JP2004528310A - 眼内圧を制御するためのプロペントフィリンの使用 - Google Patents
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Abstract
プロペントフィリンを使用して眼内圧を制御するための方法を開示する。1つの局面において、本発明は、緑内障または高眼圧症に関連する眼内圧を制御するための方法であって、該方法が、薬学的に有効量のプロペントフィリンを投与することを包含する方法を提供する。1つの実施形態において、緑内障または高眼圧症を処置するための追加的な薬剤を投与することをさらに包含する。別の局面において、本発明は、緑内障または高眼圧症に関連する眼内圧を制御するための薬学的組成物の調製のためのプロペントフィリンの使用を提供する。
Description
【技術分野】
【0001】
本発明は、眼内圧(IOP)、特に、緑内障および/または高眼圧症に関連した上昇した眼内圧を制御するためのプロペントフィリン(propentfylline)の使用に関連付けられる。
【背景技術】
【0002】
緑内障は、視神経乳頭の変性および視覚の喪失に関連した眼性疾患であり、緑内障は、不可逆的な失明をもたらし得る。上昇したIOP(高眼圧症)は、緑内障の主要な危険因子である。IOPは、毛様体上皮からの眼房水産物の速度と、小柱網(TM)およびブドウ膜強膜経路を通ったその流出物の速度との間の平衡によって調節される。原発開放隅角緑内障において、IOPの異常な増加は、流出能力の顕著な減少をもたらすTMにおける病理学的な変化に主に起因する(Bellows編,Glaucoma:Contemporary international concepts.New York:Masson Publishing,1979:24−48中のLangham,The physiology and pathology of the intraocular pressure.;Bellows編,Glaucoma:Contemporary international concepts.New York:Masson Publishing,1979:17−23中のSegawa,Electron microscopic changes in the trabecular tissue in primary open angle glaucoma.;Rohen,Why is intraocular pressure elevated in chronic simple glaucoma? Anatomical consideration,Ophthalmology 1983;90:758−765)。
【0003】
TMを介する眼房水流出の抵抗性(resistance)は、通常、TMにおける継続中の細胞外マトリクスターンオーバーによって部分的に調節されることが報告されている(Bradleyら,Effective matrix Metalloproteinases activity on outflow in perfused human organ culture,Investigative Ophthalmology & Visual Science,1998;39;2649−2658)。マトリクスメタロプロテイナーゼ(MMP)は、TMにおいて細胞外マトリクスのターンオーバーを調節する重要な酵素として提唱されている(Alexanderら,Expression of matrix metalloproteinases and inhibitor by human trabecular meshwork,Investigative Ophthalmology & Visual Science,1991;32:172−180.1991;Drance,Van Buskirk,& Neufeld編,Pharmacology of Glaucoma.Baltimore:Williams & Wilkins,1992:125−127.1992中のAcott,Trabecular extracellular matrix regulation.;Samplesら,Regulation of the levels of human trabecular matrix metalloproteinases and inhibitor by interleukin−1 and dexamethasone,Investigative Ophthalmology & Visual Science,1993;34:3386−3395)。これらの酵素の活性化は、理論的に、緑内障の眼において過剰およびうっ血性の細胞外マトリクスを減少させ、そして入れ替わりに流出経路の流体抵抗を減少させ得る。実際に、精製したメタロプロテイナーゼ(MMP−2、MMP−3およびMMP−9)をヒトの眼球の前区に灌流するために使用した場合、流出能力が、少なくとも5日間持続して50%よりも増加した(Bradleyら,Effective matrix metalloproteinases activity on outflow in perfused human organ culture,Investigative Ophthalmology & Visual Science,1998;39:2649−2658)。同様に、インターロイキン−1α(TMにおいてマトリクスメタロプロテイナーゼの発現を増加させることが知られているサイトカイン)を用いる眼球の前区の灌流もまた、流出能力を増強した(Bradleyら,Effective matrix metalloproteinases activity on outflow in perfused human organ culture,Investigative Ophthalmology & Visual Science,1998;39:2649−2658)。対照的に、メタロプロテイナーゼインヒビターは、ペプチド(例えば、メタロプロテイナーゼの組織インヒビター)であろうと、または非ペプチド(例えば、ミノサイクリン、L−トリプトファンヒドロキサメート)であろうと、水性流出物を抑制した。さらに、Acottら(米国特許第5,260,059号)は、組織インヒビターのメタロプロテイナーゼ(TIMP)に対するマトリクスメタロプロテイナーゼ(MMP)の比率(すなわちMMP/TIMP)を調節するための物質を用いて、開放隅角緑内障を処置するための方法を開示している。これを達成するためのその発明者らの最も好ましい物質は、マトリクスメタロプロテイナーゼを含む(第3欄、33〜37行を参照のこと)。
