JP2004525095A - ポリスチレンスルホネートを用いた膣炎および/または細菌性膣症の予防、抑制、または治療方法 - Google Patents
ポリスチレンスルホネートを用いた膣炎および/または細菌性膣症の予防、抑制、または治療方法 Download PDFInfo
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Abstract
Description
【0001】
本発明は概ね、膣炎または細菌性膣症を予防、抑制、または治療する方法を提供するものである。より詳細には、本発明は、ポリスチレンスルホネートを使用して、膣炎および/または細菌性膣症を予防、抑制、または治療する方法を提供する。本発明で使用されるポリスチレンスルホネートは、トリコモナス(鞭毛虫)、ガードネレラ、および他の膣炎/膣症を引き起こす細菌を抑制する。
【背景技術】
【0002】
雌の膣には、様々な細菌のコロニーが存在する。正常な状態では、膣のフローラは、病原菌の侵入から守るための低pHの維持を含めた、防御機構を備えている。正常な膣は、一般に、膣物質1ミリリットルあたり約104より多い乳酸桿菌を含有する。
【0003】
感染性膣炎は、一般的な臨床症候群であり、性感染症クリニックを訪れる女性の25%超が感染性膣炎と診断される。感染性膣炎の通常の症状には、例えば、膣の本来のフローラの破壊、炎症、臭い、および/または膣分泌物がある。感染性膣炎または外陰膣炎には、カンジダ症、トリコモナス症、細菌性膣症、および他の膣感染症が含まれる。細菌性膣症は、感染性膣炎の最も一般的な形であり、症状のある症例45%に相当し、無症状の性的に活動的な女性の15%に存在すると推定されている。例えば、非特許文献1、非特許文献2、非特許文献3を参照のこと。細菌性膣症は、膣内の乳酸桿菌の減少に付随する嫌気性微生物数の増加によって引き起こされると考えられている、膣の複数菌感染症である。膣内の乳酸桿菌の数の減少は、二重の影響、すなわち、(1)栄養分に対する競争の減少、および(2)存在する乳酸の量の減少(すなわち、pHの上昇)を与えるので、膣内の日和見病原体(通常は乳酸桿菌および膣の酸性pHによってその増殖が抑制される)の増殖が可能になる。細菌性膣症に関連する主な病原体は、ガードネレラ バジナリス(Gardnerella vaginalis)および他の病原性の嫌気性菌であると考えられている。したがって、細菌性膣症は、広範囲の治療法が必要とされる広範囲の感染症と考えられる。
【0004】
臨床的には、細菌性膣症は炎症反応のない表層膣感染症として現れる。一般に、症状には、不快な臭い、5.0超の高い膣pH、薄く均質な分泌物、およびガードネレラ糸だま細胞(すなわち、小さなグラム不定桿菌でコートされた膣上皮細胞)の存在が挙げられる。一般に、膣のpHを下げることは、この感染症に対する有効な手段である。
【0005】
一般に、膣症を含めた膣の細菌感染症に対する現在の治療処方計画は、局所的にまたは経口的に投与される広く様々な広域抗生物質を使用するものである。以下の表に、通常の膣/外陰感染症のための現在の治療薬のいくつかを例示する:
【0006】
【表1】
【0007】
しかし、抗生物質は、有益な乳酸桿菌を含めて、膣内の正常細菌フローラを広範囲に殺す可能性があるので、一般に望ましくない。乳酸桿菌は、膣内の様々な日和見病原体を抑制するので、これにより、二次的な合併症が起こる可能性がある。したがって、この治療では、抗真菌剤による治療と共に、体内の乳酸桿菌に代わる発酵乳製品の摂取など、別の治療処方計画が必要になる可能性がある。さらに、乳酸桿菌の欠如による嫌気性菌のレベルの上昇が、感染症をさらに悪化させる恐れがある。さらに、膣内に頻繁に使用した場合、抗生物質は、膣からの吸収を通して全身的な毒性をもたらす恐れがある。
【0008】
より最近開発された治療処方計画には、細菌性膣症の膣内の治療のために、緩衝した(pHを約3.75から約4.25に維持した)組成物中でメトロニダゾールを使用する、特許文献1および特許文献2で提供されるものが含まれる。特許文献3は、膣のpHを調節するための生体接着性の水性組成物を提供しており、微生物の増殖および細菌性膣症で現れるような臭いを緩和する。
【0009】
特許文献4は、HIV/AIDSのトランス活性化転写因子(transactivating transcription factor)(Tat)を抑制する、あるいはこれと拮抗させるためにポリスチレンスルホネートを使用する方法を提供している;ポリスチレンスルホネートは、HIV複製、ならびにHIVウイルスの付着および感染を防御することが報告されている。特許文献5は、性行為感染症(STD)の予防および/またはこうした性行為感染症の伝染率の低下のために、ポリスチレンスルホネートを使用する方法を提供している;この方法は、特に、妊娠の恐れのない性的に活動的な個人による使用に適している。特許文献5を、参照により本明細書に組み込む。
