JP2004529523A - 可変長パケットを利用するポイントツーマルチポイント受動光ネットワーク - Google Patents
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Abstract
【選択図】図2
Description
【0001】
本発明は一般的にブロードバンド光コミュニケーションネットワークに関し、より具体的にはポイントツーマルチポイント受動光ネットワークに関する。
【背景技術】
【0002】
インターネットの爆発的発展と、エンドユーザへの複数の通信サービスおよび娯楽サービス提供に対する要望により、エンドユーザへのアクセスを向上させるブロードバンドネットワークアーキテクチャへのニーズが高まっている。エンドユーザへのアクセスを向上させるブロードバンドネットワークアーキテクチャの1つは、ポイントツーマルチポイント受動光ネットワーク(passive optical network、略称PON)である。ポイントツーマルチポイントPONは、純粋に受動的な光分散ネットワークを介した、光加入者線端局装置(optical line terminal、略称OLT)と複数の遠隔光ネットワークユニット(optical network unit、略称ONU)との間のブロードバンド通信を容易にする光アクセスネットワークアーキテクチャである。ポイントツーマルチポイントPONは、受動光ファイバスプリッタと光カプラとを利用して、OLTと遠隔ONUとの間で受動的に光信号を分配する。
【0003】
図1Aおよび図1Bは、ポイントツーマルチポイントPONにおけるOLT102と3つのONU104との間のネットワークトラフィックの上り方向および下り方向の流れを表している。 これらの図ではONUが3つだけ示されているが、ポイントツーマルチポイントPONには3つ以上のONUを含めることが可能である。図1Aでは、ONU固有の情報ブロックを含む下り方向のトラフィックが前記OLTから送信されている。この下り方向トラフィックは、受動光スプリッタ112により、それぞれONU固有の全情報ブロックを搬送する3つの個別信号へと光学的に分割される。各ONUは、そのONU用に意図された前記情報ブロックを読み込み、他のONU用に意図された情報ブロックは破棄する。例えば、ONU−1は情報ブロック1と、情報ブロック2と、情報ブロック3とを受け取るが、情報ブロック1だけをエンドユーザ1に送信する。同様に、ONU−2は情報ブロック2をエンドユーザ2へ、ONU−3は情報ブロック3をエンドユーザ3へそれぞれ送信する。図1Bでは、送信時間スロットが前記ONUの専用にされている時分割多重化を利用して、上り方向のトラフィックが管理されている。これらの時間スロットは、各ONUからの上り方向情報ブロックが共通ファイバ(しばしば「トランク」と呼ばれる)110上で接続されたのち互いに干渉し合わないよう同期される。例えば、前記ONU−1は前記情報ブロック1を第1の時間スロットで、前記ONU−2は前記情報ブロック2を第2の非重複時間スロットで、そして前記ONU−3は前記情報ブロック3を第3の非重複時間スロットでそれぞれ送信する。図1Bに示すように、すべての情報ブロックは非重複時間スロット内でトランク上を移動する。
【0004】
ポイントツーマルチポイントPONは音声とデータとビデオとの統合サービス配信を意図しているため、既存のポイントツーマルチポイントPONは、音声とデータとビデオとの統合配信を単一通信チャネルで可能にするQoS(Quality of Service=通信品質)機能とともに設計されたATMデータリンクプロトコルに準拠して設計されている。パケット交換通信分野で周知のように、このATMプロトコルでは固定長53バイトセル(48バイトのペイロードと5バイトのオーバーヘッド)で情報を伝送する。ATMベースのポイントツーマルチポイントPONでは、固定長ATMセルを使って上下両方向の情報が伝送される。例えば米国特許第5,978,374号に開示されているとおり、上り方向トラフィック内の各時間スロットは、単一の固定長ATMセルと単一の固定長トラフィック制御フィールドとで満たされる。
【0005】
このATMプロトコルは固定長53バイトセルを使うが、多くの場合ATMネットワークでは広く使われているインターネットプロトコル(IP)に従ってフォーマットされたトラフィックを搬送することが要求される。このインターネットプロトコルでは、最高65,535バイトの可変長データグラムへとセグメント化するデータが必要である。ATMベースのポイントツーマルチポイントPONがIPトラフィックを搬送できるようにするには、IPデータグラムを48バイトのセグメントに分割し、それに5バイトのヘッダを追加しなければならない。すべての入信IPデータグラムを48バイトのセグメントに分割し、それらに5バイトのヘッダを追加すると、大量のオーバーヘッドが生じてポイントツーマルチポイントPONにおける貴重な帯域幅が消費されてしまう。このATMヘッダによる消費帯域幅の増加に加え、IPデータグラムをATMセルに変換する工程は時間がかかり、特殊な工程に特化したハードウェアがOLTおよびONUのコストを上げることにもなる。
【0006】
これまでポイントツーマルチポイントPONに組み込まれてきているもう1つのデータリンクプロトコルは、IEEE802.3プロトコルである(一般に「イーサネット」と呼ばれる)。イーサネットでは、ペイロードデータ(IPデータグラムなど)を最高1,518バイトの可変長パケットで搬送する。ポイントツーマルチポイントPONで最高1,518バイトの可変長パケットを使うと、ATMベースのポイントツーマルチポイントPONのオーバーヘッドと比べ、IPトラフィックのオーバーヘッドを大幅に削減できる。このオーバーヘッド削減に加え、イーサネットネットワーク部品は比較的低価格でもある
【0007】
