JP2004530487A - 陰唇パッド - Google Patents

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Abstract

女性着用者の膣前庭(42)内に配置されるように構成された陰唇パッドのような吸収性物品(40)である。吸収性物品(40)は、月経のため、失禁防護のため、又はその両方のために女性が着用することができる。

Description

【0001】
(技術分野)
本発明は一般に、吸収性物品に関する。より詳細には、本発明は、女性着用者の膣前庭内に配置されるように構成された陰唇パッドのような吸収性物品に関する。
【0002】
(背景技術)
月経流体のような、身体排出物を吸収するように構成された広汎な種類で多様な吸収性物品は、もちろん良く知られている。婦人衛生に係る分野においては、外陰部領域の付近に外部装着されるように開発された生理用ナプキンと、膣腔内に滞在し、そこからの月経血の流れを遮断するように開発されたタンポンという、婦人衛生保護の2つの基本形式が提供されている。単一形式の装置に両者の構造的特徴を融合することを試みている混合型の婦人衛生保護装置も提案されてきたが、構造上の及び解剖学的な機能上の明白な欠点が永続化したために、適切な利点を得る努力の影が薄くなり、あまり受け入れられていない。陰唇又は陰唇間装置として知られ、着用者の膣前庭の外部に少なくとも一部分的が残るようにされることで特徴付けられる他の挿入量の少ない装置も提案されている。
これらの従来の装置の多くは、女性着用者によって陰唇間に装着される一層小さめの装置に対する消費者の要求を十分に満足させるものではない。それに対応して、幾つかの製造業者は、上述の従来の装置に比べて非常に小さいサイズの陰唇パッドを製造してきた。しかしながら、これらの装置の多くの構成は、膣前庭内の膣口及び尿道口の位置についての女性の間に存在する多様性の認識に欠けているように見える。例えば、ある現在の装置は、吸収体コアの大部分が装置の中央に配置されており、端部に配置される吸収体コアは非常に少ない場合が多い。こうした装置は、膣口及び尿道口が膣前庭の中央に位置していない女性の大部分にはあまり保護を提供しない。他の装置は、装置の縦方向の長さのほぼ全体にわたって吸収体コアの一様な分布を提供するように見える。しかしながら、これらの他の装置の多くの設計は、典型的に、個人に合わせたフィット性及び/又は吸収能力を著しく高めることに失敗している。
【0003】
(発明の開示)
本発明者らは、従来技術がもつ欠点及び問題を認識し、それに対応して革新的な陰唇パッドを開発するための徹底した研究を行った。本発明者らは、中央領域ではなく端部領域の少なくとも一方により多くの吸収体を位置させることによって、陰唇パッドを、膣口及び尿道口が膣前庭内の種々の位置にある様々な女性が使用できるようになることを見出した。本発明者らはまた、陰唇パッドの少なくとも中央領域における吸収体の幅を狭くすることによって、個人に合わせたフィット性及び吸収能力が高められることを見出した。
【0004】
本発明の一実施形態においては、吸収性物品は、流体透過性カバーと、液体不透過性バッフルと、吸収体とをもつものとして開示される。吸収体は、カバーとバッフルとの間に位置されることが望ましい。吸収性物品は、主要な縦方向軸線と、主要な横断方向軸線とをもち、女性着用者の膣前庭内に配置されるように構成される。吸収体は、長さと、最大幅部と、最大幅部における幅と、最小幅部と、最小幅部における幅と、厚さとをもつ。吸収体はまた、第1及び第2端部領域と、第1及び第2端部領域の間に配置された中央領域とを有する。さらに、吸収体は、離間された第1及び第2縦方向側部と、離間された第1及び第2横断方向端部とを含む。縦方向側部は、横断方向端部と共に、全体として吸収体の周辺部を形成する。吸収体の最大幅部は、中央領域以外の領域に位置されることが望ましい。
【0005】
別の実施形態においては、吸収性物品は、吸収体と液体不透過性バッフルとを含むものとして開示される。吸収性物品は、主要な縦方向軸線と、主要な横断方向軸線とをもち、女性着用者の膣前庭内に配置されるように構成される。吸収体は、長さと、最大幅部と、最大幅部における幅と、最小幅部と、最小幅部における幅と、厚さとをもつ。吸収体はまた、第1及び第2端部領域と、第1及び第2端部領域の間に配置された中央領域とを有する。さらに、吸収体は、離間された第1及び第2縦方向側部と、離間された第1及び第2横断方向端部とを含む。縦方向側部は、横断方向端部と共に、全体として吸収体の周辺部を形成する。吸収体の最大幅部は、中央領域以外の領域に位置されることが望ましい。
【0006】
さらに別の実施形態においては、吸収性物品は、女性着用者の膣前庭内に配置されるように構成された吸収体をもつものとして開示される。吸収体は、上面と、主要な縦方向軸線と、主要な横断方向軸線と、長さと、最大幅部と、最大幅部における幅と、最小幅部と、最小幅部における幅と、厚さとをもつ。吸収体はまた、第1及び第2端部領域と、第1及び第2端部領域の間に配置された中央領域とを有する。さらに、吸収体は、離間された第1及び第2縦方向側部と、離間された第1及び第2横断方向端部とを含む。縦方向側部は、横断方向端部と共に、全体として吸収体の周辺部を形成する。吸収体の最大幅部は、中央領域以外の領域に位置されることが望ましい。
本発明の上記の及び他の特徴、態様、及び利点は、以下の詳細な説明、特許請求の範囲の請求項、及び添付の図面によって、良く理解されることになるであろう。
【0007】
(発明を実施するための最良の形態)
