JP2004535396A - アミホスチン及び関連化合物を用いる化学防御 - Google Patents

アミホスチン及び関連化合物を用いる化学防御 Download PDF

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Abstract

本発明は、従来の静脈内投与と比較して化合物の有害な又は望ましくない副作用を有意に低減又は減少させるように、放射線療法を受ける患者に対しアミホスチン、WR−1065又はそれらの組み合わせを投与する方法を提供する。

Description

【技術分野】
【0001】
本発明は、アミホスチン及び/又はその代謝産物を被験者に皮下投与することを含む、癌療法、例えば電離放射線又は癌化学療法に関連した毒性に対する防御方法に関する。本発明はまた、頭頸部癌の治療方法、及び放射線療法又は癌化学療法により引き起こされる口内乾燥症又は粘膜炎の予防方法に関する。
【背景技術】
【0002】
アミホスチン(WR−2721としても知られている)は、放射線治療を受ける癌患者における放射線保護剤として有用であることが知られている(Constineら,1986,”Protection by WR−2721 of Human Bone Marrow Function Following Irradiation”Int.J.Radia.Oncol.Biol.Phys.12:1505−8;Liuら,1992,”Use of Radiation with or Without WR−2721 in Advanced Rectal Cancer”Cancer 69(11):2820−5;Wadlerら,1993,”Pilot Trial of Cisplatin,Radiation and WP−2721 in Carcinoma of the Uterine Cervix:A New York Gynecologic Oncology Group Study”J.Clin.Oncol.11(8):1511−6;Buentzelら, 1996,”Selective Cytoprotection with Amifostine in Simultaneous Radiochemotherapy of Head Neck Cancer”Ann.Oncol.7(Suppl.5):81(381P))。アミホスチンは、組織部位でアルカリホスファターゼによって、活性代謝産物である遊離チオール(WR−1065としても知られている)に脱リン酸化されるプロドラッグである。活性遊離チオールは、細胞内にあるときは、電離放射線により生じる酸素フリーラジカルのスカベンジャーとして作用することにより、放射線に関連した毒性に対して防御することができる(Yuhas,1977,”On the Potential Application of Radioprotective Drugs in Solid Tumor Radiotherapy”,Radiation−Drug Interactions in Cancer Management pp.303−52;Yuhas,1973,”Radiotherapy of Experimental Lung Tumors in the Presence and Absence of a Radioprotective Drug S−2−(3−Aminopropylamino)thylphosphorothioc Acid(WR−2721)”J.Natl.Cancer Inst50:69−78;Philipsら,1984, ”Promise of Radiosensitizers and Radioprotectors in the Treatment of Human Cancer”Cancer Treat.Rep.68:291−302)。
【0003】
正常組織を選択的に防御するアミホスチンの能力は、腫瘍組織に対するアミホスチンの示差的代謝及び正常組織へのアミホスチンの示差的取り込みに基づいている。アミホスチンは正常組織に急速に取り込まれて保持される。正常及び腫瘍組織間の毛細管及び膜結合アルカリホスファターゼ濃度、及びpHの違いは、プロドラッグの変換及びアミホスチンの活性形態である遊離チオールの正常組織への取り込みを助けることが示されている。正常細胞が腫瘍よりも速い速度で遊離チオールに集中してそれを長時間保持するという事実と結びついて、アミホスチンは、抗癌反応を負に影響することなく、放射線に関連した毒性に対して正常組織を選択的に防御することができる。正常及び腫瘍組織間での組織取り込み及び保持の顕著な差は、過剰の内因性グルタチオンによって生じるのと同様に、正常組織の後天的薬剤抵抗性の一時的な状態を生じさせる。
【0004】
細胞保護剤が放射線療法において有用であるためには、従来の放射線量が送達される前に、毎日の基準で、1週間に4日又は5日まで数週間にわたって、その化合物を許容可能でなければならない。McDonaldら(McDonald,1994,”Preliminary Results of a Pilot Study Using WR−2721 Before Fractionated Irradiation of Head and Neck to Reduce Salivary Gland Dysfunction”Int.J.Radiat.Oncol.Biol.Phys.29(4):747−54;McDonaldら,1995,”Amifostine Preserves the Salivary Gland Function During Irradiation of the Head and Neck”Eur.J.Cancer 31a(Supp.5):415)は、頭頸部癌を有する患者においてアミホスチン及び放射線の用量上昇研究を行った。これらの結果は、放射線前のアミホスチンの投与日量(6分間の静脈内注入により200mg/m)が放射線の毒性に対して唾液腺を防御することを示唆している。
【0005】
アミホスチンは、骨髄増殖を刺激することも示されており、現在は骨髄形成異常症候群を患っている患者における骨髄刺激剤として、フェーズII臨床試験の段階にある(Listら,1996,”Amifostine Promotes Multilineage Hematopoiesis in Patients with Myelodysplastic Syndrome(MDS):Results of a Phase I/II Clinical Trial”Am.J.Hem.1(Abstract);Listら,1996,”Amifostine Promotes in vitro and in vivo Hematopoiesis in Myelodysplastic Syndromes”Chem.Found Sympos.(Abstract);Listら,1996,”Amifostine Promotes Multilineage Hematopoiesis in Patients with Myelodysplastic Syndrome(MDS):Results of a Phase I/II Clinical Trial”Abstract,8th Annual Meeting,American Society of Hematology,Orlando,FL)。この研究において、アミホスチンは静脈内注入により投与されている。
【0006】
アミホスチンの静脈内投与は、幾つかの深刻な欠点を有する。第一に、アミホスチンを静脈内に投与することは、特に、数週間の毎日投与スケジュール、又はMDSの症例においておそらく数カ月が必要な場合に極めて不都合であり、用量を投与するために熟練した診療医を必要とする。第二に、静脈内投与すると、患者は用量依存性の望ましくない副作用、例えば吐き気、悪心、嘔吐及び低血圧、並びに潮紅若しくはほてり感、悪寒若しくは冷え感、めまい、ねむけ、しゃっくり及びくしゃみをこうむる。血清カルシウム濃度の低下は、静脈内投与したアミホスチンの薬学的作用である。また、軽度の皮膚疹から硬直に至るアレルギー反応は、静脈内投与したアミホスチンに関してはめったに起こらない。現在、制吐剤のような薬剤との同時投与以外には、これらの望ましくない副作用を低減又は回避させる公知の方法はない。第三に、副作用を軽減させるための人的、装置的及び医療的な手段を含めて、静脈内投与に関連した費用がかかる。
【0007】
アミホスチンのヒト薬力学的プロフィールは、癌患者において、1回の静脈内ボーラス投与(150mg/kg)(Shawら,1986,”Human Pharmacokinetics of WR−2721”Int.J.Radiat.Oncol.Biol.pHys.12:1501−4)、1回の15分間静脈内注入(910mg/m以下)(Shawら,1988,”Human Pharmacokinetics of WR−2721”Pharmac.Ther.39:195−202;Shawら,1994,”Human Pharmacokinetics of Amifostine in Cancer Patients: Evidence for Saturable Metabolism”Proc.Amer.Cos.Clin.Oncol.13:144;U.S.Bioscience,1994,”Pharmacokinetics of Single Dose Amifostine(WR−2721;Ethyol”)ETH PK 3)、及び反復注入(1投与当たり910mg/m以下)(U.S.Bioscience,1994,”Pharmacokinetics of Double Dose Amifostine(WR−2721;Ethyol”)with Corresponding Measurements of WR−1065 in Plasma and Bone Marrow Cells”ETH PK 4)によって研究された。これらの研究は、アミホスチンが血漿から1分未満の分配半減期及び約9分の排除半減期で急速にクリアランスされることを示した。静脈内投与後6分に10%未満のアミホスチンが血漿内に留まった。経口又は皮下投与したアミホスチンを用いたヒト臨床薬力学的研究は、これまで行われていない。
【0008】
Tabachnikは、アミホスチンの経口投与が嚢胞性線維症患者における痰粘度を低下させることを報告した(Tabachnikら,1980,”Studies on the Reduction of Sputum Viscosity in Cystic Fibrosis Using an Orally Absorbed Protected Thiol.”J.Pharm.Exp.Ther.214:246−9;Tabachnikら,1982,”Protein Binding of N−2−Mercaptoethyl−1,3−Diaminopropane via Mixed Disulfide Formation After Oral Administration of WR−2721”J.Pharm.Exp.Ther. 220:243−6)。しかしながら、これらの研究は、この投与方式が静脈内投与したアミホスチンに共通に関連する有害な副作用を低減させたことを示さなかった。さらに、投与した化合物の薬力学的プロフィールの研究は、これらの患者においては行われなかった。
【発明の開示】
【0009】
本発明は、電離放射線療法又は化学療法のような癌療法に関連した毒性に対して被験体を防御する方法であって、該防御が必要な被験体に対し、該被験体を電離放射線に曝露する少なくとも約8時間前に、有効量のアミホスチン、WR−1065又はそれらの組み合わせを皮下投与することを含む、上記方法を提供する。本発明の別の実施形態において、アミホスチン、WR−1065又はそれらの組み合わせを、該被験体を電離放射線に曝露する約8〜約12時間前に投与する。毒性は、神経毒性、腎臓毒性、聴覚毒性、心臓毒性、脱毛、粘膜炎(急性及び/又は遅発性)、口内乾燥症(急性及び/又は遅発性)、不妊、肺毒性、又は腎不全を包含するが、これらに限定されるものではない。投与量は少なくとも約500mgであってよく、好ましくは少なくとも約500mg〜1500mgである。アミホスチン、WR−1065又はそれらの組み合わせは、2回の分割皮下注射として投与することができる。
【0010】
本発明の別の実施形態において、アミホスチン、WR−1065又はそれらの組み合わせは、アミホスチン、WR−1065又はそれらの組み合わせ、及び薬学的に許容される希釈剤、すなわち通常の生理食塩水を含む医薬組成物の形態で投与することができる。被験体はヒトのような哺乳動物である。
【0011】
本発明のまた別の実施形態において、上記方法は、放射線療法又は化学療法による頭頸部癌の治療であって、該治療が必要な被験体に対し、該被験体を電離放射線又は化学療法に供する少なくとも約8時間前に、有効量のアミホスチン、WR−1065又はそれらの組み合わせを皮下投与することを含む、上記治療ために使用することができる。放射線療法を用いる場合、合計線量50〜70Gyについて1分割線量当たり約1.8〜2.0Gyの線量で1日1回投与され、そして投与量は少なくとも約500mgである。好ましくは、有効投与量は、少なくとも約500mg〜1500mgである。この投与量は、医薬組成物として2回の皮下注射として投与される。
【0012】
本発明の別の実施形態において、本発明の方法は、放射線療法又は化学療法により引き起こされる口内乾燥症又は粘膜炎の予防であって、該予防が必要な被験体に対し、該被験体を電離放射線に曝露する少なくとも約8時間前に、有効量のアミホスチン、WR−1065又はそれらの組み合わせを皮下投与することを含む、上記予防のために使用することができる。
【0013】
