JP2004536891A - 植物物質の粉砕物からデンプンを分離するための改良方法 - Google Patents

植物物質の粉砕物からデンプンを分離するための改良方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2004536891A
JP2004536891A JP2002552966A JP2002552966A JP2004536891A JP 2004536891 A JP2004536891 A JP 2004536891A JP 2002552966 A JP2002552966 A JP 2002552966A JP 2002552966 A JP2002552966 A JP 2002552966A JP 2004536891 A JP2004536891 A JP 2004536891A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
starch
plant material
gluten
protein
wheat
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2002552966A
Other languages
English (en)
Inventor
アイ‐ハーカック、ジェファー
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
New Zealand Institute for Crop and Food Research Ltd
Original Assignee
New Zealand Institute for Crop and Food Research Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by New Zealand Institute for Crop and Food Research Ltd filed Critical New Zealand Institute for Crop and Food Research Ltd
Publication of JP2004536891A publication Critical patent/JP2004536891A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08BPOLYSACCHARIDES; DERIVATIVES THEREOF
    • C08B30/00Preparation of starch, degraded or non-chemically modified starch, amylose, or amylopectin
    • C08B30/04Extraction or purification
    • C08B30/042Extraction or purification from cereals or grains
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08BPOLYSACCHARIDES; DERIVATIVES THEREOF
    • C08B30/00Preparation of starch, degraded or non-chemically modified starch, amylose, or amylopectin
    • C08B30/04Extraction or purification

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Bakery Products And Manufacturing Methods Therefor (AREA)
  • Polysaccharides And Polysaccharide Derivatives (AREA)
  • Cereal-Derived Products (AREA)
  • Coloring Foods And Improving Nutritive Qualities (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)
  • Noodles (AREA)
  • Grain Derivatives (AREA)

Abstract

植物物質へ外来タンパク質を加えることからなる、植物物質からデンプンを製造する方法が提供される。これはタンパク質の網状構造を作り出す。デンプンは、タンパク質網状構造/植物物質混合物から単離される。