【0004】
プロペントフィリン(HWA 285;3−メチル−1−(5’−オキソヘキシル)−7−プロピル−キサンチン)は、末梢血管拡張薬である。プロペントフィリンは、米国特許第4,289,776号(Mohlerら)において、動脈血流の障害または血管拡張不全を処置するために有用であるとして;米国特許第4,636,507号(Sheetz)において、外傷に対する宿主の防衛機構を処置するために;米国特許第5,310,666号(Aretzら)において、末梢、脳および眼の血管障害の処置のために;米国特許第4,719,212号(Gotoら)において脳障害の処置のために;米国特許第5,762,953号(Venkateshwaran)において、アルツハイマー病の処置のために;米国特許第5,409,935号(Schubertら)において、頭蓋−脳外傷後の二次的神経細胞損傷および機能障害の処置のために;そして米国特許第6,037,347号(Schubertら)において、痴呆の処置のために、開示されている。
【0005】
米国特許第5,780,450号(Shade)において、アデノシン取り込み(uptake)インヒビターは、急性または慢性の緑内障、水腫、虚血、低酸素症、もしくは外傷の後の、網膜および視神経乳頭の損傷を処置するために有用であるとして開示されている。この特許に開示されたアデノシン取り込みインヒビター(プロペントフィリンを含む)は、眼組織の神経細胞へのアデノシンの取り込みまたは再吸収を阻害し、従って上記に参照した状態によって誘発されるかまたはその状態から生じる損傷から神経細胞を保護するのに役立つ。IOPを低下させるかまたは制御するためのアデノシン取り込みインヒビターの使用は、開示も示唆もされていない。プロペントフィリンはまた、種々の状態(緑内障を含む)から生じる眼の神経変性を処置するために有用な神経栄養因子刺激物質であることも決定された(WO/00/32197,Alcon Laboratories,Inc.)。
【0006】
いずれの上記の刊行物も、IOPを低下させるかもしくは制御するためのプロペントフィリンの使用、または眼組織におけるMMPの発現の調節に対するプロペントフィリンの効果を開示していない。
【0007】
ペントキシフィリン(pentoxifylline)は、プロペントフィリンに近縁(close)のアナログである。2%のペントキシフィリンの局所点眼は、眼の正常血圧性のウサギにおいてIOPのわずかな減少の生成することが報告された(Hariton,Ocular hypotension induced by topical dopaminergic drugs and phosphodiesterease inhibitors,European Journal of Pharmacology,1994;258:85〜94)。この原稿はまた、ペントキシフィリンが、他の化合物(例えば、3−(3−ヒドロキシフェニル)−N−n−プロピルピペリジン、およびトリフルペリドール)と組合わせて投与された場合、ペントキシフィリンのIOPを低下させる効果を記載する。しかし、プロペントフィリンは、この報告において研究も言及もされていなかった。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0008】
(発明の要旨)
本発明は、ヒトにおいてプロペントフィリンを用いて眼内圧を制御するための方法に関連付けられる。
【0009】
(好ましい実施形態の説明)
プロペントフィリンは、培養されたヒト小柱網細胞において、メタロプロテイナーゼ−3(MMP−3;ストロメライシン(stromelysin))の発現を刺激することが予想外に発見された。100μMプロペントフィリンを用いるこの細胞の72時間にわたるインキュベーションは、MMP−3の発現を有意に増加させた(図1、上部パネル)。この予想外の効果は、プロペントフィリンに独特であった。なぜなら、他のアデノシン再取り込み(reuptake)インヒビターおよびプロペントフィリンの近縁の化学アナログ(例えば、ジピリダモール、ペントキシフィリン、およびヒドロキシ−プロペントフィリン)は、TM細胞におけるMMP−3発現において統計的に有意な変化を生成しなかったからである(図1、下部パネル)。このTM細胞によるMMP−3産生に関するプロペントフィリンに独特な刺激性効果は、この効果が、眼における水性流体力学を調節し得、そしてIOPに影響し得ることを示唆する。
【0010】
プロペントフィリンがIOPを低下させるという先行する証拠の欠如にも関わらず、本発明者らは、この化合物が、ヒトの眼の灌流器官培養物において水性流出の機能(facility)を向上させることを見出した。このエキソビボ研究において、緑内障でないドナーの眼の前区を、100μMのプロペントフィリンで連続的に灌流した。灌流開始の2日後および3日後、プロペントフィリンを受けている眼の流出速度は、ビヒクルで処置した眼と比較した場合、有意に増加した(実施例2)。
【0011】
プロペントフィリンを、IOPに対するプロペントフィリンの潜在的な効果についてウサギにおいて試験した。プロペントフィリンは、統計的に有意な変化を生じなかった(表1)。この研究において、ウサギを、レストレーナー(restrainer)中に配置し、そしてIOPを、0.1%プロパラカイン(生理食塩水で希釈したAlcaine(登録商標))で軽い角膜の麻酔の後、Alcon Pneumatonometerで決定した。各IOP測定に続いて、残留する麻酔薬を、生理食塩水で洗い流した。2回のベースライン測定の後、動物を、ビヒクルまたはプロペントフィリン(2×25μL、1%溶液)を用いて角膜上に局所投与した。次いで、IOP測定を、指示された間隔で行った。この知見は、眼上への500μgのプロペントフィリンの局所投与が、ウサギのIOPに影響しなかったことを示す。この化合物は、この研究において十分に耐容性(tolerate)であった。
