JP2004532632A - 灰色カビ病に対する耐性を示すトマト植物 - Google Patents
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- A01H6/825—Solanum lycopersicum [tomato]
Abstract
Description
【0001】
本発明は、植物の品種改良および分子生物学に関する。より詳しくは、本発明は、ボトリティス・シネレア(Botrytis cinerea)に対して耐性を示すトマト植物、ならびにボトリティス・シネレア(Botrytis cinerea)に対する耐性を有し商業的に望ましい特性を有する新規の同系交配、雑種、無配偶生殖および遺伝子操作トマト植物を開発するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
植物の病気である灰色カビ病(ボトリティス(Botrytis))は真菌ボトリティス・シネレア(Botrytis cinerea)によって引き起こされる。この病気は主にトマトの茎、葉および果実で見られる。灰色カビ病は温室栽培および圃場栽培の両方のトマトで見られるが、温室栽培のトマトにおいて、より蔓延している問題である。灰色カビ病感染においては湿度が最も重要である。該病原体の発芽には、90%を超える相対湿度が必要である(Sherf,A.F.ら,Vegetable Diseases and Their Control,John Wiley & Sons(1986),p.645−647を参照)。霧および多量の露がよく発生する地域は、激しい雨が日常的に降る地域よりも、該病原体の蔓延には理想的である(同誌)。灰色カビ病菌の生育のための最適温度は華氏68度〜華氏76度である。一般的には、華氏77度を超えると感染はまれであるが、保存された感染果実は華氏32度の低温でも腐敗することがある。
【0003】
より古く老化したトマト植物組織は、通常、若い組織よりも灰色カビ病菌による攻撃を受けやすい。典型的には、該疾病は、密集した草冠を有する成熟植物において生じる。葉の病変は薄褐色または灰色の円形斑状に広がり、更に小葉全体を覆うように広がりうる(Disease and Pests of Vegetable Crops in Canada, An Illustrated Compendium,Howard,R.ら編,The Canadian Phytopathological Society,Entomological Society of Canada(1994)を参照)。冒された葉は分生子柄および分生子で覆われ、ついには破れ枯れる(同誌)。該真菌は、病変した葉から茎へと広がり、長さが数ミリから数センチの薄褐色の乾いた病変部を形成する(同誌)。病変は茎上の落葉(deleafing)痕においても生じる(同誌)。茎病変部は灰色のカビで覆われることもある。重症の場合には、感染が茎を覆い尽くし、植物を枯らす。
【0004】
未熟のトマト果実においては、典型的には「ゴーストスポット(ghost spot)」が現れ、これは灰色カビ病の最もよく見られる症状である。この「ゴーストスポット」は、典型的には、小さな褐色の、しばしば盛り上がった壊疽斑点であり、薄い色の輪で囲まれている(同誌)。典型的には、該果実が或る大きさになると、具体的には直径約2.5cmになると、その表面は滑らかで光沢を持つようになり、それは感染に抵抗する傾向にある(同誌)。しかし、該表面に付着した花部から(特に、がくの末端において)も該果実に感染することがあり、その結果、開花部の領域に不均一な褐色病変が生じることに注目すべきである。
【0005】
残念ながら、前記の「ゴーストスポット形成」は熟成果実においても発生することがある。また、成熟果実は、がくの末端から発生する腐敗にも冒されることがある。果実は、感染部位では、水浸状の柔らかな状態になる(同誌)。斑点は不均一であり、直径約3cm以下であり、薄褐色ないしは灰色である。腐敗した果実は最後には植物から落下する。
【0006】
灰色カビ病は、トマトに加えて、アスパラガスおよびレタスのような広範囲の他の野菜作物をも冒す。該疾病は地理上任意の地域の多年生植物上に存在することがあり、条件が最適になると胞子形成が生じる(Compendium of Tomato Diseases,Jonesら編,APS Press(1991)を参照)。分生子は風媒作用を受けやすく、栽培地から他の栽培地へと飛ばされうる(同誌)。さらに、該病原体は、トマトの木質組織上に生じる菌核の形態で何シーズンも生存することが可能である。また、灰色カビ病菌(Botrytis)は非常に効率的な腐生菌であり、土壌中の有機物が該病原体を温存しうる(同誌)。該真菌は該菌核または土壌中の有機物から成長し、地上の落ち葉にも感染することがある(同誌)。
【0007】
温室栽培のトマトに灰色カビ病を発生させないためには、温室の温度と相対湿度を厳密に制御するべきである。典型的には、華氏70度より高い温度および90%より低い湿度が灰色カビ病の発生を防ぐ。また、常に、温室内では、ある程度の換気または強制通風を行うべきである。滴下灌漑または地表水の使用は、葉の乾燥を保ち該病原体の発生を防ぐのに重要である。
【0008】
圃場栽培作物については、該植物が湿っている時間を最小にするために、良好な排水と雑草の防除を行うべきである。さらには、該植物の栄養レベルを高く保つべきである。栄養レベル(特に窒素)が高く保たれた場合には、圃場栽培トマトの感染および損害が低くなるらしいことが判明している(Sherf,A.F.ら,Vegetable Diseases and Their Control, John Wiley & Sons(1986),pgs.645−647を参照)。
【0009】
温室栽培および圃場栽培のどちらのトマトにおいても、灰色カビ病を防除するために殺真菌剤を使用することができる。使用しうるいくつかの殺真菌剤の具体例には、週単位で施用しうるクロロサロニル(Exotherm Termil)、および収穫後のトマト果実に施用しうるDowcide AまたはDCNA(Botyan)が含まれる。
【0010】
現在のところ、灰色カビ病菌による感染に耐性を示すトマト品種は商業的に入手できない。したがって、灰色カビ病に対する耐性を有し更には望ましい商業的特性を示す新規トマト品種が、当技術分野において現在必要とされている。
【発明の開示】
【0011】
発明の概要
1つの実施形態においては、本発明は、灰色カビ病(Botrytis)耐性トマト植物の生産方法に関する。該生産方法は少なくとも、(a)リコペルシコン・エスキュレントゥム(Lycopersicon esculentum)、リコペルシコン・セラシフォルメ(Lycopersicon cerasiforme)、リコペルシコン・ピムピネリフォリウム(Lycopersicon pimpinellifolium)、リコペルシコン・チーズマニイ(Lycopersicon cheesmanii)、リコペルシコン・パルビフロルム(Lycopersicon parviflorum)、リコペルシコン・クミエレウスキィ(Lycopersicon chmielewskii)、リコペルシコン・ヒルストゥム(Lycopersicon hirsutum)、リコペルシコン・ペンネリィ(Lycopersicon pennellii)、リコペルシコン・ペルビアヌム(Lycopersicon peruvianum)、リコペルシコン・チレンセ(Lycopersicon chilense)およびソラヌム・リコペルシコイデス(Solanum lycopersicoides)よりなる群から選ばれる灰色カビ病耐性供与植物を同定し、(b)該灰色カビ病耐性供与植物を、灰色カビ病に対して非耐性であるか又は中間レベルの耐性を有し商業的に望ましい特性を有する受容トマト植物と交配させ、(c)工程bにおける交配からの種子を播き、該種子を植物にまで成長させ、(d)工程cの植物を自殖させ、(e)工程dにおける自殖から得られた種子を播き、植物にまで成長させ、(f)工程eにおける植物から遺伝物質を単離し、灰色カビ病耐性をコードする少なくとも1つの遺伝子に連鎖した第10染色体上の少なくとも1つの領域に連関(associated)した第10染色体由来のひとつまたは複数の分子マーカーでマーカーによる選択を行い、(g)該供与植物から移入されたDNA(該移入DNAは、灰色カビ病耐性をコードする少なくとも1つの遺伝子に連鎖した第10染色体由来の領域を含有する)を含有する植物を同定する工程を含む。好ましくは、該生産方法において使用する受容トマト植物はリコペルシコン・エスキュレントゥム(Lycopersicon esculentum)である。
【0012】
さらにもう1つの実施形態においては、本発明は、前記生産方法による、灰色カビ病耐性トマト植物の生産方法に関する。
【0013】
さらにもう1つの実施形態においては、本発明は、灰色カビ病耐性同系交配トマト植物の生産方法に関する。該生産方法は少なくとも、(a)リコペルシコン・エスキュレントゥム(Lycopersicon esculentum)、リコペルシコン・セラシフォルメ(Lycopersicon cerasiforme)、リコペルシコン・ピムピネリフォリウム(Lycopersicon pimpinellifolium)、リコペルシコン・チーズマニイ(Lycopersicon cheesmanii)、リコペルシコン・パルビフロルム(Lycopersicon parviflorum)、リコペルシコン・クミエレウスキィ(Lycopersicon chmielewskii)、リコペルシコン・ヒルストゥム(Lycopersicon hirsutum)、リコペルシコン・ペンネリィ(Lycopersicon pennellii)、リコペルシコン・ペルビアヌム(Lycopersicon peruvianum)、リコペルシコン・チレンセ(Lycopersicon chilense)およびソラヌム・リコペルシコイデス(Solanum lycopersicoides)よりなる群から選ばれる灰色カビ病耐性供与植物を同定し、(b)該灰色カビ病耐性供与植物を、灰色カビ病に対して非耐性であるか又は中間レベルの耐性を有し商業的に望ましい特性を有する受容トマト植物と交配させ、(c)工程bにおける交配から得られた種子を播き、植物にまで成長させ、(d)工程cにおいて得られた植物を自殖させ、(e)工程dにおける交配から得られた種子を播き、植物にまで成長させ、(f)工程eの植物から遺伝物質を単離し、灰色カビ病耐性をコードする少なくとも1つの遺伝子に連鎖した第10染色体上の少なくとも1つの領域に連関した第10染色体由来のひとつまたは複数の分子マーカーでマーカーによる選択を行い、(g)該供与植物から移入されたDNA(該移入DNAは、灰色カビ病耐性をコードする少なくとも1つの遺伝子に連鎖した第10染色体由来の領域を含有する)を含有する植物を同定し、(h)工程gにおいて同定された植物を自殖させ、(i)工程hにおける自殖から得られた種子を播き、植物にまで成長させ、(j)灰色カビ病耐性を示し商業的に望ましい特性を有する、工程iからの植物を同定し、(k)灰色カビ病耐性を示し商業的に望ましい特性を有する同系交配トマト植物が得られるまで工程h〜jを繰返す工程を含む。
【0014】
さらにもう1つの実施形態においては、本発明は、灰色カビ病耐性同系交配トマト植物の第2の生産方法に関する。該生産方法は、(a)リコペルシコン・エスキュレントゥム(Lycopersicon esculentum)、リコペルシコン・セラシフォルメ(Lycopersicon cerasiforme)、リコペルシコン・ピムピネリフォリウム(Lycopersicon pimpinellifolium)、リコペルシコン・チーズマニイ(Lycopersicon cheesmanii)、リコペルシコン・パルビフロルム(Lycopersicon parviflorum)、リコペルシコン・クミエレウスキィ(Lycopersicon chmielewskii)、リコペルシコン・ヒルストゥム(Lycopersicon hirsutum)、リコペルシコン・ペンネリィ(Lycopersicon pennellii)、リコペルシコン・ペルビアヌム(Lycopersicon peruvianum)、リコペルシコン・チレンセ(Lycopersicon chilense)およびソラヌム・リコペルシコイデス(Solanum lycopersicoides)よりなる群から選ばれる灰色カビ病耐性供与植物を同定し、(b)該灰色カビ病耐性供与植物を、灰色カビ病に対して非耐性であるか又は中間レベルの耐性を有し商業的に望ましい特性を有する受容トマト植物と交配させ、(c)工程bにおける交配から得られた種子を播き、植物にまで成長させ、(d)工程cにおいて得られた植物を、工程bの受容トマト植物と交配させ、(e)工程dにおける交配から得られた種子を播き、植物にまで成長させ、(f)工程eの植物から遺伝物質を単離し、灰色カビ病耐性をコードする少なくとも1つの遺伝子に連鎖した第10染色体上の少なくとも1つの領域に連関した第10染色体由来のひとつまたは複数の分子マーカーでマーカーによる選択を行い、(g)該供与植物から移入されたDNA(該移入DNAは、灰色カビ病耐性をコードする少なくとも1つの遺伝子に連鎖した第10染色体由来の領域を含有する)を含有する植物を同定し、(h)工程gにおいて同定された植物を工程bの受容トマト植物と交配させ、(i)工程hにおける交配から得られた種子を播き、植物にまで成長させ、(j)灰色カビ病耐性を示し商業的に望ましい特性を有する、工程iからの植物を同定し、(k)灰色カビ病耐性を示し商業的に望ましい特性を有する同系交配トマト植物が得られるまで工程h〜jを繰返し、(l)灰色カビ病耐性を示し商業的に望ましい特性を有するトマト植物を自殖させ、(m)灰色カビ病耐性を示し商業的に望ましい特性を有するホモ接合同系交配トマト植物を選択する工程を含む。
