JP2005000537A - 水遊び用パンツ型おむつ - Google Patents

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Abstract

【課題】着用者の排泄物はいうまでもなく、吸収性本体を構成する吸収体に含まれる高分子吸収剤(SAP)あるいはパルプ等がパンツの開口部等から外に流出することがなく、かつ着用者が自由に動き回ることができるようにした使い捨てのスイミング用パンツ型おむつを提供すること。
【解決手段】少なくとも、透液性トップシートと、不透液性シートと、前記シート間に介在された吸収体とにより吸収性本体を形成すると共に、該吸収性本体のトップシート側に起立する立体ギャザーにより排泄物収容ポケットを形成し、かつ前記吸収体を少量のパルプ材を主成分として構成する。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、パンツ型おむつに関し、さらに詳細には、とくに乳幼児等の子供が水遊びや水泳ぎ等で着用する水着として好適であり、また、この水着の下に着用するアンダーパンツとしても使用できる使い捨ての水遊び用パンツ型おむつに関する。
【0002】
【従来の技術】
通常、使い捨てのおむつ、例えばパンツ型の紙おむつは、少なくとも、透液性トップシートと、不透液性シートと、前記シート間に介在された吸収体とにより形成されたパンツ型の吸収性本体の上面、すなわちトップシートの上面に液漏れ防止用の立体ギャザーが設けられ、不織布等により形成されたパンツ型おむつの外層シート、すなわちバックシートの使用面側に前記吸収性本体が接着されて成っている。なお、吸収体は、トップシートの上面に排泄された尿や便等の排泄物を吸収するため、主成分としてフラップ状木材パルや綿状パルプ等のパルプ材と、いわゆる高分子吸収剤(Super Absorbent Polymer:以下「SAP」という)との組み合わせで成っている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開平10−314217号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような使い捨ての紙おむつを着用すると、吸収体に厚みがあるため股間部が嵩張って脚部の動きが制約され、まして、乳幼児等の子供が着用し、家庭用のビニールプールや公共のプール等で水遊びや水泳ぎをした場合には、吸収体に含まれるSAPが水を吸収して紙おむつ自体の重量が増すため、一層自由度が失われる欠点があった。加えて、SAPやパルプ材が紙おむつの脚周り部、あるいは胴周り部等の開口部等から外に流出して水を汚してしまうことがあり、衛生面からも問題があって水遊び用としては不向きであった。
【0005】
一方、従来、このような子供の水遊びや水泳ぎには子供用のスイミングパンツが市販され、使用されているが、とくに乳幼児等の場合には尿や便等の排泄物を水中で漏らしてしまうことがあり、これがパンツの開口部等から流出してプールの水をさらに汚してしまうため、衛生上決して好ましいものではなかった。
【0006】
なお、従来、上述したようなSAPを使用しない紙おむつも公知であるが、この紙おむつはあくまでも着用者のトレーニング用としてのものであって、常時着用するものではなく、まして水遊び用としてのものではなかった。
本発明は、上述したような実情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、着用者の排泄物はいうまでもなく、吸収性本体を構成する吸収体に含まれるSAPあるいはパルプ等がパンツの開口部等から外に流出することがなく、かつ着用者が自由に動き回ることができるようにした使い捨ての水遊び用パンツ型おむつを提供することにある。
【0007】
【発明を解決するための手段】
本発明の上記目的は、少なくとも、透液性トップシートと、不透液性シートと、前記シート間に介在された吸収体とにより吸収性本体を形成すると共に、該吸収性本体のトップシート側に起立する立体ギャザーにより排泄物収容ポケットを形成し、かつ前記吸収体を少量のパルプ材を主成分として構成したことを特徴とする使い捨ての水遊び用パンツ型おむつを提供することによって達成される。
【0008】
