JP2004519201A - キメラアデノウイルスベクター - Google Patents

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Abstract

本発明は、それらが誘導されたアデノウイルスのゲノムに関して異種であるパッケージングに必須な領域を含有するという特徴を有するアデノウイルスベクターに関する。本発明は、また、前記アデノウイルスベクターを含有するウイルス調製物、細胞、それらを含んでなる医薬組成物または物質、およびそれらの療法または予防上の使用に関する。最後に、本発明は、それが誘導されたアデノウイルスのゲノムに関して減衰されたパッケージング性質を有する動物由来のアデノウイルスのゲノムに関する。

Description

【0001】
本発明は、誘導されたアデノウイルスのゲノムに関して異種である包膜(encapsidation)に必須な領域を含有するという特徴を有する新規なアデノウイルスベクターに関する。これらのベクターはヘルパーベクターまたは組換えベクターとして使用することができ、前者は後者の製造を可能とする。本発明の主題は、また、前記アデノウイルスベクターを含有するウイルス調製物、細胞、それらを含んでなる医薬組成物または物質、ならびにそれらの療法または予防の目的のための使用に関する。最後に、本発明は、また、それが誘導された自然のゲノムに関して減衰された包膜能力を有する動物由来のアデノウイルスのゲノムに関する。本発明は、遺伝子療法、特にヒトにおける遺伝子療法の面において特に重要性を有する。
【0002】
遺伝子療法は、宿主細胞または生物の中への遺伝情報の転移として定義される。ヒトに適用された最初のプロトコールは、米国において1990年9月に、アデニンデアミナーゼ(ADA)をコードする遺伝子に影響を与える突然変異のために遺伝的に免疫不全であった患者について開始された。この最初の実験は比較的成功を収めたので、遺伝病(欠陥遺伝子の機能障害を補正する目的で)および後天性疾患(癌、感染症、例えば、AIDSおよびその他)を包含する種々の疾患のための技術の開発を促進した。現在の戦略の大部分は、治療遺伝子をその細胞のターゲットに運ぶベクターを使用する。ウイルスベクターおよび合成ベクターを包含する多数のベクターは過去数年間に開発され、そして当業者にとってアクセス可能な多数の刊行物の主題であった。
【0003】
遺伝子療法のベクターとしてのアデノウイルスの重要性は、多数の先行技術の文献において既に記載されてきている。アデノウイルスは多数の細胞の型の、分裂する細胞および休止細胞を感染し、非組込み性であり、高度には病原性ではない。さらに、アデノウイルスは気道に対して自然の向性を有する。これらの特異的性質を有するためには、アデノウイルスベクターは多数の療法、特にワクチンの適用のために選択される。指針として、アデノウイルスのゲノムは、ウイルスのサイクルに関係する約30の遺伝子を担持する、約36kbの線状または二本鎖のDNA分子から成る。初期の遺伝子(E1〜E4;初期についてE)は、ゲノムにおいて分散した4つの領域に分割される。E1、E2およびE4領域はウイルスの複製のために必須であるが、E3領域は必須ではなく、宿主における抗アデノウイルス免疫応答のモジュレーションに関係する。後期の遺伝子(L1〜L5;後期についてL)は構造的タンパク質を主としてをコードし、初期の転写単位を部分的にカバーする。それらは大部分について主要な後期のプロモーターMLPから転写される。さらに、アデノウイルスのゲノムは、その末端に、シス作用性領域を担持し、シス作用性領域は包膜のために必須であり、5’および3’末端に位置する逆方向末端反復(ITR)および5’ITRに引き続く包膜領域から成る。
【0004】
現在、遺伝子療法のプロトコールにおいて使用されているアデノウイルスベクターは、環境および宿主生物におけるそれらの汎発性を回避するために、E1領域の主要な部分を欠如する。E3領域における追加の欠失は、クローニング能力の増加を可能とする。問題の遺伝子は、ウイルスDNAの中に、欠失された領域の1つまたは他の代わりに導入される。これらのいわゆる第1世代を使用する遺伝子の転移の可能性は現在よく確立されているが、それらの安全性の問題が残る。複製競合粒子の発生の危険に加えて、なお発現されるウイルスタンパク質の潜在的な免疫原性は、ある特定の用途において、形質導入された細胞の持続性およびトランスジーンの安定な発現を妨害する。これらの欠点は新しい世代のベクターの構築を正当化する。それらはシスの領域(ITRおよび包膜配列)を保存し、これらの領域は包膜のために必須であるが、ウイルス遺伝子の大部分のin vivo発現の抑制を目的とする、追加の遺伝的修飾を含む(例えば、国際出願WO94/28152号参照)。これに関して、いわゆる最小ベクターは、すべてのアデノウイルスの機能を欠如し、選択の代替物を表す。
【0005】
アデノウイルスベクターを製造する技術は文献に広く記載されている。第1の例において、ゲノムは293系統(特に、下記の文献を参照のこと:GrahamおよびPrevect、1991、Methods in Molecular Biology、Vol.7、Gene Transfer and Expression Protocols;E.J.Murray編、The Human Press lnc.、ニュージャージイ州クリントン)または大腸菌(Escherichia coli)(例えば、国際出願WO96/17070号参照)において相同組換えにより製造される。次いで、ベクターを増殖させて、それを含有するウイルス粒子のストックを構築することが必要である。この製造工程は重大であり、そして臨床的バッチを製造を目的とした大規模な開発をもくろむことができる、高い感染粒子の力価を得ることを可能とすべきである。この効果のために、ベクターが欠陥的である発現の発現産物をトランスで提供する相補性系統を使用する。例えば、ヒト胚腎細胞から確立された293系統において、E1について欠失されたウイルスを増殖させる(Graham et al.、1977、J.Gen.Virol.36、59−72)。第2世代のウイルスに関すると、2つの必須のウイルス機能を補足する系統、例えば、下記の文献に記載されている系統を使用することができる:Yeh et al.、1996、J.Virol.70、559−565;KrougliakおよびGraham、1995、Human Gene Therapy 6、1575−1586;Wang et al.、1995、Gene Therapy 2、775−783;Lusky et al.、1998、J.Virol.72、2022−2033;および国際出願WO94/28152号およびWO97/04119号。発現のウイルス産物は潜在的毒性を有するために、工業的方法における使用をもくろむ前に、これらの系統を成長能力および粒子の収率を最適化することが必要である。さらに、最小ウイルスの増殖に適当な、すべてのアデノウイルスの機能を補足する系統は現在まだ入手不可能である。
【0006】
他の別法は、組換えアデノウイルスベクターの欠陥機能の少なくとも一部分を補足するように、追加のウイルス因子が設計された「ヘルパーウイルス」を使用することに基づく。先行技術のヘルパーウイルスは、組換えベクターが補足を必要としない必須領域を必要に応じて欠失した、アデノウイルスのゲノムから成る。1例として、293系統の中へのE1−ヘルパーウイルスおよびE1E4組換えベクターの共トランスフェクションは、組換えベクターのウイルス粒子の形成に導く。E1機能は293系統により提供され、そしてE4機能はヘルパーウイルスにより提供される。
【0007】
しかしながら、この方法の主要なは欠点は、細胞がウイルス粒子の混合集団を産生し、それらのあるものが組換えベクターを含み、他のものがヘルパーベクターを含むことである。実際には、調製物は主としてヘルパーウイルス粒子を含有し、これらは選択的利点を有し、汚染が90%に到達し、それを超えることさえある。ヘルパーウイルスの存在はヒトに適用される療法の関係において望ましくなく、このために、物理的分離技術、例えば、超遠心分離の使用を必要とする。
【0008】
本発明は、ヒトおよび動物のアデノウイルスのそれぞれの成長特性を利用することを提案する。今回、ウシBAV3アデノウイルスをヒト系統において増殖させることができないことが証明されたが、Ad5はウシ細胞において増殖させることができる。ヒト293系統におけるBAV3アデノウイルス単独の感染またはAd5の存在下の感染は、感染性BAV3ウイルス粒子の形成に導かない。他方において、Ad5ヴィリオンはウシ系統の感染により得られる。さらに、ヒト細胞においてBAV3ウイルスタンパク質は発現しない。
【0009】
