JP2004514420A - 分泌及び膜貫通ポリペプチドとそれをコードする核酸 - Google Patents
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Abstract
本発明は、新規ポリペプチド、及びそれらポリペプチドをコードする核酸分子に関する。また、ここで提供されているのは、それら核酸配列を含むベクター及び宿主細胞、異種ポリペプチドと融合している本発明のポリペプチドを含むキメラポリペプチド分子、本発明のポリペプチドと結合する抗体、及び本発明のポリペプチドを生産する方法に関する。
Description
【0001】
(発明の分野)
本発明は、一般的に、新規なDNAの同定及び単離、及び新規なポリペプチドの組換え生産に関する。
【0002】
(発明の背景)
細胞外タンパク質は、特に、多細胞生物の形成、分化及び維持において重要な役割を担っている。多くの個々の細胞の運命、例えば増殖、遊走、分化又は他の細胞との相互作用は、典型的には、他の細胞及び/又は直近の環境から受け取る情報に支配される。この情報は、しばしば分泌ポリペプチド(例えば、分裂促進因子、生存因子、細胞障害性因子、分化因子、神経ペプチド、及びホルモン)により伝達され、これが、翻って多様な細胞レセプター又は膜結合タンパク質により受け取られ解釈される。これらの分泌ポリペプチド又はシグナル分子は、通常は細胞分泌経路を通過して、細胞外環境におけるその作用部位に到達する。
分泌タンパク質は、製薬、診断、バイオセンサー及びバイオリアクターを含む、様々な産業上の利用性を有している。血栓溶解剤、インターフェロン、インターロイキン、エリスロポエチン、コロニー刺激因子、及び種々の他のサイトカインのような、現在入手可能な大抵のタンパク質薬物は分泌タンパク質である。また、膜タンパク質であるこれらレセプターは、治療又は診断薬剤としての潜在力を有する。新規な未変性分泌タンパク質を同定する努力が産業界及び学術界の両方によってなされている。多くの努力が新規な分泌タンパク質のコード配列を同定するために哺乳類組換えDNAライブラリーのスクリーニングに注がれている。スクリーニング方法及び技術の例は文献に記載されている[例えば、Kleinら, Proc. Natl. Acad. Sci. 93;7108−7113(1996);米国特許第5,536,637号を参照されたい]。
【0003】
膜結合タンパク質及びレセプターは、多細胞生物の形成、分化及び維持において重要な役割を担っている。多くの個々の細胞の運命、例えば増殖、遊走、分化又は他の細胞との相互作用は、典型的には他の細胞及び/又は直近の環境から受け取られる情報に支配される。この情報は、しばしば分泌ポリペプチド(例えば、分裂促進因子、生存因子、細胞障害性因子、分化因子、神経ペプチド、及びホルモン)により伝達され、これが次に多様な細胞レセプター又は膜結合タンパク質により受け取られ解釈される。このような膜結合タンパク質及び細胞レセプターは、これらに限定されるものではないが、サイトカインレセプター、レセプターキナーゼ、レセプターホスファターゼ、細胞−細胞間相互作用に関与するレセプター、及びセレクチン及びインテグリンのような細胞接着分子を含む。例えば、細胞の増殖及び分化を調節するシグナルの伝達は、様々な細胞タンパク質のリン酸化により部分的に調節される。そのプロセスを触媒する酵素であるプロテインチロシンキナーゼはまた成長因子レセプターとしても作用する。具体例には、繊維芽細胞増殖因子及び神経成長因子レセプターが含まれる。
膜結合タンパク質及びレセプター分子は、製薬及び診断薬を含む、様々な産業上の利用性を有している。例えば、レセプターイムノアドヘシンはレセプター−リガンド間相互作用を阻止する治療薬として使用することができる。膜結合タンパク質はまた、関連するレセプター/リガンド間相互作用の可能性のあるペプチド又は小分子インヒビターをスクリーニングするために使用することもできる。
新規な天然のレセプター又は膜結合タンパク質を同定するための努力が産業界と学術界の双方によってなされている。多くの努力が、新規なレセプター又は膜結合タンパク質のコード配列を同定するために、哺乳動物の組換えDNAライブラリーのスクリーニングに注がれている。
【0004】
(発明の概要)
一実施態様では、本発明は、PROポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む単離された核酸分子を提供する。
一側面では、単離された核酸分子は、(a)ここに開示された完全長アミノ酸配列、ここに開示されたシグナルペプチドを欠くアミノ酸配列、シグナルペプチドを伴うか伴わないここに開示した膜貫通タンパク質の細胞外ドメイン又はここに開示された完全長アミノ酸配列の任意の他の特に定められた断片を有するPROポリペプチドをコードするDNA分子、又は(b)(a)のDNA分子の相補鎖に対して、少なくとも約80%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約81%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約82%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約83%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約84%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約85%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約86%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約87%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約88%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約89%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約90%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約91%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約92%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約93%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約94%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約95%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約96%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約97%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約98%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約99%の核酸配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む。
【0005】
他の側面では、単離された核酸分子は、(a)ここに開示された完完全長PROポリペプチドcDNAのコード配列、ここに開示されたシグナルペプチドを欠くPROポリペプチドDNAのコード配列、又はシグナルペプチドを伴うか伴わないここに開示した膜貫通PROポリペプチドの細胞外ドメインのコード配列又はここに開示された完全長アミノ酸配列の任意の他の特に定められた断片のコード配列を含むDNA分子、又は(b)(a)のDNA分子の相補鎖に対して、少なくとも約80%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約81%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約82%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約83%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約84%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約85%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約86%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約87%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約88%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約89%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約90%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約91%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約92%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約93%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約94%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約95%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約96%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約97%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約98%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約99%の核酸配列同一性を有しているヌクレオチド配列を含む。
【0006】
さらなる側面では、本発明は、(a)ここに開示されたATTCに寄託した任意のヒトタンパク質cDNAによってコードされている同じ成熟ポリペプチドをコードするDNA分子、又は(b)(a)のDNA分子の相補鎖に対して、少なくとも約80%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約81%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約82%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約83%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約84%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約85%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約86%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約87%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約88%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約89%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約90%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約91%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約92%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約93%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約94%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約95%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約96%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約97%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約98%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約99%の核酸配列同一性を有しているヌクレオチド配列を含む単離された核酸分子に関する。
【0007】
本発明の他の側面は、膜貫通ドメインが欠失又は膜貫通ドメインが不活性化のいずれかのPROポリペプチドをコードするヌクレオチド配列、或いはそのようなコード化ヌクレオチド配列に相補的なPROポリペプチドを含む単離された核酸分子を提供し、そのようなポリペプチドの膜貫通ドメインはここで開示される。従って、ここで記載されたPROポリペプチドの可溶性細胞外ドメインが考慮される。
【0008】
他の実施態様はPROポリペプチドコード化配列の断片、又はその補体に向けられ、それらは、例えば、場合によっては抗−PRO抗体に対する結合部位を含むポリペプチドをコードするPROポリペプチドのコード化断片のハイブリダイゼーションプローブとして、又はアンチセンスオリゴヌクレオチドプローブとしての用途が見いだされる。このような核酸断片は、通常は少なくとも約10ヌクレオチド長、あるいは少なくとも約15ヌクレオチド長、あるいは少なくとも約20ヌクレオチド長、あるいは少なくとも約30ヌクレオチド長、あるいは少なくとも約40ヌクレオチド長、あるいは少なくとも約50ヌクレオチド長、あるいは少なくとも約60ヌクレオチド長、あるいは少なくとも約70ヌクレオチド長、あるいは少なくとも約80ヌクレオチド長、あるいは少なくとも約90ヌクレオチド長、あるいは少なくとも約100ヌクレオチド長、あるいは少なくとも約110ヌクレオチド長、あるいは少なくとも約120ヌクレオチド長、あるいは少なくとも約130ヌクレオチド長、あるいは少なくとも約140ヌクレオチド長、あるいは少なくとも約150ヌクレオチド長、あるいは少なくとも約160ヌクレオチド長、あるいは少なくとも約170ヌクレオチド長、あるいは少なくとも約180ヌクレオチド長、あるいは少なくとも約190ヌクレオチド長、あるいは少なくとも約200ヌクレオチド長、あるいは少なくとも約250ヌクレオチド長、あるいは少なくとも約300ヌクレオチド長、あるいは少なくとも約350ヌクレオチド長、あるいは少なくとも約400ヌクレオチド長、あるいは少なくとも約450ヌクレオチド長、あるいは少なくとも約500ヌクレオチド長、あるいは少なくとも約600ヌクレオチド長、あるいは少なくとも約700ヌクレオチド長、あるいは少なくとも約800ヌクレオチド長、あるいは少なくとも約900ヌクレオチド長、あるいは少なくとも約1000ヌクレオチド長であり、ここで「約」という語の内容は参照する長さのプラス又はマイナス10%のヌクレオチド配列長を指すことを意味する。PROポリペプチドコード化ヌクレオチド配列の新規な断片は、多くの良く知られた配列アラインメントプログラムの任意のものを用いてPROポリペプチドコード化ヌクレオチド配列と他の公知のヌクレオチド配列とを整列させ、いずれのPROポリペプチドコード化ヌクレオチド配列断片が新規であるかを決定することにより、日常的な手法で同定してもよい。このようなPROポリペプチドコード化ヌクレオチド配列は、全てここで考慮される。また、これらのヌクレオチド分子断片、好ましくは抗−PRO抗体に対する結合部位を含むPROポリペプチド断片によってコードされるPROポリペプチド断片も考慮される。
【0009】
その他の実施態様では、本発明は、上記で特定された単離された核酸配列の任意のものにコードされる単離されたPROポリペプチドを提供する。
或る側面では、本発明は、ここに開示されている完全長アミノ酸配列、ここに開示されているシグナルペプチドを欠くアミノ酸配列、ここに開示されているシグナルペプチド有又は無の膜貫通タンパク質の細胞外ドメイン、又はここに開示されている完全長アミノ酸配列の特に同定された他の断片を持つPROポリペプチドに対して少なくとも約80%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約81%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約82%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約83%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約84%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約85%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約86%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約87%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約88%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約89%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約90%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約91%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約92%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約93%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約94%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約95%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約96%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約97%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約98%のアミノ酸配列同一性、そして、あるいは少なくとも約99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む単離されたPROポリペプチドに関する。
【0010】
さらなる態様では、本発明は、ここに開示されているATCCに寄託した任意のヒトタンパク質cDNAによってコードされるアミノ酸配列に対して少なくとも約80%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約81%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約82%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約83%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約84%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約85%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約86%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約87%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約88%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約89%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約90%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約91%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約92%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約93%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約94%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約95%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約96%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約97%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約98%のアミノ酸配列同一性、そして、あるいは少なくとも約99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む単離されたPROポリペプチドに関する。
【0011】
特別な側面は、本発明は、N−末端シグナル配列及び/又は開始メチオニンを持たず、上記したようなアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列によってコードされる単離されたPROポリペプチドを提供する。これらを製造する方法もここに記載され、これらの方法は、適当なコード化核酸分子を含むベクターを含む宿主細胞をPROポリペプチドの発現に適した条件下で培養し、培養培地からPROポリペプチドを回収することを含む。
本発明の他の態様は、膜貫通ドメインが欠失又は膜貫通ドメインが不活性化のいずれかの単離されたPROポリペプチドを提供する。これを製造する方法もここに記載され、その方法は、適当なコード化核酸分子を含むベクターを含む宿主細胞をPROポリペプチドの発現に適した条件下で培養し、培養培地からPROポリペプチドを回収することを含む。
【0012】
さらに他の実施態様では、本発明は、ここで同定される天然PROポリペプチドのアゴニスト及びアンタゴニストに関する。特別な実施態様では、アゴニスト又はアンタゴニストは抗−PRO抗体又は小分子である。
さらなる実施態様では、本発明は、PROポリペプチドのアゴニスト又はアンタゴニストを同定する方法に関し、それは、PROポリペプチドを候補分子と接触させ、前記PROポリペプチドによって媒介される生物学的活性をモニターすることを含む。好ましくは、PROポリペプチドは天然PROポリペプチドである。
またさらなる実施態様では、本発明は、PROポリペプチド、又はここに記載するPROポリペプチドのアゴニスト又はアンタゴニスト、又は抗−PRO抗体を担体と組み合わせて含む組成物に関する。場合によっては、担体は製薬的に許容される担体である。
【0013】
本発明のその他の実施態様は、PROポリペプチド、又は上記したようなそのアゴニスト又はアンタゴニスト、又は抗−PRO抗体の、PROポリペプチド、そのアゴニスト又はアンタゴニスト又は抗−PRO抗体に反応性のある症状の治療に有用な医薬の調製のための使用に関する。
本発明のさらなる実施態様では、本発明は、ここに記載の任意のポリペプチドをコードするDNAを含むベクターを提供する。任意のそのようなベクターを含む宿主細胞も提供される。例としては、宿主細胞はCHO細胞、大腸菌、又は酵母であってもよい。ここに記載の任意のポリペプチドの製造方法がさらに提供されており、それは、宿主細胞を所望のポリペプチドの発現に適した条件下で培養し、細胞培地から所望のポリペプチドを回収することを含む。
【0014】
他の実施態様では、本発明は、異種ポリペプチド又はアミノ酸配列に融合した、ここに記載の任意のポリペプチドを含んでなるキメラ分子を提供する。そのようなキメラ分子の例は、エピトープタグ配列又は免疫グロブリンのFc領域に融合したここに記載の任意のポリペプチドを含む。
その他の実施態様では、本発明は、上記又は下記のポリペプチドの任意のものに特異的に結合する抗体を提供する。場合によっては、抗体はモノクローナル抗体、ヒト化抗体、抗体断片又は一本鎖抗体である。
さらに他の実施態様では、本発明は、ゲノム及びcDNAヌクレオチド配列又はアンチセンスプローブの単離に有用なオリゴヌクレオチドプローブを提供し、それらのプローブは上記又は下記のヌクレオチド配列の任意のものから誘導されうる。
さらに他の実施態様では、本発明は、下記の実施例に示される機能的生物学的アッセイデータに基づく種々の利用についての本発明のPROポリペプチドの利用方法に関する。
【0015】
(好適な実施態様の詳細な説明)
I.定義
ここで使用される際の「PROポリペプチド」及び「PRO」という用語は、直後に数値符号がある場合に種々のポリペプチドを指し、完全な符号(例えば、PRO/番号)は、ここに記載する特定のポリペプチド配列を意味する。「数字」がここで使用される実際の数値符号である、ここで使用される「PRO/番号ポリペプチド」及び「PRO/番号」という用語は、天然配列ポリペプチド及び変異体(ここで更に詳細に定義する)を含む。ここで記載されているPROポリペプチドは、ヒト組織型又は他の供給源といった種々の供給源から単離してもよく、組換え又は合成方法によって調製してもよい。「PROポリペプチド」という用語は、ここで開示されている各個々のPRO/番号ポリペプチドに指す。「PROポリペプチド」を指すこの明細書中の全ての開示は、各ポリペプチドを個別にも組み合わせとしても言及する。例えば、調製の、精製の、誘導の、抗体の形成、投与の、含有する組成物、疾患の治療、などの記述は、本発明の各ポリペプチドに個別に関係する。また、「PROポリペプチド」という用語は、ここに開示されているPRO/番号ポリペプチドの変異体を含む。
【0016】
「天然配列PROポリペプチド」は、天然由来の対応するPROポリペプチドと同一のアミノ酸配列を有するポリペプチドを含んでいる。このような天然配列PROポリペプチドは、自然から単離することもできるし、組換え又は合成手段により生産することもできる。「天然配列PROポリペプチド」という用語には、特に、特定のPROポリペプチドの自然に生じる切断又は分泌形態(例えば、細胞外ドメイン配列)、自然に生じる変異形態(例えば、選択的にスプライシングされた形態)及びそのポリペプチドの自然に生じる対立遺伝子変異体が含まれる。本発明の種々の実施態様において、ここに開示されている天然配列PROポリペプチドは、関連する図に示されている完全長アミノ酸配列を含有する成熟又は完全長天然配列ポリペプチドである。開始及び終止コドンは、太い書体及び下線で図中に示さている。しかし、関連する図に開示されているPROポリペプチドがメチオニン残基で開始すると図のアミノ酸位置1において示されている一方で、図のアミノ酸位置1より上流又は下流のいずれかに位置する他のメチオニン残基が、PROポリペプチドの開始アミノ酸残基として用いられることが考えられるし可能である。
【0017】
PROポリペプチド「細胞外ドメイン」又は「ECD」は、膜貫通及び細胞質ドメインを実質的に有しないPROポリペプチドの形態を意味する。通常、PROポリペプチドECDは、それらの膜貫通及び/又は細胞質ドメインを1%未満、好ましくはそのようなドメインを0.5%未満しか持たない。本発明のPROポリペプチドについて同定された任意の膜貫通ドメインは、疎水性ドメインのその型を同定するために当該分野において日常的に使用される基準に従い同定されることが理解されるであろう。膜貫通ドメインの厳密な境界は変わり得るが、最初に同定されたドメインのいずれかの末端から約5アミノ酸を越えない可能性が高い。従って、PROポリペプチド細胞外ドメインは、場合によっては、実施例又明細書おいてに同定された膜貫通ドメインのいずれかの末端から約5を越えないアミノ酸を含みうるし、付着のシグナルペプチドを有する又は有しないそのようなポリペプチド及びそれらをコードする核酸は、本発明において考慮される。
【0018】
ここに開示する種々のPROポリペプチドの「シグナルペプチド」の適切な位置は、本明細書と添付の図面に示される。しかし、注記するように、シグナルペプチドのC−末端境界は変化しうるが、ここで最初に定義したようにシグナルペプチドC−末端境界のいずれかの側で約5アミノ酸未満である可能性が最も高く、シグナルペプチドのC−末端境界は、そのような型のアミノ酸配列成分を同定するのに日常的に使用される基準に従って同定しうる(例えば、Nielsenら, Prot. Eng. 10: 1−6 (1997)及びvon Heinjeら, Nucl. Acids. Res. 14: 4683−4690 (1986))。さらに、幾つかの場合には、分泌ポリペプチドからのシグナルペプチドの切断は完全に均一ではなく、1つ以上の分泌種をもたらすことも認められる。シグナルペプチドがここに定義されるシグナルペプチドのC−末端境界の何れかの側の約5アミノ酸未満内で切断されるこれらの成熟ポリペプチド、及びそれらをコードするポリヌクレオチドは、本発明で考慮される。
【0019】
「PROポリペプチド変異体」とは、上記又は下記に定義されるように、ここに開示される完全長天然配列PROポリペプチド、ここに開示されたシグナルペプチドを欠く完全長天然配列PROポリペプチド配列、シグナルペプチド有無のここに開示されたPROの細胞外ドメイン又はここに開示された完全長PROポリペプチドの他の断片と、少なくとも約80%のアミノ酸配列同一性を有する活性PROポリペプチドを意味する。このようなPROポリペプチド変異体には、例えば、完全長天然アミノ酸配列のN−又はC−末端において1つ又は複数のアミノ酸残基が付加、もしくは欠失されたPROポリペプチドが含まれる。通常、PROポリペプチド変異体は、ここに開示される完全長天然アミノ酸配列、ここに開示されたシグナルペプチドを欠く完全長天然配列PROポリペプチド配列、シグナルペプチドを有する又は有しないここに開示されたPROの細胞外ドメイン又はここに開示された完全長PROポリペプチドの特に同定された他の断片と、少なくとも約80%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約81%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約82%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約83%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約84%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約85%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約86%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約87%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約88%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約89%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約90%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約91%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約92%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約93%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約94%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約95%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約96%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約97%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約98%のアミノ酸配列同一性、そして、あるいは少なくとも約99%のアミノ酸配列同一性を有している。通常は、PRO変異体ポリペプチドは、少なくとも約10アミノ酸長、あるいは少なくとも約20アミノ酸長、あるいは少なくとも約30アミノ酸長、あるいは少なくとも約40アミノ酸長、あるいは少なくとも約50アミノ酸長、あるいは少なくとも約60アミノ酸長、あるいは少なくとも約70アミノ酸長、あるいは少なくとも約80アミノ酸長、あるいは少なくとも約90アミノ酸長、あるいは少なくとも約100アミノ酸長、あるいは少なくとも約150アミノ酸長、あるいは少なくとも約200アミノ酸長、あるいは少なくとも約300アミノ酸長、又はそれ以上である。
【0020】
ここに定義されるPROポリペプチドに対してここで同定されている「パーセント(%)アミノ酸配列同一性」は、配列を整列させ、最大のパーセント配列同一性を得るために必要ならば間隙を導入し、如何なる保存的置換も配列同一性の一部と考えないとした、PROポリペプチドのアミノ酸残基と同一である候補配列中のアミノ酸残基のパーセントとして定義される。パーセントアミノ酸配列同一性を決定する目的のためのアラインメントは、当業者の技量の範囲にある種々の方法、例えばBLAST、BLAST−2、ALIGN又はMegalign(DNASTAR)ソフトウエアのような公に入手可能なコンピュータソフトウエアを使用することにより達成可能である。当業者であれば、比較される配列の完全長に対して最大のアラインメントを達成するために必要な任意のアルゴリズムを含む、アラインメントを測定するための適切なパラメータを決定することができる。しかし、ここでの目的のためには、%アミノ酸配列同一性値は、ALIGN−2プログラム用の完全なソースコードが下記の表1に提供されている配列比較プログラムALIGN−2を使用することによって得られる。ALIGN−2配列比較コンピュータプログラムはジェネンテク社によって作成され、下記の表1に示したソースコードは米国著作権事務所, ワシントンD.C., 20559に使用者用書類とともに提出され、米国著作権登録番号TXU510087の下で登録されている。ALIGN−2はジェネンテク社、サウス サン フランシスコ, カリフォルニアから好適に入手可能であり、下記の表1に提供されたソースコードからコンパイルしてもよい。ALIGN−2プログラムは、UNIX(登録商標)オペレーティングシステム、好ましくはデジタルUNIX(登録商標) V4.0Dでの使用のためにコンパイルされる。全ての配列比較パラメータは、ALIGN−2プログラムによって設定され変動しない。
【0021】
アミノ酸配列比較にALIGN−2が用いられる状況では、与えられたアミノ酸配列Aの、与えられたアミノ酸配列Bとの、又はそれに対する%アミノ酸配列同一性(あるいは、与えられたアミノ酸配列Bと、又はそれに対して或る程度の%アミノ酸配列同一性を持つ又は含む与えられたアミノ酸配列Aと言うこともできる)は次のように計算される:
分率X/Yの100倍
ここで、Xは配列アラインメントプログラムALIGN−2のA及びBのアラインメントによって同一であると一致したスコアのアミノ酸残基の数であり、YはBの全アミノ酸残基数である。アミノ酸配列Aの長さがアミノ酸配列Bの長さと異なる場合、AのBに対する%アミノ酸配列同一性は、BのAに対する%アミノ酸配列同一性とは異なることは理解されるであろう。この方法を用いた%アミノ酸配列同一性の計算の例として、「PRO」が対象となる仮説的PROポリペプチドのアミノ酸配列を表し、「比較タンパク質」が対象となる「比較」タンパク質が比較されているアミノ酸配列を表し、そして「X」、「Y」及び「Z」の各々が異なった仮説的アミノ酸残基を表し、表2及び3は、「比較タンパク質」と称されるアミノ酸配列の「PRO」と称されるアミノ酸配列に対する%アミノ酸配列同一性の計算方法を示す。
【0022】
特に断らない限りは、ここでの全ての%アミノ酸配列同一性値は上記のようにALIGN−2配列比較コンピュータプログラムを用いて得られる。しかしながら、%アミノ酸配列同一性値は、WU−BLAST−2コンピュータプログラム(Altschulら, Methods in Enzymology 266: 460−480(1996))を用いて決定してもよい。さらに、殆どのWU−BLAST−2検索パラメータは初期値に設定される。初期値に設定されない、即ち調節可能なパラメータは以下の値に設定する:オーバーラップスパン=1、オーバーラップフラクション=0.125、ワード閾値(T)=11、及びスコアリングマトリクス=BLOSUM62。WU−BLAST2が用いられた場合には、、%アミノ酸配列同一性値は、(a)天然PROポリペプチドから誘導された配列を有する対象とするPROポリペプチドのアミノ酸配列と、対象とする比較アミノ酸配列(即ち、対象とするPROポリペプチドが比較されるPROポリペプチド変異体であってもよい配列)との間の、WU−BLAST−2によって決定した一致する同一アミノ酸残基の数を、(b)対象とするPROポリペプチドの残基の総数で除した商によって決定される。例えば、「アミノ酸配列Bに対して少なくとも80%のアミノ酸配列同一性を持つ又は持っているアミノ酸配列Aを含んでなるポリペプチド」という表現では、アミノ酸配列Aが対象である比較アミノ酸配列であり、アミノ酸配列Bが対象であるPROポリペプチドのアミノ酸配列である。
【0023】
また、%アミノ酸配列同一性は、配列比較プログラムNCBI−BLAST2(Altschulら, Nucleic Acids Res. 25: 3389−3402 (1997))を用いて決定してもよい。NCBI−BLAST2配列比較プログラムは、http://www.ncbi.nlm.nih.govからダウンロードでき、又は別な方法で米国国立衛生研究所、ベセスダ、メリーランドから得ることができる。NCBI−BLAST2は幾つかの検索パラメータを使用し、それら検索パラメータの全ては初期値に設定され、例えば、unmask=可、鎖=全て、予測される発生=10、最小低複合長=15/5、マルチパスe−値=0.01、マルチパスの定数=25、最終ギャップアラインメントのドロップオフ=25、及びスコアリングマトリクス=BLOSUM62を含む。
【0024】
アミノ酸配列比較にNCBI−BLAST2が用いられる状況では、与えられたアミノ酸配列Aの、与えられたアミノ酸配列Bとの、又はそれに対する%アミノ酸配列同一性(あるいは、与えられたアミノ酸配列Bと、又はそれに対して或る程度の%アミノ酸配列同一性を持つ又は含む与えられたアミノ酸配列Aと言うこともできる)は次のように計算される:
分率X/Yの100倍
ここで、Xは配列アラインメントプログラムNCBI−BLAST2のA及びBのアラインメントによって同一であると一致したスコアのアミノ酸残基の数であり、YはBの全アミノ酸残基数である。アミノ酸配列Aの長さがアミノ酸配列Bの長さと異なる場合、AのBに対する%アミノ酸配列同一性は、BのAに対する%アミノ酸配列同一性とは異なることは理解されるであろう。
【0025】
「PRO変異体ポリヌクレオチド」又は「PRO変異体核酸配列」とは、下記に定義されるように、活性PROポリペプチドをコードする核酸分子であり、ここに開示する完全長天然配列PROポリペプチド配列、ここに開示するシグナルペプチドを欠いた完全長天然配列PROポリペプチド配列、シグナルペプチドを有する又は有しないここに開示するPROポリペプチドの細胞外ドメイン、又はここに開示する完全長PROポリペプチド配列の他の任意の断片をコードする核酸配列と少なくとも約80%の核酸配列同一性、好ましくはあるいは少なくとも約81%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約82%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約83%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約84%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約85%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約86%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約87%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約88%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約89%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約90%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約91%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約92%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約93%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約94%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約95%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約96%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約97%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約98%の核酸配列同一性、そして、あるいは少なくとも約99%の核酸配列同一性を有している。変異体は、天然ヌクレオチド配列を含まない。
【0026】
通常は、PRO変異体ポリヌクレオチドは、少なくとも約30ヌクレオチド長、あるいは少なくとも約60ヌクレオチド長、あるいは少なくとも約90ヌクレオチド長、あるいは少なくとも約120ヌクレオチド長、あるいは少なくとも約150ヌクレオチド長、あるいは少なくとも約180ヌクレオチド長、あるいは少なくとも約210ヌクレオチド長、あるいは少なくとも約240ヌクレオチド長、あるいは少なくとも約270ヌクレオチド長、あるいは少なくとも約300ヌクレオチド長、あるいは少なくとも約450ヌクレオチド長、あるいは少なくとも約600ヌクレオチド長、あるいは少なくとも約900ヌクレオチド長、又はそれ以上である。
【0027】
ここで同定されるPROコード化核酸配列に対する「パーセント(%)核酸配列同一性」は、配列を整列させ、最大のパーセント配列同一性を得るために必要ならば間隙を導入し、PRO配列のヌクレオチドと同一である候補配列中のヌクレオチドのパーセントとして定義される。パーセント核酸配列同一性を決定する目的のためのアラインメントは、当業者の知る範囲にある種々の方法、例えばBLAST、BLAST−2、ALIGN又はMegalign(DNASTAR)ソフトウエアのような公に入手可能なコンピュータソフトウエアを使用することにより達成可能である。ここでの目的のためには、%アミノ酸配列同一性値は、ALIGN−2プログラム用の完全なソースコードが下記の表1に提供されている配列比較プログラALIGN−2を使用することによって得られる。ALIGN−2配列比較コンピュータプログラムはジェネンテク社によって作成され、下記の表1に示したソースコードは米国著作権事務所,ワシントン D.C.,20559に使用者用書類とともに提出され、米国著作権登録番号TXU510087の下で登録されている。ALIGN−2はジェネンテク社、サウス サン フランシスコ, カリフォルニアから好適に入手可能であり、下記の表1に提供されたソースコードからコンパイルしてもよい。ALIGN−2プログラムは、UNIX(登録商標)オペレーティングシステム、好ましくはデジタルUNIX(登録商標) V4.0Dでの使用のためにコンパイルされる。全ての配列比較パラメータは、ALIGN−2プログラムによって設定され変動しない。
【0028】
核酸配列比較にALIGN−2が用いられる状況では、与えられた核酸配列Cの、与えられた核酸配列Dとの、又はそれに対する%核酸配列同一性(あるいは、与えられたアミノ酸配列Dと、又はそれに対して或る程度の%核酸配列同一性を持つ又は含む与えられた核酸配列Cと言うこともできる)は次のように計算される:
分率W/Zの100倍
ここで、Wは配列アラインメントプログラムALIGN−2のC及びDのアラインメントによって同一であると一致したスコアの核酸残基の数であり、ZはDの全核酸残基数である。核酸配列Cの長さがアミノ酸配列Dの長さと異なる場合、CのDに対する%核酸配列同一性は、DのCに対する%核酸配列同一性とは異なることは理解されるであろう。この方法を用いた%核酸配列同一性の計算の例として、「PRO−DNA」が対象となる仮説的PROコード化核酸配列を表し、「比較DNA」が対象となる「PRO−DNA」核酸分子が比較されている核酸配列を表し、そして「N」、「L」及び「V」の各々が異なった仮説的アミノ酸残基を表し、表4及び5が「比較DNA」と称される核酸配列の「PRO−DNA」と称される核酸配列に対する%核酸配列同一性の計算方法を示す。
【0029】
特に断らない限りは、ここでの全ての%核酸配列同一性値は、直上のパラグラフに示したようにALIGN−2配列比較コンピュータプログラムを用いて得られる。しかしながら、%核酸配列同一性値は、WU−BLAST−2コンピュータプログラム(Altschulら, Methods in Enzymology 266: 460−480 (1996))を用いて決定してもよい。さらに、殆どのWU−BLAST−2検索パラメータは初期値に設定される。初期値に設定されない、即ち調節可能なパラメータは以下の値に設定する:オーバーラップスパン=1、オーバーラップフラクション=0.125、ワード閾値(T)=11、及びスコアリングマトリクス=BLOSUM62。WU−BLAST−2が用いられた場合、%核酸配列同一性値は、(a)天然配列PROポリペプチドコード化核酸から誘導された配列を有する対象とするPROポリペプチドコード化核酸分子の核酸配列と、対象とする比較核酸配列(即ち、対象とするPROポリペプチドコード化核酸分子が比較されるPROポリペプチド変異体であってもよい配列)との間の、WU−BLAST−2によって決定した一致する同一核酸残基の数を、(b)対象とするPROポリペプチドコード化核酸分子のヌクレオチドの総数で除した商によって決定される。例えば、「核酸配列Bに対して少なくとも80%の核酸配列同一性を持つ又は持っている核酸配列Aを含んでなるポリペプチド」という表現では、核酸配列Aが対象とする比較核酸配列であり、核酸配列Bが対象とするPROポリペプチドコード化核酸分子の核酸配列である。
【0030】
また、%核酸配列同一性は、配列比較プログラムNCBI−BLAST2(Altschulら, Nucleic Acids Res. 25: 3389−3402 (1997))を用いて決定してもよい。NCBI−BLAST2配列比較プログラムは、http://www.ncbi.nlm.nih.govからダウンロードでき、又は別な方法で米国国立衛生研究所、ベセスダ、メリーランドから得ることができる。NCBI−BLAST2は幾つかの検索パラメータを使用し、それら検索パラメータの全ては初期値に設定され、例えば、unmask=可、鎖=全て、予測される発生=10、最小低複合長=15/5、マルチパスe−値=0.01、マルチパスの定数=25、最終ギャップアラインメントのドロップオフ=25、及びスコアリングマトリクス=BLOSUM62を含む。
【0031】
核酸配列比較にNCBI−BLAST2が用いられる状況では、与えられた核酸配列Cの、与えられた核酸配列Dとの、又はそれに対する%核酸配列同一性(あるいは、与えられた核酸配列Dと、又はそれに対して或る程度の%核酸配列同一性を持つ又は含む与えられた核酸配列Cと言うこともできる)は次のように計算される:
分率W/Zの100倍
ここで、Wは配列アラインメントプログラムNCBI−BLAST2のC及びDのアラインメントによって同一であると一致したスコアの核酸残基の数であり、ZはDの全核酸残基数である。核酸配列Cの長さが核酸配列Dの長さと異なる場合、CのDに対する%核酸配列同一性は、DのCに対する%核酸配列同一性とは異なることは理解されるであろう。
【0032】
他の実施態様では、PRO変異体ポリペプチドヌクレオチドは、活性PROポリペプチドをコードし、好ましくは緊縮性ハイブリダイゼーション及び洗浄条件下で、ここに開示する完全長PROポリペプチドをコードするヌクレオチド配列にハイブリダイゼーションする核酸分子である。PRO変異体ポリペプチドは、PRO変異体ポリヌクレオチドにコードされるものであってもよい。
「単離された」とは、ここで開示された種々のポリペプチドを記述するために使用するときは、その自然環境の成分から同定され分離され及び/又は回収されたポリペプチドを意味する。その自然環境の汚染成分とは、そのポリペプチドの診断又は治療への使用を典型的には妨害する物質であり、酵素、ホルモン、及び他のタンパク質様又は非タンパク質様溶質が含まれる。好ましい実施態様において、ポリペプチドは、(1)スピニングカップシークエネーターを使用することにより、少なくとも15残基のN末端あるいは内部アミノ酸配列を得るのに充分なほど、あるいは、(2)クーマシーブルーあるいは好ましくは銀染色を用いた非還元あるいは還元条件下でのSDS−PAGEによる均一性まで精製される。単離されたポリペプチドには、PROポリペプチドの自然環境の少なくとも1つの成分が存在しないため、組換え細胞内のインサイツのタンパク質が含まれる。しかしながら、通常は、単離されたポリペプチドは少なくとも1つの精製工程により調製される。
【0033】
「単離された」PROポリペプチドコード化核酸は、同定され、PROポリペプチドをコードする核酸の天然源に通常付随している少なくとも1つの汚染核酸分子から分離された核酸分子である。単離されたPROポリペプチドコード化核酸分子は、天然に見出される形態あるいは設定以外のものである。ゆえに、単離されたPROポリペプチドコード化核酸分子は、天然の細胞中に存在するPROポリペプチドコード化核酸分子とは区別される。しかし、単離されたPROポリペプチドコード化核酸分子は、例えば、核酸分子が天然細胞のものとは異なった染色体位置にあるPROポリペプチドを通常発現する細胞に含まれるPROポリペプチド核酸分子を含む。
「コントロール配列」という表現は、特定の宿主生物において作用可能に結合したコード配列を発現するために必要なDNA配列を指す。例えば原核生物に好適なコントロール配列は、プロモーター、場合によってはオペレータ配列、及びリボソーム結合部位を含む。真核生物の細胞は、プロモーター、ポリアデニル化シグナル及びエンハンサーを利用することが知られている。
【0034】
核酸は、他の核酸配列と機能的な関係にあるときに「作用可能に結合し」ている。例えば、プレ配列あるいは分泌リーダーのDNAは、ポリペプチドの分泌に参画するプレタンパク質として発現されているなら、そのポリペプチドのDNAに作用可能に結合している;プロモーター又はエンハンサーは、配列の転写に影響を及ぼすならば、コード配列に作用可能に結合している;又はリボソーム結合部位は、もしそれが翻訳を容易にするような位置にあるなら、コード配列と作用可能に結合している。一般的に、「作用可能に結合している」とは、結合したDNA配列が近接しており、分泌リーダーの場合には近接していて読みフェーズにあることを意味する。しかし、エンハンサーは必ずしも近接している必要はない。結合は簡便な制限部位でのライゲーションにより達成される。そのような部位が存在しない場合は、従来の手法に従って、合成オリゴヌクレオチドアダプターあるいはリンカーが使用される。
「抗体」という用語は最も広い意味において使用され、例えば、単一の抗−PROポリペプチドモノクローナル抗体(アゴニスト、アンタゴニスト、及び中和抗体を含む)、多エピトープ特異性を持つ抗−PRO抗体組成物、一本鎖抗−PRO抗体、及び抗−PRO抗体の断片を包含している(下記参照)。ここで使用される「モノクローナル抗体」という用語は、実質的に均一な抗体の集団、すなわち、構成する個々の抗体が、少量存在しうる自然に生じる可能性のある突然変異を除いて同一である集団から得られる抗体を称する。
【0035】
ハイブリダイゼーション反応の「緊縮性」は、当業者によって容易に決定され、一般的にプローブ長、洗浄温度、及び塩濃度に依存する経験的な計算である。一般に、プローブが長くなると適切なアニーリングのための温度が高くなり、プローブが短くなると温度は低くなる。ハイブリダイゼーションは、一般的に、相補的鎖がその融点に近いがそれより低い環境に存在する場合における変性DNAの再アニールする能力に依存する。プローブとハイブリダイゼーション可能な配列との間の所望の相同性の程度が高くなると、使用できる相対温度が高くなる。その結果、より高い相対温度は、反応条件をより緊縮性にするが、低い温度は緊縮性を低下させる。さらに、緊縮性は塩濃度に逆比例する。ハイブリダイゼーション反応の緊縮性の更なる詳細及び説明は、Ausubelら, Current Protocols in Molecular Biology, Wiley Interscience Publishers, (1995)を参照のこと。
【0036】
ここで定義される「緊縮性条件」又は「高度の緊縮性条件」は、(1)洗浄のために低イオン強度及び高温度、例えば、50℃において0.015Mの塩化ナトリウム/0.0015Mのクエン酸ナトリウム/0.1%のドデシル硫酸ナトリウムを用いるもの;(2)ハイブリダイゼーション中にホルムアミド等の変性剤、例えば、42℃において50%(v/v)ホルムアミドと0.1%ウシ血清アルブミン/0.1%フィコール/0.1%のポリビニルピロリドン/50mMのpH6.5のリン酸ナトリウムバッファー、及び750mMの塩化ナトリウム、75mMクエン酸ナトリウムを用いるもの;(3)42℃における50%ホルムアミド、5xSSC(0.75MのNaCl、0.075Mのクエン酸ナトリウム)、50mMのリン酸ナトリウム(pH6.8)、0.1%のピロリン酸ナトリウム、5xデンハード液、超音波処理サケ精子DNA(50μg/ml)、0.1%SDS、及び10%のデキストラン硫酸と、42℃における0.2xSSC(塩化ナトリウム/クエン酸ナトリウム)中の洗浄及び55℃での50%ホルムアミド、次いで55℃におけるEDTAを含む0.1xSSCからなる高緊縮性洗浄を用いるものによって同定される。
【0037】
「中程度の緊縮性条件」は、Sambrookら, Molecular Cloning: A Laboratory Manual (New York: Cold Spring Harbor Press, 1989に記載されているように同定され、上記の緊縮性より低い洗浄溶液及びハイブリダイゼーション条件(例えば、温度、イオン強度及び%SDS)の使用を含む。中程度の緊縮性条件は、20%ホルムアミド、5xSSC(150mMのNaCl、15mMのクエン酸三ナトリウム)、50mMリン酸ナトリウム(pH7.6)、5xデンハード液、10%デキストラン硫酸、及び20mg/mLの変性剪断サケ精子DNAを含む溶液中の37℃での終夜インキュベーション、次いで1xSSC中37−50℃でのフィルターの洗浄といった条件である。当業者であれば、プローブ長などの因子に適合させる必要に応じて、どのようにして温度、イオン強度等を調節するかを認識する。
「エピトープタグ」なる用語は、ここで用いられるときは、「タグポリペプチド」に融合したPROポリペプチド、又はそれらのドメイン配列を含んでなるキメラポリペプチドを指す。タグポリペプチドは、その抗体が産生され得るエピトープ、又は幾つかの他の試薬によって同定できるエピトープを提供するに十分な数の残基を有しているが、その長さは対象とするPROポリペプチドの活性を阻害しないよう充分に短い。また、タグポリペプチドは、好ましくは、抗体が他のエピトープと実質的に交差反応をしないようにかなり独特である。適切なタグポリペプチドは、一般に、少なくとも6のアミノ酸残基、通常は約8〜約50のアミノ酸残基(好ましくは約10〜約20の残基)を有する。
【0038】
ここで用いられる「イムノアドヘシン」なる用語は、異種タンパク質(「アドヘシン」)の結合特異性と免疫グロブリン定常ドメインとを結合した抗体様分子を指す。構造的には、イムノアドヘシンは、所望の結合特異性を持ち、抗体の抗原認識及び結合部位以外である(即ち「異種の」)アミノ酸配列と、免疫グロブリン定常ドメイン配列との融合物を含む。イムノアドヘシン分子のアドへシン部分は、典型的には少なくともレセプター又はリガンドの結合部位を含む隣接アミノ酸配列である。イムノアドヘシンの免疫グロブリン定常ドメイン配列は、IgG−1、IgG−2、IgG−3又はIgG−4サブタイプ、IgA(IgA−1及びIgA−2を含む)、IgE、IgD又はIgMなどの任意の免疫グロブリンから得ることができる。
ここで意図している「活性な」及び「活性」とは、天然又は天然発生PROポリペプチドの生物学的及び/又は免疫学的活性を保持するPROの形態を意味し、「生物学的」活性とは、天然又は天然発生PROによって生ずる(阻害性又は刺激性の)生物学的機能であって、天然又は天然発生PROが有する抗原性エピトープに対して抗体を生成する能力を除くものを意味し、「免疫学的」活性とは、天然又は天然発生PROが有する抗原性エピトープに対して抗体を生成する能力を意味する。
【0039】
「アンタゴニスト」なる用語は最も広い意味で用いられ、ここに開示した天然PROポリペプチドの生物学的活性を阻止、阻害、又は中和する任意の分子を指す。同様に「アゴニスト」なる用語は最も広い意味で用いられ、ここに開示した天然PROポリペプチドの生物学的活性を模倣する任意の分子を指す。好適なアゴニスト又はアンタゴニスト分子は特に、アゴニスト又はアンタゴニスト抗体又は抗体断片、天然PROポリペプチドの断片又はアミノ酸配列変異体、ペプチド、有機小分子、などを含む。PROポリペプチドのアゴニスト又はアンタゴニストの同定方法は、PROポリペプチドを候補アンタゴニスト又はアゴニストと接触させ、PROポリペプチドに通常は関連している1つ又は複数の生物学的活性の変化を測定することを含みうる。
【0040】
ここで使用される「治療」とは、治癒的処置、予防的療法及び防止的療法の両方を意味し、患者は標的とする病理学的状態又はしっかんを防止又は低下(減少)させられる。治療が必要なものとは、既に疾患に罹っているもの、並びに疾患に罹りやすいもの又は疾患が防止されているものを含む。
「慢性」投与とは、急性様式とは異なり連続的な様式での薬剤を投与し、初期の治療効果(活性)を長時間に渡って維持することを意味する。「間欠」投与とは、中断無く連続的になされるのではなく、むしろ本質的に周期的になされる処理である。
治療の対象のための「哺乳動物」は、ヒト、家庭及び農業用動物、動物園、スポーツ、又はペット動物、例えばイヌ、ネコ、ウシ、ウマ、ヒツジ、ブタ、ウサギなどを含む哺乳類に分類される任意の動物を意味する。好ましくは、哺乳動物はヒトである。
1つ又は複数の治療薬と「組み合わせた」投与とは、同時(同時期)及び任意の順序での連続した投与を含む。
【0041】
ここで用いられる「担体」は、製薬的に許容されうる担体、賦形剤、又は安定化剤を含み、用いられる用量及び濃度でそれらに暴露される細胞又は哺乳動物に対して非毒性である。生理学的に許容されうる担体は、水性pH緩衝溶液であることが多い。生理学的に許容されうる担体の例は、リン酸塩、クエン酸塩、及び他の有機酸塩のバッファー;アスコルビン酸を含む酸化防止剤;低分子量(約10残基未満)ポリペプチド;タンパク質、例えば血清アルブミン、ゼラチン、又は免疫グロブリン;疎水性ポリマー、例えばポリビニルピロリドン;アミノ酸、例えばグリシン、グルタミン、アスパラギン、アルギニン又はリシン;グルコース、マンノース又はデキストランを含む単糖類、二糖類、及び他の炭水化物;EDTA等のキレート剤;マンニトール又は祖ルビトール等の糖アルコール;ナトリウム等の塩形成対イオン;及び/又は非イオン性界面活性剤、例えば、TWEEN(商品名)、ポリエチレングリコール(PEG)、及びPLURONICS(商品名)を含む。
【0042】
「抗体断片」は、無傷の抗体の一部、好ましくは無傷の抗体の抗原結合又は可変領域を含む。抗体断片の例は、Fab、Fab’、F(ab’)2、及びFv断片;ダイアボディ(diabodies);直鎖状抗体(Zapataら, Protein Eng. 8(10): 1057−1062 [1995]);一本鎖抗体分子;及び抗体断片から形成された多重特異性抗体を含む。
抗体のパパイン消化は、「Fab」断片と呼ばれる2つの同一の抗体結合断片を生成し、その各々は単一の抗原結合部位を持ち、残りは容易に結晶化する能力を反映して「Fc」断片と命名される。ペプシン処理はF(ab’)2断片を生じ、それは2つの抗原結合部位を持ち、抗原を交差結合することができる。
「Fv」は、完全な抗原認識及び結合部位を含む最小の抗体断片である。この領域は、密接に非共有結合した1本の重鎖と1本の軽鎖の可変領域の二量体からなる。この配置において各ドメインの3つのCDRが相互作用してVH−VLに量体の表面に抗原結合部位を決定する。正しくは、6つのCDRが抗体に対する抗原結合特異性を与える。しかしながら、単一の可変ドメイン(又は抗原に特異的な3つのCDRのみを含んでなるFvの半分)でさえ、結合部位全体よりは低い親和性であるが、抗原を認識し結合する能力を持つ。
【0043】
また、Fab断片は、軽鎖の定常ドメイン及び重鎖の第1の定常ドメイン(CH1)も含む。Fab断片は、抗体ヒンジ領域からの1つ又は複数のシステインを含む重鎖CH1ドメインのカルボキシ末端に幾つかの残基が付加されていることによりFab’断片と相違する。ここで、Fab’−SHは、定常ドメインのシステイン残基が遊離のチオール基を持つFab’を表す。F(ab’)2抗体断片は、最初はFab’断片の対として生成され、それらの間にヒンジシステインを有する。抗体断片の他の化学的結合も知られている。
任意の脊椎動物種からの抗体(免疫グロブリン)の「軽鎖」は、それらの定常ドメインのアミノ酸配列に基づいて、カッパ及びラムダと呼ばれる二つの明らかに異なる型の一方に分類される。
それらの重鎖の定常ドメインのアミノ酸配列によって、免疫グロブリンは異なるクラスに分類できる。免疫グロブリンの五つの主要なクラス:IgA、IgD、IgE、IgG及びIgMがあり、それらの幾つかは更にサブクラス(アイソタイプ)、例えばIgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA及びIgA2に分類される。
【0044】
「一本鎖Fv」又は「sFv」抗体断片は、抗体のVH及びVLドメインを含む抗体断片を含み、これらのドメインは単一のポリペプチド鎖に存在する。好ましくは、Fvポリペプチドは、sFvが抗原結合とって望ましい構造の形成を可能にする、VH及びVLドメイン間のポリペプチドリンカーを更に含む。sFvの概説については、The Pharmacology of Monoclonal Antibodies, vol. 113, Rosenburg及びMoore編, Springer−Verlag, New York, pp. 269−315 (1994)のPluckthunを参照のこと。
用語「ダイアボディ(diabodies)」は、二つの抗原結合部位を持つ小型の抗体断片を指し、その断片は同じポリペプチド鎖(VH−VL)内で軽鎖可変ドメイン(VL)に結合した重鎖可変ドメイン(VH)を含む。同じ鎖の二つのドメイン間に対形成するには短すぎるリンカーを用いることにより、ドメインは強制的に他の鎖の相補的ドメインと対形成して二つの抗原結合部位を生成する。ダイアボディは、例えば、欧州特許第404,097号;国際公開93/11161;及びHollingerら, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 90: 6444−6448 (1993)により十分に記載されている。
【0045】
「単離された」抗体は、その自然環境の成分から同定され分離及び/又は回収されたものである。その自然環境の汚染成分とは、その抗体の診断又は治療への使用を妨害する物質であり、酵素、ホルモン、及び他のタンパク質様又は非タンパク質様溶質が含まれる。好ましい実施態様において、抗体は、(1)ローリー法で測定した場合95%を越える抗体、最も好ましくは99重量%を越えるまで、(2)スピニングカップシークエネーターを使用することにより、少なくとも15残基のN末端あるいは内部アミノ酸配列を得るのに充分なほど、あるいは、(3)クーマシーブルーあるいは好ましくは銀染色を用いた非還元あるいは還元条件下でのSDS−PAGEによる均一性まで精製される。単離された抗体には、抗体の自然環境の少なくとも1つの成分が存在しないため、組換え細胞内のインサイツの抗体が含まれる。しかしながら、通常は、単離された抗体は少なくとも1つの精製工程により調製される。
「特異的に結合する」抗体、又は特定のポリペプチド又は特定のポリペプチド上のエピトープへ特異的な抗体とは、他のポリペプチド又はポリペプチドエピトープとは実質的に結合せずに、特定のポリペプチド又は特定のポリペプチド上のエピトープへ結合するものである。
【0046】
「標識」なる語は、ここで用いられる場合、「標識」抗体が生成されるように、抗体に直接又は間接的に抱合している検出可能な化合物又は組成物を意味する。標識は、それ自身検出可能でもよく(例えば、放射性標識又は蛍光標識)、又は酵素標識の場合、検出可能な基質化合物又は組成物の化学変換を触媒してもよい。
「固相」とは、本発明の抗体がそれに付着することのできる非水性マトリクスを意味する。ここに意図する固相の例は、部分的又は全体的に、ガラス(例えば、孔制御ガラス)、多糖類(例えばアガロース)、ポリアクリルアミド、ポリスチレン、ポリビニルアルコール及びシリコーンから形成されたものを含む。或る種の実施態様では、内容に応じて、固相はアッセイプレートのウェルを構成することができ;その他では精製カラム(例えばアフィニティクロマトグラフィーカラム)とすることもできる。また、この用語は、米国特許第4,275,149号に記載されたような、別個の粒子の不連続な固相も包含する。
「リポソーム」は、種々の型の脂質、リン脂質及び/又は界面活性剤からなる小型の小胞であり、哺乳動物への薬物(PROポリペプチド又はその抗体など)の輸送に有用である。リポソームの成分は、通常は生体膜の脂質配列に類似する二層形式に配列させる。
「小分子」とは、ここで、約500ダルトン未満の分子量を持つと定義される。
ここで開示されたポリペプチドの「有効量」、或いはそのアゴニスト又はアンタゴニストとは、特別に言及された目的を実行するために十分な量のことである。「有効量」とは、言及された目的に関連して、経験的及び常套的方法によって決定することができる。
【0047】
【0048】
【0049】
【0050】
【0051】
【0052】
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【0060】
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【0062】
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【0064】
【0065】
【0066】
【0067】
【0068】
II. 本発明の組成物と方法
A.完全長PROポリペプチド
本発明は、本出願でPROポリペプチドと呼ばれるポリペプチドをコードする新規に同定され単離された核酸配列を提供する。特に下記の実施例でさらに詳細に説明するように、種々のPROポリペプチドをコードするcDNAが同定され単離された。別々の発現ラウンドで生成されたタンパク質には異なるPRO番号が与えられるが、UNQ番号は全ての与えられたDNA及びコード化タンパク質に独特であり、変わることはないことを記しておく。しかしながら、単純化のために、本明細書において、ここに開示した完全長天然核酸分子にコードされるタンパク質並びに上記のPROの定義に含まれるさらなる天然相同体及び変異体は、それらの起源又は調製形式に関わらず、「PRO/番号」で呼称する。
下記の実施例に開示するように、種々のcDNAクローンがATCCに寄託されている。これらのクローンの正確なヌクレオチド配列は、この分野で日常的な方法を用いて寄託されたクローンを配列決定することにより容易に決定することができる。予測されるアミノ酸配列は、ヌクレオチド配列から常套的技量を用いて決定できる。ここに記載したPROポリペプチド及びコード化核酸について、本出願人は、現時点で入手可能な配列情報と最も良く一致するリーディングフレームであると考えられるものを同定した。
【0069】
B.PROポリペプチド変異体
ここに記載した完全長天然配列PROポリペプチドに加えて、PRO変異体も調製できると考えられる。PRO変異体は、PROポリペプチドDNAに適当なヌクレオチド変化を導入することにより、あるいは所望のPROポリペプチドを合成することにより調製できる。当業者は、グリコシル化部位の数又は位置の変化あるいは膜固着特性の変化などのアミノ酸変化がPROポリペプチドの翻訳後プロセスを変えうることを理解するであろう。
【0070】
天然完全長配列PRO又はここに記載したPROポリペプチドの種々のドメインにおける変異は、例えば、米国特許第5,364,934号に記載されている保存的及び非保存的変異についての任意の技術及び指針を用いてなすことができる。変異は、結果として天然配列PROと比較してPROポリペプチドのアミノ酸配列が変化するPROポリペプチドをコードする1つ又は複数のコドンの置換、欠失又は挿入であってよい。場合によっては、変異は少なくとも1つのアミノ酸のPROポリペプチドの1つ又は複数のドメインの任意の他のアミノ酸による置換である。いずれのアミノ酸残基が所望の活性に悪影響を与えることなく挿入、置換又は欠失されるかの指針は、PROポリペプチドの配列を相同性の知られたタンパク質分子の配列と比較し、相同性の高い領域内でなされるアミノ酸配列変化を最小にすることによって見出される。アミノ酸置換は、1つのアミノ酸の類似した構造及び/又は化学特性を持つ他のアミノ酸での置換、例えばロイシンのセリンでの置換、即ち保存的アミノ酸置換の結果とすることができる。挿入及び欠失は、場合によっては1から5のアミノ酸の範囲内とすることができる。許容される変異は、配列においてアミノ酸の挿入、欠失又は置換を系統的に作成し、得られた変異体を下記の実施例に記載するインビトロアッセイの任意のもので活性について試験することにより決定される。
【0071】
PROポリペプチド断片がここに提供される。このような断片は、例えば、完全長天然タンパク質と比較した際に、N−末端又はC−末端で切断されてもよく、又は内部残基を欠いていてもよい。或る種の断片は、PROポリペプチドの所望の生物学的活性に必須ではないアミノ酸残基を欠いている。
PRO断片は、多くの従来技術の任意のものによって調製してよい。所望のペプチド断片は化学合成してもよい。代替的方法は、酵素的消化、例えば特定のアミノ酸残基によって決定される部位のタンパク質を切断することが知られた酵素でタンパク質を処理することにより、あるいは適当な制限酵素でDNAを消化して所望の断片を単離することによるPRO断片の生成を含む。さらに他の好適な技術は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)により、所望のポリペプチド断片をコードするDNA断片を単離し増幅することを含む。DNA断片の所望の末端を決定するオリゴヌクレオチドは、PCRの5’及び3’プライマーで用いられる。好ましくは、PROポリペプチド断片は、ここに開示した天然PROポリペプチドと少なくとも1つの生物学的及び/又は免疫学的活性を共有する。
特別の実施態様では、対象とする保存的置換を、好ましい置換を先頭にして表6に示す。このような置換が生物学的活性の変化をもたらす場合、表6に例示的置換と名前を付けた又は以下にアミノ酸分類でさらに記載するように、より置換的な変化が導入され生成物がスクリーニングされる。
【0072】
【0073】
ポリペプチドの機能及び免疫学的同一性の置換的修飾は、(a)置換領域のポリペプチド骨格の構造、例えばシート又は螺旋配置、(b)標的部位の電荷又は疎水性、又は(c)側鎖の嵩を維持しながら、それらの効果において実質的に異なる置換基を選択することにより達成される。天然発生残基は共通の側鎖特性に基づいてグループに分けることができる:
(1)疎水性:ノルロイシン, met, ala, val, leu, ile;
(2)中性の親水性:cys, ser, thr;
(3)酸性:asp, glu;
(4)塩基性:asn, gln, his, lys, arg;
(5)鎖配向に影響する残基:gly, pro; 及び
(6)芳香族:trp, tyr, phe。
【0074】
非保存的置換は、これらの分類の一つのメンバーを他の分類に交換することを必要とするであろう。また、そのように置換された残基は、保存的置換部位、好ましくは残された(非保存)部位に導入されうる。
変異は、オリゴヌクレオチド媒介(部位特異的)突然変異誘発、アラニンスキャンニング、及びPCR突然変異誘発[Carterら, Nucl. Acids Res., 13: 4331 (1986); Zollerら, Nucl. Acids Res., 10: 6487 (1987)]、カセット突然変異誘発[Wellsら, Gene, 34: 315 (1985)]、制限的選択突然変異誘発[Wellsら, Philos. Trans. R. Soc. London SerA, 317: 415 (1986)]等のこの分野で知られた方法を用いてなすことができ、又は他の知られた技術をクローニングしたDNAに実施してPRO変異体DNAを作成することもできる。
【0075】
また、隣接配列に沿って1つ又は複数のアミノ酸を同定するのにスキャンニングアミノ酸分析を用いることができる。好ましいスキャンニングアミノ酸は比較的小さく、中性のアミノ酸である。そのようなアミノ酸は、アラニン、グリシン、セリン、及びシステインを含む。アラニンは、ベータ炭素を越える側鎖を排除し変異体の主鎖構造を変化させにくいので、この群の中で典型的に好ましいスキャンニングアミノ酸である[Cunningham及びWells, Science, 244: 1081−1085 (1989)]。また、アラニンは最もありふれたアミノ酸であるため典型的には好ましい。さらに、それは埋もれた及び露出した位置の両方に見られることが多い[Creighton, The Proteins, (W.H. Freeman & Co., N.Y.); Chothia, J. Mol. Biol., 150:1(1976)]。アラニン置換が十分な量の変異体を生じない場合は、アイソテリック(isoteric)アミノ酸を用いることができる。
【0076】
C.PROの修飾
PROポリペプチドの共有結合的修飾は本発明の範囲内に含まれる。共有結合的修飾の1つの型は、PROポリペプチドの標的とするアミノ酸残基を、PROポリペプチドの選択された側鎖又はN又はC末端残基と反応できる有機誘導体化試薬と反応させることである。二官能性試薬での誘導体化が、例えばPROを水不溶性支持体マトリクスあるいは抗−PRO抗体の精製方法又はその逆で用いるための表面に架橋させるのに有用である。通常用いられる架橋剤は、例えば、1,1−ビス(ジアゾアセチル)−2−フェニルエタン、グルタルアルデヒド、N−ヒドロキシスクシンイミドエステル、例えば4−アジドサリチル酸とのエステル、3,3’−ジチオビス(スクシンイミジルプロピオネート)等のジスクシンイミジルエステルを含むホモ二官能性イミドエステル、ビス−N−マレイミド−1,8−オクタン等の二官能性マレイミド、及びメチル−3−[(p−アジドフェニル)−ジチオ]プロピオイミダート等の試薬を含む。
【0077】
他の修飾は、グルタミニル及びアスパラギニル残基の各々対応するグルタミル及びアスパルチル残基への脱アミノ化、プロリン及びリシンのヒドロキシル化、セリル又はトレオニル残基のヒドロキシル基のリン酸化、リシン、アルギニン、及びヒスチジン側鎖のα−アミノ基のメチル化[T.E. Creighton, Proteins: Structure and Molecular Properties, W.H. Freeman & Co., San Francisco, pp.79−86 (1983)]、N末端アミンのアセチル化、及び任意のC末端カルボキシル基のアミド化を含む。
本発明の範囲内に含まれるPROポリペプチドの共有結合的修飾の他の型は、ポリペプチドの天然グリコシル化パターンの変更を含む。「天然グリコシル化パターンの変更」とは、ここで意図されるのは、天然配列PROに見られる1又は複数の炭水化物部分の欠失(存在するグリコシル化部位の除去又は化学的及び/又は酵素的手段によるグリコシル化の削除のいずれかによる)、及び/又は天然配列PROに存在しない1又は複数のグリコシル化部位の付加を意味する。さらに、この文節は、存在する種々の炭水化物部分の性質及び特性の変化を含む、天然タンパク質のグリコシル化における定性的変化を含む。
【0078】
PROポリペプチドへのグリコシル化部位の付加はアミノ酸配列の変更を伴ってもよい。この変更は、例えば、1又は複数のセリン又はトレオニン残基の天然配列PRO(O−結合グリコシル化部位)への付加、又は置換によってなされてもよい。PROアミノ酸配列は、場合によっては、DNAレベルでの変化、特に、PROポリペプチドをコードするDNAを予め選択された塩基において変異させ、所望のアミノ酸に翻訳されるコドンを生成させることを通して変更されてもよい。
PROポリペプチド上に炭水化物部分の数を増加させる他の手段は、グリコシドのポリペプチドへの化学的又は酵素的結合による。このような方法は、この技術分野において、例えば、1987年9月11日に発行された国際公開87/05330、及びAplin及びWriston, CRC Crit. Rev. Biochem., pp. 259−306 (1981)に記載されている。
【0079】
PROポリペプチド上に存在する炭水化物部分の除去は、化学的又は酵素的に、あるいはグルコシル化の標的として提示されたアミノ酸残基をコードするコドンの変異的置換によってなすことができる。化学的脱グリコシル化技術は、この分野で知られており、例えば、Hakimuddinら, Arch. Biochem. Biophys., 259:52 (1987)により、及びEdgeら, Anal. Biochem., 118: 131 (1981)により記載されている。ポリペプチド上の炭水化物部分の酵素的切断は、Thotakuraら, Meth. Enzymol. 138:350 (1987)に記載されているように、種々のエンド及びエキソグリコシダーゼを用いることにより達成される。
本発明のPROの共有結合的修飾の他の型は、PROポリぺプチドの、種々の非タンパク質様ポリマー、例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、又はポリオキシアルキレンの一つへの、米国特許第4,640,835号;第4,496,689号;第4,301,144号;第4,670,417号;第4,791,192号又は第4,179,337号に記載された方法での結合を含む。
