JP2005002101A - 有機金属錯体およびそれを用いた発光素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】 燐光を発光する有機金属錯体を提供する。
【解決手段】 [化1]で表される有機金属錯体を合成する(式中、R1〜R5は、水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基、アルコキシ基、アシル基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、ジアルキルアミノ基、ジアリールアミノ基、ビニル基、アリール基、複素環残基、のいずれかを表す。また、R1とR2、R2とR3、R4とR5はそれぞれ互いに結合し、芳香族環を形成してもよい。Yは、窒素原子をヘテロ原子として含む複素環残基を表す。Mは、第9族原子または第10族原子を表す。Mが第9族原子の場合はn=2、第10族原子の場合はn=1となる。Lは、ベータジケトン構造を有するモノアニオン性の二座キレート配位子、カルボキシル基を有するモノアニオン性の二座キレート配位子、フェノール性水酸基を有するモノアニオン性の二座キレート配位子、のいずれかを表す。)。
【化1】

Description

本発明は、三重項励起状態を発光に変換し、燐光を発光する有機金属錯体および前記有機金属錯体を用いた発光素子に関する。
有機化合物(有機分子)は、光を吸収するとエネルギーを持った状態(励起状態)となる。この励起状態を経由することにより、種々の反応(光化学反応)を起こす場合や発光(ルミネッセンス)を生じる場合があり、様々な応用がなされている。
光化学反応の一例として、一重項酸素の生成反応がある。酸素分子は基底状態が三重項状態であるため、一重項状態の酸素(一重項酸素)は直接の光励起では生成しない。しかしながら、他の三重項励起分子の存在下においては一重項酸素が生成する。この時、前述の三重項励起分子を形成できる化合物は、光増感剤と呼ばれ、例えば光漂白剤や抗菌活性化合物として利用される。
このように、一重項酸素を生成するためには、三重項励起分子を光励起で形成できる光増感剤が必要である。しかしながら、通常の有機化合物は基底状態が一重項状態であるため、三重項励起状態への光励起は禁制遷移となり、三重項励起分子は生じにくい(通常は一重項励起分子が生じる)。したがって、このような光増感剤としては、一重項励起状態から三重項励起状態への項間交差を起こしやすい化合物(あるいは、直接三重項励起状態へ光励起されるという禁制遷移を許容する化合物)が求められている。言い換えれば、そのような化合物は光増感剤としての利用が可能であり、有益と言える。また、そのような化合物は、しばしば燐光を放出することがある。
近年、燐光を放出する材料は、エレクトロルミネッセンス(EL)素子等の発光素子に用いられる発光物質として注目されている。
燐光とは多重度の異なるエネルギー間の遷移によって生じる発光のことであり、通常の有機化合物では三重項励起状態から一重項基底状態へ戻る際に生じる発光のことをさす。なお、これに対し、一重項励起状態から一重項基底状態へ戻る際の発光は、蛍光と呼ばれる。
燐光を放出できる化合物、即ち、三重項励起状態を発光に変換できる化合物(以下、燐光性化合物と記す。)は、内部量子効率が高く、理論上は75〜100%である。これは、蛍光を放出する化合物における内部量子効率の約3〜4倍の値である。従って、燐光性化合物を適用することにより、発光効率の高い発光素子を作製することができる。
ところが、従来から発光物質として用いられてきた材料の多くは、蛍光を放出するものであり、燐光性化合物は数少ない。このため、燐光性化合物の開発が、多くの研究者等により進められている(例えば、非特許文献1、2参照。)。
テツオ ツツイ、外8名、ジャパニーズ ジャーナル オブ アプライド フィジクス、vol.38、L1502−L1504(1999)
M.A.バルド、外2名、ネイチャー(ロンドン)、vol.403、750−753(2000)
非特許文献1や非特許文献2では、イリジウムを中心金属とする有機金属錯体が示されている。これらは、オルトメタル錯体と呼ばれる有機金属錯体の一種である。
また、非特許文献1や非特許文献2で用いられているイリジウム錯体の配位子の構造は比較的単純であり、色純度の良い緑色発光を示すが、発光色を他の色に変えるためには配位子の構造を変える必要がある。例えば、非特許文献3では、種々の配位子およびその配位子を用いたイリジウム錯体が合成されており、いくつかの発光色を実現している。
M.トンプソン、外10名、第10回 インターナショナル ワークショップ オン インオーガニック アンド オーガニック エレクトロルミネッセンス(EL ’00)、35−38
しかしながら、これらの配位子はそのほとんどが中心金属と5員環を形成できるものに限られており、その中から適した発光色を探索しているのが現状である。つまり、適用できる配位子の種類がまだ少ないという問題がある。
また、それらの配位子の多くは合成が困難、あるいは合成に要するステップ数が多いため、材料自体のコスト上昇にもつながる。コストの観点で言えば、有機金属錯体自体の収率も重要である。
さらに、一般的に、有機金属錯体は分解しやすく、耐熱性に乏しく、発光素子のような電子デバイスに応用する際には問題となる。
以上のことから、配位子の合成が容易で、収率良く合成でき、また耐熱性にも優れた有機金属錯体の開発が求められている。
以上の問題に鑑み、本発明では、配位子の合成が容易で、収率よく合成でき、また耐熱性にも優れ、三重項励起状態を発光に変えることができる有機金属錯体、およびそれを用いた発光素子を提供することを課題とする。
本発明は、一般式(1)で表される有機金属錯体を提供するものである。
Figure 2005002101
(式中、R1〜R5はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、水素原子、またはハロゲン原子、または低級アルキル基、またはアルコキシ基、またはアシル基、またはニトロ基、またはシアノ基、またはアミノ基、またはジアルキルアミノ基、またはジアリールアミノ基、または置換基を有してもよいビニル基、または置換基を有してもよいアリール基、または置換基を有してもよい複素環残基、のいずれかを表す。また、R1とR2、R2とR3、R4とR5はそれぞれ互いに結合し、芳香族環を形成してもよい。またYは、窒素原子をヘテロ原子として含む複素環残基を表す。またMは、第9族原子または第10族原子を表し、前記Mが第9族原子の場合はn=2、第10族原子の場合はn=1となる。またLは、ベータジケトン構造を有するモノアニオン性の二座キレート配位子、またはカルボキシル基を有するモノアニオン性の二座キレート配位子、またはフェノール性水酸基を有するモノアニオン性の二座キレート配位子、のいずれかを表す。)