【0010】
【特許文献1】
米国特許第5,536,743号(1996年7月16日)
【特許文献2】
米国特許第5,840,744号(1998年11月24日)
【特許文献3】
米国特許第6,017,521号(2000年1月25日)
【特許文献4】
米国特許第5,308,612号(1994年5月3日)
【特許文献5】
米国特許出願第09/252,417号(1999年2月18日出願)
【非特許文献1】
The Gynecologist and the Older Patient, Breen, J. (ed.), pp. 304-305 (1988)
【非特許文献2】
Principles and Practice of Infectious Diseases, Mandell, G. L., J. E, Bennett, & R. Dolin (eds.), vol. 1, ch. 95, pp. 1218-1235 (5th Edition, 2000)
【非特許文献3】
The Merck Manual of Medical Information: Home Edition, Berkow, R. (Editor-in-Chief, 1081-1083 (1997)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかし、膣炎または細菌性膣症を予防、抑制、または治療するための改善された方法を提供することが、依然として望まれている。膣炎または細菌性膣症を予防、抑制、または治療するためのこうした改善された方法が、抗生物質を使用しないものであるならば尚望ましい。こうした方法が、膣の本来の防御機構を獲得するまたは維持することを助けるならば尚望ましい。こうした方法が、比較的使用し易く、比較的副作用が少なければ尚望ましい。こうした方法が、膣の内壁を通して吸収されない、あるいは最小限にしか吸収されず、それによって全身的な毒性の危険性が大きく低下する、あるいは排除されるような活性な成分を利用するならば尚望ましい。本明細書に詳述される通りの本発明は、こうした方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、概して、膣炎または細菌性膣症を予防、抑制、または治療するための方法を提供する。より詳細には、本発明は、ポリスチレンスルホネートを使用して膣炎および/または細菌性膣症を予防、抑制、または治療するための方法を提供する。本発明で使用されるポリスチレンスルホネートは、トリコモナス(鞭毛虫)、ガードネレラ、および他の膣炎/膣症を引き起こす細菌を抑制する。
【0013】
本発明の方法は、概ね、膣炎および/または細菌性膣症の抑制および/または治療を必要とする雌の膣へ有効量の抑制剤を適用することを含む。ポリスチレンスルホネートは水性基剤組成物に含有されることが好ましく、pHを約3.5から約7.5に緩衝した水性基剤組成物がより好ましく、pHが約3.5から約5に緩衝されることがいっそう好ましい。
【0014】
本発明のポリスチレンスルホネート組成物は、膣炎および/または細菌性膣症活動期の症例の治療に使用することができる。本発明の組成物は、あるとしてもほとんど副作用を引き起こさないので、本発明のポリスチレンスルホネート組成物はまた、予防目的にも使用することができる。本発明で使用されるポリスチレンスルホネートは、概して、膣の本来の有益なフローラに対する毒性がなく(あるいは毒性が最小限であり)、そのため、局所の微生物の均衡を著しく失わせることがなく、あるいは膣の防御的な糖タンパク質コーティングを著しく破壊することがない。慣用の膣用組成物(例えば避妊薬など)を使用することによる膣の本来のフローラの破壊および/または膣の防御的な糖タンパク質コーティングの除去または破壊が、さらに、膣壁の炎症および/または膣壁の病変を引き起こす可能性がある。さらに、本発明で使用される好ましいポリスチレンスルホネートは、一般に膣で吸収を非常に起こりにくくするのに十分に大きな分子量を有し、それによって、全身毒性に対する懸念が最小限になる。
【0015】
本発明は、雌の膣に、有効量のポリスチレンスルホネート組成物を投与することを含む、雌の膣炎および/または細菌性膣症を予防、抑制、または治療する方法を提供する。
【0016】
本発明はまた、雌の膣に、トリコモナス、ガードネレラ、または他の膣炎/膣症を引き起こす細菌をコントロールおよび抑制するのに十分な、有効量のポリスチレンスルホネート組成物を投与することを含む、雌の膣内のトリコモナス、ガードネレラ、または他の膣炎/膣症を引き起こす細菌のコントロールおよび抑制する方法も提供する。
