JP2004512705A - QoS制御の無線LANにおけるフレームの分類 - Google Patents
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Abstract
無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)における基本サービスセット(BSS)内の局のフレーム分類エンティティ(FCE)を開示する。FCEには分類テーブルが含まれる。分類テーブルは、論理上、局の論理リンク制御(LLC)副層に設けられており、少なくとも1つの分類子エントリを含む。各分類子エントリには、少なくとも、仮想ストリーム識別子(VSID)、サーチ優先度値、および少なくとも1つの分類子パラメータが含まれる。FCEは、局内の上位層から局のLLC副層に受け渡された少なくとも1つのデータフレームを受け取る。続いて、FCEは、データフレームを局の分類テーブルと照らし合わせて調べることにより、受け取られた各データフレームをVSIDに分類する。データフレームを調べると、データフレームのVSIDが分類テーブルの分類子エントリに含まれている場合には、VSIDは、データフレームをBSSのピアLLCエンティティ間で伝送するためのQoSパラメータセットと関連づけられる。
Description
【0001】
本発明は、本願と同時出願の特許出願(出願番号:未定、代理人の整理番号:2000−0395、発明の名称:An Architectural Reference Model for QoS−Driven Wireless LANs、発明者:ホー(J.−M. Ho))、本願と同時出願の特許出願(出願番号:未定、代理人の整理番号:2000−0396、発明の名称:An In−Band QoS Signaling Reference Model for QoS−Driven Wireless LANs、発明者:リン(W. Lin)、ホー)、本願と同時出願の特許出願(出願番号:未定、代理人の整理番号:2000−0397、発明の名称:Virtual Streams for QoS−Driven Wireless LANs、発明者:ホー、リン)、本願と同時出願の特許出願(出願番号:未定、代理人の整理番号:2000−0398、発明の名称:Admission Control for QoS−Driven Wireless LANs、発明者:リン、ホー)、本願と同時出願の特許出願(出願番号:未定、代理人の整理番号:2000−0400、発明の名称:Frame Scheduling for QoS−Driven Wireless LANs、発明者:ホー、リン)、本願と同時出願の特許出願(出願番号:未定、代理人の整理番号:2000−0401、発明の名称:RSVP/SBM Based Down−Stream Session Setup, Modification, and Teardown for QoS−Driven Wireless LANs、発明者:ホー、リン)、本願と同時出願の特許出願(出願番号:未定、代理人の整理番号:2000−0402、発明の名称:RSVP/SBM Based Up−Stream Session Setup, Modification, and Teardown for QoS−Driven Wireless LANs、発明者:ホー、リン)、本願と同時出願の特許出願(出願番号:未定、代理人の整理番号:2000−0403、発明の名称:RSVP/SBM Based Side−Stream Session Setup, Modification, and Teardown for QoS−Driven Wireless LANs、発明者:ホー、リン)、本願と同時出願の特許出願(出願番号:未定、代理人の整理番号:2000−0404、発明の名称:Enhanced Channel Access Mechanisms for QoS−Driven Wireless LANs、発明者:ホー)、本願と同時出願の特許出願(出願番号:未定、代理人の整理番号:2000−0405、発明の名称:Centralized Contention and Reservation Request for QoS−Driven Wireless LANs、発明者:ホー、リン)、および本願と同時出願の特許出願(出願番号:未定、代理人の整理番号:2000−0406、発明の名称:Multipoll for QoS−Driven Wireless LANs、発明者:ホー、リン)に関連しており、この各出願を本願に引用して援用する。さらに、本発明は、2000年6月19日出願の特許出願(出願番号:未定、代理人の整理番号:1999−0408、発明の名称:Voice−Data Integrated Multiaccess By Self−Reservation and Blocked Binary Tree Resolution、発明者:ホー)、および2000年6月19日出願の特許出願(出願番号:未定、代理人の整理番号:1999−0409、発明の名称:Voice−Data Integrated Multiaccess By Self−Reservation and Stabilized Aloha Contention、発明者:ホー)に関連しており、この各出願を本願に引用して援用する。
【0002】
(技術分野)
本発明は、通信およびネットワーク化の技術分野に関する。特に、本発明は、QoS制御の無線ネットワークにおけるフレームの分類に関する。
【0003】
(背景技術)
例えば、ハイブリッドファイバ同軸ネットワークや3G/4Gの携帯電話ネットワークのようなデジタル広帯域ネットワークの出現により、パケットによる居住環境および企業環境へのマルチメディアサービスが、現実のものとなってきているだけでなく、不可欠なものとなりつつある。例えば、音声、映像、およびデータのようなマルチメディアアプリケーションについて無線による配信またはアクセスを行うことは、このような流れの加速を促すことから実現性があると考えられている。
【0004】
共有ネットワークを介するマルチメディアトラフィックの伝送には、一般に、予測可能であって満足のいくネットワークサービスを実現するための一定レベルのサービス品質(QoS:Quality of Service)サポートが欠かせない。技術的には、QoSとは、遅延/ジッターによって制限される平均/最大データレート等の観点から、取り決められた一組のサービス値を、セッションまたはアプリケーションが受けることを期待するとともにネットワークが提供できることを意味する。QoSは、例えば、効果的な輻輳制御、適切なリソースの確保、適正なトラフィック整形、および優先順位をつけた帯域幅の割り当てのような技術によって、強化されるとともに支えられている。ある程度のQoS保証により、共有チャネルが時間によって制限される非同期サービスを提供するが、これは専用チャネルによるサービスに匹敵する。
【0005】
帯域幅の利用効率は、マルチメディアネットワークの設計における、もう一つの重要な検討事項である。帯域幅の利用効率が高いと、チャネルの処理能力が向上するとともにアクセス遅延を低減することにつながり、ひいては、同一のチャネル帯域幅がより多くのセッション/アプリケーションに所定のQoSレベルで対応することを可能にする。帯域幅が足りない場合においては、帯域幅の利用効率を最大にすることで、有効なセッション/アプリケーションに与えられるQoS値の低下を極力抑える。
【0006】
残念ながら、例えば、IEEEP802.11/1999によって現在規定されている無線ローカルエリアネットワーク(WLAN:Wireless Local Area Network)は、QoS伝送に対応しておらず、分散型コンテンション(競合)方式または簡易なポーリング方式で動作する。従って、非同期式であって処理能力が低いベストエフォート型データサービスが提供されるにすぎない。
【0007】
必要とされているのは、WLANを、チャネルアクセスが向上したエンドツーエンドQoSネットワークの一部とするための技術であり、これにより、帯域幅の利用効率が改善されたQoSサポートを提供するための技術である。
【0008】
(発明の開示)
本発明は、WLANにおけるQoSサポートのためのフレーム分類方法を提供する。本発明の利点は、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)の基本サービスセット(BSS)内の局のフレーム分類エンティティ(FCE)によって提供される。このFCEは、分類テーブルを含む。この分類テーブルは、その局の論理リンク制御(LLC)副層に論理上設けられており、少なくとも1つの分類子エントリを含む。本発明によれば、局には、ポイントコーディネータ(PC)を含む場合もあれば、非PC局である場合もある。各分類子エントリには、少なくとも、仮想ストリーム識別子(VSID)、サーチ優先度値、および少なくとも1つの分類子パラメータが含まれる。分類テーブル中の各分類子エントリは、分類子エントリに含まれるサーチ優先度値に基づいて階層的な順序で並べられている。FCEは、局内の上位層からその局のLLC副層に受け渡された少なくとも1つのデータフレームを受け取る。その少なくとも1つのデータフレームは、サービス品質(QoS)データフレームおよびベストエフォート型(非同期)データフレームのうちの1つである。QoSデータフレームは、分類テーブル中の分類子エントリのうちの少なくとも1つにおける少なくとも1つの分類子パラメータのうちの少なくとも1つに含まれる情報を含む。続いて、FCEは、データフレームをその局の分類テーブルと照らし合わせて調べることにより、受け取られた各データフレームをVSIDに分類する。データフレームを調べると、そのデータフレームのVSIDが分類テーブルの分類子エントリに含まれている場合には、そのVSIDは、データフレームをBSSのピアLLCエンティティ間で伝送するためのQoSパラメータセットと関連づけられる。受け取られたデータフレームに含まれるフレーム分類情報が分類テーブルのどの分類子エントリにも含まれていない場合には、分類の結果が、QoSパラメータセットと関連づけられていない特別なVSIDで表されて、そのデータフレームは、BSSのピアLLCエンティティ間をベストエフォート方式で伝送される。
【0009】
(発明を実施するための最良の形態)
本発明は、IEEEP802.11/1999によって現在規定されているWLANの下位層(リンクおよびPHY層)を、IEEEP802.11/1999においてではなく、開放型システム間相互接続(Open Systems Interconnection (OSI) (ISO/IEC 7498−1))によるISO/IECの基本的な参照モデルにおいて提示された上位層(ネットワークおよび上位層)と統合するアーキテクチャ参照モデルを提供する。このIEEEP802.11/1999およびISO/IEC7498−1の規格は本願に引用して援用する。さらに、本発明は、エンドツーエンドQoSメカニズムを提供する。このような統合によって、QoSパラメータ値が上位層から下位層に伝えられて、下位層がQoSトラフィックを伝送するとともにチャネルの処理能力を向上させることが可能になる。
【0010】
例えば、IEEEP802.11/1999において規定されているような既存の参照モデルと比べると、本発明は、承認制御エンティティ(ACE:Admission Control Entity)、QoS管理エンティティ(QME:QoS Management Entity)、フレーム分類エンティティ(FCE:Frame Classification Entity)、およびフレームスケジュール設定エンティティ(FSE:Frame Scheduling Entity)を、ポイントコーディネータ/アクセスポイント(PC/AP:Point Coordinator/Access Point)局(STA)に導入する。また、本発明は、QoS発信エンティティ(QSE:QoS Signaling Entity)、QoS管理エンティティ(QME)、フレーム分類エンティティ(FCE)、および取捨選択可能なフレームスケジュール設定エンティティ(FSE)を、非PC/AP(non−PC/AP)局に導入する。ACEおよびQSEは、それぞれQMEの一部である場合もある。また、本発明は、仮想ストリーム(VS:Virtual Stream)更新管理フレームを導入することにより、PC/AP局と非PC/AP局との間でVS管理情報をやり取りするようにする。
【0011】
図1には、本発明によるWLANを介する基本サービスセット(BSS:Basic Service Set)におけるQoSサポートのためのアーキテクチャ参照モデルを示す。図1には、1つのPC/AP局および2つの非PC/AP局xおよびyを含むBSSの一例を示す。図1には2つの非PC/AP局しか示されていないが、図1のBSSの一部である非PC/AP局はいくつであってもよいことは言うまでもない。
【0012】
図1のPC/AP局は、QoS管理エンティティ(QME)の一部である承認制御エンティティ(ACE)を含む。代替例として、ACEが、QMEと連係して動作する別のエンティティである場合もある。また、PC/AP局は、フレーム分類エンティティ(FCE)を含むが、これは、論理上、PC/AP局の論理リンク制御(LLC:Logical Link Control)副層に設けられる。QMEは、FCEと連係するが、これにより、フレーム分類テーブルが保持される。このフレーム分類テーブルには、フレームに関連するQoSパラメータ値を特定するために用いられるフレーム分類子(frame classifiers)が含まれる。さらに、PC/AP局は、論理上、PC/AP局のメディアアクセス制御(MAC:Medium Access Control)副層に設けられるフレームスケジュール設定エンティティ(FSE)を含む。QMEは、FSEと連係するが、これにより、フレームスケジュール設定テーブルが保持される。このフレームスケジュール設定テーブルには、フレームの送信スケジュールを設定するためのスケジュール設定情報が含まれる。PC/AP局は、従来の局管理エンティティ(SME:Station Management Entity)を含むが、これは、QMEとは別のものである。SMEは、従来のMAC副層管理エンティティ(MLME:MAC sub−Layer Management Entity)および従来の物理層管理エンティティ(PLME:Physical Layer Management Entity)と連係する。MLMEは、MAC副層と連係するのに対して、PLMEは、物理層と連係する。物理層は、従来の物理層コンバージェンスプロトコル(PLCP:Physical Layer Convergence Protocol)副層および従来の物理メディア依存(PMD:Physical Medium Dependent)副層を備える。
【0013】
非PC/AP局は、各局ごとに、ローカルFCEと連係するローカルQMEを含む。ローカルFCEは、論理上、非PC/AP局のLLC副層に設けられ、ローカルフレーム分類テーブルを保持する。非PC/AP局は、各局ごとに、ローカルFSE(図中、点線の枠線で示す)を含むことが選択可能である。このローカルFSEは、非PC/AP局に含まれる場合には、論理上、非PC/AP局のMAC副層に設けられ、非PC/AP局のローカルフレームスケジュール設定テーブルを保持する。非PC/AP局は、各局ごとに、従来の局管理エンティティ(SME)を含むが、これは、ローカルQMEとは別のものである。非PC/AP局のSMEは、従来のMLMEおよび従来のPLMEと連係する。MLMEは、MAC副層と連係するのに対して、PLMEは、物理層と連係する。物理層は、従来の物理層コンバージェンスプロトコル(PLCP)副層および従来の物理メディア依存(PMD)副層を備える。
【0014】
セッションまたはアプリケーション(セッション/アプリケーション)のエンドツーエンドQoS発信メッセージが、WLANのBSS内、およびそのBSSの外側から、のうちの少なくともいずれかにおける各局のQSEによって生成される。このエンドツーエンドQoS発信メッセージは、セッション/アプリケーションが、セットアップ中であるのか、変更中であるのか、または切断(teardown)中であるかを示すことが可能である。PC/AP局のACEは、リソース制御のためのモジュールおよびポリシー制御のためのモジュール(図1中、特に図示せず)を含む場合もあるが、そのBSS内におけるQSE、または下位層に対して存在を意識させないそのBSSの外側における他のQoS発信相手先のうちの少なくともいずれかと、エンドツーエンドQoS発信メッセージをやり取りする。このエンドツーエンドQoS発信メッセージおよびローカルポリシーに基づいて、ACEは、セットアップ中のセッション/アプリケーションについて承認制御に関する決定を下す。
【0015】
セッション/アプリケーションが承認されると、この承認に備えて確保されていたリソースが、ACEにおいて反映されることになるのに対して、PC/AP局のQMEは、仮想ストリーム(VS)を設定して、セッション/アプリケーションのトラフィックをローカルLLC副層エンティティから少なくとも1つのピアLLCエンティティに伝送するようにする。設定されたVSは、有効なVSとなり、仮想ストリーム識別子(VSID:Virtual Stream IDentifiers)によって特定される。さらに、PC/AP局のQMEは、承認されたセッション/アプリケーションごとに、フレーム分類子をエンドツーエンドQoSメッセージから抽出する。この場合、フレーム分類子とは、そのフレームに関連するQoSパラメータ値を特定するために用いることが可能な一組の分類パラメータである。一例として、分類パラメータは、IP分類パラメータ、LLC分類パラメータ、およびIEEE802.1P/Qパラメータを含む。
【0016】
PC/AP局のQMEは、PC/AP局のFCEに、新たに承認されたセッション/アプリケーションの下りのトラフィック(PC/AP局から非PC/AP局へのトラフィック)のために定義されたVSIDおよびこれに対応するフレーム分類子を受け渡す。FCEは、下り、上り(非PC/AP局からPC/AP局へ)、および横方向(非PC/AP局から非PC/AP局へ)のトラフィックのために定義されたVSIDおよび分類子を分類テーブルに追加する。この分類テーブルは、VSIDと対にされたり、VSIDを含んだりする全ての有効な分類子を、定義された順番で並べた一覧表である。また、PC/AP局のQMEは、PC/AP局のFSEに、VSIDおよびこれに対応するQoSパラメータ値を受け渡す。論理上、FSEは、例えば、データサイズのような、その他の情報に加えて、VSIDおよび関連するQoSパラメータ値を、スケジュール設定テーブルに保持する。
【0017】
さらに、PC/AP局のQMEは、PC/AP局に、VS更新フレームという管理フレームを新たに承認されたセッション/アプリケーションに関与する非PC/AP局の各局に送信させるようにする。このVS更新管理フレームは、例えば、VSID、フレーム分類子、VSアクション(すなわち、VSの追加)、およびQoSパラメータ値のような情報を含み、これが、セッション/アプリケーションの下り、上り、または横方向のトラフィックを定義する。非PC/AP局が、VS更新管理フレームに含まれる情報を受け取り、この情報をそのローカルQMEに受け渡し終えると、ローカルQMEは、上りまたは横方向のトラフィックに備えて、非PC/AP局のローカルFCEにVSIDおよび分類子を取り次ぐとともに、非PC/AP局のローカルFSE(もしあれば)にVSIDおよびQoSパラメータ値を取り次ぐ。
【0018】
FCEは、PC/AP局内に設けられているか、非PC/AP局内に設けられているかにかかわらず、LLC副層に上から受け渡されたフレームをVSIDに分類する。PC/AP局のFSEは、VSIDに関連するQoSパラメータ値に基づいて、特定のVSIDに分類されたフレームの送信機会(TO:Transmission Opportunities)についてスケジュールを設定する。非PC/AP局のFSEは、データフレームをその有効なVSからその特定のVSのQoSパラメータ値に基づいて選択して、PC/AP局がスケジュール設定したTOを通じて送信するようにする。
【0019】
PC/AP局のQMEが、ACEが受け取ったエンドツーエンドQoS発信メッセージから、承認されたセッション/アプリケーションのQoSパラメータ値の変化を検知すると、ACEは、その「変化」したQoSパラメータ値について新たな承認制御に関する決定を下す。その変化が容認できない場合には、QMEは、そのセッション/アプリケーションに関与する非PC/AP局およびPC/AP局に対して何もアクションを起こさない。その変化を容認する場合には、変更されたQoSパラメータ値に備えて確保されていたリソースが、ACEにおいて反映されることになるとともに、QMEは、セッション/アプリケーションの承認されたVSIDを用いて、新しいQoSパラメータ値でPC/AP局のFSEを更新する。さらに、QMEは、PC/AP局に、もう一つのVS更新管理フレームを、変更されたセッション/アプリケーションに関与する非PC/AP局の各局に対して送信させるようにする。VS更新フレームは、承認されたVSID、VSアクション(すなわち、VSの変更)、および新しいQoSパラメータ値に関する情報を含む。関与している非PC/AP局が第2のタイプのVS更新フレームを受け取ると、非PC/AP局は、そのなかに含まれている情報をそのローカルQMEに受け渡す。ローカルQMEは、セッション/アプリケーションの上りまたは横方向のトラフィックのために、非PC/AP局のローカルFSE(もしあれば)をVSIDおよび変更されたQoSパラメータ値で更新する。続いて、PC/AP局および非PC/AP局の双方のFSE(もしあれば)は、変更されたQoSパラメータ値に基づいてVS送信のスケジュールを設定する。
【0020】
PC/AP局のQMEは、ACEが受け取ったエンドツーエンドQoS発信メッセージから、承認されたセッション/アプリケーションの終了を検知すると、その終了によって解除されたリソースが、ACEにおいて反映されることになるのに対して、QMEは、セッション/アプリケーションのために設定された特定のVSIDを特定する。PC/AP局のQMEは、PC/AP局のFCEに命令して、分類テーブルから、セッション/アプリケーションの下りのトラフィックに関連するVSIDおよびこれに対応するフレーム分類子を削除させるようにする。また、PC/AP局のQMEは、PC/AP局のFSEに命令して、スケジュール設定テーブルから、セッション/アプリケーションに関連するVSIDおよびこれに対応するフレーム分類子を削除させるようにする。さらに、PC/AP局のQMEは、PC/AP局に、もう一つのVS更新管理フレームを、セッション/アプリケーションに関与する非PC/AP局の各局に対して送信させるようにする。VS更新管理フレームは、そのとき、VSIDおよびVSアクション(すなわち、VSの削除)に関する情報を含むが、これは、セッション/アプリケーションの下り、上り、または横方向のトラフィックを定義するものである。非PC/AP局がVS更新管理フレームに含まれる情報を受け取り、この情報をそのローカルQMEに受け渡し終えると、ローカルQMEは、非PC/AP局のローカルFCEに命令して、ローカル分類テーブルから、セッション/アプリケーションの上りまたは横方向のトラフィックのために承認されたVSIDを含むエントリを削除させるようにする。また、QMEは、非PC/AP局のFSE(もしあれば)に命令して、ローカルスケジュール設定テーブルから、VSIDを含むエントリを削除させるようにする。
【0021】
また、本発明によれば、PC/AP局において承認/ポリシー制御および中央スケジュール設定を続ける一方で、セッション/アプリケーションのセットアップ、変更または終了を要求するために、非PC/AP局がVS更新管理フレームをPC/AP局に対して送信するようにすることも可能である。非PC/AP局のローカルQMEは、このようなVS更新フレームを送信させるようにするが、セットアップを要求する場合、これは、VSIDを含まなかったり、特別なVSIDを含んだりする。PC/AP局は、VS更新管理フレームを受け取ると、そのなかに含まれている情報をそのPC/AP局のQMEに受け渡す。このVS更新管理フレームに含まれている情報に基づいて、ACEは、適当なアクションを起こすのに対して、PC/AP局のQMEは、PC/AP局が、VS更新管理フレームを非PC/AP局に対して送り返すようにする。要求を認める場合には、まるでその要求がPC/AP局自体から起こったかのように、戻りVS更新管理フレームには、PC/AP局から送出されたVS更新管理フレームと同じ情報が含まれる。要求を認めない場合には、戻りVS更新管理フレームには、VSアクション(すなわち、VSの拒絶)に加えて、当初の要求においてVSIDが示していた情報が含まれる。非PC/AP局からこのような要求を起こすことが可能であるということは、特に、エンドツーエンドQoSメッセージおよびセッション/アプリケーションのトラフィックが、PC/AP局を通じてではなく、非PC/AP局から、または非PC/AP局へ、ポータルまたはブリッジを通じて行き来するという場合において役に立つ。
【0022】
また、本発明によれば、帯域内QoS発信参照モデルが提供されるが、これは、例えば、IETFのDiffservおよびIEEEの802.1P/Qのような、従来のネットワーク帯域内QoS発信プロトコルをサポートするWLANを可能にする本発明のアーキテクチャ参照モデルに組み込むことが可能である。このような帯域内発信によって、第3層(IETFのDiffservのような)または第2層(IEEEの802.1P/Qのような)のタグ付けメカニズムによるQoSサポートがもたらされる。一般に、タグ付けは、ネットワークリソースを予め確保したりはせず、データパケットまたはフレームにおける一定のビットの標準化された組み合わせパターンにより実行される。これらの組み合わせパターンによって、例えば、データトラフィックに関連する優先レベルおよびフロータイプのような、換算された(reduced)一組のQoSパラメータが特定される。
【0023】