また、本発明のPROポリペプチドは、他の異種ポリペプチド又はアミノ酸配列に融合したPROポリペプチドを含むキメラ分子を形成する方法で修飾してもよい。
【0080】
一実施態様では、このようなキメラ分子は、抗タグ抗体が選択的に結合できるエピトープを提供するタグポリペプチドとPROポリペプチドとの融合を含む。エピトープタグは、一般的にはPROポリペプチドのアミノ又はカルボキシル末端に位置する。このようなPROポリペプチドのエピトープタグ形態の存在は、タグポリペプチドに対する抗体を用いて検出することができる。また、エピトープタグの提供は、抗タグ抗体又はエピトープタグに結合する他の型の親和性マトリクスを用いたアフィニティ精製によってPROポリペプチドを容易に精製できるようにする。種々のタグポリペプチド及びそれら各々の抗体はこの分野で良く知られている。例としては、ポリ−ヒスチジン(ポリ−his)又はポリ−ヒスチジン−グリシン(poly−his−gly)タグ;flu HAタグポリペプチド及びその抗体12CA5[Fieldら, Mol. Cell. Biol., 8:2159−2165 (1988)];c−mycタグ及びそれに対する8F9、3C7、6E10、G4、B7及び9E10抗体[Evanら, Molecular and Cellular Biology, 5:3610−3616(1985)];及び単純ヘルペスウイルス糖タンパク質D(gD)タグ及びその抗体[Paborskyら, Protein Engineering, 3(6):547−553 (1990)]を含む。他のタグポリペプチドは、フラッグペプチド[Hoppら, BioTechnology, 6:1204−1210(1988)];KT3エピトープペプチド[Martinら, Science, 255:192−194 (1992)];α−チューブリンエピトープペプチド[Skinnerら, J. Biol. Chem., 266:15163−15166 (1991)];及びT7遺伝子10タンパク質ペプチドタグ[Lutz−Freyermuthら, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 87:6393−6397(1990)]を含む。
【0081】
それに換わる実施態様では、キメラ分子はPROの免疫グロブリン又は免疫グロブリンの特定領域との融合体を含んでもよい。キメラ分子の二価形態(「イムノアドヘシン」とも呼ばれる)については、そのような融合体はIgG分子のFc領域であり得る。Ig融合体は、好ましくはIg分子内の少なくとも1つの可変領域に換えてPROポリペプチドの可溶化(膜貫通ドメイン欠失又は不活性化)形態を含む。特に好ましい実施態様では、免疫グロブリン融合体は、IgG1分子のヒンジ、CH2及びCH3、又はヒンジ、CH1、CH2及びCH3領域を含む。免疫グロブリン融合体の製造については、1995年6月27日発行の米国特許第5,428,130号を参照のこと。
【0082】
D.PROの調製
以下の説明は、主として、PRO核酸を含むベクターで形質転換又は形質移入された細胞を培養することによりPROを生産する方法に関する。もちろん、当該分野においてよく知られている他の方法を用いてPROを調製することができると考えられる。例えば、PRO配列、又はその一部は、固相技術を用いた直接ペプチド合成によって生産してもよい[例えば、Stewartら, Solid−Phase Peptide Synthesis, W.H. Freeman Co., サン フランシスコ, カリフォルニア(1969);Merrifield, J. Am. Chem. Soc., 85:2149−2154 (1963)参照]。手動技術又は自動によるインビトロタンパク質合成を行ってもよい。自動合成は、例えば、アプライド・バイオシステムズ・ペプチド合成機(フォスター シティー, カリフォルニア)を用いて、製造者の指示により実施してもよい。PROの種々の部分は、別々に化学的に合成され、化学的又は酵素的方法を用いて結合させて完全長PROを生産してもよい。
【0083】
1.PROをコードするDNAの単離
PROをコードするDNAは、PROmRNAを保有していてそれを検出可能なレベルで発現すると考えられる組織から調製されたcDNAライブラリから得ることができる。従って、ヒトPRODNAは、実施例に記載されるように、ヒトの組織から調製されたcDNAライブラリから簡便に得ることができる。またPRO−コード化遺伝子は、ゲノムライブラリから又は公知の合成方法(例えば、自動化核酸合成)により得ることもできる。
ライブラリは、対象となる遺伝子あるいはその遺伝子によりコードされるタンパク質を同定するために設計されたプローブ(PROに対する抗体又は少なくとも約20−80塩基のオリゴヌクレオチド等)によってスクリーニングできる。選択されたプローブによるcDNA又はゲノムライブラリのスクリーニングは、例えばSambrookら, Molecular Cloning: A Laboratory Manual(New York: Cold Spring Harbor Laboratory Press, 1989)に記載されている標準的な手順を使用して実施することができる。PROをコードする遺伝子を単離する他の方法はPCR法を使用するものである[Sambrookら,上掲;Dieffenbachら, PCR Primer:A Laboratory Manual(Cold Spring Harbor Laboratory Press, 1995)]。
【0084】
下記の実施例には、cDNAライブラリのスクリーニング技術を記載している。プローブとして選択されたオリゴヌクレオチド配列は、充分な長さで、疑陽性が最小化されるよう充分に明瞭でなければならない。オリゴヌクレオチドは、スクリーニングされるライブラリ内のDNAとのハイブリダイゼーション時に検出可能であるように標識されていることが好ましい。標識化の方法は当該分野において良く知られており、32P標識されたATPのような放射線標識、ビオチン化あるいは酵素標識の使用が含まれる。中程度の厳密性及び高度の厳密性を含むハイブリダイゼーション条件は、上掲のSambrookらに示されている。
このようなライブラリースクリーニング法において同定された配列は、Genbankらの公共データベース又は個人の配列データベースに寄託され公衆に利用可能とされている周知の配列と比較及びアラインメントすることができる。分子の決定された領域内又は全長に渡っての(アミノ酸又は核酸レベルのいずれかでの)配列同一性は、当該分野で知られた、及びここに記載した方法を用いて決定することができる。
タンパク質コード化配列を有する核酸は、初めてここで開示された推定アミノ酸配列を使用し、また必要ならば、cDNAに逆転写されていないmRNAの生成中間体及び先駆物質を検出する上掲のSambrookらに記述されているような従来のプライマー伸展法を使用して選択されたcDNA又はゲノムライブラリをスクリーニングすることによって得られる。
【0085】
2.宿主細胞の選択及び形質転換
宿主細胞を、ここに記載したPRO生産のための発現又はクローニングベクターで形質移入又は形質転換し、プロモーターを誘導し、形質転換体を選択し、又は所望の配列をコードする遺伝子を増幅するために適当に変性された常套的栄養培地で培養する。培養条件、例えば培地、温度、pH等々は、過度の実験をすることなく当業者が選ぶことができる。一般に、細胞培養の生産性を最大にするための原理、プロトコール、及び実用技術は、Mammalian Cell Biotechnology: a Practical Approach, M.Butler編 (IRL Press, 1991)及びSambrookら, 上掲に見出すことができる。
【0086】
原核生物細胞形質移入及び真核生物細胞形質移入の方法、例えば、CaCl2、CaPO4、リポソーム媒介及びエレクトロポレーションは当業者に知られている。用いられる宿主細胞に応じて、その細胞に対して適した標準的な方法を用いて形質転換はなされる。前掲のSambrookらに記載された塩化カルシウムを用いるカルシウム処理又はエレクトロポレーションが、一般的に原核生物に対して用いられる。アグロバクテリウム・トゥメファシエンスによる感染が、Shawら, Gene, 23:315(1983)及び1989年6月29日公開の国際公開89/05859に記載されているように、或る種の植物細胞の形質転換に用いられる。このような細胞壁のない哺乳動物の細胞に対しては、Graham及びvan der Eb, Virology, 52:456−457 (1978)のリン酸カルシウム沈降法が好ましい。哺乳動物細胞の宿主系形質転換の一般的な態様は米国特許第4,399,216号に記載されている。酵母菌中への形質転換は、典型的には、Van Solingenら, J. Bact., 130:946 (1977)及びHsiaoら, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 76:3829 (1979)の方法に従って実施される。しかしながら、DNAを細胞中に導入する他の方法、例えば、核マイクロインジェクション、エレクトロポレーション、無傷の細胞、又はポリカチオン、例えばポリブレン、ポリオルニチン等を用いる細菌プロトプラスト融合もまた用いることもできる。哺乳動物細胞を形質転換するための種々の技術については、Keownら, Methods in Enzymology, 185:527−537 (1990)及び Mansourら, Nature, 336:348−352 (1988)を参照のこと。
【0087】
ここに記載のベクターにDNAをクローニングあるいは発現するために適切な宿主細胞は、原核生物、酵母菌、又は高等真核生物細胞である。適切な原核生物は、限定するものではないが、真正細菌、例えばグラム陰性又はグラム陽性生物体、例えば大腸菌のような腸内細菌科を含む。種々の大腸菌株が公衆に利用可能であり、例えば、大腸菌K12株MM294(ATCC31,446);大腸菌X1776(ATCC31,537);大腸菌株W3110(ATCC27,325)及びK5772(ATCC53,635)である。他の好ましい原核動物宿主細胞は、大腸菌、例えば、E. coli、エンテロバクター、エルビニア(Erwinia)、クレブシエラ(Klebsiella)、プロテウス(Proteus)、サルモネラ、例えば、ネズミチフス菌、セラチア、例えば、セラチア・マルセサンス(Serratia marcescans) 、及び赤痢菌などの腸内細菌科、並びに桿菌、例えばバチルス・スブチルス(B. subtilis)及びバチルス・リチェニフォルミス(B. licheniformis)(例えば、1989年4月12日発行のDD266,710に記載されたバチルス・リチェニフォルミス41P)、シュードモナス、例えば緑膿菌及びストレプトマイセスを含む。これらの例は限定ではなく例示である。株W3110は、組換えDNA生産物発酵のための共通の宿主株であるので一つの特に好ましい宿主又は親宿主である。好ましくは、宿主細胞は最小量のタンパク質分解酵素を分泌する。例えば、株W3110は、細胞に外来のタンパク質をコードする遺伝子における遺伝子変異をするように修飾してもよく、そのような宿主の例としては、完全な遺伝子型tonAを有する大腸菌W3110株1A2;完全な遺伝子型tonA ptr3を有する大腸菌W3110株9E4;完全な遺伝子型tonA ptr3 phoA E15(argF−lac)169 degP ompT kanrを有する大腸菌W3110株27C7(ATCC 55,244);完全な遺伝子型tonA ptr3 phoA E15 (argF−lac)169 degP ompT rbs7 ilvG kanrを有する大腸菌W3110株37D6;非カナマイシン耐性degP欠失変異を持つ37D6株である大腸菌W3110株40B4;及び1990年8月7日発行の米国特許第4,946,783号に開示された変異周辺質プロテアーゼを有する大腸菌株を含む。あるいは、クローニングのインビトロ法、例えばPCR又は他の核酸ポリメラーゼ反応が好ましい。
【0088】
原核生物に加えて、糸状菌又は酵母菌のような真核微生物は、PROコード化ベクターのための適切なクローニング又は発現宿主である。サッカロミセス・セレヴィシアは、通常用いられる下等真核生物宿主微生物である。他に、シゾサッカロミセス・プロンブ(Schizosaccharomyces prombe)(Beach及びNurse, Nature, 290: 140 [1981]; 1985年5月2日発行の欧州特許第139,383号);クルベロミセス宿主(Kluyveromyces hosts)(米国特許第4,943,529号; Fleerら, Bio/Technology, 9: 968−975 (1991))、例えばクルベロミセスラクチス(K. lactis)(MW98−8C, CBS683, CBS4574; Louvencourtら, J. Bacteriol.154(2): 737−742 [1983])、クルベロミセス・フラギリス(K. fragilis)(ATCC 12,424)、クルベロミセス・ブルガリクス(K. bulgaricus)(ATCC 16,045)、クルベロミセス・ウィケラミイ(K. wickeramii)(ATCC 24,178)、クルベロミセス・ワルチイ(K. waltii)(ATCC 56,500)、クルベロミセス・ドロソフィラルム(K. drosophilarum)(ATCC 36,906; Van den Bergら, Bio/Technology, 8: 135 (1990))、クルベロミセス・テモトレランス(K. thermotolerans)及びクルベロミセス・マルキシアナス(K. marxianus);ヤロウィア(yarrowia)(欧州特許第402,226号);ピチア・パストリス(Pichia pastoris)(欧州特許第183,070号; Sreekrishnaら, J. Basic Microbiol, 28: 265−278 [1988]);カンジダ;トリコデルマ・レーシア(Trichoderma reesia)(欧州特許第244,234号);アカパンカビ(Caseら, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 76: 5259−5263 [1979]);シュワニオマイセス(Schwanniomyces)、例えばシュワニオマイセス・オクシデンタリス(Schwanniomyces occidentalis)(1990年10月31日発行の欧州特許第394,538号);及び糸状真菌、例えば、ニューロスポラ、ペニシリウム、トリポクラジウム(Tolypocladium)(1991年1月10日発行の国際公開91/00357);及びアスペルギルス宿主、例えばアスペルギルスニダランス(Ballanceら, Biochem. Biophys. Res. Commun., 112: 284−289 [1983]; Tilburnら, Gene, 26: 205−221 [1983]; Yeltonら, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 81: 1470−1474 [1984])及びアスペルギルスニガー(Kelly及びHynes, EMBO J., 4: 475−479 [1985])が含まれる。ここで好ましいメチロトロピック(C1化合物資化性、Methylotropic)酵母は、これらに限られないが、ハンセヌラ(Hansenula)、カンジダ、クロエケラ(Kloeckera)、ピチア(Pichia)、サッカロミセス、トルロプシス(Torulopsis)、及びロドトルラ(Rhodotorula)からなる属から選択されたメタノールで成長可能な酵母を含む。この酵母の分類の例示である特定の種のリストは、C. Anthony, The Biochemistry of Methylotrophs, 269 (1982)に記載されている。
【0089】
グリコシル化PROの発現に適切な宿主細胞は、多細胞生物から誘導される。無脊椎動物細胞の例としては、ショウジョウバエS2及びスポドスペラSf9等の昆虫細胞並びに植物細胞が含まれる。有用な哺乳動物宿主株化細胞の例は、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)及びCOS細胞を含む。より詳細な例は、SV40によって形質転換されたサル腎臓CV1株 (COS−7,ATCC CRL 1651);ヒト胚腎臓株(293又は懸濁培養での増殖のためにサブクローン化された293細胞、Grahamら, J. Gen Virol., 36:59 (1977));チャイニーズハムスター卵巣細胞/−DHFR(CHO, Urlaub及びChasin, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 77:4216 (1980));マウスのセルトリ細胞(TM4, Mather, Biol. Reprod., 23:243−251 (1980))ヒト肺細胞 (W138,ATCC CCL 75); ヒト肝細胞 (Hep G2,HB 8065); 及びマウス乳房腫瘍細胞 (MMT 060562,ATCC CCL51)を含む。適切な宿主細胞の選択は、この分野の技術常識内にある。
【0090】
3.複製可能なベクターの選択及び使用
PROをコードする核酸(例えば、cDNA又はゲノムDNA)は、クローニング(DNAの増幅)又は発現のために複製可能なベクター内に挿入される。様々なベクターが公的に入手可能である。ベクターは、例えば、プラスミド、コスミド、ウイルス粒子、又はファージの形態とすることができる。適切な核酸配列が、種々の手法によってベクターに挿入される。一般に、DNAはこの分野で周知の技術を用いて適当な制限エンドヌクレアーゼ部位に挿入される。ベクター成分としては、一般に、これらに制限されるものではないが、1つ又は複数のシグナル配列、複製開始点、1つ又は複数のマーカー遺伝子、エンハンサーエレメント、プロモーター、及び転写終結配列を含む。これらの成分の1つ又は複数を含む適当なベクターの作成には、当業者に知られた標準的なライゲーション技術を用いる。
【0091】
PROは直接的に組換え手法によって生産されるだけではなく、シグナル配列あるいは成熟タンパク質あるいはポリペプチドのN−末端に特異的切断部位を有する他のポリペプチドである異種性ポリペプチドとの融合ペプチドとしても生産される。一般に、シグナル配列はベクターの成分であるか、ベクターに挿入されるPRO−コード化DNAの一部である。シグナル配列は、例えばアルカリフォスファターゼ、ペニシリナーゼ、lppあるいは熱安定性エンテロトキシンIIリーダーの群から選択された原核生物シグナル配列であってよい。酵母の分泌に関しては、シグナル配列は、酵母インベルターゼリーダー、アルファ因子リーダー(サッカロミセス(Saccharomyces)及びクルイベロマイシス(Kluyveromyces)α因子リーダーを含み、後者は米国特許第5,010,182号に記載されている)、又は酸ホスファターゼリーダー、カンジダ・アルビカンス(C.albicans)グルコアミラーゼリーダー(1990年4月4日発行の欧州特許第362179号)、又は1990年11月15日に公開された国際公開90/13646に記載されているシグナルであり得る。哺乳動物細胞の発現においては、哺乳動物シグナル配列は、同一あるいは関連ある種の分泌ポリペプチド由来のシグナル配列並びにウイルス分泌リーダーのようなタンパク質の直接分泌に使用してもよい。
【0092】
発現及びクローニングベクターは共に1つ又は複数の選択された宿主細胞においてベクターの複製を可能にする核酸配列を含む。そのような配列は多くの細菌、酵母及びウイルスに対してよく知られている。プラスミドpBR322に由来する複製開始点は大部分のグラム陰性細菌に好適であり、2μプラスミド開始点は酵母に適しており、様々なウイルス開始点(SV40、ポリオーマ、アデノウイルス、VSV又はBPV)は哺乳動物細胞におけるクローニングベクターに有用である。
発現及びクローニングベクターは、典型的には、選べるマーカーとも称される選択遺伝子を含む。典型的な選択遺伝子は、(a)アンピシリン、ネオマイシン、メトトレキセートあるいはテトラサイクリンのような抗生物質あるいは他の毒素に耐性を与え、(b)栄養要求性欠陥を補い、又は(c)例えばバシリのD−アラニンラセマーゼをコードする遺伝子のような、複合培地から得られない重要な栄養素を供給するタンパク質をコードする。
【0093】
哺乳動物細胞に適切な選べるマーカーの例は、DHFRあるいはチミジンキナーゼのようにPRO−コード化核酸を取り込むことのできる細胞成分を同定することのできるものである。野生型DHFRを用いた場合の好適な宿主細胞は、Urlaubらにより Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 77:4216 (1980)に記載されているようにして調製され増殖されたDHFR活性に欠陥のあるCHO株化細胞である。酵母菌中での使用に好適な選択遺伝子は酵母プラスミドYRp7に存在するtrp1遺伝子である[Stinchcombら, Nature, 282:39(1979);Kingsmanら, Gene, 7:141(1979);Tschemperら, Gene, 10:157(1980)]。trp1遺伝子は、例えば、ATCC番号44076あるいはPEP4−1のようなトリプトファン内で成長する能力を欠く酵母菌の突然変異株に対する選択マーカーを提供する[Jones, Genetics, 85:12 (1977)]。
発現及びクローニングベクターは、通常、PRO−コード化核酸配列に作用可能に結合し、mRNA合成を制御するプロモーターを含む。種々の可能な宿主細胞により認識される好適なプロモーターが知られている。原核生物宿主での使用に好適なプロモーターはβ−ラクタマーゼ及びラクトースプロモーター系[Changら, Nature, 275:615 (1978); Goeddelら, Nature, 281:544 (1979)]、アルカリフォスファターゼ、トリプトファン(trp)プロモーター系[Goeddel, Nucleic Acids Res., 8:4057 (1980); EP 36,776]、及びハイブリッドプロモーター、例えばtacプロモーター[deBoerら, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 80:21−25 (1983)]を含む。細菌系で使用するプロモータもまたPROをコードするDNAと作用可能に結合したシャイン−ダルガーノ(S.D.)配列を有する。
【0094】
酵母宿主と共に用いて好適なプロモーター配列の例としては、3−ホスホグリセラートキナーゼ[Hitzeman ら, J. Biol. Chem., 255:2073 (1980)]又は他の糖分解酵素[Hess ら, J. Adv. Enzyme Reg., 7:149 (1968);Holland, Biochemistry, 17:4900(1987)]、例えばエノラーゼ、グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ、ヘキソキナーゼ、ピルビン酸デカルボキシラーゼ、ホスホフルクトキナーゼ、グルコース−6−リン酸イソメラーゼ、3−ホスホグリセレートムターゼ、ピルビン酸キナーゼ、トリオセリン酸イソメラーゼ、ホスホグルコースイソメラーゼ、及びグルコキナーゼが含まれる。
他の酵母プロモーターとしては、成長条件によって転写が制御される付加的効果を有する誘発的プロモーターであり、アルコールデヒドロゲナーゼ2、イソチトクロムC、酸フォスファターゼ、窒素代謝と関連する分解性酵素、メタロチオネイン、グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ、及びマルトース及びガラクトースの利用を支配する酵素のプロモーター領域がある。酵母菌での発現に好適に用いられるベクターとプロモータは欧州特許第73,657号に更に記載されている。
【0095】
哺乳動物の宿主細胞におけるベクターからのPRO転写は、例えば、ポリオーマウィルス、伝染性上皮腫ウィルス(1989年7月5日公開のUK2,211,504)、アデノウィルス(例えばアデノウィルス2)、ウシ乳頭腫ウィルス、トリ肉腫ウィルス、サイトメガロウィルス、レトロウィルス、B型肝炎ウィルス及びサルウィルス40(SV40)のようなウィルスのゲノムから得られるプロモーター、異種性哺乳動物プロモーター、例えばアクチンプロモーター又は免疫グロブリンプロモーター、及び熱衝撃プロモーターから得られるプロモーターによって、このようなプロモーターが宿主細胞系に適合し得る限り制御される。
より高等の真核生物による所望のPROをコードするDNAの転写は、ベクター中にエンハンサー配列を挿入することによって増強され得る。エンハンサーは、通常は約10から300塩基対で、プロモーターに作用してその転写を増強するDNAのシス作動要素である。哺乳動物遺伝子由来の多くのエンハンサー配列が現在知られている(グロビン、エラスターゼ、アルブミン、α−フェトプロテイン及びインスリン)。しかしながら、典型的には、真核細胞ウィルス由来のエンハンサーが用いられるであろう。例としては、複製起点の後期側のSV40エンハンサー(100−270塩基対)、サイトメガロウィルス初期プロモーターエンハンサー、複製起点の後期側のポリオーマエンハンサー及びアデノウィルスエンハンサーが含まれる。エンハンサーは、PROコード化配列の5’又は3’位でベクター中にスプライシングされ得るが、好ましくはプロモーターから5’位に位置している。
【0096】
また真核生物宿主細胞(酵母、真菌、昆虫、植物、動物、ヒト、又は他の多細胞生物由来の有核細胞)に用いられる発現ベクターは、転写の終結及びmRNAの安定化に必要な配列も含む。このような配列は、真核生物又はウィルスのDNA又はcDNAの通常は5’、時には3’の非翻訳領域から取得できる。これらの領域は、PROをコードするmRNAの非翻訳部分にポリアデニル化断片として転写されるヌクレオチドセグメントを含む。
組換え脊椎動物細胞培養でのPROの合成に適応化するのに適切な他の方法、ベクター及び宿主細胞は、Gethingら, Nature, 293:620−625 (1981); Manteiら, Nature, 281:40−46 (1979);欧州特許第117,060号;及び欧州特許第117,058号に記載されている。
【0097】
4.遺伝子増幅/発現の検出
遺伝子の増幅及び/又は発現は、ここで提供された配列に基づき、適切に標識されたプローブを用い、例えば、従来よりのサザンブロット法、mRNAの転写を定量化するノーザンブロット法[Thomas, Proc. Natl. Acad. Sci. USA,77:5201−5205 (1980)]、ドットブロット法(DNA分析)、又はインサイツハイブリダイゼーション法によって、直接的に試料中で測定することができる。あるいは、DNA二本鎖、RNA二本鎖及びDNA−RNAハイブリッド二本鎖又はDNA−タンパク二本鎖を含む、特異的二本鎖を認識することができる抗体を用いることもできる。次いで、抗体を標識し、アッセイを実施することができ、ここで二本鎖は表面に結合しており、その結果二本鎖の表面での形成の時点でその二本鎖に結合した抗体の存在を検出することができる。
あるいは、遺伝子の発現は、遺伝子産物の発現を直接的に定量する免疫学的な方法、例えば細胞又は組織切片の免疫組織化学的染色及び細胞培養又は体液のアッセイによって、測定することもできる。試料液の免疫組織化学的染色及び/又はアッセイに有用な抗体は、モノクローナルでもポリクローナルでもよく、任意の哺乳動物で調製することができる。簡便には、抗体は、天然配列PROポリペプチドに対して、又はここで提供されるDNA配列をベースとした合成ペプチドに対して、又はPRO DNAに融合し特異的抗体エピトープをコードする外因性配列に対して調製され得る。
【0098】
5.ポリペプチドの精製
PROの形態は、培地又は宿主細胞の溶菌液から回収することができる。膜結合性であるならば、適切な洗浄液(例えばトリトン−X100)又は酵素的切断を用いて膜から引き離すことができる。PROの発現に用いられる細胞は、凍結融解サイクル、超音波処理、機械的破壊、又は細胞溶解剤などの種々の化学的又は物理的手段によって破壊することができる。
PROを、組換え細胞タンパク又はポリペプチドから精製することが望ましい。適切な精製手順の例である次の手順により精製される:すなわち、イオン交換カラムでの分画;エタノール沈殿;逆相HPLC;シリカ又はカチオン交換樹脂、例えばDEAEによるクロマトグラフィー;クロマトフォーカシング;SDS−PAGE;硫酸アンモニウム沈殿;例えばセファデックスG−75を用いるゲル濾過;IgGのような汚染物を除くプロテインAセファロースカラム;及びPROのエピトープタグ形態を結合させる金属キレート化カラムである。この分野で知られ、例えば、Deutscher, Methods in Enzymology, 182(1990);Scopes, Protein Purification: Principles and Practice, Springer−Verlag, New York (1982)に記載された多くのタンパク質精製方法を用いることができる。選ばれる精製過程は、例えば、用いられる生産方法及び特に生産される特定のPROの性質に依存する。
【0099】
E.PROの用途
PROをコードする核酸配列(又はそれらの補体)は、ハイブリダイゼーションプローブとしての使用を含む分子生物学の分野において、染色体及び遺伝子マッピングにおいて、及びアンチセンスRNA及びDNAの生成において種々の用途を有している。また、PRO核酸も、ここに記載される組換え技術によるPROポリペプチドの調製に有用である。
【0100】
完全長天然配列PRO遺伝子又はその一部は、全長PROcDNAの単離又はここに開示した天然PRO配列に対して所望の配列同一性を持つ更に他のcDNA(例えば、PROの天然発生変異体又は他の種からのPROをコードするもの)の単離のためのcDNAライブラリ用のハイブリダイゼーションプローブとして使用できる。場合によっては、プローブの長さは約20〜約50塩基である。ハイブリダイゼーションプローブは、少なくとも部分的に完全長天然ヌクレオチド配列の新規な領域から誘導してもよく、それらの領域は、過度の実験をすることなく、天然配列PROのプロモーター、エンハンサー成分及びイントロンを含むゲノム配列から誘導され得る。例えば、スクリーニング法は、PRO遺伝子のコード化領域を周知のDNA配列を用いて単離して約40塩基の選択されたプローブを合成することを含む。ハイブリダイゼーションプローブは、32P又は35S等の放射性ヌクレオチド、又はアビディン/ビオチン結合系を介してプローブに結合したアルカリホスファターゼ等の酵素標識を含む種々の標識で標識されうる。本発明のPRO遺伝子に相補的な配列を有する標識されたプローブは、ヒトcDNA、ゲノムDNA又はmRNAのライブラリーをスクリーニングし、そのライブラリーの何れのメンバーがプローブにハイブッド形成するかを決定するのに使用できる。ハイブリダイゼーション技術は、以下の実施例において更に詳細に記載する。
【0101】
本出願で開示する任意のESTはプローブと同様に、ここに記載した方法で用いることができる。
PRO核酸の他の有用な断片は、標的PRO mRNA(センス)又はPRO DNA(アンチセンス)配列に結合できる一本鎖核酸配列(RNA又はDNAのいずれか)を含むアンチセンス又はセンスオリゴヌクレオチドを含む。アンチセンス又はセンスオリゴヌクレオチドは、本発明によると、PRO DNAのコード化領域の断片を含む。このような断片は、一般的には少なくとも約14ヌクレオチド、好ましくは約14から30ヌクレオチドを含む。与えられたタンパク質をコードするcDNA配列に基づく、アンチセンス又はセンスオリゴヌクレオチドを制御する可能性は、例えば、Stein及びCohen(Cancer Res. 48: 2659: 1988)及び van der Krolら,(BioTechniques 6: 958, 1988)に記載されている。
【0102】
アンチセンス又はセンスオリゴヌクレオチドの標的核酸配列への結合は二重鎖の形成をもたらし、それは、二重鎖の分解の促進、転写又は翻訳の期外停止を含む幾つかの方法の一つ、又は他の方法により、標的配列の転写又は翻訳を阻止する。よって、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、PROタンパク質の発現を阻止するのに用いられる。アンチセンス又はセンスオリゴヌクレオチドは、修飾糖−ホスホジエステル骨格(又は他の糖結合、国際公開91/06629に記載のもの等)を有するオリゴヌクレオチドをさらに含み、そのような糖結合は内因性ヌクレアーゼ耐性である。そのような耐性糖結合を持つオリゴヌクレオチドは、インビボで安定であるが(即ち、酵素分解に耐えうるが)、標的ヌクレオチド配列に結合できる配列特異性は保持している。
センス又はアンチセンスオリゴヌクレオチドの他の例は、国際公開90/10048に記載されているもののような、有機部分、及びオリゴヌクレオチドの標的核酸配列への親和性を向上させる他の部分、例えばポリ−(L−リジン)に共有結合したオリゴヌクレオチドを含む。さらにまた、エリプチシン等の挿入剤、アルキル化剤又は金属錯体をセンス又はアンチセンスオリゴヌクレオチドに結合させ、アンチセンス又はセンスオリゴヌクレオチドの標的ヌクレオチド配列への結合特異性を改変してもよい。
【0103】
アンチセンス又はセンスオリゴヌクレオチドは、例えば、CaPO4−媒介DNA形質移入、エレクトロポレーションを含む任意の遺伝子転換方法により、又はエプスタイン−バーウイルスなどの遺伝子転換ベクターを用いることにより、標的核酸配列を含む細胞に導入される。好ましい方法では、アンチセンス又はセンスオリゴヌクレオチドは、適切なレトロウイルスベクターに挿入される。標的核酸配列を含む細胞は、インビボ又はエキソビボで組換えレトロウイルスベクターに接触させる。好適なレトロウイルスベクターは、これらに限られないが、マウスレトロウイルスM−MuLVから誘導されるもの、N2(M−MuLVから誘導されたレトロウイルス)、又はDCT5A、DCT5B及びDCT5Cと命名されたダブルコピーベクター(国際公開90/13641参照)を含む。
また、センス又はアンチセンスオリゴヌクレオチドは、国際公開91/04753に記載されているように、リガンド結合分子との複合体の形成により標的配列を含む細胞に導入してもよい。適切なリガンド結合分子は、これらに限られないが、細胞表面レセプター、成長因子、他のサイトカイン、又は細胞表面レセプターに結合する他のリガンドを含む。好ましくは、リガンド結合分子の複合体形成は、リガンド結合分子がその対応する分子又はレセプターに結合する、あるいはセンス又はアンチセンスオリゴヌクレオチド又はその複合体の細胞への侵入を阻止する能力を実質的に阻害しない。
【0104】
あるいは、センス又はアンチセンスオリゴヌクレオチドは、国際公開90/10448に記載されたように、オリゴヌクレオチド−脂質複合体の形成により標的核酸配列を含む細胞に導入してもよい。センス又はアンチセンスオリゴヌクレオチド−脂質複合体は、好ましくは内因性リパーゼにより細胞内で分解される。
アンチセンス又はセンスRNA又はDNA分子は一般に少なくとも約5塩基長、約10塩基長、約15塩基長、約20塩基長、約25塩基長、約30塩基長、約35塩基長、約40塩基長、約45塩基長、約50塩基長、約55塩基長、約60塩基長、約65塩基長、約70塩基長、約75塩基長、約80塩基長、約85塩基長、約90塩基長、約95塩基長、約100塩基長、あるいはそれ以上である。
また、プローブは、PCR技術に用いて、密接に関連したPROコード化配列の同定のための配列のプールを作成することができる。
また、PROをコードするヌクレオチド配列は、そのPROをコードする遺伝子のマッピングのため、及び遺伝子疾患を持つ個体の遺伝子分析のためのハイブリダイゼーションプローブの作成にも用いることができる。ここに提供されるヌクレオチド配列は、インサイツハイブリダイゼーション、既知の染色体マーカーに対する結合分析、及びライブラリーでのハイブリダイゼーションスクリーニング等の周知の技術を用いて、染色体及び染色体の特定領域にマッピングすることができる。
【0105】
PROのコード化配列が他のタンパク質に結合するタンパク質をコードする場合(例えば、PROがレセプターである場合)、PROは、結合相互作用に関与している他のタンパク質又は分子を同定するためのアッセイに用いることができる。このような方法により、レセプター/リガンド結合性相互作用の阻害剤を同定することができる。このような結合性相互作用に含まれるタンパク質も、ペプチド又は小分子阻害剤又は結合性相互作用のアゴニストのスクリーニングに用いることができる。また、レセプターPROは関連するリガンドの単離にも使用できる。スクリーニングアッセイは、天然PRO又はPROのレセプターの生物学的活性に似たリード化合物の発見のために設計される。このようなスクリーニングアッセイは、化学的ライブラリーの高スループットスクリーニングにも用いられ、小分子候補薬剤の同定に特に適したものとする。考慮される小分子は、合成有機又は無機化合物を含む。アッセイは、この分野で良く知られ特徴付けられているタンパク質−タンパク質結合アッセイ、生物学的スクリーニングアッセイ、免疫検定及び細胞ベースのアッセイを含む種々の型式で実施される。
【0106】
また、PRO又はその任意の修飾型をコードする核酸は、トランスジェニック動物又は「ノックアウト」動物のいずれかを産生することに使用でき、これらは治療的に有用な試薬の開発やスクリーニングに有用である。トランスジェニック動物(例えばマウス又はラット)とは、出生前、例えば胚段階で、その動物又はその動物の祖先に導入された導入遺伝子を含む細胞を有する動物である。導入遺伝子とは、トランスジェニック動物が発生する細胞のゲノムに組み込まれたDNAである。一実施形態では、PROをコードするcDNAは、PROをコードするDNAを発現する細胞を含むトランスジェニック動物を作製するために使用するゲノム配列及び確立された技術に基づいて、PROをコードするゲノムDNAをクローン化するために使用することができる。トランスジェニック動物、特にマウス又はラット等の特定の動物を産生する方法は、当該分野において常套的になっており、例えば米国特許第4,736,866号や第4,870,009号に記述されている。典型的には、特定の細胞を組織特異的エンハンサーでのPRO導入遺伝子の導入の標的にする。胚段階で動物の生殖系列に導入されたPROコード化導入遺伝子のコピーを含むトランスジェニック動物はPROをコードするDNAの増大した発現の影響を調べるために使用できる。このような動物は、例えばその過剰発現を伴う病理学的状態に対して保護をもたらすと思われる試薬のテスター動物として使用できる。本発明のこの態様においては、動物を試薬で治療し、導入遺伝子を有する未治療の動物に比べ病理学的状態の発症率が低ければ、病理学的状態に対する治療上の処置の可能性が示される。
【0107】
あるいは、PROの非ヒト相同体は、動物の胚幹細胞に導入されたPROをコードする変更ゲノムDNAと、PROをコードする内在性遺伝子との間の相同的組換えによって、PROをコードする欠陥又は変更遺伝子を有するPRO「ノックアウト」動物を作成するために使用できる。例えば、PROをコードするcDNAは、確立された技術に従い、PROをコードするゲノムDNAのクローニングに使用できる。PROをコードするゲノムDNAの一部を欠失したり、組み込みを監視するために使用する選択可能なマーカーをコードする遺伝子等の他の遺伝子で置換することができる。典型的には、ベクターは無変化のフランキングDNA(5’と3’末端の両方)を数キロベース含む[例えば、相同的組換えベクターについてはThomas及びCapecchi, Cell, 51:503(1987)を参照のこと]。ベクターは胚幹細胞に(例えばエレクトロポレーションによって)導入し、導入されたDNAが内在性DNAと相同的に組換えられた細胞が選択された[例えば、Liら, Cell, 69:915(1992)参照]。選択された細胞は次に動物(例えばマウス又はラット)の胚盤胞内に注入されて集合キメラを形成する[例えば、Bradley, Teratocarcinomas and Embryonic Stem Cells: A Practical Approach, E. J. Robertson, ed. (IRL, Oxford, 1987), pp. 113−152参照のこと]。その後、キメラ性胚を適切な偽妊娠の雌性乳母に移植し、期間をおいて「ノックアウト」動物を作り出す。胚細胞に相同的に組換えられたDNAを有する子孫は標準的な技術により同定され、それらを利用して動物の全細胞が相同的に組換えられたDNAを含む動物を繁殖させることができる。ノックアウト動物は、PROポリペプチドの欠乏によるある種の病理的状態及びその病理的状態の進行に対する防御能力によって特徴付けられる。
【0108】
また、PROポリペプチドをコードする核酸は遺伝子治療にも使用できる。遺伝子治療用途においては、例えば欠陥遺伝子を置換するため、治療的有効量の遺伝子産物のインビボ合成を達成するために遺伝子が導入される。「遺伝子治療」とは、1回の処理により継続的効果が達成される従来の遺伝子治療と、治療的に有効なDNA又はmRNAの1回又は繰り返し投与を含む遺伝子治療薬の投与の両方を含む。アンチセンスRNA及びDNAは、ある種の遺伝子のインビボ発現を阻止する治療薬として用いることができる。短いアンチセンスオリゴヌクレオチドを、細胞膜による制限された取り込みに起因する低い細胞内濃度にもかかわらず、それが阻害剤として作用する細胞中に移入できることは既に示されている(Zamecnikら, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 83: 4143−4146 [1986])。オリゴヌクレオチドは、それらの負に荷電したリン酸ジエステル基を非荷電基で置換することによって取り込みを促進するように修飾してもよい。
【0109】
生存可能な細胞に核酸を導入するための種々の技術が存在する。これらの技術は、核酸が培養細胞にインビトロで、あるいは意図する宿主の細胞においてインビボで移入されるかに応じて変わる。核酸を哺乳動物細胞にインビトロで移入するのに適した方法は、リポソーム、エレクトロポレーション、マイクロインジェクション、細胞融合、DEAE−デキストラン、リン酸カルシウム沈殿法などを含む。現在好ましいインビボ遺伝子移入技術は、ウイルス(典型的にはレトロウイルス)ベクターでの形質移入及びウイルス被覆タンパク質−リポソーム媒介形質移入である(Dzauら, Trends in Biotechnology 11, 205−210(1993))。幾つかの状況では、核酸供給源を、細胞表面膜タンパク質又は標的細胞に特異的な抗体、標的細胞上のレセプターに対するリガンド等の標的細胞を標的化する薬剤とともに提供するのが望ましい。リポソームを用いる場合、エンドサイトーシスを伴って細胞表面膜タンパク質に結合するタンパク質、例えば、特定の細胞型向性のキャプシドタンパク質又はその断片、サイクルにおいて内部移行を受けるタンパク質に対する抗体、細胞内局在化を標的とし細胞内半減期を向上させるタンパク質が、標的化及び/又は取り込みの促進のために用いられる。レセプター媒介エンドサイトーシスは、例えば、Wuら, J. Biol. Chem. 262, 4429−4432 (1987); 及びWagnerら, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 87, 3410−3414 (1990)によって記述されている。遺伝子作成及び遺伝子治療のプロトコールの概説については、Andersonら, Science 256, 808−813 (1992)を参照のこと。
【0110】
ここに記載したPROポリペプチドをタンパク質電気泳動目的の分子量マーカーとして用いてもよく、単離された核酸配列を、これらのマーカーを組み換え発現に用いてもよい。
ここに記載したPROポリペプチド又はその断片をコードする核酸分子は、染色体の同定に有用である。この点において、実際の配列に基づく染色体マーキング試薬は殆ど利用可能ではないため、新規な染色体マーカーの同定が必要である。本発明の各PRO核酸分子は染色体マーカーとして使用できる。
また、本発明のPROポリペプチド及び核酸分子は組織タイピングに使用でき、本発明のPROポリペプチドは、好ましくは同じ型の正常組織に比較して疾患性組織において、一方の組織で他方に比較して異なる発現をする。PRO核酸分子には、PCR、ノーザン分析、サザン分析及びウェスタン分析のプローブ生成のための用途が見出されるであろう。
【0111】
ここに記載したPROポリペプチドは治療薬として用いてもよい。本発明のPROポリペプチドは、製薬的に有用な組成物を調製するのに知られた方法に従って製剤され、これにより、このPRO生成物は製薬的に許容される担体媒体と混合される。治療用製剤は、凍結乾燥された製剤又は水性溶液の形態で、任意的な製薬上許容可能なキャリア、賦形剤又は安定剤と、所望の精製度を有する活性成分とを混合することにより(Remington’s Pharmaceutical Sciences, 16th edition, Osol, A. Ed., [1980])、調製され保管される。許容される担体、賦形剤又は安定剤は、用いる投与量及び濃度ではレシピエントに対して無毒性であり、リン酸、クエン酸及び他の有機酸等の緩衝液;アスコルビン酸を含む抗酸化剤;低分子量(残基数10個未満)ポリペプチド;血清アルブミン、ゼラチン又は免疫グロブリン等のタンパク質;ポリビニルピロリドン等の親水性重合体;グリシン、グルタミン、アスパラギン、アルギニン又はリシン等のアミノ酸;グルコース、マンノース又はデキストリン等の単糖類、二糖類又は他の炭水化物、EDTA等のキレート剤、マンニトール又はソルビトール等の糖類、ナトリウム等の塩形成対イオン;及び/又はTWEEN(商品名)、PLURONICS(商品名)又はポリエチレングリコール(PEG)等の非イオン性界面活性剤を含む。
【0112】
インビボ投与に使用される製剤は滅菌されていなくてはならない。これは、凍結乾燥及び再構成の前又は後に、滅菌フィルター膜を通す濾過により容易に達成される。
ここで、本発明の製薬組成物は一般に、無菌のアクセスポートを具備する容器、例えば、皮下注射針で貫通可能なストッパーを持つ静脈内バッグ又はバイアル内に配される。
投与経路は周知の方法、例えば、静脈内、腹膜内、脳内、筋肉内、眼内、動脈内又は病巣内経路での注射又は注入、局所投与、又は徐放系による。
本発明の製薬組成物の用量及び望ましい薬物濃度は、意図する特定の用途に応じて変化する。適切な用量又は投与経路の決定は、通常の内科医の技量の範囲内である。動物実験は、ヒト治療のための有効量の決定についての信頼できるガイダンスを提供する。有効量の種間スケーリングは、Toxicokinetics and New Drug Development, Yacobiら, 編, Pergamon Press, New York 1989, pp. 42−96のMordenti, J. 及びChappell, W. 「The use of interspecies scaling in toxicokinetics」に記載された原理に従って実施できる。
【0113】
PROポリペプチド又はそのアゴニスト又はアンタゴニストのインビボ投与が用いられる場合、正常な投与量は、投与経路に応じて、哺乳動物の体重当たり1日に約10ng/kgから100mg/kgまで、好ましくは約1μg/kg/日から10mg/kg/日である。特定の用量及び輸送方法の指針は文献に与えられている;例えば、米国特許第4,657,760号、第5,206,344号、又は第5,225,212号参照。異なる製剤が異なる治療用化合物及び異なる疾患に有効であること、例えば一つの器官又は組織を標的とする投与には、他の器官又は組織とは異なる方式で輸送することが必要であることが予想される。
PROポリペプチドの投与を必要とする任意の疾患又は疾病の治療に適した放出特性を持つ製剤でPROポリペプチドの持続放出が望まれる場合、PROポリペプチドのマイクロカプセル化が考えられる。持続放出のための組換えタンパク質のマイクロカプセル化は、ヒト成長ホルモン(rhGH)、インターフェロン−(rhIFN−)、インターロイキン−2、及びMN rgp120で成功裏に実施されている。Johnsonら, Nat. Med., 2: 795−799 (1996); Yasuda, Biomed. Ther., 27: 1221−1223 (1993); Horaら, Bio/Technology, 8: 755−758 (1990); Cleland, 「Design and Production of Single Immunization Vaccines Using Polylactide Polyglycolide Microsphere Systems」Vaccine Design: The Subunit and Adjuvant Approach, Powell 及び Newman編, (Plenum Press: New York, 1995), p.439−462; 国際公開97/03692,国際公開96/40072,国際公開96/07399;及び米国特許第5,654,010号。
【0114】
これらのタンパク質の持続放出製剤は、ポリ−乳酸−コグリコール酸(PLGA)ポリマーを用い、その生体適合性及び広範囲の生分解特性に基づいて開発された。PLGAの分解生成物である乳酸及びグリコール酸は、ヒト身体内で即座にクリアされる。さらに、このポリマーの分解性は、分子量及び組成に依存して数ヶ月から数年まで調節できる。Lewis, 「Controlled release of bioactive agents from lactide/glycolide polymer」: M. Chasin及び R. Langer (編), Biodegradable Polymers as Drug Delivery Systems (Marcel Dekker: New York, 1990), pp. 1−41。
本発明は、PROポリペプチドに類似する(アゴニスト)又はPROポリペプチドの効果を阻害する(アンタゴニスト)ものを同定するための化合物のスクリーニング方法も包含する。アンタゴニスト候補薬のスクリーニングアッセイは、ここに同定した遺伝子にコードされるPROポリペプチドと結合又は複合体形成する化合物、又は他にコード化ポリペプチドの他の細胞性タンパク質との相互作用を阻害する化合物を同定するために設計される。このようなスクリーニングアッセイは、それを特に小分子候補薬の同定に適したものにする、化学的ライブラリの高スループットスクリーニングに適用可能なアッセイを含む。
該アッセイは、タンパク質−タンパク質結合アッセイ、生化学的スクリーニングアッセイ、イムノアッセイ、及び細胞ベースのアッセイで、この分野で知られたものを含む種々の方式で実施される。
アンタゴニストについての全てのアッセイは、それらが候補薬をここで同定された核酸にコードされるPROポリペプチドと、これら2つの成分が相互作用するのに十分な条件下及び時間で接触させることを必要とすることにおいて共通する。
【0115】
結合アッセイにおいて、相互作用は結合であり、形成された複合体は単離されるか、又は反応混合物中で検出される。特別な実施態様では、ここに同定された遺伝子にコードされるPROポリペプチド又は候補薬が、共有又は非共有結合により固相、例えばミクロタイタープレートに固定化される。非共有結合は、一般的に固体表面をPROポリペプチドの溶液で被覆し乾燥させることにより達成される。あるいは、固定化されるPROポリペプチドに特異的な固定化抗体、例えばモノクローナル抗体を、それを固体表面に固着させるために用いることができる。アッセイは、固定化成分、例えば固着成分を含む被覆表面に、検出可能な標識で標識されていてもよい非固定化成分を添加することにより実施される。反応が完了したとき、未反応成分を例えば洗浄により除去し、固体表面に固着した複合体を検出する。最初の非固定化成分が検出可能な標識を有している場合、表面に固定化された標識の検出は複合体形成が起こったことを示す。最初の非固定化成分が標識を持たない場合は、複合体形成は、例えば、固定化された複合体に特異的に結合する標識抗体によって検出できる。
【0116】
候補化合物が相互作用するがここに同定した遺伝子にコードされる特定のPROポリペプチドに結合しない場合、そのポリペプチドとの相互作用は、タンパク質−タンパク質相互作用を検出するために良く知られている方法によってアッセイすることができる。そのようなアッセイは、架橋、同時免疫沈降、及び勾配又はクロマトグラフィーカラムを通す同時精製などの伝統的な手法を含む。さらに、タンパク質−タンパク質相互作用は、Chevray及びNathans[Proc.Natl. Acad. Sci. USA 89, 5789−5793 (1991)]に開示されているように、Fields及び共同研究者ら[Fields及びSong, Nature(London) 340, 245−246 (1989); Chienら, Proc.Natl. Acad. Sci. USA 88, 9578−9582 (1991)]に記載された酵母ベースの遺伝子系を用いることによってモニターすることができる。酵母GAL4などの多くの転写活性化剤は、2つの物理的に別個のモジュラードメインからなり、一方はDNA結合ドメインとして作用し、他方は転写活性化ドメインとして機能する。前出の文献に記載された酵母発現系(一般に「2−ハイブリッド系」と呼ばれる)は、この特性の長所を利用し、並びに2つのハイブリッドタンパク質を用い、一方では標的タンパク質がGAL4のDNA結合ドメインに融合し、他方では候補となる活性化タンパク質が活性化ドメインに融合している。GAL1−lacZリポーター遺伝子のGAL4活性化プロモーターの制御下での発現は、タンパク質−タンパク質相互作用を介したGAL4活性の再構成に依存する。相互作用するポリペプチドを含むコロニーは、β−ガラクトシダーゼに対する色素生産性物質で検出される。2−ハイブリッド技術を用いた2つの特定なタンパク質間のタンパク質−タンパク質相互作用を同定するための完全なキット(MATCHMAKER(商品名))は、Clontechから商業的に入手可能である。また、この系は、特定のタンパク質相互作用に含まれるタンパク質ドメインのマッピング、並びにこれら相互作用にとって重要なアミノ酸残基の特定へ拡大適用することができる。
【0117】
ここで同定されたPROポリペプチドをコードする遺伝子と細胞内又は細胞外成分との相互作用を阻害する化合物は、次のように試験できる:通常、反応混合物は、遺伝子産物と細胞外又は細胞内成分を、これら2つの生成物の相互作用及び結合が可能な条件下及び時間に渡って含むように調製される。候補化合物が結合を阻害する能力を試験するために、反応は試験化合物の不存在及び存在下で実施される。さらに、プラシーボを第3の反応混合物に添加してポジティブコントロールを提供してもよい。混合物中に存在する試験化合物と細胞内又は細胞外成分との結合(複合体形成)は上記のようにモニターされる。試験化合物を含有する反応混合物ではなく、コントロール反応における複合体の形成は、試験化合物が試験化合物とその結合パートナーとの相互作用を阻害することを示す。
【0118】
アンタゴニストをアッセイするためには、特定の活性についてスクリーニングされる化合物とともにPROポリペプチドを細胞へ添加してもよく、PROポリペプチド存在下における対象活性を阻害する化合物の能力は、化合物がPROポリペプチドのアンタゴニストであることを示す。あるいは、PROポリペプチドと膜結合PROポリペプチドレセプター又は組換えレセプターを有する潜在的アンタゴニストを競合的阻害アッセイに適した条件下で結合させることによって、アンタゴニストを検出してもよい。放射活性などでPROポリペプチドを標識することが可能であり、潜在的アンタゴニストの有効性を判断するためにレセプターに結合したPROポリペプチドの数を利用することができる。レセプターをコードする遺伝子は、当業者に知られた多くの方法、例えばリガンドパンニング及びFACSソートによって同定できる。Coliganら, Current Protocols in Immun., 1(2): 第5章(1991)。好ましくは、発現クローニングが用いられ、ポリアデニル化RNAがPROポリペプチドに反応性の細胞から調製され、このRNAから生成されたcDNAライブラリがプールに分配され、COS細胞又はPROポリペプチドに対して反応性ではない他の細胞の形質移入に使用される。スライドガラスで成長させた形質移入細胞を、標識したPROポリペプチドで暴露する。このPROポリペプチドは、ヨウ素化又は部位特異的タンパク質キナーゼの認識部位の封入を含む種々の手段で標識できる。固定及びインキュベーションの後、スライドにオートラジオグラフィ分析を施す。ポジティブプールを同定し、相互作用サブプール化及び再スクリーニング工程を用いてサブプールを調製して再形質移入し、最終的に推定レセプターをコードする単一のクローンを生成する。
【0119】
レセプター同定の代替的方法として、標識PROポリペプチドをレセプター分子を発現する細胞膜又は抽出調製物に光親和性結合させることができる。架橋材料をPAGEで溶解させ、X線フィルムへ暴露する。レセプターを含む標識複合体を励起し、ペプチド断片へ分解し、タンパク質マイクロ配列決定を施すことができる。マイクロ配列決定から得たアミノ酸配列は、推定レセプターをコードする遺伝子を同定するcDNAライブラリをスクリーニングする縮重オリゴヌクレオチドプローブの一組の設計に用いられる。
アンタゴニストの他のアッセイでは、レセプターを発現する哺乳動物細胞又は膜調製物を、候補化合物の存在下で標識PROポリペプチドとともにインキュベートする。次いで、この相互作用を促進又は阻止する化合物の能力を測定する。
潜在的なアンタゴニストのより特別な例は、免疫グロブリンとPROポリペプチドとの融合体に結合するオリゴヌクレオチド、特に、限られないが、ポリ−及びモノクローナル抗体及び抗体断片、一本鎖抗体、抗−イディオタイプ抗体、及びこれらの抗体又は断片のキメラ又はヒト化形態、並びにヒト抗体及び抗体断片を含む抗体を含んでいる。あるいは、潜在的アンタゴニストは、密接に関連したタンパク質、例えば、レセプターを認識するが効果を与えず、従ってPROポリペプチドの作用を競合的に阻害するPROポリペプチドの変異形態であってもよい。
【0120】
他の潜在的なPROポリペプチドアンタゴニストは、アンチセンス技術を用いて調製されたアンチセンスRNA又はDNA作成物であり、例えば、アンチセンスRNA又はDNA分子は、標的mRNAにハイブリッド形成してタンパク質翻訳を妨害することによりmRNAの翻訳を直接阻止するように作用する。アンチセンス技術は、トリプルへリックス形成又はアンチセンスDNA又はRNAを通して遺伝子発現を制御するのに使用でき、それらの方法はともに、ポリヌクレオチドのDNA又はRNAへの結合に基づく。例えば、ここでの成熟PROポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列の5’コード化部分は、約10から40塩基対長のアンチセンスRNAオリゴヌクレオチドの設計に使用される。DNAオリゴヌクレオチドは、転写に含まれる遺伝子の領域に相補的であるように設計され(トリプルへリックス−Leeら, Nucl, Acid Res., 6: 3073 (1979); Cooneyら, Science, 241: 456 (1988); Dervanら, Science, 251: 1360 (1991)参照)、それによりPROポリペプチドの転写及び生成を防止する。アンチセンスRNAオリゴヌクレオチドはインビボでmRNAにハイブリッド形成してmRNA分子のPROポリペプチドへの翻訳を阻止する(アンチセンス−Okano, Neurochem., 56: 560 (1991); Oligodeoxynucleotides as Antisense Inhibitors of Gene Expression (CRC Press: Boca Raton, FL, 1988))。上記のオリゴヌクレオチドは、細胞に輸送され、アンチセンスRNA又はDNAをインビボで発現させて、PROポリペプチドの生産を阻害することもできる。アンチセンスDNAが用いられる場合、翻訳開始部位、例えば標的遺伝子ヌクレオチド配列の−10から+10位置の間から誘導されるオリゴデオキシリボヌクレオチドが好ましい。
【0121】
潜在的アンタゴニストは、PROポリペプチドの活性部位、レセプター結合部位、又は成長因子又は他の関連結合部位に結合し、それによりPROポリペプチドの正常な生物学的活性を阻止する小分子を含む。小分子の例は、これらに限られないが、小型ペプチド又はペプチド様分子、好ましくは可溶性ペプチド、及び合成非ペプチジル有機又は無機化合物を含む。
リボザイムは、RNAの特異的切断を触媒できる酵素的RNA分子である。リボザイムは、相補的標的RNAへの配列特異的ハイブリッド形成、次いで内ヌクレオチド結合分解性切断により作用する。潜在的RNA標的内の特異的リボザイム切断部位は、既知の技術で同定できる。更なる詳細は、例えば、上掲のRossi, Current Biology 4:469−471 (1994)及びPCT公報番号、国際公開97/33551(1997年9月18日公開)を参照。
【0122】
転写阻害に用いられるトリプルヘリックス形成における核酸分子は一本鎖でデオキシヌクレオチドからなる。これらのオリゴヌクレオチドの基本組成は、フーグスチン塩基対則を介するトリプルヘリックス形成を促進するように設計され、それは一般に二重鎖の一方の鎖上のプリン又はピリミジンのサイズ変更可能な伸展を必要とする。さらなる詳細は、例えば、PCT公報番号、国際公開97/33551、上掲を参照。
これらの小分子は、上記で検討したスクリーニングアッセイの1つ又は複数の任意のものにより及び/又は当業者に良く知られた他の任意のスクリーニング技術により同定できる。
また、ここで開示されている分子の診断的及び治療的利用は、下記に開示及び記載のポジティブ機能アッセイヒットに基づいている。
【0123】
F.抗−PRO抗体
本発明は、さらに抗−PRO抗体を提供するものである。抗体の例としては、ポリクローナル、モノクローナル、ヒト化、二重特異性及びヘテロコンジュゲート抗体が含まれる。
【0124】
1.ポリクローナル抗体
抗−PRO抗体はポリクローナル抗体を含む。ポリクローナル抗体の調製方法は当業者に知られている。哺乳動物においてポリクローナル抗体は、例えば免疫剤、及び所望するのであればアジュバントを、1つ又は複数回注射することで発生させることができる。典型的には、免疫剤及び/又はアジュバントを複数回皮下又は腹腔内注射により、哺乳動物に注射する。免疫剤は、PROポリペプチド又はその融合タンパク質を含みうる。免疫剤を免疫化された哺乳動物において免疫原性が知られているタンパク質に抱合させるのが有用である。このような免疫原タンパク質の例は、これらに限られないが、キーホールリンペットヘモシアニン、血清アルブミン、ウシサイログロブリン及び大豆トリプシンインヒビターが含まれる。使用され得るアジュバントの例には、フロイント完全アジュバント及びMPL−TDMアジュバント(モノホスホリル脂質A、合成トレハロースジコリノミコラート)が含まれる。免疫化プロトコールは、過度の実験なく当業者により選択されるであろう。
【0125】
2.モノクローナル抗体
あるいは、抗−PRO抗体はモノクローナル抗体であってもよい。モノクローナル抗体は、Kohler及びMilstein, Nature, 256:495 (1975)に記載されているようなハイブリドーマ法を使用することで調製することができる。ハイブリドーマ法では、マウス、ハムスター又は他の適切な宿主動物を典型的には免疫剤により免疫化することで、免疫剤に特異的に結合する抗体を生成するか或いは生成可能なリンパ球を誘発する。あるいは、リンパ球をインビトロで免疫化することもできる。
【0126】
免疫剤は、典型的には対象とするPROポリペプチド又はその融合タンパク質を含む。一般にヒト由来の細胞が望まれる場合には末梢血リンパ球(「PBLs」)が使用され、あるいは非ヒト哺乳動物源が望まれている場合は、脾臓細胞又はリンパ節細胞が使用される。次いで、ポリエチレングリコール等の適当な融合剤を用いてリンパ球を不死化株化細胞と融合させ、ハイブリドーマ細胞を形成する[Goding, Monoclonal Antibodies: Principles and Practice, Academic Press, (1986) pp. 59−103]。不死化株化細胞は、通常は、形質転換した哺乳動物細胞、特に齧歯動物、ウシ、及びヒト由来の骨髄腫細胞である。通常、ラット又はマウスの骨髄腫株化細胞が使用される。ハイブリドーマ細胞は、好ましくは、未融合の不死化細胞の生存又は成長を阻害する一又は複数の物質を含有する適切な培地で培養される。例えば、親細胞が、酵素のヒポキサンチングアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ(HGPRT又はHPRT)を欠いていると、ハイブリドーマの培地は、典型的には、ヒポキサチン、アミノプチリン及びチミジンを含み(「HAT培地」)、この物質がHGPRT欠乏性細胞の増殖を阻止する。
【0127】
好ましい不死化株化細胞は、効率的に融合し、選択された抗体生成細胞による安定した高レベルの抗体発現を支援し、HAT培地のような培地に対して感受性である。より好ましい不死化株化細胞はマウス骨髄腫株であり、これは例えばカリフォルニア州サンディエゴのSalk Institute Cell Distribution Centerやヴァージニア州マナッサスのアメリカン・タイプ・カルチャー・コレクションより入手可能である。ヒトモノクローナル抗体を生成するためのヒト骨髄腫及びマウス−ヒト異種骨髄腫株化細胞も開示されている[Kozbor, J. Immunol., 133:3001 (1984)、Brodeurら, Monoclonal Antibody Production Techniques and Applications, Marcel Dekker, Inc., New York, (1987) pp. 51−63]。
次いでハイブリドーマ細胞が培養される培養培地を、PROに対するモノクローナル抗体の存在について検定する。好ましくは、ハイブリドーマ細胞によって生成されたモノクローナル抗体の結合特異性は免疫沈降又はラジオイムノアッセイ(RIA)や酵素結合免疫測定法(ELISA)等のインビトロ結合検定法によって測定する。このような技術及びアッセイは、当該分野において公知である。モノクローナル抗体の結合親和性は、例えばMunson及びPollard, Anal. Biochem., 107:220 (1980)によるスキャッチャード解析法によって測定することができる。
【0128】
所望のハイブリドーマ細胞が同定された後、クローンを限界希釈法によりサブクローニングし、標準的な方法で成長させることができる[Goding, 上掲]。この目的のための適当な培地には、例えば、ダルベッコの改変イーグル培地及びRPMI−1640倍地が含まれる。あるいは、ハイブリドーマ細胞は哺乳動物においてインビボで腹水として成長させることもできる。
サブクローンによって分泌されたモノクローナル抗体は、例えばプロテインA−セファロース法、ヒドロキシルアパタイトクロマトグラフィー法、ゲル電気泳動法、透析法又はアフィニティークロマトグラフィー等の従来の免疫グロブリン精製方法によって培養培地又は腹水液から単離又は精製される。
【0129】
また、モノクローナル抗体は、組換えDNA法、例えば米国特許第4,816,567号に記載された方法により作成することができる。本発明のモノクローナル抗体をコードするDNAは、常套的な方法を用いて(例えば、マウス抗体の重鎖及び軽鎖をコードする遺伝子に特異的に結合可能なオリゴヌクレオチドプローブを使用して)、容易に単離し配列決定することができる。本発明のハイブリドーマ細胞はそのようなDNAの好ましい供給源となる。ひとたび単離されたら、DNAは発現ベクター内に配することができ、これが宿主細胞、例えばサルCOS細胞、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、あるいは免疫グロブリンタンパク質を生成等しない骨髄腫細胞内に形質移入され、組換え宿主細胞内でモノクローナル抗体の合成をすることができる。また、DNAは、例えば相同マウス配列に換えてヒト重鎖及び軽鎖定常ドメインのコード配列を置換することにより[米国特許第4,816,567号;Morrisonら, 上掲]、又は免疫グロブリンコード配列に非免疫グロブリンポリペプチドのコード配列の一部又は全部を共有結合することにより修飾することができる。このような非免疫グロブリンポリペプチドは、本発明の抗体の定常ドメインに置換でき、あるいは本発明の抗体の1つの抗原結合部位の可変ドメインに置換でき、キメラ性二価抗体を生成する。
【0130】
抗体は一価抗体であってもよい。一価抗体の調製方法は当該分野においてよく知られてる。例えば、一つの方法は免疫グロブリン軽鎖と修飾重鎖の組換え発現を含む。重鎖は一般的に、重鎖の架橋を防止するようにFc領域の任意の点で切断される。あるいは、関連するシステイン残基を他のアミノ酸残基で置換するか欠失させて架橋を防止する。
一価抗体の調製にはインビトロ法がまた適している。抗体の消化による、その断片、特にFab断片の生成は、当該分野において知られている慣用的技術を使用して達成できる。
【0131】
3.ヒト及びヒト化抗体
本発明の抗−PRO抗体は、さらにヒト化抗体又はヒト抗体を含む。非ヒト(例えばマウス)抗体のヒト化形とは、キメラ免疫グロブリン、免疫グロブリン鎖あるいはその断片(例えばFv、Fab、Fab’、F(ab’)2あるいは抗体の他の抗原結合サブ配列)であって、非ヒト免疫グロブリンに由来する最小配列を含むものである。ヒト化抗体はレシピエントの相補性決定領域(CDR)の残基が、マウス、ラット又はウサギのような所望の特異性、親和性及び能力を有する非ヒト種(ドナー抗体)のCDRの残基によって置換されたヒト免疫グロブリン(レシピエント抗体)を含む。幾つかの例では、ヒト免疫グロブリンのFvフレームワーク残基は、対応する非ヒト残基によって置換されている。また、ヒト化抗体は、レシピエント抗体にも、移入されたCDRもしくはフレームワーク配列にも見出されない残基を含んでいてもよい。一般に、ヒト化抗体は、全てあるいはほとんど全てのCDR領域が非ヒト免疫グロブリンのものに対応し、全てあるいはほとんど全てのFR領域がヒト免疫グロブリンコンセンサス配列のものである、少なくとも1つ、典型的には2つの可変ドメインの実質的に全てを含む。ヒト化抗体は、最適には免疫グロブリン定常領域(Fc)、典型的にはヒトの免疫グロブリンの定常領域の少なくとも一部を含んでなる[Jonesら, Nature, 321:522−525 (1986); Riechmannら, Nature, 332:323−329 (1988); 及びPresta, Curr. Op Struct. Biol., 2:593−596 (1992)]。
【0132】
非ヒト抗体をヒト化する方法はこの分野でよく知られている。一般的に、ヒト化抗体には非ヒト由来の1つ又は複数のアミノ酸残基が導入される。これら非ヒトアミノ酸残基は、しばしば、典型的には「移入」可変ドメインから得られる「移入」残基と称される。ヒト化は基本的に齧歯動物のCDR又はCDR配列でヒト抗体の該当する配列を置換することによりウィンター(Winter)及び共同研究者[Jonesら, Nature, 321:522−525 (1986);Riechmannら, Nature, 332:323−327 (1988);Verhoeyenら, Science, 239:1534−1536 (1988)]の方法に従って実施される。よって、このような「ヒト化」抗体は、無傷のヒト可変ドメインより実質的に少ない分が非ヒト種由来の対応する配列で置換されたキメラ抗体(米国特許第4,816,567号)である。実際には、ヒト化抗体は典型的には幾つかのCDR残基及び場合によっては幾つかのFR残基が齧歯類抗体の類似する部位からの残基によって置換されたヒト抗体である。
【0133】
また、ヒト抗体は、ファージ表示ライブラリ[Hoogenboom及びWinter, J. Mol. Biol., 227:381(1991);Marksら, J. Mol. Biol., 222:581 (1991)]を含むこの分野で知られた種々の方法を用いて作成することもできる。また、Coleら及びBoernerらの方法も、ヒトモノクローナル抗体の調製に利用することができる[Coleら, Monoclonal Antibodies and Cancer Therapy, Alan R. Liss. p.77(1985)及びBoernerら, J. Immunol., 147(1):86−95(1991) ]。同様に、ヒト抗体はヒト免疫グロブリン座位をトランスジェニック動物、例えば内在性免疫グロブリン遺伝子は部分的又は完全に不活性化されたマウスに導入することにより産生することができる。投与の際に、遺伝子再配列、組立、及び抗体レパートリーを含むあらゆる観点においてヒトに見られるものに非常に類似しているヒト抗体の生産が観察される。このアプローチは、例えば米国特許第5,545,807号;同第5,545,806号;同第5,569,825号;同第5,625,126号;同第5,633,425号;同第5,661,016号、及び次の科学文献:Marksら, Bio/Technology 10, 779−783 (1992); Lonbergら, Nature 368 856−859 (1994); Morrison, Nature 368, 812−13 (1994); Fishwildら, Nature Biotechnology 14, 845−51 (1996); Neuberger, Nature Biotechnology 14, 826 (1996); Lonberg及びHuszar, Intern. Rev. Immunol. 13 65−93 (1995)に記載されている。
【0134】
また、抗体は、上記に記載のような既知の選択及び/又は突然変異誘発法を利用して親和的に成熟している。好ましい親和性成熟抗体は、5倍、より好ましくは10倍、さらにより好ましくは20又は30倍も成熟抗体の調製の元である出発抗体(一般的には、マウス、ヒト化又はヒト)より高い親和性を有する。
【0135】
4.二重特異性抗体
二重特異性抗体は、少なくとも2つの異なる抗原に対して結合特異性を有するモノクローナル抗体、好ましくはヒトもしくはヒト化抗体である。本発明の場合においては、結合特異性の一方はPROに対してであり、他方は任意の他の抗原、好ましくは細胞表面タンパク質又はレセプター又はレセプターサブユニットに対してである。
二重特異性抗体を作成する方法は当該技術分野において周知である。伝統的には、二重特異性抗体の組換え生産は、二つの重鎖が異なる特異性を持つ二つの免疫グロブリン重鎖/軽鎖対の同時発現に基づく[Milstein及びCuello, Nature, 305:537−539 (1983)]。免疫グロブリンの重鎖と軽鎖を無作為に取り揃えるため、これらハイブリドーマ(クアドローマ)は10種の異なる抗体分子の潜在的混合物を生成し、その内の一種のみが正しい二重特異性構造を有する。正しい分子の精製は、アフィニティークロマトグラフィー工程によって通常達成される。同様の手順が1993年5月13日公開の国際公開93/08829、及びTrauneckerら, EMBO J.,10:3655−3659 (1991)に開示されている。
【0136】
所望の結合特異性(抗体−抗原結合部位)を有する抗体可変ドメインを免疫グロブリン定常ドメイン配列に融合できる。融合は、好ましくは少なくともヒンジ部、CH2及びCH3領域の一部を含む免疫グロブリン重鎖定常ドメインとのものである。少なくとも一つの融合には軽鎖結合に必要な部位を含む第一の重鎖定常領域(CH1)が存在することが望ましい。免疫グロブリン重鎖融合をコードするDNA、及び望むのであれば免疫グロブリン軽鎖を、別々の発現ベクターに挿入し、適当な宿主生物に同時形質移入する。二重特異性抗体を作成するための更なる詳細については、例えばSureshら, Methods in Enzymology, 121:210(1986)を参照されたい。
国際公開96/27011に記載された他の方法によれば、一対の抗体分子間の界面を操作して組換え細胞培養から回収される異種二量体の割合を最大にすることができる。好適な界面は抗体定常ドメインのCH3領域の少なくとも一部を含む。この方法では、第1抗体分子の界面からの1つ又は複数の小さいアミノ酸側鎖がより大きな側鎖(例えばチロシン又はトリプトファン)と置き換えられる。大きな側鎖と同じ又は類似のサイズの相補的「キャビティ」を、大きなアミノ酸側鎖を小さいもの(例えばアラニン又はスレオニン)と置き換えることにより第2の抗体分子の界面に作り出す。これにより、ホモダイマーのような不要の他の最終産物に対してヘテロダイマーの収量を増大させるメカニズムが提供される。
【0137】
二重特異性抗体は、全長抗体又は抗体断片(例えば、F(ab’)2二重特異性抗体)として調製できる。抗体断片から二重特異性抗体を産生する技術もまた文献に記載されている。例えば、化学結合を使用して二重特異性抗体を調製することができる。Brennanら, Science, 229:81 (1985) は無傷の抗体をタンパク分解性に切断してF(ab’)2断片を産生する手順を記述している。これらの断片は、ジチオール錯体形成剤亜砒酸ナトリウムの存在下で還元して近接ジチオールを安定化させ、分子間ジスルフィド形成を防止する。産生されたFab’断片はついでチオニトロベンゾアート(TNB)誘導体に転換される。Fab’−TNB誘導体の一つをついでメルカプトエチルアミンでの還元によりFab’−チオールに再転換し、他のFab’−TNB誘導体の等モル量と混合して二重特異性抗体を形成する。作られた二重特異性抗体は酵素の選択的固定化用の薬剤として使用することができる。
大腸菌からFab’断片を直接回収でき、これは化学的に結合して二重特異性抗体を形成することができる。Shalabyら, J. Exp. Med., 175:217−225 (1992)は完全にヒト化された二重特異性抗体F(ab’)2分子の製造を記述している。各Fab’断片は大腸菌から別個に分泌され、インビトロで定方向化学共役を受けて二重特異性抗体を形成する。このようにして形成された二重特異性抗体は、正常なヒトT細胞及びErbB2レセプターを過剰発現する細胞に結合可能で、ヒト乳房腫瘍標的に対するヒト細胞障害性リンパ球の細胞溶解活性の誘因となる。
【0138】
組換え細胞培養から直接的に二重特異性抗体断片を作成し分離する様々な方法もまた記述されている。例えば、二重特異性抗体はロイシンジッパーを使用して生産されている。Kostelnyら, J.Immunol. 148(5):1547−1553 (1992)。Fos及びJunタンパク質からのロイシンジッパーペプチドを遺伝子融合により二つの異なった抗体のFab’部分に結合させる。抗体ホモダイマーをヒンジ領域で還元してモノマーを形成し、ついで再酸化して抗体ヘテロダイマーを形成する。この方法はまた抗体ホモダイマーの生産に対して使用することができる。Hollingerら, Proc.Natl.Acad.Sci. USA, 90:6444−6448 (1993)により記述された「ダイアボディ」技術は二重特異性抗体断片を作成する別のメカニズムを提供した。断片は、同一鎖上の2つのドメイン間の対形成を可能にするには十分に短いリンカーにより軽鎖可変ドメイン(VL)に重鎖可変ドメイン(VH)を結合してなる。従って、一つの断片のVH及びVLドメインは他の断片の相補的VL及びVHドメインと強制的に対形成させられ、2つの抗原結合部位を形成する。単鎖Fv(sFv)ダイマーの使用により二重特異性抗体断片を製造する他の方策もまた報告されている。Gruberら, J.Immunol. 152:5368 (1994)を参照されたい。
二価より多い抗体も考えられる。例えば、三重特異性抗体を調製することができる。Tuttら J.Immunol. 147:60(1991)。
【0139】
