JP2005003410A - 3次元曲面形状の測定装置及び測定方法 - Google Patents

3次元曲面形状の測定装置及び測定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】従来技術の有する高精度、ロバスト性、高速性あるいは絶対形状測定等の種々の特徴を組み合わせて実現できる3次元曲面形状の測定装置及び測定方法、および、簡便な較正が可能な測定方法を提供する
【解決手段】任意のパタンを投影することが可能なパタン投影手段7と、被測定物表面に投影された所定のパタンを投影方向とは異なる方向から撮影する撮像手段8と、撮影されたパタン投影画像を画像処理して前記被測定対象物の3次元曲面形状を演算する形状演算手段50とを備えた3次元曲面形状の測定装置。投影されるパタンは、1種類以上の種類のパタンであること、投影されるパタンのうち少なくとも1つの種類のパタンは1本以上のスリットからなるパタンであること、又は、スリットパタンは、スリットと直交する方向にシフトされたパタンが複数回投影されることを特徴とすることもできる。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、3次元曲面の形状を非接触で測定する方法及び装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
光を用いた非接触3次元形状計測技術は、かつて図9に示す「光切断法」(たとえば「画像処理ハンドブック(昭晃堂)pp.398−399参照」が主流であった。この方法は、図9に示すように、被測定物51に対して、スリット光源52からのスリット光53を照射した時に物体表面に形成される光ビームパタン(光切断線)が、これを照射方向と異なる方向から観察した時、被測定物体51のスリット光照射位置での断面形状に対応するという現象に着目した方式であり、その簡便性、非接触性及び定量性故に従来より広く用いられている方法である。
【0003】
しかしながら、この方式は、測定対象の反射率が一様ではない場合、光切断線の輝度も一様にならないため、光切断線自体を背景から抽出することが必ずしも容易でなかった。例えば、反射率の低い部分における光切断線を検出するためにスリット光を強くすると、反射率の高い部分でハレーションを起こし光切断線の分解能が落ちるという問題があった。
【0004】
そのため、測定精度が、測定対象の反射率ムラや大きな凹凸差の影響を受けやすく、さらには背景光下での測定が難しいなど所謂「ロバスト性」においても難があり、人体形状計測をはじめとする「測定のフレキシビリティ(いつでも,どこでも,何でも測定可能)」を要求される分野では、その適用に限界があった。
【0005】
これに対して、昭和60年代になって、所謂「空間コード化法」として知られる方式群が提案された。「空間コード化法」は、測定対象表面の各点毎に、まず投影される光の投光角度を求め、その角度から三角測量原理に基づいて形状を求める方式である。この方法は、形状再生にあたって、「光切断法」のように「光切断線」を抽出するプロセスが必要ないため、測定の「ロバスト性」の高い方式群である。
【0006】
なお、ここで言う「空間コード化法」は、上記の定義に該当する方法全般を指す広義の意味で用いている。そこで、狭義の意味で「空間コード化法」と称されることがある「2値コードパタン投影法」の他、以下に述べる「イメージエンコード法」も広義の「空間コード化法」として扱う。
【0007】
この方式群のひとつとして、特許文献1に開示される「イメージエンコード法」が考案されている。この方式の概念図を図10に示す。図10に示すように、基準面1上に置かれた被測定対象物2の表面に斜め上方から紙面に垂直方向に拡がったスリット光3aを投光し、このスリット光3aを例えば回転ミラー4を用いて紙面横方向に移動させながら、例えば被測定対象2直上よりテレビカメラ8で撮像する。
【0008】
この時、テレビカメラ8 に接続されたモニタテレビ8a上では、物体表面でのスリット光の線状の反射パタンが画面横方向に移動していく様子が観察される。前述のように、スリット光3aの反射パタンの描く曲線の形状は、物体表面の凹凸情報を反映しており、従来の光切断法においては、反射パタンの線形状を時々刻々抽出し、これを再構成することにより、被測定対象の3次元形状を測定していた。
【0009】
この方法においては、スリット光3aの線状の反射パタンが物体表面上を移動していく様子を写すテレビカメラ8から出力されるビデオ信号をもとにして、3次元形状を再構成する。まず、画面内の各画素毎に、その画素に対応する物体表面の位置をスリット光が通過した瞬間のスリット光投光角度をその画素の値とする画像を合成する。
【0010】
この方式の核となる画像処理装置である「イメージエンコーダ」の構成を図11に示す。図11で、画像合成回路13は、テレビカメラ8 より入力されるビデオ信号を処理して各画素毎に、最も明るくなった瞬間の輝度を演算する最大輝度画像演算部18と、各画素が時間的に最大の輝度をとる瞬間のスリット光投光角度θをその画素の値とする画像合成演算を行なう画像合成演算部19とから構成されており、これらの制御用として同期回路20、メモリアドレス発生回路21及び出力制御回路22を備えている。
【0011】
最大輝度演算部18は、最大輝度画像演算のバッファメモリである最大輝度画像メモリ23を中心として同期回路20より出力されるタイミング信号に基づいてビデオ信号をA/D変換しディジタル化するA/D変換回路24、メモリアドレス発生回路21より指定される最大輝度画像メモリのアドレスのデータの読出し、書込みを制御する最大輝度画像メモリ25、更に、テレビカメラから入力される画像と最大輝度メモリの画像の対応する画素の値を比較し、大きい方の値を選択出力する比較回路26及びスイッチ回路27より構成されている。