各々において同様の部分が同様の参照記号で示される図面、即ち図1から図14までを参照すると、図2は、全体を42として表す着用者の膣前庭の内部に配置された、全体を40として表す陰唇パッドのような吸収性物品を図式的に示す(図1も参照)。ここで用いる「陰唇パッド」という用語は、少なくとも何らかの吸収性構成材を有し、特に大陰唇の間に配置され、使用中に女性着用者の膣前庭(42)の中に少なくとも部分的に延びるように構成された装置を指す。以降の説明のために、膣前庭(42)は、前陰唇交連(44)から後方に位置する点の付近で始まり、後陰唇交連(46)に向かって後方に延び、膣前庭床部(48)によって内方に境界付けされた陰唇(本発明の図面には詳細に図示されていない)の内側に定められる領域と考える。大陰唇及び小陰唇が相互関連的に膣前庭(42)の外形を定めることから、女性の間には、大陰唇及び小陰唇の相対的寸法及び形状に関する多様性が存在するということを、当業者は十分に理解している。しかしながら、本記載の目的上、そのような差異は特定的には対処されず、膣前庭(42)への本発明の吸収性物品(40)の配置は、いずれの場合であれ、小陰唇に関するいかなるそのような考慮にも関係なく、大陰唇の間に取り付けることを必要とすると認識される。膣前庭(42)の後方に位置するのは、臀部(54)領域における肛門(52)へとつながる会陰(50)である。膣前庭(42)自体の内部には、本発明に関連する目的においては、膣口(56)、尿道口(58)、及び陰核(60)から成る主要な尿生殖器が位置する。この解剖学的領域に関する上記の簡単な概観を考慮に入れ、本発明の説明を容易にするために、便宜上、膣前庭(42)は一般に、後陰唇交連(46)と陰核(60)との間の領域であると見なす。しかしながら、ヒト女性のこの部分の解剖学的構造についてのより包括的な説明に関しては、Henry Gray著、『人体の解剖学』、アメリカ版、第30版、(Carmine D. Clemente編、Lea&Febiger社刊、1985年)、1571−1581ページに注意を向けられたい。
【0008】
図1及び図2に図示した解剖学的構造を参照すると分かるように、本発明の吸収性物品(40)は、膣前庭からの流体の流れに対して膣前庭を少なくとも部分的に閉塞するために、膣前庭(42)内部に少なくとも部分的に配置される。この観点において、吸収性物品(40)の主な使途は、膣口(56)を介して放出される月経液体の吸収のためであるが、本発明の吸収性物品は、女性の軽微な失禁に際して起こる尿の吸収のためのある種の失禁用装置として働くように同等に良好に適合させることができる。
【0009】
その1つの実施形態が図3に示されている本発明の吸収性物品(40)は、ほぼx方向に沿って延びる主要な縦方向軸線(L)をもつ。ここで用いる「縦方向」という用語は、吸収性物品(40)が使用されたときに、直立した女性着用者を左半身と右半身に二等分する垂直面とほぼ位置合わせされた(例えば概ね平行に)吸収性物品(40)の平面内の線、軸、又は方向を指す。図3においては、縦軸方向はほぼx軸によって示されている。吸収性物品(40)はまた主要な横断方向軸線(T)をもつ。ここで用いる「横断方向」、「横方向」又は「y方向」という用語は、縦軸方向とほぼ直交する線、軸、又は方向をほぼ指す。図3においては、横方向はほぼy軸によって示されている。「z方向」は通例、上述した垂直面とほぼ平行な線、軸、又は方向である。図4においては、z方向はほぼz軸によって示されている。「上側」という用語は、ほぼ着用者の頭部に向けられた方向を指し、一方「下側」又は「下方に」という用語は、ほぼ着用者の足に向けられた方向を指す。ここでの説明目的のために、吸収性物品(40)の各層、例えば流体透過性カバー(62)、液体不透過性バッフル(64)、及び/又は吸収体(66)は、上側又は身体対向面と、上側又は身体対向面に相対する面としても記載される下側表面とをもつ。
【0010】
ここで図5を参照すると、吸収性物品(40)は、流体透過性カバー(62)、液体不透過性バッフル(64)、及び該カバーと該バッフルとの間に位置する吸収体(66)を含むものとして示されている。図6に示すように、吸収体(66)は、第1の端部領域(70)と、第2の端部領域(72)と、各端部領域の間に配置された中央領域(74)をもつ。吸収性物品(40)は、該吸収性物品の少なくとも一部が女性着用者の膣前庭(42)の内部に配置されることを可能にする適切な寸法及び形状でなければならない。更に、吸収性物品(40)は月経液体、尿、又は着用者の膣口(56)及び/又は尿道口(58)からの他の身体排出物の流れを少なくとも部分的に塞ぎ遮断することが望ましい。
【0011】
吸収体(66)、従って吸収性物品(40)は、離間された第1の横断方向端部域(76)と第2の横断方向端部域(78)との間を延びる幾何学的形態をほぼ備える。吸収体(66)、従って吸収性物品(40)が、ここでは集合的に周辺側部(即ち周辺部を定める側部)と呼ばれることもある横断方向端部域(76、78)の間に亘る離間された第1の縦方向側部(80)及び第2の縦方向側部(82)も含むことによって、全体的な幾何学的形態が完成する。
【0012】
吸収体(66)の幾何学的形態は、吸収性物品(40)の全体的な寸法及び効率に影響を与える重要な因子である。一般に、吸収体(66)は、主要な横断方向軸線(T)とほぼ平行に位置し、一方の縦方向側部(80、82)から相対する縦方向側部(80、82)に引かれた線に沿って測定された最大幅(Wmax)と、同じく主要な横断方向軸線(T)とほぼ平行に位置し、一方の縦方向側部(80、82)から相対する縦方向側部(80、82)に引かれた線に沿って測定された最小幅(Wmin)をもつ。吸収体(66)の最大幅(Wmax)は、第1(70)及び/又は第2(72)端部領域に位置させることができるが、吸収体(66)の最小幅(Wmin)は、吸収体の最大幅(Wmax)が位置される領域以外の領域に位置される。例えば、吸収体(66)の最大幅(Wmax)が第1端部領域(70)に位置されるときには、吸収体(66)の最小幅(Wmin)は、第2端部領域(72)、中央領域(74)、又は第2端部領域と中央領域との両方に位置させることができる。或いは、吸収体(66)の最大幅(Wmax)が第2端部領域(72)に位置されるときには、吸収体(66)の最小幅(Wmin)は、第1端部領域(70)、中央領域(74)、又は第1端部領域と中央領域との両方に位置させることができる。別の方法においては、吸収体(66)の最大幅(Wmax)が第1端部領域(70)と第2端部領域(72)との両方に位置されるときには、吸収体(66)の最小幅(Wmin)は中央領域(74)に位置させることができる。本発明の吸収性物品(40)の種々の実施形態においては、通常は(ここでさらに説明される理由から)、吸収体(66)の最大幅を中央領域(74)に位置させることは望ましくないことが見出されている。吸収体(66)の最小幅(Wmin)は、典型的には約30mm以上であり、又は約20mm以上であり、或いは約10mm以上であり、又は約5mm以上である。吸収体(66)の最大幅(Wmax)は、典型的には約30mm以下であり、又は約40mm以下であり、もしくは約50mm以下であり、或いは約60mm以下であり、又は約70mm以下である。したがって、吸収体(66)は、約5mm以上約70mm以下までの間の範囲の幅をもつことができるが、吸収体の適切な幅は、特に、女性着用者の膣前庭(42)内部の吸収性物品(40)の一般設計及び意図された配置に従って変化させることができる。
