JP2004528156A - 集積バイオチップデバイスを含む微小流体デバイス内を輸送される生物試料および微小粒子の光スイッチングおよび光選別 - Google Patents

集積バイオチップデバイスを含む微小流体デバイス内を輸送される生物試料および微小粒子の光スイッチングおよび光選別 Download PDF

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Abstract

通常は水である流体2内にあって流体とともに移動し、典型的にはPDMS透明プラスチックで成形された放射透明基板4内の微小流体チャネル3を流れる、例えば直径5μmの微小球または細胞である小粒子1が、通常はレーザ光スイッチングビーム5の光圧力により押されることによって、選択的に操作されて、選択された下流分岐点の出力1、出力2に入る。それにより、並列処理を含む、粒子のスイッチングおよび選別を実現する。スイッチングビームは、微小流体チャネル3内の、例えば、「X」型の分岐接合部のところでラゲール−ガウスモードにて動作するVCSELから発生させるのが好ましい。小粒子1の輸送は、このように微小流体により押し出される一方、光ピンセット方法による操作は、光の散乱力による押す力から、または引き寄せる光の力勾配による引く力から生じる。押す、引くのどちらであっても、流れる流体内の粒子は、光で検出されてもよく、高度な並列処理でもよい。バイオチップ上に集積化されることを含み、細胞および粒子の低価格な分析デバイスが効率的に実現できた。

Description

【0001】
(仮特許出願との関係)
本特許出願は、本特許出願と同一の発明の名称を有する、同一発明者の2000年11月28日に出願された米国仮特許出願60/253,644に基づき、その優先権の特典を主張する。
【0002】
(発明の背景)
1.発明の分野
本発明は一般に、光ピンセット、微小流体、フローサイトメトリ、生物学的微小光電機械システム(Biological Micro Optical
Electro Mechanical System)(Bio−MOEMS)、縦型キャビティ面発光レーザ(Vertical Cavity Surface
Emitting Laser)(VCSEL)に由来するラゲール−ガウスモード発光、細胞サイトメトリ、および微小流体スイッチならびにスイッチングに関する。
【0003】
本発明は、詳細には、流体中の微小粒子の選別、ひいては「微小流体選別デバイス」に関するとともに、特にスイッチングのための、微小粒子に衝突する光子の運動量の転換、つまり「光子運動量転換」に基づいて方向付けられた微小粒子の移動にも関する。
【0004】
2.従来技術の説明
2.1 本発明の機能の背景
ここ数年来、生物学的ならびに医学的な研究および発見の速度を著しく上げるために、ラボオンチップ(lab−on−a−chip)デバイスの可能性に多大な関心が寄せられている。P.Swanson、R.Gelbart、E.Atlas.L.Yang、T.Grogan、W.F.Butler、D.E.AckleyおよびC.Sheldonの「DNA解析のための完全に多重化されたCMOSバイオチップ」、Sensors and Actuators B 64、22〜30(2000年)を参照。また、M.Ozkan、C.S.Ozkan、M.M.Wang、O.Kibar、S.BhatiaおよびS.C.Esenerによる「動電移動による生物種および無機物の異種集積化」、IEEE Engineering in Medicine and Biology(印刷中)も参照。
【0005】
これまでに実証されたそのようなバイオチップの利点のひとつは、ごく小さな試料体積(ナノリットルのオーダー)で動作して、従来の方法で得られるよりはるかに高いレートで分析を実行する能力である。DNA分子ほどの小さな対象物から、生きた細胞ほどの大きな対象物までを研究するためのデバイスがこれまで実証されてきた。P.C.H.LiおよびDJ、Harrisonの「動電効果を用いたオンチップ生物細胞の輸送、操作、および反応」、Anal.Chem.69、1564〜1569(1997年)を参照。
【0006】
細胞研究にとって重要な一つの能力は、細胞の種類、大きさ、または機能に基づいて細胞の選別つまりサイトメトリを実行する能力である。マイクロサイトメトリに対する最近のアプローチは、異種細胞の電気泳動法または電気浸透圧法による分離に基づいている。A.Y.Fu,C.Spence、A.Scherer、F.H.ArnoldおよびS.R Quakeの「微細製作した蛍光発色細胞選別装置」、Nature 17.1109〜1111(1999年)を参照。
【0007】
2.2 本発明のデバイス構造の科学的背景
本発明は、光ピンセットを採用するために用いられるだろう。A.Ashkin、J.M.Dziedzic、J.E.BjorkholmおよびS.Chuの「誘電粒子のための単一ビーム傾斜力光トラップの観察」Opt.Lett.11、288〜291(1986年)を参照。
【0008】
本発明は、微細製作流体チャネルを採用するためにも用いられるだろう。H.−P.Chou、C.Spence.A.Scherer.およびS.Quakeの「DNA分子のサイジングおよび選別のための微細製作デバイス」Proc.Natl.Acad.Sci.USA 96 11〜13(1999年)を参照。
【0009】
画成された流体チャネルを通る物体の光学的操作についての以前の実証では、光子圧力を用いてチャネル全長にわたり細胞を輸送していた。T.N.Buican M.J.Smyth、H.A.Crissman、G.C.Salzman,C.C.StewartおよびJ.C.Martinの「単一細胞に対する自動化された操作および光トラップによる選別」、Appl.Opt、26、3311〜5316(1987年)を参照。本発明のデバイスは、正反対に機能させるために用いられることになろう。
【0010】
2.3 本発明のデバイス構造の技術および特許の背景
既存の(i)バイオチップ(ラボオンチップ)技術および(ii)微小流体技術は数多く存在する。これら技術の大半は、電気的または機械的な力を用いて、チャネル内でスイッチングを実行する。本発明は、光(光子圧力すなわち放射圧力を発生する)を用いて、特には微小流体チャネルを流れる小粒子のスイッチングを実行する点で独特である。
【0011】
2.3.1 光ピンセットおよび光による粒子操作に一般的に関係する特許の背景
光子圧力を用いて小粒子を移動させるという考えは周知である。以下のすべてのAshkin特許は概ね光ピンセットを扱っている。いずれの特許も、光「押圧」力および光「トラップ」力の使用について記載しており、その両方とも本発明で使用している。しかしながら、これらの特許は、本発明の核心と見られる光の力を微小流体と組み合わせて用いることを教示も、示唆もしていない。
【0012】
Bell Telephone Laboratories, Inc.(ニュージャージ州マレイヒル所在)へ譲渡されたAskinの米国特許第3,710,279号「中性粒子をトラップして加速する装置」は、中性の生物粒子等の粒子の運動を、その環境に関係して自由に移動できるように放射圧力により制御する各種装置に関する。上記特許の一部継続出願である後のAskin特許が米国特許第3,808,550号である。
【0013】
最後に、American Telephone and Telegram Company(ニューヨーク州ニューヨーク所在)およびAT&T Bell Telephone Laboratories(ニュージャージ州マレイヒル所在)へ譲渡された、同じくAshkinの米国特許第4,893,886号「生物粒子用非破壊光トラップおよびその方法」は、赤外線レーザを用いて、単一ビーム力勾配トラップ内に生物粒子を首尾よくトラップすることに関する。同時観察のためにトラップ内には高開口数の対物レンズも使用される。トラップ操作モードが幾つか提示されている。
【0014】
2.3.2 光ピンセット/光操作および微小流体/微小チャネルの各種組合せを示す特許
Bell Telephone Laboratories, Inc.(ニュージャージ州マレイヒル所在)へ譲渡されたMartin他の米国特許第4,887,721号「レーザ粒子選別装置」は、生物粒子等の粒子を選別する方法および装置に関する。粒子を経路に沿って効率的に推進するものの、粒子が軸方向でトラップされることのない程度に弱い強度の勾配を持つ光経路を、第1レーザが画成する。プローブレーザービームは粒子を調べて、粒子の所定の表現型特性を識別する。第2レーザービームは駆動中の第1レーザービームと交差し、そこで第2レーザービームは、所定特性を指し示す出力信号によって活性化される。第2レーザービームは、第1強度と第2強度間でスイッチング可能であり、ここで第1強度は、駆動中のレーザービームから選択粒子を変位させ、第2強度は偏向レーザービームに沿って選択粒子を推進する。こうして、選択粒子は、偏向ビームによって次の分析に適した場所へ推進されることになる。
【0015】