【0017】
本発明はまた、膣炎および/または細菌性膣症のリスクがあるが、膣炎および/または細菌性膣症を患ってはいない雌の膣に、トリコモナス、ガードネレラ、または他の膣炎/膣症を引き起こす細菌が膣内に定着するようになるリスクを減じるのに十分な、有効量のポリスチレンスルホネート組成物を投与することを含む、雌における膣炎および/または細菌性膣症のリスクを減じるための予防的治療方法も提供する。
【0018】
本発明はまた、膣の本来のフローラを著しく破壊することなしにトリコモナス、ガードネレラ、または他の膣炎/膣症を引き起こす細菌を抑制するのに十分な、有効量のポリスチレンスルホネート組成物を雌の膣に投与することを含む、膣の本来のフローラを著しく破壊することなしに、雌における膣炎および/または細菌性膣症を選択的に予防、抑制、または治療する方法も提供する。
【0019】
本発明で使用されるポリスチレンスルホネート組成物は、pHを約3.5から約7.5に緩衝した、水性基剤中にポリスチレンスルホネートを含むことが好ましく、pHが約3.5から約5に緩衝されることがいっそう好ましい。ポリスチレンスルホネート組成物は、分子量が約100,000g/モルより大きいポリスチレンスルホネートを約10から約250mg/ml含有することが好ましい。ポリスチレンスルホネート組成物が、分子量が約200,000g/モルより大きいポリスチレンスルホネートを約20から約100mg/ml含有することがいっそう好ましい。
【0020】
本発明のこれらの利点および他の利点は、本明細書を考察することによって明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
本発明は、概ね、膣炎または細菌性膣症を予防、抑制、または治療するための方法を提供する。より詳細には、本発明は、ポリスチレンスルホネートを使用して、膣炎および/または細菌性膣症を予防、抑制、または治療するための方法を提供する。本発明で使用されるポリスチレンスルホネートは、トリコモナス(鞭毛虫)、ガードネレラ、および他の膣炎/膣症を引き起こす細菌を抑制する。
【0022】
本発明の方法は、こうした治療が必要な、あるいは所望される雌の膣に、有効量のポリスチレンスルホネートを適用することによって実施される。本発明の目的での「有効量」は、接触時に膣炎または細菌性膣症の原因となる細菌または他の微生物を不活性化するのに十分であるが、必ずしも殺さないポリスチレンスルホネートの量である。こうした細菌または他の微生物には、例えばトリコモナス、ガードネレラ、および他の膣炎/膣症を引き起こす細菌がある。
【0023】
一般に、ポリスチレンスルホネートは、本発明の方法において局所に容易に適用できるように、例えばローション、クリーム、ゼリー、リニメント、軟膏、膏薬、オイル、泡、ゲル、錠剤、フィルム、洗浄液(wash)、座薬、徐放性ポリマー、コーティング、デバイスなど、通常の担体に組み込まれる。担体はまた、例えばpH改変剤、安定剤、緩衝液、界面活性剤、保湿剤、着色料、増粘剤、香味剤、フレグランス、香料(perfume)など、他の成分も含むことができる。本発明のポリスチレンスルホネート組成物は、性的に活動的でない雌と性的に活動的な雌の両者に使用することができる。本発明のポリスチレンスルホネート組成物はまた、通常の受胎調節またはセーフセックス器具と共に使用することもできる。例えば、ポリスチレンスルホネート組成物を、コンドーム、ペッサリー、頸部キャップ(cervix cap)、または同様の製品に組み込むか、あるいは単にこれらと組み合わせて使用することができ、コンドームの場合は、内部および/または外部表面に適用する潤滑剤を介して使用することができる。本発明のポリスチレンスルホネート組成物はまた、例えば、手で、ゲルまたは座薬を介して、あるいは通常のタンポンまたはシリンジ技術を使用することによって、膣に放出させることもできる。有効量のポリスチレンスルホネートが適時送達されるならば、膣にポリスチレンスルホネート組成物を投与するまたは送達する方法は、重要ではない。ポリスチレンスルホネートを送達する処方および/または方法は、有効性を最大限にするために、性行動の間または後であっても、ポリスチレンスルホネート組成物を、膣内に長時間(すなわち、好ましくは投与後約2時間より長く)残留させるものであることが好ましい。
【0024】
一般に、ポリスチレンスルホネートは、適切な処方中、不活性および活性な成分の総重量に基づいて約5mg/ml以上の濃度で、好ましくは約10mg/mlから約250mg/mlの濃度で、より好ましくは約20mg/mlから約100mg/mlの濃度で使用される。一般に、ポリスチレンスルホネートは、潜在的副作用を最小限にするために、細胞毒性のない濃度で使用されることが好ましいが、所望ならば、膣炎または細菌性膣症の原因である細菌または他の微生物(あるいはそれらのかなりの部分)が、単に不活性化されるまたは抑制されるのではなく効果的に殺される濃度で使用することもできる。