例示的な二重特異性抗体は、ここに与えられたPROポリペプチドの2つの異なるエピトープに結合しうる。あるいは、抗−PROポリペプチドのアームは、特定のPROポリペプチド発現細胞に細胞防御メカニズムを集中させるように、T細胞レセプター分子(例えばCD2、CD3、CD28、又はB7)等の白血球上のトリガー分子又はFcγRI(CD64)、FcγRII(CD32)及びFcγRIII(CD16)等のIgG(FcγR)に対するFcレセプターに結合するアームと結合しうる。また、二重特異性抗体は特定のPROポリペプチドを発現する細胞に細胞毒性薬を局在化させるためにも使用されうる。これらの抗体はPRO結合アーム及び細胞毒性薬又は放射性キレート化剤、例えばEOTUBE、DPTA、DOTA、又はTETAと結合するアームを有する。興味の対象となる他の二重特異性抗体はPROポリペプチドに結合し、そしてさらに組織因子(TF)に結合する。
【0140】
5.ヘテロコンジュゲート抗体
ヘテロコンジュゲート抗体もまた本発明の範囲に入る。ヘテロコンジュゲート抗体は、2つの共有結合した抗体からなる。このような抗体は、例えば、免疫系細胞を不要な細胞に対してターゲティングさせるため[米国特許第4,676,980号]及びHIV感染の治療のために[国際公開91/00360;国際公開92/200373;EP03089]提案されている。この抗体は、架橋剤に関連したものを含む合成タンパク化学における既知の方法を使用して、インビトロで調製することができると考えられる。例えば、ジスルフィド交換反応を使用するか又はチオエーテル結合を形成することにより、免疫毒素を作成することができる。この目的に対して好適な試薬の例には、イミノチオレート及びメチル−4−メルカプトブチリミデート、及び例えば米国特許第4,676,980号に開示されたものが含まれる。
【0141】
6.エフェクター機能の加工
本発明の抗体をエフェクター機能について改変し、例えば癌治療における抗体の有効性を向上させることが望ましい。例えば、システイン残基をFc領域に導入し、それにより、この領域に鎖間ジスルフィド結合を形成するようにしてもよい。そのようにして生成された同種二量体抗体は、向上した内部移行能力及び/又は増加した補体媒介細胞殺傷及び抗体−依存性細胞性細胞毒性(ADCC)を有する可能性がある。Caronら, J. Exp. Med. 176: 1191−1195 (1992)及びShopes, J. Immunol. 148: 2918−2922 (1992)参照。また、向上した抗腫瘍活性を持つ同種二量体抗体は、Wolffら, Cancer Research 53: 2560−2565 (1993)に記載されている異種二官能性架橋を用いて調製することができる。あるいは、抗体は、2つのFc領域を有するように加工して、それにより補体溶解及びADCC能力を向上させることもできる。Stevensonら, Anti−Cancer Drug Design 3: 219−230 (1989)参照。
【0142】
7.免疫コンジュゲート
また、本発明は、化学治療薬、毒素(例えば、細菌、真菌、植物又は動物由来の酵素活性毒素、又はその断片)などの細胞毒性薬、あるいは放射性同位体(即ち、放射性コンジュゲート)と抱合している抗体を含む免疫複合体に関する。
このような免疫複合体の生成に有用な化学治療薬を上に記載した。用いることのできる酵素活性毒素及びその断片には、ジフテリアA鎖、ジフテリア毒素の非結合活性断片、(緑膿菌からの)外毒素A鎖、リシンA鎖、アブリンA鎖、モデクシン(modeccin)A鎖、アルファ−サルシン、アレウリテス・フォーディ(Aleurites fordii)タンパク質、ジアンチン(dianthin)タンパク質、フィトラカ・アメリカーナ(Phytolaca americana)タンパク質(PAPI、PAPII、及びPAP−S)、モモルディカ・チャランチア(momordica charantia)インヒビター、クルシン(curcin)、クロチン(crotin)、サパオナリア・オフィシナリス(sapaonaria officinalis)インヒビター、ゲロニン(gelonin)、ミトゲリン(mitogellin)、レストリクトシン(restrictocin)、フェノマイシン(phenomycin)、エノマイシン(enomycin)及びトリコテセン(tricothecene)が含まれる。放射性コンジュゲート抗体の生成には、様々な放射性ヌクレオチドが利用可能である。例としては、212Bi、131I、131In、90Y及び186Reが含まれる。
【0143】
抗体及び細胞毒性薬の複合体は、種々の二官能性タンパク質カップリング剤、例えば、N−スクシンイミジル−3−(2−ピリジルジチオール)プロピオネート(SPDP)、イミノチオラン(IT)、イミドエステルの二官能性誘導体(ジメチルアジピミデートHCL等)、活性エステル(ジスクシンイミジルスベレート等)、アルデヒド(グルタルアルデヒド等)、ビス−アジド化合物(ビス(p−アジドベンゾイル)ヘキサンジアミン等)、ビス−ジアゾニウム誘導体(ビス−(p−ジアゾニウムベンゾイル)−エチレンジアミン等)、ジイソシアネート(トリエン2,6−ジイソシアネート等)、及びビス−活性フッ素化合物(1,5−ジフルオロ−2,4−ジニトロベンゼン等)を用いて作成できる。例えば、リシン免疫毒素は、Vitettaら, Science 238: 1098 (1987)に記載されているように調製することができる。カーボン−14−標識1−イソチオシアナトベンジル−3−メチルジエチレントリアミン五酢酸(MX−DTPA)は、放射性ヌクレオチドの抗体への抱合のためのキレート剤の例である。国際公開94/11026参照。
他の実施態様では、腫瘍の予備標的化で使用するために、抗体は「レセプター」(ストレプトアビジン等)に抱合されてもよく、抗体−レセプター複合体は患者に投与され、次いで清澄化剤を用いて未結合複合体を循環から除去し、次に細胞毒性薬(例えば、放射性ヌクレオチド等)に抱合された「リガンド」(アビジン等)を投与する。
【0144】
8.免疫リポソーム
また、ここに開示する抗体は、免疫リポソームとして調製してもよい。抗体を含むリポソームは、Epsteinら, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 82: 3688 (1985);Hwangら, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 77: 4030 (1980); 及び米国特許第4,485,045号及び第4,544,545号に記載されたような、この分野で知られた方法で調製される。向上した循環時間を持つリポソームは、米国特許第5,013,556号に開示されている。
特に有用なリポソームは、ホスファチジルコリン、コレステロール及びPEG−誘導ホスファチジルエタノールアミン(PEG−PE)を含む脂質組成物での逆相蒸発法によって生成される。リポソームは、所定サイズのフィルターを通して押し出され、所望の径を有するリポソームが生成される。本発明の抗体のFab’断片は、Martinら, J. Biol. Chem. 257: 286−288 (1982)に記載されているように、ジスルフィド交換反応を介してリポソームに抱合され得る。化学治療薬(ドキソルビシン等)は、場合によってはリポソーム内に包含される。Gabizonら, J. National Cancer Inst. 81(19) 1484 (1989)参照。
【0145】
9.抗体の製薬組成物
ここで同定されるPROポリペプチドに特異的に結合する抗体、並びに上記に開示したスクリーニングアッセイによって同定された他の分子は、種々の疾患の治療のために、製薬組成物の形態で投与することができる。
PROポリペプチドが細胞内にあり、全抗体が阻害剤として用いられる場合、取り込める抗体が好ましい。しかし、リポフェクション又はリポソームも抗体、又は抗体断片を細胞に導入するのために使用できる。抗体断片が用いられる場合、標的タンパク質の結合ドメインに特異的に結合する最小阻害断片が好ましい。例えば、抗体の可変領域配列に基づいて、標的タンパク質配列に結合する能力を保持したペプチド分子が設計できる。このようなペプチドは、化学的に合成でき、又は組換えDNA技術によって生成できる。例えば、Marascoら, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90, 7889−7893 (1993)参照。ここでの製剤は、治療すべき特定の徴候に必要な場合に1つ以上の活性化合物、好ましくは互いに悪影響を及ぼさない相補的活性を持つものも含んでよい。あるいは、又はそれに加えて、組成物は、細胞毒性薬、サイトカイン又は成長阻害剤を含んでもよい。これらの分子は、適切には、意図する目的に有効な量の組み合わせで存在する。
【0146】
また、活性成分は、例えばコアセルベーション技術により又は界面重合により調製されたマイクロカプセル、例えば、各々ヒドロキシメチルセルロース又はゼラチン−マイクロカプセル及びポリ(メタクリル酸メチル)マイクロカプセル中、コロイド状薬物送達系(例えば、リポソーム、アルブミン小球、マイクロエマルション、ナノ粒子及びナノカプセル)中、又はマイクロエマルション中に包括されていてもよい。これらの技術は、Remington’s Pharmaceutical Science, 上掲に開示されている。
インビボ投与に使用される製剤は無菌でなけらばならない。これは、滅菌濾過膜を通した濾過により容易に達成される。
徐放性製剤を調製してもよい。徐放性製剤の好適な例は、抗体を含有する固体疎水性ポリマーの半透性マトリクスを含み、このマトリクスは成形された物品、例えばフィルム、又はマイクロカプセルの形状である。除放性マトリクスの例は、ポリエステルヒドロゲル(例えば、ポリ(2−ヒドロキシエチル−メタクリレート)又はポリ(ビニルアルコール))、ポリルアクチド(米国特許第3,773,919号)、L−グルタミン酸及びγ−エチル−L−グルタメート、非分解性エチレン−酢酸ビニル、LUPRON DEPOT(商品名)(乳酸−グリコール酸コポリマーと酢酸リュープロリドの注射可能な小球)などの分解性乳酸−グリコール酸コポリマー、及びポリ−D−(−)−3−ヒドロキシブチル酸を含む。エチレン−酢酸ビニル及び乳酸−グリコール酸などのポリマーは分子を100日に渡って放出することができるが、ある種のヒドロゲルはより短時間でタンパク質を放出してしまう。カプセル化された抗体が身体内に長時間残ると、それらは37℃の水分に露出されることにより変性又は凝集し、その結果、生物学的活性の低下及び起こりうる免疫原性の変化をもたらす。合理的な方法は、含まれる機構に依存する安定化について工夫することができる。例えば、凝集機構がチオ−ジスルフィド交換を通した分子間S−S結合形成であると発見された場合、安定化はスルフヒドリル残基の修飾、酸性溶液からの凍結乾燥、水分含有量の制御、適切な添加剤の付加、及び特異的ポリマーマトリクス組成物の開発によって達成されうる。
【0147】
G.抗−PRO抗体の用途
本発明の抗−PRO抗体は様々な有用性を有している。例えば、抗−PRO抗体は、PROの診断アッセイ、例えばその特定細胞、組織、又は血清での発現(及びある場合には、差別的発現)の検出に用いられる。競合的結合アッセイ、直接又は間接サンドウィッチアッセイ及び不均一又は均一相で行われる免疫沈降アッセイ[Zola, Monoclonal Antibodies: A Manual of Techniques, CRC Press, Inc. (1987) pp. 147−158]等のこの分野で知られた種々の診断アッセイ技術が使用される。診断アッセイで用いられる抗体は、検出可能な部位で標識される。検出可能な部位は、直接又は間接に、検出可能なシグナルを発生しなければならない。例えば、検出可能な部位は、3H、14C、32P、35S又は125I等の放射性同位体、フルオレセインイソチオシアネート、ローダミン又はルシフェリン等の蛍光又は化学発光化合物、あるいはアルカリホスファターゼ、ベータ−ガラクトシダーゼ又はセイヨウワサビペルオキシダーゼ等の酵素であってよい。抗体に検出可能な部位を抱合させるためにこの分野で知られた任意の方法が用いられ、それにはHunterら, Nature 144:945 (1962);Davidら, Biochemistry, 13: 1014 (1974);Painら, J. Immunol. Meth., 40:219 (1981);及びNygren, J. Histochem. and Cytochem., 30:407 (1982)に記載された方法が含まれる。
【0148】
また、抗−PRO抗体は、組換え細胞培養又は天然供給源からのPROのアフィニティー精製にも有用である。この方法においては、PROに対する抗体を、当該分野でよく知られている方法を使用して、セファデックス樹脂や濾紙のような適当な支持体に固定化する。次に、固定化された抗体を精製するPROを含む試料と接触させた後、固定化された抗体に結合したPRO以外の試料中の物質を実質的に全て除去する適当な溶媒で支持体を洗浄する。最後に、PROを抗体から脱離させる他の適当な溶媒で支持体を洗浄する。
以下の実施例は例示するためにのみ提供されるものであって、本発明の範囲を決して限定することを意図するものではない。
本明細書で引用した全ての特許及び参考文献の全体を、出典明示によりここに取り込む。
【0149】
(実施例)
実施例で言及されている全ての市販試薬は、特に示さない限りは製造者の使用説明に従い使用した。ATCC登録番号により以下の実施例及び明細書全体を通して特定されている細胞の供給源はアメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション、マナッサス、バージニアである。
【0150】
実施例1:新規なポリペプチド及びそれをコードするcDNAを同定するための細胞外ドメイン相同性スクリーニング
Swiss−Prot公的データベースからの約950の公知の分泌タンパク質からの細胞外ドメイン(ECD)配列(必要ならば、分泌シグナル配列を含む)を、ESTデータベースの検索に使用した。ESTデータベースは、公的データベース(例えば、Dayhoff、GenBank)及び独自に開発したデータベース(例えば、LIFESEQ(商品名)、Incyte Pharmaceuticals、Palo Alto, CA)を含む。検索は、コンピュータプログラムBLAST又はBLAST−2(Altschulら, Methods in Enzymology 266: 460−480 (1996))を用いて、ECDタンパク質配列のEST配列の6フレーム翻訳との比較として実施した。公知のタンパク質をコードせず、BLASTスコア70(90の場合もある)又はそれ以上を持つ比較物は、プログラム「phrap」(Phil Green, University of Washington,Seattle,WA)で集団化してコンセンサスDNA配列に構築した。
この細胞外ドメイン相同性スクリーニングを用いて、phrapを用いて他の同定されたEST配列に対してコンセンサスDNA配列を構築した。さらに、得られたコンセンサスDNA配列を、しばしば(全てではない)BLAST又はBLAST−2及びphrapの繰り返しサイクルを用いて伸長し、コンセンサス配列を上で議論したEST配列の供給源を用いて可能な限り伸長させた。
【0151】
上記のように得られたコンセンサス配列に基づいて、次いでオリゴヌクレオチドを合成し、PCRにより対象とする配列を含むcDNAライブラリを同定するため、及びPROポリペプチドの全長コード化配列のクローンを単離するプローブとして用いるために使用した。正方向及び逆方向PCRプライマーは一般的に20から30ヌクレオチドの範囲であり、しばしば約100−1000bp長のPCR産物を与えるために設計される。プローブ配列は、典型的に40−55bp長である。或る場合には、コンセンサス配列が約1−1.5kbpより大きいときに付加的なオリゴヌクレオチドが合成される。全長クローンについて幾つかのライブラリをスクリーニングするために、ライブラリからのDNAを、Ausubelら, Current Protocols in Molecular Biology, のように、PCRプライマー対でのPCRによりスクリーニングした。ポジティブライブラリを、次いで、プローブオリゴヌクレオチド及びプライマー対の一方を用いて対象とする遺伝子をコードするクローンを単離するのに使用した。
cDNAクローンの単離に用いたcDNAライブラリは、Invitrogen, San Diego,CAなどの市販試薬を用いる標準的な方法によって作成した。cDNAは、NotI部位を有するオリゴdTでプライムし、平滑末端でSalIヘミキナーゼアダプターに結合させ、NotIで切断してゲル電気泳動で適切なサイズに分類し、そして適合するクローニングベクター(pRKB又はpRKD等;pRK5BはSfiI部位を含まないpRK5Dの前駆体である;Holmesら, Science, 253: 1278−1280 (1991)参照)の唯一のXhoI及びNotI部位において、所定の方向でクローニングした。
【0152】
実施例2:アミラーゼスクリーニングによるcDNAクローンの単離
1.オリゴdTプライムcDNAライブラリの調製
Invitrogen, San Diego, CAの試薬及びプロトコールを用いて、対象とするヒト組織からmRNAを単離した(Fast Track 2)。このRNAを、Life Technologies, Gaithersburg, MD(Super Script Plasmid System)の試薬及びプロトコールを利用するベクターpRK5DでのオリゴdTプライム化cDNAライブラリの生成に用いた。この方法においては、二本鎖cDNAを1000bpを越えるサイズに分類し、SalI/NotIリンカー化cDNAをXhoI/NotI切断化ベクターへクローニングした。pRK5Dは、XhoI/NotIcDNAクローニング部位の前に位置するSfiI制限酵素部位が後に続くsp6転写開始部位を有するクローニングベクターである。
【0153】
2.ランダムプライムcDNAライブラリの調製
一次cDNAクローンの5’末端を好ましく表現するために、二次cDNAライブラリを作成した。Sp6RNAを(上記の)一次ライブラリから生成し、このRNAを、Life Technologies (上で参照したSuper Script Plasmid System)からの試薬及びプロトコールを利用するベクターpSST−AMY.0でのランダムプライム化cDNAライブラリの生成に用いた。この方法においては、二本鎖cDNAを500−1000bpへサイズ分類し、平滑末端でNotIアダプターに結合させ、SfiI部位で切断し、そしてSfiI/NotI切断化ベクターへクローニングした。pSST−AMY.0は、クローニング部位の後に、cDNAクローニング部位の前に酵母アルコールデヒドロゲナーゼプロモータ、及び酵母アルコールデヒドロゲナーゼターミネーターが後に続くマウスアミラーゼ配列(分泌シグナルを持たない成熟配列)を有するクローニングベクターである。従って、アミラーゼ配列でフレームに融合するこのベクターへクローニングされたcDNAは、適切に形質移入された酵母コロニーからのアミラーゼの分泌を導く。
【0154】
3.形質転換及び検出
上記のパラグラフ2に記載したライブラリのDNAを氷上で冷却し、それにエレクトロコンピテントDH10B細菌(Life Technoligies、20ml)を添加した。細菌及びベクターの混合物は、次いで製造者に推奨されているように電気穿孔した。次いで、SOC培地(Life Technologies、1ml)を添加し、この混合物を37℃で30分間インキュベートした。形質転換体は、次いでアンピシリンを含む20標準150mmLBプレートに蒔き、16時間インキュベートした(37℃)。ポジティブコロニーをプレートからこすり取り、この細菌ペレットから標準的な方法、例えばCsCl−勾配を用いてDNAを単離した。次に、、以下の酵母プロトコールを精製DNAへ適用した。
酵母方法は3つの範疇に分けられる:(1)酵母のプラスミド/cDNA結合ベクターでの形質転換;(2)アミラーゼを分泌する酵母クローンの検出及び単離;及び(3)酵母コロニーからの直接的な挿入物のPCR増幅、並びに配列決定及びさらなる分析のためのDNAの精製。
【0155】
用いた酵母菌株はHD56−5A(ATCC−90785)であった。この株は以下の遺伝子型:MATアルファ、ura3−52、leu2−3、leu2−112、his3−11、his3−15、MAL+、SUC+、GAL+を有する。好ましくは、不完全な翻訳後経路を持つ酵母変異体を用いることができる。このような変異体は、sec71、sec72、sec62に転位不全対立遺伝子を持つが、切断されたsec71が最も好ましい。あるいは、これらの遺伝子の正常な操作を阻害するアンタゴニスト(アンチセンスヌクレオチド及び/又はリガンドを含む)、この翻訳後経路に含まれる他のタンパク質(例えば、SEC61p、SEC72p、SEC62p、SEC63p、TDJ1p、SSA1p−4p)又はこれらのタンパク質の複合体形成も、アミラーゼ発現酵母と組み合わせて好まれて用いられる。
形質転換は、Gietzら, Nucl. Acid. Res., 20: 1425 (1992)によって概略が記されたプロトコールに基づいて実施された。形質転換細胞は、次いで寒天からYEPD複合培地ブロス(100ml)に播種し、30℃で終夜成長させた。YEPDブロスは、Kaiserら, Methods in Yeast Genetics, Cold Spring Harbor Press, Cold Spring Harbor, NY, p. 207 (1994)に記載のように調製した。終夜培地は、次いで新鮮なYEPDブロス(500ml)中におよそ2x106細胞/ml(約OD600=0.1)に希釈し、1x107細胞/ml(約OD600=0.4−0.5)まで再成長させた。
【0156】
次いで細胞を収穫し、5,000rpmで5分間のSorval GS3 ローターのGS3ローターボトルに移し、上清を捨て、次いで無菌水に再懸濁することで形質転換のために調製し、そして次に50mlのファルコン管でBeckman GS−6KR遠心機において3,500rpmで再度遠心分離した。その上清を捨て、続いて細胞をLiAc/TE(10ml,10mMのトリス−HCl,1mMのEDTA pH7.5,100mMのLi2OOCCH3)で洗浄し、LiAc/TE(2.5ml)中に再懸濁させた。
形質転換は、マイクロチューブ内で、調製した細胞(100μl)を新鮮な変性一本鎖サケ精子DNA(Lofstrand Labs, Gaithersburg, MD)及び形質転換DNA(1μg vol.<10μl)と混合することにより開始した。混合物はボルテックスにより簡単に混合し、次いで40%PEG/TE(600μl,40%のポリエチレングリコール−4000, 10mMのトリス−HCl,1mMのEDTA,100mMのLiOOCCH3,pH7.5)を添加した。この混合物を緩く撹拌し、30℃で撹拌しながら30分間インキュベートした。次いで細胞に42℃で15分間熱衝撃を与え、反応容器をミクロチューブ内で12,000rpmで5−10秒間遠心分離し、デカントし、そしてTE(500μl,10mMのトリス−HCl,1mMのEDTA,pH7.5)への再懸濁に次いで遠心分離した。次いで、細胞をTE(1ml)中に希釈し、一定分量(200μl)を150mm成長プレート(VWR)に予め調製した選択培地に広げた。
【0157】
もう1つの方法として、複数の少量反応に代わって、試薬の量はしかるべくスケールアップし、形質転換を1回の大規模反応で実施した。
用いた選択培地は、Kaiserら, Methods in Yeast Genetics, Cold Spring Harbor Press, Cold Spring Harbor, NY, p. 208−210 (1994)に記載されているように調製したウラシルを欠く合成完全デキストロース寒天(SCD−Ura)であった。形質転換体を30℃で2−3日成長させた。
アミラーゼを分泌するコロニーの検出は、選択成長培地に赤色デンプンを包含することによって実施した。Bielyら, Anal. Biochem., 172: 176−179 (1988)に記載された方法に従って、デンプンを赤色染料(反応性 Red−120, Sigma)に結合させた。結合したデンプンをSCD−Ura寒天プレートへ最終濃度0.15%(w/v)で組み入れ、リン酸カリウムでpH7.0に緩衝化した(最終濃度50−100mM)。
十分に単離されていて同定可能な単一コロニーを得るために、ポジティブコロニーを拾い、これを新鮮な選択培地(150mmプレート)に画線した。アミラーゼ分泌についてポジティブであり、十分に単離されたコロニーの検出は、緩衝化SCD−Ura寒天への赤色デンプンの直接組み入れによっておこなった。コロニーのデンプンを分解することでポジティブコロニーの周囲に直接目視できる明瞭なハローを形成する能力によって、ポジティブコロニーを決定した。
【0158】
4.PCR増幅によるDNAの単離
ポジティブコロニーが単離された場合は、その一部を楊枝でひろい、96ウェルプレートで無菌水(30μl)によって希釈した。この時点では、ポジティブコロニーを凍結して次の分析のために保存するか、或いは即座に増幅するかのいずれかである。細胞の一定分量 (5μl)を、0.5μlのKlentaq(Clontech, Palo Alto, CA); 4.0μlの10mMdNTP(Perkin Elmer−Cetus);2.5μlのKentaqバッファー(Clontech);0.25μlの正方向オリゴ1;0.25μlの逆方向オリゴ2;12.5μlの蒸留水を含有する25μl容量でのPCR反応のテンプレートとして使用した。
正方向オリゴヌクレオチド1の配列は:
逆方向オリゴヌクレオチド2の配列は:
であった。
次いで、PCRは以下の通り実施した:
【0159】
下線を施した領域は、各々ADHプロモーター領域及びアミラーゼ領域にアニーリングし、挿入物が存在しない場合はベクターpSST−AMY.0の307bp領域を増幅する。典型的には、これらのオリゴヌクレオチドの5’末端の最初の18ヌクレオチドは、配列プライマーのアニーリング部位を含んでいた。従って、空のベクターからのPCR反応の全生成物は343bpであった。しかしながら、シグナル配列融合cDNAは、かなり長いヌクレオチド配列をもたらした。
PCRに続いて、反応の一定分量(5μl)を、上記のSambrook等に記載されているように1%アガロースゲル中でトリス−ホウ酸塩−EDTA(TBE)緩衝系を用いたアガロースゲル電気泳動によって検討した。400bpより大きな単一で強いPCR産物を生じるクローンを、96 Qiaquick PCR 清浄化カラム(Quagen Inc., Chatsworth, CA)での精製の後にDNA配列によってさらに分析した。
【0160】
実施例3:シグナルアルゴリズム分析を用いたcDNAクローンの単離
ジェネンテク,インク(サウス サンフランシスコ,カリフォルニア)が独自に開発した配列発見アルゴリズムを、公的(例えば、GenBank)及び/又は個人の(LIFESEQ(登録商標), Incyte Pharmaceuticals, Inc.,Palo Alto, CA)データベースから集団化及び組み立てられたEST断片だけでなくESTsへ適用することで、種々のポリペプチド−コード化核酸配列を同定した。このシグナル配列アルゴリズムは、検討中の配列又は配列断片の5’末端にある第1、あるいは第2のメチオニンコドン(ATG)を取り囲むDNAヌクレオチドの文字に基づく分泌シグナルスコアを計算する。第1のATGに続くヌクレオチドには、停止コドンを持たない少なくとも35の明白なアミノ酸がコードされていなければならない。第1のATGが必須のアミノ酸を有する場合、第2のものは検討しない。何れも要件を満たさない場合、候補配列にスコアをつけない。EST配列が真正のシグナル配列を含むか否かを決定するために、ATGコドンを取り囲むDNA及び対応するアミノ酸配列に、分泌シグナルに関連することが知られている7つのセンサー(評価パラメータ)の一組を用いてスコアをつけた。このアルゴリズムを利用することで、多くのポリペプチド−コード化核酸配列の同定がなされた。
【0161】
実施例4:ヒトPROポリペプチドをコードするcDNAクローンの単離
上記の実施例1から3に記載されている技術を用いて、ここに開示されているように、多くの全長cDNAクローンがPROポリペプチドをコードしているものと同定された。そして、これらのcDNAは、下記の表7に示してあるように、ブダペスト条約の条項に従ってアメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション、10801 ユニバーシティ・ブルバード、マナッサス、バージニア 20110−2209米国(ATCC)へ寄託した。
【0162】
【0163】
【0164】
【0165】
【0166】
これらの寄託は、特許手続き上の微生物の寄託の国際的承認に関するブダペスト条約及びその規則(ブダペスト条約)の規定に従って行われた。これは、寄託の日付から30年間、寄託の生存可能な培養が維持されることを保証するものである。寄託物はブダペスト条約の条項に従い、またジェネンテク社とATCCとの間の合意に従い、ATCCから入手することができ、これは、どれが最初であろうとも、関連した米国特許の発行時又は任意の米国又は外国特許出願の公開時に、寄託培養物の後代を永久かつ非制限的に入手可能とすることを保証し、米国特許法第122条及びそれに従う特許庁長官規則(特に参照番号886OG638の37CFR第1.14条を含む)に従って権利を有すると米国特許庁長官が決定した者に子孫を入手可能とすることを保証するものである。
本出願の譲受人は、寄託した培養物が、適切な条件下で培養されていた場合に死亡もしくは損失又は破壊されたならば、材料は通知時に同一の他のものと即座に取り替えることに同意する。寄託物質の入手可能性は、特許法に従いあらゆる政府の権限下で認められた権利に違反して、本発明を実施するライセンスであるとみなされるものではない。
【0167】
実施例5: ヒトPRO6004、PRO5723、PRO3444、及びPRO9940をコードするcDNAクローンの単離
添付図面に示すPRO840,PRO1338,PRO6004,PRO5723,PRO3444,及びPRO9940ポリペプチドをコードするDNA分子をGenBankを介して得た。
【0168】
実施例6: ハイブリダイゼーションプローブとしてのPROの用途
以下の方法は、PROをコードする核酸配列のハイブリダイゼーションプローブとしての用途を示す。
ここに開示されている全長又は成熟PROをコード化配列を含むDNAは、ヒト組織cDNAライブラリ又はヒト組織ゲノムライブラリの同種DNA(PROの天然発生変異体をコードするもの等)のスクリーニングのためのプローブとして用いられ得る。
ハイブリダイゼーション及びいずれかのライブラリDNAを含むフィルターの洗浄を、次の高緊縮性条件下において実施する。放射標識PRO誘導プローブのフィルターへのハイブリダイゼーションを、50%ホルムアミド、5xSSC、0.1%SDS、0.1%ピロリン酸ナトリウム、50mMリン酸ナトリウム、pH6.8、2xデンハード液、及び10%デキストラン硫酸の溶液中において42℃で20時間実施する。フィルターの洗浄は、0.1xSSC及び0.1%SDS水溶液中において42℃で実施する。
次いで、全長天然配列をコードするDNAと所望の配列同一性を有するDNAは、この分野で知られている標準的技術を用いて同定することができる。
【0169】
実施例6:大腸菌におけるPROの発現
この実施例は、大腸菌中における組み換え発現によるPROの非グリコシル化型の調製を例証する。
DNA配列コード化は選択されたPCRプライマーを利用して最初に増幅される。このプライマーは、選択された発現ベクター上の制限酵素部位に対応する制限酵素部位を含まなければならない。様々な発現ベクターを使用することができる。適したベクターの例としては、アンピシリン及びテトラサイクリン耐性に対する遺伝子を含むpBR322(大腸菌由来;Bolivarら, Gene, 2:95 (1997)を参照のこと)がある。ベクターは制限酵素によって消化され、脱リン酸化される。次いで、PCR増幅配列をベクターにライゲーションする。ベクターは好ましくは抗生物質耐性遺伝子、trpプロモーター、ポリhisリーダー(最初の6つのSTIIコドン、ポリhisリーダー、及びエンテロキナーゼ切断部位を含む)、PROコード領域、ラムダ転写集結因子及びargU遺伝子をコードする配列を含む。
【0170】
次いで、Sambrookら, 上記に記載されている方法を用いて選択された大腸菌株を形質転換するために、このライゲーション混合物を利用した。形質転換体をLB部レート上でのその成長能力によって同定し、次いで抗生物質耐性コロニーを選択する。プラスミドDNAを単離し、それを制限分析及びDNA配列決定によって確認することができる。
選択されたクローンを、抗生物質が補填されたLBブロスのような液体培地で一晩かけて成長させることができる。この一晩の培養を、次により大きなスケールでの培養を播種するために使用してもよい。そして、細胞を所望の光学密度になるまで成長させ、その間に発現プロモーターが作用し始める。
更に数時間、細胞を培養した後に、遠心分離によって細胞を収集することが可能である。遠心分離によって得られた細胞ペレットは、当該分野で公知の様々な薬剤を使用して可溶化でき、次いで、この溶解したPROタンパク質を、タンパク質の堅固な結合を可能にする条件下において金属キレート化カラムを用いて精製すること可能である。
【0171】
以下の手法を用いて、ポリ−Hisタグ形態でPROを大腸菌で発現させてもよい。PROをコードするDNAを、選択したPCRプライマーを用いて最初に増幅した。このプライマーは、選択された発現ベクターの制限酵素部位に対応する制限酵素部位、及び効率的で信頼性のある翻訳開始、金属キレートカラムでの迅速な精製、及びエンテロキナーゼでのタンパク質分解的除去を与える他の有用な配列を含む。次いで、PCR増幅されたポリ−Hisタグ配列を発現ベクターへ結合させ、これを株52(W3110 fuhA(tonA) lon galE rpoHts(htpRts) clpP(lacIq))に基づく大腸菌宿主の形質転換に使用した。形質転換体を、最初に50mg/mlのカルベニシリンを含有するLB中で、30℃で振盪しながら3−5のO.D.600に達するまで成長させた。ついで培養液をCRAP培地(3.57gの(NH4)2SO4、0.71gのクエン酸ナトリウム・2H2O、1.07gのKCl、5.36gのDifco酵母抽出物、500mL水中の5.36gのSheffield hycase SF、並びに110mMのMPOS、pH7.3、0.55%(w/v)のグルコース及び7mMのMgSO4の混合で調製)中にて50−100倍希釈し、30℃で振盪によって約20−30時間成長させた。SDS−PAGEにより発現を確認するために試料を取り出し、細胞がペレットとなるようにバルク培地を遠心分離した。精製及びリフォールディング(再折りたたみ)まで、細胞ペレットを凍結させた。
【0172】
0.5から1Lの発酵(6−10gペレット)からの大腸菌ペーストを、7Mのグアニジン、20mMのトリス、pH8バッファー中で10容量(w/v)で再懸濁させた。固体硫酸ナトリウム及びテトラチオン酸ナトリウムを添加して最終濃度を各々0.1M及び0.02Mとし、溶液を4℃で終夜撹拌した。この工程により、すべてのシステイン残基が亜硫酸によりブロックされた変性タンパク質が生じる。溶液をBeckman Ultracentifuge中で40,000rpmで30分間濃縮した。上清を金属キレートカラムバッファー(6Mのグアニジン、20mMのトリス、pH7.4)の3−5容量で希釈し、透明にするために0.22ミクロンフィルターを通して濾過する。透明抽出物を、金属キレートカラムバッファーで平衡化させた5mlのQiagen Ni−NTA金属キレートカラムに負荷した。カラムを50mMのイミダゾール(Calbiochem, Utrol grade)を含む添加バッファー、pH7.4で洗浄した。タンパク質を250mMのイミダゾールを含有するバッファーで溶離した。所望のタンパク質を含有する画分をプールし、4℃で保存した。タンパク質濃度は、そのアミノ酸配列に基づいて計算した吸光係数を用いて280nmにおけるその吸収により見積もった。
【0173】
試料を20mMのトリス、pH8.6、0.3MのNaCl、2.5Mの尿素、5mMのシステイン、20mMのグリシン及び1mMのEDTAからなる新たに調製した再生バッファー中で徐々に希釈することによって、タンパク質を再生させた。リフォールディング容量は、最終的なタンパク質濃度が50〜100マイクログラム/mlとなるように選択した。リフォールディング溶液を4℃で12−36時間ゆっくり撹拌した。リフォールディング反応はTFAを採取濃度0.4%(約3のpH)で添加することにより停止させた。タンパク質をさらに精製する前に、溶液を0.22ミクロンフィルターを通して濾過し、アセトニトリルを最終濃度2−10%で添加した。再生したタンパク質を、Poros R1/H逆相カラムで、0.1%TFAの移動バッファーと10〜80%のアセトニトリル勾配での溶離を用いてクロマトグラフにかけた。A280吸収を持つ画分のアリコートをSDSポリアクリルアミドゲルで分析し、相同な再生タンパク質を含有する画分をプールした。一般的に、殆どの正しく再生したタンパク質種は、これらの種が最もコンパクトであり、その疎水性内面が逆相樹脂との相互作用から遮蔽されているので、アセトニトリルの最低濃度で溶離される。凝集した種は通常、より高いアセトニトリル濃度で溶離される。誤って再生したタンパク質を所望の形態から除くのに加えて、逆相工程は試料からエンドトキシンも除去する。
【0174】
所望の再生したPROポリペプチドを含有する画分をプールし、溶液に向けた窒素の弱い気流を用いてアセトニトリルを除去した。タンパク質を、透析又は調製バッファーで平衡化したG25 Superfine(Pharmacia)樹脂でのゲル濾過及び滅菌濾過により、0.14Mの塩化ナトリウム及び4%のマンニトールを含む20mMのHepes、pH6.8に調製した。
ここで開示された多くのPROポリペプチドは、上記の方法によって成功裏に発現した。
【0175】
実施例8:哺乳動物細胞におけるPROの発現
この実施例は、哺乳動物細胞における組み換え発現による潜在的にグリコシル化した形態のPROの調製を例証する。
発現ベクターとしてベクターpRK5(1989年3月15日公開のEP307,247参照)を用いた。場合によっては、PRO DNAを選択した制限酵素を持つpRK5に結合させ、上記のSambrook等に記載されたようなライゲーション方法を用いてPRODNAを挿入させる。得られたベクターは、pRK5−PROと呼ばれる。
【0176】
一実施態様では、選択された宿主細胞は293細胞とすることができる。ヒト293細胞(ATCC CCL 1573)は、ウシ胎児血清及び場合によっては滋養成分及び/又は抗生物質を添加したDMEMなどの培地中で組織培養プレートにおいて成長させて集密化した。約10μgのpRK5−PRODNAを約1μgのVA RNA遺伝子コード化DNA[Thimmappayaら, Cell, 31:543 (1982))]と混合し、500μlの1mM トリス−HCl、0.1mM EDTA、0.227M CaCl2に溶解させた。この混合物に、滴状の500μlの50mM HEPES(pH7.35)、280mM NaCl、1.5mM NaPO4を添加し、25℃で10分間析出物を形成させた。析出物を懸濁し、293細胞に加えて37℃で約4時間定着させた。培地を吸引し、2mlのPBS中20%グリセロールを30秒間添加した。293細胞は、次いで無血清培地で洗浄し、新鮮な培地を添加し、細胞を約5日間インキュベートした。
【0177】
形質移入の約24時間後、培地を除去し、培地(のみ)又は200μCi/ml35S−システイン及び200μCi/ml35S−メチオニンを含む培地で置換した。12時間のインキュベーションの後、条件培地を回収し、スピンフィルターで濃縮し、15%SDSゲルに添加した。処理したゲルを乾燥させ、PROポリペプチドの存在を現す選択された時間にわたってフィルムにさらした。形質転換した細胞を含む培地に、更なるインキュベーションを施し(無血清培地で)、培地を選択されたバイオアッセイで試験した。
【0178】
これに換わる技術において、PROは、Somparyracら, Proc. Natl. Acad. Sci., 12:7575 (1981)に記載されたデキストラン硫酸法を用いて293細胞に一過的に導入される。293細胞は、スピナーフラスコ内で最大密度まで成長させ、700μgのpRK5−PRODNAを添加する。細胞は、まずスピナーフラスコから遠心分離によって濃縮し、PBSで洗浄した。DNA−デキストラン沈殿物を細胞ペレット上で4時間インキュベートした。細胞を20%グリセロールで90秒間処理し、組織培地で洗浄し、組織培地、5μg/mlウシインシュリン及び0.1μg/mlウシトランスフェリンを含むスピナーフラスコに再度導入した。約4日後に、条件培地を遠心分離して濾過し、細胞及び細胞片を除去した。次いで発現されたPROを含む試料を濃縮し、透析及び/又はカラムクロマトグラフィー等の選択した方法によって精製した。
他の実施態様では、PROをCHO細胞で発現させることができる。pRK5−PROは、CaPO4又はDEAE−デキストランなどの公知の試薬を用いてCHO細胞に形質移入することができる。上記したように、細胞培地をインキュベートし、培地を培養培地(のみ)又は35S−メチオニン等の放射性標識を含む培地に置換することができる。PROポリペプチドの存在を同定した後、培地を無血清培地に置換してもよい。好ましくは、培地を約6日間インキュベートし、次いで条件培地を収集する。次いで、発現されたPROを含む培地を濃縮して、任意の選択した方法によって精製することができる。
【0179】
また、エピトープタグPROは、宿主CHO細胞において発現させてもよい。PROはpRK5ベクターからサブクローニングしてもよい。サブクローン挿入物は、PCRを施してバキュロウイルス発現ベクター中のポリ−hisタグ等の選択されたエピトープタグを持つ枠に融合できる。ポリ−hisタグPRO挿入物は、次いで、安定なクローンの選択のためのDHFR等の選択マーカーを含むSV40誘導ベクターにサブクローニングできる。最後に、CHO細胞をSV40誘導ベクターで(上記のように)形質移入した。発現を確認するために、上記のように標識化を行ってもよい。発現されたポリ−hisタグPROを含む培地は、次いで濃縮し、Ni2+−キレートアフィニティクロマトグラフィー等の選択された方法により精製できる。
またPROは、一過性発現法によりCHO及び/又はCOS細胞で、他の安定な発現方法によりCHO細胞で発現させてもよい。
CHO細胞における安定な発現は以下の方法を用いて実施された。タンパク質は、それぞれのタンパク質の可溶化形態のコード配列(例えば、細胞外ドメイン)がIgG1のヒンジ、CH2及びCH2ドメインを含む定常領域配列に融合したIgG作成物(イムノアドヘシン)、又はポリ−Hisタグ形態として発現された。
【0180】
PCR増幅に続いて、対応するDNAを、Ausubelら, Current Protocols of Molecular Biology, Unit 3.16, John Wiley and Sons (1997)に記載されたような標準的技術を用いてCHO発現ベクターにサブクローニングした。CHO発現ベクターは、対象とするDNAの5’及び3’に適合する制限部位を有し、cDNAの便利なシャトル化ができるように作成される。ベクターは、Lucasら, Nucl. Acids Res. 24: 9, 1774−1779 (1996)に記載されたようにCHO細胞での発現を用い、対象とするcDNA及びジヒドロフォレートレダクターゼ(DHFR)の発現の制御にSV40初期プロモーター/エンハンサーを用いる。DHFR発現は、形質移入に続くプラスミドの安定な維持のための選択を可能にする。
所望のプラスミドDNAの12マイクログラムを、市販の形質移入試薬Superfect(登録商標)(Qiagen), Dosper(登録商標)及びFugene(登録商標)(Boehringer Mannheim)約1千万のCHO細胞に導入する。細胞は、上記のLucas等に記載されているように成長させた。約3x107細胞を、下記のような更なる成長及び生産のためにアンプル中で凍結させた。
【0181】
プラスミドDNAを含むアンプルを水槽に配して解凍し、ボルテックスにより混合した。内容物を10mLの媒質を含む遠心管にピペットして、1000rpmで5分間遠心分離した。上清を吸引して細胞を10mLの選択培地(0.2μm濾過PS20、5%の0.2μm透析濾過ウシ胎児血清を添加)中に懸濁させた。次いで細胞を90mLの選択培地を含む100mLスピナーに分ける。1−2日後、細胞を150mLの選択培地を満たした250mLスピナーに移し、37℃でインキュベートする。さらに2−3日後、250mL、500mL及び2000mLのスピナーを3x105細胞/mLで播種した。細胞培地を遠心分離により新鮮培地に交換し、生産培地に再懸濁させた。任意の適切なCHO培地を用いてもよいが、実際には1992年6月16日に発行された米国特許第5,122,469号に記載された生産培地を使用した。3Lの生産スピナーを1.2x106細胞/mLで播種した。0日目に、細胞数とpHを測定した。1日目に、スピナーをサンプルし、濾過空気での散布を実施した。2日目に、スピナーをサンプルし、温度を33℃に変え、30mLの500g/Lのグルコース及び0.6mLの10%消泡剤(例えば35%ポリジメチルシロキサンエマルション、Dow Corning 365 Medical Grade Emulsion)をとった。生産を通して、pHは7.2近傍に調節し維持した。10日後、又は生存率が70%を下回るまで、細胞培地を遠心分離で回収して0.22μmフィルターを通して濾過した。濾過物は、4℃で貯蔵するか、即座に精製用カラムに充填した。
【0182】
ポリ−Hisタグ作成物について、タンパク質はNi−NTAカラム(Qiagen)を用いて精製した。精製の前に、イミダゾールを条件培地に5mMの濃度まで添加した。条件培地を、0.3MのNaCl及び5mMイミダゾールを含む20mMのHepes,pH7.4バッファーで平衡化した6mlのNi−NTAカラムへ4−5ml/分の流速によって4℃でポンプ供給した。充填後、カラムをさらに平衡バッファーで洗浄し、タンパク質を0.25Mイミダゾールを含む平衡バッファーで溶離した。高度に精製されたタンパク質は、続いて10mMのHepes、0.14MのNaCl及び4%のマンニトール,pH6.8を含む貯蔵バッファー中で25mlのG25 Superfine(Pharmacia)を用いて脱塩し、−80℃で貯蔵した。
イムノアドヘシン(Fc含有)作成物を、以下の通りに条件培地から精製した。条件培地を、20mMのリン酸ナトリウムバッファー,pH6.8で平衡化した5mlのプロテインAカラム(Pharmacia)へポンプ注入した。充填後、カラムを平衡バッファーで強く洗浄した後、100mMのクエン酸,pH3.5で溶離した。溶離したタンパク質は、1mlの画分を275μLの1Mトリスバッファー,pH9を含む管に回収することにより即座に中性化した。高度に精製されたタンパク質は、続いてポリ−Hisタグタンパク質について上記した貯蔵バッファー中で脱塩した。均一性はSDSポリアクリルアミドゲルとエドマン(Edman)分解によるN−末端アミノ酸配列決定により評価した。
ここに開示したPROポリペプチドの多くが上記のようにして成功裏に発現された。
【0183】
実施例9:酵母菌でのPROの発現
以下の方法は、酵母菌中でのPROの組換え発現を記載する。
第1に、ADH2/GAPDHプロモーターからのPROの細胞内生産又は分泌のための酵母菌発現ベクターを作成する。PROをコードするDNA及びプロモーターを選択したプラスミドの適当な制限酵素部位に挿入してPROの細胞内発現を指示する。分泌のために、PROをコードするDNAを選択したプラスミドに、ADH2/GAPDHプロモーターをコードするDNA、天然PROシグナルペプチド又は他の哺乳動物シグナルペプチド、又は、例えば酵母菌α因子又はインベルターゼ分泌シグナル/リーダー配列、及び(必要ならば)PROの発現のためのリンカー配列とともにクローニングすることができる。
【0184】
酵母菌株AB110等の酵母菌は、次いで上記の発現プラスミドで形質転換し、選択された発酵培地中で培養できる。形質転換した酵母菌上清は、10%トリクロロ酢酸での沈降及びSDS−PAGEによる分離で分析し、次いでクマシーブルー染色でゲルの染色をすることができる。
続いて組換えPROは、発酵培地から遠心分離により酵母菌細胞を除去し、次いで選択されたカートリッジフィルターを用いて培地を濃縮することによって単離及び精製できる。PROを含む濃縮物は、選択されたカラムクロマトグラフィー樹脂を用いてさらに精製してもよい。
ここに開示したPROポリペプチドの多くが上記のようにして成功裏に発現された。
【0185】
実施例10:バキュロウイルス感染昆虫細胞でのPROの発現
以下の方法は、バキュロウイルス感染昆虫細胞中におけるPROの組換え発現を記載する。
PROコードする配列を、バキュロウイルス発現ベクターに含まれるエピトープタグの上流に融合させた。このようなエピトープタグは、ポリ−hisタグ及び免疫グロブリンタグ(IgGのFc領域など)を含む。pVL1393(Novagen)などの市販されているプラスミドから誘導されるプラスミドを含む種々のプラスミドを用いることができる。簡単には、PRO又はPROコード配列の所定部分、例えば膜貫通タンパク質の細胞外ドメインをコードする配列又はタンパク質が細胞外である場合の成熟タンパク質をコードする配列などが、5’及び3’領域に相補的なプライマーでのPCRにより増幅される。5’プライマーは、隣接する(選択された)制限酵素部位を包含していてもよい。生産物は、次いで、選択された制限酵素で消化され、発現ベクターにサブクローニングされる。
組換えバキュロウイルスは、上記のプラスミド及びBaculoGold(商品名)ウイルスDNA(Pharmingen)を、Spodoptera frugiperda(「Sf9」)細胞(ATCC CRL 1711)中にリポフェクチン(GIBCO−BRLから市販)を用いて同時形質移入することにより作成される。28℃で4−5日インキュベートした後、放出されたウイルスを回収し、更なる増幅に用いた。ウイルス感染及びタンパク質発現は、O’Reilleyら, Baculovirus expression vectors: A Laboratory Manual, Oxford: Oxford University Press (1994)に記載されているように実施した。
【0186】
次に、発現されたポリ−hisタグPROは、例えばNi2+−キレートアフィニティクロマトグラフィーにより次のように精製される。抽出は、Rupertら, Nature, 362:175−179 (1993)に記載されているように、ウイルス感染した組み換えSf9細胞から調製した。簡単には、Sf9細胞を洗浄し、超音波処理用バッファー(25mLのHepes,pH7.9;12.5mMのMgCl2;0.1mM EDTA;10%グリセロール;0.1%のNP−40;0.4MのKCl)中に再懸濁し、氷上で2回20秒間超音波処理した。超音波処理物を遠心分離で透明化し、上清を負荷バッファー(50mMリン酸塩、300mMのNaCl、10%グリセロール、pH7.8)で50倍希釈し、0.45μmフィルターで濾過した。Ni2+−NTAアガロースカラム(Qiagenから市販)を5mLの総容積で調製し、25mLの水で洗浄し、25mLの負荷バッファーで平衡させた。濾過した細胞抽出物は、毎分0.5mLでカラムに負荷した。カラムを、分画回収が始まる点であるA280のベースラインまで負荷バッファーで洗浄した。次に、カラムを、結合タンパク質を非特異的に溶離する二次洗浄バッファー(50mMリン酸塩;300mMのNaCl、10%グリセロール、pH6.0)で洗浄した。A280のベースラインに再度到達した後、カラムを二次洗浄バッファー中で0から500mMイミダゾール勾配で展開した。1mLの分画を回収し、SDS−PAGE及び銀染色又はアルカリホスファターゼ(Qiagen)に複合したNi2+−NTAでのウェスタンブロットで分析した。溶離したHis10−タグPROを含む画分をプールして負荷バッファーで透析した。
あるいは、IgGタグ(又はFcタグ)PROの精製は、例えば、プロテインA又はプロテインGカラムクロマトグラフィーを含む公知のクロマトグラフィー技術を用いて実施できる。
ここに開示したPROポリペプチドの多くが上記のようにして成功裏に発現された。
【0187】
実施例11:PROに結合する抗体の調製
この実施例は、PROに特異的に結合できるモノクローナル抗体の調製を例示する。
モノクローナル抗体の生産のための技術は、この分野で知られており、例えば、上記のGodingに記載されている。用いられ得る免疫原は、精製PRO、PROを含む融合タンパク質、細胞表面に組換えPROを発現する細胞を含む。免疫原の選択は、当業者が過度の実験をすることなくなすことができる。
Balb/c等のマウスを、完全フロイントアジュバントに乳化して皮下又は腹腔内に1−100マイクログラムで注入したPRO免疫原で免疫化する。あるいは、免疫原をMPL−TDMアジュバント(Ribi Immunochemical Research, ハミルトン, モンタナ)に乳化し、動物の後足蹠に注入してもよい。免疫化したマウスは、次いで10から12日後に、選択したアジュバント中に乳化した付加的免疫源で追加免疫する。その後、数週間、マウスをさらなる免疫化注射で追加免疫する。抗PRO抗体の検出のためのELISAアッセイで試験するために、レトロオービタル出血からの血清試料をマウスから周期的に採取してもよい。
【0188】
適当な抗体力価が検出された後、抗体に「ポジティブ(陽性)」な動物に、PRO静脈内注射の最後の注入をすることができる。3から4日後、マウスを屠殺し、脾臓細胞を取り出した。次いで脾臓細胞を(35%ポリエチレングリコールを用いて)、ATCCから番号CRL1597で入手可能なP3X63AgU.1等の選択されたマウス骨髄腫株化細胞に融合させた。融合によりハイブリドーマ細胞が生成され、次いで、HAT(ヒポキサンチン、アミノプテリン、及びチミジン)培地を含む96ウェル組織培養プレートに蒔き、非融合細胞、骨髄腫ハイブリッド、及び脾臓細胞ハイブリッドの増殖を阻害した。
ハイブリドーマ細胞は、PROに対する反応性についてのELISAでスクリーニングされる。PROに対する所望のモノクローナル抗体を分泌する「ポジティブ(陽性)」ハイブリドーマ細胞の決定は、技術常識の範囲内である。
陽性ハイブリドーマ細胞を同系のBalb/cマウスに腹腔内注入し、抗PROモノクローナル抗体を含む腹水を生成させる。あるいは、ハイブリドーマ細胞を、組織培養フラスコ又はローラーボトルで成長させることもできる。腹水中に生成されたモノクローナル抗体の精製は、硫酸アンモニウム沈降、それに続くゲル排除クロマトグラフィ−を用いて行うことができる。あるいは、抗体のプロテインA又はプロテインGへの親和性に基づくアフィニティクロマトグラフィーを用いることもできる。
【0189】
実施例12:特異的抗体を用いたPROポリペプチドの精製
天然又は組換えPROポリペプチドは、この分野の種々の標準的なタンパク質精製方法によって精製できる。例えば、プロ−PROポリペプチド、成熟ポリペプチド、又はプレ−PROポリペプチドは、対象とするPROポリペプチドに特異的な抗体を用いた免疫親和性クロマトグラフィーによって精製される。一般に、免疫親和性カラムは抗PROポリペプチド抗体を活性化クロマトグラフィー樹脂に共有結合させて作成される。
ポリクローナル免疫グロブリンは、硫酸アンモニウムでの沈殿又は固定化プロテインA(Pharmacia LKB Biotechnology, Piscataway, N.J.)での精製のいずれかにより免疫血清から調製される。同様に、モノクローナル抗体は、硫酸アンモニウム沈殿又は固定化プロテインAでのクロマトグラフィーによりマウス腹水液から調製される。部分的に精製された免疫グロブリンは、CnBr−活性化セファロース(商品名)(Pharmacia LKB Biotechnology)等のクロマトグラフィー樹脂に共有結合される。抗体が樹脂に結合され、樹脂がブロックされ、誘導体樹脂は製造者の指示に従って洗浄される。
【0190】
このような免疫親和性カラムは、可溶化形態のPROポリペプチドを含有する細胞からの画分を調製することによるPROポリペプチドの精製において利用される。この調製物は、洗浄剤の添加又はこの分野で公知の方法により微分遠心分離を介して得られる全細胞又は細胞成分画分の可溶化により誘導される。あるいは、シグナル配列を含む可溶化PROポリペプチドは、細胞が成長する培地中に有用な量で分泌される。
可溶化PROポリペプチド含有調製物は、免疫親和性カラムを通され、カラムはPROポリペプチドの好ましい吸着をさせる条件下(例えば、洗浄剤存在下の高イオン強度バッファー)で洗浄される。次いで、カラムは、抗体/PROポリペプチド結合を分解する条件下(例えば、約2−3といった低pH、高濃度の尿素又はチオシアン酸イオン等のカオトロープ)で溶離され、PROポリペプチドが回収される。
【0191】
実施例13:薬物スクリーニング
本発明は、PROポリペプチド又はその結合断片を種々の薬物スクリーニング技術において使用することによる化合物のスクリーニングにとって特に有用である。そのような試験に用いられるPROポリペプチド又は断片は、溶液中の自由状態でも、固体支持体に固定されても、細胞表面に担持されていても、或いは細胞内に位置していてもよい。薬剤スクリーニングの1つの方法では、PROポリペプチド又は断片を発現する組換え核酸で安定に形質移入される真核生物又は原核生物宿主細胞を利用する。薬剤は、そのような形質移入細胞に対して、競合的結合アッセイによってスクリーニングされる。生存可能又は固定化形態のいずれかによって、このような細胞は標準的な結合アッセイで使用できる。例えば、PROポリペプチド又は断片と試験される試薬の間での複合体の形成を測定してよい。あるいは、試験する試薬によって生ずるPROポリペプチドとその標的細胞又は標的レセプターとの間の複合体形成における減少を試験することもできる。
従って、本発明は、PROポリペプチド関連疾患又は障害に影響を与えうる薬剤又は任意の他の試薬のスクリーニング方法を提供する。これらの方法は、当該分野で良く知られており、その試薬をPROポリペプチド又は断片に接触させ、(i)試薬とPROポリペプチド又は断片との間の複合体の存在について、又は(ii)PROポリペプチド又は断片と細胞との間の複合体の存在について検定することを含む。これらの競合結合アッセイでは、PROポリペプチド又は断片が典型的には標識される。適切なインキュベーションの後、自由なPROポリペプチド又は断片を結合形態のものから分離し、自由又は未複合の標識の量が、特定の試薬がPROポリペプチドに結合する又はPROポリペプチド/細胞複合体を阻害する能力の尺度となる。
【0192】
薬剤スクリーニングのための他の技術は、ポリペプチドに対して適当な結合親和性を持つ化合物についての高スループットスクリーニングを提供し、1984年9月13日に公開された国際公開84/03564に詳細に記載されている。簡単に述べれば、多数の異なる小型ペプチド試験化合物が、プラスチックピン等の固体支持体又は幾つかの他の表面上で合成される。PROポリペプチドに適用すると、ペプチド試験化合物はPROポリペプチドと反応して洗浄される。結合したPROポリペプチドはこの分野で良く知られた方法により検出される。精製したPROポリペプチドは、上記の薬剤スクリーニング技術に使用するためにプレート上に直接被覆することもできる。さらに、非中和抗体は、ペプチドを捕捉し、それを固体支持体上に固定化するのに使用できる。
また、本発明は、PROポリペプチドに結合可能な中和抗体がPROポリペプチド又はその断片について試験化合物と特異的に競合する競合薬剤スクリーニングアッセイも考慮する。この方法において、抗体は、PROポリペプチドで、1つ又は複数の抗原決定基を持つ任意のペプチドの存在を検出するのに使用できる。
【0193】
実施例14:合理的薬物設計
合理的薬物設計の目的は、対象とする生物学的活性ポリペプチド(例えば、PROポリペプチド)又はそれらが相互作用する小分子、例えばアゴニスト、アンタゴニスト、又はインヒビターの構造的類似物を製造することである。これらの例の任意のものが、PROポリペプチドのより活性で安定な形態又はインビボでPROポリペプチドに機能を促進又は阻害する薬物の創作に使用できる(参考、Hodgson, Bio/Technology, 9: 19−21 (1991))。
【0194】
1つの方法において、PROポリペプチド、又はPROポリペプチド−インヒビター複合体の三次元構造が、x線結晶学により、コンピュータモデル化により、最も典型的には2つの方法の組み合わせにより決定される。分子の構造を解明し活性部位を決定するためには、PROポリペプチドの形状及び電荷の両方が確認されなければならない。数は少ないが、PROポリペプチドの構造に関する有用な情報が相同タンパク質の構造に基づいたモデル化によって得られることもある。両方の場合において、関連する構造情報は、類似PROポリペプチド様分子の設計又は効果的なインヒビターの同定に使用される。合理的な薬剤設計の有用な例は、Braxton及びWells, Biochemistry, 31: 7796−7801 (1992)に示されているような向上した活性又は安定性を持つ分子、又はAthaudaら,J. Biochem., 113: 742−746 (1993)に示されているような天然ペプチドのインヒビター、アゴニスト、又はアンタゴニストとして作用する分子を含む。
【0195】
また、上記のような機能アッセイによって選択された標的特異的な抗体を単離しその結晶構造を解明することもできる。この方法は、原理的には、それに続く薬剤設計が基礎をおくことのできるファーマコア(pharmacore)を生成する。機能的な薬理学的に活性な抗体に対する抗−イディオタイプ抗体(抗−ids)を生成することにより、タンパク質結晶学をバイパスすることができる。鏡像の鏡像として、抗−idsの結合部位は最初のレセプターの類似物であると予測できる。抗−idは、次いで、化学的又は生物学的に製造したペプチドのバンクからペプチドを同定及び単離するのに使用できる。単離されたペプチドは、ファーマコアとして機能するであろう。
本発明によって、X線結晶学などの分析実験を実施するために十分な量のPROポリペプチドが入手可能である。さらに、ここに提供したPROポリペプチドアミノ酸配列の知識は、X線結晶学に代わる又はそれに加わるコンピュータモデル化技術で用いられるガイダンスを提供する。
【0196】
実施例15: 周皮細胞c−Fos誘発(アッセイ93)
このアッセイは、本発明の所定のポリペプチドが周皮細胞におけるc−fosの発現を誘発するように作用し、よって特定の種類の周皮細胞結合腫瘍の診断用マーカーとして有用であるばかりでなく、周皮細胞結合腫瘍の治療上の処置に有用であると予期されるアンタゴニストを生じせしめることを示す。また、周皮細胞でのc−fosの誘導は血管新生そのものの誘導を示し、そしてc−fosの発現を誘導することができるPROポリペプチドは、例えば創傷治癒及びそれに同じような、誘導された血管新生が有益である症状の治療に有用である。特に1日目に、周皮細胞をVEC Technologiesから得て、5mlの培地以外をフラスコから取り出した。2日目に周皮細胞をトリプシン処理し、洗浄し、スピンにかけ、次いで96ウェルプレートに蒔いた。7日目に培地を取り出し、周皮細胞を100μlのPROポリペプチドテスト用試料及びコントロール(ポジティブコントロール=DME+5%血清+/−500ng/mlのPDGF;ネガティブコントロール=プロテイン32)で処理した。複製を平均化し、SD/CVを確定した。化学蛍光ルミネセンス単位(RLU)照度計リーディングバース頻度により示されたプロテイン32値を越える倍数増加(バッファーコントロール)をヒストグラム上にプロットした。上記のプロテイン32値を2倍は、アッセイについてポジティブであると考えられる。ASYマトリックス:成長培地=低グルコースDMEM=20%FBS+1Xペンストレップ(pen strep)+1Xフンギゾン(fungizone)。アッセイ用培地=低グルコースDMEM+5%FBS。
以下の試験ポリペプチドがこのアッセイにおいてポジティブであった:PRO982、PRO1160、PRO1187及びPRO1329。
【0197】
実施例16:軟骨細胞再分化アッセイ(アッセイ110)
このアッセイは、本発明の所定のポリペプチドが軟骨細胞の再分化を誘導する働きをし、それ故に例えばスポーツ障害や関節炎のような様々な骨及び/又は軟骨の障害の治療に役立つことが期待されていることを示す。このアッセイは次のように実施される。ブタの軟骨細胞を、4−6月齢の雌ブタの中手指節関節の関節軟骨を一晩コラゲナーゼ消化することによって単離する。次いで、この単離された細胞を、10%FBS及び4μg/mlゲンタマイシンを含むヘムF−12へ25,000細胞/cm2で播種する。この培地を3日ごとに交換し、次いで細胞を血清を含まない100μlの同培地の96ウェルに5,000細胞/ウェルで播種し、そして100μl試験PROポリペプチド、5nMのスタウロスポリン(ポジティブコントロール)又は培地のみ(ネガティブコントロール)を加えて最終的な総量が200μl/ウェルとなるようにする。37℃での5日間のインキュベーションの後、各々のウェルの写真を撮り、軟骨細胞の分化状態を判定するする。軟骨細胞の再分化がネガティブコントロールよりもポジティブのコントロールに類似していると判定された場合には、このアッセイにおけるポジティブの結果が生じたものとする。
次のポリペプチドがこのアッセイにおいてポジティブと検定された:PRO357。
【0198】
実施例17: ヒト血液でのTNF−αの放出を刺激するPROポリペプチドの同定(アッセイ128)
このアッセイは、本発明のあるPROポリペプチドが、ヒト血液におけるTNF−αの放出を刺激することを示している。このアッセイでポジティブ(陽性)と検定されたPROポリペプチドは、他の事例を含めて、TNF−αの放出の刺激が所望されている研究目的、及びTNF−αの放出の増加が有益である症状の治療上の処置にとって有用である。特に、50mM Hepesバッファー(pH7.2)で補充した200μlのヒト血液を、96ウェルテストプレートのウェルへ等分して配する。次いで、各ウェルへは、50mM Hepesバッファーに含まれる試験PROポリペプチド(種々の濃度)又は50mM Hepesバッファーのみ(ネガティブ(負)のコントロール)のいずれかを300μl添加し、このプレートを37℃で6時間インキュベートした。次に、試料を遠心分離し、各ウェルから50μlの血漿を収集し、ELISAアッセイによってTNF−αの存在を試験した。アッセイでのポジティブ(陽性)とは、ネガティブ(負)のコントロール試料と比較して、PROポリペプチド処理試料中により多量のTNF−αがあることである。
以下のPROポリペプチドが、このアッセイにおいてポジティブ(陽性)であった:PRO231,PRO357,PRO725,PRO1155,PRO1306,及びPRO1419。
【0199】
実施例18: 軟骨細胞再分化の促進(アッセイ129)
このアッセイは、本発明のPROポリペプチドが、培地で軟骨細胞の増殖及び/又は再分化を誘導する能力を示すか否かを確定するために設計されている。このアッセイにおいてポジティブと評価されるPROポリペプチドは、例えばスポーツ傷害及び関節炎などの種々の骨及び/又は軟骨組織疾患の治療に有用であると期待される。
ブタ軟骨細胞を、4−6ヶ月齢の雌ブタの中手指節関節の関節軟骨の一晩に渡るコラゲナーゼ消化によって単離する。そして、この単離された細胞を、10%FBS及び4μg/mlゲンタマイシンを含むハムF−12へ25,000細胞/cm2の割合で播種する。培地を3日ごとに交換する。12日目には、細胞を血清を含まない100μlの同じ培地へ5,000細胞/ウェルで96ウェルプレートへ播種し、100μlの無血清培地(ネガティブコントロール)、スタウロスポリン(最終濃度が5nM;ポジティブコントロール)又は試験PROポリペプチドのいずれかを添加して最終容量を200μl/ウェルとする。37℃での5日間の後、100μg/ml Hoechst 33342及び50μg/ml 5−CFDAを含む22μlの培地を各ウェルへ添加し、さらに10分間に渡って37℃でインキュベートする。各ウェルの緑色蛍光を写真に取り、形態計測分析によって軟骨細胞の分化段階を計算する。>50%のPROポリペプチドで処理した細胞が分化している場合には(ネガティブコントロールによって得られたバックグラウンドと比較して)、このアッセイでポジティブな結果が得られていることになる。
このアッセイにおいて、次のPROポリペプチドがポジティブであると評価された:PRO229,PRO1272,及びPRO4405。
【0200】
実施例19: 正常ヒト皮膚線維芽細胞の増殖(アッセイ141)
このアッセイは、本発明のPROポリペプチドが培養中にヒト皮膚線維芽細胞の増殖を誘導する能力を示すか否か、そして、それによって有用な成長因子として機能するか否かを確かめるために設計されている。
0日目には、ヒト皮膚線維芽細胞(細胞株から、最大で12−14継代)を100マイクロリッター当たり1000細胞/ウェルで96−ウェルプレートに配し、完全培地[線維芽成長培地(FGM,Clonetics)に補充物:インシュリン、ヒト上皮細胞成長因子(hEGF)、ゲンタマイシン(GA−1000)、及び胎児ウシ血清(FBS,Clonetics)を加える]で一晩にわたってインキュベートした。1日目には、完全培地を、基礎培地[FGMに1%FBSを添加]及び1%,0.1%及び0.01%のPROポリペプチドの添加で置き換えた。7日目には、細胞増殖の評価を、アラマー・ブルー、その後にクリスタル・バイオレットによっておこなった。結果は、コントロールバッファーで観察された細胞成長の%で示された。
【0201】
このアッセイでは、次のPROポリペプチドが正常ヒト皮膚線維芽細胞の増殖を刺激した:PRO982,PRO357,PRO725,PRO1306,PRO1419,PRO214,PRO247,PRO337,PRO526,PRO363,PRO531,PRO1083,PRO840,PRO1080,PRO1478,PRO1134,PRO826,PRO1005,PRO809,PRO1071,PRO1411,PRO1309,PRO1025,PRO1181,PRO1126,PRO1186,PRO1192,PRO1244,PRO1274,PRO1412,PRO1286,PRO1330,PRO1347,PRO1305,PRO1273,PRO1279,PRO1340,PRO1338,PRO1343,PRO1376,PRO1387,PRO1409,PRO1474,PRO1917,PRO1760,PRO1567,PRO1887,PRO1928,PRO4341,PRO1801,PRO4333,PRO3543,PRO3444,PRO4322,PRO9940,PRO6079,PRO9836,及びPRO10096。
このアッセイでは、次のPROポリペプチドが正常ヒト皮膚線維芽細胞の増殖を阻害した:PRO181,PRO229,PRO788,PRO1194,PRO1272,PRO1488,PRO4302,PRO4408,PRO5723,PRO5725,PRO7154,及びPRO7425。
【0202】
実施例20: 癌性腫瘍でのPROポリペプチドの過剰発現を検出するためのマイクロアレイ分析
幾千もの遺伝子配列を殆どの場合において含む核酸マイクロアレイは、組織の正常な対応物と比較して、疾患組織において差別的に発現している遺伝子を同定するために有用である。核酸マイクロアッセイを用いると、試験及びコントロール組織試料からの試験及びコントロールmRNA試料が逆転写され、cDNAプローブを生成するために標識される。次いで、このcDNAプローブは、固体支持体上に固定化された多くの核酸とハイブリダイズされる。このアレイは、アレイの各メンバーの配列と位置がわかるように構成されている。例えば、ある疾患段階で発現することが知られている遺伝子から選ばれたものを固体支持体上に整列してもよい。標識プローブとある特定のアレイのメンバーとのハイブリダイゼーションは、プローブが誘導された試料がその遺伝子を発現していることを示す。試験(疾患組織)からのプローブのハイブリダイゼーションシグナルが、コントロール(正常組織)試料からのプローブのハイブリダイゼーションシグナルより大きい場合は、疾患組織において過剰発現している遺伝子又は複数遺伝子が同定される。この結果の意味は、疾患組織で過剰発現しているタンパク質は、疾患症状の存在のための診断的マーカーとしてだけではなく、疾患症状の治療のための治療上の標的としても有用であるということである。
核酸のハイブリダイゼーション及びマイクロアレイ技術の方法論は、当業者には良く知られている。本実施例では、ハイブリダイゼーション及びプローブ、スライドのための核酸の特別な調製、並びにハイブリダイゼーションの条件は、2000年3月31日に出願された米国仮出願一連番号 60/193,767にすべて詳述されており、ここにおいて文献として取り入れられている。
【0203】
本実施例では、癌性腫瘍で過剰発現しているPROポリペプチドを同定するための試みとして、非癌性ヒト組織に関連するPROポリペプチドコード化遺伝子発現のために、種々のヒト組織から誘導された癌性腫瘍が研究された。任意の種々の異なるヒト腫瘍からの癌性ヒト腫瘍組織を得て、肝臓、腎臓、及び肺を含む上皮由来の非癌性ヒト組織をプールすることによって調製される「普遍的」上皮コントロール試料と比較した。プールされた組織から単離されたmRNAは、これら異なる組織での発現遺伝子産物の混合物を示す。プールされたコントロール試料を用いたマイクロアレイハイブリダイゼーション実験は、二色分析において直線的なプロットを生じた。次いで、二色分析において生じたこの線の傾斜を、各実験の(試験:コントロール検出)の比率を標準化するために用いた。次いで、種々の実験の標準化された比率を比較し、そして遺伝子発現の集積牲を同定するために用いた。従って、プール化された「普遍的なコントロール」試料は、単純な二つの試料の比較における有効で相対的遺伝子発現の判定を可能にするだけではなく、幾つかの実験に渡る複数の試料の比較をも可能にする。
【0204】
本実験では、ここに記載のPROポリペプチドコード化核酸配列から誘導された核酸プローブをマイクロアレイの作製に用い、9つの異なる腫瘍組織(下に列挙)のRNAをさらにハイブリダイゼーションに用いた。標準化比:実験比に基づく値は、「カットオフ比」と命名された。このカットオフを上回る値のみを重要であると判定した。下記の表8は、これらの実験の結果を示しており、本発明の種々のPROポリペプチドが非癌性ヒト組織コントロール又はヒト腫瘍組織と比べて種々のヒト腫瘍組織において著しく過剰発現していることを示している。上記にて記載のように、これらのデーターは、本発明のPROポリペプチドが一つ以上の癌性腫瘍の存在を示す診断マーカーとしてだけではなく、これら腫瘍の治療のための治療上の標的としての機能も果たすことを示している。
【0205】
【0206】
【0207】
【0208】
【0209】
実施例21:腫瘍に対する正常な差別的組織発現分布
オリゴヌクレオチドプローブを、定量PCR増幅反応で用いる、付随する図に示すPROポリペプチドコード化ヌクレオチド配列から構築した。このオリゴヌクレオチドプローブは、標準的PCR反応に対応するテンプレートの3’ 末端から約200−600塩基対の増幅断片が生じるように選択した。このオリゴヌクレオチドプローブを、異なるヒト腫瘍及び正常なヒト組織試料から単離したcDNAライブラリーを用いた標準的な定量PCR増幅反応に使用し、種々の腫瘍及び試験した正常な組織におけるPROポリペプチドコード化核酸の発現レベルの定量的測定を得るために、アガロースゲル電気泳動によって分析した。等量の核酸が各反応に使用されたことを確かめるために、β−アクチンをコントロールとして利用した。1つ又はそれ以上の同じ組織型と比較した、1つ又はそれ以上の腫瘍組織でのPROポリペプチドコード化核酸の差別的発現の同定は、そのような腫瘍を有すると思われる被検体の腫瘍の治療のための標的として治療上有用であると同時に、腫瘍を有すると思われる腫瘍の存否を確かめることに関して診断上も有用な分子を与える。
これらのアッセイによって、以下の結果が示された。
【0210】
(1)DNA94849−2960は、次の組織で有意に発現し:軟骨、睾丸、結腸腫瘍、心臓、胎盤、骨髄、副腎、前立腺、膵臓大動脈内皮細胞及び子宮、そして次の組織では有意に発現しない:HUVEC。
(2)DNA100272−2969は、軟骨、睾丸、ヒト門脈内皮細胞(HUVEC)、結腸腫瘍、心臓、胎盤、骨髄、副腎、前立腺、膵臓大動脈内皮細胞で有意に発現し;子宮では有意に発現しない。検討された正常及び腫瘍細胞の中で、DNA100272−2969は、正常な食道、食道腫瘍、正常な胃、胃腫瘍、正常な腎臓、腎臓腫瘍、正常な肺、肺腫瘍、正常な直腸、直腸腫瘍、正常な肝臓及び肝腫瘍で発現することが見出された。
(3)DNA108696−2966分子は、前立腺で高発現し、さらに睾丸、骨髄及び膵臓で発現する。DNA108696−2966分子は、正常な胃で発現するが、胃腫瘍では発現しない。DNA108696−2966分子は、正常な腎臓、腎臓腫瘍、正常な肺又は肺腫瘍では発現しない。DNA108696−2966分子は、正常な直腸で高発現し、直腸腫瘍では低発現である。DNA108696−2966分子は、正常な肝臓又は肝腫瘍では発現しない。DNA108696−2966分子は、正常な食道、食道腫瘍、軟骨、HUVEC、結腸腫瘍、心臓、胎盤、副腎、大動脈内皮細胞及び子宮では発現しない。
(4)DNA119498−2965分子は、次の組織で有意に発現する:大動脈内皮細胞で高発現し、軟骨、睾丸、HUVEC、結腸腫瘍、心臓、胎盤、骨髄、副腎、前立腺及び膵臓で有意に発現する。子宮では有意に発現しない。
(5)DNA119530−2968分子は、次の組織で発現する:正常な食道、そして次の組織では発現しない:食道腫瘍、胃腫瘍、正常な胃、正常な腎臓、腎臓腫瘍、正常な肺、肺腫瘍、正常な直腸、直腸腫瘍、正常な肝臓又は肝腫瘍。
(6)DNA129794−2967分子は、睾丸及び副腎で有意に発現し;軟骨、ヒト門脈内皮細胞(HUVEC)、結腸腫瘍、心臓、胎盤、骨髄、前立腺、膵臓、大動脈内皮細胞及び子宮では有意に発現しない。
【0211】
(7)DNA131590−2962分子は、次の組織で有意に発現する:骨髄、副腎、前立腺、膵臓、子宮、軟骨、睾丸、結腸腫瘍、心臓及び胎盤、そして、次の組織では有意に発現しない:HUVEC、及び大動脈内皮細胞。
(8)DNA149995−2871分子は、睾丸、及び副腎で高発現し;軟骨、ヒト門脈内皮細胞(HUVEC)、結腸腫瘍、心臓、前立腺及び子宮で発現し;骨髄、膵臓及び大動脈内皮細胞で弱く発現し;そして胎盤では有意に発現しない。
(9)DNA167678−2963分子は、次の組織で有意に発現する:正常な食道、食道腫瘍、正常な胃、胃腫瘍で高発現し、正常な腎臓、腎臓腫瘍で高発現し、肺、肺腫瘍、正常な直腸、直腸腫瘍で発現し、正常な肝臓で弱く発現し、肝腫瘍では有意に発現しない。
(10)DNA168028−2956分子は、骨髄で高発現し;睾丸、ヒト門脈内皮細胞(HUVEC)、結腸腫瘍、心臓、胎盤、副腎、前立腺、膵臓、大動脈内皮細胞及び子宮で発現し;そして軟骨で弱く発現する。検討された正常及び腫瘍試料のパネルの中では、DNA168028−2956分子は、胃腫瘍、正常な腎臓、腎臓腫瘍、肺腫瘍、正常な直腸及び直腸腫瘍で発現し、正常な食道、食道腫瘍、正常な胃、正常な肺、正常な肝臓及び肝腫瘍では発現しないことが見出された。
(11)DNA176775−2957分子は、睾丸で高発現し、軟骨及び前立腺で発現し;副腎、膵臓及び子宮で弱く発現し;そして、ヒト門脈内皮細胞(HUVEC)、結腸腫瘍、心臓、胎盤、骨髄及び大動脈内皮細胞では有意に発現しない。
(12)DNA177313−2982分子は、前立腺及び大動脈内皮細胞で有意に発現し;そして、軟骨、睾丸、ヒト門脈内皮細胞(HUVEC)、結腸腫瘍、心臓、胎盤、骨髄、副腎、膵臓及び子宮では有意に発現しない。正常及び腫瘍細胞のパネルの中では、DNA177313−2982分子は、食道腫瘍では発現するが、正常な食道、正常な胃、胃腫瘍、正常な腎臓、腎臓腫瘍、正常な肺、肺腫瘍、正常な直腸、直腸腫瘍、正常な肝臓及び肝腫瘍で発現しないことが見出された。
