JP2004537482A - 加圧エアゾール・ディスペンサ - Google Patents
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Abstract
内部に材料を格納し、そこから材料を計量分配する容器(2)と、計量分配弁(1)とを含み、この計量分配弁(1)が、前記容器(2)に装着固定したキャップ(3)によって所定位置に保持されたほぼカップ形状の計量容器(7)と、計量容器(7)、キャップ(3)間に配置されたシール部材(9)とを含み、このシール部材(9)が、開口を有し、この開口内に弁棒が長手軸線に沿って摺動できるように装着してあり、計量容器(7)が、開いた口を有し、この口の内面が、前記シール部材(9)が押圧する環状接触面(24、25)を構成しており、前記接触面(24、25)が、前記長手軸線に対して第1の角度で配置された第1の外方に広がった部分(24)と、前記長手軸線に対して第2の角度で配置された第2の外方に広がった部分(25)とを含み、前記第2の角度が前記第1の角度より大きくなっていて、環状リッジ(26)が形成されるようにした加圧エアゾール・ディスペンサである。
【選択図】図1
【選択図】図1
Description
【技術分野】
【0001】
本発明は、加圧エアゾール・ディスペンサ、特に、吸入を意図した薬剤のためのディスペンサの改良に関するものであり、また特に、このようなディスペンサにおける計量分配弁のシールの改良に関するものである。
【背景技術】
【0002】
普通、噴射剤を使用してエアゾール形態で製品を計量分配するには加圧容器が使用される。この噴射剤は、標準温度、圧力でガス状であり、シールした容器内に蓄積された過剰蒸気圧力によって液体状で容器内に保持されている。計量分配されるべき製品は、固体または液体の形態で噴射剤内に懸濁していてもよいし、噴射剤に溶解していてもよい。懸濁化剤、助溶剤、潤滑剤および他の補助剤も混合物内に存在することがある。
【0003】
圧縮された噴射剤混合物の測定体積分を送り出し、それ故、噴射剤に溶解または分散している成分の測定量分を送り出すのに、計量分配弁が使用される。このようなシステムは、普通、薬剤、特に、経鼻または経口吸入用の薬剤を送り出すのに使用される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
計量分配弁は、普通、弁棒を摺動可能に装着した環状計量室を含む。弁は、缶の開放端に嵌合させてあり、カバー・キャップで所定位置においてシールしてある。弁棒が第1位置にあるときには、計量室は、缶の内部に開いており、組立体の外側から隔離されている。これにより、計量室が缶の内容物で満たされ得る。弁棒が第2位置に移動すると、計量室が缶の内部から隔離され、大気に開放される。これにより、計量室の内容物がエアゾール・スプレーとして放出され得る。特に医療用途の場合、装置の作動ごとに計量分配される材料の量が同じであり、それによって得られる投与量が意図した指定量であることが非常に望ましい。したがって、噴射剤の漏出、それによる投与量のばらつきおよび/またはディスペンサから得られる投与量の減少を防ぐために、弁棒と計量室の間、計量室組立体とキャップの間、そして、弁と缶の間に効果的なシール配置が必要である。本発明は、これらのシール配置に対する改良に関するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
発明の実施例
[1] 本発明の一実施例は、
a)内部に材料を格納しており、またそこから材料を計量分配するための容器と、
b)計量分配弁とを含み、
この計量分配弁が、前記容器に固定装着されたキャップによって所定位置に保持されたほぼカップ形状の計量容器と、計量容器とキャップの間に配置されたシール部材とを含み、このシール部材が開口を有し、この開口内に弁棒が長手軸線に沿って摺動できるように装着されており、この計量容器が、開いた口を有し、この口の内面が、前記シール部材が押圧する環状接触面を構成しており、
この接触面が、前記長手軸線に対して第1の角度で配置された第1の外方に広がった部分と、前記長手軸線に対して第2の角度で配置された第2の外方に広がった部分とを含み、前記第2の角度が、前記第1の角度より大きくて、環状リッジが、前記第1の外方に広がった部分と前記第2の外方に広がった部分との接合部のところに形成されるようになっている加圧エアゾール・ディスペンサを提供する。
【0006】
[2] 本発明の別の実施例は、実施例[1]によるディスペンサであって、形成された環状リッジが、シール部材の開口内を摺動する弁棒に加えられる圧力を過剰に高めることなく、増大されたシール圧力領域を提供するようになっているディスペンサを提供する。
【0007】
[3] 本発明の他の実施例は、実施例[1]によるディスペンサであって、第1の外方に広がった部分が、長手軸線に対して約5度〜約30度の角度で配置されているディスペンサを提供する。
【0008】
[4] 本発明の別の実施例は、実施例[1]によるディスペンサであって、第1の外方に広がった部分が、長手軸線に対して約10度〜約20度の角度で配置されているディスペンサを提供する。
【0009】
[5] 本発明の別の実施例は、実施例[1]〜[4]のうちいずれか1つによるディスペンサであって、第2の外方に広がった部分が、長手軸線に対して約30度〜約60度の角度で配置されているディスペンサを提供する。
【0010】
[6] 本発明の別の実施例は、実施例[1]〜[4]のうちいずれか1つによるディスペンサであって、第2の外方に広がった部分が、長手軸線に対して約45度〜約55度の角度で配置されているディスペンサを提供する。
【0011】
[7] 本発明の別の実施例は、実施例[1]〜[6]のうちいずれか1つによるディスペンサであって、第2および第1の外方に広がった部分が配置される、長手軸線に対する角度の差が、約20度〜約45度であるディスペンサを提供する。
【0012】
[8] 本発明の別の実施例は、実施例[1]〜[6]のうちいずれか1つによるディスペンサであって、第2および第1の外方に広がった部分が配置される、長手軸線に対する角度の差が、約30度〜約40度であるディスペンサを提供する。
【0013】
[9] 本発明の別の実施例は、実施例[1]〜[8]のうちいずれか1つによるディスペンサであって、第2の外方に広がった部分が凹状であるディスペンサを提供する。
【0014】
[10] 本発明の別の実施例は、実施例[1]〜[9]のうちいずれか1つによるディスペンサであって、計量容器の口が、シール部材が支持されている支持面を含むディスペンサを提供する。
【0015】
[11] 本発明の別の実施例は、実施例[10]によるディスペンサであって、第1の外方に広がった部分の足部のところで支持面にくぼみが形成されているディスペンサを提供する。
【0016】
[12] 本発明の別の実施例は、実施例[11]によるディスペンサであって、前記くぼみが、環状溝の形となっているディスペンサを提供する。
【0017】
[13] 本発明の別の実施例は、実施例[10]〜[12]のうちいずれか1つによるディスペンサであって、前記支持面が、前記計量容器と一体に形成されているディスペンサを提供する。
【0018】
[14] 本発明の別の実施例は、実施例[10]〜[13]のうちいずれか1つによるディスペンサであって、前記支持面が、前記計量容器内に設置された支持リングの上面であり、前記くぼみが、前記支持リングと前記計量容器の並置表面間のスペースであるディスペンサを提供する。
【0019】
[15] 本発明の別の実施例は、実施例[8]〜[14]のうちいずれか1つによるディスペンサであって、前記支持面に丸みを付けた肩部が形成されているディスペンサを提供する。
【0020】
[16] 本発明の別の実施例は、実施例[8]〜[15]のうちいずれか1つによるディスペンサであって、前記計量容器の容積が、約200μl未満であるディスペンサを提供する。
【0021】
[17] 本発明の別の実施例は、実施例[16]によるディスペンサであって、計量容器の容積が、約30μl〜約70μlであるディスペンサを提供する。
【0022】
[18] 本発明の別の実施例は、実施例[16]によるディスペンサであって、計量容器の容積が、約80μl〜約120μlであるディスペンサを提供する。
【0023】
[19] 本発明の別の実施例は、実施例[1]〜[18]のうちいずれか1つによるディスペンサであって、シール部材が、エラストマー材からなるディスペンサを提供する。
【0024】
[20] 本発明の別の実施例は、実施例[19]によるディスペンサであって、エラストマー材が、天然ゴム、合成ゴム、ポリオレフィン類、ポリエステル類、ポリウレタン類およびシリコーンポリマー類からなるグループから選択された材料からなるディスペンサを提供する。
【0025】
[21] 本発明の別の実施例は、実質的に図1、2、4、5、7を参照して説明したディスペンサを提供する。
【0026】
[22] 本発明の別の実施例は、実施例[1]〜[21]のうちいずれか1つによるディスペンサであって、容器が、医薬エアゾール調合物を収容しているディスペンサを提供する。
【0027】
[23] 本発明の別の実施例は、実施例[22]によるディスペンサであって、医薬エアゾール調合物が、噴射剤134aおよび/または噴射剤227を含むディスペンサを提供する。
【0028】
明確にするために別々の実施例に関連して説明した本発明の或る種の特徴が、単一の実施例においても組み合わせて提供され得ることは了解されたい。また、簡潔にするために単一の実施例に関連して説明した本発明の様々な特徴は、別々に、または、任意の適当な準組み合わせで提供され得る。
【0029】
本発明によるディスペンサは、主として、シール部材が押圧する計量容器の表面に形成された環状リッジが、シール部材の開口内で摺動する弁棒に加わる圧力を過剰に高めることなく、増大されたシール圧力領域を提供するという点で有利である。
【0030】
第1の外方に広がった部分は、長手軸線に対して5度〜30度、または、10度〜20度、たとえば15度の角度で配置されてもよい。また、第2の外方に広がった部分は、30度〜60度、または、45度〜55度、たとえば48度の角度で配置されてもよい。