Description

【0001】
発明の分野
本発明は、デンプンの製造、更に詳しくは、デンプンおよびタンパク質を含有する植物物質からの食用デンプンおよび新規タンパク質の分別に関する。更に詳しくは、本発明は、植物タンパク質と結合させて、水中でのそれらの溶解度を減少させるための、小麦グルテンとの混合に関する。
【0002】
背景
デンプンは極めて重要な工業および食品原料である。食品用のデンプンは、植物物質を細粒に砕き、水中の懸濁物としてデンプンを不溶性植物物質から洗い出し、次いで、通常ある形態で濾過または遠心するプロセスにより、その懸濁物からデンプンを取出すことからなる操作を用いて、デンプン質植物構成分(穀粒、種子、塊茎)から一般的に抽出される。高純度のデンプンを得るためには、非デンプン植物物質が、デンプンと比較して、溶解度または密度に差異を有するか、または有するようにされることが重要である。
【0003】
植物の不溶性および可溶性成分からデンプンを分離するプロセスは、精製デンプンを得るために重要なステップであるが、有益な他の植物成分の単離上も重要であり、そこではデンプンの除去が必要とされるステップである。
【0004】
上記の原理に基づく操作を用いたデンプンの工業的抽出は、様々な形で応用されている。例えば、原料をすりおろして植物細胞を開かせ、二酸化イオウまたは重硫酸ナトリウムとの反応によりタンパク質の溶解度を減少させ、次いで洗浄してデンプンを抽出することにより、デンプンはポテトおよびカッサバから単離される。コーンを浸してから湿式摩砕して胚芽および皮を除き、微粉砕し、次いで遠心分離および濾過技術にかけて、タンパク質からデンプンを分離させることにより、デンプンはトウモロコシ(zea mays)から単離される。摩砕された小麦粉を水と混合してドウにし、次いで不溶性小麦グルテンからデンプンを洗い出すことにより、デンプンは小麦から単離される。
【0005】
デンプンは非水性抽出により植物物質から単離してもよい。例えば、大麦からデンプンを得るための操作において、McDonald and Stark(1)はいくつかの操作をみつけていたが、いずれも食品安全性または産業上利用性がないとみなされた。
【0006】
上記の水性分離プロセスは限定数の植物に適用しうるだけであるため、ほとんどの工業用デンプンは4供給源:ポテト、カッサバ、トウモロコシおよび小麦から得られるのみである。コメデンプンはアルカリ溶液に浸すことからなるプロセスを用いてコメから単離しうるが、低効率である。他の植物源からデンプンの抽出に際する主な障壁は、大きな非デンプン植物ポリマーの溶解度を、デンプンから分離させる上で十分に低下させることの困難性である。
【0007】
発明の目的
本発明の主目的は、現工業方法の下で良い分離を得られない植物物質からデンプンを単離するための水性方法を提供することである。その方法は、デンプンを分離および精製する目的、またはβ‐グルカンおよび新規タンパク質のような他の植物物質の単離に際するステップとしてデンプンを取出す目的のために用いうる。
【0008】
発明の要旨
本発明は、植物物質へ外来タンパク質を加えてタンパク質の網状構造を作成し、そのタンパク質網状構造混合物からデンプンを単離することからなる、小麦以外の植物物質からデンプンを製造するプロセスを提供する。
【0009】
植物物質へ加えられる外来タンパク質は、好ましくはグルテン、更に好ましくは小麦グルテンである。
グルテン物質は、小麦種由来の遺伝物質の発現により、植物物質中で全体的にまたは部分的に生成する。
タンパク質網状構造/植物物質塊の性質は、塩の添加により変性しうる。
タンパク質網状構造/植物物質塊の性質は、酸化反応によってグルテンの架橋性を高めるために、薬剤の存在下で混合することにより変性してもよい。
タンパク質網状構造/植物物質塊の性質は、グルテンタンパク質を架橋することが知られたトランスグルタミナーゼまたは他の酵素の存在下で混合することにより変性してもよい。
タンパク質網状構造/植物物質塊の性質は、グルテンタンパク質を架橋することが知られたアルデヒド試薬の存在下で混合することにより変性してもよい。
【0010】
植物物質は、小麦以外の穀物/穀粒;豆類;植物種子;または果実でも、またはそれらに由来するものでもよい。植物物質は、好ましくはオート麦、ライ麦または大麦である。
植物物質は、外来タンパク質の添加以前に、好ましくは粉の形態にある。
次いで、デンプンを、いずれか公知の手段により、タンパク質/植物物質塊から単離する。
【0011】
特に、本発明は:
(a)粉砕植物物質を小麦グルテンおよび水と混ぜて、凝集塊を形成させ;および
(b)凝集塊からデンプンを水で洗い出す;
工程を含んでなる、小麦以外の植物物質からデンプンを抽出する方法を提供する。
次いで、デンプンを、沈降、濾過、遠心、蒸発またはこれらプロセスの組合せもしくは改良法により単離する。
