JP2004527659A - 融点が降下した類似合金によって粉末金属スケルトンを溶浸させるための技術 - Google Patents

融点が降下した類似合金によって粉末金属スケルトンを溶浸させるための技術 Download PDF

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Abstract

溶浸液(110)組成物は多孔性金属粉末スケルトン(114)のものと融点降下剤の添加を除けば類似している。この融点降下剤は液体が拡散固化し、材料が均質化するにつれて基礎粉末内に拡散される。液相で溶浸剤を維持すると、特に溶浸の方向で均質な組成または特性が得られる。溶浸のタイムスケールは融点降下剤の拡散や、続く固化および均質化のタイムスケールよりもずっと速い。相対的な溶浸速度および拡散/固化速度は、材料系および粉末サイズ、形状、表面粗度並びにサイズ分布、異なる複数場所からの液体の供給、液体フィーダーチャネル(384)、微粉末(522)でのパーツ表面の平滑化および溶浸剤の液体特性によって大きく影響を受ける。様々な材料系も開示されており、パーツの溶浸法も開示されている。

Description

【技術分野】
【0001】
(優先権の主張)
本出願は、ここに引用してその全開示を充分に一体化させる2000年5月22日に出願された米国仮出願第60/206,066号に対する優先権を主張する。
【0002】
(政府の権利)
米国政府は、1999年9月30日に授与された、Office of Naval リサーチ補助金番号N0014−99−1−1090、Research in Manufacturing and Affordability に従って本発明においてある種の権利を有する。
【0003】
本明細書に関する発明は、以下の説明、添付する請求の範囲および添付図面に関すると理解されるであろう。
【背景技術】
【0004】
(詳細な開示)
粉末冶金(「PM」)を用いる伝統的な製造プロセスは、最初は50ないし70%密度に過ぎない正味に近い形状のパーツを生産する。従って、これらの「グリーン」パーツは、軽い焼結、およびより低い融解温度合金での溶浸を介するか、または高温焼結単独を介するかいずれかで、充分な密度および所望の機械的特性を達成するためにさらなる加工を受ける。第一の方法では、パーツの寸法変化は典型的には〜1%に過ぎず、それをかなり大きな(面が〜0.5m)パーツに適したものとするが、得られた材料の組成は粉末材料およびより低い融解温度の溶浸剤の不均一な混合物であろう。第二の方法においては、粉末の充分な密度への焼結の結果、均一な最終材料が得られるが、60%密度で出発するパーツは>15%の直線的収縮を受けるであろう。この理由で、充分な密度の焼結は、典型的には、より小さな(面が<5cm)パーツで用いられるに過ぎない。
【0005】
いくつかの場合には、溶浸は、外圧の適用によって極端に迅速になすことができる。しかしながら、この技術は金型および典型的には高価な加工器具を必要とする。本明細書に開示する発明は、第一の駆動力が毛管現象であり、ある場合には重力である無圧力溶浸に向けられる。
【0006】
多くの臨界的適用(構造、航空宇宙、軍隊)においては、証明論点、腐食論点、切削性、またはより低い融点の溶浸剤によって課されるであろう温度制限のため、均一な組成の(または均一な特性を持つ)材料が好ましい。さらに、金属成分の設計者は不均一組成のコンポジットでの作業に慣れていないので、彼らは採用に対する心理的障碍を経験する。
【0007】
粉末冶金を介する均一な組成または特性を持つ非常に大きなパーツの創製は、PM加工の利点の全てに期待をかける。これは、いずれの重要な寸法的変化もなくして、しかしながら、最終材料が伝統的加工よりも有意な利点を可能とする均一な組成または特性を有するように、グリーンパーツを緻密化するための溶浸ステップを用いてなすことができる。バルク材料の組成または特性が全パーツを通じて一貫することを保証するのも有益である。(三次元プリンティング、選択的レーザー焼結等のごとき)固体自由形態製造プロセス、金属射出成型、または他のPMプロセスは、本明細書に記載する方法によって広く種々のサイズの正味の形状パーツを均一とできるであろう。また、現存の商業的材料系に最終パーツの組成または特性を適合させる可能性も開示する。
【0008】
三次元プリンティングとは、ここに引用して一体化させる米国特許第5,204,055号、第5,387,380号、第5,490,882号および第5,775,402号に一般的に記載されたプロセスを意味する。
【0009】
以下でより充分に検証する一般的概念は、融点降下剤を添加する以外は、粉末スケルトンのそれと同様な溶浸剤組成を用いることである。溶浸剤は迅速に粉末スケルトンを充填する。従って、融点降下剤がベース粉末に拡散するにつれ、ある場合には、液体は拡散固化を受け、材料は結局は均一化する。拡散固化は等温的とすることができるが必ずしもそうする必要はない。溶浸温度に対する液相線組成に溶浸剤を維持することは、典型的には、バルクの組成または特性が、特に溶浸の方向でパーツ全体で均一なままであることを保証する。
【0010】
そのような溶浸の成功は、液相線組成に溶融した溶浸剤を維持する効果的な手段によって増強される。また、ある場合には、溶浸のタイムスケールが、融点降下剤の拡散および引き続いての固化および均一化のタイムスケールよりもかなり速いのが有利である。液相線組成を確立する方法は、以下の、またはこれらのいずれかの組合せの全てを含む:溶浸に先立ってのスケルトンからの溶浸剤溶融体供給物の分離、過剰なスケルトン材料の該溶融体への添加、溶浸温度の行き過ぎ、および溶融体の攪拌である。溶浸の相対的速度および拡散/固化速度は材料系の選択によってかなり影響される。しかし、これらの速度に影響させるために、他の技術が開発されており、本明細書中に開示する。これらは粉末サイズ(直径)、形状、表面粗さ、およびサイズ分布、異なる位置からの液体の供給、液体フィーダーチャネル、微粉末でのパーツ表面の平滑化および溶浸剤流体特性への影響の選択を含む。
【0011】
いくつかの場合において、パーツが溶浸温度でその平衡状態に既に到達した後においても、スケルトン中の溶浸剤のあるものは、拡散固化が終了した後に液体のままであろう。いくつかのそのような状況では、得られる最終微細構造は均一ではなく、むしろ、やはり有用な結果であるキャストパーツで典型的に得られるものと同様である。
【0012】
溶浸を行った後にかなりの質量輸送がパーツで起こるため、種の異なる運動のためパーツ内に非常に小さなボイドが発生する可能性が存在する。これらのボイドは、一般に、キルケンダール空隙といい、これは、拡散のメカニズムおよび可動スピーシズの相対的サイズのごとき因子に種々の程度基づくようであろう。この空隙は、典型的には、非常に微細なスケールであり、機械的特性には影響しないであろう。高温静水圧圧縮を含めた熱処理を用いて、それが重要な場合にこれらのボイドを減少させることができる。
【0013】
融点降下剤としての単一元素を含む溶浸剤
初期の議論は、融点降下剤(MPD)として働く周期表からの単一元素を添加したスケルトン材料から構成される溶浸剤の重要な場合に限定される。この場合、一般に、溶浸体がバルク組成物において均一である、すなわち、溶浸の経路に沿ってバルク組成に勾配がないことを保証するように溶浸剤組成および溶浸温度を設計することができる。
【0014】
融点降下剤(MPD)は、金属に添加された場合、金属それ自体よりも低い温度で融解する新しい合金を生じる材料である。MPDは、典型的には、単一の元素から構成されるが、複数元素も可能である。金属それ自体は単一元素とすることができるが、2つ以上の元素から構成される合金は最も普通である。合金は、典型的には、それが融解する温度範囲を有するが、単一の融解温度ではない。合金は固相線温度で融解し始め、液相線温度で充分に融解した状態となる。MPDの金属への添加により、金属自体の液相線温度よりも低い液相線温度(合金が充分に融解する温度)を持つ新しい合金を生じる。(単一元素から構成される金属へのMPDの添加の場合、合金の液相線温度は元素金属の融解温度よりも低い)。本明細書中に開示する発明のいくつかの好ましい具体例において、MPDの結果、その液相線温度がスケルトンの元の金属の固相線温度未満である合金が得られる。このようにして、MPDを添加した金属で形成された溶浸剤合金は、金属が依然として充分に固体であって、かくして、スケルトンが融解し始めることなく溶浸が起こり得るまま、充分に溶融することができる。
【0015】
二成分系では、スケルトンおよび溶浸剤に存在する2つの元素があるにすぎない。最も単純な場合、スケルトンは、全てが、単一の元素から構成され、溶浸剤は融点降下剤として第二の元素が添加されたこの元素から構成される。しかしながら、もしスケルトンがその中のMPDのあるもので出発し、溶浸剤が単純にこのMPDのより高い濃度を有するならば、同一の原理が適用される。
【0016】
スケルトン材料および融点降下剤(MPD)の一般的混合物に対する平衡相図を図1に示す。溶浸温度は、共晶温度(〜1100℃)およびスケルトンの融解温度(〜1440℃)の間のどこかで選択することができる。もしスケルトンがニッケルのごとき純粋な金属であれば、それは明確な融解温度を有するであろう。しかしながら、もしそれが以下により詳しく議論する2以上の元素を含有する合金であれば、スケルトンの異なる成分が融解し始める温度範囲がある。この温度範囲の下方限界はスケルトンの固相線温度であり、これは、液体が存在しない最大温度である。加工温度には常にある程度の変動があるので、溶浸温度は、安全には、スケルトンの固相線温度未満であるべきである。
【0017】
また、スケルトンは、焼結し、後に議論するその融点近くで強度を失うにつれたわみ始める傾向にあろう。スケルトンが寸法安定性を維持する限り、溶浸温度はスケルトン材料中のMPDの拡散性および溶解度に影響するように選択することもできる。一般に、加工温度が上昇するにつれ、拡散性は増大し、溶解度は減少する。これらの傾向は、後記でより詳細に議論するごとく、固化により液体の流動を妨げる前に全スケルトンが液体で満たされるのを保証する挑戦に関連する。
【0018】
さて、溶浸温度の溶浸剤液体の組成は図1の液相線に沿って存在する場合を考えるのが助けになろう。より具体的には、温度Tおよび液相線組成Cにおける溶浸の場合を考える。示された溶浸温度(〜1300℃)において、溶浸剤は10%および50%MPDの間のいずれかの組成において液体であろう。材料が完全に液体のままとするのが可能な最小組成は10%MPDであり、これは、示された温度における液相線組成である。この組成における液状溶浸剤は、二成分系では、スケルトン材料で飽和していると考えられる。この温度における溶浸剤からのMPDのいずれの除去の結果も、点Sにおける対応する固相線組成での溶浸剤のあるものの固化をもたらすであろう。MPDのそのような除去は、典型的には、MPDのスケルトンへの拡散によってスケルトンの溶浸の間に起こるであろう。かくして、MPDがスケルトンに拡散するにつれて溶浸剤は固相線組成においてスケルトン上に固化し、残りの液体は依然として液相線組成にあり−溶浸のプロセスによって変化しない。かくして、パーツを通じての溶浸剤の流動は液相線組成におけるものであり、パーツ全体のバルク組成は均一であることが保証されるであろう。
【0019】
図2および3を参照すると、この概念がさらに説明される。図2は、毛細管チャネル112を充填する液相線組成における飽和した溶融体110を模式的に示す。毛細管チャネル112はスケルトン材料の2つの同一シート114の間に形成され、間隔およびボイド分率は、ボイド空間に対する固体の容積分率が60:40となるように選択される。図2は、時間に対する3つの異なる瞬間を示し、最も左(ダッシュ無し)は最も早期であり、最も右(ツーダッシュ”)は最も遅いものである。図3は、時間に対する3つの瞬間における2つの位置に対する予期されたMPD濃縮プロフィールを示す。垂直軸は、水平軸上の位置の関数としての局所的組成(MPDのパーセント)を示し、座標c、d、eおよびfは図2に示されたスケルトン材料のシートおよび毛細管チャネルの対応する位置を表す。図3中のプロフィールIは、いつおよびどこで、液体が最初にスケルトンと接触するかの初期条件を表す。このプロフィールは、液体が図2中のIに示された毛細管112を上に流動するにつれ、メニスカスMの丁度下方に見出される。中央に示したわずかに後の時刻には、同一の条件が、さらに、位置II’において毛細管に沿って見出されるであろう。組成プロフィールは液体領域では10%MPDであり、固体114ではほとんどゼロである。というのは、MPDは界面において固体114に拡散し始めたばかりであるからである。I’の記号を付した位置においては、液体は所与の時間スケルトンと既に接触しており、拡散は溶浸剤のある程度の固化を既に引き起こしている。図3においてI’で示す組成プロフィールは図2における位置I’での断面に対応し、固体においてはMPD組成が増大しており、内側に向けての(cを離れてdから、およびfを離れてeから)固体/液体界面の移動の結果となる。図2の最も右側の像は、液体110が毛細管チャネル114の頂部に到達し、系が平衡化するさらなる時間を持った後における毛細管112を示す。液体の全ての組成は、液体が流動しているか否かにかかわらず一定であるので、位置II”における断面に対応する固化挙動およびプロフィールがI’と同一であろう。同様に、時間に対する将来の瞬間における点II”はI”の現在のプロフィールと同一であろう。全系が平衡に達した後、I(下方位置)およびII(上方位置)における組成プロフィールは同一であり、毛細管全体の最終バルク組成は均一となろう。
【0020】
対照的に、(図1のUに示された点に対する組成に対応するごとき)液相線組成のそれの上方のMPDの濃度を有する液状溶浸剤の場合には、スケルトン材料およびMPD双方の質量輸送は溶浸剤組成を変化させる能力を有する。液体が依然としてスケルトンに流入しつつこれが起これば、液体が到達すべきスケルトンの最後の領域は、到達した最初の領域とは異なるMPDの最終組成を有するであろう。パーツ全体のバルク組成のそのような変動は、合理的時間熱処理を均一化することによって矯正できないであろう。
【0021】