イーサネットネットワーク内の複数のステーションが共通の物理伝送路を共有する場合、イーサネットプロトコルでは衝突検出型搬送波検知多重アクセス(carrier sense multiple access/ collision detection protocol、略称CSMA/CD)をメディアアクセス制御機構として利用し、伝送するトラフィック間の衝突を回避する。CSMA/CDは、複数のステーションを同期する必要がない効率的なメディアアクセス制御プロトコルである。CSMA/CDをイーサネットネットワークに適用する際、ネットワーク上の全ステーションにより検出できない衝突を避けるには、パケットの最小長がネットワークの最大往復伝搬時間より長くなければならない。すなわち、複数ステーションイーサネットネットワークにおけるユーザ間の最大距離は、コリジョンドメイン(衝突ドメイン)により制限される。例えば、1Gb/sで動作するイーサネットネットワークの場合、ステーション間の最大距離はCSMA/CDにより約200メートルに制限される。ポイントツーマルチポイントPONの市場販売を実現するには、OLTとONUとの距離をCSMA/CDの許す最大距離より長くできるようにする必要がある。コリジョンドメインの制約に加え、CSMA/CDに依存するイーサネットネットワークは非決定論的でもある。つまり、OLTとONUとの間のトラフィックについてQoSは保証されないのである。
【0008】
CSMA/CDを利用したATMベースのポイントツーマルチポイントPONとイーサネットベースのポイントツーマルチポイントPONとにおける制約を考慮すると、可変長パケットを使いOLTおよびONU間の最大許容距離を長くするポイントツーマルチポイントPONが必要になる。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0009】
ポイントツーマルチポイント通信用のシステムおよび方法には、下り方向のデータが可変長パケットでOLTから複数のONUへ送信され、上り方向のデータは、伝送衝突を防ぐため時分割多重化を利用した可変長パケットでONUからOLTへ送信されるPONが必要である。IPデータなどのデータを伝送するため固定長ATMセルの代わりに可変長パケットを利用すると、ATMベースのポイントツーマルチポイントPONと比べて伝送オーバーヘッドが削減される。加えて、上り方向の伝送衝突を避けるため時分割多重化を使うと、CSMA/CDをメディアアクセス制御プロトコルとして使う共有メディアネットワークにおける距離制限が取り除かれる。
【0010】
ポイントツーマルチポイント光通信システムの実施形態は、OLTと、このOLTに受動光ネットワークで接続された複数のONUとを含み、下り方向のデータは前記OLTから前記ONUへPON経由で送信され、上り方向のデータは前記ONUから前記OLTへPON経由で送信される。前記OLTは、下り方向のデータを受動光ネットワークを介して可変長下り方向パケットで送信する。前記ONUは、時分割多重化を使って、上り方向のデータを受動光ネットワークを通じONU固有の時間スロット内で送信し、このONU固有の時間スロットは、複数の可変長上り方向パケットで満たされる。
【0011】
1の実施形態では、前記可変長下り方向パケットはIEEE802.3又は「イーサネット」に従ってフォーマットされる。1の実施形態では、前記可変長下り方向パケットはIPデータグラムを含み、異なる他の実施形態では、この可変長下り方向パケットの長さはこのIPデータグラムの長さに関係している。
【0012】
さらに異なる他の実施形態では、前記可変長上り方向パケットはIEEE802.3に従ってフォーマットされる。1の実施形態では、前記可変長上り方向パケットはIPデータグラムを含み、異なる他の実施形態では、この可変長上り方向パケットの長さはこのIPデータグラムの長さに関係している。
【0013】
1の実施形態では、前記可変長下り方向パケット及び前記可変長上り方向パケットはIEEE802.3に従ってフォーマットされ、下り方向データと上り方向データはIPデータグラムを含む。
【0014】
1の実施形態では、このOLTは、ONUから上り方向に伝送されるパケットフラグメントを格納するフラグメントバッファを含み、このONUはONUから上り方向に伝送されるパケットフラグメントを格納するフラグメントバッファを含む。フラグメントバッファに加えて、ONUは上り方向の可変長パケットを第1および第2のパケットフラグメントに分割し、後尾パケットフラグメントのコードを第1のパケットフラグメントに追加し、先頭パケットフラグメントのコードを第2のパケットフラグメントに追加するフラグメントロジックを含むものでもよい。第1のパケットフラグメントの後尾パケットフラグメントのコードを識別し、OLTフラグメントバッファにおいて第1のパケットフラグメントをバッファし、第2のパケットフラグメントの先頭パケットフラグメントのコードを識別し、第1及び第2のパケットフラグメントから上り方向の可変長パケットを再構築するフラグメントロジックを含むものでもよい。
【0015】
本発明では、ポイントツーマルチポイントPONにおいてOLTと複数のONUとの間で情報を交換するための方法であって、下り方向のデータを可変長下り方向パケットでOLTからONUへ送信する工程と、伝送衝突を防ぐため時分割多重化を利用して上り方向のデータをONU固有の時間スロットでONUからOLTへ送信する工程とを含み、前記ONU固有の時間スロットは可変長の上り方向パケットで満たされる、ポイントツーマルチポイントPONにおいてOLTと複数のONUとの間で情報を交換するための方法が提供される。
【0016】
1の実施形態では、前記可変長下り方向パケットおよび前記可変長上り方向パケットはIEEE802.3に従ってフォーマットされる。1の実施形態では、前記可変長下り方向パケットおよび前記可変長上り方向パケットはヘッダおよびペイロードを含み、これら可変長パケットの長さは、その可変長パケットのペイロードに含まれるIPデータグラムの長さに関係している。