【0015】
さらにもう1つの実施形態においては、本発明は、前記生産方法のいずれか1つにより生産された灰色カビ病耐性同系交配トマト植物に関する。
【0016】
さらにもう1つの実施形態においては、本発明は、灰色カビ病に対する耐性を示す雑種トマト植物に関する。そのような雑種トマト植物は、前記生産方法の1つにより生産された同系交配トマト植物を、商業的に望ましい特性を示す同系交配トマト植物と交配させることにより生産することができる。
【0017】
さらにもう1つの実施形態においては、本発明は、灰色カビ病耐性トマト植物の生産方法に関する。該生産方法は少なくとも、(a)リコペルシコン・エスキュレントゥム(Lycopersicon esculentum)、リコペルシコン・セラシフォルメ(Lycopersicon cerasiforme)、リコペルシコン・ピムピネリフォリウム(Lycopersicon pimpinellifolium)、リコペルシコン・チーズマニイ(Lycopersicon cheesmanii)、リコペルシコン・パルビフロルム(Lycopersicon parviflorum)、リコペルシコン・クミエレウスキィ(Lycopersicon chmielewskii)、リコペルシコン・ヒルストゥム(Lycopersicon hirsutum)、リコペルシコン・ペンネリィ(Lycopersicon pennellii)、リコペルシコン・ペルビアヌム(Lycopersicon peruvianum)、リコペルシコン・チレンセ(Lycopersicon chilense)およびソラヌム・リコペルシコイデス(Solanum lycopersicoides)よりなる群から選ばれる灰色カビ病耐性供与植物を同定し、(b)該灰色カビ病耐性供与植物を、灰色カビ病に対して非耐性であるか又は中間レベルの耐性を有し商業的に望ましい特性を有する受容トマト植物と交配させ、(c)工程bにおける交配からの種子を播き、該種子を植物にまで成長させ、(d)工程cの植物を自殖させ、(e)工程dにおける自殖から得られた種子を播き、植物にまで成長させ、(f)病理疾病選別法を用いて、灰色カビ病に対して耐性である植物を同定する工程を含む。好ましくは、該生産方法において使用する受容トマト植物はリコペルシコン・エスキュレントゥム(Lycopersicon esculentum)であり、該供与植物は、灰色カビ病耐性をコードする少なくとも1つの遺伝子に連鎖した第10染色体上のひとつまたは複数の領域を含有する。
【0018】
さらにもう1つの実施形態においては、本発明は、灰色カビ病耐性トマト植物の生産方法に関する。該生産方法は少なくとも、(a)リコペルシコン・エスキュレントゥム(Lycopersicon esculentum)、リコペルシコン・セラシフォルメ(Lycopersicon cerasiforme)、リコペルシコン・ピムピネリフォリウム(Lycopersicon pimpinellifolium)、リコペルシコン・チーズマニイ(Lycopersicon cheesmanii)、リコペルシコン・パルビフロルム(Lycopersicon parviflorum)、リコペルシコン・クミエレウスキィ(Lycopersicon chmielewskii)、リコペルシコン・ヒルストゥム(Lycopersicon hirsutum)、リコペルシコン・ペンネリィ(Lycopersicon pennellii)、リコペルシコン・ペルビアヌム(Lycopersicon peruvianum)、リコペルシコン・チレンセ(Lycopersicon chilense)およびソラヌム・リコペルシコイデス(Solanum lycopersicoides)よりなる群から選ばれる灰色カビ病耐性供与植物を同定し、(b)該灰色カビ病耐性供与植物を、灰色カビ病に対して非耐性であるか又は中間レベルの耐性を有し商業的に望ましい特性を有する受容トマト植物と交配させ、(c)工程bにおける交配からの種子を播き、該種子を植物にまで成長させ、(d)工程cの植物を自殖させ、(e)工程dにおける自殖から得られた種子を播き、植物にまで成長させ、(f)工程eにおいて成長した植物または植物の一部(例えば、葉(切断葉または付着葉)、茎など)に灰色カビ病菌を接種し、(g)灰色カビ病に対して耐性である、工程fにおいて接種された植物を同定する工程を含む。好ましくは、該生産方法において使用する受容トマト植物はリコペルシコン・エスキュレントゥム(Lycopersicon esculentum)であり、該供与植物は、灰色カビ病耐性をコードする少なくとも1つの遺伝子に連鎖した第10染色体上のひとつまたは複数の領域を含有する。
【0019】
さらにもう1つの実施形態においては、本発明は、前記生産方法による、灰色カビ病耐性トマト植物の生産方法に関する。
【0020】
さらにもう1つの実施形態においては、本発明は、灰色カビ病耐性同系交配トマト植物の生産方法に関する。該生産方法は少なくとも、(a)リコペルシコン・エスキュレントゥム(Lycopersicon esculentum)、リコペルシコン・セラシフォルメ(Lycopersicon cerasiforme)、リコペルシコン・ピムピネリフォリウム(Lycopersicon pimpinellifolium)、リコペルシコン・チーズマニイ(Lycopersicon cheesmanii)、リコペルシコン・パルビフロルム(Lycopersicon parviflorum)、リコペルシコン・クミエレウスキィ(Lycopersicon chmielewskii)、リコペルシコン・ヒルストゥム(Lycopersicon hirsutum)、リコペルシコン・ペンネリィ(Lycopersicon pennellii)、リコペルシコン・ペルビアヌム(Lycopersicon peruvianum)、リコペルシコン・チレンセ(Lycopersicon chilense)およびソラヌム・リコペルシコイデス(Solanum lycopersicoides)よりなる群から選ばれる灰色カビ病耐性供与植物を同定し、(b)該灰色カビ病耐性供与植物を、灰色カビ病に対して非耐性であるか又は中間レベルの耐性を有し商業的に望ましい特性を有する受容トマト植物と交配させ、(c)工程bにおける交配から得られた種子を播き、植物にまで成長させ、(d)工程cにおいて得られた植物を自殖させ、(e)工程dにおける交配から得られた種子を播き、植物にまで成長させ、(f)病理選別法を用いて、灰色カビ病に対して耐性である植物を同定し、(g)工程fにおいて同定された植物を自殖させ、(h)工程iにおける自殖から得られた種子を播き、植物にまで成長させ、(i)灰色カビ病耐性を示し商業的に望ましい特性を有する、工程hからの植物を同定し、(j)灰色カビ病耐性を示し商業的に望ましい特性を有する同系交配トマト植物が得られるまで工程h〜iを繰返す工程を含む。
【0021】
さらにもう1つの実施形態においては、本発明は、灰色カビ病耐性同系交配トマト植物の第2の生産方法に関する。該生産方法は、(a)リコペルシコン・エスキュレントゥム(Lycopersicon esculentum)、リコペルシコン・セラシフォルメ(Lycopersicon cerasiforme)、リコペルシコン・ピムピネリフォリウム(Lycopersicon pimpinellifolium)、リコペルシコン・チーズマニイ(Lycopersicon cheesmanii)、リコペルシコン・パルビフロルム(Lycopersicon parviflorum)、リコペルシコン・クミエレウスキィ(Lycopersicon chmielewskii)、リコペルシコン・ヒルストゥム(Lycopersicon hirsutum)、リコペルシコン・ペンネリィ(Lycopersicon pennellii)、リコペルシコン・ペルビアヌム(Lycopersicon peruvianum)、リコペルシコン・チレンセ(Lycopersicon chilense)およびソラヌム・リコペルシコイデス(Solanum lycopersicoides)よりなる群から選ばれる灰色カビ病耐性供与植物を同定し、(b)該灰色カビ病耐性供与植物を、灰色カビ病に対して非耐性であるか又は中間レベルの耐性を有し商業的に望ましい特性を有する受容トマト植物と交配させ、(c)工程bにおける交配から得られた種子を播き、植物にまで成長させ、(d)工程cにおいて得られた植物を工程bの受容植物と交配させ、(e)工程dにおける交配から得られた種子を播き、植物にまで成長させ、(f)病理選別法を用いて、灰色カビ病に対して耐性である植物を同定し、(g)工程fにおいて同定された植物を工程bの受容トマト植物と交配させ、(h)工程gにおける交配から得られた種子を播き、植物にまで成長させ、(i)灰色カビ病耐性を示し商業的に望ましい特性を有する、工程hからの植物を同定し、(j)灰色カビ病耐性を示し商業的に望ましい特性を有する同系交配トマト植物が得られるまで工程g〜iを繰返し、(k)灰色カビ病耐性を示し商業的に望ましい特性を有するトマト植物を自殖させ、(l)灰色カビ病耐性を示し商業的に望ましい特性を有するホモ接合同系交配トマト植物を選択する工程を含む。
【0022】
さらにもう1つの実施形態においては、本発明は、灰色カビ病耐性同系交配トマト植物の第3の生産方法に関する。該生産方法は少なくとも、(a)リコペルシコン・エスキュレントゥム(Lycopersicon esculentum)、リコペルシコン・セラシフォルメ(Lycopersicon cerasiforme)、リコペルシコン・ピムピネリフォリウム(Lycopersicon pimpinellifolium)、リコペルシコン・チーズマニイ(Lycopersicon cheesmanii)、リコペルシコン・パルビフロルム(Lycopersicon parviflorum)、リコペルシコン・クミエレウスキィ(Lycopersicon chmielewskii)、リコペルシコン・ヒルストゥム(Lycopersicon hirsutum)、リコペルシコン・ペンネリィ(Lycopersicon pennellii)、リコペルシコン・ペルビアヌム(Lycopersicon peruvianum)、リコペルシコン・チレンセ(Lycopersicon chilense)およびソラヌム・リコペルシコイデス(Solanum lycopersicoides)よりなる群から選ばれる灰色カビ病耐性供与植物を同定し、(b)該灰色カビ病耐性供与植物を、灰色カビ病に対して非耐性であるか又は中間レベルの耐性を有し商業的に望ましい特性を有する受容トマト植物と交配させ、(c)工程bにおける交配から得られた種子を播き、植物にまで成長させ、(d)工程cにおいて得られた植物を自殖させ、(e)工程dにおける交配から得られた種子を播き、植物にまで成長させ、(f)工程eにおいて成長した植物または植物の一部に灰色カビ病菌を接種し、(g)灰色カビ病に対して耐性である、工程fにおいて接種された植物を同定し、(h)工程gにおいて同定された植物を自殖させ、(i)工程hにおける自殖から得られた種子を播き、植物にまで成長させ、(j)灰色カビ病耐性を示し商業的に望ましい特性を有する、工程iからの植物を同定し、(k)灰色カビ病耐性を示し商業的に望ましい特性を有する同系交配トマト植物が得られるまで工程h〜jを繰返す工程を含む。
【0023】
さらにもう1つの実施形態においては、本発明は、灰色カビ病耐性同系交配トマト植物の第4の生産方法に関する。該生産方法は、(a)リコペルシコン・エスキュレントゥム(Lycopersicon esculentum)、リコペルシコン・セラシフォルメ(Lycopersicon cerasiforme)、リコペルシコン・ピムピネリフォリウム(Lycopersicon pimpinellifolium)、リコペルシコン・チーズマニイ(Lycopersicon cheesmanii)、リコペルシコン・パルビフロルム(Lycopersicon parviflorum)、リコペルシコン・クミエレウスキィ(Lycopersicon chmielewskii)、リコペルシコン・ヒルストゥム(Lycopersicon hirsutum)、リコペルシコン・ペンネリィ(Lycopersicon pennellii)、リコペルシコン・ペルビアヌム(Lycopersicon peruvianum)、リコペルシコン・チレンセ(Lycopersicon chilense)およびソラヌム・リコペルシコイデス(Solanum lycopersicoides)よりなる群から選ばれる灰色カビ病耐性供与植物を同定し、(b)該灰色カビ病耐性供与植物を、灰色カビ病に対して非耐性であるか又は中間レベルの耐性を有し商業的に望ましい特性を有する受容トマト植物と交配させ、(c)工程bにおける交配から得られた種子を播き、植物にまで成長させ、(d)工程cにおいて得られた植物を工程bの受容トマト植物と交配させ、(e)工程dにおける交配から得られた種子を播き、植物にまで成長させ、(f)工程eにおいて成長した植物または植物の一部に灰色カビ病菌を接種し、(g)灰色カビ病に対して耐性である、工程fにおいて接種された植物を同定し、(h)工程gにおいて同定された植物を工程bの受容トマト植物と交配させ、(i)工程hにおける交配から得られた種子を播き、植物にまで成長させ、(j)灰色カビ病耐性を示し商業的に望ましい特性を有する、工程iからの植物を同定し、(k)灰色カビ病耐性を示し商業的に望ましい特性を有する同系交配トマト植物が得られるまで工程h〜jを繰返し、(l)灰色カビ病耐性を示し商業的に望ましい特性を有するトマト植物を自殖させ、(m)灰色カビ病耐性を示し商業的に望ましい特性を有するホモ接合同系交配トマト植物を選択する工程を含む。
