JP2004517929A - 抗菌剤としてのベンゼン環化6または7員複素環を有するオキサゾリジノン - Google Patents
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Abstract
本発明は、抗菌剤としてのベンゼン環化6−または7−員の複素環を有するオキサゾリジノンを提供する。
Description
【0001】
相互参照
なし
【0002】
発明の背景
オキサゾリジノン抗菌剤は、多耐性ブドウ球菌および連鎖球菌のごときグラム陽性好気性菌、H. influenzaeおよびM. catarrhalisのごときグラム陰性好気性菌ならびにバクテロイデスおよびクロストリジウム種のごとき嫌気性微生物、およびMycobacterium tuberculosisおよびMycobacterium aviumのごとき抗酸微生物を含めた多数のヒトおよび動物病原体に対して強力な活性を有する新規の合成クラスの抗菌剤である。
【0003】
本発明は、ベンゾアゼピン、テトラヒドロイソキノリン、テトラヒドロイソクロマン、テトラヒドロイソチオクロマンおよびベンゾチエピンオキサゾリジノン、抗菌剤としてのそれらの使用、ならびにそれらの調製に関する。
【0004】
情報の開示
米国特許第5,164,510号は、抗菌剤として有用なインドリンオキサゾリジノンを開示する。
PCT特許出願US00/08224は、抗菌剤として有用なテトラヒドロキノリンオキサゾリジノンを開示する。
【0005】
PCT公開、WO99/64416、WO99/64417およびWO00/21960は、抗菌剤として有用なオキサゾリジノン誘導体を開示する。
PCT公開、WO00/10566は、抗菌剤として有用なイソオキサゾリノンを開示する。
【0006】
発明の概要
本発明は、式I:
【化6】
[式中、Yは、
a) −NHC(=W)R1、
b) −O−het、−S−het、または−NH−het;
Xは、
a) −O−、
b) −NR3−、
c) −S(=O)i−、または
d) −S(=O)(=NR4)−;
Wは、
a) O、または
b) S;
R1は、
a) H、
b) C1−8アルキル、
c) C3−6シクロアルキル、
d) OC1−4アルキル、
e) SC1−4アルキル、
f) NH2、
g) NHC1−6アルキル、または
h) N(C1−6アルキル)2;
R2は、
a) H、
b) ハロ、または
c) C1−4アルキル;
R3は、
a) H、
b) C1−8アルキル、
c) アリール、
d) het、
e) C(=W)R5、
f) C(=O)OR6、または
g) S(=O)iR7;
R4は、
a) H、または
b) C1−8アルキル;
R5は、
a) H、
b) アリール、
c) het、
d) NR8R9、または
e) C1−8アルキル;
R6は、
a) C1−8アルキル、
b) アリール、または
c) het;
R7は、
a) アリール、
b) het、
c) NR8R9、または
d) C1−8アルキル;
R8およびR9は、独立して、
a) H、
b) C1−8アルキル、または
c) アリール;
ここに、>G−E−は、>N−C−であって、Qは炭素原子であるか、または>G−Eは、>C=C−であって、Qは窒素原子であり;(ここに、>は2つの単結合を表す)
アリールは、フェニル基であるか、または少なくとも一つの環が芳香族であるオルト縮合二環系炭素環基であり;
hetは、酸素、硫黄および窒素よりなる群から選択される1、2または3個のヘテロ原子を有するC結合した五(5)−または六(6)−員の飽和または不飽和の複素環基であり、それは所望によりベンゼン環に縮合していてもよく;
各出現時に、アルキルまたはシクロアルキルは、所望により、1以上のOR8、ハロ、アリール、S(=O)iR7、C(=W)R8、OC(=O)C1−6アルキル、またはNR8R9で置換されていてもよく;各出現時に、アリールは、所望により、1以上のハロ、OH、CF3、OC1−6アルキル、CN、C1−6アルキル、S(=O)iR7、C(=W)R8、OC(=O)R8、NHC(=O)R8、またはNR8R9で置換されていてもよく;
各出現時に、hetは、所望により、1以上のハロ、OH、CF3、OC1−6アルキル、CN、C1−6アルキル、S(=O)iR7、C(=W)R8、OC(=O)R8、NHC(=O)R8、またはNR8R9、オキソ、またはオキシムで置換されていてもよく;
mは、0、1、2、3または4;
nは0、1、2、3または4;但し、mおよびnは一緒になって、3または4;およびiは0、1または2である]
で表される化合物またはその医薬上許容される塩を提供する。
【0007】
また、もう一つの態様において、本発明は:
式Iで表される化合物またはその医薬上許容される塩および医薬上許容される担体を含む医薬組成物、または
治療上有効量の式Iで表される化合物またはその医薬上許容される塩を必要とする対象に投与することによるヒトまたは他の温血動物における微生物感染を治療する方法
を提供する。
【0008】
また、本発明は、式Iで表される化合物を調製するのに有用であるいくらかの新規な中間体および製法を提供する。
【0009】
発明の詳細な記載
本発明の化合物は、一般的に、IUPACまたはCAS命名法にしたがって命名されている。当業者によく知られている略語を使用することができる(例えば、フェニルは「Ph」、メチルは「Me」、エチルは「Et」、酸素原子は「O」、硫黄原子は「S」、窒素原子は「N」、時間(単数または複数)は「h」、および室温は「rt」)。
【0010】
種々の炭化水素含有基の炭素原子含量は、該基の最小数および最大数の炭素原子数を表す接頭辞によって示され、すなわち、接頭辞Ci−jは包括的に整数「i」ないし整数「j」個の炭素原子の基を示す。かくして、例えば、C1−7アルキルとは、包括的に1ないし7個の炭素原子のアルキルをいう。
【0011】
基、置換基および範囲について後記にリストされた特定のおよび好ましい値は、単なる例示であり;それらは、基および置換基につき規定された範囲内の他の規定された値または他の値を除外するものではない。
【0012】
特記しない限りは、以下の定義が用いられる。
アルキルとは、直線または分岐した基の双方を示すが;「プロピル」のごとき個々の基の引用は直鎖の基だけを含み、「イソプロピル」のごとき分岐鎖の異性体は、特に引用される。具体的には、C1−8アルキルは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソ−ブチル、sec−ブチル、ペンチル、3−ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチルおよびそれらの異性体形態であり得る。具体的には、C1−4アルキルは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソ−ブチル、sec−ブチルおよびそれらの異性体形態であり得る。
【0013】
各出現において、アルキルは、発明の概要または特許請求の範囲に規定された1以上の基で置換できる。
C3−6シクロアルキルは、3ないし6個の炭素原子を有するシクロアルキルを示す。具体的には、C3−6シクロアルキルは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルまたはシクロヘキシルであり得る。
【0014】
ハロとは、フルオロ(F)、クロロ(Cl)、ブロモ(Br)またはヨード(I)をいう。
アリールとは、フェニル基または少なくとも1つの環が芳香族であるオルト縮合二環系炭素環基をいう。各出現において、アリールは、発明の概要または特許請求の範囲に規定された1以上の基で置換できる。アリールについての特定の値はフェニルである。
【0015】
「het」なる用語は、酸素、硫黄および窒素よりなる群から選択される1,2または3個のヘテロ原子を有する五(5)−または六(6)−員の飽和または不飽和の複素環をいい、それは所望により、ベンゼン環に縮合してもよい。
【0016】
不飽和の「het」の例には、ピリジン、チオフェン、フラン、ピラゾリン、ピリミジン、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル、2−ピリミジニル、4−ピリミジニル、5−ピリミジニル、3−ピリダジニル、4−ピリダジニル、3−ピラジニル、2−キノリル、3−キノリル、1−イソキノリル、3−イソキノリル、4−イソキノリル、2−キナゾリニル、4−キナゾリニル、2−キノキサリニル、1−フタラジニル、4−オキソ−2−イミダゾリル、2−イミダゾリル、4−イミダゾリル、3−イソオキサゾリル、4−イソオキサゾリル、5−イソオキサゾリル、3−ピラゾリル、4−ピラゾリル、5−ピラゾリル、2−オキサゾリル、4−オキサゾリル、4−オキソ−2−オキサゾリル、5−オキサゾリル、4,5,−ジヒドロオキサゾール、1,2,3−オキサチオール、1,2,3−オキサジアゾール、1,2,4−オキサジアゾール、1,2,5−オキサジアゾール、1,3,4−オキサジアゾール、2−チアゾリル、4−チアゾリル、5−チアゾリル、3−イソチアゾール、4−イソチアゾール、5−イソチアゾール、2−インドリル、3−インドリル、3−インダゾリル、2−ベンゾオキサゾリル、2−ベンゾチアゾリル、2−ベンゾイミダゾリル、2−ベンゾフラニル、3−ベンゾフラニル、ベンゾイソチアゾール、ベンゾイソオキサゾール、2−フラニル、3−フラニル、2−チエニル、3−チエニル、2−ピロリル、3−ピロリル、3−イソピロリル、4−イソピロリル、5−イソピロリル、1,2,3,−オキサチアゾール−1−オキシド、1,2,4−オキサジアゾール−3−イル、1,2,4−オキサジアゾール−5−イル、5−オキソ−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル、1,2,4−チアジアゾール−3−イル、1,2,4−チアジアゾール−5−イル、3−オキソ−1,2,4−チアジアゾール−5−イル、1,3,4−チアジアゾール−5−イル、2−オキソ−1,3,4−チアジアゾール−5−イル、1,2,4−トリアゾール−3−イル、1,2,4−トリアゾール−5−イル、1,2,3,4−テトラゾール−5−イル、5−オキサゾリル、1−ピロリル、1−ピラゾリル、1,2,3−トリアゾール−1−イル、1,2,4−トリアゾール−1−イル、1−テトラゾリル、1−インドリル、l−インダゾリル、2−イソインドリル、7−オキソ−2−イソインドリル、1−プリニル、3−イソチアゾリル、4−イソチアゾリルおよび5−イソチアゾリル、1,3,4,−オキサジアゾール、4−オキソ−2−チアゾリニル、または5−メチル−1,3,4−チアジアゾール−2−イル、チアゾールジオン、1,2,3,4−チアトリアゾール、または1,2,4−ジチアゾロンが含まれる。
【0017】
飽和された「het」の例には、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、アゼチジニル、ピロリジニル、ヒダントイン、オキサチオラン、オキサゾリジン、ジオキソランまたはイミダゾリジンが含まれる。
【0018】
各出現にて、hetは、発明の概要または特許請求の範囲に規定された1以上の基で置換できる。
【0019】
hetについての特定の値は、イソオキサゾール−3−イル、イソオキサゾール−5−イル、1,2,4−オキサジアゾール−3−イル、イソチアゾール−3−イル、1,2,4−チアジアゾール−3−イルまたは1,2,5−チアジアゾール−3−イルである。
【0020】
哺乳動物は、ヒトおよび他の温血動物を示す。
【0021】
医薬上許容される塩は、本発明の化合物を投与するのに有用なそれらの塩を示し、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、燐酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、乳酸塩、メシレート、マレイン酸塩、琥珀酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、2−ヒドロキシエチルスルホン酸塩、フマル酸塩、メタンスルホン酸塩等を含む。
【0022】
本発明の化合物は、医薬上許容される塩の形態となり得る。
本発明は、いずれのラセミ体の、光学活性な、多形性の、互変体のまたは立体異性体の形態またはその混合物も含むと理解されるべきである。
【0023】
R2についての特定の値は、Hである。
R2についての特定の値は、Fである。
R1についての特定の値は、C1−6アルキルである。
R1についての特定の値は、メチルである。
Xについての特定の値は、NR3である。
R3についての特定の値は、C(=O)R5である。
R3についての特定の値は、C(=O)Hである。
R3についての特定の値は、C(=O)CH2OHである。
R5についての特定の値は、所望により、C(=O)C1−4アルキル、OC(=O)C1−4アルキル、C(=O)フェニルまたはフェニルで置換されていてもよいC1−4アルキルであり、ここに、該フェニルは、所望により、ヨウ素原子またはCF3で置換されていてもよい。
【0024】
R5についての特定の値は、フェニルである。
R3についての特定の値は、C(=O)OR6である。
R6についての特定の値は、C1−4アルキルである。
R3についての特定の値は、C(=S)R5であり、ここに、R5はフェニル、アルキルまたはNR8R9であり、ここに、R8およびR9は独立して、H、C1−4アルキルまたはアリールである。
R3についての特定の値は、S(=O)iC1−4アルキルである。
R3についての特定の値は、H、アルキルまたはアリールである。
【0025】
特定の値は、mが1であって、nが3である場合である。
特定の値は、mが2であって、nが2である場合である。
特定の値は、mが0であって、nが4である場合である。
特定の値は、mが1であって、nが2である場合である。
特定の値は、mが2であって、nが1である場合である。
特定の値は、mが0であって、nが3である場合である。
特定の値は、mおよびnが一緒になって3である場合である。
特定の値は、mおよびnが一緒になって4である場合である。
【0026】
Wについての特定の値は、Oである。
Wについての特定の値は、Sである。
Xについての特定の値は、S、SOまたはSO2である。
Xについての特定の値は、Oである。
【0027】
本発明の特定の化合物は、式IA:
【0028】
【化7】
【0029】
[式中、X、W、R1およびR2は前記定義に同じ]
で表される化合物である。
【0030】
本発明のもう一つのの特定の化合物は、式IB:
【0031】
【化8】
【0032】
[式中、Aは、O、SまたはNHであって、hetは前記定義に同じであり、好ましくは、イソオキサゾール−3−イル、イソオキサゾール−5−イル、1,2,4−オキサジアゾール−3−イル、イソチアゾール−3−イル、1,2,4−チアジアゾール−3−イルまたは1,2,5−チアジアゾール−3−イルである]
で表される化合物である。
【0033】
本発明のもう一つの特定の化合物は、式IC:
【0034】
【化9】
【0035】
[式中、X、W、R1およびR2は前記定義に同じ]
で表される化合物である。
【0036】
本発明のもう一つの特定の化合物は、式ID:
【化10】
[式中、Aは、O、SまたはNHであって、hetは前記定義に同じであり、好ましくは、イソオキサゾール−3−イル、イソオキサゾール−5−イル、1,2,4−オキサジアゾール−3−イル、イソチアゾール−3−イル、1,2,4−チアジアゾール−3−イルまたは1,2,5−チアジアゾール−3−イルである]
で表される化合物である。
【0037】
本発明の例には:
a)(−)−メチル 6−[(5S)−5−[(アセチルアミノ)メチル]−2−オキソ−3−オキサゾリジニル]−3,4−ジヒドロ−2(1H)−イソキノリンカルボキシレート、
b)(−)−N−[[(5S)−3−[2−ホルミル−1,2,3,4−テトラヒドロ−6−イソキノリニル]−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]アセトアミド、
c)(−)−N−[[(5S)−3−[2−[(アセチルオキシ)アセチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−6−イソキノリニル]−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]アセトアミド、
d)(−)−N−[[(5S)−3−[2−[(ヒドロキシ)アセチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−6−イソキノリニル]−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]アセトアミド、
e)(+)−メチル 6−[(5S)−5−[(エタンチオイルアミノ)メチル]−2−オキソ−3−オキサゾリジニル]−3,4−ジヒドロ−2(1H)−イソキノリンカルボキシレート、
f)(+)−N−[[(5S)−3−[2−ホルミル−1,2,3,4−テトラヒドロ−6−イソキノリニル]−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]エタンチオアミド、または
g)(+)−N−[[(5S)−3−[2−[(ヒドロキシ)アセチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−6−イソキノリニル]−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]エタンチオアミド
が含まれる。
【0038】
さらに、本発明の例には:
a)(+)−N−[[(5S)−3−[2−ホルミル−1,2,3,4−テトラヒドロ−7−イソキノリニル]−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]エタンチオアミド、または
b)(+)−N−[[(5S)−3−[2−[(ヒドロキシ)アセチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−7−イソキノリニル]−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]エタンチオアミド
が含まれる。
【0039】
さらに、本発明の例には:
a)(−)−N−[[(5S)−3−(3,4−ジヒドロ−1H−2−ベンゾピラン−6−イル)−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]アセトアミド、
b)(+)−N−[[(5S)−3−(3,4−ジヒドロ−1H−2−ベンゾピラン−6−イル)−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]エタンチオアミド、
c)(−)−N−[[(5S)−3−(3,4−ジヒドロ−1H−2−ベンゾチオピラン−6−イル)−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]アセトアミド、
d)(+)−N−[[(5S)−3−(3,4−ジヒドロ−1H−2−ベンゾチオピラン−6−イル)−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]エタンチオアミド、または
e)(+)−N−[[(5S)−3−(3,4−ジヒドロ−2,2−ジオキシド−1H−2−ベンゾチオピラン−6−イル)−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]エタンチオアミド
が含まれる。
【0040】
さらに、本発明の例には:
a)(+)−N−[[(5S)−3−(3,4−ジヒドロ−1H−2−ベンゾピラン−7−イル)−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]エタンチオアミド、
b)(−)−N−[[(5S)−3−(3,4−ジヒドロ−1H−2−ベンゾチオピラン−7−イル)−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]アセトアミド、
c)(+)−N−[[(5S)−3−(3,4−ジヒドロ−1H−2−ベンゾチオピラン−7−イル)−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]エタンチオアミド、
d)(+)−N−[[(5S)−3−(3,4−ジヒドロ−2,2−ジオキシド−1H−2−ベンゾチオピラン−7−イル)−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]エタンチオアミド、または
e) N−[[(5S)−3−(3,4−ジヒドロ−2−オキシド−1H−2−ベンゾチオピラン−7−イル)−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]アセトアミド
が含まれる。
【0041】
さらに、本発明の例には:
a) N−[[(5S)−3−(3−ホルミル−1,2,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピン−7−イル)−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル]メチル}アセトアミド、
b) N−{[(5S)−3−(3−グリコロイル−1,2,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピン−7−イル)−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル]メチル}アセトアミド、
c) 7−{(5S)−5−[(アセチルアミノ)メチル]−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−3−イル}−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンゾアゼピン−3−カルボン酸ベンジル、
d) N−{[(5S)−3−(3−グリコロイル−1,2,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピン−7−イル)−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル]メチル}エタンチオアミド、
e) N−{[(5S)−3−(3−アセチル−1,2,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピン−7−イル)−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル]メチル}アセトアミド、
f) 7−{(5S)−5−[(アセチルアミノ)メチル]−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−3−イル}−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンゾアゼピン−3−カルボン酸メチル、
g) N−{[(5S)−3−(3−ベンゾイル−1,2,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピン−7−イル)−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル]メチル}アセトアミド、
h) N−({(5S)−3−[3−(5−アミノ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピン−7−イル]−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル}メチル)アセトアミド、
i) N−({(5S)−3−[3−(メチルスルホニル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピン−7−イル]−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル}メチル)アセトアミド、
j) N−({(5S)−3−[3−(5−メチルチオ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピン−7−イル]−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル}メチル)アセトアミド、
k) N−({(5S)−3−[3−(5−メチル−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピン−7−イル]−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル}メチル)アセトアミド、
l) 7−{(5S)−5−[(アセチルアミノ)メチル]−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−3−イル}−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンゾアゼピン−3−カルボン酸フェニル、
m) N−[((5S)−3−{3−(フェニル)アセチル−1,2,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピン−7−イル}−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル)メチル]アセトアミド、
n) N−[((5S)−3−{3−[5−(ホルミルアミノ)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]−1,2,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピン−7−イル}−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル)メチル]アセトアミド、
o) N−[5−(7−{(5S)−5−[(アセチルアミノ)メチル]−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−3−イル}−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンゾアゼピン−3−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]−2−ヒドロキシアセトアミド、
p) N−[((5S)−3−{3−[(4−ヨードフェニル)アセチル]−1,2,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピン−7−イル}−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル)メチル]アセトアミド、
q) N−[((5S)−3−{3−[(3−トリフルオロメチル)フェニル)アセチル]−1,2,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピン−7−イル}−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル)メチル]アセトアミド、
r) 2−(7−{(5S)−5−[(アセチルアミノ)メチル]−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−3−イル}−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンゾアゼピン−3−イル)−2−オキソエチル 4−[(ジメチルアミノ)メチル]ベンゾアート、
s) N−[((5S)−3−{3−[(4−トリフルオロメチル)フェニル)アセチル]−1,2,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピン−7−イル}−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル)メチル]アセトアミド、
t) N−({(5S)−2−オキソ−3−[3−(5−オキソペンタノイル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピン−7−イル]−1,3−オキサゾリジン−5−イル}メチル)アセトアミド、
u) N−({(5S)−2−オキソ−3−[3−(5−オキソヘキサノイル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピン−7−イル]−1,3−オキサゾリジン−5−イル}メチル)アセトアミド、
v) N−{[(5S)−3−(2−ホルミル−1,3,4,5−テトラヒドロ−1H−2−ベンゾアゼピン−7−イル)−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル]メチル}アセトアミド、
w) N−{[(5S)−3−(2−グリコロイル−1,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピン−7−イル)−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル]メチル}アセトアミド、
x) 7−{(5S)−5−[(アセチルアミノ)メチル]−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−3−イル}−1,3,4,5−テトラヒドロ−3H−2−ベンゾアゼピン−2−カルボン酸ベンジル、
y) N−{[(5S)−3−(2−アセチル−1,3,4,5−テトラヒドロ−1H−2−ベンゾアゼピン−7−イル)−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル]メチル}アセトアミド、
z) 7−{(5S)−5−[(アセチルアミノ)メチル]−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−3−イル}−1,3,4,5−テトラヒドロ−3H−2−ベンゾアゼピン−2−カルボン酸メチル、
aa) 7−{(5S)−5−[(アセチルアミノ)メチル]−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−3−イル}−N−フェニル−1,3,4,5−テトラヒドロ−2H−2−ベンゾアゼピン−2−カルボキシアミド、
bb) N−{[(5S)−3−(1−ホルミル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンゾアゼピン−7−イル)−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル]メチル}アセトアミド、または
cc) N−{[(5S)−3−(1−ホルミル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンゾアゼピン−7−イル)−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル]メチル}エタンチオアミドが含まれる。
【0042】
さらに、本発明の例には:
a) N−[[(5S)−2−オキソ−3−(1,2,4,5−テトラヒドロ−3−ベンゾチエピン−7−イル)−5−オキサゾリジニル]メチル]アセトアミド、
b) N−[[(5S)−2−オキソ−3−(1,2,4,5−テトラヒドロ−3,3−ジオキシド−3−ベンゾチエピン−7−イル)−5−オキサゾリジニル]メチル]アセトアミド、
c) N−[[(5S)−2−オキソ−3−(1,2,4,5−テトラヒドロ−3−ベンゾチエピン−7−イル)−5−オキサゾリジニル]メチル]エタンチオアミド、または
d) N−[[(5S)−2−オキソ−3−(1,2,4,5−テトラヒドロ−3,3−ジオキシド−3−ベンゾチエピン−7−イル)−5−オキサゾリジニル]メチル]エタンチオアミドが含まれる。
【0043】
反応図式A−Hは、本発明の化合物の製法を記載する。全ての出発物質は、これらの反応図式において記載された製法または有機化学における当業者によく知られている製法によって製造される。反応図式中で用いられた変数は、前記定義および特許請求の範囲に同じである。
【0044】
反応図式Aは、テトラヒドロイソキノリンA−11の調製を示す。公知のジオールA−1(R2は水素である)(J. Org. Chem.、1998、63、4116−4119)を、トリエチルアミンのごとき適当な塩基の存在下、塩化メタンスルホニルでの処理に際して、ビス−メシレートA−2に変換する。次いで、塩化メチレンのごとき適当な溶媒中のベンジルアミンでのA−2の処理は閉環生成物、N−ベンジル−6−ニトロテトラヒドロイソキノリンA−3を供する。メタノール、エタノール、テトラヒドロフランまたはその混合物のごとき溶媒中の炭素上のパラジウムのごとき適当な触媒の存在下での水素添加によるニトロ基の同時の還元およびN−ベンジル基の除去ならびに2当量のクロロギ酸ベンジルおよび炭酸水素ナトリウムのごとき適当な塩基での引き続いての処理は、ビス Cbz保護6−アミノテトラヒドロイソキノリンA−4を供する。次いで、構造A−4を反応図式Eに概説した方法によりA−5およびA−6を介してA−11に変換する。別法として、アミノメチルオキサゾリジノン中間体A−6をジ−t−ブチルジカルボネートおよび炭酸水素ナトリウムを用いて、そのBoc誘導体A−7として保護できる。次いで、A−7のCbz保護基をメタノール、エタノール、酢酸エチル、テトラヒドロフランまたはその混合物のごとき溶媒中でPearlman触媒のごとき適当な触媒の存在下にて水素添加を介して除去して、脱保護したテトラヒドロキノリンA−8を得、それを当業者によく知られた反応によりアセチル化して、中間体A−9を得ることができる。メタノールまたはジオキサンまたはその混合物のごとき溶媒中のHClでのA−9の処理は、それらの塩酸塩としてアミノメチルオキサゾリジノンA−10を供し、次いで、それをピリジンのごとき塩基の存在下の無水酢酸での処理に際してアセトアミドアナログA−11(W=O)にまたはトリエチルアミンのごとき塩基の存在下のジチオ酢酸エチルでの処理に際してチオアセトアミドアナログに変換できる。
【0045】
反応図式Bは、2−アシル−1,2,3,4−テトラヒドロ−7−イソキノリンアンログB−5の製法を示す。公知の4−ニトロホモフタル酸(R2は水素である)(J. Amer. Chem. Soc.、1969、91、2467)を反応図式A中のジオールA−1の調製につき記載された方法(J. Org. Chem.、1998、63、4116−4119)に従いジオールB−2に還元できる。次いで、ジオールB−2を、A−1からA−4への変換についての反応図式Aに記載のものと同様の工程を用いてビス Cbz保護7−アミノテトラヒドロイソキノリンB−3に変換できる。次いで、適当な温度、典型的には、0℃ないし雰囲気温度の範囲でのt−ブチル(2S)−3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルカルバメートの存在下のテトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミドまたはその混合物のごとき適当な溶媒中でのリチウムt−ブトキシドのごとき塩基でのB−3の脱プロトン化は、Boc−保護アミノメチルオキサゾリジノンB−4を供する。所望の化合物B−5に導く残りの工程は、A−7からA−11の変換につき反応図式Aに記載されたものと同様である。
【0046】
反応図式Cは、イソクロマン−6−イルおよびイソチオクロマン−6−イル オキサゾリジノンアナログの製法を示す。公知のイソクロマンC−1(R2は水素である)(J. Org. Chem.、1998、63、4116−4119)のニトロ基を、メタノール、エタノール、テトラヒドロフランまたはその混合物のごとき溶媒中の酸化白金のごとき適当な触媒の存在下の水素添加により還元し、得られたアミンを従前に記載のごときクロロギ酸ベンジルでの処理に際してそのCbz誘導体C−2に変換できる。対応するイソチオクロマンでは、ビスメシレートC−3は、ジメチルホルムアミドのごとき適当な溶媒中でチオ酢酸カリウムで処理して、チオ酢酸ベンジルC−4を得、次いで、それをメタノール中のアンモニアの存在下、付随する閉環を伴いS−脱アセチル化し、イソチオクロマンC−5を得る。この場合には、ニトロ基は還流エタノール中の塩化第一スズで還元して、アミンを得、次いで、それをそのCbz誘導体C−6に変換する。カルバマートC−7(X=O、S)を、反応図式Aに記載されたものと同様の方法を用いて所望のアナログC−8に変換できる。別法として、それらを、適当な温度、典型的には、0℃ないし雰囲気温度の範囲にて、(1S)−2−アセチルアミノ−1−(クロロメチル)エチルアセテート(Tel. Lett. 1996、37(44) pp 7937−7940)の存在下でテトラヒドロフラン、ヘキサン、ジメチルホルムアミドまたはその混合物のごとき適当な溶媒中のリチウムt−ブトキシドのごとき塩基で脱プロトン化して、所望のアセチルアミノメチルオキサゾリジノンC−8(X=O、S;Y=O)を供することができる。XがSである場合には、硫黄基は、メタノールおよび水の混合物のごとき適当な溶媒中の過酸化ナトリウムのごとき適当な酸化剤、あるいはアセトンおよび水の混合物のごとき適当な溶媒中の四酸化オスミウムおよびN−メチルモルホリンN−オキシドの混合物で酸化して、対応するスルホキシドおよびスルホンを得ることができる。加えて、XがO、SまたはSO2である場合、還流テトラヒドロフラン、ジオキサンまたはトルエン中のLawesson試薬での処理は、対応するチオアセトアミド(Y=S)を与える。
【0047】
反応図式Dは、イソクロマン−7−イルおよびイソチオクロマン−7−イルオキサゾリジノンアナログの調製を示す。ジオールD−1は、反応図式C中のイソクロマンC−1の調製につき記載された方法(J. Org. Chem.、1998、63、4116−4119)により修飾されたMitsunobu反応を用いてイソクロマンD−2に変換できる。次いで、反応図式C中に先に概説された方法を用いて、D−2のニトロ基を還元し、アミンをそのCbz誘導体として保護して、D−3を得る。同様に、ジオールD−1のニトロ基を還元でき、アミンをそのCbz誘導体として保護して、ジオールD−4を得る。トリエチルアミンのごとき塩基の存在下のこのジオールの2−3当量の塩化メタンスルホニルでの処理は、ビスメシレートD−5を供し、それは適当な温度、典型的には20−60℃の範囲にてジメチルスルホキシド中の過剰な硫化ナトリウムで処理した場合、イソチオクロマンD−6を与える。次いで、そのCbz保護7−アミノイソクロマンおよびイソチオクロマンD−7(X=OまたはS)を反応図式Cに記載された同様の方法を用いて所望のアナログD−8に変換する。
【0048】
反応図式Eは、本発明のベンゾアゼピンの調製を示す。反応図式Eに示すように、公知のE−1(J. Hetrocyclic Chem.、1971、pp779−783)を炭酸水素ナトリウムを含むアセトンおよび水中のクロロギ酸ベンジル(2当量)で処理して、E−2を得る。このように調製した保護ベンゾアゼピンを反応図式Eに概説した最終的なオキサゾリジノンアナログに変換できる。カルバメート誘導体E−2を、適当な温度、典型的には−78℃ないし−40℃の範囲にてTHF、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)またはその混合物のごとき適当な溶媒中のn−ブチルリチウム、リチウムジイソプロピルアミド(LDA)またはリチウムビス(トリメチルシリル)アミド(LHMDS)のごときリチウム塩基で脱保護して、リチウム化中間体を得、それを直接的にR−(−)−グリシジルブチレートで処理できる。次いで、室温まで温めることにより、(ヒドロキシメチル)オキサゾリジノンE−3を得る。ラセミ体出発物質を用いる場合には、E−3を2つのエナンチオマーの混合物として得る。エナンチオマー的に純粋な中間体が使用される事象では、E−3が一つのエナンチオマーとして得られる。
【0049】
反応図式Eに示すように、ヒドロキシメチル誘導体をトリエチルアミンまたはピリジンの存在下の塩化メタンスルホニル、あるいはピリジンの存在下の塩化メタニトロフェニルスルホニルでの処理により、各々、メシレート(R’=Me)またはノシレート(R’=3−NO2Ph)として対応するE−4に変換できる。得られたスルホネートは、50−90℃の範囲の温度にて18−クラウン−6のごとき最適な触媒を用いて、DMF、またはN−メチルピロリジノン(NMP)のごとき非プロトン性溶媒中のアジ化カリウムまたはアジ化ナトリウムのごときアルカリ金属アジドで処理して、アジドを得ることができる。アジドは、THF、酢酸エチルまたはメタノールのごとき適当な溶媒中のパラジウム、白金またはニッケル触媒の存在下の水素添加により対応するアミンE−5に還元できる。別法として、アジドをTHFのごとき溶媒中のトリフェニルホスフィンまたは他の三価のリン化合物での処理に続いて、水を添加し、65℃までの温度に加熱することによりアミンに還元できる。アミンE−5へのより直接的な経路は、ドライアイス/アセトンコンデンサー下または圧力容器内のイソプロパノール(またはメタノール)/THF/水酸化アンモニウム中のスルホネートを還元することである。このように得られたアミンE−5を当業者によく知られた反応によりアシル化して、構造式E−8の(アシルアミノメチル)オキサゾリジノンを得ることができる。さらに、還流しているトルエンまたはTHF中のLawesson試薬でのE−8(W=O)の処理は、対応するチオアミド(W=S)を与えるであろう。その(アシルアミノメチル)オキサゾリジノンE−6のCbz基は、THF、メタノール、酢酸エチル、ジクロロメタンまたはその混合物のごとき溶媒中の炭素上のパラジウムのごとき適当な触媒の存在下の水素添加を介して除去して、一般構造E−7(R3=H)の脱保護した中間体を得ることができる。別法として、40% HBr/酢酸中のCbz−誘導体の加溶媒分解に続いての溶媒の除去は、臭化水素酸塩として脱保護した中間体を供する。脱保護物質は、当業者によく知られた反応によりアシル化して、R3がアシルであるオキサゾリジノンE−8を与えることができる。また、カルバメートのごとき他のアシル誘導体は、同様の条件下にて調製できると分かる。加えて、脱保護物質を、当業者によく知られた反応によりアルキル化して、R3=アルキルである構造式E−8のオキサゾリジノンを得ることができる。
【0050】
反応図式Fに示すように、商業的に入手可能な化合物F−1をエタノールおよび水中のヒドロキシルアミンおよび酢酸ナトリウムで処理し、ポリリン酸で処理して、環拡張構造F−2を得る。p−トルエンスルホン酸のごとき適当な酸触媒でのトルエン中の2,5−ヘキサンジオンでのF−2のアリールアミンの保護は、F−3を与える。次いで、そのアミドをTHF中の水素化アルミニウムリチウムでアミンに還元して、F−4を得る。保護基をエタノールおよび水中のヒドロキシルアミンおよびトリエチルアミンで除去して、ジアミンF−5を得、それを炭酸水素ナトリウムを含むアセトンおよび水中のクロロギ酸ベンジル(2当量)でF−6に変換する。タイプF−7の所望のオキサゾリジノンアナログに誘導する残りの工程は、反応図式Eに記載されたものと同様である。
【0051】
反応図式Gに示すように、商業的に入手可能な化合物G−1で始めて、クロロホルムまたはジクロロメタンおよび硫酸中のヒドラゾ酸での環拡張は、ラクタムG−2を与える。硫酸中の硝酸でのG−2のニトロ化はG−3を与える。次いで、構造G−3をTHF中のボランまたはTHF中のボラン−メチルスルフィドのごとき適当なボランと反応させて、G−4を得る。次いで、そのニトロ基をメタノール、エタノール、酢酸エチル、THFまたはその組合せのごとき適当な溶媒中の炭素上のパラジウムのごとき適当な触媒の存在下で触媒水素添加により還元でき、アミノ中間体を供する。別法として、メタノールまたはエタノール中の炭素上のパラジウムおよびヒドラジンでニトロ基を還元できる。炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウムまたはトリエチルアミンのごとき適当な塩基でのTHF中のクロロギ酸ベンジル(2当量)でのアミノ中間体の処理は、ビス−Cbz保護G−5を供する。G−5をタイプG−6の所望のオキサゾリジノンアナログに誘導する残りの工程は、反応図式Eに記載されたものと同様である。
【0052】
反応図式Hに示すように、公知の化合物H−1のニトロ化は、濃硫酸中の硝酸を用いて(Himmelsbach DE 4429079)達成して、H−2を与える。得られた二酸をTHF中のボランまたは他の適当な還元剤を用いて対応するジオールH−3に還元する。反応図式Dに記載されたジオールの塩化メタンスルホニルでの処理は、ビスメシレートH−4を与える。次いで、反応図式Cに先に概説した工程を用いて、H−4のニトロ基を還元し、アミノをそのCbz誘導体として保護して、H−5を得る。同様に、H−4のニトロ基を70℃のエタノール中の塩化スズIIを用いて還元でき、続いて記載のごとき遊離アミンをCbz保護する。ベンゾチエピン環系への環化を反応図式Dに記載のごときジメチルスルホキシド中の硫化ナトリウムを用いて達成して、H−6を得る。次いで、Cbz−保護ベンゾチエピンH−6を反応図式Cに記載されたものと同様の方法を用いて所望のアナログH−7に変換する。
【0053】
反応図式Iは、I−1のスルホキシドおよびスルホンアナログの調製を示す。スルフィドI−1のメタノールおよび水中のメタ過ヨウ素酸ナトリウムでの処理は、スルホキシドI−2を与える。同様に、スルホンI−3への酸化は、四酸化オスミウムおよびN−メチルモルホリンN−オキシドを用いて達成する。同様に、酸化は酸化剤としてオキソン(Oxone)を用いて達成できる。
【0054】
反応図式Jに示すように、Cbz−保護ベンゾチエピンJ−1を反応図式Bに記載された条件を用いてBoc保護したアミノメチルオキサゾリジノンJ−2に変換する。Boc保護基の除去および得られた遊離アミンとジチオ酢酸エチルとの反応は、A−9からA−11への変換につき反応図式Aに記載された条件を用いて化合物J−3を与える。反応図式Iに記載された条件を用いて、J−2をまずスルホキシドに酸化し、次いで、反応図式Aに記載された条件を用いてチオアセトアミドJ−5に変換する。同様に、J−2を反応図式Iに記載された条件を用いてスルホンに酸化でき、次いで、反応図式Aに記載された条件を用いてチオアセトアミドに変換して、J−4を得ることができる。
【0055】
反応図式Kに概説されるように、カルバメート誘導体K−1(R=C1−6アルキルまたはベンジル)は、適当な温度、典型的には、−78℃ないし−40℃の範囲のTHFのごとき適当な溶媒中のn−ブチルリチウムのごときリチウム塩基で脱プロトン化して、リチウム化した中間体を得ることができ、それを直接的にR−(−)−グリシジルブチレートで処理する。次いで、室温に温めることにより、(5R)−ヒドロキシメチルオキサゾリジノンK−2を得る。ラセミ体出発物質を用いる場合には、K−2を2つのエナンチオマーの混合物として得る。ヘテロアリールエーテルK−4(A=O)は、例えば、遊離またはポリマー−結合チオフェニルホスフィンおよびアゾジカルボン酸ジエチル(またはジイソプロピル)の存在下でhet−OH(hetは、前記に定義されたヘテロアリール環である)での処理によりMitsunobu条件下のアルコールK−2から直接的に得ることができる。別法として、アルコールK−2をDMFのごとき溶媒中の水素化ナトリウムのごとき塩基で脱プロトン化できる。次いで、het−Lg(ここに、LgはBrまたはClのごとき適当な脱離基である)での処理は、ヘテロアリールエーテルK−4(A=O)を与える。
【0056】
別法として、アルコールK−2は、当業者に知られた方法を用いてそれらのアルキルハライド、メシレートまたはトシレートK−3(Lg=Hal、OM、OT)に変換できる。次いで、K−3のHET−OM(ここに、Mは、例えば、アルカリ金属または銀である)での処理は、同様にヘテロアリールエーテルK−4(A=O)を供する。同様に、ヘテロアリールチオエーテルK−4(A=S)は、DBUのごとき塩基の存在下でhet−SM(Mは前記に同じ)またはhet−SHでの処理により、アルキルハライド、メシレートまたはトシレートK−3から調製できる。また、アルコールK−2は、例えば、トリブチルホスフィンおよび1,1’−(アゾジカルボニル)ジピペリジン(Mitsunobu条件)下、het−NH−Pg(ここに、PgはBOCのごとき保護基である)で処理できる。次いで、保護基(Pg)を当業者に知られた方法を用いて除去して、対応するヘテロアリールアミンK−4(A=NH)を得ることができる。別法として、アルキルハライド、メシレートまたはトシレートK−3をhet−NM−Pgまたはhet−NHM(ここに、Mは、例えば、リチウムまたはナトリウムである)で処理でき、保護基(Pg)を前記のように除去して、ヘテロアリールアミンK−4(A=NH)を得ることができる。これらの手順で用いたhet出発物質(すなわち、het−OH、het−SH、het−Lg、het−NH2およびhet−Pg)は商業的に入手可能であるか、あるいはWO99/64416、WO99/64417およびWO00/21960に記載された方法または当業者に知られた方法により調製できる。
【0057】
反応図式Lに示すように、商業的に入手可能であるか、メタノールまたはエタノール中の硝酸タリウム(III)および70%過塩素酸で処理する場合に当業者により容易にアクセスされる(JACS、1971、93、4919−4920)アセトフェノンは、エステルL−2を与えるであろう。別法として、L−1をモルホリン中の硫黄とのL−1の加熱に続いての塩酸での加水分解により、Willgerodt−Kindler条件(J. Heterocyclic Chem. 1989、26、1319−1323)下でL−2に変換し得る。ギ酸エチル中の水素化ナトリウムでのL−2の処理は、ホルミル化誘導体L−3を与えるであろう。イソオキサゾリノン環は、メタノール中の水性ヒドロキシルアミンでのL−3の処理により調製できる。溶媒を真空中で除去し、残渣を炭酸カリウムのごとき適当な塩基を含むジクロロメタン中のN−(ヒドロキシメチル)アセトアミドで処理できる。この工程は、生成物L−4を与える。その必要なN−(ヒドロキシメチル)アセトアミドアセテートをWO00/10566により記載されたように調製する。
【0058】
チオアミドL−5(W=S)を50−110℃の範囲の温度のテトラヒドロフラン、ジオキサンまたはトルエン中のLawesson試薬でのL−4の処理により調製できる。
【0059】
これらの化合物は、非経口および経口投与下のヒトおよび他の温血動物における眼科感染を含めた微生物感染の治療に有用である。
【0060】
本発明の医薬組成物は、本発明の式Iで表される化合物と、標準的および通常の技術を使用して、固体または液体の医薬上許容される担体および所望により、医薬上許容される補助剤および賦形剤と組み合せて調製できる。固体形態の組成物には、散剤、錠剤、分散性顆粒剤、カプセル剤、カシェ剤および坐剤が含まれる。固体担体は、希釈剤、矯味剤、可溶化剤、滑沢剤、懸濁化剤、結合剤、錠剤崩壊剤、およびカプセル化剤としても機能できる少なくとも1つの物質であり得る。不活性固体担体には、炭酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、糖、ラクトース、ペクチン、デキストリン、デンプン、ゼラチン、セルロース系物質、低融解ワックス、カカオ脂等が含まれる。液体形態組成物には、液剤、懸濁剤および乳剤が含まれる。例えば、所望により、適当な慣用的な着色剤、矯味剤、安定化剤および増粘剤を含有してもよい水および水−プロピレングリコールおよび水−プロピレングリコール系に溶解した本発明の化合物の溶液が供される。
【0061】
好ましくは、その医薬組成物は、通常の技術を使用して有効量または適量の有効成分、すなわち、本発明による式Iで表される化合物を含有する単位投与形態で供される。
【0062】
医薬組成物およびその単位投与形態中の有効成分、すなわち、本発明による式Iで表される化合物の量は、特定の適用、特定の化合物の効力および所望の濃度に依存して広範囲に変更または調整できる。一般的には、有効成分の量は、組成物の重量当り0.5%ないし90%の範囲にあるであろう。
【0063】
温血動物における細菌感染を治療またはそれと戦うための治療上の使用において、化合物またはその医薬組成物は、抗菌的に有効であろう、治療を受けている動物における有効成分の濃度、すなわち、量または血中レベルを獲得および維持するための用量にて経口、局所的、経皮的および/または非経口的に投与されるであろう。一般的には、有効成分のかかる抗菌的に有効量の用量は、約0.1ないし約150、より好ましくは約3.0ないし約100mg/kg体重/日の範囲にあるであろう。IVまたは経口による1日当りの単回600mg用量がが好ましい。投薬量は、患者の要求、治療されるべき細菌感染の重篤度および用いられるべき特定の化合物に依存して変更できると理解されるべきである。また、初期投与用量を所望の血中レベルを迅速に達成するために上限レベルを超えて増加できるか、あるいは初期用量を適量より少なくともよく、毎日用量は特定の状態に依存して治療の経過中に漸増できると理解されるべきである。また、所望ならば、毎日用量は投与につき複数投与用量、1日当り2ないし4回に分割してもよい。
【0064】
本発明による式Iで表される化合物は、非経口、すなわち、注射、例えば、静脈内注射または他の非経口投与経路により投与される。非経口投与用の医薬組成物は、一般的には、例えば、注射用水および例えば、約3.5−6のpHを有する適当に緩衝化された等張液を供する緩衝液のごとき医薬上許容される液体担体に溶解された可溶化塩(酸付加塩または塩基性塩)として、医薬上許容される量の式Iに記載の化合物を含有するであろう。適当な緩衝剤には、いくつかの代表的な緩衝剤を挙げると、例えば、オルトリン酸三ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、クエン酸ナトリウム、N−メチルグルカミン、L(+)−リジンおよびL(+)−アルギニンが含まれる。一般的には、式Iに記載の化合物は、約1mg/mlないし約400mg/mlの溶液の範囲の医薬上許容される注射可能濃度を供するのに十分な量で担体に溶解されるであろう。得られた液体医薬組成物は、前記の抗菌的に有効量の用量を獲得するように投与されるであろう。本発明による式Iで表される化合物は、固体および液体投与形態中で有利に経口投与される。
【0065】
本発明のオキサゾリジノン抗菌剤は、種々の微生物に対して有用な活性を有する。本発明の化合物のin vitro活性は、米国ベンシルバニア州Villanovaの臨床研究所規格委員会(National Committee for Clinical Laboratory Standards)により1993年に発行された「Approved Standard. Methods for Dilution Antimicrobial Susceptibility Tests for Bacteria That Grow Aerobically」(第3版)に記載された寒天希釈法による最小阻止濃度(MIC)の測定のごとき標準的な試験手順により評価できる。Streptococcus pneumoniaeに対する本発明の化合物の活性を表1に示す。
【0066】
【表1】
【0067】
実施例
実施例1 (−)−メチル 6−[(5S)−5−[(アセチルアミノ)メチル]−2−オキソ−3−オキサゾリジニル]−3,4−ジヒドロ−2(1H)−イソキノリンカルボキシレート
【0068】
【化11】
【0069】
工程1 N−ベンジル−6−ニトロ−1 , 2 , 3 , 4−テトラヒドロイソキノリンの調製
N2下0℃の乾燥CH2Cl2(121mL)中の2−[2−(ヒドロキシメチル)−5−ニトロフェニル]エタノール(5.95g、30.17ミリモル、J. Org. Chem.、1998、63、4116−4119)およびトリエチルアミン(10.51mL、75.42ミリモル)の溶液を塩化メタンスルホニル(5.37mL、69.39ミリモル)で滴下処理し、0℃にて30分間撹拌する。次いで、混合物を1M HCl水溶液(100mL)、飽和NaHCO3水溶液(100mL)およびブライン(100mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、減圧下濃縮して、部分的に結晶性の油としてジメシレート中間体[TLC(MeOH/CHCl3、10/90)によりRf=0.77]を得る。N2下のCH2Cl2(151mL)中のこの油の溶液に、ベンジルアミン(16.48mL、150.8ミリモル)を添加し、得られた混合物を雰囲気温度にて22時間撹拌し、次いで、水(100mL)およびブライン(100mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、減圧下濃縮する。よび減圧下濃縮する。粗生成物を、EtOAc/ヘプタン(10/90)で溶出するシリカゲルのクロマトグラフィー(350g、230−400メッシュ)により精製して、淡黄色固体として7.76 g(96%)の表題化合物を得る[TLC(EtOAc/ヘキサン、25/75)によりRf=0.43]、mp 76−78℃。
【0070】
工程2 3 , 4−ジヒドロ−6−[[(フェニルメトキシ)カルボニル]アミノ]−2(1H)−イソキノリンカルボン酸フェニルメチルの調製
THF/MeOH(20/80、290mL)中のN−ベンジル−6−ニトロ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン(工程1、7.75g、28.99ミリモル)の溶液を10% Pd/C(各1.54g)を含有する2つのParrボトルに添加し、混合物を45psi H2下合計3.5時間振盪させる。次いで、触媒をセライトを通す濾過により除去し、合わせた濾液を減圧下濃縮して、部分的に結晶性の油性物として粗製の6−アミノ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン中間体[TLC(MeOH/CHCl3、10/90)によりRf=0.03]を得る。0℃のTHF/H2O(2/1、116mL)中のこの中間体およびNaHCO3(5.36g、63.78ミリモル)の混合物をクロロギ酸ベンジル(9.11mL、63.78ミリモル)で滴下処理し、得られた混合物を0℃にて約45分間撹拌し、さらに、THF/H2O(2/1、116mL)を15分間後に添加する。次いで、層を分離し、有機相を飽和NaHCO3水溶液(100mL)で洗浄し、合わせた水相をEtOAc(100mL)で再抽出し、合わせた有機相をブライン(50mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、減圧下で濃縮して、粗生成物を得、次いで、それをEtOAc/ヘプタン(7.5/92.5−20/80)の勾配で溶出するシリカゲル(350g、230−400メッシュ)のクロマトグラフィーに付す。TLC(EtOAc/ヘキサン、25/75)によりRf=0.24のこれらの画分を貯め、濃縮し、EtOAc(75mL)/ヘキサン(175mL)から再結晶させて、白色固体として7.10g(59%)の表題化合物を得る。mp 115−116℃。さらに、2.0gの不純物生成物を再結晶において単離する。
【0071】
工程3 (+)−フェニルメチル 6−[(5R)−5−(ヒドロキシメチル)−2−オキソ−3−オキサゾリジニル]−3 , 4−ジヒドロ−2(1H)−イソキノリンカルボキシレートの調製
N2下の−78℃の乾燥THF(85mL)中の3,4−ジヒドロ−6−[[(フェニルメトキシ)カルボニル]アミノ]−2(1H)−イソキノリンカルボキシレート(工程2、7.05g、16.93ミリモル)の溶液をn−ブチルリチウム(11.1mL、ヘキサン中1.6M、17.77ミリモル)で10分間にわたり滴下処理する。得られた混合物を−78℃にて45分間撹拌し、次いで、(R)−(−)−グリシジルブチレート(2.52mL、17.77ミリモル)で滴下処理する。得られた混合物を−78℃にて30分間撹拌し、次いで、雰囲気温度まで温め、さらに20時間撹拌する。次いで、反応物を飽和NH4Cl水溶液(25mL)でクエンチし、H2O(25mL)で希釈し、EtOAc(100mL)で抽出する。有機相をH2O(2×50mL)およびブライン(25mL)で洗浄し、無水MgSO4で乾燥させ、減圧下で濃縮して、粗生成物を得、次いで、それをMeOH/CH2Cl2(1/99−3/97)の勾配で溶出するシリカゲル(350g、230−400メッシュ)のクロマトグラフィーに付す。TLC(MeOH/CHCl3、5/95)によるRf=0.29を持つそれらの画分の貯めおよび濃縮は、4.48g(69%)の表題化合物を非晶質の、白色固体として供する。1H NMR(400MHz、CDCl3)δ 7.37(m、7H)、7.11(m、1H)、5.19(s、2H)、4.75(m、1H)、4.63(s、2H)、4.00(m、3H)、3.75(m、3H)、2.86(m、2H)、1.65(bs、1H);MS(ESI+) C21H22N2O5としてm/z 383(M+H)+;[α]25 D=16°(c 0.52、クロロホルム).
