JP2004516048A - バスタブ又はスイミングプール用静的洗浄装置 - Google Patents
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Abstract
本発明は、液体収容槽を洗浄するための装置(1)に関する。より詳細には、本発明は、エネルギー貯蔵手段を備え、(バスタブ又はスイミングプールのような)液体収容槽を洗浄するのに好適な装置(1)であって、当該装置(1)は静的装置であり、すすぎ液として前記槽内に存在する液体を使用する装置に関する。
Description
【0001】
(産業上の利用分野)
本発明は、液体収容槽を洗浄する装置に関する。より詳細には、本発明はバスタブ又はスイミングプールのような液体収容槽の内表面を洗浄する静的装置に関係する。
【0002】
(発明の背景)
液体収容槽、好ましくはスイミングプール及びバスタブなどの水含有槽は汚れがちである。実際、使用後のバスタブの内表面上には、石鹸かす、石灰かす並びに毛髪及び皮脂などの他の残りかすが堆積する。さらに、スイミングプールの内表面は、藻類、菌類及び他の堆積物で覆われることがある。従って、このような表面を頻繁に洗浄する必要がある。特に、バスタブの表面上に、石鹸かす、石灰かす、鉱物堆積物、カビ汚れ並びに毛髪及び皮脂などの他の残りかすが、形成及び/又はクラスト化(encrustation)するのを避けるために、バスタブの内表面を、好ましくは前記バスタブの各使用後に洗浄すべきである。スイミングプールの表面は洗浄すべき頻度が基本的に少ないにもかかわらず、藻類及び/又は菌類の被覆が形成されるのを防ぐために、そのようなスイミングプール表面を少なくとも月に1度は洗浄する必要がある。
バスタブ及び/又はスイミングプールの洗浄に使用される洗浄性組成物は、当該技術分野で周知である。そのような組成物は、スプレー、フォーム若しくはジェルなどの液体、又は磨き粉などの固体であることができる。例えば、PCT国際公開特許WO92/21772は、バスルーム用酸性液体洗剤組成物について記載している。これらの洗浄性組成物の中には、手を使わないで、洗浄すべき表面に接触して洗浄性能を提供するものもあるが、ほとんどの場合、バスタブ、スイミングプール又は他のいずれかの液体用槽の内表面の洗浄には、少なくともある程度までは、当該槽を洗浄する人の手を使う必要がある。
【0003】
消費者調査から、液体収容槽の洗浄は、当該槽を洗浄する人にとって骨の折れる不快な仕事であることが周知である。実際、バスタブを洗浄するには、前記バスタブを洗浄する人が、例えばスポンジ、布地又はブラシといったような好適な洗浄用具を用いて、バスタブの隅々まで届くようにバスタブのへりの上にかがみ、ひざまずき且つ/又はバスタブの中深くに手を伸ばさなければならない。さらに、スイミングプールの内表面を洗浄するためには、空にした後で、プールの中に入り込み、プールの表面をブラシがけする必要がある。従って、バスタブ及びスイミングプールのような液体収容槽の内表面の洗浄分野における改善が絶えず必要とされている。
従って、バスタブ及びスイミングプールのような液体収容槽を洗浄する装置であって、そのユーザにとって容易且つ便利な方法で液体収容槽の洗浄を可能にする装置を提供することが本発明の目的である。
上記の目的は、本発明による静的洗浄装置により達成され得ることが判明した。
【0004】
本明細書に記載されるような装置の長所は、この装置がそのユーザにとって容易且つ便利な方法で液体収容槽の洗浄を可能にすることである。実際、本明細書の装置は、液体収容槽を自律的に洗浄することができ、これは、装置を前記槽内に配置し、次に装置を始動させること以外にユーザのいかなる介入もないことを意味する。
本明細書に記載される装置の他の利点は、広範囲にわたる年齢層の人々がこの装置を容易に使用できることである。実際、前記装置は、バスタブ及びスイミングプールのような液体収容槽の内表面を通常洗浄しない子供達又は人々が使用することができる。
本明細書の静的装置の更に他の長所は、液体収容槽内及びその周囲での主電源式装置の使用が重大な危険性をもたらすため、装置を主電源に取り付ける必要性をなくし、もって装置の安全性を顕著に高めることである。
【0005】
本明細書の装置がバスタブを洗浄するために使用される、本発明の好ましい実施形態の更なる長所は、本明細書の装置は入浴する人が入浴直後にバスタブを洗浄することを可能にすることである。それに対してほとんどの家庭では、入浴する人は単にバスタブから立ち去り、通常その家事をする個人にバスタブの洗浄を任せる。このときまでには、排水後のバスタブに残っている汚れ及び土、例えば石鹸かす、石灰かす並びに毛髪及び皮脂などの他の残りかすが、既に形成又はクラスト化することがあり、これにより、バスタブの洗浄がより骨の折れるものになる。
【0006】
(背景技術)
DE29709738Uは、自己推進式で太陽電池式の水表面洗浄装置を記載している。
PCT国際公開特許WO94/23159は、プール内の表面を洗浄する装置及び方法を記載している。その装置はバッテリー式で、プール表面に水及び/又は洗浄性溶液を適用するために推進器又はタービンのいずれか及びスプレーノズルを備えている。更にその装置は、ブラシを備えている。
AU−A−715978は、ウォータージェット、スプレーノズル及びフィルタを備えるスイミングプール洗浄装置を記載している。
JP9−187388は、バスタブ表面に洗浄性組成物を噴霧する主電源式の浮遊式バスタブ洗浄ロボットを記載している。更にそのロボットは、ブラシ及びプロペラを備えている。
JP2−143199は、2つの推進手段及びスポンジを備える浮遊式壁面洗浄ロボットを記載している。加えて、そのロボットは、洗浄すべき表面上に洗浄性組成物を噴霧する。
【0007】
(発明の概要)
本発明は、エネルギー貯蔵手段及びオプションとしてのすすぎ液用貯蔵器を備え、液体収容槽を洗浄するのに好適な装置(1)であって、当該装置(1)は静的装置であり、すすぎ液として前記槽内に存在する液体を使用する装置を包含する。
更に、本発明は、エネルギー貯蔵手段、及び前記槽内に存在する液体を前記槽用のすすぎ液へと濾過するのに好適なフィルターを備え、液体収容槽を洗浄するのに好適な装置(1)であって、当該装置(1)は静的装置である装置を包含する。
更に、本発明は、エネルギー貯蔵手段を備える静的洗浄装置(1)による液体収容槽の内表面からの汚れ除去方法であって、前記汚れは、前記方法の開始に先立って180分より前に前記表面上に堆積している汚れ除去方法を包含する。
【0008】
好ましい実施形態では、本明細書の装置(1)はバスタブ及び/又はスイミングプールを洗浄するために使用される。
本発明による他の好ましい実施形態では、液体収容槽内の液体は水を含む。
本発明による更に他の実施形態では、本明細書の装置(1)は自動洗浄装置である。
本明細書の更に他の好ましい実施形態では、前記装置(1)は、洗浄性組成物用貯蔵器、ポンプ、モータ及びスプレーノズル(2)並びにそれらの組み合わせから成る群から選択される機構を追加的に具備する。
【0009】
(詳細な説明)
本発明は、静的液体収容槽洗浄装置(1)を包含する。
本明細書では、「液体収容槽」とは、液体、好ましくは水を保持できるいずれの容器をも意味する。好ましくは、前記液体収容槽は、0.05m3より多くの液体、より好ましくは0.1m3より多くの液体、さらにより好ましくは0.2m3より多くの液体、最も好ましくは0.5m3より多くの液体を保持する。本明細書の液体収容槽は、当業者に既知の液体用のいずれの容器であってもよい。好ましくは、本明細書の液体収容槽は、バスタブ、プール、特にスイミングプール、反応器、液体貯蔵タンク、水槽タンク、化学処理機器及び燃料タンクなどから成る群から選択される。より好ましくは、本明細書の液体収容槽は、バスタブ及びスイミングプールから成る群から選択される。最も好ましくは、本明細書の液体収容槽はバスタブである。本明細書の液体収容槽は、どのような種類の液体を保持してもよい。好ましくは、前記液体収容槽内の液体は、水、燃料、洗浄溶液などである。本明細書の液体収容槽がバスタブである好ましい実施形態では、本明細書の液体は、水及びオプションとしてパーソナル洗浄性組成物又はシャンプーを含む。更に、この液体は、その中に溶解及び/又は分散した、毛髪、皮脂、石鹸かすなどを含んでもよい。
【0010】
「液体収容」により、本明細書では、洗浄の始めに少なくとも何らかの液体が本明細書で上述した液体収容槽内に存在することを意味する。好ましくは、本明細書の洗浄方法の始めでは、液体収容槽は、その全収容能力の少なくとも10%、好ましくは少なくとも25%、より好ましくは少なくとも50%、さらにより好ましくは少なくとも60%、最も好ましくは少なくとも75%の液体が充填されている。本明細書に記載されるような装置(1)による洗浄中、液体収容槽における液体の濃度は増加するか、減少するか又は本質的に一定であってもよい。
