JP2004525499A - 集積回路における検査層間のオーバーレイ・オフセットの修正 - Google Patents

集積回路における検査層間のオーバーレイ・オフセットの修正 Download PDF

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Abstract

集積回路が堆積されたウエハの少なくとも2つの異なる欠陥検査を検査するために用いられる、座標系の各原点間のオフセットを決定するための第1の方法は、集積回路ウエハの少なくとも2つの検査層上に配置された欠陥に対して位置データを含むデータベースを構築する段階と;中間層の欠陥に対して最大オフセットを決定する段階と;中間層の欠陥に対して最小間隔を決定する段階と;最小間隔よりも大きな間隔を有する全ての欠陥に対して、最大オフセットよりも小さなオフセットを有する中間層の複数の欠陥対に対してデータベースを検索する段階と;中間層の各欠陥対に対して実際のオフセットを計算する段階と;実際のオフセットがランダムに分布しているかを決定する段階と;実際のオフセットがランダムに分布していない場合、実際のオフセットに対して高密度区域を識別する段階と;少なくとも2つの層の各原点間におけるオフセットの推定値と実際のオフセットの推定値に対する信頼値とを発展させる段階と;を含む。

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は集積回路の製造に関する。特にこの発明は、ウエハ上に作製される集積回路の欠陥を識別することに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
集積回路は一般的にバッチ処理でウエハ上に製造される。製造プロセスの間、複数の集積回路が単一のシリコンウエハ状に製造される。ここで図1を参照すると、符号12,14,16,及び18の付された複数の集積回路が配置されたシリコンウエハが示されている。
【0003】
製造プロセスの間、複数のマスキングプロセスが半導体ウエハ上で実施される。それぞれのマスキングプロセスは、集積回路を構成する様々な層上の構成要素が配置されるべき場所を規定する。例えば、多結晶シリコン層がウエハ上に堆積されてよい。次いで感光性レジストがウエハ上に被覆され、選択的に光にさらされ、その結果レジストが成長した後、残ったレジストがパターンを形成する。次いでこのパターンは、エッチング・ステップの間ポリシリコンに転写され、その結果残ったレジストが除去された後、多結晶シリコンは選択的な露光によって画定されたパターンを形成する。
【0004】
この連続したマスキング及びエッチングプロセスは、半導体と、絶縁体と、所望の集積回路(IC)を作るのに必要な材料とが、複雑に相互連絡したパターンを作るようにそれぞれのウエハ上に繰り返して実施される。
【0005】
上述のプロセスは、図1に示すように、ウエハ上に複数のICを製造するために実施される。例えば、単一のシリコンウエハは、数10から数1000のICの基部となり得る。単一のシリコンウエハ上に複数のICを製造する能力は製造の全体的なコストを減少させ、これにより、これらコストの節約は安価なICの形態で消費者に渡される。
【0006】
技術の進歩に伴って、ICは非常に小さくかつ非常に複雑になってきている。それぞれの世代と共に、ICの構成要素は上述の製造プロセスの進歩のためにより小さくなっている。しかしながら、これらの進歩に伴って、欠陥を検出することがより困難になってきている。
【0007】
製造プロセスの一部として、欠陥のあるICダイスの数を減少させるための努力において、製造されるウエハのサンプリング上にあるダイスの全て又はサンプルを検査することは一般的なことである。検査は、ICの最小構成要素の大きさの欠陥を検出することができる非常に感度のよい光学器械を用いた光学検査としてもよいし、或いはメモリの場合には、一つの小さなセル区域内に電気的な欠陥の箇所を発見することができる電気テストとしてもよい。検出される人工物は、損失をもたらす可能性のある欠陥が発生する箇所へ技術者を案内する。
【0008】
