JP2004521598A - ラジアル磁束およびトランスバーサル磁束をもつスイッチレラクタンスモータ - Google Patents
ラジアル磁束およびトランスバーサル磁束をもつスイッチレラクタンスモータ Download PDFInfo
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Abstract
本発明は、ラジアル磁束用固定子(12)を備えたブラシレスのスイッチレラクタンスモータ(10)に関する。この場合、ラジアル磁束用固定子のラジアル磁束用極(15〜18)にラジアル磁束用の電気的なコイル(21〜24)が配置されており、このラジアル磁束用コイル(21〜24)は少なくとも2つの電機子極(19,20)を備え回転可能に支承された電機子(11)に対しラジアル方向で作用を及ぼすラジアル磁束(13)を発生させる。その際、ラジアル磁束用コイル(21〜24)に対し順番に循環させながら切り替えて給電することにより電機子(11)が回転運動させられて、少なくとも2つの電機子極(19,20)はこの電機子極(19,20)を介して導かれる個々のラジアル磁束経路が短くなるよう、そのつど励磁されたラジアル磁束用極(15,17)の方向へ回転する。本発明によればこのようなレラクタンスモータ(10)にトランスバーサル磁束用固定子(27;57)が設けられており、このトランスバーサル磁束用固定子のトランスバーサル磁束用極(28,28b〜31a,31b;58a,58b〜61a,61b)に対しトランスバーサル磁束用の電気的なコイル(36〜39;66〜69)が割り当てられており、これらのコイルは電機子(11)に対しトランスバーサル方向で作用するトランスバーサル磁束(41,42)を発生させる。これらのトランスバーサル磁束用コイル(36〜39;66〜69)に対し順番に循環させながら切り替えて給電することにより電機子(11)が回転運動させられる。
Description
【0001】
従来の技術
本発明は、ラジアル磁束用固定子が設けられていて、旋回可能に支承された電機子に対しラジアル方向に作用するラジアル磁束をこの固定子により発生させる形式の、ブラシレスのスイッチレラクタンスモータに関する。この場合、ラジアル磁束用固定子のラジアル磁束用極に配置されたラジアル磁束用コイルを順番に循環させて給電することにより回転磁界が形成されて、電機子が回転運動させられる。その際、ラジアル磁束用極から電機子を介して導かれるラジアル磁束ができるかぎり短い経路を辿るよう、電機子の極はそのつど励磁されたラジアル磁束用極の方向に動く。
【0002】
英語では”Switched Reluctance Motor”と呼ばれることからSRモータとも呼ばれるスイッチレラクタンスモータは比較的簡単な構造もち、したがって信頼性が高い。リング状磁束用固定子にのみコイルが取り付けられていて、それらのコイルは電流給電装置通常は電力変換器によって順番に循環しながら給電される。この場合、電流は典型的には三角波状またはのこぎり波状である。電機子は磁性材料たとえば強磁性材料から成り、固定子と電気的に接触していない。そしてこのことはSRモータがその原理ゆえに、たとえば航空分野や宇宙飛行の分野、自動車の分野などにおける操舵システムのように高い信頼性の問われる用途に適している理由でもある。モータ自体では電気的な転流が行われないので、SRモータは鉱業など爆発の危険のある環境のためにも適している。
【0003】
とはいうもののリング状固定子を用いても、制約された範囲でしか電機子に作用を及ぼす磁気エネルギーを形成できない。さらに別の問題点は、放射状つまり半径方向の磁束用すなわちラジアル磁束用の固定子に給電する電流給電装置が故障してしまうとSRモータ全体がもはや動作不能になってしまうことである。
【0004】
発明の利点
本発明によるブラシレスのスイッチレラクタンスモータの場合、ラジアル磁束用固定子に加えて横断方向磁束用の固定子すなわちトランスバーサル磁束用固定子が設けられており、これは電機子に対しトランスバーサル方向ないしは横断方向で作用するトランスバーサル磁束の発生に適している。したがって電機子には半径方向つまりラジアル方向だけでなく横断方向つまりトランスバーサル方向でも磁束が貫流する。これにより磁気エネルギー密度を高めることができ、ひいてはこのことでSRモータの出力が高められるようになる。さらに、2つの固定子の各々つまりラジアル磁束用固定子とトランスバーサル磁束用固定子の各々に対しそれぞれ他方の固定子とは独立して給電可能であることから、本発明によるSRモータの信頼性がいっそう高まる。
【0005】
従属請求項には本発明の有利な実施形態が示されている。
【0006】
ここで有利であるのは、磁気的に逆極性に配向された対応し合うそれぞれ2つのトランスバーサル磁束用極の間を通って動くよう電機子極を配置することである。このようにすることでトランスバーサル磁束は最適化されて電機子に作用する。
【0007】
また、トランスバーサル磁束用固定子が少なくとも2つのトランスバーサル磁束用ヨークを有しているとよく、これらのヨークは磁気的に逆極性に配向された対応し合うそれぞれ2つのトランスバーサル磁束用極を相互接続している。
【0008】
トランスバーサル磁束用ヨークの構造に関しては様々な変形実施例が可能であるが、それらのうち以下では2つの実施形態について説明する。なお、以下で説明する変形実施形態の組み合わせも可能である。
【0009】
好適であるのは、トランスバーサル磁束用ヨークを少なくとも部分的にラジアル磁束用固定子における電機子とは反対側に配置することであり、そのようにすることで個々のトランスバーサル磁束用ヨークを介して流れる磁束がラジアル磁束用固定子における電機子とは反対側の前を通り過ぎるようになる。本発明によるSRモータをインナーロータ型モータとして構成した場合、トランスバーサル磁束用ヨークはラジアル磁束用固定子の外側に配置され、トランスバーサル磁束用ヨークを介して流れる磁束はラジアル磁束用固定子の外側を通過する。
