JP2004528882A - 単色液体処理システム - Google Patents

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Abstract

本開示は、液体、特に、血液製剤、医薬品、注射用溶液およびワクチンのごとき複雑液体を光プロセシングするための方法、システムおよび装置を提供し、それらは広範囲にわたる診断、療法および治療アプリケーションにおいて望ましい結果を達成する。開示された方法およびシステムは、液体処理のために、好ましくは、260nmと310nmとの間の範囲の単色光エネルギーを発生する非レーザ光源を用いる。本開示によれば、有利なプロセス方式および/または付随する添加物および/または薬剤も用いて、所望するおよび/または促進された結果、例えば、病原菌、細菌および/またはウイルスの不活性化、免疫反応のモジュレーション、および/または白血球除去を達成することができる。特に好ましい具体例は、特定の波長および新規温度制御システムおよび形状的/構造的配列を含み、促進されたプロセシング結果および/または効率を与える。

Description

【技術分野】
【0001】
本開示は、液体の光プロセシング用システムに関し、より詳しくは、非レーザ光源を用いて有利な波長にて単色光を発光し、有利な系に伝達して所望の結果に作用する、血液製剤、医薬品、注射用溶液およびワクチンのごとき複雑液体(a complex fluid)の光プロセシング用システムに関する。
【背景技術】
【0002】
複雑液体、例えば、ワクチン、医薬品、注射用溶液、血液製剤等のごとき医療および/または健康関連の使用およびアプリケーションを有する液体の処理方式に努力が向けられてきた。これらの努力は、ある程度、望まない液体成分を除去し、阻害し、および/または破壊する技術および処理システムに集中している。白血球除去(すなわち、潜在的に望ましくない作用を避けるための白血球の除去)のごとき新たな目的に向けられた処理方式も注目されている。
【0003】
重大な研究開発の注目は、輸血および/または移植用に収集された液体および原料、例えば、血液製剤および血液成分に集中している["Pathogen Inactivation in Labile Blood Products" in Transfusion Medicine, Vol. 11, pp 149-175, 2001]。そのような原料の安全性を保証するのには、輸血前供血者評価試験に非常に頼っている。現在の努力にもかかわらず、輸血および移植は、ウイルス性、細菌性および原虫性の疾患の伝染に関与する。新たな感染媒介物が供血者群から次々と確認され、必要な輸血/移植原料の安全、かつ、信頼できる供給を保証する責を荷う者に難問および懸念を引き起こしている。未知の病原体(例えば、1970年代後半のHIV)の試験には問題が残っている。しかも、供血者スクリーニング成果の有効性には必然的に限界が存在する。例えば、供血量、スクリーニング/試験障害、物流上の問題等がある。何回も化学療法および/または造血移植を受ける個人には、反復輸血/移植エピソードに関連する累積的危険性のため、信頼あるスクリーニングおよび/または浄化方式がより一層重要である。
【0004】
血小板製剤の処理における現在の研究活動および予測は最近刊行された論文で論じられている[L. Corash, "Inactivation of Viruses, Bacteria, Protozoa, and Leukocytes in Platelet Concentrates: Current Research Perspectives," Transfusion Medicine Reviews, Vol.13, No.1, January, 1999]。この論文に記載されるように、輸血関連感染に関連する危険性は、タイプによらず、現在の診断試験では検出されない感染媒体物を含む広範囲にわたる感染性病原体に対して有効な浄化プロセスの開発および提供により低減され得るであろう。浄化プロセスは、好ましくは、細胞なし、細胞関連および潜在性の病原体形態に対して有効である。浄化能力におけるこの広さの要求はヒト免疫不全ウイルス(HIV)に代表され、それは血漿中で細胞なし、白血球中で細胞関連、およびゲノム白血球核酸内に統合された潜在性プロウイルス形態である。しかも、浄化プロセスは、保存中に細菌が再増殖する可能性を避けるために細胞内細菌形態を含む広範囲の細菌に対して活性であることが必要とされる。
【0005】
濃厚血小板製剤を処理するためのいくつかの可能性のある不活性化技術が調査/記載されており、長波長紫外線で活性化されたソラレン、可視光で活性化されたメロシアニン540、リボフラビンおよびメチレンブルー、および赤色光で活性化されたフタロシアニンを含む。これらの処理技術のうち、様々な化合物の化学および関連する結合特性に注目が集中し、ソラレンが今日最も高いレベルで注目を受けている。
【0006】
ソラレンは平面的なフロクマリンであり、それらの多くは植物によって合成され、食物として摂取される。ソラレンは、RNAおよびDNAの両核酸に優先結合し、溶解性、核酸アフィニティー、および副反応、例えば、活性酸素種発生に関して大きく変化する。ソラレン光化学処理は細菌、RNAウイルスおよびDNAウイルスの不活性化に有効たり得ることが、調査により示された。代表的なソラレン化合物は、ボロビッツ(Wollowitz)らの米国特許第5,654,443号;リン(Lin)らの米国特許第5,709,991号;およびクック(Cook)らの米国特許第6,171,777号B1に記載される。
【0007】
セルス社(Cerus Corporation)(カリフォルニア州コンコルド)は一連のソラレン化合物を開発し、血液製剤中で病原体を不活性化するそれらの能力を評価した。セルス社による開発の下、一つのソラレンベースの方法において、血小板懸濁液は何人かの供血者からの個々の単位からプールすることができ、それをセルスのS−59ソラレン化合物を含有する滅菌使い捨てバッグに移す。この血液含有バッグを約3分間紫外線で照射する。セルス手順は、当該病原体が再生し受血者に感染するのを防止することを意図する。セルス社は、処理血小板懸濁液が受血者に輸血する準備がなされていることを想定する。
【0008】
十分な除去に要求されるソラレン量は標的種によって異なる。そのため、血液製剤の光化学処理を用いて達成される不活性レベルは、紫外線量と添加した化学薬剤濃度との両方の相関関係で決まる。例えば、S−59法はそれらの特許薬ソラレンであるS−59の濃度に非常に強く依存する。病原体不活性化には、白血球不活性化が必要とするS−59の量の1000倍も必要である。同じ目的を達成するのに必要とされる紫外線量の範囲はもっと少ない。それは何故であろうか?S−59を用いた実験の間、UV線量を調整するのが不可能であったからであろう。よりもっともらしいことは、この方法は、化学薬品の活性化ではなく、化学薬品の核酸への輸送によって制限される。最近の文献から、S−59の効力はS−59”取込み”のキネティクスによって制限されるらしい。S−59を容易に吸収する生物学的物質において、そのDNAには接近可能で、より少ない用量の添加剤を用い得る。これと同じ方法は、インアクチンを含む全ての光化学処理を制限するであると信じられている。最近の文献([D.C. Hooper, Emerging Infectious Diseases (7)2, 2001]を参照せよ)は、ソラレン様化合物耐性の特定種がこの耐性を有するのは、トキシンに対するそれらの透過性を修飾できるからであることが分った。この理論は、種特異的対数除去率を示すS−59を用いた研究結果によっても裏付けられる。最も耐性であるこれらの種のうちのいくつかは、上記フーパー(Hooper)文献で同定されたものと同一である。同様の問題は、一般的に認められているが、S−59が前形成胞子(preformed spores)を不活性する能力がないことである。これらの胞子は紫外線によって不活性化される。そのため、紫外線および光化学による直接活性化の組み合せが有益であろう。これらは、飲料水中のクリプトスポリジウムおよび塩素に関連する問題と同様であり、―クリプト卵母細胞は塩素によって不活性化されず、クリプトスポリジウムのいくつかの発生をもたらす。クリプトスポリジアンは紫外線によって不活性化される。
【0009】
この効果は、GAMBRO BCTによって開発された、リボフラビンを光増感剤として用いるシステム[Goodrichら、米国特許第6,277,337号]にも見られる。しかしながら、この研究において不活性化は標的病原体の作用のみならず、用いる光の線量および波長にも依存する。(光源の波長はソラレンベース方法の効力にも影響し、この効果は使用可能な光源の制限のため文書化されていないと考えられる。)米国特許第6,277,337号にあるリボフラビンデータは、いくつかの生物、特に二本鎖ウイルスにとって、可視光と紫外線との組合わせが必要であったことを示している。この要求についてはなんら説明がされていない。全範囲の病原体の不活性化は複数の方法を必要とすると考えられる。
【0010】
さらに、光化学添加物に基づく処理様式は、定義により、外部薬剤/物質を液体系に添加して、処理することを必要とし、そこに本質的な問題および関連する不確実性がある。さらに、外部薬剤/物質を液体系に添加して処理すること以外に、ある種のソラレンベース処理様式に関して、他の制限および/または要求が認識されている。例えば、長期処理時間(8−メトキシソラレンを用いた4時間までのUVA照射)およびある種のソラレンベースシステムに関連する低減した周囲酸素レベルは、例えば、臨床的血液バンク環境における操作の容易さとは適合しない。さらに、遊離ラジカル失活剤、例えば、ルチン(天然フラボノイド)の添加が、活性酸素種による血小板損傷を防止する。すなわち、イン・ビトロで血小板機能を保存するのに必要であろう。ルチンのような遊離ラジカル失活剤の添加は処理システムをさらに複雑にする。
【0011】
コラシュ(Corash)により議論されているように、100%血漿中の血小板懸濁液を処理するのに、ある種のソラレン化合物に対して、例えば、4’−(アミノ−メチル)−4,5’,8−トリメチルソラレン(AMT)に対して24ないし70J/cmのような高いUVA線量も必要とされる。AMTは疑わしい毒物学的プロファイルも示している。血漿中タンパク質濃度の低下、例えば合成血小板添加剤溶液の使用による15%の低下は、例えば、AMTによる2.4J/cmにてのウイルス不活性化のようにエネルギー必要量を低下させるのに有効であるが、大規模操作には実用的ではない[Transfusion Medicine Reviews, Vol.13, No.1, pp.21,23.]。
