JP2004530874A - 原子力発電所の補助構成要素に非常用電源を行うための装置及び方法 - Google Patents
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Abstract
本発明は、原子力発電所の特別の水素システム、及び圧縮空気システム又は特別の酸素システムから、水素、及び空気又は純粋な酸素が供給される燃料電池(2)を含む非常用電源装置に関する。非常用電源はまた、燃料電池(2)と、適当なインタフェース(例えば、チョッパー)を介して燃料電池に対して並列又は直列に配置されたスーパーコンデンサの装置とのハイブリッドシステムの形態で提供される。燃料電池は、PEMFC型の燃料電池であり得る。燃料電池は、特に、加圧水型原子炉の一次ポンプの接合部の中に水を注入するポンプのモータの電源を確保する。燃料電池はまた、前記回路の正常電源の損失の場合に、原子力プラントのある監視及び制御回路に電力を供給するために使用される。本発明のシステムの出力は、500kVAに達することができる。
【選択図】図1
【選択図】図1
Description
【技術分野】
【0001】
本発明は、原子力発電所、特に、加圧水冷却型原子炉を有する原子力発電所の補助構成要素への非常用電源を提供するための装置、及び、原子力発電所の補助構成要素のための主電源の故障の場合に、非常用電源を作り出す方法に関する。
【背景技術】
【0002】
原子力発電所の多くの補助構成要素、特に、原子力発電所の主要構成要素を監視し、制御し、或は保護するために使用される補助構成要素には、原子力発電所の原子炉のあらゆる操作段階の間、補助構成要素の機能を遂行することができるようにするため、電流を継続的に供給しなければならない。
【0003】
例えば、原子炉の十分な運転を行うために、原子力発電所の電気ビルディングに備え付けられた回路遮断器及び接触器、電動弁及び電磁弁の転極接触器のような装置に、いかなる状況下でも利用できるように、継続的に電流が供給されることが可能でなければならない。
【0004】
この装置には、例えば、交流380Vの回路網及び整流器から、原子力発電所によって提供された125Vの直流電流が供給される。
【0005】
万一、原子力発電所の電源の中断をもたらす事件又は事故が起きても、上述のように、電気設備の機能を保持することが必要である。
【0006】
この電気設備がいかなる状況下でも継続運転を行うために、例えば、250Aの最大電流で、125Vの公称電圧を出すことができる鉛又はカドミウム蓄電池のような蓄電池が、通常使用される。
【0007】
原子力発電所の正常運転状態では、蓄電池は、多数の構成要素に電流を供給することから生じる臨時の電流消費ピークを除いて、いかなる電流も生じさせない。
【0008】
原子力発電所の正常電源が中断された場合、蓄電池単独で、電気設備に供給されるエネルギーを提供しなければならず、このような事件又は事故は、例えば、電気設備に供給する手段の局部的な故障である可能性がある。
【0009】
この場合、蓄電池は、公称電圧125Vで、電圧が蓄電池の端子で約105Vの制限電圧より下がることなく、少なくとも一時間の間、電気設備に電力を供給することができなければならない。
【0010】
電源について最低限の所望の作動寿命に到達するために、この機能を提供することができる蓄電池の大きさ及び質量は極めて大きい。
【0011】
加圧水冷却型原子炉は、加圧水を一次ポンプによって循環させる原子炉冷却システムを有し、一次ポンプは、ポンプの渦形室の内部に、ポンプモータに連結されたシャフトによって回転させられるポンプ羽根車を有する。
【0012】
一次ポンプのシャフトは、大気圧でモータに連結された部分と、非常に高圧且つ非常に高温の水を受ける渦形室内でポンプ羽根車に連結されたその端部分との間で、幾つかの一連のシールを貫通する。
【0013】
シールの不変の完全性をもたらすために、原子炉冷却機システムの外部に、原子炉の冷却材の漏れを引き起こす、シールの連続する破壊を防止するために、加圧水を第1の一連のシールに導入することが必要である。
【0014】
したがって、破壊及び原子炉冷却材の漏れのいかなる危険性をも防止するために、シールへの冷水の連続した供給を行うことが必要である。
【0015】
正常運転中、強力なチャージングポンプが、シールへの冷水の供給を行う。正常の電源の損失がある場合、一般に380Vの三相交流電流が供給される電動モータによって駆動される容積式ポンプによって、水が第一の一連のポンプのシールに注入される。
【0016】
原子力発電所(主要回路網、補助回路網、及び、電動発電機セット)によって提供された380Vの電流が中断すると、一次ポンプのシールへ水を注入するポンプのモータのための電源を提供することが必要である。
【0017】
例えば、注入ポンプの電流供給の中断をもたらす事件又は事故の場合に起動される、原子力発電所の蒸気発生器によって供給されたタービン発電機を使用することが提案されている。
【0018】
タービン発電機を起動するのに必要とされる時間は、一次ポンプのシールに注入欠陥をもたらすことがある。その上、タービン発電機は定期的に検査されなければならず、タービン発電機の維持には費用がかかる。
【0019】
注入ポンプのための駆動電流を発生させるためのタービン発電機の起動は、正常電源の損失後、二分間の最大時限内に行われなければならず、その時限は、加圧水をシールに供給することなしでの、一次ポンプの運転の最大時間に対応する。この時限は、第1の一連の一次ポンプのシールのアルミナ皮膜に対するあらゆる熱衝撃を防ぐように決定される。
【0020】
経験では、蒸気発生器から取り出された蒸気によって駆動されるタービン発電機が、特に、システム内の水の存在により、起動時に幾つかの不良点を有することがあることを示している
【0021】
したがって、原子力発電所のシステム及び構成要素に容易に一体化することができ、バッテリーの寿命よりも長い作動寿命を有し、且つ、急速且つ安全に運転に入ることができる、原子力発電所の補助構成要素の非常用電源に利用できる手段を有することが望ましい。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0022】
したがって、本発明の目的は、大きさが小さく、運転が非常に安全であり、且つ、良好な作動寿命を有し、維持運転をほとんど必要としない、原子力発電所の補助構成要素の非常用電源のための装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0023】
この目的のために、本発明による非常用電源のための装置は、水素を含有するガスの少なくとも一つのタンクから水素を含有するガスが、また、酸素を含有するガスの少なくとも一つのシステムから酸素を含有するガスが供給される少なくとも一つの燃料電池を含む。
【0024】
本発明をより良く理解するために、一次ポンプ又は監視及び制御用配電盤のための非常用電源のための、本発明による電源装置とその使用を、今、添付の図面を参照して、実施例により説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
図1には、参照番号1で全体的に示す、本発明による非常用電源装置が概略的に示され、且つまた、燃料電池を使用する電源装置を作動するのに使用される、原子炉のタンク及びシステムが概略的に示される。
【0026】