【0010】
ラジアル磁束用ヨークをラジアル磁束用固定子とは別個のコンポーネントとして構成することができる。しかし有利には、トランスバーサル磁束用ヨークを部分的にラジアル磁束用固定子により形成することもできる。したがってこの場合、ラジアル磁束用固定子はラジアル磁束だけでなくトランスバーサル磁束も案内する。
【0011】
トランスバーサル磁束用ヨークの択一的な実施形態によれば(もちろんこれを原理的に上述のトランスバーサル磁束用ヨーク構造と組み合わせて適用することも可能)、トランスバーサル磁束用ヨークは電機子の互いに逆の端面側に配置されており、その際、それぞれ第1のトランスバーサル磁束用極を備えた第1のトランスバーサル磁束用ヨークは一方の端面側に配置されており、第1のトランスバーサル磁束用極と磁気的に対応し合う第2のトランスバーサル磁束用極を備えた第2のトランスバーサル磁束用ヨークは反対の端面側に配置されている。この場合、トランスバーサル磁束用ヨークをカバー状に覆うかたちで構成することができ、たとえば電機子の一方の端面側に配置された複数のトランスバーサル磁束用ヨークをカバー状に覆う部材の中心点で互いに接続することができる。
【0012】
好適にはトランスバーサル磁束用極とラジアル磁束用極が互いにずらされて配置されている。その際に有利であるのは、電機子の均質なトルク経過特性が得られるようそれぞれ少なくとも1つのトランスバーサル磁束用極を2つのラジアル磁束用極の間にずらして配置することである。なお、均質なトルク経過特性が得られるようにするために、トランスバーサル磁束用極とラジアル磁束用極を適切なかたちで互いにずらして配置するだけでなく、それに加えてトランスバーサル磁束用極とラジアル磁束用極の適切な給電も行われる。
【0013】
本発明によるレラクタンスモータの信頼性を高めるために好適であるのは、ラジアル磁束用コイルを給電するために第1の電流給電系が設けられており、トランスバーサル磁束用コイルを給電するために第2の電流給電系が設けられている。電流給電系としてはたとえば電力変換器が適している。
【0014】
電流給電系もしくは電流変換器は有利には互いに結合されており、したがってラジアル磁束用コイルとトランスバーサル磁束用コイルの給電を互いに調整し合うことができる。この措置によりたとえば、上述の電機子の均質なトルク経過特性を得ることができる。
【0015】
さらに有利であるのは両方の電流給電系を、一方の電流給電系が故障したときにはそのつど他方が引き続き動作可能であるように構成することである。このようにすることで少なくとも1つの電流給電系は動作可能状態となっており、その結果、結局は本発明によるレラクタンスモータは1つの電流給電系が故障してもいつでも作動できる。
【0016】
原理的には、トランスバーサル磁束用コイルの給電のためとラジアル磁束用コイルの給電のために1つの共通の電流給電系たとえばただ1つの電力変換器を設けることもできる。必要であればこれを適切な措置によって、たとえばコンポーネントを二重にするなどして、殊に確実な動作が保証されるよう構成できる。
【0017】
電機子に対しラジアル方向でもトランスバーサル方向でも磁束が流されるので、電機子を実質的に、導電性は低いが導磁性の高いフェライトまたは燒結金属によって構成するのが有利である。このような材料は、トランスバーサル磁束用ヨークが部分的にラジアル磁束用固定子により形成されるという上述の措置をとったときにも好適である。ラジアル磁束もトランスバーサル磁束も流れるラジアル磁束用固定子の領域は、導電性が低くかつ導磁性の高いフェライトまたは燒結金属から構成するのが有利である。
【0018】
ラジアル磁束用固定子は実質的にリング状であるとよいが、たとえば矩形の輪郭など他の構造形状も容易に考えられる。
【0019】
図面
次に、図面を参照しながら本発明の実施例について詳しく説明する。
【0020】
図1Aは、本発明によるスイッチレラクタンスモータ10の平面図であり、この場合、ラジアル磁束用固定子の外側にトランスバーサル磁束用ヨークが配置されている。
【0021】
図1Bは、図1A中のカットラインA−Aに沿って見たレラクタンスモータ10の断面図である。
【0022】
図2Aは、本発明によるレラクタンスモータ50の平面図であり、この場合、トランスバーサル磁束用ヨークはモータの電機子11のそれぞれ反対の端面側にそれを覆うかたちで配置されている。
【0023】
図2Bは、図2Aに示したレラクタンスモータ50をカットラインB−Bに沿ってみた断面図である。
【0024】
実施例の説明
以下ではまずはじめに、図1Aおよび図1Bに示したブラシレスのスイッチレラクタンスモータについて説明する。ラジアル磁束用固定子12は、電機子11に対しラジアル方向に作用するラジアル磁束を発生させるために用いられ、電機子11は回転軸14に回転可能に支承されている。ラジアル磁束13は、ラジアル磁束用固定子12のラジアル磁束用極15,17および16,18から電機子11の電機子極19,20を経て流れる。ラジアル磁束用極15〜18にはラジアル磁束用コイル21〜24が配置されており、それらのコイルは電流給電系を成す電力変換器25から順番に循環するかたちで給電される。コイル21〜24の給電はたとえば電機子11の個々の位置および/または回転速度に依存する。いずれにせよ電力変換器25はこのような目的に適した開ループ/閉ループ制御ユニットを有することができる。
【0025】
図1Aに示されている電機子11の位置において、ラジアル磁束13はリング状固定子極15から電機子極19へ、さらに電機子11を越えて電機子極20へと流れる。さらにそこからラジアル磁束13はラジアル磁束用極17へ流れる。この磁気回路は、ラジアル磁束用極15〜18の配置されている固定子リング26を通して閉じられる。なお、この図自体は概略的なものであるけれども、ラジアル磁束用極15〜18の形状に関してスイッチレラクタンスモータの典型的な特徴すなわちラジアル磁束用極が電機子に向かって突出していることをはっきりと示している。とはいえ必ずしもこの特徴を採用しなくてもよい。
