JP2005006043A - 通信制御方法およびその装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明の課題は、TCP/IPプロトコルにおいても、高速なハンドオーバ実現し、ハンドオーバによる通信性能の低下を防止することにある。
【解決手段】基地局網5上の基地局2a,2b.2cが、時系列順にIPパケットを蓄積し、また、IPパケットの配信状況をこれらの基地局群で共有することにより、移動局3が別の基地局に進入した時、継続してIPパケットを移動局3に配信できるようにする。IPパケットの配信状況をこれらの基地局群で共有するために、例えば、配信したIPパケットを識別する情報をIPパケットとともに蓄積し、IPパケットの配信状況をIPパケットの識別子を用いて行う。
【選択図】図1
【解決手段】基地局網5上の基地局2a,2b.2cが、時系列順にIPパケットを蓄積し、また、IPパケットの配信状況をこれらの基地局群で共有することにより、移動局3が別の基地局に進入した時、継続してIPパケットを移動局3に配信できるようにする。IPパケットの配信状況をこれらの基地局群で共有するために、例えば、配信したIPパケットを識別する情報をIPパケットとともに蓄積し、IPパケットの配信状況をIPパケットの識別子を用いて行う。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、DSRC(Dedicated Short Range Communication)など通信エリアが狭い無線基地局を複数台設置し、高速移動体が無線基地局をまたぎながら連続IP通信を実現するための高速ハンドオーバに関する通信制御方法およびこれを実現する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の移動体向け無線通信システムでは、モバイルIPなど、端末の移動にともなう通信経路の変化に対応する各種方式が考案されている。しかし、基地局の通信エリア狭い場合、経路が頻繁に変化するため、経路制御が間に合わず、通信データが古い経路に転送されてしまい、再送が発生して通信性能が低下する問題があった。
【0003】
この問題を解決するために、特開2003−151078号公報に記載の情報提供方法では、通信エリアの狭い無線基地局(以降単に基地局と呼ぶ)を複数台用い、高速移動体へ大容量のデータ配信を行うために、移動体が移動するであろうと予測される領域にある基地局のグループを生成し、データ配信を行う場合には、最初にグループ内基地局に配信データをサーバから取り込んで蓄積し、また、グループ内基地局間でデータ配信の進捗情報を共有する。移動体が基地局の配下に進入して来たときには、蓄積されたデータの中から、配信済みの次の部分から配信することにより連続通信を可能とし、基地局が切り替わる毎に、遠くのサーバに配信データを取りに行く必要がないため、基地局間での高速な通信引継ぎ処理、すなわち、高速なハンドオーバが可能となる。
【0004】
【特許文献1】特開2003−151078号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1の方法では、配信データの全体を基地局に蓄積することを前提としているため、配信するデータのデータ長を予め知っておく必要があり、サーバと基地局間で情報提供のための特別なプロトコルが必要である。
【0006】
一方、TCP/IPを用いたデータ配信、例えばHTMLブラウザによるWebアクセスにおいては、配信データがTCPパケットあるいはIPパケットとして順次流れてくるだけで、全体のデータ長は基地局では分からない。このため、この方法では、予め配信データ全体を基地局に蓄積データを出来ず、一般に良く行われるTCP/IPプロトコルを用いてファイル転送するような情報配信には適用できない。
【0007】
本発明の目的は、狭い通信領域をもつ基地局を用いた高速移動体への情報配信において、高速なバンドオーバを実現することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
まず、本発明は、ゲートウェイにより外部ネットワークにつながり、また、ゲートウェイの下に複数の基地局が基地局網で接続され、基地局が移動体と無線通信を行う。移動体は前記外部ネットワーク上のサーバなどと通信を行う。
【0009】
(1)1つのゲートウェイにつながった全基地局は、ゲートウェイ経由で移動体へ配信されてくるIPパケットを順次蓄積する。
【0010】
(2)配下に移動体の居る基地局はIPパケットを順次移動体へ送信し、送信の進捗状況基地局に通知し、基地局群間で共有する。送信進捗情報としては下記の3つの方法の何れかを使う。
【0011】
(a)送信を完了したIPパケットの識別情報を共有することにより、送信の進捗を管理する。この際に、送信先IPアドレスを蓄積されたIPパケットの検索に使用してもよい。
【0012】
(b)IPパケットは受信した順序に蓄積されているので、IPアドレスや移動体を識別する情報とともに、送信したIPパケット数が分かれば、進捗が分かる。このため、一定数のIPパケットを送信する毎にその旨を他の基地局に通知を行う。
【0013】
(c)移動体が基地局を離脱するときに、この基地局が該移動体に配信したIPパケット数を他の基地局に送信する。
【0014】
(3)移動局が配下に進入してきたら、各基地局は、IPパケットの送信の進捗状況を把握しているので、次に送信すべきIPパケットが分かり、そのIPパケットから順次移動局に対して配信する。
【0015】
このようにすることにより、基地局が替わっても継続してIPパケットが移動体に配信されることになる。
【0016】
なお、(a)の方法では、基地局でIPパケットの取り込み漏れを起こしても、その影響が波及せず、信頼性の高い通信が可能となる。一方、(b)、(c)基地局にてIPパケットの取り込みミスをしている時には進捗を誤ってしまうことになり、TCP/IPの再送処理にて回復することになる。
【0017】
【発明の実施の形態】
図1から図29を用いて本発明の一実施例を説明する。まず、図4を用い実施例の概要を説明する。基地局2aから基地局2eの複数の基地局が基地局網5により接続され、また、この基地局網5とゲートウェイ1が接続されている。ゲートウェイ1は上位網6とも接続され、上位網6にはAPサーバ8が接続されている。一方、移動体上で基地局との無線通信を行う移動局3は、基地局2aから基地局2eの何れかの基地局2と無線通信で接続される。なお、上位網6はTCP/IPプロトコルによる通信網、例えばインターネットを想定している。
【0018】
図4は、アプリケーションサーバ8から、IPアドレスがIP−Aの移動局に、IPパケットが配信されてくる様子を示している。ゲートウェイ1はIPパケットを基地局網プロトコル形式51にカプセル化して基地局網5上にブロードキャストする。ここで、SIDは基地局網上の基地局やゲートウェイが処理すべき内容を示すサービス識別子(Service ID)である。このSIDが上位網6からのIPパケットを処理することを示しているので、各基地局2はIPパケットキャッシュ212に順次蓄積する。
【0019】
移動局3が基地局2aの配下に場合、即ち、基地局網の範囲内にある場合には、蓄積しているIPパケットの中で、移動局3向け、すなわちIPアドレスがIP−Aのものを、古い順に順次移動局に送信する。なお、ここでは、移動局3が1つのIPアドレスを持つことを想定している。この場合IPアドレスで移動局を識別できるが、1つの移動局3が複数のIPアドレスを持つことも想定される。この場合には移動局3の識別子をもちい、移動局3ごとにIPパケットを蓄積することになる。
【0020】
基地局2aがIPパケット、例えば図のIPパケット1を移動局3に送信すると、その進捗情報を基地局網プロトコル形式54で基地局網上にブロードキャストする。各基地局は送信進捗情報を更新する。このとき、IPパケット1つ毎に、進捗を報告しても、複数パケット分をまとめて報告しても良い。さらに、移動局3が基地局2aから離脱した時に、移動局3に対して送信したIPパケット数を進捗として報告しても良い。
【0021】
送信進捗が報告された時、他の基地局上にある、送信済みのIPパケットは、進捗情報を受信する毎に破棄してもよく、また、一定間隔でまとめて破棄してもよい。
【0022】
移動局3が基地局2bに移動すると、送信進捗情報により、IPパケット2が移動局3に送信され、さらに次のパケットが送信されることになる。
【0023】
このように、APサーバ8から送られてきたIPパケットは、漏れや重複なしに移動局3に届くことになる。
【0024】
なお、図4に示してはいないが、IPパケットを移動局3から上位網6へ送信する場合には、このIPパケットを、その旨を示すSIDの基地局網プロトコル形式にカプセル化して、基地局網5上へブロードキャスト送信する。ゲートウェイ1はカプセル化を解いて上位網6に転送することになる。以上が一実施例の概要である。より詳細な説明を以下に示す。
【0025】
図1は本発明の一実施例のシステム全体構成を示すものである。ゲートウェイ1の内部は上位網6との送受信を行う上位網送受信部11、基地局網5に基地局網プロコトル形式でカプセル化して通信を行う時に、パケットのシーケンス番号を付与するためのシーケンス番号付与部12、基地局網5との送受信を行う基地局網送受信部13、これらを制御するGW制御部14からなる。
【0026】
基地局2aは、基地局本体21と移動局3との無線通信を行う無線部22から構成されている。基地局本体21は、基地局網5との送受信を行う基地局網送受信部211、IPパケットを蓄積するIPパケットキャッシュ212、無線部22との送受信を行う無線送受信部213およびこれらを制御する基地局制御部214から構成される。他の基地局2b、同2cも全く同一の構成となっている。
【0027】
移動局3は基地局と無線通信を行う無線部31と移動局端末4と接続や無線部31の制御を行う移動局制御部32から構成される。移動局端末4はカーナビゲーション端末やPCであり、HTMLブラウザなどアプリケーションプログラムが動作する。移動局3と移動局端末はイーサーネットケーブルやUSBケーブルのケーブル7によって接続される。
【0028】
本発明の実現するためにゲートウェイ1、基地局、移動局で取り交わされるメッセージシーケンスおよび各部の処理についての説明に入る前に、メッセージについて説明する。
(1)基地局網メッセージ
図5は基地局網5内で基地局2やゲートウェイ1間で取り交わされるメッセージの一覧である。図6は各基地局網メッセージの詳細な形式を示したものである。ブロードキャストを基本とした基地局網プロトコル形式で通信が行われる。各部分は、全てのメッセージを受信し、先に述べたSIDで受信したメッセージの種別を判定し、必要ならば、メッセージの種別に対応した処理を行う。
【0029】
図5の表のNo.1のダンリングIPパケットは、上位網6から移動局端末4へIPパケットを搬送するためのもので、ゲートウェイ1(GW)から基地局網5にブロードキャストされ、基地局22(BS)で受信、処理される。SIDは01、内容はIPパケットで、このメッセージはIPパケットを基地局網プロトコル形式にカプセル化したものである。
【0030】
図6のメッセージ51にその詳細フォーマットを示す。先頭に基地局網メッセージであることを示す基地局網プロトコル識別子、ゲートウェイ1のシーケンス番号付与部12が付与するシーケンス番号512、SID513、ここでは01、メッセージのデータ長を示すデータ長514、IPパケットそのものであるIPデータ515からなる。
【0031】
ここで、ゲートウェイ1が一連の番号を振ったシーケンス番号512があることに注意されたい。このシーケンス番号512により、IPパケットの識別が可能となる。
【0032】
なお、基地局網メッセージは、基地局プロトコル識別子511、シーケンス番号512、SID513、データ長514は、基地局網プロトコルメッセージのヘッダにあたり、全ての基地局網メッセージで共通であり、以降の説明を省略する。
【0033】
図5の表のNo.2はアップリンクIPパケットで、移動局端末4からの上位網6へのIPパケットを搬送するためのもので、基地局22から基地局網5へブロードキャストされ、ゲートウェイ1にて処理される。SIDは02、内容はIPパケットで、このメッセージはIPパケットを基地局網プロトコル形式にカプセル化したものである。
【0034】
図6の詳細メッセージ52に示したように同メッセージはIPパケットに基地局網メッセージヘッダ付加されたものとなっている。
【0035】
図5の表のNo.3は位置登録メッセージで、上位網6に対して移動局3がこのシステム、すなわちゲートウェイ1の配下に居ることを示すもので、基地局22から基地局網5へブロードキャストされ、ゲートウェイ1にて処理される。SIDは03、内容は、IPアドレスと移動局3の識別子であるLIDである。
【0036】
図6の詳細メッセージ53に示したように、同メッセージは基地局網プロトコルヘッダ、LID535、移動局のIP アドレス536から構成される。
【0037】
図5の表のNo.4はIPパケット送信進捗通知で、基地局2に蓄積されたIPパケットの移動局3への送信処理がどこまで進んだかを基地局間で共有するためのものである。送信処理を行った基地局2が基地局網5にブロードキャストされ、基地局5にて処理がなされる。SIDは04、内容はパケット送信先IPアドレスと送信したIPパケットが送られてきた時のメッセージヘッダ内のシーケンス番号である。