【0012】
マルゴリス−ヌノ(Margolis-Nunno)らは、2種類の紫外線、UVAおよびUVA1を用いたAMT/ルチン系での濃厚HIV−感染血小板製剤の処理を評価した。UVAは、320と370nmとの間の波長を有する広域帯紫外線A光として特徴付けられ、UVA1は、360と370nmとの間の波長を有する狭域帯UVA光として特徴付けられた。マルゴリス−ヌノらは、これらの処理システムにおいて波長が重要事項であり、同じ作用により、試験したUVAはUVA1よりも血小板に対してより有害であると結論付けた[Margolis-Nunno et al., "Psoralen-Mediated Photodecontamination of Platelet Concentrates: Inactivation of Cell-free and Cell-associated Forms of Human Immnunodeficiency Virus and Assessment of Platelet Function In Vivo," Transfusion, Vol. 37, September 1997, pp.889-895.]。
【0013】
光力学療法(PDT)も、特に、ガンへの適応について重大な研究開発の注目を浴びている。典型的なPDT治療方式において、光増感剤、例えばポルフィリン誘導体を全身投与し、その光増感剤が標的組織に蓄積した後、正しく調整された光量を標的領域に当てる。ガン治療にとどまらず、PDT治療は、眼科学的な病気、心臓血管の病気(例えば、動脈硬化および再狭窄)、および免疫介在の病気(例えば、乾癬)に対して用いるために開発された。
【0014】
エル−ゴール(El-Ghorr)およびノーバル(Norval)は、例えば、乾癬の治療において、従来の広域帯UVBと比較して、狭域帯UVB照射の生物学的効果を記載する[El-Ghorr et al., "Biological Effects of Narrow-Band (311 nm TL01) UVB Irradiation: A Review," Journal of Photochemistry and Photobiology B: Biology 38 (1997), 99-106.]。エル−ゴールおよびノーバルによって試験されたTL01ランプは狭いピーク(311nmにて51%の照射エネルギー)を発光する。限られた使用可能な試験データに基づくと、天然キラー細胞活性および単核細胞の機能に関する光療法の間、リンパ増殖およびサイトカイン産生による測定で、TL01ランプは広域帯UVBよりも抑制されるようである。エル−ゴールおよびノーバルは、記述したTL01ランプの効果は線量に関係し、波長に依存するであろうと示唆した。
【0015】
さらなる研究において、プロドーズ(Prodouz)らは、ポリオウイルスを不活性化するための血液製剤の処理におけるレーザUVの使用を評価した[Produoz et al., "Use of Laser-UV for Inactivation of Virus in Blood Products," Blood, Vol. 70, No.2, August, 1987, pp.589-592.]。プロドーズらは、308nmのUVの40n秒パルスを発生するXeClエキシマーレーザで均一に照射された試料を研究した。この実験は、パルスレーザから発生される超高ピーク出力を含む高めの出力にて、血小板機能のかなり大きな低下があったことを記述する。なおさらに、プロドーズらは、308nmにてのパルスレーザを用いたとき、10.8と21.5J/cmとの間で、0.17MW/cmより低いピーク強度の暴露線量の効力ウィンドウが存在し、その範囲内では頑丈なウイルスが著しく不活性化され、血小板および血漿タンパク質への影響は最小限であると結論付けた。この実験はポリオウイルスを不活性化する。より複雑な標的に対する308nmの効力は測定されていない。
【0016】
アンドルー(Andreu)らは、懸濁濃厚血小板製剤を石英プレートの間に入れ、310nmのUV−B線で照射することによってHLA免疫化を低下させる濃厚血小板製剤の紫外線照射を評価した。アンドルーらは、濃厚血小板製剤のイン・ビトロ機能は2.25J/cmまでのUV−Bによって影響されずに保持されるが、エネルギーがもっと高くなるとADPおよびコラーゲンに誘発される凝集が阻害されると結論付けた。アンドルーらは、免疫学的認識への所望の阻害効果がおそらく達成される0.2J/cmから血小板機能への有害な効果が現われる2J/cmより上までのUV−B線で処理効果におけるギャップを同定した[Andreu et al., "Ultraviolet Irradiation of Platelet Concentrates: Feasibility in Transfusion Practice," Transfusion, Vol. 30, No.5-1990, pp.401-406.]。
【0017】
ミリポール(Miripol)らの米国特許第4,726,949;4,866,282;および4,952,812号は、血液製剤照射法および白血球を不活性化するシステムを開示する。ミリポールらの処理方式は、主に波長280ないし320nm、強度4ないし20mW/cm、および総暴露エネルギー800ないし20,000mJ/cmの紫外線照射を用いる。8ないし12個の従来の高強度灯を用いて、柔軟で折畳み式のポリ酢酸(エチレン−ビニル)プラスチックバッグに入った血液を照射することが記載され、これらのプラスチックバッグは典型的には枠組みに置かれて引き伸ばされる。ミリポールらの装置の背面に排気ファンを取り付けて、高強度灯によって発生した熱を排出する。この研究において、この方法は、異なる表面線量(J/cm)にて操作するので新規であると主張するが、データをより詳細に読むと、処理を成功させるのに必要な照射する表面線量は血液製剤の厚さとともに増加する。したがって、重要なパラメータは照射する表面線量ではなく、いかにその線量を液体の体積中に分布させるかということである。
【0018】
今日までの努力にかかわらず、複雑液体、例えば血液製剤、医薬品、注射用溶液およびワクチンの処理を容易にするシステムについて要求が引き続き存在する。特に、所望するレベルの病原体不活性化、免疫反応のモジュレーション、医学療法および/または化学合成を有効、かつ、確実に達成する高価/複雑液体に適用可能であって、この高価/複雑液体の所望特徴に負の影響を与えることのないシステムが必要である。病原体等を処理するのに様々な感光剤を開発し評価することに大いに注目が向けられているが、複雑液体処理システムに対する光源および/または光の波長特性の潜在的な効果および/または影響については集中した研究はほとんどされていない。UV−B照射は検討されているが、UV光のみを用いた白血球不活性化病原体についての選択肢は実行可能な方法として検討されていない。実際に、クック(Cook)らは、UV単独で病原体を不活性化することによって病気の伝染を排除するための血液製剤の処理は「赤血球機能を維持することが全く不可能である」と言明している[米国特許第6,171,777号B1、第2欄、第58〜64行]。より最近の論評である["Pathogen Inactivation of Labile Blood Products (Transfusion Medicine, Vol.11, 149-175, 2001]は、UV光を用いる病原体の化学薬品なしのプロセシングは検討していなかった。
【0019】
【特許文献1】
米国特許第5,654,443号
【特許文献2】
米国特許第5,709,991号
【特許文献3】
米国特許第6,171,777号B1
【特許文献4】
米国特許第6,277,337号
【特許文献5】
米国特許第4,726,949号
【特許文献6】
米国特許第4,866,282号
【特許文献7】
米国特許第4,952,812号
【非特許文献1】
"Pathogen Inactivation in Labile Blood Products" in Transfusion Medicine, Vol. 11, pp 149-175, 2001
【非特許文献2】
L. Corash, "Inactivation of Viruses, Bacteria, Protozoa, and Leukocytes in Platelet Concentrates: Current Research Perspectives," Transfusion Medicine Reviews, Vol.13, No.1, January, 1999
【非特許文献3】
D.C. Hooper, Emerging Infectious Diseases (7)2, 2001
【非特許文献4】
Margolis-Nunno et al., "Psoralen-Mediated Photodecontamination of Platelet Concentrates: Inactivation of Cell-free and Cell-associated Forms of Human Immnunodeficiency Virus and Assessment of Platelet Function In Vivo," Transfusion, Vol. 37, September 1997, pp.889-895.
【非特許文献5】
El-Ghorr et al., "Biological Effects of Narrow-Band (311 nm TL01) UVB Irradiation: A Review," Journal of Photochemistry and Photobiology B: Biology 38 (1997), 99-106.
【非特許文献6】
Produoz et al., "Use of Laser-UV for Inactivation of Virus in Blood Products," Blood, Vol. 70, No.2, August, 1987, pp.589-592.
【非特許文献7】
Andreu et al., "Ultraviolet Irradiation of Platelet Concentrates: Feasibility in Transfusion Practice," Transfusion, Vol. 30, No.5-1990, pp.401-406.