Martin他の上記粒子推進手段は、(i)流体による粒子懸濁、および(ii)キャビティ内で粒子を動き回らせるための光押圧ビームの使用に関する。本発明の特定装置により実行されるような選別用途についても記載している。しかしながら、本発明は、Martin他の米国特許第4,887,721号「微小流体中での選別」とは異なる。なぜなら、この特許は、光ビームを用いた全粒子の輸送を教示しているが、本発明では、スイッチングだけのために光ビームを用い、輸送は微小流体流により行われる。米国特許第4,887,721号の装置では、単ビームが一つのチャンバから次のチャンバへ粒子を押す。すぐに分かるように、本発明の各種装置では、連続水流が粒子を動き回らせるように働き、光は単にスイッチとして用いられるだけである。これははるかに効率的な光子使用法であり、装置の更に高速なスループットに寄与する。
【0016】
Martin他特許は、(i)光手段により粒子を感知し、(ii)その感知の結果に作用ずることにより(iii)レーザ光で粒子を操作する、ことについても記載している。係る光感知は本発明と完全に両立する。
【0017】
(i)流体、およびそれとは別の(ii)光操作、の両方とも、SEQ,Ltd.(ニュージャージ州プリンストン所在)へ譲渡されたUlmerの米国特許第5,674,743号「DNA配列決定方法および装置」に含まれている。Ulmer特許は自動的にDNA配列を決定する方法および装置に関する。この発明の方法は、a)前進型エクソヌクレアーゼを用いて、単一DNA鎖から、その鎖上の次に利用可能な単一ヌクレオチドを開裂し、b)DNA鎖から単一ヌクレオチドを分離して輸送し、c)蛍光増強マトリックスに単一ヌクレオチドを組み込み、d)単一ヌクレオチドに照射を行って蛍光を発生させ、e)その蛍光を検出し、f)その蛍光により単一ヌクレオチドを識別し、そしてg)ステップa)からf)までを際限なく(例えば、DNA鎖が完全に開裂されるまで、または所望する長さのDNAが配列決定されるまで)繰り返すステップを含む。この発明の装置は、細胞からDNAを抽出するとともにDNAから単一ヌクレオチドを分離する開裂ステーション、DNAから単一ヌクレオチドを分離するとともに単一ヌクレオチドを蛍光増強マトリックスに組み込む輸送システム、および単一ヌクレオチドの照射、検出、および識別のための検出ステーションを含む。ヌクレオチドは、レーザでそのヌクレオチドを照射してその自然蛍光を励起し、その蛍光スペクトルを検出して4種類のヌクレオチドについて予め記録したスペクトルとその検出スペクトルとを一致させ、特定ヌクレオチドを識別することによって有利に検出される。
【0018】
Ulmer装置の実施の形態では、適切に組み込まれた電極を介して電界を印加(約1〜10V/cm)し、細胞選別の最初のステップと全く同様に、染色体を縦一列の微小チャネルへ移動させる。個々の染色体は、微小チャネルに沿って進みながら、顕微鏡系で視覚化される。このステップも、コンピュータ画像解析を用いて染色体識別を自動化できる(Zeider、1988年、Nature 334:635を参照)。同様に、選択的に印加した電界と連動するチャネル内の分岐点を用いて、個々の染色体を小さな分離チャンバへ転送する。一旦、個々の染色体が分離されると、配列決定のための2個の「同一」コピーを準備するために、焦点を合わせたレーザーマイクロビームおよび光ピンセット、あるいは機械的顕微解剖のいずれかにより、姉妹染色分体を分離する。
【0019】
本発明は、光ピンセットを、微小チャネルを用いて「チャンバ」へ一旦収めた染色体などに用いるためだけでなく、Ulmerが電界のみによって行うように考えた処理、つまり微小チャネル自体の中にある粒子を方向転換させるためにも用いられる。
【0020】
Nishimura他の米国特許第5,495,105号「粒子操作方法ならびに装置、およびそれを用いる測定装置」は、流路内に形成された、浮遊微細粒子を含む液体のフローに関し、それにより粒子の連続移動を引き起こす。レーザ起源の、強度分布を持つ光ビームの焦点を液体のフローに合わせることによって、粒子は、照射位置で光によりトラップされて、液体のフローに対して停止させられるか、または制動力により遅くなる。この現象は、フロー中で粒子間隔を制御したり、粒子を分離するのに用いられる。
【0021】
本発明は、流体中の粒子の流れを遅らせたり(制動したり)、あるいはトラップしたりすることには関係せずに、粒子の流路を変更するために用いられる。
【0022】
検討を行った次の3件の特許は、必ずしも本発明に対する従来技術ではない。なぜなら、本出願の優先日は、先に述べた先行する仮特許出願により確立しているので、これら特許の発行日は本特許出願の優先日の1年前より後だからである。しかしながら、微小流体および/またはレーザ操作による粒子処理の一般的な、ほぼ21001年現在の技術水準を完全に説明するために、これらの特許に言及しておく。それにより、既存の代替技法を超える本発明の違いをもっと良く理解できよう。
【0023】
これに関連して、The Rockfeller University(ニューヨーク州ニューヨーク所在)へ譲渡されたShivashankar他の米国特許第6,139,831号「基板上へ分子を固定する装置および方法」は、(i)微小流体による移動、および(ii)光ピンセットによる操作、の両方を考慮している。しかし、Shivashankar他は、両者が別々のイベントであるべきだ、と考えている。
【0024】
Shivashankar他特許は、分子、特にガラスまたはシリカなどの基板上へDNA、RNA、タンパク質、液体、炭水化物、またはホルモンなどの生物分子を固定する装置および方法に関する。固定パターンは、アドレス可能で不連続な分子アレイが基板上に得られるように作成され、バイオエレクトロニクス、DNAハイブリダイゼーション検定、薬品検定などの用途がある。Shivashankar他の発明は、報告によれば、DNA−DNA、DNA−タンパク質、または受容体−配位子の相互作用に基づくリアルタイムの工程監視にとっての、ゲノムDNAおよびタンパク質のアレイ移植が容易に可能となる。この装置では、光ピンセットを非侵襲性ツールとして用いることができるので、半導体基板上の空間的局所位置に、例えば生物分子などの分子で被覆した粒子を、選択して移植できる。この非侵襲性光学的方法を、バイオチップの製作に加えて、微小流体チャンバ内の特定生物分子のアレイ移植に適用できることが認識され、Shivashankar他は、光分離法が細胞はもとより分子に対しても役に立つことを予見している。
【0025】
それは多分可能であろうが、本発明は、微小流体チャネル内に静止しているのではなくて微小流体力を受けて微小チャネル内を移動する生物分子を動かしながら、これら分子に対して光ピンセットを使用するために用いられることになる。
【0026】
Beckman Coulter、Inc.(カリフォルニア州フラートン所在)に譲渡されたLiuの米国特許第6,159,749号「光ピンセットを用いた、高感度ビードベースのマルチ検体検定システム」は、化学的かつ生物学的分析のための装置と方法に関し、この装置は、反応基板を操作する光トラッピング手段および測定手段を有する。光トラッピング手段は、基本的には、適切な波長のビームを放出できるレーザ源である(例えば、Nd:YAGレーザ)。レーザービームは、誘電体微小粒子(例えば、反応基板となる5ミクロンのポリスチロールビード)に衝突し、その結果、ビードは力勾配の半径方向成分によりレーザービームの焦点に閉じ込められる。一旦「トラップ」すれば、ビーム焦点を移動させるか、あるいは反応チャンバを移動させることによりビードを移動させることができる。こうした方法で、微小チャネルで連結された分離反応ウェル間でビードが転送され、ビードに固定した試薬との反応、そして個々のウェルに含まれた試薬との反応が可能になる。
【0027】
Liu特許は、このように、光レーザービームの力を受ける微小チャネルの粒子、つまりビードを移動させる作用、すなわちトラップについて記載している。しかし他の文献と同様に、Liuは、微小流体の力を受けて移動する粒子が、光の力も受ける点を考慮していない。
【0028】
The University of Texas SystemのBoard of Regents(テキサス州オースチン所在)へ譲渡されたBecker他の米国特許第6,294,063号「プログラム可能な流体処理方法および装置」は、パケットのプログラム操作による微小流体処理の方法および装置に関する。材料を反応面上に導いて区画化することにより、パケットを形成する。パケットの位置は位置センサで感知する。その位置で、プログラム可能な操作力をパケットに与える。このプログラム可能な操作力は、コントローラによりパケット位置に応じて調整可能である。パケットは、プログラム可能な操作力に応じて、任意に選択された経路に沿ってプログラム可能に移動される。考慮された点は、「パケット」が、光の力を含め多くの異種の力により「経路」に沿って移動することである。これらの力は、誘電泳動、電気泳動、光学的(例えば、光ピンセットの使用により発生する)、機械的(例えば、弾性進行波または音響波から発生する)、または、その他任意の適切な種類の力(またはこれらの組み合わせ)の何れかであると記載されている。また、少なくとも幾つかの実施の形態では、これらの力はプログラム可能である。係るプログラム可能な力を用いて、任意に選択された経路に沿ってパケットを操作できる。
【0029】