【0038】
図6の詳細メッセージ54に示したように、同メッセージは基地局網プロトコルヘッダ、移動局IP アドレス545、シーケンス番号546から構成される。
【0039】
なお、先に説明したパケット識別情報を送らない方式を採用する場合には、図6のメッセージ54aに示したようにシーケンス番号546が省略される。
【0040】
図5の表のNo.5は移動局離脱通知で、移動局が基地局から離れ、通信品質が劣化した時に、後に説明する基地局本体―無線部メッセージの中の移動局離脱通知メッセージが基地局本体21に通知されること起因するもので、移動局3との通信状態を基地局2間で共有するためのものである。同メッセージは基地局網5にブロードキャストされ、基地局2で処理される。SIDは05で、内容は、該移動局のLIDおよびIPアドレスである。
【0041】
図6の詳細メッセージ55に示したように、同メッセージは、基地局網プロトコルヘッダ、移動局IP アドレス 555、未送信フラグメントフラグ556から構成される。
【0042】
図5の表のNo.6は移動局進入メッセージで、基地局2の通信エリア内に移動局3が進入して通信が可能となり、後に説明する基地局本体―無線部メッセージの中の移動局進入通知セージが基地局本体21に通知されること起因するもので、移動局3との通信状態を基地局間で共有するためのものである。同メッセージは基地局網5にブロードキャストされ、基地局2で処理される。SIDは06で、内容は、該移動局のLIDおよびIPアドレスである。
【0043】
図6の詳細メッセージ56に示したように、同メッセージは、基地局網プロトコルヘッダ、LID565、移動局IPアドレス556からなる。
【0044】
図5の表のNo.7は、未送信フラグメント通知で、移動局が基地局から離脱したとき発生する未送信フラグメントを基地局間で共有するためのものである。後に説明する基地局本体―無線部メッセージの中の未送信フラグメント受信メッセージが基地局本体21に通知されること起因するものである。
【0045】
同メッセージは基地局網5にブロードキャストされ、基地局で処理される。SIDは07で、内容は、該移動局のIPアドレス、未送信フラグメントである。
【0046】
なお、未送信フラグメントとは、無線部22から移動局3に向けて無線でIPパケットを送信する際に、無線通信区間の通信の信頼性が低いため、IPパッケットを分割して小さなパケットにして送っており、IPパケット送信の途中で通信が遮断された時には、IPパケットの一部分が残りことがあり、この残りのデータのことである。
【0047】
図6の詳細メッセージ57に示したように、同メッセージは、基地局網プロトコルヘッダ、移動局IP アドレス 575、未送信フラグメント576からなる。
【0048】
図5の表のNo.8は、未送信フラグメント送信通知で、移動局3が新たな基地局に進入した時に、先の基地局での未送信フラグメントが、移動局3への送信されているかどうかを基地局間で共有するためのものである。具体的には、後に説明する基地局本体―無線部メッセージの中の未送信フラグメント送信メッセージを基地局本体21から無線部22に送信することに起因するものである。
【0049】
同メッセージは基地局網5にブロードキャストされ、基地局で処理される。SIDは08で、内容は、該移動局のIPアドレス、LIDである。
【0050】
図6の詳細メッセージ58に示したように、同メッセージは、基地局網プロトコルヘッダ、移動局IP アドレス 585、未送信フラグメント586からなる。
(2)上位網メッセージ
図7に上位網メッセージ一覧を示す。これらのメッセージはゲートウェイ1と上位網6との間のメッセージである。図8にはこれらのメッセージフォーマットを示す。
【0051】
図7のNo.1はダウンリンクIPパケットで、これは、上位網6から移動局3へ送られるIPパケットそのもので、上位網6からゲートウェイ1へ送信されてくる。図8の詳細メッセージ61に示したように、通常のIPパケットである。すなわち、IPヘッダ611は通常のIPヘッダであり、データ本体612はデータそのものである。
【0052】
図7のNo.2はアップリンクIPパケットで、移動局3から上位網6へ送られIPパケットであって、ゲートウェイ1から上位網6へ送出される。図8の詳細メッセージ62に示したように、通常のIPパケットで、IPヘッダ621とデータ本体621からなる。
【0053】
図7のNo.3は位置登録で、上位網6に対して、移動局3のLIDおよびIPアドレス、これ等に加えゲートウェイIPアドレスを送出する。これは、移動局3が基地局22に進入した時に、被進入基地局から位置登録メッセージ53としてゲートウェイ1に送られてくることに起因する。ここで、同じ基地局網内の基地局からの位置登録は同じものになるので、同じ基地局網内から同じ位置登録が出ている場合にはゲートウェイ1は上位網6に位置登録を省略してもよい。
【0054】
図8の詳細メッセージ63に示したように、このメッセージは位置登録であることを示すヘッダ631、LID632、移動局 IPアドレス633、GW IP アドレス 634からなる。
(3)基地局本体―無線部間メッセージ
図9に基地局本体―無線部間メッセージ一覧を示す。これらは基地局本体21と無線部22間のメッセージである。図10にはこれらのメッセージの詳細フォーマットを示す。
【0055】
図9のNo.1はダンリンクIPパケットで、基地局2からIPパケットを移動局3へ送信するためのもので、基地局本体22から無線送受信部213を介して無線部22に送られる。メッセージを識別するCODEは1で、内容は、送信先のLID、IPパケットそのものである。図10の詳細メッセージ221に示したように、同メッセージはCODE2211、LID2212、IPヘッダ2213、データ本体2214から構成される。
【0056】
図9のNo.2はアップリンクIPパケットで、移動局3から上位網6へ送信されるIPパケットに起因し、無線部22から無線送受信部213を介して基地局本体22に送られる。メッセージを識別するCODEは2で、内容はIPパケットそのものである。図10の詳細メッセージ222に示したように、同メッセージはCODE2221、IPヘッダ2222、データ本体2223から構成される。
【0057】
図9のNo.3は移動局進入通知で、移動体3が基地局2に進入してきたことに起因する。すなわち、移動体3が基地局2に進入してくると、基地局の無線部22と移動局の無線部31とが通信接続処理を開始し、接続が完了すると、このメッセージを無線部22が基地局本体21の無線送受信部213に対してこのメッセージを送出する。
【0058】
メッセージを識別するCODEは3で、内容は、LIDとIPアドレスである。もしも、以前にIPアドレスが付与されていない場合にはIPアドレスとして無効な値とする。図10の詳細メッセージ223に示したように、同メッセージは、CODE2231、LID2232、移動局IPアドレス 2233から構成される。
【0059】
図9のNo.4は移動局離脱通知で、移動体3が基地局2から離脱したことに起因する。すなわち、移動体3が基地局2から離れてくると、基地局の無線部22と移動局の無線部31との接続状況が悪化してくる。一定レベル以下になると、通信不能としてこのメッセージを無線部22が基地局本体21の無線送受信部213に対して送出する。
【0060】
メッセージを識別するCODEは4で、内容は、LIDである。図10の詳細メッセージ224示したように、同メッセージは、CODE2241、LID2242から構成される。
【0061】
図9のNo.5は未送信フラグメント受信で、IPパケットを移動局3に送信中に、移動局3が基地局2から離脱したことに起因する。無線部22から基地局本体21に対して送信される。未送信フラグメントそのものについては既に説明したとおりである。
【0062】
メッセージを識別するCODEは5で、内容は、LIDと未送信フラグメントである。図10の詳細メッセージ225示したように、同メッセージは、CODE2251、LID2252、未送信フラグメント2253から構成される。
【0063】
図9のNo.6はIPアドレス付与で、移動体3が基地局2に進入し、No.3移動局進入通知で記述したように、LIDとIPアドレスが基地局本体21に送出される。基地局本体21はIPアドレスの検査して、ゲートウェイ1のネットワークアドレスと不整合等、妥当なものでないと判定した場合に、移動局3に対してIPアドレスを付与する。本メッセージはこのためのものである。
【0064】
基地局本体21が無線送受信部213を介してメッセージを無線部22に対してこのメッセージを送出する。
【0065】
メッセージを識別するCODEは6で、内容は、LIDとIPアドレスである。図10の詳細メッセージ226に示したように、同メッセージは、CODE2261、LID2262、移動局IP アドレス 2263から構成される
図9のNo.7は未送信フラグメント送信で、移動局3が基地局2に侵入してきた時に、前に移動局3が居た基地局2にて未送信フラグメントが残っていた場合に、これを移動局3に送るため、基地局本体21が無線部22に無線送受信部213を介して送出するものである。
【0066】
メッセージを識別するCODEは7で、内容は、LIDと未送信フラグメントである。図10の詳細メッセージ227示したように、同メッセージは、CODE2271、LID2272、未送信フラグメント2273から構成される。
【0067】
以上の各メッセージの説明を基に、図2に示した、移動局3、基地局2、ゲートウェイ1および上位網6間で取り交わされるメッセージのシーケンスを説明する。なお、この図においては、紙面の都合で基地局が2台であるが、同一基地局網5上の基地局全部のグループと考えて頂きたい。
【0068】
起動局3が基地局2aに進入すると、移動局3は移動局進入通知メッセージ223を基地局2aに送信する。これを受けてIPアドレスが有効なものでない場合、基地局2aは移動局3に対してIPアドレス付与メッセージ226を送出する。なお、基地局2と移動局3間のメッセージは、移動局本体21と無線部22間のメッセージで表現することにする。
【0069】
その後、基地局2aは移動局3に関する情報を基地局間で共有するために、基地局網5に移動局進入通知56をブロードキャストする。ついで、上位網6に対して位置登録をするために、ゲートウェイ1に対して位置登録メッセージ53を送出するため、同メッセージを基地局網5へブロードキャストする。ゲートウェイ1はこれを受けて上位網6に位置登録メッセージ63を出す。なお、先にも述べたが、上位網6での通信経路の観点では、移動局3を配下にもつゲートウェイ1が分かればよいので、先に同一ゲートウェイ1での位置登録、すなわち、基地局網5の何れかの基地局で位置登録を行った場合には同メッセージ63を省略しても良い。以上の処理手順が通信の準備段階である。
【0070】
次いで、基地局2aに該移動局向けの未送信フラグメントが存在する場合には、基地局2aは未送信フラグメント送信メッセージ227を移動局3へ送信する。また、未送信フラグメントを移動局3に送信したことを基地局2間で共有するため、未送信フラグメント送信通知メッセージ58を基地局網5にブロードキャストする。
【0071】
その後、基地局2aは、自分に蓄積されている起動局3向けのIPパケットをダウンリンクIPパケットメッセージ221a〜221bとして順次移動局3へ送信する。
【0072】
基地局2aは、各ダウンリンクIPパケットメッセージ221a、221bの送信を完了すると、基地局網5にIPパケット送信進捗通知メッセージ54a、54bをブロードキャストする。
【0073】
一方、上位網6から送られてくるIPパケット61は、ゲートウェイ51で一旦受信される。ゲートウェイ1は、受信IPパケットをダウンリンクIPパケットメッセージ51として基地局網プロトコルにカプセル化して、基地局網5にブロードキャストする。このメッセージを受け取った基地局2はIPパケットキャッシュ212に蓄積する。対象の移動局3が居る基地局2aでは、IPパケットキャッシュ212に蓄積された。IPパケットをIPパケットメッセージ221cとして移動局3へ送信する。送信が完了すると基地局2aはIPパケット送信進捗通知54cを基地局網5へブロードキャストする。
【0074】
なお、IPパケットを1つ送信する度に、IPパケット送信進捗通知メッセージ54を出しているが、この頻度を下げるために、複数IPパケット毎に同メッセージを出しても良い。
【0075】
IPパケットを移動局3から上位網6へ送信する場合には、基地局2aは、移動局3から送られてくるアップリンクIPパケットメッセージ222を受信し、これを基地局網プロトコルにカプセル化して、アップリンクIPパケットメッセージ52としてゲートウェイ1に送信するため、基地局網5へブロードキャストする。ゲートウェイ1はこのメッセージのカプセルを解き、上位網6にIPパケット62を送出する。
【0076】
移動局3が基地局2aを離れ、通信が切断される時には、移動局3から基地局2aに移動局離脱通知メッセージ224が送信されてくる。基地局2aはこれを受けて、基地局間で移動局の状態を共有するため、基地局網5へ移動局離脱通知メッセージ55をブロードキャストする。この時、未送信フラグメントが残った場合には、基地局無線部22から、未送信フラグメントメッセージ225が送信されてくる。これを受け取った基地局2は未送信フラグメントを未送信フラグメント通知メッセージ57として基地局網5にブロードキャストする。