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0020】
本開示は、液体、特に血液製剤、医薬品、注射用溶液およびワクチンのごとき高価および/または複雑液体の光プロセシング用の新規システムを提供する。開示されたシステムは、有利な光源およびプロセシング方式を単独かまたは付随的な添加物および/または光活性剤と組合わせて用いて、所望する結果を達成する。本開示の好ましいシステムは、処理液体の所望する成分および/または属性に有害な影響を与えずに病原体、細菌および/またはウイルスの不活性化、免疫応答のモジュレーション、および/または白血球除去を行うのに有効であり、広範囲の診断、治療、および処理アプリケーションにおいて所望の結果を達成する。好ましいシステムは、さらに、広範囲の光活性化および/または光応答性の物質および/または化合物を用いるアプリケーション様式において促進された操作効率および/またはプロセシング結果を提供する。
【0021】
開示されたシステムの一つの有利な局面は、特定の液体の性質および/または成分の悪化、例えば、熱、エネルギー活性化等による潜在的な悪化を制限および/または最小化する光エネルギーを使用しつつ、同時に当該光エネルギーの使用による所望の効果を最大化する能力に関する。前記所望する効果は生物学的、例えば、病原体不活性化、または化学的、例えば、特定のソラレンベース付加体の励起、またはそれらの組合わせであろう。有利には、有害および/または毒性副生成物の生成も本開示により最小化されるか、回避される。
【0022】
先に記載したように、(特にソラレンまたはリボフラビンを用いる)光増感反応または光のいずれかによって不活性化される病原体の範囲は制限される。したがって、単一光源で光増感不活性化および直接UV消毒の両方を開始する能力は魅力的である。この研究はそのようなシステムを提案する。この方法には、282nmないし320nmの範囲のUV光を適用するが、290nmおよび308nmを特に強調する。この光は、光化学的に最もよく処理された大きめのゲノム病原体の光増感反応ならびに光単独で最もよく不活性化された小さめの一本鎖標的を活性化する。
【0023】
本開示によれば、処理液体、特に、血液製剤、医薬品、注射用溶液およびワクチンのごとき高価および/または複雑液体に対して高度に有利な効果を有する光エネルギーを供給する光源が与えられる。本開示は、さらに、開示された光源と一緒に用いるとき、バッチおよび連続/半連続フロー処理システムの両方において、有利な液体プロセシング結果を与えるシステムデザインおよびプロセシング方式を提供する。
【0024】
本開示は、複雑液体を処理する方法にも向けられ、核酸を含む複雑液体の処理ゾーンへの供給を開始し;光活性化合物を複雑液体に添加し;次いで、光エネルギーを処理ゾーン内の複雑液体および光活性化合物ににあてることを特徴とする。この光エネルギーは340nmより低い指示波長を有する光エネルギーを発生する光源から供給される。光源からの光エネルギーは、複雑液体中の核酸を実質的に励起し、光活性化合物を実質的に励起するのに有効である。
【0025】
好ましくは、この複雑液体は血液ベースの液体であって、紫外光によって不活性化される生体タンパク質をさらに含む。さらに、光源が非レーザ光源であり、前記非レーザ光源からの光エネルギーが実質的に単色であることをここでは想定している。あるいは、多色出力を生じるように光源を構成する。好ましい具体例において、光源は、多色出力を生じるように、希ガスまたはハロゲンガスを含有するガス混合物を選択的に調節する。
【0026】
開示された方法に用いる光活性化合物がリボフラビンであり得ることを想定する。さらに、この光源からの光エネルギーによって励起される核酸が一本鎖であって、病原体に属し、光活性化合物が二本鎖核酸を有する病原体を不活性化することにおいて有効である。
【0027】
当業者の本開示の発明が属するものへの理解を助けるために、付随する図面および関連する詳細な説明に言及する。
【0028】
本開示は、液体、特に血液製剤、医薬品、注射用溶液およびワクチンのごとき高価および/または複雑液体の光プロセシング用の新規システムを提供する。ここで用いるとき、「複雑液体」は、光および/または熱エネルギーに対して感受性でありおよび/またはそれらによって活性化される複数の液体成分を含む液体であり、第1の光感受性/光活性化/熱感受性液体成分が実質的に本開示の処理方式により実質的に保存され、第2の光感受性/光活性化/熱感受性液体成分が本処理方式により実質的に修飾され、不活性化され、および/または除去される。本開示による「複雑液体」は添加光活性化合物/物質、例えば、ソラレンを含んでもよく、光エネルギー感受性/反応性はある程度前記光活性化合物/物質の存在によるものであろう。
【0029】
本開示の新規システムは、複雑液体の処理に特化した有利な光源およびプロセシング方式を用いる。所望の結果、例えば、病原体、細菌および/またはウイルスの不活性化、免疫反応のモジュレーションおよび/または白血球除去を達成するために、光活性な化合物および/または剤と共にまたはなしで開示したシステムを用いることができる。開示したシステムは広範囲の診断、治療および処置アプリケーションにおいて所望の結果を達成し、広範囲の光活性化および/または光応答性の物質および/または化合物を用いるアプリケーション様式において促進された操作効率および/またはプロセシング結果を提供する。
【0030】
本開示によれば、処理液体、特に、血液製剤、医薬品、注射用溶液およびワクチンのごとき高価および/または複雑液体に対して高度に有利な効果を有する光エネルギーを供給する光源が与えられる。本開示は、さらに、開示された光源と一緒に用いるとき、バッチおよび連続/半連続処理システムの両方において、有利な液体プロセシング結果を与える幾何学的スペクトル強度およびプロセシング方式を提供する。
【0031】
本開示による好ましい光源は、平均出力は高いが中程度のピーク出力で実質的単色光を発し、これによって、所望しない加熱および/または複数フォトン開始プロセスによる高価/複雑液体への潜在的な損傷を低減し、または除去する。かくして、従来のレーザ光源および従来のフラッシュランプは無効果/低効果であり、本開示のシステムによれば使うべきではない。パルスレーザ光源は、それによって発せられる高出力パルスのため、本開示によれば、少なくともある程度は望ましくなく、無効果である。従来の光強度ランプ、例えば、水銀ランプは、本開示による処理システムにとって重要な波長柔軟性、プロセシング効率、強度およびキャリア媒体貯蔵を備えていない。
【0032】
開示された高出力の単色光源の使用が高価および/または複雑液体、例えば、血液製剤、医薬品、注射用溶液およびワクチンに対する有利な処理ウィンドウの効果的な開発を可能にすることが、本開示により明かとなった。さらに、本明細書に開示されるように、高出力の単色光源の使用は、化学および/または光活性剤を用いる複雑液体系において相乗的な結果を生じる。
【0033】
好ましい光源の属性および関連する装置/処理方式を含む、本開示による好ましい処理システムの特定の局面を説明する前に、開示された処理システムが有利な結果を生じる意図された液体処理アプリケーションおよび/または技術についての考察を説明する。代表的な液体処理アプリケーションおよび/または技術についてのこの考察は、当業者が本明細書に開示された新規処理システムを有効に使用して有利な結果を達成できるような程度に詳細に記載する。さらなる液体処理システムアプリケーションおよび/または技術もここに開示された新規な処理システムの使用のために認識されおよび/または工夫され、下記の詳細な説明から当業者に明かになるように、そのようなさらなる液体処理アプリケーションおよび/または技術は本開示の範囲にあるとみなされるべきである。
【0034】
本開示の第1の好ましい具体例において、望ましくない病原体、例えば、ウイルスおよび/または細菌成分を含有するであろう高価/複雑液体の有効な処理のためのシステムを非レーザ光源によって有利な波長にて発光された単色光の適用により提供する。この開示された処理方式による処理について代表的な液体は血液製剤、医薬品、注射用溶液およびワクチンを含む。この具体例によれば、高価/複雑液体を処理して望ましくない病原体を化学添加物、光化学薬品等、例えば、ソラレンを添加することなく不活性化し、それによって、処理方式を簡易にし、失活剤および/または添物および/または副生成物の処理後除去の必要を排除する。
【0035】
開示された処理システムは、高価/複雑液体に関してリアルタイムで、すなわち、処理のための標的液体を生成および/または入手して即座に開始することができる。かくして、例えば、血液製剤その他の輸血可能/注射可能成分の処理システムの状況では、開示された処理方式は、血液製剤提供後即座に、血液製剤輸血直前におよび/またはそれらの組合わせで有利に用いることができる。これらのプロセスは、チューブ内を流動する血液製剤のリアルタイム処理を含み得る。あるいは、例えば、溶液をそのパッケージング前に殺菌する大規模システムにおいて、高価/複雑液体を殺菌パッケージング直前に処理するように処理システムを配置することができる。前記処理システムの各々は、バッチ式、半バッチ式、連続式または半連続式操作であってよい。
【0036】
本開示のシステムの好ましい具体例によれば、実質的単色光のエネルギーを所望する高価/複雑液体に伝達して、標的病原体の内部または近くで最大吸収を達成しつつ、当該処理液体の非病原体成分および/または物質、例えば、キャリア媒体への損傷を最小にする。かくして、血液製剤の場合、キャリア媒体内で血液製剤成分に有害な影響を与えることなく、260と310nmとの間、一般的には270と308nmとの間の波長にて実質的単色光を伝達することによって、特に、所望する病原体不活性化の結果を達成することができるが、ここに開示された好ましい範囲内でさらなる波長が非常に望ましいことが分った。ここで用いるとき、実質的単色光は、光エネルギーの大部分が指示波長に対して±10nmの範囲内に収まる波長分布を示す。
【0037】
パルスレーザ光源もキャリア媒体に許容できないレベルの損傷を与えることが分った。この開示は、生物学的液体の吸収特性が300nm付近に急峻で驚くべき鋭敏な不連続性を有することを記述する。数ナノメータの変化が大きな影響を持ち得る。例えば、最近の血小板製剤および血漿製剤の測定は、270と310nmとの間で20倍以上の光学密度の変化を示した[Photochemistry and Photobiology, Vol. 71(5) 610-619, 2000]。明かに、これらの生物学的液体についての光の吸収(または透過)によって開始されたプロセスは強い波長依存性を有し、「UV−B」なる用語は光源を正確に定義していない。限定されないが、259、282、290および308nmを中心とする狭いバンド内で作動する光源は各々別個の利点を有する。
【0038】
本開示のさらなる具体例において、高価/複雑液体を処理して、その中に含まれる病原体を確実に、かつ、効果的に不活性化する処理システムを提供し、この処理システムは1以上の光活性化された化合物および/または添加物を含む。かくして、開示された処理システムによれば、従来の光活性化された化合物および/または添加物を、処理液体、例えば、当該技術分野で知られているように、血液製剤、医薬品、注射用溶液および/またはワクチンと組み合わせる。しかしながら、先行技術の処理方式とは異なり、開示されたシステムは、以下にさらに詳しく記載するように、組み合せた液体、すなわち、高価/複雑液体および光活性化された化合物/添加物の組合わせを好ましい波長および強度にて、好ましい形状的/構造的配置で非レーザ光源からの実質的単色光で有利に照射する。