本発明の様々な実施形態に記載の装置(1)は、液体収容槽の内表面を洗浄する方法であって、前記方法は前記装置(1)によって実行され、洗浄性組成物を前記液体収容槽の内表面上に適用する工程及び/又は前記液体収容槽の内表面をすすぐ工程を含む方法で使用されてもよい。好ましくは、本明細書の槽の内表面を、当該槽内に存在する液体ですすぎ、より好ましくは、その液体は、前記内表面をすすぐのに使用する前に濾過される。好ましくは、洗浄性組成物を前記液体収容槽の内表面上に適用する工程は、前記液体収容槽の内表面をすすぐ工程の前に実行される。好ましい実施形態では、本明細書に記載されるような方法の2つの工程の前、2つの工程の間及び/又は2つの工程の後に、他の工程を実行してもよい。
【0011】
あるいは、洗浄性組成物を液体収容槽の内表面上に適用する工程及び前記液体収容槽の内表面をすすぐ工程は数回繰り返されてもよい。
本発明による方法における工程は、本発明の様々な実施形態による装置(1)によって実行され、具体的には洗浄性組成物を前記液体収容槽の内表面上に適用する工程及び/又は前記液体収容槽の内表面をすすぐ工程は、本明細書に記載される装置により実行される。
更に、本発明は、エネルギー貯蔵手段を備える静的洗浄装置(1)による液体収容槽の内表面からの汚れ除去方法であって、前記汚れは、前記方法の開始に先立って180分より前に前記表面上に堆積している汚れ除去方法を含む。
好ましくは、前記汚れは、前記方法の開始に先立って150分、120分、90分、60分、50分、45分、40分、35分、30分、20分又は15分より前に前記表面上に堆積したものであり、この記載順に好適性が増大する。
【0012】
出願人は、例えば石鹸かす、石灰かす並びに毛髪及び皮脂などの他の残りかすといった汚れ(これは前記方法の開始に先立って180分より前に前記表面上に堆積した汚れ(新しい汚れ)を意味する)を、液体収容槽の内表面から除去することにより、汚れの形成又はクラスト化を回避可能であることを見出した。実際、新しい汚れの除去は、形成され且つ/又はクラスト化した汚れの除去に比べてより容易である。
本発明の好ましい実施形態では、液体収容槽には少なくとも部分的に液体が充填され、液体収容槽内の液体の濃度は、本明細書に記載するような液体収容槽の洗浄中に低減する。好ましくは、液体収容槽は、液体収容槽を空にする工程中に洗浄される。より好ましくは、本明細書に記載するような洗浄の終了時に、液体収容槽は、液体がほぼ完全に排出され、最も好ましくは液体が完全に排出される。本明細書では、「ほぼ完全に排水」とは、槽がその全収容能力の5%未満、好ましくは1%未満の液体を保持していることを意味する。
【0013】
本明細書では、「槽の内表面」とは、槽内に存在する液体に曝される可能性のある槽の表面を意味する。例えば、本明細書の槽がプールである好ましい実施形態ではプールの壁及び床であり、又は本明細書の槽がバスタブである好ましい実施形態では、バスタブに見られる垂直面、水平面及び曲線面である。本明細書の槽の内表面は、当業者に既知のいかなる種類の材料で作製してもよい。好ましくは、前記表面は、セラミック表面;エナメル表面;艶出しタイル(glazed tiles);ビニル表面;ワックスなしビニル表面;リノリウム;メラミン;ガラス;いずれかのプラスチック;可塑化木材表面;鋼鉄、ステンレス鋼、クロムメッキ表面などの金属表面;又はいずれかの塗装若しくはニス塗り若しくは密封表面などである。
【0014】
水収容槽洗浄装置
本発明の様々な実施形態に記載の装置(1)はエネルギー貯蔵手段を備える。本明細書では、「エネルギー貯蔵手段」とは、エネルギーを貯蔵するための当業者に既知のいずれの手段をも意味する。前記エネルギー貯蔵手段に貯蔵するエネルギーは電気的エネルギーでもよく、従って、前記手段は、使い捨てバッテリー又は再充電式バッテリーパック、例えばアキュムレータであってもよい。あるいは、エネルギー貯蔵手段に貯蔵するエネルギーは運動エネルギーでもよく、従って、この手段は、バネ及び/又はギアを備える機械的な時計仕掛けであってもよい。前記エネルギー貯蔵手段は、本明細書の装置(1)用の電源として作用してもよい。
好ましくは、本発明の様々な実施形態による装置(1)は、バッテリー式であり、より好ましくは使い捨てバッテリー又は充電式バッテリーパックを備える。
本発明の様々な実施形態による装置(1)は、静的液体収容槽洗浄装置(1)である。
【0015】
本明細書では「静的」とは、本発明の様々な実施形態による装置(1)は、洗浄される液体収容槽内で活発に動かないことを意味し、これは、本明細書の装置(1)がプロペラなどの装置(1)を動かす手段を備えていないことを意味する。実際、本明細書の装置(1)は自己推進式ではない。本明細書の装置(1)は、液体収容槽において装置(1)は動きがちであり得、それは槽内に存在する液体の流れなどの外力により、又は装置(1)のユーザによる、例えば押したり、引っぱったりする手の相互作用により実質的に引き起こされる。
本明細書の好ましい実施形態では、本発明の様々な実施形態による装置(1)は、「非浮揚装置」であり、好ましくは槽の底部上に位置される。
本明細書の非浮揚装置(1)は、最初に位置された場所に留まる。好ましくは、本明細書の装置(1)は、洗浄される液体収容槽の底部上に位置され、故に洗浄方法の開始時に、槽内に存在する液体に少なくとも部分的に浸漬される。
【0016】
装置(1)が液体収容槽内に存在する液体中で非浮揚であるために、それは、好ましくは、槽内に存在する液体よりも高い比重を有し、もって装置(1)の浮揚を防止する。これは装置(1)に重りを加えることにより達成されてもよい。更に装置(1)は、その一端部で、前記装置(1)を本明細書の液体収容槽の底面(床)に取り付ける手段(4)を有してもよい。装置を液体収容槽の底面に取り付けるのに好適ないずれの手段を使用してもよい。好ましくは、装置を液体収容槽の底面に取り付ける手段(4)は、底面に取り付けられる装置を吸引力によって保持する吸引カップ若しくはその吸引カップ一式、底面及び/又は非浮揚装置に取り付けられるマグネット、及び/又は接着剤を使用する底面への装置の取り付けであってもよい。
【0017】
本発明の様々な実施形態による装置(1)は、水含有槽を洗浄するために使用され、好ましくは自動洗浄装置として設計される。本明細書では、「自動洗浄装置」は、水含有槽を洗浄することができるロボットのような装置を意味する。
本明細書の好ましい実施形態では、自動洗浄装置(1)が装置(1)のユーザにより一旦始動するか又は運転状態になると(オンになると)、装置(1)は、自律的な方法で本明細書の槽を洗浄する。実際、本発明による自動洗浄装置(1)をオンにし、及び/又は水収容槽内に位置した後、そのユーザによる更なる介入なしに本発明に記載の方法の工程を実行することができる。好ましくは、本明細書の自動洗浄装置(1)は、本明細書の方法の工程を実行するようにプログラムされ、及び/又は構成される。本明細書の方法の工程を実行するための一連の説明は、当業者に既知のいずれの形式で提供されてもよく、好ましくは装置(1)に存在する単一のマイクロプロセッサ又はそのマイクロプロセッサ一式に好ましくはプログラムされる。
【0018】
あるいは、本明細書における本発明の様々な実施形態による装置(1)は、そのユーザにより無線操作制御装置(1)で、又は本明細書の自動装置(1)にケーブル接続により接続される制御装置(1)で遠隔操作されてもよい。
本明細書の極めて好ましい実施形態では、装置(1)を液体収容槽内に配置する以外にユーザの介入の必要なしに、本発明の様々な実施形態による装置(1)がそれ自体をオンにする。好ましくは、本明細書の装置(1)は、それらが液体収容槽内に位置される時を検出する手段を備える。それらが液体収容槽内に位置される時を検出するのに好適な手段は、水センサであってもよい。
あるいは、本発明の様々な実施形態に記載の装置(1)は、それらのユーザが装置(1)をオン又はオフにする手段を備えてもよい。ユーザにより装置(1)をオン又はオフにするのに好適な手段は、押しボタンスイッチ又は当業者に既知の他のいずれかの電気スイッチである。
【0019】
液体収容槽が本発明による方法中に空になるか又は排水される本明細書の好ましい実施形態では、槽がほぼ完全に液体を排水するとすぐに、好ましくは最終すすぎ工程の後、洗浄は停止する。
他の好ましい実施形態では、本発明の様々な実施形態による装置(1)は、事前設定した時間の後又はユーザの介入により自動的に停止してもよく、これは装置(1)のユーザが手動で装置をオフにすることを意味する
