JP2004528937A - 応力除去手段を備えるヒト汚物捕集バッグ - Google Patents
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Abstract
本発明は、乳幼児、小児、又は成人用の、着用者に取り付けるヒト汚物捕集バッグに関する。より詳細には、本発明は、ポーチ(11)とフランジ(12)に囲まれる開口(21)とを備えるヒト汚物捕集バッグに関するもので、ヒト汚物捕集バッグは、フランジ(12)に少なくとも部分的に接合されるポーチ(11)、及びポーチ(11)部分によってフランジ(12)部分に働く応力除去するための、応力除去手段(50)を備える。
Description
【技術分野】
【0001】
本発明は、乳幼児、小児、又は成人用の、着用者に取り付けるヒト汚物捕集バッグに関する。より詳細には、本発明は前述の捕集バッグ用応力除去手段(50)に関する。
【背景技術】
【0002】
ヒト汚物捕集バッグは、主として失禁者に、特には寝たきり患者に着用するために設計される既知の製品である。前述のヒト汚物捕集バッグは、着用者の肛門周囲又は泌尿生殖器部に取り付けられ、糞便物質、尿、及び他の体外排泄物を取り込み、即座に収容するように意図されるものである。
【0003】
今日、主に知られている糞便捕集バッグは、比較的長く細いチューブ構造で、接着性のある開口及び取り付け装置がその一端に配置されている。
【0004】
それらの形状及び寸法のために、既存の装置は、着用者の大腿部の周囲でねじれ、装置自体におけるしわ及びよじれを引き起こす。そのような機能は当然、装置の収容能力に影響を与え、重大なことには、ポーチ(11)に作用する牽引力のために装置が着用者から意図せず外れて、着用者及び介護人の双方にとって望ましくない、煩わしい結果をもたらすことがある。
【0005】
そのようなバッグは例えば、次の文献に開示されている。
【0006】
米国特許第3,577,989号は、開放頂部部分を有するコンテナ部材と、開放頂部部分の周囲をコンテナ部材に固定されたフランジとを包含する失禁者用使い捨て脱離捕獲バッグを詳細に説明している。コンテナ部材は、好ましくは実質的に同一で、共通の縁部に沿って接合されたほぼ四角い形体の二つの対向する側面部材を包含する。米国特許第4,784,656号は、失禁者から糞便物質を捕集するための容器を説明している。糞便捕集器は、ガスケット、導管手段又はシリンダ、及び容器を備え、容器及び導管手段は、各々の側面縁部に沿って熱密着された2枚の熱可塑性フィルムから形成される。GB2152387は、捕集バッグ及び環を備える失禁者用糞便捕集器を教示している。この糞便捕集器は、縁部で接合されており、一方の末端部に開口部を有し、伸長するバッグを画定する一対の熱可塑性シート材料のパネルを備えている。好ましい実施形態では、捕集バッグは、垂直な中線に沿って折り畳まれた1枚のにおい障壁熱可塑性フィルムから形成され、一対の連続するパネルを提供する。SE8104934は、薄く、可撓性のある流体固定材料から作製された長方形のバッグを開示している。この捕集バッグは、入り口部分と、入り口部分の長手方向に120°の角度をなす底部分とを備える。バッグは、使用中にヒトの大腿部に沿った有利な位置を取るように設計されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
着用状態は着用者の本質に左右され、乳幼児又は小児のように着用者が活動的である場合、又は失禁のある成人が寝たきりでない場合、着用者の動きと着用者の身体からの圧力とのために、バッグの着用状態にはより多くの応力がかかり、バックが外れる危険が実質的に増大する。着用者が活動的である場合、フランジへの圧力は、特にヒト汚物捕集バッグに直接作用する外側の力から生じるのみならず、一旦排泄され、バッグに収容された糞便物質からも生じる。特にフランジへのそのような圧力のため、意図せずバッグが外れてしまう結果となる。
【0008】
バッグが応力除去手段(50)を備えている場合、前述の欠点は実質的に軽減されることが、現在判明しているので、寝たきりの成人失禁者に加えて、乳幼児、小児、及び活動的な成人失禁者のためのバッグ利用が可能になる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、乳幼児、小児、又は成人用の、着用者に取り付けるヒト汚物捕集バッグに関する。より詳細には、本発明は、フランジ(12)に少なくとも部分的に接合されるポーチ(11)と、フランジ(12)に囲まれる開口(21)とを備えるヒト汚物捕集バッグに関するもので、ヒト汚物捕集バッグは、ポーチ(11)部分によってフランジ(12)部分に働く応力を除去するための、圧力除去手段(50)を備える。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
ヒト汚物収集バッグは、糞便捕集バッグ(10)及び尿捕集バッグを備える。どちらの種類の捕集バッグも、同様又は類似の構成部分及び材料を備えてもよいので、併せて説明する。図1は、本発明による糞便捕集バッグ(10)を示している。糞便捕集バッグ(10)は、肛門の領域に取り付けられるように設計され、主に糞便を捕集するために使用されるのに対して、尿捕集バッグは、尿管に取り付けられて、主に尿を捕集するために使用される。本発明は、好ましくは糞便捕集バッグ(10)及び尿捕集バッグに適用されるが、造瘻装置にも適用可能である。前述の全てのヒト汚物捕集バッグは、好ましくは一回使用で、使用後に処理されるように設計されている。
【0011】
一般にヒト汚物捕集バッグは、図1に示されるように、開口(21)を有するポーチ(11)と、着用者の肛門周囲領域に好ましくは接着剤で取り付けるために開口を取り囲むフランジ(12)とを備える。当該技術分野において既知のいかなるヒト汚物捕集バッグも、本発明に従って提供することができる。
【0012】
本明細書で使用するポーチ(11)は、排泄された糞便物質又は尿を収容するための可撓性容器である。ポーチ(11)は、取り込まれたいかなる物質も安全に収容するように設計され、一般に液体不透過性であるが、通気性があってもよい。ポーチ(11)は、座るなどの一般的な着用状態でポーチ(11)に圧力が働く時にも、使用中の破れに耐えるに十分な強度を持つように設計される。
【0013】
フランジ(12)は、永続的な又は取り外し可能な取り付けが提供できる、当業者に既知のいずれかの手段によりポーチ(11)に取り付けられる。しかし、好ましくは、フランジは接着剤によりポーチ(11)に取り付けられる。一般に、ポーチ(11)は糞便物質又は尿が入る妨げにならないように、フランジの外側周辺部に取り付けられる。
【0014】
本発明を考察すると、応力除去手段(50)がヒト汚物捕集バッグに提供されると、着用者の身体へのフランジ(12)の不確かな取り付けによる漏れの発生と同時に、捕集バッグが外れることが、大幅に減少することが判明した。本発明による応力除去手段(50)は、本明細書において下記に説明するように様々な形状を取ることができるが、捕集バッグが着用される時、ポーチ(11)によってフランジ(12)に働く応力を除去するのに主として役立つ。そのような応力は、主に糞便物質が圧力を受ける時ポーチ(11)に収容されている糞便物質から、若しくは特に着用者が活動的である時ポーチ(11)の形状の外側に作用する力から、のいずれかから生じる。
【0015】
下記に定義されるように、前述の応力除去手段(50)は着用者に面する部分(16)に提供される時、最も効果的であることが判明した。応力除去手段(50)の少なくとも一部分は、フランジ(12)部分に接合され、それと同一の広がりを持ち、又はそれに備えられるのが、最も好ましい。
