JP2004521791A - 農業用多重ホース及びその製造装置 - Google Patents

Abstract

本発明は、農業用水を引き上げたり、長距離移動させるのに使われるホースを、二重または三重の多重構造で製作すると共に、ホースの接着部位を重畳して付着することによって接着力を増大させ、強い水圧の作用時にも接着部位が離れることを防止できる農業用多重ホース及びその製造装置に関するものである。この農業用多重ホースは、ポリエチレン（ＨＤＰＥ＋ＥＶＡ）を主材料とした原緞の表面に樹脂コーティングした後、二重に接着させて作ったタポリンを利用して幾重にも積層させて製造されたもので、各層の接合部位は所定の長さだけ重なった状態で接着されている。
【選択図】図６

Description

【０００１】
発明の背景
（ａ）発明の分野
本発明は、農業用多重ホース及びその製造装置に関するもので、より詳細には、農業用ホースを二重または三重構造のホースで製作すると共に、接着部位の接着力を増大させ、高い水圧により接合部位が離れることを防止することができる多重ホース及びその製造装置に関するものである。
【０００２】
（ｂ）関連する技術の説明
既存の農業用ホースでは、大韓民国実用新案公報第８０−１８７８号に開示されているように、耐候性と屈折強度を高めたものと、大韓民国実用新案公報第７８−１２９号に開示されているように、織布と内面の樹脂ホースを一体化させて漏水が発生しないようにしたものと、大韓民国実用新案出願第１９９８−１０９９６号に開示されているようにタポリンにビニールフィルムを接着させ、タポリン製造時に発生するピンホールから水が漏れないようにしたものがある。
【０００３】
しかし、このような農業用ホースは、既存の農業用ホースの寿命をある程延長させて軟らかさを持つようにし、タポリンの製造時に発生したピンホールなどからの漏水を防止してはいるが、ホースを巻いて接着させた接合面における接合力が低くて水圧が多くかかると接合部位が離れる問題があり、接合部位の接着用樹脂が熱により過熱になれば、原緞の強度が下がるという弱点がある。
【０００４】
特に、前記の農業用ホースは、熱帯地方のように紫外線が強く送水距離が長い場合、使用年限が短縮され、接着力が低く水圧が多くかかる場合には接合面が離れて漏水が発生するので、通常、熱帯地方ではＰＶＣで製作された農業用筒ホースを用いている。
【０００５】
しかし、ＰＶＣ製農業用筒ホースは、ＰＶＣ材質からなっておりリサイクルができないので廃棄物として残ることになり、また熱帯地方のような極限状況では寿命が長くないため頻繁に取り替えなくてはならず、またホースの厚さが厚くて運搬、保管、設置が難しいといった問題点がある。
【０００６】
発明の要約
このような問題点を解決するための本発明は、紫外線に強くて厚さが薄く、水圧に耐える力が卓越しており、ホース接合部位が離れない農業用ホースを提供するためのもので、ポリエチレン（ＨＤＰＥ＋ＥＶＡ）を主材料としたフィルムに細かい線を施して引き延ばす過程で軟らかい原糸を作り、原糸のテンションを調節して高密度の原緞で織造した後、原緞の表面に樹脂をコーティングし、二重に接着させてタポリンを作り、これを利用して二重または三重ホースを製作するものの、接合部位で外皮と内皮が接着されるようにする一方、外皮と外皮及び内皮と内皮とが皆接着されるようにし、ホース製造時に接触する接合面積を増やすことによって、農業用ホースの接合部位の強度を増大させ、水圧により離れることを防止することができる農業用多重ホースを提供することにその目的がある。
【０００７】
本発明の他の目的は、ポリエチレン（ＨＤＰＥ＋ＥＶＡ）を主材料としたフィルムに細かい線を施して引き延ばす過程で軟らかい原糸を作り、原糸のテンションを調節して高密度の原緞で織造した後、原緞の表面に樹脂をコーティングし、二重に接着させて作られたタポリンを利用して、高強度の二重または三重ホースを製作することができる農業用多重ホースの製造装置を提供することにある。
