【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、河川や湖沼から上水用、工業用等の用水を取水するための水管に季節的に進入してくるカワヒバリガイ幼生が、配管系統や水質計測器に付着するのを防止するカワヒバリガイの付着防止方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
付着性二枚貝による障害としては、海洋における船舶や発電所などの海水取水施設に付着するムラサキイガイが引き起こす船速低下や取水量の低下などの汚損がよく知られている。
【0003】
一方、わが国の河川や湖ではこれまで付着性二枚貝が生息していなかったため、水力発電所や水道の取水施設に二枚貝( ゼブラ貝) が付着し通水管を閉塞させ通水障害を起こすといった障害はなかった。しかし、1990年前後に中国や韓国から外来種である付着性二枚貝のカワヒバリガイが琵琶湖や長良川水系に進入し、その生息規模が拡大するにつれて、最近では水道の取水施設等の通水管にこのカワヒバリガイが付着し、通水管を閉塞し水量が低下するといった取水障害が多発するようになった。具体的には、カワヒバリガイ幼生が、琵琶湖淀川水系や長良川水系から、上水用、工業用等の用水を取水するための取水管へ季節的に進入し、水と接触している配管系統に付着し、管径を狭め通水障害を起こし、また、水質計測器に付着しセンサーの作動障害を起こし機能停止に至るなどの障害が起こっている。
【0004】
カワヒバリガイによる取水施設の取水障害は、韓国や台湾でも問題となっており、その対策としてはもっぱら水道水の消毒に広く用いられている塩素処理が極めて有効とされ、経済性も優れているため一般的に用いられてきた。
【0005】
わが国においても、塩素によるカワヒバリガイ対策が検討されたが、塩素処理は河川水中の有機物と塩素が結合し、発ガン性を示す有機塩素系化合物(代表的な物質としてはトリハロメタンがある)を発生させるとして用いられていない。
【0006】
また、この他の化学的方法として、銅などの化合物を含んだ防汚塗料を水に接触する構造物に塗布する方法もあるが、これらの毒性物質は環境を汚染することが懸念され、積極的な使用には至っていないのが現状である。
【0007】
その為、現在の対策としては、閉塞した管や付着した構造物を人手や機械で清掃する、あるいは取水管の場合ストレーナーでカワヒバリガイの稚貝を濾し採リストレイナーを頻繁に交換するといった方法しか採用されていない。これらの方法は、付着して取り除いたカワヒバリガイをゴミとして次に処理しなければならず、カワヒバリガイを対象箇所に付着させないという基本的な対策が切望されている。
【0008】
また、海水の取水口、排水口に通ずる水路内に、コンデンサーの充放電でパルスを発生させる貝類付着防止用直流パルス発生装置も知られているが(特許文献1参照)、効果的なカワヒバリガイの付着防止方法が確立されていないため、未だ実用に供されるに至っていない。
【0009】
【特許文献1】
特許第3188864号公報(4〜5頁、図2)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
水管等に付着したカワヒバリガイを除去した場合、次にはその処理が問題となり、ゼロエミッションを標榜する現在の情勢とはそぐわない。そこで本発明は、環境汚染の懸念がある薬物を使用せず、カワヒバリガイの付着幼生が出現する時のみにカワヒバリガイが付着する水管等に電場を形成し、幼生を麻痺させることで、効率よくかつ経済的で付着防止が可能なカワヒバリガイ幼生付着防止方法を提供するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記の課題を解決するもので、河川水等の取水用水管に高圧直流パルス印加電極により直通パルスを発生させカワヒバリガイの付着を防止するカワヒバリガイの付着防止方法において、高圧直流パルス印加電極の電極配置を、両端を−電極、その他を+電極とし、水管内の流れ方向に設置し、前記印加電極に対して配置したアース電極により形成される電場に電気刺激を付与し、カワヒバリガイを麻痺させるカワヒバリガイの付着防止方法である。
【0012】
また、電気刺激は、電圧×パルス総数で表わされ、270以上であることを特徴とするカワヒバリガイの付着防止方法である。
【0013】
本発明の方法の稼動時期をカワヒバリガイの付着幼生の出現時期のみとすることにより、その他の生物への影響をなくし、かつ本発明の電極配置をすることで、電気消費量を低減できる。また、電場を形成するための河川水等取水用水管内に設置する電極は、幼生の付着可能な流速部分に設置するものとして、この電極に印加する直流パルスの電圧は、流速から考慮される付着防止部分の通過時間のみ幼生が麻痺して付着活動が防止される量とすることで、幼生は死滅することなく、同時に感電するその他の微小生物への影響も最小限にすることができ、環境の汚染もなくその他の生物を死滅させることもないカワヒバリガイの付着防止方法を提供できる。
