JP2004526749A - 生分解性キャリアおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
生分解性キャリアは、生物学的に活性な薬剤の保持および/または制御された送達用として製造される。ここで、この生分解性キャリアが、触媒として酸または塩基を用いることによって、水およびシランから製造されるシリカキセロゲルであって、かつこの生分解性キャリア中の生物学的に活性な薬剤が、感染性ウイルスまたはインフェクトウイルスである。シリカキセロゲル材料は、薬学的に受容可能であり、かつそれは薬物として使用され得る。
Description
【技術分野】
【0001】
本発明は、生物学的に活性な薬剤の保持および/または制御された送達用の、生分解性キャリアおよびそのキャリアの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
生物学的に活性な薬剤の制御された送達用の生分解性材料の使用は、近年、重要になってきている。生分解性キャリアは、たとえば、シリカゾル−ゲルであり得る。
【0003】
ゾル−ゲル技術は、金属−アルコキシド(シラン)の加水分解およびその後の金属水酸化物の重合に基づく。ここで、3つの反応工程が同定され得る。3つの反応工程は、以下:
1.加水分解
Si−OR+H2O → Si−OH+ROH
2.アルコールの縮合
Si−OH+OH−Si → Si−O−Si+ROH
3.水の縮合
Si−OH+OH−Si → Si−O−Si+H2O
である。
【0004】
これらの反応は、種々のSi−OR試薬を用いることにより変更され得る。たとえば、テトラエトキシシラン(TEOS)またはテトラメトキシシランが用いられ得る。また、シラン−水比は変更され得、そして水は、適切なアルコール(メトキシゲル中メタノールおよびエトキシゲル中エタノール)で部分的に置き換えられ得る。ポリエチレングリコールなどの種々の添加剤はまた、新規な特性を材料に導入するために用いられ得る。すべての場合において、この反応は、触媒として酸または塩基を用いることによって実施される。触媒を用いることによって、いかなる類似のアルコールを用いることもなくゾル−ゲルを製造することが可能である(たとえば、エタノール添加は、TEOSから製造されるゲルに必須ではない)。
【0005】
シリカゾル−ゲル技術は、用いるのに経済的で、かつ容易である。シリカ製品は通常、生体適合性であって、かつ非毒性である。シリカキセロゲルの化学的および物理学的な変化は、ゲル中に埋没される生物学的に活性な薬剤の放出作用に対する効果を有することが示されている。したがって、ゾル−ゲル技術は、生物学的に活性な薬剤の取り込みおよび制御された送達のための多彩な可能性を提示する。これらの生物学的に活性な分子は、先行技術(国際公開第9745367号パンフレット、Aholaら、1997;芬国特許第19991806号明細書、Aholaら、1999)にしたがうと、たとえば、タンパク質(増殖因子)、ホルモン、核酸(RNA、DNA)または多糖であり得る。また、ウイルスキャプシドの一部またはウイルス全体は、とくにワクチン接種に用いられ得る。トレミフェンシトレート、塩酸セレギリン、(−)−4−(5−フルオロ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イル)−1H−塩酸イミダゾール、イブプロフェン、カフェイン、ペプチド(レボドパ)、タンパク質(歯のエナメルマトリクス誘導体)およびヘパリンが、用いられている。
【0006】
シリカキセロゲルは、pHを1〜4.5、好ましくは1.5〜3.0に調節し、生物学的に活性な分子を添加し、そしてこの混合物をゲル化させ、0℃から約+40℃の温度で熟成させ、ついで、熟成させたゲルを約+15℃から+40℃で乾燥させることによって、0℃の温度で、たとえば、水、アルコキシドおよびメタノールを用いることにより製造されている(米国特許第5817327号明細書、Ducheneyeら、1998)。
【0007】
活性分子が、ゾル−ゲル処理を用いて形成されている、多孔質の透明なガラス中に埋没される方法が記載されている。この処理の目的は、生物学的に分解せず、その結果、生物学的に活性な材料の反応がゲルの内側で起こり、そして何も放出しない、透明なガラスを製造することである。この目的のために、金属アルコキシドは、水様(water resembling)アルコールと混合され、そして、超音波エネルギーに曝露される。ついで、単一相溶液は、生物学的に活性な材料と混合され、そして得られるゲルは熟成され、そして乾燥される。ついで、活性な生物学的材料は、ゲルのモノリス中に捕捉される(国際公開第9304196号パンフレット)。
【0008】
遺伝子治療において、遺伝子は、通常、注入を用いることによって、患者に投与される。潜在的な遺伝子導入ベクターは、プラスミド、裸DNAまたはウイルスベクター(たとえば、アデノウイルス、アデノ関連ウイルス)である。いくつかの適用において、キャリアを有することもまた有利であり得る。その結果、所望の組織への標的化が、過剰なベクターの使用および/またはベクターの局所効果の延長を必要とせずに起こる。
【発明の開示】
【0009】
[発明の目的および要旨]
本発明の目的は、生物学的に活性な薬剤としてウイルスを、生分解性ゲルに添加することを可能にし、その結果、ウイルスが感染細胞および/またはトランスフェクト細胞に対してそのウイルスの活性を放出しない方法を提供することである。したがって、ウイルスなどの生物学的に活性な薬剤の、保持および/または制御された送達のために使用される材料を製造することが可能である。
【0010】
