JP2004524521A - 樹状化学発光基質 - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
関連出願に対するクロスリファレンス
本出願は、2001年1月8日に出願した米国仮出願No. 60/259,870、及び2001年4月26日に出願した米国仮出願No. 60/286,383に基づく。
【0002】
発明の分野
本発明は、樹状ポリマー化学発光基質コンジュゲート(conjugate);樹状ポリマー化学発光基質コンジュゲートの合成;樹状ポリマー化学発光基質コンジュゲートを含む組成物;及び樹状ポリマー化学発光基質コンジュゲートの使用方法に関する。本発明はまた、樹状ポリマー化学発光基質コンジュゲートと組み合わせたエンハンサー物質の使用に関する。複数(すなわち、3〜3072)の酵素活性化可能な化学発光基質を結合することにより、検出可能な化学発光を増幅する、樹状ポリマー化学発光基質コンジュゲート及びエンハンサー樹状ポリマー化学発光基質コンジュゲートは、免疫アッセイ、化学的アッセイ及び核酸プローブアッセイにおいて、並びに合成ポリマー、タンパク質、核酸等を含む高分子の微細構造を研究するための化学的/物理的プローブ処理において、化学的若しくは生物学的物質の存在の検出又は濃度の測定に有用である。
【0003】
背景技術
樹状ポリマー(さもなければ、「デンドリマー」として知られている)は、一様なポリマーであり、中心核、内部樹状(高分岐)構造及び末端基による外部表面を有する高分岐デンドリマー、アルボロール、フラクタルポリマー及び星形デンドリマーとして、文献に色々な名前で言及されている。これらのポリマーは、形態及び機能の双方において、古典的な直鎖状ポリマーとは相違する。直鎖状ポリマーの化学的性質は、微視的なサイズから巨視的なサイズまでの生成物種の分布をもたらす、無秩序な、制御されていないプロセスに由来する。ポリマーの分子直線性は、分子量の増加と共に急激に増加する粘度、ランダムなコイル内に隠された部位のための平凡な化学的反応性及び可変若しくは平凡な溶解度といった巨視的な性質を規定するひどく絡み合った巨大分子集団をもたらす。対照的に、デンドリマーの化学的性質は、サイズ、形態トポロジー、フレキシビリティ及び表面基の厳密な制御により巨大分子を構築している。分岐合成として知られているところでは、これらの高分子は、イニシエーターの核を、高収率の相互反応配列で反応させることにより開始して、明確な表面基を有する核から放射状に広がる対称な分岐を構築する。あるいは、収束合成として知られているところでは、樹状の楔を、表面から中心部に向かって内側へ構築し、次いで数個の樹状の楔を、中心部で多官能性の核と結合させる。樹状合成は、世代として知られる同心性の層を形成し、各世代は分子量及び分岐末端での反応性基の数を倍加し、そのため最終的な世代のデンドリマーは、高純度で、広範な条件にわたって容易に溶解する一様な単分散の巨大分子である。以下に論ずる理由により、デンドリマーの分子量は300〜700,000ダルトンの範囲であり、表面基(例えば、結合のための反応性部位)の数は3〜3,072の範囲である。
【0004】
デンドリマーが各世代と共に発展するに従って、分岐の密集による立体的な制約が、ポリマーの形状を、ヒトデ型分子から球状分子まで変化させる。例えば、星形ポリアミドアミン(「PAMAM」)デンドリマーに関して、0〜3世代は、ドーム型であり、4世代は、扁球型を有する遷移世代であり、そして5世代以降は、中空の内部及び表面外皮を有するシンメトリックな球状である。(分岐末端での表面の密集を増加させることにより生じる)サイズの増加に伴う、ドーム型から球状への、この形状の変化は、樹状ポリマーの一般的な特徴である。
【0005】
樹状の発展、形状及びトポロジーは、核、内部分岐構造及び表面基によって制御される。デンドリマーは、一定の末端表面基エリアを保持するように、シンメトリックに拡張する。例えば、星形デンドリマーに関して、表面基−CO2Meは、93A2/基を要し、一方表面基−NH2は、150A2/基を要する。より大きな立体的なかさを有する末端基、例えば−NH2は、PAMAMで観察されたように表面の立体的な相互作用により、より大きな核中空の形成を促進する。対照的に、ポリエーテル星形デンドリマーは、3世代以内に密集状態になり、非常にわずかな内部空洞しか有さない。一般に、樹状の発展は、表面の反応性部位の立体的な密集状態が、さらなる化学的な修飾を妨げるので、自己制約的となる;PAMAM星形デンドリマーの場合、これが9〜10世代で起こる。
【0006】
本明細書で論じるように、樹状の表面は、表面の化学的性質として利用可能な、3〜3,072個の末端基を持つことができる;末端基の数は、(立体の密集状態を規定する)デンドリマー構造の種類及びデンドリマーの世代による。アミノ(NH2)末端化デンドリマーは、例えばマイケルアクセプター(CH2=CHCO2R)、α−ハロエステル、エポキシド、アジリジン、活性化カルボン酸、酸クロリド、ハロゲン化ベンジル、カーボナート及びアルデヒドと反応する。ヒドロキシル(OH)末端化デンドリマーは、例えばハロスルホン酸エステル、活性化カルボン酸及び酸クロリドと反応する。エステル及び酸(CO2R、CO2H)末端化デンドリマーは、例えばアミンと反応し、そしてハロゲン化物末端化デンドリマーは、例えばアミン並びにアルコキシド及びチオアルコキシドアニオンと反応する。他の反応性表面基は、特に、ハロゲン化カルボキシ、イミノ、イミド、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルキルアリールアミノ、シアノ、スルホン酸エステル、ジチオピリジル及びスルフヒドリルを含む。通常デンドリマー表面の化学反応は、表面に立体の密集状態がなければ、単一の有機分子と同様に速やかに、特異的かつ高収率で起こる。星形PAMAMデンドリマー(NH2−末端化、OH−末端化及びCO2R−末端化)及びアストラモール(Astramol)PEIデンドリマー(NH2−末端化)を含む、市販のデンドリマーの構造は、図1A〜1Dに示されており、Aldrich Chemical Co.、Dendritech Inc. 及び DSM Fine Chemicalsから入手可能である。加えて、反応性表面基を有する多くの他の樹状ポリマーが合成され、かつ論文に報告されている(総説として、例えば、“Dendritic Molecules: Concepts, Syntheses, Perspectives,”G. R. Newkome, C. N. Moorefield, F. Vogtle, VCH Publishers, Inc. New York (1996) 及び最後に引用した参考文献を参照のこと)。
【0007】
近年、樹状ポリマーのサイズ、形状及び性質を、分子的に特定の末端の使用に適合するようにあつらえることができることが見出された。樹状ポリマーは、従ってポリマー単位あたり、高濃度の担持物質の送達、制御された送達、標的送達及び/又は多種の送達あるいは使用の手段を提供することができるという、重要な利点を有する。
【0008】
米国特許第5,338,532号、第5,527,524号及び第5,714,166号は、薬剤、トキシン、金属イオン、放射性核種、信号発生剤(signal generators)、信号反射剤(signal reflectors)、キレート化金属、信号吸収剤(signal absorbers)、抗体、ホルモン、生体応答調節剤、診断用乳濁剤、蛍光性部分及び除去剤を含む、様々な物資と結合した高密度星形ポリマー又は星形ポリマー;コンジュゲートの製造方法;コンジュゲートを含む組成物;及びコンジュゲートの使用方法を開示している。
【0009】
米国特許第5,482,698号は、複数のアビジン又はビオチン結合部位を有するポリマーを含む病変を検出又は処理する方法であって;アビジン又はビオチンに検出剤又は治療剤を添加し;そして病変を検出又は処理する方法を開示している。
【0010】
米国特許第5,443,953号及び第5,635,603号は、グリコシル化抗体フラグメントを含む可溶性免疫コンジュゲート、並びに少なくとも1つの遊離のアミン基を有するポリマー担体及びポリマー担体に共有結合した検出可能な標識分子を含む中間体コンジュゲートを開示している。
【0011】
上記に引用した参考文献のいずれも、化学発光基質と樹状ポリマーとの結合を開示していない。
【0012】
1,2−ジオキセタン酵素基質は、様々なタイプの酵素アッセイに使用される、極めて有効な化学発光リポーター分子として確立されている。これらのアッセイは、放射性同位体、発蛍光団、複雑なカラーシフト、2次反応等に依存する通常のアッセイに代わる好ましい方法を提供する。この目的で開発されたジオキセタンは、米国特許第4,978,614号、第5,112,960号、第5,538,847号及び第5,582,980号、並びに米国特許出願第09/362,047号(係属中)に記載されたものである。米国特許第4,978,614号は、特に、PE社(NY)の登録商標である商品名AMPPD(登録商標)の下に、アプライドバイオシステムズ(Applied Biosystems)から市販されている3−(2′−スピロアダマンタン)−4−メトキシ−4−(3″−ホスホリルオキシ)フェニル−1,2−ジオキセタンを開示している。米国特許第5,112,960号、第5,538,847号及び第5,582,980号は、アダマンチル安定化環を、ヒドロキシ、ハロゲン等を含む様々な置換基で、いずれかの橋頭位置で置換し、別の状況では静的な又は容易に化合しないアダマンチル安定化基を、ジオキセタン環の分解速度に係る活性基に変換する類似の化合物を開示している。このタイプの化合物は、多くの適用において、AMPPD(登録商標)よりも急速かつ強いシグナルを与える。PE社(NY)の登録商標であるCSPD(登録商標)は、アダマンチル基に塩素置換基を有する第二世代のジオキセタンである。この物質はまた、アプライドバイオシステムズからも入手可能である。CSPD(登録商標)は、光強度及び検出感度の改善をもたらす。米国特許出願第09/362,047号は、酵素により切断可能な、化学発光1,2−ジオキセタンを開示しており、それは可視スペクトルの赤色又は緑色端に近接した波長で放射する。本段落で引用した各々の特許及び特許出願は、そのまま参照として本明細書に組み込まれる。
【0013】
化学発光を生ずる反応は、媒質が、メッセージでなくとも、伝達されたメッセージの強度を決定することができるという、さらに別の例を示す。化学発光化合物は、中程度の極性又は極性非プロトン性有機溶媒のような物質、例えばn−ブタノール、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド又はジメチルホルムアミド中での分解で、容易な検出及び定量に十分な強度の光を放射する発蛍光団を生じるが、極性プロトン性の環境下、特に水性媒体中で分解した場合、かなり光強度が小さくなる。しかし、全ての生物学的系は、水性(実際、ヒトは約97%水である)であるゆえに、免疫アッセイ、核酸プローブアッセイ、化学的/物理的プローブ技術及び他のバイオアッセイにおいて、化学発光標識又は基質により生じる光強度を増強する必要があることは明らかである。そのような増強を提供する一つの方法は、高価な光学式又電子装置:シングルフォトンカウンター、照度計、シンチレーションカウンター等を使用することである。
【0014】
ジオキセタンは、特定の適用において、10−12M程度の低濃度の検体の存在に関するアッセイにおける感度の増強のために、特に開発されたものであるが、10−12M以下の濃度の検体を検出するため、ジオキセタンは、エンハンサーと共に用いられる。天然及び合成の水溶性高分子を含む、これらの増強剤は、米国特許第5,145,772号に詳細に開示されている。好ましい増強剤は、水溶性の高分子第四級アンモニウム、ホスホニウム若しくはスルホニウム塩、並びにそれらのコポリマー及び/又は混合物、例えばポリ(ビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロリド)(TMQ)、ポリ(ビニルベンジルトリブチルアンモニウムクロリド)(TBQ)及びポリ(ビニルベンジルジメチルベンジルアンモニウムクロリド)(BDMQ)を含む。