【0012】
【表1】
同じ研究において、プロペントフィリンと同様に、ペントキシフィリンが、ウサギにおいて有意に低下したIOPでなかったことも見出した(表2)。
【0013】
【表2】
ウサギの眼における種々の薬理学的薬剤へのIOP応答は、霊長類におけるIOP応答に必ずしも対応しない。例えば、臨床的に活性なIOP低下化合物(例えば、ラタノプロスト(latanoprost)またはピロカルピン)は、ウサギにおいてIOPに関する測定可能な効果を有さなかった(Dinslageら、Intraocular pressure in rabbits by telemetry II:effects of animal handling and drugs,Investigative Ophthalmology & Visual Science,1998;39:2485〜2489;Van Bijsterveldら、The effect of hypotensive drugs on the intraocular pressure after waterloading in rabbits,Documenta Ophthalmologica,1981;52:189〜198)。従って、ウサギから得られたIOPに関する実験データは、霊長類(ヒトを含む)における薬学的作用を推定するために一般化され得ない。
【0014】
高眼圧症のサルにおいて試験した場合に、霊長類におけるプロペントフィリンのIOPを低下させる効果を発見した。この動物モデルにおいて、カニクイザルのIOPを、TMのレーザー誘起光凝固によって人工的に増加させた。水溶液中の500μgのプロペントフィリンを、麻酔していないサルのレーザー処理した眼の表面上に点眼した場合、IOPにおいて劇的な減少を生じた(図3、上部パネル)。このIOPを低下させる効果は、継続的な7日間の薬物処置(500μg、1日に2回)の後でさえも持続した(図3、下部パネル)。ウサギと同様に、この化合物は、十分に耐容性であった。
【0015】
本発明の組成物は、プロペントフィリンおよび薬学的に受容可能なビヒクルを含有する。本明細書中において使用される場合、用語「薬学的に受容可能なビヒクル」とは、受容可能(すなわち、安全)である任意の処方物をいい、そして所望の投与経路について有効量のプロペントフィリンの適切な送達を提供する。本発明の組成物は、経口投与され得るか、またはこの組成物は、局所的な投薬を介してか、もしくは眼の盲管に配置された連続放出デバイスによって眼に局所投与され得る。
【0016】
プロペントフィリンは、経口投与のために処方物(例えば、錠剤またはカプセル剤)中に組込まれ得る。従って、100〜1000mgのプロペントフィリンは、不活性成分(例えば、スターチ、ラクトースおよびステアリン酸マグネシウム)と組合わされ得、そして錠剤またはカプセル剤の処方物の当業者に公知の手順に従って処方され得る。錠剤処方物の例を、実施例4に示す。この処方物は、1日に1〜6回、各回に1〜3個の錠剤で患者に投与される。
【0017】
プロペントフィリンは、眼への送達のために種々の型の眼の処方物中に組込まれ得る。この化合物は、水性で無菌の眼科の懸濁液または溶液を形成するために、眼科学的に受容可能な防腐剤、界面活性剤、粘度増強剤、浸透促進物質、緩衝液、塩化ナトリウム、および水と組合わせられ得る。眼科溶液処方物は、この化合物を生理学的に受容可能な等張性の水性緩衝液中に溶解することによって調製され得る。さらに、眼科溶液は、この化合物の溶解を補助するために、眼科学的に受容可能な界面活性剤を含み得る。さらに、眼科溶液は、結膜嚢におけるこの処方物の保持を改良するために、増粘剤(thickener)(例えば、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ポリビニルピロリドンなど)を含み得る。無菌の眼科軟膏剤処方物を調製するために、活性成分は、適切なビヒクル(例えば、鉱油、液体ラノリンまたは白色ワセリン)において防腐剤と組合わされ得る。無菌の眼科ゲル剤処方物は、類似の眼科調製物についての公開された処方に従って、例えば、カルボポル(carbopol)−940などの組合わせから調製される親水性基剤中に、活性成分を懸濁させることによって調製され得;防腐剤および張性(tonicity)剤が、組込まれ得る。
【0018】
プロペントフィリンはまた、眼の盲管に配置された連続放出システムに組込まれ得る。このようなデバイスの例は、Zattaroniによって示されている(米国特許第4,186,184号)。このデバイスにおけるプロペントフィリンの放出速度は、10μg/時間〜1mg/時間である。
【0019】
プロペントフィリンは、好ましくは、約4.5〜8.0のpHを有する、局所眼科懸濁液または局所眼科溶液として処方される。通常、これらの処方物において、0.1重量%〜5重量%の量で含まれるが、好ましくは、0.2重量%〜3重量%の量で含まれる。局所眼科処方物の例は、実施例5において示される。従って、局所提示(presentation)について、1〜3滴のこれらの処方物は、熟練の臨床医の日常的な裁量に従って1日あたり1〜4回、眼の表面に送達される。
【0020】