【0026】
電機子11は磁束13の経路を短くしようとして、図示の位置からラジアル磁束用極15,17の方向へ回転する。その結果、回転軸14のところで取り出すことのできるトルクが発生する。ラジアル磁束用コイル21,23の給電に続いてラジアル磁束用コイル22,24が給電され、それにより電機子は回転軸14のそばに書き込まれた矢印で示されている回転運動を継続する。
【0027】
ラジアル磁束用固定子12に加えてレラクタンスモータ10は、トランスバーサル磁束用極28a,28b〜31a,31bを備えたトランスバーサル磁束用固定子27を有している(図1Aでは添字aの付されたトランスバーサル磁束用極28a〜31aしか見えない)。トランスバーサル磁束用極28a,28bはトランスバーサル磁束用ヨーク32により互いに接続されており、これと同様にトランスバーサル磁束用極29a,29b〜31a,31bはトランスバーサル磁束用ヨーク33〜35により互いに接続されている。
【0028】
トランスバーサル磁束用ヨーク32〜35にはトランスバーサル磁束用コイル36〜39が配置されており、これらは電力変換器40により順番に循環しながら給電される。電力変換器25は第1の電流給電系を成し、電力変換器40は第2の電流給電系を成す。図面をみやすくするため、各トランスバーサル磁束用ヨーク32〜35にはそれぞれ1つのトランスバーサル磁束用コイル36〜39しか配置されていないが、複数のトランスバーサル磁束用コイルを配置することも可能である。たとえばトランスバーサル磁束用極28a,28b〜31a,31bの各々にそれぞれ1つのトランスバーサル磁束用コイルが配置されているように構成してもよい。
【0029】
一例として図1Aには、トランスバーサル磁束用極28a,28bもしくは30a,30bのところにトランスバーサル磁束41,42が書き込まれている。これらのトランスバーサル磁束41,42はトランスバーサル磁束用コイル36もしくは38の給電により得られる。
【0030】
電機子11はトランスバーサル磁束41,42の経路を短くしようとして、電機子極19はトランスバーサル磁束極28a,28bの方向に回転し、電機子極20はトランスバーサル磁束用極30a,30bの方向に回転する。
【0031】
図1Bにはさらに別の例としてトランスバーサル磁束43,44が示されている。トランスバーサル磁束43,44はトランスバーサル磁束コイル37もしくは39の給電により引き起こされ、ラジアル磁束用固定子12の外側に配置されているトランスバーサル磁束用ヨーク33もしくは35を介して流れる。図1Bについてさらに述べておくと、電機子11は図1Aとは異なる位置をとっており、簡単かつ見やすくするため本来は見えるはずのラジアル磁束用極15,16は示されていない。
【0032】
図1Aに示されている実施形態の場合、トランスバーサル磁束用ヨーク32〜35はラジアル磁束用固定子12のリング26に沿って動く。これらのヨークはラジアル方向に積層された薄片であるとよい。これに相応してラジアル磁束用固定子12も回転軸14と交差する方向で積層された薄片であるとよい。
【0033】
原理的にはトランスバーサル磁束用ヨークを少なくとも部分的にラジアル磁束用固定子から形成することもでき、その場合にはたとえば固定子リングがトランスバーサル磁束を案内する。
【0034】
図1Bによればトランスバーサル磁束用固定子27はラジアル磁束用固定子12に対し間隔をおいて配置されている。図示されている構造であれば原理的に、トランスバーサル磁束用固定子をラジアル磁束用固定子にじかに配置することも可能である。
【0035】
この実施例の場合、電力変換器25と40をそれぞれ互いに無関係に稼働させることができるので、レラクタンスモータ10の高度な動作確実性を実現できるようになる。さらに測定装置45により電力変換器25,40に対しそれぞれ互いに別個に、レラクタンスモータ10に関する実際値(詳しくは描かれていない矢印で示す)たとえば電機子11の個々の位置が供給され、電力変換器25,40はラジアル磁束用極15〜18もしくはトランスバーサル磁束用極28a,28b〜31a,31bに対し適切に循環しながら給電できるようになる。
【0036】
これに加えて電力変換器25,40は中央制御装置46により制御され、それによってラジアル磁束用固定子12とトランスバーサル磁束用固定子27の給電が調整される。測定装置45はこの中央制御装置46にも実際値を供給し、その値および図示されていない目標値設定に依存して電力変換器25,40を制御して、たとえば図1Aに示されている電機子11の位置であればまずはじめにラジアル磁束用コイル21,23が、ついでトランスバーサル磁束用コイル36,38が給電される。
【0037】
レラクタンスモータ10の場合、トランスバーサル磁束用極28a,28b〜31a,31bはラジアル磁束用極15〜18に対しずらされて配置されており、この場合、2つのラジアル磁束用極の間にそれぞれ1つのトランスバーサル磁束用極が設けられている。これは電力変換器25,40の調整のとれた制御と共働して、回転軸14のところで取り出すことのできるトルクができるかぎり均質なトルク経過特性となるようにするために用いられる。ラジアル磁束用極間の中央にトランスバーサル磁束用極を配置することで、両方の回転方向においてそのような均質なトルク経過特性を得ることができるようになる。
【0038】
とはいえ原理的には、トランスバーサル磁束用極をラジアル磁束用極間の中央にそれぞれ配置させないことも考えられ、これは本発明によるレラクタンスモータが一方の方向での動作のためだけに設けられている場合である。また、トランスバーサル磁束用極をたとえば電機子の回転方向でそれよりも手前に位置するラジアル磁束用極に近づけて配置することもできる。
【0039】
