JP2004524495A - 湿潤温度制御優先式温湿度統合コントローラ - Google Patents
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Abstract
空気調和システム用コントローラは乾球温度センサのみならず湿潤温度センサを備える。乾球温度値に関連して湿潤温度値を利用することにより、乾球温度または湿潤温度値の関数として誤差信号を生成する。これにより空気調和システムで異常なサイクリングが発生することなくエンクロージャー内の温度及び湿度の双方を制御可能になる。湿潤温度はエンクロージャー内の相対湿度と乾球温度とから合成できる。
【選択図】図1
【選択図】図1
Description
【技術分野】
【0001】
本発明はサーモスタット及び他の温度快適性コントローラに関する。特に、本発明は空調機の動作を制御する技術に関する。代表的に、本発明は温度センサとともにマイクロコントローラを使用する機械的な冷却装置で実現される。
【背景技術】
【0002】
今日使用されるサーモスタットは通常、乾球温度を制御変数として用いて空調機(エアコン)に動作を指示する。空調モードにある代表的なコントローラは温度が設定値を超えると空調動作を起動する。これにより空調機は冷気をエンクロージャー内(室内)に吹き込み、室内温度が設定値以下になるまで動作を続ける。代表的なサーモスタットは予測要素を利用して、室内温度が実際に設定値を超える前に空調を起動する。多くの状況においてこの種の制御は居住者に快適な気温を提供する。周知のように空調機は空気の冷却とともに除湿を行う。空気から湿気を除去する除湿のメカニズムはエンクロージャー内の空気または外気を空調機に通して気温を概ね快適範囲以下(例えば華氏74度(約摂氏23度)以下)に下げることに関わっている。
【0003】
空気から除湿を行うには、少なくとも一部の冷気についてその温度を、結露が生じる現露点温度以下に下げなければならない。この過程において、空気中の水分の一部は空調機の冷却コイル上で結露し、その水滴がコイル下方の受け皿に滴下する。空気は100%の相対湿度に達しない限り、すなわち、露点温度に到達しない限り湿気を放出しないので少なくとも熱交換器の冷却面近くにある空気がこの露点温度に達する必要がある。しかしながら、全部の空気が露点まで冷却されるわけではないので空調機を通る全水蒸気が100%の相対湿度に達するとは限らない。結果として、空調により冷却された乾燥空気と不快な程暖かく湿気の多い空気とが混合されて40%〜60%の相対湿度で華氏70度〜75度程度の快適な空気が得られる。
【0004】
通常、この種の処理により室内の空気は快適な範囲内の湿度となる。しかしながら、状況によっては、湿度が高くなりすぎ、温度条件は満たされているにもかかわらず室内が不快な状態になり得る。温度と湿度の双方が快適な空気を得るため、空調機の容量をエンクロージャー(室)が与える負荷の想定値に見合ったものにし、設定温度に達したときに適度な湿度となるようにする。湿度が非常に高い場合や、現環境条件に比べて使用している空調機の容量では設定温度に達したときに除湿が得られないような場合、室内の空気の湿気が過度になる可能性がある。
【0005】
室内の相対湿度を制御するため、従来は単にサーモスタットに相対湿度センサを付加し、相対湿度が設定範囲内に維持されるように空調機を制御しようとしていた。この種の従来方法の問題点として、空気が室内で冷却され除湿される際に室内の相対湿度が実際には上昇する可能性がある。この理由は、相対湿度が一定量の空気に含まれる水蒸気の量と乾球温度の双方に依存する関数であることによる。任意量の空気の相対湿度は空気の水蒸気分圧と同温度における飽和水蒸気圧との比率で定義される。飽和水蒸気圧は温度の下降に伴って急激に低下するので、水蒸気量が少ない空気であっても低温では100%の相対湿度となる。したがって、サーモスタットの湿度制御機能が絶えず除湿を要求し続け、室内温度が低下するなか相対湿度は上昇して空調動作を解除できないという、暴走状態が発生する可能性がある。
【0006】
高湿度(多湿)の問題を解決するため、その後、乾球温度とは無関係に室内の露点温度を制御する試みがなされた。例えば、Bergtによる米国特許第4,105,063号及びGraldとMacArthurによる米国特許第4,889,280号に示される。しかしながら、この種の装置は問題点として常に快適な室内温度を達成できるとは限らず、冷却システムがオーバーサイクリングする可能性がある。さらに、上記文献のいずれも乾球温度が設定値に達した後に除湿は行わない。
【0007】
他の空気調和システムでは室内に湿度センサと乾球温度センサを設置する。例えば、米国特許第5,737,934号及び第5,675,979号に示される。また、米国特許第6,012,296号には湿度を制御するために再熱システム(リヒートシステム)を利用し、冷気を再熱して室内の乾球温度を設定値に保つ方法が示される。温度及び湿度の制御に関する他の提案では乾球温度誤差と湿度誤差のうち大きな数値の方を使用することを重要視する。室内の乾球温度(気温)とともに湿球温度あるいは露点温度を調整する屋内空気調和システムが米国特許第5,346,129号に開示され、この文献を本書にリファレンスとして組み込む。
【0008】
【特許文献1】
米国特許第4,105,063号
【特許文献2】
米国特許第4,889,280号
【特許文献3】
米国特許第5,737,934号
【特許文献4】
米国特許第5,675,979号
【特許文献5】
米国特許第6,012,296号
【特許文献6】
米国特許第5,346,129号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
以上の説明から明らかなように、非常に多湿な状況において、空調機、ヒートポンプ、ファンコイル装置等の室内気候調整装置を確実かつ効率良く制御するシステムを提供するニーズがある。また、オーバーサイクリングを起こさない、あるいは空調がオン状態に貼りつくことのない空気調和装置を提供するニーズがある。
【0010】
したがって、本発明の目的は室の居住者に気温快適さが保たれるように空調機等の環境調整装置を制御する技術を提供することである。他の目的は空調機、冷却モードで動作するヒートポンプ、冷却モードで動作するファンコイル装置等の機械的冷却装置の動作を制御する技術を提供することである。
【0011】
別の目的は乾球温度と湿潤温度の誤差を連続的にモニタリングすることである。
さらに他の目的は乾球温度の設定値及び湿潤温度の設定値を記録し、乾球温度設定値及び湿潤温度設定値を符号化した設定値信号を供給するメモリを提供することである。
【0012】
さらに別の目的は湿潤温度値を乾球温度に関連づけて使用し、この乾球温度または湿潤温度の値に依存する関数である誤差信号を生成することである。これにより空気調和システムで異常なサイクリングが発生することなくエンクロージャー内(室内)の温度及び湿度の双方を制御可能になる。
【0013】