【0072】
工程4 (−)−フェニルメチル 6−[(5S)−5−(アミノメチル)−2−オキソ−3−オキサゾリジニル]−3 , 4−ジヒドロ−2(1H)−イソキノリンカルボキシレートの調製
N2下0℃の乾燥CH2Cl2(57mL)中の6−[(5R)−5−(ヒドロキシメチル)−2−オキソ−3−オキサゾリジニル]−3,4−ジヒドロ−2(1H)−イソキノリンカルボン酸フェニルメチル(工程3、4.36g、11.40ミリモル)およびトリエチルアミン(2.38mL、17.10ミリモル)の溶液を塩化メタンスルホニル(0.97mL、12.54ミリモル)で滴下処理し、0℃にて1時間撹拌する。次いで、混合物をCH2Cl2(60mL)で希釈し、H2O(25mL)およびブライン(25mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、減圧下で濃縮して、メシレート中間体[TLC(MeOH/CHCl3、5/95)によるRf=0.61]を非晶質の白色固体として得、それをさらなる精製なく用いる。イソプロパノール(4.6mL)およびアセトニトリル(9.1mL)中のこの中間体および濃NH4OH水溶液(9.1mL)の混合物を厚肉スクリューキャップ管に入れ、80℃に維持した油浴に浸漬し、内容物をこの温度にて40時間撹拌し、その間、さらに濃NH4OH水溶液(4mL)を添加する。次いで、混合物を雰囲気温度まで冷却し、半−飽和NaCl水溶液(50mL)で希釈し、CH2Cl2(2×100mL)で抽出する。合わせた有機相を無水Na2SO4で乾燥させ、減圧下濃縮し、粗生成物をMeOH/CH2Cl2(1/99−5/95)の勾配で溶出するシリカゲル(350g、230−400メッシュ)のクロマトグラフィーに付す。TLC(MeOH/CHCl3、5/95)によりRf=0.09を持つそれらの画分の貯めおよび濃縮は、2.97g(68%)の表題化合物を非晶質の、ガラス状固体として供する。1H NMR(400MHz、CDCl3)δ 7.37(m、7H)、7.10(m、1H)、5.19(s、2H)、4.72(m、1H)、4.62(s、2H)、4.05(t、1H)、3.85(dd、1H)、3.71(m、2H)、3.20−3.00(m、2H)、2.86(m、2H);MS(ESI+) C21H23N3O4としてm/z 382(M+H)+;[α]25 D=−27°(c 0.28、DMSO).
【0073】
工程5 (−)−フェニルメチル 6−[(5S)−5−[(アセチルアミノ)メチル]−2−オキソ−3−オキサゾリジニル]−3 , 4−ジヒドロ−2(1H)−イソキノリンカルボキシレートの調製
N2下の乾燥CH2Cl2(23mL)中の6−[(5S)−5−(アミノメチル)−2−オキソ−3−オキサゾリジニル]−3,4−ジヒドロ−2(1H)−イソキノリンカルボン酸フェニルメチル(工程4、1.75g、4.59ミリモル)およびピリジン(1.11mL、13.77ミリモル)の溶液を無水酢酸(0.649mL、6.88ミリモル)で処理し、混合物を雰囲気温度にて3.5時間撹拌する。次いで、混合物をH2O(2×15mL)およびブライン(10mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、減圧下濃縮する。粗生成物は、MeOH/CH2Cl2(0.5/99.5−2/98)の勾配で溶出するフラッシュ40Sシリカゲル(40g、32−63μm)カートリッジでのクロマトグラフィーに付し、TLC(MeOH/CHCl3、5/95)によりRf=0.25を持つそれらの画分を貯め、濃縮して、1.81g(93%)の表題化合物を非晶質の白色固体として得る。1H NMR(400MHz、CDCl3)δ 7.35(m、7H)、7.11(m、1H)、6.11(m、1H)、5.19(s、2H)、4.78(m、1H)、4.62(s、2H)、4.05(t、1H)、3.78(dd、1H)、3.70(m、3H)、3.60(m、1H)、2.86(m、2H)、2.02(s、3H);MS(ESI+) C23H25N3O5としてm/z 424(M+H)+;[α]25 D=−17°(c 0.77、DMSO).
【0074】
工程6 N−[[(5S)−3−[1 , 2 , 3 , 4−テトラヒドロ−6−イソキノリニル]−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]アセトアミドの調製
Parrボトル中のMeOH(40mL)中の6−[(5S)−5−[(アセチルアミノ)メチル]−2−オキソ−3−オキサゾリジニル]−3,4−ジヒドロ−2(1H)−イソキノリンカルボン酸フェニルメチル(工程5、1.71g、4.04ミリモル)および20% Pd(OH)2/C(567mg)の混合物を20psi H2下で振盪する。次いで、得られたスラリーをMeOH(100mL)およびTHF(100mL)で希釈し、セライトを通して濾過して触媒を除去し、減圧下で濃縮して、定量的収量の表題化合物を非晶質固体として得、それをさらなる精製なく用いる。1H NMR(400MHz、CD3OD)δ 7.36(bd、1H)、7.31(s、1H)、7.08(d、1H)、4.78(m、1H)、4.14(t、1H)、3.98(s、2H)、3.82(dd、1H)、3.57(m、2H)、3.13(m、2H)、2.88(m、2H)、1.98(s、3H);MS(ESI+) C15H19N3O3として m/z 290(M+H)+.
【0075】
工程7 (−)−メチル 6−[(5S)−5−[(アセチルアミノ)メチル]−2−オキソ−3−オキサゾリジニル]−3 , 4−ジヒドロ−2(1H)−イソキノリンカルボキシレートの調製
N2下のTHF(15.5mL)中のN−[[(5S)−3−[1,2,3,4−テトラヒドロ−6−イソキノリニル]−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]アセトアミド(工程6、450mg、1.55ミリモル)およびNaHCO3(260mg、3.10ミリモル)の混合物を激しく攪拌しつつクロロギ酸メチル(0.144mL、1.87ミリモル)で処理する。高粘度の白色スラリーが生じ、それをさらにH2O(約2mL)を添加することにより再溶解させる。混合物を雰囲気温度にて1時間撹拌し、次いで、H2O(10mL)およびEtOAc(20mL)で希釈し、層を分離する。その水相をCH2Cl2(20mL)で再抽出し、合わせた有機相をブライン(10mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、減圧下濃縮する。粗生成物をMeOH/CHCl3(2/98)で溶出するシリカゲル(45g、230−400メッシュ)のクロマトグラフィーに付し、TLC(MeOH/CHCl3、10/90)によりRf=0.51を持つそれらの画分を貯め、濃縮して475mg(88%)の表題化合物をガラス状固体として得る。1H NMR(400MHz、CDCl3)δ 7.32(m、2H)、7.11(m、1H)、6.19(m、1H)、4.76(m、1H)、4.59(s、2H)、4.05(t、1H)、3.78(dd、1H)、3.75(s、3H)、3.75−3.50(m、4H)、2.85(m、2H)、2.02(s、3H);MS(ESI+) C17H21N3O5として m/z 348(M+H)+;[α]25 D=−20°(c 1.04、DMSO).
【0076】
実施例2 (−)−N−[[(5S)−3−[2−ホルミル−1,2,3,4−テトラヒドロ−6−イソキノリニル]−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]アセトアミド
【0077】
【化12】
【0078】
THF中のN−[[(5S)−3−[1,2,3,4−テトラヒドロ−6−イソキノリニル]−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]アセトアミド(実施例1、工程6、200mg、0.691ミリモル)の溶液をEDC・HCl(172mg、0.899ミリモル)およびギ酸(34μL、0.899ミリモル)で処理して、白色スラリーを得、次いで、それをH2O(約2mL)で希釈して、均質な混合物を得る。混合物を雰囲気温度にて1.25時間撹拌し、次いで、H2O(10mL)で希釈し、CH2Cl2(4×20mL)で抽出する。合わせた有機相をブライン(10mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、減圧下濃縮し、粗生成物をMeOH/CH2Cl2(1/99−5/95)の勾配で溶出するフラッシュ40Sシリカゲル(40g、32−63μm)カートリッジのクロマトグラフィーに付す。TLC(MeOH/CHCl3、10/90)によりRf=0.41を持つそれらの画分を貯め、濃縮し、得られたガラス状固体をEt2Oでトリチュレートし、濾過して、161mg(74%)の表題化合物を白色固体として得る。mp 139−141℃(分解). [α]25 D=−22°(c 0.92、DMSO).
【0079】
実施例3 (−)−N−[[(5S)−3−[2−[(アセチルオキシ)アセチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−6−イソキノリニル]−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]アセトアミド
【0080】
【化13】
【0081】
N2下の乾燥CH2Cl2(6mL)中のN−[[(5S)−3−[1,2,3,4−テトラヒドロ−6−イソキノリニル]−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]アセトアミド(実施例1、工程6、350mg、1.21ミリモル)およびトリエチルアミン(0.252mL、1.81ミリモル)の溶液を0℃まで冷却し、塩化アセトキシアセチル(0.156mL、1.45ミリモル)で処理する。得られた混合物を0℃にて1時間撹拌し、次いで、雰囲気温度まで温め、CH2Cl2(20mL)で希釈し、H2O(10mL)およびブライン(10mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、減圧下濃縮する。粗生成物をMeOH/CH2Cl2(1/99−3/97)の勾配で溶出するフラッシュ40Sシリカゲル(40g、32−63μm)カートリッジのクロマトグラフィーに付し、TLC(MeOH/CHCl3、10/90)によりRf=0.44を持つそれらの画分をRf=0.44を貯め、濃縮して、323mg(69%)の表題化合物をガラス状固体として得る。分析用試料をEt2Oからのトリチュレーションおよび濾過により調製する。MS(ESI+) C19H23N3O6として m/z 390(M+H)+;元素分析 C19H23N3O6として計算値:C、58.60;H、5.95;N、10.79. 実測値:C、58.46;H、6.06;N、10.66;[α]25 D=−18°(c 0.93、DMSO).
【0082】
実施例4 (−)−N−[[(5S)−3−[2−[(ヒドロキシ)アセチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−6−イソキノリニル]−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]アセトアミド
【0083】
【化14】
【0084】
MeOH(5.9mL)中のN−[[(5S)−3−[2−[(アセチルオキシ)アセチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−6−イソキノリニル]−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]アセトアミド(実施例3、230mg、0.591ミリモル)の溶液をK2CO3(163mg、1.18ミリモル)で処理し、得られた混合物を雰囲気温度にて1時間撹拌し、次いで、1M HCl水溶液でpH7に調整し、減圧下濃縮する。この残渣をブライン(10mL)で希釈し、CH2Cl2(3×20mL)で抽出し、合わせた有機相を無水Na2SO4で乾燥させ、減圧下濃縮する。次いで、粗生成物をMeOH/CH2Cl2(2/98−5/95)の勾配で溶出するフラッシュ40Sシリカゲル(40g、32−63μm)カートリッジのクロマトグラフィーに付し、TLC(MeOH/CHCl3、10/90)によりRf=0.25を持つそれらの画分を貯め、濃縮し、残渣をEt2Oでトリチュレートして、146mg(71%)の表題化合物を非晶質の白色固体として得る。MS(ESI+) C17H21N3O5としてm/z 348(M+H)+;[α]25 D=−18°(c 0.96、DMSO);元素分析 C17H21N3O5として:C、58.78;H、6.09;N、12.10. 実測値:C、58.59;H、6.49;N、11.77.
【0085】
実施例5 (+)−メチル 6−[(5S)−5−[(エタンチオイルアミノ)メチル]−2−オキソ−3−オキサゾリジニル]−3,4−ジヒドロ−2(1H)−イソキノリンカルボキシレート
【0086】
【化15】
【0087】
N2下の乾燥THF(8.1mL)中の6−[(5S)−5−[(アセチルアミノ)メチル]−2−オキソ−3−オキサゾリジニル]3,4−ジヒドロ−2(1H)−イソキノリンカルボン酸メチル(実施例1、280mg、0.806ミリモル)およびLawesson試薬(179mg、0.443ミリモル)を60℃まで15分間加熱し、この温度にて5分間撹拌し、次いで、雰囲気温度まで冷却し、減圧下濃縮する。粗生成物混合物をMeOH/CH2Cl2(2/98)で溶出するフラッシュ40Sシリカゲル(40g、32−63μm)カートリッジのクロマトグラフィーに付し、TLC(MeOH/CHCl3、10/90)よりRf=0.57を持つそれらの画分を貯め、濃縮し、残渣をCH2Cl2/Et2Oから再結晶して、216mg(74%)の表題化合物を灰色がかった白色固体として得る。mp 149−150℃(分解);[α]25 D=5°(c 0.99、DMSO).
【0088】
実施例6 (+)−N−[[(5S)−3−[2−ホルミル−1,2,3,4−テトラヒドロ−6−イソキノリニル]−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]エタンチオアミド
【0089】
【化16】
【0090】
工程1 (−)−フェニルメチル 6−[(5S)−5−[[[(1 , 1−ジメチルエトキシ)カルボニル]アミノ]メチル]−2−オキソ−3−オキサゾリジニ ル]−3 , 4−ジヒドロ−2(1H)−イソキノリンカルボキシレートの調製
THF/H2O(2/1、21.6mL)中の6−[(5S)−5−(アミノメチル)−2−オキソ−3−オキサゾリジニル]−3,4−ジヒドロ−2(1H)−イソキノリンカルボン酸フェニルメチル(実施例1、工程4、1.03g、2.70ミリモル)、ジ−t−ブチル ジカルボネート(619mg、2.84ミリモル)およびNaHCO3(250mg、2.97ミリモル)の混合物を雰囲気温度にて3.5時間攪拌し、次いで、H2O(10mL)で希釈し、EtOAc(2×15mL)で抽出する。合わせた有機相をH2O(10mL)およびブライン(10mL)で洗浄し、無水MgSO4で乾燥させ、減圧下で濃縮して、粗生成物を得、それをMeOH/CH2Cl2(0.5/99.5−2/98)の勾配で溶出するのフラッシュ40Sシリカゲル(40g、32−63μm)カートリッジのクロマトグラフィーに付す。TLC(MeOH/CHCl3、5/95)によりRf=0.65を持つそれらの画分の貯めおよび濃縮は、1.21g(93%)の表題化合物を非晶質の白色固体として供する。1H NMR(400MHz、CDCl3)δ 7.37(m、7H)、7.10(m、1H)、5.19(s、2H)、4.98(m、1H)、4.75(m、1H)、4.62(s、2H)、4.03(t、1H)、3.83(m、1H)、3.72(m、2H)、3.50(m、2H)、2.86(m、2H)、1.42(s、9H);MS(ESI−) C26H31N3O6としてm/z 480(M−H)−;[α]25 D=−25°(c 0.66、DMSO).
【0091】
工程2 1 , 1−ジメチルエチル [[(5S)−2−オキソ−3−[1 , 2 , 3 , 4−テトラヒドロ−6−イソキノリニル]−5−オキサゾリジニル]メチル]カルバメートの調製
Parrボトル中のMeOH(23mL)中の6−[(5S)−5−[[[(1,1−ジメチルエトキシ)カルボニル]アミノ]メチル]−2−オキソ−3−オキサゾリジニル]−3,4−ジヒドロ−2(1H)−イソキノリンカルボン酸フェニルメチル(工程1、1.11g、2.31ミリモル)および20% Pd(OH)2/C(324mg)の混合物を20psi H2下1.25時間振盪する。得られた混合物をセライトを通して濾過して触媒を除去し、濾液を減圧下で濃縮して、定量的収量の生成物を非晶質固体として得、それをさらなる精製なく用いる。1H NMR(400MHz、CD3OD)δ 7.35(bd、1H)、7.31(s、1H)、7.08(d、1H)、4.75(m、1H)、4.14(t、1H)、3.97(s、2H)、3.87(m、1H)、3.42(m、2H)、3.11(m、2H)、2.87(m、2H)、1.42(s、9H);MS(ESI+) C18H25N3O4としてm/z 348(M+H)+.
【0092】
工程3 1 , 1−ジメチルエチル [[(5S)−2−オキソ−3−[2−ホルミル−1 , 2 , 3 , 4−テトラヒドロ−6−イソキノリニル]−5−オキサゾリジニル]メチル]カルバメートの調製
乾燥THF(16.8mL)中の1,1−ジメチルエチル [[(5S)−2−オキソ−3−[1,2,3,4−テトラヒドロ−6−イソキノリニル]−5−オキサゾリジニル]メチル]カルバメート(工程2、292mg、0.841ミリモル)の溶液を1H−ベンゾトリアゾール−1−カルボキシアルデヒド(148mg、1.01ミリモル)で処理し、得られた懸濁物を雰囲気温度にて1.25時間攪拌し、次いで濃縮してTHFを除去する。その残渣をCH2Cl2(25mL)で再希釈し、1N NaOH水溶液(2×10mL)およびブライン(10mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、減圧下で濃縮して、粗生成物を得、次いで、それをMeOH/CH2Cl2(2.5/97.5)で溶出するフラッシュ40Sシリカゲル(40g、32−63μm)カートリッジのクロマトグラフィーに付す。TLC(MeOH/CHCl3、10/90)によりRf=0.60を持つそれらの画分を貯め、濃縮して、310mg(98%)の表題化合物を非晶質のガラス状固体として得る。MS(ESI+) C19H25N3O5として m/z 376(M+H)+.
【0093】
工程4 (+)−N−[[(5S)−3−[2−ホルミル−1 , 2 , 3 , 4−テトラヒドロ−6−イソキノリニル]−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]エタンチオアミドの調製
ジオキサン(6.6mL)中の氷冷の4N HClを1,1−ジメチルエチル [[(5S)−2−オキソ−3−[2−ホルミル−1,2,3,4−テトラヒドロ−6−イソキノリニル]−5−オキサゾリジニル]メチル]カルバメート(工程3、249mg、0.663ミリモル)を含有するフラスコに添加し、得られたスラリーを0℃にて1時間攪拌する。次いで、混合物をMeOH(約6mL)で希釈して、均質な混合物を得、それを30分間攪拌し、次いで、減圧下で濃縮して、脱保護したアミノメチル オキサゾリジノン中間体をその塩酸塩として得[MS(ESI+) C14H17N3O3としてm/z 276(M+H)+]、それをさらなる精製なく用いる。乾燥CH2Cl2(6.6mL)中のこの中間体およびトリエチルアミン(277μL、1.99ミリモル)の溶液をジチオ酢酸エチル(91μL、0.796ミリモル)で処理する。混合物を4.5時間攪拌し、その間、さらにトリエチルアミン(92μL)およびジチオ酢酸エチル(91μL)を添加し、次いで、CH2Cl2(10mL)で希釈し、H2O(10mL)およびブライン(10mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、減圧下濃縮する。その粗生成物をMeOH/CH2Cl2(1/99−2/98)の勾配で溶出するフラッシュ40Sシリカゲル(40g、32−63μm)カートリッジのクロマトグラフィーに付し、TLC(MeOH/CHCl3、10/90)によりRf=0.54を持つそれらの画分を貯め、濃縮し、Et2Oでトリチュレートして、167mg(76%)の表題化合物を非晶質の白色固体として得る。1H NMR(400MHz、CDCl3)δ(ロタマーAおよびBの混合物)8.27(s、1HB)、8.21(s、1HA)、8.05(m、1HA+1HB)、7.36−7.26(m、2HA+2HB)、7.13(m、1HA+1HB)、4.97(m、1HA+1HB)、4.66(s、2HA)、4.53(s、2HB)、4.30(m、1HA+1HB)、4.08(m、2HA+2HB)、3.85(m、1HA+1HB)、3.79(m、2HB)、3.65(m、2HA)、2.90(m、2HA+2HB)、2.61(s、3HA+3HB);MS(ESI+) C16H19N3O3S1としてm/z 334(M+H)+;[α]25 D=4°(c 0.98、DMSO).
【0094】
実施例7 (+)−N−[[(5S)−3−[2−[(ヒドロキシ)アセチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−6−イソキノリニル]−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]エタンチオアミド
【0095】
【化17】
【0096】
工程1 1 , 1−ジメチルエチル [[(5S)−2−オキソ−3−[1 , 2 , 3 , 4−テトラヒドロ−2−[(フェニルメトキシ)アセチル]−6−イソキノリニル]−5−オキサゾリジニル]メチル]カルバメートの調製
N2下0℃の乾燥CH2Cl2中の1,1−ジメチルエチル [[(5S)−2−オキソ−3−[1,2,3,4−テトラヒドロ−6−イソキノリニル]−5−オキサゾリジニル]メチル]カルバメート(実施例6、工程2、347mg、0.999ミリモル)およびトリエチルアミン(0.21mL、1.50ミリモル)溶液を塩化ベンジルオキシアセチル(0.19mL、1.20ミリモル)で処理し、得られた混合物を0℃にて1時間撹拌し、次いで、雰囲気温度まで温める。次いで、反応混合物をCH2Cl2(20mL)で希釈し、H2O(10mL)およびブライン(10mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、減圧下濃縮する。残渣をMeOH/CH2Cl2(1/99−2/98)の勾配で溶出するフラッシュ40Sシリカゲル(40g、32−63μm)カートリッジのクロマトグラフィーに付し、TLC(MeOH/CHCl3、10/90)によりRf=0.72を持つそれらの画分を貯め、濃縮して、425mg(86%)の表題化合物を非晶質のガラス状固体として得る。MS(ESI+) C27H33N3O6としてm/z 496(M+H)+.
【0097】
工程2 (+)−N−[(5S)−3−[2−[(ヒドロキシ)アセチル]−1 , 2 , 3 , 4−テトラヒドロ−6−イソキノリニル]−2−オキソ−5−オキサ ゾリジニル]メチル]エタンチオアミドの調製
ジオキサン(3.3mL)中の氷冷の4N HClを1,1−ジメチルエチル [[(5S)−2−オキソ−3−[1,2,3,4−テトラヒドロ−2−[(フェニルメトキシ)アセチル]−6−イソキノリニル]−5−オキサゾリジニル]メチル]カルバメート(工程1、330mg、0.666ミリモル)を含有するフラスコに添加し、得られたスラリーは、0℃にて1時間攪拌する。次いで、混合物をMeOH(約8mL)で希釈し、均質な混合物を得、それを30分間攪拌し、次いで、減圧下で濃縮して、脱保護したアミノメチルオキサゾリジノン中間体をその塩酸塩として得[MS(ESI+) C22H25N3O4としてm/z 396(M+H)+]、それをさらなる精製なく用いる。MeOH/EtOH(1/1、13.4mL)中のこの中間体の溶液を、N2下の10% C上のPd(142mg、20モル%)を含有するParrボトルに添加し、混合物を20psi H2下約7時間振盪させ、次いで、セライトを通して濾過して触媒を除去し、減圧下で濃縮して、脱ベンジル化中間体(完全な反応がNMRおよびHPLCにより示される)を得、それもさらなる精製なく用いた。乾燥CH2Cl2(6.7mL)中のこの中間体およびトリエチルアミン(278μL、2.00ミリモル)の溶液をジチオ酢酸エチル(92μL、0.800ミリモル)で処理する。混合物を20時間撹拌し、その間、さらなるトリエチルアミン(93μL)およびジチオ酢酸エチル(92μL)を添加し、次いで、CH2Cl2(10mL)で希釈し、H2O(10mL)およびブライン(5mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、減圧下濃縮する。その粗生成物をMeOH/CHCl3(1/99−3/97)の勾配で溶出するフラッシュ40Sシリカゲル(40g、32−63μm)カートリッジのクロマトグラフィーに付し、TLC(MeOH/CHCl3、10/90)によりRf=0.43を持つそれらの画分を貯め、濃縮して、149mg(62%)の表題化合物を非晶質の白色固体として得る。 1H NMR(400MHz、CDCl3)δ(ロタマーAおよびBの混合物)8.02(m、1HA+1HB)、7.40−7.26(m、2HA+2HB)、7.15(m、1HA+1HB)、4.98(m、1HA+1HB)、4.76(s、2HA)、4.42(s、2HB)、4.31(m、1HA+1HB)、4.26(s、2HA+2HB)、4.09(m、2HA+2HB)、3.86(m、1HA+3HB)、3.50(m、2HA)、2.92(m、2HA+ 2HB)、2.61(s、3HA+3HB)、2.55(bm、1HA+1HB);MS(ESI+) C17H21N3O4S1としてm/z 364(M+H)+;HRMS(FAB) C17H21N3O4S1+H1として 364.1331、実測値 364.1340;[α]25 D=3°(c 0.78、DMSO).
【0098】
実施例8 (−)−N−[[(5S)−3−(3,4−ジヒドロ−1H−2−ベンゾピラン−6−イル)−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]アセトアミド
【0099】
【化18】
【0100】
工程1 (3 , 4−ジヒドロ−1H−2−ベンゾピラン−6−イル)カルバミン酸フェニルメチルの調製
MeOH(65mL)のPtO2(10モル%、148mg)の混合物をMeOH(65mL)を脱気し、水素雰囲気(バルーン)下25分間撹拌して、触媒を活性化する。次いで、MeOH(65ml)中の3,4−ジヒドロ−6−ニトロ−1H−2−ベンゾピラン(1.17g、6.53ミリモル、J. Org. Chem
.、1998、63、4116−4119)の溶液を添加し、混合物を水素雰囲気(バルーン)下2時間攪拌し、次いで、触媒をセライトを通す濾過により除去する。濾液を減圧下で濃縮して6−アミノ−3,4−ジヒドロ−1H−2−ベンゾピラン中間体 [MS(ESI+) C9H11NOとしてm/z 150(M+H)+]を得、次いで、それをTHF/H2O(2:1、66mL)に溶解し、NaHCO3(576mg、6.86ミリモル)およびクロロギ酸ベンジル(0.979mL、6.86ミリモル)で処理する。得られた混合物を雰囲気温度にて30分間撹拌し、次いでEtOAc(100mL)で希釈し、H2O(25mL)、飽和NaHCO3水溶液(25mL)およびブライン(25mL)で洗浄し、無水MgSO4で乾燥させ、減圧下濃縮する。次いで、その粗生成物をEtOAc/ヘプタン(15/85−25/75)の勾配で溶出するフラッシュ40Mシリカゲル(90g、32−63μm)カートリッジのクロマトグラフィーに付し、TLC(EtOAc/ヘキサン、50/50)によりRf=0.60を持つそれらの画分を貯め、濃縮して、1.71g(92%)の表題化合物をガラス状固体として得る。1H NMR(400MHz、CDCl3)δ 7.42−7.32(m、5H)、7.24(m、1H)、7.11(m、1H)、6.91(d、1H)、6.67(bs、1H)、5.20(s、2H)、4.73(s、2H)、3.96(t、2H)、2.84(t、2H);MS(ESI+) C17H17NO3としてm/z 284(M+H)+.
【0101】
工程2 N−[[(5S)−3−(3 , 4−ジヒドロ−1H−2−ベンゾピラン−6−イル)−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]アセトアミドの調製
N2下の乾燥DMF(5.6mL)中の(3,4−ジヒドロ−1H−2−ベンゾピラン−6−イル)カルバミン酸フェニルメチル(工程1、1.60g、5.65ミリモル)およびMeOH(0.458モル、11.3ミリモル)の溶液を氷浴中で冷却し、LiOtBu(THF中1M、16.95mL、16.95ミリモル)で2分間にわたり滴下処理する。次いで、(1S)−2−(アセチルアミノ)−1−(クロロメチル)酢酸エチル(2.19g、11.3ミリモル)を一度に添加し、冷却浴を取り去り、混合物を雰囲気温度にて2.75日間攪拌し、次いで、H2O(20mL)で希釈し、EtOAc(4×50mL)で抽出する。合わせた有機相をブライン(25mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、減圧下濃縮し、残渣をMeOH/CH2Cl2(1/99−2/98)の勾配で溶出するフラッシュ40Mシリカゲル(90g、32−63μm)カートリッジのクロマトグラフィーに付す。TLC(MeOH/CHCl3、5/95)によりRf=0.23を持つそれらの画分を貯め、濃縮し、生成物をEtOAcでトリチュレートして、828mg(50%)の表題化合物を白色固体として得る。mp 142−145℃. [α]25 D=−24°(c 1.01、DMSO).
【0102】
実施例9 (+)−N−[[(5S)−3−(3,4−ジヒドロ−1H−2−ベンゾピラン−6−イル)−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]エタンチオアミド
【0103】
【化19】
【0104】
実施例5の一般的な手順に従い、6−[(5S)−5−[(アセチルアミノ)メチル]−2−オキソ−3−オキサゾリジニル]−3,4−ジヒドロ−2(1H)−イソキノリンカルボン酸メチルに代えて、(−)−N−[[(5S)−3−(3,4−ジヒドロ−1H−2−ベンゾピラン−6−イル)−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]アセトアミド(実施例8)に置換し、MeOH/Et2Oによるトリチュレーションおよび濾過により最終生成物を再精製する以外は重要でない変形を施し、表題の化合物(70%)を白色固体として得る。mp 147−148℃(分解). [α]25 D=5°(c 0.93、MeOH).
【0105】
実施例10 (−)−N−[[(5S)−3−(3,4−ジヒドロ−1H−2−ベンゾチオピラン−6−イル)−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]アセトアミド
【0106】
【化20】
【0107】
工程1 [2−[2−[(メチルスルホニル)オキシ]エチル]−4−ニトロフェニル]メチル メタンスルホネートの調製
N2下0℃の乾燥CH2Cl2(60mL)中の2−[2−(ヒドロキシメチル)−5−ニトロフェニル]エタノール(2.95g、14.96ミリモル、J. Org. Chem.、1998、63、4116−4119)およびトリエチルアミン(6.26mL、44.9ミリモル)の溶液を塩化メタンスルホニル(2.89mL、37.4ミリモル)で滴下処理し、0℃にて30分間撹拌する。次いで、混合物をCH2Cl2(40mL)で希釈し、1M HCl水溶液(20mL)、飽和NaHCO3水溶液(20mL)およびブライン(20mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、減圧下で濃縮して、粗生成物を得、それをEtOAc/ヘプタン(30/70−70/30)の勾配で溶出するフラッシュ40Mシリカゲル(90g、32−63μm)カートリッジのクロマトグラフィーに付す。TLC(EtOAc/ヘキサン、50/50)によりRf=0.18を持つそれらの画分の貯めおよび濃縮は、4.58g(87%)の表題化合物を白色固体として供する。mp 88−89℃.
【0108】
工程2 3 , 4−ジヒドロ−6−ニトロ−1H−2−ベンゾチオピランの調製
N2下の乾燥DMF(129mL)中の[2−[2−[(メチルスルホニル)オキシ]エチル]−4−ニトロフェニル]メチル メタンスルホネート(工程1、4.56g、12.90ミリモル)およびチオ酢酸カリウム(1.62g、14.20ミリモル)の混合物を雰囲気温度にて3時間攪拌し、次いで、H2O(250mL)で希釈し、EtOAc(200mL)で抽出する。有機相をH2O(2×100mL)およびブライン(50mL)で洗浄し、無水MgSO4で乾燥させ、減圧下濃縮し、残渣をEtOAc/ヘプタン(25/75−50/50)の勾配で溶出するフラッシュ40Mシリカゲル(90g、32−63μm)カートリッジのクロマトグラフィーに付す。TLC(EtOAc/ヘキサン、50/50)によりRf=0.44を持つそれらの画分の貯めおよび濃縮は、3.90g(91%)のチオ酢酸ベンジル中間体を粘性の油性物質として供する。[MS(ESI−) C12H15NO6S2としてm/z 332(M−H)−]。その中間体をMeOH(250mL)中の2M NH3に溶解し、得られた溶液を雰囲気温度にて45分間攪拌し、次いで、減圧下濃縮する。残渣をH2O(75mL)で希釈し、Et2O(75mL)で抽出し、そのEt2O層を無水MgSO4で乾燥させ、減圧下で濃縮して、2.12g(93%、全体では84%)の表題化合物を淡黄色固体として得る。mp 60−63℃.
【0109】
工程3 (3 , 4−ジヒドロ−1H−2−ベンゾチオピラン−6−イル)カルバミン酸フェニルメチルの調製
95% EtOH(108mL)中の3,4−ジヒドロ−6−ニトロ−1H−2−ベンゾチオピラン(工程2、2.10g、10.76ミリモル)およびSnCl2・2H2O(12.13g、53.78ミリモル)の混合物をN2下で70℃にて2時間撹拌する。得られた混合物を雰囲気温度まで冷却し、氷冷H2O(150mL)に添加し、5% NaOH水溶液でpH8に調整し、セライトのパッドを通して濾過する。フィルター・パッドをEtOAc(3×100mL)で濯ぎ、濾液中の層を分離し、有機相を無水MgSO4で乾燥させ、減圧下で濃縮して、6−アミノ−3,4−ジヒドロ−1H−2−ベンゾチオピラン中間体を得[MS(ESI+) C9H11NSとしてm/z 166(M+H)+]、次いで、それをTHF/H2O(2:1、108mL)に溶解し、NaHCO3(1.81g、21.5ミリモル)およびクロロギ酸ベンジル(1.69mL、11.8ミリモル)で処理する。得られた混合物を雰囲気温度にて30分間撹拌し、次いで、H2O(50mL)で希釈し、EtOAc(75mL)で抽出する。次いで、有機相をH2O(50mL)およびブライン(25mL)で洗浄し、無水MgSO4で乾燥させ、減圧下濃縮し、その粗生成物をEtOAc/ヘプタン(10/90)で溶出するフラッシュ40Mシリカゲル(90g、32−63μm)カートリッジのクロマトグラフィーに付す。TLC(EtOAc/ヘキサン、50/50)によりRf=0.64を持つそれらの画分の貯めおよび濃縮は、2.69g(83%)の表題化合物を白色固体として供する。mp 116−118℃.
【0110】
工程4 (−)−N−[[(5S)−3−(3 , 4−ジヒドロ−1H−2−ベンゾチオピラン−6−イル)−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]アセトアミドの調製
N2下の乾燥DMF(5.6mL)中の(3,4−ジヒドロ−1H−2−ベンゾチオピラン−6−イル)カルバミン酸フェニルメチル(工程3、2.55g、8.52ミリモル)、(1S)−2−(アセチルアミノ)−1−(クロロメチル)酢酸エチル(Tet. Lett. 1996 37(44)7737−7740;3.30g、17.03ミリモル)およびMeOH(0.690mL、17.03ミリモル)の溶液をLiOtBu(ヘキサン中1M、25.5mL、25.5ミリモル)で2時間にわたり滴下処理し、得られた二相混合物を雰囲気温度にて32時間攪拌する。次いで、混合物を氷浴中で冷却し、氷HOAc(975μL)で処理し、MeOH(10mL)を添加し、層を分離する。そのヘキサン層を20% H2O/MeOH(20mL)で再抽出し、合わせたMeOH/H2O相をH2O(40mL)で希釈し、EtOAc(3×40mL)で抽出する。次いで、合わせたEtOAc相をH2O(2×50mL)およびブライン(25mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、減圧下濃縮し、残渣をMeOH/CH2Cl2(0.5/99.5−3/97)の勾配で溶出するフラッシュ40Mシリカゲル(90g、32−63μm)カートリッジのクロマトグラフィーに付す。TLC(MeOH/CHCl3、5/95)よりRf=0.27を持つそれらの画分を貯め、濃縮し、生成物をEtOAc/Et2Oでトリチュレートして、1.90g(73%)の表題化合物を灰色がかった白色固体として得る。mp 112−114℃(分解). MS(ESI+) C15H18N2O3Sとしてm/z 307(M+H)+;[α]25 D=−24°(c 0.80、DMSO).