ここで図1を参照すると、符号12,14,16、及び18の付された4つのダイスを有するウエハが示されている。符号の付されたダイスは、製造の間にウエハが検査される様子を示す。例えば、これらダイスのそれぞれは、ランダムに選ばれるか又はある理由に従い欠陥に対して検査される。
【0009】
ここで図2を参照すると、図1に示されたダイスを検査することで生成された検査報告において観測された、仮説に基づいて収集された欠陥が示されている。線欠陥が図2のダイス12に示されている。線欠陥はウエハ上の引っ掻きによって形成される可能性がある。図2のダイス12,14,及び16にはまた、複数の「点」欠陥22,26,28,34,36,及び38が示されている。図2のダイス11にはまた、大きな連続的な欠陥30及び点欠陥のクラスター32が示されている。
【0010】
ここで従来技術の図3を参照すると、製造プロセスよりも後で同一ダイスの他の検査報告において観測される可能性のある欠陥42〜68が示されている。ダイスの輪郭は図示の目的でのみ図2及び図3に示されているのであって、標準的な欠陥検査報告において一般的に通用するものではない。
【0011】
一つの層上に発生する欠陥は増殖する可能性があり、また製造及び検査プロセスの間に次のレベルで現れることもある。例えば、ポリシリコン層を洗浄した後に残る大きな汚染粒子が介在誘電層を介して侵入し、金属コンタクト層上に見られるかも知れない。欠陥の原因を正確に特定することができるようにこれら増殖する欠陥を識別することは重要である。
【0012】
欠陥を発見した後、オーバレイ報告が生成されることもある。オーバレイ報告は、連続する層の検査からの欠陥が、該連続する層の検査で同一の箇所にあると報告される欠陥を識別する意向と一緒に表示される。しかしながら、各層の間の検査による報告された原点にはオフセットがあるということが経験的にわかっている。
【0013】
ここで図4を参照すると、少なくとも2つの検査を実施した後に生成されたような典型的なオーバレイ報告が示されている。図4に示すように、欠陥の位置を報告するために用いられる座標系の原点におけるオフセットが、第2層のこれらの欠陥に対して不正確に配置されるべき一つの層から欠陥を引き起こす可能性がある。このオフセットは、集積回路の製造において繰り返して起こってきた問題であり、集積回路の構成要素のサイズが減少するにつれてウエハ上のダイスの数が増加し、この問題を正す必要性が増大している。
【0014】
このように、オーバレイ検査報告が図4に示すように生成されるとき、増殖している欠陥は識別されない可能性がある。図4に示すように、欠陥クラスター32及び62から独立した点欠陥のみが選択される。互いがある臨界距離内にある欠陥のように相関のある欠陥を識別しようとする試みは、両方が第2検査に由来する一対の欠陥48を誤って選択する。連続検査に由来する臨界距離内にある欠陥に基づいた、より洗練された相関アルゴリズムは、実際に欠陥に相関がいないときに相関があるように欠陥45,26を誤認するだろう。
【0015】
したがって、各層の間で増殖する相関のある欠陥を正確に識別することができるように各検査の間において原点のオフセットを自動的に検出し、かつオーバレイ報告においてオフセットを修正するための方法が必要とされている。この発明はこれらオフセットを修正するための方法及び装置を提供する。
【0016】
この発明の目的は、製造プロセスの間に相関のある欠陥が正確に識別されるようにオフセットを修正するための方法を提供することにある。この発明のさらなる目的は、欠陥のあるダイスが適切に処置され得るように製造プロセスの間に実施することのできる方法を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
この発明は、集積回路の製造の間、相関のある欠陥を検出するための方法を提供する。一実施形態では、この発明の方法は異なる層から互いに所定の距離内にある複数の欠陥対を探す。各対の間のオフセットは計算され、欠陥対のオフセットがランダムに分布しているかを確認するために統計学に基づくアルゴリズムが実行される。オフセットがランダムに分布していない欠陥対の部分集合が存在する場合には、該欠陥対の部分集合は分離され、各層の間におけるオフセットを計算するために用いられる。
【0018】