図2は、本発明のWLANを介するQoSサポートのための帯域内QoS発信参照モデルを示す。より具体的には、図2は、QMEと、STAのLLC副層に論理上設けられているFCEと、STAのMAC副層に論理上設けられているFSEとを含むSTAを示す。FSEは、非PC/AP局において取捨選択可能である場合もある。QMEは、FCEと連係するとともに、FSEが存在する場合にはFSEと連係する。
【0024】
新しい帯域内QoS発信セッションが期待するエンドツーエンドQoS値が、これに対応するフレーム分類子とともに、新しいセッションのデータフレームから直接に抽出される。とりわけ、STAのFCEが、現在使用している分類テーブルにより分類することができない新しいセッションのデータフレーム(第1のデータフレーム)を検出すると、FCEは、そのフレームをSTAのQMEに受け渡す。
【0025】
PC/AP局の場合において、これは下りのトラフィック(PC/AP局から非PC/AP局へのトラフィック)に該当するが、QMEは、フレームを調べて、その新しい下りのセッションを特徴づける分類子およびQoSパラメータ値を入手するようにする。また、QMEは、下りの仮想ストリーム(VDS:Virtual Down−Stream)を設定して、そのセッショントラフィックを、ローカルLLC副層エンティティから少なくとも1つのピアLLCエンティティに伝送するようにするとともに、その新しく設定されたVDSにVSIDを割り当てる。さらに、QMEは、FCEに、新しい下りのセッションのために定義されたVSIDとこれに対応するフレーム分類子を受け渡す。FCEは、このVSIDおよび分類子をその分類テーブルに追加する。また、QMEは、FSEに、そのようなVSIDおよびこれに対応するQoSパラメータ値を受け渡す。論理上は、このFSEが、そのスケジュール設定テーブルのエントリに、例えば、データサイズのようなその他の情報に加えて、VSIDおよび関連するQoSパラメータ値を保持する。さらに、PC/AP局のQMEは、そのPC/AP局が、例えば、VS更新管理フレームのような管理フレームを、PC/AP局のBSSにおいてその新しいセッションに関与している非PC/AP局の各局に送信するようにする。VS更新管理フレームには、例えば、VSID、VSアクション(すなわち、VDSの追加)のような情報が含まれるが、これが下りのセッションを定義する。
【0026】
非PC/AP局の場合において、これは上りおよび横方向のトラフィック(非PC/AP局からPC/AP局または非PC/AP局へのトラフィック)に該当するが、QMEは、フレームを調べて、その新しい上りまたは横方向のセッションを特徴づける分類子およびQoSパラメータ値を入手するようにする。さらに、非PC/AP局のQMEは、その非PC/AP局が、例えば、VS更新管理フレームのような管理フレームを、その非PC/AP局を含むBSSのPC/AP局に送信するようにする。VS更新管理フレームには、例えば、特別なVSID、VSアクション(すなわち、VUSまたはVSSの追加)、フレーム分類子、およびQoSパラメータ値のような情報が含まれるが、これが上りまたは横方向のセッションを定義する。PC/AP局がそのVS更新管理フレームに含まれる情報を受け取り、その情報をPC/AP局のQMEに受け渡し終えると、QMEは、上りの仮想ストリーム(VUS:Virtual Up−Stream)または横方向の仮想ストリーム(VSS:Virtual Side−Stream)を設定して、そのセッショントラフィックをLLCエンティティの間で伝送するようにするとともに、その設定されたVUSまたはVSSにVSIDを割り当てる。さらに、QMEは、PC/AP局のFSEに、VSIDおよびこれに対応するQoSパラメータ値を受け渡す。また、PC/AP局のQMEは、PC/AP局が、例えば、VS更新管理フレームのような管理フレームを、そのBSSにおいて新しい上りまたは横方向のセッションを開始している非PC/AP局に戻すようにする。このVS更新管理フレームには、例えば、割り当てられたVSID、VSアクション(すなわち、VUSまたはVSSの追加)、フレーム分類子、およびQoSパラメータ値のような情報が含まれるが、これが上りまたは横方向のセッションを定義する。非PC/AP局がそのVS更新管理フレームに含まれる情報をPC/AP局から受け取り、その情報を非PC/AP局のローカルQMEに受け渡し終えると、QMEは、非PC/AP局のローカルFCEに対してVSIDと分類子を取り次ぐとともに、非PC/AP局のローカルFSE(存在する場合)に対してVSIDとQoSパラメータ値を取り次ぐ。これらの情報は、上りまたは横方向のセッションのために定義されたものである。
【0027】
図2に示すFCEは、その分類テーブルを用いて、LLC副層に上から受け渡されたフレームをVSIDに分類する。PC/AP局のFSEは、VSIDに関連するQoSパラメータ値に基づいて、特定のVSIDに分類されたフレームの送信機会(TO)のスケジュールを設定する。非PC/AP局のFSEは、データフレームをその有効なVSからそのVSのQoSパラメータ値に基づいて選択して、PC/AP局がスケジュール設定したTOを通じて送信するようにする。
【0028】
また、このような分類機能のほかに、FCEは、その分類テーブルの各エントリにタイマーを保持することにより、セッションの終了を検知する。特定のエントリによってデータフレームが正常に分類されると、FCEは、これに対応するタイマーを所定の値にリセットする。そのエントリを使ってもう一つのデータフレームを分類する前に、そのタイマーの所定時間が経過すると、FCEは、その特定のエントリを同一STAのQMEに受け渡した上で、そのエントリをその分類テーブルから削除する。QMEは、そのエントリに含まれるVSIDを入手すると、同一STAのローカルFCEに命令して、そのVSIDを、これに対応するQoSパラメータ値とともにスケジュール設定テーブルから削除させるようにする。タイムアウトイベントがPC/AP局で発生する場合において、これは下りのセッションに該当するが、PC/AP局のQMEは、さらに、PC/AP局がVS更新管理フレームをそのBSS内のセッションに関与している非PC/AP局の各局に対して送信するようにする。このVS更新管理フレームには、例えば、VSIDおよびVSアクション(すなわち、VDSの削除)のような情報が含まれるが、これが下りのセッションを定義する。宛先に指定された非PC/AP局がVS更新管理フレームに含まれる情報を受け取り、この情報をそのローカルQMEに受け渡し終えると、ローカルQMEは、非PC/AP局が、このVDSに関連するあらゆる情報を削除するようにする。タイムアウトイベントが非PC/AP局で発生する場合において、これは上りまたは横方向のセッションに該当するが、非PC/AP局のQMEは、さらに、非PC/AP局がVS更新管理フレームをPC/AP局に対して送信するようにする。このVS更新管理フレームには、例えば、VSIDおよびVSアクション(すなわち、VUSまたはVSSの削除)のような情報が含まれるが、これが上りまたは横方向のセッションを定義する。PC/AP局がVS更新管理フレームに含まれる情報を非PC/AP局から受け取り、この情報をPC/AP局のQMEに受け渡し終えると、QMEは、PC/AP局のFSEに命令して、スケジュール設定テーブルからVSIDを含むエントリを削除させるようにする。
【0029】
また、本発明によれば、仮想ストリーム(VS)が、QoS制御のWLANを介して提供される。これは、WLANのBSSにおけるPCのQMEによってセットアップされるが、これにより、定められたQoS制約条件のもと、承認されたセッション/アプリケーションのトラフィックをローカルLLCエンティティから同一BSS内の少なくとも1つのピアLLCエンティティに対して伝送するようにすることが可能である。VSがPC/AP局のQMEによって切断されるのは、基礎をなすセッションまたアプリケーションが終了するときである。
【0030】
論理上、VSは、そのVSの起点となるSTAと、そのBSSにおいてそのVSを受け取る少なくとも1つのその他のSTAとのあいだの単一方向パスである。VSは、特定可能であって順序よく並べられた連続データフレームであって、これにより、BSS内における伝送が所定の一組のQoSパラメータ値を用いて行われることになる。VS識別子(VSID)が、PC/AP局のQMEによって割り当てられることにより、VSのセットアップ時にVSが特定される。VSIDは、所定のBSSに限定されるもの(ローカル)であるとともに、所定のBSSにおいて他と重複しないものである。VSは、VSIDとVS起点局アドレスとVS宛先局アドレスの3つによって定義されるとともに、一組のQoSパラメータ値によって特徴づけられる。VSには、例えば、ストリーム、フロー、接続、またはセッションのような上位層概念に対する予め定められた関係はない。VSは、あるBSS内において、より正確には、WLANのMAC副層内において単独で存在するものである。適当なVSIDが、LLC副層に上から受け渡された各QoSデータフレームに挿入されるが、これは、LLC副層に論理上設けられているFCEを経由して送信するためである。これが受信LLC副層において受信と同時に削除されてから、そのフレームは、上位層に下から受け渡される。各VSIDは、PC/AP局のQMEによって、一組のQoSパラメータ値と対応づけられており、これにより、MAC副層に論理上設けられているFSEがフレームの送信スケジュールを設定する。
【0031】
図3は、本発明による、WLANを介するQoSサポートのための異なるタイプの仮想ストリームを示す図である。VSは、ユニットキャストVSである場合もあれば、マルチキャストVSである場合もある。ユニットキャストVSは、同一BSS内において、データフレームを1つのSTAからもう1つのSTAに伝送するために用いられるが、マルチキャストVSは、同一BSS内において、データフレームを1つのSTAから複数のSTAに伝送するために用いられる。また、VSは、下りの仮想ストリーム(VDS)、上りの仮想ストリーム(VUS)、または横方向の仮想ストリーム(VSS)である場合もある。VDSは、あるBSS内のPC/AP局から同一BSS内の少なくとも1つの非PC/AP局にデータを伝送するために用いられる。VUSは、あるBSS内の非PC/AP局から同一BSS内のPC/AP局にデータを伝送するために用いられる。VSSは、あるBSS内の非PC/AP局から同一BSS内の少なくとももう1つの非PC/AP局にデータを伝送するために用いられる。
【0032】
各VSIDに対応づけられたQoSパラメータ値、すなわち、そのVSが対応することになっているセッション/アプリケーションのトラフィックが期待するQoSパラメータ値は、そのセッション/アプリケーションの過程において変えることが可能である。これは、エンドツーエンドQoSメッセージによって発信され、PC/AP局のQMEによって是認される。VSとは、そのVSに分類されたデータフレームを伝送するために対応づけられたQoSパラメータ値に応じて、送信機会(TO)の観点から、PC/AP局のFSEによって配分された帯域幅である。
【0033】
QoSパラメータセットは、例えば、確認応答ポリシー、フロータイプ(連続/周期的、または不連続/バースト的)、優先レベル、プライバシー情報、遅延による制限、ジッターによる制限、最小データレート、平均データレート、最大データバーストのようなパラメータによって定義することが可能である。また、このとき、後ろの2つのパラメータは、着信トラフィックを記述したり整形したりするときによく用いられるトークンバケットのバケットサイズおよびトークン補充率(token replenishment rate)と関係がある。1つのSTAが、異なるQoS値セットを伴う複数のVSをサポートする場合もある。TOに応じて、非PC/AP局が、VSに個別に割り当てられた帯域幅以外にその非PC/AP局が起点となる別のVSからデータを送信する場合もある。これは、そのローカルFSEが、そのSTAが起点となる有効なVSのQoS値に基づいて相応しいと判断する場合においてである。
【0034】
また、本発明によれば、QoS制御のWLANを介して承認制御を実行するための方法が提供されるが、これにより、マクロに帯域幅が管理されて、MAC副層を介するQoSトラフィック伝送がセッションごとに行われることになる。本発明のこの側面によれば、論理上、PC/AP局のQMEの一部であるACEによって承認制御が行われる。そのQMEは、次に、PC/AP局のLLC副層に論理上設けられているFCEと連係するとともに、PC/AP局のMAC副層に論理上設けられているFSEと連係する。
【0035】
承認制御は、新しい帯域幅要求および現在の帯域幅可用性に基づいており、MACおよびPHYのオーバーヘッドの根拠である。帯域幅は、2つのスペースに分割されるが、その一方のスペースが、連続/周期的なフロータイプのセッション/アプリケーション用であり、もう一方のスペースが、不連続/バースト的なフロータイプのセッション/アプリケーション用である。一般に、連続/周期的なフロータイプは、時間の影響を受けやすく、リアルタイムのサービスが要求されるが、不連続/バースト的なフロータイプは、時間に対する耐性が強く、優先度が比較的低い。所定のBSSのPC/AP局のFSEは、RSVPQoSプロトコルとともに用いられるDSBMと同様のACEに対して、チャネルステータスサービスプリミティブにより、すべてのスーパーフレームについて、フィードバックを提供する。これにより、連続的なフロータイプおよび不連続的なフロータイプの両方のトラフィックのそれぞれについて、例えば、使用可能な帯域幅および使用されている帯域幅のような、現在のコンテンションフリー期間(CFP:Contention−Free Period)に関する情報が提供される。
【0036】
新しい帯域幅要求が、連続的なフロータイプのセッション/アプリケーションについて受け取られると、適当な帯域幅がまだ未使用で存在することから新しいセッション/アプリケーションを承認してもそのQoS要件を満たす場合であって、すでに承認されたセッション/アプリケーションの性能を劣化させないときに限り、その要求が認められることになる。未使用の帯域幅は新しいセッション/アプリケーションに対応するのに十分ではないけれども、不連続的なフロータイプに使用中の適当な帯域幅を新しいセッション/アプリケーションに対応させるために予め空けることが可能な場合であれば、不連続的なフロータイプの既存のセッション/アプリケーションの一部または全部を劣化させることによって新しい要求を認めることも可能である。新しい帯域幅要求が、不連続的なフロータイプのセッション/アプリケーションについて受け取られると、新しいセッション/アプリケーションの優先レベルよりも優先レベルが低い不連続的なフロータイプに使用されている帯域幅と未使用の帯域幅との合計がその新しい要求に応えるのに十分であることを条件に、その要求が認められることになる。
【0037】
いずれの場合においても、帯域幅の確保が、トークンバケットメカニズムのトークン比率およびバケットサイズの数値によって表されるような当該トラフィックのバースト特性に基づく場合もあれば、トークンバケットの測定レート(taken rate)のみによる平均データレートに基づく場合もある。例えば、実効チャネルレート(MACおよびPHYのオーバーヘッドの根拠である)がCであって、IEEEP802.11/1999によって規定されたコンテンション期間(CP:Contention Period)およびCFPを含む、各スーパーフレームの持続時間がTであって、セッションの平均データレートがトークン比率Rによって表されて、セッションの最大データバーストがバケットサイズBによって示されると仮定する。そのようなセッションのCFP当たりのチャネル時間の観点からみた帯域幅要件は、トラフィックバースト性に基づく承認の場合は、(R×T+B)/Cとなり、平均レートに基づく承認の場合は、R×T/Cとなる。これは、C、T、R、およびBのしかるべき単位を前提としている。
【0038】
図4は、本発明のWLANにおけるQoSサポートに用いることが可能な承認制御方法のためのフローチャート400を示す。ステップ401において、新しいセッション/アプリケーションのための帯域幅の要求を受けて、トラフィックフローの種類が判断される。ステップ401において、トラフィックタイプが連続的なフロートラフィックタイプである場合には、ステップ402に進む。ここで、要求しているセッション/アプリケーションに配分可能な未使用の帯域幅が十分にあるかが判断される。ステップ402において、未使用の帯域幅が十分にある場合には、ステップ403に進み、要求が認められる。
【0039】
ステップ402において、要求しているセッション/アプリケーションに配分可能な未使用の帯域幅が十分にない場合には、ステップ404に進む。ここで、既存の不連続的なフロータイプのセッション/アプリケーションが使用中の帯域幅であっても予め空けることが可能な帯域幅が十分にあるかが判断される。ステップ404において、既存の不連続的なフロータイプのセッション/アプリケーションから予め空けることが可能な帯域幅が不十分である場合には、ステップ405に進み、要求が拒絶される。ステップ404において、不連続的なフロータイプのセッション/アプリケーションから予め空けることが可能な帯域幅が十分にある場合には、ステップ406に進む。ここで、不連続的なフロータイプの既存のセッション/アプリケーションの一部または全部を劣化させる。ステップ407に進み、要求が認められる。
【0040】
ステップ401において、要求しているセッション/アプリケーションが不連続的なトラフィックフロータイプである場合には、ステップ408に進む。ここで、要求しているセッション/アプリケーションの優先度よりも優先度が低い不連続的なフロータイプのための帯域幅と未使用の帯域幅との合計が十分であるかが判断される。ステップ408において、要求しているセッション/アプリケーションのための帯域幅が十分にない場合には、ステップ409に進み、要求が拒絶される。ステップ408において、要求しているセッション/アプリケーションのための帯域幅が十分にある場合には、ステップ410に進み、要求が認められる。
【0041】
また、本発明によれば、QoS制御のWLANを介してフレームの分類を実行するための方法が提供されるが、これにより、QoS情報を、上位層(リンク層の上)から下位層(LLC副層およびMAC副層)にセッション当たり1回すなわちセッションが変わる度に受け渡すことが可能となる。本発明のこの側面によれば、局のLLC副層に論理上設けられているフレーム分類エンティティ(FCE)によってフレームの分類が行われる。フレームを分類し終えると、MAC副層に論理上設けられているフレームスケジュール設定エンティティ(FSE)によって、分類されたフレームのフレームスケジュールが設定される。FCEおよびFSEは、両方とも、ACEまたはQoS発信エンティティ(QSE)を含むQoS管理エンティティ(QME)と連係がとられている。
【0042】
フレームを分類することで、フレームを分類テーブル中の分類子と照らし合わせて調べることにより、LLC副層に上から受け渡されるフレームに標識付けするのに適切な仮想ストリーム識別子(VSID)が求められる。VSIDは、QMEによって特定のQoSパラメータ値セットと関連づけられている。これは、FSEが、LLCエンティティ間におけるフレームの転送についてのスケジュールを設定するのに用いるためである。QMEすなわちVS更新管理フレームにより、承認されたセッション/アプリケーションのQoSパラメータ値セットおよび分類子と対応するようにVSIDが設定される。セッション/アプリケーションの開始に先立ち、VSIDと分類子を対にしてFCEの分類テーブルに提供する一方で、VSIDとQoSパラメータ値セットを対にしてFSEのスケジュール設定テーブルに提供する。
【0043】
分類子エントリは、分類テーブル中に、サーチ優先度値の高い順に並べられている。分類テーブル中の分類子エントリには、VSID、サーチ優先度、および分類子パラメータが含まれる。分類子パラメータは、IP分類子パラメータ、LLC分類子パラメータ、またはIEEE802.1P/Qパラメータである場合もある。IP分類子パラメータは、例えば、IPTOSレンジ/マスク、IPプロトコル、IP起点(ソース)アドレス/マスク、IP宛先アドレス/マスク、TCP/UDPソースポートスタート、TCP/UDPソースポートエンド、TCP/UDP宛先ポートスタート、およびTCP/UDP宛先ポートエンドのようなパラメータである。LLC分類子パラメータは、例えば、起点MACアドレス、宛先MACアドレス、およびイーサタイプ/SAPのようなパラメータである。IEEE802.1P/Qパラメータは、例えば、802.1Pの優先度レンジ(Priority Range)、および802.1QのVLANIDのようなパラメータである。フレームが、エントリに含まれる分類子パラメータのうちの少なくとも1つを用いてサーチ優先度の高い順に正常に分類される場合には、最初に一致したエントリに含まれるVSID値によって、QoSパラメータセットに起因するMACサービスプリミティブであって、分類されたフレームをMAC副層に受け渡すために用いられるMACサービスプリミティブに備えて、QoSパラメータセットを指定するVSIDが提供される。そうでない場合には、そのフレームは、ベストエフォート型(非同期)フレームということである。
【0044】
図5は、本発明のQoS制御のWLANにおいて用いることが可能なフレームを分類するためのプロセスを示す。局内の上位層からその局内のLLC副層へと受け渡されたフレーム501は、その局のQMEによって受け取られる。QMEは、そのフレームを調べて、その受け取られたフレームに含まれる情報を得ようとする。この情報は、分類テーブル502中の分類子エントリのうちの少なくとも1つに含まれる分類子パラメータのうちの少なくとも1つに含まれている。QMEは、その受け取られたフレームを分類する際に、サーチ優先度の高い順に分類テーブル中のエントリを調べる。最初に一致したエントリに含まれるVSID値を用いて、そのBSSのピアLLCエンティティ間におけるデータフレームの伝送を行うためのVS503およびこれに対応するQoSパラメータセットが特定される。
【0045】
また、本発明によれば、QoS制御のWLANを介してフレームのスケジュール設定を実行するための方法が提供されるが、これにより、マクロに帯域幅が管理されて、MAC副層を介するQoSトラフィック伝送が所定の基本サービスセット(BSS)の全方向においてスーパーフレームごとに行われることになる。本発明のこの側面によれば、PC/APのMAC副層に論理上設けられているフレームスケジュール設定エンティティ(FSE)によってフレームのスケジュール設定が行われる。これは、そのBSSにおいて、非PC局のFSEが、できる限り補助することも可能である。フレームのスケジュール設定は、QoSフレームの場合は仮想ストリーム識別子(VSID)に、非QoSフレームの場合はベストエフォート優先度値に示される分類の結果であって、PC/APまたはそのPCと関連する局のLLC副層に論理上設けられているFCEの分類の結果に基づく。従って、分類された各VSIDに、PC/APのQMEによって対応づけられたQoSパラメータ値によって、フレームのスケジュール設定についての指針が与えられる。但し、ベストエフォート優先度値の場合、QoSパラメータ値はヌル(null)である。
【0046】
フレームのスケジュールを設定することで、BSSにおいて、PC/AP内のLLCエンティティを含めて、全局のMAC副層に上から受け渡されたフレームの、ピアLLCエンティティ間における、コンテンションフリー期間(CFP)を通じての転送スケジュールが設定される。PC/APにおいて、仮想中央キューすなわちスケジュール設定テーブルが作成されるので、QoSキュー設定/スケジュール設定アルゴリズムを調整して、実際にキュー設定されたフレーム、またはPC/APまたはPC/APと関連する非PC局における予測によってキュー設定されたフレームに係るサービス(すなわち、転送)のスケジュールを設定することも可能である。図6は、本発明のQoS制御のWLANを介するフレームのスケジュール設定に用いることが可能なスケジュール設定テーブルの一例を示す。このテーブルには、BSSにおける、承認された下りのセッションに係るトラフィック(すなわち、PC/APから送信されるトラフィック)、および承認された上りおよび横方向のセッションに係るトラフィック(すなわち、非PC局から送信されるトラフィック)をキュー設定をするためのエントリが含まれる。
【0047】
PC/APのためのエントリは、PC/APからPC/APと関連する非PC局へのトラフィックの転送のために常に存在する。BSS内の非PC局の各局のためのエントリは、非PC局が、その局からのベストエフォート型トラフィックに対応するためにPC/APと関連づけられる場合に自動的に生成される。VSがPC/APのQMEによってセットアップされて、新たに承認されたセッションに係るトラフィックを伝送する場合にも、各VSのためにエントリが生成される。セッションが終了したことからQMEによってVSが切断される場合には、その切断されたVSに対応するエントリがフレームスケジュール設定テーブルから削除される。QoSトラフィックの場合には、各エントリに、セッションを持続させているQoSパラメータ値およびVSIDが、対応するVS上のデータのサイズとともに含まれている。テーブル中のQoSエントリは、そのエントリに対応するVSIDと関連づけられている優先レベルが高い順に配列される場合もある。
【0048】
