JP2004532047A - Happierマッピング - Google Patents

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Abstract

本発明は、核酸を規定の配列の多数の断片に切断するステップと、改良型HAPPYマッピング技法によって、個々の断片を選択的に増幅して、マップを作成するステップとを含む、核酸を分析する方法を提供する。

Description

【技術分野】
【0001】
本発明は、HAPPYマッピングに基づいた、核酸分子をマッピングする改善された方法であって、任意に規定された大多数のゲノムマーカーの迅速なマッピングを可能にする方法に関する。本発明は、例えば、従来のマーカーが利用できない核酸分子に適用可能である。
【背景技術】
【0002】
HAPPYマッピングは、任意の生物のゲノムの連鎖マッピングのために開発された方法である。それは、当初、Dearらによって1989年に、DNA源として1つの一倍体精子を使用して記載され(DearおよびCook、(1989)Nucleic Acids Res.17:6795)、後に、DNA源として多数の二倍体細胞を使用し、次にDNA希釈し、各々が理想的には0.69一倍体当量(0.69 haploid equivalents)を含有するマッピングパネルメンバーに分割し、評価することができるマーカー連鎖を使用するように適合された。この技法はいくつかの文献において総説され、使用されている(例えば、DearおよびCook、(1993)Nucleic Acids Res.21:13-20、Piperら、(1998)Genome Res.8:1299-130およびそこに引用されている種々の文献)。
【0003】
基本的には、HAPPYマッピングは、ゲノムDNAを物理的に分離された断片に切断し、試料パネルであって、各々が当該ゲノムの1一倍体当量(理想的には、バルクゲノムDNAからサンプリングする場合には、0.69一倍体当量)以下に等しい量のDNAを含有するものを提供することに関する。次いで、一連のマーカーの存在について試料をスクリーニングする。ゲノム内で接近して位置するマーカーは、ゲノム内で距離をおいて位置するマーカーと比べて、より多く同時分離(cosegreagte)する。マーカーパネルを用いて得られる同時分離の表を分析することによって、ゲノム内のマーカーの順序および空間的位置を推定することができる。
【0004】
HAPPYマッピングの主な用途には、ゲノムおよび遺伝子マッピング、菌株の多様性の検出、集団解析、疫学、遺伝子発現、ならびに系統発生学的および分類学的関係の証明が挙げられる。
【0005】
HAPPYマップを作製する際に遭遇する大きな困難の1つは、ゲノム内の好適なマーカーの同定である。HAPPYマッピングの適用は、最初に、種々の技法を使用してマッピングパネルの全てのマーカーを同時に「事前増幅(pre-amplification)」し、次いで、特定のプライマーを使用して事前増幅した試料を事前に定めたマーカーについてPCRによってスクリーニングすることに関係している。HAPPYマッピングについて記載している早期の理論的な論文(Dearら、1989)において、短鎖で任意のプライマーを用いた低いストリンジェンシーのPCR増幅で生じる多数の産物がマーカーとして働き、費用のかかるマーカー特異的プライマーの必要性がなくなることが示唆された。しかし、マッピング方法に使用するマーカーを作製する方法の必要性がある。
【0006】
任意の配列の合成オリゴデオキシヌクレオチドプライマーによって駆動される増幅に基づいた核酸走査技法によると、匿名の(anonymous)核酸鋳型中の配列多型を検出することができる特徴的なフィンガープリントを得ることができる(生態学および進化の分子的方法(Molecular Approaches to Ecology and Evolution),DeSalle R, Schierwater B(編)、107-123ページ.Birkhauser Verlag, BaselのCaetano-Anolles G(1996)Nature Biotechnology 14:1668-1674、Caetano-Anolles G(1998)任意のオリゴヌクレオチド:核酸の増幅および直接同定のためのプライマー、遺伝子並びに生物(Arbitrary oligonucleotides:primers for amplification and direct identification of nucleic acids, genes and organisms)に考察されている)。少なくとも1つの短鎖プライマーを使用したゲノムDNAの増幅により、通常、ゲノム全体に多少ランダムに分布されたアンプリコンを示す多数の増幅産物が得られる(Livak KJら、(1992)米国特許第5,126,239号、Bassam BJら(1995)米国特許第5,413,909号)。この観察により、3つの主な技法、ランダムに増幅された多型DNA(RAPD:randomly amplified polymorphic DNA)(Williamsら、(1990)Nucleic Acids 18:6531-6535)、任意のプライマーを用いたPCR(AP−PCR:arbitrarily primed PCR)(Welsh J,McClelland M(1990)Nucleic Acids Res 18:7213-7218)、およびDNA増幅フィンガープリント法(DAF:DNA amplification fingerprinting)(Caetano-Anolles Gら、(1991)Bio/Technology 9:553-557)が開始された。これらの方法は、簡便性および広範な適用性のためにかなり普及した。多種多様な生物が検討され、数千の論文に研究が報告された。これらの技法のうち、RAPDおよび同様の技法のほとんどの産物は非多型であるという事実にもかかわらず、RAPDが最も広範に使用されており、多型産物のうち、遺伝子連鎖マッピングにおいて対象となるものは少数である。
【0007】
さらに、非ストリンジェントな増幅反応が条件の変動に対して極めて敏感であるため、ランダムアンプリマー(random amplimer)をマーカーとして使用することができない。
【0008】
別の形態の任意のアンプリマーも遺伝子連鎖マッピングのマーカーとして使用されている。試験対象のDNAを先ず制限酵素で消化し、次いでリンカーを断片にライゲーションし、リンカー配列に相補的なプライマーを使用して産物を増幅する。プライマーが3’末端に追加塩基を有する場合には(「選択的リンカープライマー」)、ライゲーションされた断片のサブセットだけが増幅される。十分な追加塩基が使用される場合には、増幅される産物の数は少なく、ゲル電気泳動によって分解できる。このように、異なる選択的リンカープライマーを単独または併用して使用することができ、異なるサブセットのゲノム断片を増幅することができ、その各々がマーカーとして働くことができる。選択的プライマーは高ストリンジェンシーで使用されるので、この方法はRAPD方法より再現性が良好である。
【0009】
これまでは、この方法は、遺伝子連鎖分析であって、ゲノムの多型が少数の増幅産物の差に反映されるもののみに適用されている(「任意断片長多型」、AFLPs:arbitrary fragment-length polymorphisms)。AFLP方法は、「ドナー」ゲノムから生じるアンプリマーを「宿主」から生じるものと識別する方法がないので、AFLP方法は放射線ハイブリッド(RH:radiation hybrid)またはクローンに基づいたマッピングに適用することができず、単一形マーカーをマッピングすることができない。
