JP2005002711A - 地盤を構成する土の限界動水勾配測定方法 - Google Patents
地盤を構成する土の限界動水勾配測定方法 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】土の限界動水勾配を簡単かつ正しく求めること。
【解決手段】透水性地盤に削孔し、削孔3内の水位を徐々に低下させることにより動水勾配を増大させ、土が水とともに噴出するボイリング現象を削孔3内で人為的に発生させることとし、ボイリング現象の発生を前記削孔内における、間隙水圧,流速の急激な変化から検出する。そして、ボイリング現象を検出した場合には、当該地盤を構成する土の限界動水勾配を前記ボイリング現象が発現した時点での前記物理的変化に相関する他の物理的変化に基づいて演算する、地盤を構成する土の限界動水勾配測定方法。
【選択図】 図1
【解決手段】透水性地盤に削孔し、削孔3内の水位を徐々に低下させることにより動水勾配を増大させ、土が水とともに噴出するボイリング現象を削孔3内で人為的に発生させることとし、ボイリング現象の発生を前記削孔内における、間隙水圧,流速の急激な変化から検出する。そして、ボイリング現象を検出した場合には、当該地盤を構成する土の限界動水勾配を前記ボイリング現象が発現した時点での前記物理的変化に相関する他の物理的変化に基づいて演算する、地盤を構成する土の限界動水勾配測定方法。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は地盤を構成する土の限界動水勾配測定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
地下水位の高い透水性地盤においては、堀削工事中に地中内の土が掘削面に水とともに噴出するボイリングが発生しやすい。これは掘削をすることにより、ダルジーの法則で周知の動水勾配が大きくなるため、地山側から掘削側に向けて水が漏出し易くなるからである。
【0003】
ボイリング現象を生じると、地盤中にパイプの如き細長い穴を現出しそれが順次生長して行く、いわゆるパイピング現象を惹起する。パイピング現象が地盤中に生じたならば、基礎地盤の安定性を欠くことになり好ましくない(なお、パイピングは、動水勾配(任意の位置と任意の方向での流れの単位長さ当たりの圧力水頭間の勾配)が大きくなることに起因して地山側から掘削側に浸透して流れる水の勢いが、地中内の土の安定性を上回る程の大きさになった時、換言すれば基礎地盤の有する個々の限界動水勾配になった時に発生する現象と考えられている。)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このためボイリング現象(パイピング現象)を生じる可能性のある透水性地盤に土留めをする場合、土留めを安定させるには、土留めの根入れ長を十分考慮する必要がある。しかし、値入れ長があり過ぎると強度的には十分でも材料の無駄になって好ましくない。反対に根入れ長が十分でないと構造物は不安定になる。
【0005】
一般に限界動水勾配が大きい砂礫層であれば土留めの根入れ長は比較的小さくて済むが、砂層のように限界動水勾配が小さい場合は、土留めの根入れ長を十分取らないと土留めは不安定になる虞がある。
【0006】
次の(1式)はボイリングに対する基礎地盤の安全率を求めるためのボイリングの式である(併せて図5参照)。安全率が高いほど土留めは安定する。
【0007】
F=W/U=(iγ’Ld)/(γw・hw)・・・・・・・・(1式)
但し、F:安全率
W:土の有効重量
U:平均過剰間隙水圧
i:土の限界動水勾配
γ’:土の水中単位体積重量
Ld:土留めの根入れ長
γw:水の単位体積重量
hw:水位差
(1式)より、安全率Fは、土の限界動水勾配i,土の水中単位体積重量γ及び土留めの根入れ長Ldに比例するが、水の単位体積重量γw及び水位差hwには反比例することがわかる。
【0008】
ところで、ボイリング現象がいつ発現するかは個々の基礎地盤によって異なること、すなわち土の限界動水勾配iが地盤によって異なることは知られているが、これまでは、便宜上、一定値(例えば2)が、土の限界動水勾配iとして使用されていた。
【0009】
一方で、安全率Fや土留めの根入れ長Ldは、演算に因らずとも経験則からある程度のあたりを付けて決められることが少なくない。そこで安全率F及び土留めの根入れ長Ldをある程度信頼できる値として前記1式を限界動水勾配iについて解くと、限界動水勾配iが、前記一定値(数値2)よりも大きくなる場合もあれば、小さくなる場合もある。
【0010】
安全率Fが同じであれば、限界動水勾配iが大きな場合、値入れ長Ldは短くなるし、反対に限界動水勾配iが小さな場合、値入れ長Ldは長くなる。しかし、安全率Fと同様、土留めの根入れ長Ldについても、長さ調整をせずに、前記当たりを付けていた寸法が適用されることが少なくない。