図2Aおよび図2Bに示されているレラクタンスモータの場合、ラジアル磁束に作用を及ぼす部材に関してはレラクタンスモータ10と同様に構成されており、その相違点は、電力変換器25の代わりに電力変換器51が設けられている点だけであり、この電力変換器はトランスバーサル磁束に作用を及ぼす部材にも付加的に電流を供給する。この部材についてはあとでもう一度説明する。レラクタンスモータ50においてラジアル磁束に作用を及ぼす部材にはレラクタンスモータ10と同じ参照符号が付されている。
【0040】
レラクタンスモータ50のトランスバーサル磁束用固定子57はトランスバーサル磁束用極58a,60a;59a,61a;58b,60b;59b,61bを有しており、これはヨーク62,63,64もしくは65を介して互いに接続されている。トランスバーサル磁束用極58b〜61bならびにトランスバーサル磁束用ヨーク64,65は図2Aでは見えない。トランスバーサル磁束用ヨーク62,63は電機子11の上端面側に配置されており、トランスバーサル磁束用ヨーク64,65はその下端面側に配置されていて、これらトランスバーサル磁束用ヨークはそれぞれの端面の上を覆っている。トランスバーサル磁束用ヨーク62,63および64,65は十字形を成すようそれぞれ互いに接続されている。この場合、回転軸14がトランスバーサル磁束用ヨーク62,63および64,65を貫通しており、たとえばそこに回転可能に支承されている。しかし原理的には、端面側において電機子の上を覆うかたちでトランスバーサル磁束用ヨークをそれぞれ電機子回転軸の隣りに配置することも可能である。
【0041】
トランスバーサル磁束用ヨーク62〜65にはトランスバーサル磁束用コイル66,67,68もしくは69が配置されており、これらのコイルによってトランスバーサル方向につまり回転軸14に対し平行に電機子を通り抜けて流れるトランスバーサル磁束を発生させることができる。電機子11は個々のトランスバーサル磁束の経路を短くしようとし、励磁されているトランスバーサル磁束用極58a〜61bの方向に回転させられる。図2Aおよび図2Bの実施例の場合、トランスバーサル磁束用コイル66〜69の給電のために電力変換器51が設けられており、これはラジアル磁束用コイル21〜24も給電する。レラクタンスモータ50の実際値を測定する測定装置は図2Aには書き込まれていない。
【0042】
なお、本発明のその他の変形実施形態も原理的に可能であることは自明である。さらに発明の詳細な説明および請求項に記載されている構成を任意の組み合わせることも可能である。
【0043】
既述の実施例のスイッチレラクタンスモータは4つのラジアル磁束用極と2つの電機子極をもついわゆる4/2モータである。しかし本発明の原理はあらゆる形式のスイッチレラクタンスモータに適用することができ、たとえばいわゆる3/2モータまたは6/8モータにおいても適用可能である。本発明の有利な変形実施形態として考えられるのはいわゆる6/4モータである。
【0044】
また、既述の実施例ではラジアル磁束用極の2倍の個数のトランスバーサル磁束用極が設けられているけれども、トランスバーサル磁束用極の個数を必ずしもラジアル磁束用極の個数と相関させなくてもよい。原理的にはラジアル磁束用極の4倍の個数のトランスバーサル磁束用極を設けることもできるし、ラジアル磁束用極と同数のトランスバーサル磁束用極を設けることもできる。
【0045】
なお、ラジアル磁束用固定子とトランスバーサル磁束用固定子により1つのコンパクトなコンポーネントを形成できることは自明である。また、本発明によるコンセプトをいわゆるアウターロータ型モータにも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】
図1Aは本発明によるスイッチレラクタンスモータ10の平面図であって、ラジアル磁束用固定子の外側にトランスバーサル磁束用ヨークが配置されており、図1Bは図1A中のカットラインA−Aに沿って見たレラクタンスモータ10の断面図である。
【図2】
図2Aは本発明によるレラクタンスモータ50の平面図であって、トランスバーサル磁束用ヨークはモータの電機子11のそれぞれ反対の端面側にそれを覆うかたちで配置されており、図2Bは図2Aに示したレラクタンスモータ50をカットラインB−Bに沿ってみた断面図である。
従来の技術
本発明は、ラジアル磁束用固定子が設けられていて、旋回可能に支承された電機子に対しラジアル方向に作用するラジアル磁束をこの固定子により発生させる形式の、ブラシレスのスイッチレラクタンスモータに関する。この場合、ラジアル磁束用固定子のラジアル磁束用極に配置されたラジアル磁束用コイルを順番に循環させて給電することにより回転磁界が形成されて、電機子が回転運動させられる。その際、ラジアル磁束用極から電機子を介して導かれるラジアル磁束ができるかぎり短い経路を辿るよう、電機子の極はそのつど励磁されたラジアル磁束用極の方向に動く。
【0002】
英語では”Switched Reluctance Motor”と呼ばれることからSRモータとも呼ばれるスイッチレラクタンスモータは比較的簡単な構造もち、したがって信頼性が高い。リング状磁束用固定子にのみコイルが取り付けられていて、それらのコイルは電流給電装置通常は電力変換器によって順番に循環しながら給電される。この場合、電流は典型的には三角波状またはのこぎり波状である。電機子は磁性材料たとえば強磁性材料から成り、固定子と電気的に接触していない。そしてこのことはSRモータがその原理ゆえに、たとえば航空分野や宇宙飛行の分野、自動車の分野などにおける操舵システムのように高い信頼性の問われる用途に適している理由でもある。モータ自体では電気的な転流が行われないので、SRモータは鉱業など爆発の危険のある環境のためにも適している。
【0003】
とはいうもののリング状固定子を用いても、制約された範囲でしか電機子に作用を及ぼす磁気エネルギーを形成できない。さらに別の問題点は、放射状つまり半径方向の磁束用すなわちラジアル磁束用の固定子に給電する電流給電装置が故障してしまうとSRモータ全体がもはや動作不能になってしまうことである。
【0004】
発明の利点