【発明の開示】
【0010】
本発明者らは、今や、ランダムアンプリマーマーカーを使用し、このようなマーカーの本質的な欠点の多くを回避するHAPPYマッピング方法を開発した。新規方法は、HAPPYマッピングの利点に、ライゲーションされたリンカーに基づいた特定のプライミングと選択的な内部プライミングとを使用した増幅を組み合わせており、ゲル電気泳動または他の従来の技法によってマッピングすることができる増幅断片のサブセットを作製することができる。これは、リンカーに基づいたプライミングを使用するポリメラーゼによって増幅された一倍体ゲノム当量(haploid genome equivalents, amplified by polymerase using linker-based priming)を使用しているので、本発明者らはこの方法をHAPPIERマッピングと呼んでいる。
【0011】
従って、第1の態様において、本発明は、核酸を分析する方法であって、
a)マッピング対象の核酸に由来する複数の核酸試料を含むHAPPYマッピングパネルを調製するステップであって、該パネルの各メンバーが、該マッピング対象の該核酸の0.05〜2コピー以下に等しい量を質量として示すDNA断片のサンプリングを含有するステップと、
b)該試料中の該核酸を規定の配列において完全に切断して核酸断片を作製するステップと、
c)該核酸断片のどちらかの末端にリンカーをライゲーションするステップと、
d)リンカー特異的プライマーを使用して該核酸を全体的に(globally)増幅するステップと、
e)プローブのレパートリーを供するステップであって、各プローブが、該リンカーの配列、および存在する場合には、制限消化によって作製される断片の末端に保持されている制限部位の一部に相補的または同一の第1の配列と、該レパートリーの各プローブにおいて異なる隣接する第2の配列とを含むステップと、
f)該レパートリーの1つ以上のプローブを該試料にハイブリダイゼーションして、該試料中の該1つ以上のプローブに相補的な配列の有無をスコアリングするステップと
を含む方法を提供する。
【0012】
本発明はシングル−ラン手法として実施しても、または望ましいマーカーを含む標的断片の逐次的選択の反復ステップを組み入れてもよい。従って、好ましい実施態様において、ステップf)は、
i)各試料から複数の特定の核酸断片を増幅するステップと、
ii)i)で増幅した断片をサブ試料に分割するステップと、
iii)i)で使用したプローブより特異性が高い1つ以上のプローブを該サブ試料にハイブリダイゼーションするステップと、
iv)必要に応じて、ステップi)およびステップii)を繰り返し反復するステップと、
v)前記試料中の前記1つ以上のプローブに相補的な配列の有無をスコアリングするステップと
を含む。
【0013】
好ましくは、ステップg)における1つ以上のプローブを使用して、試料から特定の核酸断片を増幅し、例えば、以下に記載する従来の手段により増幅した核酸を検出することを可能にする。
【0014】
各マッピングパネル試料は、一倍体ゲノム当量を含み、それは、以前に記載されているように、1種の一倍体細胞に由来しても、または体細胞(二倍体)細胞に由来するバルク核酸の希釈によってもよい。本明細書において使用する「一倍体ゲノム当量」は、マッピング対象の核酸の0.05〜2質量当量と理解され、理想的にはそれは約0.69ゲノム当量である。核酸は、連鎖がかなり維持されており、試料に分割してマッピングパネルを形成することができる大きい断片に切断される。この最初の切断は、ランダム性を確実にするために、通常放射線またはせん断により、比較的大きい断片に切断される(数kb〜Mb)。マップの精密さを決定するのはこの切断である(しかし、「一倍体」分割量は、断片のサイズにかかわらず、ほぼ同じ量のDNAを含有するので、シグナルの複雑さではない)。
【0015】
次いで、制限エンドヌクレアーゼを使用して、マッピングパネル試料を切断する。形成される断片のサイズは、エンドヌクレアーゼの切断頻度によって求められ、切断頻度が多いほど、デコンボリュートを必要とするシグナルの複雑性が大きくなる。有利なことに、リンカーのライゲーションを容易にするために、切断部位に粘着末端を作製する制限エンドヌクレアーゼが使用される。
【0016】
この第2の切断は、ライゲーションおよび増幅のために小さい断片(典型的には、2kb未満)に切断される。それは、試料中のDNAの全体的で、選択的な増幅を可能にするツールとなる。マーカーは、この第2の切断前にマッピングパネルメンバーに分離されているので、それは、典型的には、結果として得られるマップの精密さに影響しない。
【0017】
核酸は、有利には、DNAである。
【0018】
有利なことに、リンカーは、鎖長7〜40ヌクレオチドであり、好ましくは鎖長15〜25ヌクレオチドである。リンカー自体および断片配列自体の1つ以上の隣接塩基は、選択されたプローブ鎖長に応じて、プローブレパートリーのプローブがハイブリダイゼーションすることができる独自の部位を形成する。リンカーの配列は任意の望ましい配列であってもよく、配列がマッピング対象のゲノムに天然に存在するリスクを最小にするために、このような配列は、有利なことに、異なる属に由来するリンカーなどの別の起源から選択されるか、またはハイブリダイゼーションが生じていないことを判定するためにスクリーニングされる。
【0019】
リンカーに対応する一定の配列以外に、各プローブは、3’側に1つ以上の隣接塩基を含む。任意の数の隣接塩基を使用してもよく、当業者は、ハイブリダイゼーションの特異性の必要性と、非常に長いプローブを使用する費用および取り扱いの欠点のバランスを保つことが必要であることを認識している。有利なことに、プローブ内の隣接する第2の配列は2〜20塩基からなり、好ましくは2、3、4、5、6、7、8、9または10塩基からなる。
【0020】
本発明は、一倍体ゲノム当量を試料に分割し、プローブレパートリーの1つ以上の特定のプローブを使用することによってランダムに作製された単形マーカーの迅速なマッピングを可能にする。各試料において、使用した特定のプローブに相補的または同一な末端を有する特定の核酸断片だけが増幅される。試料集団中の増幅された断片の同時分離の分析はマーカー連鎖および一倍体ゲノムのマップを決定する。
【0021】
有利な実施態様において、プローブレパートリーの1つ以上のプローブの使用を、各試料の1つの断片を増幅するための十分に配列特異的なプローブの使用と代える。これにより、従来のSTS(配列標識部位:sequence-tagged-site)マーカーをスコアリングすることができる。
【0022】
さらに別の態様において、本発明は、マイクロタイタープレートの内容物をさらに別の手法および操作により追跡できるように、それらをコード化する方法に関する。マイクロタイタープレートの内容物を別のプレートに移したりもしくは別のプレートの試料と合わせたりまたはゲルにロードしても、本発明の方法により、マイクロタイタープレートの内容物を追跡することができる。
【0023】
本発明のこの態様の第1の実施態様において、不活性な蛍光マイクロスフェア(例えば、Molecular Probes A3703)などの固相マーカーをプレートのウェルのいくつかに添加する。このように標識したウェルのパターンは、プレート内容物の独自の「サイン」となる。例えば、マーカーの位置は二進数でコード化することができる。
【0024】
