JP2004514112A - 個別化した医薬に対するアッセイ法の開発システム - Google Patents

個別化した医薬に対するアッセイ法の開発システム Download PDF

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Abstract

各個人に対して特定の治療薬が利益を与えるかどうかを決定するために有用である診断アッセイ法を開発するためのシステムは、治療薬の開発に有用である一方で診断薬開発を前進させる連続過程を含む。診断薬および薬剤開発の両方を促進する点で二重使用であるこの連続過程は非常に経済的および効率的であり、製薬および診断薬企業間に相乗効果が生じる。

Description

【0001】
発明の属する分野
本発明は、患者が標的特異的薬剤に応答する可能性が高いかどうかを決定するための標的特異的アッセイ法を開発するシステム、より具体的には非常に経済的であり、診断薬および薬剤が平行して開発される時に相乗効果が生じるようなシステムを指向するものである。
【0002】
発明の背景
ヒトゲノムの配列決定が決定された後は、主要な挑戦は100,000個以上のヒト遺伝子の中から、薬剤が相互作用し、そして治療効果を生み出すように設計される分子である妥当な治療標的を同定することになると考えられる。そのような試みに関して、研究環境において標的の妥当性を示すことと、その後、臨床環境において薬剤を受ける患者を選択する際の手引きとして役に立つこととの両方において使用可能な、標的を検出するように特異的に設計された診断アッセイ法を有することが望まれる可能性が高いと考えられる。
【0003】
残念ながら、薬剤および診断薬は典型的には相互に独立して開発され、典型的に一度しか施されないような試験では診断薬開発に必要とされる多大な投資を埋め合わせることが困難になるため、特定の薬剤に関連した診断薬開発を奨励する企業はほとんどないと考えられる。さらに、例えば標的妥当性評価等の研究用途に開発されるアッセイ法は最終的にそのアッセイ法を商品化することを考えて開発されることは稀である。「自家調合(home brew)」アッセイ法としばしば称されるこれらの試験は典型的には研究用にのみ設計される。病院または地方の参考検査室において実施される試験は研究環境において実施される試験とは必要条件が異なるので、問題である。例えば、無数の患者から毎日大量の試料を受領する臨床環境においては、自動機器において試験が実行されるように設計される必要がある。研究室においては手動のアッセイ法がより一般的である。手動診断を自動化プラットフォーム用に変換することは、特に研究室が市販診断薬の企業と関係を有しない、および生物学的物質および情報が商業製造業者に渡らない場合には、時間を要し、高価となることが多い。
【0004】
前述の挑戦は、それに関連した標的特異的診断薬を有する、最初に認可された標的特異的薬剤の中のHERCEPTIN(登録商標)(ジェネンテック、南サンフランシスコ、カリフォルニア州)の開発につながる過程を考慮すれば理解することが可能である。この薬剤の開発の記載は書籍「HER−2」、ランダムハウス、ニューヨーク、1998、の中に述べられている。
【0005】
1980年中頃、研究者はチロシンキナーゼ活性を有する受容体をコードするHER−2癌遺伝子の変化をみるために、ほぼ200例の原発性乳癌由来の組織試料を評価した。この研究に使用された組織は患者の帰結が含まれていた。スラモン(Slamon)らに与えられた米国特許第4,968,603号に開示されているように、研究者は、その遺伝子の増幅と疾患の再発への期間と生存との間に相関が存在することを発見した。乳癌を有する女性の約25〜30パーセントが、より急速な癌進行に関連するHER−2癌遺伝子を過剰発現する癌を有する。過剰発現と疾患帰結との間に相関が見出されたために、研究者はそのHER−2遺伝子を治療における「論理的な標的」と考えた。「HER−2」、185ページ。これが、その研究者が関与した企業によるHERCEPTIN(登録商標)の開発につながった。
【0006】
