JP2005007340A - 緑化廃棄物処理システム - Google Patents

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Abstract

【課題】剪定枝、落葉等の緑化廃棄物を微粉末状化させて肥料、飼料として使用できるようにした。
【解決手段】ゴルフ場等で発生する剪定枝、落葉、芝ガス等を1次処理機2としての木材等破砕機で破砕した1次破砕物を、2次処理機7としての膨潤機で2次破砕し、該2次破砕物を3次処理機15としての破砕機で3次破砕して粉末状とし、該3次破砕物を肥料、飼料等、ないしこれ等の主原料として使用する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は緑化廃棄物処理システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
木材等をチップ屑、オガ屑状に破砕する破砕機が知られている(特許資料1)(特許資料2)。
【0003】
又木屑、オガ屑等をスクリュー羽根付きの回転軸回転により高温圧縮させ、かつカッターで切断して投入材料を膨潤化させる膨潤機が知られている(特許資料3)。
【0004】
【特許資料1】
特開2000−93826号公報
【特許資料2】
特公昭61−16603号公報
【特許資料3】
特開平6−3119号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
例えばゴルフ場等にあっては、常時芝生、樹木等の管理を行うことが必要で、剪定枝、枯木、枯枝、落葉、芝カス等の緑化廃棄物が多量排出される。これ等緑化廃棄物は従来焼却されていたが、ダイオキシンなどの排ガス規制との関係等から多くの焼却炉が閉鎖となり、そのため上記緑化廃棄物のリサイクル化が求められている。
【0006】
既述膨潤機は、チップ状の木片、芝カス等の繊維質素材を圧縮し、高温化により蒸煮し、膨張軟化させてその大半を屑綿状とすることが出来るが、該膨潤機から放出された処理物中には長さ約10〜20ミリ程度の細片や、直径10ミリ程度の屑綿状圧縮塊が多数含まれているため、該処理物をそのまま肥料化するにはその熟成に約半年程度の期間を要するものであった。
【0007】
又このようにして肥料化しても、該肥料中には上記細片や塊が熟成された状態のまま残ることなり、よってこれをそのまま芝生中に散布すると、上記熟成された細片や塊が芝の新芽の伸びる方向へ影響を与えて芝の向きを乱すこととなり、よってこのような肥料はゴルフ場の芝用としては使用することが出来なかった。
【0008】
本発明は上記膨潤機内へ投入する緑化廃棄物を、該膨潤機による処理が容易な大きさにすると共に、該膨潤機から放出された処理物を更に破砕機により処理して微粉末状となし、上記堆肥化に要する熟成期間を約1.5〜2ヶ月程度に短縮すると共に上記芝生用肥料としても使用でき、このようにして緑化廃棄物が生じた場所へ、その緑化廃棄物を肥料化させて還元できるよう設けたものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
第1の手段として剪定枝、落葉等の緑化廃棄物を、1次処理機2としての木材破砕処理機で1次破砕し、該1次破砕物を2次処理機7としての膨潤機で膨潤軟化させて2次破砕し、該2次破砕物を更に3次処理機15としての破砕処理機で3次破砕して、微粉末状の3次破砕物となし、該3次破砕物を肥料、飼料ないしこれ等の主原料として使用する。
【0010】
第2の手段として、上記第1の手段を有すると共に上記1次処理機2と2次処理機7との間に貯槽5を設け、1次処理機から放出された1次破砕物を貯槽5内へ貯め、破砕材料によって異にする水分含有量が均等化するよう数種の1次破砕物を混合させ乍ら、断続物にベルトコンベアを介して2次処理機7内へ移送する。
【0011】
第3の手段として、上記第1又は第2の手段を有すると共に 2次処理機7と3次処理機15との間へ2次破砕物移送用のベルトコンベアを設けて、該コンベア上流側の側外方へ基端を固定させてチェーン状分散器10を設置させ、
該分散器は数本のチェーン11とこれ等チェーンの端部相互を連結して長い一本の長チェーンとする大径リング12と、該長チェーンの末端へ連結したフック13とで形成し、