【０００８】
前述した目的を達成するための本発明の農業用多重ホースは、ポリエチレン（ＨＤＰＥ＋ＥＶＡ）を主材料とした原緞の表面に樹脂コーティングした後、二重に接着させて作ったタポリンを利用して幾重にも積層させて製造されたもので、各層の接合部位は所定の長さだけ重なった状態で接着されていることを特徴とする。
【０００９】
本発明の一実施態様に係る農業用多重ホースは、樹脂コーティングされたタポリンで作られた外皮と、樹脂コーティングされたタポリンで作られた内皮とからなり、前記外皮は一部が内側に突設した突設部を具備し、前記内皮は一部が外側に突設された突設部を具備して、これらの外皮と内皮とは互いに重畳部を通じて一部が重なった状態で樹脂によって接着され、前記外皮の突設部は外皮の外面に接着され、内皮の突設部は内皮の内面に接着された二重構造を持つことを特徴とする。
【００１０】
本発明の他の実施態様に係る農業用多重ホースは、樹脂コーティングされたタポリンで作られた外皮と、樹脂コーティングされたタポリンで作られた内皮とからなり、前記外皮は一部が内側に突設した突設部を具備し、前記内皮は一部が外側に突設した突設部を具備して、これらの外皮と内皮は、互いに重畳部を通じて一部が重なった状態で樹脂によって接着され、前記外皮の突設部は外皮の外面に接着され、内皮の突設部は内皮の内面に接着されて、前記外皮の外部には、両端が前記内皮と外皮の重畳部とほぼ同一な長さだけ重なった状態で樹脂によって接着された表皮がさらに具備された三重構造を持つことを特徴とする。
【００１１】
前述した他の目的を達成するための本発明の農業用多重ホースの製造装置は、フレームにかけられた外皮ロールと内皮ロールに巻かれた外皮と内皮とを予熱させる予熱ローラーと、前記予熱ローラーで予熱された外皮と内皮との間に樹脂を流し、前後に移動する第一の接着ノズルと、樹脂が流された外皮と内皮とを押圧して接合させる第一の押圧ローラーと、前記押圧ローラーで押圧された二重原緞を、ホース形態に丸く巻きあげる複数のベンディングロールと、前記ベンディングロールで巻かれた二重原緞の相互接合面に樹脂を流し、前後に移動する第２の接着ノズルと、樹脂が流入した二重原緞を押圧して接着させる第２の押圧ローラーと、からなったことを特徴とする。
【００１２】
好適な実施態様の詳細な説明
以下、添付図面を参照して本発明の好ましい実施形態に係る農業用多重ホース及びその製造装置について詳細に説明する。
【００１３】
本発明の一実施形態では、二重構造の農業用多重ホースを例示した。この全体的な構成を見れば、樹脂コーティングされたタポリンで作られた外皮３０と、樹脂コーティングされたタポリンで作られた内皮４０とからなり、前記外皮３０は一部が内側に突設した突設部３０ｂを具備し、前記内皮４０は一部が外側に突設した突設部４０ａを具備して、これらの外皮３０と内皮４０とは互いに重畳部３０ａ、４０ｂを通じて一部が重なった状態で樹脂によって接着され、前記外皮３０の突設部３０ｂは外皮３０の外面に接着され、内皮４０の突設部４０ａは内皮４０の内面に接着された二重構造を持っている。
【００１４】
このような二重ホースの製造時には、一定幅を持って長さ方向に連続供給されるタポリンの外側に樹脂をコーティングして外皮３０と内皮４０とを準備し、前記外皮３０の内側に内皮４０を樹脂で緊密に接着させるものの、同一幅を有する外皮３０と内皮４０とを幅の方向にずれるように位置させ、外皮３０と内皮４０の片側が隣接する内皮４０と外皮３０より約２ｃｍ程度突設するように外皮３０と内皮４０とを接着させ、外皮３０が付着した内皮４０を円状に巻く時、両側に突設した外皮３０と内皮４０がそれぞれの外皮３０と内皮４０に触れ合うようにした後、重なる部位を樹脂で緊密に接着することによって、二重ホース５０を完成させる。
