JP2005005853A - 表面弾性波素子及びフィルタ - Google Patents

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Abstract

【課題】表面弾性波素子の他の特性が劣化することがなく、櫛歯状電極等のレイアウトの制約がなく、しかもスプリアスを確実に防止することが可能な表面弾性波素子を提供する。
【解決手段】少なくとも表面が圧電材料からなる基板と、基板の表面上に相互に対向して配置された一対の櫛歯電極4,5を少なくとも備えてなり、各櫛歯電極4,5には同一の一定周期で配列された相互に平行な複数の電極指4a…、5a…が備えられ、少なくとも一方の櫛歯電極の電極指の幅が、電極指の配列方向中心から両端に向かうに従って徐々に狭くなるように構成されていることを特徴とする表面弾性波素子1を採用する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、表面弾性波素子及びフィルタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
圧電体上に櫛歯状電極を形成させてなる表面弾性波素子は、小型で安定した性能を有するものが得られることからバンドパスフィルタ(BPF)等として利用されている。表面弾性波素子は、圧電体に櫛形電極により交流電界を印加することで励起される。最近では、通信の高周波化に伴ってGHz帯で利用できる表面弾性波素子が必要とされている。
【0003】
一般に、基板上に形成させた圧電体層を表面弾性波素子に使用する場合、基板材料の音速が圧電体の音速より大きいときには、伝播速度の異なる複数の表面弾性波(伝播速度の小さいほうから0次モード、1次モードなど)が励起される。このとき、圧電体及び櫛歯状電極の構成材料の組合せ、あるいは表面弾性波素子自体の構成によって、各モードの波の近傍に余計な波(スプリアス)が発生する場合がある。
【0004】
従来からスプリアスを防止するために様々な手段が提案されている。例えば、特許文献1には、櫛歯状電極の幅やピッチを変えることで、スプリアスの発生を防止した弾性表面波変換器が開示されている。
【0005】
【特許文献1】
特開平9−261001号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来から提案されている手段は、スプリアスを防止するには不十分であったり、表面弾性波素子の他の特性が大幅に劣化したり、櫛歯状電極や反射器のレイアウトの制約を受けたりするので、いずれも最良な手段とは言えない状況であった。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、表面弾性波素子の他の特性が劣化することがなく、櫛歯状電極等のレイアウトの制約がなく、しかもスプリアスを確実に防止することが可能な表面弾性波素子を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明は以下の構成を採用した。
本発明の表面弾性波素子は、少なくとも表面が圧電材料からなる基板と、該基板の表面上に相互に対向して配置された一対の櫛歯状電極を少なくとも備えてなり、前記各櫛歯状電極には同一の一定周期で配列された相互に平行な複数の電極指が備えられ、少なくとも一方の櫛歯状電極の電極指の幅が、電極指の配列方向中心から両端に向かうに従って徐々に狭くなるように構成されていることを特徴とする。
各電極指の幅は例えば、電極指ごとに0.005μmずつ狭くなるように構成すればよい。
【0009】
上記の表面弾性波素子によれば、電極指の配列方向中心から両端に向かうに従って電極指の幅を徐々に狭くすることにより、スプリアスの発生を防止することができる。
【0010】
また本発明の表面弾性波素子は、先に記載の表面弾性波素子であり、前記電極指の幅をWとし、該電極指同士の間隔をLとし、W/(W+L)をメタライズ比としたとき、前記櫛歯電極の中心部におけるメタライズ比を0.9以下とし、両端部におけるメタライズ比を0.1以上とし、中心部と両端部との間でメタライズ比を徐々に変化させるように構成させたことを特徴とする。
また、中心部におけるメタライズ比を0.7以下とし、両端部におけるメタライズ比を0.3以上とし、中心部と両端部との間でメタライズ比を徐々に変化させるようにしても良い。
