JP2004528856A - 腸球菌の検出および/または判別用培地および方法 - Google Patents
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Abstract
本発明は、クリスタルバイオレットと、好ましくはグラム陰性菌阻害剤および色素産生剤 (色原体) を含有する腸球菌の単離用培地に関する。本発明はこの培地を用いた腸球菌の検出方法にも関する。
Description
【技術分野】
【0001】
本発明は、腸球菌(enterococci、エンテロコッカス菌) を同定するための色素産生性の(chromogenic) 培地に関する。
【背景技術】
【0002】
臨床現場では、抗生物質、特に感染症の治療に最も広く使用されている抗生物質であるバンコマイシン、に対して耐性を示す菌株の出現のために、腸球菌の検出は非常に重要である。これらの院内感染は、感染した患者の生命を危険にさらすことがある。
【0003】
腸管から単離された連鎖球菌 (ストレプトコッカス菌) 、即ち、D群連鎖球菌は、従来よりその生理学的特徴に従って下記の2群に大別されてきた:
−敵対性条件下でも増殖可能な「腸球菌」 (ストレプトコッカス・フェシウム<Streptococcus faecium> およびストレプトコッカス・フェカーリス<S. faecalis>);
−敵対性条件下では増殖することができない非腸球菌のD群連鎖球菌 (ストレプトコッカス・ボビス<S. bovis>およびストレプトコッカス・エクイナス<S. equinus>) 。
【0004】
1982年および1983年に、ゲノムの研究(DNA−rRNAハイブリダイゼーション、16S rRNAのオリゴヌクレオチドのディクショナリーの確立) により、「腸球菌」と「非腸球菌のD群連鎖球菌」が異なる2つの属に属することが示された。
【0005】
1984年に、Schleifer とKilpper-Balzは、DNA-23S rRNAハイブリダイゼーションとDNA-DNA ハイブリダイゼーションの結果を研究する間に、より初期の上記結果を確認すると共に、これら2名は「連鎖球菌の腸球菌群」を連鎖球菌属 (ストレプトコッカス属) とは別個の腸球菌属に移すことを提案した (Int. J. Syst. Bacteriol., 1984, 34, 31-34)。
【0006】
腸球菌の非常に優れた研究は、下記ウェブサイトで見ることができる:
www.bacterio.cict.fr/bacdico/ee/enterococcus.html,または
www.life.umd.edu/classroom/baci424/PathogenDescriptions/Enterococcus.htm, または
www.enterococcus.ouhsc.edu/lab methods.asp。
【0007】
従って、これらの細菌による汚染の検出を可能にする信頼性ある迅速な試験があることは重要であり、その試験は鋭敏かつ特異的であるべきである。
腸球菌は一般に、非選択培地 (血液寒天培地またはチョコレート寒天培地) で10〜45℃の温度範囲 (至適増殖温度は35℃前後) で増殖する。しかし、そのような培地では他の細菌の増殖も可能であり、腸球菌を効果的に識別することはできない。
【0008】
現在、腸球菌検出用の培地は既にある種のものが存在している。具体的には、ジフコ社(Difco) より市販されている、クリスタルバイオレット(Crystal Violet)を含有しない、マッコンキー(MacConkey) 寒天培地である。クリスタルバイオレットはグラム陽性菌の増殖を阻害する化合物であり、腸球菌やブドウ球菌 (スタフィロコッカス菌) の増殖を阻害すると考えられている (腸球菌は、単離、対または短鎖状態で出現するグラム陽性球菌であることを想起されたい) 。「ジフコ社マニュアル」第11版、288 頁は、「マッコンキー寒天培地 w/o CV (CV=クリスタルバイオレット) は、マッコンキー寒天培地より選択性の低い確認 (鑑別) 培地である。クリスタルバイオレットの欠如はブドウ球菌と腸球菌の増殖を可能にする。」と指摘している。
【0009】
この培地は、胆汁酸塩のような他の増殖阻害剤も含有する。これらの他の阻害剤は、腸球菌以外のグラム陽性菌の増殖を阻害するのに有効である。