好ましい実施態様において、PCRを目的とするマイクロタイタープレートにマイクロスフェアを添加する。粒子は反応を妨害せず、試料をその後分析する場合には、ゲルにロードされる。マイクロタイタープレートの「コード」はゲルに移され、蛍光粒子を含有するウェルは、ゲルをUV光線下で撮影すると光る。粒子は電気泳動中ゲル内に移動しない。これは、電気泳動中に試料を追跡する際の一般的な問題を克服する。すなわち、マイクロタイタープレート上のバーコード等をプリントすることは容易であるが、ゲルにコード番号を移すことは困難である。別の実施態様において、DNAをゲルの未使用のウェルのいくつかにロードして、2進コード化する。しかし、これにより、ユーザーは、マイクロタイタープレートの数を読み取り、同じ数がゲル上にコード化されるように配列しなければならない。本発明のシステムによると、PCRを開始するロボットは、蛍光粒子を添加することもでき、さらなる介入やエラーの発生を生じることなく、ロード時に「コード」はゲルに移される。
【0025】
本発明は、さらに別の実施態様にさらに適用可能である。例えば、1つのプレートの試薬セット(例えば、PCR鋳型セット)および別のプレートの別のセット(例えば、PCRプライマーセット)によって反応液を調製する場合には、ウェルに粒子を固定することによって各起源−プレートをコード化することができる。便利なことに、コード化は1つのプレートの最初の列のウェルを占め、他のプレートの最後の列を占めることができる。(2つの起源のプレートの内容物を含有する)反応プレートは両方のセットのコード用マーカーを保有する。UV照射下でプレートを画像化することによって、コードを見ることができ、確証することができる。または、試料をゲル電気泳動で分析するとき、コードが見られる。
【0026】
より複雑なコードを提供するためまたは同一セットのウェル内に2つ以上のコードを重複させられるように、多数の色を使用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
本明細書に記載する一般的な技法は当技術上既知であるが、特に、Sambrookら、分子クローニング、実験マニュアル(Molecular Cloning, A Laboratory Manual)(1989)およびAusubelら、分子生物学の簡単なプロトコール(Short Protocols in Molecular Biology)(1999)第4版John Wiley & Sons, Inc(並びに、分子生物学の最新プロトコール(Current Protocols in Molecular Biology)の完全版)を参照することができる。
【0028】
1.定義
本明細書において言及される「マッピングパネル」は、別個の試料またはメンバーに分離されている核酸断片のパネルである。パネルの各メンバーは、Dear&Cook(1989)におけるように、1つの一倍体細胞から単離された断片状DNAのいくつかの分画(典型的には、1/2または1/3)からなってもよい。さらに一般的には、各メンバーは、2つ以上の一倍体細胞または1つ以上の二倍体細胞から調製され、理想的には質量が0.69ゲノムに等しい量のDNA(すなわち、0.69一倍体当量)を含有する断片状DNA試料からなってもよい。この量は、バルクDNAからサンプリングされた配列のポアゾン分布とすると、全てのマーカーの約半分が各試料に提供されるが、約0.05〜2の量のDNAも許容可能な範囲内である。
【0029】
本発明に使用するマッピングパネルは、ゲノムDNAまたはマッピングすることが意図されている任意の他の起源に由来するDNA断片を含有する任意のマッピングパネルであってもよい。有利なことに、それは少なくとも2つのメンバーを含み、有利なことに約4、8、16、32、64、96、100、110、128、256またはそれ以上のメンバーを含む。96メンバーの使用が都合がよい。さらに別のメンバーは、対照試料として存在してもよい。
【0030】
「規定された配列で切断する」は、ゲノム当量が、例えば、制限エンドヌクレアーゼなどの切断酵素による配列−特異的切断に付されて、核酸断片を作製することを示すことが意図されている。この切断により、規定された配列を有する核酸の切断された「末端」が生ずる。認識部位から離れた位置を切断するIII型制限酵素またはランダムに切断するI型酵素の使用は考えられていない。しかし、切断酵素は天然であってもまたは人工であってもよい。人工切断酵素は、例えば、好適に改変されているリボザイムまたはジンクフィンガーポリペプチドであってもよい(例えば、国際特許出願WO00/20622号を参照)。
【0031】
「完全に」切断は、切断可能な配列を有する部位の実質的に全てが切断されることを示す。これにより、同一の配列を有する断片が確実に多数の試料に均一に供される。
【0032】
「増幅」は、インビトロにおいて核酸鎖を増加させるための任意の方法をいう。好ましくは、この方法は酵素的であり、特徴は直線的であってもまたは指数関数的であってもよい。例示的な技法は、核酸分子を指数関数的に増幅するPCRである。別の増幅技法は、RNA標的を増幅するために使用される逆転写酵素PCRが挙げられる(Wangら、(1989.Proc Natl Acad Sci USA 86(24),9717-21)。この方法では、逆転写酵素は、RNAを相補的なDNA(cDNA)に変換するために使用され、相補的なDNAは次いでPCRを使用して増幅することができる。この方法は、RNAウィルスのゲノムなどのリボ核酸試料をマッピングすることが意図されている場合に特に有用である。
【0033】
自己維持型配列複製(Self-sustained sequence replication)(3SRまたはNBSBA)は、酵素カクテルおよび適当なオリゴヌクレオチドプライマーによって媒介される逆転写酵素(RT)、ポリメラーゼおよびヌクレアーゼ活性の逐次的なラウンドによる核酸鋳型の等温増幅に関係する(Guatelliら、(1990)Proc Natl Acad Sci USA 87 (5),1874-8)。RNA/DNAヘテロ2本鎖のRNAの酵素的な切断が、熱変性の代わりに使用される。RNase Hおよび全ての他の酵素が反応液に添加され、全ての段階は同じ温度で、さらに試薬を添加することなく実施される。この方法により、106〜109の増幅が42℃において1時間で実施されている。
【0034】
リガーゼ連鎖反応またはライゲーション増幅システムはDNAリガーゼおよび4つのオリゴヌクレオチド、すなわち標的の鎖1つあたり2つを使用する(Wu,D.Y.&Wallace,R.B.(1989)Genomics 4(4),560-9)。オリゴヌクレオチドは標的DNAの隣接配列にハイブリダイゼーションし、リガーゼによって接続される。反応液は熱変性され、サイクルが反復される。
【0035】
本発明は、さらに、当業者に利用可能な任意の増幅技法の使用を含む。このような技法には、ローリングサークル型増幅(rolling circle amplification)(Lizardiら、(1998)Nat Genet 19(3),225-32)および鎖置換型増幅(strand-displacement amplification)(SDA;Walkerら、(1992).Proc Natl Acad Sci USA 89(1),392-6)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0036】
「マーカー」は、例えば、PCRまたはハイブリダイゼーション分析によって連鎖の検討において同定することができる核酸配列である。有利なことに、それは分析中のゲノム内では実質的に独自であるので、その同定は明白である。
【0037】