現場での限界動水勾配iが実際は前記数値2よりも大きければ、材料節約の観点から値入れ長は短い方が好ましいし、反対に、前記数値2よりも小さければ、値入れ長は長い方が適正である。
【0011】
このため、ボイリング現象(パイピング現象)を生じ易い透水性地盤で土留めを行う場合、個々の現場の地盤が有する限界動水勾配がわかれば、これを前記一定値の場合と比較することによって値入れ長の適正化を図れるため、強度的に好適にできるのは勿論、材料節約の観点からも有効である。
【0012】
一方、地山自体のもつ支保能力を補助することにより地山の支保能力を有効に活用する山岳工法として、NATM(New Austrian Tunneling Method)が周知である。NATMは、吹付コンクリート,ロックボルト,鋼製支保工を適宜使用し、地山と支保工を密着させることにより、地山のもつ支保能力を十分引き出し、地山を安定させる工法として現在主流となっている。NATMを採用する現場において、止水を併用した掘進が実施される。この場合も開削工法と同様、ボイリングに対する安全性の検証を行うことが重要となっている。
このような背景から近年、限界動水勾配を現場ごとに正しく求める必要性が高まっている。
【0013】
本発明はこのような実情に鑑みて為されたものであり、その解決しようとする課題は、現場ごとの限界動水勾配を簡単かつ正しく求めることができる技術を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
前記した課題を解決するために、本発明は以下の手段とした。
【0015】
即ち、本発明の地盤を構成する土の限界動水勾配測定方法は、透水性地盤に形成した削孔内の水位を徐々に低下させることにより動水勾配を増大せしめてボイリング現象を人為的に発生させ、これを物理的変化から検出する。よって、当該物理的変化を例えば視覚や聴覚によって確認できれば、ボイリング現象の発生を確実に捉えることができる。
【0016】
そして、ボイリング現象が発生していることを確認したならば、当該地盤を構成する土の限界動水勾配を、前記ボイリング現象が発現した時点での前記物理的変化に相関する他の物理的変化に基づいて演算する。個々の地盤が有する限界動水勾配がわかれば、これを従前より慣習的に使用してきた限界動水勾配の一定値と比較することで、値入れ長の適正化を図れるようになるため、強度的に好適にできるのは勿論、材料節約の観点からも有効である。
【0017】
したがって、これまで経験則からある程度のあたりを付けて決めていた土留めの根入れ長を、当該透水性地盤に特有の根入れ長として好適に求めることができる。すなわち本発明により求めた根入れ長は、当該透水性地盤に対する適正度が高く、強度的にも経済的にも有効である。
【0018】
また、前記物理的変化は、削孔内底部(孔底)における間隙水圧(土粒子同士の間に存在する間隙水の圧力のこと)の急激な変化,流速の急激な変化,孔底の様態の急激な変化のうちの少なくとも一つであり、前記他の物理的変化は、ボイリング現象が発生している時の削孔内水位と削孔外水位との水位差であり、地盤を構成する土の限界動水勾配は、ボイリング現象が発生している時の前記水位差を変数に含む次の関数式(1式)から演算してもよい。
【0019】
i=((F・γw)/γ’)・hw/Ld・・・・・(1式)
但し、i:限界動水勾配
F:安全率
γw:水の単位体積重量
γ’:土の単位体積重量
hw:ボイリング発生時の水位差
Ld:根入れ長
【0020】
物理的変化として、削孔内底部における間隙水圧の急激な変化と流速の急激な変化を挙げたのは、次の理由による。
すなわち、ボイリング現象を生じていれば、地中内の土を含む水(泥水)が勢いよく噴出するため、間隙水圧が削孔内で急激に高まったり、泥水の流速が急激に上昇したりするという現象を惹起し、かつこれらの現象はグラフ化することが可能であり、よって視覚で捉え易いからである。
【0021】
さらに物理的変化として、孔底の様態の急激な変化を挙げたのは、次の理由による。
すなわち、ボイリングが発生し、水とともに土粒子が噴き出すと、水よりも密度の高い土粒子は沈降するため、孔底に土粒子が堆積して底上げ状態になる。よって、この現象を視覚によって確認できるようにすれば便利だからである。
【0022】
例えば、先端に重しを付けたひも付きの浮子を削孔内に投入して水面に出しておけば、前記底上げに応じて水面は上昇するけれども、浮子は重しによって引っ張られるため、水面下に潜伏して見えなくなってしまう。よってこの状態をもってボイリング現象が発生したとすれば、ボイリング現象の発生を容易に捉えることができる。
【0023】
また、これら物理的変化のうちの少なくとも一つとしたのは、これらの現象が一つであってもボイリング現象を生じているであろうことは判るが、複数生じるほど、ボイリングが発生している可能性が高いと判断できるからである。