下りの仮想ストリーム(VDS)の場合(すなわち、PC/APの場合)には、エントリのサイズ値は、送信待ちのVDS(すなわち、PCからの下りのベストエフォート型トラフィックの場合)のサイズが変わると更新される。連続/周期的なフロータイプの上りの仮想ストリーム(VUS)または横方向の仮想ストリーム(VSS)の場合には、これに対応するQoSパラメータセットに示すように、例えば、トークンバケットメカニズムによって定義される平均データレートおよび最大データバーストのような、VUSまたはVSSに相応しいQoS値からエントリのサイズ値が導き出される。エントリのサイズ値を変えることにより、送信局がフレームに相乗りさせた実際のサイズを反映するようにすることも可能である。不連続/バースト的なフロータイプのVUSまたはVSSの場合(すなわち、非PC局のベストエフォート型トラフィックの場合)には、エントリのサイズ値は、確保要求または相乗り(piggybacking)のいずれかにより送信局が提供したり、更新したりする。トラフィック監視(policing)のため、または輻輳制御のため、例えば、スーパーフレーム時間のような、一定の時間間隔Tの間にVSから送信される最大データサイズは、トークンバケットメカニズムにより、R×T+Bに制限される場合もある。これは、R、T、およびBのしかるべき単位を前提としている。ここで、RおよびBは、トークンバケットのトークン比率およびバケットサイズである。
【0049】
中央スケジュール設定テーブルを用いて、PC/APのFSEは、各エントリのデータサイズに基づくとともに、例えば、優先レベル、遅延による制限、およびジッターによる制限のような、各エントリに保存されたその他のQoSパラメータ値に基づいて、キュー設定されたトラフィックのCFPにおける送信機会(TO)のスケジュールを設定することが可能である。TOは、公称開始時間および最大持続時間によって定義される。また、非PC局が、その局から送信されることになっているトラフィックに関するローカルスケジュール設定テーブルを作成する場合もある。これにより、非PC局のローカルFSEは、これに属するVUSまたはVSSであって、所定のTOに応じて送信するのに相応しいVUSまたはVSSからデータを選ぶことが可能である。キュー設定されたトラフィックにTOを配分する際に、PC/APのFSEは、中央集中コンテンション機会(CCO:Centralized Contention Opportunities)の配分について考慮するが、これをBSS内の非PC局が中央集中コンテンションの場合に用いることにより、新しいフレームのバーストがその局の空のバッファに届くと確保要求が送信されるようになる。このような考慮は、中央集中コンテンションアルゴリズムによる。
【0050】
また、本発明によれば、QoS制御のWLANを介する、RSVP/SBMに基づく、下りのセッションのセットアップ、変更、および切断とともに、これに対応するサービスインターフェースが提供される。ここで、下りのセッションとは、特定のトランスポート層プロトコルによって維持されており、無線LANの所定のBSSの外側のユーザから送出されており、そのBSSのPC/APを通じて受け渡されており、そのBSS内の少なくとも1つの局を宛先としているデータフローであると定義される。図7は、本発明のQoS制御のWLANを介するRSVP/SBMに基づく下りのセッションのセットアップ、変更、および切断に係る信号パスを示す図である。
【0051】
BSSの外側のユーザが、そのRSVPエージェントにRSVP発信プロトコルのPathメッセージを送り出させることによって、下りのセッションを起こさせる。Pathメッセージは、BSSのPC/AP内に設けられた指定サブネット帯域幅マネージャ(DSBM:Designated Subnet Bandwidth Manager)に伝えられる。次に、DSBMが、Pathメッセージを、BSS内のセッションを受け取る各局のサブネット帯域幅マネージャ(SBM:Subnet Bandwidth Manager)に送る。宛先局のSBMがそのメッセージを受け取り終えると、宛先局のSBMは、RSVP発信プロトコルのResvメッセージをDSBMに送り返すことにより、リソースの確保を開始する。続いて、DSBMは、その下りのセッションに係るBSS内の下りのトラフィック転送について承認制御を行う。さらに、DSBMは、その承認決定の結果に基づいて、適当なResvメッセージをセッションの送信元に送り返す。所定のセッションのためのPathメッセージおよびResvメッセージは、セッションの送信元および着信先によって周期的に送信されるが、セッションの過程において変えられる場合もある。また、DSBMは、その変化に対して、適当なResvメッセージを送り出すことによって応える。PathメッセージおよびResvメッセージは、LLC副層およびMAC副層に対して存在を意識させないものである。
【0052】
特に、DSBMが、セットアップされることになっている下りのセッションのためのRSVP発信プロトコルの新しいPath/Resvメッセージを検知すると、DSBMは、そのメッセージからQoSパラメータ値および分類子を抽出する。続いて、DSBMは、例えば、ポリシー制御およびリソース制御のような要因に基づいて、そのセッションに対する承認決定を下す。このとき、リソース可用性情報が、MAC副層に論理上属するPC/APのFSEによって周期的に提供されている。セッションが承認制御を通過しない場合、DSBMはそのセッションを拒絶する。セッションが認められると、PC/APのQMEは、新しい下りの仮想ストリーム(VDS)をセットアップして、下りのセッショントラフィックを伝送するようにする。つまり、QMEが、VDSのVSIDを設定する。続いて、QMEは、FCEに命令して、FCEの分類テーブルに、セッションを定義する分類子およびVSIDのエントリを生成するようにする。また、QMEは、FSEに命令して、FSEのスケジュール設定テーブルに、セッションを定義するQoSパラメータ値およびVSIDのエントリを生成するようにする。さらに、QMEは、MAC副層管理エンティティ(MLME)に命令して、管理フレーム、つまりVS更新管理フレームを発行して、同一BSS内のセッションを受け取ることになっている各局に対して送信するようにする。この場合のVS更新フレームは、例えば、下りのセッションのVSIDおよびVSアクション(すなわち、VDSの追加)のような情報を含む。
【0053】
DSBMが、承認された下りのセッションの変化を、そのセッションのためのRSVP発信プロトコルのPath/Resvメッセージから検知すると、DSBMは、そのメッセージから、セッションを定義する新しいQoS値を抽出するとともに、変更されたQoS要求に応えるかどうかを決定する。その変更を容認することができない場合、セッションは、元のQoS値のもとで有効であり続けることになる。その変更が容認されると、PC/APのQMEがそのセッションを維持しているVDSを変更することで、そのVDSと対応づけられている変更されたQoS値を反映する。つまり、QMEは、FSEに命令して、設定されたVSIDによって特定されたセッションのために生成されたエントリの新しいQoS値で、スケジュール設定テーブルを更新するようにする。
【0054】
DSBMが、承認された下りのセッションの終了を、RSVPプロトコルのPath/Resvメッセージ、またはセッションのタイムアウト表示のいずれかから検知すると、PC/APのQMEは、そのセッション/アプリケーションのために設定されたVDSを切断する。つまり、QMEは、セッション/アプリケーションを定義する分類子を、VDSのVSIDと一致させる。続いて、QMEは、FCEに命令して、セッション/アプリケーションを定義する分類子およびVSIDのエントリを分類テーブルから削除するようにする。また、QMEは、FSEに命令して、セッション/アプリケーションを定義するQoS値およびVSIDのエントリをスケジュール設定テーブルから削除するようにする。さらに、QMEは、MLMEに命令して、別のVS更新フレームを、同一BSS内のセッション/アプリケーションを受け取っている各局に対して送信するようにする。このVS更新フレームは、例えば、そのセッションのVSIDおよびVSアクション(すなわち、VDSの削除)のような情報を含む。
【0055】
また、本発明によれば、QoS制御のWLANを介する、RSVP/SBMに基づく、上りのセッションのセットアップ、変更、および切断とともに、これに対応するサービスインターフェースが提供される。ここで、上りのセッションとは、特定のトランスポート層プロトコルによって維持されており、無線LANの所定のBSSの内側の局から送出されており、そのBSSのPC/APを通じて受け渡されており、そのBSSの外側の少なくとも1つのユーザを宛先としているデータフローであると定義される。図8は、本発明のQoS制御のWLANを介するRSVP/SBMに基づく上りのセッションのセットアップ、変更、および切断に係る信号パスを示す図である。
【0056】
所定のBSSの内側の局が、そのSBMにRSVP発信プロトコルのPathメッセージを送り出させることによって、上りのセッションを起こさせる。Pathメッセージは、BSSのPC/AP内に設けられたDSBMに送られる。次に、DSBMが、Pathメッセージを、BSSの外側のセッションを受け取ることになっている各ユーザのRSVPエージェントに送る。宛先RSVPエージェントがそのメッセージを受け取り終えると、宛先RSVPエージェントは、RSVP発信プロトコルのResvメッセージをDSBMに送り返すことにより、リソースの確保を開始する。続いて、DSBMは、セッション送信元のSBMの代わりに、その上りのセッションに係るBSS内の上りのトラフィック転送について承認制御操作を行う。さらに、DSBMは、その承認決定の結果に基づいて、適当なResvメッセージをセッションの送信元に送り返す。セッション送信元に送り返されるResvメッセージは、単に確認のためにすぎず、通常のRSVP発信プロトコルの場合のように、受け取り先、すなわち送信局のSBMが、その局の上りのトラフィックのためのリソース確保を行うことを要求したりはしない。所定のセッションのためのPathメッセージおよびResvメッセージは、セッションの送信元および着信先によって周期的に送信されるが、セッションの過程において変えられる場合もある。また、DSBMは、その変化に対して、適当なResvメッセージを送り出すことによって応える。このResvメッセージに対して、受け取り先(再度、送信局のSBM)が、リソース確保アクションをとることは全くない。PathメッセージおよびResvメッセージは、LLC副層およびMAC副層に対して存在を意識させないものである。
【0057】
特に、DSBMが、セットアップされることになっている上りのセッションのためのRSVP発信プロトコルの新しいPath/Resvメッセージを検知すると、DSBMは、そのメッセージからQoSパラメータ値および分類子を抽出してから、例えば、ポリシー制御およびリソース制御のような要因に基づいて、そのセッションに対する承認決定を下す。このとき、リソース可用性情報が、PC/APのMAC副層に論理上設けられているFSEによって周期的に提供されている。セッションが承認制御を通過しない場合、DSBMはそのセッションを拒絶する。セッションが認められると、PC/APのQMEは、新しい上りの仮想ストリーム(VUS)をセットアップして、上りのセッショントラフィックを伝送するようにする。つまり、QMEが、VUSの仮想ストリーム識別子(VSID)を設定する。続いて、QMEは、PC/APのFSEに命令して、FSEのスケジュール設定テーブルに、セッションを定義するQoSパラメータ値およびVSIDのエントリを生成するようにする。さらに、QMEは、PC/APのMLME(MAC副層管理エンティティ)に命令して、管理フレーム、つまりVS更新管理フレームを発行して、そのセッションを起こしている局に対して送信するようにする。この場合のVS更新フレームは、例えば、上りのセッションのVSID、フレーム分類子、VSアクション(すなわち、VUSの追加)、およびQoSパラメータ値のような情報を含む。宛先に指定された局がそのVS更新フレームを受け取ると、そのローカルQMEは、ローカルFCEに命令して、ローカル分類テーブルに、セッションを定義するフレーム分類子およびVSIDのエントリを生成するようにする。また、ローカルQMEは、ローカルFSEに命令して、ローカルスケジュール設定テーブルに、セッションを定義するQoSパラメータ値およびVSIDのエントリを生成するようにする。
【0058】
DSBMが、承認された上りのセッションの変化を、そのセッションのためのRSVP発信プロトコルのPath/Resvメッセージから検知すると、DSBMは、そのメッセージから、セッションを定義する新しいQoSパラメータ値を抽出するとともに、変更されたQoS要求に応えるかどうかを判断する。その変更を容認することができない場合、セッションは、元のQoSパラメータ値のもとで有効であり続けることになる。その変更が容認されると、PC/APのQMEがそのセッションを維持しているVUSを変更することで、そのVUSと対応づけられている変更されたQoSパラメータ値を反映する。つまり、PC/APのQMEは、PC/APのFSEに命令して、設定されたVSIDによって特定されたセッションのために生成されたエントリの新しいQoSパラメータ値で、スケジュール設定テーブルを更新するようにする。さらに、QMEは、PC/APのMLMEに命令して、別のVS更新フレームを、セッションを起こしている局に対して発行するようにする。この場合のVS更新フレームは、例えば、そのセッションのVSID、VSアクション(すなわち、VUSの変更)、および新しいQoSパラメータ値のような情報を含む。セッションを起こしている局がVS更新フレームを受け取ると、そのローカルQMEは、ローカルFSEに命令して、ローカルスケジュール設定テーブル内のセッションを定義しているVSIDのエントリを、新しいQoSパラメータ値で更新するようにする。
【0059】
DSBMが、承認された上りのセッションの終了を、RSVPプロトコルのPath/Resvメッセージ、またはセッションのタイムアウト表示のいずれかから検知すると、PC/APのQMEは、そのセッションのために設定されたVUSを切断する。つまり、PC/APのQMEは、セッションを定義する分類子を、VUSのVSIDと一致させる。続いて、PC/APのQMEは、PC/APのFSEに命令して、セッションを定義するQoSパラメータ値およびVSIDのエントリをスケジュール設定テーブルから削除するようにする。さらに、QMEは、PC/APのMLMEに命令して、別のVS更新フレームを、セッションを起こしている局に対して送信するようにする。当該VS更新フレームは、例えば、そのセッションのVSIDおよびVSアクション(すなわち、VUSの削除)のような情報を含む。セッションを起こしている局がVS更新フレームを受け取ると、そのローカルQMEは、ローカルFCEに命令して、セッションを定義しているVSIDおよび分類子のエントリをローカル分類テーブルから削除するようにする。また、QMEは、ローカルFSEに命令して、セッションを定義しているVSIDおよびQoSパラメータ値のエントリをローカルスケジュール設定テーブルから削除するようにする。
【0060】
また、本発明によれば、QoS制御のWLANを介する、RSVP/SBMに基づく、横方向のセッションのセットアップ、変更、および切断とともに、これに対応するサービスインターフェースが提供される。ここで、横方向のセッションとは、特定のトランスポート層プロトコルによって維持されており、無線LANの所定のBSSの内側の局から送出されており、そのBSS内の少なくとも1つの局を直接に宛先としているデータフローであると定義される。また、このデータフローは、そのBSSのPC/APを通じて、そのBSSの外側の任意のユーザを宛先とする場合もある。図9は、本発明のQoS制御のWLANを介するRSVP/SBMに基づく横方向のセッションのセットアップ、変更、および切断に係る信号パスを示す図である。
【0061】
所定のBSSの内側の局が、そのSBMにRSVP発信プロトコルのPathメッセージを送り出させることによって、横方向のセッションを起こさせる。Pathメッセージは、BSSのPC/AP内に設けられたDSBMに送られる。次に、DSBMが、Pathメッセージを、BSSの外側のセッションを受け取ることになっている各ユーザのRSVPエージェントと、BSSの内側のセッションを受け取ることになっている各局のSBMとに送る。宛先RSVPエージェントがそのメッセージを受け取り終えると、宛先RSVPエージェントは、RSVP発信プロトコルのResvメッセージをPC/APのDSBMに送り返すことにより、リソースの確保を開始する。また、BSS内の各宛先局のSBMは、それ自体のResvメッセージをPC/APのDSBMに送り返すことにより、リソースの確保を開始する。続いて、PC/APのDSBMは、セッション送信元のSBMの代わりに、その横方向のセッションに係るBSS内の横方向のトラフィック転送について承認制御操作を行う。さらに、DSBMは、その承認決定の結果に基づいて、適当なResvメッセージをセッションの送信元に送り返す。このResvメッセージは、単に確認のためにすぎず、通常のRSVP発信プロトコルの場合のように、受け取り先、すなわち送信局のSBMが、その局の横方向のトラフィックのためのリソース確保を行うことを要求したりはしない。所定のセッションのためのPathメッセージおよびResvメッセージは、セッションの送信元および着信先によって周期的に送信されるが、セッションの過程において変えられる場合もある。また、PC/APのDSBMは、その変化に対して、適当なResvメッセージを送り出すことによって応える。このResvメッセージに対して、受け取り先(再度、送信局のSBM)が、リソース確保アクションをとることは全くない。PathメッセージおよびResvメッセージは、LLC副層およびMAC副層に対して存在を意識させないものである。
【0062】
特に、DSBMが、セットアップされることになっている横方向のセッションのためのRSVP発信プロトコルの新しいPath/Resvメッセージを検知すると、DSBMは、そのメッセージからQoSパラメータ値および分類子を抽出してから、例えば、ポリシー制御およびリソース制御のような要因に基づいて、そのセッションに対する承認決定を下す。このとき、リソース可用性情報が、PC/APにおけるMAC副層のFSEによって周期的に提供されている。セッションが承認制御を通過しない場合、DSBMはそのセッションを拒絶する。セッションが認められると、PC/APのQMEは、新しい横方向の仮想ストリーム(VSS)をセットアップして、横方向のセッショントラフィックを伝送するようにする。つまり、PC/APのQMEが、VSSの仮想ストリーム識別子(VSID)を設定する。続いて、QMEは、論理上MAC副層の一部であるPC/APのFSEに命令して、FSEのスケジュール設定テーブルに、セッションを定義するQoSパラメータ値およびVSIDのエントリを生成するようにする。さらに、QMEは、PC/APのMLMEに命令して、管理フレーム、つまりVS更新管理フレームを発行して、そのセッションを起こしている局に対して送信するようにする。この場合のVS更新フレームは、例えば、横方向のセッションのVSID、フレーム分類子、VSアクション(すなわち、VSSの追加)、およびQoSパラメータ値のような情報を含む。セッションを起こしている局がそのそのフレームを受け取ると、そのローカルQMEは、ローカルFCEに命令して、ローカル分類テーブルに、セッションを定義するフレーム分類子およびVSIDのエントリを生成するようにする。また、ローカルQMEは、ローカルFSEに命令して、ローカルスケジュール設定テーブルに、セッションを定義するQoSパラメータ値およびVSIDのエントリを生成するようにする。さらに、PC/APのQMEは、PC/APのMLMEに命令して、管理フレーム、つまりVS更新管理フレームを発行して、同一BSS内のセッションを受け取ることになっている各局に対して送信するようにする。この場合のVS更新フレームは、例えば、横方向のセッションのVSIDおよびVSアクション(すなわち、VSSの追加)のような情報を含む。
【0063】
DSBMが、承認された横方向のセッションの変化を、そのセッションのためのRSVP発信プロトコルのPath/Resvメッセージから検知すると、DSBMは、そのメッセージから、セッションを定義する新しいQoSパラメータ値を抽出するとともに、変更されたQoS要求に応えるかどうかを判断する。その変更を容認することができない場合、セッションは、元のQoSパラメータ値のもとで有効であり続けることになる。その変更が容認されると、PC/APのQMEがそのセッションを維持しているVSSを変更することで、そのVSSと対応づけられている変更されたQoSパラメータ値を反映する。つまり、PC/APのQMEは、PC/APのFSEに命令して、設定されたVSIDによって特定されたセッションのために生成されたエントリの新しいQoS値で、スケジュール設定テーブルを更新するようにする。さらに、PC/APのQMEは、PC/APのMLMEに命令して、別のVS更新フレームを、セッションを起こしている局に対して発行するようにする。この場合のVS更新フレームは、例えば、そのセッションのVSID、VSアクション(すなわち、VSSの変更)、および新しいQoSパラメータ値のような情報を含む。宛先に指定された局がそのフレームを受け取ると、そのローカルQMEは、ローカルFSEに命令して、ローカルスケジュール設定テーブル内のセッションを定義しているVSIDのエントリを、新しいQoSパラメータ値で更新するようにする。
【0064】
DSBMが、承認された横方向のセッションの終了を、RSVPプロトコルのPath/Resvメッセージ、またはセッションのタイムアウト表示のいずれかから検知すると、PC/APのQMEは、そのセッションのために設定されたVSSを切断する。つまり、PC/APのQMEは、セッションを定義する分類子を、VSSのVSIDと一致させる。続いて、PC/APのQMEは、PC/APのFSEに命令して、セッションを定義するQoSパラメータ値およびVSIDのエントリをスケジュール設定テーブルから削除するようにする。さらに、QMEは、PC/APのMLMEに命令して、別のVS更新フレームを、セッションを起こしている局に対して送信するようにする。この場合、VS更新フレームは、例えば、そのセッションのVSIDおよびVSアクション(すなわち、VSSの削除)のような情報を含む。宛先に指定された局がVS更新フレームを受け取ると、そのローカルQMEは、ローカルFCEに命令して、セッションを定義しているVSIDおよび分類子のエントリをローカル分類テーブルから削除するようにする。また、ローカルQMEは、ローカルFSEに命令して、セッションを定義しているVSIDおよびQoSパラメータ値のエントリをローカルスケジュール設定テーブルから削除するようにする。さらに、PC/APのQMEは、PC/APのMLMEに命令して、別のVS更新フレームを、同一BSS内のセッションを受け取っている各局に対して送信するようにする。このVS更新フレームは、例えば、そのセッションのVSIDおよびVSアクション(すなわち、VSSの削除)のような情報を含む。
【0065】
また、本発明によれば、QoS制御のWLANを介する改良されたチャネルアクセスメカニズムが提供されるが、これにより、IEEEP802.11/1999によって規定された簡易なポーリング方式および分散型コンテンション方式による無線LANにおけるQoS機能およびチャネル活用が大幅に改善される。本発明によるチャネルアクセスは、承認されたセッション/アプリケーションと対応づけられているQoSパラメータ値により制御される。具体的には、下りのトラフィック(PC/AP局から少なくとも1つの非PC/AP局へ)については、例えば、下りのトラフィックの遅延による制限および平均データレートのような、該当するQoSパラメータ値セットに基づいて、WLANの所定のBSS内のPC/AP局のFSEによって直接にTOが付与される。連続/周期的なフロータイプの、上りおよび横方向のトラフィック(非PC/AP局からPC/AP局または非PC/AP局へ)についても、同様に、上りおよび横方向のトラフィックの該当するQoSパラメータ値セットに応じて、PC/AP局のFSEによって周期的にTOが配分される。不連続/バースト的なフロータイプの上りおよび横方向のトラフィックについては、非PC/AP局において送信用にデータがバッファリングされているときに限りTOが配分されるが、さらに、この配分は、QoSパラメータ値の影響を受ける。従って、仮に、PC/AP局に関連する全ての局に対して、そのトラフィックのそれぞれのフロータイプにかかわらず、データ送信のためにポーリングするようにした場合のように、動作していない局のせいでチャネル帯域幅を使わないまま無駄にするということはない。また、本発明のQoSに基づくチャネルアクセスによれば、より優先度の高いトラフィックを転送すること、つまり、特に、帯域幅が不十分な場合において重要なメカニズムを可能にする。
【0066】
本発明のチャネルアクセスメカニズムは、IEEEP802.11/1999において説明されたような、あらゆる局に等しく含まれる従来のDCF(Distributed Coordination Function)の制御下において実行される従来の分散型コンテンション方式に加えて、PC/AP局に含まれるPCF(Point Coordination Function)の制御下において実行される中央集中コンテンションおよび確保要求に係る方式を含む。さらに、本発明のチャネルアクセスメカニズムは、IEEEP802.11/1999によって規定されたような、1つのフレームにおいて1つのTOを通知する簡易なポーリング方式とは異なり、PCFにより単一のフレームにおいて複数のTOを通知するマルチポーリング方式を含む。
【0067】
本発明のこの側面によれば、(PC/AP局または/およびその他の局に)送信すべきデータフレームの新たなバーストが非PC/AP局にある場合に、非PC/AP局が、中央集中コンテンションにより、確保要求(RR:Reservation Request)をPCに送信することでチャネル帯域幅を配分するようにする。PCFに係る「コンテンションフリー期間」(CFP)ごとに、ゼロ、1つ、または複数の中央集中コンテンション間隔(CCI:Centralized Contention Intervals)が、中央集中コンテンションのためにPCによって設定される場合もある。各CCIの長さは、中央集中コンテンション機会(CCO)の単位で示されるが、これもPCによって決定される。利用可能なCCIの回数および各CCIの長さは、コンテンション制御(CC:Contention Control)フレームにおいてPC/AP局によって通知される。RRを送信することが認められている局であれば、CCフレームに続いて利用可能なCCOのいずれか1つにRRを送信する。所定のCCIにおいてRRフレームを正常に送信した局は、PC/AP局によって送信される次のCCフレームにおいて特定されることになる。また、このような肯定的な表示を、送信されたRRに係るデータバーストの送信に付与されるTOという形で有効にする場合もある。所定のCCIにおいてRRフレームを正常に送信しなかった局は、次のCCIにおいて再試行する場合もある。