さらに別の目的は誤差値を空気調和装置のコントローラが実行する温度制御アルゴリズムに入力して室内の温度及び湿度を調整するために環境調整装置を作動する時間を決定することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の一実施形態において、コントローラは室内の乾球温度及び湿潤温度を連続的にモニタリングし、冷却装置のオン/オフ状態を次の条件(判定基準)に従って制御する。(a)湿潤温度誤差がゼロ以下ならば、乾球温度誤差をPID(比例、積分、微分)制御ブロックで使用することにより冷却装置のオン/オフ状態を制御して室内の温度及び湿度を調整する。(b)湿潤温度誤差が正ならば(ゼロより大きければ)乾球温度誤差は大きさに関わらず無視し、湿潤温度誤差をPID制御ブロックで使用することにより冷却装置のオン/オフ状態を制御する。(c)湿潤温度誤差と乾球温度誤差のいずれもゼロ未満であれば、湿潤温度誤差と乾球温度誤差のうち数値の大きい方をPID制御ブロックで使用することにより冷却装置のオン/オフ状態を制御する。湿潤温度誤差と乾球温度誤差の双方を同一のPID制御ブロック及びコントローラ利得で使用しているので装置の散発性動作は未然に防止される。
【0015】
以上の目的及び具体的には挙げていない他の目的についても、空気調和システムの制御に関し、湿潤温度制御を優先するコントローラに配慮した本発明により対応できると考えられる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下の記載は、本発明の現時点において考えられる、空気調和システム用コントローラの特定構造に関するものである。しかしながら、この記載は専ら例示を目的とするもので本発明の範囲を限定することは意図していない。例えば、空調機用コントローラの意味で本発明を説明するが、本発明は各種空気調和システムにも適用可能である。
【0017】
図面において、同様の番号は同様の要素を指し、本発明に基づいた空気調和用コントローラが示される。図面は概略図であり、本質的でない要素は省略されている。
図1に示すように、本発明は空調設備において使用するコントローラ25として実現されている。しかしながら、これに限らず本発明は冷却モードで動作するヒートポンプ、冷却モードで動作するファンコイル装置等の他の機械的冷却装置の動作を制御するのにも適用可能である。
【0018】
エンクロージャー(室)12には導線42上の交流電力で動作する空調ユニット19から冷却、除湿された空気が供給される。制御要素23は導線38、39をそれぞれ介して圧縮機(コンプレッサ)17と送風機20に供給する電力をスイッチングすることにより適宜シーケンス動作させる。コンプレッサ17は液体の冷媒を送風機20に沿う熱交換器21内のエキスパンダコイル18に供給する。空調ユニット19は経路26に要求信号が出力されているときに動作する。経路26の要求信号はスイッチ29を閉じ、これにより経路40上の24ボルトの交流源から供給される制御電流が経路41を通って空調ユニットの制御要素23に供給される。空調ユニット19の動作中、送風機20はコイル18まわりの空気を冷却し除湿する。この冷却、除湿された空気がダクト22を通ってエンクロージャー12に流入し、エンクロージャー12内空気の温度と湿度を下げる。経路26上の要求信号は電子回路により機能が実現されるコントローラ25により供給される。
【0019】
コントローラ25はデジタルデータを記憶する記憶装置(メモリ)27と、メモリ27及び外部から供給されるデータについて計算及び比較のオペレーションを実行し、命令記憶部を有する処理装置(プロセッサ)28とから構成される。メモリ27及びプロセッサ28の機能はマイクロコントローラにより実現すると良い。コントローラ25はエンクロージャー12内に設置した湿度センサ14を有し、この湿度センサ14は経路30上に湿度信号を供給し、この湿度信号は図においてエンクロージャー12内空気の相対湿度を符号化したものとして示しているが相対湿度以外に露点温度あるいは湿球温度を符号化したものでもよい。エンクロージャー12内には温度センサ15も設置され、温度センサ15は経路31上に乾球温度値を符号化した気温信号を供給する。プロセッサ28はこれらの信号を受け、内部処理のためにデジタル値に変換する。本発明における符号化はデジタル信号またはアナログ信号である。
【0020】
経路33〜35は本発明の実施に必要な各種設定値を符号化した信号をメモリ27に供給する。エンクロージャー12の居住者はコントローラ25の外側にあるコントロール(操作卓)を操作して設定値を選択する。経路33はエンクロージャー12内の希望する相対湿度によって代表される湿度設定値を符号化した湿度設定信号を供給する。この湿度設定値は所望の相対湿度、所望の露点温度、あるいは所望の湿球温度のいずれでもよい。経路34は乾球温度の制限値として働く最低乾球温度設定値を符号化した湿度設定信号をメモリ27に供給する。経路35は気温(乾球温度)設定値を符号化した信号を供給する。メモリ27はこれらの設定値を記録し、設定値信号に符号化し、経路36を介してプロセッサ28に送る。メモリ27及びプロセッサ28をマイクロコントローラで構成する場合、これらの設定値を適宜プロセッサ28に送る手続きはマイクロコントローラの全体動作に関する制御を司る、図示しない回路により行われる。
【0021】
プロセッサ・ユニット28は内部にプロセッサ28が実行する命令を記憶したメモリを有する。これらの命令を実行することにより、プロセッサ28は図2の機能ブロック図に詳示する機能を実現する。図2は図1に略示したハードウェアに対する変更事項を表したもので、これによりプロセッサ28は本発明を実施する。図示のように、図2の各要素はプロセッサ28内にある実際の物理的実施形態を有する。各命令を実行するによりプロセッサ28は命令実行中に図2に示す要素の一部を物理的に構成する。プロセッサ28内のメモリも命令の記憶及び供給を行うことで機能ブロックが生成される意味において、図2の各機能ブロックの一部を構成する。
【0022】
また、プロセッサ28内の算術演算レジスタは計算結果を一時的に記憶する。これらのレジスタは物理的には多分、マイクロコントローラのプロセッサ領域内に配置されるがメモリ27の一部を構成すると考えてよい。
【0023】
図2に示すように、信号の流れはある機能ブロックを始点とし、矢印の指す別の機能ブロックを終点とする線により表される。このことは一機能要素の生成した信号が別の機能要素に送られて使用されることを示唆する。これがマイクロコントローラ内で発生するのは、実行によりマイクロコントローラが一機能要素となる一連の命令によって実際にデジタル値が生成されたときであり、このデジタル値がマイクロコントローラ内で経路を介して伝送され、別の機能要素用の命令を実行する際に該当回路で使用される。マイクロコントローラ内の物理的に同じ経路は様々な信号を伝送可能であるが、図2では信号毎に経路を示してある。
【0024】
下記の表に示す凡例は図2及び図3に示す信号が符号化する各値(記号)を定義したものである。
【0025】