出願人は、液体収容槽内及びその周囲では主電源式装置(1)を使用すると重大な危険性をもたらすことから、本明細書に記載されるような液体収容槽の内表面を洗浄する工程を実行するためのエネルギー貯蔵手段を備える装置(1)を使用することにより、装置(1)を主電源に取り付ける必要をなくし、もって装置(1)の安全性を顕著に高めることを見出した。実際、主電源式装置(1)の電気回路が直接、液体、好ましくは水と接触すると、洗浄される槽の近くに立つユーザ又は人々は、感電により重傷を負うか又は死亡することさえもあり得る。
【0020】
更に、本明細書の装置(1)は、液体収容槽を洗浄する容易且つ便利な方法を提供する。実際、装置(1)は、バスタブ及びスイミングプールなどの液体収容槽を通常洗浄しない子供達又は人々により使用されることができる。更に、液体収容槽がバスタブである本発明の好ましい実施形態では、本明細書の装置(1)は、入浴する人が入浴直後にバスタブを洗浄することを可能にする。それに対し、ほとんどの家庭では、入浴する人は単にバスタブから立ち去り、バスタブの洗浄を通常その家事をする個人に任せる。このときまでには、排水後のバスタブに残っている汚れ及び土、例えば石鹸かす、石灰かす並びに毛髪及び皮脂などの他の残りかすが、既に形成又はクラスト化することがあり、これにより、バスタブの洗浄がより骨の折れるものになる。
更に、本明細書の装置(1)は、液体収容槽を自律的に洗浄することのために有利であり、これは、槽に装置(1)を配置し、その後装置(1)を始動させること以外にユーザの介入がないことを意味する。
(すすぎ液として前記槽内に存在する液体を使用する洗浄装置)
本発明は、第一の実施形態において、液体収容槽を洗浄するために好適な装置(1)であって、すすぎ液として前記槽内に存在する液体を使用する装置を包含する。
【0021】
前記装置(1)は、すすぎ液用の貯蔵器を備える。
すすぎ液貯蔵器は、好ましくは、本発明による方法で洗浄される槽を完全にすすぐことを可能にする十分なすすぎ液を保持する。本明細書の装置(1)がバスタブを洗浄するために使用される好ましい実施形態では、すすぎ液貯蔵器は2000mlまで、好ましくは10ml〜2000ml、より好ましくは15ml〜1500ml、更に好ましくは20ml〜1500ml、更により好ましくは50ml〜1500ml、最も好ましくは100ml〜1500mlのすすぎ液を保持することができる。本明細書の装置(1)が、スイミングプール又は燃料タンクのようなバスタブより有意に多くの水を保持する液体収容槽を洗浄するために使用される好ましい実施形態では、すすぎ液貯蔵器は10lまで、好ましくは500ml〜6lのすすぎ液を保持することができる。
好ましくはすすぎ液用貯蔵器に貯蔵される本明細書のすすぎ液は、液体収容槽から取得される。加えて、存在するとき前記貯蔵器は、本明細書の装置(1)のユーザにより、すすぎ液、好ましくは水道水で充填されてもよい。
【0022】
液体収容槽を空のときに洗浄し、本明細書の槽の内表面を槽内に存在する液体ですすぐ本発明の好ましい実施形態では、本明細書の洗浄方法は、最終すすぎ工程後に終了する。本明細書のすすぎ液用貯蔵器は、本明細書の洗浄装置(1)が、最終すすぎ工程のために充分な濃度のすすぎ液を残すことを可能にする。好ましくは、前記すすぎ液保管貯蔵器は、槽がまだ排水されていない時にすすぎ液で充填される。
本明細書の他の好ましい実施形態では、すすぎ液用貯蔵器(存在するとき)は、すすぎ液及び洗浄性組成物(存在するとき)用の混合室であってもよい。好ましくは、すすぎ液用貯蔵器は、存在するとき、洗浄性組成物を保持してもよく、又は本明細書の装置(1)は、下記に説明するような洗浄性組成物用の追加貯蔵器を備えてもよい。
【0023】
上記で概説したように、すすぎ液は液体収容槽内に存在する液体であり、従って、本明細書の装置(1)は液体用取入れ口を更に備えてもよい。好ましくは、前記取入れ口は、すすぎ液貯蔵器内に保管される前に液体の濾過を可能にするフィルタと組み合わされ、より好ましくはそれにより覆われる。濾過は、本明細書で下記に記載するようなフィルタにより実行されてもよい。本明細書では、「取入れ口」とは、液体を取り込むための開口部を意味する。本明細書の好ましい実施形態では、液体は、洗浄すべき槽からフィルタにより覆われる取入れ口を通ってポンプで揚げられ、すなわち取り入れられる。
より好ましくは、すすぎ液保管貯蔵器はスプレーノズル(2)又はそのスプレーノズル一式(存在するとき)、フィルタ(存在するとき)及びポンプ手段(存在するとき)と、好ましくは可撓性コネクタ手段により結合される。
【0024】
フィルタを備える洗浄装置
本発明は、第二の実施形態において、液体収容槽を洗浄するのに好適な装置(1)であって、前記槽内に存在する液体を前記槽用すすぎ液に濾過するのに好適なフィルタを備える装置を包含する。
本発明で使用するための好適なフィルタは、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)若しくはセルロース性材料又はこれらの組み合わせのような拡張型熱結合ポリマー繊維であることができる。フィルタの使用は、毛髪、葉、固体状の残りかすのような液体中に存在する粒子が装置(1)内に入り、もってポンプ(存在するとき)若しくはスプレーノズル(2)(存在するとき)の性能及び/又は動作信頼性を低減させるか、又はポンプ(存在するとき)若しくはスプレーノズル(2)(存在するとき)を閉塞にするのを防ぐ。
前記フィルタは、本明細書の装置(1)内の液体取入れ口(存在するとき)と好ましくは組み合わせられ、より好ましくはそれを覆ってもよい。本明細書の好ましい実施形態では、洗浄される槽内に存在する液体は、洗浄すべき槽からフィルタで覆われる取入れ口を通ってポンプで揚げられ、すなわち取り入れられる。本明細書では、「取入れ口」とは、液体を取り込むための開口部を意味する。本明細書の好ましい実施形態では、液体は、洗浄すべき槽からフィルタで覆われる取入れ口を通ってポンプで揚げられ、又は取得される。
本明細書のフィルタを備える装置(1)は、本明細書で上述したようなすすぎ液用貯蔵器を追加的に備えてもよい。
【0025】
本明細書の装置の任意成分
本明細書の本発明の様々な実施形態による洗浄装置(1)は、本明細書で上述したようなもの以外に、多くの他のオプションとしての構成要素を追加的に備えるか又は具備してもよい。
本明細書の液体収容槽の内表面上への洗浄性組成物の適用及び/又は液体収容槽の内表面のすすぎを可能にするために、本明細書の装置(1)は、スプレーノズル(2)又はそのスプレーノズル一式を備えてもよい。本明細書の各スプレーノズル(2)は、液体、例えば洗浄性組成物がそこを通って分配又は排出され得る少なくとも1つの孔を有する。本明細書のスプレーノズル(2)又はそのスプレーノズル一式は、好ましくは、内表面上を標的にする液体の適用を最も有効にするような方法で、自動洗浄装置(1)上に配置される。
【0026】
更に、本明細書に記載するようなスプレーノズル(2)又はそのスプレーノズル一式(存在するとき)は、本明細書の液体収容槽の表面の底部にそれを取り付ける手段(4)と比較すると、装置(1)の他端部上に配置されることが好ましい。「表面の底部にそれを取り付ける手段(4)に関して装置(1)の他端部」とは、本明細書では、表面の底部にそれを取り付ける手段(4)に関して装置(1)の反対側、又は反対側に隣接する装置(1)の領域のいずれかを意味する。好ましくは、スプレーノズル(2)又はそのスプレーノズル一式は、前記槽を洗浄する方法の開始時に洗浄される槽内に存在する液体の表面に近い領域内で装置(1)上に配置される。
【0027】
本明細書の他の好ましい実施形態では、本明細書に記載するようなスプレーノズル(2)又はそのスプレーノズル一式(存在するとき)は、本明細書に記載するような非浮揚装置(1)の長さにわたって分配され、様々な高さで、洗浄される槽の内表面上に装置(1)が液体を適用することを可能にする。非浮揚装置(1)の長さにわたって配置されるスプレーノズル(2)は、本明細書の方法の間に液体を放出するか、又は本明細書の方法の間に液体の放出を開始及び/又は停止するのどちらかであってもよい。この洗浄方法の間に液体収容槽を排水する本発明の好ましい実施形態では、スプレーノズル(2)(存在するとき)が液体表面より高くなるとすぐに、スプレーノズル(2)は液体の排出を開始する。好ましくは、本明細書の装置(1)が、少なくとも1つのスプレーノズル(2)を備える拡張可能部分(5)を備える。前記拡張可能部分(5)は、洗浄すべき液体収容槽内に装置(1)を置いた後、置く前、または置いている間に、本明細書の装置(1)のユーザにより拡張できるものであり、スプレーノズル(2)を通して排出すべき液体が槽のへりを越えてこぼれるのを回避するため及び/又はスプレーノズル(2)を通して排出すべき液体によって洗浄する槽の内表面を完全に覆うのを回避するために、装置(1)の高さを洗浄すべき槽の高さに適合させる。更に、拡張可能部分(5)は、本明細書の装置(1)のより容易な保管を可能にする。