【0012】
一方、合成画像演算部19は、合成画像演算結果を格納する合成画像メモリ28を中心として構成されており、最大輝度画像演算部18の中の比較回路26の出力信号に基づいて、テレビカメラから入力される信号レベルがそれに対応する最大輝度画像メモリ23のアドレスの画素の値よりも大きかった時にそのスリット光投光角度θを合成画像メモリ28に書込む機能を有する合成画像メモリ制御回路29を備えている。
【0013】
この回路は、演算の開始のタイミングで、最大輝度画像メモリ13及び合成画像メモリ28が零にクリアされた状態からスタートし、テレビカメラから入力されるビデオ信号をA/D変換回路24を用いてディジタル化しながら、ビデオ信号の値と、その画素の位置に対応する最大輝度画像メモリ13の画素の値とを比較してビデオ信号の値のほうが大きい時にのみ最大輝度画像メモリ13のその画素の値をビデオ信号の値で更新すると同時に、合成画像の対応する画素にその時のスリット光投光角度θを書込む機能を有している。
【0014】
このようにして外部からの演算制御信号によって指示されている間、上記の演算が行なわれる結果、演算終了時に、合成画像メモリ28に、先に説明した所定の画像が生成されている。このようにして演算された合成画像は、出力制御回路22を介して、次の演算回路へと転送される。この技術により、測定の精度と信頼性(ロバスト性)とを兼ね備えた形状計測が実現された。
【0015】
また、測定時間の短縮を目的として、特許文献2に開示される「マルチスリット走査」を用いた「イメージエンコード法」が考案された。この方式は、図12に示すように、基準面1上に置かれた被測定対象2の表面に斜め上方から紙面に垂直方向に拡がりかつ同一直線上で交わるような複数のスリット光3aを投光し、このスリット光を例えば回転ミラー4を用いて紙面横方向に移動させながら、例えば被測定対象2の真上よりテレビカメラ8で撮像する。
【0016】
この時、テレビカメラ8に接続されたモニタテレビ8a上では、被測定対象の表面上で、複数のスリット光の反射パタンが移動していく様子が観察される。そして、このテレビカメラ8から出力されるビデオ信号をもとにして、画面内の各画素毎に、その画素に対応する物体表面の位置をスリット光が通過した瞬間について、その時のスリット光走査角度をその画素の値とする画像を合成する。
【0017】
このようにこの従来技術は、スリットを複数本化することによって走査角度の限定を可能とし、測定時間を圧縮するようにしたものである。
【0018】
これに対して、同じ「空間コード化法」として分類される形状計測方式に、特許文献3に開示される「2値コードパタン投影法」が知られている。この方式は図14に示すように、測定対象表面に投光角度と対応付けてコード化された2値ストライプパタンを投影し、これをテレビカメラで撮影した画像を処理しコードを解読することにより、対象表面の各場所での投光角度を求めて、三角測量原理により形状を求める方式である。
【0019】
【特許文献1】
特公平6−25655号公報
【特許文献2】
特開平7−260443号公報
【特許文献3】
特開昭64−54208号公報
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
従来技術のうち「光切断法」は、簡便ではあるが、先にも述べたように、測定精度が測定対象の反射率ムラや大きな凹凸差の影響を受けやすく、さらには背景光下での測定が難しいなど所謂「ロバスト性」において難があるという問題があった。
【0021】
一方、特許文献1記載の「イメージエンコード法」は、「高精度」「絶対形状計測」「ロバスト性」という特長を有する方式であるが、一般に測定時間が長いという問題がある。そこで、応答性の要求されるFA用途や、長時間の静止に耐えない人体形状計測用途に対しては、より高速の形状計測法が求められていた。
【0022】
特許文献2記載の技術「マルチスリットイメージエンコード法」は、図13に示すように、測定時間を圧縮するようにしたものであるが、その代償として、スリットピッチ単位の「形状の折り返し」の「不確定性」を生じる。そのため、「高精度」「ロバスト性」という特長は踏襲しているものの、「絶対形状計測」という視点で見ると、逆に制約を生ずることとなった。すなわち、比較的平坦な形状ではスリット走査領域の間の形状の接続により実用上問題ない測定結果が得られるものの、段差のあるような形状では、原理的に隣接するスリットとの区別がつかなくなり形状再生が不可能となる場合があるという問題があった。
【0023】
特許文献3記載の技術「2値コードパタン投影法」は、広義の「空間コード化法」に属し、「ロバスト性」を本質的に有しているとともに、高速計測に配慮して構成された方式であり、「高速性」もまた本質的に満足している。さらに、測定対象表面上の各点の照明投光角度を「絶対値」としてコード化できることから、「マルチスリットイメージエンコード法」にはない「絶対値計測」という利点を有する。しかし、ストライプ幅が狭くなってくると、テレビカメラで撮影したときに、カメラ分解能以下のピッチのストライプが相互に分離できなくなるという分解能限界があり「測定精度」は期待できないという問題があった。
【0024】
以上述べたように、従来技術には、本来形状計測方式が有しているべき「高速性」「高精度」「絶対値測定」「ロバスト性」などの条件を全て満足する方式はなく、それぞれ一長一短があるというのが現状であった。
【0025】
さらに、こうした「三角測量原理」に基づく形状計測装置の光学系の調整にあたっては、その「較正作業の簡素化」が従来より共通の課題として残されていた。