【0024】
該生産方法は少なくとも、(a)リコペルシコン・エスキュレントゥム(Lycopersicon esculentum)、リコペルシコン・セラシフォルメ(Lycopersicon cerasiforme)、リコペルシコン・ピムピネリフォリウム(Lycopersicon pimpinellifolium)、リコペルシコン・チーズマニイ(Lycopersicon cheesmanii)、リコペルシコン・パルビフロルム(Lycopersicon parviflorum)、リコペルシコン・クミエレウスキィ(Lycopersicon chmielewskii)、リコペルシコン・ヒルストゥム(Lycopersicon hirsutum)、リコペルシコン・ペンネリィ(Lycopersicon pennellii)、リコペルシコン・ペルビアヌム(Lycopersicon peruvianum)、リコペルシコン・チレンセ(Lycopersicon chilense)およびソラヌム・リコペルシコイデス(Solanum lycopersicoides)よりなる群から選ばれる灰色カビ病耐性供与植物を同定し、(b)該灰色カビ病耐性供与植物を、灰色カビ病に対して非耐性であるか又は中間レベルの耐性を有し商業的に望ましい特性を有する受容トマト植物と交配させ、(c)工程bにおける交配から得られた種子を播き、植物にまで成長させ、(d)工程cにおいて得られた植物を自殖させ、(e)工程dにおける交配から得られた種子を播き、植物にまで成長させ、(f)工程eにおいて成長した植物または植物の一部に灰色カビ病菌を接種し、(g)灰色カビ病に対して耐性である、工程fにおいて接種された植物を同定し、(h)工程gにおいて同定された植物を自殖させ、(i)工程hにおける自殖から得られた種子を播き、植物にまで成長させ、(j)灰色カビ病耐性を示し商業的に望ましい特性を有する、工程iからの植物を同定し、(k)灰色カビ病耐性を示し商業的に望ましい特性を有する同系交配トマト植物が得られるまで工程h〜jを繰返す工程を含む。
【0025】
さらにもう1つの実施形態においては、本発明は、灰色カビ病耐性同系交配トマト植物の第4の生産方法に関する。該生産方法は、(a)リコペルシコン・エスキュレントゥム(Lycopersicon esculentum)、リコペルシコン・セラシフォルメ(Lycopersicon cerasiforme)、リコペルシコン・ピムピネリフォリウム(Lycopersicon pimpinellifolium)、リコペルシコン・チーズマニイ(Lycopersicon cheesmanii)、リコペルシコン・パルビフロルム(Lycopersicon parviflorum)、リコペルシコン・クミエレウスキィ(Lycopersicon chmielewskii)、リコペルシコン・ヒルストゥム(Lycopersicon hirsutum)、リコペルシコン・ペンネリィ(Lycopersicon pennellii)、リコペルシコン・ペルビアヌム(Lycopersicon peruvianum)、リコペルシコン・チレンセ(Lycopersicon chilense)およびソラヌム・リコペルシコイデス(Solanum lycopersicoides)よりなる群から選ばれる灰色カビ病耐性供与植物を同定し、(b)該灰色カビ病耐性供与植物を、灰色カビ病に対して非耐性であるか又は中間レベルの耐性を有し商業的に望ましい特性を有する受容トマト植物と交配させ、(c)工程bにおける交配から得られた種子を播き、植物にまで成長させ、(d)工程cにおいて得られた植物を工程bの受容トマト植物と交配させ、(e)工程dにおける交配から得られた種子を播き、植物にまで成長させ、(f)工程eにおいて成長した植物または植物の一部に灰色カビ病菌を接種し、(g)灰色カビ病に対して耐性である、工程fにおいて接種された植物を同定し、(h)工程gにおいて同定された植物を工程bの受容トマト植物と交配させ、(i)工程hにおける交配から得られた種子を播き、植物にまで成長させ、(j)灰色カビ病耐性を示し商業的に望ましい特性を有する、工程iからの植物を同定し、(k)灰色カビ病耐性を示し商業的に望ましい特性を有する同系交配トマト植物が得られるまで工程h〜jを繰返し、(l)灰色カビ病耐性を示し商業的に望ましい特性を有するトマト植物を自殖させ、(m)灰色カビ病耐性を示し商業的に望ましい特性を有するホモ接合同系交配トマト植物を選択する工程を含む。
【0026】
さらにもう1つの実施形態においては、本発明は、前記生産方法のいずれか1つにより生産された灰色カビ病耐性同系交配トマト植物に関する。
【0027】
さらにもう1つの実施形態においては、本発明は、灰色カビ病に対する耐性を示す雑種トマト植物に関する。そのような雑種トマト植物は、前記生産方法の1つにより生産された同系交配トマト植物を、商業的に望ましい特性を示す同系交配トマト植物と交配させることにより生産することができる。
【0028】
さらにもう1つの実施形態においては、本発明は、灰色カビ病耐性に連関した第10染色体由来の少なくとも1つの遺伝子をゲノム内に含有する灰色カビ病耐性トマト植物に関する。そのような灰色カビ病耐性トマト植物は、リコペルシコン・エスキュレントゥム(Lycopersicon esculentum)、リコペルシコン・セラシフォルメ(Lycopersicon cerasiforme)、リコペルシコン・ピムピネリフォリウム(Lycopersicon pimpinellifolium)、リコペルシコン・チーズマニイ(Lycopersicon cheesmanii)、リコペルシコン・パルビフロルム(Lycopersicon parviflorum)、リコペルシコン・クミエレウスキィ(Lycopersicon chmielewskii)、リコペルシコン・ヒルストゥム(Lycopersicon hirsutum)、リコペルシコン・ペンネリィ(Lycopersicon pennellii)、リコペルシコン・ペルビアヌム(Lycopersicon peruvianum)、リコペルシコン・チレンセ(Lycopersicon chilense)およびソラヌム・リコペルシコイデス(Solanum lycopersicoides)よりなる群から選ばれる。
【0029】
発明の詳細な記載
定義
本明細書中に示す項目名は、本明細書全体を参考にすることにより定められうる本発明の種々の態様または実施形態を限定するものではない。したがって、以下に定義される用語は、本明細書全体を参考にすることにより、より完全に定義される。
【0030】
本発明で用いる「対立遺伝子」なる語は、ひとつまたは複数の選択可能な遺伝子形態のいずれかを意味し、それらの対立遺伝子のすべては、1つの形質または特性に関連している。二倍体の細胞または生物では、ある与えられた遺伝子の2つの対立遺伝子は、一対の相同染色体上の対応遺伝子座を占める。
【0031】
本発明で用いる「灰色カビ病(菌)」なる語は、灰色カビまたは灰色斑としても公知であるボトリティス・シネレア(Botrytis cinerea)を意味し、トマトの茎、葉および果実でよく見られる疾病である。
【0032】
本発明で用いる「ヘテロ接合」なる語は、異なる対立遺伝子が相同染色体上の対応遺伝子座に存在する場合に見られる遺伝子状態を意味する。
【0033】
本発明で用いる「ホモ接合」なる語は、同一の対立遺伝子が相同染色体上の対応遺伝子座に存在する場合に見られる遺伝子状態を意味する。
【0034】
本発明で用いる「雑種(ハイブリッド)」なる語は、2つの遺伝的に異なる個体間の交配により生じた任意の後代を意味する(Rieger,R.,A MichaelisおよびM.M.Green,1968,A Glossary of Genetics and Cytogenetics,Springer−Verlag,N.Y.)。
【0035】
本発明で用いる「同系交配(体)」なる語は、実質的にホモ接合である個体または品種を意味する。
【0036】
本発明で用いる「(遺伝子)移入」なる語は、1つの植物からもう1つの植物への遺伝子の進入または導入を意味する。本発明で用いる「(遺伝子)移入する」なる語は、1つの植物からもう1つの植物へ遺伝子を進入させること又は導入することを意味する.
本発明で用いる「分子マーカー」なる語は、制限断片長多型(RFLP)、増幅断片長多型(AFLP)、一塩基多型(SNP)、マイクロサテライト、SCAR(sequence characterized amplified repeats)またはアイソザイムマーカー、またはさらに特定の遺伝子および染色体の位置を決定する本明細書に記載のマーカーの組合せを意味する。
【0037】
本発明で用いる「植物」なる語は、植物細胞、植物原形質体、トマト植物が再生されうる植物細胞組織培養、植物カルス、植物細胞凝集塊、および植物内の損なわれていない植物細胞、または胚、花粉、胚珠、花、葉、種子、根、根端などのような植物の一部を含む。
【0038】
本発明で用いる「集団」なる語は、共通の遺伝子起源を有する植物の遺伝的に不均質な集まりを意味する。
【0039】
本発明で用いる「制限断片長多型」または「RFLP」なる語は、特異的制限酵素により切断されたDNA断片のサイズにおける個体間の変異を意味する。RFLPを引き起こす配列多型は、物理的地図および遺伝子連鎖地図の両者においてマーカーとして使用される。
【0040】
本発明で用いる「トマト」なる語は、リコペルシコン・エスキュレントゥム(Lycopersicon esculentum)、リコペルシコン・セラシフォルメ(Lycopersicon cerasiforme)、リコペルシコン・ピムピネリフォリウム(Lycopersicon pimpinellifolium)、リコペルシコン・チーズマニイ(Lycopersicon cheesmanii)、リコペルシコン・パルビフロルム(Lycopersicon parviflorum)、リコペルシコン・クミエレウスキィ(Lycopersicon chmielewskii)、リコペルシコン・ヒルストゥム(Lycopersicon hirsutum)、リコペルシコン・ペンネリィ(Lycopersicon pennellii)、リコペルシコン・ペルビアヌム(Lycopersicon peruvianum)、リコペルシコン・チレンセ(Lycopersicon chilense)およびソラヌム・リコペルシコイデス(Solanum lycopersicoides)の任意の品種、栽培品種または集団を意味する。
【0041】
本発明で用いる「品種」または「栽培品種」なる語は、構造的特徴および作物のできばえにより同じ種内の他の品種から識別されうる同様の植物の群を意味する。
【0042】
発明の記載
1つの実施形態においては、本発明は、新規灰色カビ病耐性トマト植物およびトマト系統、ならびに選択的育種技術における本明細書に記載の分子マーカーおよび遺伝子を使用してそれらを生産するための改良された生産方法に関する。より詳しくは、本発明者らは、ある新規灰色カビ病耐性トマト植物を同定した。これらのトマト植物は、灰色カビ病耐性をコードするひとつまたは複数の遺伝子を含有する。これらの遺伝子を含有しないトマト植物は、灰色カビ病による感染に対して感受性がある。好ましくは、灰色カビ病耐性をコードするひとつまたは複数の遺伝子が第10染色体上に位置する。
【0043】
灰色カビ病耐性をコードする少なくとも1つの遺伝子に連鎖した第10染色体上のひとつまたは複数の領域を表す第10染色体上に位置する分子マーカーは、マーカーによる選択方法(これは当技術分野において良く知られた技術である)を用いて同定することができる。灰色カビ病耐性をコードするひとつまたは複数の遺伝子に連鎖した第10染色体上のひとつまたは複数の領域に連鎖していると考えられる第10染色体上の幾つかのマーカーの具体例には、TG313、CT234、TG408、CT20、CT57、TG241、TG233およびCD32Bのうちの少なくとも1つが含まれるが、これらに限定されるものでない(図1を参照)。
【0044】
本明細書に記載の第10染色体上の遺伝子を含有する灰色カビ病耐性トマト植物の起源の1つは、リコペルシコン・ヒルストゥム(Lycopersicon hirsutum)受託番号LA1777である。受託番号LA1777はペルー原産の野生種のトマトであり、C. M. Rick Tomato Genetics Resource Center,Department of Vegetable Crops,University of California,One Shields Avenue,Davis,CA 95616(http://tgic.ucdavis.edu)より公的に入手可能である。灰色カビ病耐性をコードするひとつまたは複数の遺伝子を含有し灰色カビ病耐性を示す他の関連トマト植物を利用することが、本発明によりこの物質が同定されたために可能となった。より詳しくは、2以上の種において、実際には2以上の属において、同じ耐性遺伝子が存在しうることが、当技術分野において公知である[Klinger,J.ら,J.Amer.Soc.Hort.Sci.,126(1):56−63(2001)を参照;この研究において、同じ耐性遺伝子でワタ−メロンアブラムシ(Aphis gossypii Glover)に対する耐性を付与するVatが、メロン生殖質の2つの起源(インド受託番号PI371795および韓国受託番号PI161375)において発見された;さらにGrube,Rら,Genetics,155:873−887(2000)においては、クローニングされたR遺伝子Sw−5、N、Pto、PrfおよびI2のコショウホモログが他のナス科植物のゲノムのシンテニーな位置に見出され、いくつかの場合には、表現型により定められるナス科R.遺伝子の近傍の更なる位置にもマッピングされた]。したがって、関連したトマト種の他の受託物(例えば、以下のものが含まれるが、それらに限定されるものではない)を、灰色カビ病耐性に関して調べることが可能である:リコペルシコン・エスキュレントゥム(Lycopersicon esculentum)、リコペルシコン・セラシフォルメ(Lycopersicon cerasiforme)、リコペルシコン・ピムピネリフォリウム(Lycopersicon pimpinellifolium)、リコペルシコン・チーズマニイ(Lycopersicon cheesmanii)、リコペルシコン・パルビフロルム(Lycopersicon parviflorum)、リコペルシコン・クミエレウスキィ(Lycopersicon chmielewskii)、リコペルシコン・ペンネリィ(Lycopersicon pennellii)、リコペルシコン・ペルビアヌム(Lycopersicon peruvianum)、リコペルシコン・チレンセ(Lycopersicon chilense)およびソラヌム・リコペルシコイデス(Solanum lycopersicoides)。
