JP2004537826A - プリント回路基板取り付け用シールド電気コネクタ - Google Patents

Abstract

【解決手段】プリント回路基板の切り抜き部分内に少なくともその一部分が取り付けられるシールド電気コネクタを提供する。該コネクタは絶縁性ハウジングを有し、該絶縁性ハウジングは、プリント回路基板の切り抜き部分と一致した、下側壁を貫通する開口部を備えている。前記ハウジングは、プラグ挿入空所を備え、該プラグ挿入空所は、相補的な結合プラグコネクタを収容するために前側結合面に開口部を備えている。下側壁の開口部の近傍において、掛合（けいごう）突起がハウジングから延在している。金属シールドがハウジングの周囲に取り付けられ、前側プレート部分備えている。該前側プレート部分は、ハウジングの前記前側結合面上に並置されるとともに、ハウジングの前記前側開口部と位置合わせされたプラグ挿入開口部を備えている。シールドは下側プレート部分を備え、該下側プレート部分は、ハウジングの下側壁の開口部と位置合わせされるとともに、ハウジングの掛合突起を受け入れる掛合開口を備えている。
【選択図】図１

Description

【技術分野】
【０００１】
本発明は、一般に、電気コネクタの技術に関し、特に、プリント回路基板の切り抜き部分に取り付けるためのシールド電気コネクタに関するものである。
【背景技術】
【０００２】
一般に、シールド電気コネクタは、複数の導電端子を取り付ける何らかの形の絶縁性ハウジングを含む。ハウジングは、例えば、プラスチック材料から成形される。コネクタを取り付ける基板上の回路を電磁干渉（ＥＭＩ）及び／又は高周波干渉（ＲＦＩ）から守るために、コネクタハウジングは、金属シールド又はシェルによって包囲されることがある。例えば、シールドは、導電性シートメタル材料から打ち抜かれ成形される。コネクタが、プリント回路基板に取り付けられたとき、外側シールドは、一般に、回路基板上の適切な接地回路トレースに接地される。このタイプの代表的なシールド電気コネクタは、結合モジュラジャックプラグを収容するモジュラジャックコネクタである。
【０００３】
モジュラジャックコネクタが、例えば、プリント回路基板の上側面に取り付けられるとき、外側金属シールドは、典型的に、コネクタハウジングの上面と四つの側面を覆い、コネクタの前面側、すなわち、結合面のシールドの開口部が、結合モジュラジャックプラグを収容する。シールドはコネクタハウジングの下面を覆っていないが、これは、特に、プリント回路基板と連携してハウジングの下側壁自体が保護するためのものだからである。そのようなコネクタが使用される電子回路の小型化が絶えず進むのに伴って、コネクタの全体的なサイズ、特に、コネクタの高さが減少し続けている。小型化のための一つの設計は、コネクタをプリント回路基板の切り抜き部分内に取り付けることである。しかしながら、これは、コネクタの下面にもシールドを設けようとする際に問題となる。従来、打ち抜き成形された金属シールドは、プリント回路基板の切り抜き部分と一致する下側壁部分を備えていた。シールドの下側壁は、コネクタハウジングの下部にあるスロットに挿入できるようになっている。残念ながら、そのようなタブ／スロットの構成では問題が生じる。すなわち、例えば、シールドの下側壁が外部の物体に引っかかった場合、タブがスロットから簡単に抜けてしまい、シールドの下側壁がハウジングから簡単に外れる可能性がある。さらに、シールドの下側壁に力がかかって下側壁が湾曲した場合、タブがスロットから外れることがある。そのような湾曲を防ぐために、コネクタハウジングの下側壁の穴の縁に、隆起した支持リブが追加されていた。残念ながら、そのような支持リブは、コネクタハウジングの寸法を大きくすることになる。本発明は、プリント回路基板の切り抜き部分に取り付けられた電気コネクタをシールドする際のこの種々の問題を解決するものである。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【０００４】
したがって、本発明の目的は、プリント回路基板に取り付けるための新規で改良されたシールド電気コネクタを提供することである。
【０００５】