本発明の方法に係るアミホスチン及び/又はその代謝産物は、投与する用量の効力に実質的に影響を及ぼすことなく、従来の静脈内投与では与えられなかった治療的及び予防的利益を提供する。本発明の方法はまた、アミホスチン及び/又はWR−1065を投与された患者がこうむる有害な又は望ましくない副作用を有意に低減又は低下させることができる。例えば、本発明の方法は、従来の静脈内投与で普通に経験される悪心、吐き気、嘔吐、低血圧、又は他の望ましくない副作用(潮紅若しくはほてり感、悪寒若しくは冷え感、めまい、ねむけ、しゃっくり、くしゃみ、血清カルシウムレベルの低下及びアレルギー反応を含むが、これらに限定されるものではない)を誘導することなく、アミホスチン及び/又はその代謝産物を患者に送達する治療手法と共に、有利に使用することができる。
【0014】
4.図面の簡単な説明
図1は、12人の被験者への500mgの皮下注射、500mgの経口溶液、及び200mg/mの静脈内注入(7.5分間)による、薬物投与後0〜240分のアミホスチン(親薬物WR−2721+代謝産物WR−1065)に関する平均全血中濃度−時間曲線のグラフである( iv; --- sc; ―― 経口)。
【0015】
図2は、12人の被験者への500mgの皮下注射、及び200mg/mの静脈内注入(7.5分間)による、薬物投与後0〜240分のアミホスチン(親薬物WR−2721)に関する平均血漿濃度−時間曲線のグラフである( iv; --- sc)。
【0016】
図3は、12人の被験者への500mgの皮下注射、500mgの経口溶液及び200mg/mの静脈内注入(7.5分間)による、薬物投与後0〜240分の代謝産物(WR−1065)に関する平均血清濃度−時間曲線のグラフである( iv; --- sc; ―― 経口)。
【0017】
図4A及び4Bは、アミホスチン若しくは生理食塩水、及び16.5Gyの照射の単回線量により処置された動物の体重の二つのグラフである。アミホスチン及び生理食塩水は腹腔内(ip)及び皮下経路(sc)により投与された。対照動物には、照射することなく生理食塩水を与えた。アミホスチンを500mgの量で9.7mlの0.9%NaClに溶解し、50mg/mlの最終濃度を得た。体重に基づき約0.1〜0.2mlのアミホスチンを各動物に注射した。アミホスチンは400mg/kg体重の用量(図4A)、及び200mg/kg体重の用量(図4B)で投与した。
【0018】
図5A及び5Bは、アミホスチン若しくは生理食塩水、及び16.5Gyの照射の単回線量により処置された動物の粘膜紅斑スコアの二つのグラフである。アミホスチン及び生理食塩水は腹腔内(ip)及び皮下経路(sc)により投与された。対照動物には、照射することなく生理食塩水を与えた。アミホスチンを500mgの量で9.7mlの0.9%NaClに溶解し、50mg/mlの最終濃度を得た。体重に基づき約0.1〜0.2mlのアミホスチンを各動物に注射した。アミホスチンは400mg/kg体重の用量(図5A)、及び200mg/kg体重の用量(図5B)で投与した。
【0019】
図6A及び6Bは、アミホスチン若しくは生理食塩水、及び16.5Gyの照射の単回線量により処置された動物の粘膜水腫スコアの二つのグラフである。アミホスチン及び生理食塩水は腹腔内(ip)及び皮下経路(sc)により投与された。対照動物には、照射することなく生理食塩水を与えた。アミホスチンを500mgの量で9.7mlの0.9%NaClに溶解し、50mg/mlの最終濃度を得た。体重に基づき約0.1〜0.2mlのアミホスチンを各動物に注射した。アミホスチンは400mg/kg体重の用量(図6A)、及び200mg/kg体重の用量(図6B)で投与した。
【0020】
図7A及び7Bは、16.5Gyの照射の単回線量前にアミホスチンにより処置された動物の全体粘膜炎スコアの二つのグラフである。アミホスチン及び生理食塩水は静脈内(iv)及び皮下経路(sc)により投与された。対照動物には、照射することなく生理食塩水を与えた。アミホスチンは静脈内(図7A)又は皮下経路(図7B)により200mg/kg体重の用量で投与した。
【0021】
5.発明の詳細な説明
本発明は、抗癌療法に関連した毒性に対して被験体を防御する方法であって、該防御が必要な被験体に対し、該被験体を電離放射線に曝露する少なくとも約8時間前に、有効量のアミホスチン、WR−1065又はそれらの組み合わせを皮下投与することを含む、上記方法を提供する。抗癌療法としては、電離放射線療法又は化学療法、好ましくは電離放射線療法が挙げられるが、これらに限定されるものではない。本明細書で用いられるように、用語「被験体」は、ヒトを含む哺乳動物を包含する。本発明はまた、アミホスチン及び/又はその代謝産物を、患者に対し、これら化合物の望ましくない副作用を従来の静脈内投与と比較して減少させる手段で投与する方法を提供する。本発明は、部分的には、アミホスチンの皮下投与を受けたヒト患者が、従来の静脈内注入によりアミホスチンを受けた患者よりも有意に少ない嘔吐、吐き気、頭痛、低血圧、頭のもうろう(ふらふら)感、眠気及び従来のアミホスチンの静脈内投与に一般的に関連した他の望ましくない副作用の発生を経験したという全く予想外の発見に基づいている。これらの副作用は、静脈内投与した薬剤の薬力学的プロフィールの「スパイク(急上昇:spike)」期又は「バースト(突発:burst)」期と一致する。
【0022】
本発明はさらに、部分的に、静脈内及び皮下投与されたアミホスチンについて、アミホスチン及び/又はその代謝産物WR−1065の薬力学的プロフィールが有意に異なるという観察結果に基づいている。アミホスチン及びWR−1065両者の全血中濃度はピークに達し、そしてアミホスチンの静脈内投与後の最初の10分間に急速に下降したが、一方、これらの化合物両者の全血中濃度は、皮下アミホスチン投与後に著しく遅い速度で上昇し、最高に達し、投与後約15〜45分間濃度が維持された。
【0023】
理論により拘束されることを意図するものではないが、皮下投与されたアミホスチンで観察される望ましくない副作用が静脈内投与されたアミホスチンと比較して減少することは、部分的には、皮下投与に関連した特徴的な薬力学的プロフィールのためであると考えられる。従って、本発明の方法において、治療上有効な量のアミホスチン及び/又はWR−1065は、投与されたアミホスチン及び/又はWR−1065のいずれかについて特徴的な薬力学的プロフィールが得られるような手段で患者に投与され、こうして、このような療法を受ける患者がこうむる望ましくない副作用を、従来の静脈内投与と比較して有意に低減させる。
【0024】
5.1 化合物
本明細書に記載する方法により有利に投与できる化合物は、アミホスチン、WR−1065、又はそれらの組み合わせであり、これらは、正常組織、及び/又は骨髄刺激若しくは治癒活性に対して選択的放射線防御又は化学防御を示し、そして最小毒性でヒトへの使用に適している。このような化合物、並びにその薬学的に許容される付加塩及び/又は水和物は、当業者には公知であるか、又は過度な実験なしに、当技術分野で日常的に採用される確立された試験を用いて同定することができる。
【0025】
本発明の方法に有用な化合物は、それらの遊離酸、遊離塩基、又は薬学的に許容される付加塩の形態としうる。このような塩は、化合物を適切な酸で処理することにより容易に調製することができる。このような酸は、例として、かつ限定としてではなく、無機酸、例えばハロゲン化水素酸(塩酸、臭化水素酸、フッ化水素酸等)、硫酸、硝酸及びリン酸、並びに有機酸、例えば酢酸、プロパン酸、2−ヒドロキシ酢酸、2−ヒドロキシプロパン酸、2−オキソプロパン酸、プロパンジオール酸及びブタンジオール酸を包含する。逆に、塩をアルカリで処理することによって遊離塩基形態に変換することができる。
【0026】
本発明の方法に有用な化合物、並びにそれらの薬学的に許容される付加塩は、水和された形態又は水和されていない形態にあってよい。このような形態を調製する方法は、有機化学の当業者には明らかであろう。
【0027】
5.2 薬力学的プロフィール
アミホスチンの静脈内及び皮下投与後のアミホスチン及びWR−1065の薬力学的プロフィールの分析は、幾つかの顕著な相違を明らかにする。さて、図1〜3を参照すると、アミホスチンの静脈内投与(7.5分間で200mg/mの薬剤)後に得られた、アミホスチン(図2)、アミホスチンの代謝産物(WR−1065)(図3)、及びアミホスチンとWR−1065との組み合わせ(図1)の薬力学的プロフィールは、臨床的に観察される副作用と一致する時間枠内にある、投与後最初の20分以内の初期血漿濃度「スパイク」又は「バースト」を特徴としており、注入された薬剤及び/又はその代謝産物は、投与後最初の1分以内に急速に取り込まれ、投与後約8〜10分に最高全血中濃度に達し、次いで投与後約10〜20分に濃度が急速に(約1/5〜1/10に)低下する。この初期濃度「スパイク」又は「バースト」に続いて、血中レベルは徐々にゼロまで低下する。
【0028】
同様の薬力学的プロフィールは、癌患者において、1回の静脈内ボーラス投与(150mg/m)(Shawら,1986,”Human Pharmacokinetics of WR−2721”Int.J.Radiat.Oncol.Biol.pHys.12:1501−4)、1回の15分間静脈内注入(910mg/m以下)(Shawら,1988,”Human Pharmacokinetics of WR−2721”Pharmac.Ther.39:195−202;Shawら,1994,”Human Pharmacokinetics of Amifostine in Cancer Patients:Evidence for Saturable Metabolism”Proc.Amer.Cos.Clin.Oncol.13:144;U.S.Bioscience,1994,”Pharmacokinetics of Single Dose Amifostine(WR−2721;Ethyol”)ETH PK 3)、及び反復注入(1投与当たり910mg/m以下)(U.S.Bioscience,1994,”Pharmacokinetics of Double Dose Amifostine(WR−2721;Ethyol”)with Corresponding Measurements of WR−1065 in Plasma and Bone Marrow Cells”ETH PK 4)によって観察された。これらの研究において、アミホスチンは血漿から1分未満の分配半減期及び約9分の排除半減期で急速にクリアランスされた。
【0029】
アミホスチン(500mgの用量)の皮下投与による、アミホスチン、WR−1065、及びアミホスチンとWR−1065の組み合わせの薬力学的プロフィールは、静脈内投与で得られたのものとは有意に異なる。第一に、図1〜3を参照すると、最高全血中濃度は初期濃度スパイク又はバーストによっては達成されない。それどころか、血中濃度は有意に遅い速度で上昇し、投与後およそ5〜60分、好ましくは10〜40分に最高に達する。最高レベルは安定水準(プラトー)に達し、ベースラインレベルまで次第に低下する前に、約10〜130分間、好ましくは約15〜120分間維持される。
【0030】
さらに、皮下投与後のアミホスチン及びWR−1065両者の最高全血中濃度は、静脈内投与よりも有意に遅かった。例えば、静脈内投与の場合、アミホスチン及びWR−1065のピークレベルは、それぞれ約100μM及び約23μMであった。皮下投与の場合、アミホスチン及びWR−1065の最高血中濃度は、それぞれ約12μM及び4μMであった。これらの濃度は、細胞保護剤として及びMDSにおいての両方に生物学的に有効である(Dorrら,1995,Eur.J.Cancer 31a(supp.5):579,Listら,1995,Blood 86(10)Supp.1:1327(Abstract))。
【0031】
従って、本発明の有利な薬力学的プロフィールは、三つの主要な特性を特徴ととしている:すなわち(i)投与されたアミホスチン及び/又はその代謝産物WR−1065の血漿及び/又は全血中濃度が徐々に最高レベルまで上昇する第一領域;(ii)投与されたアミホスチン及び/又はその代謝産物WR−1065の最高血漿及び/又は全血中濃度がプラトーに達する第二領域;及び(iii)投与されたアミホスチン及び/又はその代謝産物WR−1065の最高血漿及び/又は全血中濃度が徐々にベースラインレベルまで減少する第三領域。
【0032】
薬力学的プロフィールの第一領域において、血漿及び/又は血中濃度は一般的に約0.1μM/分〜40μM/分、好ましくは約0.3μM/分〜20μM/分、最も好ましくは約0.5μM/分〜10μM/分の速度で上昇する。最高濃度に向かったこの上昇は、一般的に約1分〜60分の時間、普通は約5分〜25分の時間、典型的には約10分〜20分の時間、好ましくは約15分の時間にわたって生じる。一般的に投与後約5〜60分間に最高血漿及び/又は血中濃度に達し、好ましくは投与後約12分〜18分間に達する。この第一領域における血漿及び/又は血中濃度の上昇は、一般的に零次であり、すなわち、上昇速度は上昇時間中に実質的に一定である。
【0033】
第一領域の最後に到達した、投与されたアミホスチン及び/又はその代謝産物WR−1065の最高血漿及び/又は全血中濃度は、薬力学的プロフィールの第二領域において比較的に一定に、すなわちプラトーに保たれる。好ましくは、血漿及び/又は全血中濃度は、約±75%を超えては変動しない。より好ましくは、血漿及び/又は全血中濃度は、約±35%を超えては変動しない。プラトーは、一般的に約10分〜130分間、好ましくは約15分〜120分間維持され、そして投与後約15分〜80分に生じる。
【0034】
第三領域において、投与されたアミホスチン及び/又はWR−1065の血漿及び/又は全血中濃度は、ベースラインレベルに向かって徐々に低下する。血漿及び/又は全血中濃度の低下速度は、被験体の代謝によって典型的に支配され、そして投与による望ましくない副作用の低減又は減少の達成に対して重要な特性であるとは考えられない。投与化合物(又はその代謝産物)の血漿及び/又は血中濃度の実際の低下速度は、被験体ごとに変動するであろうが、この濃度は約30分〜220分の時間にわたって約0.001μM/分〜0.2μM/分の速度で一般的に低下する。第三領域は、投与後約60分〜180分に生じる。