この方法において、生物学的に活性な薬剤としてウイルスを含むシリカキセロゲルキャリアは、触媒として酸または塩基を用いて製造される。水およびシランの溶液は、撹拌することによって均質化される。この溶液の均質化の後、この溶液のpHは、添加されるウイルスに適切な値(たとえば、好ましくは4.9〜7.0である)に調整される。この溶液はゲル化されず、そしてウイルスはこの溶液に撹拌しながら添加される。ついで、この溶液の撹拌が終了され、そしてこの溶液がゲル化される。
【0011】
ゲル化は、好ましくは、ゲル用の型を有するゲル化チャンバの内側でなされる。この溶液は、好ましくは、このゲル化の間に放出される反応産物を気化させる条件下でゲル化される。この型は、好ましくは、反応産物(たとえば、エタノールおよび水)の最大の気化を可能にするために開放されている。乾燥は、好ましくは、真空および/または乾燥剤(drying agents)(たとえば、乾燥剤(siccative)またはCaCl2)の存在下でなされ得る。
【0012】
このシリカキセロゲル材料は、薬学的に受容可能であり得る。そのため、これは、たとえば、モノリス、錐、繊維、ウェブまたは多粒子(粒子サイズ(たとえば、1nm〜100nm))として、あるいは種々の型の移植物(たとえば、尿道ステントおよび脈官ステント)用の被覆材料として医薬品において用いられ得る。移植物はまた、特定のバクテリオファージを含むゲルで、それらを被覆することによって抗菌にされ得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
[詳細な説明]
用語「生物学的に活性な薬剤」は、インビボ、エキソビボまたはインビトロで所望の効果を生じる薬剤として理解されなければならない。
【0014】
用語「感染(性)」は、細胞媒介プロセスによる、ウイルスの、細胞への内在化として理解されなければならない。
【0015】
用語「トランスフェクト(性)」は、感染性ウイルスのゲノムが細胞内で発現される生物学的方法として理解されなければならない。
【0016】
用語「制御された送達」は、所望の標的ならびに/または所望の時および/もしくは時間に、送達される薬剤の制御された放出として理解されなければならない。
【0017】
用語「シリカキセロゲル」は、固体シリカ材料または部分的な湿シリカ材料(この材料の大部分が固体である)として理解されなければならない。
【0018】
ウイルス(たとえば、アデノウイルス、アデノ関連ウイルス、レトロウイルスまたはバクテリオファージ)を有することは、生分解性ゲルにおける生物学的に活性な薬剤として新規であり、発明である。その結果、それらのウイルスは、長期間、感染細胞および/またはトランスフェクト細胞に対してそれらの活性を維持する。
【0019】
この新規な方法において、生分解性シリカキセロゲルキャリアは、+15℃以下の温度、好ましくは0℃〜+10℃の温度で、触媒として酸または塩基を用いることによって水およびシランから製造される。種々の金属アルコキシド(シラン)を使用して、これらの反応が変更され得る。たとえば、テトラエトキシシラン(TEOS)またはテトラメトキシシランが用いられ得る。また、水シラン比が変更され得る。このモル比は、たとえば、シランとしてTEOSを用いる場合、10〜60であり得る。最適な水シランモル比はまた、用いられたシランおよび添加されたウイルスに依存して、たとえば、35〜50、45〜60または50〜75であり得る。
【0020】
この溶液は、まず、一定に撹拌して均質化される。この溶液の均質化が達成された後、そのpHは、添加されるウイルスに適切な値(たとえば、好ましくは4.9〜7.0または好ましくは6.0〜7.0)に調整される。この溶液はゲル化されず、かつウイルスがこの溶液に添加される。ついで、この溶液の撹拌が終了され、そしてこの溶液はゲル化される。この溶液は、+15℃以下の温度、好ましくは0℃〜+10℃の温度で好ましくはゲル化される。この溶液を中和するために、水酸化アンモニウム、酸触媒処理のために水酸化ナトリウムまたは塩基触媒処理のために塩酸、酢酸が用いられ得る。また、他の塩基または酸が用いられ得る。
【0021】
ゲル化は、好ましくは、温度および湿度の制御が可能なゲル化チャンバ内でなされる。このチャンバ内での、反応産物(たとえば、エタノールおよび水)の気化は、常圧または好ましくは真空における減圧下で実施され得る。また、乾燥材料は、ゲル化チャンバ内に存在され得る。
【0022】
この新規な方法を用いることによって、慣用的な溶液中で非常に迅速にそれらの活性を放出するウイルスについてさえも、保持および/または制御された送達システムが設計され得る。たとえば、アデノウイルスは、細胞接触なしに、それらの感染能力およびトランスフェクト能力を迅速に放出することが公知である。本発明によれば、この溶液に添加されたウイルスは、製造されるシリカキセロゲル材料において少なくとも18日間、それらのトランスフェクト能力を維持し得る。これは、キセロゲルの安定効果および保持効果を示している。
【0023】
前記の方法は、現在用いられている方法と比較して本質的に良好である。ウイルスは、この新規な方法によって、37℃で数週間でさえもシリカキセロゲル中のそれらの感染活性および/またはトランスフェクト活性を維持し得る。遊離ウイルスは通常、それらが凍結した状態でなければ短時間でそれらのトランスフェクト性を放出する。
【0024】
水は、適切なアルコール(たとえば、エトキシゲル中エタノール)で部分的に補われ得る。種々の添加剤(たとえば、ポリエチレングリコール)を用いて、材料中に新規な性質が導入され得る。酸触媒は、たとえば、酢酸または塩酸であり得る。また、他の有機酸および無機酸が用いられ得る。塩基触媒処置において、塩酸アンモニウムまたは塩酸ナトリウムが用いられ得る。また他の弱塩基または強塩基が用いられ得る。