上記コンベアのベルト8a上流部分内へチェーン状分散器10を入れて、ベルトに対し摺動させることで長チェーンの始端部からフック13までをベルト下流方向へ伸長させ、
上記ベルト8a上流部内へ落ちた2次破砕物が分散器に触れ、形を崩しほぐれ乍らベルトと共に移動して3次処理機15内へ移送可能に形成した。
【0012】
第4の手段として、上記第1、第2又は第3の手段を有すると共に上記2次処理機器7と3次処理機15との間にドラム式回転篩21を設けて、該篩内へ該篩内での転動が可能にチェーン23一端を固定させておき、 上記2次処理機7から放出されて回転篩内を通った処理物をベルトコンベアで3次処理機15内へ移送し、該3次処理機15から放出された3次破砕物と上記回転篩から落下した篩処理物とを共に最終処理物とする。
【0013】
第5の手段として、上記第1、第2、第3又は第4の手段を有すると共に上記3次処理機器15のホッパー傾斜壁17の上部内壁面へ、上端部を枢着させてフラッパー18をホッパー16内へ垂下させ、該フラッパーが接するホッパー傾斜壁部分へエアノズル19を設け、該エアノズルから断続的に噴出させる高圧エアーによる押圧と該押圧中断とでフラッパー18がホッパー内で揺動可能に形成した。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下図面について説明すると、1は緑化廃棄物で、該緑化廃棄物としては間伐材、剪定枝、枯木、枯枝、落葉、松葉、芝カス等である。間伐材や剪定枝等は次に述べる破砕処理機にかけることが出来るよう長さ700ミリ、直径300ミリ程度に切断しておく。
【0015】
上記緑化廃棄物は、まず1次処理機2としての木材等破砕機のホッパ3内へ投入する。該破砕機は既述従来例のほか、公知のものでよいが、該破砕機での処理を終えた1次破砕物は、次に述べる膨潤機での処理が可能な程度まで破砕されていることを要し、その1次破砕物の大きさは、約50ミリ〜100 ミリ程度の長さで、厚みが3〜5ミリ程度とするのがよい。
【0016】
1次処理機2から排出された1次破砕物は、第1ベルトコンベア4により貯層5内へ入れる。該1次破砕物は、緑化廃棄物の種類によって含有水分が全く異なり、例えば枯木等であれば乾燥しているが、半ば腐敗したような芝カス、落葉等であれば含有水分が極めて多い。このように異る数種の1次破砕物をその水分含有量が均等化するよう混合させ乍ら断続して第2ベルトコンベア6を介して2次処理機7内へ投入させる。
【0017】
2次処理機7としては既述膨潤機を使用する。該膨潤機内へ投入された1次破砕物は、約1.5 トン程度の圧力で圧縮されて約110 ℃程度まで高温化され、給水され蒸煮された状態で直径約10ミリ程度の多数の小孔から一定長さにカッターで切断され乍ら排出され、該排出による高圧状態解消により膨潤化する。
【0018】
該2次排出物は高温の屑綿状圧縮物として放出されるが、その中には直径10ミリ程度の塊や長さ15ミリ程度で厚み1ミリ程度の軟化した細片が多く含まれており、又全体として1次破砕物の水分含有量が多かった場合は直径約100 ミリ程度の塊となって放出される場合もある。
【0019】
該2次破砕物を3次処理機へ移送するための第3ベルトコンベア8上へは2次破砕物をほぐすための分散器9を設けた。
【0020】
第3ベルトコンベア8は、図2が示すようにベルト8a上面をU字状とし、かつ全長にわたってほぼ等間隔に滑止め突条8bを横設した土木工業用としている。
【0021】
該第3ベルトコンベアのベルト上流側上面へは、一端を杭9へ固定させて鉄製の分散器10を載置させている。図示例分散器は、2本のチェーン11、11と、これ等2本のチェーンを連結する大径リング12と、一方チェーンの末端へ連結したフック13とで形成している。チェーンを形成する各リング14は、長径約30ミリ〜40ミリ、短径約20ミリの楕円形とし、大径リング12は長径約300ミリ、短径約200ミリ、フック13は前後方向長さが約250ミリ、左右方向横巾を約200ミリで該フック重量は約1.5 〜2キロとしている。
【0022】
上記分散器は、その基端を第2処理機7のフレーム等に固定させてもよく、第3ベルトコンベア8のベルト上流部分上面へ流す。分散器の長さは第3ベルトコンベア8の約2分の1から3分の1程度とすればよい。
【0023】