【0017】
1の実施形態は、下り方向IPデータグラムを可変長下り方向パケットに挿入する工程と、上り方向IPデータグラムを可変長上り方向パケットに挿入する工程とを含んでいる。1の実施形態では、前記可変長下り方向パケットおよび前記可変長上り方向パケットはIEEE802.3に従ってフォーマットされる。
【0018】
1の実施形態では、前記下り方向のデータを可変長下り方向パケットでOLTからONUへ送信する工程は、下り方向の同期マーカを一定の時間間隔で送信する工程を含む。
【0019】
1の実施形態では、前記ONU固有の時間スロットは複数の可変長パケットで満たされる。
【0020】
方法の実施形態は、上り方向の可変長パケットを第1および第2のパケットフラグメントに分割し、後尾パケットフラグメントのコードを第1のパケットフラグメントに追加し、先頭パケットフラグメントのコードを第2のパケットフラグメントに追加する工程を含む。1の実施形態は、第1のパケットフラグメントを第1のONU固有時間スロットにおいて上り方向に送信し、送信用の第2のパケットフラグメントを第1のONU固有時間スロットと異なる第2のONU固有時間スロットにおいてバッファし、第1のパケットフラグメントがOLTに受信された後第1のパケットフラグメントをバッファし、第1のパケットフラグメント及び第2のパケットフラグメントから上り方向の可変長パケットを再構築する工程を更に含む。
【0021】
本発明の他の観点と顕著な効果は、次の発明の実施の形態の項の説明と、本発明の原理を例示する添付図面を参照することでより明確に理解される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
ポイントツーマルチポイント通信用のシステムおよび方法はPONを含み、このPONで下り方向のデータが可変長パケットでOLTから複数のONUへ送信され、上り方向のデータは、伝送衝突を防ぐため時分割多重化を利用した可変長パケットでONUからOLTへ送信される。1の実施形態では、下り方向及び上り方向の可変長パケットはIEEE802.3規格に従ってフォーマットされ、可変長パケットのペイロードはIPデータグラムを含む。1の実施形態では、各可変長パケットの長さは、このペイロード内に含まれるIPデータグラムの長さに関係している。IPデータグラムを伝送するため固定長ATMセルの代わりに可変長パケットを利用すると、ATMベースのポイントツーマルチポイントPONと比べて伝送オーバーヘッドが削減される。加えて、上り方向の伝送衝突を避けるため時分割多重化を使うと、CSMA/CDをメディアアクセス制御プロトコルとして使う共有メディアネットワークにおける距離制限が取り除かれる。
【0023】
図2はポイントツーマルチポイントPON200の例を示したものである。このポイントツーマルチポイントPONは、受動光分散ネットワークで接続されたOLT202と複数のONU204とを含んでいる。1の実施形態では、前記OLT202は中央オフィスやヘッドエンドステーションなどのサービスステーション210に接続されている。このサービスステーションで提供されるサービスは、データネットワークアクセス、音声ネットワークアクセス、ビデオネットワークアクセスなどを含むものであってもよい。このサービスステーションと前記OLTとの間に使われる接続プロトコルの例としては、OC−x、イーサネット、E1またはT1、DS3、ブロードバンドビデオなどが挙げられる。1の実施形態では、前記ONUはエンドユーザシステム、すなわちシステム214に接続されており、このシステム214にはLAN(ローカルエリアネットワーク)、パーソナルコンピュータ、PBX(構内交換機)、電話、セットトップボックス、テレビなどを含むものであってもよい。エンドユーザシステムと前記ONUとの間に使われる接続プロトコルの例としては、10/100Mb/sイーサネット、T1、一般電話サービス(POTS)などが挙げられる。
【0024】
図2に示した前記受動光分散ネットワークは、受動光スプリッタ/カプラ212により接続された共通光ファイバ210(トランクファイバ)と複数のONU固有のファイバ216とを含むツリートポロジーを有する。下り方向へ(前記OLT202から前記ONU204へ)送信される光信号は、それぞれが同じ情報を搬送する複数のONU固有光信号へと光学的に分割される。上り方向へ(ONUからOLTへ)送信される光信号は、前記カプラと前記OLTとの間に接続されたトランクファイバに光学的に接続される。以下で詳述するように、上り方向の場合は、2つ以上のONUからの上り方向送信の衝突を回避するため時分割多重化が使われている。
【0025】
図2の実施形態では、下り方向の光信号が上り方向の光信号とは異なる波長(または周波数)で送信されている。1の実施形態では、下り方向のトラフィックは1550nmの波長帯域で送信され、上り方向のトラフィックは1310nmの波長帯域で送信される。上り方向と下り方向で異なる波長を使用すると、衝突に干渉することなく、単一の光ファイバで同時に上下両方向のトラフィックを搬送できるようになる。別の実施形態では、受動光割り当てネットワーク用に上下方向にそれぞれ別個のファイバを使うことができる。また、伝送帯域幅を広げるため、下り方向および上り方向(またはそのいずれか)に波長分割多重方式(WDM)を使うこともできる。
【0026】
図2の前記受動光分配ネットワークはツリートポロジーを有しているが、代わりに別のネットワークトポロジーを使うことも可能である。この別のネットワークトポロジーには、バストポロジーやリングトポロジーなどがある。また図2の割り当てネットワークには、ネットワークコンポーネント間に単一のファイバ接続しか示されていないが、耐障害安全性のためネットワークコンポーネント間に冗長ファイバを追加してもよい。