【0068】
「コンテンションフリー期間」(CFP)という表現は、IEEEP802.11/1999において定義された従来の「コンテンション期間」(CP)と概ね一致する。本発明とは異なり、CPは、IEEEP802.11/1999のDCFにより動作する分散型コンテンションのことを指す。これに対して、本発明のCFPは、このようなコンテンションのことを含意しておらず、PCFによる中央集中コンテンションを有することが可能である。中央集中コンテンションによれば、PC、すなわちPC/AP局内のFSEが、チャネル帯域幅を包括的に制御することにより、非PC/AP局がコンテンションのために掌握する期間をPCが予め決定するようにすることが可能になる。これとは対照的に、分散型コンテンションによれば、局が予測不可能に持続してチャネルを掌握することが可能であり、これにより、その他の競合しているセッション/アプリケーションのためのチャネルアクセスをロックアップする場合もある。また、本発明の中央集中コンテンションによれば、PCが、このようなコンテンションに備えて帯域幅の配分を最適化することが可能になる。その結果、分散型コンテンションと比較して、チャネル処理能力が高められる一方で、アクセス遅延は低減させられる。これは、PCが、全局のコンテンション結果に係る全体的な履歴を保持することが可能であることに伴い、中央集中コンテンションの帯域幅不足および前回のコンテンションの衝突解決を最適に見積もることが可能であるからである。これに対して、分散型コンテンションを用いる局は、自局のコンテンション履歴に係るローカルな情報に基づいて競合することに伴い、全体のコンテンションアルゴリズムを最適化することが不可能である。さらに、中央集中コンテンションによれば、局は、非常に短いRRのみを、新しいバーストに対して一回だけ送信する。一方、分散型コンテンションによれば、局は、かなり長いデータフレームを送信するだけでなく、データバーストごとに何回か競合しなければならない場合もある。これは、データバーストは、一般に、一定のサイズを越えないいくつかのデータフレームに分解する必要があるからである。従って、本発明によれば、従来の分散型コンテンション技術よりも、かなり低いコンテンション強度に加えて、これに伴って、かなり高いチャネル処理能力および低いアクセス遅延がもたらされる。
【0069】
マルチポーリングをPC/AP局が送信することで、TO列が、少なくとも1つの非PC/AP局に伝達されることにより、上りおよび/または横方向の送信に備える。また、マルチポーリングによって、各TOの長さが規定される。本発明に係るこの技術が特に有用であるのは、直接的な局間通信を伴うことにより、データフレームをまずPC/AP局に送信してから宛先である非PC/AP局に送り返すことを要する状況を回避する場合にである。
【0070】
図10は、本発明によるQoS制御のWLANを介する改良されたチャネルアクセスメカニズムを示す図である。図10には、コンテンションフリー期間(CFP)、従来のコンテンション期間(CP)、および例示的なフレームを有するスーパーフレームを示すが、これにより本発明の改良されたチャネルアクセスメカニズムを説明する。スーパーフレームは、ターゲットビーコン送信時間(TBTT:Target Beacon Transmission Time)によって分界される。TBTTに続いて、PC/AP局は、IEEEP802.11/1999によって定義されたように、ビーコンフレームを送信する。短いフレーム間スペース(SIFS:Short Inter−Frame Space)が、CFPにおける各フレームの送信の後に生じるが、これについても、IEEEP802.11/1999によって定義されている。
【0071】
次に、図10に示すように、下りフレームD2が、PC/AP局から非PC/AP局に送信される。下りフレームには、PC/AP局に上りのトラフィックを送信するために、宛先である非PC/AP局に対するポーリングが含まれる。ポーリングを受けた非PC/AP局は、ユーザ/管理データおよびポーリングに対する確認応答を含む上りフレームU2により応答する。
【0072】
次に、マルチポーリングフレームの一例を示すが、これにより、非PC局がトラフィックを送信するためのTO列が伝達される。この例では、マルチポーリングによって特定されたTO列には4つのTOがある。第1のTOは、非PC/AP局を起点とするVS13またはその他のVSに配分されており、VS13に分類されたデータフレームを送信するために用いられる。第2のTOは、非PC/AP局を起点とするVS31またはその他のVSに配分されており、VS31に分類されたデータフレームを送信するために用いられる。第3のTOは、非PC/AP局に配分されており、非PC/AP局が、遅延した確認応答(Dly−Ack:Delayed Acknowledgement)を送信するために用いられる。これにより、少し前に、非PC/AP局によって、Dly−Ackフレームにおいて特定されたフレームが受信されたことについて確認応答する。第4のTOは、非PC/AP局を起点とするVS28またはその他のVSに配分されており、VS28に分類されたデータフレームを送信するために用いられる。各TOごとに、トラフィックが送信されている。TOに続いて、PC/AP局は、確認応答フレームをポーリングとともに送信する。この確認応答フレームによって、その確認応答フレームの直前に非PC/AP局によって送信されたフレーム(すなわち、図10によればVS28からのフレーム)が適正に受信されたことについて確認応答するとともに、ポーリングによって、上りまたは横方向のトラフィックを送信するように、宛先である非PC/AP局に対してポーリングする。ポーリングを受けた非PC/AP局であるSTA4は、STA5に対してデータフレームを送信することによって応答する(S45)。
【0073】
さらに、CFPには、3つのCCOを特定するCCフレームが含まれる。この3つのCCOは、送信すべき不連続/バースト的なフロータイプまたはベストエフォート型/非同期式のトラフィックの新しいバーストを有する非PC局が、RRを送るために用いることが可能である。また、CCフレームには、先行するCCIにおいてPC/AP局にRRを正常に送信した非PC/AP局の特定に関する情報が含まれる。その結果、これらの非PC/AP局は、次のCCIにおいてRRを再送信する必要があるかどうかを判断することが可能である。RRが送信されるのは、上述のように、送信されるべく非PC/AP局に到達するトラフィックのバーストを送信するために帯域幅を配分してもらうためである。図10に示す構成例によれば、単一のRRが第1のCCOに送信されており、第2のCCOに送信されているRRはなく、2つの衝突するRRが第3のCCOに送信されている。CCOに続いて、PC/AP局は、下りフレームD1をポーリングとともに送信する。ポーリングを受けた非PC/AP局は、確認応答を含む上りフレームU1により応答する。
【0074】
図10に示すスーパーフレームの構成例によれば、第2のCCフレームを、PC/AP局から送信することで、利用可能なCCOを示すとともに、そのCCフレームの送信のすぐ前のフレームを受信したことについて確認応答する。図10に示すように、1つのRRが第1の利用可能なCCOに送信されるのに対して、もう1つのRRが第2の利用可能なCCOに送信される。図10中において、これらの2つのRRは、先行するCCIの第3のCCOにおいて衝突していたが、今回は衝突することなく送信されるとともに、それぞれがPC/AP局によって適正に受信されることにより、衝突がうまく解消されることとなる。最後に、コンテンションフリー(CF)エンドフレームを送信することで、現在のスーパーフレームにおける、CFPの終わりと従来のCPの始まりを示す。
【0075】
また、本発明によれば、QoS制御のWLANを介して中央集中コンテンションおよび確保要求を実行するための方法が提供されるが、これにより、所定のBSSに係る各局が、そのBSSに係るPC/APに対して、効率よく、新しいQoS/ベストエフォート型のトラフィックバーストが送信待ち状態になったことを通知することが可能になる。続いて、PC/APのFSEは、そのような情報を、そのスケジュール設定テーブルに取り込むことにより、データバーストを送信するための送信機会(TO)を配分するようにすることが可能である。
【0076】
中央集中コンテンションは、PC/APによって制御されるものであり、従来の分散型コンテンションに用いられるコンテンション期間(CP)とは対照的に、図11aに示すように、スーパーフレームの「コンテンションフリー期間」(CFP)において行われる。本発明によれば、中央集中コンテンションは、明確に規定された中央集中コンテンション間隔(CCI)において行われる。各CCIについては、PC/APによって同報配信されるコンテンション制御(CC)フレーム(またはPCが受信した1つ前のデータフレームに対する確認応答を含むCCフレーム)が常に先行する。各CCIには、確保要求(RR)フレームを送信するための中央集中コンテンション機会(CCO)がいくつか含まれている。一定の中央集中コンテンションルールに従って、各局は、それぞれのRRフレームをCCOにより送信する。所定のCFPには、ゼロ、1つ、またはそれ以上のCCIがある場合もある。このとき、各CCIにおけるCCOの回数は、FSEが、PC/APのFSEに保持されているスケジュール設定テーブルおよび使用中の中央集中コンテンションアルゴリズムを参照して適当と判断した回数に設定される。中央集中コンテンションアルゴリズムによって、CCOの単位における後続のCCIの所望の長さが決定される。これは、先行するCCIにおけるコンテンション結果(すなわち、無駄になっていたり、正常であったり、衝突していたりするCCOの数)、および1つ前のCCI以降に新しいRRフレームを生成している局の推定数に基づく。
【0077】
例えば、図11bに示すような、CCフレームには、例えば、優先度限界、CCIの長さ、許可確率(PP:Permission Probability)、およびフィードバックエントリのような情報が含まれている。優先度限界は、起点局に後続のCCIにおいて代わりにRRフレームを送信させるきっかけとなる権限を有する、新しいデータバーストを送信すべく有する上りの仮想ストリームまたは横方向の仮想ストリームに係る最小優先レベルを規定する。CCIの長さは、そのCCIに含まれるCCOの観点から表される。PPは、利用可能なCCIの長さが最適なCCIの長さよりも短いときにコンテンションを低減するために用いられるが、これは、そのような場合において、利用可能なCCIの長さを最適なCCIの長さで割ることにより算出される。そうでない場合には、PPは、単位元とする。RRフレームを送信する義務および権限を有する局は、まず、PPと照らし合わせることにより、それらの局が、RRフレームを送信するために競合することが許可されているかどうかを確かめる。これらの特定の局は、単独で、ある数値を、区間(0,1)に均一に分布する確率変数に基づいて生成する。局がPPよりも小さい数値を生成する場合には、その局は、競合することが許可されており、そうでない場合には、許可されていない。許可されている局は、単独で、かつ無作為に、利用可能なCCOのうちの1つを選択するとともに、そのRRフレームをその選択されたCCOにより送信する。フィードバックエントリには、RRフレームが1つ前のCCIでPC/APによって適正に受け取られたということの根拠であるVSIDまたはAIDが含まれる。このような肯定的なフィードバックがCCフレームで全く検出されなかった局では、次のCCIに適用される中央集中コンテンションルールのもと、次のCCIにおいて、再度、RRフレームを送信しようとすることになる。ただし、局に、次のCCIの開始よりも前に、仮想ストリーム(VS)のための送信機会(TO)が提示されており、結果として、RRフレームが送信されたことになる場合を除く。
【0078】
例えば、図11cに示すような、RRフレームには、主として、例えば、そのRRフレームが送信されているということの根拠であるVSのデータサイズ、およびそのVSを特定するVSID、またはベストエフォート型トラフィックのデータサイズおよび送信局のAIDのような情報が含まれている。局がRRフレームを生成するのは、新しいデータのバーストがそれを起点とするVSのうちの1つに送信すべく分類される場合である。また、局が、自局に配分されたTOを用いてRRフレームを送信する場合もある。一般に、RRフレームは、データフレームと比べてかなり短いので、全てのデータフレームが、IEEEP802.11/1999の従来のDCF(Distributed Contention Function)に基づくコンテンションによって送信される場合と比較すると、大幅に、コンテンションが低減させられるとともに、チャネル性能が向上させられる。
【0079】
本発明によれば、QoS制御のWLANを介してマルチポーリングを実行するための方法が提供されるが、これにより、単一のポーリングによる少なくとも1つの局における連続する上りの仮想ストリーム(VUS)および横方向の仮想ストリーム(VSS)からの送信に備えて対処する。本発明によれば、このようなマルチポーリング方式によって、IEEEP802.11/1999によって規定されたような、ポーリング当たり1つの局のみからの送信に備えて対処するという従来の簡易なポーリング方式が拡張される。従って、無線メディアにおける帯域幅利用効率が大幅に向上させられる。本発明に係るこのやり方が特に有用であるのは直接的な局間通信を伴う場合にであるが、これは、データフレームをまずPC/APに送信してから宛先局に送り返すという必要がないからである。
【0080】
マルチポーリングがPC/APによってスーパーフレームのCFPにおいて送信されるのは、送信機会(TO)列を様々な局に対して配分することにより、連続的な上りおよび/または横方向のデータ送信に備えることが望ましい場合においてである。マルチポーリングフレームは、主として、その発生順に並べられたポーリングレコードに基づいて生成される。各ポーリングレコードは、さらに、VSID(または、AID、すなわち関連ID(Association ID))および持続時間から構成されている。VSIDは、特定のポーリングレコードからTOを受け取っている局を起点とするVUS/VSSを特定し、あるいは、TOが有効なVUS/VSSの起点には全くなっていない局に対するものである状況おいては、局のAIDを特定する。TOの持続時間によって、そのTOの最大の長さが規定される。最初のTOは、マルチポーリングフレームが終了した後にSIFS期間を開始し、その後に続く各TOは、先行するTOが期限切れになると開始する。代替として、TOがSIFS期間を開始するのは、先行するTOを利用する局が、そのポーリングレコードではその局からの最終フレームであると表示されているデータフレームを送信した後で、2番目のTOを利用する局がそのような表示を検知したときである。つまり、局が、先行する局の表示した通りに送信終了を検知しない場合は、その局は、自局に配分されたTOの範囲内で送信を開始する。先行するTOが完全に利用される前に、局がそのような終了を検知すると、その局は、早めに開始する場合もあるが、残りの持続時間を、その局に配分されたTOの最長持続時間に加えて利用することはできない。このような場合において、PC/APは、未使用のチャネル時間を回収するためのアクションを何も起こさない。マルチポーリングにおいて配分されたTOを完全に利用していない局がある場合には、最後の局は、その送信を通常の終了時間よりも前に終える場合もある。その場合、未使用のチャネル時間は、再配分すべくPC/APに戻される。
【0081】
局が、VSIDを含むポーリングレコードに応じて、指定されたVUS/VSSから、または、その代わりに、その局を起点とする有効なVUS/VSSのQoSパラメータ値に基づいてそのローカルFSEが決定した別のものから、データを送信する場合もある。ポーリングレコードがAIDを含む場合には、そのAIDを有する局が、完全に、そのローカルFSEの決定に基づいて、繰り返して言うと、有効なVUS/VSSのQoSパラメータ値に応じて、データを送信する。
【0082】
図12aには、コンテンションフリー期間(CFP)、従来のコンテンション期間(CP)、およびフレームの構成例を含むスーパーフレームの構成例を示す。図12aのスーパーフレームは、ターゲットビーコン送信時間(TBTT)によって分界されている。TBTTに続いて、PC/AP局は、IEEEP802.11/1999によって定義されたように、ビーコンフレームを送信する。短いフレーム間スペース(SIFS)が、CFPにおける各フレームの送信の後に生じるが、これについても、IEEEP802.11/1999によって定義されている。
【0083】
次に、図12aに示すように、下りフレームD2が、PC/AP局から非PC/AP局に送信される。下りフレームには、PC/AP局に上りのトラフィックを送信するために、宛先である非PC/AP局に対するポーリングが含まれる。ポーリングを受けた非PC/AP局は、ユーザ/管理データおよびポーリングに対する確認応答を含む上りフレームU2により応答する。
【0084】
次に、マルチポーリングフレームの一例を示すが、これにより、非PC局がトラフィックを送信するためのTO列が伝達される。この例では、マルチポーリングによって特定されたTO列には5つのTOがある。第1のTOは、非PC/AP局を起点とするVS13またはその他のVSに配分されており、VS13に分類されたデータフレームを送信するために用いられる。第2のTOは、非PC/AP局を起点とするVS31またはその他のVSに配分されており、VS31に分類されたデータフレームを送信するために用いられる。第3のTOは、非PC/AP局に配分されており、非PC/AP局が、遅延した確認応答(Dly−Ack)を送信するために用いられる。これにより、少し前に、非PC/AP局によって、Dly−Ackフレームにおいて特定されたフレームが受信されたことについて確認応答する。第4のTOは、非PC/AP局を起点とするVS28またはその他のVSに配分されており、VS28に分類されたデータフレームを送信するために用いられる。第5のTOは、非PC/AP局を起点とするVS4またはその他のVSに配分されており、VS4に分類されたデータフレームを送信するために用いられる。各TOごとに、トラフィックが送信されている。TOに続いて、PC/AP局は、確認応答フレームをポーリングとともに送信する。この確認応答フレームによって、その確認応答フレームの直前に非PC/AP局によって送信されたフレーム(すなわち、図12aによればSTA4からのフレーム)が適正に受信されたことについて確認応答するとともに、ポーリングによって、上りまたは横方向のトラフィックを送信するように、宛先である非PC/AP局に対してポーリングする。ポーリングを受けた非PC/AP局であるSTA4は、STA5に対してデータフレームを送信することによって応答する(S45)。最後に、コンテンションフリー(CF)エンドフレームを送信することで、現在のスーパーフレームにおける、CFPの終わりと従来のCPの始まりを示す。
【0085】
本発明について、図示された実施の形態を参照しつつ説明してきたが、本発明の趣旨および範囲からはずれることなく修正を加えることも可能であるということは正しく認識されるとともに理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
本発明は、添付の図面において、実施例を挙げて示されているが、これに限定されるものではない。図中、同様の符号は同様の構成要素を示す。
【図1】本発明によるWLANを介する基本サービスセット(BSS)におけるQoSサポートのためのアーキテクチャ参照モデルを示す図である。
【図2】本発明によるWLANを介するQoSサポートのための帯域内QoS発信参照モデルを示す図である。
【図3】本発明によるWLANを介するQoSサポートのための仮想ストリームを示す図である。
【図4】本発明によるWLANにおけるQoSサポートに用いることが可能な承認制御方法を示すフローチャートである。
【図5】本発明によるQoS制御のWLANにおいて用いることが可能なフレームを分類するためのプロセスを示す図である。
【図6】本発明によるQoS制御のWLANを介するフレームのスケジュール設定に用いることが可能なスケジュール設定テーブルの一例を示す図である。
【図7】本発明によるQoS制御のWLANを介するRSVP/SBMに基づく下りのセッションのセットアップ、変更、および切断に係る信号パスを示す図である。
【図8】本発明によるQoS制御のWLANを介するRSVP/SBMに基づく上りのセッションのセットアップ、変更、および切断に係る信号パスを示す図である。
【図9】本発明によるQoS制御のWLANを介するRSVP/SBMに基づく横方向のセッションのセットアップ、変更、および切断に係る信号パスを示す図である。
【図10】本発明によるQoS制御のWLANを介する改良されたチャネルアクセスメカニズムを示す図である。
【図11a】本発明によるQoS制御のWLANを介する中央集中コンテンションおよび確保要求に用いることが可能なスーパーフレーム、コンテンション制御フレーム、および確保要求フレームの構成例を示す図である。
【図11b】本発明によるQoS制御のWLANを介する中央集中コンテンションおよび確保要求に用いることが可能なスーパーフレーム、コンテンション制御フレーム、および確保要求フレームの構成例を示す図である。
【図11c】本発明によるQoS制御のWLANを介する中央集中コンテンションおよび確保要求に用いることが可能なスーパーフレーム、コンテンション制御フレーム、および確保要求フレームの構成例を示す図である。
【図12a】本発明によるQoS制御のWLANを介して用いることが可能なスーパーフレーム、およびマルチポーリングの構成例を示す図である。
【図12b】本発明によるQoS制御のWLANを介して用いることが可能なスーパーフレーム、およびマルチポーリングの構成例を示す図である。
本発明は、本願と同時出願の特許出願(出願番号:未定、代理人の整理番号:2000−0395、発明の名称:An Architectural Reference Model for QoS−Driven Wireless LANs、発明者:ホー(J.−M. Ho))、本願と同時出願の特許出願(出願番号:未定、代理人の整理番号:2000−0396、発明の名称:An In−Band QoS Signaling Reference Model for QoS−Driven Wireless LANs、発明者:リン(W. Lin)、ホー)、本願と同時出願の特許出願(出願番号:未定、代理人の整理番号:2000−0397、発明の名称:Virtual Streams for QoS−Driven Wireless LANs、発明者:ホー、リン)、本願と同時出願の特許出願(出願番号:未定、代理人の整理番号:2000−0398、発明の名称:Admission Control for QoS−Driven Wireless LANs、発明者:リン、ホー)、本願と同時出願の特許出願(出願番号:未定、代理人の整理番号:2000−0400、発明の名称:Frame Scheduling for QoS−Driven Wireless LANs、発明者:ホー、リン)、本願と同時出願の特許出願(出願番号:未定、代理人の整理番号:2000−0401、発明の名称:RSVP/SBM Based Down−Stream Session Setup, Modification, and Teardown for QoS−Driven Wireless LANs、発明者:ホー、リン)、本願と同時出願の特許出願(出願番号:未定、代理人の整理番号:2000−0402、発明の名称:RSVP/SBM Based Up−Stream Session Setup, Modification, and Teardown for QoS−Driven Wireless LANs、発明者:ホー、リン)、本願と同時出願の特許出願(出願番号:未定、代理人の整理番号:2000−0403、発明の名称:RSVP/SBM Based Side−Stream Session Setup, Modification, and Teardown for QoS−Driven Wireless LANs、発明者:ホー、リン)、本願と同時出願の特許出願(出願番号:未定、代理人の整理番号:2000−0404、発明の名称:Enhanced Channel Access Mechanisms for QoS−Driven Wireless LANs、発明者:ホー)、本願と同時出願の特許出願(出願番号:未定、代理人の整理番号:2000−0405、発明の名称:Centralized Contention and Reservation Request for QoS−Driven Wireless LANs、発明者:ホー、リン)、および本願と同時出願の特許出願(出願番号:未定、代理人の整理番号:2000−0406、発明の名称:Multipoll for QoS−Driven Wireless LANs、発明者:ホー、リン)に関連しており、この各出願を本願に引用して援用する。さらに、本発明は、2000年6月19日出願の特許出願(出願番号:未定、代理人の整理番号:1999−0408、発明の名称:Voice−Data Integrated Multiaccess By Self−Reservation and Blocked Binary Tree Resolution、発明者:ホー)、および2000年6月19日出願の特許出願(出願番号:未定、代理人の整理番号:1999−0409、発明の名称:Voice−Data Integrated Multiaccess By Self−Reservation and Stabilized Aloha Contention、発明者:ホー)に関連しており、この各出願を本願に引用して援用する。