【表1】
【0026】
図2において、個々の機能ブロックにはその機能を記述する内部ラベルが付いている。矩形の各ブロックは入力信号の符号値に対して行う数学的または計算上のオペレーションの種類を表す。例えば、経路58上の信号は平均室温TAVを符号化したものであり、これが入力される機能ブロック61はTAVのラプラス変換を行う装置を表している。他の機能ブロックは決定(判定)処理、他の数学的関数演算、例えば乗算、各種のラプラス変換等を表す。2以上の信号が入力される円は傍らのプラスまたはマイナス記号で示すように和または差の計算を行う。例えば、加算要素71と経路35、64との接点近くに記したプラス及びマイナスの記号が示すように、経路64の符号値から経路35の符号値が減算される。
【0027】
図2に表した各種計算、オペレーション、及び決定は、連続あるいは一分間隔のように、規則的な間隔のシーケンスで行うのが良い。計算を連続的に行うのであれば、動作上重要な、各種値の変化率を算出するために1つの完了から次の完了までの経過時間を決定する必要がある。一般にエンクロージャー12内の温度と湿度の変化は非常に緩慢であるので、代表的には毎分一回の計算を行えば十分な制御精度が得られる。
【0028】
ブロック61は経路58からエンクロージャー12の加重平均気温TAVを表す信号を受ける。ブロック61はTAVをラプラス変換することによりセンサの応答遅延を補償して、経路64上にTDBSNを符号化した信号を出力する。この経路64の符号値TDBSNから経路35のTDBSP値を差し引くことにより、空調機や炉の制御で常套的に使用される誤差である乾球温度誤差εDBが得られる。εDBは経路84上の信号に符号化される。
【0029】
空調ユニット19(図1参照)の動作を制御するのに使用する誤差の計算に必要なもう1つの変数は湿度である。本発明ではセンサ14(図1参照)から経路30を通して供給される信号に符号化された相対湿度値Φを使用する。Φ値はラプラス変換処理ブロック50に入力され、変換によりセンサ14の応答遅延と不安定性が補償され、変換後の相対湿度値ΦSNが経路51に出力される。
【0030】
与えられた乾球温度と相対湿度から湿球温度及び露点温度(以下、両者をまとめて湿潤温度という)を決定することは一般的である。これはマニュアルで標準湿度線図から値を読みとることに相当するデジタルまたは計算技法で簡単に行える。計算ブロック67はΦSN及びTDBSNを受け、検出湿潤温度THSNの近似値を算出し、その値を経路76上の信号に符号化する。
【0031】
計算ブロック74も同様の計算を行い、乾球温度設定値TDBSPと相対湿度設定値ΦSPとから湿潤温度設定値THSPの近似値を求める。プロセッサメモリ28内の同一命令により両計算を異なる時点で行うことができ、これらの命令はサブルーチンとして適時呼び出され、処理すべき相対湿度値及び乾球温度値とともに渡される。ブロック74は経路35上のTDBSP値と経路33上のΦSP値を受け、対応する湿潤温度設定値THSPを経路77上の信号に符号化する。ブロック74は計算完了時にTHSPを一時的記憶する記憶素子を含むと考えてよい。加算ブロック78はそれぞれ経路77、76上のTHSP及びTHSN値を受け、εH=THSN-THSPで与えられる湿潤温度誤差値εHを経路81上の信号に符号化する。経路81、84上に乗る、εH及びεDBを符号化した信号は決定ブロック87において初期の誤差信号を計算するのに使用される。
【0032】
本発明の改良点は決定(判定)ブロック87を使用したことにある。決定ブロック87は乾球温度誤差εDBと湿潤温度誤差εHを利用して2次レベル誤差すなわち複合誤差の値εを求め、経路90上の信号に符号化して出力する。複合誤差値を算出可能な様々なアルゴリズムがある。好ましくは、アルゴリズムは単純な決定ブロックで構成し、複合誤差εを乾球温度誤差εDBあるいは湿潤温度誤差εHに等しく設定する。そして決定した複合誤差値で冷却装置のオン/オフ状態を制御する。決定ブロックの計算は次の判断基準(条件)に基づいて行われる。
【0033】
(a)湿潤温度誤差εHがゼロ以下(非正値)ならば(番号85参照)、乾球温度誤差εDBを誤差計算に利用し複合誤差εをεDBに等しく設定する(番号86参照)。
(b)湿潤温度誤差εHがゼロより大きければ(番号85参照)、乾球温度誤差εDBは大きさに関わらず無視し、湿潤温度誤差εHを複合誤差値εとして使用する(番号88参照)。
(c)湿潤温度誤差εHと乾球温度誤差εDBのいずれもゼロより小さければ、複合誤差は湿潤温度誤差εHと乾球温度誤差εDBのうち数値の大きい方に等しく設定する。
【0034】
複合誤差値εから直接、要求信号を生成するのは好ましくない。代わりに、εをGP、Gi/S、及びGdSブロック91〜93から成る慣用のPID(比例、積分、微分)制御機能に入力し、ブロック91〜93の出力の和を加算ブロック96(これもPID制御機能の一部である)で求めて最終誤差εFを生成し、経路98上にこれを符号化した最終誤差信号として出力する。
【0035】
経路98上に乗る最終誤差値εFは経路26上の要求信号に変換される。すなわち、εFは一連の慣用演算処理段を介して変更され、予測機能が導入されて経路26上の最終要求信号となる。要求信号の各処理段は空調ユニット29のオン状態に対応する、論理1の電圧レベルを有する信号を発生する。経路26上の信号レベルが論理0のとき要求信号は発生していない。経路26上が論理1になると、スイッチ29(図1参照)が閉じて電流が空調ユニット19に流れる。経路26が論理0のとき、スイッチ29は開いており空調ユニット19は動作しない。
【0036】
予測機能は加算ブロック101と機能ブロック103、113による普通の方法で実現される。ブロック113は経路26上の信号に対してラプラス変換処理θ/(τS+1)を実行して、時間軸上の論理値0及び1をシフトする。ヒステリシス検査ブロック103は経路105上に初段の要求信号を出力するが、この信号の論理1の区間はTDBSNとTDBMN間の相対大きさに配慮したものではない。ラプラス変換ブロック113が経路115から値0を加算ブロック101に返すときは、経路26上の最終誤差値εFがそのままヒステリシス検査ブロック103で使用されて経路105上の初段要求信号のタイミングと長さが決定される。ブロック113がゼロ以外の値を加算ブロック101に返すときは、ヒステリシス検査ブロック103に入力される誤差値εFは加算ブロック101において低減されるため、要求信号の開始が遅れ、その区間の長さが短縮され、その結果、空調ユニット19の起動や、加速及び停止のタイミングに遅延が掛かる。
【0037】