「全体的な」増幅は、配列に関係のない核酸の増幅をいう。この手法は他の内容に関して当技術上既知であり、「全ゲノム」増幅または「全ゲノムPCR」という場合もある。有利なことに、全体的に増幅される集団内の核酸は各々、同じ程度増幅されて、各メンバーが忠実に提供されている増幅集団を作製する。しかし、全ゲノムPCRが全ての配列を増幅するのではなく、規定されたサブセットを増幅する場合もある。
【0038】
プローブの「レパートリー」は、配列が互いに異なる核酸分子セットである。本発明に関しては、プローブは、リンカーに相補的または同一の一定の核酸配列およびそれに隣接する可変領域を含む。可変領域は全体的もしくは部分的にランダム化されていてもよく、または1つ以上の特定の配列を有するように設計されていてもよい。
【0039】
認識部位内で、制限酵素が切断する箇所に応じて、その部位の1つ以上の塩基が全ての断片の末端に残存する。この場合には、プローブの「一定」部分は、一般に、リンカー配列(またはその相補鎖)だけでなく、断片の末端の関連鎖に残存される認識部位部分を含む。
【0040】
増幅された断片を「解像すること」は、各断片が各試料中で個別に同定可能であるように、例えば、鎖長に基づいたその解像をいう。
【0041】
2.HAPPYマッピング
HAPPYマッピングの一般的な技法は当技術上既知であり、文献に広範に記載されている。HAPPYマッピングの詳細な説明を含む以下の開示内容は全体の内容が参照として本明細書に組み入れられている:Konfortovら、Genome Res.2000 Nov;10(11):1737-42、WilliamsおよびFirtel,Genome Res.2000 Nov;10(11):1658-9、Piperら、Genome Res.1998 Dec;8(12):1299-307、Lynchetら、Genomics.1998 Aug 15;52(1):17-26、Dearら、Genomics.1998 Mar 1;48(2):232-41、Walterら、Nucleic Acids Res.1993 Sep 25;21(19):4524-9、Dearおよびcook、Nucleic Acids Res.1993 Jan 11;21(1):13-20、DearおよびCook、Nucleic Acids Res.1989 Sep 12;17(17):6795-807。本発明は、いくつか主要な箇所が異なったHAPPYマッピングに基づいている。
【0042】
第1の違いは、核酸は、放射線または他の物理的な手段によって切断され、別個の分割量に分離されてから、配列特異的な切断によって断片化されるということである。本発明に使用する上で好ましい酵素である制限エンドヌクレアーゼを選択し、使用する技法は、例えば、Sambrookら(前掲書中)により、当技術上既知である。
【0043】
配列特異的な5’および3’末端が作製される限り、核酸切断の別の技法を使用することができる。これらには、分析対象の核酸が、増幅反応液中の1つ以上のプライマーを使用して増幅される、規定された配列のプライマーを用いるPCRが挙げられる。1つのプライマーまたは複数のプライマーが、実質的に配列特異的な方法で、分析対象の核酸にハイブリダイゼーションして、プライマー鎖が酵素的鎖伸長することができるハイブリッドを形成することができる。プライマーがハイブリダイゼーションする部位の数に応じて、ゲノム配列に対応する数多くの断片が作製される。核酸は、通常、2本鎖であるので、プライマーがハイブリダイゼーションする前に変性させる必要がある。
【0044】
本発明は、好ましくは、1つの配列の切断に関係する。しかし、例えば、2つ以上の制限酵素を使用した多数の配列の切断も可能である。切断が多数の配列において実施される場合には、リンカーは、切断によって残存された「末端」の1セットまたは両方のセットに付加されてもよい。リンカーの1つの特異性だけを使用する場合には、そのリンカー配列に相補的な同じ配列において切断された2つの末端を有する断片だけが増幅される。
【0045】
さらに、本発明は、特定の断片増幅を可能にするための手段としてリンカーのライゲーションを使用する。また、このような方法は当業者に既知である。リンカー(または本明細書の別の箇所に規定されているプライマー)は、ヌクレオチドまたはヌクレオチド類似物である単位を含む。一般的に言うと、ヌクレオチド類似物は、鎖状のヌクレオチド残基に組み込まれることができ、塩基特異的な方法で相補的な核酸鎖の塩基にハイブリダイゼーションすることができる化合物である。本発明に有用な類似物は、さらに、鎖伸長酵素の基質である。
【0046】
ヌクレオチド類似物は、例えば、塩基対形成特性に影響するように、塩基が改変されている、および/または例えば、PNAのアミド結合骨格におけるように、糖または骨格部分が改変されている、および/またはリン酸部分が改変されている、改変されたヌクレオチドであってもよい。
【0047】
骨格が改変された核酸には、メチルホスホネート、非架橋酸素の両方が硫黄で置換されているホスホロジチオエートおよびホスホロジチオエート、ホスホロアミダイト、アルキルホスホトリエステル並びにボラノホスフェートが挙げられる。アキラルホスフェート誘導体には、3’−O’−5’−S−ホスホロチオエート、3’−S−5’−O−ホスホロチオエート、3’−CH2−5’−O−ホスホネートおよび3’−NH−5’−O−ホスホロアミデートが挙げられる。ペプチド核酸は、ホスホジエステル骨格全体がペプチド結合で置換されている。
【0048】
安定性および親和性を増強するために、糖改変も使用される。塩基が天然のβ−アノマーに対して逆であるデオキシリボースのα−アノマーを使用してもよい。リボース糖の2’−OHを変更して、親和性を損なうことなく分解されにくい2’−O−メチルまたは2’−O−アリル糖を形成してもよい。
【0049】
複素環塩基の改変は、好ましくは、適切な塩基対形成を維持する。いくつかの有用な置換には、デオキシウリジンとデオキシチミジン、5−メチル−2’−デオキシシチジンおよび5−ブロモ−2’−デオキシシチジンとデオキシシチジンが挙げられる。5−プロピニル−2’−デオキシウリジンおよび5−プロピニル−2’−デオキシシチジンは、それぞれ、デオキシチミジンおよびデオキシシチジンと置換されると、親和性および生物学的活性を増加することが示されている。
【0050】
リンカーは、好ましくは、鎖長全体が7〜40残基である。通常、15〜25残基の短いリンカーが使用されるが、30残基以下もしくは40残基以下、または10残基以下のプライマーも有用である。増幅後、全てのアンプリマーは両方の末端に同じ配列を有し、その配列の長さはプライマーに依存する。ゲノムDNAを切断後、核酸を試料に分割し、制限エンドヌクレアーゼ消化によって切断し、リンカーにライゲーションし、リンカー特異的なプライマーを使用して増幅する。全ての核酸断片は各末端にリンカーを組み入れるので、全ての断片が増幅される。
【0051】
本発明によるハイブリダイゼーション手法は、有利なことに、2本鎖制限断片の各鎖の5’末端だけへのライゲーションを必要とする。しかし、特許請求の範囲内の本発明の態様は、リンカーが核酸鎖の3’末端または5’末端と3’末端の混合物に接続されている別のパターンのライゲーションを使用して実施することができる。
【0052】
全体的な増幅ステップ後、特定のプライマーまたはプローブを使用して各試料中の核酸断片のサブセットを増幅する。このような状況下では、プライマーの3’末端のヌクレオチド残基が試料核酸のヌクレオチド残基と正確に一致している鎖伸長のみが生じる。5’末端は、プライマーの残りが分離されないように十分に強くハイブリダイゼーションされている限り、完全にハイブリダイゼーションされる必要はない。有利なことに、プライマーは、リンカー/試料核酸標的に100%相補的である。