【0016】
フランジ(12)の会陰部の上に働く応力を除去するために提供される時、応力除去手段(50)は最も効果的であることが更に判明した。
【0017】
ヒト汚物捕集バッグのフランジ(12)は一般に、会陰部の輪郭に沿うので、本質的に逆V字型を取る。最も強い力がこの逆V字型の頂部、即ち会陰部の中央に作用することが更に判明した。従って本発明によれば、応力除去手段(50)は、フランジ(12)の中央会陰部に隣接して位置するのが好ましい。
【0018】
理論に拘束されることを望まないが、フランジ(12)の中央会陰部に提供された応力除去手段(50)は、会陰部にほぼ垂直な方向に発生する力がフランジ(12)への垂直な力として作用するのを回避するが、これらの力は、会陰部の外側、即ち、臀部領域のフランジの側面に剪断力として作用すると考えられる。多くの接着剤、例えばヒドロゲル接着剤は、接着層に垂直に作用する力より、剪断力により大きい抵抗を有する。
【0019】
図2に示される本発明の好ましい一実施形態では、応力除去手段(50)は、中央会陰部に隣接する領域に伸縮性材料を備える。つまり伸縮性材料はポーチ(11)に包含されてもよい。中央会陰部に隣接する領域に伸縮性の低い材料が提供され、一般にポーチ(11)に包含される。
【0020】
本明細書で使用する用語「伸縮性材料」は、幅1cm当たり1%のひずみ当たり1000g未満のひずみ率を有する物質を指すと理解されたい。好ましい伸縮性材料及び好ましい応力除去手段(50)は、幅1cm当たり1%のひずみ当たり1〜1000、好ましくは5〜500、より好ましくは10〜100、最も好ましくは15〜30gの範囲のひずみ率を提供する。幅1cm当たり1%のひずみ当たり1000gより多い、また一般に幅1cm当たり1%のひずみ当たり1500gより多いひずみ率を有する材料は、本明細書では「伸縮性の低い材料」と呼ばれる。
【0021】
もう一つの好ましい実施形態では、応力除去手段(50)はオリフィス(54)を備えてもよい。このオリフィス(54)は主に通路としては提供されず、重要な中央会陰部へのいずれの力の伝達も防ぐ。本発明の好ましい一実施形態では、ポーチ(11)は前記フランジ(12)に部分的に接合されず、従ってオリフィス(54)が提供される。
【0022】
糞便物質は一般に、フランジ(12)の下で、中央会陰部に隣接して提供されるオリフィスを通って漏れないことが判明した。しかし、好ましい実施形態では、オリフィス(54)は、例えばフランジ(12)に取り付けられる、好ましくはフランジ(12)のみに取り付けられるカーテン(56)、例えばポーチ材料のフラップによって覆われるので、力は全く伝達されず、それがオリフィス(56)の密閉を提供する。第二の機能として、オリフィス(54)はまた、使用前にポーチ(11)を開けるのを容易にするための空気引き込み口として、及び例えば鼓腸を考慮して空気又は気体放出口としても役立つ。そのような好ましい実施形態は図3に示される。
【0023】
本発明の非常に好ましい実施形態では、応力除去手段(50)は、ポーチ(11)の一体部分であり、図4を参照のこと。応力除去手段(50)は、フランジ(12)に、好ましくはフランジ(12)の中央会陰部分に隣接した、特別な材料(58)を供給することにより提供される。最も好ましくは、特別な材料はポーチ(11)の一部分を形成し、応力除去手段(50)はポーチ(11)の一部分を包含し、特別な材料(58)は、ポーチ(11)の隣接する部分よりも、フランジ(12)とポーチ(11)の末端部との間に配置される。
【0024】
本明細書で使用する用語「特別な材料(58)」は、何らかの力がポーチ(11)に働く時、フランジ(12)に向かうそのような力を伝達しないポーチ(11)に包含される材料を指す。
【0025】
ポーチは、着用者に面する部分(16)と衣類に面する部分(17)とを備える。本明細書で使用する時、着用者に面する部分(16)とは、ほぼ着用者の方を向くポーチ(11)部分で、衣類に面する部分(17)とは、ほぼ着用者の衣類の方を向くポーチ(11)部分と理解されたい。ヒト汚物捕集バッグに加えておむつが着用される時、衣類に面する部分(17)がおむつと接触する。
【0026】
必要とされるポーチ(11)の形状次第で、ポーチ(11)は、材料の単一片、又は材料の多数の別個部分から提供されてもよく、材料は同一であっても又は異なってもよく、また各々の外周部で密閉される。ポーチ(11)の好ましい形状は、特にその使用対象によって決まる。即ち装置は、寝たきりの患者、失禁に苦しむ又は人工的な便器を必要とする活動的な患者、又は幼児を対象としている。
【0027】
本明細書で説明されるポーチ(11)は、好ましくは着用者に面する部分(16)と衣類に面する部分(17)とを有し、それらの両方が別個の材料部分を備える。着用者に面する部分(16)と衣類に面する部分(17)とは、ポーチ(11)の周辺部で密閉されて、バッグ周辺の縁部を作る。着用者に面する部分(16)と衣類に面する部分(17)とは、それぞれ独立して材料の二つ以上の区分を備えてもよい。好ましくは、衣類に面する部分(17)が材料の区分を一つだけを備え、最も好ましくは、着用者に面する部分(16)も材料の区分を一つだけ備える。
【0028】
所望のバッグ構成を提供するために、着用者に面する部分(16)と、衣類に面する部分(17)と、これらの部分のいずれかに含まれる材料部分とを、接着剤、熱接着、圧力接着など、当該技術分野において既知の手段によって互いに固定する。着用者に面する部分(16)と衣類に面する部分(17)とが共に密閉される縁部は、ポーチ(11)の外側よりも内側に提供されてもよいので、ポーチ(11)の外側表面よりも内側表面と同一の広がりを持つ。
【0029】
好ましくは、ポーチの形状は、衣類に面する部分(17)の表面積が、着用者に面する部分(16)の表面積より大きいように選択されたい。好ましくは、衣類に面する部分(17)の表面積は、着用者に面する部分(16)の表面積よりも少なくとも10%、好ましくは25%、更に好ましくは50%、更に好ましくは75%大きい。衣類に面する部分(17)が、本発明の好ましい一実施形態におけるような折り目(19)を備える時、衣類に面する部分(17)の表面積は、衣類に面する部分(17)が開かれた時の表面積、即ち、衣類に面する部分(17)を提供するために使用される材料のシートの表面積に一致すると理解されたい。
【0030】
ヒト汚物捕集バッグに関して使用される用語「長手方向」は、下記のように理解されたい。即ち、直立している着用者を左半身及び右半身に二分する平面は、ヒト汚物捕集バッグの長手方向を備えるものとする。長手方向軸線は一般に、ポーチ(11)の対称軸である。
【0031】
本発明のもう一つの重要な点は、衣類に面する部分(17)は、順応性のある材料を備えるべきである。
【0032】
本発明によるポーチ(11)は様々な形状を有してよい。好ましい一形状が図1に示されており、この好ましい実施形態では、着用者に面する部分(16)は、本質的に四角い形状であるが、対応する四角形の隅部領域は「切除」されているので、不規則な八角形が得られる。任意の本質的に四角い形状、より好ましくは、「切除」された又は平らな角を有するが四角い形状が好ましい。
【0033】
失禁のある成人のための糞便捕集バッグ(10)が提供される時、図1に示されるようなポーチ(11)は、長手方向に10cm〜30cm、好ましくは15cm〜25cmであり、横断方向に10cm〜30cm、好ましくは15cm〜25cmである。
【0034】