プロペントフィリンはまた、緑内障を処置するための他の薬剤と組合わせて使用され得、これらの薬剤の例としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:β−ブロッカー(例えば、チモロール、ベタキソロール、レボベタキソロール、カルテオロール、レボブノロール、プロパノロール)、カルボニックアンヒドラーゼインヒビター(例えば、ブリンゾラミド(brinzolamide)およびドルゾラミド(dorzolamide))、α1アンタゴニスト(例えば、ニプラドロール)、α2アゴニスト(例えば、イオピジンおよびブリモニジン)、縮瞳薬(例えば、ピロカルピンおよびエピネフリン)、プロスタグランジンアナログ(例えば、ラタノプロスト、トラバプロスト、ウノプロストーン(unoprostone)、バイマトプロスト)、ならびに米国特許第5,889,052号;同第5,296,504号;同第5,422,368号;同第5,688,819号;および同第5,151,444号に示される化合物、「降圧性(hypotensive)脂質」(例えば、5,352,708に示される化合物)、セロトニン様剤(serotonergic)、ならびに神経保護剤(neuroprotectant)(例えば、米国特許第4,690,931号からの化合物、特に、係属出願U.S.S.N.06/203350に示されるようなエリプロジル(eliprodil)、およびR−エリプロジル、ならびにメマンチン(memantine)のようなWO94/13275からの適切な化合物。
【実施例】
【0021】
(実施例1)
(培養されたヒト小柱網(HTM−35D)細胞におけるMMP−3発現に関する種々の化合物の効果)
Steelyら、The effects of dexamethasone on fibronectin expression in cultured human trabecular meshwork cells,Investigative Ophthalmology and Visual Science,1992;33:2242〜2250に記載されるように、ヒトTM細胞を、単離し、特徴付け、そして培養した。これらを、10%ウシ胎仔血清および50μg/mLゲンタマイシンを補充したGlutamax Iを含むDulbeccoの改変Eagle培地から構成される培地中、5%CO2および37℃で維持した。コンフルーエントな細胞培養物を、指示された最終濃度の指示された化合物で72時間処理し、そしてこの培地を、市販のELISAアッセイキットによってプロMMP−3についてアッセイした。(図1を参照のこと)。略語:PPF−OHは、ヒドロキシプロペントフィリンである。
【0022】
(実施例2)
(ヒト眼性灌流器官培養物における流出に関するプロペントフィリンの効果)
ヒト眼性灌流器官培養物は、記載されるように実施した(Tschumperら、Glycosaminoglycans of human trabecular meshwork in perfusion organ culture.Current Eye Research,1990;9:363〜369;Clarkら、Dexamethasone−induced ocular hypertension in perfusion−cultured human eyes.Investigative Ophthalmology and Visual Science 1995;36:478〜489)。簡潔には、ヒト死体の眼(死後16〜20時間)を、赤道および水晶体で解剖し、硝子体および虹彩を取り出した。TMおよび毛様体を含む、角膜ならびに強膜輪を含む眼の前区を、特注のプレキシガラス培養皿に配置し、そして適所にプレキシガラスO−リングで密封した。培養培地(Dulbeccoの改変Eagle培地)を、レザバに配置し、そして皿の下部における中心カニューレを通じて灌流した。このレザバを、灌流された眼の中央と比較して、約11mmHgの静水圧を生成するように上昇させた。このレザバの重量を、毎日記録した。流出速度を、単位時間あたりのレザバの重量における変化として定義した。
【0023】
2〜4日間の安定化期間の後、眼を、100μMのプロペントフィリン(PPF)またはビヒクル単独のいずれかで灌流し、これらの流出速度を、さらに4日間モニタリングした。*は、スチューデントのt検定によって、p<0.05を示す。(図2を参照のこと)。
【0024】
(実施例3)
(レーザー処理したサルの眼におけるプロペントフィリンのIOPを低下させる効果)
上部パネル:レーザー処理したサルの眼におけるプロペントフィリン(PPF)(500μg)のIOPを低下させる効果。この効果は、局所的な眼投薬後1時間でIOPを明らかに減少させた。
【0025】
下部パネル:プロペントフィリンは、繰り返し用量後でさえも低眼圧性(ocular hypotensive)であった。これらのサルは、指示された日にわたって毎日2回500μgのプロペントフィリンを受け、そしてIOPを、朝の投薬直後に測定した。ビヒクルのコントロールを受けた眼のIOPは、変化しなかった(データを示さず)。
【0026】
研究を、以前に記載したように実施した(Torisら、Aqueous humor dynamics in monkeys with laser−induced glaucoma,Journal of Ocular Pharmacology and Therapeutics,2000;16:19〜27)。(図3を参照のこと)。
【0027】
(実施例4)
経口投与に適切であり、そして眼内圧を制御するために有用である錠剤処方物。
【0028】
【表3】
(実施例5)
高眼圧症を処置するために有用な局所眼科組成物:
【0029】
【表4】
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】なし
【図2】なし
【図3】なし
【0001】
本発明は、眼内圧(IOP)、特に、緑内障および/または高眼圧症に関連した上昇した眼内圧を制御するためのプロペントフィリン(propentfylline)の使用に関連付けられる。
【背景技術】
【0002】