【0053】
プライマーは、天然の塩基の2つまたは3つと塩基対形成する能力を有することによって、または一般的には、区別することなしに天然の塩基の各々と塩基対を形成することによって、変性結合(degenerate binding)を促進する塩基類似物を組み入れることができる。このような類似物は、プローブを製造する際に従来のランダム化技法と併用して使用することができる。しかし、プローブは結合の際に配列特異性が高く、ハイブリダイゼーションして配列を変性しないことが好ましい。
【0054】
鎖伸長ステップにおいて付加するヌクレオチドまたはヌクレオチド類似物は検出を容易にするために標識されてもよい。好適な標識の例には、放射性同位体、蛍光部分、ハプテンおよび発色または化学発光酵素システムの成分が挙げられる。
【0055】
追加の方法としてまたは別の方法として、規定の配列のプライマーを容易に同定させられる特定のタグを使用して規定の配列のプライマーを標識することができる。例として、質量分析計で分離可能な異なる質量のタグ、適当な検出装置を使用して「読む」ことができる分子バーコード、特定のサインの放射を生じる傾向タグの組み合わせ等が挙げられる。
【0056】
標識の性質は、各試料中に存在するマーカーを検出するための最良の方法を決定する。断片が未標識である場合または全てが同様に標識されている場合には、従来のHAPPYマッピングと同様に、増幅された断片は、有利なことに、ゲル電気泳動によって検出される。
【0057】
しかし、特定の標識を使用することにより、FACSまたは質量分析計などによって断片を選別することができる。例えば、Griffinら、(1997) Nature Biotechnology 15:1368参照。標識が各プライマーに対して特異的に作製される場合には、増幅の必要なしに、特定の断片の存在について個々の分割量の試料を選別することができる。
【0058】
3.核酸切断
配列特異的な方法での核酸の切断は、上記に記載されている制限エンドヌクレアーゼ消化を含む、任意の好適な方法によって実施することができる。別の方法には、三重らせん形成による二重らせんDNAの配列特異的切断(H.E.MoserおよびP.B.Dervan(1985)Science 238,645-650参照)、放射性ヌクレオチドの使用(例えば、Karamychevら、J Nucl Med 2000;41:1093-1101)、米国特許第6,018,058号に記載されている合成制限酵素、CAP−およびFos−に基づいた分子(http://www.cryst.bbk.ac.uk/PPS2/projects/hastie/dsc.htm)並びに国際公開公報第00/20622号に記載されているジンクフィンガーポリペプチドの使用が挙げられる。
【0059】
4.用途
本発明の改善されたHAPPYマッピング技法は任意のマッピングプロジェクトに適用することができる。従って、染色体などのゲノムまたはゲノムDNAのマッピングは、HAPPYマッピング技法の適用が可能であることがすでに示されており、本明細書に記載されている改善された方法の適用が可能である。本発明のさらに別の用途は、本発明の明細書に基づいて当業者に明らかになる。
【0060】
本発明のHAPPYマッピング技術または実際には任意のHAPPYマッピング技術の好ましい適用を以下に記載する。
【0061】
A.ハプロタイプ決定
上記のように、HAPPYマッピング方法は、ゲノムDNAのラムダム切断およびランダムサンプリングにより、(典型的には)サブ−ゲノム量のDNAを含有する試料セット(パネル)を作製する。パネルの同一メンバーに見出される(すなわち、同時切断する)ことが多い配列(マーカー)は、断片の平均サイズと比較して、ゲノム内で接近して存在すると推論することができる。放射線ハイブリッドマッピングは、HAPPYマッピングといくつかの特徴を共有するが、切断は生きている「ドナー」細胞を照射し、次に異なる種の未照射の「宿主」細胞と融合することによって実施される。ドナーの染色体断片には結果として生ずるハイブリッドに保持されるものもあり、生ずるハイブリッドは、次いで、ドナーマーカーの内容について分析される
【0062】
通常の用途では、どちらかの方法によって分析されるマーカーは単型であり、それらが多型である場合には、多型は無視される(マーカーの対立遺伝子は1つとしてスコアリングされる)。しかし、多型マーカーの対立遺伝子がマッピングパネル上で識別され、個別にスコアリングされる場合には、ハプロタイプ情報(すなわち、二倍体ゲノムの2つ以上のマーカーの対立遺伝子間の連鎖相)を求めることができる。
【0063】
ハプロタイプ情報は、多型(特に、一塩基多型、SNPs)と、現在では広範に調査されている疾患または薬剤に対する有害作用の罹患性との関係、SNPハプロタイプと集団間の「通常の」可変的な特徴との関係、およびヒトの集団移動を追跡するためのSNPハプロタイプの使用を含むが、これらに限定されない数多くの用途にSNPハプロタイプ情報が有用である、特にヒトゲノムにおいてかなり興味深い。
【0064】
HAPPYマッピングは、以下のように、ハプロタイプ決定に適用することができる。マッピングパネルは通常の方法で作製されるが、マーカーの検出およびスコアリングは、多型マーカーの対立遺伝子を識別するような方法で実施され(マーカーの2つの対立遺伝子は、本明細書においては大文字および小文字、例えば、A、aによって示される)、各対立遺伝子の結果は個別に記録される。2つ以上の多型マーカーがスコアリングされる場合には、各々の対立遺伝子の近さを求めることができる。例えば、親ゲノムがハプロタイプABおよびabを含有し、マーカーA/aがマーカーB/bに十分に近い位置に存在する場合には、同時分離(従って、連鎖)はAとBの間およびaとbの間には観察されるが、Aとbの間またはaとBの間には観察されない。従って、親ハプロタイプを決定することができる。ハプロタイプ情報を得ることができる距離は、マッピングパネルを作製する際に使用する断片のサイズによって決定される。
【0065】
多型の性質に応じて、必要なスコアリングおよび対立遺伝子の識別のために多数の方法が存在する。これらの方法のいずれかを本発明に関連して適用することができる。
【0066】
多くの例において、ゲノム内のマーカーの位置はすでに決定されており、連鎖相だけが必要である。これらの場合には、先験的にマーカーの順序および空間的位置を決定するのに必要であると思われるより少ない数のパネルメンバーを分析するだけでよい。また、マップ情報がすでに存在する場合には、マッピングパネルの解像はほとんど問題とされない。このように、ハプロタイプを決定することができる範囲を最大にするために、パネルはできるだけ大きいDNA断片から作製することができる。極端な例では、ゲノムDNAは切断されないままで、完全な染色体DNA分子(または染色体)はパネルメンバーに分離され、この例では、結果は染色体上のマーカーの順序または空間的位置を決定することができないが、染色体の長さ分のハプロタイプデータを生ずる。各対立遺伝子が独立マーカーと考えられるので、理想的には、ハプロタイプ決定に使用するために作製されるHAPPYパネルは、通常のマッピングに使用されるもののほぼ2倍の量のDNAを含有しなければならない。しかし、標準的なHAPPYパネルにとって許容されうるDNAの濃度範囲は、ハプロタイプ決定に対応するのに十分に広い。
【0067】
原則として、同じ方法を使用して、放射線ハイブリッドパネルからハプロタイプデータを得ることができるが、大多数の個人のハプロタイプが必要とされる場合には、RHパネルを作製する相対的な困難さによりこの方法はあまり関心を持たれない。