【0111】
実施例11 (+)−N−[[(5S)−3−(3,4−ジヒドロ−1H−2−ベンゾチオピラン−6−イル)−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]エタンチオアミド
【0112】
【化21】
【0113】
実施例5の一般的な手順に従い、6−[(5S)−5−[(アセチルアミノ)メチル]−2−オキソ−3−オキサゾリジニル]−3,4−ジヒドロ−2(1H)−イソキノリンカルボン酸メチルに代えて、(−)−N−[[(5S)−3−(3,4−ジヒドロ−1H−2−ベンゾチオピラン−6−イル)−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]アセトアミド(実施例10)に置換し、CH2Cl2/Et2Oからの再結晶により最終生成物を再精製する以外は重要でない変形を施し、表題の化合物(66%)を白色固体として得る。mp 112−114℃(分解). MS(ESI+) C15H18N2O3S2としてm/z 323(M+H)+;[α]25 D=5°(c 0.92、DMSO).
【0114】
実施例12 (+)−N−[[(5S)−3−(3,4−ジヒドロ−2,2−ジオキシド−1H−2−ベンゾチオピラン−6−イル)−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]エタンチオアミド
【0115】
【化22】
【0116】
工程1 (−)−N−[[(5S)−3−(3 , 4−ジヒドロ−2 , 2−ジオキシド−1H−2−ベンゾチオピラン−6−イル)−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]アセトアミドの調製
N2下のアセトン/H2O(3/1、36mL)中の(−)−N−[[(5S)−3−(3,4−ジヒドロ−1H−2−ベンゾチオピラン−6−イル)−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]アセトアミド(実施例10、545mg、1.78ミリモル)の溶液をN−メチルモルホリン N−オキシド(521mg、4.45ミリモル)およびOsO4(tBuOH中2.5重量%、1.11mL、5モル%)で処理し、得られた混合物を雰囲気温度にて18時間撹拌し、次いで、氷浴中で冷却し、半−飽和NaHSO3水溶液(50mL)で処理する。混合物をCH2Cl2(3×75mL)で抽出し、合わせた有機相をブライン(20mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、減圧下で濃縮して、粗生成物を得、次いで、それをMeOH/CH2Cl2(1/99−4/96)の勾配で溶出するフラッシュ40Sシリカゲル(40g、32−63μm)カートリッジのクロマトグラフィーに付す。TLC(MeOH/CHCl3、10/90)よりRf=0.39を持つそれらの画分を貯め、濃縮し、生成物をCH2Cl2/Et2Oでトリチュレートして、517mg(86%)の表題化合物を白色固体として得る。mp 177−178℃. MS(ESI+) C15H18N2O5Sとしてm/z 339(M+H)+;[α]25 D=−23°(c 0.97、DMSO).
【0117】
工程2 (+)−N−[[(5S)−3−(3 , 4−ジヒドロ−2 , 2−ジオキシド−1H−2−ベンゾチオピラン−6−イル)−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]エタンチオアミドの調製
実施例5の一般的な手順に従い、6−[(5S)−5−[(アセチルアミノ)メチル]−2−オキソ−3−オキサゾリジニル]−3,4−ジヒドロ−2(1H)−イソキノリンカルボン酸メチルに代えて、(−)−N−[[(5S)−3−(3,4−ジヒドロ−2,2−ジオキシド−1H−2−ベンゾチオピラン−6−イル)−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]アセトアミド(工程1)に置換し、MeOH/Et2Oからのトリチュレーションおよび濾過により最終生成物を再精製する以外は重要でない変形を施し、表題の化合物(75%)を白色固体として得る。mp 187℃(分解). MS(ESI+) C15H18N2O4S2としてm/z 355(M+H)+;[α]25 D=4°(c 0.91、DMSO).
【0118】
実施例13 (+)−N−[[(5S)−3−(3,4−ジヒドロ−1H−2−ベンゾピラン−7−イル)−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]エタンチオアミド
【0119】
【化23】
【0120】
工程1 2−[2−(ヒドロキシメチル)−4−ニトロフェニル]エタノールの調製
N2下の乾燥THF(291mL)中の4−ニトロホモフタル酸(13.12g、58.27ミリモル、J. Amer. Chem. Soc.、1969、91、2467)の溶液をNaBH4(6.61g、174.8ミリモル)で15分間何回かに分けて処理する。得られた混合物を氷浴中で冷却し、BF3・Et2O(22.15mL、174.8ミリモル)を35分間滴下して添加する。冷却浴を取り去り、反応混合物を雰囲気温度にて18時間激しく撹拌し、次いで、氷浴中で冷却し、1N NaOH水溶液(233mL、4当量)のゆっくりした添加によりクエンチし、雰囲気温度にてさらに4時間撹拌する。次いで、THFを減圧下で除去し、得られた沈殿を濾過により単離し、濾液をMeOH/CH2Cl2(10/90、3×150mL)で抽出し、沈殿を有機抽出と合わせ、さらにMeOH/CH2Cl2(10/90,400mL)で希釈し、無水Na2SO4で乾燥させ、減圧下濃縮し、EtOAc/ヘキサンから再結晶して、8.16g(71%)の表題化合物をベージュ色固体として得る。mp 80−81℃(分解).
【0121】
工程2 3 , 4−ジヒドロ−7−ニトロ−1H−2−ベンゾピランの調製
N2下の0℃の乾燥THF中の2−[2−(ヒドロキシメチル)−4−ニトロフェニル]エタノール(工程1、1.65g、8.37ミリモル)、スクシンイミド(829mg、8.37ミリモル)およびトリフェニルホスフィン(2.46g、9.37ミリモル)の溶液をアゾジカルボン酸ジエチル(1.50mL、9.54ミリモル)で5分間滴下処理し、得られた混合物を0℃にて4時間撹拌し、次いで、減圧下濃縮する。残渣をEtOAc/ヘプタン(10/90)で溶出するフラッシュ40Mシリカゲル(90g、32−63μm)カートリッジのクロマトグラフィーに付し、TLC(EtOAc/ヘキサン、50/50)によりRf=0.60を持つそれらの画分を貯め、濃縮して、995mg(66%)の表題化合物を白色固体として得る。mp 96−98℃.
【0122】
工程3 (3 , 4−ジヒドロ−1H−2−ベンゾピラン−7−イル)カルバミン酸フェニルメチルの調製
実施例8、工程1の一般的な手順に従い、3,4−ジヒドロ−6−ニトロ−1H−2−ベンゾピランに代えて、3,4−ジヒドロ−7−ニトロ−1H−2−ベンゾピラン(工程2)に置換する以外は重要でない変形を施し、表題の化合物を白色固体として得る(92%)。mp 94−95℃.
【0123】
工程4 (−)−N−[[(5S)−3−(3 , 4−ジヒドロ−1H−2−ベンゾピラン−7−イル)−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]アセトアミドの調製
実施例10、工程4の一般的な手順に従い、(3,4−ジヒドロ−1H−2−ベンゾチオピラン−6−イル)カルバミン酸フェニルメチルに代えて、(3,4−ジヒドロ−1H−2−ベンゾピラン−7−イル)カルバミン酸フェニルメチル(工程3)に置換する以外は重要でない変形を施し、表題の化合物をガラス状固体として得る(63%)。1H NMR(400MHz、CDCl3)δ 8.21(m、1H)、7.34(m、1H)、7.19(m、1H)、7.13(d、1H)、4.69(m、1H)、4.65(s、2H)、4.07(t、1H)、3.85(m、2H)、3.69(dd、1H)、3.39(m、2H)、2.73(m、2H)、1.82(s、3H);MS(ESI+) C15H18N2O4としてm/z 291(M+H)+;[α]25 D=−22°(c 0.98、DMSO).
【0124】
工程5 (+)−N−[[(5S)−3−(3 , 4−ジヒドロ−1H−2−ベンゾピラン−7−イル)−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]アセトアミドの調製
実施例5の一般的な手順に従い、6−[(5S)−5−[(アセチルアミノ)メチル]−2−オキソ−3−オキサゾリジニル]−3,4−ジヒドロ−2(1H)−イソキノリンカルボン酸メチルに代えて、(−)−N−[[(5S)−3−(3,4−ジヒドロ−1H−2−ベンゾピラン−7−イル)−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]アセトアミド(工程4)に置換し、0.7モル当量のLawesson試薬を用い、MeOH/Et2OでのトリチュレーションまたはEtOAc/ヘキサンからの再結晶により生成物を再精製する以外は重要でない変形を施し、表題の化合物を白色固体として得る(84%)。mp 165℃(分解). MS(ESI+) C15H18N2O3Sとしてm/z 307(M+H)+;[α]25 D=6°(c 0.96、DMSO).
【0125】
実施例14 (−)−N−[[(5S)−3−(3,4−ジヒドロ−1H−2−ベンゾチオピラン−7−イル)−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]アセトアミド
【0126】
【化24】
【0127】
工程1 4−(2−ヒドロキシエチル)−3−(ヒドロキシメチル)フェニルカルバミン酸フェニルメチルの調製
MeOH(50mL)中の2−[2−(ヒドロキシメチル)−4−ニトロフェニル]エタノール(実施例13、工程1、2.00g、10.14ミリモル)およびPtO2(10モル%、229mg)の混合物を脱気し、Parr水素添加装置で15psi H2下3時間振盪させ、次いで、触媒をセライトを通す濾過により除去する。濾液を減圧下で濃縮して、アニリン中間体を得、次いで、それをTHF/H2O(2:1、101mL)に溶解し、0℃まで冷却し、NaHCO3(1.70g、20.28ミリモル)およびクロロギ酸ベンジル(1.59mL、11.15ミリモル)で処理する。得られた混合物を0℃にて30分間撹拌し、次いで、EtOAc(50mL)で希釈し、H2O(25mL)およびブライン(25mL)で洗浄し、無水MgSO4で乾燥させ、減圧下濃縮する。次いで、その粗生成物をMeOH/CH2Cl2(1/99−5/95)の勾配で溶出するフラッシュ40Mシリカゲル(90g、32−63μm)カートリッジのクロマトグラフィーに付し、TLC(MeOH/CH2Cl2(10/90))によりRf=0.50を持つそれらの画分を貯め、濃縮して、2.84g(93%)の表題化合物を白色固体として得る。mp 101−103℃.
【0128】
工程2 (3 , 4−ジヒドロ−1H−2−ベンゾチオピラン−7−イル)カルバミン酸フェニルメチルの調製
N2下0℃の乾燥CH2Cl2(204mL)中の4−(2−ヒドロキシエチル)−3−(ヒドロキシメチル)フェニルカルバミン酸フェニルメチル(工程1、12.29g、40.78ミリモル)およびトリエチルアミン(17.05mL、122.3ミリモル)の溶液を塩化メタンスルホニル(7.89mL、101.9ミリモル)で滴下処理し、0℃にて1時間撹拌する。次いで、混合物をCH2Cl2(200mL)で希釈し、H2O(200mL)およびブライン(50mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、減圧下で濃縮して、粗製の中間体を得、それをEtOAc/ヘプタン(30/70−60/40)の勾配で溶出する2つのフラッシュ40Mシリカゲル(90g、32−63μm)カートリッジのクロマトグラフィーに付す。TLC(EtOAc/ヘキサン、50/50)によりRf=0.22を持つそれらの画分の貯めおよび濃縮は、11.66g(62%)のビスメシレート中間体を粘性の油性物として供する。[MS(ESI+) C19H23NO8S2としてm/z 456(M+H)+]。次いで、乾燥DMSO中のこの中間体(10.58g、23.13ミリモル)および無水Na2S(5.41g、69.39ミリモル)の混合物をN2下30分間撹拌し、Et2O(200mL)および氷H2O(200mL)で希釈し、層を分離する。反応フラスコ中に残っている沈殿をCH2Cl2(50mL)に溶解し、ブライン(20mL)で洗浄し、合わせた有機相を無水Na2SO4で乾燥させ、減圧下濃縮する。次いで、その粗生成物をEtOAc/ヘプタン(10/90)で溶出するフラッシュ40Mシリカゲル(90g、32−63μm)カートリッジのクロマトグラフィーに付し、TLC(EtOAc/ヘキサン、25/75)によりRf=0.61を持つそれらの画分を貯め、濃縮して、3.39g(49%、全体では30%)の表題化合物を白色固体として得る、mp 109−111℃.
【0129】
工程3 (−)−N−[[(5S)−3−(3 , 4−ジヒドロ−1H−2−ベンゾチオピラン−7−イル)−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]アセトアミドの調製
実施例10、工程4の一般的な手順に従い、(3,4−ジヒドロ−1H−2−ベンゾチオピラン−6−イル)カルバミン酸フェニルメチルに代えて、(3,4−ジヒドロ−1H−2−ベンゾチオピラン−7−イル)カルバミン酸フェニルメチル(工程2)に置換する以外は重要でない変形を施し、表題の化合物(70%)を白色固体として得る。mp 139−140℃. [α]25 D=−24°(c 0.98、DMSO).
【0130】
実施例15 (+)−N−[[(5S)−3−(3,4−ジヒドロ−1H−2−ベンゾチオピラン−7−イル)−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]エタンチオアミド
【0131】
【化25】
【0132】
実施例5の一般的な手順に従い、6−[(5S)−5−[(アセチルアミノ)メチル]−2−オキソ−3−オキサゾリジニル]−3,4−ジヒドロ−2(1H)−イソキノリンカルボン酸メチルに代えて、(−)−N−[[(5S)−3−(3,4−ジヒドロ−1H−2−ベンゾチオピラン−7−イル)−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]アセトアミド(実施例14)に置換する以外は重要でない変形を施し、0.7モル当量のLawesson試薬を用い、MeOH/Et2Oからのトリチュレーションおよび濾過により最終生成物を再精製する以外は重要でない変形を施し、表題の化合物(72%)を白色固体として得る。mp 172−173℃(分解). [α]25 D=4°(c 0.93、DMSO).
【0133】
実施例16 (+)−N−[[(5S)−3−(3,4−ジヒドロ−2,2−ジオキシド−1H−2−ベンゾチオピラン−7−イル)−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]エタンチオアミド
【0134】
【化26】
【0135】
工程1 (−)−N−[[(5S)−3−(3 , 4−ジヒドロ−2 , 2−ジオキシド−1H−2−ベンゾチオピラン−7−イル)−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]アセトアミドの調製
実施例12、工程1の一般的な手順に従い、(−)−N−[[(5S)−3−(3,4−ジヒドロ−1H−2−ベンゾチオピラン−6−イル)−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]アセトアミドに代えて、(−)−N−[[(5S)−3−(3,4−ジヒドロ−1H−2−ベンゾチオピラン 7−イル)−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]アセトアミド(実施例14)に置換する以外は重要でない変形を施し、表題の化合物(95%)を白色固体として得る。mp 177−179℃. [α]25 D=−22°(c 1.02、DMSO).
【0136】
工程2 (+)−N−[[(5S)−3−(3 , 4−ジヒドロ−2 , 2−ジオキシド−1H−2−ベンゾチオピラン−7−イル)−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]エタンチオアミドの調製
実施例5の一般的な手順に従い、6−[(5S)−5−[(アセチルアミノ)メチル]−2−オキソ−3−オキサゾリジニル]−3,4−ジヒドロ−2(1H)−イソキノリンカルボン酸メチルに代えて、(−)−N−[[(5S)−3−(3,4−ジヒドロ−2,2−ジオキシド−1H−2−ベンゾチオピラン−7−イル)−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]アセトアミド(工程1)に置換し、0.7モル当量のLawesson試薬を用い、(10% MeOH/CH2CL2)/Et2Oからの再結晶により最終生成物を再精製する以外は重要でない変形を施し、表題の化合物(84%)を白色固体として得る。mp 184−185℃(分解).[α]25 D=4°(c 0.90、DMSO).
【0137】
実施例17 N−[[(5S)−3−(3,4−ジヒドロ−2−オキシド−1H−2−ベンゾチオピラン−7−イル)−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]アセトアミド
【0138】
【化27】
【0139】
H2O(4.1mL)中のNaIO4(220mg、1.03ミリモル)の溶液をMeOH(20mL)中の(−)−N−[[(5S)−3−(3,4−ジヒドロ−1H−2−ベンゾチオピラン−7−イル)−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]アセトアミド(実施例14、300mg、0.979ミリモル)の溶液で約1分間処理し、得られた混合物を雰囲気温度にて18時間撹拌する。次いで、混合物をブライン(25mL)で希釈し、10% MeOH/CH2Cl2(4×25mL)で抽出し、合わせた有機相を無水Na2SO4で乾燥させ、減圧下濃縮する。残渣をMeOH/CH2Cl2(2/98−8/92)の勾配で溶出するフラッシュ40Sシリカゲル(40g、32−63μm)カートリッジのクロマトグラフィーに付し、TLC(MeOH/CHCl3、10/90)によりRf=0.20を持つそれらの画分を貯め、濃縮して、293mg(93%)の表題化合物を非晶質の白色固体として得る(ジアステレオマーの混合物)。1H NMR(400MHz、DMSO−d6)δ 8.22(m、1H)、7.43(m、1H)、7.34(m、1H)、7.23(d、1H)、4.71(m、1H)、4.10−3.95(m、3H)、3.72(m、1H)、3.40(m、2H)、3.16(m、2H)、2.88(m、2H)、1.82(s、3H);MS(ESI+) C15H18N2O4Sとしてm/z 323(M+H)+.
【0140】
実施例18 (+)−N−[[(5S)−3−[2−ホルミル−1,2,3,4−テトラヒドロ−7−イソキノリニル]−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]エタンチオアミド
【0141】
【化28】
【0142】
工程1 [2−[2−[(メチルスルホニル)オキシ]エチル]−5−ニトロフェニル]メチル メタンスルホネートの調製
実施例10、工程1の一般的な手順に従い、2−[2−(ヒドロキシメチル)−5−ニトロフェニル]エタノールに代えて、2−[2−(ヒドロキシメチル)−4−ニトロフェニル]エタノール(実施例13、工程1)に置換する以外は重要でない変形を施し、表題の化合物(85%)を白色固体として得る。mp 83−85℃.
【0143】
工程2 N−ベンジル−7−ニトロ−1 , 2 , 3 , 4−テトラヒドロイソキノリンの調製N2下のCH2Cl2(25mL)中の[2−[2−[(メチルスルホニル)オキシ]エチル]−5−ニトロフェニル]メチル メタンスルホネート(工程1、1.75g、4.95ミリモル)の溶液をベンジルアミン(2.70mL、24.75ミリモル)で処理し、得られた混合物を雰囲気温度にて24時間撹拌し、次いで、水(20mL)およびブライン(10mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、減圧下濃縮する。次いで、その粗生成物をEtOAc/ヘプタン(10/90)で溶出するフラッシュ40Mシリカゲル(90g、32−63μm)カートリッジのクロマトグラフィーに付し、TLC(EtOAc/ヘキサン、25/75)によりRf=0.32を持つそれらの画分を貯め、濃縮して、1.33g(100%)の表題化合物をオレンジ色固体として得る。mp 85−86℃.
【0144】
工程3 3 , 4−ジヒドロ−7−[[(フェニルメトキシ)カルボニル]アミノ]−2(1H)−イソキノリンカルボン酸フェニルメチルの調製
実施例1、工程2の一般的な手順に従い、N−ベンジル−6−ニトロ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリンに代えて、N−ベンジル−7−ニトロ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン(工程2)に置換する以外は重要でない変形を施し、表題の化合物(77%)を白色固体として得る。mp 113−115℃.
【0145】
工程4 (−)−フェニルメチル 7−[(5S)−5−[[[(1 , 1−ジメチルエトキシ)カルボニル]アミノ]メチル]−2−オキソ−3−オキサゾリジニル]−3 , 4−ジヒドロ−2(1H)−イソキノリンカルボキシレートの調製
N2下0℃の乾燥DMF(5.6mL)中の3,4−ジヒドロ−7−[[(フェニルメトキシ)カルボニル]アミノ]−2(1H)−イソキノリンカルボン酸フェニルメチル(工程3、5.12g、12.29ミリモル)およびtert−ブチル (2S)−3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルカルバメート(米国特許出願、シリアル番号60/241122により調製できる、3.22g、15.36ミリモル)の溶液をLiOtBu(THF中の1M、29.5mL、29.5ミリモル)で5分間滴下処理する。冷却浴を取り出し、得られた混合物を雰囲気温度にて18時間撹拌し、飽和NH4Cl水溶液(25mL)でクエンチし、H2O(25mL)で希釈し、EtOAc(50mL)で抽出する。次いで、そのEtOAc相をH2O(2×50mL)およびブライン(25mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥させ減圧下濃縮する、残渣をEtOAc/ヘプタン(25/75−50/50)の勾配で溶出するフラッシュ40Mシリカゲル(90g、32−63μm)カートリッジのクロマトグラフィーに付す。TLC(EtOAc/ヘキサン、50/50)によりRf=0.20を持つそれらの画分を貯め、濃縮して、4.69g(80%)の表題化合物を白色固体として得る。mp 135−137℃. [α]25 D=−27°(c 1.00、DMSO).
【0146】
工程5 (−)−1 , 1−ジメチルエチル [[(5S)−2−オキソ−3−(1 , 2 , 3 , 4−テトラヒドロ−7−イソキノリニル]−5−オキサゾリジニル]メチル]カルバメートの調製
実施例6、工程2の一般的な手順に従い、(−)−フェニルメチル 6−[(5S)−5−[[[(1,1−ジメチルエトキシ)カルボニル]アミノ]メチル]−2−オキソ−3−オキサゾリジニル]−3,4−ジヒドロ−2(1H)イソキノリンカルボキシレートに代えて、(−)−フェニルメチル 7−[(5S)−5−[[[(1,1−ジメチルエトキシ)カルボニル]アミノ]メチル]−2−オキソ−3−オキサゾリジニル]−3,4−ジヒドロ−2(1H)−イソキノリンカルボキシレート(工程4)に置換する以外は重要でない変形を施し、表題の化合物(100%)を非晶質の白色固体として得、それをさらなる精製なく用いる。1H NMR(400MHz、DMSO−d6)δ 7.29(m、1H)、7.17(m、2H)、7.06(d、1H)、4.65(m、1H)、4.05(t、1H)、3.85(s、2H)、3.74(dd、1H)、3.25(m、2H)、2.95(m、2H)、2.66(m、2H)、1.36(s、9H);MS(ESI+) C18H25N3O4としてm/z 348(M+H)+;[α]25 D=−33°(c 0.93、DMSO).
【0147】
工程6 (−)−1 , 1−ジメチルエチル [[(5S)−2−オキソ−3−[2−ホルミル−1 , 2 , 3 , 4−テトラヒドロ−7−イソキノリニル]−5−オキサゾリジニル]メチル]カルバメートの調製
実施例6、工程3の一般的な手順に従い、1,1−ジメチルエチル [[(5S)−2−オキソ−3−[1,2,3,4−テトラヒドロ−6−イソキノリニル]−5−オキサゾリジニル]メチル]カルバメートに代えて、1,1−ジメチルエチル [[(5S)−2−オキソ−3−[1,2,3,4−テトラヒドロ−7−イソキノリニル]−5−オキサゾリジニル]メチル]カルバメート(工程5)に置換する以外は重要でない変形を施し、表題の化合物(97%)を非晶質の白色固体として得る。 1H NMR(400MHz、DMSO−d6)δ(ロタマーAおよびBの混合物)8.21(s、1HB)、8.16(s、1HA)、7.42−7.29(m、2HA+2HB)、7.16(m、2HA+2HB)、4.68(m、1HA+1HB)、4.57(s、2HB)、4.53(s、2HA)、4.08(t、1HA+1HB)、3.76(m、1HA+1HB)、3.63(m、2HA+2HB)、3.26(m、2HA+2HB)、2.80(m、2HA)、2.73(m、2HB)、1.36(s、9HA+9HB);MS(ESI+) C19H25N3O5としてm/z 375(M+H)+;[α]25 D=−32°(c 0.97、DMSO).
【0148】
工程7 (+)−N−[[(5S)−3−[2−ホルミル−1 , 2 , 3 , 4−テトラヒドロ−7−イソキノリニル]−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]エタンチオアミドの調製
0℃の最小のMeOH中の1,1−ジメチルエチル [[(5S)−2−オキソ−3−[2−ホルミル−1,2,3,4−テトラヒドロ−7−イソキノリニル]−5−オキサゾリジニル]メチル]カルバメート(工程6、910mg、2.42ミリモル)の溶液をジオキサン(12.1mL)中の4N HClで処理し、得られた混合物を0℃にて15分間撹拌し、次いで、CH2Cl2から数回濃縮して、脱保護したアミノメチル オキサゾリジノン中間体をその塩酸塩として得[MS(ESI+) C14H17N3O3としてm/z 276(M+H)+]、それをさらなる精製なくして用いる。N2下の乾燥CH2Cl2(12mL)中のこの中間体(370mg、1.19ミリモル)およびトリエチルアミン(497μL、3.57ミリモル)の溶液をジチオ酢酸エチル(273μL、2.38ミリモル)で処理する。均質な混合物を5時間撹拌し、次いで、CH2Cl2(10mL)で希釈し、H2O(10mL)およびブライン(10mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、減圧下濃縮する。その粗生成物をMeOH/CH2Cl2(1/99−3/97)の勾配で溶出するフラッシュ40Sシリカゲル(40g、32−63μm)カートリッジのクロマトグラフィーに付す。TLC(MeOH/CHCl3、5/95)によりRf=0.42を持つそれらの画分を貯め、濃縮し、生成物をEtOAc/Et2Oからトリチュレートおよび濾過して、272mg(69%)の表題化合物を白色固体として得る。mp 179−181℃(分解). [α]25 D=4°(c 1.02、DMSO).
【0149】
実施例19 (+)−N−[[(5S)−3−[2−[(ヒドロキシ)アセチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−7−イソキノリニル]−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]エタンチオアミド
【0150】
【化29】
【0151】
工程1 (−)−1 , 1−ジメチルエチル [[(5S)−2−オキソ−3−[1 , 2 , 3 , 4−テトラヒドロ−2−[(フェニルメトキシ)アセチル]−7−イ ソキノリニル]−5−オキサゾリジニル]メチル]カルバメートの調製
実施例7、工程1の一般的な手順に従い、1,1−ジメチルエチル [[(5S)−2−オキソ−3−[1,2,3,4−テトラヒドロ−6−イソキノリニル]−5−オキサゾリジニル]メチル]カルバメートに代えて、1,1−ジメチルエチル [[(5S)−2−オキソ−3−[1,2,3,4−テトラヒドロ−7−イソキノリニル]−5−オキサゾリジニル]メチル]カルバメート(実施例18、工程5)に置換する以外は重要でない変形を施し、生成物(89%)を非晶質の白色固体として得る。1H NMR(400MHz、DMSO−d6)δ(ロタマーAおよびBの混合物)7.43−7.27(m、7HA+7HB)、7.17(m、2HA+2HB)、4.67(m、1HA+1HB)、4.60−4.51(m、4HA+4HB)、4.28(s、2HA+2HB)、4.08(m、1HA+1HB)、3.76(m、1HA+3HB)、3.65(m、2HA+2HB)、3.26(m、2HA+2HB)、2.80(m、2HA)、2.74(m、2HB)、1.36(s、9HA+9HB);MS(ESI+) C27H33N3O6としてm/z 496(M+H)+;[α]25 D=−27°(c 1.01、DMSO).
【0152】
工程2 (+)−N−[[(5S)−3−[2−[(ヒドロキシ)アセチル]−1 , 2 , 3 , 4−テトラヒドロ−7−イソキノリニル]−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]エタンチオアミドの調製
0℃の最小のMeOH中の(−)−1,1−ジメチルエチル [[(5S)−2−オキソ−3−[1,2,3,4−テトラヒドロ−2−[(フェニルメトキシ)アセチル]−7−イソキノリニル]−5−オキサゾリジニル]メチル]カルバメート(工程1、1.32g、2.66ミリモル)の溶液をジオキサン(13.3mL)中の4N HClで処理し、得られた混合物を0℃にて15分間撹拌し、CH2Cl2から数回濃縮して、脱保護したアミノメチル オキサゾリジノン中間体をその塩酸塩として得[MS(ESI+) C22H25N3O4としてm/z 396(M+H)+]、それをさらなる精製なく用いる。MeOH(53mL)中のこの中間体の溶液をN2下の10% C上のPd(570mg、20モル%)を含有するParrボトルに添加し、混合物を30psi H2下で約6時間振盪させ、次いで、セライトを通して濾過して触媒を除去し、減圧下で濃縮して、脱ベンジル化中間体 [894mg、98%、MS(ESI+) C15H19N3O4としてm/z 306(M+H)+]を得、また、それをさらなる精製なく用いる。N2下の乾燥CH2Cl2(13.7mL)中のこの中間体(470mg、1.37ミリモル)およびトリエチルアミン(573μL、4.11ミリモル)の溶液をジチオ酢酸エチル(314μL、2.74ミリモル)で処理する。均質な混合物を15時間撹拌し、次いで、CH2Cl2(10mL)で希釈し、H2O(10mL)およびブライン(10mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、減圧下濃縮する。その粗生成物をMeOH/CH2Cl2(2/98−4/96)の勾配で溶出するフラッシュ40Sシリカゲル(40g、32−63μm)カートリッジのクロマトグラフィーに付し、TLC(MeOH/CHCl3、10/90)によりRf=0.41を持つそれらの画分を貯め、濃縮し、生成物をCH2Cl2/Et2Oからトリチュレートおよび濾過して、260mg(52%)の表題化合物を白色固体として得る。mp 158−160℃(分解). [α]25 D=4(c 0.96、DMSO).
【0153】
実施例20 N−{[(5S)−3−(1−ホルミル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンゾアゼピン−7−イル)−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル]メチル}アセトアミド
【0154】
【化30】
【0155】
工程1 2 , 3 , 45−テトラヒドロ−1H−1−ベンゾアゼピン−2−オンの 調製
水(13mL)およびクロロホルム(160mL)中のアジ化ナトリウム(25g、370ミリモル)の溶液を0℃まで冷却し、濃硫酸(11mL)で滴下処理する。攪拌を30分間続け、その層を分離する。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、α−テトラロン(20g、137ミリモル)を攪拌しつつ1回で添加する。得られた溶液を40℃にて加熱し、濃硫酸(38mL)を滴下して、40−45℃の内部温度を維持し、攪拌を1時間続け、次いで20℃まで冷却し、分液漏斗に注ぐ。底部層を攪拌しつつ氷水(900mL)に滴下する。得られた固体を濾過により集め、40℃にて真空中で乾燥させて、19.7gの灰色がかった白色固体(89%)を得る。mp 139−140℃;MS(ESI+)m/z 162(M+H).
【0156】
工程2 7−ニトロ−2 , 3 , 4 , 5−テトラヒドロ−1H−1−ベンゾアゼピンの調製
0−5℃の濃硫酸(25mL)中の前記のベンゾアゼピノン(5.0g、31ミリモル)を濃硫酸(4mL)中の発煙硝酸(2.0mL)で滴下処理し、30分間撹拌する。混合物を氷水(150mL)に注ぎ、得られた固体を濾過により集め、次いで、ジクロロメタン中の20−30%酢酸エチルでのシリカゲルのクロマトグラフィーに付して、1.3gの7および8−ニトロ異性体の混合物を得る。その位置異性体をTHF(20mL)に溶解し、1Mボラン−THF(20mL)で滴下処理し、次いで、60℃にて3時間加熱し、冷却し、1N塩酸(20mL)でクエンチする。得られた混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で塩基性とし、次いで、酢酸エチルで抽出する。有機層をブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ヘプタン中の20%酢酸エチルでのシリカゲルのクロマトグラフィーに付し460mg(45%)の表題化合物を黄色泡状物として得る。元素分析 C10H12N2O2として:C、62.49;H、6.29;N、14.57. 実測値:C、62.15;H、6.17;N、14.54;MS(ESI+)m/z 193(M+H).
【0157】
工程3 7−(ベンジルカルボキシアミノ)−2 , 3 , 4 , 5−テトラヒドロ−1H−1−ベンゾアゼピン−1−カルボン酸ベンジルの調製
無水エタノール(10mL)中のニトロベンゾアゼピノン(450mg、2.3ミリモル)、ヒドラジン(300μL)および10%炭素上のパラジウム(50mg)を60℃にて1時間加熱し、冷却し、セライトを通して濾過し、真空中で濃縮して、白色固体(430mg)を得る。その固体をアセトン(10mL)に溶解させ、水(5mL)で希釈し、炭酸水素ナトリウム(1.00g、12ミリモル)およびクロロギ酸ベンジル(750μL、5.3ミリモル)で処理する。混合物を室温にて1時間撹拌し、酢酸エチル(50mL)で希釈し、それを水およびブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮し、ヘプタン中の20%酢酸エチルでのシリカゲルのクロマトグラフィーに付して、885mgの表題化合物を白色泡状物として得る(83%)。元素分析 C26H26N2O4として計算値:C、72.54;H、6.09;N、6.51. 実測値:C、72.53;H、6.18;N、6.50;MS(ESI+)m/z 431(M+H).
【0158】
工程4 7−[(5R)−(5−ヒドロキシメチル)−2−オキソ−3−オキサゾリジニル]−2 , 3 , 4 , 5−テトラヒドロ−1H−ベンゾアゼピン−1−カルボン酸フェニルメチルの調製
前記の化合物(850mg、2.0ミリモル)をTHF(15mL)に溶解し、−70℃まで冷却し、n−ブチルリチウム(1.22mL、2.0ミリモル)で滴下処理し、次いで、30分間撹拌した後、(R)−(−)−グリシジルブチレート(310μL、2.1ミリモル)を添加する。混合物を室温にて一晩撹拌し、水で希釈し、ジクロロメタンで抽出し、それを無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮し、ジクロロメタン中の20%酢酸エチルでのシリカゲルのクロマトグラフィーに付して、564mg(72%)の白色泡状物を得る。HRMS(FAB) C22H24N2O5+Hとして計算値:397.1763、実測値 397.1796;元素分析 C22H24N2O5として計算値:C、66.65;H、6.10;N、7.07. 実測値:C、66.35;H、6.34;N、6.91.
【0159】
工程5 7−[(5R)−(5−アセチルアミノ)−2−オキソ−3−オキサゾリジニル]−2 , 3 , 4 , 5−テトラヒドロ−1H−ベンゾアゼピン−1−カルボン酸フェニルメチルの調製
前記の化合物(540mg、1.4ミリモル)、3−ニトロベンゼンスルホニル クロリド(340mg、1.5ミリモル)およびトリエチルアミン(400μL、2.9ミリモル)をジクロロメタン(20mL)に合わせて、室温にて一晩撹拌する。混合物を水およびブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮する。得られた油性物質を密閉管中でTHF(10mL)、メタノール(6mL)および水酸化アンモニウム(16mL)に溶解し、80℃にて一晩加熱する。冷却後、溶液を水で希釈し、ジクロロメタンで抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮する。得られた油性物をジクロロメタン(10mL)に溶解し、無水酢酸(260μL)で処理し、出発物質がTLCにより決定されるごとく消費されるまで室温にて撹拌する。次いで、混合物を真空中で濃縮し、ジクロロメタン中の40%酢酸エチルでのシリカゲルのクロマトグラフィーに付して、530mg(89%)の表題化合物を白色泡状物として得る。HRMS(FAB) C24H27N3O5+H1として計算値 438.2029、実測値 438.2032. 元素分析 C24H27N3O5として計算値:C、65.89;H、6.22;N、9.60. 実測値:C、65.19;H、6.53;N、9.47.
【0160】
工程6 N−[[(5S)−3−(2 , 3 , 4 , 5−テトラヒドロ−1H−1−ベンゾアゼピン−7−イル)−2−オキソ−1 , 3−オキサゾリジン−5−イル]メチル}アセトアミドの調製
前記の化合物(530mg、1.2ミリモル)および10%炭素上のパラジウム(50mg)をメタノール(30mL)中で30psiにて18時間水素添加し、セライトを通して濾過し、濃縮し、ジクロロメタン中の40−80%酢酸エチルでのシリカゲルのクロマトグラフィーに付して、315mg(86%)の表題化合物を白色固体として得る。比旋光度 [α]25 D=−21(c 0.60、DMSO). 元素分析 C16H21N3O3として計算値:C、63.35;H、6.98;N、13.85. 実測値:C、63.23;H、7.03;N、13.83.
【0161】
工程7 N−{[(5S)−3−(1−ホルミル−2 , 3 , 4 , 5−テトラヒドロ−1H−1−ベンゾアゼピン−7−イル)−2−オキソ−1 . 3−オキサゾリジン−5−イル]メチル}アセトアミドの調製
無水酢酸(162μL、1.7ミリモル)を98%ギ酸(70μL、2.0ミリモル)に添加し、60℃にて1時間加熱し、冷却し、次いで、THF(1mL)で希釈する。THF(5mL)中の前記の化合物(20mg、0.67ミリモル)を前記の混合物に添加し、次いで、室温にて1時間撹拌する。真空中で濃縮後、その粗生成物をジクロロメタン中の3%メタノールでのシリカゲルのクロマトグラフィーに付して、170mg(78%)の表題化合物を白色固体として得る。比旋光度 [α]25 D=−23°(c 0.85、DMSO). 元素分析 C17H21N3O4として計算値:C、61.62;H、6.39;N、12.68. 実測値:C、61.41;H、6.50;N、12.41.
【0162】
実施例21 N−{[(5S)−3−(1−ホルミル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンゾアゼピン−7−イル)−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル]メチル}エタンチオアミド
【0163】
【化31】
【0164】
工程1 N−[[(5S)−3−(2 , 3 , 4 , 5−テトラヒドロ−1H−1−ベンゾアゼピン−7−イル)−2−オキソ−1 , 3−オキサゾリジン−5−イル]メチル]エタンチオアミドの調製
実施例20、工程6からの化合物(200mg、0.61ミリモル)およびLawesson試薬をジオキサン(10mL)に合わせ、18時間加熱還流する。その混合物を冷却し、シリカゲル(2g)を添加し、揮発性物質を真空中で除去する。得られた物質をジクロロメタン中の20−40%酢酸エチルでのシリカゲルのクロマトグラフィーに付して、190mg(90%)の表題化合物を得る。HRMS(FAB)C16H21N3O2S+H1として計算値 320.1432、実測値 320.1439.
【0165】
工程2 N−{[(5S)−3−(1−ホルミル−2 , 3 , 4 , 5−テトラヒドロ−1H−1−ベンゾアゼピン−7−イル)−2−オキソ−1 , 3−オキサゾリジン−5−イル]メチル}エタンチオアミドの調製
実施例20 工程7からの手順に従い、前記の化合物(150mg、0.47ミリモル)を表題の化合物(83mg、51%)に変換する。比旋光度 [α]25 D=7°(c 0.54、DMSO). 元素分析 C17H21N3O3Sとして計算値:C、58.77;H、6.09;N、12.09;実測値:C、58.41;H、6.53;N、11.86.
【0166】
実施例22 7−{(5S)−5−[アセチルアミノ]−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−3−イル}−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンゾアゼピン−3−カルボン酸ベンジル
【0167】
【化32】
【0168】
工程1 7−ニトロ−2 , 3 , 4 , 5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピン−3−カルボン酸メチルの調製
クロロギ酸メチル(120mL、1.53モル)を0℃のTHF(1L)中の2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピン(J. Heterocyclic Chem.、1971、779−783)、水(1L)および炭酸水素ナトリウム(206g、2.46ミリモル)に滴下する。混合物を室温にて4時間撹拌し、ジクロロメタンで抽出し、それを1N塩酸、水、1N水酸化ナトリウムおよびブラインで洗浄し、次いで、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、琥珀色油性物まで濃縮し、それをゆっくり濃縮させる。その固体を濃硫酸(500mL)に溶解し、−10℃まで冷却し、濃硫酸(500mL)中の硝酸アンモニウム(82g、1.03モル)の溶液で滴下処理する。温度を0−5℃に3時間維持し、次いで、氷に注ぎ、ジクロロメタンで抽出する。有機層は、水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮し、ヘプタン中の20%イソプロパノールでのChiralcelR ADカラムのクロマトグラフィーに付して、161g(66%)の表題の化合物を得る。元素分析 C10H8BrNO2として計算値:C、47.27;H、3.17;N、5.51;実測値:C、47.14;H、3.20;N、5.54.
【0169】
工程2 7−アミノ−2 , 3 , 4 , 5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピン−3−カルボン酸メチルの調製
エタノール(800mL)中の工程1からの化合物の混合物(50g、200ミリモル)および10%炭素上のパラジウム(2.5g)を振盪しつつ20psiにて水素添加する。メチル t−ブチルエーテルを添加し、混合物をセライトを通して濾過し、濃縮して、44g(100%)の表題化合物を白色固体として得る。mp 100−104℃.
【0170】
工程3 7−(フェニルメチルカルボキシアミノ)−2 , 3 , 4 , 5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピン−3−カルボン酸フェニルメチルの調製
エタノール(40mL)および水(10mL)中の前記の工程からのアミン(1.0g、4.5ミリモル)および水酸化カリウム(1.5g、27ミリモル)を90℃にて一晩加熱する。さらに、水酸化カリウム(1.5g)を添加し、還流を24時間続ける。反応物を冷却し、水で希釈し、ジクロロメタンで抽出し、有機層を濃縮する。得られた油性物を4:1のアセトン/水(50mL)に溶解し、炭酸水素ナトリウム(2.0g、24ミリモル)およびクロロギ酸ベンジル(1.6mL、11ミリモル)で処理し、室温にて一晩撹拌し、次いで、酢酸エチルで希釈し、水およびブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮し、ヘプタン中の20%酢酸エチルでのシリカゲルのクロマトグラフィーに付して、1.59g(81%)の表題化合物を黄色油性物として得、それをゆっくりと固化させる。MS(ESI+) m/z 431(M+H).
【0171】
工程4 7−[(5S)−5−ヒドロキシメチル]−2−オキソ−1 , 3−オキサゾリジン−3−イル}−1 , 2 , 4 , 5−テトラヒドロ−3H−3−ベンゾアゼピン−3−カルボン酸ベンジルの調製
実施例20 工程4に記載された手順に従い、出発物質として前記の化合物(1.5g、3.5ミリモル)を用いて、表題の化合物(690mg、50%)を白色固体として得る。比旋光度 [α]25 D=−32°(c 0.47、DMSO). 元素分析 C22H24N2O5として計算値:C、66.65;H、6.10;N、7.07. 実測値:C、66.62;H、6.12;N、7.02.