実際、腸球菌類の細菌は胆汁酸塩を含有する培地中でも増殖することができ、コロニーは胆汁に露出した後も溶解しない。腸球菌類の細菌は 6.5%濃度のNaClを含有する培地中でも増殖することができるが、連鎖球菌類はこの特性を有していない。
【0010】
クリスタルバイオレットを含有せず、代わりに他の阻害剤を含有する腸球菌用培地のこれらの知見から、非常に多くの条件下でクリスタルバイオレットは腸球菌増殖の阻害剤であると結論づけることができる。この仮説は、各種のマッコンキー培地の中で、腸球菌の検出に用いるものはクリスタルバイオレットを含有しておらず、胆汁酸塩を含有しているという事実によって補強される。しかし、この培地はブドウ球菌の増殖も可能にする。
【0011】
腸球菌の検出に最も普通に使用されている方法は、選択培地 (m-エンテロコッカス寒天培地=スラネッツ−バートリー(Slanetz and Bartley) 培地またはオキソリン酸−エスクリン−アジ化物培地=OAA 培地のような) 上での濾過 (分別) 後に、胆汁−エウクリン寒天培地により44℃で48時間インキュベーションする培養により確認することからなる方法である。スラネッツ−バートリー培地を41℃でインキュベーションすることにより選択作用を強化してもよい。ほとんどの場合、完全な同定は得られず、使用した培地上で発現することができるある種のブドウ球菌の菌株を排除するためにカタラーゼの同定だけが行われる。
【発明の開示】
【0012】
従って、腸球菌の検出が可能で、腸球菌用の培地上で一般に増殖するブドウ球菌 (スタフィロコッカス菌) からの腸球菌の差別化も可能な培地があることが得策である。
本発明に関して、クリスタルバイオレットの濃度を、大部分のグラム陽性菌の増殖阻害というその役割を保持するが、腸球菌の増殖は可能にするような濃度に調整することができることが示された。
【0013】
即ち、従来の培地 (特にジフコ社により市販されているマッコンキー寒天培地) が一般に採用しているクリスタルバイオレット濃度は1mg/lに等しい。本発明では、0.1 mg/lから1.5 mg/lの濃度でクリスタルバイオレットを添加すると、特に培地がグラム陽性菌の他の増殖阻害剤を含有しない場合に、腸球菌の増殖を維持することができることが認められた。
【0014】
クリスタルバイオレットの添加は、腸球菌検出培地に存在させることが非常に多いアジ化ナトリウム (ある種の細菌の増殖を阻害するその特性のため、但し、これは人体に毒性がある) の使用を避けることを可能にすることも示された。従って、本発明に係る培地はアジ化ナトリウムを含有しないことが好ましい。
【0015】
このような結果、特に腸球菌の増殖が可能にしながら、条件によってはクリスタルバイオレットの濃度を1mg/lより大きくしうることは、従来技術に記載された知見に照らして予期しえなかったことであり、特にアジ化ナトリウムの排除も可能になることはそうである。
【0016】
ここに、本発明の主題は、腸球菌の検出および/または判別 (識別) 用培地であって、腸球菌用培地中にクリスタルバイオレットを、腸球菌の増殖が可能で、かつ大部分のグラム陽性菌の増殖を阻害することができる濃度で含有することを特徴とする培地である。
【0017】
好ましくは、この濃度は0.1 mg/lより大きく、特に好ましくは0.25 mg/l より大きく、さらには0.5 mg/lより大きい。即ち、クリスタルバイオレットを0.1mg/l 程度の低濃度で添加した後でも、多量のグラム陽性菌の増殖阻害が認められる。
【0018】
本発明の特定の態様では、この濃度は1.5 mg/l未満、より好ましくは1mg/l未満である。クリスタルバイオレットの濃度が約1mg/lであるか、この値より高い場合には、他のグラム陽性菌阻害剤、特に胆汁酸塩、の濃度を低減させるか、さらにはゼロにすることが得策である。本発明に係る培地に添加されたクリスタルバイオレットの濃度に応じて他の阻害剤の濃度を調整することは当業者の能力の範囲内である。
【0019】
本発明の別の態様において、クリスタルバイオレットの濃度は0.8 mg/l未満、より好ましくは0.7 mg/l未満である。このような濃度では、他のグラム陽性菌阻害剤を任意に添加することができる。
【0020】
当業者であれば「腸球菌用培地」なる用語が何を意味するか、換言すると、腸球菌の増殖を可能にするのに必要な栄養成分を含有する培地であることを知っている。そのような成分としては、特にカゼイン、大豆、肉、酵母エキスもしくはビーフに由来するペプトン、デキストロースなどを挙げることができる。
