JP2004520841A - 細胞培養物からウイルスを抽出する方法 - Google Patents

細胞培養物からウイルスを抽出する方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、細胞の培養物からウイルス、特にレトロウイルスを抽出する方法に関する。高いウイルス力価を生成するために、感染性ウイルスは、25℃または37℃のような都合のよい温度にて、界面活性剤を用いて培養物から抽出され得る。イオン性および非イオン性の界面活性剤が、本発明において使用され得る。好ましい実施形態において、このウイルスは、非エンベロープウイルスである。この非エンベロープウイルスは、好ましくはレオウイルスである。本発明は、任意のレオウイルスに対して適用され得、好ましくは、哺乳動物レオウイルスである。この哺乳動物レオウイルスは、好ましくはヒトレオウイルスであり、より好ましくは血清3型レオウイルスであり、そして最も好ましくは、Dearing株レオウイルスである。

Description

【技術分野】
【0001】
本発明は、細胞培養物からウイルスを抽出する方法に関する。特に、この方法は、ヒトを含む哺乳動物に対する、臨床投与のために適切な感染性ウイルスを抽出するために有用である。
【0002】
(参考文献)
【0003】
【化1】
Figure 2004520841
Figure 2004520841
Figure 2004520841
上記の全ての刊行物、特許、および特許出願は、それぞれの刊行物、特許出願、または特許の開示が、詳細にかつ個々に、その全体において参考として援用されていることを示されたいるのと同じように、本明細書中でその全体が参考として援用される。
【背景技術】
【0004】
(発明の背景)
ウイルスにより引き起こされる膨大な数の疾患に起因して、ウイルス学は、集中的に研究されている分野である。ワクチンを生成するために、または研究室での研究のための感染性ウイルスを提供するために、ウイルスタンパク質を単離しそして精製する目的で、ウイルスを効果的に生成することが常に必要とされてきた。ウイルス治療の新たな開発は、感染性ウイルスの効果的な産生の必要性を、さらに最近、必要としている。
【0005】
レオウイルス治療は、ウイルス治療の一例である。レオウイルスは、多数の細胞に結合し得る二本鎖RNAウイルスである。しかし、大部分の細胞は、レオウイルスの感染およびその細胞レセプターへの結合に対して感受性ではなく、その結果、ウイルスの複製を起こさないかまたはウイルス粒子を生成しない。これは、恐らくなぜレオウイルスが、任意の特定の疾患と関連することが知られていないのかという理由である。
【0006】
最近、ras癌遺伝子で形質転換された細胞は、レオウイルス感染に対し感受性になるが、形質転換されていないその対応物は感受性にはならないことが、発見された(Strongら、1998)。例えば、レオウイルス耐性のNIH3T3細胞が活性型RasあるいはSos(Rasを活性化するタンパク質)により形質転換された場合、レオウイルス感染が促進された。同様に、レオウイルス感染に耐性であるマウス線維芽細胞は、EGFレセプター遺伝子またはv−erbB癌遺伝子(これらは両方ともRas経路を活性化する)によるトランスフェクション、感受性になる(Strongら,1993;Strongら,1996)。従って、レオウイルスは活性化型Ras経路を有する細胞において、選択的に感染し、複製する。
【0007】
ras癌遺伝子は、多くの割合の哺乳動物腫瘍の原因である。ras遺伝子それ自体の活性化変異は、全てのヒト腫瘍の約30%に生じ(Bos,1989)、主に膵臓(90%)、散発性結腸直腸癌(50%)および肺癌腫(40%)、ならびに骨髄性白血病(30%)に生じる。ras経路におけるrasの上流および下流での因子の活性化はまた、腫瘍と関連する。例えば、HER2/Neu/ErbB2または上皮増殖因子(EGF)レセプターの過剰発現は、乳癌において共通的であり(25〜30%)、そして血小板由来増殖因子(PDGF)レセプターまたはEFGレセプターの過剰発現は、神経膠腫および膠芽細胞腫において一般的である(40〜50%)。EGFレセプターおよびPDGFレセプターはともに、それらのそれぞれのリガンドに結合する際にrasを活性化することが既知であり、そしてv−erbBは、細胞外ドメインを欠損する構成的に活性化されたレセプターをコードする。
【0008】
多数のヒト腫瘍が、癌原遺伝子rasまたは高いRas活性の遺伝的変更によって説明されるので、レオウイルス治療は、新たに、このような状態に対する治療法の見込みがある(Coffeyら、1998)。レオウイルス治療は、Ras関連腫瘍細胞に高度に選択的であり、そして正常細胞には感染しないままである。この治療法は、広範な適用を有し、そしてヒトおよび非ヒト動物の両方に使用され得る。
【0009】
臨床投与に適切なレオウイルスを産生するために、培養された細胞においてレオウイルスを産生する、迅速でかつ効果的な方法が必要とされる。さらに、培養された細胞からウイルスを抽出する従来の方法は、単調で、時間を浪費し、ウイルス生成のコストが、とても高くなる。従って、また、ウイルス抽出のための改良された方法もまた、必要とされている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
(発明の要旨)
本発明は、細胞の培養物からウイルスを抽出する方法に関する。ウイルスは、伝統的に、複数回の凍結−解凍、引き続き、密度勾配による精製および超遠心分離によって細胞から抽出される。本発明において、本発明者らは、界面活性剤を用いて細胞の培養物からウイルスを抽出し、そして得られた収率は、凍結−溶解によって得られたものよりも高かった。さらに、この抽出工程は、周囲温度以上で実施され得る。特に、抽出は、25℃または37℃のような都合のよい温度で行われ得、それにも関わらず高いウイルス力価を与える。