【0012】
好ましくは、ドウは、グルテンおよび植物物質の組合せから、グルテン/植物物質混合物を10〜30分間休ませることにより調製する。
好ましくは、50〜80%水対粉砕植物物質の重量比率が用いられる。
【0013】
好ましくは、デンプンは:
‐ドウを水で覆いながら混練して、デンプン顆粒を放出させる;および
‐タンパク質塊を留めてデンプン懸濁物を通過させる粗いメッシュでの濾過により、デンプン顆粒を回収する;
ことにより、ドウから洗い出す。
【0014】
デンプン顆粒は:
‐洗液を遠心して、固形ケークとしてデンプンを単離し;および
‐白色デンプンケークを乾燥させる;
ことにより、洗液から遠心してもよい。
【0015】
本発明は、上記方法のいずれかにより生産された場合に、デンプンも提供する。
このようにして、本発明は、非有害かつ無毒性であるデンプンを生産するプロセスを提供する。
【0016】
本発明は、デンプンを洗い出せる凝集湿潤塊の形態で、小麦グルテンと不溶性網状構造を形成させることにより、植物タンパク質および他の長鎖ポリマーの溶解度を減少させることからなる。本発明の発見は、このプロセスによりもつれで繋がれまたはグルテンと架橋された植物タンパク質が、さほどの可溶性タンパク質の混入なしに、高純度のデンプンを網状構造から洗い出せるほど十分水に不溶性であることである。次いで、デンプンは公知の方法により水溶性成分およびいずれか他の懸濁物質から単離される。
【0017】
本発明は少くとも5つの大きな利点をもたらす。
第一に、いくつかの供給源からデンプンを分離することがうまく行えることである。デンプンは、この操作を用いて、大麦、オート麦、ライ麦、ライ小麦、コメ、グリーンピース、スプリットピース(split peas;干して2つに割ったエンドウ豆)、アマランスおよびバナナからうまく単離された。重大な制限は、微細な植物物質および小麦グルテンが水の存在下で混合されたときに、安定な凝集塊を形成しうるプロセスの能力である。この適用リストは網羅的なものではなく、それらは穀粒、種子、豆類および果実からのデンプンの単離を表わしているにすぎない。
【0018】
第二に、そのプロセスは、多くの場合に高回収率で、高純度のデンプンを生産する。例えば、簡単なベンチトップ沈降および濾過装置を用いて、ライ麦、スプリットピース、ライ小麦、オート麦、コメ、グリーンピースおよびアマランスから、乾燥重量ベースで、各々99.5%、99.5%、99.3%、99.0%、98.9%、98.4%および97.6%純度のデンプンを得た。更に精密な工業濾過装置からは、より高い純度が期待されるであろう。
【0019】
第三に、そのプロセスは高収率をもたらしうる。理論の95%を超えるデンプン収率が、穀粒のオート麦、大麦、ライ小麦で得られた。理論の40〜50%のデンプン収率は、コメ、アマランスとスプリットおよびグリーンピースから得られた。これらの収率は簡単な篩分けおよび濾過装置で得られ、抽出効率の限界を表わしているとは考えられない。
【0020】
第四に、そのプロセスは食品、化粧品または医薬品向けに適している。そのプロセスは化学品またはデンプンの化学的修飾を要せず、唯一の溶媒として水による中性条件下で行える。
【0021】
最後に、小麦デンプンを製造する上で、そのプロセスは現行工業操作と適合している。
【0022】
発明の具体的な説明
本発明は、添付図面を参照してここに記載されている。
本発明は、デンプンを含有する微細化された植物物質を、小麦グルテンとの凝集塊に変換し、次いでそれを水で洗浄してその塊からデンプンを取出すことに関する。次いで、デンプンは、何らかの手段、例えば傾瀉、遠心、濾過、蒸発により、水から分離される。
【0023】
本発明の重要な特徴は、それが広範囲のデンプン質植物物質に対して有効なことである。これらには、穀粒の大麦、オート麦、ライ麦、コメ、ライ小麦およびトウモロコシ;アマランスで例示される他の種子;スプリットピースおよびグリーンピースで例示される豆類;およびバナナで例示される果実があるが、それらに限定されない。
【0024】
プロセスのフロー図が図1で示されている。
そのプロセスは、植物物質を微細化して水と混ぜることを要する。植物物質が低水分を有しているならば、その物質は、例えば穀粒のローラー摩砕により、粉砕して、粉末を形成させてよい。植物物質が高水分を有しているならば、それはふやかしてパルプまたはスラリーを形成させてもよい。
【0025】
物質
小麦グルテン
この研究で用いられた小麦グルテンは、”Les Minoteries Ogilvie Itee”,Montreal,CanadaのWHETPRO.75と、ほとんどのデンプンが取り出されるまで、水を頻繁に代えながら練って、粉‐水ドウから洗い出すことにより、我々の研究室で得られたグルテンであった。双方のグルテンはデンプン単離実験で類似の結果を示した。