【0028】
本明細書の槽の内表面をすすぐためにスプレーノズル(2)又はそのスプレーノズル一式を通して分配される液体は、好ましくは液体収容槽内に存在する液体である。より好ましくは、すすぎ液は槽の内表面上に適用される前に、すでに本明細書で上述したようなすすぎ液貯蔵器に保管される。
本発明の様々な実施形態による装置(1)は、本明細書の洗浄性組成物、及び/又は本明細書の槽の内表面をすすぐために使用される液体をポンプで揚げることを可能にするポンプ手段を備えてもよい。本発明のポンプ手段は、好ましくは電動ポンプである。電動ポンプは、例えば、ギアポンプ、インペラポンプ、ピストンポンプ、遠心ポンプ、スクリューポンプ、蠕動ポンプ、ダイアフラムポンプ又はその他のいずれかの小型ポンプであることができる。極めて好ましい実施形態では、本明細書で使用するための電気駆動ポンプは、典型的な流量が100ml・min−1〜5000ml・min−1、好ましくは2000ml・min−1〜3000ml・min−1で、好ましくは500mbar〜1000mbarの圧力で作動する遠心ポンプ又はインペラポンプである。電気駆動ポンプは、電動モータによって駆動し、通常、1〜75mN・m、好ましくは1〜50mN・mのトルクを発生する。
【0029】
電動モータ(存在するとき)には、次に電源を備えなければならない。電源は、本明細書で上述したようなエネルギー貯蔵手段であってもよい。エネルギー貯蔵手段が電気的エネルギーを貯蔵するための手段である場合、前記電源は、上述のように、使い捨てバッテリー又は充電式バッテリーパックであることができる。エネルギー貯蔵手段が運動エネルギーを貯蔵するための手段である場合、前記電源は、発電機と組み合わせた機械的な時計仕掛けであってもよい。
すすぎ液貯蔵器(存在するとき)、スプレーノズル(2)又はそのスプレーノズル一式(存在するとき)、フィルタ(存在するとき)及びポンプ手段(存在するとき)は互いに連通していることが好ましい。これは、本明細書の槽の内表面をすすぐために、すすぎ液貯蔵器を経てポンプ手段を通ってスプレーノズル(2)又はそのスプレーノズル一式への液体の分配を可能にするために、これらの様々な部分が、例えば可撓性コネクタで互いに結合されていることを意味する。
【0030】
本明細書の自動洗浄装置(1)は、洗浄性組成物用貯蔵器又は容器も備えてもよい。洗浄性組成物貯蔵器は、好ましくは、本明細書による方法で、洗浄すべき槽を完全に洗浄することのできる十分な洗浄性組成物を保持する。本明細書の装置(1)がバスタブを洗浄するために使用される好ましい実施形態では、洗浄性組成物貯蔵器は、100mlまで、好ましくは10ml〜60ml、より好ましくは15ml〜40mlの洗浄性組成物を保持することができる。本明細書の装置(1)が、バスタブより有意に多くの水を保持する。スイミングプール又は燃料タンクなどの液体収容槽を洗浄するために使用される好ましい実施形態では、洗浄性組成物貯蔵器は、10lまで、好ましくは500ml〜6lの洗浄性組成物を保持することができる。1本明細書の自動洗浄装置(1)は、洗浄性組成物貯蔵器を充たすための取入れ口を備える。
スプレーノズル(2)又はその組(存在するとき)、洗浄性組成物貯蔵器(存在するとき)及びポンプ手段(存在するとき)は、互いに連通していることが好ましい。これは、洗浄性組成物貯蔵器内の洗浄性組成物を、ポンプ手段を通してスプレーノズル(2)又はスプレーノズル一式まで分配できるように、これらの様々な部品が、例えば可撓性コネクタにより互いに相互接続されていることを意味する。
【0031】
更に、スプレーノズル(2)又はスプレーノズル一式(存在するとき)、フィルタ(存在するとき)及びポンプ手段(存在するとき)は、互いに連通していることが好ましい。これは、本明細書の槽の内表面をすすぐために、ポンプ手段を通してスプレーノズル(2)又はスプレーノズル一式まで液体を分配できるように、これらの様々な部品が、例えば可撓性コネクタにより互いに相互接続されていることを意味する。
本明細書の極めて好ましい実施形態では、液体収容槽は、洗浄方法の間に排水され、前記方法は、洗浄性組成物が本明細書の液体収容槽の内表面上に適用され且つ/又は前記液体収容槽の内表面がすすがれ、並びに好ましくは洗浄性組成物及び/又はすすぎ液がスプレーノズル(2)又はスプレーノズル一式を通って放出される第一工程を含む。
更に、本明細書の装置(1)は、本明細書の装置(1)のユーザが液体収容槽内に装置(1)を位置し除去することを可能にするハンドル(6)を備えてもよい。更に、前記ハンドル(6)は、本明細書の装置(1)の拡張可能部分(5)(存在するとき)の調節を可能にしてもよい。
【0032】
洗浄性組成物
本明細書の装置(1)は、洗浄性組成物を液体収容槽の表面上に適用してもよい。前記洗浄性組成物は従来の洗浄性成分、具体的には固い表面を洗浄するのに好適な成分を含んでもよい。好ましくは、本明細書の組成物は、界面活性剤、溶媒、漂白剤、安定化剤、キレート剤、ビルダーシステム、ラジカルスカベンジャー、芳香剤、染料、泡抑制剤、光漂白剤及び微量成分並びにこれらの混合物から成る群から選択される化合物を含むことができる。
【0033】
ドッキングステーション
本明細書の装置(1)は、ドッキングステーション(3)と共にキットに組み合わせてもよい。ドッキングステーション(3)は、本明細書の自動洗浄装置(1)用貯蔵装置として好適な方法で構築されてもよい。好ましくは、ドッキングステーション(3)は、洗浄装置(1)の形状に相補的な形状を有するか、又は本明細書の自動洗浄装置(1)を保持し、及び/又は自動洗浄装置をそこに取り付けるのに好適な他のいずれかの方法である。
本明細書の好ましい実施形態では、ドッキングステーション(3)は、自動洗浄装置の充電式バッテリーパックを再充電する電気変圧器のような装置を備え、従って主電源に接続してもよい。好ましくは、自動洗浄装置(1)の再充電式バッテリーパックの方法を、自動洗浄装置(1)をドッキングステーション(3)に位置する毎に自動的に実行する。
【0034】
本明細書の他の好ましい実施形態では、ドッキングステーション(3)は、本発明による方法において使用される洗浄性組成物用貯蔵タンクを備える。この好ましい実施形態では、自動洗浄装置をドッキングステーション(3)上に位置すると、自動洗浄装置(1)の洗浄性組成物貯蔵器を、ドッキングステーション内の洗浄性組成物用貯蔵タンクからの洗浄性組成物で充填又は再充填することができる。好ましくは、洗浄性組成物貯蔵タンクから洗浄性組成物貯蔵器を(再)充填する方法が、自動洗浄装置(1)をドッキングステーション(3)上に位置する毎に自動的に実行される。
本明細書は、本発明を特に指摘し明確に定義する特許請求の範囲をもって結論とするが、本発明については、好ましい実施形態の詳細な説明を添付の図面と併せて読めばよりよく理解されよう。図面では、同様の番号は同一の要素を示している。
【図面の簡単な説明】
【図1】液体収容槽を洗浄するのに好適な、本発明による静的装置(1)及び本装置用のドッキングステーション(3)の外側正面図である。
【図2】液体収容槽を洗浄するのに好適な、本発明による静的装置(1)及び本装置用のドッキングステーション(3)の外側側面図である。
【図3】液体収容槽を洗浄するのに好適な、本発明による静的装置(1)及び本装置用のドッキングステーション(3)の斜視外側平面図である。
(産業上の利用分野)
本発明は、液体収容槽を洗浄する装置に関する。より詳細には、本発明はバスタブ又はスイミングプールのような液体収容槽の内表面を洗浄する静的装置に関係する。
【0002】
(発明の背景)
液体収容槽、好ましくはスイミングプール及びバスタブなどの水含有槽は汚れがちである。実際、使用後のバスタブの内表面上には、石鹸かす、石灰かす並びに毛髪及び皮脂などの他の残りかすが堆積する。さらに、スイミングプールの内表面は、藻類、菌類及び他の堆積物で覆われることがある。従って、このような表面を頻繁に洗浄する必要がある。特に、バスタブの表面上に、石鹸かす、石灰かす、鉱物堆積物、カビ汚れ並びに毛髪及び皮脂などの他の残りかすが、形成及び/又はクラスト化(encrustation)するのを避けるために、バスタブの内表面を、好ましくは前記バスタブの各使用後に洗浄すべきである。スイミングプールの表面は洗浄すべき頻度が基本的に少ないにもかかわらず、藻類及び/又は菌類の被覆が形成されるのを防ぐために、そのようなスイミングプール表面を少なくとも月に1度は洗浄する必要がある。
バスタブ及び/又はスイミングプールの洗浄に使用される洗浄性組成物は、当該技術分野で周知である。そのような組成物は、スプレー、フォーム若しくはジェルなどの液体、又は磨き粉などの固体であることができる。例えば、PCT国際公開特許WO92/21772は、バスルーム用酸性液体洗剤組成物について記載している。これらの洗浄性組成物の中には、手を使わないで、洗浄すべき表面に接触して洗浄性能を提供するものもあるが、ほとんどの場合、バスタブ、スイミングプール又は他のいずれかの液体用槽の内表面の洗浄には、少なくともある程度までは、当該槽を洗浄する人の手を使う必要がある。
