JP2004514537A - 衛生ナプキン、おむつ、失禁ガード、又はパンティライナーの如き吸収物品 - Google Patents

Abstract

本発明は衛生ナプキン、失禁ガード、おむつ、又はパンティライナーの如き吸収物品であって、その物品が縦方向及び横方向を伴う実質的に細長い形状を有し、かつ二つの側縁（９，１０）、前縁（１１）及び後縁（１２）、前部分（６）及び後部分（７）、及び前部分（６）と後部分（７）の間に位置される中央部分（８）を有する吸収物品に関する。さらにその物品は液体透過性カバー層（２）及び液体不透過性カバー層（３）及び吸収体（４）を有する。本発明は吸収体（４）の後部分（７）が第一脚（１５）及び第二脚（１６）に分割された層（１７）を有し、それらの脚（１５，１６）の間に間隙があり、その間隙において角度αが第一脚（１５）と第二脚（１６）の間で規定されること、及び弾性部材（１９）が第一脚（１５）と第二脚（１６）の間に置かれ、その弾性部材（１９）が縦方向に本質的に延びることを特徴とする。
【選択図】図１

Description

【０００１】
技術分野
本発明は衛生ナプキン、失禁ガード、おむつ、又はパンティライナーの如き吸収物品であって、その物品が縦方向及び横方向を有する実質的に細長い形状を有し、かつ二つの側縁、前縁及び後縁、前部分及び後部分、及び前部分と後部分の間に位置される中央部分を有し、さらにその物品が液体透過性表面層及び液体不透過性表面層及び吸収体を有するものに関する。
【０００２】
背景技術
上述のタイプの従来の吸収物品は通常、平坦な形状を有する。女性の陰部領域は対応する平坦な外形を有しないので、かかる物品を適用して装着するときに問題が生じうる。体に対する物品の密着性は最適ではなく、隙間が発達すると、漏出の危険が大きい。この問題を解決するために、吸収物品を平坦形状よりむしろカップ形状にすることが提案されている。一般に、このカップ形状は体の外形に対してより良い適合を与える。カップ形状は例えば物品の縦方向の縁に弾性部材を配置することによって生み出されるか、又は物品を多少剛い材料でカップ形状に成形することによって生み出される。
【０００３】
上述のタイプの物品に伴う問題は、それらが使用者の解剖学的形状に特に十分に適応せず、一般的なカップ形状の外形を単に有することである。このようにして造形された物品は体に対して良好な適合を与えない。さらに、使用者の体と使用者のパンツの間に隙間が容易に生じうる。なぜならばほとんどの女性は月経中、最初から劣った品質を有するか又は着古されたために劣った品質を有するパンツを装着するからである。吸収物品又はパンツのいずれかが使用者の体との良好な密着を維持することができない限り、月経血が吸収物品とパンツの両方を越えて漏れる危険が大きい。
【０００４】
ＷＯ　９７／０７７６４は吸収体を曲げ、それによって吸収物品全体を曲げることによって製品の中央部分に縦方向の山の背を与える縦方向に延びる伸縮性の手段を有する失禁製品を開示する。製品は縦方向において一般に弯曲した形状を有し、製品の中央領域において改良された体密着を与えることが述べられている。
【０００５】
縦方向の山の背が物品の中央部分における改良された体密着を与えるとしても、述べられたタイプの構成に伴う問題は弾性部材が中央領域においてだけ吸収体を曲げること及び山の背が中央領域においてだけ設けられ、それによって使用者が仰向けで横たわるときに使用者のお尻の間に体液が浸透しうることである。
【０００６】
また、ＷＯ　９９／２５２８２から、弾性部材が物品に配置されかつ物品の一端部分にカップ形状部分を、他端部分に山の背状隆起部を与える吸収物品が知られている。弾性部材は前部分においてループで配置されてもよく、それはカップ形状部分を有し、そこではループの弾性部材は前部分にそのカップ形状を与えることに寄与する。弾性部材は物品全体を通って走る連続糸又はバンドとして配置されてもよく、物品の中央部分と後部分の両方を横切って延びる山の背状隆起部を有する物品のために使用者の体に対する解剖学的適合をさらに改良するために、端部分における山の背状隆起部は物品の長い側から見ると中央部分における山の背状隆起部より物品の中央線の方への傾斜がきつい。前部分のカップ形状は使用中、恥丘を包囲し、後部分の山の背状隆起部は使用者のお尻の間の割れ目に適合するだろう。