本発明は、一般式(2)で表される有機金属錯体を提供するものである。
Figure 2005002101
(式中、R10は、水素原子、またはハロゲン原子、または低級アルキル基、またはアルコキシ基、またはアシル基、またはニトロ基、またはシアノ基、またはアミノ基、またはジアルキルアミノ基、またはジアリールアミノ基、または置換基を有してもよいビニル基、または置換基を有してもよいアリール基、または置換基を有してもよい複素環残基、のいずれかを表す。Yは、窒素原子をヘテロ原子として含む複素環残基を表す。またMは、第9族原子または第10族原子を表し、前記Mが第9族原子の場合はn=2、第10族原子の場合はn=1となる。またLは、ベータジケトン構造を有するモノアニオン性の二座キレート配位子、またはカルボキシル基を有するモノアニオン性の二座キレート配位子、またはフェノール性水酸基を有するモノアニオン性の二座キレート配位子、のいずれかを表す。)
上記一般式(1)で表される有機金属錯体において、R4とR5とが芳香族環を形成し、上記一般式(2)で表されるようなカルバゾール配位子を有する構造とすることにより、本発明の有機金属錯体を合成するための複数の過程のうち、配位子を合成する過程が容易となる。さらに、錯体を形成するための過程が容易となり、高収率化する。
上記一般式(1)又は(2)で表される有機金属錯体において、前記Yは、金属への配位を妨げにくい立体構造を有する、5員環又は6員環からなる複素環残基であることが好ましい。より好ましくは、下記一般式(3)又は(4)で表される有機金属錯体である。5員環又は6員環からなる複素環残基としては、2−ピリジル基、2−オキサゾリル基、2−チアゾリル基などが挙げられる。これにより、本発明の有機金属錯体を合成するための複数の過程のうち、錯体を形成するための過程が容易となり、高収率化する。
Figure 2005002101
(式中、R1〜R9はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、水素原子、またはハロゲン原子、または低級アルキル基、またはアルコキシ基、またはアシル基、またはニトロ基、またはシアノ基、またはアミノ基、またはジアルキルアミノ基、またはジアリールアミノ基、または置換基を有してもよいビニル基、または置換基を有してもよいアリール基、または置換基を有してもよい複素環残基、のいずれかを表す。また、R1とR2、R2とR3、R4とR5、R6とR7、R7とR8、R8とR9はそれぞれ互いに結合し、芳香族環を形成してもよい。またMは、第9族原子または第10族原子を表し、前記Mが第9族原子の場合はn=2、第10族原子の場合はn=1となる。またLは、ベータジケトン構造を有するモノアニオン性の二座キレート配位子、またはカルボキシル基を有するモノアニオン性の二座キレート配位子、またはフェノール性水酸基を有するモノアニオン性の二座キレート配位子、のいずれかを表す。)
Figure 2005002101
(式中、R6〜R10はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、水素原子、またはハロゲン原子、または低級アルキル基、またはアルコキシ基、またはアシル基、またはニトロ基、またはシアノ基、またはアミノ基、またはジアルキルアミノ基、またはジアリールアミノ基、または置換基を有してもよいビニル基、または置換基を有してもよいアリール基、または置換基を有してもよい複素環残基、のいずれかを表す。また、R6とR7、R7とR8、R8とR9はそれぞれ互いに結合し、芳香族環を形成してもよい。またMは、第9族原子または第10族原子を表し、前記Mが第9族原子の場合はn=2、第10族原子の場合はn=1となる。またLは、ベータジケトン構造を有するモノアニオン性の二座キレート配位子、またはカルボキシル基を有するモノアニオン性の二座キレート配位子、またはフェノール性水酸基を有するモノアニオン性の二座キレート配位子、のいずれかを表す。)
上記一般式(1)、(2)、(3)、又は(4)で表される有機金属錯体において、低級アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ヘキシル基などがあり、炭素数が1〜6のものが好ましい。また、トリフルオロメチル基のようなハロゲン化アルキル基や、シクロヘキシル基のようなシクロアルキル基であってもよい。アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ヘキソキシ基などがあり、炭素数が1〜6のものが好ましい。アシル基としては、アセチル基などが可能である。ジアルキルアミノ基としては、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基などがあり、アルキル鎖の炭素数が1〜4のものが好ましい。ジアリールアミノ基としては、ジフェニルアミノ基、ビス(α−ナフチル)アミノ基などがあり、ビス(m−トリル)アミノ基のような置換アリールアミノ基であってもよい。ビニル基としては、ジフェニルビニル基のような置換基を有するビニル基であってもよい。アリール基としては、フェニル基、ナフチル基などの無置換アリール基の他、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、キシリル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、フルオロフェニル基などの置換アリール基であってもよい。複素環残基としては、ピリジル基、フリル基、チエニル基などがあり、これらはメチル基などの置換基をさらに有していてもよい。
また、上記一般式(1)、(2)、(3)、又は(4)で表される有機金属錯体において、中心金属Mは、イリジウム原子又は白金原子であることを特徴としている。中心金属として、イリジウム原子や白金原子のような重い原子を用いることにより、より効率よく燐光発光を得ることができる。