装置1は、直列に配置され、且つ、電流の発生の数段を形成する、2a及び2bのような、燃料電池を形成する、幾つかの要素を主に含む。
【0027】
さらに、装置1は、燃料電池ユニットへの水素と酸素の供給、燃料電池の冷却、また、使用されてない水素のリサイクル及び形成され又は燃料電池ユニットに導入された、それぞれ異なるシステムを含む。
【0028】
図2は、燃料として水素を使用し、且つ、酸化剤として空気を使用するPEMFC型の燃料電池の一つのユニットセルを概略的に示す。
【0029】
図2に示すセル3は、燃料電池の動作を理解するのを助けることを意図した、燃料電池のユニットセルである。
【0030】
セル3は、水素入口区画室3a、空気入口区画室3b、及び、区画室3aと3bの間の、第一電極4a(アノード)、第二電極4b(カソード)、及び、電極4aと4bの間の、固形電解質を形成するポリマーで作られた水含浸膜6を含む。多孔質の電極4a(又は4b)上に配置された触媒4’a(又は4’b)により、セル3の中を通るガスを通過させる。
【0031】
電極は、電導性炭素布上に白金炭素粉末の混合物を堆積させることによって生産される。アノード4aには、水素(又は、水素を含むガス)が供給され、カソード4bには、酸素を有するガス、例えば、空気が供給される。
【0032】
燃料電池は、燃料電池に導入された水素と酸素を使用して、化学的な酸化還元反応の自由エネルギーを電気エネルギーに直接変換することを可能にする。
【0033】
アノード4aと接触するときに、水素分子は、電子の放出で、水素イオン(プロトン)に変換される。
【0034】
水素イオンは、それらが水素イオン及び酸素分子の面前に在るカソード4bに到達するために、図2に矢印8で示すように、電解質の中を通る。カソード4bに含まれる触媒の影響下で、水素イオンは、燃料電池に導入された空気の酸化酸素を、電子の吸収で還元する。その反応は、矢印9で示すように、水蒸気の形で水を産出する。
【0035】
アノード反応によって生じた電子は、燃料電池のユーザ回路10を流れ、カソード4bに至る。このようにして、アノードとカソードとの間に電位差が得られ、燃料電池のユーザ回路10に電流が得られる
【0036】
燃料電池の、O2/H2O対の酸化還元電位に相当する理論的な電圧は1.23Vである。
【0037】
燃料電池内部の損出を考慮することが必要であるので、この電圧は、実際には、図2に示す要素当たり、0.6Vと0.9Vとの間にある。
【0038】
水含浸膜6は、カチオンタイプの膜であり、水素分子H2(矢印7’a)が導入されるアノード4aから水素イオンH+だけを通過させる。燃料電池3の第二区画室3b内に導入された空気からの酸素O2は、矢印7’bで示すように、カソード4bに導入される。
【0039】
実際に、第二区画室3bに導入された空気は、燃料電池全体を通過して、燃料電池内に形成された水蒸気又は水を押し流し、パージ用空気中に浮遊して形成された水蒸気又は水を含む混合物は、矢印11a及び11bで示すように、第一区画室3a及び第二区画室3bの両方から取り出される。
【0040】
非常用電源を提供するために、十分な電力を燃料電池から得るために、図2に示すように、複数のユニットセルを並べることが必要である。
【0041】
例えば、一次ポンプのシールへ水を注入するためのポンプの非常用電源について、約150kWの電力を利用することが必要であり、その電力は、多数のユニットセルを並べることによって得ることができ、ユニットセルの数は、得られるべき直流電圧によって決定され、また、ユニットセルの断面(電極の表面)は、生じさせなければならない電流の値によって決定される。
【0042】
例えば、150kWの電力を得るために、図2に示すようなPEMFC型の250のユニットセルを使用することができ、その断面は、420mmの幅と420mmの高さを有する。
【0043】
連続するユニットセルのアノード及びカソードにそれぞれ取り付けられた二極板(bipolar plate)5aが、二つの連続したセルの間に配置される。二極板は、ガス(水素及び酸素)をセル3の間に分配し、一方のセルから次のセルへ電子を収集し、燃料電池内の反応によって形成された生成物(特に、水蒸気)を除去し、そして、セル内に生じた反応熱を除去する。
【0044】
ユニットセルの各々は、二極板、アノード、膜及びカソードを有し、第二二極板は、二つの連続する並置したセルに共通である。
【0045】
燃料電池の全体が、端の区画室の所定の寸法を仮定すれば、約2300mmの長さを有するように、通常タイプのPEMFCセルは、約10mmの厚さを有する。
【0046】
したがって、図1に示す、2a及び2bのような、非常に多数のユニットは、非常用電源を提供する望ましい電気的特性を有する燃料電池2を形成するために並置される。
【0047】
燃料電池には、各セルの両端に、二極板に、又は、区画室3a及び3bに、水素と空気が供給される。
【0048】
区画室3a及び二極板のための水素は、燃料電池の区画室3aの入口ノズル13に、及び、5aのような二極板5aに連結された水素システム12によって供給される。
【0049】
原子力発電所は、一般的に、水素の貯蔵及び分配のための原子力発電所自身の手段を有し、その手段は、水素を燃料電池に供給するための水素システム12の第一部分12aを構成する。
【0050】
水素システム12のこの第一部分12aは、高圧(例えば、197バール)下の一つ以上の水素貯蔵タンク14と、水素圧力を分配圧力(例えば、7バール)まで減ずるためのステージ15と、例えば、原子炉の化学体積制御システム(矢印16a)、又は原子力発電所オペレータのユーザ回路(矢印16b)に、水素を分配する停止弁15aと、を有する。
【0051】
燃料電池に供給するための水素システム12は、例えば、原子力発電所の既存の水素システムの第一部分12aに、水素の圧力を(例えば3バールまで)減ずるための第二ステージ17と、停止弁17aと、逆止弁17bと、システムの部分12aを停止弁15aの下流で燃料電池のノズル13に接合するためのパイプ18とを有する、システム12bの部分を取り付けられることによって作られる。
【0052】
さらに、水素を分配するための水素システム12は、燃料電池内で消費されなかった水素を第一区画室路3aの第二ノズル13’を経て回収するリサイクル部分12cを有し、回収された水素は、第一区画室3aの水素入口ノズル13に連結されたパイプ18に再び導入される。
【0053】
回収システム12cは、余分な水素を燃料電池内に形成された水蒸気から分離することを可能にするセパレーター19を有し、水蒸気は凝縮され、次いで、原子炉から排水回収システム20へ除去される。
【0054】
逆止弁21a、停止弁21b、及び、燃料電池によって電気が供給される循環ポンプ22も、水素回収システム12cに設置される。
【0055】
燃料電池から要求される電力に応じて、多量又は少量の水素が回収され、貯蔵タンク14から取り出される水素の量を減少させるように、その水素をリサイクルすることができる。
【0056】
このようにして、非常用電源装置の電力で運転を調製し、且つ、水素の消費を最適にすることが可能である。
【0057】
発電所の水素供給源の代わりに、燃料電池に特有の水素システムを使用することも可能である。
【0058】