緑内障は、視神経乳頭の変性および視覚の喪失に関連した眼性疾患であり、緑内障は、不可逆的な失明をもたらし得る。上昇したIOP(高眼圧症)は、緑内障の主要な危険因子である。IOPは、毛様体上皮からの眼房水産物の速度と、小柱網(TM)およびブドウ膜強膜経路を通ったその流出物の速度との間の平衡によって調節される。原発開放隅角緑内障において、IOPの異常な増加は、流出能力の顕著な減少をもたらすTMにおける病理学的な変化に主に起因する(Bellows編,Glaucoma:Contemporary international concepts.New York:Masson Publishing,1979:24−48中のLangham,The physiology and pathology of the intraocular pressure.;Bellows編,Glaucoma:Contemporary international concepts.New York:Masson Publishing,1979:17−23中のSegawa,Electron microscopic changes in the trabecular tissue in primary open angle glaucoma.;Rohen,Why is intraocular pressure elevated in chronic simple glaucoma? Anatomical consideration,Ophthalmology 1983;90:758−765)。
【0003】
TMを介する眼房水流出の抵抗性(resistance)は、通常、TMにおける継続中の細胞外マトリクスターンオーバーによって部分的に調節されることが報告されている(Bradleyら,Effective matrix Metalloproteinases activity on outflow in perfused human organ culture,Investigative Ophthalmology & Visual Science,1998;39;2649−2658)。マトリクスメタロプロテイナーゼ(MMP)は、TMにおいて細胞外マトリクスのターンオーバーを調節する重要な酵素として提唱されている(Alexanderら,Expression of matrix metalloproteinases and inhibitor by human trabecular meshwork,Investigative Ophthalmology & Visual Science,1991;32:172−180.1991;Drance,Van Buskirk,& Neufeld編,Pharmacology of Glaucoma.Baltimore:Williams & Wilkins,1992:125−127.1992中のAcott,Trabecular extracellular matrix regulation.;Samplesら,Regulation of the levels of human trabecular matrix metalloproteinases and inhibitor by interleukin−1 and dexamethasone,Investigative Ophthalmology & Visual Science,1993;34:3386−3395)。これらの酵素の活性化は、理論的に、緑内障の眼において過剰およびうっ血性の細胞外マトリクスを減少させ、そして入れ替わりに流出経路の流体抵抗を減少させ得る。実際に、精製したメタロプロテイナーゼ(MMP−2、MMP−3およびMMP−9)をヒトの眼球の前区に灌流するために使用した場合、流出能力が、少なくとも5日間持続して50%よりも増加した(Bradleyら,Effective matrix metalloproteinases activity on outflow in perfused human organ culture,Investigative Ophthalmology & Visual Science,1998;39:2649−2658)。同様に、インターロイキン−1α(TMにおいてマトリクスメタロプロテイナーゼの発現を増加させることが知られているサイトカイン)を用いる眼球の前区の灌流もまた、流出能力を増強した(Bradleyら,Effective matrix metalloproteinases activity on outflow in perfused human organ culture,Investigative Ophthalmology & Visual Science,1998;39:2649−2658)。対照的に、メタロプロテイナーゼインヒビターは、ペプチド(例えば、メタロプロテイナーゼの組織インヒビター)であろうと、または非ペプチド(例えば、ミノサイクリン、L−トリプトファンヒドロキサメート)であろうと、水性流出物を抑制した。さらに、Acottら(米国特許第5,260,059号)は、組織インヒビターのメタロプロテイナーゼ(TIMP)に対するマトリクスメタロプロテイナーゼ(MMP)の比率(すなわちMMP/TIMP)を調節するための物質を用いて、開放隅角緑内障を処置するための方法を開示している。これを達成するためのその発明者らの最も好ましい物質は、マトリクスメタロプロテイナーゼを含む(第3欄、33〜37行を参照のこと)。
【0004】
プロペントフィリン(HWA 285;3−メチル−1−(5’−オキソヘキシル)−7−プロピル−キサンチン)は、末梢血管拡張薬である。プロペントフィリンは、米国特許第4,289,776号(Mohlerら)において、動脈血流の障害または血管拡張不全を処置するために有用であるとして;米国特許第4,636,507号(Sheetz)において、外傷に対する宿主の防衛機構を処置するために;米国特許第5,310,666号(Aretzら)において、末梢、脳および眼の血管障害の処置のために;米国特許第4,719,212号(Gotoら)において脳障害の処置のために;米国特許第5,762,953号(Venkateshwaran)において、アルツハイマー病の処置のために;米国特許第5,409,935号(Schubertら)において、頭蓋−脳外傷後の二次的神経細胞損傷および機能障害の処置のために;そして米国特許第6,037,347号(Schubertら)において、痴呆の処置のために、開示されている。