【0003】
消費者調査から、液体収容槽の洗浄は、当該槽を洗浄する人にとって骨の折れる不快な仕事であることが周知である。実際、バスタブを洗浄するには、前記バスタブを洗浄する人が、例えばスポンジ、布地又はブラシといったような好適な洗浄用具を用いて、バスタブの隅々まで届くようにバスタブのへりの上にかがみ、ひざまずき且つ/又はバスタブの中深くに手を伸ばさなければならない。さらに、スイミングプールの内表面を洗浄するためには、空にした後で、プールの中に入り込み、プールの表面をブラシがけする必要がある。従って、バスタブ及びスイミングプールのような液体収容槽の内表面の洗浄分野における改善が絶えず必要とされている。
従って、バスタブ及びスイミングプールのような液体収容槽を洗浄する装置であって、そのユーザにとって容易且つ便利な方法で液体収容槽の洗浄を可能にする装置を提供することが本発明の目的である。
上記の目的は、本発明による静的洗浄装置により達成され得ることが判明した。
【0004】
本明細書に記載されるような装置の長所は、この装置がそのユーザにとって容易且つ便利な方法で液体収容槽の洗浄を可能にすることである。実際、本明細書の装置は、液体収容槽を自律的に洗浄することができ、これは、装置を前記槽内に配置し、次に装置を始動させること以外にユーザのいかなる介入もないことを意味する。
本明細書に記載される装置の他の利点は、広範囲にわたる年齢層の人々がこの装置を容易に使用できることである。実際、前記装置は、バスタブ及びスイミングプールのような液体収容槽の内表面を通常洗浄しない子供達又は人々が使用することができる。
本明細書の静的装置の更に他の長所は、液体収容槽内及びその周囲での主電源式装置の使用が重大な危険性をもたらすため、装置を主電源に取り付ける必要性をなくし、もって装置の安全性を顕著に高めることである。
【0005】
本明細書の装置がバスタブを洗浄するために使用される、本発明の好ましい実施形態の更なる長所は、本明細書の装置は入浴する人が入浴直後にバスタブを洗浄することを可能にすることである。それに対してほとんどの家庭では、入浴する人は単にバスタブから立ち去り、通常その家事をする個人にバスタブの洗浄を任せる。このときまでには、排水後のバスタブに残っている汚れ及び土、例えば石鹸かす、石灰かす並びに毛髪及び皮脂などの他の残りかすが、既に形成又はクラスト化することがあり、これにより、バスタブの洗浄がより骨の折れるものになる。
【0006】
(背景技術)
DE29709738Uは、自己推進式で太陽電池式の水表面洗浄装置を記載している。
PCT国際公開特許WO94/23159は、プール内の表面を洗浄する装置及び方法を記載している。その装置はバッテリー式で、プール表面に水及び/又は洗浄性溶液を適用するために推進器又はタービンのいずれか及びスプレーノズルを備えている。更にその装置は、ブラシを備えている。
AU−A−715978は、ウォータージェット、スプレーノズル及びフィルタを備えるスイミングプール洗浄装置を記載している。
JP9−187388は、バスタブ表面に洗浄性組成物を噴霧する主電源式の浮遊式バスタブ洗浄ロボットを記載している。更にそのロボットは、ブラシ及びプロペラを備えている。
JP2−143199は、2つの推進手段及びスポンジを備える浮遊式壁面洗浄ロボットを記載している。加えて、そのロボットは、洗浄すべき表面上に洗浄性組成物を噴霧する。
【0007】
(発明の概要)
本発明は、エネルギー貯蔵手段及びオプションとしてのすすぎ液用貯蔵器を備え、液体収容槽を洗浄するのに好適な装置(1)であって、当該装置(1)は静的装置であり、すすぎ液として前記槽内に存在する液体を使用する装置を包含する。
更に、本発明は、エネルギー貯蔵手段、及び前記槽内に存在する液体を前記槽用のすすぎ液へと濾過するのに好適なフィルターを備え、液体収容槽を洗浄するのに好適な装置(1)であって、当該装置(1)は静的装置である装置を包含する。
更に、本発明は、エネルギー貯蔵手段を備える静的洗浄装置(1)による液体収容槽の内表面からの汚れ除去方法であって、前記汚れは、前記方法の開始に先立って180分より前に前記表面上に堆積している汚れ除去方法を包含する。
【0008】
好ましい実施形態では、本明細書の装置(1)はバスタブ及び/又はスイミングプールを洗浄するために使用される。
本発明による他の好ましい実施形態では、液体収容槽内の液体は水を含む。
本発明による更に他の実施形態では、本明細書の装置(1)は自動洗浄装置である。
本明細書の更に他の好ましい実施形態では、前記装置(1)は、洗浄性組成物用貯蔵器、ポンプ、モータ及びスプレーノズル(2)並びにそれらの組み合わせから成る群から選択される機構を追加的に具備する。
【0009】
(詳細な説明)
本発明は、静的液体収容槽洗浄装置(1)を包含する。
本明細書では、「液体収容槽」とは、液体、好ましくは水を保持できるいずれの容器をも意味する。好ましくは、前記液体収容槽は、0.05m3より多くの液体、より好ましくは0.1m3より多くの液体、さらにより好ましくは0.2m3より多くの液体、最も好ましくは0.5m3より多くの液体を保持する。本明細書の液体収容槽は、当業者に既知の液体用のいずれの容器であってもよい。好ましくは、本明細書の液体収容槽は、バスタブ、プール、特にスイミングプール、反応器、液体貯蔵タンク、水槽タンク、化学処理機器及び燃料タンクなどから成る群から選択される。より好ましくは、本明細書の液体収容槽は、バスタブ及びスイミングプールから成る群から選択される。最も好ましくは、本明細書の液体収容槽はバスタブである。本明細書の液体収容槽は、どのような種類の液体を保持してもよい。好ましくは、前記液体収容槽内の液体は、水、燃料、洗浄溶液などである。本明細書の液体収容槽がバスタブである好ましい実施形態では、本明細書の液体は、水及びオプションとしてパーソナル洗浄性組成物又はシャンプーを含む。更に、この液体は、その中に溶解及び/又は分散した、毛髪、皮脂、石鹸かすなどを含んでもよい。
【0010】
「液体収容」により、本明細書では、洗浄の始めに少なくとも何らかの液体が本明細書で上述した液体収容槽内に存在することを意味する。好ましくは、本明細書の洗浄方法の始めでは、液体収容槽は、その全収容能力の少なくとも10%、好ましくは少なくとも25%、より好ましくは少なくとも50%、さらにより好ましくは少なくとも60%、最も好ましくは少なくとも75%の液体が充填されている。本明細書に記載されるような装置(1)による洗浄中、液体収容槽における液体の濃度は増加するか、減少するか又は本質的に一定であってもよい。
本発明の様々な実施形態に記載の装置(1)は、液体収容槽の内表面を洗浄する方法であって、前記方法は前記装置(1)によって実行され、洗浄性組成物を前記液体収容槽の内表面上に適用する工程及び/又は前記液体収容槽の内表面をすすぐ工程を含む方法で使用されてもよい。好ましくは、本明細書の槽の内表面を、当該槽内に存在する液体ですすぎ、より好ましくは、その液体は、前記内表面をすすぐのに使用する前に濾過される。好ましくは、洗浄性組成物を前記液体収容槽の内表面上に適用する工程は、前記液体収容槽の内表面をすすぐ工程の前に実行される。好ましい実施形態では、本明細書に記載されるような方法の2つの工程の前、2つの工程の間及び/又は2つの工程の後に、他の工程を実行してもよい。
【0011】
あるいは、洗浄性組成物を液体収容槽の内表面上に適用する工程及び前記液体収容槽の内表面をすすぐ工程は数回繰り返されてもよい。
本発明による方法における工程は、本発明の様々な実施形態による装置(1)によって実行され、具体的には洗浄性組成物を前記液体収容槽の内表面上に適用する工程及び/又は前記液体収容槽の内表面をすすぐ工程は、本明細書に記載される装置により実行される。
更に、本発明は、エネルギー貯蔵手段を備える静的洗浄装置(1)による液体収容槽の内表面からの汚れ除去方法であって、前記汚れは、前記方法の開始に先立って180分より前に前記表面上に堆積している汚れ除去方法を含む。
好ましくは、前記汚れは、前記方法の開始に先立って150分、120分、90分、60分、50分、45分、40分、35分、30分、20分又は15分より前に前記表面上に堆積したものであり、この記載順に好適性が増大する。
【0012】
出願人は、例えば石鹸かす、石灰かす並びに毛髪及び皮脂などの他の残りかすといった汚れ(これは前記方法の開始に先立って180分より前に前記表面上に堆積した汚れ(新しい汚れ)を意味する)を、液体収容槽の内表面から除去することにより、汚れの形成又はクラスト化を回避可能であることを見出した。実際、新しい汚れの除去は、形成され且つ/又はクラスト化した汚れの除去に比べてより容易である。