【0024】
さらに削孔後、削孔内に筒状物を挿入することで、削孔の内面や底面の様態変化を防止するようにしてもよい。筒状物を削孔内に入れるようにすることで、削孔内が筒状物により保護されるので、物理的変化をできるだけ自然なままの状態で確認できるからである。
【0025】
間隙水圧の急激な変化,流速の急激な変化及び孔底の様態の急激な変化は、それぞれ間隙水圧計、流速計および視認により判定すると好適である。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発の実施の形態を添付した図面を参照して説明する。
【0027】
図1は本発明の地盤を構成する土の限界動水勾配測定方法を説明するための概念図であって、透水性地盤1に削孔3をボーリングによって形成した場合の垂直断面図である。
【0028】
本方法の施工者は、透水性地盤1に削孔3をボーリングによって形成する。その後、削孔3内に筒状物である円筒形のケーシング5を挿入する。このようにするのは、削孔3の内面3aや孔底3bの様態変化をケーシング5によって保護するためである。
【0029】
透水性地盤1に設けた削孔3であるから削孔内には次第に水が貯まって行く。
【0030】
次に削孔内でボイリング現象を人為的に発生させるべく、削孔内の水を図示しないポンプで揚水し、削孔内の水位を徐々に低下させる。削孔内水位と削孔外水位との水位差hnが大きくなると、動水勾配も次第に高まり、孔底3bからやがてボイリング現象を生じるようになる。ボイリング現象の発生の有無は、削孔3内における物理的変化から検出する。
【0031】
当該物理的変化としては、例えば、削孔3内における間隙水圧の急激な変化,流速の急激な変化,孔底3bの様態の急激な変化を挙げられる。
【0032】
これら物理的変化が急激に発生した場合には、削孔3にボイリング現象が発生したものと考える。またこれら物理的変化の複数を確認できればボイリング発生の確実性は高まる。
【0033】
間隙水圧の急激な変化,流速の急激な変化及び孔底の様態の急激な変化は、それぞれ間隙水圧計7、流速計9及び視認により判定する。間隙水圧計7及び流速計9は、孔底3bに取り付ける。
【0034】
物理的変化として、孔底3bにおける間隙水圧の急激な変化と流速の急激な変化を挙げたのは、次の理由による。
すなわち、ボイリング現象を生じていれば、地中内の土を含む水(泥水)が勢いよく噴出するため、間隙水圧が削孔内で急激に高まったり、泥水の流速が急激に上昇したりするという現象を惹起し、かつこれらの現象はグラフ化することが可能であり、よって視覚で捉え易いからである。
【0035】
また、ボイリングが発生し、水とともに土粒子が噴き出すと、水よりも密度の高い土粒子は沈降するため、孔底3bに土粒子が堆積して行き底上げ状態になる。
したがって、例えば先端に重しを付けたひも付きの浮子を削孔内に投入して水面に出しておけば、孔底の底上げに応じて水面は上昇するけれども、前記浮子は重しによって引っ張られるため、上昇せずに水面下に潜伏して見えなくなってしまう。よってこの現象をもって孔底の様態の急激な変化とすれば、視覚によって当該現象を確認できて便利である。
【0036】
図2は縦軸に間隙水圧Pwを取り、横軸に水位差hnをとってなる、間隙水圧−水位差線図である。
削孔3内の水位差hnを徐々に高めて行くことにより間隙水圧Pwは減少して行くが、ある時点から下がらずに上昇に転じていることがわかる。これは削孔3内にボイリング現象を生じたため、その影響で削孔3内の圧力が急激に上昇したからに他ならない。よって、水位差hnが当該間隙水圧Pwの急激な変化を生ぜしめる水位差hwに到達した時点で、ボイリングが発生したと、このグラフから読みとれる。
【0037】
また、図3は縦軸に流速vを取り、横軸に水位差hnをとってなる、流速−水位差線図である。
この場合も削孔3内の水位差hnを徐々に高めて行くと、ある時点から急に流速vが上昇していることがわかる。これは削孔3内にボイリング現象を生じたため、その影響で削孔3内の流速が急激に上昇したからに他ならない。よって、水位差hnが当該間隙水圧Pwの急激な変化を生ぜしめた水位差hwに到達した時点で、ボイリングが発生したと、このグラフからも読みとれる。
水位差hnは、ポンプの揚水能力とケーシングの寸法とポンプの稼働時間とが判れば簡単に計算できる。
【0038】
さらに図4は縦軸に孔底の様態の変化である孔底3bに土粒子の堆積量の変化に応じた浮子の潜水量Hを取り、横軸に水位差hnをとってなる、浮子の潜水量−水位差線図である。
この場合も削孔3内の水位差hnを徐々に高めて行くと、ある時点から浮子が急激に潜水することがわかる。
【0039】