メタライズ比は例えば、電極指毎に0.004ずつ変化するように構成すればよい。
【0011】
メタライズ比を上記の範囲に設定することで、スプリアスの発生を防止することができる。
【0012】
また本発明のフィルタは、先に記載の表面弾性波素子を備えたことを特徴とする。この構成により、通過帯域の帯域幅に変動のないフィルタを構成することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1に本実施形態の表面弾性波素子の平面図を示し、図2には図1のA−A線に対応する断面図を示す。また、図3に一方の櫛歯状電極の平面図を示し、図4には他方の櫛歯状電極の平面図を示す。なお、以下に示す表面弾性波素子及びフィルタは本発明の表面弾性波素子及びフィルタの一例を示すものであり、本発明は下記の各実施形態のみに限定されるものではない。
【0014】
図1及び図2示す表面弾性波素子1は、基板2上に圧電体層3が形成され、この圧電層3上に電気信号と表面弾性波との間の変換器として機能する一対の櫛歯状電極4,5が互いに対向するように配置されて構成されている。櫛歯状電極4,5が一体になってすだれ状電極変換器6(IDT)が構成されている。
【0015】
また、櫛歯状電極4,5の両側には、励起された表面弾性波を多重反射させて定在波を生じさせるグレーティング反射器7、7が形成されている。グレーティング反射器7、7は、櫛歯状電極4,5と同様に圧電体層3上に形成されている。更に表面弾性波素子1には、圧電体層3、櫛歯状電極4,5及びグレーティング反射器7、7を覆う保護層8が形成されている。
【0016】
基板2には、A面サファイア基板、R面サファイア基板、表面にダイヤモンド層を形成させた基板などを用いることができる。
【0017】
また、圧電体層3には、ZnO、ペロブスカイト型金属酸化物またはイルメナイト型金属酸化物などを用いることができる。圧電層3は、基板2上にスパッタリング法などによりエピタキシャル成長して形成される。
ペロブスカイト型金属酸化物としては、PbTiO,BaTiOを例示することができ、またイルメナイト型金属酸化物としてはLiNbO,LiTiO,KNbO等を例示できる。圧電体層3の厚みは0.3〜3.0μmの範囲が好ましい。
【0018】
また、保護層8には、酸化シリコン、窒化シリコン等を用いることができる。保護層8の厚みは0.05〜0.3μmの範囲が好ましい。
【0019】
図1及び図3に示すように、櫛歯状電極4は、複数の電極指4a…と、各電極指4a…を連結する連結部4bと、電極指4a…の突出方向と反対側に設けられた端子部4cとから構成されている。端子部4cは、連結部4bの長手方向のほぼ中央に設けられている。
【0020】
また、図1及び図4に示すように、櫛歯状電極5は、複数の帯状の電極指5a…と、各電極指5a…を連結する連結部5bと、電極指5a…の突出方向と反対側に設けられた端子部5cとから構成されている。端子部5cは、連結部5bの長手方向のほぼ中央に設けられている。
【0021】
そして、各電極指4a…、5a…同士が相互にかみ合わされることにより、櫛歯状電極4,5が一体化されてIDT6が構成されている。
【0022】
また、図3に示すように、櫛歯状電極4の帯状の電極指4a〜4aは、連結部4bの長手方向(図中左右方向)に沿って相互に平行に配置されている。また、各電極指4a〜4aは、同一の周期で配列されている。すなわち、各電極指4a〜4a同士の周期Pが一定にされている。尚、電極指の周期Pとは、例えば、隣接する電極指4a、4a同士の間隔であって、電極指4aの幅方向中心から隣接する電極指4aの幅方向中心までの距離である。
【0023】
また、電極指4a〜4aの幅W〜Wの寸法が、電極指の配列方向中心から両端に向かうに従って徐々に狭くなるように構成されている。すなわち、図3に示すように、連結部4bの長手方向のほぼ中央にある電極指4aの幅Wと、他の電極指の幅W〜W、W〜Wとの関係が、W>W(=W)>W(=W)>W(=W)>W(=W)となるように設定されている。電極指は例えば、0.005μmずつ減少するように構成すればよい。
【0024】
また、各電極指4a〜4aの間隔L〜Lは、電極指の配列方向中心から両端に向かうに従って徐々に狭くなるように構成されている。すなわち、図3に示すように、連結部4bの長手方向のほぼ中央にある電極指4aと、その両側にある電極指4a、4aとの間隔L、Lがほぼ同じであり、この間隔L、Lと、他の電極指同士の間隔L〜L、L〜Lとの関係が、L(=L)<L(=L)<L(=L)<L(=L)となるように設定されている。