【0035】
特別の理論に拘束されることを意図するものではないが、投与による有害な副作用の低減又は減少は、上記の薬力学的プロフィールの特徴のためであると考えられる。投与されたアミホスチン及び/又はWR−1065の血漿及び/又は血中濃度が最高に上昇する遅い速度、並びにある時間の最高レベルの維持は、特に重要であると考えられる。従って、本発明の薬力学的プロフィールは、従来の静脈内投与に関連し、かつ効力にはおそらく不必要であるアミホスチン及び/若しくはWR−1065の初期「スパイク」若しくは「バースト」、並びに/又は血中濃度を除去することにより、アミホスチン及び/又はWR−1065の有害な副作用を低減又は減少させると考えられる。
【0036】
投与されたアミホスチン及び/又はWR−1065の実際の最高血漿及び/又は血中濃度は、有害な副作用の低減又は減少に決定的に重要であるとは考えられない。化合物が本明細書に記載する薬力学的プロフィールに従って投与される限り、実際の最高血漿及び/又は血中濃度とは無関係に、望ましくない副作用の低減又は減少が観察されるはずである。従って、後の章でより詳細に論じるように、投与されたアミホスチン及び/又はその代謝産物WR−1065の治療上有効である血漿及び/又は全/血中濃度を与えるアミホスチン及び/又はWR−1065の実際上全ての量は、本明細書に記載する薬力学的プロフィールに従って有利に投与することができる。最高血漿及び/又は血中濃度は、一般的に約1μM〜40μMの範囲であろう。
【0037】
5.3 本方法の使用
本発明の方法は、患者に対しアミホスチン及び/又はWR−1065を効果的に投与して、このような化合物で処置できることが現在知られているか又はのちに発見される実際上全ての障害(疾患)を処置するために使用することができる。
【0038】
例えば、本明細書に記載する化合物は、腫瘍応答に有害な影響を及ぼすことなく、電離放射線に関連した毒性に対して正常組織を選択的に防御できるので(Constineら,1986,”Protection by WR−2721 of Human Bone Marrow Function Following Irradiation”Int.J.Radia.Oncol.Biol.Phys.12:1505−8;Liuら,1992,”Use of Radiation with or Without WR−2721 in Advanced Rectal Cancer”Cancer 69(11):2820−5;Wadlerら,1993,”Pilot Trial of Cisplatin,Radiation and WR−2721 in Carcinoma of the Uterine Cervix:A New York Gynecologic Oncology Group Study”J.Clin.Oncol.11(8):1511−6;Buentzelら, 1996,”Ethyol(Amifostine)Provides Multilineage heatoprotection and Protection Against Nonhematologic Tosicities Reduced by Radiochemotherapy(RCT)of Head and Neck Cancer”,Blood 88(10)Supp.1:448a[1781][Abstract])、本明細書に記載する方法は、放射線療法又は化学療法を受ける癌患者に当該化合物を投与するために使用することができる。放射線療法又は化学療法を受ける癌患者へのアミホスチン及び/又はWR−1065の投与は、その処置への暴露に関連した毒性に対して患者を防御することができる。これらの毒性は、神経毒性、腎毒性、聴覚毒性、心臓毒性、脱毛、粘膜炎を包含し、そして重症例において起こりうる口内乾燥症、不妊、肺毒性及び腎不全を包含するが、これらに限定されるものではない。アミホスチン及び/又はその代謝産物WR−1065は、粘膜炎及び口内感染症の予防に特に有効である。アミホスチン及び/又はその代謝産物WR−1065はまた、急性口内乾燥症及び遅発性口内乾燥症、及び急性粘膜炎及び遅発性粘膜炎に有効である。特に、本明細書に記載する方法は、頭頸部癌の放射線療法を受ける患者にアミホスチン及び/又はその代謝産物WR−1065を投与するために使用することができる。
【0039】
用語「口内乾燥症」は、本明細書で用いられるように、放射線により誘導される唾液腺異常のための口内の渇きを意味する。用語「急性口内乾燥症」は、本明細書で用いられるように、処置開始後90日以内に生じる口内乾燥症を意味し、濃く粘りのある唾液、味覚の変化又は急性唾液腺壊死による口内の渇きを特徴とする。用語「遅発性口内乾燥症」は、本明細書で用いられるように、処置開始後90日〜2年に生じる口内乾燥症を意味し、渇き、劣った唾液産生又は唾液腺の線維症を特徴とする。
【0040】
用語「粘膜炎」は、本明細書で用いられるように、放射線又は化学療法により誘導される粘膜の炎症を意味する。用語「急性粘膜炎」は、本明細書で用いられるように、処置開始後90日以内に生じる粘膜炎を意味し、焼けたような若しくは融合した偽膜(pseudomembrane)、潰瘍又壊死を特徴とする。用語「遅発性粘膜炎」は、本明細書で用いられるように、処置開始後90日〜2年に生じる粘膜炎を意味し、粘膜の萎縮、乾燥、毛細血管拡張又は潰瘍を特徴とする。
【0041】
アミホスチン及び/又はその代謝産物WR−1065はまた、癌化学療法剤に関連した毒性から正常組織を選択的に防御することができる。癌化学療法剤としては、アルキル化剤、白金剤、アントラサイクリン系及びタキサン系が挙げられるが、これらに限定されるものではない(Kempら,1996,”Amifostine Pretreatment for Protection Against Cyclophosphamide−and Cisplatin−Induced Toxicities:Results of A Randomized Control Trial in Patients with Advanced Ovarian Cancer”J.Clin.Oncol.14:2101−12;Wassermanら,1981”Differential Protection Against Cytotoxic Chemotherapeutic Effects on Bone Marrow CFUs by WR−2721”Cancer Clin.Trials :3−6;Gloverら,1986,”WR−2721 Protects Against the Hematologic Toxicity of Cyclophosphamide:A Controlled Phase II Trial”J.Clin.Oncol.4:584−8;Schillerら,1986,”Amifostine,Cisplatin and Vinblastine in Metastic Nonsmall Cell Lung Cancer:A Report of High Response Rates and Prolonged Survival”J.Clin.Oncol.14:1913−21;Dorrら,1995,”Selective Cardioprotection of Rat Heart Myocytes Exposed to DNA Zutercalating Agents Using Amifostine(AMI)and It’s Dephospharylated Metabolite,WR−1065”,Eur.J.Cancer 31a(supp.5):579;Betticherら,1995,”Carboplatin Combiened with Amifostine,a Bone Marrow Protection,in the Treatment of Non−Small Cell Lung Cancer:A Randomised Phase II Study”Br.J.Cancer :1551−5;DiPaolaら,1996,”A Phase I Study of Amifostine and Paclitaxel in Patients with Advanced Malignancies”Proc.Amer.Soc.Clin.Oncol.15:488(1556)Abstract)。従って、本発明の方法はまた、化学療法を受ける癌患者にアミホスチン及び/又はその代謝産物WR−1065を有利に投与するために使用することができる。
【0042】
アミホスチン及び/又はWR−1065はまた、骨髄増殖を刺激することができ(WO96/25045号)、そして化学療法後いっそう急速な骨髄機能の回復を引き起こすことができる(Listら,1996,”Amifostine Stimulated Formation of Multipotent Progenitor and Generated Macroscopic Colonies in Normal and Myelodysplastic Bone Marrow”,Proc.Am.Soc.Clin.Oncol.15:449[1403][Abstract];Listら,1996,”Amifostine Protects Primitive Hematopoietic Progenitors Against Chemotherapy Cytotoxicity”,Semin.Oncol.23(4)Supp.8:58−63)。従って、本発明の方法はさらに、骨髄増殖を必要とする疾患、例えば骨髄異形成症候群(MDS)を患っている患者、又はその骨髄が化学療法に曝露された患者にアミホスチン及び/又はWR−1065を投与するための有用な手段を提供する。さらに、本発明の方法はまた、癌及びヒト免疫不全ウイルス感染症を患っている患者にアミホスチン及び/又はWR−1065を投与するための有用な手段を提供する。
【0043】
本発明の方法による患者へのアミホスチン及び/又はWR−1065の投与は、現在利用可能な静脈内投与方法に対して無数の利点を提供する。有意な利点は、治療を受ける患者がこうむる望ましくない副作用を低減又は減少させることである。加えて、本方法は大部分の患者に嫌われる投与方法である静脈内(iv)注射を必要としないので、本明細書に記載する方法は、より良好な患者コンプライアンスを提供するであろう。さらに、本発明の方法は、必ずしも熟練した医師によって投与する必要がなく、患者にとって治療法をより好都合にする。
【0044】
5.4 製剤化及び投与経路
アミホスチン及び/又はWR−1065、又はそれらの薬学的に許容される付加塩若しくは水和物は、投与の種々の経路及び方法を本発明により用いて、望ましくない副作用を回避又は低減させるように患者に送達することができる。必要なことは、アミホスチン及び/又はWR−1065が本明細書に記載する薬力学的プロフィールに従って送達されることだけである。好適な投与経路としては、吸入、経皮、経口、経粘膜、腸内及び非経口投与(筋肉内、皮下及び静脈内注射を含む)を包含するが、これらに限定されるものではない。
【0045】
いずれの投与方法についても、本明細書に記載する有利な薬力学的プロフィールを達成するために必要なアミホスチン及び/又はWR−1065の実際の量、並びに投与スケジュールは、アミホスチン及び/又はWR−1065の生体利用性、処置される障害、望ましい治療用量、及び他の要因(これらは当業者には明らかであろう)のような要因に部分的には依存するであろう。送達される実際の量及び投与スケジュールは、当業者によって過度の実験を行うことなく、投与されたアミホスチン及び/又はWR−1065の血漿レベルをモニターし、そして所望の薬力学的プロフィールの達成に必要なように用量又は投与スケジュールを調節することにより容易に決定することができる。
【0046】
例えば、静脈内投与の場合、本発明の有利なプロフィールは、従来用いられるよりも有意に遅い注入速度の利用、又は移動用ポンプの使用によって得ることができる。他の投与方法により所望の薬力学的プロフィールを得る方法は、特に本明細書に提供する詳細な開示を考慮すれば、当業者には明らかであろう。
【0047】
アミホスチン及び/又はWR−1065、又はそれらの薬学的に許容される塩及び/又は水和物は、単独で、他の化合物と組み合わせて、及び/又は他の治療剤(癌化学療法剤を含む)と組み合わせて、投与することができる。アミホスチン及び/又はWR−1065は、それ自体で、又はアミホスチン及び/又はWR−1065が1種以上の薬学的に許容される担体、賦形剤若しくは希釈剤と混合された医薬組成物の形態で投与することができる。本発明により使用するための医薬組成物は、アミホスチン及び/又はWR−1065を薬学的に使用できる調製物への加工を容易にする賦形剤及び助剤を含む1種以上の生理的に許容される担体を用いて、従来法で製剤化することができる。適切な製剤は、選択される投与経路に依存する。
【0048】
注射のために、本発明の薬剤を、好ましくは生理的に適合する緩衝液、例えばハンクス液、リンゲル液又は生理的食塩緩衝液中の水溶液に製剤化することができる。経粘膜投与のために、浸透すべきバリアに適切な浸透剤を製剤化に使用することができる。このような浸透剤は、当技術で一般的に知られている。
【0049】
経口投与のために、アミホスチン及び/又はWR−1065を当技術で周知の薬学的に許容される担体と組み合わせることにより、アミホスチン及び/又はWR−1065を容易に製剤化することができる。このような担体は、処置すべき患者によって経口摂取される錠剤、丸剤、糖衣錠、カプセル剤、液剤、ゲル、シロップ剤、スラリー、懸濁剤その他として、アミホスチン及び/又はWR−1065を製剤化することができる。経口使用のための医薬調製物は、固体賦形剤を場合により粉砕して混合物を生成することによって得ることができ、この顆粒混合物を、所望により好適な助剤の添加後に加工して、錠剤又は錠剤コアを得る。好適な賦形剤は、特に充填剤、例えば乳糖、ショ糖、マンニトール又はソルビトールを含む糖;例えばトウモロコシ澱粉、コムギ澱粉、コメ澱粉、ジャガイモ澱粉、ゼラチン、トラガントゴム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチル−セルロー、カルボキシメチルセルロースナトリウム及び/又はポリビニルピロリドン(PVP)を含むセルロース調製物である。所望により、崩壊剤、例えば架橋ポリビニルピロリドン、寒天、又はアルギン酸若しくはアルギン酸ナトリウムのようなアルギン酸塩を添加してもよい。