【0021】
好ましくは、本発明に係る培地は、糖類を発酵させる酵素の基質である少なくとも1種の色素産生剤(chromogenic agent、色原剤) をさらに含有する。この酵素は、好ましくはグルコシダーゼ、特にβ−グルコシダーゼ、またはガラクトシダーゼ、特にβ−ガラクトシダーゼである。
【0022】
本発明に係る培地はクリスタルバイオレットにより既に着色されていて、従って、色素産生剤のような着色を生ずる成分を添加することは思いとどまることから、色素産生剤の添加が可能であるということは全く予想外である。
【0023】
好ましくは、この色素産生剤は、加水分解により、インドキシル、ハロインドキシル(ブロモインドキシル、クロロインドキシル、フルオロインドキシル、ヨードインドキシル、ジクロロインドキシル、クロロブロモインドキシル、トリクロロインドキシル)、メチルインドキシルまたはヒドロキシキノリン誘導体、特に下記誘導体:6−クロロインドキシル、5−ブロモインドキシル、3−ブロモインドキシル、6−フルオロインドキシル、5−ヨードインドキシル、4,6−ジクロロインドキシル、6,7−ジクロロインドキシル、5−ブロモ−4−クロロインドキシル、5−ブロモ−6−クロロインドキシル、4,6,7−トリクロロインドキシル、N−メチルインドキシルまたは8−ヒドロキシキノリンから選ばれた沈殿可能な発色団を放出する。
【0024】
好ましくは、前記β−グルコシダーゼの色素産生性の基質がインドキシルグルコシド、特に5−ブロモ−4−クロロ−3−インドキシル−β−グルコシドであるか、および/または前記β−ガラクトシダーゼの基質である色素産生剤がインドキシルガラクトシド、特に5−ブロモ−6−クロロ−3−インドキシル−β−ガラクトシドである。
【0025】
腸球菌のより良好な検出を可能にするため、本発明に係る培地に、ナリジクス酸またはコリスチンといったグラム陰性菌の増殖阻害剤を添加することもできる。
ある種の抗生物質に耐性があり、院内感染の大きな原因となっている非定型腸球菌を検出するために、本発明に係る培地にその抗生物質を添加することもできる。従って、バンコマイシンが約6mg/lの濃度で添加されよう。抗生物質を含有しない皿とそれを含有する皿で平板培養し、各皿上の腸球菌と同定されたコロニー数を比較することにより、検体中の耐性菌の割合を検出することもできることに留意すべきである。
【0026】
本発明はまた、腸球菌を検出および/または判別するための本発明に係る培地の使用、ならびに下記からなる工程を含むことを特徴とする、検体中の腸球菌を検出および/または判別する方法にも関する:
a. 本発明に係る培地に前記検体または該検体に由来する接種物を接種し、
b. この培地上で腸球菌の存在を検出する。
【0027】
腸球菌の存在は培地上のコロニーの増殖により検出され、これは酵素の基質である色素産生剤からの発色団の放出後のコロニーの着色により助けられる。
発色団は、その同定がより容易になるように、クリスタルバイオレットの波長とは異なる波長を有するものを選択することが好ましい。但し、本発明に係る培地では、クリスタルバイオレットの波長に近い波長を有する発色団の使用および検出も可能である。
【0028】
一般に、本発明は、グラム陽性菌またはグラム陰性菌の検出用培地であって、該グラム陽性菌またはグラム陰性菌の増殖因子に加えて、色素産生剤とクリスタルバイオレットとを含有し、クリスタルバイオレットが、検出しようとする該細菌の増殖と、グラム陽性菌の差別的な増殖阻害とを可能にする濃度であって、好ましくは 0.1〜1.5 mg/lの範囲内の濃度で存在する培地にも関する。
【0029】
本発明はまた、色素産生剤をさらに含有する、グラム陽性菌またはグラム陰性菌の検出用の培地の調製のための選択的増殖阻害剤としてのクリスタルバイオレットの使用にも関する。
【0030】
従って、本発明は、色素産生性の培地に、その色素産生性の性質を保持しながら、別の着色剤を添加することが可能であることを実証したものである。
色素産生剤 (色原体) は、それから放出された発色団が、クリスタルバイオレット、即ち、色素産生性の培地に使用した着色剤とは異なる波長を有するように選択される。
【実施例】
【0031】
(実施例1)