さらに、上記一般式(1)、(2)、(3)、又は(4)で表される有機金属錯体において、配位子Lは、ベータジケトン構造を有するモノアニオン性の二座キレート配位子、又はカルボキシル基を有するモノアニオン性の二座キレート配位子、又はフェノール性水酸基を有するモノアニオン性の二座キレート配位子、のいずれかであることが好ましい。より好ましくは、下記構造式(5)〜(11)に示すモノアニオン性の二座キレート配位子のいずれかである。これらのモノアニオン性の二座キレート配位子は、配位能力が高く、安値で入手することができる。
Figure 2005002101
上述した本発明の有機金属錯体は、中心金属と6員環を形成した構造を有するものである。また、本発明の有機金属錯体は、三重項励起状態を発光に変換することができる。即ち、燐光を発光するものである。
本発明の別の構成は、一般式(1)、(2)、(3)又は(4)で表される有機金属錯体を用いた発光素子である。本発明の有機金属錯体を発光物質として用いることにより、発光効率の高い発光素子を作製することができる。
具体的には、本発明の発光素子は、一対の電極間に、一般式(1)、(2)、(3)又は(4)で表される有機金属錯体からなる層を有することを特徴としている。このように、本発明の有機金属錯体は、発光層として用いることができる。
また、本発明の発光素子は、一対の電極間に、一般式(1)、(2)、(3)又は(4)で表される有機金属錯体を含む層を有することを特徴としている。このように、本発明の有機半導体層をゲスト材料としても発光層に用いることができる。
本発明により、収率がよく、低コストで作製できる有機金属錯体を得られる。また、耐熱性の高い有機金属錯体が得られる。さらに、本発明の有機金属錯体を用いて発光素子を作製することにより、発光効率のよい発光素子が得られる。
(実施の形態1)
本実施の形態では、本発明の一態様として、本発明の有機金属錯体の合成方法について説明する。
先ず、下記一般式(12)で表される配位子を、下記合成スキーム(a−1)により合成する。
Figure 2005002101
Figure 2005002101
なお、上記一般式(12)及び合成スキーム(a−1)において、R1〜R5はそれぞれ同一でも異なっていても良く、水素原子、またはハロゲン原子、または低級アルキル基、またはアルコキシ基、またはアシル基、またはニトロ基、またはシアノ基、またはアミノ基、またはジアルキルアミノ基、またはジアリールアミノ基、または置換基を有してもよいビニル基、または置換基を有してもよいアリール基、または置換基を有してもよい複素環残基、のいずれかを表す。また、R1とR2、R2とR3、R4とR5はそれぞれ互いに結合し、芳香族環を形成してもよい。
この時、低級アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ヘキシル基などがあり、炭素数が1〜6のものが好ましい。また、トリフルオロメチル基のようなハロゲン化アルキル基や、シクロヘキシル基のようなシクロアルキル基であってもよい。アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ヘキソキシ基などがあり、炭素数が1〜6のものが好ましい。アシル基としては、アセチル基などが可能である。ジアルキルアミノ基としては、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基などがあり、アルキル鎖の炭素数が1〜4のものが好ましい。ジアリールアミノ基としては、ジフェニルアミノ基、ビス(α−ナフチル)アミノ基などがあり、ビス(m−トリル)アミノ基のような置換アリールアミノ基であってもよい。ビニル基としては、ジフェニルビニル基のような置換基を有するビニル基であってもよい。アリール基としては、フェニル基、ナフチル基などの無置換アリール基の他、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、キシリル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、フルオロフェニル基などの置換アリール基であってもよい。複素環残基としては、ピリジル基、フリル基、チエニル基などがあり、これらはメチル基などの置換基をさらに有していてもよい。
さらに上記一般式(12)及び合成スキーム(a−1)において、複素環残基Yとしては、中心金属Mへの配位を妨げずに配位しやすい立体構造を考慮し、5員環または6員環の複素環残基が好ましい。これにより、合成が容易となり高収率化できる。具体的には、2−ピリジル基、4−ピリミジル基、2−オキサゾリル基、2−チアゾリル基などである。なかでも、2−ピリジル基が、より好ましい。但し、これに限らず、2−ベンゾオキサゾリル基のような多環式基でもよい。
次に、上記一般式(12)で表される配位子を用いて、下記一般式(13)で表される本発明の有機金属錯体を、下記合成スキーム(a−2)、(a−3)で表されるシクロメタル化反応により合成する。
Figure 2005002101
Figure 2005002101
Figure 2005002101
なお、上記一般式(13)および合成スキーム(a−2)、(a−3)において、Yは、上記一般式(12)におけるYと同一のものである。Lは、ベータジケトン構造を有するモノアニオン性の二座キレート配位子、またはカルボキシル基を有するモノアニオン性の二座キレート配位子、またはフェノール性水酸基を有するモノアニオン性の二座キレート配位子、のいずれかを表している。具体的には、アセチルアセトン、マロン酸ジメチル、ピコリン酸、プロリン、サリチリデンアミン、サリチルアルデヒド、8−キノリノールなどである。
先ず、上記合成スキーム(a−2)で表されるように、中心金属原料として塩化イリジウムの水和物と、上記一般式(12)で表される配位子とを混合し、窒素雰囲気下にて還流することにより、塩素架橋の複核錯体を合成する。次に、上記合成スキーム(a−3)で表されるように、得られた前記複核錯体と、二座キレート配位子Lとを混合して窒素雰囲気下にて還流することにより、塩素架橋を二座キレート配位子Lで切断し、一般式(13)で表される本発明の有機金属錯体を得る。
なお、上記一般式(12)で表される配位子において、R5を水素原子以外のもの、例えば、メチル基などの低級アルキル基やビニル基などの置換基とすることにより、インドールの7位に中心金属(本実施の形態では、イリジウム原子(Ir))が結合し易くなる。つまり、反応部位が一カ所に固定され易くなり、収率が向上する。