また、ボイリング現象が発生している時の削孔内水位と削孔外水位との水位差hwも物理的変化であることはいうまでもない。なお、この明細書では、間隙水圧Pwの急激な変化,流速vの急激な変化及び孔底の様態(浮子の潜水量H)の急激な変化を単に物理的変化ということにし、ボイリング現象が発生している時の前記水位差hwを、便宜上、別の物理的変化ということにする。
【0040】
そして、間隙水圧計7や流速計9は、図示しないパーソナルコンピュータに接続されており、また、ポンプの稼働時間に応じて水位差を自動的に演算できるようにプログラムされている。さらにこれらのデータに基づいて図2や図3の線図は自動的に作成される。
【0041】
さらに浮子の潜水量Hをコンピュータに入力すれば、図4の線図も自動的に作成されるようになっている。
【0042】
さらにまた、パーソナルコンピュータには、地盤を構成する土の限界動水勾配iを求めるための演算式が記憶されており、当該演算式で使用される各種データも入力される。
【0043】
次に当該演算式について述べる。
【0044】
限界動水勾配iは、ボイリング現象が発生している時の前記水位差hwを変数に含む次の関数式(1式)から演算する。
限界動水勾配の式:i=((F・γw)/γ’)・hw/Ld・・・・・(1式)
但し、i:限界動水勾配
F:安全率
γw:水の単位体積重量
γ’:土の単位体積重量
hw:ボイリング発生時の水位差
Ld:根入れ長
【0045】
ボイリング発生時の水位差hw,水の単位体積重量γw及び土の単位体積重量γ’は、現場で測定して得た数値を入力する。
そして、安全率F及び根入れ長Ldは経験則として、ある程度当たりを付けた数値を入力する。
【0046】
すなわちこれらの値に基づいて限界動水勾配iを演算すると、限界動水勾配iが、従来技術の説明の欄で述べた一定値(数値2)よりも大きくなる場合もあれば、小さくなる場合もある。
【0047】
安全率Fが限界動水勾配iに左右されずに同じであれば、限界動水勾配iが大きな場合、値入れ長Ldは短くなるし、反対に限界動水勾配iが小さな場合、値入れ長Ldは長くなる。
【0048】
本実施形態では、ボイリング現象の発生を前記削孔内における物理的変化から検出し、ボイリング現象を検出した場合には、当該地盤を構成する土の限界動水勾配iを、前記ボイリング現象が発現した時点での前記物理的変化(削孔内底部における間隙水圧の急激な変化,流速の急激な変化,孔底の様態の急激な変化)に相関する他の物理的変化(ボイリング現象が発現した時点での削孔内水位と削孔外水位との水位差hw)に基づいて演算するので、当該限界動水勾配iは、当該透水性地盤に特有のものといえる。
【0049】
よってこれまでは経験則からある程度のあたりを付けて決めていた土留めの根入れ長であったが、当該透水性地盤に特有の限界動水勾配iから、当該透水性地盤に好適な土留めの根入れ長として求めることができる。したがって、当該根入れ長を持つ土留めは強度的にも経済的にも有効である。
【0050】
また、物理的変化が一つ生じた場合でもボイリング現象を発現していると判断されるが、複数生じるほど、ボイリングの可能性は高まる。
【0051】
さらに削孔後、削孔3内にケーシング5を挿入することで、削孔3内を元の自然なままの状態に保持できるようになるため、精度よく物理的変化を確認できる。
なお、地盤を構成する土の概念には土粒子、砂その他地盤を構成する粒状物質を含むものとする。
【0052】
【発明の効果】
以上、説明したように本発明によれば、地盤ごとに土の限界動水勾配を正しく求めることができるので、これまで経験則からある程度のあたりを付けて決めていた土留めの根入れ長を、当該地盤に特有の根入れ長として好適に求めることができる。よって、本発明により求めた根入れ長を持つ土留めは、強度的にも経済的にも有効であるという優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を説明するための概念図である。
【図2】間隙水圧−水位差線図である。
【図3】流速−水位差線図である。
【図4】浮子の上昇量−水位差線図である。
【図5】ボイリングに対する基礎地盤の安全率を求めるためのボイリングの式を説明するための図である。
【符号の説明】
1 透水性地盤
3 削孔
3a 内面
3b 孔底
5 ケーシング
7 間隙水圧計
9 流速計
【発明の属する技術分野】
本発明は地盤を構成する土の限界動水勾配測定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
地下水位の高い透水性地盤においては、堀削工事中に地中内の土が掘削面に水とともに噴出するボイリングが発生しやすい。これは掘削をすることにより、ダルジーの法則で周知の動水勾配が大きくなるため、地山側から掘削側に向けて水が漏出し易くなるからである。
【0003】