本発明のもう1つの特徴は経路105上の初段要求信号を受ける検査ブロック108にある。異常な多湿や空調ユニットの容量不足のような例外的状況において、あるいはΦSP値として低い値を設定したような場合、湿り湿度誤差εHのレベルにより経路90上に生成されるε値が空調ユニット19を過度に長い期間に渡りオン状態、すなわち稼働状態にしてしまう結果として、検出乾球温度(気温)TDBSNが不快なほど低くなる虞がある。この問題に対処するため、検査ブロック108は経路64からのTDBSN値と経路34からのTDBMN値とを受ける。このTDBMN値は空調ユニット19の動作を停止するために乾球温度の制限値として使用される。条件TDBMN>TDBSNが発生すると、エンクロージャー12の実湿度の如何にかかわらず経路26上の最終要求信号を落として空調ユニット19を停止させるので、湿潤温度誤差εHが低下したときに発生するε値によってこれを行う必要はなくなる。
【0038】
図3に発生可能な乾球温度誤差及び湿潤温度誤差をグラフで示す。サーモスタットの場合、目標は常に誤差ゼロを達成することである。本発明は湿潤温度誤差εHが正であるが乾球温度誤差εDBより小さいような状況に効率良く対応する。グラフ上のPで示す区域では、湿潤温度誤差εHは正値であり、ゼロあるいは非正値にならない限りこの湿潤温度誤差εHが乾球温度誤差εDBより優先する。すなわち、制御誤差εは正の湿潤温度誤差εHに等しくなる。いったん湿潤温度誤差εHが非正値になると、乾球温度誤差εDBにより制御される。乾球温度誤差と湿潤温度誤差のいずれもゼロより小さくなると、サーモスタットは停止する。
【0039】
代わりに、サーモスタットが空気から湿気を十分に取れないような場合、除湿システム(図示せず)を本発明あるいは冷却システムに取り付けてよい。エンクロージャー12内の除湿のために送風機20の速度変更やコンプレッサ17の速度変更を行う機能を追加してもよい。例えば、送風機20の速度を下げて空気が冷却コイルと接触する時間を延ばしたり、コンプレッサ17の速度を上げて空調ユニット17の冷却能力を増大することができる。
【0040】
以上、本発明を特定の実施形態及び応用について説明してきたが、本開示に照らし、当業者は本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の実施形態及び変形形態に想到し得る。したがって、図面及び本書の記載は本発明の理解を容易にするための例証として適切なものであって、本発明の範囲を制限するものではないと解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明を利用した空調設備の全体ブロック図である。
【図2】空気調和システム用コントローラが実行するアルゴリズムの好ましい実施形態を示す計算ブロック図である。
【図3】コントローラにより好ましい実施形態が実現されるときの状況を示すグラフである。
【0001】
本発明はサーモスタット及び他の温度快適性コントローラに関する。特に、本発明は空調機の動作を制御する技術に関する。代表的に、本発明は温度センサとともにマイクロコントローラを使用する機械的な冷却装置で実現される。
【背景技術】
【0002】
今日使用されるサーモスタットは通常、乾球温度を制御変数として用いて空調機(エアコン)に動作を指示する。空調モードにある代表的なコントローラは温度が設定値を超えると空調動作を起動する。これにより空調機は冷気をエンクロージャー内(室内)に吹き込み、室内温度が設定値以下になるまで動作を続ける。代表的なサーモスタットは予測要素を利用して、室内温度が実際に設定値を超える前に空調を起動する。多くの状況においてこの種の制御は居住者に快適な気温を提供する。周知のように空調機は空気の冷却とともに除湿を行う。空気から湿気を除去する除湿のメカニズムはエンクロージャー内の空気または外気を空調機に通して気温を概ね快適範囲以下(例えば華氏74度(約摂氏23度)以下)に下げることに関わっている。
【0003】
空気から除湿を行うには、少なくとも一部の冷気についてその温度を、結露が生じる現露点温度以下に下げなければならない。この過程において、空気中の水分の一部は空調機の冷却コイル上で結露し、その水滴がコイル下方の受け皿に滴下する。空気は100%の相対湿度に達しない限り、すなわち、露点温度に到達しない限り湿気を放出しないので少なくとも熱交換器の冷却面近くにある空気がこの露点温度に達する必要がある。しかしながら、全部の空気が露点まで冷却されるわけではないので空調機を通る全水蒸気が100%の相対湿度に達するとは限らない。結果として、空調により冷却された乾燥空気と不快な程暖かく湿気の多い空気とが混合されて40%〜60%の相対湿度で華氏70度〜75度程度の快適な空気が得られる。
【0004】
通常、この種の処理により室内の空気は快適な範囲内の湿度となる。しかしながら、状況によっては、湿度が高くなりすぎ、温度条件は満たされているにもかかわらず室内が不快な状態になり得る。温度と湿度の双方が快適な空気を得るため、空調機の容量をエンクロージャー(室)が与える負荷の想定値に見合ったものにし、設定温度に達したときに適度な湿度となるようにする。湿度が非常に高い場合や、現環境条件に比べて使用している空調機の容量では設定温度に達したときに除湿が得られないような場合、室内の空気の湿気が過度になる可能性がある。
【0005】
室内の相対湿度を制御するため、従来は単にサーモスタットに相対湿度センサを付加し、相対湿度が設定範囲内に維持されるように空調機を制御しようとしていた。この種の従来方法の問題点として、空気が室内で冷却され除湿される際に室内の相対湿度が実際には上昇する可能性がある。この理由は、相対湿度が一定量の空気に含まれる水蒸気の量と乾球温度の双方に依存する関数であることによる。任意量の空気の相対湿度は空気の水蒸気分圧と同温度における飽和水蒸気圧との比率で定義される。飽和水蒸気圧は温度の下降に伴って急激に低下するので、水蒸気量が少ない空気であっても低温では100%の相対湿度となる。したがって、サーモスタットの湿度制御機能が絶えず除湿を要求し続け、室内温度が低下するなか相対湿度は上昇して空調動作を解除できないという、暴走状態が発生する可能性がある。
【0006】
高湿度(多湿)の問題を解決するため、その後、乾球温度とは無関係に室内の露点温度を制御する試みがなされた。例えば、Bergtによる米国特許第4,105,063号及びGraldとMacArthurによる米国特許第4,889,280号に示される。しかしながら、この種の装置は問題点として常に快適な室内温度を達成できるとは限らず、冷却システムがオーバーサイクリングする可能性がある。さらに、上記文献のいずれも乾球温度が設定値に達した後に除湿は行わない。
【0007】
他の空気調和システムでは室内に湿度センサと乾球温度センサを設置する。例えば、米国特許第5,737,934号及び第5,675,979号に示される。また、米国特許第6,012,296号には湿度を制御するために再熱システム(リヒートシステム)を利用し、冷気を再熱して室内の乾球温度を設定値に保つ方法が示される。温度及び湿度の制御に関する他の提案では乾球温度誤差と湿度誤差のうち大きな数値の方を使用することを重要視する。室内の乾球温度(気温)とともに湿球温度あるいは露点温度を調整する屋内空気調和システムが米国特許第5,346,129号に開示され、この文献を本書にリファレンスとして組み込む。
【0008】
【特許文献1】