酸化酸素を提供し、且つ、燃料電池を清浄化する、燃料電池の第二区画室3b、及び二極板用の給気は、パイプ25によって第二区画室3bのノズル23に連結されたシステム24によって供給される。システム24は、原子力発電所で使用されている普通の構成要素である、圧縮空気のタンク26を有する。例えば、4m3の容積を有する圧縮空気のバッファータンク(buffer tank)26が使用され、空気を3バールの圧力で燃料電池に供給することを可能にする。
【0059】
パイプ25には、タンク26と燃料電池内に空気を注入するためのノズル23との間に、圧縮空気の圧力を(例えば、3バールの圧力にまで)減ずるための段階27が設置されている。空気の代わりに、水素分配システムと同じ原理により、加圧タンク(P=190バール)と、一つ又は二つの減圧装置と、停止弁と、を有する純粋酸素システムを使用することが可能である。
【0060】
酸素の使用は、燃料電池の効率を改善することを可能にする。
【0061】
燃料電池の第二区画室3bへ通じたノズル23’に連結されたシステム28は、燃料電池内で形成され、システム24より燃料電池に注入された空気と混合された水蒸気を除去することを可能にする。システム28は、排水回収システム20内に形成された水を、原子炉から除去することを可能にするセパレーター29を有する。
【0062】
水蒸気から分離された空気は、システム28からの排出パイプによって、大気中に除去される。
【0063】
燃料電池内部で化学反応によって生じたエネルギーの一部が熱の形で放出されるから、燃料電池2は加熱される。
【0064】
燃料電池を冷却することが必要であり、このため、原子力発電所の純水システム30からの冷却水が、注入システム31を経て、燃料電池の特別のパイプ内に注入され、注入システム31は、注入システム31及び燃料電池内に脱イオン水の流れを作るために、燃料電池によって電流が供給されるポンプ32を有する。脱イオン水はまた、燃料電池のレベルよりも大きいレベルでタンクから重力の影響下で流してもよい。
【0065】
燃料電池内で流れる水は、原子炉からの排水回収システム20に連結されたシステム33によって回収される。
【0066】
回収システム33は、二極板により燃料電池のアノード部分及びカソード部分に連結された枝部を有する。停止弁33aが、システム33内に設置されているので、停止弁33aが開いているとき、回収された水は、排水回収システム20へ除去される。
【0067】
燃料電池を加熱するための(コイルの形で示す)装置44は、燃料電池が非常用電源に使用されていないとき、燃料電池を作動温度に保つことを可能にする。この方法で、燃料電池を使用することが必要になったとき、燃料電池のスタートアップの時間が短縮される。
【0068】
燃料電池によって作り出された電流を使用する回路を、10で表す。直流電流が低電圧でユーザ回路10の中を流れるように、回路は、二極板を経て、燃料電池のカソード部分とアノード部分に接続される。
【0069】
燃料電池によって直流電圧で作り出された電流を回収するための回路が、図3に示すように、事件又は事故の場合に電源の継続をもたらすことが望まれる、原子力発電所の構成要素に接続される。
【0070】
図4は、配電盤40のための、及び、原子力発電所、又は他の燃料電池の補助設備(例えば、ポンプ)の、電磁弁のコイル、モータ又は接触器のような、回路41を経て、電流を使用する構成要素のための正常及び非常用電源手段を示す。
【0071】
配電盤40の正常電源手段42は、特に、交流電流を原子力発電所に与える回路網に接続され、かつ、例えば、125Vの電圧で直流電流を得る整流器を有する電源ユニットを有する。
【0072】
非常用電源手段は、特に、燃料電池2と、構造的及び機能的特徴を以下に説明する少なくとも一つのスーパーコンデンサ(supercapacitor)38を有する設備と、を有する。燃料電池2及びスーパーコンデンサ38は、配電盤40に、及び、回路41に接続さた一般の電源ラインに並列に接続され、正常電源42に対して電源ラインに直列に配置される。
【0073】
それぞれの制御される回路遮断機又は継電器37、39及び43が、正常電源42、燃料電池2及びスーパーコンデンサ38を一般の電源供給ラインに接続する枝部に配置される。
【0074】
配電盤及びユーザ回路への正常電源が利用できるとき、回路遮断機37及び43は閉じられ、回路遮断機39は開かれる。配電盤40及びユーザ回路41は、正常電源手段42によって供給される。
【0075】
スーパーコンデンサ38は荷電状態に保たれる。
【0076】
万一、正常電源が失なわれても、回路遮断機37を開き、且つ回路遮断機39を閉じることによって、非常用電源が使用される。
【0077】
配電盤40及びユーザ回路41には、まず、スーパーコンデンサ38によって、次いで、スーパーコンデンサ38の放電中に、起動されて電流を発生する燃料電池2によって電流が供給される。このようにして、電源の改善された継続性がなされる。スーパーコンデンサは、燃料電池の起動中、配電盤40への電流供給を保証するように寸法決めされる。
【0078】
スーパーコンデンサ38と一組の電源の母線との間のインタフェースは、スーパーコンデンサの放電中、一組の母線の電圧を一定に保つことを可能にする可逆チョッパー38aによってなされる。
【0079】
必要に応じて、インバータ、変圧器又は整流器、又は、適当な特性を有する燃料電池を含む電子変換手段を使用することによって、任意の電圧、例えば、220V、125V、48V又は30Vで、直流電流又は交流電流を供給することができる。
【0080】
燃料電池2の回路10も、例えば、690V又は380Vの三相電源を使用する一つ又は二つ以上の低電圧モータに、一つのインバータ(又は、幾つかのインバータ)を経て電力を供給するのがよい。
【0081】
特に、図3に示すように、電動モータ35aによって回転される容積式ポンプ35への正常電源の中断があるとき、容積式ポンプ35を経て、原子炉の少なくとも一つの一次ポンプのシールへの給水の継続を行うのに、回路10を使用することができる。
【0082】
ポンプ35を駆動するための電動モータ35aには、燃料電池の回路10によって作り出された直流電流を三相交流電流に変換するための変換器を経て、380Vの電圧の三相交流電流が供給される。
【0083】
変換器36は、インバータからなる。
【0084】
燃料電池に対して並列に配置されたスーパーコンデンサは、燃料電池の起動及び電力の上昇中、正常電源の損失の場合、注入ポンプのより早い起動を可能にする。
【0085】
水素燃料が原子力発電所のタンクで利用できるならば、原子炉の補助構成要素34及び35への非常用電源は、燃料電池によって提供することができる。
【0086】
PEMFC型の燃料電池の使用期間は、少なくとも約10000時間であろう。その結果、各燃料電池についての非常用電源装置の連続使用期間は、水素の保存量によってのみ制限される。
【0087】
燃料電池が高出力密度を有するから、燃料電池は、完全に独立に長期間の間、配電盤及び回路に正しく電力を供給することができる。
【0088】
配電盤及び一組のユーザ構成要素に電力を供給することができる燃料電池の全体の大きさは、一時間の作動寿命の間、通常使用される(220V、125V、48V又は30Vの)バッテリーの大きさよりも実質的に小さい。
【0089】
原子力発電所の監視及び制御盤の各々に電力を供給するのに、(大きさの小さい)燃料電池を使用することが可能であり、または、反対に、一組の監視及び制御盤に電力を供給するのに、もっと大きな出力及びもっと大きな大きさの燃料電池を使用することが可能である。