【図面の簡単な説明】
【図1A−1B】配列番号:1がここにおいて「DNA92259」と命名されたクローンである、天然配列PRO6004cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:1)。
【図2】図1A−1Bに示された配列番号:1のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:2)。
【図3】配列番号:3がここにおいて「DNA94849−2960」と命名されたクローンである、天然配列PRO4981cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:3)。
【図4】図3に示された配列番号:3のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:4)。
【図5】配列番号:5がここにおいて「DNA96883−2745」と命名されたクローンである、天然配列PRO7174cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:5)。
【図6】図5に示された配列番号:5のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:6)。
【図7】配列番号:7がここにおいて「DNA96894−2675」と命名されたクローンである、天然配列PRO5778cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:7)。
【図8】図7に示された配列番号:7のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:8)。
【図9】配列番号:9がここにおいて「DNA100272−2969」と命名されたクローンである、天然配列PRO4332cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:9)。
【図10】図9に示された配列番号:9のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:10)。
【図11】配列番号:11がここにおいて「DNA108696−2966」と命名されたクローンである、天然配列PRO9799cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:11)。
【図12】図11に示された配列番号:11のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:12)。
【図13】配列番号:13がここにおいて「DNA117935−2801」と命名されたクローンである、天然配列PRO9909cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:13)。
【図14】図13に示された配列番号:13のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:14)。
【図15】配列番号:15がここにおいて「DNA119474−2803」と命名されたクローンである、天然配列PRO9917cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:15)。
【図16】図15に示された配列番号:15のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:16)。
【図17】配列番号:17がここにおいて「DNA119498−2965」と命名されたクローンである、天然配列PRO9771cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:17)。
【図18】図17に示された配列番号:17のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:18)。
【図19】配列番号:19がここにおいて「DNA119502−2789」と命名されたクローンである、天然配列PRO9877cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:19)。
【図20】図19に示された配列番号:19のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:20)。
【図21】配列番号:21がここにおいて「DNA119516−2797」と命名されたクローンである、天然配列PRO9903cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:21)。
【図22】図21に示された配列番号:21のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:22)。
【図23】配列番号:23がここにおいて「DNA119530−2968」と命名されたクローンである、天然配列PRO9830cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:23)。
【図24】図23に示された配列番号:23のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:24)。
【図25】配列番号:25がここにおいて「DNA121772−2741」と命名されたクローンである、天然配列PRO7155cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:25)。
【図26】図25に示された配列番号:25のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:26)。
【図27】配列番号:27がここにおいて「DNA125148−2782」と命名されたクローンである、天然配列PRO9862cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:27)。
【図28】図27に示された配列番号:27のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:28)。
【図29】配列番号:29がここにおいて「DNA125150−2793」と命名されたクローンである、天然配列PRO9882cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:29)。
【図30】図29に示された配列番号:29のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:30)。
【図31】配列番号:31がここにおいて「DNA125151−2784」と命名されたクローンである、天然配列PRO9864cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:31)。
【図32】図31に示された配列番号:31のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:32)。
【図33】配列番号:33がここにおいて「DNA125181−2804」と命名されたクローンである、天然配列PRO10013cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:33)。
【図34】図33に示された配列番号:33のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:34)。
【図35】配列番号:35がここにおいて「DNA125192−2794」と命名されたクローンである、天然配列PRO9885cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:35)。
【図36】図35に示された配列番号:35のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:36)。
【図37】配列番号:37がここにおいて「DNA125196−2792」と命名されたクローンである、天然配列PRO9879cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:37)。
【図38】図37に示された配列番号:37のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:38)。
【図39】配列番号:39がここにおいて「DNA125200−2810」と命名されたクローンである、天然配列PRO10111cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:39)。
【図40】図39に示された配列番号:39のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:40)。
【図41】配列番号:41がここにおいて「DNA125214−2814」と命名されたクローンである、天然配列PRO9925cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:41)。
【図42】図41に示された配列番号:41のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:42)。
【図43】配列番号:43がここにおいて「DNA125219−2799」と命名されたクローンである、天然配列PRO9905cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:43)。
【図44】図43に示された配列番号:43のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:44)。
【図45】配列番号:45がここにおいて「DNA128309−2825」と命名されたクローンである、天然配列PRO10276cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:45)。
【図46】図45に示された配列番号:45のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:46)。
【図47】配列番号:47がここにおいて「DNA129535−2796」と命名されたクローンである、天然配列PRO9898cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:47)。
【図48】図47に示された配列番号:47のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:48)。
【図49】配列番号:49がここにおいて「DNA129549−2798」と命名されたクローンである、天然配列PRO9904cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:49)。
【図50】図49に示された配列番号:49のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:50)。
【図51】配列番号:51がここにおいて「DNA129580−2863」と命名されたクローンである、天然配列PRO19632cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:51)。
【図52】図51に示された配列番号:51のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:52)。
【図53】配列番号:53がここにおいて「DNA129794−2967」と命名されたクローンである、天然配列PRO19672cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:53)。
【図54】図53に示された配列番号:53のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:54)。
【図55】配列番号:55がここにおいて「DNA131590−2962」と命名されたクローンである、天然配列PRO9783cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:55)。
【図56】図55に示された配列番号:55のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:56)。
【図57】配列番号:57がここにおいて「DNA135173−2811」と命名されたクローンである、天然配列PRO10112cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:57)。
【図58】図57に示された配列番号:57のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:58)。
【図59A−59B】配列番号:59がここにおいて「DNA138039−2828」と命名されたクローンである、天然配列PRO10284cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:59)。
【図60】図59A−59Bに示された配列番号:59のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:60)。
【図61】配列番号:61がここにおいて「DNA139540−2807」と命名されたクローンである、天然配列PRO10100cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:61)。
【図62】図61に示された配列番号:61のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:62)。
【図63】配列番号:63がここにおいて「DNA139602−2859」と命名されたクローンである、天然配列PRO19628cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:63)。
【図64】図63に示された配列番号:63のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:64)。
【図65】配列番号:65がここにおいて「DNA139632−2880」と命名されたクローンである、天然配列PRO19684cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:65)。
【図66】図65に示された配列番号:65のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:66)。
【図67】配列番号:67がここにおいて「DNA139686−2823」と命名されたクローンである、天然配列PRO10274cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:67)。
【図68】図67に示された配列番号:67のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:68)。
【図69】配列番号:69がここにおいて「DNA142392−2800」と命名されたクローンである、天然配列PRO9907cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:69)。
【図70】図69に示された配列番号:69のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:70)。
【図71】配列番号:71がここにおいて「DNA143076−2787」と命名されたクローンである、天然配列PRO9873cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:71)。
【図72】図71に示された配列番号:71のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:72)。
【図73】配列番号:73がここにおいて「DNA143294−2818」と命名されたクローンである、天然配列PRO10201cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:73)。
【図74】図73に示された配列番号:73のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:74)。
【図75】配列番号:75がここにおいて「DNA143514−2817」と命名されたクローンである、天然配列PRO10200cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:75)。
【図76】図75に示された配列番号:75のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:76)。
【図77】配列番号:77がここにおいて「DNA144841−2816」と命名されたクローンである、天然配列PRO10196cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:77)。
【図78】図77に示された配列番号:77のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:78)。
【図79】配列番号:79がここにおいて「DNA148380−2827」と命名されたクローンである、天然配列PRO10282cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:79)。
【図80】図79に示された配列番号:79のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:80)。
【図81】配列番号:81がここにおいて「DNA149995−2871」と命名されたクローンである、天然配列PRO19650cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:81)。
【図82】図81に示された配列番号:81のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:82)。
【図83】配列番号:83がここにおいて「DNA167678−2963」と命名されたクローンである、天然配列PRO21184cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:83)。
【図84】図83に示された配列番号:83のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:84)。
【図85】配列番号:85がここにおいて「DNA168028−2956」と命名されたクローンである、天然配列PRO21201cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:85)。
【図86】図85に示された配列番号:85のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:86)。
【図87】配列番号:87がここにおいて「DNA173894−2947」と命名されたクローンである、天然配列PRO21175cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:87)。
【図88】図87に示された配列番号:87のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:88)。
【図89】配列番号:89がここにおいて「DNA176775−2957」と命名されたクローンである、天然配列PRO21340cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:89)。
【図90】図89に示された配列番号:89のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:90)。
【図91】配列番号:91がここにおいて「DNA177313−2982」と命名されたクローンである、天然配列PRO21384cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:91)。
【図92】図91に示された配列番号:91のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:92)。
【図93】配列番号:93がここにおいて「DNA57700−1408」と命名されたクローンである、天然配列PRO982cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:93)。
【図94】図93に示された配列番号:93のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:94)。
【図95】配列番号:95がここにおいて「DNA62872−1509」と命名されたクローンである、天然配列PRO1160cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:95)。
【図96】図95に示された配列番号:95のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:96)。
【図97】配列番号:97がここにおいて「DNA62876−1517」と命名されたクローンである、天然配列PRO1187cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:97)。
【図98】図97に示された配列番号:97のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:98)。
【図99】配列番号:99がここにおいて「DNA66660−1585」と命名されたクローンである、天然配列PRO1329cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:99)。
【図100】図99に示された配列番号:99のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:100)。
【図101】配列番号:101がここにおいて「DNA34434−1139」と命名されたクローンである、天然配列PRO231cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:101)。
【図102】図101に示された配列番号:101のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:102)。
【図103】配列番号:103がここにおいて「DNA44804−1248」と命名されたクローンである、天然配列PRO357cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:103)。
【図104】図103に示された配列番号:103のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:104)。
【図105】配列番号:105がここにおいて「DNA52758−1399」と命名されたクローンである、天然配列PRO725cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:105)。
【図106】図105に示された配列番号:105のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:106)。
【図107】配列番号:107がここにおいて「DNA59849−1504」と命名されたクローンである、天然配列PRO1155cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:107)。
【図108】図107に示された配列番号:107のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:108)。
【図109】配列番号:109がここにおいて「DNA65410−1569」と命名されたクローンである、天然配列PRO1306cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:109)。
【図110】図109に示された配列番号:109のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:110)。
【図111】配列番号:111がここにおいて「DNA71290−1630」と命名されたクローンである、天然配列PRO1419cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:111)。
【図112】図111に示された配列番号:111のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:112)。
【図113】配列番号:113がここにおいて「DNA33100−1159」と命名されたクローンである、天然配列PRO229cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:113)。
【図114】図113に示された配列番号:113のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:114)。
【図115】配列番号:115がここにおいて「DNA64896−1539」と命名されたクローンである、天然配列PRO1272cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:115)。
【図116】図115に示された配列番号:115のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:116)。
【図117】配列番号:117がここにおいて「DNA84920−2614」と命名されたクローンである、天然配列PRO4405cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:117)。
【図118】図117に示された配列番号:117のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:118)。
【図119】配列番号:119がここにおいて「DNA23330−1390」と命名されたクローンである、天然配列PRO181cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:119)。
【図120】図119に示された配列番号:119のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:120)。
【図121】配列番号:121がここにおいて「DNA32286−1191」と命名されたクローンである、天然配列PRO214cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:121)。
【図122】図121に示された配列番号:121のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:122)。
【図123】配列番号:123がここにおいて「DNA35673−1201」と命名されたクローンである、天然配列PRO247cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:123)。
【図124】図123に示された配列番号:123のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:124)。
【図125】配列番号:125がここにおいて「DNA43316−1237」と命名されたクローンである、天然配列PRO337cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:125)。
【図126】図125に示された配列番号:125のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:126)。
【図127】配列番号:127がここにおいて「DNA44184−1319」と命名されたクローンである、天然配列PRO526cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:127)。
【図128】図127に示された配列番号:127のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:128)。
【図129】配列番号:129がここにおいて「DNA45419−1252」と命名されたクローンである、天然配列PRO363cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:129)。
【図130】図129に示された配列番号:129のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:130)。
【図131】配列番号:131がここにおいて「DNA48314−1320」と命名されたクローンである、天然配列PRO531cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:131)。
【図132】図131に示された配列番号:131のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:132)。
【図133】配列番号:133がここにおいて「DNA50921−1458」と命名されたクローンである、天然配列PRO1083cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:133)。
【図134】図133に示された配列番号:133のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:134)。
【図135】配列番号:135がここにおいて「DNA53987」と命名されたクローンである、天然配列PRO840cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:135)。
【図136】図135に示された配列番号:135のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:136)。
【図137】配列番号:137がここにおいて「DNA56047−1456」と命名されたクローンである、天然配列PRO1080cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:137)。
【図138】図137に示された配列番号:137のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:138)。
【図139】配列番号:139がここにおいて「DNA56405−1357」と命名されたクローンである、天然配列PRO788cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:139)。
【図140】図139に示された配列番号:139のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:140)。
【図141】配列番号:141がここにおいて「DNA56531−1648」と命名されたクローンである、天然配列PRO1478cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:141)。
【図142】図141に示された配列番号:141のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:142)。
【図143】配列番号:143がここにおいて「DNA56865−1491」と命名されたクローンである、天然配列PRO1134cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:143)。
【図144】図143に示された配列番号:143のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:144)。
【図145】配列番号:145がここにおいて「DNA57694−1341」と命名されたクローンである、天然配列PRO826cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:145)。
【図146】図145に示された配列番号:145のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:146)。
【図147】配列番号:147がここにおいて「DNA57708−1411」と命名されたクローンである、天然配列PRO1005cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:147)。
【図148】図147に示された配列番号:147のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:148)。
【図149】配列番号:149がここにおいて「DNA57836−1338」と命名されたクローンである、天然配列PRO809cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:149)。
【図150】図149に示された配列番号:149のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:150)。
【図151】配列番号:151がここにおいて「DNA57841−1522」と命名されたクローンである、天然配列PRO1194cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:151)。
【図152】図151に示された配列番号:151のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:152)。
【図153】配列番号:153がここにおいて「DNA58847−1383」と命名されたクローンである、天然配列PRO1071cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:153)。
【図154】図153に示された配列番号:153のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:154)。
【図155】配列番号:155がここにおいて「DNA59212−1627」と命名されたクローンである、天然配列PRO1411cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:155)。
【図156】図155に示された配列番号:155のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:156)。
【図157】配列番号:157がここにおいて「DNA59588−1571」と命名されたクローンである、天然配列PRO1309cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:157)。
【図158】図157に示された配列番号:157のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:158)。
【図159】配列番号:159がここにおいて「DNA59622−1334」と命名されたクローンである、天然配列PRO1025cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:159)。
【図160】図159に示された配列番号:159のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:160)。
【図161】配列番号:161がここにおいて「DNA59847−2510」と命名されたクローンである、天然配列PRO1181cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:161)。
【図162】図161に示された配列番号:161のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:162)。
【図163】配列番号:163がここにおいて「DNA60615−1483」と命名されたクローンである、天然配列PRO1126cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:163)。
【図164】図163に示された配列番号:163のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:164)。
【図165】配列番号:165がここにおいて「DNA60621−1516」と命名されたクローンである、天然配列PRO1186cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:165)。
【図166】図165に示された配列番号:165のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:166)。
【図167】配列番号:167がここにおいて「DNA62814−1521」と命名されたクローンである、天然配列PRO1192cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:167)。
【図168】図167に示された配列番号:167のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:168)。
【図169】配列番号:169がここにおいて「DNA64883−1526」と命名されたクローンである、天然配列PRO1244cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:169)。
【図170】図169に示された配列番号:169のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:170)。
【図171】配列番号:171がここにおいて「DNA64889−1541」と命名されたクローンである、天然配列PRO1274cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:171)。
【図172】図171に示された配列番号:171のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:172)。
【図173】配列番号:173がここにおいて「DNA64897−1628」と命名されたクローンである、天然配列PRO1412cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:173)。
【図174】図173に示された配列番号:173のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:174)。
【図175】配列番号:175がここにおいて「DNA64903−1553」と命名されたクローンである、天然配列PRO1286cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:175)。
【図176】図175に示された配列番号:175のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:176)。
【図177】配列番号:177がここにおいて「DNA64907−1163−1」と命名されたクローンである、天然配列PRO1330cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:177)。
【図178】図177に示された配列番号:177のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:178)。
【図179】配列番号:179がここにおいて「DNA64950−1590」と命名されたクローンである、天然配列PRO1347cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:179)。
【図180】図179に示された配列番号:179のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:180)。
【図181】配列番号:181がここにおいて「DNA64952−1568」と命名されたクローンである、天然配列PRO1305cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:181)。
【図182】図181に示された配列番号:181のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:182)。
【図183】配列番号:183がここにおいて「DNA65402−1540」と命名されたクローンである、天然配列PRO1273cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:183)。
【図184】図183に示された配列番号:183のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:184)。
【図185】配列番号:185がここにおいて「DNA65405−1547」と命名されたクローンである、天然配列PRO1279cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:185)。
【図186】図185に示された配列番号:185のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:186)。
【図187】配列番号:187がここにおいて「DNA66663−1598」と命名されたクローンである、天然配列PRO1340cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:187)。
【図188】図187に示された配列番号:187のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:188)。
【図189】配列番号:189がここにおいて「DNA66667」と命名されたクローンである、天然配列PRO1338cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:189)。
【図190】図189に示された配列番号:189のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:190)。
【図191】配列番号:191がここにおいて「DNA66675−1587」と命名されたクローンである、天然配列PRO1343cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:191)。
【図192】図191に示された配列番号:191のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:192)。
【図193】配列番号:193がここにおいて「DNA67300−1605」と命名されたクローンである、天然配列PRO1376cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:193)。
【図194】図193に示された配列番号:193のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:194)。
【図195】配列番号:195がここにおいて「DNA68872−1620」と命名されたクローンである、天然配列PRO1387cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:195)。
【図196】図195に示された配列番号:195のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:196)。
【図197】配列番号:197がここにおいて「DNA71269−1621」と命名されたクローンである、天然配列PRO1409cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:197)。
【図198】図197に示された配列番号:197のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:198)。
【図199】配列番号:199がここにおいて「DNA73736−1657」と命名されたクローンである、天然配列PRO1488cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:199)。
【図200】図199に示された配列番号:199のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:200)。
【図201】配列番号:201がここにおいて「DNA73739−1645」と命名されたクローンである、天然配列PRO1474cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:201)。
【図202】図201に示された配列番号:201のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:202)。
【図203】配列番号:203がここにおいて「DNA76400−2528」と命名されたクローンである、天然配列PRO1917cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:203)。
【図204】図203に示された配列番号:203のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:204)。
【図205】配列番号:205がここにおいて「DNA76532−1702」と命名されたクローンである、天然配列PRO1760cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:205)。
【図206】図205に示された配列番号:205のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:206)。
【図207】配列番号:207がここにおいて「DNA76541−1675」と命名されたクローンである、天然配列PRO1567cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:207)。
【図208】図207に示された配列番号:207のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:208)。
【図209】配列番号:209がここにおいて「DNA79862−2522」と命名されたクローンである、天然配列PRO1887cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:209)。
【図210】図209に示された配列番号:209のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:210)。
【図211】配列番号:211がここにおいて「DNA81754−2532」と命名されたクローンである、天然配列PRO1928cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:211)。
【図212】図211に示された配列番号:211のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:212)。
【図213】配列番号:213がここにおいて「DNA81761−2583」と命名されたクローンである、天然配列PRO4341cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:213)。
【図214】図213に示された配列番号:213のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:214)。
【図215】配列番号:215がここにおいて「DNA82361」と命名されたクローンである、天然配列PRO5723cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:215)。
【図216】図215に示された配列番号:215のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:216)。
【図217】配列番号:217がここにおいて「DNA83500−2506」と命名されたクローンである、天然配列PRO1801cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:217)。
【図218】図217に示された配列番号:217のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:218)。
【図219】配列番号:219がここにおいて「DNA84210−2576」と命名されたクローンである、天然配列PRO4333cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:219)。
【図220】図219に示された配列番号:219のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:220)。
【図221】配列番号:221がここにおいて「DNA86571−2551」と命名されたクローンである、天然配列PRO3543cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:221)。
【図222】図221に示された配列番号:221のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:222)。
【図223】配列番号:223がここにおいて「DNA87997」と命名されたクローンである、天然配列PRO3444cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:223)。
【図224】図223に示された配列番号:223のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:224)。
【図225】配列番号:225がここにおいて「DNA92218−2554」と命名されたクローンである、天然配列PRO4302cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:225)。
【図226】図225に示された配列番号:225のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:226)。
【図227】配列番号:227がここにおいて「DNA92223−2567」と命名されたクローンである、天然配列PRO4322cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:227)。
【図228】図227に示された配列番号:227のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:228)。
【図229】配列番号:229がここにおいて「DNA92265−2669」と命名されたクローンである、天然配列PRO5725cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:229)。
【図230】図229に示された配列番号:229のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:230)。
【図231】配列番号:231がここにおいて「DNA92274−2617」と命名されたクローンである、天然配列PRO4408cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:231)。
【図232】図231に示された配列番号:231のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:232)。
【図233】配列番号:223がここにおいて「DNA92282」と命名されたクローンである、天然配列PRO9940cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:233)。
【図234】図233に示された配列番号:233のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:234)。
【図235】配列番号:235がここにおいて「DNA108760−2740」と命名されたクローンである、天然配列PRO7154cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:235)。
【図236】図235に示された配列番号:235のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:236)。
【図237】配列番号:237がここにおいて「DNA108792−2753」と命名されたクローンである、天然配列PRO7425cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:237)。
【図238】図237に示された配列番号:237のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:238)。
【図239】配列番号:239がここにおいて「DNA111750−2706」と命名されたクローンである、天然配列PRO6079cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:239)。
【図240】図239に示された配列番号:239のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:240)。
【図241】配列番号:241がここにおいて「DNA119514−2772」と命名されたクローンである、天然配列PRO9836cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:241)。
【図242】図241に示された配列番号:241のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:242)。
【図243】配列番号:243がここにおいて「DNA125185−2806」と命名されたクローンである、天然配列PRO10096cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:243)。
【図244】図243に示された配列番号:243のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:244)。
(発明の分野)
本発明は、一般的に、新規なDNAの同定及び単離、及び新規なポリペプチドの組換え生産に関する。
【0002】
(発明の背景)
細胞外タンパク質は、特に、多細胞生物の形成、分化及び維持において重要な役割を担っている。多くの個々の細胞の運命、例えば増殖、遊走、分化又は他の細胞との相互作用は、典型的には、他の細胞及び/又は直近の環境から受け取る情報に支配される。この情報は、しばしば分泌ポリペプチド(例えば、分裂促進因子、生存因子、細胞障害性因子、分化因子、神経ペプチド、及びホルモン)により伝達され、これが、翻って多様な細胞レセプター又は膜結合タンパク質により受け取られ解釈される。これらの分泌ポリペプチド又はシグナル分子は、通常は細胞分泌経路を通過して、細胞外環境におけるその作用部位に到達する。
分泌タンパク質は、製薬、診断、バイオセンサー及びバイオリアクターを含む、様々な産業上の利用性を有している。血栓溶解剤、インターフェロン、インターロイキン、エリスロポエチン、コロニー刺激因子、及び種々の他のサイトカインのような、現在入手可能な大抵のタンパク質薬物は分泌タンパク質である。また、膜タンパク質であるこれらレセプターは、治療又は診断薬剤としての潜在力を有する。新規な未変性分泌タンパク質を同定する努力が産業界及び学術界の両方によってなされている。多くの努力が新規な分泌タンパク質のコード配列を同定するために哺乳類組換えDNAライブラリーのスクリーニングに注がれている。スクリーニング方法及び技術の例は文献に記載されている[例えば、Kleinら, Proc. Natl. Acad. Sci. 93;7108−7113(1996);米国特許第5,536,637号を参照されたい]。
【0003】
膜結合タンパク質及びレセプターは、多細胞生物の形成、分化及び維持において重要な役割を担っている。多くの個々の細胞の運命、例えば増殖、遊走、分化又は他の細胞との相互作用は、典型的には他の細胞及び/又は直近の環境から受け取られる情報に支配される。この情報は、しばしば分泌ポリペプチド(例えば、分裂促進因子、生存因子、細胞障害性因子、分化因子、神経ペプチド、及びホルモン)により伝達され、これが次に多様な細胞レセプター又は膜結合タンパク質により受け取られ解釈される。このような膜結合タンパク質及び細胞レセプターは、これらに限定されるものではないが、サイトカインレセプター、レセプターキナーゼ、レセプターホスファターゼ、細胞−細胞間相互作用に関与するレセプター、及びセレクチン及びインテグリンのような細胞接着分子を含む。例えば、細胞の増殖及び分化を調節するシグナルの伝達は、様々な細胞タンパク質のリン酸化により部分的に調節される。そのプロセスを触媒する酵素であるプロテインチロシンキナーゼはまた成長因子レセプターとしても作用する。具体例には、繊維芽細胞増殖因子及び神経成長因子レセプターが含まれる。
膜結合タンパク質及びレセプター分子は、製薬及び診断薬を含む、様々な産業上の利用性を有している。例えば、レセプターイムノアドヘシンはレセプター−リガンド間相互作用を阻止する治療薬として使用することができる。膜結合タンパク質はまた、関連するレセプター/リガンド間相互作用の可能性のあるペプチド又は小分子インヒビターをスクリーニングするために使用することもできる。
新規な天然のレセプター又は膜結合タンパク質を同定するための努力が産業界と学術界の双方によってなされている。多くの努力が、新規なレセプター又は膜結合タンパク質のコード配列を同定するために、哺乳動物の組換えDNAライブラリーのスクリーニングに注がれている。
【0004】
(発明の概要)
一実施態様では、本発明は、PROポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む単離された核酸分子を提供する。
一側面では、単離された核酸分子は、(a)ここに開示された完全長アミノ酸配列、ここに開示されたシグナルペプチドを欠くアミノ酸配列、シグナルペプチドを伴うか伴わないここに開示した膜貫通タンパク質の細胞外ドメイン又はここに開示された完全長アミノ酸配列の任意の他の特に定められた断片を有するPROポリペプチドをコードするDNA分子、又は(b)(a)のDNA分子の相補鎖に対して、少なくとも約80%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約81%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約82%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約83%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約84%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約85%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約86%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約87%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約88%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約89%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約90%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約91%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約92%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約93%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約94%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約95%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約96%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約97%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約98%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約99%の核酸配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む。
【0005】
他の側面では、単離された核酸分子は、(a)ここに開示された完完全長PROポリペプチドcDNAのコード配列、ここに開示されたシグナルペプチドを欠くPROポリペプチドDNAのコード配列、又はシグナルペプチドを伴うか伴わないここに開示した膜貫通PROポリペプチドの細胞外ドメインのコード配列又はここに開示された完全長アミノ酸配列の任意の他の特に定められた断片のコード配列を含むDNA分子、又は(b)(a)のDNA分子の相補鎖に対して、少なくとも約80%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約81%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約82%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約83%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約84%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約85%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約86%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約87%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約88%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約89%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約90%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約91%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約92%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約93%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約94%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約95%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約96%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約97%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約98%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約99%の核酸配列同一性を有しているヌクレオチド配列を含む。
【0006】
さらなる側面では、本発明は、(a)ここに開示されたATTCに寄託した任意のヒトタンパク質cDNAによってコードされている同じ成熟ポリペプチドをコードするDNA分子、又は(b)(a)のDNA分子の相補鎖に対して、少なくとも約80%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約81%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約82%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約83%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約84%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約85%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約86%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約87%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約88%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約89%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約90%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約91%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約92%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約93%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約94%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約95%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約96%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約97%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約98%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約99%の核酸配列同一性を有しているヌクレオチド配列を含む単離された核酸分子に関する。
【0007】
本発明の他の側面は、膜貫通ドメインが欠失又は膜貫通ドメインが不活性化のいずれかのPROポリペプチドをコードするヌクレオチド配列、或いはそのようなコード化ヌクレオチド配列に相補的なPROポリペプチドを含む単離された核酸分子を提供し、そのようなポリペプチドの膜貫通ドメインはここで開示される。従って、ここで記載されたPROポリペプチドの可溶性細胞外ドメインが考慮される。
【0008】
他の実施態様はPROポリペプチドコード化配列の断片、又はその補体に向けられ、それらは、例えば、場合によっては抗−PRO抗体に対する結合部位を含むポリペプチドをコードするPROポリペプチドのコード化断片のハイブリダイゼーションプローブとして、又はアンチセンスオリゴヌクレオチドプローブとしての用途が見いだされる。このような核酸断片は、通常は少なくとも約10ヌクレオチド長、あるいは少なくとも約15ヌクレオチド長、あるいは少なくとも約20ヌクレオチド長、あるいは少なくとも約30ヌクレオチド長、あるいは少なくとも約40ヌクレオチド長、あるいは少なくとも約50ヌクレオチド長、あるいは少なくとも約60ヌクレオチド長、あるいは少なくとも約70ヌクレオチド長、あるいは少なくとも約80ヌクレオチド長、あるいは少なくとも約90ヌクレオチド長、あるいは少なくとも約100ヌクレオチド長、あるいは少なくとも約110ヌクレオチド長、あるいは少なくとも約120ヌクレオチド長、あるいは少なくとも約130ヌクレオチド長、あるいは少なくとも約140ヌクレオチド長、あるいは少なくとも約150ヌクレオチド長、あるいは少なくとも約160ヌクレオチド長、あるいは少なくとも約170ヌクレオチド長、あるいは少なくとも約180ヌクレオチド長、あるいは少なくとも約190ヌクレオチド長、あるいは少なくとも約200ヌクレオチド長、あるいは少なくとも約250ヌクレオチド長、あるいは少なくとも約300ヌクレオチド長、あるいは少なくとも約350ヌクレオチド長、あるいは少なくとも約400ヌクレオチド長、あるいは少なくとも約450ヌクレオチド長、あるいは少なくとも約500ヌクレオチド長、あるいは少なくとも約600ヌクレオチド長、あるいは少なくとも約700ヌクレオチド長、あるいは少なくとも約800ヌクレオチド長、あるいは少なくとも約900ヌクレオチド長、あるいは少なくとも約1000ヌクレオチド長であり、ここで「約」という語の内容は参照する長さのプラス又はマイナス10%のヌクレオチド配列長を指すことを意味する。PROポリペプチドコード化ヌクレオチド配列の新規な断片は、多くの良く知られた配列アラインメントプログラムの任意のものを用いてPROポリペプチドコード化ヌクレオチド配列と他の公知のヌクレオチド配列とを整列させ、いずれのPROポリペプチドコード化ヌクレオチド配列断片が新規であるかを決定することにより、日常的な手法で同定してもよい。このようなPROポリペプチドコード化ヌクレオチド配列は、全てここで考慮される。また、これらのヌクレオチド分子断片、好ましくは抗−PRO抗体に対する結合部位を含むPROポリペプチド断片によってコードされるPROポリペプチド断片も考慮される。
【0009】
その他の実施態様では、本発明は、上記で特定された単離された核酸配列の任意のものにコードされる単離されたPROポリペプチドを提供する。
或る側面では、本発明は、ここに開示されている完全長アミノ酸配列、ここに開示されているシグナルペプチドを欠くアミノ酸配列、ここに開示されているシグナルペプチド有又は無の膜貫通タンパク質の細胞外ドメイン、又はここに開示されている完全長アミノ酸配列の特に同定された他の断片を持つPROポリペプチドに対して少なくとも約80%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約81%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約82%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約83%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約84%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約85%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約86%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約87%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約88%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約89%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約90%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約91%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約92%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約93%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約94%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約95%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約96%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約97%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約98%のアミノ酸配列同一性、そして、あるいは少なくとも約99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む単離されたPROポリペプチドに関する。
【0010】
さらなる態様では、本発明は、ここに開示されているATCCに寄託した任意のヒトタンパク質cDNAによってコードされるアミノ酸配列に対して少なくとも約80%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約81%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約82%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約83%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約84%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約85%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約86%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約87%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約88%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約89%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約90%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約91%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約92%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約93%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約94%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約95%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約96%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約97%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約98%のアミノ酸配列同一性、そして、あるいは少なくとも約99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む単離されたPROポリペプチドに関する。
【0011】
特別な側面は、本発明は、N−末端シグナル配列及び/又は開始メチオニンを持たず、上記したようなアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列によってコードされる単離されたPROポリペプチドを提供する。これらを製造する方法もここに記載され、これらの方法は、適当なコード化核酸分子を含むベクターを含む宿主細胞をPROポリペプチドの発現に適した条件下で培養し、培養培地からPROポリペプチドを回収することを含む。
本発明の他の態様は、膜貫通ドメインが欠失又は膜貫通ドメインが不活性化のいずれかの単離されたPROポリペプチドを提供する。これを製造する方法もここに記載され、その方法は、適当なコード化核酸分子を含むベクターを含む宿主細胞をPROポリペプチドの発現に適した条件下で培養し、培養培地からPROポリペプチドを回収することを含む。
【0012】
さらに他の実施態様では、本発明は、ここで同定される天然PROポリペプチドのアゴニスト及びアンタゴニストに関する。特別な実施態様では、アゴニスト又はアンタゴニストは抗−PRO抗体又は小分子である。
さらなる実施態様では、本発明は、PROポリペプチドのアゴニスト又はアンタゴニストを同定する方法に関し、それは、PROポリペプチドを候補分子と接触させ、前記PROポリペプチドによって媒介される生物学的活性をモニターすることを含む。好ましくは、PROポリペプチドは天然PROポリペプチドである。
またさらなる実施態様では、本発明は、PROポリペプチド、又はここに記載するPROポリペプチドのアゴニスト又はアンタゴニスト、又は抗−PRO抗体を担体と組み合わせて含む組成物に関する。場合によっては、担体は製薬的に許容される担体である。
【0013】
本発明のその他の実施態様は、PROポリペプチド、又は上記したようなそのアゴニスト又はアンタゴニスト、又は抗−PRO抗体の、PROポリペプチド、そのアゴニスト又はアンタゴニスト又は抗−PRO抗体に反応性のある症状の治療に有用な医薬の調製のための使用に関する。
本発明のさらなる実施態様では、本発明は、ここに記載の任意のポリペプチドをコードするDNAを含むベクターを提供する。任意のそのようなベクターを含む宿主細胞も提供される。例としては、宿主細胞はCHO細胞、大腸菌、又は酵母であってもよい。ここに記載の任意のポリペプチドの製造方法がさらに提供されており、それは、宿主細胞を所望のポリペプチドの発現に適した条件下で培養し、細胞培地から所望のポリペプチドを回収することを含む。
【0014】
他の実施態様では、本発明は、異種ポリペプチド又はアミノ酸配列に融合した、ここに記載の任意のポリペプチドを含んでなるキメラ分子を提供する。そのようなキメラ分子の例は、エピトープタグ配列又は免疫グロブリンのFc領域に融合したここに記載の任意のポリペプチドを含む。
その他の実施態様では、本発明は、上記又は下記のポリペプチドの任意のものに特異的に結合する抗体を提供する。場合によっては、抗体はモノクローナル抗体、ヒト化抗体、抗体断片又は一本鎖抗体である。
さらに他の実施態様では、本発明は、ゲノム及びcDNAヌクレオチド配列又はアンチセンスプローブの単離に有用なオリゴヌクレオチドプローブを提供し、それらのプローブは上記又は下記のヌクレオチド配列の任意のものから誘導されうる。