HERCEPTIN(登録商標)はHER−2癌遺伝子を過剰発現する転移性乳癌細胞を標的としたモノクロナール抗体である。HERCEPTIN(登録商標)は、癌細胞表面に過剰量存在しているHER−2成長因子受容体に結合することにより機能する。薬剤はインサイチューハイブリダイゼーション(ISH)アッセイ法により決定されるようなHER−2遺伝子の増幅(すなわち余分なコピー)、または免疫組織化学(IHC)アッセイ法により決定されるようなタンパク質過剰発現のいずれかを腫瘍が有する患者に対してのみ適用される。HER−2の状態により、ドキソルビカン等の多様な従来の治療薬に対する患者の応答が予測されることもまた発見された。
【0007】
薬剤または診断薬製品が米国およびその他のほとんどの国で市販されることが可能になる前には、その安全性および有効性に関して厳格な規制調査に供される。個別化した医薬に対する診断薬の場合においては、治療への応答と過剰発現タンパク質または切断型タンパク質等の特定標的の存在との間に関連があるかどうかを確かめるために、その薬剤を受けた患者由来の組織または体液の試験を必要とする可能性が高いと考えられる。一度診断薬が患者の応答を予測するのに効果的であることが示されると、販売される診断薬のいかなる特性、例えばプローブ配列(または抗体特異性)、アッセイ形式(手動対自動化)の試験プロトコール書(時間、温度、反応条件)に、臨床試験において使用された診断薬からのいかなる変更が存在するならば、新規の臨床試験が通常は要求される。
【0008】
HERCEPTIN(登録商標)の場合には、参考検査室により実施される腫瘍組織の研究用途に限定されたIHCアッセイ法により測定されるようなHER−2タンパク質を過剰発現している転移性乳癌の腫瘍を有する患者の臨床試験において、安全性および有効性が研究された。研究室で実施される腫瘍組織のIHC評価によって、2+または3+レベル(0〜3+スケールに基づく)の過剰発現があれば、患者は試験へ参加することに適格であるとした。この試験データによって、有益な治療効果は概して最大レベルのHER−2タンパク質過剰発現を有する患者に限定されることが示唆された。
【0009】
HERCEPTIN(登録商標)薬剤の試験中に使用された試験法は、通常診断薬を販売する企業により設計されたものではなく、「自家調合」アッセイ法であったため、試験の詳細(例えば、プロトコール、試薬濃度、自動機器を用いた使用に関する特性等)は、最終的に試験を商品化するよりもむしろ薬剤試験のみを意図して設計された。しかしながら、臨床試験中に患者を選択する際の手引きとして診断薬が使用されたならば、診断薬またはその同等物は、薬剤が販売承認された後に利用可能になる必要があることが後に明らかとなった。それゆえ、薬剤試験中に使用された研究診断薬の市販版の必要性が急速に生じた。しかしながら、述べられているように、そのような診断薬が販売可能となる前には、臨床試験において試験され、診断薬の能力を確立して、その薬剤からさらなる利益を得る可能性が高い患者を決定しなければならない。販売される診断薬の物性、例えばプローブ配列(または抗体特異性)、アッセイ形式(手動対自動化)の試験プロトコール(時間、温度、反応条件)に、臨床試験において使用された診断薬からの、いかなる変更が存在するならば、新規の臨床試験が通常は要求される。続いて薬剤試験が完了した後、いくつかの企業がHERCEPTIN(登録商標)を受けるのに適格である患者を決定するためのHER−2発現を検出するIHC試験を市販化するために規制認可を模索した。このためには、薬剤HERCEPTIN(登録商標)の臨床試験において使用された研究アッセイ法と、彼らの商品化するアッセイ法が同等であることを、規制当局が納得する程度までにこれら企業は証明する必要があった。この過程は時間を要し、および費用がかかった。例えば、ある企業は自身のIHCアッセイ法の結果を、臨床試験において使用された研究アッセイ法の結果と、500例以上の乳癌標本に渡り比較する必要があった。さらに、商品化するアッセイ法が認可された後でさえ、「診断薬と薬剤の臨床帰結との間の実際の相関は確立されていない」と書いてある警告ラベルなしでは合法的に販売することができなかった。そのような警告は明らかに販売上負の意味合いを有している。