ポーチは、単一オリフィス、つまり開口(21)のみを備えてよいが、追加のオリフィス又は弁を備えてもよい。例えば、オリフィス又は弁の形状で、空気及び気体放出手段が、鼓腸性の気体などを放出させるために使用されてもよい。更に、例えば、衣類に面する部分(17)における穴の形状の空気引き込み手段が、ポーチ(11)を迅速に開き易くするのに有用であることが判明した。応力除去手段(50)がオリフィス(54)の形状で提供される場合、オリフィス(54)は、空気及び気体の引き込みと放出手段として役立つ更なる機能を果たし得る。
【0035】
ポーチ材料、即ち、着用者に面する部分(16)の材料と、衣類に面する部分(17)の材料とは、一層以上、好ましくは二層又は三層を備えてもよい。一般に、少なくとも部分的に糞便物質又は尿と接触するポーチ(11)の内側の層は、内側層と呼ばれる。一般に、少なくとも部分的に着用者の皮膚及び着用者の衣類に接触するポーチ(11)の最も外側の層は、外側層と呼ばれる。
【0036】
ポーチ(11)材料の層は、いかなる材料も備えてよく、好ましくはポーチ(11)は液体不透過性である。それらの層は、特に不織布又はフィルムなどの任意の材料を備えてもよい。本発明の好ましい実施形態では、積層体は不織布層及びフィルムから形成されてもよい。積層体は、当業者に既知の手段によって形成されてもよい。
【0037】
どの不織布層も、フェルト布、スパンレース布、流体ジェット交絡布、エアレイド布、湿式布、乾式布、メルトブロウン布、短繊維カード布、スパンボンド布、ステッチボンド布、孔あき布、又はこれらの組み合わせなどを備えてよい。
【0038】
前記の層のいずれかに好適なフィルム材料は、好ましくは熱可塑性材料を備える。熱可塑性物質は、ホットメルト接着剤、ポリオレフィン、特にポリエチレン、ポリプロピレン、非晶性ポリオレフィン類など;セルロース−木材パルプ、木綿、黄麻、大麻などの天然繊維含有繊維又はポリマー結合剤を備える溶融可能成分含有材料;繊維ガラス、レーヨン、ポリエステル、ポリオレフィン、アクリル、ポリアミド、アラミド、ポリテトラフルオロエチレン金属、ポリイミドなどの合成繊維類;二成分高融点/低融点ポリマー、コポリマーポリエステル、ポリ塩化ビニール、ポリビニルアセテート/クロライドコポリマー、コポリマーポリアミド、溶融可能でない構成成分を含む混合剤含有材料などの結合剤類;エクソンケミカル社III(EXXON Chemical Co., III)(米国)から商品名EXXAIREとして販売されている材料や三井東圧社(Mitsui Toatsu Co.)(日本)から商品名ESPOIR NOとして販売されている材料などの微小多孔性フィルムを含む空気及び蒸気透過性材料;並びに、デュポン(DuPont)(フランス)から入手可能なHytrel(登録商標)やELFアトケム(ELF Atochem)(フランス)から入手可能なPebax(登録商標)などのモノリシック通気性材料の全てのタイプから選択することができる。
【0039】
好ましい実施形態では、着用者の体から放出された湿気を含む蒸気を閉じ込めて凝縮し、その結果、短時間の使用後に、暑く、べたべたし、不快な状態となる問題を防ぐため、どの層に含まれるフィルムも、空気などの気体及び水蒸気などの蒸気が透過可能であるのが好ましい。
【0040】
ポーチ(11)材料の外側層は、不織布層を備えてもよい。このような材料の層は、着用者の皮膚に不均一な表面をもたらすので、閉塞状態になるという問題が著しく軽減し、皮膚の健康状態が大きく増進される。
【0041】
本発明の好ましい一実施形態では、ポーチ(11)材料は二層を備える。好ましくは、外側層は不織布層を備え、内側の層はフィルムを備える。
本発明の更にもう一つの好ましい実施形態では、ポーチ(11)材料は、好ましくは一層のフィルムと二層の不織布で、三層を備える。より好ましい実施形態では、フィルムは、二つの不織布層の間に挟まれる。この層の順序により、きめの細かい繊維性構造が得られ、それが着用者の皮膚との接触時に特に心地良い感覚を与える。更にもう一つの好ましい実施形態では、内側層がフィルムを備え、他の二層が不織布を備える。
【0042】
ポーチ(11)材料に包含される単層又は複層の不織布層は、疎水性であっても、又は親水性であってもよい。ポーチ(11)材料がフィルム層を備えない場合、好ましくは少なくとも一不織布層は疎水性である。それにより、ヒト汚物捕集バッグの着用者に面する部分(16)と衣類に面する部分(17)とを通って流体が透過するのが妨げられる。ポーチ(11)材料がフィルム又は疎水性不織布層を備える場合、更なる不織布層は親水性であってもよい。
【0043】
通常、不織布層は、必要な疎水性を与えるために、フッ素化学品又は他の疎水性仕上げ剤などの表面活性物質で処理される。ただし、不織布層は、ホットメルト接着剤又はシリコンコーティングなどの液体不透過性物質コーティング、又は、ゴム、植物性ワックス、及び鉱物性ワックスなどの他の疎水性化合物コーティングで同等に処理されてもよく、若しくは、例えば、ナノ微粒子又はプラズマコーティング技術を用いて物理的に処理されてもよい。
【0044】
不織布層はまた、着用者に面する部分(16)と衣類に面する部分(17)との触覚で感知可能な柔軟性を高めるための薬剤で処理されてもよい。薬剤としては、植物油、動物油、合成油、シリコン油などが挙げられるが、これらに限定されない。これらの薬剤を使用すると、着用者の触覚に粘着感又は油っぽい感覚を与えることなく、不織布層に絹又はフランネルのような感触を付与することは既知である。更に、柔軟性及び表面の滑らかさを一層高めるために、アニオン性、カチオン性、非イオン性、及び両性界面活性剤を含有する界面活性物質を加えてもよい。
【0045】
更に、不織布層に、望ましい治療又は保護用ローションコーティングの効果を上げるためのローションを含浸させてもよい。着用者に面する部分(16)と衣類に面する部分(17)との上にコーティングされたローションは、通常の接触と着用者の動作及び/又は体温によって、着用者の皮膚に移動可能である。一般に、ローションの形態で、鉱油は、着用者の皮膚に、緩和、保護的なコーティングをするのに有効であることが認識されている。また、不織布層にクリームの形態で固体油相を含浸させることもでき、若しくは、例えば、ベビーオイルを含有する圧力、熱、又は水圧で破裂可能なカプセルの列を不織布層に組み込むこともできる。
【0046】
本発明の一実施形態では、ポーチ(11)は吸収性材料を含有してもよい。吸収性材料は、流体を吸収及び保持できる任意の吸収性材料を備えてもよい。吸収性材料は、使い捨ておむつ及び一般にエアフェルトと呼ばれる粉砕木材パルプなどの他の吸収性物品とに、一般に使用される多種多様な液体吸収性材料を備えてよい。その他の好適な吸収性材料の例としては、縮みセルロース詰め物(creped cellulose wadding)、コフォーム(coform)を含むメルトブローポリマー、化学的に剛化、変性、又は架橋されたセルロース繊維、ティッシュラップ及びティッシュラミネートを含むティッシュ、吸収性フォーム、吸収性スポンジ、超吸収性ポリマー、吸収性ゲル材料、他のあらゆる既知の吸収性材料、又はこれらの材料の組み合わせが挙げられる。
【0047】
吸収性材料は任意の好適な方法でポーチ(11)内に配置されてよい。例えば、吸収性材料は、ポーチ(11)内部に緩やかに配置されてもよく、又はポーチ(11)の内側表面に固定されてもよい。吸収性材料を不織布及びフィルム基材に固定するための既知の技術を使用して、吸収性材料をポーチ(11)の内側表面に固定してもよい。吸収性材料はまた、任意の所望の形状又は構成(例えば、方形、楕円形、円形など)になるように配置されてよい。
【0048】
ポーチ(11)は、開口(21)を備え、それによって糞便物質又は尿は、ポーチ(11)の空洞内に収容される前に身体から受け取られる。開口(21)は、フランジ(12)で囲まれており、円形、長円形、ハート形など、任意の形状又はサイズでもよく、対称形でも非対称形でもよいが、好ましくは、開口は長手又は横方向のどちらかの方向で長円形の構成である。