【0045】
灰色カビ病耐性をコードするひとつまたは複数の遺伝子に連鎖した、第10染色体上のひとつまたは複数の領域に連関していることが確認された分子マーカーを使用して、灰色カビ病耐性をコードするひとつまたは複数の遺伝子を最初の供与植物から受容植物へと移入させることができる。何ら限定するものではないが例えば、前記の遺伝子移入において、RFLPスクリーニング技術を用いることができる。本発明により開発されたトマト植物は、その形質の大部分を受容植物から有利に受け継ぎ、灰色カビ病耐性を最初の供与植物から受け継ぐことが可能である。
【0046】
本発明の1つの態様においては、耐性量的形質座位に連鎖した分子マーカーを同定することにより、灰色カビ病耐性をコードする遺伝子をマッピングする。該マッピングにおいては、表現型を評価するために、灰色カビ病に対して耐性および感受性の同系交配トマト植物の混合体を利用する。そのような系統の分子的特徴づけは、MonforteおよびTanksleyがGenome誌43:803−813(2000)に記載した技術を用いて行うことができる。何ら限定するものではないが例えば、灰色カビ病耐性表現型とマーカー遺伝子型との連関は、ソフトウェアパッケージQGENEを使用する回帰分析により調べることができる(Nelson C.J.,“QGENE:Software for Marker−Based Genomic Analysis and Breeding”Molecular Breeding,3:239−245(1997))。
【0047】
本発明のもう1つの実施形態においては、本発明は、優れた新規灰色カビ病耐性トマト植物の生産方法に関する。本発明の方法においては、灰色カビ病耐性をコードするひとつまたは複数の遺伝子を、灰色カビ病に対して耐性の供与親植物から、灰色カビ病による感染に対して非耐性である受容トマト植物または該感染に対して中間レベルの耐性を有する植物へと移入させる。本発明の方法により生産された灰色カビ病耐性トマト植物は、同系交配、雑種、半数体、無配偶生殖または遺伝子操作トマト植物のいずれかでありうる。
【0048】
灰色カビ病耐性をコードするひとつまたは複数の遺伝子の、灰色カビ病に対して非耐性であるか又は中間レベルの耐性を有する受容トマト植物への移入は、当技術分野で公知の技術を用いて行うことができる。例えば、通常の育種技術、遺伝子操作またはプロトプラスト融合を用いて、灰色カビ病耐性をコードするひとつまたは複数の遺伝子を、灰色カビ病に対して非耐性である受容株トマト植物または灰色カビ病に対して中間レベルの耐性を有する植物へ移入させることができる。
【0049】
前記において簡潔に説明したとおり、灰色カビ病耐性をコードするひとつまたは複数の遺伝子を、灰色カビ病に対して非耐性であるか又は中間レベルの耐性を有する受容トマト植物へ移入させるためには、通常の育種技術を用いることができる。系統育種と称される1つの方法においては、灰色カビ病耐性を示し灰色カビ病耐性をコードするひとつまたは複数の遺伝子を含有する第1トマト植物を、灰色カビ病に対して非耐性であるか又は灰色カビ病に対して中間レベルの耐性を有し商業的に望ましい特性(例えば、耐病性、耐虫性、価値のある果実特性などが挙げられるが、これらに限定されるものではない)を有する第2トマト植物と交配させる。ついで、得られた植物集団(これはF1雑種である)に自家受粉させて播種させる(F2種子)。ついで、該F2種子から成長したF2植物が、灰色カビ病に対し耐性であるものを選別する。該集団は、多種多様な方法により選別することができる。まず第1に、通常の病理疾病選別法を用いて、該集団を選別することができる。そのような病理疾病選別法は当技術分野において公知である。具体的には、個々の植物またはその一部をインキュベーターまたは温室内で灰色カビ病菌で攻撃し、各植物の、生じた耐性または感受性の表現型を評価することができる。何ら限定するものではないが例えば、以下のようにして、植物を温室内で選別することができる。
【0050】
まず第1に、温室内(以後「GH」と称される)でトマト種子を播き、実生にまで成長させる(大体の期間 〜6週間)。1系統ごとにそれぞれ10個の植物を3回反復して、合計30個の植物を評価する。葉、茎、花および果実を、1〜5段階の疾病評価スケール(1=耐性および5=感受性)を使用して別々に評価することができる。播種の10週間後、灰色カビ病菌の分生子懸濁液(1,000,000分生子/ml)を該植物に接種する。茎および果実上の発病を促すために、もう一度接種が必要かもしれない。
【0051】
以下の疾病評価スケール(1=耐性および5=感受性)を使用して、灰色カビ病胞子形成および病変発生について、接種の1週間後に該葉を評価することができる:
1−症状なし。
2−壊死および胞子形成が1〜2枚の葉に認められる。
3−壊死および胞子形成が葉群の10%に認められる。
4−壊死および胞子形成が葉群の20%に認められる。
5−壊死および胞子形成が葉群の20%より多くに認められる。
【0052】
以下の疾病評価スケール(1=耐性および5=感受性)を使用して、灰色カビ病胞子形成および病変発生について、接種の4週間後に該茎を評価することができる:
1−症状なし。
2−茎上の限定的な表面の病変。
3−限定的な胞子形成を伴う直径10mmまでの病変の拡大。
4−直径40mmまでの病変の拡大があり、胞子形成により衰弱。
5−直径40mm超に病変が拡大し、胞子形成により衰弱または茎が完全に病変部に覆われる。
【0053】
以下の疾病評価スケール(1=耐性および5=感受性)を使用して、少なくとも3つの花房が発生した際に、灰色カビ病の発生および胞子形成について該花を評価することができる:
1−症状なし。
2−1つの花房の花の50%未満で落花、壊死および または胞子形成。
3−2以上の花房の花の50%未満で落花、壊死および または胞子形成。
4−2以上の花房の花の50%〜75%で落花、壊死および または胞子形成。
5−すべての花房の花の75%超で落花、壊死および または胞子形成。
【0054】
以下の疾病評価スケール(1=耐性および5=感受性)を使用して、果実の50%が発生の限界期にある際に、灰色カビ病の病変発生について該果実を評価することができる:
1−症状なし。
2−病変は花柄のみ。
3−病変は1つの果実にのみに発生。
4−病変は1つの植物につき、4個以下の果実に発生。
5−病変は1つの植物につき、4個を超える果実に発生。
【0055】
第2に、灰色カビ病をコードする遺伝子の1以上を含有する雑種植物を同定するために、前記の分子マーカーの1以上を使用して、マーカーによる選択を行うことができる。あるいは、該病理選別法により得られた結果を確認するために、マーカーによる選別を行うことができる。
【0056】
灰色カビ病耐性表現型を示すF2雑種植物は、灰色カビ病耐性をコードする必須遺伝子を含有し、商業的に望ましい特性を有する。したがって該F2雑種植物を、何世代にもわたり選択し自殖させて、更に同系交配されたトマト植物を得ることが可能である。この連続的な自殖および選択の過程は、5世代以上にわたり行うことができる。そのような育種および選択の結果、灰色カビ病耐性に関連した遺伝子および商業的に関心が持たれる形質に関連した他の遺伝子に関して遺伝的に均一である系統が得られる。
【0057】
あるいは、反復選択および戻し交配の技術を用いて、新規かつ優れた灰色カビ病耐性同系交配トマト植物系統を開発することができる。この方法においては、標的受容植物(これは反復親と称される)への灰色カビ病耐性の遺伝子移入を、反復親を第1供与植物(これは該反復親とは別物であり、本発明では「非反復親」と称される)と交配させることにより行うことが可能である。反復親は、灰色カビ病に対して非耐性であるか又は中間レベルの耐性を有し商業的に望ましい特性(例えば、耐病性、耐虫性、価値のある果実の特性などが挙げられるが、これらに限定されるものではない)を有する植物である。非反復親は灰色カビ病耐性を示し、灰色カビ病耐性をコードするひとつまたは複数の遺伝子を含有する。非反復親は、反復親と他家受精した任意の植物品種または同系交配系統(同系繁殖系)でありうる。反復親と非反復親との交配により生じた後代を反復親と戻し交配させる。ついで、得られた植物集団を選別する。該集団は多種多様な方法で選別することができる。第1に、本明細書に既に記載されている通常の病理選別法を用いて、該集団を選別することができる。
【0058】
第2に、灰色カビ病耐性をコードする遺伝子の1以上を含有する後代を同定するために、前記分子マーカーの1以上を使用して、マーカーによる選択を行うことができる。あるいは、該病理選別法から得られた結果を確認するために、マーカーによる選択を行うことができる。
【0059】
適当な選択を行ったら、該工程を繰返す。反復親への戻し交配および灰色カビ病耐性のあるものを選択していく工程を約5世代以上にわたって繰返す。この工程によって得られる後代は、灰色カビ病耐性をコードするひとつまたは複数の遺伝子に関してヘテロ接合である。次いで、灰色カビ病耐性のあるホモ接合純粋品種後代を得るために、最後の戻し交配世代を自殖させる。
【0060】
本明細書に記載の灰色カビ病耐性同系交配トマト系統は、灰色カビ病耐性雑種植物を作製するための更なる交配において使用することができる。例えば、第1灰色カビ病耐性同系交配トマト植物を、商業的に望ましい形質(例えば、耐病性、耐虫性、望ましい果実特性などが挙げられるが、これらに限定されるものではない)を有する第2同系交配トマト植物と交配させることができる。この第2同系交配トマト系統は、灰色カビ病に対して耐性であっても耐性でなくてもよい。
【0061】
前記方法において行うマーカーによる選択は、例えば、異なる灰色カビ病耐性遺伝子が2以上の世代において選択されるよう段階的に行うことが可能であり、あるいは、もう1つの例として、すべての耐性遺伝子が同じ世代において選択されるよう同時に行うことが可能である。灰色カビ病耐性に関する、マーカーによる選択は、他の商業的に望ましい形質(例えば、耐病性、耐虫性、望ましい果実特性など)に関する試験および選択の前に、またはそれらと共に、またはそれらの後に行うことができる。
【0062】
さらにもう1つの実施形態においては、本発明は、灰色カビ病耐性をコードするトマト由来のひとつまたは複数の遺伝子の同定、単離および精製に関する。そのような遺伝子が単離されうる材料の1つの起源はリコペルシコン・ヒルストゥム(Lycopersicon hirsutum)受託番号LA1777である。また、本発明は更に、灰色カビ病感染に対して耐性を示すトランスジェニック(形質転換)植物を得るために、当技術分野で公知の技術を用いて、トマトまたは他の植物に、そのような単離および精製された遺伝子を挿入することを意図する。
【0063】
植物の形質転換は、植物細胞内で機能する発現ベクターの構築を含む。本発明においては、そのようなベクターは、プロモーターのような調節要素の制御下にある又はそれに機能しうる形で連結された灰色カビ病耐性をコードする遺伝子を含むDNAを含む。該発現ベクターは、ひとつまたは複数のそのような機能しうる形で連結された遺伝子/調節要素の組合せを含有しうるが、この場合、該組合せに含有される遺伝子の少なくとも1つは灰色カビ病耐性をコードしていなければならない。後記の形質転換の方法を用いて、灰色カビ病に対して耐性であるトランスジェニック植物を得るためには、該ベクターはプラスミドの形態であることが可能であり、単独で又は他のプラスミドと組合せて使用することが可能である。
【0064】
発現ベクターは少なくとも1つの遺伝マーカーを含有することが可能であり、該遺伝マーカーは、該マーカーを有する形質転換細胞が負の選択(該選択マーカー遺伝子を含有しない細胞の増殖を抑制することによる)または正の選択(該遺伝マーカーにコードされる産物に関してスクリーニングすることによる)により回収されることを可能にする調節要素(例えばプロモーター)に機能しうる形で連結されている。植物の形質転換のために一般に使用される多数の選択マーカー遺伝子が当技術分野において公知であり、それらには、例えば、選択的化学物質(それは抗生物質または除草剤でありうる)を代謝的に解毒する酵素をコードする遺伝子、またはインヒビターに対して非感受性である改変された標的をコードする遺伝子が含まれる。マンノース選択のような幾つかの正の選択方法が当技術分野で公知である。あるいは、マーカーを使用しない形質転換を用いることも可能であり、その技術は当技術分野で公知である。
【0065】