第3ベルトコンベア8運転中に、該コンベアのベルト上流部分へ2次破砕物が落下すると、該2次破砕物はベルトと共に下流側へ移動するが、上記分散器10はベルト上面に対し摺動しているため、2次破砕物が有する塊は、上記チェーンを形成する各リングに接触することで塊は次第にほぐされ、又大径リング12はその両側部をU字形状ベルトの両側壁下部と接してベルト底面との間に間隙が形成されているため、該大径リング部分まで山状となって進行して来た2次破砕物も大径リングに接することでその山形を崩し、更に下流側チェーンの各リングに接することで、ほぼ均等な分布状態となって3次処理機15内へ投入されることとなる。尚既述フック13は、分散器10がベルト上を上流側へ滑り落ちしないよう設けたアンカーで、地形等の関係上ベルトが急斜面となる場合は、そのフックをベルトコンベアの枠体側方へ係合させることで、ベルト上でのフック等の滑り落ちを防止し、ベルト内での分散器引き伸ばし状態を保持させる。
【0024】
3次処理機15は、2次処理機7で膨潤化され放出された2次破砕物中の塊および細片を更に粉砕するものであり、1次処理機として使用する刃付きの破砕処理機を用いて破砕する。
【0025】
3次処理機15のホッパー16には、図4が示すように、ホッパー傾斜壁17の上部内壁面へ、上端部を枢着させてフラッパー18、18を垂下させ、かつ該フラッパーが接するホッパー傾斜壁部分にエアコンプレッサ等のノズル19、19を付設させ、該エアノズルから断続的に高圧空気を噴出させてフラッパー18、18を押圧し、又該押圧を中止することでフラッパー18、18がホッパー内で揺動するよう設けてもよい。
【0026】
該フラッパーの揺動で該ホッパー内へ入った2次破砕物は、ホッパー下端が形成する第3処理機15入口への通路が広く、又狭く変化することとなり、よってその通路が目塞りすることがない。
【0027】
尚該3次処理機15は、2次破砕物中に残った塊や、膨潤処理されて軟化した既述細片を砕き微粉末状とするだけでよいから、小型の簡易破砕機で足りる。
【0028】
上記3次処理機15から放出された3次破砕物は、そのほとんどが微小な粉末状をなし、その中に残った細片も最大長さ2〜3ミリで厚さ1ミリ程度まで細分化でき、2次処理物中にみられる圧縮塊は皆無とすることが出来た。よってそのまま飼料等とすることが出来、そのまま水分補給等して自然発酵させても約1.5 〜2カ月程度で熟成でき、発酵剤を添加すれば更にその熟成を早めることが出来る。
【0029】
上記実施形態にあっては、2次破砕物を分散器10で分散し乍ら3次処理機15内へ移送したが、図5が示すように2次処理機7と3次処理機15との間へ、ドラム式の回転篩21を介在させてもよい。該実施形態にあっては2次破砕物を回転篩21に通し、該回転篩内を通抜けた残渣だけを第4ベルトコンベアを介して3次処理機15内へ投入させ、上記回転篩21の網目から落下した粉と、3次処理機から排出された3次破砕物とを共に最終製品とするものである。尚回転篩21内へは一端をフレーム22等に固定させてチェーン23が付設させてあり、該チェーンは、回転篩の回転により該篩内で転動して該篩内へ投入された2次破砕物中の塊を破損すると共に、2次破砕物中の、又上記塊破損により生ずる粉による篩網目の目塞りを防止する。
【0030】
回転篩21内への2次破砕物の移送は、既述分散器10を有する第3ベルトコンベア8で行ってもよく、又分散器を有しないベルトコンベアで行ってもよい。
【0031】
【発明の効果】
本発明は既述構成とするもので請求項1のようにすることで、緑化廃棄物を迅速かつ容易に繊維圧縮塊を含まない粉末状物に変えることが出来、飼料、肥料等の主原料として使用することが出来る。又最終製品としての三次破砕物はその殆どが微細な粉末状であり、かつ膨潤化処理が施されているため飼料としては消化がよく、又肥料とする場合は発酵期間を短縮することが出来る。
【0032】
請求項2のようにすることで、含有水分を異にする数種の1次破砕物を、水分含有量が均等化するよう混合させ乍ら、膨潤機内へ移送でき、よって該膨潤機への給水が容易となると共に、該膨潤機から排出された2次破砕物の膨潤度を均質化することが出来、従って2次破砕物の含有水分が多すぎることから、該2次破砕物が3次破砕機のホッパー内面へ付着して該3次破砕機による破砕が停止するようなことがない。
【0033】