Becker他の方法および装置は、記載の他の特許と同様に、一つの力つまり光の力で操作しながら、別の力つまり微小流体で移動させることを考えてはいない。
【0030】
(発明の概要)
いくつかの局面のうちの一局面において、本発明は、光ビーム(光子圧力すなわち放射圧力を発生する)を用いて、微小流体チャネルを流れている小粒子のスイッチングを行うことを意図している。本発明は、特に、細胞(または他の生物試料)の輸送および選別の両方を行いたい場合に、バイオチップ技術での使用に有益である。
【0031】
その微小流体スイッチングの局面で、本発明は、小さな微小流体チャネルを通って流れる、通常は水である連続流体中の微小粒子の、光つまり放射による操作を意図している。水流は、電気浸透圧、圧力、または圧送等により発生させることができる。流れている流体中の粒子は接合部へ流入する。この接合部は、普通は逆「T」、逆「Y」、または「X」の形を成すが、一般化すると、n入力チャネルで、M出力チャネルの任意の分岐であり、ここでn=1,2,3,...N、m=1,2,3,...Mである。光子力は、n入力チャネルの一本からm出力チャネルの一本へ入る(すなわち「下る(down to)」)接合部に現れる粒子を制御して方向付けるように働く。粒子に力を加えて所望の方向に、かつ所望の出力チャネルへ入るよう制御するために、光子力は引く力の性質を持つか、より好ましくは、光子圧力による力、つまり引く力および押す力の両方を持つ。n入力チャネルのうちの一本に現れる粒子がどちらか一方の方向へ押されるか、引かれてm出力チャネルのうちの一本へ行くように、2つ以上のレーザが反対方向を向いていてもよい。
【0032】
微小流体チャネルのサイズ範囲は、直径範囲が1μmから100μmの生細胞を含む微小粒子のスイッチングおよび選別のそれぞれで、好ましくは直径2μmから200μmである。
【0033】
本発明のこの微小流体スイッチングの局面は、2つの主要な実施の形態があり、両実施の形態は、本明細書の「好ましい実施の形態の説明」で、「微小流体デバイス内の生物試料の全光式スイッチング」と題する第1節、および「細胞輸送および選別のための光電アレイデバイスの集積化」と題する第2節において更に詳しく説明する。なお、第2の実施の形態である「光電アレイデバイス」は、VCSELピンセットとして実施するのが最も好ましく、これらピンセットは、「実施されたアレイを含むVCSEL光ピンセット」と題する第3節で更に詳しく説明する。
【0034】
微小流体スイッチングの第1の実施の形態(第1節で詳細に説明)では、粒子が接合部に入る時に、光ピンセットトラップを用いて粒子をトラップするとともに、一方の側または他方の側へ粒子を「引く」。微小流体スイッチングの第2の実施の形態(第2節で詳細に説明)では、光ビームの散乱力を用いて、粒子を一方の出力または他方の出力へ向けて「押す」。これら両実施の形態は有効なプラクティスにまで至っている。どちらの実施の形態を選択して用いるか、または同時に両方を用いるかは、まさしく何を、どこへ操作しようとしているかによって決まる。VCSELまたはVCSELアレイを基本とすることができて、その上好ましくもある「押す」方式は、一般的には順応性に富むとともに低費用で済むが、発生する力は、「引く」実施の形態よりも弱い。
【0035】
粒子は光ビームをほんの短時間で通過してから、連続的に流体に追従して選択チャネルを流れ下り続ける。本発明による微小流体粒子スイッチは、(i)並列接続、および(ii)縦列接続の両方とも可能であり、これが大きな利点である。スイッチングのために光学特性を用いる明確な利点は粒子との物理的接触がなく、従って相互汚染の懸念が少なくなることである。
【0036】
本発明の更に別の寄与は、光スイッチングビームを、微小流体チップのスイッチング領域へ、好ましくは当該チップの平坦面に対して垂直に入射するようにした2つの特定の実施の形態で見ることができる。これは、接合点でのいくつかの微小流体チャネルが、チップ内で異なる深さすなわちレベルにあり、スイッチングビームはチップの平坦面を横断する方向に、つまりチップ内の「上」または「下」方向に、粒子へ力を加えるように働いてスイッチングを実現することを意味する。各光ビームの焦点は、普通は外部レンズによって微小流体接合部に合わせる。これは非常に好都合であって、光学設計が著しく容易になる。しかしながら、いうまでもなく、代替として、微小流体チップ内に直接製作した導波路および/またはマイクロレンズにより光ビームを入射してもよい。
【0037】
別の局面において、本発明は、(i)縦型キャビティ面発光レーザ(VCSEL)(または、アレイ型VCSELで実施されるピンセットアレイ)、および(ii)微小粒子を含む流体を流す微小流体チャネルが内部にあるVCSEL光透過基板、の両方で実施される新しい形態の光ピンセットを意図している。本発明の「微小流体光ピンセット」では、レーザ励起(lasering)およびレーザ光放出を、エルミート−ガウスモードからラゲール−ガウスVCSELモードへ変更することにより、VCSELの比較的低い出力パワー、従って比較的低い光トラップ強さが特に補償される。このモード変更は、関連米国特許出願が教示するVCSEL製作後のアニーリング工程により行われる。その内容を引用して本明細書に組み込む。
【0038】
上記のようにアニーリングされ、エルミート−ガウスモードからラゲール−ガウスモードへ放射モード変換された好ましいVCSELは、回転対称を特徴とする光を放出し、高次モードでは、いわゆる「ドーナツ型」モードと極めて酷似する光を放出する。この特性の光はピンセットにとって最適である。すなわち、「ピンセットでつままれた」対象物は単一レーザービームの中心に保持される。また、アレイ型VCSELを低コストで構成して制御する能力は、ピンセット作業の連続制御に対し、そして本発明による微小流体チャネル内を進行する微小粒子の輸送とスイッチングの制御に対し、新しい機会を提供する。
【0039】
1.スイッチングおよび選別等のための、小粒子の移動および操作
従って、一局面において、本発明は、スイッチングおよび選別などの目的のために小粒子を移動し、そしてまた操作する方法において具体化される。
【0040】
小粒子を物理的に(i)移動して、(ii)操作する方法は、(i)微小流体チャネルを流れる流体中に粒子を入れること、および(ii)粒子が微小流体チャネル内を移動する時に放射力の下で粒子を操作すること、から成る。
【0041】
本方法を拡張して、複数の択一的行先のうち選択した一つへ、小粒子を物理的かつ空間的にスイッチングするように成すこともできる。そのような場合、微小流体チャネルを流れる流体中へ粒子を入れることは、(i)上流側位置から、(ii)分岐接合部を通って、(iii)複数の択一的な下流側行先の各々に至る複合微小流体チャネルを流れる流体中へ粒子を懸濁させることから成る。粒子が複合微小流体チャネル内を移動する時に、放射の下で粒子を操作することは、分岐接合部のところで粒子を制御して、複数の択一的下流側行先のうち選択された一つへ導く選択された経路内へ、放射力の下で入るようにすることから成る。
【0042】
この制御は単一放射ビームによることが好ましく、この放射ビームが無い場合、流れる流体中に懸濁する粒子は、接合部を通って直進し、第1の下流側行先へ導く経路に入る。しかし放射ビームが無い場合には、粒子は偏向して択一的な第2の下流側行先に入る。
【0043】
代替として、この制御は、異なる方向から接合部に衝突する2本の放射ビームのうち選択された一本によるものであってもよい。流れる流体中の懸濁粒子は、一方の放射ビームの放射の下で一つの方向に偏向し、第1の下流側行先へ導く第1経路に入る。または、粒子は、他方の異なる方向の放射ビームの放射の下で偏向し、第2の下流側行先へ導く第2経路に入る。
【0044】
いずれかのn入力経路からの粒子が、いずれかのm出力経路にスイッチングされる一般化されたスイッチングの場合、粒子は、普通は平行に離間しているn入力経路のうちのどれかの番号経路から接合部に入り、そしてm出力経路の選択した一本に入るように、どの方向でも、変化距離まで偏向させられる。エネルギーを付与される特定の放射(レーザ)源、およびエネルギー付与時間は、粒子がどれだけ遠くに、そしてどの方向に移動するかに影響を及ぼす。nもしくはm、またはその両方が4を超える大きな数である場合、粒子を長い距離にわたり移動させると、(i)粒子輸送時間が長くなり、(ii)誤差の増加を必然的に伴うことは明らかである。粒子は、縦列型微小流体スイッチで多くの(m>>4)行先に選別できるので、単体スイッチでは、通常は過度に「多くの行先(wide)」としない。制御は、好ましくはレーザービームで行い、より好ましくは縦型キャビティ面発光(VCSEL)レーザービームで行い、より更に好ましくは、ラゲール−ガウス空間エネルギー分布を持つVCSELレーザービームで行う。
【0045】
2.スイッチングおよび選別等のための、小粒子の移動および操作の機構
別の局面で、本発明は、スイッチングおよび選別などの目的のために小粒子を移動し、そしてまた操作する機構において具体化される。
【0046】