【0090】
上述のように、非常用電源手段としての燃料電池の他の用途は、一次ポンプのシールの中に水を注入するためのポンプの電流供給に関する。
【0091】
さらに、燃料電池は、起動又は作動するのに、いかなる外部エネルギー源をも必要としないことの、かくして、完全に独立であることの利点を有する。
【0092】
その上、燃料電池の起動は非常に急速であり、また、電源の損失に続いて、原子炉の補助構成要素に供給する電流を提供することが必要とされるときだけ、燃料電池は実際に作動し、それは、燃料電池が非常用電気エネルギー源として使用される全ての場合について有利である。
【0093】
本発明は、説明した実施形態に限定されない。
【0094】
非常システムの動力を改善するために、上述のように、燃料電池に対して直列又は並列に配置されたスーパーコンデンサ設備を使用することができる。かかる設備は、燃料電池の出力を上昇させながら、種々のユーザ構成要素に必要とされた出力を即座に提供することを可能にする。スーパーコンデンサはまた、消費ピークの面前で出力を提供することを可能にする。したがって、本発明は、燃料電池と一つ又は二つ以上のスーパーコンデンサとからなるハイブリッドシステムを使用することができる。
【0095】
スーパーコンデンサ(supercapacitors)の用語は、もっと高い時定数を有し、在来のキャパシターよりも、放電時にもっと高い電力を提供することができるキャパシターについて使用される。
【0096】
本発明に使用することができるスーパーコンデンサは、二重層電気容量原理に基づく。スーパーコンデンサは、二つの多孔質電極と、電解質液と、多孔質隔壁と、からなる。スーパーコンデンサの生産には、種々の技術が要求される。電極を、炭素と、付着ポリマー(deposited polymers)と、水和金属酸化物とから作ることができる。使用される電解質は、水性であってもよいし、或いは有機タイプのものであってもよい。
【0097】
使用されるスーパーコンデンサは、一般的に、優れた充放電繰返し(>100000)、小さい大きさ、及び、ほんの僅かな保守の必要性の利点を有する。
【0098】
あらゆる場合に、スーパーコンデンサは、使用相の間に充電を行う回路を伴わなければならない。
【0099】
PEMFC型の燃料電池の代わりに、他の型の燃料電池、例えば、以下の種類の一つの燃料電池を使用することができる:膜付き又は膜なしのアルカリ燃料電池(AFC;alkaline fuel cell)、リン酸燃料電池PAFC(phosphoric acid fuel cell)、溶融炭酸塩燃料電池MCFC(molten carbonate fuel cell)、固体酸化物燃料電池SOFC(solid oxide fuel cell)、又は、直接メタノール燃料電池DMFC(direct methanol fuel cell)。
【0100】
しかしながら、水素と空気又は純粋な酸素だけを消費するPEMFC型の燃料電池は、原子力発電所のシステムに一体化するのに特に適している。
【0101】
燃料電池に直接に、或いは改質装置を介して供給するために、純粋な水素の代わりに、燃料電池用の燃料として、原子力発電所のシステムで入手できるガス又は水素を含む他の任意の物質を使用することを考えることが可能である。
【0102】
同様に、空気の代わりに、専用タンクからの純粋な酸素、その他に、種々の量の酸素を含む他の任意の混合気体を使用することが可能である。
【0103】
しかしながら、本発明は、好ましくは、水素が直接供給され、或いは、原子力発電所のシステムからの酸素を含有するガスが直接供給され燃料電池を使用する。
【0104】
本発明は、加圧水型原子炉の一次ポンプのシール内に水を注入するためのポンプの非常用電源に限定されないが、原子力発電所での電源のあらゆる損失を解決するのに適用することができ、且つ、小さいポンプ、モータ、回路遮断機、自動制御機のための継電器、又は、直流電流又は交流電流が供給されるあらゆる他の低電圧装置を含む、発電所の補助構成要素への直流給電を行うのに適用することができる。
【0105】
燃料電池+スーパーコンデンサのハイブリッドシステムによって供給されるプラントの出力は、500kVAに達するであろう。
【0106】
かくして、電源の完全な損失の場合に、原子炉を冷却するために、原子炉の蒸気発生器に非常給水を提供するポンプに電力を供給することが可能である。
【0107】
これらのポンプ用のモータには、690Vで電流が供給される。
【0108】
その結果、最近の設計の原子炉に関しては、補助の給水ポンプは、これらの状況で供給されることを必要とする二つの非常用ポンプによって置き換えられる。
【0109】
現今、非常用電源機能単独専用の二つのディーゼル発電機が提供される。これらの小さいディーゼルエンジンを、少なくとも一つの燃料電池によって各々置き換えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0110】
【図1】加圧水型原子炉を有する原子力発電所のシステムにおける、燃料電池からなる非常用電源装置の構成を示す線図である。
【図2】燃料として水素を使用する燃料電池の理論的な構成を示す概略図である。
【図3】原子炉の一次ポンプのシールに水を注入するためのポンプと、一次ポンプのシールの中に注入するためのシステムの補助部に電力を供給する、図1の非常用電源装置の使用法を示す線図である。
【図4】原子力発電所の構成要素のための配電盤の電源の詳細な線図である。
【0001】
本発明は、原子力発電所、特に、加圧水冷却型原子炉を有する原子力発電所の補助構成要素への非常用電源を提供するための装置、及び、原子力発電所の補助構成要素のための主電源の故障の場合に、非常用電源を作り出す方法に関する。
【背景技術】
【0002】
原子力発電所の多くの補助構成要素、特に、原子力発電所の主要構成要素を監視し、制御し、或は保護するために使用される補助構成要素には、原子力発電所の原子炉のあらゆる操作段階の間、補助構成要素の機能を遂行することができるようにするため、電流を継続的に供給しなければならない。
【0003】
例えば、原子炉の十分な運転を行うために、原子力発電所の電気ビルディングに備え付けられた回路遮断器及び接触器、電動弁及び電磁弁の転極接触器のような装置に、いかなる状況下でも利用できるように、継続的に電流が供給されることが可能でなければならない。
【0004】
この装置には、例えば、交流380Vの回路網及び整流器から、原子力発電所によって提供された125Vの直流電流が供給される。
【0005】
万一、原子力発電所の電源の中断をもたらす事件又は事故が起きても、上述のように、電気設備の機能を保持することが必要である。
【0006】
この電気設備がいかなる状況下でも継続運転を行うために、例えば、250Aの最大電流で、125Vの公称電圧を出すことができる鉛又はカドミウム蓄電池のような蓄電池が、通常使用される。
【0007】
原子力発電所の正常運転状態では、蓄電池は、多数の構成要素に電流を供給することから生じる臨時の電流消費ピークを除いて、いかなる電流も生じさせない。
【0008】
原子力発電所の正常電源が中断された場合、蓄電池単独で、電気設備に供給されるエネルギーを提供しなければならず、このような事件又は事故は、例えば、電気設備に供給する手段の局部的な故障である可能性がある。