【0011】
従って、本発明の1つの局面は、細胞の培養物からウイルスを生成するための方法を提供し、この方法は、以下の工程を包含する:
(a)ウイルスに感染している細胞の培養物を提供する工程;
(b)培養物に界面活性剤を加えることによって細胞からウイルスを抽出する工程;および
(c)ウイルスを回収する工程。
【0012】
界面活性剤は、細胞の破壊のために一般に使用される任意の界面活性剤を含み得る。特に、この界面活性剤は、Triton X−100、Tween20、NP−40およびデオキシコール酸ナトリウムからなる群より選択される。界面活性剤は、最も好ましくはTriton X−100であり、特に最終濃度1%である。
【0013】
このウイルス抽出法は、凍結するより高い任意の温度で、特に4℃より高い温度で実施され得る。代表的には、この抽出は、前もって選択された温度を継続することなく周囲温度にて都合よくなされ得る。好ましくは、抽出は、25℃で実施される。より好ましくは、抽出は、細胞が培養される(例えば、37℃)のと同一の温度でなされ、この結果、細胞培養およびウイルス抽出が、同一のインキュベーターにおいて実施され得る。
【0014】
この細胞培養物は、細胞を破壊するために十分な期間、界面活性剤と共にインキュベートされ得る。このインキュベーション期間は、好ましくは60分またはそれ未満であり、より好ましくは30分またはそれ未満であり、そして最も好ましくは10分間である。
【0015】
好ましい実施形態において、このウイルスは、非エンベロープウイルスである。この非エンベロープウイルスは、好ましくはレオウイルスである。本発明は、任意のレオウイルス、特に、哺乳動物レオウイルスに適用され得る。この哺乳動物レオウイルスは、好ましくはヒトレオウイルスであり、より好ましくは血清3型レオウイルスであり、そして最も好ましくは、Dearing株レオウイルスである。
【0016】
これらの細胞は、目的のウイルスを生成する有用な任意の細胞であり得、接着細胞または懸濁細胞が挙げられる。好ましくは、これらの細胞は、懸濁液培養において増殖される。ウイルスがレオウイルスの場合、細胞は、好ましくはHEK293細胞である。
【0017】
抽出の後、ウイルスは回収される。細胞デブリは、例えば、濾過により除去され得る。濾過の流速を増加するために、段階的な濾過が実施され得、ここで、より大きな孔径を用いる前濾過の後に、より小さい孔径を用いる少なくとも1回の濾過工程が続く。この孔径およびフィルタの型は、ウイルスおよび細胞の性質に依存し、そして当業者によって決定され得る。例えば、レオウイルス産生のためにはHEK293/SF細胞を使用し、8μMまたは5μMの孔径を有するプレフィルターが使用され得、3μMのフィルタが続き、そして最後に0.8μMのフィルタが使用され得る。
【0018】
この濾過はさらに、ウイルス懸濁液の容量を減らすために濃縮され得る。溶液の交換が望まれる場合、ウイルスは懸濁され、イオン交換クロマトグラフィーまたは透析のような方法が、使用され得る。
【0019】
本発明の別の局面は、組成物を提供し、この組成物は、本発明に従って回収されたウイルスを含む。特に、臨床投与に適切なウイルス組成物が、提供される。好ましくは、ウイルスは、レオウイルスである。この組成物はさらに、薬学的に受容可能な賦形剤および/またはキャリアを含む。
【0020】
(発明の詳細な説明)
本発明は、細胞培養物からウイルスを抽出する方法に関する。従来の冷凍−解凍技術の代わりに、本発明者らは、簡便に実施され得る迅速かつ単純な方法を開発した。
【0021】
本発明をさらに詳述する前に、本出願において用いられる用語を、他に示されない限り、以下のように定義する。
【0022】
(定義)
本明細書中に使用される場合、「ウイルス感染」とは、細胞へのウイルスの侵入および続く細胞中でのそのウイルスの複製をいう。
【0023】
本明細書中に使用される場合、「感染多重度」とは、ウイルスが細胞に接触させるため用いられる場合の、細胞数に対するウイルス数の比率をいう。
【0024】
本明細書中に使用される場合、「細胞溶解」とは、細胞の細胞膜の破壊および続くその細胞の全ての内容物またはその内容物の一部の放出をいう。
【0025】
本明細書中に使用される場合、「培養条件」とは、温度、培養容器の型、湿度、COまたはこの培養容器中で用いられる他の気体の濃度、培養培地の型、培養細胞の初期密度およびその細胞にウイルスを感染させる場合、初期の感染多重度が挙げられるが、これらに限定されない、細胞培養において用いられる条件をいう。
【0026】
本明細書中に使用される場合、「細胞培養物」または「細胞の培養物」とは、これらの培養条件において見出されるような培養された細胞の集団を意味する。特に、細胞培養物は、細胞および培養培地を含む。ペレット化されている細胞は、それらが培養条件下に再びおかれない限り、細胞培養物とはみなされない。
【0027】
本明細書中に使用される場合、「細胞に会合した(cell associated)」ウイルスとは、そのウイルスが産生された細胞に接着されているか、その細胞の一部に捕捉されているウイルスをいう。従って、宿主細胞が溶解される前に、ウイルスは、細胞に会合される。細胞溶解が始まるとき、ウイルスは、この破壊された細胞になお接着しているか、またはその一部に捕捉され得、そして細胞に会合したままである。しかし、このウイルスが、培地中に放出されると、それは、もはや細胞に会合していない。「細胞フリーの」ウイルスとは、細胞に会合していないウイルスである。
【0028】
本明細書中で使用される場合、ウイルスを「抽出する」とは、細胞に会合したウイルスを、細胞フリーのウイルスに変換する行為である。