【0077】
以上は移動局3が基地局2に進入し、通信を行い、離脱するまでの一連シーケンスを示した。移動局3が次の基地局2へ進入する場合には、再度同じシーケンスを踏めば良い。なお、繰り返しになるが、これまで、移動局と基地局間のメッセージは全て、基地局無線部22と基地局本体21との間のメッセージとして記述している。
【0078】
次に各部分での処理について、図3、図11から図29を用いて説明する。
【0079】
図3を用いての各メッセージを受信した時の基地局本体21、ゲートウェイ1および無線部22の処理を説明する。まず、基地局本体の処理を図3aに示す。No.1からNo.4までが基地局の無線部22からのメッセージ、No.6からNo.8は基地局から基地局網5にブロードキャストされたもの、No.9はゲートウェイから基地局網5にブロードキャストされたものである。
【0080】
No.1の移動局通知メッセージが無線部22から送られてくると、図15のフロー1501のステップ15011に示したように、基地局は、移動局3のIPアドレスの確認を行う。もしも、移動局3へIPアドレスが割り当てられていない、あるいは、以前に別のゲートウェイの配下にあり、ネットワークアドレスが異なる場合には、ステップ15012に示したようにIPアドレスの付与を行う。一般にDHCPで行っているように基地局にて使用できるIPアドレスをプールしておき、適宜IPアドレスを割り当てる。これは一般に知られている方法なのでこれ以上詳細な説明は省略する。
【0081】
割り当てたIPアドレスを移動局へのIPアドレス付与メッセージ226として無線部22送信する。ステップ15013にて図12に示した移動局管理テーブルに該当移動局を登録する。すなわち、移動局ヘッダテーブル1201からIPアドレス−LID対応テーブルを辿り、同一LIDをもつものを探す、もし存在すれば、既に登録済みなので何もしない。存在しない場合には、空きのIPアドレス−LID 対応テーブルを確保して付与IPアドレス120022とLID12023との設定し、同対応テーブルのリストの最後に追加する。
【0082】
ステップ15014にて図13に示したIPパケットキャッシュ管理テーブルの移動局インデックステーブル1302で、該当のテーブルがあるかどうか判定する。すなわち、図13に示したIPパケットキャッシュ管理テーブルにおいて、アンカーテーブル1301から、移動局インデックステーブル1302を辿り、該当のIPアドレスのものを探す。無い場合にはステップ15015へ進み、ある場合には、ステップ15016ヘジャンプする。
【0083】
ステップ15015では、移動局インデックステーブル1302用のエリアを確保し、移動局インデックステーブルのリストの最後に追加する。このとき、監視タイマを割り当て、この識別子を監視タイマID13025に設定する。
【0084】
ステップ15016では、該等の移動局インデックステーブル1302に進入移動局のIPアドレスをIPアドレス13023に設定、状態13024を接続状態とする。
【0085】
ステップ15017にてIPパケットキャッシュ時間満了タイマをリセットする。該移動局インデックステーブル1302の監視タイマID13025から監視タイマを知り、このタイマをリセットする。
【0086】
ステップ15018にて移動局進入を基地局に通知するため、移動局進入通知メッセージ226を基地局網5にブロードキャストする。
【0087】
ステップ15019にて、上位網6への位置登録のため、ゲートウェイ1に対して位置登録メッセージ53を送出する。
【0088】
ステップ150110にて、進入してきた移動局3に送信すべき、未送信フラグメントは無いか、移動局インデックステーブル1302のフラグメントサイズ13026の値を調べ、0ならば、未送信フラグメントは存在しないと判定し、0以外ならば存在すると判定する。
【0089】
ステップ150111にて、未送信フラグメント1304をフラグメントポインタ13027とフラグメントサイズ13026を用いて得る。これを、未送信フラグメント送信メッセージ227として無線部22に送出する。
【0090】
ステップ150112で、該移動局3へ送信すべき、蓄積されているIPパケットを該移動局3に送信するために、その処理を行うプログラム、図6のIPパケット送信処理フロー1601に起動をかける。
【0091】
IPパケット送信処理フロー1601では、ステップ16011にて移動局とリンク確立中かを、移動局インデックステーブル1302の状態13024を見て判定する。もし、接続中ならば、ステップ16012へ進み、IPパケットキャッシュ212上の該当IPパケットを移動局3に送信する。
【0092】
ここで、送信すべきIPパケットを検索するために、IPパケットキャッシュ管理テーブルのアンカーテーブル1301から、該当IPアドレスを持つ移動局インデックステーブル1302を検索し、このテーブルのフィールドである先頭ポインタ13028からIPパケット管理テーブルリストの先頭テーブルを得、この先頭のIPパケット管理テーブル1303aのIPパケットサイズ13034、IPパケットポインタ13035を得て、IPパケット格納エリア1305上のIPパケットを得ることができる。なお、IPパケット管理テーブル1303のリストは、先頭から古いIPパケットの管理情報を記憶するように管理される。したがって、新たに蓄積するIPパケットは最後部のテーブルで管理する。
【0093】
ステップ16013にて、IPパケット送信完了処理プログラム1701起動して処理を終了する。
【0094】
図17にIPパケット送信完了処理フロー1701を示す。
【0095】
ステップ17011において、IPパケットの送信が完了したことを、IPパケット送信進捗通知メッセージ54の形で基地局網5にブロードキャストする。これは、先頭のIPパケット管理テーブル1303aからシーケンス番号13033を得て、移動局のIPアドレスとともに前記メッセージとして送出することができる。
【0096】
ステップ17012においては、送信済みのIPパケット管理テーブル1301、IPパケット格納エリア1305を削除し、メモリプールに返却する。
【0097】
ステップ17013にて、蓄積されているIPパケットの全てを送信したか判定する。すなわち、該当IPパケット管理テーブル1303リストにテーブルが残っているかを判定すればよい。
【0098】
ステップ17014にて、残りのIPパケットを送信するため、IPパケット送信処理1601を起動する。
【0099】
なお、IPパケット送信処理1601およびIPパケット送信完了処理1701は、移動局ごとに起動され、他の移動局の処理は行わない。
【0100】
図3aのNo.2のアップリンクIPパケットメッセージ222が無線部22から送られてくると、基地局本体21は、図21に示したIPパケット(アップリンク)処理フロー2101を実行する。
【0101】
この図に示したように、ステップ21011にて、IPパケットを基地局網プロトルでカプセル化して作成したアップリンクIPパケットメッセージ52を基地局網5にブロードキャストする。なお、ゲートウェイ1はSIDが02であることで、上位網向けのIPパケットであることを知り、上位網6にカプセルを解いて送出することになる。
【0102】
図3aのNo.3の移動局離脱メッセージ224が、無線部22から送られてくると、基地局本体21は、図22の移動局切断処理フロー2201に示す処理を行う。ステップ22011において、移動局3が基地局から離脱したことを示す移動局離脱通知メッセージ55を基地局網5にブロードキャストする。
【0103】
図3aのNo.4未送信フラグメント受信メッセージ225が無線部22から送られて来ると、基地局本体21は、図27未送信フラグメント受信処理フロー2701に示したように、ステップ27011において、未送信フラグメント通知メッセージ57に変換して、基地局網5へブロードキャストする。
【0104】
図3aのNo.5の移動局進入通知メッセージ56が基地局2から送られて来ると、基地局本体21は、図18に示した移動局進入通知処理フロー1801に示したように、ステップ18011において、移動局管理テーブルに登録済みか判定する。すなわち、図12に示した移動局管理テーブルのIPアドレス−LID対応テーブル1202の付与IPアドレス12023とLID12024と、メッセージで送られてきたIPアドレスとLIDをそれぞれ比較し、両方とも一致したものがあるかを検索する。
【0105】
もし存在しない場合には、ステップ18012に進み、空きのIPアドレス−LID対応テーブル1202を確保して、IPアドレスとLIDを設定し、IPアドレス−LID対応テーブル1202のリストに最後尾に追加する。
【0106】
ステップ18013では、IPパケットキャッシュテーブルに登録済みか判定する。すなわち、図13に示すIPパケットキャッシュ管理テーブルの移動局インデックステーブル1302を、送られてきたIPアドレスで検索する。すなわち、アンカーテーブル1301から、移動局インデックステーブル1302をたどり、移動局インデックステーブル1302内のIPアドレス13023と比較してゆく、一致するまで、移動局インデックステーブル1302のリストをたどる。
【0107】
もしも、該当する移動局インデックステーブル1302がない場合には、ステップ18014にて、空きの移動局インデックステーブル1302を確保し、IPアドレスを設置し、また、監視タイマを割り当て、この識別子である監視タイマIDを監視タイマID13025に設定し、前記リストの最後に加える。
【0108】
ステップ18015にて、該移動局インデックステーブル1302の監視タイマ13025からタイマ識別子を得て、このタイマをリセットする。
【0109】
図3aのNo.6のIPパケット送信進捗通知メッセージ54が基地局2から送られて来ると、基地局本体21は、図19に示したIPパケット送信進捗通知処理フロー1901aに示したように、ステップ1901a1において、IPパケットキャッシュテーブルを検索して、送信を完了したIPパケットを蓄積しているIPパケット格納エリア1305を検索する。すなわち、図13に示すIPパケットキャッシュ管理テーブルの移動局インデックステーブル1302を、送られてきたIPアドレスで検索する。すなわち、アンカーテーブル1301から、移動局インデックステーブル1302をたどり、移動局インデックステーブル1302内のIPアドレス13023と比較してゆく、一致するまで、移動局インデックステーブル1302のリストをたどる。該当の移動局インデックステーブル1302を得たら、ここの先頭ポインタ13028からIPパケット管理テーブル1303を辿り、メッセージで送られてきたシーケンス番号が一致するものを探し、該IPパケット管理テーブル1303内のIPパケットサイズ13034およびIPパケットポインタ13035から、該当のIPパケット格納エリアを得ることができる。
【0110】
ステップ1901a2にて、該IPパケット格納エリアをメモリプールに返却する。
【0111】
ステップ1901a2にて、該該IPパケット管理テーブル1303を削除する。
【0112】
この変形例として、先に述べたように、IPパケットの識別子を用いずに、該IPアドレスのIPパケットで、最も古いIPパケットを送信されたIPパケットと解釈することもできる。この場合は、IPパケット送信進捗通知メッセージ54aが基地局2から送られて来る。この時、基地局本体21は、図19に示したIPパケット送信進捗通知処理フロー1901bに示したように、ステップ1901b1において、該IPアドレス向けの最も古いIPパケット格納エリア1305のアドレスおよびデータ長を求める。
【0113】
すなわち、アンカーテーブル1301から、移動局インデックステーブル1302をたどり、移動局インデックステーブル1302内のIPアドレス13023と比較してゆく、一致するまで、移動局インデックステーブル1302のリストをたどる。該当の移動局インデックステーブル1302を得たら、先頭ポインタ13028が指すIPパケット管理テーブルのIPパケットサイズ13034およびIPパケットポインタ13035を求めればよい。
【0114】
ステップ1901b2にて、該IPパケット格納エリアをメモリプールに返却する。
【0115】
ステップ1901b2にて、該該IPパケット管理テーブル1303を削除する。
【0116】
図3aのNo.7の移動局離脱通知メッセージ55が基地局2から送られて来ると、基地局本体21は、図23に示した移動局離脱通知処理フロー2301に示したように、ステップ23011において、IPパケットキャッシュテーブルの移動局インデックステーブル1302の状態13024を切断状態“0”を設定する。
【0117】
ステップ23012にて、該移動局インデックステーブル1302の監視タイマ13025からタイマ識別子を得て、このタイマをセットする。なお、これらのテーブルへのアクセスの方法は前にのべたとおりであるので説明を省略する。
【0118】
図3aのNo.8未送信フラグメント通知メッセージ57が基地局2から送られて来ると、基地局本体21は、図28に示した未送信フラグメント通知処理フロー2801に示したように、ステップ28011において、IPパケットキャッシュテーブルに未送信フラグメント格納エリア1304を確保し、送られてきた未送信フラグメントデータを格納する。すなわち、該当の移動局インデックステーブル1302をIPアドレスで探し、確保した未送信フラグメント格納エリアのアドドレスをフラグメントポンタ13027へ設定し、未送信フラグメントデータの長さをフラグメントサイズ13026に設定する。