【０００７】
物品の中央部分及び後部分の両方を横切って延びる山の背状隆起部であっても、物品の中央部分及び後部分において改良された体密着を与える。前述のタイプの構成に伴う問題は弾性部材が吸収体全体を曲げることである。もし吸収体が柔らかすぎるなら、弾性部材は物品を極めて多く曲げ、それは劣った適合を生じる。もし吸収体が剛すぎるなら、中央部分は嵩高くなり使用者にとって不快になる。嵩高い又はしわの付いた山の背状隆起部は使用者が仰向けに寝ころぶとき使用者のお尻の間の体液の漏出に対して十分な保護を与えるために必要な高さ及び／又は細さを持たないかもしれない。別の問題は山の背状隆起部が厚くて相対的に剛い吸収体からなり、それが山の背状隆起部に三角形形状を与え、それが結果として山の背状隆起部を相対的に幅広いものとし、そのため使用者のお尻の間に適合しがたいことである。
【０００８】
変形要素を与えられ、それが横方向に作用する力に反応して吸収物品に予め決められた形状をとらせる吸収物品もまた知られている。
【０００９】
変形要素を伴う問題はそれらが高価であり、物品に適用するのに時間を消費し、困難なことである。
【００１０】
従来公知の吸収物品は相対的に良好な漏出保護及び相対的に良好な適合を与えるが、小さくてフレキシブルであることによって快適性をさらに増大し、しかも仰向けに横たわる使用者のお尻の間の体液の漏出の危険をさらに減少し、さらに製造が容易で安価である吸収物品に対する必要性がなお存在する。それゆえ本発明の目的はこれらの条件に合致する吸収物品を提供することである。
【００１１】
発明の開示
本発明の目的は上述の問題を克服し、使用者の体に対して良好な適合を与え、使用が快適であり、特に使用者が仰向けに横たわったときに使用者のお尻の間の体液の漏出を減少する吸収物品を利用可能にすることである。
【００１２】
吸収物品は衛生ナプキン、失禁ガード、おむつ、又はパンティライナーであってもよく、その物品は縦方向及び横方向を有する実質的に細長い形状を持ち、二つの側縁、前縁及び後縁を有する。吸収物品はまた、前部分及び後部分、及び前部分と後部分の間に位置された中央部分を持つ。物品は液体透過性カバー層及び液体不透過性カバー層及び吸収体をさらに有する。
【００１３】
本発明は吸収体の後部分が第一脚及び第二脚に分割された層を含み、それらの脚の間に間隙を有することを特徴とする。第一脚と第二脚の間で角度αが規定される。弾性部材は第一脚と第二脚の間に位置され、その弾性部材は本質的に縦方向に延びる。
【００１４】
弾性部材は後部分を幾分放物形で曲げ、それは使用者の体に対する解剖学的適合をさらに改良する。弾性部材が後部分を曲げるとき、第一脚と第二脚の間にある吸収物品の部分は第一脚と第二脚の間の山の背状隆起部の形状を生じるような方法で変形されるだろう。
【００１５】
弾性部材は吸収物品の主に中央線に沿って、中央線が後縁に合致する場所の近くの点から吸収体中の層が二つの脚に分割される点を越えた点まで走る。弾性部材は吸収物品全体を通って主に中央線に沿って走ってもよい。
【００１６】
弾性部材はカップ形状前部分を増強するために前部分において二以上の弾性部分に分割されてもよい。
【００１７】
弾性部材は吸収物品の望まれる特徴によって、吸収物品を形成する層のいずれかに固定されてもよい。
【００１８】
図面の簡単な記述
図１は本発明による吸収物品の平面図を示す。
図２は図１の線ＩＩ−ＩＩに沿ってとられた図１の吸収物品の側面断面図を示す。