小粒子を移動させるとともに操作する好ましい機構は、(i)内部に少なくとも一本の微小流体チャネルが存在する基板であって、この基板は微小流体チャネルに沿う少なくとも一つの領域で放射透明であり、(ii)微小流体チャネル内で小粒子を支持する流体フローを発生するフロー発生器、および(iii)選択可能にイネーブル化されて、少なくとも一つの基板領域を通過して微小流体チャネルへ入射することにより、小粒子にかかる操作放射力を生じ、その力によって小粒子が流れるように成した少なくとも一本の放射ビーム、を含む。
【0047】
従って、小粒子を移動させて操作するこの機構は、小粒子を選別するスイッチング機構として構成でき、かつ適合させることができる。このような場合、基板の少なくとも一本の微小流体チャネルは、少なくとも一つの接合部で分岐する。その一方、フロー発生器は、少なくとも一本の微小流体チャネル内で小粒子を支持する流体フローを発生しているとともに、流体フローをチャネルの少なくとも一つの接合部を通過させて、そのチャネルの全分岐に流入させる。更に、少なくとも一本の放射ビームは、粒子が接合部を通過すべき時に各小粒子にかかる放射力が選択可能に生じるように、基板の放射透明領域を選択的に通過して、微小流体チャネルの接合部へ入射するが、この選択可能な力により、チャネル分岐のうち関連する所望の一つへ各小粒子が入ることになる。こうした強制により、小粒子は制御可能にチャネル分岐中へ選別される。
【0048】
一つの改変実施の形態で、スイッチ機構の基板は、基板主面からの分離距離が異なる複数のレベルを有する。少なくとも一本の微小流体チャネルが、(i)同一レベルに続く少なくとも一本の第1経路と、(ii)異なるレベルに続くもう一本の別の第2経路との間の少なくとも一つの接合部で分岐する。動作としては、ただ一本の放射ビームが接合部で小粒子に選択的に作用することにより、(i)ONの場合に接合部で小粒子にかかる放射力を生じ、それにより小粒子が別の第2経路に流れ込むようにする。しかしながら、この一本の放射ビームがOFFの場合、小粒子は同一レベルを流れ続けて第1経路に入る。
【0049】
3.小粒子スイッチ
更に別の局面において、本発明は小粒子スイッチ、つまり、より正確には、粒子源から現れる小粒子を制御可能に空間的に移動させてスイッチングを行い、複数の粒子シンクのうち選択されたひとつへ入れるスイッチ機構でまさに具体化されることが考えられる。
【0050】
このスイッチは、分岐した微小流体チャネルを画成する放射透明微小流体デバイスを含み、このチャネル内を、小粒子を含む流体が、(i)粒子源から、(ii)チャネルが分岐する接合部、(iii)分岐して複数の粒子シンクへ個々に導く複数の経路へ、進みながら流れる。スイッチは、粒子源から接合部を通って複数の粒子シンクすべてに至る微小流体チャネル内に、小粒子を含むのに好適な流体フローを導くフロー発生器も含む。最終的には、スイッチは少なくとも一本の放射ビームを含み、この放射ビームは、流体フロー内の小粒子が接合部を通過するときに小粒子にかかる放射力が生じるように、選択的にイネーブル化されて放射透明微小流体デバイスを通過して接合部に入射する。それにより、この選択的にイネーブル化されて生成された放射力は、流体フロー中に存在する小粒子を選択的に方向付けて、複数の経路のうち選択された一本へ入れ、そして複数の粒子シンクのうち選択されたひとつへ向ける。
【0051】
スイッチの動作において、小粒子は、粒子源から、微小流体チャネル内の流体フローの作用により、最後に到達する特定の粒子シンクまで、微小流体チャネル内を物理的に輸送される。小粒子は、複数の微小流体チャネル経路のうち選択された一本に、そして複数の粒子シンクのうち選択された一つへ、放射ビームからの放射力の作用により物理的にスイッチングされる。
【0052】
放射透明微小流体デバイスの分岐微小流体チャネルは、典型的には、2つの粒子シンクへそれぞれ導かれる2本の経路に接合部のところで分岐する。このように、フロー発生器は、粒子源からの小粒子を含むのに好適な流体フローを、接合部を介して2つの粒子シンクまで導く。一方、流体フロー中の接合部を粒子が通過する時に、少なくとも一本の放射ビームが小粒子に放射力を選択的に生じさせることができる。それにより、2本の経路のうち選択された一本へ、そして2つの粒子シンクのうち選択されたひとつへ小粒子を選択的に指向させる。
【0053】
2本の経路のうち選択された一本へ、そして2個の粒子シンクのうち選択されたひとつへ小粒子を選択的に指向させるように、2本の放射ビームを選択的にイネーブル化して、小粒子が流体フロー中で接合部を通過する時に小粒子にかかる放射力を生じさせることができる。2本の放射ビームのうち一方は、粒子を2本の経路のうち一方へ押すことができ、2本の放射ビームのうち他方は、粒子を2本の経路のうちの他方へ押すことができる。
【0054】
好ましい分岐接合部は2本の経路に分かれ、一方の経路は前に直進し、他方は向きを変え、2本の経路はそれぞれ2つの粒子シンクへ導かれる。この場合、好ましくは、粒子が流体フロー中で接合部を通過する時に、一本の放射ビームが選択的にイネーブル化されて小粒子にかかる放射力を選択的に生じさせ、それにより、イネーブル時は変向経路へ小粒子を押し込み、非イネーブル時は直進経路を粒子が進行できるようにする。
【0055】
放射透明微小流体デバイスの分岐微小流体チャネルが幾何学平面を画成する場合、一本の放射ビームは、その接合部において実質的にその幾何学平面内にあることが好ましい。
【0056】
4.光ピンセット
更に別の局面において、本発明は、新しい形態の光ピンセットでまさに具体化されることが考えられる。
【0057】
光ピンセットは、小粒子を輸送する流体が流れる微小流体チャネルを画成する本体を有し、この本体は、微小流体チャネルの少なくともある領域では放射透明である。放射力は、本体をその放射透明領域で通過して微小流体チャネル中で輸送小粒子へ選択的に作用する。この作用によって小粒子は、(i)放射源による操作地点まで流体により輸送され、そして(ii)放射源によりその放射透明領域で操作される。
【0058】
放射源は、好ましくは一個以上の縦型キャビティ面発光レーザ(VCSEL)から成り、操作場所の数および位置次第で一次元配列であっても、二次元配列であってもよい。
【0059】
VCSEL放射源は、ラゲール−ガウス空間強度分布を有するラゲール−ガウスモードでレーザ光を発光するように調整されていることが好ましい。
【0060】
一個以上のVCSELを、通常は平坦な基板である本体の、通常は主面である表面に直交させて配置するのが好ましく、この基板には微小流体チャネルがあり、少なくとも一個のVCSELからの、および通常はすべてのVCSELからのレーザ光が、本体と微小流体チャネルの両方へ実質的に直交して衝突する。
【0061】
微小流体チャネルは、上流入力側流体通路が少なくとも2本の択一的下流側流体通路に分岐する接合部を有するのが普通である。この接合部での放射の有無有無により、上流側流体通路から接合部を通って流れてくる流体内に含まれる粒子が、2本の択一的下流側流体通路のうち一方または他方に入るように導かれるかどうかが決められる。
【0062】
微小流体チャネルの2本の択一的下流側流体通路は、基板面に直交する「Z」軸方向に分離されてもよいが、分離される方が好ましい。従って、接合部における、VCSELからのレーザ光の有無により、2本の選択的下流側流体通路のどちらの通路に粒子が入るかを決定するように、基板面に直交する「Z」軸方向の力を粒子へ選択的に加える。
【0063】
しかしながら、微小流体チャネルの2本の択一的下流側流体通路は、基板面内の異なる方向に分離されてもよく、少なくとも2本の択一的下流側流体通路は、逆大文字「Y」の腕部分のトポロジーか、または逆大文字「T」の2本の反対向き横木部分とトポロジー的に等価である。接合部における、VCSELからのレーザ光の有無により、粒子の基板面内での移動の方向が外れるように力が選択的に加えられ、2本の択一的下流側流体通路のどちらの分岐に粒子が入るかが決定される。
【0064】
5.光ピンセット方法
更に別の局面で、本発明は小粒子を光でつまむ新しい方法でまさに具体化されることが考えられる。
【0065】
この方法は、微小流体チャネル内を流れる流体内の小粒子を輸送すること、そして次に、チャネル内を流れる流体により小粒子が輸送される時に、レーザ光により小粒子を操作すること、から成る。
【0066】
操作レーザ光は、好ましくは縦型キャビティ面発光レーザ(VCSEL)からのものであり、そして更に好ましくは、実質的にラゲール−ガウス空間エネルギー分布を有する。
【0067】
この方法では、多数の粒子がそれぞれ関連する微小流体チャネル内にあって、関連する単体の縦型キャビティ面発光レーザ(VCSEL)のレーザ光中で、それにより、いずれも同時に照射してもよい。
【0068】
代替として、本方法において、同一チャネル内の複数の場所で、しかも同時に複数粒子が照射されてもよい。
【0069】
流体フローの力を受けて微小流体チャネル内を移動する粒子のレーザ光照射は、好ましくは、チャネルおよび粒子移動のローカル方向に対して実質的に直交する。
【0070】
6.微小流体デバイス
更に別の局面において、本発明は、デバイス内の微小流体チャネル内を流れる流体中の、流体とともに移動する小粒子を選別する微小流体デバイスで具体化されることが考えられる。
【0071】
