JP2004518011A - 統合潤滑油品質向上方法 - Google Patents
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Abstract
【選択図】図1
Description
発明の分野
本発明は、石油供給原料(chargestock)の水素化分解およびその後の脱ロウに関する。本発明は特に、水素化分解、蒸留、抽出、脱ロウおよび水素化精製工程を含む統合燃料水素処理計画に関する。
【0002】
発明の背景
鉱油潤滑油は、適切な沸点、粘度、流動点、粘度指数(VI)、安定性、揮発度およびその他の特徴を有する潤滑基油を得ることを目的とする、多様な精製プロセスによって得られる様々な原油基材油に由来する。一般に基油は原油から、常圧および真空蒸留塔における原油の蒸留、次いで溶媒精製による望ましくない芳香族成分の除去、最後に脱ロウおよび様々な仕上げ工程によって製造される。多環芳香族成分は、低い熱安定性および光安定性、低い色指数および特に低い粘度指数を生じるので、水素含量の低い原油またはアスファルト型原油の使用は好ましくなく、その理由は、このような原油由来の潤滑基材油に含まれている、多量の芳香族成分が分離された後では、許容しうる潤滑基材油の収率が極端に低くなるからである。従って、パラフィン性およびナフテン性原油基材油が好ましいが、多核芳香族を含む原料の場合、望ましくない芳香族成分を除去するために、芳香族処理手順が必要である。
【0003】
潤滑油留出物留分(一般には中性油、例えば重質中性油、軽質中性油等と呼ばれている)の場合、これらの芳香族は溶媒、例えばフルフラール、n−メチル−2−ピロリドン、フェノールその他芳香族成分の抽出に対して選択的である化学物質を用いた溶媒抽出によって抽出してもよい。潤滑基材油が残留潤滑基材油である場合、まずプロパン脱アスファルト工程においてアスファルテンを除去し、次いで残留芳香族の溶媒抽出を行なって、一般にブライトストックと呼ばれている潤滑油を製造する。しかしながらいずれの場合も、この潤滑油における流動点および曇り点を十分に低くして、あまり溶解性でない潤滑油のパラフィン性成分が、低温の影響下で固化したり沈殿したりしないようにするために、通常脱ロウ工程が必要である。
【0004】
米国特許第5,275,719号(Bakerら、以後「Baker特許」と称する)は、窒素化合物を含み、ワックス含量が少なくとも50重量%である鉱油起源の炭化水素原料から、粘度指数が少なくとも140という高粘度指数の潤滑油を製造する方法であって、最初の段階で原料を水素化分解する方法を開示した。Baker特許における好ましい原料はスラックワックスであり、これは一般に、表1に示されているようにパラフィン含量が70%と高い。
【0005】
【表1】
【0006】
液体を一部再循環する燃料油水素化分解方法は、米国特許第4,983,273号(Kennedyら)に開示されている。この方法において、原料(通常、減圧軽油(VGO)または軽質サイクル油(LCO))は水素化処理反応器において処理され、次いで、分留装置に送られる前に水素化分解反応器において処理される。その後、この分留装置搭底物の一部が水素化分解装置に再循環される。Yukong Limited社は、再循環モードで運転されている燃料油水素化分解装置の未転化油(UCO)から高品質の潤滑基油原料を製造する方法を開示している(国際出願第PCT/KR94/00046号、米国特許第5,580,442号)。
【0007】
接触脱ロウ法は、潤滑油基材油の製造にとってますます有利なものになっている。これらの方法は、通常の溶剤脱ロウ手順よりも優れたいくつかの利点を有する。これらの接触脱ロウ方法は、直鎖パラフィンおよびわずかに枝分かれしたワックス質パラフィンを選択的に分解して、より高沸点の潤滑基材油から蒸留によって除去されうる、より低分子量の生成物を製造することにより操作される。ワックス質分子の選択的接触分解と同時に、同一または異なる触媒を用いた水素化異性化により、有意量の線状分子を、改良された低温流れ特性を有する枝分かれ炭化水素構造に転化することができる。脱ロウの間に発生する選択的分解によって生成した潤滑油沸騰範囲オレフィンを飽和することによりこの生成物を安定化するために、通常これに引き続いて水素化精製または水素化処理工程が用いられる。このようなプロセスの説明については、米国特許第3,894,938号(Gorringら)、第4,181,598号(Gillespieら)、第4,360,419号(Miller)、第5,246,568号(Kyanら)および第5,282,958号(Santilliら)を参照されたい。Hydrocarbon Processing(1986年9月)は、Mobil Lube Dewaxing Processに言及している。このプロセスはまた、Chenらの“Industrial Application of Shape−Selective Catalysis”、Catal.Rev.−Sci.Eng.28(283)、185−264(1986)にも記載されている。これらの参照は、このプロセスの更に詳しい説明のために行われている。同様に、“Lube Dewaxing Technology and Economics”、Hydrocarbon Asia 4(8)、54−70(1994)も参照されたい。
【0008】
この種の接触脱ロウ法においては、脱ロウサイクルが進行するにつれて、触媒は徐々に失活する。これを補うために、この生成物に対する目標流動点が達成されるように、脱ロウ反応器の温度が徐々に上げられる。しかし、この生成物の特性が許容できないものになる前に行うことができる昇温には限界がある。このため、接触脱ロウプロセスは通常、一般には約450〜525°F(約232〜274℃)という低いサイクル開始(SOC)値から、一般には約670〜725°F(約354〜385℃)という最終のサイクル終了(EOC)値まで、という一連のサイクルで温度を上昇させ、その後、新しいサイクルのために触媒を再活性化または再生するというサイクルにおいて操作される。一般に、活性成分としてZSM−5を用いる脱ロウ触媒は、高温水素によって再活性化されうる。その他の脱ロウ触媒は、空気、またはN2または煙道ガスと組み合わせた酸素を用いて脱コークスされうる。ZSM−5含有触媒よりも活性が低い活性成分、例えばZSM−23またはSAPO−11などを含む触媒では、ZSM−5を含有触媒に比してサイクル開始(SOC)およびサイクル終了(EOC)温度が25〜50℃高くてもよい。
【0009】
脱ロウ触媒上の金属水素添加成分の使用は、長い脱ロウサイクル時間を得ることができることおよび再活性化手順を改良することの両方から、非常に望ましい手段として記載されてきた。米国特許第4,683,052号は、例えばPtまたはPdなどの貴金属成分の使用を、この目的において、例えばニッケルなどのベース金属よりも優れたものとして開示している。脱ロウおよび異性化または水素化異性化原料に適した触媒は、例えば米国特許第5,282,958号;第4,859,311号;第4,689,138号;第4,710,485号;第4,859,312号;第4,921,594号;第4,943,424号;第5,082,986号;第5,135,638号;第5,149,421号;第5,246,566号;第4,689,138号に記載されているように、0.1〜0.6重量%のPtを含んでいてもよい。
【0010】
液体および気体反応体間の化学反応は、相間の緊密な接触を得る場合に問題を示す。このような反応は、所望の反応が触媒的であり、両方の流動相と固体触媒との接触を必要とする時に更に複雑になる。通常の同時多相反応器の操作において、気体および液体はある環境下において、異なる流路を辿る傾向がある。気相は最小の圧力抵抗の方向に流れることができるが、液相は重力によって、触媒粒子上およびその周りに細流路において流れる。液体対気体比の低い条件下において、平行チャネル流および気体摩擦抵抗は、液体流を不均一にし、従って適切な湿潤を欠いているために触媒床のいくつかの部分を十分に利用されないままにすることがある。このような事情なので、商業用反応器の性能は、小さいパイロット装置において流れ条件がより均一になりうる実験室規模の研究から予測されたものよりもはるかに劣ることがある。
【0011】
原油の分留による石油に由来する潤滑油の精製において、過酷な水素化処理、硫黄および窒素汚染物質の転化および除去、1つ以上の接触反応器における潤滑油供給原料の成分の水素化分解および異性化のために、一連の接触反応を用いることができる。多核芳香族原料は、多核環を開環するために既知の技術によって選択的に水素化分解してもよい。この後に、種々の反応条件下で異なる触媒と接触させ、水素化脱ロウおよび/または水素添加(温和な水素化処理)を行なってもよい。統合三工程潤滑油精製プロセスは、米国特許第4,283,271号においてGarwoodらによって開示されている。
【0012】
一般的な多相水素化脱ロウ反応器において、触媒域における平均気体−液体容積比は、プロセス条件下で約1:40〜20:1である。好ましくは、液体は空隙容量の約10〜50%を占めるような率で触媒床に供給される。気体容積は、液体原料および気体が反応器を通過するにつれて、反応H2の減損によって減少することがある。脱ロウ反応、断熱加熱または膨張からのメタン、エタン、プロパンおよびブタンの形成による蒸気の製造も、容積に影響を与えることがある。
【0013】
発明の概要
このほど、高沸点パラフィン性ワックスを含有する液体石油潤滑油用供給原料の改良統合水素化分解および脱ロウ方法が見出された。減圧軽油、軽質サイクル油または脱アスファルト油でさえも、またその他の原料も、下流側に真空蒸留装置を含む燃料油水素化分解装置機構において水素化分解されうる。水素約13.5重量%を有する脱ロウ装置原料が、燃料油水素化分解装置から製造された後脱ロウされ、水素化精製され、蒸留される。この原料の少なくとも30重量%が、この原料の初留点以下で沸騰する炭化水素生成物に転化される。この改良された潤滑油原料からの潤滑油の製造方法は、
(a)潤滑油原料を水素化処理域に送り、前記原料を水素化処理条件下で水素化処理して、水素化処理原料を製造する工程;
(b)前記水素化処理原料を、離脱を伴なわずに水素化分解域に送り、前記水素化処理原料を水素化分解条件下で水素化分解して、水素化分解原料を製造する工程であって、前記原料の少なくとも30重量%は、前記原料の初留点未満で沸騰する炭化水素生成物に転化される工程;
(c)前記水素化分解原料の少なくとも一部を分離域に送り、ガス、ディーゼル燃料沸点範囲未満で沸騰する留出油を含む転化された水素化分解留分および未転化の水素化分解留分を分離する工程;
(d)前記未転化の水素化分解留分の少なくとも一部を減圧蒸留域に送り、少なくとも二つの留分を分離する工程;
(e)少なくとも一つの減圧留出油留分を溶剤抽出域に送り、前記少なくとも一つの減圧留出油留分を溶剤抽出条件下で抽出して、ラフィネートを製造する工程;
(f)前記溶剤抽出域からの前記ラフィネートを、溶剤脱ロウ域において溶剤脱ロウ条件下で溶剤脱ロウして、少なくとも一つの溶剤脱ロウ留分を製造する工程;および