図３は図１の線ＩＩＩ−ＩＩＩに沿ってとられた図１及び２の吸収物品の後側面断面図を示す。
【００１９】
発明を実施するための方式
本発明の一例による吸収物品が図１，２及び３に示されており、そこでは図１は本発明による吸収物品の平面図を示し、図２は本発明による吸収物品の側面断面図を示し、図３は本発明による吸収物品の後側面断面図を示す。
【００２０】
吸収物品は使用中、使用者に面することを意図される吸収物品１の側上に配置された液体透過性カバー層２、使用中、使用者から離れて面することを意図される吸収物品１の側上に配置された液体不透過性カバー層３、及び二つのカバー層２，３の間に封入された吸収体４を含む。
【００２１】
吸収体４は様々なタイプの吸収材料の様々な層を含むことが有利である。図１は吸収材料の二つの異なる層、即ち第一吸収層１７及び第二吸収層１８を含む吸収体４を示す。第一吸収層１７は液体不透過性カバー層３と第二吸収層１８の間に配置され、第二吸収層１８は第一吸収層１７と液体透過性カバー層２の間に配置される。有利には、第二吸収層１８は体液を十分に輸送する高速材料であり、第一吸収層１７は体液を貯蔵するために良好な容量を有する。
【００２２】
二つのカバー層２，３は吸収体４の外側で相互に接続され、吸収物品の全周囲のまわりに突出縁５を形成する。カバー層の接合はいかなる好適な方法で行ってもよく、例えば接着、縫製、又は熱又は超音波のいずれかによる溶接で行ってもよい。
【００２３】
吸収物品１は実質的に砂時計形状であり、使用中、使用者の前方に向けられることを意図される前部分６、使用中、使用者の後方に面することを意図される後部分７、及び使用者の股の付け根に適用されることを意図される中間の狭い中央部分８を有する。さらに、吸収物品１は二つの凹状に弯曲した側縁９，１０、一つの凸状に弯曲した前縁１１、及び一つの同様に凸状に弯曲した後縁１２を有する。
【００２４】
吸収物品の前部分６、後部分７、及び中央部分８への分割は異なる部分６−８の間で明確な境界があることを意味するものとして理解されるべきではなく、異なる部分６−８が使用者の体に対してどのように置かれることを意図されるかによって異なる部分６−８間で存在する差異に関する吸収物品の記載を容易にすることを主に意図される。従って、異なる部分６−８間の移行は固定された移行線で起こることはなく、むしろ吸収物品の前縁１１及び後縁１２のそれぞれからの吸収物品の長さの約１／３の距離に位置された移行領域内で起こる。この方法では、中央部分８は使用中、吸収物品に放出される体液の大部分を受けとり吸収することを意図される吸収物品の部分を構成する。
【００２５】
本発明の記載された例による吸収物品１は中央部分８より幅広い前部分６、及び前部分と後部分の両方より狭い中央部分８を伴って設計される。良好な適合性を有し、かつ使用者に対して心地良く感じる吸収物品を得るためには、ナプキンが使用者の解剖学的構造に極めて高い程度に適応された形状を有することが不可欠である。従って、少なくとも中央部分８における第一吸収層１７の幅が約４０ｍｍを越えないことが特に極めて重要である。前部分６が中央部分８より幅広い一つの理由は、幅広い前部分６は狭い中央部分８とともに使用者の体のまわりを形成し、使用者の脚に対して吸収物品を幾分“フック”し、かくして吸収物品を使用者の体に対して適所に留まらせることができるようにするためである。幅広い前部分６は幾分楕円形状であることが好ましい。これに対する一つの理由は楕円形状の前部分６が使用時に内方に曲げられてカップ形状ボウルを形成すること、即ち中央部分８に対して前部分６を内方に曲げることが鋭い折り目線に沿って起こらず、代わりに曲線が吸収物品の縦方向に連続することである。この方法では、前部分６は柔らかく弯曲したボウルを形成し、それは使用者の解剖学的構造に極めて良く一致する。さらに、前部分６の楕円形状はまた、吸収体４の大きな吸収面積／容積を与える。
【００２６】