【0010】
要するに、HERCEPTIN(登録商標)の開発においては、遺伝子増幅/過剰発現を検査するため、3段階に渡り疾患組織の大量の収集物がスクリーニングされなければならなかった:(i)遺伝子増幅を疾患帰結に相関づける研究段階、(ii)臨床試験アッセイ法の妥当性評価段階、(iii)臨床試験アッセイ法との同等性を証明するための、販売する診断試薬の開発および認可段階。ヒト疾患組織、特に組織が切り出された患者の医療履歴を詳述してある試料は希少品であるので、これは残念なことである。
【0011】
したがって、ヒト疾患組織をより保存させるような診断薬の開発システムを有することが望ましいと考えられる。
【0012】
薬剤と平行して市販診断薬を試験し、薬剤および診断薬が縦一列に臨床試験を通過させることにより、薬剤試験において使用される診断薬と市場において使用される診断薬との間の同等性を証明する時間および費用を回避するシステムを有することもまた望ましいと考えられる。
【0013】
臨床試験および市場の両方において、研究段階と同じアッセイ法を使用して、標的を確立または妥当性評価することにより、二重の試みを回避することもまた望ましいと考えられる。
【0014】
発明の概要
本発明は、特定の治療薬が各個人に利益を与えるかどうかを決定する診断アッセイ法を開発するためのシステムを指向するものである。そのシステムは、治療薬開発実体に同時に利益を与えながら、診断薬開発を進める連続過程を含む。この連続「二重使用」過程(すなわち、診断薬および薬剤開発の両方に得となる過程)は、非常に経済的であり、迅速であり、効率的であり、かつ製薬および診断薬企業間に相乗効果が生じる点で特に有利である。
【0015】
本発明に従った連続過程は、好ましくは3つの異なる段階を含む。(i)異なる患者、臓器、疾患または疾患時期に由来する大量の組織において標的をスクリーニングするためのアッセイ法を開発することによる標的妥当性評価段階(すなわち、治療標的として巨大分子の臨床有用性を確立する段階)、(ii)アッセイ法の有効性を試験すると同時に、標的と相互作用するように設計された薬剤の有効性を試験するための臨床試験において患者を選択するためにアッセイ法を使用する段階、および(iii)患者から取り出された組織における標的の特性に基づいて特定の患者に標的特異的薬剤を処方すべきかどうかを決定することを支援するために、市場においてアッセイ法を使用する段階。
【0016】
ある段階でのアッセイ法開発に用いられた多くの試みを、後の段階で繰り返す必要がないことが、本発明の特に有用な点である。例えば、特定の抗原に結合するように産生および最適化された抗体は、標的妥当性評価、臨床試験および市場段階において使用することが可能である。同様に、しばしば開発に多くの時間と試みとを要するインサイチューハイブリダイゼーションのプロトコールは、後の段階で「再利用」することが可能である(表1を参照)。これは不必要な試みが重複することを回避する。
【0017】
本発明のシステムの別の重要な利点は、各段階での試みが薬剤および診断薬開発の両方に利益をもたらすことである。例えば、標的妥当性評価のために作製されたアッセイ法は、薬剤開発者が治療標的の重要性を確認することを支援し、およびまたそれ自身が有用な診断製品であるかもしれない。さらに臨床試験中において患者を選択するために使用されるアッセイ法は、薬剤認可を促進するだけでなく、特定の様式で設計され使用されるならば、克服すべき規制障壁がほとんどない診断薬として後に市販されうる。標的妥当性評価の場合においては、各組織試料に関して、標的の量または部位が決定され、および異なる臓器由来または異なる疾患状態の患者由来の他の試料と比較される。例えば、特定の遺伝子の増幅または過剰発現が再発性の癌を有する患者由来の腫瘍においてより頻繁であることを決定することにより、その遺伝子またはその産物と相互作用する新規薬剤を設計するための標的が作製されるだけでなく、治療戦略を計画する際に使用される診断マーカーが作製されてもよい。したがって、各段階によって「二重使用」機能が提供され、診断薬開発費用のいくらかは、典型的にはより大きな資源を有する製薬企業に移される。