本発明によるブラシレスのスイッチレラクタンスモータの場合、ラジアル磁束用固定子に加えて横断方向磁束用の固定子すなわちトランスバーサル磁束用固定子が設けられており、これは電機子に対しトランスバーサル方向ないしは横断方向で作用するトランスバーサル磁束の発生に適している。したがって電機子には半径方向つまりラジアル方向だけでなく横断方向つまりトランスバーサル方向でも磁束が貫流する。これにより磁気エネルギー密度を高めることができ、ひいてはこのことでSRモータの出力が高められるようになる。さらに、2つの固定子の各々つまりラジアル磁束用固定子とトランスバーサル磁束用固定子の各々に対しそれぞれ他方の固定子とは独立して給電可能であることから、本発明によるSRモータの信頼性がいっそう高まる。
【0005】
従属請求項には本発明の有利な実施形態が示されている。
【0006】
ここで有利であるのは、磁気的に逆極性に配向された対応し合うそれぞれ2つのトランスバーサル磁束用極の間を通って動くよう電機子極を配置することである。このようにすることでトランスバーサル磁束は最適化されて電機子に作用する。
【0007】
また、トランスバーサル磁束用固定子が少なくとも2つのトランスバーサル磁束用ヨークを有しているとよく、これらのヨークは磁気的に逆極性に配向された対応し合うそれぞれ2つのトランスバーサル磁束用極を相互接続している。
【0008】
トランスバーサル磁束用ヨークの構造に関しては様々な変形実施例が可能であるが、それらのうち以下では2つの実施形態について説明する。なお、以下で説明する変形実施形態の組み合わせも可能である。
【0009】
好適であるのは、トランスバーサル磁束用ヨークを少なくとも部分的にラジアル磁束用固定子における電機子とは反対側に配置することであり、そのようにすることで個々のトランスバーサル磁束用ヨークを介して流れる磁束がラジアル磁束用固定子における電機子とは反対側の前を通り過ぎるようになる。本発明によるSRモータをインナーロータ型モータとして構成した場合、トランスバーサル磁束用ヨークはラジアル磁束用固定子の外側に配置され、トランスバーサル磁束用ヨークを介して流れる磁束はラジアル磁束用固定子の外側を通過する。
【0010】
ラジアル磁束用ヨークをラジアル磁束用固定子とは別個のコンポーネントとして構成することができる。しかし有利には、トランスバーサル磁束用ヨークを部分的にラジアル磁束用固定子により形成することもできる。したがってこの場合、ラジアル磁束用固定子はラジアル磁束だけでなくトランスバーサル磁束も案内する。
【0011】
トランスバーサル磁束用ヨークの択一的な実施形態によれば(もちろんこれを原理的に上述のトランスバーサル磁束用ヨーク構造と組み合わせて適用することも可能)、トランスバーサル磁束用ヨークは電機子の互いに逆の端面側に配置されており、その際、それぞれ第1のトランスバーサル磁束用極を備えた第1のトランスバーサル磁束用ヨークは一方の端面側に配置されており、第1のトランスバーサル磁束用極と磁気的に対応し合う第2のトランスバーサル磁束用極を備えた第2のトランスバーサル磁束用ヨークは反対の端面側に配置されている。この場合、トランスバーサル磁束用ヨークをカバー状に覆うかたちで構成することができ、たとえば電機子の一方の端面側に配置された複数のトランスバーサル磁束用ヨークをカバー状に覆う部材の中心点で互いに接続することができる。
【0012】
好適にはトランスバーサル磁束用極とラジアル磁束用極が互いにずらされて配置されている。その際に有利であるのは、電機子の均質なトルク経過特性が得られるようそれぞれ少なくとも1つのトランスバーサル磁束用極を2つのラジアル磁束用極の間にずらして配置することである。なお、均質なトルク経過特性が得られるようにするために、トランスバーサル磁束用極とラジアル磁束用極を適切なかたちで互いにずらして配置するだけでなく、それに加えてトランスバーサル磁束用極とラジアル磁束用極の適切な給電も行われる。
【0013】
本発明によるレラクタンスモータの信頼性を高めるために好適であるのは、ラジアル磁束用コイルを給電するために第1の電流給電系が設けられており、トランスバーサル磁束用コイルを給電するために第2の電流給電系が設けられている。電流給電系としてはたとえば電力変換器が適している。
【0014】
電流給電系もしくは電流変換器は有利には互いに結合されており、したがってラジアル磁束用コイルとトランスバーサル磁束用コイルの給電を互いに調整し合うことができる。この措置によりたとえば、上述の電機子の均質なトルク経過特性を得ることができる。
【0015】
さらに有利であるのは両方の電流給電系を、一方の電流給電系が故障したときにはそのつど他方が引き続き動作可能であるように構成することである。このようにすることで少なくとも1つの電流給電系は動作可能状態となっており、その結果、結局は本発明によるレラクタンスモータは1つの電流給電系が故障してもいつでも作動できる。
【0016】
原理的には、トランスバーサル磁束用コイルの給電のためとラジアル磁束用コイルの給電のために1つの共通の電流給電系たとえばただ1つの電力変換器を設けることもできる。必要であればこれを適切な措置によって、たとえばコンポーネントを二重にするなどして、殊に確実な動作が保証されるよう構成できる。
【0017】
電機子に対しラジアル方向でもトランスバーサル方向でも磁束が流されるので、電機子を実質的に、導電性は低いが導磁性の高いフェライトまたは燒結金属によって構成するのが有利である。このような材料は、トランスバーサル磁束用ヨークが部分的にラジアル磁束用固定子により形成されるという上述の措置をとったときにも好適である。ラジアル磁束もトランスバーサル磁束も流れるラジアル磁束用固定子の領域は、導電性が低くかつ導磁性の高いフェライトまたは燒結金属から構成するのが有利である。
【0018】
ラジアル磁束用固定子は実質的にリング状であるとよいが、たとえば矩形の輪郭など他の構造形状も容易に考えられる。
【0019】
図面