【0002】
(技術分野)
本発明は、通信およびネットワーク化の技術分野に関する。特に、本発明は、QoS制御の無線ネットワークにおけるフレームの分類に関する。
【0003】
(背景技術)
例えば、ハイブリッドファイバ同軸ネットワークや3G/4Gの携帯電話ネットワークのようなデジタル広帯域ネットワークの出現により、パケットによる居住環境および企業環境へのマルチメディアサービスが、現実のものとなってきているだけでなく、不可欠なものとなりつつある。例えば、音声、映像、およびデータのようなマルチメディアアプリケーションについて無線による配信またはアクセスを行うことは、このような流れの加速を促すことから実現性があると考えられている。
【0004】
共有ネットワークを介するマルチメディアトラフィックの伝送には、一般に、予測可能であって満足のいくネットワークサービスを実現するための一定レベルのサービス品質(QoS:Quality of Service)サポートが欠かせない。技術的には、QoSとは、遅延/ジッターによって制限される平均/最大データレート等の観点から、取り決められた一組のサービス値を、セッションまたはアプリケーションが受けることを期待するとともにネットワークが提供できることを意味する。QoSは、例えば、効果的な輻輳制御、適切なリソースの確保、適正なトラフィック整形、および優先順位をつけた帯域幅の割り当てのような技術によって、強化されるとともに支えられている。ある程度のQoS保証により、共有チャネルが時間によって制限される非同期サービスを提供するが、これは専用チャネルによるサービスに匹敵する。
【0005】
帯域幅の利用効率は、マルチメディアネットワークの設計における、もう一つの重要な検討事項である。帯域幅の利用効率が高いと、チャネルの処理能力が向上するとともにアクセス遅延を低減することにつながり、ひいては、同一のチャネル帯域幅がより多くのセッション/アプリケーションに所定のQoSレベルで対応することを可能にする。帯域幅が足りない場合においては、帯域幅の利用効率を最大にすることで、有効なセッション/アプリケーションに与えられるQoS値の低下を極力抑える。
【0006】
残念ながら、例えば、IEEEP802.11/1999によって現在規定されている無線ローカルエリアネットワーク(WLAN:Wireless Local Area Network)は、QoS伝送に対応しておらず、分散型コンテンション(競合)方式または簡易なポーリング方式で動作する。従って、非同期式であって処理能力が低いベストエフォート型データサービスが提供されるにすぎない。
【0007】
必要とされているのは、WLANを、チャネルアクセスが向上したエンドツーエンドQoSネットワークの一部とするための技術であり、これにより、帯域幅の利用効率が改善されたQoSサポートを提供するための技術である。
【0008】
(発明の開示)
本発明は、WLANにおけるQoSサポートのためのフレーム分類方法を提供する。本発明の利点は、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)の基本サービスセット(BSS)内の局のフレーム分類エンティティ(FCE)によって提供される。このFCEは、分類テーブルを含む。この分類テーブルは、その局の論理リンク制御(LLC)副層に論理上設けられており、少なくとも1つの分類子エントリを含む。本発明によれば、局には、ポイントコーディネータ(PC)を含む場合もあれば、非PC局である場合もある。各分類子エントリには、少なくとも、仮想ストリーム識別子(VSID)、サーチ優先度値、および少なくとも1つの分類子パラメータが含まれる。分類テーブル中の各分類子エントリは、分類子エントリに含まれるサーチ優先度値に基づいて階層的な順序で並べられている。FCEは、局内の上位層からその局のLLC副層に受け渡された少なくとも1つのデータフレームを受け取る。その少なくとも1つのデータフレームは、サービス品質(QoS)データフレームおよびベストエフォート型(非同期)データフレームのうちの1つである。QoSデータフレームは、分類テーブル中の分類子エントリのうちの少なくとも1つにおける少なくとも1つの分類子パラメータのうちの少なくとも1つに含まれる情報を含む。続いて、FCEは、データフレームをその局の分類テーブルと照らし合わせて調べることにより、受け取られた各データフレームをVSIDに分類する。データフレームを調べると、そのデータフレームのVSIDが分類テーブルの分類子エントリに含まれている場合には、そのVSIDは、データフレームをBSSのピアLLCエンティティ間で伝送するためのQoSパラメータセットと関連づけられる。受け取られたデータフレームに含まれるフレーム分類情報が分類テーブルのどの分類子エントリにも含まれていない場合には、分類の結果が、QoSパラメータセットと関連づけられていない特別なVSIDで表されて、そのデータフレームは、BSSのピアLLCエンティティ間をベストエフォート方式で伝送される。
【0009】
(発明を実施するための最良の形態)
本発明は、IEEEP802.11/1999によって現在規定されているWLANの下位層(リンクおよびPHY層)を、IEEEP802.11/1999においてではなく、開放型システム間相互接続(Open Systems Interconnection (OSI) (ISO/IEC 7498−1))によるISO/IECの基本的な参照モデルにおいて提示された上位層(ネットワークおよび上位層)と統合するアーキテクチャ参照モデルを提供する。このIEEEP802.11/1999およびISO/IEC7498−1の規格は本願に引用して援用する。さらに、本発明は、エンドツーエンドQoSメカニズムを提供する。このような統合によって、QoSパラメータ値が上位層から下位層に伝えられて、下位層がQoSトラフィックを伝送するとともにチャネルの処理能力を向上させることが可能になる。
【0010】
例えば、IEEEP802.11/1999において規定されているような既存の参照モデルと比べると、本発明は、承認制御エンティティ(ACE:Admission Control Entity)、QoS管理エンティティ(QME:QoS Management Entity)、フレーム分類エンティティ(FCE:Frame Classification Entity)、およびフレームスケジュール設定エンティティ(FSE:Frame Scheduling Entity)を、ポイントコーディネータ/アクセスポイント(PC/AP:Point Coordinator/Access Point)局(STA)に導入する。また、本発明は、QoS発信エンティティ(QSE:QoS Signaling Entity)、QoS管理エンティティ(QME)、フレーム分類エンティティ(FCE)、および取捨選択可能なフレームスケジュール設定エンティティ(FSE)を、非PC/AP(non−PC/AP)局に導入する。ACEおよびQSEは、それぞれQMEの一部である場合もある。また、本発明は、仮想ストリーム(VS:Virtual Stream)更新管理フレームを導入することにより、PC/AP局と非PC/AP局との間でVS管理情報をやり取りするようにする。
【0011】
図1には、本発明によるWLANを介する基本サービスセット(BSS:Basic Service Set)におけるQoSサポートのためのアーキテクチャ参照モデルを示す。図1には、1つのPC/AP局および2つの非PC/AP局xおよびyを含むBSSの一例を示す。図1には2つの非PC/AP局しか示されていないが、図1のBSSの一部である非PC/AP局はいくつであってもよいことは言うまでもない。
【0012】
図1のPC/AP局は、QoS管理エンティティ(QME)の一部である承認制御エンティティ(ACE)を含む。代替例として、ACEが、QMEと連係して動作する別のエンティティである場合もある。また、PC/AP局は、フレーム分類エンティティ(FCE)を含むが、これは、論理上、PC/AP局の論理リンク制御(LLC:Logical Link Control)副層に設けられる。QMEは、FCEと連係するが、これにより、フレーム分類テーブルが保持される。このフレーム分類テーブルには、フレームに関連するQoSパラメータ値を特定するために用いられるフレーム分類子(frame classifiers)が含まれる。さらに、PC/AP局は、論理上、PC/AP局のメディアアクセス制御(MAC:Medium Access Control)副層に設けられるフレームスケジュール設定エンティティ(FSE)を含む。QMEは、FSEと連係するが、これにより、フレームスケジュール設定テーブルが保持される。このフレームスケジュール設定テーブルには、フレームの送信スケジュールを設定するためのスケジュール設定情報が含まれる。PC/AP局は、従来の局管理エンティティ(SME:Station Management Entity)を含むが、これは、QMEとは別のものである。SMEは、従来のMAC副層管理エンティティ(MLME:MAC sub−Layer Management Entity)および従来の物理層管理エンティティ(PLME:Physical Layer Management Entity)と連係する。MLMEは、MAC副層と連係するのに対して、PLMEは、物理層と連係する。物理層は、従来の物理層コンバージェンスプロトコル(PLCP:Physical Layer Convergence Protocol)副層および従来の物理メディア依存(PMD:Physical Medium Dependent)副層を備える。
【0013】
非PC/AP局は、各局ごとに、ローカルFCEと連係するローカルQMEを含む。ローカルFCEは、論理上、非PC/AP局のLLC副層に設けられ、ローカルフレーム分類テーブルを保持する。非PC/AP局は、各局ごとに、ローカルFSE(図中、点線の枠線で示す)を含むことが選択可能である。このローカルFSEは、非PC/AP局に含まれる場合には、論理上、非PC/AP局のMAC副層に設けられ、非PC/AP局のローカルフレームスケジュール設定テーブルを保持する。非PC/AP局は、各局ごとに、従来の局管理エンティティ(SME)を含むが、これは、ローカルQMEとは別のものである。非PC/AP局のSMEは、従来のMLMEおよび従来のPLMEと連係する。MLMEは、MAC副層と連係するのに対して、PLMEは、物理層と連係する。物理層は、従来の物理層コンバージェンスプロトコル(PLCP)副層および従来の物理メディア依存(PMD)副層を備える。
【0014】
セッションまたはアプリケーション(セッション/アプリケーション)のエンドツーエンドQoS発信メッセージが、WLANのBSS内、およびそのBSSの外側から、のうちの少なくともいずれかにおける各局のQSEによって生成される。このエンドツーエンドQoS発信メッセージは、セッション/アプリケーションが、セットアップ中であるのか、変更中であるのか、または切断(teardown)中であるかを示すことが可能である。PC/AP局のACEは、リソース制御のためのモジュールおよびポリシー制御のためのモジュール(図1中、特に図示せず)を含む場合もあるが、そのBSS内におけるQSE、または下位層に対して存在を意識させないそのBSSの外側における他のQoS発信相手先のうちの少なくともいずれかと、エンドツーエンドQoS発信メッセージをやり取りする。このエンドツーエンドQoS発信メッセージおよびローカルポリシーに基づいて、ACEは、セットアップ中のセッション/アプリケーションについて承認制御に関する決定を下す。
【0015】
セッション/アプリケーションが承認されると、この承認に備えて確保されていたリソースが、ACEにおいて反映されることになるのに対して、PC/AP局のQMEは、仮想ストリーム(VS)を設定して、セッション/アプリケーションのトラフィックをローカルLLC副層エンティティから少なくとも1つのピアLLCエンティティに伝送するようにする。設定されたVSは、有効なVSとなり、仮想ストリーム識別子(VSID:Virtual Stream IDentifiers)によって特定される。さらに、PC/AP局のQMEは、承認されたセッション/アプリケーションごとに、フレーム分類子をエンドツーエンドQoSメッセージから抽出する。この場合、フレーム分類子とは、そのフレームに関連するQoSパラメータ値を特定するために用いることが可能な一組の分類パラメータである。一例として、分類パラメータは、IP分類パラメータ、LLC分類パラメータ、およびIEEE802.1P/Qパラメータを含む。
【0016】
PC/AP局のQMEは、PC/AP局のFCEに、新たに承認されたセッション/アプリケーションの下りのトラフィック(PC/AP局から非PC/AP局へのトラフィック)のために定義されたVSIDおよびこれに対応するフレーム分類子を受け渡す。FCEは、下り、上り(非PC/AP局からPC/AP局へ)、および横方向(非PC/AP局から非PC/AP局へ)のトラフィックのために定義されたVSIDおよび分類子を分類テーブルに追加する。この分類テーブルは、VSIDと対にされたり、VSIDを含んだりする全ての有効な分類子を、定義された順番で並べた一覧表である。また、PC/AP局のQMEは、PC/AP局のFSEに、VSIDおよびこれに対応するQoSパラメータ値を受け渡す。論理上、FSEは、例えば、データサイズのような、その他の情報に加えて、VSIDおよび関連するQoSパラメータ値を、スケジュール設定テーブルに保持する。
【0017】
さらに、PC/AP局のQMEは、PC/AP局に、VS更新フレームという管理フレームを新たに承認されたセッション/アプリケーションに関与する非PC/AP局の各局に送信させるようにする。このVS更新管理フレームは、例えば、VSID、フレーム分類子、VSアクション(すなわち、VSの追加)、およびQoSパラメータ値のような情報を含み、これが、セッション/アプリケーションの下り、上り、または横方向のトラフィックを定義する。非PC/AP局が、VS更新管理フレームに含まれる情報を受け取り、この情報をそのローカルQMEに受け渡し終えると、ローカルQMEは、上りまたは横方向のトラフィックに備えて、非PC/AP局のローカルFCEにVSIDおよび分類子を取り次ぐとともに、非PC/AP局のローカルFSE(もしあれば)にVSIDおよびQoSパラメータ値を取り次ぐ。
【0018】
FCEは、PC/AP局内に設けられているか、非PC/AP局内に設けられているかにかかわらず、LLC副層に上から受け渡されたフレームをVSIDに分類する。PC/AP局のFSEは、VSIDに関連するQoSパラメータ値に基づいて、特定のVSIDに分類されたフレームの送信機会(TO:Transmission Opportunities)についてスケジュールを設定する。非PC/AP局のFSEは、データフレームをその有効なVSからその特定のVSのQoSパラメータ値に基づいて選択して、PC/AP局がスケジュール設定したTOを通じて送信するようにする。
【0019】
PC/AP局のQMEが、ACEが受け取ったエンドツーエンドQoS発信メッセージから、承認されたセッション/アプリケーションのQoSパラメータ値の変化を検知すると、ACEは、その「変化」したQoSパラメータ値について新たな承認制御に関する決定を下す。その変化が容認できない場合には、QMEは、そのセッション/アプリケーションに関与する非PC/AP局およびPC/AP局に対して何もアクションを起こさない。その変化を容認する場合には、変更されたQoSパラメータ値に備えて確保されていたリソースが、ACEにおいて反映されることになるとともに、QMEは、セッション/アプリケーションの承認されたVSIDを用いて、新しいQoSパラメータ値でPC/AP局のFSEを更新する。さらに、QMEは、PC/AP局に、もう一つのVS更新管理フレームを、変更されたセッション/アプリケーションに関与する非PC/AP局の各局に対して送信させるようにする。VS更新フレームは、承認されたVSID、VSアクション(すなわち、VSの変更)、および新しいQoSパラメータ値に関する情報を含む。関与している非PC/AP局が第2のタイプのVS更新フレームを受け取ると、非PC/AP局は、そのなかに含まれている情報をそのローカルQMEに受け渡す。ローカルQMEは、セッション/アプリケーションの上りまたは横方向のトラフィックのために、非PC/AP局のローカルFSE(もしあれば)をVSIDおよび変更されたQoSパラメータ値で更新する。続いて、PC/AP局および非PC/AP局の双方のFSE(もしあれば)は、変更されたQoSパラメータ値に基づいてVS送信のスケジュールを設定する。
【0020】
PC/AP局のQMEは、ACEが受け取ったエンドツーエンドQoS発信メッセージから、承認されたセッション/アプリケーションの終了を検知すると、その終了によって解除されたリソースが、ACEにおいて反映されることになるのに対して、QMEは、セッション/アプリケーションのために設定された特定のVSIDを特定する。PC/AP局のQMEは、PC/AP局のFCEに命令して、分類テーブルから、セッション/アプリケーションの下りのトラフィックに関連するVSIDおよびこれに対応するフレーム分類子を削除させるようにする。また、PC/AP局のQMEは、PC/AP局のFSEに命令して、スケジュール設定テーブルから、セッション/アプリケーションに関連するVSIDおよびこれに対応するフレーム分類子を削除させるようにする。さらに、PC/AP局のQMEは、PC/AP局に、もう一つのVS更新管理フレームを、セッション/アプリケーションに関与する非PC/AP局の各局に対して送信させるようにする。VS更新管理フレームは、そのとき、VSIDおよびVSアクション(すなわち、VSの削除)に関する情報を含むが、これは、セッション/アプリケーションの下り、上り、または横方向のトラフィックを定義するものである。非PC/AP局がVS更新管理フレームに含まれる情報を受け取り、この情報をそのローカルQMEに受け渡し終えると、ローカルQMEは、非PC/AP局のローカルFCEに命令して、ローカル分類テーブルから、セッション/アプリケーションの上りまたは横方向のトラフィックのために承認されたVSIDを含むエントリを削除させるようにする。また、QMEは、非PC/AP局のFSE(もしあれば)に命令して、ローカルスケジュール設定テーブルから、VSIDを含むエントリを削除させるようにする。
【0021】
また、本発明によれば、PC/AP局において承認/ポリシー制御および中央スケジュール設定を続ける一方で、セッション/アプリケーションのセットアップ、変更または終了を要求するために、非PC/AP局がVS更新管理フレームをPC/AP局に対して送信するようにすることも可能である。非PC/AP局のローカルQMEは、このようなVS更新フレームを送信させるようにするが、セットアップを要求する場合、これは、VSIDを含まなかったり、特別なVSIDを含んだりする。PC/AP局は、VS更新管理フレームを受け取ると、そのなかに含まれている情報をそのPC/AP局のQMEに受け渡す。このVS更新管理フレームに含まれている情報に基づいて、ACEは、適当なアクションを起こすのに対して、PC/AP局のQMEは、PC/AP局が、VS更新管理フレームを非PC/AP局に対して送り返すようにする。要求を認める場合には、まるでその要求がPC/AP局自体から起こったかのように、戻りVS更新管理フレームには、PC/AP局から送出されたVS更新管理フレームと同じ情報が含まれる。要求を認めない場合には、戻りVS更新管理フレームには、VSアクション(すなわち、VSの拒絶)に加えて、当初の要求においてVSIDが示していた情報が含まれる。非PC/AP局からこのような要求を起こすことが可能であるということは、特に、エンドツーエンドQoSメッセージおよびセッション/アプリケーションのトラフィックが、PC/AP局を通じてではなく、非PC/AP局から、または非PC/AP局へ、ポータルまたはブリッジを通じて行き来するという場合において役に立つ。
【0022】
また、本発明によれば、帯域内QoS発信参照モデルが提供されるが、これは、例えば、IETFのDiffservおよびIEEEの802.1P/Qのような、従来のネットワーク帯域内QoS発信プロトコルをサポートするWLANを可能にする本発明のアーキテクチャ参照モデルに組み込むことが可能である。このような帯域内発信によって、第3層(IETFのDiffservのような)または第2層(IEEEの802.1P/Qのような)のタグ付けメカニズムによるQoSサポートがもたらされる。一般に、タグ付けは、ネットワークリソースを予め確保したりはせず、データパケットまたはフレームにおける一定のビットの標準化された組み合わせパターンにより実行される。これらの組み合わせパターンによって、例えば、データトラフィックに関連する優先レベルおよびフロータイプのような、換算された(reduced)一組のQoSパラメータが特定される。
【0023】
図2は、本発明のWLANを介するQoSサポートのための帯域内QoS発信参照モデルを示す。より具体的には、図2は、QMEと、STAのLLC副層に論理上設けられているFCEと、STAのMAC副層に論理上設けられているFSEとを含むSTAを示す。FSEは、非PC/AP局において取捨選択可能である場合もある。QMEは、FCEと連係するとともに、FSEが存在する場合にはFSEと連係する。
【0024】
新しい帯域内QoS発信セッションが期待するエンドツーエンドQoS値が、これに対応するフレーム分類子とともに、新しいセッションのデータフレームから直接に抽出される。とりわけ、STAのFCEが、現在使用している分類テーブルにより分類することができない新しいセッションのデータフレーム(第1のデータフレーム)を検出すると、FCEは、そのフレームをSTAのQMEに受け渡す。
【0025】
PC/AP局の場合において、これは下りのトラフィック(PC/AP局から非PC/AP局へのトラフィック)に該当するが、QMEは、フレームを調べて、その新しい下りのセッションを特徴づける分類子およびQoSパラメータ値を入手するようにする。また、QMEは、下りの仮想ストリーム(VDS:Virtual Down−Stream)を設定して、そのセッショントラフィックを、ローカルLLC副層エンティティから少なくとも1つのピアLLCエンティティに伝送するようにするとともに、その新しく設定されたVDSにVSIDを割り当てる。さらに、QMEは、FCEに、新しい下りのセッションのために定義されたVSIDとこれに対応するフレーム分類子を受け渡す。FCEは、このVSIDおよび分類子をその分類テーブルに追加する。また、QMEは、FSEに、そのようなVSIDおよびこれに対応するQoSパラメータ値を受け渡す。論理上は、このFSEが、そのスケジュール設定テーブルのエントリに、例えば、データサイズのようなその他の情報に加えて、VSIDおよび関連するQoSパラメータ値を保持する。さらに、PC/AP局のQMEは、そのPC/AP局が、例えば、VS更新管理フレームのような管理フレームを、PC/AP局のBSSにおいてその新しいセッションに関与している非PC/AP局の各局に送信するようにする。VS更新管理フレームには、例えば、VSID、VSアクション(すなわち、VDSの追加)のような情報が含まれるが、これが下りのセッションを定義する。
【0026】
非PC/AP局の場合において、これは上りおよび横方向のトラフィック(非PC/AP局からPC/AP局または非PC/AP局へのトラフィック)に該当するが、QMEは、フレームを調べて、その新しい上りまたは横方向のセッションを特徴づける分類子およびQoSパラメータ値を入手するようにする。さらに、非PC/AP局のQMEは、その非PC/AP局が、例えば、VS更新管理フレームのような管理フレームを、その非PC/AP局を含むBSSのPC/AP局に送信するようにする。VS更新管理フレームには、例えば、特別なVSID、VSアクション(すなわち、VUSまたはVSSの追加)、フレーム分類子、およびQoSパラメータ値のような情報が含まれるが、これが上りまたは横方向のセッションを定義する。PC/AP局がそのVS更新管理フレームに含まれる情報を受け取り、その情報をPC/AP局のQMEに受け渡し終えると、QMEは、上りの仮想ストリーム(VUS:Virtual Up−Stream)または横方向の仮想ストリーム(VSS:Virtual Side−Stream)を設定して、そのセッショントラフィックをLLCエンティティの間で伝送するようにするとともに、その設定されたVUSまたはVSSにVSIDを割り当てる。さらに、QMEは、PC/AP局のFSEに、VSIDおよびこれに対応するQoSパラメータ値を受け渡す。また、PC/AP局のQMEは、PC/AP局が、例えば、VS更新管理フレームのような管理フレームを、そのBSSにおいて新しい上りまたは横方向のセッションを開始している非PC/AP局に戻すようにする。このVS更新管理フレームには、例えば、割り当てられたVSID、VSアクション(すなわち、VUSまたはVSSの追加)、フレーム分類子、およびQoSパラメータ値のような情報が含まれるが、これが上りまたは横方向のセッションを定義する。非PC/AP局がそのVS更新管理フレームに含まれる情報をPC/AP局から受け取り、その情報を非PC/AP局のローカルQMEに受け渡し終えると、QMEは、非PC/AP局のローカルFCEに対してVSIDと分類子を取り次ぐとともに、非PC/AP局のローカルFSE(存在する場合)に対してVSIDとQoSパラメータ値を取り次ぐ。これらの情報は、上りまたは横方向のセッションのために定義されたものである。
【0027】
図2に示すFCEは、その分類テーブルを用いて、LLC副層に上から受け渡されたフレームをVSIDに分類する。PC/AP局のFSEは、VSIDに関連するQoSパラメータ値に基づいて、特定のVSIDに分類されたフレームの送信機会(TO)のスケジュールを設定する。非PC/AP局のFSEは、データフレームをその有効なVSからそのVSのQoSパラメータ値に基づいて選択して、PC/AP局がスケジュール設定したTOを通じて送信するようにする。
【0028】