【0025】
実際の使用では、適切な担体または賦形剤中のポリスチレンスルホネートは、任意の適切な技術を使用して(例えば、手で、ゲルまたは座薬を介して、あるいは通常のタンポンまたはシリンジ技術を使用することによって)、膣に、好ましくは局所的に適用される。当然、この治療は、膣炎または細菌性膣症に伴う症状が現れた後、できるだけ早急に開始することが好ましい。本発明の組成物は、必要に応じて再適用することができる。一般に、この組成物は、コントロールが成し遂げられるまで、約12から約24時間毎に再適用される。予防目的であれば、通常、1日におよそ1回の治療で十分である。当然、治療または予防目的での投与の頻度は、例えば雌の個性および/または感染症の重さを含めて、多くの要因に伴って変わり得る。
【0026】
本発明で使用されるポリスチレンスルホネート活性成分は、抑制的で、細胞毒性のない、あるいは臨床的濃度で使用された場合に、膣の本来のフローラの増殖特性に著しく影響または抑制することがないか、さもなければ膣の組織を著しく刺激することがない。使用されるポリスチレンスルホネートの濃度範囲で、宿主細胞に対して毒性はなかった。試験では、最高で約5000μg/mlの濃度のポリスチレンスルホネートの存在下でさえ、乳酸桿菌の増殖に対して本質的に影響がないことが確かめられた。したがって、膣の本来のフローラの有益な構成成分は、本発明の使用によって破壊されない。膣のフローラのかなりの抑制または変更あるいは他の刺激(ノンオキシノール−9が使用される場合など)は、感染症、異常分泌物、全身不快感などのリスクを増加させる可能性があり、それによって、この治療方法を使用する、あるいはこの使用方法を十分に利用する気にならなくなる可能性がある。膣のフローラのこうした抑制または変更はまた、膣の組織の炎症および/または病変を引き起こす可能性があり、これにより他の望ましくない微生物による感染症のリスクが実際に増加する可能性がある。さらに、本発明のポリスチレンスルホネート組成物は、膣の本来のフローラを著しく破壊することがないので、これらの組成物は、予防的治療処方計画における使用にも理想的に適している。したがって、女性は、自身の病歴に基づいて、これらの組成物を予防的に、膣炎または細菌性膣症に特に罹り易いときに、時々またはある期間中(例えば、女性の周期の特定の期間中、または1年のうちの特定のとき)使用することを望むことができる。さらに、これらの組成物はまた、閉経後、膣の本来の分泌が低下する可能性がある場合に、予防的に使用することもできる。
【0027】
好ましくは、本発明で使用されるポリスチレンスルホネートは、スチレンスルホン酸ナトリウムのラジカル重合によって調製され、それによって塩素化炭化水素の混入がほぼ排除される。スチレンスルホン酸ナトリウムのラジカル重合が、本質的に架橋剤(例えばジビニルベンゼン)のない系で実施されることがいっそう好ましい。この方法によって調製されたポリスチレンスルホネートは、一般に、水に対する溶解性が高いので、水性のゲル調合物を含む、水性調合物への組み込みを容易にする。所望される場合、ポリスチレンスルホン酸塩を噴霧乾燥して、こうした調合物に容易に組み込むことができる白色のふわふわした(fluffy)粉末を形成することができる。本発明で使用されるポリスチレンスルホネートは、分子量が約100,000g/モルより大きいことが好ましく、約200,000から約1,000,000g/モルの範囲であることがより好ましい。好ましいポリスチレンスルホネートの期待される好適な構造は、次の通りである:
【0028】
【化1】
【0029】
一般にナトリウム塩が好ましいが、他のアルカリ金属塩、アルカリ土類塩、またはアミン塩も使用することができる。
【0030】
本発明で使用するのに適したポリスチレンスルホネートは、市販品として入手することもできるが、こうした市販の調製物は、使用前にさらに精製されることが好ましい。例えば、分子量が約500,000から700,000g/モルであるポリスチレンスルホネートは、National Starch社(ニュージャージー州、ブリッジポート)から、商品名Versa−TL 502で入手できる。一般に、工業使用(例えば帯電防止剤または乳化剤として)のためのポリスチレンスルホネートは、低濃度の(約50から700ppmの)ジクロロエタンを含有している可能性がある。本発明の方法で使用するためには、適切な精製技術を使用して、ジクロロエタン濃度を約50ppm未満、より好ましくは約10ppm未満に低下させることが好ましい。
【実施例1】
【0031】