また、本発明の上記目的は、前記吸収体は高分子吸収剤(SAP)を含まないことを特徴とする水遊び用パンツ型おむつを提供することによって、より効果的に達成される。
【0009】
また、本発明の上記目的は、前記吸収体に含まれる高分子吸収剤(SAP)の量は10重量%以下であることを特徴とする水遊び用パンツ型おむつを提供することによって、より効果的に達成される。
【0010】
また、本発明の上記目的は、前記吸収体に含まれる前記パルプ材の量は10gを越えない量であることを特徴とする水遊び用パンツ型おむつを提供することによって、より効果的に達成される。
【0011】
さらにまた、本発明の上記目的は、前記トップシート上面に形成される排泄物収容ポケットの容積は600〜800cmであることを特徴とする水遊び用パンツ型おむつを提供することによって、より効果的に達成される。
【0012】
以下、本発明の内容を実施例に基き詳述するが、本発明は必ずしも本実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲を逸脱しない範囲内において種々の変更ができることはいうまでもない。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の一実施形態に係わる使い捨ての水遊び用パンツ型おむつ(以下、単に「おむつ」という)1を展開して表面側から見た一部断面平面図、図2はその斜視図、図3はパンツ型に形成された場合の正面図、図4は図1のX−X断面である。
【0014】
本おむつ1は、主とて、透液性のトップシート2と、防水フィルム等から成る不透液性のシート7と、これらのシート間に介在された吸収体4により吸収性本体5が形成され、さらに詳細には、図4に示すように、吸収体4は上部クレープ紙6uと下部クレープ紙6dにより被覆され、不透液性のシート3の下方には不織布等から成るバックシート3が設けられ、トップシート2の上面の長手方向両側には尿や便等の排泄物の漏れ出しを防止する立体ギャザー8が設けられている。なお、これらの各部材については当分野で一般によく知られているものが適用されるので、この詳細の説明は省略する。これらの各部材はホットメルト接着剤等の接着剤により、図4に×印で示すように相互に接着されることも周知である。
【0015】
図1に示すように、吸収性本体5は、吸収体4と共に平面形状が砂時計状に形成され、吸収性本体5の背部側の胴回り部9b及び腹部側の胴回り部9fにはゴム紐等から成る複数本の弾性伸縮部材10が配設されてエンドフラップ部EFが形成され、同様に左右の脚部周り部11にも弾性伸縮部材10が配設されてサイドフラップ部SFが形成されている。このように形成された吸収性本体5は、背部側の胴回り部9b及び腹部側の胴回り9f部の各側端部が接着剤等により一体的に結合され、最終的には図4に示すような、外観上従来の使い捨て紙おむつと何ら変わりのないパンツ型のおむつ1が完成される。
【0016】
図4に示すように、立体ギャザー8は一端側がサイドフラップ部SF側に接着され、他端部、すなわち先端部には弾性伸縮部材10が挿通されて吸収性本体5の上面側に立ち上がるように形成され、かつ図1及び図2に示すように吸収体4の幅方向外側から長手方向、すなわち各エンドフラップEFに向かって設けられている。このように設けられた立体ギャザー8と各エンドフラップEFにより、吸収性本体5の中央部には尿や便等の排泄物を収容するポケット(以下、「便ポケット」という)12が形成される。なお、本おむつ1では、立体ギャザー8の立設高さを大きくし、あるいはこの立設範囲を広げる等により、便ポケット12の容積が600〜800cmに、好ましくは700cm前後に設定されている。この容積は、従来一般に用いられている紙おむつの数倍に当たるもので、本おむつ1では大量の排泄物を収容できるように設計されている。
【0017】
また、本おむつ1では、吸収性本体5の主要部を占める吸収体4は、パルプ材の含有量が従来の紙おむつの略半分の量で構成され、従来のSAPは全く含有しない構成となっている。なお、本発明においては、このパルプ材の含有量は10gを越えない量であればよく、また、SAPの量は吸収体全体の10重量%以下の量であれば適用することができる。このように、本おむつ1では、SAPを全く使用せず、かつ、パルプ材の使用量も従来の略半分程度の少量であるので、プール等の水中に入っても、従来のようにSAPが流出することがなく、また、パルプ材の流出も殆どゼロに抑えることができる。