ボイリング現象を生じると、地盤中にパイプの如き細長い穴を現出しそれが順次生長して行く、いわゆるパイピング現象を惹起する。パイピング現象が地盤中に生じたならば、基礎地盤の安定性を欠くことになり好ましくない(なお、パイピングは、動水勾配(任意の位置と任意の方向での流れの単位長さ当たりの圧力水頭間の勾配)が大きくなることに起因して地山側から掘削側に浸透して流れる水の勢いが、地中内の土の安定性を上回る程の大きさになった時、換言すれば基礎地盤の有する個々の限界動水勾配になった時に発生する現象と考えられている。)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このためボイリング現象(パイピング現象)を生じる可能性のある透水性地盤に土留めをする場合、土留めを安定させるには、土留めの根入れ長を十分考慮する必要がある。しかし、値入れ長があり過ぎると強度的には十分でも材料の無駄になって好ましくない。反対に根入れ長が十分でないと構造物は不安定になる。
【0005】
一般に限界動水勾配が大きい砂礫層であれば土留めの根入れ長は比較的小さくて済むが、砂層のように限界動水勾配が小さい場合は、土留めの根入れ長を十分取らないと土留めは不安定になる虞がある。
【0006】
次の(1式)はボイリングに対する基礎地盤の安全率を求めるためのボイリングの式である(併せて図5参照)。安全率が高いほど土留めは安定する。
【0007】
F=W/U=(iγ’Ld)/(γw・hw)・・・・・・・・(1式)
但し、F:安全率
W:土の有効重量
U:平均過剰間隙水圧
i:土の限界動水勾配
γ’:土の水中単位体積重量
Ld:土留めの根入れ長
γw:水の単位体積重量
hw:水位差
(1式)より、安全率Fは、土の限界動水勾配i,土の水中単位体積重量γ及び土留めの根入れ長Ldに比例するが、水の単位体積重量γw及び水位差hwには反比例することがわかる。
【0008】
ところで、ボイリング現象がいつ発現するかは個々の基礎地盤によって異なること、すなわち土の限界動水勾配iが地盤によって異なることは知られているが、これまでは、便宜上、一定値(例えば2)が、土の限界動水勾配iとして使用されていた。
【0009】
一方で、安全率Fや土留めの根入れ長Ldは、演算に因らずとも経験則からある程度のあたりを付けて決められることが少なくない。そこで安全率F及び土留めの根入れ長Ldをある程度信頼できる値として前記1式を限界動水勾配iについて解くと、限界動水勾配iが、前記一定値(数値2)よりも大きくなる場合もあれば、小さくなる場合もある。
【0010】
安全率Fが同じであれば、限界動水勾配iが大きな場合、値入れ長Ldは短くなるし、反対に限界動水勾配iが小さな場合、値入れ長Ldは長くなる。しかし、安全率Fと同様、土留めの根入れ長Ldについても、長さ調整をせずに、前記当たりを付けていた寸法が適用されることが少なくない。
現場での限界動水勾配iが実際は前記数値2よりも大きければ、材料節約の観点から値入れ長は短い方が好ましいし、反対に、前記数値2よりも小さければ、値入れ長は長い方が適正である。
【0011】
このため、ボイリング現象(パイピング現象)を生じ易い透水性地盤で土留めを行う場合、個々の現場の地盤が有する限界動水勾配がわかれば、これを前記一定値の場合と比較することによって値入れ長の適正化を図れるため、強度的に好適にできるのは勿論、材料節約の観点からも有効である。
【0012】
一方、地山自体のもつ支保能力を補助することにより地山の支保能力を有効に活用する山岳工法として、NATM(New Austrian Tunneling Method)が周知である。NATMは、吹付コンクリート,ロックボルト,鋼製支保工を適宜使用し、地山と支保工を密着させることにより、地山のもつ支保能力を十分引き出し、地山を安定させる工法として現在主流となっている。NATMを採用する現場において、止水を併用した掘進が実施される。この場合も開削工法と同様、ボイリングに対する安全性の検証を行うことが重要となっている。
このような背景から近年、限界動水勾配を現場ごとに正しく求める必要性が高まっている。
【0013】
本発明はこのような実情に鑑みて為されたものであり、その解決しようとする課題は、現場ごとの限界動水勾配を簡単かつ正しく求めることができる技術を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
前記した課題を解決するために、本発明は以下の手段とした。
【0015】
即ち、本発明の地盤を構成する土の限界動水勾配測定方法は、透水性地盤に形成した削孔内の水位を徐々に低下させることにより動水勾配を増大せしめてボイリング現象を人為的に発生させ、これを物理的変化から検出する。よって、当該物理的変化を例えば視覚や聴覚によって確認できれば、ボイリング現象の発生を確実に捉えることができる。
【0016】