【0031】
第2および第1の外方に広がった部分が配置される、長手軸線に対する角度の差は、20度〜45度、または、30度〜40度であってもよい。
【0032】
第1および第2の外方に広がった部分は、平坦であってもよいし、または、一方または両方が平坦ではない、すなわち、湾曲していてもよい。第1および第2の外方に広がった部分の一方または両方が湾曲している場合、湾曲が、上述した長手軸線に対する相対角度で配置された接線または弦を有することを特徴としてもよい。この配置は、第1の外方に広がった部分が平坦であり、第2の外方に広がった部分が凹状、すなわち、円弧状の輪郭となるようにしてもよい。
【0033】
計量容器の口は、シール部材が支持される支持面を含んでいてもよい。このような支持面に、接触面の第1の外方に広がった部分の足部のところでくぼみが形成されていてもよい。このようなくぼみは、計量容器の口のほぼ全周にわたって延びており、したがって、環状溝の形態を有することになる。シール部材の材料が溝内へ移動するのを促進し、シール部材のシール効果をさらに高めるような形状に溝を形成すると好ましい。これを達成するために、支持面が、丸みを付けた肩部を備えるか、または、丸みを付けた肩部の形を採ってもよい。
【0034】
支持面は、通常長手軸線に対してほぼ直交して配置されることになる。支持面は、計量容器それ自体に形成してもよい。たとえば、棚などのように形成してもよい。あるいは、支持面は、計量容器の開いた口内に収容される中間構成要素の表面であってもよい。このような中間構成要素は、計量容器内の形成される棚の上にそれ自体が支えられる支持リングであってもよい。
【0035】
上記した変更形態とは別に、本発明のエアゾール・ディスペンサは、それに組み込んだ構成要素の形態、それらの寸法およびそれらを製造する材料に関して、ほぼ従来通りでもよい。
【0036】
以下、本発明を、添付図面を参照しながらほんの例示としてより詳しく説明する。
【実施例】
【0037】
まず図1を参照して、ここには、加圧された医薬エアゾール・ディスペンサの、頂部弁組立体(1)を含む上方部分が横断面で示してある。以下に説明し、より詳細な図2、4(図1では直ちにわかるわけではない)に示した発明的特徴点を除けば、図1に示す組立体は、このようなエアゾール・ディスペンサの一般的な構造の代表的なものである。
【0038】
頂部弁組立体(1)は、ほぼ円筒状のエアゾール缶(2)の開放端に嵌合している。缶(2)の開放端の直ぐ下にはネック(2a)が形成してあり、頂部弁組立体(1)が、キャップ(3)によって所定位置に保持されている。キャップ(3)は、缶(2)のネック(2a)にかしめてある。
【0039】
弁組立体(1)は、缶(2)の端部を覆って所定位置に保持された本体(4)を含む。環状ガスケット(5)が、本体(4)と缶(2)との間に配置してあり、そして、シールを形成するように圧縮されており、本体(4)と缶(2)のリムとの間での缶(2)内に保持されたエアゾール噴射剤の漏出を防いでいる。
【0040】
本体(4)は、計量容器(7)を収容したほぼ円筒状のくぼみ(11)を含む。本体(4)には、リブ(図示せず)が形成してあり、これらのリブは、くぼみ(11)内に突出していてくぼみ(11)内に計量容器(7)を位置決めするのを容易にしている。計量容器(7)は、ほぼ円筒状のカップの形をしており、その基部は中央開口部を有し、この中央開口部を通して、後述するように、弁棒(8)が摺動可能に挿入される。容器(7)の開放上端には、支持リング(13)がゆるく嵌合するくぼみが形成してある。支持リング(13)上方で、上方シート・ガスケット(9)が、計量容器(7)の口を閉じている。図5に示し、後に説明する本発明の実施例を考慮して明らかとなるように、支持リングは、必ずしも必要ではない。そのような場合、くぼみは、いくぶん浅くなり、上方シート・ガスケット(9)を直接収容することになる。
【0041】
弁棒(8)は、容器(7)を通して軸線方向に延びており、基部にある開口を通過し、そして、上方シート・ガスケット(9)にある開口部および下方シート・ガスケット(10)を通過して延びている。そして、下方シート・ガスケット(10)は、計量容器(7)の基部と本体(4)との間に配置してある。上下のシート・ガスケット(9、10)は、弁棒(8)と密封接触しており、容器(7)、上方シート・ガスケット(9)、支持リング(13)、下方シート・ガスケット(10)および弁棒(8)が環状室(6)を構成するようになっている。この環状室は、ユーザがディスペンサを一回操作して計量分配しようとしているエアゾール製品の必要体積分を収容するような寸法となっている。
【0042】
上述したように、計量容器(7)の上端部は、上方シート・ガスケット(9)で閉ざされている。上方シート・ガスケット(9)は、キャップ(3)、上方シート支持リング(13)、計量容器(7)の上方領域および弁棒(8)の間で圧縮され、それによって、環状計量室(6)をシールしている。上方シート・ガスケット(9)は、下方シート・ガスケット(10)と同じ方法で弁棒(8)に対するシールを形成し、環状室(6)から弁棒(8)を過ぎて外部に噴射剤混合物が漏出するのを防いでいる。
【0043】
弁は、次のように作動する。静止状態では、ばね(14)が弁棒(8)の肩部(15)に作用して、図1に示される位置に弁棒(8)を維持している。この位置において、環状室(6)は、弁棒(8)の第1の中空内方部分(81)、室(6)内に位置する弁棒(8)の下方部分に形成した第1のオリフィス(17)、下方シート・ガスケット(10)下方に位置する弁棒(8)の部分に形成した第2のオリフィス(28)を経てエアゾール缶(2)と流体連通している。これにより、ディスペンサを逆さにしたとき、環状室(6)が噴射剤混合物で満たされ得る。ディスペンサを作動させるには、弁棒(8)を缶(2)に向かってばね(14)の作用に抗して押し下げる。これにより、第1のオリフィス(17)が下方シート・ガスケット(10)を通り過ぎ、それによって、環状室(6)を缶内部から隔離する。弁棒(8)をさらに押し下げると、弁棒(8)の第2中空内側部分(82)内に開口している第3のオリフィス(18)が計量室(6)内に入る。それにより、室(6)の内容物が、第3のオリフィス(18)および弁棒(8)の第2の中空部分(82)を経て外部に流出できる。
【0044】
ディスペンサの残りの部分に対する弁棒(8)の移動は、弁棒(8)と一体に形成された環状止め(16)により制限される。図1の位置において、止め(16)は、上方シート・ガスケット(9)の下面に当接している。弁棒(8)の押し下げは、計量容器(7)の基部と止め(16)の当接により制限される。
【0045】
弁棒(8)を解放すると、ばね(14)の作用によって弁棒(8)が図1の位置に戻る。第3のオリフィス(18)が上方シート・ガスケット(9)にある中央開口部を通過し、それによって、室(6)を再び外部環境から隔離する。
【0046】
本発明は、望まない漏出を防ぐように室(6)をシールする点の改良に関するものであり、そして、特に、上方シート・ガスケット(9)および計量容器(7)間のシール構造の改良に関するものである。エアゾール・ディスペンサの第1実施例に行った改良が、より詳細に図2、4に示してあるが、図3は、代表的な従来技術による配置との比較のためにある。図示したすべての配置において、対応する構成要素には、対応する参照符号が付けてある。
【0047】
図3は、従来技術によるエアゾール・ディスペンサの上方シート・ガスケット領域の詳細図である。ここでわかるように、環状室(6a)に入っている噴射剤は、潜在的に、多数の経路を経て漏出する可能性がある。噴射剤は、上方シート・ガスケット(9a)と弁棒(8a)との間で漏出する可能性がある。噴射剤は、支持リング(13a)の底を通り過ぎ、ギャップ(20a)を通り、そして、上方シート・ガスケット(9a)と計量容器(7a)の壁面との接触領域(21a)通って漏出する可能性がある。最後に、噴射剤は、上方シート・ガスケット(9a)と支持リング(13a)の頂面(19a)との間から、そして、前述したように上方シート・ガスケット(9a)と計量容器(7a)の壁面との接触領域(21a)を通って漏出する可能性がある。
【0048】
図3からわかるように、従来技術のシール配置は、平らな上面(19a)を有する支持リング(13a)を利用しており、接触領域(21)のところで計量容器(7a)の壁面上の傾斜した平らな面を有する。上方シート・ガスケット(9a)を弁組み立て中に所定位置に押圧したとき、この上方シート・ガスケット(9a)が図示のように変形して接触領域(21)の頂部(22a)のところに適度なシールを形成する。しかしながら、上方シート・ガスケット(9a)と支持リング(13a)の頂面(19a)との接触および接触領域(21a)のところでの上方シート・ガスケット(9a)と計量容器(7a)の壁面との接触では、接触する平らな表面の間に発生する圧力が比較的小さいために、充分に効果的なシールを得ることができない。それと対照的に、接触領域(21a)の頂部(22a)のところにおける圧力は、ずっと大きくなり、その領域において、適度なシールを提供する。しかしながら、この領域における接触面積が極めて限定されるので、恒久的で信頼性の高いシール能力を得るのに充分とはいえない。このシールは、特に、シール領域における欠陥または異物によって、失敗となり易い。
【0049】
ここで重要なのは、単に上方シート・ガスケット(9a)に加えられる圧縮力を増大させることが、一般的に言って、シール効率を向上させる満足できる方法とはならないということである。上方シート・ガスケット(9a)、支持リング(13a)、計量容器(7a)間のシールの質はこのような処置によって、向上すると思われるにもかかわらず、上方シート・ガスケット(9a)によって、弁棒(8a)に加えられる圧力が大きくなりすぎて弁棒(8a)が自在に動けなくなる可能性がある。
【0050】
これらの問題は、図2および図4に示すように本発明のシール配置により解決されるか、または、十分に緩和される。2つの変更が行われる。
【0051】