【0025】
本発明によれば、このウイルス(たとえば、アデノウイルス、アデノ関連ウイルス、レトロウイルス)は、標的細胞を感染および/またはトランスフェクトし得る。このように放出される遺伝子材料は、標的細胞における潜在的な導入遺伝子の複製および発現を可能にする。
【0026】
この材料は薬物として用いられ得、そして、薬物の製造のために用いられ得る。この材料は、神経学的適用、癌学的適用および組織修復適用のために用いられ得る。これらの適用としては、たとえば、心血管治療、糖尿病治療、動脈炎治療、創傷修復、骨損傷修復および骨粗鬆症の処置があげられる。したがって、この材料を用いて、神経学的疾患、癌学的疾患および/または組織疾患が処置され得る。
【0027】
1つの適用は、シリカキセロゲル中に埋没されたバクテリオファージ、ついでそのバクテリオファージでの移植物の被覆、そして抗菌被覆の達成である。
【0028】
シリカキセロゲルは、1つより多くの生物学的に活性な薬剤を保有する。材料の多層被覆またはブロック(ここで、各層は種々の性質を保有する)に設計され得る。シリカキセロゲルはまた、コア材料であり得る。したがって、生物学的に活性な薬剤は、コア材料および/または好ましい被覆層もしくは任意の好ましい層中に取り込まれ得る。種々の生物学的に活性な薬剤は、同一もしくは異なる層またはコア材料中に取り込まれ得る。さらに、生物学的に活性な薬剤は、材料ブロックのコアの所望の領域または任意の層中に取り込まれるように設計され得る。
【0029】
シリカキセロゲル材料は、記載された種々の臨床的な目的(たとえば、生物学的に活性なステント、移植物(歯科または整形外科)、制御された薬物送達用の移植物など)を果たすためにヒト体または動物体に移植される装置に添加され得る。ついで、ウイルスは、インビボおよびエキソビボで薬学的または医学的に受容可能であるべきである。
【0030】
[実施例]
簡単な序論
基本的な目的は、アデノウイルスを取り込むのに適切なシリカゲルを製造すること、および製造後、そのアデノウイルスが真核細胞をトランスフェクトする能力を維持するか否かを評価することである。調査を、アデノウイルスおよび複製不完全組換え体である、容易に検出可能なlacZ遺伝子を保有するアデノウイルスによって、容易にトランスフェクトされる細胞株を用いてインビトロで実施した。
【0031】
[材料および方法]
[シリカキセロゲル]
シリカキセロゲルを、滅菌した脱イオン水および滅菌した装置を用いて無菌的に製造した。シリカゲルを製造するための反応を、一定かつ激しく撹拌しながら氷/水浴(0℃)において実施した。系は、5mlの滅菌した脱イオン水および1.2mlのTEOS(テトラエトキシシラン、Aldrich)からなる。水とTEOSとのモル比は、48:1である。反応を、50μlの酢酸(90〜100%、Baker)で触媒した。加水分解を、激しく撹拌しながら、氷/水浴において、均質化が達成されるまで継続した。均質化を目視した(透明な溶液を均質とみなした)。この反応工程後、この溶液のpHを、1M NH4OH(水酸化アンモニウム、Merck)を用いることによって6.6に調整した。この工程を、非常に注意深く実施した。なぜなら、変わりめに達した後、ゲル化が非常に迅速に起こるからである。必要とされるNH4OH溶液の平均量は、1.9mlであった。ウイルスを、この溶液を激しく撹拌しながらこの溶液に添加した。溶液の最終のウイルス含量は、約4.14・107pfu/mlであった。この溶液の撹拌を終了し、そして、400μlのアリコートを調製した溶液から、24ウェルプレート(ウェルあたり400μl)に採取し、そして、このプレートを、内側に乾燥剤を有する滅菌デシケータ(=ゲル化チャンバ)に開放して置いた。ついで、このプレートを、冷蔵庫(+4℃)に移し、そしてゲル化させた。乾燥剤を、頻繁に合理的に交換し、湿度を、ウイルス−ゲル間のバランスをとり、そして乾燥剤を除いた。
【0032】
[ウイルス]
用いたウイルスは、lacZ遺伝子を保有する複製不完全組換えアデノウイルスである、RadLacZ(Wilkinson,G.W.G.,Akrigg,A.,Nucleic Acids Research 1992:20:2233〜2239)であった。
【0033】
[細胞培養]
用いた細胞株はHT1080(Raisheed S.ら、Cancer 1974:33(4):1027〜1033)であった。この細胞株は、アデノウイルスによって非常に容易に感染される(Ala−aho,R.ら、Int.J.Cancer 2002:97:283〜289)。この細胞を、通常の細胞培養条件(+37℃、湿化大気中5%CO2)下で培養した。細胞培養培地は、10%iFCS(不活性化胎仔ウシ血清(inactivated Foetal Calf Serum)、Haemek、Kibbutz Beit Israel)、20mM HEPES(Sigma)、ペニシリン−ストレプトマイシン(GibcoBRL)およびファンギゾン(GibcoBRL)含有DMEM(ダルベッコ改変イーグル培地(Dulbecco’Modified Eagle’s Medium)、Sigma)であった。この細胞を、250ml細胞培養ボトルにおいて増殖させ、そして、集合物で採集した。培地を隔日で交換した。
【0034】