【0015】
これらの増強剤は、ジオキセタンを隔離する疎水性の周囲環境を提供することによって、明らかにジオキセタンリポーター分子の化学発光シグナルを改善する。体液の使用のために大部分のアッセイにおいて不可避な水は、ジオキセタン化学発光の天然の「消光剤(quencher)」である。増強分子は、ジオキセタン分子、又は少なくとも励起状態のエミッター種が存在する微環境から、明らかに水を排除し、結果として化学発光の増強をもたらす。エンハンサー−ジオキセタン相互作用と関連するその他の効果もまた、化学発光増強に寄与することができる。
【0016】
ジオキセタンに加えて、ルミノール誘導体、アクリジニウムエステル、アクリジニウムスルホニルアミド及びルシフェリンが、バイオアッセイにおいて化学発光標識として用いられる(Schroeder et al., Anal. Chem., 50,1114 (1978); Arakawa et al., Anal. Biochem., 79,248 (1979); 及びArakawa et al., Clin. Chem., 31,430 (1985)。総説として: Kricka et al., Clinical and Biochemical Luminescence, L. J. Kricka and T. J. N. Carter (Eds.), Chapter 8, Marcel Dekker, Inc., New York (1982); Kricka, Ligand-Binder Assays, Chapter 7, Marcel Dekker, Inc., New York, (1985); McCapra et al., Bioluminescence and Chemiluminescence : Instruments and Applications, Vol. I, K. Van Dyke (Ed.), CRC Press, Inc., Boca Raton, Fla. (1985), Chapter 2 (特に、第13頁、ジオキセタンの部を注目されたい); 及びBarnard et al., Ibid, Ch. 7を参照されたい)。酵素標識は、カラー又は蛍光顕色技術によって検出される。近年、化学発光酵素免疫アッセイは、ルミノール/過酸化水素、ピロガロール/過酸化水素、Pholas dactylusルシフェリン、又はルミノールを用いてアルカリ条件下で評価されるペルオキシダーゼコンジュゲートに基づく(Kricka et al., Clinical and Biochemical Luminescence, Chapter 8, L. J. Kricka and T. J. N. Carter (Eds.), Marcel Dekker, Inc., New York (1982))。
【0017】
背景として、酵素活性化される化学発光基質は、酵素不安定基をそこで切断する酵素に対する基質として作用することによって、リポーター分子として使用される。このように酵素(例えば、アルカリホスファターゼ)は、通常の抗原/抗体リガンド結合アッセイにおける抗原若しくは抗体のいずれかと、又は核酸アッセイにおける核酸プローブと共有結合又はその他の複合体形成をすることができる。抗原若しくは抗体又は核酸プローブを有する酵素は、次いで標的抗原、又は核酸配列を含有すると疑われる検体と、抗体/抗原又はプローブ/核酸配列の間で複合体形成又はハイブリッド形成が可能な条件下に混ぜる。全ての非複合化又は非ハイブリッド化原料を洗浄除去又は分離除去した後、化学発光基質を添加する。疑わしい検体が存在する場合、酵素は、酵素不安定基化学発光基質を切断し、分解する中間体を生じる。分解現象が、発光現象である。
【0018】
極めて低濃度(例えば、約10−12M以下)の検体を検出するため、化学発光基質リポーター分子のシグナル強度を改善することが望ましく、同時に、アッセイの総合的な感度を改善するように、非酵素処理由来の発光によるバックグラウンドノイズの増加を回避することが望ましい。このように、化学発光基質の使用においてさらなる改善が求められている。
【0019】
本開示に引用された全ての特許及び文献は、参照として本明細書に組み込まれる。
【0020】
発明の概要
本発明の目的は、化学発光リポーターによって放出されるシグナルに依存する、機械の判読率、感度及びアッセイのパフォーマンス面を改善することを含む、化学発光基質のパフォーマンスを改善することである。
【0021】
本発明のもうひとつの目的は、臨床アッセイを自動化し、高密度アレイ(マイクロアレイ)でのハイスループットスクリーニングを提供するため、アッセイの総合的な感度を改善するように、化学発光基質のシグナルの強度及び分解能を改善し、同時に非酵素処理由来の発光によるバックグラウンドノイズの増加を回避することである。
【0022】
上記の目的は、1つ以上の酵素活性化可能な化学発光基質を樹状ポリマーに結合させることによって、光シグナルを増幅するような、新規の樹状ポリマー化学発光基質により満たされる。シグナルの分解能はまた、高分子量の樹状骨格の摩擦抗力、すなわち、増加した分子サイズ、形状、分岐及び/又は累積荷電効果のため鈍化した分子拡散により改善し、これが酵素標識により発光を基質活性化領域に制限している。
【0023】
本発明の化学発光基質は、複数の基質リポーター分子を樹状ポリマーの増強領域に結合させることにより、さらに増強させることができる。この方法では、水の消光から、より効果的な基質の隔離を実現することができる。いったん基質が発生すれば、効果的な化学発光増強のため、初期のリポーターは、すぐ近くの樹状ポリマーの疎水性増強領域に組み込むことができる。化学発光シグナルの増強は、結果として検出感度の増大をもたらす。
【0024】
上記の目的に関して、本発明は、水性及び混合媒質中での化学発光基質の分解により放出された(例えば、光学的に検出可能な)電磁エネルギーの検出能における改善を提供する。特に、本発明は、用いた化学発光基質の分解により放出された(例えば、光学的に検出可能な)電磁エネルギーの検出を増加させる手段を提供し、水性及び混合サンプル中での物質の存在を検出するか、あるいは濃度又は構造を測定する。本発明はさらに、用いた化学発光基質の分解により放出された電磁(例えば、光学的に検出可能な)エネルギーの検出能における改善を提供し、技術的に公認の免疫アッセイ、化学的アッセイ又は核酸プローブアッセイ技術により、化学的又は生物学的物質の存在を検出するか、あるいは濃度を測定する。本発明はまた、分子構造又は微細構造を研究するための、化学発光基質の分解により放出された電磁(例えば、光学的に検出可能な)エネルギーの検出能における改善を提供する。
【0025】
本発明はまた、樹状ポリマー化学発光基質及びそのための中間体を調製する方法に関する。例えば、樹状ポリマーと化学発光基質とのコンジュゲートを調製するための第1の工程は、化学発光基質と樹状ポリマーとの結合を促進する温度で、適切な溶媒中、樹状ポリマーを化学発光基質と反応させることを含む。このように樹状の表面を、リンカー部分に適切な反応性部位を有するジオキセタン、ルミノール、イソルミノール、アクリジニウムエステル、アクリジニウムスルホニルアミド及びその他ルシフェリンのような分子で結合することにより修飾することができる。この工程のさらに完全な議論を、以下に提供する。
【0026】
従って、本発明は、樹状ポリマー化学発光基質コンジュゲート、コンジュゲートの調製方法、コンジュゲートを含む組成物及びコンジュゲート及び組成物の使用方法に関する。
【0027】
これらの目的及び他の目的、並びに本発明の性質、範囲及び利用は、以下の詳細な説明、及び図面から、当業者には直ちに明らかになるであろう。
本発明は添付の図面を参照することでより理解されるであろう。これらの図は、例示に過ぎず、本発明の範囲を限定する意にとられるべきものではない。
【0028】
発明の詳細な説明
酵素によるアッセイの設計は、検出感度の増加と共に、シグナルを発生させる基質の酵素によるターンオーバーによって、有意なシグナル増幅を提供する。酵素基質は、通常、比色、蛍光又は化学発光性である。一般に、化学発光酵素基質は、低い固有ノイズ(例えば、光散乱及び自己蛍光)、及びより高い強度のシグナルアウトプットのため、より広範囲のダイナミックレンジの検出並びに感度の増加を提供する。化学発光性のアウトプットを検出するための機器類はまた、何ら励起源を必要としないため、蛍光検出に要するものよりも単純である。化学発光基質の例は、ジオキセタン(エステラーゼ、アルカリホスファターゼ及びグリコシダーゼ、例えばβ−ガラクトシダーゼ及びβ−グルクロニダーゼのような加水分解酵素により活性化される)、並びにルミノール、イソルミノール、アクリジニウムエステル、アクリジニウムスルホニルアミド及びルシフェリン(ホースラディッシュペルオキシダーゼ、グルコース又はガラクト−スオキシダーゼ及びルシフェラーゼのような酸化酵素により活性化される)を含む。これらの基質は、酵素活性化され、発光を伴い分解する不安定な過酸化中間体を生成する。得られる化学発光シグナルの測定は、免疫アッセイ、リポーター遺伝子アッセイ、DNAプローブアッセイ及びアレイフォーマットにおける酵素標識の検出を可能にする。
【0029】
本発明の実施態様によれば、公知の樹状ポリマーの表面に結合した1つ以上のジオキセタン、ルミノール、イソルミノール、アクリジニウムエステル、アクリジニウムスルホニルアミド及び/又はルシフェリンを含有する樹状ポリマー化学発光基質を合成することができる。本発明の樹状ポリマー化学発光基質を合成するために使用されうるいくつかのデンドリマー出発原料の限定的でない例は、図1A〜1Dに記載されている。図1Aは、NH2の表面基を有するポリアミドアミン(PAMAM)デンドリマーを示す。図1Bは、カルボン酸の表面基を有するポリアミドアミン(PAMAM)デンドリマーを示す。図1Cは、ヒドロキシルの表面基を有するポリアミドアミン(PAMAM)デンドリマーを示す。図1Dは、NH2の表面基を有するポリプロピレンイミン(PEI)デンドリマーを示す。
【0030】
本発明の樹状ポリマー化学発光基質を合成するために使用されうるプレカーサーを結合した化学発光基質を、図2A〜2Lに示す。図2A〜2Lにおいて、置換基は、以下のように定義される:
【0031】
Aは、H、アルキル、トリハロアルキル又はアリールであり;
【0032】
Bは、NA、NC(O)A、O、S又はCH2(ここで、Aは、独立してH、アルキル、トリハロアルキル又はアリールである)であり;
【0033】
Yは、独立してH、ヒドロキシル基、ハロゲン、非置換の低級アルキル基、ヒドロキシ低級アルキル基、ハロ低級アルキル基、フェニル基、ハロフェニル基、アルコキシフェニル基、アルコキシフェノキシ基、ヒドロキシアルコキシ基、シアノ基、アミド基、アルコキシ基又はカルボキシル基であり;
【0034】
Rは、アルキル基(例えば、C1〜C12アルキル基)、ハロアルキル基(例えば、モノ−、ジ−若しくはトリ−ハロアルキル)、アリール基又はアラルキル基であり;
【0035】
Xは、ホスファート、ガラクトシド、アセタート、1−ホスホノ−2,3−ジアシルグリセリド、1−チオ−D−グルコシド、アデノシントリホスファート、アデノシンジホスファート、アデノシンモノホスファート、アデノシン、α−D−グルコシド、β−D−グルコシド、β−D−グルクロニド、β−D−マンノシド、β−D−フルクトフラノシド、β−グルコシドウロナート;5−アセトアミド−3,5−ジデオキシ−α−D−グリセロ−D−ガラクト−2−ノヌロピラノシド及びアルコキシ誘導体(例えば、4,7−ジ−O−メチル)、p−トルエンスルホニル−L−アルギニンエステル、並びにp−トルエンスルホニル−L−アルギニンアミドからなる群より選択される、酵素不安定基であり;