まず、図4に最も明確に示すように、上方シート・ガスケット(9)が押圧する計量容器(7)の壁の下方部分(24)を垂直軸線から離れるように缶の外側に向かって傾ける。計量容器(7)の壁の上部(25)は、もっと大きな角度で垂直軸線から離れるように傾ける。これにより、圧力形成用の環状リッジ(26)が創り出される。上部の表面(25)は、円弧状に湾曲もしており、この円弧の弦(図4では破線で示してある)が必要な角度を描いて環状リッジ(26)を形成する。環状リッジ(26)は、シールしようとしている上方シート・ガスケット(9)の外面に対する圧力上昇体として作用する。その結果、上方シート・ガスケット(9)と計量容器(7)の壁面との有効接触面積が増大し、有効なシール圧力を形成できる。半径方向のシール圧力が増大するので、シールは、シール領域における欠陥または異物による失敗が起こりにくくなる。
【0052】
上部(25)の円弧状形態は、また、上方シート・ガスケット(9)の材料が、計量容器(7)の頂部とキャップ(3)との間のギャップ内により自在に流動し、シール接触面積を増大させるのも助ける。
【0053】
次に、支持リング(13)の上面には、その外縁に隣接して、丸みを付けた肩部(23)が形成してある。図2を参照されたい。肩部(23)の効果は、肩部(23)と計量容器(7)の傾斜面(24)との間に、支持リング(13)と計量容器(7)との間のギャップ(20)に通じているテーパー付きくぼみを構成することである。このくぼみ内へ、上方シート・ガスケット(9)の材料が流動できる。
【0054】
この特徴の組み合わせでは、圧縮による上方シート・ガスケット(9)の変形は、図3に示される従来技術組立体の変形から図2に示される変形に変わる。支持リング(13)上の半径方向の肩部(23)および傾斜面(24)は、缶(2)のネック上へキャップ(3)をかしめることによって、ディスペンサを組み立てるときに、上方シート・ガスケット(9)の材料を強制的に変形させ、ギャップ(20)内へ流動させる。これが、上方シート・ガスケット(9)、支持リング(13)および計量容器(7)間に効果的なシールを形成する。上方シート・ガスケット(9)の材料は、環状リッジ(26)を覆っても変形し、そこに、第2の効果的な半径方向シールを形成する。
【0055】
さらなる利点としては、キャップ(3)によって上方シート・ガスケット(9)上に加えられた圧力が上方シート・ガスケット(9)を弁棒(8)に対して圧縮する傾向を低減するということがある。これにより、弁棒(8)が移動する中央開口部にガスケット材料を介して伝えられるこの圧力をより良く制御できる。この圧力は、効果的なシールを形成するのに充分に高い圧力と、弁棒(8)を自由に移動させるほどに低い圧力との間で釣り合わなければならない。
【0056】
図5は、本発明の第2実施例を示す、図2と同様の図であり、図6は、対応する従来技術による配置を示す同様の図である。
【0057】
別体の支持リングを持っていないという点で、図5の弁は、図2に示す本発明の第1実施例とは異なっており、図6の従来技術の弁は、図3に示される弁とは異なっている。その代わりに、支持リングが、実質的に、計量容器(7b、7c)の壁に組み込まれており、そして、上方シート・ガスケット(9b、9c)を受ける計量容器(7b、7c)の頂部にあるくぼみがより浅くなっている。このような構造は、代表的には、より小さい計量室容積を有する弁に対して使用され得る。弁組立体における下方シート・ガスケット、計量容器およびその他の構成要素の配置は、図1に関連して説明した通りのものであってもよい。
【0058】
図6に示される従来技術の弁においては、高くなった肩部(23c)がくぼみの頂面に設けてあり、その上に上方シート・ガスケット(9c)が受け入れられる。図3に示される従来技術の弁と同様に、上方シート・ガスケット(9c)と計量容器(7c)の接触領域(21c)は平らである。
【0059】
図5に示される本発明の第2実施例は、図3の従来技術配置に関連して本発明の第1実施例について先に説明したものと同様の、図6の従来技術配置に関する変更を含んでいる。上方シート・ガスケット(9b)を支持する計量容器(7b)の表面には、丸みを付けた肩部(23b)および溝(27b)が形成してあり、この溝内に上方シート・ガスケット(9b)が変形することができる。溝(27b)は、第1実施例(図2)のギャップ(20)と同じ機能を果し、上方シート・ガスケット(9b)が自由に変形することができるに充分な深さが必要である。上方シート・ガスケット(9b)と計量容器(7b)の間の接触領域は、図4に示し、先に説明したと同様の要領で変更される。上方シート・ガスケット(9b)が押圧する計量容器(7b)の壁の下部(24b)は、弁組立体の長手軸線から離れるように傾斜している。上部(25b)は、もっと大きな角度で配置されており、凹状である。下部(24b)と上部(25b)の接合部のところには、環状リッジ(26b)が形成してある。
【0060】
最後に、図7の図示した実施例は、上方シート・ガスケット(図7には図示せず)が押圧する計量容器(7d)の壁の上部(25d)が凹状でなくて平らであることを除いて、図1、2、4のそれと同じである。
【0061】
上方シート・ガスケットは、任意適当なエラストマー材で作ってもよい。材料は、使用されるエアゾールの噴射剤および他の成分と両立できなければならない。代表的な材料としては、天然ゴム、合成ゴム、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリウレタンおよびシリコーンポリマーがある。
【0062】
弁は、計量投与エアゾール缶で使用するのに適した任意の容積で上記仕様に製造することができる。代表的には、このような弁は、200μl未満、好ましくは20μl〜120μlの容積を有する。上方シート支持リングを含む、本発明の第1実施例による弁は、代表的には、より大きい容積のものであり、好ましくは80μl〜120μlの容積となる。本発明の第2実施例による弁は、代表的には、もっと小さい容積のものであり、好ましくは100μl未満、より好ましくは30μl〜70μlの容積となる。
【0063】
本発明をさらに説明するが、本発明によるエアゾール・ディスペンサを示す以下の図示例によって限定されることはない。
【0064】
弁の有限要素解析
有限要素解析(FEA)の研究を実施して組み立て時および使用時の弁構成要素を理解した。特にゴム・シートと隣接した構成要素との間での接触圧力およびひずみについて完全な説明を行うためのコンピュータ・モデルを確立した。研究の目的は、予測モデル(単数または複数)を弁漏出の改善に適用し、可能性のある設計変更を評価することであった。噴射剤体積の異なる値域について代替設計改良を達成するためにさらなる開発を行った。
既存設計の解析から出発し、引き続き実際的な調査手法を確立する研究のために組織的方法を実施して、漏出経路の全体的な弱点を示す予測を行った。この解析により、さらなる発展が生じ、効果的な設計変更に関するより詳しいモデリング作業を行った。
【0065】
FEAソフトウェア
MSC. Marc有限要素解析ソフトウェアを研究のために使用した。これは、ISO9001証明書[MSC. Software Corporation, 2 MacArthur Place, Santa Ana, CA 92707, MSC. Marc User's Guide, Version 2001]によって保証される品質である。この汎用非線形プログラムは、接触挙動およびゴム変形プロセスならびに他の工学分析で作動できるように精巧化されている。このプログラムは、また、表面相互作用をモデリングすること、たとえば、変形可能体と剛性体との間、または、複数の変形可能体間で接触が生じる場合の問題を自動的に解決することもできる。MSC. Marcは、非圧縮性挙動およびほぼ非圧縮性挙動の両方について、三次変形ひずみエネルギ関数を含む異なった方法で非線形エラストマー材をモデリングする種々のアプローチを提供する。MSC. Marcのプレ・ポスト処理コードMentatを使用して、Dxfフォーマット・ファイル、モデル入力データ、境界条件、分析タイプおよび結果プロットを介して構成要素描画ジオメトリをインポートすることによって、FEAメッシュを構築した。
【0066】
モデル説明
構成した支持体、組立体および作動状態についての、缶インターフェイスを含む弁組立体の軸対称非線形接触分析を開発した。重要な構成要素相互作用部分について、Aventis Pharma Ltdによって供給される計測実験室測定値によって支援されるインポートDxf描画ファイルからメッシュを構築した。ゴム・シート、プラスチック部品およびアルミニウムの特性は、材料製造業者やAventis Pharma Ltdによって供給を受けた。プラスチック部品およびアルミニウム部品については、ヤング率、ポアソン比および降伏応力値を使用した[Speciality Steel & Forge, Fairfield, NJ, Aluminium 5005-0 and Aluminium 5052-0、 MatWeb database, Polybutylene Terephthalate (PBT) Arnite T06202、 Ticona GmbH, D-65926 Frankfurt am Main, Ticona Celcon M90 Acetal copolymer (POM)]。ゴム構成要素については、応力ひずみ曲線の引っ張りテスト・データを材料供給元[Bespak Europe, King's Lynn, Norfolk PE30 2JJ, England, Tensile test RB190NT Nitrile rubber]から供給を受け、MSC. Marc/Mentatプログラムに入力した。次に、エラストマー材料定数を得て、圧力エネルギ関数で使用した。ゴム分析については、Mooney-Rivlinモデルの三条件シリーズを考察した[MSC. Software Corporation, 2 MacArthur Place, Santa Ana, CA 92707, MSC. Marc Volume A: Theory and User Information, Version 2001]。組み立てプロセスにおけると同様に、弁体がリブ背後のホーム位置に押されているフェルール(組み立て方向に固定されている)を完全に支持することによって、境界条件を適用した。弁が缶上に押圧されているためガスケットが押し下げられるにつれて、缶ネックに対してフェルールを変形させることによってかしめ相が生じる。供給されたと同じく、20ニュートンのばね力を組立てた弁構成要素において維持した。次に、弁構成要素ひずみおよび表面相互作用により、材料変形、接触力および摩擦力を計算した。