(g)前記少なくとも一つの溶剤脱ロウ留分を、水素化精製域において水素化精製条件下で水素化精製して、潤滑油を製造する工程であって、前記水素化精製域は、金属水素添加機能を有する触媒を含む工程
を含む。
【0014】
その後の蒸留後、脱ロウ油生成物は、10重量%未満、好ましくは5重量%未満の芳香族、向上した酸化安定性、UV光安定性および熱安定性を有する。生成物は、30重量%以下、好ましくは20重量%以下のNOACK揮発性および105以上、好ましくは115以上のVIを有する。粘度は2〜12cSt(100℃)、好ましくは3〜10cSt(100℃)の範囲にある。NOACK揮発性はASTM D5800−95によって測定することができる。
【0015】
脱ロウの後で用いられるのに好ましい水素化精製触媒は、多孔質固体担体上にIUPACの定義による少なくとも1種の第VIIIA族金属および1種の第VIA族金属、例えば多孔質固体担体上にPtおよび/またはPdを含む。多孔質アルミナ担体上にニッケルおよびタングステン金属を含む二金属触媒は良い例である。この担体はフッ化物化(fluorided)されていてもよい。
【0016】
既に指摘されているように、燃料油水素化分解装置への好ましい原料は、直留軽油、例えば軽質減圧軽油(LVGO)、減圧軽油(VGO)および重質減圧軽油(HVGO)である。VGOおよびHVGOは通常、有意レベルの多環式芳香族を含む。減圧軽油または軽質サイクル油は一般に、表2に示されているように、30重量%未満のパラフィン含量を有する。
【0017】
【表2】
【0018】
水素化分解および減圧蒸留の後、脱ロウ流出物は水素化精製および蒸留され、次いで分離されて、370℃(698゜F)超で沸騰し、動粘度(KV)2〜12cSt(100℃)の潤滑油生成物が回収される。生成物潤滑油は良好なUV光安定性、および10重量%以下、好ましくは5重量%以下の芳香族含有量を有する。
【0019】
粘度指数、安定性および色彩が向上され、より低い揮発性を有する脱ロウ生成物が製造される。水素化分解装置は、水素含量を増加させ、粘度を低下させ、水素化分解装置の供給原料の沸騰範囲を低下させる。水素化分解装置により、水素化分解装置の供給原料の水素含有量が増大し、粘度が低減し、沸点範囲が低下する。溶剤脱ロウ装置は、ワックス質水素化分解物からワックス質成分を選択的に除去する。水素化精製装置は、芳香族およびオレフィンを水素添加し、脱ロウ油の紫外線吸収率を減少させる。蒸留は揮発性を調節するのに用いられる。その結果生じた潤滑油基油生成物は無色であり、低い芳香族含量、低い流動点、改良された低温流れ特性、高い粘度指数、低い揮発性および優れた酸化安定性を有する。
【0020】
発明の詳細な説明
高い粘度指数(VI)を有する潤滑油基材は、燃料油水素化分解装置のボトムを処理することによって製造しうる。この方法は、105以上のVIを有する基材を製造する可能性を示す。本発明の燃料油水素化分解方式により、VIが向上されるだけでなく、より低揮発性の基材に関する新しい国際的指針(例えばILSAC GF−2またはGF−3)を満足する手段が提供される。新たに提案された揮発性の要件は、軽質の低沸点潤滑油留分を、潤滑油基材を調製するための減圧蒸留手順において現在行われているよりも多く除去することを必要とする。このことにより粘度が増加される。従って、より高沸点・高粘度の物質もまた、粘度を維持するために蒸留手順で除去されなければならない。このことから、一般に、潤滑油基材のより低い収率およびより狭いカットがもたらされる。水素化分解装置のボトムを蒸留することはまた、潤滑油留分中の多環芳香族などの望ましくない化合物を除去することによって、ボトムリサイクルを用いる水素化分解装置の運転性および効率を向上しうる。以下の説明では、特段の説明がない限り単位はメートル法である。
【0021】
I.統合プロセスへの原料−概観
本発明の統合プロセスへの炭化水素原料は、適切な潤滑特性を有する潤滑基材油を製造するために選ばれた初留点と終留点を有する潤滑油範囲原料である。これらの原料は一般に、345℃(653°F)よりも大きい10%蒸留点と、図3または同様な相関から決定することができるような、100℃における約3〜約40センチストークスの粘度を有する炭化水素である。この原料は通常、適切な種類の原油源からの1つの留分の真空蒸留によって製造される。一般にこの原油を常圧蒸留し、常圧残油(長い残油)を真空蒸留して、初期未精製潤滑基材油を製造する。真空留出物基材油または「中性」基材油、および真空蒸留ボトムをプロパン脱アスファルトして生じるブライトストックが、ある範囲の粘度の生成物を製造するために用いられる。通常の溶媒精製潤滑油プラントにおいて、これらの原料は芳香族に対して選択的な溶媒、例えばフルフラール、フェノールまたはn−メチル−ピロリドンなどを用いた溶媒抽出に付され、芳香族の選択的除去によって、これらのVIおよびその他の品質が改良される。本発明において、原料は、脱ロウおよび水素化精製の前に水素化分解に付され、所望の生成物特徴が得られる。
【0022】
未精製真空留出物およびプロパン脱アスファルト油(DAO)は、水素化分解または過酷な水素化処理によって精製されて、望ましくない芳香族およびヘテロ環式化合物をより望ましいナフテンおよびパラフィンに転化する(下記実施例3参照)。これらの精製されたワックス質混合物は、硫黄および窒素含量が低く、既に記載されているように、蒸留によって粘度調節してもよい。
【0023】
水素化分解および接触脱ロウを用いた、全てが触媒的な潤滑油統合製造プロセスは、米国特許第4,414,097号(Chesterら)、第4,283,271号(Garwoodら)、第4,283,272号(Garwoodら)、第4,383,913号(Powellら)、第4,347,121号(Mayerら)、第3,684,695号(Neelら)および第3,755,145号(Orkin)に記載されている。
【0024】
II.水素化分解工程
A.水素化処理/水素化分解系への原料
水素化処理/水素化分解プロセスは、重質炭化水素原料を用いて操作される。この原料には、留出物、例えば直留軽質減圧軽油および重質減圧軽油、ラフィネートおよび脱アスファルト油、熱分解方法からの油(コーカーガスオイルなど)、抽出物、スラックワックス、ソフトワックス(例えばロウ下油)またはこれらの組み合わせが含まれ、これらはいずれも約340℃超で沸騰する。これらの直留油が好ましいが、分解された基材油、例えば軽質および重質コーカーガスオイル、および軽質および重質FCC軽油が添加されてもよい。潤滑油は一般にこれらの粘度に従って販売され、かつ水素化分解が粘度を低下させるので、水素化分解装置への原料は、好ましくは100℃において3cSt以上の動粘度を有する。このことは、好ましい沸騰範囲が340℃以上であることを意味する(下記図3参照。この図は、純粋成分およびアラブ軽質原油からの減圧軽油についての50%沸点と粘度との相関を示している)。340℃以下で沸騰する原料が、水素化分解装置原料中に含まれていてもよいが、これらの更に軽質な生成物は、分離器20において除去される(図1参照)。これらの重質油は、高分子量長鎖パラフィンおよび高分子量ナフテンおよび芳香族を含む。水素化処理/水素化分解系への原料は、50重量%未満のパラフィンを含んでいてもよい。これらの芳香族は、潤滑油安定性に対して有害ないくつかの縮合環芳香族を含む。この処理の間、これらの縮合環芳香族およびナフテンは、酸性触媒によって分解され、パラフィン性分解生成物は、初期原料のパラフィン性成分と共に、いくらかのより低分子量の物質への分解を伴なって、イソパラフィンへの転化を受ける。多環芳香族の水素添加は水素添加成分によって触媒され、これらの化合物の分解を容易にする。元の多環化合物の分解残分である単環化合物の不飽和側鎖の水素添加は、置換単環芳香族を生じ、これらは非常に望ましい最終生成物である。これらの重質炭化水素油原料は通常、約340℃(644°F)で沸騰する実質量を含み、100℃において約3cStの粘度を有する。これは通常約400℃(752°F)以上、より通常は約450℃(842°F)以上の初留点を有する。沸騰範囲は、340〜700℃(644〜1292°F)の広さであってもよい。より狭い沸騰範囲の油、例えば約400〜500℃(約752〜932°F)の沸騰範囲を有する油を処理してもよいことはもちろんである。重質軽油は多くの場合、循環油およびその他の非残留物質のように、この種類のものである。接触分解操作(FCC)およびコーキング操作からの循環油は極めて不飽和なので、潤滑油を製造するための単一原料成分として特に有用なわけではないが、これらは、直留油に対して記載されているのと同じ沸騰および粘度要件に合致する限り、前記の直留油にブレンドされてもよい。
【0025】
窒素および硫黄を除去するため、および実質的な沸騰範囲転化を伴なわずに芳香族をナフテンに飽和するための、通常の水素化処理触媒を用いた予備水素化工程は通常、触媒性能を改良し、より低温度、より高い空間速度、より低圧、またはこれらの条件の組み合わせを用いることができるようにする。適切な水素化処理触媒は一般に、実質的に非酸性の多孔質担体、例えばシリカ−アルミナまたはアルミナ上に、金属水素添加成分、通常、前記の第VIB族または第VIII族金属、例えばコバルト−モリブデン、ニッケル−モリブデンを含んでいる。これらを表3に挙げる。
【0026】
【表3】
【0027】
その他の適切な水素化処理触媒には、バルク金属触媒、例えば触媒を基準にして、30重量%以上の金属(金属酸化物として)、好ましくは触媒を基準にして40重量%よりも多い、より好ましくは50重量%よりも多い金属を含む触媒であって、これらの金属が少なくとも1種の第VIB族または第VIII族金属を含む触媒が含まれる。
【0028】
通常の水素化処理条件は、250〜450℃の温度、800〜3000psiaの水素分圧、0.1〜10h−1の液空間速度、および500〜10000SCF/B(90〜1780Nm3/m3)の水素処理ガス率を含む。
【0029】
II.B 好ましい実施態様の説明
図1は、本発明の燃料油水素化分解装置に好ましい反応器系の略図である。窒素、硫黄および酸素を除去するため、および実質的な沸騰範囲転化を伴なわずにオレフィンおよび芳香族を飽和するための、通常の水素化処理触媒を用いた予備水素化工程は通常、水素化分解触媒の性能を改良し、より高い空間速度、より低圧またはこれらの条件の組み合わせを用いることができるようにする。適切な水素化処理触媒は一般に、例えばシリカ−アルミナまたはアルミナなどの低酸性多孔質担体上に、通常第VIII族および第VIB族からの金属水素添加成分、例えばコバルト−モリブデンまたはニッケル−モリブデンを含んでいる。本発明に用いるのに適した適切な商業用水素化処理触媒には、アルミナ担持ニッケル−モリブデン触媒、例えばUOP HCH、Crosfield 594およびCriterion HDN60、並びにUSY担持ニッケル−モリブデン触媒、例えばUOP HC−24が含まれる。バルク金属触媒であって、触媒の30重量%超、好ましくは40重量%超、より好ましくは50重量%超が活性金属であるものもまた適切である。
【0030】