さらに、上記一般式(12)で表される配位子において、またR4とR5とが芳香族環を形成することにより、下記一般式(14)で表されるようなカルバゾール配位子となる。この場合、カルバゾールの1位または8位に、中心金属(本実施の形態では、イリジウム原子(Ir))が結合し易くなる。カルバゾールの1位と8位とは等価であるため、いずれの反応部位で中心金属と結合しても、同じ構造の有機金属錯体を合成できる。従って、収率の向上につながる。
Figure 2005002101
(式中、R10は、水素原子、またはハロゲン原子、または低級アルキル基、またはアルコキシ基、またはアシル基、またはニトロ基、またはシアノ基、またはアミノ基、またはジアルキルアミノ基、またはジアリールアミノ基、または置換基を有してもよいビニル基、または置換基を有してもよいアリール基、または置換基を有してもよい複素環残基、のいずれかを表す。また、Yは、窒素原子をヘテロ原子として含む複素環残基を表す。)
以上のような、合成方法により本発明の有機金属錯体を得ることができる。但し、本発明の有機金属錯体の合成方法は、上記に限定されるものではない。
ここで、一般式(12)および(14)で表される配位子のより具体的な例としては、1−(2−ピリジル)インドール、1−(2−ピリジル)−2−メチルインドール、1−(2−ピリジル)−5−メトキシインドール、1−(2−ピリジル)−5−ジメチルアミノインドール、1−(2−ピリジル)−5−ジフェニルアミノインドール、1−(2−ピリジル)−5−ジフェニルビニルインドール、1−(2−オキサゾリル)インドール、1−(2−チアゾリル)インドール、9−(2−ピリジル)カルバゾール、9−(2−ピリジル)−3,6−ジメチルカルバゾール、9−(2−ピリジル)−3,6−ジメトキシカルバゾール、9−(2−ピリジル)−3,6−ビス(ジメチルアミノ)カルバゾール、9−(2−ピリジル)−3,6−ビス(ジフェニルアミノ)カルバゾール、9−(2−ピリジル)−3,6−ビス(ジフェニルビニル)カルバゾール、9−(2−オキサゾリル)カルバゾール、9−(2−チアゾリル)カルバゾール、などが挙げられるが、これらに限定されることはない。
また、以上のような合成方法により得られる本発明の有機金属錯体の具体例としては、下記構造式(15)〜(22)などがある。但し、本発明の有機金属錯体は、これらに限定されるものではない。また下記具体例においては、中心金属として、イリジウム原子(Ir)以外に白金原子(Pt)を用いたものについても記載している。
Figure 2005002101
Figure 2005002101
Figure 2005002101
Figure 2005002101
Figure 2005002101
Figure 2005002101
Figure 2005002101
Figure 2005002101
上記の本発明の有機金属錯体は、中心金属と6員環を形成した構造を有するものであり、三重項励起状態を発光に変換することができる。即ち、燐光を発光するものである。さらに、本発明の有機金属錯体は、収率良く合成できるため、低コストで製造できる。なお、本発明の有機金属錯体は燐光材料として発光素子に適用することができる。この他、非特許文献2で述べられているような増感剤としても用いることができる。また、本発明の有機金属錯体は、項間交差を起こし易いため、光増感剤として、光漂白剤や抗菌性化合物に利用できる。
(実施の形態2)
本実施の形態では、本発明の一態様として、本発明の有機金属錯体を用いた発光素子について図1を用いて説明する。
図1では、基板100上に第1の電極101が形成され、第1の電極101上に発光物質を含む層102が作製され、その上に第2の電極103が形成された構造を有する。
ここで基板100に用いる材料としては、従来の発光素子に用いられているものであればよく、例えば、ガラス、石英、透明プラスチックなどからなるものを用いることができる。
また、本実施の形態において、第1の電極101は陽極として機能し、第2の電極103は陰極として機能する。
すなわち第1の電極101は陽極材料で形成され、ここで用いることのできる陽極材料としては、仕事関数の大きい(仕事関数4.0eV以上)金属、合金、電気伝導性化合物、およびこれらの混合物などを用いることが好ましい。なお、陽極材料の具体例としては、インジウム錫酸化物(ITO:Indium Tin Oxide)、酸化インジウムに2〜20%の酸化亜鉛(ZnO)を混合したIZO(Indium Zinc Oxide)の他、金(Au)、白金(Pt)、ニッケル(Ni)、タングステン(W)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、または金属材料の窒化物(TiN)等を用いることができる。
一方、第2の電極103の形成に用いられる陰極材料としては、仕事関数の小さい(仕事関数3.8eV以下)金属、合金、電気伝導性化合物、およびこれらの混合物などを用いることが好ましい。このような陰極材料の具体例としては、元素周期表の1族または2族に属する元素、すなわちリチウム(Li)やセシウム(Cs)等のアルカリ金属、およびマグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)等のアルカリ土類金属、およびこれらを含む合金(Mg:Ag、Al:Li)が挙げられる。しかしながら、第2の電極103と発光層との間に、電子注入を促す機能を有する層を当該第2の電極と積層して設けることにより、仕事関数の大小に関わらず、Al、Ag、ITO等様々な導電性材料を第2の電極103として用いることができる。
なお、電子注入を促す機能を有する層としては、フッ化リチウム(LiF)、フッ化セシウム(CsF)、フッ化カルシウム(CaF2)等のようなアルカリ金属又はアルカリ土類金属の化合物を用いることができる。また、この他、電子輸送性を有する材料中にアルカリ金属又はアルカリ土類金属を含有させたもの、例えばAlq中にマグネシウム(Mg)を含有させたもの等を用いることができる。
なお、上述した陽極材料及び陰極材料は、蒸着法、スパッタリング法等により薄膜を形成することにより、それぞれ第1の電極101及び第2の電極103を形成する。
また、本発明の発光素子において、発光物質を含む層102におけるキャリアの再結合により生じる光は、第1の電極101または第2の電極103の一方、または両方から外部に出射される。すなわち、第1の電極101から光を出射させる場合には、第1の電極101を透光性の材料で形成し、第2の電極103側から光を出射させる場合には、第2の電極103を透光性の材料で形成する。