さらに、吸収物品１は二つの縦方向側縁９，１０、一つの横方向に凸状に弯曲した前縁１１及び一つの横方向に凸状に弯曲した後縁１２を有する。吸収物品は中央部分８の前部分において、吸収物品の横方向に延びる第一横断線２４があり、それが吸収物品の側縁９，１０に交差するような方法で設計される。第一横断線２４において、側縁９，１０は縦方向中央線２３に対して傾きを変え、それによって吸収物品の幅は前縁１１に向かう方向で増加し、それによって前部分６は第一横断線２４における中央部８の幅を越える最大幅を有する。前部分６の最大幅は第一横断線２４における中央部分８の幅の少なくとも２倍であることが好適である。前部分６における側縁９，１０の傾きは側縁９，１０の各々と中央線２３に平行な縦方向線の間の角度βによって規定され、そこではβは３０°〜９０°であり、第一横断線２４における第一吸収層１７の中央部分８の幅は１５〜４５ｍｍ、好ましくは２０〜４０ｍｍである。上述した全てのデータは全吸収物品に対して有効であるものとして述べられるが、それは吸収物品の輪郭が第一吸収層１７の輪郭に密接に従う場合のみ真実であるにすぎない。
【００２７】
本発明の記載された例によれば第一吸収層１７は第二吸収層１８より剛い。しかし、第一吸収層１７の材料は第二吸収層１８自体より剛い必要はない。即ち、第一吸収層１７はそれが例えば同じ又は異なる材料の幾つかの層の接着剤積層又は製造法の別の好適な選択によって第二吸収層１８より剛くなるような方法で製造されてもよい。第一吸収層１７は形成要素として作用し、それによって実質的に後部分７の領域内にある第一吸収層１７の領域は第二横断線２５の近くの点から第一脚１５と第二脚１６に分割される。前記第二横断線２５は吸収物品の横方向に延び、吸収物品の側縁９，１０に交差する。脚１５，１６は脚が分割される点において角度αを形成する。脚１５，１６の間の角度αは１０°〜１２０°、好ましくは１５°〜４０°であり、脚の長さは２０〜３５０ｍｍ、好ましくは５０〜１５０ｍｍである。第二横断線２５は後部分７が中央部分８に合致する想像上の領域に位置される。
【００２８】
本発明は主に中央線２３に沿って走る連続糸又はバンドとして、中央線２３が後縁１２上の突出縁５に合致する場所の近くの点から吸収体４の第一吸収層１７が二つの脚１５，１６に分割される点を越えた点まで、弾性部材１９が第一脚１５と第二脚１６の間に位置されることに主に基づくものである。弾性部材は液体不透過性カバー層３に完全に又は部分的に固定されることが有利である。二つの脚１５，１６は剛い方の第一吸収層１７からなり、第二吸収層１８でカバーされる。弾性部材１９が後部分７において走る部分は剛くない方の第二吸収層１８からなる。吸収層１７，１８はともに液体透過性カバー層２及び液体不透過性カバー層３によって包囲される。
【００２９】
もし物品が突出縁５を持たないなら、弾性部材１９は主に中央線２３に沿って走る連続糸又はバンドとして、中央線２３が後縁１２に合致する場所の近くの点から吸収体４の第一吸収層１７が二つの脚１５，１６に分割される点を越えた点まで、第一脚１５と第二脚１６の間に位置される。
【００３０】
弾性部材１９は後部分７を幾分放物形で曲げ、それは使用者の体に対する解剖学的適合をさらに改良する。弾性部材１９が後部分７を曲げるとき、第二吸収層１８及び液体透過性カバー層２は第一脚１５と第二脚１６の間の山の背状隆起部２０の形成を生じるような方法で幾分変形されるだろう。第二吸収層１８は第一吸収層１７より剛くないので、剛い脚１５，１６は一緒に引っ張られ、横方向に顕著に変形しないだろう。それは剛くない方の第二吸収層１８と液体透過性カバー層２の変形を増強し、それによって吸収物品１の後部分７において良く規定された高くかつ相対的に狭い山の背状隆起部２０を生じる。脚１５，１６の横方向の変形がないことは山の背状隆起部２０の独自の形状を生じ、そこでは山の背状隆起部２０は図３の後側断面図から見ると相対的に平坦な脚１５，１６の内側縁から始まる。