【0039】
従来の光活性化合物/添加物、例えば、1以上のソラレン、ジメチルメチレンブルー、リボフラビン等を含む開示された処理システムによれば、270と340nmとの間の波長にて実質的単色光で当該液体系を照射することによって、所望しない副反応を最小にしつつ、病原体不活性化を促進することができる。さらに、小さな波長の違いが細胞機能、病原体不活性化、および光化学添加物に著しい影響を持ち得ることが分った。光化学添加物に対して特に好ましい波長は、308nm、320nmおよび351nmを含む。病原体不活性化について、最適波長は、259、282、290および308nmであろう。当該処理液体への光伝達を制御して、その波長を調節し、ピーク強度レベルを最小にし、それによって光活性化合物/添加物を有利に励起して所望する結果を達成する。かくして、本開示のソラレンベースの具体例において、十分な光強度が狭いスペクトル範囲内で伝達されて特定の付加体を励起する。そのような処理方式により、標的病原体の再生/受血者への感染を阻害すること、および/または、向上した免疫反応を生じることを含む所望する結果を達成する。さらに、本開示のシステムはこれらのプロセスを加速する用量比を提供する。
【0040】
本開示によれば、光活性化合物/添加物を含む、液体系、例えば血液系をイルミネートし/照射することによって特に有利な結果を達成して、光活性化合物/添加物の所望の活性化を達成し、さらに、この化合物/添加物の解離をもたらすことをさらに意図する。不活性化プロセスの一部として、または次の単色光ベース処理において、例えば、連続プロセシング処理システムにおいて、2つのプロセシング目的を達成することを意図する。最適に有効な付加体、例えば、波長依存性の付加体の生成、または波長依存性の最適表面構造の生成が開示された処理システムによれば両方の所望する結果を成功裏に成就することを容易にする。
【0041】
本開示のもう一つの好ましい具体例において、非レーザ光源からの単色光を有利に用いて、血液血小板同種免疫、すなわち、輸血による病原体免疫反応情報の移転を最小限化または防止するために白血球除去を行う。かくして、本開示の好ましい具体例によれば、260と310nmとの間、通常270と308nmとの間の波長、および好ましくは282、290または308nmの波長の単色光で血液系を処理する。好ましい血液系は、所望する割合の白血球除去をもたらす20mW/cmを超える強度にて処理する。所望するUV−B波長を有する実質的単色光のエネルギーは、典型的に、非レーザ光源から発生され、それによって、本開示の処理方式により所望されるやり方でエネルギーレベルを加減する。
【0042】
本開示は、所定の波長の非レーザ光源により発光された単色光が光泳動処理方式において付加物とともに相乗効果を示すことをさらに意図する。かくして、単色光を体外光泳動、AID治療、ガン治療(例えば、皮膚T細胞リンパ腫(CTCL))、狼そう治療その他の疾患治療および/または免疫系の調節を必要とする病気に対する治療方針と一緒に用いることが意図される。
【0043】
さらに、所定の波長および強度の単色光を用いるシステムで移植片対宿主病(GVHD)を治療することを意図する。T細胞を最適に不活性化しつつ、他の基質および成分を保存して、移植成功の見込みを促進するGVHD治療方針を達成することができる。特に、幹細胞移植で、最適光エネルギーでの光活性化はTリンパの不活性化を最大限にし、造血幹細胞の損傷を最小限にすると信じられている([Azuma et al., in Blood Vol. 96(7) p.2632 (2000)]を参照せよ)。
【0044】
かくして、例えば、上記疾患および/または病気の治療に効力を有する光活性化合物および/または薬剤を要件とする治療方針は、250と400nmとの間、好ましくは259ないし310nmの間の不連続な波長にて「単色」の出力を生じる単色光、特に非レーザ光源から発光される単色光で活性化されたとき、有利な治療結果を発揮すると信じられている。
【0045】
実質的単色光を用いるさらなる処理方式も本開示により意図され、身体照射技術および様々な医療および健康関連液体の処理を含む。かくして、本開示の好ましい具体例において、身体の1ヵ所以上の部分、例えば、四肢や手足などの照射に適合する単色光伝達システムを提供する。
有利には、この光伝達システムは、囲まれたチャンバー内部への身体の部分の導入を許容し、および/または治療すべき身体領域に容易に、かつ、確実に隣接して配置されるパドル光源(paddle light sources)を含み、および/または全身照射用のより速く、より快適なシステムを提供する
することができる。所望の波長および強度の単色光での標的身体領域への照射により、その表面層の光活性化が所望する結果をもって達成することができる。フィルターを用いて光源出力のサブセットを選択することによって単色出力を発生するか、またはリン光物質を用いて光源出力を他の波長に変換するか、または光源の赤外(熱)をファイバーオプティクスを用いて標的から隔離するシステムはサイズまたは強度において限界があることを特筆する。
【0046】
本開示は、所定の波長および強度の単色光を用いて、液体、例えば、生理食塩水、腹腔内液体、ワクチン、水薬、注射液体その他の殺菌可能な液体を有利に、かつ、確実に殺菌することができることも意図する。特に好ましい具体例において、水剤をかなり薄いフィルムに加工し、260nmと310nmとの間の波長にて非レーザ光源により発光される実質的単色光に暴露して、有利な均一な投与を達成する。あるいは、濃密な流れを計画的な乱流で加工して、投与における所望の均一性を達成することができる。かくして、一定の範囲の液体については、ここに開示される処理システムによって殺菌結果の向上を達成することができる。
【0047】
本開示は、所定の波長および強度にて非レーザ光源によって発光された単色光を用いて化学合成および/または化学プロセシングを開始/促進することができることをさらに意図する。かくして、特定のプロセス工程に関連する活性化エネルギーおよび/または特別の化学プロセスに関連するキネティックパラメータを当該単色光によって供給し、それによって、潜在的に収率を増加させ、プロセス速度を加速する。例えば、本質的に生物学的なプロセス、例えば、化学プロセスに影響する生体器官の活性化/不活性化、または、本開示により供給される単色光源によって、例えば、特異的活性部位および/または官能基の励起に依存する本質的に化学的なプロセスを促進および/または増進する。
【0048】
全ての場合、不透明液体において線量決定は容易ではない。しばしば、以前の開示は表面線量を液体体積に伝達した線量と取り違えてきた。ここに開示される大面積源は、光源形状の変化/修正により線量を有利に制御できるようにする。典型的なシステムは、他のものの適当な線量供給を保証するために、ある程度の量の厳しい過剰線量供給が必要である。しかしながら、本開示の処理システムは、複雑、不透明液体体積をより均一に処理する手段を提供する。さらなる分析は、吸収を最小にし、散乱を最大にする波長を同定し、これは、当該液体内にピークのある強度プロファイルを生じる。それゆえ、液体の濃さはより均一な線量供給を可能とするように計画し得る。いくつかの場合、光散乱の使用は、片面励起ではなく両面励起と同様の線量分布を達成する。
【0049】
要約すれば、所定の波長、形状および強度の特徴を有する実質的単色光を使用して、本開示により、広範囲にわたるアプリケーション、システムおよび技術において、著しい利益を達成および/または生じる。この単色光の波長、強度および伝達特性の制御により、複数の液体アプリケーションにおいて、高度な特異性で、経済的に望ましい様式で有利な結果を達成する。このように所定の波長の単色光を有利に使用する一連のアプリケーションおよび技術を説明してきたが、今や、単色光を発生し、これを本開示による処理液体に伝達する好ましいシステムに注目が移っている。
【0050】
図1および2に、本開示による高価/複雑液体を有利に処理するための処理装置100を描写する。処理装置100は、本開示による実質的単色光を発光する有利な光源を受領するようにデザインし、寸法を合わせ、その外部に配置された高価/複雑液体、例えば、血液製剤をバッチ式または半バッチ式処理方式にて処理するようにデザインする。処理装置100は、以下の考察から明らかになるように、単に本開示による好ましい処理装置の代表例である。
【0051】
処理装置100は、ハウジング102、ハウジング102の第1の末端に隣接するインレットポート106、およびハウジング102の反対の末端に隣接するアウトレットポート104を含む。ハウジング102は、実質的に矩形断面を定める外側壁103を有する。エンドフランジ107a,107bは両末端に設けられ、各エンドフランジ107a,107bは開口110の境界を決める実質的な環状表面109を定める。典型的に、フランジ107a,107bは外側壁103にハンダ付けされて、液密体積105(下記するように、光源が挿入されている)を定め、それがインレットポートとアウトレットポートとの間で液体接続している。
【0052】
有利には、外側壁103およびエンドフランジ107a,107bの内側表面を反射性材料、例えばアルミニウムから作製するか、またはそれで表面処理することができる。そのような反射性は、下記のように、装置100によって処理すべき高価/複雑液体に紫外線照射を向けることを支援する。外側壁103およびエンドフランジ107a,107bは、体積105内部の液圧および液体流動に耐えるのに十分な強度を有するかなり剛直な材料から作製することができる。アルミニウムが外側壁103およびエンドフランジ107a,107bを作製するのに使用する好ましい材料であるが、他の材料も意図される。
【0053】
本開示の好ましい具体例において、ハウジング102は体積105内部に配置される光源のアースとして機能する。そのような場合、ハウジング102の外側壁103は必然的に導電性材料、例えば、アルミニウムで作製され、当該技術分野で知られているように、電気的接地される。本開示による好ましいシステムの有利な操作に対する接地特性の重要性は、下記する光源の考察からより簡単に明かになるであろう。
【0054】
インレットおよびアウトレットポート106,104は、有利には、冷却液、好ましくは、紫外線照射に対して実質的に透明な冷却液の供給源(図示せず)と連絡する。例えば、インレットポート106は、有利にか体積105内を流れ、アウトレットポート104を通ってハウジング102から出ていく冷却水の供給源に連結することができる。下記により詳細に説明するように、有利には、冷却水をハウジング102に再循環させ、および/または(体積105を通過させる前か後のいずれかに)光源を通過させることができる。体積105内部の冷却液の流速は従来の手段、例えば、弁、使用可能な水圧および/またはポンプ設定により制御する。
【0055】