【0018】
また、上述したように、本おむつ1では吸収体4に使用されるパルプ材の量が少ないことにより、製品自体の厚みが薄くなり、このため着用時にも嵩張り感がなく、脚部を自由に動かすことができる。なお、本発明者の実験によれば、本おむつ1を作製し、この製品の最大厚み部分、すなわち図1に示す吸収性本体5の略中央部における厚みを測定したところ、荷重TO=0.5g/cmでは13.64mmとなり、荷重TM=50g/cmでは7.48mmとなって厚みの薄いことが確認された。
【0019】
また、本おむつ1の水分保水量、すなわち本おむつ1を水の入った水槽に入れる前の重量と、入れて1時間放置した後の重量との差、を求めたところ、その数値は186gとなり、保水量の高いことが確認された。
【0020】
以上に詳述したように、本発明に係わるおむつ1は、外観上従来の紙おむつと格別変わりはないが、吸収性本体5のトップシート2の上面に立体ギャザー8により便ポケット12を形成し、多量の排泄物を収容できるようにすると共に、吸収体を少量のパルプ材と10重量%以下の高分子吸収剤(SAP)とにより構成したので、本おむつ1を着用して水遊びや水泳ぎをしても、排泄物は便ポケット12により収容されて外に流出することが防止され、また、SAPはもとよりパルプ材の流出が確実に阻止されるので、プール等の水を汚す心配がなくなる利点がある。さらにまた、吸収体4の厚みを薄くすることができるので、着用しても脚部を自由に動かすことができる利点がある。
【0021】
以上、本発明の内容を一実施例について説明したが、本発明は水着用のみならず、この水着の下に着用するアンダーパンツとしても使用することができる。また、本発明は、パンツ型に限らず、テープ式の紙おむつであっても適用することができ、さらにまた、一般の使い捨てパンツ型紙おむつ、あるいはトレーニング用の使い捨てパンツ型紙おむつとしても使用できることはいうまでもない。
【0022】
【発明の効果】
以上に詳述したように、本発明によれば、着用者の排泄物はいうまでもなく、吸収性本体を構成する吸収体に含まれるSAPあるいはパルプ等がパンツの開口部等から外に流出することがなく、かつ着用者が自由に動き回ることができるようにした使い捨ての水遊び用パンツ型おむつを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わるパンツ型紙おむつを展開して表面側から見た一部断面平面図である。
【図2】図1の斜視図である。
【図3】上記パンツ型紙おむつの完成正面図である。
【図4】図1のX−X断面矢視図である。
【符号の説明】
1 本発明に係わるパンツ型おむつ
2 透液性のトップシート
3 バックシート
4 吸収体
5 吸収性本体
6u 上部クレープ紙
6d 下部クレープ紙
7 不透液性のシート(防水フィルム)
8 立体ギャザー
9b 背部側の胴回り部
9f 腹部側の胴回り部
10 弾性伸縮部材
11 脚周り部
EF エンドフラップ
SF サイドフラップ

Claims (5)

  1. 少なくとも、透液性トップシートと、不透液性シートと、前記シート間に介在された吸収体とにより吸収性本体を形成すると共に、該吸収性本体のトップシート側に起立する立体ギャザーにより排泄物収容ポケットを形成し、かつ前記吸収体を少量のパルプ材を主成分として構成したことを特徴とする使い捨ての水遊び用パンツ型おむつ。
  2. 前記吸収体は高分子吸収剤(SAP)を含まないことを特徴とする請求項1に記載の水遊び用パンツ型おむつ。
  3. 前記吸収体に含まれる高分子吸収剤(SAP)の量は10重量%以下であることを特徴とする請求項1に記載の水遊び用パンツ型おむつ。
  4. 前記吸収体に含まれる前記パルプ材の量は10gを越えない量であることを特徴とする、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の水遊び用パンツ型おむつ。
  5. 前記トップシート上面に形成される排泄物収容ポケットの容積は600〜800cmであることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の水遊び用パンツ型おむつ。
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