【0005】
米国特許第5,780,450号(Shade)において、アデノシン取り込み(uptake)インヒビターは、急性または慢性の緑内障、水腫、虚血、低酸素症、もしくは外傷の後の、網膜および視神経乳頭の損傷を処置するために有用であるとして開示されている。この特許に開示されたアデノシン取り込みインヒビター(プロペントフィリンを含む)は、眼組織の神経細胞へのアデノシンの取り込みまたは再吸収を阻害し、従って上記に参照した状態によって誘発されるかまたはその状態から生じる損傷から神経細胞を保護するのに役立つ。IOPを低下させるかまたは制御するためのアデノシン取り込みインヒビターの使用は、開示も示唆もされていない。プロペントフィリンはまた、種々の状態(緑内障を含む)から生じる眼の神経変性を処置するために有用な神経栄養因子刺激物質であることも決定された(WO/00/32197,Alcon Laboratories,Inc.)。
【0006】
いずれの上記の刊行物も、IOPを低下させるかもしくは制御するためのプロペントフィリンの使用、または眼組織におけるMMPの発現の調節に対するプロペントフィリンの効果を開示していない。
【0007】
ペントキシフィリン(pentoxifylline)は、プロペントフィリンに近縁(close)のアナログである。2%のペントキシフィリンの局所点眼は、眼の正常血圧性のウサギにおいてIOPのわずかな減少の生成することが報告された(Hariton,Ocular hypotension induced by topical dopaminergic drugs and phosphodiesterease inhibitors,European Journal of Pharmacology,1994;258:85〜94)。この原稿はまた、ペントキシフィリンが、他の化合物(例えば、3−(3−ヒドロキシフェニル)−N−n−プロピルピペリジン、およびトリフルペリドール)と組合わせて投与された場合、ペントキシフィリンのIOPを低下させる効果を記載する。しかし、プロペントフィリンは、この報告において研究も言及もされていなかった。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0008】
(発明の要旨)
本発明は、ヒトにおいてプロペントフィリンを用いて眼内圧を制御するための方法に関連付けられる。
【0009】
(好ましい実施形態の説明)
プロペントフィリンは、培養されたヒト小柱網細胞において、メタロプロテイナーゼ−3(MMP−3;ストロメライシン(stromelysin))の発現を刺激することが予想外に発見された。100μMプロペントフィリンを用いるこの細胞の72時間にわたるインキュベーションは、MMP−3の発現を有意に増加させた(図1、上部パネル)。この予想外の効果は、プロペントフィリンに独特であった。なぜなら、他のアデノシン再取り込み(reuptake)インヒビターおよびプロペントフィリンの近縁の化学アナログ(例えば、ジピリダモール、ペントキシフィリン、およびヒドロキシ−プロペントフィリン)は、TM細胞におけるMMP−3発現において統計的に有意な変化を生成しなかったからである(図1、下部パネル)。このTM細胞によるMMP−3産生に関するプロペントフィリンに独特な刺激性効果は、この効果が、眼における水性流体力学を調節し得、そしてIOPに影響し得ることを示唆する。
【0010】
プロペントフィリンがIOPを低下させるという先行する証拠の欠如にも関わらず、本発明者らは、この化合物が、ヒトの眼の灌流器官培養物において水性流出の機能(facility)を向上させることを見出した。このエキソビボ研究において、緑内障でないドナーの眼の前区を、100μMのプロペントフィリンで連続的に灌流した。灌流開始の2日後および3日後、プロペントフィリンを受けている眼の流出速度は、ビヒクルで処置した眼と比較した場合、有意に増加した(実施例2)。
【0011】
プロペントフィリンを、IOPに対するプロペントフィリンの潜在的な効果についてウサギにおいて試験した。プロペントフィリンは、統計的に有意な変化を生じなかった(表1)。この研究において、ウサギを、レストレーナー(restrainer)中に配置し、そしてIOPを、0.1%プロパラカイン(生理食塩水で希釈したAlcaine(登録商標))で軽い角膜の麻酔の後、Alcon Pneumatonometerで決定した。各IOP測定に続いて、残留する麻酔薬を、生理食塩水で洗い流した。2回のベースライン測定の後、動物を、ビヒクルまたはプロペントフィリン(2×25μL、1%溶液)を用いて角膜上に局所投与した。次いで、IOP測定を、指示された間隔で行った。この知見は、眼上への500μgのプロペントフィリンの局所投与が、ウサギのIOPに影響しなかったことを示す。この化合物は、この研究において十分に耐容性(tolerate)であった。
【0012】
【表1】
同じ研究において、プロペントフィリンと同様に、ペントキシフィリンが、ウサギにおいて有意に低下したIOPでなかったことも見出した(表2)。
【0013】
【表2】
ウサギの眼における種々の薬理学的薬剤へのIOP応答は、霊長類におけるIOP応答に必ずしも対応しない。例えば、臨床的に活性なIOP低下化合物(例えば、ラタノプロスト(latanoprost)またはピロカルピン)は、ウサギにおいてIOPに関する測定可能な効果を有さなかった(Dinslageら、Intraocular pressure in rabbits by telemetry II:effects of animal handling and drugs,Investigative Ophthalmology & Visual Science,1998;39:2485〜2489;Van Bijsterveldら、The effect of hypotensive drugs on the intraocular pressure after waterloading in rabbits,Documenta Ophthalmologica,1981;52:189〜198)。従って、ウサギから得られたIOPに関する実験データは、霊長類(ヒトを含む)における薬学的作用を推定するために一般化され得ない。