【0018】
本発明のさらなる別の利点は、自動染色機器とともに組織マイクロアレイの組み合わせを用いて達成されるスピードおよびハイスループットである。
【0019】
本発明のさらなる別の利点は、正確に同じ様式でそれぞれ処理された複数の異なる組織試料からの結果を正確に比較することが可能になることである。
【0020】
本発明のさらなる別の利点は、研究環境において標的を評価または妥当性評価するために開発された同一の染色プロトコール(試薬、時間、温度等)が、後に疾患予知または治療選択のために臨床(患者管理)環境に採用されうることである。
【0021】
本発明の前述および他の目的、利点および特徴は以下の本明細書にて明らかとなるが、以下の本発明の詳細な記述、添付された特許請求の範囲および図面で説明されたいくつかの所見を参照することにより、本発明の本質はより明確に理解されうる。
【0022】
発明の詳細な説明
ここでは全体にわたって、部分等を参照番号等で指定した図が詳細に参照されており、参照番号5で一般的に指定される本発明のアッセイ法開発システムを示す概略図が図1に説明されている。システム5は、臨床環境で使用される市販診断薬の開発に同時に寄与しながら、薬剤開発企業に貴重なサービスを提供する、二重機能を達成する連続過程を一般的には含む。
【0023】
本発明にしたがった連続過程は好ましくは3つの異なる段階を含む。(i)異なる患者、臓器、疾患または疾患時期に由来する大量の組織において標的をスクリーニングするアッセイ法を開発することによる標的妥当性評価10段階(すなわち、治療標的として巨大分子の臨床有用性を確立する段階)、(ii)臨床試験アッセイ法60(すなわち、アッセイ法の有効性を試験すると同時に、標的と相互作用するように設計された薬剤の有効性を試験するための臨床試験において患者を選択するためにアッセイ法を使用する段階)、および(iii)平行販売70(すなわち、患者から取り出された組織における標的の特性に基づいて特定の患者に標的特異的薬剤を処方すべきかどうかを決定することを支援するために、市場においてアッセイ法を使用する段階)。
【0024】
これより、システム5の前述の各段階がさらに詳細に記述されるであろう。
【0025】
定義
以下の用語は本明細書において使用される際に、以下の意味を有するものとする。
【0026】
「自動化」または「自動」とは、通常の運用において、実質的にコンピューターで制御されるか、または機械に駆動され、かつ実質的にヒトの介入を要しない活動を意味する。
【0027】
「臨床有用性」とは、(i)標的と相互作用する薬剤もしくは治療を設計もしくは処方する、または(ii)どの患者が特定の薬剤もしくは治療から利益を得る可能性が最も高いかを決定するための、標的の有用性を意味する。
【0028】
「異なる組織」とは、異なる患者、臓器、疾患および/または疾患時期に由来する組織を意味する。
【0029】
「ハイスループット」とは、1日当り約20,000個を超える異なった組織試料を1人の作業者によって処理する能力を意味する。
【0030】
「ソース(source)」」または「標的ソース」とは、少なくとも1つの標的を本発明のシステムに提供し、システムからサービスを受け、かつシステムを使用する企業からは分離して統制されている企業または類似の実体を意味する。
【0031】
「スクリーニングする」とは、組織試料中の標的の存在、非存在、量、局在および/または他の特性を決定することを意味する。
【0032】
「染色」とは、組織中の標的分子に適用されると、顕微鏡下で検出可能な分子を与える任意の生物学的または化学的物質を意味する。染色には、検出可能な核酸プローブ、抗体および色素が限定することなく含まれる。
【0033】
「標的」および「標的分子」とは、核酸、タンパク質、抗原、炭水化物、脂質および小分子を限定することなく含む、細胞内で見出される検出可能な分子を意味する。