【0036】
Zは、ハロ、アルコキシ又はアルキル基であり;そして
【0037】
Tは、H、電子供与性基、電子吸引性基、又は補助的な発蛍光団に若しくはいずれかの生物学的な部分に結合していてもよい有機リンカー基である。
【0038】
本発明の樹状ポリマージオキセタンコンジュゲートの一般的な構造の例を、図3A〜3Oに示す。図3A〜3Lにおいて、置換基A、B、Y、R、X、Z及びTは、図2A〜2Lに関して述べたのと同義である。デンドリマーに結合したジオキセタン部分の数を示すNは、正の整数である。本発明の好ましい態様によれば、図3A〜3FにおけるNは、6〜768である。
【0039】
本発明によれば、図3Mは、複数のジオキセタンと結合したカルボン酸の表面基を有する、ポリアミドアミン(PAMAM)星形デンドリマーを示す。本発明の別の実施態様によれば、図3Nは、複数のジオキセタンと結合したアミノ末端基を有する、ポリアミドアミン(PAMAM)星形デンドリマーを示す。本発明のさらなる実施態様によれば、図3Oは、複数のジオキセタンと結合したアミノ表面基を有する、ポリプロピレンイミン(PEI)星形デンドリマーを示す。
【0040】
図4A〜4Fは、図3A〜3Lに示した樹状ポリマーコンジュゲートに関する合成スキームを示す。図4A〜4Fにおいて、置換基A、B、Y、R、X及びNは、上記と同義である。「アクチベーター」は、混合無水物、NHSエステル、又はペプチド結合形成を促進するためにペプチド化学で使用されるその他の標準的な官能性であってよい。「脱離基」は、ハロゲン又はメシラート、トシラート若しくはトリフラートのようなスルホン酸エステルであってよい。
【0041】
図4Aにおいて、「アリール」置換基は、図3A又は3Gに記載されたようにフェニル基又はベンゾチアゾールであってよい。図4Bにおいて、「アリール」置換基は、図3B又は3Hに記載されたようにフェニル基又はベンゾチアゾールであってよい。図4Cにおいて、「アリール」置換基は、図3C又は3Iに記載されたようにフェニル基又はベンゾチアゾールであってよい。図4Dにおいて、「アリール」置換基は、図3D又は3Jに記載されたようにフェニル基又はベンゾチアゾールであってよい。図4Eにおいて、「アリール」置換基は、図3E又は3Kに記載されたようにフェニル基又はベンゾチアゾールであってよい。図4Fにおいて、「アリール」置換基は、図3F又は3Lに記載されたようにフェニル基又はベンゾチアゾールであってよい。
【0042】
樹状ポリマーコンジュゲートのさらなる例は、図5A〜5I及び図6A〜6Jに示される。図5A〜5Cは、本発明の樹状ポリマーイソルミノールコンジュゲートを示す。図5A〜5Cにおいて、Nは、上記に述べたのと同義である。本発明の好ましい実施態様によれば、Nは、6〜768である。図5Aにおいて、置換基Aは、水素又はアルキル基であってよい。図5Cにおいて、置換基A及びBは、上記に述べたのと同義である。
【0043】
本発明の実施態様によれば、図5Dは、複数のイソルミノール部分と結合したカルボン酸の表面基を有する、ポリアミドアミン(PAMAM)星形デンドリマーを示す。本発明の別の実施態様によれば、図5Eは、複数のイソルミノール部分と結合したアミノ表面基を有する、ポリアミドアミン(PAMAM)星形デンドリマーを示す。本発明のさらなる実施態様によれば、図5Fは、複数のイソルミノール部分と結合したアミノ表面基を有する、ポリプロピレンイミン(PEI)星形デンドリマーを示す。
【0044】
図5G〜5Iは、本発明のデンドリマーとルシフェリンとのコンジュゲートを示す。図5G〜5Iにおいて、Nは、上記に述べたのと同義である。図5Gにおいて、置換基Aは、水素又はアルキル基であってよい。図5G及び5Hにおいて、置換基Dは、H又はPO3H2であってよい。図5Iにおいて、置換基Bは、独立して、NA、O、S又はCH2(ここで、置換基Aは、H又はアルキル基であってよい)であってよい。
【0045】
図6A〜6Cは、本発明のデンドリマーとアクリジニウムエステルとのコンジュゲートを示す。図6A〜6Cにおいて、Nは、上記に述べたのと同義であり、Xは、ハロゲン化物又はトリフラートのような、対イオンである。図6Aにおいて、置換基Aは、H又はアルキル基であってよい。図6Cにおいて、置換基Bは、NA、NH、O、S又はCH2(ここで、置換基Aは、アルキル又はアリール基であってよい)であってよい。
【0046】
図6D〜6Iは、本発明のデンドリマーとアクリジニウムスルホニルアミドとのコンジュゲートを示す。図6D〜6Iにおいて、Nは、上記に述べたのと同義であり、Xは、ハロゲン化物又はトリフラートのような、対イオンである。図6D及び6Gにおいて、置換基Aは、H又はアルキル基であってよい。図6D、6E、6G及び6Hにおいて、置換基Rは、アルキル又はアリール基であってよい。図6F及び6Iにおいて、置換基Bは、NA、NH、O、S又はCH2(ここで、置換基Aは、アルキル又はアリール基であってよい)であってよい。
【0047】
本発明の実施態様によれば、図6Jは、複数のアクリジニウムエステル部分と結合したカルボン酸の表面基を有する、ポリアミドアミン(PAMAM)星形デンドリマーを示す。本発明の別の実施態様によれば、図6Kは、複数のアクリジニウムスルホンアミド部分と結合したカルボン酸の表面基を有する、ポリアミドアミン(PAMAM)星形デンドリマーを示す。本発明の別の実施態様によれば、図6Lは、複数のアクリジニウムエステル部分と結合したアミノ表面基を有する、ポリアミドアミン(PAMAM)星形デンドリマーを示す。本発明の別の実施態様によれば、図6Mは、複数のアクリジニウムスルホンアミド部分と結合したアミノ表面基を有する、ポリアミドアミン(PAMAM)星形デンドリマーを示す。本発明のさらなる実施態様によれば、図6Nは、複数のアクリジニウムエステル部分と結合したアミノ表面基を有する、ポリプロピレンイミン(PEI)星形デンドリマーを示す。本発明のさらなる実施態様によれば、図6Oは、複数のアクリジニウムスルホンアミド部分と結合したアミノ表面基を有する、ポリプロピレンイミン(PEI)星形デンドリマーを示す。
【0048】
図6P〜6Rは、本発明のデンドリマーとアクリダン部分のコンジュゲートを示す。図6P〜6Rにおいて、置換基Dは、PO3X2、グリコシド又はスルファート(ここで、Xは、ハロゲン化物又はアンモニウムのような対イオンである)であってよい。置換基Fは、NA、S又はO(ここで、Aは、H又はアルキル基であってよい)であってよい。置換基Zは、ハロ、アルコキシ又はアルキル基であってよい。Nは、正の整数である。本発明の好ましい実施態様によれば、Nは、1〜10の整数である。図6Rにおいて、置換基Bは、NA、O、S又はCH2(ここで、Aは、H又はアルキル基であってよい)であってよい。
【0049】
図7A〜7Cは、本発明の樹状ポリマーイソルミノールコンジュゲートの合成を示す。図7A〜7Cにおいて、デンドリマーに結合した化学発光基質の数を示す「N」は、正の整数であり、「n」は、0又は正の整数である。図7A及び7Bにおいて、「アクチベーター」は、混合無水物、NHSエステル、又はペプチド結合形成を促進するためにペプチド化学で使用されるその他の標準的な官能性であってよい。図7Aにおいて、「A」は、H又はアルキル基であってよい。図7Cにおいて、「B」は、NH又はOであってよく、「脱離基」は、ハロゲン又はメシラート、トシラート若しくはトリフラートのようなスルホン酸エステルであってよい。本発明の好ましい実施態様によれば、図7A〜7CにおけるNは、6〜768の整数である。
【0050】
図8A〜8Fは、いくつかの樹状ポリマーアクリジニウムコンジュゲートの合成を示す。図8A〜8Cは、本発明の樹状ポリマーアクリジニウムエステルコンジュゲートの合成を示し、図8D〜8Fは、本発明の樹状ポリマーアクリジニウムスルホニルアミドコンジュゲートの合成を示す。図8A〜8Fにおいて:Xは、ハロゲン化物又はトリフラートのような対イオンであり;デンドリマーに結合した化学発光基質の数を示す「N」は、正の整数であり;そして「n」は、0又は正の整数である。本発明の好ましい実施態様によれば、図8A〜8FにおけるNは、6〜768の整数である。
【0051】
図8A、8B、8D及び8Eにおいて、「アクチベーター」は、混合無水物、NHSエステル、又はペプチド結合形成を促進するためにペプチド化学で使用されるその他の標準的な官能性であってよい。図8A及び8Dにおいて、「A」は、H又はアルキル基であってよい。図8C及び8Fにおいて:「B」は、NH又はOであってよく;そして「脱離基」は、ハロゲン又はメシラート、トシラート若しくはトリフラートのようなスルホン酸エステルであってもよい。図8D〜8Fにおいて、置換基「R」は、アルキル又はアリール基であってよい。
【0052】
2つ以上の異なる化学発光基質をデンドリマー骨格に結合させることもまた望ましい。このように2つの酵素標識化学発光基質を有する樹状ポリマーの例は、図9A〜9Cに示されている。本発明の実施態様によれば、図9Aは、ジオキセタン及びイソルミノール部分と結合した、ポリアミドアミン(PAMAM)星形デンドリマーを示す。本発明のさらなる実施態様によれば、図9Bは、ジオキセタン及びアクリジウムエステル部分と結合した、ポリアミドアミン(PAMAM)星形デンドリマーを示す。本発明のさらなる実施態様によれば、図9Cは、ジオキセタン及びアクリジニウムスルホンアミド部分と結合した、ポリアミドアミン(PAMAM)星形デンドリマーを示す。
【0053】
図10は、ジオキセタン部分及び第四級アンモニウムエンハンサー部分に結合したアミノ表面基を有する、ポリアミドアミン(PAMAM)デンドリマーを示す。図10に示したように、第四級アンモニウムエンハンサー部分は、ペルブチル化(perbutylated)アンモニウム部分である。
【0054】
本発明のさらなる実施態様によれば、図11は、ジオキセタン部分及びエンハンサー部分の双方に結合したカルボン酸の表面基を有する、ポリアミドアミン(PAMAM)デンドリマーを示す。本発明のエンハンサー部分は:アミノ末端化高分子第四級アンモニウム、ホスホニウム又はスルホニウム塩;アミノ末端化第四級化Jeffamine類;アミノ末端化第四級化ポリエチレンイミン;又はアミノ末端化ポリ(2−、3−若しくは4−ビニルピリジニウム)塩であってもよい。
【0055】
「樹状ポリマー」は、規則的な樹状の分岐を示すポリマーであり、一連の又は世代ごとの分岐層を、核に又は核より付加することによって形成される。「樹状ポリマー」なる用語は、核、少なくとも1つの内部分岐層、及び表面分岐層によって特徴付けられる「デンドリマー」を包含する(Petar R. Dvornic and Donald A. Tomalia in Chem. in Britain, 641-645, August 1994を参照のこと)。「デンドロン」は、核である、又は核に結合することができる中心部から放射する分岐を有するデンドリマーの一種であって、直接的にか又は結合部分を介してかのいずれかで、デンドリマーを形成する。多くのデンドリマーは、共通の核に結合した2つ以上のデンドロンを含む。しかしながら、用語デンドリマーは、広く単一のデンドロンを含むことにも用いられる。
【0056】
樹状ポリマーは、対称及び非対称の分岐デンドリマー、カスケード分子、アルボロール等が含まれるが、これらに限定されず、最も好ましい樹状ポリマーは、高密度星形ポリマーである。本明細書に開示されているPAMAM高密度星形デンドリマーは、分岐部分が、同じ長さからなる、対称性のものである。分岐は、前述の世代分岐上の末端−NH2基の水素原子で起こる。
【0057】
規則的な一連の分岐層の付加によって形成されないとしても、高分岐ポリマー、例えば高分岐ポリオールは、分岐パターンがデンドリマーのそれにほほ等しい規則性の程度を示す場合、樹状ポリマーに相当するとしてもよい。
【0058】