この概念を可視化するために、ボイド空間に対する固体の容積分率が60:40となるように選択した間隔を持つスケルトン材料の2つの同一シートによって作成されたもう1つの同様な理想化された毛細管チャネルを考える。制御容積内のボイド空間を、15%MPDから構成される溶浸剤で充填する結果、6%MPDの平均バルク組成がもたらされるであろう。図1に示された相図では、溶浸剤は溶浸温度にて不飽和(液相線から離れる)であろう。溶浸剤は、10%MPDのその平衡液相線組成に到達するまで、その入口点における接触に際してスケルトン材料と質量交換するであろう。底部から充填される毛細管の場合には、これは頂部のバルク組成がMPD枯渇のため4%MPDに過ぎないように毛細管を通じて流体が流動しつつ起こるであろう。底部(入口点)においては、バルク組成は、スケルトン材料の喪失および引き続いての15%MPDの組成を有する溶浸剤との置き換えのため、6%MPDよりも大であろう。バルク組成のそのような変動の結果、溶浸されたパーツ全体で特性の望ましくない変動がもたらされる。単純に言えば、これは、液体に溶解され、次いで、該液体によってパーツの他の領域に運ばれるパーツスケルトンの下方断面の結果である。(もし、単に溶浸剤供給物材料のスラグをスケルトンの頂部におき、それを加熱することによるごとく、溶浸剤がその底部よりはむしろその頂部からパーツに侵入するならば、頂部領域はMPDに基づいてより高い寄与を有するであろう。基本的には、溶浸剤供給物に隣接する領域はMPDからの組成に対して増大した寄与を有するであろう)。三成分系でより高い組成の場合は同様であり、重要な考慮を加える。溶浸剤は溶浸の選択された温度に対する液相線にあるように設計し制御されるべきであることは依然として当てはまる(引き続いてのエロージョンに対する考察参照)。MPDのいずれかの(拡散による)除去の結果、固相線組成における材料の固化がもたらされることがさらに当てはまる。しかしながら、三成分系の場合、例えば、単一温度において、(二成分系の場合における単一液相線および単一固相線組成とは丁度反対に)ある範囲の可能な液相線組成およびある範囲の可能な固相線組成がある。
【0022】
図18は、1250℃の温度におけるニッケル、プロムおよびケイ素よりなる系に対する三成分系相図を示す。(このおよび全ての引き続いての三成分系相図は、Kaufman二成分系熱力学データベースに基づいて多成分系の熱力学的特性の計算を行うのに用いるThermo−calc、Comuputational Thermodynamics プログラムを用いて作成した)。線780は(この温度における)液相線であり、この線に沿ういずれの組成も液相線組成である。線782は固相線であって、この線に沿ういずれの組成も固相線組成である。さらに、共役線784は具体的液相線および固相線組成を連結する。各共役線の端部における液相線および固相線組成は2−相平衡で共存できる。
【0023】
溶浸されたパーツが溶浸の間に拡散固化のため溶浸の経路に沿って組成勾配を生じないことを保証するためには、液体溶浸剤は、非−MPD元素の溶浸剤組成に対する相対的寄与の変化を伴わずして固化しなければならない。説明するために、1200℃の温度におけるニッケル、鉄およびケイ素よりなる系に対する三成分系相図を用いて図19に模式的に示された−拡散固化により溶浸されたパーツがバルク組成において勾配を生じる一般的な場合を考える。この場合、純粋なSiに対応する相図のコーナーを通る線890は、NiおよびFeの一定比率(ほぼ72:28)を有する組成に対応する。異なる比率を表す一定比率の他の線がある。820で示す液相線組成は該線の上にある。共役線によって液相線に結ばれる822で示す固相線組成は該線上の上にない。かくして、固相線組成は、液相線組成とは異なるNiに対するFeの比率を有する。そのような場合、もし溶浸剤が820のごとき液相線組成において始まるならば、溶浸剤の拡散固化の結果、残りの液体はNiが比較的豊富になる(Feはより欠乏する)。このNiが豊富となった溶浸剤はスケルトンを移動し、その結果、溶浸すべき最初の領域よりも高いNiの組成を有する溶浸されたパーツのさらなる到達がもたらされる。これは幾分好ましくない。
【0024】
望ましい状況は図20、一般的系を表すためのA、BおよびMPDで示した元素を持つ図18と同一の三成分系相図を参照することによって最良に説明される。この場合、純粋なMPDに対応する相図のコーナーを通る線990は、AおよびB(溶浸剤の非MPD成分)の一定比率を有する組成に対応する。従って、望ましい場合は、その共役線が示したごとくこの線に添って存在する溶浸剤液相線組成である。この場合、相互に平衡となった液相線および固相線はAおよびBの同一の相対的濃度を有し、拡散固化の結果、AおよびBの相対的組成の変化はもたらされないであろう。これは、溶浸の経路に沿って組成の変動が無いことを保証する。全ての材料系および溶浸条件がこの条件を可能とするのではない。むしろ、材料系、液相線組成(溶浸剤組成)および溶浸温度はこれらの基準によって選択されなければならない。
【0025】
最も望ましい状況では、共役線は前記したごとくAおよびBの一定の相対的割合の線に沿って存在し、スケルトンの組成もAおよびBの一定の相対的割合のこの同一線上にある。図20の場合では、スケルトン材料組成は点992において選択され得る。かくして、溶浸剤が拡散固化を受けるにつれ、固化した溶浸剤はスケルトンと同一のAおよびBの相対的割合を有し、これは、溶浸剤の全経路に沿って当てはまるであろう。かくして、それらの間で均一な組成を達成するために、スケルトンおよび固化された溶浸剤の間での種Aおよび/またはBのいずれかまたは双方の拡散を待つ必要は無い。
【0026】
三成分系およびそれ以上の系の合金の場合、全ての材料系が、共役線がAおよびBの一定の相対的割合の線に沿うような溶浸剤合金の選択を可能とするのではない。さらに、一定の相対的割合のこの同一線上に存在するスケルトン組成を有する追加された望ましい特徴はより制限的である。
【0027】
かくして、本発明の1つの態様は、記載した基準に従って材料系を選択し設計することである。これは、スケルトンにおける元素の選択、MPDの選択、スケルトンおよび溶浸剤(もし異なれば)における非−MPD元素の相対的量の選択、および溶浸温度の選択を含む。最も好ましい場合は、共役線が非−MPD元素の一定の相対的組成の線に沿って存在し、スケルトン組成がこの同一線上にあることである。しかしながら、スケルトン組成がこの線上に無く共役線をこの線上に有することは、溶浸経路に沿っての均一な組成を保証するのに充分である。従って、溶浸剤およびスケルトンの間の均一な組成は拡散均一化によって達成されよう。溶浸温度の変化は共役線の向きを変化させ、溶浸温度の選択もまたこの考慮に基づかなければならないことに注意すべきである。
【0028】
三成分系相図の関係でここに説明した原理は、4以上の合金化元素での系にも適用される。特に、拡散固化の間に、非−MPD元素の相対的比率が実質的に一定のままにあり、好ましくは、この比率は溶浸剤におけるのとスケルトンにおけるのが実質的に同一であるように系が選択されるべきである。
【0029】
液相線組成を保証する方法(飽和)
もし溶浸剤組成が正確に知られていれば、その組成に対する液相線温度に正確に適合するようにプロセス温度を選択することができるが、これは非常に正確なプロセス制御を必要とする。液体が適当な液相線組成にあることを保証するためのより強力な方法は、液体をかなり過剰な固体スケルトン材料に接触させ、それを、現実の加工温度に対応する平衡液相線組成に到達させることである。液体および個体の間に高界面表面積を有すると、質量輸送を促進し、平衡のプロセスを早くするのを助けることができる。この理由で、過剰な固体材料が、大きな表面積を有する粉末形態で供給されれば有利であるが、これ単独では、合理的な時間に液相線組成に到達するのを保証するのに十分ではない。前記で説明した二成分系の場合には、液相線組成は、スケルトン材料が飽和した組成ともいわれる。
【0030】
もしMPD濃度の上昇が(典型的には当てはまる)液体密度を低下させるならば、液体は、ルツボ底部における固体と接触して低MPD濃度のより高い密度の液体と層をなすであろう。より高いMPD濃度の液体は、天然対流によって混合されること無く表面に留まるであろう。溶融体の攪拌、または対流を強制する攪拌のいくつかの他の手段の使用は混合を促進する。テフロン(登録商標)(登録商標)シールおよびプロペラに動力を与えるための小さなモーターを備えた炉の屋根を通してシャフトを動かすことによって、溶浸剤供給物を攪拌するのにセラミックプロペラが用いられてきた。用いることができる他の可能な機械的攪拌方法は、ルツボを前後に傾けること、スケルトン材料のかなり多孔質ネットワークを通じての液体の流動、溶融体の震盪、振動または音波処理、または溶融体を通ってのガスの通気を含む。誘導性AC電磁場に液体を置くと、溶融金属に電流を誘導することに実質的な混合を生じさせることもできる。誘導による溶浸剤供給物の加熱は、平衡液相線温度におけるよく混合された液体を調製するための1つの手段である。(本明細書中で用いるごとく、「溶浸剤」は、典型的には、現実にスケルトンに溶浸する液体材料を意味する。「溶浸剤供給物」は、溶融して溶浸剤となる原材料を意味する。溶浸剤原材料は溶浸温度において液体溶浸剤+残存固体となる;液体溶浸剤はスケルトンに侵入するのに利用可能なものである。)
液体がその液相線組成にあることを保証するのを助けるもう1つの方法は、溶浸温度を行き過ぎとして、溶融体に注意深く添加された過剰な固体スケルトン材料を溶解させることである。一旦過剰な材料が溶解すれば、溶融体を攪拌しつつ、温度をゆっくりと溶浸温度まで勾配をつけて戻す。これは材料の再固化を促進し、残りの液体は所望の液相線組成にある。液体がなんらかの固体と接触している限り、いずれの過小冷却は起こらないようである。
【0031】
溶融体に添加された過剰なスケルトン材料の量は溶融体を飽和させるのに十分でなければならないが、溶融体が固化するほどではない。適切な量はスケルトン材料の溶解度(MPDを吸収するための最大能力)の関数である。例えば、ニッケル−ケイ素溶浸剤では、かなり過剰のニッケル粉末を溶浸剤のルツボに添加する。適切な量は、ある範囲の加工温度では極端な場合を考慮することによって決定される。図7Aは、ニッケルおよびケイ素に対する平衡相図を示し、図7Bは図7Aの一部の拡大を示す。図7Bは、1180℃の所望の溶浸温度およびプラスまたはマイナス20℃の(不確実性による)最大温度変動に対してこれが如何にしてなされるかを示す。液相線の上方および右側では、全ての組成は液体である。固相線の下方部および左側では、全ての組成は固体である。その間では、2つの共存する相、液体および固体を有する組成がある。溶浸剤供給物のバルク組成は、図7BではAで表した、最大の予測される温度(この場合は1200℃)と液相線との交点から選択される(この場合、10%Siおよび90%Ni)。これは、この予測される最大温度未満のいずれの温度においてもいくらかの固体が存在し、存在する液体の全てがニッケルで飽和し、かつその温度に対する液相線組成にあることを保証する。もし温度が下方限界にあれば、溶浸剤供給物として供給された材料の全量は、液相線および固相線の間の2−相場においては部分的に液体であり、部分的に固体であろう。固体に対する液体の比率はてこの原理によって与えられるであろう。この例では、10%Siおよび1160℃においては、それはほぼ30%固体であろう。これは必要な溶浸剤供給物の全量を決定するであろう。というのは、70%の溶浸剤供給物のみが、この例ではパーツを充填するのに利用可能な液体溶浸剤であることを保証されるからである。
【0032】
三成分系またはそれ以上の合金の場合には、与えられた温度においてある範囲の液相線組成があり得る。溶浸剤供給物組成は、それが、スケルトン材料単独におけるそれらの元素組成と同様な相対的比率でスケルトン材料の元素を含むように、該溶浸剤供給物組成を選択することができる。再度、バルク溶浸剤供給物組成は、存在するいずれの液体も液相線組成にあるように、溶浸温度において固体および液体の間の2−相領域にあるように選択することができる。図19ですでに記載したごとく、与えられた共役線に対応する固相線および液相線組成は、異なる相対的割合のスケルトン材料の元素を有することができる。MPDの拡散による固化の結果、液体中の他の種は枯渇するかまたは豊富化するが、これは、異なる液相線組成に移動する液体における唯一の結果であろう。新しい液相線組成は、依然として、いずれのスケルトン材料の溶解も可能としないであろう。固化する組成のいずれの豊富化または枯渇も、存在するスケルトン材料よりはむしろ変化する液体組成に由来するであろう。
【0033】
エロージョン
前記したごとく、もし液状溶浸剤がスケルトン材料中で飽和していない組成を有するならば、換言すれば、MPDの濃度が与えられた温度に対する平衡液相線組成におけるよりも大である場合、液状溶浸剤は、スケルトンからのさらなる材料を吸収し、部分的にスケルトンを溶解させる能力を有するであろう。これは液体中での高拡散性のため非常に迅速に起こり得るが、特に、大きな溶融体プールが用いられる場合にかなり問題となり得る。図4は、その底部断面が溶解した純粋なニッケルスケルトン、元来はシリンダーを示す。それは溶融したNi−11重量%Siのプールに1200℃にて5分間浸漬した。平衡液相線組成はその温度における11重量%よりもかなり低いSiを有するので、液体のプールはそれがスケルトンと接触するにつれ、固体ニッケルを吸収する。
【0034】
程度が低いが、その平衡液相線組成に未だなっていない液状溶浸剤は、それがスケルトンに侵入するにつれエロージョン経路を残す傾向を残す。これはほとんどの粉末金属溶浸においてある程度起こるが、通常は、パーツのベースにおける初期の1cmに制限される。そのような場合、溶浸すべきパーツを犠牲詰道具上に置くことができる。液相線ケイ素濃度よりも多くを含有する不飽和溶浸剤でのニッケル−ケイ素系では、エロージョンはパーツへ7センチメートルだけ増加する傾向があり、川底に似ている(1つの例を図5に示す)。このパーツはほぼ10cmの長さである。それは、示したごとく、スケールのゼロ近くの端部、図5の底部から溶浸された。いくつかの異なる形状のパーツについてのエロージョンパターンの研究は、エロージョンが最高の液体流動の領域で起こることを示唆する。一旦エロージョンが始まれば、より大きなチャネルが生じ、これはより小さな粘性抗力を有し、より多くの液体さえ新しく形成されたチャネルを通って流動することを可能とする。このような不安定性は、エロージョンが何故かなりパーツに進行するか(ほぼ4cm)を説明する。断面の金属顕微鏡実験を介し、腐食した領域はケイ素含有量が高いことが見出されている。これは驚くべきことではない。というのは、それらの組成は溶浸温度では液体だからである。エロージョンの領域は表面に限られない。高ケイ素含有量の領域において、パーツの内部にボイドが見出されている。