【0027】
図3は、図2のポイントツーマルチポイントPONにおけるOLTの例302の展開図である。このOLT302に含まれる機能部は、パケットコントローラ320と、時分割多重化(TDM)コントローラ322と、光送信機324と、光受信機326とである。このOLTには、図示されていない他の周知の機能部を含めてもよい。パケットコントローラは、下り方向のデジタルデータをサービスステーションから受信して可変長パケットにフォーマットする。このパケットコントローラは、ハードウェアおよびソフトウェア(またはそのいずれか)で具現化でき、メディアアクセス制御(MAC)と呼ばれることもある。1の実施形態において、各可変長パケットは、パケットの先頭に固定長のヘッダを、ヘッダの後に可変長ペイロードを、そしてパケットの末尾に固定長エラー検出フィールド(フレームチェックシーケンス(frame check sequence、略称FCS)フィールド)をそれぞれ含む。1の実施形態では、下り方向の可変長パケットはIEEE802.3規格(一般にイーサネットと呼ばれる)または関連する任意のIEEE802.3x準規格に従ってフォーマットされる。1の実施形態では、この下り方向の可変長パケットは、IEEE802.3z(一般に「ギガビットイーサネット」と呼ばれる)で定義されているとおり、毎秒1ギガバイト(Gb/s)のレートで送信されるが、それ以上またはそれ以下の伝送速度も可能である。
【0028】
1の実施形態では、下り方向のデジタルデータの大部分は、最大65,535バイトサイズのIPデータグラムに含まれて前記パケットコントローラ320に到着する。このパケットコントローラ320は受け取ったIPデータグラムからヘッダ情報を読み込み、このIPデータグラムをペイロードとして含む可変長パケットを生成する。1の実施形態では、各可変長パケットの長さは、このペイロード内に含まれるIPデータグラムの長さに関係している。すなわち、下り方向のIPデータグラムが100バイトであれば、前記可変長パケットは100バイトのペイロードとパケットオーバーヘッド(ヘッダおよびエラー検出フィールド)を含み、IPデータグラムが1000バイトであれば、前記可変長パケットは1000バイトのペイロードとパケットオーバーヘッドを含む。パケットがIEEE802.3に従ってフォーマットされる1の実施形態では、パケットの最大長は1,518バイトである(1,500バイトのペイロードおよび18バイトのパケットオーバーヘッド)。IPデータグラムが1,500バイトを超えると、そのIPデータグラムは、複数のIPデータグラムに分割されて複数の可変長パケットで搬送される。上記とは対照的に、ATMベースのポイントツーマルチポイントPONでは、もとのIPデータグラムのサイズにかかわらず、IPデータグラムが48バイトのセグメントに分割され5バイトのヘッダが追加されて、各ATMセルが作成される。ネットワークトラフィックの大部分がIPトラフィックからなる場合、ポイントツーマルチポイントPONにおけるデータリンクプロトコルとしてATMを使用すると、オーバーヘッドにより消費される帯域幅の量が著しく増加する。IPは上層プロトコルとして記述されるが、IPXやAppleTalkなど他のネットワークプロトコルはPONで搬送できる。
【0029】
図3に示された前記OLT302の前記TDMコントローラ322は、前記OLTから前記ONUへのトラフィックの下り方向の流れを制御する。具体的には、このTDMコントローラ322は下り方向のフレーミングを制御し、下り方向に送信する必要のある可変長パケットに帯域幅を割り当てる。このTDMコントローラ322はハードウェアおよびソフトウェア(またはそのいずれか)で具現化できる。
【0030】
前記光送信機324および前記光受信機326は、光信号と電気信号との間のインタフェースを提供する。光送信機と光受信機は、ポイントツーマルチポイントPONの分野でよく知られているため、ここでは詳述しない。
【0031】
図4は、前記OLTから前記ONUへの可変長パケットによる下り方向トラフィックの例を示している。1の実施形態では、この下り方向トラフィックは固定間隔セグメントである下り方向フレームへとセグメント化され、夫々が複数の可変長パケットを運ぶ。1の実施形態では、同期マーカ438の形のクロッキング情報が各下り方向フレームの先頭を表す。1の実施形態では、この同期マーカはONUをOLTと同期させるため2msごとに送信される1バイトコードである。
【0032】
図4の実施形態では、各可変長パケットは、各パケットの上の番号1〜Nで示されているように特定のONUに読み込まれるよう意図されている。1の実施形態では、この可変長パケットはIEEE802.3規格に従ってフォーマットされ、1Gb/sで下り方向へ送信される。可変長パケット430の展開図には、この可変長パケット430のヘッダ432と、可変長ペイロード434と、エラー検出フィールド436とが示されている。この可変長パケット430は可変長ペイロードを有するため、各パケットのサイズは、ペイロード内で搬送されるIPデータグラムなど、ペイロードのサイズに関係する。図4の各可変長パケットは特定のONU(ユニキャストパケット)により読み込まれるよう意図されているが、一部のパケットはすべてのONU(ブロードキャストパケット)または特定グループのONU(マルチキャストパケット)により読み込まれるよう意図されている。
【0033】