植物の形質転換のために一般に使用される選択マーカー遺伝子の一例としては、ある植物調節シグナルの制御下に配置された場合にカナマイシン耐性を付与する、トランスポゾンTn5から単離されたネオマイシンホスホトランスフェラーゼII(nptII)遺伝子(Fraleyら,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A,80:4803(1983)を参照)が挙げられる。もう1つの一般に使用される選択マーカー遺伝子としては、抗生物質ヒグロマイシンに対する耐性を付与するヒグロマイシンホスホトランスフェラーゼ遺伝子(Vanden Elzenら,Plant Mol.Biol.,5:299(1985)を参照)が挙げられる。使用されうる他の選択マーカーの具体例には、β−グルクロニダーゼ(GUS)、β−ガラクトシダーゼ、ルシフェラーゼおよびクロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼが含まれる。
【0066】
発現ベクターは、プロモーターのような調節要素を含むヌクレオチド配列により駆動しなければならない。プロモーターの幾つかの型は当技術分野でよく知られており、単独で又はプロモーターと組合せて使用されうる他の調節要素も当技術分野でよく知られている。本発明で用いる「プロモーター」なる語は、RNAポリメラーゼおよび転写を開始させる他のタンパク質の認識および結合に関与し転写の開始点の上流に存在するDNAの領域に対する言及を含む。「植物プロモーター」は、植物細胞において転写を開始させうるプロモーターである。発生制御下のプロモーターの具体例には、葉、根、種子、繊維、道管、仮道管または厚壁組織のような或る組織において転写を優先的に開始させるプロモーターが含まれる。そのようなプロモーターは「組織優先的」と称される。ある組織においてのみ転写を開始させるプロモーターは「組織特異的」と称される。「細胞型」特異的プロモーターは、主として、ひとつまたは複数の器官における或る細胞型(例えば、根または葉における維管束細胞)において発現を駆動する。「誘導性」プロモーターは、環境制御下にあるプロモーターである。誘導性プロモーターによる転写に影響を及ぼしうる環境条件の具体例には、嫌気的条件または光の存在が含まれる。組織特異的、組織優先的、細胞型特異的および誘導性プロモーターは「非構成的」プロモーターのクラスを形成する。「構成的」プロモーターは、ほとんどの環境条件下で活性であるプロモーターである。
【0067】
誘導性プロモーターは、トマトにおける発現のために、灰色カビ病耐性をコードする単離され精製された遺伝子に機能しうる形で連結される。誘導性プロモーターを用いると、誘導因子に応答して転写率が増加する。任意の誘導性プロモーターを本発明で使用することができる。
【0068】
構成的プロモーターは、トマトにおける発現のために、灰色カビ病耐性をコードする単離され精製された遺伝子に機能しうる形で連結されうる。いくつかの異なる構成的プロモーターが当技術分野で公知であり、本発明において使用することができる。本発明で使用されうる構成的プロモーターの一例には、CaMV由来の19Sまたは35Sプロモーター(Odelら,Nature,313:810−812(1985)を参照)のような植物ウィルス由来のプロモーターが含まれるが、これらに限定されるものではない。
【0069】
組織特異的プロモーターは、トマトにおける発現のために、灰色カビ病耐性をコードする単離され精製された遺伝子に機能しうる形で連結される。灰色カビ病耐性をコードし組織特異的プロモーターに機能しうる形で連結された単離され精製された遺伝子で形質転換された植物は、特異的組織において、トランスジーンのタンパク質産物を独占的または優先的に産生する。
【0070】
任意の組織特異的または組織優先的プロモーターを本発明で使用することができる。典型的な組織特異的または組織優先的プロモーターには、cabまたはrubisco由来のプロモーターである葉特異的および光誘導性プロモーター(Simpsonら,EMBO J.,4(11):2723−2729(1985)およびTimkoら,Nature,318:579−582(1985)を参照)が含まれるが、これらに限定されるものではない。
【0071】
生物学的および物理的植物形質転換プロトコールを含む、植物形質転換のための多数の方法が開発されている。例えば、Mikiら,“Procedures for Introducing Foreign DNA into Plants”in Methods in Plant Molecular Biology and Biotechnology、Glick,B.R.およびThompson,J.E.編(CRC Press,Inc.,Boca Raton,1993)p.67−88を参照。また、植物の細胞または組織の形質転換および植物の再生のためのインビトロ培養方法および発現ベクターが利用可能である(Gruberら,“Vectors for Plant Transformation”in Methods in Plant Molecular Biology and Biotechnology,Glick,B.R.およびThompson,J.E.編(CRC Press,Inc.,Boca Raton,1993)p.89−119を参照)。
【0072】
植物に発現ベクターを導入するための1つの方法は、アグロバクテリウム(Agrobacterium)の天然形質転換系に基づいている(Horschら,Science,227:1229(1985)を参照)。エイ・ツメファシエンス(A.Tumefaciens)およびエイ・リゾゲネス(A.rhizogenes)は、植物細胞を遺伝的に形質転換する植物病原性土壌細菌である。エイ・ツメファシエンス(A.Tumefaciens)およびエイ・リゾゲネス(A.rhizogenes)のそれぞれTiプラスミドおよびRiプラスミドは、植物の遺伝的形質転換を引き起こす遺伝子を運ぶ(Kado,C.I.,Crit.Rev.Plant.Sci.,10:1(1991)を参照)。アグロバクテリウム(Agrobacterium)ベクター系およびアグロバクテリウム媒介遺伝子導入方法の説明は、Gurberら(前掲)、Mikiら(前掲)およびMoloneyら編、Plant Cell Reports 8:238(1989)になされている。また、1997年1月7日付け発行の米国特許第5,591,616号も参照。
【0073】
発現ベクターを植物に導入するためのもう1つの方法は、DNAが微小発射体の表面に乗って運ばれる微小発射体媒介形質転換に基づくものである。植物細胞壁および細胞膜を貫くのに十分な300〜600m/sの速度に微小発射体を加速するバイオリスティック(biolistic)装置を用いて、発現ベクターを植物組織内に導入する(Sanfordら,Part.Sci.Technol.5:27(1987),Sanford,J.C.,Trends Biotech,.6:299(1988),Kleinら,Bio/Technology,6:559−563(1988),Sanford,J.C.,Physiol Plant,79:206(1990),Kleinら,Biotechnology,10:268(1992)を参照)。
【0074】
DNAを植物に導入するためのもう1つの方法は、標的細胞の超音波処理によるものである(Zhangら,Bio/Technology,9:996(1991)を参照)。あるいは、発現ベクターを植物内に導入するためにリポソームまたはスフェロプラスト融合が用いられている(Deshayesら,EMBO J.,4:2731(1985),Christouら,Proc Natl.Acad.Sci.U.S.A,84:3962(1987)を参照)。CaCl2沈殿、ポリビニルアルコールまたはポリ−L−オルニチンを使用したプロトプラスト内へのDNAの直接取り込みも報告されている(Hainら,Mol.Gen.Genet.,199:161(1985)およびDraperら,Plant Cell Physiol.,23:451(1982)を参照)。プロトプラストならびに全細胞および組織のエレクトロポレーションも記載されている(Donnら,In abstracts of VIIth International congress on Plant Cell and Tissue Culture IAPTC,A2−38,p 53(1990);D’Halluinら,Plant Cell,4:1495−1505(1992)およびSpencerら,Plant Mol.Biol.,24:51−61(1994))。
【0075】
トマト標的細胞の形質転換の後、今や当技術分野ではよく知られている再生および選択方法を用いて、前記選択的マーカー遺伝子の発現が、形質転換された細胞、組織および/または植物の優先的な選択を可能にする。
【0076】
形質転換のための既に記載されている方法は、灰色カビ病耐性をコードする外来(異種)遺伝子を含有するトランスジェニックトマト植物または他の植物種、例えば、野菜(すなわち、アスパラガス、レタスなど)、果物(すなわち、イチゴ)または観賞植物(すなわち、アフリカスミレ、ベゴニア、ブーゲンビレア、シクラメン、ダリア、ゼラニウム、ブッソウゲ、ツリフネソウ、カランコエ、観賞用コショウ、エクサクム、プリムローズ、ポインセチヤ、バーベナ、ニチニチソウなど)(これらに限定されるものでない)を生産するために用いることが可能であろう。ついで、そのようなトランスジェニック植物を、もう1つの(未形質転換または形質転換)植物と交配させて、灰色カビ病感染に対して耐性であるトマトまたは他の植物種のトランスジェニック雑種を生産することが可能である。あるいは、灰色カビ病耐性をコードする外来(異種)遺伝子を含有するよう本明細書に記載の形質転換技術により操作されたトランスジェニックトマトまたは他の植物種における灰色カビ病耐性外来(異種)遺伝子を、当技術分野でよく知られた通常の育種技術(例えば、戻し交配)を用いて、もう1つの植物内に移入することが可能であろう。例えば、本明細書で既に記載されているように、灰色カビ病耐性をコードする外来(異種)遺伝子を含有するトランスジェニック灰色カビ病耐性同系交配トマトまたは他の植物系統から、その遺伝子を有しない非耐性のトマト植物または他の作物へ、あるいは、灰色カビ病耐性をコードする外来遺伝子を含有するトランスジェニック雑種灰色カビ病耐性トマト植物または他の植物から、その遺伝子を含有しない系統へ、灰色カビ病耐性を遺伝子移入させるために、戻し交配を用いることが可能であろう。
【0077】
もう1つの実施形態においては、優れた新規灰色カビ病耐性植物を作製するために、プロトプラスト融合を用いることができる。より詳しくは、灰色カビ病菌による感染に耐性を示し本明細書に記載の遺伝子を含有するトマト植物または他の植物系統から、第1のプロトプラストを得ることができる。例えば、リコペルシコン・ヒルストゥム(Lycopersicon hirsutum)受託番号LA1777由来のプロトプラストを使用することができる。商業的に望ましい特性(例えば、耐病性、耐虫性、有益な果実特性などが挙げられるが、これらに限定されるものではない)を含有する第2のトマトまたは他の植物品種から、第2のプロトプラストを得ることができる。ついで、当技術分野で公知の通常のプロトプラスト融合法を用いて、それらのプロトプラストを融合する。例えば、膜の融合を促進するためにポリエチレングリコール(PEG)溶液を使用することにより、プロトプラスト融合を行うことが可能である。そのような体細胞交雑(体細胞ハイブリダイセーション)は、種間雑種の生産のためのSundbergら(Plant Science,43:155(1986))により公開された条件下またはその修飾条件下で達成されうる。しかし、ポリエチレングリコール(PEG)の使用以外の他の方法によりプロトプラスト融合が達成されうることが、当業者に認識されているであろう。例えば、Koopら,“Electric Field−Induced Fusion and Cell Reconstruction−with Preselected Single Protoplasts and Subprotoplasts of Higher Plants”in Electroporation and Electrofusion in Cell Biology,Neumanら編,p.355−265(1989)に記載の電場誘発性融合技術を用いて、プロトプラストを融合することができる。さらに、Hauptmannら,“Carrot x Tobacco Somatic Cell Hybrids Selected by Amino Acid Analog Resistance Complementation”,6th International Protoplast Symposium,Basel,Switzerland,Aug.12−16,1983に記載のとおり、デキストランおよびポリビニルアルコールを使用してプロトプラスト融合を行うことができる。
【0078】
もう1つの実施形態においては、本発明は、トマト植物またはトマト種子中の灰色カビ病耐性の存在または非存在を判定するための方法を提供する。これらの方法は、灰色カビ病耐性をコードする少なくとも1つの遺伝子に連鎖した染色体上の少なくとも1つの領域に連関したひとつまたは複数の分子マーカーの存在に関して、植物または種子由来のDNAを分析することを含む。さらに詳しくは、該分子マーカーは好ましくは第10染色体由来であり、灰色カビ病耐性をコードする少なくとも1つの遺伝子に連鎖した第10染色体上のひとつまたは複数の領域を同定するために使用される。そのようなマーカーの具体例には、以下のものの少なくとも1つが含まれるが、それらに限定されるものではない:第10染色体上のTG313、CT234、TG408、CT20、CT57、TG241、TG233およびCD32B。この方法においては、該分析は、RFLP分析により該トマト植物または種子を分析することを含む。
【0079】