この微小流体デバイスは、一本以上の微小流体チャネルを画成するハウジングを有し、このチャネル内を少なくとも一個の小粒子を含む流体が流れ、少なくとも一本の微小流体チャネルは少なくとも一つの接合部を有し、前記接合部は、(i)接合部上流の微小流体チャネル内の場所から、(ii)接合部を通って、(iii)接合部下流の少なくとも2本の別々の択一的微小流体チャネルの一方まで進む流体フローにある小粒子が、2本の下流チャネルのうち選択された一本に入るよう誘導されることができる場所にある。
【0072】
デバイスは更に、少なくとも一個の小粒子を含む流体の上流から下流へのフローを、ハウジングの微小流体チャネルに接合部を通して導くフロー発生器を有する。
【0073】
最終的に、デバイスは、粒子が接合部を通って流れる時、光の力を少なくとも一個の小粒子に選択的に生じさせる光の力、つまり光子力のソースを有し、それにより、流体フローにある少なくとも一個の小粒子を制御して、少なくとも2本の下流側微小流体チャネルのうち選択された一本へ方向付ける。
【0074】
こうした強制により、少なくとも一個の小粒子は、これらチャネル内の流体フローによって微小流体チャネル上流から下流へ輸送される一方、同小粒子は光子力の下で、選択された下流側微小流体チャネルへ選別される。
【0075】
先に説明したように、選別を実現する接合部は、逆「Y」のトポロジー形、またはトポロジー的に等価な「T」形であり、「Y」または「T」の幹は上流側微小流体チャネルであり、「Y」の2本の脚、またはトポロジー的に等価な「T」の横木の2本の部分は、2本の下流側微小流体チャネルである。代替として、選別を実現する接合部は「X」形でもよく、「X」の2本の脚は上流側微小流体チャネルであり、「X」の残りの2本の脚は2本の下流側微小流体チャネルである。
【0076】
すべての構成で、光子圧力は少なくとも一個の小粒子を選択方向に押す。
【0077】
本発明の上記局面ならびに他の局面、および本発明の寄与は、以下の図面および付帯する明細書を参照して次第に明白になるだろう
【0078】
(好ましい実施形態の詳細な説明)
以下の説明は、本発明を成し遂げる上で現在考えられる最良の態様である。説明は、本発明の一般的な原理を説明するために行うものであり、制限的な意味で受け取るべきでない。本発明の範囲は付帯の請求項を参照して判定されるのが最上である。
【0079】
本発明の特定の実施の形態を、図面を参照して説明する。言うまでもなく、係る実施の形態は例示のためだけであり、本発明の原理を適用できる多くの可能性のある特定の実施の形態のうちの僅かな説明に過ぎない。本発明が関連する技術に精通する者にとっては自明な様々な変更と改変は、付帯の請求項で更に定義されるような本発明の精神、範囲および意図の内にあるとみなされる。
【0080】
1.微小流体デバイス内の生物試料の全光式スイッチングのための本発明の理論
本発明は、光子圧力を用いて、微小粒子の方向付けられたスイッチングおよび選別を実施する。
【0081】
本発明による光子スイッチング機構は、その最も基本的かつ基礎的な形態において、光ピンセットトラップを用いる。最も典型的にはシリコンエラストマのモールド成形で得られたチャネルを用いて、一例として常時は連続して流れている流体を、一例として一個の入力リザーバと2個の出力リザーバ間の逆「Y」文字形の経路に導く。本発明に従って、「Y」の中央の脚を形成する入力微小チャネルを通って連続して流れる水に分散した微小球は、定められた出力チャネルまたは「Y」の選択した分岐の脚へ光放射圧力により選択的に方向付けられる。全光式選別は、それが精確であること、そして電荷の有無に関係なく単一細胞または他の生物試料の個々の操作を提供できる点で有利である。
【0082】
光ピンセットは微小製作流体チャネルと結合されて、タイル型光子選別装置を実証している。光ピンセットにおいて、小粒子からの光子散乱は、その粒子およびそれを囲む流体の屈折率に依存する正味の吸引力または反発力を提供する。画成された流体チャネルを通る対象物を光で操作する前述の実証は、光子圧力を用いてチャネル全長にわたって細胞を輸送した。対照的に、本明細書に記載のデバイスは、スイッチング接合部でのみ光子圧力を使用する一方、細胞の長距離輸送は連続流体フローにより達成される。図1に示す概念において、細胞または機能性微小球はT型流体チャネルへ入る。望ましくは、各試料を連続的に識別(蛍光またはいくつか別の手段のいずれでもよい)してから、その種類に応じて「T」の2本の分岐のうち一方の分岐に方向付けする方がよい。選別は、光トラップに試料を捕捉してから、それを主チャネルの左側または右側へ引くことにより、チャネル接合部のところで達成される。流体フローが非乱流である場合、試料が解放される時、試料は接合部の最も近い分岐から自然に流れ出す。選別された試料は回収されるか、あるいは更なる選別を繰り返される。
【0083】
こうした方式の光学的選別は、細胞の試験および種類に依存する電気的選別を凌ぐ多くの利点を持っている。生物標本、そしてその標本内に発生する正常な機能によっては、電気泳動で必要な高電界に対して敏感である。この場合、光子運動量の転換は侵襲性が低い工程であるとともに、試料の電荷が中性であったり、あるいは未知であったりする時でも効果的である。光スイッチングは、各粒子に精確で、個別の制御を提供できる。更に、スループットを高めるために、大きなアレイの選別デバイスを単体バイオチップ上に想定されるものの、係る大きなアレイに電気的に取り組むのは困難である。光学的取り組みによって、デバイスサイズは縮小されるので、この点でより大きな柔軟性が開ける。
【0084】
2.細胞の輸送および選別のための光電アレイデバイスの集積に関する本発明の理論
本発明によれば、VCSELアレイは光ピンセットアレイとして役に立つ。微小チャネルおよびVCSELアレイの両方を集積したバイオチップデバイスに含まれた、独立してアドレス可能なピンセットアレイを用いて、(i)微小粒子の試料を輸送して(ii)分離することが有益に行える。
【0085】
本発明によれば、VCSELレーザ光(各アレイ型VCSELからの)からの光子の運動量を用いて、微小製作された微小流体の複数の流体チャネル内で、および/または各微小流体チャネルの複数の場所で、並列動作する複数の並列光スイッチを実現する。最も典型的には、全てのこと、すなわち、流体フロー、微小粒子の位置決めピンセット動作および移動、微小粒子の選別などは、コンピュータ制御のもとで、「オンチップ・ケミカル(マイクロ)ファクトリ」のように、異なる「ライン」間の並列処理を伴って許容的に進行し、そして、例えば「オンチップ・マイクロケミカルリアクタおよび生成物評価システム」における、例えばたんぱく質分析用の同一または類似の工程を実行する同一または類似のライン間の超並列処理を伴って進行する。すべては、比較的良く秩序だっているとともに制御可能に順序だって起きる。なぜなら、流体フロー以外のすべてを制御する因子であって、その流体フローさえも光制御バルブで制御できる光は、光に透明な材料で基板上に製作された微小流体構造へ遠隔操作で入力されるからである。従って、好ましくは多数のVCSELレーザであるスイッチング兼制御デバイス、微小流体チャネル、およびその中を流れる流体ならびに粒子が非接触であることは、微小流体および制御(VCSEL)レーザ両方の組立を単純化するとともに、相互汚染を実質的に排除する。
【0086】
考慮すべきことは、ある距離(寸法で決まるとはいえ、短い距離)を隔てた、非汚染非干渉光を介した、利するためのこの「制御」は、化学的処理または生物学的処理では極めて稀であり、従来技術(従来技術の光ピンセット自体の限られた機能に対するものを除く)では、操作が求められている材料すなわちバイオ材料と「接触」せざるを得なかったということである。従って、本発明は、微小粒子を選別するための単なるデバイスおよび方法以上のものとして、むしろ、距離を隔てて、遠隔操作で、そしてミクロンスケール(!)で制御可能な、化学および生化学の全局面で実施するシステムとして考えるべきである。このように、マクロ領域で不可能な何かが、ミクロ領域では起こる。
【0087】
3.アレイ型としての実施等、VCSEL光ピンセットの実施に関する本発明の理論
本発明によれば、光ピンセットは、一個の単体縦型キャビティ面発光レーザ(VCSEL)デバイスで実施されてもよい。VCSELのアレイは、個別制御および一斉制御の両方を選択的に行う場合に微小粒子操作時の柔軟性および並列処理をともに高める光ピンセットの並列アレイとして用いてもよい。
【0088】
VCSELは、通常は単一チップ上に配列され、縦方向に放射されるレーザービームにより、チップ表面上の、または向き合うチップ上の微小粒子を操作するよう働くが、この場合、チャネルを有して、これを提供できるようなチップを含み、流体を収容および/または流すことができるようなチャネルも含む。
【0089】
最も好ましいVCSELアレイは、(製作後のアニーリング工程により)改変したVCSELから製造され、高次ラゲール−ガウスモード(エルミート−ガウスモードの逆)で最も明確にレーザ光を放射するが、特に、微小流体チャネル内の粒子の高速スイッチングに対しては、更に高出力の各種光源からの光圧力の力を用いることができる。アレイ型光ピンセットの最も好ましい実施においては、VCSELのアレイ中の各VCSELが(i)ラゲール−ガウスモードで発光し、それとともに(ii)発光レーザービームが焦点を合わせられ、それにより単体トラップとして個別に作用する。この方法では、各トラップの精確な一様性つまり精確な選択制御が、各VCSELの電流を適切に変調することにより達成される。VCSELアレイは、(i)小型、(ii)高信頼性で長寿命、そして(iii)安価な構造であり、(iv)その構造は、バイオチップで望まれるかもしれない、例えばアレイ型検出器など、他の光電機能と両立する基板上にある。