山の背状隆起部２０は脚１５，１６の内側縁から急な上方への傾斜で中央線２３の方へ上昇する。山の背状隆起部は相対的に平坦な脚１５，１６とともに平坦なつばの上に立つ円錐形の頂部を持つ“魔女の帽子”の断面の形状を幾分有するものとして記載されることができ、それは図３において明瞭に見られることができる。脚１５，１６は横方向において相対的に平坦であるので、山の背状隆起部２０は狭くて高くなる。それゆえ山の背状隆起部２０は特に仰向けに横たわる使用者に対して、使用者のお尻の間の割れ目に有利に適合し、お尻の間を流れる体液を効果的に止めて吸収するだろう。吸収物品２０の相対的に平坦な脚１５，１６は使用者のお尻に対して止めとして作用し、それによって吸収物品１のほとんどが使用者のお尻の間で変形しかつスライドすることを防止する。後部分７における山の背状隆起部２０の形状は物品の長い側部から見ると、物品１の中央線２３の方への急な傾斜を有する。中央線２３の方への傾斜は後部分を横切って延びる山の背状隆起部を有する物品について使用者の体に対する解剖学的適合を改良する。
【００３１】
本発明で重要なことは吸収物品１の脚１５，１６の間の領域がその領域を包囲する領域、即ち層１５，１６より剛くないことにある。吸収物品１は用途及び／又は使用者の要求によって多数の様々な方法で製造されてもよい。衛生ナプキンの特徴を変えるために、多数のパラメータ、例えば弾性部材１９の緊張、弾性部材１９がどこにどのようにして固定されているか、脚１５，１６の間の角度α及び脚の間に位置される領域とその領域を包囲する領域の間の剛さの相対的な差異で作用することができる。全ての上述のパラメータは本発明による多数の山の背状隆起部を生じ、これらの隆起部は様々な高さ、長さ、幅、傾斜及び角度を有し、これらの全てが望ましい特徴に依存する。しかしながら、パラメータをどのようにして変えるかから独立して、弾性部材１９と一緒の吸収芯の形状及び脚１５，１６の間の領域とその領域を包囲する領域の間の剛さの相対的な差異は図３に示されているように本発明による“魔女の帽子”の独得な形状の狭い山の背状隆起部２０を生じる。山の背状隆起部２０を適合する最も重要な領域は使用者の膣領域に近接する使用者のお尻の間の領域であるため、山の背状隆起部はそれが高いよりも狭いことがより重要である。従来技術では吸収物品全体を曲げることによって山の背状隆起部を作ることが知られているにすぎず、それは本発明のようにかかる狭い山の背状隆起部を生じないし、上述の利点を全て有する“魔女の帽子”の形の山の背状隆起部を作ることもない。
【００３２】
山の背状隆起部は山の背状隆起部の上部分を連続する頂部分を有するものとして記載され、山の背状隆起部２０の幅は山の背状隆起部２０の頂部分において０．１〜２０ｍｍ、好ましくは１〜８ｍｍであり、山の背状隆起部の長さは少なくとも１０ｍｍである。頂部分における山の背状隆起部２０の幅は弾性部材の寸法及び弾性部材をカバーする吸収層の寸法、即ち記載された例における第二吸収層の寸法に対応する。
【００３３】
図３は第二吸収層１８の下にあるものとして第一吸収層１７からなる脚１５，１６を示し、各脚は液体不透過性カバー層３の方へ突出部分を形成し、その領域において相対的に平坦な横方向の液体透過性カバー層２の表面を有する。これは製造法の選択による。製造法の別の選択は同様に液体透過性カバー層２の方へ、脚１５，１６及び第二吸収層１８によって形成された突出部分を生じ、その領域において相対的に平坦な横方向の液体不透過性カバー層３の表面を有する。即ち、脚を含む領域に関して、図３に示されているものとは反対である。
【００３４】