【0034】
「組織」とは、臓器切片、腫瘍切片、体液、塗抹標本、凍結切片、細胞調製物および細胞株を限定することなく含む、標準的な顕微鏡スライドガラスに載せることが可能な任意の細胞収集物を意味する。
【0035】
「組織アレイ」および「組織マイクロアレイ」とは、複数の異なる組織試料をその上に有する、顕微鏡スライドガラスまたは類似の固体表面を意味する。
【0036】
「処理する」、「処理すること」または「処理」とは、組織染色の適用と同様に、加熱、冷却、洗浄、リンス、乾燥、蒸発阻止、脱パラフィン化、細胞調質、混合、保温、および/または蒸発を限定することなく含むそのような適用に関連した他の過程を意味するものである。
【0037】
「妥当性評価」または「標的妥当性評価」とは、治療薬の潜在的な作用標的の適合性を確認するために組織をスクリーニングすることを意味する。
【0038】
1.標的妥当性評価
図2に参照される標的妥当性評価段階10は、本明細書に全体として組み入れられている1999年9月24日に申請された米国特許仮出願第60/155,665号に実質的に記載されているものである。簡潔に述べると、段階10は一般的には、単一の顕微鏡スライドガラス上に載せられた数百の微小な組織試料のアレイを構築するための組織マイクロアレイ装置12、ISH/IHCに必要であるほとんどの段階を自動的に実施する染色装置14、およびISH/IHC染色の結果が可視化され、利用者によって解析されることを可能にする画像診断装置16を利用する。システム10は好ましくは、臓器型、疾患および患者病歴で分類整理された数千の保存手術試料を有する1つまたはそれ以上の組織バンク18(a〜c)へのアクセスを有する。使用および操作において、各々1つまたはそれ以上の分子標的22(DNA、RNAまたはタンパク質)をシステムに供給し、かつアッセイされた組織試料のスクリーニングに基づいて標的分子の臨床上の妥当性に関するデータ24を受け取る製薬企業等の複数の異なる標的ソース20に役立つように、システム10は適合される。
【0039】
システム10に対する標的分子のソース20には、遺伝子、遺伝子断片、mRNA配列または抗原を含む、特定の疾患または障害に関連していると信じられている新規の標的を同定した製薬およびバイオテクノロジー企業が含まれると考えられる。典型的には、それら企業は、配列類似性、ノザンブロット、SAGEまたはDNAマイクロアレイ等の1つまたはそれ以上の技術を用いて臨床試料における発現パターンをプロファイルすることにより、標的の生物学的機能に関する着想(idea)または予測を有している。
【0040】
このデータを用いてシステム10の使用者は組織バンク18にアクセスし、かつ異なる患者集団および疾患状態を代表する30〜1000ブロックを選択すると考えられる。選択されたブロックはドナーブロックとして使用される。選択された組織試料の型は、新規のインサイチューアッセイ法が医療行為に有用であると考えられる疾患に大部分が依存すると考えられる。これは癌、変形性関節炎、リウマチ性関節炎、喘息および乾癬および湿疹等の皮膚疾患を含むと考えられる。これはクローン病、1型糖尿病およびある種の他の自己免疫疾患と診断された患者由来の組織もまた含んでいてもよい。
【0041】
アレイから切り出された切片は、アレイ中の数百の標本の各々においてDNA(蛍光インサイチューハイブリダイゼーション、FISH)、RNA(mRNA ISH)またはタンパク質(免疫組織化学、IHC)標的を平行して検出することを可能にする。好ましくは、自動化された様式で染色プロトコールが実施されるように染色装置14が使用される。またはマイクロアレイの手動染色が最初に実施され、続いてアレイの結果を確認するために機器14を用いて通常試料の自動染色が行われてもよい。いくつかの疾患(例えば変形性関節炎)に関しては、当業者に容易に明らかであるように、アレイと共に使用される微細な試料の代わりに通常の切片が使用される必要があると考えられる。
【0042】