前記のように調製したゲルボタンからのウイルスの放出を試験するために、2つの別個の系を作製した。第1の系において、キセロゲルモノリスボタンを有する型を、+4℃で9日後、細胞培養インキュベータに移動した。HT1080細胞を、種々の時間(1、3、5、9日)インキュベータ内に保持したボタン上で48時間培養した。培養後、この細胞を、X−gal(Ahonen,M.ら、Cancer Res.1998:58:2310〜2315)で染色した。X−galはトランスフェクト細胞を青く染める。対照として、何もしていないウイルスを有するシリカ−ゲルおよびウイルスを有さないが細胞を有するシリカ−ゲルをまた染色した。第2の系において、シリカ−ゲルボタンを、5mlの細胞培養培地を含む滅菌ボトルに移動させた。一定数のHT1080細胞を添加し、そして、懸濁液として培養した。培養時間48時間後、細胞および培地を除去し、そして新鮮な細胞および培地と交換した。除去された細胞を細胞培養皿上で培養し、そしてX−galで染色した。トランスフェクト細胞の数を記録した。
【0035】
[X−gal染色について]
トランスフェクト細胞は、ウイルスlacZ−遺伝子によってコードされるβ−ガラクトシダーゼ酵素を発現した。この酵素は、基質としてX−galを用い得る。その結果、青に染色された産物が生じる。ついで、トランスフェクトされた細胞が検出され得る。
【0036】
[X−gal染色]
ウイルス感染を、X−gal染色を用いて検出した。最初の培地を除去し、ついで、細胞をPBS(リン酸緩衝生理食塩水)で2回洗浄した。洗浄した細胞を、ホルマリン(0.4% ホルムアルデヒド+0.2% グルタルアルデヒド)を用いて5分間固定し、そして再度、PBSで3回洗浄した。ついで、細胞層を、ろ過(0.22μm孔サイズフィルター)したX−gal溶液(8.0mg K3Fe(CN)6+10mg K4Fe(CN)6+10μl 1M MgCl2+200μl 2% X−gal+4790μlPBS)で被覆し、そして細胞培養条件下で一晩培養した。青色は、ウイルストランスフェクションを示した。
【0037】
[結果]
第1の系からのキセロゲルモノリスボタン上の細胞は、種々の時点(1、3、5、9日)間で差はなく強力に染色した。この染色の一部は、細胞からキセロゲルに放出された。対照は、無染色であった。この結果は、シリカキセロゲルのウイルス保持効果を実証する。第2の系は、キセロゲルボタンが液体環境にあるという事実によって第1とは主に異なる。この実施例における最後の時点は7日(1、3、5、7日)であった。トランスフェクトされた細胞の数は、5日目(この試験日は、この時点で強力であった)に向かって増大した。7日後、トランスフェクションは5日の時点と同じくらい強力であった。
【0038】
これらの実験は、アデノウイルスがゲル製造処理で生存したことを示す。さらに、ウイルスは、18日よりも前で、かつ7日よりも後である延長された試験期間で生存し、シリカキセロゲルのウイルス保持性能を実証したと結論付けされ得る。
【0001】
本発明は、生物学的に活性な薬剤の保持および/または制御された送達用の、生分解性キャリアおよびそのキャリアの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
生物学的に活性な薬剤の制御された送達用の生分解性材料の使用は、近年、重要になってきている。生分解性キャリアは、たとえば、シリカゾル−ゲルであり得る。
【0003】
ゾル−ゲル技術は、金属−アルコキシド(シラン)の加水分解およびその後の金属水酸化物の重合に基づく。ここで、3つの反応工程が同定され得る。3つの反応工程は、以下:
1.加水分解
Si−OR+H2O → Si−OH+ROH
2.アルコールの縮合
Si−OH+OH−Si → Si−O−Si+ROH
3.水の縮合
Si−OH+OH−Si → Si−O−Si+H2O
である。
【0004】
これらの反応は、種々のSi−OR試薬を用いることにより変更され得る。たとえば、テトラエトキシシラン(TEOS)またはテトラメトキシシランが用いられ得る。また、シラン−水比は変更され得、そして水は、適切なアルコール(メトキシゲル中メタノールおよびエトキシゲル中エタノール)で部分的に置き換えられ得る。ポリエチレングリコールなどの種々の添加剤はまた、新規な特性を材料に導入するために用いられ得る。すべての場合において、この反応は、触媒として酸または塩基を用いることによって実施される。触媒を用いることによって、いかなる類似のアルコールを用いることもなくゾル−ゲルを製造することが可能である(たとえば、エタノール添加は、TEOSから製造されるゲルに必須ではない)。
【0005】
シリカゾル−ゲル技術は、用いるのに経済的で、かつ容易である。シリカ製品は通常、生体適合性であって、かつ非毒性である。シリカキセロゲルの化学的および物理学的な変化は、ゲル中に埋没される生物学的に活性な薬剤の放出作用に対する効果を有することが示されている。したがって、ゾル−ゲル技術は、生物学的に活性な薬剤の取り込みおよび制御された送達のための多彩な可能性を提示する。これらの生物学的に活性な分子は、先行技術(国際公開第9745367号パンフレット、Aholaら、1997;芬国特許第19991806号明細書、Aholaら、1999)にしたがうと、たとえば、タンパク質(増殖因子)、ホルモン、核酸(RNA、DNA)または多糖であり得る。また、ウイルスキャプシドの一部またはウイルス全体は、とくにワクチン接種に用いられ得る。トレミフェンシトレート、塩酸セレギリン、(−)−4−(5−フルオロ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イル)−1H−塩酸イミダゾール、イブプロフェン、カフェイン、ペプチド(レボドパ)、タンパク質(歯のエナメルマトリクス誘導体)およびヘパリンが、用いられている。