【0090】
ポリスチロール微小球および生細胞はいずれも、湿潤している場合であっても、乾燥している場合であっても、個別およびアレイ型のVCSELレーザービームの両方により、多様な方法で、適切にピンセット動作されて操作される。例えば、(i)引き寄せる力勾配、および(ii)焦点を合わせたVCSELの光ビームの散乱力が、ともに多様に用いられて、PDMS内に成形された接合部を通じて流れる小粒子を方向付けするか、あるいは「スイッチング」を行う。
【0091】
本発明によるVCSELに基づくピンセット、および更に他のVCSELアレイは、検出および操作の両方を可能にかつ同時に実行する光アレイ型デバイスとして好適に集積化される。例えば、微小流体チャネルおよびスイッチング接合部を画成し提供する透明ダイの一面は、励起および感知を組み合わせたチップへ平らにプレスしてもよい。この励起兼感知チップは、一例として、(i)適切に配置された試料粒子または細胞のうちの一個(だけ)から、一例として、蛍光放射を励起でき、その試料粒子または細胞は、幾つかの特性または状態を示すような係る光を適切に放射し、そしてまた、(ii)選択的に放出されるよう励起された蛍光を感知するが、最終的には表示信号をデジタルコンピュータなどへ提供する。この(i)励起動作および(ii)感知動作は、それらの並列動作を含め、一つ以上の「上流」の場所で行われる。
【0092】
微小流体チャネルおよびスイッチング接合部を有する同透明ダイの他方の面は、VCSELのアレイ、各VCSELの「アドレッシング」、および、最も普通には、いくつかの感知場所の下流にある関連スイッチング接合部へ、平らに設けてもよい。各粒子は移動するときに、例えばコンピュータ制御の下で、一本または別のチャネルへ選択的に「スイッチング」される。この方法で、高度に並列でコスト効果の高い細胞分析および選別が達成される。
【0093】
4.本発明による特別なVCSEL光ピンセット
光ピンセットおよびピンセットアレイは、歴史的に見て、高速スキャンデバイス、回折格子、または空間光変調器の使用などを通じて、多くの方法で生み出されてきた。これらの技法の代表的な実施は、生成される多様な光スポット群を時間的または空間的に分割した単一高出力レーザからのビームを用いる。
【0094】
本発明による光ピンセットおよびピンセットアレイの実施では、縦型キャビティ面発光レーザ(VCSEL)およびVCSELアレイが用いられ、この場合、アレイ内の各VCSELレーザは、トラップとして個別に作用するように焦点合わせが行われる。図1参照。この方法では、各トラップの精確な一様性つまり精確な選択制御は、各VCSEL電流を適切に変調することにより達成できる。VCSELアレイは小型パッケージを提供し、これは潜在的に極めて安価であり、そして基板は、バイオチップで要望されるアレイ型検出器などの他の光電機能と互換性がある。
【0095】
光ピンセットとしてのVCSELの主な欠点は、その比較的低い出力パワーであり、それによりトラップ強さも低くなる。本発明によれば、この欠点は、使用前にVCSELのレーザ発光モードを恒久的に変更することにより、少なくとも部分的に補われる。出願の内容を引用して本明細書に組み込む米国特許出願第09/ , , 号の技法によれば、パッケージ化された中間サイズのプロトン移植VCSELの空間放射モードは、製作後の簡単なアニーリング工程により、エルミート−ガウスモードからラゲール−ガウスモードに変換される。ラゲールモードは回転対称を特徴とし、高次ではいわゆる「ドーナツ」モードと極めて酷似している。図2に示すのは、図2aのVCSELから発光された基本のRガウスモードと、図2bの高次ラゲールモードとの比較である。放射ビームのエネルギーは、光トラップにおいて光子が最大の軸方向復元力を有するu開口の外側エッジへ移動する。エネルギーがビーム中心から排除されているので、粒子をトラップから押し出すように作用する有害な散乱力は低下する。
【0096】
水に分散したポリスチロール微小球の光トラッピングは、850nm、直径15Imの開口、ラゲールモードVCSELを用いて実証に成功した。100xで1.5N.A.の顕微鏡対物レンズを用いて、VCSELからの光ビームの焦点を試料プレート上に合わせた。図3は、直径5Imの単体微小球のトラップ、水平移動、そして解放をCCDカメラにより捕捉した一連の画像である。トラップの完全な三次元性は全軸に沿って移動させることにより検証され、また、静止状態でのブラウン運動単独ではトラップから粒子を解放するのに不十分であるときの三次元性を観察することによっても検証された。
【0097】
このトラップ強さは、水中を通るビーズを次第に速度を高めて移動させ、流体ドラッグ力が光トラップ力を超えた点を観察することにより測定した。直径10Imの微小球および18mAのVCSEL駆動電流に対しては、0.6ピコニュートンの横方向トラップ力と一致する6.4Im/secの最大吸引速度が観察された。更に小さい、マウスの生細胞(<5umが、VCSELピンセットでトラップされることが示された。しかし、トラップ強さは、細胞の低い誘電率および不規則な構造に起因して著しく低下した。
【0098】
本発明による複数粒子同時輸送のための、同じく本発明によるVCSELアレイの使用が実証された。1x3直線アレイの3個のVCSELからの光ビームの焦点を、図3と同様に顕微鏡の対物レンズを介して試料プレートに合わせた。光電チップ上のデバイス間隔を250umとした。縮小後、イメージ面でのトラップ間隔は13umであった。3個の5gm微小球を捕捉と同時に移動した。この小規模の実証は、VCSELデバイスを備えるもっと大型の二次元ピンセットアレイが可能であることを示している。
【0099】
光子による微小流体チャネルの粒子スイッチングの実現性も実証された。初期の実験では、ポリスチロールのブラッドを用いて生細胞の選別のシミュレーションを行った。微小流体チャネルを、PDMSベースのシリコンエラストマ(Dow Corning Sylgard 184)内に製作した。リソグラフィで画成したレリーフマスタによりチャネルを成形した。試料を室温で24時間にわたって硬化させた。硬化後にチャネルを45℃1−ICI浴(0.02%、水溶液)中で40分間処理して親水性を増加させた。図7aおよび図7bに示すような、T型およびY型チャネルを両方とも製作した。それぞれ同様な結果が得られた。図示のチャネルは、幅20μmおよび40μm、深さ範囲が10から20μm、そして長さが2から4mmである。チャネルを封止するために、成形エラストマを顕微鏡のスライドカバー片で蓋をした。各チャネル端のリザーバは開いたままにして流体の注入を可能とした。更に、金電極を各リザーバに挿入して、チャネル内に電気浸透フローが誘起できるようにした。電気浸透および圧力の組合せを用いて流体を主チャネルの下へ導く一方、選別は光子圧力だけで実行した。電気浸透性の流体フローはこの大きさの微小チャネルに対して便利なツールであるが、機械的圧送を利用してもよい。直径範囲が0.8μmから10μmである微小球を水に分散させ、図ではチャネルを通って流れている。光選別装置のための設定を図8に示す。70mW、850nmのダイオードレーザからのビームの焦点は、顕微鏡のスライドカバー片を通してチャネル上に合わせられる。100xで開口数1.25の顕微鏡対物レンズは極度に絞ったスポットを作り、それにより三次元光トラップが可能となる。光トラップ位置は、ビーム上方で搭載チャネルを移動することにより動かす。直径5Imの微小球に対するこのパワーでの光トラップ強さの先の校正は、2.8ピコニュートンの保持力を実証した。この力については、光トラップは、直線流量60μIm/secまでの水の流体ドラッグ力に打ち勝つことができるはずである。
【0100】
スイッチング工程の実証を図9aから図9eの一連の画像に示す。画像は「T」接合部を拡大して示す。この場合の流体チャネルは、幅40Imで深さ20Imであった。光トラップビームは、CCDカメラの前にIR遮断フィルタがあるので、これらの画像では見ることができない。直径5Imの微小球は、流体線速度約30Im/secで入口ポートから引き出される。各出口チャネルは入力チャネルと同じ断面積を持つので、線速度は出口ポートで半分になる。入口および出口ポート間の電位差は16Vであった。
【0101】
球は、視野に入ると先ず光トラップ(A)に捕捉される。次に、チャネル(B)の左側または右側へ横方向にマニュアルで移動させられ、続いて解放される。2本のチャネルの各々へ流入する流体フローは等しいので、微小球は最も近い出口チャネル(C)へ流れることになる。
【0102】
明確になったのは、より小さな対象物だけが容易にトラップされて輸送されたという点である。大きな対象物ほど流体ドラッグによるより大きな力を受ける。その上、本発明者の判断では、生きた細胞も平均屈折率が小さくかつ不規則な形状なので光トラップで操作することが更に難しい。この種の粒子を高速スイッチングするにはもっと高出力が必要である。