【0025】
また、電極指4aの幅W及び電極指4a同士の間隔Lとから導出した関係式(W/(W+L))から得られる比率をメタライズ比としたとき、本実施形態態においては、櫛歯電極4の中心部におけるメタライズ比が0.9以下とし、両端部におけるメタライズ比が0.1以上であり、中心部と両端部との間でメタライズ比を徐々に変化させるように構成されている。
【0026】
すなわち、中心部にある電極指4aのメタライズ比はW/(W+L)またはW/(W+L)で表され、一端部にある電極指4aのメタライズ比はW/(W+L)で表され、他端部にある電極指4aのメタライズ比はW/(W+L)で表される。
そして、W/(W+L)またはW/(W+L)が0.9以下に設定され、W/(W+L)及びW/(W+L)が0.1以下に設定され、他の電極指のメタライズ比については0.1を越えて0.9未満の範囲で任意に設定されている。
【0027】
また、より好ましくは、中心部におけるメタライズ比を0.7以下とし、両端部におけるメタライズ比を0.3以上とし、中心部と両端部との間でメタライズ比を徐々に変化させるとよい。特に、電極指毎にメタライズ比を0.004ずつ変化させればよい。
【0028】
次に、図4に示すように、櫛歯状電極5の電極指5a〜5a10は、櫛歯状電極4の場合と同様に、連結部5bの長手方向(図中左右方向)に沿って相互に平行に配置されている。また、各電極指5a〜5a10は、同一の一定周期で配列されている。すなわち、各電極指5a〜5a10同士の周期Pが一定にされている。尚、電極指の周期Pとは、例えば、隣接する電極指5a、5a同士の間隔であって、電極指5aの幅方向中心から隣接する電極指5aの幅方向中心までの距離である。他の電極指についても同様である。
【0029】
また、電極指5a〜5a10の幅W11〜W20の寸法が、電極指の配列方向中心から両端に向かうに従って徐々に狭くなるように構成されている。すなわち、図4に示すように、連結部5bの長手方向のほぼ中央にある電極指5a、5aの幅W15、W16と、他の電極指の幅W11〜W14、W17〜W20の関係が、W15(=W16)>W14(=W17)>W13(=W18)>W12(=W19)>W11(=W20)となるように設定されている。
【0030】
また、各電極指5a〜5a10の間隔L11〜L19は、電極指の配列方向中心から両端に向かうに従って徐々に狭くなるように構成されている。すなわち、図4に示すように、連結部5bの長手方向のほぼ中央にある電極指5a、5aの間隔L15と、他の電極指同士の間隔L11〜L14、L16〜L19との関係が、L15<L14(=L16)<L13(=L17)<L12(=L18)<L11(=L19)となるように設定されている。
【0031】
また、櫛歯電極5の中心部におけるメタライズ比が0.9以下とし、両端部におけるメタライズ比が0.1以上であり、中心部と両端部との間でメタライズ比を徐々に変化させるように構成されている。
【0032】
すなわち、中心部にある電極指5a、5aのメタライズ比はそれぞれ、W15/(W15+L15)、W16/(W16+L15)で表され、一端部にある電極指5aのメタライズ比はW11/(W11+L11)で表され、他端部にある電極指5a10のメタライズ比はW20/(W20+L19)で表される。
そして、W15/(W15+L15)及びW16/(W16+L15)が0.9以下に設定され、W11/(W11+L11)及びW20/(W20+L19)が0.1以下に設定され、他の電極指のメタライズ比については0.1を越えて0.9未満の範囲で任意に設定されている。
【0033】
また、より好ましくは、中心部におけるメタライズ比を0.7以下とし、両端部におけるメタライズ比を0.3以上とし、中心部と両端部との間でメタライズ比を徐々に変化させるとよい。
【0034】
電極指のメタライズ比を上記の範囲に設定することにより、スプリアスの発生を防止することができる。
尚、上記の例では櫛歯状電極4、5の両方についてメタライズ比を中心から両端部に向けて変化するように構成したが、いずれか一方の櫛歯状電極のメタライズ比を一定にしたものであっても良い。
【0035】