もう1つの実施形態においては、本発明は、前記方法に従い生産された種子、植物および/または植物系統に関する。さらに詳しくは、本発明は、第1植物系統からの第1ゲノムDNA(該第1ゲノムDNAは該植物系統に灰色カビ病耐性を付与する)と第2植物系統からの第2ゲノムDNA(該第2ゲノムDNAは該植物系統に他の望ましい形質を付与する)とを含む、選択的育種により得られた灰色カビ病耐性トマト植物または植物系統、例えば、野菜(すなわち、アスパラガス、レタスなど)、果物(すなわち、イチゴ)または観賞植物(すなわち、アフリカスミレ、ベゴニア、ブーゲンビレア、シクラメン、ダリア、ゼラニウム、ブッソウゲ、ツリフネソウ、カランコエ、観賞用コショウ、エクサクム、プリムローズ、ポインセチヤ、バーベナ、ニチニチソウなど)(これらに限定されるものでない)に関する。本発明のこの態様では、トマトにおいては、第1ゲノムDNA量は、灰色カビ病耐性をコードする少なくとも1つの遺伝子に連鎖した第10染色体上の少なくとも1つの領域に連関した第10染色体由来の分子マーカーを含む。より詳しくは、トマトにおいては、該分子マーカーは、第10染色体上のTG313、CT234、TG408、CT20、CT57、TG241、TG233およびCD32Bの少なくとも1つを含むが、これらに限定されるものではない。
【0080】
限定的でない例示として、本発明の実施例を以下に記載する。
【実施例1】
【0081】
Lycopersicon hirsutum × L.esculentum準同質遺伝子系統における灰色カビ病耐性
温室条件下で耐性を評価するために、2000年に、以下のリコペルシコン・ヒルストゥム(Lycopersicon hirsutum)×リコペルシコン・エスキュレントゥム(L.esculentum)準同質遺伝子系統(以後「NIL」と称される)の種子をイタリアのLatinaへ送った。種子を移植トレイ中の土壌に播き、20℃〜24℃の温室内で約6週間成長させた。具体的には、該種子は、以下の系統に由来するものであった:LA1777、TA1551、TA1330、TA1276、TA1105、TA1277、TA1287、TA1541、TA1324、TA517、TA1266、TA1544、TA1316、TA1539、TA1121、TA1112、TA1545、TA1562、TA1258、TA1304、TA1280、TA1548、TA1127、TA1535、TA1540およびE6203。それらの系統のすべては、the C.M.Rick Tomato Genetics Resource Center,Department of Vegetable Crops,University of California,One Shields Avenue,Davis,CA 95616(http://tgrc.ucdavis.edu)から公的に入手可能である。
【0082】
播種の約6週間後、実生を温室(以後「GH」と称される)に移植した。1系統ごとにそれぞれ10本の植物を3回反復して、合計30本の植物を評価した。葉および茎を、1〜5段階の疾病評価スケール(1=耐性および5=感受性)を使用して別々に評価した。
【0083】
移植の4週間後、ボトリティス・シネレア(Botrytis cinerea)の分生子懸濁液(1,000,000分生子/ml)を該植物に接種した。最初の接種の5週間後、茎上の発病を促すために、もう一度接種を行った。
【0084】
以下の疾病評価スケール(1=耐性および5=感受性)を使用して、ボトリティス・シネレア(Botrytis cinerea)の胞子形成および病変発生について、接種の1週間後に該葉を評価した:
1−症状なし。
2−壊死および胞子形成が1〜2枚の葉に認められる。
3−壊死および胞子形成が葉群の10%に認められる。
4−壊死および胞子形成が葉群の20%に認められる。
5−壊死および胞子形成が葉群の20%より多くに認められる。
【0085】
以下の疾病評価スケール(1=耐性および5=感受性)を使用して、ボトリティス・シネレア(Botrytis cinerea)の胞子形成および病変発生について、接種の4週間後に該茎を評価した:
1−症状なし。
2−茎上の限定的な表面の病変。
3−限定的な胞子形成を伴う直径10mmまでの病変の拡大。
4−直径40mmまでの病変の拡大があり、胞子形成により衰弱。
5−直径40mm超に病変が拡大し、胞子形成により衰弱または茎が完全に病変部に覆われる。
【0086】
以下の表1および2は、ボトリティス・シネレア(Botrytis cinerea)による感染に対するリコペルシコン・ヒルストゥム(L.hirsutum)由来の種々の遺伝子移入断片を含有するリコペルシコン・エスキュレントゥム(L.esculentum)準同質遺伝子系統からの葉および茎の疾病評価を示す。
【0087】
【表1】
【0088】
【表2】
系統TA1551において葉(p=0.065)および茎(p=0.009)の両者で観察された耐性のレベルは、それが、その親系統であるE6203より有意に耐性であることを示している(表1および表2を参照)。
【0089】
系統TA1551は、リコペルシコン・ヒルストゥム(L.hirsutum)の第10染色体由来の遺伝子移入セグメントを含有する(図1を参照)。
【0090】
灰色カビ病に対する耐性を付与するQTLが位置する第10染色体上の特異的領域の位置を決定するために、Qgene統計パッケージを使用して、第10染色体RFLPマーカーと灰色カビ病耐性との間の連関を評価した。統計的に有意であり灰色カビ病耐性に連関していたRFLPマーカーを、以下の表3および4に示す。
【0091】
【表3】
【0092】
【表4】
【実施例2】
【0093】
Lycopersicon hirsutum × L.esculentum準同質遺伝子系統における灰色カビ病耐性
温室条件下で耐性を評価するために、2001年に、以下のリコペルシコン・ヒルストゥム(Lycopersicon hirsutum)×リコペルシコン・エスキュレントゥム(L.esculentum)準同質遺伝子系統の種子をイタリアのLatinaへ送った。種子を移植トレイ中の土壌に播き、20℃〜24℃の温室内で約6週間成長させた。具体的には、該種子は、以下の系統に由来するものであった:LA1777、TA1551、TA1551−F1、TA1339、E6203およびMax。TA1551−F1およびMax以外のそれらの系統は、the C.M.Rick Tomato Genetics Resource Center,Department of Vegetable Crops,University of California,One Shields Avenue,Davis,CA 95616(http://tgrc.ucdavis.edu)から公的に入手可能である。
【0094】
播種の約6週間後、実生を温室に移植した。1系統ごとにそれぞれ10本の植物を3回反復して、合計30本の植物を評価した。葉および茎、花および果実を、1〜5段階の疾病評価スケール(1=耐性および5=感受性)を使用して別々に評価した。
【0095】
移植の4週間後、ボトリティス・シネレア(Botrytis cinerea)の分生子懸濁液(1,000,000分生子/ml)を該植物に接種した。最初の接種の5週間後、茎および果実上の発病を促すために、もう一度接種を行った。
【0096】
以下の疾病評価スケール(1=耐性および5=感受性)を使用して、ボトリティス・シネレア(Botrytis cinerea)の胞子形成および病変発生について、接種の1週間後に該葉を評価した:
1−症状なし。
2−壊死および胞子形成が1〜2枚の葉に認められる。
3−壊死および胞子形成が葉群の10%に認められる。
4−壊死および胞子形成が葉群の20%に認められる。
5−壊死および胞子形成が葉群の20%より多くに認められる。
【0097】
以下の疾病評価スケール(1=耐性および5=感受性)を使用して、ボトリティス・シネレア(Botrytis cinerea)の胞子形成および病変発生について、接種の4週間後に該茎を評価した:
1−症状なし。
2−茎上の限定的な表面の病変。
3−限定的な胞子形成を伴う直径10mmまでの病変の拡大。
4−直径40mmまでの病変の拡大があり、胞子形成により衰弱。
5−直径40mm超に病変が拡大し、胞子形成により衰弱または茎が完全に病変部に覆われる。
【0098】
以下の疾病評価スケール(1=耐性および5=感受性)を使用して、少なくとも3つの花房が発生した際に、ボトリティス・シネレア(Botrytis cinerea)の発生および胞子形成について該花を評価した:
1−症状なし。
2−1つの花房の花の50%未満で落花、壊死および または胞子形成。
3−2以上の花房の花の50%未満で落花、壊死および または胞子形成。
4−2以上の花房の花の50%〜75%で落花、壊死および または胞子形成。
5−すべての花房の花の75%超で落花、壊死および または胞子形成。
【0099】
以下の疾病評価スケール(1=耐性および5=感受性)を使用して、果実の50%が発生の限界期にある際に、ボトリティス・シネレア(Botrytis cinerea)の病変発生について該果実を評価した:
1−症状なし。
2−病変は花柄のみ。
3−病変は1つの果実にのみに発生。
4−病変は1つの植物につき、4個以下の果実に発生。
5−病変は1つの植物につき、4個を超える果実に発生。
【0100】
以下の表5は、ボトリティス・シネレア(Botrytis cinerea)による感染に対するリコペルシコン・ヒルストゥム(L.hirsutum)由来の遺伝子移入断片を含有するリコペルシコン・エスキュレントゥム(L.esculentum)準同質遺伝子系統からの葉、茎、花および果実の疾病評価を示す。
【0101】
【表5】
系統TA1551において葉(p=0.01)、茎(p=0.00)、花(p=0.01)および果実(p=0.01)で観察された耐性のレベルは、それが、その親系統であるE6203より有意に耐性であることを示している(表5を参照)。
【0102】
また、TA1339系統は、平均葉(p=0.07)および茎(p=0.06)スコアに関しては、感受性であるE6203より軽い発病(α0.1において有意)を示した。
【0103】
系統TA1551およびTA1339は、リコペルシコン・ヒルストゥム(L.hirsutum)の第10染色体由来の遺伝子移入セグメントを含有する(図1を参照)。
【0104】
灰色カビ病に対する耐性を付与するQTLが位置する第10染色体上の特異的領域の位置を決定するために、Qgene統計パッケージを使用して、第10染色体RFLPマーカーと灰色カビ病耐性との間の連関を評価した。統計的に有意であり灰色カビ病耐性に連関していたRFLPマーカーを、以下の表6〜8に示す。
【0105】
【表6】
【0106】
【表7】
【0107】
【表8】
【0108】
本明細書において言及されているすべての抄録、参考文献、特許および公開された特許出願を、参照により本明細書に組み入れることとする。
【0109】
本発明は、前記の説明および実施例により例示される。前記の説明を考慮して多数の変化が当業者に明らかとなるため、前記の説明は非限定的な例示であるとみなされる。
【0110】
本発明の概念および範囲から逸脱することなく、本明細書に記載の本発明の方法の組成、操作および配置に対して変更を施すことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0111】
【図1】図1は、トマトにおける第10染色体の分子マーカー地図である。
Claims (38)
- a.リコペルシコン・エスキュレントゥム(Lycopersicon esculentum)、リコペルシコン・セラシフォルメ(Lycopersicon cerasiforme)、リコペルシコン・ピムピネリフォリウム(Lycopersicon pimpinellifolium)、リコペルシコン・チーズマニイ(Lycopersicon cheesmanii)、リコペルシコン・パルビフロルム(Lycopersicon parviflorum)、リコペルシコン・クミエレウスキィ(Lycopersicon chmielewskii)、リコペルシコン・ヒルストゥム(Lycopersicon hirsutum)、リコペルシコン・ペンネリィ(Lycopersicon pennellii)、リコペルシコン・ペルビアヌム(Lycopersicon peruvianum)、リコペルシコン・チレンセ(Lycopersicon chilense)およびソラヌム・リコペルシコイデス(Solanum lycopersicoides)よりなる群から選ばれる灰色カビ病(Botrytis)耐性供与植物を同定し、
b.工程aからの灰色カビ病耐性植物を、灰色カビ病に対して非耐性であるか又は中間レベルの耐性を有し商業的に望ましい特性を有する受容トマト植物と交配させ、
c.工程bにおける交配から得られた種子を播き、植物にまで成長させ、
d.工程cの植物を自殖させ、
e.工程dにおける自殖から得られた種子を播き、植物にまで成長させ、
f.工程eの植物から遺伝物質を単離し、灰色カビ病耐性をコードする少なくとも1つの遺伝子に連鎖した第10染色体上の少なくとも1つの領域に連関した第10染色体由来のひとつまたは複数の分子マーカーでマーカーによる選択を行い、
g.該供与植物から移入されたDNA(該移入DNAは、灰色カビ病耐性をコードする少なくとも1つの遺伝子に連鎖した第10染色体由来の領域を含有する)を含有する植物を同定する工程を含んでなる、灰色カビ病耐性トマト植物の生産方法。 - 該受容トマト植物がリコペルシコン・エスキュレントゥム(Lycopersicon esculentum)である、請求項1記載の生産方法。
- 請求項1記載の生産方法により生産された、灰色カビ病(Botrytis)に対する耐性を示すトマト植物。