【0067】
単複構成要素設計変更シリーズに続いて組織的方法を使用し、弁性能を改善し、最終的に、最適変更を達成した。有限要素メッシュを種々の段階で精緻化し、特に設計変化およびゴム・シートの部分においてモデル精度を向上させた。弁全体に通じるひずみジェオメトリの応力、変位値を得て、シートと隣接した構成要素との間での正規接触圧力およびゴムの流れについて重点を置いて改善レベルを評価した。
【0068】
多数回の設計変更試行を行った後、3つのモデルを構築し、分析のために仕上げた。
【0069】
1.オリジナル設計:この分析は、現在使用中の公知の弁についてのものである。この弁は、変更した設計と比較し、モデル妥当性確認のために使用された。計量室容器の頂部と支持リングは、弁を組み立てているときに、フェルール「カバー・キャップ」に押しつけられたときにガスケットを変形させることによって、シール帯域を形成する。計量室、支持リング両方の、上方シートとの接触面は平らであるため、シール圧力の効果が少なく、漏出経路となる可能性がある。支持リングと計量室との間の相互作用も漏出に関して不充分な可能性があり、これは、これら両方の構成要素がプラスチック材料で作ってあり、ゴムの弾力性を持っていないという事実による。それ故、この種の設計についての主シール帯域は、弁を組み立てているときに発生する圧力レベルに依存して、計量室容器と上方シート・ガスケットとの間になる。さらに、現行分析では、シール領域に隣接するギャップに上方シート・ゴム・ガスケット材料を良好に流入させることはできない。これにより、接触シール面積および接触圧力分布を低減させることになる。図8を参照されたい。
【0070】
2.修正設計1:この設計は、上述したオリジナル設計に対する変更を含むように開発され、小変更を行って、予想漏出帯域で接触圧力およびゴム流動性を向上させた。上方シート・ガスケットに対する、計量室の頂面は、平らなエッジよりむしろ湾曲したカットアウト・エッジを持っている。それ故、この新しい修正された表面は、第1の外方に広がった部分と、この第1の外方に広がった部分よりも大きい角度で外方に広がる第2の凹状部分とを含み、これら両方の部分間の接合部のところに環状リッジを形成する。この設計変更により、装置機能について要求される、弁棒に対する圧力を極端に増大させることなく、上方シート・ガスケットの外径と共に増大した接触圧力の領域を得ることができる。支持リングは、また、計量室容器下方の頂縁のところに上方シート・ガスケットに対する半径方向輪郭の材料を加えることによっても修正した。この変更は、2つの利点を有する。すなわち、上方シートでの圧力を増大させることであり、また、計量室下方において上方シート外径ゴム流動性を改善することである。図9を参照されたい。
【0071】
3.修正設計2:この分析は、上記の修正設計1に類似しているが、付加的な変更を行って、支持リングを計量室容器と一体に形成し、単一の統合構成要素「新規な一体室」となるようにしている。この新規な一体室は、計量室容器の内径と一致するように支持リング内部輪郭を切り取り、支持リングと計量室形成容器を接触領域で結合し、圧縮したとき(支持リング外径と、計量室容器頂部の内径との間)、上方シート・ガスケットからゴムが流動するくぼみ部分を形成することによって創り出した。この目的は、新しい設計技術に対する付加的な改良および革新を導入することにあり、任意の弁エアゾール容量(たとえば、20〜120マイクロリットル)に順応させることにある。新規な統合支持リングの半径方向輪郭を完全な半径くぼみに修正し、ゴムに食い込む鋭い接触角隅を無くし、半径方向輪郭に滑らかに移行するための改良を行った。くぼみは、支持リングをさらに計量室と一体化することによって、より浅いものとした。シートと支持体との間の接触面積は大きく減るけれども、計量室および半径方向リング輪郭に対するシート圧力を保持し、くぼみ内のゴム流動および錠止作用を向上させるように改良を行った。さらに、支持リングを計量室と一体化したので、この帯域には、もはや漏出経路は無くなった。図10を参照されたい。
【0072】
結果考察
修正設計1、2の両方について(図9、10)、上方シート・ガスケットと計量室容器との間の正規接触圧力は、既存設計(図8)よりも30%の増加を示した。両修正設計のより高い圧力は、既存設計(図8)におけるより小さい接触帯域と比較して、より大きい接触帯域にわたって広がっており、これはシール性能をさらに向上させる。これは、また、新規な支持リング(図9)または新規な一体室(図10)と上方シート・ガスケットとの間にも見ることができる。修正設計(図9、10)における接触シール圧力は、フェルールに対して、オリジナル設計(図8)よりも約20%向上した。
【0073】
上方シート・ガスケット・ゴムの材料の流動は、フェルールに向かう方向および支持リング上方に向かう方向の2つの方向において新規な修正計量室輪郭(図9および10)下方で向上した。これが、さらに、接触シール表面を拡大する。
【0074】
ゴム・シート・ガスケットと他の隣接した構成要素との間におけるシール圧力を向上させると共に、弁棒(コア)にかかる圧力を緊密にモニタし、同様なレベルに維持するということは重要である。これにより、図8、9、10でわかるように、弁棒、上方シート間の正規圧力の最大値が約10MPaに保たれ、作動時の弁機能が設計改善で影響されないようにしている。
【0075】
モデル妥当性確認
有限要素モデルについて、図11に示すように、弁棒押し下げによる反応力を算出することによって実験データと対比して妥当性を確認した。完全な弁/缶のひずみ状態での組み立ての終了時に弁棒(コア延長部)を押し込んだ。5〜15%の比較パーセンテージ・エラーが示された。しかしながら、弁棒を通常のように約3mm押し下げた通常の弁作動では、下端のところで、エラーは約5%である。この数値エラーは、有限要素分析について要求される或る種の仮定および摩擦係数値および加工硬化のような他の特性についての正確な情報の欠如および噴射剤効果の除外により、予想される。
【0076】
開発研究時、FEAモデルが予示することを示唆している2つの徴候を有する他の評価を観察した。すなわち、
(1) 計量室の基部のところでの高圧縮段階(平らな基部と異なる)の追加は、漏出低減に際して開発段階で先にAventisが経験したように有効シール圧力における増大を予測させた、そして、
(2) Aventisによる弁分割検査でわかったように、本体カットアウト角隅とガスケット構成要素との間の過剰な応力集中である。
【0077】
有限要素分析は、ゴム・シートと隣接した構成要素との間での接触圧力の向上、そして、より効果的には上方シート、計量室頂部、支持リング間での接触圧力の向上が、上流側流動において漏出を最も良く制御できることを示した。2つの修正設計は、既存の弁設計に対する最小限の変更によって改善がなされ得るということを示した。
【0078】
本発明は、その精神または本質的な特性から逸脱することなく、他の特殊な形態でも実施し得る。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】本発明による加圧エアゾール薬剤ディスペンサの第1実施例の上方部分(弁組立体を含む)の部分横断面図である。
【図2】図1のディスペンサの一部を形成している頂部シート組立体の拡大図である。
【図3】従来技術による組立体を示す、図2と同様の図である。
【図4】図2の頂部シート組立体の一部を形成している計量容器の口の輪郭のさらに拡大した詳細図である。
【図5】本発明の薬剤ディスペンサの第2実施例の一部を形成している頂部シート組立体を示す、図2と同様の図である。
【図6】従来技術による弁を示す、図5と同様の図である。
【図7】本発明の第3実施例の一部を形成している計量容器の口の輪郭を示す、図4と同様の図である。
【図8】上方シート・ガスケットとそれに隣接した構成要素との正規接触圧力(Mpa)を示す、該知の弁のグラフである。
【図9】上方シート・ガスケットとそれに隣接した構成要素との正規接触圧力(Mpa)を示す、修正設計1による弁のグラフである。
【図10】上方シート・ガスケットとそれに隣接した構成要素との正規接触圧力(Mpa)を示す、修正設計2による弁のグラフである。
【図11】弁内での弁棒押し下げ中の反応力についての実際のデータとFEA理論データとの比較を示しているグラフである。
【0001】
本発明は、加圧エアゾール・ディスペンサ、特に、吸入を意図した薬剤のためのディスペンサの改良に関するものであり、また特に、このようなディスペンサにおける計量分配弁のシールの改良に関するものである。
【背景技術】
【0002】
普通、噴射剤を使用してエアゾール形態で製品を計量分配するには加圧容器が使用される。この噴射剤は、標準温度、圧力でガス状であり、シールした容器内に蓄積された過剰蒸気圧力によって液体状で容器内に保持されている。計量分配されるべき製品は、固体または液体の形態で噴射剤内に懸濁していてもよいし、噴射剤に溶解していてもよい。懸濁化剤、助溶剤、潤滑剤および他の補助剤も混合物内に存在することがある。
【0003】
圧縮された噴射剤混合物の測定体積分を送り出し、それ故、噴射剤に溶解または分散している成分の測定量分を送り出すのに、計量分配弁が使用される。このようなシステムは、普通、薬剤、特に、経鼻または経口吸入用の薬剤を送り出すのに使用される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