【0009】
この場合、蓄電池は、公称電圧125Vで、電圧が蓄電池の端子で約105Vの制限電圧より下がることなく、少なくとも一時間の間、電気設備に電力を供給することができなければならない。
【0010】
電源について最低限の所望の作動寿命に到達するために、この機能を提供することができる蓄電池の大きさ及び質量は極めて大きい。
【0011】
加圧水冷却型原子炉は、加圧水を一次ポンプによって循環させる原子炉冷却システムを有し、一次ポンプは、ポンプの渦形室の内部に、ポンプモータに連結されたシャフトによって回転させられるポンプ羽根車を有する。
【0012】
一次ポンプのシャフトは、大気圧でモータに連結された部分と、非常に高圧且つ非常に高温の水を受ける渦形室内でポンプ羽根車に連結されたその端部分との間で、幾つかの一連のシールを貫通する。
【0013】
シールの不変の完全性をもたらすために、原子炉冷却機システムの外部に、原子炉の冷却材の漏れを引き起こす、シールの連続する破壊を防止するために、加圧水を第1の一連のシールに導入することが必要である。
【0014】
したがって、破壊及び原子炉冷却材の漏れのいかなる危険性をも防止するために、シールへの冷水の連続した供給を行うことが必要である。
【0015】
正常運転中、強力なチャージングポンプが、シールへの冷水の供給を行う。正常の電源の損失がある場合、一般に380Vの三相交流電流が供給される電動モータによって駆動される容積式ポンプによって、水が第一の一連のポンプのシールに注入される。
【0016】
原子力発電所(主要回路網、補助回路網、及び、電動発電機セット)によって提供された380Vの電流が中断すると、一次ポンプのシールへ水を注入するポンプのモータのための電源を提供することが必要である。
【0017】
例えば、注入ポンプの電流供給の中断をもたらす事件又は事故の場合に起動される、原子力発電所の蒸気発生器によって供給されたタービン発電機を使用することが提案されている。
【0018】
タービン発電機を起動するのに必要とされる時間は、一次ポンプのシールに注入欠陥をもたらすことがある。その上、タービン発電機は定期的に検査されなければならず、タービン発電機の維持には費用がかかる。
【0019】
注入ポンプのための駆動電流を発生させるためのタービン発電機の起動は、正常電源の損失後、二分間の最大時限内に行われなければならず、その時限は、加圧水をシールに供給することなしでの、一次ポンプの運転の最大時間に対応する。この時限は、第1の一連の一次ポンプのシールのアルミナ皮膜に対するあらゆる熱衝撃を防ぐように決定される。
【0020】
経験では、蒸気発生器から取り出された蒸気によって駆動されるタービン発電機が、特に、システム内の水の存在により、起動時に幾つかの不良点を有することがあることを示している
【0021】
したがって、原子力発電所のシステム及び構成要素に容易に一体化することができ、バッテリーの寿命よりも長い作動寿命を有し、且つ、急速且つ安全に運転に入ることができる、原子力発電所の補助構成要素の非常用電源に利用できる手段を有することが望ましい。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0022】
したがって、本発明の目的は、大きさが小さく、運転が非常に安全であり、且つ、良好な作動寿命を有し、維持運転をほとんど必要としない、原子力発電所の補助構成要素の非常用電源のための装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0023】
この目的のために、本発明による非常用電源のための装置は、水素を含有するガスの少なくとも一つのタンクから水素を含有するガスが、また、酸素を含有するガスの少なくとも一つのシステムから酸素を含有するガスが供給される少なくとも一つの燃料電池を含む。
【0024】
本発明をより良く理解するために、一次ポンプ又は監視及び制御用配電盤のための非常用電源のための、本発明による電源装置とその使用を、今、添付の図面を参照して、実施例により説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
図1には、参照番号1で全体的に示す、本発明による非常用電源装置が概略的に示され、且つまた、燃料電池を使用する電源装置を作動するのに使用される、原子炉のタンク及びシステムが概略的に示される。
【0026】
装置1は、直列に配置され、且つ、電流の発生の数段を形成する、2a及び2bのような、燃料電池を形成する、幾つかの要素を主に含む。
【0027】
さらに、装置1は、燃料電池ユニットへの水素と酸素の供給、燃料電池の冷却、また、使用されてない水素のリサイクル及び形成され又は燃料電池ユニットに導入された、それぞれ異なるシステムを含む。
【0028】
図2は、燃料として水素を使用し、且つ、酸化剤として空気を使用するPEMFC型の燃料電池の一つのユニットセルを概略的に示す。
【0029】
図2に示すセル3は、燃料電池の動作を理解するのを助けることを意図した、燃料電池のユニットセルである。
【0030】
セル3は、水素入口区画室3a、空気入口区画室3b、及び、区画室3aと3bの間の、第一電極4a(アノード)、第二電極4b(カソード)、及び、電極4aと4bの間の、固形電解質を形成するポリマーで作られた水含浸膜6を含む。多孔質の電極4a(又は4b)上に配置された触媒4’a(又は4’b)により、セル3の中を通るガスを通過させる。
【0031】
電極は、電導性炭素布上に白金炭素粉末の混合物を堆積させることによって生産される。アノード4aには、水素(又は、水素を含むガス)が供給され、カソード4bには、酸素を有するガス、例えば、空気が供給される。
【0032】
燃料電池は、燃料電池に導入された水素と酸素を使用して、化学的な酸化還元反応の自由エネルギーを電気エネルギーに直接変換することを可能にする。
【0033】
アノード4aと接触するときに、水素分子は、電子の放出で、水素イオン(プロトン)に変換される。
【0034】
水素イオンは、それらが水素イオン及び酸素分子の面前に在るカソード4bに到達するために、図2に矢印8で示すように、電解質の中を通る。カソード4bに含まれる触媒の影響下で、水素イオンは、燃料電池に導入された空気の酸化酸素を、電子の吸収で還元する。その反応は、矢印9で示すように、水蒸気の形で水を産出する。
【0035】
アノード反応によって生じた電子は、燃料電池のユーザ回路10を流れ、カソード4bに至る。このようにして、アノードとカソードとの間に電位差が得られ、燃料電池のユーザ回路10に電流が得られる
【0036】
燃料電池の、O2/H2O対の酸化還元電位に相当する理論的な電圧は1.23Vである。
【0037】
燃料電池内部の損出を考慮することが必要であるので、この電圧は、実際には、図2に示す要素当たり、0.6Vと0.9Vとの間にある。
【0038】
水含浸膜6は、カチオンタイプの膜であり、水素分子H2(矢印7’a)が導入されるアノード4aから水素イオンH+だけを通過させる。燃料電池3の第二区画室3b内に導入された空気からの酸素O2は、矢印7’bで示すように、カソード4bに導入される。
【0039】
実際に、第二区画室3bに導入された空気は、燃料電池全体を通過して、燃料電池内に形成された水蒸気又は水を押し流し、パージ用空気中に浮遊して形成された水蒸気又は水を含む混合物は、矢印11a及び11bで示すように、第一区画室3a及び第二区画室3bの両方から取り出される。