本発明を実施するための好ましい培地の1例は、下記成分を含有する (1リットル当たり) :
・寒天 15 g
・酵母エキスおよびペプトン 9 g
・NaCl 5 g
・ナリジクス酸 50 mg
・コリスチン 5 mg
・クリスタルバイオレット 0.5 mg
・5−ブロモ−4−クロロ−3−インドキシル−β−グルコシド 50 mg 。
【0032】
(実施例2)
本発明に係る培地上の細菌の平板培養により下記の結果が得られた (37℃で24時間のインキュベーション後) 。
【0033】
【表1】
【0034】
従って、本発明に係る培地の使用は、腸球菌の検出と、ブドウ球菌からのその判別とを可能にする。
【0035】
(実施例3)
それにクリスタルバイオレットを添加し、場合によりアジ化ナトリウムを削除し、またはさらに色素産生剤を添加し、さらに場合により耐性菌株の検出のためにバンコマイシンを添加することによって、本発明により使用しうる腸球菌用培地の例を下に示す。
【0036】
胆汁−エスクリン培地(グラム/リットルでの組成)
肉エキス: 3.0
肉ペプトン: 5.0
ビーフ胆汁: 40.0
エスクリン: 1.0
クエン酸鉄: 0.5
寒天: 14.5。
この培地にさらに5%ウマ血清を添加してもよい。
【0037】
胆汁−エスクリン−アジ化物培地(グラム/リットルでの組成)
トリプトン: 17.0
ペプトン: 3.0
酵母エキス: 5.0
エスクリン: 1.0
NaCl: 5.0
アンモニア性クエン酸鉄: 0.5
クエン酸ナトリウム: 1.0
アジ化ナトリウム: 0.25
ビーフ胆汁: 10.0
寒天: 13.5。
【0038】
スラネッツ−バートリー培地又は m- エンテロコッカス寒天培地(グラム/リットルでの組成)
トリプトン: 15.0
ペプトン: 5.0
酵母エキス: 0.5
グルコース: 2.0または5.0
K2HPO4: 4.0
アジ化ナトリウム: 0.4
2,3,5-トリフェニルテトラゾリウム・クロリド (1%溶液) 10.0
寒天: 10。
【0039】
オキソリン酸−エスクリン−アジ化物培地又は OAA 培地(グラム/リットルでの組成)
トリプトン: 20.0
酵母エキス: 5.0
グルコース: 1.0
NaCl: 5.0
アンモニア性クエン酸鉄: 0.5
クエン酸ナトリウム: 1.0
アジ化ナトリウム: 0.4
オキソリン酸: 0.005
寒天: 10.0。
【0040】
エスクリン−アジ化物−カナマイシン寒天培地(グラム/リットルでの組成)
トリプトン: 20.0
酵母エキス: 5.0
グルコース: 1.0
NaCl: 5.0
アンモニア性クエン酸鉄: 0.5
クエン酸ナトリウム: 1.0
アジ化ナトリウム: 0.15
硫酸カナマイシン: 0.02
寒天: 10.0。
【0001】
本発明は、腸球菌(enterococci、エンテロコッカス菌) を同定するための色素産生性の(chromogenic) 培地に関する。
【背景技術】
【0002】
臨床現場では、抗生物質、特に感染症の治療に最も広く使用されている抗生物質であるバンコマイシン、に対して耐性を示す菌株の出現のために、腸球菌の検出は非常に重要である。これらの院内感染は、感染した患者の生命を危険にさらすことがある。
【0003】
腸管から単離された連鎖球菌 (ストレプトコッカス菌) 、即ち、D群連鎖球菌は、従来よりその生理学的特徴に従って下記の2群に大別されてきた:
−敵対性条件下でも増殖可能な「腸球菌」 (ストレプトコッカス・フェシウム<Streptococcus faecium> およびストレプトコッカス・フェカーリス<S. faecalis>);
−敵対性条件下では増殖することができない非腸球菌のD群連鎖球菌 (ストレプトコッカス・ボビス<S. bovis>およびストレプトコッカス・エクイナス<S. equinus>) 。
【0004】
1982年および1983年に、ゲノムの研究(DNA−rRNAハイブリダイゼーション、16S rRNAのオリゴヌクレオチドのディクショナリーの確立) により、「腸球菌」と「非腸球菌のD群連鎖球菌」が異なる2つの属に属することが示された。
【0005】
1984年に、Schleifer とKilpper-Balzは、DNA-23S rRNAハイブリダイゼーションとDNA-DNA ハイブリダイゼーションの結果を研究する間に、より初期の上記結果を確認すると共に、これら2名は「連鎖球菌の腸球菌群」を連鎖球菌属 (ストレプトコッカス属) とは別個の腸球菌属に移すことを提案した (Int. J. Syst. Bacteriol., 1984, 34, 31-34)。