- a.リコペルシコン・エスキュレントゥム(Lycopersicon esculentum)、リコペルシコン・セラシフォルメ(Lycopersicon cerasiforme)、リコペルシコン・ピムピネリフォリウム(Lycopersicon pimpinellifolium)、リコペルシコン・チーズマニイ(Lycopersicon cheesmanii)、リコペルシコン・パルビフロルム(Lycopersicon parviflorum)、リコペルシコン・クミエレウスキィ(Lycopersicon chmielewskii)、リコペルシコン・ヒルストゥム(Lycopersicon hirsutum)、リコペルシコン・ペンネリィ(Lycopersicon pennellii)、リコペルシコン・ペルビアヌム(Lycopersicon peruvianum)、リコペルシコン・チレンセ(Lycopersicon chilense)およびソラヌム・リコペルシコイデス(Solanum lycopersicoides)よりなる群から選ばれる灰色カビ病(Botrytis)耐性供与植物を同定し、
b.工程aからの灰色カビ病耐性植物を、灰色カビ病に対して非耐性であるか又は中間レベルの耐性を有し商業的に望ましい特性を有する受容トマト植物と交配させ、
c.工程bにおける交配から得られた種子を播き、植物にまで成長させ、
d.工程cの植物を自殖させ、
e.工程dにおける自殖から得られた種子を播き、植物にまで成長させ、
f.工程eの植物から遺伝物質を単離し、灰色カビ病耐性をコードする少なくとも1つの遺伝子に連鎖した第10染色体上の少なくとも1つの領域に連関した第10染色体由来のひとつまたは複数の分子マーカーでマーカーによる選択を行い、
g.該供与植物から移入されたDNA(該移入DNAは、灰色カビ病耐性をコードする少なくとも1つの遺伝子に連鎖した第10染色体由来の領域を含有する)を含有する植物を同定する工程を含んでなる、商業的に望ましい特性を有する灰色カビ病耐性トマト植物の生産方法。 - 該受容トマト植物がリコペルシコン・エスキュレントゥム(Lycopersicon esculentum)である、請求項4記載の生産方法。
- 請求項4記載の生産方法により生産された、灰色カビ病(Botrytis)に対する耐性を示すトマト植物。
- a.リコペルシコン・エスキュレントゥム(Lycopersicon esculentum)、リコペルシコン・セラシフォルメ(Lycopersicon cerasiforme)、リコペルシコン・ピムピネリフォリウム(Lycopersicon pimpinellifolium)、リコペルシコン・チーズマニイ(Lycopersicon cheesmanii)、リコペルシコン・パルビフロルム(Lycopersicon parviflorum)、リコペルシコン・クミエレウスキィ(Lycopersicon chmielewskii)、リコペルシコン・ヒルストゥム(Lycopersicon hirsutum)、リコペルシコン・ペンネリィ(Lycopersicon pennellii)、リコペルシコン・ペルビアヌム(Lycopersicon peruvianum)、リコペルシコン・チレンセ(Lycopersicon chilense)およびソラヌム・リコペルシコイデス(Solanum lycopersicoides)よりなる群から選ばれる灰色カビ病(Botrytis)耐性供与植物を同定し、
b.工程aからの灰色カビ病耐性植物を、灰色カビ病に対して非耐性であるか又は中間レベルの耐性を有し商業的に望ましい特性を有する受容トマト植物と交配させ、
c.工程bにおける交配から得られた種子を播き、植物にまで成長させ、
d.工程cにおいて得られた植物を自殖させ、
e.工程dにおける交配から得られた種子を播き、植物にまで成長させ、
f.工程eの植物から遺伝物質を単離し、灰色カビ病耐性をコードする少なくとも1つの遺伝子に連鎖した第10染色体上の少なくとも1つの領域に連関した第10染色体由来のひとつまたは複数の分子マーカーでマーカーによる選択を行い、
g.該供与植物から移入されたDNA(該移入DNAは、灰色カビ病耐性をコードする少なくとも1つの遺伝子に連鎖した第10染色体由来の領域を含有する)を含有する植物を同定し、
h.工程gにおいて同定された植物を自殖させ、
i.工程hにおける自殖から得られた種子を播き、植物にまで成長させ、
j.灰色カビ病耐性を示し商業的に望ましい特性を有する、工程iからの植物を同定し、
k.灰色カビ病耐性を示し商業的に望ましい特性を有する同系交配トマト植物が得られるまで工程h〜jを繰返す工程を含んでなる、灰色カビ病耐性同系交配トマト植物の生産方法。 - a.リコペルシコン・エスキュレントゥム(Lycopersicon esculentum)、リコペルシコン・セラシフォルメ(Lycopersicon cerasiforme)、リコペルシコン・ピムピネリフォリウム(Lycopersicon pimpinellifolium)、リコペルシコン・チーズマニイ(Lycopersicon cheesmanii)、リコペルシコン・パルビフロルム(Lycopersicon parviflorum)、リコペルシコン・クミエレウスキィ(Lycopersicon chmielewskii)、リコペルシコン・ヒルストゥム(Lycopersicon hirsutum)、リコペルシコン・ペンネリィ(Lycopersicon pennellii)、リコペルシコン・ペルビアヌム(Lycopersicon peruvianum)、リコペルシコン・チレンセ(Lycopersicon chilense)およびソラヌム・リコペルシコイデス(Solanum lycopersicoides)よりなる群から選ばれる灰色カビ病(Botrytis)耐性供与植物を同定し、
b.工程aからの灰色カビ病耐性植物を、灰色カビ病に対して非耐性であるか又は中間レベルの耐性を有し商業的に望ましい特性を有する受容トマト植物と交配させ、
c.工程bにおける交配から得られた種子を播き、植物にまで成長させ、
d.工程cにおいて得られた植物を、工程bからの受容植物と交配させ、
e.工程dにおける交配から得られた種子を播き、植物にまで成長させ、
f.工程eの植物から遺伝物質を単離し、灰色カビ病耐性をコードする少なくとも1つの遺伝子に連鎖した第10染色体上の少なくとも1つの領域に連関した第10染色体由来のひとつまたは複数の分子マーカーでマーカーによる選択を行い、
g.該供与植物から移入されたDNA(該移入DNAは、灰色カビ病耐性をコードする少なくとも1つの遺伝子に連鎖した第10染色体由来の領域を含有する)を含有する植物を同定し、
h.工程gにおいて同定された植物を工程bの受容トマト植物と交配させ、
i.工程hにおける交配から得られた種子を播き、植物にまで成長させ、
j.灰色カビ病耐性を示し商業的に望ましい特性を有する、工程iからの植物を同定し、
k.灰色カビ病耐性を示し商業的に望ましい特性を有する同系交配トマト植物が得られるまで工程h〜jを繰返し、
l.灰色カビ病耐性を示し商業的に望ましい特性を有するトマト植物を自殖させ、
m.灰色カビ病耐性を示し商業的に望ましい特性を有するホモ接合同系交配トマト植物を選択する工程を含んでなる、灰色カビ病耐性同系交配トマト植物の生産方法。 - 請求項8記載の生産方法により生産された灰色カビ病(Botrytis)耐性同系交配トマト植物。
- 請求項7または8記載の同系交配トマト植物を、商業的に望ましい特性を示す同系交配トマト植物と交配させる工程を含む生産方法により生産された、灰色カビ病(Botrytis)に対する耐性を示す雑種トマト植物。
- 灰色カビ病(Botrytis)耐性に連関した第10染色体由来の少なくとも1つの遺伝子をゲノム内に含有する灰色カビ病耐性トマト植物。
- 該トマト植物が、リコペルシコン・エスキュレントゥム(Lycopersicon esculentum)、リコペルシコン・セラシフォルメ(Lycopersicon cerasiforme)、リコペルシコン・ピムピネリフォリウム(Lycopersicon pimpinellifolium)、リコペルシコン・チーズマニイ(Lycopersicon cheesmanii)、リコペルシコン・パルビフロルム(Lycopersicon parviflorum)、リコペルシコン・クミエレウスキィ(Lycopersicon chmielewskii)、リコペルシコン・ヒルストゥム(Lycopersicon hirsutum)、リコペルシコン・ペンネリィ(Lycopersicon pennellii)、リコペルシコン・ペルビアヌム(Lycopersicon peruvianum)、リコペルシコン・チレンセ(Lycopersicon chilense)およびソラヌム・リコペルシコイデス(Solanum lycopersicoides)よりなる群から選ばれる、請求項11記載のトマト植物。
- a.リコペルシコン・エスキュレントゥム(Lycopersicon esculentum)、リコペルシコン・セラシフォルメ(Lycopersicon cerasiforme)、リコペルシコン・ピムピネリフォリウム(Lycopersicon pimpinellifolium)、リコペルシコン・チーズマニイ(Lycopersicon cheesmanii)、リコペルシコン・パルビフロルム(Lycopersicon parviflorum)、リコペルシコン・クミエレウスキィ(Lycopersicon chmielewskii)、リコペルシコン・ヒルストゥム(Lycopersicon hirsutum)、リコペルシコン・ペンネリィ(Lycopersicon pennellii)、リコペルシコン・ペルビアヌム(Lycopersicon peruvianum)、リコペルシコン・チレンセ(Lycopersicon chilense)およびソラヌム・リコペルシコイデス(Solanum lycopersicoides)よりなる群から選ばれる灰色カビ病(Botrytis)耐性供与植物を同定し、
b.工程aからの灰色カビ病耐性植物を、灰色カビ病に対して非耐性であるか又は中間レベルの耐性を有し商業的に望ましい特性を有する受容トマト植物と交配させ、
c.工程bにおける交配から得られた種子を播き、植物にまで成長させ、
d.工程cの植物を自殖させ、
e.工程dにおける自殖から得られた種子を播き、植物にまで成長させ、
f.病理疾病選別法を用いて、灰色カビ病に対して耐性である植物を同定する工程を含んでなる、灰色カビ病耐性トマト植物の生産方法。 - 該受容トマト植物がリコペルシコン・エスキュレントゥム(Lycopersicon esculentum)である、請求項13記載の生産方法。
- 該供与植物が、灰色カビ病(Botrytis)耐性をコードする少なくとも1つの遺伝子に連鎖した第10染色体上のひとつまたは複数の領域を含有する、請求項13記載の生産方法。
- 請求項13記載の生産方法により生産された、灰色カビ病(Botrytis)に対する耐性を示すトマト植物。
- a.リコペルシコン・エスキュレントゥム(Lycopersicon esculentum)、リコペルシコン・セラシフォルメ(Lycopersicon cerasiforme)、リコペルシコン・ピムピネリフォリウム(Lycopersicon pimpinellifolium)、リコペルシコン・チーズマニイ(Lycopersicon cheesmanii)、リコペルシコン・パルビフロルム(Lycopersicon parviflorum)、リコペルシコン・クミエレウスキィ(Lycopersicon chmielewskii)、リコペルシコン・ヒルストゥム(Lycopersicon hirsutum)、リコペルシコン・ペンネリィ(Lycopersicon pennellii)、リコペルシコン・ペルビアヌム(Lycopersicon peruvianum)、リコペルシコン・チレンセ(Lycopersicon chilense)およびソラヌム・リコペルシコイデス(Solanum lycopersicoides)よりなる群から選ばれる灰色カビ病(Botrytis)耐性供与植物を同定し、
b.工程aからの灰色カビ病耐性植物を、灰色カビ病に対して非耐性であるか又は中間レベルの耐性を有し商業的に望ましい特性を有する受容トマト植物と交配させ、
c.工程bにおける交配から得られた種子を播き、植物にまで成長させ、
d.工程cの植物を自殖させ、
e.工程dにおける自殖から得られた種子を播き、植物にまで成長させ、
f.病理疾病選別法を用いて、灰色カビ病に対して耐性である植物を同定する工程を含んでなる、商業的に望ましい特性を有する灰色カビ病耐性トマト植物の生産方法。 - 該受容トマト植物がリコペルシコン・エスキュレントゥム(Lycopersicon esculentum)である、請求項17記載の生産方法。
- 該供与植物が、灰色カビ病(Botrytis)耐性をコードする少なくとも1つの遺伝子に連鎖した第10染色体上のひとつまたは複数の領域を含有する、請求項17記載の生産方法。
- 請求項17記載の生産方法により生産された、灰色カビ病(Botrytis)に対する耐性を示すトマト植物。
- a.リコペルシコン・エスキュレントゥム(Lycopersicon esculentum)、リコペルシコン・セラシフォルメ(Lycopersicon cerasiforme)、リコペルシコン・ピムピネリフォリウム(Lycopersicon pimpinellifolium)、リコペルシコン・チーズマニイ(Lycopersicon cheesmanii)、リコペルシコン・パルビフロルム(Lycopersicon parviflorum)、リコペルシコン・クミエレウスキィ(Lycopersicon chmielewskii)、リコペルシコン・ヒルストゥム(Lycopersicon hirsutum)、リコペルシコン・ペンネリィ(Lycopersicon pennellii)、リコペルシコン・ペルビアヌム(Lycopersicon peruvianum)、リコペルシコン・チレンセ(Lycopersicon chilense)およびソラヌム・リコペルシコイデス(Solanum lycopersicoides)よりなる群から選ばれる灰色カビ病(Botrytis)耐性供与植物を同定し、