【0049】
フランジは、装置を使用する着用者群に応じて、どのようなサイズにしてもよい。同様に、フランジはどのような形状にもすることができ、好ましくは複数の突出部を備える対称形を有する。
【0050】
フランジは、衣類に面する部分と着用者に面する部分とを備える。好ましい実施形態では、これらは二つの大きい、実質的に平たい面であるが、フランジ(12)は、着用者の会陰及び/又は尾骨領域に適合するように設計された糞便捕集バッグ(10)の場合の後ろ側突出部、及び/又は生殖器、及び/又は会陰領域に適合するように設計された尿捕集バッグの場合の前側突出部も備えてよい。
【0051】
フランジ(12)は、肛門周囲又は泌尿生殖器領域に容易に配置できるように、柔らかく可撓性で順応性のある材料で作製されたい。典型的な材料としては、不織布材料、織布、開放気泡型熱可塑性発泡体、独立気泡熱可塑性発泡体、開放気泡型発泡体と伸縮性不織布との複合体、及びフィルムが挙げられる。ポリエチレンの独立気泡発泡体が有効であることを判明しているが、より好ましくは開放気泡型ポリウレタン発泡体が使用される。好ましくは、そのような発泡体は、一般に、厚さが0.1〜5ミリメートルの範囲内で、密度が5〜250g/l、より好ましくは50g/lである。他の熱可塑性発泡材料、又はそのような発泡体の説明した特性(即ち、柔らかさ、柔軟性、伸縮性、収縮性)を有する他の好適なプラスチックシート材料を使用することもできる。好ましくはフランジ(12)の衣類に面する部分の材料は、開口(21)を画定するフランジの表面縁部が使用中互いに意図せずに接着するのを防ぐ材料のスカート又はフラップを形成するために、画定された開口領域の中に伸びてもよい。
【0052】
ヒト汚物捕集バッグは、更に装置を着用者に固定するための取り付け手段を備える。そのような手段はストラップを包含し、より好ましくは、フランジ(12)の着用者に面する部分に適用される身体融和性感圧接着剤を備える。
【0053】
接着剤は、好ましくはシリコーン処理をしたペーパーのように、接着剤を保護するために剥離手段(図示せず)で覆われる。接着剤は、フランジ(12)の着用者に面する部分全体を覆うことができ、より好ましくはフランジ(12)は、少なくとも一つの、好ましくは二〜六つの非接着部分を有する。これらの部分は、接着剤を使用しなくてもよく、若しくは活性化されていない接着剤又は覆われた接着剤を含有してもよい。図1から明らかなように、好ましい一実施形態では、非接着性であるフランジ(12)のどちらかの側面上に突出部を提供するために、接着剤はフランジ(12)の着用者に面する部分全体に適用されず、また接着剤との接触を避け、装置の配置及び取り外しを容易にする役目を果たすことができる。しかし好ましくは、これらの突出部も剥離手段により覆われる。剥離手段がある場合には、それを取り外してから、ヒト汚物捕集バッグを着用者の皮膚に適用する。
【0054】
着用者の肛門周囲又は泌尿生殖器領域に装置を取り付けるために、親水コロイド接着剤やヒドロゲル接着剤など、医学的に認可された任意の耐水性感圧接着剤を使用してもよい。敏感な肛門周囲領域で着用者の皮膚にフランジを固定し、比較的無痛の貼り付け及び取り外しを可能にする、所望の接着特性を提供するのに特に有効な接着剤は、3次元マトリックスを形成するための可塑剤を含む架橋ポリマーから形成される。
【0055】
接着剤は、溝コーティング、螺旋、ビーズ印加、又は転写など、当該技術分野で既知の任意の手段によってフランジ(12)の着用者に面する部分に塗布される。典型的には、接着剤は、想定される最終用途に応じて、坪量20g/m2〜2500g/m2、より好ましくは500g/m2〜2000g/m2、最も好ましくは700g/m2〜1500g/m2で塗布される。例えば、乳幼児に使用されるヒト汚物捕集バッグでは、接着剤の量は、活動的な成人失禁者用に設計されたヒト汚物捕集バッグに使用される量より少なくてもよい。
【0056】
好ましい実施形態では、ヒト汚物捕集バッグは、使用前に特定の形体で提供され、好ましくはアプリケータと共に提供される。
【0057】
そのような一形体では、フランジ(12)は、長手方向軸線に沿って折り畳まれて、着用者の臀部の間でのフランジ(12)の配置を容易にすると共に、ポーチ(11)は、好ましくは折り畳まれており、その状態が多くの利点を提供する。例えば、ポーチ(11)を折り畳むことにより、ヒト汚物捕集バッグのより小さい包装形式が可能になって、材料の輸送及び包装のコストを低減する。更に、ポーチ(11)は、折り畳まれないと、アプリケータの一部分、例えば取り扱い部分を覆うことがあるので、ポーチ(11)が折り畳まれた場合、ヒト汚物捕集バッグの取り扱いはより便利である。ポーチ(11)が折り畳まれない時、着用者の身体の一部分を覆うこともあり、ヒト汚物捕集バッグを配置する人は、その配置を視覚的に充分調整できない。
【0058】
もう一つの好ましい使用前の形体では、ポーチ(11)は、折り畳まれずに提供される。この形体は、本発明により提供される相対的に小さいポーチ(11)に特に好適である。折り目(19)が衣類に面する部分(17)に提供される時、ポーチ(11)の相対的に小さい外形が、最も適している。ポーチ(11)を折り畳まない状態で提供できることは、製造及び包装が容易になる。
【0059】
最も好ましくは、アプリケータ及びヒト汚物捕集バッグは組み合わせて、使用前に特定の形体で提供される。このため、別々の品目(アプリケータ及びヒト汚物捕集バッグ)を用意して、適用するためにアプリケータをヒト汚物捕集バッグの適切な領域に配置する必要がないので、2、3の取り扱い工程のみでヒト汚物捕集バッグが迅速に適用可能になる。
【0060】
アプリケータは、アプリケータ及びヒト汚物捕集バッグを共に保持するための手段を備えてもよい。この手段は一般に、ヒト汚物捕集バッグに関するアプリケータの正しい配置を確実にすると共に、バッグが折り畳まれる場合、ポーチ(11)の折り畳んだ形体を維持するのに役立つ。このような手段は、好ましくはゴムバンドなどの閉じた輪の形で与えられる、任意のひも又はベルトの形で提供される。このような手段はまた、プラスチック又は金属などの任意の好適な材料で作られたクランプ又はクリップの形で提供してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0061】
本発明は、前述の説明に添付図を参照して、より良く理解されると考える。
【図1】糞便捕集バッグの好ましい実施形態の斜視図である。
【図2】応力除去手段(50)として伸縮性材料(52)の一部分を備える糞便捕集バッグの好ましい実施形態の斜視図である。
【図3】応力除去手段(50)としてオリフィス(54)を備える糞便捕集バッグの好ましい実施形態の斜視図であり、オリフィス(54)はカーテン(56)に覆われている。
【図4】応力除去手段(50)として特別な材料(58)を含む部分を備える糞便捕集バッグの好ましい実施形態の斜視図である。
【0001】
本発明は、乳幼児、小児、又は成人用の、着用者に取り付けるヒト汚物捕集バッグに関する。より詳細には、本発明は前述の捕集バッグ用応力除去手段(50)に関する。
【背景技術】
【0002】
ヒト汚物捕集バッグは、主として失禁者に、特には寝たきり患者に着用するために設計される既知の製品である。前述のヒト汚物捕集バッグは、着用者の肛門周囲又は泌尿生殖器部に取り付けられ、糞便物質、尿、及び他の体外排泄物を取り込み、即座に収容するように意図されるものである。
【0003】