計量分配弁は、普通、弁棒を摺動可能に装着した環状計量室を含む。弁は、缶の開放端に嵌合させてあり、カバー・キャップで所定位置においてシールしてある。弁棒が第1位置にあるときには、計量室は、缶の内部に開いており、組立体の外側から隔離されている。これにより、計量室が缶の内容物で満たされ得る。弁棒が第2位置に移動すると、計量室が缶の内部から隔離され、大気に開放される。これにより、計量室の内容物がエアゾール・スプレーとして放出され得る。特に医療用途の場合、装置の作動ごとに計量分配される材料の量が同じであり、それによって得られる投与量が意図した指定量であることが非常に望ましい。したがって、噴射剤の漏出、それによる投与量のばらつきおよび/またはディスペンサから得られる投与量の減少を防ぐために、弁棒と計量室の間、計量室組立体とキャップの間、そして、弁と缶の間に効果的なシール配置が必要である。本発明は、これらのシール配置に対する改良に関するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
発明の実施例
[1] 本発明の一実施例は、
a)内部に材料を格納しており、またそこから材料を計量分配するための容器と、
b)計量分配弁とを含み、
この計量分配弁が、前記容器に固定装着されたキャップによって所定位置に保持されたほぼカップ形状の計量容器と、計量容器とキャップの間に配置されたシール部材とを含み、このシール部材が開口を有し、この開口内に弁棒が長手軸線に沿って摺動できるように装着されており、この計量容器が、開いた口を有し、この口の内面が、前記シール部材が押圧する環状接触面を構成しており、
この接触面が、前記長手軸線に対して第1の角度で配置された第1の外方に広がった部分と、前記長手軸線に対して第2の角度で配置された第2の外方に広がった部分とを含み、前記第2の角度が、前記第1の角度より大きくて、環状リッジが、前記第1の外方に広がった部分と前記第2の外方に広がった部分との接合部のところに形成されるようになっている加圧エアゾール・ディスペンサを提供する。
【0006】
[2] 本発明の別の実施例は、実施例[1]によるディスペンサであって、形成された環状リッジが、シール部材の開口内を摺動する弁棒に加えられる圧力を過剰に高めることなく、増大されたシール圧力領域を提供するようになっているディスペンサを提供する。
【0007】
[3] 本発明の他の実施例は、実施例[1]によるディスペンサであって、第1の外方に広がった部分が、長手軸線に対して約5度〜約30度の角度で配置されているディスペンサを提供する。
【0008】
[4] 本発明の別の実施例は、実施例[1]によるディスペンサであって、第1の外方に広がった部分が、長手軸線に対して約10度〜約20度の角度で配置されているディスペンサを提供する。
【0009】
[5] 本発明の別の実施例は、実施例[1]〜[4]のうちいずれか1つによるディスペンサであって、第2の外方に広がった部分が、長手軸線に対して約30度〜約60度の角度で配置されているディスペンサを提供する。
【0010】
[6] 本発明の別の実施例は、実施例[1]〜[4]のうちいずれか1つによるディスペンサであって、第2の外方に広がった部分が、長手軸線に対して約45度〜約55度の角度で配置されているディスペンサを提供する。
【0011】
[7] 本発明の別の実施例は、実施例[1]〜[6]のうちいずれか1つによるディスペンサであって、第2および第1の外方に広がった部分が配置される、長手軸線に対する角度の差が、約20度〜約45度であるディスペンサを提供する。
【0012】
[8] 本発明の別の実施例は、実施例[1]〜[6]のうちいずれか1つによるディスペンサであって、第2および第1の外方に広がった部分が配置される、長手軸線に対する角度の差が、約30度〜約40度であるディスペンサを提供する。
【0013】
[9] 本発明の別の実施例は、実施例[1]〜[8]のうちいずれか1つによるディスペンサであって、第2の外方に広がった部分が凹状であるディスペンサを提供する。
【0014】
[10] 本発明の別の実施例は、実施例[1]〜[9]のうちいずれか1つによるディスペンサであって、計量容器の口が、シール部材が支持されている支持面を含むディスペンサを提供する。
【0015】
[11] 本発明の別の実施例は、実施例[10]によるディスペンサであって、第1の外方に広がった部分の足部のところで支持面にくぼみが形成されているディスペンサを提供する。
【0016】
[12] 本発明の別の実施例は、実施例[11]によるディスペンサであって、前記くぼみが、環状溝の形となっているディスペンサを提供する。
【0017】
[13] 本発明の別の実施例は、実施例[10]〜[12]のうちいずれか1つによるディスペンサであって、前記支持面が、前記計量容器と一体に形成されているディスペンサを提供する。
【0018】
[14] 本発明の別の実施例は、実施例[10]〜[13]のうちいずれか1つによるディスペンサであって、前記支持面が、前記計量容器内に設置された支持リングの上面であり、前記くぼみが、前記支持リングと前記計量容器の並置表面間のスペースであるディスペンサを提供する。
【0019】
[15] 本発明の別の実施例は、実施例[8]〜[14]のうちいずれか1つによるディスペンサであって、前記支持面に丸みを付けた肩部が形成されているディスペンサを提供する。
【0020】
[16] 本発明の別の実施例は、実施例[8]〜[15]のうちいずれか1つによるディスペンサであって、前記計量容器の容積が、約200μl未満であるディスペンサを提供する。
【0021】
[17] 本発明の別の実施例は、実施例[16]によるディスペンサであって、計量容器の容積が、約30μl〜約70μlであるディスペンサを提供する。
【0022】
[18] 本発明の別の実施例は、実施例[16]によるディスペンサであって、計量容器の容積が、約80μl〜約120μlであるディスペンサを提供する。
【0023】
[19] 本発明の別の実施例は、実施例[1]〜[18]のうちいずれか1つによるディスペンサであって、シール部材が、エラストマー材からなるディスペンサを提供する。
【0024】
[20] 本発明の別の実施例は、実施例[19]によるディスペンサであって、エラストマー材が、天然ゴム、合成ゴム、ポリオレフィン類、ポリエステル類、ポリウレタン類およびシリコーンポリマー類からなるグループから選択された材料からなるディスペンサを提供する。
【0025】
[21] 本発明の別の実施例は、実質的に図1、2、4、5、7を参照して説明したディスペンサを提供する。
【0026】
[22] 本発明の別の実施例は、実施例[1]〜[21]のうちいずれか1つによるディスペンサであって、容器が、医薬エアゾール調合物を収容しているディスペンサを提供する。
【0027】
[23] 本発明の別の実施例は、実施例[22]によるディスペンサであって、医薬エアゾール調合物が、噴射剤134aおよび/または噴射剤227を含むディスペンサを提供する。
【0028】
明確にするために別々の実施例に関連して説明した本発明の或る種の特徴が、単一の実施例においても組み合わせて提供され得ることは了解されたい。また、簡潔にするために単一の実施例に関連して説明した本発明の様々な特徴は、別々に、または、任意の適当な準組み合わせで提供され得る。
【0029】
本発明によるディスペンサは、主として、シール部材が押圧する計量容器の表面に形成された環状リッジが、シール部材の開口内で摺動する弁棒に加わる圧力を過剰に高めることなく、増大されたシール圧力領域を提供するという点で有利である。
【0030】
第1の外方に広がった部分は、長手軸線に対して5度〜30度、または、10度〜20度、たとえば15度の角度で配置されてもよい。また、第2の外方に広がった部分は、30度〜60度、または、45度〜55度、たとえば48度の角度で配置されてもよい。
【0031】
第2および第1の外方に広がった部分が配置される、長手軸線に対する角度の差は、20度〜45度、または、30度〜40度であってもよい。
【0032】
第1および第2の外方に広がった部分は、平坦であってもよいし、または、一方または両方が平坦ではない、すなわち、湾曲していてもよい。第1および第2の外方に広がった部分の一方または両方が湾曲している場合、湾曲が、上述した長手軸線に対する相対角度で配置された接線または弦を有することを特徴としてもよい。この配置は、第1の外方に広がった部分が平坦であり、第2の外方に広がった部分が凹状、すなわち、円弧状の輪郭となるようにしてもよい。
【0033】
計量容器の口は、シール部材が支持される支持面を含んでいてもよい。このような支持面に、接触面の第1の外方に広がった部分の足部のところでくぼみが形成されていてもよい。このようなくぼみは、計量容器の口のほぼ全周にわたって延びており、したがって、環状溝の形態を有することになる。シール部材の材料が溝内へ移動するのを促進し、シール部材のシール効果をさらに高めるような形状に溝を形成すると好ましい。これを達成するために、支持面が、丸みを付けた肩部を備えるか、または、丸みを付けた肩部の形を採ってもよい。
【0034】
支持面は、通常長手軸線に対してほぼ直交して配置されることになる。支持面は、計量容器それ自体に形成してもよい。たとえば、棚などのように形成してもよい。あるいは、支持面は、計量容器の開いた口内に収容される中間構成要素の表面であってもよい。このような中間構成要素は、計量容器内の形成される棚の上にそれ自体が支えられる支持リングであってもよい。
【0035】
上記した変更形態とは別に、本発明のエアゾール・ディスペンサは、それに組み込んだ構成要素の形態、それらの寸法およびそれらを製造する材料に関して、ほぼ従来通りでもよい。
【0036】
以下、本発明を、添付図面を参照しながらほんの例示としてより詳しく説明する。
【実施例】
【0037】
まず図1を参照して、ここには、加圧された医薬エアゾール・ディスペンサの、頂部弁組立体(1)を含む上方部分が横断面で示してある。以下に説明し、より詳細な図2、4(図1では直ちにわかるわけではない)に示した発明的特徴点を除けば、図1に示す組立体は、このようなエアゾール・ディスペンサの一般的な構造の代表的なものである。
【0038】
頂部弁組立体(1)は、ほぼ円筒状のエアゾール缶(2)の開放端に嵌合している。缶(2)の開放端の直ぐ下にはネック(2a)が形成してあり、頂部弁組立体(1)が、キャップ(3)によって所定位置に保持されている。キャップ(3)は、缶(2)のネック(2a)にかしめてある。
【0039】