【0119】
図3aのNo.9のダウンリンクIPパケットメッセージ51がゲートウェイ1から送られて来ると、基地局本体21は、図20に示したIPパケット受信(ダンリンク)処理フロー2001に示したように、ステップ20011においてメッセージ51のIPデータ515から送信先のIPアドレスを取り出す。
【0120】
ステップ20012にて、該IPアドレスに対応するIPパケット格納エリア数が所定の数を超えたかを判定する。該IPアドレスのIPパケット管理テーブル数を調べれば良い。もし、超えた場合には、ステップ20019にて受信したメッセージ51を破棄する。
【0121】
ステップ20013にて、受信したメッセージ51からシーケンス番号512を取り出す。
【0122】
ステップ20014にてメッセージ51のデータ長514からIPパケットの長さを取り出す。
【0123】
ステップ20015にてIPパケット格納エリアを確保する。すなわち、該IPパケット格納エリアをメモリプールから確保する。空きのIPパケット管理テーブル1303を確保し、シリアルナンバ13033、IPパケットサイズ13034、IPパケットポインタ13035を先に得られたそれぞれの値を設定する。
【0124】
該IPアドレスで、移動局インデックステーブル1302を検索する。このテーブルが管理するIPパケット管理テーブル1303のリストの最後尾に、先に確保し、値を設定したIPパケット管理テーブル1303を追加する。
【0125】
ステップ20018にて、IPパケット送信処理1601を起動する。ただし、既に起動済みの場合は何も行わない。
【0126】
次に、メッセージを受信することにより、ゲートウェイ1が行う処理ついて図3bを用いて説明する。
【0127】
図3bのNo.1のアップリンクIPパケットメッセージ52が基地局2より送られてくると、ゲートウェイ1は、図26に示したゲートウェイIPパケット受信(アップリンク)処理フロー2601を実行する。ステップ26011にて、アップリンクIPパケットメッセージ52のカプセル化を解いて、IPパケットそのものを取り出す。
【0128】
ステップ26012にて、得られたIPパケット62を上位網6に送出する。
【0129】
図3bのNo.2の位置登録メッセージ53が基地局2より送られてくると、ゲートウェイ1は、図29に示したゲートウェイ位置登録処理フロー2901を実行する。ステップ29011にて、位置登録メッセージ53を上位網6の位置登録メッセージ63に変換する。
【0130】
ステップ29012にて、位置登録メッセージ63を上位網6に送出する。
【0131】
図3bのNo.3のダウンリンクIPパケットメッセージ61が上位網6より送られてくると、ゲートウェイ1は、図25に示したゲートウェイIPパケット受信(ダウンリンク)処理フロー2501を実行する。ステップ25011にて、図14に示したシーケンス番号管理テーブル1401にシーケンス番号が保持されているので、これを参照しシーケンス番号を得る。
【0132】
ステップ25012にて、このシーケンス番号を用いて、基地局網プロコトルとなるように、カプセル化し、ダウンリンクIPパケットメッセージ51を作成する。
【0133】
ステップ25013にてこのメッセージを基地局網6にブロードキャストする。
【0134】
ステップ25014にてシーケンス番号管理テーブル1401にシーケンス番号を更新すなわち、1を加える。
【0135】
次に、基地局の無線部22がメッセージを受信したときに行う処理について述べる。
【0136】
図3cのNo.1のアドレス付与メッセージ226は、同メッセージ内のLID2261の移動局3に移動局IP アドレス 2263のIPアドレスを付与するものである。
【0137】
図3cのNo.2の移動局IPアドレス付与メッセージ221は、同メッセージ内のLID2211の移動局3にIPパケットを送信するものである。
【0138】
図3cのNo.3の未送信フラグメント送信メッセージ227は、同メッセージ内のLID2271の移動局3に未送信フラグメントを送信するものである。
【0139】
図24にキャッシュ時間満了処理フローをしめす。これは、移動局3が基地局網5内の全基地局2から離れてしまった場合に、IPパケットが残ったままになるのを防ぐためのもので、監視タイマIDで特定されたタイマが満了したときに動作する。
【0140】
ステップ24011にて、IPパケットキャシュテーブルの該当移動局インデックステーブル1302、このインデックステーブル配下のIPパケット管理テーブル1303、IPパケット格納エリア1305、未送信フラグメント格納エリア1304を削除し、メモリプールに返却する。
【0141】
ステップ24012にて、移動局管理テーブルの該当IPアドレス−LID対応テーブルを削除し、メモリプールに返却する。
【0142】
図11は実施例で用いたテーブルの一覧である。図12は移動局管理テーブルで、部部的にしか説明していないので、テーブル全体の説明を行うと、移動局管理ヘッダテーブル1201は、このテーブルがある基地局を識別する基地局ID12011、ゲートウェイを識別するゲートウェイID12012、IPアドレス−LID対応テーブル1202の双方向リストのための先頭ポインタ12013、最終ポインタ12014からなる。
【0143】
IPアドレス−LID対応テーブル1202は、同双方向リストのための前方ポインタ12021、後方ポインタ12022、このテーブルにて管理している移動局3に付与されたIPアドレス、付与IPアドレス12023、同移動局3の識別子LID12024からなる。
【0144】
図13はIPパケットキャッシュ管理テーブルで、テーブルアクセスの基となるアンカーテーブル1301、送信先移動局ごとに分類するための移動局インデックステーブル1302、個々のIPパケットの格納エリアを管理するIPパケット管理テーブル1303、IPパケットそのものを格納するIPパケット格納エリア1305、未送信フラグメントを格納する未送信フラグメント格納エリア1304からなる。
【0145】
アンカーテーブル1301は、移動局インデックステーブル1302の双方向リストのための、先頭ポインタ13011、最終ポインタ13012からなる。
【0146】
移動局インデックステーブル1302は、同テーブル1302の双方向リストのための、前方ポインタ13021、後方ポインタ13022、対象移動局のIPアドレスを9保持するIPアドレス13023、移動局の接続状態を示す状態13024、タイムアウトによるキャッシュ解放を行うためのタイマを識別する監視タイマID13025、未送信フラグメントのサイズを格納するフラグメントサイズ13026、同格納エリアアドレスを保持するフラグメントポインタ13029、IPパケット管理テーブル1303の双方向リストのための先頭ポインタ13028、最終ポインタ13029からなる。
【0147】
IPパケット管理テーブル1303は、同テーブルの双方向リストのための、前方ポインタ13031、後方ポインタ130322、該IPパケットがゲートウェイ1にて基地局網プロトコルの形式にカプセル化された時に付与されたシーケンス番号を保持するシーケンス番号13033、格納IPパケットのサイズおよびアドレスを保持する、IPパケットサイズ13034、IPパケットポインタ13035からなる。
【0148】
【発明の効果】
本発明によれば、IPパケットを基地局で蓄積できるため、基地局が切り替わる毎に、サーバがIPパケットを送りなおす必要がなく、高速なハンドオーバが可能となる。
【0149】
また、本発明によれば、送信済みのIPパケットを正確に管理できるので、IPパケットのロスを抑制することができ、このため、高速なIP通信性能を実現することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の通信制御方法を具備する無線通信システムの一実施例のシステム構成図である。
【図2】本発明の実施例における通信制御方法を示すメッセージシーケンスである。
【図3】本発明の実施例において、メッセージ受信毎に無線通信システムの各部が行うべき処理を示した表である。
【図4】本発明の通信制御方法の概要を示す図である。
【図5】本発明の実施例における基地局網メッセージの一覧表である。
【図6】本発明の実施例における基地局網メッセージフォーマットを示した図である。
【図7】本発明の実施例における上位網メッセージ一覧の表である。
【図8】本発明の実施例における上位網メッセージフォーマットを示す図である。
【図9】本発明の実施例における基地局本体と無線部間のメッセージ一覧である。
【図10】本発明の実施例における基地局本体と無線部間のメッセージフォーマットを示す図である。
【図11】本発明の実施例における本発明の通信制御方法を実現するための制御テーブルの一覧である。
【図12】本発明の実施例における移動局管理テーブルを示す図である。
【図13】本発明の実施例におけるIPパケットキャッシュ管理テーブルを示す図である。
【図14】本発明の実施例におけるシーケンス番号管理テーブルを示す図である。
【図15】本発明の実施例における基地局制御部が行う移動局進入処理フローを示す図である。
【図16】本発明の実施例における基地局制御部が行うIPパケット送信処理フローを示す図である。
【図17】本発明の実施例における基地局制御部が行うIPパケット送信完了処理フローを示す図である。
【図18】本発明の実施例における基地局制御部が行う移動局進入通知処理フローを示す図である。
【図19】本発明の実施例における基地局制御部が行うIPパケット送信進捗通知処理フローを示す図である。
【図20】本発明の実施例における基地局制御部が行うIPパケット受信(ダウンリンク)処理フローを示す図である。
【図21】本発明の実施例における基地局制御部が行うIPパケット受信(アップリンク)処理フローを示す図である。
【図22】本発明の実施例における基地局制御部が行う移動局離脱処理フローを示す図である。
【図23】本発明の実施例における基地局制御部が行う移動局離脱通知処理フローを示す図である。
【図24】本発明の実施例における基地局制御部が行うキャッシュ時間満了処理フローを示す図である。
【図25】本発明の実施例におけるゲートウェイが行うIPパケット受信(ダウンリンク)処理フローを示す図である。
【図26】本発明の実施例におけるゲートウェイが行うIPパケット受信(アップリンク)処理フローを示す図である。
【図27】本発明の実施例における基地局制御部が行う未送信フラグメント受信処理フローを示す図である。
【図28】本発明の実施例における基地局制御部が行う未送信フラグメント通知処理フローを示す図である。
【図29】本発明の実施例におけるゲートウェイが行うゲートウェイ位置登録処理フローを示す図である。
【符号の説明】
1…ゲートウェイ、2a〜2c…基地局、3…移動局、4…移動局端末、5…基地局網、6…上位網、7…ケーブル、8…APサーバ、11…上位網送受信部、12…シーケンス番号付与部、13…基地局網送受信部、14…ゲートウェイ制御部、21…基地局本体、22…無線部、31…無線部、32…移動局制御部、211…基地局網送受信部、212…IPパケットキャッシュ、213…無線送受信部。
【発明の属する技術分野】
本発明は、DSRC(Dedicated Short Range Communication)など通信エリアが狭い無線基地局を複数台設置し、高速移動体が無線基地局をまたぎながら連続IP通信を実現するための高速ハンドオーバに関する通信制御方法およびこれを実現する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の移動体向け無線通信システムでは、モバイルIPなど、端末の移動にともなう通信経路の変化に対応する各種方式が考案されている。しかし、基地局の通信エリア狭い場合、経路が頻繁に変化するため、経路制御が間に合わず、通信データが古い経路に転送されてしまい、再送が発生して通信性能が低下する問題があった。
【0003】
この問題を解決するために、特開2003−151078号公報に記載の情報提供方法では、通信エリアの狭い無線基地局(以降単に基地局と呼ぶ)を複数台用い、高速移動体へ大容量のデータ配信を行うために、移動体が移動するであろうと予測される領域にある基地局のグループを生成し、データ配信を行う場合には、最初にグループ内基地局に配信データをサーバから取り込んで蓄積し、また、グループ内基地局間でデータ配信の進捗情報を共有する。移動体が基地局の配下に進入して来たときには、蓄積されたデータの中から、配信済みの次の部分から配信することにより連続通信を可能とし、基地局が切り替わる毎に、遠くのサーバに配信データを取りに行く必要がないため、基地局間での高速な通信引継ぎ処理、すなわち、高速なハンドオーバが可能となる。
【0004】
【特許文献1】特開2003−151078号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1の方法では、配信データの全体を基地局に蓄積することを前提としているため、配信するデータのデータ長を予め知っておく必要があり、サーバと基地局間で情報提供のための特別なプロトコルが必要である。
【0006】