染色機器14は、多様な化学(非生物学的)組織染色技術に加えて、インサイチューハイブリダイゼーション(ISH)、インサイチューPCR、免疫組織化学(IHC)、特殊染色を実施するために、アレイまたは通常の組織標本上で使用されてもよい。さらに、本明細書で発明の加熱システムにより、異なる温度要件にも関わらず、1回の実施において2つまたはそれ以上の上記の技術が使用されてもよい。
【0043】
染色されたスライドは、当技術分野で既知の技術を用いて、病理学者または病理学補助要員により点数化および解析されると考えられる。結果は、好ましくは、組織中の標的の臨床有用性に到達できるように、生物統計学者により関連付けられると考えられる。例えば、特定の腫瘍型における遺伝子標的の過剰発現と、その遺伝子標的の発現を阻止するように設計された薬剤で治療された患者における生存期間の延長とが相関していると決定される可能性がある。その時は、有用なインサイチューアッセイ法が、その薬剤を受け取る患者を選択する際に使用されるように開発されうる。
【0044】
システム10は、ハイスループット様式で大量の組織試料をスクリーニングする能力を有するものとする。もし組織マイクロアレイ12および自動染色機器14が共に使用されるならば、1000個までの微小組織試料をそれぞれ支持する20個のスライドが、少なくとも1回およびおそらくは2回、1人の作業者によって1日で処理されうる。したがって、1日当り20,000〜40,000個の異なる試料がシステム10を用いて1人の作業者によりスクリーニングされうる。
【0045】
2.薬剤試験に使用されるアッセイ法
治療標的の妥当性が評価された後は、標的分子の活性を特異的に阻害または増大させるように、薬剤が選択または設計される。もし標的が酵素であれば、薬剤は酵素の阻害剤であってもよい。もし標的が細胞受容体であれば、薬剤は受容体のアゴニストまたはアンタゴニストであってもよい。
【0046】
ほとんどの国では、市販が可能になる前に、意図された用途において安全および有効であることが証明されなければならない。通常これは大規模なヒト臨床試験を含む。標的特異的薬剤に応答する可能性が最も高い患者を選択するために、患者から取り出された組織試料中の標的の量または構造を決定することがしばしば望まれる。例えば、標的が悪性腫瘍に関与している成長因子受容体であるならば、その受容体の過剰発現を決定するために受容体特異的IHC抗体を用いて生検試料を染色することが望まれる可能性がある。IHCに加えて、例えばISH、PRINSおよびインサイチューPCR等の他のインサイチュー技術が、過剰発現の程度および局在の両方を決定するために使用されてもよい。
【0047】
本発明の連続過程(図1)において、標的妥当性評価10に続いて、臨床試験アッセイ法60が開発される。好ましくは、アッセイ法60は標的妥当性評価段階において開発された試薬およびプロトコールの全てではないにしてもその多くを利用する。これらは一般的には、一次抗体(IHC)または核酸プローブ(ISH)、標識方式(蛍光または明視野)および標識に使用される特定のハプテン(例えば、ジゴキシゲニン)および自動機器用に最適化された染色プロトコール(インキュベーション時間、ハイブリダイゼーション温度、試薬濃度等)を限定することなく含む。
【0048】
試験に登録しようとしている患者由来の組織試料において診断薬の有効性を試験できるように、薬剤および診断薬を同一の試験で一緒に試験することが、本発明の特定の特徴である。必要とされる組織量および時間をさらに減少させるために、米国特許仮出願第60/155,665号に記載されているような組織マイクロアレイが必要とされ、数百人の患者由来の微小な試料を同時に処理することができるように、利用されてもよい。この「チップ上の試験」アプローチは時間およびその他の資源を有意に減少させる。
【0049】
もし標的の存在と治療への応答性との間の関連が、インビトロ研究、動物モデル、後ろ向き研究等を通して、最終的に確立されれば、その時は有効性が試験される薬剤試験の最初の段階(典型的には第2相)の手始めに、登録する患者を選択するために診断薬が使用されると考えられる。一方、治療応答の予測因子としての診断薬の有効性が規制当局または試験の主催者が満足する程度までには証明されなかったならば、最初は、遺伝子状態に関わらず患者を登録し、そして試験中に治療応答と標的遺伝子の過剰発現または変異との間に明確な相関が出現するかどうかを決定することが望まれる可能性がある。