【0035】
それが接触する前にその平衡液相線組成にある液状溶浸剤を用い、スケルトンは拡散に対する駆動力を除去し、エロージョンを防止する良好な方法であることが判明した。温度は拡散速度および溶浸剤液相線組成双方に影響するので、経時的な温度変動またはパーツ内に設定された温度勾配は、エロージョン防止のさらなる方法として用いることができよう。
【0036】
融点を降下させるのに用いられる複数元素を含む溶浸剤
2つ以上の元素を融点降下剤として用いることができる。その場合、質量輸送は、より複雑となりかねず、もはや液相線組成を有しないことは、パーツ全体に渡り均一なバルク組成の保証を提供する。種々のMPD元素のスケルトン材料における拡散性および溶解度は、溶浸の間のそれらの質量輸送を決定するであろう。もし元素が相互に同様に挙動すれば、バルク組成は、先のセクションで議論したのと同一の理由で均一になるようである。しかしながら、液体が依然として流動している間、その他なくして1つの元素の有意な拡散の結果、最終的なバルク組成は変動するようである。これはより典型的な状況である。例えば、もし第二の元素がスケルトン材料においてかなり低い溶解度を有するならば、その元素の少量が固化する材料に吸収され、残りの液体はその第二の元素が豊富となるであろう。この豊富化された液体はパーツの他の領域に運ばれて、他方、元の組成における溶浸剤の新鮮な供給物がそれを置き換える。
【0037】
異なる質量輸送特性を有する複数元素のこれらの場合において、拡散および固化のタイムスケールよりもかなり短いタイムスケールでパーツに液体を充填することによって、均一なバルク組成を達成することができる。充填の速度および拡散の速度に影響する因子は後に議論する。
【0038】
溶浸および拡散の相対的速度
スケルトンへのMPDの拡散および対応する溶浸剤固化のため、多くの場合、液体は、流動が固化によって妨げられる前に、パーツスケルトンを充填するのに限定された時間しか有しない。加えて、拡散に対する速い溶浸が、複数元素拡散を伴う場合につき前記した均一なバルク組成を保証するのに必要であろう。溶浸の速度は、液状溶浸剤の表面張力、湿潤角、粘度、および密度、ならびに粉末サイズおよび形状によって決定されるスケルトンの幾何学、サイズ分布、充填密度およびパーツの幾何学を含めた種々の因子によって決定される。具体的な関係は各トピックスの議論において後に供する。図6は、溶浸剤が22cmに到達する前に妨げられた点まで拡散が進まないように、溶浸および拡散の相対的速度を制御することによって22cmの高さまで溶浸したNi−Siスケルトンを示す。
【0039】
いくつかの典型的な溶浸速度がNi−10重量%Si溶浸剤で測定されており、50ないし150ミクロンのニッケル粉末のスケルトンを充填する。これは、炉の屋根を通してワイヤからスケルトンを吊るし、ワイヤにかかる力を測定することによってなした。表面張力および浮力を補正することによって、該力を、液体の添加によるパーツの増大する質量に関連付けることができた。液体は、ほぼ1分以内に8cmの高さのスケルトンを充填した。他の液体金属は同様な粘度および表面張力を有し、そこで、この速度は材料系で劇的に変化すべきではない。
【0040】
拡散速度は拡散固化を制御し、その特別な例は溶浸剤の等温固化およびスケルトンの結果としての均一化である。典型的には、液体はほぼ1分以内に小さなスケルトンを充填するので、拡散固化は、理想的には、かなり長い時間、例えば、1時間または2時間に渡って起こる。拡散速度は、一義的には、選択された材料系によって制御されるであろう。材料系の選択は、等温固化のタイムスケールを制御するのに非常に重要である。特に、固体スケルトンにおける融点降下剤の拡散性は、凍結に対して最大の影響を有するであろう。スケルトンの基本的成分は、通常、他の要件によって指令される。パーツは、典型的には、スチール、またはアルミニウム等として特定され、かくして、その金属またはその合金はスケルトンの基本的成分である。パーツの幾何学もまた、典型的には、プロセス設計者が変更することができる変数ではない。より遅い拡散を用い、融点降下剤は凍結が起こり始める前にスケルトンが溶浸剤で充填されなければならなり時間の量を劇的に増加させることができる。Si、BおよびPは、全て、Niにおける融点降下剤として用いることができる。これらの内、SiはBおよびPよりもかなり遅く拡散する。拡散性もまた温度に対する強力な依存性を有する、というのは、それは、アレニウス依存性に従う活性化されたプロセスだからである。溶浸温度の制御は、与えられた材料系に対する拡散性のいくらかの制御を可能とする。低下した温度は拡散性を低下させ、凍結前に液体がスケルトンを充填するのにより長い時間を必要とする。
【0041】
有限な時間の拡散バリアでの粉末スケルトン(または丁度生粉末)のコーティングは、液体がパーツを充填するまで、融点降下剤を溶浸剤から離しておくことによって、凍結を遅らせる。そのような拡散バリアは、MPDのより低い拡散性を有するもう1つの金属であり得る。バリアの厚みは、溶浸の持続をそれが継続させるに過ぎないように選択することができる。コーティング材料が分解し始めるにつれ、それは、MPDが拡散するのを可能とし、等温固化または結果としての均一化を可能とする。理想的には、コーティング材料それ自体パーツ全体に渡って比較的均一である。
【0042】
低および高溶解度系の間の区別
融点降下剤としての単一元素の場合に戻る、スケルトン材料における融点降下剤の溶解度もまた拡散固化挙動に影響する。相図上の固相線は、固体におけるMPDの溶解度を記載し、この線に対する最終パーツのバルク組成の位置は、パーツがその温度で完全に固化するか否か、または溶浸温度において常に液体が存在するかを決定するであろう。最終パーツのバルク組成を決定するにおける2つの最も重要な因子は、(液体ボイド分率を決定する)粉末スケルトンの充填密度;および(溶浸剤が液相線組成にあることを仮定し、与えられた材料に対する溶浸剤組成を決定する)溶浸温度である。
【0043】
図7Aに示された平衡相図において特徴付けられるNi−Siのごとき比較的高い溶解度の第一の場合において、固化は完全に進行し、液体の流動を妨げる。従って、溶浸剤が固化する前に液体が全パーツを充填することを保証する必要がある。固化の速度に対する溶浸の速度を増加させるいくつかのメカニズムを以下に示す。
【0044】
その例として、融点降下剤としてのケイ素を含有する合金で溶浸した純粋なニッケルスケルトンは、このカテゴリーに入るであろう。Ni−Siに対する平衡相図を図7Aに示す。60%の充填分率および1180℃の溶浸温度を持つスケルトンを仮定し、〜4%のバルク組成は、液体容積分率0.4の〜10%倍の液相線組成に由来するであろう。これは〜7%の固相線組成よりもかなり低いので、そのようなパーツは拡散により完全に固化するであろう。
【0045】
低溶解度の第二の場合において、パーツのバルク組成が2−相平衡場にある場合、パーツが溶浸温度未満に冷却されるまで、液体は溶浸されたスケルトンに存在するであろう。起こるいずれの拡散固化もパーツが完全に溶浸されるのを妨げないように、液体容積分率が、相互結合したポアを通じての連続的流動を可能とするのに十分高いままにするのは可能である。例えば、融点降下剤としてのリンを含有するニッケル合金で溶浸された純粋なニッケルスケルトンを考える。Ni−P平衡相図を図8に示し、液相線は270で示す。固相線272はこの相図では見ることができない。なぜならば、それは1455℃および870℃の間で0%P線に余りにも近いからである。1000℃のより低い溶浸温度を用いることができ、7%Pの液相線組成の結果、2.8%Pのバルク組成がもたらされるであろう。NiにおけるPの溶解度は0.17%に過ぎないので、溶浸温度においては少量のPがスケルトンに拡散するに過ぎず、ほとんど固化および液体流動に対する制限はないであろう。
【0046】
低溶解度を持つもう1つの材料系はアルミニウムおよびケイ素の二成分系合金であり、平衡相図を図9に示す。577±1℃における線に沿った液相線280および固相線282は2−相領域を結びつけた。600℃の溶浸温度においては、アルミニウムにおけるケイ素のほぼ2%溶解度である。もし10%Siの組成における液状溶浸剤が60%の緻密で純粋なアルミニウムスケルトンのボイド空間を充填すれば、バルクパーツ組成は4%Siであり、スケルトンが溶浸温度にある限り、〜25%液体の2−相場にあるであろう。この場合、スケルトンはいくらかのSiを吸収するが、パーツが75%固体になるまでのみ、拡散固化が起こるであろう。液体流動は固化によって完全には妨げられず、従って、拡散および固化の速度は溶浸速度と比べて必ずしも遅くはない。
【0047】
スケルトン材料におけるMPDの低い溶解度のこれらの場合に得られる最終的微細構造は、スケルトン材料におけるMPDの単一−相固溶体ではないであろう。液体が充填された元の相互結合空隙空間は2−相微細構造を有するであろう。アルミニウム−ケイ素の系の結果は、注型微細構造のそれに似ているであろう。Siを吸収した粉末粒子は、注型においてまず固化する一次デンドライトに置き換わるであろう。残りの溶浸剤は、最後に凍結するデンドライトの間に注型の領域に類似の共晶微細構造を有するであろう。このタイプの微細構造は時々望ましく、産業界で広く認められているので、材料組成が全体に渡って均一でない事実は欠点ではない。2−相強化は商業的正味−形状注型合金に共通しており、低溶解度を持つ溶浸された系の場合に達成することもできる。
【0048】
対照的に、高い溶解度の場合は、固溶強化または析出硬化に頼る商業的加工合金により典型的である。高いまたは低い溶解度の場合は、典型的な不均一溶浸よりも均一な特性をもたらし、貧弱な切削性、貧弱な腐食抵抗性、温度制限および材料証明における困難性の不利を排除するであろう。
拡散固化が起こる場合でさえ、加工温度を降下させる前にそれが完了するのを待つ必要はないことに注意すべきである。一旦溶浸が完全にスケルトンを充填すれば、スケルトンを別の温度まで冷却することができ、引き続いての固化および均一化を拡散によって継続的に起こすことができる。スケルトンにおけるMPDの溶解度は典型的には温度と共に変化するので、これは有用であろう。
【0049】
ゲーティング
もし小さな割合の溶浸剤供給物が溶融するや否や、溶浸剤がパーツに入り始めると、二つの問題が生じる。まず、溶浸が始まるや否や、拡散および均一化も始まり、スケルトンのポアは、拡散固化を既に受けた材料によって閉塞されかねない。かくして、溶浸剤供給物の一般的質量が該ボディーに侵入する前に少量の溶融した溶浸剤はポアを塞ぎかねない。第二に、その調製の間にもし溶浸剤供給物が複数相に固化すれば(これは一般的に当てはまる)、溶浸剤供給物が加熱されるにつれ、これらの相は順次溶融する。かくして、スケルトンに侵入できる最初の液体は溶浸剤供給物の平均的組成を有しないであろう。これらの問題は、まず溶浸剤の溶融体を作成し、それを熱的かつ化学的に平衡させ、しかる後、それをスケルトンに接触させて溶浸させることによって回避することができる。
【0050】
さらに、スケルトンを予備加熱するのが有利である。もしスケルトンを予備加熱がなければ、溶浸剤はスケルトンの内部を加熱し、そこで、それらは相互に接触し、溶浸剤は侵入し始めるであろう。侵入の速度は、丁度流体メカニックスよりはむしろスケルトンの加熱によって制限されるであろう。というのは、液体はパーツのような冷たい領域にまで流動できないからである。これらの初期に侵入された領域においては、接触に際して拡散が始まり、ポアは閉塞されかねず、引き続いての流動を妨げる。全体としてのスケルトンの溶浸はスケルトンの内部を加熱する必要性によって制限されるので、この問題は全スケルトンを予備加熱することによって回避することができる。
【0051】
いくつかのゲーティング方法が、最初にスケルトンから溶融体を分離し、次いで、液体の導入を制御するのに用いられてきた。「ゲーティング」とは、スケルトンおよび液状溶浸剤供給物を機械的に分離し、次いで、それらを一緒に合わせることを意味する。炉の外部からの直線的または回転的フィードスルー運動を移して、「ゲート」を開かせ、液体をスケルトンに導入することができる。
【0052】
一つのゲーティング方法は、溶浸前にスケルトンを吊り下げ、それを溶融した溶浸剤のプールに浸すことである。スケルトンを下降させることができるか、あるいは、プールを上昇させることができ、あるいは双方を行って、スケルトンおよびプールを一緒にすることができる。
【0053】
もしスケルトンがそれ自身の重量下で吊り下げるのに余りにもデリケートであれば、ルツボに入れたパーツにゲーテット溶浸を与えるためにメカニズムを用いるべきである。溶浸温度に保持するハーメチック流体シールを作成するのは困難であるが、溶浸剤によって湿らないルツボ材料の使用はシールを可能とする。二つのそのようなメカニズムが首尾よく用いられてきた。最初のものは、矩形のルツボを二つの半体に分離するのに用いる垂直アルミナプレートである。該プレートの形状はルツボの断面プロフィールに適合しなければならず、従って、締焼きされたアルミナプレートを切断し、ヤスリがけして、ルツボに適合させた場合に1mmギャップ未満に維持した。このギャップは2cm深さのプールを保持するのに十分であり;より深いプールは、粗いアルミナ粉末でのいずれかのギャップのより綿密な許容度またはヤスリがけを必要とするであろう。よりエレガントな解決は、垂直に立てるためにきれいに切断した端部を持つアルミナチューブを用いることであり、ルツボの底部と該端部とで段差を無くする。溶浸剤供給物をチューブの内部に入れ、チューブを上方から下ろすまで溶融体を含ませる。
【0054】
いくつかの他の方法を、溶浸をゲーティングするのに用いることができる。一つの方法は、底部に穴を有する慣用的ルツボを含む。この穴にはセラミックロッドを詰めて、ロッドを取り出すまで、溶浸流動を妨げる。溶浸剤は該穴を通って、スケルトンを保持する下方のもう一つの容器まで流動する。もう一つの方法は、溶浸剤供給物の容器を傾け、液体を容器から流し出すことである。さらに、溶浸物供給物を含むのに用いる容器はフレキシブルであり得る。液体金属を含むのに、アルミナ繊維の不織布が用いられてきた。そのような布バッグを用いて溶融体を含ませ、次いで、それを開いて、液体を流し出すことができる。
【0055】