米国特許第4,105,063号
【特許文献2】
米国特許第4,889,280号
【特許文献3】
米国特許第5,737,934号
【特許文献4】
米国特許第5,675,979号
【特許文献5】
米国特許第6,012,296号
【特許文献6】
米国特許第5,346,129号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
以上の説明から明らかなように、非常に多湿な状況において、空調機、ヒートポンプ、ファンコイル装置等の室内気候調整装置を確実かつ効率良く制御するシステムを提供するニーズがある。また、オーバーサイクリングを起こさない、あるいは空調がオン状態に貼りつくことのない空気調和装置を提供するニーズがある。
【0010】
したがって、本発明の目的は室の居住者に気温快適さが保たれるように空調機等の環境調整装置を制御する技術を提供することである。他の目的は空調機、冷却モードで動作するヒートポンプ、冷却モードで動作するファンコイル装置等の機械的冷却装置の動作を制御する技術を提供することである。
【0011】
別の目的は乾球温度と湿潤温度の誤差を連続的にモニタリングすることである。
さらに他の目的は乾球温度の設定値及び湿潤温度の設定値を記録し、乾球温度設定値及び湿潤温度設定値を符号化した設定値信号を供給するメモリを提供することである。
【0012】
さらに別の目的は湿潤温度値を乾球温度に関連づけて使用し、この乾球温度または湿潤温度の値に依存する関数である誤差信号を生成することである。これにより空気調和システムで異常なサイクリングが発生することなくエンクロージャー内(室内)の温度及び湿度の双方を制御可能になる。
【0013】
さらに別の目的は誤差値を空気調和装置のコントローラが実行する温度制御アルゴリズムに入力して室内の温度及び湿度を調整するために環境調整装置を作動する時間を決定することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の一実施形態において、コントローラは室内の乾球温度及び湿潤温度を連続的にモニタリングし、冷却装置のオン/オフ状態を次の条件(判定基準)に従って制御する。(a)湿潤温度誤差がゼロ以下ならば、乾球温度誤差をPID(比例、積分、微分)制御ブロックで使用することにより冷却装置のオン/オフ状態を制御して室内の温度及び湿度を調整する。(b)湿潤温度誤差が正ならば(ゼロより大きければ)乾球温度誤差は大きさに関わらず無視し、湿潤温度誤差をPID制御ブロックで使用することにより冷却装置のオン/オフ状態を制御する。(c)湿潤温度誤差と乾球温度誤差のいずれもゼロ未満であれば、湿潤温度誤差と乾球温度誤差のうち数値の大きい方をPID制御ブロックで使用することにより冷却装置のオン/オフ状態を制御する。湿潤温度誤差と乾球温度誤差の双方を同一のPID制御ブロック及びコントローラ利得で使用しているので装置の散発性動作は未然に防止される。
【0015】
以上の目的及び具体的には挙げていない他の目的についても、空気調和システムの制御に関し、湿潤温度制御を優先するコントローラに配慮した本発明により対応できると考えられる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下の記載は、本発明の現時点において考えられる、空気調和システム用コントローラの特定構造に関するものである。しかしながら、この記載は専ら例示を目的とするもので本発明の範囲を限定することは意図していない。例えば、空調機用コントローラの意味で本発明を説明するが、本発明は各種空気調和システムにも適用可能である。
【0017】
図面において、同様の番号は同様の要素を指し、本発明に基づいた空気調和用コントローラが示される。図面は概略図であり、本質的でない要素は省略されている。
図1に示すように、本発明は空調設備において使用するコントローラ25として実現されている。しかしながら、これに限らず本発明は冷却モードで動作するヒートポンプ、冷却モードで動作するファンコイル装置等の他の機械的冷却装置の動作を制御するのにも適用可能である。
【0018】
エンクロージャー(室)12には導線42上の交流電力で動作する空調ユニット19から冷却、除湿された空気が供給される。制御要素23は導線38、39をそれぞれ介して圧縮機(コンプレッサ)17と送風機20に供給する電力をスイッチングすることにより適宜シーケンス動作させる。コンプレッサ17は液体の冷媒を送風機20に沿う熱交換器21内のエキスパンダコイル18に供給する。空調ユニット19は経路26に要求信号が出力されているときに動作する。経路26の要求信号はスイッチ29を閉じ、これにより経路40上の24ボルトの交流源から供給される制御電流が経路41を通って空調ユニットの制御要素23に供給される。空調ユニット19の動作中、送風機20はコイル18まわりの空気を冷却し除湿する。この冷却、除湿された空気がダクト22を通ってエンクロージャー12に流入し、エンクロージャー12内空気の温度と湿度を下げる。経路26上の要求信号は電子回路により機能が実現されるコントローラ25により供給される。
【0019】
コントローラ25はデジタルデータを記憶する記憶装置(メモリ)27と、メモリ27及び外部から供給されるデータについて計算及び比較のオペレーションを実行し、命令記憶部を有する処理装置(プロセッサ)28とから構成される。メモリ27及びプロセッサ28の機能はマイクロコントローラにより実現すると良い。コントローラ25はエンクロージャー12内に設置した湿度センサ14を有し、この湿度センサ14は経路30上に湿度信号を供給し、この湿度信号は図においてエンクロージャー12内空気の相対湿度を符号化したものとして示しているが相対湿度以外に露点温度あるいは湿球温度を符号化したものでもよい。エンクロージャー12内には温度センサ15も設置され、温度センサ15は経路31上に乾球温度値を符号化した気温信号を供給する。プロセッサ28はこれらの信号を受け、内部処理のためにデジタル値に変換する。本発明における符号化はデジタル信号またはアナログ信号である。
【0020】
経路33〜35は本発明の実施に必要な各種設定値を符号化した信号をメモリ27に供給する。エンクロージャー12の居住者はコントローラ25の外側にあるコントロール(操作卓)を操作して設定値を選択する。経路33はエンクロージャー12内の希望する相対湿度によって代表される湿度設定値を符号化した湿度設定信号を供給する。この湿度設定値は所望の相対湿度、所望の露点温度、あるいは所望の湿球温度のいずれでもよい。経路34は乾球温度の制限値として働く最低乾球温度設定値を符号化した湿度設定信号をメモリ27に供給する。経路35は気温(乾球温度)設定値を符号化した信号を供給する。メモリ27はこれらの設定値を記録し、設定値信号に符号化し、経路36を介してプロセッサ28に送る。メモリ27及びプロセッサ28をマイクロコントローラで構成する場合、これらの設定値を適宜プロセッサ28に送る手続きはマイクロコントローラの全体動作に関する制御を司る、図示しない回路により行われる。
【0021】