【００１５】
ここで、外皮３０はポリエチレン（ＨＤＰＥ＋ＥＶＡ）を主材料としてＵＶ剤を混合して原糸を作るものの、フィルムに細かい線を施し引き延ばす過程で軟らかい原糸を作って、原糸にテンションを調節して高密度の原緞を織造し、原緞の両面に低熱を要求するポリエチレン（ＬＤＰＥ＋ＥＶＡ）を主材料としてＵＶ剤が混合されたコーティング製を溶かしながら塗布させた後、ローラーの間を通過させた１７００デ二―ル以上の高調職のＨＤＰＥ原緞を使用するようになるが，これは強い水圧を耐える力を提供することであり、内皮４０は非常に強い水圧を求める所では外皮３０と同一な原緞を用い、それより低い水圧を求める所では外皮３０と同一な原緞を用い、それより低い水圧を求める所ではデニールが低い原緞を使用するようになるもので、外皮 ３０と内皮４０とを接着する樹脂はＬＤＰＥを使用する。
【００１６】
本発明の多重ホース製造装置は、フレーム１にかけられるように設けられ、ロール状に巻かれた外皮ロール２及び内皮ロール３と、前記外皮ロール２と内皮ロール３に巻かれた外皮３０と内皮４０とを予熱させる予熱ローラー５、９と、前記予熱ローラー５、９で予熱された外皮３０と内皮４０との間に樹脂を流し、前後移動する第一の接着ノズル８と外皮３０と内皮４０を接合させる押圧及び冷却ローラー６、７をかけて接合された二重原緞を丸く巻きあげるベンディングロール２０と、前記ベンディングロール２０で巻かれた二重原緞の一側面に樹脂を流して、前後移動する第２の接着ノズル２１と、樹脂が流入した二重原緞を接着させる押圧ロールと引きロール２２、２３と、を具備させることによってなされる。
【００１７】
本発明の一実施形態に係る二重ホース５０は、外皮３０と外皮３０が接着されるようにし、内皮４０と内皮４０が接着されるようにしてホース接合部位での接着力を高めるようにしたものでこのような二重ホース５０の製造過程を調べてみる。
【００１８】
まず、二重ホース５０の製造のために外皮３０と内皮４０とを構成する原緞を二重ホース５０の直径に合わせて切断した後、ロール状に巻き上げる。
【００１９】
高調職のＨＤＰＥタポリンに樹脂がコーティングされた外皮３０は、ロール状に巻かれて外皮ロール２でフレーム１の片側にかけられ、外皮ロール２に巻かれた外皮３０は、ガイドローラー４と予熱ローラー５とを介して押圧ローラー６と冷却ローラー７と押圧ローラー６との間に供給されるようになる。
【００２０】
外皮３０と内皮４０とを合紙するために第一の接着ノズル８が設けられたＴ台に到着する前、予熱ローラー５、９で原緞を予熱させる理由は、原緞が冷たいと接着用樹脂が急冷して接着が充分になされないために樹脂接着以前に予熱させるのである。
【００２１】
外皮３０と内皮４０とは、押圧ローラー６と冷却ローラー７とを通過する以前、前後方に移動するように設けられた第一の接着ノズル８で、外皮３０と内皮４０との接着部位に接着用樹脂を流す。
【００２２】
この際、外皮３０に流される接着用樹脂は、複数のひも形態で流したり、全体をみな流してもよい。
【００２３】
そして、同一幅を有する外皮３０と内皮４０とは、接着時に片側がそれぞれ突設するように接着させる。
【００２４】
このように外皮４０に内皮３０が接着された二重原緞は、ガイドローラー１０、１１を介して複数のベンディングロール２０を通過しながら内皮４０が内側に入り込むように円状に巻き上げるようにする。
【００２５】
ここで、複数のベンディングロール２０を利用して円状に巻く過程は、ホース製造業界の一般化した技術として、これについての詳細な説明は省略し、ただし本発明では外皮３０と内皮４０が接着される一方、外皮３０の突設部位が外皮３０と接着されて内皮４０の突設部位が内皮４０と接着できるように巻くようになる。