【0014】
【発明の実施の形態】
〔実施例1〕
実施例1は、透明塩ビの水管( 直径10cm) に直流パルス電場を形成し、電気刺激を受けたカワヒバリガイ幼生を採取・観察し、カワヒバリガイに与える麻痺の程度(電気刺激の影響)を検討した。
【0015】
試験装置の平面図を図1に示す。図において、1は水中ポンプ、2は電気パルスを与え電場を形成する水管の試験区、3は電場を形成する水管、4は電場を形成しない水管、5は電場を形成する水管に設けたモニタリング水槽、6は電場を形成しない水管に設けたモニタリング水槽、7は付着基質、8はカワヒバリガイの幼虫を採取する採水口である。
【0016】
電場は、水管内の流水方向に設置された高電圧直流パルス印加電極と、この高い電圧直流パルス印加電極に対して配置されたアース電極で形成される。また、この試験装置は、河川水を水中ポンプで揚水し、電極部を設け電気パルスを与え電場を形成する水管(試験区)と電場を形成しない水管(対照区)に分岐した。
電極部の電極配置は2種類とした。電極配置(a)は2.8mの距離で、−+−+−+−の電極配置とした。電極配置(b)は0.96mで、−+++−の電極配置とした。それぞれの末端には採水口を設け、幼生採集を出来るようにした。
この試験装置は付着基質を設置出来るモニタリング水槽を配した設備である。また、電極部に測定端子を設け電場分布を計測した。
【0017】
使用したパルス発生装置は特許文献1に示した直流パルス発生装置であり、仕様を表1に示す。
【0018】
【表1】
【0019】
試験で得られた電場分布を図2(a)(b)に示す。電圧は+電極でピーク(設定電圧とほぼ同レベルの電圧)を示し、−電極に向かって減衰する。図2(a)の電極配置は、−+−+−+−の電極配置で電場分布は三角形を、図2(b)の電極配置は、−+++−で台形の電場が形成された。図2(a)の電極配置と図2(b)の電極配置を比較すると、後者において減衰部分が少なく、短い距離で広い範囲の電場形成が見られた。
【0020】
試験は、流速0.025〜0.2m/秒の流水中で電場を形成し電気刺激を受けたカワヒバリガイ幼生を採水口から採取し、幼生への刺激を検討するため麻痺の状態を不動率(%、不動の個体数/観察個体数×100)で観察した。
【0021】
結果を、表2と図3(a)(b)に示す。3kV以上の印加電圧で幼生は電気刺激を受けて麻痺した。その刺激を電気刺激として, 電圧×パルス総数で表した。印加電圧7kVでは、図2(a)の電極部では、400程度の電気刺激(電気刺激:電圧×パルス総数)で80%以上の幼生が麻痺し不動になった。また、図2(b)の電極部では、270程度の電気刺激で、約80%の幼生が麻痺し不動になった。これらの結果から、図2(b)の電極配置のものが、図2(a)の電極配置に較べて、電極配置の距離が短かく、少ない電気刺激で幼生を麻痺できることが解った。
【0022】
【表2】
【0023】
一方、対照区では、5分〜10分間では29%程度が麻痺し、15分〜20分後には幼生が回復し、その割合は17%まで低下した。
【0024】
図3は各通電条件におけるカワヒバリガイ幼生の不動率を示し、(a)は5分〜10分の不動率、(b)は15分〜20分の不動率を示す。不動率は不動個体数と殻が破損した個体数の合計/観察個体数%として求め、(a)は図2(a)の電極配置の結果、(b)は図2(b)の電極配置の結果を示す。
【0025】
図3(b)の7KV(b)に示すように、通電区でも、暴露15分〜20分後には、幼生の回復がみられたが、対照区に比較すると回復が遅かった。
【0026】
なお、対照区でも幼生の麻痺が観察されたが、流速が増大してもその割合に変化はみられず、通電区でみられた高い不動率は電気刺激によるものといえる。
【0027】
上記の結果から、この方法では電極配置を−+++−として、印加電圧7kV、270以上の電気刺激(印加電圧×パルス総数)で高い麻痺効果が得られることが判った。幼生が麻痺している間は、付着行動が停止するため付着が防止出来る。
【0028】
また、麻痺した幼生が時間経過とともに回復し、再び泳ぎ出すことが確認された。このことは、幼生は完全に死滅するものではないことを示している。
【0029】