垂直反応器シェル10は、12A〜12Eによって示されているように、水素化処理触媒の一連の積み重ねられた固定多孔質固体床を囲い込み、支持している。減圧軽油、軽質循環油、脱アスファルト油またはこれらのあらゆる組み合わせを含む供給原料6は、水素リッチガス8と組み合わされ、適切な加熱手段9を通った後、反応器10に導入される。この組み合わされた供給原料と水素リッチガスとは、これらの触媒床を通って下方に流れる。5つの床がこの実施例に示されているが、それ以上の床があってもよく、床が2つしかなくてもよい。各床における液体分配は、あらゆる通常の技術、例えば分配トレー13A、B、C、DおよびEによって行なわれる。これらは、触媒床表面12A、B、C、D、Eに液体を均一に放出する。一般にこれらの気相および液相は、所望の入口圧力および温度において反応器の中に導入される。気体および液体温度は、水素リッチな急冷ガス14A、B、C、Dの添加によって、或いは外部フローループにおける液体の熱交換によって触媒床間で調節することができ、これによってあらゆる触媒床における温度の独立した制御が可能になる。静的混合器15A、B、C、Dまたはその他の適切な接触装置が、触媒域間で液体ストリームと気体ストリームとを混合するために用いられてもよく、これには急冷ガスが含まれ、均一な温度が得られる。
【0031】
水素化処理装置流出物16は、熱交換器(図示されていない)、分離器18、ストリッピングまたは分留装置20を通過し、再循環ガスストリーム22と軽質転化生成物24とを分離する。これらの分離は、副生物のNH3およびH2Sを除去する。さもなければ、これらは下流の水素化分解触媒の活性を低下させる。パージガスストリーム28は一般に、軽質炭化水素生成物を除去するために、再循環ガスから抜出される。再循環ガスストリームからNH3およびH2Sを除去するために、ガススクラビング設備(図示されていない)が一般に用いられる。水素化処理反応において消費され、また気体および液体生成物ストリーム28、24および30においてパージされた水素を補うために、補給水素26が添加される。
【0032】
好ましくは、水素化処理装置流出物16は、反応器34の触媒が、アンモニアと硫化水素とを含む環境に耐えることができるという条件で、水素を添加せずに、かつストリッパー18および分留装置20を通過せず(離脱を伴なわずに)、反応器34に直接送られる。
【0033】
垂直反応器シェル34は、36A〜36Eによって示されているように、水素化分解触媒の一連の積み重ねられた固定多孔質固体床を囲い込み、支持している。水素化分解触媒は、混合されても、別々な床としての1つ以上の触媒であってもよく、下記において考察されている。水素化処理装置の塔底生成物30は、水素リッチガス32と組み合わされ、適切な加熱手段33を通った後で水素化分解反応器34に導入される。この組み合わされた供給原料と水素リッチガスとは、これらの触媒床を通って下方に流れる。この実施例には5つの床が示されているが、それ以上の床があってもよく、床がわずか2つであってもよい。各床における液体分配は、あらゆる通常の技術、例えば分配トレー37A、B、C、DおよびEによって行なわれる。これらは触媒床表面36A、B、C、DおよびEに液体を均一に放出する。一般にこれらの気相および液相は、所望の入口圧力および温度において反応器に導入される。気体および液体温度は、水素リッチな急冷ガス38A、B、CおよびDの添加によって、或いは外部フローループにおける液体の熱交換によって触媒床間で調節することができ、これによってあらゆる触媒床における温度の独立した制御が可能になる。静的混合器39A、B、CおよびD、またはその他の適切な接触装置が、触媒域間で液体ストリームと気体ストリームとを混合するために用いられてもよく、これには急冷ガスが含まれ、均一な温度が得られる。
【0034】
水素化分解装置流出物38は、熱交換器(図示されていない)、分離器40および分留装置42を通過し、再循環ガスストリーム44と転化された水素化分解留分46とを分離する。この水素化分解留分46は、ガソリン範囲およびディーゼル燃料沸点範囲内で沸騰する留出物を含む。ディーゼル燃料沸点範囲の留分を、潤滑油留分56〜64と同じ方法で脱ロウし、水素化精製してもよい。パージガスストリーム50は一般に、軽質炭化水素生成物を除去するために再循環ガスから抜出される。再循環ガスストリームからNH3およびH2Sを除去するために、ガススクラビング設備(図示されていない)が一般に用いられる。水素化処理反応において消費され、気体および液体生成物ストリーム50および46においてパージされた水素を補うために、補給水素48が添加される。未転化塔底生成物52は、潤滑油真空蒸留装置54に進む。この追加の蒸留工程によって、特定の比粘度(例えば60N、100Nおよび150N)および揮発度を有する様々な狭い潤滑油留分56、58、60、62および64の製造が可能になる。約60N基油の粘度を有する軽質潤滑油留分の場合、この留分は、脱ロウ前に通常の水素化処理条件下で水素化処理されてもよい。少なくとも105のVIを有する低揮発度潤滑基材油を製造することができる。5つの潤滑油カットが示されているが、それ以上あってもよく、わずか2つであってもよい。これらの潤滑油留分は、真空蒸留装置54から送られる。
【0035】
未転化水素化分解装置塔底生成物52またはこのストリームの未使用留分のいくつかを、真空蒸留装置56、58、60、62および64から、水素化分解装置34まで再循環して戻すことが望ましい場合もある。これは、ストリーム66として示されている。好ましくは、これらの未転化水素化分解装置のボトムストリームを、水素化処理装置原料6の一部として水素化分解装置へ、或いは第二水素化分解装置、FCC装置または燃料に送ることが望ましい。もう1つの実施態様において、水素化分解装置のボトム38は、装置54における真空蒸留前に、接触脱ロウおよび水素化精製されてもよい。この実施態様において、接触脱ロウおよび水素化精製された水素化分解装置のボトムは、真空蒸留装置54に送られる。
【0036】
好ましい実施形態においては、減圧蒸留装置からの種々の潤滑油留分が溶剤抽出装置70に送られ、そこで潤滑油留分が溶剤抽出条件下で溶剤抽出されて、パラフィンに富む潤滑油留分を含むラフィネートおよび芳香族に富む抽出物が得られる。溶剤抽出された潤滑油留分は次いで、ライン71を通って送られ、溶剤脱ロウ装置72において溶剤脱ロウ条件下で溶剤脱ロウされ、次いで水素化精製装置74において水素化精製条件下で水素化精製される。装置70からの抽出物相は、更なる処理のために、ライン75を通って流動接触分解装置に送ってもよい。所望により、溶剤脱ロウされたラフィネートは、引き続いて接触脱ロウしてもよい。
【0037】
溶剤抽出方法は、炭化水素原料ストリームを、選択的抽出溶剤と接触させる工程を含む。選択的抽出溶剤は、非芳香族炭化水素よりも芳香族炭化水素に対して親和力を有すると知られるいかなる溶剤であってもよい。そのような溶剤の例には、スルホラン、フルフラール、フェノールおよびN−メチルピロリドン(NMP)が含まれる。溶剤には水が0〜50LV%、好ましくは0〜20LV%、より好ましくは1〜20LV%含まれていてもよい。用いられる溶剤がNMPである場合には、溶剤には水が0〜10LV%、好ましくは1〜5LV%含まれていてもよい。
【0038】
選択的抽出溶剤を炭化水素原料と接触させる工程は、工業界において一般的なあらゆる通常の技術、例えばバッチ接触または向流接触、好ましくは向流接触を用いて行うことができる。
【0039】
向流接触は、通常垂直な細長い処理域または塔において行われる。抽出される炭化水素原料は塔の一端に導入され、選択的溶剤は他端に導入される。塔における物質の分離を促進するために、より低密度の物質が塔底近くに導入され、より高密度の物質が頂部近くに導入される。このようにして、溶剤および炭化水素は、それらの個々の密度に応じてそれらが導入されたのと反対の端部に移動しながら、塔内で互いに向流して送られる。このような移動の際に、芳香族炭化水素は選択的溶剤中に吸収される。
【0040】
NMPを用いる場合には、溶剤は塔の頂部近くに導入され、炭化水素原料は底部近くに導入される。この実施形態においては、炭化水素は0〜200℃、好ましくは50〜150℃の温度で塔中に導入され、NMPは0〜200℃、好ましくは約50〜150℃の温度で塔の頂部に導入される。
【0041】
NMPを用いる向流抽出は、典型的には塔の頂部と底部の間に少なくとも約10℃、好ましくは少なくとも40℃、最も好ましくは約50℃の温度差がある条件下で行われる。塔全体の温度は、油が溶剤に完全に混和する温度未満である。しかし、NMPを用いる向流抽出は、塔の頂部と底部の間に温度差が全くない条件下で行なってもよい。
【0042】
抽出溶剤(好ましくはNMP)は、新鮮原料を基準として50〜500LV%、好ましくは100〜300LV%、最も好ましくは100〜250LV%添加される。
【0043】
処理装置を出る抽出物溶液から潤滑油分子を移動させ、抽出域に戻すことによりラフィネートの収率を向上させる手段として、抽出物溶液に水を添加してもよい。これを達成するには、水スプリンギングおよび水注入という二つの方法がある。水スプリンギングにおいては、抽出物が処理装置を出た後に、抽出物溶液が水または湿潤溶剤と混合され、次いで外付けセトラーで処理される。これはまた臨時の理論抽出段として機能することもある。混合物は、1)品質が留出油原料と等しい軽質相、および2)重質の抽出物相の二相に分離する。軽質相は、抽出域、好ましくは留出油原料の入口の上にリサイクルされる。溶剤含有量が高い重質相は、抽出物回収部を通って処理される。抽出物溶液を意図的に冷却することは、二つの分離相を生じるためには全く必要でない。水注入により同じ収率の効果が達成される。この場合には、水または湿潤溶剤が処理装置、好ましくは原料入口の下に直接注入される。そこで軽質相および重質相が生じ、水スプリンギングで得られるものに近い収率の向上が達成される。
【0044】
芳香族に富む溶剤抽出物への水の注入は、外部冷却もなしに行われる。溶剤抽出物中に水を少量注入しても、認められるほどの抽出物の冷却をもたらさない。このような二次的な冷却は10゜F未満、通常5゜F未満である。注入される水は予熱されたもの、例えば暖かい溶剤からストリッピングされた水であることが好ましい。冷却は相分離を助けるが、エネルギーを損失する問題がある。溶剤抽出物を冷却するにはエネルギーが必要である。更に、冷却されたラフィネートを相分離からリサイクルするには、これを加熱して抽出装置自体の運転条件の混乱を最小にすることが必要となる可能性がある。更に、重質のワックス質原料の場合には、冷却により抽出物相中のワックス質パラフィンが固体として析出し、閉塞問題の可能性がもたらされることがある。冷却に関する他の欠点は、冷却機および溶剤在庫のための更なる設備投資である。
【0045】
溶剤抽出からのラフィネートは、次いで溶剤脱ロウおよび水素化精製することができる。脱ロウは、溶剤脱ロウ条件下、ラフィネートを希釈するための溶剤を用いて溶剤脱ロウした後、冷却してワックス分子を結晶化分離することによって達成することができる。典型的な溶剤にはプロパンおよびケトンが含まれる。好ましいケトンにはメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンおよびこれらの混合物が含まれる。溶剤希釈されたラフィネートは、掻取り式表面冷却機を含む冷却システムで冷却することができる。冷却機で分離されたワックスは、ロータリーフィルターなどの分離装置に送られて、ワックスが油から分離される。