【0029】
本明細書中で使用される場合、「界面活性剤」とは、親水性末端および疎水性末端を有する物質である。界面活性剤は、好ましくは、合成化学化合物であり、より好ましくは、生分解性合成化学化合物である。本発明において有用な界面活性剤は、細胞膜の破壊を増強して、この破壊された細胞の内容物の放出を促進する。
【0030】
本明細書中で使用される場合、細胞培養物に界面活性剤を添加した後に「インキュベートする」とは、この細胞培養物をこの界面活性剤と混合する行為をいう。
【0031】
本明細書中で使用される場合、ウイルスを「回収する」とは、このウイルスで予め感染された細胞培養物から産生されたウイルスを回収する行為をいう。このウイルスは、典型的には、細胞細片をこのウイルスから分離し、そしてこのウイルスを含む部分を収集することによって回収される。必要に応じて、このウイルスは、例えば、遠心分離によって、この可溶性物質からさらに分離され得る。
【0032】
本明細書中に使用される場合、「周囲温度」とは、約10℃〜約30℃の間の温度をいう。周囲温度は、好ましくは約15℃〜約30℃の間であり、より好ましくは、約20℃〜約25℃の間であり、最も好ましくは、約25℃である。
【0033】
本明細書中で使用される場合、「細胞変性効果」とは、細胞が膨張しかつ顆粒状の外観になることおよび細胞の堆積物が崩壊することによって示される。細胞変性効果を示す細胞は、染色色素を取り込むので、これらの細胞は、染色されるが、これは生存可能な細胞においては陰性である。
【0034】
本明細書中で使用される場合、「接着細胞」とは、細胞培養において培養容器に接着する細胞をいう。接着細胞の例としては、単層細胞が挙げられ、この単層細胞は、培養容器の表面上に単層の細胞を形成する細胞をいう。「懸濁細胞(suspension cell)」または「懸濁された細胞(suspended cell)」とは、細胞培養において培養容器に接着しない細胞をいう。懸濁細胞は、「スピン培養」において増殖され得る。このスピン培養は、培養培地が、培養工程の間、継続的に撹拌される培養である。
【0035】
本明細書中で使用される場合、細胞膜が破壊され、そして少なくとも幾分かの細胞内容物がこの細胞から放出されるとき、この細胞は、「破壊されている」。細胞は、例えば、冷凍−解凍処理、超音波処理または界面活性剤処理によって破壊され得る。
【0036】
本明細書中で使用される場合、「細胞の生存率」または「生存可能なままである細胞の
パーセンテージ」とは、ある集団における、細胞変性効果を示さない細胞のパーセンテージである。
【0037】
本明細書中で使用される場合、「非エンベロープ(non−enveloped)ウイルスとは、エンベロープを有さないウイルスである。例えば、非エンベロープウイルスは、アデノウイルス科(例えば、アデノウイルス)、ピコルナウイルス科(例えば、ポリオウイルス)、レオウイルス科(例えば、レオウイルス)、パポバウイルス科(例えば、パピローマウイルス)、パルボウイルス科(例えば、Kilhamラットウイルス)またはイリドウイルス科(例えば、tipula iridescentウイルス)のファミリーに属する任意のウイルスであり得る。
【0038】
本明細書中で使用される場合、「レオウイルス」とは、天然に存在するか、改変されているか、または組み換えかに関らず、レオウイルス属に分類される全てのウイルスを指す。レオウイルスは、二本鎖のセグメント化されたRNAゲノムを有するウイルスである。ビリオンは直径60〜80nmの寸法であり、そして2つの同心性のカプシド殻を保有している。殻のそれぞれは正二十面体である。ゲノムは、10〜12個の別個のセグメントである二本鎖のRNAから構成され、16〜27kbpの全ゲノムサイズを有する。個々のRNAセグメントは大きさが異なる。3個の異なる(しかし関連する)レオウイルスの型が、多くの種から回収されている。全ての3個の型は、共通の補体−固定抗原を共有する。
【0039】
ヒトレオウイルスは3個の血清型からなる:1型(Lang株またはT1L)、2型(Jones株、T2J)、および3型(Dearing株またはAbney株、T3D)。この3個の血清型は、中和反応およびヘマグルチニン阻害アッセイに基づいて容易に同定することができる(Fields,B.N.ら(1996)を参照のこと)。
【0040】
このレオウイルスは、天然に存在しても、改変されていてもよい。レトロウイルスが天然の供給源から単離され得、かつ研究室においてヒトによって故意に改変されていない場合、このレオウイルスは、「天然に存在している」。例えば、このレオウイルスは、「フィールド供給源」由来、すなわちこのレオウイルスに感染したヒト由来であり得る。
【0041】
このレオウイルスは、改変され得るが、なお、活性ras経路を有する哺乳動物細胞を溶解的に感染し得る。このレオウイルスは、増殖細胞に投与する前に、化学的にかまたは(例えば、プロテアーゼ(例えば、キモトリプシンまたはトリプシン)での処理によって)生化学的に前処理され得る。プロテアーゼでの前処理は、このウイルスの外皮またはカプシッドを除去し、そしてこのウイルスの感染性を増加させ得る。このレオウイルスは、リポソームまたはミセル中に被覆され得る(ChandronおよびNibert、1998)。例えば、このビリオンは、ミセル形成濃度のアルキルサルフェート界面活性剤の存在下でキモトリプシンを用いて処理され、新規の感染性のサブビリオン(subvirion)粒子を産生し得る。
【0042】
このレオウイルスは、それが異なる抗原性決定基を含むように異なる病原性表現型を有する2つ以上の型のレオウイルス由来の組換え(すなわち、再集合した)レオウイルスであり得、それによりレオウイルスサブタイプに予め曝露された哺乳動物による免疫応答を減少および回避する。そのような組換えビリオンは、異なるサブタイプのレオウイルスで哺乳動物細胞を同時感染して再分類し、異なるサブタイプの外皮タンパク質を得られたビリオンカプシッドに組み込むことによって作製され得る。