【0006】
腸球菌の非常に優れた研究は、下記ウェブサイトで見ることができる:
www.bacterio.cict.fr/bacdico/ee/enterococcus.html,または
www.life.umd.edu/classroom/baci424/PathogenDescriptions/Enterococcus.htm, または
www.enterococcus.ouhsc.edu/lab methods.asp。
【0007】
従って、これらの細菌による汚染の検出を可能にする信頼性ある迅速な試験があることは重要であり、その試験は鋭敏かつ特異的であるべきである。
腸球菌は一般に、非選択培地 (血液寒天培地またはチョコレート寒天培地) で10〜45℃の温度範囲 (至適増殖温度は35℃前後) で増殖する。しかし、そのような培地では他の細菌の増殖も可能であり、腸球菌を効果的に識別することはできない。
【0008】
現在、腸球菌検出用の培地は既にある種のものが存在している。具体的には、ジフコ社(Difco) より市販されている、クリスタルバイオレット(Crystal Violet)を含有しない、マッコンキー(MacConkey) 寒天培地である。クリスタルバイオレットはグラム陽性菌の増殖を阻害する化合物であり、腸球菌やブドウ球菌 (スタフィロコッカス菌) の増殖を阻害すると考えられている (腸球菌は、単離、対または短鎖状態で出現するグラム陽性球菌であることを想起されたい) 。「ジフコ社マニュアル」第11版、288 頁は、「マッコンキー寒天培地 w/o CV (CV=クリスタルバイオレット) は、マッコンキー寒天培地より選択性の低い確認 (鑑別) 培地である。クリスタルバイオレットの欠如はブドウ球菌と腸球菌の増殖を可能にする。」と指摘している。
【0009】
この培地は、胆汁酸塩のような他の増殖阻害剤も含有する。これらの他の阻害剤は、腸球菌以外のグラム陽性菌の増殖を阻害するのに有効である。
実際、腸球菌類の細菌は胆汁酸塩を含有する培地中でも増殖することができ、コロニーは胆汁に露出した後も溶解しない。腸球菌類の細菌は 6.5%濃度のNaClを含有する培地中でも増殖することができるが、連鎖球菌類はこの特性を有していない。
【0010】
クリスタルバイオレットを含有せず、代わりに他の阻害剤を含有する腸球菌用培地のこれらの知見から、非常に多くの条件下でクリスタルバイオレットは腸球菌増殖の阻害剤であると結論づけることができる。この仮説は、各種のマッコンキー培地の中で、腸球菌の検出に用いるものはクリスタルバイオレットを含有しておらず、胆汁酸塩を含有しているという事実によって補強される。しかし、この培地はブドウ球菌の増殖も可能にする。
【0011】
腸球菌の検出に最も普通に使用されている方法は、選択培地 (m-エンテロコッカス寒天培地=スラネッツ−バートリー(Slanetz and Bartley) 培地またはオキソリン酸−エスクリン−アジ化物培地=OAA 培地のような) 上での濾過 (分別) 後に、胆汁−エウクリン寒天培地により44℃で48時間インキュベーションする培養により確認することからなる方法である。スラネッツ−バートリー培地を41℃でインキュベーションすることにより選択作用を強化してもよい。ほとんどの場合、完全な同定は得られず、使用した培地上で発現することができるある種のブドウ球菌の菌株を排除するためにカタラーゼの同定だけが行われる。
【発明の開示】
【0012】
従って、腸球菌の検出が可能で、腸球菌用の培地上で一般に増殖するブドウ球菌 (スタフィロコッカス菌) からの腸球菌の差別化も可能な培地があることが得策である。
本発明に関して、クリスタルバイオレットの濃度を、大部分のグラム陽性菌の増殖阻害というその役割を保持するが、腸球菌の増殖は可能にするような濃度に調整することができることが示された。
【0013】
即ち、従来の培地 (特にジフコ社により市販されているマッコンキー寒天培地) が一般に採用しているクリスタルバイオレット濃度は1mg/lに等しい。本発明では、0.1 mg/lから1.5 mg/lの濃度でクリスタルバイオレットを添加すると、特に培地がグラム陽性菌の他の増殖阻害剤を含有しない場合に、腸球菌の増殖を維持することができることが認められた。