サイズ及び形状制御領域を有するトポロジカルポリマーは、反応性末端基を介して(例としては、共有結合で架橋するか、又は後述のように他の結合を介して)互いに結合したデンドリマーであり、架橋型デンドリマー(bridged dendrimer)と呼ばれている。2つ以上の高密度星形デンドリマーが互いに結合している場合、それらは「凝集」又は「高密度星形凝集」と呼ばれている。
【0059】
従って、樹状ポリマーは、架橋型デンドリマー及びデンドリマー凝集を含む。樹状デンドリマーは、デンドリマーの世代的な単分散及び世代的な多分散溶液を包含する。単分散溶液中のデンドリマーは、均一のサイズ及び形状ゆえに、実質的に全て同一世代である。多分散溶液中のデンドリマーは、異なる世代のデンドリマーの分布を含む。
【0060】
樹状ポリマーはまた、表面修飾型デンドリマーも含む。例えば、PAMAMデンドリマーの表面を、アミノ酸(例えば、リシン又はアルギニン)の付加により修飾してもよい。
【0061】
数種の一般的な結合スキームは、化学発光基質プレカーサーを樹状ポリマーに結合させるのに用いられてもよい。第一の方法は、一級又は二級アミノ−結合化プレカーサー、例えばアルケン若しくはエノールエーテル(すなわち、ジオキセタン調製用)、ルミノール、イソルミノール又はアクリジニウムエステル若しくはアクリジニウムスルホニルアミドを、混合無水物若しくは活性化エステルとして活性化されているか、又はカルボジイミド、ホスホニウム若しくはアンモニウム塩のようなカップリング剤で活性化されているカルボキシラート末端化樹状ポリマーと反応させ、アミド結合を形成させることを含む。一方、アミノ末端化樹状ポリマーが、活性化エステル−結合化化学発光基質プレカーサーと反応し、アミド結合を形成することもできる。アミド結合形成反応のこれらのタイプは、ペプチド合成文献に詳細に報告されており、当業者によって容易に実施されうる。第二の方法は、化学発光基質プレカーサーのリンカー上の脱離基(例えば、ハロゲン化物又はスルホン酸エステル)の、樹状ポリマーのアミノ又はアルコキシ末端基による求核置換反応により、エーテル又はアミン結合を形成することを含む。同様に、同じタイプの結合を、樹状ポリマー表面の脱離基の、結合した化学発光基質プレカーサーを有するアミン−又はアルコキシド−末端化リンカーによる求核置換反応により、合成することができる。第三の方法は、染料化学の分野において公知であり、塩化シアヌルに対し1〜2個の樹状ポリマー表面基を、化学発光基質プレカーサー上のアミノ−、スルフヒドリル−、ヒドロキシル−又はフェノキシ−末端化リンカーにより置換された塩化シアヌル上の残余の1〜2個の反応性塩化物と結合させることを含む。第四の方法は、アビジン−若しくはストレプトアビジン−結合化化学発光基質プレカーサーを、ビオチン化デンドリマーに結合させるか、又は逆にビオチン化化学発光基質プレカーサーを、アビジン−若しくはストレプトアビジン−修飾型デンドリマーに結合させる。文献に記載されている標準的な結合方法を用いて結合した任意の公知のリンカーを、樹状ポリマーに化学発光基質プレカーサーを結合させるのに使用することができる:リンカーと上述の結合方法は、例示に過ぎない。当業者は、適切なカップリング剤及び条件を選択することができ、容易に調製することができる。
【0062】
樹状ポリマー及び化学発光基質プレカーサーを結合させた後、化学発光基質プレカーサーを修飾し、樹状ポリマー化学発光基質を形成することができる。例えば樹状ポリマージオキセタンの合成を完了するために、結合したプレカーサーエノールエーテルを対応するジオキセタンに光酸化し、酵素切断基の形成を完了するための任意の修飾、例えばリン酸トリエステルのリン酸モノエステルへの脱保護又はβ−ガラクトシドエーテルの脱アシル化が行われる。ジオキセタンの安定性及び/又は増強性を所望であれば、ジオキセタンに対する酸化処理前に、デンドリマー−エノールエーテルコンジュゲートを、アリールアルキル又はハロゲン化アルキルを用いて任意のアミノ部位でペルアルキル化してもよい。
【0063】
上記に述べた、樹状ポリマー化学発光基質コンジュゲートは、光強度及び/又は感度の改善、並びにシグナル分解能の改善を示す。これらの基質コンジュゲートは、特に酵素アッセイに使用するために調製される。ここで、樹状ポリマージオキセタンコンジュゲートの酵素不安定(例えば、X)置換基の加水分解酵素による除去(例えば、アルカリホスファターゼ、β−ガラクトシダーゼ又はβ−グルクロニダーゼによる)は、ジオキセタンの分解と化学発光を誘発する。一方、樹状ポリマールミノール、イソルミノール、アクリジニウムエステル、アクリジニウムスルホニルアミド又はルシフェリン基質コンジュゲートの酸化(例えば、ホースラディッシュペルオキシダーゼ、グルコース若しくはガラクト−スオキシダーゼ又はルシフェラーゼによる)は、ジオキセタノンの分解と化学発光を誘発する。酵素は、サンプル中の対象検体であってもよく、あるいはプローブ、抗原若しくは抗体に結合したリポーター分子であってよく、又は特異的結合対の他の構成の存在を検出するための、特異的結合対の任意の構成であってよい。一般に、免疫アッセイ及びアレイフォーマットを含む、現存する広範な様々なアッセイ及びアッセイの形態は、樹状ポリマー化学発光基質コンジュゲートの使用をすることができ、視覚的に検出可能な化学発光シグナルを用い、サンプル中の特定の物質の存在及び/又は濃度を示す。
【0064】
例えば、サンプル中の酵素を検出するために、サンプルを、検出されようとする酵素によって切断されうる基を有する樹状ポリマージオキセタンコンジュゲートと接触させることができる。酵素は、ジオキセタンの酵素切断基を切断し、ジオキセタンに結合した負に荷電した置換基(例えば、酸素アニオン)を形成する。この負に荷電した置換基は次いでジオキセタンを不安定化し、ジオキセタンを分解させ、光を放出する化学発光発色団を形成させる。この光の放出が、酵素の存在の兆しとして検出される。発光の強度を測定することによって、サンプル中の酵素の濃度を測定することができる。
【0065】
一方で、サンプルを、オキシダーゼ標識によって酸化されうる樹状ポリマールミノール、イソルミノール、アクリジニウムエステル、アクリジニウムスルホニルアミド又はルシフェリンコンジュゲートと接触させることができる。酵素は直接的にルミノール、イソルミノール、若しくはルシフェリンを酸化するか、又は非直接的にアクリジニウムエステル、若しくはアクリジニウムスルホニルアミドを酸化し、過酸化水素の生成を介して、発光分解する不安定な過酸化中間体となる。検出された発光は、酸化酵素の存在を示す。発光の強度を測定することによって、サンプル中の酵素の濃度を測定することもできる。
【0066】
水のようなプロトン性溶媒中で、過酸化化学発光基質が分解する場合、光消光反応が起こることが知られている。一般的にアッセイは、水性環境下に行われるため、光消光反応は、実質的に観察される化学発光強度を弱める。一般的にサイズにおいて巨大分子である、水溶性の天然及び合成物質が、水性及び混合(すなわち、水性及び非水性成分を有する)媒体中での化学発光化合物の分解によって生じる発光蛍光団の光強度を増やすことができることも知られている。これらの増強因子は化学発光基質の化学発光シグナルを、明らかに疎水性の環境を与えることによって改善する。水(体液又は生物学的物質の使用により、ほとんどのアッセイの不可避の側面である)は、天然の化学発光の「消光剤」である。増強分子は、明らかに励起状態のエミッタ−種が存在する微小環境から水を排除しており、結果として化学発光の増強をもたらす。エンハンサー−化学発光基質と関連するその他の効果もまた、化学発光の増強にも寄与することができる。本明細書で論じているように、水溶性の高分子第四級アンモニウム、ホスホニウム若しくはスルホニウム塩、並びにそれらのコポリマー及び/又は混合物、例えばポリ(ビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロリド)、ポリ(ビニルベンジルトリブチルアンモニウムクロリド)、及びポリ(ビニルベンジルジメチルベンジルアンモニウムクロリド)を含む増強剤は、米国特許第5,145,772号に詳細に記載されており、アッセイの感度を増加させるために使用されうる。
【0067】
米国特許第5,145,772号に記載されているように、特定の水溶性の天然及び合成物質、一般的には天然の巨大分子、例えば疎水性領域を含む水溶性の球状タンパク質:ウシ血清アルブミン(BSA)及びヒト血清アルブミン(HSA)のような哺乳類の血清アルブミン、あるいは水溶性の高分子第四級アンモニウム、ホスホニウム若しくはスルホニウム塩:ポリ(ビニルベンジルトリメチル−アンモニウムクロリド)(TMQ)又はポリ[ビニルベンジル(ベンジルジメチル−アンモニウムクロリド)](BDMQ)が、安定化を可能とし、それゆえ水性及び混合媒体中での化学発光化合物の分解によって生じる発光蛍光団の光強度を増やすことができる。このような化学発光化合物は、酵素処理により切断可能な1,2−ジオキセタンであり;このような化学発光化合物の、互いとの及び1つ以上の補助の発蛍光団(例えば、フルオレセイン)との混合物は、化学発光化合物の分解によって生じるエネルギー放出発蛍光団からのエネルギーを受け、次いで検出可能なエネルギーを放出する。有効量のエンハンサー物質の存在が、このように安定化された発蛍光団により、水性媒体中で放出される光の強度を、このようなエンハンサーの不存在下で同量の発蛍光団により放出される光の強度に比べて、有意に増加させる。
【0068】
従って、本発明の追加の実施態様は、エンハンサー分子を樹状ポリマーに結合させること、又は樹状ポリマーの残余の反応性表面基を、エンハンサー部位を包含するように修飾することを含む。樹状ポリマーが、(上述のように)化学発光基質プレカーサーと10〜90%の反応性部位で結合されていれば、残余の反応性部位を、増強剤と結合することができるか、又は増強性の表面基となるよう化学的に修飾することができる。あるいは、合成上の制約により必要ならば、化学発光基質プレカーサーを、エンハンサー巨大分子を結合した後又はいくつかの樹状反応性基を修飾後に、樹状ポリマーの反応性部位に結合させることができる。第一のアプローチによれば、例えば、哺乳類の血清アルブミン、ウシ血清アルブミン、ヒト血清アルブミン、プロテインA又は哺乳類のIgGのような天然由来の巨大分子を含む、エンハンサー分子を、ペプチド化学及び生物学的結合形成(bioconjugation;例えば、ストレプトアビジン−ビオチン親和性により2つの薬剤の結合)に分野において公知の方法により、樹状ポリマー表面基に結合させることができる。第二のアプローチによれば、エンハンサー分子は、各々樹状ポリマー表面基に結合させることができる、反応性末端基又は反応性リンカーを有する合成巨大分子物質を含む。反応性リンカー又は反応性末端基で修飾されている利用可能な合成増強物質は、適切には、ポリ(ビニルアリール第四級アンモニウム)塩、ポリ−N−ビニルオキサゾリジノン、ポリビニルカルバマート、ポリヒドロキシアクリラート及びポリヒドロキシメタクリラート、第四級化アミン−含有オリゴマー(例えば、Jeffamine類)、合成ポリペプチド(ポリリシン及びナイロンを含む)、ポリビニルアルキルエーテル、ポリアクリルアミド及びポリメタクリルアミド、ポリビニルアルコール、ポリ2−、3−若しくは4−ビニルピリジニウム塩、ポリビニルアルキルピロリジノン、ポリビニルアルキルオキサゾリドン、第四級化ポリエチレンイミン、ポリ−N−ビニルアミン、アルキル化若しくはアリール化ポリビニルピペリジン、ポリアクリロイル、ポリメタクリロイル若しくは4−ビニルベンゾイルアミンイミド、並びに同様の樹状又は高分岐類似体を含む。第三のアプローチによれば、樹状ポリマーの反応性の表面及び/又は内部基を、化学的に修飾し、エンハンサー部分を与える。化学発光の増大を可能とする樹状ポリマーの修飾の例は、末端及び/又は内部アミンのペルアルキル化、末端及び/又は内部アミドのアルキル化、及び末端活性エステルとアミノ−結合アンモニウム、ホスホニウム若しくはスルホニウム塩との反応を含む。第四のアプローチによれば、樹状ポリマーの化学発光基質を、リンカーを介して樹状ポリマーのエンハンサーに結合し、架橋型デンドリマー構造を形成する。