【0172】
工程5 7−{(5S)−5−[アセチルアミノ]−2−オキソ−1 , 3−オキサゾリジン−3−イル}−1 , 2 , 4 , 5−テトラヒドロ−3H−3−ベンゾアゼピン−3−カルボン酸ベンジルの調製
実施例20、工程5に記載された手順に従い、出発物質として前記の化合物(650mg、1.6ミリモル)を用いて、表題の化合物(600mg、83%)を白色固体として得る。比旋光度 [α]25 D=−17°(c 0.56、DMSO). 元素分析 C24H27N3O5として計算値:C、65.89;H、6.22;N、9.60. 実測値:C、65.60;H、6.17;N、9.44.
【0173】
実施例23 N−{[(5S)−3−(3−ホルミル−1,2,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピン−7−イル)−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル]メチル}アセトアミド
【0174】
【化33】
【0175】
工程1 7−{(5S)−5−[アセチルアミノ]−2−オキソ−1 , 3−オキサゾリジン−3−イル]−1 , 2 , 4 , 5−テトラヒドロ−3H−3−ベンゾアゼピンの調製
実施例20 工程6に記載された手順に従い、出発物質として実施例20 工程5(500mg、1.1ミリモル)を用いて、表題の化合物(350mg、100%)を白色固体として得る。MS(ESI+) m/z 304(M+H).
【0176】
工程2 N−{[(5S)−3−(3−ホルミル−1 , 2 , 4 , 5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピン−7−イル)−2−オキソ−1 , 3−オキサゾリジン−5−イル]メチル}アセトアミドの調製
実施例20 工程7に記載された手順に従い、出発物質として前記の化合物(100mg、0.33ミリモル)を用いて、表題の化合物(94mg、86%)を白色固体として得る。比旋光度 [α]25 D=−22°(c 0.38、DMSO). 元素分析 C17H21N3O4として計算値:C、61.62;H、6.39;N、12.68. 実測値:C、61.30;H、6.68;N、12.22.
【0177】
実施例24 N−{[(5S)−3−(3−グリコロイル−1,2,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピン−7−イル)−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル]メチル}アセトアミド
【0178】
【化34】
【0179】
0℃のジクロロメタン(5mL)中の実施例24 工程1からの生成物(100mg、0.33ミリモル)およびトリエチルアミン(80μL、0.57ミリモル)を塩化アセトキシアセチル(50μL、0.41ミリモル)で処理し、室温にて一晩撹拌し、次いで、真空中で濃縮する。残渣をメタノール(5mL)に溶解し、炭酸カリウム(100mg、0.7ミリモル)で処理し、室温にて一晩撹拌し、次いで、ジクロロメタン中の4%メタノールでのシリカゲルのクロマトグラフィーに付して、100mg(84%)の表題化合物を白色固体として得る。HRMS(FAB) C18H23N3O5+H1として計算値 362.1716、実測値 362.1725. 比旋光度 [α]25 D=−19°(c 0.53、DMSO).
【0180】
実施例25 N−{[(5S)−3−(3−アセチル−1,2,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピン−7−イル)−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル]メチル}アセトアミド
【0181】
【化35】
【0182】
ジクロロメタン(10mL)中の実施例23 工程1からの物質(250mg、0.82ミリモル)、トリエチルアミン(460μL、3.3ミリモル)および無水酢酸(160μL、1.7ミリモル)を添加し、室温にて一晩攪拌し、真空中で濃縮し、ジクロロメタン中の5%メタノールのシリカゲルのクロマトグラフィーに付して、250mg(88%)の表題化合物を白色固体として得る。比旋光度 [α]25 D=−23°(c 0.58、DMSO). 元素分析 C18H23N3O4として計算値:C、62.59;H、6.71;N、12.17. 実測値:C、62.43;H、6.87;N、11.74.
【0183】
実施例26 7−{(5S)−5−[(アセチルアミノ)メチル]−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−3−イル}−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンゾアゼピン−3−カルボン酸メチル
【0184】
【化36】
【0185】
実施例25に記載された手順に従い、出発物質として実施例23 工程1(250mg、0.82ミリモル)およびクロロギ酸メチル(100μL、1.3ミリモル)を用いて、表題の化合物(183mg、61%)を白色固体として得る。比旋光度 [α]25 D=−21°(c 0.40、DMSO). 元素分析 C18H23N3O5として計算値:C、59.82;H、6.41;N、11.63. 実測値:C、59.53;H、6.53;N、11.20.
【0186】
実施例27 N−{[(5S)−3−(3−ベンゾイル−1,2,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピン−7−イル)−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル]メチル}アセトアミド
【0187】
【化37】
【0188】
実施例25に記載された手順に従い、出発物質として実施例23 工程1(250mg、0.82ミリモル)および塩化ベンゾイル(140μL、1.3ミリモル)を用いて、表題の化合物(277mg、82%)を白色固体として得る。比旋光度 [α]25 D=−17°(c 0.70、DMSO). 元素分析 C23H25N3O4として計算値:C、67.80;H、6.18;N、10.31. 実測値:C、67.53;H、6.30;N、10.01.
【0189】
実施例28 N−({(5S)−3−[3−(メチルスルホニル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピン−7−イル]−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル}メチル)アセトアミド
【0190】
【化38】
【0191】
実施例25に記載された手順に従い、実施例23 工程1からの物質(250mg、0.82ミリモル)および塩化メチルスルホニル(130μL、1.3ミリモル)を用いて、表題の化合物(170mg、54%)を白色固体として得る。比旋光度 [α]25 D=−18°(c 0.37、DMSO). 元素分析 C1 7H23N3O5Sとして計算値:C、53.53;H、6.08;N、11.02. 実測値:C、52.98;H、6.14;N、10.53.
【0192】
実施例29 7−{(5S)−5−[(アセチルアミノ)メチル]−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−3−イル}−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンゾアゼピン−3−カルボン酸フェニル
【0193】
【化39】
【0194】
実施例25に記載された手順に従い、実施例23 工程1からの物質(250mg、0.82ミリモル)およびクロロギ酸ベンゼン(125μL、1.3ミリモル)を用いて、表題の化合物(192mg、55%)を白色固体として得る。比旋光度 [α]25 D=−17(c 0.51、DMSO). 元素分析 C23H25N3O5として計算値:C、65.24;H、5.95;N、9.92. 実測値:C、65.56;H、6.14;N、9.41.
【0195】
実施例30 N−[((5S)−3−{3−(フェニル)アセチル−1,2,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピン−7−イル}−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル)メチル]アセトアミド
【0196】
【化40】
【0197】
実施例25に記載された手順に従い、実施例23 工程1からの物質(250mg、0.82ミリモル)および塩化フェニルアセチル(130μL、1.3ミリモル)を用いて、表題の化合物(165mg、48%)を白色固体として得る。比旋光度 [α]25 D=−17°(c 0.67、DMSO). 元素分析 C24H27N3O4として計算値:C、68.39;H、6.46;N、9.97. 実測値:C、67.98;H、6.57;N、9.79
【0198】
実施例31 N−[((5S)−3−{3−[(4−ヨードフェニル)アセチル]−1,2,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピン−7−イル}−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル)メチル]アセトアミド
【0199】
【化41】
【0200】
実施例23 工程1(250mg、0.82ミリモル)からの生成物をピリジン(5mL)に溶解し、4−ヨード フェニル酢酸(260mg、1.0ミリモル)、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド 塩酸塩(235mg、1.2ミリモル)およびジメチルアミノピリジン(10mg)を添加し、室温にて一晩撹拌する。混合物を酢酸エチルで希釈し、水およびブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮し、ジクロロメタン中の5%メタノールでのシリカゲルのクロマトグラフィーに付して、320mgの表題化合物を白色固体として得る(71%)。HRMS(FAB)C24H26IN3O4+H1として計算値 548.1048、実測値 548.1045. 比旋光度 [α]25 D=−10°(c 0.53、DMSO).
【0201】
実施例32 N−[((5S)−3−{3−[(3−トリフルオロメチル)フェニル)アセチル]−1,2,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピン−7−イル}−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル)メチル]アセトアミド
【0202】
【化42】
【0203】
実施例31に記載された手順に従い、実施例23 工程1からの物質(250mg、0.82ミリモル)および3−トリフルオロメチルフェニル酢酸(200mg、1.0ミリモル)を用いて、表題の化合物(280mg、69%)を白色固体として得る。HRMS(FAB) C25H26F3N3O4+H1として計算値 490.1953、実測値 490.1966. 比旋光度 [α]25 D=−13°(c 0.55、DMSO).
【0204】
実施例33 N−[((5S)−3−{3−[(4−トリフルオロメチル)フェニル)アセチル]−1,2,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピン−7−イル}−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル)メチル]アセトアミド
【0205】
【化43】
【0206】
実施例31に記載された手順に従い、実施例23 工程1からの物質(250mg、0.82ミリモル)および4−トリフルオロメチルフェニル酢酸(200mg、1.0ミリモル)を用いて、表題の化合物(235mg、58%)を白色固体として得る。HRMS(FAB)C25H26F3N3O4+H1として計算値 490.1953、実測値 490.1958. 比旋光度 [α]25 D=−13(c 0.56、DMSO).
【0207】
実施例34 N−({(5S)−2−オキソ−3−[3−(5−オキソペンタノイル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピン−7−イル]−1,3−オキサゾリジン−5−イル}メチル)アセトアミド
【0208】
【化44】
【0209】
実施例31に記載された手順に従い、実施例23 工程1からの物質(100mg、0.33ミリモル)およびレブロン酸(levulonic acid)(40μL、0.39ミリモル)を用いて、表題の化合物(75mg、57%)を白色固体として得る。HRMS(FAB) C21H27N3O5+H1として計算値 402.2029、実測値 402.2028.
【0210】
実施例35 N−({(5S)−2−オキソ−3−[3−(5−オキソヘキサノイル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピン−7−イル]−1,3−オキサゾリジン−5−イル}メチル)アセトアミド
【0211】
【化45】
【0212】
実施例31に記載された手順に従い、実施例23 工程1からの物質(100mg、0.33ミリモル)およびアセチル酪酸(50μL、0.39ミリモル)を用いて、表題の化合物(33mg、24%)を黄色固体として得る。MS(FAB)m/z 416(MH+)、417、416、415、376、332、304、113、85、56、43. HRMS(FAB) C22H29N3O5+H1として計算値 416.2185、実測値 416.2187.
【0213】
実施例36 N−{[(5S)−3−(2−ホルミル−1,3,4,5−テトラヒドロ−1H−2−ベンゾアゼピン−7−イル)−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル]メチル}アセトアミド
【0214】
【化46】
【0215】
工程1 7−(フェニルメチルカルボキシアミノ)−1 , 3 , 4 , 5−テトラヒドロ−1H−2−ベンゾアゼピン−2−カルボン酸フェニルメチルの調製
エタノール(12mL)および水(6mL)中の6−アミノテトラロン(10.00g、62ミリモル)に、塩酸ヒドロキシルアミン(6.50g、93ミリモル)および酢酸ナトリウム(7.65mg、93ミリモル)を添加し、混合物を90℃にて2時間加熱する。エタノールを蒸留により除去し、水(60mL)を添加し、得られた固体を濾過により集め、空気乾燥させる。この固体を120−125℃のポリリン酸(400g)に添加し、1時間撹拌し、次いで冷却し、氷水(100mL)に添加する。水性混合物を濃水酸化アンモニウムでpH8−9まで塩基性とし、ジクロロメタンで抽出し、次いでそれを無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、固体(5.6g)まで濃縮する。固体をトルエン(120mL)および2,5−ヘキサンジオン(4.4mL、38ミリモル)に溶解し、p−トルエンスルホン酸(10mg)を添加し、Dean−Starkeトラップを用いて一晩還流して、水を除去する。次いで、混合物を冷却し、シリカゲルのパッドを通して濾過し、酢酸エチルで洗浄し、合わせた有機物を8.1gの残渣まで真空中で濃縮する。この残渣をTHF(100mL)に溶解し、THF(50mL)中の水素化アルミニウムリチウム(1.8g、47ミリモル)にカニューレを介して添加し、雰囲気温度にて一晩撹拌し、次いで、水(1.8mL)、2N水酸化ナトリウム水溶液(1.8mL)および水(5.4mL)で注意してクエンチする。得られた混合物はセライトを通して濾過し、酢酸エチルで洗浄し、合わせた有機物を白色固体まで濃縮する。固体をエタノール(70mL)および水(35mL)に溶解し、塩酸ヒドロキシルアミン(21g)およびトリエチルアミン(8.5mL)で処理し、一晩還流し、次いで、冷却し、濃水酸化アンモニウムで塩基性とし、ジクロロメタンで抽出する。その有機物を真空中で濃縮し、残渣を2:1のアセトン/水(150mL)に溶解し、クロロギ酸ベンジル(10.5mL、74ミリモル)および炭酸水素ナトリウム(25g、300ミリモル)で処理し、室温にて一晩撹拌する。そのアセトンをロータリーエバポレーターにより除去し、水層をジクロロメタンで抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮し、ヘプタン中の30%酢酸エチルでのシリカゲルのクロマトグラフィーに付して、5.14g(19%)の表題化合物を白色固体として得る。MS(ESI+)m/z 431(M+H). 元素分析 C26H26N2O4として計算値:C、72.54;H、6.09;N、6.51. 実測値:C、72.28;H、6.34;N、6.30.
【0216】
工程2 7−[(5S)−5−[(ヒドロキシ)メチル]−2−オキソ−3−オキサゾリジニル]−(1 , 3 , 4 , 5−テトラヒドロ)−1H−2−ベンゾアゼピン}カルボン酸フェニルメチルの調製
実施例20 工程4に記載された手順に従い、出発物質として前記の工程からの化合物を用いて、表題の化合物(730mg、1,7ミリモル)を白色固体として得る。HRMS(FAB) C22H24N2O5+H1として計算値 397.1763、実測値 397.1774.
【0217】
工程3 7−[(5S)−5−[(アセチルアミノ)メチル]−2−オキソ−1 , 3−オキサゾリジン−3−イル}−1 , 3 , 4 , 5−テトラヒドロ−2H−2−ベンゾアゼピン−2−カルボン酸ベンジルの調製
実施例25 工程5に記載された手順に従い、出発物質として前記の工程からの化合物を用いて、表題の化合物 を白色固体として得る。比旋光度 [α]25 D=−10°(c 0.66、塩化メチレン). 元素分析 C24H27N3O5として計算値:C、65.89;H、6.22;N、9.60. 実測値:C、65.37;H、6.30;N、9.47.
【0218】
工程4 N−{[(5S)−3−(1 , 3 , 4 , 5−テトラヒドロ−1H−2−ベンゾアゼピン−7−イル)−2−オキソ−1 , 3−オキサゾリジン−5−イル]メチル]アセトアミドの調製
実施例20 工程6に記載された手順に従い、出発物質として前記の工程からのものを用いて(1.5g、3.5ミリモル)表題の化合物を白色固体として得る。ES(+ESI)m/z 304.1(M+H).
【0219】
工程5 N−{[(5S)−3−(2−ホルミル−1 , 3 , 4 , 5−テトラヒドロ−1H−2−ベンゾアゼピン−7−イル)−2−オキソ−1 , 3−オキサゾリジン−5−イル]メチル}アセトアミドの調製
実施例20 工程7に記載された手順に従い、出発物質として前記の工程からの化合物(500mg、1.65ミリモル)を用いて、表題の化合物を白色固体として得る。HRMS(FAB) C18H23N3O5+H1として計算値 362.1716、実測値 362.1721. 元素分析 C17H21N3O4として計算値:C、61.62;H、6.39;N、12.68. 実測値:C、61.31;H、6.43;N、12.43;比旋光度 [α]25 D=−22°(c 0.70、DMSO).
【0220】
実施例37 N−{[(5S)−3−(2−グリコロイル−1,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピン−7−イル)−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル]メチル}アセトアミド
【0221】
【化47】
【0222】
実施例24に記載された手順に従い、出発物質として実施例36 工程4からの化合物(80mg、0.26ミリモル)を用いて、表題の化合物を白色固体として得る(75mg、79%)。MS(ESI−)m/z 360(M−H).
【0223】
実施例38 N−{[(5S)−3−(2−アセチル−1,3,4,5−テトラヒドロ−1H−2−ベンゾアゼピン−7−イル)−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル]メチル}アセトアミド
【0224】
【化48】
【0225】
実施例25に記載された手順に従い、出発物質として実施例36 工程4の化合物(250mg、0.82ミリモル)を用いて、表題の化合物を白色固体として得る(235mg、82%)。HRMS(FAB) C18H23N3O4+H1として計算値 346.1767、実測値 346.1777. 比旋光度 [α]25 D=−21°(c 0.53、DMSO).
【0226】
実施例39 7−{(5S)−5−[(アセチルアミノ)メチル]−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−3−イル}−1,3,4,5−テトラヒドロ−3H−2−ベンゾアゼピン−2−カルボン酸メチル
【0227】
【化49】
【0228】
実施例26に記載された手順に従い、出発物質として実施例36 工程4からの化合物(250mg、0.82ミリモル)を用いて、表題の化合物を白色固体として得る(155mg、52%)。比旋光度 [α]25 D=−19(c 0.46、DMSO). 元素分析 C18H23N3O5として計算値:C、59.82;H、6.41;N、11.63. 実測値:C、59.53;H、6.62;N、11.45.
【0229】
実施例40 7−{(5S)−5−[(アセチルアミノ)メチル]−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−3−イル}−N−フェニル−1,3,4,5−テトラヒドロ−2H−2−ベンゾアゼピン−2−カルボキシアミド
【0230】
【化50】
【0231】
DMF(1ml)中の実施例36 工程4からの化合物(100mg、0,33ミリモル)をイソシアン酸フェニル(39μL、0.36ミリモル)で処理し、室温にて一晩撹拌し、シリカゲル(5g)に吸収させ、CH2Cl2中の7%メタノールで溶出するフラッシュクロマトグラフィーに付して、135mg(97%)の表題化合物を白色固体として得る。HRMS(FAB) C23H26N4O4+H1として計算値 423.2032、実測値 423.2038.
【0232】
実施例41 N−{[(5S)−3−(3−グリコロイル−1,2,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピン−7−イル)−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル]メチル}エタンチオアミド
【0233】
【化51】
【0234】
工程1 N−{[(5S)−3−(1 , 2 , 4 , 5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピン−7−イル)−2−オキソ−1 , 3−オキサゾリジン−5−イル]メチル}エタンチオアミドの調製
ジオキサン(10mL)中の実施例23 工程1からの化合物(200mg、6.5ミリモル)およびLawesson試薬(260mg、6.5ミリモル)を窒素下18時間加熱還流し、次いで冷却し、酢酸エチルで希釈し、酢酸エチルおよび水およびブラインで洗浄し、乾燥させ、濃縮し、ジクロロメタン中の40%酢酸エチルで溶出するシリカゲルのクロマトグラフィーに付して、120mg(57%)の表題化合物を白色固体として得る。MS(ESI+) m/z 320.4(M+H).
【0235】
工程2 N−{[(5S)−3−(3−グリコロイル−1 , 2 , 4 , 5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピン−7−イル)−2−オキソ−1 , 3−オキサゾリジン−5−イル]メチル エタンチオアミドの調製
実施例23についての手順に従い、前記の工程からの化合物を用いて、表題の化合物を白色固体として調製する。HRMS(FAB) C18H23N3O4S+H1として計算値 378.1487、実測値 378.1489.
【0236】
実施例42 N−({(5S)−3−[3−(5−アミノ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピン−7−イル]−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル}メチル)アセトアミド
【0237】
【化52】
【0238】
アセトニトリル(20mL)中の実施例22 工程5からの化合物(500mg、1.6ミリモル)、5−アミノ−2−ブロモ−1,3,4−チジアゾール(320mg、1.8ミリモル)およびジイソプロピルエチルアミン(700μL)を60℃にて3日間加熱し、冷却し、真空中で濃縮し、ジクロロメタン中の10%メタノールでのシリカゲルのクロマトグラフィーに付して、507mg(76%)を琥珀色固体として得る。HRMS(FAB) C18H22N6O3S+H1として計算値 403.1552、実測値 403.1559. 比旋光度 [α]25 D=−18°(c 0.88、DMSO).
【0239】
実施例43 N−({(5S)−3−[3−(5−メチルチオ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピン−7−イル]−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル}メチル)アセトアミド
【0240】
【化53】
【0241】
実施例42からの手順に従い、実施例22 工程5からの化合物(250mg、0.82ミリモル)および5−メチルチオ−2−ブロモ−1,3,4−チジアゾール(190mg、0.90ミリモル)を用いて、表題の化合物(112mg、31%)を白色固体として得る。HRMS(FAB) C19H23N5O3S2+H1として計算値 434.1320、実測値 434.1321. 比旋光度 [α]25 D=−18°(c0.49、DMSO).
【0242】
実施例44 N−({(5S)−3−[3−(5−メチル−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピン−7−イル]−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル}メチル)アセトアミド
【0243】
【化54】
【0244】
実施例42からの手順に従い、実施例22 工程5からの化合物(250mg、0.82ミリモル)および5−メチル−2−ブロモ−1,3,4−チジアゾール(160mg、0.90ミリモル)を用いて、表題の化合物(49mg、15%)を白色固体として得る。HRMS(FAB) C19H23N5O3S+H1として計算値 402.1600、実測値 402.1607.
【0245】
実施例45 N−[((5S)−3−{3−[5−(ホルミルアミノ)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]−1,2,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピン−7−イル}−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル)メチル]アセトアミド 291551
【0246】
【化55】
【0247】
実施例20 工程7に記載された手順に従い、実施例42からの生成物(150mg、0.37ミリモル)で始めて、表題の化合物を白色固体として得る(105mg、66%)。HRMS(FAB) C19H22N6O4S+H1として計算値 431.1501、実測値 431.1510.
元素分析 C19H22N6O4Sとして計算値:C、53.01;H、5.15;N、19.52;S、7.45. 実測値:C、52.87;H、5.30;N、19.15.
【0248】
実施例46 N−[5−(7−{(5S)−5−[(アセチルアミノ)メチル]−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−3−イル}−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンゾアゼピン−3−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]−2−ヒドロキシアセトアミド
【0249】
【化56】
【0250】
実施例24に記載された手順に従い、実施例42からの生成物(200mg、0.5ミリモル)で始めて、表題の化合物を白色固体として得る(155mg、67%). 比旋光度 [α]25 D=−16°(c 0.63、DMSO). 元素分析 C20H24N6O5Sとして計算値:C、52.16;H、5.25;N、18.25;S、6.96. 実測値:C、51.84;H、5.49;N、17.95.
【0251】
実施例47 N−[[(5S)−2−オキソ−3−(1,2,4,5−テトラヒドロ−3−ベンゾチエピン−7−イル)−5−オキサゾリジニル]メチル]アセトアミド
【0252】
【化57】
【0253】
工程1 4−ニトロ−1 , 2−ベンゼン二酢酸の調製
−10℃まで冷却した濃硫酸(33mL)中の1,2−フェニレン二酢酸(10.2g、52.5ミリモル)の攪拌溶液に、硝酸(3.9mL)および硫酸(1.3mL)の混合物を10分間にわたり添加する。−10℃にて4時間撹拌した後、反応混合物を氷(250cc)に注ぐ。得られた混合物を酢酸エチル(3×300mL)で抽出する。合わせた有機相をH2O(100mL)で洗浄し、乾燥(MgSO4)させ、濾過し、濃縮して、白色固体を得る。その固体をヘキサン中のメチル−tert−ブチルエーテルから再結晶して、8.2g(34.3ミリモル、65%)の所望の生成物を得る。mp 187−188℃.
【0254】
工程2 4−ニトロ−1 , 2−ベンゼンジエタノールの調製
0℃まで冷却した乾燥THF(140mL)中の(工程1からの)二酸(8.2g、34.3ミリモル)の攪拌溶液に、1Mボランテトラヒドロフラン錯体(68.6mL)の溶液を30分間にわたり添加する。反応混合物を0℃にて30分間撹拌し、次いで、室温にて一晩攪拌する。反応混合物をH2O(63mL)でクエンチし、次いで、酢酸エチル(60mL)およびH2O(150mL)間に分配させる。その相を分離する。水層を酢酸エチル(200mL)で抽出する。合わせた有機層を1N NaOH水溶液(200mL)、ブライン(200mL)で洗浄し、乾燥(MgSO4)させ、濾過し、濃縮して、7.2g(34.1ミリモル、99%)のジオールを得る。mp 108−110℃.
【0255】
工程3 (4−ニトロ−1 , 2−フェニレン)ジ−2 , 1−エタンジイル ジメタンスルホネートの調製
0℃まで冷却したCH2Cl2(200mL)中の(工程2からの)そのジオール(7.2g、34.1ミリモル)の攪拌懸濁物に、トリエチルアミン(28.5mL、204.6ミリモル)に続いて、塩化メタンスルホニル(7.9mL、102.3ミリモル)を添加する。反応混合物を室温にて2時間撹拌し、次いで、H2O(200mL)に注ぐ。その相を分離する。水相をCH2Cl2(200mL)で抽出する。合わせた有機相を乾燥(MgSO4)させ、濾過し、濃縮する。残渣をCH2Cl2に溶解し、シリカゲルに吸収させ、溶出剤としてヘキサン中の60 5の酢酸エチルを用いるSIMのBiotage 40Mカラムで精製して、8.76g(23.7ミリモル、70%)の所望のビス−メシレートを得る。mp 89−91℃.
【0256】
工程4 [3 , 4−ビス[2−[(メチルスルホニル)オキシ]エチル]フェニル]カルバミン酸フェニルメチルの調製
95% EtOH(110mL)中の(工程3からの)ニトロ化合物(7.74g、21.1ミリモル)の攪拌溶液に塩化スズ(II)二水和物(18.5g、82.1ミリモル)を添加する。反応混合物を70℃にて1時間加熱する。冷却した反応混合物を氷(500mL)に注ぎ、pHを10% NaOH水溶液で8に調整する。粘性の白色沈殿を形成する。その反応混合物をセライトのプラグを通して濾過する。そのフィルターケーキを酢酸エチル(4×200mL)で洗浄する。濾液相を分離する。水相を酢酸エチル(2×250mL)で抽出する。合わせた有機相を乾燥(MgSO4)させ、濾過および濃縮して、所望のアニリンを得、それを直ちに次の反応に用いる。
上記のアニリンをTHF(150ml)に溶解し、固体炭酸水素ナトリウム(2.76g 32.8ミリモル)を添加する。攪拌反応混合物を0℃まで冷却し、クロロギ酸ベンジル(2.6mL、18.1ミリモル)を添加する。その反応混合物を室温にて一晩撹拌し、次いでCH2Cl2(300mL)およびH2O(150mL)に注ぐ。その相を分離する。水層をCH2Cl2(2×150mL)で抽出する。合わせた有機相を乾燥(MgSO4)させ、濾過し、濃縮する。残渣をCH2Cl2に溶解し、シリカゲルに吸収させ、溶出剤としてヘキサン中の40−60%酢酸エチルを用いるSIMのBiotage 40Mカラムで精製して、5.25g(11.2ミリモル、53%)の所望の生成物を得る。mp 58−60℃.
【0257】
工程5 (1 , 2 , 4 , 5−テトラヒドロ−3−ベンゾチエピン−7−イル)カルバミン酸フェニルメチルの調製
乾燥DMSO(72mL)中の(工程4からの)ビスメシレート(5.0g、10.6ミリモル)の溶液に、無水硫化ナトリウム(2.48g、31.8ミリモル)を添加する。その反応混合物を室温にて1時間撹拌する。反応混合物をH2O(250mL)および酢酸エチル(250mL)間に分配させる。その相を分離し、水層を酢酸エチル(3×200mL)で抽出する。合わせた有機相を乾燥(MgSO4)させ、濾過し、濃縮する。残渣をCH2Cl2に溶解し、シリカゲルに吸収させ、溶出剤としてヘキサン中の10−20%酢酸エチルを用いるSIMのBiotage 40Mカラムで精製して、2.37g(7.6ミリモル、71%)の所望の生成物を白色固体として得る。mp 118−120℃.
【0258】
工程6 N−[[(5S)−2−オキソ−3−(1 , 2 , 4 , 5−テトラヒドロ−3−ベンゾチエピン−7−イル)−5−オキサゾリジニル]メチル]アセトアミドの調製
DMF(1.3mL)中の工程5からのカルバメート(646.s mg、2.1ミリモル)の攪拌溶液に、メタノール(0.17mL、4.13ミリモル)を添加する。反応混合物を15℃まで冷却し、ヘキサン中の1Mリチウムt−ブトキシドの溶液を1時間にわたり添加する(6.2mL、6.18ミリモル)。その反応混合物を0℃まで冷却し、そのクロロアセテート(797.6mg、4.12ミリモル)を一回にて添加する。反応混合物を室温にて一晩撹拌する。反応混合物を飽和NH4Cl水溶液で処理する。反応混合物をCH2Cl2(60mL)およびH2O(30mL)に注ぐ。その相を分離する。水相をCH2Cl2(2×20mL)で抽出する。合わせた有機相を乾燥(MgSO4)させ、濾過し、濃縮する。残渣をCH2Cl2に溶解し、シリカゲルに吸収させ、溶出剤としてヘキサン中の15−100%酢酸エチルを用いるSIMのBiotage 40Sカラムで精製して、488.8mg(1.53ミリモル、74%)の所望の生成物を得る。mp 178−180℃.
【0259】
実施例48 N−[[(5S)−2−オキソ−3−(1,2,4,5−テトラヒドロ−3,3−ジオキシド−3−ベンゾチエピン−7−イル)−5−オキサゾリジニル]メチル]アセトアミド
【0260】
【化58】
【0261】
25% H2O/アセトン(10mL)中の(実施例47の工程6からの)スルフィド(223.2mg、0.70ミリモル)の攪拌溶液に、N−メチル−モルホリン−N−オキシド( 245.0mg、2.10ミリモル)に続いて、t−ブタノール(39μL、0.11ミリモル)中の2.5%四酸化オスミウムの溶液を添加する。その反応混合物を室温にて一晩撹拌し、次いで、10%NaHSO4水溶液で処理する。反応混合物をCH2Cl2(20mL)に注ぎ、その相を分離する。水相をCH2Cl2(2×20mL)で抽出する。合わせた有機相を乾燥(MgSO4)させ、濾過し、濃縮する。残渣をCH3OH/CH2Cl2に溶解し、シリカゲルに吸収させ、溶出剤としてCH2Cl2中の5% CH3OHを用いるSIMのBiotage 40Sカラムで精製して、201.6mg(0.57ミリモル、82%)の所望の生成物を得る。mp 142−144℃.
【0262】
実施例49 N−[[(5S)−2−オキソ−3−(1,2,4,5−テトラヒドロ−3−ベンゾチエピン−7−イル)−5−オキサゾリジニル]メチル]エタンチオアミド
【0263】
【化59】
【0264】
工程1 1 , 1−ジメチル [[(5S)−2−オキソ−3−(1 , 2 , 4 , 5−テトラヒドロ−3−ベンゾチエピン−7−イル)−5−オキサゾリジニル]メチル]カルバメートの調製
乾燥DMF(1.4mL)中の(実施例47、工程5からの)(1,2,4,5−テトラヒドロ−3−ベンゾチエピン−7−イル)カルバミン酸フェニルメチル(662.9mg、2.1ミリモル)の攪拌溶液に、1,1−ジメチルエチル [(2S)−3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル]カルバメート(557.8mg、2.7ミリモル)を添加する。得られた混合物を0℃まで冷却し、THF(5.1mL、5.1ミリモル)中の1Mリチウムt−ブトキシドの溶液を20分間にわたり滴下する。反応混合物をCH2Cl2(40mL)に注ぎ、相を分離する。水層をCH2Cl2(2×20mL)で抽出する。合わせた有機相をブライン(20mL)で洗浄し、乾燥(MgSO4)させ、濾過し、濃縮する。得られた残渣をCH2Cl2に溶解し、シリカゲルに吸収させ、溶出剤としてヘキサン中の10−35%酢酸エチルを用いるSIMのBiotage 40Sカラムで精製して、664.7mg(1.76ミリモル、83%)の所望の生成物を白色固体として得る。mp 118−120℃.
【0265】
工程2 N−[[(5S)−2−オキソ−3−(1 , 2 , 4 , 5−テトラヒドロ −3−ベンゾチエピン−7−イル)−5−オキサゾリジニル]メチル]エタンチオアミドの調製
CH3OH(3mL)中の前記のBoc保護化合物(152.8mg、0.4ミリモル)の攪拌溶液に、ジオキサン(3mL)中の4M HClを添加する。反応混合物を室温にて90分間撹拌し、次いで濃縮する。その白色固体をCH3OH(10mL)に懸濁させ、トリエチルアミン(0.14mL、1.0ミリモル)を添加する。この攪拌溶液にジチオ酢酸エチル(55μL、0.48ミリモル)を添加する。反応混合物を1時間加熱還流する。その冷却した反応混合物を濃縮する。得られた残渣をCH2Cl2/CH3OHに溶解し、シリカゲルに吸収させ、溶出剤としてCH2Cl2中の2% CH3OHを用いるSIMのBiotage 12Mカラムで精製して、113.0mg(0.33ミリモル、84%)の所望のスルフィドチオアミドを白色固体として得る。mp 146−147℃.
【0266】
実施例50 N−[[(5S)−2−オキソ−3−(1,2,4,5−テトラヒドロ−3,3−ジオキシド−3−ベンゾチエピン−7−イル)−5−オキサゾリジニル]メチル]エタンチオアミド
【0267】
【化60】
【0268】
工程1 1 , 1−ジメチル [[(5S)−2−オキソ−3−(1 , 2 , 4 , 5−テトラヒドロ−3 . 3−ジオキシド−3−ベンゾチエピン−7−イル)−5−オキサゾリジニル]メチル]カルバメートの調製
25% H2O/アセトン(5mL)中の(実施例49の工程1からの)Boc保護化合物(132.2mg、0.35ミリモル)の攪拌溶液に、N−メチルモルホリン−N−オキシド(122.8mg、1.05ミリモル)に続いて、t−ブタノール(16.5μL、0.05ミリモル)中の2.5%四酸化オスミウムを添加する。反応混合物を室温にて18時間撹拌し、次いで、10% NaHSO4水溶液で処理する。反応混合物をCH2Cl2(40mL)に注ぐ。水層をCH2Cl2で抽出する。その相を分離する。水層をCH2Cl2(20mL)で抽出する。合わせた有機相を乾燥(MgSO4)させ、濾過し、濃縮する。残渣をCH2Cl2に溶解し、シリカゲルに吸収させ、溶出剤としてCH2Cl2中の2% CH3OHを用いるSIMのBiotage 12Mカラムで精製して、130.4mg(0.32ミリモル、91%)の所望のスルホンを得る。
【0269】
工程2 N−[[(5S)−2−オキソ−3−(1 , 2 , 4 , 5−テトラヒドロ−3 , 3−ジオキシド−3−ベンゾチエピン−7−イル)−5−オキサゾリジニル]メチル]エタンチオアミドの調製
CH3OH(1mL)中の前記の化合物(99.9mg、0.24ミリモル)にジオキサン(2mL)中の4M HClを添加する。反応混合物を室温にて2時間撹拌し、次いで濃縮する。残渣をCH3OH(2mL)に溶解し、トリエチルアミン(84μL、0.60ミリモル)に続いて、ジチオ酢酸エチル(34μL、0.29ミリモル)を添加する。反応混合物を1時間加熱還流し、冷却し、濃縮する。その残渣をCH2Cl2に溶解させ、シリカゲルに吸収させ、溶出剤としてCH2Cl2中の2% CH3OHを用いるSIMのBiotage 12Mカラムで精製して、64.1mg(0.17ミリモル、73%)の所望のスルホンを得る。mp 134−136℃.