本発明の他の目的は、プリント回路基板の切り抜き部分に少なくとも部分的に取り付けるための記載された特徴を有する新規で改良されたコネクタを提供することである。
【０００６】
本発明の例示的な実施形態において、コネクタは、プリント回路基板に取り付けのための下面と前側結合面とを備えた絶縁性ハウジングを含む。プラグ挿入空所がハウジング内に形成され、相補的な結合プラグコネクタを収容するための前面結合面の開口部と連通している。この空所は、プリント回路基板の切り抜き部分と一致した、ハウジングの下側壁を貫通する開口部を備えている。下側壁の開口部の近傍において、掛合（けいごう）突起がハウジングから延在している。金属シールドが、絶縁性ハウジングに取り付けられ、また、ハウジングの前側結合面上に並置された前側プレート部分を有する。下側プレート部分は、ハウジングの下側壁の開口部と位置合わせされている。前側プレート部分は、ハウジングの前側結合面にある開口部と位置合わせされたプラグ挿入開口部を有する。下側プレート部分は、ハウジングの掛合突起と掛合する掛合開口を有する。
【０００７】
本明細書に開示したように、金属シールドの下側プレート部分は、ハウジングの下側壁の開口部を実質的に塞（ふさ）ぐようにサイズが決められる。下側プレート部分は、前側プレート部分の下側縁から後方に片持ち支持される。掛合突起は、ハウジングの下側壁の開口部の後ろ側に配設され、掛合開口は、シールドの下側プレート部分の自由端である後端に配設される。下側プレート部分の自由端は、ハウジングの下側壁の開口部の後端において、ハウジングのスロット内に位置決めされる。
【０００８】
本発明のその他の目的、特徴及び利点は、添付図面と関連して行われる以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【０００９】
新規と考えられる本発明の特徴は、添付の特許請求の範囲において詳細に説明されている。本発明は、その目的及び利点とともに、添付図面と関連して行われる以下の説明を参照することによって最も良く理解することができる。図面中、類似の参照符号は類似の要素を示す。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１０】
図面を詳細に参照して本発明を説明する。最初に図１及び図２を参照すると、本発明は、プリント回路基板１２に取り付けられた、全体を１０で示したシールド電気コネクタの形態で実施される。コネクタは、少なくとも部分的に回路基板の切り抜き部分１４に取り付けられる。コネクタは、ハウジングに取り付けられた複数の電気端子とともに、２つの基本構成要素、すなわち、全体を１６で示した絶縁性ハウジングと、全体を１８で示した金属シールドとを含む。
【００１１】
より詳細には、図１及び図２とともに図４を参照すると、コネクタ１０の絶縁性ハウジング１６は、プラスチック材料などによって一体成形された一部材から成る構造体である。ハウジングは、上側壁２０（図４）、開口部２４を有する下側壁２２、後壁２６、及び、一対の対向する側壁２８を含む。ハウジングは、前側結合面３０を有する。上側壁２０、下側壁２２、後壁２６、及び、側壁２８が組み合わさって、ハウジング１６内のプラグ挿入空所３２を構成し、該空所は、モジュラジャックプラグなどの相補的な結合プラグコネクタを収容するための前側結合面３０の開口部３４と連通している。ハウジング及びそれによりコネクタ１０は、ハウジングと一体的に成形され、かつ、プリント回路基板１２の一対の取り付け穴３８（図２）に挿入可能な一対の二股の取り付けポスト３６によって、プリント回路基板１２に取り付けられる。ハウジングは、全体を４０（図３）で示した複数の導電端子を備え、該導電端子は、プリント回路基板１２の適切な穴４４（図２）に挿通するためのテール部分４２を有する。該テール部分は、はんだ付けなどによって、基板上の適切な回路トレース及び／又は穴に接続される。端子は、相補的な結合ジャックプラグの端子の適切な接点部分と係合するために空所３２内で露出した接点部分（図では見えない）を有する。
【００１２】