【0026】
三角測量原理に基づく形状計測方法では、投光手段と対象基準面との相対的な位置関係(例:基準面と投光手段光軸とのなす角度,基準面中心と投光手段との距離)が形状再生演算の精度を決める重要なパラメータとなる。さらに、投光手段の、理想的な光学系からのズレ(例:スリット投影の場合のスリットの歪み・平行度・捩れ,パタン投影時のレンズ収差によるパタンの歪み・捩れ)が測定誤差の要因となる。
【0027】
形状計測装置の光学系の「較正」作業は、これらの形状測定の「擾乱要因」を極力排除した上で、投光手段と対象基準面との位置パラメータを特定するとともに、排除し切れなかった「擾乱要因」(例:レンズ収差)の補正パラメータを決定する作業である。この作業は一般に、位置や姿勢の異なる複数枚の基準面(個々の基準面の形状や、基準面間の相対的な位置や姿勢は、予め別の手段により測定)の形状計測装置による「仮の測定結果(完全に調整されていないパラメータで測定された結果)」を基にして、投光手段の位置や姿勢さらには位置パラメータ・補正パラメータを「カットアンドトライ」で追い込んでいく作業であり,極めて「手間」のかかることから、その「簡素化」「簡便化」が求められていた。
【0028】
本発明は、「光切断法」、「(マルチスリット)イメージエンコード法」、「2値コードパタン投影法」、その他の従来技術の有する上記の問題点に鑑みてなされたものであり、これら個々の技術の問題点を解決することを目的としている。それと同時に、従来技術の利点である「高精度」「ロバスト性」「高速性」あるいは「絶対形状測定」等の種々の特徴については、状況に応じてそれらを組み合わせて実現することを可能とする3次元曲面形状の測定装置及び測定方法を提供するものである。
【0029】
また、本発明は「簡便な較正」を実現することを可能とする3次元曲面形状の測定装置および測定方法を提供するものである。
【0030】
【課題を解決するための手段】
まず、従来技術の「方式」としての問題の解決方法として、これらの方式の「複合」「融合」による解決方法が考えられる。それぞれの方式をうまく組み合わせることにより、それぞれの方式の「利点」のみを引き出し、欠点を隠すことが可能とある。例えば、「マルチスリットイメージエンコード法」と「2値パタン投影法」とを組み合わせれば、それぞれの利点の融合により「高速」「高精度」「ロバスト」「絶対値」計測を実現することができる。
【0031】
一方、従来技術のもうひとつの問題点である「較正作業簡素化」の解決方法として、投光パタン(投光手段上のパタン)の各位置と投影パタン(対象基準面上のパタン)の各位置との「1:1完全対応」がつけば、「自動較正」が可能になる。
【0032】
これらの「方式複合」と「自動較正」とは、次の発明により解決される。その発明は、被測定物表面に任意のパタンを投影することが可能なパタン投影手段と、被測定物表面に投影された所定のパタンを投影方向とは異なる方向から撮影する撮像手段と、撮影されたパタン投影画像を画像処理して前記被測定対象物の3次元曲面形状を演算する形状演算手段とを備えたことを特徴とする3次元曲面形状の測定装置である。
【0033】
ここで、任意のパタンというのは、単なる線状あるいは帯状のパタンのような1次元的にのみ変化するパタンだけではなく、2次元的なパタンを含むパタンである。なお、線状あるいは帯状のパタンであっても、その線または帯に沿って光量を変化させたパタンは2次元的なパタンであり、従来技術の(1次元的にのみ変化する)パタンとは異なり、本発明の任意のパタンと言うことができる。
【0034】
このように、2次元的に光量を変化させることにより、被測定物表面の輝度を一様とすることができる。その結果、従来技術における投影パタンの輝度の不均一による測定上の問題を解決し、「ロバスト性」を確保することができる。
【0035】
また、この発明においては、パタン投影手段から投影されるパタンは、1種類以上の種類のパタンであることを特徴とする3次元曲面形状の測定装置とすることもできる。
【0036】
この発明では、種々のパタンを投影することにより、複数の3次元曲面形状の測定手法の中から、被測定物の表面状態、形状の複雑さ、測定時間の制限等、状況に応じて適切な手法を組み合わせて活用することができる。その結果、個々の手法の問題点を相互に補償することが可能となる。 投影するパタンとしては、スリットパタン等の1種類のパタンでもよいが、複数の種類のパタンを自由に組み合わせて投影することができる。
【0037】
例えば、2種類のパタンとして、被測定物表面の全体の概略形状を測定するためのパタンと、各部分それぞれの精密形状を測定するためのパタンを用いて、全体概略形状と部分精密形状を合成すれば、被測定物表面の全体の精密形状を得ることができる。この場合、全体概略形状を測定するためのパタンとしては、コードパタン等を投影し、部分精密形状を測定するためのパタンとしては、所定の空間周期で繰り返されるパタン(マルチスリットパタンその他)を投影する。
【0038】
画像処理としては、全体概略形状については例えば「2値コードパタン投影法」、部分精密形状については「マルチスリットエンコード法」等の手法を用いることができる。その他、被測定物表面の反射率が一様である場合は、投影光線の強度を数段階としたパタンを用いて、撮像される画像の情報量を増加させることもできる。このような投影パタンの輝度の多値化により投影回数を減らし、測定時間の短縮を図ることもできる。
【0039】
これらの発明では更に、パタン投影手段から投影されるパタンのうち少なくとも1つの種類のパタンは1本以上のスリットからなるパタンであることを特徴とする3次元曲面形状の測定装置とすることもできる。