【0270】
【化61】
【0271】
【化62】
【0272】
【化63】
【0273】
【化64】
【0274】
【化65】
【0275】
【化66】
【0276】
【化67】
【0277】
【化68】
【0278】
【化69】
【0279】
【化70】
【0280】
【化71】
【0281】
【化72】
相互参照
なし
【0002】
発明の背景
オキサゾリジノン抗菌剤は、多耐性ブドウ球菌および連鎖球菌のごときグラム陽性好気性菌、H. influenzaeおよびM. catarrhalisのごときグラム陰性好気性菌ならびにバクテロイデスおよびクロストリジウム種のごとき嫌気性微生物、およびMycobacterium tuberculosisおよびMycobacterium aviumのごとき抗酸微生物を含めた多数のヒトおよび動物病原体に対して強力な活性を有する新規の合成クラスの抗菌剤である。
【0003】
本発明は、ベンゾアゼピン、テトラヒドロイソキノリン、テトラヒドロイソクロマン、テトラヒドロイソチオクロマンおよびベンゾチエピンオキサゾリジノン、抗菌剤としてのそれらの使用、ならびにそれらの調製に関する。
【0004】
情報の開示
米国特許第5,164,510号は、抗菌剤として有用なインドリンオキサゾリジノンを開示する。
PCT特許出願US00/08224は、抗菌剤として有用なテトラヒドロキノリンオキサゾリジノンを開示する。
【0005】
PCT公開、WO99/64416、WO99/64417およびWO00/21960は、抗菌剤として有用なオキサゾリジノン誘導体を開示する。
PCT公開、WO00/10566は、抗菌剤として有用なイソオキサゾリノンを開示する。
【0006】
発明の概要
本発明は、式I:
【化6】
[式中、Yは、
a) −NHC(=W)R1、
b) −O−het、−S−het、または−NH−het;
Xは、
a) −O−、
b) −NR3−、
c) −S(=O)i−、または
d) −S(=O)(=NR4)−;
Wは、
a) O、または
b) S;
R1は、
a) H、
b) C1−8アルキル、
c) C3−6シクロアルキル、
d) OC1−4アルキル、
e) SC1−4アルキル、
f) NH2、
g) NHC1−6アルキル、または
h) N(C1−6アルキル)2;
R2は、
a) H、
b) ハロ、または
c) C1−4アルキル;
R3は、
a) H、
b) C1−8アルキル、
c) アリール、
d) het、
e) C(=W)R5、
f) C(=O)OR6、または
g) S(=O)iR7;
R4は、
a) H、または
b) C1−8アルキル;
R5は、
a) H、
b) アリール、
c) het、
d) NR8R9、または
e) C1−8アルキル;
R6は、
a) C1−8アルキル、
b) アリール、または
c) het;
R7は、
a) アリール、
b) het、
c) NR8R9、または
d) C1−8アルキル;
R8およびR9は、独立して、
a) H、
b) C1−8アルキル、または
c) アリール;
ここに、>G−E−は、>N−C−であって、Qは炭素原子であるか、または>G−Eは、>C=C−であって、Qは窒素原子であり;(ここに、>は2つの単結合を表す)
アリールは、フェニル基であるか、または少なくとも一つの環が芳香族であるオルト縮合二環系炭素環基であり;
hetは、酸素、硫黄および窒素よりなる群から選択される1、2または3個のヘテロ原子を有するC結合した五(5)−または六(6)−員の飽和または不飽和の複素環基であり、それは所望によりベンゼン環に縮合していてもよく;
各出現時に、アルキルまたはシクロアルキルは、所望により、1以上のOR8、ハロ、アリール、S(=O)iR7、C(=W)R8、OC(=O)C1−6アルキル、またはNR8R9で置換されていてもよく;各出現時に、アリールは、所望により、1以上のハロ、OH、CF3、OC1−6アルキル、CN、C1−6アルキル、S(=O)iR7、C(=W)R8、OC(=O)R8、NHC(=O)R8、またはNR8R9で置換されていてもよく;
各出現時に、hetは、所望により、1以上のハロ、OH、CF3、OC1−6アルキル、CN、C1−6アルキル、S(=O)iR7、C(=W)R8、OC(=O)R8、NHC(=O)R8、またはNR8R9、オキソ、またはオキシムで置換されていてもよく;
mは、0、1、2、3または4;
nは0、1、2、3または4;但し、mおよびnは一緒になって、3または4;およびiは0、1または2である]
で表される化合物またはその医薬上許容される塩を提供する。
【0007】
また、もう一つの態様において、本発明は:
式Iで表される化合物またはその医薬上許容される塩および医薬上許容される担体を含む医薬組成物、または
治療上有効量の式Iで表される化合物またはその医薬上許容される塩を必要とする対象に投与することによるヒトまたは他の温血動物における微生物感染を治療する方法
を提供する。
【0008】
また、本発明は、式Iで表される化合物を調製するのに有用であるいくらかの新規な中間体および製法を提供する。
【0009】
発明の詳細な記載
本発明の化合物は、一般的に、IUPACまたはCAS命名法にしたがって命名されている。当業者によく知られている略語を使用することができる(例えば、フェニルは「Ph」、メチルは「Me」、エチルは「Et」、酸素原子は「O」、硫黄原子は「S」、窒素原子は「N」、時間(単数または複数)は「h」、および室温は「rt」)。
【0010】
種々の炭化水素含有基の炭素原子含量は、該基の最小数および最大数の炭素原子数を表す接頭辞によって示され、すなわち、接頭辞Ci−jは包括的に整数「i」ないし整数「j」個の炭素原子の基を示す。かくして、例えば、C1−7アルキルとは、包括的に1ないし7個の炭素原子のアルキルをいう。
【0011】
基、置換基および範囲について後記にリストされた特定のおよび好ましい値は、単なる例示であり;それらは、基および置換基につき規定された範囲内の他の規定された値または他の値を除外するものではない。
【0012】
特記しない限りは、以下の定義が用いられる。
アルキルとは、直線または分岐した基の双方を示すが;「プロピル」のごとき個々の基の引用は直鎖の基だけを含み、「イソプロピル」のごとき分岐鎖の異性体は、特に引用される。具体的には、C1−8アルキルは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソ−ブチル、sec−ブチル、ペンチル、3−ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチルおよびそれらの異性体形態であり得る。具体的には、C1−4アルキルは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソ−ブチル、sec−ブチルおよびそれらの異性体形態であり得る。
【0013】
各出現において、アルキルは、発明の概要または特許請求の範囲に規定された1以上の基で置換できる。
C3−6シクロアルキルは、3ないし6個の炭素原子を有するシクロアルキルを示す。具体的には、C3−6シクロアルキルは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルまたはシクロヘキシルであり得る。
【0014】
ハロとは、フルオロ(F)、クロロ(Cl)、ブロモ(Br)またはヨード(I)をいう。
アリールとは、フェニル基または少なくとも1つの環が芳香族であるオルト縮合二環系炭素環基をいう。各出現において、アリールは、発明の概要または特許請求の範囲に規定された1以上の基で置換できる。アリールについての特定の値はフェニルである。
【0015】
「het」なる用語は、酸素、硫黄および窒素よりなる群から選択される1,2または3個のヘテロ原子を有する五(5)−または六(6)−員の飽和または不飽和の複素環をいい、それは所望により、ベンゼン環に縮合してもよい。
【0016】
不飽和の「het」の例には、ピリジン、チオフェン、フラン、ピラゾリン、ピリミジン、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル、2−ピリミジニル、4−ピリミジニル、5−ピリミジニル、3−ピリダジニル、4−ピリダジニル、3−ピラジニル、2−キノリル、3−キノリル、1−イソキノリル、3−イソキノリル、4−イソキノリル、2−キナゾリニル、4−キナゾリニル、2−キノキサリニル、1−フタラジニル、4−オキソ−2−イミダゾリル、2−イミダゾリル、4−イミダゾリル、3−イソオキサゾリル、4−イソオキサゾリル、5−イソオキサゾリル、3−ピラゾリル、4−ピラゾリル、5−ピラゾリル、2−オキサゾリル、4−オキサゾリル、4−オキソ−2−オキサゾリル、5−オキサゾリル、4,5,−ジヒドロオキサゾール、1,2,3−オキサチオール、1,2,3−オキサジアゾール、1,2,4−オキサジアゾール、1,2,5−オキサジアゾール、1,3,4−オキサジアゾール、2−チアゾリル、4−チアゾリル、5−チアゾリル、3−イソチアゾール、4−イソチアゾール、5−イソチアゾール、2−インドリル、3−インドリル、3−インダゾリル、2−ベンゾオキサゾリル、2−ベンゾチアゾリル、2−ベンゾイミダゾリル、2−ベンゾフラニル、3−ベンゾフラニル、ベンゾイソチアゾール、ベンゾイソオキサゾール、2−フラニル、3−フラニル、2−チエニル、3−チエニル、2−ピロリル、3−ピロリル、3−イソピロリル、4−イソピロリル、5−イソピロリル、1,2,3,−オキサチアゾール−1−オキシド、1,2,4−オキサジアゾール−3−イル、1,2,4−オキサジアゾール−5−イル、5−オキソ−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル、1,2,4−チアジアゾール−3−イル、1,2,4−チアジアゾール−5−イル、3−オキソ−1,2,4−チアジアゾール−5−イル、1,3,4−チアジアゾール−5−イル、2−オキソ−1,3,4−チアジアゾール−5−イル、1,2,4−トリアゾール−3−イル、1,2,4−トリアゾール−5−イル、1,2,3,4−テトラゾール−5−イル、5−オキサゾリル、1−ピロリル、1−ピラゾリル、1,2,3−トリアゾール−1−イル、1,2,4−トリアゾール−1−イル、1−テトラゾリル、1−インドリル、l−インダゾリル、2−イソインドリル、7−オキソ−2−イソインドリル、1−プリニル、3−イソチアゾリル、4−イソチアゾリルおよび5−イソチアゾリル、1,3,4,−オキサジアゾール、4−オキソ−2−チアゾリニル、または5−メチル−1,3,4−チアジアゾール−2−イル、チアゾールジオン、1,2,3,4−チアトリアゾール、または1,2,4−ジチアゾロンが含まれる。
【0017】
飽和された「het」の例には、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、アゼチジニル、ピロリジニル、ヒダントイン、オキサチオラン、オキサゾリジン、ジオキソランまたはイミダゾリジンが含まれる。
【0018】
各出現にて、hetは、発明の概要または特許請求の範囲に規定された1以上の基で置換できる。
【0019】
hetについての特定の値は、イソオキサゾール−3−イル、イソオキサゾール−5−イル、1,2,4−オキサジアゾール−3−イル、イソチアゾール−3−イル、1,2,4−チアジアゾール−3−イルまたは1,2,5−チアジアゾール−3−イルである。
【0020】
哺乳動物は、ヒトおよび他の温血動物を示す。
【0021】
医薬上許容される塩は、本発明の化合物を投与するのに有用なそれらの塩を示し、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、燐酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、乳酸塩、メシレート、マレイン酸塩、琥珀酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、2−ヒドロキシエチルスルホン酸塩、フマル酸塩、メタンスルホン酸塩等を含む。
【0022】
本発明の化合物は、医薬上許容される塩の形態となり得る。
本発明は、いずれのラセミ体の、光学活性な、多形性の、互変体のまたは立体異性体の形態またはその混合物も含むと理解されるべきである。
【0023】
R2についての特定の値は、Hである。
R2についての特定の値は、Fである。
R1についての特定の値は、C1−6アルキルである。
R1についての特定の値は、メチルである。
Xについての特定の値は、NR3である。
R3についての特定の値は、C(=O)R5である。
R3についての特定の値は、C(=O)Hである。
R3についての特定の値は、C(=O)CH2OHである。
R5についての特定の値は、所望により、C(=O)C1−4アルキル、OC(=O)C1−4アルキル、C(=O)フェニルまたはフェニルで置換されていてもよいC1−4アルキルであり、ここに、該フェニルは、所望により、ヨウ素原子またはCF3で置換されていてもよい。
【0024】
R5についての特定の値は、フェニルである。
R3についての特定の値は、C(=O)OR6である。
R6についての特定の値は、C1−4アルキルである。
R3についての特定の値は、C(=S)R5であり、ここに、R5はフェニル、アルキルまたはNR8R9であり、ここに、R8およびR9は独立して、H、C1−4アルキルまたはアリールである。
R3についての特定の値は、S(=O)iC1−4アルキルである。
R3についての特定の値は、H、アルキルまたはアリールである。
【0025】
特定の値は、mが1であって、nが3である場合である。
特定の値は、mが2であって、nが2である場合である。
特定の値は、mが0であって、nが4である場合である。
特定の値は、mが1であって、nが2である場合である。
特定の値は、mが2であって、nが1である場合である。
特定の値は、mが0であって、nが3である場合である。
特定の値は、mおよびnが一緒になって3である場合である。
特定の値は、mおよびnが一緒になって4である場合である。
【0026】
Wについての特定の値は、Oである。
Wについての特定の値は、Sである。
Xについての特定の値は、S、SOまたはSO2である。
Xについての特定の値は、Oである。
【0027】
本発明の特定の化合物は、式IA:
【0028】
【化7】
【0029】
[式中、X、W、R1およびR2は前記定義に同じ]
で表される化合物である。
【0030】
本発明のもう一つのの特定の化合物は、式IB:
【0031】
【化8】
【0032】
[式中、Aは、O、SまたはNHであって、hetは前記定義に同じであり、好ましくは、イソオキサゾール−3−イル、イソオキサゾール−5−イル、1,2,4−オキサジアゾール−3−イル、イソチアゾール−3−イル、1,2,4−チアジアゾール−3−イルまたは1,2,5−チアジアゾール−3−イルである]
で表される化合物である。
【0033】
本発明のもう一つの特定の化合物は、式IC:
【0034】
【化9】
【0035】
[式中、X、W、R1およびR2は前記定義に同じ]
で表される化合物である。
【0036】
本発明のもう一つの特定の化合物は、式ID:
【化10】
[式中、Aは、O、SまたはNHであって、hetは前記定義に同じであり、好ましくは、イソオキサゾール−3−イル、イソオキサゾール−5−イル、1,2,4−オキサジアゾール−3−イル、イソチアゾール−3−イル、1,2,4−チアジアゾール−3−イルまたは1,2,5−チアジアゾール−3−イルである]
で表される化合物である。
【0037】
本発明の例には:
a)(−)−メチル 6−[(5S)−5−[(アセチルアミノ)メチル]−2−オキソ−3−オキサゾリジニル]−3,4−ジヒドロ−2(1H)−イソキノリンカルボキシレート、
b)(−)−N−[[(5S)−3−[2−ホルミル−1,2,3,4−テトラヒドロ−6−イソキノリニル]−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]アセトアミド、
c)(−)−N−[[(5S)−3−[2−[(アセチルオキシ)アセチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−6−イソキノリニル]−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]アセトアミド、
d)(−)−N−[[(5S)−3−[2−[(ヒドロキシ)アセチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−6−イソキノリニル]−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]アセトアミド、
e)(+)−メチル 6−[(5S)−5−[(エタンチオイルアミノ)メチル]−2−オキソ−3−オキサゾリジニル]−3,4−ジヒドロ−2(1H)−イソキノリンカルボキシレート、
f)(+)−N−[[(5S)−3−[2−ホルミル−1,2,3,4−テトラヒドロ−6−イソキノリニル]−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]エタンチオアミド、または
g)(+)−N−[[(5S)−3−[2−[(ヒドロキシ)アセチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−6−イソキノリニル]−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]エタンチオアミド
が含まれる。
【0038】
さらに、本発明の例には:
a)(+)−N−[[(5S)−3−[2−ホルミル−1,2,3,4−テトラヒドロ−7−イソキノリニル]−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]エタンチオアミド、または
b)(+)−N−[[(5S)−3−[2−[(ヒドロキシ)アセチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−7−イソキノリニル]−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]エタンチオアミド
が含まれる。
【0039】
さらに、本発明の例には:
a)(−)−N−[[(5S)−3−(3,4−ジヒドロ−1H−2−ベンゾピラン−6−イル)−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]アセトアミド、
b)(+)−N−[[(5S)−3−(3,4−ジヒドロ−1H−2−ベンゾピラン−6−イル)−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]エタンチオアミド、
c)(−)−N−[[(5S)−3−(3,4−ジヒドロ−1H−2−ベンゾチオピラン−6−イル)−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]アセトアミド、
d)(+)−N−[[(5S)−3−(3,4−ジヒドロ−1H−2−ベンゾチオピラン−6−イル)−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]エタンチオアミド、または
e)(+)−N−[[(5S)−3−(3,4−ジヒドロ−2,2−ジオキシド−1H−2−ベンゾチオピラン−6−イル)−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]エタンチオアミド
が含まれる。
【0040】
さらに、本発明の例には:
a)(+)−N−[[(5S)−3−(3,4−ジヒドロ−1H−2−ベンゾピラン−7−イル)−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]エタンチオアミド、
b)(−)−N−[[(5S)−3−(3,4−ジヒドロ−1H−2−ベンゾチオピラン−7−イル)−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]アセトアミド、
c)(+)−N−[[(5S)−3−(3,4−ジヒドロ−1H−2−ベンゾチオピラン−7−イル)−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]エタンチオアミド、
d)(+)−N−[[(5S)−3−(3,4−ジヒドロ−2,2−ジオキシド−1H−2−ベンゾチオピラン−7−イル)−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]エタンチオアミド、または
e) N−[[(5S)−3−(3,4−ジヒドロ−2−オキシド−1H−2−ベンゾチオピラン−7−イル)−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]アセトアミド
が含まれる。
【0041】
さらに、本発明の例には:
a) N−[[(5S)−3−(3−ホルミル−1,2,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピン−7−イル)−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル]メチル}アセトアミド、
b) N−{[(5S)−3−(3−グリコロイル−1,2,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピン−7−イル)−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル]メチル}アセトアミド、
c) 7−{(5S)−5−[(アセチルアミノ)メチル]−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−3−イル}−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンゾアゼピン−3−カルボン酸ベンジル、
d) N−{[(5S)−3−(3−グリコロイル−1,2,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピン−7−イル)−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル]メチル}エタンチオアミド、
e) N−{[(5S)−3−(3−アセチル−1,2,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピン−7−イル)−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル]メチル}アセトアミド、
f) 7−{(5S)−5−[(アセチルアミノ)メチル]−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−3−イル}−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンゾアゼピン−3−カルボン酸メチル、
g) N−{[(5S)−3−(3−ベンゾイル−1,2,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピン−7−イル)−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル]メチル}アセトアミド、
h) N−({(5S)−3−[3−(5−アミノ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピン−7−イル]−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル}メチル)アセトアミド、
i) N−({(5S)−3−[3−(メチルスルホニル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピン−7−イル]−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル}メチル)アセトアミド、
j) N−({(5S)−3−[3−(5−メチルチオ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピン−7−イル]−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル}メチル)アセトアミド、
k) N−({(5S)−3−[3−(5−メチル−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピン−7−イル]−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル}メチル)アセトアミド、
l) 7−{(5S)−5−[(アセチルアミノ)メチル]−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−3−イル}−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンゾアゼピン−3−カルボン酸フェニル、
m) N−[((5S)−3−{3−(フェニル)アセチル−1,2,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピン−7−イル}−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル)メチル]アセトアミド、
n) N−[((5S)−3−{3−[5−(ホルミルアミノ)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]−1,2,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピン−7−イル}−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル)メチル]アセトアミド、
o) N−[5−(7−{(5S)−5−[(アセチルアミノ)メチル]−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−3−イル}−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンゾアゼピン−3−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]−2−ヒドロキシアセトアミド、
p) N−[((5S)−3−{3−[(4−ヨードフェニル)アセチル]−1,2,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピン−7−イル}−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル)メチル]アセトアミド、
q) N−[((5S)−3−{3−[(3−トリフルオロメチル)フェニル)アセチル]−1,2,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピン−7−イル}−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル)メチル]アセトアミド、
r) 2−(7−{(5S)−5−[(アセチルアミノ)メチル]−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−3−イル}−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンゾアゼピン−3−イル)−2−オキソエチル 4−[(ジメチルアミノ)メチル]ベンゾアート、
s) N−[((5S)−3−{3−[(4−トリフルオロメチル)フェニル)アセチル]−1,2,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピン−7−イル}−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル)メチル]アセトアミド、
t) N−({(5S)−2−オキソ−3−[3−(5−オキソペンタノイル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピン−7−イル]−1,3−オキサゾリジン−5−イル}メチル)アセトアミド、
u) N−({(5S)−2−オキソ−3−[3−(5−オキソヘキサノイル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピン−7−イル]−1,3−オキサゾリジン−5−イル}メチル)アセトアミド、
v) N−{[(5S)−3−(2−ホルミル−1,3,4,5−テトラヒドロ−1H−2−ベンゾアゼピン−7−イル)−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル]メチル}アセトアミド、
w) N−{[(5S)−3−(2−グリコロイル−1,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピン−7−イル)−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル]メチル}アセトアミド、
x) 7−{(5S)−5−[(アセチルアミノ)メチル]−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−3−イル}−1,3,4,5−テトラヒドロ−3H−2−ベンゾアゼピン−2−カルボン酸ベンジル、
y) N−{[(5S)−3−(2−アセチル−1,3,4,5−テトラヒドロ−1H−2−ベンゾアゼピン−7−イル)−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル]メチル}アセトアミド、
z) 7−{(5S)−5−[(アセチルアミノ)メチル]−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−3−イル}−1,3,4,5−テトラヒドロ−3H−2−ベンゾアゼピン−2−カルボン酸メチル、
aa) 7−{(5S)−5−[(アセチルアミノ)メチル]−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−3−イル}−N−フェニル−1,3,4,5−テトラヒドロ−2H−2−ベンゾアゼピン−2−カルボキシアミド、
bb) N−{[(5S)−3−(1−ホルミル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンゾアゼピン−7−イル)−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル]メチル}アセトアミド、または
cc) N−{[(5S)−3−(1−ホルミル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンゾアゼピン−7−イル)−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル]メチル}エタンチオアミドが含まれる。
【0042】
さらに、本発明の例には:
a) N−[[(5S)−2−オキソ−3−(1,2,4,5−テトラヒドロ−3−ベンゾチエピン−7−イル)−5−オキサゾリジニル]メチル]アセトアミド、
b) N−[[(5S)−2−オキソ−3−(1,2,4,5−テトラヒドロ−3,3−ジオキシド−3−ベンゾチエピン−7−イル)−5−オキサゾリジニル]メチル]アセトアミド、
c) N−[[(5S)−2−オキソ−3−(1,2,4,5−テトラヒドロ−3−ベンゾチエピン−7−イル)−5−オキサゾリジニル]メチル]エタンチオアミド、または
d) N−[[(5S)−2−オキソ−3−(1,2,4,5−テトラヒドロ−3,3−ジオキシド−3−ベンゾチエピン−7−イル)−5−オキサゾリジニル]メチル]エタンチオアミドが含まれる。
【0043】
反応図式A−Hは、本発明の化合物の製法を記載する。全ての出発物質は、これらの反応図式において記載された製法または有機化学における当業者によく知られている製法によって製造される。反応図式中で用いられた変数は、前記定義および特許請求の範囲に同じである。
【0044】
反応図式Aは、テトラヒドロイソキノリンA−11の調製を示す。公知のジオールA−1(R2は水素である)(J. Org. Chem.、1998、63、4116−4119)を、トリエチルアミンのごとき適当な塩基の存在下、塩化メタンスルホニルでの処理に際して、ビス−メシレートA−2に変換する。次いで、塩化メチレンのごとき適当な溶媒中のベンジルアミンでのA−2の処理は閉環生成物、N−ベンジル−6−ニトロテトラヒドロイソキノリンA−3を供する。メタノール、エタノール、テトラヒドロフランまたはその混合物のごとき溶媒中の炭素上のパラジウムのごとき適当な触媒の存在下での水素添加によるニトロ基の同時の還元およびN−ベンジル基の除去ならびに2当量のクロロギ酸ベンジルおよび炭酸水素ナトリウムのごとき適当な塩基での引き続いての処理は、ビス Cbz保護6−アミノテトラヒドロイソキノリンA−4を供する。次いで、構造A−4を反応図式Eに概説した方法によりA−5およびA−6を介してA−11に変換する。別法として、アミノメチルオキサゾリジノン中間体A−6をジ−t−ブチルジカルボネートおよび炭酸水素ナトリウムを用いて、そのBoc誘導体A−7として保護できる。次いで、A−7のCbz保護基をメタノール、エタノール、酢酸エチル、テトラヒドロフランまたはその混合物のごとき溶媒中でPearlman触媒のごとき適当な触媒の存在下にて水素添加を介して除去して、脱保護したテトラヒドロキノリンA−8を得、それを当業者によく知られた反応によりアセチル化して、中間体A−9を得ることができる。メタノールまたはジオキサンまたはその混合物のごとき溶媒中のHClでのA−9の処理は、それらの塩酸塩としてアミノメチルオキサゾリジノンA−10を供し、次いで、それをピリジンのごとき塩基の存在下の無水酢酸での処理に際してアセトアミドアナログA−11(W=O)にまたはトリエチルアミンのごとき塩基の存在下のジチオ酢酸エチルでの処理に際してチオアセトアミドアナログに変換できる。
【0045】
反応図式Bは、2−アシル−1,2,3,4−テトラヒドロ−7−イソキノリンアンログB−5の製法を示す。公知の4−ニトロホモフタル酸(R2は水素である)(J. Amer. Chem. Soc.、1969、91、2467)を反応図式A中のジオールA−1の調製につき記載された方法(J. Org. Chem.、1998、63、4116−4119)に従いジオールB−2に還元できる。次いで、ジオールB−2を、A−1からA−4への変換についての反応図式Aに記載のものと同様の工程を用いてビス Cbz保護7−アミノテトラヒドロイソキノリンB−3に変換できる。次いで、適当な温度、典型的には、0℃ないし雰囲気温度の範囲でのt−ブチル(2S)−3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルカルバメートの存在下のテトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミドまたはその混合物のごとき適当な溶媒中でのリチウムt−ブトキシドのごとき塩基でのB−3の脱プロトン化は、Boc−保護アミノメチルオキサゾリジノンB−4を供する。所望の化合物B−5に導く残りの工程は、A−7からA−11の変換につき反応図式Aに記載されたものと同様である。
【0046】
反応図式Cは、イソクロマン−6−イルおよびイソチオクロマン−6−イル オキサゾリジノンアナログの製法を示す。公知のイソクロマンC−1(R2は水素である)(J. Org. Chem.、1998、63、4116−4119)のニトロ基を、メタノール、エタノール、テトラヒドロフランまたはその混合物のごとき溶媒中の酸化白金のごとき適当な触媒の存在下の水素添加により還元し、得られたアミンを従前に記載のごときクロロギ酸ベンジルでの処理に際してそのCbz誘導体C−2に変換できる。対応するイソチオクロマンでは、ビスメシレートC−3は、ジメチルホルムアミドのごとき適当な溶媒中でチオ酢酸カリウムで処理して、チオ酢酸ベンジルC−4を得、次いで、それをメタノール中のアンモニアの存在下、付随する閉環を伴いS−脱アセチル化し、イソチオクロマンC−5を得る。この場合には、ニトロ基は還流エタノール中の塩化第一スズで還元して、アミンを得、次いで、それをそのCbz誘導体C−6に変換する。カルバマートC−7(X=O、S)を、反応図式Aに記載されたものと同様の方法を用いて所望のアナログC−8に変換できる。別法として、それらを、適当な温度、典型的には、0℃ないし雰囲気温度の範囲にて、(1S)−2−アセチルアミノ−1−(クロロメチル)エチルアセテート(Tel. Lett. 1996、37(44) pp 7937−7940)の存在下でテトラヒドロフラン、ヘキサン、ジメチルホルムアミドまたはその混合物のごとき適当な溶媒中のリチウムt−ブトキシドのごとき塩基で脱プロトン化して、所望のアセチルアミノメチルオキサゾリジノンC−8(X=O、S;Y=O)を供することができる。XがSである場合には、硫黄基は、メタノールおよび水の混合物のごとき適当な溶媒中の過酸化ナトリウムのごとき適当な酸化剤、あるいはアセトンおよび水の混合物のごとき適当な溶媒中の四酸化オスミウムおよびN−メチルモルホリンN−オキシドの混合物で酸化して、対応するスルホキシドおよびスルホンを得ることができる。加えて、XがO、SまたはSO2である場合、還流テトラヒドロフラン、ジオキサンまたはトルエン中のLawesson試薬での処理は、対応するチオアセトアミド(Y=S)を与える。
【0047】
反応図式Dは、イソクロマン−7−イルおよびイソチオクロマン−7−イルオキサゾリジノンアナログの調製を示す。ジオールD−1は、反応図式C中のイソクロマンC−1の調製につき記載された方法(J. Org. Chem.、1998、63、4116−4119)により修飾されたMitsunobu反応を用いてイソクロマンD−2に変換できる。次いで、反応図式C中に先に概説された方法を用いて、D−2のニトロ基を還元し、アミンをそのCbz誘導体として保護して、D−3を得る。同様に、ジオールD−1のニトロ基を還元でき、アミンをそのCbz誘導体として保護して、ジオールD−4を得る。トリエチルアミンのごとき塩基の存在下のこのジオールの2−3当量の塩化メタンスルホニルでの処理は、ビスメシレートD−5を供し、それは適当な温度、典型的には20−60℃の範囲にてジメチルスルホキシド中の過剰な硫化ナトリウムで処理した場合、イソチオクロマンD−6を与える。次いで、そのCbz保護7−アミノイソクロマンおよびイソチオクロマンD−7(X=OまたはS)を反応図式Cに記載された同様の方法を用いて所望のアナログD−8に変換する。
【0048】
反応図式Eは、本発明のベンゾアゼピンの調製を示す。反応図式Eに示すように、公知のE−1(J. Hetrocyclic Chem.、1971、pp779−783)を炭酸水素ナトリウムを含むアセトンおよび水中のクロロギ酸ベンジル(2当量)で処理して、E−2を得る。このように調製した保護ベンゾアゼピンを反応図式Eに概説した最終的なオキサゾリジノンアナログに変換できる。カルバメート誘導体E−2を、適当な温度、典型的には−78℃ないし−40℃の範囲にてTHF、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)またはその混合物のごとき適当な溶媒中のn−ブチルリチウム、リチウムジイソプロピルアミド(LDA)またはリチウムビス(トリメチルシリル)アミド(LHMDS)のごときリチウム塩基で脱保護して、リチウム化中間体を得、それを直接的にR−(−)−グリシジルブチレートで処理できる。次いで、室温まで温めることにより、(ヒドロキシメチル)オキサゾリジノンE−3を得る。ラセミ体出発物質を用いる場合には、E−3を2つのエナンチオマーの混合物として得る。エナンチオマー的に純粋な中間体が使用される事象では、E−3が一つのエナンチオマーとして得られる。
【0049】
反応図式Eに示すように、ヒドロキシメチル誘導体をトリエチルアミンまたはピリジンの存在下の塩化メタンスルホニル、あるいはピリジンの存在下の塩化メタニトロフェニルスルホニルでの処理により、各々、メシレート(R’=Me)またはノシレート(R’=3−NO2Ph)として対応するE−4に変換できる。得られたスルホネートは、50−90℃の範囲の温度にて18−クラウン−6のごとき最適な触媒を用いて、DMF、またはN−メチルピロリジノン(NMP)のごとき非プロトン性溶媒中のアジ化カリウムまたはアジ化ナトリウムのごときアルカリ金属アジドで処理して、アジドを得ることができる。アジドは、THF、酢酸エチルまたはメタノールのごとき適当な溶媒中のパラジウム、白金またはニッケル触媒の存在下の水素添加により対応するアミンE−5に還元できる。別法として、アジドをTHFのごとき溶媒中のトリフェニルホスフィンまたは他の三価のリン化合物での処理に続いて、水を添加し、65℃までの温度に加熱することによりアミンに還元できる。アミンE−5へのより直接的な経路は、ドライアイス/アセトンコンデンサー下または圧力容器内のイソプロパノール(またはメタノール)/THF/水酸化アンモニウム中のスルホネートを還元することである。このように得られたアミンE−5を当業者によく知られた反応によりアシル化して、構造式E−8の(アシルアミノメチル)オキサゾリジノンを得ることができる。さらに、還流しているトルエンまたはTHF中のLawesson試薬でのE−8(W=O)の処理は、対応するチオアミド(W=S)を与えるであろう。その(アシルアミノメチル)オキサゾリジノンE−6のCbz基は、THF、メタノール、酢酸エチル、ジクロロメタンまたはその混合物のごとき溶媒中の炭素上のパラジウムのごとき適当な触媒の存在下の水素添加を介して除去して、一般構造E−7(R3=H)の脱保護した中間体を得ることができる。別法として、40% HBr/酢酸中のCbz−誘導体の加溶媒分解に続いての溶媒の除去は、臭化水素酸塩として脱保護した中間体を供する。脱保護物質は、当業者によく知られた反応によりアシル化して、R3がアシルであるオキサゾリジノンE−8を与えることができる。また、カルバメートのごとき他のアシル誘導体は、同様の条件下にて調製できると分かる。加えて、脱保護物質を、当業者によく知られた反応によりアルキル化して、R3=アルキルである構造式E−8のオキサゾリジノンを得ることができる。
【0050】
反応図式Fに示すように、商業的に入手可能な化合物F−1をエタノールおよび水中のヒドロキシルアミンおよび酢酸ナトリウムで処理し、ポリリン酸で処理して、環拡張構造F−2を得る。p−トルエンスルホン酸のごとき適当な酸触媒でのトルエン中の2,5−ヘキサンジオンでのF−2のアリールアミンの保護は、F−3を与える。次いで、そのアミドをTHF中の水素化アルミニウムリチウムでアミンに還元して、F−4を得る。保護基をエタノールおよび水中のヒドロキシルアミンおよびトリエチルアミンで除去して、ジアミンF−5を得、それを炭酸水素ナトリウムを含むアセトンおよび水中のクロロギ酸ベンジル(2当量)でF−6に変換する。タイプF−7の所望のオキサゾリジノンアナログに誘導する残りの工程は、反応図式Eに記載されたものと同様である。
【0051】
反応図式Gに示すように、商業的に入手可能な化合物G−1で始めて、クロロホルムまたはジクロロメタンおよび硫酸中のヒドラゾ酸での環拡張は、ラクタムG−2を与える。硫酸中の硝酸でのG−2のニトロ化はG−3を与える。次いで、構造G−3をTHF中のボランまたはTHF中のボラン−メチルスルフィドのごとき適当なボランと反応させて、G−4を得る。次いで、そのニトロ基をメタノール、エタノール、酢酸エチル、THFまたはその組合せのごとき適当な溶媒中の炭素上のパラジウムのごとき適当な触媒の存在下で触媒水素添加により還元でき、アミノ中間体を供する。別法として、メタノールまたはエタノール中の炭素上のパラジウムおよびヒドラジンでニトロ基を還元できる。炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウムまたはトリエチルアミンのごとき適当な塩基でのTHF中のクロロギ酸ベンジル(2当量)でのアミノ中間体の処理は、ビス−Cbz保護G−5を供する。G−5をタイプG−6の所望のオキサゾリジノンアナログに誘導する残りの工程は、反応図式Eに記載されたものと同様である。
【0052】
反応図式Hに示すように、公知の化合物H−1のニトロ化は、濃硫酸中の硝酸を用いて(Himmelsbach DE 4429079)達成して、H−2を与える。得られた二酸をTHF中のボランまたは他の適当な還元剤を用いて対応するジオールH−3に還元する。反応図式Dに記載されたジオールの塩化メタンスルホニルでの処理は、ビスメシレートH−4を与える。次いで、反応図式Cに先に概説した工程を用いて、H−4のニトロ基を還元し、アミノをそのCbz誘導体として保護して、H−5を得る。同様に、H−4のニトロ基を70℃のエタノール中の塩化スズIIを用いて還元でき、続いて記載のごとき遊離アミンをCbz保護する。ベンゾチエピン環系への環化を反応図式Dに記載のごときジメチルスルホキシド中の硫化ナトリウムを用いて達成して、H−6を得る。次いで、Cbz−保護ベンゾチエピンH−6を反応図式Cに記載されたものと同様の方法を用いて所望のアナログH−7に変換する。
【0053】
反応図式Iは、I−1のスルホキシドおよびスルホンアナログの調製を示す。スルフィドI−1のメタノールおよび水中のメタ過ヨウ素酸ナトリウムでの処理は、スルホキシドI−2を与える。同様に、スルホンI−3への酸化は、四酸化オスミウムおよびN−メチルモルホリンN−オキシドを用いて達成する。同様に、酸化は酸化剤としてオキソン(Oxone)を用いて達成できる。
【0054】
反応図式Jに示すように、Cbz−保護ベンゾチエピンJ−1を反応図式Bに記載された条件を用いてBoc保護したアミノメチルオキサゾリジノンJ−2に変換する。Boc保護基の除去および得られた遊離アミンとジチオ酢酸エチルとの反応は、A−9からA−11への変換につき反応図式Aに記載された条件を用いて化合物J−3を与える。反応図式Iに記載された条件を用いて、J−2をまずスルホキシドに酸化し、次いで、反応図式Aに記載された条件を用いてチオアセトアミドJ−5に変換する。同様に、J−2を反応図式Iに記載された条件を用いてスルホンに酸化でき、次いで、反応図式Aに記載された条件を用いてチオアセトアミドに変換して、J−4を得ることができる。
【0055】
反応図式Kに概説されるように、カルバメート誘導体K−1(R=C1−6アルキルまたはベンジル)は、適当な温度、典型的には、−78℃ないし−40℃の範囲のTHFのごとき適当な溶媒中のn−ブチルリチウムのごときリチウム塩基で脱プロトン化して、リチウム化した中間体を得ることができ、それを直接的にR−(−)−グリシジルブチレートで処理する。次いで、室温に温めることにより、(5R)−ヒドロキシメチルオキサゾリジノンK−2を得る。ラセミ体出発物質を用いる場合には、K−2を2つのエナンチオマーの混合物として得る。ヘテロアリールエーテルK−4(A=O)は、例えば、遊離またはポリマー−結合チオフェニルホスフィンおよびアゾジカルボン酸ジエチル(またはジイソプロピル)の存在下でhet−OH(hetは、前記に定義されたヘテロアリール環である)での処理によりMitsunobu条件下のアルコールK−2から直接的に得ることができる。別法として、アルコールK−2をDMFのごとき溶媒中の水素化ナトリウムのごとき塩基で脱プロトン化できる。次いで、het−Lg(ここに、LgはBrまたはClのごとき適当な脱離基である)での処理は、ヘテロアリールエーテルK−4(A=O)を与える。
【0056】
別法として、アルコールK−2は、当業者に知られた方法を用いてそれらのアルキルハライド、メシレートまたはトシレートK−3(Lg=Hal、OM、OT)に変換できる。次いで、K−3のHET−OM(ここに、Mは、例えば、アルカリ金属または銀である)での処理は、同様にヘテロアリールエーテルK−4(A=O)を供する。同様に、ヘテロアリールチオエーテルK−4(A=S)は、DBUのごとき塩基の存在下でhet−SM(Mは前記に同じ)またはhet−SHでの処理により、アルキルハライド、メシレートまたはトシレートK−3から調製できる。また、アルコールK−2は、例えば、トリブチルホスフィンおよび1,1’−(アゾジカルボニル)ジピペリジン(Mitsunobu条件)下、het−NH−Pg(ここに、PgはBOCのごとき保護基である)で処理できる。次いで、保護基(Pg)を当業者に知られた方法を用いて除去して、対応するヘテロアリールアミンK−4(A=NH)を得ることができる。別法として、アルキルハライド、メシレートまたはトシレートK−3をhet−NM−Pgまたはhet−NHM(ここに、Mは、例えば、リチウムまたはナトリウムである)で処理でき、保護基(Pg)を前記のように除去して、ヘテロアリールアミンK−4(A=NH)を得ることができる。これらの手順で用いたhet出発物質(すなわち、het−OH、het−SH、het−Lg、het−NH2およびhet−Pg)は商業的に入手可能であるか、あるいはWO99/64416、WO99/64417およびWO00/21960に記載された方法または当業者に知られた方法により調製できる。
【0057】
反応図式Lに示すように、商業的に入手可能であるか、メタノールまたはエタノール中の硝酸タリウム(III)および70%過塩素酸で処理する場合に当業者により容易にアクセスされる(JACS、1971、93、4919−4920)アセトフェノンは、エステルL−2を与えるであろう。別法として、L−1をモルホリン中の硫黄とのL−1の加熱に続いての塩酸での加水分解により、Willgerodt−Kindler条件(J. Heterocyclic Chem. 1989、26、1319−1323)下でL−2に変換し得る。ギ酸エチル中の水素化ナトリウムでのL−2の処理は、ホルミル化誘導体L−3を与えるであろう。イソオキサゾリノン環は、メタノール中の水性ヒドロキシルアミンでのL−3の処理により調製できる。溶媒を真空中で除去し、残渣を炭酸カリウムのごとき適当な塩基を含むジクロロメタン中のN−(ヒドロキシメチル)アセトアミドで処理できる。この工程は、生成物L−4を与える。その必要なN−(ヒドロキシメチル)アセトアミドアセテートをWO00/10566により記載されたように調製する。
【0058】
チオアミドL−5(W=S)を50−110℃の範囲の温度のテトラヒドロフラン、ジオキサンまたはトルエン中のLawesson試薬でのL−4の処理により調製できる。
【0059】
これらの化合物は、非経口および経口投与下のヒトおよび他の温血動物における眼科感染を含めた微生物感染の治療に有用である。
【0060】
本発明の医薬組成物は、本発明の式Iで表される化合物と、標準的および通常の技術を使用して、固体または液体の医薬上許容される担体および所望により、医薬上許容される補助剤および賦形剤と組み合せて調製できる。固体形態の組成物には、散剤、錠剤、分散性顆粒剤、カプセル剤、カシェ剤および坐剤が含まれる。固体担体は、希釈剤、矯味剤、可溶化剤、滑沢剤、懸濁化剤、結合剤、錠剤崩壊剤、およびカプセル化剤としても機能できる少なくとも1つの物質であり得る。不活性固体担体には、炭酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、糖、ラクトース、ペクチン、デキストリン、デンプン、ゼラチン、セルロース系物質、低融解ワックス、カカオ脂等が含まれる。液体形態組成物には、液剤、懸濁剤および乳剤が含まれる。例えば、所望により、適当な慣用的な着色剤、矯味剤、安定化剤および増粘剤を含有してもよい水および水−プロピレングリコールおよび水−プロピレングリコール系に溶解した本発明の化合物の溶液が供される。
【0061】
好ましくは、その医薬組成物は、通常の技術を使用して有効量または適量の有効成分、すなわち、本発明による式Iで表される化合物を含有する単位投与形態で供される。
【0062】
医薬組成物およびその単位投与形態中の有効成分、すなわち、本発明による式Iで表される化合物の量は、特定の適用、特定の化合物の効力および所望の濃度に依存して広範囲に変更または調整できる。一般的には、有効成分の量は、組成物の重量当り0.5%ないし90%の範囲にあるであろう。
【0063】
温血動物における細菌感染を治療またはそれと戦うための治療上の使用において、化合物またはその医薬組成物は、抗菌的に有効であろう、治療を受けている動物における有効成分の濃度、すなわち、量または血中レベルを獲得および維持するための用量にて経口、局所的、経皮的および/または非経口的に投与されるであろう。一般的には、有効成分のかかる抗菌的に有効量の用量は、約0.1ないし約150、より好ましくは約3.0ないし約100mg/kg体重/日の範囲にあるであろう。IVまたは経口による1日当りの単回600mg用量がが好ましい。投薬量は、患者の要求、治療されるべき細菌感染の重篤度および用いられるべき特定の化合物に依存して変更できると理解されるべきである。また、初期投与用量を所望の血中レベルを迅速に達成するために上限レベルを超えて増加できるか、あるいは初期用量を適量より少なくともよく、毎日用量は特定の状態に依存して治療の経過中に漸増できると理解されるべきである。また、所望ならば、毎日用量は投与につき複数投与用量、1日当り2ないし4回に分割してもよい。
【0064】
本発明による式Iで表される化合物は、非経口、すなわち、注射、例えば、静脈内注射または他の非経口投与経路により投与される。非経口投与用の医薬組成物は、一般的には、例えば、注射用水および例えば、約3.5−6のpHを有する適当に緩衝化された等張液を供する緩衝液のごとき医薬上許容される液体担体に溶解された可溶化塩(酸付加塩または塩基性塩)として、医薬上許容される量の式Iに記載の化合物を含有するであろう。適当な緩衝剤には、いくつかの代表的な緩衝剤を挙げると、例えば、オルトリン酸三ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、クエン酸ナトリウム、N−メチルグルカミン、L(+)−リジンおよびL(+)−アルギニンが含まれる。一般的には、式Iに記載の化合物は、約1mg/mlないし約400mg/mlの溶液の範囲の医薬上許容される注射可能濃度を供するのに十分な量で担体に溶解されるであろう。得られた液体医薬組成物は、前記の抗菌的に有効量の用量を獲得するように投与されるであろう。本発明による式Iで表される化合物は、固体および液体投与形態中で有利に経口投与される。
【0065】
本発明のオキサゾリジノン抗菌剤は、種々の微生物に対して有用な活性を有する。本発明の化合物のin vitro活性は、米国ベンシルバニア州Villanovaの臨床研究所規格委員会(National Committee for Clinical Laboratory Standards)により1993年に発行された「Approved Standard. Methods for Dilution Antimicrobial Susceptibility Tests for Bacteria That Grow Aerobically」(第3版)に記載された寒天希釈法による最小阻止濃度(MIC)の測定のごとき標準的な試験手順により評価できる。Streptococcus pneumoniaeに対する本発明の化合物の活性を表1に示す。
【0066】
【表1】
【0067】
実施例
実施例1 (−)−メチル 6−[(5S)−5−[(アセチルアミノ)メチル]−2−オキソ−3−オキサゾリジニル]−3,4−ジヒドロ−2(1H)−イソキノリンカルボキシレート
【0068】
【化11】
【0069】
工程1 N−ベンジル−6−ニトロ−1 , 2 , 3 , 4−テトラヒドロイソキノリンの調製
N2下0℃の乾燥CH2Cl2(121mL)中の2−[2−(ヒドロキシメチル)−5−ニトロフェニル]エタノール(5.95g、30.17ミリモル、J. Org. Chem.、1998、63、4116−4119)およびトリエチルアミン(10.51mL、75.42ミリモル)の溶液を塩化メタンスルホニル(5.37mL、69.39ミリモル)で滴下処理し、0℃にて30分間撹拌する。次いで、混合物を1M HCl水溶液(100mL)、飽和NaHCO3水溶液(100mL)およびブライン(100mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、減圧下濃縮して、部分的に結晶性の油としてジメシレート中間体[TLC(MeOH/CHCl3、10/90)によりRf=0.77]を得る。N2下のCH2Cl2(151mL)中のこの油の溶液に、ベンジルアミン(16.48mL、150.8ミリモル)を添加し、得られた混合物を雰囲気温度にて22時間撹拌し、次いで、水(100mL)およびブライン(100mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、減圧下濃縮する。よび減圧下濃縮する。粗生成物を、EtOAc/ヘプタン(10/90)で溶出するシリカゲルのクロマトグラフィー(350g、230−400メッシュ)により精製して、淡黄色固体として7.76 g(96%)の表題化合物を得る[TLC(EtOAc/ヘキサン、25/75)によりRf=0.43]、mp 76−78℃。
【0070】
工程2 3 , 4−ジヒドロ−6−[[(フェニルメトキシ)カルボニル]アミノ]−2(1H)−イソキノリンカルボン酸フェニルメチルの調製
THF/MeOH(20/80、290mL)中のN−ベンジル−6−ニトロ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン(工程1、7.75g、28.99ミリモル)の溶液を10% Pd/C(各1.54g)を含有する2つのParrボトルに添加し、混合物を45psi H2下合計3.5時間振盪させる。次いで、触媒をセライトを通す濾過により除去し、合わせた濾液を減圧下濃縮して、部分的に結晶性の油性物として粗製の6−アミノ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン中間体[TLC(MeOH/CHCl3、10/90)によりRf=0.03]を得る。0℃のTHF/H2O(2/1、116mL)中のこの中間体およびNaHCO3(5.36g、63.78ミリモル)の混合物をクロロギ酸ベンジル(9.11mL、63.78ミリモル)で滴下処理し、得られた混合物を0℃にて約45分間撹拌し、さらに、THF/H2O(2/1、116mL)を15分間後に添加する。次いで、層を分離し、有機相を飽和NaHCO3水溶液(100mL)で洗浄し、合わせた水相をEtOAc(100mL)で再抽出し、合わせた有機相をブライン(50mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、減圧下で濃縮して、粗生成物を得、次いで、それをEtOAc/ヘプタン(7.5/92.5−20/80)の勾配で溶出するシリカゲル(350g、230−400メッシュ)のクロマトグラフィーに付す。TLC(EtOAc/ヘキサン、25/75)によりRf=0.24のこれらの画分を貯め、濃縮し、EtOAc(75mL)/ヘキサン(175mL)から再結晶させて、白色固体として7.10g(59%)の表題化合物を得る。mp 115−116℃。さらに、2.0gの不純物生成物を再結晶において単離する。
【0071】
工程3 (+)−フェニルメチル 6−[(5R)−5−(ヒドロキシメチル)−2−オキソ−3−オキサゾリジニル]−3 , 4−ジヒドロ−2(1H)−イソキノリンカルボキシレートの調製
N2下の−78℃の乾燥THF(85mL)中の3,4−ジヒドロ−6−[[(フェニルメトキシ)カルボニル]アミノ]−2(1H)−イソキノリンカルボキシレート(工程2、7.05g、16.93ミリモル)の溶液をn−ブチルリチウム(11.1mL、ヘキサン中1.6M、17.77ミリモル)で10分間にわたり滴下処理する。得られた混合物を−78℃にて45分間撹拌し、次いで、(R)−(−)−グリシジルブチレート(2.52mL、17.77ミリモル)で滴下処理する。得られた混合物を−78℃にて30分間撹拌し、次いで、雰囲気温度まで温め、さらに20時間撹拌する。次いで、反応物を飽和NH4Cl水溶液(25mL)でクエンチし、H2O(25mL)で希釈し、EtOAc(100mL)で抽出する。有機相をH2O(2×50mL)およびブライン(25mL)で洗浄し、無水MgSO4で乾燥させ、減圧下で濃縮して、粗生成物を得、次いで、それをMeOH/CH2Cl2(1/99−3/97)の勾配で溶出するシリカゲル(350g、230−400メッシュ)のクロマトグラフィーに付す。TLC(MeOH/CHCl3、5/95)によるRf=0.29を持つそれらの画分の貯めおよび濃縮は、4.48g(69%)の表題化合物を非晶質の、白色固体として供する。1H NMR(400MHz、CDCl3)δ 7.37(m、7H)、7.11(m、1H)、5.19(s、2H)、4.75(m、1H)、4.63(s、2H)、4.00(m、3H)、3.75(m、3H)、2.86(m、2H)、1.65(bs、1H);MS(ESI+) C21H22N2O5としてm/z 383(M+H)+;[α]25 D=16°(c 0.52、クロロホルム).