本発明によれば、コネクタ１０のハウジング１６は、全体を４６で示した一体成形された掛合機構を含み、該掛合機構は、図３及び図４に最もよく示したように、ハウジングの下面から下方に延在している。掛合機構は、上方に突出する掛合ボス、すなわち、突起５０を有する下部フランジ４８を含む。掛合ボス、すなわち、突起は、上側後方に面取りされている、すなわち、傾斜している。掛合ボス５０の両側の側縁の外側に、一対の停止フランジ５２が互いに離間されて設けられている。停止フランジ５２の下前側縁５２ａは、下側後方に面取りされている、すなわち、傾斜している。傾斜した掛合ボス５０の上後側縁５０ａは、停止フランジ５２の下面と平行である。掛合ボス５０の上縁と停止フランジ５２の下面の縦方向の間隔は、シールドの挿入を可能にするのに過不足がないものである。
【００１３】
図１〜３を参照すると、コネクタ１０のシールド１８は、シールド金属材料から打ち抜かれ成形されたものである。シールドは、上壁、すなわち、上プレート部分５６（図１）、後壁、すなわち、後プレート部分５８（図２及び図３）、及び、一対の側壁、すなわち、側プレート部分６０を含み、これらが組み合わさって、コネクタのハウジング１６を実質的に取り囲む概略箱形状を構成する。後壁５８は、シールドを箱形形状に保持するために、側壁６０から打ち抜き成形された一対の掛合タブ６６にスナップ式に係合する開口部６４を有する一対の側面フランジ６２を有する。シールドのそれぞれの側壁６０は、プリント回路基板１２の適切な穴７０に挿入可能な下に延在している付属する脚部分６８を含む。脚６８は、例えば、はんだ付けによってプリント回路基板上の適切な接地回路及び／又は穴に接続され、これによりシールド１８をそれらに接地する。
【００１４】
図１に最もよく示したように、シールド１８は、ハウジング１６の前側結合面３０上に並置された前側プレート部分７２を含む。前側プレート部分は、結合モジュラジャックプラグを差し込むためにハウジングの前側結合面にある開口部３４と位置合わせされたプラグ挿入開口部７４を有する。一対の可撓（とう）性、すなわち、ばね性の接触フィンガ７６が、結合モジュラジャックプラグ上の外部シールドや他の接地手段又は接点部分と係合するために、前側プレート部分７２から空所３２内に延在する。一対の可撓性、すなわち、ばね性の接触フィンガ７８が、コネクタ１０の前面が取り付けられるパネル（図示せず）と係合するために、前側プレート部分７２から外方に突出している。
【００１５】
本発明によれば、コネクタ１０のシールド１８は下側プレート部分８０を含み、該下側プレート部分は自由端である後端部、すなわち、後端縁８０ａの近傍に掛合開口８２（図１）を備える。後でより詳しく説明するように、掛合開口８２は、図１に示したように傾斜した掛合突起５０を受け入れる。下側プレート部分８０は、ハウジング１６の下側壁２２の開口部２４を実質的に塞ぐようにサイズが決められ、図１と図２との両方に示したように、下側プレート部分は、プリント回路基板１２の切り抜き部分１４を完全に塞ぐ。下側プレート部分は、金属シールドの前側プレート部分７２の下部エッジ７２ａから後方に片持ち支持されている。
【００１６】
図４に示したように、掛合機構４６の下部フランジ４８と停止フランジ５２との間にスロット８４が形成されている。図１から分るように、また、後述されるように、シールドの下側プレート部分８０の後縁８０ａは、最終的にスロット８４内に位置決めされる。
【００１７】
組み立ての際、金属シールド１８は、前述のようにシートメタル材料から打ち抜かれ、下側プレート部分８０を矢印「Ａ」（図１）の方向に組み立てることができる程度に部分的に成形される。実質的には、下側プレート部分の自由後端８０ａが、掛合機構４６のスロット８４に差し込まれる。差し込む際、下側プレート部分の自由縁が、傾斜した掛合突起５０に沿って持ち上がり、停止フランジ５２の面取りされた下前側の縁５２ａと係合する。前述のように、掛合突起５０の上後側の縁５０ａが停止フランジ５２の下部とほぼ同一平面にあるため、掛合突起５０が掛合開口８２にスナップ式に嵌（は）まるまで下側プレート部分の自由縁８０ａがわずかに撓（たわ）み、図１に示したように、自由縁８０ａがスロット８４内に入る。そのように組み立てられた後は、停止フランジ５２によって、下側プレート部分の自由縁８０ａが掛合突起５０より上に動くのが妨げられるので、下側プレート部分が外れることはない。実質上、組み立ての際に、自由端８０ａがわずかに変形して元の応力を受けていない状態に戻るので、自由縁８０ａは、傾斜した掛合突起５０と傾斜した縁５２ａの間に「押し込まれる（squeezed）」。