【0026】
穀紛
コメ粉は地元のスーパーマーケットのものであった。オート麦、ライ麦粉はNew Zealand BioGrains Ltd,Ashburtonから購入した。それらは粗い粒子を除去するために研究室において125μmで篩分けした。大麦およびライ小麦は、Brabender Quadrumat Junior実験製粉ミルを用いて砕かれた、Crop & Foodリサーチ実験栽培変種であった。
【0027】
種子粉
アマランス粉はNew Zealand BioGrain製であり、研究室において125μmメッシュで篩分けした。
【0028】
豆果
ピースおよびスプリットピース粉は地元のスーパーマーケットのものであった。
【0029】
果実
グリーンバナナは地元のスーパーマーケットのものであった。それらの皮をむき、約3cm片にスライスし、凍結乾燥し、次いで実験ミルを用いて粉に砕いた。
【0030】
他の化学品
塩は食用工業塩であった。アスコルビン酸は日本、大阪の武田化学工業社製であった。トランスグルタミナーゼは日本の味の素製であった。
【0031】
例1
方法
標準方法により、望ましい物質の粉末を小麦グルテンおよび水と混ぜて、硬めのドウを作った。このドウを室温で30〜45分間放置した。次いで、それを水の下で練って、タンパク質のマトリックスからデンプンを放出させた。この洗浄ステップは、次の洗浄からの追加回収が不要になるまで繰り返した。洗浄ステップからのデンプン懸濁物を、ナイロンメッシュ(45〜75μm)を用いて濾過した。濾液を3000gで20分間遠心して、しばしば脱色された物質が混合する組成物の薄い上層を純粋デンプンの上に形成したペレットを得た。上層を慎重にこすりとり、デンプンを温乾燥オーブンで風乾した。一部のランでは、塩または/およびアスコルビン酸(AA)または/およびトランスグルタミナーゼ(TGA)を用いて、もっと強いドウを作るようにドウの性質を変えた。そのプロセスを評価するために、添加されるグルテン、塩、アスコルビン酸およびトランスグルタミナーゼの比率を変えながら、植物物質から得られるある範囲の粉末を標準プロセスから採取した。デンプン収率は、風乾デンプンを乾燥紛の既分析デンプン含有率と比較することにより計算した(デンプンおよび粉末の水分レベルは通常1%以内であった)。タンパク質、脂肪およびペントサン含有率を測定することにより、デンプンの純度について分析した。
【0032】
例2
オート麦粉からのデンプンの単離
粗いヌカを除去するために、使用前にオート麦粉を125μメッシュで篩分けした。
粉末およびグルテンの全サンプル(50g)をファリノグラフミキサーを用いて混ぜた。得られたドウを30分間休ませた。
オート麦粉とグルテン、塩およびアスコルビン酸との異なる処方で、このステップを繰り返した(表1〜4)。
ドウを水の下で練ってデンプン顆粒を放出させ、次いでドウ懸濁物を45μメッシュナイロンクロスで濾過した。(4〜6)回、またはデンプンがドウからもはや放出されなくなるまで、ドウを連続的に同様にして洗浄した。濾液を合わせ、デンプンを遠心によりそれらから単離した。デンプンペレットは薄褐色上層を有していたが、それはこすると容易に除け、純粋なデンプンを残留させた。
更なる分析のため、凍結乾燥により、合わせた水層から水溶性フラクションを回収した。
表1〜4で示された結果は、これらの条件下におけるオート麦デンプン単離の最適な操作が、収率および純度に関して、18%グルテンおよび3%塩のときであったことを示している。
【0033】
【表1】
Figure 2004536891
【0034】
【表2】
Figure 2004536891
【0035】
【表3】
Figure 2004536891
【0036】
【表4】
Figure 2004536891
【0037】
例3
ライ麦粉からのデンプンの単離
市販ライ麦粉を125μスクリーンで篩分けして、粗いヌカおよび他の粗い粒子を除去した。
オート麦研究と類似したある範囲の実験において、ライ麦粉、グルテンおよび他の乾燥物質のサンプル(50g)をファリノグラフミキサーで十分な水と混ぜて、凝集ドウを形成させた。ドウを30分間休ませた。
ドウを水の下で練ってデンプン顆粒を水中に放出させ、ドウ懸濁物を72μメッシュナイロンクロスで濾過して回収した。次いで4〜6回、またはデンプンがドウからもはや放出されなくなるまで、連続的にドウを洗浄した。濾液を合わせ、デンプンを遠心により単離し、次いで物理的なこすりとりにより薄褐色上層を慎重に除去した。純粋なデンプンを穏やかな条件下で風乾させた。
更なる分析のため、合わせた水層から回収された水溶性物質を凍結乾燥させた。
オート麦の場合のように、塩、アスコルビン酸およびトランスグルタミナーゼのレベルを変えてこの操作を繰返し、我々の研究室でライ麦粉からのデンプンの抽出のために最適な条件を決定した。