図5は、図2のポイントツーマルチポイントPON200におけるONUの例504の展開図である。このONU504に含まれる機能部は、パケットコントローラ520と、TDMコントローラ522と、光送信機524と、光受信機526である。このONUには、図示されていない他の周知の機能部を含めてもよい。前記パケットコントローラ520は上り方向のデジタルデータをエンドユーザシステムから受信し、この上り方向のデジタルデータを、上述の下り方向トラフィックと同様にそれぞれがヘッダと、ペイロードと、エラー検出フィールドを含む可変長パケットにフォーマットする。このパケットコントローラ520は、ハードウェアおよびソフトウェア(またはそのいずれか)で具現化でき、MACユニットと呼ばれることもある。下り方向トラフィックについては、1の実施形態では、前記上り方向可変長パケットがIEEE802.3規格に従ってフォーマットされ、1 Gb/sのレートで転送される。1の実施形態では、前記上り方向デジタルデータの大部分はIPデータグラムに含まれて前記パケットコントローラに到着する。1の実施形態では、このパケットコントローラは上り方向のIPデータグラムからヘッダ情報を読み込み、このIPデータグラムをペイロードとして含む可変長パケットを生成する。1の実施形態では、各可変長パケットの長さは、それに対応するIPデータグラムの長さに関係している。多数の導入例では、この上り方向トラフィックはイーサネット接続を介してONUに到着するため、このトラフィックをイーサネットパケットにフォーマットし直す必要はない。
【0034】
各ONU504の前記TDMコントローラ522は、図5に示すように各ONUからOLTへの上り方向トラフィックの流れを制御する。具体的には、各前記ONU504用の前記TDMコントローラ522は、前記OLTと関連して、各前記ONU504が時分割多重接続方式(TDMA)プロトコルの指定された時間スロットで確実に上り方向可変長パケットを送信するようにする。複数のONU間で伝送を同期するため、これらのONUはOLTからのタイミング情報を使って同期化クロックを維持する。動作中、各ONUは、複数のONUからの上り方向送信がトランクファイバに終結されたのち互いに衝突しないよう確立されたONU固有の時間スロットを前記OLTにより割り当てられる。すなわち、このONU固有の時間スロットは、トランクファイバ上で時間的に重複しない。ここで注意すべき点は、従来技術のイーサネットネットワークが、メディアアクセス制御プロトコルとしてCSMA/CDを使うことにより共有メディアを介したすべての伝送が衝突することなく各最終目的地に到達できるようにしていることである。CSMA/CDはONU間の最大距離を制限するため、ローカルアクセスネットワークアーキテクチャとしてのCSMA/CDベースのポイントツーマルチポイントPONを有するイーサネットの実現可能性をも制限する。メディアアクセス制御プロトコルとして時分割多重化を採用すると、ONU間の距離はCSMA/CDコリジョンドメインにより制限されなくなる。このTDMコントローラはハードウェアおよびソフトウェア(またはそのいずれか)で具現化される。
【0035】
図6は、前記ONU204からの上り方向トラフィック間の衝突を回避するため時分割多重化された、図2の前記共通光ファイバ210への上り方向トラフィックの例を示している。図6の実施形態では、上り方向のトラフィックは上り方向のフレームにセグメント化され、各上り方向フレームはさらにONU固有の時間スロットにセグメント化される。1の実施形態では、前記上り方向のフレームは例えば2msの連続的な送信間隔により形成される。1の実施形態では、各上り方向フレームの先頭はフレームヘッダ(図示せず)により識別される。
【0036】
前記ONU固有の時間スロットは、特定のONUからの可変長パケット送信専用の各上り方向フレーム内の送信間隔である。1の実施形態では、各ONUは各上り方向フレーム内に専用のONU固有時間スロットを有している。例えば図6では、各上り方向フレームは、それぞれONU1〜Nに関連付けられたN個の時間スロットに分割される。等しい帯域幅の割り当てを有する2msの上り方向フレームと32個のONUとを含む1の実施形態では、各時間スロットは約62.5μs未満の送信時間を表している。上り方向送信レートが1Gb/sの場合、各時間スロットは約7,800バイトを搬送する。
【0037】
各ONU用のTDMコントローラは、OLTからのタイミング情報を参照して前記可変長パケットの上り方向送信タイミングを前記専用の時間スロット内で制御する。図6は、2つの可変長パケット640および642と、いくらかの時間スロットオーバーヘッド644とを含んだONU固有の時間スロット(ONU−4専用)の展開図である。1の実施形態では、この時間スロットオーバーヘッドに保護周波数帯と、タイミングインディケータと、信号パワーインディケータとを含む。図6はONU固有の可変長時間スロット630内の可変長パケットを2つだけ示しているが、各時間スロットでより多くの可変長パケットを送信することも可能である。同様に、ONUから送信するトラフィックがない場合、時間スロットはアイドル信号で満たすことができる。
【0038】
時間スロットは可変長パケットで満たされるので、割り当てられた時間スロットは通常全体的に完全な可変長パケットで満たされることができない。すなわち、その時点の時間スロットが全ての待機中パケットを適用することができない場合、過剰なパケットは次の時間スロットに送信される。過剰なパケットが次の時間スロットに送信された場合であっても、その時点の時間スロットの後尾部分は1つの通常待機中フレームのフラグメントで満たされる。フレームフラグメントがその時点の時間スロットの後尾部分に送信された場合でも、パケットはレシーバによって不完全であると認識され、破棄され、そして次の時間スロットに完全に再送信される。可変長パケットが全体的に完全なパケットで満たされることはないので、各時間スロットの送信能力の一部は十分にロードされているトラフィック条件において浪費される。例えば、図6に示されたONU固有の時間スロットの展開図は、完全な可変長パケットの送信に利用されない時間スロットの一部646を示す。図7から10を参照して、時間スロットの残余部分を利用するプロトコルについて下記に説明する。