【0040】
非常用電源を提供するために、十分な電力を燃料電池から得るために、図2に示すように、複数のユニットセルを並べることが必要である。
【0041】
例えば、一次ポンプのシールへ水を注入するためのポンプの非常用電源について、約150kWの電力を利用することが必要であり、その電力は、多数のユニットセルを並べることによって得ることができ、ユニットセルの数は、得られるべき直流電圧によって決定され、また、ユニットセルの断面(電極の表面)は、生じさせなければならない電流の値によって決定される。
【0042】
例えば、150kWの電力を得るために、図2に示すようなPEMFC型の250のユニットセルを使用することができ、その断面は、420mmの幅と420mmの高さを有する。
【0043】
連続するユニットセルのアノード及びカソードにそれぞれ取り付けられた二極板(bipolar plate)5aが、二つの連続したセルの間に配置される。二極板は、ガス(水素及び酸素)をセル3の間に分配し、一方のセルから次のセルへ電子を収集し、燃料電池内の反応によって形成された生成物(特に、水蒸気)を除去し、そして、セル内に生じた反応熱を除去する。
【0044】
ユニットセルの各々は、二極板、アノード、膜及びカソードを有し、第二二極板は、二つの連続する並置したセルに共通である。
【0045】
燃料電池の全体が、端の区画室の所定の寸法を仮定すれば、約2300mmの長さを有するように、通常タイプのPEMFCセルは、約10mmの厚さを有する。
【0046】
したがって、図1に示す、2a及び2bのような、非常に多数のユニットは、非常用電源を提供する望ましい電気的特性を有する燃料電池2を形成するために並置される。
【0047】
燃料電池には、各セルの両端に、二極板に、又は、区画室3a及び3bに、水素と空気が供給される。
【0048】
区画室3a及び二極板のための水素は、燃料電池の区画室3aの入口ノズル13に、及び、5aのような二極板5aに連結された水素システム12によって供給される。
【0049】
原子力発電所は、一般的に、水素の貯蔵及び分配のための原子力発電所自身の手段を有し、その手段は、水素を燃料電池に供給するための水素システム12の第一部分12aを構成する。
【0050】
水素システム12のこの第一部分12aは、高圧(例えば、197バール)下の一つ以上の水素貯蔵タンク14と、水素圧力を分配圧力(例えば、7バール)まで減ずるためのステージ15と、例えば、原子炉の化学体積制御システム(矢印16a)、又は原子力発電所オペレータのユーザ回路(矢印16b)に、水素を分配する停止弁15aと、を有する。
【0051】
燃料電池に供給するための水素システム12は、例えば、原子力発電所の既存の水素システムの第一部分12aに、水素の圧力を(例えば3バールまで)減ずるための第二ステージ17と、停止弁17aと、逆止弁17bと、システムの部分12aを停止弁15aの下流で燃料電池のノズル13に接合するためのパイプ18とを有する、システム12bの部分を取り付けられることによって作られる。
【0052】
さらに、水素を分配するための水素システム12は、燃料電池内で消費されなかった水素を第一区画室路3aの第二ノズル13’を経て回収するリサイクル部分12cを有し、回収された水素は、第一区画室3aの水素入口ノズル13に連結されたパイプ18に再び導入される。
【0053】
回収システム12cは、余分な水素を燃料電池内に形成された水蒸気から分離することを可能にするセパレーター19を有し、水蒸気は凝縮され、次いで、原子炉から排水回収システム20へ除去される。
【0054】
逆止弁21a、停止弁21b、及び、燃料電池によって電気が供給される循環ポンプ22も、水素回収システム12cに設置される。
【0055】
燃料電池から要求される電力に応じて、多量又は少量の水素が回収され、貯蔵タンク14から取り出される水素の量を減少させるように、その水素をリサイクルすることができる。
【0056】
このようにして、非常用電源装置の電力で運転を調製し、且つ、水素の消費を最適にすることが可能である。
【0057】
発電所の水素供給源の代わりに、燃料電池に特有の水素システムを使用することも可能である。
【0058】
酸化酸素を提供し、且つ、燃料電池を清浄化する、燃料電池の第二区画室3b、及び二極板用の給気は、パイプ25によって第二区画室3bのノズル23に連結されたシステム24によって供給される。システム24は、原子力発電所で使用されている普通の構成要素である、圧縮空気のタンク26を有する。例えば、4m3の容積を有する圧縮空気のバッファータンク(buffer tank)26が使用され、空気を3バールの圧力で燃料電池に供給することを可能にする。
【0059】
パイプ25には、タンク26と燃料電池内に空気を注入するためのノズル23との間に、圧縮空気の圧力を(例えば、3バールの圧力にまで)減ずるための段階27が設置されている。空気の代わりに、水素分配システムと同じ原理により、加圧タンク(P=190バール)と、一つ又は二つの減圧装置と、停止弁と、を有する純粋酸素システムを使用することが可能である。
【0060】
酸素の使用は、燃料電池の効率を改善することを可能にする。
【0061】
燃料電池の第二区画室3bへ通じたノズル23’に連結されたシステム28は、燃料電池内で形成され、システム24より燃料電池に注入された空気と混合された水蒸気を除去することを可能にする。システム28は、排水回収システム20内に形成された水を、原子炉から除去することを可能にするセパレーター29を有する。
【0062】
水蒸気から分離された空気は、システム28からの排出パイプによって、大気中に除去される。
【0063】
燃料電池内部で化学反応によって生じたエネルギーの一部が熱の形で放出されるから、燃料電池2は加熱される。
【0064】
燃料電池を冷却することが必要であり、このため、原子力発電所の純水システム30からの冷却水が、注入システム31を経て、燃料電池の特別のパイプ内に注入され、注入システム31は、注入システム31及び燃料電池内に脱イオン水の流れを作るために、燃料電池によって電流が供給されるポンプ32を有する。脱イオン水はまた、燃料電池のレベルよりも大きいレベルでタンクから重力の影響下で流してもよい。
【0065】
燃料電池内で流れる水は、原子炉からの排水回収システム20に連結されたシステム33によって回収される。
【0066】
回収システム33は、二極板により燃料電池のアノード部分及びカソード部分に連結された枝部を有する。停止弁33aが、システム33内に設置されているので、停止弁33aが開いているとき、回収された水は、排水回収システム20へ除去される。
【0067】
燃料電池を加熱するための(コイルの形で示す)装置44は、燃料電池が非常用電源に使用されていないとき、燃料電池を作動温度に保つことを可能にする。この方法で、燃料電池を使用することが必要になったとき、燃料電池のスタートアップの時間が短縮される。
【0068】
燃料電池によって作り出された電流を使用する回路を、10で表す。直流電流が低電圧でユーザ回路10の中を流れるように、回路は、二極板を経て、燃料電池のカソード部分とアノード部分に接続される。
【0069】
燃料電池によって直流電圧で作り出された電流を回収するための回路が、図3に示すように、事件又は事故の場合に電源の継続をもたらすことが望まれる、原子力発電所の構成要素に接続される。