今日、主に知られている糞便捕集バッグは、比較的長く細いチューブ構造で、接着性のある開口及び取り付け装置がその一端に配置されている。
【0004】
それらの形状及び寸法のために、既存の装置は、着用者の大腿部の周囲でねじれ、装置自体におけるしわ及びよじれを引き起こす。そのような機能は当然、装置の収容能力に影響を与え、重大なことには、ポーチ(11)に作用する牽引力のために装置が着用者から意図せず外れて、着用者及び介護人の双方にとって望ましくない、煩わしい結果をもたらすことがある。
【0005】
そのようなバッグは例えば、次の文献に開示されている。
【0006】
米国特許第3,577,989号は、開放頂部部分を有するコンテナ部材と、開放頂部部分の周囲をコンテナ部材に固定されたフランジとを包含する失禁者用使い捨て脱離捕獲バッグを詳細に説明している。コンテナ部材は、好ましくは実質的に同一で、共通の縁部に沿って接合されたほぼ四角い形体の二つの対向する側面部材を包含する。米国特許第4,784,656号は、失禁者から糞便物質を捕集するための容器を説明している。糞便捕集器は、ガスケット、導管手段又はシリンダ、及び容器を備え、容器及び導管手段は、各々の側面縁部に沿って熱密着された2枚の熱可塑性フィルムから形成される。GB2152387は、捕集バッグ及び環を備える失禁者用糞便捕集器を教示している。この糞便捕集器は、縁部で接合されており、一方の末端部に開口部を有し、伸長するバッグを画定する一対の熱可塑性シート材料のパネルを備えている。好ましい実施形態では、捕集バッグは、垂直な中線に沿って折り畳まれた1枚のにおい障壁熱可塑性フィルムから形成され、一対の連続するパネルを提供する。SE8104934は、薄く、可撓性のある流体固定材料から作製された長方形のバッグを開示している。この捕集バッグは、入り口部分と、入り口部分の長手方向に120°の角度をなす底部分とを備える。バッグは、使用中にヒトの大腿部に沿った有利な位置を取るように設計されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
着用状態は着用者の本質に左右され、乳幼児又は小児のように着用者が活動的である場合、又は失禁のある成人が寝たきりでない場合、着用者の動きと着用者の身体からの圧力とのために、バッグの着用状態にはより多くの応力がかかり、バックが外れる危険が実質的に増大する。着用者が活動的である場合、フランジへの圧力は、特にヒト汚物捕集バッグに直接作用する外側の力から生じるのみならず、一旦排泄され、バッグに収容された糞便物質からも生じる。特にフランジへのそのような圧力のため、意図せずバッグが外れてしまう結果となる。
【0008】
バッグが応力除去手段(50)を備えている場合、前述の欠点は実質的に軽減されることが、現在判明しているので、寝たきりの成人失禁者に加えて、乳幼児、小児、及び活動的な成人失禁者のためのバッグ利用が可能になる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、乳幼児、小児、又は成人用の、着用者に取り付けるヒト汚物捕集バッグに関する。より詳細には、本発明は、フランジ(12)に少なくとも部分的に接合されるポーチ(11)と、フランジ(12)に囲まれる開口(21)とを備えるヒト汚物捕集バッグに関するもので、ヒト汚物捕集バッグは、ポーチ(11)部分によってフランジ(12)部分に働く応力を除去するための、圧力除去手段(50)を備える。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
ヒト汚物収集バッグは、糞便捕集バッグ(10)及び尿捕集バッグを備える。どちらの種類の捕集バッグも、同様又は類似の構成部分及び材料を備えてもよいので、併せて説明する。図1は、本発明による糞便捕集バッグ(10)を示している。糞便捕集バッグ(10)は、肛門の領域に取り付けられるように設計され、主に糞便を捕集するために使用されるのに対して、尿捕集バッグは、尿管に取り付けられて、主に尿を捕集するために使用される。本発明は、好ましくは糞便捕集バッグ(10)及び尿捕集バッグに適用されるが、造瘻装置にも適用可能である。前述の全てのヒト汚物捕集バッグは、好ましくは一回使用で、使用後に処理されるように設計されている。
【0011】
一般にヒト汚物捕集バッグは、図1に示されるように、開口(21)を有するポーチ(11)と、着用者の肛門周囲領域に好ましくは接着剤で取り付けるために開口を取り囲むフランジ(12)とを備える。当該技術分野において既知のいかなるヒト汚物捕集バッグも、本発明に従って提供することができる。
【0012】
本明細書で使用するポーチ(11)は、排泄された糞便物質又は尿を収容するための可撓性容器である。ポーチ(11)は、取り込まれたいかなる物質も安全に収容するように設計され、一般に液体不透過性であるが、通気性があってもよい。ポーチ(11)は、座るなどの一般的な着用状態でポーチ(11)に圧力が働く時にも、使用中の破れに耐えるに十分な強度を持つように設計される。
【0013】
フランジ(12)は、永続的な又は取り外し可能な取り付けが提供できる、当業者に既知のいずれかの手段によりポーチ(11)に取り付けられる。しかし、好ましくは、フランジは接着剤によりポーチ(11)に取り付けられる。一般に、ポーチ(11)は糞便物質又は尿が入る妨げにならないように、フランジの外側周辺部に取り付けられる。
【0014】
本発明を考察すると、応力除去手段(50)がヒト汚物捕集バッグに提供されると、着用者の身体へのフランジ(12)の不確かな取り付けによる漏れの発生と同時に、捕集バッグが外れることが、大幅に減少することが判明した。本発明による応力除去手段(50)は、本明細書において下記に説明するように様々な形状を取ることができるが、捕集バッグが着用される時、ポーチ(11)によってフランジ(12)に働く応力を除去するのに主として役立つ。そのような応力は、主に糞便物質が圧力を受ける時ポーチ(11)に収容されている糞便物質から、若しくは特に着用者が活動的である時ポーチ(11)の形状の外側に作用する力から、のいずれかから生じる。
【0015】
下記に定義されるように、前述の応力除去手段(50)は着用者に面する部分(16)に提供される時、最も効果的であることが判明した。応力除去手段(50)の少なくとも一部分は、フランジ(12)部分に接合され、それと同一の広がりを持ち、又はそれに備えられるのが、最も好ましい。
【0016】
フランジ(12)の会陰部の上に働く応力を除去するために提供される時、応力除去手段(50)は最も効果的であることが更に判明した。
【0017】
ヒト汚物捕集バッグのフランジ(12)は一般に、会陰部の輪郭に沿うので、本質的に逆V字型を取る。最も強い力がこの逆V字型の頂部、即ち会陰部の中央に作用することが更に判明した。従って本発明によれば、応力除去手段(50)は、フランジ(12)の中央会陰部に隣接して位置するのが好ましい。
【0018】
理論に拘束されることを望まないが、フランジ(12)の中央会陰部に提供された応力除去手段(50)は、会陰部にほぼ垂直な方向に発生する力がフランジ(12)への垂直な力として作用するのを回避するが、これらの力は、会陰部の外側、即ち、臀部領域のフランジの側面に剪断力として作用すると考えられる。多くの接着剤、例えばヒドロゲル接着剤は、接着層に垂直に作用する力より、剪断力により大きい抵抗を有する。
【0019】
図2に示される本発明の好ましい一実施形態では、応力除去手段(50)は、中央会陰部に隣接する領域に伸縮性材料を備える。つまり伸縮性材料はポーチ(11)に包含されてもよい。中央会陰部に隣接する領域に伸縮性の低い材料が提供され、一般にポーチ(11)に包含される。
【0020】