この実施例は、ラジカル重合法を使用するポリ(4−スチレンスルホン酸)ナトリウムの調製を例示する。機械式攪拌装置と還流冷却器を備え付けた5Lの反応フラスコに、試薬グレードの水(Fisher ACS Reagent)2L、4−スチレンスルホン酸ナトリウム(Aldrich ACS Reagent)600g、およびEDTA(Na2・2H2O)(Fisher ACS Reagent)2.0gを入れた。この反応物を、約60℃に加熱しながら1時間、アルゴンを用いてパージした。過硫酸カリウム(Fisher ACS Reagent)17.2gを、試薬グレードの水(Fisher ACS Reagent)380mLに溶解することによって、開始溶液を調製した。開始溶液のアリコート(68mL)を、滴下漏斗を使用して、約1分かけて反応媒体に加えた。反応温度を約60℃に保ちながら、開始溶液のアリコート(68mL)を、それに続く3時間、時間毎に加えた(この時点で4×68mL加えたことになる)。第4のアリコートを加えてから1時間後、残りの開始溶液(約100mL)を、反応混合物に加えた。HPLCを使用して、残ったモノマーの濃度を調べた。開始溶液を最後に添加してから約1時間後、残ったモノマーの濃度は、約2%未満であった。反応混合物を、室温に冷却しながら、試薬水1Lで希釈した。得られたポリマー溶液を希釈し、実質的に残ったモノマーがすべて取り除かれるまで限外濾過した。得られた溶液を噴霧乾燥し、白色ないしオフホワイトの粉末約333g(収率約56%)を得た。この固体のサイズ排除クロマトグラフィー(Size exclusion chromatography)では、ピーク分子量(Mp)約800,000が得られた。
【実施例2】
【0032】
この実施例は、ポリスチレンスルホン酸(ナトリウム塩)を使用する膣トリコモナス(Trichomonas vaginalis)の抑制を例示する。このポリスチレンスルホネートは、実施例1で述べた通りにスチレンスルホン酸ナトリウムのラジカル重合によって調製した。従来の技術を使用して、改変したダイヤモンド培地(Diamond’s medium)で膣トリコモナス微生物を増殖させ、微生物を1ミリリットルあたり約2×103含有する接種材料を生成した。5.12mg/mlのポリスチレンスルホネートを、改変したダイヤモンド培地と混合して、別々の試験溶液を形成した。ポリスチレンスルホネート試験溶液の2.1mlアリコートと、様々な量の接種材料を混合し、得られたサンプルを35℃で、約16から約48時間嫌気的にインキュベートした。血球計数器を使用して、生存している膣トリコモナス微生物の数を数えた。対照サンプル(すなわちポリスチレンスルホネートを加えていないもの)も、同様に評価した。5.12mg/mlのポリスチレンスルホネートを使用して、次の結果が得られた:
【0033】
【表2】
【0034】
対照サンプルについての対応する結果は、次の通りであった:
【0035】
【表3】
【実施例3】
【0036】
この実施例は、実施例2と同じポリスチレンスルホン酸(ナトリウム塩)を使用する、ガードネレラ バジナリス(Gardnerella vaginalis)の抑制を例示する。ガードネレラ バジナリス(ATCC 14018)は、スキムミルク(ミシガン州、デトロイトのDifco Laboratories社)中に、−70℃で保管し、抑制研究前に、V寒天プレート(メリーランド州、クッキーズビル(Cockeysville)のBecton Dickinson Microbiology Systems社)上で、3回培養した。V寒天プレート上で終夜(約16時間)増殖させた後、滅菌した綿棒を使用して、いくつかのコロニーから、ガードネレラ バジナリスの新鮮な継代培養サンプルを採取した。この継代培養菌を、滅菌したリン酸緩衝生理食塩水(pH72.2)に懸濁させ、比濁分析によって求められる0.5 マクファーランド(McFarland)標準の濁度を得た(これは、約108CFU/mlに相当する)。滅菌したリン酸緩衝生理食塩水を使用する希釈(約1:10)によって、約107CFU/mlの接種材料懸濁液を得た。
【0037】
2枚のHBT二層寒天プレート(Becton Dickinson Microbiology Systems社)に、接種材料を含有する綿棒を用いて表面全体に塗ることによって接種を行った。接種後、これらのプレートを、周囲温度で約2〜3分乾燥させた。滅菌した直径10mmの管を使用して、各プレート上の寒天に、10mmのウェルを3個作った。各ウェルに、サンプル(200μl)を入れた。ウェルのうち2つは、水中のポリスチレンスルホネート(実施例1で述べた通り10mg/ml)を含有しており、3つ目のウェルは、滅菌したリン酸緩衝生理食塩水のみを含有していた。これらのプレートを、5%CO2雰囲気中、37℃で、24時間インキュベートした。12時間と24時間時に、各ウェルの周囲の阻止域を、(ウェルの端から、阻止域の外側の端までの)最短のミリメートルで測定した。