第2実施形態では、この発明の方法は、kに制限された標本を用いて検査されるダイスの大きさに等しい間隔に亘って、各層の間で複数の欠陥対を自動的に検索する。ここで、kは小さい整数、典型的には0から3の範囲の整数に制限される。kに制限された標本を用いると、クラスター化した欠陥によって引き起こされる問題を回避するのが確実になる。ひとたび欠陥対が上述の方法のどちらかによって選択されると、これら欠陥対は、対の各構成要素間のオフセットがランダムに分布するかを決定するよう検査される。もしランダムに分布していないならば、ランダムでない欠陥対の部分集合が孤立し、その場合には欠陥対の孤立した部分は2つの層の間のオフセットを計算するために用いられる。
【0019】
本発明はさらに、この発明の実施形態が格納される、コンピュータで読み取り可能なメディアに関する。命令を検索するのに適したいかなるメディアもこの発明の範囲内にあるということが意図されている。例として、そのようなメディアは磁気、光学、又は半導体メディアの形態を取り得る。本発明はまた、この発明の実施形態を収容するデータ構造と、この発明の実施形態を収容するデータ構造の伝送とにも関する。
【0020】
【発明の実施の形態】
通常の当業者は、この発明の次の記述が例示的なもののみであって限定的なものではないということを理解されたい。本発明の他の実施形態は、そのような当業者にとって直ちに連想されることである。
【0021】
この発明を記述するにあたって、2つ又はそれ以上の層に対する操作の後にデータのインライン検査を利用することのできるウエハが選択されると考えられている。これらの説明において、2つの層上の各検査データ間における原点のオフセットを見つけるという問題が記述されている。この操作は2つ又はそれ以上の層を有するウエハに対して容易にかつ繰り返して適用することができる、ということは明らかである。加えて、この発明の方法は、2つよりも多くの検査データのセットを有するウエハに対しても適用することができる。
【0022】
さらにその上、欠陥の座標と相関のある各欠陥の間の距離とはデカルト座標で記述されている。しかしながら、相関のある各欠陥の間の距離を極座標で記述してもよいこと、又は他の座標系を用いて記述してもよいことは当業者にとって明らかなことである。デカルト座標系は通常、検査プロセスを実施するために利用される機械が用いる。したがって、利用する上で最も便利な系なので、この発明はデカルト座標で記述する。
【0023】
この発明の2つの独立した実施形態はここでは別々に記述されている。ここで図7を参照すると、この発明の第1の方法を表す機能フローチャートが示されている。
【0024】
段階710において、この発明の方法は、X及びYの最大値(Xmax及びYmax)、例えば製造プロセスの間、各層の間で増殖する各欠陥の間のオフセットが取り得る最大値をセットすることで始まる。ユーザーによって選択された値Xmax及びYmaxは、検査プロセスの間に利用された装置に依存して変わる可能性がある。装置の知識を有するオペレーターは、適切なXmax及びYmaxの値を選択する。例えば、オペレーターは経験からオフセットが通常60マイクロメートルよりも小さいということを知っているかも知れない。
【0025】
段階720において、内部層の欠陥が取り得る最小間隔Xint及びYintが定められる。欠陥に対する値Xint及びYintは、製造プロセスで利用される技術のスケールに依存している。構成要素の最小サイズが0.5マイクロメートルである技術の場合には、10マイクロメートルよりも近い間隔にある同一の検査層上の複数の欠陥は、クラスター化した結果物であると考えられている。
【0026】
使用時に、同一の検査層上の予めセットされたXint及びYintの値よりも近くに一緒に配置された複数の欠陥は、原点のオフセット計算からは除外される。最小値はユーザーが選択することもできるし、あるいは次の式を用いて自動的に選択することもできる。
【数1】
Figure 2004525499
【0027】
Xint及びYintに対する制限は混乱を避けるために定められている。その混乱とは、一つの層上にある二つ又はそれ以上の欠陥が別の欠陥の上に重ねられ、それが次の層上に観察される際に生ずる可能性があるものである。