【0103】
本発明の光スイッチング機構の動作を示したが、ここで説明するのは、この機構を、どのようにして検出用光装置を含む完全な選別システムへ統合するかということである。理想的には、トラップおよび移動の動きが、可動マイクロミラーデバイスまたは類似の方法により自動化されことが好ましい。更に、十分な運動量転換が起きて試料を一方へ変位させることができるなら、試料の完全なトラップは不要となろう。トラップ力は流体のドラッグ力に打ち勝たなければならないので、この用途に用いられるレーザパワーは高い。流体チャネル上部から光トラップを行うことは、本来は効率が低い。なぜなら、光子の大部分の運動量は、側面方向ではなくて下向きだからである。好ましい実施では、レーザービームは、焦点を合わせたビームにより、または一体化された導波管を通じて、チャネルの両側から入力される。光子をチャネル両側から導入することにより、より強い「押す」力が、より低いレーザパワーで実現できる。
【0104】
5.結論
本明細書は、微小流体チャネルを流れる粒子のための全光式スイッチングデバイス、および粒子の位置を移動させて、これをスイッチングする方法を示して説明した。係るデバイスおよび方法の重要な用途は、治療医学およびバイオ技術両方に関する細胞および他の生物試料の選別を含んでいる。
【0105】
光子による試料操作および試料分析の実施方法は、特に外部影響の機会を低下させるという点で単に電気的な実施方法を超える幾つかの利点がある。光トラップビームの下で行った生きた繊維芽細胞の生存可能性予備試験は、細胞が成長と繁殖を正常に続けることを示した。独立してアドレス可能な複数の光トラップでの縦型キャビティ面発光レーザ(VCSEL)アレイの利用については、最近活発に開発されている。光子デバイスと電子デバイス両方を統合した組合せは、高い複雑性および能力をバイオチップ技術で達成することを可能にするだろう。
【0106】
光ピンセット、光輸送、および光スイッチングに関するこれまでの説明、改変および適合により、本発明による方法および装置は、それ自体を光学設計技術の実施者へ示唆することになる。例えば、光ピンセットとして好適に働くVCSELは、特定の動きを制御するために、そして一次元、二次元または三次元のスイッチングのために、一次元、二次元および三次元アレイに配列される。VCSELは、その放射発光を、粒子の多様な種と状態とに、より強くまたはより弱く作用させるように、例えば、特定発光波長に中央値を持つという意味で、色付けされていてもよく、感知が色によって区別されるとともに、スイッチングが粒子の着色のみに依存して自動的かつ連続的に成される可能性を持たせる。
【0107】
これらの、そして他の本発明の可能な改変と適合により、本発明の範囲は、以下の請求項によってのみ決定されるべきであり、本発明が教示した実施の形態のみによるべきではない。
【図面の簡単な説明】
説明だけを目的とし、いずれにしても本発明の範囲を制限することのない図面を特に参照して、これらの説明を以下に記す。
【図1】チップ上での試料並行輸送のための、本発明によるVCSELアレイ光ピンセットを示す模式図である。
【図2】図2(a)および図2(b)で構成され、それぞれ関連するVCSELからの典型的なエルミート−ガウスおよびラゲール−ガウス空間エネルギー分布発光モードのエネルギー分布図である。
【図3】図3(a)から図3(d)で構成され、VCSEL駆動の光トラップによる5μm微小球の捕捉(1および2、図3(a)および図3(b))、水平移動(3、図3(c))、および配置(4、図3(d))を示す一連の画像である。
【図4】図4(a)から図4(c)で構成され、透視図(図4(a))、および、それぞれ「off」(図4(b))ならびに「on」(図4(c))の光ビームを伴う2つの側面図である。光ビームからの散乱力は、三次元PDMS構造内でレベルが異なる2本の流体チャネル間の「エレベータ」として作用する。すなわち、光ビームが「off」の場合(図4(b))、粒子は接合部を通って直進して流れるが、光ビームが「on」の場合(図4(c))、粒子は交差チャネルへ押される。
【図5】図5(a)から図5(c)で構成され、光散乱力を用いる粒子スイッチングの模式図である。流体は2本の重なったチャネルを通じて一定速度で引かれる。2本のチャネルの交点で、5μmの微小球は、元のチャネルに残るか、または反対のチャネルへ初期の光ビームにより押されるかのどちらかである。
【図6】異なる細胞種の分離のための全光式微小流体流サイトメータに関する本発明の概念図である。試料は入力ポートに順次注入され、光ピンセットビームの吸引トラップ力により2つの出力部のうち一方へ方向付けられる。
【図7a】図7aから図7dで構成され、PDMS内に製作された本発明による、「T」、「Y」、1からN、およびMからNの微小流体チャネルをそれぞれ示す。代表的なチャネル幅は40μmである。
【図7b】図7aから図7dで構成され、PDMS内に製作された本発明による、「T」、「Y」、1からN、およびMからNの微小流体チャネルをそれぞれ示す。代表的なチャネル幅は40μmである。
【図7c】図7aから図7dで構成され、PDMS内に製作された本発明による、「T」、「Y」、1からN、およびMからNの微小流体チャネルをそれぞれ示す。代表的なチャネル幅は40μmである。
【図7d】図7aから図7dで構成され、PDMS内に製作された本発明による、「T」、「Y」、1からN、およびMからNの微小流体チャネルをそれぞれ示す。代表的なチャネル幅は40μmである。
【図8】本発明による光子選別デバイスを示し、(i)微小流体チャネルは調整した光ピンセット兼顕微鏡に搭載され、(ii)光ビームの焦点がチャネルの接合部の点に合わされ、(iii)電圧がチャネルに印加されて流体フローを導き、そして(iv)選別の進捗がCCDカメラでモニタされる。
【図9】図9aから図9eで構成され、本発明の光子スイッチング機構を実証する一連の画像であり、(i)微小球が、上部で入力ポートからチャネル接合部へ流入し、(ii)微小球は、最初に(a)光ピンセットトラップにより、捕捉され、(iii)微小球の位置は、左または右の横方向に移動され(B)、そして(iv)微小球はトラップから解放され(C)、左または右の出力部への流体フローに従わせる。破線の円は光トラップの位置を示す。2本の出口チャネルはそれぞれ等しく、微小球は最も近い出口チャネルへ流れる(C)。

Claims (27)

  1. 小粒子を物理的かつ空間的に複数の択一的な行先のうち選択された一つへスイッチングする方法において、
    粒子は、微小流体チャネル内を、
    (i)上流の場所から、(ii)分岐接合部を通って、(iii)択一的な下流側行先へ導く複数の分岐チャネルの各々に至るまで流れる流体中に懸濁され、そして、
    前記粒子が、複数の択一的な下流側行先のうち選択された一つの行先へ導く選択された分岐チャネルへ移動して入るように、微小流体チャネル内を移動するときに放射力の下で操作されることを特徴とするスイッチング方法。
  2. 請求項1の小粒子スイッチング方法であって、更に、
    前記操作は単一放射ビームを伴い、前記流れる流体内に懸濁された前記粒子は、放射ビームが無い時は、接合部を通って直進して、第1の下流側行先に導く経路へ入るが、放射ビームがある時は、放射力の下で偏向し、択一的な第2の下流側行先へ入ることを特徴とする。
  3. 請求項2の小粒子スイッチング方法であって、更に、
    前記操作は、異なる方向から前記接合部に衝突する2本の放射ビームのうち選択された一本を伴い、前記流れる流体内に懸濁された前記粒子は、一方の放射ビームの放射力の下で偏向して、第1の下流側行先に導く第1経路へ入る一方、異なる方向の他方の放射ビームの放射力の下で偏向して、第2の下流側行先に導く第2経路へ入ることを特徴とする。
  4. 請求項1の小粒子スイッチング方法であって、更に、
    前記操作はレーザービームを伴うことを特徴とする。
  5. 請求項4の小粒子スイッチング方法であって、更に、
    前記操作は、縦型キャビティ面発光(VCSEL)レーザービームを伴うことを特徴とする。
  6. 請求項6の小粒子操作方法であって、更に、
    前記操作は、ラゲール−ガウス空間エネルギー分布を有する縦型キャビティ面発光(VCSEL)レーザービームを伴うことを特徴とする。
  7. 小粒子のためのスイッチング機構において、
    (i)上流の場所から、(ii)少なくとも一つの分岐接合部を通って、(iii)複数の下流場所の各々まで進行する少なくとも一本の微小流体チャネルが存在する基板であって、前記基板は、前記少なくとも一つの接合部のところで放射透明であり、
    フロー手段が、前記小粒子を支持する流体のフローを、前記微小流体チャネルに誘起し、そして、
    少なくとも一本の放射ビームが選択的にイネーブル化されて、前記基板の前記放射透明接合部領域を通過して前記微小流体チャネルへ入射することにより、前記小粒子を前記複数の下流場所のうち選択された一つへ移動させて入れるのに十分な、流れている前記小粒子にかかる放射力をそこで選択的に生成することを特徴とする。
  8. 請求項7のスイッチング機構であって、更に、