さらに他の実施態様では、本発明は、下記の実施例に示される機能的生物学的アッセイデータに基づく種々の利用についての本発明のPROポリペプチドの利用方法に関する。
【0015】
(好適な実施態様の詳細な説明)
I.定義
ここで使用される際の「PROポリペプチド」及び「PRO」という用語は、直後に数値符号がある場合に種々のポリペプチドを指し、完全な符号(例えば、PRO/番号)は、ここに記載する特定のポリペプチド配列を意味する。「数字」がここで使用される実際の数値符号である、ここで使用される「PRO/番号ポリペプチド」及び「PRO/番号」という用語は、天然配列ポリペプチド及び変異体(ここで更に詳細に定義する)を含む。ここで記載されているPROポリペプチドは、ヒト組織型又は他の供給源といった種々の供給源から単離してもよく、組換え又は合成方法によって調製してもよい。「PROポリペプチド」という用語は、ここで開示されている各個々のPRO/番号ポリペプチドに指す。「PROポリペプチド」を指すこの明細書中の全ての開示は、各ポリペプチドを個別にも組み合わせとしても言及する。例えば、調製の、精製の、誘導の、抗体の形成、投与の、含有する組成物、疾患の治療、などの記述は、本発明の各ポリペプチドに個別に関係する。また、「PROポリペプチド」という用語は、ここに開示されているPRO/番号ポリペプチドの変異体を含む。
【0016】
「天然配列PROポリペプチド」は、天然由来の対応するPROポリペプチドと同一のアミノ酸配列を有するポリペプチドを含んでいる。このような天然配列PROポリペプチドは、自然から単離することもできるし、組換え又は合成手段により生産することもできる。「天然配列PROポリペプチド」という用語には、特に、特定のPROポリペプチドの自然に生じる切断又は分泌形態(例えば、細胞外ドメイン配列)、自然に生じる変異形態(例えば、選択的にスプライシングされた形態)及びそのポリペプチドの自然に生じる対立遺伝子変異体が含まれる。本発明の種々の実施態様において、ここに開示されている天然配列PROポリペプチドは、関連する図に示されている完全長アミノ酸配列を含有する成熟又は完全長天然配列ポリペプチドである。開始及び終止コドンは、太い書体及び下線で図中に示さている。しかし、関連する図に開示されているPROポリペプチドがメチオニン残基で開始すると図のアミノ酸位置1において示されている一方で、図のアミノ酸位置1より上流又は下流のいずれかに位置する他のメチオニン残基が、PROポリペプチドの開始アミノ酸残基として用いられることが考えられるし可能である。
【0017】
PROポリペプチド「細胞外ドメイン」又は「ECD」は、膜貫通及び細胞質ドメインを実質的に有しないPROポリペプチドの形態を意味する。通常、PROポリペプチドECDは、それらの膜貫通及び/又は細胞質ドメインを1%未満、好ましくはそのようなドメインを0.5%未満しか持たない。本発明のPROポリペプチドについて同定された任意の膜貫通ドメインは、疎水性ドメインのその型を同定するために当該分野において日常的に使用される基準に従い同定されることが理解されるであろう。膜貫通ドメインの厳密な境界は変わり得るが、最初に同定されたドメインのいずれかの末端から約5アミノ酸を越えない可能性が高い。従って、PROポリペプチド細胞外ドメインは、場合によっては、実施例又明細書おいてに同定された膜貫通ドメインのいずれかの末端から約5を越えないアミノ酸を含みうるし、付着のシグナルペプチドを有する又は有しないそのようなポリペプチド及びそれらをコードする核酸は、本発明において考慮される。
【0018】
ここに開示する種々のPROポリペプチドの「シグナルペプチド」の適切な位置は、本明細書と添付の図面に示される。しかし、注記するように、シグナルペプチドのC−末端境界は変化しうるが、ここで最初に定義したようにシグナルペプチドC−末端境界のいずれかの側で約5アミノ酸未満である可能性が最も高く、シグナルペプチドのC−末端境界は、そのような型のアミノ酸配列成分を同定するのに日常的に使用される基準に従って同定しうる(例えば、Nielsenら, Prot. Eng. 10: 1−6 (1997)及びvon Heinjeら, Nucl. Acids. Res. 14: 4683−4690 (1986))。さらに、幾つかの場合には、分泌ポリペプチドからのシグナルペプチドの切断は完全に均一ではなく、1つ以上の分泌種をもたらすことも認められる。シグナルペプチドがここに定義されるシグナルペプチドのC−末端境界の何れかの側の約5アミノ酸未満内で切断されるこれらの成熟ポリペプチド、及びそれらをコードするポリヌクレオチドは、本発明で考慮される。
【0019】
「PROポリペプチド変異体」とは、上記又は下記に定義されるように、ここに開示される完全長天然配列PROポリペプチド、ここに開示されたシグナルペプチドを欠く完全長天然配列PROポリペプチド配列、シグナルペプチド有無のここに開示されたPROの細胞外ドメイン又はここに開示された完全長PROポリペプチドの他の断片と、少なくとも約80%のアミノ酸配列同一性を有する活性PROポリペプチドを意味する。このようなPROポリペプチド変異体には、例えば、完全長天然アミノ酸配列のN−又はC−末端において1つ又は複数のアミノ酸残基が付加、もしくは欠失されたPROポリペプチドが含まれる。通常、PROポリペプチド変異体は、ここに開示される完全長天然アミノ酸配列、ここに開示されたシグナルペプチドを欠く完全長天然配列PROポリペプチド配列、シグナルペプチドを有する又は有しないここに開示されたPROの細胞外ドメイン又はここに開示された完全長PROポリペプチドの特に同定された他の断片と、少なくとも約80%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約81%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約82%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約83%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約84%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約85%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約86%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約87%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約88%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約89%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約90%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約91%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約92%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約93%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約94%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約95%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約96%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約97%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約98%のアミノ酸配列同一性、そして、あるいは少なくとも約99%のアミノ酸配列同一性を有している。通常は、PRO変異体ポリペプチドは、少なくとも約10アミノ酸長、あるいは少なくとも約20アミノ酸長、あるいは少なくとも約30アミノ酸長、あるいは少なくとも約40アミノ酸長、あるいは少なくとも約50アミノ酸長、あるいは少なくとも約60アミノ酸長、あるいは少なくとも約70アミノ酸長、あるいは少なくとも約80アミノ酸長、あるいは少なくとも約90アミノ酸長、あるいは少なくとも約100アミノ酸長、あるいは少なくとも約150アミノ酸長、あるいは少なくとも約200アミノ酸長、あるいは少なくとも約300アミノ酸長、又はそれ以上である。
【0020】
ここに定義されるPROポリペプチドに対してここで同定されている「パーセント(%)アミノ酸配列同一性」は、配列を整列させ、最大のパーセント配列同一性を得るために必要ならば間隙を導入し、如何なる保存的置換も配列同一性の一部と考えないとした、PROポリペプチドのアミノ酸残基と同一である候補配列中のアミノ酸残基のパーセントとして定義される。パーセントアミノ酸配列同一性を決定する目的のためのアラインメントは、当業者の技量の範囲にある種々の方法、例えばBLAST、BLAST−2、ALIGN又はMegalign(DNASTAR)ソフトウエアのような公に入手可能なコンピュータソフトウエアを使用することにより達成可能である。当業者であれば、比較される配列の完全長に対して最大のアラインメントを達成するために必要な任意のアルゴリズムを含む、アラインメントを測定するための適切なパラメータを決定することができる。しかし、ここでの目的のためには、%アミノ酸配列同一性値は、ALIGN−2プログラム用の完全なソースコードが下記の表1に提供されている配列比較プログラムALIGN−2を使用することによって得られる。ALIGN−2配列比較コンピュータプログラムはジェネンテク社によって作成され、下記の表1に示したソースコードは米国著作権事務所, ワシントンD.C., 20559に使用者用書類とともに提出され、米国著作権登録番号TXU510087の下で登録されている。ALIGN−2はジェネンテク社、サウス サン フランシスコ, カリフォルニアから好適に入手可能であり、下記の表1に提供されたソースコードからコンパイルしてもよい。ALIGN−2プログラムは、UNIX(登録商標)オペレーティングシステム、好ましくはデジタルUNIX(登録商標) V4.0Dでの使用のためにコンパイルされる。全ての配列比較パラメータは、ALIGN−2プログラムによって設定され変動しない。
【0021】
アミノ酸配列比較にALIGN−2が用いられる状況では、与えられたアミノ酸配列Aの、与えられたアミノ酸配列Bとの、又はそれに対する%アミノ酸配列同一性(あるいは、与えられたアミノ酸配列Bと、又はそれに対して或る程度の%アミノ酸配列同一性を持つ又は含む与えられたアミノ酸配列Aと言うこともできる)は次のように計算される:
分率X/Yの100倍
ここで、Xは配列アラインメントプログラムALIGN−2のA及びBのアラインメントによって同一であると一致したスコアのアミノ酸残基の数であり、YはBの全アミノ酸残基数である。アミノ酸配列Aの長さがアミノ酸配列Bの長さと異なる場合、AのBに対する%アミノ酸配列同一性は、BのAに対する%アミノ酸配列同一性とは異なることは理解されるであろう。この方法を用いた%アミノ酸配列同一性の計算の例として、「PRO」が対象となる仮説的PROポリペプチドのアミノ酸配列を表し、「比較タンパク質」が対象となる「比較」タンパク質が比較されているアミノ酸配列を表し、そして「X」、「Y」及び「Z」の各々が異なった仮説的アミノ酸残基を表し、表2及び3は、「比較タンパク質」と称されるアミノ酸配列の「PRO」と称されるアミノ酸配列に対する%アミノ酸配列同一性の計算方法を示す。
【0022】
特に断らない限りは、ここでの全ての%アミノ酸配列同一性値は上記のようにALIGN−2配列比較コンピュータプログラムを用いて得られる。しかしながら、%アミノ酸配列同一性値は、WU−BLAST−2コンピュータプログラム(Altschulら, Methods in Enzymology 266: 460−480(1996))を用いて決定してもよい。さらに、殆どのWU−BLAST−2検索パラメータは初期値に設定される。初期値に設定されない、即ち調節可能なパラメータは以下の値に設定する:オーバーラップスパン=1、オーバーラップフラクション=0.125、ワード閾値(T)=11、及びスコアリングマトリクス=BLOSUM62。WU−BLAST2が用いられた場合には、、%アミノ酸配列同一性値は、(a)天然PROポリペプチドから誘導された配列を有する対象とするPROポリペプチドのアミノ酸配列と、対象とする比較アミノ酸配列(即ち、対象とするPROポリペプチドが比較されるPROポリペプチド変異体であってもよい配列)との間の、WU−BLAST−2によって決定した一致する同一アミノ酸残基の数を、(b)対象とするPROポリペプチドの残基の総数で除した商によって決定される。例えば、「アミノ酸配列Bに対して少なくとも80%のアミノ酸配列同一性を持つ又は持っているアミノ酸配列Aを含んでなるポリペプチド」という表現では、アミノ酸配列Aが対象である比較アミノ酸配列であり、アミノ酸配列Bが対象であるPROポリペプチドのアミノ酸配列である。
【0023】
また、%アミノ酸配列同一性は、配列比較プログラムNCBI−BLAST2(Altschulら, Nucleic Acids Res. 25: 3389−3402 (1997))を用いて決定してもよい。NCBI−BLAST2配列比較プログラムは、http://www.ncbi.nlm.nih.govからダウンロードでき、又は別な方法で米国国立衛生研究所、ベセスダ、メリーランドから得ることができる。NCBI−BLAST2は幾つかの検索パラメータを使用し、それら検索パラメータの全ては初期値に設定され、例えば、unmask=可、鎖=全て、予測される発生=10、最小低複合長=15/5、マルチパスe−値=0.01、マルチパスの定数=25、最終ギャップアラインメントのドロップオフ=25、及びスコアリングマトリクス=BLOSUM62を含む。
【0024】
アミノ酸配列比較にNCBI−BLAST2が用いられる状況では、与えられたアミノ酸配列Aの、与えられたアミノ酸配列Bとの、又はそれに対する%アミノ酸配列同一性(あるいは、与えられたアミノ酸配列Bと、又はそれに対して或る程度の%アミノ酸配列同一性を持つ又は含む与えられたアミノ酸配列Aと言うこともできる)は次のように計算される:
分率X/Yの100倍
ここで、Xは配列アラインメントプログラムNCBI−BLAST2のA及びBのアラインメントによって同一であると一致したスコアのアミノ酸残基の数であり、YはBの全アミノ酸残基数である。アミノ酸配列Aの長さがアミノ酸配列Bの長さと異なる場合、AのBに対する%アミノ酸配列同一性は、BのAに対する%アミノ酸配列同一性とは異なることは理解されるであろう。
【0025】
「PRO変異体ポリヌクレオチド」又は「PRO変異体核酸配列」とは、下記に定義されるように、活性PROポリペプチドをコードする核酸分子であり、ここに開示する完全長天然配列PROポリペプチド配列、ここに開示するシグナルペプチドを欠いた完全長天然配列PROポリペプチド配列、シグナルペプチドを有する又は有しないここに開示するPROポリペプチドの細胞外ドメイン、又はここに開示する完全長PROポリペプチド配列の他の任意の断片をコードする核酸配列と少なくとも約80%の核酸配列同一性、好ましくはあるいは少なくとも約81%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約82%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約83%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約84%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約85%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約86%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約87%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約88%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約89%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約90%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約91%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約92%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約93%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約94%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約95%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約96%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約97%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約98%の核酸配列同一性、そして、あるいは少なくとも約99%の核酸配列同一性を有している。変異体は、天然ヌクレオチド配列を含まない。
【0026】
通常は、PRO変異体ポリヌクレオチドは、少なくとも約30ヌクレオチド長、あるいは少なくとも約60ヌクレオチド長、あるいは少なくとも約90ヌクレオチド長、あるいは少なくとも約120ヌクレオチド長、あるいは少なくとも約150ヌクレオチド長、あるいは少なくとも約180ヌクレオチド長、あるいは少なくとも約210ヌクレオチド長、あるいは少なくとも約240ヌクレオチド長、あるいは少なくとも約270ヌクレオチド長、あるいは少なくとも約300ヌクレオチド長、あるいは少なくとも約450ヌクレオチド長、あるいは少なくとも約600ヌクレオチド長、あるいは少なくとも約900ヌクレオチド長、又はそれ以上である。
【0027】
ここで同定されるPROコード化核酸配列に対する「パーセント(%)核酸配列同一性」は、配列を整列させ、最大のパーセント配列同一性を得るために必要ならば間隙を導入し、PRO配列のヌクレオチドと同一である候補配列中のヌクレオチドのパーセントとして定義される。パーセント核酸配列同一性を決定する目的のためのアラインメントは、当業者の知る範囲にある種々の方法、例えばBLAST、BLAST−2、ALIGN又はMegalign(DNASTAR)ソフトウエアのような公に入手可能なコンピュータソフトウエアを使用することにより達成可能である。ここでの目的のためには、%アミノ酸配列同一性値は、ALIGN−2プログラム用の完全なソースコードが下記の表1に提供されている配列比較プログラALIGN−2を使用することによって得られる。ALIGN−2配列比較コンピュータプログラムはジェネンテク社によって作成され、下記の表1に示したソースコードは米国著作権事務所,ワシントン D.C.,20559に使用者用書類とともに提出され、米国著作権登録番号TXU510087の下で登録されている。ALIGN−2はジェネンテク社、サウス サン フランシスコ, カリフォルニアから好適に入手可能であり、下記の表1に提供されたソースコードからコンパイルしてもよい。ALIGN−2プログラムは、UNIX(登録商標)オペレーティングシステム、好ましくはデジタルUNIX(登録商標) V4.0Dでの使用のためにコンパイルされる。全ての配列比較パラメータは、ALIGN−2プログラムによって設定され変動しない。
【0028】
核酸配列比較にALIGN−2が用いられる状況では、与えられた核酸配列Cの、与えられた核酸配列Dとの、又はそれに対する%核酸配列同一性(あるいは、与えられたアミノ酸配列Dと、又はそれに対して或る程度の%核酸配列同一性を持つ又は含む与えられた核酸配列Cと言うこともできる)は次のように計算される:
分率W/Zの100倍
ここで、Wは配列アラインメントプログラムALIGN−2のC及びDのアラインメントによって同一であると一致したスコアの核酸残基の数であり、ZはDの全核酸残基数である。核酸配列Cの長さがアミノ酸配列Dの長さと異なる場合、CのDに対する%核酸配列同一性は、DのCに対する%核酸配列同一性とは異なることは理解されるであろう。この方法を用いた%核酸配列同一性の計算の例として、「PRO−DNA」が対象となる仮説的PROコード化核酸配列を表し、「比較DNA」が対象となる「PRO−DNA」核酸分子が比較されている核酸配列を表し、そして「N」、「L」及び「V」の各々が異なった仮説的アミノ酸残基を表し、表4及び5が「比較DNA」と称される核酸配列の「PRO−DNA」と称される核酸配列に対する%核酸配列同一性の計算方法を示す。
【0029】
特に断らない限りは、ここでの全ての%核酸配列同一性値は、直上のパラグラフに示したようにALIGN−2配列比較コンピュータプログラムを用いて得られる。しかしながら、%核酸配列同一性値は、WU−BLAST−2コンピュータプログラム(Altschulら, Methods in Enzymology 266: 460−480 (1996))を用いて決定してもよい。さらに、殆どのWU−BLAST−2検索パラメータは初期値に設定される。初期値に設定されない、即ち調節可能なパラメータは以下の値に設定する:オーバーラップスパン=1、オーバーラップフラクション=0.125、ワード閾値(T)=11、及びスコアリングマトリクス=BLOSUM62。WU−BLAST−2が用いられた場合、%核酸配列同一性値は、(a)天然配列PROポリペプチドコード化核酸から誘導された配列を有する対象とするPROポリペプチドコード化核酸分子の核酸配列と、対象とする比較核酸配列(即ち、対象とするPROポリペプチドコード化核酸分子が比較されるPROポリペプチド変異体であってもよい配列)との間の、WU−BLAST−2によって決定した一致する同一核酸残基の数を、(b)対象とするPROポリペプチドコード化核酸分子のヌクレオチドの総数で除した商によって決定される。例えば、「核酸配列Bに対して少なくとも80%の核酸配列同一性を持つ又は持っている核酸配列Aを含んでなるポリペプチド」という表現では、核酸配列Aが対象とする比較核酸配列であり、核酸配列Bが対象とするPROポリペプチドコード化核酸分子の核酸配列である。
【0030】
また、%核酸配列同一性は、配列比較プログラムNCBI−BLAST2(Altschulら, Nucleic Acids Res. 25: 3389−3402 (1997))を用いて決定してもよい。NCBI−BLAST2配列比較プログラムは、http://www.ncbi.nlm.nih.govからダウンロードでき、又は別な方法で米国国立衛生研究所、ベセスダ、メリーランドから得ることができる。NCBI−BLAST2は幾つかの検索パラメータを使用し、それら検索パラメータの全ては初期値に設定され、例えば、unmask=可、鎖=全て、予測される発生=10、最小低複合長=15/5、マルチパスe−値=0.01、マルチパスの定数=25、最終ギャップアラインメントのドロップオフ=25、及びスコアリングマトリクス=BLOSUM62を含む。
【0031】
核酸配列比較にNCBI−BLAST2が用いられる状況では、与えられた核酸配列Cの、与えられた核酸配列Dとの、又はそれに対する%核酸配列同一性(あるいは、与えられた核酸配列Dと、又はそれに対して或る程度の%核酸配列同一性を持つ又は含む与えられた核酸配列Cと言うこともできる)は次のように計算される:
分率W/Zの100倍
ここで、Wは配列アラインメントプログラムNCBI−BLAST2のC及びDのアラインメントによって同一であると一致したスコアの核酸残基の数であり、ZはDの全核酸残基数である。核酸配列Cの長さが核酸配列Dの長さと異なる場合、CのDに対する%核酸配列同一性は、DのCに対する%核酸配列同一性とは異なることは理解されるであろう。
【0032】
他の実施態様では、PRO変異体ポリペプチドヌクレオチドは、活性PROポリペプチドをコードし、好ましくは緊縮性ハイブリダイゼーション及び洗浄条件下で、ここに開示する完全長PROポリペプチドをコードするヌクレオチド配列にハイブリダイゼーションする核酸分子である。PRO変異体ポリペプチドは、PRO変異体ポリヌクレオチドにコードされるものであってもよい。
「単離された」とは、ここで開示された種々のポリペプチドを記述するために使用するときは、その自然環境の成分から同定され分離され及び/又は回収されたポリペプチドを意味する。その自然環境の汚染成分とは、そのポリペプチドの診断又は治療への使用を典型的には妨害する物質であり、酵素、ホルモン、及び他のタンパク質様又は非タンパク質様溶質が含まれる。好ましい実施態様において、ポリペプチドは、(1)スピニングカップシークエネーターを使用することにより、少なくとも15残基のN末端あるいは内部アミノ酸配列を得るのに充分なほど、あるいは、(2)クーマシーブルーあるいは好ましくは銀染色を用いた非還元あるいは還元条件下でのSDS−PAGEによる均一性まで精製される。単離されたポリペプチドには、PROポリペプチドの自然環境の少なくとも1つの成分が存在しないため、組換え細胞内のインサイツのタンパク質が含まれる。しかしながら、通常は、単離されたポリペプチドは少なくとも1つの精製工程により調製される。
【0033】
「単離された」PROポリペプチドコード化核酸は、同定され、PROポリペプチドをコードする核酸の天然源に通常付随している少なくとも1つの汚染核酸分子から分離された核酸分子である。単離されたPROポリペプチドコード化核酸分子は、天然に見出される形態あるいは設定以外のものである。ゆえに、単離されたPROポリペプチドコード化核酸分子は、天然の細胞中に存在するPROポリペプチドコード化核酸分子とは区別される。しかし、単離されたPROポリペプチドコード化核酸分子は、例えば、核酸分子が天然細胞のものとは異なった染色体位置にあるPROポリペプチドを通常発現する細胞に含まれるPROポリペプチド核酸分子を含む。
「コントロール配列」という表現は、特定の宿主生物において作用可能に結合したコード配列を発現するために必要なDNA配列を指す。例えば原核生物に好適なコントロール配列は、プロモーター、場合によってはオペレータ配列、及びリボソーム結合部位を含む。真核生物の細胞は、プロモーター、ポリアデニル化シグナル及びエンハンサーを利用することが知られている。
【0034】
核酸は、他の核酸配列と機能的な関係にあるときに「作用可能に結合し」ている。例えば、プレ配列あるいは分泌リーダーのDNAは、ポリペプチドの分泌に参画するプレタンパク質として発現されているなら、そのポリペプチドのDNAに作用可能に結合している;プロモーター又はエンハンサーは、配列の転写に影響を及ぼすならば、コード配列に作用可能に結合している;又はリボソーム結合部位は、もしそれが翻訳を容易にするような位置にあるなら、コード配列と作用可能に結合している。一般的に、「作用可能に結合している」とは、結合したDNA配列が近接しており、分泌リーダーの場合には近接していて読みフェーズにあることを意味する。しかし、エンハンサーは必ずしも近接している必要はない。結合は簡便な制限部位でのライゲーションにより達成される。そのような部位が存在しない場合は、従来の手法に従って、合成オリゴヌクレオチドアダプターあるいはリンカーが使用される。
「抗体」という用語は最も広い意味において使用され、例えば、単一の抗−PROポリペプチドモノクローナル抗体(アゴニスト、アンタゴニスト、及び中和抗体を含む)、多エピトープ特異性を持つ抗−PRO抗体組成物、一本鎖抗−PRO抗体、及び抗−PRO抗体の断片を包含している(下記参照)。ここで使用される「モノクローナル抗体」という用語は、実質的に均一な抗体の集団、すなわち、構成する個々の抗体が、少量存在しうる自然に生じる可能性のある突然変異を除いて同一である集団から得られる抗体を称する。
【0035】
ハイブリダイゼーション反応の「緊縮性」は、当業者によって容易に決定され、一般的にプローブ長、洗浄温度、及び塩濃度に依存する経験的な計算である。一般に、プローブが長くなると適切なアニーリングのための温度が高くなり、プローブが短くなると温度は低くなる。ハイブリダイゼーションは、一般的に、相補的鎖がその融点に近いがそれより低い環境に存在する場合における変性DNAの再アニールする能力に依存する。プローブとハイブリダイゼーション可能な配列との間の所望の相同性の程度が高くなると、使用できる相対温度が高くなる。その結果、より高い相対温度は、反応条件をより緊縮性にするが、低い温度は緊縮性を低下させる。さらに、緊縮性は塩濃度に逆比例する。ハイブリダイゼーション反応の緊縮性の更なる詳細及び説明は、Ausubelら, Current Protocols in Molecular Biology, Wiley Interscience Publishers, (1995)を参照のこと。
【0036】
ここで定義される「緊縮性条件」又は「高度の緊縮性条件」は、(1)洗浄のために低イオン強度及び高温度、例えば、50℃において0.015Mの塩化ナトリウム/0.0015Mのクエン酸ナトリウム/0.1%のドデシル硫酸ナトリウムを用いるもの;(2)ハイブリダイゼーション中にホルムアミド等の変性剤、例えば、42℃において50%(v/v)ホルムアミドと0.1%ウシ血清アルブミン/0.1%フィコール/0.1%のポリビニルピロリドン/50mMのpH6.5のリン酸ナトリウムバッファー、及び750mMの塩化ナトリウム、75mMクエン酸ナトリウムを用いるもの;(3)42℃における50%ホルムアミド、5xSSC(0.75MのNaCl、0.075Mのクエン酸ナトリウム)、50mMのリン酸ナトリウム(pH6.8)、0.1%のピロリン酸ナトリウム、5xデンハード液、超音波処理サケ精子DNA(50μg/ml)、0.1%SDS、及び10%のデキストラン硫酸と、42℃における0.2xSSC(塩化ナトリウム/クエン酸ナトリウム)中の洗浄及び55℃での50%ホルムアミド、次いで55℃におけるEDTAを含む0.1xSSCからなる高緊縮性洗浄を用いるものによって同定される。
【0037】
「中程度の緊縮性条件」は、Sambrookら, Molecular Cloning: A Laboratory Manual (New York: Cold Spring Harbor Press, 1989に記載されているように同定され、上記の緊縮性より低い洗浄溶液及びハイブリダイゼーション条件(例えば、温度、イオン強度及び%SDS)の使用を含む。中程度の緊縮性条件は、20%ホルムアミド、5xSSC(150mMのNaCl、15mMのクエン酸三ナトリウム)、50mMリン酸ナトリウム(pH7.6)、5xデンハード液、10%デキストラン硫酸、及び20mg/mLの変性剪断サケ精子DNAを含む溶液中の37℃での終夜インキュベーション、次いで1xSSC中37−50℃でのフィルターの洗浄といった条件である。当業者であれば、プローブ長などの因子に適合させる必要に応じて、どのようにして温度、イオン強度等を調節するかを認識する。
「エピトープタグ」なる用語は、ここで用いられるときは、「タグポリペプチド」に融合したPROポリペプチド、又はそれらのドメイン配列を含んでなるキメラポリペプチドを指す。タグポリペプチドは、その抗体が産生され得るエピトープ、又は幾つかの他の試薬によって同定できるエピトープを提供するに十分な数の残基を有しているが、その長さは対象とするPROポリペプチドの活性を阻害しないよう充分に短い。また、タグポリペプチドは、好ましくは、抗体が他のエピトープと実質的に交差反応をしないようにかなり独特である。適切なタグポリペプチドは、一般に、少なくとも6のアミノ酸残基、通常は約8〜約50のアミノ酸残基(好ましくは約10〜約20の残基)を有する。
【0038】
ここで用いられる「イムノアドヘシン」なる用語は、異種タンパク質(「アドヘシン」)の結合特異性と免疫グロブリン定常ドメインとを結合した抗体様分子を指す。構造的には、イムノアドヘシンは、所望の結合特異性を持ち、抗体の抗原認識及び結合部位以外である(即ち「異種の」)アミノ酸配列と、免疫グロブリン定常ドメイン配列との融合物を含む。イムノアドヘシン分子のアドへシン部分は、典型的には少なくともレセプター又はリガンドの結合部位を含む隣接アミノ酸配列である。イムノアドヘシンの免疫グロブリン定常ドメイン配列は、IgG−1、IgG−2、IgG−3又はIgG−4サブタイプ、IgA(IgA−1及びIgA−2を含む)、IgE、IgD又はIgMなどの任意の免疫グロブリンから得ることができる。
ここで意図している「活性な」及び「活性」とは、天然又は天然発生PROポリペプチドの生物学的及び/又は免疫学的活性を保持するPROの形態を意味し、「生物学的」活性とは、天然又は天然発生PROによって生ずる(阻害性又は刺激性の)生物学的機能であって、天然又は天然発生PROが有する抗原性エピトープに対して抗体を生成する能力を除くものを意味し、「免疫学的」活性とは、天然又は天然発生PROが有する抗原性エピトープに対して抗体を生成する能力を意味する。
【0039】
「アンタゴニスト」なる用語は最も広い意味で用いられ、ここに開示した天然PROポリペプチドの生物学的活性を阻止、阻害、又は中和する任意の分子を指す。同様に「アゴニスト」なる用語は最も広い意味で用いられ、ここに開示した天然PROポリペプチドの生物学的活性を模倣する任意の分子を指す。好適なアゴニスト又はアンタゴニスト分子は特に、アゴニスト又はアンタゴニスト抗体又は抗体断片、天然PROポリペプチドの断片又はアミノ酸配列変異体、ペプチド、有機小分子、などを含む。PROポリペプチドのアゴニスト又はアンタゴニストの同定方法は、PROポリペプチドを候補アンタゴニスト又はアゴニストと接触させ、PROポリペプチドに通常は関連している1つ又は複数の生物学的活性の変化を測定することを含みうる。
【0040】
ここで使用される「治療」とは、治癒的処置、予防的療法及び防止的療法の両方を意味し、患者は標的とする病理学的状態又はしっかんを防止又は低下(減少)させられる。治療が必要なものとは、既に疾患に罹っているもの、並びに疾患に罹りやすいもの又は疾患が防止されているものを含む。
「慢性」投与とは、急性様式とは異なり連続的な様式での薬剤を投与し、初期の治療効果(活性)を長時間に渡って維持することを意味する。「間欠」投与とは、中断無く連続的になされるのではなく、むしろ本質的に周期的になされる処理である。
治療の対象のための「哺乳動物」は、ヒト、家庭及び農業用動物、動物園、スポーツ、又はペット動物、例えばイヌ、ネコ、ウシ、ウマ、ヒツジ、ブタ、ウサギなどを含む哺乳類に分類される任意の動物を意味する。好ましくは、哺乳動物はヒトである。
1つ又は複数の治療薬と「組み合わせた」投与とは、同時(同時期)及び任意の順序での連続した投与を含む。
【0041】
ここで用いられる「担体」は、製薬的に許容されうる担体、賦形剤、又は安定化剤を含み、用いられる用量及び濃度でそれらに暴露される細胞又は哺乳動物に対して非毒性である。生理学的に許容されうる担体は、水性pH緩衝溶液であることが多い。生理学的に許容されうる担体の例は、リン酸塩、クエン酸塩、及び他の有機酸塩のバッファー;アスコルビン酸を含む酸化防止剤;低分子量(約10残基未満)ポリペプチド;タンパク質、例えば血清アルブミン、ゼラチン、又は免疫グロブリン;疎水性ポリマー、例えばポリビニルピロリドン;アミノ酸、例えばグリシン、グルタミン、アスパラギン、アルギニン又はリシン;グルコース、マンノース又はデキストランを含む単糖類、二糖類、及び他の炭水化物;EDTA等のキレート剤;マンニトール又は祖ルビトール等の糖アルコール;ナトリウム等の塩形成対イオン;及び/又は非イオン性界面活性剤、例えば、TWEEN(商品名)、ポリエチレングリコール(PEG)、及びPLURONICS(商品名)を含む。
【0042】
「抗体断片」は、無傷の抗体の一部、好ましくは無傷の抗体の抗原結合又は可変領域を含む。抗体断片の例は、Fab、Fab’、F(ab’)2、及びFv断片;ダイアボディ(diabodies);直鎖状抗体(Zapataら, Protein Eng. 8(10): 1057−1062 [1995]);一本鎖抗体分子;及び抗体断片から形成された多重特異性抗体を含む。
抗体のパパイン消化は、「Fab」断片と呼ばれる2つの同一の抗体結合断片を生成し、その各々は単一の抗原結合部位を持ち、残りは容易に結晶化する能力を反映して「Fc」断片と命名される。ペプシン処理はF(ab’)2断片を生じ、それは2つの抗原結合部位を持ち、抗原を交差結合することができる。
「Fv」は、完全な抗原認識及び結合部位を含む最小の抗体断片である。この領域は、密接に非共有結合した1本の重鎖と1本の軽鎖の可変領域の二量体からなる。この配置において各ドメインの3つのCDRが相互作用してVH−VLに量体の表面に抗原結合部位を決定する。正しくは、6つのCDRが抗体に対する抗原結合特異性を与える。しかしながら、単一の可変ドメイン(又は抗原に特異的な3つのCDRのみを含んでなるFvの半分)でさえ、結合部位全体よりは低い親和性であるが、抗原を認識し結合する能力を持つ。
【0043】
また、Fab断片は、軽鎖の定常ドメイン及び重鎖の第1の定常ドメイン(CH1)も含む。Fab断片は、抗体ヒンジ領域からの1つ又は複数のシステインを含む重鎖CH1ドメインのカルボキシ末端に幾つかの残基が付加されていることによりFab’断片と相違する。ここで、Fab’−SHは、定常ドメインのシステイン残基が遊離のチオール基を持つFab’を表す。F(ab’)2抗体断片は、最初はFab’断片の対として生成され、それらの間にヒンジシステインを有する。抗体断片の他の化学的結合も知られている。
任意の脊椎動物種からの抗体(免疫グロブリン)の「軽鎖」は、それらの定常ドメインのアミノ酸配列に基づいて、カッパ及びラムダと呼ばれる二つの明らかに異なる型の一方に分類される。
それらの重鎖の定常ドメインのアミノ酸配列によって、免疫グロブリンは異なるクラスに分類できる。免疫グロブリンの五つの主要なクラス:IgA、IgD、IgE、IgG及びIgMがあり、それらの幾つかは更にサブクラス(アイソタイプ)、例えばIgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA及びIgA2に分類される。
【0044】
「一本鎖Fv」又は「sFv」抗体断片は、抗体のVH及びVLドメインを含む抗体断片を含み、これらのドメインは単一のポリペプチド鎖に存在する。好ましくは、Fvポリペプチドは、sFvが抗原結合とって望ましい構造の形成を可能にする、VH及びVLドメイン間のポリペプチドリンカーを更に含む。sFvの概説については、The Pharmacology of Monoclonal Antibodies, vol. 113, Rosenburg及びMoore編, Springer−Verlag, New York, pp. 269−315 (1994)のPluckthunを参照のこと。
用語「ダイアボディ(diabodies)」は、二つの抗原結合部位を持つ小型の抗体断片を指し、その断片は同じポリペプチド鎖(VH−VL)内で軽鎖可変ドメイン(VL)に結合した重鎖可変ドメイン(VH)を含む。同じ鎖の二つのドメイン間に対形成するには短すぎるリンカーを用いることにより、ドメインは強制的に他の鎖の相補的ドメインと対形成して二つの抗原結合部位を生成する。ダイアボディは、例えば、欧州特許第404,097号;国際公開93/11161;及びHollingerら, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 90: 6444−6448 (1993)により十分に記載されている。
【0045】
「単離された」抗体は、その自然環境の成分から同定され分離及び/又は回収されたものである。その自然環境の汚染成分とは、その抗体の診断又は治療への使用を妨害する物質であり、酵素、ホルモン、及び他のタンパク質様又は非タンパク質様溶質が含まれる。好ましい実施態様において、抗体は、(1)ローリー法で測定した場合95%を越える抗体、最も好ましくは99重量%を越えるまで、(2)スピニングカップシークエネーターを使用することにより、少なくとも15残基のN末端あるいは内部アミノ酸配列を得るのに充分なほど、あるいは、(3)クーマシーブルーあるいは好ましくは銀染色を用いた非還元あるいは還元条件下でのSDS−PAGEによる均一性まで精製される。単離された抗体には、抗体の自然環境の少なくとも1つの成分が存在しないため、組換え細胞内のインサイツの抗体が含まれる。しかしながら、通常は、単離された抗体は少なくとも1つの精製工程により調製される。
「特異的に結合する」抗体、又は特定のポリペプチド又は特定のポリペプチド上のエピトープへ特異的な抗体とは、他のポリペプチド又はポリペプチドエピトープとは実質的に結合せずに、特定のポリペプチド又は特定のポリペプチド上のエピトープへ結合するものである。
【0046】
「標識」なる語は、ここで用いられる場合、「標識」抗体が生成されるように、抗体に直接又は間接的に抱合している検出可能な化合物又は組成物を意味する。標識は、それ自身検出可能でもよく(例えば、放射性標識又は蛍光標識)、又は酵素標識の場合、検出可能な基質化合物又は組成物の化学変換を触媒してもよい。
「固相」とは、本発明の抗体がそれに付着することのできる非水性マトリクスを意味する。ここに意図する固相の例は、部分的又は全体的に、ガラス(例えば、孔制御ガラス)、多糖類(例えばアガロース)、ポリアクリルアミド、ポリスチレン、ポリビニルアルコール及びシリコーンから形成されたものを含む。或る種の実施態様では、内容に応じて、固相はアッセイプレートのウェルを構成することができ;その他では精製カラム(例えばアフィニティクロマトグラフィーカラム)とすることもできる。また、この用語は、米国特許第4,275,149号に記載されたような、別個の粒子の不連続な固相も包含する。
「リポソーム」は、種々の型の脂質、リン脂質及び/又は界面活性剤からなる小型の小胞であり、哺乳動物への薬物(PROポリペプチド又はその抗体など)の輸送に有用である。リポソームの成分は、通常は生体膜の脂質配列に類似する二層形式に配列させる。
「小分子」とは、ここで、約500ダルトン未満の分子量を持つと定義される。
ここで開示されたポリペプチドの「有効量」、或いはそのアゴニスト又はアンタゴニストとは、特別に言及された目的を実行するために十分な量のことである。「有効量」とは、言及された目的に関連して、経験的及び常套的方法によって決定することができる。
【0047】
【0048】
【0049】
【0050】
【0051】
【0052】
【0053】
【0054】
【0055】
【0056】
【0057】
【0058】
【0059】
【0060】
【0061】
【0062】
【0063】
【0064】
【0065】
【0066】
【0067】
【0068】
II. 本発明の組成物と方法
A.完全長PROポリペプチド
本発明は、本出願でPROポリペプチドと呼ばれるポリペプチドをコードする新規に同定され単離された核酸配列を提供する。特に下記の実施例でさらに詳細に説明するように、種々のPROポリペプチドをコードするcDNAが同定され単離された。別々の発現ラウンドで生成されたタンパク質には異なるPRO番号が与えられるが、UNQ番号は全ての与えられたDNA及びコード化タンパク質に独特であり、変わることはないことを記しておく。しかしながら、単純化のために、本明細書において、ここに開示した完全長天然核酸分子にコードされるタンパク質並びに上記のPROの定義に含まれるさらなる天然相同体及び変異体は、それらの起源又は調製形式に関わらず、「PRO/番号」で呼称する。
下記の実施例に開示するように、種々のcDNAクローンがATCCに寄託されている。これらのクローンの正確なヌクレオチド配列は、この分野で日常的な方法を用いて寄託されたクローンを配列決定することにより容易に決定することができる。予測されるアミノ酸配列は、ヌクレオチド配列から常套的技量を用いて決定できる。ここに記載したPROポリペプチド及びコード化核酸について、本出願人は、現時点で入手可能な配列情報と最も良く一致するリーディングフレームであると考えられるものを同定した。
【0069】
B.PROポリペプチド変異体
ここに記載した完全長天然配列PROポリペプチドに加えて、PRO変異体も調製できると考えられる。PRO変異体は、PROポリペプチドDNAに適当なヌクレオチド変化を導入することにより、あるいは所望のPROポリペプチドを合成することにより調製できる。当業者は、グリコシル化部位の数又は位置の変化あるいは膜固着特性の変化などのアミノ酸変化がPROポリペプチドの翻訳後プロセスを変えうることを理解するであろう。
【0070】
天然完全長配列PRO又はここに記載したPROポリペプチドの種々のドメインにおける変異は、例えば、米国特許第5,364,934号に記載されている保存的及び非保存的変異についての任意の技術及び指針を用いてなすことができる。変異は、結果として天然配列PROと比較してPROポリペプチドのアミノ酸配列が変化するPROポリペプチドをコードする1つ又は複数のコドンの置換、欠失又は挿入であってよい。場合によっては、変異は少なくとも1つのアミノ酸のPROポリペプチドの1つ又は複数のドメインの任意の他のアミノ酸による置換である。いずれのアミノ酸残基が所望の活性に悪影響を与えることなく挿入、置換又は欠失されるかの指針は、PROポリペプチドの配列を相同性の知られたタンパク質分子の配列と比較し、相同性の高い領域内でなされるアミノ酸配列変化を最小にすることによって見出される。アミノ酸置換は、1つのアミノ酸の類似した構造及び/又は化学特性を持つ他のアミノ酸での置換、例えばロイシンのセリンでの置換、即ち保存的アミノ酸置換の結果とすることができる。挿入及び欠失は、場合によっては1から5のアミノ酸の範囲内とすることができる。許容される変異は、配列においてアミノ酸の挿入、欠失又は置換を系統的に作成し、得られた変異体を下記の実施例に記載するインビトロアッセイの任意のもので活性について試験することにより決定される。
【0071】
PROポリペプチド断片がここに提供される。このような断片は、例えば、完全長天然タンパク質と比較した際に、N−末端又はC−末端で切断されてもよく、又は内部残基を欠いていてもよい。或る種の断片は、PROポリペプチドの所望の生物学的活性に必須ではないアミノ酸残基を欠いている。
PRO断片は、多くの従来技術の任意のものによって調製してよい。所望のペプチド断片は化学合成してもよい。代替的方法は、酵素的消化、例えば特定のアミノ酸残基によって決定される部位のタンパク質を切断することが知られた酵素でタンパク質を処理することにより、あるいは適当な制限酵素でDNAを消化して所望の断片を単離することによるPRO断片の生成を含む。さらに他の好適な技術は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)により、所望のポリペプチド断片をコードするDNA断片を単離し増幅することを含む。DNA断片の所望の末端を決定するオリゴヌクレオチドは、PCRの5’及び3’プライマーで用いられる。好ましくは、PROポリペプチド断片は、ここに開示した天然PROポリペプチドと少なくとも1つの生物学的及び/又は免疫学的活性を共有する。
特別の実施態様では、対象とする保存的置換を、好ましい置換を先頭にして表6に示す。このような置換が生物学的活性の変化をもたらす場合、表6に例示的置換と名前を付けた又は以下にアミノ酸分類でさらに記載するように、より置換的な変化が導入され生成物がスクリーニングされる。
【0072】
【0073】
ポリペプチドの機能及び免疫学的同一性の置換的修飾は、(a)置換領域のポリペプチド骨格の構造、例えばシート又は螺旋配置、(b)標的部位の電荷又は疎水性、又は(c)側鎖の嵩を維持しながら、それらの効果において実質的に異なる置換基を選択することにより達成される。天然発生残基は共通の側鎖特性に基づいてグループに分けることができる:
(1)疎水性:ノルロイシン, met, ala, val, leu, ile;
(2)中性の親水性:cys, ser, thr;
(3)酸性:asp, glu;
(4)塩基性:asn, gln, his, lys, arg;
(5)鎖配向に影響する残基:gly, pro; 及び
(6)芳香族:trp, tyr, phe。
【0074】
非保存的置換は、これらの分類の一つのメンバーを他の分類に交換することを必要とするであろう。また、そのように置換された残基は、保存的置換部位、好ましくは残された(非保存)部位に導入されうる。
変異は、オリゴヌクレオチド媒介(部位特異的)突然変異誘発、アラニンスキャンニング、及びPCR突然変異誘発[Carterら, Nucl. Acids Res., 13: 4331 (1986); Zollerら, Nucl. Acids Res., 10: 6487 (1987)]、カセット突然変異誘発[Wellsら, Gene, 34: 315 (1985)]、制限的選択突然変異誘発[Wellsら, Philos. Trans. R. Soc. London SerA, 317: 415 (1986)]等のこの分野で知られた方法を用いてなすことができ、又は他の知られた技術をクローニングしたDNAに実施してPRO変異体DNAを作成することもできる。
【0075】
また、隣接配列に沿って1つ又は複数のアミノ酸を同定するのにスキャンニングアミノ酸分析を用いることができる。好ましいスキャンニングアミノ酸は比較的小さく、中性のアミノ酸である。そのようなアミノ酸は、アラニン、グリシン、セリン、及びシステインを含む。アラニンは、ベータ炭素を越える側鎖を排除し変異体の主鎖構造を変化させにくいので、この群の中で典型的に好ましいスキャンニングアミノ酸である[Cunningham及びWells, Science, 244: 1081−1085 (1989)]。また、アラニンは最もありふれたアミノ酸であるため典型的には好ましい。さらに、それは埋もれた及び露出した位置の両方に見られることが多い[Creighton, The Proteins, (W.H. Freeman & Co., N.Y.); Chothia, J. Mol. Biol., 150:1(1976)]。アラニン置換が十分な量の変異体を生じない場合は、アイソテリック(isoteric)アミノ酸を用いることができる。
【0076】
C.PROの修飾
PROポリペプチドの共有結合的修飾は本発明の範囲内に含まれる。共有結合的修飾の1つの型は、PROポリペプチドの標的とするアミノ酸残基を、PROポリペプチドの選択された側鎖又はN又はC末端残基と反応できる有機誘導体化試薬と反応させることである。二官能性試薬での誘導体化が、例えばPROを水不溶性支持体マトリクスあるいは抗−PRO抗体の精製方法又はその逆で用いるための表面に架橋させるのに有用である。通常用いられる架橋剤は、例えば、1,1−ビス(ジアゾアセチル)−2−フェニルエタン、グルタルアルデヒド、N−ヒドロキシスクシンイミドエステル、例えば4−アジドサリチル酸とのエステル、3,3’−ジチオビス(スクシンイミジルプロピオネート)等のジスクシンイミジルエステルを含むホモ二官能性イミドエステル、ビス−N−マレイミド−1,8−オクタン等の二官能性マレイミド、及びメチル−3−[(p−アジドフェニル)−ジチオ]プロピオイミダート等の試薬を含む。
【0077】
他の修飾は、グルタミニル及びアスパラギニル残基の各々対応するグルタミル及びアスパルチル残基への脱アミノ化、プロリン及びリシンのヒドロキシル化、セリル又はトレオニル残基のヒドロキシル基のリン酸化、リシン、アルギニン、及びヒスチジン側鎖のα−アミノ基のメチル化[T.E. Creighton, Proteins: Structure and Molecular Properties, W.H. Freeman & Co., San Francisco, pp.79−86 (1983)]、N末端アミンのアセチル化、及び任意のC末端カルボキシル基のアミド化を含む。
本発明の範囲内に含まれるPROポリペプチドの共有結合的修飾の他の型は、ポリペプチドの天然グリコシル化パターンの変更を含む。「天然グリコシル化パターンの変更」とは、ここで意図されるのは、天然配列PROに見られる1又は複数の炭水化物部分の欠失(存在するグリコシル化部位の除去又は化学的及び/又は酵素的手段によるグリコシル化の削除のいずれかによる)、及び/又は天然配列PROに存在しない1又は複数のグリコシル化部位の付加を意味する。さらに、この文節は、存在する種々の炭水化物部分の性質及び特性の変化を含む、天然タンパク質のグリコシル化における定性的変化を含む。
【0078】
PROポリペプチドへのグリコシル化部位の付加はアミノ酸配列の変更を伴ってもよい。この変更は、例えば、1又は複数のセリン又はトレオニン残基の天然配列PRO(O−結合グリコシル化部位)への付加、又は置換によってなされてもよい。PROアミノ酸配列は、場合によっては、DNAレベルでの変化、特に、PROポリペプチドをコードするDNAを予め選択された塩基において変異させ、所望のアミノ酸に翻訳されるコドンを生成させることを通して変更されてもよい。
PROポリペプチド上に炭水化物部分の数を増加させる他の手段は、グリコシドのポリペプチドへの化学的又は酵素的結合による。このような方法は、この技術分野において、例えば、1987年9月11日に発行された国際公開87/05330、及びAplin及びWriston, CRC Crit. Rev. Biochem., pp. 259−306 (1981)に記載されている。
【0079】
PROポリペプチド上に存在する炭水化物部分の除去は、化学的又は酵素的に、あるいはグルコシル化の標的として提示されたアミノ酸残基をコードするコドンの変異的置換によってなすことができる。化学的脱グリコシル化技術は、この分野で知られており、例えば、Hakimuddinら, Arch. Biochem. Biophys., 259:52 (1987)により、及びEdgeら, Anal. Biochem., 118: 131 (1981)により記載されている。ポリペプチド上の炭水化物部分の酵素的切断は、Thotakuraら, Meth. Enzymol. 138:350 (1987)に記載されているように、種々のエンド及びエキソグリコシダーゼを用いることにより達成される。
本発明のPROの共有結合的修飾の他の型は、PROポリぺプチドの、種々の非タンパク質様ポリマー、例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、又はポリオキシアルキレンの一つへの、米国特許第4,640,835号;第4,496,689号;第4,301,144号;第4,670,417号;第4,791,192号又は第4,179,337号に記載された方法での結合を含む。
また、本発明のPROポリペプチドは、他の異種ポリペプチド又はアミノ酸配列に融合したPROポリペプチドを含むキメラ分子を形成する方法で修飾してもよい。
【0080】
一実施態様では、このようなキメラ分子は、抗タグ抗体が選択的に結合できるエピトープを提供するタグポリペプチドとPROポリペプチドとの融合を含む。エピトープタグは、一般的にはPROポリペプチドのアミノ又はカルボキシル末端に位置する。このようなPROポリペプチドのエピトープタグ形態の存在は、タグポリペプチドに対する抗体を用いて検出することができる。また、エピトープタグの提供は、抗タグ抗体又はエピトープタグに結合する他の型の親和性マトリクスを用いたアフィニティ精製によってPROポリペプチドを容易に精製できるようにする。種々のタグポリペプチド及びそれら各々の抗体はこの分野で良く知られている。例としては、ポリ−ヒスチジン(ポリ−his)又はポリ−ヒスチジン−グリシン(poly−his−gly)タグ;flu HAタグポリペプチド及びその抗体12CA5[Fieldら, Mol. Cell. Biol., 8:2159−2165 (1988)];c−mycタグ及びそれに対する8F9、3C7、6E10、G4、B7及び9E10抗体[Evanら, Molecular and Cellular Biology, 5:3610−3616(1985)];及び単純ヘルペスウイルス糖タンパク質D(gD)タグ及びその抗体[Paborskyら, Protein Engineering, 3(6):547−553 (1990)]を含む。他のタグポリペプチドは、フラッグペプチド[Hoppら, BioTechnology, 6:1204−1210(1988)];KT3エピトープペプチド[Martinら, Science, 255:192−194 (1992)];α−チューブリンエピトープペプチド[Skinnerら, J. Biol. Chem., 266:15163−15166 (1991)];及びT7遺伝子10タンパク質ペプチドタグ[Lutz−Freyermuthら, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 87:6393−6397(1990)]を含む。
【0081】
それに換わる実施態様では、キメラ分子はPROの免疫グロブリン又は免疫グロブリンの特定領域との融合体を含んでもよい。キメラ分子の二価形態(「イムノアドヘシン」とも呼ばれる)については、そのような融合体はIgG分子のFc領域であり得る。Ig融合体は、好ましくはIg分子内の少なくとも1つの可変領域に換えてPROポリペプチドの可溶化(膜貫通ドメイン欠失又は不活性化)形態を含む。特に好ましい実施態様では、免疫グロブリン融合体は、IgG1分子のヒンジ、CH2及びCH3、又はヒンジ、CH1、CH2及びCH3領域を含む。免疫グロブリン融合体の製造については、1995年6月27日発行の米国特許第5,428,130号を参照のこと。
【0082】
D.PROの調製
以下の説明は、主として、PRO核酸を含むベクターで形質転換又は形質移入された細胞を培養することによりPROを生産する方法に関する。もちろん、当該分野においてよく知られている他の方法を用いてPROを調製することができると考えられる。例えば、PRO配列、又はその一部は、固相技術を用いた直接ペプチド合成によって生産してもよい[例えば、Stewartら, Solid−Phase Peptide Synthesis, W.H. Freeman Co., サン フランシスコ, カリフォルニア(1969);Merrifield, J. Am. Chem. Soc., 85:2149−2154 (1963)参照]。手動技術又は自動によるインビトロタンパク質合成を行ってもよい。自動合成は、例えば、アプライド・バイオシステムズ・ペプチド合成機(フォスター シティー, カリフォルニア)を用いて、製造者の指示により実施してもよい。PROの種々の部分は、別々に化学的に合成され、化学的又は酵素的方法を用いて結合させて完全長PROを生産してもよい。
【0083】
1.PROをコードするDNAの単離
PROをコードするDNAは、PROmRNAを保有していてそれを検出可能なレベルで発現すると考えられる組織から調製されたcDNAライブラリから得ることができる。従って、ヒトPRODNAは、実施例に記載されるように、ヒトの組織から調製されたcDNAライブラリから簡便に得ることができる。またPRO−コード化遺伝子は、ゲノムライブラリから又は公知の合成方法(例えば、自動化核酸合成)により得ることもできる。
ライブラリは、対象となる遺伝子あるいはその遺伝子によりコードされるタンパク質を同定するために設計されたプローブ(PROに対する抗体又は少なくとも約20−80塩基のオリゴヌクレオチド等)によってスクリーニングできる。選択されたプローブによるcDNA又はゲノムライブラリのスクリーニングは、例えばSambrookら, Molecular Cloning: A Laboratory Manual(New York: Cold Spring Harbor Laboratory Press, 1989)に記載されている標準的な手順を使用して実施することができる。PROをコードする遺伝子を単離する他の方法はPCR法を使用するものである[Sambrookら,上掲;Dieffenbachら, PCR Primer:A Laboratory Manual(Cold Spring Harbor Laboratory Press, 1995)]。
【0084】
下記の実施例には、cDNAライブラリのスクリーニング技術を記載している。プローブとして選択されたオリゴヌクレオチド配列は、充分な長さで、疑陽性が最小化されるよう充分に明瞭でなければならない。オリゴヌクレオチドは、スクリーニングされるライブラリ内のDNAとのハイブリダイゼーション時に検出可能であるように標識されていることが好ましい。標識化の方法は当該分野において良く知られており、32P標識されたATPのような放射線標識、ビオチン化あるいは酵素標識の使用が含まれる。中程度の厳密性及び高度の厳密性を含むハイブリダイゼーション条件は、上掲のSambrookらに示されている。
このようなライブラリースクリーニング法において同定された配列は、Genbankらの公共データベース又は個人の配列データベースに寄託され公衆に利用可能とされている周知の配列と比較及びアラインメントすることができる。分子の決定された領域内又は全長に渡っての(アミノ酸又は核酸レベルのいずれかでの)配列同一性は、当該分野で知られた、及びここに記載した方法を用いて決定することができる。
タンパク質コード化配列を有する核酸は、初めてここで開示された推定アミノ酸配列を使用し、また必要ならば、cDNAに逆転写されていないmRNAの生成中間体及び先駆物質を検出する上掲のSambrookらに記述されているような従来のプライマー伸展法を使用して選択されたcDNA又はゲノムライブラリをスクリーニングすることによって得られる。
【0085】
2.宿主細胞の選択及び形質転換
宿主細胞を、ここに記載したPRO生産のための発現又はクローニングベクターで形質移入又は形質転換し、プロモーターを誘導し、形質転換体を選択し、又は所望の配列をコードする遺伝子を増幅するために適当に変性された常套的栄養培地で培養する。培養条件、例えば培地、温度、pH等々は、過度の実験をすることなく当業者が選ぶことができる。一般に、細胞培養の生産性を最大にするための原理、プロトコール、及び実用技術は、Mammalian Cell Biotechnology: a Practical Approach, M.Butler編 (IRL Press, 1991)及びSambrookら, 上掲に見出すことができる。
【0086】
原核生物細胞形質移入及び真核生物細胞形質移入の方法、例えば、CaCl2、CaPO4、リポソーム媒介及びエレクトロポレーションは当業者に知られている。用いられる宿主細胞に応じて、その細胞に対して適した標準的な方法を用いて形質転換はなされる。前掲のSambrookらに記載された塩化カルシウムを用いるカルシウム処理又はエレクトロポレーションが、一般的に原核生物に対して用いられる。アグロバクテリウム・トゥメファシエンスによる感染が、Shawら, Gene, 23:315(1983)及び1989年6月29日公開の国際公開89/05859に記載されているように、或る種の植物細胞の形質転換に用いられる。このような細胞壁のない哺乳動物の細胞に対しては、Graham及びvan der Eb, Virology, 52:456−457 (1978)のリン酸カルシウム沈降法が好ましい。哺乳動物細胞の宿主系形質転換の一般的な態様は米国特許第4,399,216号に記載されている。酵母菌中への形質転換は、典型的には、Van Solingenら, J. Bact., 130:946 (1977)及びHsiaoら, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 76:3829 (1979)の方法に従って実施される。しかしながら、DNAを細胞中に導入する他の方法、例えば、核マイクロインジェクション、エレクトロポレーション、無傷の細胞、又はポリカチオン、例えばポリブレン、ポリオルニチン等を用いる細菌プロトプラスト融合もまた用いることもできる。哺乳動物細胞を形質転換するための種々の技術については、Keownら, Methods in Enzymology, 185:527−537 (1990)及び Mansourら, Nature, 336:348−352 (1988)を参照のこと。
【0087】
ここに記載のベクターにDNAをクローニングあるいは発現するために適切な宿主細胞は、原核生物、酵母菌、又は高等真核生物細胞である。適切な原核生物は、限定するものではないが、真正細菌、例えばグラム陰性又はグラム陽性生物体、例えば大腸菌のような腸内細菌科を含む。種々の大腸菌株が公衆に利用可能であり、例えば、大腸菌K12株MM294(ATCC31,446);大腸菌X1776(ATCC31,537);大腸菌株W3110(ATCC27,325)及びK5772(ATCC53,635)である。他の好ましい原核動物宿主細胞は、大腸菌、例えば、E. coli、エンテロバクター、エルビニア(Erwinia)、クレブシエラ(Klebsiella)、プロテウス(Proteus)、サルモネラ、例えば、ネズミチフス菌、セラチア、例えば、セラチア・マルセサンス(Serratia marcescans) 、及び赤痢菌などの腸内細菌科、並びに桿菌、例えばバチルス・スブチルス(B. subtilis)及びバチルス・リチェニフォルミス(B. licheniformis)(例えば、1989年4月12日発行のDD266,710に記載されたバチルス・リチェニフォルミス41P)、シュードモナス、例えば緑膿菌及びストレプトマイセスを含む。これらの例は限定ではなく例示である。株W3110は、組換えDNA生産物発酵のための共通の宿主株であるので一つの特に好ましい宿主又は親宿主である。好ましくは、宿主細胞は最小量のタンパク質分解酵素を分泌する。例えば、株W3110は、細胞に外来のタンパク質をコードする遺伝子における遺伝子変異をするように修飾してもよく、そのような宿主の例としては、完全な遺伝子型tonAを有する大腸菌W3110株1A2;完全な遺伝子型tonA ptr3を有する大腸菌W3110株9E4;完全な遺伝子型tonA ptr3 phoA E15(argF−lac)169 degP ompT kanrを有する大腸菌W3110株27C7(ATCC 55,244);完全な遺伝子型tonA ptr3 phoA E15 (argF−lac)169 degP ompT rbs7 ilvG kanrを有する大腸菌W3110株37D6;非カナマイシン耐性degP欠失変異を持つ37D6株である大腸菌W3110株40B4;及び1990年8月7日発行の米国特許第4,946,783号に開示された変異周辺質プロテアーゼを有する大腸菌株を含む。あるいは、クローニングのインビトロ法、例えばPCR又は他の核酸ポリメラーゼ反応が好ましい。
【0088】
原核生物に加えて、糸状菌又は酵母菌のような真核微生物は、PROコード化ベクターのための適切なクローニング又は発現宿主である。サッカロミセス・セレヴィシアは、通常用いられる下等真核生物宿主微生物である。他に、シゾサッカロミセス・プロンブ(Schizosaccharomyces prombe)(Beach及びNurse, Nature, 290: 140 [1981]; 1985年5月2日発行の欧州特許第139,383号);クルベロミセス宿主(Kluyveromyces hosts)(米国特許第4,943,529号; Fleerら, Bio/Technology, 9: 968−975 (1991))、例えばクルベロミセスラクチス(K. lactis)(MW98−8C, CBS683, CBS4574; Louvencourtら, J. Bacteriol.154(2): 737−742 [1983])、クルベロミセス・フラギリス(K. fragilis)(ATCC 12,424)、クルベロミセス・ブルガリクス(K. bulgaricus)(ATCC 16,045)、クルベロミセス・ウィケラミイ(K. wickeramii)(ATCC 24,178)、クルベロミセス・ワルチイ(K. waltii)(ATCC 56,500)、クルベロミセス・ドロソフィラルム(K. drosophilarum)(ATCC 36,906; Van den Bergら, Bio/Technology, 8: 135 (1990))、クルベロミセス・テモトレランス(K. thermotolerans)及びクルベロミセス・マルキシアナス(K. marxianus);ヤロウィア(yarrowia)(欧州特許第402,226号);ピチア・パストリス(Pichia pastoris)(欧州特許第183,070号; Sreekrishnaら, J. Basic Microbiol, 28: 265−278 [1988]);カンジダ;トリコデルマ・レーシア(Trichoderma reesia)(欧州特許第244,234号);アカパンカビ(Caseら, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 76: 5259−5263 [1979]);シュワニオマイセス(Schwanniomyces)、例えばシュワニオマイセス・オクシデンタリス(Schwanniomyces occidentalis)(1990年10月31日発行の欧州特許第394,538号);及び糸状真菌、例えば、ニューロスポラ、ペニシリウム、トリポクラジウム(Tolypocladium)(1991年1月10日発行の国際公開91/00357);及びアスペルギルス宿主、例えばアスペルギルスニダランス(Ballanceら, Biochem. Biophys. Res. Commun., 112: 284−289 [1983]; Tilburnら, Gene, 26: 205−221 [1983]; Yeltonら, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 81: 1470−1474 [1984])及びアスペルギルスニガー(Kelly及びHynes, EMBO J., 4: 475−479 [1985])が含まれる。ここで好ましいメチロトロピック(C1化合物資化性、Methylotropic)酵母は、これらに限られないが、ハンセヌラ(Hansenula)、カンジダ、クロエケラ(Kloeckera)、ピチア(Pichia)、サッカロミセス、トルロプシス(Torulopsis)、及びロドトルラ(Rhodotorula)からなる属から選択されたメタノールで成長可能な酵母を含む。この酵母の分類の例示である特定の種のリストは、C. Anthony, The Biochemistry of Methylotrophs, 269 (1982)に記載されている。
【0089】
グリコシル化PROの発現に適切な宿主細胞は、多細胞生物から誘導される。無脊椎動物細胞の例としては、ショウジョウバエS2及びスポドスペラSf9等の昆虫細胞並びに植物細胞が含まれる。有用な哺乳動物宿主株化細胞の例は、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)及びCOS細胞を含む。より詳細な例は、SV40によって形質転換されたサル腎臓CV1株 (COS−7,ATCC CRL 1651);ヒト胚腎臓株(293又は懸濁培養での増殖のためにサブクローン化された293細胞、Grahamら, J. Gen Virol., 36:59 (1977));チャイニーズハムスター卵巣細胞/−DHFR(CHO, Urlaub及びChasin, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 77:4216 (1980));マウスのセルトリ細胞(TM4, Mather, Biol. Reprod., 23:243−251 (1980))ヒト肺細胞 (W138,ATCC CCL 75); ヒト肝細胞 (Hep G2,HB 8065); 及びマウス乳房腫瘍細胞 (MMT 060562,ATCC CCL51)を含む。適切な宿主細胞の選択は、この分野の技術常識内にある。
【0090】
3.複製可能なベクターの選択及び使用
PROをコードする核酸(例えば、cDNA又はゲノムDNA)は、クローニング(DNAの増幅)又は発現のために複製可能なベクター内に挿入される。様々なベクターが公的に入手可能である。ベクターは、例えば、プラスミド、コスミド、ウイルス粒子、又はファージの形態とすることができる。適切な核酸配列が、種々の手法によってベクターに挿入される。一般に、DNAはこの分野で周知の技術を用いて適当な制限エンドヌクレアーゼ部位に挿入される。ベクター成分としては、一般に、これらに制限されるものではないが、1つ又は複数のシグナル配列、複製開始点、1つ又は複数のマーカー遺伝子、エンハンサーエレメント、プロモーター、及び転写終結配列を含む。これらの成分の1つ又は複数を含む適当なベクターの作成には、当業者に知られた標準的なライゲーション技術を用いる。
【0091】
PROは直接的に組換え手法によって生産されるだけではなく、シグナル配列あるいは成熟タンパク質あるいはポリペプチドのN−末端に特異的切断部位を有する他のポリペプチドである異種性ポリペプチドとの融合ペプチドとしても生産される。一般に、シグナル配列はベクターの成分であるか、ベクターに挿入されるPRO−コード化DNAの一部である。シグナル配列は、例えばアルカリフォスファターゼ、ペニシリナーゼ、lppあるいは熱安定性エンテロトキシンIIリーダーの群から選択された原核生物シグナル配列であってよい。酵母の分泌に関しては、シグナル配列は、酵母インベルターゼリーダー、アルファ因子リーダー(サッカロミセス(Saccharomyces)及びクルイベロマイシス(Kluyveromyces)α因子リーダーを含み、後者は米国特許第5,010,182号に記載されている)、又は酸ホスファターゼリーダー、カンジダ・アルビカンス(C.albicans)グルコアミラーゼリーダー(1990年4月4日発行の欧州特許第362179号)、又は1990年11月15日に公開された国際公開90/13646に記載されているシグナルであり得る。哺乳動物細胞の発現においては、哺乳動物シグナル配列は、同一あるいは関連ある種の分泌ポリペプチド由来のシグナル配列並びにウイルス分泌リーダーのようなタンパク質の直接分泌に使用してもよい。
【0092】
発現及びクローニングベクターは共に1つ又は複数の選択された宿主細胞においてベクターの複製を可能にする核酸配列を含む。そのような配列は多くの細菌、酵母及びウイルスに対してよく知られている。プラスミドpBR322に由来する複製開始点は大部分のグラム陰性細菌に好適であり、2μプラスミド開始点は酵母に適しており、様々なウイルス開始点(SV40、ポリオーマ、アデノウイルス、VSV又はBPV)は哺乳動物細胞におけるクローニングベクターに有用である。
発現及びクローニングベクターは、典型的には、選べるマーカーとも称される選択遺伝子を含む。典型的な選択遺伝子は、(a)アンピシリン、ネオマイシン、メトトレキセートあるいはテトラサイクリンのような抗生物質あるいは他の毒素に耐性を与え、(b)栄養要求性欠陥を補い、又は(c)例えばバシリのD−アラニンラセマーゼをコードする遺伝子のような、複合培地から得られない重要な栄養素を供給するタンパク質をコードする。
【0093】
哺乳動物細胞に適切な選べるマーカーの例は、DHFRあるいはチミジンキナーゼのようにPRO−コード化核酸を取り込むことのできる細胞成分を同定することのできるものである。野生型DHFRを用いた場合の好適な宿主細胞は、Urlaubらにより Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 77:4216 (1980)に記載されているようにして調製され増殖されたDHFR活性に欠陥のあるCHO株化細胞である。酵母菌中での使用に好適な選択遺伝子は酵母プラスミドYRp7に存在するtrp1遺伝子である[Stinchcombら, Nature, 282:39(1979);Kingsmanら, Gene, 7:141(1979);Tschemperら, Gene, 10:157(1980)]。trp1遺伝子は、例えば、ATCC番号44076あるいはPEP4−1のようなトリプトファン内で成長する能力を欠く酵母菌の突然変異株に対する選択マーカーを提供する[Jones, Genetics, 85:12 (1977)]。
発現及びクローニングベクターは、通常、PRO−コード化核酸配列に作用可能に結合し、mRNA合成を制御するプロモーターを含む。種々の可能な宿主細胞により認識される好適なプロモーターが知られている。原核生物宿主での使用に好適なプロモーターはβ−ラクタマーゼ及びラクトースプロモーター系[Changら, Nature, 275:615 (1978); Goeddelら, Nature, 281:544 (1979)]、アルカリフォスファターゼ、トリプトファン(trp)プロモーター系[Goeddel, Nucleic Acids Res., 8:4057 (1980); EP 36,776]、及びハイブリッドプロモーター、例えばtacプロモーター[deBoerら, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 80:21−25 (1983)]を含む。細菌系で使用するプロモータもまたPROをコードするDNAと作用可能に結合したシャイン−ダルガーノ(S.D.)配列を有する。
【0094】
酵母宿主と共に用いて好適なプロモーター配列の例としては、3−ホスホグリセラートキナーゼ[Hitzeman ら, J. Biol. Chem., 255:2073 (1980)]又は他の糖分解酵素[Hess ら, J. Adv. Enzyme Reg., 7:149 (1968);Holland, Biochemistry, 17:4900(1987)]、例えばエノラーゼ、グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ、ヘキソキナーゼ、ピルビン酸デカルボキシラーゼ、ホスホフルクトキナーゼ、グルコース−6−リン酸イソメラーゼ、3−ホスホグリセレートムターゼ、ピルビン酸キナーゼ、トリオセリン酸イソメラーゼ、ホスホグルコースイソメラーゼ、及びグルコキナーゼが含まれる。
他の酵母プロモーターとしては、成長条件によって転写が制御される付加的効果を有する誘発的プロモーターであり、アルコールデヒドロゲナーゼ2、イソチトクロムC、酸フォスファターゼ、窒素代謝と関連する分解性酵素、メタロチオネイン、グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ、及びマルトース及びガラクトースの利用を支配する酵素のプロモーター領域がある。酵母菌での発現に好適に用いられるベクターとプロモータは欧州特許第73,657号に更に記載されている。
【0095】
哺乳動物の宿主細胞におけるベクターからのPRO転写は、例えば、ポリオーマウィルス、伝染性上皮腫ウィルス(1989年7月5日公開のUK2,211,504)、アデノウィルス(例えばアデノウィルス2)、ウシ乳頭腫ウィルス、トリ肉腫ウィルス、サイトメガロウィルス、レトロウィルス、B型肝炎ウィルス及びサルウィルス40(SV40)のようなウィルスのゲノムから得られるプロモーター、異種性哺乳動物プロモーター、例えばアクチンプロモーター又は免疫グロブリンプロモーター、及び熱衝撃プロモーターから得られるプロモーターによって、このようなプロモーターが宿主細胞系に適合し得る限り制御される。
より高等の真核生物による所望のPROをコードするDNAの転写は、ベクター中にエンハンサー配列を挿入することによって増強され得る。エンハンサーは、通常は約10から300塩基対で、プロモーターに作用してその転写を増強するDNAのシス作動要素である。哺乳動物遺伝子由来の多くのエンハンサー配列が現在知られている(グロビン、エラスターゼ、アルブミン、α−フェトプロテイン及びインスリン)。しかしながら、典型的には、真核細胞ウィルス由来のエンハンサーが用いられるであろう。例としては、複製起点の後期側のSV40エンハンサー(100−270塩基対)、サイトメガロウィルス初期プロモーターエンハンサー、複製起点の後期側のポリオーマエンハンサー及びアデノウィルスエンハンサーが含まれる。エンハンサーは、PROコード化配列の5’又は3’位でベクター中にスプライシングされ得るが、好ましくはプロモーターから5’位に位置している。