【0014】
クリスタルバイオレットの添加は、腸球菌検出培地に存在させることが非常に多いアジ化ナトリウム (ある種の細菌の増殖を阻害するその特性のため、但し、これは人体に毒性がある) の使用を避けることを可能にすることも示された。従って、本発明に係る培地はアジ化ナトリウムを含有しないことが好ましい。
【0015】
このような結果、特に腸球菌の増殖が可能にしながら、条件によってはクリスタルバイオレットの濃度を1mg/lより大きくしうることは、従来技術に記載された知見に照らして予期しえなかったことであり、特にアジ化ナトリウムの排除も可能になることはそうである。
【0016】
ここに、本発明の主題は、腸球菌の検出および/または判別 (識別) 用培地であって、腸球菌用培地中にクリスタルバイオレットを、腸球菌の増殖が可能で、かつ大部分のグラム陽性菌の増殖を阻害することができる濃度で含有することを特徴とする培地である。
【0017】
好ましくは、この濃度は0.1 mg/lより大きく、特に好ましくは0.25 mg/l より大きく、さらには0.5 mg/lより大きい。即ち、クリスタルバイオレットを0.1mg/l 程度の低濃度で添加した後でも、多量のグラム陽性菌の増殖阻害が認められる。
【0018】
本発明の特定の態様では、この濃度は1.5 mg/l未満、より好ましくは1mg/l未満である。クリスタルバイオレットの濃度が約1mg/lであるか、この値より高い場合には、他のグラム陽性菌阻害剤、特に胆汁酸塩、の濃度を低減させるか、さらにはゼロにすることが得策である。本発明に係る培地に添加されたクリスタルバイオレットの濃度に応じて他の阻害剤の濃度を調整することは当業者の能力の範囲内である。
【0019】
本発明の別の態様において、クリスタルバイオレットの濃度は0.8 mg/l未満、より好ましくは0.7 mg/l未満である。このような濃度では、他のグラム陽性菌阻害剤を任意に添加することができる。
【0020】
当業者であれば「腸球菌用培地」なる用語が何を意味するか、換言すると、腸球菌の増殖を可能にするのに必要な栄養成分を含有する培地であることを知っている。そのような成分としては、特にカゼイン、大豆、肉、酵母エキスもしくはビーフに由来するペプトン、デキストロースなどを挙げることができる。
【0021】
好ましくは、本発明に係る培地は、糖類を発酵させる酵素の基質である少なくとも1種の色素産生剤(chromogenic agent、色原剤) をさらに含有する。この酵素は、好ましくはグルコシダーゼ、特にβ−グルコシダーゼ、またはガラクトシダーゼ、特にβ−ガラクトシダーゼである。
【0022】
本発明に係る培地はクリスタルバイオレットにより既に着色されていて、従って、色素産生剤のような着色を生ずる成分を添加することは思いとどまることから、色素産生剤の添加が可能であるということは全く予想外である。
【0023】
好ましくは、この色素産生剤は、加水分解により、インドキシル、ハロインドキシル(ブロモインドキシル、クロロインドキシル、フルオロインドキシル、ヨードインドキシル、ジクロロインドキシル、クロロブロモインドキシル、トリクロロインドキシル)、メチルインドキシルまたはヒドロキシキノリン誘導体、特に下記誘導体:6−クロロインドキシル、5−ブロモインドキシル、3−ブロモインドキシル、6−フルオロインドキシル、5−ヨードインドキシル、4,6−ジクロロインドキシル、6,7−ジクロロインドキシル、5−ブロモ−4−クロロインドキシル、5−ブロモ−6−クロロインドキシル、4,6,7−トリクロロインドキシル、N−メチルインドキシルまたは8−ヒドロキシキノリンから選ばれた沈殿可能な発色団を放出する。
【0024】
好ましくは、前記β−グルコシダーゼの色素産生性の基質がインドキシルグルコシド、特に5−ブロモ−4−クロロ−3−インドキシル−β−グルコシドであるか、および/または前記β−ガラクトシダーゼの基質である色素産生剤がインドキシルガラクトシド、特に5−ブロモ−6−クロロ−3−インドキシル−β−ガラクトシドである。
【0025】
腸球菌のより良好な検出を可能にするため、本発明に係る培地に、ナリジクス酸またはコリスチンといったグラム陰性菌の増殖阻害剤を添加することもできる。