石英プレート108をハウジング102の一つの面の中央に搭載用フランジ112によって搭載して、その外部に配置される高価/複雑液体にまで、環状通路110内に配置される光源(図1および2には図示せず)からの光エネルギーが通過することを容易にする。有利には、石英プレート108は3つの別個の石英パネル108a,108b,108cにより定められ、石英プレート108に隣接して配置される高価/複雑液体の処理のため、ハウジング102からの所望のレベルの光エネルギー透過を与える。有利には、石英パネル108a,108b,108cを互いに隔てるクロスビーム112aは、下記のように、ハウジング102内部に配置される光源に対してさらなる接地を与える。石英パネル108a,108b,108cの外部表面は処理表面を定め、その上でまたはそれと実質的に並行して、高価/複雑液体を本開示により処理することができる。この高価/複雑液体を石英プレート108に直接接触させて置くことによって、冷却液を含有する体積105および石英パネル108a,108b,108cを通って伝達される単色光の最小限の反射のみ許される。
【0056】
特筆すべきことに、高価/複雑液体、例えば、血液製剤は、紫外線に対して高度に透明な保存容器またはコンテナー、例えば、処理バッグ内で、例えば、当該技術分野で知られているポリ(酢酸エチルビニル)製のフレキシブルバッグ内で石英パネル108a,108b,108cの外部表面に配置することができる。好ましくは、この保存容器/コンテナーは浸透性の材料製ではない。有利には、保存容器/コンテナー内の高価/複雑液体を実質的に平らにして、本開示により処理すべき液体の深さまたは厚さを比較的均一に定める。この複雑液体は、所望すれば、照射処理中に適当な機械的手段で混合することができる。[Transfusion Medicine 7(1) 1 (1993)]および[Transfusion 30 p 678 (1990)]。
【0057】
本開示の好ましい処理システムによれば、石英パネル108a,108b,108cに隣接してまたは並行して配置される高価/複雑液体の処理のため非レーザ光源をフランジ107a,107bの開口110を通して導入する。
【0058】
図3に、代表的な非レーザ光源200の断面を概略的に描写する。光源200は実質的に筒形状であり、有利には、ハウジング102の開口110に導入するように構成され、寸法が合わされる。光源200は、有利には環状表面109に支えられ、これによって、光源200はハウジング102内で中心に置かれ、液密体積105を定める。光源をハウジング102から出し入れできることは多くの観点から明らかに有利であり、必要に応じて光源を修理する能力の向上、および、例えば、様々な波長の実質的単色光のエネルギーを発生させるためにハウジング102内部で代わりの光源を用いることができるような柔軟性の増大を含む。あるいは、光源は、ハウジング102と一体化するように、すなわち、ハウジングに対して取り外しできないように結合することができる。そのような場合、光源内部に含有されるフォトン発生ガスが交換可能/置換可能であることを意図する。かくして、いずれの場合も、装置100は、様々な波長の光エネルギーで高価/複雑液体を処理できるような顕著な汎用性を与える。
【0059】
単色光源200は外側壁202および内側壁204を含み、それらは協同して環帯206を定める。延在コンダクター208は光源200の長さ分伸展し、好ましくは光源の筒形状の中心軸に沿う。実質的な筒状領域210は内側壁204と延在コンダクター208との間に定められる。有利には、筒状領域210は、例えば冷却水のような冷却液の出入り用のインレットおよびアウトレットポートと連絡する。エンドフランジが、環帯206および筒状領域210に対する液密シールを定めるように備えられる。かくして、単色光源200は、通常、3つの延在する同心円状エレメント:延在コンダクター208、筒状領域210および環帯206を含む。
【0060】
本開示によれば、発光、すなわちフォトン発生ガス源は環帯206の有限体積内部に含有される。好ましい発光/フォトン発生ガス源は、当該技術分野で知られている「エキシマー」である。誘電体バリア放電により駆動されるエキシマー源(「励起二量体」ともいう)は本開示による液体処理方式の独特で有利な一組の可能性:環境温度での操作、個別調整可能な単色出力、可変発光面積、およびランプあたりの高い殺菌性UV出力を与える。誘電体バリア放電技術は環境温度にて活発な分子種を生成する能力で知られ、オゾン発生にも用いられる。印加可能な電圧、周波数および電流は当業者に知られている。この励起源は、ここに開示される有利な形状的/構造的配置に基づき、高出力エキシマーランプであっても、処理すべき液体と同一の温度にて作動することを可能とする。ここに記載するように、エキシマー源は種々の有利な形状に構築することもできる。発光電気放電は、単一の大きなアークとしてではなく、大きな面積に分布する多数の短いアークとして発生するので、エキシマーは大面積発光体として特によく適している。同様に、発光放電はランプのサイズや形に依存しないので、エキシマーを用いて、普通とは違う有用な形をした表面発光体を作製し得る。
【0061】
単色光源200はその表面領域全体にわたって均一に発光し、特に個々に開示されたシステムデザインに基づいて、低い温度にて操作するようにデザインする。光源200の実質的単色出力を調整して、例えば、病原体不活性化、白血球除去等に対する光エネルギーの有効性を最大限にするプロセス作用スペクトル内に高いスペクトル輻射照度(ワット/nm)を生じさせ得る。エキシマー源は、出力の90%が10nmバンド、好ましくは5nmバンドの幅に存在する光出力を有利に生じる。用いる稀ガスおよび/またはハロゲンガスを変更することによってVUV、UV−A、UV−BおよびUV−Cの波長域にわたり、光出力を個別に調整することができる。効率は、実例として1ワット未満から10kWを超えるまでの入力電力で、ガス混合および形状により10%ないし30%以上の効率まで変化する。
【0062】
本開示により、ほとんどの液体を最適にプロセスするには、所望の効果を奏するためのその液体の波長特異的吸収特性、重要な液体機能の保存および/または光伝達効率のため、単色発光を必要とすることが分った。照射器の発光面が温度制御され、かつ、標的に接触している照射デバイスが非常に望ましい。このように、このユニットは効率的に光を伝達し、試料の温度を制御する。熱エネルギーは赤外放射なので、これは単色発光としても検分し得る。高散乱係数を持つ液体の処理につき、システムパラメータを最適化して、後方散乱光により生じる表面下強度ピークを制御する。このピークは、適合した屈折率を持つ液体に光を伝達するとき、最もよく発生する。これを理想的に行うために、ランプと標的液体との間に空隙をなくす ― すなわち、液体をランプ表面に接触させるべきである。理想的な配置において、後方散乱フォトンは高強度の別個の領域を生じる。実質的には各フォトンを数回用いて必要な光源のサイズおよび電力を最小限にする。
【0063】
短波長は血液成分を損傷すると理解されている。長波長が、殺菌プロセスにおける不活性化された生物の回復、化学添加物を用いたときの意図しない副生成物の生成、および全ての場合において赤外発光による加熱をもたらし得ることは余り理解されていない。
【0064】
通常、より高い強度源はより速いプロセシング時間をもたらす。しかしながら、レーザやフラッシュランプのように非常に強い光源は、表面喪失および「二光子励起」も生じ得る。したがって、線量および/または吸収された光子数に依存するプロセスであるとここで定義される全ての一次プロセスに関して、ここに開示される連続使用光源は、最適線量率を与えつつ、高い強度のための望まない効果を最小限にする。したがって、プロセス時間を加速するので、高い平均出力が好ましい。
【0065】
本開示によれば、エキシマー光源を備えて、用いるエキシマーガスに基づいて様々な波長を伝達することができる。好ましいエキシマー光源/ガスを表1にまとめる。
【0066】
【表1】
Figure 2004528882
【0067】
図4に関して、典型的には、開口110を通して光源200を滑り込ませて、装置100内に光源200を配置する。典型的に、冷却液、例えば、従来の供給源から冷却水を筒状領域210に供給する。特筆すべきは、装置100および光源200に順次に、冷却液を供給することができる。そのような冷却液を先ず装置100または光源200に供給し、次いで、各液密領域内を順流または逆流させることができる。処理液体250は容器252、例えば、血液バッグまたはチューブに閉じ込められ、フランジ113の石英パネル108a,108b,108cに隣接して、または並行に、すなわちハウジング102に対して外部に配置する。本開示の好ましい具体例において、処理液体は血液製剤、医薬品、注射用溶液またはワクチンである。
【0068】
延在コンダクター208に交流電圧を供給し、ハウジング102をシステム全体のアースとすることによって、光源200を作動させて単色光エネルギーを伝達する。延在コンダクター208に供給される電圧は、典型的には、100ないし10,000ボルトの範囲内である。延在コンダクター208内の高電圧および接地されたハウジング102の間の静電結合が、有限体積の環帯206内に含有されるフォトン発生エキシマーガスを励起する。環帯206内に含有されるエキシマーガスを基礎として、環帯206から、すなわち、外側壁202および内側壁204の実質的に全表面から、実質的に均一な波長の実質的単色光を発光し、伝達する。有利には、体積105内に含有される冷却液および石英プレート108を通って、この単色光エネルギーが伝達され、石英パネル108に隣接して、またはそれに並行して配置される容器252内の処理液体250を処理する。内部が反射性のハウジング102は、もしあれば、処理液体250の処理のために石英プレート108を通って伝達される単色光の量を最大限にするのに貢献する。さらに、リフレクターを追加して石英プレート108を通る光束を増加させることができる。
【0069】
本開示の好ましい具体例において、光源200は、上記の表1に記載されたものから選択されるエキシマーガスを含有する。処理液体250は、有利には、血液製剤、医薬品、注射用溶液およびワクチンの中から選択されるが、上記のごとく、本開示により他の液体を処理することができることをさらに意図する。石英108に隣接してまたはそれに並行して配置される処理液体は、光活性な化合物および/または材料、例えば、ソラレン等を含有することができ、それらは、光源200により伝達される単色光によって活性化されるか、またはさもなければ作用される。
【0070】
好ましい処理パラメータは、処理される液体の特徴、所望する処理結果、および光源200により伝達される単色光の波長に依存して変化する。しかしながら、全般的に、本開示による液体処理は250と400nmとの間の波長;病原体不活性化には、好ましくは260と350nmとの間の波長;および化学物質励起には、好ましくは220と350nmとの間の波長を有する単色光の伝達を要件とすることが意図される。典型的には、単色光処理は、強度2ないし50mW/cmおよび処理時間5秒間ないし15分間として、0.1ないし10J/cmの表面線量を必要とする。
【0071】