一方、TCP/IPを用いたデータ配信、例えばHTMLブラウザによるWebアクセスにおいては、配信データがTCPパケットあるいはIPパケットとして順次流れてくるだけで、全体のデータ長は基地局では分からない。このため、この方法では、予め配信データ全体を基地局に蓄積データを出来ず、一般に良く行われるTCP/IPプロトコルを用いてファイル転送するような情報配信には適用できない。
【0007】
本発明の目的は、狭い通信領域をもつ基地局を用いた高速移動体への情報配信において、高速なバンドオーバを実現することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
まず、本発明は、ゲートウェイにより外部ネットワークにつながり、また、ゲートウェイの下に複数の基地局が基地局網で接続され、基地局が移動体と無線通信を行う。移動体は前記外部ネットワーク上のサーバなどと通信を行う。
【0009】
(1)1つのゲートウェイにつながった全基地局は、ゲートウェイ経由で移動体へ配信されてくるIPパケットを順次蓄積する。
【0010】
(2)配下に移動体の居る基地局はIPパケットを順次移動体へ送信し、送信の進捗状況基地局に通知し、基地局群間で共有する。送信進捗情報としては下記の3つの方法の何れかを使う。
【0011】
(a)送信を完了したIPパケットの識別情報を共有することにより、送信の進捗を管理する。この際に、送信先IPアドレスを蓄積されたIPパケットの検索に使用してもよい。
【0012】
(b)IPパケットは受信した順序に蓄積されているので、IPアドレスや移動体を識別する情報とともに、送信したIPパケット数が分かれば、進捗が分かる。このため、一定数のIPパケットを送信する毎にその旨を他の基地局に通知を行う。
【0013】
(c)移動体が基地局を離脱するときに、この基地局が該移動体に配信したIPパケット数を他の基地局に送信する。
【0014】
(3)移動局が配下に進入してきたら、各基地局は、IPパケットの送信の進捗状況を把握しているので、次に送信すべきIPパケットが分かり、そのIPパケットから順次移動局に対して配信する。
【0015】
このようにすることにより、基地局が替わっても継続してIPパケットが移動体に配信されることになる。
【0016】
なお、(a)の方法では、基地局でIPパケットの取り込み漏れを起こしても、その影響が波及せず、信頼性の高い通信が可能となる。一方、(b)、(c)基地局にてIPパケットの取り込みミスをしている時には進捗を誤ってしまうことになり、TCP/IPの再送処理にて回復することになる。
【0017】
【発明の実施の形態】
図1から図29を用いて本発明の一実施例を説明する。まず、図4を用い実施例の概要を説明する。基地局2aから基地局2eの複数の基地局が基地局網5により接続され、また、この基地局網5とゲートウェイ1が接続されている。ゲートウェイ1は上位網6とも接続され、上位網6にはAPサーバ8が接続されている。一方、移動体上で基地局との無線通信を行う移動局3は、基地局2aから基地局2eの何れかの基地局2と無線通信で接続される。なお、上位網6はTCP/IPプロトコルによる通信網、例えばインターネットを想定している。
【0018】
図4は、アプリケーションサーバ8から、IPアドレスがIP−Aの移動局に、IPパケットが配信されてくる様子を示している。ゲートウェイ1はIPパケットを基地局網プロトコル形式51にカプセル化して基地局網5上にブロードキャストする。ここで、SIDは基地局網上の基地局やゲートウェイが処理すべき内容を示すサービス識別子(Service ID)である。このSIDが上位網6からのIPパケットを処理することを示しているので、各基地局2はIPパケットキャッシュ212に順次蓄積する。
【0019】
移動局3が基地局2aの配下に場合、即ち、基地局網の範囲内にある場合には、蓄積しているIPパケットの中で、移動局3向け、すなわちIPアドレスがIP−Aのものを、古い順に順次移動局に送信する。なお、ここでは、移動局3が1つのIPアドレスを持つことを想定している。この場合IPアドレスで移動局を識別できるが、1つの移動局3が複数のIPアドレスを持つことも想定される。この場合には移動局3の識別子をもちい、移動局3ごとにIPパケットを蓄積することになる。
【0020】
基地局2aがIPパケット、例えば図のIPパケット1を移動局3に送信すると、その進捗情報を基地局網プロトコル形式54で基地局網上にブロードキャストする。各基地局は送信進捗情報を更新する。このとき、IPパケット1つ毎に、進捗を報告しても、複数パケット分をまとめて報告しても良い。さらに、移動局3が基地局2aから離脱した時に、移動局3に対して送信したIPパケット数を進捗として報告しても良い。
【0021】
送信進捗が報告された時、他の基地局上にある、送信済みのIPパケットは、進捗情報を受信する毎に破棄してもよく、また、一定間隔でまとめて破棄してもよい。
【0022】
移動局3が基地局2bに移動すると、送信進捗情報により、IPパケット2が移動局3に送信され、さらに次のパケットが送信されることになる。
【0023】
このように、APサーバ8から送られてきたIPパケットは、漏れや重複なしに移動局3に届くことになる。
【0024】
なお、図4に示してはいないが、IPパケットを移動局3から上位網6へ送信する場合には、このIPパケットを、その旨を示すSIDの基地局網プロトコル形式にカプセル化して、基地局網5上へブロードキャスト送信する。ゲートウェイ1はカプセル化を解いて上位網6に転送することになる。以上が一実施例の概要である。より詳細な説明を以下に示す。
【0025】
図1は本発明の一実施例のシステム全体構成を示すものである。ゲートウェイ1の内部は上位網6との送受信を行う上位網送受信部11、基地局網5に基地局網プロコトル形式でカプセル化して通信を行う時に、パケットのシーケンス番号を付与するためのシーケンス番号付与部12、基地局網5との送受信を行う基地局網送受信部13、これらを制御するGW制御部14からなる。
【0026】
基地局2aは、基地局本体21と移動局3との無線通信を行う無線部22から構成されている。基地局本体21は、基地局網5との送受信を行う基地局網送受信部211、IPパケットを蓄積するIPパケットキャッシュ212、無線部22との送受信を行う無線送受信部213およびこれらを制御する基地局制御部214から構成される。他の基地局2b、同2cも全く同一の構成となっている。
【0027】
移動局3は基地局と無線通信を行う無線部31と移動局端末4と接続や無線部31の制御を行う移動局制御部32から構成される。移動局端末4はカーナビゲーション端末やPCであり、HTMLブラウザなどアプリケーションプログラムが動作する。移動局3と移動局端末はイーサーネットケーブルやUSBケーブルのケーブル7によって接続される。
【0028】
本発明の実現するためにゲートウェイ1、基地局、移動局で取り交わされるメッセージシーケンスおよび各部の処理についての説明に入る前に、メッセージについて説明する。
(1)基地局網メッセージ
図5は基地局網5内で基地局2やゲートウェイ1間で取り交わされるメッセージの一覧である。図6は各基地局網メッセージの詳細な形式を示したものである。ブロードキャストを基本とした基地局網プロトコル形式で通信が行われる。各部分は、全てのメッセージを受信し、先に述べたSIDで受信したメッセージの種別を判定し、必要ならば、メッセージの種別に対応した処理を行う。
【0029】
図5の表のNo.1のダンリングIPパケットは、上位網6から移動局端末4へIPパケットを搬送するためのもので、ゲートウェイ1(GW)から基地局網5にブロードキャストされ、基地局22(BS)で受信、処理される。SIDは01、内容はIPパケットで、このメッセージはIPパケットを基地局網プロトコル形式にカプセル化したものである。
【0030】
図6のメッセージ51にその詳細フォーマットを示す。先頭に基地局網メッセージであることを示す基地局網プロトコル識別子、ゲートウェイ1のシーケンス番号付与部12が付与するシーケンス番号512、SID513、ここでは01、メッセージのデータ長を示すデータ長514、IPパケットそのものであるIPデータ515からなる。
【0031】
ここで、ゲートウェイ1が一連の番号を振ったシーケンス番号512があることに注意されたい。このシーケンス番号512により、IPパケットの識別が可能となる。
【0032】
なお、基地局網メッセージは、基地局プロトコル識別子511、シーケンス番号512、SID513、データ長514は、基地局網プロトコルメッセージのヘッダにあたり、全ての基地局網メッセージで共通であり、以降の説明を省略する。
【0033】
図5の表のNo.2はアップリンクIPパケットで、移動局端末4からの上位網6へのIPパケットを搬送するためのもので、基地局22から基地局網5へブロードキャストされ、ゲートウェイ1にて処理される。SIDは02、内容はIPパケットで、このメッセージはIPパケットを基地局網プロトコル形式にカプセル化したものである。
【0034】
図6の詳細メッセージ52に示したように同メッセージはIPパケットに基地局網メッセージヘッダ付加されたものとなっている。
【0035】
図5の表のNo.3は位置登録メッセージで、上位網6に対して移動局3がこのシステム、すなわちゲートウェイ1の配下に居ることを示すもので、基地局22から基地局網5へブロードキャストされ、ゲートウェイ1にて処理される。SIDは03、内容は、IPアドレスと移動局3の識別子であるLIDである。
【0036】
図6の詳細メッセージ53に示したように、同メッセージは基地局網プロトコルヘッダ、LID535、移動局のIP アドレス536から構成される。
【0037】
図5の表のNo.4はIPパケット送信進捗通知で、基地局2に蓄積されたIPパケットの移動局3への送信処理がどこまで進んだかを基地局間で共有するためのものである。送信処理を行った基地局2が基地局網5にブロードキャストされ、基地局5にて処理がなされる。SIDは04、内容はパケット送信先IPアドレスと送信したIPパケットが送られてきた時のメッセージヘッダ内のシーケンス番号である。
【0038】
図6の詳細メッセージ54に示したように、同メッセージは基地局網プロトコルヘッダ、移動局IP アドレス545、シーケンス番号546から構成される。
【0039】
なお、先に説明したパケット識別情報を送らない方式を採用する場合には、図6のメッセージ54aに示したようにシーケンス番号546が省略される。
【0040】
図5の表のNo.5は移動局離脱通知で、移動局が基地局から離れ、通信品質が劣化した時に、後に説明する基地局本体―無線部メッセージの中の移動局離脱通知メッセージが基地局本体21に通知されること起因するもので、移動局3との通信状態を基地局2間で共有するためのものである。同メッセージは基地局網5にブロードキャストされ、基地局2で処理される。SIDは05で、内容は、該移動局のLIDおよびIPアドレスである。
【0041】
図6の詳細メッセージ55に示したように、同メッセージは、基地局網プロトコルヘッダ、移動局IP アドレス 555、未送信フラグメントフラグ556から構成される。
【0042】
図5の表のNo.6は移動局進入メッセージで、基地局2の通信エリア内に移動局3が進入して通信が可能となり、後に説明する基地局本体―無線部メッセージの中の移動局進入通知セージが基地局本体21に通知されること起因するもので、移動局3との通信状態を基地局間で共有するためのものである。同メッセージは基地局網5にブロードキャストされ、基地局2で処理される。SIDは06で、内容は、該移動局のLIDおよびIPアドレスである。
【0043】
図6の詳細メッセージ56に示したように、同メッセージは、基地局網プロトコルヘッダ、LID565、移動局IPアドレス556からなる。
【0044】
図5の表のNo.7は、未送信フラグメント通知で、移動局が基地局から離脱したとき発生する未送信フラグメントを基地局間で共有するためのものである。後に説明する基地局本体―無線部メッセージの中の未送信フラグメント受信メッセージが基地局本体21に通知されること起因するものである。
【0045】
同メッセージは基地局網5にブロードキャストされ、基地局で処理される。SIDは07で、内容は、該移動局のIPアドレス、未送信フラグメントである。
【0046】
なお、未送信フラグメントとは、無線部22から移動局3に向けて無線でIPパケットを送信する際に、無線通信区間の通信の信頼性が低いため、IPパッケットを分割して小さなパケットにして送っており、IPパケット送信の途中で通信が遮断された時には、IPパケットの一部分が残りことがあり、この残りのデータのことである。
【0047】
図6の詳細メッセージ57に示したように、同メッセージは、基地局網プロトコルヘッダ、移動局IP アドレス 575、未送信フラグメント576からなる。
【0048】
図5の表のNo.8は、未送信フラグメント送信通知で、移動局3が新たな基地局に進入した時に、先の基地局での未送信フラグメントが、移動局3への送信されているかどうかを基地局間で共有するためのものである。具体的には、後に説明する基地局本体―無線部メッセージの中の未送信フラグメント送信メッセージを基地局本体21から無線部22に送信することに起因するものである。
【0049】
同メッセージは基地局網5にブロードキャストされ、基地局で処理される。SIDは08で、内容は、該移動局のIPアドレス、LIDである。
【0050】
図6の詳細メッセージ58に示したように、同メッセージは、基地局網プロトコルヘッダ、移動局IP アドレス 585、未送信フラグメント586からなる。