【0050】
糖衣錠コアは、好適なコーティングで与えられる。この目的のために、濃縮糖溶液を使用することができ、これは場合によりアラビアゴム、タルク、ポリビニルピロリドン、カルボポールゲル、ポリエチレングリコール、及び/又は二酸化チタン、ラッカー溶液、及び好適な有機溶剤若しくは溶剤混合物を含有していてもよい。アミホスチン及び/又はWR−1065用量の異なる組み合わせを識別するため又は特徴付けるために、錠剤又は糖衣錠コーティングに染料又は顔料を添加することができる。
【0051】
経口使用できる医薬調製物は、ゼラチン製嵌込型カプセル剤、並びにゼラチン及びグリセロール又はソルビトールのような可塑剤で作製された密封軟カプセル剤を包含する。嵌込型カプセル剤は、乳糖のような充填剤、澱粉のような結合剤、及び/又はタルク若しくはステアリン酸マグネシウムのような滑沢剤、及び場合により安定剤と混合した有効成分を含有することができる。軟質カプセルにおいて、活性化合物を好適な液体、例えば脂肪油、流動パラフィン又は液体ポリエチレングリコールに溶解又は懸濁させることができる。さらに、安定剤を添加することができる。経口投与のための全ての製剤は、このような投与に適する用量であるべきである。
【0052】
バッカル投与のために、組成物は従来法で製剤化された錠剤又はトローチの形態をとることができる。
【0053】
吸入により投与するために、本発明に従って使用するためのアミホスチン及び/又はWR−1065は、加圧パック又は噴霧器から好適な噴射剤、例えばジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、二酸化炭素又は他の好適なガスを用いて、エアゾールスプレーの形態で好都合に送出される。加圧エアゾールの場合には、計量した量を送達するバルブを備えることにより、用量単位を決定することができる。吸入器又は通気装置に用いられる、例えばゼラチンのカプセル及びカートリッジは、化合物と好適な粉末基剤、例えば乳糖又は澱粉との粉末ミックスを含有するように製剤化することができる。
【0054】
アミホスチン及び/又はWR−1065は、注射、例えばボーラス注射又は連続注入による非経口投与のために製剤化することができる。アミホスチン及び/又はWR−1065は、15分〜24時間の期間にわたって連続的に皮下注入することにより投与することが好ましい。注射のための製剤は、単位投与剤形で、例えばアンプル又は多用量容器に入れて、保存剤を添加して提供することができる。アミホスチン及び/又はWR−1065は、油性又は水性ビヒクル中の懸濁剤、溶剤又は乳剤のような形態をとることができ、そして懸濁剤、安定剤及び/又は分散剤のような製剤用物質を含有することができる。
【0055】
非経口投与のための医薬製剤は、水溶性形態のアミホスチン及び/又はWR−1065の水溶液を包含する。さらに、アミホスチン及び/又はWR−1065の懸濁剤を適切な油性注射用懸濁剤として調製することができる。好適な親油性溶剤又はビヒクルは、ゴマ油のような脂肪油、又はオレイン酸エチル若しくはトリグリセライドのような脂肪酸エステル、又はリポゾームを包含する。水性注射用懸濁剤は、懸濁剤の粘度を高める物質、例えばナトリウムカルボキシメチルセルロース、ソルビトール又はデキストランを含有することができる。場合により、懸濁剤はまた、好適な安定剤、又は化合物の溶解性を上昇させて高度濃縮溶液の調製を可能にする物質を含有することができる。
【0056】
あるいは、有効成分は、使用前に好適なビヒクル、例えば発熱物質不含の滅菌水で再構成するための粉末形態としてもよい。
【0057】
アミホスチン及び/又はWR−1065はまた、例えばココアバター又は他のグリセリドのような従来の坐剤基剤を含有する坐剤又は停留浣腸剤のような直腸用組成物として製剤化することができる。
【0058】
前記の製剤に加えて、アミホスチン及び/又はWR−1065はまた、デポー調製物として製剤化することができる。このような長期作用性製剤は、移植(例えば、皮下又は筋肉内に)、又は筋肉内注射により投与することができる。従って、例えば、化合物を好適な高分子若しくは疎水性材料(例えば、許容される油中のエマルジョンとして)又はイオン交換樹脂を用いて、あるいは僅かに可溶性の誘導体、例えば僅かに可溶性の塩として製剤化することができる。
【0059】
医薬組成物はまた、好適な固相又はゲル相の担体又は賦形剤を含むことができる。このような担体又は賦形剤の例は、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、種々の糖、澱粉、セルロース誘導体、ゼラチン、及びポリエチレングリコールのようなポリマーを包含するが、これらに限定されるものではない。
【0060】
5.5 有効投与量
本発明で使用するのに適した医薬組成物は、有効成分が治療上有効な量で、すなわち、その意図する目的を達成するのに有効な量で含有する組成物を包含する。もちろん、有効成分の実際の量は、数ある中で、その意図する目的に依存するであろう。例えば、放射線又は化学療法と一緒に細胞保護剤として癌患者に投与する場合には、このような組成物は、特に、正常組織に対する電離放射線又は化学療法剤の有害作用を緩和するのに有効な量の有効成分を含有するであろう。骨髄増殖を必要とする疾患、例えばMDSを患っている患者、又は化学療法後のより急速な骨髄機能の回復を必要とする患者に投与する場合には、このような組成物は、処置される患者の骨髄の産生若しくは機能を刺激し、現存する症状の進行を阻止若しくは緩和し、又は生存を延長するのに有効な量の有効成分を含有するであろう。有効量の決定は、特に本明細書の詳細な開示を考慮すれば、十分に当業者の能力の範囲内にある。
【0061】
本明細書に記載するいずれの化合物についても、治療上有効な量は、細胞培養アッセイから最初に推定することができる。例えば、動物モデルにおいて化合物及び/又はその代謝産物の循環濃度(これは細胞培養において決定された有効濃度を含む)を達成するように処方することができる。このような常法を用いて、ヒトにおける有用な量をより正確に決定することができる。例えば、Washburnら,1976,”Prediction of the Effective Radioprotective Dose of WR−2721 in Humans Through an Interspecies Tissue Distribution Study”Radiat.Res.66:100−5を参照されたい。
【0062】
ヒトに使用するための治療上有効な量は、動物モデルから推定することもできる。例えば、ヒトのための用量は、動物において有効であると見出された循環濃度を達成するように製剤化しうる。
また、治療上有効な量は、ヒト薬力学的データから推定することもできる。如何なる特別の理論によっても拘束されることを意図するものではないが、効力は、血中濃度−時間曲線下面積(AUC)の測定により決定して、投与される薬剤及び/又はその代謝産物の投与用量に対する被験体の総曝露量に関連する。従って、処置される適応症に対して有効であると知られている用量のAUCの約50%以内にある投与化合物(及び/又はその代謝産物)のAUCを有する、本発明の方法により投与される用量は、有効であることが予期される。既知有効量のAUCの約70%、80%又はさらに90%又はそれ以上の量にある投与化合物(及び/又はその代謝産物)のAUCを有する用量が好ましい。上記方法、特に、投与化合物及び/又はその代謝産物の血中濃度及び持続時間に基づいて、ヒトにおいて最大効力を達成するための用量を調節することは、十分に当業者能力の範囲内にある。
【0063】
電離放射線又は化学療法剤の毒性に対して選択的に防御する細胞保護剤として使用するために、約2μM〜100μMの投与化合物(及び/又はその代謝産物)の循環濃度が有効であることが予期され、約5μM〜50μMが好ましい。その代わりに、又はさらに、約4μM〜700μMの投与化合物(及び/又はその代謝産物)の組織濃度が有効であることが予期され、約20μM〜350μMが好ましい。
【0064】
アミホスチン及び/又はWR−1065を投与するための通常の患者用量は、普通は約50mg/日〜6000mg/日、一般的に約100mg/日〜4000mg/日、典型的には約200mg/日〜3500mg/日の範囲にある。患者の体重に関して述べると、通常の用量は約0.6〜100mg/kg/日、一般的に約1.1〜66mg/kg/日、典型的には約2.2〜58mg/kg/日の範囲にある。患者の体表面積に関して述べると、通常の用量は約23〜4000mg/m/日、一般的に約45〜2666mg/m/日、典型的には約90〜2333mg/m/日の範囲にある。
【0065】
アミホスチン及び/又はWR−1065を皮下投与するための患者用量は、普通は約50mg/日〜1500mg/日、一般的に約100mg/日〜1000mg/日、典型的には約200mg/日〜750mg/日の範囲にある。患者の体重に関して述べると、通常の用量は約0.5mg/kg/日〜25mg/kg/日、一般的に約1mg/kg/日〜16mg/kg/日、典型的には約3.3mg/kg/日〜12.5mg/kg/日の範囲にある。患者の体表面積に関して述べると、通常の用量は約22mg/m/日〜1000mg/m/日、一般的に約45mg/m/日〜666mg/m/日、典型的には約133mg/m/日〜500mg/m/日の範囲にある。
【0066】
電離放射線の毒性(口内乾燥症又は粘膜炎を包含するが、これらに限定されるものではない)に対する放射線保護剤として、又は頭頸部癌のような癌療法の毒性に対する化学的保護剤として使用する場合には、効果をもたらすために放射線又は化学療法に曝露する十分前に用量を投与すべきである。皮下投与の場合には、用量は、放射線療法の適用前少なくとも約3時間以内に好ましく投与される。好ましくは、用量は、放射線療法の適用前少なくとも約6時間に、より好ましくは放射線療法の適用前少なくとも約58時間に、最も好ましくは約8〜約12時間に皮下投与される。
アミホスチン及び/又はWR−10651の投与は、とりわけ頭頸部癌の患者における、電離放射線に関連した毒性の処置に特に有用である。これらの場合には皮下投与が好ましく、そして低減した副作用において最も効果的である。
【0067】
MDSのような骨髄増殖、又は骨髄機能の回復を必要とする疾患の処置に使用する場合には、約2μM〜100μMの投与化合物(及び/又はその代謝産物)の循環濃度が有効であることが予期される。その代わりに、又はさらに、約0.1μM〜1000μMの投与化合物(及び/又はその代謝産物)の組織濃度が有効であることが予期され、約10μM〜500μMが好ましい。
【0068】
アミホスチン及び/又はWR−1065を投与するための通常の患者用量は、普通は約50mg/日〜1000mg/日、一般的に約100mg/日〜900mg/日、典型的には約200mg/日〜800mg/日の範囲にある。患者の体重に関して述べると、通常の用量は約0.5〜16mg/kg/日、一般的に約1.1〜15mg/kg/日、典型的には約2.2〜13.5mg/kg/日の範囲にある。患者の体表面積に関して述べると、通常の用量は約22〜666mg/m/日、一般的に約45〜600mg/m/日、典型的には約90〜540mg/m/日の範囲にある。
【0069】
アミホスチン及び/又はWR−1065を皮下投与するための患者用量は、普通は約50mg/日〜1200mg/日、一般的に約100mg/日〜1100mg/日、典型的には約200mg/日〜1000mg/日の範囲にある。患者の体重に関して述べると、通常の用量は約0.5mg/kg/日〜20mg/kg/日、一般的に約1.1mg/kg/日〜18mg/kg/日、典型的には約2.2mg/kg/日〜16.2mg/kg/日の範囲にある。患者の体表面積に関して述べると、通常の用量は約22mg/m/日〜800mg/m/日、一般的に約45mg/m/日〜720mg/m/日、典型的には約90mg/m/日〜650mg/m/日の範囲にある。
【0070】
電離放射線の毒性に対する放射線保護剤として使用するためには、好ましくは少なくとも約500mg、好ましくは約500mg〜1500mgの用量を皮下投与する。好ましくは、用量は2回の皮下注射として投与される。
【0071】
他の投与方法の場合には、投与量及び間隔を個々に調節して、上記のように本明細書に記載した薬力学的プロフィールに従って、投与化合物及び/又はその代謝産物の有効な血漿及び/又は組織レベルを与えることができる。
【0072】
投与される組成物の実際の量は、もちろん、処置される被験体、被験体の体重、苦痛の重さ、投与方法及び処方する医師の判断に依存するであろう。
【実施例】
【0073】
6.実施例アミホスチンの皮下投与はin vivo毒性を低減させる
アミホスチンを患者に皮下投与する有利な効果を、フェーズI無作為化三方向交差研究で実証した。この研究は米国の一つの部局で行った。
【0074】
正常被験者を無作為化し、アミホスチンを3日連続で、表1に記載したように、皮下注入(200mg/m)、経口製剤(500mg)、及び皮下注射(500mg)として投与した。合計12人の被験者をこの研究で処置した。
【表1】
Figure 2004535396
【0075】
全ての被験者を、試験薬剤の最初の用量を投与する前の夕方から最後の全血サンプルを得るまで研究部局に隔離した。アミホスチンの各投与後4時間までに、全血サンプルを採取した。
【0076】