【0072】
工程4 (−)−フェニルメチル 6−[(5S)−5−(アミノメチル)−2−オキソ−3−オキサゾリジニル]−3 , 4−ジヒドロ−2(1H)−イソキノリンカルボキシレートの調製
N2下0℃の乾燥CH2Cl2(57mL)中の6−[(5R)−5−(ヒドロキシメチル)−2−オキソ−3−オキサゾリジニル]−3,4−ジヒドロ−2(1H)−イソキノリンカルボン酸フェニルメチル(工程3、4.36g、11.40ミリモル)およびトリエチルアミン(2.38mL、17.10ミリモル)の溶液を塩化メタンスルホニル(0.97mL、12.54ミリモル)で滴下処理し、0℃にて1時間撹拌する。次いで、混合物をCH2Cl2(60mL)で希釈し、H2O(25mL)およびブライン(25mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、減圧下で濃縮して、メシレート中間体[TLC(MeOH/CHCl3、5/95)によるRf=0.61]を非晶質の白色固体として得、それをさらなる精製なく用いる。イソプロパノール(4.6mL)およびアセトニトリル(9.1mL)中のこの中間体および濃NH4OH水溶液(9.1mL)の混合物を厚肉スクリューキャップ管に入れ、80℃に維持した油浴に浸漬し、内容物をこの温度にて40時間撹拌し、その間、さらに濃NH4OH水溶液(4mL)を添加する。次いで、混合物を雰囲気温度まで冷却し、半−飽和NaCl水溶液(50mL)で希釈し、CH2Cl2(2×100mL)で抽出する。合わせた有機相を無水Na2SO4で乾燥させ、減圧下濃縮し、粗生成物をMeOH/CH2Cl2(1/99−5/95)の勾配で溶出するシリカゲル(350g、230−400メッシュ)のクロマトグラフィーに付す。TLC(MeOH/CHCl3、5/95)によりRf=0.09を持つそれらの画分の貯めおよび濃縮は、2.97g(68%)の表題化合物を非晶質の、ガラス状固体として供する。1H NMR(400MHz、CDCl3)δ 7.37(m、7H)、7.10(m、1H)、5.19(s、2H)、4.72(m、1H)、4.62(s、2H)、4.05(t、1H)、3.85(dd、1H)、3.71(m、2H)、3.20−3.00(m、2H)、2.86(m、2H);MS(ESI+) C21H23N3O4としてm/z 382(M+H)+;[α]25 D=−27°(c 0.28、DMSO).
【0073】
工程5 (−)−フェニルメチル 6−[(5S)−5−[(アセチルアミノ)メチル]−2−オキソ−3−オキサゾリジニル]−3 , 4−ジヒドロ−2(1H)−イソキノリンカルボキシレートの調製
N2下の乾燥CH2Cl2(23mL)中の6−[(5S)−5−(アミノメチル)−2−オキソ−3−オキサゾリジニル]−3,4−ジヒドロ−2(1H)−イソキノリンカルボン酸フェニルメチル(工程4、1.75g、4.59ミリモル)およびピリジン(1.11mL、13.77ミリモル)の溶液を無水酢酸(0.649mL、6.88ミリモル)で処理し、混合物を雰囲気温度にて3.5時間撹拌する。次いで、混合物をH2O(2×15mL)およびブライン(10mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、減圧下濃縮する。粗生成物は、MeOH/CH2Cl2(0.5/99.5−2/98)の勾配で溶出するフラッシュ40Sシリカゲル(40g、32−63μm)カートリッジでのクロマトグラフィーに付し、TLC(MeOH/CHCl3、5/95)によりRf=0.25を持つそれらの画分を貯め、濃縮して、1.81g(93%)の表題化合物を非晶質の白色固体として得る。1H NMR(400MHz、CDCl3)δ 7.35(m、7H)、7.11(m、1H)、6.11(m、1H)、5.19(s、2H)、4.78(m、1H)、4.62(s、2H)、4.05(t、1H)、3.78(dd、1H)、3.70(m、3H)、3.60(m、1H)、2.86(m、2H)、2.02(s、3H);MS(ESI+) C23H25N3O5としてm/z 424(M+H)+;[α]25 D=−17°(c 0.77、DMSO).
【0074】
工程6 N−[[(5S)−3−[1 , 2 , 3 , 4−テトラヒドロ−6−イソキノリニル]−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]アセトアミドの調製
Parrボトル中のMeOH(40mL)中の6−[(5S)−5−[(アセチルアミノ)メチル]−2−オキソ−3−オキサゾリジニル]−3,4−ジヒドロ−2(1H)−イソキノリンカルボン酸フェニルメチル(工程5、1.71g、4.04ミリモル)および20% Pd(OH)2/C(567mg)の混合物を20psi H2下で振盪する。次いで、得られたスラリーをMeOH(100mL)およびTHF(100mL)で希釈し、セライトを通して濾過して触媒を除去し、減圧下で濃縮して、定量的収量の表題化合物を非晶質固体として得、それをさらなる精製なく用いる。1H NMR(400MHz、CD3OD)δ 7.36(bd、1H)、7.31(s、1H)、7.08(d、1H)、4.78(m、1H)、4.14(t、1H)、3.98(s、2H)、3.82(dd、1H)、3.57(m、2H)、3.13(m、2H)、2.88(m、2H)、1.98(s、3H);MS(ESI+) C15H19N3O3として m/z 290(M+H)+.
【0075】
工程7 (−)−メチル 6−[(5S)−5−[(アセチルアミノ)メチル]−2−オキソ−3−オキサゾリジニル]−3 , 4−ジヒドロ−2(1H)−イソキノリンカルボキシレートの調製
N2下のTHF(15.5mL)中のN−[[(5S)−3−[1,2,3,4−テトラヒドロ−6−イソキノリニル]−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]アセトアミド(工程6、450mg、1.55ミリモル)およびNaHCO3(260mg、3.10ミリモル)の混合物を激しく攪拌しつつクロロギ酸メチル(0.144mL、1.87ミリモル)で処理する。高粘度の白色スラリーが生じ、それをさらにH2O(約2mL)を添加することにより再溶解させる。混合物を雰囲気温度にて1時間撹拌し、次いで、H2O(10mL)およびEtOAc(20mL)で希釈し、層を分離する。その水相をCH2Cl2(20mL)で再抽出し、合わせた有機相をブライン(10mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、減圧下濃縮する。粗生成物をMeOH/CHCl3(2/98)で溶出するシリカゲル(45g、230−400メッシュ)のクロマトグラフィーに付し、TLC(MeOH/CHCl3、10/90)によりRf=0.51を持つそれらの画分を貯め、濃縮して475mg(88%)の表題化合物をガラス状固体として得る。1H NMR(400MHz、CDCl3)δ 7.32(m、2H)、7.11(m、1H)、6.19(m、1H)、4.76(m、1H)、4.59(s、2H)、4.05(t、1H)、3.78(dd、1H)、3.75(s、3H)、3.75−3.50(m、4H)、2.85(m、2H)、2.02(s、3H);MS(ESI+) C17H21N3O5として m/z 348(M+H)+;[α]25 D=−20°(c 1.04、DMSO).
【0076】
実施例2 (−)−N−[[(5S)−3−[2−ホルミル−1,2,3,4−テトラヒドロ−6−イソキノリニル]−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]アセトアミド
【0077】
【化12】
【0078】
THF中のN−[[(5S)−3−[1,2,3,4−テトラヒドロ−6−イソキノリニル]−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]アセトアミド(実施例1、工程6、200mg、0.691ミリモル)の溶液をEDC・HCl(172mg、0.899ミリモル)およびギ酸(34μL、0.899ミリモル)で処理して、白色スラリーを得、次いで、それをH2O(約2mL)で希釈して、均質な混合物を得る。混合物を雰囲気温度にて1.25時間撹拌し、次いで、H2O(10mL)で希釈し、CH2Cl2(4×20mL)で抽出する。合わせた有機相をブライン(10mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、減圧下濃縮し、粗生成物をMeOH/CH2Cl2(1/99−5/95)の勾配で溶出するフラッシュ40Sシリカゲル(40g、32−63μm)カートリッジのクロマトグラフィーに付す。TLC(MeOH/CHCl3、10/90)によりRf=0.41を持つそれらの画分を貯め、濃縮し、得られたガラス状固体をEt2Oでトリチュレートし、濾過して、161mg(74%)の表題化合物を白色固体として得る。mp 139−141℃(分解). [α]25 D=−22°(c 0.92、DMSO).
【0079】
実施例3 (−)−N−[[(5S)−3−[2−[(アセチルオキシ)アセチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−6−イソキノリニル]−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]アセトアミド
【0080】
【化13】
【0081】
N2下の乾燥CH2Cl2(6mL)中のN−[[(5S)−3−[1,2,3,4−テトラヒドロ−6−イソキノリニル]−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]アセトアミド(実施例1、工程6、350mg、1.21ミリモル)およびトリエチルアミン(0.252mL、1.81ミリモル)の溶液を0℃まで冷却し、塩化アセトキシアセチル(0.156mL、1.45ミリモル)で処理する。得られた混合物を0℃にて1時間撹拌し、次いで、雰囲気温度まで温め、CH2Cl2(20mL)で希釈し、H2O(10mL)およびブライン(10mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、減圧下濃縮する。粗生成物をMeOH/CH2Cl2(1/99−3/97)の勾配で溶出するフラッシュ40Sシリカゲル(40g、32−63μm)カートリッジのクロマトグラフィーに付し、TLC(MeOH/CHCl3、10/90)によりRf=0.44を持つそれらの画分をRf=0.44を貯め、濃縮して、323mg(69%)の表題化合物をガラス状固体として得る。分析用試料をEt2Oからのトリチュレーションおよび濾過により調製する。MS(ESI+) C19H23N3O6として m/z 390(M+H)+;元素分析 C19H23N3O6として計算値:C、58.60;H、5.95;N、10.79. 実測値:C、58.46;H、6.06;N、10.66;[α]25 D=−18°(c 0.93、DMSO).
【0082】
実施例4 (−)−N−[[(5S)−3−[2−[(ヒドロキシ)アセチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−6−イソキノリニル]−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]アセトアミド
【0083】
【化14】
【0084】
MeOH(5.9mL)中のN−[[(5S)−3−[2−[(アセチルオキシ)アセチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−6−イソキノリニル]−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]アセトアミド(実施例3、230mg、0.591ミリモル)の溶液をK2CO3(163mg、1.18ミリモル)で処理し、得られた混合物を雰囲気温度にて1時間撹拌し、次いで、1M HCl水溶液でpH7に調整し、減圧下濃縮する。この残渣をブライン(10mL)で希釈し、CH2Cl2(3×20mL)で抽出し、合わせた有機相を無水Na2SO4で乾燥させ、減圧下濃縮する。次いで、粗生成物をMeOH/CH2Cl2(2/98−5/95)の勾配で溶出するフラッシュ40Sシリカゲル(40g、32−63μm)カートリッジのクロマトグラフィーに付し、TLC(MeOH/CHCl3、10/90)によりRf=0.25を持つそれらの画分を貯め、濃縮し、残渣をEt2Oでトリチュレートして、146mg(71%)の表題化合物を非晶質の白色固体として得る。MS(ESI+) C17H21N3O5としてm/z 348(M+H)+;[α]25 D=−18°(c 0.96、DMSO);元素分析 C17H21N3O5として:C、58.78;H、6.09;N、12.10. 実測値:C、58.59;H、6.49;N、11.77.
【0085】
実施例5 (+)−メチル 6−[(5S)−5−[(エタンチオイルアミノ)メチル]−2−オキソ−3−オキサゾリジニル]−3,4−ジヒドロ−2(1H)−イソキノリンカルボキシレート
【0086】
【化15】
【0087】
N2下の乾燥THF(8.1mL)中の6−[(5S)−5−[(アセチルアミノ)メチル]−2−オキソ−3−オキサゾリジニル]3,4−ジヒドロ−2(1H)−イソキノリンカルボン酸メチル(実施例1、280mg、0.806ミリモル)およびLawesson試薬(179mg、0.443ミリモル)を60℃まで15分間加熱し、この温度にて5分間撹拌し、次いで、雰囲気温度まで冷却し、減圧下濃縮する。粗生成物混合物をMeOH/CH2Cl2(2/98)で溶出するフラッシュ40Sシリカゲル(40g、32−63μm)カートリッジのクロマトグラフィーに付し、TLC(MeOH/CHCl3、10/90)よりRf=0.57を持つそれらの画分を貯め、濃縮し、残渣をCH2Cl2/Et2Oから再結晶して、216mg(74%)の表題化合物を灰色がかった白色固体として得る。mp 149−150℃(分解);[α]25 D=5°(c 0.99、DMSO).
【0088】
実施例6 (+)−N−[[(5S)−3−[2−ホルミル−1,2,3,4−テトラヒドロ−6−イソキノリニル]−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]エタンチオアミド
【0089】
【化16】
【0090】
工程1 (−)−フェニルメチル 6−[(5S)−5−[[[(1 , 1−ジメチルエトキシ)カルボニル]アミノ]メチル]−2−オキソ−3−オキサゾリジニ ル]−3 , 4−ジヒドロ−2(1H)−イソキノリンカルボキシレートの調製
THF/H2O(2/1、21.6mL)中の6−[(5S)−5−(アミノメチル)−2−オキソ−3−オキサゾリジニル]−3,4−ジヒドロ−2(1H)−イソキノリンカルボン酸フェニルメチル(実施例1、工程4、1.03g、2.70ミリモル)、ジ−t−ブチル ジカルボネート(619mg、2.84ミリモル)およびNaHCO3(250mg、2.97ミリモル)の混合物を雰囲気温度にて3.5時間攪拌し、次いで、H2O(10mL)で希釈し、EtOAc(2×15mL)で抽出する。合わせた有機相をH2O(10mL)およびブライン(10mL)で洗浄し、無水MgSO4で乾燥させ、減圧下で濃縮して、粗生成物を得、それをMeOH/CH2Cl2(0.5/99.5−2/98)の勾配で溶出するのフラッシュ40Sシリカゲル(40g、32−63μm)カートリッジのクロマトグラフィーに付す。TLC(MeOH/CHCl3、5/95)によりRf=0.65を持つそれらの画分の貯めおよび濃縮は、1.21g(93%)の表題化合物を非晶質の白色固体として供する。1H NMR(400MHz、CDCl3)δ 7.37(m、7H)、7.10(m、1H)、5.19(s、2H)、4.98(m、1H)、4.75(m、1H)、4.62(s、2H)、4.03(t、1H)、3.83(m、1H)、3.72(m、2H)、3.50(m、2H)、2.86(m、2H)、1.42(s、9H);MS(ESI−) C26H31N3O6としてm/z 480(M−H)−;[α]25 D=−25°(c 0.66、DMSO).
【0091】
工程2 1 , 1−ジメチルエチル [[(5S)−2−オキソ−3−[1 , 2 , 3 , 4−テトラヒドロ−6−イソキノリニル]−5−オキサゾリジニル]メチル]カルバメートの調製
Parrボトル中のMeOH(23mL)中の6−[(5S)−5−[[[(1,1−ジメチルエトキシ)カルボニル]アミノ]メチル]−2−オキソ−3−オキサゾリジニル]−3,4−ジヒドロ−2(1H)−イソキノリンカルボン酸フェニルメチル(工程1、1.11g、2.31ミリモル)および20% Pd(OH)2/C(324mg)の混合物を20psi H2下1.25時間振盪する。得られた混合物をセライトを通して濾過して触媒を除去し、濾液を減圧下で濃縮して、定量的収量の生成物を非晶質固体として得、それをさらなる精製なく用いる。1H NMR(400MHz、CD3OD)δ 7.35(bd、1H)、7.31(s、1H)、7.08(d、1H)、4.75(m、1H)、4.14(t、1H)、3.97(s、2H)、3.87(m、1H)、3.42(m、2H)、3.11(m、2H)、2.87(m、2H)、1.42(s、9H);MS(ESI+) C18H25N3O4としてm/z 348(M+H)+.
【0092】
工程3 1 , 1−ジメチルエチル [[(5S)−2−オキソ−3−[2−ホルミル−1 , 2 , 3 , 4−テトラヒドロ−6−イソキノリニル]−5−オキサゾリジニル]メチル]カルバメートの調製
乾燥THF(16.8mL)中の1,1−ジメチルエチル [[(5S)−2−オキソ−3−[1,2,3,4−テトラヒドロ−6−イソキノリニル]−5−オキサゾリジニル]メチル]カルバメート(工程2、292mg、0.841ミリモル)の溶液を1H−ベンゾトリアゾール−1−カルボキシアルデヒド(148mg、1.01ミリモル)で処理し、得られた懸濁物を雰囲気温度にて1.25時間攪拌し、次いで濃縮してTHFを除去する。その残渣をCH2Cl2(25mL)で再希釈し、1N NaOH水溶液(2×10mL)およびブライン(10mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、減圧下で濃縮して、粗生成物を得、次いで、それをMeOH/CH2Cl2(2.5/97.5)で溶出するフラッシュ40Sシリカゲル(40g、32−63μm)カートリッジのクロマトグラフィーに付す。TLC(MeOH/CHCl3、10/90)によりRf=0.60を持つそれらの画分を貯め、濃縮して、310mg(98%)の表題化合物を非晶質のガラス状固体として得る。MS(ESI+) C19H25N3O5として m/z 376(M+H)+.
【0093】
工程4 (+)−N−[[(5S)−3−[2−ホルミル−1 , 2 , 3 , 4−テトラヒドロ−6−イソキノリニル]−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]エタンチオアミドの調製
ジオキサン(6.6mL)中の氷冷の4N HClを1,1−ジメチルエチル [[(5S)−2−オキソ−3−[2−ホルミル−1,2,3,4−テトラヒドロ−6−イソキノリニル]−5−オキサゾリジニル]メチル]カルバメート(工程3、249mg、0.663ミリモル)を含有するフラスコに添加し、得られたスラリーを0℃にて1時間攪拌する。次いで、混合物をMeOH(約6mL)で希釈して、均質な混合物を得、それを30分間攪拌し、次いで、減圧下で濃縮して、脱保護したアミノメチル オキサゾリジノン中間体をその塩酸塩として得[MS(ESI+) C14H17N3O3としてm/z 276(M+H)+]、それをさらなる精製なく用いる。乾燥CH2Cl2(6.6mL)中のこの中間体およびトリエチルアミン(277μL、1.99ミリモル)の溶液をジチオ酢酸エチル(91μL、0.796ミリモル)で処理する。混合物を4.5時間攪拌し、その間、さらにトリエチルアミン(92μL)およびジチオ酢酸エチル(91μL)を添加し、次いで、CH2Cl2(10mL)で希釈し、H2O(10mL)およびブライン(10mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、減圧下濃縮する。その粗生成物をMeOH/CH2Cl2(1/99−2/98)の勾配で溶出するフラッシュ40Sシリカゲル(40g、32−63μm)カートリッジのクロマトグラフィーに付し、TLC(MeOH/CHCl3、10/90)によりRf=0.54を持つそれらの画分を貯め、濃縮し、Et2Oでトリチュレートして、167mg(76%)の表題化合物を非晶質の白色固体として得る。1H NMR(400MHz、CDCl3)δ(ロタマーAおよびBの混合物)8.27(s、1HB)、8.21(s、1HA)、8.05(m、1HA+1HB)、7.36−7.26(m、2HA+2HB)、7.13(m、1HA+1HB)、4.97(m、1HA+1HB)、4.66(s、2HA)、4.53(s、2HB)、4.30(m、1HA+1HB)、4.08(m、2HA+2HB)、3.85(m、1HA+1HB)、3.79(m、2HB)、3.65(m、2HA)、2.90(m、2HA+2HB)、2.61(s、3HA+3HB);MS(ESI+) C16H19N3O3S1としてm/z 334(M+H)+;[α]25 D=4°(c 0.98、DMSO).
【0094】
実施例7 (+)−N−[[(5S)−3−[2−[(ヒドロキシ)アセチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−6−イソキノリニル]−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]エタンチオアミド
【0095】
【化17】
【0096】
工程1 1 , 1−ジメチルエチル [[(5S)−2−オキソ−3−[1 , 2 , 3 , 4−テトラヒドロ−2−[(フェニルメトキシ)アセチル]−6−イソキノリニル]−5−オキサゾリジニル]メチル]カルバメートの調製
N2下0℃の乾燥CH2Cl2中の1,1−ジメチルエチル [[(5S)−2−オキソ−3−[1,2,3,4−テトラヒドロ−6−イソキノリニル]−5−オキサゾリジニル]メチル]カルバメート(実施例6、工程2、347mg、0.999ミリモル)およびトリエチルアミン(0.21mL、1.50ミリモル)溶液を塩化ベンジルオキシアセチル(0.19mL、1.20ミリモル)で処理し、得られた混合物を0℃にて1時間撹拌し、次いで、雰囲気温度まで温める。次いで、反応混合物をCH2Cl2(20mL)で希釈し、H2O(10mL)およびブライン(10mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、減圧下濃縮する。残渣をMeOH/CH2Cl2(1/99−2/98)の勾配で溶出するフラッシュ40Sシリカゲル(40g、32−63μm)カートリッジのクロマトグラフィーに付し、TLC(MeOH/CHCl3、10/90)によりRf=0.72を持つそれらの画分を貯め、濃縮して、425mg(86%)の表題化合物を非晶質のガラス状固体として得る。MS(ESI+) C27H33N3O6としてm/z 496(M+H)+.
【0097】
工程2 (+)−N−[(5S)−3−[2−[(ヒドロキシ)アセチル]−1 , 2 , 3 , 4−テトラヒドロ−6−イソキノリニル]−2−オキソ−5−オキサ ゾリジニル]メチル]エタンチオアミドの調製
ジオキサン(3.3mL)中の氷冷の4N HClを1,1−ジメチルエチル [[(5S)−2−オキソ−3−[1,2,3,4−テトラヒドロ−2−[(フェニルメトキシ)アセチル]−6−イソキノリニル]−5−オキサゾリジニル]メチル]カルバメート(工程1、330mg、0.666ミリモル)を含有するフラスコに添加し、得られたスラリーは、0℃にて1時間攪拌する。次いで、混合物をMeOH(約8mL)で希釈し、均質な混合物を得、それを30分間攪拌し、次いで、減圧下で濃縮して、脱保護したアミノメチルオキサゾリジノン中間体をその塩酸塩として得[MS(ESI+) C22H25N3O4としてm/z 396(M+H)+]、それをさらなる精製なく用いる。MeOH/EtOH(1/1、13.4mL)中のこの中間体の溶液を、N2下の10% C上のPd(142mg、20モル%)を含有するParrボトルに添加し、混合物を20psi H2下約7時間振盪させ、次いで、セライトを通して濾過して触媒を除去し、減圧下で濃縮して、脱ベンジル化中間体(完全な反応がNMRおよびHPLCにより示される)を得、それもさらなる精製なく用いた。乾燥CH2Cl2(6.7mL)中のこの中間体およびトリエチルアミン(278μL、2.00ミリモル)の溶液をジチオ酢酸エチル(92μL、0.800ミリモル)で処理する。混合物を20時間撹拌し、その間、さらなるトリエチルアミン(93μL)およびジチオ酢酸エチル(92μL)を添加し、次いで、CH2Cl2(10mL)で希釈し、H2O(10mL)およびブライン(5mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、減圧下濃縮する。その粗生成物をMeOH/CHCl3(1/99−3/97)の勾配で溶出するフラッシュ40Sシリカゲル(40g、32−63μm)カートリッジのクロマトグラフィーに付し、TLC(MeOH/CHCl3、10/90)によりRf=0.43を持つそれらの画分を貯め、濃縮して、149mg(62%)の表題化合物を非晶質の白色固体として得る。 1H NMR(400MHz、CDCl3)δ(ロタマーAおよびBの混合物)8.02(m、1HA+1HB)、7.40−7.26(m、2HA+2HB)、7.15(m、1HA+1HB)、4.98(m、1HA+1HB)、4.76(s、2HA)、4.42(s、2HB)、4.31(m、1HA+1HB)、4.26(s、2HA+2HB)、4.09(m、2HA+2HB)、3.86(m、1HA+3HB)、3.50(m、2HA)、2.92(m、2HA+ 2HB)、2.61(s、3HA+3HB)、2.55(bm、1HA+1HB);MS(ESI+) C17H21N3O4S1としてm/z 364(M+H)+;HRMS(FAB) C17H21N3O4S1+H1として 364.1331、実測値 364.1340;[α]25 D=3°(c 0.78、DMSO).
【0098】
実施例8 (−)−N−[[(5S)−3−(3,4−ジヒドロ−1H−2−ベンゾピラン−6−イル)−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]アセトアミド
【0099】
【化18】
【0100】
工程1 (3 , 4−ジヒドロ−1H−2−ベンゾピラン−6−イル)カルバミン酸フェニルメチルの調製
MeOH(65mL)のPtO2(10モル%、148mg)の混合物をMeOH(65mL)を脱気し、水素雰囲気(バルーン)下25分間撹拌して、触媒を活性化する。次いで、MeOH(65ml)中の3,4−ジヒドロ−6−ニトロ−1H−2−ベンゾピラン(1.17g、6.53ミリモル、J. Org. Chem
.、1998、63、4116−4119)の溶液を添加し、混合物を水素雰囲気(バルーン)下2時間攪拌し、次いで、触媒をセライトを通す濾過により除去する。濾液を減圧下で濃縮して6−アミノ−3,4−ジヒドロ−1H−2−ベンゾピラン中間体 [MS(ESI+) C9H11NOとしてm/z 150(M+H)+]を得、次いで、それをTHF/H2O(2:1、66mL)に溶解し、NaHCO3(576mg、6.86ミリモル)およびクロロギ酸ベンジル(0.979mL、6.86ミリモル)で処理する。得られた混合物を雰囲気温度にて30分間撹拌し、次いでEtOAc(100mL)で希釈し、H2O(25mL)、飽和NaHCO3水溶液(25mL)およびブライン(25mL)で洗浄し、無水MgSO4で乾燥させ、減圧下濃縮する。次いで、その粗生成物をEtOAc/ヘプタン(15/85−25/75)の勾配で溶出するフラッシュ40Mシリカゲル(90g、32−63μm)カートリッジのクロマトグラフィーに付し、TLC(EtOAc/ヘキサン、50/50)によりRf=0.60を持つそれらの画分を貯め、濃縮して、1.71g(92%)の表題化合物をガラス状固体として得る。1H NMR(400MHz、CDCl3)δ 7.42−7.32(m、5H)、7.24(m、1H)、7.11(m、1H)、6.91(d、1H)、6.67(bs、1H)、5.20(s、2H)、4.73(s、2H)、3.96(t、2H)、2.84(t、2H);MS(ESI+) C17H17NO3としてm/z 284(M+H)+.
【0101】
工程2 N−[[(5S)−3−(3 , 4−ジヒドロ−1H−2−ベンゾピラン−6−イル)−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]アセトアミドの調製
N2下の乾燥DMF(5.6mL)中の(3,4−ジヒドロ−1H−2−ベンゾピラン−6−イル)カルバミン酸フェニルメチル(工程1、1.60g、5.65ミリモル)およびMeOH(0.458モル、11.3ミリモル)の溶液を氷浴中で冷却し、LiOtBu(THF中1M、16.95mL、16.95ミリモル)で2分間にわたり滴下処理する。次いで、(1S)−2−(アセチルアミノ)−1−(クロロメチル)酢酸エチル(2.19g、11.3ミリモル)を一度に添加し、冷却浴を取り去り、混合物を雰囲気温度にて2.75日間攪拌し、次いで、H2O(20mL)で希釈し、EtOAc(4×50mL)で抽出する。合わせた有機相をブライン(25mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、減圧下濃縮し、残渣をMeOH/CH2Cl2(1/99−2/98)の勾配で溶出するフラッシュ40Mシリカゲル(90g、32−63μm)カートリッジのクロマトグラフィーに付す。TLC(MeOH/CHCl3、5/95)によりRf=0.23を持つそれらの画分を貯め、濃縮し、生成物をEtOAcでトリチュレートして、828mg(50%)の表題化合物を白色固体として得る。mp 142−145℃. [α]25 D=−24°(c 1.01、DMSO).
【0102】
実施例9 (+)−N−[[(5S)−3−(3,4−ジヒドロ−1H−2−ベンゾピラン−6−イル)−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]エタンチオアミド
【0103】
【化19】
【0104】
実施例5の一般的な手順に従い、6−[(5S)−5−[(アセチルアミノ)メチル]−2−オキソ−3−オキサゾリジニル]−3,4−ジヒドロ−2(1H)−イソキノリンカルボン酸メチルに代えて、(−)−N−[[(5S)−3−(3,4−ジヒドロ−1H−2−ベンゾピラン−6−イル)−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]アセトアミド(実施例8)に置換し、MeOH/Et2Oによるトリチュレーションおよび濾過により最終生成物を再精製する以外は重要でない変形を施し、表題の化合物(70%)を白色固体として得る。mp 147−148℃(分解). [α]25 D=5°(c 0.93、MeOH).
【0105】
実施例10 (−)−N−[[(5S)−3−(3,4−ジヒドロ−1H−2−ベンゾチオピラン−6−イル)−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]アセトアミド
【0106】
【化20】
【0107】
工程1 [2−[2−[(メチルスルホニル)オキシ]エチル]−4−ニトロフェニル]メチル メタンスルホネートの調製
N2下0℃の乾燥CH2Cl2(60mL)中の2−[2−(ヒドロキシメチル)−5−ニトロフェニル]エタノール(2.95g、14.96ミリモル、J. Org. Chem.、1998、63、4116−4119)およびトリエチルアミン(6.26mL、44.9ミリモル)の溶液を塩化メタンスルホニル(2.89mL、37.4ミリモル)で滴下処理し、0℃にて30分間撹拌する。次いで、混合物をCH2Cl2(40mL)で希釈し、1M HCl水溶液(20mL)、飽和NaHCO3水溶液(20mL)およびブライン(20mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、減圧下で濃縮して、粗生成物を得、それをEtOAc/ヘプタン(30/70−70/30)の勾配で溶出するフラッシュ40Mシリカゲル(90g、32−63μm)カートリッジのクロマトグラフィーに付す。TLC(EtOAc/ヘキサン、50/50)によりRf=0.18を持つそれらの画分の貯めおよび濃縮は、4.58g(87%)の表題化合物を白色固体として供する。mp 88−89℃.
【0108】
工程2 3 , 4−ジヒドロ−6−ニトロ−1H−2−ベンゾチオピランの調製
N2下の乾燥DMF(129mL)中の[2−[2−[(メチルスルホニル)オキシ]エチル]−4−ニトロフェニル]メチル メタンスルホネート(工程1、4.56g、12.90ミリモル)およびチオ酢酸カリウム(1.62g、14.20ミリモル)の混合物を雰囲気温度にて3時間攪拌し、次いで、H2O(250mL)で希釈し、EtOAc(200mL)で抽出する。有機相をH2O(2×100mL)およびブライン(50mL)で洗浄し、無水MgSO4で乾燥させ、減圧下濃縮し、残渣をEtOAc/ヘプタン(25/75−50/50)の勾配で溶出するフラッシュ40Mシリカゲル(90g、32−63μm)カートリッジのクロマトグラフィーに付す。TLC(EtOAc/ヘキサン、50/50)によりRf=0.44を持つそれらの画分の貯めおよび濃縮は、3.90g(91%)のチオ酢酸ベンジル中間体を粘性の油性物質として供する。[MS(ESI−) C12H15NO6S2としてm/z 332(M−H)−]。その中間体をMeOH(250mL)中の2M NH3に溶解し、得られた溶液を雰囲気温度にて45分間攪拌し、次いで、減圧下濃縮する。残渣をH2O(75mL)で希釈し、Et2O(75mL)で抽出し、そのEt2O層を無水MgSO4で乾燥させ、減圧下で濃縮して、2.12g(93%、全体では84%)の表題化合物を淡黄色固体として得る。mp 60−63℃.
【0109】
工程3 (3 , 4−ジヒドロ−1H−2−ベンゾチオピラン−6−イル)カルバミン酸フェニルメチルの調製
95% EtOH(108mL)中の3,4−ジヒドロ−6−ニトロ−1H−2−ベンゾチオピラン(工程2、2.10g、10.76ミリモル)およびSnCl2・2H2O(12.13g、53.78ミリモル)の混合物をN2下で70℃にて2時間撹拌する。得られた混合物を雰囲気温度まで冷却し、氷冷H2O(150mL)に添加し、5% NaOH水溶液でpH8に調整し、セライトのパッドを通して濾過する。フィルター・パッドをEtOAc(3×100mL)で濯ぎ、濾液中の層を分離し、有機相を無水MgSO4で乾燥させ、減圧下で濃縮して、6−アミノ−3,4−ジヒドロ−1H−2−ベンゾチオピラン中間体を得[MS(ESI+) C9H11NSとしてm/z 166(M+H)+]、次いで、それをTHF/H2O(2:1、108mL)に溶解し、NaHCO3(1.81g、21.5ミリモル)およびクロロギ酸ベンジル(1.69mL、11.8ミリモル)で処理する。得られた混合物を雰囲気温度にて30分間撹拌し、次いで、H2O(50mL)で希釈し、EtOAc(75mL)で抽出する。次いで、有機相をH2O(50mL)およびブライン(25mL)で洗浄し、無水MgSO4で乾燥させ、減圧下濃縮し、その粗生成物をEtOAc/ヘプタン(10/90)で溶出するフラッシュ40Mシリカゲル(90g、32−63μm)カートリッジのクロマトグラフィーに付す。TLC(EtOAc/ヘキサン、50/50)によりRf=0.64を持つそれらの画分の貯めおよび濃縮は、2.69g(83%)の表題化合物を白色固体として供する。mp 116−118℃.
【0110】
工程4 (−)−N−[[(5S)−3−(3 , 4−ジヒドロ−1H−2−ベンゾチオピラン−6−イル)−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]アセトアミドの調製
N2下の乾燥DMF(5.6mL)中の(3,4−ジヒドロ−1H−2−ベンゾチオピラン−6−イル)カルバミン酸フェニルメチル(工程3、2.55g、8.52ミリモル)、(1S)−2−(アセチルアミノ)−1−(クロロメチル)酢酸エチル(Tet. Lett. 1996 37(44)7737−7740;3.30g、17.03ミリモル)およびMeOH(0.690mL、17.03ミリモル)の溶液をLiOtBu(ヘキサン中1M、25.5mL、25.5ミリモル)で2時間にわたり滴下処理し、得られた二相混合物を雰囲気温度にて32時間攪拌する。次いで、混合物を氷浴中で冷却し、氷HOAc(975μL)で処理し、MeOH(10mL)を添加し、層を分離する。そのヘキサン層を20% H2O/MeOH(20mL)で再抽出し、合わせたMeOH/H2O相をH2O(40mL)で希釈し、EtOAc(3×40mL)で抽出する。次いで、合わせたEtOAc相をH2O(2×50mL)およびブライン(25mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、減圧下濃縮し、残渣をMeOH/CH2Cl2(0.5/99.5−3/97)の勾配で溶出するフラッシュ40Mシリカゲル(90g、32−63μm)カートリッジのクロマトグラフィーに付す。TLC(MeOH/CHCl3、5/95)よりRf=0.27を持つそれらの画分を貯め、濃縮し、生成物をEtOAc/Et2Oでトリチュレートして、1.90g(73%)の表題化合物を灰色がかった白色固体として得る。mp 112−114℃(分解). MS(ESI+) C15H18N2O3Sとしてm/z 307(M+H)+;[α]25 D=−24°(c 0.80、DMSO).
【0111】
実施例11 (+)−N−[[(5S)−3−(3,4−ジヒドロ−1H−2−ベンゾチオピラン−6−イル)−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]エタンチオアミド
【0112】
【化21】
【0113】
実施例5の一般的な手順に従い、6−[(5S)−5−[(アセチルアミノ)メチル]−2−オキソ−3−オキサゾリジニル]−3,4−ジヒドロ−2(1H)−イソキノリンカルボン酸メチルに代えて、(−)−N−[[(5S)−3−(3,4−ジヒドロ−1H−2−ベンゾチオピラン−6−イル)−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]アセトアミド(実施例10)に置換し、CH2Cl2/Et2Oからの再結晶により最終生成物を再精製する以外は重要でない変形を施し、表題の化合物(66%)を白色固体として得る。mp 112−114℃(分解). MS(ESI+) C15H18N2O3S2としてm/z 323(M+H)+;[α]25 D=5°(c 0.92、DMSO).
【0114】
実施例12 (+)−N−[[(5S)−3−(3,4−ジヒドロ−2,2−ジオキシド−1H−2−ベンゾチオピラン−6−イル)−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]エタンチオアミド
【0115】
【化22】
【0116】
工程1 (−)−N−[[(5S)−3−(3 , 4−ジヒドロ−2 , 2−ジオキシド−1H−2−ベンゾチオピラン−6−イル)−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]アセトアミドの調製
N2下のアセトン/H2O(3/1、36mL)中の(−)−N−[[(5S)−3−(3,4−ジヒドロ−1H−2−ベンゾチオピラン−6−イル)−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]アセトアミド(実施例10、545mg、1.78ミリモル)の溶液をN−メチルモルホリン N−オキシド(521mg、4.45ミリモル)およびOsO4(tBuOH中2.5重量%、1.11mL、5モル%)で処理し、得られた混合物を雰囲気温度にて18時間撹拌し、次いで、氷浴中で冷却し、半−飽和NaHSO3水溶液(50mL)で処理する。混合物をCH2Cl2(3×75mL)で抽出し、合わせた有機相をブライン(20mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、減圧下で濃縮して、粗生成物を得、次いで、それをMeOH/CH2Cl2(1/99−4/96)の勾配で溶出するフラッシュ40Sシリカゲル(40g、32−63μm)カートリッジのクロマトグラフィーに付す。TLC(MeOH/CHCl3、10/90)よりRf=0.39を持つそれらの画分を貯め、濃縮し、生成物をCH2Cl2/Et2Oでトリチュレートして、517mg(86%)の表題化合物を白色固体として得る。mp 177−178℃. MS(ESI+) C15H18N2O5Sとしてm/z 339(M+H)+;[α]25 D=−23°(c 0.97、DMSO).
【0117】
工程2 (+)−N−[[(5S)−3−(3 , 4−ジヒドロ−2 , 2−ジオキシド−1H−2−ベンゾチオピラン−6−イル)−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]エタンチオアミドの調製
実施例5の一般的な手順に従い、6−[(5S)−5−[(アセチルアミノ)メチル]−2−オキソ−3−オキサゾリジニル]−3,4−ジヒドロ−2(1H)−イソキノリンカルボン酸メチルに代えて、(−)−N−[[(5S)−3−(3,4−ジヒドロ−2,2−ジオキシド−1H−2−ベンゾチオピラン−6−イル)−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]アセトアミド(工程1)に置換し、MeOH/Et2Oからのトリチュレーションおよび濾過により最終生成物を再精製する以外は重要でない変形を施し、表題の化合物(75%)を白色固体として得る。mp 187℃(分解). MS(ESI+) C15H18N2O4S2としてm/z 355(M+H)+;[α]25 D=4°(c 0.91、DMSO).
【0118】
実施例13 (+)−N−[[(5S)−3−(3,4−ジヒドロ−1H−2−ベンゾピラン−7−イル)−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]エタンチオアミド
【0119】
【化23】
【0120】
工程1 2−[2−(ヒドロキシメチル)−4−ニトロフェニル]エタノールの調製
N2下の乾燥THF(291mL)中の4−ニトロホモフタル酸(13.12g、58.27ミリモル、J. Amer. Chem. Soc.、1969、91、2467)の溶液をNaBH4(6.61g、174.8ミリモル)で15分間何回かに分けて処理する。得られた混合物を氷浴中で冷却し、BF3・Et2O(22.15mL、174.8ミリモル)を35分間滴下して添加する。冷却浴を取り去り、反応混合物を雰囲気温度にて18時間激しく撹拌し、次いで、氷浴中で冷却し、1N NaOH水溶液(233mL、4当量)のゆっくりした添加によりクエンチし、雰囲気温度にてさらに4時間撹拌する。次いで、THFを減圧下で除去し、得られた沈殿を濾過により単離し、濾液をMeOH/CH2Cl2(10/90、3×150mL)で抽出し、沈殿を有機抽出と合わせ、さらにMeOH/CH2Cl2(10/90,400mL)で希釈し、無水Na2SO4で乾燥させ、減圧下濃縮し、EtOAc/ヘキサンから再結晶して、8.16g(71%)の表題化合物をベージュ色固体として得る。mp 80−81℃(分解).
【0121】
工程2 3 , 4−ジヒドロ−7−ニトロ−1H−2−ベンゾピランの調製
N2下の0℃の乾燥THF中の2−[2−(ヒドロキシメチル)−4−ニトロフェニル]エタノール(工程1、1.65g、8.37ミリモル)、スクシンイミド(829mg、8.37ミリモル)およびトリフェニルホスフィン(2.46g、9.37ミリモル)の溶液をアゾジカルボン酸ジエチル(1.50mL、9.54ミリモル)で5分間滴下処理し、得られた混合物を0℃にて4時間撹拌し、次いで、減圧下濃縮する。残渣をEtOAc/ヘプタン(10/90)で溶出するフラッシュ40Mシリカゲル(90g、32−63μm)カートリッジのクロマトグラフィーに付し、TLC(EtOAc/ヘキサン、50/50)によりRf=0.60を持つそれらの画分を貯め、濃縮して、995mg(66%)の表題化合物を白色固体として得る。mp 96−98℃.