【００１８】
前述のようにして、シールド１８の下側プレート部分８０を組み立てた後、例えば、後壁５８を閉じ、側面フランジ６２の開口部６４内の側壁６０の掛合タブ６６によって組み立て体を一緒に保持することによって、金属シールドの最終的な曲げと成形を行うことができる。
【００１９】
本発明を、その精神又は主要な特徴から逸脱することなく他の特定の形態で実施することができることが理解されよう。したがって、これらの例と実施形態は、限定ではなく例示としてすべての態様において検討されるべきであり、本発明は、本明細書に示した詳細に限定されるべきでない。
【図面の簡単な説明】
【００２０】
【図１】プリント回路基板に取り付けられた本発明によるシールド電気コネクタの上側前方斜視図である。
【図２】回路基板に取り付けられたコネクタの下側後方斜視図である。
【図３】図示し易いようにプリント回路基板を取り除いた図２と同様の図である。
【図４】金属シールドを取り外した状態のコネクタハウジングの上側前方斜視図である。

Claims (2)

1. プリント回路基板の切り抜き部分内に少なくともその一部が取り付けられるシールド電気コネクタであって、絶縁性ハウジングと金属シールドとを有し、
   前記絶縁性ハウジングは、前記プリント回路基板に取り付けられる下面と前側結合面とを備え、前記ハウジング内のプラグ挿入空所が、相補的な結合プラグコネクタを収容するように前記前側結合面の開口部と連通するとともに、前記プリント回路基板の前記切り抜き部分と一致した前記ハウジングの下側壁を貫通する開口部を備え、該開口部の近傍における前記下側壁の後端で、かつ、前記下側壁内で掛合突起が前記ハウジングから延在しており、
   前記金属シールドは、前記絶縁性ハウジング上に取り付けられているとともに、前記ハウジングの前側結合面上に並置された前側プレート部分と、前記ハウジングの下側壁の前記開口部と位置合わせされた前記ハウジングの下側面と平行で、かつ、その下に配設された下側プレート部分とを備え、前記前側プレート部分は前記ハウジングの前側結合面にある前記開口部と位置合わせされたプラグ挿入開口部を備え、前記下側プレート部分は前記ハウジングの掛合突起と掛合する掛合開口を備え、該掛合開口は前記金属シールドの下側プレート部分の自由端に配設されており、前記下側プレート部分の掛合開口が掛合突起と掛合した状態から解除されることを防ぐ停止手段が前記ハウジング上に設けられたシールド電気コネクタ。
2. プリント回路基板の切り抜き部分内に少なくともその一部が取り付けられるシールド電気コネクタであって、絶縁性ハウジングと金属シールドとを有し、
   前記絶縁性ハウジングは、前記プリント回路基板に取り付けられる下面と前側結合面とを備え、前記ハウジング内のプラグ挿入空所が、相補的な結合プラグコネクタを収容するように前記前側結合面の開口部と連通するとともに、前記プリント回路基板の前記切り抜き部分と一致した前記ハウジングの下側壁を貫通する開口部を備え、前記下側壁内の開口部の後縁で掛合突起が前記ハウジングから延在しており、
   前記金属シールドは、前記絶縁性ハウジング上に取り付けられるとともに、前記ハウジングの前側結合面上に並置された前側プレート部分と、該前側プレート部分の下側縁から後方に片持ち支持され、前記ハウジングの下側壁内の開口部を塞ぐ下側プレート部分とを備え、前記前側プレート部分は前記ハウジングの前側結合面にある前記開口部と位置合わせされたプラグ挿入開口部を備え、前記下側プレート部分はその自由端の近傍に前記ハウジングの掛合突起と掛合する掛合開口を備え、前記自由端は掛合突起に隣接する位置において前記ハウジング内のスロット内に位置決めされ、該スロットの一部分は、前記下側プレート部分の自由端の掛合開口が前記ハウジングの掛合突起と掛合した状態から解除されることを防ぐ停止面によって構成されているシールド電気コネクタ。