そして、ボイリング現象が発生していることを確認したならば、当該地盤を構成する土の限界動水勾配を、前記ボイリング現象が発現した時点での前記物理的変化に相関する他の物理的変化に基づいて演算する。個々の地盤が有する限界動水勾配がわかれば、これを従前より慣習的に使用してきた限界動水勾配の一定値と比較することで、値入れ長の適正化を図れるようになるため、強度的に好適にできるのは勿論、材料節約の観点からも有効である。
【0017】
したがって、これまで経験則からある程度のあたりを付けて決めていた土留めの根入れ長を、当該透水性地盤に特有の根入れ長として好適に求めることができる。すなわち本発明により求めた根入れ長は、当該透水性地盤に対する適正度が高く、強度的にも経済的にも有効である。
【0018】
また、前記物理的変化は、削孔内底部(孔底)における間隙水圧(土粒子同士の間に存在する間隙水の圧力のこと)の急激な変化,流速の急激な変化,孔底の様態の急激な変化のうちの少なくとも一つであり、前記他の物理的変化は、ボイリング現象が発生している時の削孔内水位と削孔外水位との水位差であり、地盤を構成する土の限界動水勾配は、ボイリング現象が発生している時の前記水位差を変数に含む次の関数式(1式)から演算してもよい。
【0019】
i=((F・γw)/γ’)・hw/Ld・・・・・(1式)
但し、i:限界動水勾配
F:安全率
γw:水の単位体積重量
γ’:土の単位体積重量
hw:ボイリング発生時の水位差
Ld:根入れ長
【0020】
物理的変化として、削孔内底部における間隙水圧の急激な変化と流速の急激な変化を挙げたのは、次の理由による。
すなわち、ボイリング現象を生じていれば、地中内の土を含む水(泥水)が勢いよく噴出するため、間隙水圧が削孔内で急激に高まったり、泥水の流速が急激に上昇したりするという現象を惹起し、かつこれらの現象はグラフ化することが可能であり、よって視覚で捉え易いからである。
【0021】
さらに物理的変化として、孔底の様態の急激な変化を挙げたのは、次の理由による。
すなわち、ボイリングが発生し、水とともに土粒子が噴き出すと、水よりも密度の高い土粒子は沈降するため、孔底に土粒子が堆積して底上げ状態になる。よって、この現象を視覚によって確認できるようにすれば便利だからである。
【0022】
例えば、先端に重しを付けたひも付きの浮子を削孔内に投入して水面に出しておけば、前記底上げに応じて水面は上昇するけれども、浮子は重しによって引っ張られるため、水面下に潜伏して見えなくなってしまう。よってこの状態をもってボイリング現象が発生したとすれば、ボイリング現象の発生を容易に捉えることができる。
【0023】
また、これら物理的変化のうちの少なくとも一つとしたのは、これらの現象が一つであってもボイリング現象を生じているであろうことは判るが、複数生じるほど、ボイリングが発生している可能性が高いと判断できるからである。
【0024】
さらに削孔後、削孔内に筒状物を挿入することで、削孔の内面や底面の様態変化を防止するようにしてもよい。筒状物を削孔内に入れるようにすることで、削孔内が筒状物により保護されるので、物理的変化をできるだけ自然なままの状態で確認できるからである。
【0025】
間隙水圧の急激な変化,流速の急激な変化及び孔底の様態の急激な変化は、それぞれ間隙水圧計、流速計および視認により判定すると好適である。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発の実施の形態を添付した図面を参照して説明する。
【0027】
図1は本発明の地盤を構成する土の限界動水勾配測定方法を説明するための概念図であって、透水性地盤1に削孔3をボーリングによって形成した場合の垂直断面図である。
【0028】
本方法の施工者は、透水性地盤1に削孔3をボーリングによって形成する。その後、削孔3内に筒状物である円筒形のケーシング5を挿入する。このようにするのは、削孔3の内面3aや孔底3bの様態変化をケーシング5によって保護するためである。
【0029】
透水性地盤1に設けた削孔3であるから削孔内には次第に水が貯まって行く。
【0030】
次に削孔内でボイリング現象を人為的に発生させるべく、削孔内の水を図示しないポンプで揚水し、削孔内の水位を徐々に低下させる。削孔内水位と削孔外水位との水位差hnが大きくなると、動水勾配も次第に高まり、孔底3bからやがてボイリング現象を生じるようになる。ボイリング現象の発生の有無は、削孔3内における物理的変化から検出する。
【0031】
当該物理的変化としては、例えば、削孔3内における間隙水圧の急激な変化,流速の急激な変化,孔底3bの様態の急激な変化を挙げられる。
【0032】
これら物理的変化が急激に発生した場合には、削孔3にボイリング現象が発生したものと考える。またこれら物理的変化の複数を確認できればボイリング発生の確実性は高まる。
【0033】
間隙水圧の急激な変化,流速の急激な変化及び孔底の様態の急激な変化は、それぞれ間隙水圧計7、流速計9及び視認により判定する。間隙水圧計7及び流速計9は、孔底3bに取り付ける。