【0122】
工程3 (3 , 4−ジヒドロ−1H−2−ベンゾピラン−7−イル)カルバミン酸フェニルメチルの調製
実施例8、工程1の一般的な手順に従い、3,4−ジヒドロ−6−ニトロ−1H−2−ベンゾピランに代えて、3,4−ジヒドロ−7−ニトロ−1H−2−ベンゾピラン(工程2)に置換する以外は重要でない変形を施し、表題の化合物を白色固体として得る(92%)。mp 94−95℃.
【0123】
工程4 (−)−N−[[(5S)−3−(3 , 4−ジヒドロ−1H−2−ベンゾピラン−7−イル)−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]アセトアミドの調製
実施例10、工程4の一般的な手順に従い、(3,4−ジヒドロ−1H−2−ベンゾチオピラン−6−イル)カルバミン酸フェニルメチルに代えて、(3,4−ジヒドロ−1H−2−ベンゾピラン−7−イル)カルバミン酸フェニルメチル(工程3)に置換する以外は重要でない変形を施し、表題の化合物をガラス状固体として得る(63%)。1H NMR(400MHz、CDCl3)δ 8.21(m、1H)、7.34(m、1H)、7.19(m、1H)、7.13(d、1H)、4.69(m、1H)、4.65(s、2H)、4.07(t、1H)、3.85(m、2H)、3.69(dd、1H)、3.39(m、2H)、2.73(m、2H)、1.82(s、3H);MS(ESI+) C15H18N2O4としてm/z 291(M+H)+;[α]25 D=−22°(c 0.98、DMSO).
【0124】
工程5 (+)−N−[[(5S)−3−(3 , 4−ジヒドロ−1H−2−ベンゾピラン−7−イル)−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]アセトアミドの調製
実施例5の一般的な手順に従い、6−[(5S)−5−[(アセチルアミノ)メチル]−2−オキソ−3−オキサゾリジニル]−3,4−ジヒドロ−2(1H)−イソキノリンカルボン酸メチルに代えて、(−)−N−[[(5S)−3−(3,4−ジヒドロ−1H−2−ベンゾピラン−7−イル)−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]アセトアミド(工程4)に置換し、0.7モル当量のLawesson試薬を用い、MeOH/Et2OでのトリチュレーションまたはEtOAc/ヘキサンからの再結晶により生成物を再精製する以外は重要でない変形を施し、表題の化合物を白色固体として得る(84%)。mp 165℃(分解). MS(ESI+) C15H18N2O3Sとしてm/z 307(M+H)+;[α]25 D=6°(c 0.96、DMSO).
【0125】
実施例14 (−)−N−[[(5S)−3−(3,4−ジヒドロ−1H−2−ベンゾチオピラン−7−イル)−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]アセトアミド
【0126】
【化24】
【0127】
工程1 4−(2−ヒドロキシエチル)−3−(ヒドロキシメチル)フェニルカルバミン酸フェニルメチルの調製
MeOH(50mL)中の2−[2−(ヒドロキシメチル)−4−ニトロフェニル]エタノール(実施例13、工程1、2.00g、10.14ミリモル)およびPtO2(10モル%、229mg)の混合物を脱気し、Parr水素添加装置で15psi H2下3時間振盪させ、次いで、触媒をセライトを通す濾過により除去する。濾液を減圧下で濃縮して、アニリン中間体を得、次いで、それをTHF/H2O(2:1、101mL)に溶解し、0℃まで冷却し、NaHCO3(1.70g、20.28ミリモル)およびクロロギ酸ベンジル(1.59mL、11.15ミリモル)で処理する。得られた混合物を0℃にて30分間撹拌し、次いで、EtOAc(50mL)で希釈し、H2O(25mL)およびブライン(25mL)で洗浄し、無水MgSO4で乾燥させ、減圧下濃縮する。次いで、その粗生成物をMeOH/CH2Cl2(1/99−5/95)の勾配で溶出するフラッシュ40Mシリカゲル(90g、32−63μm)カートリッジのクロマトグラフィーに付し、TLC(MeOH/CH2Cl2(10/90))によりRf=0.50を持つそれらの画分を貯め、濃縮して、2.84g(93%)の表題化合物を白色固体として得る。mp 101−103℃.
【0128】
工程2 (3 , 4−ジヒドロ−1H−2−ベンゾチオピラン−7−イル)カルバミン酸フェニルメチルの調製
N2下0℃の乾燥CH2Cl2(204mL)中の4−(2−ヒドロキシエチル)−3−(ヒドロキシメチル)フェニルカルバミン酸フェニルメチル(工程1、12.29g、40.78ミリモル)およびトリエチルアミン(17.05mL、122.3ミリモル)の溶液を塩化メタンスルホニル(7.89mL、101.9ミリモル)で滴下処理し、0℃にて1時間撹拌する。次いで、混合物をCH2Cl2(200mL)で希釈し、H2O(200mL)およびブライン(50mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、減圧下で濃縮して、粗製の中間体を得、それをEtOAc/ヘプタン(30/70−60/40)の勾配で溶出する2つのフラッシュ40Mシリカゲル(90g、32−63μm)カートリッジのクロマトグラフィーに付す。TLC(EtOAc/ヘキサン、50/50)によりRf=0.22を持つそれらの画分の貯めおよび濃縮は、11.66g(62%)のビスメシレート中間体を粘性の油性物として供する。[MS(ESI+) C19H23NO8S2としてm/z 456(M+H)+]。次いで、乾燥DMSO中のこの中間体(10.58g、23.13ミリモル)および無水Na2S(5.41g、69.39ミリモル)の混合物をN2下30分間撹拌し、Et2O(200mL)および氷H2O(200mL)で希釈し、層を分離する。反応フラスコ中に残っている沈殿をCH2Cl2(50mL)に溶解し、ブライン(20mL)で洗浄し、合わせた有機相を無水Na2SO4で乾燥させ、減圧下濃縮する。次いで、その粗生成物をEtOAc/ヘプタン(10/90)で溶出するフラッシュ40Mシリカゲル(90g、32−63μm)カートリッジのクロマトグラフィーに付し、TLC(EtOAc/ヘキサン、25/75)によりRf=0.61を持つそれらの画分を貯め、濃縮して、3.39g(49%、全体では30%)の表題化合物を白色固体として得る、mp 109−111℃.
【0129】
工程3 (−)−N−[[(5S)−3−(3 , 4−ジヒドロ−1H−2−ベンゾチオピラン−7−イル)−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]アセトアミドの調製
実施例10、工程4の一般的な手順に従い、(3,4−ジヒドロ−1H−2−ベンゾチオピラン−6−イル)カルバミン酸フェニルメチルに代えて、(3,4−ジヒドロ−1H−2−ベンゾチオピラン−7−イル)カルバミン酸フェニルメチル(工程2)に置換する以外は重要でない変形を施し、表題の化合物(70%)を白色固体として得る。mp 139−140℃. [α]25 D=−24°(c 0.98、DMSO).
【0130】
実施例15 (+)−N−[[(5S)−3−(3,4−ジヒドロ−1H−2−ベンゾチオピラン−7−イル)−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]エタンチオアミド
【0131】
【化25】
【0132】
実施例5の一般的な手順に従い、6−[(5S)−5−[(アセチルアミノ)メチル]−2−オキソ−3−オキサゾリジニル]−3,4−ジヒドロ−2(1H)−イソキノリンカルボン酸メチルに代えて、(−)−N−[[(5S)−3−(3,4−ジヒドロ−1H−2−ベンゾチオピラン−7−イル)−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]アセトアミド(実施例14)に置換する以外は重要でない変形を施し、0.7モル当量のLawesson試薬を用い、MeOH/Et2Oからのトリチュレーションおよび濾過により最終生成物を再精製する以外は重要でない変形を施し、表題の化合物(72%)を白色固体として得る。mp 172−173℃(分解). [α]25 D=4°(c 0.93、DMSO).
【0133】
実施例16 (+)−N−[[(5S)−3−(3,4−ジヒドロ−2,2−ジオキシド−1H−2−ベンゾチオピラン−7−イル)−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]エタンチオアミド
【0134】
【化26】
【0135】
工程1 (−)−N−[[(5S)−3−(3 , 4−ジヒドロ−2 , 2−ジオキシド−1H−2−ベンゾチオピラン−7−イル)−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]アセトアミドの調製
実施例12、工程1の一般的な手順に従い、(−)−N−[[(5S)−3−(3,4−ジヒドロ−1H−2−ベンゾチオピラン−6−イル)−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]アセトアミドに代えて、(−)−N−[[(5S)−3−(3,4−ジヒドロ−1H−2−ベンゾチオピラン 7−イル)−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]アセトアミド(実施例14)に置換する以外は重要でない変形を施し、表題の化合物(95%)を白色固体として得る。mp 177−179℃. [α]25 D=−22°(c 1.02、DMSO).
【0136】
工程2 (+)−N−[[(5S)−3−(3 , 4−ジヒドロ−2 , 2−ジオキシド−1H−2−ベンゾチオピラン−7−イル)−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]エタンチオアミドの調製
実施例5の一般的な手順に従い、6−[(5S)−5−[(アセチルアミノ)メチル]−2−オキソ−3−オキサゾリジニル]−3,4−ジヒドロ−2(1H)−イソキノリンカルボン酸メチルに代えて、(−)−N−[[(5S)−3−(3,4−ジヒドロ−2,2−ジオキシド−1H−2−ベンゾチオピラン−7−イル)−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]アセトアミド(工程1)に置換し、0.7モル当量のLawesson試薬を用い、(10% MeOH/CH2CL2)/Et2Oからの再結晶により最終生成物を再精製する以外は重要でない変形を施し、表題の化合物(84%)を白色固体として得る。mp 184−185℃(分解).[α]25 D=4°(c 0.90、DMSO).
【0137】
実施例17 N−[[(5S)−3−(3,4−ジヒドロ−2−オキシド−1H−2−ベンゾチオピラン−7−イル)−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]アセトアミド
【0138】
【化27】
【0139】
H2O(4.1mL)中のNaIO4(220mg、1.03ミリモル)の溶液をMeOH(20mL)中の(−)−N−[[(5S)−3−(3,4−ジヒドロ−1H−2−ベンゾチオピラン−7−イル)−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]アセトアミド(実施例14、300mg、0.979ミリモル)の溶液で約1分間処理し、得られた混合物を雰囲気温度にて18時間撹拌する。次いで、混合物をブライン(25mL)で希釈し、10% MeOH/CH2Cl2(4×25mL)で抽出し、合わせた有機相を無水Na2SO4で乾燥させ、減圧下濃縮する。残渣をMeOH/CH2Cl2(2/98−8/92)の勾配で溶出するフラッシュ40Sシリカゲル(40g、32−63μm)カートリッジのクロマトグラフィーに付し、TLC(MeOH/CHCl3、10/90)によりRf=0.20を持つそれらの画分を貯め、濃縮して、293mg(93%)の表題化合物を非晶質の白色固体として得る(ジアステレオマーの混合物)。1H NMR(400MHz、DMSO−d6)δ 8.22(m、1H)、7.43(m、1H)、7.34(m、1H)、7.23(d、1H)、4.71(m、1H)、4.10−3.95(m、3H)、3.72(m、1H)、3.40(m、2H)、3.16(m、2H)、2.88(m、2H)、1.82(s、3H);MS(ESI+) C15H18N2O4Sとしてm/z 323(M+H)+.
【0140】
実施例18 (+)−N−[[(5S)−3−[2−ホルミル−1,2,3,4−テトラヒドロ−7−イソキノリニル]−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]エタンチオアミド
【0141】
【化28】
【0142】
工程1 [2−[2−[(メチルスルホニル)オキシ]エチル]−5−ニトロフェニル]メチル メタンスルホネートの調製
実施例10、工程1の一般的な手順に従い、2−[2−(ヒドロキシメチル)−5−ニトロフェニル]エタノールに代えて、2−[2−(ヒドロキシメチル)−4−ニトロフェニル]エタノール(実施例13、工程1)に置換する以外は重要でない変形を施し、表題の化合物(85%)を白色固体として得る。mp 83−85℃.
【0143】
工程2 N−ベンジル−7−ニトロ−1 , 2 , 3 , 4−テトラヒドロイソキノリンの調製N2下のCH2Cl2(25mL)中の[2−[2−[(メチルスルホニル)オキシ]エチル]−5−ニトロフェニル]メチル メタンスルホネート(工程1、1.75g、4.95ミリモル)の溶液をベンジルアミン(2.70mL、24.75ミリモル)で処理し、得られた混合物を雰囲気温度にて24時間撹拌し、次いで、水(20mL)およびブライン(10mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、減圧下濃縮する。次いで、その粗生成物をEtOAc/ヘプタン(10/90)で溶出するフラッシュ40Mシリカゲル(90g、32−63μm)カートリッジのクロマトグラフィーに付し、TLC(EtOAc/ヘキサン、25/75)によりRf=0.32を持つそれらの画分を貯め、濃縮して、1.33g(100%)の表題化合物をオレンジ色固体として得る。mp 85−86℃.
【0144】
工程3 3 , 4−ジヒドロ−7−[[(フェニルメトキシ)カルボニル]アミノ]−2(1H)−イソキノリンカルボン酸フェニルメチルの調製
実施例1、工程2の一般的な手順に従い、N−ベンジル−6−ニトロ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリンに代えて、N−ベンジル−7−ニトロ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン(工程2)に置換する以外は重要でない変形を施し、表題の化合物(77%)を白色固体として得る。mp 113−115℃.
【0145】
工程4 (−)−フェニルメチル 7−[(5S)−5−[[[(1 , 1−ジメチルエトキシ)カルボニル]アミノ]メチル]−2−オキソ−3−オキサゾリジニル]−3 , 4−ジヒドロ−2(1H)−イソキノリンカルボキシレートの調製
N2下0℃の乾燥DMF(5.6mL)中の3,4−ジヒドロ−7−[[(フェニルメトキシ)カルボニル]アミノ]−2(1H)−イソキノリンカルボン酸フェニルメチル(工程3、5.12g、12.29ミリモル)およびtert−ブチル (2S)−3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルカルバメート(米国特許出願、シリアル番号60/241122により調製できる、3.22g、15.36ミリモル)の溶液をLiOtBu(THF中の1M、29.5mL、29.5ミリモル)で5分間滴下処理する。冷却浴を取り出し、得られた混合物を雰囲気温度にて18時間撹拌し、飽和NH4Cl水溶液(25mL)でクエンチし、H2O(25mL)で希釈し、EtOAc(50mL)で抽出する。次いで、そのEtOAc相をH2O(2×50mL)およびブライン(25mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥させ減圧下濃縮する、残渣をEtOAc/ヘプタン(25/75−50/50)の勾配で溶出するフラッシュ40Mシリカゲル(90g、32−63μm)カートリッジのクロマトグラフィーに付す。TLC(EtOAc/ヘキサン、50/50)によりRf=0.20を持つそれらの画分を貯め、濃縮して、4.69g(80%)の表題化合物を白色固体として得る。mp 135−137℃. [α]25 D=−27°(c 1.00、DMSO).
【0146】
工程5 (−)−1 , 1−ジメチルエチル [[(5S)−2−オキソ−3−(1 , 2 , 3 , 4−テトラヒドロ−7−イソキノリニル]−5−オキサゾリジニル]メチル]カルバメートの調製
実施例6、工程2の一般的な手順に従い、(−)−フェニルメチル 6−[(5S)−5−[[[(1,1−ジメチルエトキシ)カルボニル]アミノ]メチル]−2−オキソ−3−オキサゾリジニル]−3,4−ジヒドロ−2(1H)イソキノリンカルボキシレートに代えて、(−)−フェニルメチル 7−[(5S)−5−[[[(1,1−ジメチルエトキシ)カルボニル]アミノ]メチル]−2−オキソ−3−オキサゾリジニル]−3,4−ジヒドロ−2(1H)−イソキノリンカルボキシレート(工程4)に置換する以外は重要でない変形を施し、表題の化合物(100%)を非晶質の白色固体として得、それをさらなる精製なく用いる。1H NMR(400MHz、DMSO−d6)δ 7.29(m、1H)、7.17(m、2H)、7.06(d、1H)、4.65(m、1H)、4.05(t、1H)、3.85(s、2H)、3.74(dd、1H)、3.25(m、2H)、2.95(m、2H)、2.66(m、2H)、1.36(s、9H);MS(ESI+) C18H25N3O4としてm/z 348(M+H)+;[α]25 D=−33°(c 0.93、DMSO).
【0147】
工程6 (−)−1 , 1−ジメチルエチル [[(5S)−2−オキソ−3−[2−ホルミル−1 , 2 , 3 , 4−テトラヒドロ−7−イソキノリニル]−5−オキサゾリジニル]メチル]カルバメートの調製
実施例6、工程3の一般的な手順に従い、1,1−ジメチルエチル [[(5S)−2−オキソ−3−[1,2,3,4−テトラヒドロ−6−イソキノリニル]−5−オキサゾリジニル]メチル]カルバメートに代えて、1,1−ジメチルエチル [[(5S)−2−オキソ−3−[1,2,3,4−テトラヒドロ−7−イソキノリニル]−5−オキサゾリジニル]メチル]カルバメート(工程5)に置換する以外は重要でない変形を施し、表題の化合物(97%)を非晶質の白色固体として得る。 1H NMR(400MHz、DMSO−d6)δ(ロタマーAおよびBの混合物)8.21(s、1HB)、8.16(s、1HA)、7.42−7.29(m、2HA+2HB)、7.16(m、2HA+2HB)、4.68(m、1HA+1HB)、4.57(s、2HB)、4.53(s、2HA)、4.08(t、1HA+1HB)、3.76(m、1HA+1HB)、3.63(m、2HA+2HB)、3.26(m、2HA+2HB)、2.80(m、2HA)、2.73(m、2HB)、1.36(s、9HA+9HB);MS(ESI+) C19H25N3O5としてm/z 375(M+H)+;[α]25 D=−32°(c 0.97、DMSO).
【0148】
工程7 (+)−N−[[(5S)−3−[2−ホルミル−1 , 2 , 3 , 4−テトラヒドロ−7−イソキノリニル]−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]エタンチオアミドの調製
0℃の最小のMeOH中の1,1−ジメチルエチル [[(5S)−2−オキソ−3−[2−ホルミル−1,2,3,4−テトラヒドロ−7−イソキノリニル]−5−オキサゾリジニル]メチル]カルバメート(工程6、910mg、2.42ミリモル)の溶液をジオキサン(12.1mL)中の4N HClで処理し、得られた混合物を0℃にて15分間撹拌し、次いで、CH2Cl2から数回濃縮して、脱保護したアミノメチル オキサゾリジノン中間体をその塩酸塩として得[MS(ESI+) C14H17N3O3としてm/z 276(M+H)+]、それをさらなる精製なくして用いる。N2下の乾燥CH2Cl2(12mL)中のこの中間体(370mg、1.19ミリモル)およびトリエチルアミン(497μL、3.57ミリモル)の溶液をジチオ酢酸エチル(273μL、2.38ミリモル)で処理する。均質な混合物を5時間撹拌し、次いで、CH2Cl2(10mL)で希釈し、H2O(10mL)およびブライン(10mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、減圧下濃縮する。その粗生成物をMeOH/CH2Cl2(1/99−3/97)の勾配で溶出するフラッシュ40Sシリカゲル(40g、32−63μm)カートリッジのクロマトグラフィーに付す。TLC(MeOH/CHCl3、5/95)によりRf=0.42を持つそれらの画分を貯め、濃縮し、生成物をEtOAc/Et2Oからトリチュレートおよび濾過して、272mg(69%)の表題化合物を白色固体として得る。mp 179−181℃(分解). [α]25 D=4°(c 1.02、DMSO).
【0149】
実施例19 (+)−N−[[(5S)−3−[2−[(ヒドロキシ)アセチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−7−イソキノリニル]−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]エタンチオアミド
【0150】
【化29】
【0151】
工程1 (−)−1 , 1−ジメチルエチル [[(5S)−2−オキソ−3−[1 , 2 , 3 , 4−テトラヒドロ−2−[(フェニルメトキシ)アセチル]−7−イ ソキノリニル]−5−オキサゾリジニル]メチル]カルバメートの調製
実施例7、工程1の一般的な手順に従い、1,1−ジメチルエチル [[(5S)−2−オキソ−3−[1,2,3,4−テトラヒドロ−6−イソキノリニル]−5−オキサゾリジニル]メチル]カルバメートに代えて、1,1−ジメチルエチル [[(5S)−2−オキソ−3−[1,2,3,4−テトラヒドロ−7−イソキノリニル]−5−オキサゾリジニル]メチル]カルバメート(実施例18、工程5)に置換する以外は重要でない変形を施し、生成物(89%)を非晶質の白色固体として得る。1H NMR(400MHz、DMSO−d6)δ(ロタマーAおよびBの混合物)7.43−7.27(m、7HA+7HB)、7.17(m、2HA+2HB)、4.67(m、1HA+1HB)、4.60−4.51(m、4HA+4HB)、4.28(s、2HA+2HB)、4.08(m、1HA+1HB)、3.76(m、1HA+3HB)、3.65(m、2HA+2HB)、3.26(m、2HA+2HB)、2.80(m、2HA)、2.74(m、2HB)、1.36(s、9HA+9HB);MS(ESI+) C27H33N3O6としてm/z 496(M+H)+;[α]25 D=−27°(c 1.01、DMSO).
【0152】
工程2 (+)−N−[[(5S)−3−[2−[(ヒドロキシ)アセチル]−1 , 2 , 3 , 4−テトラヒドロ−7−イソキノリニル]−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]エタンチオアミドの調製
0℃の最小のMeOH中の(−)−1,1−ジメチルエチル [[(5S)−2−オキソ−3−[1,2,3,4−テトラヒドロ−2−[(フェニルメトキシ)アセチル]−7−イソキノリニル]−5−オキサゾリジニル]メチル]カルバメート(工程1、1.32g、2.66ミリモル)の溶液をジオキサン(13.3mL)中の4N HClで処理し、得られた混合物を0℃にて15分間撹拌し、CH2Cl2から数回濃縮して、脱保護したアミノメチル オキサゾリジノン中間体をその塩酸塩として得[MS(ESI+) C22H25N3O4としてm/z 396(M+H)+]、それをさらなる精製なく用いる。MeOH(53mL)中のこの中間体の溶液をN2下の10% C上のPd(570mg、20モル%)を含有するParrボトルに添加し、混合物を30psi H2下で約6時間振盪させ、次いで、セライトを通して濾過して触媒を除去し、減圧下で濃縮して、脱ベンジル化中間体 [894mg、98%、MS(ESI+) C15H19N3O4としてm/z 306(M+H)+]を得、また、それをさらなる精製なく用いる。N2下の乾燥CH2Cl2(13.7mL)中のこの中間体(470mg、1.37ミリモル)およびトリエチルアミン(573μL、4.11ミリモル)の溶液をジチオ酢酸エチル(314μL、2.74ミリモル)で処理する。均質な混合物を15時間撹拌し、次いで、CH2Cl2(10mL)で希釈し、H2O(10mL)およびブライン(10mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、減圧下濃縮する。その粗生成物をMeOH/CH2Cl2(2/98−4/96)の勾配で溶出するフラッシュ40Sシリカゲル(40g、32−63μm)カートリッジのクロマトグラフィーに付し、TLC(MeOH/CHCl3、10/90)によりRf=0.41を持つそれらの画分を貯め、濃縮し、生成物をCH2Cl2/Et2Oからトリチュレートおよび濾過して、260mg(52%)の表題化合物を白色固体として得る。mp 158−160℃(分解). [α]25 D=4(c 0.96、DMSO).
【0153】
実施例20 N−{[(5S)−3−(1−ホルミル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンゾアゼピン−7−イル)−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル]メチル}アセトアミド
【0154】
【化30】
【0155】
工程1 2 , 3 , 45−テトラヒドロ−1H−1−ベンゾアゼピン−2−オンの 調製
水(13mL)およびクロロホルム(160mL)中のアジ化ナトリウム(25g、370ミリモル)の溶液を0℃まで冷却し、濃硫酸(11mL)で滴下処理する。攪拌を30分間続け、その層を分離する。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、α−テトラロン(20g、137ミリモル)を攪拌しつつ1回で添加する。得られた溶液を40℃にて加熱し、濃硫酸(38mL)を滴下して、40−45℃の内部温度を維持し、攪拌を1時間続け、次いで20℃まで冷却し、分液漏斗に注ぐ。底部層を攪拌しつつ氷水(900mL)に滴下する。得られた固体を濾過により集め、40℃にて真空中で乾燥させて、19.7gの灰色がかった白色固体(89%)を得る。mp 139−140℃;MS(ESI+)m/z 162(M+H).
【0156】
工程2 7−ニトロ−2 , 3 , 4 , 5−テトラヒドロ−1H−1−ベンゾアゼピンの調製
0−5℃の濃硫酸(25mL)中の前記のベンゾアゼピノン(5.0g、31ミリモル)を濃硫酸(4mL)中の発煙硝酸(2.0mL)で滴下処理し、30分間撹拌する。混合物を氷水(150mL)に注ぎ、得られた固体を濾過により集め、次いで、ジクロロメタン中の20−30%酢酸エチルでのシリカゲルのクロマトグラフィーに付して、1.3gの7および8−ニトロ異性体の混合物を得る。その位置異性体をTHF(20mL)に溶解し、1Mボラン−THF(20mL)で滴下処理し、次いで、60℃にて3時間加熱し、冷却し、1N塩酸(20mL)でクエンチする。得られた混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で塩基性とし、次いで、酢酸エチルで抽出する。有機層をブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ヘプタン中の20%酢酸エチルでのシリカゲルのクロマトグラフィーに付し460mg(45%)の表題化合物を黄色泡状物として得る。元素分析 C10H12N2O2として:C、62.49;H、6.29;N、14.57. 実測値:C、62.15;H、6.17;N、14.54;MS(ESI+)m/z 193(M+H).
【0157】
工程3 7−(ベンジルカルボキシアミノ)−2 , 3 , 4 , 5−テトラヒドロ−1H−1−ベンゾアゼピン−1−カルボン酸ベンジルの調製
無水エタノール(10mL)中のニトロベンゾアゼピノン(450mg、2.3ミリモル)、ヒドラジン(300μL)および10%炭素上のパラジウム(50mg)を60℃にて1時間加熱し、冷却し、セライトを通して濾過し、真空中で濃縮して、白色固体(430mg)を得る。その固体をアセトン(10mL)に溶解させ、水(5mL)で希釈し、炭酸水素ナトリウム(1.00g、12ミリモル)およびクロロギ酸ベンジル(750μL、5.3ミリモル)で処理する。混合物を室温にて1時間撹拌し、酢酸エチル(50mL)で希釈し、それを水およびブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮し、ヘプタン中の20%酢酸エチルでのシリカゲルのクロマトグラフィーに付して、885mgの表題化合物を白色泡状物として得る(83%)。元素分析 C26H26N2O4として計算値:C、72.54;H、6.09;N、6.51. 実測値:C、72.53;H、6.18;N、6.50;MS(ESI+)m/z 431(M+H).
【0158】
工程4 7−[(5R)−(5−ヒドロキシメチル)−2−オキソ−3−オキサゾリジニル]−2 , 3 , 4 , 5−テトラヒドロ−1H−ベンゾアゼピン−1−カルボン酸フェニルメチルの調製
前記の化合物(850mg、2.0ミリモル)をTHF(15mL)に溶解し、−70℃まで冷却し、n−ブチルリチウム(1.22mL、2.0ミリモル)で滴下処理し、次いで、30分間撹拌した後、(R)−(−)−グリシジルブチレート(310μL、2.1ミリモル)を添加する。混合物を室温にて一晩撹拌し、水で希釈し、ジクロロメタンで抽出し、それを無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮し、ジクロロメタン中の20%酢酸エチルでのシリカゲルのクロマトグラフィーに付して、564mg(72%)の白色泡状物を得る。HRMS(FAB) C22H24N2O5+Hとして計算値:397.1763、実測値 397.1796;元素分析 C22H24N2O5として計算値:C、66.65;H、6.10;N、7.07. 実測値:C、66.35;H、6.34;N、6.91.
【0159】
工程5 7−[(5R)−(5−アセチルアミノ)−2−オキソ−3−オキサゾリジニル]−2 , 3 , 4 , 5−テトラヒドロ−1H−ベンゾアゼピン−1−カルボン酸フェニルメチルの調製
前記の化合物(540mg、1.4ミリモル)、3−ニトロベンゼンスルホニル クロリド(340mg、1.5ミリモル)およびトリエチルアミン(400μL、2.9ミリモル)をジクロロメタン(20mL)に合わせて、室温にて一晩撹拌する。混合物を水およびブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮する。得られた油性物質を密閉管中でTHF(10mL)、メタノール(6mL)および水酸化アンモニウム(16mL)に溶解し、80℃にて一晩加熱する。冷却後、溶液を水で希釈し、ジクロロメタンで抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮する。得られた油性物をジクロロメタン(10mL)に溶解し、無水酢酸(260μL)で処理し、出発物質がTLCにより決定されるごとく消費されるまで室温にて撹拌する。次いで、混合物を真空中で濃縮し、ジクロロメタン中の40%酢酸エチルでのシリカゲルのクロマトグラフィーに付して、530mg(89%)の表題化合物を白色泡状物として得る。HRMS(FAB) C24H27N3O5+H1として計算値 438.2029、実測値 438.2032. 元素分析 C24H27N3O5として計算値:C、65.89;H、6.22;N、9.60. 実測値:C、65.19;H、6.53;N、9.47.
【0160】
工程6 N−[[(5S)−3−(2 , 3 , 4 , 5−テトラヒドロ−1H−1−ベンゾアゼピン−7−イル)−2−オキソ−1 , 3−オキサゾリジン−5−イル]メチル}アセトアミドの調製
前記の化合物(530mg、1.2ミリモル)および10%炭素上のパラジウム(50mg)をメタノール(30mL)中で30psiにて18時間水素添加し、セライトを通して濾過し、濃縮し、ジクロロメタン中の40−80%酢酸エチルでのシリカゲルのクロマトグラフィーに付して、315mg(86%)の表題化合物を白色固体として得る。比旋光度 [α]25 D=−21(c 0.60、DMSO). 元素分析 C16H21N3O3として計算値:C、63.35;H、6.98;N、13.85. 実測値:C、63.23;H、7.03;N、13.83.
【0161】
工程7 N−{[(5S)−3−(1−ホルミル−2 , 3 , 4 , 5−テトラヒドロ−1H−1−ベンゾアゼピン−7−イル)−2−オキソ−1 . 3−オキサゾリジン−5−イル]メチル}アセトアミドの調製
無水酢酸(162μL、1.7ミリモル)を98%ギ酸(70μL、2.0ミリモル)に添加し、60℃にて1時間加熱し、冷却し、次いで、THF(1mL)で希釈する。THF(5mL)中の前記の化合物(20mg、0.67ミリモル)を前記の混合物に添加し、次いで、室温にて1時間撹拌する。真空中で濃縮後、その粗生成物をジクロロメタン中の3%メタノールでのシリカゲルのクロマトグラフィーに付して、170mg(78%)の表題化合物を白色固体として得る。比旋光度 [α]25 D=−23°(c 0.85、DMSO). 元素分析 C17H21N3O4として計算値:C、61.62;H、6.39;N、12.68. 実測値:C、61.41;H、6.50;N、12.41.
【0162】
実施例21 N−{[(5S)−3−(1−ホルミル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンゾアゼピン−7−イル)−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル]メチル}エタンチオアミド
【0163】
【化31】
【0164】
工程1 N−[[(5S)−3−(2 , 3 , 4 , 5−テトラヒドロ−1H−1−ベンゾアゼピン−7−イル)−2−オキソ−1 , 3−オキサゾリジン−5−イル]メチル]エタンチオアミドの調製
実施例20、工程6からの化合物(200mg、0.61ミリモル)およびLawesson試薬をジオキサン(10mL)に合わせ、18時間加熱還流する。その混合物を冷却し、シリカゲル(2g)を添加し、揮発性物質を真空中で除去する。得られた物質をジクロロメタン中の20−40%酢酸エチルでのシリカゲルのクロマトグラフィーに付して、190mg(90%)の表題化合物を得る。HRMS(FAB)C16H21N3O2S+H1として計算値 320.1432、実測値 320.1439.
【0165】
工程2 N−{[(5S)−3−(1−ホルミル−2 , 3 , 4 , 5−テトラヒドロ−1H−1−ベンゾアゼピン−7−イル)−2−オキソ−1 , 3−オキサゾリジン−5−イル]メチル}エタンチオアミドの調製
実施例20 工程7からの手順に従い、前記の化合物(150mg、0.47ミリモル)を表題の化合物(83mg、51%)に変換する。比旋光度 [α]25 D=7°(c 0.54、DMSO). 元素分析 C17H21N3O3Sとして計算値:C、58.77;H、6.09;N、12.09;実測値:C、58.41;H、6.53;N、11.86.
【0166】
実施例22 7−{(5S)−5−[アセチルアミノ]−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−3−イル}−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンゾアゼピン−3−カルボン酸ベンジル
【0167】
【化32】
【0168】
工程1 7−ニトロ−2 , 3 , 4 , 5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピン−3−カルボン酸メチルの調製
クロロギ酸メチル(120mL、1.53モル)を0℃のTHF(1L)中の2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピン(J. Heterocyclic Chem.、1971、779−783)、水(1L)および炭酸水素ナトリウム(206g、2.46ミリモル)に滴下する。混合物を室温にて4時間撹拌し、ジクロロメタンで抽出し、それを1N塩酸、水、1N水酸化ナトリウムおよびブラインで洗浄し、次いで、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、琥珀色油性物まで濃縮し、それをゆっくり濃縮させる。その固体を濃硫酸(500mL)に溶解し、−10℃まで冷却し、濃硫酸(500mL)中の硝酸アンモニウム(82g、1.03モル)の溶液で滴下処理する。温度を0−5℃に3時間維持し、次いで、氷に注ぎ、ジクロロメタンで抽出する。有機層は、水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮し、ヘプタン中の20%イソプロパノールでのChiralcelR ADカラムのクロマトグラフィーに付して、161g(66%)の表題の化合物を得る。元素分析 C10H8BrNO2として計算値:C、47.27;H、3.17;N、5.51;実測値:C、47.14;H、3.20;N、5.54.
【0169】
工程2 7−アミノ−2 , 3 , 4 , 5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピン−3−カルボン酸メチルの調製
エタノール(800mL)中の工程1からの化合物の混合物(50g、200ミリモル)および10%炭素上のパラジウム(2.5g)を振盪しつつ20psiにて水素添加する。メチル t−ブチルエーテルを添加し、混合物をセライトを通して濾過し、濃縮して、44g(100%)の表題化合物を白色固体として得る。mp 100−104℃.
【0170】
工程3 7−(フェニルメチルカルボキシアミノ)−2 , 3 , 4 , 5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピン−3−カルボン酸フェニルメチルの調製
エタノール(40mL)および水(10mL)中の前記の工程からのアミン(1.0g、4.5ミリモル)および水酸化カリウム(1.5g、27ミリモル)を90℃にて一晩加熱する。さらに、水酸化カリウム(1.5g)を添加し、還流を24時間続ける。反応物を冷却し、水で希釈し、ジクロロメタンで抽出し、有機層を濃縮する。得られた油性物を4:1のアセトン/水(50mL)に溶解し、炭酸水素ナトリウム(2.0g、24ミリモル)およびクロロギ酸ベンジル(1.6mL、11ミリモル)で処理し、室温にて一晩撹拌し、次いで、酢酸エチルで希釈し、水およびブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮し、ヘプタン中の20%酢酸エチルでのシリカゲルのクロマトグラフィーに付して、1.59g(81%)の表題化合物を黄色油性物として得、それをゆっくりと固化させる。MS(ESI+) m/z 431(M+H).
【0171】
工程4 7−[(5S)−5−ヒドロキシメチル]−2−オキソ−1 , 3−オキサゾリジン−3−イル}−1 , 2 , 4 , 5−テトラヒドロ−3H−3−ベンゾアゼピン−3−カルボン酸ベンジルの調製
実施例20 工程4に記載された手順に従い、出発物質として前記の化合物(1.5g、3.5ミリモル)を用いて、表題の化合物(690mg、50%)を白色固体として得る。比旋光度 [α]25 D=−32°(c 0.47、DMSO). 元素分析 C22H24N2O5として計算値:C、66.65;H、6.10;N、7.07. 実測値:C、66.62;H、6.12;N、7.02.
【0172】
工程5 7−{(5S)−5−[アセチルアミノ]−2−オキソ−1 , 3−オキサゾリジン−3−イル}−1 , 2 , 4 , 5−テトラヒドロ−3H−3−ベンゾアゼピン−3−カルボン酸ベンジルの調製
実施例20、工程5に記載された手順に従い、出発物質として前記の化合物(650mg、1.6ミリモル)を用いて、表題の化合物(600mg、83%)を白色固体として得る。比旋光度 [α]25 D=−17°(c 0.56、DMSO). 元素分析 C24H27N3O5として計算値:C、65.89;H、6.22;N、9.60. 実測値:C、65.60;H、6.17;N、9.44.
【0173】
実施例23 N−{[(5S)−3−(3−ホルミル−1,2,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピン−7−イル)−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル]メチル}アセトアミド
【0174】
【化33】
【0175】
工程1 7−{(5S)−5−[アセチルアミノ]−2−オキソ−1 , 3−オキサゾリジン−3−イル]−1 , 2 , 4 , 5−テトラヒドロ−3H−3−ベンゾアゼピンの調製
実施例20 工程6に記載された手順に従い、出発物質として実施例20 工程5(500mg、1.1ミリモル)を用いて、表題の化合物(350mg、100%)を白色固体として得る。MS(ESI+) m/z 304(M+H).
【0176】
工程2 N−{[(5S)−3−(3−ホルミル−1 , 2 , 4 , 5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピン−7−イル)−2−オキソ−1 , 3−オキサゾリジン−5−イル]メチル}アセトアミドの調製
実施例20 工程7に記載された手順に従い、出発物質として前記の化合物(100mg、0.33ミリモル)を用いて、表題の化合物(94mg、86%)を白色固体として得る。比旋光度 [α]25 D=−22°(c 0.38、DMSO). 元素分析 C17H21N3O4として計算値:C、61.62;H、6.39;N、12.68. 実測値:C、61.30;H、6.68;N、12.22.
【0177】
実施例24 N−{[(5S)−3−(3−グリコロイル−1,2,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピン−7−イル)−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル]メチル}アセトアミド
【0178】
【化34】
【0179】
0℃のジクロロメタン(5mL)中の実施例24 工程1からの生成物(100mg、0.33ミリモル)およびトリエチルアミン(80μL、0.57ミリモル)を塩化アセトキシアセチル(50μL、0.41ミリモル)で処理し、室温にて一晩撹拌し、次いで、真空中で濃縮する。残渣をメタノール(5mL)に溶解し、炭酸カリウム(100mg、0.7ミリモル)で処理し、室温にて一晩撹拌し、次いで、ジクロロメタン中の4%メタノールでのシリカゲルのクロマトグラフィーに付して、100mg(84%)の表題化合物を白色固体として得る。HRMS(FAB) C18H23N3O5+H1として計算値 362.1716、実測値 362.1725. 比旋光度 [α]25 D=−19°(c 0.53、DMSO).
【0180】
実施例25 N−{[(5S)−3−(3−アセチル−1,2,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピン−7−イル)−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル]メチル}アセトアミド
【0181】
【化35】
【0182】
ジクロロメタン(10mL)中の実施例23 工程1からの物質(250mg、0.82ミリモル)、トリエチルアミン(460μL、3.3ミリモル)および無水酢酸(160μL、1.7ミリモル)を添加し、室温にて一晩攪拌し、真空中で濃縮し、ジクロロメタン中の5%メタノールのシリカゲルのクロマトグラフィーに付して、250mg(88%)の表題化合物を白色固体として得る。比旋光度 [α]25 D=−23°(c 0.58、DMSO). 元素分析 C18H23N3O4として計算値:C、62.59;H、6.71;N、12.17. 実測値:C、62.43;H、6.87;N、11.74.
【0183】
実施例26 7−{(5S)−5−[(アセチルアミノ)メチル]−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−3−イル}−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンゾアゼピン−3−カルボン酸メチル
【0184】
【化36】
【0185】
実施例25に記載された手順に従い、出発物質として実施例23 工程1(250mg、0.82ミリモル)およびクロロギ酸メチル(100μL、1.3ミリモル)を用いて、表題の化合物(183mg、61%)を白色固体として得る。比旋光度 [α]25 D=−21°(c 0.40、DMSO). 元素分析 C18H23N3O5として計算値:C、59.82;H、6.41;N、11.63. 実測値:C、59.53;H、6.53;N、11.20.
【0186】
実施例27 N−{[(5S)−3−(3−ベンゾイル−1,2,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピン−7−イル)−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル]メチル}アセトアミド
【0187】
【化37】
【0188】
実施例25に記載された手順に従い、出発物質として実施例23 工程1(250mg、0.82ミリモル)および塩化ベンゾイル(140μL、1.3ミリモル)を用いて、表題の化合物(277mg、82%)を白色固体として得る。比旋光度 [α]25 D=−17°(c 0.70、DMSO). 元素分析 C23H25N3O4として計算値:C、67.80;H、6.18;N、10.31. 実測値:C、67.53;H、6.30;N、10.01.
【0189】
実施例28 N−({(5S)−3−[3−(メチルスルホニル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピン−7−イル]−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル}メチル)アセトアミド
【0190】
【化38】
【0191】
実施例25に記載された手順に従い、実施例23 工程1からの物質(250mg、0.82ミリモル)および塩化メチルスルホニル(130μL、1.3ミリモル)を用いて、表題の化合物(170mg、54%)を白色固体として得る。比旋光度 [α]25 D=−18°(c 0.37、DMSO). 元素分析 C1 7H23N3O5Sとして計算値:C、53.53;H、6.08;N、11.02. 実測値:C、52.98;H、6.14;N、10.53.
【0192】
実施例29 7−{(5S)−5−[(アセチルアミノ)メチル]−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−3−イル}−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンゾアゼピン−3−カルボン酸フェニル
【0193】
【化39】
【0194】
実施例25に記載された手順に従い、実施例23 工程1からの物質(250mg、0.82ミリモル)およびクロロギ酸ベンゼン(125μL、1.3ミリモル)を用いて、表題の化合物(192mg、55%)を白色固体として得る。比旋光度 [α]25 D=−17(c 0.51、DMSO). 元素分析 C23H25N3O5として計算値:C、65.24;H、5.95;N、9.92. 実測値:C、65.56;H、6.14;N、9.41.