いずれのタイプのゲートの作動も、炉の気密シェルを通る直線的または回転的運動アクチュエーターを必要とする。成型―ガス雰囲気中で焼成したニッケルパーツの場合には、フィードスルーは、シェル中のわずかに過剰サイズの穴を通って滑るロッドであり得る。もし炉中の内部圧を水数センチに維持すれば、漏れにより空気が炉中に入って雰囲気を汚染しないであろう。雰囲気の純度がより臨界的である適用においては、高真空適用のために設計したいくつかの直線的および回転的運動フィードスルーが商業的に入手可能である。
【0056】
粉末サイズおよびサイズ分布
直径によって球状粉末につき規定された粉末サイズの選択は、溶浸剤のスケルトンの侵入の深さに対してかなりの影響を有する。議論を簡単にするため、球状であって、実質的にモノモーダルである粒子の場合を考える。これは、与えられたスケルトンが、全てほぼ同一のサイズである球状粒子よりなることを意味する。最初に、粒子は平滑な表面テキスチャーを有すると仮定する。(平滑でない表面テキスチャーを持つ粒子は後に議論する)。粉末サイズによって影響される四つの物理的現象。
【0057】
1.溶浸剤によって発生した毛細管圧は、粒子サイズが減少するにつれ増加する。毛細管圧は、スケルトン粒子間の液状溶浸剤の表面の曲率による、雰囲気ガスおよび液状溶浸剤の間の界面を横切って発生した圧力である。溶浸剤をスケルトンに入れるのは毛細管圧である。かくして、他の事項が同等であれば、毛細管圧が高くなれば、溶浸剤はより速くスケルトンに入る。もし溶浸剤が迅速に入れば、拡散固化によるポアのいずれの閉塞前にそれはより遠くまで侵入することができる。毛細管圧についての表現は、粒子間のメニスカスにラプラス方程式を適用することによって作成することができる。別法として、毛細管圧Δpは、以下のごとく、粉末床の単位容積あたりの表面積の関数として表すことができる。[G.Scherer, "Theory of Drying," J.Am.Ceram.Soc.,73,pp.3−14(1990)]:
Figure 2004527659
(1)
(式中、γLVは液体/蒸気界面エネルギーであり、θは液体と固体との接触角であり、Spはポア空間の表面積であって、Vpはポア空間の容積である。)
モノモーダル球では、
Figure 2004527659
で示すことができ、ここに、εはボイド分率であって、Dは粉末の直径である。
【0058】
2.(拡散固化およびポアの閉塞の不存在下での)溶浸剤がスケルトン中で上昇することができる最大高さは、粒子サイズが減少するにつれて増加する。この効果は、粒子サイズの減少に伴う毛細管圧の増加によるものである。溶浸剤がスケルトンを上昇するにつれて、毛細管圧は、スケルトン中の液体金属の静水頭による圧力を克服するのに十分でなければならない。この静水頭は、以下のごとく、液体の密度ρ、重力加速度g、および自由液体表面上の高さhに関係する[James A.Fay. Introduction to fluid Mechanics. MIT Press: Cambridge, MA 1994.]:
重力頭 = pgh (2)
この液体の最大の可能な高さは、重力頭(方程式2)が毛細管圧(方程式1)と等しい場合に達成される。
【0059】
3.粒子サイズの増大は、それらの間より大きなポア空間および流動溶浸剤に対する粘性抗力の効果の低下に導く。ダルシーの法則(Darcy's Law)は、どのように多孔性媒体中の圧力勾配は、流体の容積−平均速度に直接的に比例するかを記載する。
【0060】
Figure 2004527659
(3)
(式中、μは流体の粘度であり、およびKは媒体の浸透性である)[Fay]
モノモーダル平滑球状粉末の場合には、粉末床の浸透度はカルマン−コゼニー(Carman−kozeny)関係式によって予測することができる[Phillip C.Carman. Flow of gases through porous media. Butterworths: London. 1956.]:
Figure 2004527659
(4)
(式中、εは粉末床のボイドポア分率であって、Sは比表面積であり、これはモノモーダル球では6/Dに等しい。)
かくして、他の事項が等しければ、より高い浸透度を持つ粉末床は液状溶浸剤がより速く浸透し、従って、ポアが拡散固化によって閉塞される前により遠くまで侵入することを可能とすると考えられる。
【0061】
4.粉末のサイズを増加させると、スケルトンの単位容積当たりの粉末の表面積を低下させる。融点降下剤の拡散は表面を通って起こり、従って、表面積を低下させると、今度は、拡散固化を遅らせ、ポアが閉塞される前のより大きな溶浸剤侵入距離を可能とする。同様に、より大きな粉末は、MPDがより長い距離に渡って拡散し、各粒子の内部容積に到達することを必要とする。かくして、他の事項が等しければ、粉末のサイズの増加は、拡散固化がポアを閉塞する前の溶浸で利用できる時間をより長くし、従って、より大きな侵入がもたらされる。
【0062】
多くの場合、閉塞が起こる前に溶浸剤のより大きな浸透を達成するのが重要である。かくして、粉末のサイズは非常に重要な変数である。もしスケルトンが非常に微細な粉末から作成されれば(例えば、20ミクロン以下から、例えば1ないし3ミクロンの金属粉末)、毛細管圧は高く、溶浸剤が上昇することができる最大高さは高いであろう。しかしながら、侵入する溶浸剤の粘性抗力および等温に導く拡散で利用できる表面積もまた高いであろう。粉末の減少は二つの方法でより大きな侵入距離に寄与し、また、二つの方法でより大きな侵入距離を減じるので、関係の詳細を調査して、侵入距離を最大にする粒子サイズの選択についてのガイダンスを獲得しなければならない。
【0063】
その関係を理解するために、比較的簡単な系をまず考える。この簡単な系においては、拡散は起こらず、従って、拡散固化は起こらない。さらに溶融体は鉛直重力場に対して水平に侵入しつつある。そのような場合、前記した4つのファクターのうち2つのみが働く−粒子サイズに伴う毛細管圧の変化および粒子サイズに伴う粘性抗力の変化。これらのファクターは反対方向に作用する間は、粘性抗力粒子サイズの二乗に感受性であり、他方、方程式1、3および4から分かるように、毛細管圧は粒子サイズに直接比例するに過ぎない。換言すれば、粒子サイズが増加するにつれ、粘性抗力は毛細管圧よりも速く低下する。その結果、侵入する液体は、粒子サイズが増加するにつれスケルトンを通ってより速く移動する。
【0064】
考える次の場合は、拡散および拡散固化も起こるというものである。働かない前記リストの4つの効果のうち1つのみが、重力に逆らって上昇するのに溶浸剤を必要とする。粒子サイズの増加は溶浸にかなり好都合でさえある。なぜならば、増大した粒子サイズは、融点降下剤の粉末への拡散速度を低下させるからである。
【0065】
(重力に逆らって)鉛直に進んでいる溶浸を考える場合のみ、より大きな侵入距離の達成において増大した粒子サイズの有効性を制限する効果が見られる。粒子サイズが増加するにつれ、溶浸剤が上昇することができる最大高さは減少する。かくして、粒子サイズが増加するにつれ、溶浸剤によって達成される高さは、毛管現象および重力によって課されるこの制限まで増加するに過ぎない。事実、この制限高さに近づくと、流動を駆動するための残りの圧力はほとんど無いので、溶浸はよりゆっくりと進むであろう。拡散および拡散固化は作用するのにより長い時間を有し、かくして、この制限高さの十分な値を達成するのは困難であろう。
【0066】
パーツを製造するためのプロセスを設計する方法の考察を以下に行う。設計者は、設計プロジェクトによって特定された高さのボディーを溶浸することに典型的には直面する。そのような場合、設計者は、まず、(可能な最良な表面仕上げを達成するために)比較的小さな粒子サイズを選択し、設計されたパーツのボディー全体で、および(もし重力に逆らって鉛直に進むならば)頂部まで溶浸を獲得するのに必要な粒子のサイズを増加させる。しかしながら、ボディーが溶浸には余りにも高すぎれば、十分大きな粒子サイズを拾うことができない。なぜならば、重力頭によって課される制限は、パーツの頂部に到達する前に到達するだろうからである。方程式1および2の組合せは、最大毛細管上昇高さを予測する。例えば、250ミクロン直径の粉末の〜1N/mの表面張力、8g/ccの密度、および60%緻密スケルトンを持つ液状金属では、上昇高さは
Figure 2004527659
メートル (5)
であろう。
【0067】
前記議論は、実質的にモノモーダル粉末の関係においてであった。微細な粉末を添加し、より大きな粉末の間の隙間を充填するのに用いるバイモーダル粉末では、微細粉末は毛細管圧を増加させるが、それは粘性抗力をかなり実質的に増加させ、その結果、溶融した溶浸剤の溶浸速度が低下する。
【0068】
表面積
拡散固化の前に溶融した溶浸剤のより大きな侵入距離を達成するためのさらなる方法は、その基本的サイズを変化させること無く粉末の表面積を増加させることである。図10は、増加した表面積をもたらす表面のテキスチャーを有する粉末粒子330を模式的に示す。そのような手段によって、2以上のファクターだけ粉末粒子の表面積を増加させることができる。毛細管圧は、単位容積当たりの表面積に関係する。かくして、そのようなテキスチャリングは、表面積の増加に比例する毛細管圧を増加させる。なぜならば、容積はほぼ同一のままであるからである。さらに、そのようなテキスチャリングは粒子間のポア空間のサイズおよび形状に対して最小効果を有するに過ぎず、かくして、(粗さは抗力を非常にわずかに増加させるにもかかわらず)スケルトンを通る溶浸剤の粘性抗力に対して最小効果を有する。前記した理由により、非−拡散溶浸剤の侵入は、平滑でない表面テキスチャーを持つ粉末で作成したスケルトンでより速い。なぜならば、毛細管圧は粘性抗力のわずかな増加よりもかなり速く増加するからである。しかしながら、表面積の増加は、拡散種を持つ溶融体の場合における拡散速度の増加に導くであろう。しかしながら、拡散のこの増加は、溶融体および粉末の間の初期接触においてのみ適用されるであろう。なぜならば、初期の固化は、図11に示すごとく、粉末粒子を平滑とする傾向にあるからである。固体/液体界面はAで示す矢印の方向に移動している。初期表面332は、引き続いて形成される表面334、336と比較して、比較的するどい押し込み加工およびより大きな表面積を有する。かくして、拡散種を持つ溶融体の侵入に対する表面テキスチャーの正味の効果は有益である−すなわち、拡散固化の前のより大きな侵入距離である。
【0069】
図12は、湿式精錬加工によって作成されたニッケル粉末粒子を通る断面を示すデジタルイメージである。このプロセスの結果、所望のタイプのある程度の表面テキスチャリングがもたらされる。示した粒子では、球状粒子を超える表面積の増加は約25パーセントに過ぎない。沈積パラメーターの変化はより強調された表面積をもたらすであろう。図10に示したものと同様な表面テキスチャーを達成する方法は、かなり微細な粉末の単一層で大きな粉末粒子をコーティングし(図面に示した50:1粉末直径比率)、より微細な粉末粒子を所定の位置に焼結することである。一般に、コートされた粉末はコーティングサイズの粉末の10および1000倍の間であり、好ましくは、該サイズの20および200倍の間である。例えば、200ミクロンニッケル粉末を2ミクロンニッケル粉末でコートする。特に、表面積の5ファクターの増加がそのような技術を用いて可能である。別法として、エッチング技術を用いて、表面テキスチャーを作り出すことができる。1つのそのような技術は蒸気−相エッチングである。これは、粉末中の粒界および他の結晶学的欠陥に沿って溝を作り出す傾向がある。
【0070】
流体供給タブ
凍結による侵入距離限界よりも大きな寸法を持つスケルトンを充填するには、他の技術が必要とされる。液状溶浸剤の侵入点の変動を用いて、これらの問題のいくつかを緩和することができる。図13は、スケルトン370および溶浸剤貯蔵器372を示す。溶浸剤は、底部表面よりはむしろパーツ370の複数領域374、376、378、380、382に供給することができる。外部流体供給タブ384、386、388、390、392はスケルトンの表面のいずれかの領域に液状溶浸剤を運ぶことができる。これは、最大パーツ厚みのより小さな厳格な制限に対する最大寸法の制限を減少させる。図13は、重力の助けを借りて溶浸剤を供給するタブを示し、その場合、それは、溶浸剤が容易にそれを通って流動することができるようにする中空チューブであり得る。しかしながら、それは、パーツ直下の溶融体プールから流体を供給するように配置することもできる。この場合、それは、毛管現象による必要な高さまで溶浸剤を吸うのに適切な多孔度を有する必要があろう。タブは、組成のいずれかの変化またはポアの望ましくない閉塞を妨げるために溶浸剤に対して不活性であり得る。タブの多孔度は、液状溶浸剤を迅速に移動させるために、スケルトンと比較して比較的粗いであろう。
【0071】
フィーダーチャネル
また、図14に示すごとく、粉末スケルトンを作成するのに用いる固体自由形態製造技術は、液体をスケルトン470の遠隔領域まで運ぶための内部フィーダーチャネル360、362、364、366を作り出すことができる。そのようなチャネルは、ポアサイズよりも(5以上のファクター、好ましくは5および10のファクターだけ)かなり大きな直径であり、凍結することなく液状溶浸剤をフィーダーチャネルに迅速に流動させる。事実、あるSFFプロセスでは、そのようなチャネルのサイズは、スケルトンの製造の間の粉末除去を容易とするために、粉末直径よりも少なくとも3倍大きい必要があろう。そのようなチャネルのネットワークを、液状溶浸剤を末端まで供給するための主な動脈として、複雑な幾何学および機能の一部に設計することができる。比較的簡単な例を図14に示すが、もし必要であれば、チャネルの幾何学はかなり工夫することができよう。フィーダーチャネルは均一な断面362または変化360(例えば、それから遠いよりも溶浸剤供給接触表面にかなり近い)を有することができる。フィーダーチャネルは鉛直であり、水平であり、傾いており、相互結合しているか、または独立であり得る。
【0072】
フィーダーチャネルを充填するために毛細管力に頼る場合、そのサイズは、変数の定義は方程式1および2からのものであり、Rがチャネルの半径である以下の方程式[Fay]
圧力=
Figure 2004527659
(6)
に従って与えられる十分な上昇高に到達するのに十分なほど小さくなければならない。1N/mの典型的な液状金属表面張力では、1mm直径のチャネルは4kPaの毛細管圧を供するであろう。密度8g/ccの液状Niでは、これは、5cmの上昇高さに対応するであろう。チャネル360は種々の直径にて作成することができ、底部ではより大きく出発し、頂部ではサイズを減少させて、より大きな毛細管上昇を促進する。これは高さに対する制限であるが、距離に対する制限ではなく;水平セクション366は頭の喪失をもたらさないであろうことに注意されたし。