これらの観察に基づいて、本発明は、特に、2工程で起こりかつAd5とBAV3との間のキメラであるアデノウイルスを使用する、包膜系を提供する。今回、下記のベクターが構築された:(i)自然包膜領域がウシBAV3アデノウイルスのそれで置換されたAd5ゲノムから誘導されたヘルパーウイルスおよび(ii)Ad5から誘導され、そして2つの包膜領域、すなわち、Ad5由来の第1(オートローガス(autologous))およびBAV3由来の第2(異種)の領域、を含む組換え欠陥アデノウイルス。BAV3アデノウイルスで感染させたウシ細胞系統の中に2つのベクターをトランスフェクトすると、3つのウイルスゲノムが増幅し、そして3つの型のウイルス粒子が産生する。この第1増幅工程の間に、BAV3ゲノムはトランス作用性因子を提供し、組換えベクターおよびヘルパーベクターの包膜を可能とし、後者は組換えベクターの欠陥機能を少なくとも部分的に補足する。3つの型のウイルスの混合物をウシ細胞から回収し、ヒト293細胞の感染に使用する。BAV3ゲノムと、BAV3から誘導された唯一の包膜領域を有するヘルパーベクターは、BAV3配列を認識する包膜因子が存在しないので、Ad5の存在においてさえ増殖することができず、これは対応するウイルス粒子の形成を排除する。しかしながら、ヘルパーベクターは、Ad5由来の包膜シグナルにより伝達される組換えベクターの包膜に必要な因子をトランスで産生し、そして、293細胞に関連して、欠陥のある初期および後期の機能を補足することができ、その目的は組換えベクターを含有するヴィリオンを主として発生させることである。本発明は、ヘルパーベクターによるアデノウイルス調製物の汚染をかなり組換えさせることによって安全性の目的を満足し、こうして変化する効率の時間を要する、費用のかかる分離技術の使用を回避する。
【0010】
したがって、本発明の主題は、それが誘導されたアデノウイルスのゲノムに関して異種である包膜に必須な領域を含むことを特徴とする、アデノウイルスのゲノムから誘導されたアデノウイルスベクターである。
【0011】
本発明の目的に対して、アデノウイルスは、そのゲノムが修飾された親アデノウイルスから得られる。最小の修飾は、異なる由来の包膜に必須な領域の挿入である(異種)。もちろん、他の修飾をまた考えることができる。これらは種々の型(1またはそれ以上のヌクレオチドの欠失、付加、置換)であることができ、アデノウイルスのゲノムのコーディング領域またはこれらの外側(ウイルス遺伝子の発現、包膜およびその他に関係する領域)に位置することができ、そして初期および後期の双方の領域において影響を受けることができる。これに関して、本発明に特に適当なアデノウイルスは欠陥的である、すなわち、宿主細胞中で相補性の非存在において自律的に増殖することができない。それは置換に必須な1またはそれ以上のウイルス遺伝子について欠陥的であることができる。これらの遺伝子は欠失されており(全体または一部分として)、非機能的とされている(例えば、突然変異により)か、あるいは他の配列(特にその発現が宿主細胞または生物において探求される遺伝子)により置換されることができる。
【0012】
本発明のアデノウイルスは、ヒトまたは動物のアデノウイルスから誘導することができ、そして任意の血清型を有する。サブグループCヒトアデノウイルス、特にアデノウイルス2(Ad2)および5(Ad5)は、本発明を実施するために最も特に適当である。本発明の関係において使用することができる動物アデノウイルスの間で、イヌ、トリ、ウシ、ネズミ、ヒツジ、ブタおよびサルのアデノウイルスおよびその他を述べることができる。手引きとして、下記のアデノウイルスを使用するすることができる:ネズミアデノウイルスMavi(Beard et al.、1990、Virology 175、81−90)、イヌアデノウイルスCAV−1またはCAV−2(SpibeyおよびCavanagh、J.Gen.Virol.1989、70、165−172;Linne、1992、Virus Research 23、119−133;Shibata et al.、1989、Virol.172、460−467;Jouvenne et al.、Gene、1987、60、21−28)、トリアデノウイルスDAV(Zakharchuk et al.、Arch.Virol.1993、128、171−176)またはウシアデノウイルスBAV3(Mittal et al.、J.Gen.Virol.1995、76、93−102)。一般に、前述のアデノウイルスは収集所およびATCCにおいて入手可能であり、そして先行技術において発表されている多数の研究の主題である。アデノウイルス5(Ad5)に関すると、そのゲノムの完全な配列は遺伝子バンクから受け入れ番号M73260で入手可能である。この配列は本発明の明細書を参照することによって完全に組込まれる。
【0013】
本発明の目的に対して、「包膜に必須な領域」は、タンパク質因子、特にウイルスタンパク質因子と共同して、ウイルスキャプシドの中へのウイルスベクターのゲノムの包膜を保証するための、シス作用性領域を意味すると理解される。このような領域は、特に、アデノウイルスのゲノムの場合において、5’および3’ITR、および包膜領域から成る。それらの用語はこの分野においてよく知られている。
【0014】
本発明によるアデノウイルスベクターの特性は、親アデノウイルスに関して、異種である、すなわち、異なる由来である、包膜に必須な領域を担持することである。それは任意のウイルス(レトロウイルス、ポックスウイルスおよびその他)から誘導することができるが、それが親アデノウイルスと異なる属または血清型のアデノウイルスであるかぎり、アデノウイルス由来は好ましい。好ましくは、本発明によれば、包膜に必須な前記異種領域は、包膜配列および必要に応じて5’および3’ITR少なくとも1つから成る。
【0015】
アデノウイルスの由来に依存して、包膜に必須な領域は多少変化させることができる。しかしながら、それらは入手可能な配列のデータに基づいて、あるいはヒトアデノウイルスとの類似性により同定することができる。ITRはアデノウイルスのゲノムの5’および3’末端に自然に位置し、そして前記ゲノムの複製および包膜の段階に関係づけられる。一般に、ITRは100〜200塩基対を含む。多数のITR配列が文献において提案されている;例として、Ad5についてHearing et al.、1997、J.Virol.61、2555−2558またはBAV3についてWO95/16048を挙げることができる。包膜領域(Ψと記載する)はアデノウイルスのゲノムの5’ITRの背後に位置し、そして包膜に参加する反復モチーフを含む。例えば、Ad5の包膜領域はAI〜AVIと表示する7つのモチーフを含み、それらのモチーフはコンセンサス配列5’A/T AN A/T TTG 3’(ここでNは任意のヌクレオチドを表す)を有し、そしてウイルスゲノムの位置241−248、262−269、304−311、314−321および339−346に存在する(GrableおよびHearing、1990、J.Virol.64、2047−2056;SchmidおよびHearing、1998、J.Virol.72、6339−6347)。種々のアデノウイルスの包膜領域は文献に記載されている(例えば、下記の文献を参照のこと:Ad16について、HammarskjoldおよびWinberg、1980、Cell 20、787−795;Ad5について、Hearing et al.、1987、J.Virol.61、2555−2558;Ad3について、RobinsonおよびTibbets、1984、Virology、137、276−286;CAV2について、Shibata et al.、1989、Virology 172、460−467;BAV3について、WO95/16048号)。純粋に例示のために、Ad5の包膜領域は少なくともヌクレオチド(nt)240から350まで延びことを述べるべきである。BAV3のそれにについては、それは位置約185〜約514の間の0.3kbのフラグメントの中に含有される。しかしながら、包膜領域の限界は変化することができ、そしてより短いまたは長い領域もまた適当である。当業者はアデノウイルスのゲノムの5’末端のフラグメントを単離し、それを適当なベクターの中に挿入し、そして、例えば、ウイルスの力価またはリポーター遺伝子の発現を決定することによって、適当な系統においてその包膜能力を確認することができる。
【0016】
包膜に必須な異種領域を担持する配列は、慣用手段(制限酵素を使用する消化、PCRおよびその他)によりウイルスゲノムから単離することができるか、あるいは化学的合成により製造することができる。必要に応じて、本発明の関係において、それらは天然の配列と比較して突然変異(1またはそれ以上のヌクレオチドの欠失、置換および/または付加)を含むことができる。また、他の外因的配列(制限部位およびその他)を含むことができる。それらは、本発明に従い、オートロガス領域に加えて、あるいはその置換として、アデノウイルスベクターの中に挿入することができる。挿入は、オートロガス領域の5’または3’において、その場所に、または異なる部位(例えば、3’ITRの直前の3’末端)で行うことができる。
【0017】
好都合には、本発明によるアデノウイルスベクターはヒト由来のアデノウイルスから誘導され、そして包膜に必須な異種領域は動物由来のアデノウイルスから誘導される。これに関して、本発明に最も特に適当なベクターは、サブグループCヒトアデノウイルスから、特にアデノウイルス2(Ad2)または5(Ad5)から誘導される。包膜に必須な異種領域に関すると、それは好ましくは前述のものから選択される動物アデノウイルスから誘導される。
【0018】
完全に好ましい態様によれば、本発明によるアデノウイルスベクターはAd5から誘導され、そして包膜に必須な異種領域はウシアデノウイルス、特にBAV3から誘導される。
【0019】