【0046】
表5および6(下記実施例1参照)は、水素化分解装置からの潤滑油生成物が、本発明に記載されているように、潤滑油真空蒸留装置の追加によってどのようにしてテーラーメードされうるかを示している。
【0047】
II.C 水素化分解触媒
本水素化分解プロセスに用いられる触媒は、通常の水素化分解触媒であってもよく、この触媒は、追加金属水素添加/脱水素添加機能を有する多孔質担体物質中に酸性大細孔サイズゼオライトを用いる。用いることができる特定の商業用水素化分解触媒には、UOP HC−22およびUOP HC−24が含まれる。これらは、USYの担体上のNiMo触媒である。ICR209は、USY担体上にPdを含むChevron触媒であり、これも用いることができる。表4は、適切な水素化分解触媒を列挙している。この水素化分解触媒における酸性機能性は、大細孔非晶質物質、例えばアルミナ、シリカ−アルミナまたはシリカによって、或いは大細孔サイズ結晶性物質、好ましくは大細孔サイズアルミノケイ酸塩ゼオライト、例えばゼオライトX、Y、ZSM−3、ZSM−18、ZSM−20、またはゼオライトベータによって供給される。これらのゼオライトは、水素化分解の間に出会う水熱条件の影響下で、酸性機能の低下およびその結果生じる損失に抵抗するように、様々なカチオン形態およびその他の形態、好ましくはより安定性の高い形態において用いられてもよい。そのようにして向上した安定性の形態、例えば希土類交換大細孔ゼオライト、例えばREXおよびREY、並びにいわゆる超安定ゼオライトY(USY)および高シリカゼオライト、例えば脱アルミニウムYまたは脱アルミニウムモルデナイトが好ましい。
【0048】
ゼオライトZSM−3は米国特許第3,415,736号、ゼオライトZSM−18は米国特許第3,950,496号、ゼオライトZSM−20は米国特許第3,972,983号に開示されており、これらのゼオライト、その特性およびその調製方法の説明のために、これらの特許が参照される。ゼオライトUSYは米国特許第3,293,192号、RE−USYは米国特許第4,415,438号に開示されている。ゼオライトベータを含む水素化分解触媒は、第EP94827号および米国特許第4,820,402号に記載されており、これらの触媒の説明のために、これらの特許が参照される。
【0049】
これらの触媒は、好ましくは、例えばシリカ、シリカ/アルミナまたはアルミナ、またはその他の金属酸化物、例えばマグネシア、チタニアなどのバインダーを含み、バインダー対ゼオライトの比は一般に、10:90〜90:10、更に通常は約30:70〜約70:30(重量)の様々なものである。
【0050】
【表4】
【0051】
II.D 水素化分解プロセスの考察
この水素化分解プロセスは、通常の水素化分解に用いられる条件と同様な条件下で実施される。通常、約260〜480℃(500〜896°F)のプロセス温度を都合よく用いることができるが、約445℃(833°F)以上の温度では水素化分解反応の熱力学が不利になるので、この点以上の温度は通常用いられない。一般には、約315〜425℃(599〜797°F)の温度が用いられる。全圧は通常、1200〜3000psig(8375〜20,786kPa)であり、この範囲内で1800psig(12,512kPa)以上の高い圧力が通常好ましい。このプロセスは水素の存在下で操作され、水素分圧は通常少なくとも1200psia(8274kPa)、好ましくは1200〜3000psiaである。水素対炭化水素原料の比(水素循環率)は、通常2000〜10000SCF/bbl(約340〜1700Nm3/m3)である。この原料の空間速度は通常0.1〜10LHSV(hr−1)、好ましくは0.5〜5LHSVである。低い転化率においては、この原料中のn−パラフィンがイソパラフィンに異性化されるが、より過酷な条件下において転化率をより高くすると、イソパラフィンはより軽質な物質に転化される。
【0052】
この転化は、原料と固定静止触媒床とを接触させることによって実施されてもよい。単純な構成はトリックル床操作であり、この操作において、原料は静止固定床を通って滴るようにされる(図1はこれを示している)。このような構成の場合、新鮮触媒を用いて中程度の温度において反応を開始することが望ましく、この温度は当然ながら、触媒活性を維持するために、触媒が老化するにつれて上げられる。この水素化分解触媒は、例えば水素ガスとの高温における接触によって、または空気、窒素および煙道ガスの混合物の存在下の燃焼によって再生されてもよい。
【0053】
II.接触脱ロウプロセス(または水素化脱ロウまたは水素化異性化プロセス)
図2は特定の実施態様を例証するものであって、限定を意図するものではない。垂直反応器シェル10は、一連の積み重ねられた脱ロウ触媒の固定多孔質固体床(12A〜12Cによって示される)を囲い込み、支持している。ワックス含有液体油を含む供給原料6は、水素リッチガス8と組み合わされ、適切な加熱手段9を通った後で反応器10に導入される。この組み合わされた供給原料と水素リッチガスは、これらの触媒床を通って下方に流れる。この実施例においては3つの床が示されているが、それ以上の床があってもよく、また床が2つしかなくてもよい。液体分配は、あらゆる通常の技術、例えば分配トレー13A、BおよびCによって行なわれる。これらは、触媒床12A、BおよびCの表面に液体を均一に放出する。一般にこれらの気相および液相は、所望の入口圧力および温度において反応器の中に導入される。気体および液体温度は、水素リッチな急冷ガス14AおよびBの添加によって、または外部フローループにおける液体の熱交換によって触媒床間で調節することができ、これによっていずれの触媒床においても独立した温度制御が可能になる。触媒域間で液体ストリームと気体ストリーム(これには急冷ガスが含まれる)を混合するために、スタティックミキサー15AおよびB、またはその他の適切な接触装置が用いられてもよく、これにより均一な温度が得られる。
【0054】
水素化脱ロウ反応器流出物24は、必要に応じて熱交換器または炉25によって加熱または冷却され、水素化精製反応器30の中に直接カスケードされる。垂直反応器シェル30は、一連の積み重ねられた水素化精製触媒の固定多孔質固体床(32A〜32Cによって示されている)を囲い込み、支持している。液体および気体は、これらの触媒床を通って下方に流れる。この実施例においては3つの床が示されているが、それ以上の床があってもよく、また床が2つしかなくてもよい。液体分配は、あらゆる通常の技術、例えば分配トレー33A、BおよびCによって行なわれる。これらは触媒床32A、BおよびCの表面に液体を均一に放出する。一般に、これらの気相および液相は所望の入口圧力および温度において反応器の中に導入される。気体および液体温度は、水素リッチな急冷ガス34AおよびBの添加によって、または外部フローループにおける液体の熱交換によって触媒床間で調節することができ、これによっていずれの触媒床においても独立した温度制御が可能になる。触媒域間で液体ストリームと気体ストリーム(これには急冷ガスが含まれる)を混合するために、スタティックミキサー35AおよびB、またはその他の適切な接触装置が用いられてもよく、これにより均一な温度が得られる。
【0055】
水素化精製装置流出物36は、熱交換器(図示されていない)、分離器40および分留装置42を通過し、再循環ガスストリーム44、転化された留分46および精製潤滑基油48を分離する。パージガスストリーム50は一般に、軽質炭化水素生成物を除去するために、再循環ガスから抜き出される。一般に、再循環ガスストリームからNH3およびH2Sを除去するために、ガススクラビング設備(図示されていない)が用いられる。水素化脱ロウおよび水素化処理反応において消費され、気体および液体生成物ストリーム50および46においてパージされた水素を補うために、補給水素52が添加される。
【0056】
気相および液相と一連の多孔質触媒床とを接触させるための、連続多段反応器系を記載してきたが、2〜5床を有するその他の反応器構成を有することが望まれることもある。触媒組成は各反応器の全ての床において同じであってもよいが、これらの分離された床において異なる触媒および反応条件を有することも、本発明の概念に含まれる。設計および操作は、化学的エンジニアリングの有効な手法に従って、特定の処理ニーズに合わせることができる。
【0057】
本技術は、多様な接触脱ロウ操作、特に高温における潤滑油範囲重油の水素含有ガスでの処理に適合しうる。水素を用いる商業プロセス、特に石油精製では、10〜30モル%以上の不純物(通常は軽質炭化水素および窒素)を含む再循環不純ガスを用いる。本発明、特に高圧で高温水素化脱ロウを行う場合には、このような気体が利用可能であり、かつ有用である。
【0058】
好ましくは、この触媒床は0.25よりも大きい空隙容積率を有する。0.3〜0.5の空隙率は、多ローブ(polylobal)または円筒形の押出物、球またはペレットをゆるく充填して得ることができ、これは、触媒を均一に湿潤させて物質移動および接触現象を向上させるのに適切な液体流量成分を生じる。触媒床の深さは2〜6メートル、またはそれ以上であってもよい。
【0059】
本プロセスにおいては、任意に、ワックス質潤滑油原料、一般には321℃+(約610°F+)原料を、水素の存在下で脱ロウおよび/または異性化、または水素化異性化機能を有する中間細孔サイズモレキュラーシーブ触媒と接触させ、低流動点(ASTM D−97または同等の方法、例えばAutopour)の脱ロウ潤滑油沸騰範囲生成物を生じる。
【0060】
一般的なワックス質原料の場合、脱ロウ反応器の頂部における水素供給率は、約267〜534Nm3/m3(1500〜3000SCF/BBL)である。脱ロウ流出物における脱ロウ潤滑油沸騰範囲物質の安定性を改良するため、一般に水素化精製工程が実施される。
【0061】
水素化脱ロウプロセスの考察
一般論として、ZSM−5が触媒中の活性成分である時、生成物に対する目標流動点を達成するのに必要な脱ロウ過酷度に応じて、接触脱ロウプロセス工程は、約205〜400℃(401〜752°F)、好ましくは235〜385℃(455〜725°F)の高温条件下で操作される。その他のより低活性の触媒が用いられる時、温度はZSM−5の場合よりも25〜50℃高くてもよい。
【0062】
生成物に対する目標流動点が低くなるにつれて、反応器温度を上げることによって脱ロウプロセスの過酷度を増加し、直鎖パラフィンの転化を次第に大きくする。この結果一般に、潤滑油収率は生成物流動点の減少と共に減少する。その理由は、脱ロウ触媒による選択的分解により、潤滑油沸騰範囲外で沸騰するより軽質な生成物に転化される、原料中の直鎖パラフィン(ワックス)の量が引き続き増大することにある。この生成物の流動点が低下するにつれて、生成物のV.I.もまた減少するが、その理由は、高いV.I.の直鎖パラフィンおよびわずかに枝分かれしたイソパラフィンが徐々に転化されるからである。