本明細書で使用する用語「伸縮性材料」は、幅1cm当たり1%のひずみ当たり1000g未満のひずみ率を有する物質を指すと理解されたい。好ましい伸縮性材料及び好ましい応力除去手段(50)は、幅1cm当たり1%のひずみ当たり1〜1000、好ましくは5〜500、より好ましくは10〜100、最も好ましくは15〜30gの範囲のひずみ率を提供する。幅1cm当たり1%のひずみ当たり1000gより多い、また一般に幅1cm当たり1%のひずみ当たり1500gより多いひずみ率を有する材料は、本明細書では「伸縮性の低い材料」と呼ばれる。
【0021】
もう一つの好ましい実施形態では、応力除去手段(50)はオリフィス(54)を備えてもよい。このオリフィス(54)は主に通路としては提供されず、重要な中央会陰部へのいずれの力の伝達も防ぐ。本発明の好ましい一実施形態では、ポーチ(11)は前記フランジ(12)に部分的に接合されず、従ってオリフィス(54)が提供される。
【0022】
糞便物質は一般に、フランジ(12)の下で、中央会陰部に隣接して提供されるオリフィスを通って漏れないことが判明した。しかし、好ましい実施形態では、オリフィス(54)は、例えばフランジ(12)に取り付けられる、好ましくはフランジ(12)のみに取り付けられるカーテン(56)、例えばポーチ材料のフラップによって覆われるので、力は全く伝達されず、それがオリフィス(56)の密閉を提供する。第二の機能として、オリフィス(54)はまた、使用前にポーチ(11)を開けるのを容易にするための空気引き込み口として、及び例えば鼓腸を考慮して空気又は気体放出口としても役立つ。そのような好ましい実施形態は図3に示される。
【0023】
本発明の非常に好ましい実施形態では、応力除去手段(50)は、ポーチ(11)の一体部分であり、図4を参照のこと。応力除去手段(50)は、フランジ(12)に、好ましくはフランジ(12)の中央会陰部分に隣接した、特別な材料(58)を供給することにより提供される。最も好ましくは、特別な材料はポーチ(11)の一部分を形成し、応力除去手段(50)はポーチ(11)の一部分を包含し、特別な材料(58)は、ポーチ(11)の隣接する部分よりも、フランジ(12)とポーチ(11)の末端部との間に配置される。
【0024】
本明細書で使用する用語「特別な材料(58)」は、何らかの力がポーチ(11)に働く時、フランジ(12)に向かうそのような力を伝達しないポーチ(11)に包含される材料を指す。
【0025】
ポーチは、着用者に面する部分(16)と衣類に面する部分(17)とを備える。本明細書で使用する時、着用者に面する部分(16)とは、ほぼ着用者の方を向くポーチ(11)部分で、衣類に面する部分(17)とは、ほぼ着用者の衣類の方を向くポーチ(11)部分と理解されたい。ヒト汚物捕集バッグに加えておむつが着用される時、衣類に面する部分(17)がおむつと接触する。
【0026】
必要とされるポーチ(11)の形状次第で、ポーチ(11)は、材料の単一片、又は材料の多数の別個部分から提供されてもよく、材料は同一であっても又は異なってもよく、また各々の外周部で密閉される。ポーチ(11)の好ましい形状は、特にその使用対象によって決まる。即ち装置は、寝たきりの患者、失禁に苦しむ又は人工的な便器を必要とする活動的な患者、又は幼児を対象としている。
【0027】
本明細書で説明されるポーチ(11)は、好ましくは着用者に面する部分(16)と衣類に面する部分(17)とを有し、それらの両方が別個の材料部分を備える。着用者に面する部分(16)と衣類に面する部分(17)とは、ポーチ(11)の周辺部で密閉されて、バッグ周辺の縁部を作る。着用者に面する部分(16)と衣類に面する部分(17)とは、それぞれ独立して材料の二つ以上の区分を備えてもよい。好ましくは、衣類に面する部分(17)が材料の区分を一つだけを備え、最も好ましくは、着用者に面する部分(16)も材料の区分を一つだけ備える。
【0028】
所望のバッグ構成を提供するために、着用者に面する部分(16)と、衣類に面する部分(17)と、これらの部分のいずれかに含まれる材料部分とを、接着剤、熱接着、圧力接着など、当該技術分野において既知の手段によって互いに固定する。着用者に面する部分(16)と衣類に面する部分(17)とが共に密閉される縁部は、ポーチ(11)の外側よりも内側に提供されてもよいので、ポーチ(11)の外側表面よりも内側表面と同一の広がりを持つ。
【0029】
好ましくは、ポーチの形状は、衣類に面する部分(17)の表面積が、着用者に面する部分(16)の表面積より大きいように選択されたい。好ましくは、衣類に面する部分(17)の表面積は、着用者に面する部分(16)の表面積よりも少なくとも10%、好ましくは25%、更に好ましくは50%、更に好ましくは75%大きい。衣類に面する部分(17)が、本発明の好ましい一実施形態におけるような折り目(19)を備える時、衣類に面する部分(17)の表面積は、衣類に面する部分(17)が開かれた時の表面積、即ち、衣類に面する部分(17)を提供するために使用される材料のシートの表面積に一致すると理解されたい。
【0030】
ヒト汚物捕集バッグに関して使用される用語「長手方向」は、下記のように理解されたい。即ち、直立している着用者を左半身及び右半身に二分する平面は、ヒト汚物捕集バッグの長手方向を備えるものとする。長手方向軸線は一般に、ポーチ(11)の対称軸である。
【0031】
本発明のもう一つの重要な点は、衣類に面する部分(17)は、順応性のある材料を備えるべきである。
【0032】
本発明によるポーチ(11)は様々な形状を有してよい。好ましい一形状が図1に示されており、この好ましい実施形態では、着用者に面する部分(16)は、本質的に四角い形状であるが、対応する四角形の隅部領域は「切除」されているので、不規則な八角形が得られる。任意の本質的に四角い形状、より好ましくは、「切除」された又は平らな角を有するが四角い形状が好ましい。
【0033】
失禁のある成人のための糞便捕集バッグ(10)が提供される時、図1に示されるようなポーチ(11)は、長手方向に10cm〜30cm、好ましくは15cm〜25cmであり、横断方向に10cm〜30cm、好ましくは15cm〜25cmである。
【0034】
ポーチは、単一オリフィス、つまり開口(21)のみを備えてよいが、追加のオリフィス又は弁を備えてもよい。例えば、オリフィス又は弁の形状で、空気及び気体放出手段が、鼓腸性の気体などを放出させるために使用されてもよい。更に、例えば、衣類に面する部分(17)における穴の形状の空気引き込み手段が、ポーチ(11)を迅速に開き易くするのに有用であることが判明した。応力除去手段(50)がオリフィス(54)の形状で提供される場合、オリフィス(54)は、空気及び気体の引き込みと放出手段として役立つ更なる機能を果たし得る。
【0035】
ポーチ材料、即ち、着用者に面する部分(16)の材料と、衣類に面する部分(17)の材料とは、一層以上、好ましくは二層又は三層を備えてもよい。一般に、少なくとも部分的に糞便物質又は尿と接触するポーチ(11)の内側の層は、内側層と呼ばれる。一般に、少なくとも部分的に着用者の皮膚及び着用者の衣類に接触するポーチ(11)の最も外側の層は、外側層と呼ばれる。
【0036】
ポーチ(11)材料の層は、いかなる材料も備えてよく、好ましくはポーチ(11)は液体不透過性である。それらの層は、特に不織布又はフィルムなどの任意の材料を備えてもよい。本発明の好ましい実施形態では、積層体は不織布層及びフィルムから形成されてもよい。積層体は、当業者に既知の手段によって形成されてもよい。
【0037】
どの不織布層も、フェルト布、スパンレース布、流体ジェット交絡布、エアレイド布、湿式布、乾式布、メルトブロウン布、短繊維カード布、スパンボンド布、ステッチボンド布、孔あき布、又はこれらの組み合わせなどを備えてよい。