【0039】
図6もまたONU固有の時間スロットにおける可変長パケット642の展開図を示す。可変長パケット642の展開図は、ヘッダ632と、可変長ペイロード634と、エラー検出フィールド636とを示す。図6に示される実施例において、可変長パケットのペイロードはIPデータグラムであり、可変長パケットの長さはIPデータグラムの長さに関係する。
【0040】
図7から10を参照して、時間スロットの残余部分を利用して上り方向トラフィックに送信するプロトコルについて下記に説明する。図7を参照すると、パケット交換ネットワークの分野では周知であるが、各可変長パケット730は、各パケットの先頭と後尾を物理層において識別する先頭パケットと後尾パケットコード760及び762によってカプセル化される。上記のように、1の実施例においては、図7に個々に示されてはいないが、各可変長パケットはパケットヘッダと、可変長ペイロードと、エラー検出フィールドを含む。例示目的であるが、図7の可変長パケットはその時点の時間スロットにおける最後のパケットと仮定し、また、可変長パケットはその時点の時間スロットの残余部分における有効な送信時間を越えるものと仮定する。図7の例において、その時点の時間スロットに適合されるパケットの一部は破線764の左側部分であり、その時点の時間スロットに適合されないパケットの一部は破線764の右側部分である。
【0041】
各時間スロットの有効送信時間を十分に利用するため、可変長パケット730は、図7に示されるように、破線764において2つのフラグメントに分解される。分解されたパケット(フラグメントA770)の最端部は、パケットの最初の部分にある先頭パケットコード760に加えて、パケットフラグメントの後部に加えられた「後尾パケットフラグメント」コード766を有する。後尾パケットフラグメントコードは、送信されたデータユニットが可変長パケットのフラグメントだけであることを識別する独特なコードである。受信ユニット(例えばOLT)が後尾パケットフラグメントコードを識別する場合、OLTはデータユニットをパケットフラグメントとして認識し、パケットフラグメントをパケットフラグメントバッファに格納する。パケットフラグメントは、関連するパケットフラグメントが受信されるまでフラグメントバッファに格納される。
【0042】
関連するパケットフラグメント(フラグメントB722)は、パケットの最後の部分にある後尾パケットコード762に加えて、パケットフラグメントの最初の部分に加えられた「先頭パケットフラグメント」コード768を有する。先頭パケットフラグメントコードは、送信されたデータユニットをパケットのフラグメントとして識別する独特なコードである。1の実施例において、送信ユニット(例えばONU)がパケットを2つのフラグメントに分割する場合、次のONU固有の時間スロットが有効になるまで、第2のフラグメントは一時的にパケットフラグメントのONUに格納される。
【0043】
図8は、図7を参照して述べられた可変長パケット730が、いかにして2つのONU固有の時間スロットに送信され、各有効帯域幅をよりよく利用するかを示す。図6に示されたように、上り方向のトラフィックは上り方向のフレームに分割され、上り方向のフレームは更にONU固有の時間スロットに分割される。図8の例においては、パケットフラグメントA及びB(870及び872)はONU‐3で生成され、ONUに割り当てられたONU固有の時間スロットに送信される。実施例において、フラグメントAは1つのONU固有の時間スロットの後尾に送信され、フラグメントBは次のONU固有の時間スロットの先頭に送信される。別の実施例において、フラグメントBは次のONU固有の時間スロットの最初に送信されるが、フラグメントBはさらに後のONU固有の時間スロットや時間スロット内の異なる位置に送信されるものであってもよい。図8に示されるように、フラグメントAを含むONU固有の時間スロットは、例えば、フラグメントA以前に送信される他の可変長パケット876を含む。同様に、フラグメントBを含むONU固有の時間スロットは、例えば、フラグメントB以後に送信される他の可変長パケット878を含む。
【0044】
図9は、フラグメントロジック950とフラグメントバッファ952を含み、上述のプロトコルを実行させるOLTを示す。フラグメントロジックは独特の先頭パケットフラグメント及び後尾パケットフラグメントコードを認識し、パケットフラグメントをOLTにおいて受信された後再接続する。OLTにおけるフラグメントバッファは、2番目に送信されたフラグメント(例えばフラグメントB)がOLTに到着するまで最初に送信されたパケットフラグメント(例えばフラグメントA)を格納する。
【0045】
図10は、フラグメントロジック1050とフラグメントバッファ1052を含み、上述のプロトコルを実行させるOLTを示す。フラグメントロジックは適切なパケットをパケットフラグメントに分割し、先頭パケットフラグメント及び後尾パケットフラグメントコードを加え、パケットフラグメントのバッファを制御する。ONUにおけるフラグメントバッファは、ONU固有の時間スロットが有効になるまで第2のパケットフラグメント(例えばフラグメントB)を格納する。ONU固有の時間スロットが有効になる場合、バッファされたパケットフラグメントは送信される。
【0046】
動作中、その時点のONU固有の時間スロットが満たされると、最後のパケットが時間スロットの残余部分へ完全に適合しないことを認識する。最後の可変長パケットは2つの部分(フラグメントA及びフラグメントB)に断片化され、後尾パケットフラグメントコードはフラグメントAに追加され、先頭パケットフラグメントコードはフラグメントBの最初に追加される。フラグメントAはその時点のONU固有の時間スロットに送信され、フラグメントBはフラグメントバッファにおけるONUに格納される。フラグメントAがOLTで受信されると、OLTは後尾パケットフラグメントコードを認識し、OLTフラグメントバッファにフラグメントAを格納する。ONUは次の有効な時間スロットにあるフラグメントBを送信し、フラグメントBがOLTに受信されると、先頭パケットフラグメントコードによってパケットフラグメントとして認識される。フラグメントA及びBは、その後OLTによって本来の可変長パケットに接続される。