【0063】
更に、脱ロウ温度は、触媒の老化による触媒活性の減少を補うために、脱ロウサイクル全体にわたって増加される。脱ロウサイクルは通常、温度が約400℃(約750°F)、好ましくは約385℃(725°F)に達した時に終了されるが、それは、粘度および生成物安定性がより高い温度では悪い影響を受けるからである。ZSM−5があまり活性でない触媒を有する活性触媒成分である時、これらの温度は25〜50℃高くてもよい。
【0064】
水素は、脱ロウ触媒上へのコークスの沈積速度減少によって触媒寿命の延長を促進する。(「コークス」は、脱ロウプロセスの間に触媒上に蓄積する傾向がある、高度に炭素質の炭化水素である。)従ってこのプロセスは、一般には水素分圧約2758〜20,685kPa(400〜3000psia)、好ましくは9653〜17238kPa(1400〜2500psia)、より好ましくは1600〜2200psia(11032〜15169kPa)の水素の存在下において実施されるが、より高い圧力を用いてもよい。水素循環率は、一般に1000〜8000SCF/bbl、通常2000〜3000SCF/bbl液体原料(一般に約180〜710355〜535Nm3/m3、通常約355〜535Nm3/m3)である。反応器入口において、追加のH2が急冷点において加えられてもよい。空間速度は、供給原料、および目標流動点を達成するのに必要な過酷度に応じて変えられるが、一般には全ての触媒について0.25〜5LHSV(hr−1)、好ましくは0.5〜3LHSVである。
【0065】
水素化脱ロウ触媒
ゼオライト技術における最近の開発は、同様な細孔形状寸法を有する一群の制約のある中間細孔ケイ質物質を提供した。好ましい水素化脱ロウ触媒は、主としてケイ素原子と交互になっている10個の酸素原子から成る細孔を有する多孔質酸性モレキュラーシーブ、例えばアルミノケイ酸塩ゼオライトを含む。これらの中間細孔サイズゼオライトのうち最も有名なものは、ZSM−5、ZSM−23、ZSM−35、ZSM−48およびZSM−57であり、これらは通常、ゼオライト骨組みの中に例えばAl、Ga、またはFeなどの四面体配位金属を組み込むことによって、ブレンステッド酸活性部位を伴なって合成される。約3.9〜6.3オングストロームの細孔寸法を有する中間細孔モレキュラーシーブが、形状選択的酸性触媒にとって有利である。しかしながら、高度にケイ質な物質、または様々な程度の酸性度を有する1つ以上の四面体種を有する結晶性モレキュラーシーブを用いることにより、中間細孔構造の利点を活用することができる。これらの形状選択的物質は、ケイ素および/または金属原子と交互になっている10個の酸素原子を含む10員環によって形成された細孔を有する少なくとも1つのチャネルを有する。
【0066】
形状選択的接触脱ロウプロセスのために提案された触媒は通常、直鎖ワックス質n−パラフィンを単独で、または少ししか枝分かれしていない鎖のパラフィンと共に許容するが、より高度に枝分かれした物質および脂環式物質を排除する細孔サイズを有するモレキュラーシーブを含んでいた。中間細孔モレキュラーシーブの代表的なものは、ZSM−5(米国特許第3,702,886号)、ZSM−11(米国特許第3,709,979号)、ZSM−22、ZSM−23(米国特許第4,076,842号)、ZSM−35(米国特許第4,016,245号)、ZSM−48(米国特許第4,375,573号)、ZSM−57、MCM−22(米国特許第4,954,325号)、SAPO−11(米国特許第4,859,311号)、SAPO−41およびイソ構造モレキュラーシーブである(図4参照)。これらの特許の開示は、参照して本明細書に組み込まれる。
【0067】
モレキュラーシーブは、非結晶性触媒に対する、接触脱ロウにおける利点を提供する。モレキュラーシーブは大まかには、図4に示されているように、小、中(または中間)および大細孔物質に分類される。細孔サイズは酸素原子の環によって決められる。小細孔ゼオライトは8員環の開口部を有し、中間細孔は10員系を有し、大細孔は12員系を有する。接触脱ロウ性能はまた、これが一次元チャネルを有していても、或いは二次元チャネルを有していても、触媒の細孔構造およびそのチャネル交差の性質によって影響を受けることがある。小細孔ゼオライトは過酷に制約されているので、潤滑油脱ロウにおいて効果がないが、その理由は、これらが小さい直鎖パラフィンのみをこの細孔チャネルに浸透させるからである。これに比して、大細孔ゼオライトは、ある種の望ましい潤滑油成分の非選択的分解を可能にし、その結果、中間細孔ゼオライトからの収率よりも低い収率を生じる。
【0068】
HZSM−5は、形状選択的脱ロウが可能ないくつかの中間細孔サイズゼオライトのうちの1つである。その他の例には、ZSM−11、ZSM−22、ZSM−23、ZSM−35、ZSM−48およびZSM−57が含まれる。ZSM−5の細孔構造は、反応体形状選択性、コークス化傾向の減少および嵩高い窒素含有触媒毒の排除のバランスを与える。適切に調節された物理化学特性を有するHZSM−5、Pt/ZSM−23、Pd/ZSM−23、Pt/ZSM−48、Pt/SAPO−11およびPt/SAPO−41が本発明には好ましいが、その理由は、これらのチャネル系および細孔寸法が、燃料油水素化分解装置ボトムの効果的脱ロウを可能にするからである。
【0069】
配位金属酸化物対シリカモル比20:1〜200:1以上を有する、適切なモレキュラーシーブを用いることができる。例えばHZSM−5を用いる場合、シリカ:アルミナモル比約25:1〜70:1を有する通常のアルミノケイ酸塩ZSM−5を用いることが好ましいが、70:1以上の比も用いることができる。ブレンステッド酸部位を有する一般的なゼオライト触媒成分は本質的に、5〜95重量%のシリカ、粘土、および/またはアルミナバインダーを含むZSM−5ゼオライトの構造を有する結晶性アルミノケイ酸塩から成っていてもよい。その他の中間細孔酸性モレキュラーシーブ、例えばシリカ−アルミノリン酸塩物質(SAPO)、特に中間細孔SAPO−11が、触媒として用いられてもよいと理解される。米国特許第4,908,120号(Bowesら)は、高パラフィン含量または高窒素レベルの原料に有用な接触プロセスを開示している。このプロセスでは、バインダーフリーゼオライト脱ロウ触媒、好ましくはZSM−5を用いる。
【0070】
中間細孔ゼオライトは、その再生可能性、長い寿命および極端な操作条件下での安定性のために、この方法において特に有用である。通常これらのゼオライト結晶は、約0.01〜2ミクロン以上の結晶サイズを有しており、0.02〜1ミクロンが好ましい。ZSM−5(≧40アルファ)を無金属形態で選択的分解に用いることができるが、上記その他の中間細孔酸性金属ケイ酸塩の場合、水素化異性化脱ロウ触媒として用いるために、0.1〜1.0重量%の貴金属で変性することが好ましい。
【0071】
ZSM−5は、貴金属を加えずに実用的に商業用選択的脱ロウに用いられる唯一の中間細孔ゼオライトまたは中間細孔酸性モレキュラーシーブである。貴金属は、触媒老化率を実際的なレベルまで低下させるために、その他の中間細孔モレキュラーシーブと共に使用するのに好ましい。しかし、ZSM−5への貴金属の添加は、脱ロウ潤滑油の収率を増す水素化異性化活性をこれに備えさせる。貴金属がZSM−23、ZSM−35、SAPO−11およびZSM−5に添加される時、生成物収率およびVIは一般に、ZSM−5の場合よりもZSM−23、ZSM−35およびSAPO−11の場合に高い。触媒サイズは、プロセス条件および反応器構造に応じて、本発明の概念の中で広く変えることができる。平均最大寸法1〜5mmの最終触媒が好ましい。
【0072】
接触脱ロウ条件
本明細書における大部分の接触脱ロウ例において、用いられる触媒は、酸性分解(アルファ)値105の、直径1.6mmの押出物として形成された65重量%ZSM−5であるが、約1〜約300のアルファ値が用いられてもよい。反応器構成は、連続操作系の設計において重要な考察事項である。その最も単純な形態において、垂直圧力容器には均一な横断面の一連の(少なくとも2つ)の積み重ねられた触媒床が備えられている。触媒床の全長対平均幅比(L/Dアスペクト)約1:1〜20:1を有する一般的な垂直反応器が好ましい。一連の積み重ねられた床は、同じ反応器シェルの中に保持されてもよい。しかしながら、別々の横に並んだ反応容器を用いても、同様な結果を得ることができる。均一な水平横断面の反応器が好ましい。しかしながら、床フラックス率および対応する再循環率に適切な調節を加えて、横断面が不均一な構成も用いることができる。
【0073】
本発明は、沸点が260℃(500°F)を超える重質石油軽油潤滑油原料の接触水素化脱ロウにおいて特に有用である。接触脱ロウ処理は、中間細孔型モレキュラーシーブ触媒の押出物触媒のランダム充填床上で、5hr−1よりも大きくない、好ましくは約0.5〜3hr−1の液空間速度において実施されてもよい。接触脱ロウ装置への炭化水素原料は、100℃において3〜12cStの粘度を有する。好ましくは、全供給速度についての液体フラックス率(任意液体再循環を含む)は500〜3500ポンド/ft2−hr、好ましくは1000〜3000ポンド/ft2−hrの範囲内に維持される。
【0074】
III.脱ロウに続く水素化精製
脱ロウ潤滑油生成物の品質を改良するために、溶剤脱ロウの次に、潤滑油範囲のオレフィンを飽和させ、ヘテロ原子および着色体(color body)を除去し、また水素化精製圧力が十分に高いならば、残留芳香族の飽和を実施するための水素化精製工程(図2参照)が行なわれる。脱ロウ後水素化精製は通常、脱ロウ工程とのカスケードとして実施される。一般に、サイクル開始時、水素化精製は約170〜350℃、好ましくは200〜343℃、最も好ましくは220〜300℃の温度において実施される。全圧は一般に2859〜20786kPa(約400〜3000psig)である。水素化処理装置における液空間速度は、一般に0.1〜5LHSV(hr−1)、好ましくは0.5〜3hr−1である。
【0075】
連続潤滑油接触脱ロウ水素化精製を用いるプロセスは、米国特許第4,181,598号、第4,137,148号および第3,894,938号に記載されている。交互脱ロウ−水素化精製床を有する反応器を用いるプロセスが、米国特許第4,597,854号に開示されている。これらのプロセスの詳細については、これらの特許が参照される。脱ロウ工程に続く水素化精製工程は、その流動点に有意な影響を与えることなく、生成物品質を改良する。水素化精製触媒上での金属機能は、芳香族成分の飽和に有効である。従って貴金属、ニッケル−タングステンまたはニッケル−モリブデンが与えることができる強い水素添加機能を有する水素化精製(HDF)触媒は、例えば単独のモリブデンなどの比較的弱い金属機能を含む触媒よりも効果的である。芳香族飽和に好ましい水素化精製触媒は、多孔質担体上の比較的強い水素添加機能を有する少なくとも1つの金属を含む。所望の水素添加反応はほとんど酸性機能性を必要とせず、またこの工程においてはより低沸点の生成物への転化が望まれていないので、この水素化精製触媒の担体は低い酸性度を有する。一般的な担体物質には、例えば低酸性を有するアルミナ、シリカおよびシリカ−アルミナなどの非晶質または結晶性酸化物物質が含まれる。この触媒の金属含量は、非貴金属の場合約20重量%もの高さであることが多い。貴金属は通常、1.2重量%よりも多くない量において存在する。この種類の水素化精製触媒は、触媒発売元から容易に入手しうる。ニッケル−タングステン触媒は、フッ化物化されていてもよい。触媒はまた、水素化処理触媒として上に記載されているバルク金属触媒を含んでいてもよい。