【0050】
3.薬剤および診断薬の平行販売
最終的には病院の病理学研究室およびその他の臨床参考検査室に販売されると考えられるという視点を持って臨床試験アッセイ法を設計している点が本発明の特定の特徴である。試薬標識は、ほとんどの病理学研究室の光学顕微鏡に適合するように、好ましくは明視野標識される。プロトコールは、ベンターナメディカルシステムズ社(Ventana Medical Systems Inc)(トゥーソン、アリゾナ州)により販売されているディスカバリー(DISCOVERY)機器等の自動機器に適していることが好ましい。好ましくは臨床試験アッセイ法を設計および製造した企業が、診断薬の市販版もまた製造および販売すると考えられる。これにより、稀少な資源といわれるヒト組織物質をより多く消費することとなる、有効性等を証明するための別の研究を実行するのにかかる時間および費用が回避されると考えられる。それは、異なった操作手順を有する機関間で、生物学的物質およびデータを移送する必要性もまた回避される。
【0051】
標的妥当性評価、薬剤試験および市販診断薬開発に同じ試験を使用することの経済的利点は以下の表1に記述されている。
【0052】
目下のところ好ましい本発明のある実施態様が本明細書に記載されているが、当業者には、記載された実施態様の変動および変更が本発明の精神および範囲から逸脱することなくなされてもよいことは明らかであると思われる。したがって、本発明は添付された特許請求の範囲および適用される法律により必要とされる程度にのみに限定されることが意図されている。上記に引用された参考文献はそれにより本明細書に全体として組み入れられている。
【0053】
【表1】連続過程の経済的利点
Figure 2004514112

【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明のアッセイ法開発のシステムを示す概略図である。
【図2】図2は本発明の標的妥当性評価法の概略図である。

Claims (5)

  1. 以下の段階を含む、薬剤および薬剤に関連する診断アッセイ法の両方の安全性および有効性を試験する方法:
    A.薬剤を提供する段階;
    B.該薬剤を受ける患者集団を選択するためのISHまたはIHC診断アッセイ法を提供する段階;
    C.該診断アッセイ法を用いて選択された該患者集団に該薬剤を投与することにより臨床試験を実施する段階;
    D.臨床試験において使用された薬剤および診断アッセイ法の両方の安全性および有効性に関するデータが臨床試験後に規制当局に提出される段階。
  2. 請求項1記載の方法に従って試験される診断アッセイ法。
  3. 請求項1記載の方法に従って試験される薬剤。
  4. 以下の段階を含む、個別化した医薬において使用される診断アッセイ法を開発する方法:
    A.標的を提供する段階;
    B.組織試料中の該標的を検出するISHまたはIHCアッセイ法を提供する、
    C.複数の組織中の該標的を実証する段階;
    D.該標的と相互作用する薬剤を提供する段階;
    E.患者が該薬剤から利益を得る可能性が高いかどうかを同定するために、該アッセイ法を使用し、該患者から取り出された組織試料中の該標的の量を検出する段階。
  5. 以下の段階を含む、薬剤を受ける患者を選択するためのISHまたはIHC診断キットを開発する方法:
    A.該診断キットの最適な試薬およびプロトコールを選択する段階;
    B.該試薬およびプロトコールを有する該診断キットを用いて薬剤の臨床試験を実施する段階;
    C.該臨床試験において使用されたものと実質的に同一の試薬およびプロトコールを有する該診断キットを製造および販売する段階。
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