また、このような分類機能のほかに、FCEは、その分類テーブルの各エントリにタイマーを保持することにより、セッションの終了を検知する。特定のエントリによってデータフレームが正常に分類されると、FCEは、これに対応するタイマーを所定の値にリセットする。そのエントリを使ってもう一つのデータフレームを分類する前に、そのタイマーの所定時間が経過すると、FCEは、その特定のエントリを同一STAのQMEに受け渡した上で、そのエントリをその分類テーブルから削除する。QMEは、そのエントリに含まれるVSIDを入手すると、同一STAのローカルFCEに命令して、そのVSIDを、これに対応するQoSパラメータ値とともにスケジュール設定テーブルから削除させるようにする。タイムアウトイベントがPC/AP局で発生する場合において、これは下りのセッションに該当するが、PC/AP局のQMEは、さらに、PC/AP局がVS更新管理フレームをそのBSS内のセッションに関与している非PC/AP局の各局に対して送信するようにする。このVS更新管理フレームには、例えば、VSIDおよびVSアクション(すなわち、VDSの削除)のような情報が含まれるが、これが下りのセッションを定義する。宛先に指定された非PC/AP局がVS更新管理フレームに含まれる情報を受け取り、この情報をそのローカルQMEに受け渡し終えると、ローカルQMEは、非PC/AP局が、このVDSに関連するあらゆる情報を削除するようにする。タイムアウトイベントが非PC/AP局で発生する場合において、これは上りまたは横方向のセッションに該当するが、非PC/AP局のQMEは、さらに、非PC/AP局がVS更新管理フレームをPC/AP局に対して送信するようにする。このVS更新管理フレームには、例えば、VSIDおよびVSアクション(すなわち、VUSまたはVSSの削除)のような情報が含まれるが、これが上りまたは横方向のセッションを定義する。PC/AP局がVS更新管理フレームに含まれる情報を非PC/AP局から受け取り、この情報をPC/AP局のQMEに受け渡し終えると、QMEは、PC/AP局のFSEに命令して、スケジュール設定テーブルからVSIDを含むエントリを削除させるようにする。
【0029】
また、本発明によれば、仮想ストリーム(VS)が、QoS制御のWLANを介して提供される。これは、WLANのBSSにおけるPCのQMEによってセットアップされるが、これにより、定められたQoS制約条件のもと、承認されたセッション/アプリケーションのトラフィックをローカルLLCエンティティから同一BSS内の少なくとも1つのピアLLCエンティティに対して伝送するようにすることが可能である。VSがPC/AP局のQMEによって切断されるのは、基礎をなすセッションまたアプリケーションが終了するときである。
【0030】
論理上、VSは、そのVSの起点となるSTAと、そのBSSにおいてそのVSを受け取る少なくとも1つのその他のSTAとのあいだの単一方向パスである。VSは、特定可能であって順序よく並べられた連続データフレームであって、これにより、BSS内における伝送が所定の一組のQoSパラメータ値を用いて行われることになる。VS識別子(VSID)が、PC/AP局のQMEによって割り当てられることにより、VSのセットアップ時にVSが特定される。VSIDは、所定のBSSに限定されるもの(ローカル)であるとともに、所定のBSSにおいて他と重複しないものである。VSは、VSIDとVS起点局アドレスとVS宛先局アドレスの3つによって定義されるとともに、一組のQoSパラメータ値によって特徴づけられる。VSには、例えば、ストリーム、フロー、接続、またはセッションのような上位層概念に対する予め定められた関係はない。VSは、あるBSS内において、より正確には、WLANのMAC副層内において単独で存在するものである。適当なVSIDが、LLC副層に上から受け渡された各QoSデータフレームに挿入されるが、これは、LLC副層に論理上設けられているFCEを経由して送信するためである。これが受信LLC副層において受信と同時に削除されてから、そのフレームは、上位層に下から受け渡される。各VSIDは、PC/AP局のQMEによって、一組のQoSパラメータ値と対応づけられており、これにより、MAC副層に論理上設けられているFSEがフレームの送信スケジュールを設定する。
【0031】
図3は、本発明による、WLANを介するQoSサポートのための異なるタイプの仮想ストリームを示す図である。VSは、ユニットキャストVSである場合もあれば、マルチキャストVSである場合もある。ユニットキャストVSは、同一BSS内において、データフレームを1つのSTAからもう1つのSTAに伝送するために用いられるが、マルチキャストVSは、同一BSS内において、データフレームを1つのSTAから複数のSTAに伝送するために用いられる。また、VSは、下りの仮想ストリーム(VDS)、上りの仮想ストリーム(VUS)、または横方向の仮想ストリーム(VSS)である場合もある。VDSは、あるBSS内のPC/AP局から同一BSS内の少なくとも1つの非PC/AP局にデータを伝送するために用いられる。VUSは、あるBSS内の非PC/AP局から同一BSS内のPC/AP局にデータを伝送するために用いられる。VSSは、あるBSS内の非PC/AP局から同一BSS内の少なくとももう1つの非PC/AP局にデータを伝送するために用いられる。
【0032】
各VSIDに対応づけられたQoSパラメータ値、すなわち、そのVSが対応することになっているセッション/アプリケーションのトラフィックが期待するQoSパラメータ値は、そのセッション/アプリケーションの過程において変えることが可能である。これは、エンドツーエンドQoSメッセージによって発信され、PC/AP局のQMEによって是認される。VSとは、そのVSに分類されたデータフレームを伝送するために対応づけられたQoSパラメータ値に応じて、送信機会(TO)の観点から、PC/AP局のFSEによって配分された帯域幅である。
【0033】
QoSパラメータセットは、例えば、確認応答ポリシー、フロータイプ(連続/周期的、または不連続/バースト的)、優先レベル、プライバシー情報、遅延による制限、ジッターによる制限、最小データレート、平均データレート、最大データバーストのようなパラメータによって定義することが可能である。また、このとき、後ろの2つのパラメータは、着信トラフィックを記述したり整形したりするときによく用いられるトークンバケットのバケットサイズおよびトークン補充率(token replenishment rate)と関係がある。1つのSTAが、異なるQoS値セットを伴う複数のVSをサポートする場合もある。TOに応じて、非PC/AP局が、VSに個別に割り当てられた帯域幅以外にその非PC/AP局が起点となる別のVSからデータを送信する場合もある。これは、そのローカルFSEが、そのSTAが起点となる有効なVSのQoS値に基づいて相応しいと判断する場合においてである。
【0034】
また、本発明によれば、QoS制御のWLANを介して承認制御を実行するための方法が提供されるが、これにより、マクロに帯域幅が管理されて、MAC副層を介するQoSトラフィック伝送がセッションごとに行われることになる。本発明のこの側面によれば、論理上、PC/AP局のQMEの一部であるACEによって承認制御が行われる。そのQMEは、次に、PC/AP局のLLC副層に論理上設けられているFCEと連係するとともに、PC/AP局のMAC副層に論理上設けられているFSEと連係する。
【0035】
承認制御は、新しい帯域幅要求および現在の帯域幅可用性に基づいており、MACおよびPHYのオーバーヘッドの根拠である。帯域幅は、2つのスペースに分割されるが、その一方のスペースが、連続/周期的なフロータイプのセッション/アプリケーション用であり、もう一方のスペースが、不連続/バースト的なフロータイプのセッション/アプリケーション用である。一般に、連続/周期的なフロータイプは、時間の影響を受けやすく、リアルタイムのサービスが要求されるが、不連続/バースト的なフロータイプは、時間に対する耐性が強く、優先度が比較的低い。所定のBSSのPC/AP局のFSEは、RSVPQoSプロトコルとともに用いられるDSBMと同様のACEに対して、チャネルステータスサービスプリミティブにより、すべてのスーパーフレームについて、フィードバックを提供する。これにより、連続的なフロータイプおよび不連続的なフロータイプの両方のトラフィックのそれぞれについて、例えば、使用可能な帯域幅および使用されている帯域幅のような、現在のコンテンションフリー期間(CFP:Contention−Free Period)に関する情報が提供される。
【0036】
新しい帯域幅要求が、連続的なフロータイプのセッション/アプリケーションについて受け取られると、適当な帯域幅がまだ未使用で存在することから新しいセッション/アプリケーションを承認してもそのQoS要件を満たす場合であって、すでに承認されたセッション/アプリケーションの性能を劣化させないときに限り、その要求が認められることになる。未使用の帯域幅は新しいセッション/アプリケーションに対応するのに十分ではないけれども、不連続的なフロータイプに使用中の適当な帯域幅を新しいセッション/アプリケーションに対応させるために予め空けることが可能な場合であれば、不連続的なフロータイプの既存のセッション/アプリケーションの一部または全部を劣化させることによって新しい要求を認めることも可能である。新しい帯域幅要求が、不連続的なフロータイプのセッション/アプリケーションについて受け取られると、新しいセッション/アプリケーションの優先レベルよりも優先レベルが低い不連続的なフロータイプに使用されている帯域幅と未使用の帯域幅との合計がその新しい要求に応えるのに十分であることを条件に、その要求が認められることになる。
【0037】
いずれの場合においても、帯域幅の確保が、トークンバケットメカニズムのトークン比率およびバケットサイズの数値によって表されるような当該トラフィックのバースト特性に基づく場合もあれば、トークンバケットの測定レート(taken rate)のみによる平均データレートに基づく場合もある。例えば、実効チャネルレート(MACおよびPHYのオーバーヘッドの根拠である)がCであって、IEEEP802.11/1999によって規定されたコンテンション期間(CP:Contention Period)およびCFPを含む、各スーパーフレームの持続時間がTであって、セッションの平均データレートがトークン比率Rによって表されて、セッションの最大データバーストがバケットサイズBによって示されると仮定する。そのようなセッションのCFP当たりのチャネル時間の観点からみた帯域幅要件は、トラフィックバースト性に基づく承認の場合は、(R×T+B)/Cとなり、平均レートに基づく承認の場合は、R×T/Cとなる。これは、C、T、R、およびBのしかるべき単位を前提としている。
【0038】
図4は、本発明のWLANにおけるQoSサポートに用いることが可能な承認制御方法のためのフローチャート400を示す。ステップ401において、新しいセッション/アプリケーションのための帯域幅の要求を受けて、トラフィックフローの種類が判断される。ステップ401において、トラフィックタイプが連続的なフロートラフィックタイプである場合には、ステップ402に進む。ここで、要求しているセッション/アプリケーションに配分可能な未使用の帯域幅が十分にあるかが判断される。ステップ402において、未使用の帯域幅が十分にある場合には、ステップ403に進み、要求が認められる。
【0039】
ステップ402において、要求しているセッション/アプリケーションに配分可能な未使用の帯域幅が十分にない場合には、ステップ404に進む。ここで、既存の不連続的なフロータイプのセッション/アプリケーションが使用中の帯域幅であっても予め空けることが可能な帯域幅が十分にあるかが判断される。ステップ404において、既存の不連続的なフロータイプのセッション/アプリケーションから予め空けることが可能な帯域幅が不十分である場合には、ステップ405に進み、要求が拒絶される。ステップ404において、不連続的なフロータイプのセッション/アプリケーションから予め空けることが可能な帯域幅が十分にある場合には、ステップ406に進む。ここで、不連続的なフロータイプの既存のセッション/アプリケーションの一部または全部を劣化させる。ステップ407に進み、要求が認められる。
【0040】
ステップ401において、要求しているセッション/アプリケーションが不連続的なトラフィックフロータイプである場合には、ステップ408に進む。ここで、要求しているセッション/アプリケーションの優先度よりも優先度が低い不連続的なフロータイプのための帯域幅と未使用の帯域幅との合計が十分であるかが判断される。ステップ408において、要求しているセッション/アプリケーションのための帯域幅が十分にない場合には、ステップ409に進み、要求が拒絶される。ステップ408において、要求しているセッション/アプリケーションのための帯域幅が十分にある場合には、ステップ410に進み、要求が認められる。
【0041】
また、本発明によれば、QoS制御のWLANを介してフレームの分類を実行するための方法が提供されるが、これにより、QoS情報を、上位層(リンク層の上)から下位層(LLC副層およびMAC副層)にセッション当たり1回すなわちセッションが変わる度に受け渡すことが可能となる。本発明のこの側面によれば、局のLLC副層に論理上設けられているフレーム分類エンティティ(FCE)によってフレームの分類が行われる。フレームを分類し終えると、MAC副層に論理上設けられているフレームスケジュール設定エンティティ(FSE)によって、分類されたフレームのフレームスケジュールが設定される。FCEおよびFSEは、両方とも、ACEまたはQoS発信エンティティ(QSE)を含むQoS管理エンティティ(QME)と連係がとられている。
【0042】
フレームを分類することで、フレームを分類テーブル中の分類子と照らし合わせて調べることにより、LLC副層に上から受け渡されるフレームに標識付けするのに適切な仮想ストリーム識別子(VSID)が求められる。VSIDは、QMEによって特定のQoSパラメータ値セットと関連づけられている。これは、FSEが、LLCエンティティ間におけるフレームの転送についてのスケジュールを設定するのに用いるためである。QMEすなわちVS更新管理フレームにより、承認されたセッション/アプリケーションのQoSパラメータ値セットおよび分類子と対応するようにVSIDが設定される。セッション/アプリケーションの開始に先立ち、VSIDと分類子を対にしてFCEの分類テーブルに提供する一方で、VSIDとQoSパラメータ値セットを対にしてFSEのスケジュール設定テーブルに提供する。
【0043】
分類子エントリは、分類テーブル中に、サーチ優先度値の高い順に並べられている。分類テーブル中の分類子エントリには、VSID、サーチ優先度、および分類子パラメータが含まれる。分類子パラメータは、IP分類子パラメータ、LLC分類子パラメータ、またはIEEE802.1P/Qパラメータである場合もある。IP分類子パラメータは、例えば、IPTOSレンジ/マスク、IPプロトコル、IP起点(ソース)アドレス/マスク、IP宛先アドレス/マスク、TCP/UDPソースポートスタート、TCP/UDPソースポートエンド、TCP/UDP宛先ポートスタート、およびTCP/UDP宛先ポートエンドのようなパラメータである。LLC分類子パラメータは、例えば、起点MACアドレス、宛先MACアドレス、およびイーサタイプ/SAPのようなパラメータである。IEEE802.1P/Qパラメータは、例えば、802.1Pの優先度レンジ(Priority Range)、および802.1QのVLANIDのようなパラメータである。フレームが、エントリに含まれる分類子パラメータのうちの少なくとも1つを用いてサーチ優先度の高い順に正常に分類される場合には、最初に一致したエントリに含まれるVSID値によって、QoSパラメータセットに起因するMACサービスプリミティブであって、分類されたフレームをMAC副層に受け渡すために用いられるMACサービスプリミティブに備えて、QoSパラメータセットを指定するVSIDが提供される。そうでない場合には、そのフレームは、ベストエフォート型(非同期)フレームということである。
【0044】
図5は、本発明のQoS制御のWLANにおいて用いることが可能なフレームを分類するためのプロセスを示す。局内の上位層からその局内のLLC副層へと受け渡されたフレーム501は、その局のQMEによって受け取られる。QMEは、そのフレームを調べて、その受け取られたフレームに含まれる情報を得ようとする。この情報は、分類テーブル502中の分類子エントリのうちの少なくとも1つに含まれる分類子パラメータのうちの少なくとも1つに含まれている。QMEは、その受け取られたフレームを分類する際に、サーチ優先度の高い順に分類テーブル中のエントリを調べる。最初に一致したエントリに含まれるVSID値を用いて、そのBSSのピアLLCエンティティ間におけるデータフレームの伝送を行うためのVS503およびこれに対応するQoSパラメータセットが特定される。
【0045】
また、本発明によれば、QoS制御のWLANを介してフレームのスケジュール設定を実行するための方法が提供されるが、これにより、マクロに帯域幅が管理されて、MAC副層を介するQoSトラフィック伝送が所定の基本サービスセット(BSS)の全方向においてスーパーフレームごとに行われることになる。本発明のこの側面によれば、PC/APのMAC副層に論理上設けられているフレームスケジュール設定エンティティ(FSE)によってフレームのスケジュール設定が行われる。これは、そのBSSにおいて、非PC局のFSEが、できる限り補助することも可能である。フレームのスケジュール設定は、QoSフレームの場合は仮想ストリーム識別子(VSID)に、非QoSフレームの場合はベストエフォート優先度値に示される分類の結果であって、PC/APまたはそのPCと関連する局のLLC副層に論理上設けられているFCEの分類の結果に基づく。従って、分類された各VSIDに、PC/APのQMEによって対応づけられたQoSパラメータ値によって、フレームのスケジュール設定についての指針が与えられる。但し、ベストエフォート優先度値の場合、QoSパラメータ値はヌル(null)である。
【0046】
フレームのスケジュールを設定することで、BSSにおいて、PC/AP内のLLCエンティティを含めて、全局のMAC副層に上から受け渡されたフレームの、ピアLLCエンティティ間における、コンテンションフリー期間(CFP)を通じての転送スケジュールが設定される。PC/APにおいて、仮想中央キューすなわちスケジュール設定テーブルが作成されるので、QoSキュー設定/スケジュール設定アルゴリズムを調整して、実際にキュー設定されたフレーム、またはPC/APまたはPC/APと関連する非PC局における予測によってキュー設定されたフレームに係るサービス(すなわち、転送)のスケジュールを設定することも可能である。図6は、本発明のQoS制御のWLANを介するフレームのスケジュール設定に用いることが可能なスケジュール設定テーブルの一例を示す。このテーブルには、BSSにおける、承認された下りのセッションに係るトラフィック(すなわち、PC/APから送信されるトラフィック)、および承認された上りおよび横方向のセッションに係るトラフィック(すなわち、非PC局から送信されるトラフィック)をキュー設定をするためのエントリが含まれる。
【0047】
PC/APのためのエントリは、PC/APからPC/APと関連する非PC局へのトラフィックの転送のために常に存在する。BSS内の非PC局の各局のためのエントリは、非PC局が、その局からのベストエフォート型トラフィックに対応するためにPC/APと関連づけられる場合に自動的に生成される。VSがPC/APのQMEによってセットアップされて、新たに承認されたセッションに係るトラフィックを伝送する場合にも、各VSのためにエントリが生成される。セッションが終了したことからQMEによってVSが切断される場合には、その切断されたVSに対応するエントリがフレームスケジュール設定テーブルから削除される。QoSトラフィックの場合には、各エントリに、セッションを持続させているQoSパラメータ値およびVSIDが、対応するVS上のデータのサイズとともに含まれている。テーブル中のQoSエントリは、そのエントリに対応するVSIDと関連づけられている優先レベルが高い順に配列される場合もある。
【0048】
下りの仮想ストリーム(VDS)の場合(すなわち、PC/APの場合)には、エントリのサイズ値は、送信待ちのVDS(すなわち、PCからの下りのベストエフォート型トラフィックの場合)のサイズが変わると更新される。連続/周期的なフロータイプの上りの仮想ストリーム(VUS)または横方向の仮想ストリーム(VSS)の場合には、これに対応するQoSパラメータセットに示すように、例えば、トークンバケットメカニズムによって定義される平均データレートおよび最大データバーストのような、VUSまたはVSSに相応しいQoS値からエントリのサイズ値が導き出される。エントリのサイズ値を変えることにより、送信局がフレームに相乗りさせた実際のサイズを反映するようにすることも可能である。不連続/バースト的なフロータイプのVUSまたはVSSの場合(すなわち、非PC局のベストエフォート型トラフィックの場合)には、エントリのサイズ値は、確保要求または相乗り(piggybacking)のいずれかにより送信局が提供したり、更新したりする。トラフィック監視(policing)のため、または輻輳制御のため、例えば、スーパーフレーム時間のような、一定の時間間隔Tの間にVSから送信される最大データサイズは、トークンバケットメカニズムにより、R×T+Bに制限される場合もある。これは、R、T、およびBのしかるべき単位を前提としている。ここで、RおよびBは、トークンバケットのトークン比率およびバケットサイズである。
【0049】
中央スケジュール設定テーブルを用いて、PC/APのFSEは、各エントリのデータサイズに基づくとともに、例えば、優先レベル、遅延による制限、およびジッターによる制限のような、各エントリに保存されたその他のQoSパラメータ値に基づいて、キュー設定されたトラフィックのCFPにおける送信機会(TO)のスケジュールを設定することが可能である。TOは、公称開始時間および最大持続時間によって定義される。また、非PC局が、その局から送信されることになっているトラフィックに関するローカルスケジュール設定テーブルを作成する場合もある。これにより、非PC局のローカルFSEは、これに属するVUSまたはVSSであって、所定のTOに応じて送信するのに相応しいVUSまたはVSSからデータを選ぶことが可能である。キュー設定されたトラフィックにTOを配分する際に、PC/APのFSEは、中央集中コンテンション機会(CCO:Centralized Contention Opportunities)の配分について考慮するが、これをBSS内の非PC局が中央集中コンテンションの場合に用いることにより、新しいフレームのバーストがその局の空のバッファに届くと確保要求が送信されるようになる。このような考慮は、中央集中コンテンションアルゴリズムによる。
【0050】
また、本発明によれば、QoS制御のWLANを介する、RSVP/SBMに基づく、下りのセッションのセットアップ、変更、および切断とともに、これに対応するサービスインターフェースが提供される。ここで、下りのセッションとは、特定のトランスポート層プロトコルによって維持されており、無線LANの所定のBSSの外側のユーザから送出されており、そのBSSのPC/APを通じて受け渡されており、そのBSS内の少なくとも1つの局を宛先としているデータフローであると定義される。図7は、本発明のQoS制御のWLANを介するRSVP/SBMに基づく下りのセッションのセットアップ、変更、および切断に係る信号パスを示す図である。
【0051】
BSSの外側のユーザが、そのRSVPエージェントにRSVP発信プロトコルのPathメッセージを送り出させることによって、下りのセッションを起こさせる。Pathメッセージは、BSSのPC/AP内に設けられた指定サブネット帯域幅マネージャ(DSBM:Designated Subnet Bandwidth Manager)に伝えられる。次に、DSBMが、Pathメッセージを、BSS内のセッションを受け取る各局のサブネット帯域幅マネージャ(SBM:Subnet Bandwidth Manager)に送る。宛先局のSBMがそのメッセージを受け取り終えると、宛先局のSBMは、RSVP発信プロトコルのResvメッセージをDSBMに送り返すことにより、リソースの確保を開始する。続いて、DSBMは、その下りのセッションに係るBSS内の下りのトラフィック転送について承認制御を行う。さらに、DSBMは、その承認決定の結果に基づいて、適当なResvメッセージをセッションの送信元に送り返す。所定のセッションのためのPathメッセージおよびResvメッセージは、セッションの送信元および着信先によって周期的に送信されるが、セッションの過程において変えられる場合もある。また、DSBMは、その変化に対して、適当なResvメッセージを送り出すことによって応える。PathメッセージおよびResvメッセージは、LLC副層およびMAC副層に対して存在を意識させないものである。
【0052】
特に、DSBMが、セットアップされることになっている下りのセッションのためのRSVP発信プロトコルの新しいPath/Resvメッセージを検知すると、DSBMは、そのメッセージからQoSパラメータ値および分類子を抽出する。続いて、DSBMは、例えば、ポリシー制御およびリソース制御のような要因に基づいて、そのセッションに対する承認決定を下す。このとき、リソース可用性情報が、MAC副層に論理上属するPC/APのFSEによって周期的に提供されている。セッションが承認制御を通過しない場合、DSBMはそのセッションを拒絶する。セッションが認められると、PC/APのQMEは、新しい下りの仮想ストリーム(VDS)をセットアップして、下りのセッショントラフィックを伝送するようにする。つまり、QMEが、VDSのVSIDを設定する。続いて、QMEは、FCEに命令して、FCEの分類テーブルに、セッションを定義する分類子およびVSIDのエントリを生成するようにする。また、QMEは、FSEに命令して、FSEのスケジュール設定テーブルに、セッションを定義するQoSパラメータ値およびVSIDのエントリを生成するようにする。さらに、QMEは、MAC副層管理エンティティ(MLME)に命令して、管理フレーム、つまりVS更新管理フレームを発行して、同一BSS内のセッションを受け取ることになっている各局に対して送信するようにする。この場合のVS更新フレームは、例えば、下りのセッションのVSIDおよびVSアクション(すなわち、VDSの追加)のような情報を含む。