いくつかの独特の利点は、ここに記載された液体処理方式から明らかである。処理中の望ましくない加熱に対する処理液体の感受性を考慮すると、体積105内の冷却液による処理液体の有利な連続冷却は、本開示による単色光での処理中の処理液体への有害な影響を防止する。冷却するだけではなく、体積105内を流れる「冷却液」を用いて、処理システムの必要に応じて所望されるいかなる温度レベルにも処理液体の温度を制御することができる。かくして、「冷却液」を用いて、開示されたシステムのユーザが所望するように、処理液体の温度を上昇させ、および/または適度にすることができる。さらに、有利には、筒状領域210内を流れる冷却液が光源200の十分なる冷却を容易にする。
【0072】
かくして、エキシマー光源が液密冷却液体積内に配置される本開示による単色光発光システムの独特の局面は、処理液体とそれに密接する実質的ヒートシンクとの間の直接熱交換による処理液体の確実かつ有効な冷却(または温度適正化/制御)を可能とする。実際に、本開示によれば、処理方式の存続時間中処理液体内で、無視し得る熱利得および/または温度変化を保証する。広範囲な波長での水の透過性がこの設計の作動を可能にする。
【0073】
さらに、有利には、本開示の処理液体に伝達される所望するUV波長領域の単色光エネルギーを発生し、実質的表面を通して透過させ、有利には、有利にはその形状が処理液体の表面領域形状に一致するかまたは対応するする。かくして、「点」または「直線」源から発光する従来の高強度の電球および/または延在蛍光発光装置とは異なり、開示した処理システムは表面から単色光を有利に発光する。この形状の発光面は、液密エンクロージャー/ハウジングに直接結合させる。例えば、それに搭載する。図1〜4に開示された具体例において、発光面形状は石英パネル108によって定められ、実質的に平面である。処理液体250の処理面の形状は、実質的に当該平面発光面に一致または対応する。すなわち、処理面形状も実質的に平面である。発光面形状と液体処理面形状との間の有利な関係は処理液体への確実かつ有効なエネルギー伝達ということになる。
【0074】
かくして、本開示によれば、液体または表面処理用の光源は有利に備え付けられ、光源発光の表面領域形状は処理すべき液体および/または液体コンテナーの表面領域形状に一致/対応する。大きな領域にわたって均一に発光する表面発光源を標的に近接させて ― 非常に小さな接触面、高強度、および均一照射場を与える。図1〜4に描写する平面配置は処理液体に対して有効にエネルギーを伝達するが、液体コンテナーはチューブであってよく、その場合、光源は内側に発光する環帯であることが意図される。コンテナーは薄いシートであってもよく、その場合光源は平面である。コンテナーはバッグであってよく、その場合光源は中空体であってよく、(鋳型のように)バッグの形状に近く、内側に発光する。コンテナーは環帯であってもよく、その場合、光源は外側に発光する筒状であるか、または内側に発光する(大径の)環帯であってよい。全ての場合、光源の表面領域は液体コンテナーに適合するように加工され、処理体積に対してより均一な線量分布を与える。光力学療法(PDT)に関し、全身照射またはスキントリートメントのために、処理液体用の「容器」、すなわちコンテナーの概念を人体または人体の四肢が入るものに拡張し得る。それゆえ、点源または線源ではなくて、ここに開示する表面発光体である光源は、ここに開示するように、高価/複雑液体の処理に顕著な利点を与える。
【0075】
本開示による好ましいシステムを図1〜4の具体例を参照してある程度詳細に説明してきたが、実質的単色光を伝達するためのある範囲の代替的な構造および形状配置が意図される。例えば、図5および図6に概略的に示されるように、装置300を用いて、光源350から単色光を発光し、伝達することができる。光源350は環帯360を含み、その内部にエキシマーガスが含有される。交流電圧を環帯360の内壁365に隣接して配置される導電性スクリーン370に供給し、光源350を有利に取り囲むことができるハウジング(図示せず)は、典型的に、光源に対してアースとして機能する。ハウジング350は光エネルギーを内側に向けるリフレクターとしても機能する。液密環帯330をエキシマーガス含有環帯360の内部に備える。冷却液は典型的に液密環帯内部を流れ、例えば、冷却水または空気である。装置300によって処理すべき処理液体380は、典型的に、中央管状領域390を流れる。管状領域390は装置300の構成部品であるか、または、例えば、血液を個人から採取するか、もしくは輸血する際に装置300の中心軸に沿って導入されおよび/または貫通するチューブによって定めることができる。有利には、チューブはテフロン等から加工することができる。
【0076】
このデバイスの変形は、ガス混合物に電力を与える容量性媒体として処理液体を用いる。これはスクリーンの必要を排除する(代表例として図3を参照せよ)。
装置300によって処理すべき液体は、血液製剤、医薬品、注射用溶液、ワクチンその他の液体系の中から選択することができる。冷却環帯330内の冷却液は、管状領域390を通過する処理液体380の即冷(または温度の制御/適正化)を有利に与え、それによって、望ましくない温度変化が処理液体380に損傷も悪影響も与えないことを保証する。さらに、単色光を発光し、実質的表面領域、すなわち、内側壁365の表面領域全面から処理液体380に向けて内側に伝達する。その全面から単色光が処理液体380に伝達される発光面領域形状は、処理液体380が中央管状領域390を通るときその処理表面形状、すなわち、環帯表面形状に一致または対応する。このシステムデザイン(図5および6)は、液体の取扱いを最小限にすべきであって、供血者からの液体を受血者に対する貯蔵へと輸送するために既にチューブが使用されているとき、輸血された血液製剤に対して特に利点を有する。
【0077】
図7に、本開示によるさらなる代替の処理システムの側断面を図示する。装置700はフォトン放出エキシマー光源702a,702bの対称的な対を含み、各々は、内側壁704および外側壁706により定められるハウジング内に収められる。装置700の外部壁708はアース710aおよび710bにて接地されている。スクリーン712は内側壁704の内部ではなく、隣接して備えられている。処理液体720は容器722に含有される。液密領域724は容器722を光源702a,702bの内側壁704から隔離する。冷却液および/またはガスは一般に領域724に入れられる。冷却液/ガスを実質的に領域724内に含有させるか、またはそこを流して、所望レベルの温度制御/適正化を行う。このデザインは体外光泳動システムまたはフロースルー病原体不活性プロセスに特に適用可能である。
【0078】
使用において、交流電圧をスクリーン712にかける。スクリーン712とアース710との間に生じた電圧が光源702a,702b内に含有されるエキシマーガスを励起する。交流電圧をアース710aと710bとの間に印加して単一の電源から光源702a,702bを両方とも励起することができる。単色光を発光し、内側壁704、液密領域724内に含有される冷却液/ガス、および容器722を通して伝達して、その中に含有される処理液体720を処理する。発光表面形状は、処理形状に一致/対応している。すなわち、どちらも平面である。さらに、領域724内の冷却液/ガスにより、処理方式の間中、処理液体720は有利に温度制御/適正化される。特記すべきは、装置700は比較的大規模なものであってよく、発光パドルとしてまたは、全身および/もしくは四肢の単色光治療に使用するためのエンクロージャー用の照射壁として作動するであろう。このデバイスの別の図を図11aおよび11bに示す。これらの図に示されるように、処理すべき液体はフロー矢印「F」によって認識される経路に沿って実行される。ガスは領域920内に含有され、電源930が電極910に電気的接続されている。交流電圧を電極910にかける。標的フローのためのこのデバイスについて、これも図10に示されているアルゴリズムを用いて、特別な設計点(強度、総出力、面積等)を決定することができる。
【0079】
図8に、本開示による装置800を概略的に図示する。装置800は、単色光を発生および放出するためのエキシマーガスを含有する実質的楕円環帯802を含む。実質的楕円高電圧スクリーン804を環帯802の内側であって液密領域806の内部に配置する。装置800の中央であって、実質的楕円外側形状を定めるコンテナ810の内側に、処理液体808を配置する。コンテナ810は血液バッグ等であってよい。装置800の外側ハウジングをアースして(図示せず)、高電圧をスクリーン804にかけることによって環帯802内のエキシマーガスを励起できるようにする。有利には、液密領域806は、処理中に処理液体808の温度を制御/適正化する冷却液/ガスを含有する。有利には、発光面領域形状(実質的に楕円)はコンテナ810により定められる処理表面(実質的に楕円)に一致させる。
【0080】
前記説明から容易に明らかとなるように、楕円デザインは、本開示により意図される非対称形状デザインの単なる代表例である。しかしながら、そのような楕円デザインは本開示を制限するものとみなされるべきではなく、他の非対称形状デザインが意図され、種々の処理方式に潜在的な利点を与える。
【0081】
血液製剤を処理することにおいて、ほとんどの処理液体でのときと同様に、光源は、確実かつ経済的に作動するようにデザインしなければならない、血液製剤は不透明であり、すなわち、わずかな距離でも光を吸収し散乱する。血液は温度制御および穏やかな機械的取扱いを必要とするデリケートな液体でもある。血液バッグは、十分な照射のためではなく、血液製剤を安全かつ安定に保存するため、最適に取扱うため、および可能性のある汚染を最小限にするように最適化する。血液バッグその他の血液コンテナに関連する固有の制限に基づき、血液製剤を最初に保存バッグに入れる前またはそこから出すときに血液製剤を処理することが非常に望まれる。換言すれば、流れる血液のリアルタイム処理を包含する血液製剤用の照射システムを提供することが望まれる。
【0082】
流れる血液のリアルタイム処理を提供する本開示の好ましい具体例は、例えば、図5および6の装置300を用いてチューブ内を流れる血液に、例えば、図7に示すようにシートまたは平面を流れる血液に標的線量を与える光源または同様のシステムデザインを用いる。いくつかのデザインポイントを用いて本開示の好ましいシステムを最適化する。まずは、いずれの不透明液体でも起るように、液体が光を吸収(および散乱)するので、わずかな距離で光強度が大きく変化する。普通、均一に線量を伝達するには薄膜が必要である。最適化された発光面の使用は、薄膜の処理を複雑にする線量分布を最小限にする筒状流を処理することにおいて、吸収の影響の均衡をとり、集光することを含む利点を有する。
【0083】
光強度はベールの法則に則り、吸収の関数で離れるほど低下し、線量は強度に依存する。したがって、線量は液体サンプルの厚みに依存する。ある種の標的材料を過剰に暴露するには、その標的の別の部分を適宜照射することが必要であろう。乱流は血液製剤を損傷し得るので混合することは通常制限される。したがって、より均一に線量を伝達しようとして薄膜が用いられてきた。これが最適ではないであろう。ある液体に対してある波長にて後方散乱光が最大限になるように、光学系をデザインし得る。特定の実施例は、308nmの光および光伝播が散乱に支配される血小板製剤または血漿製剤とを使用する。形状的な問題に加えて、線量は時間に依存する。流れを最適化して線量範囲を最小限にする。血液製剤でこれを達成するのは簡単ではない。
【0084】