液体透過性カバー層２の材料は例えば有孔プラスチックフィルム、プラスチックスクリムまたは織物材料、繊維詰物、不織材料又は例えば有孔プラスチックフィルムと不織シートの積層体であってもよい。積層体は選択された目的のために好適な材料のいずれから作られてもよい。プラスチック材料は典型的にはポリエチレン又はポリプロピレンの如き熱可塑性である。“不織材料”という表現は不織繊維ウェブに関する。好適な不織材料はセルロースまたは綿の如き天然繊維、又はポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリウレタン、ナイロン又は再生セルロースの如き合成繊維からなってもよい。当然、繊維ブレンドから作られた不織材料を使用することもできる。
【００３５】
液体透過性カバー層２は体液を吸収体４中に受け入れ案内することを意図される。さらに、カバー層２はいわゆる再湿潤（即ち、吸収された体排泄物が使用者の皮膚の方へ強制的に戻らされること）を防止することができるのに加えて、使用者の体に対して柔らかくかつ快適であるべきである。快適性の理由のため、及び皮膚刺激を避けるため、使用者の皮膚に接触する吸収物品の部分上の表面は使用中できるだけ乾燥して維持されることが重要である。さらに、吸収物品上の乾燥表面は使用中、涼しくかつ快適なものとして使用者によって知覚され、純粋に視覚的な側面、及び吸収物品を交換しなければならないときに吸収物品を取り扱うときの両方から、汚れた湿潤した表面より魅力的である。しかし、性器部分における粘膜の刺激を避けるために、粘膜と接触している吸収物品の部分、例えば山の背状隆起部２０の部分は幾分湿っていることが好ましい。
【００３６】
液体透過性カバー層２が実際に別個の材料層を構成することは本発明の全ての例に対して必要はない。液体透過性カバー層は例えば吸収体の一体部分を構成してもよい。従って、吸収体が吸収フォーム層又は使用中、崩壊しないように十分に凝着された別の吸収材料を含むなら、液体透過性カバー層は省略されることも考えられる。さらに、吸収性不織材料を利用してもよく、それは吸収体の一構成要素であると同時に液体透過性カバー層を構成してもよい。
【００３７】
液体不透過性カバー層３は液体不透過性材料からなる。薄い液体不透過性プラスチックフィルムはその目的のために好適である。しかしながら、元々液体透過性であるがプラスチック、樹脂又は他の液体不透過性材料の被覆を与えられた材料を使用することもできる。この方法では、吸収物品の底側からの体液の漏出が防止される。液体不透過性カバー層３は従って皮膚に優しくかつ液体不透過性の基準を満たす材料のいずれからなってもよい。バリヤー層として好適な材料の例はプラスチックフィルム、不織材料及び様々なタイプの積層体である。有用なプラスチックフィルムは例えばポリエチレン、ポリプロピレン、又はポリエステルからなるものである。あるいは、液体不透過性カバー層３は吸収体に面する液体不透過性プラスチック層と使用者の下着に面する不織シートの積層体からなってもよい。かかる構成は漏出防止バリヤー層に織物感覚を与える。
【００３８】
液体透過性カバー層２を有するとき、液体不透過性カバー層３は別個の層によって構成される必要はない。従って、液体不透過性カバー層３は吸収材料の一体部分、例えば液体不透過性表面を持つ吸収フォーム層を構成することが考えられる。
【００３９】
吸収体４は主にセルロース毛羽パルプによって構成されることが有利である。毛羽はリール、ベール又はシートの形で存在してもよく、それらは乾燥裁断されるか又は湿潤形成され、毛羽状態で変形されてパルプマットになり、いわゆる超吸収材を添加混合されたり、されなかったりする。超吸収材は水又は体排泄物を自重の数倍吸収する能力を有するポリマーである。他の有用な材料の例は綿繊維、ピートなどの様々なタイプの天然繊維である。もちろん吸収性合成繊維、又は天然繊維と合成繊維のブレンドを使用することもできる。吸収材料はさらなる構成要素、例えば液体分配部材又は結合剤、例えば短繊維及び粒子を結合して凝集単位にするために熱処理された熱可塑性繊維を含んでもよい。吸収体４において様々なタイプの吸収フォーム材料を使用することもできる。
【００４０】