【0053】
DSBMが、承認された下りのセッションの変化を、そのセッションのためのRSVP発信プロトコルのPath/Resvメッセージから検知すると、DSBMは、そのメッセージから、セッションを定義する新しいQoS値を抽出するとともに、変更されたQoS要求に応えるかどうかを決定する。その変更を容認することができない場合、セッションは、元のQoS値のもとで有効であり続けることになる。その変更が容認されると、PC/APのQMEがそのセッションを維持しているVDSを変更することで、そのVDSと対応づけられている変更されたQoS値を反映する。つまり、QMEは、FSEに命令して、設定されたVSIDによって特定されたセッションのために生成されたエントリの新しいQoS値で、スケジュール設定テーブルを更新するようにする。
【0054】
DSBMが、承認された下りのセッションの終了を、RSVPプロトコルのPath/Resvメッセージ、またはセッションのタイムアウト表示のいずれかから検知すると、PC/APのQMEは、そのセッション/アプリケーションのために設定されたVDSを切断する。つまり、QMEは、セッション/アプリケーションを定義する分類子を、VDSのVSIDと一致させる。続いて、QMEは、FCEに命令して、セッション/アプリケーションを定義する分類子およびVSIDのエントリを分類テーブルから削除するようにする。また、QMEは、FSEに命令して、セッション/アプリケーションを定義するQoS値およびVSIDのエントリをスケジュール設定テーブルから削除するようにする。さらに、QMEは、MLMEに命令して、別のVS更新フレームを、同一BSS内のセッション/アプリケーションを受け取っている各局に対して送信するようにする。このVS更新フレームは、例えば、そのセッションのVSIDおよびVSアクション(すなわち、VDSの削除)のような情報を含む。
【0055】
また、本発明によれば、QoS制御のWLANを介する、RSVP/SBMに基づく、上りのセッションのセットアップ、変更、および切断とともに、これに対応するサービスインターフェースが提供される。ここで、上りのセッションとは、特定のトランスポート層プロトコルによって維持されており、無線LANの所定のBSSの内側の局から送出されており、そのBSSのPC/APを通じて受け渡されており、そのBSSの外側の少なくとも1つのユーザを宛先としているデータフローであると定義される。図8は、本発明のQoS制御のWLANを介するRSVP/SBMに基づく上りのセッションのセットアップ、変更、および切断に係る信号パスを示す図である。
【0056】
所定のBSSの内側の局が、そのSBMにRSVP発信プロトコルのPathメッセージを送り出させることによって、上りのセッションを起こさせる。Pathメッセージは、BSSのPC/AP内に設けられたDSBMに送られる。次に、DSBMが、Pathメッセージを、BSSの外側のセッションを受け取ることになっている各ユーザのRSVPエージェントに送る。宛先RSVPエージェントがそのメッセージを受け取り終えると、宛先RSVPエージェントは、RSVP発信プロトコルのResvメッセージをDSBMに送り返すことにより、リソースの確保を開始する。続いて、DSBMは、セッション送信元のSBMの代わりに、その上りのセッションに係るBSS内の上りのトラフィック転送について承認制御操作を行う。さらに、DSBMは、その承認決定の結果に基づいて、適当なResvメッセージをセッションの送信元に送り返す。セッション送信元に送り返されるResvメッセージは、単に確認のためにすぎず、通常のRSVP発信プロトコルの場合のように、受け取り先、すなわち送信局のSBMが、その局の上りのトラフィックのためのリソース確保を行うことを要求したりはしない。所定のセッションのためのPathメッセージおよびResvメッセージは、セッションの送信元および着信先によって周期的に送信されるが、セッションの過程において変えられる場合もある。また、DSBMは、その変化に対して、適当なResvメッセージを送り出すことによって応える。このResvメッセージに対して、受け取り先(再度、送信局のSBM)が、リソース確保アクションをとることは全くない。PathメッセージおよびResvメッセージは、LLC副層およびMAC副層に対して存在を意識させないものである。
【0057】
特に、DSBMが、セットアップされることになっている上りのセッションのためのRSVP発信プロトコルの新しいPath/Resvメッセージを検知すると、DSBMは、そのメッセージからQoSパラメータ値および分類子を抽出してから、例えば、ポリシー制御およびリソース制御のような要因に基づいて、そのセッションに対する承認決定を下す。このとき、リソース可用性情報が、PC/APのMAC副層に論理上設けられているFSEによって周期的に提供されている。セッションが承認制御を通過しない場合、DSBMはそのセッションを拒絶する。セッションが認められると、PC/APのQMEは、新しい上りの仮想ストリーム(VUS)をセットアップして、上りのセッショントラフィックを伝送するようにする。つまり、QMEが、VUSの仮想ストリーム識別子(VSID)を設定する。続いて、QMEは、PC/APのFSEに命令して、FSEのスケジュール設定テーブルに、セッションを定義するQoSパラメータ値およびVSIDのエントリを生成するようにする。さらに、QMEは、PC/APのMLME(MAC副層管理エンティティ)に命令して、管理フレーム、つまりVS更新管理フレームを発行して、そのセッションを起こしている局に対して送信するようにする。この場合のVS更新フレームは、例えば、上りのセッションのVSID、フレーム分類子、VSアクション(すなわち、VUSの追加)、およびQoSパラメータ値のような情報を含む。宛先に指定された局がそのVS更新フレームを受け取ると、そのローカルQMEは、ローカルFCEに命令して、ローカル分類テーブルに、セッションを定義するフレーム分類子およびVSIDのエントリを生成するようにする。また、ローカルQMEは、ローカルFSEに命令して、ローカルスケジュール設定テーブルに、セッションを定義するQoSパラメータ値およびVSIDのエントリを生成するようにする。
【0058】
DSBMが、承認された上りのセッションの変化を、そのセッションのためのRSVP発信プロトコルのPath/Resvメッセージから検知すると、DSBMは、そのメッセージから、セッションを定義する新しいQoSパラメータ値を抽出するとともに、変更されたQoS要求に応えるかどうかを判断する。その変更を容認することができない場合、セッションは、元のQoSパラメータ値のもとで有効であり続けることになる。その変更が容認されると、PC/APのQMEがそのセッションを維持しているVUSを変更することで、そのVUSと対応づけられている変更されたQoSパラメータ値を反映する。つまり、PC/APのQMEは、PC/APのFSEに命令して、設定されたVSIDによって特定されたセッションのために生成されたエントリの新しいQoSパラメータ値で、スケジュール設定テーブルを更新するようにする。さらに、QMEは、PC/APのMLMEに命令して、別のVS更新フレームを、セッションを起こしている局に対して発行するようにする。この場合のVS更新フレームは、例えば、そのセッションのVSID、VSアクション(すなわち、VUSの変更)、および新しいQoSパラメータ値のような情報を含む。セッションを起こしている局がVS更新フレームを受け取ると、そのローカルQMEは、ローカルFSEに命令して、ローカルスケジュール設定テーブル内のセッションを定義しているVSIDのエントリを、新しいQoSパラメータ値で更新するようにする。
【0059】
DSBMが、承認された上りのセッションの終了を、RSVPプロトコルのPath/Resvメッセージ、またはセッションのタイムアウト表示のいずれかから検知すると、PC/APのQMEは、そのセッションのために設定されたVUSを切断する。つまり、PC/APのQMEは、セッションを定義する分類子を、VUSのVSIDと一致させる。続いて、PC/APのQMEは、PC/APのFSEに命令して、セッションを定義するQoSパラメータ値およびVSIDのエントリをスケジュール設定テーブルから削除するようにする。さらに、QMEは、PC/APのMLMEに命令して、別のVS更新フレームを、セッションを起こしている局に対して送信するようにする。当該VS更新フレームは、例えば、そのセッションのVSIDおよびVSアクション(すなわち、VUSの削除)のような情報を含む。セッションを起こしている局がVS更新フレームを受け取ると、そのローカルQMEは、ローカルFCEに命令して、セッションを定義しているVSIDおよび分類子のエントリをローカル分類テーブルから削除するようにする。また、QMEは、ローカルFSEに命令して、セッションを定義しているVSIDおよびQoSパラメータ値のエントリをローカルスケジュール設定テーブルから削除するようにする。
【0060】
また、本発明によれば、QoS制御のWLANを介する、RSVP/SBMに基づく、横方向のセッションのセットアップ、変更、および切断とともに、これに対応するサービスインターフェースが提供される。ここで、横方向のセッションとは、特定のトランスポート層プロトコルによって維持されており、無線LANの所定のBSSの内側の局から送出されており、そのBSS内の少なくとも1つの局を直接に宛先としているデータフローであると定義される。また、このデータフローは、そのBSSのPC/APを通じて、そのBSSの外側の任意のユーザを宛先とする場合もある。図9は、本発明のQoS制御のWLANを介するRSVP/SBMに基づく横方向のセッションのセットアップ、変更、および切断に係る信号パスを示す図である。
【0061】
所定のBSSの内側の局が、そのSBMにRSVP発信プロトコルのPathメッセージを送り出させることによって、横方向のセッションを起こさせる。Pathメッセージは、BSSのPC/AP内に設けられたDSBMに送られる。次に、DSBMが、Pathメッセージを、BSSの外側のセッションを受け取ることになっている各ユーザのRSVPエージェントと、BSSの内側のセッションを受け取ることになっている各局のSBMとに送る。宛先RSVPエージェントがそのメッセージを受け取り終えると、宛先RSVPエージェントは、RSVP発信プロトコルのResvメッセージをPC/APのDSBMに送り返すことにより、リソースの確保を開始する。また、BSS内の各宛先局のSBMは、それ自体のResvメッセージをPC/APのDSBMに送り返すことにより、リソースの確保を開始する。続いて、PC/APのDSBMは、セッション送信元のSBMの代わりに、その横方向のセッションに係るBSS内の横方向のトラフィック転送について承認制御操作を行う。さらに、DSBMは、その承認決定の結果に基づいて、適当なResvメッセージをセッションの送信元に送り返す。このResvメッセージは、単に確認のためにすぎず、通常のRSVP発信プロトコルの場合のように、受け取り先、すなわち送信局のSBMが、その局の横方向のトラフィックのためのリソース確保を行うことを要求したりはしない。所定のセッションのためのPathメッセージおよびResvメッセージは、セッションの送信元および着信先によって周期的に送信されるが、セッションの過程において変えられる場合もある。また、PC/APのDSBMは、その変化に対して、適当なResvメッセージを送り出すことによって応える。このResvメッセージに対して、受け取り先(再度、送信局のSBM)が、リソース確保アクションをとることは全くない。PathメッセージおよびResvメッセージは、LLC副層およびMAC副層に対して存在を意識させないものである。
【0062】
特に、DSBMが、セットアップされることになっている横方向のセッションのためのRSVP発信プロトコルの新しいPath/Resvメッセージを検知すると、DSBMは、そのメッセージからQoSパラメータ値および分類子を抽出してから、例えば、ポリシー制御およびリソース制御のような要因に基づいて、そのセッションに対する承認決定を下す。このとき、リソース可用性情報が、PC/APにおけるMAC副層のFSEによって周期的に提供されている。セッションが承認制御を通過しない場合、DSBMはそのセッションを拒絶する。セッションが認められると、PC/APのQMEは、新しい横方向の仮想ストリーム(VSS)をセットアップして、横方向のセッショントラフィックを伝送するようにする。つまり、PC/APのQMEが、VSSの仮想ストリーム識別子(VSID)を設定する。続いて、QMEは、論理上MAC副層の一部であるPC/APのFSEに命令して、FSEのスケジュール設定テーブルに、セッションを定義するQoSパラメータ値およびVSIDのエントリを生成するようにする。さらに、QMEは、PC/APのMLMEに命令して、管理フレーム、つまりVS更新管理フレームを発行して、そのセッションを起こしている局に対して送信するようにする。この場合のVS更新フレームは、例えば、横方向のセッションのVSID、フレーム分類子、VSアクション(すなわち、VSSの追加)、およびQoSパラメータ値のような情報を含む。セッションを起こしている局がそのそのフレームを受け取ると、そのローカルQMEは、ローカルFCEに命令して、ローカル分類テーブルに、セッションを定義するフレーム分類子およびVSIDのエントリを生成するようにする。また、ローカルQMEは、ローカルFSEに命令して、ローカルスケジュール設定テーブルに、セッションを定義するQoSパラメータ値およびVSIDのエントリを生成するようにする。さらに、PC/APのQMEは、PC/APのMLMEに命令して、管理フレーム、つまりVS更新管理フレームを発行して、同一BSS内のセッションを受け取ることになっている各局に対して送信するようにする。この場合のVS更新フレームは、例えば、横方向のセッションのVSIDおよびVSアクション(すなわち、VSSの追加)のような情報を含む。
【0063】
DSBMが、承認された横方向のセッションの変化を、そのセッションのためのRSVP発信プロトコルのPath/Resvメッセージから検知すると、DSBMは、そのメッセージから、セッションを定義する新しいQoSパラメータ値を抽出するとともに、変更されたQoS要求に応えるかどうかを判断する。その変更を容認することができない場合、セッションは、元のQoSパラメータ値のもとで有効であり続けることになる。その変更が容認されると、PC/APのQMEがそのセッションを維持しているVSSを変更することで、そのVSSと対応づけられている変更されたQoSパラメータ値を反映する。つまり、PC/APのQMEは、PC/APのFSEに命令して、設定されたVSIDによって特定されたセッションのために生成されたエントリの新しいQoS値で、スケジュール設定テーブルを更新するようにする。さらに、PC/APのQMEは、PC/APのMLMEに命令して、別のVS更新フレームを、セッションを起こしている局に対して発行するようにする。この場合のVS更新フレームは、例えば、そのセッションのVSID、VSアクション(すなわち、VSSの変更)、および新しいQoSパラメータ値のような情報を含む。宛先に指定された局がそのフレームを受け取ると、そのローカルQMEは、ローカルFSEに命令して、ローカルスケジュール設定テーブル内のセッションを定義しているVSIDのエントリを、新しいQoSパラメータ値で更新するようにする。
【0064】
DSBMが、承認された横方向のセッションの終了を、RSVPプロトコルのPath/Resvメッセージ、またはセッションのタイムアウト表示のいずれかから検知すると、PC/APのQMEは、そのセッションのために設定されたVSSを切断する。つまり、PC/APのQMEは、セッションを定義する分類子を、VSSのVSIDと一致させる。続いて、PC/APのQMEは、PC/APのFSEに命令して、セッションを定義するQoSパラメータ値およびVSIDのエントリをスケジュール設定テーブルから削除するようにする。さらに、QMEは、PC/APのMLMEに命令して、別のVS更新フレームを、セッションを起こしている局に対して送信するようにする。この場合、VS更新フレームは、例えば、そのセッションのVSIDおよびVSアクション(すなわち、VSSの削除)のような情報を含む。宛先に指定された局がVS更新フレームを受け取ると、そのローカルQMEは、ローカルFCEに命令して、セッションを定義しているVSIDおよび分類子のエントリをローカル分類テーブルから削除するようにする。また、ローカルQMEは、ローカルFSEに命令して、セッションを定義しているVSIDおよびQoSパラメータ値のエントリをローカルスケジュール設定テーブルから削除するようにする。さらに、PC/APのQMEは、PC/APのMLMEに命令して、別のVS更新フレームを、同一BSS内のセッションを受け取っている各局に対して送信するようにする。このVS更新フレームは、例えば、そのセッションのVSIDおよびVSアクション(すなわち、VSSの削除)のような情報を含む。
【0065】
また、本発明によれば、QoS制御のWLANを介する改良されたチャネルアクセスメカニズムが提供されるが、これにより、IEEEP802.11/1999によって規定された簡易なポーリング方式および分散型コンテンション方式による無線LANにおけるQoS機能およびチャネル活用が大幅に改善される。本発明によるチャネルアクセスは、承認されたセッション/アプリケーションと対応づけられているQoSパラメータ値により制御される。具体的には、下りのトラフィック(PC/AP局から少なくとも1つの非PC/AP局へ)については、例えば、下りのトラフィックの遅延による制限および平均データレートのような、該当するQoSパラメータ値セットに基づいて、WLANの所定のBSS内のPC/AP局のFSEによって直接にTOが付与される。連続/周期的なフロータイプの、上りおよび横方向のトラフィック(非PC/AP局からPC/AP局または非PC/AP局へ)についても、同様に、上りおよび横方向のトラフィックの該当するQoSパラメータ値セットに応じて、PC/AP局のFSEによって周期的にTOが配分される。不連続/バースト的なフロータイプの上りおよび横方向のトラフィックについては、非PC/AP局において送信用にデータがバッファリングされているときに限りTOが配分されるが、さらに、この配分は、QoSパラメータ値の影響を受ける。従って、仮に、PC/AP局に関連する全ての局に対して、そのトラフィックのそれぞれのフロータイプにかかわらず、データ送信のためにポーリングするようにした場合のように、動作していない局のせいでチャネル帯域幅を使わないまま無駄にするということはない。また、本発明のQoSに基づくチャネルアクセスによれば、より優先度の高いトラフィックを転送すること、つまり、特に、帯域幅が不十分な場合において重要なメカニズムを可能にする。
【0066】
本発明のチャネルアクセスメカニズムは、IEEEP802.11/1999において説明されたような、あらゆる局に等しく含まれる従来のDCF(Distributed Coordination Function)の制御下において実行される従来の分散型コンテンション方式に加えて、PC/AP局に含まれるPCF(Point Coordination Function)の制御下において実行される中央集中コンテンションおよび確保要求に係る方式を含む。さらに、本発明のチャネルアクセスメカニズムは、IEEEP802.11/1999によって規定されたような、1つのフレームにおいて1つのTOを通知する簡易なポーリング方式とは異なり、PCFにより単一のフレームにおいて複数のTOを通知するマルチポーリング方式を含む。
【0067】
本発明のこの側面によれば、(PC/AP局または/およびその他の局に)送信すべきデータフレームの新たなバーストが非PC/AP局にある場合に、非PC/AP局が、中央集中コンテンションにより、確保要求(RR:Reservation Request)をPCに送信することでチャネル帯域幅を配分するようにする。PCFに係る「コンテンションフリー期間」(CFP)ごとに、ゼロ、1つ、または複数の中央集中コンテンション間隔(CCI:Centralized Contention Intervals)が、中央集中コンテンションのためにPCによって設定される場合もある。各CCIの長さは、中央集中コンテンション機会(CCO)の単位で示されるが、これもPCによって決定される。利用可能なCCIの回数および各CCIの長さは、コンテンション制御(CC:Contention Control)フレームにおいてPC/AP局によって通知される。RRを送信することが認められている局であれば、CCフレームに続いて利用可能なCCOのいずれか1つにRRを送信する。所定のCCIにおいてRRフレームを正常に送信した局は、PC/AP局によって送信される次のCCフレームにおいて特定されることになる。また、このような肯定的な表示を、送信されたRRに係るデータバーストの送信に付与されるTOという形で有効にする場合もある。所定のCCIにおいてRRフレームを正常に送信しなかった局は、次のCCIにおいて再試行する場合もある。
【0068】
「コンテンションフリー期間」(CFP)という表現は、IEEEP802.11/1999において定義された従来の「コンテンション期間」(CP)と概ね一致する。本発明とは異なり、CPは、IEEEP802.11/1999のDCFにより動作する分散型コンテンションのことを指す。これに対して、本発明のCFPは、このようなコンテンションのことを含意しておらず、PCFによる中央集中コンテンションを有することが可能である。中央集中コンテンションによれば、PC、すなわちPC/AP局内のFSEが、チャネル帯域幅を包括的に制御することにより、非PC/AP局がコンテンションのために掌握する期間をPCが予め決定するようにすることが可能になる。これとは対照的に、分散型コンテンションによれば、局が予測不可能に持続してチャネルを掌握することが可能であり、これにより、その他の競合しているセッション/アプリケーションのためのチャネルアクセスをロックアップする場合もある。また、本発明の中央集中コンテンションによれば、PCが、このようなコンテンションに備えて帯域幅の配分を最適化することが可能になる。その結果、分散型コンテンションと比較して、チャネル処理能力が高められる一方で、アクセス遅延は低減させられる。これは、PCが、全局のコンテンション結果に係る全体的な履歴を保持することが可能であることに伴い、中央集中コンテンションの帯域幅不足および前回のコンテンションの衝突解決を最適に見積もることが可能であるからである。これに対して、分散型コンテンションを用いる局は、自局のコンテンション履歴に係るローカルな情報に基づいて競合することに伴い、全体のコンテンションアルゴリズムを最適化することが不可能である。さらに、中央集中コンテンションによれば、局は、非常に短いRRのみを、新しいバーストに対して一回だけ送信する。一方、分散型コンテンションによれば、局は、かなり長いデータフレームを送信するだけでなく、データバーストごとに何回か競合しなければならない場合もある。これは、データバーストは、一般に、一定のサイズを越えないいくつかのデータフレームに分解する必要があるからである。従って、本発明によれば、従来の分散型コンテンション技術よりも、かなり低いコンテンション強度に加えて、これに伴って、かなり高いチャネル処理能力および低いアクセス遅延がもたらされる。
【0069】
マルチポーリングをPC/AP局が送信することで、TO列が、少なくとも1つの非PC/AP局に伝達されることにより、上りおよび/または横方向の送信に備える。また、マルチポーリングによって、各TOの長さが規定される。本発明に係るこの技術が特に有用であるのは、直接的な局間通信を伴うことにより、データフレームをまずPC/AP局に送信してから宛先である非PC/AP局に送り返すことを要する状況を回避する場合にである。
【0070】
図10は、本発明によるQoS制御のWLANを介する改良されたチャネルアクセスメカニズムを示す図である。図10には、コンテンションフリー期間(CFP)、従来のコンテンション期間(CP)、および例示的なフレームを有するスーパーフレームを示すが、これにより本発明の改良されたチャネルアクセスメカニズムを説明する。スーパーフレームは、ターゲットビーコン送信時間(TBTT:Target Beacon Transmission Time)によって分界される。TBTTに続いて、PC/AP局は、IEEEP802.11/1999によって定義されたように、ビーコンフレームを送信する。短いフレーム間スペース(SIFS:Short Inter−Frame Space)が、CFPにおける各フレームの送信の後に生じるが、これについても、IEEEP802.11/1999によって定義されている。
【0071】
次に、図10に示すように、下りフレームD2が、PC/AP局から非PC/AP局に送信される。下りフレームには、PC/AP局に上りのトラフィックを送信するために、宛先である非PC/AP局に対するポーリングが含まれる。ポーリングを受けた非PC/AP局は、ユーザ/管理データおよびポーリングに対する確認応答を含む上りフレームU2により応答する。
【0072】