前述の態様は好ましいが、他の組合わせを本発明の関係において使用することができることを述べるべきである。例えば、Ad5から誘導され、そして異なる血清型の他のヒトアデノウイルス(Ad3、Ad7およびその他)から誘導された包膜に必須な異種領域を含むアデノウイルスを考えることができる。あるいは、アデノウイルスの骨格が動物由来であり、そして包膜に必須な領域をヒトアデノウイルスから誘導することができる。
【0020】
上に示したように、本発明によるアデノウイルスは好ましくは少なくともE1機能について欠陥がある。このような欠陥は、対応する領域の全体または一部分の欠失により得ることができる。多数のE1−ベクターは先行技術において記載されており、そして本発明の関係において使用することができる。さらに、それは、特にE2、E4および/またはL1〜L5領域において、1またはそれ以上の他のウイルス遺伝子に影響を与える追加の突然変異/欠失を含むことができる。任意の組合わせを考えることができる(E1E2、E1E4、E1E2E4およびその他)。このようなベクターは、特に国際出願WO94/281 52号に記載されている。これらの態様を説明するために、E2領域のDBP(DNA結合性タンパク質のための)遺伝子に影響を与える熱感受性突然変異を挙げることができる(Ensinger et al.、1972、J.Virol.10、328−339)。オープンリーディングフレーム(ORF)6および7をコードする配列を除外した、E4領域の部分的欠失を考えることもできる(Ketner et al.、1989、Nucleic Acids Res.17、3037−3048)。他の可能性は転写単位E4の完全な欠失である。そのうえ、本発明によるアデノウイルスベクターは、非必須領域E3のすべてまたは一部分を欠如することができる。この別法によれば、それにもかかわらず、ポリペプチド、特に糖タンパク質gp19kをコードするE3配列を保存し、宿主の免疫系からのエスケープを可能とすることが好都合であることがある(Gooding et al.、1990、Critical Review of lmmunology 10、53−71)。ある用途(組換えベクター)において、すべてのウイルス遺伝子の非機能性は好ましい。
【0021】
第1変法によれば、本発明によるアデノウイルスベクターはヘルパーウイルスベクターとして使用して、組換えアデノウイルスベクターの欠陥機能のすべてまたは一部分を補足することができる。好都合な態様によれば、それは少なくともE1機能について欠陥がある。必要に応じて、それは追加の機能、例えば、E2について欠陥的であることができる。当業者は、補足しようとする組換えベクターおよび選択した細胞系統に依存して必要な欠陥を定めるすることができる。E4機能はORF6および7によってのみ提供されることができることを述べるべきである。E3領域のすべてまたは一部分の存在は任意である。特定の態様によれば、それは5’および3’ITR配列と、ヒトアデノウイルス、特にAd5から誘導されたE2、E4および/またはL1〜L5機能をコードする配列と、ウシアデノウイルス、特にBAV3から誘導された異種包膜領域とを含む。他の態様によれば、ヘルパーウイルスベクターはヒトアデノウイルス、特にAd5から誘導されたE2、E4および/またはL1〜L5機能をコードする配列と、異種5’ITR配列、3’ITR配列と、ウシアデノウイルス、特にBAV3から誘導された包膜領域とを含む。
【0022】
本発明によるヘルパーアデノウイルスベクターは、上記において定義したアデノウイルスのゲノムの中に、少なくとも1つの包膜に必須な異種領域を挿入することによって得られる。好ましいプロセシング方法は、オートロガス包膜に必須な領域を異種領域で置換することである。当業者は、慣用の分子生物学の技術を適用することによって、このような構築物を製造することができる。
【0023】
第2変法によれば、本発明によるアデノウイルスベクターは組換えベクターであり、そして宿主細胞または生物におけるその発現に必要な因子の制御下に配置された、少なくとも1つの問題の遺伝子を含む。
【0024】
本発明において使用する問題の遺伝子は、真核生物、原核生物、寄生生物またはアデノウイルス以外のウイルスから誘導することができる。それはこの分野において普通に使用されている任意の技術、例えば、クローニング、PCRまたは化学的合成により単離することができる。それはゲノム型(全体としてイントロンのすべてまたは一部分を含む)、相補的DNA型(cDNA、イントロンを欠如する)または混合型(ミニ遺伝子)であることができる。そのうえ、それはアンチセンスRNAおよび/またはメッセンジャーRNA(mRNA)をコードすることができ、次いでこれを問題のポリペプチドに翻訳し、後者は(i)細胞内に存在し、(ii)宿主細胞の膜の中に組込むか、あるいは(iii)分泌されることができる。それは天然に見出される(天然の)ポリペプチド、その一部分(トランケート)、特に改良されたまたは修飾された生物学的性質を示す突然変異体または種々の由来の配列の融合から得られたキメラポリペプチドであることができる。
【0025】
本発明の関係において、下記の遺伝子を使用することは好都合することがある:サイトカイン(α、βまたはγインターフェロン、インターロイキン(IL)、特にIL−2、IL−6、IL−10またはIL−12、腫瘍壊死因子(TNF)、コロニー刺激因子(GM−CSF、M−CSF、およびその他)、細胞レセプター(特にHIVウイルスにより認識される)、レセプターリガンド、凝固因子、成長因子(FGF、繊維芽細胞成長因子を表す、VEGF、血管内皮成長因子を表す)、酵素(ウレアーゼ、レニン、トロンビン、金属プロテイナーゼ、NOS、酸化窒素シンターゼを表す、SOD、カタラーゼ、およびその他)、酵素インヒビター(α1−抗トリプシン、抗トロンビンIII、ウイルスプロテアーゼインヒビター、PAI−1、プラスミノゲンアクチベーターインヒビターを表す)、クラスIまたはIIの主要な組織適合性複合抗原または対応する遺伝子の発現に対して作用するポリペプチド、ウイルス、細菌または寄生生物の感染または発生を阻害することができるポリペプチド、アポプトーシスに対して積極的または消極的に反応するポリペプチド(Bax、Bc12、Bc1X、およびその他)、細胞増殖抑制因子(p21、p16、Rb)、アポリポタンパク質(ApoAI、ApoAIV、ApoE、およびその他)、血管形成インヒビター(アンギオスタチン、エンドスタチン、およびその他)、マーカー(β−ガラクトシダーゼ、ルシフェラーゼ、およびその他)をコードする問題の遺伝子、あるいはターゲッテッドアイルメントに対して療法的効果を有する問題の遺伝子。より正確には、遺伝的機能障害を治療する目的に対して、欠陥遺伝子の機能的コピー、例えば、AまたはB血友病における因子VIIIまたはIX、デュシェーヌまたはベッカーミオパシーにおけるジストロフィン、糖尿病におけるインスリン、および膵嚢胞性繊維症におけるCFTR(膜貫通コンダクタンスレギュレーター)タンパク質をコードする遺伝子の機能的コピーが使用されるであろう。腫瘍または癌の発症または進行の阻害に関すると、アンチセンスRNA、リボザイム、細胞障害性産物(単純ヘルペスウイルス1チミジンキナーゼ(HSV−1−TK)、リシン、コレラまたはジフテリアトキシン、ウラシルホスホリボシルトランスフェラーゼおよびシトシンジアミナーゼをコードするFCY1およびFUR1酵母遺伝子の産物、およびその他)、抗体、細胞の分裂または形質導入のシグナルのインヒビター、腫瘍抑制遺伝子の発現産物(p53、Rb、p73、およびその他)、免疫系を刺激するポリペプチド、腫瘍関連抗原(MUC−1、BRCA−1、HPV乳頭腫ウイルスの初期または後期の抗原(E6、E7、L1、L2、およびその他)をコードする問題の遺伝子を、適当ならば、サイトカイン遺伝子と組み合わせて、使用することが好ましい。最終、抗HIV療法において、免疫保護的ポリペプチド、抗原性エピトープ、抗体(2F5;Buchacher et al.、1992、Vaccine 92、191−195)、CD4レセプターの細胞外ドメイン(sCD4;Traunecker et al.、1988、Nature 331、84−86)、イムノアドヘシン(例えば、CD4−IgG免疫グロブリンハイブリッド;Capon et al.、1989、Nature 337、525−531;Byrn et al.、1990、Nature 344、667−670)、イムノトキシン(例えば、抗体2F5の融合物またはアンギオゲニンに対するイムノアドヘシンCD4−2F5;Kurachi et al.、1985、Biochemistry 24、5494−5499)、トランスドミナント(EP0614980号、WO95/16780号)、細胞障害性産物、例えば、前述のものの1つ、またはαまたはβIFNをコードする問題の遺伝子を使用することができる。
【0026】
そのうえ、問題の遺伝子の1つは、また、トランスフェクトまたは形質導入された細胞の選択または同定を可能とする、選択可能な遺伝子であることができる。下記の遺伝子を挙げることができる:neo遺伝子(ネオマイシンリン酸転移酵素をコードする)、これは抗生物質G418に対する耐性を与える;dhfr(ジヒドロフォレートレダクターゼ)遺伝子;CAT(クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ)遺伝子;pac(プロマイシンアセチルトランスフェラーゼ)遺伝子;またはgpt(サンチングアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ)遺伝子。一般に、選択可能な遺伝子はこの分野において知られている。