(2)上位網メッセージ
図7に上位網メッセージ一覧を示す。これらのメッセージはゲートウェイ1と上位網6との間のメッセージである。図8にはこれらのメッセージフォーマットを示す。
【0051】
図7のNo.1はダウンリンクIPパケットで、これは、上位網6から移動局3へ送られるIPパケットそのもので、上位網6からゲートウェイ1へ送信されてくる。図8の詳細メッセージ61に示したように、通常のIPパケットである。すなわち、IPヘッダ611は通常のIPヘッダであり、データ本体612はデータそのものである。
【0052】
図7のNo.2はアップリンクIPパケットで、移動局3から上位網6へ送られIPパケットであって、ゲートウェイ1から上位網6へ送出される。図8の詳細メッセージ62に示したように、通常のIPパケットで、IPヘッダ621とデータ本体621からなる。
【0053】
図7のNo.3は位置登録で、上位網6に対して、移動局3のLIDおよびIPアドレス、これ等に加えゲートウェイIPアドレスを送出する。これは、移動局3が基地局22に進入した時に、被進入基地局から位置登録メッセージ53としてゲートウェイ1に送られてくることに起因する。ここで、同じ基地局網内の基地局からの位置登録は同じものになるので、同じ基地局網内から同じ位置登録が出ている場合にはゲートウェイ1は上位網6に位置登録を省略してもよい。
【0054】
図8の詳細メッセージ63に示したように、このメッセージは位置登録であることを示すヘッダ631、LID632、移動局 IPアドレス633、GW IP アドレス 634からなる。
(3)基地局本体―無線部間メッセージ
図9に基地局本体―無線部間メッセージ一覧を示す。これらは基地局本体21と無線部22間のメッセージである。図10にはこれらのメッセージの詳細フォーマットを示す。
【0055】
図9のNo.1はダンリンクIPパケットで、基地局2からIPパケットを移動局3へ送信するためのもので、基地局本体22から無線送受信部213を介して無線部22に送られる。メッセージを識別するCODEは1で、内容は、送信先のLID、IPパケットそのものである。図10の詳細メッセージ221に示したように、同メッセージはCODE2211、LID2212、IPヘッダ2213、データ本体2214から構成される。
【0056】
図9のNo.2はアップリンクIPパケットで、移動局3から上位網6へ送信されるIPパケットに起因し、無線部22から無線送受信部213を介して基地局本体22に送られる。メッセージを識別するCODEは2で、内容はIPパケットそのものである。図10の詳細メッセージ222に示したように、同メッセージはCODE2221、IPヘッダ2222、データ本体2223から構成される。
【0057】
図9のNo.3は移動局進入通知で、移動体3が基地局2に進入してきたことに起因する。すなわち、移動体3が基地局2に進入してくると、基地局の無線部22と移動局の無線部31とが通信接続処理を開始し、接続が完了すると、このメッセージを無線部22が基地局本体21の無線送受信部213に対してこのメッセージを送出する。
【0058】
メッセージを識別するCODEは3で、内容は、LIDとIPアドレスである。もしも、以前にIPアドレスが付与されていない場合にはIPアドレスとして無効な値とする。図10の詳細メッセージ223に示したように、同メッセージは、CODE2231、LID2232、移動局IPアドレス 2233から構成される。
【0059】
図9のNo.4は移動局離脱通知で、移動体3が基地局2から離脱したことに起因する。すなわち、移動体3が基地局2から離れてくると、基地局の無線部22と移動局の無線部31との接続状況が悪化してくる。一定レベル以下になると、通信不能としてこのメッセージを無線部22が基地局本体21の無線送受信部213に対して送出する。
【0060】
メッセージを識別するCODEは4で、内容は、LIDである。図10の詳細メッセージ224示したように、同メッセージは、CODE2241、LID2242から構成される。
【0061】
図9のNo.5は未送信フラグメント受信で、IPパケットを移動局3に送信中に、移動局3が基地局2から離脱したことに起因する。無線部22から基地局本体21に対して送信される。未送信フラグメントそのものについては既に説明したとおりである。
【0062】
メッセージを識別するCODEは5で、内容は、LIDと未送信フラグメントである。図10の詳細メッセージ225示したように、同メッセージは、CODE2251、LID2252、未送信フラグメント2253から構成される。
【0063】
図9のNo.6はIPアドレス付与で、移動体3が基地局2に進入し、No.3移動局進入通知で記述したように、LIDとIPアドレスが基地局本体21に送出される。基地局本体21はIPアドレスの検査して、ゲートウェイ1のネットワークアドレスと不整合等、妥当なものでないと判定した場合に、移動局3に対してIPアドレスを付与する。本メッセージはこのためのものである。
【0064】
基地局本体21が無線送受信部213を介してメッセージを無線部22に対してこのメッセージを送出する。
【0065】
メッセージを識別するCODEは6で、内容は、LIDとIPアドレスである。図10の詳細メッセージ226に示したように、同メッセージは、CODE2261、LID2262、移動局IP アドレス 2263から構成される
図9のNo.7は未送信フラグメント送信で、移動局3が基地局2に侵入してきた時に、前に移動局3が居た基地局2にて未送信フラグメントが残っていた場合に、これを移動局3に送るため、基地局本体21が無線部22に無線送受信部213を介して送出するものである。
【0066】
メッセージを識別するCODEは7で、内容は、LIDと未送信フラグメントである。図10の詳細メッセージ227示したように、同メッセージは、CODE2271、LID2272、未送信フラグメント2273から構成される。
【0067】
以上の各メッセージの説明を基に、図2に示した、移動局3、基地局2、ゲートウェイ1および上位網6間で取り交わされるメッセージのシーケンスを説明する。なお、この図においては、紙面の都合で基地局が2台であるが、同一基地局網5上の基地局全部のグループと考えて頂きたい。
【0068】
起動局3が基地局2aに進入すると、移動局3は移動局進入通知メッセージ223を基地局2aに送信する。これを受けてIPアドレスが有効なものでない場合、基地局2aは移動局3に対してIPアドレス付与メッセージ226を送出する。なお、基地局2と移動局3間のメッセージは、移動局本体21と無線部22間のメッセージで表現することにする。
【0069】
その後、基地局2aは移動局3に関する情報を基地局間で共有するために、基地局網5に移動局進入通知56をブロードキャストする。ついで、上位網6に対して位置登録をするために、ゲートウェイ1に対して位置登録メッセージ53を送出するため、同メッセージを基地局網5へブロードキャストする。ゲートウェイ1はこれを受けて上位網6に位置登録メッセージ63を出す。なお、先にも述べたが、上位網6での通信経路の観点では、移動局3を配下にもつゲートウェイ1が分かればよいので、先に同一ゲートウェイ1での位置登録、すなわち、基地局網5の何れかの基地局で位置登録を行った場合には同メッセージ63を省略しても良い。以上の処理手順が通信の準備段階である。
【0070】
次いで、基地局2aに該移動局向けの未送信フラグメントが存在する場合には、基地局2aは未送信フラグメント送信メッセージ227を移動局3へ送信する。また、未送信フラグメントを移動局3に送信したことを基地局2間で共有するため、未送信フラグメント送信通知メッセージ58を基地局網5にブロードキャストする。
【0071】
その後、基地局2aは、自分に蓄積されている起動局3向けのIPパケットをダウンリンクIPパケットメッセージ221a〜221bとして順次移動局3へ送信する。
【0072】
基地局2aは、各ダウンリンクIPパケットメッセージ221a、221bの送信を完了すると、基地局網5にIPパケット送信進捗通知メッセージ54a、54bをブロードキャストする。
【0073】
一方、上位網6から送られてくるIPパケット61は、ゲートウェイ51で一旦受信される。ゲートウェイ1は、受信IPパケットをダウンリンクIPパケットメッセージ51として基地局網プロトコルにカプセル化して、基地局網5にブロードキャストする。このメッセージを受け取った基地局2はIPパケットキャッシュ212に蓄積する。対象の移動局3が居る基地局2aでは、IPパケットキャッシュ212に蓄積された。IPパケットをIPパケットメッセージ221cとして移動局3へ送信する。送信が完了すると基地局2aはIPパケット送信進捗通知54cを基地局網5へブロードキャストする。
【0074】
なお、IPパケットを1つ送信する度に、IPパケット送信進捗通知メッセージ54を出しているが、この頻度を下げるために、複数IPパケット毎に同メッセージを出しても良い。
【0075】
IPパケットを移動局3から上位網6へ送信する場合には、基地局2aは、移動局3から送られてくるアップリンクIPパケットメッセージ222を受信し、これを基地局網プロトコルにカプセル化して、アップリンクIPパケットメッセージ52としてゲートウェイ1に送信するため、基地局網5へブロードキャストする。ゲートウェイ1はこのメッセージのカプセルを解き、上位網6にIPパケット62を送出する。
【0076】
移動局3が基地局2aを離れ、通信が切断される時には、移動局3から基地局2aに移動局離脱通知メッセージ224が送信されてくる。基地局2aはこれを受けて、基地局間で移動局の状態を共有するため、基地局網5へ移動局離脱通知メッセージ55をブロードキャストする。この時、未送信フラグメントが残った場合には、基地局無線部22から、未送信フラグメントメッセージ225が送信されてくる。これを受け取った基地局2は未送信フラグメントを未送信フラグメント通知メッセージ57として基地局網5にブロードキャストする。
【0077】
以上は移動局3が基地局2に進入し、通信を行い、離脱するまでの一連シーケンスを示した。移動局3が次の基地局2へ進入する場合には、再度同じシーケンスを踏めば良い。なお、繰り返しになるが、これまで、移動局と基地局間のメッセージは全て、基地局無線部22と基地局本体21との間のメッセージとして記述している。
【0078】
次に各部分での処理について、図3、図11から図29を用いて説明する。
【0079】
図3を用いての各メッセージを受信した時の基地局本体21、ゲートウェイ1および無線部22の処理を説明する。まず、基地局本体の処理を図3aに示す。No.1からNo.4までが基地局の無線部22からのメッセージ、No.6からNo.8は基地局から基地局網5にブロードキャストされたもの、No.9はゲートウェイから基地局網5にブロードキャストされたものである。
【0080】
No.1の移動局通知メッセージが無線部22から送られてくると、図15のフロー1501のステップ15011に示したように、基地局は、移動局3のIPアドレスの確認を行う。もしも、移動局3へIPアドレスが割り当てられていない、あるいは、以前に別のゲートウェイの配下にあり、ネットワークアドレスが異なる場合には、ステップ15012に示したようにIPアドレスの付与を行う。一般にDHCPで行っているように基地局にて使用できるIPアドレスをプールしておき、適宜IPアドレスを割り当てる。これは一般に知られている方法なのでこれ以上詳細な説明は省略する。
【0081】
割り当てたIPアドレスを移動局へのIPアドレス付与メッセージ226として無線部22送信する。ステップ15013にて図12に示した移動局管理テーブルに該当移動局を登録する。すなわち、移動局ヘッダテーブル1201からIPアドレス−LID対応テーブルを辿り、同一LIDをもつものを探す、もし存在すれば、既に登録済みなので何もしない。存在しない場合には、空きのIPアドレス−LID 対応テーブルを確保して付与IPアドレス120022とLID12023との設定し、同対応テーブルのリストの最後に追加する。
【0082】
ステップ15014にて図13に示したIPパケットキャッシュ管理テーブルの移動局インデックステーブル1302で、該当のテーブルがあるかどうか判定する。すなわち、図13に示したIPパケットキャッシュ管理テーブルにおいて、アンカーテーブル1301から、移動局インデックステーブル1302を辿り、該当のIPアドレスのものを探す。無い場合にはステップ15015へ進み、ある場合には、ステップ15016ヘジャンプする。
【0083】
ステップ15015では、移動局インデックステーブル1302用のエリアを確保し、移動局インデックステーブルのリストの最後に追加する。このとき、監視タイマを割り当て、この識別子を監視タイマID13025に設定する。
【0084】
ステップ15016では、該等の移動局インデックステーブル1302に進入移動局のIPアドレスをIPアドレス13023に設定、状態13024を接続状態とする。
【0085】
ステップ15017にてIPパケットキャッシュ時間満了タイマをリセットする。該移動局インデックステーブル1302の監視タイマID13025から監視タイマを知り、このタイマをリセットする。
【0086】
ステップ15018にて移動局進入を基地局に通知するため、移動局進入通知メッセージ226を基地局網5にブロードキャストする。
【0087】