【0069】
加えて、水−可溶性基(数は、1個以上)、すなわち水溶液中のジオキセタンの溶解度を向上させる置換基は、カルボン酸若しくはエステル、アルキル−若しくはアリールオキシド、アルキル−、アリール−若しくはアラルキルアミド、アルキル−若しくはアリールウレタン、アルキル−若しくはアリールスルホンアミド、アルキル−若しくはアリールスルホン酸及び第四級アミノ塩を含み;最も好ましい可溶性置換基は、アルキル−若しくはアリールオキシド、アミド、及びスルホンアミドであり、これらを化学発光基質又はデンドリマーに付加し、一般的に性質において水性であるサンプル中の基質の溶解度を向上させることができる。選択された置換基が、水素であるか、又は電子活性であるかによって、その性質が、溶解度に加えて、分解反応の半減期(T1/2)、化学発光の収率、及びシグナル/ノイズの比(S/N)に影響を及ぼすかもしれない。ジオキセタン化学発光での適切な置換基及びその影響力は、フェノキシ置換ジオキセタンに関連して論じられ、米国特許第5,330,900号に開示かつクレームされており、その全内容は、本明細書に参照として組み込まれる。
【0070】
上述の樹状ポリマー化学発光基質を、許容可能な環境による、任意のリポーター分子に基づくアッセイに使用することができる。このようなアッセイの例は、抗体又は抗原を検出する免疫アッセイ、ウィルス(例えば、HTLV III若しくはサイトメガロウィルス)、又は細菌(例えば、E. Coli)、及び特定の細胞機能(例えば、受容体結合部位)等を検出する、例えば酵素アッセイ及び核酸アッセイを含む。
【0071】
抗体、抗原若しくは核酸のような物質を検出するために、ジオキセタンの酵素切断基を切断することができる酵素、あるいはルミノール、イソルミノール、アクリジニウムエステル、アクリジニウムスルホニルアミド又はルシフェリンを酸化することができる酵素は、好ましくは検出可能な物質に特異的親和性を有する物質(すなわち、検出可能な物質に特異的に結合する物質)、例えば、抗原、抗体、若しくは核酸プローブに結合させる。酵素の直接結合に加えて、リガンドを、検出可能な物質に特異的親和性を有する物質に結合することもできる。次いでリガンドは、ジオキセタンの酵素切断基を切断することができる酵素、あるいはルミノール、イソルミノール、アクリジニウムエステル、アクリジニウムスルホニルアミド又はルシフェリンを酸化することができる酵素で標識された高親和性リガンド結合剤を用いて検出される。カルボジイミドカップリングのような通常の方法は、酵素を特異的親和性物質に結合するのに用いられ;結合は、好ましくはアミド結合を介している。
【0072】
一般に、アッセイは以下のように行われる。ある例では、検出可能な物質の混入が疑われるサンプルを、検出可能な物質に特異的親和性を有する物質に結合した酵素を含む緩衝溶液と接触させる。得られた溶液を、インキュベートし、検出可能な物質を特異的親和性−酵素複合体の特異的親和性部分に結合させる。過剰の特異的親和性−酵素複合体を洗い流し、特異的親和性−酵素複合体の酵素標識により切断可能な基を有するか、又は特異的親和性−酵素複合体の酵素標識により酸化可能な基を有する樹状化学発光基質を加える。第二の例では、検出可能な物質の混入が疑われるサンプルを、検出可能な物質に特異的親和性を有する物質に結合したリガンドを含む緩衝溶液と接触させる。得られた溶液を、インキュベートし、検出可能な物質を特異的親和性−リガンド複合体に結合させる。過剰の特異的親和性−リガンド複合体を洗い流し、酵素標識したリガンド結合剤を加え、インキュベートし、酵素標識したリガンド結合剤をリガンドに結合させる。次いで過剰の酵素標識したリガンド結合剤を洗い流し、酵素標識したリガンド結合剤の酵素部分により切断可能な基を有する樹状化学発光基質を加える。双方の例において、酵素活性化過酸化中間体が分解し、冷光を放つ。冷光を、キュベット、又はカメラ式照度計における光感応性フィルム、又はCCD、又は光電セル若しくは光電子増倍管を用いて検出し、サンプル中の検出可能な物質の存在及び濃度を測定する。
【0073】
別のタイプのアッセイでは、生物学的サンプル中の検出可能な物質に特異的親和性を有する物質を、場所的に明確に定義されたパターンで固体支持体上に配置する。平面若しくは非平面、多孔性若しくは非多孔性、立体若しくはビーズ状の形で、ガラス、プラスチック、シリコン、ポリマーのような固体支持体が用いられる。生物学的サンプル中の検出可能な物質は、核酸又はタンパク質であってよい。検出可能な物質を含有する生物学的サンプルを、固相アレイに接触させ、検出可能な物質の結合に最適な条件下で、インキュベートする。ある場合には、検出可能な物質を、化学的又は酵素的な手段により検出可能なリガンドで前標識し、続いて酵素標識したリガンド結合剤で検出する。別の場合には、結合した非標識物質を、結合した検出可能な物質に親和性を有する第二の酵素−又はリガンド−標識した物質で生物学的サンプルから検出する。この標識した物質の結合は、アレイ上の検出可能な物質の捕捉前又は捕捉後であってもよい。検出が、リガンド標識した物質を含む場合、酵素標識したリガンド結合剤を用いた追加のインキュベーションを必要とする。適切な洗浄が、必要なインキュベーションの間に行われる。全ての場合における最終工程は、酵素標識した検出剤の酵素部分により切断可能な基を有するか、又は特異的な酵素標識した複合体の酵素部分により酸化可能な基を有する樹状化学発光基質の添加であろう。酵素活性化過酸化中間体が分解し、冷光を放つ。冷光を、電荷結合カメラ(CCD)、フィルム、又は他の光感応画像装置を用いて検出し、特定領域で測定される光強度を決定する。
【0074】
以下の例は、本発明をさらに説明するものであって、本発明の範囲に対する限定と解釈すべきものではない。
【実施例】
【0075】
活性化エステルデンドリマーの合成
カルボキシラート末端化デンドリマー(例えば、星形PAMAMデンドリマー、pH7に調節)100mg及びN−ヒドロキシスクシンイミド(1.0eq/カルボキシラート末端基)の無水1,2−ジメトキシメタン20ml溶液を、0℃で攪拌した。カップリング剤、例えばジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC、1.0eq/カルボン酸末端基)又は1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(EDCI、1.0eq/カルボン酸末端基)を0℃で加え、溶液を冷蔵庫に一晩貯蔵した。ウレア副生物をろ過により又は(EDCI副生物を)水洗により除去し、有機溶媒を蒸発させ、粗生成物をクロマトグラフィーにより精製した。
【0076】
図4A又は4Eに記載された一般構造を有する樹状ポリマーエノールエーテルコンジュゲートの合成
トリエチルアミン0.1mlを含む、活性化エステル末端化デンドリマー100mgのCH2Cl2 15mlの攪拌溶液に、1級又は2級アミンで末端化されたリンカーを有するエノールエーテル(1.01eqエノールエーテル/活性化エステル末端基;例えば、アクチベーター=N−ヒドロキシスクシンイミドエステル)を加えた。反応を室温で一晩攪拌し、CH2Cl2で希釈し75mlとし、水(3×30ml)及び飽和Na2CO3(3×30ml)で洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥させ、溶媒を除去し、図4A又は4Eに記載された樹状エノールエーテルコンジュゲートを得た。
【0077】
図4B又は4Fに記載された一般構造を有する樹状ポリマーエノールエーテルコンジュゲートの合成
トリエチルアミン0.1mlを含む、アミノ末端化デンドリマー(例えば、星形PAMAMデンドリマー又はポリプロピレンイミンテトラヘキサコンタアミン(polypropylenimine tetrahexacontaamine)デンドリマー)100mgのCH2Cl2 15mlの攪拌溶液に、活性化エステルで末端化されたリンカーを有するエノールエーテル(1.01eqエノールエーテル/NH2末端基;例えば、アクチベーター=N−ヒドロキシスクシンイミドエステル)を加えた。反応を室温で一晩攪拌し、CH2Cl2で希釈し75mlとし、水(3×30ml)及び飽和Na2CO3(3×30ml)で洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥させ、溶媒を除去し、図4B又は4Fに記載された樹状エノールエーテルコンジュゲートを得た。
【0078】
図4C又は4Dに記載された一般構造を有する樹状ポリマーエノールエーテルコンジュゲートの合成
合成スキーム1:
トリエチルアミン0.1mlを含む、アミノ末端化デンドリマー(例えば、星形PAMAMデンドリマー又はポリプロピレンイミンテトラヘキサコンタアミンデンドリマー)100mgのCH2Cl2 15mlの攪拌溶液に、ハロゲン化物(例えば、I若しくはBr)又はスルホン酸エステル(例えば、メシラート、トシラート、ブロシラート(brosylate))で末端化されたリンカーを有するエノールエーテルを加えた。反応を室温で一晩攪拌し、CH2Cl2で希釈し75mlとし、水(3×30ml)及び飽和Na2CO3(3×30ml)で洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥させ、溶媒を除去し、図4C又は4Dに記載された樹状エノールエーテルコンジュゲートを得た。
【0079】
合成スキーム2:
トリエチルアミン0.1mlを含む、ブロモ−又はメシラート−、トシラート−若しくはブロシラート−末端化デンドリマー(例えば、脱離基で修飾された、星形PAMAM−OH)100mgのCH2Cl2 15mlの攪拌溶液に、アミン又はヒドロキシル基で末端化されたリンカーを有するエノールエーテルを加えた。反応を室温で一晩攪拌し、CH2Cl2で希釈し75mlとし、水(3×30ml)及び飽和Na2CO3(3×30ml)で洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥させ、溶媒を除去し、図4C又は4Dに記載された樹状エノールエーテルコンジュゲートを得た。
【0080】
ジオキセタン−ポリアンモニウム及びジオキセタン−ポリビニルピペリジニウムデンドリマーの合成
カルボキシラート末端化デンドリマー(例えば、星形PAMAMデンドリマー、pH7に調節)100mg、アミノ末端化されたリンカーを有するエノールエーテル(0.5eq/カルボキシラート末端基)及びアミノ末端化されたポリマー(0.5eq/カルボキシラート末端基、例えば、ポリエチレンイミン、ポリ−N−ビニルアミン又はポリビニルピペリジン)の無水1,2−ジメトキシメタン20ml溶液を、0℃で攪拌した。カップリング剤、例えばジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC、1.0eq/カルボン酸末端基)又は1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(EDCI、1.0eq/カルボン酸末端基)を0℃で加え、溶液を冷蔵庫に一晩貯蔵した。ウレア副生物をろ過により又は(EDCIウレア副生物を)水洗により除去し、有機溶媒を蒸発させ、粗エノールエーテル−エンハンサーデンドリマーをクロマトグラフィーにより精製した。アミン部位をハロゲン化アルキル(例えば、ペルメチル化するためのヨードメタン又はペルブチル化するための臭化ブチル)との反応により、アンモニウム基にペルアルキル化し、エノールエーテルを下記に記載のようにジオキセタンに酸化し、樹状ジオキセタン−ポリアンモニウム又は樹状のジオキセタン−ポリビニルピペリジニウム基質の合成を完了した。
【0081】
ビオチン化星形デンドリマーの合成