本発明の好ましい実施形態では、液体収容槽には少なくとも部分的に液体が充填され、液体収容槽内の液体の濃度は、本明細書に記載するような液体収容槽の洗浄中に低減する。好ましくは、液体収容槽は、液体収容槽を空にする工程中に洗浄される。より好ましくは、本明細書に記載するような洗浄の終了時に、液体収容槽は、液体がほぼ完全に排出され、最も好ましくは液体が完全に排出される。本明細書では、「ほぼ完全に排水」とは、槽がその全収容能力の5%未満、好ましくは1%未満の液体を保持していることを意味する。
【0013】
本明細書では、「槽の内表面」とは、槽内に存在する液体に曝される可能性のある槽の表面を意味する。例えば、本明細書の槽がプールである好ましい実施形態ではプールの壁及び床であり、又は本明細書の槽がバスタブである好ましい実施形態では、バスタブに見られる垂直面、水平面及び曲線面である。本明細書の槽の内表面は、当業者に既知のいかなる種類の材料で作製してもよい。好ましくは、前記表面は、セラミック表面;エナメル表面;艶出しタイル(glazed tiles);ビニル表面;ワックスなしビニル表面;リノリウム;メラミン;ガラス;いずれかのプラスチック;可塑化木材表面;鋼鉄、ステンレス鋼、クロムメッキ表面などの金属表面;又はいずれかの塗装若しくはニス塗り若しくは密封表面などである。
【0014】
水収容槽洗浄装置
本発明の様々な実施形態に記載の装置(1)はエネルギー貯蔵手段を備える。本明細書では、「エネルギー貯蔵手段」とは、エネルギーを貯蔵するための当業者に既知のいずれの手段をも意味する。前記エネルギー貯蔵手段に貯蔵するエネルギーは電気的エネルギーでもよく、従って、前記手段は、使い捨てバッテリー又は再充電式バッテリーパック、例えばアキュムレータであってもよい。あるいは、エネルギー貯蔵手段に貯蔵するエネルギーは運動エネルギーでもよく、従って、この手段は、バネ及び/又はギアを備える機械的な時計仕掛けであってもよい。前記エネルギー貯蔵手段は、本明細書の装置(1)用の電源として作用してもよい。
好ましくは、本発明の様々な実施形態による装置(1)は、バッテリー式であり、より好ましくは使い捨てバッテリー又は充電式バッテリーパックを備える。
本発明の様々な実施形態による装置(1)は、静的液体収容槽洗浄装置(1)である。
【0015】
本明細書では「静的」とは、本発明の様々な実施形態による装置(1)は、洗浄される液体収容槽内で活発に動かないことを意味し、これは、本明細書の装置(1)がプロペラなどの装置(1)を動かす手段を備えていないことを意味する。実際、本明細書の装置(1)は自己推進式ではない。本明細書の装置(1)は、液体収容槽において装置(1)は動きがちであり得、それは槽内に存在する液体の流れなどの外力により、又は装置(1)のユーザによる、例えば押したり、引っぱったりする手の相互作用により実質的に引き起こされる。
本明細書の好ましい実施形態では、本発明の様々な実施形態による装置(1)は、「非浮揚装置」であり、好ましくは槽の底部上に位置される。
本明細書の非浮揚装置(1)は、最初に位置された場所に留まる。好ましくは、本明細書の装置(1)は、洗浄される液体収容槽の底部上に位置され、故に洗浄方法の開始時に、槽内に存在する液体に少なくとも部分的に浸漬される。
【0016】
装置(1)が液体収容槽内に存在する液体中で非浮揚であるために、それは、好ましくは、槽内に存在する液体よりも高い比重を有し、もって装置(1)の浮揚を防止する。これは装置(1)に重りを加えることにより達成されてもよい。更に装置(1)は、その一端部で、前記装置(1)を本明細書の液体収容槽の底面(床)に取り付ける手段(4)を有してもよい。装置を液体収容槽の底面に取り付けるのに好適ないずれの手段を使用してもよい。好ましくは、装置を液体収容槽の底面に取り付ける手段(4)は、底面に取り付けられる装置を吸引力によって保持する吸引カップ若しくはその吸引カップ一式、底面及び/又は非浮揚装置に取り付けられるマグネット、及び/又は接着剤を使用する底面への装置の取り付けであってもよい。
【0017】
本発明の様々な実施形態による装置(1)は、水含有槽を洗浄するために使用され、好ましくは自動洗浄装置として設計される。本明細書では、「自動洗浄装置」は、水含有槽を洗浄することができるロボットのような装置を意味する。
本明細書の好ましい実施形態では、自動洗浄装置(1)が装置(1)のユーザにより一旦始動するか又は運転状態になると(オンになると)、装置(1)は、自律的な方法で本明細書の槽を洗浄する。実際、本発明による自動洗浄装置(1)をオンにし、及び/又は水収容槽内に位置した後、そのユーザによる更なる介入なしに本発明に記載の方法の工程を実行することができる。好ましくは、本明細書の自動洗浄装置(1)は、本明細書の方法の工程を実行するようにプログラムされ、及び/又は構成される。本明細書の方法の工程を実行するための一連の説明は、当業者に既知のいずれの形式で提供されてもよく、好ましくは装置(1)に存在する単一のマイクロプロセッサ又はそのマイクロプロセッサ一式に好ましくはプログラムされる。
【0018】
あるいは、本明細書における本発明の様々な実施形態による装置(1)は、そのユーザにより無線操作制御装置(1)で、又は本明細書の自動装置(1)にケーブル接続により接続される制御装置(1)で遠隔操作されてもよい。
本明細書の極めて好ましい実施形態では、装置(1)を液体収容槽内に配置する以外にユーザの介入の必要なしに、本発明の様々な実施形態による装置(1)がそれ自体をオンにする。好ましくは、本明細書の装置(1)は、それらが液体収容槽内に位置される時を検出する手段を備える。それらが液体収容槽内に位置される時を検出するのに好適な手段は、水センサであってもよい。
あるいは、本発明の様々な実施形態に記載の装置(1)は、それらのユーザが装置(1)をオン又はオフにする手段を備えてもよい。ユーザにより装置(1)をオン又はオフにするのに好適な手段は、押しボタンスイッチ又は当業者に既知の他のいずれかの電気スイッチである。
【0019】
液体収容槽が本発明による方法中に空になるか又は排水される本明細書の好ましい実施形態では、槽がほぼ完全に液体を排水するとすぐに、好ましくは最終すすぎ工程の後、洗浄は停止する。
他の好ましい実施形態では、本発明の様々な実施形態による装置(1)は、事前設定した時間の後又はユーザの介入により自動的に停止してもよく、これは装置(1)のユーザが手動で装置をオフにすることを意味する
出願人は、液体収容槽内及びその周囲では主電源式装置(1)を使用すると重大な危険性をもたらすことから、本明細書に記載されるような液体収容槽の内表面を洗浄する工程を実行するためのエネルギー貯蔵手段を備える装置(1)を使用することにより、装置(1)を主電源に取り付ける必要をなくし、もって装置(1)の安全性を顕著に高めることを見出した。実際、主電源式装置(1)の電気回路が直接、液体、好ましくは水と接触すると、洗浄される槽の近くに立つユーザ又は人々は、感電により重傷を負うか又は死亡することさえもあり得る。
【0020】
更に、本明細書の装置(1)は、液体収容槽を洗浄する容易且つ便利な方法を提供する。実際、装置(1)は、バスタブ及びスイミングプールなどの液体収容槽を通常洗浄しない子供達又は人々により使用されることができる。更に、液体収容槽がバスタブである本発明の好ましい実施形態では、本明細書の装置(1)は、入浴する人が入浴直後にバスタブを洗浄することを可能にする。それに対し、ほとんどの家庭では、入浴する人は単にバスタブから立ち去り、バスタブの洗浄を通常その家事をする個人に任せる。このときまでには、排水後のバスタブに残っている汚れ及び土、例えば石鹸かす、石灰かす並びに毛髪及び皮脂などの他の残りかすが、既に形成又はクラスト化することがあり、これにより、バスタブの洗浄がより骨の折れるものになる。
更に、本明細書の装置(1)は、液体収容槽を自律的に洗浄することのために有利であり、これは、槽に装置(1)を配置し、その後装置(1)を始動させること以外にユーザの介入がないことを意味する。
(すすぎ液として前記槽内に存在する液体を使用する洗浄装置)
本発明は、第一の実施形態において、液体収容槽を洗浄するために好適な装置(1)であって、すすぎ液として前記槽内に存在する液体を使用する装置を包含する。
【0021】
前記装置(1)は、すすぎ液用の貯蔵器を備える。