【0096】
また真核生物宿主細胞(酵母、真菌、昆虫、植物、動物、ヒト、又は他の多細胞生物由来の有核細胞)に用いられる発現ベクターは、転写の終結及びmRNAの安定化に必要な配列も含む。このような配列は、真核生物又はウィルスのDNA又はcDNAの通常は5’、時には3’の非翻訳領域から取得できる。これらの領域は、PROをコードするmRNAの非翻訳部分にポリアデニル化断片として転写されるヌクレオチドセグメントを含む。
組換え脊椎動物細胞培養でのPROの合成に適応化するのに適切な他の方法、ベクター及び宿主細胞は、Gethingら, Nature, 293:620−625 (1981); Manteiら, Nature, 281:40−46 (1979);欧州特許第117,060号;及び欧州特許第117,058号に記載されている。
【0097】
4.遺伝子増幅/発現の検出
遺伝子の増幅及び/又は発現は、ここで提供された配列に基づき、適切に標識されたプローブを用い、例えば、従来よりのサザンブロット法、mRNAの転写を定量化するノーザンブロット法[Thomas, Proc. Natl. Acad. Sci. USA,77:5201−5205 (1980)]、ドットブロット法(DNA分析)、又はインサイツハイブリダイゼーション法によって、直接的に試料中で測定することができる。あるいは、DNA二本鎖、RNA二本鎖及びDNA−RNAハイブリッド二本鎖又はDNA−タンパク二本鎖を含む、特異的二本鎖を認識することができる抗体を用いることもできる。次いで、抗体を標識し、アッセイを実施することができ、ここで二本鎖は表面に結合しており、その結果二本鎖の表面での形成の時点でその二本鎖に結合した抗体の存在を検出することができる。
あるいは、遺伝子の発現は、遺伝子産物の発現を直接的に定量する免疫学的な方法、例えば細胞又は組織切片の免疫組織化学的染色及び細胞培養又は体液のアッセイによって、測定することもできる。試料液の免疫組織化学的染色及び/又はアッセイに有用な抗体は、モノクローナルでもポリクローナルでもよく、任意の哺乳動物で調製することができる。簡便には、抗体は、天然配列PROポリペプチドに対して、又はここで提供されるDNA配列をベースとした合成ペプチドに対して、又はPRO DNAに融合し特異的抗体エピトープをコードする外因性配列に対して調製され得る。
【0098】
5.ポリペプチドの精製
PROの形態は、培地又は宿主細胞の溶菌液から回収することができる。膜結合性であるならば、適切な洗浄液(例えばトリトン−X100)又は酵素的切断を用いて膜から引き離すことができる。PROの発現に用いられる細胞は、凍結融解サイクル、超音波処理、機械的破壊、又は細胞溶解剤などの種々の化学的又は物理的手段によって破壊することができる。
PROを、組換え細胞タンパク又はポリペプチドから精製することが望ましい。適切な精製手順の例である次の手順により精製される:すなわち、イオン交換カラムでの分画;エタノール沈殿;逆相HPLC;シリカ又はカチオン交換樹脂、例えばDEAEによるクロマトグラフィー;クロマトフォーカシング;SDS−PAGE;硫酸アンモニウム沈殿;例えばセファデックスG−75を用いるゲル濾過;IgGのような汚染物を除くプロテインAセファロースカラム;及びPROのエピトープタグ形態を結合させる金属キレート化カラムである。この分野で知られ、例えば、Deutscher, Methods in Enzymology, 182(1990);Scopes, Protein Purification: Principles and Practice, Springer−Verlag, New York (1982)に記載された多くのタンパク質精製方法を用いることができる。選ばれる精製過程は、例えば、用いられる生産方法及び特に生産される特定のPROの性質に依存する。
【0099】
E.PROの用途
PROをコードする核酸配列(又はそれらの補体)は、ハイブリダイゼーションプローブとしての使用を含む分子生物学の分野において、染色体及び遺伝子マッピングにおいて、及びアンチセンスRNA及びDNAの生成において種々の用途を有している。また、PRO核酸も、ここに記載される組換え技術によるPROポリペプチドの調製に有用である。
【0100】
完全長天然配列PRO遺伝子又はその一部は、全長PROcDNAの単離又はここに開示した天然PRO配列に対して所望の配列同一性を持つ更に他のcDNA(例えば、PROの天然発生変異体又は他の種からのPROをコードするもの)の単離のためのcDNAライブラリ用のハイブリダイゼーションプローブとして使用できる。場合によっては、プローブの長さは約20〜約50塩基である。ハイブリダイゼーションプローブは、少なくとも部分的に完全長天然ヌクレオチド配列の新規な領域から誘導してもよく、それらの領域は、過度の実験をすることなく、天然配列PROのプロモーター、エンハンサー成分及びイントロンを含むゲノム配列から誘導され得る。例えば、スクリーニング法は、PRO遺伝子のコード化領域を周知のDNA配列を用いて単離して約40塩基の選択されたプローブを合成することを含む。ハイブリダイゼーションプローブは、32P又は35S等の放射性ヌクレオチド、又はアビディン/ビオチン結合系を介してプローブに結合したアルカリホスファターゼ等の酵素標識を含む種々の標識で標識されうる。本発明のPRO遺伝子に相補的な配列を有する標識されたプローブは、ヒトcDNA、ゲノムDNA又はmRNAのライブラリーをスクリーニングし、そのライブラリーの何れのメンバーがプローブにハイブッド形成するかを決定するのに使用できる。ハイブリダイゼーション技術は、以下の実施例において更に詳細に記載する。
【0101】
本出願で開示する任意のESTはプローブと同様に、ここに記載した方法で用いることができる。
PRO核酸の他の有用な断片は、標的PRO mRNA(センス)又はPRO DNA(アンチセンス)配列に結合できる一本鎖核酸配列(RNA又はDNAのいずれか)を含むアンチセンス又はセンスオリゴヌクレオチドを含む。アンチセンス又はセンスオリゴヌクレオチドは、本発明によると、PRO DNAのコード化領域の断片を含む。このような断片は、一般的には少なくとも約14ヌクレオチド、好ましくは約14から30ヌクレオチドを含む。与えられたタンパク質をコードするcDNA配列に基づく、アンチセンス又はセンスオリゴヌクレオチドを制御する可能性は、例えば、Stein及びCohen(Cancer Res. 48: 2659: 1988)及び van der Krolら,(BioTechniques 6: 958, 1988)に記載されている。
【0102】
アンチセンス又はセンスオリゴヌクレオチドの標的核酸配列への結合は二重鎖の形成をもたらし、それは、二重鎖の分解の促進、転写又は翻訳の期外停止を含む幾つかの方法の一つ、又は他の方法により、標的配列の転写又は翻訳を阻止する。よって、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、PROタンパク質の発現を阻止するのに用いられる。アンチセンス又はセンスオリゴヌクレオチドは、修飾糖−ホスホジエステル骨格(又は他の糖結合、国際公開91/06629に記載のもの等)を有するオリゴヌクレオチドをさらに含み、そのような糖結合は内因性ヌクレアーゼ耐性である。そのような耐性糖結合を持つオリゴヌクレオチドは、インビボで安定であるが(即ち、酵素分解に耐えうるが)、標的ヌクレオチド配列に結合できる配列特異性は保持している。
センス又はアンチセンスオリゴヌクレオチドの他の例は、国際公開90/10048に記載されているもののような、有機部分、及びオリゴヌクレオチドの標的核酸配列への親和性を向上させる他の部分、例えばポリ−(L−リジン)に共有結合したオリゴヌクレオチドを含む。さらにまた、エリプチシン等の挿入剤、アルキル化剤又は金属錯体をセンス又はアンチセンスオリゴヌクレオチドに結合させ、アンチセンス又はセンスオリゴヌクレオチドの標的ヌクレオチド配列への結合特異性を改変してもよい。
【0103】
アンチセンス又はセンスオリゴヌクレオチドは、例えば、CaPO4−媒介DNA形質移入、エレクトロポレーションを含む任意の遺伝子転換方法により、又はエプスタイン−バーウイルスなどの遺伝子転換ベクターを用いることにより、標的核酸配列を含む細胞に導入される。好ましい方法では、アンチセンス又はセンスオリゴヌクレオチドは、適切なレトロウイルスベクターに挿入される。標的核酸配列を含む細胞は、インビボ又はエキソビボで組換えレトロウイルスベクターに接触させる。好適なレトロウイルスベクターは、これらに限られないが、マウスレトロウイルスM−MuLVから誘導されるもの、N2(M−MuLVから誘導されたレトロウイルス)、又はDCT5A、DCT5B及びDCT5Cと命名されたダブルコピーベクター(国際公開90/13641参照)を含む。
また、センス又はアンチセンスオリゴヌクレオチドは、国際公開91/04753に記載されているように、リガンド結合分子との複合体の形成により標的配列を含む細胞に導入してもよい。適切なリガンド結合分子は、これらに限られないが、細胞表面レセプター、成長因子、他のサイトカイン、又は細胞表面レセプターに結合する他のリガンドを含む。好ましくは、リガンド結合分子の複合体形成は、リガンド結合分子がその対応する分子又はレセプターに結合する、あるいはセンス又はアンチセンスオリゴヌクレオチド又はその複合体の細胞への侵入を阻止する能力を実質的に阻害しない。
【0104】
あるいは、センス又はアンチセンスオリゴヌクレオチドは、国際公開90/10448に記載されたように、オリゴヌクレオチド−脂質複合体の形成により標的核酸配列を含む細胞に導入してもよい。センス又はアンチセンスオリゴヌクレオチド−脂質複合体は、好ましくは内因性リパーゼにより細胞内で分解される。
アンチセンス又はセンスRNA又はDNA分子は一般に少なくとも約5塩基長、約10塩基長、約15塩基長、約20塩基長、約25塩基長、約30塩基長、約35塩基長、約40塩基長、約45塩基長、約50塩基長、約55塩基長、約60塩基長、約65塩基長、約70塩基長、約75塩基長、約80塩基長、約85塩基長、約90塩基長、約95塩基長、約100塩基長、あるいはそれ以上である。
また、プローブは、PCR技術に用いて、密接に関連したPROコード化配列の同定のための配列のプールを作成することができる。
また、PROをコードするヌクレオチド配列は、そのPROをコードする遺伝子のマッピングのため、及び遺伝子疾患を持つ個体の遺伝子分析のためのハイブリダイゼーションプローブの作成にも用いることができる。ここに提供されるヌクレオチド配列は、インサイツハイブリダイゼーション、既知の染色体マーカーに対する結合分析、及びライブラリーでのハイブリダイゼーションスクリーニング等の周知の技術を用いて、染色体及び染色体の特定領域にマッピングすることができる。
【0105】
PROのコード化配列が他のタンパク質に結合するタンパク質をコードする場合(例えば、PROがレセプターである場合)、PROは、結合相互作用に関与している他のタンパク質又は分子を同定するためのアッセイに用いることができる。このような方法により、レセプター/リガンド結合性相互作用の阻害剤を同定することができる。このような結合性相互作用に含まれるタンパク質も、ペプチド又は小分子阻害剤又は結合性相互作用のアゴニストのスクリーニングに用いることができる。また、レセプターPROは関連するリガンドの単離にも使用できる。スクリーニングアッセイは、天然PRO又はPROのレセプターの生物学的活性に似たリード化合物の発見のために設計される。このようなスクリーニングアッセイは、化学的ライブラリーの高スループットスクリーニングにも用いられ、小分子候補薬剤の同定に特に適したものとする。考慮される小分子は、合成有機又は無機化合物を含む。アッセイは、この分野で良く知られ特徴付けられているタンパク質−タンパク質結合アッセイ、生物学的スクリーニングアッセイ、免疫検定及び細胞ベースのアッセイを含む種々の型式で実施される。
【0106】
また、PRO又はその任意の修飾型をコードする核酸は、トランスジェニック動物又は「ノックアウト」動物のいずれかを産生することに使用でき、これらは治療的に有用な試薬の開発やスクリーニングに有用である。トランスジェニック動物(例えばマウス又はラット)とは、出生前、例えば胚段階で、その動物又はその動物の祖先に導入された導入遺伝子を含む細胞を有する動物である。導入遺伝子とは、トランスジェニック動物が発生する細胞のゲノムに組み込まれたDNAである。一実施形態では、PROをコードするcDNAは、PROをコードするDNAを発現する細胞を含むトランスジェニック動物を作製するために使用するゲノム配列及び確立された技術に基づいて、PROをコードするゲノムDNAをクローン化するために使用することができる。トランスジェニック動物、特にマウス又はラット等の特定の動物を産生する方法は、当該分野において常套的になっており、例えば米国特許第4,736,866号や第4,870,009号に記述されている。典型的には、特定の細胞を組織特異的エンハンサーでのPRO導入遺伝子の導入の標的にする。胚段階で動物の生殖系列に導入されたPROコード化導入遺伝子のコピーを含むトランスジェニック動物はPROをコードするDNAの増大した発現の影響を調べるために使用できる。このような動物は、例えばその過剰発現を伴う病理学的状態に対して保護をもたらすと思われる試薬のテスター動物として使用できる。本発明のこの態様においては、動物を試薬で治療し、導入遺伝子を有する未治療の動物に比べ病理学的状態の発症率が低ければ、病理学的状態に対する治療上の処置の可能性が示される。
【0107】
あるいは、PROの非ヒト相同体は、動物の胚幹細胞に導入されたPROをコードする変更ゲノムDNAと、PROをコードする内在性遺伝子との間の相同的組換えによって、PROをコードする欠陥又は変更遺伝子を有するPRO「ノックアウト」動物を作成するために使用できる。例えば、PROをコードするcDNAは、確立された技術に従い、PROをコードするゲノムDNAのクローニングに使用できる。PROをコードするゲノムDNAの一部を欠失したり、組み込みを監視するために使用する選択可能なマーカーをコードする遺伝子等の他の遺伝子で置換することができる。典型的には、ベクターは無変化のフランキングDNA(5’と3’末端の両方)を数キロベース含む[例えば、相同的組換えベクターについてはThomas及びCapecchi, Cell, 51:503(1987)を参照のこと]。ベクターは胚幹細胞に(例えばエレクトロポレーションによって)導入し、導入されたDNAが内在性DNAと相同的に組換えられた細胞が選択された[例えば、Liら, Cell, 69:915(1992)参照]。選択された細胞は次に動物(例えばマウス又はラット)の胚盤胞内に注入されて集合キメラを形成する[例えば、Bradley, Teratocarcinomas and Embryonic Stem Cells: A Practical Approach, E. J. Robertson, ed. (IRL, Oxford, 1987), pp. 113−152参照のこと]。その後、キメラ性胚を適切な偽妊娠の雌性乳母に移植し、期間をおいて「ノックアウト」動物を作り出す。胚細胞に相同的に組換えられたDNAを有する子孫は標準的な技術により同定され、それらを利用して動物の全細胞が相同的に組換えられたDNAを含む動物を繁殖させることができる。ノックアウト動物は、PROポリペプチドの欠乏によるある種の病理的状態及びその病理的状態の進行に対する防御能力によって特徴付けられる。
【0108】
また、PROポリペプチドをコードする核酸は遺伝子治療にも使用できる。遺伝子治療用途においては、例えば欠陥遺伝子を置換するため、治療的有効量の遺伝子産物のインビボ合成を達成するために遺伝子が導入される。「遺伝子治療」とは、1回の処理により継続的効果が達成される従来の遺伝子治療と、治療的に有効なDNA又はmRNAの1回又は繰り返し投与を含む遺伝子治療薬の投与の両方を含む。アンチセンスRNA及びDNAは、ある種の遺伝子のインビボ発現を阻止する治療薬として用いることができる。短いアンチセンスオリゴヌクレオチドを、細胞膜による制限された取り込みに起因する低い細胞内濃度にもかかわらず、それが阻害剤として作用する細胞中に移入できることは既に示されている(Zamecnikら, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 83: 4143−4146 [1986])。オリゴヌクレオチドは、それらの負に荷電したリン酸ジエステル基を非荷電基で置換することによって取り込みを促進するように修飾してもよい。
【0109】
生存可能な細胞に核酸を導入するための種々の技術が存在する。これらの技術は、核酸が培養細胞にインビトロで、あるいは意図する宿主の細胞においてインビボで移入されるかに応じて変わる。核酸を哺乳動物細胞にインビトロで移入するのに適した方法は、リポソーム、エレクトロポレーション、マイクロインジェクション、細胞融合、DEAE−デキストラン、リン酸カルシウム沈殿法などを含む。現在好ましいインビボ遺伝子移入技術は、ウイルス(典型的にはレトロウイルス)ベクターでの形質移入及びウイルス被覆タンパク質−リポソーム媒介形質移入である(Dzauら, Trends in Biotechnology 11, 205−210(1993))。幾つかの状況では、核酸供給源を、細胞表面膜タンパク質又は標的細胞に特異的な抗体、標的細胞上のレセプターに対するリガンド等の標的細胞を標的化する薬剤とともに提供するのが望ましい。リポソームを用いる場合、エンドサイトーシスを伴って細胞表面膜タンパク質に結合するタンパク質、例えば、特定の細胞型向性のキャプシドタンパク質又はその断片、サイクルにおいて内部移行を受けるタンパク質に対する抗体、細胞内局在化を標的とし細胞内半減期を向上させるタンパク質が、標的化及び/又は取り込みの促進のために用いられる。レセプター媒介エンドサイトーシスは、例えば、Wuら, J. Biol. Chem. 262, 4429−4432 (1987); 及びWagnerら, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 87, 3410−3414 (1990)によって記述されている。遺伝子作成及び遺伝子治療のプロトコールの概説については、Andersonら, Science 256, 808−813 (1992)を参照のこと。
【0110】
ここに記載したPROポリペプチドをタンパク質電気泳動目的の分子量マーカーとして用いてもよく、単離された核酸配列を、これらのマーカーを組み換え発現に用いてもよい。
ここに記載したPROポリペプチド又はその断片をコードする核酸分子は、染色体の同定に有用である。この点において、実際の配列に基づく染色体マーキング試薬は殆ど利用可能ではないため、新規な染色体マーカーの同定が必要である。本発明の各PRO核酸分子は染色体マーカーとして使用できる。
また、本発明のPROポリペプチド及び核酸分子は組織タイピングに使用でき、本発明のPROポリペプチドは、好ましくは同じ型の正常組織に比較して疾患性組織において、一方の組織で他方に比較して異なる発現をする。PRO核酸分子には、PCR、ノーザン分析、サザン分析及びウェスタン分析のプローブ生成のための用途が見出されるであろう。
【0111】
ここに記載したPROポリペプチドは治療薬として用いてもよい。本発明のPROポリペプチドは、製薬的に有用な組成物を調製するのに知られた方法に従って製剤され、これにより、このPRO生成物は製薬的に許容される担体媒体と混合される。治療用製剤は、凍結乾燥された製剤又は水性溶液の形態で、任意的な製薬上許容可能なキャリア、賦形剤又は安定剤と、所望の精製度を有する活性成分とを混合することにより(Remington’s Pharmaceutical Sciences, 16th edition, Osol, A. Ed., [1980])、調製され保管される。許容される担体、賦形剤又は安定剤は、用いる投与量及び濃度ではレシピエントに対して無毒性であり、リン酸、クエン酸及び他の有機酸等の緩衝液;アスコルビン酸を含む抗酸化剤;低分子量(残基数10個未満)ポリペプチド;血清アルブミン、ゼラチン又は免疫グロブリン等のタンパク質;ポリビニルピロリドン等の親水性重合体;グリシン、グルタミン、アスパラギン、アルギニン又はリシン等のアミノ酸;グルコース、マンノース又はデキストリン等の単糖類、二糖類又は他の炭水化物、EDTA等のキレート剤、マンニトール又はソルビトール等の糖類、ナトリウム等の塩形成対イオン;及び/又はTWEEN(商品名)、PLURONICS(商品名)又はポリエチレングリコール(PEG)等の非イオン性界面活性剤を含む。
【0112】
インビボ投与に使用される製剤は滅菌されていなくてはならない。これは、凍結乾燥及び再構成の前又は後に、滅菌フィルター膜を通す濾過により容易に達成される。
ここで、本発明の製薬組成物は一般に、無菌のアクセスポートを具備する容器、例えば、皮下注射針で貫通可能なストッパーを持つ静脈内バッグ又はバイアル内に配される。
投与経路は周知の方法、例えば、静脈内、腹膜内、脳内、筋肉内、眼内、動脈内又は病巣内経路での注射又は注入、局所投与、又は徐放系による。
本発明の製薬組成物の用量及び望ましい薬物濃度は、意図する特定の用途に応じて変化する。適切な用量又は投与経路の決定は、通常の内科医の技量の範囲内である。動物実験は、ヒト治療のための有効量の決定についての信頼できるガイダンスを提供する。有効量の種間スケーリングは、Toxicokinetics and New Drug Development, Yacobiら, 編, Pergamon Press, New York 1989, pp. 42−96のMordenti, J. 及びChappell, W. 「The use of interspecies scaling in toxicokinetics」に記載された原理に従って実施できる。
【0113】
PROポリペプチド又はそのアゴニスト又はアンタゴニストのインビボ投与が用いられる場合、正常な投与量は、投与経路に応じて、哺乳動物の体重当たり1日に約10ng/kgから100mg/kgまで、好ましくは約1μg/kg/日から10mg/kg/日である。特定の用量及び輸送方法の指針は文献に与えられている;例えば、米国特許第4,657,760号、第5,206,344号、又は第5,225,212号参照。異なる製剤が異なる治療用化合物及び異なる疾患に有効であること、例えば一つの器官又は組織を標的とする投与には、他の器官又は組織とは異なる方式で輸送することが必要であることが予想される。
PROポリペプチドの投与を必要とする任意の疾患又は疾病の治療に適した放出特性を持つ製剤でPROポリペプチドの持続放出が望まれる場合、PROポリペプチドのマイクロカプセル化が考えられる。持続放出のための組換えタンパク質のマイクロカプセル化は、ヒト成長ホルモン(rhGH)、インターフェロン−(rhIFN−)、インターロイキン−2、及びMN rgp120で成功裏に実施されている。Johnsonら, Nat. Med., 2: 795−799 (1996); Yasuda, Biomed. Ther., 27: 1221−1223 (1993); Horaら, Bio/Technology, 8: 755−758 (1990); Cleland, 「Design and Production of Single Immunization Vaccines Using Polylactide Polyglycolide Microsphere Systems」Vaccine Design: The Subunit and Adjuvant Approach, Powell 及び Newman編, (Plenum Press: New York, 1995), p.439−462; 国際公開97/03692,国際公開96/40072,国際公開96/07399;及び米国特許第5,654,010号。
【0114】
これらのタンパク質の持続放出製剤は、ポリ−乳酸−コグリコール酸(PLGA)ポリマーを用い、その生体適合性及び広範囲の生分解特性に基づいて開発された。PLGAの分解生成物である乳酸及びグリコール酸は、ヒト身体内で即座にクリアされる。さらに、このポリマーの分解性は、分子量及び組成に依存して数ヶ月から数年まで調節できる。Lewis, 「Controlled release of bioactive agents from lactide/glycolide polymer」: M. Chasin及び R. Langer (編), Biodegradable Polymers as Drug Delivery Systems (Marcel Dekker: New York, 1990), pp. 1−41。
本発明は、PROポリペプチドに類似する(アゴニスト)又はPROポリペプチドの効果を阻害する(アンタゴニスト)ものを同定するための化合物のスクリーニング方法も包含する。アンタゴニスト候補薬のスクリーニングアッセイは、ここに同定した遺伝子にコードされるPROポリペプチドと結合又は複合体形成する化合物、又は他にコード化ポリペプチドの他の細胞性タンパク質との相互作用を阻害する化合物を同定するために設計される。このようなスクリーニングアッセイは、それを特に小分子候補薬の同定に適したものにする、化学的ライブラリの高スループットスクリーニングに適用可能なアッセイを含む。
該アッセイは、タンパク質−タンパク質結合アッセイ、生化学的スクリーニングアッセイ、イムノアッセイ、及び細胞ベースのアッセイで、この分野で知られたものを含む種々の方式で実施される。
アンタゴニストについての全てのアッセイは、それらが候補薬をここで同定された核酸にコードされるPROポリペプチドと、これら2つの成分が相互作用するのに十分な条件下及び時間で接触させることを必要とすることにおいて共通する。
【0115】
結合アッセイにおいて、相互作用は結合であり、形成された複合体は単離されるか、又は反応混合物中で検出される。特別な実施態様では、ここに同定された遺伝子にコードされるPROポリペプチド又は候補薬が、共有又は非共有結合により固相、例えばミクロタイタープレートに固定化される。非共有結合は、一般的に固体表面をPROポリペプチドの溶液で被覆し乾燥させることにより達成される。あるいは、固定化されるPROポリペプチドに特異的な固定化抗体、例えばモノクローナル抗体を、それを固体表面に固着させるために用いることができる。アッセイは、固定化成分、例えば固着成分を含む被覆表面に、検出可能な標識で標識されていてもよい非固定化成分を添加することにより実施される。反応が完了したとき、未反応成分を例えば洗浄により除去し、固体表面に固着した複合体を検出する。最初の非固定化成分が検出可能な標識を有している場合、表面に固定化された標識の検出は複合体形成が起こったことを示す。最初の非固定化成分が標識を持たない場合は、複合体形成は、例えば、固定化された複合体に特異的に結合する標識抗体によって検出できる。
【0116】
候補化合物が相互作用するがここに同定した遺伝子にコードされる特定のPROポリペプチドに結合しない場合、そのポリペプチドとの相互作用は、タンパク質−タンパク質相互作用を検出するために良く知られている方法によってアッセイすることができる。そのようなアッセイは、架橋、同時免疫沈降、及び勾配又はクロマトグラフィーカラムを通す同時精製などの伝統的な手法を含む。さらに、タンパク質−タンパク質相互作用は、Chevray及びNathans[Proc.Natl. Acad. Sci. USA 89, 5789−5793 (1991)]に開示されているように、Fields及び共同研究者ら[Fields及びSong, Nature(London) 340, 245−246 (1989); Chienら, Proc.Natl. Acad. Sci. USA 88, 9578−9582 (1991)]に記載された酵母ベースの遺伝子系を用いることによってモニターすることができる。酵母GAL4などの多くの転写活性化剤は、2つの物理的に別個のモジュラードメインからなり、一方はDNA結合ドメインとして作用し、他方は転写活性化ドメインとして機能する。前出の文献に記載された酵母発現系(一般に「2−ハイブリッド系」と呼ばれる)は、この特性の長所を利用し、並びに2つのハイブリッドタンパク質を用い、一方では標的タンパク質がGAL4のDNA結合ドメインに融合し、他方では候補となる活性化タンパク質が活性化ドメインに融合している。GAL1−lacZリポーター遺伝子のGAL4活性化プロモーターの制御下での発現は、タンパク質−タンパク質相互作用を介したGAL4活性の再構成に依存する。相互作用するポリペプチドを含むコロニーは、β−ガラクトシダーゼに対する色素生産性物質で検出される。2−ハイブリッド技術を用いた2つの特定なタンパク質間のタンパク質−タンパク質相互作用を同定するための完全なキット(MATCHMAKER(商品名))は、Clontechから商業的に入手可能である。また、この系は、特定のタンパク質相互作用に含まれるタンパク質ドメインのマッピング、並びにこれら相互作用にとって重要なアミノ酸残基の特定へ拡大適用することができる。
【0117】
ここで同定されたPROポリペプチドをコードする遺伝子と細胞内又は細胞外成分との相互作用を阻害する化合物は、次のように試験できる:通常、反応混合物は、遺伝子産物と細胞外又は細胞内成分を、これら2つの生成物の相互作用及び結合が可能な条件下及び時間に渡って含むように調製される。候補化合物が結合を阻害する能力を試験するために、反応は試験化合物の不存在及び存在下で実施される。さらに、プラシーボを第3の反応混合物に添加してポジティブコントロールを提供してもよい。混合物中に存在する試験化合物と細胞内又は細胞外成分との結合(複合体形成)は上記のようにモニターされる。試験化合物を含有する反応混合物ではなく、コントロール反応における複合体の形成は、試験化合物が試験化合物とその結合パートナーとの相互作用を阻害することを示す。
【0118】
アンタゴニストをアッセイするためには、特定の活性についてスクリーニングされる化合物とともにPROポリペプチドを細胞へ添加してもよく、PROポリペプチド存在下における対象活性を阻害する化合物の能力は、化合物がPROポリペプチドのアンタゴニストであることを示す。あるいは、PROポリペプチドと膜結合PROポリペプチドレセプター又は組換えレセプターを有する潜在的アンタゴニストを競合的阻害アッセイに適した条件下で結合させることによって、アンタゴニストを検出してもよい。放射活性などでPROポリペプチドを標識することが可能であり、潜在的アンタゴニストの有効性を判断するためにレセプターに結合したPROポリペプチドの数を利用することができる。レセプターをコードする遺伝子は、当業者に知られた多くの方法、例えばリガンドパンニング及びFACSソートによって同定できる。Coliganら, Current Protocols in Immun., 1(2): 第5章(1991)。好ましくは、発現クローニングが用いられ、ポリアデニル化RNAがPROポリペプチドに反応性の細胞から調製され、このRNAから生成されたcDNAライブラリがプールに分配され、COS細胞又はPROポリペプチドに対して反応性ではない他の細胞の形質移入に使用される。スライドガラスで成長させた形質移入細胞を、標識したPROポリペプチドで暴露する。このPROポリペプチドは、ヨウ素化又は部位特異的タンパク質キナーゼの認識部位の封入を含む種々の手段で標識できる。固定及びインキュベーションの後、スライドにオートラジオグラフィ分析を施す。ポジティブプールを同定し、相互作用サブプール化及び再スクリーニング工程を用いてサブプールを調製して再形質移入し、最終的に推定レセプターをコードする単一のクローンを生成する。
【0119】
レセプター同定の代替的方法として、標識PROポリペプチドをレセプター分子を発現する細胞膜又は抽出調製物に光親和性結合させることができる。架橋材料をPAGEで溶解させ、X線フィルムへ暴露する。レセプターを含む標識複合体を励起し、ペプチド断片へ分解し、タンパク質マイクロ配列決定を施すことができる。マイクロ配列決定から得たアミノ酸配列は、推定レセプターをコードする遺伝子を同定するcDNAライブラリをスクリーニングする縮重オリゴヌクレオチドプローブの一組の設計に用いられる。
アンタゴニストの他のアッセイでは、レセプターを発現する哺乳動物細胞又は膜調製物を、候補化合物の存在下で標識PROポリペプチドとともにインキュベートする。次いで、この相互作用を促進又は阻止する化合物の能力を測定する。
潜在的なアンタゴニストのより特別な例は、免疫グロブリンとPROポリペプチドとの融合体に結合するオリゴヌクレオチド、特に、限られないが、ポリ−及びモノクローナル抗体及び抗体断片、一本鎖抗体、抗−イディオタイプ抗体、及びこれらの抗体又は断片のキメラ又はヒト化形態、並びにヒト抗体及び抗体断片を含む抗体を含んでいる。あるいは、潜在的アンタゴニストは、密接に関連したタンパク質、例えば、レセプターを認識するが効果を与えず、従ってPROポリペプチドの作用を競合的に阻害するPROポリペプチドの変異形態であってもよい。
【0120】
他の潜在的なPROポリペプチドアンタゴニストは、アンチセンス技術を用いて調製されたアンチセンスRNA又はDNA作成物であり、例えば、アンチセンスRNA又はDNA分子は、標的mRNAにハイブリッド形成してタンパク質翻訳を妨害することによりmRNAの翻訳を直接阻止するように作用する。アンチセンス技術は、トリプルへリックス形成又はアンチセンスDNA又はRNAを通して遺伝子発現を制御するのに使用でき、それらの方法はともに、ポリヌクレオチドのDNA又はRNAへの結合に基づく。例えば、ここでの成熟PROポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列の5’コード化部分は、約10から40塩基対長のアンチセンスRNAオリゴヌクレオチドの設計に使用される。DNAオリゴヌクレオチドは、転写に含まれる遺伝子の領域に相補的であるように設計され(トリプルへリックス−Leeら, Nucl, Acid Res., 6: 3073 (1979); Cooneyら, Science, 241: 456 (1988); Dervanら, Science, 251: 1360 (1991)参照)、それによりPROポリペプチドの転写及び生成を防止する。アンチセンスRNAオリゴヌクレオチドはインビボでmRNAにハイブリッド形成してmRNA分子のPROポリペプチドへの翻訳を阻止する(アンチセンス−Okano, Neurochem., 56: 560 (1991); Oligodeoxynucleotides as Antisense Inhibitors of Gene Expression (CRC Press: Boca Raton, FL, 1988))。上記のオリゴヌクレオチドは、細胞に輸送され、アンチセンスRNA又はDNAをインビボで発現させて、PROポリペプチドの生産を阻害することもできる。アンチセンスDNAが用いられる場合、翻訳開始部位、例えば標的遺伝子ヌクレオチド配列の−10から+10位置の間から誘導されるオリゴデオキシリボヌクレオチドが好ましい。
【0121】
潜在的アンタゴニストは、PROポリペプチドの活性部位、レセプター結合部位、又は成長因子又は他の関連結合部位に結合し、それによりPROポリペプチドの正常な生物学的活性を阻止する小分子を含む。小分子の例は、これらに限られないが、小型ペプチド又はペプチド様分子、好ましくは可溶性ペプチド、及び合成非ペプチジル有機又は無機化合物を含む。
リボザイムは、RNAの特異的切断を触媒できる酵素的RNA分子である。リボザイムは、相補的標的RNAへの配列特異的ハイブリッド形成、次いで内ヌクレオチド結合分解性切断により作用する。潜在的RNA標的内の特異的リボザイム切断部位は、既知の技術で同定できる。更なる詳細は、例えば、上掲のRossi, Current Biology 4:469−471 (1994)及びPCT公報番号、国際公開97/33551(1997年9月18日公開)を参照。
【0122】
転写阻害に用いられるトリプルヘリックス形成における核酸分子は一本鎖でデオキシヌクレオチドからなる。これらのオリゴヌクレオチドの基本組成は、フーグスチン塩基対則を介するトリプルヘリックス形成を促進するように設計され、それは一般に二重鎖の一方の鎖上のプリン又はピリミジンのサイズ変更可能な伸展を必要とする。さらなる詳細は、例えば、PCT公報番号、国際公開97/33551、上掲を参照。
これらの小分子は、上記で検討したスクリーニングアッセイの1つ又は複数の任意のものにより及び/又は当業者に良く知られた他の任意のスクリーニング技術により同定できる。
また、ここで開示されている分子の診断的及び治療的利用は、下記に開示及び記載のポジティブ機能アッセイヒットに基づいている。
【0123】
F.抗−PRO抗体
本発明は、さらに抗−PRO抗体を提供するものである。抗体の例としては、ポリクローナル、モノクローナル、ヒト化、二重特異性及びヘテロコンジュゲート抗体が含まれる。
【0124】
1.ポリクローナル抗体
抗−PRO抗体はポリクローナル抗体を含む。ポリクローナル抗体の調製方法は当業者に知られている。哺乳動物においてポリクローナル抗体は、例えば免疫剤、及び所望するのであればアジュバントを、1つ又は複数回注射することで発生させることができる。典型的には、免疫剤及び/又はアジュバントを複数回皮下又は腹腔内注射により、哺乳動物に注射する。免疫剤は、PROポリペプチド又はその融合タンパク質を含みうる。免疫剤を免疫化された哺乳動物において免疫原性が知られているタンパク質に抱合させるのが有用である。このような免疫原タンパク質の例は、これらに限られないが、キーホールリンペットヘモシアニン、血清アルブミン、ウシサイログロブリン及び大豆トリプシンインヒビターが含まれる。使用され得るアジュバントの例には、フロイント完全アジュバント及びMPL−TDMアジュバント(モノホスホリル脂質A、合成トレハロースジコリノミコラート)が含まれる。免疫化プロトコールは、過度の実験なく当業者により選択されるであろう。
【0125】
2.モノクローナル抗体
あるいは、抗−PRO抗体はモノクローナル抗体であってもよい。モノクローナル抗体は、Kohler及びMilstein, Nature, 256:495 (1975)に記載されているようなハイブリドーマ法を使用することで調製することができる。ハイブリドーマ法では、マウス、ハムスター又は他の適切な宿主動物を典型的には免疫剤により免疫化することで、免疫剤に特異的に結合する抗体を生成するか或いは生成可能なリンパ球を誘発する。あるいは、リンパ球をインビトロで免疫化することもできる。
【0126】
免疫剤は、典型的には対象とするPROポリペプチド又はその融合タンパク質を含む。一般にヒト由来の細胞が望まれる場合には末梢血リンパ球(「PBLs」)が使用され、あるいは非ヒト哺乳動物源が望まれている場合は、脾臓細胞又はリンパ節細胞が使用される。次いで、ポリエチレングリコール等の適当な融合剤を用いてリンパ球を不死化株化細胞と融合させ、ハイブリドーマ細胞を形成する[Goding, Monoclonal Antibodies: Principles and Practice, Academic Press, (1986) pp. 59−103]。不死化株化細胞は、通常は、形質転換した哺乳動物細胞、特に齧歯動物、ウシ、及びヒト由来の骨髄腫細胞である。通常、ラット又はマウスの骨髄腫株化細胞が使用される。ハイブリドーマ細胞は、好ましくは、未融合の不死化細胞の生存又は成長を阻害する一又は複数の物質を含有する適切な培地で培養される。例えば、親細胞が、酵素のヒポキサンチングアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ(HGPRT又はHPRT)を欠いていると、ハイブリドーマの培地は、典型的には、ヒポキサチン、アミノプチリン及びチミジンを含み(「HAT培地」)、この物質がHGPRT欠乏性細胞の増殖を阻止する。
【0127】
好ましい不死化株化細胞は、効率的に融合し、選択された抗体生成細胞による安定した高レベルの抗体発現を支援し、HAT培地のような培地に対して感受性である。より好ましい不死化株化細胞はマウス骨髄腫株であり、これは例えばカリフォルニア州サンディエゴのSalk Institute Cell Distribution Centerやヴァージニア州マナッサスのアメリカン・タイプ・カルチャー・コレクションより入手可能である。ヒトモノクローナル抗体を生成するためのヒト骨髄腫及びマウス−ヒト異種骨髄腫株化細胞も開示されている[Kozbor, J. Immunol., 133:3001 (1984)、Brodeurら, Monoclonal Antibody Production Techniques and Applications, Marcel Dekker, Inc., New York, (1987) pp. 51−63]。
次いでハイブリドーマ細胞が培養される培養培地を、PROに対するモノクローナル抗体の存在について検定する。好ましくは、ハイブリドーマ細胞によって生成されたモノクローナル抗体の結合特異性は免疫沈降又はラジオイムノアッセイ(RIA)や酵素結合免疫測定法(ELISA)等のインビトロ結合検定法によって測定する。このような技術及びアッセイは、当該分野において公知である。モノクローナル抗体の結合親和性は、例えばMunson及びPollard, Anal. Biochem., 107:220 (1980)によるスキャッチャード解析法によって測定することができる。
【0128】
所望のハイブリドーマ細胞が同定された後、クローンを限界希釈法によりサブクローニングし、標準的な方法で成長させることができる[Goding, 上掲]。この目的のための適当な培地には、例えば、ダルベッコの改変イーグル培地及びRPMI−1640倍地が含まれる。あるいは、ハイブリドーマ細胞は哺乳動物においてインビボで腹水として成長させることもできる。
サブクローンによって分泌されたモノクローナル抗体は、例えばプロテインA−セファロース法、ヒドロキシルアパタイトクロマトグラフィー法、ゲル電気泳動法、透析法又はアフィニティークロマトグラフィー等の従来の免疫グロブリン精製方法によって培養培地又は腹水液から単離又は精製される。
【0129】
また、モノクローナル抗体は、組換えDNA法、例えば米国特許第4,816,567号に記載された方法により作成することができる。本発明のモノクローナル抗体をコードするDNAは、常套的な方法を用いて(例えば、マウス抗体の重鎖及び軽鎖をコードする遺伝子に特異的に結合可能なオリゴヌクレオチドプローブを使用して)、容易に単離し配列決定することができる。本発明のハイブリドーマ細胞はそのようなDNAの好ましい供給源となる。ひとたび単離されたら、DNAは発現ベクター内に配することができ、これが宿主細胞、例えばサルCOS細胞、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、あるいは免疫グロブリンタンパク質を生成等しない骨髄腫細胞内に形質移入され、組換え宿主細胞内でモノクローナル抗体の合成をすることができる。また、DNAは、例えば相同マウス配列に換えてヒト重鎖及び軽鎖定常ドメインのコード配列を置換することにより[米国特許第4,816,567号;Morrisonら, 上掲]、又は免疫グロブリンコード配列に非免疫グロブリンポリペプチドのコード配列の一部又は全部を共有結合することにより修飾することができる。このような非免疫グロブリンポリペプチドは、本発明の抗体の定常ドメインに置換でき、あるいは本発明の抗体の1つの抗原結合部位の可変ドメインに置換でき、キメラ性二価抗体を生成する。
【0130】
抗体は一価抗体であってもよい。一価抗体の調製方法は当該分野においてよく知られてる。例えば、一つの方法は免疫グロブリン軽鎖と修飾重鎖の組換え発現を含む。重鎖は一般的に、重鎖の架橋を防止するようにFc領域の任意の点で切断される。あるいは、関連するシステイン残基を他のアミノ酸残基で置換するか欠失させて架橋を防止する。
一価抗体の調製にはインビトロ法がまた適している。抗体の消化による、その断片、特にFab断片の生成は、当該分野において知られている慣用的技術を使用して達成できる。
【0131】
3.ヒト及びヒト化抗体
本発明の抗−PRO抗体は、さらにヒト化抗体又はヒト抗体を含む。非ヒト(例えばマウス)抗体のヒト化形とは、キメラ免疫グロブリン、免疫グロブリン鎖あるいはその断片(例えばFv、Fab、Fab’、F(ab’)2あるいは抗体の他の抗原結合サブ配列)であって、非ヒト免疫グロブリンに由来する最小配列を含むものである。ヒト化抗体はレシピエントの相補性決定領域(CDR)の残基が、マウス、ラット又はウサギのような所望の特異性、親和性及び能力を有する非ヒト種(ドナー抗体)のCDRの残基によって置換されたヒト免疫グロブリン(レシピエント抗体)を含む。幾つかの例では、ヒト免疫グロブリンのFvフレームワーク残基は、対応する非ヒト残基によって置換されている。また、ヒト化抗体は、レシピエント抗体にも、移入されたCDRもしくはフレームワーク配列にも見出されない残基を含んでいてもよい。一般に、ヒト化抗体は、全てあるいはほとんど全てのCDR領域が非ヒト免疫グロブリンのものに対応し、全てあるいはほとんど全てのFR領域がヒト免疫グロブリンコンセンサス配列のものである、少なくとも1つ、典型的には2つの可変ドメインの実質的に全てを含む。ヒト化抗体は、最適には免疫グロブリン定常領域(Fc)、典型的にはヒトの免疫グロブリンの定常領域の少なくとも一部を含んでなる[Jonesら, Nature, 321:522−525 (1986); Riechmannら, Nature, 332:323−329 (1988); 及びPresta, Curr. Op Struct. Biol., 2:593−596 (1992)]。
【0132】
非ヒト抗体をヒト化する方法はこの分野でよく知られている。一般的に、ヒト化抗体には非ヒト由来の1つ又は複数のアミノ酸残基が導入される。これら非ヒトアミノ酸残基は、しばしば、典型的には「移入」可変ドメインから得られる「移入」残基と称される。ヒト化は基本的に齧歯動物のCDR又はCDR配列でヒト抗体の該当する配列を置換することによりウィンター(Winter)及び共同研究者[Jonesら, Nature, 321:522−525 (1986);Riechmannら, Nature, 332:323−327 (1988);Verhoeyenら, Science, 239:1534−1536 (1988)]の方法に従って実施される。よって、このような「ヒト化」抗体は、無傷のヒト可変ドメインより実質的に少ない分が非ヒト種由来の対応する配列で置換されたキメラ抗体(米国特許第4,816,567号)である。実際には、ヒト化抗体は典型的には幾つかのCDR残基及び場合によっては幾つかのFR残基が齧歯類抗体の類似する部位からの残基によって置換されたヒト抗体である。
【0133】
また、ヒト抗体は、ファージ表示ライブラリ[Hoogenboom及びWinter, J. Mol. Biol., 227:381(1991);Marksら, J. Mol. Biol., 222:581 (1991)]を含むこの分野で知られた種々の方法を用いて作成することもできる。また、Coleら及びBoernerらの方法も、ヒトモノクローナル抗体の調製に利用することができる[Coleら, Monoclonal Antibodies and Cancer Therapy, Alan R. Liss. p.77(1985)及びBoernerら, J. Immunol., 147(1):86−95(1991) ]。同様に、ヒト抗体はヒト免疫グロブリン座位をトランスジェニック動物、例えば内在性免疫グロブリン遺伝子は部分的又は完全に不活性化されたマウスに導入することにより産生することができる。投与の際に、遺伝子再配列、組立、及び抗体レパートリーを含むあらゆる観点においてヒトに見られるものに非常に類似しているヒト抗体の生産が観察される。このアプローチは、例えば米国特許第5,545,807号;同第5,545,806号;同第5,569,825号;同第5,625,126号;同第5,633,425号;同第5,661,016号、及び次の科学文献:Marksら, Bio/Technology 10, 779−783 (1992); Lonbergら, Nature 368 856−859 (1994); Morrison, Nature 368, 812−13 (1994); Fishwildら, Nature Biotechnology 14, 845−51 (1996); Neuberger, Nature Biotechnology 14, 826 (1996); Lonberg及びHuszar, Intern. Rev. Immunol. 13 65−93 (1995)に記載されている。
【0134】
また、抗体は、上記に記載のような既知の選択及び/又は突然変異誘発法を利用して親和的に成熟している。好ましい親和性成熟抗体は、5倍、より好ましくは10倍、さらにより好ましくは20又は30倍も成熟抗体の調製の元である出発抗体(一般的には、マウス、ヒト化又はヒト)より高い親和性を有する。
【0135】
4.二重特異性抗体
二重特異性抗体は、少なくとも2つの異なる抗原に対して結合特異性を有するモノクローナル抗体、好ましくはヒトもしくはヒト化抗体である。本発明の場合においては、結合特異性の一方はPROに対してであり、他方は任意の他の抗原、好ましくは細胞表面タンパク質又はレセプター又はレセプターサブユニットに対してである。
二重特異性抗体を作成する方法は当該技術分野において周知である。伝統的には、二重特異性抗体の組換え生産は、二つの重鎖が異なる特異性を持つ二つの免疫グロブリン重鎖/軽鎖対の同時発現に基づく[Milstein及びCuello, Nature, 305:537−539 (1983)]。免疫グロブリンの重鎖と軽鎖を無作為に取り揃えるため、これらハイブリドーマ(クアドローマ)は10種の異なる抗体分子の潜在的混合物を生成し、その内の一種のみが正しい二重特異性構造を有する。正しい分子の精製は、アフィニティークロマトグラフィー工程によって通常達成される。同様の手順が1993年5月13日公開の国際公開93/08829、及びTrauneckerら, EMBO J.,10:3655−3659 (1991)に開示されている。
【0136】
所望の結合特異性(抗体−抗原結合部位)を有する抗体可変ドメインを免疫グロブリン定常ドメイン配列に融合できる。融合は、好ましくは少なくともヒンジ部、CH2及びCH3領域の一部を含む免疫グロブリン重鎖定常ドメインとのものである。少なくとも一つの融合には軽鎖結合に必要な部位を含む第一の重鎖定常領域(CH1)が存在することが望ましい。免疫グロブリン重鎖融合をコードするDNA、及び望むのであれば免疫グロブリン軽鎖を、別々の発現ベクターに挿入し、適当な宿主生物に同時形質移入する。二重特異性抗体を作成するための更なる詳細については、例えばSureshら, Methods in Enzymology, 121:210(1986)を参照されたい。
国際公開96/27011に記載された他の方法によれば、一対の抗体分子間の界面を操作して組換え細胞培養から回収される異種二量体の割合を最大にすることができる。好適な界面は抗体定常ドメインのCH3領域の少なくとも一部を含む。この方法では、第1抗体分子の界面からの1つ又は複数の小さいアミノ酸側鎖がより大きな側鎖(例えばチロシン又はトリプトファン)と置き換えられる。大きな側鎖と同じ又は類似のサイズの相補的「キャビティ」を、大きなアミノ酸側鎖を小さいもの(例えばアラニン又はスレオニン)と置き換えることにより第2の抗体分子の界面に作り出す。これにより、ホモダイマーのような不要の他の最終産物に対してヘテロダイマーの収量を増大させるメカニズムが提供される。
【0137】
二重特異性抗体は、全長抗体又は抗体断片(例えば、F(ab’)2二重特異性抗体)として調製できる。抗体断片から二重特異性抗体を産生する技術もまた文献に記載されている。例えば、化学結合を使用して二重特異性抗体を調製することができる。Brennanら, Science, 229:81 (1985) は無傷の抗体をタンパク分解性に切断してF(ab’)2断片を産生する手順を記述している。これらの断片は、ジチオール錯体形成剤亜砒酸ナトリウムの存在下で還元して近接ジチオールを安定化させ、分子間ジスルフィド形成を防止する。産生されたFab’断片はついでチオニトロベンゾアート(TNB)誘導体に転換される。Fab’−TNB誘導体の一つをついでメルカプトエチルアミンでの還元によりFab’−チオールに再転換し、他のFab’−TNB誘導体の等モル量と混合して二重特異性抗体を形成する。作られた二重特異性抗体は酵素の選択的固定化用の薬剤として使用することができる。
大腸菌からFab’断片を直接回収でき、これは化学的に結合して二重特異性抗体を形成することができる。Shalabyら, J. Exp. Med., 175:217−225 (1992)は完全にヒト化された二重特異性抗体F(ab’)2分子の製造を記述している。各Fab’断片は大腸菌から別個に分泌され、インビトロで定方向化学共役を受けて二重特異性抗体を形成する。このようにして形成された二重特異性抗体は、正常なヒトT細胞及びErbB2レセプターを過剰発現する細胞に結合可能で、ヒト乳房腫瘍標的に対するヒト細胞障害性リンパ球の細胞溶解活性の誘因となる。
【0138】
組換え細胞培養から直接的に二重特異性抗体断片を作成し分離する様々な方法もまた記述されている。例えば、二重特異性抗体はロイシンジッパーを使用して生産されている。Kostelnyら, J.Immunol. 148(5):1547−1553 (1992)。Fos及びJunタンパク質からのロイシンジッパーペプチドを遺伝子融合により二つの異なった抗体のFab’部分に結合させる。抗体ホモダイマーをヒンジ領域で還元してモノマーを形成し、ついで再酸化して抗体ヘテロダイマーを形成する。この方法はまた抗体ホモダイマーの生産に対して使用することができる。Hollingerら, Proc.Natl.Acad.Sci. USA, 90:6444−6448 (1993)により記述された「ダイアボディ」技術は二重特異性抗体断片を作成する別のメカニズムを提供した。断片は、同一鎖上の2つのドメイン間の対形成を可能にするには十分に短いリンカーにより軽鎖可変ドメイン(VL)に重鎖可変ドメイン(VH)を結合してなる。従って、一つの断片のVH及びVLドメインは他の断片の相補的VL及びVHドメインと強制的に対形成させられ、2つの抗原結合部位を形成する。単鎖Fv(sFv)ダイマーの使用により二重特異性抗体断片を製造する他の方策もまた報告されている。Gruberら, J.Immunol. 152:5368 (1994)を参照されたい。
二価より多い抗体も考えられる。例えば、三重特異性抗体を調製することができる。Tuttら J.Immunol. 147:60(1991)。
【0139】
例示的な二重特異性抗体は、ここに与えられたPROポリペプチドの2つの異なるエピトープに結合しうる。あるいは、抗−PROポリペプチドのアームは、特定のPROポリペプチド発現細胞に細胞防御メカニズムを集中させるように、T細胞レセプター分子(例えばCD2、CD3、CD28、又はB7)等の白血球上のトリガー分子又はFcγRI(CD64)、FcγRII(CD32)及びFcγRIII(CD16)等のIgG(FcγR)に対するFcレセプターに結合するアームと結合しうる。また、二重特異性抗体は特定のPROポリペプチドを発現する細胞に細胞毒性薬を局在化させるためにも使用されうる。これらの抗体はPRO結合アーム及び細胞毒性薬又は放射性キレート化剤、例えばEOTUBE、DPTA、DOTA、又はTETAと結合するアームを有する。興味の対象となる他の二重特異性抗体はPROポリペプチドに結合し、そしてさらに組織因子(TF)に結合する。
【0140】
5.ヘテロコンジュゲート抗体
ヘテロコンジュゲート抗体もまた本発明の範囲に入る。ヘテロコンジュゲート抗体は、2つの共有結合した抗体からなる。このような抗体は、例えば、免疫系細胞を不要な細胞に対してターゲティングさせるため[米国特許第4,676,980号]及びHIV感染の治療のために[国際公開91/00360;国際公開92/200373;EP03089]提案されている。この抗体は、架橋剤に関連したものを含む合成タンパク化学における既知の方法を使用して、インビトロで調製することができると考えられる。例えば、ジスルフィド交換反応を使用するか又はチオエーテル結合を形成することにより、免疫毒素を作成することができる。この目的に対して好適な試薬の例には、イミノチオレート及びメチル−4−メルカプトブチリミデート、及び例えば米国特許第4,676,980号に開示されたものが含まれる。
【0141】
6.エフェクター機能の加工
本発明の抗体をエフェクター機能について改変し、例えば癌治療における抗体の有効性を向上させることが望ましい。例えば、システイン残基をFc領域に導入し、それにより、この領域に鎖間ジスルフィド結合を形成するようにしてもよい。そのようにして生成された同種二量体抗体は、向上した内部移行能力及び/又は増加した補体媒介細胞殺傷及び抗体−依存性細胞性細胞毒性(ADCC)を有する可能性がある。Caronら, J. Exp. Med. 176: 1191−1195 (1992)及びShopes, J. Immunol. 148: 2918−2922 (1992)参照。また、向上した抗腫瘍活性を持つ同種二量体抗体は、Wolffら, Cancer Research 53: 2560−2565 (1993)に記載されている異種二官能性架橋を用いて調製することができる。あるいは、抗体は、2つのFc領域を有するように加工して、それにより補体溶解及びADCC能力を向上させることもできる。Stevensonら, Anti−Cancer Drug Design 3: 219−230 (1989)参照。
【0142】
7.免疫コンジュゲート
また、本発明は、化学治療薬、毒素(例えば、細菌、真菌、植物又は動物由来の酵素活性毒素、又はその断片)などの細胞毒性薬、あるいは放射性同位体(即ち、放射性コンジュゲート)と抱合している抗体を含む免疫複合体に関する。
このような免疫複合体の生成に有用な化学治療薬を上に記載した。用いることのできる酵素活性毒素及びその断片には、ジフテリアA鎖、ジフテリア毒素の非結合活性断片、(緑膿菌からの)外毒素A鎖、リシンA鎖、アブリンA鎖、モデクシン(modeccin)A鎖、アルファ−サルシン、アレウリテス・フォーディ(Aleurites fordii)タンパク質、ジアンチン(dianthin)タンパク質、フィトラカ・アメリカーナ(Phytolaca americana)タンパク質(PAPI、PAPII、及びPAP−S)、モモルディカ・チャランチア(momordica charantia)インヒビター、クルシン(curcin)、クロチン(crotin)、サパオナリア・オフィシナリス(sapaonaria officinalis)インヒビター、ゲロニン(gelonin)、ミトゲリン(mitogellin)、レストリクトシン(restrictocin)、フェノマイシン(phenomycin)、エノマイシン(enomycin)及びトリコテセン(tricothecene)が含まれる。放射性コンジュゲート抗体の生成には、様々な放射性ヌクレオチドが利用可能である。例としては、212Bi、131I、131In、90Y及び186Reが含まれる。
【0143】
抗体及び細胞毒性薬の複合体は、種々の二官能性タンパク質カップリング剤、例えば、N−スクシンイミジル−3−(2−ピリジルジチオール)プロピオネート(SPDP)、イミノチオラン(IT)、イミドエステルの二官能性誘導体(ジメチルアジピミデートHCL等)、活性エステル(ジスクシンイミジルスベレート等)、アルデヒド(グルタルアルデヒド等)、ビス−アジド化合物(ビス(p−アジドベンゾイル)ヘキサンジアミン等)、ビス−ジアゾニウム誘導体(ビス−(p−ジアゾニウムベンゾイル)−エチレンジアミン等)、ジイソシアネート(トリエン2,6−ジイソシアネート等)、及びビス−活性フッ素化合物(1,5−ジフルオロ−2,4−ジニトロベンゼン等)を用いて作成できる。例えば、リシン免疫毒素は、Vitettaら, Science 238: 1098 (1987)に記載されているように調製することができる。カーボン−14−標識1−イソチオシアナトベンジル−3−メチルジエチレントリアミン五酢酸(MX−DTPA)は、放射性ヌクレオチドの抗体への抱合のためのキレート剤の例である。国際公開94/11026参照。
他の実施態様では、腫瘍の予備標的化で使用するために、抗体は「レセプター」(ストレプトアビジン等)に抱合されてもよく、抗体−レセプター複合体は患者に投与され、次いで清澄化剤を用いて未結合複合体を循環から除去し、次に細胞毒性薬(例えば、放射性ヌクレオチド等)に抱合された「リガンド」(アビジン等)を投与する。
【0144】
8.免疫リポソーム
また、ここに開示する抗体は、免疫リポソームとして調製してもよい。抗体を含むリポソームは、Epsteinら, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 82: 3688 (1985);Hwangら, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 77: 4030 (1980); 及び米国特許第4,485,045号及び第4,544,545号に記載されたような、この分野で知られた方法で調製される。向上した循環時間を持つリポソームは、米国特許第5,013,556号に開示されている。
特に有用なリポソームは、ホスファチジルコリン、コレステロール及びPEG−誘導ホスファチジルエタノールアミン(PEG−PE)を含む脂質組成物での逆相蒸発法によって生成される。リポソームは、所定サイズのフィルターを通して押し出され、所望の径を有するリポソームが生成される。本発明の抗体のFab’断片は、Martinら, J. Biol. Chem. 257: 286−288 (1982)に記載されているように、ジスルフィド交換反応を介してリポソームに抱合され得る。化学治療薬(ドキソルビシン等)は、場合によってはリポソーム内に包含される。Gabizonら, J. National Cancer Inst. 81(19) 1484 (1989)参照。
【0145】
9.抗体の製薬組成物
ここで同定されるPROポリペプチドに特異的に結合する抗体、並びに上記に開示したスクリーニングアッセイによって同定された他の分子は、種々の疾患の治療のために、製薬組成物の形態で投与することができる。
PROポリペプチドが細胞内にあり、全抗体が阻害剤として用いられる場合、取り込める抗体が好ましい。しかし、リポフェクション又はリポソームも抗体、又は抗体断片を細胞に導入するのために使用できる。抗体断片が用いられる場合、標的タンパク質の結合ドメインに特異的に結合する最小阻害断片が好ましい。例えば、抗体の可変領域配列に基づいて、標的タンパク質配列に結合する能力を保持したペプチド分子が設計できる。このようなペプチドは、化学的に合成でき、又は組換えDNA技術によって生成できる。例えば、Marascoら, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90, 7889−7893 (1993)参照。ここでの製剤は、治療すべき特定の徴候に必要な場合に1つ以上の活性化合物、好ましくは互いに悪影響を及ぼさない相補的活性を持つものも含んでよい。あるいは、又はそれに加えて、組成物は、細胞毒性薬、サイトカイン又は成長阻害剤を含んでもよい。これらの分子は、適切には、意図する目的に有効な量の組み合わせで存在する。
【0146】
また、活性成分は、例えばコアセルベーション技術により又は界面重合により調製されたマイクロカプセル、例えば、各々ヒドロキシメチルセルロース又はゼラチン−マイクロカプセル及びポリ(メタクリル酸メチル)マイクロカプセル中、コロイド状薬物送達系(例えば、リポソーム、アルブミン小球、マイクロエマルション、ナノ粒子及びナノカプセル)中、又はマイクロエマルション中に包括されていてもよい。これらの技術は、Remington’s Pharmaceutical Science, 上掲に開示されている。
インビボ投与に使用される製剤は無菌でなけらばならない。これは、滅菌濾過膜を通した濾過により容易に達成される。
徐放性製剤を調製してもよい。徐放性製剤の好適な例は、抗体を含有する固体疎水性ポリマーの半透性マトリクスを含み、このマトリクスは成形された物品、例えばフィルム、又はマイクロカプセルの形状である。除放性マトリクスの例は、ポリエステルヒドロゲル(例えば、ポリ(2−ヒドロキシエチル−メタクリレート)又はポリ(ビニルアルコール))、ポリルアクチド(米国特許第3,773,919号)、L−グルタミン酸及びγ−エチル−L−グルタメート、非分解性エチレン−酢酸ビニル、LUPRON DEPOT(商品名)(乳酸−グリコール酸コポリマーと酢酸リュープロリドの注射可能な小球)などの分解性乳酸−グリコール酸コポリマー、及びポリ−D−(−)−3−ヒドロキシブチル酸を含む。エチレン−酢酸ビニル及び乳酸−グリコール酸などのポリマーは分子を100日に渡って放出することができるが、ある種のヒドロゲルはより短時間でタンパク質を放出してしまう。カプセル化された抗体が身体内に長時間残ると、それらは37℃の水分に露出されることにより変性又は凝集し、その結果、生物学的活性の低下及び起こりうる免疫原性の変化をもたらす。合理的な方法は、含まれる機構に依存する安定化について工夫することができる。例えば、凝集機構がチオ−ジスルフィド交換を通した分子間S−S結合形成であると発見された場合、安定化はスルフヒドリル残基の修飾、酸性溶液からの凍結乾燥、水分含有量の制御、適切な添加剤の付加、及び特異的ポリマーマトリクス組成物の開発によって達成されうる。
【0147】
G.抗−PRO抗体の用途
本発明の抗−PRO抗体は様々な有用性を有している。例えば、抗−PRO抗体は、PROの診断アッセイ、例えばその特定細胞、組織、又は血清での発現(及びある場合には、差別的発現)の検出に用いられる。競合的結合アッセイ、直接又は間接サンドウィッチアッセイ及び不均一又は均一相で行われる免疫沈降アッセイ[Zola, Monoclonal Antibodies: A Manual of Techniques, CRC Press, Inc. (1987) pp. 147−158]等のこの分野で知られた種々の診断アッセイ技術が使用される。診断アッセイで用いられる抗体は、検出可能な部位で標識される。検出可能な部位は、直接又は間接に、検出可能なシグナルを発生しなければならない。例えば、検出可能な部位は、3H、14C、32P、35S又は125I等の放射性同位体、フルオレセインイソチオシアネート、ローダミン又はルシフェリン等の蛍光又は化学発光化合物、あるいはアルカリホスファターゼ、ベータ−ガラクトシダーゼ又はセイヨウワサビペルオキシダーゼ等の酵素であってよい。抗体に検出可能な部位を抱合させるためにこの分野で知られた任意の方法が用いられ、それにはHunterら, Nature 144:945 (1962);Davidら, Biochemistry, 13: 1014 (1974);Painら, J. Immunol. Meth., 40:219 (1981);及びNygren, J. Histochem. and Cytochem., 30:407 (1982)に記載された方法が含まれる。
【0148】
また、抗−PRO抗体は、組換え細胞培養又は天然供給源からのPROのアフィニティー精製にも有用である。この方法においては、PROに対する抗体を、当該分野でよく知られている方法を使用して、セファデックス樹脂や濾紙のような適当な支持体に固定化する。次に、固定化された抗体を精製するPROを含む試料と接触させた後、固定化された抗体に結合したPRO以外の試料中の物質を実質的に全て除去する適当な溶媒で支持体を洗浄する。最後に、PROを抗体から脱離させる他の適当な溶媒で支持体を洗浄する。
以下の実施例は例示するためにのみ提供されるものであって、本発明の範囲を決して限定することを意図するものではない。
本明細書で引用した全ての特許及び参考文献の全体を、出典明示によりここに取り込む。
【0149】
(実施例)
実施例で言及されている全ての市販試薬は、特に示さない限りは製造者の使用説明に従い使用した。ATCC登録番号により以下の実施例及び明細書全体を通して特定されている細胞の供給源はアメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション、マナッサス、バージニアである。
【0150】
実施例1:新規なポリペプチド及びそれをコードするcDNAを同定するための細胞外ドメイン相同性スクリーニング
Swiss−Prot公的データベースからの約950の公知の分泌タンパク質からの細胞外ドメイン(ECD)配列(必要ならば、分泌シグナル配列を含む)を、ESTデータベースの検索に使用した。ESTデータベースは、公的データベース(例えば、Dayhoff、GenBank)及び独自に開発したデータベース(例えば、LIFESEQ(商品名)、Incyte Pharmaceuticals、Palo Alto, CA)を含む。検索は、コンピュータプログラムBLAST又はBLAST−2(Altschulら, Methods in Enzymology 266: 460−480 (1996))を用いて、ECDタンパク質配列のEST配列の6フレーム翻訳との比較として実施した。公知のタンパク質をコードせず、BLASTスコア70(90の場合もある)又はそれ以上を持つ比較物は、プログラム「phrap」(Phil Green, University of Washington,Seattle,WA)で集団化してコンセンサスDNA配列に構築した。
この細胞外ドメイン相同性スクリーニングを用いて、phrapを用いて他の同定されたEST配列に対してコンセンサスDNA配列を構築した。さらに、得られたコンセンサスDNA配列を、しばしば(全てではない)BLAST又はBLAST−2及びphrapの繰り返しサイクルを用いて伸長し、コンセンサス配列を上で議論したEST配列の供給源を用いて可能な限り伸長させた。
【0151】
上記のように得られたコンセンサス配列に基づいて、次いでオリゴヌクレオチドを合成し、PCRにより対象とする配列を含むcDNAライブラリを同定するため、及びPROポリペプチドの全長コード化配列のクローンを単離するプローブとして用いるために使用した。正方向及び逆方向PCRプライマーは一般的に20から30ヌクレオチドの範囲であり、しばしば約100−1000bp長のPCR産物を与えるために設計される。プローブ配列は、典型的に40−55bp長である。或る場合には、コンセンサス配列が約1−1.5kbpより大きいときに付加的なオリゴヌクレオチドが合成される。全長クローンについて幾つかのライブラリをスクリーニングするために、ライブラリからのDNAを、Ausubelら, Current Protocols in Molecular Biology, のように、PCRプライマー対でのPCRによりスクリーニングした。ポジティブライブラリを、次いで、プローブオリゴヌクレオチド及びプライマー対の一方を用いて対象とする遺伝子をコードするクローンを単離するのに使用した。
cDNAクローンの単離に用いたcDNAライブラリは、Invitrogen, San Diego,CAなどの市販試薬を用いる標準的な方法によって作成した。cDNAは、NotI部位を有するオリゴdTでプライムし、平滑末端でSalIヘミキナーゼアダプターに結合させ、NotIで切断してゲル電気泳動で適切なサイズに分類し、そして適合するクローニングベクター(pRKB又はpRKD等;pRK5BはSfiI部位を含まないpRK5Dの前駆体である;Holmesら, Science, 253: 1278−1280 (1991)参照)の唯一のXhoI及びNotI部位において、所定の方向でクローニングした。
【0152】
実施例2:アミラーゼスクリーニングによるcDNAクローンの単離
1.オリゴdTプライムcDNAライブラリの調製
Invitrogen, San Diego, CAの試薬及びプロトコールを用いて、対象とするヒト組織からmRNAを単離した(Fast Track 2)。このRNAを、Life Technologies, Gaithersburg, MD(Super Script Plasmid System)の試薬及びプロトコールを利用するベクターpRK5DでのオリゴdTプライム化cDNAライブラリの生成に用いた。この方法においては、二本鎖cDNAを1000bpを越えるサイズに分類し、SalI/NotIリンカー化cDNAをXhoI/NotI切断化ベクターへクローニングした。pRK5Dは、XhoI/NotIcDNAクローニング部位の前に位置するSfiI制限酵素部位が後に続くsp6転写開始部位を有するクローニングベクターである。
【0153】
2.ランダムプライムcDNAライブラリの調製
一次cDNAクローンの5’末端を好ましく表現するために、二次cDNAライブラリを作成した。Sp6RNAを(上記の)一次ライブラリから生成し、このRNAを、Life Technologies (上で参照したSuper Script Plasmid System)からの試薬及びプロトコールを利用するベクターpSST−AMY.0でのランダムプライム化cDNAライブラリの生成に用いた。この方法においては、二本鎖cDNAを500−1000bpへサイズ分類し、平滑末端でNotIアダプターに結合させ、SfiI部位で切断し、そしてSfiI/NotI切断化ベクターへクローニングした。pSST−AMY.0は、クローニング部位の後に、cDNAクローニング部位の前に酵母アルコールデヒドロゲナーゼプロモータ、及び酵母アルコールデヒドロゲナーゼターミネーターが後に続くマウスアミラーゼ配列(分泌シグナルを持たない成熟配列)を有するクローニングベクターである。従って、アミラーゼ配列でフレームに融合するこのベクターへクローニングされたcDNAは、適切に形質移入された酵母コロニーからのアミラーゼの分泌を導く。
【0154】
3.形質転換及び検出
上記のパラグラフ2に記載したライブラリのDNAを氷上で冷却し、それにエレクトロコンピテントDH10B細菌(Life Technoligies、20ml)を添加した。細菌及びベクターの混合物は、次いで製造者に推奨されているように電気穿孔した。次いで、SOC培地(Life Technologies、1ml)を添加し、この混合物を37℃で30分間インキュベートした。形質転換体は、次いでアンピシリンを含む20標準150mmLBプレートに蒔き、16時間インキュベートした(37℃)。ポジティブコロニーをプレートからこすり取り、この細菌ペレットから標準的な方法、例えばCsCl−勾配を用いてDNAを単離した。次に、、以下の酵母プロトコールを精製DNAへ適用した。
酵母方法は3つの範疇に分けられる:(1)酵母のプラスミド/cDNA結合ベクターでの形質転換;(2)アミラーゼを分泌する酵母クローンの検出及び単離;及び(3)酵母コロニーからの直接的な挿入物のPCR増幅、並びに配列決定及びさらなる分析のためのDNAの精製。
【0155】
用いた酵母菌株はHD56−5A(ATCC−90785)であった。この株は以下の遺伝子型:MATアルファ、ura3−52、leu2−3、leu2−112、his3−11、his3−15、MAL+、SUC+、GAL+を有する。好ましくは、不完全な翻訳後経路を持つ酵母変異体を用いることができる。このような変異体は、sec71、sec72、sec62に転位不全対立遺伝子を持つが、切断されたsec71が最も好ましい。あるいは、これらの遺伝子の正常な操作を阻害するアンタゴニスト(アンチセンスヌクレオチド及び/又はリガンドを含む)、この翻訳後経路に含まれる他のタンパク質(例えば、SEC61p、SEC72p、SEC62p、SEC63p、TDJ1p、SSA1p−4p)又はこれらのタンパク質の複合体形成も、アミラーゼ発現酵母と組み合わせて好まれて用いられる。
形質転換は、Gietzら, Nucl. Acid. Res., 20: 1425 (1992)によって概略が記されたプロトコールに基づいて実施された。形質転換細胞は、次いで寒天からYEPD複合培地ブロス(100ml)に播種し、30℃で終夜成長させた。YEPDブロスは、Kaiserら, Methods in Yeast Genetics, Cold Spring Harbor Press, Cold Spring Harbor, NY, p. 207 (1994)に記載のように調製した。終夜培地は、次いで新鮮なYEPDブロス(500ml)中におよそ2x106細胞/ml(約OD600=0.1)に希釈し、1x107細胞/ml(約OD600=0.4−0.5)まで再成長させた。
【0156】
次いで細胞を収穫し、5,000rpmで5分間のSorval GS3 ローターのGS3ローターボトルに移し、上清を捨て、次いで無菌水に再懸濁することで形質転換のために調製し、そして次に50mlのファルコン管でBeckman GS−6KR遠心機において3,500rpmで再度遠心分離した。その上清を捨て、続いて細胞をLiAc/TE(10ml,10mMのトリス−HCl,1mMのEDTA pH7.5,100mMのLi2OOCCH3)で洗浄し、LiAc/TE(2.5ml)中に再懸濁させた。
形質転換は、マイクロチューブ内で、調製した細胞(100μl)を新鮮な変性一本鎖サケ精子DNA(Lofstrand Labs, Gaithersburg, MD)及び形質転換DNA(1μg vol.<10μl)と混合することにより開始した。混合物はボルテックスにより簡単に混合し、次いで40%PEG/TE(600μl,40%のポリエチレングリコール−4000, 10mMのトリス−HCl,1mMのEDTA,100mMのLiOOCCH3,pH7.5)を添加した。この混合物を緩く撹拌し、30℃で撹拌しながら30分間インキュベートした。次いで細胞に42℃で15分間熱衝撃を与え、反応容器をミクロチューブ内で12,000rpmで5−10秒間遠心分離し、デカントし、そしてTE(500μl,10mMのトリス−HCl,1mMのEDTA,pH7.5)への再懸濁に次いで遠心分離した。次いで、細胞をTE(1ml)中に希釈し、一定分量(200μl)を150mm成長プレート(VWR)に予め調製した選択培地に広げた。
【0157】
もう1つの方法として、複数の少量反応に代わって、試薬の量はしかるべくスケールアップし、形質転換を1回の大規模反応で実施した。
用いた選択培地は、Kaiserら, Methods in Yeast Genetics, Cold Spring Harbor Press, Cold Spring Harbor, NY, p. 208−210 (1994)に記載されているように調製したウラシルを欠く合成完全デキストロース寒天(SCD−Ura)であった。形質転換体を30℃で2−3日成長させた。
アミラーゼを分泌するコロニーの検出は、選択成長培地に赤色デンプンを包含することによって実施した。Bielyら, Anal. Biochem., 172: 176−179 (1988)に記載された方法に従って、デンプンを赤色染料(反応性 Red−120, Sigma)に結合させた。結合したデンプンをSCD−Ura寒天プレートへ最終濃度0.15%(w/v)で組み入れ、リン酸カリウムでpH7.0に緩衝化した(最終濃度50−100mM)。
十分に単離されていて同定可能な単一コロニーを得るために、ポジティブコロニーを拾い、これを新鮮な選択培地(150mmプレート)に画線した。アミラーゼ分泌についてポジティブであり、十分に単離されたコロニーの検出は、緩衝化SCD−Ura寒天への赤色デンプンの直接組み入れによっておこなった。コロニーのデンプンを分解することでポジティブコロニーの周囲に直接目視できる明瞭なハローを形成する能力によって、ポジティブコロニーを決定した。
【0158】
4.PCR増幅によるDNAの単離
ポジティブコロニーが単離された場合は、その一部を楊枝でひろい、96ウェルプレートで無菌水(30μl)によって希釈した。この時点では、ポジティブコロニーを凍結して次の分析のために保存するか、或いは即座に増幅するかのいずれかである。細胞の一定分量 (5μl)を、0.5μlのKlentaq(Clontech, Palo Alto, CA); 4.0μlの10mMdNTP(Perkin Elmer−Cetus);2.5μlのKentaqバッファー(Clontech);0.25μlの正方向オリゴ1;0.25μlの逆方向オリゴ2;12.5μlの蒸留水を含有する25μl容量でのPCR反応のテンプレートとして使用した。