表5〜8はライ麦デンプンに関する抽出収率データおよび純度計算を示している。これらは17.5%グルテンおよび3%塩という最適条件を示しているが、最適値の近辺にも広い許容度を有している。
【0038】
【表5】
Figure 2004536891
【0039】
【表6】
Figure 2004536891
【0040】
【表7】
Figure 2004536891
【0041】
【表8】
Figure 2004536891
【0042】
例4
ライ麦粉からのデンプン抽出のスケールアップ
最適な抽出方法(ライ麦粉+17.5%グルテン+3%塩)を、500g、1kgおよび2kgの乾燥物質を各々用いることにより、研究室で10、20および40倍にスケールアップした。これらの試験は、前記と同様の操作を用いて、Hobartミキサーで行った。ドウを40分間休ませた。大規模操作でも小規模試験と同様の純度のデンプンを生じ、収率は42.25〜46.5%であった。
【0043】
例5
コメ粉からのデンプンの単離
先のランのように、コメ粉および他の乾燥成分50gの全サンプルを十分な水と混ぜて、ファリノグラフミキサーで硬い凝集ドウを形成させた。サンプルを2〜3分間放置させてから、物質を水和させると、ドウ形成は改善された。30分間のドウ休止時間を用い、次いでドウを水の下で練って、先のようにデンプンを水中に放出させた。5〜6回の連続洗浄を要した。デンプンを濾過および濾液の遠心により回収した。再び、表8で示されたように、ある範囲の塩およびアスコルビン酸レベルで調べた。
【0044】
例6‐大麦およびライ小麦からのデンプンの単離
上記の穀物で用いられた同様の方法を用いて、大麦およびライ小麦からデンプンを単離した。結果はライ麦粉の場合と類似していた。ライ小麦が用いられた場合、必要な外来グルテンのレベルは6%に低下し、ライ小麦に存在する遺伝的移入小麦グルテンが必要なグルテンの残量分を補充していた。
【0045】
例7‐豆果からのデンプンの単離
ピースおよびスプリットピース粉を前記と同様の手法で処理した。得られたドウを穀紛の場合よりも長く60分間にわたり休ませた。ドウを水の下で4〜5回練り、次いで49μメッシュで濾過した。濾液を45分間放置し、着色上層をデンプン層からデカントし、次いでそれを遠心した。デンプンペレットの着色上層をこすりとって、純粋なデンプンを残留させた。一般的に、水中での練りに耐えられる硬いドウを作るためには、すべての豆果がグルテンの更なる添加を要した。デンプンペレット上の褐色層は、すべての穀物の場合よりも豆果のときにやや厚かった(表9)。豆果粉と共にトランスグルタミナーゼの使用は、デンプン純度を改善した。
【0046】
【表9】
Figure 2004536891
【0047】
例8
種子(アマランス)からのデンプンの単離
アマランス粉のサンプルを、標準操作を用いて処理した。結果は表10で示されている。
【表10】
Figure 2004536891
【0048】
例9‐果実からのデンプンの単離
地元のスーパーマーケットから購入した、十分には熟していない(青い)バナナを、この実験に用いた。粉末を得るために、皮を剥き、直ちにスライスし、凍結乾燥し、実験室用ミルを用いて粉に砕いた。バナナおよびグルテン(20〜30%)の全サンプル(50g)をBrabenderミキサーで塩(3%)と混ぜた。ドウを60分間休ませ、次いで水に浸して練り、デンプンを水中に放出させた。洗浄ステップを3回繰返し、洗浄水を合わせ、次いで49μメッシュナイロンクロスで濾過した。次いでデンプン水を3500gで20分間遠心し、デンプンペレットを褐色上層からこすりとり、次いで純粋なデンプンを風乾して12%の収率を得た。
バナナデンプンの分析では、ペントサンなし、0.15%タンパク質および0.35%脂肪を示した。
【0049】
本発明が上記の例および図面を参照して記載されてきたが、多くのバリエーションおよび修正が、この明細書で記載されている本発明の範囲から逸脱せずに行えることは明らかであろう。
【0050】
参考文献
(1)
McDonald,A.M.L. and Stark,J.R.
A critical examination of procedures for the isolation of barley starch
(大麦デンプンの単離用操作の臨界試験)
J.of Inst.Brew.94,125−132,1988
【0051】
産業上の利用性
本発明はいくつかの植物物質からデンプンを生産するプロセスを提供する。そのデンプンは食品または工業原料として産業上用いうる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
図1は好ましいプロセスのフロー図である。