【0073】
フィーダーチャネルは、20ミクロンのごとき小さな粉末を用いる場合、短い侵入距離制限を克服するのに有用であることを証明することができる。小さな粉末は、溶浸剤の凍結によって制限された短い侵入距離を示すようである。例えば、もし20ミクロン粉末についての侵入限界が2cmであるに過ぎなければ、断面が、液状溶浸剤を供給するフィーダーチャネルから2cm未満となるように、内部フィーダーチャネルのネットワークを5または10cmのパーツに設計することができる。一般に、スケルトンのいずれの領域も、侵入限界を超えてフィーダーチャネルから離さない様に配置することができる。溶浸剤は、 実質的にその全長さに沿って、フィーダーチャネルの壁を通って、フィーダーチャネルからスケルトンのボディーまで通過する。固化したフィーダーチャネルにおける組成は、均一化したパーツのバルク組成よりも溶浸剤のそれにマッチするであろう。
【0074】
内部に対する微細な表面テキスチャーを持つスケルトン
図15に模式的に示したもう1つの方法により、良好な表面仕上げと共に大きな侵入距離を達成することができる。まず、ポア空間を閉塞することなく溶浸を所望の高さまで可能とするのに十分な程大きな粉末530からスケルトン570を作成する。次に、スケルトン570を構成する粒子530のサイズよりも有意に小さな粒子サイズを持つ微細な金属粉末522のペースト520を適用する。次いで、ペーストをスケルトンの表面に適用して、元のスケルトンよりも優れた表面仕上げを有する外側層を作り出し、この外側層をカバリング層という。ペーストは増粘剤としてのポリマービヒクルで作成することができ、バインダーを、典型的には、20ないし50容量%金属粉末の固体負荷を有するように処方することができる。次いで、ペーストを適用したスケルトン570を焼成して、ペースト520中のいずれのポリマーも燃やし、微細な粉末を所定の位置に焼結する。微細な外側カバリング層を持つスケルトンを、いまや、前記した本発明に従って溶浸する。液状溶浸剤はスケルトンの主要ボディーを侵入し、大きな粒子コアを通って迅速に移動する。溶浸剤が微粉末ペーストのカバリング層520に到達するにつれ、溶浸は遅くなるのが観察できる。しかしながら、溶浸剤は、微細な材料のこの層を通って小さな距離を侵入しなければならないに過ぎず、かくして、それは拡散固化により閉塞しないであろう。カバリング層の厚みは拡散固化による侵入距離限界未満でなければならないが、この制限は容易に満足される。なぜならば、典型的な層厚みはより大きな粒子の1つの直径未満だからである。また、SFFプロセスの間に、スラリーの選択的沈積によってパーツの製造の間に適用することもできる。そのようなスラリー沈積プロセスは、引用によりここに十分に一体化される1998年12月17日に公開された1998年6月12日に出願されたPCT/US98/12280、JETTING LAYERS OF POWDER AND THE FORMATION OF FINE POWDER BEDS THEREBYに記載されている。
【0075】
ペースト520中の粉末522のサイズは、スケルトンの主要ボディー中の粉末530のサイズのほぼ1/100ないし1/10の間にあるべきである。かくして、もし200ミクロンの粉末をスケルトンで用いれば、ペーストは2ないし20ミクロンのサイズ範囲の粒子を含有すべきである。ペースト中の粒子は全てがほぼ1つのサイズとすることができるか、またはある範囲のサイズにわたることができる。
【0076】
図15は、ペースト520のスケルトン570への適用に対する2つのアプローチを示す。1)ペーストをスケルトンの表面に適用して、(図面の左側に示すごとく)表面にわたってより微細な粉末のスキン524を作り出すことができる。2)より大きな粉末粒子530の間の空間に充填することによって、ポア空間526に侵入し、表面を平滑化するが、(図面の右側に示すごとく)より大きな粒子の頂部に層をもたらさないようにペーストを設計することができる。第2のアプローチ526、元の成分の幾何学を正確に維持する利点を有する。しかしながらもしペースト中の微粉末の組成が大きな粉末のそれと同一であれば、溶浸および均一化後のこの領域の組成はスケルトンの内部のそれとは異なるであろう。これは、ポア中のさらなる微粉末でのより大きな粉末のパッキング密度は、元のスケルトンのそれを超えるであろうからである。これは、適用された層のパッキング密度がスケルトンのバルクのそれとほぼ同一である点で第1のアプローチの利点である。しかしながら、第2のアプローチを用いる最終組成は、大きな粉末のそれとは異なる組成を有するペースト中の微粉末を用いることによって同一とすることができる。より微細な粉末の組成は、現実には、溶浸剤のそれに適合しなければならないが、注意深く選択された微粉末組成と共に、2つのアプローチのある組合せ(表面にわたるスキンおよびペーストの侵入)は望ましい結果を与えるであろう。また、表面近くのパーツの特性を改変するのが望ましく、これは、微粉末についての適切な材料選択を通じて成すことができよう。例えば、高い表面硬度は摩擦による磨耗を最小化することができ、より高い硬度を持つ材料を微粉末のために選択することができよう。
【0077】
パーツ形状の維持
溶浸は、融点に近い温度またはスケルトンの固相線温度で達成することができるので、溶浸温度におけるスケルトンの機械的強度は非常に低いであろう。奇妙な形状なパーツを溶融体の上方に吊り下げた場合、パーツの歪みに遭遇してきた。歪みは、溶浸に先立つ高温焼結の間に起こり得る。パーツ歪みを最小化する第1の工程は、パーツの形状を変化させるか、またはそれを吊り下げるよりはむしろ直下からパーツを支持することを介して達成することができる。図16Aおよび図16Bは、どのようにして、吊り下げている間に(16A)歪みを受ける大きなパーツ(吊り下げ支持体のための穴に注意されたし)は、ルツボの床にある間に(16B)ほとんどまたは全く歪みを経験しなかったかを示す。複雑なパーツ形状では、単純な床支持体は十分でないであろう。緩いセラミック粉末を金属パーツの周りに充填して、複雑な幾何学を持つパーツを支持することができる。パーツをセラミックに埋め込む間にさえ溶浸は起こり得る。なぜならば、セラミック粉末は典型的には溶浸剤によって湿潤化されず、かくして、溶浸剤はそれらの領域に侵入しないだろうからである。
【0078】
材料系
適切な材料系の選択は、溶浸剤融解温度降下の程度、スケルトン材料中でのMPDの拡散性および溶解度、および所望の最終材料組成を考慮し、スケルトン材料およびMPDを選択することを含む。
【0079】
本発明者らは、純粋なニッケルのスケルトン材料および〜10%Siを添加した〜90%Niの溶浸剤を用い、二元Ni−Si材料系に関する広範な実験を行った。用いるケイ素の具体的な量は溶浸温度に依存する。この二元系への他の合金化元素の添加は、異なる、かつある適用では、より望ましい機械的特性を供することができる。そのような可能な合金化元素は、限定されるものではないが、クロム(Cr)、鉄(Fe)、コバルト(Co)およびモリブデン(Mo)を含む。Inconel 617、HXおよびG3のごときいくつかの商業的合金は、1%Siと共にそれらの合金化元素の組合せを含む。例えば、Ni−Si系に添加されたクロムは固溶体強化元素として働く。(ケイ素を含有する、商業的ニッケルブレージング合金は、典型的には、この理由で20%クロムを含有する)。
【0080】
ニッケル基合金用の他の可能な融点降下剤はホウ素(B)、リン(P)およびスズ(Sn)を含む。ホウ素およびリンは商業的ブレージング合金において広範に用いられている。それらは共に非常に低い溶解度を有し、2−相最終パーツ組成をもたらす。スズは、均一化を可能とするであろうかなり高い溶解度を有する。アンチモン(Sb)および硫黄(S)もまたニッケルを含むディープ共晶を供する。多量の銅(Cu)の添加は、ニッケルの融点をかなり降下させることができる。極端な場合として、純粋な銅を溶浸したニッケルスケルトンは、相互の2つの元素の完全な溶解性のため、拡散固化を受けるであろう。
【0081】
アルミニウム(Al)は多くの潜在的融点降下剤を供する。表1は、アルミニウムで通常用いられるいくつかの合金化元素の効果をまとめる。純粋なアルミニウムは〜660℃の融点温度を有する。銅およびマグネシウム(Mg)は、典型的には、小さな濃度で強化を供するのに用いられる。ケイ素は、溶融体の流動性を改良するためにダイキャスティング合金で広く用いられる。現存する商業的ダイ−キャスティング合金濃度のマッチングは有用であり、本明細書中に開示する発明の態様としてなすことができる。三元および四元合金はさらなる融点降下を供することができる。例えば、自動車ピストン(336.0)のダイキャスティングで通常用いられるアルミニウム合金は12Si−2.5Ni−1Mg−1Cuを含み、540℃の固相線および565℃の液相線を有する。
Figure 2004527659
表1:アルミニウムの融点に対する種々の合金化元素の効果
アルミニウムに対する1つの挑戦は、小さな温度ウインドー内で一時的液相溶浸を行うことである。というのは、溶浸剤の融点降下は100℃未満であり得るからである。幸いなことには、アルミニウムのより低い操作温度はパーツおよび溶融体のより容易な操作を可能とする。
アルミニウム中のケイ素の拡散度は600℃において〜10-122/sであり、これは、1200℃におけるニッケル中のケイ素のそれよりも約1桁高い大きさである。拡散距離は拡散度の平方根によって影響されるに過ぎないが、これは、依然として、Ni−Si系と比較して大きな溶浸深さを達成するにおいてより大きな挑戦を表す。粒サイズおよび他の種の存在のごときファクターは拡散性に影響し得る。鉄の溶浸剤への添加を用いて、ケイ素での秩序化のための鉄の高親和性および鉄のアルミニウムにおける溶解度の欠如のため、質量輸送を遅らすことができる。銅はSi拡散に対する優れたバリアーとして働き、アルミニウム粉末に対して電気メッキすることができる。Al中のCuの拡散性はSiのそれと同様であり、従って、コーティングは溶浸温度において長くは続かないが、粉末の表面におけるより高い濃度のCuは依然として質量輸送を観察可能に遅らすことができよう。(Ni中と比較して)アルミニウム中のケイ素のより低い溶解度は、典型的には、固化により決して閉塞されない液体流動をもたらす。これは、もしMPDの最終バルク組成がMPD固相線組成よりも大きければ、パーツは、溶浸温度において部分的拡散固化を受けるに過ぎないであろうからである。
【0082】
アルミニウム合金を加工するもう一つの挑戦が、酸化アルミニウムの薄い表面層の天然形成に由来し、溶浸剤の湿潤化、および他の有害効果を有するのを潜在的に妨げる。該酸化物はより高い温度でより速く成長する。かくして、スケルトンを上昇した温度に暴露する時間の最小化は有益であり、早い温度ランプ速度および短い滞留時間を通じてなすことができる。炉の雰囲気を制御して、酸化プロセスを遅らせることもできる。また、フラックスの使用は、酸化物の層を破壊するのを助けることもできる。具体的なフラックス材料は、限定されるものではないが、ホウ酸、またはアルミニウム溶接および半田産業で通常用いる他のものを含む。少量のマグネシウムの添加もまた、酸化アルミニウムの表面層を破壊するにおいて有利な効果を有する。溶融した溶浸剤が酸化物の層を湿潤化するのを可能とするための洗剤または湿潤助剤の使用もまた溶浸を促進するであろう。
【0083】
ここに添付する請求の範囲において、もし伝統的なフレーズ「実質的になる」を用いれば、発明者らは、請求の範囲で特定される材料および少量のフラックス、洗剤、湿潤剤、またはマグネシウム、あるいは他の同様な材料(その少量は、融点の降下に悪影響しない)を有する組成物に請求の範囲に読めることを意図する。
【0084】
鋼スケルトンを溶浸するためのアプローチは、溶浸剤の融点降下を達成するための複数の合金化元素の使用を含む。三元、四元、およびより大きな複合性の合金は、個々の二元合金のいずれかを介して達成されるよりもかなり大きな融点の効果を供することができる。さらに、溶浸剤における合金化元素の濃度は所望の最終組成のものの二倍を超えることができる。なぜならば、溶浸剤は合計パーツ容積の半分未満を充填するからである。
【0085】
以下の表2は、その標準組成に到達するのに用いることができる溶浸剤の溶融範囲と共に、(液相線および固相線温度によって特徴付けられる)溶融範囲および二つの通常のステンレス鋼、316および17−4 PHを示す。
Figure 2004527659
表2: 316および17−4 PHステンレス鋼および潜在的溶浸剤の溶融範囲
これらの場合については、スケルトンは1538℃の融点を持つ純粋な鉄または同様の融点を持つ鉄およびクロムよりなる。溶浸剤は、標準的なステンレス鋼のそれに適合させるために最終組成で必要な合金化元素の全てを含有する。60%緻密スケルトンでは、これは、溶浸剤組成に対する各合金化元素の寄与が、所望の最終含有量よりも2.5倍高いことを必要とする。クロムは、融点に対して有意なインパクトを有しない。かくして、その濃度はスケルトンおよび溶浸剤において同一に保つことができる。溶浸についての加工ウィンドウは200℃を超え、1300℃における鉄中のNi、MnおよびCuの拡散性は、全てほぼ10-142/sであり、これは凍結前に溶浸を可能とするのに充分な程遅い。
(表2に示した液相線および固相線の情報は、カウフマン二元熱力学データベースに基づいて複数―成分系の熱力学特性の計算を行うのに用いるThermo−Calc、Computational Thermodynamicsプログラムを用いて計算した。)
溶浸剤液相線温度は最小溶浸温度を指令する。316ステンレス鋼の場合には、この溶浸温度(1292℃)はバルク材料の固相線のそれ(1339℃)未満にある。これは、当該材料が溶浸温度において完全な拡散固化を受け、液体流動が固化速度によって決定される時間内に閉塞されるであろうことを意味する。17−4PH綱に当てはまるように、もし溶浸剤液相線がバルク材料の固相線のそれよりも上にあれば、最終パーツ組成は2−相場にあり、液体は常に溶浸温度において存在するであろう。これらの二つの条件は、MPDの低いおよび高い溶解度のスケルトン材料系の間でなされた以前の区別に似ている。
【0086】