【００２６】
そして、前後方に移動する第２の接着ノズル２１を通じて互いに接着される部位に接着用樹脂を塗布するものの、前記接着用樹脂は、外皮３０と内皮４０とが会う部位、図５のａ部分に３筋程度を流し、外皮３０と外皮３０とが会う部位（図５のｃ部分）と、内皮４０と内皮４０とが会う部位（図５のｂ部分）は２筋程度になるように流す。
【００２７】
このように、接着用樹脂が流入した外皮３０と内皮４０は，さらに押圧ローラー２２と引きロールとの間を通過させて完全な接着がなされるようにし、接着が完了したホース５０は、ガイドローラー２４、２５、２６を介した後、通常のホース巻取機により巻かれるようになる。
【００２８】
このように製造される二重ホース５０は、図５に示すように外皮３０と内皮４０とを貼り付ける一方、外皮３０の突設部位を外皮３０と接着されるようにして、内皮４０の突設部位を内皮４０と接着されるようにすることによって、接着力を高めるのである。
【００２９】
本発明の他の実施形態では、一実施形態で説明した二重ホースにさらに表皮１１０を具備している三重ホースを例示した。これの構成を見れば、樹脂コーティングされたタポリンで作られた外皮１２０と、樹脂コーティングされたタポリンで作られた内皮１３０からなり、前記外皮１２０は一部が内側に突設した突設部１２０ｂを具備し、前記内皮１３０は一部が外側に突設した突設部１３０ａを具備して、これらの外皮１２０と内皮１３０とは互いに重畳部１２０ａ、１３０ｂを通じて一部が重なった状態で樹脂によって接着され、前記外皮１２０の突設部１２０ｂは外皮１２０の外面に接着されて、内皮１３０の突設部１３０ａは内皮１３０の内面に接着され、前記外皮１２０の外部には両端１１０ａ、１１０ｂが前記内皮１３０と外皮１２０の重畳部１２０ａ、１３０ｂとほぼ同一な長さだけ重なった状態で樹脂によって接着された表皮１１０がさらに具備された三重構造を持っている。
【００３０】
このような三重ホースの全体的な製造過程は、一実施形態で説明したように製造した二重ホースの外部に樹脂を利用して表示１１０を付着させればよいし、この過程で、表皮１１０の両端１１０ａ、１１０ｂが前記内皮１３０と外皮１２０の重畳部１２０ａ、１３０ｂとほぼ同一な長さだけ重なるように接着させればよい。
【００３１】
また、三重ホース製造装置は、他の実施形態で説明した二重ホース製造装置と比較して、表皮１１０を供給、予熱及び移送するためのローラーが付加される点を除けば同一なので、それについての詳細な図示及び説明は省略する。
【００３２】
一方、従来のホース６０は、図７のようにａ面積だけを接着させているが、本発明の多重ホースの場合は、図５のａ及び図６のａ’面積だけでなく外皮と内皮との突設部を利用して図５のｂとｃ及び図６のｂ’とｃ’の面積まで重なった状態で接着されるので、接着力が優れることは明らかなことであり、したがって円筒形で使用するＰＶＣホースに比べて堅さの面で決して劣らない。
【００３３】
現在、熱帯地方で農業用水の供給のために使われるホースは、製造工程や全ての面で公害の主犯であり、リサイクルにならないＰＶＣホースではないと使用することができない実情であるが、本発明はＰＶＣ製品に比べて強度（テスト成績）は２倍程度（ＰＶＣ製は２０５．８ｋｇ／５ｃｍで、本発明のＰＥホースは４１１．５ｋｇ／５ｃｍまたは４７０．４ｋｇ／５ｃｍ）強く出て、紫外線にもやはり強いと判明されており、耐水も試験結果５０ｋｇｆ／ｃｍ^２以上で、充分な水圧に耐えることができる。
【００３４】