また、電場通過後の幼生の付着状況も試験した。試験は、印加電圧7kV、パルス数4回/秒、流速0.1m/秒、幼生の不動率が80%を示した試験条件で実施した。一定時間通水した後、モニタリング水槽に設置した付着基質(ナイロンロープ)に付着したカワヒバリガイ幼生を計数して、試験区と対照区を比較した。試験区と対照区におけるカワヒバリガイ幼貝の付着数を表3に示す。電場が形成された試験区で少なく、対照区での値が多かった。すなわち、カワヒバリガイ幼生の付着防止効果も確認された。
【0030】
【表3】
【0031】
〔実施例2〕
実施例2は、水力発電所の用水配管系統への展開例である。
【0032】
実施例1の試験結果を解析した結果、実機展開に際しては、電極の配置を−+++−とする。目標電気刺激(kV電圧×パルス総数)は270以上とする。その為、電圧は10kV、パルス回数は15回/秒とする。また、上記の運転条件を満たすためDCパルス発生装置制御盤は以下の表4の仕様とする。電極管の直径は15cmとし、電極の材質はステンレスとする。
【0033】
【表4】
【0034】
電気刺激は、電圧×パルス数である。そこで流速が速ければ電極部を通過する時間は早くなるため1秒あたりの必要パルス数は多く必要となり、また電極部の距離が長くなればパルスを受ける時間が長くなり数も増加する。そこで必要出力パルス数は以下の式で表される。
【0035】
必要出力パルス数(回/秒)=(270/電圧(kV))×(流速(m/秒)/電極管長(m))
流速と電極部の長さから必要出力パルス数を求め表5に示した。
【0036】
【表5】
【0037】
すなわち、流速が速ければ、必要出力パルス数は増加し、また同じ流速では電極部が短いほど必要出力パルス数は増加する。
【0038】
本方法を実機展開する場合の案を図4に示す。既存の配管にも、バイパスを設ければ使用可能である。
【0039】
なお、稼動期間はカワヒバリガイ幼生の出現する6月から10月の5ヶ月程度とする。
【0040】
上記した通り、本発明のカワヒバリガイの付着防止方法の稼動時期をカワヒバリガイの付着幼生の出現時期のみとし、必要のない時期は稼動させないことにより、有効にカワヒバリガイの付着を防止でき、その他の河川に生育する生物への影響をなくし、かつ電気消費量を低減できる。また、電場を形成するための取水用水管内に接地する電極は、幼生の付着可能な流速部分に接地するものとして、この電極に印加する直流パルスの電圧は、流速から考慮される付着防止部分の通過時間のみ幼生が麻痺して、付着活動が防止される量とすることで、幼生は死滅することなく、同時に感電するその他の微小生物への影響も最小限にすることができ、環境の汚染もなくその他の生物を死滅させることもないカハヒバリガイの付着防止方法を提供できる。
【0041】
【発明の効果】
本発明によれば、水管等に付着した生物の処理が不要で、環境への影響がほとんどなく、電力エネルギー消費も少なく、かつ効率的に付着防止が可能な極めて経済性の高いカワヒバリガイ幼生の付着防止が達成出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の試験装置の平面図である。
【図2】(a)(b)は電場分布概要図である。
【図3】(a)は各通電条件におけるカワヒバリガイ幼生の5分〜10分の不動率を示した図であり、(b)は各通電条件におけるカワヒバリガイ幼生の15分〜20分の不動率を示した図である。
【図4】本発明の高圧直流のパルス印加電極の配置構成図である。
【符号の説明】
1 水中ポンプ
2 試験区
3、4 水管
5、6 モニタリング水槽
7 付着基質[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a river snail that prevents river snail larvae that seasonally enter water pipes for taking water for water supply, industrial use, etc. from rivers and lakes from adhering to piping systems and water quality measuring instruments. The present invention relates to an adhesion prevention method.
[0002]
[Prior art]
As an obstacle caused by sticky bivalves, pollution such as a decrease in ship speed and a decrease in water intake caused by mussels adhering to seawater intake facilities such as ships and power plants in the ocean is well known.