【0006】
シリカキセロゲルは、pHを1〜4.5、好ましくは1.5〜3.0に調節し、生物学的に活性な分子を添加し、そしてこの混合物をゲル化させ、0℃から約+40℃の温度で熟成させ、ついで、熟成させたゲルを約+15℃から+40℃で乾燥させることによって、0℃の温度で、たとえば、水、アルコキシドおよびメタノールを用いることにより製造されている(米国特許第5817327号明細書、Ducheneyeら、1998)。
【0007】
活性分子が、ゾル−ゲル処理を用いて形成されている、多孔質の透明なガラス中に埋没される方法が記載されている。この処理の目的は、生物学的に分解せず、その結果、生物学的に活性な材料の反応がゲルの内側で起こり、そして何も放出しない、透明なガラスを製造することである。この目的のために、金属アルコキシドは、水様(water resembling)アルコールと混合され、そして、超音波エネルギーに曝露される。ついで、単一相溶液は、生物学的に活性な材料と混合され、そして得られるゲルは熟成され、そして乾燥される。ついで、活性な生物学的材料は、ゲルのモノリス中に捕捉される(国際公開第9304196号パンフレット)。
【0008】
遺伝子治療において、遺伝子は、通常、注入を用いることによって、患者に投与される。潜在的な遺伝子導入ベクターは、プラスミド、裸DNAまたはウイルスベクター(たとえば、アデノウイルス、アデノ関連ウイルス)である。いくつかの適用において、キャリアを有することもまた有利であり得る。その結果、所望の組織への標的化が、過剰なベクターの使用および/またはベクターの局所効果の延長を必要とせずに起こる。
【発明の開示】
【0009】
[発明の目的および要旨]
本発明の目的は、生物学的に活性な薬剤としてウイルスを、生分解性ゲルに添加することを可能にし、その結果、ウイルスが感染細胞および/またはトランスフェクト細胞に対してそのウイルスの活性を放出しない方法を提供することである。したがって、ウイルスなどの生物学的に活性な薬剤の、保持および/または制御された送達のために使用される材料を製造することが可能である。
【0010】
この方法において、生物学的に活性な薬剤としてウイルスを含むシリカキセロゲルキャリアは、触媒として酸または塩基を用いて製造される。水およびシランの溶液は、撹拌することによって均質化される。この溶液の均質化の後、この溶液のpHは、添加されるウイルスに適切な値(たとえば、好ましくは4.9〜7.0である)に調整される。この溶液はゲル化されず、そしてウイルスはこの溶液に撹拌しながら添加される。ついで、この溶液の撹拌が終了され、そしてこの溶液がゲル化される。
【0011】
ゲル化は、好ましくは、ゲル用の型を有するゲル化チャンバの内側でなされる。この溶液は、好ましくは、このゲル化の間に放出される反応産物を気化させる条件下でゲル化される。この型は、好ましくは、反応産物(たとえば、エタノールおよび水)の最大の気化を可能にするために開放されている。乾燥は、好ましくは、真空および/または乾燥剤(drying agents)(たとえば、乾燥剤(siccative)またはCaCl2)の存在下でなされ得る。
【0012】
このシリカキセロゲル材料は、薬学的に受容可能であり得る。そのため、これは、たとえば、モノリス、錐、繊維、ウェブまたは多粒子(粒子サイズ(たとえば、1nm〜100nm))として、あるいは種々の型の移植物(たとえば、尿道ステントおよび脈官ステント)用の被覆材料として医薬品において用いられ得る。移植物はまた、特定のバクテリオファージを含むゲルで、それらを被覆することによって抗菌にされ得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
[詳細な説明]
用語「生物学的に活性な薬剤」は、インビボ、エキソビボまたはインビトロで所望の効果を生じる薬剤として理解されなければならない。
【0014】
用語「感染(性)」は、細胞媒介プロセスによる、ウイルスの、細胞への内在化として理解されなければならない。
【0015】
用語「トランスフェクト(性)」は、感染性ウイルスのゲノムが細胞内で発現される生物学的方法として理解されなければならない。
【0016】
用語「制御された送達」は、所望の標的ならびに/または所望の時および/もしくは時間に、送達される薬剤の制御された放出として理解されなければならない。
【0017】
用語「シリカキセロゲル」は、固体シリカ材料または部分的な湿シリカ材料(この材料の大部分が固体である)として理解されなければならない。
【0018】
ウイルス(たとえば、アデノウイルス、アデノ関連ウイルス、レトロウイルスまたはバクテリオファージ)を有することは、生分解性ゲルにおける生物学的に活性な薬剤として新規であり、発明である。その結果、それらのウイルスは、長期間、感染細胞および/またはトランスフェクト細胞に対してそれらの活性を維持する。
【0019】
この新規な方法において、生分解性シリカキセロゲルキャリアは、+15℃以下の温度、好ましくは0℃〜+10℃の温度で、触媒として酸または塩基を用いることによって水およびシランから製造される。種々の金属アルコキシド(シラン)を使用して、これらの反応が変更され得る。たとえば、テトラエトキシシラン(TEOS)またはテトラメトキシシランが用いられ得る。また、水シラン比が変更され得る。このモル比は、たとえば、シランとしてTEOSを用いる場合、10〜60であり得る。最適な水シランモル比はまた、用いられたシランおよび添加されたウイルスに依存して、たとえば、35〜50、45〜60または50〜75であり得る。
【0020】