実施例が本発明の試験から導かれ、以下の文章において与えられるだろう。第一吸収層１７中の材料は約５．４ニュートンの剛さを有する国内産の高密度エアレイ（ＨＤＡ）の単一層からなることが好ましい。第二吸収層１８は約１．１５ニュートンの剛さを有する１００ｇ低密度エアレイ（ＬＤＡ）の単一層からなることが好ましい。剛さはＥＰ−Ａ　０３３６５７８（この文献は参考としてここに含まれる）に記載されるＣＩＲＣＵＬＡＲ　ＢＥＮＤ　ＰＲＯＣＥＤＵＲＥに従って測定される。この記載された方法はＡＳＴＭ　Ｄ４０３２−８２を変更したものであり、幾つかの方向における材料の同時変形を伴い、検体の表面の一つは凹状になり、反対の表面は凸状になる。その方法は全ての方向における平均剛さ又は曲げ抵抗の測度である力値を与える。この例示された例では、第二吸収層１８と第一吸収層１７の間の剛さの相対的な差は１．１５／５．４の比（それは約２１％と同じである）を与える。これは例示として与えられるにすぎず、本発明を限定するものとしてみなすべきでない。材料の変化はもちろん他の結果を与え、それはある場合に使用されることが有利であり、例えば第二吸収層１８が後部分においても第一吸収層１７をカバーするということによって脚１５，１６の間の領域と脚１５，１６を構成する領域の間の剛さの相対的な差を増強する。
【００４１】
弾性部材１９は０．０５〜０．４ニュートン、好ましくは０．１〜０．３ニュートンの力で吸収物品１に付着される前に予備緊張される。
【００４２】
本発明のさらなる例（図示せず）では、弾性部材は放物形で前部分と中央部分も曲げるために吸収物品１全体を通って走る連続糸又はバンドとして配置されてもよく、それは使用者の脚に対する前部分６の“フッキング”を増強すると同時に使用者の体に対する適合性を増強し、それは吸収物品を使用中、適所に留める能力を増強する。どのようにして弾性部材１９が吸収物品１に固定され、吸収物品１の様々な部分で延伸されるかによって、弾性部材１９は中央部分の様々な部分を変形し、それによって例えば後部分７における山の背状隆起部２０の中央部分への延長を作ってもよい。これは、物品の中央部分と後部分の両方を横切って延びる山の背状隆起部を持つ物品について使用者の体に対する解剖学的適合をさらに改良するためのものであり、端部分における山の背状隆起部は物品の長い側部から見ると中央部分における山の背状隆起部より物品の中央線に向かって急な傾斜を有することが好ましい。中央部分における山の背状隆起部を増強するために、吸収芯４は完全に又は部分的にスリットされてもよい。
【００４３】
本発明はここに記載された例に限定されるものとして見なすべきではなく、代わりに多数のさらなる変形及び修正を特許請求の範囲内で考えられる。例えば、本発明は使用者の股のつけ根の領域に実質的に収納されるようなサイズにされた全てのタイプの吸収物品を含む。さらに、記載された例の全ての考えられる組合せは本発明によって包含されることを意図される。
【００４４】
弾性部材は吸収物品の望まれる特徴によって、吸収物品を形成する層のいずれか一つ中に又はいずれか一つに対して置かれてもよいが、固定及び製造の見地から、液体不透過性層上に固定されることが有利である。
【００４５】
弾性部材は一以上の弾性要素を含んでもよく、それは上の例に記載された単一の弾性部材と同じ目的を一緒に満たす。
【００４６】
吸収物品は物品全体を通って走りかつ前部分において二つの半円形部分に分割された弾性部材を含んでもよく、その半円形に分割された弾性部分は吸収物品の前部分においてカップ形状部分を、そして少なくとも後部分において山の背状隆起部を物品に与える。
【００４７】
弾性部材は前部分においてループで配置されてもよく、それは予めカップ形状にされていてもされなくてもよく、ループでの弾性部材の配置は前部分にそのカップ形状を与えることに寄与する。
【００４８】
