッドとその制御技術を用いたサーマルプリンタを用いて、濃度階調若しくは面積階調を高精度に行ない、しかも再現安定性に優れた多値情報印刷記録方法は、高精度で高密度の製品履歴情報を実現する。
【図面の簡単な説明】
【図1】ダイレクトサーマルプリンタを示した側面図である。
【図2】溶融転写プリンタを示した側面図である。
【図3】昇華転写プリンタを示した側面図である。
【符号の説明】
1.プリンタ本体
2.ロール仕様転写用紙
3.転写用紙ガイド
4.転写用紙搬送ローラ
5.サーマルヘッド
6.プラテンローラ
7.Yellow転写ロールフィルム(供給側)
8.Yellow転写ロールフィルム(巻取り側)
9.Magenta転写ロールフィルム(供給側)
10.Magenta転写ロールフィルム(巻取り側)
11.Cyan転写ロールフィルム(供給側)
12.Cyan転写ロールフィルム(巻取り側)
13.Black転写ロールフィルム(供給側)
14.Black転写ロールフィルム(巻取り)
15.転写用紙カッタ
16.保護層転写ロールフィルム(供給側)
17.保護層転写ロールフィルム(巻取り側)
18.単色毎の印刷データ転送ケーブル
19.プリント排出口
20.転写フィルム用ローラ
Claims (9)
- 各種産業製品に関わる原材料、原産地、輸入会社、保管条件、加工会社、加工事業所、加工処理日、加工処理条件、使用薬品、添加物、生産担当者、検査担当者、品質保証期間等の各製品に関わる詳細な製品履歴情報のような多値情報を、紙またはフィルムに印刷若しくは発色による濃淡表現で印刷するに当たり、特定面積当たり同一の色の濃さを有するドットの集合により濃淡を表現する面積階調方式か、若しくは各ドットそれぞれの色の濃さを印刷するか若しくは発色の濃さによって表現する濃度階調方式を用いて、特定された狭い印刷領域に未印刷部分もしくは未発色部分の地色と、黒及びカラーで印刷もしくは発色する部分を含んで合計3値以上の多値情報を一度の印刷によって記録する多値情報印刷記録方法。
- 紙や合成紙もしくはフィルム等の被印刷媒体に、未印刷部分もしくは未発色部分の地色と、印刷した部分もしくは発色した部分の黒の2値情報からなる2次元バーコードにおいて、黒く印刷するか若しくは黒く発色する部分に2値以上の多値情報を、特定面積当たり同一の色の濃さを有するドットの集合により濃淡を表現する面積階調方式か、若しくは各ドットそれぞれの色の濃さを印刷するか若しくは発色の濃さによって表現する濃度階調方式を用いて、特定された狭い印刷領域に未印刷部分もしくは未発色部分の地色と、黒く印刷及び黒く発色する部分を含んで合計3値以上の多値情報を一度の印刷によって記録する多値情報印刷記録方法。
- 黒及びその他の単色カラーに発色する単色発色の感熱紙を用いて、感熱紙の未発色部分の地色と黒及びその他の単色カラーで濃度階調方式により未発色部分を含めて、3値以上のバーコード印刷を、各ドットそれぞれの発色の濃さによって表現する濃度階調方式を用いて、特定された狭い印刷領域に未発色部分の地色と黒及び単色カラーに発色した部分を含んで合計3値以上の多値情報を一度の印刷によって記録する多値情報印刷記録方法。
- 2色以上の発色が可能な多色発色の感熱紙を用いて、感熱紙の未発色部分の地色と黒及びその他のカラーで濃度階調方式により未発色部分を含めて、3値以上のバーコード印刷を、各ドットそれぞれの発色の濃さによって表現する濃度階調方式を用いて、特定された狭い印刷領域に未発色部分の地色と発色部分の黒やカラーに発色した部分を含んで合計3値以上の多値情報を一度の印刷によって記録する多値情報印刷記録方法。
- 黒及びその他の単色カラーに転写印刷するための転写フィルムと転写用紙を用いて、転写用紙の未印刷部分の地色と黒及びその他の単色カラーの印刷部分を含めて、3値以上のバーコード印刷を、特定面積当たり同一の色の濃さを有するドットの集合により濃淡を表現する面積階調方式を用いて、特定された狭い印刷領域に未印刷部分の地色と黒及び単色カラーに印刷した部分を含んで合計3値以上の多値情報を一度の印刷によって記録する多値情報印刷記録方法。
- 2色以上の印刷が可能な転写印刷の転写フィルムと転写用紙を用いて、転写用紙の未印刷部分の地色と黒及びその他のカラーで印刷された印刷部分を含めて、3値以上のバーコード印刷を、各ドットそれぞれの色の濃さを印刷するか若しくは発色の濃さによって表現する濃度階調方式を用いて、特定された狭い印刷領域に未印刷部分の地色と黒及びその他のカラーに発色した部分を含んで合計3値以上の多値情報を一度の印刷によって記録する多値情報印刷記録方法。
- 未印刷部分の地色と黒及びその他のカラーで印刷された印刷部分を含めた3値情報からなる2次元バーコードにおいて、特定面積当たり同一の色の濃さを有するドットの集合により濃淡を表現する面積階調方式か、若しくは各ドットそれぞれの色の濃さを印刷するか若しくは発色の濃さによって表現する濃度階調方式を用いて、紙や合成紙や反射フィルム若しくは光を透過する透過フィルムに2次元バーコードを印刷もしくは発色する際、2次元バーコードの濃淡印刷もしくは濃淡発色で使ったものと同じ色及び印刷濃度を用いて濃度階調方式で階段状の黒及びカラーの濃淡印刷もしくは発色を行い、特定された狭い印刷領域に印刷された2次元バーコードの読取間違いを防止する多値情報印刷記録方法。
- 未印刷部分の地色と黒及びその他のカラーで印刷された印刷部分を含めた3値情報からなる2次元バーコードにおいて、特定面積当たり同一の色の濃さを有するドットの集合により濃淡を表現する面積階調方式か、若しくは各ドットそれぞれの色の濃さを印刷するか若しくは発色の濃さによって表現する濃度階調方式を用いて、紙や合成紙や反射フィルム若しくは光を透過する透過フィルムに2次元バーコードの印刷もしくは発色する際、特定された狭い印刷領域内に同一の2次元バーコードを複数回繰り返して濃淡印刷もしくは濃淡発色を行い2次元バーコードの読取間違いを防止する多値情報印刷記録方法。
- 製品履歴情報の記録密度を高めて、温度5℃から50℃、湿度過酷な使用環境下においても安定した発色若しくは印刷を行ない、特定された狭い印刷領域においても印刷される情報の信頼性を落とすことなく記録する多値情報印刷記録方法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2003200753A JP2005007842A (ja) | 2003-06-19 | 2003-06-19 | 多値情報印刷記録方法 |
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JP2003200753A JP2005007842A (ja) | 2003-06-19 | 2003-06-19 | 多値情報印刷記録方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2008141726A (ja) * | 2006-09-29 | 2008-06-19 | Konica Minolta Systems Lab Inc | 検証機能を有する高解像度バーコード及び文書 |
CN104210224A (zh) * | 2014-09-03 | 2014-12-17 | 江苏中印印务集团有限公司 | 一种应用于凹版印刷机的二维码喷涂装置 |
JP2020002030A (ja) * | 2018-06-26 | 2020-01-09 | 株式会社Screenホールディングス | 錠剤および錠剤印刷装置 |
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2003
- 2003-06-19 JP JP2003200753A patent/JP2005007842A/ja active Pending
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