【0070】
図4は、配電盤40のための、及び、原子力発電所、又は他の燃料電池の補助設備(例えば、ポンプ)の、電磁弁のコイル、モータ又は接触器のような、回路41を経て、電流を使用する構成要素のための正常及び非常用電源手段を示す。
【0071】
配電盤40の正常電源手段42は、特に、交流電流を原子力発電所に与える回路網に接続され、かつ、例えば、125Vの電圧で直流電流を得る整流器を有する電源ユニットを有する。
【0072】
非常用電源手段は、特に、燃料電池2と、構造的及び機能的特徴を以下に説明する少なくとも一つのスーパーコンデンサ(supercapacitor)38を有する設備と、を有する。燃料電池2及びスーパーコンデンサ38は、配電盤40に、及び、回路41に接続さた一般の電源ラインに並列に接続され、正常電源42に対して電源ラインに直列に配置される。
【0073】
それぞれの制御される回路遮断機又は継電器37、39及び43が、正常電源42、燃料電池2及びスーパーコンデンサ38を一般の電源供給ラインに接続する枝部に配置される。
【0074】
配電盤及びユーザ回路への正常電源が利用できるとき、回路遮断機37及び43は閉じられ、回路遮断機39は開かれる。配電盤40及びユーザ回路41は、正常電源手段42によって供給される。
【0075】
スーパーコンデンサ38は荷電状態に保たれる。
【0076】
万一、正常電源が失なわれても、回路遮断機37を開き、且つ回路遮断機39を閉じることによって、非常用電源が使用される。
【0077】
配電盤40及びユーザ回路41には、まず、スーパーコンデンサ38によって、次いで、スーパーコンデンサ38の放電中に、起動されて電流を発生する燃料電池2によって電流が供給される。このようにして、電源の改善された継続性がなされる。スーパーコンデンサは、燃料電池の起動中、配電盤40への電流供給を保証するように寸法決めされる。
【0078】
スーパーコンデンサ38と一組の電源の母線との間のインタフェースは、スーパーコンデンサの放電中、一組の母線の電圧を一定に保つことを可能にする可逆チョッパー38aによってなされる。
【0079】
必要に応じて、インバータ、変圧器又は整流器、又は、適当な特性を有する燃料電池を含む電子変換手段を使用することによって、任意の電圧、例えば、220V、125V、48V又は30Vで、直流電流又は交流電流を供給することができる。
【0080】
燃料電池2の回路10も、例えば、690V又は380Vの三相電源を使用する一つ又は二つ以上の低電圧モータに、一つのインバータ(又は、幾つかのインバータ)を経て電力を供給するのがよい。
【0081】
特に、図3に示すように、電動モータ35aによって回転される容積式ポンプ35への正常電源の中断があるとき、容積式ポンプ35を経て、原子炉の少なくとも一つの一次ポンプのシールへの給水の継続を行うのに、回路10を使用することができる。
【0082】
ポンプ35を駆動するための電動モータ35aには、燃料電池の回路10によって作り出された直流電流を三相交流電流に変換するための変換器を経て、380Vの電圧の三相交流電流が供給される。
【0083】
変換器36は、インバータからなる。
【0084】
燃料電池に対して並列に配置されたスーパーコンデンサは、燃料電池の起動及び電力の上昇中、正常電源の損失の場合、注入ポンプのより早い起動を可能にする。
【0085】
水素燃料が原子力発電所のタンクで利用できるならば、原子炉の補助構成要素34及び35への非常用電源は、燃料電池によって提供することができる。
【0086】
PEMFC型の燃料電池の使用期間は、少なくとも約10000時間であろう。その結果、各燃料電池についての非常用電源装置の連続使用期間は、水素の保存量によってのみ制限される。
【0087】
燃料電池が高出力密度を有するから、燃料電池は、完全に独立に長期間の間、配電盤及び回路に正しく電力を供給することができる。
【0088】
配電盤及び一組のユーザ構成要素に電力を供給することができる燃料電池の全体の大きさは、一時間の作動寿命の間、通常使用される(220V、125V、48V又は30Vの)バッテリーの大きさよりも実質的に小さい。
【0089】
原子力発電所の監視及び制御盤の各々に電力を供給するのに、(大きさの小さい)燃料電池を使用することが可能であり、または、反対に、一組の監視及び制御盤に電力を供給するのに、もっと大きな出力及びもっと大きな大きさの燃料電池を使用することが可能である。
【0090】
上述のように、非常用電源手段としての燃料電池の他の用途は、一次ポンプのシールの中に水を注入するためのポンプの電流供給に関する。
【0091】
さらに、燃料電池は、起動又は作動するのに、いかなる外部エネルギー源をも必要としないことの、かくして、完全に独立であることの利点を有する。
【0092】
その上、燃料電池の起動は非常に急速であり、また、電源の損失に続いて、原子炉の補助構成要素に供給する電流を提供することが必要とされるときだけ、燃料電池は実際に作動し、それは、燃料電池が非常用電気エネルギー源として使用される全ての場合について有利である。
【0093】
本発明は、説明した実施形態に限定されない。
【0094】
非常システムの動力を改善するために、上述のように、燃料電池に対して直列又は並列に配置されたスーパーコンデンサ設備を使用することができる。かかる設備は、燃料電池の出力を上昇させながら、種々のユーザ構成要素に必要とされた出力を即座に提供することを可能にする。スーパーコンデンサはまた、消費ピークの面前で出力を提供することを可能にする。したがって、本発明は、燃料電池と一つ又は二つ以上のスーパーコンデンサとからなるハイブリッドシステムを使用することができる。
【0095】
スーパーコンデンサ(supercapacitors)の用語は、もっと高い時定数を有し、在来のキャパシターよりも、放電時にもっと高い電力を提供することができるキャパシターについて使用される。
【0096】
本発明に使用することができるスーパーコンデンサは、二重層電気容量原理に基づく。スーパーコンデンサは、二つの多孔質電極と、電解質液と、多孔質隔壁と、からなる。スーパーコンデンサの生産には、種々の技術が要求される。電極を、炭素と、付着ポリマー(deposited polymers)と、水和金属酸化物とから作ることができる。使用される電解質は、水性であってもよいし、或いは有機タイプのものであってもよい。
【0097】
使用されるスーパーコンデンサは、一般的に、優れた充放電繰返し(>100000)、小さい大きさ、及び、ほんの僅かな保守の必要性の利点を有する。
【0098】
あらゆる場合に、スーパーコンデンサは、使用相の間に充電を行う回路を伴わなければならない。
【0099】
PEMFC型の燃料電池の代わりに、他の型の燃料電池、例えば、以下の種類の一つの燃料電池を使用することができる:膜付き又は膜なしのアルカリ燃料電池(AFC;alkaline fuel cell)、リン酸燃料電池PAFC(phosphoric acid fuel cell)、溶融炭酸塩燃料電池MCFC(molten carbonate fuel cell)、固体酸化物燃料電池SOFC(solid oxide fuel cell)、又は、直接メタノール燃料電池DMFC(direct methanol fuel cell)。
【0100】
しかしながら、水素と空気又は純粋な酸素だけを消費するPEMFC型の燃料電池は、原子力発電所のシステムに一体化するのに特に適している。