【0034】
物理的変化として、孔底3bにおける間隙水圧の急激な変化と流速の急激な変化を挙げたのは、次の理由による。
すなわち、ボイリング現象を生じていれば、地中内の土を含む水(泥水)が勢いよく噴出するため、間隙水圧が削孔内で急激に高まったり、泥水の流速が急激に上昇したりするという現象を惹起し、かつこれらの現象はグラフ化することが可能であり、よって視覚で捉え易いからである。
【0035】
また、ボイリングが発生し、水とともに土粒子が噴き出すと、水よりも密度の高い土粒子は沈降するため、孔底3bに土粒子が堆積して行き底上げ状態になる。
したがって、例えば先端に重しを付けたひも付きの浮子を削孔内に投入して水面に出しておけば、孔底の底上げに応じて水面は上昇するけれども、前記浮子は重しによって引っ張られるため、上昇せずに水面下に潜伏して見えなくなってしまう。よってこの現象をもって孔底の様態の急激な変化とすれば、視覚によって当該現象を確認できて便利である。
【0036】
図2は縦軸に間隙水圧Pwを取り、横軸に水位差hnをとってなる、間隙水圧−水位差線図である。
削孔3内の水位差hnを徐々に高めて行くことにより間隙水圧Pwは減少して行くが、ある時点から下がらずに上昇に転じていることがわかる。これは削孔3内にボイリング現象を生じたため、その影響で削孔3内の圧力が急激に上昇したからに他ならない。よって、水位差hnが当該間隙水圧Pwの急激な変化を生ぜしめる水位差hwに到達した時点で、ボイリングが発生したと、このグラフから読みとれる。
【0037】
また、図3は縦軸に流速vを取り、横軸に水位差hnをとってなる、流速−水位差線図である。
この場合も削孔3内の水位差hnを徐々に高めて行くと、ある時点から急に流速vが上昇していることがわかる。これは削孔3内にボイリング現象を生じたため、その影響で削孔3内の流速が急激に上昇したからに他ならない。よって、水位差hnが当該間隙水圧Pwの急激な変化を生ぜしめた水位差hwに到達した時点で、ボイリングが発生したと、このグラフからも読みとれる。
水位差hnは、ポンプの揚水能力とケーシングの寸法とポンプの稼働時間とが判れば簡単に計算できる。
【0038】
さらに図4は縦軸に孔底の様態の変化である孔底3bに土粒子の堆積量の変化に応じた浮子の潜水量Hを取り、横軸に水位差hnをとってなる、浮子の潜水量−水位差線図である。
この場合も削孔3内の水位差hnを徐々に高めて行くと、ある時点から浮子が急激に潜水することがわかる。
【0039】
また、ボイリング現象が発生している時の削孔内水位と削孔外水位との水位差hwも物理的変化であることはいうまでもない。なお、この明細書では、間隙水圧Pwの急激な変化,流速vの急激な変化及び孔底の様態(浮子の潜水量H)の急激な変化を単に物理的変化ということにし、ボイリング現象が発生している時の前記水位差hwを、便宜上、別の物理的変化ということにする。
【0040】
そして、間隙水圧計7や流速計9は、図示しないパーソナルコンピュータに接続されており、また、ポンプの稼働時間に応じて水位差を自動的に演算できるようにプログラムされている。さらにこれらのデータに基づいて図2や図3の線図は自動的に作成される。
【0041】
さらに浮子の潜水量Hをコンピュータに入力すれば、図4の線図も自動的に作成されるようになっている。
【0042】
さらにまた、パーソナルコンピュータには、地盤を構成する土の限界動水勾配iを求めるための演算式が記憶されており、当該演算式で使用される各種データも入力される。
【0043】
次に当該演算式について述べる。
【0044】
限界動水勾配iは、ボイリング現象が発生している時の前記水位差hwを変数に含む次の関数式(1式)から演算する。
限界動水勾配の式:i=((F・γw)/γ’)・hw/Ld・・・・・(1式)
但し、i:限界動水勾配
F:安全率
γw:水の単位体積重量
γ’:土の単位体積重量
hw:ボイリング発生時の水位差
Ld:根入れ長
【0045】
ボイリング発生時の水位差hw,水の単位体積重量γw及び土の単位体積重量γ’は、現場で測定して得た数値を入力する。
そして、安全率F及び根入れ長Ldは経験則として、ある程度当たりを付けた数値を入力する。
【0046】
すなわちこれらの値に基づいて限界動水勾配iを演算すると、限界動水勾配iが、従来技術の説明の欄で述べた一定値(数値2)よりも大きくなる場合もあれば、小さくなる場合もある。
【0047】
安全率Fが限界動水勾配iに左右されずに同じであれば、限界動水勾配iが大きな場合、値入れ長Ldは短くなるし、反対に限界動水勾配iが小さな場合、値入れ長Ldは長くなる。
【0048】