【0068】
B.染色体のマッピング
上記のように、切断された核酸の代わりに染色体全体を使用してハプロタイプ情報をマッピングするまたは得ることが有利な場合がある。さらに、より大きいDNA断片を使用することにより、通常中程度から高い解像において有用なHAPPYマッピングを、低解像度マップを提供するように拡大適用することができる。
【0069】
HAPPYマッピングにおいて、DNAは、先ず従来通り、機械的または他の手段による切断の前に、比較的純粋な形態(溶液または保護用ゲルマトリックス)で単離される。しかし、長いDNA分子は不安定な性質であるので、鎖長数百万塩基対(Mb)より長い断片を操作するのが困難になる。このように、マーカー間の連鎖は、数Mbまでの長さでは容易に求めることができる。
【0070】
本発明は、「ネーキッド」DNA断片ではなく、完全な染色体、染色体の断片またはクロマチンのサンプリングおよび分析(限界希釈において)に基づいたいくつかの用途を記載している。これらの形態のDNAの天然のパッケージングにより、完全な染色体を含む、ネーキッドDNAを取り扱う場合より大きい、断片を単離および操作することが可能になる。
【0071】
DNAは、クロマチンまたは分裂中期の染色体の形態で細胞から放出される。これらの形態のどちらにおいても、DNAは安定化されており、ヒストンおよび他のタンパク質と結合することによって緻密にされている(必要に応じて、インサイチューハイブリダイゼーションまたはフロー−ソーティング用に分裂中期の染色体を調製する場合に使用される部分的な固定技法などの他の処理によってさらに安定化してもよい)。次いで、機械的な切断を使用して、クロマチン/染色体を断片に切断し、その溶液を希釈し、各々約0.05〜2ゲノム当量のDNA(しかし、好ましくはパネルの各メンバー中ほぼ同じ量のDNA)を含有する試料パネルに分注する。約0.2〜約1.5の範囲が、一般に、有用であると考えられる。2コピーを超える使用は不利であるが、使用することができるコピー数に決まった下限はない。各マーカー配列が少なくとも1つの(好ましくは2つ以上の)メンバーにおいて確実に発現されるのに十分なパネルメンバーが分析されれば、本発明の原則は、分割量あたり任意に低い量のDNAに適用することができる。次いで、HAPPYマッピングパネルの分析についてすでに記載されている方法で試料を分析する。DNAを確実にPCR増幅されやすくするために、プロテイナーゼ−Kを用いた前処理または他の方法が必要な場合もある。
【0072】
無傷の分裂中期の染色体は通常溶液で作製されており、溶液で取り扱われているので、パネルメンバーに分離される断片は完全な染色体に至るまでの任意のサイズであってもよいことは明白である。(試料への分離が完了したら、マーカー内容が保持されている限り、DNAのさらなる断片化は重要ではないことに注目される)。HAPPYマッピングによって連鎖を最もよく検出することができる長さは、典型的には、使用するDNA断片の平均長さの0.5〜0.7倍以下である。このように、粗く切断された染色体断片から作製されるパネルは、マーカー間の平均距離が数Mb以上である過疎化状態のマップを作製するために使用することができる。これは、そのサイズでは従来のHAPPYマッピングによって作製される緻密なマップを作製することが実行不可能または不経済となるようなゲノムに有用である。
【0073】
分裂中期の染色体の断片をフローソーティングすることもできる(実際、断片状の染色体は、通常、染色体をフローソーティングする場合「バックグラウンド」と見られ、望ましい無傷の染色体の望ましくない分解または剪断により生じる)。このように、フローソーティングを、必要な数およびサイズの断片をマッピングパネルのメンバーに分離する方法として(希釈およびランダムサンプリングの代わりに)使用することができる。このような方法には、(a)各パネルメンバーのDNAの総量を精密にコントロールすることができ、(b)断片のサイズ範囲を狭く選択することができるという利点を有する。このような厳重な選択により、パネルの範囲および解像を微調整して取り扱い中のマッピング問題に対処することができ、任意のマーカー間の連鎖を反映するには小さすぎる断片、または有用なマッピング情報を含有するには大きすぎる断片を排除することによってマッピングデータの品質を改善が改善される。
【0074】
無傷の分裂中期染色体は、このような染色体溶液の限界希釈またはフローソーティングによってマッピングパネルのメンバーに分離することができる。この場合には、パネルは1つの染色体内のマーカーの順序および空間的位置に関する情報を与えないが、マーカーをそれぞれの染色体にグループ単位で同時局在化させることができる。これは、染色体がフローサイトメトリーで識別できないような種において、マーカーを染色体上に割り付けるのに特に有用である。例えば、ヒトの第9、第10、第11および第12染色体はフローサイトメトリーで識別することができない。1つまたは2つの染色体(Chr9〜12クラスターからランダムにサンプリング)を各パネルメンバーにフローソーティングすることによって、マッピングパネルを作製する場合には、パネル上のマーカーをタイプ分けすることにより、マーカーを染色体連鎖グループに迅速に割り付けることができると思われる。
【0075】
上記の方法は全てハプロタイプの決定にも適用することができる(多型遺伝子座間の連鎖相)。このような場合には、(対立遺伝子を識別するために確立されている技法を使用して)各マーカーの2つの対立遺伝子を独立にスコアリングすることだけが必要である。次いで、各対立遺伝子を独立マーカーとして処理することができ、(例えば)連鎖をAとB間およびaとb間で観察し、ハプロタイプABおよびabを明らかにする。マッピングパネルを作製する際にクロマチン/染色体断片または無傷の染色体を使用することにより、かなりの(または染色体の)長さにわたってハプロタイプを決定することができる。
【0076】
本発明は、以下の実施例において、例示目的のためだけに以下にさらに記載されている。
【実施例】
【0077】
[マッピングパネルの作製および事前増幅(pre-amplification)]
オオムギ(オオムギ(Hordeum vulgare)、変種「Optic」)の葉細胞から核を単離し、アガロースの帯状物(strings)に包埋する(0.5%w/v低融点アガロース、〜4000核/マイクロタイター)。帯状物を溶解溶液(0.5M EDTA、pH 9.0、1%ラウリルサルコシンのナトリウム塩、0.1mg mL-1プロテイナーゼ−K)に浸漬し、ゆっくり混合しながら45℃において48時間インキュベーションし、次いで0.5M EDTA、pH 9.0中で45℃において1時間インキュベーションし、次いで0.05M EDTA、pH 8.0中で氷上で1時間インキュベーションし、必要時まで0.05M EDTA、pH 8.0中で4℃において保存した。この操作中、溶解溶液はアガロース中に拡散し、核を溶解し、洗浄段階で拡散して流出するタンパク質および他の核物質を除去/分解し、実質的に純粋なDNAをアガロース内に捕獲させておく。DNAの切断頻度をコントロールすることは非常に重要であるので、アガロースは、望ましくない機械的な切断からDNAを保護する働きをする。
【0078】
