JP2005001084A - エア式工具 - Google Patents

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JP2005001084A JP2003169923A JP2003169923A JP2005001084A JP 2005001084 A JP2005001084 A JP 2005001084A JP 2003169923 A JP2003169923 A JP 2003169923A JP 2003169923 A JP2003169923 A JP 2003169923A JP 2005001084 A JP2005001084 A JP 2005001084A
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Michio Tatsushima
道男 龍嶋
Masato Sato
正人 佐藤
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Abstract

【課題】高額の除湿装置を用いることなく厳冬期におけるエア式工具の作動性能を保証する。
【解決手段】コンプレッサー(11)とエア式工具41の機関部を連絡する空気経路の一部を、コンプレッサーの廃熱によって暖める。具体的には、コンプレッサーで発生させた圧縮空気をパイプ30を介して機関部に送出し、当該機関部を駆動するエア式工具を技術的前提として、コンプレッサーから排出される廃熱を直接貯留できる容積の小さな加熱ケース20を設け、この加熱ケースの内部に、パイプ33(30)を所定長収納する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、圧縮空気で作動するハンマードリルやピックハンマー等のエア式工具に係り、とくに屋外の現場で使用するエア式工具の冬期の作動性能を向上させるための空気の流路構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
ハンマードリルやピックハンマー等のエア式工具は、コンプレッサーで発生させた圧縮空気をパイプ(送気経路;例えば柔軟性のある高圧パイプ)を介して機関部に送り、ハンドル部分のトリガー操作によるエア流量調整によって作動量を自在に調整するものである。これら工具の機関部は、使用目的に応じて、回転、進退動(往復動)などを実現する。
【0003】
エア式工具で使用する圧縮空気は、コンプレッサー(圧縮ポンプ)において圧力を高める。このときコンプレッサーに取り入れた空気は、気体の容積縮小に伴って熱を発するため、外気温が低い場合にはパイプ(送気経路)内に水滴(結露)が生じる。結露の影響を避けるため、エア式工具ではないが、例えば冷媒を使用するコンプレッサ装置においては供給する空気を冷却することがある(特開2000−262839)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
空気を圧縮するコンプレッサー(圧縮ポンプ)はさまざまな場所で使用されるが、エア式工具のように屋外で使用する機材は、外気温がマイナス零度以下になると結露の影響がではじめ、マイナス10℃前後になると殆ど使用出来なくなるのが実状である。コンプレッサーと機材機関部を連結するパイプの結露水が凍結し、空気流路を狭めてしまうからである。
【0005】
北海道のような寒冷地においても厳冬期における屋外作業は頻繁に行われる。例えば、河川の護岸工事のようなケースでは、河川水量が減少する秋口から冬の終わりまでが能率の良い工事ができるとされる。しかしながら、外気温が非常に低くなると、結露水の凍結によってエア式工具が働かなくなり、予定外の作業遅延をきたすことも少なくない。
【0006】
このような問題を解決するには、従来の方式(例えば特開2000−262839等)のように、コンプレッサーに供給する空気を強制的に冷却して除湿することが考えられる。実際、このような外付け装置も存在する。しかしリース契約が多い工具類に、このような高額装置をその都度契約して使用することは現実的ではない。
【0007】
そこで本発明の目的は、高額の除湿装置を用いることなく厳冬期におけるエア式工具の作動性能を保証する点にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明に係るエア式工具は、コンプレッサーで発生させた圧縮空気をパイプを介して機関部に送出し、当該機関部を駆動するエア式工具を技術的前提として、エアコンプレッサーとエア式工具の機関部を連絡する空気経路の一部を、エアコンプレッサーの廃熱によって暖める(請求項1)。
【0009】
より具体的には、コンプレッサーから排出される廃熱を直接貯留できる加熱ケースを設け、この加熱ケースの内部に、空気流路となるパイプを所定長収納する場合があり(請求項2)。空気流路となるパイプは、柔軟性のある高圧パイプであり、加熱ケースの内側に螺旋状に配する場合がある(請求項3)。加熱ケースは、予め空気流路をパターン設置した成型品(オプション)であっても良い(請求項4)。
【0010】
【作用】
本発明に係るエア式工具は、外気を圧縮するコンプレッサー(圧縮ポンプ)で発生する廃熱(余熱)によって空気流路を暖める。例えば、加熱ケースを設けて廃熱を貯留し、この加熱ケース内に空気流路を構成するパイプを所定長収納して、内部を流れる空気を暖める(請求項2)。
【0011】
従来のエア式工具は、コンプレッサーで圧縮した空気をそのままパイプを介して工具機関部に送っていたが、コンプレッサーの廃熱を利用して送気を直接的に加熱することにより、厳冬期のマイナス外気によってもパイプ内流路は凍結することなく、工具機関部を正常に機能させることが出来る。
【0012】
外気温が非常に低く、またエア流路が長い場合は、加熱ケース内に収めるパイプ長を長くすれば、たとえパイプ内で結露が生じてもその凍結を防止することが可能である。
【0013】
加熱ケース内に収めるパイプの構造は、柔軟性のある長寸の高圧パイプを加熱ケース内にその都度収めても良いし(請求項3)、または予め好ましい空気流路を配設してある加熱ケースを用いて、この加熱ケースに圧縮空気のパイプ(例えば柔軟性のある高圧パイプ)の端部を接続して空気流路を連通形成しても良い(請求項4)。