【0038】
前記の層のいずれかに好適なフィルム材料は、好ましくは熱可塑性材料を備える。熱可塑性物質は、ホットメルト接着剤、ポリオレフィン、特にポリエチレン、ポリプロピレン、非晶性ポリオレフィン類など;セルロース−木材パルプ、木綿、黄麻、大麻などの天然繊維含有繊維又はポリマー結合剤を備える溶融可能成分含有材料;繊維ガラス、レーヨン、ポリエステル、ポリオレフィン、アクリル、ポリアミド、アラミド、ポリテトラフルオロエチレン金属、ポリイミドなどの合成繊維類;二成分高融点/低融点ポリマー、コポリマーポリエステル、ポリ塩化ビニール、ポリビニルアセテート/クロライドコポリマー、コポリマーポリアミド、溶融可能でない構成成分を含む混合剤含有材料などの結合剤類;エクソンケミカル社III(EXXON Chemical Co., III)(米国)から商品名EXXAIREとして販売されている材料や三井東圧社(Mitsui Toatsu Co.)(日本)から商品名ESPOIR NOとして販売されている材料などの微小多孔性フィルムを含む空気及び蒸気透過性材料;並びに、デュポン(DuPont)(フランス)から入手可能なHytrel(登録商標)やELFアトケム(ELF Atochem)(フランス)から入手可能なPebax(登録商標)などのモノリシック通気性材料の全てのタイプから選択することができる。
【0039】
好ましい実施形態では、着用者の体から放出された湿気を含む蒸気を閉じ込めて凝縮し、その結果、短時間の使用後に、暑く、べたべたし、不快な状態となる問題を防ぐため、どの層に含まれるフィルムも、空気などの気体及び水蒸気などの蒸気が透過可能であるのが好ましい。
【0040】
ポーチ(11)材料の外側層は、不織布層を備えてもよい。このような材料の層は、着用者の皮膚に不均一な表面をもたらすので、閉塞状態になるという問題が著しく軽減し、皮膚の健康状態が大きく増進される。
【0041】
本発明の好ましい一実施形態では、ポーチ(11)材料は二層を備える。好ましくは、外側層は不織布層を備え、内側の層はフィルムを備える。
本発明の更にもう一つの好ましい実施形態では、ポーチ(11)材料は、好ましくは一層のフィルムと二層の不織布で、三層を備える。より好ましい実施形態では、フィルムは、二つの不織布層の間に挟まれる。この層の順序により、きめの細かい繊維性構造が得られ、それが着用者の皮膚との接触時に特に心地良い感覚を与える。更にもう一つの好ましい実施形態では、内側層がフィルムを備え、他の二層が不織布を備える。
【0042】
ポーチ(11)材料に包含される単層又は複層の不織布層は、疎水性であっても、又は親水性であってもよい。ポーチ(11)材料がフィルム層を備えない場合、好ましくは少なくとも一不織布層は疎水性である。それにより、ヒト汚物捕集バッグの着用者に面する部分(16)と衣類に面する部分(17)とを通って流体が透過するのが妨げられる。ポーチ(11)材料がフィルム又は疎水性不織布層を備える場合、更なる不織布層は親水性であってもよい。
【0043】
通常、不織布層は、必要な疎水性を与えるために、フッ素化学品又は他の疎水性仕上げ剤などの表面活性物質で処理される。ただし、不織布層は、ホットメルト接着剤又はシリコンコーティングなどの液体不透過性物質コーティング、又は、ゴム、植物性ワックス、及び鉱物性ワックスなどの他の疎水性化合物コーティングで同等に処理されてもよく、若しくは、例えば、ナノ微粒子又はプラズマコーティング技術を用いて物理的に処理されてもよい。
【0044】
不織布層はまた、着用者に面する部分(16)と衣類に面する部分(17)との触覚で感知可能な柔軟性を高めるための薬剤で処理されてもよい。薬剤としては、植物油、動物油、合成油、シリコン油などが挙げられるが、これらに限定されない。これらの薬剤を使用すると、着用者の触覚に粘着感又は油っぽい感覚を与えることなく、不織布層に絹又はフランネルのような感触を付与することは既知である。更に、柔軟性及び表面の滑らかさを一層高めるために、アニオン性、カチオン性、非イオン性、及び両性界面活性剤を含有する界面活性物質を加えてもよい。
【0045】
更に、不織布層に、望ましい治療又は保護用ローションコーティングの効果を上げるためのローションを含浸させてもよい。着用者に面する部分(16)と衣類に面する部分(17)との上にコーティングされたローションは、通常の接触と着用者の動作及び/又は体温によって、着用者の皮膚に移動可能である。一般に、ローションの形態で、鉱油は、着用者の皮膚に、緩和、保護的なコーティングをするのに有効であることが認識されている。また、不織布層にクリームの形態で固体油相を含浸させることもでき、若しくは、例えば、ベビーオイルを含有する圧力、熱、又は水圧で破裂可能なカプセルの列を不織布層に組み込むこともできる。
【0046】
本発明の一実施形態では、ポーチ(11)は吸収性材料を含有してもよい。吸収性材料は、流体を吸収及び保持できる任意の吸収性材料を備えてもよい。吸収性材料は、使い捨ておむつ及び一般にエアフェルトと呼ばれる粉砕木材パルプなどの他の吸収性物品とに、一般に使用される多種多様な液体吸収性材料を備えてよい。その他の好適な吸収性材料の例としては、縮みセルロース詰め物(creped cellulose wadding)、コフォーム(coform)を含むメルトブローポリマー、化学的に剛化、変性、又は架橋されたセルロース繊維、ティッシュラップ及びティッシュラミネートを含むティッシュ、吸収性フォーム、吸収性スポンジ、超吸収性ポリマー、吸収性ゲル材料、他のあらゆる既知の吸収性材料、又はこれらの材料の組み合わせが挙げられる。
【0047】
吸収性材料は任意の好適な方法でポーチ(11)内に配置されてよい。例えば、吸収性材料は、ポーチ(11)内部に緩やかに配置されてもよく、又はポーチ(11)の内側表面に固定されてもよい。吸収性材料を不織布及びフィルム基材に固定するための既知の技術を使用して、吸収性材料をポーチ(11)の内側表面に固定してもよい。吸収性材料はまた、任意の所望の形状又は構成(例えば、方形、楕円形、円形など)になるように配置されてよい。
【0048】
ポーチ(11)は、開口(21)を備え、それによって糞便物質又は尿は、ポーチ(11)の空洞内に収容される前に身体から受け取られる。開口(21)は、フランジ(12)で囲まれており、円形、長円形、ハート形など、任意の形状又はサイズでもよく、対称形でも非対称形でもよいが、好ましくは、開口は長手又は横方向のどちらかの方向で長円形の構成である。
【0049】
フランジは、装置を使用する着用者群に応じて、どのようなサイズにしてもよい。同様に、フランジはどのような形状にもすることができ、好ましくは複数の突出部を備える対称形を有する。
【0050】
フランジは、衣類に面する部分と着用者に面する部分とを備える。好ましい実施形態では、これらは二つの大きい、実質的に平たい面であるが、フランジ(12)は、着用者の会陰及び/又は尾骨領域に適合するように設計された糞便捕集バッグ(10)の場合の後ろ側突出部、及び/又は生殖器、及び/又は会陰領域に適合するように設計された尿捕集バッグの場合の前側突出部も備えてよい。
【0051】