請求項3のようにすることで、2次破砕機7から相当の水分を有することから大きい塊状に、かつ断続的に放出された2次破砕物も、第3ベルトコンベア上でほぐされ、分散されて水分もほぼ均等化された状態となって連続して3次処理機内へ投入でき、2次破砕物が塊状のままで断続的に投入される場合に比べて3次処理機の負荷を軽減でき、損傷を防ぐことが出来る。
【0034】
請求項4のようにすることで、篩の回転で生じた風の中を2次処理物が進行することとなり、2次処理機から高温で排出された2次処理物はその風で冷却されると共に、該篩中のチェーンで塊が粉砕されることとなり、3次処理機へ投入される2次破砕物を大巾に減少でき、又上記ドラム式回転篩内通過で冷却され、かつ水分も減少するから3次処理機の負荷を軽減できる。
【0035】
請求項5のようにすることで、2次破砕物の水分が多少多くてもフラッパーの揺動でその2次破砕物がホッパー内で詰まることがなく、3次処理を順調に行うことが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明システムの略解図である。
【図2】本発明システムに使用する分散器付きベルトコンベアの斜視図である。
【図3】分散器の平面図である。
【図4】3次処理機ホッパーの拡大断面図である。
【図5】図1のシステム中に加えることの可能な装置の略解図である。
【図6】図5に示すドラム式回転篩の略解断面図である。
【符号の説明】
1…緑化廃棄物 2…1次処理機
4…第1ベルトコンベア 5…貯槽
7…2次処理機 10…分散器
11…チェーン 12…大径リング
13…フック 15…3次処理機
18…フラッパー 19…ノズル
21…回転篩 23…チェーン

Claims (5)

  1. 剪定枝、落葉等の緑化廃棄物を、1次処理機2としての木材破砕処理機で1次破砕し、該1次破砕物を2次処理機7としての膨潤機で膨潤軟化させて2次破砕し、該2次破砕物を更に3次処理機15としての破砕処理機で3次破砕して、微粉末状の3次破砕物となし、該3次破砕物を肥料、飼料ないしこれ等の主原料として使用する
    ことを特徴とする緑化廃棄物処理システム。
  2. 上記1次処理機2と2次処理機7との間に貯槽5を設け、1次処理機から放出された1次破砕物を貯槽5内へ貯め、破砕材料によって異にする水分含有量が均等化するよう数種の1次破砕物を混合させ乍ら、断続物にベルトコンベアを介して2次処理機7内へ移送する
    ことを特徴とする請求項1記載の緑化廃棄物処理システム。
  3. 2次処理機7と3次処理機15との間へ2次破砕物移送用のベルトコンベアを設けて、該コンベア上流側の側外方へ基端を固定させてチェーン状分散器10を設置させ、
    該分散器は数本のチェーン11とこれ等チェーンの端部相互を連結して長い一本の長チェーンとする大径リング12と、該長チェーンの末端へ連結したフック13とで形成し、
    上記コンベアのベルト8a上流部分内へチェーン状分散器10を入れて、ベルトに対し摺動させることで長チェーンの始端部からフック13までをベルト下流方向へ伸長させ、
    上記ベルト8a上流部内へ落ちた2次破砕物が分散器に触れ、形を崩しほぐれ乍らベルトと共に移動して3次処理機15内へ移送可能に形成した
    ことを特徴とする請求項1又は2記載の緑化廃棄物処理システム。
  4. 上記2次処理機器7と3次処理機15との間にドラム式回転篩21を設けて、該篩内へ該篩内での転動が可能にチェーン23一端を固定させておき、
    上記2次処理機7から放出されて回転篩内を通った処理物をベルトコンベアで3次処理機15内へ移送し、該3次処理機15から放出された3次破砕物と上記回転篩から落下した篩処理物とを共に最終処理物とする
    ことを特徴とする請求項1、2又は3記載の緑化廃棄物処理システム。
  5. 上記3次処理機器15のホッパー傾斜壁17の上部内壁面へ、上端部を枢着させてフラッパー18をホッパー16内へ垂下させ、該フラッパーが接するホッパー傾斜壁部分へエアノズル19を設け、該エアノズルから断続的に噴出させる高圧エアーによる押圧と該押圧中断とでフラッパー18がホッパー内で揺動可能に形成した
    ことを特徴とする、請求項1、2、3又は4記載の緑化廃棄物処理システム。
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