【0040】
この発明は、プロジェクタから被測定対象物表面に1本のスリット光(シングルスリット光)または複数のスリット光(マルチスリット光)からなるスリットパタンを投影し、これらの投影パタンを投影方向とは異なる方向からカメラで撮影して、個々の投影パタンに対応する画像を得る。この発明では、パタン投影手段をプロジェクタとすることにより、スリット本数あるいはスリット幅をコンピュータにより制御することができる。これは、プロジェクタとして液晶プロジェクタ等を用いることにより、容易に実施することができる。
【0041】
また、この発明では、スリットパタンの投影にプロジェクタを用いることにより、スリットの光量を投影箇所により調節すれば、被測定物表面におけるスリットパタンの輝度を均一化できる。これは、例えば、プロジェクタ全面から光を投影して、被測定物をモニタ等で観察し、被測定物表面の輝度が一様となるよう、プロジェクタの各部の光量を調節することにより達成される。
【0042】
この場合、被測定物表面の輝度は、完全に一様とする必要はなく、例えば所定の閾値より十分高くなっていればよい。一般には、撮像手段に対して斜面となる部分(例えば被測定物の周辺部)でスリットパタンの輝度が低下するので、これらの部分に投影される光量を高く設定すればよい。これは画像処理におけるグラデーション調整用のインタフェース画面を適用すれば、マウス操作等により実施可能である。このように、この発明ではプロジェクタを用いてスリットパタンを投影することにより、光切断線自体を背景から抽出することが容易となる。
【0043】
これらの投影画像から、投影手段、撮像手段、および被測定物表面の幾何学的関係に基づき、被測定物表面の3次元的位置(基準面からの高さ等)を算出する。この内、投影手段と被測定物表面を結ぶ直線はスリット面(スリット光からなる平面)に含まれる。スリット面と入射光線との交点が、被測定物表面の位置であるから、測定対象表面の3次元的位置の測定は、原理的には直線と平面の交点を求める問題に帰着する。
【0044】
撮像手段に入射した光線(入射光線)は撮像手段の素子のアドレスで特定され、スリット面は投影手段のスリットパタン内での相対位置により特定される。従って、スリット面および入射光線は、これらの幾何学的配置をパラメータとする直線および平面の式で表すことができる。これら線および平面の交点は、両者の式を連立方程式として解くことにより決定できる。
【0045】
次に、また上記の発明において、スリットパタンは、スリット方向と直交する方向にシフトされたパタンが、複数回投影されることを特徴とする3次元曲面形状の測定装置とすることができる。
【0046】
この発明は、被測定対象物表面にスリットパタンをシフトしながら複数回投影する。スリットパタンのシフトは、順次行ってもランダムに行ってもよく、シングルスリットの場合はスリット投影領域全体、マルチスリット光の場合は隣接スリットとの間の領域、又はそれ以上の(境界付近を重複させた)領域をカバーするものであればよい。
【0047】
以上の発明において更に、形状演算手段は、スリットパタン画像から、スリットパタンに対応する画素の位置を求め、スリットのスリットパタン内での相対位置、プロジェクタ、および撮像手段の間の幾何学的関係から、各スリットに対応する被測定物表面の位置を演算処理により算出し、前記被測定物表面の形状を求めることを特徴とする3次元曲面形状の測定装置とすることもできる。
【0048】
この発明は、形状演算の原理としては従来の「光切断法」と同様の手法であるが、前述のように本発明ではスリットの光量を投影箇所により調節できるので、被測定物表面におけるスリットパタンの輝度を均一化できる。その結果、従来技術における光切断線の検出が困難な場合でも、光切断線の検出が可能となる。
【0049】
この発明とは別の形状演算手段を用いる発明として、スリットパタン画像からの形状演算は、各画素ごとに各画素が最大輝度を示したスリットパタンを選択し、そのスリットパタン内のスリットの相対位置をその画素に対応するスリット相対位置として格納するスリット相対位置メモリと、プロジェクタ、各画素に対応するスリット位置、および撮像手段の間の幾何学的関係から、各画素に対応する被測定物表面の位置を演算処理により算出し、前記被測定物表面の形状を求めることを特徴とする3次元曲面形状の測定装置とすることもできる。
【0050】
この発明では、スリットが投影された位置を画素の位置から求めるのではなく、個々の画素についてスリットパタンの投影中に最も輝度が高くなった時のスリットパタンを選択し、スリットパタン内でのスリットの相対位置をその画素に対応するスリット相対位置とする。スリット相対位置としては、基準面上のスリット投影位置としてもよいが、スリットパタン内でスリットが何番目であるかを示すスリット番号を用いればよい。
【0051】
従来技術のようにミラーの回転角等との同期が不要となると共に、撮影と同時にスリットパタンの投光角度の演算を実行する必要がなくなるので、撮影時間の短縮が可能となる。
【0052】
その他、以上の発明においては、パタン投影手段を複数有することを特徴とする3次元曲面形状の測定装置、撮像手段を複数有することを特徴とする3次元曲面形状の測定装置、あるいは、投影・撮像手段として不可視光を用いることを特徴とする3次元曲面形状の測定装置とすることもできる。
【0053】
また、この装置を用いた3次元曲面形状の測定方法の発明は次のようになる。それは、コンピュータに接続されたプロジェクタを用いて、被測定対象物表面に1本以上のスリット光からなるスリットパタンを、スリットと直交する方向にシフトして複数回投影すると共に、