次の結果が得られた:
【0038】
【表4】
【0039】
ポリスチレンスルホネートサンプルに溶血は観察されなかった。
【0040】
ガードネレラ バジナリスの他の株を使用し、24時間時にのみ阻止域を求めること以外は同様の手順を使用して、同様の研究を実施した。次の結果が得られた;
【0041】
【表5】
【実施例4】
【0042】
この実施例は、実施例2と同じポリスチレンスルホン酸(ナトリウム塩)を使用する、他の微生物の抑制を例示する。第1の一連の実験では、様々な濃度の水中のポリスチレンスルホン酸(ナトリウム塩)を、ヒツジ血液、ビタミンK、およびヘミンを添加した融解したブルセラ寒天と混合し、次いで、別々のプレートに注入した。これらのプレートが乾燥した後、その表面に、レプリカ装置(replicating device)を使用して、試験微生物の懸濁液をスポットし、1スポットあたり約100,00CFUの最終濃度を得た。嫌気的条件下、37℃で48時間インキュベートした後、これらのプレートを、増殖について調べた。試験された各微生物について、発育を阻止する、ポリスチレンスルホネートの最低濃度を求めた。次の結果が得られた:
【0043】
【表6】
【0044】
もう1つの一連の実験では、ヒツジ血液、ビタミンK、およびヘミンを補ったブルセラブロス中で様々な濃度のポリスチレンスルホン酸(ナトリウム塩)を調製した。次いで、このポリスチレン混合物のアリコート(1ml)を、小さなプラスティック管に加えた。試験株を、1/2 マクファーランドのブルセラブロスとして調製し、ブルセラブロスで約1:50に希釈し、濃度約3×106CFU/mlを得た。試験株のサンプル(1ml)を、ポリスチレンスルホネート混合物に加え、次いで、嫌気条件下、37℃で2日間インキュベートした。試験された各微生物について、発育を阻止するポリスチレンスルホネートの最低濃度を求めた。次の結果が得られた:
【0045】
【表7】
【実施例5】
【0046】
この実施例は、実施例2と同じポリスチレンスルホン酸(ナトリウム塩)を使用する、カンジダ アルビカンス(Candida albicans)および他のカンジダ種の阻止を例示する。バイオスクリーンブロス微量希釈試験(National Committee for Clinical Standards inhibition assay NCCLSM27−T,1995)を使用した。この分析は、コンピュータ制御のインキュベータリーダー(Bioscreen社,フィンランド)に依拠し、真菌増殖の自動的かつ連続的な比濁分析が可能である。ポリスチレンスルホネートの、0.165mol/l MOPSで緩衝したRPMI 1640ブロスを調製した。生理食塩水中の1/2 マクファーランド標準酵母懸濁液の1:50希釈、それに続いてRPMI 1640ブロス培地での1:20希釈によって、酵母接種材料(1×103から5×103CFU/ml)の作業用懸濁液を作成した。この酵母懸濁液(150ml)を、各々ポリスチレンスルホネート溶液(150ml)で1:1希釈し、0.5×103から2.5×103CFU/mlの最終接種材料とし、その後ウェルにこの混合物を接種した。37℃で16時間経過後、光学密度を測定することによって真菌の発育を求めた(真菌が増殖すると光学密度が増大する)。次の結果が得られた:
【0047】
【表8】
【0048】
これらの結果から、少なくとも何人かの女性からのカンジダ アルビカンスが、ポリスチレンスルホネートによって有効に抑制されることが示唆される。いくらか有効性は劣るが、他のカンジダ種も抑制される。
【実施例6】
【0049】
この実施例は、Contraceptive Research and Development(CONRAD)program(ワシントン,D.C.)によって後援され、CONRAD Clinical Research Center,Eastern Virginia Medical School(バージニア州、ノフォーク)およびMagee−Womens Hospital(ペンシルバニア州、ピッツバーグ)で実施された臨床研究を報告する。4つの治療処方計画が使用された:すなわち、5%ポリスチレンスルホネートゲル、10%ポリスチレンスルホネートゲル、賦形剤単独(すなわち活性薬剤なし)、およびコンセプトロール(Conceptrol)ゲル(4%ノンオキシノール9を含有する市販品)であり、すべて適用あたり2.5mlとした。49人の女性を、4つの治療処方計画のうちの1つに無作為化し(5%ポリスチレンスルホネートゲル群に13人、他の群にそれぞれ12人ずつ)、6日間続けて、就寝時に、割り当てられた生成物を使用するよう依頼した。この期間中、参加者は、性交することが認められなかった。参加者および研究者には、割り当てについて知らせなかった。開始前ならびに1回目および6回目の適用後、これらの女性を診察した。