正方向オリゴヌクレオチド1の配列は:
逆方向オリゴヌクレオチド2の配列は:
であった。
次いで、PCRは以下の通り実施した:
【0159】
下線を施した領域は、各々ADHプロモーター領域及びアミラーゼ領域にアニーリングし、挿入物が存在しない場合はベクターpSST−AMY.0の307bp領域を増幅する。典型的には、これらのオリゴヌクレオチドの5’末端の最初の18ヌクレオチドは、配列プライマーのアニーリング部位を含んでいた。従って、空のベクターからのPCR反応の全生成物は343bpであった。しかしながら、シグナル配列融合cDNAは、かなり長いヌクレオチド配列をもたらした。
PCRに続いて、反応の一定分量(5μl)を、上記のSambrook等に記載されているように1%アガロースゲル中でトリス−ホウ酸塩−EDTA(TBE)緩衝系を用いたアガロースゲル電気泳動によって検討した。400bpより大きな単一で強いPCR産物を生じるクローンを、96 Qiaquick PCR 清浄化カラム(Quagen Inc., Chatsworth, CA)での精製の後にDNA配列によってさらに分析した。
【0160】
実施例3:シグナルアルゴリズム分析を用いたcDNAクローンの単離
ジェネンテク,インク(サウス サンフランシスコ,カリフォルニア)が独自に開発した配列発見アルゴリズムを、公的(例えば、GenBank)及び/又は個人の(LIFESEQ(登録商標), Incyte Pharmaceuticals, Inc.,Palo Alto, CA)データベースから集団化及び組み立てられたEST断片だけでなくESTsへ適用することで、種々のポリペプチド−コード化核酸配列を同定した。このシグナル配列アルゴリズムは、検討中の配列又は配列断片の5’末端にある第1、あるいは第2のメチオニンコドン(ATG)を取り囲むDNAヌクレオチドの文字に基づく分泌シグナルスコアを計算する。第1のATGに続くヌクレオチドには、停止コドンを持たない少なくとも35の明白なアミノ酸がコードされていなければならない。第1のATGが必須のアミノ酸を有する場合、第2のものは検討しない。何れも要件を満たさない場合、候補配列にスコアをつけない。EST配列が真正のシグナル配列を含むか否かを決定するために、ATGコドンを取り囲むDNA及び対応するアミノ酸配列に、分泌シグナルに関連することが知られている7つのセンサー(評価パラメータ)の一組を用いてスコアをつけた。このアルゴリズムを利用することで、多くのポリペプチド−コード化核酸配列の同定がなされた。
【0161】
実施例4:ヒトPROポリペプチドをコードするcDNAクローンの単離
上記の実施例1から3に記載されている技術を用いて、ここに開示されているように、多くの全長cDNAクローンがPROポリペプチドをコードしているものと同定された。そして、これらのcDNAは、下記の表7に示してあるように、ブダペスト条約の条項に従ってアメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション、10801 ユニバーシティ・ブルバード、マナッサス、バージニア 20110−2209米国(ATCC)へ寄託した。
【0162】
【0163】
【0164】
【0165】
【0166】
これらの寄託は、特許手続き上の微生物の寄託の国際的承認に関するブダペスト条約及びその規則(ブダペスト条約)の規定に従って行われた。これは、寄託の日付から30年間、寄託の生存可能な培養が維持されることを保証するものである。寄託物はブダペスト条約の条項に従い、またジェネンテク社とATCCとの間の合意に従い、ATCCから入手することができ、これは、どれが最初であろうとも、関連した米国特許の発行時又は任意の米国又は外国特許出願の公開時に、寄託培養物の後代を永久かつ非制限的に入手可能とすることを保証し、米国特許法第122条及びそれに従う特許庁長官規則(特に参照番号886OG638の37CFR第1.14条を含む)に従って権利を有すると米国特許庁長官が決定した者に子孫を入手可能とすることを保証するものである。
本出願の譲受人は、寄託した培養物が、適切な条件下で培養されていた場合に死亡もしくは損失又は破壊されたならば、材料は通知時に同一の他のものと即座に取り替えることに同意する。寄託物質の入手可能性は、特許法に従いあらゆる政府の権限下で認められた権利に違反して、本発明を実施するライセンスであるとみなされるものではない。
【0167】
実施例5: ヒトPRO6004、PRO5723、PRO3444、及びPRO9940をコードするcDNAクローンの単離
添付図面に示すPRO840,PRO1338,PRO6004,PRO5723,PRO3444,及びPRO9940ポリペプチドをコードするDNA分子をGenBankを介して得た。
【0168】
実施例6: ハイブリダイゼーションプローブとしてのPROの用途
以下の方法は、PROをコードする核酸配列のハイブリダイゼーションプローブとしての用途を示す。
ここに開示されている全長又は成熟PROをコード化配列を含むDNAは、ヒト組織cDNAライブラリ又はヒト組織ゲノムライブラリの同種DNA(PROの天然発生変異体をコードするもの等)のスクリーニングのためのプローブとして用いられ得る。
ハイブリダイゼーション及びいずれかのライブラリDNAを含むフィルターの洗浄を、次の高緊縮性条件下において実施する。放射標識PRO誘導プローブのフィルターへのハイブリダイゼーションを、50%ホルムアミド、5xSSC、0.1%SDS、0.1%ピロリン酸ナトリウム、50mMリン酸ナトリウム、pH6.8、2xデンハード液、及び10%デキストラン硫酸の溶液中において42℃で20時間実施する。フィルターの洗浄は、0.1xSSC及び0.1%SDS水溶液中において42℃で実施する。
次いで、全長天然配列をコードするDNAと所望の配列同一性を有するDNAは、この分野で知られている標準的技術を用いて同定することができる。
【0169】
実施例6:大腸菌におけるPROの発現
この実施例は、大腸菌中における組み換え発現によるPROの非グリコシル化型の調製を例証する。
DNA配列コード化は選択されたPCRプライマーを利用して最初に増幅される。このプライマーは、選択された発現ベクター上の制限酵素部位に対応する制限酵素部位を含まなければならない。様々な発現ベクターを使用することができる。適したベクターの例としては、アンピシリン及びテトラサイクリン耐性に対する遺伝子を含むpBR322(大腸菌由来;Bolivarら, Gene, 2:95 (1997)を参照のこと)がある。ベクターは制限酵素によって消化され、脱リン酸化される。次いで、PCR増幅配列をベクターにライゲーションする。ベクターは好ましくは抗生物質耐性遺伝子、trpプロモーター、ポリhisリーダー(最初の6つのSTIIコドン、ポリhisリーダー、及びエンテロキナーゼ切断部位を含む)、PROコード領域、ラムダ転写集結因子及びargU遺伝子をコードする配列を含む。
【0170】
次いで、Sambrookら, 上記に記載されている方法を用いて選択された大腸菌株を形質転換するために、このライゲーション混合物を利用した。形質転換体をLB部レート上でのその成長能力によって同定し、次いで抗生物質耐性コロニーを選択する。プラスミドDNAを単離し、それを制限分析及びDNA配列決定によって確認することができる。
選択されたクローンを、抗生物質が補填されたLBブロスのような液体培地で一晩かけて成長させることができる。この一晩の培養を、次により大きなスケールでの培養を播種するために使用してもよい。そして、細胞を所望の光学密度になるまで成長させ、その間に発現プロモーターが作用し始める。
更に数時間、細胞を培養した後に、遠心分離によって細胞を収集することが可能である。遠心分離によって得られた細胞ペレットは、当該分野で公知の様々な薬剤を使用して可溶化でき、次いで、この溶解したPROタンパク質を、タンパク質の堅固な結合を可能にする条件下において金属キレート化カラムを用いて精製すること可能である。
【0171】
以下の手法を用いて、ポリ−Hisタグ形態でPROを大腸菌で発現させてもよい。PROをコードするDNAを、選択したPCRプライマーを用いて最初に増幅した。このプライマーは、選択された発現ベクターの制限酵素部位に対応する制限酵素部位、及び効率的で信頼性のある翻訳開始、金属キレートカラムでの迅速な精製、及びエンテロキナーゼでのタンパク質分解的除去を与える他の有用な配列を含む。次いで、PCR増幅されたポリ−Hisタグ配列を発現ベクターへ結合させ、これを株52(W3110 fuhA(tonA) lon galE rpoHts(htpRts) clpP(lacIq))に基づく大腸菌宿主の形質転換に使用した。形質転換体を、最初に50mg/mlのカルベニシリンを含有するLB中で、30℃で振盪しながら3−5のO.D.600に達するまで成長させた。ついで培養液をCRAP培地(3.57gの(NH4)2SO4、0.71gのクエン酸ナトリウム・2H2O、1.07gのKCl、5.36gのDifco酵母抽出物、500mL水中の5.36gのSheffield hycase SF、並びに110mMのMPOS、pH7.3、0.55%(w/v)のグルコース及び7mMのMgSO4の混合で調製)中にて50−100倍希釈し、30℃で振盪によって約20−30時間成長させた。SDS−PAGEにより発現を確認するために試料を取り出し、細胞がペレットとなるようにバルク培地を遠心分離した。精製及びリフォールディング(再折りたたみ)まで、細胞ペレットを凍結させた。
【0172】
0.5から1Lの発酵(6−10gペレット)からの大腸菌ペーストを、7Mのグアニジン、20mMのトリス、pH8バッファー中で10容量(w/v)で再懸濁させた。固体硫酸ナトリウム及びテトラチオン酸ナトリウムを添加して最終濃度を各々0.1M及び0.02Mとし、溶液を4℃で終夜撹拌した。この工程により、すべてのシステイン残基が亜硫酸によりブロックされた変性タンパク質が生じる。溶液をBeckman Ultracentifuge中で40,000rpmで30分間濃縮した。上清を金属キレートカラムバッファー(6Mのグアニジン、20mMのトリス、pH7.4)の3−5容量で希釈し、透明にするために0.22ミクロンフィルターを通して濾過する。透明抽出物を、金属キレートカラムバッファーで平衡化させた5mlのQiagen Ni−NTA金属キレートカラムに負荷した。カラムを50mMのイミダゾール(Calbiochem, Utrol grade)を含む添加バッファー、pH7.4で洗浄した。タンパク質を250mMのイミダゾールを含有するバッファーで溶離した。所望のタンパク質を含有する画分をプールし、4℃で保存した。タンパク質濃度は、そのアミノ酸配列に基づいて計算した吸光係数を用いて280nmにおけるその吸収により見積もった。
【0173】
試料を20mMのトリス、pH8.6、0.3MのNaCl、2.5Mの尿素、5mMのシステイン、20mMのグリシン及び1mMのEDTAからなる新たに調製した再生バッファー中で徐々に希釈することによって、タンパク質を再生させた。リフォールディング容量は、最終的なタンパク質濃度が50〜100マイクログラム/mlとなるように選択した。リフォールディング溶液を4℃で12−36時間ゆっくり撹拌した。リフォールディング反応はTFAを採取濃度0.4%(約3のpH)で添加することにより停止させた。タンパク質をさらに精製する前に、溶液を0.22ミクロンフィルターを通して濾過し、アセトニトリルを最終濃度2−10%で添加した。再生したタンパク質を、Poros R1/H逆相カラムで、0.1%TFAの移動バッファーと10〜80%のアセトニトリル勾配での溶離を用いてクロマトグラフにかけた。A280吸収を持つ画分のアリコートをSDSポリアクリルアミドゲルで分析し、相同な再生タンパク質を含有する画分をプールした。一般的に、殆どの正しく再生したタンパク質種は、これらの種が最もコンパクトであり、その疎水性内面が逆相樹脂との相互作用から遮蔽されているので、アセトニトリルの最低濃度で溶離される。凝集した種は通常、より高いアセトニトリル濃度で溶離される。誤って再生したタンパク質を所望の形態から除くのに加えて、逆相工程は試料からエンドトキシンも除去する。
【0174】
所望の再生したPROポリペプチドを含有する画分をプールし、溶液に向けた窒素の弱い気流を用いてアセトニトリルを除去した。タンパク質を、透析又は調製バッファーで平衡化したG25 Superfine(Pharmacia)樹脂でのゲル濾過及び滅菌濾過により、0.14Mの塩化ナトリウム及び4%のマンニトールを含む20mMのHepes、pH6.8に調製した。
ここで開示された多くのPROポリペプチドは、上記の方法によって成功裏に発現した。
【0175】
実施例8:哺乳動物細胞におけるPROの発現
この実施例は、哺乳動物細胞における組み換え発現による潜在的にグリコシル化した形態のPROの調製を例証する。
発現ベクターとしてベクターpRK5(1989年3月15日公開のEP307,247参照)を用いた。場合によっては、PRO DNAを選択した制限酵素を持つpRK5に結合させ、上記のSambrook等に記載されたようなライゲーション方法を用いてPRODNAを挿入させる。得られたベクターは、pRK5−PROと呼ばれる。
【0176】
一実施態様では、選択された宿主細胞は293細胞とすることができる。ヒト293細胞(ATCC CCL 1573)は、ウシ胎児血清及び場合によっては滋養成分及び/又は抗生物質を添加したDMEMなどの培地中で組織培養プレートにおいて成長させて集密化した。約10μgのpRK5−PRODNAを約1μgのVA RNA遺伝子コード化DNA[Thimmappayaら, Cell, 31:543 (1982))]と混合し、500μlの1mM トリス−HCl、0.1mM EDTA、0.227M CaCl2に溶解させた。この混合物に、滴状の500μlの50mM HEPES(pH7.35)、280mM NaCl、1.5mM NaPO4を添加し、25℃で10分間析出物を形成させた。析出物を懸濁し、293細胞に加えて37℃で約4時間定着させた。培地を吸引し、2mlのPBS中20%グリセロールを30秒間添加した。293細胞は、次いで無血清培地で洗浄し、新鮮な培地を添加し、細胞を約5日間インキュベートした。
【0177】
形質移入の約24時間後、培地を除去し、培地(のみ)又は200μCi/ml35S−システイン及び200μCi/ml35S−メチオニンを含む培地で置換した。12時間のインキュベーションの後、条件培地を回収し、スピンフィルターで濃縮し、15%SDSゲルに添加した。処理したゲルを乾燥させ、PROポリペプチドの存在を現す選択された時間にわたってフィルムにさらした。形質転換した細胞を含む培地に、更なるインキュベーションを施し(無血清培地で)、培地を選択されたバイオアッセイで試験した。
【0178】
これに換わる技術において、PROは、Somparyracら, Proc. Natl. Acad. Sci., 12:7575 (1981)に記載されたデキストラン硫酸法を用いて293細胞に一過的に導入される。293細胞は、スピナーフラスコ内で最大密度まで成長させ、700μgのpRK5−PRODNAを添加する。細胞は、まずスピナーフラスコから遠心分離によって濃縮し、PBSで洗浄した。DNA−デキストラン沈殿物を細胞ペレット上で4時間インキュベートした。細胞を20%グリセロールで90秒間処理し、組織培地で洗浄し、組織培地、5μg/mlウシインシュリン及び0.1μg/mlウシトランスフェリンを含むスピナーフラスコに再度導入した。約4日後に、条件培地を遠心分離して濾過し、細胞及び細胞片を除去した。次いで発現されたPROを含む試料を濃縮し、透析及び/又はカラムクロマトグラフィー等の選択した方法によって精製した。
他の実施態様では、PROをCHO細胞で発現させることができる。pRK5−PROは、CaPO4又はDEAE−デキストランなどの公知の試薬を用いてCHO細胞に形質移入することができる。上記したように、細胞培地をインキュベートし、培地を培養培地(のみ)又は35S−メチオニン等の放射性標識を含む培地に置換することができる。PROポリペプチドの存在を同定した後、培地を無血清培地に置換してもよい。好ましくは、培地を約6日間インキュベートし、次いで条件培地を収集する。次いで、発現されたPROを含む培地を濃縮して、任意の選択した方法によって精製することができる。
【0179】
また、エピトープタグPROは、宿主CHO細胞において発現させてもよい。PROはpRK5ベクターからサブクローニングしてもよい。サブクローン挿入物は、PCRを施してバキュロウイルス発現ベクター中のポリ−hisタグ等の選択されたエピトープタグを持つ枠に融合できる。ポリ−hisタグPRO挿入物は、次いで、安定なクローンの選択のためのDHFR等の選択マーカーを含むSV40誘導ベクターにサブクローニングできる。最後に、CHO細胞をSV40誘導ベクターで(上記のように)形質移入した。発現を確認するために、上記のように標識化を行ってもよい。発現されたポリ−hisタグPROを含む培地は、次いで濃縮し、Ni2+−キレートアフィニティクロマトグラフィー等の選択された方法により精製できる。
またPROは、一過性発現法によりCHO及び/又はCOS細胞で、他の安定な発現方法によりCHO細胞で発現させてもよい。
CHO細胞における安定な発現は以下の方法を用いて実施された。タンパク質は、それぞれのタンパク質の可溶化形態のコード配列(例えば、細胞外ドメイン)がIgG1のヒンジ、CH2及びCH2ドメインを含む定常領域配列に融合したIgG作成物(イムノアドヘシン)、又はポリ−Hisタグ形態として発現された。
【0180】
PCR増幅に続いて、対応するDNAを、Ausubelら, Current Protocols of Molecular Biology, Unit 3.16, John Wiley and Sons (1997)に記載されたような標準的技術を用いてCHO発現ベクターにサブクローニングした。CHO発現ベクターは、対象とするDNAの5’及び3’に適合する制限部位を有し、cDNAの便利なシャトル化ができるように作成される。ベクターは、Lucasら, Nucl. Acids Res. 24: 9, 1774−1779 (1996)に記載されたようにCHO細胞での発現を用い、対象とするcDNA及びジヒドロフォレートレダクターゼ(DHFR)の発現の制御にSV40初期プロモーター/エンハンサーを用いる。DHFR発現は、形質移入に続くプラスミドの安定な維持のための選択を可能にする。
所望のプラスミドDNAの12マイクログラムを、市販の形質移入試薬Superfect(登録商標)(Qiagen), Dosper(登録商標)及びFugene(登録商標)(Boehringer Mannheim)約1千万のCHO細胞に導入する。細胞は、上記のLucas等に記載されているように成長させた。約3x107細胞を、下記のような更なる成長及び生産のためにアンプル中で凍結させた。
【0181】
プラスミドDNAを含むアンプルを水槽に配して解凍し、ボルテックスにより混合した。内容物を10mLの媒質を含む遠心管にピペットして、1000rpmで5分間遠心分離した。上清を吸引して細胞を10mLの選択培地(0.2μm濾過PS20、5%の0.2μm透析濾過ウシ胎児血清を添加)中に懸濁させた。次いで細胞を90mLの選択培地を含む100mLスピナーに分ける。1−2日後、細胞を150mLの選択培地を満たした250mLスピナーに移し、37℃でインキュベートする。さらに2−3日後、250mL、500mL及び2000mLのスピナーを3x105細胞/mLで播種した。細胞培地を遠心分離により新鮮培地に交換し、生産培地に再懸濁させた。任意の適切なCHO培地を用いてもよいが、実際には1992年6月16日に発行された米国特許第5,122,469号に記載された生産培地を使用した。3Lの生産スピナーを1.2x106細胞/mLで播種した。0日目に、細胞数とpHを測定した。1日目に、スピナーをサンプルし、濾過空気での散布を実施した。2日目に、スピナーをサンプルし、温度を33℃に変え、30mLの500g/Lのグルコース及び0.6mLの10%消泡剤(例えば35%ポリジメチルシロキサンエマルション、Dow Corning 365 Medical Grade Emulsion)をとった。生産を通して、pHは7.2近傍に調節し維持した。10日後、又は生存率が70%を下回るまで、細胞培地を遠心分離で回収して0.22μmフィルターを通して濾過した。濾過物は、4℃で貯蔵するか、即座に精製用カラムに充填した。
【0182】
ポリ−Hisタグ作成物について、タンパク質はNi−NTAカラム(Qiagen)を用いて精製した。精製の前に、イミダゾールを条件培地に5mMの濃度まで添加した。条件培地を、0.3MのNaCl及び5mMイミダゾールを含む20mMのHepes,pH7.4バッファーで平衡化した6mlのNi−NTAカラムへ4−5ml/分の流速によって4℃でポンプ供給した。充填後、カラムをさらに平衡バッファーで洗浄し、タンパク質を0.25Mイミダゾールを含む平衡バッファーで溶離した。高度に精製されたタンパク質は、続いて10mMのHepes、0.14MのNaCl及び4%のマンニトール,pH6.8を含む貯蔵バッファー中で25mlのG25 Superfine(Pharmacia)を用いて脱塩し、−80℃で貯蔵した。
イムノアドヘシン(Fc含有)作成物を、以下の通りに条件培地から精製した。条件培地を、20mMのリン酸ナトリウムバッファー,pH6.8で平衡化した5mlのプロテインAカラム(Pharmacia)へポンプ注入した。充填後、カラムを平衡バッファーで強く洗浄した後、100mMのクエン酸,pH3.5で溶離した。溶離したタンパク質は、1mlの画分を275μLの1Mトリスバッファー,pH9を含む管に回収することにより即座に中性化した。高度に精製されたタンパク質は、続いてポリ−Hisタグタンパク質について上記した貯蔵バッファー中で脱塩した。均一性はSDSポリアクリルアミドゲルとエドマン(Edman)分解によるN−末端アミノ酸配列決定により評価した。
ここに開示したPROポリペプチドの多くが上記のようにして成功裏に発現された。
【0183】
実施例9:酵母菌でのPROの発現
以下の方法は、酵母菌中でのPROの組換え発現を記載する。
第1に、ADH2/GAPDHプロモーターからのPROの細胞内生産又は分泌のための酵母菌発現ベクターを作成する。PROをコードするDNA及びプロモーターを選択したプラスミドの適当な制限酵素部位に挿入してPROの細胞内発現を指示する。分泌のために、PROをコードするDNAを選択したプラスミドに、ADH2/GAPDHプロモーターをコードするDNA、天然PROシグナルペプチド又は他の哺乳動物シグナルペプチド、又は、例えば酵母菌α因子又はインベルターゼ分泌シグナル/リーダー配列、及び(必要ならば)PROの発現のためのリンカー配列とともにクローニングすることができる。
【0184】
酵母菌株AB110等の酵母菌は、次いで上記の発現プラスミドで形質転換し、選択された発酵培地中で培養できる。形質転換した酵母菌上清は、10%トリクロロ酢酸での沈降及びSDS−PAGEによる分離で分析し、次いでクマシーブルー染色でゲルの染色をすることができる。
続いて組換えPROは、発酵培地から遠心分離により酵母菌細胞を除去し、次いで選択されたカートリッジフィルターを用いて培地を濃縮することによって単離及び精製できる。PROを含む濃縮物は、選択されたカラムクロマトグラフィー樹脂を用いてさらに精製してもよい。
ここに開示したPROポリペプチドの多くが上記のようにして成功裏に発現された。
【0185】
実施例10:バキュロウイルス感染昆虫細胞でのPROの発現
以下の方法は、バキュロウイルス感染昆虫細胞中におけるPROの組換え発現を記載する。
PROコードする配列を、バキュロウイルス発現ベクターに含まれるエピトープタグの上流に融合させた。このようなエピトープタグは、ポリ−hisタグ及び免疫グロブリンタグ(IgGのFc領域など)を含む。pVL1393(Novagen)などの市販されているプラスミドから誘導されるプラスミドを含む種々のプラスミドを用いることができる。簡単には、PRO又はPROコード配列の所定部分、例えば膜貫通タンパク質の細胞外ドメインをコードする配列又はタンパク質が細胞外である場合の成熟タンパク質をコードする配列などが、5’及び3’領域に相補的なプライマーでのPCRにより増幅される。5’プライマーは、隣接する(選択された)制限酵素部位を包含していてもよい。生産物は、次いで、選択された制限酵素で消化され、発現ベクターにサブクローニングされる。
組換えバキュロウイルスは、上記のプラスミド及びBaculoGold(商品名)ウイルスDNA(Pharmingen)を、Spodoptera frugiperda(「Sf9」)細胞(ATCC CRL 1711)中にリポフェクチン(GIBCO−BRLから市販)を用いて同時形質移入することにより作成される。28℃で4−5日インキュベートした後、放出されたウイルスを回収し、更なる増幅に用いた。ウイルス感染及びタンパク質発現は、O’Reilleyら, Baculovirus expression vectors: A Laboratory Manual, Oxford: Oxford University Press (1994)に記載されているように実施した。
【0186】
次に、発現されたポリ−hisタグPROは、例えばNi2+−キレートアフィニティクロマトグラフィーにより次のように精製される。抽出は、Rupertら, Nature, 362:175−179 (1993)に記載されているように、ウイルス感染した組み換えSf9細胞から調製した。簡単には、Sf9細胞を洗浄し、超音波処理用バッファー(25mLのHepes,pH7.9;12.5mMのMgCl2;0.1mM EDTA;10%グリセロール;0.1%のNP−40;0.4MのKCl)中に再懸濁し、氷上で2回20秒間超音波処理した。超音波処理物を遠心分離で透明化し、上清を負荷バッファー(50mMリン酸塩、300mMのNaCl、10%グリセロール、pH7.8)で50倍希釈し、0.45μmフィルターで濾過した。Ni2+−NTAアガロースカラム(Qiagenから市販)を5mLの総容積で調製し、25mLの水で洗浄し、25mLの負荷バッファーで平衡させた。濾過した細胞抽出物は、毎分0.5mLでカラムに負荷した。カラムを、分画回収が始まる点であるA280のベースラインまで負荷バッファーで洗浄した。次に、カラムを、結合タンパク質を非特異的に溶離する二次洗浄バッファー(50mMリン酸塩;300mMのNaCl、10%グリセロール、pH6.0)で洗浄した。A280のベースラインに再度到達した後、カラムを二次洗浄バッファー中で0から500mMイミダゾール勾配で展開した。1mLの分画を回収し、SDS−PAGE及び銀染色又はアルカリホスファターゼ(Qiagen)に複合したNi2+−NTAでのウェスタンブロットで分析した。溶離したHis10−タグPROを含む画分をプールして負荷バッファーで透析した。
あるいは、IgGタグ(又はFcタグ)PROの精製は、例えば、プロテインA又はプロテインGカラムクロマトグラフィーを含む公知のクロマトグラフィー技術を用いて実施できる。
ここに開示したPROポリペプチドの多くが上記のようにして成功裏に発現された。
【0187】
実施例11:PROに結合する抗体の調製
この実施例は、PROに特異的に結合できるモノクローナル抗体の調製を例示する。
モノクローナル抗体の生産のための技術は、この分野で知られており、例えば、上記のGodingに記載されている。用いられ得る免疫原は、精製PRO、PROを含む融合タンパク質、細胞表面に組換えPROを発現する細胞を含む。免疫原の選択は、当業者が過度の実験をすることなくなすことができる。
Balb/c等のマウスを、完全フロイントアジュバントに乳化して皮下又は腹腔内に1−100マイクログラムで注入したPRO免疫原で免疫化する。あるいは、免疫原をMPL−TDMアジュバント(Ribi Immunochemical Research, ハミルトン, モンタナ)に乳化し、動物の後足蹠に注入してもよい。免疫化したマウスは、次いで10から12日後に、選択したアジュバント中に乳化した付加的免疫源で追加免疫する。その後、数週間、マウスをさらなる免疫化注射で追加免疫する。抗PRO抗体の検出のためのELISAアッセイで試験するために、レトロオービタル出血からの血清試料をマウスから周期的に採取してもよい。
【0188】
適当な抗体力価が検出された後、抗体に「ポジティブ(陽性)」な動物に、PRO静脈内注射の最後の注入をすることができる。3から4日後、マウスを屠殺し、脾臓細胞を取り出した。次いで脾臓細胞を(35%ポリエチレングリコールを用いて)、ATCCから番号CRL1597で入手可能なP3X63AgU.1等の選択されたマウス骨髄腫株化細胞に融合させた。融合によりハイブリドーマ細胞が生成され、次いで、HAT(ヒポキサンチン、アミノプテリン、及びチミジン)培地を含む96ウェル組織培養プレートに蒔き、非融合細胞、骨髄腫ハイブリッド、及び脾臓細胞ハイブリッドの増殖を阻害した。
ハイブリドーマ細胞は、PROに対する反応性についてのELISAでスクリーニングされる。PROに対する所望のモノクローナル抗体を分泌する「ポジティブ(陽性)」ハイブリドーマ細胞の決定は、技術常識の範囲内である。
陽性ハイブリドーマ細胞を同系のBalb/cマウスに腹腔内注入し、抗PROモノクローナル抗体を含む腹水を生成させる。あるいは、ハイブリドーマ細胞を、組織培養フラスコ又はローラーボトルで成長させることもできる。腹水中に生成されたモノクローナル抗体の精製は、硫酸アンモニウム沈降、それに続くゲル排除クロマトグラフィ−を用いて行うことができる。あるいは、抗体のプロテインA又はプロテインGへの親和性に基づくアフィニティクロマトグラフィーを用いることもできる。
【0189】
実施例12:特異的抗体を用いたPROポリペプチドの精製
天然又は組換えPROポリペプチドは、この分野の種々の標準的なタンパク質精製方法によって精製できる。例えば、プロ−PROポリペプチド、成熟ポリペプチド、又はプレ−PROポリペプチドは、対象とするPROポリペプチドに特異的な抗体を用いた免疫親和性クロマトグラフィーによって精製される。一般に、免疫親和性カラムは抗PROポリペプチド抗体を活性化クロマトグラフィー樹脂に共有結合させて作成される。
ポリクローナル免疫グロブリンは、硫酸アンモニウムでの沈殿又は固定化プロテインA(Pharmacia LKB Biotechnology, Piscataway, N.J.)での精製のいずれかにより免疫血清から調製される。同様に、モノクローナル抗体は、硫酸アンモニウム沈殿又は固定化プロテインAでのクロマトグラフィーによりマウス腹水液から調製される。部分的に精製された免疫グロブリンは、CnBr−活性化セファロース(商品名)(Pharmacia LKB Biotechnology)等のクロマトグラフィー樹脂に共有結合される。抗体が樹脂に結合され、樹脂がブロックされ、誘導体樹脂は製造者の指示に従って洗浄される。
【0190】
このような免疫親和性カラムは、可溶化形態のPROポリペプチドを含有する細胞からの画分を調製することによるPROポリペプチドの精製において利用される。この調製物は、洗浄剤の添加又はこの分野で公知の方法により微分遠心分離を介して得られる全細胞又は細胞成分画分の可溶化により誘導される。あるいは、シグナル配列を含む可溶化PROポリペプチドは、細胞が成長する培地中に有用な量で分泌される。
可溶化PROポリペプチド含有調製物は、免疫親和性カラムを通され、カラムはPROポリペプチドの好ましい吸着をさせる条件下(例えば、洗浄剤存在下の高イオン強度バッファー)で洗浄される。次いで、カラムは、抗体/PROポリペプチド結合を分解する条件下(例えば、約2−3といった低pH、高濃度の尿素又はチオシアン酸イオン等のカオトロープ)で溶離され、PROポリペプチドが回収される。
【0191】
実施例13:薬物スクリーニング
本発明は、PROポリペプチド又はその結合断片を種々の薬物スクリーニング技術において使用することによる化合物のスクリーニングにとって特に有用である。そのような試験に用いられるPROポリペプチド又は断片は、溶液中の自由状態でも、固体支持体に固定されても、細胞表面に担持されていても、或いは細胞内に位置していてもよい。薬剤スクリーニングの1つの方法では、PROポリペプチド又は断片を発現する組換え核酸で安定に形質移入される真核生物又は原核生物宿主細胞を利用する。薬剤は、そのような形質移入細胞に対して、競合的結合アッセイによってスクリーニングされる。生存可能又は固定化形態のいずれかによって、このような細胞は標準的な結合アッセイで使用できる。例えば、PROポリペプチド又は断片と試験される試薬の間での複合体の形成を測定してよい。あるいは、試験する試薬によって生ずるPROポリペプチドとその標的細胞又は標的レセプターとの間の複合体形成における減少を試験することもできる。
従って、本発明は、PROポリペプチド関連疾患又は障害に影響を与えうる薬剤又は任意の他の試薬のスクリーニング方法を提供する。これらの方法は、当該分野で良く知られており、その試薬をPROポリペプチド又は断片に接触させ、(i)試薬とPROポリペプチド又は断片との間の複合体の存在について、又は(ii)PROポリペプチド又は断片と細胞との間の複合体の存在について検定することを含む。これらの競合結合アッセイでは、PROポリペプチド又は断片が典型的には標識される。適切なインキュベーションの後、自由なPROポリペプチド又は断片を結合形態のものから分離し、自由又は未複合の標識の量が、特定の試薬がPROポリペプチドに結合する又はPROポリペプチド/細胞複合体を阻害する能力の尺度となる。
【0192】
薬剤スクリーニングのための他の技術は、ポリペプチドに対して適当な結合親和性を持つ化合物についての高スループットスクリーニングを提供し、1984年9月13日に公開された国際公開84/03564に詳細に記載されている。簡単に述べれば、多数の異なる小型ペプチド試験化合物が、プラスチックピン等の固体支持体又は幾つかの他の表面上で合成される。PROポリペプチドに適用すると、ペプチド試験化合物はPROポリペプチドと反応して洗浄される。結合したPROポリペプチドはこの分野で良く知られた方法により検出される。精製したPROポリペプチドは、上記の薬剤スクリーニング技術に使用するためにプレート上に直接被覆することもできる。さらに、非中和抗体は、ペプチドを捕捉し、それを固体支持体上に固定化するのに使用できる。
また、本発明は、PROポリペプチドに結合可能な中和抗体がPROポリペプチド又はその断片について試験化合物と特異的に競合する競合薬剤スクリーニングアッセイも考慮する。この方法において、抗体は、PROポリペプチドで、1つ又は複数の抗原決定基を持つ任意のペプチドの存在を検出するのに使用できる。
【0193】
実施例14:合理的薬物設計
合理的薬物設計の目的は、対象とする生物学的活性ポリペプチド(例えば、PROポリペプチド)又はそれらが相互作用する小分子、例えばアゴニスト、アンタゴニスト、又はインヒビターの構造的類似物を製造することである。これらの例の任意のものが、PROポリペプチドのより活性で安定な形態又はインビボでPROポリペプチドに機能を促進又は阻害する薬物の創作に使用できる(参考、Hodgson, Bio/Technology, 9: 19−21 (1991))。
【0194】
1つの方法において、PROポリペプチド、又はPROポリペプチド−インヒビター複合体の三次元構造が、x線結晶学により、コンピュータモデル化により、最も典型的には2つの方法の組み合わせにより決定される。分子の構造を解明し活性部位を決定するためには、PROポリペプチドの形状及び電荷の両方が確認されなければならない。数は少ないが、PROポリペプチドの構造に関する有用な情報が相同タンパク質の構造に基づいたモデル化によって得られることもある。両方の場合において、関連する構造情報は、類似PROポリペプチド様分子の設計又は効果的なインヒビターの同定に使用される。合理的な薬剤設計の有用な例は、Braxton及びWells, Biochemistry, 31: 7796−7801 (1992)に示されているような向上した活性又は安定性を持つ分子、又はAthaudaら,J. Biochem., 113: 742−746 (1993)に示されているような天然ペプチドのインヒビター、アゴニスト、又はアンタゴニストとして作用する分子を含む。
【0195】
また、上記のような機能アッセイによって選択された標的特異的な抗体を単離しその結晶構造を解明することもできる。この方法は、原理的には、それに続く薬剤設計が基礎をおくことのできるファーマコア(pharmacore)を生成する。機能的な薬理学的に活性な抗体に対する抗−イディオタイプ抗体(抗−ids)を生成することにより、タンパク質結晶学をバイパスすることができる。鏡像の鏡像として、抗−idsの結合部位は最初のレセプターの類似物であると予測できる。抗−idは、次いで、化学的又は生物学的に製造したペプチドのバンクからペプチドを同定及び単離するのに使用できる。単離されたペプチドは、ファーマコアとして機能するであろう。
本発明によって、X線結晶学などの分析実験を実施するために十分な量のPROポリペプチドが入手可能である。さらに、ここに提供したPROポリペプチドアミノ酸配列の知識は、X線結晶学に代わる又はそれに加わるコンピュータモデル化技術で用いられるガイダンスを提供する。
【0196】
実施例15: 周皮細胞c−Fos誘発(アッセイ93)
このアッセイは、本発明の所定のポリペプチドが周皮細胞におけるc−fosの発現を誘発するように作用し、よって特定の種類の周皮細胞結合腫瘍の診断用マーカーとして有用であるばかりでなく、周皮細胞結合腫瘍の治療上の処置に有用であると予期されるアンタゴニストを生じせしめることを示す。また、周皮細胞でのc−fosの誘導は血管新生そのものの誘導を示し、そしてc−fosの発現を誘導することができるPROポリペプチドは、例えば創傷治癒及びそれに同じような、誘導された血管新生が有益である症状の治療に有用である。特に1日目に、周皮細胞をVEC Technologiesから得て、5mlの培地以外をフラスコから取り出した。2日目に周皮細胞をトリプシン処理し、洗浄し、スピンにかけ、次いで96ウェルプレートに蒔いた。7日目に培地を取り出し、周皮細胞を100μlのPROポリペプチドテスト用試料及びコントロール(ポジティブコントロール=DME+5%血清+/−500ng/mlのPDGF;ネガティブコントロール=プロテイン32)で処理した。複製を平均化し、SD/CVを確定した。化学蛍光ルミネセンス単位(RLU)照度計リーディングバース頻度により示されたプロテイン32値を越える倍数増加(バッファーコントロール)をヒストグラム上にプロットした。上記のプロテイン32値を2倍は、アッセイについてポジティブであると考えられる。ASYマトリックス:成長培地=低グルコースDMEM=20%FBS+1Xペンストレップ(pen strep)+1Xフンギゾン(fungizone)。アッセイ用培地=低グルコースDMEM+5%FBS。
以下の試験ポリペプチドがこのアッセイにおいてポジティブであった:PRO982、PRO1160、PRO1187及びPRO1329。
【0197】
実施例16:軟骨細胞再分化アッセイ(アッセイ110)
このアッセイは、本発明の所定のポリペプチドが軟骨細胞の再分化を誘導する働きをし、それ故に例えばスポーツ障害や関節炎のような様々な骨及び/又は軟骨の障害の治療に役立つことが期待されていることを示す。このアッセイは次のように実施される。ブタの軟骨細胞を、4−6月齢の雌ブタの中手指節関節の関節軟骨を一晩コラゲナーゼ消化することによって単離する。次いで、この単離された細胞を、10%FBS及び4μg/mlゲンタマイシンを含むヘムF−12へ25,000細胞/cm2で播種する。この培地を3日ごとに交換し、次いで細胞を血清を含まない100μlの同培地の96ウェルに5,000細胞/ウェルで播種し、そして100μl試験PROポリペプチド、5nMのスタウロスポリン(ポジティブコントロール)又は培地のみ(ネガティブコントロール)を加えて最終的な総量が200μl/ウェルとなるようにする。37℃での5日間のインキュベーションの後、各々のウェルの写真を撮り、軟骨細胞の分化状態を判定するする。軟骨細胞の再分化がネガティブコントロールよりもポジティブのコントロールに類似していると判定された場合には、このアッセイにおけるポジティブの結果が生じたものとする。
次のポリペプチドがこのアッセイにおいてポジティブと検定された:PRO357。
【0198】
実施例17: ヒト血液でのTNF−αの放出を刺激するPROポリペプチドの同定(アッセイ128)
このアッセイは、本発明のあるPROポリペプチドが、ヒト血液におけるTNF−αの放出を刺激することを示している。このアッセイでポジティブ(陽性)と検定されたPROポリペプチドは、他の事例を含めて、TNF−αの放出の刺激が所望されている研究目的、及びTNF−αの放出の増加が有益である症状の治療上の処置にとって有用である。特に、50mM Hepesバッファー(pH7.2)で補充した200μlのヒト血液を、96ウェルテストプレートのウェルへ等分して配する。次いで、各ウェルへは、50mM Hepesバッファーに含まれる試験PROポリペプチド(種々の濃度)又は50mM Hepesバッファーのみ(ネガティブ(負)のコントロール)のいずれかを300μl添加し、このプレートを37℃で6時間インキュベートした。次に、試料を遠心分離し、各ウェルから50μlの血漿を収集し、ELISAアッセイによってTNF−αの存在を試験した。アッセイでのポジティブ(陽性)とは、ネガティブ(負)のコントロール試料と比較して、PROポリペプチド処理試料中により多量のTNF−αがあることである。
以下のPROポリペプチドが、このアッセイにおいてポジティブ(陽性)であった:PRO231,PRO357,PRO725,PRO1155,PRO1306,及びPRO1419。
【0199】
実施例18: 軟骨細胞再分化の促進(アッセイ129)
このアッセイは、本発明のPROポリペプチドが、培地で軟骨細胞の増殖及び/又は再分化を誘導する能力を示すか否かを確定するために設計されている。このアッセイにおいてポジティブと評価されるPROポリペプチドは、例えばスポーツ傷害及び関節炎などの種々の骨及び/又は軟骨組織疾患の治療に有用であると期待される。
ブタ軟骨細胞を、4−6ヶ月齢の雌ブタの中手指節関節の関節軟骨の一晩に渡るコラゲナーゼ消化によって単離する。そして、この単離された細胞を、10%FBS及び4μg/mlゲンタマイシンを含むハムF−12へ25,000細胞/cm2の割合で播種する。培地を3日ごとに交換する。12日目には、細胞を血清を含まない100μlの同じ培地へ5,000細胞/ウェルで96ウェルプレートへ播種し、100μlの無血清培地(ネガティブコントロール)、スタウロスポリン(最終濃度が5nM;ポジティブコントロール)又は試験PROポリペプチドのいずれかを添加して最終容量を200μl/ウェルとする。37℃での5日間の後、100μg/ml Hoechst 33342及び50μg/ml 5−CFDAを含む22μlの培地を各ウェルへ添加し、さらに10分間に渡って37℃でインキュベートする。各ウェルの緑色蛍光を写真に取り、形態計測分析によって軟骨細胞の分化段階を計算する。>50%のPROポリペプチドで処理した細胞が分化している場合には(ネガティブコントロールによって得られたバックグラウンドと比較して)、このアッセイでポジティブな結果が得られていることになる。
このアッセイにおいて、次のPROポリペプチドがポジティブであると評価された:PRO229,PRO1272,及びPRO4405。
【0200】
実施例19: 正常ヒト皮膚線維芽細胞の増殖(アッセイ141)
このアッセイは、本発明のPROポリペプチドが培養中にヒト皮膚線維芽細胞の増殖を誘導する能力を示すか否か、そして、それによって有用な成長因子として機能するか否かを確かめるために設計されている。
0日目には、ヒト皮膚線維芽細胞(細胞株から、最大で12−14継代)を100マイクロリッター当たり1000細胞/ウェルで96−ウェルプレートに配し、完全培地[線維芽成長培地(FGM,Clonetics)に補充物:インシュリン、ヒト上皮細胞成長因子(hEGF)、ゲンタマイシン(GA−1000)、及び胎児ウシ血清(FBS,Clonetics)を加える]で一晩にわたってインキュベートした。1日目には、完全培地を、基礎培地[FGMに1%FBSを添加]及び1%,0.1%及び0.01%のPROポリペプチドの添加で置き換えた。7日目には、細胞増殖の評価を、アラマー・ブルー、その後にクリスタル・バイオレットによっておこなった。結果は、コントロールバッファーで観察された細胞成長の%で示された。
【0201】
このアッセイでは、次のPROポリペプチドが正常ヒト皮膚線維芽細胞の増殖を刺激した:PRO982,PRO357,PRO725,PRO1306,PRO1419,PRO214,PRO247,PRO337,PRO526,PRO363,PRO531,PRO1083,PRO840,PRO1080,PRO1478,PRO1134,PRO826,PRO1005,PRO809,PRO1071,PRO1411,PRO1309,PRO1025,PRO1181,PRO1126,PRO1186,PRO1192,PRO1244,PRO1274,PRO1412,PRO1286,PRO1330,PRO1347,PRO1305,PRO1273,PRO1279,PRO1340,PRO1338,PRO1343,PRO1376,PRO1387,PRO1409,PRO1474,PRO1917,PRO1760,PRO1567,PRO1887,PRO1928,PRO4341,PRO1801,PRO4333,PRO3543,PRO3444,PRO4322,PRO9940,PRO6079,PRO9836,及びPRO10096。
このアッセイでは、次のPROポリペプチドが正常ヒト皮膚線維芽細胞の増殖を阻害した:PRO181,PRO229,PRO788,PRO1194,PRO1272,PRO1488,PRO4302,PRO4408,PRO5723,PRO5725,PRO7154,及びPRO7425。
【0202】
実施例20: 癌性腫瘍でのPROポリペプチドの過剰発現を検出するためのマイクロアレイ分析
幾千もの遺伝子配列を殆どの場合において含む核酸マイクロアレイは、組織の正常な対応物と比較して、疾患組織において差別的に発現している遺伝子を同定するために有用である。核酸マイクロアッセイを用いると、試験及びコントロール組織試料からの試験及びコントロールmRNA試料が逆転写され、cDNAプローブを生成するために標識される。次いで、このcDNAプローブは、固体支持体上に固定化された多くの核酸とハイブリダイズされる。このアレイは、アレイの各メンバーの配列と位置がわかるように構成されている。例えば、ある疾患段階で発現することが知られている遺伝子から選ばれたものを固体支持体上に整列してもよい。標識プローブとある特定のアレイのメンバーとのハイブリダイゼーションは、プローブが誘導された試料がその遺伝子を発現していることを示す。試験(疾患組織)からのプローブのハイブリダイゼーションシグナルが、コントロール(正常組織)試料からのプローブのハイブリダイゼーションシグナルより大きい場合は、疾患組織において過剰発現している遺伝子又は複数遺伝子が同定される。この結果の意味は、疾患組織で過剰発現しているタンパク質は、疾患症状の存在のための診断的マーカーとしてだけではなく、疾患症状の治療のための治療上の標的としても有用であるということである。
核酸のハイブリダイゼーション及びマイクロアレイ技術の方法論は、当業者には良く知られている。本実施例では、ハイブリダイゼーション及びプローブ、スライドのための核酸の特別な調製、並びにハイブリダイゼーションの条件は、2000年3月31日に出願された米国仮出願一連番号 60/193,767にすべて詳述されており、ここにおいて文献として取り入れられている。
【0203】
本実施例では、癌性腫瘍で過剰発現しているPROポリペプチドを同定するための試みとして、非癌性ヒト組織に関連するPROポリペプチドコード化遺伝子発現のために、種々のヒト組織から誘導された癌性腫瘍が研究された。任意の種々の異なるヒト腫瘍からの癌性ヒト腫瘍組織を得て、肝臓、腎臓、及び肺を含む上皮由来の非癌性ヒト組織をプールすることによって調製される「普遍的」上皮コントロール試料と比較した。プールされた組織から単離されたmRNAは、これら異なる組織での発現遺伝子産物の混合物を示す。プールされたコントロール試料を用いたマイクロアレイハイブリダイゼーション実験は、二色分析において直線的なプロットを生じた。次いで、二色分析において生じたこの線の傾斜を、各実験の(試験:コントロール検出)の比率を標準化するために用いた。次いで、種々の実験の標準化された比率を比較し、そして遺伝子発現の集積牲を同定するために用いた。従って、プール化された「普遍的なコントロール」試料は、単純な二つの試料の比較における有効で相対的遺伝子発現の判定を可能にするだけではなく、幾つかの実験に渡る複数の試料の比較をも可能にする。
【0204】
本実験では、ここに記載のPROポリペプチドコード化核酸配列から誘導された核酸プローブをマイクロアレイの作製に用い、9つの異なる腫瘍組織(下に列挙)のRNAをさらにハイブリダイゼーションに用いた。標準化比:実験比に基づく値は、「カットオフ比」と命名された。このカットオフを上回る値のみを重要であると判定した。下記の表8は、これらの実験の結果を示しており、本発明の種々のPROポリペプチドが非癌性ヒト組織コントロール又はヒト腫瘍組織と比べて種々のヒト腫瘍組織において著しく過剰発現していることを示している。上記にて記載のように、これらのデーターは、本発明のPROポリペプチドが一つ以上の癌性腫瘍の存在を示す診断マーカーとしてだけではなく、これら腫瘍の治療のための治療上の標的としての機能も果たすことを示している。
【0205】
【0206】
【0207】
【0208】
【0209】
実施例21:腫瘍に対する正常な差別的組織発現分布
オリゴヌクレオチドプローブを、定量PCR増幅反応で用いる、付随する図に示すPROポリペプチドコード化ヌクレオチド配列から構築した。このオリゴヌクレオチドプローブは、標準的PCR反応に対応するテンプレートの3’ 末端から約200−600塩基対の増幅断片が生じるように選択した。このオリゴヌクレオチドプローブを、異なるヒト腫瘍及び正常なヒト組織試料から単離したcDNAライブラリーを用いた標準的な定量PCR増幅反応に使用し、種々の腫瘍及び試験した正常な組織におけるPROポリペプチドコード化核酸の発現レベルの定量的測定を得るために、アガロースゲル電気泳動によって分析した。等量の核酸が各反応に使用されたことを確かめるために、β−アクチンをコントロールとして利用した。1つ又はそれ以上の同じ組織型と比較した、1つ又はそれ以上の腫瘍組織でのPROポリペプチドコード化核酸の差別的発現の同定は、そのような腫瘍を有すると思われる被検体の腫瘍の治療のための標的として治療上有用であると同時に、腫瘍を有すると思われる腫瘍の存否を確かめることに関して診断上も有用な分子を与える。
これらのアッセイによって、以下の結果が示された。
【0210】
(1)DNA94849−2960は、次の組織で有意に発現し:軟骨、睾丸、結腸腫瘍、心臓、胎盤、骨髄、副腎、前立腺、膵臓大動脈内皮細胞及び子宮、そして次の組織では有意に発現しない:HUVEC。
(2)DNA100272−2969は、軟骨、睾丸、ヒト門脈内皮細胞(HUVEC)、結腸腫瘍、心臓、胎盤、骨髄、副腎、前立腺、膵臓大動脈内皮細胞で有意に発現し;子宮では有意に発現しない。検討された正常及び腫瘍細胞の中で、DNA100272−2969は、正常な食道、食道腫瘍、正常な胃、胃腫瘍、正常な腎臓、腎臓腫瘍、正常な肺、肺腫瘍、正常な直腸、直腸腫瘍、正常な肝臓及び肝腫瘍で発現することが見出された。
(3)DNA108696−2966分子は、前立腺で高発現し、さらに睾丸、骨髄及び膵臓で発現する。DNA108696−2966分子は、正常な胃で発現するが、胃腫瘍では発現しない。DNA108696−2966分子は、正常な腎臓、腎臓腫瘍、正常な肺又は肺腫瘍では発現しない。DNA108696−2966分子は、正常な直腸で高発現し、直腸腫瘍では低発現である。DNA108696−2966分子は、正常な肝臓又は肝腫瘍では発現しない。DNA108696−2966分子は、正常な食道、食道腫瘍、軟骨、HUVEC、結腸腫瘍、心臓、胎盤、副腎、大動脈内皮細胞及び子宮では発現しない。
(4)DNA119498−2965分子は、次の組織で有意に発現する:大動脈内皮細胞で高発現し、軟骨、睾丸、HUVEC、結腸腫瘍、心臓、胎盤、骨髄、副腎、前立腺及び膵臓で有意に発現する。子宮では有意に発現しない。
(5)DNA119530−2968分子は、次の組織で発現する:正常な食道、そして次の組織では発現しない:食道腫瘍、胃腫瘍、正常な胃、正常な腎臓、腎臓腫瘍、正常な肺、肺腫瘍、正常な直腸、直腸腫瘍、正常な肝臓又は肝腫瘍。
(6)DNA129794−2967分子は、睾丸及び副腎で有意に発現し;軟骨、ヒト門脈内皮細胞(HUVEC)、結腸腫瘍、心臓、胎盤、骨髄、前立腺、膵臓、大動脈内皮細胞及び子宮では有意に発現しない。
【0211】
(7)DNA131590−2962分子は、次の組織で有意に発現する:骨髄、副腎、前立腺、膵臓、子宮、軟骨、睾丸、結腸腫瘍、心臓及び胎盤、そして、次の組織では有意に発現しない:HUVEC、及び大動脈内皮細胞。
(8)DNA149995−2871分子は、睾丸、及び副腎で高発現し;軟骨、ヒト門脈内皮細胞(HUVEC)、結腸腫瘍、心臓、前立腺及び子宮で発現し;骨髄、膵臓及び大動脈内皮細胞で弱く発現し;そして胎盤では有意に発現しない。
(9)DNA167678−2963分子は、次の組織で有意に発現する:正常な食道、食道腫瘍、正常な胃、胃腫瘍で高発現し、正常な腎臓、腎臓腫瘍で高発現し、肺、肺腫瘍、正常な直腸、直腸腫瘍で発現し、正常な肝臓で弱く発現し、肝腫瘍では有意に発現しない。
(10)DNA168028−2956分子は、骨髄で高発現し;睾丸、ヒト門脈内皮細胞(HUVEC)、結腸腫瘍、心臓、胎盤、副腎、前立腺、膵臓、大動脈内皮細胞及び子宮で発現し;そして軟骨で弱く発現する。検討された正常及び腫瘍試料のパネルの中では、DNA168028−2956分子は、胃腫瘍、正常な腎臓、腎臓腫瘍、肺腫瘍、正常な直腸及び直腸腫瘍で発現し、正常な食道、食道腫瘍、正常な胃、正常な肺、正常な肝臓及び肝腫瘍では発現しないことが見出された。
(11)DNA176775−2957分子は、睾丸で高発現し、軟骨及び前立腺で発現し;副腎、膵臓及び子宮で弱く発現し;そして、ヒト門脈内皮細胞(HUVEC)、結腸腫瘍、心臓、胎盤、骨髄及び大動脈内皮細胞では有意に発現しない。
(12)DNA177313−2982分子は、前立腺及び大動脈内皮細胞で有意に発現し;そして、軟骨、睾丸、ヒト門脈内皮細胞(HUVEC)、結腸腫瘍、心臓、胎盤、骨髄、副腎、膵臓及び子宮では有意に発現しない。正常及び腫瘍細胞のパネルの中では、DNA177313−2982分子は、食道腫瘍では発現するが、正常な食道、正常な胃、胃腫瘍、正常な腎臓、腎臓腫瘍、正常な肺、肺腫瘍、正常な直腸、直腸腫瘍、正常な肝臓及び肝腫瘍で発現しないことが見出された。
【図面の簡単な説明】
【図1A−1B】配列番号:1がここにおいて「DNA92259」と命名されたクローンである、天然配列PRO6004cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:1)。
【図2】図1A−1Bに示された配列番号:1のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:2)。
【図3】配列番号:3がここにおいて「DNA94849−2960」と命名されたクローンである、天然配列PRO4981cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:3)。
【図4】図3に示された配列番号:3のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:4)。
【図5】配列番号:5がここにおいて「DNA96883−2745」と命名されたクローンである、天然配列PRO7174cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:5)。
【図6】図5に示された配列番号:5のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:6)。
【図7】配列番号:7がここにおいて「DNA96894−2675」と命名されたクローンである、天然配列PRO5778cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:7)。
【図8】図7に示された配列番号:7のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:8)。
【図9】配列番号:9がここにおいて「DNA100272−2969」と命名されたクローンである、天然配列PRO4332cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:9)。
【図10】図9に示された配列番号:9のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:10)。
【図11】配列番号:11がここにおいて「DNA108696−2966」と命名されたクローンである、天然配列PRO9799cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:11)。
【図12】図11に示された配列番号:11のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:12)。
【図13】配列番号:13がここにおいて「DNA117935−2801」と命名されたクローンである、天然配列PRO9909cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:13)。
【図14】図13に示された配列番号:13のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:14)。
【図15】配列番号:15がここにおいて「DNA119474−2803」と命名されたクローンである、天然配列PRO9917cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:15)。
【図16】図15に示された配列番号:15のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:16)。
【図17】配列番号:17がここにおいて「DNA119498−2965」と命名されたクローンである、天然配列PRO9771cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:17)。
【図18】図17に示された配列番号:17のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:18)。
【図19】配列番号:19がここにおいて「DNA119502−2789」と命名されたクローンである、天然配列PRO9877cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:19)。
【図20】図19に示された配列番号:19のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:20)。
【図21】配列番号:21がここにおいて「DNA119516−2797」と命名されたクローンである、天然配列PRO9903cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:21)。
【図22】図21に示された配列番号:21のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:22)。
【図23】配列番号:23がここにおいて「DNA119530−2968」と命名されたクローンである、天然配列PRO9830cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:23)。
【図24】図23に示された配列番号:23のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:24)。
【図25】配列番号:25がここにおいて「DNA121772−2741」と命名されたクローンである、天然配列PRO7155cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:25)。
【図26】図25に示された配列番号:25のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:26)。
【図27】配列番号:27がここにおいて「DNA125148−2782」と命名されたクローンである、天然配列PRO9862cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:27)。
【図28】図27に示された配列番号:27のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:28)。
【図29】配列番号:29がここにおいて「DNA125150−2793」と命名されたクローンである、天然配列PRO9882cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:29)。
【図30】図29に示された配列番号:29のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:30)。
【図31】配列番号:31がここにおいて「DNA125151−2784」と命名されたクローンである、天然配列PRO9864cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:31)。
【図32】図31に示された配列番号:31のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:32)。
【図33】配列番号:33がここにおいて「DNA125181−2804」と命名されたクローンである、天然配列PRO10013cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:33)。
【図34】図33に示された配列番号:33のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:34)。
【図35】配列番号:35がここにおいて「DNA125192−2794」と命名されたクローンである、天然配列PRO9885cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:35)。
【図36】図35に示された配列番号:35のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:36)。
【図37】配列番号:37がここにおいて「DNA125196−2792」と命名されたクローンである、天然配列PRO9879cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:37)。
【図38】図37に示された配列番号:37のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:38)。
【図39】配列番号:39がここにおいて「DNA125200−2810」と命名されたクローンである、天然配列PRO10111cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:39)。
【図40】図39に示された配列番号:39のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:40)。
【図41】配列番号:41がここにおいて「DNA125214−2814」と命名されたクローンである、天然配列PRO9925cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:41)。
【図42】図41に示された配列番号:41のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:42)。
【図43】配列番号:43がここにおいて「DNA125219−2799」と命名されたクローンである、天然配列PRO9905cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:43)。
【図44】図43に示された配列番号:43のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:44)。
【図45】配列番号:45がここにおいて「DNA128309−2825」と命名されたクローンである、天然配列PRO10276cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:45)。
【図46】図45に示された配列番号:45のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:46)。
【図47】配列番号:47がここにおいて「DNA129535−2796」と命名されたクローンである、天然配列PRO9898cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:47)。
【図48】図47に示された配列番号:47のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:48)。
【図49】配列番号:49がここにおいて「DNA129549−2798」と命名されたクローンである、天然配列PRO9904cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:49)。
【図50】図49に示された配列番号:49のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:50)。
【図51】配列番号:51がここにおいて「DNA129580−2863」と命名されたクローンである、天然配列PRO19632cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:51)。
【図52】図51に示された配列番号:51のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:52)。
【図53】配列番号:53がここにおいて「DNA129794−2967」と命名されたクローンである、天然配列PRO19672cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:53)。
【図54】図53に示された配列番号:53のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:54)。
【図55】配列番号:55がここにおいて「DNA131590−2962」と命名されたクローンである、天然配列PRO9783cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:55)。
【図56】図55に示された配列番号:55のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:56)。
【図57】配列番号:57がここにおいて「DNA135173−2811」と命名されたクローンである、天然配列PRO10112cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:57)。
【図58】図57に示された配列番号:57のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:58)。
【図59A−59B】配列番号:59がここにおいて「DNA138039−2828」と命名されたクローンである、天然配列PRO10284cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:59)。
【図60】図59A−59Bに示された配列番号:59のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:60)。
【図61】配列番号:61がここにおいて「DNA139540−2807」と命名されたクローンである、天然配列PRO10100cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:61)。
【図62】図61に示された配列番号:61のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:62)。
【図63】配列番号:63がここにおいて「DNA139602−2859」と命名されたクローンである、天然配列PRO19628cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:63)。
【図64】図63に示された配列番号:63のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:64)。
【図65】配列番号:65がここにおいて「DNA139632−2880」と命名されたクローンである、天然配列PRO19684cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:65)。
【図66】図65に示された配列番号:65のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:66)。
【図67】配列番号:67がここにおいて「DNA139686−2823」と命名されたクローンである、天然配列PRO10274cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:67)。
【図68】図67に示された配列番号:67のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:68)。
【図69】配列番号:69がここにおいて「DNA142392−2800」と命名されたクローンである、天然配列PRO9907cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:69)。
【図70】図69に示された配列番号:69のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:70)。
【図71】配列番号:71がここにおいて「DNA143076−2787」と命名されたクローンである、天然配列PRO9873cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:71)。
【図72】図71に示された配列番号:71のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:72)。
【図73】配列番号:73がここにおいて「DNA143294−2818」と命名されたクローンである、天然配列PRO10201cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:73)。
【図74】図73に示された配列番号:73のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:74)。
【図75】配列番号:75がここにおいて「DNA143514−2817」と命名されたクローンである、天然配列PRO10200cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:75)。
【図76】図75に示された配列番号:75のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:76)。
【図77】配列番号:77がここにおいて「DNA144841−2816」と命名されたクローンである、天然配列PRO10196cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:77)。
【図78】図77に示された配列番号:77のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:78)。
【図79】配列番号:79がここにおいて「DNA148380−2827」と命名されたクローンである、天然配列PRO10282cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:79)。
【図80】図79に示された配列番号:79のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:80)。
【図81】配列番号:81がここにおいて「DNA149995−2871」と命名されたクローンである、天然配列PRO19650cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:81)。
【図82】図81に示された配列番号:81のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:82)。
【図83】配列番号:83がここにおいて「DNA167678−2963」と命名されたクローンである、天然配列PRO21184cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:83)。
【図84】図83に示された配列番号:83のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:84)。
【図85】配列番号:85がここにおいて「DNA168028−2956」と命名されたクローンである、天然配列PRO21201cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:85)。
【図86】図85に示された配列番号:85のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:86)。
【図87】配列番号:87がここにおいて「DNA173894−2947」と命名されたクローンである、天然配列PRO21175cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:87)。
【図88】図87に示された配列番号:87のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:88)。
【図89】配列番号:89がここにおいて「DNA176775−2957」と命名されたクローンである、天然配列PRO21340cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:89)。
【図90】図89に示された配列番号:89のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:90)。
【図91】配列番号:91がここにおいて「DNA177313−2982」と命名されたクローンである、天然配列PRO21384cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:91)。
【図92】図91に示された配列番号:91のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:92)。
【図93】配列番号:93がここにおいて「DNA57700−1408」と命名されたクローンである、天然配列PRO982cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:93)。
【図94】図93に示された配列番号:93のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:94)。
【図95】配列番号:95がここにおいて「DNA62872−1509」と命名されたクローンである、天然配列PRO1160cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:95)。
【図96】図95に示された配列番号:95のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:96)。
【図97】配列番号:97がここにおいて「DNA62876−1517」と命名されたクローンである、天然配列PRO1187cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:97)。
【図98】図97に示された配列番号:97のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:98)。
【図99】配列番号:99がここにおいて「DNA66660−1585」と命名されたクローンである、天然配列PRO1329cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:99)。
【図100】図99に示された配列番号:99のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:100)。
【図101】配列番号:101がここにおいて「DNA34434−1139」と命名されたクローンである、天然配列PRO231cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:101)。
【図102】図101に示された配列番号:101のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:102)。
【図103】配列番号:103がここにおいて「DNA44804−1248」と命名されたクローンである、天然配列PRO357cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:103)。
【図104】図103に示された配列番号:103のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:104)。
【図105】配列番号:105がここにおいて「DNA52758−1399」と命名されたクローンである、天然配列PRO725cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:105)。
【図106】図105に示された配列番号:105のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:106)。
【図107】配列番号:107がここにおいて「DNA59849−1504」と命名されたクローンである、天然配列PRO1155cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:107)。
【図108】図107に示された配列番号:107のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:108)。
【図109】配列番号:109がここにおいて「DNA65410−1569」と命名されたクローンである、天然配列PRO1306cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:109)。
【図110】図109に示された配列番号:109のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:110)。
【図111】配列番号:111がここにおいて「DNA71290−1630」と命名されたクローンである、天然配列PRO1419cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:111)。
【図112】図111に示された配列番号:111のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:112)。
【図113】配列番号:113がここにおいて「DNA33100−1159」と命名されたクローンである、天然配列PRO229cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:113)。