この点ならびに図5および6に図示される装置300に関して、中央管状領域390は処理液体を直接受容するか、または別の具体例において、中央管状領域390はその中を貫通するチューブまたはパイプを受容することができることは特筆すべきである。かくして、例えば、供血および/または輸血システムにおいて患者の身体へまたは身体からつながるチューブを管状領域390を貫通させることができ、それによって、リアルタイムで、すなわち、供血の過程において、および/または受血者への輸血の過程において、光源350からの単色光で血流を処理することを可能にする。当該血流は、冷却環帯330を通過する冷却液から即座かつ連続的に冷却される。
【0085】
図5および6の装置300において、(エキシマーガスを含有する)環帯360が管状領域390を取巻く限り、光源350は、全方向から同時に管状領域390内の処理液体に単色光を有利に伝達する。かくして、構造的および形状的配列は、光エネルギーを環状光透過面から内側に透過させることによって処理液体に対する光強度分布を最適化する。環状領域309を通る処理液体の流れも実質的に乱流ではなく、それによって、そこを流れる処理液体への可能性のある損害を最小限にする。図11と同様のスクリーンなしデバイスを用い得ることも意図しており、そこでは、処理液体を通じて電力を結合する。このデバイスは、図7および8に例示したように非筒状の構成または図11に図示するように平面であり得る。
【0086】
かくして、移送チューブは有利な形状可能性を与える。なぜならば、光透過は複数の方向から同時に処理液体に届くからである。全ての側から照射されるチューブはほぼ最適の均一線量分布を有し得る。提唱する光源はチューブの全表面領域に均一な強度を伝達する。光は、チューブの中心に移動するうちに吸収されるが、この効果は光束が通過すべき有効面積を小さくすることによって対処できる。総合的な最適化は、液体光学密度の吸収および散乱成分の両方を考慮し、管径の調節のみを必要とし、それは十分に当業者の技術範囲内である。
【0087】
図5〜8に開示した内側照射システムのみならず、液体流がエキシマーガスを取囲む環帯を通ることを意図する。この代替の具体例において、単色光は処理液体を通して外側および内側の両方に放射し、上記開示した装置300の多くの利益、例えば、リアルタイム処理、確実な冷却等がある。特筆すべきは、本開示の装置300および他のフローデザインにおいて、処理液体を(全部または一部)リサイクルし、および/または、所望する処理結果を達成するのに必要であれば、さらなるプロセシングのために直列されたさらなる処理装置に供給することができる。実際に、一連の処理装置を直列に配置して、複数の光源で各処理装置に異なる強度および/または波長の光エネルギーを与え、それによって処理方式を様々な病原体等を標的するのに拡張することができることを意図する。
【0088】
かくして、本開示の処理装置は付随する図面に示された代表的デザインに限定されず、様々な幾何学的形態および構造配置を採用することができ、それはここに示された詳細な説明を基にして当業者にとって明らかになるであろう。処理液体に望ましくない加熱を与えることなく所望の結果を達成するのに必要な時間および程度で所望の単色光で処理液体を照射するのであれば、代替の処理装置をこのように使用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0089】
本開示の処理システムの有利なアプリケーションをさらに例示するため、本開示のある特定の局面を例示するいくつかの実施例を示す。しかしながら、これらの実施例は単にアプリケーション、技術、系、方法および開示された技術を用いる装置の代表例であるにすぎず、それらを限定するものではないと理解すべきである。本開示の精神および範囲にある開示した技術の多くの変形および代替的アプリケーションが意図され、ここに示される詳細な説明および以下の実施例から当業者にとって明らかになるであろう。
【実施例】
【0090】
実施例1
図1〜4に図示するように、装置100を用い、光活性化プロセスを用いて血液製剤のプロセシングを刺激するための光源200はその中に配置した。XeBrをエキシマーガスとして選択した。ウィンドウガラスを用いて出力をフィルター透過して、282nm光を除去し、320nmを中心とする発光のみを通した。従来の血液バッグ内に含有された血液製剤を石英プレート108の上に配置し、XeBrエキシマー光源からの単色光で照射した。処理装置内に冷却液を流して、血液サンプルを一定温度に維持し、それに対するいかなる有害な影響をも防止する。血小板製剤を24℃に維持し、その温度にてシステムに冷却液を供給し、血小板製剤バッグを石英プレートの比較的大きな表面積に密着させた。
【0091】
図1〜4の装置を用いたXeBrエキシマー源での照射に基づくと、4J/cm超で暴露して、血小板数の変化(照射直後または24時間後)、CD62、モルホロジースコア、LDH、pH、PO2、PCO2または炭酸水素塩、浸透性回復を測定したところ、血小板製剤への臨床学的な顕著な影響は観察されなかった。同様に、>4J/cmの血漿製剤照射について、PT<PTT、フィブロゲンまたは第VIII因子に対して影響は示されなかった。赤血球製剤に関して、測定には、赤血球容積比LDFH、2,3−D−P−G、%溶血その他が含まれていた。4J/cm超の表面線量では変化は観察されなかった。
【0092】
これらの試験結果に基づくと、表2および3ならびに図12および13に示すように、開示されたシステムは、悪影響を生じることなく血液製剤サンプルを処理するのに有効であるという結論であった。
【0093】
実施例2
これらの実験的研究は、治療不応性ウイルス性汚染物質を本開示の処理システムを用いて本物の血液製剤において282nm光を用いて不活性化し得ることを示すように企画された。このシステムをブタパルボウイルス(PPV)を不活性化する能力について評価した。PPV(NADL−2株)は18〜26nmであり、非エンベロープDNA−含有パピローマウイルスであり、それは物理化学的試薬に対して高度な抵抗性を示す。細胞洗浄技術を用いてそれを処理しない。なぜならばエンベロープがないからである。ソラレンおよびリボフラビンを用いたPPVの不活性化は不充分である。なぜならば、小さなゲノムサイズのウイルスはより大きな線量の活性化化合物またはより長い照射時間を必要とするからである。
【0094】
この研究で用いたウイルスの生産ロットの強度(力価)はSTインジケータ細胞を用いるプラークアッセイにより決定した。GLPラボスタンダードを維持した。この実施例で用いたPPV母液は、PPVに特異的なポリクローナル抗血清で試験したとき認定は陽性であり、潜在的なウシ(BAV、BPI3、BPV、BVDV,IBR、およびREO−3)およびブタ(PAVおよびTGE)ウイルス性汚染物質はなかった。
【0095】
血液成分は希釈せず、血液バンクに保存されたまま処理した。用いた体積(30ないし150ml)およびバッグのサイズは標準保存バッグの血液製剤の厚みを模倣した。ウイルス力価を>0.5 log10変化させたサンプルは妨害すると考えられた。サンプルが顕著な妨害レベルを示したら、続行する前に結果を見直した。PFU/mLとして測定されたPPV力価は、チャート#5に示すように、新鮮な凍結した血漿製剤および血小板製剤の両方に関して>5 log減少した。
【0096】
新鮮凍結血漿製剤
3単位の新鮮凍結血漿製剤(FFP、約300mL/単位)をプールした。次いで、プールした混合物に1%のPPV母液を添加した(正確な体積は添加時に記録した)。次いで、添加出発物質を3個の100mLサンプルと10個の50mLサンプルに分割した。
【0097】
添加出発物質の6mLサンプルを100mLアリコートの一つから抜き取り、(必要であれば)pH6.5〜7.5に調節し、次いで、複数のアリコートに分割した。一つのアリコートを直ぐに試験し、残りのアリコートを急速凍結して、−70℃以下でバックアップとして保存した。次いで、残りの添加サンプルを図1〜4の装置中282nm単色光で処理した。
【0098】
処理後、6mLアリコートを処理サンプルの各々から抜き取り、(必要であれば)pH6.5〜7.5に調節し、次いで、複数のアリコートに分割した。一つのアリコートを直ぐに試験し、残りのアリコートを急速凍結して、−70℃以下でバックアップとして保存した。
【0099】
血小板製剤、RPC
6単位の任意濃厚血小板製剤(RPC、約65mL/単位)をプールした。次いで、プールした混合物に1%のPPV母液を添加した(正確な体積は添加時に記録した)。次いで、添加物質を3個の60mLサンプルと7個の20mLサンプルに分割した。添加出発物質の6mLサンプルを60mLアリコートの一つから抜き取り、(必要であれば)pH6.5〜7.5に調節し、次いで、複数のアリコートに分割した。一つのアリコートを直ぐに試験し、残りのアリコートを急速凍結して、−70℃以下でバックアップとして保存した。残りの54mLのサンプルをプロセスの間周囲温度に維持した。インキュベーション後、6mLアリコートを抜き取り、(必要であれば)pH6.5〜7.5に調節し、次いで、複数のアリコートに分割した。一つのアリコートを直ぐに試験し、残りのアリコートを急速凍結して、−70℃以下でバックアップとして保存した。次いで、残りの添加サンプルを図1〜4の装置中282nm単色光で処理した。
【0100】
処理後、6mLアリコートを処理サンプルの各々から抜き取り、(必要であれば)pH6.5〜7.5に調節し、次いで、複数のアリコートに分割した。一つのアリコートを直ぐに試験し、残りのアリコートを急速凍結して、−70℃以下でバックアップとして保存した。
【0101】
結果
血小板製剤および血漿製剤の両方につき、PPVは検出できないレベルにまで減少した。示された最大の対数除去(log removal)は、定量できた検出限界のものである。特別のウェルを最高線量測定用に設定したが、ウイルスは検出されなかった。
試験結果を以下の表に示す。
【0102】
【表2】
Figure 2004528882
【0103】
【表3】
Figure 2004528882
【0104】
前記試験結果に基づくと、本開示の処理システムにおいて伝達される波長282nmの実質的単色光は、血漿製剤および血小板製剤の両方でブタパルボウイルスに対して有効であることが明らかである。
【0105】
実施例3
XeBr源により発生するより長波長の光の有効性を確証するために、282nmにての不活性率と260nmにて測定したものとを比較する試験を行った。260nmは殺菌作用スペクトルのピーク付近である。260nmにて比較可能な強度の光を発光するClを用いるエキシマーランプを用いて単色光を発生させた。実験室で培養したコリを用いた。
【0106】
平行ビーム装置を用いて、静置サンプルコンテナーに光を伝達した。従属栄養細菌数計測(HPC)を標準方法塗沫標本法(9215C.)(第19版)に準じて行った。これは50%Difco栄養肉汁培地を希釈液として用いてサンプルを連続的に10倍希釈し、各希釈物の100μlをピペットでプレート上に置き、次いで、サンプルをプラスチック製使い捨てスプレッダーで広げて全サンプルを寒天培地に吸収させることを含む。サンプルを32〜35℃にて(プレートを裏返しにして)インキュベートし、24時間後および48時間後にも従属栄養細菌の定量のために計数し、記録した。(30から300の間のコロニーがある)分析用プレートのみを報告するが、実験ノートには全ての数を記録した。得られた結果は、いくつかの平均であるが、図7のプロットで示す。