トリス、ヘペス、リン酸、炭酸又はホウ酸緩衝液中の、アミノ末端化デンドリマー(例えば、星形PAMAMデンドリマー又は星形PEIデンドリマー、pH7に調節)の0.1mol溶液を、N−ヒドロキシスクシンイミドビオチン(0.1〜10mol)と周囲温度で12〜48時間反応させた。ビオチン化デンドリマーを、透析、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)又はイオン交換クロマトグラフィーにより精製した。
【0082】
アビジン−又はストレプトアビジン−結合型星形デンドリマー
DMF中の、アミノ末端化デンドリマー(例えば、星形PAMAMデンドリマー又は星形PEIデンドリマー、pH7に調節)の0.1mol溶液を、カップリング剤(例えば、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)又は1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(EDCI))の存在下にスクシニル−アビジン(Sigma)又はスクシニル−ストレプトアビジンと反応させた。反応を周囲温度で2〜24時間攪拌した。アビジン−結合型デンドリマーを、限外ろ過又はセファデックス(Sephadex)カラムクロマトグラフィーにより精製した。
【0083】
一方、カルボキシラート末端化PAMAMデンドリマー100mgの脱イオン水15mlの攪拌溶液に、アビジン又はストレプトアビジン及びカップリング剤1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(EDCI)を加えた。pH5付近に溶液を保ちながら、反応を室温で8〜24時間攪拌した。反応溶液を、限外ろ過するか、又はセファデックスカラムを通して溶出し、アビジン−又はストレプトアビジン−結合型デンドリマーを得た。
【0084】
イソルミノール−ウシ血清アルブミンデンドリマーの合成
アビジン−結合型デンドリマー100mgのpH7の水溶液を、ビオチン化アミノブチルエチルイソルミノール(ABEI)及びビオチン化ウシ血清アルブミン(BSA)(1:1のモル比で存在)の溶液に加え、周囲温度で1〜24時間攪拌した。溶液を限外ろ過し、未反応のビオチン化剤を除去し、樹状イソルミノール−BSA基質を得た。
【0085】
樹状ポリマージオキセタンコンジュゲートの合成
テトラフェニルポルフィン(TPP、CHCl35ml中、10mg)を含む、デンドリマー−エノールエーテルコンジュゲート(250mg)の10%MeOH/CHCl3(50ml)溶液を、5分間、パスツールピペットを介して酸素を散布しながら、氷浴中で冷却した。溶液を400ワットのナトリウム蒸気ランプで照射している間中、酸素の流入を続け、3.0ml厚のデュポンカプトンフィルム(DuPont Kapton film)でろ過した。光酸化が完了した後、反応から溶媒を除去し、水に溶解させ、1インチのPLRP−Sカラム(Polymer Laboratories)で、アセトニトリル/水のグラジエントを用いて分取クロマトグラフに付した。生成物ピークを、前後で削り取り、中央のカットのみを回収した。溶離液を凍結乾燥し、白色固体として樹状ジオキセタン生成物を得た。
【0086】
樹状イソルミノールコンジュゲートの合成
トリエチルアミン0.1mlを含む、ブロモ−又はメシラート−、トシラート−若しくはブロシラート−末端化デンドリマー(例えば、脱離基で修飾された、PAMAM−OH)100mgのCH2Cl2 15mlの攪拌溶液に、N−(4−アミノブチル)−N−エチルイソルミノール(ABEI)を加えた。反応を室温で一晩攪拌し、CH2Cl2で希釈し75mlとし、水(3×30ml)及び飽和Na2CO3(3×30ml)で洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥させ、溶媒を除去し、樹状イソルミノールコンジュゲートを得た。
【0087】
樹状イソルミノールコンジュゲートの合成
トリエチルアミン0.1mlを含む、活性化エステル−末端化デンドリマー(例えば、PAMAM−CONHS)100mgのCH2Cl2 15mlの攪拌溶液に、N−(4−アミノブチル)−N−エチルイソルミノール(ABEI、1.01eqイソルミノール/活性化エステル末端基)を加えた。反応を室温で一晩攪拌し、CH2Cl2で希釈し75mlとし、水(3×30ml)及び飽和Na2CO3(3×30ml)で洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥させ、溶媒を除去し、樹状イソルミノールコンジュゲートを得た。
【0088】
樹状アクリジニウムエステルコンジュゲートの合成
アミノ末端化デンドリマー(例えば、PAMAM−NH2又はPEI星形デンドリマー)100mg、及び活性化カルボキシラート末端化リンカーを有するアクリジニウムエステル1mol当量の無水1,2−ジメトキシメタン20ml溶液を、0℃で攪拌した。カップリング剤、例えば、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC、1.0eq/カルボン酸末端基)又は1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(EDCI、1.0eq/カルボン酸末端基)を0℃で加え、溶液を冷蔵庫に一晩貯蔵した。ウレア副生物をろ過により又は(EDCIウレア副生物を)水洗により除去し、有機溶媒を蒸発させ、粗樹状アクリジニウムエステルをクロマトグラフィーにより精製した。
【0089】
樹状アクリジニウムスルホニルアミドコンジュゲートの合成
アミノ末端化デンドリマー(例えば、PAMAM−NH2又はPEI星形デンドリマー)100mg、及び活性化カルボキシラート末端化リンカーを有するアクリジニウムスルホニルアミド1mol当量の無水1,2−ジメトキシメタン20ml溶液を、0℃で攪拌した。カップリング剤、例えば、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC、1.0eq/カルボン酸末端基)又は1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(EDCI、1.0eq/カルボン酸末端基)を0℃で加え、溶液を冷蔵庫に一晩貯蔵した。ウレア副生物をろ過により又は(EDCIウレア副生物を)水洗により除去し、有機溶媒を蒸発させ、粗樹状アクリジニウムスルホニルアミドをクロマトグラフィーにより精製した。
【0090】
脱リン酸化ジオキセタンの化学発光半減期の測定
樹状ポリマージオキセタンコンジュゲート(0.004mM)の1mlのアリコートを、0.1Mジエタノールアミン、1mM MgCl2、pH10中で、30℃に平衡させた。アルカリホスファターゼを(1.05×10−9Mの最終濃度で)試験管に加え、化学発光シグナルキネティクスを、ターナー(Turner)TD−20E照度計で、10〜20分間測定した。半減期は、log RLU対時間のプロットから計算された。化学発光半減期はまたSapphire-II(商標)エンハンサー(0.1Mジエタノールアミン、1mM MgCl2、10%ポリビニルベンジルトリブチルアンモニウムクロリド qt 1mg/ml)の存在下でも測定された。
【0091】
脱リン酸化ジオキセタンの最大光強度の測定
樹状ポリマージオキセタンコンジュゲート(0.004mM)の0.5mlのアリコートを、0.1Mジエタノールアミン、1mM MgCl2、pH10中で、30℃に平衡させた。アルカリホスファターゼを(1.05×10−9Mの最終濃度で)試験管に加え、化学発光シグナルを、ターナー(Turner)TD−20E照度計で、10〜20分間測定した。最大光強度を記録した。最大光強度をまた、Sapphire-II(商標)エンハンサー(0.1Mジエタノールアミン、1mM MgCl2、10%ポリビニルベンジルトリブチルアンモニウムクロリド qt 1mg/ml)の存在下でも測定した。
【0092】
本発明の樹状ポリマージオキセタンコンジュゲートを、以下のようにTSHアッセイに用いてもよい。
【0093】
原料
マウスモノクローナル抗TSH抗体を、検体捕獲用1/8インチビーズをコートするのに用いた。マウスモノクローナル抗TSH抗体を、アルカリホスファターゼと結合させ、検出抗体として用いた。TSHは、Calbiochem(カタログNo. 609396)から得られ、BSA(タイプV−脂肪酸フリー)は、Sigma(カタログNo. A6003)から得られた。検体及びコンジュゲートに使用した緩衝溶液は、0.1Mトリス−HCl、1mM MgCl2、及び2重量%のBSA(pH7.5)を含有した。基質緩衝溶液は、0.1Mトリス、0.1mM MgCl2、0.1重量%のBSA(pH9.5)、及び化学発光化合物として樹状ポリマージオキセタンコンジュゲート(50μg/ml)を含有することができた。
【0094】
プロトコール
TSHを含有する検体溶液15μlを、コンジュゲート抗体溶液135μlと混合した。上述のようにコートされた2つの1/8インチビーズを、溶液に加え、23℃で2時間インキュベートした。次いで、ビーズを0.1Mトリス(pH7.5)で4回洗浄し、反応チューブに移した。上述の基質緩衝溶液に用いられた同じ化学発光化合物200μlをチューブに加えた。20分間のインキュベート後、Berthold Clinilumat Luminescence Analyzerを用いて10秒カウントとして発光を記録した。
【0095】
加えて、本発明の樹状ポリマージオキセタンコンジュゲートを、ヒトIgG、hCG、血清アルカリホスファターゼ、αフェトプロテイン、TSH、又は評価される任意の物質に関するアッセイに、米国特許第4,978,614号に開示されたプロトコールに従って、用いてもよく、その全内容は、本明細書に参照として組み込まれる。
【0096】
本発明の樹状ポリマージオキセタンコンジュゲートを、以下のような核酸ハイブリッド形成アッセイに用いてもよい。
【0097】
サイトメガロウィルスの混入が疑われる脳脊髄液(CSF)のサンプルを集め、ニトロセルロース膜上に配置した。次いでサンプルを、ウレア又はグアニジニウムイソチオシアナートで化学的に処理し細胞壁を破壊し、ウィルスDNAを除いた全ての細胞成分を分解した。このように得られたウィルスDNAのストランドを分離し、ニトロセルロースフィルターに接着させた。次いでウィルスDNAに特異的でかつアルカリホスファターゼで標識されたDNAプローブをフィルターに適用した。プローブは、相補的ウィルスDNAストランドとハイブリッド形成した。ハイブリッド形成後、フィルターを0.2M NaCl及び0.1mMトリス−HCl(pH8.10)を含有する水性緩衝溶液で洗浄し、過剰のプローブ分子を除去した。ホスファート含有樹状ポリマージオキセタンコンジュゲートを加え、ジオキセタンの酵素分解により得られた冷光を、照度計で測定するか、又は写真フィルムで検出した。
【0098】
本発明の樹状ポリマージオキセタンコンジュゲートを、米国特許第4,978,614号に開示された任意のDNAプローブアッセイに用いてもよく、その全内容は、本明細書に参照として組み込まれる。
【0099】
本発明の上記の議論は、主として好ましい実施態様及びその手段に関する。本明細書に記載されたコンセプトの現実の実施における、さらなる変更及び修飾は、本発明の意図及び範囲から逸脱することなく容易になされうることは、当業者には容易に明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0100】
【図1A】図1A〜1Dは、いくつかの市販のデンドリマーの構造を示すが、ここで:図1Aは、NH2の表面基を有するポリアミドアミン(PAMAM)デンドリマーを示す。
【図1B】図1A〜1Dは、いくつかの市販のデンドリマーの構造を示すが、ここで:図1Bは、カルボン酸の表面基を有するポリアミドアミン(PAMAM)デンドリマーを示す。