【0195】
実施例30 N−[((5S)−3−{3−(フェニル)アセチル−1,2,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピン−7−イル}−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル)メチル]アセトアミド
【0196】
【化40】
【0197】
実施例25に記載された手順に従い、実施例23 工程1からの物質(250mg、0.82ミリモル)および塩化フェニルアセチル(130μL、1.3ミリモル)を用いて、表題の化合物(165mg、48%)を白色固体として得る。比旋光度 [α]25 D=−17°(c 0.67、DMSO). 元素分析 C24H27N3O4として計算値:C、68.39;H、6.46;N、9.97. 実測値:C、67.98;H、6.57;N、9.79
【0198】
実施例31 N−[((5S)−3−{3−[(4−ヨードフェニル)アセチル]−1,2,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピン−7−イル}−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル)メチル]アセトアミド
【0199】
【化41】
【0200】
実施例23 工程1(250mg、0.82ミリモル)からの生成物をピリジン(5mL)に溶解し、4−ヨード フェニル酢酸(260mg、1.0ミリモル)、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド 塩酸塩(235mg、1.2ミリモル)およびジメチルアミノピリジン(10mg)を添加し、室温にて一晩撹拌する。混合物を酢酸エチルで希釈し、水およびブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮し、ジクロロメタン中の5%メタノールでのシリカゲルのクロマトグラフィーに付して、320mgの表題化合物を白色固体として得る(71%)。HRMS(FAB)C24H26IN3O4+H1として計算値 548.1048、実測値 548.1045. 比旋光度 [α]25 D=−10°(c 0.53、DMSO).
【0201】
実施例32 N−[((5S)−3−{3−[(3−トリフルオロメチル)フェニル)アセチル]−1,2,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピン−7−イル}−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル)メチル]アセトアミド
【0202】
【化42】
【0203】
実施例31に記載された手順に従い、実施例23 工程1からの物質(250mg、0.82ミリモル)および3−トリフルオロメチルフェニル酢酸(200mg、1.0ミリモル)を用いて、表題の化合物(280mg、69%)を白色固体として得る。HRMS(FAB) C25H26F3N3O4+H1として計算値 490.1953、実測値 490.1966. 比旋光度 [α]25 D=−13°(c 0.55、DMSO).
【0204】
実施例33 N−[((5S)−3−{3−[(4−トリフルオロメチル)フェニル)アセチル]−1,2,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピン−7−イル}−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル)メチル]アセトアミド
【0205】
【化43】
【0206】
実施例31に記載された手順に従い、実施例23 工程1からの物質(250mg、0.82ミリモル)および4−トリフルオロメチルフェニル酢酸(200mg、1.0ミリモル)を用いて、表題の化合物(235mg、58%)を白色固体として得る。HRMS(FAB)C25H26F3N3O4+H1として計算値 490.1953、実測値 490.1958. 比旋光度 [α]25 D=−13(c 0.56、DMSO).
【0207】
実施例34 N−({(5S)−2−オキソ−3−[3−(5−オキソペンタノイル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピン−7−イル]−1,3−オキサゾリジン−5−イル}メチル)アセトアミド
【0208】
【化44】
【0209】
実施例31に記載された手順に従い、実施例23 工程1からの物質(100mg、0.33ミリモル)およびレブロン酸(levulonic acid)(40μL、0.39ミリモル)を用いて、表題の化合物(75mg、57%)を白色固体として得る。HRMS(FAB) C21H27N3O5+H1として計算値 402.2029、実測値 402.2028.
【0210】
実施例35 N−({(5S)−2−オキソ−3−[3−(5−オキソヘキサノイル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピン−7−イル]−1,3−オキサゾリジン−5−イル}メチル)アセトアミド
【0211】
【化45】
【0212】
実施例31に記載された手順に従い、実施例23 工程1からの物質(100mg、0.33ミリモル)およびアセチル酪酸(50μL、0.39ミリモル)を用いて、表題の化合物(33mg、24%)を黄色固体として得る。MS(FAB)m/z 416(MH+)、417、416、415、376、332、304、113、85、56、43. HRMS(FAB) C22H29N3O5+H1として計算値 416.2185、実測値 416.2187.
【0213】
実施例36 N−{[(5S)−3−(2−ホルミル−1,3,4,5−テトラヒドロ−1H−2−ベンゾアゼピン−7−イル)−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル]メチル}アセトアミド
【0214】
【化46】
【0215】
工程1 7−(フェニルメチルカルボキシアミノ)−1 , 3 , 4 , 5−テトラヒドロ−1H−2−ベンゾアゼピン−2−カルボン酸フェニルメチルの調製
エタノール(12mL)および水(6mL)中の6−アミノテトラロン(10.00g、62ミリモル)に、塩酸ヒドロキシルアミン(6.50g、93ミリモル)および酢酸ナトリウム(7.65mg、93ミリモル)を添加し、混合物を90℃にて2時間加熱する。エタノールを蒸留により除去し、水(60mL)を添加し、得られた固体を濾過により集め、空気乾燥させる。この固体を120−125℃のポリリン酸(400g)に添加し、1時間撹拌し、次いで冷却し、氷水(100mL)に添加する。水性混合物を濃水酸化アンモニウムでpH8−9まで塩基性とし、ジクロロメタンで抽出し、次いでそれを無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、固体(5.6g)まで濃縮する。固体をトルエン(120mL)および2,5−ヘキサンジオン(4.4mL、38ミリモル)に溶解し、p−トルエンスルホン酸(10mg)を添加し、Dean−Starkeトラップを用いて一晩還流して、水を除去する。次いで、混合物を冷却し、シリカゲルのパッドを通して濾過し、酢酸エチルで洗浄し、合わせた有機物を8.1gの残渣まで真空中で濃縮する。この残渣をTHF(100mL)に溶解し、THF(50mL)中の水素化アルミニウムリチウム(1.8g、47ミリモル)にカニューレを介して添加し、雰囲気温度にて一晩撹拌し、次いで、水(1.8mL)、2N水酸化ナトリウム水溶液(1.8mL)および水(5.4mL)で注意してクエンチする。得られた混合物はセライトを通して濾過し、酢酸エチルで洗浄し、合わせた有機物を白色固体まで濃縮する。固体をエタノール(70mL)および水(35mL)に溶解し、塩酸ヒドロキシルアミン(21g)およびトリエチルアミン(8.5mL)で処理し、一晩還流し、次いで、冷却し、濃水酸化アンモニウムで塩基性とし、ジクロロメタンで抽出する。その有機物を真空中で濃縮し、残渣を2:1のアセトン/水(150mL)に溶解し、クロロギ酸ベンジル(10.5mL、74ミリモル)および炭酸水素ナトリウム(25g、300ミリモル)で処理し、室温にて一晩撹拌する。そのアセトンをロータリーエバポレーターにより除去し、水層をジクロロメタンで抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮し、ヘプタン中の30%酢酸エチルでのシリカゲルのクロマトグラフィーに付して、5.14g(19%)の表題化合物を白色固体として得る。MS(ESI+)m/z 431(M+H). 元素分析 C26H26N2O4として計算値:C、72.54;H、6.09;N、6.51. 実測値:C、72.28;H、6.34;N、6.30.
【0216】
工程2 7−[(5S)−5−[(ヒドロキシ)メチル]−2−オキソ−3−オキサゾリジニル]−(1 , 3 , 4 , 5−テトラヒドロ)−1H−2−ベンゾアゼピン}カルボン酸フェニルメチルの調製
実施例20 工程4に記載された手順に従い、出発物質として前記の工程からの化合物を用いて、表題の化合物(730mg、1,7ミリモル)を白色固体として得る。HRMS(FAB) C22H24N2O5+H1として計算値 397.1763、実測値 397.1774.
【0217】
工程3 7−[(5S)−5−[(アセチルアミノ)メチル]−2−オキソ−1 , 3−オキサゾリジン−3−イル}−1 , 3 , 4 , 5−テトラヒドロ−2H−2−ベンゾアゼピン−2−カルボン酸ベンジルの調製
実施例25 工程5に記載された手順に従い、出発物質として前記の工程からの化合物を用いて、表題の化合物 を白色固体として得る。比旋光度 [α]25 D=−10°(c 0.66、塩化メチレン). 元素分析 C24H27N3O5として計算値:C、65.89;H、6.22;N、9.60. 実測値:C、65.37;H、6.30;N、9.47.
【0218】
工程4 N−{[(5S)−3−(1 , 3 , 4 , 5−テトラヒドロ−1H−2−ベンゾアゼピン−7−イル)−2−オキソ−1 , 3−オキサゾリジン−5−イル]メチル]アセトアミドの調製
実施例20 工程6に記載された手順に従い、出発物質として前記の工程からのものを用いて(1.5g、3.5ミリモル)表題の化合物を白色固体として得る。ES(+ESI)m/z 304.1(M+H).
【0219】
工程5 N−{[(5S)−3−(2−ホルミル−1 , 3 , 4 , 5−テトラヒドロ−1H−2−ベンゾアゼピン−7−イル)−2−オキソ−1 , 3−オキサゾリジン−5−イル]メチル}アセトアミドの調製
実施例20 工程7に記載された手順に従い、出発物質として前記の工程からの化合物(500mg、1.65ミリモル)を用いて、表題の化合物を白色固体として得る。HRMS(FAB) C18H23N3O5+H1として計算値 362.1716、実測値 362.1721. 元素分析 C17H21N3O4として計算値:C、61.62;H、6.39;N、12.68. 実測値:C、61.31;H、6.43;N、12.43;比旋光度 [α]25 D=−22°(c 0.70、DMSO).
【0220】
実施例37 N−{[(5S)−3−(2−グリコロイル−1,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピン−7−イル)−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル]メチル}アセトアミド
【0221】
【化47】
【0222】
実施例24に記載された手順に従い、出発物質として実施例36 工程4からの化合物(80mg、0.26ミリモル)を用いて、表題の化合物を白色固体として得る(75mg、79%)。MS(ESI−)m/z 360(M−H).
【0223】
実施例38 N−{[(5S)−3−(2−アセチル−1,3,4,5−テトラヒドロ−1H−2−ベンゾアゼピン−7−イル)−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル]メチル}アセトアミド
【0224】
【化48】
【0225】
実施例25に記載された手順に従い、出発物質として実施例36 工程4の化合物(250mg、0.82ミリモル)を用いて、表題の化合物を白色固体として得る(235mg、82%)。HRMS(FAB) C18H23N3O4+H1として計算値 346.1767、実測値 346.1777. 比旋光度 [α]25 D=−21°(c 0.53、DMSO).
【0226】
実施例39 7−{(5S)−5−[(アセチルアミノ)メチル]−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−3−イル}−1,3,4,5−テトラヒドロ−3H−2−ベンゾアゼピン−2−カルボン酸メチル
【0227】
【化49】
【0228】
実施例26に記載された手順に従い、出発物質として実施例36 工程4からの化合物(250mg、0.82ミリモル)を用いて、表題の化合物を白色固体として得る(155mg、52%)。比旋光度 [α]25 D=−19(c 0.46、DMSO). 元素分析 C18H23N3O5として計算値:C、59.82;H、6.41;N、11.63. 実測値:C、59.53;H、6.62;N、11.45.
【0229】
実施例40 7−{(5S)−5−[(アセチルアミノ)メチル]−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−3−イル}−N−フェニル−1,3,4,5−テトラヒドロ−2H−2−ベンゾアゼピン−2−カルボキシアミド
【0230】
【化50】
【0231】
DMF(1ml)中の実施例36 工程4からの化合物(100mg、0,33ミリモル)をイソシアン酸フェニル(39μL、0.36ミリモル)で処理し、室温にて一晩撹拌し、シリカゲル(5g)に吸収させ、CH2Cl2中の7%メタノールで溶出するフラッシュクロマトグラフィーに付して、135mg(97%)の表題化合物を白色固体として得る。HRMS(FAB) C23H26N4O4+H1として計算値 423.2032、実測値 423.2038.
【0232】
実施例41 N−{[(5S)−3−(3−グリコロイル−1,2,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピン−7−イル)−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル]メチル}エタンチオアミド
【0233】
【化51】
【0234】
工程1 N−{[(5S)−3−(1 , 2 , 4 , 5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピン−7−イル)−2−オキソ−1 , 3−オキサゾリジン−5−イル]メチル}エタンチオアミドの調製
ジオキサン(10mL)中の実施例23 工程1からの化合物(200mg、6.5ミリモル)およびLawesson試薬(260mg、6.5ミリモル)を窒素下18時間加熱還流し、次いで冷却し、酢酸エチルで希釈し、酢酸エチルおよび水およびブラインで洗浄し、乾燥させ、濃縮し、ジクロロメタン中の40%酢酸エチルで溶出するシリカゲルのクロマトグラフィーに付して、120mg(57%)の表題化合物を白色固体として得る。MS(ESI+) m/z 320.4(M+H).
【0235】
工程2 N−{[(5S)−3−(3−グリコロイル−1 , 2 , 4 , 5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピン−7−イル)−2−オキソ−1 , 3−オキサゾリジン−5−イル]メチル エタンチオアミドの調製
実施例23についての手順に従い、前記の工程からの化合物を用いて、表題の化合物を白色固体として調製する。HRMS(FAB) C18H23N3O4S+H1として計算値 378.1487、実測値 378.1489.
【0236】
実施例42 N−({(5S)−3−[3−(5−アミノ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピン−7−イル]−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル}メチル)アセトアミド
【0237】
【化52】
【0238】
アセトニトリル(20mL)中の実施例22 工程5からの化合物(500mg、1.6ミリモル)、5−アミノ−2−ブロモ−1,3,4−チジアゾール(320mg、1.8ミリモル)およびジイソプロピルエチルアミン(700μL)を60℃にて3日間加熱し、冷却し、真空中で濃縮し、ジクロロメタン中の10%メタノールでのシリカゲルのクロマトグラフィーに付して、507mg(76%)を琥珀色固体として得る。HRMS(FAB) C18H22N6O3S+H1として計算値 403.1552、実測値 403.1559. 比旋光度 [α]25 D=−18°(c 0.88、DMSO).
【0239】
実施例43 N−({(5S)−3−[3−(5−メチルチオ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピン−7−イル]−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル}メチル)アセトアミド
【0240】
【化53】
【0241】
実施例42からの手順に従い、実施例22 工程5からの化合物(250mg、0.82ミリモル)および5−メチルチオ−2−ブロモ−1,3,4−チジアゾール(190mg、0.90ミリモル)を用いて、表題の化合物(112mg、31%)を白色固体として得る。HRMS(FAB) C19H23N5O3S2+H1として計算値 434.1320、実測値 434.1321. 比旋光度 [α]25 D=−18°(c0.49、DMSO).
【0242】
実施例44 N−({(5S)−3−[3−(5−メチル−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピン−7−イル]−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル}メチル)アセトアミド
【0243】
【化54】
【0244】
実施例42からの手順に従い、実施例22 工程5からの化合物(250mg、0.82ミリモル)および5−メチル−2−ブロモ−1,3,4−チジアゾール(160mg、0.90ミリモル)を用いて、表題の化合物(49mg、15%)を白色固体として得る。HRMS(FAB) C19H23N5O3S+H1として計算値 402.1600、実測値 402.1607.
【0245】
実施例45 N−[((5S)−3−{3−[5−(ホルミルアミノ)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]−1,2,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピン−7−イル}−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル)メチル]アセトアミド 291551
【0246】
【化55】
【0247】
実施例20 工程7に記載された手順に従い、実施例42からの生成物(150mg、0.37ミリモル)で始めて、表題の化合物を白色固体として得る(105mg、66%)。HRMS(FAB) C19H22N6O4S+H1として計算値 431.1501、実測値 431.1510.
元素分析 C19H22N6O4Sとして計算値:C、53.01;H、5.15;N、19.52;S、7.45. 実測値:C、52.87;H、5.30;N、19.15.
【0248】
実施例46 N−[5−(7−{(5S)−5−[(アセチルアミノ)メチル]−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−3−イル}−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンゾアゼピン−3−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]−2−ヒドロキシアセトアミド
【0249】
【化56】
【0250】
実施例24に記載された手順に従い、実施例42からの生成物(200mg、0.5ミリモル)で始めて、表題の化合物を白色固体として得る(155mg、67%). 比旋光度 [α]25 D=−16°(c 0.63、DMSO). 元素分析 C20H24N6O5Sとして計算値:C、52.16;H、5.25;N、18.25;S、6.96. 実測値:C、51.84;H、5.49;N、17.95.
【0251】
実施例47 N−[[(5S)−2−オキソ−3−(1,2,4,5−テトラヒドロ−3−ベンゾチエピン−7−イル)−5−オキサゾリジニル]メチル]アセトアミド
【0252】
【化57】
【0253】
工程1 4−ニトロ−1 , 2−ベンゼン二酢酸の調製
−10℃まで冷却した濃硫酸(33mL)中の1,2−フェニレン二酢酸(10.2g、52.5ミリモル)の攪拌溶液に、硝酸(3.9mL)および硫酸(1.3mL)の混合物を10分間にわたり添加する。−10℃にて4時間撹拌した後、反応混合物を氷(250cc)に注ぐ。得られた混合物を酢酸エチル(3×300mL)で抽出する。合わせた有機相をH2O(100mL)で洗浄し、乾燥(MgSO4)させ、濾過し、濃縮して、白色固体を得る。その固体をヘキサン中のメチル−tert−ブチルエーテルから再結晶して、8.2g(34.3ミリモル、65%)の所望の生成物を得る。mp 187−188℃.
【0254】
工程2 4−ニトロ−1 , 2−ベンゼンジエタノールの調製
0℃まで冷却した乾燥THF(140mL)中の(工程1からの)二酸(8.2g、34.3ミリモル)の攪拌溶液に、1Mボランテトラヒドロフラン錯体(68.6mL)の溶液を30分間にわたり添加する。反応混合物を0℃にて30分間撹拌し、次いで、室温にて一晩攪拌する。反応混合物をH2O(63mL)でクエンチし、次いで、酢酸エチル(60mL)およびH2O(150mL)間に分配させる。その相を分離する。水層を酢酸エチル(200mL)で抽出する。合わせた有機層を1N NaOH水溶液(200mL)、ブライン(200mL)で洗浄し、乾燥(MgSO4)させ、濾過し、濃縮して、7.2g(34.1ミリモル、99%)のジオールを得る。mp 108−110℃.
【0255】
工程3 (4−ニトロ−1 , 2−フェニレン)ジ−2 , 1−エタンジイル ジメタンスルホネートの調製
0℃まで冷却したCH2Cl2(200mL)中の(工程2からの)そのジオール(7.2g、34.1ミリモル)の攪拌懸濁物に、トリエチルアミン(28.5mL、204.6ミリモル)に続いて、塩化メタンスルホニル(7.9mL、102.3ミリモル)を添加する。反応混合物を室温にて2時間撹拌し、次いで、H2O(200mL)に注ぐ。その相を分離する。水相をCH2Cl2(200mL)で抽出する。合わせた有機相を乾燥(MgSO4)させ、濾過し、濃縮する。残渣をCH2Cl2に溶解し、シリカゲルに吸収させ、溶出剤としてヘキサン中の60 5の酢酸エチルを用いるSIMのBiotage 40Mカラムで精製して、8.76g(23.7ミリモル、70%)の所望のビス−メシレートを得る。mp 89−91℃.
【0256】
工程4 [3 , 4−ビス[2−[(メチルスルホニル)オキシ]エチル]フェニル]カルバミン酸フェニルメチルの調製
95% EtOH(110mL)中の(工程3からの)ニトロ化合物(7.74g、21.1ミリモル)の攪拌溶液に塩化スズ(II)二水和物(18.5g、82.1ミリモル)を添加する。反応混合物を70℃にて1時間加熱する。冷却した反応混合物を氷(500mL)に注ぎ、pHを10% NaOH水溶液で8に調整する。粘性の白色沈殿を形成する。その反応混合物をセライトのプラグを通して濾過する。そのフィルターケーキを酢酸エチル(4×200mL)で洗浄する。濾液相を分離する。水相を酢酸エチル(2×250mL)で抽出する。合わせた有機相を乾燥(MgSO4)させ、濾過および濃縮して、所望のアニリンを得、それを直ちに次の反応に用いる。
上記のアニリンをTHF(150ml)に溶解し、固体炭酸水素ナトリウム(2.76g 32.8ミリモル)を添加する。攪拌反応混合物を0℃まで冷却し、クロロギ酸ベンジル(2.6mL、18.1ミリモル)を添加する。その反応混合物を室温にて一晩撹拌し、次いでCH2Cl2(300mL)およびH2O(150mL)に注ぐ。その相を分離する。水層をCH2Cl2(2×150mL)で抽出する。合わせた有機相を乾燥(MgSO4)させ、濾過し、濃縮する。残渣をCH2Cl2に溶解し、シリカゲルに吸収させ、溶出剤としてヘキサン中の40−60%酢酸エチルを用いるSIMのBiotage 40Mカラムで精製して、5.25g(11.2ミリモル、53%)の所望の生成物を得る。mp 58−60℃.
【0257】
工程5 (1 , 2 , 4 , 5−テトラヒドロ−3−ベンゾチエピン−7−イル)カルバミン酸フェニルメチルの調製
乾燥DMSO(72mL)中の(工程4からの)ビスメシレート(5.0g、10.6ミリモル)の溶液に、無水硫化ナトリウム(2.48g、31.8ミリモル)を添加する。その反応混合物を室温にて1時間撹拌する。反応混合物をH2O(250mL)および酢酸エチル(250mL)間に分配させる。その相を分離し、水層を酢酸エチル(3×200mL)で抽出する。合わせた有機相を乾燥(MgSO4)させ、濾過し、濃縮する。残渣をCH2Cl2に溶解し、シリカゲルに吸収させ、溶出剤としてヘキサン中の10−20%酢酸エチルを用いるSIMのBiotage 40Mカラムで精製して、2.37g(7.6ミリモル、71%)の所望の生成物を白色固体として得る。mp 118−120℃.
【0258】
工程6 N−[[(5S)−2−オキソ−3−(1 , 2 , 4 , 5−テトラヒドロ−3−ベンゾチエピン−7−イル)−5−オキサゾリジニル]メチル]アセトアミドの調製
DMF(1.3mL)中の工程5からのカルバメート(646.s mg、2.1ミリモル)の攪拌溶液に、メタノール(0.17mL、4.13ミリモル)を添加する。反応混合物を15℃まで冷却し、ヘキサン中の1Mリチウムt−ブトキシドの溶液を1時間にわたり添加する(6.2mL、6.18ミリモル)。その反応混合物を0℃まで冷却し、そのクロロアセテート(797.6mg、4.12ミリモル)を一回にて添加する。反応混合物を室温にて一晩撹拌する。反応混合物を飽和NH4Cl水溶液で処理する。反応混合物をCH2Cl2(60mL)およびH2O(30mL)に注ぐ。その相を分離する。水相をCH2Cl2(2×20mL)で抽出する。合わせた有機相を乾燥(MgSO4)させ、濾過し、濃縮する。残渣をCH2Cl2に溶解し、シリカゲルに吸収させ、溶出剤としてヘキサン中の15−100%酢酸エチルを用いるSIMのBiotage 40Sカラムで精製して、488.8mg(1.53ミリモル、74%)の所望の生成物を得る。mp 178−180℃.
【0259】
実施例48 N−[[(5S)−2−オキソ−3−(1,2,4,5−テトラヒドロ−3,3−ジオキシド−3−ベンゾチエピン−7−イル)−5−オキサゾリジニル]メチル]アセトアミド
【0260】
【化58】
【0261】
25% H2O/アセトン(10mL)中の(実施例47の工程6からの)スルフィド(223.2mg、0.70ミリモル)の攪拌溶液に、N−メチル−モルホリン−N−オキシド( 245.0mg、2.10ミリモル)に続いて、t−ブタノール(39μL、0.11ミリモル)中の2.5%四酸化オスミウムの溶液を添加する。その反応混合物を室温にて一晩撹拌し、次いで、10%NaHSO4水溶液で処理する。反応混合物をCH2Cl2(20mL)に注ぎ、その相を分離する。水相をCH2Cl2(2×20mL)で抽出する。合わせた有機相を乾燥(MgSO4)させ、濾過し、濃縮する。残渣をCH3OH/CH2Cl2に溶解し、シリカゲルに吸収させ、溶出剤としてCH2Cl2中の5% CH3OHを用いるSIMのBiotage 40Sカラムで精製して、201.6mg(0.57ミリモル、82%)の所望の生成物を得る。mp 142−144℃.
【0262】
実施例49 N−[[(5S)−2−オキソ−3−(1,2,4,5−テトラヒドロ−3−ベンゾチエピン−7−イル)−5−オキサゾリジニル]メチル]エタンチオアミド
【0263】
【化59】
【0264】
工程1 1 , 1−ジメチル [[(5S)−2−オキソ−3−(1 , 2 , 4 , 5−テトラヒドロ−3−ベンゾチエピン−7−イル)−5−オキサゾリジニル]メチル]カルバメートの調製
乾燥DMF(1.4mL)中の(実施例47、工程5からの)(1,2,4,5−テトラヒドロ−3−ベンゾチエピン−7−イル)カルバミン酸フェニルメチル(662.9mg、2.1ミリモル)の攪拌溶液に、1,1−ジメチルエチル [(2S)−3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル]カルバメート(557.8mg、2.7ミリモル)を添加する。得られた混合物を0℃まで冷却し、THF(5.1mL、5.1ミリモル)中の1Mリチウムt−ブトキシドの溶液を20分間にわたり滴下する。反応混合物をCH2Cl2(40mL)に注ぎ、相を分離する。水層をCH2Cl2(2×20mL)で抽出する。合わせた有機相をブライン(20mL)で洗浄し、乾燥(MgSO4)させ、濾過し、濃縮する。得られた残渣をCH2Cl2に溶解し、シリカゲルに吸収させ、溶出剤としてヘキサン中の10−35%酢酸エチルを用いるSIMのBiotage 40Sカラムで精製して、664.7mg(1.76ミリモル、83%)の所望の生成物を白色固体として得る。mp 118−120℃.
【0265】
工程2 N−[[(5S)−2−オキソ−3−(1 , 2 , 4 , 5−テトラヒドロ −3−ベンゾチエピン−7−イル)−5−オキサゾリジニル]メチル]エタンチオアミドの調製
CH3OH(3mL)中の前記のBoc保護化合物(152.8mg、0.4ミリモル)の攪拌溶液に、ジオキサン(3mL)中の4M HClを添加する。反応混合物を室温にて90分間撹拌し、次いで濃縮する。その白色固体をCH3OH(10mL)に懸濁させ、トリエチルアミン(0.14mL、1.0ミリモル)を添加する。この攪拌溶液にジチオ酢酸エチル(55μL、0.48ミリモル)を添加する。反応混合物を1時間加熱還流する。その冷却した反応混合物を濃縮する。得られた残渣をCH2Cl2/CH3OHに溶解し、シリカゲルに吸収させ、溶出剤としてCH2Cl2中の2% CH3OHを用いるSIMのBiotage 12Mカラムで精製して、113.0mg(0.33ミリモル、84%)の所望のスルフィドチオアミドを白色固体として得る。mp 146−147℃.
【0266】
実施例50 N−[[(5S)−2−オキソ−3−(1,2,4,5−テトラヒドロ−3,3−ジオキシド−3−ベンゾチエピン−7−イル)−5−オキサゾリジニル]メチル]エタンチオアミド
【0267】
【化60】
【0268】
工程1 1 , 1−ジメチル [[(5S)−2−オキソ−3−(1 , 2 , 4 , 5−テトラヒドロ−3 . 3−ジオキシド−3−ベンゾチエピン−7−イル)−5−オキサゾリジニル]メチル]カルバメートの調製
25% H2O/アセトン(5mL)中の(実施例49の工程1からの)Boc保護化合物(132.2mg、0.35ミリモル)の攪拌溶液に、N−メチルモルホリン−N−オキシド(122.8mg、1.05ミリモル)に続いて、t−ブタノール(16.5μL、0.05ミリモル)中の2.5%四酸化オスミウムを添加する。反応混合物を室温にて18時間撹拌し、次いで、10% NaHSO4水溶液で処理する。反応混合物をCH2Cl2(40mL)に注ぐ。水層をCH2Cl2で抽出する。その相を分離する。水層をCH2Cl2(20mL)で抽出する。合わせた有機相を乾燥(MgSO4)させ、濾過し、濃縮する。残渣をCH2Cl2に溶解し、シリカゲルに吸収させ、溶出剤としてCH2Cl2中の2% CH3OHを用いるSIMのBiotage 12Mカラムで精製して、130.4mg(0.32ミリモル、91%)の所望のスルホンを得る。
【0269】
工程2 N−[[(5S)−2−オキソ−3−(1 , 2 , 4 , 5−テトラヒドロ−3 , 3−ジオキシド−3−ベンゾチエピン−7−イル)−5−オキサゾリジニル]メチル]エタンチオアミドの調製
CH3OH(1mL)中の前記の化合物(99.9mg、0.24ミリモル)にジオキサン(2mL)中の4M HClを添加する。反応混合物を室温にて2時間撹拌し、次いで濃縮する。残渣をCH3OH(2mL)に溶解し、トリエチルアミン(84μL、0.60ミリモル)に続いて、ジチオ酢酸エチル(34μL、0.29ミリモル)を添加する。反応混合物を1時間加熱還流し、冷却し、濃縮する。その残渣をCH2Cl2に溶解させ、シリカゲルに吸収させ、溶出剤としてCH2Cl2中の2% CH3OHを用いるSIMのBiotage 12Mカラムで精製して、64.1mg(0.17ミリモル、73%)の所望のスルホンを得る。mp 134−136℃.
【0270】
【化61】
【0271】
【化62】
【0272】
【化63】
【0273】
【化64】
【0274】
【化65】
【0275】
【化66】
【0276】
【化67】
【0277】
【化68】
【0278】
【化69】
【0279】
【化70】
【0280】
【化71】
【0281】
【化72】
Claims (42)
- 式I:
a) −NHC(=W)R1、
b) −O−het、−S−het、または−NH−het;
Xは、
a) −O−、
b) −NR3−、
c) −S(=O)i−、または
d) −S(=O)(=NR4)−;
Wは、
a) O、または
b) S;
R1は、
a) H、
b) C1−8アルキル、
c) C3−6シクロアルキル、
d) OC1−4アルキル、
e) SC1−4アルキル、
f) NH2、
g) NHC1−6アルキル、または
h) N(C1−6アルキル)2;
R2は、
a) H、
b) ハロ、または
c) C1−4アルキル;
R3は、
a) H、
b) C1−8アルキル、
c) アリール、
d) het、
e) C(=W)R5、
f) C(=O)OR6、または
g) S(=O)iR7;
R4は、
a) H、または
b) C1−8アルキル;
R5は、
a) H、
b) アリール、
c) het、
d) NR8R9、または
e) C1−8アルキル;
R6は、
a) C1−8アルキル、
b) アリール、または
c) het;
R7は、
a) アリール、
b) het、
c) NR8R9、または
d) C1−8アルキル;
R8およびR9は、独立して、
a) H、
b) C1−8アルキル、または
c) アリール;
ここに、>G−E−は、>N−C−であって、Qは炭素原子であるか、または>G−Eは、>C=C−であって、Qは窒素原子であり;
アリールは、フェニル基であるか、または少なくとも一つの環が芳香族であるオルト縮合二環系炭素環基であり;
hetは、酸素、硫黄および窒素よりなる群から選択される1、2または3個のヘテロ原子を有するC結合した五(5)−または六(6)−員の飽和または不飽和の複素環基であり、それは所望によりベンゼン環に縮合していてもよく;
各出現時に、アルキルまたはシクロアルキルは、所望により、1以上のOR8、ハロ、アリール、S(=O)iR7、C(=W)R8、OC(=O)C1−6アルキル、またはNR8R9で置換されていてもよく;各出現時に、アリールは、所望により、1以上のハロ、OH、CF3、OC1−6アルキル、CN、C1−6アルキル、S(=O)iR7、C(=W)R8、OC(=O)R8、NHC(=O)R8、またはNR8R9で置換されていてもよく;
各出現時に、hetは、所望により、1以上のハロ、OH、CF3、OC1−6アルキル、CN、C1−6アルキル、S(=O)iR7、C(=W)R8、OC(=O)R8、NHC(=O)R8、またはNR8R9、オキソ、またはオキシムで置換されていてもよく;
mは、0、1、2、3または4;
nは0、1、2、3または4;但し、mおよびnは一緒になって、3または4;およびiは0、1または2である]
で表される化合物またはその医薬上許容される塩。 - R2がHである請求項2記載の化合物。
- R1がC1−6アルキルである請求項2記載の化合物。
- R1がメチルである請求項2記載の化合物。
- XがNR3である請求項4記載の化合物。
- R3がC(=O)R5、またはC(=O)OR5である請求項6記載の化合物。
- R3がC(=O)CH2OHである請求項6記載の化合物。
- R3がCHOである請求項6記載の化合物。
- R5が、所望により、C(=O)C1−4アルキル、OC(=O)C1−4アルキル、C(=O)フェニル、またはフェニルで置換されていてもよいC1−4アルキルであり、ここに、該フェニルは、所望により、IまたはCF3で置換されていてもよい請求項7記載の化合物。
- R5がフェニルである請求項7記載の化合物。
- R3がC(=S)R5であり、ここに、R5がアリール、アルキルまたはNR8R9であり、ここに、R8およびR9は、独立して、H、C1−4アルキルまたはアリールである請求項6記載の化合物。
- R3がS(=O)iC1−4アルキルである請求項6記載の化合物。
- R3がH、C1−8アルキル、またはアリールである請求項6記載の化合物。
- mが1であって、nが3である請求項6または7記載の化合物。
- mが2であって、nが2である請求項6または7記載の化合物。
- mが0であって、nが4である請求項6または7記載の化合物。
- mが1であって、nが2である請求項6または7記載の化合物。
- mが2であって、nが1である請求項6または7記載の化合物。
- XがS、SOまたはSO2である請求項4記載の化合物。
- XがOである請求項4記載の化合物。
- mが1であって、nが2である請求項20または21記載の化合物。
- mが2であって、nが1である請求項20または21記載の化合物。
- mが2であって、nが2である請求項20または21記載の化合物。
- 感染の医学的治療用の、それを必要とする哺乳動物における医薬を製造するための請求項1記載の化合物の使用。
- 該化合物が、経口、非経口、経皮または局所投与される請求項28記載の使用。
- 該化合物が、約0.1ないし約150mg/kg体重/日の量にて投与される請求項28記載の使用。
- 該化合物が、約3ないし約100mg/kg体重/日の量にて投与される請求項28記載の使用。
- 該感染が皮膚感染である請求項28記載の使用。
- 該感染が眼感染である請求項28記載の使用。
- 請求項1記載の化合物および医薬上許容される担体を含む医薬組成物。
- 該化合物が、IVまたは経口により1日当り600mgの量にて投与される請求項28記載の使用。
- 該哺乳動物が、ヒトまたは動物である請求項22記載の使用。
- a)(−)−メチル 6−[(5S)−5−[(アセチルアミノ)メチル]−2−オキソ−3−オキサゾリジニル]−3,4−ジヒドロ−2(1H)−イソキノリンカルボキシレート、
b)(−)−N−[[(5S)−3−[2−ホルミル−1,2,3,4−テトラヒドロ−6−イソキノリニル]−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]アセトアミド、
c)(−)−N−[[(5S)−3−[2−[(アセチルオキシ)アセチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−6−イソキノリニル]−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]アセトアミド、
d)(−)−N−[[(5S)−3−[2−[(ヒドロキシ)アセチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−6−イソキノリニル]−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]アセトアミド、
e)(+)−メチル 6−[(5S)−5−[(エタンチオイルアミノ)メチル]−2−オキソ−3−オキサゾリジニル]−3,4−ジヒドロ−2(1H)−イソキノリンカルボキシレート、
f)(+)−N−[[(5S)−3−[2−ホルミル−1,2,3,4−テトラヒドロ−6−イソキノリニル]−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]エタンチオアミド、または
g)(+)−N−[[(5S)−3−[2−[(ヒドロキシ)アセチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−6−イソキノリニル]−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]エタンチオアミド
である請求項1記載の化合物。 - a)(+)−N−[[(5S)−3−[2−ホルミル−1,2,3,4−テトラヒドロ−7−イソキノリニル]−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]エタンチオアミド、または
b)(+)−N−[[(5S)−3−[2−[(ヒドロキシ)アセチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−7−イソキノリニル]−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]エタンチオアミド
である請求項1記載の化合物。 - a)(−)−N−[[(5S)−3−(3,4−ジヒドロ−1H−2−ベンゾピラン−6−イル)−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]アセトアミド、
b)(+)−N−[[(5S)−3−(3,4−ジヒドロ−1H−2−ベンゾピラン−6−イル)−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]エタンチオアミド、
c)(−)−N−[[(5S)−3−(3,4−ジヒドロ−1H−2−ベンゾチオピラン−6−イル)−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]アセトアミド、
d)(+)−N−[[(5S)−3−(3,4−ジヒドロ−1H−2−ベンゾチオピラン−6−イル)−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]エタンチオアミド、または
e)(+)−N−[[(5S)−3−(3,4−ジヒドロ−2,2−ジオキシド−1H−2−ベンゾチオピラン−6−イル)−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]エタンチオアミド
である請求項1記載の化合物。 - a)(+)−N−[[(5S)−3−(3,4−ジヒドロ−1H−2−ベンゾピラン−7−イル)−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]エタンチオアミド、
b)(−)−N−[[(5S)−3−(3,4−ジヒドロ−1H−2−ベンゾチオピラン−7−イル)−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]アセトアミド、
c)(+)−N−[[(5S)−3−(3,4−ジヒドロ−1H−2−ベンゾチオピラン−7−イル)−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]エタンチオアミド、
d)(+)−N−[[(5S)−3−(3,4−ジヒドロ−2,2−ジオキシド−1H−2−ベンゾチオピラン−7−イル)−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]エタンチオアミド、または
e) N−[[(5S)−3−(3,4−ジヒドロ−2−オキシド−1H−2−ベンゾチオピラン−7−イル)−2−オキソ−5−オキサゾリジニル]メチル]アセトアミド
である請求項1記載の化合物。 - a) N−{[(5S)−3−(3−ホルミル−1,2,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピン−7−イル)−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル]メチル}アセトアミド、
b) N−{[(5S)−3−(3−グリコロイル−1,2,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピン−7−イル)−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル]メチル}アセトアミド、
c) 7−{(5S)−5−[(アセチルアミノ)メチル]−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−3−イル}−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンゾアゼピン−3−カルボン酸ベンジル、
d) N−{[(5S)−3−(3−グリコロイル−1,2,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピン−7−イル)−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル]メチル}エタンチオアミド、
e) N−{[(5S)−3−(3−アセチル−1,2,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピン−7−イル)−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル]メチル}アセトアミド、
f) 7−{(5S)−5−[(アセチルアミノ)メチル]−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−3−イル}−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンゾアゼピン−3−カルボン酸メチル、
g) N−{[(5S)−3−(3−ベンゾイル−1,2,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピン−7−イル)−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル]メチル}アセトアミド、
h) N−({(5S)−3−[3−(5−アミノ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピン−7−イル]−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル}メチル)アセトアミド、
i) N−({(5S)−3−[3−(メチルスルホニル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピン−7−イル]−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル}メチル)アセトアミド、
j) N−({(5S)−3−[3−(5−メチルチオ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピン−7−イル]−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル}メチル)アセトアミド、
k) N−({(5S)−3−[3−(5−メチル−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピン−7−イル]−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル}メチル)アセトアミド、
l) 7−{(5S)−5−[(アセチルアミノ)メチル]−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−3−イル}−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンゾアゼピン−3−カルボン酸フェニル、
m) N−[((5S)−3−{3−(フェニル)アセチル−1,2,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピン−7−イル}−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル)メチル]アセトアミド、
n) N−[((5S)−3−{3−[5−(ホルミルアミノ)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]−1,2,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピン−7−イル}−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル)メチル]アセトアミド、
o) N−[5−(7−{(5S)−5−[(アセチルアミノ)メチル]−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−3−イル}−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンゾアゼピン−3−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]−2−ヒドロキシアセトアミド、
p) N−[((5S)−3−{3−[(4−ヨードフェニル)アセチル]−1,2,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピン−7−イル}−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル)メチル]アセトアミド、
q) N−[((5S)−3−{3−[(3−トリフルオロメチル)フェニル)アセチル−1,2,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピン−7−イル}−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル)メチル]アセトアミド、
r) 2−(7−{(5S)−5−[(アセチルアミノ)メチル]−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−3−イル}−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンゾアゼピン−3−イル)−2−オキソエチル 4−[(ジメチルアミノ)メチル]ベンゾアート、
s) N−[((5S)−3−[3−[(4−トリフルオロメチル)フェニル)アセチル]−1,2,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピン−7−イル}−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル)メチル]アセトアミド、
t) N−({(5S)−2−オキソ−3−[3−(5−オキソペンタノイル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピン−7−イル]−1,3−オキサゾリジン−5−イル}メチル)アセトアミド、
u) N−({(5S)−2−オキソ−3−[3−(5−オキソヘキサノイル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピン−7−イル]−1,3−オキサゾリジン−5−イル}メチル)アセトアミド、
v) N−{[(5S)−3−(2−ホルミル−1,3,4,5−テトラヒドロ−1H−2−ベンゾアゼピン−7−イル)−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル]メチル}アセトアミド、
w) N−{[(5S)−3−(2−グリコロイル−1,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンゾアゼピン−7−イル)−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル]メチル)アセトアミド、
x) 7−{(5S)−5−[(アセチルアミノ)メチル]−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−3−イル}−1,3,4,5−テトラヒドロ−3H−2−ベンゾアゼピン−2−カルボン酸ベンジル、
y) N−{[(5S)−3−(2−アセチル−1,3,4,5−テトラヒドロ−1H−2−ベンゾアゼピン−7−イル)−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル]メチル}アセトアミド、
z) 7−{(5S)−5−[(アセチルアミノ)メチル]−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−3−イル}−1,3,4,5−テトラヒドロ−3H−2−ベンゾアゼピン−2−カルボン酸メチル、
aa) 7−{(5S)−5−[(アセチルアミノ)メチル]−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−3−イル}−N−フェニル−1,3,4,5−テトラヒドロ−2H−2−ベンゾアゼピン−2−カルボキシアミド、
bb) N−{[(5S)−3−(1−ホルミル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンゾアゼピン−7−イル)−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル]メチル}アセトアミド、または
cc) N−{[(5S)−3−(1−ホルミル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンゾアゼピン−7−イル)−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル]メチル}エタンチオアミド
である請求項1記載の化合物。 - a) N−[[(5S)−2−オキソ−3−(1,2,4,5−テトラヒドロ−3−ベンゾチエピン−7−イル)−5−オキサゾリジニル]メチル]アセトアミド、
b) N−[[(5S)−2−オキソ−3−(1,2,4,5−テトラヒドロ−3,3−ジオキシド−3−ベンゾチエピン−7−イル)−5−オキサゾリジニル]メチル]アセトアミド、
c) N−[[(5S)−2−オキソ−3−(1,2,4,5−テトラヒドロ−3−ベンゾチエピン−7−イル)−5−オキサゾリジニル]メチル]エタンチオアミド、または
d) N−[[(5S)−2−オキソ−3−(1,2,4,5−テトラヒドロ−3,3−ジオキシド−3−ベンゾチエピン−7−イル)−5−オキサゾリジニル]メチル]エタンチオアミド
である請求項1記載の化合物。
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