適格被験者は、年齢18〜35才(両端を含む)の健康で正常な男性ボランティアを含んでいた。研究に参加した全ての被験者は、関連実験室の正常範囲の±10%以内の全血球計算値(CBC)、血清化学値及び尿検査値(これらを本発明者らは臨床的に有意であると考えた)の処置前値を有していた。さらに、全ての被験者は、正常な処置前心電図(EKG)を有していた。
【0077】
ヒト免疫不全ウイルス(HIV)陽性、活性物質乱用者、又は喫煙者(過去に少なくとも6ヶ月以内)であることが知られた被験者を除外した。同様に、処置前高血圧(収縮期血圧>140mmHg)を有する被験者、既知の心臓血管病を有する被験者、研究の完了又はインフォームドコンセントの署名ができなくなるであろう一般的又は心理的状態にある被験者、及びアルコール性飲料及び全ての医薬(処方箋及び店頭薬剤、及びビタミンを含む)を、研究参加前7日間及び研究関与中3日間において禁断しようとしないか又は禁断できない被験者を除外した。
【0078】
6.1 静脈内アミホスチンの調製
静脈内注入のために、アミホスチンの各バイアル(バイアル当たり500mg、U.S.Bioscience,ロットno.C3017C)を9.7mLの0.9%塩化ナトリウム注射液(USP)で再構成した。アミホスチンの適切な用量(200mg/m)を0.9%塩化ナトリウム注射液(USP)でさらに希釈して、投与のために50mLの体積にした。
【0079】
6.2 経口アミホスチンの調製
経口投与のために、アミホスチンの各バイアル(バイアル当たり500mg、U.S.Bioscience,ロットno.C3017C)を5mLの通常の生理食塩水で再構成した。再構成した溶液を投与のために10mLシリンジに吸引した。
【0080】
6.3 皮下アミホスチンの調製
皮下注射のために、アミホスチンの各バイアル(バイアル当たり500mg、U.S.Bioscience,ロットno.C3017C)を2.5mLの通常の生理食塩水で再構成した。この溶液を投与のために2本のシリンジ(シリンジ当たり1.25mL)に分割した。
【0081】
6.4 静脈内アミホスチンの投与
被験者に、静脈内アミホスチンを200mg/mの用量で7.5分間にわたる注入(注入ポンプによる)として投与し、これは8:00AMに始めた。注入の間、被験者を仰臥位に保った。アミホスチン投与ののち、全ての被験者は標準的朝食をとることが許された。さらに、全ての被験者に、正午に標準的昼食、6:00PMに標準的夕食、及び10:00PMに標準的スナックを与えた。
【0082】
ベースライン値収縮期血圧及び脈拍をアミホスチン注入の直前に測定し、注入中は2.5分ごとに、そして注入後は5分ごとに測定した。収縮期血圧が表2に明記したように低下したとき、又は被験者が血圧低下に関連した症状(めまい、発汗又は胸痛)を発生したときは、アミホスチン注入を中断した。
【0083】
低血圧が起こったときは、被験者に通常の生理食塩水の急速注入を行い、そして血圧がベースライン値に戻るまで仰臥位又はトレンデレンブルク体位に保った。この時間中に、血圧を3分ごとにモニターした。
【0084】
アミホスチン注入を停止した5分以内に血圧が表2に規定した値に戻り、そして被験者がそのほかは無症状であったときは、血圧の頻回モニターを続けながらアミホスチン注入を再開することができた。低血圧の何らかの発作がさらにが起こったときは、上記のガイドラインを繰り返した。被験者の血圧がアミホスチン注入を停止した5分以内にアミホスチン注入を再開するための閾値に戻らなかったときは、注入を停止し、そして未使用薬剤を廃棄した。
【表2】
Figure 2004535396
【0085】
6.5 経口アミホスチンの投与
経口アミホスチンを投与する被験者は、経口投与を受ける前夜の深夜から始めて、被験者が標準的昼食をとった場合には翌日の正午まで、絶食させた(水を除く)。その日に、アミホスチンの経口投与を受けた被験者に、ラニチジン(50mg)を、アミホスチン投与の開始前1時間に静脈内注射した。
【0086】
被験者には、経口アミホスチンを液体製剤中の500mgの用量で投与した。この製剤は、溶液を被験者の喉の奥に穏やかに吹き出させることによって投与した。アミホスチンの経口溶液を投与したのち1時間にわたり被験者を仰臥位に保った。アミホスチンを投与したのち、経口アミホスチンからの不快な味を緩和するために、全ての被験者に4oz.の水を飲み、そしてハードキャンディーを食べることを許した。全ての被験者に、正午に標準的昼食、6:00PMに標準的夕食、及び10:00PMに標準的スナックを与えた。
【0087】
生存徴候(血圧及び脈拍)をアミホスチンの投与直前に測定し、そして5分ごとに1時間繰り返した。低血圧が起こったときは、被験者に500mLの通常の生理食塩水を急速注入し、そして血圧がベースライン値に戻るまで仰臥位又はトレンデレンブルク体位に保った。この時間中に、血圧を3分ごとにモニターした。
【0088】
6.6 皮下アミホスチンの投与
皮下アミホスチンを、500mgの用量で(液体製剤として)投与した。アミホスチンの用量を2本のシリンジ中に2等分し、そして腹壁上の二つの位置に投与した。アミホスチンを2箇所に注射したのち30分間にわたり被験者を仰臥位に保った。アミホスチン投与ののち、全ての被験者は標準的朝食をとることが許された。全ての被験者に、正午に標準的昼食、6:00PMに標準的夕食、及び10:00PMに標準的スナックを与えた。
【0089】
生存徴候(血圧及び脈拍)をアミホスチンの皮下投与直前に測定し、そして5分ごとに30分間繰り返した。低血圧が起こったときは、被験者に500mLの通常の生理食塩水を急速注入し、そして血圧がベースライン値に戻るまで仰臥位又はトレンデレンブルク体位に保った。この時間中に、血圧を3分ごとにモニターした。
【0090】
6.7 前及び同時の医薬
アミホスチンを経口投与した日に、全ての被験者にラニチジンを投与した。グレード2以上の吐き気及び/又は嘔吐を経験した被験者は、プロクロルペラジン(10mgの経口又は坐剤による)を必要に応じて4時間ごとに投与することを許した。
【0091】
6.8 処置前の評価
処置を始める7日以内に処置前の評価を行い、これは下記を含んでいた:
・ 病歴、及び身長、体重及び生存徴候(血圧、脈拍及び体温)を含む身体検査;
・ 示差的CBC及び血小板数;
・ 血中尿素窒素(BUN)、血清クレアチニン、カルシウム、全ビリルビン、アルブミン、SGOT、SGPT、アルカリホスファターゼ、ブドウ糖及び全タンパク質を含む血液化学;
・ 尿検査;及び
・ EKG。
【0092】
被験者の実験室パラメーターが異常であったときは、実験室試験を繰り返した。再試験の際にパラメーターが正常であったときは、その被験者を研究に含めた。異常なパラメーターが持続したときは、その被験者を研究から排除した。
【0093】
6.9 効力の評価
この研究の第一の終点は、静脈内投与した200mg/mのアミホスチンと比較した皮下又は経口投与した500mgのアミホスチンの相対生体利用性であった。これは、各被験者がアミホスチンを三つの全ての投与経路により受けた交差研究であったので、静脈内アミホスチンに対する皮下及び経口アミホスチンの生体利用性を、各被験者内で評価した。
【0094】
6.9.1 血液サンプルの採取
血液サンプル(それぞれ5〜7mL)を、静脈穿刺又は留置静脈カテーテル(IVC)ヘパリンロックのいずれかにより採取した。IVCを用いたときは、これを注入部位と反対の腕に挿入した。中心線を用いたときは、静脈内アミホスチンを遠位静脈内部位から投与した。いずれの線でも血液採取前に最初の3〜5ccの血液を捨てた(廃棄量)。
【0095】
静脈内アミホスチンを投与した患者では、血液サンプルをアミホスチン投与の直前5分(ベースライン)に、並びにアミホスチン投与後2.5、5、7.5、10、15、20、30及び60分、2及び4時間に採取した。
【0096】
液体製剤としての経口アミホスチンを投与した被験者では、血液サンプルをアミホスチン投与の直前(ベースライン)に、並びにアミホスチン投与後5、10、15、30、45及び60分、2及び4時間に採取した。
【0097】
皮下アミホスチンを投与した被験者では、血液サンプルをアミホスチン投与の直前(ベースライン)に、並びにアミホスチン投与後5、10、15、30、45及び60分、2及び4時間に採取した。
【0098】
6.9.2 血液サンプルの調製
血液サンプルをアミホスチンの各投与後4時間の間に特定の時点で採取した。各血液サンプルを表3に記載したように調製した。血液サンプルを分析の目的で分割した:一方のサンプルを用いてアミホスチンの存在を測定し、そして他方のサンプルを用いてWR−1065(代謝産物)の存在を測定した。
【表3】
Figure 2004535396
【0099】
表3に示すように、薬力学的分析のためのアミホスチン(親薬物)及びWR−1065(代謝産物)の調製物は、互いに異なっていた。この相違はアミホスチンの代謝経路に基づいている。アミホスチンは、組織でアルカリホスファターゼにより脱リン酸化されて、代謝産物WR−1065を生成するプロドラッグである。WR−1065はさらに酸化されて、対称及び混合ジスルフィドの双方を生成するか、又は銅依存性アミンオキシダーゼによってさらなる代謝を受けて、アクロレイン及びシステアミンを生成することができる。WR−1065のさらなる酸化を阻止するために、遠心する前にPCA/EDTAをサンプルに加えた。PCA/EDTAは血液の細胞性内容物を破壊するので、サンプルをより長時間遠心して、代謝産物の汚染/代謝を阻止した。従って、透明上澄み液(血清)だけをWR−1065の分析に用いた。これに対し、親薬物の分析に指定した血液サンプルには、PCA/EDTAを加えなかった。それ故に、親薬物の分析のために血漿サンプルを調製した。
【0100】
6.9.3 薬力学的分析
アミホスチン(変化しなかった薬物)及びWR−1065(代謝産物)の濃度を、電気化学的検出高速液体クロマトグラフィー(HPLC)法を用い、Shawらにより記載されたように測定した(Shawら,1984,”A Liquid Chromatographic Electrochemical Assay for S−2−(3−Aminopropylamino)ethylphosphorothioate(WR−2721)in Human Plasma”,J.Liq.Chromatog.7:2447−2465;Shawら,1986,”Measurement of S−2−(3−Aminopropylamino)ethanethiol(WR−1065)in Blood and Tissue”,J.Liq.Chromatog.9:845−859)。各投与経路後に、各被験者に関する薬力学的パラメーターを決定するために、PCNONLINのWINDOWSバージョンであるWINNONLINを用いた。データの非区分モデリングを行った。
【0101】
6.10 安全性の評価
プロトコール療法の少なくとも1回の投与を受けた全ての被験者は、安全性を評価できると考えた。アミホスチンの投与中及び投与後(被験者が研究部局から去る前)に、有害事象、身体検査及び実験室試験の分析により安全性を評価した。毒性表記をアミホスチンの各投与後に行った。毒性は国立癌研究所(NCI)一般的毒性基準に基づいた。
【0102】
アミホスチンの最終投与後(3日目)(しかし、被験者が研究部局から去る前)に、下記の安全性評価を行った:
・ 生存徴候(血圧、脈拍及び体温)を含む身体検査;
・ 示差的CBC及び血小板数;
・ BUN、血清クレアチニン、カルシウム、全ビリルビン、アルブミン、SGOT、SGPT、アルカリホスファターゼ、ブドウ糖及び全タンパク質を含む血液化学;
・ 尿検査;及び
・ 毒性表記。
【0103】
解放時に異常な実験室パラメーター値を有した被験者は、それらのパラメーターを繰り返した。パラメーターが異常なままであったときは、その被験者には、彼が選んだ医師に追跡してもらうように指示した。
【0104】
6.11 サンプルサイズの決定
12人の被験者で3×3ラテン方格法を用いたところ、アミホスチン(親薬物)及びWR−1065に関する曲線下面積(AUC)の30%差の検出能は、80%であった。この差を、一つの投与経路と他の二つの投与経路とのAUC値の変化(67%超又は40%未満)と定義した。この能力計算は、被験者に関する平均AUCの50%の標準偏差及び70%の補正を推定した。
【0105】
6.12 統計的分析
この研究の第一の終点は、静脈内投与した200mg/mのアミホスチンと比較した経口又は皮下投与した500mgのアミホスチンの相対生体利用性であった。これは、各被験者がアミホスチンを三つの全ての投与経路により受けた交差研究であったので、静脈内アミホスチンに対する皮下及び経口アミホスチンの生体利用性を各被験者内で評価した。
【0106】
0〜4時間の血漿/血清濃度−時間曲線下の面積(AUC)を用いて生体利用性を評価した。最終の非零点からの直線による外挿を用いてAUCを計算した。
【0107】
経口及び皮下投与後のアミホスチン(親薬物プラス代謝産物)の生体利用性は、これらの投与経路のAUCと静脈内アミホスチンのAUCとの比に基づいた。次いで、分散分析(ANOVA)モデルを用い、変数として経路、期間及び被験者を用いてAUCを分析した。この変数が経路及び期間により特有に決定できたので、順位はモデルに含めなかった。全ANOVAモデルからの平均平方誤差を用いて、皮下または経口経路と静脈内経路との比における信頼区間を計算した。
【0108】
これは3日連続で行われた交差研究であったので、毒性は、毒性が生じた日の投与経路に帰せられた。(比率試験と同様に)全非パラメーター交差モデルを用いて毒性を評価し、これを期間及び順位効果に対して補正した。この分析に、SAS@のPROC CATMODを用いた。
【0109】
6.13 結果
1996年4月2日から1996年7月23日までに、12人の健康なボランティアが、静脈内、経口及び皮下に投与したアミホスチンのこのフェーズI生体利用性研究(プロトコールWR−A−057)に登録された。この研究は米国の1つの部局で行った。12人の被験者全員がプロトコールのとおりに研究を終了した。
【0110】