【0013】
吸収体(66)はまた、主要な縦方向軸線(L)とほぼ平行に位置し、一方の横断方向端部域(76、78)から他方の横断方向端部域(76、78)に引かれた線に沿って測定された最大長さ(Lmax)をもつ。吸収体(66)の最大長さ(Lmax)は通例、約40mm以下であり、或いは約50mm以下であり、或いは約60mm以下であり、或いは約70mm以下であり、或いは約80mm以下であり、或いは約90mm以下であり、或いは又、約100mm以下である。吸収体(66)はまた、同じく主要な縦方向軸線(L)とほぼ平行に位置し、一方の横断方向端部域(76、78)から他方の横断方向端部域(76、78)に引かれた線に沿って測定された最小長さ(Lmin)をもつことができる。吸収体(66)の最小長さ(Lmin)は通例、約100mm以上であり、或いは約90mm以上であり、或いは約80mm以上であり、或いは約70mm以上であり、或いは約60mm以上であり、或いは約50mm以上であり、或いは又、約40mm以上である。従って吸収体(66)は約40mm以上最大約100mm以下の範囲に亘る長さをもつことができるが、吸収体のおおよその長さは、特に、女性着用者の膣前庭(42)内部の吸収性物品(40)の一般設計及び意図された配置に従って変化させることができる。当業者は、本発明の吸収体(66)の或る実施形態、従って吸収性物品(40)の或る実施形態は、最大長さ(Lmax)に等しい最小長さ(Lmin)をもつことがあることを容易に理解するであろう。そのような実例においては、少なくとも図6、図8、及び図9に示すように、通常は最大長さ(Lmax)のみが示される。最小長さ(Lmin)に等しくない最大長さ(Lmax)をもつ吸収体(66)の実施形態、従って吸収性物品(40)の実施形態は、少なくとも図7及び図10に示されている。
【0014】
第1端部領域(70)及び第2端部領域(72)の各々は、吸収体(66)の中央領域(74)から横断方向端部域(それぞれ76及び78)に向かって、該吸収体の最大長さ(Lmax)の約30%以上、或いは約20%以上、或いは又、約10%以上の距離を外方に最小限に延びる。第1端部領域(70)及び第2端部領域(72)の各々は、吸収体(66)の中央領域(74)から横断方向端部域(それぞれ76及び78)に向かって、該吸収体の最大長さ(Lmax)の約20%以下、或いは約30%以下、或いは又、約40%以下の距離を外方に最大限に延びる。従って、端部領域(70、72)は、吸収体(66)の最大長さ(Lmax)の最小約20%から最大約80%までを占めることができるが、第1端部領域及び第2端部領域のおおよその寸法は、特に、女性着用者の膣前庭(42)内部の吸収性物品(40)の一般設計及び意図された配置に従って変化させることができる。
【0015】
吸収性物品(40)は、意図された量及び種類の身体排出物を吸収し保持するのに十分な能力を備えることが望ましい。吸収力は、全体が66として示される流体保持コア又は吸収体によって与えられる。少なくとも月経液体に関しては、吸収体(66)は、望ましくは約19g/g以上の最小能力をもち、或いは約18g/g以上の最小能力をもち、或いは約17g/g以上の最小能力をもち、或いは約16g/g以上の最小能力をもち、或いは約15g/g以上の最小能力をもち、或いは約14g/g以上の最小能力をもち、或いは約13g/g以上の最小能力をもち、或いは約12g/g以上の最小能力をもち、或いは約11g/g以上の最小能力をもち、或いは約10g/g以上の最小能力をもち、或いは約9g/g以上の最小能力をもち、或いは約8g/g以上の最小能力をもち、或いは約7g/g以上の最小能力をもち、或いは約6g/g以上の最小能力をもち、或いは約5g/g以上の最小能力をもち、或いは約4g/g以上の最小能力をもち、或いは約3g/g以上の最小能力をもち、或いは約2g/g以上の最小能力をもち、或いは又、約1g/gの最小能力をもつ。吸収体(66)はまた、約5g/g以下の最大能力をもつことができ、或いは約6g/g以下の最大能力をもつことができ、或いは約7g/g以下の最大能力をもつことができ、或いは約8g/g以下の最大能力をもつことができ、或いは約9g/g以下の最大能力をもつことができ、或いは約10g/g以下の最大能力をもつことができ、或いは約11g/g以下の最大能力をもつことができ、或いは約12g/g以下の最大能力をもつことができ、或いは約13g/g以下の最大能力をもつことができ、或いは約14g/g以下の最大能力をもつことができ、或いは約15g/g以下の最大能力をもつことができ、或いは約16g/g以下の最大能力をもつことができ、或いは約17g/g以下の最大能力をもつことができ、或いは約18g/g以下の最大能力をもつことができ、或いは約19g/g以下の最大能力をもつことができ、或いは約20g/g以下の最大能力をもつことができ、或いは約25g/g以下の最大能力をもつことができ、或いは又、約30g/gの以下の最大能力をもつことができる。従って、吸収体(66)は、約1g/g以上最大約30g/g以下の範囲に亘る吸収力をもつことができるが、吸収体のおおよその能力は、特に、女性着用者の膣前庭(42)内部の吸収性物品(40)の一般設計及び意図された配置に従って変化させることができる。吸収体(66)への超吸収性ポリマーの添加、又は超吸収性ポリマーの被覆は通例、吸収力を実質的に向上させる効果があることを当業者は容易に認識するであろう。
【0016】