【0050】
スクリーニング時と最終生成物使用時との間の臨床検査パラメータに、主要な変化は生じなかった。これは、ポリスチレンスルホネートが、膣から吸収されないという概念と一致する。どの群においても、有害な経験(すなわち、使用に伴う重篤なまたは予想外の反応)は認められなかった。(コンセプトロール群の)1人の女性だけが、中等度ないし重度の炎症、焼灼感、および痒みを訴え、1回目の投与後、生成物の使用を中止した。試験期間中、各群2から5人の女性が、痒み、痛み、および/または不正出血を訴え、これらの訴えは、10%ポリスチレンスルホネート群において最も少なく、コンセプトロール群において最も多かった。コンセプトロール群の女性が、漏出の自覚度合が最も低いと思われ、この漏出程度の低さは、生成物の使用期間中に用いられる衛生パッド(sanitary pad)の重量の増加に基づいていた。
【0051】
どの群においても、生成物使用の6日後の内診では、異常はほとんど示されなかった。内診では治療群を区別する、所見が不十分であったが、生殖器の症状および泌尿生殖器の有害な経験は、10%ポリスチレンスルホネート群で最も少なく、コンセプトロール群で最も多かった。
【0052】
膣鏡検査を使用すると、コンセプトロール群の女性は、生成物に伴う異常所見が最大数認められた(すなわち8人の女性に、合計16の所見)。こうした所見について共通に関連していた用語は、紅斑、点状出血/斑状出血、および剥皮である。残りの3つの群のうち、異常所見は、賦形剤群に最も高頻度で(5人の女性に8つの所見)、10%ポリスチレンスルホネート群に最も低頻度で(1人の女性に1つの所見)発生していた。ポリスチレンスルホネートの2つの群では、生成物に伴う所見はすべて、無損傷上皮/損傷血管(点状出血/斑状出血)型、または損傷上皮/無損傷血管(剥皮)型であった。全体的にみると、1回目の使用後でも6回目の使用後でも、コンセプトロールは、4つの被験用生成物のうち最も刺激性が強いと思われた。単回使用後では他の3つの生成物の間には、有意な相違は認められなかった。しかし、6回目の使用後は、賦形剤が、5%および10%ポリスチレンスルホネートゲルよりもかなり刺激性が強いと思われた。
【0053】
これらの研究に基づくと、ポリスチレンスルホネートの全体的な安全性は、非常に良好であると思われる。
【実施例7】
【0054】
この実施例は、雌における膣炎および/または細菌性膣症の抑制または治療のための好ましい処方を例示する。特に好ましい2つの処方は、次の通りである:
【0055】
【表9】
【0056】
これらの処方は、種々の成分を簡単にブレンドすることによって調製される。一般に、ポリスチレンスルホネートナトリウムは、約1から約25%の範囲であり、ヒドロキシルエチルセルロースは、約0.5から約5%の範囲である。水酸化ナトリウムの量を調節することにより、約3.5から約7.5のpHが提供される。ヒドロキシルエチルセルロースは、ゲル化剤として機能するが、他の適当なゲル化剤には、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシルプロピルメチルセルロースなどがある。他の成分の量は、所望に応じて変えることができる。
【0057】
本明細書に記述した書籍、刊行物、特許、および特許出願はすべて、参照により本明細書に組み込む。上に記述および議論した実施形態および実施例は、本発明を例示するものであり、添付の特許請求の範囲で定義される本発明の範囲を限定するものではない。
Claims (24)
- 雌の膣に、トリコモナス、ガードネレラ、または他の膣炎/膣症を引き起こす細菌を抑制するのに十分な、有効量のポリスチレンスルホネート組成物を投与することを含むことを特徴とする、雌における膣炎および/または細菌性膣症を予防、抑制、または治療する方法。
- ポリスチレンスルホネート組成物が、pH約3.5から約7.5に緩衝した水性基剤中のポリスチレンスルホネートを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
- ポリスチレンスルホネート組成物が、分子量約100,000g/モルより大きいポリスチレンスルホネートを約10から約250mg/ml含有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
- ポリスチレンスルホネート組成物が、分子量約100,000g/モルより大きいポリスチレンスルホネートを約10から約250mg/ml含有することを特徴とする請求項2に記載の方法。