マグネシウムを含まないPCR緩衝液5ml[これは、DNA変性のリスクを少なくするために、水より使用が好まれる]に68℃において帯状物の小切片を融解し、DNAを分散させ、それを約50〜100kbの断片に剪断するために試験管を数回転倒混和することによって切断が実施される。溶液を冷却させ、DNAがさらに機械的に剪断されないようにワイド−ボアピペットチップを使用して、マイクロタイター1つあたり約0.1一倍体ゲノム当量の濃度に水で希釈する。この溶液の5μlの試料を96ウェルマイクロタイタープレートの88のウェルに分注し、5μlの水を残りの8つのウェルの各々に分注する。蒸発を防ぐために、試料各々に1滴(〜30μl)の軽油を積層する。
【0079】
2μl容量あたり、0.7μlのOne−Phor−All緩衝液(Pharmacia、数多くの反応に好適な汎用緩衝液)、4.2単位の制限酵素DpnII(New England Biolabs)および水を含む消化マスター混合物を調製する。この混合物2μlをマイクロタイタープレートの各ウェルに分注する。全ての水性成分が各ウェルの油積層物の下層になるように、このプレートを短時間(〜500g、5秒)遠心分離する。マイクロタイタープレートを37℃において10分間インキュベーションする。次いで、65℃において30分間加熱することによって、制限酵素を不活性化する。DpnIIは認識配列GATCの箇所で切断し、切断が完了まで進行するように条件を選択する。
【0080】
6μl容量あたり、オリゴLIB1の100μM溶液1.5μl、オリゴdd−Sau3Aの100μM溶液1.5μl、One−Phor−All緩衝液0.8μl、0.26μlの1M NaClおよびNaClを含むライゲーションマスター混合物を調製する。このマスター混合物の6μlをマイクロタイタープレートの各ウェルに添加し、先のように短時間遠心分離する。プレートを85℃において20分間インキュベーションし、次いで1分あたり1℃の割合で15℃まで冷却する。オリゴヌクレオチドは以下のようである:
LIB1 5’AGT GGT ATT CCT GCT GTC AGG 3’
ddSau3A 5’GAT CCC TGA CAG C* 3’
ここで、C*は、ジ−デオキシヌクレオチドを示す。
【0081】
2μl容量あたり、1μlのT4DNAリガーゼ(5単位、Boehringer-Mannheim)および1μlの15mM rATP(pH7.4のTris−HClで中和)を含むリガーゼマスター混合物を調製する。この溶液の2μlを各ウェルに添加し、プレートを短時間遠心分離して、水性成分を油積層物の下層にする。次いで、プレートを16℃において終夜(〜16時間)インキュベーションする。
【0082】
オリゴヌクレオチドは以下のように配列されている:
【化1】
Figure 2004532047
斜字体=LIB1、下線=ddSau3A、標準=制限断片(X、Y=任意の塩基、鎖長は典型的には100〜500bp)。注記−ライゲーションはLIB1と制限断片(二重下線で示す)の間でだけ生じ、ddSau3Aと断片の間には生じない(その理由は、必要なリン酸基が存在しないからである)。同じ理由により、その後の増幅を妨害すると思われる(「リンカーダイマー」)、ddSau3AとLIB1オリゴ単独の間のライゲーションは起こりえない。
【0083】
37μl容量あたり、5μlの10 PCR Buffer No1(Boehringer Mannheim)、0.8μlの25mM dNTP溶液(すなわち、dATP、dCTP、dGTP、dTTPを各々25mM)、1.4μlのExpand Long Polymerase(Boehringer Mannheim)および水を含む全ゲノム増幅混合物を調製する。この溶液の37μlをマイクロタイタープレートの各ウェルに分注する。次いで、以下のように、熱サイクルを行うことによって、全ての制限断片の増幅を実施する[理想的には、ある断片は増幅しない場合があってもよく、その理由は、例えば、それらは大きすぎて、DpnIIの認識部位が広範に配置されている配列領域にあるからである]:
1)68℃×4分[この段階で、オリゴddSau3Aは変性され、各制限断片の各鎖の3’末端の伸長が生じ、ライゲーションされたLIB1オリゴに相補的な領域を合成する。従って、この段階の後、全ての制限断片は、各末端にLIB1配列およびその相補鎖を保有する)。
2)94℃×40秒、57℃×30秒、68℃×75秒を14サイクル
3)68℃で75秒ではなく105秒として、上記のように34サイクル
4)68℃で75秒ではなく300秒として、上記のように1サイクル
(段階2、3および4では、過剰のオリゴLIB1によって開始されて、接続された制限断片の指数的な増殖が生じる)。
【0084】
次いで、水で反応液を連続的に8000倍に希釈し、任意のマーカーまたは特定のマーカーの検出に必要になるまで(以下)−20℃で保存する。
【0085】
[特定のマーカーの検出]
特定のマーカー(すなわち、特定のプライマーを使用して事前に決定した配列)の検出は、上記から希釈した産物の各々5μlを、以下を(さらに)含む反応液中で増幅する:
1×「Gold」PCR緩衝液(Perkin Elmer)
0.25U「Gold」DNAポリメラーゼ
1.5mM MgCl2
特定の順方向および逆方向オリゴヌクレオチド各々1μM(例は以下参照)
dATP、dCTP、dGTP、dTTP各々200μM
総容量10μl
【0086】
反応液を96ウェルマイクロタイタープレートにセットし、鉱物油(1ウェルあたり±30μl)を積層するか、または適当な密封フィルムを使用して密封する。以下のように、熱サイクルを実施する:
93℃×5分
94℃×20秒、55℃×30秒、72℃×60秒を38サイクル
(アニーリング温度、上記の例では55℃は、オリゴヌクレオチドプライマーの融解温度により調節することができる)。
【0087】
好適なロード用緩衝液(15%w/v Ficoll 400、0.15mg/ml ブロモフェノールブルー、4×SyBr Greenを1×TBE緩衝液に溶解したものを8μl)を産物に供給し、混合物の10μl試料を電気泳動によって分析する(0.5×TBE緩衝液に6%ポリアクリルアミドゲルを加えたもの)。
【0088】
例えば、オオムギゲノム内の位置が既知である(およびシステムのテストとして働くと思われる)3つの特定の配列(「マーカー」)について上記の手法を連続的に実施した。特定のプライマー配列は以下のようである:
14−4:
順方向=GTCACTTGTCATCATTTGTCC
逆方向=GCACCATGAATACAATCATCC
14−5:
順方向=CAACGATGAGATGGTAACCG
逆方向=CTCGCAGTCTGTTCGTTGG
1−16B:順方向=CTGTGCAAACAACATGACC
逆方向=CTGTTTGACCAGTTGTTTGC
【0089】
各プライマー対は、既知のDNA配列の短い(数百塩基対)セグメントを増幅する。各場合において、セグメントは、それらの中に、DpnIIの制限部位を含有しないことが知られている。マーカー14−4および14−5は互いに非常に接近して(<2kb)存在することが知られているが、1−16Bは、これら2つからかなり距離をおいて(>100kb)存在することが知られている。
【0090】
結果の分析は、14−4と14−5の間には強力な同時分離が存在したことを示しており、2つのマーカーは各々マッピングパネルの88のメンバー(マーカーを含有しない8つの陰性対照を除く)の±60%に存在し、パネルへのこれら2つのマーカーの分布に大きな類似性がある。これら2つのマーカー間ではLodスコア14.2が算出され、これは連鎖を強く示している。マーカー1−16Bもマッピングパネルの非陰性対照メンバーの±60%に存在するが、その分布は、他の2つのマーカーの分布とは明らかに関連性を示さず、1−16Bと14−4および1−16Bと14−5のLodスコアは、それぞれ、0.4および0.7であり、これらはあまり有用ではない。