【図1C】図1A〜1Dは、いくつかの市販のデンドリマーの構造を示すが、ここで:図1Cは、ヒドロキシルの表面基を有するポリアミドアミン(PAMAM)デンドリマーを示す。
【図1D】図1A〜1Dは、いくつかの市販のデンドリマーの構造を示すが、ここで:図1Dは、NH2の表面基を有するポリプロピレンイミン(PEI)デンドリマーを示す。
【図2A】図2Aは、本発明のプレカーサーを結合させたジオキセタンを示す。
【図2B】図2Bは、本発明のプレカーサーを結合させたジオキセタンを示す。
【図2C】図2Cは、本発明のプレカーサーを結合させたジオキセタンを示す。
【図2D】図2Dは、本発明のプレカーサーを結合させたジオキセタンを示す。
【図2E】図2Eは、本発明のプレカーサーを結合させたジオキセタンを示す。
【図2F】図2Fは、本発明のプレカーサーを結合させたジオキセタンを示す。
【図2G】図2Gは、本発明のプレカーサーを結合させたジオキセタンを示す。
【図2H】図2Hは、本発明のプレカーサーを結合させたジオキセタンを示す。
【図2I】図2Iは、本発明のプレカーサーを結合させたジオキセタンを示す。
【図2J】図2Jは、本発明のプレカーサーを結合させたジオキセタンを示す。
【図2K】図2Kは、本発明のプレカーサーを結合させたジオキセタンを示す。
【図2L】図2Lは、本発明のプレカーサーを結合させたジオキセタンを示す。
【図3A】図3Aは、本発明の樹状ポリマージオキセタンコンジュゲートを示す。
【図3B】図3Bは、本発明の樹状ポリマージオキセタンコンジュゲートを示す。
【図3C】図3Cは、本発明の樹状ポリマージオキセタンコンジュゲートを示す。
【図3D】図3Dは、本発明の樹状ポリマージオキセタンコンジュゲートを示す。
【図3E】図3Eは、本発明の樹状ポリマージオキセタンコンジュゲートを示す。
【図3F】図3Fは、本発明の樹状ポリマージオキセタンコンジュゲートを示す。
【図3G】図3Gは、本発明の樹状ポリマージオキセタンコンジュゲートを示す。
【図3H】図3Hは、本発明の樹状ポリマージオキセタンコンジュゲートを示す。
【図3I】図3Iは、本発明の樹状ポリマージオキセタンコンジュゲートを示す。
【図3J】図3Jは、本発明の樹状ポリマージオキセタンコンジュゲートを示す。
【図3K】図3Kは、本発明の樹状ポリマージオキセタンコンジュゲートを示す。
【図3L】図3Lは、本発明の樹状ポリマージオキセタンコンジュゲートを示す。
【図3M】図3Mは、本発明の樹状ポリマージオキセタンコンジュゲートを示す。
【図3N】図3Nは、本発明の樹状ポリマージオキセタンコンジュゲートを示す。
【図3O】図3Oは、本発明の樹状ポリマージオキセタンコンジュゲートを示す。
【図4A】図4A〜4Fは、図3A〜3Lに示した樹状ポリマーコンジュゲートに関する合成スキームを示すが、ここで図4Aは、図3Aおよび図3Gに対応する。
【図4B】図4A〜4Fは、図3A〜3Lに示した樹状ポリマーコンジュゲートに関する合成スキームを示すが、ここで図4Bは、図3Bおよび図3Hに対応する。
【図4C】図4A〜4Fは、図3A〜3Lに示した樹状ポリマーコンジュゲートに関する合成スキームを示すが、ここで図4Cは、図3Cおよび図3Iに対応する。
【図4D】図4A〜4Fは、図3A〜3Lに示した樹状ポリマーコンジュゲートに関する合成スキームを示すが、ここで図4Dは、図3Dおよび図3Jに対応する。
【図4E】図4A〜4Fは、図3A〜3Lに示した樹状ポリマーコンジュゲートに関する合成スキームを示すが、ここで図4Eは、図3Eおよび図3Kに対応する。
【図4F】図4A〜4Fは、図3A〜3Lに示した樹状ポリマーコンジュゲートに関する合成スキームを示すが、ここで図4Fは、図3Fおよび図3Lに対応する。
【図5A】図5Aは、本発明の樹状ポリマーイソルミノールコンジュゲートを示す。
【図5B】図5Bは、本発明の樹状ポリマーイソルミノールコンジュゲートを示す。
【図5C】図5Cは、本発明の樹状ポリマーイソルミノールコンジュゲートを示す。
【図5D】図5Dは、本発明の複数のイソルミノール部分と結合したカルボン酸の表面基を有する、ポリアミドアミン(PAMAM)星形デンドリマーを示す。
【図5E】図5Eは、本発明の複数のイソルミノール部分と結合したアミノ表面基を有する、ポリアミドアミン(PAMAM)星形デンドリマーを示す。
【図5F】図5Fは、本発明の複数のイソルミノール部分と結合したアミノ表面基を有する、ポリプロピレンイミン(PEI)星形デンドリマーを示す。
【図5G】図5Gは、本発明のデンドリマーとルシフェリンとのコンジュゲートを示す。
【図5H】図5Hは、本発明のデンドリマーとルシフェリンとのコンジュゲートを示す。
【図5I】図5Iは、本発明のデンドリマーとルシフェリンとのコンジュゲートを示す。
【図6A】図6Aは、本発明のデンドリマーとアクリジニウムエステルとのコンジュゲートを示す。
【図6B】図6Bは、本発明のデンドリマーとアクリジニウムエステルとのコンジュゲートを示す。
【図6C】図6Cは、本発明のデンドリマーとアクリジニウムエステルとのコンジュゲートを示す。
【図6D】図6Dは、本発明のデンドリマーとアクリジニウムスルホニルアミドとのコンジュゲートを示す。
【図6E】図6Eは、本発明のデンドリマーとアクリジニウムスルホニルアミドとのコンジュゲートを示す。
【図6F】図6Fは、本発明のデンドリマーとアクリジニウムスルホニルアミドとのコンジュゲートを示す。
【図6G】図6Gは、本発明のデンドリマーとアクリジニウムスルホニルアミドとのコンジュゲートを示す。
【図6H】図6Hは、本発明のデンドリマーとアクリジニウムスルホニルアミドとのコンジュゲートを示す。
【図6I】図6Iは、本発明のデンドリマーとアクリジニウムスルホニルアミドとのコンジュゲートを示す。
【図6J】図6Jは、本発明の複数のアクリジニウムエステル部分と結合したカルボン酸の表面基を有する、ポリアミドアミン(PAMAM)星形デンドリマーを示す。
【図6K】図6Kは、本発明の複数のアクリジニウムスルホンアミド部分と結合したカルボン酸の表面基を有する、ポリアミドアミン(PAMAM)星形デンドリマーを示す。
【図6L】図6Lは、本発明の複数のアクリジニウムエステル部分と結合したアミノ表面基を有する、ポリアミドアミン(PAMAM)星形デンドリマーを示す。
【図6M】図6Mは、本発明の複数のアクリジニウムスルホンアミド部分と結合したアミノ表面基を有する、ポリアミドアミン(PAMAM)星形デンドリマーを示す。
【図6N】図6Nは、本発明の複数のアクリジニウムエステル部分と結合したアミノ表面基を有する、ポリプロピレンイミン(PEI)星形デンドリマーを示す。
【図6O】図6Oは、本発明の複数のアクリジニウムスルホンアミド部分と結合したアミノ表面基を有する、ポリプロピレンイミン(PEI)星形デンドリマーを示す。
【図6P】図6Pは、本発明のデンドリマーとアクリダン部分のコンジュゲートを示す。
【図6Q】図6Qは、本発明のデンドリマーとアクリダン部分のコンジュゲートを示す。
【図6R】図6Rは、本発明のデンドリマーとアクリダン部分のコンジュゲートを示す。
【図7A】図7Aは、本発明の樹状ポリマーイソルミノールコンジュゲートの合成を示す。
【図7B】図7Bは、本発明の樹状ポリマーイソルミノールコンジュゲートの合成を示す。
【図7C】図7Cは、本発明の樹状ポリマーイソルミノールコンジュゲートの合成を示す。
【図8A】図8Aは、本発明の樹状ポリマーアクリジニウムエステルコンジュゲートの合成を示す。
【図8B】図8Bは、本発明の樹状ポリマーアクリジニウムエステルコンジュゲートの合成を示す。
【図8C】図8Cは、本発明の樹状ポリマーアクリジニウムエステルコンジュゲートの合成を示す。
【図8D】図8Dは、本発明の樹状ポリマーアクリジニウムスルホニルアミドコンジュゲートの合成を示す。
【図8E】図8Eは、本発明の樹状ポリマーアクリジニウムスルホニルアミドコンジュゲートの合成を示す。
【図8F】図8Fは、本発明の樹状ポリマーアクリジニウムスルホニルアミドコンジュゲートの合成を示す。
【図9A】図9Aは、本発明のジオキセタン及びイソルミノール部分と結合した、ポリアミドアミン(PAMAM)星形デンドリマーを示す。
【図9B】図9Bは、本発明のジオキセタン及びアクリジウムエステル部分と結合した、ポリアミドアミン(PAMAM)星形デンドリマーを示す。
【図9C】図9Cは、本発明のジオキセタン及びアクリジニウムスルホンアミド部分と結合した、ポリアミドアミン(PAMAM)星形デンドリマーを示す。
【図10】図10は、本発明の結合したジオキセタン及び第四級アミンエンハンサーを示す。
【図11】図11は、本発明の樹状ジオキセタンエンハンサーハイブリッドを示す。
Claims (52)
- デンドリマー;及び
デンドリマーに結合した、少なくとも1つの、酵素活性化される化学発光基質
を含む、化学発光基質送達システム。 - 化学発光基質が、ジオキセタン部分、ルミノール部分、イソルミノール部分、アクリジニウムエステル部分、アクリジニウムスルホニルアミド部分、ルシフェリン部分及びそれらの組み合わせからなる群より選択される部分を含む、請求項1記載の化学発光基質送達システム。
- 複数の、酵素活性化される化学発光基質が、デンドリマーに結合している、請求項1記載の化学発光基質送達システム。
- 異なる少なくとも2つの、酵素活性化される化学発光基質が、デンドリマーに結合している、請求項3記載の化学発光基質送達システム。
- 基質送達システムが、以下の工程:
酵素活性化される化学発光部分を含む1つ以上の分子を、デンドリマーに共有結合で結合させる工程;又は
酵素活性化される化学発光部分のプレカーサーを含む1つ以上の分子を、デンドリマーに共有結合で結合させ、その後化学発光部分のプレカーサーを、化学発光部分に変換させる工程
を含む方法によって製造される、請求項1記載の化学発光基質送達システム。 - デンドリマーが、アミノ表面基を有するポリアミドアミンデンドリマー、カルボン酸表面基を有するポリアミドアミンデンドリマー、ヒドロキシル表面基を有するポリアミドアミンデンドリマー、及びアミノ表面基を有するポリプロピレンイミンデンドリマーからなる群より選択される、請求項5記載の化学発光基質送達システム。
- 化学発光基質が、
3−(2′−スピロアダマンタン)−4−メトキシ−4−(3″−ホスホリルオキシ)フェニル−1,2−ジオキセタン;
2ナトリウム 3−(4−メトキシスピロ[1,2−ジオキセタン−3,2′−(5′−クロロ)トリシクロ[3.3.1.13.7]デカン]−4−イル)フェニルホスファートジオキセタン;及び
2ナトリウム 2−クロロ−5−(4−メトキシスピロ[1,2−ジオキセタン−3,2′−(5′−クロロ)トリシクロ[3.3.1.13.7]デカン]−4−イル)フェニルホスファート
からなる群より選択されるジオキセタン部分を含む、請求項1記載の化学発光基質送達システム。 - 化学発光基質が、ジオキセタン部分を含み、かつ基質送達システムが、式:
「リンカー」は、リンカー部分を表し;
「デンドリマー」は、デンドリマーの表面官能基と、リンカー部分の官能基との反応から得られるデンドリマー部分を表し;
Nは、デンドリマー部分に結合した化学発光基質の数を示す正の整数であり;
Yは、H、ヒドロキシル基、ハロゲン、非置換アルキル基、ヒドロキシ置換アルキル基、ハロゲン置換アルキル基、フェニル基、ハロゲン化フェニル基、アルコキシ置換フェニル基、アルコキシフェノキシ基、ヒドロキシアルコキシ基、シアノ基、アミド基、アルコキシ基又はカルボキシル基であり;
Rは、C1〜C12アルキル、モノ−、ジ−若しくはトリ−ハロアルキル、アリール又はアラルキルであり;