この溶液は、まず、一定に撹拌して均質化される。この溶液の均質化が達成された後、そのpHは、添加されるウイルスに適切な値(たとえば、好ましくは4.9〜7.0または好ましくは6.0〜7.0)に調整される。この溶液はゲル化されず、かつウイルスがこの溶液に添加される。ついで、この溶液の撹拌が終了され、そしてこの溶液はゲル化される。この溶液は、+15℃以下の温度、好ましくは0℃〜+10℃の温度で好ましくはゲル化される。この溶液を中和するために、水酸化アンモニウム、酸触媒処理のために水酸化ナトリウムまたは塩基触媒処理のために塩酸、酢酸が用いられ得る。また、他の塩基または酸が用いられ得る。
【0021】
ゲル化は、好ましくは、温度および湿度の制御が可能なゲル化チャンバ内でなされる。このチャンバ内での、反応産物(たとえば、エタノールおよび水)の気化は、常圧または好ましくは真空における減圧下で実施され得る。また、乾燥材料は、ゲル化チャンバ内に存在され得る。
【0022】
この新規な方法を用いることによって、慣用的な溶液中で非常に迅速にそれらの活性を放出するウイルスについてさえも、保持および/または制御された送達システムが設計され得る。たとえば、アデノウイルスは、細胞接触なしに、それらの感染能力およびトランスフェクト能力を迅速に放出することが公知である。本発明によれば、この溶液に添加されたウイルスは、製造されるシリカキセロゲル材料において少なくとも18日間、それらのトランスフェクト能力を維持し得る。これは、キセロゲルの安定効果および保持効果を示している。
【0023】
前記の方法は、現在用いられている方法と比較して本質的に良好である。ウイルスは、この新規な方法によって、37℃で数週間でさえもシリカキセロゲル中のそれらの感染活性および/またはトランスフェクト活性を維持し得る。遊離ウイルスは通常、それらが凍結した状態でなければ短時間でそれらのトランスフェクト性を放出する。
【0024】
水は、適切なアルコール(たとえば、エトキシゲル中エタノール)で部分的に補われ得る。種々の添加剤(たとえば、ポリエチレングリコール)を用いて、材料中に新規な性質が導入され得る。酸触媒は、たとえば、酢酸または塩酸であり得る。また、他の有機酸および無機酸が用いられ得る。塩基触媒処置において、塩酸アンモニウムまたは塩酸ナトリウムが用いられ得る。また他の弱塩基または強塩基が用いられ得る。
【0025】
本発明によれば、このウイルス(たとえば、アデノウイルス、アデノ関連ウイルス、レトロウイルス)は、標的細胞を感染および/またはトランスフェクトし得る。このように放出される遺伝子材料は、標的細胞における潜在的な導入遺伝子の複製および発現を可能にする。
【0026】
この材料は薬物として用いられ得、そして、薬物の製造のために用いられ得る。この材料は、神経学的適用、癌学的適用および組織修復適用のために用いられ得る。これらの適用としては、たとえば、心血管治療、糖尿病治療、動脈炎治療、創傷修復、骨損傷修復および骨粗鬆症の処置があげられる。したがって、この材料を用いて、神経学的疾患、癌学的疾患および/または組織疾患が処置され得る。
【0027】
1つの適用は、シリカキセロゲル中に埋没されたバクテリオファージ、ついでそのバクテリオファージでの移植物の被覆、そして抗菌被覆の達成である。
【0028】
シリカキセロゲルは、1つより多くの生物学的に活性な薬剤を保有する。材料の多層被覆またはブロック(ここで、各層は種々の性質を保有する)に設計され得る。シリカキセロゲルはまた、コア材料であり得る。したがって、生物学的に活性な薬剤は、コア材料および/または好ましい被覆層もしくは任意の好ましい層中に取り込まれ得る。種々の生物学的に活性な薬剤は、同一もしくは異なる層またはコア材料中に取り込まれ得る。さらに、生物学的に活性な薬剤は、材料ブロックのコアの所望の領域または任意の層中に取り込まれるように設計され得る。
【0029】
シリカキセロゲル材料は、記載された種々の臨床的な目的(たとえば、生物学的に活性なステント、移植物(歯科または整形外科)、制御された薬物送達用の移植物など)を果たすためにヒト体または動物体に移植される装置に添加され得る。ついで、ウイルスは、インビボおよびエキソビボで薬学的または医学的に受容可能であるべきである。
【0030】
[実施例]
簡単な序論
基本的な目的は、アデノウイルスを取り込むのに適切なシリカゲルを製造すること、および製造後、そのアデノウイルスが真核細胞をトランスフェクトする能力を維持するか否かを評価することである。調査を、アデノウイルスおよび複製不完全組換え体である、容易に検出可能なlacZ遺伝子を保有するアデノウイルスによって、容易にトランスフェクトされる細胞株を用いてインビトロで実施した。
【0031】
[材料および方法]
[シリカキセロゲル]
シリカキセロゲルを、滅菌した脱イオン水および滅菌した装置を用いて無菌的に製造した。シリカゲルを製造するための反応を、一定かつ激しく撹拌しながら氷/水浴(0℃)において実施した。系は、5mlの滅菌した脱イオン水および1.2mlのTEOS(テトラエトキシシラン、Aldrich)からなる。水とTEOSとのモル比は、48:1である。反応を、50μlの酢酸(90〜100%、Baker)で触媒した。加水分解を、激しく撹拌しながら、氷/水浴において、均質化が達成されるまで継続した。均質化を目視した(透明な溶液を均質とみなした)。この反応工程後、この溶液のpHを、1M NH4OH(水酸化アンモニウム、Merck)を用いることによって6.6に調整した。この工程を、非常に注意深く実施した。なぜなら、変わりめに達した後、ゲル化が非常に迅速に起こるからである。必要とされるNH4OH溶液の平均量は、1.9mlであった。ウイルスを、この溶液を激しく撹拌しながらこの溶液に添加した。溶液の最終のウイルス含量は、約4.14・107pfu/mlであった。この溶液の撹拌を終了し、そして、400μlのアリコートを調製した溶液から、24ウェルプレート(ウェルあたり400μl)に採取し、そして、このプレートを、内側に乾燥剤を有する滅菌デシケータ(=ゲル化チャンバ)に開放して置いた。ついで、このプレートを、冷蔵庫(+4℃)に移し、そしてゲル化させた。乾燥剤を、頻繁に合理的に交換し、湿度を、ウイルス−ゲル間のバランスをとり、そして乾燥剤を除いた。