【0027】
句「発現に必要な因子」は、問題の遺伝子のRNAの転写およびmRNAのポリペプチドへの翻訳を可能とする遺伝的因子を意味する。これらのうちで、プロモーターは特に重要である。プロモーターは真核生物由来またはさらにウイルス由来の遺伝子から単離することができ、そして構成的または調節可能であることができる。あるいは、それは問題の遺伝子の天然のプロモーターであることができる。そのうえ、プロモーターを修飾して、プロモーターの活性を改良し、転写を阻害する領域を抑制し、構成的プロモーターを調節可能するか、あるいは逆もまた同じであり、制限部位を導入するなどをすることができる。例として、下記のプロモーターを挙げることができる:PGK(ホスホグリセレートキナーゼ)、MT(メタロチオネイン;Mclvor et al.、1987、Mol.Cell.Biol.7、838−848)、α1−抗トリプシン、CFTR、界面活性剤、免疫グロブリン、β−アクチン(Tabin et al.、1982、Mol.Cell.Biol.2、426−436)またはSRα(Takebe et al.、1988、Mol.Cell.Biol.8、466−472)遺伝子の真核生物のプロモーター、SV40ウイルス(サルウイルス)の初期プロモーター、CMVウイルス(サイトメガロウイルス)の初期プロモーターおよびアデノウイルスのプロモーターE1AおよびMLP。それは、また、腫瘍または癌の細胞における発現を刺激するプロモーターであることができる。特に、下記の遺伝子のプロモーターを挙げることができる:乳癌および前立腺癌において過度に発現されるMUC−1遺伝子(Chen et al.、1995、J.Clin.Invest.96、2775−2782)、結腸癌において過度に発現されるCEA(癌腫胚抗原)遺伝子(Schrewe et al.、1990、Mol.Cell.Biol.10、2738−2748)、黒色腫において過度に発現されるチロシナーゼ遺伝子(Vile et al.、1993、Cancer Res.53、3860−3864)、乳癌および膵臓癌において過度に発現されるERB−2遺伝子(Harris et al.、1994、Gene Therapy 1、170−175)および肝臓癌において過度に発現されるα−フェトタンパク質遺伝子(Kani et al.、1997、Cancer Res.57、461−465)。サイトメガロウイルス(CMV)の初期プロモーターは最も特に好ましい。
【0028】
発現に必要な因子は、さらに、宿主細胞における問題の遺伝子の発現またはその維持を改良する追加の因子を含むことができる。特に、下記の因子を挙げることができる:イントロン配列、分泌のためのシグナル配列、核局在化配列、IRES型の翻訳再開のための内部の部位、転写停止のためのポリA配列、三部分リーダーおよび複製起点。これらの因子はこの分野において知られている。
【0029】
本発明による組換えアデノウイルスベクターはいくつかの問題の遺伝子を含むとき、これらは同一遺伝的因子(第2シストロンの翻訳再開のためのIRES型の翻訳開始の内部の部位を使用するポリシストロン性カセット)または独立の因子の制御下に配置することができる。
【0030】
特に好都合な態様は、それが誘導されたアデノウイルスのゲノムに関してオートロガスである包膜に必須な第2領域から成る、組換えアデノウイルスベクターにある。換言すると、この組換えアデノウイルスベクターは、一方がオートロガスでありかつ他方が異種である、2つの包膜領域を担持する。アデノウイルスベクターにおけるそれらの領域の位置は重要ではない。それらは特に前記ベクターの末端の1つに位置するか、あるいは前記末端の各々において分離されていることができる。好都合には、異種領域はオートロガス領域の3’に位置する。
【0031】
本発明の関係において、本発明による組換えアデノウイルスベクターは、E1機能について欠陥があり、そしてE2、E3、E4および/またはL1〜L5の機能の少なくとも1つの欠陥がある。好ましい例は、1またはそれ以上の問題の遺伝子に加えて、少なくとも5’および3’ITRと、ヒトアデノウイルス、特にAd5から誘導された包膜に必須なオートロガス領域と、ウシアデノウイルス、特にBAV3から誘導された包膜に必須な異種領域とを含む、すべてのアデノウイルス機能について欠陥があるベクター(最小ベクター)である。
【0032】
分子生物学的技術により、本発明による組換えアデノウイルスベクターを発生することは、当業者の技量の範囲内である。特定のデータ(ベクターの型、問題の遺伝子およびその他)の関数として、前記技術を適合させる方法は当業者にとって明らかである。
【0033】
本発明は、また、複製欠陥組換えアデノウイルスベクター、特に本発明による組換えアデノウイルスベクター、の欠陥機能のすべてまたは一部分を補足するための本発明によるヘルパーアデノウイルスベクターの使用に関し、前記ヘルパーおよび組換えベクターの双方は同一のアデノウイルス、特にAd5から誘導され、そしてヘルパーベクターが担持する包膜に必須な前記異種領域および、必要に応じて、組換えベクターが前のアデノウイルスと異なるアデノウイルス、特にBAV3から誘導されている。
【0034】
本発明は、また、下記の因子:
(a)本発明によるヘルパーアデノウイルスベクター、
(b)複製欠陥組換えアデノウイルスベクター、特に本発明による組換えアデノウイルスベクター、および
(c)必要に応じて、ヘルパーおよび組換えベクター(a)および必要に応じて(b)が担持する包膜に必須な異種領域と同一由来の動物アデノウイルスから誘導されたアデノウイルスのゲノム、
を含んでなる組成物に関する。
【0035】
本発明は、また、それが誘導されたアデノウイルスと比較して、減衰した包膜能力を有することを特徴とする、動物アデノウイルス、特にウシアデノウイルス、特にBAV3から誘導されたアデノウイルスのゲノムに関する。減衰は、自然領域(本発明によるヘルパーおよび組換えアデノウイルスベクター)を担持するゲノムの利益のために、アデノウイルスのゲノムの増殖を減少させることを意図する。それは包膜領域の部分的欠失によるか、あるいは包膜プロセスをコントロールする1またはそれ以上のモチーフの突然変異により得るすることができる。減衰の例は、国際出願WO94/28152号およびImler et al.、1995、Human Gene Therapy 6、711−721に記載されている。例えば、包膜に必須な自然領域を担持する同等のウイルスに関して、ウイルス力価(GrahamおよびPrevec、1991、supra)またはリポーター遺伝子の発現を決定することによって、減衰の確認を可能とする技術は当業者は知っている。減衰された包膜に必須な領域は、2〜1000倍、好都合には3〜100倍、好ましくは5〜10倍だけ減少した包膜効率を示す。
【0036】
本発明による動物アデノウイルスのゲノムは、複製コンピテントであることができるか、あるいは1またはそれ以上のウイルス遺伝子に影響を与える修飾、例えば、前述の修飾を含むことができる。特に、前記ゲノムのE1領域の全体または一部分の欠失は本発明の関係において好都合である。ゲノムおよび/またはベクターはDNAまたはウイルスの形態であることができることを述べるべきである。
【0037】
本発明は、また、工程:
(a)第1細胞系統の中に、
(i)本発明によるヘルパーアデノウイルスベクター、
(ii)動物アデノウイルスから誘導されたアデノウイルスのゲノム、および
(iii)複製欠陥組換えアデノウイルスベクター、
を導入し、前記アデノウイルスのゲノム(ii)はベクター(i)および必要に応じて(iii)が担持する包膜に必須な異種領域と同一由来であり、そして前記アデノウイルスのゲノム(ii)およびベクター(i)および(iii)は前記第1細胞系統において複製することができ、
(b)ベクター(i)および(iii)およびアデノウイルスのゲノム(ii)を含むウイルス粒子の産生を可能とする適当な条件下に、前記第1細胞系統を培養し、
(c)工程(b)において得られた前記ウイルス粒子を細胞培養物から回収し、
(d)第2細胞系統を工程(c)において回収された前記ウイルス粒子で感染させ、前記ベクター(i)および前記アデノウイルスのゲノム(ii)は前記第2細胞系統においてゼロまたは減少した包膜および/または複製の能力を有し、
(e)前記組換えアデノウイルスベクター(iii)の包膜を可能としかつウイルス調製物を産生するために適当な条件下に、前記第2細胞系統を培養し、そして
(f)工程(e)において得られた前記ウイルス調製物を細胞培養物から回収する、
ことによる、複製欠陥組換えアデノウイルスベクター、特に本発明による組換えアデノウイルスベクターを含むウイルス調製物を製造する方法に関する。
【0038】
本発明の目的に対して、アデノウイルスベクターおよびゲノムは先行技術の手段により、特にトランスフェクションおよび/または感染により、第1細胞系統の中に導入することができる。ベクターを系統の中にトランスフェクトすることができ、この系統は動物アデノウイルスのゲノムの粒子で感染される(トランスフェクションの前、それに引き続いて、またはそれと同時に)。種々の因子(i)、(ii)または(iii)を含有するウイルスは、先行技術の技術に従い製造することができる。そのうえ、前記複製欠陥組換えアデノウイルスベクターは、WO94/28152号、WO94/08026号、WO93/19191号またはWO94/12649号に記載されているように、ベクターから成ることができる。