プロセッサ・ユニット28は内部にプロセッサ28が実行する命令を記憶したメモリを有する。これらの命令を実行することにより、プロセッサ28は図2の機能ブロック図に詳示する機能を実現する。図2は図1に略示したハードウェアに対する変更事項を表したもので、これによりプロセッサ28は本発明を実施する。図示のように、図2の各要素はプロセッサ28内にある実際の物理的実施形態を有する。各命令を実行するによりプロセッサ28は命令実行中に図2に示す要素の一部を物理的に構成する。プロセッサ28内のメモリも命令の記憶及び供給を行うことで機能ブロックが生成される意味において、図2の各機能ブロックの一部を構成する。
【0022】
また、プロセッサ28内の算術演算レジスタは計算結果を一時的に記憶する。これらのレジスタは物理的には多分、マイクロコントローラのプロセッサ領域内に配置されるがメモリ27の一部を構成すると考えてよい。
【0023】
図2に示すように、信号の流れはある機能ブロックを始点とし、矢印の指す別の機能ブロックを終点とする線により表される。このことは一機能要素の生成した信号が別の機能要素に送られて使用されることを示唆する。これがマイクロコントローラ内で発生するのは、実行によりマイクロコントローラが一機能要素となる一連の命令によって実際にデジタル値が生成されたときであり、このデジタル値がマイクロコントローラ内で経路を介して伝送され、別の機能要素用の命令を実行する際に該当回路で使用される。マイクロコントローラ内の物理的に同じ経路は様々な信号を伝送可能であるが、図2では信号毎に経路を示してある。
【0024】
下記の表に示す凡例は図2及び図3に示す信号が符号化する各値(記号)を定義したものである。
【0025】
【表1】
【0026】
図2において、個々の機能ブロックにはその機能を記述する内部ラベルが付いている。矩形の各ブロックは入力信号の符号値に対して行う数学的または計算上のオペレーションの種類を表す。例えば、経路58上の信号は平均室温TAVを符号化したものであり、これが入力される機能ブロック61はTAVのラプラス変換を行う装置を表している。他の機能ブロックは決定(判定)処理、他の数学的関数演算、例えば乗算、各種のラプラス変換等を表す。2以上の信号が入力される円は傍らのプラスまたはマイナス記号で示すように和または差の計算を行う。例えば、加算要素71と経路35、64との接点近くに記したプラス及びマイナスの記号が示すように、経路64の符号値から経路35の符号値が減算される。
【0027】
図2に表した各種計算、オペレーション、及び決定は、連続あるいは一分間隔のように、規則的な間隔のシーケンスで行うのが良い。計算を連続的に行うのであれば、動作上重要な、各種値の変化率を算出するために1つの完了から次の完了までの経過時間を決定する必要がある。一般にエンクロージャー12内の温度と湿度の変化は非常に緩慢であるので、代表的には毎分一回の計算を行えば十分な制御精度が得られる。
【0028】
ブロック61は経路58からエンクロージャー12の加重平均気温TAVを表す信号を受ける。ブロック61はTAVをラプラス変換することによりセンサの応答遅延を補償して、経路64上にTDBSNを符号化した信号を出力する。この経路64の符号値TDBSNから経路35のTDBSP値を差し引くことにより、空調機や炉の制御で常套的に使用される誤差である乾球温度誤差εDBが得られる。εDBは経路84上の信号に符号化される。
【0029】
空調ユニット19(図1参照)の動作を制御するのに使用する誤差の計算に必要なもう1つの変数は湿度である。本発明ではセンサ14(図1参照)から経路30を通して供給される信号に符号化された相対湿度値Φを使用する。Φ値はラプラス変換処理ブロック50に入力され、変換によりセンサ14の応答遅延と不安定性が補償され、変換後の相対湿度値ΦSNが経路51に出力される。
【0030】
与えられた乾球温度と相対湿度から湿球温度及び露点温度(以下、両者をまとめて湿潤温度という)を決定することは一般的である。これはマニュアルで標準湿度線図から値を読みとることに相当するデジタルまたは計算技法で簡単に行える。計算ブロック67はΦSN及びTDBSNを受け、検出湿潤温度THSNの近似値を算出し、その値を経路76上の信号に符号化する。
【0031】
計算ブロック74も同様の計算を行い、乾球温度設定値TDBSPと相対湿度設定値ΦSPとから湿潤温度設定値THSPの近似値を求める。プロセッサメモリ28内の同一命令により両計算を異なる時点で行うことができ、これらの命令はサブルーチンとして適時呼び出され、処理すべき相対湿度値及び乾球温度値とともに渡される。ブロック74は経路35上のTDBSP値と経路33上のΦSP値を受け、対応する湿潤温度設定値THSPを経路77上の信号に符号化する。ブロック74は計算完了時にTHSPを一時的記憶する記憶素子を含むと考えてよい。加算ブロック78はそれぞれ経路77、76上のTHSP及びTHSN値を受け、εH=THSN-THSPで与えられる湿潤温度誤差値εHを経路81上の信号に符号化する。経路81、84上に乗る、εH及びεDBを符号化した信号は決定ブロック87において初期の誤差信号を計算するのに使用される。
【0032】
本発明の改良点は決定(判定)ブロック87を使用したことにある。決定ブロック87は乾球温度誤差εDBと湿潤温度誤差εHを利用して2次レベル誤差すなわち複合誤差の値εを求め、経路90上の信号に符号化して出力する。複合誤差値を算出可能な様々なアルゴリズムがある。好ましくは、アルゴリズムは単純な決定ブロックで構成し、複合誤差εを乾球温度誤差εDBあるいは湿潤温度誤差εHに等しく設定する。そして決定した複合誤差値で冷却装置のオン/オフ状態を制御する。決定ブロックの計算は次の判断基準(条件)に基づいて行われる。
【0033】
(a)湿潤温度誤差εHがゼロ以下(非正値)ならば(番号85参照)、乾球温度誤差εDBを誤差計算に利用し複合誤差εをεDBに等しく設定する(番号86参照)。
(b)湿潤温度誤差εHがゼロより大きければ(番号85参照)、乾球温度誤差εDBは大きさに関わらず無視し、湿潤温度誤差εHを複合誤差値εとして使用する(番号88参照)。
(c)湿潤温度誤差εHと乾球温度誤差εDBのいずれもゼロより小さければ、複合誤差は湿潤温度誤差εHと乾球温度誤差εDBのうち数値の大きい方に等しく設定する。
【0034】
複合誤差値εから直接、要求信号を生成するのは好ましくない。代わりに、εをGP、Gi/S、及びGdSブロック91〜93から成る慣用のPID(比例、積分、微分)制御機能に入力し、ブロック91〜93の出力の和を加算ブロック96(これもPID制御機能の一部である)で求めて最終誤差εFを生成し、経路98上にこれを符号化した最終誤差信号として出力する。
【0035】
経路98上に乗る最終誤差値εFは経路26上の要求信号に変換される。すなわち、εFは一連の慣用演算処理段を介して変更され、予測機能が導入されて経路26上の最終要求信号となる。要求信号の各処理段は空調ユニット29のオン状態に対応する、論理1の電圧レベルを有する信号を発生する。経路26上の信号レベルが論理0のとき要求信号は発生していない。経路26上が論理1になると、スイッチ29(図1参照)が閉じて電流が空調ユニット19に流れる。経路26が論理0のとき、スイッチ29は開いており空調ユニット19は動作しない。