次に、図面を参照しながら本発明の実施例について詳しく説明する。
【0020】
図1Aは、本発明によるスイッチレラクタンスモータ10の平面図であり、この場合、ラジアル磁束用固定子の外側にトランスバーサル磁束用ヨークが配置されている。
【0021】
図1Bは、図1A中のカットラインA−Aに沿って見たレラクタンスモータ10の断面図である。
【0022】
図2Aは、本発明によるレラクタンスモータ50の平面図であり、この場合、トランスバーサル磁束用ヨークはモータの電機子11のそれぞれ反対の端面側にそれを覆うかたちで配置されている。
【0023】
図2Bは、図2Aに示したレラクタンスモータ50をカットラインB−Bに沿ってみた断面図である。
【0024】
実施例の説明
以下ではまずはじめに、図1Aおよび図1Bに示したブラシレスのスイッチレラクタンスモータについて説明する。ラジアル磁束用固定子12は、電機子11に対しラジアル方向に作用するラジアル磁束を発生させるために用いられ、電機子11は回転軸14に回転可能に支承されている。ラジアル磁束13は、ラジアル磁束用固定子12のラジアル磁束用極15,17および16,18から電機子11の電機子極19,20を経て流れる。ラジアル磁束用極15〜18にはラジアル磁束用コイル21〜24が配置されており、それらのコイルは電流給電系を成す電力変換器25から順番に循環するかたちで給電される。コイル21〜24の給電はたとえば電機子11の個々の位置および/または回転速度に依存する。いずれにせよ電力変換器25はこのような目的に適した開ループ/閉ループ制御ユニットを有することができる。
【0025】
図1Aに示されている電機子11の位置において、ラジアル磁束13はリング状固定子極15から電機子極19へ、さらに電機子11を越えて電機子極20へと流れる。さらにそこからラジアル磁束13はラジアル磁束用極17へ流れる。この磁気回路は、ラジアル磁束用極15〜18の配置されている固定子リング26を通して閉じられる。なお、この図自体は概略的なものであるけれども、ラジアル磁束用極15〜18の形状に関してスイッチレラクタンスモータの典型的な特徴すなわちラジアル磁束用極が電機子に向かって突出していることをはっきりと示している。とはいえ必ずしもこの特徴を採用しなくてもよい。
【0026】
電機子11は磁束13の経路を短くしようとして、図示の位置からラジアル磁束用極15,17の方向へ回転する。その結果、回転軸14のところで取り出すことのできるトルクが発生する。ラジアル磁束用コイル21,23の給電に続いてラジアル磁束用コイル22,24が給電され、それにより電機子は回転軸14のそばに書き込まれた矢印で示されている回転運動を継続する。
【0027】
ラジアル磁束用固定子12に加えてレラクタンスモータ10は、トランスバーサル磁束用極28a,28b〜31a,31bを備えたトランスバーサル磁束用固定子27を有している(図1Aでは添字aの付されたトランスバーサル磁束用極28a〜31aしか見えない)。トランスバーサル磁束用極28a,28bはトランスバーサル磁束用ヨーク32により互いに接続されており、これと同様にトランスバーサル磁束用極29a,29b〜31a,31bはトランスバーサル磁束用ヨーク33〜35により互いに接続されている。
【0028】
トランスバーサル磁束用ヨーク32〜35にはトランスバーサル磁束用コイル36〜39が配置されており、これらは電力変換器40により順番に循環しながら給電される。電力変換器25は第1の電流給電系を成し、電力変換器40は第2の電流給電系を成す。図面をみやすくするため、各トランスバーサル磁束用ヨーク32〜35にはそれぞれ1つのトランスバーサル磁束用コイル36〜39しか配置されていないが、複数のトランスバーサル磁束用コイルを配置することも可能である。たとえばトランスバーサル磁束用極28a,28b〜31a,31bの各々にそれぞれ1つのトランスバーサル磁束用コイルが配置されているように構成してもよい。
【0029】
一例として図1Aには、トランスバーサル磁束用極28a,28bもしくは30a,30bのところにトランスバーサル磁束41,42が書き込まれている。これらのトランスバーサル磁束41,42はトランスバーサル磁束用コイル36もしくは38の給電により得られる。
【0030】
電機子11はトランスバーサル磁束41,42の経路を短くしようとして、電機子極19はトランスバーサル磁束極28a,28bの方向に回転し、電機子極20はトランスバーサル磁束用極30a,30bの方向に回転する。
【0031】
図1Bにはさらに別の例としてトランスバーサル磁束43,44が示されている。トランスバーサル磁束43,44はトランスバーサル磁束コイル37もしくは39の給電により引き起こされ、ラジアル磁束用固定子12の外側に配置されているトランスバーサル磁束用ヨーク33もしくは35を介して流れる。図1Bについてさらに述べておくと、電機子11は図1Aとは異なる位置をとっており、簡単かつ見やすくするため本来は見えるはずのラジアル磁束用極15,16は示されていない。
【0032】
図1Aに示されている実施形態の場合、トランスバーサル磁束用ヨーク32〜35はラジアル磁束用固定子12のリング26に沿って動く。これらのヨークはラジアル方向に積層された薄片であるとよい。これに相応してラジアル磁束用固定子12も回転軸14と交差する方向で積層された薄片であるとよい。
【0033】
原理的にはトランスバーサル磁束用ヨークを少なくとも部分的にラジアル磁束用固定子から形成することもでき、その場合にはたとえば固定子リングがトランスバーサル磁束を案内する。
【0034】
図1Bによればトランスバーサル磁束用固定子27はラジアル磁束用固定子12に対し間隔をおいて配置されている。図示されている構造であれば原理的に、トランスバーサル磁束用固定子をラジアル磁束用固定子にじかに配置することも可能である。
【0035】