【0014】
高眼圧症のサルにおいて試験した場合に、霊長類におけるプロペントフィリンのIOPを低下させる効果を発見した。この動物モデルにおいて、カニクイザルのIOPを、TMのレーザー誘起光凝固によって人工的に増加させた。水溶液中の500μgのプロペントフィリンを、麻酔していないサルのレーザー処理した眼の表面上に点眼した場合、IOPにおいて劇的な減少を生じた(図3、上部パネル)。このIOPを低下させる効果は、継続的な7日間の薬物処置(500μg、1日に2回)の後でさえも持続した(図3、下部パネル)。ウサギと同様に、この化合物は、十分に耐容性であった。
【0015】
本発明の組成物は、プロペントフィリンおよび薬学的に受容可能なビヒクルを含有する。本明細書中において使用される場合、用語「薬学的に受容可能なビヒクル」とは、受容可能(すなわち、安全)である任意の処方物をいい、そして所望の投与経路について有効量のプロペントフィリンの適切な送達を提供する。本発明の組成物は、経口投与され得るか、またはこの組成物は、局所的な投薬を介してか、もしくは眼の盲管に配置された連続放出デバイスによって眼に局所投与され得る。
【0016】
プロペントフィリンは、経口投与のために処方物(例えば、錠剤またはカプセル剤)中に組込まれ得る。従って、100〜1000mgのプロペントフィリンは、不活性成分(例えば、スターチ、ラクトースおよびステアリン酸マグネシウム)と組合わされ得、そして錠剤またはカプセル剤の処方物の当業者に公知の手順に従って処方され得る。錠剤処方物の例を、実施例4に示す。この処方物は、1日に1〜6回、各回に1〜3個の錠剤で患者に投与される。
【0017】
プロペントフィリンは、眼への送達のために種々の型の眼の処方物中に組込まれ得る。この化合物は、水性で無菌の眼科の懸濁液または溶液を形成するために、眼科学的に受容可能な防腐剤、界面活性剤、粘度増強剤、浸透促進物質、緩衝液、塩化ナトリウム、および水と組合わせられ得る。眼科溶液処方物は、この化合物を生理学的に受容可能な等張性の水性緩衝液中に溶解することによって調製され得る。さらに、眼科溶液は、この化合物の溶解を補助するために、眼科学的に受容可能な界面活性剤を含み得る。さらに、眼科溶液は、結膜嚢におけるこの処方物の保持を改良するために、増粘剤(thickener)(例えば、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ポリビニルピロリドンなど)を含み得る。無菌の眼科軟膏剤処方物を調製するために、活性成分は、適切なビヒクル(例えば、鉱油、液体ラノリンまたは白色ワセリン)において防腐剤と組合わされ得る。無菌の眼科ゲル剤処方物は、類似の眼科調製物についての公開された処方に従って、例えば、カルボポル(carbopol)−940などの組合わせから調製される親水性基剤中に、活性成分を懸濁させることによって調製され得;防腐剤および張性(tonicity)剤が、組込まれ得る。
【0018】
プロペントフィリンはまた、眼の盲管に配置された連続放出システムに組込まれ得る。このようなデバイスの例は、Zattaroniによって示されている(米国特許第4,186,184号)。このデバイスにおけるプロペントフィリンの放出速度は、10μg/時間〜1mg/時間である。
【0019】
プロペントフィリンは、好ましくは、約4.5〜8.0のpHを有する、局所眼科懸濁液または局所眼科溶液として処方される。通常、これらの処方物において、0.1重量%〜5重量%の量で含まれるが、好ましくは、0.2重量%〜3重量%の量で含まれる。局所眼科処方物の例は、実施例5において示される。従って、局所提示(presentation)について、1〜3滴のこれらの処方物は、熟練の臨床医の日常的な裁量に従って1日あたり1〜4回、眼の表面に送達される。
【0020】
プロペントフィリンはまた、緑内障を処置するための他の薬剤と組合わせて使用され得、これらの薬剤の例としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:β−ブロッカー(例えば、チモロール、ベタキソロール、レボベタキソロール、カルテオロール、レボブノロール、プロパノロール)、カルボニックアンヒドラーゼインヒビター(例えば、ブリンゾラミド(brinzolamide)およびドルゾラミド(dorzolamide))、α1アンタゴニスト(例えば、ニプラドロール)、α2アゴニスト(例えば、イオピジンおよびブリモニジン)、縮瞳薬(例えば、ピロカルピンおよびエピネフリン)、プロスタグランジンアナログ(例えば、ラタノプロスト、トラバプロスト、ウノプロストーン(unoprostone)、バイマトプロスト)、ならびに米国特許第5,889,052号;同第5,296,504号;同第5,422,368号;同第5,688,819号;および同第5,151,444号に示される化合物、「降圧性(hypotensive)脂質」(例えば、5,352,708に示される化合物)、セロトニン様剤(serotonergic)、ならびに神経保護剤(neuroprotectant)(例えば、米国特許第4,690,931号からの化合物、特に、係属出願U.S.S.N.06/203350に示されるようなエリプロジル(eliprodil)、およびR−エリプロジル、ならびにメマンチン(memantine)のようなWO94/13275からの適切な化合物。
【実施例】
【0021】
(実施例1)
(培養されたヒト小柱網(HTM−35D)細胞におけるMMP−3発現に関する種々の化合物の効果)