チタン合金は、高い特異的堅さおよび強度が必要とされる高温適用において重要な用途を有する。図17に示した二元Ti−Si相図は、前記で詳細に議論したNi−Si系に非常に似た特徴を示す。Tiパーツの加工はより挑戦的であるが、当該材料は同様に挙動する。商業的Ti合金に共通する他の合金化元素は、限定されるものではないが、Al、Sn、Zr、Mo、V、CuおよびCrを含む。銅は融点に対してかなりのインパクトを有し、45重量%の組成において1005℃の共晶温度に到達する。クロムおよびジルコニウムは、程度は低いが、チタン中で融点降下剤としても働く。
【0087】
銅基材料系もまた溶浸剤として用いられる同様の材料でのより高い融解温度のスケルトンの溶浸のための良好な候補である。キャスト銅合金で見出すことができる潜在的融点降下剤はAg、Mg、Mn、Si、SnおよびTiである。
【0088】
本発明の多くの技術および態様をここに記載してきた。当業者であれば、もしそれが一緒に使用されると記載されていなくても、これらの技術の多くの他の開示された技術で用いることができることを理解するであろう。かくして、別々に記載された特徴のサブコンビネーションがサブコンビネーションに記載されていないであろう事実は、本発明者らがいずれかのそのようなサブコンビネーションをここに開示した発明として看做さないことを意味しない。
【0089】
例えば、以下の技術および特徴のいずれも他のいずれかで用いることができる:フィーダーチャネルを持つスケルトン;比較的微細な粉末から形成されたペーストで被覆された表面を持つ、比較的粗い内部粉末でのスケルトン;複数の位置のスケルトンに液体を導入するための液体溶浸剤供給物タブ;溶浸の経路に沿った均一バルク組成を容易とする所望の液相線組成における溶浸剤供給物の提供;それがそのような所望の組成に留まることを保証するための溶浸剤供給物の攪拌;スケルトン材料に拡散する融点降下剤と共に溶浸剤を用いること、それにより、ある場合には(高い溶解度)完全に、他の場合には(より低い溶解度)キャスト製品と同様の程度に仕上げたパーツの組成を均一化する傾向;凍結前により大きな侵入距離を可能とする比較的大きな粒子サイズ、および凍結の不存在下でより大きな毛細管上昇限界を有する比較的小さな粒子サイズでの、拡散固化によって課された侵入距離限界を考慮した、スケルトンの充分な程度までの溶浸を保証するための粉末サイズの選択;他のファクターは同等で、より大きな毛細管駆動力を供する比較的粗い表面積粒子での所望の程度の侵入およびかくして、比較的平滑な表面積粒子よりも深い侵入を達成するための粉末表面積(粗さ)の選択;スケルトンへの液状溶浸剤の流動を閉塞するのに充分な程度まで拡散固化が(もしあれば)起こる前にスケルトンの充分な溶浸を可能とする程遅い速度においてであるが、バルク特性および、可能であれば、組成の均一化を達成するのに必要な程度までスケルトン材料内を拡散するであろうMPDでの材料系の選択。これらの一般的原理および技術のいずれも、開示した、または今後開発される材料系のいずれに適用することもできる。
【0090】
ここに開示した発明のいくつかは金属パーツの製法である。しかしながら、ここに開示した他の発明はそのような金属パーツを製造するためのプロセスを設計する方法である。換言すれば、プロセス設計発明は製法を設計する方法である。例えば、特定の形状、および特定の基本的金属の金属パーツ(例えば、圧倒的にニッケルのパーツまたは圧倒的にアルミニウムのパーツ)を製造する仕事にチャレンジする設計者がいかにしてパーツを作成するためのプロセスの設計を進めるかを開示する。本明細書中における開示は、いかにして設計者がベースとなる金属および合金化元素を含めた粉末組成を選択すべきか、およびいかにして粉末の金属および融点降下剤よりなる溶浸剤を選択するかを教示する。(スケルトン金属はある程度少量のこれらのMPD剤も含むことができる。)また、開示は、もし平滑な表面仕上げが望まれれば、比較的小さな粉末サイズをまず考慮すべきであり、次いで、もしそのようなサイズが侵入距離制限のため充分な溶浸を行うのに余りにも小さいならば、代わりに、より大きな粒子サイズを選択しなければならない。また、設計者には、この開示によって、粒子サイズ、表面粗さ、密度、粘度、およびスケルトンおよびMPDの材料の選択で考慮することができる膨大な他のファクターの効果が知らされる。材料に基づく溶浸侵入制限の効果を克服し、または最小化するために更なる機械的技術が開示される。これらの機械的技術は、限定されるものではないが、フィーダーチャネル、流体供給物タブ、比較的粗いスケルトンのより微細な粒子のペーストでの被覆、および粗い表面を持つ粒子の使用を含む。かくして、設計者には、強化、例えば、フィーダーチャネル、より粗い粒子表面、または比較的粗い粉末のスケルトンを囲む比較的微細な粒子なくして、いかにして、比較系において達成されるであろうよりも大きな溶浸侵入距離を達成するかが教示される。
【0091】
さらに、開示は、本質的に均一な特性をもたらす、キャスト製品に対する微細構造におけると同様であるが、実質的に充分に均一、溶浸の方向に沿って均一および不均一を含めた組成における種々の程度の均一性をいかにして達成するかを教示する。これらの教示は、平衡相図に頼って促進される、三元およびより高次の溶浸剤系において拡散固化が起こる場合に、液相線組成に溶浸剤を維持すること、および溶浸剤における成分の比率に関連するより微妙な選択基準に基づく。これらのツール全てが、金属パーツを製造するプロセスを設計する発明に関する。
【0092】
この開示は、1を超える発明を記載し開示する。該発明は出願したのみならず、本開示に基づくいずれかの特許出願の手続きの間に開発された、本明細書および関連書類の特許請求の範囲に記載される。本発明者らは、引き続いて決定されるべき、先行技術によって認められた制限に対する種々の発明を主張することを意図する。本明細書中に記載したいずれの特徴も、ここに開示した各発明に必須ではない。かくして、本発明者らは、ここに記載したが、本開示に基づくいずれの特許のいずれかの特定の請求項にも記載されていないいずれの特徴もいずれもそのような請求項にも取り込むべきではない。
【0093】
アブストラクトをここに提出する。このアブストラクトは、審査官および他の調査者が技術的開示の主題を迅速に確認するのを可能とするアブストラクトを要求する規則に適合させるために掲げることを強調する。特許庁の規則によって約束されるごとく、請求の範囲または意味を解釈または限定するのにアブストラクトは用いられないという理解で提出する。
【0094】
これは、明細書、請求の範囲および図面を含めた、その全開示をここに引用して充分に一体化させる、速達便番号EL662947541US下で出願し、代理人書類番号MIT8873PCTにて、均一な最終パーツを作成するために融点が降下した類似合金によるネット形状の粉末金属スケルトンの同定という発明の名称で、同一発明者(Sachs、LorenzおよびAllen)の名義で、米国を指定して特許協力条約の下での特許出願として同日に出願される。
【0095】
これまでの議論は説明と理解されるべきであり、いかなる意味においても制限的なものと解釈されるべきではない。発明をその好ましい具体例を参照して特別に示し記載してきたが、当業者であれば、請求の範囲によって定義される発明の精神および範囲を逸脱することなく形態および詳細の種々の変更をそこでなすことができるのを理解するであろう。
【0096】
以下の請求の範囲における全ての手段またはステップ+機能要素の対応する構造、材料、行為および同等物は、具体的に特許請求する他の請求された要素と組み合わせて機能を実行するためのいずれの構造、材料または行為も含むことを意図する。
【図面の簡単な説明】
【0097】
【図1】図1は、スケルトン材料および融点降下剤としての単一エレメントの混合物についての一般的平衡相図である。
【図2】図2は、均一な最終バルク組成を達成するための、液相線組成における溶浸剤での理想化された毛細管の溶浸、および引き続いての拡散および拡散固化を模式的に示す。
【図3】図3は、3つの異なる時点(ダッシュ無し、'、”)における、IおよびIIと示す毛細管に沿った位置における、図2の毛細管および周囲のスケルトン壁内の融点降下剤のパーセンテージを模式的に示す。
【図4】図4は、Ni−11%重量%Si溶浸剤の不飽和(液相線を外れる)プールに1,200℃で5分間浸漬した後の純粋なニッケルスケルトンの溶解を模式的に示す。
【図5】図5は、パーツに数センチ進行する円筒状スケルトンのベースにおけるエロージョンを模式的に示す。
【図6】図6は、溶浸剤の流動を凍結が閉鎖する前に約22センチの高さまで溶浸した〜300ミクロンの粉末よりなるスケルトンを模式的に示す。
【図7A】図7Aは、ニッケルーケイ素平衡相図である。
【図7B】図7Bは、図7AのNi−Si平衡相図の一部の拡大であり、これは、例としてニッケルーケイ素二元系を用いる加工ウィンドウ内の液相線組成での溶浸剤を模式的に示す。
【図8】図8は、ニッケルーリン平衡相図である。
【図9】図9は、アルミニウムーケイ素平衡相図である。
【図10】図10は、毛細管圧を増加させるための、ベース粉末のサイズの1/50の表面粉末でコートしたベース粉末粒子の断面を模式的に示す。
【図11】図11は、図10のそれにマッチする初期表面を持ち、表面粉末の直径の1/4のステップにおいて移動することが示される界面を持つ、移動する固化前面の平滑化効果を模式的に示す。
【図12】図12は、湿式冶金加工によって作成されたニッケル粉末の増強された表面テキスチャーを示す断面を模式的に示すデジタルイメージである。
【図13】図13は、パーツ上方の溶浸剤貯蔵器からのパーツスケルトンのいくつかの侵入点へ溶浸剤を供給するのに用いる外部供給物タブを模式的に示す。
【図14】図14は、凍結なくして遠隔領域への液体流動を促進するためにパーツスケルトンに内蔵された内部フィーダーチャネルネットワークを模式的に示し、チャネルは可変直径(左側)、または水平および鉛直双方の運動を含めた方向の変化(右側)を有する。
【図15】図15は、より大きな粉末のスケルトンの外部表面に微粉末のペーストを添加することによって達成される表面テキスチャー精錬を断面図にて模式的に示し、ペーストはスケルトンの外側に薄いシェルを形成し(左側)、または表面近くの粉末との間の空間に侵入し、それを充填する(右側)。
【図16A】図16Aは、スケルトンを1200℃で吊り下げる間におこるニッケルスケルトンの歪みを模式的に示す(最初の文字は変形している)。
【図16B】図16Bは、平坦なルツボ底部にある歪みのない同様なパーツを模式的に示す。
【図17】図17は、チタン−ケイ素平衡相図である。
【図18】図18は、1250℃における三元ニッケル−ケイ素−クロムの平衡相図である。
【図19】図19は、1200℃における三元ニッケル−ケイ素−鉄平衡相図であり、どのようにして、ニッケルおよび鉄の相対的割合が拡散固化の間に変化するかを模式的に示す。
【図20】図20は、一般的に三元平衡相図であり、均一な最終バルク組成を達成するための望ましい特徴を模式的に示す。

Claims (80)

  1. 実質的には金属であるパーツの製造方法であって、
    a.全体に渡って相互結合した空隙のネットワークを有する相互結合した接着金属粉末のスケルトンを供給し、ここに、上記金属粉末は少なくとも2つの元素よりなるステップと、
    b.i. 上記スケルトンにおけると同一の少なくとも2つの元素と
    ii. 融点降下剤(MPD)
    とを含む溶浸剤を供給し、ここに、上記溶浸剤が溶浸温度に対する液相線組成である組成を有するステップと
    c. ほぼ上記溶浸温度において上記スケルトンを上記溶浸剤で溶浸させ、それにより上記スケルトンのエロージョンが実質的に起こらないステップとを含む方法。
  2. さらに、上記MPDの少なくともいくらかが上記溶浸空隙から上記金属粉末に拡散し、拡散固化が起こるような条件に上記溶浸スケルトンを付すステップを含む請求項1記載の方法。
  3. 溶浸剤を供給する上記ステップが、多相場内にバルク組成を有する溶浸剤供給物を容器に供給することを含み、ここに、上記溶浸温度において、液相線組成で固体が存在し、かつ液体が存在し、
    a. 上記溶浸剤供給物の一部を融解させ、次いで、
    b. 上記液体が上記液相線組成において残るのを確実とする程度まで、その容積に渡って上記溶浸剤供給物の上記融解した部分を攪拌するステップをさらに含む請求項1記載の方法。
  4. 上記攪拌ステップが、上記溶浸剤供給物の上記融解した部分を攪拌することを含む請求項3記載の方法。
  5. 上記攪拌ステップが、上記融解した溶浸剤供給物を通ってガスを通気することを含む請求項3記載の方法。
  6. 上記攪拌ステップが、上記融解した溶浸剤供給物を震盪することを含む請求項3記載の方法。
  7. 上記攪拌ステップが、上記融解した溶浸剤前駆体供給物に電磁誘導場を印加することを含む請求項3記載の方法。
  8. 上記攪拌ステップが、上記容器を前後に傾けることを含む請求項3記載の方法。
  9. 拡散固化が起こる温度条件に上記溶浸されたスケルトンを付す上記ステップが、上記溶浸温度を超える温度範囲に上記スケルトンを付すことを含む請求項2記載の方法。
  10. 上記溶浸温度を超える温度範囲に上記溶浸されたスケルトンを付す上記ステップが、固化が実質的に等温で起こるように、上記溶浸されたスケルトンを実質的に一定温度に維持することを含む請求項9記載の方法。
  11. 上記スケルトンの上記空隙を上記融解された溶浸剤で溶浸する上記ステップが、相互結合した空隙の上記ネットワークの実質的に全てを上記融解した溶浸剤で実質的に十分に充填することを含む請求項1記載の方法。
  12. 上記MPDが拡散する温度条件に上記溶浸されたスケルトンを付す上記ステップが、空隙の上記溶浸されたネットワークから上記金属粉末へ実質的に全体に渡って上記MPDが拡散するような温度条件に上記溶浸されたスケルトンを付すことを含む請求項2記載の方法。
  13. a. 溶浸剤を供給する上記ステップが、液相線組成で固体が存在し、かつ液体が存在するように、上記溶浸温度において平衡多相場にあるバルク組成を有する溶浸剤供給物を容器に供給することを含み、
    さらに、
    b. 上記溶浸温度を超える温度に上記溶浸剤供給物を過熱し、次いで、上記多相場にある固体である上記溶浸剤の少なくともいくらかが液状になるように上記過熱を維持するステップを含む請求項1記載の方法。
  14. 実質的には金属であるパーツの製造方法であって、