【0028】
段階730において、データベースは、段階710及び段階720で予め選択された制限と一致する、中間層の全ての欠陥対に対して検索される。段階730のプロセスは、ウエハ上で少なくとも2つの検査が実施された後に実施されてもよい。予め選択された制限(Xmax,Ymax,Xmin,Ymin)を満足する全ての欠陥対を設定した後、これら欠陥対の座標におけるオフセットΔX及びΔYが、後で使用するために計算されて蓄えられる。
【0029】
段階740では、ある選ばれた確率を用いて段階730で計算されたオフセットがランダムに分布するかを確認する。例えば、この分布は、ランダムプロセスの結果として起こる観測された分布の確率が1%よりも小さいかを確認するために検査することができる。所望の結果を達成するために適用され得る統計計算を実行する多くの方法は当業者に公知となっている。例えば Maurice G. Kendell and Alan Stuart, 「The Advanced Theory of Statistics」, Vol. 2 Inference and Relationship, Hafner Publishing Co., New York (1967) を参照。
【0030】
この分布がランダムに発生したことが確認された場合には、本プロセスは、プロセスが停止する段階790へ進む。あるいは、この分布がランダムに発生したのではないと確認された場合には、本プロセスは段階750へ進む。
【0031】
段階750では、座標の違いに対する「高密度区域」が、段階730のプロセスの結果として決定される。「高密度区域」とは、座標オフセット軸線上にそれぞれ見られる比較的高密度のオフセットがある領域を意味する。図5では、−8μmから+8μmの範囲で起こる、比較的高密度のオフセットが見られる。図6では、同様のオフセットのクラスターが−42μmと−28μmとの間で観測されている。
【0032】
x座標及びy座標に対する、ウエハ上に見られる各対の間の距離のヒストグラムが、図5及び図6にそれぞれ示されている。ここで図5を参照すると、ウエハ10で引き受けられた検査プロセスの間に生成され得る典型的なヒストグラムが示されている。図5に示すように、0と+2μmとの間の領域での差異の分布には、ピーク値510がある。
【0033】
ここで図6を参照すると、ウエハ100で引き受けられた検査プロセスの間に生成され得る典型的なヒストグラムが示されている。図6に示すように、−36と−34μmとの間の領域での差異の分布には、ピーク値610がある。
【0034】
複数の原因から生じる数多くの観測におけるばらつきは観測の数が増加するにつれておおよそガウス分布へ向かう傾向にある、ということを中心極限定理が保証するので、図5及び図6における高密度区域のそれぞれは、おおよそガウス分布を有する。
【0035】
ここで図7、特に段階750を参照すると「高密度区域」を決定するための複数のヒューリスティックなアルゴリズムがある。例えば、座標の違いの範囲、Xmax、及びYmaxはそれぞれ、複数の等しいセグメント、例えば10セグメントに分割することができる。各セグメントへ落ち込む点の数はカウントされ、x座標の差異及びy座標の差異に対するセグメントの範囲内に落ち込む点の最大数を収容する複数のセグメントが高密度区域の最も適当な箇所として選択される。
【0036】
あるいは、プログラムは次の方程式を用いて、観測数が最大となる一組の間隔を検索することができる。
【数2】
Figure 2004525499
【0037】
上で与えられた方程式において、順番に配列された値ΔXのセグメントに対して、ΔXupperは大きな値、及びΔXlowerは小さな値をそれぞれ表す。ΔYupper及びΔYlowerはそれぞれ、順番に配列された値ΔYのセグメントに対して大きい値及び小さい値を表す。上で述べられた2つの実施形態は単に現実的な例として示したに過ぎず、限定的な意味で考えるべきではない。当業者が良く理解するように、「高密度区域」を決定するために利用される多くの方法があり、その方法のそれぞれはここで述べられた本発明と共に利用することができる。
【0038】