ある種の抗生物質に耐性があり、院内感染の大きな原因となっている非定型腸球菌を検出するために、本発明に係る培地にその抗生物質を添加することもできる。従って、バンコマイシンが約6mg/lの濃度で添加されよう。抗生物質を含有しない皿とそれを含有する皿で平板培養し、各皿上の腸球菌と同定されたコロニー数を比較することにより、検体中の耐性菌の割合を検出することもできることに留意すべきである。
【0026】
本発明はまた、腸球菌を検出および/または判別するための本発明に係る培地の使用、ならびに下記からなる工程を含むことを特徴とする、検体中の腸球菌を検出および/または判別する方法にも関する:
a. 本発明に係る培地に前記検体または該検体に由来する接種物を接種し、
b. この培地上で腸球菌の存在を検出する。
【0027】
腸球菌の存在は培地上のコロニーの増殖により検出され、これは酵素の基質である色素産生剤からの発色団の放出後のコロニーの着色により助けられる。
発色団は、その同定がより容易になるように、クリスタルバイオレットの波長とは異なる波長を有するものを選択することが好ましい。但し、本発明に係る培地では、クリスタルバイオレットの波長に近い波長を有する発色団の使用および検出も可能である。
【0028】
一般に、本発明は、グラム陽性菌またはグラム陰性菌の検出用培地であって、該グラム陽性菌またはグラム陰性菌の増殖因子に加えて、色素産生剤とクリスタルバイオレットとを含有し、クリスタルバイオレットが、検出しようとする該細菌の増殖と、グラム陽性菌の差別的な増殖阻害とを可能にする濃度であって、好ましくは 0.1〜1.5 mg/lの範囲内の濃度で存在する培地にも関する。
【0029】
本発明はまた、色素産生剤をさらに含有する、グラム陽性菌またはグラム陰性菌の検出用の培地の調製のための選択的増殖阻害剤としてのクリスタルバイオレットの使用にも関する。
【0030】
従って、本発明は、色素産生性の培地に、その色素産生性の性質を保持しながら、別の着色剤を添加することが可能であることを実証したものである。
色素産生剤 (色原体) は、それから放出された発色団が、クリスタルバイオレット、即ち、色素産生性の培地に使用した着色剤とは異なる波長を有するように選択される。
【実施例】
【0031】
(実施例1)
本発明を実施するための好ましい培地の1例は、下記成分を含有する (1リットル当たり) :
・寒天 15 g
・酵母エキスおよびペプトン 9 g
・NaCl 5 g
・ナリジクス酸 50 mg
・コリスチン 5 mg
・クリスタルバイオレット 0.5 mg
・5−ブロモ−4−クロロ−3−インドキシル−β−グルコシド 50 mg 。
【0032】
(実施例2)
本発明に係る培地上の細菌の平板培養により下記の結果が得られた (37℃で24時間のインキュベーション後) 。
【0033】
【表1】
【0034】
従って、本発明に係る培地の使用は、腸球菌の検出と、ブドウ球菌からのその判別とを可能にする。
【0035】
(実施例3)
それにクリスタルバイオレットを添加し、場合によりアジ化ナトリウムを削除し、またはさらに色素産生剤を添加し、さらに場合により耐性菌株の検出のためにバンコマイシンを添加することによって、本発明により使用しうる腸球菌用培地の例を下に示す。
【0036】
胆汁−エスクリン培地(グラム/リットルでの組成)
肉エキス: 3.0
肉ペプトン: 5.0
ビーフ胆汁: 40.0
エスクリン: 1.0
クエン酸鉄: 0.5
寒天: 14.5。
この培地にさらに5%ウマ血清を添加してもよい。
【0037】
胆汁−エスクリン−アジ化物培地(グラム/リットルでの組成)
トリプトン: 17.0
ペプトン: 3.0
酵母エキス: 5.0
エスクリン: 1.0
NaCl: 5.0
アンモニア性クエン酸鉄: 0.5
クエン酸ナトリウム: 1.0
アジ化ナトリウム: 0.25
ビーフ胆汁: 10.0
寒天: 13.5。
【0038】
スラネッツ−バートリー培地又は m- エンテロコッカス寒天培地(グラム/リットルでの組成)
トリプトン: 15.0
ペプトン: 5.0
酵母エキス: 0.5
グルコース: 2.0または5.0
K2HPO4: 4.0
アジ化ナトリウム: 0.4
2,3,5-トリフェニルテトラゾリウム・クロリド (1%溶液) 10.0
寒天: 10。
【0039】
オキソリン酸−エスクリン−アジ化物培地又は OAA 培地(グラム/リットルでの組成)
トリプトン: 20.0
酵母エキス: 5.0
グルコース: 1.0