被測定物表面に投影される光パタンを投影方向とは異なる方向から撮影し、
撮影された複数枚のスリットパタンの画像の中から、各画素ごとに最大輝度を示したスリットパタンについて、スリットパタン内でのスリットの相対位置を、その画素に対応するスリット相対位置としてスリット相対位置メモリに格納し、
各画素に対応するスリット相対位置、パタン投影手段、および撮像手段の幾何学的関係から、演算処理により被測定物の形状を算出することを特徴とする3次元曲面形状の測定方法である。
【0054】
この発明においては、コンピュータに接続されたプロジェクタを用いて、まず被測定対象物表面にスリットパタンをシフトして投影する。その際、これらの投影パタンを、投影方向とは異なる方向からカメラで撮影して、個々の投影パタンに対応する画像を得る。投影画像については、各画素ごとにその画素が最大輝度を示したスリットパタンにおけるスリットの相対位置を、その画素に対応するスリット相対位置とする。
【0055】
一般にスリット光の投影はレーザを用いて行われる。本発明では、コンピュータに接続されたプロジェクタを採用する。コンピュータに接続されたプロジェクタは、コンピュータプログラムによって自由にパタンを切り替えることが出来、さらにはその切替速度も近年の技術の進展の中で、テレビカメラの走査速度を上回るようになってきている。
【0056】
コンピュータに接続されたプロジェクタを用いることにより、スリット光走査についても、画面上に、数走査線分のラインを逐次表示し、表示位置をシフトすることによって、複数のスリットからなるパタンを容易に実現することが出来る。
【0057】
また、投影パタンをデジタル式のプロジェクタで投影すれば、パタン自体を配列データ(i行j列)として扱うことができるので、パタンの投光角度等の演算処理が容易となる。更に、パタンの較正等も容易となり、また測定対象(分解能)に応じてスリット間隔、スリット幅等、パタンそのものを調整することも、投影手段の機械的設定や調整を行うことなく、配列データを変更するだけで容易にできる。
【0058】
またこの発明あるいは前述の測定装置を用いた3次元曲面形状の測定方法において更に、投影手段としてコンピュータに接続されたプロジェクタを用いて、その投影手段から位置合せ用の1枚以上のパタンを任意の参照平面に投影し、参照平面に投影された投影パタンをその投影方向とは異なる方向から撮像手段で撮影し、投影パタンの映像を表示させることにより、投影手段および撮像手段の位置関係を調節することを特徴とする3次元曲面形状の測定方法とすることもできる。
【0059】
同様に、投影手段としてコンピュータに接続されたプロジェクタを用いて、その投影手段から較正用の1枚以上のパタンを任意の参照平面に投影し、参照平面に投影された投影パタンをその投影方向とは異なる方向から撮像手段で撮影し、投影パタンの映像から、投影手段および撮像手段の位置関係を演算処理により確定し、その位置関係のデータを用いて被測定物の表面形状を算出することを特徴とする3次元曲面形状の測定方法とすることもできる。
【0060】
これらの発明では、それぞれ、コンピュータに接続されたプロジェクタを用いることにより、装置調整用あるいはデータ較正(calibration)用のパタンを、基準面等に投影することができる。その結果、投影されたデータに基づき、装置の手動あるいは自動調節を行うことが可能となる。
【0061】
また、データ較正用のパタンを撮像手段で取り込み、基準面自体の形状を形状演算手段で演算処理することにより、投影手段のパタンの歪みを算定することができる。また、装置の幾何学的配置を画像解析の演算処理と同様の処理により逆算すること、あるいは被測定物表面の輝度を補正するための補正係数を算出すること等が可能となる。
【0062】
以上のように、この発明では、目的に応じて種々のパタンを投影し、撮影した画像を演算処理することにより、「高精度」「ロバスト性」「高速性」あるいは「絶対形状測定」等の種々の技術的要請を実現することが可能となる。さらに、形状計測装置の光学系の「自動較正」を可能とする。
【0063】
【発明の実施の形態】
図1に、本発明の1構成例を示す。プロジェクタはコンピュータに接続され、測定対象表面に、コンピュータで生成されるパタンを投影できるよう配置されている。カメラはプロジェクタの投影方向とは異なる方向から、測定対象表面を観察するよう配置されており、撮影画像はデジタル化されてコンピュータ内に取り込まれる。
【0064】
なお、プロジェクタおよびカメラについては、前者は液晶やDLP(Digital Light Processing)、後者はCCD素子等を用いた機器により容易に実現できる。なお、DLPプロジェクタは、微少な鏡面DMD(Digital Micromirror Device)の反射角度制御により投影を行うもので、投影パタンの高速制御が可能となる。
【0065】
これらの素子の画素数は、目的とする測定精度に応じて適宜選択することができる。例えば、プロジェクタは1024×768、カメラは600×480等とすれば、出願時における通常の目的には十分である。また、双方の精度のバランスの観点からは、カメラの画素数に対してプロジェクタの画素数を縦横それぞれ1〜2倍程度とすればよい。
【0066】
図2は、本発明の装置の演算処理システムの構成例を示すブロック図である。演算処理システムはコンピュータにより実現され、パタン投影ブロック30、画像入力ブロック40、形状演算ブロック50、およびシーケンス制御手段90を備えている。ここで、シーケンス制御手段90は、これらのブロックと投影手段(プロジェクタ)7、撮像手段(カメラ)8を、所定のシーケンスで動作させるとると共に、これらの間の同期をとる。以下、各ブロックについて説明する。