段階760では、高密度区域が同定された後、標準的な記述統計法、すなわち平均値、標準偏差、上及び下信頼限界、及び信頼区間に対する区間サイズが計算される。複数の平均値が2つの層の間の原点のオフセットの最高推定値として取られ、複数の信頼限界が「真の」オフセットがあると期待されている範囲内で同定される。この実施形態では、平均値は、直観的な訴え及び計算の簡便性の両方のために、「真の」オフセットの推定値として利用される。「真の」オフセットを定義するために他の計量を利用することができることは、通常の当業者には明らかであろう。例えば、中央値がオフセットの推定値として平均値よりも利用可能である。同様に、高密度区域の観測から「真の」オフセットを推定値するために最大限可能なアプローチを用いることができる。
【0039】
段階770では計算されたオフセット及び信頼限界が、増殖するダイスとウエハ100の他の欠陥とを決定するために用いることができるように、ユーザーに報告される。
【0040】
段階780では、プロセスが終了し、処理される次のウエハで用いるためにリセットされる。
【0041】
ここで図8を参照すると、この発明に係る第2の自動化された方法を表す機能フローチャートが示されている。図8において、オフセットを決定するための自動化された方法が述べられている。本プロセスは、ここではkに制限されたサンプリングとして参照されている。kに制限されたサンプリングは、他の層にある2つの異なる欠陥のどちらかの上に置かれ得る一の層に欠陥が観測されたときに起こる混乱を回避するために適用されている。この発明のkに制限されたサンプリングはR.A.Fisherのk統計を用いて複雑にされるべきではない。
【0042】
例えば、図4に見られるクラスター32の構成要素及びクラスター62の構成要素は、オフセットの計算を複雑にする可能性を有している。上述の方法では、同一の層上の各欠陥の間の最小間隔の制限は、クラスター化された欠陥32,62を計算から除去するために用いられる。この発明の自動化された実施形態では、Xmax及びYmaxを選択する操作介入が削除される。
【0043】
ここで図8を参照すると、段階810で、Xmax及びYmaxの値が調査中のダイスの寸法となるように取られる。これらの値はデータベースから抽出される。複数の欠陥を混同する問題は、欠陥の数ndが制限0≦nd≦k、ここでkは小さい整数、を満足するものに対して計算が実行されるダイスを制限することによって回避される。通常、kは3以下である。もしkが1に等しいならば、混同の機会はゼロである。もし、例えばkが2にセットされれば、ダイスに対してnd=2、増殖する欠陥はないと仮定することで、2又は4のランダムなΔX及びΔYの対が、両方の層の上か又は2つの層のうち一層のみの上に2つの欠陥があるかに依存して、対の違いのリストへ追加される。もし欠陥のうちの一つが増殖するならば、異なる対のリストに追加された一つの対等な対と1又は3つのランダムな対とがあることになる。
【0044】
この推論は、k=nのときに実行することができるが、「ノイズ」が「シグナル」を圧倒するように、ランダムの対となる可能性の数が対等な対となる可能性の数よりも速く増加することは明らかとなる。この理由のために、kの値は≦3となるように選択され、典型的にはオフセットを決定するときの第1トライに対して1となるように選択される。
【0045】
段階820では、全ての欠陥対が、ウエハ上に堆積された2つの異なる層上の選択されたダイスで識別される。
【0046】
段階830では、これら対のΔX及びΔYが、上述のプロセスに従って決定される。
【0047】
段階840では、新しく決定されたΔX及びΔYが、ランダムに分布したかを確認するために検査される。もし対がランダムに分布したならば、プロセスは段階890へ進み、そこで本プロセスは停止する。あるいは、もし対がランダムに分布していないと確認されたならば、欠陥の増殖が観測され、本プロセスは段階850へ進む。
【0048】
段階850では、値X及び値Yの両方に対して高密度区域が上述のように計算される。
【0049】
段階860では、高密度区域を設定した後、本プロセスはオフセットの原点の推定値と本プロセスで上述されたような統計的な不確かさとを計算するために進む。
【0050】
段階870では、オフセットと統計的な不確かさとがユーザーに表示される。