【0039】
そのうえ、ゲノム(ii)は野生型であり、本発明に従い(減衰された)および/または1またはそれ以上のウイルス遺伝子の機能に影響を与える1またはそれ以上の修飾を含むことができる。
【0040】
好都合な態様によれば、第1細胞は、
(i)少なくともE1機能について欠陥があり、ヒトアデノウイルス(特にAd5)から誘導され、かつウシアデノウイルス(特にBAV3)から誘導された包膜に必須な異種領域を担持するヘルパーアデノウイルスベクター、
(ii)ウシアデノウイルス(特にBAV3)から、必要に応じて本発明に従い、誘導されたアデノウイルスのゲノム、および
(iii)E1機能についておよびE2、E4および/またはL1〜L5機能の少なくとも1つについて欠陥があり、かつヒトアデノウイルス(特にAd5)から誘導された、上記において定義した、第2オートロガス包膜領域を担持し、かつウシアデノウイルス(特にBAV3)から誘導された包膜に必須な異種領域を担持する、組換えアデノウイルスベクター、
を含み、前記第1細胞系統はウシ由来である。
【0041】
完全に好都合な態様によれば、前述の方法の(i)における問題の欠陥ヘルパーアデノウイルスベクターは、5’および3’ITRおよび包膜領域を含むウシアデノウイルス(特にBAV3)から誘導された包膜に必須な異種領域を含む。
【0042】
あるいは、E1機能について欠陥があるアデノウイルスのゲノム(ii)を使用することができる。好ましい変形に関すると、E1機能について欠陥があるBAV3ゲノムは、国際出願WO95/16048号に記載されている。この場合において、動物由来の前記アデノウイルスのゲノムみらE1機能を補足することができる第1細胞系統が使用されるであろう。前記アデノウイルスのゲノム(ii)として同一動物由来の系統を使用することが好ましい。それは確立された系統または一次系統であることができる。
【0043】
相補性細胞という用語は、この分野において標準的である。本発明の関係において、それは本発明によるアデノウイルスのベクターまたはゲノムの欠陥因子の少なくとも一部分をトランスで提供することができる。一般に、対応するウイルス遺伝子を適当な細胞系統の中にトランスフェクトすることによって、アデノウイルス機能を補足する細胞を得ることができる。DNAを細胞の中に導入する、すべての標準的手段を使用することができる(リン酸カルシウムを使用するトランスフェクション、エレクトロポレーション、マイクロインジェクション、リポフェクション、プロトプラストの融合およびその他)。そのうえ、ウイルス遺伝子を慣用のベクター(合成、ウイルスまたはプラスミドのベクターおよびその他)により運搬し、前記相補性細胞における構成的または調節された発現を可能とする因子の制御下に配置する。アデノウイルスベクターに適当な相補性系統この分野において知られている(例えば、下記の文献を参照のこと:国際出願WO94/28152号、WO97/04119号およびGraham et al.、J.Gen.Virol.1977、36、59−72)。
【0044】
特に適当なウシ系統はMDBK系統(ATCC CCL−22またはCRL−6071)または一次細胞、特に網膜または胎児腎臓の細胞から誘導され、そしてウシアデノウイルス、特にBAV3のE1領域をコードする配列を含み、前記配列は前記系統におけるそれらの発現に必要な因子の制御下に配置される。
【0045】
好ましい態様によれば、第2細胞系統はヒトアデノウイルス、特にAd5のE1機能を補足する細胞である。好ましくは、293系統を使用する。しかしながら、他の系統、例えば、国際出願WO94/28152号に記載されている系統を使用することもできる。
【0046】
工程(c)のウイルス粒子およびウイルス調製物を培養上清から回収することができるが、また、細胞から回収することができる。普通に使用される方法の1つは、細胞を連続的凍結/融解サイクルにより溶解して、溶解上清からヴィリオンを回収することから成る。次いで、これらを増幅し、先行技術の技術(クロマトグラフィー、超遠心、特に塩化カルシウム勾配を通す超遠心、およびその他)に従い、精製することができる。
【0047】
本発明は、また、本発明の方法に従い得られたウイルス調製物に関する。好都合な態様によれば、ウイルス調製物は、本発明による組換えアデノウイルスベクターを含有する感染性ウイルス粒子の少なくとも30%を含む。好都合には、それは少なくとも50%、好ましくは少なくとも70%、最も好ましくは少なくとも80%のウイルス粒子を含む。
【0048】
本発明は、また、本発明によるアデノウイルスベクターを含むか、あるいは本発明によるウイルス調製物で感染された宿主細胞に関する。哺乳動物細胞、特にヒト細胞は最も特に適当である。宿主細胞ゲノムまたは他の因子(エピソーム)の中に組込まれたの形態の前記ウイルスを含むことができる。それは造血由来の一次または腫瘍細胞(全能幹細胞、白血球、リンパ球、単球またはマクロファージおよびその他)、筋細胞(サテライト細胞、ミオサイト、筋芽細胞およびその他)、心臓、肺、気管、肝臓、上皮または繊維芽の細胞であることができる。
【0049】
本発明は、また、記の因子:
(i)本発明によるヘルパーアデノウイルスベクター、
(ii)動物アデノウイルスから誘導されたアデノウイルスのゲノム、および
(ii)欠陥組換えアデノウイルスベクター、特に本発明による組換えアデノウイルスベクター、
を含む細胞に関する。
【0050】
前記細胞は好ましくはアデノウイルス機能、特に動物またはヒトのアデノウイルスのE1機能を補足する細胞である。細胞は上記において定義された特性を有する。
【0051】
本発明は、また、治療または予防の因子として、本発明によるアデノウイルスベクター、ウイルス調製物または宿主細胞と、薬学上許容される担体とを含んでなる医薬組成物に関する。本発明による組成物は、いっそう特に遺伝子療法により疾患の予防的または治療的処置に意図され、そして遺伝病(血友病、糖尿病、嚢胞性線維症、デュシェーヌまたはベッカーミオパシー、自己免疫疾患)および後天性疾患(癌、腫瘍、心臓血管性疾患、感染由来の疾患、例えば、B型肝炎またはC型肝炎、AIDSおよびその他)の双方に適用される。
【0052】
本発明による医薬組成物は、慣用の投与方法において、局所的、非経口的または消化的経路により製造することができる。特に、治療的に有効な量治療または予防因子を薬学上許容される担体と組合わせる。考えられる投与の経路は多数存在する。例えば、胃内、皮下、心臓内、筋肉内、静脈内、動脈内、腹腔内、腫瘍内、鼻内、肺内または気管内の経路を挙げることができる。後者の3つの態様について、エーロゾルまたは点滴注入は好都合である。投与は単一の投与として、か、あるいはある時間間隔後に1回または数回反復される投与として実施することができる。適当な投与経路および投与量は、種々のパラメーター、例えば、治療すべき個体または疾患または1または2以上の転移すべき問題の遺伝子に依存して変化する。本発明によるウイルス調製物は、10〜1014pfu(プラーク形成単位)、好都合には10〜1013pfu、好ましくは10〜1012pfuの投与量の形態で処方することができる。本発明による組換えアデノウイルスベクターに関すると、0.01〜100mg、好ましくは0.05〜10mg、最も好ましくは0.5〜5mgのDNAを含んでなる投与量を考えることができる。処方物は、また、薬学上許容される希釈剤、アジュバントまたは賦形剤を含むことができる。処方物は液体または乾燥形態(凍結乾燥物およびその他)で提供することができる。
【0053】
本発明によるウイルスベクターまたはウイルス調製物は、必要に応じて、トランスフェクションおよび/または安定性を改良する、1またはそれ以上の物質と組み合わせることができる。これらの物質は当業者がアクセス可能な文献に広く記載されている(例えば、下記の文献を参照のこと:Felgner et al.、1987、Proc.West.Pharmacol.Soc.32、115−121;HodgsonおよびSolaiman、1996、Nature Biotechnology 14、339−342;Remy et al.、1994、Bioconjugate Chemistry 5、647−654)。非限定的例示として、それらの物質は、ポリマー、脂質、特にカチオン性脂質、リポソーム、核タンパク質または中性リポソームであることができる。これらの物質は単独で、または組合わせで使用することができる。
【0054】
最後に、本発明は、宿主細胞または生物における問題の遺伝子の転移または発現のための、本発明によるアデノウイルスベクター、ウイルス調製物または宿主細胞の使用に関する。好ましい使用は、遺伝子療法または免疫療法によるヒトまたは動物の体の治療にある。第1の可能性によれば、薬物はin vivoで直接的に投与することができる(例えば、アクセス可能な腫瘍の中への静脈内注射、肺の中へのエーロゾルおよびその他)。また、ex vivoアプローチを採用することができ、このアプローチは患者から細胞(骨髄幹細胞、末梢血リンパ球、筋細胞およびその他)を収集し、先行技術の技術に従いin vitroでそれらをトランスフェクトし、そして患者にそれらを再投与することから成る。好ましい使用は、遺伝子療法または免疫療法による疾患の治療に意図される薬物の製造のための使用である。