この実施例の場合、電力変換器25と40をそれぞれ互いに無関係に稼働させることができるので、レラクタンスモータ10の高度な動作確実性を実現できるようになる。さらに測定装置45により電力変換器25,40に対しそれぞれ互いに別個に、レラクタンスモータ10に関する実際値(詳しくは描かれていない矢印で示す)たとえば電機子11の個々の位置が供給され、電力変換器25,40はラジアル磁束用極15〜18もしくはトランスバーサル磁束用極28a,28b〜31a,31bに対し適切に循環しながら給電できるようになる。
【0036】
これに加えて電力変換器25,40は中央制御装置46により制御され、それによってラジアル磁束用固定子12とトランスバーサル磁束用固定子27の給電が調整される。測定装置45はこの中央制御装置46にも実際値を供給し、その値および図示されていない目標値設定に依存して電力変換器25,40を制御して、たとえば図1Aに示されている電機子11の位置であればまずはじめにラジアル磁束用コイル21,23が、ついでトランスバーサル磁束用コイル36,38が給電される。
【0037】
レラクタンスモータ10の場合、トランスバーサル磁束用極28a,28b〜31a,31bはラジアル磁束用極15〜18に対しずらされて配置されており、この場合、2つのラジアル磁束用極の間にそれぞれ1つのトランスバーサル磁束用極が設けられている。これは電力変換器25,40の調整のとれた制御と共働して、回転軸14のところで取り出すことのできるトルクができるかぎり均質なトルク経過特性となるようにするために用いられる。ラジアル磁束用極間の中央にトランスバーサル磁束用極を配置することで、両方の回転方向においてそのような均質なトルク経過特性を得ることができるようになる。
【0038】
とはいえ原理的には、トランスバーサル磁束用極をラジアル磁束用極間の中央にそれぞれ配置させないことも考えられ、これは本発明によるレラクタンスモータが一方の方向での動作のためだけに設けられている場合である。また、トランスバーサル磁束用極をたとえば電機子の回転方向でそれよりも手前に位置するラジアル磁束用極に近づけて配置することもできる。
【0039】
図2Aおよび図2Bに示されているレラクタンスモータの場合、ラジアル磁束に作用を及ぼす部材に関してはレラクタンスモータ10と同様に構成されており、その相違点は、電力変換器25の代わりに電力変換器51が設けられている点だけであり、この電力変換器はトランスバーサル磁束に作用を及ぼす部材にも付加的に電流を供給する。この部材についてはあとでもう一度説明する。レラクタンスモータ50においてラジアル磁束に作用を及ぼす部材にはレラクタンスモータ10と同じ参照符号が付されている。
【0040】
レラクタンスモータ50のトランスバーサル磁束用固定子57はトランスバーサル磁束用極58a,60a;59a,61a;58b,60b;59b,61bを有しており、これはヨーク62,63,64もしくは65を介して互いに接続されている。トランスバーサル磁束用極58b〜61bならびにトランスバーサル磁束用ヨーク64,65は図2Aでは見えない。トランスバーサル磁束用ヨーク62,63は電機子11の上端面側に配置されており、トランスバーサル磁束用ヨーク64,65はその下端面側に配置されていて、これらトランスバーサル磁束用ヨークはそれぞれの端面の上を覆っている。トランスバーサル磁束用ヨーク62,63および64,65は十字形を成すようそれぞれ互いに接続されている。この場合、回転軸14がトランスバーサル磁束用ヨーク62,63および64,65を貫通しており、たとえばそこに回転可能に支承されている。しかし原理的には、端面側において電機子の上を覆うかたちでトランスバーサル磁束用ヨークをそれぞれ電機子回転軸の隣りに配置することも可能である。
【0041】
トランスバーサル磁束用ヨーク62〜65にはトランスバーサル磁束用コイル66,67,68もしくは69が配置されており、これらのコイルによってトランスバーサル方向につまり回転軸14に対し平行に電機子を通り抜けて流れるトランスバーサル磁束を発生させることができる。電機子11は個々のトランスバーサル磁束の経路を短くしようとし、励磁されているトランスバーサル磁束用極58a〜61bの方向に回転させられる。図2Aおよび図2Bの実施例の場合、トランスバーサル磁束用コイル66〜69の給電のために電力変換器51が設けられており、これはラジアル磁束用コイル21〜24も給電する。レラクタンスモータ50の実際値を測定する測定装置は図2Aには書き込まれていない。
【0042】
なお、本発明のその他の変形実施形態も原理的に可能であることは自明である。さらに発明の詳細な説明および請求項に記載されている構成を任意の組み合わせることも可能である。
【0043】
既述の実施例のスイッチレラクタンスモータは4つのラジアル磁束用極と2つの電機子極をもついわゆる4/2モータである。しかし本発明の原理はあらゆる形式のスイッチレラクタンスモータに適用することができ、たとえばいわゆる3/2モータまたは6/8モータにおいても適用可能である。本発明の有利な変形実施形態として考えられるのはいわゆる6/4モータである。
【0044】
また、既述の実施例ではラジアル磁束用極の2倍の個数のトランスバーサル磁束用極が設けられているけれども、トランスバーサル磁束用極の個数を必ずしもラジアル磁束用極の個数と相関させなくてもよい。原理的にはラジアル磁束用極の4倍の個数のトランスバーサル磁束用極を設けることもできるし、ラジアル磁束用極と同数のトランスバーサル磁束用極を設けることもできる。
【0045】
なお、ラジアル磁束用固定子とトランスバーサル磁束用固定子により1つのコンパクトなコンポーネントを形成できることは自明である。また、本発明によるコンセプトをいわゆるアウターロータ型モータにも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】
図1Aは本発明によるスイッチレラクタンスモータ10の平面図であって、ラジアル磁束用固定子の外側にトランスバーサル磁束用ヨークが配置されており、図1Bは図1A中のカットラインA−Aに沿って見たレラクタンスモータ10の断面図である。