【0076】
水素化精製工程の反応パラメーターの制御は、これらの生成物の安定性を変える有用な方法を提供する。例えばNi/Wなどの周期表第VIIIA族および第VIA族(IUPAC周期表)金属の組み合わせを用いた場合、約230〜300℃(446〜572°F)の水素化精製触媒温度によって、単環芳香族および多核芳香族が最小限にされる。これらはまた、良好な酸化安定性、UV光安定性および熱安定性を有する生成物を提供する。水素化精製装置における空間速度は、比較的空間低速でより大きい芳香族飽和を実施するような芳香族飽和制御の可能性を提供する。水素化精製された生成物は、好ましくは10重量%以下の芳香族を含む。
【0077】
実施例
下記実施例は説明的なものにすぎず、限定的なものとは一切考えるべきではない。
【0078】
実施例1
表5は、商業用2段階水素化分解装置からの常圧塔底生成物の分析を示す。このような水素化分解装置は、水素化処理反応器と水素化分解反応器とを有するが、本発明の水素化分解装置に記載されている真空蒸留装置を用いない。この生成物は概ね330〜538℃(625〜1000°F)カットであり、ヘテロ原子および芳香族含量、特に窒素含量が非常に低い。用いられた水素化分解触媒は新鮮品であった。受け取られたままの常圧塔底生成物のドラムの全範囲(full−range)分析が、「全ボトム」欄において報告されている。これらのボトムは5つの等容積カットに分けられ、重要な特性について分析された。これらの分析も表5に示されている。
【0079】
接触脱ロウ、水素化精製および蒸留を含む水素化脱ロウプロセスの後、最終生成物は下記特徴を有していなければならない:
粘度指数≧115
NOACK>6≦20
粘度(100℃において4〜5cSt)
色(Saybolt)≧20
流動点≦25°F(−4℃)
芳香族≦5重量%
日光において色彩安定
【0080】
これらの特徴を有する最終生成物を得るために、できるだけ高いVIと、できるだけ低いNOACK(またはできるだけ高い引火点)とを有する供給原料から始めるのが望ましい。この水素化脱ロウ手順は流動点を低下させる。表5において、より揮発度の高い留分はより低い流動点を有し、より重質でより揮発度の低い留分は、より高いVIを有していた。0〜20%で留出する最も揮発度の高い留分は、低い粘度(100℃において2.77センチストークス)と115以下のVIとを有し、従って使用には不適である。
【0081】
前記生成物特性を得るために、許容しうる範囲内にある特徴を有する供給原料を得ることが望ましい。本発明においては、真空蒸留工程が用いられる。表6が示しているように、この水素化分解されて真空蒸留された塔底生成物の最も軽質で最も揮発度の高い留分でさえ、115よりも大きいVIおよび100℃において4センチストークスよりも大きい粘度を有するので、使用に適している。
【0082】
【表5】
【0083】
【表6】
【0084】
実施例2
図5は、−7℃の流動点を有する潤滑油であって、溶媒精製または水素化分解によって精製された潤滑油についての、粘度指数対水素含量の関係を示している。比較された様々なワックス質基材油の各々は、−7℃流動点まで溶剤脱ロウされた。潤滑基油中に存在する重量パーセント水素が増加するにつれて、VI即ち粘度指数が改良される。VIは、溶媒精製された基材油の場合よりも、水素化分解された基材油の場合幾分多く改良されている。白丸は、潤滑油水素化分解、蒸留およびそれ以上の処理を行なわない溶剤脱ロウによって得られた潤滑基材油を表わす。黒丸は、燃料油水素化分解、蒸留および溶剤脱ロウによって精製された潤滑基材油を表わす。四角は、溶媒精製されて溶剤脱ロウされた潤滑基材油を表わす。上向き三角形は、パラフィン性原油から得られた真空留出物を表わす。逆三角形は、ナフテン性原油から得られた真空留出物を表わす。
【0085】
燃料油水素化分解は潤滑油水素化分解よりも過酷であるから、所定の減圧軽油の燃料油水素化分解が、潤滑油水素化分解または溶媒精製よりも高いVIの潤滑基材油を生じることは明らかである。本発明において、脱ロウ潤滑基材油は少なくとも105、好ましくは少なくとも約115のVIを有する。図5から、この脱ロウ油生成物は、115のVIを得るために少なくとも約14.1重量%の水素含量および105のVIのために少なくとも約13.7重量%の水素含量を有する。脱ロウは水素含量を低下させるので、ワックス質油は、ZSM−5触媒の場合、脱ロウ油よりも水素含量において約0.2〜0.5重量%高い。図5におけるこれらの水素化分解潤滑基材油のPONA分析は、水素化分解潤滑基材油は組成において幅広い変動を有し、高いパラフィン含量を有するものもあれば、高いナフテン含量を有するものもあり、その中間のものもあることを示した。従ってあらゆるVIレベルにおいて、組成物の無限の多様性が可能であり、この変動は、あらゆるVIレベルに対してある範囲の水素含量によって記載することができる。150種のイソパラフィンの水素含量は、炭素数C17〜C55の場合、それぞれ15.1〜14.6%の範囲にわたる。アルキルシクロヘキサンの場合、14.37%において一定であり、アルキルベンゼンの場合、この範囲は12.4〜13.69%である。このことから、脱ロウ油生成物は水素含量が高く、イソパラフィンおよびアルキルシクロヘキサンがリッチでなければならないということになる。燃料油水素化分解装置、即ち、345℃−軽質生成物への30%以上の転化率で操作されている水素化分解装置は、105の粘度指数を有する脱ロウ油を生じるために、適切な水素含量を有する345℃+生成物を生成しうる。
【0086】
実施例3
図6(部分a、bおよびc)は、Statfjord原油に由来する重質減圧軽油に対する潤滑油水素化分解および燃料油水素化分解を示す。パイロットプラントにおいて、重質減圧軽油が様々な転化率で水素化分解され、この水素化分解物が蒸留されて、345℃−(653°F−)物質の全てが除去された。次いでワックス質345℃+油が−18℃(0°F)流動点まで溶剤脱ロウされ、粘度およびVIが測定された。10〜約30%の転化率範囲は「潤滑油水素化分解範囲」と呼ばれ、30%以上の転化率レベルは「燃料油水素化分解範囲」と呼ばれる。115のVIを有する脱ロウ生成物を得るために、約35%の水素化分解転化率が必要とされることは明らかである。必要とされる転化率の程度は、水素化分解装置への原料の粘度指数に左右される。図6はまた、水素化分解が進行するにつれてどのように粘度が減少されるかを示している。図6はまた、345℃+収率が燃料油水素化分解装置において低いことも示している。
【0087】
実施例4〜12のデータは、接触脱ロウおよび水素化処理のための2反応器プロセスから得られた(詳細な考察については実施例5参照)。第一反応器には特許の(proprietary)水素化脱ロウ触媒HZSM−5が入っていた。
【0088】
高圧操作と低圧操作との両方に、同じ水素化脱ロウ触媒が用いられた。第二反応器において、商業用水素化精製触媒が用いられた。低圧(400〜600psig)操作において、水素化精製触媒は、オレフィン飽和のためにのみ設計されている。しかしながら、良好な酸化安定性およびUV光安定性には、幾ばくかのレベルの芳香族飽和が必要である。高圧(2500psig)操作において、水素化精製触媒は、芳香族飽和のために設計されている。低圧において用いられた水素化精製触媒も、比較を与えるために2200psigにおいて評価された。
【0089】
実施例4
そのままの(未添加)基油に対して実施されたNOACK揮発性テスト(図7および8参照)は、NOACK蒸発テスターを用いたCECL−40−T−87「潤滑油の蒸発損失」に従う。要約すれば、この方法では60分間一定の空気流下、250℃(482°F)に保持された試料の重量%蒸発損失を測定する。
【0090】
高圧および低圧接触脱ロウ、次いで水素化精製によって製造された基油のNOACK揮発性は、図7に示されている。一般にNOACK揮発性は、D2887模擬蒸留における750°F留出%と相関させることができる(図7および表7参照)。これらの生成物の場合、同様にNOACK揮発性と10%点との間に良好な相関がある(図8参照)。
【0091】
引火点とNOACK揮発性とは、それぞれ5%沸点または10%沸点と関連付けられた時、正反対に挙動した。図9は、引火点と5%沸点との相関を示す。
【0092】
【表7】
【0093】
実施例5
両方の触媒系(高圧接触脱ロウ+ArosatHDF触媒(フッ化物化NiW/Al2O3)および低圧接触脱ロウ+HDF触媒(Mo/Al2O3))は、容易に規格流動点に合致し、水素化分解された低芳香族低窒素原料で類似の潤滑油収率および粘度を生じた。一般的特徴を下記表に要約する。
【0094】
2500psig(対400psig)における操作は、脱ロウ触媒老化を2.3から0.2°F/日に減少させ、潜在的サイクル長さを大幅に伸ばし、単位ストリーム係数(unit stream factor)を改良する。流動点減少は、高圧での接触脱ロウ温度変化に対して2倍感受性であり、このことは、所望であれば非常に低い流動点基油の製造を容易にしうる(図10参照)。
【0095】
潤滑油収率およびVIは圧力には比較的感受性がなく(図11参照)、5°F流動点において121VI、116SUS基油の67〜72重量%収率を生じる(乾燥ワックスベースで溶剤脱ロウでの129VI、107SUS、82重量%に対して)。標準的低圧接触脱ロウは、全芳香族レベル(226nmにおけるUV吸光率によって測定)の調節をほとんど可能にしなかった。2500psigにおける芳香族飽和の使用は、UV吸光率によって測定した場合、525°FのHDF温度における平衡レベルまでの芳香族の減少を可能にした。
【0096】
低圧プログラムは、オンラインN2ストリッピング能力を有する2反応器パイロットプラントにおいて実施された。反応器1には、HZSM−5を含む脱ロウ触媒225ccが装入された。反応器2には、水素化精製触媒(Mo/Al2O3)225ccが装入された。この触媒は、オレフィン飽和および低脱硫のために設計されている(これは通常の方法で精製された潤滑基油の酸化安定性を維持するために臨界的である)。どちらの触媒も1/16インチ円筒形押出物であり、商業製造されている。
【0097】
低圧作業は、純粋H2を用いた全圧400psig(H2分圧415psi)および1LHSV(各々の反応器)で、2500scf/B H2循環を伴なって実施された。3つのHDF温度(465°F、525°Fおよび550°F)が、UV光安定性基油を製造するために最適な処理過酷度を一括して扱う(bracket)ために、規格流動点(5°F)において調査された。高圧接触脱ロウは、2反応器パイロットプラントにおいて実施された。反応器1には脱ロウ触媒262ccが装入された。この触媒は、標準圧力試験において用いられたのと同じ脱ロウ触媒であった。反応器2には、優れた芳香族飽和能力を有する商業用水素化精製触媒(Arosat)62ccが装入された。これは、1/16インチ四ローブ(quadrulobe)押出物という商品として入手しうる。