個々の要素をより詳細に説明すると、吸収体(66)は、上側表面即ち身体対向面と、下側表面(即ち、上側表面即ち身体対向面とは反対側の表面)とをもち、意図された身体排出物を吸収し、及び/又は吸着し、その後保持することのできる何らかの材料を含むことができる。好適な材料はまた、通常は親水性であり、圧縮可能であり、成形可能である。吸収体(66)は、当業者に周知の材料のいずれからも形成することができる。そのような材料の実例は、これらに限定されないが、種々の天然繊維又は合成繊維、クレープ加工したセルロースの詰め物の多数のプライ、フラフ・セルロース繊維、レーヨン又は他の再生セルロース材料、木材パルプ繊維又は粉砕木材パルプ繊維、空気堆積材料、テキスタイル繊維、ポリエステル繊維及びポリプロピレン繊維の配合物、吸収性発泡体、吸収性海綿体、超吸収性ポリマー、被覆された超吸収性ポリマー、繊維質のバンドル又はニット、若しくはいずれかの同等の材料又は材料の組み合わせを含む。同じく使用に好適なのは、そのために多数の公知の方法のいずれかに従って親水性を付与された疎水性材料であろう。しかしながら、吸収体(66)の総吸収力は、吸収性物品(40)の設計排出物荷重及び意図された使用と適合しなければならない。更に、吸収体(66)の寸法及び吸収力は変化させることができる。それ故に、吸収体(66)の大きさ、形状、及び構成を変化させることができる(例えば、吸収体は、少なくとも図11及び図12に示すように変化する厚さをもつか、又は親水性勾配をもつか、或いは超吸収性ポリマーを含有すること等が可能である)。
【0017】
吸収体(66)は通常、少なくとも図4に示すように、z軸にほぼ平行に引かれた線に沿って測定された厚さ、キャリパ、すなわち高さ(H)をもつ。吸収体(66)の最小厚さは通例、約9mm以上であり、或いは約8mm以上であり、或いは約7mm以上であり、或いは約6mm以上であり、或いは約5mm以上であり、或いは約4mm以上であり、或いは約3mm以上であり、或いは約2mm以上であり、或いは約1mm以上であり、或いは又、約0.5mm以上である。吸収体(66)の最大厚さは通例、約2mm以下であり、或いは約3mm以下であり、或いは約4mm以下であり、或いは約5mm以下であり、或いは約6mm以下であり、或いは約7mm以下であり、或いは約8mm以下であり、或いは約9mm以下であり、或いは又、約10mm以下である。従って、吸収体(66)は、約10mm又はそれ以下の厚さをもつことができるが、吸収体のおおよその厚さは、特に、女性着用者の膣前庭(42)内部の吸収性物品(40)の一般設計及び意図された配置に従って変化させることができる。
【0018】
吸収体(66)はまた、快適さのために望ましいと考えられる比較的低い密度をもつことが望ましい。一般に、吸収体は、密度が約0.5g/ccより低い。言葉を変えれば、吸収体(66)は通例、約0.5g/cc以下の最大密度をもち、或いは約0.4g/cc以下の最大密度をもち、或いは約0.3g/cc以下の最大密度をもち、或いは約0.2g/cc以下の最大密度をもち、或いは約0.1g/cc以下の最大密度をもち、或いは約0.09g/cc以下の最大密度をもち、或いは約0.08g/cc以下の最大密度をもち、或いは約0.07g/cc以下の最大密度をもち、或いは約0.06g/cc以下の最大密度をもち、或いは約0.05g/cc以下の最大密度をもち、或いは約0.04g/cc以下の最大密度をもち、或いは約0.03g/cc以下の最大密度をもち、或いは又、約0.02g/cc以下の最大密度を持つ。吸収体(66)はまた、通常、通例約0.01g/cc以上の最小密度をもち、或いは約0.02g/cc以上の最小密度をもち、或いは約0.03g/cc以上の最小密度をもち、或いは約0.04g/cc以上の最小密度をもち、或いは約0.05g/cc以上の最小密度をもち、或いは約0.06g/cc以上の最小密度をもち、或いは約0.07g/cc以上の最小密度をもち、或いは約0.08g/cc以上の最小密度をもち、或いは約0.09g/cc以上の最小密度をもち、或いは約0.1g/cc以上の最小密度をもち、或いは約0.2g/cc以上の最小密度をもち、或いは約0.3g/cc以上の最小密度をもち、或いは又、約0.4g/cc以上の最小密度をもつ。従って、吸収体(66)の密度は最大約0.5g/ccまでの範囲をとることができるが、該吸収体のおおよその密度は、特に、女性着用者の膣前庭(42)内部の吸収性物品(40)の一般設計及び意図された配置に従って変化させることができる。
【0019】
吸収体(66)はまた、望ましくは1平方メートル当たり約600グラム(gsm)より少ない坪量をもつ。言葉を変えれば、吸収体(66)は通例、約600gsm以下の最大坪量をもち、或いは約500gsm以下の最大坪量をもち、或いは、約400gsm以下の最大坪量をもち、或いは、約300gsm以下の最大坪量をもち、或いは、約200gsm以下の最大坪量をもち、或いは又、約100gsm以下の最大坪量をもつ。通常、吸収体(66)はまた、通例約0.1gsm以上の最小坪量をもち、或いは約50gsm以上の最小坪量をもち、或いは約100gsm以上の最小坪量をもち、或いは約150gsm以上の最小坪量をもち、或いは約200gsm以上の最小坪量をもち、或いは約250gsm以上の最小坪量をもち、或いは約300gsm以上の最小坪量をもち、或いは約350gsm以上の最小坪量をもち、或いは約400gsm以上の最小坪量をもち、或いは約450gsm以上の最小坪量をもち、或いは約500gsm以上の最小坪量をもち、或いは又、約550gsm以上の最小坪量をもつ。従って、吸収体(66)は、約600gsmか又はそれより少ない坪量をもつが、該吸収体のおおよその坪量は、特に、女性着用者の膣前庭(42)内部の吸収性物品(40)の一般設計及び意図された配置に従って変えることができる。好適な吸収体の詳細な例は、ポリプロピレン及びセルロース繊維の配合物より成り、KOTEX(登録商標)・マキシ・パンティライナーに使われ、アメリカ合衆国ウィスコンシン州ニーナ所在のキンバリー−クラーク・コーポレーションより入手可能なコフォーム材料に類似のものであろう。
【0020】
随意的なバッフル(64)は通例、吸収体(66)の下側表面に存在し、液体不透過性である所望のいずれかの材料から構築することができる。バッフル(64)は、吸収体(66)の空気及び水蒸気の透過を許すが、体液の透過は遮断するものであることが望ましい。好適なバッフル材料の一例は、約0.025mm以上の最小厚及び約0.13mm以下の最大厚をもつ、微小エンボス加工された、ポリエチレン、ポリプロピレン、又はポリエステルといったポリマー・フィルムである。二成分フィルム、並びに液体不透過性をもたせるように加工した織布及び不織布もまた用いることができる。別の好適な材料の一例は、独立気泡ポリオレフィン発泡体である。独立気泡ポリエチレン発泡体もまた良好に働く。