    a. 全体に渡って相互結合した空隙のネットワークを有する相互結合した接着金属粉末のスケルトンを供給し、ここに、上記金属粉末は以下のステップeで選択される2つ以上の元素よりなるステップと、
    b. i. スケルトンにおけると同一の元素と
    ii. 融点降下剤
    とを含む溶浸剤を供給し、
    ここに、溶浸剤は、溶浸温度に対する液相線組成である組成を有し、液相線組成および溶浸温度は以下のステップeにおけるごとく選択されるステップと、
    c. 上記溶浸温度の上記スケルトンに液体形態の上記溶浸剤を溶浸させるステップと、
    d. 上記融点降下剤の一部が上記溶浸された空隙から上記金属粉末に拡散し、少なくとも部分的拡散固化が起こるような条件に上記溶浸されたスケルトンを付すステップと、
    e. 上記溶浸剤の拡散固化の間に、未だ固化していない上記液状溶浸剤中の、融点降下剤以外の成分の相対的比率が一定のままであるように、上記金属粉末組成、融点降下剤、溶浸剤組成および溶浸温度を選択するステップとを含む方法。
  15. 上記融点降下剤が実質的に単一元素よりなる請求項14記載の方法。
  16. 上記融点降下剤が、そのうち全てが上記スケルトンの上記元素に対して同様な輸送特徴を有する2以上の元素から実質的になる請求項14記載の方法。
  17. 少なくとも部分的拡散固化が起こるような条件に上記溶浸したスケルトンを付す上記ステップが、少なくとも部分的等温固化が起こるような一定温度条件に上記溶浸したスケルトンを付すことを含む請求項14記載の方法。
  18. 少なくとも部分的拡散固化が起こる条件に上記溶浸したスケルトンを付す上記ステップが、還元温度条件に上記溶浸したスケルトンを付すことを含む請求項14記載の方法。
  19. 上記スケルトンが、さらに、融点降下剤を含む請求項14記載の方法。
  20. 上記スケルトンが、融点降下剤を実質的に含まない請求項14記載の方法。
  21. 上記選択ステップが、平衡相図上の共役線によって結ばれる上記溶浸剤の液相線組成および固相線組成が、共に、上記溶浸剤の非―MPD成分の一定の相対的割合の線上に存在するように、上記金属粉末組成、融点降下剤、溶浸剤組成および溶浸温度を選択することを含む請求項14記載の方法。
  22. 上記選択ステップが、上記スケルトンの組成が、上記溶浸剤の非−MPD成分の一定の相対的割合の上記線上に存在するように、上記金属粉末組成、融点降下剤、溶浸剤組成および溶浸温度を選択することを含む請求項21記載の方法。
  23. 実質的には金属であるパーツの製造方法であって、
    a. 全体に渡って相互結合した空隙のネットワークを有する相互結合した接着金属粉末のスケルトンを提供し、上記金属粉末は単一の金属を含むステップと、
    b. i. スケルトンにおけると同一の金属と
    ii. 実質的に単一の元素よりなる融点降下剤を含む溶浸剤を提供し、ここに、溶浸剤は溶浸温度に対する液相線組成である組成を有するステップと、
    c. 上記溶浸温度の上記スケルトンに液状形態の上記溶浸剤を溶浸させるステップと、
    d. 上記融点降下剤の一部が上記溶浸した空隙から上記金属粉末に拡散にし、かつ少なくとも部分的拡散固化が起こるような条件に上記溶浸されたスケルトンを付すステップとを含む方法。
  24. 少なくとも部分的拡散固化が起こるような条件に上記溶浸されたスケルトンを付す上記ステップが、少なくとも部分的等温固化が起こるような一定温度条件に上記溶浸されたスケルトンを付すことを含む請求項23記載の方法。
  25. 少なくとも部分的拡散固化が起こるような条件に上記溶浸されたスケルトンを付す上記ステップが、還元温度条件に上記溶浸されたスケルトンを付すことを含む請求項23記載の方法。
  26. 上記スケルトンが、さらに、融点降下剤を含む請求項23記載の方法。
  27. 上記スケルトンが、融点降下剤を含まない請求項23記載の方法。
  28. 実質的には金属であるパーツの製造方法であって、
    a. 全体に渡って相互結合した空隙のネットワークを有する相互結合した接着金属粉末のスケルトンを供給し、上記粉末は充填分率にて充填され、上記金属粉末は以下のステップeにおけるごとく選択された少なくとも一つの元素よりなるステップと、
    b. i. スケルトンにおけると同一の少なくとも一つの元素と
    ii. 融点降下剤
    とを含む溶浸剤を供給し、ここに、溶浸剤は溶浸温度に対する液相線組成である組成を有し、液相線組成および溶浸温度は以下のステップeにおけるごとく選択されるステップと、
    c. 上記溶浸温度の上記スケルトンに液状形態の上記溶浸剤を溶浸させるステップと、
    d. 上記融点降下剤の一部が上記溶浸された空隙から上記金属粉末に拡散し、かつ少なくとも部分的拡散固化が起こるような条件に上記溶浸されたスケルトンを付すステップと、
    e. 上記溶浸剤の拡散固化が完了した後、液体の相互結合したネットワークが上記スケルトンの実質的全体に渡って残るように、スケルトン充填分率、上記金属粉末組成、融点降下剤、溶浸剤組成および溶浸温度を選択するステップとを含む方法。
  29. さらに、ここに、上記液体の相互結合したネットワークが十分に多孔性であって、それを通っての溶浸剤の流動を行う請求項28記載の方法。
  30. さらに、上記溶浸したスケルトンが上記溶浸剤の注型のそれと実質的に同一のバルク組成を達成するように、上記溶浸剤の全てが固化するようなより低い温度条件に上記溶浸されたスケルトンを付すステップを含む請求項28記載の方法。
  31. 実質的には金属であるパーツの製造方法であって、
    a. 幾何学全体に渡って相互結合した空隙のネットワークを有する相互結合した接着金属粉末のスケルトンを供給し、粉末粒子の組成および特徴が以下のステップeにおけるごとく選択されると共に、少なくとも一つの元素よりなる上記金属粉末が以下のステップeにおけるごとく選択されるステップと、
    b. i. スケルトンにおけると同一の元素と
    ii. 融点降下剤
    とを含む溶浸剤を供給し、ここに、溶浸剤は以下のステップeにおいて選択されるステップと、
    c. 以下のステップeにおけるごとく選択した溶浸温度の上記スケルトンに液状形態の上記溶浸剤を溶浸させるステップと、
    d. 上記スケルトンの幾何学が充分に溶浸されるように上記溶浸ステップが実質的に完了した後に、上記融点降下剤の一部が上記溶浸された空隙から上記金属粉末に拡散し、かつ少なくとも部分的に拡散固化が起こるような条件に上記溶浸されたスケルトンを付すステップと
    e. 上記拡散固化の実質的にいずれかが起こってしまう前に上記相互結合した空隙のネットワークの実質的に全てに渡って上記溶浸剤が溶浸するように、上記金属粉末組成、融点降下剤、溶浸剤組成および溶浸温度および金属粒子サイズ、サイズ分布、および表面粗さを選択するステップとを含み、
    ここに、上記溶浸されたスケルトンは溶浸の方向に沿った組成グラジエントが実質的にない方法。
  32. 重力に逆らうことのない溶浸の場合における前記選択ステップが、上記粉末材料の代表的なサイズを選択し、次いで、もし溶浸の得られた速度が余りにも遅くて、いずれかの拡散固化が起こる前に上記ネットワークの実質的全てを溶浸できないならば、比較的大きな代表的サイズの粉末粒子を選択して溶浸の速度を増加させることを含む請求項31記載の方法。
  33. 重力に抗する溶浸の場合における上記選択ステップが、上記粉末材料の代表的サイズを選択し、次いで、もし溶浸の得られた速度が余りにも遅くて、いずれかの拡散固化が起こる前に上記スケルトンの実質的に全てを溶浸できないならば、比較的大きな代表的サイズの粉末粒子を選択して、溶浸の速度を増加させるが、比較的大きなサイズの粒子の選択を、毛細管駆動力を達成するのに充分な程小さな粒子に限定して、重力を上記幾何学の充分な高さまで克服することを含む請求項31記載の方法。
  34. 高さhの幾何学を有するスケルトンにおいて、加速gを有する、重力に抗する溶浸の場合における上記選択ステップが、
    上記粉末が、スケルトンにおけるポア空間の表面積Spおよびスケルトンにおけるポア空間の容積Vpを有し、
    上記溶浸剤が、
    Figure 2004527659
    となるように、液体密度ρ、および液体/蒸気界面エネルギーγLV、およびスケルトン粉末の固体との接触角θを有するように選択することを含む請求項31記載の方法。
  35. 上記選択ステップが、さらに、
    Figure 2004527659
    となるように、実質的にモノモーダル球状粒子を選択し、次いで、上記スケルトンがボイド分率εを有し、上記球状粒子が直径Dを有するように選択することを含む請求項34記載の方法。
  36. 実質的には金属であるパーツの製造方法であって、
    a. 幾何学の全体に渡って相互結合した空隙のネットワークを有する相互結合した接着金属粉末のスケルトンを供給し、粉末粒子の組成および特徴が以下のステップeにおけるごとく選択されると共に、少なくとも一つの元素よりなる上記金属粉末が以下のステップeにおけるごとく選択されるステップと、
    b. i. スケルトンにおけるのと同一の元素と
    ii. 融点降下剤
    とを含む溶浸剤を供給し、ここに、溶浸剤は以下のステップeにおけるごとく選択された組成を有するステップと、
    c. 以下のステップeにおけるごとく選択された溶浸温度の上記スケルトンに液状形態の上記溶浸剤を溶浸させるステップと、
    d. 上記スケルトンの幾何学が充分に溶浸されるように上記溶浸ステップが実質的に完了した後に、上記融点降下剤の一部が上記溶浸された空隙から上記金属粉末に拡散し、かつ上記相互結合した空隙全体に渡って溶浸剤の流動をブロックする程度に拡散固化が起こるような条件に上記溶浸されたスケルトンを付すステップと、
    e. 上記相互結合した空隙全体に渡って溶浸剤の流動をブロックする程度まで拡散固化が起こる前に、上記溶浸剤が相互結合した空隙の上記ネットワークの実質的に全てに渡って溶浸するように、上記金属粉末組成、上記融点降下剤、上記溶浸剤組成、上記溶浸温度、上記金属粒子サイズ、および金属粒子サイズ分布、および表面粗さを選択するステップとを含む方法。
  37. 実質的には金属であるパーツを溶浸する方法であって、
    a. i. 全体に渡って相互結合した空隙のネットワークを有する相互結合した接着金属粉末体、上記空隙は特徴的ポアサイズを有し、
    ii. 少なくとも一つの溶浸剤接触表面、および
    iii. 上記ポアサイズの少なくとも三倍である特徴的直径dを有数する少なくとも一つのフィーダーチャネル、上記フィーダーチャネルは上記溶浸剤接触表面から上記空隙ネットワークの第一の内部領域まで伸び;
    を有するスケルトンを供給するステップと、
    b. 溶浸剤供給物を供給するステップと、
    c. 上記溶浸剤供給物の少なくとも一部を融解させる条件下で上記溶浸剤供給物を溶浸温度に付すステップと、
    d. 液状溶浸剤が上記フィーダーチャネルを通過して上記内部領域に至るように、上記スケルトンの上記溶浸剤接触表面を上記融解した溶浸剤供給物に接触させるステップと、
    e. 上記液状溶浸剤が、上記内部領域を含めた上記スケルトンの上記相互結合した空隙を溶浸させるような条件に上記スケルトンを付すステップとを含む方法。
  38. a. 上記溶浸剤が、
    i. スケルトンにおけるのと同一の元素と
    ii. 融点降下剤とを含み、
    b. さらに、
    i. 上記融点降下剤の一部が上記溶浸された空隙から上記金属粉末に拡散するような温度条件に上記溶浸されたスケルトンを付すステップと、
    ii. 溶浸された前記空隙を有する溶浸剤が固化するような温度条件に上記溶浸されたスケルトンを付すステップとを含む請求項37記載の方法。
  39. 上記空隙のネットワークが拡散固化関連侵入距離限界(PL)を有し、上記スケルトンが、結合した空隙の前記ネットワークの第二の内部領域が、
    a. 上記侵入距離限界を超える距離だけ上記溶浸剤接触表面から離れ、かつ
    b. 上記侵入距離限界未満である距離だけ上記フィーダーチャネルから離れるような幾何学および寸法を有し、
    それにより、上記溶浸剤は、前記溶浸剤接触表面からの上記侵入距離限界を超えて、上記スケルトンを上記フィーダーチャネルを通って上記第二の内部領域に溶浸させる請求項38記載の方法。
  40. 上記フィーダーチャネルが、上記特徴的ポアサイズの少なくとも5倍の直径を有する請求項38記載の方法。
  41. 上記スケルトンが、溶浸剤が上記溶浸剤接触表面を超える高さhまで移動して、上記空隙のネットワークの上記第二の内部領域に到達しなければならないような、上記溶浸剤接触表面からの幾何学および寸法を有し、上記フィーダーチャネルは
    Figure 2004527659
    (式中、ρは上記液状溶浸剤の密度であり、gは重力による加速であり、γLVは液体/蒸気界面エネルギーであって、θは固体との液体の接触角である)
    未満である半径rを有する請求項38記載の方法。
  42. 上記スケルトンが、溶浸剤が上記溶浸剤接触表面を超える高さzまで移動して、上記空隙のネットワークの上記第二の内部領域に到達しなければならないような、上記溶浸剤接触表面からの幾何学および寸法を有し、上記フィーダーチャネルが、
    Figure 2004527659
    (式中、ρは上記液状溶浸剤の密度であり、gは重力による加速であり、γLVは液体/蒸気界面エネルギーであって、θは固体との液体の接触角である。)
    未満である半径rを有する請求項39記載の方法。
  43. 上記フィーダーチャネルが、上記特徴的ポアサイズの5倍および10倍の間の特徴的直径を有するチャネルを含む請求項38記載の方法。
  44. 上記スケルトンが、相互に対して傾いた少なくとも二つの部分を有するフィーダーチャネルを含む請求項38記載の方法。
  45. 上記フィーダーチャネルがその長さに沿って変化する特徴的直径を有する請求項38記載の方法。
  46. 上記少なくとも1つのフィーダーチャネルがフィーダーチャネルのネットワークを含む請求項37記載の方法。
  47. 実質的に金属であるパーツを製造するのに用いるスケルトンであって、
    a.全体に渡って相互結合した空隙のネットワークを有する相互結合した接着金属粉末体、上記空隙は特徴的ポアサイズを有し、
    b.少なくとも1つの溶浸剤接触表面、および