【0014】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明に係るエア式工具の実施形態を示すものである。10は、コンプレッサー(エアコンプレッサー)を格納したケース体、11は、コンプレッサーのエンジンマフラー、12は、エンジンマフラー11の排気筒、20は、排気筒12から放出される廃熱を貯留するための加熱ケースである。
【0015】
また21は、排気筒12から放出される廃熱を加熱ケース20に送り込むための開口である。この開口21は、例えば、ケース体10の上面と加熱ケース20の底面に略同じ大きさで開設しておく。24は、加熱ケース20内の温度調整を行うための空気調整扉である。
【0016】
30は、エア式工具41の機関部に圧縮空気を送り込むためのパイプである。パイプ30は、例えば柔軟性のある高圧パイプを用い、その一端31をコンプレッサーに接続し、コンプレッサーとエア式工具との間の適宜部位33を適当長だけ加熱ケース20内に収めて、パイプ内を流れる圧縮空気が加熱ケース20内で暖められるようにしておく。
【0017】
この実施形態では、加熱ケース20内に収めるパイプ(33)は、柔軟性のある高圧パイプ(30)の適当部位を螺旋状に巻き込み、圧縮空気が流れる流路の長さを狭いスペースで増大するようにしてある。
【0018】
従って、かかる構造によれば、コンプレッサーからエア式工具の機関部に送られる圧縮空気は、流路の適宜部分において加熱ケース20によって暖められる。加熱ケース20内の空気は、エンジンマフラー11の排気筒12から送り込まれる廃熱によって常に暖められているからである。
【0019】
排気筒12から排出される空気の平均温度は40〜50℃であり、またこの実施形態では加熱ケース20がケース体10の上にあって外気に晒されるため、結果的に加熱ケース20内の温度は厳冬期において30℃程度となるが、この程度の加熱温度を実現すれば、後段のエア流路内において結露水の凍結が生じることはなく、常時安定した機関部の作動性を保証することが出来る。
【0020】
かかる構造において、外気温の影響による結露水の凍結が生じるか否かは、加熱ケース20内の温度、加熱ケース20に収めた空気流路の長さ、加熱ケース20の下流のパイプ長、および外気温の相関によって決まる。外気温が厳しい状態を想定すれば、加熱ケース20内の温度低下を防ぐために内壁面に断熱材を設けるほか、できるだけ加熱ケース20の空気流路を大きく設計することが望ましい。必要がある場合は、加熱ケース20を複数段に設けても良い。その場合、エンジンマフラー11の排気筒12から放出される廃熱は、案内パイプを介して各段の加熱ケース(20)におくることが出来る。
【0021】
加熱ケース20はケース体10の側面に設けても構わない。上面に設けても側面に設けても、廃熱を貯留する機能は同じだからである。但し、熱の移動方向を考慮すれば加熱ケース20をケース体10の上面に配する方が、一般的なコンプレッサーにおいては簡易構造を実現しやすい。当然であるが、加熱ケース20ないの温度が上がればよいので、加熱ケース20をケース体(10)の内部に設けても構わない。
【0022】
排気筒12から放出される廃熱を加熱ケース20に送り込む構造は、開口21を介した熱の移動に限らず、廃熱を加熱ケース20に案内するパイプ(管手段)を用いても良い。パイプを用いるときには、排気筒12の向きに関係なく、加熱ケース20を自由な場所に設けることが出来る。例えば、ケース体10から離れた場所に加熱ケース20を設置することも可能である。
【0023】
加熱ケース20に収めるパイプの配設パターンは問わない。螺旋に限らずランダムな収納パターンで配設しても良い。空気流路が屈折等によって圧迫されない限り収納長だけが効率に影響を与えるからである。
【0024】
加熱ケース20内に予め空気流路を成形しておく場合は、空気流路のパターンは螺旋に限らない。どのような形状であっても出来るだけ熱効率がよいパターンであれば効果を発揮するからである。好ましくは、流路のうち最下流の部分において空気温度が高くなるよう加熱調整する。
【0025】
また加熱ケース20内に予め空気流路を設ける場合は、当該空気流路は熱伝導効率の良い金属、とくに腐食性の少ない経済性のある金属(例えば銅やステンレス)を用いることが望ましい。
【0026】
コンプレッサーからエア式工具の機関部に送られる圧縮空気の流路となるパイプの素材は、柔軟性のあるもの(とくに樹脂)に限らず、可撓性(柔軟性)のない樹脂または金属管であっても良い。
【0027】
図1に示した空気調整扉24は、加熱ケース20内に溜まる排気を外気に放出する機能も果たす。空気の入れ換え量を自在に調整できればよいので、空気調整扉24や開口部の大きさあるいは扉の構造は限定されない。図面ではスライド式の扉(24)を例として示したが、回動式の扉部材を用いても良いことは勿論である。
【0028】
本発明に係るエア式工具は、コンプレッサーの廃熱を利用して空気流路を暖めることが出来ればよいので、加熱ケース(20)は絶対の条件ではない。エンジンマフラー(11)の廃熱を直接吹き付ける構造でも良いし、廃熱を分岐させて複数箇所で加熱する方式でも良い。またコンプレッサーを収めているケース体(10)を利用して空気流路を暖めても良い。
【0029】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係るエア式工具によれば、圧縮空気の流路の一部に、コンプレッサーの廃熱を利用した加熱部位を設けるので、高額の除湿装置を用いることなく厳冬期におけるエア式工具の作動性能を保証することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るエア式工具を例示する図である。
【符号の説明】
10 ケース体
11 エンジンマフラー
12 排気筒
20 加熱ケース
21 開口
24 空気調整扉
30 パイプ
31 パイプの一端(コンプレッサーに接続する側)
33 パイプの適宜部位(加熱ケースに収めた部分)
41 エア式工具