【0067】
パタン投影ブロック30においては、スリットパターン(シーケンス)発生回路31aで所定のスリット間隔およびスリット幅のスリットパターンを生成し、更にスリット位置をシフトした複数のスリットパターンを生成する。
【0068】
これらのスリットパターンは、それぞれ所定の順序でメモリ等に格納しておき、投影手段7に出力される。なお、以上の一連の演算処理は、パタン投影制御回路39の制御により実行される。
【0069】
投影手段(プロジェクタ)7より被測定対象に投影された各種パタンは、撮像手段(カメラ)8で撮像され、得られた画像信号は随時画像入力ブロック40に画像信号として入力される。
【0070】
画像入力ブロック40では、画像信号を必要に応じてデータ変換し、画像メモに格納する。まずカメラ入力回路41でカメラからの画像入力(信号)を、画像入力ブロック40内で処理可能なデータ形式(画像データ)に変換する。次いで、画像データを画像メモリ43に転送する。
【0071】
スリットパタン用のシーケンス画像メモリ43は、これらの画像データを投影パタンの投影順序のデータ(識別ID)48と共に格納する。なお、以上の一連の演算処理は、画像入力制御回路49の制御により実行される。
【0072】
形状演算ブロック50では、これら各画像メモリ43に格納された一連の画像データを用いて、被測定物表面の形状を演算処理により求める。スリット投光角度画像合成回路51では、スリットパタン画像メモリ43より画像データ(スリット画像データ)を読み出し、個々の画素に対してスリットが投影された時のスリットパタン識別IDを求める。スリットパタン識別IDより、スリットの投影位置を算出する。
【0073】
得られたスリットの投影位置を用いて、精密部分形状演算回路52では、幾何学的関係(スリット面と入射光線の交点)を演算処理により算出し、被測定物表面の形状を得る。これにより、隣接スリット間隔を幅とする個々の帯状領域(最小幅のストライプパタンに対応)について、精密な(投影手段の分解能相当の)部分形状が得られる。
【0074】
精密全体形状演算回路53では、これらの精密部分形状演算回路52により得られた精密な部分形状を順次接続して、精密な全体の形状を合成する。得られた形状は形状画像メモリ54に格納し、必要に応じてモニタ表示等の出力を行う。なお、以上の一連の演算処理は、形状演算制御回路59の制御により実行される。
【0075】
以上に示した演算処理システムの例では、コンピュータの個々の処理を各種の回路やメモリにより表現しているが、これら個々の処理はハードウェアあるいはソフトウェアのいずれで構成してもよい。ソフトウェアで構成する場合は、ハードウェアによる場合よりも演算処理速度は低いが、画素数等が特に高くない限り、実用上は十分短時間で処理可能である。
【0076】
図3にパタン投影・画像入力手順を示す。測定にあたっては、マルチスリットパタン投影が行われる。マルチスリットパタン投影は、先にも述べたように、マルチスリットパタンをスリットと直交する方向(この図では上下方向)にシフトしながら、プロジェクタに表示・投影することにより実現される。
【0077】
図3 に示す一連のマルチスリットパタン画像については、各画素ごとの最大輝度となるスリット相対位置(例えば0〜15)を、明度に変換して表示したものである。
【0078】
ここで、スリットと直交する方向にスリット相対位置を「尺取り」方式で接続していけば、全体のスリット位置情報が得られる。対象形状に「不連続」(大きな段差)がある場合等、スリット位置情報が複数のスリットの内どのスリットによるものであるか不確定となる場合は、スリット間隔を大きくすることにより、複数のスリット間の不確定を除去できる。
【0079】
さらに、上記の便法によってもまだ「形状不確定性」が残る対象に対しては、全く同じ光学系を用いて、例えば「2値コードパタン投影」法を併用し常に「絶対形状」が求まるよう構成することもできる。
【0080】
なお、被測定物表面の反射率が一様である場合は、スリット間隔を拡げる代わりに、スリットパタンの光量を多値化することにより、隣接するスリットを識別することもできる。これにより、スリットパタンの投影回数の増加、即ち測定時間の増加を回避することもできる。
【0081】
投光角度3が得られれば、あらかじめ判っているプロジェクタ、測定対象、およびカメラの相対的な位置からなる幾何学的配置に基づいて、形状画像(各画素の値が、その画素に対応する測定対象上の凹凸量を表す画像)を容易に求めることが出来る。図4に、このようして得られた一連の2値コードパタン画像およびマルチスリットパタン画像から、形状を演算・再生する手順の例を示す。
【0082】
この例では、パタン投影手段は1式で構成する例を示したが、測定の「死角」をなくすために、複数方向からパタン投影し、得られる形状を合成して「死角」の少ない形状を得ることは、容易に可能である。図5は、パタン投影手段として複数のプロジェクタ(▲1▼、▲2▼)7を設けた装置構成例を示す図である。
【0083】
この例では、パタン投影ブロック(▲1▼、▲2▼)30で前述と同様、スリットパタンを生成し、2台のプロジェクタ▲1▼、▲2▼(投影手段▲1▼、▲2▼)7で所定のシーケンスでパタンを投影する。カメラ8で得られた画像信号は、画像入力ブロック40で画像データに変換される。
【0084】
形状演算ブロック(▲1▼、▲2▼)50では、それぞれ前述と同様に部分形状を演算処理により算出し、部分形状を合成して、それぞれの画像データ▲1▼、▲2▼に基づく精密全体形状(▲1▼、▲2▼)を算出する。形状合成ブロック60では、得られた精密全体形状▲1▼、▲2▼について、両者の死角となっている部分を互いに他方の形状で補い、「死角」の少ない形状を得る。