[0003]
On the other hand, there were no sticking bivalves inhabited in rivers and lakes in Japan, so there was a problem that bivalves (zebra clams) adhered to hydroelectric power plants and water intake facilities, blocking water pipes and causing water flow problems. There wasn't. However, around 1990, an adventitious bivalve kingfisher from China and South Korea entered the Lake Biwa and Nagara River systems, and as its habitat expanded, these river snails have recently been installed in water pipes such as water intake facilities. Water intake troubles such as adhering, blocking the water pipe and reducing the amount of water began to occur frequently. Specifically, the kingfisher larvae enter the intake pipes for taking water for water supply, industrial use, etc. from the Lake Biwa Yodogawa and Nagara river systems and adhere to the piping system in contact with the water. However, the pipe diameter is narrowed to cause water flow trouble, and the troubles such as adhesion to the water quality measuring instrument, sensor operation trouble and function stoppage have occurred.
[0004]
Water bottleneck irrigation facilities have become a problem in South Korea and Taiwan, and as a countermeasure, chlorination, which is widely used for disinfection of tap water, is extremely effective, and it is economically efficient. Have been used.
[0005]
In Japan, countermeasures against river bream with chlorine have been studied, but chlorination combines organic substances in river water with chlorine to generate organochlorine compounds that exhibit carcinogenicity (typical substances include trihalomethanes). It is not used as.
[0006]
In addition, as another chemical method, there is a method of applying an antifouling paint containing a compound such as copper to a structure that comes into contact with water. The current situation is that it has not yet been used.
[0007]
Therefore, the only current measures are to clean the blocked pipes and attached structures manually or with a machine, or in the case of intake pipes, use strainers to filter the larvae of river snails and frequently change the collection strainer. It has not been. In these methods, the river snail that has been attached and removed must be treated as waste next, and a basic measure of preventing the snail from adhering to the target site is eagerly desired.
[0008]
In addition, a DC pulse generator for shellfish adhesion prevention that generates a pulse by charging and discharging a condenser in a water channel leading to a seawater intake port and a drain port is also known (see Patent Document 1). Since an adhesion prevention method has not been established, it has not yet been put to practical use.
[0009]
[Patent Document 1]
Japanese Patent No. 3188864 (pages 4-5, FIG. 2)
[0010]
[Problems to be solved by the invention]
In the case of removing the river snails adhering to the water pipe, etc., the treatment becomes a problem next time, which is not compatible with the current situation of advocating zero emissions. Therefore, the present invention does not use a drug that may cause environmental pollution, and forms an electric field in a water tube or the like to which the flounder adheres only when the larvae of the flounder attach, and efficiently paralyzes the larvae. It is intended to provide a method for preventing the attachment of the flounder larvae which is capable of preventing adhesion.
[0011]
[Means for Solving the Problems]
The present invention solves the above-mentioned problem, and in a method for preventing the attachment of a river snail, the direct connection of a high-pressure DC pulse application electrode to a water intake pipe for river water, etc. The electrode arrangement is -electrodes at both ends and the other electrode as + electrodes. The electrodes are installed in the direction of flow in the water pipe, and electric stimulation is applied to the electric field formed by the ground electrode arranged with respect to the applied electrode, thereby paralyzing the flounder. This is a method for preventing the adhesion of kawahibarigai.
[0012]
The electrical stimulation is represented by voltage × total number of pulses, and is 270 or more.
[0013]
By making the operation time of the method of the present invention only the time of appearance of the attached larvae of the sea bream, it is possible to eliminate the influence on other organisms and reduce the electric consumption by arranging the electrodes of the present invention. In addition, the electrode installed in the water pipe for taking water such as river water to form an electric field is installed at the flow velocity part where larvae can adhere, and the voltage of the DC pulse applied to this electrode is considered to be considered from the flow velocity. By setting the amount so that the larvae are paralyzed only during the passage time of the prevention part and the adhesion activity is prevented, the larvae will not die, but at the same time the influence on other micro organisms that are electrocuted can be minimized. Therefore, it is possible to provide a method for preventing the attachment of the flounder that does not contaminate the body and does not kill other organisms.
[0014]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
[Example 1]
In Example 1, a DC pulse electric field was formed in a transparent PVC water tube (diameter: 10 cm), and the limpet larvae subjected to electrical stimulation were collected and observed, and the degree of paralysis (effect of electrical stimulation) on the flounder was examined.