すすぎ液貯蔵器は、好ましくは、本発明による方法で洗浄される槽を完全にすすぐことを可能にする十分なすすぎ液を保持する。本明細書の装置(1)がバスタブを洗浄するために使用される好ましい実施形態では、すすぎ液貯蔵器は2000mlまで、好ましくは10ml〜2000ml、より好ましくは15ml〜1500ml、更に好ましくは20ml〜1500ml、更により好ましくは50ml〜1500ml、最も好ましくは100ml〜1500mlのすすぎ液を保持することができる。本明細書の装置(1)が、スイミングプール又は燃料タンクのようなバスタブより有意に多くの水を保持する液体収容槽を洗浄するために使用される好ましい実施形態では、すすぎ液貯蔵器は10lまで、好ましくは500ml〜6lのすすぎ液を保持することができる。
好ましくはすすぎ液用貯蔵器に貯蔵される本明細書のすすぎ液は、液体収容槽から取得される。加えて、存在するとき前記貯蔵器は、本明細書の装置(1)のユーザにより、すすぎ液、好ましくは水道水で充填されてもよい。
【0022】
液体収容槽を空のときに洗浄し、本明細書の槽の内表面を槽内に存在する液体ですすぐ本発明の好ましい実施形態では、本明細書の洗浄方法は、最終すすぎ工程後に終了する。本明細書のすすぎ液用貯蔵器は、本明細書の洗浄装置(1)が、最終すすぎ工程のために充分な濃度のすすぎ液を残すことを可能にする。好ましくは、前記すすぎ液保管貯蔵器は、槽がまだ排水されていない時にすすぎ液で充填される。
本明細書の他の好ましい実施形態では、すすぎ液用貯蔵器(存在するとき)は、すすぎ液及び洗浄性組成物(存在するとき)用の混合室であってもよい。好ましくは、すすぎ液用貯蔵器は、存在するとき、洗浄性組成物を保持してもよく、又は本明細書の装置(1)は、下記に説明するような洗浄性組成物用の追加貯蔵器を備えてもよい。
【0023】
上記で概説したように、すすぎ液は液体収容槽内に存在する液体であり、従って、本明細書の装置(1)は液体用取入れ口を更に備えてもよい。好ましくは、前記取入れ口は、すすぎ液貯蔵器内に保管される前に液体の濾過を可能にするフィルタと組み合わされ、より好ましくはそれにより覆われる。濾過は、本明細書で下記に記載するようなフィルタにより実行されてもよい。本明細書では、「取入れ口」とは、液体を取り込むための開口部を意味する。本明細書の好ましい実施形態では、液体は、洗浄すべき槽からフィルタにより覆われる取入れ口を通ってポンプで揚げられ、すなわち取り入れられる。
より好ましくは、すすぎ液保管貯蔵器はスプレーノズル(2)又はそのスプレーノズル一式(存在するとき)、フィルタ(存在するとき)及びポンプ手段(存在するとき)と、好ましくは可撓性コネクタ手段により結合される。
【0024】
フィルタを備える洗浄装置
本発明は、第二の実施形態において、液体収容槽を洗浄するのに好適な装置(1)であって、前記槽内に存在する液体を前記槽用すすぎ液に濾過するのに好適なフィルタを備える装置を包含する。
本発明で使用するための好適なフィルタは、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)若しくはセルロース性材料又はこれらの組み合わせのような拡張型熱結合ポリマー繊維であることができる。フィルタの使用は、毛髪、葉、固体状の残りかすのような液体中に存在する粒子が装置(1)内に入り、もってポンプ(存在するとき)若しくはスプレーノズル(2)(存在するとき)の性能及び/又は動作信頼性を低減させるか、又はポンプ(存在するとき)若しくはスプレーノズル(2)(存在するとき)を閉塞にするのを防ぐ。
前記フィルタは、本明細書の装置(1)内の液体取入れ口(存在するとき)と好ましくは組み合わせられ、より好ましくはそれを覆ってもよい。本明細書の好ましい実施形態では、洗浄される槽内に存在する液体は、洗浄すべき槽からフィルタで覆われる取入れ口を通ってポンプで揚げられ、すなわち取り入れられる。本明細書では、「取入れ口」とは、液体を取り込むための開口部を意味する。本明細書の好ましい実施形態では、液体は、洗浄すべき槽からフィルタで覆われる取入れ口を通ってポンプで揚げられ、又は取得される。
本明細書のフィルタを備える装置(1)は、本明細書で上述したようなすすぎ液用貯蔵器を追加的に備えてもよい。
【0025】
本明細書の装置の任意成分
本明細書の本発明の様々な実施形態による洗浄装置(1)は、本明細書で上述したようなもの以外に、多くの他のオプションとしての構成要素を追加的に備えるか又は具備してもよい。
本明細書の液体収容槽の内表面上への洗浄性組成物の適用及び/又は液体収容槽の内表面のすすぎを可能にするために、本明細書の装置(1)は、スプレーノズル(2)又はそのスプレーノズル一式を備えてもよい。本明細書の各スプレーノズル(2)は、液体、例えば洗浄性組成物がそこを通って分配又は排出され得る少なくとも1つの孔を有する。本明細書のスプレーノズル(2)又はそのスプレーノズル一式は、好ましくは、内表面上を標的にする液体の適用を最も有効にするような方法で、自動洗浄装置(1)上に配置される。
【0026】
更に、本明細書に記載するようなスプレーノズル(2)又はそのスプレーノズル一式(存在するとき)は、本明細書の液体収容槽の表面の底部にそれを取り付ける手段(4)と比較すると、装置(1)の他端部上に配置されることが好ましい。「表面の底部にそれを取り付ける手段(4)に関して装置(1)の他端部」とは、本明細書では、表面の底部にそれを取り付ける手段(4)に関して装置(1)の反対側、又は反対側に隣接する装置(1)の領域のいずれかを意味する。好ましくは、スプレーノズル(2)又はそのスプレーノズル一式は、前記槽を洗浄する方法の開始時に洗浄される槽内に存在する液体の表面に近い領域内で装置(1)上に配置される。
【0027】
本明細書の他の好ましい実施形態では、本明細書に記載するようなスプレーノズル(2)又はそのスプレーノズル一式(存在するとき)は、本明細書に記載するような非浮揚装置(1)の長さにわたって分配され、様々な高さで、洗浄される槽の内表面上に装置(1)が液体を適用することを可能にする。非浮揚装置(1)の長さにわたって配置されるスプレーノズル(2)は、本明細書の方法の間に液体を放出するか、又は本明細書の方法の間に液体の放出を開始及び/又は停止するのどちらかであってもよい。この洗浄方法の間に液体収容槽を排水する本発明の好ましい実施形態では、スプレーノズル(2)(存在するとき)が液体表面より高くなるとすぐに、スプレーノズル(2)は液体の排出を開始する。好ましくは、本明細書の装置(1)が、少なくとも1つのスプレーノズル(2)を備える拡張可能部分(5)を備える。前記拡張可能部分(5)は、洗浄すべき液体収容槽内に装置(1)を置いた後、置く前、または置いている間に、本明細書の装置(1)のユーザにより拡張できるものであり、スプレーノズル(2)を通して排出すべき液体が槽のへりを越えてこぼれるのを回避するため及び/又はスプレーノズル(2)を通して排出すべき液体によって洗浄する槽の内表面を完全に覆うのを回避するために、装置(1)の高さを洗浄すべき槽の高さに適合させる。更に、拡張可能部分(5)は、本明細書の装置(1)のより容易な保管を可能にする。
【0028】
本明細書の槽の内表面をすすぐためにスプレーノズル(2)又はそのスプレーノズル一式を通して分配される液体は、好ましくは液体収容槽内に存在する液体である。より好ましくは、すすぎ液は槽の内表面上に適用される前に、すでに本明細書で上述したようなすすぎ液貯蔵器に保管される。
本発明の様々な実施形態による装置(1)は、本明細書の洗浄性組成物、及び/又は本明細書の槽の内表面をすすぐために使用される液体をポンプで揚げることを可能にするポンプ手段を備えてもよい。本発明のポンプ手段は、好ましくは電動ポンプである。電動ポンプは、例えば、ギアポンプ、インペラポンプ、ピストンポンプ、遠心ポンプ、スクリューポンプ、蠕動ポンプ、ダイアフラムポンプ又はその他のいずれかの小型ポンプであることができる。極めて好ましい実施形態では、本明細書で使用するための電気駆動ポンプは、典型的な流量が100ml・min−1〜5000ml・min−1、好ましくは2000ml・min−1〜3000ml・min−1で、好ましくは500mbar〜1000mbarの圧力で作動する遠心ポンプ又はインペラポンプである。電気駆動ポンプは、電動モータによって駆動し、通常、1〜75mN・m、好ましくは1〜50mN・mのトルクを発生する。
【0029】
電動モータ(存在するとき)には、次に電源を備えなければならない。電源は、本明細書で上述したようなエネルギー貯蔵手段であってもよい。エネルギー貯蔵手段が電気的エネルギーを貯蔵するための手段である場合、前記電源は、上述のように、使い捨てバッテリー又は充電式バッテリーパックであることができる。エネルギー貯蔵手段が運動エネルギーを貯蔵するための手段である場合、前記電源は、発電機と組み合わせた機械的な時計仕掛けであってもよい。
すすぎ液貯蔵器(存在するとき)、スプレーノズル(2)又はそのスプレーノズル一式(存在するとき)、フィルタ(存在するとき)及びポンプ手段(存在するとき)は互いに連通していることが好ましい。これは、本明細書の槽の内表面をすすぐために、すすぎ液貯蔵器を経てポンプ手段を通ってスプレーノズル(2)又はそのスプレーノズル一式への液体の分配を可能にするために、これらの様々な部分が、例えば可撓性コネクタで互いに結合されていることを意味する。