【図2】
図2Aは本発明によるレラクタンスモータ50の平面図であって、トランスバーサル磁束用ヨークはモータの電機子11のそれぞれ反対の端面側にそれを覆うかたちで配置されており、図2Bは図2Aに示したレラクタンスモータ50をカットラインB−Bに沿ってみた断面図である。
Claims (13)
- ラジアル磁束用固定子(12)を備えたブラシレスのスイッチレラクタンスモータ(10;50)であって、
前記ラジアル磁束用固定子(12)のラジアル磁束用極(15〜18)にラジアル磁束用の電気的なコイル(21〜24)が配置されており、該ラジアル磁束用コイル(21〜24)は少なくとも2つの電機子極(19,20)を備え回転可能に支承された電機子(11)に対しラジアル方向で作用を及ぼすラジアル磁束(13)を発生させ、
前記ラジアル磁束用コイル(21〜24)に対し順番に循環させながら切り替えて給電することにより電機子(11)が回転運動させられて、前記少なくとも2つの電機子極(19,20)は該電機子極(19,20)を介して導かれる個々のラジアル磁束経路が短くなるよう、それぞれ励磁されたラジアル磁束用極(15,17)の方向へ回転する形式の、
スイッチレラクタンスモータ(10;50)において、
トランスバーサル磁束用固定子(27;57)が設けられており、
該トランスバーサル磁束用固定子のトランスバーサル磁束用極(28,28b〜31a,31b;58a,58b〜61a,61b)に対しトランスバーサル磁束用の電気的なコイル(36〜39;66〜69)が割り当てられており、該コイルは電機子(11)に対しトランスバーサル方向で作用するトランスバーサル磁束(41,42)を発生させ、
該トランスバーサル磁束用コイル(36〜39;66〜69)に対し順番に循環させながら切り替えて給電することにより電機子(11)が回転運動させられることを特徴とする、
スイッチレラクタンスモータ。 - 前記トランスバーサル磁束用極(28a,28b〜31a,31b;58a,58b〜61a,61b)は、磁気的に逆極性に配向された互いに対応し合うそれぞれ2つのトランスバーサル磁束用極(28a,28b〜31a,31b;58a,58b〜61a,61b)の間を電機子極(19,20)が通り抜けて運動するよう配置されている、請求項1記載のレラクタンスモータ。
- 前記トランスバーサル磁束用極(27;57)は少なくとも2つのトランスバーサル磁束用ヨーク(32〜35;62〜65)を有しており、該ヨークは磁気的に逆極性に配向された互いに対応し合うそれぞれ2つのトランスバーサル磁束用極(28a,28b〜31a,31b;58a,58b〜61a,61b)を相互に接続している、請求項1または2記載のレラクタンスモータ。
- 前記トランスバーサル磁束用ヨーク(32〜35)は少なくとも一部分、ラジアル磁束用固定子(12)の電機子(11)とは反対側に配置されていて、たとえばラジアル磁束用固定子(12)の外側に配置されていて、個々のトランスバーサル磁束用ヨーク(32〜35)を介して流れる磁束は、ラジアル磁束用固定子(12)の電機子(11)とは反対側の前を案内され、またはラジアル磁束用固定子(12)の外側を案内される、請求項1から3のいずれか1項記載のレラクタンスモータ。
- 前記トランスバーサル磁束用ヨーク(32〜35)は部分的にラジアル磁束用固定子(12)により形成される、請求項4記載のレラクタンスモータ。
- トランスバーサル磁束用ヨーク(62〜65)が電機子(11)の互いに逆の端面側で、該電機子をたとえばカバー状に覆うかたちで配置されており、第1のトランスバーサル磁束用極(58a,60a;59a,61a)を備えた第1のトランスバーサル磁束用ヨーク(62,63)はそれぞれ一方の端面側に配置されており、前記第1のトランスバーサル磁束用極(58a,60a;59a,61a)に対し磁気的に対応する第2のトランスバーサル磁束用極(58b,60b;59b,61b)を備えた第2のトランスバーサル磁束用ヨーク(64,65)は反対の端面側に配置されている、請求項1から5のいずれか1項記載のレラクタンスモータ。
- 少なくとも1つのトランスバーサル磁束用極(28a,28b〜31a,31b;58a,58b〜61a,61b)は、電機子(11)の均質なトルク経過特性が得られるよう2つのラジアル磁束用極(15〜18)間でずらされて配置されている、請求項1から6のいずれか1項記載のレラクタンスモータ。
- ラジアル磁束用コイル(21〜24)に給電するために第1の電流給電系(25)たとえば第1の電力変換器が設けられており、トランスバーサル磁束用コイル(36〜39;66〜69)を給電するために第2の電流給電系(40)たとえば第2の電力変換器が設けられている、請求項1から7のいずれか1項記載のレラクタンスモータ。
- 前記の第1の電流給電系(25)と第2の電流給電系(40)が結合されており、ラジアル磁束用コイル(21〜24)またはトランスバーサル磁束用コイル(36〜39;66〜69)の給電が相互調整される、請求項8記載のレラクタンスモータ。
- 第1または第2の電流給電系(25,40)が故障したときにそのつど他方の故障していない電流給電系(40,25)がそのまま動作し続ける、請求項8または9記載のレラクタンスモータ。
- トランスバーサル磁束用コイル(36〜39;66〜69)の給電とラジアル磁束用コイル(21〜24)の給電のために1つの共通の電流給電系(51)たとえばただ1つの電力変換器が設けられている、請求項1から8のいずれか1項記載のレラクタンスモータ。
- 前記電機子(11)は実質的に、導電性が低くかつ導磁性の高いフェライトまたは焼結金属から成る、請求項1から11のいずれか1項記載のレラクタンスモータ。
- 前記ラジアル磁束用固定子(12)は実質的にリング状である、請求項1から12のいずれか1項記載のレラクタンスモータ。
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