合計12人の健康男性がプロトコールWR−A−057に登録された(表4)。これら被験者の平均年齢は25.5才で、18〜34才の範囲にあった。平均体表面積(BSA)は1.84mで、1.69〜2.15mの範囲にあった。全被験者は、研究投薬を受ける前に正常範囲の10%以内の処置前実験室値を有し、かつ生存徴候異常がなかった。さらに、全被験者は正常な処置前EKGを有していた。
【表4】
Figure 2004535396
【0111】
6.13.1 生体利用性
図1は、12人の被験者全員における経口、皮下及び静脈内アミホスチン投与後のアミホスチン(親薬物プラス代謝産物)に関する血漿/血清濃度−時間曲線を示す。この図で見られるように、三つの投与経路の血漿/血清濃度−時間曲線の形は著しく異なっていた。200mg/mの静脈内注入(7.5分間)ののち、薬剤投与の1分以内にアミホスチンは急速に取り込まれた。その後、アミホスチンの血漿/血清濃度は急速に低減した。アミホスチンの最高濃度は、静脈内投与後8〜10分に約130μMで、これは薬剤投与後45分に10μM未満に低下した。
【0112】
500mgの皮下注射ののち、アミホスチンの血漿/血清濃度は静脈内投与と比較して著しく遅く上昇した。アミホスチンの最高濃度(約15μM)は、皮下投与後15分間に観察され、そして約30分間持続した。その後、アミホスチンの濃度は皮下投与後約50分に10μM未満に低下した。200mg/mの静脈内アミホスチン及び500mgの皮下アミホスチンの投与後30分に、アミホスチン(親薬物プラス代謝産物)の血漿/血清濃度−時間曲線は同一であった。
【0113】
経口投与(液体製剤として500mg)ののち、アミホスチンの最高濃度(約5μM)は、薬剤投与後5〜8分間に観察された。アミホスチンの濃度は経口薬剤投与後10〜13分で1.0μM未満に低下した。約4μMの第二ピークが経口薬剤投与後45分に観察され、これは薬剤投与後60分で約1μM未満に低下した。
【0114】
図2は、12人の被験者へのアミホスチンの経口、皮下及び静脈内投与後のアミホスチン(親薬物)に関する平均血漿濃度−時間曲線を示す。アミホスチンの経口投与後に、被験者の血漿サンプルには検出可能量の親薬物は存在しなかった。静脈内及び皮下投与の平均血漿濃度−時間曲線の形は、図1で見られたものと類似していた。200mg/mの静脈内投与ののち、薬剤投与の1分以内にアミホスチンは急速に取り込まれた。その後、アミホスチンの血漿濃度は急速に低下した。アミホスチンの最高濃度は、静脈内投与後8〜10分に約100μMで、これは薬剤投与後約30分に10μM未満に低下した。500mgの皮下注射ののち、アミホスチンの血漿濃度はより遅く上昇した。アミホスチンの最高濃度(約10μM)は、皮下投与後15分に観察され、そして約30分間持続した。その後、アミホスチンの濃度は皮下投与後約45分に10μM未満に低下した。200mg/mの静脈内アミホスチン及び500mgの皮下アミホスチンの投与後30分に、親薬物の血漿濃度−時間曲線は同様であったが、静脈内アミホスチンに対して皮下アミホスチンで、より高い親薬物濃度が認められた。
【0115】
図3は、12人の被験者全員におけるアミホスチンの経口、皮下及び静脈内投与後のWR−1065(代謝産物)に関する平均血清濃度−時間曲線を示す。この図で見られるように、三つの投与経路の血清濃度−時間曲線の形は図1で観察されたものと同様であった。実際に、図1における経口アミホスチンに関する血清濃度−時間曲線は、図3と全く同一の曲線であった。これは、経口アミホスチン投与後の被験者の血清サンプル中に検出可能な量の親薬物が存在しなかったためである。200mg/mの静脈内注入ののち、薬剤投与の1分以内にWR−1065は急速に取り込まれた。その後、WR−1065の血清濃度は同様に急速に、しかし親薬物で観察された速度(図2)よりも遅い速度で低下した。WR−1065の最高濃度は、静脈内投与後10分に約30μMで、これは薬剤投与後約45分に5μM未満に低下した。500mgの皮下注射ののち、WR−1065の血清濃度はより遅く上昇した。WR−1065の最高濃度(約5μM)は、皮下投与後15分に観察され、そして約30分間持続した。その後、WR−1065の濃度は皮下投与後約60分に5μM未満に低下した。200mg/mの静脈内アミホスチン及び500mgの皮下アミホスチンの投与後40分に、代謝産物の血清濃度−時間曲線は同一であった。
【0116】
この研究の第一の終点は、静脈内投与した200mg/mのアミホスチンに対する経口又は皮下投与した500mgのアミホスチンの相対生体利用性であった。表5に、アミホスチンの経口、皮下及び静脈内投与後の各被験者に関するアミホスチン(親薬物及び代謝産物の複合)のAUC値を挙げる。AUCの比に基づいて、500mgの皮下投与後のアミホスチン(親薬物及び代謝産物)の相対生体利用性は、200mg/mの静脈内投与の0.67(0.37〜0.98の95%信頼区間)であった。500mgの経口投与後のアミホスチンの相対生体利用性は、200mg/mの静脈内アミホスチンの0.11(0.04〜0.18の95%信頼区間)であった。
【表5】
Figure 2004535396
【0117】
表6に、アミホスチンの経口、皮下及び静脈内投与後の各被験者に関する親薬物のAUC値を挙げる。AUCの比に基づいて、500mgの皮下投与後の親薬物の相対生体利用性は、200mg/mの静脈内アミホスチンの0.72(0.26〜1.18の95%信頼区間)であった。500mgの経口投与後の親薬物の相対生体利用性は、アミホスチンの経口投与後の被験者の血液サンプル中に親薬物が検出できなかった(図2参照)ので、0.00であった。
【表6】
Figure 2004535396
【0118】
表7に、アミホスチンの経口、皮下及び静脈内投与後の各被験者に関する代謝産物(WR−1065)のAUC値を挙げる。AUCの比に基づいて、500mgの皮下投与後の代謝産物の相対生体利用性は、200mg/mの静脈内投与の0.71(0.55〜0.86の95%信頼区間)であった。500mgの経口投与後の代謝産物の相対生体利用性は、200mg/mの静脈内投与の0.32(0.16〜0.48の95%信頼区間)であった。
【表7】
Figure 2004535396
【0119】
表5、6及び7に示した上記のAUCデータを用いて、経口及び皮下投与後のアミホスチンの絶対生体利用性を計算した。200mg/mの静脈内用量を100%生体利用性を示す用量として用いて、経口及び皮下アミホスチンに関するAUCデータを用量に関して調節し、そして静脈内アミホスチンに関するAUCデータと比較した。相対生体利用性とは異なり、AUCの比に基づいて、皮下投与後のアミホスチン(親薬物プラス代謝産物)の絶対生体利用性は、静脈内用量の0.50(0.27〜0.73の95%信頼区間)であった。皮下投与後の親薬物及び代謝産物の絶対生体利用性は、それぞれ静脈内用量の0.53(0.18〜0.88の95%信頼区間)及び0.53(0.41〜0.64の95%信頼区間)であった。経口投与後のアミホスチン(親薬物プラス代謝産物)の絶対生体利用性は、静脈内用量の0.08(0.03〜0.13の95%信頼区間)であった。
【0120】
6.13.2 効力
500mgの皮下注射、500mgの経口溶液及び200mg/mの静脈内注入(7.5分間)としてアミホスチンを投与する前、及び投与したのち4時間までに、12人の健康な男性被験者から得られた血液サンプル中のアミホスチン(親薬物)の血漿濃度及びWR−1065(代謝産物)の血清濃度を測定した。これらのデータから、血漿/血清濃度−時間曲線を作成し、そして各投与経路によるアミホスチン(親薬物及び代謝産物の両者)の薬力学的プロフィールを決定するために用いた。
【0121】
図1に示すように、三つの投与経路のアミホスチン(親薬物プラス代謝産物)に関する血漿/血清濃度−時間曲線の形は異なっていた。三つの全ての投与経路により、薬剤投与の5分以内に急速に取り込まれた。静脈内経路は皮下経路及び経口経路によるよりも速い取り込み速度を示した。その後、アミホスチンの血漿/血清濃度は下降した。この下降速度は静脈内経路で最も速く、そして皮下経路で最も遅かった。静脈内投与後のアミホスチン(親薬物及び代謝産物)の最高濃度は、約130μM(親薬物で約100μM及び代謝産物で約30μM)であった。皮下及び経口投与後のアミホスチン(親薬物及び代謝産物)の最高濃度は、それぞれ約15μM及び5μMであった。薬剤投与の約15分で最高濃度に達し、そして約45分までプラトーになった。図2に示すように、経口アミホスチン投与後の被験者の血漿サンプル中には、検出可能な量の親薬物は存在しなかった。
【0122】
6.13.3 有害事象
表8に、アミホスチンの静脈内、経口及び皮下投与後に有害事象を報告した被験者を挙げる。有害事象のためにアミホスチンを中断した被験者はいなかった。全ての有害事象は重さが軽度で、一過性であり、そしてアミホスチンに関連したものと考えられた。5人の被験者が静脈内アミホスチン後に有害事象を報告したのに対し、経口及び皮下アミホスチン後にそれぞれ1人の被験者が有害事象を報告した。他の有害事象は頭痛、低血圧、嘔吐、頭のもうろう感及び眠気を含んでいた。
【表8】
Figure 2004535396
【0123】
6.13.3.1 低血圧
アミホスチンの静脈内及び経口投与後の1人の被験者によって、軽度で一過性の低血圧発作が報告された(表10)。研究の第2日に、被験者1003で115/58mmHgの注入前血圧を表示し、これは注入終了後5分に99/56mmHgに下がった。5分後に、彼の血圧はベースライン(114/56mmHg)に戻った。被験者1003はまた、第3日にアミホスチンの経口投与後に2回の低血圧発作を経験した。121/70mmHgのベースライン血圧表示で、アミホスチンの経口投与後それぞれ5分及び25分で一過性の血圧低下(99/49及び98/51mmHg)が観察された。その後、他のいずれの血圧表示も低血圧基準を満たさなかった。
【0124】
アミホスチンの皮下投与後には、低血圧は発生しなかった。
【0125】
6.13.3.2 嘔吐
この研究中に6人の被験者が吐き気を報告し、そして1人の被験者が嘔吐した。吐き気は静脈内アミホスチン後の5人の被験者で、そして皮下アミホスチン後の1人の被験者で報告された(表10)。嘔吐は静脈内アミホスチン後の1人の被験者で報告された。吐き気/嘔吐の全ての発作は重さが軽度で、一過性の性質であった。静脈内アミホスチン後の2人の被験者に鎮吐剤治療を処方した。被験者1007は吐き気に対してプロクロルペラジン(10mg)を受け、そして被験者1008は吐き気/嘔吐に対してプロクロルペラジン(10mg)を受けた。
【0126】
6.13.3.3 臨床評価
アミホスチンの最終投与後、しかし被験者が研究部局から去る前に、体重及び生存徴候(血圧、脈拍及び体温)を含む身体検査を行った。アミホスチンの最終投与後のこれらのパラメーターには、著しい変化がなかった。
【0127】
6.13.3.4 臨床実験室試験
アミホスチンの最終投与後であるが被験者が研究部局から去る前に、血液学、血清化学及び尿検査を含む実験室試験を行った。実験室結果を実験室参照範囲、並びにNCI一般的毒性基準と比較した。1人の被験者(被験者1010)は、参照範囲(0.70〜1.40mg/dL)の下限よりも10%未満低い血清クレアチニン値(0.60mg/dL)を有し、この患者のベースラインは0.90mg/dLであった。この低い値は、臨床的に有意なものではないと考えた。さらに、いずれの被験者も、NCI一般的毒性基準によるグレード2以上の実験室毒性を経験しなかった。
【0128】
6.13.3.5 安全性の結論
アミホスチンは、投与経路とは無関係に良好に許容しうるものであった。12人の全被験者は、必要な研究投薬をプロトコール通りに終了した。いずれの被験者も有害事象のためにアミホスチンを中断しなかった。全ての有害事象は重さが軽度で、一過性であり、そしてアミホスチンに関連するものと考えられた。5人の被験者が静脈内アミホスチン後に有害事象を報告したのに対し、経口及び皮下アミホスチン後にそれぞれ1人の被験者が有害事象を報告した(表8)。吐き気が最も一般的な有害事象であった。他の有害事象は頭痛、低血圧、嘔吐、頭のもうろう感及び眠気であった。アミホスチンの静脈内及び経口投与後の1人の被験者によって、軽度で一過性の低血圧発作が報告された。これらの発作はアミホスチン投与後に起こり、そして持続時間が5分を超えるものはなかった。アミホスチンの皮下投与後には、低血圧は発生しなかった。臨床評価又は臨床実験室試験のいずれにおいても、顕著な所見はなかった。
【0129】
7. 実施例アミホスチンの皮下投与は放射線誘導粘膜炎に対して動物を防御する
放射線療法に関連した主要な限界急性毒性の一つは、放射線誘導粘膜炎である。急性粘膜反応の持続時間及び重症度を低減させる能力は、頭頸部癌の放射線療法及び/又は化学療法において特に重要である。それ故に、アミホスチンの放射線防御作用を、粘膜炎の実験モデルで検査した。特に、この研究では皮下(s.c.)及び腹腔内(i.p.)投与によるアミホスチンの放射線防御作用を比較した。Parkinsらによって開発されたマウスモデルを用いて、照射後のマウスの下唇における粘膜反応を検査し、そしてこのモデルを当技術における再現性あるモデルとして確立した(Parkinsら,1983,Radiother.Oncol.1:159−165)。
【0130】
7.1 実験計画
8〜10週齢のC57BL/6雌マウスを用い、そして半液体飼料で飼育した。合計40匹のマウスを、それぞれ5匹ずつの8つの処置グループに無作為に分けた。処置グループは以下の通りである:
グループ1:生理食塩水(i.p.)及び照射
グループ2:生理食塩水(s.c.)及び照射
グループ3:アミホスチン(200mg/kg、i.p.)及び照射
グループ4:アミホスチン(400mg/kg、i.p.)及び照射
グループ5:アミホスチン(200mg/kg、s.c.)及び照射
グループ6:アミホスチン(400mg/kg、s.c.)及び照射
グループ7:生理食塩水(i.p.)
グループ8:生理食塩水(s.c.)