次に、マルチポーリングフレームの一例を示すが、これにより、非PC局がトラフィックを送信するためのTO列が伝達される。この例では、マルチポーリングによって特定されたTO列には4つのTOがある。第1のTOは、非PC/AP局を起点とするVS13またはその他のVSに配分されており、VS13に分類されたデータフレームを送信するために用いられる。第2のTOは、非PC/AP局を起点とするVS31またはその他のVSに配分されており、VS31に分類されたデータフレームを送信するために用いられる。第3のTOは、非PC/AP局に配分されており、非PC/AP局が、遅延した確認応答(Dly−Ack:Delayed Acknowledgement)を送信するために用いられる。これにより、少し前に、非PC/AP局によって、Dly−Ackフレームにおいて特定されたフレームが受信されたことについて確認応答する。第4のTOは、非PC/AP局を起点とするVS28またはその他のVSに配分されており、VS28に分類されたデータフレームを送信するために用いられる。各TOごとに、トラフィックが送信されている。TOに続いて、PC/AP局は、確認応答フレームをポーリングとともに送信する。この確認応答フレームによって、その確認応答フレームの直前に非PC/AP局によって送信されたフレーム(すなわち、図10によればVS28からのフレーム)が適正に受信されたことについて確認応答するとともに、ポーリングによって、上りまたは横方向のトラフィックを送信するように、宛先である非PC/AP局に対してポーリングする。ポーリングを受けた非PC/AP局であるSTA4は、STA5に対してデータフレームを送信することによって応答する(S45)。
【0073】
さらに、CFPには、3つのCCOを特定するCCフレームが含まれる。この3つのCCOは、送信すべき不連続/バースト的なフロータイプまたはベストエフォート型/非同期式のトラフィックの新しいバーストを有する非PC局が、RRを送るために用いることが可能である。また、CCフレームには、先行するCCIにおいてPC/AP局にRRを正常に送信した非PC/AP局の特定に関する情報が含まれる。その結果、これらの非PC/AP局は、次のCCIにおいてRRを再送信する必要があるかどうかを判断することが可能である。RRが送信されるのは、上述のように、送信されるべく非PC/AP局に到達するトラフィックのバーストを送信するために帯域幅を配分してもらうためである。図10に示す構成例によれば、単一のRRが第1のCCOに送信されており、第2のCCOに送信されているRRはなく、2つの衝突するRRが第3のCCOに送信されている。CCOに続いて、PC/AP局は、下りフレームD1をポーリングとともに送信する。ポーリングを受けた非PC/AP局は、確認応答を含む上りフレームU1により応答する。
【0074】
図10に示すスーパーフレームの構成例によれば、第2のCCフレームを、PC/AP局から送信することで、利用可能なCCOを示すとともに、そのCCフレームの送信のすぐ前のフレームを受信したことについて確認応答する。図10に示すように、1つのRRが第1の利用可能なCCOに送信されるのに対して、もう1つのRRが第2の利用可能なCCOに送信される。図10中において、これらの2つのRRは、先行するCCIの第3のCCOにおいて衝突していたが、今回は衝突することなく送信されるとともに、それぞれがPC/AP局によって適正に受信されることにより、衝突がうまく解消されることとなる。最後に、コンテンションフリー(CF)エンドフレームを送信することで、現在のスーパーフレームにおける、CFPの終わりと従来のCPの始まりを示す。
【0075】
また、本発明によれば、QoS制御のWLANを介して中央集中コンテンションおよび確保要求を実行するための方法が提供されるが、これにより、所定のBSSに係る各局が、そのBSSに係るPC/APに対して、効率よく、新しいQoS/ベストエフォート型のトラフィックバーストが送信待ち状態になったことを通知することが可能になる。続いて、PC/APのFSEは、そのような情報を、そのスケジュール設定テーブルに取り込むことにより、データバーストを送信するための送信機会(TO)を配分するようにすることが可能である。
【0076】
中央集中コンテンションは、PC/APによって制御されるものであり、従来の分散型コンテンションに用いられるコンテンション期間(CP)とは対照的に、図11aに示すように、スーパーフレームの「コンテンションフリー期間」(CFP)において行われる。本発明によれば、中央集中コンテンションは、明確に規定された中央集中コンテンション間隔(CCI)において行われる。各CCIについては、PC/APによって同報配信されるコンテンション制御(CC)フレーム(またはPCが受信した1つ前のデータフレームに対する確認応答を含むCCフレーム)が常に先行する。各CCIには、確保要求(RR)フレームを送信するための中央集中コンテンション機会(CCO)がいくつか含まれている。一定の中央集中コンテンションルールに従って、各局は、それぞれのRRフレームをCCOにより送信する。所定のCFPには、ゼロ、1つ、またはそれ以上のCCIがある場合もある。このとき、各CCIにおけるCCOの回数は、FSEが、PC/APのFSEに保持されているスケジュール設定テーブルおよび使用中の中央集中コンテンションアルゴリズムを参照して適当と判断した回数に設定される。中央集中コンテンションアルゴリズムによって、CCOの単位における後続のCCIの所望の長さが決定される。これは、先行するCCIにおけるコンテンション結果(すなわち、無駄になっていたり、正常であったり、衝突していたりするCCOの数)、および1つ前のCCI以降に新しいRRフレームを生成している局の推定数に基づく。
【0077】
例えば、図11bに示すような、CCフレームには、例えば、優先度限界、CCIの長さ、許可確率(PP:Permission Probability)、およびフィードバックエントリのような情報が含まれている。優先度限界は、起点局に後続のCCIにおいて代わりにRRフレームを送信させるきっかけとなる権限を有する、新しいデータバーストを送信すべく有する上りの仮想ストリームまたは横方向の仮想ストリームに係る最小優先レベルを規定する。CCIの長さは、そのCCIに含まれるCCOの観点から表される。PPは、利用可能なCCIの長さが最適なCCIの長さよりも短いときにコンテンションを低減するために用いられるが、これは、そのような場合において、利用可能なCCIの長さを最適なCCIの長さで割ることにより算出される。そうでない場合には、PPは、単位元とする。RRフレームを送信する義務および権限を有する局は、まず、PPと照らし合わせることにより、それらの局が、RRフレームを送信するために競合することが許可されているかどうかを確かめる。これらの特定の局は、単独で、ある数値を、区間(0,1)に均一に分布する確率変数に基づいて生成する。局がPPよりも小さい数値を生成する場合には、その局は、競合することが許可されており、そうでない場合には、許可されていない。許可されている局は、単独で、かつ無作為に、利用可能なCCOのうちの1つを選択するとともに、そのRRフレームをその選択されたCCOにより送信する。フィードバックエントリには、RRフレームが1つ前のCCIでPC/APによって適正に受け取られたということの根拠であるVSIDまたはAIDが含まれる。このような肯定的なフィードバックがCCフレームで全く検出されなかった局では、次のCCIに適用される中央集中コンテンションルールのもと、次のCCIにおいて、再度、RRフレームを送信しようとすることになる。ただし、局に、次のCCIの開始よりも前に、仮想ストリーム(VS)のための送信機会(TO)が提示されており、結果として、RRフレームが送信されたことになる場合を除く。
【0078】
例えば、図11cに示すような、RRフレームには、主として、例えば、そのRRフレームが送信されているということの根拠であるVSのデータサイズ、およびそのVSを特定するVSID、またはベストエフォート型トラフィックのデータサイズおよび送信局のAIDのような情報が含まれている。局がRRフレームを生成するのは、新しいデータのバーストがそれを起点とするVSのうちの1つに送信すべく分類される場合である。また、局が、自局に配分されたTOを用いてRRフレームを送信する場合もある。一般に、RRフレームは、データフレームと比べてかなり短いので、全てのデータフレームが、IEEEP802.11/1999の従来のDCF(Distributed Contention Function)に基づくコンテンションによって送信される場合と比較すると、大幅に、コンテンションが低減させられるとともに、チャネル性能が向上させられる。
【0079】
本発明によれば、QoS制御のWLANを介してマルチポーリングを実行するための方法が提供されるが、これにより、単一のポーリングによる少なくとも1つの局における連続する上りの仮想ストリーム(VUS)および横方向の仮想ストリーム(VSS)からの送信に備えて対処する。本発明によれば、このようなマルチポーリング方式によって、IEEEP802.11/1999によって規定されたような、ポーリング当たり1つの局のみからの送信に備えて対処するという従来の簡易なポーリング方式が拡張される。従って、無線メディアにおける帯域幅利用効率が大幅に向上させられる。本発明に係るこのやり方が特に有用であるのは直接的な局間通信を伴う場合にであるが、これは、データフレームをまずPC/APに送信してから宛先局に送り返すという必要がないからである。
【0080】
マルチポーリングがPC/APによってスーパーフレームのCFPにおいて送信されるのは、送信機会(TO)列を様々な局に対して配分することにより、連続的な上りおよび/または横方向のデータ送信に備えることが望ましい場合においてである。マルチポーリングフレームは、主として、その発生順に並べられたポーリングレコードに基づいて生成される。各ポーリングレコードは、さらに、VSID(または、AID、すなわち関連ID(Association ID))および持続時間から構成されている。VSIDは、特定のポーリングレコードからTOを受け取っている局を起点とするVUS/VSSを特定し、あるいは、TOが有効なVUS/VSSの起点には全くなっていない局に対するものである状況おいては、局のAIDを特定する。TOの持続時間によって、そのTOの最大の長さが規定される。最初のTOは、マルチポーリングフレームが終了した後にSIFS期間を開始し、その後に続く各TOは、先行するTOが期限切れになると開始する。代替として、TOがSIFS期間を開始するのは、先行するTOを利用する局が、そのポーリングレコードではその局からの最終フレームであると表示されているデータフレームを送信した後で、2番目のTOを利用する局がそのような表示を検知したときである。つまり、局が、先行する局の表示した通りに送信終了を検知しない場合は、その局は、自局に配分されたTOの範囲内で送信を開始する。先行するTOが完全に利用される前に、局がそのような終了を検知すると、その局は、早めに開始する場合もあるが、残りの持続時間を、その局に配分されたTOの最長持続時間に加えて利用することはできない。このような場合において、PC/APは、未使用のチャネル時間を回収するためのアクションを何も起こさない。マルチポーリングにおいて配分されたTOを完全に利用していない局がある場合には、最後の局は、その送信を通常の終了時間よりも前に終える場合もある。その場合、未使用のチャネル時間は、再配分すべくPC/APに戻される。
【0081】
局が、VSIDを含むポーリングレコードに応じて、指定されたVUS/VSSから、または、その代わりに、その局を起点とする有効なVUS/VSSのQoSパラメータ値に基づいてそのローカルFSEが決定した別のものから、データを送信する場合もある。ポーリングレコードがAIDを含む場合には、そのAIDを有する局が、完全に、そのローカルFSEの決定に基づいて、繰り返して言うと、有効なVUS/VSSのQoSパラメータ値に応じて、データを送信する。
【0082】
図12aには、コンテンションフリー期間(CFP)、従来のコンテンション期間(CP)、およびフレームの構成例を含むスーパーフレームの構成例を示す。図12aのスーパーフレームは、ターゲットビーコン送信時間(TBTT)によって分界されている。TBTTに続いて、PC/AP局は、IEEEP802.11/1999によって定義されたように、ビーコンフレームを送信する。短いフレーム間スペース(SIFS)が、CFPにおける各フレームの送信の後に生じるが、これについても、IEEEP802.11/1999によって定義されている。
【0083】
次に、図12aに示すように、下りフレームD2が、PC/AP局から非PC/AP局に送信される。下りフレームには、PC/AP局に上りのトラフィックを送信するために、宛先である非PC/AP局に対するポーリングが含まれる。ポーリングを受けた非PC/AP局は、ユーザ/管理データおよびポーリングに対する確認応答を含む上りフレームU2により応答する。
【0084】
次に、マルチポーリングフレームの一例を示すが、これにより、非PC局がトラフィックを送信するためのTO列が伝達される。この例では、マルチポーリングによって特定されたTO列には5つのTOがある。第1のTOは、非PC/AP局を起点とするVS13またはその他のVSに配分されており、VS13に分類されたデータフレームを送信するために用いられる。第2のTOは、非PC/AP局を起点とするVS31またはその他のVSに配分されており、VS31に分類されたデータフレームを送信するために用いられる。第3のTOは、非PC/AP局に配分されており、非PC/AP局が、遅延した確認応答(Dly−Ack)を送信するために用いられる。これにより、少し前に、非PC/AP局によって、Dly−Ackフレームにおいて特定されたフレームが受信されたことについて確認応答する。第4のTOは、非PC/AP局を起点とするVS28またはその他のVSに配分されており、VS28に分類されたデータフレームを送信するために用いられる。第5のTOは、非PC/AP局を起点とするVS4またはその他のVSに配分されており、VS4に分類されたデータフレームを送信するために用いられる。各TOごとに、トラフィックが送信されている。TOに続いて、PC/AP局は、確認応答フレームをポーリングとともに送信する。この確認応答フレームによって、その確認応答フレームの直前に非PC/AP局によって送信されたフレーム(すなわち、図12aによればSTA4からのフレーム)が適正に受信されたことについて確認応答するとともに、ポーリングによって、上りまたは横方向のトラフィックを送信するように、宛先である非PC/AP局に対してポーリングする。ポーリングを受けた非PC/AP局であるSTA4は、STA5に対してデータフレームを送信することによって応答する(S45)。最後に、コンテンションフリー(CF)エンドフレームを送信することで、現在のスーパーフレームにおける、CFPの終わりと従来のCPの始まりを示す。
【0085】
本発明について、図示された実施の形態を参照しつつ説明してきたが、本発明の趣旨および範囲からはずれることなく修正を加えることも可能であるということは正しく認識されるとともに理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
本発明は、添付の図面において、実施例を挙げて示されているが、これに限定されるものではない。図中、同様の符号は同様の構成要素を示す。
【図1】本発明によるWLANを介する基本サービスセット(BSS)におけるQoSサポートのためのアーキテクチャ参照モデルを示す図である。
【図2】本発明によるWLANを介するQoSサポートのための帯域内QoS発信参照モデルを示す図である。
【図3】本発明によるWLANを介するQoSサポートのための仮想ストリームを示す図である。
【図4】本発明によるWLANにおけるQoSサポートに用いることが可能な承認制御方法を示すフローチャートである。
【図5】本発明によるQoS制御のWLANにおいて用いることが可能なフレームを分類するためのプロセスを示す図である。
【図6】本発明によるQoS制御のWLANを介するフレームのスケジュール設定に用いることが可能なスケジュール設定テーブルの一例を示す図である。
【図7】本発明によるQoS制御のWLANを介するRSVP/SBMに基づく下りのセッションのセットアップ、変更、および切断に係る信号パスを示す図である。
【図8】本発明によるQoS制御のWLANを介するRSVP/SBMに基づく上りのセッションのセットアップ、変更、および切断に係る信号パスを示す図である。
【図9】本発明によるQoS制御のWLANを介するRSVP/SBMに基づく横方向のセッションのセットアップ、変更、および切断に係る信号パスを示す図である。
【図10】本発明によるQoS制御のWLANを介する改良されたチャネルアクセスメカニズムを示す図である。
【図11a】本発明によるQoS制御のWLANを介する中央集中コンテンションおよび確保要求に用いることが可能なスーパーフレーム、コンテンション制御フレーム、および確保要求フレームの構成例を示す図である。
【図11b】本発明によるQoS制御のWLANを介する中央集中コンテンションおよび確保要求に用いることが可能なスーパーフレーム、コンテンション制御フレーム、および確保要求フレームの構成例を示す図である。
【図11c】本発明によるQoS制御のWLANを介する中央集中コンテンションおよび確保要求に用いることが可能なスーパーフレーム、コンテンション制御フレーム、および確保要求フレームの構成例を示す図である。
【図12a】本発明によるQoS制御のWLANを介して用いることが可能なスーパーフレーム、およびマルチポーリングの構成例を示す図である。
【図12b】本発明によるQoS制御のWLANを介して用いることが可能なスーパーフレーム、およびマルチポーリングの構成例を示す図である。
Claims (26)
- 無線ネットワークにおける基本サービスセット(BSS)内の局のフレーム分類エンティティ(FCE)であって、
前記局の論理リンク制御(LLC)副層に論理上設けられた分類テーブルであって、少なくとも1つの分類子エントリを含む分類テーブルであって、各分類子エントリが、仮想ストリーム識別子(VSID)、サーチ優先度値、および少なくとも1つの分類子パラメータを含む分類テーブルと、
前記局内の上位層から前記局の前記LLC副層に受け渡された少なくとも1つのデータフレームを受け取るクラシフィアー(classifier)であって、前記少なくとも1つのデータフレームは、サービス品質(QoS)データフレームおよびベストエフォート型(非同期)データフレームのうちの少なくとも1つであり、前記QoSデータフレームは、前記分類テーブル中の分類子エントリのうちの少なくとも1つにおける前記少なくとも1つの分類子パラメータのうちの少なくとも1つに含まれる情報を含んでおり、データフレームを前記局の前記分類テーブルと照らし合わせて調べることにより、受け取られた各データフレームをVSIDに分類するクラシフィアーと、
を備えることを特徴とするFCE。 - 請求項1に記載のFCEであって、前記分類子エントリ中の前記少なくとも1つの分類子パラメータに一致するものを求めて前記データフレームを調べる場合において、前記VSIDは、前記分類テーブルの分類子エントリに含まれるVSIDであり、
前記VSIDは、前記データフレームを前記BSSのピアLLCエンティティ間で伝送するためのQoSパラメータセットと関連づけられることを特徴とするFCE。 - 請求項2に記載のFCEであって、前記分類子エントリは、前記データフレームを正常に分類するために用いられる前記分類テーブルのうちの第1の分類子エントリであることを特徴とするFCE。
- 請求項1に記載のFCEであって、前記分類テーブル中の各分類子エントリは、前記分類子エントリに含まれる前記サーチ優先度値に基づいて階層的な順序で並べられていることを特徴とするFCE。
- 請求項4に記載のFCEであって、前記階層的な順序は、前記分類子エントリに含まれる前記サーチ優先度値に基づいて降順であることを特徴とするFCE。
- 請求項1に記載のFCEであって、受け取られたデータフレームに含まれるフレーム分類情報が前記分類テーブルのどの分類子エントリにも含まれておらず、
前記データフレームを調べる場合において、前記フレーム分類情報は、前記分類テーブルに含まれるどの分類子パラメータにも一致せず、分類の結果は、特別なVSIDで表されており、前記特別なVSIDは、QoSパラメータセットと関連づけられておらず、前記データフレームは、前記BSSのピアLLCエンティティ間をベストエフォート方式で伝送されることを特徴とするFCE。 - 請求項1に記載のFCEであって、各分類子エントリには、前記分類子パラメータとして、インターネットプロトコル(IP)分類子パラメータ、LLC副層パラメータ、およびIEEE802.1P/Qパラメータのうちの少なくとも1つが含まれることを特徴とするFCE。
- 請求項7に記載のFCEであって、前記IP分類子パラメータには、IPTOSレンジ/マスク、IPプロトコル、IP起点(ソース)アドレス/マスク、IP宛先アドレス/マスク、TCP/UDPソースポートスタート、TCP/UDPソースポートエンド、TCP/UDP宛先ポートスタート、およびTCP/UDP宛先ポートエンドのうちの少なくとも1つが含まれることを特徴とするFCE。
- 請求項7に記載のFCEであって、前記LLC副層パラメータには、起点MACアドレス、宛先MACアドレス、およびイーサタイプ/SAPのうちの少なくとも1つが含まれることを特徴とするFCE。
- 請求項7に記載のFCEであって、前記IEEE802.1P/Qパラメータには、802.1Pの優先度レンジおよび802.1QのVLANIDのうちの少なくとも1つが含まれることを特徴とするFCE。
- 請求項1に記載のFCEであって、前記無線ネットワークは、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)であることを特徴とするFCE。
- 請求項1に記載のFCEであって、前記局は、ポイントコーディネータ(PC)局であることを特徴とするFCE。
- 請求項1に記載のFCEであって、前記局は、非PC局であることを特徴とするFCE。
- 無線ネットワークにおける基本サービスセット内の局においてフレームを分類する方法であって、
前記局の論理リンク制御(LLC)副層に論理上設けられた分類テーブルであって、少なくとも1つの分類子エントリを含む分類テーブルであって、各分類子エントリが、仮想ストリーム識別子(VSID)、サーチ優先度値、および少なくとも1つの分類子パラメータを含む、分類テーブルを生成するステップと、
前記局内の上位層から前記局の前記LLC副層に受け渡された少なくとも1つのデータフレームであって、サービス品質(QoS)データフレームおよびベストエフォート型(非同期)データフレームのうちの少なくとも1つである少なくとも1つのデータフレームであって、前記QoSデータフレームは、前記分類テーブル中の分類子エントリのうちの少なくとも1つにおける前記少なくとも1つの分類子パラメータのうちの少なくとも1つに含まれる情報を含む、少なくとも1つのデータフレームを受け取るステップと、
前記データフレームを前記局の前記分類テーブルと照らし合わせて調べるステップと、前記データフレームを調べた結果に基づいて、受け取られた各データフレームをVSIDに分類するステップと、
を備えることを特徴とする方法。 - 請求項14に記載の方法であって、前記分類子エントリ中の前記少なくとも1つの分類子パラメータに一致するものを求めて前記データフレームを調べる場合において、前記VSIDは、前記分類テーブルの分類子エントリに含まれるVSIDであり、
前記VSIDを、前記データフレームを前記BSSのピアLLCエンティティ間で伝送するためのQoSパラメータセットと関連づけるステップをさらに備えることを特徴とする方法。 - 請求項15に記載の方法であって、前記分類子エントリは、前記データフレームを正常に分類するために用いられる前記分類テーブルのうちの第1の分類子エントリであることを特徴とする方法。
- 請求項14に記載の方法であって、前記分類テーブル中の各分類子エントリは、前記分類子エントリに含まれる前記サーチ優先度値に基づいて階層的な順序で並べられていることを特徴とする方法。
- 請求項17に記載の方法であって、前記階層的な順序は、前記分類子エントリに含まれる前記サーチ優先度値に基づいて降順であることを特徴とする方法。
- 請求項14に記載の方法であって、受け取られたデータフレームに含まれるフレーム分類情報が前記分類テーブルのどの分類子エントリにも含まれておらず、
前記データフレームを調べるステップにおいて、前記フレーム分類情報は、前記分類テーブルに含まれるどの分類子パラメータにも一致せず、分類するステップにおいて、分類の結果は、QoSパラメータセットと関連づけられていない特別なVSIDで表されており、前記データフレームは、前記BSSのピアLLCエンティティ間をベストエフォート方式で伝送されることを特徴とする方法。 - 請求項14に記載の方法であって、各分類子エントリには、前記分類子パラメータとして、インターネットプロトコル(IP)分類子パラメータ、LLC副層パラメータ、およびIEEE802.1P/Qパラメータのうちの少なくとも1つが含まれることを特徴とする方法。
- 請求項20に記載の方法であって、前記IP分類子パラメータには、IPTOSレンジ/マスク、IPプロトコル、IP起点(ソース)アドレス/マスク、IP宛先アドレス/マスク、TCP/UDPソースポートスタート、TCP/UDPソースポートエンド、TCP/UDP宛先ポートスタート、およびTCP/UDP宛先ポートエンドのうちの少なくとも1つが含まれることを特徴とする方法。
- 請求項20に記載の方法であって、前記LLC副層パラメータには、起点MACアドレス、宛先MACアドレス、およびイーサタイプ/SAPのうちの少なくとも1つが含まれることを特徴とする方法。
- 請求項20に記載の方法であって、前記IEEE802.1P/Qパラメータには、802.1Pの優先度レンジおよび802.1QのVLANIDのうちの少なくとも1つが含まれることを特徴とする方法。
- 請求項14に記載の方法であって、前記無線ネットワークは、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)であることを特徴とする方法。
- 請求項14に記載の方法であって、前記局は、ポイントコーディネータ(PC)局であることを特徴とする方法。
- 請求項14に記載の方法であって、前記局は、非PC局であることを特徴とする方法。
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