【0030】
本明細書の自動洗浄装置(1)は、洗浄性組成物用貯蔵器又は容器も備えてもよい。洗浄性組成物貯蔵器は、好ましくは、本明細書による方法で、洗浄すべき槽を完全に洗浄することのできる十分な洗浄性組成物を保持する。本明細書の装置(1)がバスタブを洗浄するために使用される好ましい実施形態では、洗浄性組成物貯蔵器は、100mlまで、好ましくは10ml〜60ml、より好ましくは15ml〜40mlの洗浄性組成物を保持することができる。本明細書の装置(1)が、バスタブより有意に多くの水を保持する。スイミングプール又は燃料タンクなどの液体収容槽を洗浄するために使用される好ましい実施形態では、洗浄性組成物貯蔵器は、10lまで、好ましくは500ml〜6lの洗浄性組成物を保持することができる。1本明細書の自動洗浄装置(1)は、洗浄性組成物貯蔵器を充たすための取入れ口を備える。
スプレーノズル(2)又はその組(存在するとき)、洗浄性組成物貯蔵器(存在するとき)及びポンプ手段(存在するとき)は、互いに連通していることが好ましい。これは、洗浄性組成物貯蔵器内の洗浄性組成物を、ポンプ手段を通してスプレーノズル(2)又はスプレーノズル一式まで分配できるように、これらの様々な部品が、例えば可撓性コネクタにより互いに相互接続されていることを意味する。
【0031】
更に、スプレーノズル(2)又はスプレーノズル一式(存在するとき)、フィルタ(存在するとき)及びポンプ手段(存在するとき)は、互いに連通していることが好ましい。これは、本明細書の槽の内表面をすすぐために、ポンプ手段を通してスプレーノズル(2)又はスプレーノズル一式まで液体を分配できるように、これらの様々な部品が、例えば可撓性コネクタにより互いに相互接続されていることを意味する。
本明細書の極めて好ましい実施形態では、液体収容槽は、洗浄方法の間に排水され、前記方法は、洗浄性組成物が本明細書の液体収容槽の内表面上に適用され且つ/又は前記液体収容槽の内表面がすすがれ、並びに好ましくは洗浄性組成物及び/又はすすぎ液がスプレーノズル(2)又はスプレーノズル一式を通って放出される第一工程を含む。
更に、本明細書の装置(1)は、本明細書の装置(1)のユーザが液体収容槽内に装置(1)を位置し除去することを可能にするハンドル(6)を備えてもよい。更に、前記ハンドル(6)は、本明細書の装置(1)の拡張可能部分(5)(存在するとき)の調節を可能にしてもよい。
【0032】
洗浄性組成物
本明細書の装置(1)は、洗浄性組成物を液体収容槽の表面上に適用してもよい。前記洗浄性組成物は従来の洗浄性成分、具体的には固い表面を洗浄するのに好適な成分を含んでもよい。好ましくは、本明細書の組成物は、界面活性剤、溶媒、漂白剤、安定化剤、キレート剤、ビルダーシステム、ラジカルスカベンジャー、芳香剤、染料、泡抑制剤、光漂白剤及び微量成分並びにこれらの混合物から成る群から選択される化合物を含むことができる。
【0033】
ドッキングステーション
本明細書の装置(1)は、ドッキングステーション(3)と共にキットに組み合わせてもよい。ドッキングステーション(3)は、本明細書の自動洗浄装置(1)用貯蔵装置として好適な方法で構築されてもよい。好ましくは、ドッキングステーション(3)は、洗浄装置(1)の形状に相補的な形状を有するか、又は本明細書の自動洗浄装置(1)を保持し、及び/又は自動洗浄装置をそこに取り付けるのに好適な他のいずれかの方法である。
本明細書の好ましい実施形態では、ドッキングステーション(3)は、自動洗浄装置の充電式バッテリーパックを再充電する電気変圧器のような装置を備え、従って主電源に接続してもよい。好ましくは、自動洗浄装置(1)の再充電式バッテリーパックの方法を、自動洗浄装置(1)をドッキングステーション(3)に位置する毎に自動的に実行する。
【0034】
本明細書の他の好ましい実施形態では、ドッキングステーション(3)は、本発明による方法において使用される洗浄性組成物用貯蔵タンクを備える。この好ましい実施形態では、自動洗浄装置をドッキングステーション(3)上に位置すると、自動洗浄装置(1)の洗浄性組成物貯蔵器を、ドッキングステーション内の洗浄性組成物用貯蔵タンクからの洗浄性組成物で充填又は再充填することができる。好ましくは、洗浄性組成物貯蔵タンクから洗浄性組成物貯蔵器を(再)充填する方法が、自動洗浄装置(1)をドッキングステーション(3)上に位置する毎に自動的に実行される。
本明細書は、本発明を特に指摘し明確に定義する特許請求の範囲をもって結論とするが、本発明については、好ましい実施形態の詳細な説明を添付の図面と併せて読めばよりよく理解されよう。図面では、同様の番号は同一の要素を示している。
【図面の簡単な説明】
【図1】液体収容槽を洗浄するのに好適な、本発明による静的装置(1)及び本装置用のドッキングステーション(3)の外側正面図である。
【図2】液体収容槽を洗浄するのに好適な、本発明による静的装置(1)及び本装置用のドッキングステーション(3)の外側側面図である。
【図3】液体収容槽を洗浄するのに好適な、本発明による静的装置(1)及び本装置用のドッキングステーション(3)の斜視外側平面図である。
Claims (17)
- エネルギー貯蔵手段及びオプションとしてのすすぎ液用貯蔵器を備え、液体収容槽を洗浄するのに好適な装置(1)であって、当該装置(1)は静的装置であり、すすぎ液として前記槽内に存在する液体を使用する装置(1)。
- 前記装置(1)は、前記槽内に存在する液体を前記槽用すすぎ液へと濾過するのに好適なフィルタを更に備える請求項1に記載の装置(1)。
- エネルギー貯蔵手段、及び前記槽内に存在する液体を前記槽用すすぎ液へと濾過するのに好適なフィルタを備え、液体収容槽を洗浄するのに好適な装置(1)であって、当該装置(1)は静的装置である装置(1)。
- 前記装置(1)はすすぎ液用貯蔵器を更に備える請求項3に記載の装置(1)。
- 前記すすぎ液用貯蔵器は2000mlまでのすすぎ液を保持する収容能力を有する請求項1、2又は4に記載の装置(1)。
- 前記液体収容槽は、バスタブ又はスイミングプールである請求項1〜5のいずれか一項に記載の装置(1)。
- 前記装置(1)はバッテリー式である請求項1〜6のいずれか一項に記載の装置(1)。
- 前記装置(1)は非浮揚装置である請求項1〜7のいずれか一項に記載の装置(1)。
- 前記装置(1)は、前記装置(1)を前記液体収容槽の底面に取り付ける手段(4)を備える請求項8に記載の装置(1)。
- 前記装置(1)を前記液体収容槽の底面に取り付ける手段(4)は、吸引カップ又はその吸引カップ一式、前記底面及び/若しくは前記非浮揚装置に取り付けられるマグネット、並びに/又は接着剤である、請求項9に記載の装置(1)。
- 前記装置(1)は、洗浄性組成物及び/又はすすぎ液を前記液体収容槽の内表面上に適用するためにスプレーノズル(2)又はそのスプレーノズル一式を備える請求項1〜10のいずれか一項に記載の装置(1)。
- 前記装置(1)はポンプ手段を備える請求項1〜11のいずれか一項に記載の装置(1)。
- 前記装置(1)は、洗浄性組成物用貯蔵器を備える請求項1〜12のいずれか一項に記載の装置(1)。
- 前記洗浄性組成物用貯蔵器は、界面活性剤、溶媒、漂白剤、安定化剤、キレート剤、ビルダーシステム、ラジカルスカベンジャー、芳香剤、染料、泡抑制剤、光漂白剤及び他の微量成分、並びにこれらの混合物から成る群から選択される化合物を含んでなる組成物を含む請求項13に記載の装置(1)。
- 請求項1〜14のいずれか一項に記載の装置(1)及びドッキングステーション(3)を具備するキットであって、前記ドッキングステーション(3)は、オプションとして自動洗浄装置(1)の充電式バッテリーパックを再充電する装置及び/又は洗浄性組成物用貯蔵タンクを備えるキット。
- エネルギー貯蔵手段を備える静的洗浄装置(1)による液体収容槽の内表面からの汚れ除去方法であって、前記汚れは、前記方法の開始に先立って180分より前に前記表面上に堆積している、汚れ除去方法。
- 請求項1〜14のいずれか一項に記載の静的洗浄装置(1)による液体収容槽の内表面からの汚れ除去方法であって、前記汚れは、前記方法の開始に先立って180分より前に前記表面上に堆積している、汚れ除去方法。
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Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A762 | Written abandonment of application |
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