【0085】
これらの例では、撮像手段は1式で構成する例を示したが、測定の「死角」をなくすために、複数方向から撮像し、得られる形状を合成して「死角」の少ない形状を得ることは、容易に可能である。図6は、撮像手段として複数のカメラ(▲1▼、▲2▼)8を設けた装置構成例を示す図である。
【0086】
この例では、パタン投影ブロック30で前述と同様、スリットパタンを生成し、プロジェクタ(投影手段)7でそれぞれのパタンを投影する。カメラ(▲1▼、▲2▼)8で得られた画像信号は、画像入力ブロック(▲1▼、▲2▼)40で画像データ(▲1▼、▲2▼)に変換される。
【0087】
形状演算ブロック(▲1▼、▲2▼)50では、それぞれ前述と同様に部分形状を演算処理により算出し、部分形状を合成して、それぞれの画像データ▲1▼、▲2▼に基づく精密全体形状(▲1▼、▲2▼)を算出する。形状合成ブロック60では、得られた精密全体形状▲1▼、▲2▼について、両者の死角となっている部分を互いに他方の形状で補い、「死角」の少ない形状を得る。
【0088】
この発明では、投影手段としてプロジェクタを用いるので、位置合せが容易となる。例えば、投影手段から位置合せ用パターンを投影し、それを撮像手段でモニタ等に表示する。モニタ等に表示された位置合せ用パターンを見ながら、投影手段、撮像手段の調整位置調整用ネジ等を回して、個々の位置や見込角の調整を行う。
【0089】
また、パターン投影による演算処理手段の較正(calibration)を行うこともできる。これは、投影手段から較正用パターンを投影し、それを撮像手段で撮像して較正用パターンの取込みを行う。例えば、基準面上でのスリットkの位置x=s(k)をこの方法で求めることにより、装置の幾何学的配置を較正することが可能となる。
【0090】
図7に示すように、投影手段のパタン表示素子(i,j)を基準面に投影した場合について考える。ここで、基準面は簡単のため撮像手段8の中心線に垂直とする。
【0091】
図8に、基準面上の投影パタンを示す。投影歪みがない場合は図(a)〜(c)に示すように、投影パタンは直線で構成されている。図(a)(b)に示すように、スリットパタンを縦方向(a)および横方向(b)に走査させ、演算処理手段で画像処理を行う。このようにして、素子(i,j)とその基準面上での投影位置(c)を一対一で対応させることができる。
【0092】
また、基準面に対するパタンの対称性、平行度についても、投影手段の軸周りの角度φの調節により、容易に設定することができる。なお、従来のようにスリットパタンのみ投影可能な投影手段では、縦走査(a)と横走査(b)を行うには、投影手段を90度回転させる必要があったが、本発明では投影手段を固定したまま、縦横2方向のスリットパタンを投影することができる。
【0093】
また、図8(d)〜(f)は、レンズに収差があった場合の表示素子(i,j)の投影パタンを示す。この場合は、従来のようにスリットパタンのみ投影可能な投影手段では、やはり投影手段を90度回転させて縦走査(d)と横走査(e)を行う必要があったが、本発明では投影手段を固定したまま、縦横2方向のスリットパタンを投影することができる。このようにして表示素子(i,j)の基準面上での投影位置が対応づけられ、投影パタンからどのような収差があるか容易に判定することができる。更に、この収差による表示素子(i,j)のズレを撮像手段で計測して、補正用データδ(i,j)として蓄積しておけば、さらに形状測定の精度を向上させることができる。
【0094】
なお本構成は、飽くまでも本発明の一実施例を示したものであり、以下のような構成のバリエーションは容易に考えることが出来ると共に実施可能である。
【0095】
(1) この例では、「任意のパタン」として「マルチスリット」を投影する例を示したが、パタンは「単一スリット」「2値コードパタン」ほか任意のパタンあるいはその組み合わせであってもよい。
【0096】
(2) この例では、「較正用のパタン」として「マルチスリット」を投影する例を示したが、パタンは「単一スリット」「2値コードパタン」ほか任意のパタンあるいはその組み合わせであってもよい。
【0097】
(3) この例では、投影パタンの方向は「横方向」の場合を示したが、この方向は「縦方向」でも斜め方向でも、任意の方向で構わない。
【0098】
(4) この例では、パタン投影制御用のコンピュータと画像入力制御用のコンピュータと形状演算用のコンピュータを1台のコンピュータで実施する例を示したが、これを複数のコンピュータ、さらにはネットワーク上のコンピュータで実現することは、容易に可能である。
【0099】
(5) 特に「セキュリティ分野」のように、被測定者に、測定していることを「気づかせない」ために、赤外光のような不可視光を投影・撮像して形状を測定するように構成することも容易に可能である。これは美容分野等のように、測定を意識させずに被測定者の自然な表情を得る場合にも応用可能である。
【0100】
【発明の効果】
本発明は、任意のパタンを投影可能な投影手段を用いて、種々のパタンを投影することにより、従来技術の問題点を解決することを可能としている。その結果、技術的要請に応じて適切な手法を組み合わせて活用することにより、「高精度」「高速」「ロバスト」な「絶対形状」計測を、「コンパクト」な光学系の構成で実現することが可能となる。さらに、光学系の簡便な「自動較正」を可能とする。
【図面の簡単な説明】
【図1】発明の構成を示す図。
【図2】制御システム構成例を示すブロック図。
【図3】形状演算手順を示す図。
【図4】形状演算例を示す図。
【図5】複数の投影手段を用いた構成例を示す図。
【図6】複数の撮像手段を用いた構成例を示す図。