本実施形態では、ボイリング現象の発生を前記削孔内における物理的変化から検出し、ボイリング現象を検出した場合には、当該地盤を構成する土の限界動水勾配iを、前記ボイリング現象が発現した時点での前記物理的変化(削孔内底部における間隙水圧の急激な変化,流速の急激な変化,孔底の様態の急激な変化)に相関する他の物理的変化(ボイリング現象が発現した時点での削孔内水位と削孔外水位との水位差hw)に基づいて演算するので、当該限界動水勾配iは、当該透水性地盤に特有のものといえる。
【0049】
よってこれまでは経験則からある程度のあたりを付けて決めていた土留めの根入れ長であったが、当該透水性地盤に特有の限界動水勾配iから、当該透水性地盤に好適な土留めの根入れ長として求めることができる。したがって、当該根入れ長を持つ土留めは強度的にも経済的にも有効である。
【0050】
また、物理的変化が一つ生じた場合でもボイリング現象を発現していると判断されるが、複数生じるほど、ボイリングの可能性は高まる。
【0051】
さらに削孔後、削孔3内にケーシング5を挿入することで、削孔3内を元の自然なままの状態に保持できるようになるため、精度よく物理的変化を確認できる。
なお、地盤を構成する土の概念には土粒子、砂その他地盤を構成する粒状物質を含むものとする。
【0052】
【発明の効果】
以上、説明したように本発明によれば、地盤ごとに土の限界動水勾配を正しく求めることができるので、これまで経験則からある程度のあたりを付けて決めていた土留めの根入れ長を、当該地盤に特有の根入れ長として好適に求めることができる。よって、本発明により求めた根入れ長を持つ土留めは、強度的にも経済的にも有効であるという優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を説明するための概念図である。
【図2】間隙水圧−水位差線図である。
【図3】流速−水位差線図である。
【図4】浮子の上昇量−水位差線図である。
【図5】ボイリングに対する基礎地盤の安全率を求めるためのボイリングの式を説明するための図である。
【符号の説明】
1 透水性地盤
3 削孔
3a 内面
3b 孔底
5 ケーシング
7 間隙水圧計
9 流速計
Claims (4)
- 透水性地盤に削孔し、
削孔内の水位を徐々に低下させることにより動水勾配を増大させ、
土が水とともに噴出するボイリング現象を前記削孔内で人為的に発生させることとし、
ボイリング現象の発生を前記削孔内における物理的変化から検出し、
ボイリング現象を検出した場合には、当該地盤を構成する土の限界動水勾配を、前記ボイリング現象が発現した時点での前記物理的変化に相関する他の物理的変化に基づいて演算する、
地盤を構成する土の限界動水勾配測定方法。 - 前記物理的変化は、削孔内底部における間隙水圧の急激な変化,流速の急激な変化,孔底の様態の急激な変化のうちの少なくとも一つであり、前記他の物理的変化は、ボイリング現象が発生している時の削孔内水位と削孔外水位との水位差であり、
地盤を構成する土の限界動水勾配は、ボイリング現象が発生している時の前記水位差を変数に含む、次の関数式(1式)から演算することを特徴とする請求項1に記載の地盤を構成する土の限界動水勾配測定方法。
i=((F・γw)/γ’)・hw/Ld・・・・・(1式)
但し、i:限界動水勾配
F:安全率
γw:水の単位体積重量
γ’:土の単位体積重量
hw:ボイリング発生時の水位差
Ld:根入れ長 - 削孔後、削孔内に筒状物を挿入することで、削孔の内面や底面の様態変化を防止することを特徴とする請求項1又は2に記載の地盤を構成する土の限界動水勾配測定方法。
- 間隙水圧の急激な変化,流速の急激な変化及び孔底の様態の急激な変化は、それぞれ間隙水圧計、流速計および視認により判定することを特徴とする請求項2又は3のいずれかに記載の地盤を構成する土の限界動水勾配測定方法。
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JP2003169235A JP2005002711A (ja) | 2003-06-13 | 2003-06-13 | 地盤を構成する土の限界動水勾配測定方法 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2016217043A (ja) * | 2015-05-22 | 2016-12-22 | 国立研究開発法人土木研究所 | パイピング現象評価方法及びパイピング現象評価装置 |
CN107270863A (zh) * | 2017-06-16 | 2017-10-20 | 青岛引黄济青水务有限责任公司 | 一种评估垂直深基坑变形对大堤影响的预警系统及预警方法 |
-
2003
- 2003-06-13 JP JP2003169235A patent/JP2005002711A/ja active Pending
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