[0015]
A plan view of the test apparatus is shown in FIG. In the figure, 1 is a submersible pump, 2 is a test section of a water pipe that gives an electric pulse to form an electric field, 3 is a water pipe that forms an electric field, 4 is a water pipe that does not form an electric field, and 5 is a monitoring provided in a water pipe that forms an electric field A water tank, 6 is a monitoring water tank provided in a water pipe that does not form an electric field, 7 is an attached substrate, and 8 is a water sampling port for collecting larvae of the flounder.
[0016]
The electric field is formed by a high-voltage DC pulse application electrode installed in the direction of flowing water in the water pipe and a ground electrode arranged with respect to the high-voltage DC pulse application electrode. Moreover, this test apparatus pumped the river water with the submersible pump, branched into a water pipe (test section) that provided an electrode portion and applied an electric pulse to form an electric field, and a water pipe (control section) that did not form an electric field.
There were two types of electrode arrangements in the electrode part. The electrode arrangement (a) was a distance of 2.8 m and was an electrode arrangement of − + − + − + −. The electrode arrangement (b) was 0.96 m, and the electrode arrangement was-++++-. A water sampling port was provided at each end to enable collection of larvae.
This test equipment is a facility equipped with a monitoring water tank that can be equipped with an adherent substrate. Moreover, the measurement terminal was provided in the electrode part and the electric field distribution was measured.
[0017]
The pulse generator used is the DC pulse generator shown in Patent Document 1, and the specifications are shown in Table 1.
[0018]
[Table 1]
[0019]
The electric field distribution obtained in the test is shown in FIGS. The voltage shows a peak at the + electrode (a voltage almost at the same level as the set voltage) and decays toward the-electrode. The electrode arrangement in FIG. 2 (a) was a +++++ electrode arrangement, the electric field distribution was a triangle, and the electrode arrangement in FIG. 2 (b) was a +++++ trapezoidal electric field. Comparing the electrode arrangement of FIG. 2 (a) with the electrode arrangement of FIG. 2 (b), there was little attenuation in the latter, and a wide range of electric field formation was seen over a short distance.
[0020]
In the test, an electric field was generated in flowing water at a flow rate of 0.025 to 0.2 m / sec, and the flounder moth larvae that received electrical stimulation were collected from the sampling port, and the state of paralysis was determined as immobility (in order to examine the stimulation of the larvae). %, Number of stationary individuals / number of observed individuals × 100).
[0021]
The results are shown in Table 2 and FIGS. 3 (a) and 3 (b). The larvae were paralyzed by electrical stimulation at an applied voltage of 3 kV or more. The stimulation was expressed as voltage x total number of pulses as electrical stimulation. At an applied voltage of 7 kV, 80% or more of the larvae were paralyzed and immobilized by about 400 electrical stimulation (electric stimulation: voltage × total number of pulses) at the electrode portion in FIG. Moreover, in the electrode part of FIG.2 (b), about 80% of the larvae were paralyzed by the electrical stimulation of about 270, and became immobile. From these results, it was found that the electrode arrangement of FIG. 2 (b) has a shorter electrode arrangement distance than the electrode arrangement of FIG. 2 (a) and can numb the larvae with less electrical stimulation.
[0022]
[Table 2]
[0023]
On the other hand, in the control group, about 29% was paralyzed in 5 minutes to 10 minutes, larvae recovered after 15 minutes to 20 minutes, and the ratio decreased to 17%.
[0024]
FIG. 3 shows the immobility rate of the giant clam larvae under each energization condition. (A) shows the immobility rate of 5 minutes to 10 minutes, and (b) shows the immobility rate of 15 minutes to 20 minutes. The immobilization rate is obtained as the sum of the number of immovable individuals and the number of individuals with broken shells /% of observed individuals. (A) is the result of electrode arrangement in FIG. 2 (a), and (b) is the electrode arrangement in FIG. 2 (b). The results are shown.
[0025]
As shown in 7 KV (b) of FIG. 3 (b), even in the energized group, recovery of larvae was observed after 15 to 20 minutes of exposure, but the recovery was slower than in the control group.
[0026]
Although larval paralysis was also observed in the control group, the rate did not change even when the flow rate increased, and the high immobility rate observed in the energized section could be attributed to electrical stimulation.