【0021】
バッフル(64)は、隣接する表面の全体又は一部を互いに結合することによって吸収体(66)との固定した関係を維持することができる。当業者に公知である多種多様な結合方法を用いてそうした固定関係を達成することができる。そのような方法の例は、これらに限定されないが、超音波結合、熱結合、又は2つの隣り合う表面の間に多種多様なパターンで接着剤を塗布することを含む。バッフル材料の詳細な例は、KOTEX(登録商標)パンティライナーに使われ、アメリカ合衆国イリノイ州ショーンバーグ所在のプライアント・コーポレーションより入手可能なポリエチレン・フィルムと同様のものであろう。
【0022】
随意的な流体透過性カバー(62)は上側表面と下側表面をもち、該上側表面は通例、着用者の身体に接触し、身体排出物を受け取る。カバー(62)は、可撓性であり女性着用者の膣前庭(42)内部の組織を刺激しない材料から成ることが望ましい。ここで用いる「可撓性」という用語は、応従性があり、容易に身体面に適合するか、又は外力の存在下で容易に変形することによって応答する材料を指すことを意図されている。
【0023】
カバー(62)は、快適さと適合性のために設けられ、身体排出物を身体から遠ざけ、吸収体(66)に向けて導く機能を果たす。カバー(62)は、その構造内にほとんど又は全く液体を保持せずに、女性着用者の膣前庭(42)内部の組織に接する比較的快適で且つ刺激のない表面を提供するものでなければならない。カバー(62)は、同じくその表面に接触する体液が容易に浸透するいずれかの織成材料又は不織材料から構築することができる。好適な材料の例は、レーヨン、及びポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ナイロン、又は他の熱結合可能な繊維のボンデッドカーデッド・ウェブ、ポリプロピレン及びポリエチレンのコポリマーといったポリオレフィン、線状低密度ポリエチレン、ポリ乳酸のような脂肪酸エステルを含み、微細穿孔フィルム・ウェブ及び網材料もまた良好に働く。好適なカバー材料の詳細な一例は、KOTEX(登録商標)・パンティライナーのカバーストックとして使われ、ドイツ所在のサンドラー・コーポレーションより入手可能なポリプロピレン及びポリエチレンから成るボンデッドカーデッド・ウェブに類似のものであろう。好適な材料の他の例は、ポリマー及び不織布材料でできた複合材である。複合材は通例、通常はスパンボンド材料のウェブ上にポリマーを押し出すことによって形成された一体型シートの形状である。流体透過性カバー(62)はまた、そこに形成され体液が吸収体(66)に浸透する速度を増加させることを意図された複数の孔(図示せず)を包含することができる。
【0024】
生理学的に水和したカバー材料もまた本発明における使用に適している。ここで用いる「生理学的に水和した」という用語は、膣前庭(42)の組織と、その前庭環境に置かれた時の吸収性物品(40)との間に好適に湿った界面を維持するカバー材料を意味することが意図されており、これは、吸収性物品は膣前庭を通って移動してくる体液を受け取り、それを吸収体(66)に伝えねばならないという自明の要因を考慮して、膣前庭の湿気を帯びた組織環境内部に布又は布状構造体を介入させることに関連する快適さの要求に対して良好なものである。従って、カバー(62)は、使用に先立って(その時にはカバーは乾燥しているので)典型的な意味では「水和」しておらず、膣前庭(42)の内部で必要とされる妥当な水分レベル又は水分バランスを保持するようになる(又は少なくともその保持を妨害しない)。
【0025】
カバー(62)はまた、該カバーをより親水性にするために界面活性剤で処理された表面の少なくとも一部をもつことができる。その結果として、放出される体液がより容易にカバー(62)に浸透できるようになる。界面活性剤はまた、月経流体などの放出される体液が吸収体(66)によって吸収されずにカバー(62)から流れ出す可能性を減少させる。1つの好適な手法は、表面活性剤を、吸収体(66)の上側表面に重なり合うカバー(62)の上側表面の少なくとも一部にわたって実質的に均等に分布させることである。
【0026】
カバー(62)は、隣接する表面の全体又は一部を互いに結合することによって吸収体(66)との固定した関係を維持させることができる。当業者に公知である多種多様な結合方法を用いてそうした固定した関係を達成することができる。そのような方法の例は、これらに限定されるものではないが、2つの隣り合う表面の間に多種多様なパターンで接着剤を塗布すること、吸収体の隣接する表面の少なくとも一部をカバーの隣接する表面の一部に交絡させること、又はカバーの隣接する表面の少なくとも一部を吸収体の隣接する表面の一部に融合させることを含む。
【0027】
カバー(62)は通例、吸収体(66)の上側表面に存在するが、別の方法として該吸収体を取り囲み、部分的に又は全体的に包み込むようにすることができる。或いは、カバー(62)及びバッフル(64)は、少なくとも図5に示すように吸収体(66)の周辺部を越えて外方に延びる周辺部をもつことができ、周辺部で互いに接合して縁部(84)を形成することができる。例えば、糊付け、クリンピング、熱シール等といった公知の技術を用いて、縁部(84)を、吸収体(66)の全周辺部がその接合部によって囲まれるように全体的に形成するか、又はカバー(62)とバッフル(64)が部分的に周辺部で接合されるように形成することができる。吸収性物品(40)の着用者に刺激及び/又は不快感を与える可能性を最小限にするために、縁部(84)と、吸収性物品の少なくとも縁部にすぐ隣接する域部は、やわらかく、圧縮可能であり、適合可能であることが望ましい。望ましくは、そのように形成された縁部(84)は、約10mm以下、或いは約9mm以下、或いは約8mm以下、或いは約7mm以下、或いは約6mm以下、或いは約5mm以下、或いは約4mm以下、或いは約3mm以下、或いは約2mm以下、或いは又約1mm以下の幅をもつことが望ましい。また、そのように形成された縁部(84)は、約0.5mm以上、或いは約1mm以上、或いは約2mm以上、或いは約3mm以上、或いは約4mm以上、或いは約5mm以上、或いは約6mm以上、或いは約7mm以上、或いは約8mm以上、或いは又、約9mm以上の幅をもつことである。従って、そのように形成されたいずれかの縁部(84)は、約0.5mm以上約10mm以下の範囲に亘る幅をもつことができるが、いずれかの縁部のおおよその幅は、特に、女性着用者の膣前庭(42)内部の吸収性物品(40)の一般設計及び意図された配置に従って変えることができる。別の実施形態においては、カバー(62)及び/又はバッフル(64)は、吸収体(66)の周辺部と境を接する周辺部をもつことが可能である。