櫛歯状電極4、5の材質は、例えば、Al、Cu、Ag、Au等の金属またはこれらの合金により構成される。また、櫛歯状電極4,5は材質の異なる層を積層した多層体であっても良い。また、櫛歯状電極4,5の厚みは0.05〜1.0μm程度がよい。
【0036】
図5には上記の表面弾性波素子1を複数個備えてなるラダー型フィルタ(フィルタ)の回路図を示す。図5に示すように、本実施形態のラダー型フィルタ11は、1端子対の表面弾性波素子1a、1a…(1…)を直列に接続し、これらの表面弾性波素子1a、1a間及び入出力側それぞれに同一構造の複数の1端子対の表面弾性波素子1b、1b…(1…)を並列に接続し、一方の端子12、123を入力(IN)側、他方の端子13、13を出力(OUT)側とした構成である。
【0037】
上記の表面弾性波素子1によれば、電極指4a…、5a…の配列方向中心から両端に向かうに従って電極指4a…、5a…の幅を徐々に狭くすることにより、スプリアスの発生を防止することができる。
また、上記のラダー型フィルタ11によれば、通過帯域の帯域幅に変動のないフィルタを構成することができる。
【0038】
【実施例】
(実施例1)
次に、本発明を実施例により更に詳細に説明する。
サファイア基板上のR面上に、厚さ0.84μmのZnO層(圧電体層)をスパッタリング法によって積層した。次に、厚みが0.005μmのTi膜、厚みが0.102μmのAl膜、厚みが0.005μmのTi膜を順次積層して積層膜を形成した。そして、積層膜にレジスト膜を形成するとともに該レジスト膜をパターニングした上で、フォトリソグラフィ法によって、積層膜を所定の形状にエッチングして一対の櫛歯状電極を形成した。更に、櫛歯状電極の両側にグレーティング反射器を形成し、保護層を積層することにより、図1、図2及び図4に示す実施例1の表面弾性波素子を製造した。
【0039】
尚、各櫛歯状電極の電極指の数をそれぞれ100本及び101本とし、各電極指の周期Pを2.8μmとした。また、櫛歯状電極の中央に形成した電極指の幅Wを0.98μmとし、メタライズ比を0.7とし、両端の電極指の電極幅Wを0.42μmとし、メタライズ比を0.3とし、中央から両端に向かうに従ってメタライズ比が徐々に小さくなるようにした。このようにして、実施例1の表面弾性波素子を製造した。
【0040】
実施例1の表面弾性波素子について、1次モードの表面弾性波のリアクタンスと周波数との関係(リアクタンス曲線)を調べた。結果を図6に示す。
【0041】
図6に示すように、実施例1の表面弾性波素子では、リアクタンス曲線に特に乱れがなく、スプリアスが発生していないことが分かる。
【0042】
(比較例1、2)
次に、各電極指の周期Pを2.8μmとし、全ての電極指の幅Wを0.7μmとし、メタライズ比を全て0.5としたこと以外は実施例1と同様にして比較例1の表面弾性波素子を製造した。
また、各電極指の周期Pを2.8μmとし、櫛歯状電極の中央に形成した電極指の幅Wを0.42μmとし、メタライズ比を0.3とし、両端の電極指の電極幅Wを0.98μmとし、メタライズ比を0.7とし、中央から両端に向かうに従ってメタライズ比が徐々に大きくなるようにしたこと以外は実施例1と同様にして比較例2の表面弾性波素子を製造した。
【0043】
比較例1及び2の表面弾性波素子について、1次モードの表面弾性波のリアクタンスと周波数との関係(リアクタンス曲線)を調べた。結果を図7及び図8に示す。
【0044】
図7に示すように、比較例1の表面弾性波素子については、周波数1.89GHz付近に小さなスプリアス(リアクタンス曲線の乱れ)が観察される。更に図8に示す比較例2の表面弾性波素子については、周波数1.88GHz〜1.89GHz付近に大きなスプリアス(リアクタンス曲線の乱れ)が観察される。このように、メタライズ比を一定にした場合及びメタライズ比を中心から両端に向けて大きくなるように設定した場合には、スプリアスが発生してしまうことが分かる。
【0045】
(実施例2、比較例3、4)
次に、各電極指の周期Pを2.8μmとし、櫛歯状電極の中央に形成した電極指の幅Wを0.78μmとし、メタライズ比を0.56とし、両端の電極指の電極幅Wを0.42μmとし、メタライズ比を0.3とし、中央から両端に向かうに従ってメタライズ比が徐々に小さくなるようにしたこと以外は実施例1と同様にして実施例2の表面弾性波素子を製造した。