ステップ15019にて、上位網6への位置登録のため、ゲートウェイ1に対して位置登録メッセージ53を送出する。
【0088】
ステップ150110にて、進入してきた移動局3に送信すべき、未送信フラグメントは無いか、移動局インデックステーブル1302のフラグメントサイズ13026の値を調べ、0ならば、未送信フラグメントは存在しないと判定し、0以外ならば存在すると判定する。
【0089】
ステップ150111にて、未送信フラグメント1304をフラグメントポインタ13027とフラグメントサイズ13026を用いて得る。これを、未送信フラグメント送信メッセージ227として無線部22に送出する。
【0090】
ステップ150112で、該移動局3へ送信すべき、蓄積されているIPパケットを該移動局3に送信するために、その処理を行うプログラム、図6のIPパケット送信処理フロー1601に起動をかける。
【0091】
IPパケット送信処理フロー1601では、ステップ16011にて移動局とリンク確立中かを、移動局インデックステーブル1302の状態13024を見て判定する。もし、接続中ならば、ステップ16012へ進み、IPパケットキャッシュ212上の該当IPパケットを移動局3に送信する。
【0092】
ここで、送信すべきIPパケットを検索するために、IPパケットキャッシュ管理テーブルのアンカーテーブル1301から、該当IPアドレスを持つ移動局インデックステーブル1302を検索し、このテーブルのフィールドである先頭ポインタ13028からIPパケット管理テーブルリストの先頭テーブルを得、この先頭のIPパケット管理テーブル1303aのIPパケットサイズ13034、IPパケットポインタ13035を得て、IPパケット格納エリア1305上のIPパケットを得ることができる。なお、IPパケット管理テーブル1303のリストは、先頭から古いIPパケットの管理情報を記憶するように管理される。したがって、新たに蓄積するIPパケットは最後部のテーブルで管理する。
【0093】
ステップ16013にて、IPパケット送信完了処理プログラム1701起動して処理を終了する。
【0094】
図17にIPパケット送信完了処理フロー1701を示す。
【0095】
ステップ17011において、IPパケットの送信が完了したことを、IPパケット送信進捗通知メッセージ54の形で基地局網5にブロードキャストする。これは、先頭のIPパケット管理テーブル1303aからシーケンス番号13033を得て、移動局のIPアドレスとともに前記メッセージとして送出することができる。
【0096】
ステップ17012においては、送信済みのIPパケット管理テーブル1301、IPパケット格納エリア1305を削除し、メモリプールに返却する。
【0097】
ステップ17013にて、蓄積されているIPパケットの全てを送信したか判定する。すなわち、該当IPパケット管理テーブル1303リストにテーブルが残っているかを判定すればよい。
【0098】
ステップ17014にて、残りのIPパケットを送信するため、IPパケット送信処理1601を起動する。
【0099】
なお、IPパケット送信処理1601およびIPパケット送信完了処理1701は、移動局ごとに起動され、他の移動局の処理は行わない。
【0100】
図3aのNo.2のアップリンクIPパケットメッセージ222が無線部22から送られてくると、基地局本体21は、図21に示したIPパケット(アップリンク)処理フロー2101を実行する。
【0101】
この図に示したように、ステップ21011にて、IPパケットを基地局網プロトルでカプセル化して作成したアップリンクIPパケットメッセージ52を基地局網5にブロードキャストする。なお、ゲートウェイ1はSIDが02であることで、上位網向けのIPパケットであることを知り、上位網6にカプセルを解いて送出することになる。
【0102】
図3aのNo.3の移動局離脱メッセージ224が、無線部22から送られてくると、基地局本体21は、図22の移動局切断処理フロー2201に示す処理を行う。ステップ22011において、移動局3が基地局から離脱したことを示す移動局離脱通知メッセージ55を基地局網5にブロードキャストする。
【0103】
図3aのNo.4未送信フラグメント受信メッセージ225が無線部22から送られて来ると、基地局本体21は、図27未送信フラグメント受信処理フロー2701に示したように、ステップ27011において、未送信フラグメント通知メッセージ57に変換して、基地局網5へブロードキャストする。
【0104】
図3aのNo.5の移動局進入通知メッセージ56が基地局2から送られて来ると、基地局本体21は、図18に示した移動局進入通知処理フロー1801に示したように、ステップ18011において、移動局管理テーブルに登録済みか判定する。すなわち、図12に示した移動局管理テーブルのIPアドレス−LID対応テーブル1202の付与IPアドレス12023とLID12024と、メッセージで送られてきたIPアドレスとLIDをそれぞれ比較し、両方とも一致したものがあるかを検索する。
【0105】
もし存在しない場合には、ステップ18012に進み、空きのIPアドレス−LID対応テーブル1202を確保して、IPアドレスとLIDを設定し、IPアドレス−LID対応テーブル1202のリストに最後尾に追加する。
【0106】
ステップ18013では、IPパケットキャッシュテーブルに登録済みか判定する。すなわち、図13に示すIPパケットキャッシュ管理テーブルの移動局インデックステーブル1302を、送られてきたIPアドレスで検索する。すなわち、アンカーテーブル1301から、移動局インデックステーブル1302をたどり、移動局インデックステーブル1302内のIPアドレス13023と比較してゆく、一致するまで、移動局インデックステーブル1302のリストをたどる。
【0107】
もしも、該当する移動局インデックステーブル1302がない場合には、ステップ18014にて、空きの移動局インデックステーブル1302を確保し、IPアドレスを設置し、また、監視タイマを割り当て、この識別子である監視タイマIDを監視タイマID13025に設定し、前記リストの最後に加える。
【0108】
ステップ18015にて、該移動局インデックステーブル1302の監視タイマ13025からタイマ識別子を得て、このタイマをリセットする。
【0109】
図3aのNo.6のIPパケット送信進捗通知メッセージ54が基地局2から送られて来ると、基地局本体21は、図19に示したIPパケット送信進捗通知処理フロー1901aに示したように、ステップ1901a1において、IPパケットキャッシュテーブルを検索して、送信を完了したIPパケットを蓄積しているIPパケット格納エリア1305を検索する。すなわち、図13に示すIPパケットキャッシュ管理テーブルの移動局インデックステーブル1302を、送られてきたIPアドレスで検索する。すなわち、アンカーテーブル1301から、移動局インデックステーブル1302をたどり、移動局インデックステーブル1302内のIPアドレス13023と比較してゆく、一致するまで、移動局インデックステーブル1302のリストをたどる。該当の移動局インデックステーブル1302を得たら、ここの先頭ポインタ13028からIPパケット管理テーブル1303を辿り、メッセージで送られてきたシーケンス番号が一致するものを探し、該IPパケット管理テーブル1303内のIPパケットサイズ13034およびIPパケットポインタ13035から、該当のIPパケット格納エリアを得ることができる。
【0110】
ステップ1901a2にて、該IPパケット格納エリアをメモリプールに返却する。
【0111】
ステップ1901a2にて、該該IPパケット管理テーブル1303を削除する。
【0112】
この変形例として、先に述べたように、IPパケットの識別子を用いずに、該IPアドレスのIPパケットで、最も古いIPパケットを送信されたIPパケットと解釈することもできる。この場合は、IPパケット送信進捗通知メッセージ54aが基地局2から送られて来る。この時、基地局本体21は、図19に示したIPパケット送信進捗通知処理フロー1901bに示したように、ステップ1901b1において、該IPアドレス向けの最も古いIPパケット格納エリア1305のアドレスおよびデータ長を求める。
【0113】
すなわち、アンカーテーブル1301から、移動局インデックステーブル1302をたどり、移動局インデックステーブル1302内のIPアドレス13023と比較してゆく、一致するまで、移動局インデックステーブル1302のリストをたどる。該当の移動局インデックステーブル1302を得たら、先頭ポインタ13028が指すIPパケット管理テーブルのIPパケットサイズ13034およびIPパケットポインタ13035を求めればよい。
【0114】
ステップ1901b2にて、該IPパケット格納エリアをメモリプールに返却する。
【0115】
ステップ1901b2にて、該該IPパケット管理テーブル1303を削除する。
【0116】
図3aのNo.7の移動局離脱通知メッセージ55が基地局2から送られて来ると、基地局本体21は、図23に示した移動局離脱通知処理フロー2301に示したように、ステップ23011において、IPパケットキャッシュテーブルの移動局インデックステーブル1302の状態13024を切断状態“0”を設定する。
【0117】
ステップ23012にて、該移動局インデックステーブル1302の監視タイマ13025からタイマ識別子を得て、このタイマをセットする。なお、これらのテーブルへのアクセスの方法は前にのべたとおりであるので説明を省略する。
【0118】
図3aのNo.8未送信フラグメント通知メッセージ57が基地局2から送られて来ると、基地局本体21は、図28に示した未送信フラグメント通知処理フロー2801に示したように、ステップ28011において、IPパケットキャッシュテーブルに未送信フラグメント格納エリア1304を確保し、送られてきた未送信フラグメントデータを格納する。すなわち、該当の移動局インデックステーブル1302をIPアドレスで探し、確保した未送信フラグメント格納エリアのアドドレスをフラグメントポンタ13027へ設定し、未送信フラグメントデータの長さをフラグメントサイズ13026に設定する。
【0119】
図3aのNo.9のダウンリンクIPパケットメッセージ51がゲートウェイ1から送られて来ると、基地局本体21は、図20に示したIPパケット受信(ダンリンク)処理フロー2001に示したように、ステップ20011においてメッセージ51のIPデータ515から送信先のIPアドレスを取り出す。
【0120】
ステップ20012にて、該IPアドレスに対応するIPパケット格納エリア数が所定の数を超えたかを判定する。該IPアドレスのIPパケット管理テーブル数を調べれば良い。もし、超えた場合には、ステップ20019にて受信したメッセージ51を破棄する。
【0121】
ステップ20013にて、受信したメッセージ51からシーケンス番号512を取り出す。
【0122】
ステップ20014にてメッセージ51のデータ長514からIPパケットの長さを取り出す。
【0123】
ステップ20015にてIPパケット格納エリアを確保する。すなわち、該IPパケット格納エリアをメモリプールから確保する。空きのIPパケット管理テーブル1303を確保し、シリアルナンバ13033、IPパケットサイズ13034、IPパケットポインタ13035を先に得られたそれぞれの値を設定する。
【0124】
該IPアドレスで、移動局インデックステーブル1302を検索する。このテーブルが管理するIPパケット管理テーブル1303のリストの最後尾に、先に確保し、値を設定したIPパケット管理テーブル1303を追加する。
【0125】
ステップ20018にて、IPパケット送信処理1601を起動する。ただし、既に起動済みの場合は何も行わない。
【0126】
次に、メッセージを受信することにより、ゲートウェイ1が行う処理ついて図3bを用いて説明する。
【0127】
図3bのNo.1のアップリンクIPパケットメッセージ52が基地局2より送られてくると、ゲートウェイ1は、図26に示したゲートウェイIPパケット受信(アップリンク)処理フロー2601を実行する。ステップ26011にて、アップリンクIPパケットメッセージ52のカプセル化を解いて、IPパケットそのものを取り出す。
【0128】
ステップ26012にて、得られたIPパケット62を上位網6に送出する。
【0129】
図3bのNo.2の位置登録メッセージ53が基地局2より送られてくると、ゲートウェイ1は、図29に示したゲートウェイ位置登録処理フロー2901を実行する。ステップ29011にて、位置登録メッセージ53を上位網6の位置登録メッセージ63に変換する。
【0130】
ステップ29012にて、位置登録メッセージ63を上位網6に送出する。
【0131】
図3bのNo.3のダウンリンクIPパケットメッセージ61が上位網6より送られてくると、ゲートウェイ1は、図25に示したゲートウェイIPパケット受信(ダウンリンク)処理フロー2501を実行する。ステップ25011にて、図14に示したシーケンス番号管理テーブル1401にシーケンス番号が保持されているので、これを参照しシーケンス番号を得る。
【0132】
ステップ25012にて、このシーケンス番号を用いて、基地局網プロコトルとなるように、カプセル化し、ダウンリンクIPパケットメッセージ51を作成する。
【0133】
ステップ25013にてこのメッセージを基地局網6にブロードキャストする。
【0134】