Claims (4)

  1. コンプレッサーで発生させた圧縮空気をパイプを介して機関部に送出し、当該機関部を駆動するエア式工具において、
    コンプレッサーとエア式工具の機関部を連絡する空気経路の一部を、コンプレッサーの廃熱によって暖めることを特徴とするエア式工具。
  2. コンプレッサーから排出される廃熱を直接貯留できる加熱ケースを設け、
    この加熱ケースの内部に、空気流路となるパイプを所定長収納することを特徴とする請求項1記載のエア式工具。
  3. 空気流路となるパイプは、柔軟性のある高圧パイプであり、加熱ケースの内側に螺旋状に配することを特徴とする請求項2記載のエア式工具。
  4. 空気流路となるパイプは、予め加熱ケースの内部に配設しておき、コンプレッサーとエア式工具とを連絡する空気流路の適宜位置に当該加熱ケースを位置させることを特徴とする請求項1または請求項2記載のエア式工具。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013517164A (ja) * 2010-01-21 2013-05-16 コンストラクション リサーチ アンド テクノロジー ゲーエムベーハー 熱回収を用いるコンクリート吹付け法
KR200473755Y1 (ko) * 2013-02-05 2014-07-31 장현철 에어 공구용 온풍 공급기
JP2018197711A (ja) * 2017-05-24 2018-12-13 株式会社堀場製作所 排ガス分析装置及び排ガス分析方法

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