b.工程aからの灰色カビ病耐性植物を、灰色カビ病に対して非耐性であるか又は中間レベルの耐性を有し商業的に望ましい特性を有する受容トマト植物と交配させ、
c.工程bにおける交配から得られた種子を播き、植物にまで成長させ、
d.工程cの植物を自殖させ、
e.工程dにおける自殖から得られた種子を播き、植物にまで成長させ、
f.工程eにおいて成長した植物または植物の一部に灰色カビ病菌を接種し、
g.灰色カビ病に対して耐性である、工程fにおいて接種された植物を同定する工程を含んでなる、灰色カビ病耐性トマト植物の生産方法。 - 該受容トマト植物がリコペルシコン・エスキュレントゥム(Lycopersicon esculentum)である、請求項21記載の生産方法。
- 該供与植物が、灰色カビ病(Botrytis)耐性をコードする少なくとも1つの遺伝子に連鎖した第10染色体上のひとつまたは複数の領域を含有する、請求項21記載の生産方法。
- 請求項21記載の生産方法により生産された、灰色カビ病(Botrytis)に対する耐性を示すトマト植物。
- a.リコペルシコン・エスキュレントゥム(Lycopersicon esculentum)、リコペルシコン・セラシフォルメ(Lycopersicon cerasiforme)、リコペルシコン・ピムピネリフォリウム(Lycopersicon pimpinellifolium)、リコペルシコン・チーズマニイ(Lycopersicon cheesmanii)、リコペルシコン・パルビフロルム(Lycopersicon parviflorum)、リコペルシコン・クミエレウスキィ(Lycopersicon chmielewskii)、リコペルシコン・ヒルストゥム(Lycopersicon hirsutum)、リコペルシコン・ペンネリィ(Lycopersicon pennellii)、リコペルシコン・ペルビアヌム(Lycopersicon peruvianum)、リコペルシコン・チレンセ(Lycopersicon chilense)およびソラヌム・リコペルシコイデス(Solanum lycopersicoides)よりなる群から選ばれる灰色カビ病(Botrytis)耐性供与植物を同定し、
b.工程aからの灰色カビ病耐性植物を、灰色カビ病に対して非耐性であるか又は中間レベルの耐性を有し商業的に望ましい特性を有する受容トマト植物と交配させ、
c.工程bにおける交配から得られた種子を播き、植物にまで成長させ、
d.工程cの植物を自殖させ、
e.工程dにおける自殖から得られた種子を播き、植物にまで成長させ、
f.工程eにおいて成長した植物または植物の一部に灰色カビ病菌を接種し、
g.灰色カビ病に対して耐性である、工程fにおいて接種された植物を同定する工程を含んでなる、商業的に望ましい特性を有する灰色カビ病耐性トマト植物の生産方法。 - 該受容トマト植物がリコペルシコン・エスキュレントゥム(Lycopersicon esculentum)である、請求項25記載の生産方法。
- 該供与植物が、灰色カビ病(Botrytis)耐性をコードする少なくとも1つの遺伝子に連鎖した第10染色体上のひとつまたは複数の領域を含有する、請求項25記載の生産方法。
- 請求項25記載の生産方法により生産された、灰色カビ病(Botrytis)に対する耐性を示すトマト植物。
- a.リコペルシコン・エスキュレントゥム(Lycopersicon esculentum)、リコペルシコン・セラシフォルメ(Lycopersicon cerasiforme)、リコペルシコン・ピムピネリフォリウム(Lycopersicon pimpinellifolium)、リコペルシコン・チーズマニイ(Lycopersicon cheesmanii)、リコペルシコン・パルビフロルム(Lycopersicon parviflorum)、リコペルシコン・クミエレウスキィ(Lycopersicon chmielewskii)、リコペルシコン・ヒルストゥム(Lycopersicon hirsutum)、リコペルシコン・ペンネリィ(Lycopersicon pennellii)、リコペルシコン・ペルビアヌム(Lycopersicon peruvianum)、リコペルシコン・チレンセ(Lycopersicon chilense)およびソラヌム・リコペルシコイデス(Solanum lycopersicoides)よりなる群から選ばれる灰色カビ病(Botrytis)耐性供与植物を同定し、
b.工程aからの灰色カビ病耐性植物を、灰色カビ病に対して非耐性であるか又は中間レベルの耐性を有し商業的に望ましい特性を有する受容トマト植物と交配させ、
c.工程bにおける交配から得られた種子を播き、植物にまで成長させ、
d.工程cにおいて得られた植物を自殖させ、
e.工程dにおける交配から得られた種子を播き、植物にまで成長させ、
f.病理疾病選別法を用いて、灰色カビ病に対して耐性である植物を同定し、
g.工程fにおいて同定された植物を自殖させ、
h.工程gにおける自殖から得られた種子を播き、植物にまで成長させ、
i.灰色カビ病耐性を示し商業的に望ましい特性を有する、工程hからの植物を同定し、
j.灰色カビ病耐性を示し商業的に望ましい特性を有する同系交配トマト植物が得られるまで工程g〜iを繰返す工程を含んでなる、灰色カビ病耐性同系交配トマト植物の生産方法。 - 該供与植物が、灰色カビ病(Botrytis)耐性をコードする少なくとも1つの遺伝子に連鎖した第10染色体上のひとつまたは複数の領域を含有する、請求項29記載の生産方法。
- a.リコペルシコン・エスキュレントゥム(Lycopersicon esculentum)、リコペルシコン・セラシフォルメ(Lycopersicon cerasiforme)、リコペルシコン・ピムピネリフォリウム(Lycopersicon pimpinellifolium)、リコペルシコン・チーズマニイ(Lycopersicon cheesmanii)、リコペルシコン・パルビフロルム(Lycopersicon parviflorum)、リコペルシコン・クミエレウスキィ(Lycopersicon chmielewskii)、リコペルシコン・ヒルストゥム(Lycopersicon hirsutum)、リコペルシコン・ペンネリィ(Lycopersicon pennellii)、リコペルシコン・ペルビアヌム(Lycopersicon peruvianum)、リコペルシコン・チレンセ(Lycopersicon chilense)およびソラヌム・リコペルシコイデス(Solanum lycopersicoides)よりなる群から選ばれる灰色カビ病(Botrytis)耐性供与植物を同定し、
b.工程aからの灰色カビ病耐性植物を、灰色カビ病に対して非耐性であるか又は中間レベルの耐性を有し商業的に望ましい特性を有する受容トマト植物と交配させ、
c.工程bにおける交配から得られた種子を播き、植物にまで成長させ、
d.工程cにおいて得られた植物を、工程bからの受容植物と交配させ、
e.工程dにおける交配から得られた種子を播き、植物にまで成長させ、
f.病理疾病選別法を用いて、灰色カビ病に対して耐性である植物を同定し、
g.工程fにおいて同定された植物を工程bの受容トマト植物と交配させ、
h.工程gにおける交配から得られた種子を播き、植物にまで成長させ、
i.灰色カビ病耐性を示し商業的に望ましい特性を有する、工程hからの植物を同定し、
j.灰色カビ病耐性を示し商業的に望ましい特性を有する同系交配トマト植物が得られるまで工程g〜iを繰返し、
k.灰色カビ病耐性を示し商業的に望ましい特性を有するトマト植物を自殖させ、
l.灰色カビ病耐性を示し商業的に望ましい特性を有するホモ接合同系交配トマト植物を選択する工程を含んでなる、灰色カビ病耐性同系交配トマト植物の生産方法。 - 該供与植物が、灰色カビ病(Botrytis)耐性をコードする少なくとも1つの遺伝子に連鎖した第10染色体上のひとつまたは複数の領域を含有する、請求項31記載の生産方法。
- a.リコペルシコン・エスキュレントゥム(Lycopersicon esculentum)、リコペルシコン・セラシフォルメ(Lycopersicon cerasiforme)、リコペルシコン・ピムピネリフォリウム(Lycopersicon pimpinellifolium)、リコペルシコン・チーズマニイ(Lycopersicon cheesmanii)、リコペルシコン・パルビフロルム(Lycopersicon parviflorum)、リコペルシコン・クミエレウスキィ(Lycopersicon chmielewskii)、リコペルシコン・ヒルストゥム(Lycopersicon hirsutum)、リコペルシコン・ペンネリィ(Lycopersicon pennellii)、リコペルシコン・ペルビアヌム(Lycopersicon peruvianum)、リコペルシコン・チレンセ(Lycopersicon chilense)およびソラヌム・リコペルシコイデス(Solanum lycopersicoides)よりなる群から選ばれる灰色カビ病(Botrytis)耐性供与植物を同定し、
b.工程aからの灰色カビ病耐性植物を、灰色カビ病に対して非耐性であるか又は中間レベルの耐性を有し商業的に望ましい特性を有する受容トマト植物と交配させ、
c.工程bにおける交配から得られた種子を播き、植物にまで成長させ、
d.工程cにおいて得られた植物を自殖させ、
e.工程dにおける交配から得られた種子を播き、植物にまで成長させ、
f.工程eにおいて成長した植物または植物の一部に灰色カビ病菌を接種し、
g.灰色カビ病に対して耐性である、工程fにおいて接種された植物を同定し、
h.工程gにおいて同定された植物を自殖させ、
i.工程hにおける自殖から得られた種子を播き、植物にまで成長させ、
j.灰色カビ病耐性を示し商業的に望ましい特性を有する、工程iからの植物を同定し、
k.灰色カビ病耐性を示し商業的に望ましい特性を有する同系交配トマト植物が得られるまで工程h〜jを繰返す工程を含んでなる、灰色カビ病耐性同系交配トマト植物の生産方法。 - 該供与植物が、灰色カビ病(Botrytis)耐性をコードする少なくとも1つの遺伝子に連鎖した第10染色体上のひとつまたは複数の領域を含有する、請求項33記載の生産方法。
- a.リコペルシコン・エスキュレントゥム(Lycopersicon esculentum)、リコペルシコン・セラシフォルメ(Lycopersicon cerasiforme)、リコペルシコン・ピムピネリフォリウム(Lycopersicon pimpinellifolium)、リコペルシコン・チーズマニイ(Lycopersicon cheesmanii)、リコペルシコン・パルビフロルム(Lycopersicon parviflorum)、リコペルシコン・クミエレウスキィ(Lycopersicon chmielewskii)、リコペルシコン・ヒルストゥム(Lycopersicon hirsutum)、リコペルシコン・ペンネリィ(Lycopersicon pennellii)、リコペルシコン・ペルビアヌム(Lycopersicon peruvianum)、リコペルシコン・チレンセ(Lycopersicon chilense)およびソラヌム・リコペルシコイデス(Solanum lycopersicoides)よりなる群から選ばれる灰色カビ病(Botrytis)耐性供与植物を同定し、
b.工程aからの灰色カビ病耐性植物を、灰色カビ病に対して非耐性であるか又は中間レベルの耐性を有し商業的に望ましい特性を有する受容トマト植物と交配させ、
c.工程bにおける交配から得られた種子を播き、植物にまで成長させ、
d.工程cにおいて得られた植物を、工程bからの受容植物と交配させ、
e.工程dにおける交配から得られた種子を播き、植物にまで成長させ、
f.工程eにおいて成長した植物または植物の一部に灰色カビ病菌を接種し、
g.灰色カビ病に対して耐性である、工程fにおいて接種された植物を同定し、
h.工程gにおいて同定された植物を工程bの受容トマト植物と交配させ、
i.工程hにおける交配から得られた種子を播き、植物にまで成長させ、
j.灰色カビ病耐性を示し商業的に望ましい特性を有する、工程iからの植物を同定し、
k.灰色カビ病耐性を示し商業的に望ましい特性を有する同系交配トマト植物が得られるまで工程h〜jを繰返し、
l.灰色カビ病耐性を示し商業的に望ましい特性を有するトマト植物を自殖させ、
m.灰色カビ病耐性を示し商業的に望ましい特性を有するホモ接合同系交配トマト植物を選択する工程を含んでなる、灰色カビ病耐性同系交配トマト植物の生産方法。 - 該供与植物が、灰色カビ病(Botrytis)耐性をコードする少なくとも1つの遺伝子に連鎖した第10染色体上のひとつまたは複数の領域を含有する、請求項35記載の生産方法。
- 請求項29、31、33または35記載の生産方法により生産された灰色カビ病(Botrytis)耐性同系交配トマト植物。
- 請求項29、31、33または35記載の同系交配トマト植物を、商業的に望ましい特性を示す同系交配トマト植物と交配させる工程を含む生産方法により生産された、灰色カビ病(Botrytis)に対する耐性を示す雑種トマト植物。
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