- ポリスチレンスルホネート組成物が、分子量約200,000g/モルより大きいポリスチレンスルホネートを約20から約100mg/ml含有することを特徴とする請求項3に記載の方法。
- ポリスチレンスルホネート組成物が、分子量約200,000g/モルより大きいポリスチレンスルホネートを約20から約100mg/ml含有することを特徴とする請求項4に記載の方法。
- 雌の膣に、トリコモナス、ガードネレラ、または他の膣炎/膣症を引き起こす細菌をコントロールおよび抑制するに十分な、有効量のポリスチレンスルホネート組成物を投与することを含むことを特徴とする、雌の膣におけるトリコモナス、ガードネレラ、または他の膣炎/膣症を引き起こす細菌をコントロールおよび抑制するための方法。
- ポリスチレンスルホネート組成物が、pH約3.5から約7.5に緩衝した水性基剤中のポリスチレンスルホネートを含むことを特徴とする請求項7に記載の方法。
- ポリスチレンスルホネート組成物が、分子量約100,000g/モルより大きいポリスチレンスルホネートを約10から約250mg/ml含有することを特徴とする請求項7に記載の方法。
- ポリスチレンスルホネート組成物が、分子量約100,000g/モルより大きいポリスチレンスルホネートを約10から約250mg/ml含有することを特徴とする請求項8に記載の方法。
- ポリスチレンスルホネート組成物が、分子量約200,000g/モルより大きいポリスチレンスルホネートを約20から約100mg/ml含有することを特徴とする請求項9に記載の方法。
- ポリスチレンスルホネート組成物が、分子量約200,000g/モルより大きいポリスチレンスルホネートを約20から約100mg/ml含有することを特徴とする請求項10に記載の方法。
- 膣炎および/または細菌性膣症のリスクがあるが、膣炎および/または細菌性膣症を患ってはいない雌の膣に、トリコモナス、ガードネレラ、または他の膣炎/膣症を引き起こす細菌が膣内に定着するようになるリスクを減じるのに十分な、有効量のポリスチレンスルホネート組成物を投与することを含むことを特徴とする、雌における膣炎および/または細菌性膣症のリスクを減じるための予防的治療方法。
- ポリスチレンスルホネート組成物が、pH約3.5から約7.5に緩衝した水性基剤中のポリスチレンスルホネートを含むことを特徴とする請求項13に記載の予防的治療方法。
- ポリスチレンスルホネート組成物が、分子量約100,000g/モルより大きいポリスチレンスルホネートを約10から約250mg/ml含有することを特徴とする請求項13に記載の予防的治療方法。
- ポリスチレンスルホネート組成物が、分子量100,000g/モルより大きいポリスチレンスルホネートを約10から約250mg/ml含有することを特徴とする請求項14に記載の予防的治療方法。
- ポリスチレンスルホネート組成物が、分子量約200,000g/モルより大きいポリスチレンスルホネートを約20から約100mg/ml含有することを特徴とする請求項15に記載の予防的治療方法。
- ポリスチレンスルホネート組成物が、分子量約200,000g/モルより大きいポリスチレンスルホネートを約20から約100mg/ml含有することを特徴とする請求項16に記載の予防的治療方法。
- 膣の本来のフローラを著しく破壊することなしに、トリコモナス、ガードネレラ、または他の膣炎/膣症を引き起こす細菌を抑制するのに十分な、有効量のポリスチレンスルホネート組成物を雌の膣に投与することを含むことを特徴とする、膣の本来のフローラを著しく破壊することなしに、雌における膣炎および/または細菌性膣症を選択的に予防、抑制、または治療するための方法。
- ポリスチレンスルホネート組成物が、pH約3.5から約7.5に緩衝した水性基剤中のポリスチレンスルホネートを含むことを特徴とする請求項19に記載の方法。
- ポリスチレンスルホネート組成物が、分子量約100,000g/モルより大きいポリスチレンスルホネートを約10から約250mg/ml含有することを特徴とする請求項19に記載の方法。
- ポリスチレンスルホネート組成物が、分子量約100,000g/モルより大きいポリスチレンスルホネートを約10から約250mg/ml含有することを特徴とする請求項20に記載の方法。
- ポリスチレンスルホネート組成物が、分子量約200,000g/モルより大きいポリスチレンスルホネートを約20から約100mg/ml含有することを特徴とする請求項21に記載の方法。
- ポリスチレンスルホネート組成物が、分子量が約200,000g/モルより大きいポリスチレンスルホネートを約20から約100mg/ml含有することを特徴とする請求項22に記載の方法。
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