Steelyら、The effects of dexamethasone on fibronectin expression in cultured human trabecular meshwork cells,Investigative Ophthalmology and Visual Science,1992;33:2242〜2250に記載されるように、ヒトTM細胞を、単離し、特徴付け、そして培養した。これらを、10%ウシ胎仔血清および50μg/mLゲンタマイシンを補充したGlutamax Iを含むDulbeccoの改変Eagle培地から構成される培地中、5%CO2および37℃で維持した。コンフルーエントな細胞培養物を、指示された最終濃度の指示された化合物で72時間処理し、そしてこの培地を、市販のELISAアッセイキットによってプロMMP−3についてアッセイした。(図1を参照のこと)。略語:PPF−OHは、ヒドロキシプロペントフィリンである。
【0022】
(実施例2)
(ヒト眼性灌流器官培養物における流出に関するプロペントフィリンの効果)
ヒト眼性灌流器官培養物は、記載されるように実施した(Tschumperら、Glycosaminoglycans of human trabecular meshwork in perfusion organ culture.Current Eye Research,1990;9:363〜369;Clarkら、Dexamethasone−induced ocular hypertension in perfusion−cultured human eyes.Investigative Ophthalmology and Visual Science 1995;36:478〜489)。簡潔には、ヒト死体の眼(死後16〜20時間)を、赤道および水晶体で解剖し、硝子体および虹彩を取り出した。TMおよび毛様体を含む、角膜ならびに強膜輪を含む眼の前区を、特注のプレキシガラス培養皿に配置し、そして適所にプレキシガラスO−リングで密封した。培養培地(Dulbeccoの改変Eagle培地)を、レザバに配置し、そして皿の下部における中心カニューレを通じて灌流した。このレザバを、灌流された眼の中央と比較して、約11mmHgの静水圧を生成するように上昇させた。このレザバの重量を、毎日記録した。流出速度を、単位時間あたりのレザバの重量における変化として定義した。
【0023】
2〜4日間の安定化期間の後、眼を、100μMのプロペントフィリン(PPF)またはビヒクル単独のいずれかで灌流し、これらの流出速度を、さらに4日間モニタリングした。*は、スチューデントのt検定によって、p<0.05を示す。(図2を参照のこと)。
【0024】
(実施例3)
(レーザー処理したサルの眼におけるプロペントフィリンのIOPを低下させる効果)
上部パネル:レーザー処理したサルの眼におけるプロペントフィリン(PPF)(500μg)のIOPを低下させる効果。この効果は、局所的な眼投薬後1時間でIOPを明らかに減少させた。
【0025】
下部パネル:プロペントフィリンは、繰り返し用量後でさえも低眼圧性(ocular hypotensive)であった。これらのサルは、指示された日にわたって毎日2回500μgのプロペントフィリンを受け、そしてIOPを、朝の投薬直後に測定した。ビヒクルのコントロールを受けた眼のIOPは、変化しなかった(データを示さず)。
【0026】
研究を、以前に記載したように実施した(Torisら、Aqueous humor dynamics in monkeys with laser−induced glaucoma,Journal of Ocular Pharmacology and Therapeutics,2000;16:19〜27)。(図3を参照のこと)。
【0027】
(実施例4)
経口投与に適切であり、そして眼内圧を制御するために有用である錠剤処方物。
【0028】
【表3】
(実施例5)
高眼圧症を処置するために有用な局所眼科組成物:
【0029】
【表4】
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】なし
【図2】なし
【図3】なし
Claims (17)
- 緑内障または高眼圧症に関連する眼内圧を制御するための方法であって、該方法が、薬学的に有効量のプロペントフィリンを投与することを包含する、方法。
- 緑内障または高眼圧症を処置するための追加的な薬剤を投与することをさらに包含する、請求項1に記載の方法。
- 前記プロペントフィリンが、経口投与される、請求項1に記載の方法。
- 100〜1000mgのプロペントフィリンが、経口投与される、請求項3に記載の方法。
- 前記プロペントフィリンが、眼に局所投与される、請求項1に記載の方法。
- 前記プロペントフィリンが、0.1〜5重量%の濃度で局所処方物へ送達される、請求項5に記載の方法。
- 前記プロペントフィリンが、眼の盲管中に配置された連続放出システムへ送達される、請求項1に記載の方法。
- 緑内障または高眼圧症に関連する眼内圧を制御するための薬学的組成物の調製のためのプロペントフィリンの使用。
- 緑内障または高眼圧症を処置するための薬学的組成物の調製のための追加的な薬剤を用いる、請求項8に記載の使用。
- 前記組成物が、経口組成物である、請求項8に記載の使用。
- 前記組成物が、局所的な眼の組成物である、請求項8に記載の使用。
- 前記プロペントフィリン濃度が、0.1〜5重量%である、請求項11に記載の使用。
- 前記組成物が、眼の前記盲管中に配置された連続放出組成物である、請求項8に記載の使用。
- 前記プロペントフィリンおよび前記追加的な薬剤が、別々の組成物で投与される、請求項2に記載の方法。
- 前記プロペントフィリンおよび前記追加的な薬剤が、共通の組成物で投与される、請求項2に記載の方法。
- 前記追加的な薬剤が、プロペントフィリンと別の組成物中にある、請求項9に記載の使用。
- 前記追加的な薬剤が、プロペントフィリンと共通の組成物中にある、請求項9に記載の使用。
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