【0055】
本発明は、また、治療的に有効な量の本発明による組換えアデノウイルスベクター、ウイルス調製物または宿主細胞を治療を必要とする患者に投与する治療方法に拡張される。
【0056】
【実施例】
本発明を詳細に説明する。これらの実施例は本発明を限定しない。
【0057】
後述する構築物は、Maniatis et al.、1989、Laboratory Manual、Cold Spring Harbor Laboratory Press、Cold Spring Harbor、NY、に詳述されている遺伝子工学および分子クローニング技術に従うか、あるいは商業的キットを使用するとき、製造業者のプロトコールに従い、製造される。相同組換え工程は大腸菌(E.coli)BJ5183中で実施することが好ましい(Hanahan、1983、J.Mol.Biol.166、557−580)。制限部位の修復に関すると、使用する技術は突起する5’末端を大腸菌(E.coli)のDNAポリメラーゼlの大きいフラグメント(Klenow)で充填することから成る。そのうえ、後述する種々の構築物において使用するアデノウイルスのゲノムのフラグメントは、遺伝子バンクのデータバンクにおいて、それぞれ、登録番号M73260およびAFO30154で開示されているように、Ad5およびBAV3のゲノムのヌクレオチド配列中のそれらの位置に従い正確に示されている。
【0058】
細胞生物学に関すると、当業者によく知られている標準的技術に従い、細胞をトランスフェクトまたは形質導入し、培養する。下記の実施例において、細胞系統293(Graham et al.、1977、supra;ATCCから受け入れ番号CRL1573で入手可能である)およびMDBK(ATCC CRL−6071またはCCL−22)を使用する。他の細胞系統を使用することができることが理解されるであろう。
【0059】
実施例1:ヒト系統中のBAV3ウイルスの増殖の非存在
ヒト系統MDBKおよびヒト系統A549(ATCC CCL−185)、HeLa(ATCC CCL−2)および293(ATCC CRL−1573)を野生型BAV3で異なるMOI(1、2および10)において感染させる。細胞を感染後3日に収集し、許容性MDBK細胞について、ウイルス力価を測定する。増殖ファクターはヒト細胞の感染の場合において1より小さいが、それはウシ系統の場合において50〜100である。これらの結果が示すように、BAV3ベクターはヒト系統中で増殖することができない。
【0060】
BAV3のウイルス遺伝子の発現は、確立されたヒト系統(A549、HeLa、293、MRC5、RPMI)または一次ヒト系統(一次筋系統PHM)の中にBAV3ウイルスを感染した後、逆PCRにより確認される。対照系統はMDBK系統から成る。慣用技術に従い、細胞を回収し、ポリA+RNAを単離する。E1領域に対して特異的なアンチセンスプライマーを使用して逆転写を実施し、次いで同一プライマーおよびE1に対して特異的なセンスプライマーを使用してPCR増幅を実施する。PCR生成物をサザンブロット分析し、E1に対して特異的なプローブを使用して検出する。このプローブはゲノムDNAに対応する626bpおよびポリA+mRNAから誘導された519bpのバンドの検出を可能とする。MDBK細胞において、感染後16時間に最大であるウイルスE1遺伝子の発現が観測される。E1は、また、293系統において発現される。他方において、E1mRNAの発現は試験したすべての他のヒト系統において検出することができない。
【0061】
これらの結果が示すように、ヒト細胞はBAV3ウイルスで感染されるが、BAV3ウイルスはその中で複製することができない。
【0062】
実施例2:キメラアデノウイルスベクターAd5/BAV3の構築
構築したすべてのベクターのうちの最初のベクターは、β−ガラクトシダーゼをコードする細菌のLacZ遺伝子を発現するカセットを含む。これを実施するために、LacZコーディング配列を担持するpTG8595(Lusky et al.、1998、J.Virol.72、2022−2033)のXhol−Saclフラグメントを、プラスミドpCl(Promega)のXhol部位の中にクローニングする。後者は真核生物発現ベクターであり、CMVプロモーター、スプライシング配列、多重クローニング部位およびSV40ポリA配列を含む。前述の調節因子によりフランクされた、LacZ遺伝子を発現するカセットを、Bglll−BamHlフラグメントの形態で単離し、転移ベクターpTG8343のBglll部位の中に導入して、pTG6452を形成する。手引きとして、転移ベクターは、プラスミドppolyll(Lathe et al.、1987、Gene 57、193−201)の中に挿入された、E1配列の大部分(nt1〜458および3329〜5788)が欠失されたAd5の5’末端を含む。pTG6452から得られたPacl−Nsilフラグメントと、E3領域が欠失され、酵素Clalにより切断されたAd5ゲノムを担持するベクターpTG3652との間の相同組換えにより、アデノウイルスのゲノムを再構築する。こうして得られたベクター(pTG6481と呼ぶ)は、E1領域(nt459〜3328)およびE3領域(nt28249〜30758)を欠如するAd5配列、およびE1領域の代わりにクローニングされたpCMV−LacZ−pASV40カセットを含有する。包膜領域はAd5由来である。
【0063】
次の工程は、BAV3の包膜領域を先行するベクターの中に挿入することである。2つの挿入部位を試験した:Ad5ゲノムの位置151のAfllll部位のレベルにおける、自然包膜領域から上流の第1の挿入部位、およびSacl部位(Ad5の位置451の)のレベルにおけるその下流の他方の挿入部位。PTG6452のAfllll消化、クレノーを使用する処理およびBAV3ゲノムの位置141〜984における配列をカバーする844bpのHaell−Pvullフラグメントの導入により、第1構築物pTG6466を発生させ、このフラグメントは前以てクレノーの作用に暴露されている。ベクターpTG6467を同一プロトコールに従い発生させるが、ただしpTG6452をSallで線状化する。こうして、ベクターpTG6466およびpTG6467は、1つがAd5由来でありかつ他方がBAV3由来(約0.85kb)である、2つの包膜領域を含有する。
【0064】
また、ThalまたはBstul消化により先行するものから誘導された減少したBAV3包膜領域(BAV3ゲノムの位置185〜514)を使用した。前述したように、約0.3kbのBAV3領域をAd5組換えベクターの中に、Afllll部位(オートロガスpsi領域の5’中の)のレベルまたはSall部位(オートロガスpsi領域の3’中の)のレベルにおいて挿入する。後者の場合において、転移ベクターpTG6458を発生させ、そしてアデノウイルスのゲノムを前述したように相同組換えにより再構築して、pTG6482を形成する。
【0065】
次いで、Ad5包膜領域がそのBAV3相同体に対して交換されている構築物を発生させる。ベクターpTG6452をAfllll(nt151)およびSall(nt451)で消化し、次いでクレノーポリメラーゼで処理する。Ad5包膜領域を担持する300bpのフラグメントを、BAV3から単離されたHaell−Pvullフラグメント(844bp)と置換し、クレノーの作用により平滑とする。pTG6468が得られ、これはAd5の関係において唯一のBAV3包膜領域を担持する。同一構築物は、0.3kbのBAV3包膜領域を使用する。
【0066】
修飾された領域を、上に示したように、相同組換えによりアデノウイルスのゲノムの中に再導入する。
【0067】
同一方法において、Ad5ゲノムから誘導され、包膜領域およびBAV3の5’および3’ITRを含むヘルパーアデノウイルスベクターを構築する。そのために、E1およびE3領域が欠失されたAd5ゲノムから誘導されたベクターpTG13373を構築し、これは5’ITRおよびBAV3ゲノムの0.3kbの包膜領域を含む。
【0068】
pTG8343の中に存在する5’ITRおよびAd5包膜領域を、pTG5431の中に存在する5’ITRおよびAd5包膜領域で置換することによって、ベクターpTG13373を得る;手引きとして、pTG5431はBAV3ゲノムの5’末端(ヌクレオチド1〜8217)から成る。これを実施するために、pTG8343をBglllで消化し、クレノーの作用に暴露し、次いでPaclで消化し、そしてpTG5431をAcclで消化し、クレノーの作用に暴露し、次いでPaclで消化する。こうして得られたフラグメントを結合させて、pTG13372を形成する。最後に、Bgllで消化したpTG13372から得られたフラグメントと、Paclで消化したpTG6401から得られたフラグメントとの間の相同組換えにより、pTG13373を発生させる。
【0069】
次いで、下記の方法において、E1およびE3領域を欠失したAd5ゲノムから誘導され、5’および3’ITRならびにBAV3包膜領域を含むベクターpTG14310を発生させる。
【0070】