【0032】
[ウイルス]
用いたウイルスは、lacZ遺伝子を保有する複製不完全組換えアデノウイルスである、RadLacZ(Wilkinson,G.W.G.,Akrigg,A.,Nucleic Acids Research 1992:20:2233〜2239)であった。
【0033】
[細胞培養]
用いた細胞株はHT1080(Raisheed S.ら、Cancer 1974:33(4):1027〜1033)であった。この細胞株は、アデノウイルスによって非常に容易に感染される(Ala−aho,R.ら、Int.J.Cancer 2002:97:283〜289)。この細胞を、通常の細胞培養条件(+37℃、湿化大気中5%CO2)下で培養した。細胞培養培地は、10%iFCS(不活性化胎仔ウシ血清(inactivated Foetal Calf Serum)、Haemek、Kibbutz Beit Israel)、20mM HEPES(Sigma)、ペニシリン−ストレプトマイシン(GibcoBRL)およびファンギゾン(GibcoBRL)含有DMEM(ダルベッコ改変イーグル培地(Dulbecco’Modified Eagle’s Medium)、Sigma)であった。この細胞を、250ml細胞培養ボトルにおいて増殖させ、そして、集合物で採集した。培地を隔日で交換した。
【0034】
前記のように調製したゲルボタンからのウイルスの放出を試験するために、2つの別個の系を作製した。第1の系において、キセロゲルモノリスボタンを有する型を、+4℃で9日後、細胞培養インキュベータに移動した。HT1080細胞を、種々の時間(1、3、5、9日)インキュベータ内に保持したボタン上で48時間培養した。培養後、この細胞を、X−gal(Ahonen,M.ら、Cancer Res.1998:58:2310〜2315)で染色した。X−galはトランスフェクト細胞を青く染める。対照として、何もしていないウイルスを有するシリカ−ゲルおよびウイルスを有さないが細胞を有するシリカ−ゲルをまた染色した。第2の系において、シリカ−ゲルボタンを、5mlの細胞培養培地を含む滅菌ボトルに移動させた。一定数のHT1080細胞を添加し、そして、懸濁液として培養した。培養時間48時間後、細胞および培地を除去し、そして新鮮な細胞および培地と交換した。除去された細胞を細胞培養皿上で培養し、そしてX−galで染色した。トランスフェクト細胞の数を記録した。
【0035】
[X−gal染色について]
トランスフェクト細胞は、ウイルスlacZ−遺伝子によってコードされるβ−ガラクトシダーゼ酵素を発現した。この酵素は、基質としてX−galを用い得る。その結果、青に染色された産物が生じる。ついで、トランスフェクトされた細胞が検出され得る。
【0036】
[X−gal染色]
ウイルス感染を、X−gal染色を用いて検出した。最初の培地を除去し、ついで、細胞をPBS(リン酸緩衝生理食塩水)で2回洗浄した。洗浄した細胞を、ホルマリン(0.4% ホルムアルデヒド+0.2% グルタルアルデヒド)を用いて5分間固定し、そして再度、PBSで3回洗浄した。ついで、細胞層を、ろ過(0.22μm孔サイズフィルター)したX−gal溶液(8.0mg K3Fe(CN)6+10mg K4Fe(CN)6+10μl 1M MgCl2+200μl 2% X−gal+4790μlPBS)で被覆し、そして細胞培養条件下で一晩培養した。青色は、ウイルストランスフェクションを示した。
【0037】
[結果]
第1の系からのキセロゲルモノリスボタン上の細胞は、種々の時点(1、3、5、9日)間で差はなく強力に染色した。この染色の一部は、細胞からキセロゲルに放出された。対照は、無染色であった。この結果は、シリカキセロゲルのウイルス保持効果を実証する。第2の系は、キセロゲルボタンが液体環境にあるという事実によって第1とは主に異なる。この実施例における最後の時点は7日(1、3、5、7日)であった。トランスフェクトされた細胞の数は、5日目(この試験日は、この時点で強力であった)に向かって増大した。7日後、トランスフェクションは5日の時点と同じくらい強力であった。
【0038】
これらの実験は、アデノウイルスがゲル製造処理で生存したことを示す。さらに、ウイルスは、18日よりも前で、かつ7日よりも後である延長された試験期間で生存し、シリカキセロゲルのウイルス保持性能を実証したと結論付けされ得る。
Claims (21)
- 触媒として酸または塩基を用いることによって、水およびシランから製造されるシリカキセロゲルである、生物学的に活性な薬剤の保持および/または制御された送達用の生分解性キャリアの製造方法であって、該生分解性キャリア中の生物学的に活性な薬剤が感染性ウイルスおよび/またはトランスフェクトウイルスであることを特徴とする方法。
- 請求項1記載の方法であって、
a)水およびシランの溶液が、撹拌によって均質化され、
b)該溶液の均質化が達成された後、該溶液のpHが、添加されるウイルスに適切な値であって、かつ溶液がゲル化されないように調整され、
c)該ウイルスが該溶液に添加され、そして