【0028】
随意的に、吸収体(66)の主要な縦方向軸線(L)の上に、又はこれと実質的に平行に、所望の折り曲げ軸(F)が位置させられる。所望の折り曲げ軸(F)は通常、縦軸方向即ちx方向に沿って引かれ、主要な縦方向軸線(L)の中心から、約10mm以下、或いは約9mm以下、或いは約8mm以下、或いは約7mm以下、或いは約6mm以下、或いは約5mm以下、或いは約4mm以下、或いは約3mm以下、或いは約2mm以下、或いは又、約1mm以下の距離まで離すことができる。所望の折り曲げ軸(F)は、主要な縦方向軸線(L)に沿って位置合わせされることが望ましい。所望の折り曲げ軸(F)は通例、縦軸方向に吸収体(66)の最大長さ(Lmax)の約90%以上、或いは約80%以上、或いは約70%以上、或いは約60%以上、或いは約50%以上、或いは又、40%以上まで最小限に延びる。所望の折り曲げ軸(F)は通例、吸収体(66)の最大長さ(Lmax)の約50%以下、或いは約60%以下、或いは約70%以下、或いは約80%以下、或いは約90%以下、或いは又、約100%以下だけ縦軸方向に延びる。所望の折り曲げ軸(F)は、吸収体(66)の寸法、形状、及び/又は構成から自然にもたらされるか、或いは、吸収体に脆弱化された軸線又は領域を与えて所望の折り曲げ軸(F)を生成することができる。所望の折り曲げ軸(F)はまた、例えば折り目加工すること、予め折畳むこと、スリット加工すること、エンボス加工すること等を含む当業者に公知のいずれかの技術によって、形成することができる。所望の折り曲げ軸(F)は、ここでは吸収体(66)に存在するものとして説明したが、所望の折り曲げ軸(F)は、カバー(62)、バッフル(64)及び/又は吸収体のいずれかに形成するか、カバーとバッフルに形成するか、カバーと吸収体に形成するか、又はバッフルと吸収体に形成できることを、当業者は容易に理解するであろう。所望の折り曲げ軸(F)は、これが存在する時には通例、吸収性物品(40)を女性着用者の膣前庭(42)内部に配置する前に容易に折畳むことを可能にする。
【0029】
吸収性物品(40)の所望の幾何学的形状(すなわち、通常は、吸収体(66)の最大幅(Wmax)が中央領域(74)に位置されない幾何学的形状)は、かなりの数の女性の膣口と尿道口が後陰唇交連(46)と陰核(60)との間を縦方向に延びる線の中間点に位置されないことを認識している。女性の解剖図の多くは、尿道口(58)を前陰唇交連(44)付近に、及び膣口(56)を後陰唇交連(46)付近に図解し、膣口(56)を尿道口(58)より著しく大きく図解しているが、尿道口と膣口との両方の寸法及び位置にはかなりの差異がある。尿道口(58)と膣口(56)との間の距離は大きく変わることがあり、陰核(60)と尿道口(58)との間の縦方向距離、膣口(56)と後陰唇交連(46)との間の縦方向距離が変わることがある。例えば、陰核(60)と尿道口(58)との間の縦方向距離は、約0.5cmから約4cmまでの範囲とすることができる一方、膣口(56)と後陰唇交連(46)との間の縦方向距離は、約1cmから約5cmまでの範囲とすることができる。前述の縦方向距離における差異に加えて、尿道口(58)と膣口(56)との間の縦方向距離は、約0.5cmから約4.5cmまでの範囲とすることができる。さらに、陰唇の長さは、両方とも大きく変わる場合がある。こうした差異に留意すれば、本発明の吸収性物品(40)は、着用者が、意図された身体排出物を遮断するために、吸収体(66)の最大幅を有する端部領域を所望の口に隣接して配置できるようにする。例えば、意図された身体排出物が月経流体であり、膣口(56)が後陰唇交連(46)付近に配置される場合には、図6に図示されたものと同様の吸収性物品の着用者は、(吸収体(66)の最大幅(Wmax)を有する)第1端部領域を膣口の下に配置し、それにより後陰唇交連の付近に配置することができる。或いは、例えば、意図された身体排出物が月経流体であり、膣口(56)が陰核(60)の付近に位置される場合には、図6に図示されたものと同様の吸収性物品の着用者は、(吸収体(66)の最大幅(Wmax)を有する)第1端部領域(70)を膣口の下に配置し、それにより陰核の付近に配置することができる。或いは、例えば、意図された身体排出物が月経流体であり、膣口(56)が陰核(60)と後陰唇交連(46)との間を縦方向に延びる線の中間点に位置する場合には、着用者は、吸収体(66)の最大幅(Wmax)が膣口の下となり、吸収体の最小幅(Wmin)をもつ領域が陰核か又は後陰唇交連のいずれかの付近に配向される適切な幾何学的形状をもつ吸収性物品(40)を選択し、配置して、いずれにしても女性着用者にとって最も快適となるようにすることができる。その結果として、本発明の吸収性物品(40)の種々の実施形態は、女性着用者の膣前庭(42)内に反転可能に配置することができる。こうした反転可能であることは、女性着用者が、吸収性物品(40)を、彼女の膣前庭内に、彼女の主要な尿生殖部の位置に最も良く合致するように個人に合わせたフィット性をもたらす向きで配置することによって、快適さ及び順応性を最大にすることができる。個人に合わせたフィット性を与える能力はまた、女性着用者の膣前庭(42)内の吸収性物品(40)の個別化された位置決め又は配置を可能にする。こうした個別化された位置決めを可能にすることによって、女性着用者は、彼女の意思にもとづき(i)最も快適なフィット性が得られる向き、及び(ii)吸収体(66)の最大幅(Wmax)を必要とする向きで、吸収性物品を彼女の膣前庭内に配置することができる。理論に縛られることを意図するのではなく、漏れの恐れはまた、意図された排出物を吸収し及び/又は吸着するために、吸収性物品(40)を、吸収体(66)の最大幅(Wmax)が選択された口の近傍に位置される向きで彼女の膣前庭内に配置する機会を女性着用者に与えることによって最小にされる。