Claims (19)

  1. 小麦以外の植物物質からデンプンを製造する方法であって、上記植物物質へ外来タンパク質を加えてタンパク質の網状構造を作成し、そのタンパク質網状構造混合物からデンプンを単離することからなる上記方法。
  2. 外来タンパク質がグルテンである、請求項1に記載の方法。
  3. グルテンが小麦グルテンである、請求項2に記載の方法。
  4. タンパク質の網状構造を、混合作用により作成する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. グルテンを、小麦種由来の遺伝物質の発現により、植物物質中で全体的にまたは部分的に生成する、請求項2または3に記載の方法。
  6. タンパク質網状構造混合物を、塩の添加により変性する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. タンパク質網状構造混合物を、酸化反応によってグルテンの架橋性を高めるために、薬剤の存在下で混合することにより変性する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
  8. タンパク質網状構造混合物を、グルテンタンパク質を架橋することが知られたトランスグルタミナーゼまたは他の酵素の存在下で混合することにより変性する、請求項7に記載の方法。
  9. 植物網状構造混合物を、グルテンタンパク質を架橋することが知られたアルデヒド試薬の存在下で混合することにより変性する、請求項7に記載の方法。
  10. 植物物質が、小麦以外の穀物/穀粒、豆類、植物種子または果実である、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 穀物/穀粒が、オート麦、ライ麦または大麦である、請求項10に記載の方法。
  12. 穀物/穀粒がライ小麦である、請求項10に記載の方法。
  13. 植物物質が、外来タンパク質の添加以前に、粉の形態にある、請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 小麦以外の植物物質からデンプンを抽出する方法であって、下記の(a)および(b)の工程を含んでなる上記方法:
    (a)粉砕植物物質を小麦グルテンおよび水と混ぜて、凝集塊を形成させる工程;および
    (b)上記凝集塊からデンプンを水で洗い出す工程。
  15. デンプンを、沈降、濾過、遠心、蒸発またはこれらプロセスの組合せもしくは改良法により、タンパク質/植物物質塊から単離する、請求項1〜14のいずれか一項に記載の方法。
  16. ドウを、グルテンおよび植物物質の組合せから、そのグルテン/植物物質混合物を休ませることにより調製する、請求項14または15に記載の方法。
  17. 50〜80%水対粉砕植物物質の重量比率を用いる、請求項14〜16のいずれか一項に記載の方法。
  18. ‐ドウを水で覆いながら混練して、デンプン顆粒を放出させる;および
    ‐タンパク質塊を留めてデンプン懸濁物を通過させる粗いメッシュでの濾過により、デンプン顆粒を回収する;
    ことにより、デンプンをドウから洗い出す、請求項1〜17のいずれか一項に記載の方法。
  19. 請求項1〜18のいずれか一項に記載された方法により製造されたデンプン。
JP2002552966A 2000-12-22 2001-12-19 植物物質の粉砕物からデンプンを分離するための改良方法 Withdrawn JP2004536891A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
NZ50914000 2000-12-22
PCT/NZ2001/000288 WO2002051873A1 (en) 2000-12-22 2001-12-19 An improved procedure for separating starch from comminutates of plant materials