【0098】
高圧接触脱ロウは、純粋H2を用いた2500psig全圧(2515psiH2分圧)および1LHSV(各々の反応器)で、2500scf/B H2循環を伴なって実施された。4つの水素化精製温度(625°F、575°F、525°Fおよび450°F)が、UV光安定性基油を製造するために最適な処理過酷度を一括して扱うために、規格流動点(5°F)において調査された。図12のデータは、良好な芳香族飽和触媒が、脱ロウ反応器の次にある水素化精製装置において必要とされることを明らかに証明している。
【0099】
実施例6
日光安定性
方法の説明
このテストにおいては、そのままの(未添加)基油が、ガラス瓶の中で自然光に暴露され、ヘイズ、沈殿および色彩変化について周期的に観察される。全試料が、同じ場所において同時に試験された。
【0100】
結果
高圧接触脱ロウおよび水素化処理基油の光安定性は、芳香族飽和触媒が用いられる時に優れており、42日後も沈殿物がない(図13参照)。低圧接触脱ロウおよび水素化精製から生じる生成物、および溶剤脱ロウから生じる生成物は、非常に低い光安定性を有し、2〜3日以内にほぼ等しくひどく劣化する。このことは、光不安定性が、接触脱ロウ工程において発生する何かの結果ではなく、むしろ水素化分解装置のボトムにおける不安定成分の結果であることを示す。このような不安定性は一般に、3+環芳香族に伴なうものであり、これは、325nmにおけるUV吸光率によって監視することができる。光の吸収後、これらの化合物が酸化して、フリーラジカル鎖開始剤を生じ、これらはその後、他の炭化水素と反応してカルボン酸を生成する。例えばこれらのような低芳香族基材油中ではこれらの酸化生成物の溶解性は低く、これらが析出する。
【0101】
高圧接触脱ロウおよび水素化精製された基油は、ある程度の規模だけその他の試料以下の325nmにおけるUV吸光率を有する(図12および表5参照)。標準的接触脱ロウ水素化処理触媒は、2200psigにおいてでさえ、これらの不安定化合物の除去に十分には適していないことに注目されたい。図13の光安定性の結果は、図14のUV結果と相関がある。
【0102】
実施例7
酸化安定性に対するRBOTテスト(タービン油の回転ボンベ酸化)は、ASTM法D2272に従った。これは基油+0.3重量%IrganoxML820(商品として入手しうるタービン油添加剤パッケージ)を用いて実施された。このテストにおいて試料は、水および銅触媒コイルと共に圧力ボンベに入れられる。このボンベは酸素で90psiまで加圧され、150℃(302°F)浴に入れられ、傾斜面上で軸回転させられる。圧力が25psiに降下するのに必要な時間(分)が報告されている。従って高い方の結果が、優れた酸化安定性を示す(表5および図15参照)。
【0103】
結果
高圧接触脱ロウおよび低圧接触脱ロウ基油のRBOT性能は、匹敵しうるものであり、良好である(図15参照)。同じ商業用原料からの溶剤脱ロウ油も良好な性能であったが、平均すればわずかに低かった。接触脱ロウ基材油に関して、溶剤脱ロウ水素化分解試料は「まずまず」から「低い」まで(fair to poor)であり、沸騰範囲の増加と共に(25%搭底物対全範囲水素化分解物)、および試験の終了(EOR)対試験の開始(SOR)の水素化分解装置触媒老化の増加と共に、RBOT安定性が減少する一般的傾向を示した。
【0104】
実施例8
表7は、400nmにおける極端に低いUV吸光率によって、多核芳香族(PNA)が、高圧接触脱ロウ次いで芳香族飽和触媒での水素化精製によって処理された潤滑油におおむね不存在であることを示している。これは、図13における日光安定性結果と相関がある。
【0105】
実施例9
脱ロウ触媒老化は、400psiにおいてよりも2500psigにおいての方が有意に低い。更に、潤滑油流動点は、比較的高い圧力において、脱ロウ温度変化に2.3倍も感受性である。老化差は、比較的高い圧力におけるより低いコークス形成率によるとされる。
【0106】
触媒老化は、図10に示されている。水素化脱ロウ反応器(反応器1)温度(実際の温度および5°F流動点に修正された温度)および流動点が、通油日数に対して示されている。低窒素基材油には一般的であるように、老化速度は通常の溶媒精製された基材油に比して低い。
【0107】
高圧接触脱ロウ試験
2500psigにおいて触媒は、通油の最初の2日以内に545°Fにおいて線から外れた。36日の試験中全体の老化速度は無視しうるものであった。従って、2500psigにおいて極端に長いサイクルの長さが予測される。
【0108】
低圧接触脱ロウ
400psigにおいて、サイクルの開始温度は約530°Fであった。当初老化速度は6.4°F/日であり、5.65°F/日のより低い老化速度への移行を伴なった。HDW反応器温度における−1.3°F流動点/1°F変化の流動点修正は、−22°F〜+39°Fの範囲の流動点についてのHDW反応器温度データをならすのに有効であった。
【0109】
通油の29日後、圧力が2200psiに増加された。触媒は4日以内にその活性の実質量を回収し、老化率はほぼゼロまで低下した。このことは、400psigにおける老化の増加は、より高いコークス化速度の結果として生じ、このコークスの幾ばくかは、容易に水素添加されるか、圧力が増加された時に脱着されることを示唆する。
【0110】
実施例10
一般に、接触脱ロウ操作圧力の増加は留出物収率を減少させる傾向があり、これに対応してC5−収率を増加させる。潤滑油収率は圧力に対して比較的感受性が低い。溶剤脱ロウ(SDW)と比べて、5°F流動点での潤滑油収率において約10重量%のマイナスがあり、ZSM−5触媒を用いた接触脱ロウの場合70〜72重量%に対し、溶剤脱ロウ(乾燥ワックスベース)の場合82重量%である。しかしながら、大部分の溶剤脱ロウ装置は10〜30%のいずれかの油を含むワックスを製造すると認識しなければならない。従って、実際の溶剤脱ロウ収率は74〜80%の範囲内にある。
【0111】
生成物収率分布は、625°Fにおいて高活性高圧芳香族飽和触媒上で発生する非選択的分解があることを示している。図16(潤滑油収率対温度)および図17(一定の流動点における粘度対水素化精製過酷度)に示されているように、潤滑油収率は6重量%低下する。この損失の大部分は、増加した留出物収率として現われる。625°F水素化処理温度での潤滑油特性における突然のシフトもまた、非選択的分解を示している。
【0112】
調査された大部分の水素化精製操作範囲全体において、低圧および高圧の両方の接触脱ロウ潤滑油生成物の粘度特性は類似している(図18)。5°F流動点において、粘度は100°Fで116SUS(1000℃で4.6cSt)であり、VIは121である。溶剤脱ロウ油粘度はより低く、VIはより高く、このことは、これら2つのプロセスがこれらの目標を達成する方法における差と一貫性がある。
【0113】
上で考察された潤滑油特性および収率から、625°FにおいてArosat水素化精製触媒上で発生する非選択的分解があることは明らかである。潤滑油粘度は、対応するVIの3〜5の降下と共に有意に低下する(図17および18参照)。
【0114】
低圧および高圧接触脱ロウを用いて作られる潤滑油の特性の主要な差は、水素化精製反応器における芳香族飽和度の結果である。即ち(1)用いられた水素化精製触媒の種類および(2)水素圧における差の結果である。
【0115】
これらの差は、芳香族原料、例えばより深いカットの水素化分解搭底物またはサイクルの終了の水素化分解生成物の場合更に大きい。
【0116】
溶剤脱ロウは、比較的重質なより高い流動ワックスを優先的に除去し、一方、ZSM−5を用いた接触脱ロウは、比較的小さい直鎖パラフィンを優先的に分解し、その結果として同じ流動点を達成するために、より多くのパラフィンを除去する。その結果、接触脱ロウ軽質中性潤滑油の収率およびVIはより低い。しかしながら、配合された接触脱ロウ生成物の低温の粘度成績は、同等の粘度の溶剤脱ロウ油よりも優れている。
【0117】
実施例11
パイロットプラント調査の間、水素化精製反応器条件のスクリーニングのために、UV吸光率並びに生成物の外見を基にした。5つの波長、即ち226、254、275、325および400nmにおける吸収率が、芳香族の量の定性的指標として用いられた。226nmは全芳香族に対応する。3つ以上の環および4つ以上の環を有する芳香族が、それぞれ325nmおよび400nmにおける吸収率によって示されている。潤滑油芳香族は、ArosatHDF触媒上で劇的に減少される。オレフィン飽和のために設計されている標準的接触脱ロウHDF触媒は、2200psigにおいてでさえ遥かに効果的でない(図12および21参照)。図12から分かるように、226nmにおける吸収率(これは全芳香族と相関がある)は、525°F近くの高圧接触脱ロウの場合、最小値を通過する。即ち動力学的限界型から平衡界型へのクロスオーバーを特徴づけている。この最小値は、原料芳香族が増加するにつれて、より高いHDF温度(およびより高いUV吸光率)の方へ移動すべきである。標準的接触脱ロウHDF触媒は、調べられた温度範囲において芳香族を飽和するためには動的に制限されている。
【0118】
一般に、多核芳香族の飽和(400nm)は比較的容易であり、この反応は高圧において水素化精製温度の正常範囲内で平衡による制限を受けている。即ち、多核芳香族が減少し、次いで水素化精製温度と共に増加する。より高い水素圧力は、平衡をより低い値にシフトさせる。
【0119】
図19および20は、2つの異なる水素化分解物についてのUV吸光率対芳香族含量の相関を示している。一方が低い芳香族含量を有し、他方が高い芳香族含量を有していた。このデータは、高圧および芳香族飽和水素化精製触媒が、標準的水素化精製触媒での低圧水素化精製よりも良好であることを明らかに証明している(表8参照)。
【0120】
【表8】
【0121】
実施例13
前記実施例の多くは、脱ロウ触媒としてHZSM−5を用いているが、上記のその他の触媒が、脱ロウ触媒として用いられてもよい。これは図20に例証されている。この場合、脱ロウ触媒はZSM−23上のPtであった。図18は、Pt/ZSM−23を用いて得られた潤滑油VIおよび収率が、溶剤脱ロウによって得られたものとほぼ同じであるか、或いはこれよりも良いことを示している。
【0122】
実施例14
いくつかの中間細孔モレキュラーシーブが、ワックスの代表的なものである直鎖パラフィンをワックス質軽質潤滑基油に転化するこれらの能力についてテストされた。この直鎖パラフィンはn−ヘキサデカンであった。この化合物を用いてテストされたモレキュラーシーブは、ZSM−5、ZSM−23、ZSM−48およびSAPO−11であった。「ALPHA」テストによって測定されたこれらの触媒の酸性活性は、このモレキュラーシーブの合成において、或いはモレキュラーシーブの活性を減少させることが知られているスチーミングによって、このモレキュラーシーブに対して様々に変えられた。貴金属、即ち白金が、これらのモレキュラーシーブから作られた各々の触媒に添加された。白金濃度は、これらのモレキュラーシーブのいくつかと共に様々に変えられた。下記表は、これらのモレキュラーシーブ、これらの白金含量およびこれらの「ALPHA」活性を列挙している。