【0043】
本明細書中で使用される場合、「HEK293細胞」とは、293と示されるヒト胚性腎臓細胞株(ATCC受託番号CRL−1573)またはその誘導体をいう。例えば、293/SF細胞(ATCC受託番号CRL−1573.1)は、無血清培地における増殖に適合されたHEK293細胞である。他の培養条件における増殖に適合されたHEK293細胞、または外因性DNAで形質転換された任意の種類のHEK293細胞もしくは誘導体もまた、本発明において企図される。ただしこの形質転換は、本発明において記載されるように、この細胞がレオウイルスの効率的な産生を支持する能力を減じない。
【0044】
本明細書中で使用される場合、物質の「臨床投与」とは、生物の健康状態を改善または維持するために、生きた生物の身体の任意の部分と、この物質とを接触させることをいう。
【0045】
(方法)
レオウイルスは、本発明を詳述するためのモデル系として用いられる。しかし、本発明が他のウイルス(特に、他の非エンベロープウイルス)にも同様に適用され得ることが企図される。
【0046】
本発明者らは、既に、HEK293細胞中でレオウイルスを増殖させる方法を開発している。レオウイルスは、ウイルス感染の直後に、HEK293細胞中で複製して、その細胞中に高い力価のウイルスを産生し、これによってレトロウイルスを産生する単純かつ効率的な方法を提供する(実施例1および2)。さらに、HEK293細胞は、それが大量に培養され得る懸濁液中で増殖するように適合されてきた。そして本発明者らは、大規模産生法を開発した。この懸濁培養からレオウイルスを単離するために、本発明者らは、最初に、ウイルス粒子を抽出および精製するための慣用の方法に倣った。簡単には、この細胞を、冷凍−解凍処理によって破壊し、そしてFreonによって3回抽出した。次いで、このウイルス粒子を、CsCl勾配および超遠心を用いて精製した。しかし、このプロトコルは、大規模ウイルス産生には非常に遅く、時間を消費した。
【0047】
従って、本発明者らは、このレトロウイルスを抽出するための単純化した方法を開発した。HEK293細胞培養物を、界面活性剤と共に短期間インキュベートすることによって、高レベルの感染性レオウイルスがこの抽出物へと放出されたことが発見された。次いで、このウイルスは、サイズまたは密度の差異に基づく単純な分離方法(例えば、ろ過、ダイアフィルトレーション、またはサイズ排除)を用いて細胞細片から分離され得、そして得られたウイルスは、レオウイルス治療に用いられ得る。本発明に従い産生されたレオウイルスは、ヒトでの投与に適切であり、そしてこのプロトコルは、界面活性剤の存在下で細胞を破壊するというFDAの推奨と一致する。
【0048】
本発明者らは、本発明において4種類の界面活性剤を試験した。非イオン性界面活性剤はTriton X−100、NP−40およびTween20であり、そしてイオン性界面活性剤は、ナトリウムデオキシコレートであった。4種類全てが、本発明において機能したが、Triton X−100は、他の2種類の非イオン性界面活性剤よりも約2倍多いウイルスを繰り返し産生した。ナトリウムデオキシコレートは、Triton X−100とほぼ同じ程度有効であった。他の界面活性剤(特に、細胞を破壊するために一般的に用いられる界面活性剤)も、本発明において同様に用いられ得ることが意図される。これらの他の界面活性剤の例としては、他のTriton界面活性剤、他のTween界面活性剤(例えば、Tween−80)、ドデシル硫酸ナトリウム、ドデシル硫酸リチウム、およびドデシルトリメチルアンモニウムクロリドが挙げられる。
【0049】
これらの結果は、界面活性剤抽出が、冷凍−解凍法(標準的なウイルス抽出のための手順)よりも効果的であったことを示す。このレオウイルスが高度に細胞に会合した、Vero細胞から鳥類レオウイルスを抽出するためには、蒸留した脱イオン水が、冷凍−解凍法、フレオン抽出またはトリプシン処理よりも効率的であることが報告されている(Drastiniら、1992)。蒸留水法に必要とされるようなペレット化およびその後の細胞の再懸濁をする必要がないので、本発明は、より迅速かつ簡便で、なお効果的なアプローチを提供する。
【0050】
高濃度の塩(例えば、塩化グアニジン)が、本発明において界面活性剤を置換するために用いられ得ることが企図される。しかし、高濃度の塩よりも界面活性剤を用いることが好ましい。
【0051】
このように、本発明は、細胞培養物からウイルスを抽出する、迅速かつ単純な方法を提供する。この界面活性剤は、懸濁培養物または接着細胞の培地へと直接添加され得る。いずれの場合においても、この培地は、最初に除去される必要はない。さらに、細胞を破壊またはウイルスを抽出する他の方法(例えば、冷凍−解凍法または超音波処理)は、必要ない。
【0052】
本発明の重要な形態は、この抽出手順が、周囲温度以上で実施され得ることである。慣用的には、ウイルス抽出およびウイルス精製は、タンパク質の構造および機能を保存するために、低温で(代表的には0〜4℃)、実施される。同じ理由から、プロテアーゼインヒビターもまた、通常、この抽出溶液に含められる。従って、本発明のプロトコルが、任意のプロテアーゼインヒビターを用いることなく、より高い温度で実施され得ることは、驚くべきことである。事実、37℃程度に高い温度は、25℃の場合とほぼ同じ量の感染性ウイルスを生じる(表3)。結果的に、ウイルス抽出は、この細胞培養物に界面活性剤を直接添加し、そしてこのウイルスを放出させるためにこの培養物を撹拌し続けることによって、この温度を変更する必要なく実施され得る。あるいは、本発明に従うウイルス抽出のために一定の温度を維持する必要がないので、周囲温度は場所によってかまたは同じ場所でも時間によって変化し得るが、この手順は、周囲温度で起こり得る。