【0036】
予測機能は加算ブロック101と機能ブロック103、113による普通の方法で実現される。ブロック113は経路26上の信号に対してラプラス変換処理θ/(τS+1)を実行して、時間軸上の論理値0及び1をシフトする。ヒステリシス検査ブロック103は経路105上に初段の要求信号を出力するが、この信号の論理1の区間はTDBSNとTDBMN間の相対大きさに配慮したものではない。ラプラス変換ブロック113が経路115から値0を加算ブロック101に返すときは、経路26上の最終誤差値εFがそのままヒステリシス検査ブロック103で使用されて経路105上の初段要求信号のタイミングと長さが決定される。ブロック113がゼロ以外の値を加算ブロック101に返すときは、ヒステリシス検査ブロック103に入力される誤差値εFは加算ブロック101において低減されるため、要求信号の開始が遅れ、その区間の長さが短縮され、その結果、空調ユニット19の起動や、加速及び停止のタイミングに遅延が掛かる。
【0037】
本発明のもう1つの特徴は経路105上の初段要求信号を受ける検査ブロック108にある。異常な多湿や空調ユニットの容量不足のような例外的状況において、あるいはΦSP値として低い値を設定したような場合、湿り湿度誤差εHのレベルにより経路90上に生成されるε値が空調ユニット19を過度に長い期間に渡りオン状態、すなわち稼働状態にしてしまう結果として、検出乾球温度(気温)TDBSNが不快なほど低くなる虞がある。この問題に対処するため、検査ブロック108は経路64からのTDBSN値と経路34からのTDBMN値とを受ける。このTDBMN値は空調ユニット19の動作を停止するために乾球温度の制限値として使用される。条件TDBMN>TDBSNが発生すると、エンクロージャー12の実湿度の如何にかかわらず経路26上の最終要求信号を落として空調ユニット19を停止させるので、湿潤温度誤差εHが低下したときに発生するε値によってこれを行う必要はなくなる。
【0038】
図3に発生可能な乾球温度誤差及び湿潤温度誤差をグラフで示す。サーモスタットの場合、目標は常に誤差ゼロを達成することである。本発明は湿潤温度誤差εHが正であるが乾球温度誤差εDBより小さいような状況に効率良く対応する。グラフ上のPで示す区域では、湿潤温度誤差εHは正値であり、ゼロあるいは非正値にならない限りこの湿潤温度誤差εHが乾球温度誤差εDBより優先する。すなわち、制御誤差εは正の湿潤温度誤差εHに等しくなる。いったん湿潤温度誤差εHが非正値になると、乾球温度誤差εDBにより制御される。乾球温度誤差と湿潤温度誤差のいずれもゼロより小さくなると、サーモスタットは停止する。
【0039】
代わりに、サーモスタットが空気から湿気を十分に取れないような場合、除湿システム(図示せず)を本発明あるいは冷却システムに取り付けてよい。エンクロージャー12内の除湿のために送風機20の速度変更やコンプレッサ17の速度変更を行う機能を追加してもよい。例えば、送風機20の速度を下げて空気が冷却コイルと接触する時間を延ばしたり、コンプレッサ17の速度を上げて空調ユニット17の冷却能力を増大することができる。
【0040】
以上、本発明を特定の実施形態及び応用について説明してきたが、本開示に照らし、当業者は本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の実施形態及び変形形態に想到し得る。したがって、図面及び本書の記載は本発明の理解を容易にするための例証として適切なものであって、本発明の範囲を制限するものではないと解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明を利用した空調設備の全体ブロック図である。
【図2】空気調和システム用コントローラが実行するアルゴリズムの好ましい実施形態を示す計算ブロック図である。
【図3】コントローラにより好ましい実施形態が実現されるときの状況を示すグラフである。
Claims (19)
- 複合誤差信号により所定の誤差範囲内において符号化した複合誤差値に応じて空気調和システムを作動するコントローラと協働する空気調和システム用装置であって、
少なくとも湿球温度及び露点温度の一方を符合化した湿潤温度信号を供給する湿度センサと、
乾球温度を符号化した気温信号を供給する温度センサと、
乾球温度設定値及び湿潤温度設定値を記録し、当該乾球温度設定値及び湿潤温度設定値を符号化した設定値信号を供給するメモリと、
上記湿潤温度信号、気温信号、及び設定値信号を受け、当該湿潤温度信号、気温信号、及び設定値信号が符号化した値の関数として複合誤差値を計算し、当該複合誤差値を上記複合誤差信号に符号化する計算器とを備え、
上記複合誤差値の決定を、
(a)上記湿潤温度誤差がゼロより小さい場合、複合誤差は乾球温度誤差に等しく、
(b)上記湿潤温度誤差がゼロより大きい場合、複合誤差は湿潤温度誤差に等しい、
として行うことを特徴とする空気調和システム用装置。 - さらに、上記複合誤差信号を受け、当該複合誤差値の関数として定められる期間、要求信号を供給する誤差処理器を有することを特徴とする、請求項1記載の空気調和システム用装置。
- 上記メモリは、乾球温度制限値を記憶し、当該乾球温度制限値を符号化した乾球温度制限信号を供給する記憶部を有し、上記誤差処理器はさらに、上記乾球温度制限信号及び検出乾球温度信号を受け、両信号に係る乾球温度制限値と乾球温度検出値とを比較し、当該乾球温度制限値と乾球温度検出値との間に所定の関係がある場合に上記要求信号を抑制する評価器を有することを特徴とする、請求項2記載の空気調和システム用装置。
- 上記湿度センサは、
(a)雰囲気の相対湿度値を符号化した相対湿度信号を供給する相対湿度センサと、
(b)上記乾球温度信号及び相対湿度信号を受け、湿潤温度近似値を計算し、当該湿潤温度近似値を上記湿潤温度信号に符号化する計算器と
から構成されることを特徴とする、請求項1記載の空気調和システム用装置。 - 上記メモリはさらに、相対湿度設定値及び乾球温度設定値を保持し、当該相対湿度設定値及び乾球温度設定値の関数として上記湿潤温度設定値を算出し、当該算出湿潤温度設定値を符号化した信号を供給する記録器を有することを特徴とする請求項4記載の空気調和システム用装置。
- 上記メモリはさらに、
(a)相対湿度設定値記録器と、
(b算出湿潤温度設定値信号により符号化した算出湿潤温度設定値を記録する算出設定値記録器と、
(c)上記算出湿潤温度設定値を上記湿潤温度設定値として上記設定値信号に符号化する符号器とを有し、
上記コントローラはさらに、上記相対湿度設定値及び乾球温度設定値を受け、当該相対湿度設定値及び乾球温度設定値の関数として上記湿潤温度設定値を算出し、当該算出湿潤温度設定値を符号化した信号を上記算出設定値記録器に供給する装置を有することを特徴とする、請求項1記載の空気調和システム用装置。 - 上記計算器はさらに、