【図114】図113に示された配列番号:113のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:114)。
【図115】配列番号:115がここにおいて「DNA64896−1539」と命名されたクローンである、天然配列PRO1272cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:115)。
【図116】図115に示された配列番号:115のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:116)。
【図117】配列番号:117がここにおいて「DNA84920−2614」と命名されたクローンである、天然配列PRO4405cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:117)。
【図118】図117に示された配列番号:117のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:118)。
【図119】配列番号:119がここにおいて「DNA23330−1390」と命名されたクローンである、天然配列PRO181cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:119)。
【図120】図119に示された配列番号:119のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:120)。
【図121】配列番号:121がここにおいて「DNA32286−1191」と命名されたクローンである、天然配列PRO214cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:121)。
【図122】図121に示された配列番号:121のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:122)。
【図123】配列番号:123がここにおいて「DNA35673−1201」と命名されたクローンである、天然配列PRO247cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:123)。
【図124】図123に示された配列番号:123のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:124)。
【図125】配列番号:125がここにおいて「DNA43316−1237」と命名されたクローンである、天然配列PRO337cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:125)。
【図126】図125に示された配列番号:125のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:126)。
【図127】配列番号:127がここにおいて「DNA44184−1319」と命名されたクローンである、天然配列PRO526cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:127)。
【図128】図127に示された配列番号:127のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:128)。
【図129】配列番号:129がここにおいて「DNA45419−1252」と命名されたクローンである、天然配列PRO363cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:129)。
【図130】図129に示された配列番号:129のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:130)。
【図131】配列番号:131がここにおいて「DNA48314−1320」と命名されたクローンである、天然配列PRO531cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:131)。
【図132】図131に示された配列番号:131のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:132)。
【図133】配列番号:133がここにおいて「DNA50921−1458」と命名されたクローンである、天然配列PRO1083cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:133)。
【図134】図133に示された配列番号:133のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:134)。
【図135】配列番号:135がここにおいて「DNA53987」と命名されたクローンである、天然配列PRO840cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:135)。
【図136】図135に示された配列番号:135のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:136)。
【図137】配列番号:137がここにおいて「DNA56047−1456」と命名されたクローンである、天然配列PRO1080cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:137)。
【図138】図137に示された配列番号:137のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:138)。
【図139】配列番号:139がここにおいて「DNA56405−1357」と命名されたクローンである、天然配列PRO788cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:139)。
【図140】図139に示された配列番号:139のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:140)。
【図141】配列番号:141がここにおいて「DNA56531−1648」と命名されたクローンである、天然配列PRO1478cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:141)。
【図142】図141に示された配列番号:141のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:142)。
【図143】配列番号:143がここにおいて「DNA56865−1491」と命名されたクローンである、天然配列PRO1134cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:143)。
【図144】図143に示された配列番号:143のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:144)。
【図145】配列番号:145がここにおいて「DNA57694−1341」と命名されたクローンである、天然配列PRO826cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:145)。
【図146】図145に示された配列番号:145のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:146)。
【図147】配列番号:147がここにおいて「DNA57708−1411」と命名されたクローンである、天然配列PRO1005cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:147)。
【図148】図147に示された配列番号:147のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:148)。
【図149】配列番号:149がここにおいて「DNA57836−1338」と命名されたクローンである、天然配列PRO809cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:149)。
【図150】図149に示された配列番号:149のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:150)。
【図151】配列番号:151がここにおいて「DNA57841−1522」と命名されたクローンである、天然配列PRO1194cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:151)。
【図152】図151に示された配列番号:151のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:152)。
【図153】配列番号:153がここにおいて「DNA58847−1383」と命名されたクローンである、天然配列PRO1071cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:153)。
【図154】図153に示された配列番号:153のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:154)。
【図155】配列番号:155がここにおいて「DNA59212−1627」と命名されたクローンである、天然配列PRO1411cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:155)。
【図156】図155に示された配列番号:155のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:156)。
【図157】配列番号:157がここにおいて「DNA59588−1571」と命名されたクローンである、天然配列PRO1309cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:157)。
【図158】図157に示された配列番号:157のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:158)。
【図159】配列番号:159がここにおいて「DNA59622−1334」と命名されたクローンである、天然配列PRO1025cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:159)。
【図160】図159に示された配列番号:159のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:160)。
【図161】配列番号:161がここにおいて「DNA59847−2510」と命名されたクローンである、天然配列PRO1181cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:161)。
【図162】図161に示された配列番号:161のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:162)。
【図163】配列番号:163がここにおいて「DNA60615−1483」と命名されたクローンである、天然配列PRO1126cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:163)。
【図164】図163に示された配列番号:163のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:164)。
【図165】配列番号:165がここにおいて「DNA60621−1516」と命名されたクローンである、天然配列PRO1186cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:165)。
【図166】図165に示された配列番号:165のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:166)。
【図167】配列番号:167がここにおいて「DNA62814−1521」と命名されたクローンである、天然配列PRO1192cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:167)。
【図168】図167に示された配列番号:167のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:168)。
【図169】配列番号:169がここにおいて「DNA64883−1526」と命名されたクローンである、天然配列PRO1244cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:169)。
【図170】図169に示された配列番号:169のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:170)。
【図171】配列番号:171がここにおいて「DNA64889−1541」と命名されたクローンである、天然配列PRO1274cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:171)。
【図172】図171に示された配列番号:171のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:172)。
【図173】配列番号:173がここにおいて「DNA64897−1628」と命名されたクローンである、天然配列PRO1412cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:173)。
【図174】図173に示された配列番号:173のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:174)。
【図175】配列番号:175がここにおいて「DNA64903−1553」と命名されたクローンである、天然配列PRO1286cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:175)。
【図176】図175に示された配列番号:175のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:176)。
【図177】配列番号:177がここにおいて「DNA64907−1163−1」と命名されたクローンである、天然配列PRO1330cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:177)。
【図178】図177に示された配列番号:177のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:178)。
【図179】配列番号:179がここにおいて「DNA64950−1590」と命名されたクローンである、天然配列PRO1347cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:179)。
【図180】図179に示された配列番号:179のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:180)。
【図181】配列番号:181がここにおいて「DNA64952−1568」と命名されたクローンである、天然配列PRO1305cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:181)。
【図182】図181に示された配列番号:181のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:182)。
【図183】配列番号:183がここにおいて「DNA65402−1540」と命名されたクローンである、天然配列PRO1273cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:183)。
【図184】図183に示された配列番号:183のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:184)。
【図185】配列番号:185がここにおいて「DNA65405−1547」と命名されたクローンである、天然配列PRO1279cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:185)。
【図186】図185に示された配列番号:185のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:186)。
【図187】配列番号:187がここにおいて「DNA66663−1598」と命名されたクローンである、天然配列PRO1340cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:187)。
【図188】図187に示された配列番号:187のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:188)。
【図189】配列番号:189がここにおいて「DNA66667」と命名されたクローンである、天然配列PRO1338cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:189)。
【図190】図189に示された配列番号:189のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:190)。
【図191】配列番号:191がここにおいて「DNA66675−1587」と命名されたクローンである、天然配列PRO1343cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:191)。
【図192】図191に示された配列番号:191のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:192)。
【図193】配列番号:193がここにおいて「DNA67300−1605」と命名されたクローンである、天然配列PRO1376cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:193)。
【図194】図193に示された配列番号:193のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:194)。
【図195】配列番号:195がここにおいて「DNA68872−1620」と命名されたクローンである、天然配列PRO1387cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:195)。
【図196】図195に示された配列番号:195のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:196)。
【図197】配列番号:197がここにおいて「DNA71269−1621」と命名されたクローンである、天然配列PRO1409cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:197)。
【図198】図197に示された配列番号:197のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:198)。
【図199】配列番号:199がここにおいて「DNA73736−1657」と命名されたクローンである、天然配列PRO1488cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:199)。
【図200】図199に示された配列番号:199のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:200)。
【図201】配列番号:201がここにおいて「DNA73739−1645」と命名されたクローンである、天然配列PRO1474cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:201)。
【図202】図201に示された配列番号:201のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:202)。
【図203】配列番号:203がここにおいて「DNA76400−2528」と命名されたクローンである、天然配列PRO1917cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:203)。
【図204】図203に示された配列番号:203のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:204)。
【図205】配列番号:205がここにおいて「DNA76532−1702」と命名されたクローンである、天然配列PRO1760cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:205)。
【図206】図205に示された配列番号:205のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:206)。
【図207】配列番号:207がここにおいて「DNA76541−1675」と命名されたクローンである、天然配列PRO1567cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:207)。
【図208】図207に示された配列番号:207のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:208)。
【図209】配列番号:209がここにおいて「DNA79862−2522」と命名されたクローンである、天然配列PRO1887cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:209)。
【図210】図209に示された配列番号:209のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:210)。
【図211】配列番号:211がここにおいて「DNA81754−2532」と命名されたクローンである、天然配列PRO1928cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:211)。
【図212】図211に示された配列番号:211のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:212)。
【図213】配列番号:213がここにおいて「DNA81761−2583」と命名されたクローンである、天然配列PRO4341cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:213)。
【図214】図213に示された配列番号:213のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:214)。
【図215】配列番号:215がここにおいて「DNA82361」と命名されたクローンである、天然配列PRO5723cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:215)。
【図216】図215に示された配列番号:215のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:216)。
【図217】配列番号:217がここにおいて「DNA83500−2506」と命名されたクローンである、天然配列PRO1801cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:217)。
【図218】図217に示された配列番号:217のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:218)。
【図219】配列番号:219がここにおいて「DNA84210−2576」と命名されたクローンである、天然配列PRO4333cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:219)。
【図220】図219に示された配列番号:219のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:220)。
【図221】配列番号:221がここにおいて「DNA86571−2551」と命名されたクローンである、天然配列PRO3543cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:221)。
【図222】図221に示された配列番号:221のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:222)。
【図223】配列番号:223がここにおいて「DNA87997」と命名されたクローンである、天然配列PRO3444cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:223)。
【図224】図223に示された配列番号:223のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:224)。
【図225】配列番号:225がここにおいて「DNA92218−2554」と命名されたクローンである、天然配列PRO4302cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:225)。
【図226】図225に示された配列番号:225のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:226)。
【図227】配列番号:227がここにおいて「DNA92223−2567」と命名されたクローンである、天然配列PRO4322cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:227)。
【図228】図227に示された配列番号:227のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:228)。
【図229】配列番号:229がここにおいて「DNA92265−2669」と命名されたクローンである、天然配列PRO5725cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:229)。
【図230】図229に示された配列番号:229のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:230)。
【図231】配列番号:231がここにおいて「DNA92274−2617」と命名されたクローンである、天然配列PRO4408cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:231)。
【図232】図231に示された配列番号:231のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:232)。
【図233】配列番号:223がここにおいて「DNA92282」と命名されたクローンである、天然配列PRO9940cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:233)。
【図234】図233に示された配列番号:233のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:234)。
【図235】配列番号:235がここにおいて「DNA108760−2740」と命名されたクローンである、天然配列PRO7154cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:235)。
【図236】図235に示された配列番号:235のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:236)。
【図237】配列番号:237がここにおいて「DNA108792−2753」と命名されたクローンである、天然配列PRO7425cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:237)。
【図238】図237に示された配列番号:237のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:238)。
【図239】配列番号:239がここにおいて「DNA111750−2706」と命名されたクローンである、天然配列PRO6079cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:239)。
【図240】図239に示された配列番号:239のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:240)。
【図241】配列番号:241がここにおいて「DNA119514−2772」と命名されたクローンである、天然配列PRO9836cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:241)。
【図242】図241に示された配列番号:241のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:242)。
【図243】配列番号:243がここにおいて「DNA125185−2806」と命名されたクローンである、天然配列PRO10096cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:243)。
【図244】図243に示された配列番号:243のコード化配列から誘導されたアミノ酸配列(配列番号:244)。
Claims (27)
- Fig2(配列番号:2)、Fig4(配列番号:4)、Fig6(配列番号:6)、Fig8(配列番号:8)、Fig10(配列番号:10)、Fig12(配列番号:12)、Fig14(配列番号:14)、Fig16(配列番号:16)、Fig18(配列番号:18)、Fig20(配列番号:20)、Fig22(配列番号:22)、Fig24(配列番号:24)、Fig26(配列番号:26)、Fig28(配列番号:28)、Fig30(配列番号:30)、Fig32(配列番号:32)、Fig34(配列番号:34)、Fig36(配列番号:36)、Fig38(配列番号:38)、Fig40(配列番号:40)、Fig42(配列番号:42)、Fig44(配列番号:44)、Fig46(配列番号46)、Fig48(配列番号:48)、Fig50(配列番号:50)、Fig52(配列番号:52)、Fig54(配列番号:54)、Fig56(配列番号:56)、Fig58(配列番号:58)、Fig60(配列番号:60)、Fig62(配列番号:62)、Fig64(配列番号:64)、Fig66(配列番号:66)、Fig68(配列番号:68)、Fig70(配列番号:70)、Fig72(配列番号:72)、Fig74(配列番号:74)、Fig76(配列番号:76)、Fig78(配列番号:78)、Fig80(配列番号:80)、Fig82(配列番号:82)、Fig84(配列番号:84)、Fig86(配列番号:86)、Fig88(配列番号:88)、Fig90(配列番号:90)、Fig92(配列番号:92)、Fig94(配列番号:94)、Fig96(配列番号:96)、Fig98(配列番号:98)、Fig100(配列番号:100)、Fig102(配列番号:102)、Fig104(配列番号:104)、Fig106(配列番号:106)、Fig108(配列番号:108)、Fig110(配列番号:110)、Fig112(配列番号:112)、Fig114(配列番号:114)、Fig116(配列番号:116)、Fig118(配列番号:118)、Fig120(配列番号:120)、Fig122(配列番号:122)、Fig124(配列番号:124)、Fig126(配列番号:126)、Fig128(配列番号:128)、Fig130(配列番号:130)、Fig132(配列番号:132)、Fig134(配列番号:134)、Fig136(配列番号:136)、Fig138(配列番号:138)、Fig140(配列番号:140)、Fig142(配列番号:142)、Fig144(配列番号:144)、Fig146(配列番号:146)、Fig148(配列番号:148)、Fig150(配列番号:150)、Fig152(配列番号:152)、Fig154(配列番号:154)、Fig156(配列番号:156)、Fig158(配列番号:158)、Fig160(配列番号:160)、Fig162(配列番号:162)、Fig164(配列番号:164)、Fig166(配列番号:166)、Fig168(配列番号:168)、Fig170(配列番号:170)、Fig172(配列番号:172)、Fig174(配列番号:174)、Fig176(配列番号:176)、Fig178(配列番号:178)、Fig180(配列番号:180)、Fig182(配列番号:182)、Fig184(配列番号:184)、Fig186(配列番号:186)、Fig188(配列番号:188)、Fig190(配列番号:190)、Fig192(配列番号:192)、Fig194(配列番号:194)、Fig196(配列番号:196)、Fig198(配列番号:198)、Fig200(配列番号:200)、Fig202(配列番号:202)、Fig204(配列番号:204)、Fig206(配列番号:206)、Fig208(配列番号:208)、Fig210(配列番号:210)、Fig212(配列番号:212)、Fig214(配列番号:214)、Fig216(配列番号:216)、Fig218(配列番号:218)、Fig220(配列番号:220)、Fig222(配列番号:222)、Fig224(配列番号:224)、Fig226(配列番号:226)、Fig228(配列番号:228)、Fig230(配列番号:230)、Fig232(配列番号:232)、Fig234(配列番号:234)、Fig236(配列番号:236)、Fig238(配列番号:238)、Fig240(配列番号:240)、Fig242(配列番号:242)、及びFig244(配列番号:244)に示すアミノ酸配列からなる群より選択されるアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列に対して、少なくとも80%の核酸配列同一性を有する単離された核酸。
- Fig1A−1B(配列番号:1)、Fig3(配列番号:3)、Fig5(配列番号:5)、Fig7(配列番号:7)、Fig9(配列番号:9)、Fig11(配列番号:11)、Fig13(配列番号:13)、Fig15(配列番号:15)、Fig17(配列番号:17)、Fig19(配列番号:19)、Fig21(配列番号:21)、Fig23(配列番号:23)、Fig25(配列番号:25)、Fig27(配列番号:27)、Fig29(配列番号:29)、Fig31(配列番号:31)、Fig33(配列番号:33)、Fig35(配列番号:35)、Fig37(配列番号:37)、Fig39(配列番号:39)、Fig41(配列番号:41)、Fig43(配列番号:43)、Fig45(配列番号:45)、Fig47(配列番号:47)、Fig49(配列番号:49)、Fig51(配列番号:51)、Fig53(配列番号:53)、Fig55(配列番号:55)、Fig57(配列番号:57)、Fig59A−59B(配列番号:59)、Fig61(配列番号:61)、Fig63(配列番号:63)、Fig65(配列番号:65)、Fig67(配列番号:67)、Fig69(配列番号:69)、Fig71(配列番号:71)、Fig73(配列番号:73)、Fig75(配列番号:75)、Fig77(配列番号:77)、Fig79(配列番号:79)、Fig81(配列番号:81)、Fig83(配列番号:83)、Fig85(配列番号:85)、Fig87(配列番号:87)、Fig89(配列番号:89)、Fig91(配列番号:91)、Fig93(配列番号:93)、Fig95(配列番号:95)、Fig97(配列番号:97)、Fig99(配列番号:99)、Fig101(配列番号:101)、Fig103(配列番号:103)、Fig105(配列番号:105)、Fig107(配列番号:107)、Fig109(配列番号:109)、Fig111(配列番号:111)、Fig113(配列番号:113)、Fig115(配列番号:115)、Fig117(配列番号:117)、Fig119(配列番号:119)、Fig121(配列番号:121)、Fig123(配列番号:123)、Fig125(配列番号:125)、Fig127(配列番号:127)、Fig129(配列番号:129)、Fig131(配列番号:131)、Fig133(配列番号:133)、Fig135(配列番号:135)、Fig137(配列番号:137)、Fig139(配列番号:139)、Fig141(配列番号:141)、Fig143(配列番号:143)、Fig145(配列番号:145)、Fig147(配列番号:147)、Fig149(配列番号:149)、Fig151(配列番号:151)、Fig153(配列番号:153)、Fig155(配列番号:155)、Fig157(配列番号:157)、Fig159(配列番号:159)、Fig161(配列番号:161)、Fig163(配列番号:163)、Fig165(配列番号:165)、Fig167(配列番号:167)、Fig169(配列番号:169)、Fig171(配列番号:171)、Fig173(配列番号:173)、Fig175(配列番号:175)、Fig177(配列番号:177)、Fig179(配列番号:179)、Fig181(配列番号:181)、Fig183(配列番号:183)、Fig185(配列番号:185)、Fig187(配列番号:187)、Fig189(配列番号:189)、Fig191(配列番号:191)、Fig193(配列番号:193)、Fig195(配列番号:195)、Fig197(配列番号:197)、Fig199(配列番号:199)、Fig201(配列番号:201)、Fig203(配列番号:203)、Fig205(配列番号:205)、Fig207(配列番号:207)、Fig209(配列番号:209)、Fig211(配列番号:211)、Fig213(配列番号:213)、Fig215(配列番号:215)、Fig217(配列番号:217)、Fig219(配列番号:219)、Fig221(配列番号:221)、Fig223(配列番号:223)、Fig225(配列番号:225)、Fig227(配列番号:227)、Fig229(配列番号:229)、Fig231(配列番号:231)、Fig233(配列番号:233)、Fig235(配列番号:235)、Fig237(配列番号:237)、Fig239(配列番号:239)、Fig241(配列番号:241)、及びFig243(配列番号:243)に示すヌクレオチド配列からなる群から選択されるヌクレオチド配列に対して、少なくとも80%の核酸配列同一性を有する単離された核酸。
- Fig1A−1B(配列番号:1)、Fig3(配列番号:3)、Fig5(配列番号:5)、Fig7(配列番号:7)、Fig9(配列番号:9)、Fig11(配列番号:11)、Fig13(配列番号:13)、Fig15(配列番号:15)、Fig17(配列番号:17)、Fig19(配列番号:19)、Fig21(配列番号:21)、Fig23(配列番号:23)、Fig25(配列番号:25)、Fig27(配列番号:27)、Fig29(配列番号:29)、Fig31(配列番号:31)、Fig33(配列番号:33)、Fig35(配列番号:35)、Fig37(配列番号:37)、Fig39(配列番号:39)、Fig41(配列番号:41)、Fig43(配列番号:43)、Fig45(配列番号:45)、Fig47(配列番号:47)、Fig49(配列番号:49)、Fig51(配列番号:51)、Fig53(配列番号:53)、Fig55(配列番号:55)、Fig57(配列番号:57)、Fig59A−59B(配列番号:59)、Fig61(配列番号:61)、Fig63(配列番号:63)、Fig65(配列番号:65)、Fig67(配列番号:67)、Fig69(配列番号:69)、Fig71(配列番号:71)、Fig73(配列番号:73)、Fig75(配列番号:75)、Fig77(配列番号:77)、Fig79(配列番号:79)、Fig81(配列番号:81)、Fig83(配列番号:83)、Fig85(配列番号:85)、Fig87(配列番号:87)、Fig89(配列番号:89)、Fig91(配列番号:91)、Fig93(配列番号:93)、Fig95(配列番号:95)、Fig97(配列番号:97)、Fig99(配列番号:99)、Fig101(配列番号:101)、Fig103(配列番号:103)、Fig105(配列番号:105)、Fig107(配列番号:107)、Fig109(配列番号:109)、Fig111(配列番号:111)、Fig113(配列番号:113)、Fig115(配列番号:115)、Fig117(配列番号:117)、Fig119(配列番号:119)、Fig121(配列番号:121)、Fig123(配列番号:123)、Fig125(配列番号:125)、Fig127(配列番号:127)、Fig129(配列番号:129)、Fig131(配列番号:131)、Fig133(配列番号:133)、Fig135(配列番号:135)、Fig137(配列番号:137)、Fig139(配列番号:139)、Fig141(配列番号:141)、Fig143(配列番号:143)、Fig145(配列番号:145)、Fig147(配列番号:147)、Fig149(配列番号:149)、Fig151(配列番号:151)、Fig153(配列番号:153)、Fig155(配列番号:155)、Fig157(配列番号:157)、Fig159(配列番号:159)、Fig161(配列番号:161)、Fig163(配列番号:163)、Fig165(配列番号:165)、Fig167(配列番号:167)、Fig169(配列番号:169)、Fig171(配列番号:171)、Fig173(配列番号:173)、Fig175(配列番号:175)、Fig177(配列番号:177)、Fig179(配列番号:179)、Fig181(配列番号:181)、Fig183(配列番号:183)、Fig185(配列番号:185)、Fig187(配列番号:187)、Fig189(配列番号:189)、Fig191(配列番号:191)、Fig193(配列番号:193)、Fig195(配列番号:195)、Fig197(配列番号:197)、Fig199(配列番号:199)、Fig201(配列番号:201)、Fig203(配列番号:203)、Fig205(配列番号:205)、Fig207(配列番号:207)、Fig209(配列番号:209)、Fig211(配列番号:211)、Fig213(配列番号:213)、Fig215(配列番号:215)、Fig217(配列番号:217)、Fig219(配列番号:219)、Fig221(配列番号:221)、Fig223(配列番号:223)、Fig225(配列番号:225)、Fig227(配列番号:227)、Fig229(配列番号:229)、Fig231(配列番号:231)、Fig233(配列番号:233)、Fig235(配列番号:235)、Fig237(配列番号:237)、Fig239(配列番号:239)、Fig241(配列番号:241)、及びFig243(配列番号:243)に示すヌクレオチド配列の完全長コード化配列からなる群より選択されるヌクレオチド配列に対して、少なくとも80%の核酸配列同一性を有する単離された核酸。
- 表7に示す任意のATCC登録番号で寄託したDNAの完全長コード化配列に対して、少なくとも80%の核酸配列同一性を有する単離された核酸。
- 請求項1に記載の核酸を含んでなるベクター。
- 請求項5に記載のベクターを含んでなる宿主細胞。
- 前記細胞がCHO細胞である、請求項6に記載の宿主細胞。
- 前記細胞が大腸菌である、請求項6に記載の宿主細胞。
- 前記細胞が酵母細胞である、請求項6に記載の宿主細胞。
- 請求項6に記載の宿主細胞をPROポリペプチドの発現に適した条件下で培養し、細胞培養物から前記PROポリペプチドを回収することを含んでなるPROポリペプチドの製造方法。
- Fig2(配列番号:2)、Fig4(配列番号:4)、Fig6(配列番号:6)、Fig8(配列番号:8)、Fig10(配列番号:10)、Fig12(配列番号:12)、Fig14(配列番号:14)、Fig16(配列番号:16)、Fig18(配列番号:18)、Fig20(配列番号:20)、Fig22(配列番号:22)、Fig24(配列番号:24)、Fig26(配列番号:26)、Fig28(配列番号:28)、Fig30(配列番号:30)、Fig32(配列番号:32)、Fig34(配列番号:34)、Fig36(配列番号:36)、Fig38(配列番号:38)、Fig40(配列番号:40)、Fig42(配列番号:42)、Fig44(配列番号:44)、Fig46(配列番号46)、Fig48(配列番号:48)、Fig50(配列番号:50)、Fig52(配列番号:52)、Fig54(配列番号:54)、Fig56(配列番号:56)、Fig58(配列番号:58)、Fig60(配列番号:60)、Fig62(配列番号:62)、Fig64(配列番号:64)、Fig66(配列番号:66)、Fig68(配列番号:68)、Fig70(配列番号:70)、Fig72(配列番号:72)、Fig74(配列番号:74)、Fig76(配列番号:76)、Fig78(配列番号:78)、Fig80(配列番号:80)、Fig82(配列番号:82)、Fig84(配列番号:84)、Fig86(配列番号:86)、Fig88(配列番号:88)、Fig90(配列番号:90)、Fig92(配列番号:92)、Fig94(配列番号:94)、Fig96(配列番号:96)、Fig98(配列番号:98)、Fig100(配列番号:100)、Fig102(配列番号:102)、Fig104(配列番号:104)、Fig106(配列番号:106)、Fig108(配列番号:108)、Fig110(配列番号:110)、Fig112(配列番号:112)、Fig114(配列番号:114)、Fig116(配列番号:116)、Fig118(配列番号:118)、Fig120(配列番号:120)、Fig122(配列番号:122)、Fig124(配列番号:124)、Fig126(配列番号:126)、Fig128(配列番号:128)、Fig130(配列番号:130)、Fig132(配列番号:132)、Fig134(配列番号:134)、Fig136(配列番号:136)、Fig138(配列番号:138)、Fig140(配列番号:140)、Fig142(配列番号:142)、Fig144(配列番号:144)、Fig146(配列番号:146)、Fig148(配列番号:148)、Fig150(配列番号:150)、Fig152(配列番号:152)、Fig154(配列番号:154)、Fig156(配列番号:156)、Fig158(配列番号:158)、Fig160(配列番号:160)、Fig162(配列番号:162)、Fig164(配列番号:164)、Fig166(配列番号:166)、Fig168(配列番号:168)、Fig170(配列番号:170)、Fig172(配列番号:172)、Fig174(配列番号:174)、Fig176(配列番号:176)、Fig178(配列番号:178)、Fig180(配列番号:180)、Fig182(配列番号:182)、Fig184(配列番号:184)、Fig186(配列番号:186)、Fig188(配列番号:188)、Fig190(配列番号:190)、Fig192(配列番号:192)、Fig194(配列番号:194)、Fig196(配列番号:196)、Fig198(配列番号:198)、Fig200(配列番号:200)、Fig202(配列番号:202)、Fig204(配列番号:204)、Fig206(配列番号:206)、Fig208(配列番号:208)、Fig210(配列番号:210)、Fig212(配列番号:212)、Fig214(配列番号:214)、Fig216(配列番号:216)、Fig218(配列番号:218)、Fig220(配列番号:220)、Fig222(配列番号:222)、Fig224(配列番号:224)、Fig226(配列番号:226)、Fig228(配列番号:228)、Fig230(配列番号:230)、Fig232(配列番号:232)、Fig234(配列番号:234)、Fig236(配列番号:236)、Fig238(配列番号:238)、Fig240(配列番号:240)、Fig242(配列番号:242)、及びFig244(配列番号:244)に示すアミノ酸配列からなる群より選択されるアミノ酸配列に対して、少なくとも80%のアミノ酸配列同一性を有する単離されたポリペプチド。
- 表7に示す任意のATCC登録番号で寄託したDNAの完全長コード化配列によってコードされるアミノ酸配列に対して、少なくとも80%のアミノ酸配列同一性を有する単離されたポリペプチド。
- 異種アミノ酸配列に融合した請求項11に記載のポリペプチドを含んでなるキメラ分子。
- 前記異種アミノ酸配列がエピトープタグ配列である、請求項13に記載のキメラ分子。
- 前記異種アミノ酸配列が免疫グロブリンのFc領域である、請求項13に記載のキメラ分子。
- 請求項11に記載のポリペプチドへ特異的に結合する抗体。
- 前記抗体がモノクローナル抗体、ヒト化抗体又は単鎖抗体である、請求項16に記載の抗体。
- (a)その結合するシグナルペプチドを欠くFig2(配列番号:2)、Fig4(配列番号:4)、Fig6(配列番号:6)、Fig8(配列番号:8)、Fig10(配列番号:10)、Fig12(配列番号:12)、Fig14(配列番号:14)、Fig16(配列番号:16)、Fig18(配列番号:18)、Fig20(配列番号:20)、Fig22(配列番号:22)、Fig24(配列番号:24)、Fig26(配列番号:26)、Fig28(配列番号:28)、Fig30(配列番号:30)、Fig32(配列番号:32)、Fig34(配列番号:34)、Fig36(配列番号:36)、Fig38(配列番号:38)、Fig40(配列番号:40)、Fig42(配列番号:42)、Fig44(配列番号:44)、Fig46(配列番号46)、Fig48(配列番号:48)、Fig50(配列番号:50)、Fig52(配列番号:52)、Fig54(配列番号:54)、Fig56(配列番号:56)、Fig58(配列番号:58)、Fig60(配列番号:60)、Fig62(配列番号:62)、Fig64(配列番号:64)、Fig66(配列番号:66)、Fig68(配列番号:68)、Fig70(配列番号:70)、Fig72(配列番号:72)、Fig74(配列番号:74)、Fig76(配列番号:76)、Fig78(配列番号:78)、Fig80(配列番号:80)、Fig82(配列番号:82)、Fig84(配列番号:84)、Fig86(配列番号:86)、Fig88(配列番号:88)、Fig90(配列番号:90)、Fig92(配列番号:92)、Fig94(配列番号:94)、Fig96(配列番号:96)、Fig98(配列番号:98)、Fig100(配列番号:100)、Fig102(配列番号:102)、Fig104(配列番号:104)、Fig106(配列番号:106)、Fig108(配列番号:108)、Fig110(配列番号:110)、Fig112(配列番号:112)、Fig114(配列番号:114)、Fig116(配列番号:116)、Fig118(配列番号:118)、Fig120(配列番号:120)、Fig122(配列番号:122)、Fig124(配列番号:124)、Fig126(配列番号:126)、Fig128(配列番号:128)、Fig130(配列番号:130)、Fig132(配列番号:132)、Fig134(配列番号:134)、Fig136(配列番号:136)、Fig138(配列番号:138)、Fig140(配列番号:140)、Fig142(配列番号:142)、Fig144(配列番号:144)、Fig146(配列番号:146)、Fig148(配列番号:148)、Fig150(配列番号:150)、Fig152(配列番号:152)、Fig154(配列番号:154)、Fig156(配列番号:156)、Fig158(配列番号:158)、Fig160(配列番号:160)、Fig162(配列番号:162)、Fig164(配列番号:164)、Fig166(配列番号:166)、Fig168(配列番号:168)、Fig170(配列番号:170)、Fig172(配列番号:172)、Fig174(配列番号:174)、Fig176(配列番号:176)、Fig178(配列番号:178)、Fig180(配列番号:180)、Fig182(配列番号:182)、Fig184(配列番号:184)、Fig186(配列番号:186)、Fig188(配列番号:188)、Fig190(配列番号:190)、Fig192(配列番号:192)、Fig194(配列番号:194)、Fig196(配列番号:196)、Fig198(配列番号:198)、Fig200(配列番号:200)、Fig202(配列番号:202)、Fig204(配列番号:204)、Fig206(配列番号:206)、Fig208(配列番号:208)、Fig210(配列番号:210)、Fig212(配列番号:212)、Fig214(配列番号:214)、Fig216(配列番号:216)、Fig218(配列番号:218)、Fig220(配列番号:220)、Fig222(配列番号:222)、Fig224(配列番号:224)、Fig226(配列番号:226)、Fig228(配列番号:228)、Fig230(配列番号:230)、Fig232(配列番号:232)、Fig234(配列番号:234)、Fig236(配列番号:236)、Fig238(配列番号:238)、Fig240(配列番号:240)、Fig242(配列番号:242)、又はFig244(配列番号:244)に示すポリペプチドをコードするヌクレオチド配列;
(b)その結合するシグナルペプチドを有するFig2(配列番号:2)、Fig4(配列番号:4)、Fig6(配列番号:6)、Fig8(配列番号:8)、Fig10(配列番号:10)、Fig12(配列番号:12)、Fig14(配列番号:14)、Fig16(配列番号:16)、Fig18(配列番号:18)、Fig20(配列番号:20)、Fig22(配列番号:22)、Fig24(配列番号:24)、Fig26(配列番号:26)、Fig28(配列番号:28)、Fig30(配列番号:30)、Fig32(配列番号:32)、Fig34(配列番号:34)、Fig36(配列番号:36)、Fig38(配列番号:38)、Fig40(配列番号:40)、Fig42(配列番号:42)、Fig44(配列番号:44)、Fig46(配列番号46)、Fig48(配列番号:48)、Fig50(配列番号:50)、Fig52(配列番号:52)、Fig54(配列番号:54)、Fig56(配列番号:56)、Fig58(配列番号:58)、Fig60(配列番号:60)、Fig62(配列番号:62)、Fig64(配列番号:64)、Fig66(配列番号:66)、Fig68(配列番号:68)、Fig70(配列番号:70)、Fig72(配列番号:72)、Fig74(配列番号:74)、Fig76(配列番号:76)、Fig78(配列番号:78)、Fig80(配列番号:80)、Fig82(配列番号:82)、Fig84(配列番号:84)、Fig86(配列番号:86)、Fig88(配列番号:88)、Fig90(配列番号:90)、Fig92(配列番号:92)、Fig94(配列番号:94)、Fig96(配列番号:96)、Fig98(配列番号:98)、Fig100(配列番号:100)、Fig102(配列番号:102)、Fig104(配列番号:104)、Fig106(配列番号:106)、Fig108(配列番号:108)、Fig110(配列番号:110)、Fig112(配列番号:112)、Fig114(配列番号:114)、Fig116(配列番号:116)、Fig118(配列番号:118)、Fig120(配列番号:120)、Fig122(配列番号:122)、Fig124(配列番号:124)、Fig126(配列番号:126)、Fig128(配列番号:128)、Fig130(配列番号:130)、Fig132(配列番号:132)、Fig134(配列番号:134)、Fig136(配列番号:136)、Fig138(配列番号:138)、Fig140(配列番号:140)、Fig142(配列番号:142)、Fig144(配列番号:144)、Fig146(配列番号:146)、Fig148(配列番号:148)、Fig150(配列番号:150)、Fig152(配列番号:152)、Fig154(配列番号:154)、Fig156(配列番号:156)、Fig158(配列番号:158)、Fig160(配列番号:160)、Fig162(配列番号:162)、Fig164(配列番号:164)、Fig166(配列番号:166)、Fig168(配列番号:168)、Fig170(配列番号:170)、Fig172(配列番号:172)、Fig174(配列番号:174)、Fig176(配列番号:176)、Fig178(配列番号:178)、Fig180(配列番号:180)、Fig182(配列番号:182)、Fig184(配列番号:184)、Fig186(配列番号:186)、Fig188(配列番号:188)、Fig190(配列番号:190)、Fig192(配列番号:192)、Fig194(配列番号:194)、Fig196(配列番号:196)、Fig198(配列番号:198)、Fig200(配列番号:200)、Fig202(配列番号:202)、Fig204(配列番号:204)、Fig206(配列番号:206)、Fig208(配列番号:208)、Fig210(配列番号:210)、Fig212(配列番号:212)、Fig214(配列番号:214)、Fig216(配列番号:216)、Fig218(配列番号:218)、Fig220(配列番号:220)、Fig222(配列番号:222)、Fig224(配列番号:224)、Fig226(配列番号:226)、Fig228(配列番号:228)、Fig230(配列番号:230)、Fig232(配列番号:232)、Fig234(配列番号:234)、Fig236(配列番号:236)、Fig238(配列番号:238)、Fig240(配列番号:240)、Fig242(配列番号:242)、又はFig244(配列番号:244)に示すポリペプチドの細胞外ドメインをコードするヌクレオチド配列;又は
(c)その結合するシグナルペプチドを欠くFig2(配列番号:2)、Fig4(配列番号:4)、Fig6(配列番号:6)、Fig8(配列番号:8)、Fig10(配列番号:10)、Fig12(配列番号:12)、Fig14(配列番号:14)、Fig16(配列番号:16)、Fig18(配列番号:18)、Fig20(配列番号:20)、Fig22(配列番号:22)、Fig24(配列番号:24)、Fig26(配列番号:26)、Fig28(配列番号:28)、Fig30(配列番号:30)、Fig32(配列番号:32)、Fig34(配列番号:34)、Fig36(配列番号:36)、Fig38(配列番号:38)、Fig40(配列番号:40)、Fig42(配列番号:42)、Fig44(配列番号:44)、Fig46(配列番号46)、Fig48(配列番号:48)、Fig50(配列番号:50)、Fig52(配列番号:52)、Fig54(配列番号:54)、Fig56(配列番号:56)、Fig58(配列番号:58)、Fig60(配列番号:60)、Fig62(配列番号:62)、Fig64(配列番号:64)、Fig66(配列番号:66)、Fig68(配列番号:68)、Fig70(配列番号:70)、Fig72(配列番号:72)、Fig74(配列番号:74)、Fig76(配列番号:76)、Fig78(配列番号:78)、Fig80(配列番号:80)、Fig82(配列番号:82)、Fig84(配列番号:84)、Fig86(配列番号:86)、Fig88(配列番号:88)、Fig90(配列番号:90)、Fig92(配列番号:92)、Fig94(配列番号:94)、Fig96(配列番号:96)、Fig98(配列番号:98)、Fig100(配列番号:100)、Fig102(配列番号:102)、Fig104(配列番号:104)、Fig106(配列番号:106)、Fig108(配列番号:108)、Fig110(配列番号:110)、Fig112(配列番号:112)、Fig114(配列番号:114)、Fig116(配列番号:116)、Fig118(配列番号:118)、Fig120(配列番号:120)、Fig122(配列番号:122)、Fig124(配列番号:124)、Fig126(配列番号:126)、Fig128(配列番号:128)、Fig130(配列番号:130)、Fig132(配列番号:132)、Fig134(配列番号:134)、Fig136(配列番号:136)、Fig138(配列番号:138)、Fig140(配列番号:140)、Fig142(配列番号:142)、Fig144(配列番号:144)、Fig146(配列番号:146)、Fig148(配列番号:148)、Fig150(配列番号:150)、Fig152(配列番号:152)、Fig154(配列番号:154)、Fig156(配列番号:156)、Fig158(配列番号:158)、Fig160(配列番号:160)、Fig162(配列番号:162)、Fig164(配列番号:164)、Fig166(配列番号:166)、Fig168(配列番号:168)、Fig170(配列番号:170)、Fig172(配列番号:172)、Fig174(配列番号:174)、Fig176(配列番号:176)、Fig178(配列番号:178)、Fig180(配列番号:180)、Fig182(配列番号:182)、Fig184(配列番号:184)、Fig186(配列番号:186)、Fig188(配列番号:188)、Fig190(配列番号:190)、Fig192(配列番号:192)、Fig194(配列番号:194)、Fig196(配列番号:196)、Fig198(配列番号:198)、Fig200(配列番号:200)、Fig202(配列番号:202)、Fig204(配列番号:204)、Fig206(配列番号:206)、Fig208(配列番号:208)、Fig210(配列番号:210)、Fig212(配列番号:212)、Fig214(配列番号:214)、Fig216(配列番号:216)、Fig218(配列番号:218)、Fig220(配列番号:220)、Fig222(配列番号:222)、Fig224(配列番号:224)、Fig226(配列番号:226)、Fig228(配列番号:228)、Fig230(配列番号:230)、Fig232(配列番号:232)、Fig234(配列番号:234)、Fig236(配列番号:236)、Fig238(配列番号:238)、Fig240(配列番号:240)、Fig242(配列番号:242)、又はFig244(配列番号:244)に示すポリペプチドの細胞外ドメインをコードするヌクレオチド配列に対して、少なくとも80%の核酸配列同一性を有する単離された核酸。 - (a)その結合するシグナルペプチドを欠くFig2(配列番号:2)、Fig4(配列番号:4)、Fig6(配列番号:6)、Fig8(配列番号:8)、Fig10(配列番号:10)、Fig12(配列番号:12)、Fig14(配列番号:14)、Fig16(配列番号:16)、Fig18(配列番号:18)、Fig20(配列番号:20)、Fig22(配列番号:22)、Fig24(配列番号:24)、Fig26(配列番号:26)、Fig28(配列番号:28)、Fig30(配列番号:30)、Fig32(配列番号:32)、Fig34(配列番号:34)、Fig36(配列番号:36)、Fig38(配列番号:38)、Fig40(配列番号:40)、Fig42(配列番号:42)、Fig44(配列番号:44)、Fig46(配列番号46)、Fig48(配列番号:48)、Fig50(配列番号:50)、Fig52(配列番号:52)、Fig54(配列番号:54)、Fig56(配列番号:56)、Fig58(配列番号:58)、Fig60(配列番号:60)、Fig62(配列番号:62)、Fig64(配列番号:64)、Fig66(配列番号:66)、Fig68(配列番号:68)、Fig70(配列番号:70)、Fig72(配列番号:72)、Fig74(配列番号:74)、Fig76(配列番号:76)、Fig78(配列番号:78)、Fig80(配列番号:80)、Fig82(配列番号:82)、Fig84(配列番号:84)、Fig86(配列番号:86)、Fig88(配列番号:88)、Fig90(配列番号:90)、Fig92(配列番号:92)、Fig94(配列番号:94)、Fig96(配列番号:96)、Fig98(配列番号:98)、Fig100(配列番号:100)、Fig102(配列番号:102)、Fig104(配列番号:104)、Fig106(配列番号:106)、Fig108(配列番号:108)、Fig110(配列番号:110)、Fig112(配列番号:112)、Fig114(配列番号:114)、Fig116(配列番号:116)、Fig118(配列番号:118)、Fig120(配列番号:120)、Fig122(配列番号:122)、Fig124(配列番号:124)、Fig126(配列番号:126)、Fig128(配列番号:128)、Fig130(配列番号:130)、Fig132(配列番号:132)、Fig134(配列番号:134)、Fig136(配列番号:136)、Fig138(配列番号:138)、Fig140(配列番号:140)、Fig142(配列番号:142)、Fig144(配列番号:144)、Fig146(配列番号:146)、Fig148(配列番号:148)、Fig150(配列番号:150)、Fig152(配列番号:152)、Fig154(配列番号:154)、Fig156(配列番号:156)、Fig158(配列番号:158)、Fig160(配列番号:160)、Fig162(配列番号:162)、Fig164(配列番号:164)、Fig166(配列番号:166)、Fig168(配列番号:168)、Fig170(配列番号:170)、Fig172(配列番号:172)、Fig174(配列番号:174)、Fig176(配列番号:176)、Fig178(配列番号:178)、Fig180(配列番号:180)、Fig182(配列番号:182)、Fig184(配列番号:184)、Fig186(配列番号:186)、Fig188(配列番号:188)、Fig190(配列番号:190)、Fig192(配列番号:192)、Fig194(配列番号:194)、Fig196(配列番号:196)、Fig198(配列番号:198)、Fig200(配列番号:200)、Fig202(配列番号:202)、Fig204(配列番号:204)、Fig206(配列番号:206)、Fig208(配列番号:208)、Fig210(配列番号:210)、Fig212(配列番号:212)、Fig214(配列番号:214)、Fig216(配列番号:216)、Fig218(配列番号:218)、Fig220(配列番号:220)、Fig222(配列番号:222)、Fig224(配列番号:224)、Fig226(配列番号:226)、Fig228(配列番号:228)、Fig230(配列番号:230)、Fig232(配列番号:232)、Fig234(配列番号:234)、Fig236(配列番号:236)、Fig238(配列番号:238)、Fig240(配列番号:240)、Fig242(配列番号:242)、又はFig244(配列番号:244)に示すポリペプチドのアミノ酸配列;
(b)その結合するシグナルペプチドを有するFig2(配列番号:2)、Fig4(配列番号:4)、Fig6(配列番号:6)、Fig8(配列番号:8)、Fig10(配列番号:10)、Fig12(配列番号:12)、Fig14(配列番号:14)、Fig16(配列番号:16)、Fig18(配列番号:18)、Fig20(配列番号:20)、Fig22(配列番号:22)、Fig24(配列番号:24)、Fig26(配列番号:26)、Fig28(配列番号:28)、Fig30(配列番号:30)、Fig32(配列番号:32)、Fig34(配列番号:34)、Fig36(配列番号:36)、Fig38(配列番号:38)、Fig40(配列番号:40)、Fig42(配列番号:42)、Fig44(配列番号:44)、Fig46(配列番号46)、Fig48(配列番号:48)、Fig50(配列番号:50)、Fig52(配列番号:52)、Fig54(配列番号:54)、Fig56(配列番号:56)、Fig58(配列番号:58)、Fig60(配列番号:60)、Fig62(配列番号:62)、Fig64(配列番号:64)、Fig66(配列番号:66)、Fig68(配列番号:68)、Fig70(配列番号:70)、Fig72(配列番号:72)、Fig74(配列番号:74)、Fig76(配列番号:76)、Fig78(配列番号:78)、Fig80(配列番号:80)、Fig82(配列番号:82)、Fig84(配列番号:84)、Fig86(配列番号:86)、Fig88(配列番号:88)、Fig90(配列番号:90)、Fig92(配列番号:92)、Fig94(配列番号:94)、Fig96(配列番号:96)、Fig98(配列番号:98)、Fig100(配列番号:100)、Fig102(配列番号:102)、Fig104(配列番号:104)、Fig106(配列番号:106)、Fig108(配列番号:108)、Fig110(配列番号:110)、Fig112(配列番号:112)、Fig114(配列番号:114)、Fig116(配列番号:116)、Fig118(配列番号:118)、Fig120(配列番号:120)、Fig122(配列番号:122)、Fig124(配列番号:124)、Fig126(配列番号:126)、Fig128(配列番号:128)、Fig130(配列番号:130)、Fig132(配列番号:132)、Fig134(配列番号:134)、Fig136(配列番号:136)、Fig138(配列番号:138)、Fig140(配列番号:140)、Fig142(配列番号:142)、Fig144(配列番号:144)、Fig146(配列番号:146)、Fig148(配列番号:148)、Fig150(配列番号:150)、Fig152(配列番号:152)、Fig154(配列番号:154)、Fig156(配列番号:156)、Fig158(配列番号:158)、Fig160(配列番号:160)、Fig162(配列番号:162)、Fig164(配列番号:164)、Fig166(配列番号:166)、Fig168(配列番号:168)、Fig170(配列番号:170)、Fig172(配列番号:172)、Fig174(配列番号:174)、Fig176(配列番号:176)、Fig178(配列番号:178)、Fig180(配列番号:180)、Fig182(配列番号:182)、Fig184(配列番号:184)、Fig186(配列番号:186)、Fig188(配列番号:188)、Fig190(配列番号:190)、Fig192(配列番号:192)、Fig194(配列番号:194)、Fig196(配列番号:196)、Fig198(配列番号:198)、Fig200(配列番号:200)、Fig202(配列番号:202)、Fig204(配列番号:204)、Fig206(配列番号:206)、Fig208(配列番号:208)、Fig210(配列番号:210)、Fig212(配列番号:212)、Fig214(配列番号:214)、Fig216(配列番号:216)、Fig218(配列番号:218)、Fig220(配列番号:220)、Fig222(配列番号:222)、Fig224(配列番号:224)、Fig226(配列番号:226)、Fig228(配列番号:228)、Fig230(配列番号:230)、Fig232(配列番号:232)、Fig234(配列番号:234)、Fig236(配列番号:236)、Fig238(配列番号:238)、Fig240(配列番号:240)、Fig242(配列番号:242)、又はFig244(配列番号:244)に示すポリペプチドの細胞外ドメインのアミノ酸配列;又は
(c)その結合するシグナルペプチドを欠くFig2(配列番号:2)、Fig4(配列番号:4)、Fig6(配列番号:6)、Fig8(配列番号:8)、Fig10(配列番号:10)、Fig12(配列番号:12)、Fig14(配列番号:14)、Fig16(配列番号:16)、Fig18(配列番号:18)、Fig20(配列番号:20)、Fig22(配列番号:22)、Fig24(配列番号:24)、Fig26(配列番号:26)、Fig28(配列番号:28)、Fig30(配列番号:30)、Fig32(配列番号:32)、Fig34(配列番号:34)、Fig36(配列番号:36)、Fig38(配列番号:38)、Fig40(配列番号:40)、Fig42(配列番号:42)、Fig44(配列番号:44)、Fig46(配列番号46)、Fig48(配列番号:48)、Fig50(配列番号:50)、Fig52(配列番号:52)、Fig54(配列番号:54)、Fig56(配列番号:56)、Fig58(配列番号:58)、Fig60(配列番号:60)、Fig62(配列番号:62)、Fig64(配列番号:64)、Fig66(配列番号:66)、Fig68(配列番号:68)、Fig70(配列番号:70)、Fig72(配列番号:72)、Fig74(配列番号:74)、Fig76(配列番号:76)、Fig78(配列番号:78)、Fig80(配列番号:80)、Fig82(配列番号:82)、Fig84(配列番号:84)、Fig86(配列番号:86)、Fig88(配列番号:88)、Fig90(配列番号:90)、Fig92(配列番号:92)、Fig94(配列番号:94)、Fig96(配列番号:96)、Fig98(配列番号:98)、Fig100(配列番号:100)、Fig102(配列番号:102)、Fig104(配列番号:104)、Fig106(配列番号:106)、Fig108(配列番号:108)、Fig110(配列番号:110)、Fig112(配列番号:112)、Fig114(配列番号:114)、Fig116(配列番号:116)、Fig118(配列番号:118)、Fig120(配列番号:120)、Fig122(配列番号:122)、Fig124(配列番号:124)、Fig126(配列番号:126)、Fig128(配列番号:128)、Fig130(配列番号:130)、Fig132(配列番号:132)、Fig134(配列番号:134)、Fig136(配列番号:136)、Fig138(配列番号:138)、Fig140(配列番号:140)、Fig142(配列番号:142)、Fig144(配列番号:144)、Fig146(配列番号:146)、Fig148(配列番号:148)、Fig150(配列番号:150)、Fig152(配列番号:152)、Fig154(配列番号:154)、Fig156(配列番号:156)、Fig158(配列番号:158)、Fig160(配列番号:160)、Fig162(配列番号:162)、Fig164(配列番号:164)、Fig166(配列番号:166)、Fig168(配列番号:168)、Fig170(配列番号:170)、Fig172(配列番号:172)、Fig174(配列番号:174)、Fig176(配列番号:176)、Fig178(配列番号:178)、Fig180(配列番号:180)、Fig182(配列番号:182)、Fig184(配列番号:184)、Fig186(配列番号:186)、Fig188(配列番号:188)、Fig190(配列番号:190)、Fig192(配列番号:192)、Fig194(配列番号:194)、Fig196(配列番号:196)、Fig198(配列番号:198)、Fig200(配列番号:200)、Fig202(配列番号:202)、Fig204(配列番号:204)、Fig206(配列番号:206)、Fig208(配列番号:208)、Fig210(配列番号:210)、Fig212(配列番号:212)、Fig214(配列番号:214)、Fig216(配列番号:216)、Fig218(配列番号:218)、Fig220(配列番号:220)、Fig222(配列番号:222)、Fig224(配列番号:224)、Fig226(配列番号:226)、Fig228(配列番号:228)、Fig230(配列番号:230)、Fig232(配列番号:232)、Fig234(配列番号:234)、Fig236(配列番号:236)、Fig238(配列番号:238)、Fig240(配列番号:240)、Fig242(配列番号:242)、又はFig244(配列番号:244)に示すポリペプチドの細胞外ドメインのアミノ酸配列に対して、少なくとも80%のアミノ配列同一性を有する単離されたポリペプチド。 - 周皮細胞の増殖又は遺伝子発現を刺激する方法であって、前記細胞の増殖又は遺伝子発現が刺激される、前記細胞とPRO982,PRO1187,又はPRO1329ポリペプチドを接触させることを含んでなる前記方法。
- 軟骨細胞の増殖又は分化を刺激する方法であって、前記細胞の増殖又は分化が刺激される、前記細胞とPRO357、PRO229,PRO1272又はPRO4405ポリペプチドを接触させることを含んでなる前記方法。
- ヒト血液からTNF−αの遊離を刺激する方法であって、前記血液からのTNF−αの遊離が刺激される、前記血液とPRO231,PRO357,PRO725,PRO1155,PRO1306又はPRO1419ポリペプチドを接触することを含んでなる前記方法。
- 正常ヒト皮膚線維芽細胞の増殖を刺激する方法であって、前記細胞の増殖が刺激される、前記細胞とPRO982,PRO357,PRO725,PRO1306,PRO1419,PRO214,PRO247,PRO337,PRO526,PRO363,PRO531,PRO1083,PRO840,PRO1080,PRO1478,PRO1134,PRO826,PRO1005,PRO809,PRO1071,PRO1411,PRO1309,PRO1025,PRO1181,PRO1126,PRO1186,PRO1192,PRO1244,PRO1274,PRO1412,PRO1286,PRO1330,PRO1347,PRO1305,PRO1273,PRO1279,PRO1340,PRO1338,PRO1343,PRO1376,PRO1387,PRO1409,PRO1474,PRO1917,PRO1760,PRO1567,PRO1887,PRO1928,PRO4341,PRO1801,PRO4333,PRO3543,PRO3444,PRO4322,PRO9940,PRO6079,PRO9836,又はPRO10096ポリペプチドを接触させることを含んでなる前記方法。
- 正常ヒト皮膚線維芽細胞の増殖を阻害する方法であって、前記細胞の増殖が阻害される、前記細胞とPRO181,PRO229,PRO788,PRO1194,PRO1272,PRO1488,PRO4302,PRO4408,PRO5723,PRO5725,PRO7154,及びPRO7425ポリペプチドを接触させることを含んでなる前記方法。
- 哺乳動物における腫瘍の存在を検出する方法であって、コントロール試料と比較して試験試料における前記PROポリペプチドのより高いレベルの発現が前記哺乳動物における腫瘍の存在を示す、(a)前記哺乳動物から取り出した細胞の試験試料、及び(b)同じ細胞型の正常細胞のコントロール試料での表8に示す任意のPROポリペプチドの発現のレベルを比較することを含んでなる前記方法。
- 前記腫瘍が肺腫瘍、結腸腫瘍、乳腫瘍、前立腺腫瘍、直腸腫瘍、又は肝腫瘍である、請求項25の方法。
- 添付図面に示す任意のヌクレオチド配列から誘導されるオリグヌクレオチドプローブ。
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