【0131】
麻酔しないマウスを仰臥位に保ち、そしてそれらの唇の尖端を除いて照射した。ジグを用いて動物を固定し、Angら(1982,Int.J.Radiat.Oncol.Biol.Phys.8:145−148)が以前に用いたものと比較できるようにした。毎分1.98Gyを放出するRT250 Philips装置(200Kv、20mA、0.2mmのCuのフィルター)を用いて照射を行った。照射中に、一定の標準バールの空気入れ換えを維持した。1回の16.5Gy線量を用いてアミホスチンの作用を評価した。
【0132】
7.2 アミホスチンの投与
アミホスチンを200又は400mg/Kg体重で注射する直前に、生理食塩水に溶解した(0.9%NaClで50mg/mlの最終濃度にした)。照射前30分にi.p.及びs.c.注射の両方を行った。生理食塩水単独のプラシーボ溶液をコントロールグループのために用いた。
【0133】
7.3 粘膜炎のスコアリング体系
Parkinsら(1983,Radiother.Oncol.1:159−165)により記載された採点体系を用いて、唇粘膜に対する照射の作用を評価した。処置したマウスの体重を毎日照射後に記録した。照射により誘導された粘膜炎の重症度の対象指標として、体重の減少(おそらく動物が摂食できないことに起因する)を用いた。このモデルにおいて、急性反応は照射後約10〜11日にピークに達した。
【0134】
粘膜の紅斑及び水腫のような他の症状も記録した。これらの症状は照射後の体重損失よりも遅く発生した。粘膜の紅斑及び水腫を別々にスコアリングし、そして個別のスコアとして、又は7の最高スコアを生じる複合スコアとして用いることができた。マウスの唇粘膜紅斑を表9によりスコアリングした。
【表9】
Figure 2004535396
【0135】
唇の粘膜水腫(腫脹)を表10により採点した。
【表10】
Figure 2004535396
【0136】
7.4 結果
照射したマウスの体重減少を、粘膜炎の対象指標として測定した(表11)。照射の1回線量は、動物の体重を大きく減少させ、特に処置後7〜13日に減少させた(図4A及び4B)。照射しなかった動物は研究の経過中一定の体重を維持した。体重の減少は、アミホスチンのi.p.又はs.c.注射のいずれかを受けた動物において防止された。アミホスチンの放射線防御作用は線量に依存した。
【0137】
照射しなかったマウスは実験の全期間中に紅斑を有しなかった(表12)。これに対し、全ての照射グループにおいて紅斑が観察された(図5A及び5B)。アミホスチンのi.p.及びs.c.投与の両方は、生理食塩水+照射と比較して、平均紅斑スコアが低下した。同様に、粘膜水腫スコアは、アミホスチンの両注射法により低下した(図6A及び6B、表13)。
【0138】
図4A、4B、5A、5B、6A、6B及び表11〜13に提示したデータは、アミホスチンのi.p.及びs.c.投与の両方が、三つの粘膜炎指標、すなわち、体重、紅斑スコア及び水腫スコアにより測定したときに、放射線の有害作用の低減に有効であったことを示している。さらに、アミホスチンの200mg/kgの皮下投与は、最大有害作用の時点(すなわち、体重については第9日、及び紅斑及び水腫については第12日)で最高の効力を生じた。アミホスチンの用量を200mg/kgから400mg/kgに増加させところ、最小の付加的利益を生じた。従って、これらの結果は、皮下投与したアミホスチンが他の投与経路、例えばi.p.に対して改善された効力を有しうることを示している。
【表11】
Figure 2004535396
【0139】
Figure 2004535396
【表12】
Figure 2004535396
【0140】
Figure 2004535396
【表13】
Figure 2004535396
【0141】
Figure 2004535396
【0142】
8.実施例アミホスチンの皮下投与はヒトにおける骨髄細胞増殖を刺激する
8.1 MDS患者におけるアミホスチンの皮下投与
研究の全患者はMDSを有し、そして次のサブタイプのうち1つを有すると診断された:不応性貧血、輪状鉄芽球を伴う不応性貧血、過剰芽細胞を伴う不応性貧血、又は変化中の過剰芽細胞を伴う不応性貧血。さらに、患者は、血小板減少(血小板<100,000/μl)、好中球減少(ANC又は絶対好中球計算値<1500/μl)、又は<10g/dlの未輸血ヘモグロビンを有するか、及び/あるいは参加前10週間以内に少なくとも4単位のRBCを必要としたことにより定義して、輸血依存性であった。患者は研究前30日以内にMDSのための輸血以外は前の処置を受けていなかった。
【0143】
500mgバイアルのアミホスチンをs.c.投与のために25mlの0.9%NaClに溶解した。アミホスチンの計算用量が溶解のために2mlより多い体積を必要としたときには、全体積を等分し、そして2回のs.c.注射として投与した。処置前及び最初の投与後は90分までの30分間隔で、血圧をモニターした。アミホスチンの単一用量を500mgで与えた。少なくとも3人の患者を各用量で処置した。1サイクルの処置のために、患者に月曜日から金曜日まで1日1回、アミホスチンを3週間にわたり投与し、次いで2週間休ませた。処置に対する血液学的反応を、好中球計算値(ANC)、血小板計算値、赤血球応答(ヘモグロビンレベル及び網赤血球計算値を含む)、及びin vitroでのコロニー形成を測定することによって評価した。
【0144】
8.2 結果
アミホスチンのs.c.投与を受けた患者のうち、17人の患者を血液学的反応について評価した。評価した17人の患者のうち、4人が研究の前に静脈内アミホスチンを受けた。患者は多様な細胞遺伝学的パターンを有し、8人の患者は正常核型を示し、そして9人の患者は異常核型を示した。処置した患者で最小限の有害作用が観察された:1人の患者で吐き気(グレードI/II)、4人の患者で倦怠感(グレードI/II)、6人の患者で皮疹(グレードI/II)、1人の患者で嘔吐(グレードI/II)、1人の患者で局所反応(グレードIII)、及び1人の患者で舌を刺すような味(グレードI/II)。
【0145】
表14は、処置した患者の29%が、処置前のレベルと比較して、50%以上のANCの増加を示したことを示している。また、患者の33%が処置前のレベルと比較して50%以上の血小板の増加を示した。さらに、患者の71%が処置前のレベルと比較して、50%以上の網赤血球計算値の増加を示した。
【表14】
Figure 2004535396
【0146】
処置した患者から骨髄始原細胞を回収し、そして標準的メチルセルロースアッセイにおいてCFU−GEMM、BFU−E及びCFU−GMコロニーを形成する能力をアッセイした。結果は、MDS患者におけるアミホスチンの皮下投与が骨髄細胞増殖の誘導に有効であったことを示している。
【0147】
9.実施例:頭頸部癌を有する患者におけるアミホスチンの皮下投与及び放射線療法
9.1 頭頸部癌を有する患者におけるアミホスチンの皮下投与
皮下投与(sc)したアミホスチンの利点は、頭頸部癌患者における皮下投与したアミホスチン及び放射線療法のフェーズII治験の結果を、患者が頭頸部癌に対してIVアミホスチン及び放射線療法を受けた試験結果(Brizel,J Clin Oncol 18:3339−3345,2000)と比較することによって示された。
【0148】
フェーズII試験において、全ての患者は、頭部及び頸部領域の細胞学的に確認された扁平上皮癌に対して放射線療法を受けた。患者は、治療目的での外科手術後に傷が治癒するとすぐに、しかし手術後12週間以内に、試験への参加を許された。患者は少なくとも18才であり、少なくとも12ヶ月の予想生存率を有し、少なくとも70のカルノフスキー動作状態で、遠隔転移性疾患の証拠がなく、少なくとも2000/mmの顆粒球計算値(分葉核及び帯状)及び少なくとも100,000/mmの血小板計算値、2.0mg/dL未満の血清クレアチニン、2.0mg%の全ビリルビン及び正常値の上限の3倍以下のSGOTを有し、40Gyの最小線量を受けた処置領域にそれぞれ少なくとも75%の耳下腺を有し、そして他の研究的治療治験に参加しなかった。
【0149】
患者が耳下腺の初感染巣を有したとき、超分割又は加速放射線療法を受けたとき、過去5年以内に非黒色腫性皮膚癌以外の管理された以前の悪性腫瘍の病歴又は頸のin situ癌腫を有したとき、同時に化学療法を受けていたとき(患者は登録前3週間を超えてこの頭頸部癌に対して化学療法を受けていてもよい)、同時にピロカルピンを使用してたとき、研究に参加する前4週間を超えて調査薬剤で処置されていたとき、患者が研究を終了できなくする一般的又は生理的条件を有したとき、又は有効な産児制限法を用いなければ妊娠する可能性のある女性であったときは、除外された。
【0150】
患者は、放射線療法(25〜35分割線量に対して1.8−2.0Gy/日)の前60分(±15分)に、アミホスチンを2回の250mg皮下注射(それぞれ1.25mL)として腹壁の2箇所に投与を受けた。患者にアミホスチン投与前30分に250ccの液体を経口で与えて、脱水状態にならないか又は血管体積が減少しないことを確保した。患者をアミホスチン投与中、及びアミホスチン投与後10分間、仰臥位に保った。皮下投与前に血圧及び脈拍を得、そして投与後10分に繰り返した。低血圧が生じたときは、これを処置するためにIVを利用できた。患者は必要に応じて、鎮吐剤、抗生物質、血液及び血液製剤の輸液、その他を含む十分な補助的ケアを受けた。予防用の鎮吐剤は投与しなかった。患者が吐き気又は嘔吐を経験したときは、治療前30分にプロクロルペラジンの10mgPO、必要に応じて治療後4〜6時間ごとに反復、又は治療前30分にオンダンセトロンの8mgPO、必要に応じて治療後4時間ごとに反復のいずれかを投与した。
【0151】
放射線療法は、適切な光子及び電子を結節又はコバルト60に増強する線形加速器により与えた。適切な光子エネルギーは、標的体積内の放射線療法線量分布を最適化し、かつ正常細胞への線量を最小限にすることに基づいた。患者を再現可能に動員し、そして放射線遮蔽マーカーを用いて結節病の程度、及び可能な場合は原発腫瘍を詳細に観察した。全ての領域を1分割線量当たり1.8〜2.0Gyで毎日1回、1週間当たり5日で、下記の総線量で処置した:
術後の低危険率患者:50〜60Gy(陰性の腫瘍縁を有する原発性患者、結節陰性、過剰の被膜拡大のない結節陽性);
術後の高危険率患者:60〜66Gy(陽性の腫瘍縁、N2、N3;頸部に何らかの過剰の被膜拡大がある);及び
最終的な照射患者:66〜70Gy。
【0152】
後頸部の結節領域を追加処置することが指示された場合には、これらの領域に対する処置を高めるために電子を用いた。領域を減少させて、脊髄を中央面の40〜46Gyで除外した。しかしながら、頸部全体に、皮膚表面の下で通常2〜4cmに広がったリンパ節の解剖学的レベルで46Gyの最小線量(ステージNであっても)を照射した。陽性頸部結節には、6〜7週間に30〜35分割線量で60Gyの最小線量を与えた。後頸部及び臨床的陽性結節への線量を補うために、陽性頸部の楔計対領域又は傾斜領域への追加電子線(6MeV以上)を増強手法に含めた。最初に、臨床的陰性頸部結節は、深さ3cmで44〜46Gyの最小線量を受けた。
【0153】
9.2 結果
各患者において口内乾燥症をRTOG基準により採点した。55人の患者が登録され、54人が口内乾燥症について評価可能であった。結果を、放射線療法(1.8〜2Gy/日、合計54〜70Gy)前15〜30分に200mg/mのアミホスチンを3分間IV注入して投与したフェーズIII治験からの同様の結果(Brizel,J Clin Oncol 18:3339−3345,2000)と共に、表15に示す。
【表15】
Figure 2004535396
【0154】
急性口内乾燥症、すなわち、RTOGスケールでグレード2以上が、IVアミホスチンを投与したのと同程度の速度で皮下アミホスチンを投与した患者において観察された。しかしながら、SCアミホスチン後にグレード3の低血圧又はグレード3の吐き気/嘔吐は報告されなかった(IVではそれぞれ3%及び7%)。グレード3の汎発性皮膚毒性は患者の13%において生じた(IVでは3%)。この研究の結果は、皮下(SC)アミホスチンが、IVアミホスチンと同様に、放射線誘導口内乾燥症に対して防御し、IVアミホスチンで生じることが知られている副作用を低減又は回避させることを示している。これらのデータは、SCアミホスチンが放射線誘導口内乾燥症と同程度の防御作用を与え、そして頭頸部癌患者においてアミホスチンに関連した吐き気、嘔吐及び低血圧の副作用を低減させることを示している。
【0155】
10.実施例:ラットにおける静脈内又は皮下アミホスチンの粘膜放射線防御の拡大ウインドウ
10.1 実験計画
ラットRTモデルを用いて、IV並びに皮下(SC)投与後のアミホスチンの防御作用を検査し、そしてアミホスチン投与とRTとの間の時間の長さを研究した。これらの実験において、ラットに200mg/kg(1200mg/m)のアミホスチンをIV又はSCで与え、そしてアミホスチン投与後の種々の時点で、それらの頭部及び頸部領域を15.3Gyのガンマ放射線に曝露した。処置後10日間、ラットの体重を量り、そしてラットの口腔を粘膜炎の徴候について検査した。粘膜紅斑及び粘膜浮腫を、それぞれ0〜5及び0〜2によりスコアリングし、全体粘膜炎を示すためにスコアを加えた。
【0156】
10.2 結果
10日後のIVアミホスチンに関する結果を表16にまとめて示す。
【表16】
Figure 2004535396
【0157】
200mg/kg(1200mg/m)において、アミホスチンのSC投与は、放射線療法前4時間までのIV投与と同程度の放射線防御を与えた。