【0047】
ポイントツーマルチポイントPONにおけるOLTと複数のONU間での情報交換方法は、図11のプロセスフロー図に示されている。工程1102では、下り方向データは可変長の下り方向パケットでOLTからONUへ送信される。工程1104では、伝送衝突を防ぐため時分割多重化を利用して上り方向のデータがONU固有の時間スロットでONUからOLTへ送信され、このONU固有の時間スロットは可変長上り方向パケットで満たされる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1A】ポイントツーマルチポイントPONにおけるOLTから複数のONUへのトラフィックの下り方向の流れを示す図。
【図1B】ポイントツーマルチポイントPONにおける複数のONUからOLTへのトラフィックの上り方向の流れを示す図。
【図2】ツリートポロジーを有するポイントツーマルチポイントPONを示す図。
【図3】本発明の実施形態に従い、可変長パケットを下り方向へ送信するためのOLTを示す機能ブロック図。
【図4】本発明の実施形態に従い、可変長パケットを使ってOLTから複数のONUへ送信される下り方向トラフィックを例示した図。
【図5】本発明の実施形態に従い、時分割多重化により可変長パケットを上り方向へ送信するためのONUを示す機能ブロック図。
【図6】本発明の実施形態に従い、衝突を避けるため時分割多重化された可変長パケットを含む上り方向トラフィックを例示した図。
【図7】本発明の実施形態に従い、後尾パケットフラグメントを含む第1のパケットフラグメントと、先頭パケットフラグメントを含む第2のパケットフラグメントとを有する2つのパケットフラグメントに分割される可変長パケットを示した図。
【図8】本発明の実施例に従い、連続的なONU固有時間スロットにおいて送信される図7のパケットフラグメントを示した図。
【図9】本発明の実施例に従い、フラグメントロジック及びフラグメントバッファを含むOLTを示した図。
【図10】本発明の実施例に従い、フラグメントロジック及びフラグメントバッファを含むONUを示した図。
【図11】本発明の実施例に従い、OLTと複数のONUの間で情報を交換する方法のフローを示した図。
Claims (31)
- ポイントツーマルチポイント光通信システムであって、
光加入者線端局装置(OLT)と、
前記OLTと受動光ネットワークによって接続された複数の光ネットワークユニット(ONU)であって、そこにおいて下り方向のデータは前記OLTから前記ONUへ前記受動光ネットワークを介して送信され、上り方向のデータは前記ONUから前記OLTへ前記受動光ネットワークを介して送信されるようになっており、
前記OLTは下り方向のデータを前記受動光ネットワークを介して可変長下り方向パケットで送信し、
前記ONUは上り方向のデータを前記受動光ネットワークを介して時分割多重化を用いるONU固有の時間スロット内で送信し、前記ONU固有の時間スロットは複数の可変長上り方向パケットで満たされるようになっている、
前記複数の光ネットワークユニットと、
を有するポイントツーマルチポイント光通信システム。 - 請求項1記載のシステムにおいて、前記可変長下り方向パケットはIEEE802.3に従ってフォーマットされるものである。
- 請求項1記載のシステムにおいて、前記可変長下り方向パケットはインターネットプロトコル(IP)データグラムを含むものである。
- 請求項3記載のシステムにおいて、前記可変長下り方向パケットの長さはこのIPデータグラムの長さに関係しているものである。
- 請求項1記載のシステムにおいて、前記可変長上り方向パケットはIEEE802.3に従ってフォーマットされるものである。
- 請求項1記載のシステムにおいて、前記可変長上り方向パケットはインターネットプロトコル(IP)データグラムを含むものである。
- 請求項6記載のシステムにおいて、前記可変長上り方向パケットの長さはこのIPデータグラムの長さに関係しているものである。
- 請求項1記載のシステムにおいて、
前記可変長下り方向パケット及び前記可変長上り方向パケットはIEEE802.3に従ってフォーマットされ、
前記下り方向データ及び前記上り方向データはインターネット(IP)データグラムを含むものである。 - 請求項1記載のシステムにおいて、
前記OLTは前記ONUから上り方向へ送信されたパケットフラグメントを格納するフラグメントバッファを含み、
前記ONUは前記ONUから上り方向へ送信されるパケットフラグメントを格納するフラグメントバッファを含むものである。 - 請求項9記載のシステムにおいて、前記ONUはフラグメントロジックを含み、前記フラグメントロジックは、
可変長上り方向パケットを第1及び第2のパケットフラグメントへ分割し、
後尾パケットフラグメントコードを前記第1のパケットフラグメントに追加し、先頭パケットフラグメントコードを前記第2のパケットフラグメントに追加させるものである。 - 請求項10記載のシステムにおいて、前記OLTはフラグメントロジックを含み、前記フラグメントロジックは、
前記第1のパケットフラグメントの前記後尾パケットフラグメントコードを識別し、
前記OLTフラグメントバッファにおいて前記第1のパケットフラグメントをバッファし、
前記第2のパケットフラグメントの前記先頭パケットフラグメントコードを識別し、