【図7】投影手段のパタン表示素子(i,j)と投影パタンの幾何学的関係を示す図。
【図8】パタン表示素子(i,j)の基準面上への投影位置を示す図。
【図9】光切断法の構成を示す図。
【図10】イメージエンコード法の構成を示す図。
【図11】イメージエンコーダの構成を示す図。
【図12】マルチスリットイメージエンコード法の構成を示す図。
【図13】マルチスリットイメージエンコード法の課題を示す図。
【図14】2値パタン投影法の構成と課題を示す図。
【符号の説明】
1 基準面
2 被測定対象物
3a スリット光
4 回転ミラー
7 投影手段
8 テレビカメラ
8a モニタテレビ
13 画像合成回路
18 最大輝度画像演算部
19 画像合成演算部
20 同期回路
21 メモリアドレス発生回路
22 出力制御回路
23 最大輝度画像メモリ
25 最大輝度画像メモリ制御回路
26 比較回路
27 スイッチ回路
28 合成画像メモリ
30 パタン投影ブロック
31 パターン(シーケンス)発生回路
32 プロジェクタ出力切替回路
39 パタン投影制御回路
40 画像入力ブロック
41 カメラ入力回路
42 画像メモリ切替回路
43 画像メモリ
49 画像入力制御回路
50 形状演算ブロック
51 角度画像合成回路
52 精密部分形状演算回路
53 精密全体形状演算回路
54 形状画像メモリ
59 形状演算制御回路
60 形状合成ブロック
90 シーケンス制御手段
θ スリット光投光角度(従来技術:基準面となす角度、本発明:
その法線となす角度)
Ξ 投影手段の中心線と基準面のなす角度
Z 基準面からの高さ

Claims (12)

  1. 被測定物表面に任意のパタンを投影することが可能なパタン投影手段と、被測定物表面に投影された所定のパタンを投影方向とは異なる方向から撮影する撮像手段と、撮影されたパタン投影画像を画像処理して前記被測定対象物の3次元曲面形状を演算する形状演算手段とを備えたことを特徴とする3次元曲面形状の測定装置。
  2. パタン投影手段から投影されるパタンは、1種類以上の種類のパタンであることを特徴とする請求項1記載の3次元曲面形状の測定装置。
  3. パタン投影手段から投影されるパタンのうち少なくとも1つの種類のパタンは1本以上のスリットからなるパタンであることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の3次元曲面形状の測定装置。
  4. スリットパタンは、スリットと直交する方向にシフトされたパタンが複数回投影されることを特徴とする請求項1ないし請求項3記載の3次元曲面形状の測定装置。
  5. 形状演算手段は、スリットパタン画像から、スリットパタンに対応する画素の位置を求め、スリットのスリットパタン内での相対位置、プロジェクタ、および撮像手段の間の幾何学的関係から、各スリットに対応する被測定物表面の位置を演算処理により算出し、前記被測定物表面の形状を求めることを特徴とする請求項1ないし請求項4記載の3次元曲面形状の測定装置。
  6. 形状演算手段は、スリットパタン画像の各画素ごとに、各画素が最大輝度を示した時のスリットパタンから、その画素に対応するスリットのスリットパタン内での相対位置を格納するスリット相対位置メモリを備え、各画素に対応するスリット相対位置、プロジェクタ、および撮像手段の間の幾何学的関係から、各画素に対応する被測定物表面の位置を演算処理により算出し、前記被測定物表面の形状を求めることを特徴とする請求項1ないし請求項4記載の3次元曲面形状の測定装置。
  7. パタン投影手段を複数有することを特徴とする請求項1ないし請求項6記載の3次元曲面形状の測定装置。
  8. 撮像手段を複数有することを特徴とする請求項1ないし請求項7記載の3次元曲面形状の測定装置。
  9. 投影・撮像手段として不可視光を用いることを特徴とする請求項1ないし請求項8記載の3次元曲面形状の測定装置。
  10. コンピュータに接続されたプロジェクタを用いて、被測定対象物表面に1本以上のスリット光からなるスリットパタンを、スリットと直交する方向にシフトして複数回投影すると共に、
    被測定物表面に投影される光パタンを投影方向とは異なる方向から撮影し、
    撮影された複数枚のスリットパタンの画像の中から、各画素ごとに最大輝度を示したスリットパタンを選択し、前記画素に対応するスリットのスリットパタン内での相対位置をスリット相対位置メモリに格納し、
    前記画素に対応するスリットの相対位置、パタン投影手段、および撮像手段の幾何学的関係から、各画素に対応する被測定物表面の位置を演算処理により算出し、前記被測定物表面の形状を測定することを特徴とする3次元曲面形状の測定方法。
  11. 投影手段としてコンピュータに接続されたプロジェクタを用いて、その投影手段から位置合せ用の1枚以上のパタンを任意の参照平面に投影し、参照平面に投影された投影パタンをその投影方向とは異なる方向から撮像手段で撮影し、投影パタンの映像を表示させることにより、投影手段および撮像手段の位置関係を調節することを特徴とする3次元曲面形状の測定方法。
  12. 投影手段としてコンピュータに接続されたプロジェクタを用いて、その投影手段から較正用の1枚以上のパタンを任意の参照平面に投影し、参照平面に投影された投影パタンをその投影方向とは異なる方向から撮像手段で撮影し、投影パタンの映像から、投影手段および撮像手段の位置関係を演算処理により確定し、その位置関係のデータを用いて被測定物の表面形状を算出することを特徴とする3次元曲面形状の測定方法。
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