Xは、ホスファート、ガラクトシド、アセタート、1−ホスホノ−2,3−ジアシルグリセリド、1−チオ−D−グルコシド、アデノシントリホスファート、アデノシンジホスファート、アデノシンモノホスファート、アデノシン、α−D−グルコシド、β−D−グルコシド、β−D−グルクロニド、β−D−マンノシド、β−D−マンノシド、β−D−フルクトフラノシド、β−グルコシドウロナート、5−アセトアミド−3,5−ジデオキシ−α−D−グリセロ−D−ガラクト−2−ノヌロピラノシド、5−アセトアミド−3,5−ジデオキシ−α−D−グリセロ−D−ガラクト−2−ノヌロピラノシドのアルコキシ誘導体、p−トルエンスルホニル−L−アルギニンエステル、及びp−トルエンスルホニル−L−アルギニンアミドからなる群より選択される、酵素不安定基であり;そして
Zは、ハロ、アルコキシ又はアルキル基である)
で表される、請求項1記載の化学発光基質送達システム。 - 化学発光基質が、ジオキセタン部分を含み、かつ送達システムが、式:
「リンカー」は、リンカー部分を表し;
「デンドリマー」は、デンドリマーの表面官能基と、リンカー部分の官能基との反応から得られるデンドリマー部分を表し;
Nは、デンドリマー部分に結合した化学発光基質の数を示す正の整数であり;
Yは、H、ヒドロキシル基、ハロゲン、非置換アルキル基、ヒドロキシ置換アルキル基、ハロゲン置換アルキル基、フェニル基、ハロゲン化フェニル基、アルコキシ置換フェニル基、アルコキシフェノキシ基、ヒドロキシアルコキシ基、シアノ基、アミド基、アルコキシ基又はカルボキシル基であり;
Rは、C1〜C12アルキル、モノ−、ジ−若しくはトリ−ハロアルキル、アリール又はアラルキル基であり;
Xは、ホスファート、ガラクトシド、アセタート、1−ホスホノ−2,3−ジアシルグリセリド、1−チオ−D−グルコシド、アデノシントリホスファート、アデノシンジホスファート、アデノシンモノホスファート、アデノシン、α−D−グルコシド、β−D−グルコシド、β−D−グルクロニド、β−D−マンノシド、β−D−マンノシド、β−D−フルクトフラノシド、β−グルコシドウロナート、5−アセトアミド−3,5−ジデオキシ−α−D−グリセロ−D−ガラクト−2−ノヌロピラノシド、5−アセトアミド−3,5−ジデオキシ−α−D−グリセロ−D−ガラクト−2−ノヌロピラノシドのアルコキシ誘導体、p−トルエンスルホニル−L−アルギニンエステル、及びp−トルエンスルホニル−L−アルギニンアミドからなる群より選択される、酵素不安定基であり;そして
Tは、H、電子供与性基、電子吸引性基、又は補助的な発蛍光団若しくは生物学的な部分に結合していてもよい有機リンカー基である)
で表される、請求項1記載の化学発光基質送達システム。 - 化学発光基質が、ジオキセタン部分を含み、かつ送達システムが、式:
「リンカー」は、リンカー部分を表し;
「デンドリマー」は、デンドリマーの末端官能基と、リンカー部分の官能基との反応から得られるデンドリマー部分を表し;
Nは、デンドリマー部分に結合した化学発光基質の数を示す正の整数であり;
Yは、H、ヒドロキシル基、ハロゲン、非置換アルキル基、ヒドロキシ置換アルキル基、ハロゲン置換アルキル基、フェニル基、ハロゲン化フェニル基、アルコキシ置換フェニル基、アルコキシフェノキシ基、ヒドロキシアルコキシ基、シアノ基、アミド基、アルコキシ基又はカルボキシル基であり;
Rは、C1〜C12アルキル、モノ−、ジ−若しくはトリ−ハロアルキル、アリール又はアラルキル基であり;そして
Xは、ホスファート、ガラクトシド、アセタート、1−ホスホノ−2,3−ジアシルグリセリド、1−チオ−D−グルコシド、アデノシントリホスファート、アデノシンジホスファート、アデノシンモノホスファート、アデノシン、α−D−グルコシド、β−D−グルコシド、β−D−グルクロニド、β−D−マンノシド、β−D−マンノシド、β−D−フルクトフラノシド、β−グルコシドウロナート、5−アセトアミド−3,5−ジデオキシ−α−D−グリセロ−D−ガラクト−2−ノヌロピラノシド、5−アセトアミド−3,5−ジデオキシ−α−D−グリセロ−D−ガラクト−2−ノヌロピラノシドのアルコキシ誘導体、p−トルエンスルホニル−L−アルギニンエステル、及びp−トルエンスルホニル−L−アルギニンアミドからなる群より選択される、酵素不安定基である)
で表される、請求項1記載の化学発光基質送達システム。 - 化学発光基質が、ジオキセタン部分を含み、かつ送達システムが、式:
「リンカー」は、リンカー部分を表し;
「デンドリマー」は、デンドリマーの末端官能基と、リンカー部分の官能基との反応から得られるデンドリマー部分を表し;
Nは、デンドリマー部分に結合した化学発光基質の数を示す正の整数であり;
Yは、H、ヒドロキシル基、ハロゲン、非置換アルキル基、ヒドロキシ置換アルキル基、ハロゲン置換アルキル基、フェニル基、ハロゲン化フェニル基、アルコキシ置換フェニル基、アルコキシフェノキシ基、ヒドロキシアルコキシ基、シアノ基、アミド基、アルコキシ基又はカルボキシル基であり;
Rは、C1〜C12アルキル、モノ−、ジ−若しくはトリ−ハロアルキル、アリール又はアラルキル基であり;そして
Xは、ホスファート、ガラクトシド、アセタート、1−ホスホノ−2,3−ジアシルグリセリド、1−チオ−D−グルコシド、アデノシントリホスファート、アデノシンジホスファート、アデノシンモノホスファート、アデノシン、α−D−グルコシド、β−D−グルコシド、β−D−グルクロニド、β−D−マンノシド、β−D−マンノシド、β−D−フルクトフラノシド、β−グルコシドウロナート、5−アセトアミド−3,5−ジデオキシ−α−D−グリセロ−D−ガラクト−2−ノヌロピラノシド、5−アセトアミド−3,5−ジデオキシ−α−D−グリセロ−D−ガラクト−2−ノヌロピラノシドのアルコキシ誘導体、p−トルエンスルホニル−L−アルギニンエステル、及びp−トルエンスルホニル−L−アルギニンアミドからなる群より選択される、酵素不安定基である)
で表される、請求項1記載の化学発光基質送達システム。 - 化学発光基質が、ルシフェリン部分を含み、かつ送達システムが、式:
「リンカー」は、リンカー部分を表し;
「デンドリマー」は、デンドリマーの表面官能基と、リンカー部分の官能基との反応から得られるデンドリマー部分を表し;
Nは、デンドリマー部分に結合した化学発光基質の数を示す正の整数であり;そして
Dは、水素、又はホスファート、ガラクトシド、アセタート、1−ホスホノ−2,3−ジアシルグリセリド、1−チオ−D−グルコシド、アデノシントリホスファート、アデノシンジホスファート、アデノシンモノホスファート、アデノシン、α−D−グルコシド、β−D−グルコシド、β−D−グルクロニド、β−D−マンノシド、β−D−マンノシド、β−D−フルクトフラノシド、β−グルコシドウロナート、5−アセトアミド−3,5−ジデオキシ−α−D−グリセロ−D−ガラクト−2−ノヌロピラノシド、5−アセトアミド−3,5−ジデオキシ−α−D−グリセロ−D−ガラクト−2−ノヌロピラノシドのアルコキシ誘導体、p−トルエンスルホニル−L−アルギニンエステル、p−トルエンスルホニル−L−アルギニンアミド、及びPO3H2基からなる群より選択される、酵素不安定基である)
で表される、請求項1記載の化学発光基質送達システム。 - デンドリマーが、1つ以上の追加のデンドリマーと共有結合又はイオン結合で結合している、請求項1記載の化学発光基質送達システム。
- 基質送達システムが、化学発光エンハンサー部分をさらに含む、請求項1記載の化学発光基質送達システム。
- エンハンサー部分が、化学発光増強分子をデンドリマーの反応性部位に結合させることにより形成されるか、又はデンドリマーの反応性部位を増強部分に化学的修飾させることにより形成される、請求項27記載の化学発光基質送達システム。
- エンハンサー部分が、デンドリマーのアミノ基のペルアルキル化により、デンドリマーのアミノ基のペルアルキルカルボニル化によリ、又はデンドリマーのアミド基のアルキル化により形成される、請求項28記載の化学発光基質送達システム。
- エンハンサー部分を、デンドリマーのカルボキシラート基と、アミノ結合アンモニウム、ホスホニウム又はスルホニウム塩との反応により形成する、請求項28記載の化学発光基質送達システム。
- 第二のデンドリマーをさらに含む、請求項1記載の化学発光基質送達システムであって、第二のデンドリマーが、化学発光エンハンサー部分を含み、かつ第二のデンドリマーが、少なくとも1つの酵素活性な化学発光基質部分に結合したデンドリマーと共有結合又はイオン結合で結合している、送達システム。
- 化学発光基質及び/又はデンドリマーが、1つ以上の水可溶性基を含む、請求項1記載の化学発光性送達システム。
- 1つ以上の水可溶性基が、カルボン酸、エステル、アルキル−オキシド、アリール−オキシド、アルキル−アミド、アリール−アミド、アラルキル−アミド、アルキル−ウレタン、アリール−ウレタン、アルキル−スルホンアミド、アリール−スルホンアミド、アルキル−スルホン酸、アリール−スルホン酸、第四級アンモニウム塩、及びそれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項32記載の化学発光基質送達システム。
- サンプル中の検体の存在又は濃度を測定するためのアッセイを実施するためのキットであって、
少なくとも1つの酵素活性な化学発光基質部分を含むデンドリマー;及び
化学発光基質を活性化して、発光分解する過酸化中間体を生成することができる酵素
を含むキット。 - 酵素活性化される化学発光基質部分が、酵素不安定基を有するジオキセタンを含み、かつ酵素が、酵素不安定基を切断して、過酸化中間体を生成することができる、請求項34記載のキット。
- 化学発光増強物質をさらに含む、請求項35記載のキット。
- アッセイが、免疫アッセイであり、かつ酵素が、検体に結合することができる薬剤との複合体を形成する、請求項34記載のキット。
- アッセイが、DNAプローブアッセイであり、キットが、アッセイを実施することができる膜をさらに含む、請求項34記載のキット。
- 基質から得られる化学発光シグナルを増加させるための増強物質をさらに含む、請求項38記載のキット。
- 酵素が、薬剤との複合体を形成し、かつ薬剤が、検体との複合体を形成することができる、請求項38記載のキット。
- アッセイが、DNA配列分析アッセイであり、かつキットが、該配列分析アッセイを実施することができる膜をさらに含む、請求項34記載のキット。
- キットが、化学発光増強物質をさらに含む、請求項41記載のキット。
- 酵素が、アッセイで配列を決定すべきDNAに対し酵素の付着を可能にする薬剤との複合体を形成する、請求項41記載のキット。
- 酵素が、化学発光基質を酸化し、過酸化中間体を生成することができる、請求項34記載のキット。
- 化学発光基質が、ルミノール部分、イソルミノール部分、アクリジニウムエステル部分、アクリジニウムスルホニルアミド部分又はルシフェリン部分からなる群より選択される部分を含む、請求項44記載のキット。
- サンプル中の検体の存在を検出する方法であって、以下の工程:
酵素と、検体に結合しうる物質との間で、酵素複合体を形成する工程;
酵素複合体を、サンプルに添加する工程;
酵素複合体を、サンプル中に存在する検体と結合させる工程;
サンプルに、化学発光送達システムを添加する工程;及び
サンプルからの化学発光を測定する工程;
を含み、ここで、化学発光送達システムが、デンドリマー及びデンドリマーと結合した、少なくとも1つの酵素活性な化学発光基質を含み、かつ測定された化学発光量が、サンプル中の検体の存在及び/又は濃度を示す方法。 - 測定工程の前に、検体と結合していない酵素複合体を除去する工程をさらに含む、請求項46記載の方法。
- 検体に結合しうる基質が、抗原、抗体又は核酸プローブである、請求項46記載の方法。
- アッセイを、固体支持体上で実施する、請求項46記載の方法。
- 検体の存在が、固体支持体上のアレイに配置された複数のサンプルにおいて検出される、請求項49記載の方法。
- 固体支持体に検体を結合させることをさらに含む、請求項49記載の方法。
- 酵素が、グリコシダーゼ、エステラーゼ、プロテアーゼ、オキシダーゼ、ペプチダーゼ及びホスファターゼからなる群より選択される、請求項46記載の方法。
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