【0107】
【化1】
Figure 2004528882
【0108】
実施例4
実施例4は、さらに、波長308nmにてのPPVの除去を示す。表2および3からの282nmにてのデータを含む図12を参照せよ。除去速度は、282nmにての速度よりも著しく速い。この驚くべき結果は、両者の光の殺菌効果を考慮することによって説明できる。UV消毒の標準作用スペクトルおよび密接に関連するDNA吸収曲線を考慮すると、308nm光は260nm光よりも10〜20分の1効果が低く、282nm光よりも約5分の1効果が低い。これは260nmと300nmとの間での血小板製剤および血漿製剤の吸収特性の本質的な変化により影響される数値以上のものである。光学密度は20分の1減少している ― 表3/図12a〜12bにあるデータは、この透過率の増加は殺菌効果の減少を補填する以上のものであることを示している。図13は、308nmにおける血小板製剤および血漿製剤による吸収の減少が著しく損傷を少なくし、ウイルス不活性化を促進することを示している。この驚くべき結果はこの開示の前の部分で論じた散乱の重要性の理解によってさらに支持される。
【0109】
本開示の好ましい具体例および代表的使用/アプリケーションをかく説明したが、特別に開示された形態は単に本開示の範囲の例示であると理解すべきである。特許請求の範囲に定められる本発明の精神および範囲から逸脱することなく、パーツの機能および配列ならびにプロセシングパラメータに種々の変形を施すことができ;等価な手段を記載および/または例示されたものと置換することができ;特徴を他のものと独立して用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0110】
【図1】本開示の具体例による第1の局面の処理装置の斜視図。
【図2】図1に表示された第1の局面の処理装置の線分2−2に沿った断面図。
【図3】本開示の具体例による第2の局面の処理装置の概略断面図。
【図4】本開示の具体例による第1および第2の局面の処理装置を合わせた概略断面図。
【図5】本開示の代替的具体例による処理装置の概略斜視図。
【図6】図5に表示された処理装置の線分6−6に沿った概略断面図。
【図7】本開示のさらなる代替的具体例による処理装置の概略断面図。
【図8】本開示の追加の代替的具体例による処理装置の概略断面図。
【図9】本開示の具体例により得られた実験結果に基づくイー・コリ線量反応を例示するグラフ表示。
【図10a】本開示の処理システム内の液体厚を最大限化するためのアルゴリズムを示す図。
【図10b】本開示の処理システム内の液体厚を最大限化するためのアルゴリズムを示す図。
【図11a】フロースルーアプリケーションによく適した本開示のリアクター/ランプ具体例の側面立面図。
【図11b】図11aに表示されたランプの正面立面図。
【図12a】新鮮凍結血漿製造のサンプルにおける282nmおよび308nmにてのPPV不活性化をまとめるグラフ表示。
【図12b】任意供血者血小板製剤のサンプルにおける282nmおよび308nmにてのPPV不活性化をまとめるグラフ表示。
【図13】282nmおよび308nmにてのプロセシング中に血小板から放出され、細胞損傷の指標として用いられるLDHの量をまとめるグラフ表示。

Claims (40)

  1. 複雑液体(a complex fluid)を処理するシステムであって、
    (a)実質的単色光を発生し、伝達する非レーザ光源;
    (b)発光面であって、非レーザ光源によって発生された単色光の少なくとも一部分がそこを通して伝達されるように、非レーザ光源に対して配置される該発光面;
    (c)発光面に隣接して配置され、温度変化に感応する成分を少なくとも一つ含む複雑液体;および
    (d)複雑液体が感応性成分に損傷を与える温度変化を受けることを防止するのに有効で、発光面と熱的連絡している冷却液を含む該システム。
  2. 複雑液体が光エネルギーに反応する第1および第2の液体成分を含み、ここに、実質的単色光が、第1の液体成分を実質的に維持し、第2の液体成分を実質的に励起するのに有効である請求項1記載のシステム。
  3. 複雑液体が血液製剤、医薬品、注射用溶液およびワクチンよりなる群から選択される請求項1記載のシステム。
  4. 実質的単色光が260nmと310nmとの間の波長を有する請求項1記載のシステム。
  5. 非レーザ光源がXeI、Cl、XeBr、Br、XeCl、フィルター透過XeBr、IおよびXeFよりなる群から選択されるエキシマーガスを含む請求項1記載のシステム。
  6. 発光面が石英、テフロンおよびそれらの組合わせよりなる群から選択される材料から作製される請求項1記載のシステム。
  7. 複雑液体が、ソラレン、8−MOP、メロシアニン540、リボフラビン、メチレンブルー、フタロシアニンおよびそれらの組合わせを含む分類の光活性化合物よりなる群から選択される光活性化合物を含む請求項1記載のシステム。
  8. 冷却液が水である請求項1記載のシステム。
  9. 非レーザ光源がハウジング内に配置され、冷却液が非レーザ光源と発光面との間のハウジングを通って流れる請求項1記載のシステム。
  10. 非レーザ光源であって、
    (a)少なくとも一つの外側壁によって定められるハウジング;および
    (b)ハウジング内部に入れられた有限体積のフォトン発生ガスを含み、
    ここに、外側壁の少なくとも一部分が、有限体積のガスによって生成されるフォトンに対して実質的に透明であり、外側壁の実質的に透明な部分は温度制御される該非レーザ光源。
  11. 有限体積のフォトン発生ガスが260nmと310nmとの間の波長を有する実質的単色光を発生する請求項10記載の非レーザ光源。
  12. フォトン発生ガスがXeI、Cl、XeBr、Br、XeCl、フィルター透過XeBr、IおよびXeFよりなる群から選択されるエキシマーガスである請求項10記載の非レーザ光源。
  13. 外側壁の実質的に透明部分が石英から作製されている請求項10記載の非レーザ光源。
  14. 外側壁の実質的に透明な部分がそれに隣接して流れる冷却液によって温度制御されている請求項10記載の非レーザ光源。
  15. 処理液体が該外側壁の実質的に透明な部分に隣接して配置され、前記処理液体が血液製剤、医薬品、注射用溶液およびワクチンよりなる群から選択される請求項10記載の非レーザ光源。
  16. 複雑液体を処理するシステムであって、
    (a)単色光を発生し、発光面形状を有する少なくとも一つの発光面を含む液密ハウジング内に配置された有限体積のフォトン発生ガス;および
    (b)ハウジングから発光された単色光による照射のために配置された処理表面形状を有する処理表面を含み、
    ここに、発光面形状が実質的に処理表面形状に実質的に対応する該システム。
  17. フォトン発生ガスがXeI、Cl、XeBr、Br、XeCl、フィルター透過XeBr、IおよびXeFよりなる群から選択されるエキシマーガスである請求項16記載のシステム。
  18. 発光面形状および処理表面形状が、平面形状、環帯形状、筒形状、楕円形状、非対称形状およびそれらの組合わせよりなる群から選択される請求項16記載のシステム。
  19. さらに液密ハウジングに搭載され、内向き面および外向き面を有する石英プレートを含み、前記石英プレートの内向き面が発光面であって、前記石英プレートの外向き面が処理面である請求項16記載のシステム。
  20. 複雑液体が、ハウジングから発光された単色光による照射のために処理面に隣接して配置される請求項16記載のシステム。
  21. 複雑液体が身体または四肢に含まれ、処理表面が身体または四肢を構成している請求項16記載のシステム。
  22. 複雑液体を処理する方法であって、
    (a)光エネルギーに反応する第1および第2の液体成分を含む複雑液体の処理ゾーンへの供給を開始し;
    (b)260nmと310nmとの間の指示波長を有する実質的単色光を発生するエキシマーベース非レーザ光源から供給される光エネルギーを処理ゾーン内の複雑液体にあてることを特徴とし、
    ここに、エキシマーベース非レーザ光源からの光エネルギーは、第1の液体成分を実質的に維持し、第2の液体成分を実質的に励起する該方法。
  23. 複雑液体が血液製剤、医薬品、注射用溶液およびワクチンよりなる群から選択される請求項22記載の方法。
  24. さらに、複雑液体に単色光をあてる前に光活性物質を添加することを含む請求項22記載の方法。
  25. エキシマーベース非レーザ光源が複雑液体に単色光をあてている間中、前記複雑液体の温度を制御するシステムを含む請求項22記載の方法。
  26. エキシマーベース非レーザ光源が、XeI、Cl、XeBr、Br、XeCl、フィルター透過XeBr、IおよびXeFよりなる群から選択されるエキシマーガスを用いて単色光を発生する請求項22記載の方法。
  27. 複雑液体処理が白血球除去を要件とし、第1の液体成分がキャリア液体である請求項22記載の方法。
  28. 複雑液体処理が、1以上の核酸を崩壊することによる生物の不活性化を要件とする請求項22記載の方法。
  29. 複雑液体が全血製剤、血漿製剤、血小板製剤、濃厚赤血球製剤およびそれらの組合わせよりなる群から選択される請求項22記載の方法。
  30. 複雑液体処理が光活性剤に対する特異的化学付加体の生成を要件とし、第1の液体成分は前記光活性剤に対する化学付加体の異なる組である請求項22記載の方法。
  31. 複雑液体処理が、第1の液体成分が高収率で所望の化学成分を生成し、第2の液体成分が前記所望の化学成分の収率を低下させる化学合成を要件とする請求項22記載の方法。
  32. さらに、複雑液体をその処理中に混合することを特徴とする請求項22記載の方法。
  33. 複雑液体中の核酸を処理する方法であって、
    (a)複雑液体の処理ゾーンへの供給を開始し;
    (b)光活性化合物を複雑液体に添加し;次いで
    (c)光エネルギーを処理ゾーン内の複雑液体および光活性化合物にあて、340nmより下の指示波長を有する光エネルギーを発生する光源から前記光エネルギーを供給することを特徴とし、
    ここに、光源からの光エネルギーが核酸を実質的に励起し、光活性化合物を実質的に励起するのに有効である該方法。
  34. 複雑液体が、血液ベースの製剤であって、紫外光によって不活性化される生体タンパク質をさらに含む請求項33記載の方法。
  35. 光源が非レーザ光源であり、前記非レーザ光源からの光エネルギーが実質的に単色である請求項33記載の方法。
  36. 多色出力を生じるように光源を構成する請求項33記載の方法。
  37. 光源が、多色出力を生じるように、希ガスまたはハロゲンガスを含有するガス混合物を選択的に調節する請求項36記載の方法。
  38. 光活性化合物がリボフラビンである請求項33記載の方法。
  39. 光源からの光エネルギーによって励起される核酸が一本鎖であって、病原体に属する請求項34記載の方法。
  40. 活性化合物が二本鎖核酸を有する病原体を不活性化することにおいて有効である請求項35記載の方法。
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