[0027]
From the above results, it was found that with this method, the electrode arrangement was − ++++ −, and a high paralysis effect was obtained by electrical stimulation (applied voltage × total number of pulses) of 270 or more applied voltage. While the larva is paralyzed, the adherence action is stopped, so adhesion can be prevented.
[0028]
It was also confirmed that the paralyzed larvae recovered over time and started swimming again. This indicates that larvae are not completely dead.
[0029]
In addition, the adhesion of larvae after passing the electric field was also tested. The test was performed under the test conditions in which the applied voltage was 7 kV, the number of pulses was 4 times / second, the flow rate was 0.1 m / second, and the immobility of larvae was 80%. After passing water for a certain period of time, the number of flounder larvae adhering to the adherent substrate (nylon rope) installed in the monitoring water tank was counted, and the test group and the control group were compared. Table 3 shows the number of attached snails in the test group and the control group. There were few in the test plot where the electric field was formed, and there were many values in the control plot. That is, the adhesion preventing effect of the flounder larvae was also confirmed.
[0030]
[Table 3]
[0031]
[Example 2]
Example 2 is an example of development to the irrigation piping system of a hydroelectric power plant.
[0032]
As a result of analyzing the test results of Example 1, the arrangement of the electrodes is set to − ++++ − when deploying the actual machine. The target electrical stimulation (kV voltage × total number of pulses) is 270 or more. Therefore, the voltage is 10 kV and the number of pulses is 15 times / second. In order to satisfy the above operating conditions, the DC pulse generator control panel has the specifications shown in Table 4 below. The diameter of the electrode tube is 15 cm, and the electrode material is stainless steel.
[0033]
[Table 4]
[0034]
Electrical stimulation is voltage x number of pulses. Therefore, if the flow rate is high, the time required to pass through the electrode portion becomes fast, so that a large number of necessary pulses per second is required. If the distance between the electrode portions is long, the time for receiving the pulse becomes long and the number increases. Therefore, the required number of output pulses is expressed by the following equation.
[0035]
Required number of output pulses (times / second) = (270 / voltage (kV)) × (flow velocity (m / second) / electrode tube length (m))
The required number of output pulses was determined from the flow rate and the length of the electrode part and shown in Table 5.
[0036]
[Table 5]
[0037]
That is, if the flow rate is high, the required number of output pulses increases, and at the same flow rate, the required number of output pulses increases as the electrode portion becomes shorter.
[0038]
FIG. 4 shows a plan for deploying this method on an actual machine. Existing piping can also be used if a bypass is provided.
[0039]
The operation period is about 5 months from June to October, when the flounder larvae appear.
[0040]
As described above, the operation of the method for preventing adhesion of the flounder of the present invention is limited to the appearance time of the larvae of the flounder of the flounder, and by not operating during the unnecessary time, the attachment of the flounder can be effectively prevented and grows in other rivers. The effect on living organisms can be eliminated and the electricity consumption can be reduced. In addition, the electrode grounded in the water intake water pipe for forming the electric field is grounded to the flow velocity portion to which the larvae can adhere, and the voltage of the DC pulse applied to this electrode is that of the adhesion prevention portion considered from the flow velocity. By setting the amount so that the larvae can be paralyzed only during the passage time and the adhesion activity can be prevented, the larvae will not die, and at the same time, the impact on other micro-organisms that are electrocuted can be minimized, and environmental pollution In addition, it is possible to provide a method for preventing the attachment of the snail that does not kill other organisms.
[0041]
【The invention's effect】
According to the present invention, there is no need for treatment of organisms attached to water pipes, etc., there is almost no impact on the environment, electric power consumption is low, and the attachment of extremely high-cost Kawabata mussel larvae that can efficiently prevent attachment Prevention can be achieved.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a plan view of a test apparatus according to the present invention.
FIGS. 2A and 2B are electric field distribution outline diagrams. FIG.
FIG. 3 (a) is a graph showing the immobilization rate of the flounder moth larvae for 5 minutes to 10 minutes under each energization condition, and (b) is the immobility rate of the limpet larvae for 15 minutes to 20 minutes under each energization condition. FIG.
FIG. 4 is an arrangement configuration diagram of high-voltage DC pulse application electrodes according to the present invention.
[Explanation of symbols]
1 Submersible pump 2 Test zone 3, 4 Water pipe 5, 6 Monitoring water tank 7 Adhering substrate