【0030】
本発明の所望の幾何学的形状をもつ吸収性物品(40)は、主要な縦方向軸線(L)に沿って折畳まれたときに、主要な縦方向軸線(L)に沿う最高点(z方向に沿って測定されたときの)が、少なくとも第1端部領域(70)及び/又は第2端部領域(72)(すなわち、中央領域(74)には位置されていない)に位置されるプロフィールをもつ。しかしながら、折畳まれていないときであっても、吸収性物品(40)は、少なくとも図4及び図5に図示されるように、z軸線にほぼ平行に位置する線に沿って測定されたときに、厚さと、キャリパ又は高さ(H)をもつ。吸収性物品(40)の最小厚さは、典型的には約9mmより大きく、又は約8mmより大きく、もしくは約7mmより大きく、或いは約6mmより大きく、又は約5mmより大きく、もしくは約4mmより大きく、或いは約3mmより大きく、又は約2mmより大きく、もしくは約1mmより大きく、或いは約0.5mmより大きい。吸収性物品(40)の最大厚さは、典型的には、約1mmより小さく、又は約2mmより小さく、もしくは約3mmより小さく、或いは約4mmより小さく、又は約5mmより小さく、もしくは約6mmより小さく、或いは約7mmより小さく、又は約8mmより小さく、もしくは約9mmより小さく、或いは約10mmより小さい。したがって、吸収性物品(40)は、約10mm又はそれ以下の厚さをもつことができるが、吸収性物品の適切な厚さは、特に、女性着用者の膣前庭(42)内部の吸収性物品の一般設計及び意図された配置に従って変えることができる。
【0031】
吸収性物品(40)は、典型的には、女性着用者の膣前庭(42)内に配置される前に、少なくとも図12、図13、及び図14に図示されるように、主要な縦方向軸線(L)上に位置されるか又はこれに平行に配設された軸線に沿って折畳まれる。そうした軸線に沿って折畳まれるときには、吸収性物品(40)は、該吸収性物品が膣前庭(42)内部に設置された時に着用者の指が汚れることを防ぐ凹部(92)を形成する。一旦挿入されると、吸収性物品(40)は膣前庭をふさぐために開く傾向をもつことがあり、そのことによって、吸収性物品の上側表面と膣前庭(42)の組織との接触を維持する。吸収性物品(40)は、該吸収性物品の開く傾向を増大させるために、その周りで該吸収性物品が折畳まれる軸線に沿って弾性的に付勢される。或いは、少なくとも図11及び図12に図示されるように、所望ならば吸収性物品(40)の吸収体(66)を、その縦方向縁部に沿ってより厚くし、それにより、通例、吸収性物品(40)の上側表面が膣前庭(42)の組織と接触できるようにすることを意図する付勢効果も呈する。しかしながら、ここで説明した吸収性物品(40)は、女性着用者の膣前庭(42)の組織との接触を維持するための付加的な特徴を必ずしも必要とはしない。本質的に湿気を帯びた膣前庭(42)の組織の表面は、通例、吸収性物品(40)の上側表面との接触を維持する傾向を呈する。
【0032】
上述のように、着用者は、吸収性物品を膣前庭(42)内に配置する前に、主要な縦方向軸線(L)上に位置されるか又はこれに平行に配設された軸線に沿って吸収性物品(40)を折畳むことができる。したがって、着用者は、少なくとも図14に図示されるように、折畳まれた吸収性物品(40)を縦方向側部で折畳むことができる。次に、着用者が折畳まれた吸収性物品によって形成された凹部(92)の中に挿入した指で力を及ぼすことにより、膣前庭(42)の内部に吸収性物品(40)を設置することができる。
本発明の種々の様態又は実施形態を開示し詳細に説明してきたが、他の実施形態も可能である。従って、特許請求範囲の請求項の精神及び範囲は、ここに含まれた多様な図示及び説明に限定されるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】陰唇パッドのような吸収性物品のための環境を図解する、ヒトの女性の簡単な解剖学的断面図である。
【図2】着用者の膣前庭内に配置される陰唇パッドのような吸収性物品の位置を図解する、ヒトの女性の簡単な解剖学的断面図である。
【図3】本発明の吸収性物品の実施形態を図解する上面図である。
【図4】図3の線4−4に沿って見た、図3に示される実施形態の断面図である。
【図5】本発明の吸収性物品の別の実施形態を示す断面図である。
【図6】図4に示されたものと同様の実施形態を示す上面図である。
【図7】本発明の吸収性物品のさらに別の実施形態を示す上面図である。
【図8】本発明の吸収性物品のさらに別の実施形態を示す上面図である。
【図9】本発明の吸収性物品のさらに別の実施形態を示す上面図である。
【図10】本発明の吸収性物品のさらに別の実施形態を示す上面図である。
【図11】本発明の吸収性物品のさらに別の実施形態を示す断面図である。
【図12】折畳まれた状態の図11の実施形態を示す断面図である。
【図13】ほぼ主要な軸線の周りに折畳まれた状態の本発明の吸収性物品の別の実施形態の拡大図である。
【図14】ほぼ主要な軸線の周りに折畳まれ、膣前庭内に配置するために着用者の指でつかまれた状態の本発明の吸収性物品のさらに別の実施形態の誇張された拡大図である。

Claims (35)

  1. 流体透過性カバー(62)と、液体不透過性バッフル(64)と、前記カバーと前記バッフルとの間に配置された吸収体(66)とを備え、主要な縦方向軸線と、主要な横断方向軸線とを有し、女性着用者の膣前庭内に配置されるように構成され、長さと、最大幅部と、最大幅部における幅と、最小幅部と、最小幅部における幅と、厚さと、第1(70)及び第2(72)端部領域と、前記第1及び第2端部領域の間に配置された中央領域(74)と、離間された第1(80)及び第2(82)縦方向側部と、離間された第1(76)及び第2(78)横断方向端部と、を有し、前記縦方向側部は、前記横断方向端部と共に、全体として吸収体の周辺部を形成し、前記吸収体の最大幅部は前記中央領域以外の領域に位置されることを特徴とする吸収性物品(40)。