NaCl: 5.0
アンモニア性クエン酸鉄: 0.5
クエン酸ナトリウム: 1.0
アジ化ナトリウム: 0.4
オキソリン酸: 0.005
寒天: 10.0。
【0040】
エスクリン−アジ化物−カナマイシン寒天培地(グラム/リットルでの組成)
トリプトン: 20.0
酵母エキス: 5.0
グルコース: 1.0
NaCl: 5.0
アンモニア性クエン酸鉄: 0.5
クエン酸ナトリウム: 1.0
アジ化ナトリウム: 0.15
硫酸カナマイシン: 0.02
寒天: 10.0。
Claims (14)
- 腸球菌の検出および/または判別用の培地であって、腸球菌用培地中にクリスタルバイオレットを、腸球菌の増殖を可能にし、かつ大部分のグラム陽性菌の増殖阻害を可能にする濃度で含有し、この濃度が 0.1〜1.5 mg/lの範囲内であることを特徴とする培地。
- 糖発酵酵素の基質である少なくとも1種の色素産生剤をさらに含有することを特徴とする、請求項1に記載の培地。
- 前記酵素がグルコシダーゼ、特にβ−グルコシダーゼまたはガラクトシダーゼ、特にβ−ガラクトシダーゼであることを特徴とする、請求項2に記載の培地。
- 前記色素産生剤が、加水分解により、インドキシル、ハロインドキシル(ブロモインドキシル、クロロインドキシル、フルオロインドキシル、ヨードインドキシル、ジクロロインドキシル、クロロブロモインドキシル、トリクロロインドキシル)、メチルインドキシルまたはヒドロキシキノリン誘導体、特に下記誘導体:6−クロロインドキシル、5−ブロモインドキシル、3−ブロモインドキシル、6−フルオロインドキシル、5−ヨードインドキシル、4,6−ジクロロインドキシル、6,7−ジクロロインドキシル、5−ブロモ−4−クロロインドキシル、5−ブロモ−6−クロロインドキシル、4,6,7−トリクロロインドキシル、N−メチルインドキシルまたは8−ヒドロキシキノリンから選ばれた沈殿可能な発色団を放出するものであることを特徴とする、請求項2または3に記載の培地。
- 前記β−グルコシダーゼの基質がインドキシルグルコシドであるか、および/または前記β−ガラクトシダーゼの基質がインドキシルガラクトシドであることを特徴とする、請求項3または4に記載の培地。
- β−グルコシダーゼ基質が5−ブロモ−4−クロロ−3−インドキシル−β−グルコシドであるか、および/またはβ−ガラクトシダーゼ基質が5−ブロモ−6−クロロ−3−インドキシル−β−ガラクトシドであることを特徴とする、請求項5に記載の培地。
- グラム陰性菌の増殖阻害剤をさらに含有することを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の培地。
- 下記成分を含有する (1リットル当たり) ことを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載の培地:
・寒天 15 g
・酵母エキスおよびペプトン 9 g
・NaCl 5 g
・ナリジクス酸 50 mg
・コリスチン 5 mg
・クリスタルバイオレット 0.5 mg
・5−ブロモ−4−クロロ−3−インドキシル−β−グルコシド 50 mg 。 - 抗生物質をさらに含有する、請求項1〜8のいずれかに記載の培地。
- アジ化ナトリウムを含有しないことを特徴とする、請求項1〜9のいずれかに記載の培地。
- 腸球菌を検出および/または判別するための請求項1〜10のいずれかに記載の培地の使用。
- 下記からなる工程を含むことを特徴とする、検体中の腸球菌を検出および/または判別する方法:
a. 請求項1〜10のいずれかに記載の培地に前記検体または該検体に由来する接種物を接種し、
b. この培地上で腸球菌の存在を検出する。 - グラム陽性菌またはグラム陰性菌の検出用培地であって、該グラム陽性菌またはグラム陰性菌の増殖因子に加えて、色素産生剤とクリスタルバイオレットとを含有し、クリスタルバイオレットが、検出しようとする該細菌の増殖と、グラム陽性菌の差別的な増殖阻害とを可能にする濃度で存在し、この濃度が 0.1〜1.5 mg/lの範囲内である培地。
- 色素産生剤をさらに含有する、グラム陽性菌またはグラム陰性菌の検出用の培地の調製のための選択的増殖阻害剤としてのクリスタルバイオレットの使用。
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20061212 |