【0051】
段階880で本プロセスは終了し、処理される次のウエハで使用するためにリセットされる。
【0052】
上述されかつ図8で表現された自動化された方法が用いられたとき、差異が計算される対の数のサンプルサイズは、欠陥数の少ないダイスがほとんどない場合に小さい。これによりオフセットの推定値がより不確かになる可能性がある。
【0053】
ここで述べられた方法のそれぞれは、独立して利用することができるか、あるいは同時に利用することができる。例えば、同一のデータを両方のプロセスに対して利用することができる。次いでユーザーは、最善の結果を与える計算されたオフセットを選択することができるか、又は準自動的なアプローチに対する入力としての自動的なアプローチの結果を利用することができる。
【0054】
この発明の実施形態及び応用が示されかつ述べられたが、ここでの発明的な思想から逸脱することなく上述よりもさらなる多くの変形が可能であることは、当業者には明らかであろう。例えば、この発明は特定の数学的な方程式を用いることに関して詳細に説明されたが、ここで述べられたものの代わりに複数の方程式が用いられることは、当業者に理解されるべきである。したがって、本発明は特許請求の範囲の精神以外に限定されるべきではない。
【0055】
この出願は、「集積回路の各検査層間におけるオーバレイ・オフセットの修正」と題する、2000年9月18日に提出された米国特許第60/233,343号明細書と、2000年12月22日に提出された米国特許第09/747,497号明細書とに基づく優先権を主張する。
【図面の簡単な説明】
【図1】ダイスの配列への分割を示す従来技術のウエハを示す図である。
【図2】検査プロセスの間に検出される可能性のある欠陥を示す例示図である。
【図3】第2層がウエハ上に処理された後に検出される可能性のある欠陥を示す図である。
【図4】異なる層上に欠陥が確認されると少なくとも2つの検査が示した後に作成される可能性のあるオーバレイ報告を示す図である。
【図5】2つの層上に観測された各欠陥対の間で観測されたx方向に分布したオフセットを示す図である。
【図6】2つの層上に観測された各欠陥対の間で観測されたy方向に分布したオフセットを示す図である。
【図7】この発明の一方法の装置を示す機能フローチャートである。
【図8】この発明の第2の自動化された方法を示す機能フローチャートである。
【符号の説明】
710 中間層の欠陥に対して最大間隔を選択する
720 内部層の欠陥に対して最小間隔を選択する
730 制限に一致する中間層の全ての対に対してデータベースを検索し、かつオフセットを計算する
740 オフセットはランダムに分布しているか?
750 x及びyオフセットに対して「高密度区域」を見つける
760 「高密度区域」に対して記述統計データを計算する
770 オフセットの平均値及び信頼限界を報告する
780 停止;プロセス完了
790 停止;相関なし

Claims (15)

  1. 集積回路が堆積されたウエハの少なくとも2つの異なる欠陥検査を検査するために用いられる、座標系の各原点間のオフセットを決定するための方法であって、
    集積回路ウエハの少なくとも2つの検査層上に位置する欠陥に対して位置データを収容するデータベースを構築する段階と;
    中間層の欠陥に対して最大オフセットを定義する段階と;
    内部層の欠陥に対して最小間隔を定義する段階と;
    前記最小間隔よりも大きな間隔を有する全ての欠陥に対して、前記最大オフセットよりも小さなオフセットを有する中間層の複数の欠陥対を求めて前記データベースを検索する段階と;
    中間層の各欠陥対に対して実際のオフセットを計算する段階と;
    前記実際のオフセットがランダムに分布しているかを測定する段階と;
    前記実際のオフセットがランダムに分布していない場合、前記実際のオフセットに対して高密度区域を決定する段階と;
    前記少なくとも2つの層の各原点間におけるオフセットの推定値と前記実際のオフセットの前記推定値に対する信頼値とを発展させる段階と;
    を含むことを特徴とする方法。
  2. 請求項1記載の方法において、