【0053】
抽出の後で、このウイルスは、回収され得る。当該分野において確立された任意の方法
が、このウイルスを精製するために用いられ得る。例えば、細胞細片は、ろ過によって除去され得る。ろ過の流速を増加させるために、より大きい孔径を用いた前ろ過の後に、より小さな孔径を用いた少なくとも1回のろ過工程を行う段階ろ過が、実施され得る。フィルターの孔径および型は、このウイルスおよび細胞の性質に依存し、そして当業者によって決定され得る。例えば、HEK293/SF細胞を用いたレオウイルス産生のためには、8μMまたは5μMの孔径のプレフィルターが用いられ得、その後3μMのフィルター、そして最後に0.8μMのフィルターが用いられ得る。
【0054】
このろ液の容量が多すぎる場合、次いで、このろ液は、任意の公知の方法によって濃縮され得る。例えば、限外ろ過が、中空のファイバーカートリッジ(A/G Technology)またはプレートおよびフレームカセット(Pall Filtron)を用いて実施され得る。この濃縮されたウイルス懸濁液は、さらに、透析またはイオン交換クロマトグラフィーに供されて、過剰の塩を除去し得るか、またはこのウイルス懸濁液中に、追加成分を添加し得る。
【0055】
本発明の方法は、HEK293細胞以外の細胞(マウスL929細胞、Vero細胞およびチャイニーズハムスター卵巣細胞が挙げられるがこれらに限定されない)から産生されたレオウイルスに対して適用され得る。本発明の方法が、他のウイルス(特に、他の非エンベロープ細胞)に対しても同様に適用され得ることが企図される。
【0056】
(組成物)
本発明に従い調製されたウイルス組成物もまた、提供される。これらの組成物は、ウイルス性タンパク質の単離および特徴づけか、ワクチン産生においてか、もしくはこの組成物が感染性ウイルスを含む場合、ウイルスストックとしてか、または臨床での投与において用いられ得る。
【0057】
臨床での投与のために、この組成物は、通常、賦形剤と混合されるか、賦形剤によって希釈されるか、またはキャリア内に包まれ得る。このキャリアは、カプセル、サシェ、紙または他の容器の形態であり得る(WO99/08692A1)。この薬学的に受容可能な賦形剤が、希釈剤として作用する場合、その賦形剤は、固体材料、半固体材料、または液体材料であり得、これらは、活性成分のためのビヒクル、キャリアまたは媒体として作用する。従って、この組成物は、錠剤、丸剤、散剤、ロゼンジ、サシェ剤、カシェ剤、エリキシル、懸濁液、エマルジョン、溶液、シロップ、エアロゾル(固体媒体としてか、または液体媒体中に)、例えば、10重量%までのこの活性化合物を含む軟膏剤、ソフトゼラチンカプセルおよびハードゼラチンカプセル、坐剤、滅菌注射溶液、および滅菌包装された散剤の形態で有り得る。
【0058】
適切な賦形剤のいくつかの例としては、ラクトース、デキストロース、スクロース、ソルビトール、マンノース、デンプン、アカシアガム、リン酸カルシウム、アルギン酸塩、トラガカント、ゼラチン、ケイ酸カルシウム、微結晶セルロース、ポリビニルピロリドン、セルロース、滅菌水、シロップ、およびメチルセルロースが挙げられる。処方物はさらに:タルク、ステアリン酸マグネシウム、および鉱油のような潤沢剤;湿潤剤;乳濁剤;および懸濁剤;メチル−安息香酸およびプロピルヒドロキシ−安息香酸のような保存料;甘味料;ならびに香味料を含有し得る。本発明の組成物は、当該分野で公知の手順を使用することによって、患者への投与後に有効成分の迅速な、持続的な、または遅延させられた放出を提供するように処方され得る。
【0059】
錠剤のような固体組成物を調製するために、本質的な有効成分/レオウイルスを薬学的賦形剤と混合して、本発明の化合物の均質な混合物を含有する事前処方された固体組成物を形成する。これらの事前処方組成物が均質であるとする場合、組成物が、錠剤、丸剤、およびカプセル剤のような等しく有効な単位投薬形態に容易に分割され得るように、有効成分が組成物全体にわたって均質に分散されることが意味される。
【0060】
本発明の錠剤または丸剤は、延長した作用の利点を付与する投薬形態を提供するように、被覆され得るかまたは他の方法で調合され得る。例えば、錠剤または丸剤は、内部の投薬成分、および外部の投薬成分を含有し得、外部の投薬成分が内部の投薬成分を包む形態である。2つの成分は、胃での分解に抵抗するように作用し、そして内部の成分を十二指腸内へとインタクトで通過させるかまたは放出を遅らせる腸溶性層によって分離され得る。種々の材料が、このような腸溶性層または被覆のために使用され得る。このような材料として、多数のポリマー酸(polymeric acid)、およびセラック、セチルアルコール、および酢酸セルロースのような材料とポリマー酸との混合物が挙げられる。
【0061】
本発明の新規の組成物が、経口投与または注射による投与のために組み込まれ得る液体の形態として、水溶液、適切に風味をつけたシロップ、水性または油性懸濁物、および食用油(例えば、トウモロコシ油、綿実油、ゴマ油、ココナッツ油、またはピーナッツ油)を用いて香味づけた乳濁物、ならびにエリキシル剤、および類似の薬学的ビヒクルが挙げられる。
【0062】