d)該溶液の撹拌が終了され、そして該溶液がゲル化される、
ことを特徴とする方法。 - 前記溶液が、前記ゲル化の間に放出される反応産物の気化を可能にする条件下でゲル化されることを特徴とする請求項2記載の方法。
- 前記溶液が、真空下および/または乾燥剤の存在下で、開放金型においてゲル化されることを特徴とする請求項2または3記載の方法。
- 前記ウイルスが、アデノウイルス、アデノ関連ウイルス、レトロウイルスおよび/またはバクテリオファージであることを特徴とする請求項1、2、3または4記載の方法。
- 前記調製が、+15℃以下の温度、好ましくは0℃〜+10℃の温度で実施されることを特徴とする請求項1、2、3、4または5記載の方法。
- 前記工程c)において得られた溶液がゲル化され、そして/または前記工程d)において得られたシリカキセロゲルが+15℃以下の温度、好ましくは0℃〜+10℃の温度で保存されることを特徴とする請求項1、2、3、4、5または6記載の方法。
- 前記シランが、テトラアルコキシシランまたは種々のシランの混合物であることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6または7記載の方法。
- テトラエトキシシラン(TEOS)が用いられることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7または8記載の方法。
- 前記生分解性キャリアが、約10〜75のモル比の滅菌水およびシランから製造されることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8または9記載の方法。
- 前記用いられる触媒が、酢酸、塩酸、水酸化アンモニウムおよび/または水酸化ナトリウムであることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9または10記載の方法。
- 前記溶液のpHが、添加されたウイルスに適切な値に、水酸化アンモニウム、水酸化ナトリウム、酢酸および/または塩酸で調整されることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10または11記載の方法。
- 前記溶液のpHが、4.9〜7.0、好ましくは6.0〜7.0の値に調整され、その後、ウイルスが該溶液に添加されることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11または12記載の方法。
- 触媒として酸または塩基を用いることによって、水およびシランから製造されるシリカキセロゲルである、生物学的に活性な薬剤の保持または制御された送達用の生分解性キャリアであって、該生分解性キャリア中の生物学的に活性な薬剤が、感染性ウイルスおよび/またはトランスフェクトウイルスであることを特徴とする生分解性キャリア。
- 前記材料が薬学的に受容可能であることを特徴とする、請求項14記載の材料、あるいは請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12または13記載の方法によって製造される材料。
- 前記材料が、モノリス、繊維、ネット、錐、多粒子としてか、または移植物質用被覆材料として用いられることを特徴とする請求項14または15記載の材料、あるいは請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12または13記載の方法によって製造される材料。
- 前記材料が、神経学的適用、癌学的適用、および組織修復適用のウイルス治療用の移植物の製造に用いられることを特徴とする請求項14、15または16記載の材料、あるいは請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12または13記載の方法によって製造される材料。
- 前記材料が、0℃〜+37℃の温度でウイルスを保持するために用いられることを特徴とする請求項14、15、16または17記載の材料、あるいは請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12または13記載の方法によって製造される材料。
- 薬物として用いられる、生物学的に活性な薬剤の保持または制御された送達用の生分解性キャリアであって、該生分解性キャリアが、触媒として酸または塩基を用いることによって、水およびシランから製造されるシリカキセロゲルであって、かつ該生分解性キャリア中に添加される生物学的に活性な薬剤が、感染性ウイルスおよび/またはトランスフェクトウイルスである生分解性キャリア。
- 神経学的適用、癌学的適用および/または組織修復適用のための薬物の製造のための、生物学的に活性な薬剤の保持または制御された送達用の生分解性キャリアの使用であって、該生分解性キャリアが、触媒として酸または塩基を用いることによって、水およびシランから製造されるシリカキセロゲルであって、かつ該生分解性キャリア中に添加される生物学的に活性な薬剤が、感染性ウイルスおよび/またはトランスフェクトウイルスである使用。
- 神経学的疾患、癌学的疾患および/または組織疾患を処置するための、生物学的に活性な薬剤の保持または制御された送達用の生分解性キャリアの使用であって、該生分解性キャリアが、触媒として酸または塩基を用いることによって、水およびシランから製造されるシリカキセロゲルであって、かつ該生分解性キャリア中に添加される生物学的に活性な薬剤が、感染性ウイルスおよび/またはトランスフェクトウイルスである使用。
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