ベクターpTG13384のAd5の3’ITR(Ad5ゲノムの3’末端(ヌクレオチド32800〜35935);ヌクレオチド35826〜35827の間に挿入されたクローニングカセットから成る)を、BAV3の3’ITRで置換する。これを実施するために、pTG13384をXbalで消化し、クレノーの作用に暴露し、次いでPaclで消化する。そのうえ、pTG5431をApolで消化し、クレノーで処理し、そしてPaclで消化する。手引きとして、ベクターpTG5431は、ユニークHindlll制限部位により分離された、BAV3の5’末端(829〜1077フラグメントが欠失されたヌクレオチド1〜1651)および3’末端(ヌクレオチド33232〜34446)を含む。こうして得られたフラグメントを結合して、pTG14261を形成する。
【0071】
そのうえ、XbalおよびBamHlで消化し、クレノーを作用させた後に、pTG14261を再循環させると、pTG14261のウシITRから上流のHindlll切断部位の排除が可能となる。こうして、ベクターpTG14262が得られる。
【0072】
平行して、pTG13373をHindlllで消化し、再循環させてpTG14263を形成し、これはBAV3の5’ITRおよび0.3kbの包膜配列ならびにAd5の3’ITRを含有する。
【0073】
次いでベクターpTG14263中のAd5の3’ITRを、pTG14262のBAV3の3’ITRで置換する。これを実施するために、pTG14263およびpTG14262をHindlllおよびPaclで消化する。こうして得られたフラグメントを結合して、pTG14266を発生させる。
【0074】
最後に、Hindlllで線状化したpTG14266と、Paclで消化したpTG13373との間の相同組換えにより、アデノウイルスのゲノムを再構築する。得られたベクター(pTG14310と呼ぶ)は、E1およびE3領域が欠失されたAd5のゲノムから誘導され、そして5’および3’ITRならびにBAV3包膜領域を含有する。
【0075】
pTG14310のそれに類似するが、0.8kbのBAV3包膜領域を含むアデノウイルスのゲノムがまた得られた。そのために、pTG8343の中に存在するAd5の5’ITRおよび包膜領域を、pTG5431の中に存在するBAV3の5’ITRおよび0.8kbの包膜領域と置換した。これを実施するために、pTG8343をBglllで消化し、クレノーの作用に暴露し、次いでPaclで消化する。他方において、pTG5431をPvullおよびPaclで消化する。こうして得られたフラグメントを結合して、pTG13373を発生させる。
【0076】
次いで、pTG14266の中に存在するBAV3の5’ITRおよび0.3kbの包膜領域を、pTG14313の中に存在するBAV3の5’ITRおよび0.8kbの包膜領域で置換する。これを実施するために、pTG14266から得られたSspl/Mfelフラグメントと、pTG14313から得られたScal/Nsilフラグメントとの間で、相同組換えを実施する。こうして得られたベクターをpTG14315と呼ぶ。
【0077】
最後に、pTG14315から得られたHindlllフラグメントと、pTG5401から得られたPaclフラグメントとの間の相同組換えにより、アデノウイルスのゲノムを再構築する。こうして得られたベクター(pTG14316と呼ぶ)はAd5のゲノムから誘導され、そして5’および3’ITRならびにBAV3の0.8kbの包膜領域を含有する。
【0078】
本発明によるベクターの追加の実施例は、E1およびE3が欠失されたAd5ゲノムから誘導され、そして5’および3’ITRならびにBAV3の0.3kbの包膜領域を含有し、ここで包膜領域は3’ITRのすぐ上流に挿入されている。
【0079】
このようなベクターを構築するために、pTG13372およびpTG14266中のBAV3包膜領域のすべてをまず欠失させる。そのために、pTG13372をAfllllで消化し、クレノーの作用に暴露し、次いでPaclで消化し、そしてpTG14262をPvullおよびPaclで消化する。こうして得られたフラグメントを結合して、pTG14311を発生させる。
【0080】
pTG14266から得られたXmnl/Dralllフラグメントと、pTG14311から得られたPvull/Sphlフラグメントとの間の相同組換えにより、pTG14266のウシ包膜領域を欠失させる。次いで、pTG14328が得られる。
【0081】
次いで、pTG13384中のAd5の3’ITRを、pTG5431の中に存在するBAV3の3’ITRおよび0.3kbの包膜配列で置換する。そのために、pTG13384をBamHlで消化し、クレノーの作用に暴露し、次いでPaclで消化する。他方において、pTG5431をAfllllで消化し、クレノーで処理し、そしてPaclで消化する。こうして得られたフラグメントを結合して、pTG14271を発生させる。
【0082】
pTG14328およびpTG14271から得られたEcoRl/Hindlllフラグメントの結合により、3’ITRのちょうど上流にBAV3の包膜配列を導入する。こうして得られたベクターをpTG14330と呼ぶ。
【0083】
次いで、pTG14330のHindlllフラグメントと、pTG6401のPaclフラグメントとの間の相同組換えにより、アデノウイルスのゲノムを再構築する。次いで、E1およびE3領域が欠失されたAd5ゲノムから誘導され、そして5’および3’ITRならびに3’ITRのちょうど上流に挿入されたBAV3の0.3kbの包膜領域を含有する、ベクターpTGprod11が得られる。
【0084】
実施例3:ウイルス粒子の産生
ウイルスゲノムpTG6468(ヘルパー)およびpTG6467またはpTG6466(組換え体)を、MBDK系統のウシ細胞の中にトランスフェクトする。次に、トランスフェクトされた細胞を野生型または減衰BAV3ゲノムで感染させる。Ad5はBAV3ウイルスの存在においてウシ細胞中で増殖することができかつ3つのウイルス因子はBAV3包膜領域を含有するので、それらをウイルスキャプシドの中にパッケージし、感染性ウイルス粒子を発生させることができる。この混合物を回収し、そしてMBDK細胞の感染ので連続的サイクルによる増幅の工程を必要に応じて実施して、3つの型のウイルスのでウイルスのストックを構築する。ウシ細胞についてのこの第1工程の間に、BAV3ゲノムはヘルパーベクターの包膜のためのトランス作用性因子を産生し、これは組換えベクターの増殖に必要なウイルス機能を提供する。組換えベクターの包膜は、BAV3およびAd5由来のアデノウイルス因子により仲介されることができる。なぜなら、組換えベクターは双方の由来の包膜領域を有し、そしてキャプシドはBAV3またはAd5の構造タンパク質を含有することができるからである。
【0085】
ウシ系統において発生したウイルス混合物を使用して、ヒト293細胞を感染させる。これらの細胞において、BAV3ウイルスはAd5の存在においてさえ増殖することができない。しかしながら、Ad5由来のヘルパーベクターはそのウイルスゲノムを複製し、そしてそれが担持する初期および後期のウイルス遺伝子のすべてを発現することができる。他方において、それは単一のBAV3包膜領域を有するので、それは包膜されることができない。対照的に、組換えベクターはAd5由来の包膜領域を介して包膜することができ、そして包膜因子はヘルパーベクターにより提供される。発生したウイルス粒子を回収し、そして療法の目的に使用することができる。

Claims (38)

  1. アデノウイルスのゲノムに関して異種である包膜に必須な領域を含むことを特徴とする、アデノウイルスのゲノムから誘導されたアデノウイルスベクター。
  2. ヒト由来のアデノウイルスから誘導され、そして包膜に必須な前記異種領域が動物由来のアデノウイルスから誘導されていることを特徴とする、請求項1に記載のアデノウイルスベクター。
  3. サブグループCヒトアデノウイルス、特にアデノウイルス2(Ad2)または5(Ad5)から誘導されていることを特徴とする、請求項2に記載のアデノウイルスベクター。
  4. 包膜に必須な前記異種領域がイヌ、トリ、ウシ、ネズミ、ヒツジ、ブタおよびサルのアデノウイルスから選択される動物アデノウイルスから誘導されていることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載のアデノウイルスベクター。
  5. Ad5から誘導され、そして包膜に必須な前記異種領域がウシのアデノウイルスから誘導されていることを特徴とする、請求項3または4に記載のアデノウイルスベクター。
  6. 前記ウシアデノウイルスがBAV3であることを特徴とする、請求項5に記載のアデノウイルスベクター。
  7. 包膜に必須な前記領域が包膜領域を含むことを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載のアデノウイルスベクター。
  8. 包膜に必須な前記領域が、さらに、5’および3’ITRを含むことを特徴とする、請求項7に記載のアデノウイルスベクター。
  9. 少なくともE1機能について欠陥があることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載のアデノウイルスベクター。
  10. さらに、E2、E3、E4およびL1〜L5機能から選択される機能の少なくとも1つについて欠陥があることを特徴とする、請求項9に記載のアデノウイルスベクター。