【0091】
ライゲーション−媒介性PCRの希釈産物は、この方法では約80,000の特定のマーカーをタイプ分けするのに十分であることが明らかである。しかし、この産物は、LIB1プライマーを使用すると、さらなる非−選択的増幅を受けやすく、本質的に無制限量の物質を提供することも明らかである。
【0092】
[任意のマーカーの検出]
希釈した事前−増幅産物の各々から5μlの分画を取り、(希釈産物以外に)0.25単位の熱安定性DNAポリメラーゼ(Taq Gold、Perkin Elmer)、1×PCR「Gold」緩衝液(ポリメラーゼの供給元による推奨)、1.5mM塩化マグネシウム、200μMの各dNTPおよび1μMのプライマーLIBSEL−A (5’CCT GCT GTC AGG GAT CGT CC 3’)。
【0093】
(最初の12塩基はLIB1の3’側の12塩基と同一であり、次の4つは、全ての断片に共通のDpnIIの認識配列と同一であり、最後の4つの塩基は選択的で、断片の末端の〜1/256番にだけ対応物を有する)。蒸発を抑えるために、混合物に鉱物油を積層し、熱サイクル(93℃×9分、ついで94℃×20秒、64℃×30秒および72℃×60秒を33サイクル)に付する。100〜500塩基のサイズを有する断片を解像することができる、標準的なプロトコールを使用したゲル電気泳動で各反応の産物を分析する。
【0094】
このような反応は各々(マッピングパネルの各メンバーに対応する)数多くの産物を産生し、各場合の産物は、各末端の制限部位の内側に適当な4つの選択的なヌクレオチドを保有するゲノムの数十のDpnII断片のサブセットである。解像可能な断片の各々の有無について各反応液をスコアリングし、96の分割量においてそれらがどれくらいの頻度で同時分離しているかを調べることによって互いに対してマッピングする。従って、各断片は、サイズ(電気泳動によって決定される)、それを作製するために使用した制限酵素(DpnII)およびそれを増幅するために使用した選択的プライマー(LIBSEL−A)の組み合わせによって規定されるマーカーであると考えることができる。種々の理由のいずれかのために増幅(全体的または選択的)が失敗する、またはマーカーが1本鎖コピー配列ではない(96分割量中の陽性の数を見ることによって容易にわかる)、または別のマーカーとほぼ同じサイズであるので、電気泳動で解像することができないことにより、マッピングできないマーカーもある。しかし、大多数のマーカーは、ある割合の試料中で検出することができ、連鎖頻度の表作成および算出によってマッピングすることができる。
【0095】
上記の明細書中に記載されている文献は全て参照として本明細書に組み入れられている。本発明の範囲および精神から逸脱することなく、記載されている本発明の方法およびシステムに種々の改良および変更を加えることができることは、当業者に明らかである。本発明は具体的な好ましい実施態様に関連して記載されているが、主張されている本発明は、このような具体的な実施態様に不当に限定されるべきではないことが理解されるべきである。実際、分子生物学または関連の分野の当業者に明らかである、本発明を実施するために記載されている様式の種々の改良は、以下の特許請求の範囲内であることが意図されている。

Claims (16)

  1. 核酸を分析する方法であって、
    a)複数の核酸試料を含むHAPPYマッピングパネルを供するステップであって、各試料が、マッピング対象の該核酸からランダムに選択された切断されたDNAの断片を含有し、質量について、マッピング対象の該核酸の1つのコピーの質量の0.05〜2倍に達するステップと、
    b)該試料中の該核酸を規定の配列において完全に切断して核酸断片を作製するステップと、
    c)該核酸断片の5’末端および3’末端にリンカーをライゲーションするステップと、
    d)リンカー特異的プライマーを使用して該核酸を全体的に増幅するステップと、
    e)プローブのレパートリーを供するステップであって、各プローブが、該リンカーの配列に相補的または同一の第1の配列と、該レパートリーの各プローブにおいて異なる隣接する第2の配列とを含むステップと、
    f)該レパートリーの1つ以上のプローブを該試料にハイブリダイゼーションして、該試料中の該1つ以上のプローブに相補的な配列の有無をスコアリングするステップと
    を含む方法。
  2. 前記ステップd)が、
    i)各試料から複数の特定の核酸断片を増幅するステップと、
    ii)i)で増幅した断片をサブ試料に分割するステップと、
    iii)i)で使用したプローブより特異性が高い1つ以上のプローブを該サブ試料にハイブリダイゼーションするステップと、
    iv)必要に応じて、ステップi)およびステップii)を繰り返し反復するステップと、
    v)前記試料中の前記1つ以上のプローブに相補的な配列の有無をスコアリングするステップと
    を含む請求項1に記載の方法。
  3. 前記ステップe)における前記1つ以上のプローブを使用して、前記試料から特定の核酸断片が増幅される請求項1または請求項2に記載の方法。
  4. 前記マッピングパネルの2つ以上の試料が、1の一倍体細胞に由来する請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. 前記マッピングパネルの前記試料が、希釈により、1以上の二倍体細胞または2以上の一倍体細胞に由来する請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  6. 前記マッピングパネル試料が、1つ以上の制限エンドヌクレアーゼ酵素を使用して切断される請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
  7. 前記リンカーが、鎖長7〜40ヌクレオチドである請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
  8. 前記プローブレパートリーの各プローブが、前記リンカーの配列またはそれに相補的な配列と、2〜20ヌクレオチドの別の配列とを含む請求項1〜7のいずれかに記載の方法。
  9. 前記別の配列が、少なくとも部分的にランダムに作製された配列である請求項8に記載の方法。
  10. 各プローブが、既知の配列である請求項8に記載の方法。
  11. 各試料中のいずれかの核酸断片の有無が、ゲル電気泳動によってスコアリングされる請求項1〜10のいずれかに記載の方法。
  12. 2つ以上の多型DNA遺伝子座の対立遺伝子間の連鎖相を求める方法であって、
    a)ゲノムDNAを含むマッピングパネルを調製するステップと、
    b)マーカーの両対立遺伝子の存在について該ゲノムDNAをサンプリングするステップと、
    c)ハロタイプ情報を提供するために、対立遺伝子間の同時分離頻度を求めるステップと
    を含む方法。
  13. 前記ゲノムDNAが、マーカーを検出するために核酸増幅を使用してサンプリングされる請求項12に記載の方法。
  14. 前記増幅が、前記核酸を特異的に切断し、増幅プライマーがハイブリダイゼーションするリンカーをライゲーションすることによって実施される請求項13に記載の方法。
  15. 前記マッピングパネルが、染色体全体または染色体断片を含む請求項1〜14のいずれかに記載の方法。
  16. 前記マッピングパネルが、実質的に、染色体全体または染色体断片からなる請求項15に記載の方法。
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