また、発光物質を含む層102は複数の層を積層することにより形成されるが、本実施の形態では、ホール注入層111、ホール輸送層112、発光層113、ホールブロッキング層114および電子輸送層115を積層することにより形成される。
ホール注入層111を形成するホール注入材料としては、フタロシアニン系の化合物が有効である。例えば、フタロシアニン(略称:H2Pc)、銅フタロシアニン(略称:CuPc)等を用いることができる。
ホール輸送層112を形成するホール輸送材料としては、芳香族アミン系(すなわち、ベンゼン環−窒素の結合を有するもの)の化合物が好適である。広く用いられている材料として、例えば、4,4'−ビス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニル−アミノ]−ビフェニル(略称:TPD)の他、その誘導体である4,4'−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニル−アミノ]−ビフェニル(略称:α−NPD)、あるいは4,4',4''−トリス(N,N−ジフェニル−アミノ)−トリフェニルアミン(略称:TDATA)、4,4',4''−トリス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニル−アミノ]−トリフェニルアミン(略称:MTDATA)などのスターバースト型芳香族アミン化合物が挙げられる。
発光層113は、一般式(1)、(2)、(3)又は(4)のいずれかで表される本発明の有機金属錯体を含む層である。なお、本実施の形態において、一般式(1)、(2)、(3)又は(4)のいずれかで表される有機金属錯体は、ゲスト材料として用いられる。この場合、発光層は、一般式(1)、(2)、(3)又は(4)のいずれかで表される有機金属錯体と、ホスト材料とを共蒸着することにより形成すればよい。ホスト材料としては公知の材料を用いることができ、4,4'−ビス(N−カルバゾリル)−ビフェニル(略称:CBP)や、2,2’,2”−(1,3,5−ベンゼントリ−イル)−トリス[1−フェニル−1H−ベンズイミダゾール](略称:TPBI)などを用いることができる。
上記のように、本発明の有機金属錯体を含む層を発光層113としてもよいが、この他、本発明の有機金属錯体からなる層を発光層113としてもよい。
ホールブロッキング層114を形成するホールブロッキング材料としては、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)−4−フェニルフェノラト−アルミニウム(略称:BAlq)、1,3−ビス[5−(p−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル]ベンゼン(略称:OXD−7)、3−(4−tert−ブチルフェニル)−4−フェニル−5−(4−ビフェニリル)−1,2,4−トリアゾール(略称:TAZ)、3−(4−tert−ブチルフェニル)−4−(4−エチルフェニル)−5−(4−ビフェニリル)−1,2,4−トリアゾール(略称:p−EtTAZ)、バソフェナントロリン(略称:BPhen)、バソキュプロイン(略称:BCP)等を用いることができる。
電子輸送層115を形成する場合の電子輸送材料としては、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Alq3)、トリス(5−メチル−8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Almq3)、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]−キノリナト)ベリリウム(略称:BeBq2)、先に述べたBAlqなど、キノリン骨格またはベンゾキノリン骨格を有する金属錯体が好適である。また、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)−ベンゾオキサゾラト]亜鉛(略称:Zn(BOX)2)、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)−ベンゾチアゾラト]亜鉛(略称:Zn(BTZ)2)などのオキサゾール系、チアゾール系配位子を有する金属錯体もある。さらに、金属錯体以外にも、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(略称:PBD)や、1,3−ビス[5−(p−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル]ベンゼン(略称:OXD−7)、3−(4−tert−ブチルフェニル)−4−フェニル−5−(4−ビフェニリル)−1,2,4−トリアゾール(略称:TAZ)、3−(4−tert−ブチルフェニル)−4−(4−エチルフェニル)−5−(4−ビフェニリル)−1,2,4−トリアゾール(略称:p−EtTAZ)、バソフェナントロリン(略称:BPhen)、バソキュプロイン(略称:BCP)なども電子輸送材料として用いることができる。
以上により、本発明の有機金属錯体を含む発光層113と、低分子系材料からなるホール注入層111、ホール輸送層112、ホールブロッキング層114および電子輸送層115を有する発光素子を作製することができる。なお、ホール注入層111、ホール輸送層112、ホールブロッキング層114、電子輸送層115、および発光層113のホスト材料としては、低分子系材料に限らず、デンドリマーやオリゴマー等の中分子系材料や、高分子系材料を用いても構わない。また成膜方法についても、蒸着法に限らず、インクジェット法等、他の方法を用いても構わない。
本実施の形態においては、ガラス、石英、透明プラスチックなどからなる基板100上に発光素子を作製しているが、これ以外に、例えば図2に示すように、薄膜トランジスタ(TFT)アレイ基板上に発光素子を作製してもよい。なお、図2中、10は基板、点線で囲まれた11,12はTFT、14は第1の電極、15は発光物質を含む層、16は第2の電極、17は配線を表し、第1の電極と発光物質を含む層15と第2の電極16とが積層した部分は発光素子13として機能する。これにより、TFTによって発光素子の駆動を制御するアクティブマトリクス型の発光装置を作製できる。なお、TFTの構造は、特に限定されず、トップゲート型でもボトムゲート型でも構わない。