  11. 組換えアデノウイルスベクターの欠陥がある機能のすべてまたは一部分を補足することを可能とするヘルパーベクターであることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか一項に記載のアデノウイルスベクター。
  12. 5’および3’ITR配列、およびヒトアデノウイルスから誘導されたE2、E4および/またはL1〜L5機能をコードする配列、およびウシアデノウイルスから誘導された異種包膜領域を含むことを特徴とする、請求項11に記載のヘルパーアデノウイルスベクター。
  13. ヒトアデノウイルスから誘導されたE2、E4および/またはL1〜L5機能をコードする配列、および5’および3’ITR配列、およびウシアデノウイルスから誘導された異種包膜領域を含むことを特徴とする、請求項11に記載のヘルパーアデノウイルスベクター。
  14. 組換え体であり、そして宿主細胞または生物におけるその発現に必要な因子の制御下に配置された問題の少なくとも1つの遺伝子を含むことを特徴とする、請求項1〜10のいずれか一項に記載のアデノウイルスベクター。
  15. 問題の前記遺伝子が、アンチセンスRNA、サイトカイン、細胞または核のレセプター、リガンド、凝固因子、CFTRタンパク質、インスリン、ジストロフィン、成長因子、酵素、酵素インヒビター、抗腫瘍作用をもつポリペプチド、細菌、寄生生物またはウイルスの感染を阻害することができるポリペプチドおよび、特にHIV、抗体、トキシン、イムノトキシン、血管形成インヒビターおよびマーカーをコードする遺伝子から選択される、請求項14に記載の組換えアデノウイルスベクター。
  16. さらに、それが誘導されたアデノウイルスのゲノムに関してオートローガスである、第2包膜領域を含むことを特徴とする、請求項14または15に記載の組換えアデノウイルスベクター。
  17. すべてのアデノウイルスの機能について欠陥があり、そして、問題の前記遺伝子に加えて、少なくとも5’および3’ITRを含み、前記オートロガス包膜領域がヒトアデノウイルスから誘導され、そして前記異種包膜領域がウシアデノウイルスから誘導されていることを特徴とする、請求項16に記載の組換えアデノウイルス。
  18. 異種包膜領域がオートロガス包膜領域の3’の中に挿入されていることを特徴とする、請求項16または17に記載の組換えアデノウイルス。
  19. 前記ヘルパーおよび組換えベクターが同一の第1アデノウイルス、特にAd5から誘導され、そして前記ヘルパーベクターが担持する包膜に必須な前記異種領域が第1アデノウイルスと異なる第2アデノウイルス、特にBAV3から誘導されていることを特徴とする、複製欠陥組換えアデノウイルスベクターの欠陥機能のすべてまたは一部分を補足するための、請求項11〜13のいずれか一項に記載のヘルパーアデノウイルスベクターの使用。
  20. 複製欠陥組換えアデノウイルスベクターが請求項1〜10および14〜18のいずれか一項に記載のベクターであり、前記ヘルパーおよび組換えベクターが同一の第1アデノウイルスから誘導され、そして前記ヘルパーベクターが担持する包膜に必須な前記異種領域および前記組換えベクターが第1アデノウイルスと異なる第2アデノウイルスから誘導されていることを特徴とする、請求項19に記載の使用。
  21. 下記の因子:
    (a)請求項11〜13のいずれか一項に記載のヘルパーアデノウイルスベクター、
    (b)複製欠陥組換えアデノウイルスベクター、および
    (c)必要に応じて、ベクター(a)が担持する包膜に必須な異種領域と同一由来の動物アデノウイルスから誘導されたアデノウイルスのゲノム、
    を含んでなる組成物。
  22. 前記複製欠陥組換えアデノウイルスベクター(b)が請求項1〜10および14〜18のいずれか一項に記載のアデノウイルスベクターであり、そしてベクター(a)および(b)が担持する包膜に必須な異種領域と同一由来の動物アデノウイルスから誘導されたアデノウイルスのゲノムが必要に応じて(c)の中に存在することを特徴とする、請求項21に記載の組成物。
  23. それが誘導されたアデノウイルスと比較して、減衰した包膜能力を有することを特徴とする、動物アデノウイルス、特にウシアデノウイルス、特にBAV3から誘導されたアデノウイルスのゲノム。
  24. (a)第1細胞系統の中に、
    (i)請求項11〜13のいずれか一項に記載のヘルパーアデノウイルスベクター、
    (ii)動物アデノウイルスから誘導されたアデノウイルスのゲノム、および
    (iii)上記組換えアデノウイルスベクター、
    を導入し、前記アデノウイルスのゲノム(ii)はベクター(i)が担持する包膜に必須な異種領域と同一由来であり、そして前記アデノウイルスのゲノム(ii)およびベクター(i)および(iii)は前記第1細胞系統において複製することができ、
    (b)ベクター(i)および(iii)およびアデノウイルスのゲノム(ii)を含むウイルス粒子の産生を可能とする適当な条件下に、前記第1細胞系統を培養し、
    (c)工程(b)において得られた前記ウイルス粒子を細胞培養物から回収し 、
    (d)第2細胞系統を工程(c)において回収された前記ウイルス粒子で感染させ、前記ヘルパーベクター(i)および前記アデノウイルスのゲノム(ii)は前記第2細胞系統においてゼロまたは減少した包膜および/または複製の能力を有し、
    (e)前記組換えアデノウイルスベクター(iii)の包膜を可能としかつウイルス調製物を産生するために適当な条件下に、前記第2細胞系統を培養し、そして
    (f)工程(e)において得られた前記ウイルス調製物を細胞培養物から回収する、
    ことによる、複製欠陥組換えアデノウイルスベクターを含むウイルス調製物を製造する方法。
  25. 前記複製欠陥組換えアデノウイルスベクターが請求項1〜10および14〜18のいずれか1項記載のベクターであり、前記アデノウイルスのゲノム(ii)がベクター(i)および(iii)およびアデノウイルスゲノム(ii)により担持された包膜に必須の異種領域と同じ起源のものであり、ベクター(i)および(iii)が前記第1細胞系統で複製可能であることを特徴とする、請求項24に記載の方法。
  26. 前記第1細胞系統の中に、
    (i)少なくともE1機能について欠陥がある請求項11〜13のいずれか一項に記載のヘルパーアデノウイルスベクター、
    (ii)ウシアデノウイルス、特にBAV3から、必要に応じて請求項23に従い、誘導されたアデノウイルスのゲノム、および
    (iii)E1機能についておよびE2、E4および/またはL1〜L5機能の少なくとも1つについて欠陥がある組換えアデノウイルスベクター、特に請求項11〜18のいずれか一項に記載のベクター、
    を導入し、前記第1細胞系統がウシ由来である、請求項25に記載の方法。
  27. 前記アデノウイルスのゲノム(ii)がE1機能について欠陥があり、そして前記第1細胞系統が前記アデノウイルスのゲノム(ii)のE1機能を補足する細胞である、請求項24〜26のいずれか一項に記載の方法。
  28. 前記第1細胞系統がMDBK系統または網膜または胎児腎臓の一次ウシ細胞から誘導され、そしてウシアデノウイルス、特にBAV3のE1領域をコードする配列を含み、前記配列がそれらの発現に必要な因子の制御下に配置されている、請求項27に記載の方法。
  29. 前記第2細胞系統がヒトアデノウイルス、特にAd5のE1機能を補足する細胞である、請求項24〜28のいずれか一項に記載の方法。
  30. 前記第2細胞系統が293系統である、請求項29に記載の方法。
  31. 請求項24〜30のいずれか一項に記載の方法に従い得られたウイルス調製物。
  32. 請求項1〜10および14〜18のいずれか一項に記載の組換えアデノウイルスベクターを含有する感染性ウイルス粒子の少なくとも30%を含む、請求項31に記載のウイルス調製物。
  33. 請求項1〜18のいずれか一項に記載のアデノウイルスベクターを含むか、あるいは請求項31または32に記載のウイルス調製物で感染された宿主細胞。
  34. 下記の因子:
    (i)請求項11〜13のいずれか一項に記載のヘルパーアデノウイルスベクター、および
    (ii)動物アデノウイルスから誘導されたアデノウイルスのゲノム、
    を含む細胞。
  35. さらに、(iii)欠陥組換えアデノウイルスベクター、特に請求項1〜10および14〜18のいずれか一項に記載のベクターを含有する、請求項34に記載の細胞。
  36. 治療または予防の因子として、請求項1〜10および14〜18のいずれか一項に記載のアデノウイルスベクター、請求項31または32に記載のウイルス調製物、または請求項33に記載の宿主細胞を含んでなる医薬組成物。
  37. 宿主細胞または生物における問題の遺伝子の転移または発現のための、請求項1〜10および14〜18のいずれか一項に記載のアデノウイルスベクター、請求項31または32に記載のウイルス調製物、または請求項33に記載の宿主細胞の使用。
  38. 遺伝子療法または免疫療法による疾患の治療に意図される薬物の製造のための、請求項1〜10および14〜18のいずれか一項に記載のアデノウイルスベクター、請求項31または32に記載のウイルス調製物、または請求項33に記載の宿主細胞の使用。
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