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2004536891A true JP2004536891A (ja) 2004-12-09

Family

ID=19928306

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002552966A Withdrawn JP2004536891A (ja) 2000-12-22 2001-12-19 植物物質の粉砕物からデンプンを分離するための改良方法

Country Status (6)

Country Link
US (1) US7001469B2 (ja)
EP (1) EP1343825A4 (ja)
JP (1) JP2004536891A (ja)
AU (1) AU2002216501B2 (ja)
CA (1) CA2432885C (ja)
WO (1) WO2002051873A1 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1657300A1 (de) 2004-11-10 2006-05-17 N-Zyme BioTec GmbH Prolamin-reduzierte Getränke und Verfahren zur Herstellung
CN103146849B (zh) * 2013-03-25 2014-01-08 保龄宝生物股份有限公司 小麦为原料联产结晶果糖与果葡糖浆及小麦淀粉制备方法
AP2016009085A0 (en) * 2013-08-15 2016-03-31 Thelma Oviasu Plantain food product and processes for producing plantain food product
GB201501799D0 (en) 2015-02-03 2015-03-18 Tate & Lyle Sweden Ab Methods of producing liquid compositions
TWM528996U (zh) * 2016-05-18 2016-09-21 Himi Agricultural Biotech & Co 青熟香蕉澱粉萃取系統

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3980493A (en) * 1975-04-08 1976-09-14 The Ogilvie Flour Mills Company, Limited Method and apparatus for the treatment of wheat flour
GB1596742A (en) 1976-08-24 1981-08-26 Scholten Honig Research Nv Method for the separation of wheat gluten and wheat starch
SU939558A1 (ru) 1980-03-03 1982-06-30 Научно-Производственное Объединение По Крахмалопродуктам Министерства Пищевой Промышленности Способ получени крахмала
EP0090533B1 (en) 1982-03-25 1986-06-18 Latenstein Zetmeel B.V. Separation of gluten and starch from wheat flour
JP3361189B2 (ja) 1994-06-17 2003-01-07 長田産業株式会社 グルテンおよび小麦澱粉の分離回収方法

Also Published As

Publication number Publication date
CA2432885C (en) 2009-11-17
WO2002051873A1 (en) 2002-07-04
AU2002216501B2 (en) 2007-08-16
EP1343825A4 (en) 2004-05-06
CA2432885A1 (en) 2002-07-04
US20040076738A1 (en) 2004-04-22
EP1343825A1 (en) 2003-09-17
US7001469B2 (en) 2006-02-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4154728A (en) Process for the treatment of comminuted proteinaceous material
Van Der Borght et al. Fractionation of wheat and wheat flour into starch and gluten: overview of the main processes and the factors involved
EP0377530B1 (en) A beta-glucane enriched alimentary fiber and process for preparing the same
US12054515B2 (en) Corn protein isolate and methods of manufacturing same
US4171384A (en) Combined dry-wet milling process for refining wheat
US4211695A (en) Process for the treatment of comminuted oats
US3615655A (en) Method for preparing high protein cereal grain product
JPS6234372B2 (ja)
US3790553A (en) Extraction process for preparation of vital wheat gluten from whole wheat kernels
Wischmann et al. Testing properties of potato starch from different scales of isolations—A ringtest
JP2004536891A (ja) 植物物質の粉砕物からデンプンを分離するための改良方法
AU2002216501A1 (en) An improved procedure for separating starch from comminutates of plant materials
EP0379499B1 (en) A process for fractioning crop into industrial raw material
KR102646006B1 (ko) 메밀로부터 단백질, 전분 및 섬유질을 추출하기 위한 방법
CA1087451A (en) Process for the treatment of comminuted oats
US7300681B2 (en) Method for the production of protein preparations with essentially constant properties
US5164013A (en) Process for dry milling of wheat to obtain gluten and starch
NZ527052A (en) An improved procedure for separating starch from comminutates of plant materials
CN101433282A (zh) 一种从谷物中富集并提取β-葡聚糖的方法
SE500676C2 (sv) Förfarande för utvinning av ballastämnen ur maltdrav
US3119805A (en) Fractionation of soybean hulls
US2038633A (en) Manufacture of a gluten-like product
RU2775072C2 (ru) Способ экстрагирования белка, крахмала и волокна из гречихи
Kema et al. Wet‐milling/Ammonia Process for the Manufacture of Wheat Starch and Gluten
Le et al. proceedings of Scientific workshop on" Progress trends in science and technology" Commemorating 10 years of partnership between the Viet Nam academy of science and technology and the Russian foundation for basic research

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040903

A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20060928

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20060928