また、発光物質を含む層102の構造は、上記のもの限定されるものではなく、上記とは異なる積層構造を有する発光物質を含む層としてもよい。例えば、発光層以外に、電子注入層、電子輸送層、ホールブロッキング層、ホール輸送層、ホール注入層等の層を自由に組み合わせて設け、正孔注入層/発光層/電子輸送層、正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層、正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層、正孔注入層/正孔輸送層/発光層/ホールブロッキング層/電子輸送層、正孔注入層/正孔輸送層/発光層/ホールブロッキング層/電子輸送層/電子注入層等の積層構造を有する発光物質を含む層としてもよい。
本発明の有機金属錯体は、三重項励起状態を発光に変換し、燐光を発光することができる。このため、本発明の有機金属錯体を適用することで、発光効率のよい発光素子を作製できる。従って、本発明の発光素子を搭載した発光装置においては、低消費電力化が図れる。
本発明の有機金属錯体の合成例を以下に示す。但し、合成例は以下に限定されるものではない。
(合成例1)
本合成例では、上記構造式(17)で表される本発明の有機金属錯体(略称:Ir(pcz)2(pic))の合成方法について説明する。
[ステップ1:配位子(Hpcz)の合成]
まず、オルトジクロロベンゼン・40mlを溶媒として、カルバゾールを3.94g、2−ヨードピリジンを7.26g、炭酸カリウムを13.10g、銅粉末を3g、18−クラウン−6−エーテルを0.62g混合し、窒素雰囲気下にて10時間還流した。その後、銅および無機塩を除去し、クロロホルム溶媒にてカラム精製を行うことにより、配位子Hpcz(9−(2−ピリジル)カルバゾール)を得た(乳白色粉末、収率93%)。本合成の合成スキーム(b−1)を下記に示す。
Figure 2005002101
なお、得られた乳白色粉末のIRスペクトルを測定したところ、カルバゾールに由来するN−H伸縮振動(3845cm-1)が消失しており、反応が進行していることを示唆している。
[ステップ2:複核錯体([Ir(pcz)2Cl]2)の合成]
次に、2−エトキシエタノール30mlと水10mlとの混合液を溶媒として、上記合成(ステップ1)で得たHpczを1.55g、塩化イリジウム(IrCl3・HCl・H2O)を0.76g混合し、窒素雰囲気下14時間還流することにより、複核錯体[Ir(pcz)2Cl]2 を得た(黄色粉末、収率91%)。本合成の合成スキーム(b−2)を下記に示す。
Figure 2005002101
[ステップ3:有機金属錯体([Ir(pcz)2(pic)])の合成]
さらに、2−エトキシエタノール30mlを溶媒として、上記で得られた[Ir(pcz)2Cl]2 を0.66g、ピコリン酸(Hpic)を0.17g、炭酸ナトリウムを0.48g混合し、窒素雰囲気下にて26時間還流した。得られた黄色粉末を、エタノール溶媒にて再結晶することにより、本発明の燐光性化合物Ir(pcz)2(pic)を得た(黄色粉末、収率87%)。本合成の合成スキーム(b−3)を下記に示す。なお、黄色粉末に関し、ESI−MSにより質量分析を行ったところ、m/z=802が観測された。また、黄色粉末を核磁気共鳴法(1H−NMR)によって測定したところ、下記の結果が得られ、本発明の2−ピリジルカルバゾール錯体であることが確認できた。
1H-NMR (300 MHz, DMSO−d6) d ppm: 8.18(m,5H)、7.91(m,6H)、7.78(d,1H)、7.65(m,2H)、7.50(m,6H)、6.92(t,1H)、6.81(m,2H)、6.70(t,1H)、6.40(d,1H)、5.75(d,1H)。
Figure 2005002101
また、得られた本発明の有機金属錯体(Ir(pcz)2(pic))の分解温度Td をTG−DTA(示唆熱熱重量同時測定装置(セイコー電子株式会社製,TG/DTA 320型))により測定したところ、Td =381℃であり、良好な耐熱性を示すことがわかった。また、収率も上記の通り良好であり、コスト的にも優れている。
次に、Ir(pcz)2(pic)のジクロロメタン中における吸収スペクトル、および発光スペクトル(PL)を図3に示す。図3では、配位子の吸収スペクトルも合わせて記載した。配位子Hpczは292nm、321nmおよび334nmに吸収ピークを有している。一方、本発明の有機金属錯体Ir(pcz)2(pic)は286nm、349nm、370nmおよび421nmの4箇所に吸収ピークを有している。また、発光スペクトルは566nmに発光ピークを有する黄色発光であった。なお、図3の錯体の吸収スペクトルにおいて、可視光領域にかかる幅広い吸収が観測される。これは、三重項MLCT(Metal to ligand charge transfer)と考えられ、Ir(pcz)2(pic)が項間交差を起こしやすい材料であることを示していると考えられる。
(比較例1)
下記構造式(23)で表される従来のイリジウム錯体(略称:Ir(tpy)2(acac))を合成し、分解温度TdをTG−DTAにより測定したところ、Td=298℃であった。
Figure 2005002101
一方、合成例1で述べた本発明の有機金属錯体Ir(pcz)2(pic)のTdは381℃であるため、従来のイリジウム錯体Ir(tpy)2(acac)の方が80℃近くTdが低い結果となった。したがって、本発明の有機金属錯体は耐熱性にも優れていることがわかった。
本実施例では、画素部に本発明の発光素子を有する発光装置について図4を用いて説明する。なお、図4(A)は、発光装置を示す上面図、図4(B)は図4(A)をA−A’で切断した断面図である。点線で示された401は駆動回路部(ソース側駆動回路)、402は画素部、403は駆動回路部(ゲート側駆動回路)である。また、404は封止基板、405はシール剤であり、シール剤405で囲まれた内側407は、空間になっている。
なお、408はソース側駆動回路401及びゲート側駆動回路403に入力される信号を伝送するための配線であり、外部入力端子となるFPC(フレキシブルプリントサーキット)409からビデオ信号、クロック信号、スタート信号、リセット信号等を受け取る。なお、ここではFPCしか図示されていないが、このFPCにはプリント配線基盤(PWB)が取り付けられていてもよい。本実施例における発光装置には、発光装置本体だけでなく、それにFPCもしくはPWBが取り付けられた状態をも含むものとする。