吸収体は使用中、使用者に面することを意図される吸収物品の側上に縦方向のこぶを形成する第一部分を含んでもよい。第一部分は高い吸収能力を有する材料、例えばセルロース毛羽パルプ、レーヨンなどの吸収繊維（超吸収材料を有するもの又は有さないもの）、吸収フォーム又は上記吸収繊維材料のいずれかからなってもよい。さらに、材料層の全ての考えられるタイプのブレンド及び組合せを使用してもよい。
【００４９】
吸収物品の吸収体はこぶと液体不透過性カバー層の間に配置された吸収層をさらに含んでもよい。吸収層は吸収性不織材料、ティッシュ紙又は上述の吸収材料のいずれか一つを含んでもよく、吸収物品の意図される用途によって大きい又は小さい吸収能力を持って設計されてもよい。
【００５０】
吸収物品は突出する縁を持つ必要もなく、また羽根を持つ必要もない。本発明は多数の様々な形状の吸収物品、例えば楕円形又は矩形の吸収物品について使用されることができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】
本発明による吸収物品の平面図を示す。
【図２】
図１の線ＩＩ−ＩＩに沿ってとられた図１の吸収物品の側面断面図を示す。
【図３】
図１の線ＩＶ−ＩＶに沿ってとられた図１及び２の吸収物品の後側面断面図を示す。

Claims (10)

1. 衛生ナプキン、失禁ガード、おむつ、又はパンティライナーの如き吸収物品であって、その物品が縦方向及び横方向を有する実質的に細長い形状を有し、かつ二つの側縁（９，１０）、前縁（１１）及び後縁（１２）、前部分（６）及び後部分（７）、及び前部分（６）と後部分（７）の間に位置される中央部分（８）を有し、さらにその物品が液体透過性カバー層（２）及び液体不透過性カバー層（３）及び吸収体（４）を有する場合において、吸収体（４）の後部分（７）が第一脚（１５）及び第二脚（１６）に分割された層（１７）を含み、それらの脚（１５，１６）の間に間隙があり、その間隙において角度αが第一脚（１５）と第二脚（１６）の間で規定されること、及び弾性部材（１９）が第一脚（１５）と第二脚（１６）の間に置かれ、その弾性部材（１９）が縦方向に本質的に延びることを特徴とする吸収物品。
2. 弾性部材（１９）が後部分（７）を幾分放物形で曲げ、第一脚（１５）と第二脚（１６）の間にある吸収物品の部分を変形し、それによって第一脚（１５）と第二脚（１６）の間に山の背状隆起部（２０）を形成することを特徴とする請求項１に記載の吸収物品。
3. 弾性部材が、吸収物品の主に中央線（２３）に沿って、中央線（２３）が後縁（１２）に合致する場所の近くの点から吸収体（４）中の層（１７）が二つの脚（１５，１６）に分割される点を越えた点まで走ることを特徴とする請求項２に記載の吸収物品。
4. 弾性部材（１９）が吸収物品全体を通って主に中央線（２３）に沿って走ることを特徴とする請求項２に記載の吸収物品。
5. 弾性部材（１９）が前部分（６）において少なくとも二つの弾性部分に分割されていることを特徴とする請求項４に記載の吸収物品。
6. 弾性部材（１９）が吸収物品（１）を形成する層のいずれかに置かれることを特徴とする請求項２〜５のいずれかに記載の吸収物品。
7. 角度αが１０°〜１２０°、好ましくは１５°〜４０°であることを特徴とする請求項２〜６のいずれかに記載の吸収物品。
8. 脚（１５，１６）の長さが２０〜３５０ｍｍ、好ましくは５０〜１５０ｍｍであることを特徴とする請求項２〜７のいずれかに記載の吸収物品。
9. 山の背状隆起部（２０）の長さが少なくとも１０ｍｍであることを特徴とする請求項２〜８のいずれかに記載の吸収物品。
10. 山の背状隆起部が山の背状隆起部の上部分を構成する頂部分を有すること及び山の背状隆起部（２０）の幅が山の背状隆起部（２０）の頂部分において０．１〜２０ｍｍ、好ましくは１〜８ｍｍであることを特徴とする請求項２〜９のいずれかに記載の吸収物品。

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