    c.上記ポアサイズの少なくとも3倍である特徴的直径dを有する少なくとも1つのフィーダーチャネル、上記フィーダーチャネルは上記溶浸剤接触表面から上記空隙のネットワ−クの第一の内部領域まで延びる;
    を含むスケルトン。
  48. 上記空隙のネットワークが拡散固化関連侵入距離限界を有し、上記スケルトンは、上記相互結合した空隙のネットワークの第二の内部領域が、
    a.上記侵入距離限界を超える距離だけ上記溶浸剤接触表面から離れ、かつ
    b.上記侵入距離限界未満である距離だけ上記フィーダーチャネルから離れるような、幾何学および寸法を有する請求項46記載のスケルトン。
  49. 上記フィーダーチャネルが上記特徴的ポアサイズの少なくとも5倍の直径を有する請求項48記載のスケルトン。
  50. 密度ρおよび液体/蒸気界面エネルギーγLVおよび上記スケルトンの粉末との接触角θを有する液状溶浸剤と共に用いられ、上記スケルトンは、溶浸剤が前記溶浸剤接触表面上方高さhまで移動して、上記空隙のネットワークの上記第二の内部領域に到達しなければならないような上記溶浸剤接触表面からの幾何学および寸法を有し、上記フィーダーチャネルは
    Figure 2004527659
    (gは重力による加速である)
    未満である半径rを有する請求項47記載のスケルトン。
  51. 上記フィーダーチャネルが、上記特徴的ポアサイズの5倍および10倍の間の特徴的直径を有する請求項48記載のスケルトン。
  52. さらに、相互に対して傾いた少なくとも2つの部分を有するフィーダーチャネルを含む請求項48記載のスケルトン。
  53. さらに、その長さに沿って変化する特徴的直径を有するフィーダーチャネルを含む請求項48記載のスケルトン。
  54. さらに、フィーダーチャネルのネットワークを含む請求項48記載のスケルトン。
  55. 実質的に金属であるパーツを溶浸させる方法であって、
    a.全体に渡って表面および相互結合した空隙のネットワークを有する相互結合した接着金属の第一の粉末のスケルトンを供給し、上記粉末は比較的大きな特徴的粒子サイズを有するステップと、
    b.比較的微細な金属粉末を含む被覆層で上記スケルトンの上記表面を実質的に被覆し、上記比較的微細な粉末は上記比較的大きな特徴的サイズよりも有意に小さな特徴的サイズを有するステップと、
    c.溶浸剤供給物を容器に供給するステップと、
    d.上記溶浸剤供給物の一部を融解させる条件下で、上記溶浸剤供給物を溶浸温度に付すステップと、
    e.溶浸剤が毛細管作用によって上記比較的大きな金属粉末を通って上記スケルトンに吸われるように、上記スケルトンを上記融解された溶浸剤供給物に接触させるステップと、
    f.上記比較的大きな金属粉末の上記相互結合した空隙を介して、上記比較的大きな金属粉末の上記相互結合した空隙を上記融解した溶浸剤で溶浸させ、上記被覆層を上記融解した溶浸剤で溶浸するステップを含む方法。
  56. a.上記溶浸剤が、
    i.上記スケルトンの第一の粉末におけるのと同一の元素と
    ii.融点降下剤とを含み、
    b.さらに、
    i.上記融点降下剤の一部が上記溶浸された空隙から上記比較的大きな金属粉末に拡散するような温度条件に上記溶浸されたスケルトンを付すステップと、
    ii.溶浸された上記空隙を有する溶浸剤が固化するような温度条件に上記溶浸されたスケルトンを付すステップとを含む請求項55記載の方法。
  57. さらに、ここに、相互結合し接着した上記微粉末体内の空隙の相互結合したネットワークが拡散固化関連侵入距離限界を有し、前記スケルトンが、
    a.上記微細被覆層の領域が、上記侵入距離限界を超える距離だけ上記溶浸剤接触表面から離され、
    b.上記被覆層が上記侵入距離限界未満である厚みを有し、
    それにより、上記溶浸剤が、上記溶浸剤接触表面からの上記侵入距離限界を超えて、上記比較的大きな金属粉末の上記相互結合した空隙を通って上記微細被覆層を溶浸させるような幾何学および寸法を有する請求項56記載の方法。
  58. 上記被覆層が、上記比較的大きな特徴的粒子サイズのほぼ1/10およびほぼ1/100の間である粒子サイズを有する比較的微細な金属粉末を含む請求項56記載の方法。
  59. 被覆層を適用する上記ステップが、上記層を上記スケルトンの上記表面に適用して、上記表面において上記比較的大きな金属粒子上により微細な粉末のスキンを生じさせることを含む請求項56記載の方法。
  60. 被覆層を適用する上記ステップが、上記被覆層が上記比較的大きな金属粉末の間の空隙に侵入し、せいぜい、上記より微細な粉末の薄い被覆層と共に上記表面において上記比較的大きな金属粉末の粒子を残すように、上記被覆層を上記スケルトンの上記表面に適用することを含む請求項56記載の方法。
  61. a.上記被覆層がポリマービヒクルを有するペーストを含み、かつ
    b.さらに、上記ペースト被覆スケルトンを、上記ポリマービヒクルを燃焼させ、上記ペーストから実質的に除き、上記比較的微細な粉末粒子を所定の位置に焼結させるような温度条件に付すステップを含む請求項56記載の方法。
  62. 実質的に金属であるパーツを製造するのに用いるスケルトンであって、
    a.全体に渡って表面および相互結合した空隙のネットワークを有する接着した金属の第一の粉末の相互結合したネットワーク、上記粉末は比較的大きな特徴的粒子サイズを有し、および
    b.上記スケルトンの被覆表面、被覆層は、比較的微細な金属粉末を含み、上記比較的微細な粉末は上記比較的大きな特徴的サイズよりも有意に小さな特徴的サイズを有する;
    を含むスケルトン。
  63. 相互結合し接着した上記微粉末の比較体内の空隙の相互結合したネットワークが拡散固化関連侵入距離を有し、上記スケルトンが、
    a.上記微細な被覆層の領域が、上記侵入距離限界を超える距離だけ上記溶浸剤接触表面から離され、かつ
    b.上記被覆層が、上記侵入距離限界未満である厚みを有するような幾何学および寸法を有する請求項62記載のスケルトン。
  64. 上記被覆層が、上記比較的大きな特徴的粒子サイズのほぼ1/10およびほぼ1/100の間である粒子サイズを有する比較的微細な金属粉末を含む請求項63記載のスケルトン。
  65. 上記被覆層が上記スケルトンの上記表面を覆って、上記表面において上記比較的大きな金属粒子上により微細な粉末のスキンを形成する請求項62記載のスケルトン。
  66. 上記被覆層が上記比較的大きな金属粉末の間の空隙に上記スケルトンの上記表面を侵入させ、上記微細な粉末が実質的にない上記表面において上記比較的大きな金属粉末の粒子を残す請求項62記載のスケルトン。
  67. 上記被覆層が、さらに、ポリマービヒクルを含む請求項62記載のスケルトン。
  68. 上記被覆層が微粉末の焼結された層を含む請求項62記載のスケルトン。
  69. 実質的に金属であるパーツに溶浸させる方法であって、
    a.全体に渡って相互結合した空隙のネットワークを有する相互結合した接着金属粉末のスケルトンを供給し、上記粉末粒子は、
    i.もし平滑であれば、上記粒子が呼称表面積を有するであろうようなサイズおよび形状と、
    ii.上記呼称表面積のほぼ25%および500%の間だけ上記呼称表面積を超える現実の表面積を生起させる表面テキスチュアーを有するステップと、
    b.i.スケルトンにおけると同一の元素と、
    ii.融点降下剤を含む溶浸剤供給物を供給するステップと、
    c.上記溶浸剤供給物の少なくとも一部を融解させる条件下で、上記溶浸物供給物を溶浸温度に付すステップと、
    d.液状溶浸剤が毛細管作用によって上記空隙のネットワークを通じて上記スケルトンに吸われるように、上記融解された溶浸剤供給物に上記スケルトンを接触させるステップと、
    e.上記スケルトンの上記相互結合した空隙に上記融解した溶浸剤を溶浸させるステップと、
    f.上記融点降下剤の一部が上記溶浸された空隙から上記金属粉末に拡散するような温度条件に上記溶浸されたスケルトンを付すステップと、
    g.上記空隙に溶浸してしまった溶浸剤が固化するような温度条件に上記溶浸されたスケルトンを付すステップとを含み、
    ここに、空隙の比較ネットワークは上記ネットワークと同一であるが、上記呼称表面と同等な代表的粒子表面積を有するためであり、面積は拡散固化関連侵入距離限界(PL)を有し、上記スケルトンは、相互結合した空隙の前記ネットワークの領域が上記比較ネットワークの上記侵入距離限界を超える距離だけ上記溶浸剤接触表面から離されるような幾何学および寸法を有し、
    それにより、上記溶浸剤は、上記溶浸剤接触表面から、上記侵入距離限界を超えて、上記平滑表面積を超える表面積を有する粒子の上記相互結合した空隙を通って毛細管現象によって上記ネットワークの上記領域に上記スケルトンを溶浸させる方法。
  70. 粉末粒子の上記スケルトンが湿式冶金加工された粉末を含む請求項69記載の方法。
  71. 上記粉末粒子が蒸気相のエッチングされた粉末を含む請求項69記載の方法。
  72. 上記粉末粒子が、上記比較的大きな粒子よりも小さい粉末粒子の層で各々被覆された比較的大きな粉末粒子を含み、上記より小さな粒子が上記比較的大きな粒子のサイズの1/1000および1/10の間のサイズを有する請求項69記載の方法。
  73. 実質的に金属であるパーツに溶浸させる方法であって、
    a.i.全体に渡って相互結合した空隙のネットワークを有する相互結合した接着金属粉体と、
    ii.少なくとも2つの溶浸剤接触表面と、
    iii.各溶浸剤接触表面につき、上記各溶浸剤接触表面にカップリングした少なくとも1つの溶浸剤供給物タブとを有するスケルトンを供給するステップと、
    b.i.スケルトンにおけると同一の元素と
    ii.融点降下剤とを含む溶浸剤供給物を供給するステップと
    c.上記溶浸剤供給物の少なくとも一部を融解させる条件下で、上記溶浸剤供給物を溶浸温度に付すステップと、
    d.液状溶浸剤が上記供給物タブを通って上記各溶浸剤接触表面へ通過するように、上記溶浸剤供給物タブの各々を上記溶浸剤供給物の上記融解した部分にカップリングさせるステップと、
    e.上記液状溶浸剤が、上記溶浸剤接触表面に隣接する領域を含めた上記スケルトンの上記相互結合した空隙に溶浸するような条件に上記スケルトンを付すステップと、
    f.上記融点降下剤の一部が上記溶浸された空隙から上記金属粉末に拡散するような温度条件に上記溶浸されたスケルトンを付すステップと、
    g.上記空隙にすでに溶浸した溶浸剤が固化するような温度条件に上記溶浸されたスケルトンを付すステップとを含む方法。
  74. 上記流体供給物タブが中空チューブを含む請求項73記載の方法。
  75. 上記流体供給物タブが、上記スケルトンと一体となったチューブを含む請求項73記載の方法。
  76. 実質的に金属であるパーツの製造方法であって、
    a.全体に渡って相互結合した空隙のネットワークを有する相互結合した接着金属粉末のスケルトンを供給し、上記金属粉末は鉄から構成されるステップと、
    b.i.スケルトンにおけると同一の元素と、
    ii.鉄、炭素、マンガン、ケイ素、クロム、ニッケルおよびモリブデンの合金を含む融点降下剤(MPD)とを含む溶浸剤を供給するステップと、
    c.上記相互結合した空隙に液状形態の上記溶浸剤を溶浸させるステップと、
    d.上記融点降下剤が上記溶浸されたボイドから上記金属粉末に拡散するような温度条件に上記溶浸されたスケルトンを付すステップと、
    e.上記相互結合した空隙にすでに溶浸された溶浸剤が固化するような温度条件に上記溶浸されたスケルトンを付すステップとを含む方法。
  77. 実質的に金属であるパーツの製造方法であって、
    a.全体に渡って相互結合した空隙のネットワークを有する相互結合した接着金属粉末のスケルトンを供給し、前記金属粉末は鉄から構成されるステップと、
    b.i.スケルトンにおけると同一の元素と、
    ii.鉄、炭素、マンガン、ケイ素、クロム、ニッケルおよび銅およびニオブの合金を含む融点降下剤(MPD)を含む溶浸剤を供給するステップと、
    c.上記相互結合した空隙に液状形態の上記溶浸剤を溶浸させるステップと、
    d.上記融点降下剤が上記溶浸されたボイドから上記金属粒子に拡散するような温度条件に上記溶浸されたスケルトンを付すステップと
    e.上記相互結合した空隙にすでに溶浸した溶浸剤が固化するような温度条件に上記溶浸されたスケルトンを付すステップとを含む方法。
  78. 実質的に金属であるパーツの製造方法であって、
    a.全体に渡って相互結合した空隙のネットワークを有する相互結合した接着金属粉末のスケルトンを供給し、上記金属粒子はチタンを含むステップと、
    b.i.スケルトンにおけると同一の元素と
    ii.ケイ素を含む融点降下剤(MPD)を含む溶浸剤を供給するステップと、
    c.上記相互結合した空隙を液状形態の上記溶浸剤で溶浸させるステップと、
    d.上記ケイ素が上記溶浸されたボイドから上記金属粉末に拡散するような温度条件に上記溶浸されたスケルトンを付すステップと、
    e.上記相互結合した空隙に既に溶浸された溶浸剤が固化するような温度条件に上記溶浸されたスケルトンを付すステップとを含む方法。
  79. 実質的に金属であるパーツの製造方法であって、
    a.全体に渡って相互結合した空隙のネットワークを有する相互結合した接着金属粉末のスケルトンを供給し、上記金属粉末はチタンを含むステップと、
    b.i.スケルトンにおけると同一の元素と、
    ii.アルミニウム、スズ、ジルコニウム、モリブデン、バナジウム、銅およびクロムよりなる群から選択される少なくとも1つの材料を含む融点降下剤(MPD)を含む溶浸剤を供給するステップと、
    c.上記相互結合した空隙を液状形態の上記溶浸剤で溶浸させるステップと、
    d.上記融点降下剤が上記溶浸されたボイドから上記金属粉末に拡散するような温度条件に上記溶浸されたスケルトンを付すステップと、
    e.上記相互結合した空隙に既に溶浸した溶浸剤が固化するような温度条件に上記溶浸されたスケルトンを付すステップとを含む方法。
  80. さらに、融点降下剤以外の成分の相対的比率が、上記溶浸剤において、融点降下剤以外の成分の上記相対的比率に等しいように、上記金属粉末の組成を選択することを含む請求項14記載の方法。
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