前記可変長上り方向パケットを前記第1及び第2のパケットフラグメントから再構築させるものである。 - ポイントツーマルチポイント受動光ネットワークにおいて光加入者線端局装置(OLT)と複数の遠隔光ネットワークユニット(ONU)の間で情報を交換する方法であって、
下り方向のデータを前記OLTから前記ONUへ可変長下り方向パケットで送信する工程と、
上り方向のデータを前記ONUから前記OLTへ時分割多重化を用いるONU固有の時間スロットで送信して伝送衝突を防ぎ、前記固有の時間スロットは可変長上り方向パケットで満たされる、工程とを有する。 - 請求項12記載の方法において、前記可変長下り方向及び上り方向パケットはIEEE802.3プロトコルに従ってフォーマットされるものである。
- 請求項12記載の方法において、前記可変長下り方向及び上り方向パケットはヘッダ及びペイロードを含み、各前記可変長パケットの長さは前記可変長パケットのペイロードに含まれるインターネットプロトコル(IP)データグラムの長さに関係するものである。
- 請求項12記載の方法は更に、
下り方向インターネットプロトコル(IP)データグラムを前記可変長下り方向パケットに挿入する工程と、
上り方向IPデータグラムを前記可変長上りパケットに挿入する工程とを含むものである。 - 請求項15記載の方法において、前記可変長下り方向及び上り方向パケットはIEEE802.3に従ってフォーマットされるものである。
- 請求項12記載の方法において、前記下り方向データを送信する工程は、下り方向の同期マーカを一定の時間間隔で送信する工程を含むものである。
- 請求項12記載の方法において、前記ONU固有の時間スロットは複数の可変長パケットで満たされるものである。
- 請求項12記載の方法は更に、
可変長上り方向パケットを第1のパケットフラグメント及び第2のパケットフラグメントに分割する工程と、
後尾パケットフラグメントコードを前記第1のパケットフラグメントの後尾に追加する工程と、
先頭パケットフラグメントコードを前記第2のパケットフラグメントの先頭に追加する工程とを含むものである。 - 請求項19記載の方法は更に、
前記第1のパケットフラグメントを第1のONU固有の時間スロットにおいて上り方向に送信する工程と、
前記第1のONU固有の時間スロットとは異なる第2のONU固有の時間スロットにおいて送信用の前記第2のパケットフラグメントをバッファする工程と、
前記第1のパケットフラグメントが前記OLTに受信された後、前記第1のパケットフラグメントをバッファする工程と、
前記第1のパケットフラグメント及び前記第2のパケットフラグメントから、前記可変長上り方向パケットを前記OLTにおいて再構築する工程とを含むものである。 - ポイントツーマルチポイント光通信システムであって、
光加入者線端局装置(OLT)と、
前記OLTと受動光ネットワークによって接続された複数の光ネットワークユニット(ONU)であって、そこにおいて下り方向のデータは前記OLTから前記ONUへ送信され、上り方向のデータは前記ONUから前記OLTへ送信されるようになっており、
前記OLTは下り方向データグラムを可変長下り方向パケットへフォーマットする手段を含み、
各前記ONUは、
上り方向データグラムを可変長上り方向パケットにフォーマットする手段と、
ONU固有の時間スロットに一致させて前記可変長上り方向パケットの送信時間を調節し、ONUからの上り方向パケットと衝突することを避けさせる手段と、を含む、
前記複数の光ネットワークユニットと、
を有するポイントツーマルチポイント光通信システム。 - 請求項21記載のシステムにおいて、前記可変長下り方向パケットはIEEE802.3に従ってフォーマットされるものである。
- 請求項21記載のシステムにおいて、前記下り方向のデータグラムはインターネットプロトコル(IP)データグラムである。
- 請求項23記載のシステムにおいて、前記可変長下り方向パケットの長さは前記IPデータグラムの長さに関係するものである。
- 請求項21記載のシステムにおいて、前記可変長上り方向パケットはIEEE802.3に従ってフォーマットされるものである。
- 請求項21記載のシステムにおいて、前記上り方向データグラムはインターネットプロトコル(IP)データグラムである。
- 請求項26記載のシステムにおいて、前記可変長上り方向パケットの長さは前記IPデータグラムの長さに関係するものである。
- 請求項21記載のシステムにおいて、
前記可変長下り方向パケット及び前記可変長上り方向パケットはIEEE802.3に従ってフォーマットされ、
前記下り方向データ及び前記上り方向データはインターネット(IP)データグラムを含むものである。 - 請求項21記載のシステムにおいて、
前記OLTは前記ONUから上り方向へ送信されたパケットフラグメントを格納するフラグメントバッファを含み、
前記ONUは前記ONUから上り方向へ送信されるパケットフラグメントを格納するフラグメントバッファを含むものである。 - 請求項29記載のシステムにおいて、前記ONUはフラグメントロジックを含み、前記フラグメントロジックは、
可変長上り方向パケットを第1及び第2のパケットフラグメントへ分割し、
後尾パケットフラグメントコードを前記第1のパケットフラグメントに追加し、先頭パケットフラグメントコードを前記第2のパケットフラグメントに追加させるものである。 - 請求項30記載のシステムにおいて、
前記OLTはフラグメントロジックを含み、前記フラグメントロジックは、
前記第1のパケットフラグメントの前記後尾パケットフラグメントコードを識別し、
前記OLTフラグメントバッファにおいて前記第1のパケットフラグメントをバッファし、
前記第2のパケットフラグメントの前記先頭パケットフラグメントコードを識別し、
前記可変長上り方向パケットを前記第1及び第2のパケットフラグメントから再構築させるものである。
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