    推定値を発展させる段階は、前記実際のオフセットの平均値を含むことを特徴とする方法。
  3. 請求項1記載の方法において、
    推定値を発展させる段階は、前記実際のオフセットの中央値を含むことを特徴とする方法。
  4. 請求項1記載の方法において、
    中間層の欠陥に対して最大オフセットを定義する段階は、中間層の欠陥に対する最大オフセットをx及びy座標に定義することであり;
    内部層の欠陥に対して最小間隔を定義する段階は、内部層の欠陥に対する最小間隔をx及びy座標に定義することであり;
    各欠陥対に対して実際のオフセットを計算する段階は、各欠陥対に対する実際のオフセットをx及びy方向に計算することであり;かつ
    前記少なくとも2つの層の各原点間におけるオフセットの推定値をx及びy座標で発展させる;
    ことを特徴とする方法。
  5. 請求項4記載の方法において、
    x方向の前記実際のオフセットは、第1の検査で報告された欠陥のx座標を、第2の検査で報告された欠陥のx座標から引くことによって計算することを特徴とする方法。
  6. 請求項4記載の方法において、
    y方向の前記実際のオフセットは、第1の検査で報告された欠陥のy座標を、第2の検査で報告された欠陥のy座標から引くことによって計算することを特徴とする方法。
  7. 請求項4記載の方法において、
    前記高密度区域は、各座標のオフセットの範囲を等間隔に分割し、前記高密度区域におけるオフセットの数が最大となるように間隔を選択することによって決定することを特徴とする方法。
  8. 集積回路が堆積されたウエハの少なくとも2つの異なる欠陥検査を検査するために用いられる、座標系の各原点間のオフセットを決定するための方法であって、
    集積回路ウエハの少なくとも2つの検査層上に位置する欠陥に対して位置データを収容するデータベースを構築する段階と;
    kを5以下の整数として0≦nd≦kである複数の欠陥ndを有する少なくとも一つのダイスを前記データベースから同定する段階と;
    前記少なくとも一つのダイス上で中間層の全ての欠陥対を識別する段階と;
    中間層の各欠陥対に対して実際のオフセットを計算する段階と;
    前記実際のオフセットがランダムに分布しているかを測定する段階と;
    前記実際のオフセットがランダムに分布していない場合、前記実際のオフセットに対して高密度区域を決定する段階と;
    前記少なくとも2つの層の各原点間におけるオフセットの推定値と前記実際のオフセットの前記推定値に対する信頼値とを発展させる段階と;
    を含むことを特徴とする方法。
  9. 請求項8記載の方法において、
    kは3以下の整数であることを特徴とする方法。
  10. 請求項8記載の方法において、
    推定値を発展させる段階は、前記実際のオフセットの平均値を含むことを特徴とする方法。
  11. 請求項8記載の方法において、
    推定値を発展させる段階は、前記実際のオフセットの中央値を含むことを特徴とする方法。
  12. 請求項8記載の方法において、
    各欠陥対に対して実際のオフセットを計算する段階は、各欠陥対に対する実際のオフセットをx及びy方向に計算することであり、かつ
    前記少なくとも2つの層の各原点間におけるオフセットの推定値をx及びy座標で発展させる
    ことを特徴とする方法。
  13. 請求項12記載の方法において、
    x方向の前記実際のオフセットは、第1の検査で報告された欠陥のx座標を、第2の検査で報告された欠陥のx座標から引くことによって計算することを特徴とする方法。
  14. 請求項12記載の方法において、
    y方向の前記実際のオフセットは、第1の検査で報告された欠陥のy座標を、第2の検査で報告された欠陥のy座標から引くことによって計算することを特徴とする方法。
  15. 請求項12記載の方法において、
    前記高密度区域は、各座標のオフセットの範囲を等間隔に分割し、前記高密度区域におけるオフセットの数が最大となるように間隔を選択することによって決定することを特徴とする方法。
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