その上、価格面で比較してもＰＶＣ筒ホースは直径４インチ１００ｍホース一つの価格が１２０、０００韓国ウォン程度なのに比べ、本発明はＰＶＣより強度が優れたものは８０、０００韓国ウォンであり、同等な水準の製品は半分程度の６０、０００韓国ウォンほどであるため、価格面や品質面でいくらでもＰＶＣ筒ホースと競争することができ、特に、ＰＶＣは公害問題によって全世界的に問題になっているために今後、世界市場に多くの販売が期待されて国益を向上させることができるのである。
【００３５】
このように、本発明は農業用多重ホースから接合方式を大きく改善して接着力を相当高め、さらには熱帯地方のように極限環境で使用する時も寿命を大きく延長させることができるのである。
【００３６】
また、リサイクルが１００％可能な熱可塑性の樹脂だけを使用することによって、熱帯地方でしばしば用いているＰＶＣホースの公害問題が解決できるのである。
【００３７】
そして、本発明は熱帯地方に輸出される製品として国益に役立つ一方、厚さがＰＶＣホースに比べて半分程度しかならないため運搬と使用に有利なものである。
【図面の簡単な説明】
【図１】
図１は本発明のホース製造装置の側面図である。
【図２】
図２は本発明のホース製造装置の一部切欠側面図である。
【図３】
図３は本発明の接着ノズルの要部の正面図である。
【図４】
図４は本発明の接着ノズルの一部切欠正面図である。
【図５】
図５は本発明の一実施形態に係る二重ホースの断面図である。
【図６】
図６は本発明の他の実施形態に係る三重ホースの断面図である。
【図７】
図７は従来の農業用ホースの断面図である。

Claims (5)

1. 農業用ホースにおいて、ポリエチレン（ＨＤＰＥ＋ＥＶＡ）を主材料とした原緞の表面に樹脂コーティングした後、二重に接着させて作ったタポリンを利用して幾重にも積層させて製造したもので、各層の接合部位は所定の長さだけ重なった状態で接着されていることを特徴とする農業用多重ホース。
2. 樹脂コーティングされたタポリンで作られた外皮と、樹脂コーティングされたタポリンで作られた内皮とからなり、前記外皮は一部が内側に突設した突設部を具備して、前記内皮は一部が外側に突設した突設部を具備し、これらの外皮と内皮は互いに重畳部を通じて一部が重なった状態で樹脂によって接着され、前記外皮の突設部は外皮の外面に接着されて、内皮の突設部は内皮の内面に接着された二重構造を持つことを特徴とする請求項１に記載の農業用多重ホース。
3. 樹脂コーティングされたタポリンで作られた外皮と、樹脂コーティングされたタポリンで作られた内皮とからなり、前記外皮は一部が内側に突設した突設部を具備して、前記内皮は一部が外側に突設した突設部を具備し、これらの外皮と内皮は互いに重畳部を通じて一部が重なった状態で樹脂によって接着され、前記外皮の突設部は外皮の外面に接着されて、内皮の突設部は内皮の内面に接着され、 前記外皮の外部には、両端が前記内皮と外皮の重畳部とほぼ同一な長さだけ重なった状態で樹脂によって接着された表皮が、さらに具備された三重構造を持つことを特徴とする請求項１に記載の農業用多重ホース。
4. フレームにかけられた外皮ロールと内皮ロールに巻かれた外皮と内皮とを予熱させる予熱ローラーと、
   前記予熱ローラーで予熱された外皮と内皮との間に樹脂を流し、前後に移動する第一の接着ノズルと、
   樹脂が流された外皮と内皮とを押圧して接合させる第一の押圧ローラーと、前記押圧ローラーで押圧された二重原緞を、ホース形態に丸く巻きあげる複数のベンディングロールと、
   前記ベンディングロールで巻かれた二重原緞の相互接合面に樹脂を流し、前後に移動する第２の接着ノズルと、
   樹脂が流入した二重原緞を押圧して接着させる第２の押圧ローラーと、からなったことを特徴とする農業用多重ホースの製造装置。
5. 樹脂が流入した外皮と内皮とを押圧させる押圧ローラーは、前記押圧ローラーと噛み合い回転して原緞を冷却させる冷却ローラーを具備することを特徴とする請求項４に記載の農業用多重ホースの製造装置。