次に、断面構造について図4(B)を用いて説明する。基板410上には駆動回路部及び画素部が形成されているが、ここでは、駆動回路部であるソース側駆動回路401と、画素部402が示されている。
なお、ソース側駆動回路401はnチャネル型TFT423とpチャネル型TFT424とを組み合わせたCMOS回路が形成される。また、駆動回路を形成するTFTは、公知のCMOS回路、PMOS回路もしくはNMOS回路で形成しても良い。また、本実施の形態では、基板上に駆動回路を形成したドライバー一体型を示すが、必ずしもその必要はなく、基板上ではなく外部に形成することもできる。
また、画素部402はスイッチング用TFT411と、電流制御用TFT412とそのドレインに電気的に接続された第1の電極413とを含む複数の画素により形成される。なお、第1の電極413の端部を覆って絶縁物414が形成されている。ここでは、ポジ型の感光性アクリル樹脂膜を用いることにより形成する。
また、カバレッジを良好なものとするため、絶縁物414の上端部または下端部に曲率を有する曲面が形成されるようにする。例えば、絶縁物414の材料としてポジ型の感光性アクリルを用いた場合、絶縁物414の上端部のみに曲率半径(0.2μm〜3μm)を有する曲面を持たせることが好ましい。また、絶縁物414として、感光性の光によってエッチャントに不溶解性となるネガ型、或いは光によってエッチャントに溶解性となるポジ型のいずれも使用することができる。
第1の電極413上には、発光物質を含む層416、および第2の電極417がそれぞれ形成されている。ここで、陽極として機能する第1の電極413に用いる材料としては、仕事関数の大きい材料を用いることが望ましい。例えば、ITO(インジウムスズ酸化物)膜、インジウム亜鉛酸化物(IZO)膜、窒化チタン膜、クロム膜、タングステン膜、Zn膜、Pt膜などの単層膜の他、窒化チタンとアルミニウムを主成分とする膜との積層、窒化チタン膜とアルミニウムを主成分とする膜と窒化チタン膜との3層構造等を用いることができる。なお、積層構造とすると、配線としての抵抗も低く、良好なオーミックコンタクトがとれ、さらに陽極として機能させることができる。
また、発光物質を含む層416は、蒸着マスクを用いた蒸着法、またはインクジェット法によって形成される。発光物質を含む層416には、本発明の有機金属錯体をその一部に用いることとする。その他、発光物質を含む層416に、用いることのできる材料としては、低分子系材料であっても高分子系材料であってもよい。また、発光物質を含む層416に用いる材料としては、通常、有機化合物を単層もしくは積層で用いる場合が多いが、本実施例においては、有機化合物からなる膜の一部に無機化合物を用いる構成も含めることとする。
さらに、発光物質を含む層416上に形成される第2の電極(陰極)417に用いる材料としては、仕事関数の小さい材料(Al、Ag、Li、Ca、またはこれらの合金MgAg、MgIn、Al−Li、CaF2、またはCaN)を用いればよい。なお、発光物質を含む層416で生じた光が第2の電極417を透過させる場合には、第2の電極(陰極)417として、膜厚を薄くした金属薄膜と、透明導電膜(ITO(酸化インジウム酸化スズ合金)、酸化インジウム酸化亜鉛合金(In23―ZnO)、酸化亜鉛(ZnO)等)との積層を用いるのがよい。
さらにシール剤405で封止基板404を素子基板410と貼り合わせることにより、素子基板401、封止基板404、およびシール剤405で囲まれた空間407に発光素子418が備えられた構造になっている。なお、空間407には、不活性気体(窒素やアルゴン等)が充填される場合の他、シール剤405で充填される構成も含むものとする。
なお、シール剤405にはエポキシ系樹脂を用いるのが好ましい。また、これらの材料はできるだけ水分や酸素を透過しない材料であることが望ましい。また、封止基板404に用いる材料としてガラス基板や石英基板の他、FRP(Fiberglass-Reinforced Plastics)、PVF(ポリビニルフロライド)、マイラー、ポリエステルまたはアクリル等からなるプラスチック基板を用いることができる。
以上のようにして、本発明の発光素子を有する発光装置を得ることができる。
本実施例では、本発明を適用した電子機器について説明する。本発明を適用することにより、例えば下記に示すような電子機器において、表示機能に掛かる消費電力を抑えることができ、低消費電力化を図れる。また、本発明の有機金属錯体が収率よく合成されることにより、電子機器製造における原材料費を低く抑えることができ、低コストで安値な電子機器を提供できる。
図5(A)は表示装置であり、筐体5501、支持台5502、表示部5503を含む。本発明は表示部5503を有する表示装置に適用が可能である。
図5(B)はビデオカメラであり、本体5511、表示部5512、音声入力部5513、操作スイッチ5514、バッテリー5515、受像部5516などによって構成されている。
図5(C)は、本発明を適用して作製したノート型のパーソナルコンピュータであり、本体5521、筐体5522、表示部5523、キーボード5524などによって構成されている。
図5(D)は、本発明を適用して作製した携帯情報端末(PDA)であり、本体5531には表示部5533と、外部インターフェイス5535と、操作ボタン5534等が設けられている。また操作用の付属品としてスタイラス5532がある。
図5(E)はデジタルカメラであり、本体5551、表示部(A)5552、接眼部5553、操作スイッチ5554、表示部(B)5555、バッテリー5556などによって構成されている。
図5(F)は、本発明を適用して作製した携帯電話である。本体5561には表示部5564と、音声出力部5562、音声入力部5563、操作スイッチ5565、アンテナ5566等が設けられている。
本発明の発光素子の一態様について説明する図。 本発明の発光素子の一態様について説明する図。 本発明の有機金属錯体の吸収・発光スペクトル図。 本発明を適用した発光装置について説明する図。 本発明を適用した電子機器について説明する図。

Claims (12)

  1. 一般式(1)で表される有機金属錯体。
    Figure 2005002101