吸入(inhalation)または吸入(insufflation)のための組成物は、薬学的に受容可能な水性溶媒もしくは有機溶媒、またはそれらの混合物中の溶液および懸濁物、ならびに散剤を含む。液体組成物または固体組成物は、本明細書中に記載されるような適切な薬学的に受容可能な賦形剤を含有し得る。好ましくは、組成物は、局所的な効果または全身的な効果のために、経口の呼吸経路または鼻腔の呼吸経路によって投与される。好ましい薬学的に受容可能な溶媒中の組成物は、不活性ガスの使用によって噴霧され得る。噴霧溶液は、噴霧デバイスから直接吸入され得るか、または噴霧デバイスは、フェースマスクテント、または断続的陽圧呼吸機器(intermittent positive pressure breathing machine)に装着され得る。溶液、懸濁物、または散剤組成物は、好ましくは、適切な様式で処方物を送達するデバイスから、経口または鼻腔に投与され得る。
【0063】
本発明の方法において使用される別の好ましい処方物は、経皮送達デバイス(「パッチ」)を使用する。このような経皮パッチは、制御された量で本発明のレオウイルスの持続的な注入または断続的な注入を提供するために使用され得る。薬学的因子の送達のための経皮パッチの構築および使用は、当該分野で周知である。例えば、米国特許第5,023,252号(本明細書中で参考として援用される)を参照のこと。このようなパッチは、薬学的因子の持続的送達、拍動性送達、またはオンデマンド送達のために構築され得る。
【0064】
本発明での使用のための他の適切な処方物は、Remington’s Pharmaceutical Sciencesに見出され得る。
【0065】
以下の実施例は、本発明を例示するために提供され、本発明の範囲を制限するするとは決して解釈されるべきではない。
【実施例】
【0066】
以下の実施例において、以下の略号は以下の意味を有する。略号が定義されていない場合は、その一般的に受容されている意味を有する。
【0067】
CI=信頼区間
TCID50=組織培養感染用量50
μM=マイクロモル濃度
mM=ミリモル濃度
M=モル濃度
ml=ミリリットル
μl=マイクロリットル
mg=ミリグラム
μg=マイクログラム
g/L=1リットルあたりのグラム数
rpm=1分間あたりの回転数
FBS=ウシ胎仔血清
DTT=ジチオスレイトール
NP−40=Nonidet P−40(オクチルフェノキシポリエトキシエタノール)
SDS=ドデシル硫酸ナトリウム
PBS=リン酸緩衝化生理食塩水
β−ME=β−メルカプトエタノール
MOIまたはm.o.i.=感染効率
PFU=プラーク形成単位
hr=時間
℃=摂氏温度
(一般的方法)
(細胞およびウイルス)
ヒト腎臓胚293(HEK293)細胞、ベロ(アフリカミドリザル腎臓)細胞、およびマウス繊維芽細胞L−929細胞を、製造業者BioReliance Corporation(Rockville,Maryland)から入手した。HEK293細胞を、10%熱不活化ウマ血清および90%の以下の混合物:2mMのL−グルタミンおよび1.5g/Lの重炭酸ナトリウムを含むように調整されたEarle平衡化塩溶液を有するEagle最小基本培地、0.1mMの非必須アミノ酸、ならびに1.0mMのピルビン酸ナトリウム、を含有する培養培地中で増殖させた。マウスL−929細胞およびVero細胞を、10%FBSおよび90%の以下の混合物:2mMのL−グルタミンおよび1.5g/Lの重炭酸ナトリウムを含むように調整されたEarle平衡化塩溶液を有するEagle最小基本培地、0.1mMの非必須アミノ酸、ならびに1.0mMのピルビン酸ナトリウム、を含有する培養培地中で増殖させた。
【0068】
293/SF細胞を、4mMのL−グルタミンを補充した293無血清培地(Life Technologies,Rockville,Maryland)中で、35〜40rpmの推進速度でスピナフラスコ中36℃±2℃、6%±2% COおよび80%±5%相対湿度で増殖させた。
【0069】
これらの研究で使用したレオウイルス血清3型のDearing株を、β−メルカプトエタノール(β−ME)を抽出緩衝液から省いた事を除いてSmith(Smithら(1969))に従って精製したL−929細胞の懸濁培養物中で増殖させた。精製したレオウイルスについての粒子/PFU比は、代表的には100/1であった。
【0070】
(単一層細胞の感染およびウイルスの定量)
コンフルエントな単一層のHEK293細胞、Vero細胞、およびL−929細胞を、24ウェルプレート中で増殖させ、そして公知の感染効率でレオウィルスを感染させた。37℃で1時間インキュベートした後、温めた培地で単一層を洗浄し、次いでその培養培地中でインキュベートした。感染後の種々の時点で、NP−40およびデオキシコール酸ナトリウムの混合物を、最終濃度がそれぞれ1%および0.5%となるように、感染した単一層上の培地に直接添加した。次いで溶解物を回収し、そしてL−929細胞でのプラーク滴定法によりウィルスの収量を決定し、そしてLog10TCID50/mlとして表した。
【0071】
(懸濁細胞の感染)
293/SF細胞を、10/mlまで増殖させ、そしてレオウイルスで感染させた。培地の色が赤から橙色に変化するまで、または細胞の生存度が生細胞の計測によって証明される場合に所望のレベルまで低下するまで、培養物を増殖させた。細胞変性効果を示さない細胞について顕微鏡下で、生細胞の計測を実行した。細胞変性効果は、細胞の外観が膨張および顆粒状になること、ならびに細胞の凝集塊が別々に分離することによって示される。生細胞の計測をまた、当該分野において通常用いられるような生存株によって実行し得る。
【0072】
(ウイルスの抽出および精製の従来法)
所望の細胞生存レベルを達成した場合、この細胞を、遠心分離でペレット化し、そして10mM Tris(pH7.4)、250mM NaClおよび0.1% Triton X−100中に再懸濁した。次いで、この細胞を凍結融解によって溶解し、そして細胞を混合および溶解するために周期的にボルテックスをしつつ氷上で20〜40分間維持した。懸濁物を、10分間のボルテックスによって、等容量の予め氷冷されたFreon(登録商標)(1,1,2−トリクロロ−1,1,2−トリフルオロ−エタン)で抽出し、続いて、4℃で10分間2500rpmで遠心分離して異なる相を分離した。水相(上相)を除去し、そして上記のように2回再抽出し、そしてこのウイルスを、4℃で1時間25,000rpmで超遠心分離することによってペレット化した。