ステップ25014にてシーケンス番号管理テーブル1401にシーケンス番号を更新すなわち、1を加える。
【0135】
次に、基地局の無線部22がメッセージを受信したときに行う処理について述べる。
【0136】
図3cのNo.1のアドレス付与メッセージ226は、同メッセージ内のLID2261の移動局3に移動局IP アドレス 2263のIPアドレスを付与するものである。
【0137】
図3cのNo.2の移動局IPアドレス付与メッセージ221は、同メッセージ内のLID2211の移動局3にIPパケットを送信するものである。
【0138】
図3cのNo.3の未送信フラグメント送信メッセージ227は、同メッセージ内のLID2271の移動局3に未送信フラグメントを送信するものである。
【0139】
図24にキャッシュ時間満了処理フローをしめす。これは、移動局3が基地局網5内の全基地局2から離れてしまった場合に、IPパケットが残ったままになるのを防ぐためのもので、監視タイマIDで特定されたタイマが満了したときに動作する。
【0140】
ステップ24011にて、IPパケットキャシュテーブルの該当移動局インデックステーブル1302、このインデックステーブル配下のIPパケット管理テーブル1303、IPパケット格納エリア1305、未送信フラグメント格納エリア1304を削除し、メモリプールに返却する。
【0141】
ステップ24012にて、移動局管理テーブルの該当IPアドレス−LID対応テーブルを削除し、メモリプールに返却する。
【0142】
図11は実施例で用いたテーブルの一覧である。図12は移動局管理テーブルで、部部的にしか説明していないので、テーブル全体の説明を行うと、移動局管理ヘッダテーブル1201は、このテーブルがある基地局を識別する基地局ID12011、ゲートウェイを識別するゲートウェイID12012、IPアドレス−LID対応テーブル1202の双方向リストのための先頭ポインタ12013、最終ポインタ12014からなる。
【0143】
IPアドレス−LID対応テーブル1202は、同双方向リストのための前方ポインタ12021、後方ポインタ12022、このテーブルにて管理している移動局3に付与されたIPアドレス、付与IPアドレス12023、同移動局3の識別子LID12024からなる。
【0144】
図13はIPパケットキャッシュ管理テーブルで、テーブルアクセスの基となるアンカーテーブル1301、送信先移動局ごとに分類するための移動局インデックステーブル1302、個々のIPパケットの格納エリアを管理するIPパケット管理テーブル1303、IPパケットそのものを格納するIPパケット格納エリア1305、未送信フラグメントを格納する未送信フラグメント格納エリア1304からなる。
【0145】
アンカーテーブル1301は、移動局インデックステーブル1302の双方向リストのための、先頭ポインタ13011、最終ポインタ13012からなる。
【0146】
移動局インデックステーブル1302は、同テーブル1302の双方向リストのための、前方ポインタ13021、後方ポインタ13022、対象移動局のIPアドレスを9保持するIPアドレス13023、移動局の接続状態を示す状態13024、タイムアウトによるキャッシュ解放を行うためのタイマを識別する監視タイマID13025、未送信フラグメントのサイズを格納するフラグメントサイズ13026、同格納エリアアドレスを保持するフラグメントポインタ13029、IPパケット管理テーブル1303の双方向リストのための先頭ポインタ13028、最終ポインタ13029からなる。
【0147】
IPパケット管理テーブル1303は、同テーブルの双方向リストのための、前方ポインタ13031、後方ポインタ130322、該IPパケットがゲートウェイ1にて基地局網プロトコルの形式にカプセル化された時に付与されたシーケンス番号を保持するシーケンス番号13033、格納IPパケットのサイズおよびアドレスを保持する、IPパケットサイズ13034、IPパケットポインタ13035からなる。
【0148】
【発明の効果】
本発明によれば、IPパケットを基地局で蓄積できるため、基地局が切り替わる毎に、サーバがIPパケットを送りなおす必要がなく、高速なハンドオーバが可能となる。
【0149】
また、本発明によれば、送信済みのIPパケットを正確に管理できるので、IPパケットのロスを抑制することができ、このため、高速なIP通信性能を実現することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の通信制御方法を具備する無線通信システムの一実施例のシステム構成図である。
【図2】本発明の実施例における通信制御方法を示すメッセージシーケンスである。
【図3】本発明の実施例において、メッセージ受信毎に無線通信システムの各部が行うべき処理を示した表である。
【図4】本発明の通信制御方法の概要を示す図である。
【図5】本発明の実施例における基地局網メッセージの一覧表である。
【図6】本発明の実施例における基地局網メッセージフォーマットを示した図である。
【図7】本発明の実施例における上位網メッセージ一覧の表である。
【図8】本発明の実施例における上位網メッセージフォーマットを示す図である。
【図9】本発明の実施例における基地局本体と無線部間のメッセージ一覧である。
【図10】本発明の実施例における基地局本体と無線部間のメッセージフォーマットを示す図である。
【図11】本発明の実施例における本発明の通信制御方法を実現するための制御テーブルの一覧である。
【図12】本発明の実施例における移動局管理テーブルを示す図である。
【図13】本発明の実施例におけるIPパケットキャッシュ管理テーブルを示す図である。
【図14】本発明の実施例におけるシーケンス番号管理テーブルを示す図である。
【図15】本発明の実施例における基地局制御部が行う移動局進入処理フローを示す図である。
【図16】本発明の実施例における基地局制御部が行うIPパケット送信処理フローを示す図である。
【図17】本発明の実施例における基地局制御部が行うIPパケット送信完了処理フローを示す図である。
【図18】本発明の実施例における基地局制御部が行う移動局進入通知処理フローを示す図である。
【図19】本発明の実施例における基地局制御部が行うIPパケット送信進捗通知処理フローを示す図である。
【図20】本発明の実施例における基地局制御部が行うIPパケット受信(ダウンリンク)処理フローを示す図である。
【図21】本発明の実施例における基地局制御部が行うIPパケット受信(アップリンク)処理フローを示す図である。
【図22】本発明の実施例における基地局制御部が行う移動局離脱処理フローを示す図である。
【図23】本発明の実施例における基地局制御部が行う移動局離脱通知処理フローを示す図である。
【図24】本発明の実施例における基地局制御部が行うキャッシュ時間満了処理フローを示す図である。
【図25】本発明の実施例におけるゲートウェイが行うIPパケット受信(ダウンリンク)処理フローを示す図である。
【図26】本発明の実施例におけるゲートウェイが行うIPパケット受信(アップリンク)処理フローを示す図である。
【図27】本発明の実施例における基地局制御部が行う未送信フラグメント受信処理フローを示す図である。
【図28】本発明の実施例における基地局制御部が行う未送信フラグメント通知処理フローを示す図である。
【図29】本発明の実施例におけるゲートウェイが行うゲートウェイ位置登録処理フローを示す図である。
【符号の説明】
1…ゲートウェイ、2a〜2c…基地局、3…移動局、4…移動局端末、5…基地局網、6…上位網、7…ケーブル、8…APサーバ、11…上位網送受信部、12…シーケンス番号付与部、13…基地局網送受信部、14…ゲートウェイ制御部、21…基地局本体、22…無線部、31…無線部、32…移動局制御部、211…基地局網送受信部、212…IPパケットキャッシュ、213…無線送受信部。
Claims (8)
- 所定範囲の基地局網を持った複数台の無線基地局介して上位網と移動体端末間でIP通信を行う通信制御方法において、
前記上位網から前記移動体端末へ向かうIPパケットに対して識別子を付加して前記基地局網に送出するステップと、
前記IPパケットを複数台の無線基地局に前記識別子と関連づけて時系列順に蓄積するステップと、
前記移動体端末が接続されている無線基地局が前記IPパケットを到着した順に前記移動体端末に送信するステップと、
IPパケットを送信した前記無線基地局が、1つあるいは複数のIPパケットを配信したことを、前記IPパケットの識別子、あるいは、前記IPパケットの識別子および送信先の前記移動体端末を識別する情報を付与して、前記基地局網に接続された他の無線基地局に通知するステップと、
前記移動体端末が前記他の無線基地局の基地局網の範囲内に移動した場合は、配信済みのIPパケットの以降に届いたIPパケットから時系列順に前記移動体端末に配信するステップを備えた通信制御方法。 - 請求項1記載の通信制御方法において、
IPパケットを移動体端末へ配信したことを、前記IPパケットの識別子、あるいは、前記IPパケットの識別子と送信先の移動体端末を識別する情報を付与して、前記他の無線基地局から通知された時には、蓄積していた前記IPパケットの中から、送信済みと連絡されて来たパケットを検索して削除するステップを備える通信制御方法。 - 所定範囲の基地局網を持つ複数台の無線基地局またいで上位網と移動体端末間でIP通信を行う通信制御方法において、
前記上位網から前記移動体端末へ向かうIPパケットを複数台の無線基地局に時系列順に蓄積するステップと、
前記移動体端末が接続されている無線基地局が蓄積された前記IPパケットを時系列順に移動体端末に送信するステップと、
前記IPパケットを送信した前記無線基地局が、1つあるいは複数の前記IPパケットを配信したことを、送信先の移動体端末を識別する情報とともに他の前記無線基地局に送信するステップと、
前記IPパケットの送信情報を受信した無線基地局は、該移動体端末向けに蓄積したIPパケットのうち、送信無線基地局より連絡されてきた配信したIPパケットの数だけ、最も古いものから、前記IPパケットを削除するステップと、
前記移動体端末が他の無線基地局の基地局網の範囲内に移動した時は、蓄積したIPパケットで該移動体端末に配信するIPパケットの最も古いIPパケットから順に時系列順で移動体端末に配信するステップを備えた通信制御方法。 - 所定範囲の基地局網を持つ複数台の無線基地局またいで上位網と移動体端末間でIP通信を行う通信制御方法において、
前記上位網から前記移動体端末へ向かうIPパケットを複数台の無線基地局に時系列順に蓄積するステップと、
前記移動体端末が接続されている無線基地局が蓄積されたIPパケットを時系列順に移動体端末に送信するステップと、
IPパケットを送信していた前記無線基地局は、前記移動体が離脱した時に、それまでに前記離脱した移動体に送信したIPパケット数および送信先の移動体端末を識別する情報とともに離脱したことを、他の前記無線基地局に送信するステップと、
前記離脱情報を受信した無線基地局は、該移動体端末向け蓄積したIPパケットのうち、送信無線基地局より連絡されてきたIPパケット個数だけ、最も古いものから順にIPパケットを削除するステップと、
移動体端末が他の無線基地局の配下に移動した時は、蓄積したIPパケットで該移動体端末に配信するIPパケットの最も古いIPパケットから順に時系列順で移動体端末に配信するステップを備えた通信制御方法。 - 所定範囲の基地局網を持つ複数台の無線基地局と、前記無線基地局にアクセスする1台あるいは複数台の移動体端末で構成される無線通信システムにおいて、
IPパケットとこの識別情報を付加したパケット情報を受信する手段と、
受信したIPパケットを、IPパケットを識別する情報と関連づけて時系列順に蓄積する手段と、
前記移動体端末が進入してきた場合に、前記移動体端末向けのIPパケットを移動体端末へ送信する手段と、
前記IPパケットの送信時に他の前記無線基地局へ、IPパケットの識別情報、あるいは、IPパケットの識別情報と送信先の移動体端末情報を送信する手段を具備する通信制御装置。 - 請求項5記載の通信制御装置において、
前記他の無線基地局から前記IPパケット情報が送信されてきた場合に、該当するIPパケットを蓄積IPパケットの中から削除する手段を具備する通信制御装置。 - 所定範囲の基地局網により接続された複数台の無線基地局と、前記無線基地局にアクセスする複数台の移動体端末で構成される無線通信システムにおいて、
ゲートウェイから送信されてくるIPパケットを受信して、これを時系列順で蓄積する手段と、
前記移動体端末が進入してきた場合に、この移動体端末向けのIPパケットを時系列順で前記移動体端末へ送信する手段と、
送信時に1つあるいは複数のIPパケットを送信したことを通知する情報を他の前記無線基地局に送信する手段と、
前記無線基地局からIPパケットを送信したことを通知する情報が送信されてきた場合に、蓄積IPパケットの中から最も古いものから、連絡されてきた個数分だけ削除する手段を具備する通信制御装置。 - 所定範囲の基地局網を持つ無線基地局にアクセスする複数台の移動体端末で構成される無線通信システムにおいて、
前記上位網から前記移動体端末へ送信されるIPパケットに対して、IPパケットの識別子を付与する手段と、
前記基地局網下の無線基地局に対してIPパケットとその識別子を関連付けて送信する手段を具備する無線通信システム。
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