弁組立体(1)は、缶(2)の端部を覆って所定位置に保持された本体(4)を含む。環状ガスケット(5)が、本体(4)と缶(2)との間に配置してあり、そして、シールを形成するように圧縮されており、本体(4)と缶(2)のリムとの間での缶(2)内に保持されたエアゾール噴射剤の漏出を防いでいる。
【0040】
本体(4)は、計量容器(7)を収容したほぼ円筒状のくぼみ(11)を含む。本体(4)には、リブ(図示せず)が形成してあり、これらのリブは、くぼみ(11)内に突出していてくぼみ(11)内に計量容器(7)を位置決めするのを容易にしている。計量容器(7)は、ほぼ円筒状のカップの形をしており、その基部は中央開口部を有し、この中央開口部を通して、後述するように、弁棒(8)が摺動可能に挿入される。容器(7)の開放上端には、支持リング(13)がゆるく嵌合するくぼみが形成してある。支持リング(13)上方で、上方シート・ガスケット(9)が、計量容器(7)の口を閉じている。図5に示し、後に説明する本発明の実施例を考慮して明らかとなるように、支持リングは、必ずしも必要ではない。そのような場合、くぼみは、いくぶん浅くなり、上方シート・ガスケット(9)を直接収容することになる。
【0041】
弁棒(8)は、容器(7)を通して軸線方向に延びており、基部にある開口を通過し、そして、上方シート・ガスケット(9)にある開口部および下方シート・ガスケット(10)を通過して延びている。そして、下方シート・ガスケット(10)は、計量容器(7)の基部と本体(4)との間に配置してある。上下のシート・ガスケット(9、10)は、弁棒(8)と密封接触しており、容器(7)、上方シート・ガスケット(9)、支持リング(13)、下方シート・ガスケット(10)および弁棒(8)が環状室(6)を構成するようになっている。この環状室は、ユーザがディスペンサを一回操作して計量分配しようとしているエアゾール製品の必要体積分を収容するような寸法となっている。
【0042】
上述したように、計量容器(7)の上端部は、上方シート・ガスケット(9)で閉ざされている。上方シート・ガスケット(9)は、キャップ(3)、上方シート支持リング(13)、計量容器(7)の上方領域および弁棒(8)の間で圧縮され、それによって、環状計量室(6)をシールしている。上方シート・ガスケット(9)は、下方シート・ガスケット(10)と同じ方法で弁棒(8)に対するシールを形成し、環状室(6)から弁棒(8)を過ぎて外部に噴射剤混合物が漏出するのを防いでいる。
【0043】
弁は、次のように作動する。静止状態では、ばね(14)が弁棒(8)の肩部(15)に作用して、図1に示される位置に弁棒(8)を維持している。この位置において、環状室(6)は、弁棒(8)の第1の中空内方部分(81)、室(6)内に位置する弁棒(8)の下方部分に形成した第1のオリフィス(17)、下方シート・ガスケット(10)下方に位置する弁棒(8)の部分に形成した第2のオリフィス(28)を経てエアゾール缶(2)と流体連通している。これにより、ディスペンサを逆さにしたとき、環状室(6)が噴射剤混合物で満たされ得る。ディスペンサを作動させるには、弁棒(8)を缶(2)に向かってばね(14)の作用に抗して押し下げる。これにより、第1のオリフィス(17)が下方シート・ガスケット(10)を通り過ぎ、それによって、環状室(6)を缶内部から隔離する。弁棒(8)をさらに押し下げると、弁棒(8)の第2中空内側部分(82)内に開口している第3のオリフィス(18)が計量室(6)内に入る。それにより、室(6)の内容物が、第3のオリフィス(18)および弁棒(8)の第2の中空部分(82)を経て外部に流出できる。
【0044】
ディスペンサの残りの部分に対する弁棒(8)の移動は、弁棒(8)と一体に形成された環状止め(16)により制限される。図1の位置において、止め(16)は、上方シート・ガスケット(9)の下面に当接している。弁棒(8)の押し下げは、計量容器(7)の基部と止め(16)の当接により制限される。
【0045】
弁棒(8)を解放すると、ばね(14)の作用によって弁棒(8)が図1の位置に戻る。第3のオリフィス(18)が上方シート・ガスケット(9)にある中央開口部を通過し、それによって、室(6)を再び外部環境から隔離する。
【0046】
本発明は、望まない漏出を防ぐように室(6)をシールする点の改良に関するものであり、そして、特に、上方シート・ガスケット(9)および計量容器(7)間のシール構造の改良に関するものである。エアゾール・ディスペンサの第1実施例に行った改良が、より詳細に図2、4に示してあるが、図3は、代表的な従来技術による配置との比較のためにある。図示したすべての配置において、対応する構成要素には、対応する参照符号が付けてある。
【0047】
図3は、従来技術によるエアゾール・ディスペンサの上方シート・ガスケット領域の詳細図である。ここでわかるように、環状室(6a)に入っている噴射剤は、潜在的に、多数の経路を経て漏出する可能性がある。噴射剤は、上方シート・ガスケット(9a)と弁棒(8a)との間で漏出する可能性がある。噴射剤は、支持リング(13a)の底を通り過ぎ、ギャップ(20a)を通り、そして、上方シート・ガスケット(9a)と計量容器(7a)の壁面との接触領域(21a)通って漏出する可能性がある。最後に、噴射剤は、上方シート・ガスケット(9a)と支持リング(13a)の頂面(19a)との間から、そして、前述したように上方シート・ガスケット(9a)と計量容器(7a)の壁面との接触領域(21a)を通って漏出する可能性がある。
【0048】
図3からわかるように、従来技術のシール配置は、平らな上面(19a)を有する支持リング(13a)を利用しており、接触領域(21)のところで計量容器(7a)の壁面上の傾斜した平らな面を有する。上方シート・ガスケット(9a)を弁組み立て中に所定位置に押圧したとき、この上方シート・ガスケット(9a)が図示のように変形して接触領域(21)の頂部(22a)のところに適度なシールを形成する。しかしながら、上方シート・ガスケット(9a)と支持リング(13a)の頂面(19a)との接触および接触領域(21a)のところでの上方シート・ガスケット(9a)と計量容器(7a)の壁面との接触では、接触する平らな表面の間に発生する圧力が比較的小さいために、充分に効果的なシールを得ることができない。それと対照的に、接触領域(21a)の頂部(22a)のところにおける圧力は、ずっと大きくなり、その領域において、適度なシールを提供する。しかしながら、この領域における接触面積が極めて限定されるので、恒久的で信頼性の高いシール能力を得るのに充分とはいえない。このシールは、特に、シール領域における欠陥または異物によって、失敗となり易い。
【0049】
ここで重要なのは、単に上方シート・ガスケット(9a)に加えられる圧縮力を増大させることが、一般的に言って、シール効率を向上させる満足できる方法とはならないということである。上方シート・ガスケット(9a)、支持リング(13a)、計量容器(7a)間のシールの質はこのような処置によって、向上すると思われるにもかかわらず、上方シート・ガスケット(9a)によって、弁棒(8a)に加えられる圧力が大きくなりすぎて弁棒(8a)が自在に動けなくなる可能性がある。
【0050】
これらの問題は、図2および図4に示すように本発明のシール配置により解決されるか、または、十分に緩和される。2つの変更が行われる。
【0051】
まず、図4に最も明確に示すように、上方シート・ガスケット(9)が押圧する計量容器(7)の壁の下方部分(24)を垂直軸線から離れるように缶の外側に向かって傾ける。計量容器(7)の壁の上部(25)は、もっと大きな角度で垂直軸線から離れるように傾ける。これにより、圧力形成用の環状リッジ(26)が創り出される。上部の表面(25)は、円弧状に湾曲もしており、この円弧の弦(図4では破線で示してある)が必要な角度を描いて環状リッジ(26)を形成する。環状リッジ(26)は、シールしようとしている上方シート・ガスケット(9)の外面に対する圧力上昇体として作用する。その結果、上方シート・ガスケット(9)と計量容器(7)の壁面との有効接触面積が増大し、有効なシール圧力を形成できる。半径方向のシール圧力が増大するので、シールは、シール領域における欠陥または異物による失敗が起こりにくくなる。
【0052】
上部(25)の円弧状形態は、また、上方シート・ガスケット(9)の材料が、計量容器(7)の頂部とキャップ(3)との間のギャップ内により自在に流動し、シール接触面積を増大させるのも助ける。
【0053】
次に、支持リング(13)の上面には、その外縁に隣接して、丸みを付けた肩部(23)が形成してある。図2を参照されたい。肩部(23)の効果は、肩部(23)と計量容器(7)の傾斜面(24)との間に、支持リング(13)と計量容器(7)との間のギャップ(20)に通じているテーパー付きくぼみを構成することである。このくぼみ内へ、上方シート・ガスケット(9)の材料が流動できる。
【0054】
この特徴の組み合わせでは、圧縮による上方シート・ガスケット(9)の変形は、図3に示される従来技術組立体の変形から図2に示される変形に変わる。支持リング(13)上の半径方向の肩部(23)および傾斜面(24)は、缶(2)のネック上へキャップ(3)をかしめることによって、ディスペンサを組み立てるときに、上方シート・ガスケット(9)の材料を強制的に変形させ、ギャップ(20)内へ流動させる。これが、上方シート・ガスケット(9)、支持リング(13)および計量容器(7)間に効果的なシールを形成する。上方シート・ガスケット(9)の材料は、環状リッジ(26)を覆っても変形し、そこに、第2の効果的な半径方向シールを形成する。
【0055】
さらなる利点としては、キャップ(3)によって上方シート・ガスケット(9)上に加えられた圧力が上方シート・ガスケット(9)を弁棒(8)に対して圧縮する傾向を低減するということがある。これにより、弁棒(8)が移動する中央開口部にガスケット材料を介して伝えられるこの圧力をより良く制御できる。この圧力は、効果的なシールを形成するのに充分に高い圧力と、弁棒(8)を自由に移動させるほどに低い圧力との間で釣り合わなければならない。
【0056】
図5は、本発明の第2実施例を示す、図2と同様の図であり、図6は、対応する従来技術による配置を示す同様の図である。
【0057】