(a)上記湿潤温度誤差及び乾球温度誤差を符号化した初期誤差信号を供給する装置と、
(b)上記複合誤差を検出し、上記複合誤差信号に符号化する評価器と
を有することを特徴とする、請求項6記載の空気調和システム用装置。 - 空気調和システムの動作を制御する空気調和システム制御方法であって、
少なくとも湿球温度及び露点温度の一方を符合化した湿潤温度信号を供給するために湿潤温度を検出するステップと、
乾球温度を符号化した気温信号を供給するために気温を検出するステップと、
乾球温度設定値及び湿潤温度設定値を記録するステップと、
当該乾球温度設定値及び湿潤温度設定値を符号化した設定値信号を供給するステップと、
上記湿潤温度信号、気温信号、及び設定値信号を受け、当該湿潤温度信号、気温信号、及び設定値信号が符号化した値の関数として複合誤差値を計算し、当該複合誤差値を上記複合誤差信号に符号化するステップと、
(a)湿潤温度誤差がゼロより小さい場合、複合誤差は乾球温度誤差に等しく、
(b)上記湿潤温度誤差がゼロより大きい場合、複合誤差は湿潤温度誤差に等しく、上記複合誤差値の決定を行うステップと、
複合誤差信号により所定の誤差範囲内において符号化した複合誤差値に応じて上記空気調和システムを作動してその動作を調整するステップと、
を含むことを特徴とする空気調和システム制御方法。 - さらに、
雰囲気の相対湿度値を符号化した相対湿度信号を供給するステップと、
湿潤温度近似値を計算するステップと、
を含むことを特徴とする、請求項8記載の空気調和システム制御方法。 - さらに、相対湿度設定値及び乾球温度設定値の関数として上記湿潤温度設定値を算出するステップを含むことを特徴とする、請求項9記載の空気調和システム制御方法。
- 空気調和システムの動作を制御する空気調和システム制御方法であって、
湿潤温度信号を供給するために湿潤温度を検出するステップと、
乾球温度信号を供給するために気温を検出するステップと、
乾球温度設定値及び湿潤温度設定値を記録するステップと、
当該乾球温度設定値及び湿潤温度設定値を符号化した設定値信号を供給するステップと、
(a)湿潤温度誤差がゼロより小さい場合、複合誤差は乾球温度誤差に等しく、
(b)上記湿潤温度誤差がゼロより大きい場合、複合誤差は湿潤温度誤差に等く、複合誤差値の決定を行うステップと、
上記複合誤差値に応じて空気調和システムの動作を調整するステップと、
を含むこと特徴とする空気調和システム制御方法。 - エンクロージャー内の温度及び湿度を制御する快適性コントローラであって、
湿度センサと、
温度センサと、
プロセッサとを備え、当該プロセッサは複合誤差値を、
(a)湿潤温度誤差がゼロより小さい場合、複合誤差は乾球温度誤差に等しく、
(b)上記湿潤温度誤差がゼロより大きい場合、複合誤差は湿潤温度誤差に等しく決定し、
当該快適性コントローラは上記複合誤差値に応じて暖房及び空調システムを調整することを特徴とする快適性コントローラ。 - 相対湿度設定値記録器と、
算出湿潤温度設定値信号により符号化した算出湿潤温度設定値を記録する算出設定値記録器と、
上記算出湿潤温度設定値を上記湿潤温度設定値として上記設定値信号に符号化する符号器とから構成されるメモリを有し、
当該快適性コントローラはさらに、上記相対湿度設定値及び乾球温度設定値を受け、当該相対湿度設定値及び乾球温度設定値の関数として上記湿潤温度設定値を算出し、当該算出湿潤温度設定値を符号化した信号を上記算出設定値記録器に供給する装置を有することを特徴とする、請求項12記載の快適性コントローラ。 - 複合誤差信号により所定の誤差範囲内において符号化した複合誤差値に応じて空気調和システムを作動するコントローラと協働する空気調和システム用装置において、
少なくとも湿球温度及び露点温度の一方を符合化した湿潤温度信号を供給する湿度センサと、
乾球温度を符号化した気温信号を供給する温度センサと、
乾球温度設定値及び湿潤温度設定値を記録し、当該乾球温度設定値及び湿潤温度設定値を符号化した設定値信号を供給するメモリと、
上記湿潤温度信号、気温信号、及び設定値信号を受け、当該湿潤温度信号、気温信号、及び設定値信号が符号化した値の関数として複合誤差値を計算し、当該複合誤差値を上記複合誤差信号に符号化する計算器とを備え、
上記複合誤差値の決定を、
(a)上記湿潤温度誤差が負の場合、複合誤差は乾球温度誤差に等しい、
(b)上記湿潤温度誤差が正の場合、複合誤差は湿潤温度誤差に等しい、
(c)上記湿潤温度誤差及び乾球温度誤差が共に負の場合、複合誤差は上記湿潤温度誤差と乾球温度誤差のうち数値の大きい方に等しい、
として行うことを特徴とする空気調和システム用装置。 - さらに、上記複合誤差信号を受け、当該複合誤差値の関数として定められる期間、要求信号を供給する誤差処理器を有することを特徴とする、請求項14記載の空気調和システム用装置。
- 上記メモリは、乾球温度制限値を記憶し、当該乾球温度制限値を符号化した乾球温度制限信号を供給する記憶部を有し、上記誤差処理器はさらに、上記乾球温度制限信号及び検出乾球温度信号を受け、両信号に係る乾球温度制限値と乾球温度検出値とを比較し、当該乾球温度制限値と乾球温度検出値との間に所定の関係がある場合に上記要求信号を抑制する評価器を有することを特徴とする、請求項15記載の空気調和システム用装置。
- 上記湿度センサは、
(a)雰囲気の相対湿度値を符号化した相対湿度信号を供給する相対湿度センサと、
(b)上記気温信号及び相対湿度信号を受け、湿潤温度近似値を計算し、当該湿潤温度近似値を上記湿潤温度信号に符号化する計算器と
から構成されることを特徴とする、請求項14記載の空気調和システム用装置。 - 上記メモリはさらに、相対湿度設定値及び乾球温度設定値を保持し、当該相対湿度設定値及び乾球温度設定値の関数として上記湿潤温度設定値を算出し、当該算出湿潤温度設定値を符号化した信号を供給する記録器を有することを特徴とする請求項17記載の空気調和システム用装置。
- 少なくとも湿球温度及び露点温度の一方を符合化した湿潤温度信号を供給する湿度センサと、
乾球温度を符号化した気温信号を供給する温度センサと、
乾球温度設定値及び湿潤温度設定値を記録し、当該乾球温度設定値及び湿潤温度設定値を符号化した設定値信号を供給するメモリと、
上記湿潤温度信号、気温信号、及び設定値信号を受け、当該湿潤温度信号、気温信号、及び設定値信号が符号化した値の関数として複合誤差値を計算し、当該複合誤差値を上記複合誤差信号に符号化する計算器とを備え、
上記複合誤差値の決定を、
(a)上記湿潤温度誤差が負の場合、複合誤差は乾球温度誤差に等しい、
(b)上記湿潤温度誤差が正の場合、複合誤差は湿潤温度誤差に等しい、
(c)上記湿潤温度誤差及び乾球温度誤差が共に負の場合、複合誤差は上記湿潤温度誤差と乾球温度誤差のうち数値の大きい方に等しい、
として行うことを特徴とするサーモスタット。
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