【0073】
このペレットを、PBS中に再懸濁し、そしてウイルスを、塩化セシウム段階勾配によって精製した。この勾配は、10mM Tris(pH7.4)中で調製したCsCl溶液の2つの層(それぞれ、1.20g/mlおよび1.4g/ml)を含んでいた。このウイルス懸濁物を、この勾配の頂上にロードし、そして4℃で2時間26,000rpmでSW28.1ローター中で遠心分離した。ウイルスのバンド(上のバンドは空のカプシドを含むため、2つのバンドの下の方)を回収し、そして滅菌PBSに対して透析した。
【0074】
(実施例1)
(レオウイルスの生成のための最適な細胞株の決定)
感染の結果として生成されたレオウイルスの量において感受性細胞株の間に差異が存在するか否かを決定するために、レオウイルス感受性を示す多数の異なる細胞株を、生成されたレオウイルスの相対量についてアッセイした。生物学的因子の生成について種々の監督機関によって認められている細胞株が、特に興味深い。従って、HEK293細胞、Vero細胞、およびL−929細胞を、レオウイルスに曝露し、そしてレオウイルスを生成する能力を比較した。
【0075】
感染細胞、および感染後の種々の時点でのその増殖培地を回収することによって、ウイルス生成の定量を達成した。生成された溶解物を、続いてプラーク滴定分析に供して、ウイルスの収率を決定した。これは、以下の表1に力価±95% CI(Log10TCID50/ml)として表される。この結果は、全ての試験した細胞が、レオウイルス感染に感受性であったが、これらの各細胞株において生成されるウイルスの量に顕著な差異があったことを示す。
【0076】
【表1】
Figure 2004520841
この結果は、HEK293細胞が、レオウイルスを生成する最も有効な細胞であることを明らかに示す。さらに、HEK293細胞は、より早い段階で、より多くのウイルスを生成し、レオウイルスを製造するための製造時間を短縮可能にした。
【0077】
(実施例2)
(最終的なウイルス生成に対する開始感染効率の効果)
開始感染効率が、最終的なウイルスの産出量を決定するか否かを決定するために、HEK293細胞を、1〜0.1の間の開始感染効率(m.o.i.)の範囲で感染させた。表2に示される本発明者らの結果は、開始m.o.i.と最終的なウイルス生成との間に確かに関連があることを示す。1未満の開始m.o.i.が、レオウイルスの大量製造のために最適である。
【0078】
【表2】
Figure 2004520841
さらに、本発明者らの結果は、細胞を回収するために最適な時間もまた存在することを実証し、これは重要である。本発明者らは、ウイルスの生成が、24時間後に最大になることを見出した。24時間より前の場合に、十分なウイルスのタンパク質合成および成熟ビリオンのアセンブリのために不十分な時間であることは、驚くべきことではない。より驚くべきことは、72時間の時点でのウイルス量の減少に続く、96時間の時点での感染粒子数の著しい増加の観察である。72時間でのこのわずかな減少は、ウイルスのタンパク質溶解の分解および続く96時間の時点での2回目のウイルス複製に起因するようであると推定される。
【0079】
(実施例3)
(ウイルス抽出手順の評価)
初めに、本発明者らは、材料および方法の節に記載されるように、ウイルス粒子を抽出および精製する従来の方法に従った。手短には、細胞を、凍結融解によって崩壊させ、そしてFreonによって3回抽出した。次いで、ウイルス粒子を、CsCl勾配および超遠心分離で精製した。しかし、このプロトコルは、大量のウイルスを生成するためには、あまりにも単調で時間がかかった。故に、本発明者らは、大量の懸濁培養のための回収条件を最適化するために、以下に記載されるようないくつかの他の抽出方法を試験した。
【0080】
レオウイルスを、HEK293細胞の懸濁培養物中で、絶え間なく攪拌しつつ、24時間、48時間または72時間増殖させた。その後、界面活性剤(例えば、Triton X−100、Tween 20、NP−40またはデオキシコール酸ナトリウム(Na−DOC)を、表3における各実験について示された最終濃度まで培地に添加した。この培養物を、25℃または37℃で10分間または60分間攪拌し続けた。次いで、アリコートを培養物から摂取し、そしてウイルスの収率を、L−929細胞におけるプラーク滴定によって決定し、そしてLog10TCID50として表した。凍結融解法もまた試験し、ここで、いかなる界面活性剤も用いずに、細胞を崩壊するために、培養物を凍結および融解した。「未処理」実験において、アリコートを、培養物から直接摂取し、そしてウイルスの収率を決定した。
【0081】
【表3】
Figure 2004520841
Figure 2004520841
これらの結果は、Triton X−100、Tween 20、Na−DOCまたはNP−40は全て、凍結融解法のウイルスの収率よりもよいか、または凍結融解法のウイルスの収率に匹敵するウイルウスの収率で、HEK293細胞培養物からレオウイルスを抽出するために使用され得る。著しく、Triton X−100を用いる手順は、概して、他の2つの非イオン性界面活性剤(Tween 20およびNP−40)を約2倍で用いる手順よりも、より多くのウイルスを生成した。Na−DOC(試験された唯一のイオン性界面活性剤)は、これらの条件下で、0.3% Triton X−100とほぼ同じ数の感染ウイルスを生成した。さらなる研究において、Triton X−100の濃度を最適化し、これは、抽出混合物中の1% Triton X−100の最終濃度が、最大のウイルスの生成を産出したことを示す。