【0101】
燃料電池に直接に、或いは改質装置を介して供給するために、純粋な水素の代わりに、燃料電池用の燃料として、原子力発電所のシステムで入手できるガス又は水素を含む他の任意の物質を使用することを考えることが可能である。
【0102】
同様に、空気の代わりに、専用タンクからの純粋な酸素、その他に、種々の量の酸素を含む他の任意の混合気体を使用することが可能である。
【0103】
しかしながら、本発明は、好ましくは、水素が直接供給され、或いは、原子力発電所のシステムからの酸素を含有するガスが直接供給され燃料電池を使用する。
【0104】
本発明は、加圧水型原子炉の一次ポンプのシール内に水を注入するためのポンプの非常用電源に限定されないが、原子力発電所での電源のあらゆる損失を解決するのに適用することができ、且つ、小さいポンプ、モータ、回路遮断機、自動制御機のための継電器、又は、直流電流又は交流電流が供給されるあらゆる他の低電圧装置を含む、発電所の補助構成要素への直流給電を行うのに適用することができる。
【0105】
燃料電池+スーパーコンデンサのハイブリッドシステムによって供給されるプラントの出力は、500kVAに達するであろう。
【0106】
かくして、電源の完全な損失の場合に、原子炉を冷却するために、原子炉の蒸気発生器に非常給水を提供するポンプに電力を供給することが可能である。
【0107】
これらのポンプ用のモータには、690Vで電流が供給される。
【0108】
その結果、最近の設計の原子炉に関しては、補助の給水ポンプは、これらの状況で供給されることを必要とする二つの非常用ポンプによって置き換えられる。
【0109】
現今、非常用電源機能単独専用の二つのディーゼル発電機が提供される。これらの小さいディーゼルエンジンを、少なくとも一つの燃料電池によって各々置き換えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0110】
【図1】加圧水型原子炉を有する原子力発電所のシステムにおける、燃料電池からなる非常用電源装置の構成を示す線図である。
【図2】燃料として水素を使用する燃料電池の理論的な構成を示す概略図である。
【図3】原子炉の一次ポンプのシールに水を注入するためのポンプと、一次ポンプのシールの中に注入するためのシステムの補助部に電力を供給する、図1の非常用電源装置の使用法を示す線図である。
【図4】原子力発電所の構成要素のための配電盤の電源の詳細な線図である。
Claims (15)
- 原子力発電所の補助構成要素(34,35,35a)への非常用電源のための装置であって、
水素を含有するガスの少なくとも一つのタンクから水素を含有するガスが、また、酸素を含有するガスの少なくとも一つのシステムから酸素を含有するガスが、供給される少なくとも一つの燃料電池(2)を含む、
ことを特徴とする装置。 - 前記燃料電池(2)の起動及び出力上昇中、又は消費ピークの面前で、瞬間非常用電流を提供するために、前記燃料電池に対して並列に又は直列に配置された、電気エネルギーを貯えるための中間装置(38)を更に有する、ことを特徴とする請求項1記載の装置。
- 電気エネルギーを貯えるための前記中間装置は、少なくとも一つのスーパーコンデンサ(38)からなる、ことを特徴とする請求項2記載の装置
- 前記燃料電池は、以下の種類の一つの燃料電池、即ち、PEMFC、膜付き又は膜なしのアルカリ燃料電池(AFC;alkaline fuel cell)、リン酸燃料電池PAFC(phosphoric acid fuel cell)、溶融炭酸塩燃料電池MCFC(molten carbonate fuel cell)、固体酸化物燃料電池SOFC(solid oxide fuel cell)、又は、直接メタノール燃料電池DMFC(direct methanol fuel cell)である、ことを特徴とする請求項1記載の装置。
- 前記燃料電池(2)は、水素供給システム(12)から水素を供給され、この供給システム(12)は、原子力発電所のシステム(16a、16b)への通常の供給ための第一システム部分(12a)と、前記第一システム部分(12a)を前記燃料電池に接続するための第二システム部分(12b)と、を有する、ことを特徴とする請求項1記載の装置。
- 前記第一システム部分(12a)は、加圧水素を貯蔵するためのタンク(14)と、その水素の圧力を減ずるためのステージ(15)と、第一停止弁(15a)と、を少なくとも有し、前記水素供給システム(12)の前記第二システム部分(12b)は、前記水素圧力を減ずるための第二ステージ(17)と、第二停止弁(17a)と、を有する、ことを特徴とする請求項5記載の装置。
- 水素を前記燃料電池(12)に供給するための前記水素供給システム(12)は、前記燃料電池(2)で消費されなかった水をリサイクルするための追加のシステム(12c)を有する、ことを特徴とする請求項5記載の装置。
- 前記燃料電池(2)には、前記燃料電池(2)に特有のシステムによって、水素が供給される、ことを特徴とする請求項1記載の装置。
- 空気を前記燃料電池(2)に供給するためのシステム(24)を有し、
前記システム(24)は、圧縮空気の圧力を減ずるためのステージ(27)と、停止弁(27a)とが配置されたパイプを経て、燃料電池に連結された、原子力発電所の圧縮空気バッファタンク(26)を有する、ことを特徴とする請求項1記載の装置。 - 原子力発電所の純水タンク(30)からの純水により、前記燃料電池(2)を冷却するためのシステム(31)を更に有する、ことを特徴とする請求項1記載の装置。
- 前記原子力発電所からの排水を回収するためのシステム(20)に連結された、前記燃料電池内の水を回収するための少なくとも一つのシステムを有する、ことを特徴とする請求項1記載の装置。
- 前記燃料電池の起動時間を減ずるために、前記燃料電池(2)を作動温度に保つ加熱装置(44)を更に有する、ことを特徴とする請求項1記載の装置。
- 原子炉の一次ポンプの駆動シャフトのシールの中に水を注入するためのポンプの駆動モータに、非常用電源を提供するための方法であって、
前記注入ポンプ(35)への正常電源の中断の場合に、請求項1乃至12の何れか一項に記載の装置と、インバータのような、直流電流を三相交流電流に変換するための変換器(22)と、により、前記一次ポンプのシールの中に水を注入するための前記ポンプ(35)のモータ(35a)に電力を供給する、ことを特徴とする方法。 - 原子力発電所の補助構成要素を監視及び制御するための少なくとも一つの配電盤(40)に、非常用電源を提供するための方法であって、
請求項1乃至12の何れか一項に記載の装置と、配電盤(34)又は幾つかの配電盤(34)に電力を供給するのに単独で使用されたスーパーコンデンサプラント(38)と、によって作り出された電流を前記配電盤(40)に供給する、ことを特徴とする方法。 - 電源の完全な損失の場合に、前記原子炉を冷却するために、原子炉の蒸気発生器に非常給水を行うための少なくとも一つのポンプに電源を提供するための方法であって、
約500kVAの出力を伴う燃料電池(2)を有する、請求項1乃至12の何れか一項に記載の装置によって、給水を行うための前記ポンプへの、電流を供給する、ことを特徴とする方法。
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