別体の支持リングを持っていないという点で、図5の弁は、図2に示す本発明の第1実施例とは異なっており、図6の従来技術の弁は、図3に示される弁とは異なっている。その代わりに、支持リングが、実質的に、計量容器(7b、7c)の壁に組み込まれており、そして、上方シート・ガスケット(9b、9c)を受ける計量容器(7b、7c)の頂部にあるくぼみがより浅くなっている。このような構造は、代表的には、より小さい計量室容積を有する弁に対して使用され得る。弁組立体における下方シート・ガスケット、計量容器およびその他の構成要素の配置は、図1に関連して説明した通りのものであってもよい。
【0058】
図6に示される従来技術の弁においては、高くなった肩部(23c)がくぼみの頂面に設けてあり、その上に上方シート・ガスケット(9c)が受け入れられる。図3に示される従来技術の弁と同様に、上方シート・ガスケット(9c)と計量容器(7c)の接触領域(21c)は平らである。
【0059】
図5に示される本発明の第2実施例は、図3の従来技術配置に関連して本発明の第1実施例について先に説明したものと同様の、図6の従来技術配置に関する変更を含んでいる。上方シート・ガスケット(9b)を支持する計量容器(7b)の表面には、丸みを付けた肩部(23b)および溝(27b)が形成してあり、この溝内に上方シート・ガスケット(9b)が変形することができる。溝(27b)は、第1実施例(図2)のギャップ(20)と同じ機能を果し、上方シート・ガスケット(9b)が自由に変形することができるに充分な深さが必要である。上方シート・ガスケット(9b)と計量容器(7b)の間の接触領域は、図4に示し、先に説明したと同様の要領で変更される。上方シート・ガスケット(9b)が押圧する計量容器(7b)の壁の下部(24b)は、弁組立体の長手軸線から離れるように傾斜している。上部(25b)は、もっと大きな角度で配置されており、凹状である。下部(24b)と上部(25b)の接合部のところには、環状リッジ(26b)が形成してある。
【0060】
最後に、図7の図示した実施例は、上方シート・ガスケット(図7には図示せず)が押圧する計量容器(7d)の壁の上部(25d)が凹状でなくて平らであることを除いて、図1、2、4のそれと同じである。
【0061】
上方シート・ガスケットは、任意適当なエラストマー材で作ってもよい。材料は、使用されるエアゾールの噴射剤および他の成分と両立できなければならない。代表的な材料としては、天然ゴム、合成ゴム、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリウレタンおよびシリコーンポリマーがある。
【0062】
弁は、計量投与エアゾール缶で使用するのに適した任意の容積で上記仕様に製造することができる。代表的には、このような弁は、200μl未満、好ましくは20μl〜120μlの容積を有する。上方シート支持リングを含む、本発明の第1実施例による弁は、代表的には、より大きい容積のものであり、好ましくは80μl〜120μlの容積となる。本発明の第2実施例による弁は、代表的には、もっと小さい容積のものであり、好ましくは100μl未満、より好ましくは30μl〜70μlの容積となる。
【0063】
本発明をさらに説明するが、本発明によるエアゾール・ディスペンサを示す以下の図示例によって限定されることはない。
【0064】
弁の有限要素解析
有限要素解析(FEA)の研究を実施して組み立て時および使用時の弁構成要素を理解した。特にゴム・シートと隣接した構成要素との間での接触圧力およびひずみについて完全な説明を行うためのコンピュータ・モデルを確立した。研究の目的は、予測モデル(単数または複数)を弁漏出の改善に適用し、可能性のある設計変更を評価することであった。噴射剤体積の異なる値域について代替設計改良を達成するためにさらなる開発を行った。
既存設計の解析から出発し、引き続き実際的な調査手法を確立する研究のために組織的方法を実施して、漏出経路の全体的な弱点を示す予測を行った。この解析により、さらなる発展が生じ、効果的な設計変更に関するより詳しいモデリング作業を行った。
【0065】
FEAソフトウェア
MSC. Marc有限要素解析ソフトウェアを研究のために使用した。これは、ISO9001証明書[MSC. Software Corporation, 2 MacArthur Place, Santa Ana, CA 92707, MSC. Marc User's Guide, Version 2001]によって保証される品質である。この汎用非線形プログラムは、接触挙動およびゴム変形プロセスならびに他の工学分析で作動できるように精巧化されている。このプログラムは、また、表面相互作用をモデリングすること、たとえば、変形可能体と剛性体との間、または、複数の変形可能体間で接触が生じる場合の問題を自動的に解決することもできる。MSC. Marcは、非圧縮性挙動およびほぼ非圧縮性挙動の両方について、三次変形ひずみエネルギ関数を含む異なった方法で非線形エラストマー材をモデリングする種々のアプローチを提供する。MSC. Marcのプレ・ポスト処理コードMentatを使用して、Dxfフォーマット・ファイル、モデル入力データ、境界条件、分析タイプおよび結果プロットを介して構成要素描画ジオメトリをインポートすることによって、FEAメッシュを構築した。
【0066】
モデル説明
構成した支持体、組立体および作動状態についての、缶インターフェイスを含む弁組立体の軸対称非線形接触分析を開発した。重要な構成要素相互作用部分について、Aventis Pharma Ltdによって供給される計測実験室測定値によって支援されるインポートDxf描画ファイルからメッシュを構築した。ゴム・シート、プラスチック部品およびアルミニウムの特性は、材料製造業者やAventis Pharma Ltdによって供給を受けた。プラスチック部品およびアルミニウム部品については、ヤング率、ポアソン比および降伏応力値を使用した[Speciality Steel & Forge, Fairfield, NJ, Aluminium 5005-0 and Aluminium 5052-0、 MatWeb database, Polybutylene Terephthalate (PBT) Arnite T06202、 Ticona GmbH, D-65926 Frankfurt am Main, Ticona Celcon M90 Acetal copolymer (POM)]。ゴム構成要素については、応力ひずみ曲線の引っ張りテスト・データを材料供給元[Bespak Europe, King's Lynn, Norfolk PE30 2JJ, England, Tensile test RB190NT Nitrile rubber]から供給を受け、MSC. Marc/Mentatプログラムに入力した。次に、エラストマー材料定数を得て、圧力エネルギ関数で使用した。ゴム分析については、Mooney-Rivlinモデルの三条件シリーズを考察した[MSC. Software Corporation, 2 MacArthur Place, Santa Ana, CA 92707, MSC. Marc Volume A: Theory and User Information, Version 2001]。組み立てプロセスにおけると同様に、弁体がリブ背後のホーム位置に押されているフェルール(組み立て方向に固定されている)を完全に支持することによって、境界条件を適用した。弁が缶上に押圧されているためガスケットが押し下げられるにつれて、缶ネックに対してフェルールを変形させることによってかしめ相が生じる。供給されたと同じく、20ニュートンのばね力を組立てた弁構成要素において維持した。次に、弁構成要素ひずみおよび表面相互作用により、材料変形、接触力および摩擦力を計算した。
【0067】
単複構成要素設計変更シリーズに続いて組織的方法を使用し、弁性能を改善し、最終的に、最適変更を達成した。有限要素メッシュを種々の段階で精緻化し、特に設計変化およびゴム・シートの部分においてモデル精度を向上させた。弁全体に通じるひずみジェオメトリの応力、変位値を得て、シートと隣接した構成要素との間での正規接触圧力およびゴムの流れについて重点を置いて改善レベルを評価した。
【0068】
多数回の設計変更試行を行った後、3つのモデルを構築し、分析のために仕上げた。
【0069】
1.オリジナル設計:この分析は、現在使用中の公知の弁についてのものである。この弁は、変更した設計と比較し、モデル妥当性確認のために使用された。計量室容器の頂部と支持リングは、弁を組み立てているときに、フェルール「カバー・キャップ」に押しつけられたときにガスケットを変形させることによって、シール帯域を形成する。計量室、支持リング両方の、上方シートとの接触面は平らであるため、シール圧力の効果が少なく、漏出経路となる可能性がある。支持リングと計量室との間の相互作用も漏出に関して不充分な可能性があり、これは、これら両方の構成要素がプラスチック材料で作ってあり、ゴムの弾力性を持っていないという事実による。それ故、この種の設計についての主シール帯域は、弁を組み立てているときに発生する圧力レベルに依存して、計量室容器と上方シート・ガスケットとの間になる。さらに、現行分析では、シール領域に隣接するギャップに上方シート・ゴム・ガスケット材料を良好に流入させることはできない。これにより、接触シール面積および接触圧力分布を低減させることになる。図8を参照されたい。
【0070】
2.修正設計1:この設計は、上述したオリジナル設計に対する変更を含むように開発され、小変更を行って、予想漏出帯域で接触圧力およびゴム流動性を向上させた。上方シート・ガスケットに対する、計量室の頂面は、平らなエッジよりむしろ湾曲したカットアウト・エッジを持っている。それ故、この新しい修正された表面は、第1の外方に広がった部分と、この第1の外方に広がった部分よりも大きい角度で外方に広がる第2の凹状部分とを含み、これら両方の部分間の接合部のところに環状リッジを形成する。この設計変更により、装置機能について要求される、弁棒に対する圧力を極端に増大させることなく、上方シート・ガスケットの外径と共に増大した接触圧力の領域を得ることができる。支持リングは、また、計量室容器下方の頂縁のところに上方シート・ガスケットに対する半径方向輪郭の材料を加えることによっても修正した。この変更は、2つの利点を有する。すなわち、上方シートでの圧力を増大させることであり、また、計量室下方において上方シート外径ゴム流動性を改善することである。図9を参照されたい。