    前記基板は、前記基板の主面からの離間距離が異なる複数のレベルを有し、前記少なくとも一本の微小流体チャネルは、(i)同一レベルに連続する少なくとも一本の第1経路と、(ii)異なるレベルに連続する択一的な第2経路との間の前記少なくとも一つの接合部で分岐し、そして、
    ただ一本の放射ビームが前記接合部のところで前記小粒子へ選択的に作用して、(i)ONの時は、前記小粒子を前記択一的な第2経路へ流入させるように、前記接合部のところで、前記小粒子にかかる放射力を生成するが、(ii)OFFの時は、前記小粒子が同一レベルに流れ続けて、前記第1経路へ入れるようにすることを特徴とする。
  9. 請求項7のスイッチング機構であって、更に、
    互いに異なって方向付けられた2本の放射ビームのうち選択された一本が、前記接合部のところで前記小粒子に作用することにより前記小粒子を前記複数の下流場所のうち前記選択された一つへ流入させる方向性のある、前記小粒子にかかる放射力を生成することを特徴とする。
  10. 請求項7のスイッチング機構であって、更に、
    n本の異なる微小流体チャネルは、下流のmヶ所の異なる場所の各々へ集合的に分岐するように前記少なくとも一つの接合部を通って進み、
    前記n本の異なる微小流体チャネルの何れかからのフロー中の、前記接合部のところに現れる前記小粒子は、前記放射力による作用を受けることによって、下流の前記mヶ所の異なる場所のうち選択された一つへ流入することを特徴とする。
  11. 請求項10のスイッチング機構であって、更に、
    2本の対向する放射ビームが、前記基板の前記放射透明接合部を選択的に通過して前記微小流体チャネルへ入射することにより、前記小粒子を前記複数の下流場所のうち選択された一つへ移動させて入れるのに十分な、流れている前記小粒子にかかる放射力をそこで選択的に生成することを特徴とする。
  12. 粒子源から生じる小粒子を複数の粒子シンクのうち選択された一個へ制御可能に空間的に移動させてスイッチングするスイッチにおいて、
    前記スイッチは、
    小粒子を含む流体が中を流れる分岐微小流体チャネルを画成する放射透明微小流体デバイスが、(i)粒子源から、(ii)前記チャネルが分岐する接合部、(iii)分岐して前記複数の粒子シンクへ個々に導く複数の経路まで進み、
    フロー手段が、前記粒子源から前記接合部を通って前記複数の粒子シンクすべてに至る前記微小流体チャネル内に、前記小粒子を含むのに適した流体フローを誘起し、
    少なくとも一本の放射ビームが選択的にイネーブル化されて、前記放射透明微小流体デバイスを通過して前記接合部に入射することにより、前記流体フロー中で前記小粒子が前記接合部を通過するときに、小粒子にかかる放射力が生成され、この接合部で、この選択的にイネーブル化されて生成された放射力により、流体フロー内にある前記小粒子を、前記複数経路のうち選択された一本へ、そして前記複数粒子シンクのうち選択された一個へ選択的に方向付け、
    前記小粒子は、前記粒子源から、前記微小流体チャネル内の前記流体フローの作用によりそれが最終的に行き着く特定の粒子シンクまで、前記微小流体チャネル内を物理的に輸送され、そして、
    前記小粒子は、前記複数微小流体チャネル経路のうち選択された一本へ、そして前記複数粒子シンクのうち選択された一個へ、前記放射ビームからの放射力の作用により物理的にスイッチングされることを特徴とする。
  13. 請求項12の小粒子スイッチであって、更に、
    前記放射透明微小流体デバイスの前記分岐微小流体チャネルは、接合部のところで、2個の粒子シンクへそれぞれ導かれる2本の経路に分岐し、
    前記フロー手段は、前記粒子源からの前記小粒子を含むのに適した前記流体フローを、前記接合部を通って2個の粒子シンクまで導き;そして、
    少なくとも一本の放射ビームは選択的にイネーブル化されて、前記流体フロー中で前記粒子が前記接合部を通過する時に、前記小粒子にかかる放射力を選択的に生成することにより、前記小粒子を、前記2本の経路のうち選択された一本へ、そして前記2個の粒子シンクのうち選択された一個へ選択的に方向付けることを特徴とする。
  14. 請求項12の小粒子スイッチであって、更に、
    2本の放射ビームが、前記小粒子が前記流体フロー中の前記接合部を通過する時に、小粒子上に放射力を選択的に生じさせることができ、それにより、前記小粒子を、前記2本の経路のうち選択された一本へ、そして前記2個の粒子シンクのうち選択された一個へ、選択的に方向付けし、前記2本の放射ビームのうち一方は、前記粒子を前記2本の経路のうち一方へ押すことができ、前記2本の放射ビームのうち他方は、前記粒子を前記2本の経路のうち他方へ押すことができることを特徴とする。
  15. 請求項12の小粒子スイッチであって、更に、
    前記放射透明微小流体デバイスの前記分岐微小流体チャネルは、前記接合部のところで2本の経路に分岐され、その一方の経路は前方へ真直に進み、他方の経路は向きを変え、前記2本の経路はそれぞれ2個の粒子シンクへ導かれ、
    一本の放射ビームが選択的にイネーブル化されて、前記小粒子が前記流体フロー中で前記接合部を通過する時に、小粒子にかかる放射力を生成することにより、イネーブル時には、向きを変えた前記経路へ前記小粒子を押し込み、非イネーブル時には、前記直進経路へ前記粒子が進行できるようにしたことを特徴とする。
  16. 請求項12の小粒子スイッチであって、更に、
    前記放射透明微小流体デバイスの前記分岐微小流体チャネルが幾何学平面を画成し、そして、
    前記一本の放射ビームは、前記接合部のところで実質的に前記幾何学平面内にあることを特徴とする。
  17. 光ピンセットであって:
    本体は、小粒子を輸送する流体が中を流れる微小流体チャネルを画成し、前記本体の微小流体チャネルは分岐接合部を有し、そこのところで前記本体は放射に対して透明であり、そして
    放射源は、前記微小流体チャネル内で、前記接合部のところで前記輸送小粒子に前記本体を介して作用することにより、各粒子が前記接合部の選択された分岐へ入ることを特徴とする。
  18. 請求項17の光ピンセットであって、更に、
    前記放射源は、一個以上の縦型キャビティ面発光レーザ(VCSEL)から成ることを特徴とする。
  19. 請求項18の光ピンセットであって、更に、
    複数の縦型キャビティ面発光レーザ(VCSEL)が配列されていることを特徴とする。
  20. 請求項19の光ピンセットであって、更に、
    前記複数の配列VCSELが一次元配列されていることを特徴とする。
  21. 請求項19の前記光ピンセットであって、更に、
    前記複数の配列VCSELが二次元配列されていることを特徴とする。
  22. 請求項18の光ピンセットであって、更に、
    前記少なくとも一個以上のVCSELが、ラゲール−ガウス空間強度分布を有するラゲール−ガウスモードでレーザ光を発光することを特徴とする。
  23. 請求項18の光ピンセットであって、更に、
    前記一個以上のVCSELが、前記微小流体チャネルが中にある前記本体の表面に直交して配置され、少なくとも一個のVCSELからのレーザ光が、前記本体と前記微小流体チャネルとの両方に実質的に直交して衝突することを特徴とする。
  24. 請求項17の光ピンセットであって、更に、
    前記本体の微小流体チャネルは、放射が衝突する場所に、少なくとも一本の上流入力側流体通路が少なくとも2本の択一的下流側流体通路に分岐する接合部を有し、
    前記接合部での放射の有無により、前記上流側流体通路から前記接合部を通って流れる流体内に含まれる粒子が、2本の択一的下流側流体通路のうち一方または他方に入るように導かれるかどうかが決定されることを特徴とする。
  25. 請求項24の光ピンセットであって、更に、
    前記微小流体チャネルの前記少なくとも2本の択一下流側流体通路は、前記基板面に直交する「Z」軸方向に分離され、
    前記粒子が前記2本の択一的下流側流体通路のどちらの通路に入るかを決定するために、前記接合部のところでの、前記VCSELからの前記レーザ光の有無により、前記粒子を、前記基板面に直交する「Z」軸方向に力をかけることを特徴とする。
  26. 請求項24の光ピンセットであって:
    前記微小流体チャネルの前記2本の択一的下流側流体通路は、前記基板面内の異なる方向に分離され、前記少なくとも2本の選択的下流側流体通路は、逆大文字「Y」の腕部分、または逆大文字「T」の2本の反対向き横木部分のトポロジーであり;
    前記接合部の前記VCSELからの前記レーザ光の有無により、前記粒子の前記基板面内での移動の方向が外れるように力が選択的に加えられ、前記粒子が、前記2本の選択的下流側流体通路のうちどちらの分岐に入るかが決定されることを特徴とする。
  27. 請求項17の光ピンセットであって、更に、
    前記本体の接合部は少なくともm本の選択的下流流体通路へ分岐し、ここでm>3であり;
    前記接合部での前記放射の有無により、前記接合部を通って前記上流側流体通路から流れる流体内に含まれる粒子が、少なくとも4本の択一的下流側流体通路の一方または他方に入るように導かれるかどうかが決定されることを特徴とする。
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