フランジ(12)は、肛門周囲又は泌尿生殖器領域に容易に配置できるように、柔らかく可撓性で順応性のある材料で作製されたい。典型的な材料としては、不織布材料、織布、開放気泡型熱可塑性発泡体、独立気泡熱可塑性発泡体、開放気泡型発泡体と伸縮性不織布との複合体、及びフィルムが挙げられる。ポリエチレンの独立気泡発泡体が有効であることを判明しているが、より好ましくは開放気泡型ポリウレタン発泡体が使用される。好ましくは、そのような発泡体は、一般に、厚さが0.1〜5ミリメートルの範囲内で、密度が5〜250g/l、より好ましくは50g/lである。他の熱可塑性発泡材料、又はそのような発泡体の説明した特性(即ち、柔らかさ、柔軟性、伸縮性、収縮性)を有する他の好適なプラスチックシート材料を使用することもできる。好ましくはフランジ(12)の衣類に面する部分の材料は、開口(21)を画定するフランジの表面縁部が使用中互いに意図せずに接着するのを防ぐ材料のスカート又はフラップを形成するために、画定された開口領域の中に伸びてもよい。
【0052】
ヒト汚物捕集バッグは、更に装置を着用者に固定するための取り付け手段を備える。そのような手段はストラップを包含し、より好ましくは、フランジ(12)の着用者に面する部分に適用される身体融和性感圧接着剤を備える。
【0053】
接着剤は、好ましくはシリコーン処理をしたペーパーのように、接着剤を保護するために剥離手段(図示せず)で覆われる。接着剤は、フランジ(12)の着用者に面する部分全体を覆うことができ、より好ましくはフランジ(12)は、少なくとも一つの、好ましくは二〜六つの非接着部分を有する。これらの部分は、接着剤を使用しなくてもよく、若しくは活性化されていない接着剤又は覆われた接着剤を含有してもよい。図1から明らかなように、好ましい一実施形態では、非接着性であるフランジ(12)のどちらかの側面上に突出部を提供するために、接着剤はフランジ(12)の着用者に面する部分全体に適用されず、また接着剤との接触を避け、装置の配置及び取り外しを容易にする役目を果たすことができる。しかし好ましくは、これらの突出部も剥離手段により覆われる。剥離手段がある場合には、それを取り外してから、ヒト汚物捕集バッグを着用者の皮膚に適用する。
【0054】
着用者の肛門周囲又は泌尿生殖器領域に装置を取り付けるために、親水コロイド接着剤やヒドロゲル接着剤など、医学的に認可された任意の耐水性感圧接着剤を使用してもよい。敏感な肛門周囲領域で着用者の皮膚にフランジを固定し、比較的無痛の貼り付け及び取り外しを可能にする、所望の接着特性を提供するのに特に有効な接着剤は、3次元マトリックスを形成するための可塑剤を含む架橋ポリマーから形成される。
【0055】
接着剤は、溝コーティング、螺旋、ビーズ印加、又は転写など、当該技術分野で既知の任意の手段によってフランジ(12)の着用者に面する部分に塗布される。典型的には、接着剤は、想定される最終用途に応じて、坪量20g/m2〜2500g/m2、より好ましくは500g/m2〜2000g/m2、最も好ましくは700g/m2〜1500g/m2で塗布される。例えば、乳幼児に使用されるヒト汚物捕集バッグでは、接着剤の量は、活動的な成人失禁者用に設計されたヒト汚物捕集バッグに使用される量より少なくてもよい。
【0056】
好ましい実施形態では、ヒト汚物捕集バッグは、使用前に特定の形体で提供され、好ましくはアプリケータと共に提供される。
【0057】
そのような一形体では、フランジ(12)は、長手方向軸線に沿って折り畳まれて、着用者の臀部の間でのフランジ(12)の配置を容易にすると共に、ポーチ(11)は、好ましくは折り畳まれており、その状態が多くの利点を提供する。例えば、ポーチ(11)を折り畳むことにより、ヒト汚物捕集バッグのより小さい包装形式が可能になって、材料の輸送及び包装のコストを低減する。更に、ポーチ(11)は、折り畳まれないと、アプリケータの一部分、例えば取り扱い部分を覆うことがあるので、ポーチ(11)が折り畳まれた場合、ヒト汚物捕集バッグの取り扱いはより便利である。ポーチ(11)が折り畳まれない時、着用者の身体の一部分を覆うこともあり、ヒト汚物捕集バッグを配置する人は、その配置を視覚的に充分調整できない。
【0058】
もう一つの好ましい使用前の形体では、ポーチ(11)は、折り畳まれずに提供される。この形体は、本発明により提供される相対的に小さいポーチ(11)に特に好適である。折り目(19)が衣類に面する部分(17)に提供される時、ポーチ(11)の相対的に小さい外形が、最も適している。ポーチ(11)を折り畳まない状態で提供できることは、製造及び包装が容易になる。
【0059】
最も好ましくは、アプリケータ及びヒト汚物捕集バッグは組み合わせて、使用前に特定の形体で提供される。このため、別々の品目(アプリケータ及びヒト汚物捕集バッグ)を用意して、適用するためにアプリケータをヒト汚物捕集バッグの適切な領域に配置する必要がないので、2、3の取り扱い工程のみでヒト汚物捕集バッグが迅速に適用可能になる。
【0060】
アプリケータは、アプリケータ及びヒト汚物捕集バッグを共に保持するための手段を備えてもよい。この手段は一般に、ヒト汚物捕集バッグに関するアプリケータの正しい配置を確実にすると共に、バッグが折り畳まれる場合、ポーチ(11)の折り畳んだ形体を維持するのに役立つ。このような手段は、好ましくはゴムバンドなどの閉じた輪の形で与えられる、任意のひも又はベルトの形で提供される。このような手段はまた、プラスチック又は金属などの任意の好適な材料で作られたクランプ又はクリップの形で提供してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0061】
本発明は、前述の説明に添付図を参照して、より良く理解されると考える。
【図1】糞便捕集バッグの好ましい実施形態の斜視図である。
【図2】応力除去手段(50)として伸縮性材料(52)の一部分を備える糞便捕集バッグの好ましい実施形態の斜視図である。
【図3】応力除去手段(50)としてオリフィス(54)を備える糞便捕集バッグの好ましい実施形態の斜視図であり、オリフィス(54)はカーテン(56)に覆われている。
【図4】応力除去手段(50)として特別な材料(58)を含む部分を備える糞便捕集バッグの好ましい実施形態の斜視図である。
Claims (10)
- フランジ(12)に少なくとも部分的に接合されるポーチ(11)と、前記フランジ(12)によって囲まれる開口(21)とを備えるヒト汚物捕集バッグであって、前記ポーチ(11)部分によって前記フランジ(12)部分に働く応力を除去するための、応力除去手段(50)を備えることを特徴とするヒト汚物捕集バッグ。
- 前記ポーチ(11)が着用者に面する部分(16)と衣類に面する部分(17)とを備えると共に、前記応力除去手段(50)が前記着用者に面する部分(16)に備えられ、接合され、又はそれと同一の広がりを持つ請求項1に記載のヒト汚物捕集バッグ。
- 前記応力除去手段(50)が、フランジ(12)の会陰部に働く応力を除去するために提供される請求項1又は2に記載のヒト汚物捕集バッグ。
- 前記応力除去手段(50)が伸縮性材料(52)を備える請求項1、2、又は3に記載のヒト汚物捕集バッグ。
- 前記伸縮性材料が、幅1cm当たり1%のひずみ当たり1000g未満のひずみ率を有する請求項4に記載のヒト汚物捕集バッグ。
- 前記応力除去手段(50)がオリフィス(54)を備える請求項1から5のいずれか一項に記載のヒト汚物捕集バッグ。
- オリフィス(54)が提供されるように、前記ポーチ(11)が前記フランジ(12)に部分的に接合されない請求項6に記載のヒト汚物捕集バッグ。
- 前記オリフィスがカーテン(56)によって覆われる請求項6に記載のヒト汚物捕集バッグ。
- 前記カーテンが前記フランジ(12)につけられる請求項7に記載のヒト汚物捕集バッグ。
- 前記応力除去手段(50)がポーチ(11)の一部分を備え、追加材料(58)が、隣接する部分よりも、フランジ(12)とポーチ(11)の末端部との間に提供される請求項1から9のいずれか一項に記載のヒト汚物捕集バッグ。
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