【0071】
3.修正設計2:この分析は、上記の修正設計1に類似しているが、付加的な変更を行って、支持リングを計量室容器と一体に形成し、単一の統合構成要素「新規な一体室」となるようにしている。この新規な一体室は、計量室容器の内径と一致するように支持リング内部輪郭を切り取り、支持リングと計量室形成容器を接触領域で結合し、圧縮したとき(支持リング外径と、計量室容器頂部の内径との間)、上方シート・ガスケットからゴムが流動するくぼみ部分を形成することによって創り出した。この目的は、新しい設計技術に対する付加的な改良および革新を導入することにあり、任意の弁エアゾール容量(たとえば、20〜120マイクロリットル)に順応させることにある。新規な統合支持リングの半径方向輪郭を完全な半径くぼみに修正し、ゴムに食い込む鋭い接触角隅を無くし、半径方向輪郭に滑らかに移行するための改良を行った。くぼみは、支持リングをさらに計量室と一体化することによって、より浅いものとした。シートと支持体との間の接触面積は大きく減るけれども、計量室および半径方向リング輪郭に対するシート圧力を保持し、くぼみ内のゴム流動および錠止作用を向上させるように改良を行った。さらに、支持リングを計量室と一体化したので、この帯域には、もはや漏出経路は無くなった。図10を参照されたい。
【0072】
結果考察
修正設計1、2の両方について(図9、10)、上方シート・ガスケットと計量室容器との間の正規接触圧力は、既存設計(図8)よりも30%の増加を示した。両修正設計のより高い圧力は、既存設計(図8)におけるより小さい接触帯域と比較して、より大きい接触帯域にわたって広がっており、これはシール性能をさらに向上させる。これは、また、新規な支持リング(図9)または新規な一体室(図10)と上方シート・ガスケットとの間にも見ることができる。修正設計(図9、10)における接触シール圧力は、フェルールに対して、オリジナル設計(図8)よりも約20%向上した。
【0073】
上方シート・ガスケット・ゴムの材料の流動は、フェルールに向かう方向および支持リング上方に向かう方向の2つの方向において新規な修正計量室輪郭(図9および10)下方で向上した。これが、さらに、接触シール表面を拡大する。
【0074】
ゴム・シート・ガスケットと他の隣接した構成要素との間におけるシール圧力を向上させると共に、弁棒(コア)にかかる圧力を緊密にモニタし、同様なレベルに維持するということは重要である。これにより、図8、9、10でわかるように、弁棒、上方シート間の正規圧力の最大値が約10MPaに保たれ、作動時の弁機能が設計改善で影響されないようにしている。
【0075】
モデル妥当性確認
有限要素モデルについて、図11に示すように、弁棒押し下げによる反応力を算出することによって実験データと対比して妥当性を確認した。完全な弁/缶のひずみ状態での組み立ての終了時に弁棒(コア延長部)を押し込んだ。5〜15%の比較パーセンテージ・エラーが示された。しかしながら、弁棒を通常のように約3mm押し下げた通常の弁作動では、下端のところで、エラーは約5%である。この数値エラーは、有限要素分析について要求される或る種の仮定および摩擦係数値および加工硬化のような他の特性についての正確な情報の欠如および噴射剤効果の除外により、予想される。
【0076】
開発研究時、FEAモデルが予示することを示唆している2つの徴候を有する他の評価を観察した。すなわち、
(1) 計量室の基部のところでの高圧縮段階(平らな基部と異なる)の追加は、漏出低減に際して開発段階で先にAventisが経験したように有効シール圧力における増大を予測させた、そして、
(2) Aventisによる弁分割検査でわかったように、本体カットアウト角隅とガスケット構成要素との間の過剰な応力集中である。
【0077】
有限要素分析は、ゴム・シートと隣接した構成要素との間での接触圧力の向上、そして、より効果的には上方シート、計量室頂部、支持リング間での接触圧力の向上が、上流側流動において漏出を最も良く制御できることを示した。2つの修正設計は、既存の弁設計に対する最小限の変更によって改善がなされ得るということを示した。
【0078】
本発明は、その精神または本質的な特性から逸脱することなく、他の特殊な形態でも実施し得る。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】本発明による加圧エアゾール薬剤ディスペンサの第1実施例の上方部分(弁組立体を含む)の部分横断面図である。
【図2】図1のディスペンサの一部を形成している頂部シート組立体の拡大図である。
【図3】従来技術による組立体を示す、図2と同様の図である。
【図4】図2の頂部シート組立体の一部を形成している計量容器の口の輪郭のさらに拡大した詳細図である。
【図5】本発明の薬剤ディスペンサの第2実施例の一部を形成している頂部シート組立体を示す、図2と同様の図である。
【図6】従来技術による弁を示す、図5と同様の図である。
【図7】本発明の第3実施例の一部を形成している計量容器の口の輪郭を示す、図4と同様の図である。
【図8】上方シート・ガスケットとそれに隣接した構成要素との正規接触圧力(Mpa)を示す、該知の弁のグラフである。
【図9】上方シート・ガスケットとそれに隣接した構成要素との正規接触圧力(Mpa)を示す、修正設計1による弁のグラフである。
【図10】上方シート・ガスケットとそれに隣接した構成要素との正規接触圧力(Mpa)を示す、修正設計2による弁のグラフである。
【図11】弁内での弁棒押し下げ中の反応力についての実際のデータとFEA理論データとの比較を示しているグラフである。
Claims (23)
- a)内部に材料を格納し、そこから材料を計量分配する容器(2)と、
b)計量分配弁(1)とを含み、
この計量分配弁(1)が、前記容器(2)に装着固定したキャップ(3)によって所定位置に保持されたほぼカップ形状の計量容器(7)と、計量容器(7)とキャップ(3)の間に配置されたシール部材(9)とを含み、このシール部材(9)が開口を有し、この開口内に弁棒が長手軸線に沿って摺動できるように装着してあり、この計量容器(7)が、開いた口を有し、この口の内面が、前記シール部材(9)が押圧する環状接触面(24、25)を構成しており、
この前記接触面(24、25)が、前記長手軸線に対して第1の角度で配置された第1の外方に広がった部分(24)と、前記長手軸線に対して第2の角度で配置された第2の外方に広がった部分(25)とを含み、前記第2の角度が前記第1の角度より大きくなっていて、前記第1の外方に広がった部分(24)と前記第2の外方に広がった部分(25)との接合部に環状リッジ(26)が形成されている加圧エアゾール・ディスペンサ。 - 形成された環状リッジ(26)が、シール部材(9)の開口内で摺動する弁棒(8)に加えられる圧力を過剰に増大させることなく、増大されたシール圧力領域を提供する、請求項1に記載のディスペンサ。
- 第1の外方に広がった部分(24)が、長手軸線に対して約5度〜約30度の角度で配置されている、請求項1に記載のディスペンサ。
- 第1の外方に広がった部分(24)が、長手軸線に対して約10度〜約20度の角度で配置されている、請求項1に記載のディスペンサ。
- 第2の外方に広がった部分(25)が、長手軸線に対して約30度〜約60度の角度で配置されている、請求項1〜4のいずれかに記載のディスペンサ。
- 第2の外方に広がった部分(25)が、長手軸線に対して約45度〜約55度の角度で配置されている、請求項1〜4のいずれかに記載のディスペンサ。
- 第2および第1の外方に広がった部分(25、24)が配置されている、長手軸線に対する角度の差が、約20度〜約45度である、請求項1〜6のいずれかに記載のディスペンサ。
- 第2および第1の外方に広がった部分(25、24)が配置されている、長手軸線に対する角度の差が、約30度〜約40度である、請求項1〜6のいずれかに記載のディスペンサ。
- 第2の外方に広がった部分(25)が凹状である、請求項1〜8のいずれかに記載のディスペンサ。
- 計量容器(7)の口が、シール部材(9)が支持されている支持面を含む、請求項1〜9のいずれかに記載のディスペンサ。
- 第1の外方に広がった部分(24)の足部で、支持面にくぼみが形成してある、請求項10に記載のディスペンサ。
- くぼみが、環状溝の形となっている、請求項11に記載のディスペンサ。
- 支持面に前記計量容器(7)が一体に形成されている、請求項10〜12のいずれかに記載のディスペンサ。
- 支持面が、前記計量容器(7)内に設置された支持リング(13)の上面であり、前記くぼみが、前記支持リング(13)および前記計量容器(7)の並置表面間のスペース(20)である、請求項10〜13のいずれかに記載のディスペンサ。
- 支持面に、丸みを付けた肩部(23)が形成されている、請求項8〜14のいずれかに記載のディスペンサ。
- 計量容器の容積が、約200μl未満である、請求項8〜15のいずれかに記載のディスペンサ。
- 計量容器の容積が、約30μl〜約70μlである、請求項16に記載のディスペンサ。
- 計量容器の容積が、約80μl〜約120μlである、請求項16に記載のディスペンサ。
- シール部材が、エラストマー材からなる、請求項1〜18のいずれかに記載のディスペンサ。
- エラストマー材が、天然ゴム、合成ゴム、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリウレタンおよびシリコーンポリマーからなるグループから選ばれた材料からなる、請求項19によるディスペンサ。
- 実質的に図1、2、4、5、7を参照しながら説明したディスペンサ。
- 容器(2)が、医薬エアゾール調合物を収容している、請求項1〜21のいずれかに記載のディスペンサ。
- 医薬エアゾール調合物が、噴射剤134aおよび/または噴射剤227からなる、請求項22に記載のディスペンサ。
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