【0158】
本発明は例示した実施形態によってその範囲が限定されるものではなく、これらの実施形態は本発明の個々の態様を説明することを意図するものである。実際に、本明細書に示され、かつ記載された変更に加えて、本発明の種々の変更が、上記の記載及び添付の図面から当業者には明らかであろう。このような変更は、添付する特許請求の範囲の範囲内に属することを意図するものである。
【0159】
本明細書で引用した全ての刊行物は、それらの全体が全ての目的で参照により本明細書に組み入れられる。
【図面の簡単な説明】
【0160】
【図1】図1は、12人の被験者への500mgの皮下注射、500mgの経口溶液、及び200mg/mの静脈内注入(7.5分間)による、薬物投与後0〜240分のアミホスチン(親薬物WR−2721+代謝産物WR−1065)に関する平均全血中濃度−時間曲線のグラフである( iv; --- sc; ―― 経口)。
【図2】図2は、12人の被験者への500mgの皮下注射、及び200mg/mの静脈内注入(7.5分間)による、薬物投与後0〜240分のアミホスチン(親薬物WR−2721)に関する平均血漿濃度−時間曲線のグラフである( iv; --- sc)。
【図3】図3は、12人の被験者への500mgの皮下注射、500mgの経口溶液及び200mg/mの静脈内注入(7.5分間)による、薬物投与後0〜240分の代謝産物(WR−1065)に関する平均血清濃度−時間曲線のグラフである( iv; --- sc; ―― 経口)。
【図4A】図4A及び4Bは、アミホスチン若しくは生理食塩水、及び16.5Gyの照射の単回線量により処置された動物の体重の二つのグラフである。アミホスチンは400mg/kg体重の用量(図4A)、及び200mg/kg体重の用量(図4B)で投与した。
【図4B】図4A及び4Bは、アミホスチン若しくは生理食塩水、及び16.5Gyの照射の単回線量により処置された動物の体重の二つのグラフである。アミホスチンは400mg/kg体重の用量(図4A)、及び200mg/kg体重の用量(図4B)で投与した。
【図5A】図5A及び5Bは、アミホスチン若しくは生理食塩水、及び16.5Gyの照射の単回線量により処置された動物の粘膜紅斑スコアの二つのグラフである。アミホスチンは400mg/kg体重の用量(図5A)、及び200mg/kg体重の用量(図5B)で投与した。
【図5B】図5A及び5Bは、アミホスチン若しくは生理食塩水、及び16.5Gyの照射の単回線量により処置された動物の粘膜紅斑スコアの二つのグラフである。アミホスチンは400mg/kg体重の用量(図5A)、及び200mg/kg体重の用量(図5B)で投与した。
【図6A】図6A及び6Bは、アミホスチン若しくは生理食塩水、及び16.5Gyの照射の単回線量により処置された動物の粘膜水腫スコアの二つのグラフである。アミホスチンは400mg/kg体重の用量(図6A)、及び200mg/kg体重の用量(図6B)で投与した。
【図6B】図6A及び6Bは、アミホスチン若しくは生理食塩水、及び16.5Gyの照射の単回線量により処置された動物の粘膜水腫スコアの二つのグラフである。アミホスチンは400mg/kg体重の用量(図6A)、及び200mg/kg体重の用量(図6B)で投与した。
【図7A】図7A及び7Bは、16.5Gyの照射の単回線量前にアミホスチンにより処置された動物の全体粘膜炎スコアの二つのグラフである。アミホスチンは静脈内(図7A)又は皮下経路(図7B)により200mg/kg体重の用量で投与した。
【図7B】図7A及び7Bは、16.5Gyの照射の単回線量前にアミホスチンにより処置された動物の全体粘膜炎スコアの二つのグラフである。アミホスチンは静脈内(図7A)又は皮下経路(図7B)により200mg/kg体重の用量で投与した。

Claims (60)

  1. 電離放射線と関連した1以上の毒性又はそれらの症状に対して防御する方法であって、その防御を必要とする被験体に対し、該被験体を電離放射線に暴露する少なくとも8時間前に、有効量のアミホスチン、WR−1065又はそれらの組み合わせを皮下投与することを含む、上記方法。
  2. アミホスチン、WR−1065又はそれらの組み合わせを、被験体を電離放射線に暴露する8時間〜約12時間前に投与する、請求項1記載の方法。
  3. 毒性が、神経毒性、腎臓毒性、聴器毒性、心臓毒性、脱毛、不妊、肺毒性、又は腎不全である、請求項1記載の方法。
  4. 毒性が口内乾燥症である、請求項1記載の方法。
  5. 毒性が急性口内乾燥症である、請求項4記載の方法。
  6. 毒性が遅発性口内乾燥症である、請求項4記載の方法。
  7. 毒性が粘膜炎である、請求項1記載の方法。
  8. 毒性が急性粘膜炎である、請求項7記載の方法。
  9. 毒性が遅発性粘膜炎である、請求項7記載の方法。
  10. 投与量が少なくとも約500mgである、請求項1記載の方法。
  11. 投与量が少なくとも約500mg〜1500mgである、請求項10記載の方法。
  12. 化合物を1回以上の分割皮下注射で投与する、請求項1記載の方法。
  13. アミホスチン、WR−1065又はそれらの組み合わせを、アミホスチン、WR−1065又はそれらの組み合わせ、及び薬学的に許容される希釈剤を含む医薬組成物の形態で投与する、請求項1記載の方法。
  14. 希釈剤が通常の生理食塩水である、請求項13記載の方法。
  15. 被験体が哺乳動物である、請求項1記載の方法。
  16. 哺乳動物がヒトである、請求項15記載の方法。
  17. 放射線療法による頭頸部癌の治療方法であって、その治療を必要とする被験体に対し、該被験体を治療に供する少なくとも8時間前に、有効量のアミホスチン、WR−1065又はそれらの組み合わせを皮下投与することを含む、上記方法。
  18. 放射線を、合計線量50〜70Gyについて1分割線量当たり約1.8〜2.0Gyの線量で1日1回照射する、請求項17記載の方法。
  19. 有効投与量が少なくとも約500mgである、請求項17記載の方法。
  20. 投与量が少なくとも約500mg〜1500mgである、請求項19記載の方法。
  21. 投与量が1回以上の分割皮下注射で投与される、請求項17記載の方法。
  22. 化合物を、アミホスチン、WR−1065又はそれらの組み合わせ、及び薬学的に許容される希釈剤を含む医薬組成物の形態で投与する、請求項17記載の方法。
  23. 希釈剤が通常の生理食塩水である、請求項22記載の方法。
  24. 放射線療法により引き起こされる口内乾燥症又は粘膜炎の予防方法であって、その予防を必要とする被験体に対し、該被験体を処置に供する少なくとも8時間前に、有効量のアミホスチン、WR−1065又はそれらの組み合わせを皮下投与することを含む、上記方法。
  25. 患者が癌患者である、請求項24記載の方法。
  26. 癌が頭頸部癌である、請求項25記載の方法。
  27. 投与量が少なくとも約500mgである、請求項24記載の方法。
  28. 投与量が少なくとも約500mg〜1500mgである、請求項27記載の方法。
  29. 投与量が1回以上の分割皮下注射で投与される、請求項24記載の方法。
  30. アミホスチン、WR−1065又はそれらの組み合わせを、アミホスチン、WR−1065又はそれらの組み合わせ、及び薬学的に許容される希釈剤を含む医薬組成物の形態で投与する、請求項24記載の方法。
  31. 希釈剤が通常の生理食塩水である、請求項30記載の方法。
  32. 化学療法と関連した1以上の毒性又はそれらの症状に対して防御する方法であって、その防御を必要とする被験体に対し、該被験体を化学療法に供する少なくとも8時間前に、有効量のアミホスチン、WR−1065又はそれらの組み合わせを皮下投与することを含む、上記方法。
  33. アミホスチン、WR−1065又はそれらの組み合わせを、被験体を化学療法に供する8時間〜約12時間前に投与する、請求項32記載の方法。
  34. 投与量が少なくとも約500mgである、請求項32記載の方法。
  35. 投与量が少なくとも約500mg〜1500mgである、請求項34記載の方法。
  36. 化合物を1回以上の分割皮下注射で投与する、請求項32記載の方法。
  37. アミホスチン、WR−1065又はそれらの組み合わせを、アミホスチン、WR−1065又はそれらの組み合わせ、及び薬学的に許容される希釈剤を含む医薬組成物の形態で投与する、請求項32記載の方法。
  38. 希釈剤が通常の生理食塩水である、請求項37記載の方法。
  39. 被験体が哺乳動物である、請求項32記載の方法。
  40. 哺乳動物がヒトである、請求項39記載の方法。
  41. 癌化学療法による頭頸部癌の治療方法であって、その治療を必要とする被験体に対し、該被験体を治療に供する少なくとも8時間前に、有効量のアミホスチン、WR−1065又はそれらの組み合わせを皮下投与することを含む、上記方法。
  42. 投与量が少なくとも約500mgである、請求項41記載の方法。
  43. 投与量が少なくとも約500mg〜1500mgである、請求項42記載の方法。
  44. 化合物を1回以上の分割皮下注射で投与する、請求項41記載の方法。
  45. アミホスチン、WR−1065又はそれらの組み合わせを、アミホスチン、WR−1065又はそれらの組み合わせ、及び薬学的に許容される希釈剤を含む医薬組成物の形態で投与する、請求項41記載の方法。
  46. 希釈剤が通常の生理食塩水である、請求項45記載の方法。
  47. 癌化学療法により引き起こされる口内乾燥症又は粘膜炎の予防方法であって、その予防を必要とする被験体に対し、該被験体を処置に供する少なくとも8時間前に、有効量のアミホスチン、WR−1065又はそれらの組み合わせを皮下投与することを含む、上記方法。
  48. 投与量が少なくとも約500mgである、請求項47記載の方法。
  49. 投与量が少なくとも約500mg〜1500mgである、請求項48記載の方法。
  50. 投与量が、1回以上の分割皮下注射で投与される、請求項49記載の方法。
  51. アミホスチン、WR−1065又はそれらの組み合わせを、アミホスチン、WR−1065又はそれらの組み合わせ、及び薬学的に許容される希釈剤を含む医薬組成物の形態で投与するものである、請求項49記載の方法。
  52. 希釈剤が通常の生理食塩水である、請求項51記載の方法。
  53. 被験体が哺乳動物である、請求項49記載の方法。
  54. 哺乳動物がヒトである、請求項53記載の方法。
  55. 電離放射線と関連した1以上の毒性又はそれらの症状に対して防御する方法であって、
    その防御を必要とする被験体に対し、該被験体を電離放射線に暴露する少なくとも8時間前に、有効量のアミホスチン、WR−1065又はそれらの組み合わせを皮下投与し、
    その防御を必要とする被験体に対し、該被験体を電離放射線に暴露する前8時間以内に、有効量のアミホスチン、WR−1065又はそれらの組み合わせを皮下投与する、
    ことを含む、上記方法。
  56. 放射線療法による頭頸部癌の治療方法であって、
    その治療を必要とする被験体に対し、該被験体を治療に供する少なくとも8時間前に、有効量のアミホスチン、WR−1065又はそれらの組み合わせを皮下投与し、
    その治療を必要とする被験体に対し、該被験体を電離放射線に暴露する前8時間以内に、有効量のアミホスチン、WR−1065又はそれらの組み合わせを皮下投与する、
    ことを含む、上記方法。
  57. 放射線療法により引き起こされる口内乾燥症又は粘膜炎の予防方法であって、
    その予防を必要とする被験体に対し、該被験体を処置に供する少なくとも8時間前に、有効量のアミホスチン、WR−1065又はそれらの組み合わせを皮下投与し、
    その予防を必要とする被験体に対し、該被験体を処置に供する前8時間以内に、有効量のアミホスチン、WR−1065又はそれらの組み合わせを皮下投与する、
    ことを含む、上記方法。
  58. 化学療法と関連した1以上の毒性又はそれらの症状に対して防御する方法であって、
    その防御を必要とする被験体に対し、該被験体を電離放射線に暴露する前8時間以内に、有効量のアミホスチン、WR−1065又はそれらの組み合わせを皮下投与し、
    その防御を必要とする被験体に対し、該被験体を化学療法に供する8時間より前に、有効量のアミホスチン、WR−1065又はそれらの組み合わせを皮下投与する、
    ことを含む、上記方法。
  59. 癌化学療法による頭頸部癌の治療方法であって、
    その治療を必要とする被験体に対し、該被験体を治療に供する少なくとも8時間前に、有効量のアミホスチン、WR−1065又はそれらの組み合わせを皮下投与し、
    その治療を必要とする被験体に対し、該被験体を電離放射線に暴露する前8時間以内に、有効量のアミホスチン、WR−1065又はそれらの組み合わせを皮下投与する、
    ことを含む、上記方法。
  60. 癌化学療法により引き起こされる口内乾燥症又は粘膜炎の予防方法であって、
    その予防を必要とする被験体に対し、該被験体を処置に供する少なくとも8時間前に、有効量のアミホスチン、WR−1065又はそれらの組み合わせを皮下投与し、
    その予防を必要とする被験体に対し、該被験体を電離放射線に暴露する前8時間以内に、有効量のアミホスチン、WR−1065又はそれらの組み合わせを皮下投与する、
    ことを含む、上記方法。
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