【0082】
さらに、凍結融解の代わりに、細胞溶解に界面活性剤を使用することによって、抽出手順が、25℃または37℃でさえ都合よく実行され得、そして感染ウイルス粒子の収率には影響しなかったことは、注目する価値がある。これは、機能タンパク質を保存するために、低温(通常4℃)でプロテアーゼインヒビターの存在下で、ウイルス抽出手順全体を実行する従来の実施と対照的である。故に、大量のウイルス生成を大幅に改善する単純かつ都合のよい手順によって、ウイルスを、培養細胞から抽出し得る。
【0083】
「未処理」実験由来のウイルスの収率は非常に高かったが、多くのウイルス粒子が、抽出の前に培養培地中に放出されているかもしれず、界面活性剤処理が、約10倍まで収率をさらに増加したことを示唆する。界面活性剤処理による収率の増加は、感染後、24時間および72時間で特に明白であった。しかし、48時間の時点で、界面活性剤の抽出は、ウイルスの収率をあまり増加しなかった。故に、ウイルスの大半は、24時間および72時間の時点で細胞と結合していたが、48時間では結合していなかったことを明らかにする。この観察は、タンパク質溶解性の分解が培養工程の中間点で生じ得、これに2回目のウイルスの複製が続くという前述の考察と一致する。
【0084】
上記の抽出手順に続いて、細胞片を、単純な方法(例えば、濾過または遠心分離)によって除去し得、そして生じたウイルスを、臨床投与のために使用し得る。細胞片を濾過によって除去する場合、濾液を、例えば、限外濾過によって必要に応じて濃縮し、ウイルス調製物の容量を減少し得る。濾液または濃縮されたウイルス調製物の鉄含量を、例えば、イオン交換クロマトグラフィーまたは透析によってさらに調整し得る。

Claims (29)

  1. 細胞の培養物からウイルスを生成する方法であって、該方法は以下の工程:
    (a)ウイルスによって感染されている細胞の培養物を提供する工程;
    (b)培養物に界面活性剤を加えることによって細胞からウイルスを抽出し、そして一定期間インキュベートする工程;および
    (c)ウイルスを回収する工程、
    を包含する、方法。
  2. 前記界面活性剤が、Triton X−100、Tween20、NP−40およびデオキシコール酸ナトリウムからなる群より選択される、請求項1に記載の方法。
  3. 前記界面活性剤が、Triton X−100、Tween20およびNP−40からなる群より選択される、請求項1に記載の方法。
  4. 前記界面活性剤が、Triton X−100である、請求項3に記載の方法。
  5. 前記Triton X−100の最終濃度が1%である、請求項4に記載の方法。
  6. 前記工程(b)のインキュベーションが、周囲温度以上の温度で実施される、請求項1に記載の方法。
  7. 前記工程(b)のインキュベーションが、約25℃で実施される、請求項6に記載の方法。
  8. 前記工程(b)のインキュベーションが、約37℃で実施される、請求項6に記載の方法。
  9. 前記培養物を、前記工程(b)において前記界面活性剤とともに60分またはそれ未満インキュベートする、請求項1に記載の方法。
  10. 前記培養物を、前記工程(b)において前記界面活性剤とともに30分またはそれ未満インキュベートする、請求項9に記載の方法。
  11. 前記培養物を、前記工程(b)において前記界面活性剤とともに10分間インキュベートする、請求項10に記載の方法。
  12. 前記ウイルスが、非エンベロープウイルスである、請求項1に記載の方法。
  13. 前記ウイルスが、レオウイルスである、請求項12に記載の方法。
  14. 前記レオウイルスが、哺乳動物レオウイルスである、請求項13に記載の方法。
  15. 前記哺乳動物レオウイルスが、ヒトレオウイルスである、請求項14に記載の方法。
  16. 前記ヒトレオウイルスが、血清3型ウイルスである、請求項15に記載の方法。
  17. 前記血清3型レオウイルスが、Dearing株である、請求項16に記載の方法。
  18. 前記細胞が、ヒト胚腎293(HEK293)細胞である、請求項13に記載の方法。
  19. 前記HEK293細胞が、懸濁液中で培養される、請求項18に記載の細胞。
  20. 前記工程(c)が、濾過によって細胞デブリを除去する工程を含む、請求項1に記載の方法。
  21. 濾過の後に、濃縮の工程をさらに包含する、請求項20に記載の方法。
  22. 請求項1に従って回収された前記ウイルスを含む、組成物。
  23. 臨床投与のために適切である、請求項22に記載の組成物。
  24. 薬学的に受容可能な賦形剤および/またはキャリアをさらに含む、請求項22に記載の組成物。
  25. 請求項13に従って回収された前記ウイルスを含む、組成物。
  26. 臨床投与のために適切である、請求項25に記載の組成物。
  27. 薬学的に受容可能な賦形剤および/またはキャリアをさらに含む、請求項26に記載の組成物。
  28. 感染性レオウイルスを生成する方法であって、該方法は以下の工程:
    (a)レオウイルスに感染しているHEK293細胞の培養物を提供する工程;
    (b)該培養物にTriton X−100を加えることによって該細胞から該ウイルスを抽出し、そして約25℃〜約37℃で、約10分間インキュベートする工程;および
    (c)該レオウイルスを回収する工程、
    を包含する、方法。
  29. 前記工程(c)が、濾過によって細胞デブリを除去する工程および濾液を濃縮する工程を包含する、請求項28に記載の方法。
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