  2. 前記吸収体の最大幅部は、前記第1端部領域に位置されることを特徴とする請求項1に記載の吸収性物品。
  3. 前記吸収体の最大幅部はまた、前記第2端部領域に位置されることを特徴とする請求項2に記載の吸収性物品。
  4. 前記吸収体の最大幅部はまた、前記第2端部領域に位置されることを特徴とする請求項1に記載の吸収性物品。
  5. 前記カバーと前記バッフルは、前記吸収体の周辺部と同一の広がりをもつ周辺部を有することを特徴とする請求項1に記載の吸収性物品。
  6. 前記カバーと前記バッフルは、前記吸収体の周辺部を越えて外方に延びる周辺部を有することを特徴とする請求項1に記載の吸収性物品。
  7. 前記カバーと前記バッフルは、少なくとも部分的に周辺部で接合されて縁部(84)を形成することを特徴とする請求項6に記載の吸収性物品。
  8. 前記吸収体はさらに、超吸収体ポリマーを含むことを特徴とする請求項1に記載の吸収性物品。
  9. 吸収体(66)と、液体不透過性バッフル(64)とを備え、主要な縦方向軸線と、主要な横断方向軸線とを有し、女性着用者の膣前庭内に配置されるように構成され、長さと、最大幅部と、最大幅部における幅と、最小幅部と、最小幅部における幅と、厚さと、第1(70)及び第2(72)端部領域と、前記第1及び第2端部領域の間に配置された中央領域(74)と、離間された第1(80)及び第2(82)縦方向側部と、離間された第1(76)及び第2(78)横断方向端部と、を有し、前記縦方向側部は、前記横断方向端部と共に、全体として吸収体の周辺部を形成し、前記吸収体の最大幅部は前記中央領域以外の領域に位置されることを特徴とする吸収性物品(40)。
  10. 前記吸収体の最大幅部は、前記第1端部領域に位置されることを特徴とする請求項9に記載の吸収性物品。
  11. 前記吸収体の最大幅部はまた、前記第2端部領域に位置されることを特徴とする請求項9に記載の吸収性物品。
  12. 前記吸収体の最大幅部は、前記第2端部領域に位置されることを特徴とする請求項10に記載の吸収性物品。
  13. 前記バッフルは、前記吸収体の周辺部と同一の広がりをもつ周辺部を有することを特徴とする請求項9に記載の吸収性物品。
  14. 流体透過性カバー(62)をさらに備えることを特徴とする請求項9に記載の吸収性物品。
  15. 前記カバーは前記吸収体を包囲することを特徴とする請求項14に記載の吸収性物品。
  16. 前記吸収体の周辺部と同一の広がりをもつ周辺部を有する流体透過性カバー(62)をさらに備えることを特徴とする請求項13に記載の吸収性物品。
  17. 前記吸収体は超吸収体ポリマーをさらに含むことを特徴とする請求項9に記載の吸収性物品。
  18. 女性着用者の膣前庭内に配置されるように構成された吸収体を備え、最大幅部と、第1(70)及び第2(72)端部領域と、前記第1及び第2端部領域の間に配置された中央領域(74)と、離間された第1(80)及び第2(82)縦方向側部と、離間された第1(76)及び第2(78)横断方向端部と、を有し、前記縦方向側部は、前記横断方向端部と共に、全体として吸収体の周辺部を形成し、前記吸収体の最大幅部は前記中央領域以外の領域に位置されることを特徴とする吸収性物品(40)。
  19. 前記吸収体の最大幅部は、前記第1端部領域に位置されることを特徴とする請求項18に記載の吸収性物品。
  20. 前記吸収体の最大幅部はまた、前記第2端部領域に位置されることを特徴とする請求項19に記載の吸収性物品。
  21. 前記吸収体の最大幅部は、前記第2端部領域に位置されることを特徴とする請求項18に記載の吸収性物品。
  22. 前記吸収体は、上面と、前記吸収体の上面に存在する流体透過性カバー(62)とを有することを特徴とする請求項18に記載の吸収性物品。
  23. 前記吸収体を囲む流体透過性カバー(62)をさらに備えることを特徴とする請求項18に記載の吸収性物品。
  24. 前記カバーは、前記吸収体を部分的に包囲することを特徴とする請求項23に記載の吸収性物品。
  25. 前記カバーは、前記吸収体を完全に包囲することを特徴とする請求項23に記載の吸収性物品。
  26. 前記吸収体は、超吸収体ポリマーをさらに含むことを特徴とする請求項18に記載の吸収性物品。
  27. 吸収体(66)と、流体透過性カバー(62)とを備え、主要な縦方向軸線と、主要な横断方向軸線とを有し、女性着用者の膣前庭内に配置されるように構成され、長さと、最大幅部と、最大幅部における幅と、最小幅部と、最小幅部における幅と、厚さと、第1(70)及び第2(72)端部領域と、前記第1及び第2端部領域の間に配置された中央領域(74)と、離間された第1(80)及び第2(82)縦方向側部と、離間された第1(76)及び第2(78)横断方向端部と、を有し、前記縦方向側部は、前記横断方向端部と共に、全体として吸収体の周辺部を形成し、前記吸収体の最大幅部は前記中央領域以外の領域に位置されることを特徴とする吸収性物品(40)。
  28. 前記吸収体の最大幅部は、前記第1端部領域に位置されることを特徴とする請求項27に記載の吸収性物品。
  29. 前記吸収体の最大幅部はまた、前記第2端部領域に位置されることを特徴とする請求項28に記載の吸収性物品。
  30. 前記吸収体の最大幅部はまた、前記第2端部領域に位置されることを特徴とする請求項27に記載の吸収性物品。
  31. 前記カバーは、前記吸収体の周辺部と同一の広がりをもつ周辺部を有することを特徴とする請求項27に記載の吸収性物品。
  32. 液体不透過性バッフル(64)をさらに備えることを特徴とする請求項27に記載の吸収性物品。
  33. 前記カバーは前記吸収体を包囲することを特徴とする請求項27に記載の吸収性物品。
  34. 前記吸収体の周辺部と同一の広がりをもつ周辺部を有する液体不透過性バッフル(64)をさらに備えることを特徴とする請求項31に記載の吸収性物品。
  35. 前記吸収体は超吸収体ポリマーをさらに含むことを特徴とする請求項27に記載の吸収性物品。
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