    (式中、R1〜R5はそれぞれ独立して、水素原子、またはハロゲン原子、または低級アルキル基、またはアルコキシ基、またはアシル基、またはニトロ基、またはシアノ基、またはアミノ基、またはジアルキルアミノ基、またはジアリールアミノ基、またはビニル基、またはアリール基、または複素環残基、のいずれかを表す。また、R1とR2、R2とR3、R4とR5はそれぞれ互いに結合し、芳香族環を形成してもよい。またYは、窒素原子をヘテロ原子として含む複素環残基を表す。またMは、第9族原子または第10族原子を表し、前記Mが第9族原子の場合はn=2、第10族原子の場合はn=1となる。またLは、ベータジケトン構造を有するモノアニオン性の二座キレート配位子、またはカルボキシル基を有するモノアニオン性の二座キレート配位子、またはフェノール性水酸基を有するモノアニオン性の二座キレート配位子、のいずれかを表す。)
  2. 一般式(2)で表される有機金属錯体。
    Figure 2005002101
    (式中、R10は、水素原子、またはハロゲン原子、または低級アルキル基、またはアルコキシ基、またはアシル基、またはニトロ基、またはシアノ基、またはアミノ基、またはジアルキルアミノ基、またはジアリールアミノ基、またはビニル基、またはアリール基、または複素環残基、のいずれかを表す。Yは、窒素原子をヘテロ原子として含む複素環残基を表す。またMは、第9族原子または第10族原子を表し、前記Mが第9族原子の場合はn=2、第10族原子の場合はn=1となる。またLは、ベータジケトン構造を有するモノアニオン性の二座キレート配位子、またはカルボキシル基を有するモノアニオン性の二座キレート配位子、またはフェノール性水酸基を有するモノアニオン性の二座キレート配位子、のいずれかを表す。)
  3. 請求項1又は請求項2において、前記Yは、5員環又は6員環からなる複素環残基であることを特徴とする有機金属錯体。
  4. 一般式(3)で表される有機金属錯体。
    Figure 2005002101
    (式中、R1〜R9はそれぞれ独立して、水素原子、またはハロゲン原子、または低級アルキル基、またはアルコキシ基、またはアシル基、またはニトロ基、またはシアノ基、またはアミノ基、またはジアルキルアミノ基、またはジアリールアミノ基、またはビニル基、またはアリール基、または複素環残基、のいずれかを表す。また、R1とR2、R2とR3、R4とR5、R6とR7、R7とR8、R8とR9はそれぞれ互いに結合し、芳香族環を形成してもよい。またMは、第9族原子または第10族原子を表し、前記Mが第9族原子の場合はn=2、第10族原子の場合はn=1となる。またLは、ベータジケトン構造を有するモノアニオン性の二座キレート配位子、またはカルボキシル基を有するモノアニオン性の二座キレート配位子、またはフェノール性水酸基を有するモノアニオン性の二座キレート配位子、のいずれかを表す。)
  5. 一般式(4)で表される有機金属錯体。
    Figure 2005002101
    (式中、R6〜R10はそれぞれ独立して、水素原子、またはハロゲン原子、または低級アルキル基、またはアルコキシ基、またはアシル基、またはニトロ基、またはシアノ基、またはアミノ基、またはジアルキルアミノ基、またはジアリールアミノ基、またはビニル基、またはアリール基、または複素環残基、のいずれかを表す。また、R6とR7、R7とR8、R8とR9はそれぞれ互いに結合し、芳香族環を形成してもよい。またMは、第9族原子または第10族原子を表し、前記Mが第9族原子の場合はn=2、第10族原子の場合はn=1となる。またLは、ベータジケトン構造を有するモノアニオン性の二座キレート配位子、またはカルボキシル基を有するモノアニオン性の二座キレート配位子、またはフェノール性水酸基を有するモノアニオン性の二座キレート配位子、のいずれかを表す。)
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれか一項において、前記Mは、イリジウム原子又は白金原子であることを特徴とする有機金属錯体。
  7. 請求項1乃至請求項6のいずれか一項において、前記Lは、下記構造式(5)乃至(11)のいずれかであることを特徴とする有機金属錯体。
    Figure 2005002101
  8. 一般式(24)で表される構造を有する有機金属錯体。
    Figure 2005002101
    (式中、R1〜R5はそれぞれ独立して、水素原子、またはハロゲン原子、または低級アルキル基、またはアルコキシ基、またはアシル基、またはニトロ基、またはシアノ基、またはアミノ基、またはジアルキルアミノ基、またはジアリールアミノ基、またはビニル基、またはアリール基、または複素環残基、のいずれかを表す。また、R1とR2、R2とR3、R4とR5はそれぞれ互いに結合し、芳香族環を形成してもよい。またYは、窒素原子をヘテロ原子として含む複素環残基を表す。またMは、第9族原子または第10族原子を表し、前記Mが第9族原子の場合はn=2、第10族原子の場合はn=1となる。)
  9. 一般式(25)で表される構造を有する有機金属錯体。
    Figure 2005002101
    (式中、R10は、水素原子、またはハロゲン原子、または低級アルキル基、またはアルコキシ基、またはアシル基、またはニトロ基、またはシアノ基、またはアミノ基、またはジアルキルアミノ基、またはジアリールアミノ基、またはビニル基、またはアリール基、または複素環残基、のいずれかを表す。Yは、窒素原子をヘテロ原子として含む複素環残基を表す。またMは、第9族原子または第10族原子を表し、前記Mが第9族原子の場合はn=2、第10族原子の場合はn=1となる。)
  10. 請求項1乃至請求項9のいずれか一項に記載の有機金属錯体を含む燐光材料。
  11. 一対の電極間に、請求項1乃至請求項9のいずれか一項に記載の有機金属錯体を含む層を有することを特徴とする発光素子。
  12. 一般式(12)で表される化合物を金属へ配位させることを特徴とする有機金属錯体の製造方法。
    Figure 2005002101
    (式中、R1〜R5はそれぞれ独立して、水素原子、またはハロゲン原子、または低級アルキル基、またはアルコキシ基、またはアシル基、またはニトロ基、またはシアノ基、またはアミノ基、またはジアルキルアミノ基、またはジアリールアミノ基、またはビニル基、またはアリール基、または複素環残基、のいずれかを表す。また、R1とR2、R2とR3、R4とR5はそれぞれ互いに結合し、芳香族環を形成してもよい。またYは、窒素原子をヘテロ原子として含む複素環残基を表す。)
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