【0123】
【表9】
【0124】
これらの中間細孔モレキュラーシーブは全てワックス質化合物、例えばn−ヘキサデカンの高い転化が可能である。各々のモレキュラーシーブから作られた触媒の活性は、この触媒中のモレキュラーシーブの活性に応じて有意に異なっていてもよい。白金含量もまた、活性に影響を与える。生成物選択性は、モレキュラーシーブの種類、白金含量および「ALPHA」活性によって影響される。図21は、n−ヘキサデカン転化率対温度要件のプロットである。図22は、16個の炭素原子を有するn−ヘキサデカン異性化化合物の収率対ヘキサデカン転化率のプロットである。この図は、ZSM−48およびSAPO−11が、一般にイソパラフィンに最高の選択性を与えることを示している。高アルファZSM−5が用いられるならば、この選択性は非常に低い。しかしながら図23は、ZSM−23が、ノルマルヘキサデカンの一分枝異性体に最良の選択性を与えることを示している。この種類の選択性は、潤滑油生成物のVIを決定する上で重要である。従って、ノルマルパラフィンまたはワックスの同じ分子量の異性体化合物への転化には、貴金属含量、酸性活性、および最終触媒の製造において用いられる各々のモレキュラーシーブについての、その細孔構造の最適化を必要とすることは明らかである。
【0125】
実施例15
次の条件および脱ロウ油特性に従って、100N水素化分解留出油をNMP抽出し、抽出物溶液を得た。
【0126】
【表10】
【0127】
抽出物溶液に2.6LV%の水を添加して、原料に類似のRI@75℃品質を有する軽質相を得た(収率2.2LV%)。これらの結果から、水スプリンギングによるラフィネート収率の増分は、次のように推定することができる。
【表11】
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明に用いるのに適した燃料油水素化分解装置の略図である。水素化処理装置、水素化分解装置、分離装置、真空蒸留装置、抽出装置、脱ロウ装置および水素化精製装置が図解されている。
【図2】
固定触媒床を有する一連の垂直反応器を示す略図であり、主要流ストリームを示している。
【図3】
純粋成分およびアラブ軽質原油からの減圧軽油についての沸点と粘度との関係を示している。
【図4】
小細孔、中間細孔および大細孔ゼオライト(またはモレキュラーシーブ)の特徴の比較を示している。
【図5】
図5は、改良方法の種々のプロセスパラメーターおよび潤滑油生成物を比較する生成物特性のプロット図である。
【図6】
図6は、改良方法の種々のプロセスパラメーターおよび潤滑油生成物を比較する生成物特性のプロット図である。
【図7】
図7は、改良方法の種々のプロセスパラメーターおよび潤滑油生成物を比較する生成物特性のプロット図である。
【図8】
図8は、改良方法の種々のプロセスパラメーターおよび潤滑油生成物を比較する生成物特性のプロット図である。
【図9】
図9は、改良方法の種々のプロセスパラメーターおよび潤滑油生成物を比較する生成物特性のプロット図である。
【図10】
図10は、改良方法の種々のプロセスパラメーターおよび潤滑油生成物を比較する生成物特性のプロット図である。
【図11】
図11は、改良方法の種々のプロセスパラメーターおよび潤滑油生成物を比較する生成物特性のプロット図である。
【図12】
図12は、改良方法の種々のプロセスパラメーターおよび潤滑油生成物を比較する生成物特性のプロット図である。
【図13】
図13は、改良方法の種々のプロセスパラメーターおよび潤滑油生成物を比較する生成物特性のプロット図である。
【図14】
図14は、改良方法の種々のプロセスパラメーターおよび潤滑油生成物を比較する生成物特性のプロット図である。
【図15】
図15は、改良方法の種々のプロセスパラメーターおよび潤滑油生成物を比較する生成物特性のプロット図である。
【図16】
図16は、改良方法の種々のプロセスパラメーターおよび潤滑油生成物を比較する生成物特性のプロット図である。
【図17】
図17は、改良方法の種々のプロセスパラメーターおよび潤滑油生成物を比較する生成物特性のプロット図である。
【図18】
図18は、改良方法の種々のプロセスパラメーターおよび潤滑油生成物を比較する生成物特性のプロット図である。
【図19】
図19は、改良方法の種々のプロセスパラメーターおよび潤滑油生成物を比較する生成物特性のプロット図である。
【図20】
図20は、改良方法の種々のプロセスパラメーターおよび潤滑油生成物を比較する生成物特性のプロット図である。
【図21】
図21は、改良方法の種々のプロセスパラメーターおよび潤滑油生成物を比較する生成物特性のプロット図である。
【図22】
図22は、改良方法の種々のプロセスパラメーターおよび潤滑油生成物を比較する生成物特性のプロット図である。
【図23】
図23は、改良方法の種々のプロセスパラメーターおよび潤滑油生成物を比較する生成物特性のプロット図である。
【図24】
図24は、改良方法の種々のプロセスパラメーターおよび潤滑油生成物を比較する生成物特性のプロット図である。
Claims (27)
- 潤滑油原料からの潤滑油の製造方法であって、
(a)潤滑油原料を水素化処理域に送り、前記原料を水素化処理条件下で水素化処理して、水素化処理原料を製造する工程;
(b)前記水素化処理原料を、離脱を伴なわずに水素化分解域に送り、前記水素化処理原料を水素化分解条件下で水素化分解して、水素化分解原料を製造する工程であって、前記原料の少なくとも30重量%は、前記原料の初留点未満で沸騰する炭化水素生成物に転化される工程;
(c)前記水素化分解原料の少なくとも一部を分離域に送り、ガス、ディーゼル燃料沸点範囲未満で沸騰する留出油を含む転化された水素化分解留分および未転化の水素化分解留分を分離する工程;
(d)前記未転化の水素化分解留分の少なくとも一部を減圧蒸留域に送り、少なくとも二つの留分を分離する工程;
(e)少なくとも一つの減圧留出油留分を溶剤抽出域に送り、前記少なくとも一つの減圧留出油留分を溶剤抽出条件下で抽出して、ラフィネートを製造する工程;
(f)前記溶剤抽出域からの前記ラフィネートを、溶剤脱ロウ域において溶剤脱ロウ条件下で溶剤脱ロウして、少なくとも一つの溶剤脱ロウ留分を製造する工程;および
(g)前記少なくとも一つの溶剤脱ロウ留分を、水素化精製域において水素化精製条件下で水素化精製して、潤滑油を製造する工程であって、前記水素化精製域は、金属水素添加機能を有する触媒を含む工程
を含むことを特徴とする潤滑油の製造方法。 - 前記水素化処理域は、水素化処理触媒を含み、温度250〜450℃、水素分圧800〜3000psia、空間速度0.1〜10LHSVおよび水素処理ガス率500〜10000scf/bblであることを特徴とする請求項1に記載の潤滑油の製造方法。
- 前記水素化分解条件は、水素化分解触媒を含み、温度315〜425℃、水素分圧1200〜3000psia、空間速度0.1〜10LHSVおよび水素処理ガス率2000〜10000scf/bblであることを特徴とする請求項1に記載の潤滑油の製造方法。
- 前記分離域は、分離装置および分留装置を含むことを特徴とする請求項1に記載の潤滑油の製造方法。
- 前記減圧蒸留域からの前記留分は、少なくとも一つの留出油留分およびボトム留分を含むことを特徴とする請求項1に記載の潤滑油の製造方法。
- 前記留出油留分は、60Nの基油粘度を有することを特徴とする請求項5に記載の潤滑油の製造方法。
- 前記60Nの基油は、脱ロウ前に水素化されることを特徴とする請求項6に記載の潤滑油の製造方法。
- 前記溶剤抽出域は、芳香族に富む抽出物を製造することを特徴とする請求項1に記載の潤滑油の製造方法。
- 前記抽出物は、流動接触分解装置に送られることを特徴とする請求項8に記載の潤滑油の製造方法。
- 前記溶剤抽出条件は、フルフラール、フェノールおよびN−メチルピロリドンよりなる群から選択される少なくとも一種の溶剤を含むことを特徴とする請求項1に記載の潤滑油の製造方法。
- 前記溶剤抽出域は、水が1〜20体積%添加された抽出溶剤を含むことを特徴とする請求項1に記載の潤滑油の製造方法。
- 前記抽出物の温度が10゜F(5.6℃)を超えて低下しない量で、抽出物相に水を添加することを特徴とする請求項8に記載の潤滑油の製造方法。
- 前記芳香族飽和触媒は、多孔質固体担体上に、IUPACの定義による少なくとも一種の第VIIIA族金属および少なくとも一種の第VIA族金属を含むことを特徴とする請求項1に記載の潤滑油の製造方法。
- 前記芳香族飽和触媒は、少なくとも一種の貴金属を含むことを特徴とする請求項13に記載の潤滑油の製造方法。
- 前記潤滑油生成物は、日光および大気に10日間暴露した後、UV光安定性を示すことを特徴とする請求項1に記載の潤滑油の製造方法。
- 前記潤滑油生成物は、−50〜−4℃の流動点を有することを特徴とする請求項1に記載の潤滑油の製造方法。
- 前記溶剤脱ロウに続いて、接触脱ロウ条件下で接触脱ロウを行うことを特徴とする請求項1に記載の潤滑油の製造方法。
- 前記接触脱ロウ条件は、温度205〜400℃、水素分圧400〜3000psia、空間速度0.25〜5LHSVおよび水素処理ガス率1000〜8000scf/bblであることを特徴とする請求項17に記載の潤滑油の製造方法。
- 前記接触脱ロウ条件は、10員環中間細孔モレキュラーシーブである脱ロウ触媒を含むことを特徴とする請求項1に記載の潤滑油の製造方法。
- 前記モレキュラーシーブは、ZSM−5、ZSM−22、ZSM−23、ZSM−35、ZSM−48、ZSM−57、MCM−22、SAPO−11およびSAPO−41よりなる群から選択されることを特徴とする請求項19に記載の潤滑油の製造方法。
- 前記水素化原料は、前記水素化分解装置に送られる前に初期分離域に送られ、ガスおよび軽質転化生成物を分離することを特徴とする請求項1に記載の潤滑油の製造方法。
- 前記未転化の水素化分解留分の少なくとも一部は、前記水素化装置への前記原料としてリサイクルされることを特徴とする請求項1に記載の潤滑油の製造方法。
- 前記水素化処理触媒は、バルク金属触媒であり、前記触媒の少なくとも30重量%が金属であることを特徴とする請求項2に記載の潤滑油の製造方法。
- 前記水素化処理触媒は、バルク金属触媒であり、前記触媒の少なくとも50重量%が金属であることを特徴とする請求項23に記載の潤滑油の製造方法。
- 前記水は、湿潤溶剤の形態で、前記溶剤の一部として添加されることを特徴とする請求項12に記載の潤滑油の製造方法。
- 抽出物相に、冷却することなく水または水含有溶剤を添加して相分離を生じ、炭化水素含有量が高いプソイドラフィネート相を生成することを特徴とする請求項8に記載の潤滑油の製造方法。
- 前記プソイドラフィネートは、前記抽出域にリサイクルされることを特徴とする請求項26に記載の潤滑油の製造方法。
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