また、各電極指の周期Pを2.8μmとし、櫛歯状電極の中央に形成した電極指の幅Wを0.42μmとし、メタライズ比を0.3とし、両端の電極指の電極幅Wを0.78μmとし、メタライズ比を0.56とし、中央から両端に向かうに従ってメタライズ比が徐々に大きくなるようにしたこと以外は実施例1と同様にして比較例3の表面弾性波素子を製造した。
更に、各電極指の周期Pを2.8μmとし、櫛歯状電極の中央に形成した電極指の幅Wを0.78μmとし、メタライズ比を0.56とし、両端の電極指の電極幅Wを0.98μmとし、メタライズ比を0.7とし、中央から両端に向かうに従ってメタライズ比が徐々に大きくなるようにしたこと以外は実施例1と同様にして比較例4の表面弾性波素子を製造した。
【0046】
実施例2、比較例3及び4の表面弾性波素子について、1次モードの表面弾性波のリアクタンスと周波数との関係(リアクタンス曲線)を調べた。結果を図9〜図11に示す。
【0047】
図9に示すように、実施例2の表面弾性波素子では、リアクタンス曲線に特に乱れがなく、スプリアスが発生していないことが分かる。
【0048】
一方、図10に示すように、比較例3の表面弾性波素子については、周波数1.89GHz付近に小さなスプリアス(リアクタンス曲線の乱れ)が観察される。更に図11に示す比較例4の表面弾性波素子については、周波数1.88GHz〜1.89GHz付近に大きなスプリアス(リアクタンス曲線の乱れ)が観察される。このように、メタライズ比を中心から両端に向けて大きくなるように設定した場合には、スプリアスが発生してしまうことが分かる。
【0049】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明の表面弾性波素子によれば、電極指の配列方向中心から両端に向かうに従って電極指の幅を徐々に狭くすることにより、スプリアスの発生を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態である表面弾性波素子の平面図。
【図2】図1のA−A線に対応する断面図。
【図3】図1に示した表面弾性波素子の要部を示す平面模式図。
【図4】図1に示した表面弾性波素子の要部を示す平面模式図。
【図5】図1に示した表面弾性波素子を備えたラダー型フィルタ。
【図6】実施例1の表面弾性波素子のリアクタンスと周波数との関係を示すグラフ。
【図7】比較例1の表面弾性波素子のリアクタンスと周波数との関係を示すグラフ。
【図8】比較例2の表面弾性波素子のリアクタンスと周波数との関係を示すグラフ。
【図9】実施例2の表面弾性波素子のリアクタンスと周波数との関係を示すグラフ。
【図10】比較例3の表面弾性波素子のリアクタンスと周波数との関係を示すグラフ。
【図11】比較例4の表面弾性波素子のリアクタンスと周波数との関係を示すグラフ。
【符号の説明】
1…表面弾性波素子、2…基板、4、5…櫛歯電極、4a〜4a、5a〜5a …電極指、11…ラダー型フィルタ(フィルタ)、L〜L、L11〜L19(L)…電極指同士の間隔、W〜W、W11〜W20(W)…電極指の幅

Claims (3)

  1. 少なくとも表面が圧電材料からなる基板と、該基板の表面上に相互に対向して配置された一対の櫛歯電極を少なくとも備えてなり、前記各櫛歯電極には同一の一定周期で配列された相互に平行な複数の電極指が備えられ、少なくとも一方の櫛歯電極の電極指の幅が、電極指の配列方向中心から両端に向かうに従って徐々に狭くなるように構成されていることを特徴とする表面弾性波素子。
  2. 前記電極指の幅をWとし、該電極指同士の間隔をLとし、W/(W+L)をメタライズ比としたとき、前記櫛歯電極の中心部におけるメタライズ比を0.9以下とし、両端部におけるメタライズ比を0.1以上とし、中心部と両端部との間でメタライズ比を徐々に変化させるように構成させたことを特徴とする請求項1に記載の表面弾性波素子。
  3. 請求項1または請求項2に記載の表面弾性波素子を備えたことを特徴とするフィルタ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006279874A (ja) * 2005-03-30 2006-10-12 Seiko Epson Corp 弾性波素子及び電子機器

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